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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】パレットコンテナ
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/04 20060101AFI20221214BHJP
   B65D 19/10 20060101ALI20221214BHJP
   B65D 90/20 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
B65D77/04 A
B65D19/10
B65D90/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522898
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2020000178
(87)【国際公開番号】W WO2021073766
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】202019004316.0
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202019004962.2
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591112326
【氏名又は名称】マウザー-ヴェルケ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Mauser-Werke GmbH
【住所又は居所原語表記】Schildgesstrasse 71-163, D-50321 Bruehl, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン ビショフ
(72)【発明者】
【氏名】マークス マイアー
(72)【発明者】
【氏名】クラウス-ペーター シュミット
【テーマコード(参考)】
3E063
3E067
3E170
【Fターム(参考)】
3E063AA11
3E063BA05
3E063BB01
3E063CA01
3E063CB03
3E063CB04
3E063DA05
3E063EE03
3E067AA03
3E067AA04
3E067AC01
3E067BA02B
3E067BA08C
3E067BA09C
3E067BB11C
3E067BB14B
3E067BC07B
3E067BC07C
3E067EB27
3E067FA04
3E067FC01
3E170AA30
3E170AB01
3E170AB11
3E170BA10
3E170DA07
3E170RA02
3E170RA17
3E170SA02
3E170SA20
3E170VA16
3E170WF06
(57)【要約】
本発明は、液状のまたは流動性のある充填物の保管および搬送のためのパレットコンテナ(10)であって、熱可塑性プラスチックから成る、薄壁で剛性のあるプラスチック内側容器(12)、互いに溶接された水平方向の管ロッド(18)と垂直方向の管ロッド(20)とから成る、支持カバーとしてプラスチック内側容器(12)を密に取り囲む管格子フレーム(14)、およびプラスチック内側容器(12)が載置されていて管格子フレーム(14)が堅固に接続されている底部パレット(16)を有しており、プラスチック内側容器(12)の上側には、ロッド状の少なくとも2つのクロスメンバ(22)が設けられており、これらのクロスメンバはその両端部で、それぞれ1つのねじ固定部を介して管格子フレーム(14)の上部の領域における対向する2つの側壁に取り付けられている、パレットコンテナ(10)を記載している。管格子フレーム(14)の上部の領域におけるこのような形式のパレットコンテナ(10)の手動による取り扱いをより安全に行うために、そして怪我の危険の可能性を減らすために、本発明によれば、クロスメンバ(22)のねじ固定部が完全に覆われて形成されていることが想定されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状のまたは流動性のある充填物の保管および搬送のためのパレットコンテナ(10)であって、熱可塑性プラスチックから成る、薄壁で剛性のあるプラスチック内側容器(12)、互いに溶接された水平方向の管ロッド(18)と垂直方向の管ロッド(20)とから成る、支持カバーとして前記プラスチック内側容器(12)を密に取り囲む管格子フレーム(14)、および前記プラスチック内側容器(12)が載置されていて前記管格子フレーム(14)が堅固に接続されている底部パレット(16)を有しており、前記プラスチック内側容器(12)の上側には、ロッド状の2つのクロスメンバ(22)が設けられており、前記クロスメンバはその両端部で、ねじ(48)によるそれぞれ1つのねじ固定部を介して、前記管格子フレーム(14)の上部の領域における対向する2つの側壁に取り付けられている、パレットコンテナ(10)において、
前記クロスメンバ(22,42)の両端部が端面側で、その両取付け点(26,28)で、前記管格子フレーム(14)の前記上部の領域における対向する2つの前記管ロッド(18,20)に対してねじ固定されており、前記ねじ(48)が、前記クロスメンバ(22,42)の端部(52)内に軸方向で進入することを特徴とする、パレットコンテナ(10)。
【請求項2】
中空管成形体を有する前記クロスメンバ(22,42)の前記両端部には、雌ねじ山(44)を備えたそれぞれ1つのねじナット(30)が取外し不能に堅固に装着されており、前記クロスメンバ(22,42)は、端面側にねじ込まれるねじ(48)によって、前記管格子フレーム(14)の、上部の水平方向の管ロッド(18)または垂直方向の管ロッド(20)に堅固に、ただし再び取外し可能にねじ固定されている、請求項1記載のパレットコンテナ(10)。
【請求項3】
前記クロスメンバ(22,42)の前記両端部は著しく押し込まれており、この押込み部(32)内には雌ねじ山(46)が直接成形されており、前記クロスメンバ(22,42)は、端面側にねじ込まれるねじ(48)によって、前記管格子フレーム(14)の、上部の水平方向の管ロッド(18)または垂直方向の管ロッド(20)に堅固にただし再び取外し可能にねじ固定されている、請求項1記載のパレットコンテナ(10)。
【請求項4】
前記クロスメンバ(22,42)の前記両端部は、全周にわたって延在する最上部の水平方向の管ロッド(18)のすぐ下で、対向する2つの垂直方向の管ロッド(20)にそれぞれねじ固定されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のパレットコンテナ(10)。
【請求項5】
前記クロスメンバ(22,42)の前記両端部は、前記垂直方向の管ロッド(20)の完全に平たく圧縮された領域にねじ固定されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のパレットコンテナ(10)。
【請求項6】
ねじ固定された前記クロスメンバ(22,42)を有する前記垂直方向の管ロッド(20)の前記平たく圧縮された領域(50)は、その他の垂直方向の管ロッド(20)の平たく圧縮された領域よりも、延長されて平たく圧縮されて形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のパレットコンテナ(10)。
【請求項7】
全周にわたって延在する最上部の前記水平方向の管ロッド(18)の下側の、前記垂直方向の管ロッド(20)の前記完全に平たく圧縮された領域(50)の自由な長さは、18mm~45mm、好適には32mmである、請求項1から6までのいずれか1項記載のパレットコンテナ(10)。
【請求項8】
端面側でねじ固定された前記両クロスメンバ(22,42)は、前記両取付け点(26,28)の間で直線状ではなく、弾性的なばねエレメント(24)として円弧状に形成されており、このために1つ以上の円弧状の区分を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載のパレットコンテナ(10)。
【請求項9】
前記両取付け点(26,28)の間の端面側でねじ固定された前記両クロスメンバ(22,42)の長さは、前記両取付け点(26,28)の間の直接的な間隔よりも1%~5%、好ましくは3%大きくなるように形成されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のパレットコンテナ(10)。
【請求項10】
前記垂直方向の管ロッド(20)の前記完全に平たく圧縮された領域でねじ固定された前記クロスメンバ(22)は、水平平面内に湾曲する比較的大きなそれぞれ1つの湾曲(34)を有しており、円弧状に湾曲した前記クロスメンバ(22)は、前記プラスチック内側容器(12)の上面(38)上に平坦に載置されており、前記両クロスメンバ(22)の前記大きな湾曲(34)は互いに離れる方向を向くように方向付けられている、請求項1から9までのいずれか1項記載のパレットコンテナ(10)。
【請求項11】
前記クロスメンバが、前記両取付け点(26,28)の間で直線状に形成されておらず、前記クロスメンバの前記両端部において、それぞれ下方に向かって成形された小さな湾曲(36)を有しており、それぞれ端面側で、全周にわたって延在する最上部の前記水平方向の管ロッド(18)に対して下方から当接して堅固にねじ固定されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のパレットコンテナ(10)。
【請求項12】
前記クロスメンバ(22,42)は、14mm~22mmの、好適には16mmの直径と、0.7mm~1.2mmの、好適には0.8mmの壁厚とを有する円形のまたは楕円形の管成形体を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載のパレットコンテナ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状のまたは流動性のある充填物の保管および搬送のためのパレットコンテナであって、熱可塑性プラスチックから成る、薄壁で剛性のある内側容器、互いに溶接された水平方向の管ロッドと垂直方向の管ロッドとから成る、支持カバーとしてプラスチック内側容器を密に取り囲む管格子フレーム、およびプラスチック内側容器が載置されていて管格子フレームが堅固に接続されている底部パレットを有しており、プラスチック内側容器の上側には、ロッド状の2つのクロスメンバが設けられており、これらのクロスメンバはその両端部で、ねじによるそれぞれ1つのねじ固定部を介して、管格子フレームの上部の領域における対向する2つの側壁に取り付けられている、パレットコンテナに関する。ロッド状のクロスメンバは、特に搬送震動および動的な振動が生じる際に、プラスチック内側容器が、または中央のねじキャップを備えたその上面が、過剰に膨らむことを阻止すべきものであり、とりわけ、パレットコンテナの望ましくない傾動の際に、管格子フレーム内のプラスチック内側容器を底部パレット上に保持するためにも、そして管格子フレームから滑り出ることを阻止するためにも機能すべきものである。パレットコンテナの多重利用のためにプラスチック内側容器を簡単に交換することができるように、クロスメンバの両端部は取外し可能に、管格子フレームの上部の領域に取り付けられていて、通常はねじ固定されている。平行に延在する2つのクロスメンバを備えたこのような形式のパレットコンテナは、例えば、国際公開第2012/085940号により公知である。独国特許出願公開第4425630号明細書に記載のパレット容器では、4つの同じクロスメンバが設けられており、互いに斜めに交差するそれぞれ2つのクロスメンバが、プラスチック内側容器のそれぞれ半分を覆っている。
【0002】
問題点:
総重量が1tを超えることが多い充填されたパレットコンテナは、例えば、トラックからの荷下ろしの際に、または高所の保管棚に収容する際に、フォークリフトで取り扱われる。パレットコンテナが短い距離だけ、例えば、倉庫から排出ステーションへとまたは充填物の使用場所へと搬送されるべき場合には、しばしばリフトトラックも使用される。しかしながら、空のパレットコンテナは手動で操作されることも多く、すなわち例えば傾けられたり、少し引っ張られたりする。この場合、パレットコンテナは常に、管格子フレームの上部の領域において、特に全周にわたって延在する最上部の水平方向の管ロッドにおいて、指または手で把持される。この際に、極めて頻繁に、クロスメンバの端部およびクロスメンバのねじ固定部が一緒に把持される。クロスメンバの端部は、通常平たく圧縮されており、全周にわたって延在する最上部の水平方向の管ロッドの周りに一度置かれて、その下方で、クロスメンバ自体に向かってねじ固定されている。この場合、クロスメンバの端部は通常、角の鋭い打抜き縁部を有しており、内側に向かって突出するねじの自由端部も見落とされることが多い。これにより、-保護手袋を着用していたとしても-残念なことに、悪質な切り傷または軽傷を負うおそれがある。
【0003】
課題:
したがって、本発明の課題は、管格子フレームの上部の領域において手で把持されるこのような形式のパレットコンテナの取り扱いを安全にすること、および怪我の危険の可能性を減らすことである。
【0004】
解決手段:
クロスメンバの両端部が端面側で、その両取付け点で、管格子フレームの上部の領域における対向する2つの管ロッドに対してねじ固定されており、ねじが、クロスメンバの、雌ねじ山が設けられた端部内に軸方向で進入することによって、安全な方法で怪我の危険を意図的に減らすことができる。クロスメンバの端部内にねじを軸方向で進入させることによるクロスメンバの取付けの本発明のこのような構造的な構成により、クロスメンバのねじ固定部は完全に覆われるように構成されており、ねじの自由端部が構成部品から突出することはできない。
【0005】
本発明の構成では、中空管成形体を有する各クロスメンバの両端部内に、雌ねじ山を備えたそれぞれ1つのねじナットが取外し不能に堅固に装着されており、クロスメンバは、端面側にねじ込まれるねじによって、管格子フレームの、上部の水平方向の管ロッドまたは垂直方向の管ロッドに堅固に、ただし再び取外し可能にねじ固定されていることが想定されている。堅固にかつ取外し不能に装着されるねじナットは、簡単にプレス嵌め、圧潰、または溶接することができる。
【0006】
本発明の好適な構成では、クロスメンバの各端部は著しく押し込まれており、この押込み部内には雌ねじ山が直接成形されており、クロスメンバは、端面側にねじ込まれるねじによって、管格子フレームの、上部の水平方向の管ロッドまたは垂直方向の管ロッドに堅固に、ただし再び取外し可能にねじ固定されていることが想定されている。このような構成の態様に関しては、クロスメンバの2つの隣接する端部がそれぞれ端面側で、隣接する2つの垂直方向の管ロッドの上端部に、全周にわたって延在する最上部の水平方向の管ロッドのすぐ下の平たく圧縮された領域でねじ固定されていることが想定されている。この場合、クロスメンバの両端部は、垂直方向の管ロッドの完全に平たく圧縮された領域にねじ固定されている。クロスメンバの端部のための平坦な接触個所を提供するために、ねじ固定されるクロスメンバのための垂直方向の管ロッドの平たく圧縮された領域は延長されて平たく圧縮されて形成されており、ひいてはその他の垂直方向の管ロッドの平たく圧縮された領域よりも長く形成されている。
【0007】
本発明の特別な構成では、クロスメンバが弾性的なばねエレメントとして形成されており、両取付け点の間で直線状ではなく円弧状に延在するように形成されており、1つ以上の円弧状区分を有している。好適な実施形態では、垂直方向の管ロッドの完全に平たく圧縮された領域でねじ固定されたクロスメンバは、水平平面内に湾曲する比較的大きなそれぞれ1つの湾曲を有しており、円弧状に湾曲したクロスメンバは、プラスチック内側容器の上面上に平坦に載置されており、両クロスメンバの大きな湾曲は互いに離れる方向を向くように方向付けられている。変化態様では、クロスメンバが、両取付け点の間で直線状に形成されておらず、クロスメンバの両端部において、それぞれ下方に向かって成形された小さな湾曲を有しており、それぞれ端面側で、全周にわたって延在する最上部の水平方向の管ロッドに対して下方から当接して堅固にねじ固定されていることが想定されている。
【0008】
弾性的なばねエレメントとして形成されたクロスメンバは、方形の、正方形の、楕円形の、または円形の管断面を有するロッド状の中空管として形成されてよく、この場合、その両取付け点の間で、端面側でねじ固定されるクロスメンバの長さは、クロスメンバの両取付け点の間の直接的な間隔よりも大きくなるように形成されている。したがって、管格子フレームの対向する長い両側壁の結合材としての、円弧状に湾曲した形状を有する両クロスメンバの好適な構成形式により、管格子フレームの上部の領域で生じる引張力は、弾性的なばねエレメントとして形成されたクロスメンバによって著しく緩和され、クロスメンバの取付け点またはねじ固定部にかかる負荷が明らかに減少する。振動試験では、円弧状に湾曲したクロスメンバが、弾性的なばねのように機能する。振動中は、内側容器の上面が上下に振動する。このような振動は、その上端点および下端点で、これまでは通常まっすぐであったクロスメンバを上方および下方に向かって弾性的に曲げ、このような曲げは、取付け点の間の間隔の短縮へと直接変換される。このような距離の短縮により、管格子フレームは上部の領域で、各行程で明らかに内側に向かって引っ張られる。これに対して、長手方向でも撓む新規の「ばね手段」によって、管格子フレームの上縁部では明らかに変形が減少し、ひいてはパレットコンテナの構成部分への負荷が軽減される。
【0009】
以下に、本発明を、概略的に図示した実施例に基づき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明によるパレットコンテナを示す斜視図である。
図2図1の本発明によるパレットコンテナの上部の領域を示す部分拡大図である。
図3】ばねエレメントとして形成されたクロスメンバを示す平面図である。
図4】クロスメンバの別の実施形態を示す側面図である。
図5】装着されたねじナットを備えたクロスメンバの右側の端部領域を示す部分拡大図である。
図6図4のクロスメンバの左側の端部領域を示す部分拡大図である。
図7】管格子フレームの上部の領域におけるクロスメンバの取付けを示す部分拡大図である。
図8】管格子フレームの上部の領域におけるクロスメンバの端面側のねじ固定部を示す部分拡大横断面図である。
図9】クロスメンバの端面側のねじ固定部を示す別の部分拡大側面図である。
図10図9のクロスメンバの端面側のねじ固定部を示す部分拡大横断面図である。
図11図9のクロスメンバの端面側のねじ固定部を示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1には、液状のまたは流動性のある充填物の保管および搬送のための本発明によるパレットコンテナ10(「IBC」=Intermediate Bulk Containerとも言う)が示されている。パレットコンテナ10は、熱可塑性プラスチック、例えばHDPEから成る、薄壁で剛性のあるプラスチック内側容器12、互いに溶接された水平方向の管ロッド18と垂直方向の管ロッド20とから成り、支持カバーとしてプラスチック内側容器12を密に取り囲む管格子フレーム14、およびプラスチック内側容器12が載置されていて管格子フレーム14が堅固に接続されている底部パレット16を有している。プラスチック内側容器12の上側にはロッド状の2つのクロスメンバ22が設けられており、これらのクロスメンバは、その両端部で、上部の管格子フレーム14の対向する2つの側壁に取り付けられている。両クロスメンバ22は、この場合、円弧状に湾曲した形状で弾性的なばねエレメント24として形成されている。クロスメンバ22の特別な構造的な構成は、クロスメンバの両端部が端面側で、その両取付け点26,28で、管格子フレーム14の上部の領域における対向する2つの管ロッド18,20に対して堅固に、ただし再び取外し可能にねじ固定されていて、ねじ48が、クロスメンバ22,42の、雌ねじ山44,46を備えた端部内に軸方向で進入することを特徴とする。
【0012】
クロスメンバ22,42は、その両取付け点26,28の間で、直線状または線形ではなく円弧状に形成されており、比較的大きな湾曲34を有している。この場合、両取付け点26,28の間のクロスメンバ22の長さは、完全に通常ではない形式で、クロスメンバ22の端部における両取付け点26,28の直接の間隔よりも大きく形成されている。クロスメンバ22,42の最適な弾性およびばね作用を得るために、両取付け点の間の湾曲線に相当するクロスメンバの長さは、両取付け点の間の直接的な間隔(円の弦に相当する)よりも1%~5%大きくなるように形成されていることが想定されている。これにより、湾曲の大きさと、クロスメンバの円弧状に湾曲した形状とが、弾性的なばねエレメントとして実現される。同じ幅寸法と長さ寸法とを有する600リットル、1000リットル、または1200リットルの充填容積を有する標準的なパレットコンテナでは、両取付け点26,28の互いの間隔は約960mmであり、クロスメンバ22の効果的な長さは約993mmである。同様の標準的なパレットコンテナでは、円弧状に形成されたクロスメンバ22は、300mm~700mmの、好ましくは500mmの大きな円弧半径を有していることが望ましい。
【0013】
本発明の上述した構造的な構成は、図2において拡大された部分図で詳しく示されている。この図では、円弧状に湾曲したクロスメンバ22は、-組み付けられた状態で-水平平面内で平坦に、プラスチック内側容器12の上面38上に載置されており、両クロスメンバ22の大きな湾曲34が互いに離れる方向を向くように方向付けられていることが明らかである。この場合、円弧状に湾曲したクロスメンバ22はそれぞれ、プラスチック内側容器12の上面38から外部に成形された保持環40によってガイドされており、保持環40は、組み付けられた円弧状のクロスメンバ22の真ん中に上から係合するように配置されている。本発明によるパレットコンテナの取り扱いの際には、特に搬送の際には、およびこのときに負荷が生じる際には、円弧状に湾曲した形状を有するクロスメンバは、一方では、-例えば内圧テストまたは落下テストの際にも-上方および下方に向かって上面が膨らむときに、弾性的に垂直方向で撓んで、膨出に適合することができ、クロスメンバは、上面の形状にいわば「沿う」ことができる。
【0014】
クロスメンバ22の両端部は、ねじ48によって取付け点26,28で、それぞれ端面側で、それぞれ2つの隣接する垂直方向の管ロッド20の上端部の平たく圧縮された領域に、全周にわたって延在する最も上方の水平方向の管ロッドのすぐ下でねじ固定されている。この場合、湾曲した円弧状のクロスメンバ22の取付け点26,28は、-これまでの通常のまっすぐなクロスメンバと比較して-管格子フレームの上部の領域の真ん中に向かってさらに移動しているが、この点は最大の引張負荷によって最大の膨出が生じるところであり、それを吸収すべきところである。このようにして、有利には、両クロスメンバ22の取付け点26,28は、直接隣接している2つの垂直方向の管ロッド20の上端部に位置している。通常の直線状に形成されるクロスメンバでは、このような真ん中での結合は不可能である。
【0015】
図3は、約500mmの大きな円弧半径を有する、ばねエレメントとして形成された円弧状のクロスメンバ22の平面図を示している。好適な実施形態では、クロスメンバ22,42は、14mm~22mmの、好適には16mmの直径と、0.7mm~1.2mmの、好適には0.8mmの壁厚とを有する円形の管成形体を有している。しかしながら、別の構成形式によれば、クロスメンバ22,42は、14mm~20mmの、好適には16mmの辺長さと、0.7mm~1.2mmの、好適には0.8mmの壁厚とを有する方形の管成形体を有していてもよい。
【0016】
図4には、2つの湾曲を備えたクロスメンバ42の別の実施形態の側面図が示されており、これらの2つの湾曲は、その端部領域において、それぞれ1つの-組み付けられた状態で見て-下方に向かって成形された、比較的小さな半径の小さな湾曲36を有しており、この小さな湾曲は上方を向いた端部を有しており、これらの2つの湾曲は(図8に詳細に示されているように)それぞれ端面側で、全周にわたって延在する最上部の水平方向の管ロッド18に対して下方からねじ固定されている。下方に向かって成形された小さな半径の2つの小さな湾曲36を有するクロスメンバ42の端部が、図6に部分拡大図で示されている。2つの湾曲36を有するクロスメンバ42の中空管成形体の開放端部内には、雌ねじ山44(例えば、M8またはM10)を備えたそれぞれ1つのねじナット30が堅固にかつ取外し不能に装着されている。取外し不能に装着されるねじナット30は、簡単にプレス嵌め、圧潰、または溶接することができる。図5の拡大図は、同じく取外し不能にプレス嵌め、圧潰、または溶接することができる装着されたねじナット30を備えた(大きな湾曲を備えた)クロスメンバ22の右側の端部を示している。
【0017】
端面側で、クロスメンバ22の中空管成形体の端部内にそれぞれ1つのねじ48がねじ込まれる取付の可能性が、図7に示されている。この場合、クロスメンバ22は、最上部の水平方向の管ロッド18のすぐ下で、端面側で外側から、-水平方向で-ねじ込まれるねじ48によって、対向する2つの垂直方向の管ロッド20の平たく圧縮された上端部に固定されている。
【0018】
2つの小さな湾曲36を備えたクロスメンバ42の端面側のねじ固定部の別の取付の可能性が、図8の拡大図に示されている。この場合、クロスメンバ42の両端部は、半径方向で著しく押し込まれており、この押込み部32内に直接、相応の雌ねじ山46が成形されている。端部領域に小さな湾曲36を備えたクロスメンバ42は、この場合、端面側で、下方から最上部の水平方向の管ロッド18に対して、上方から-垂直方向で-ねじ込まれるねじ48によって固定される。有利には、最上部の水平方向の管ロッド18は、ねじ穴の上方でわずかに凹設されており、ねじ48は、平小ねじ、皿小ねじ、または丸小ねじとして形成されているので、ねじは上方に向かって突出しない。相応に内部に成形された雌ねじ山46を有する押込み部32は、勿論、以下でさらに説明するように(1つだけの大きな湾曲を有する)クロスメンバ22でも形成されてよい。管格子フレーム14の水平方向の管ロッド18または垂直方向の管ロッド20には、クロスメンバ22,42の端部内にねじ48をねじ込むために、ねじ48のための相応の穴が設けられている。
【0019】
クロスメンバの端面側のねじ固定部は、ねじのねじ先端が、クロスメンバ22,42の中空管成形体内に完全に装着されて覆われているので、本発明によるパレットコンテナの取扱いの際には、これまで通常は突出したねじ先端を有する開放されたねじ固定部においてしばしば生じていたような怪我が、もはや生じ得ないという大きな利点を有している。通常はまっすぐである従来のクロスメンバは、中心軸線において直接、端面側でねじによって不十分に固定することしかできない。ねじを締め付ける際には、クロスメンバが一緒に回転し、クロスメンバは組付けのために、固定されなければならない。このような固定は、円弧状に湾曲した形状の本発明によるクロスメンバでは好適には省かれる。
【0020】
クロスメンバ22,42の本発明による好ましい構成では、クロスメンバ22,42の両端部が、半径方向に著しく押し込まれており、この押込み部32内に直接、相応する雌ねじ山、例えばM8が成形されている。
【0021】
図9には、押込み部32を備えたクロスメンバ22のねじ固定部が拡大された側面図で示されている。この場合、クロスメンバ22は、全周にわたって延在する最上部の水平方向の管ロッド18のすぐ下で、端面側で、管格子フレームの垂直方向の管ロッド20に対してねじ固定されている。垂直方向の管ロッド20は、取付け点の領域で平たく圧縮されて、ねじ込まれるねじ48のために貫通孔を有しており、このねじは、雌ねじ山が設けられた押込み部32内に軸方向でねじ込まれる。クロスメンバ22と、対応する垂直方向の管ロッド20との良好な端面側の全面的な接触を保証するために、この垂直方向の管ロッド20では、平たく圧縮された領域が、(クロスメンバを有さない)隣接する垂直方向の管ロッドの領域よりも長く形成されており、垂直方向の管ロッド20の完全に平たく圧縮された領域50の自由な長さは、全周にわたって延在する最上部の水平方向の管ロッド18下側で18mm~45mm、好適には32mmであるのが望ましい。具体的な構成では、完全に平たく圧縮された領域50の全長は、約48mm±2mmであり、この場合、ねじ48のための貫通孔の中心は、平たく圧縮された領域50の上縁部から約38mm±2mm離れている。
【0022】
図10には、図9のクロスメンバねじ固定部の断面図が再度示されている。ねじ48には、この場合、垂直方向の管ロッド20の平たく圧縮された領域50とのより大きな接触面のために、一体的な直径拡大ディスクが設けられている。平たく圧縮された領域50の下側には、(16×16mmの横断面プロフィールを有する)中空の管ロッド20の方形のベースプロフィールまでの移行領域が続いている。平たく圧縮された領域50を下方に向かって延長することにより、移行領域も、隣接する垂直方向の管ロッドと比較して相応する分だけ下方に向かってずらされる。
【0023】
最後に図11には、中央真ん中のねじキャップを備えたプラスチック内側容器12の上面の部分的な斜視図が再度示されている。この場合、垂直方向の管ロッド20の、延長された平たく圧縮された領域50が、載着されたクロスメンバ22と共に再度、明瞭に示されている。この好適な実施形態では、クロスメンバ22,(42)が、14mm~22mmの、好適には16mmの直径と、0.7mm~1.2mmの、好適には0.8mmの壁厚とを有する円形のまたは楕円形の管成形体を有していることが想定されている。端面側で軸方向にクロスメンバ内にねじ込まれたねじは、このような形式のねじ固定部では、クロスメンバの中空管成形体内に完全に隠れている。
【0024】
図示したすべての態様では、クロスメンバ22,42の両端部は端面側で、管格子フレームの最上部の水平方向の管ロッド18にまたは4つの垂直方向の管ロッド20に堅固に、ただしプラスチック内側容器12を交換する目的で再び取外し可能にねじ固定されている。
【0025】
ばねエレメントとしてのクロスメンバ22,42の円弧状に形成された様々な態様により、上部の管格子フレーム14における、クロスメンバ22,42の両端部の水平方向または垂直方向のねじ固定による様々な形式の取付けが可能である。クロスメンバおよび取付の可能性の説明した構成は、本発明の範囲内で互いに簡単に組み合わせることができ、相互に交換することができる。
【0026】
総括:本発明によって-いわばクロスメンバの端部内に隠れる-完全にカバーされるねじによって、クロスメンバ22,42を端面側でねじ固定することによって、パレットコンテナ10では、比較的簡単な形式で、管格子フレーム14の上部の領域を、怪我の危険に関してより安全に形成することができ、充填されたパレットコンテナを取り扱う際の作動安全性を著しく高めることができる。
【符号の説明】
【0027】
10 パレットコンテナ
12 プラスチック内側容器
14 管格子フレーム
16 底部パレット
18 水平方向の管ロッド(14)
20 垂直方向の管ロッド(14)
22 クロスメンバ
24 ばねエレメント(22)
26 取付け点(22)
28 対向取付け点(22)
30 ねじナット(22)
32 押込み部(22)
34 大きな湾曲(22)
36 小さな湾曲(22)
38 上面(12)
40 保持環(38)
42 2つの湾曲を備えたクロスメンバ
44 雌ねじ山(30)
46 雌ねじ山(32)
48 ねじ(30,32)
50 延長された平たく圧縮された領域(20)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】