(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】二つの電極を含む加熱ユニットを有するシーシャシステム
(51)【国際特許分類】
A24F 1/30 20060101AFI20221214BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20221214BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20221214BHJP
【FI】
A24F1/30
A24F40/10
A24F40/465
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022523058
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(85)【翻訳文提出日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 EP2020077264
(87)【国際公開番号】W WO2021073867
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】エメット ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス フローレス アナ イザベル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC22
4B162AC27
4B162AC34
4B162AD22
(57)【要約】
エアロゾル発生物品(90)およびシーシャ装置(50)を含むシーシャシステム。エアロゾル発生物品(90)はエアロゾル形成基体(92)を含む。シーシャシステムは、さらに第一の電極(15)および第二の電極(16)を含む。シーシャ装置(50)は、液体を含むように構成された液体空洞(54)を備え、液体空洞(54)は、ヘッドスペース出口(60)を有し、物品空洞(14)は、エアロゾル形成基体(92)を受容するように構成され、物品空洞(14)は、液体空洞(54)と流体連通している。シーシャ装置は、第一の電極(15)および第二の電極(16)への接続のために構成された発振回路(10)をさらに含む。発振回路(10)は、第一の電極(15)および第二の電極(16)に無線周波数(RF)交流電圧を供給するように構成され、エアロゾル発生物品(90)が物品空洞内(14)に受容される時に、エアロゾル形成基体(92)を加熱するために、第一の電極(15)と第二の電極(16)との間に交流無線周波数(RF)電磁場を生成する、第一の電極(15)と第二の電極(16)との間のRF電圧を提供する発振回路。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーシャシステムであって、
エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品と、
第一の電極および第二の電極と、
シーシャ装置であって、
液体を収容するよう構成された液体空洞であって、前記液体空洞はヘッドスペース出口を有する、液体空洞と、
前記エアロゾル形成物品を受容するように構成された物品空洞であって、前記物品空洞は前記液体空洞と流体連通している、物品空洞と、
前記第一の電極および前記第二の電極への接続のために構成された発振回路と、を備えるシーシャ装置と、を含み、
前記発振回路は、前記第一の電極および前記第二の電極に無線周波数(RF)交流電圧を供給するように構成され、前記第一の電極と前記第二の電極との間の前記RF電圧は、前記エアロゾル発生物品が前記物品空洞に受容されたときに、前記エアロゾル形成基体を加熱するために交流無線周波数(RF)電磁場を前記第一の電極と前記第二の電極との間に発生させる、シーシャシステム。
【請求項2】
前記第一の電極および前記第二の電極が、前記エアロゾル発生物品が前記物品空洞内に受容されるとき、前記エアロゾル発生物品に接触するよう配置される、請求項1に記載のシーシャシステム。
【請求項3】
前記第二の電極が、前記エアロゾル形成基体の少なくとも一部分が前記第一の電極と前記第二の電極との間に受容されるように、前記第一の電極から間隙を介して設置される、請求項1または2に記載のシーシャシステム。
【請求項4】
前記シーシャ装置が前記第一の電極および前記第二の電極を備え、前記第一の電極および前記第二の電極が前記物品空洞内またはその周りに配置される、請求項1、2、または3に記載のシーシャシステム。
【請求項5】
前記エアロゾル発生物品は、前記第一の電極および前記第二の電極を含み、前記エアロゾル形成基体の少なくとも一部分が前記第一の電極と前記第二の電極との間に位置付けられ、
前記シーシャ装置は、前記第一の電極を前記発振回路に電気的に接続するための第一の電気接点を含み、
前記シーシャ装置は、前記第二の電極を前記発振回路に電気的に接続するための第二の電気接点を含む、請求項1、2、または3に記載のシーシャシステム。
【請求項6】
前記シーシャ装置が、前記第一の電極と前記第二の電極のうちの一方を含み、
前記エアロゾル発生物品が、前記第一の電極および前記第二の電極のうちの他方を含み、
前記シーシャ装置が、前記第一の電極および前記第二の電極のうちの前記他方を前記発振回路に電気的に接続するための電気接点をさらに含む、請求項1、2、または3に記載のシーシャシステム。
【請求項7】
一つ以上のスロットが、前記第一の電極および前記第二の電極の少なくとも一つに形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のシーシャシステム。
【請求項8】
前記第一の電極および前記第二の電極が実質的に平面であり、前記第二の電極が前記第一の電極と実質的に平行に配置される、請求項1~7のいずれか一項に記載のシーシャシステム。
【請求項9】
前記第一の電極が管状電極であり、前記第二の電極が前記管状第一の電極内に配置される、請求項1~8のいずれか一項に記載のシーシャシステム。
【請求項10】
シーシャ装置であって、
液体を収容するよう構成された液体空洞であって、前記液体空洞はヘッドスペース出口を有する、液体空洞と、
エアロゾル発生物品を受容するための物品空洞であって、前記物品空洞は前記液体空洞と流体連通している、物品空洞と、
第一の電極および第二の電極であって、前記第一の電極および前記第二の電極は前記物品空洞内またはその周りに配置される、第一の電極および第二の電極と、
前記第一の電極および前記第二の電極に接続され、無線周波数(RF)交流電圧を前記第一の電極および前記第二の電極に供給するように構成された発振回路であって、前記第一の電極と前記第二の電極との間の前記RF電圧は、前記エアロゾル発生物品が前記第一の電極と前記第二の電極との間の前記空洞に受容されたときに、前記エアロゾル形成基体を加熱するために交流無線周波数(RF)電磁場を前記第一の電極と前記第二の電極の間に発生させる、発信回路と、を備える、シーシャ装置。
【請求項11】
シーシャ装置であって、
液体を収容するよう構成された液体空洞であって、前記液体空洞はヘッドスペース出口を有する、液体空洞と、
エアロゾル発生物品を受容するための物品空洞であって、前記物品空洞は前記液体空洞と流体連通している、物品空洞と、
前記物品空洞内またはその周りに配置された第一の電極と、
第二の電極を含むエアロゾル発生物品が前記物品空洞内に受容される時に、第二の電極に電気的に接続するよう、前記物品空洞内またはその周りに配置される電気接点と、
前記第一の電極および前記電気接点に接続され、無線周波数(RF)交流電圧を前記第一の電極および前記電気接点に供給するように構成される発振回路と、を含む、シーシャ装置。
【請求項12】
シーシャ装置であって、
液体を収容するよう構成された液体空洞であって、前記液体空洞はヘッドスペース出口を有する、液体空洞と、
エアロゾル発生物品を受容するための物品空洞であって、前記物品空洞は前記液体空洞と流体連通している、物品空洞と、
前記物品空洞内またはその周りに配置され、前記物品空洞内に受容される第一の電極への電気的接続のために配置される第一の電気接点と、
前記物品空洞内またはその周りに配置され、前記物品空洞内に受容される第二の電極への電気的接続のために配置される第二の電気接点と、
前記第一の電気接点および前記第二の電気接点に接続され、無線周波数(RF)交流電圧を前記第一の電気接点および前記第二の電気接点に供給するように構成される発振回路と、を含む、シーシャ装置。
【請求項13】
電気的に加熱されるシーシャシステムのためのエアロゾル発生物品であって、
第一の電極および前記第一の電極から離間して基体空洞を形成する第二の電極と、
前記基体空洞内に配置されたエアロゾル形成基体と、を備える、エアロゾル発生物品。
【請求項14】
前記第一の電極および前記第二の電極が実質的に平面であり、前記第二の電極が前記第一の電極と実質的に平行に配置される、請求項13に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項15】
前記第一の電極が管状電極であり、前記第二の電極が前記第一の電極内に配置される、請求項13に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項16】
一つ以上のスロットが、前記第一の電極および前記第二の電極の少なくとも一つに形成される、請求項13~15のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるためのシーシャシステムに関する。特に、本開示は、シーシャシステム、シーシャ装置、およびシーシャ装置と共に使用するためのシーシャ物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシーシャ装置は、当該技術分野では、時に、水たばこ、カルヤン、ナルギル、または水パイプと呼ばれる。従来のシーシャ装置は、シーシャ装置中の加熱された基体から放出された揮発性化合物が、ユーザーによって吸入される前に液体盤を通して引き出されるという点で、他のエアロゾル発生装置とは異なる。従来のシーシャ装置は、一つの出口を含んでもよく、または二人以上のユーザーが一度に装置を使用することができるように二つ以上の出口を含んでもよい。
【0003】
従来のシーシャ装置は典型的に、シーシャ基体と組み合わせて使用され、当該技術において、水たばこ、たばこ糖蜜、または単に糖蜜と称されることがある。従来のシーシャ基体は、従来の可燃性紙巻たばこに見られる場合がある約20パーセントと比較して、糖分が比較的多く、場合によっては、最大約50パーセントの糖分を含む。
【0004】
従来のシーシャ装置はまた、木炭を利用して、シーシャ基体を加熱し時には燃焼してユーザーによる吸入のためのエアロゾルを発生させる。シーシャ基体を加熱するために木炭を使用することによって、たばこおよびシーシャ基体中の他の原料を完全にまたは部分的に燃焼させうる。
【0005】
異なるタイプの電気的に作動するシーシャシステムが提案されている。電気的に作動するシーシャシステムは、従来のシーシャ装置の木炭熱源を電気的に作動するヒーターで置き換えている。ほぼすべての提案された電気的に作動するシーシャシステムは、発熱体からエアロゾル形成基体への熱の伝導、発熱体からエアロゾル形成基体への熱の放射、またはエアロゾル形成基体を通して加熱された空気を引き出すことのうちの一つ以上によって、エアロゾル形成基体を加熱する。最も一般的には、加熱は、電気抵抗性のある発熱体に電流を流し、発熱体のジュール加熱を生じさせることによって達成される。誘導加熱システムも提案されており、ジュール加熱は、サセプタ発熱体に誘導された渦電流の結果として起こる。
【0006】
以前に提案された電気的に作動するシーシャ装置に関する一つの問題は、エアロゾル形成基体の不均一な加熱を生じさせる場合があることである。発熱体に最も近いエアロゾル形成基体の部分は、発熱体からより離れたエアロゾル形成基体の部分よりも速く、またはより高温に加熱される。
【0007】
より大きな設計の柔軟性を可能にし、かつ加熱制御を可能にする様式で、エアロゾル形成基体の均一な加熱を提供できることが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
本開示では、シーシャシステムが提供される。シーシャシステムは、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を含んでもよい。シーシャシステムは、第一の電極を含んでもよい。シーシャシステムは、第二の電極を含んでもよい。シーシャシステムは、シーシャ装置を含んでもよい。シーシャ装置は、液体を収容するように構成された液体空洞を含んでもよく、液体空洞はヘッドスペース出口を持つ。シーシャ装置はエアロゾル形成物品を受容するように構成された物品空洞を含んでもよく、物品空洞と液体空洞は流体連通している。シーシャ装置は、第一の電極および第二の電極への接続のために構成された発振回路を含んでもよい。発振回路は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容された時に、前期エアロゾル形成基体を加熱するために、第一の電極および第二の電極に無線周波数(RF)交流電圧が供給されるよう構成されもよい。第一の電極と第二の電極との間のRF電圧は、第一の電極と第二の電極との間に交流無線周波数(RF)電磁場を生成しうる。
【0009】
本明細書で使用される場合、用語「無線周波数(RF)交流電圧」は、無線周波数(RF)範囲内の周波数で交流になる交流電圧を指す。
【0010】
特に、本開示では、シーシャ装置と、エアロゾル発生物品とを備えるシーシャシステムが提供されている。エアロゾル発生物品はエアロゾル形成基体を含む。シーシャシステムは、第一の電極および第二の電極をさらに含む。シーシャ装置は、液体を収容するように構成された液体空洞を含み、液体空洞はヘッドスペース出口を持つ。シーシャ装置はエアロゾル形成物品を受容するように構成された物品空洞をさらに含み、物品空洞と液体空洞は流体連通している。シーシャ装置は、第一の電極および第二の電極への接続のために構成された発振回路をさらに含む。発振回路は、前期エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容された時に、エアロゾル形成基体を加熱するために、第一の電極および第二の電極に無線周波数(RF)交流電圧が供給されるよう構成される。
【0011】
こうしたシーシャ装置は、第一の電極と第二の電極との間のRF電圧が第一の電極と第二の電極との間の交流無線周波数(RF)電磁場を生成する際に、物品空洞内のエアロゾル形成基体の誘電加熱を生じさせるように構成される。誘電加熱は、ホットスポットの生成なしに、エアロゾル形成基体において均一でありうる。特に、誘電加熱は、伝導体を介して基体に熱を伝達する従来のヒーターと比較して、第一の電極および第二の電極と接触する基体の燃焼の可能性を低減する。シーシャ装置は、エアロゾル形成基体の形状、体積および組成、ならびに相応して物品空洞の形状および体積に関して、かなりの設計柔軟性を可能にする。
【0012】
第一の電極および第二の電極は、任意の適切なサイズ、形状および構成を有してもよい。
【0013】
一部の実施形態では、第一の電極および第二の電極は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容されるとき、物品空洞内またはその周りに配置される。
【0014】
いくつかの実施形態では、第一の電極および第二の電極は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容されるとき、エアロゾル発生物品に接触するよう配置される。エアロゾル発生物品と第一の電極と第二の電極との間の接触は、エアロゾル形成基体の誘電加熱の効率を改善し得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の周りにラッパーまたはハウジングを備えてもよく、第一および第二の電極は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容される時に、エアロゾル発生物品のラッパーまたはハウジングと接触してもよい。エアロゾル形成基体の周りにラッパーまたはハウジングを提供することにより、エアロゾル形成基体残基が発熱体上に蓄積し得る従来の発熱体配置と比較して、第一の電極および第二の電極を掃除する必要性がなくなる結果となってもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、第一の電極および第二の電極のうちの少なくとも一つは、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容される時に、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と接触するように配置される。一部の好ましい実施形態では、第一の電極および第二の電極の両方が、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容されるとき、エアロゾル形成基体に接触するよう構成される。
【0017】
一部の好ましい実施形態では、第二の電極は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分が第一の電極と第二の電極との間に受容されるように、第一の電極から間隙を介して配置される。特に、第二の電極は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容された時に、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分が第一の電極と第二の電極との間に受容されるように、第一の電極から間隙を介して配置される。これらの実施形態では、第一の電極、第二の電極、およびエアロゾル形成基体は、コンデンサを形成するとみなされ得る。
【0018】
一部の実施形態では、第一および第二の電極のうちの少なくとも一つは、実質的に平面であってもよい。実質的に平面の電極は、実質的に楕円形、円形、正方形、長方形、またはその他の任意の多角形形状を有してもよい。
【0019】
一部の好ましい実施形態では、第一の電極は実質的に平面の電極であり、第二の電極は実質的に平面の電極である。これらの実施形態では、第二の電極は、第一の電極に対して実質的に平行となるように配置されうる。一部の特に好ましい実施形態では、第二の電極は、第一の電極の反対に配設される。第一の電極および第二の電極は、物品空洞の反対側に配置されうる。第一の電極は、第二の電極の真反対に配置されうる。言い換えれば、第二の電極は第一の電極に向かい合うように配置されうる。第二の電極は、第一の電極の反対に向かい合うように配設されうる。一部の実施形態では、第二の電極は、第一の電極に隣接して、またはその隣に配置される。第二の電極が、第一の電極に隣接して、またはその隣に配置される場合、第一の電極と第二の電極が第三の電極とは反対側に間隔を置いて配置される場合、第三の電極は電気的に接地される。
【0020】
一部の実施形態では、第一および第二の電極のうちの少なくとも一つは、実質的に管状であってもよい。一部の実施形態では、第一および第二の電極のうちの少なくとも一つは、実質的に円筒形状であってもよい。電極は、実質的に円筒形状の管状電極であってもよい。
【0021】
一部の実施形態では、第一および第二の電極のうちの少なくとも一つは、実質的に細長い形状でもよい。
【0022】
一部の好ましい実施形態では、第一の電極および第二の電極のうちの一つは、実質的に管状電極であり、第一の電極および第二の電極の他方は管状電極内に配置される。言い換えれば、管状電極は、他の円筒形状電極を実質的に囲んでもよい。一部の実施形態では、第一の電極は管状電極であり、第二の電極は管状の第一の電極内に配置される。一部の実施形態では、第二の電極は管状電極であり、第一の電極は管状の第二の電極内に配置される。管状電極は、内側通路を備える。管状電極内に配置された電極は、管状電極の内側通路内に配置されてもよい。これらの好ましい実施形態では、第一の電極と第二の電極は実質的に同軸上に配置されうる。
【0023】
一部の実施形態では、第一の電極および第二の電極のうちの少なくとも一つは、空気が電極を通って流れることを可能にするために、ガス透過性である。一部の実施形態では、第一の電極および第二の電極のうちの少なくとも一つの少なくとも一部分は、ガス透過性材料から形成されてもよい。一部の実施形態では、一つ以上のスロットが、第一の電極および第二の電極のうちの少なくとも一つに作成される。一つ以上のスロットは、十分な空気が電極を通って流れることを可能にするための任意の形状、サイズ、数、および配置を取りうる。一部の実施形態では、第一の電極および第二の電極のうちの少なくとも一つ金属網より形成される。
【0024】
電極は、任意の適切な表面積を有してもよい。適切な電極表面積は、約0.5平方センチメートル(cm2)~約100平方センチメートル(cm2)でもよい。例えば、適切な電極表面積は、約1平方センチメートル~約80平方センチメートル(cm2)でもよい。一部の好ましい実施形態では、電極は、約20平方センチメートル(cm2)または約25平方センチメートル(cm2)の表面積を有してもよい。
【0025】
第二の電極は、第一の電極から任意の間隙を介してもよい。例えば、第二の電極は第二の電極から、約0.1ミリメートル~約20ミリメートル、または約0.1ミリメートル~約10ミリメートル、または約1ミリメートル~約10ミリメートルの間隙を介してもよい。
【0026】
一部の実施形態では、シーシャ装置は第一の電極および第二の電極を含む。これらの実施形態では、第一の電極および第二の電極は、シーシャ装置の物品空洞内またはその周りに配置されてもよい。第二の電極は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分が第一の電極と第二の電極との間に受容されるように、第一の電極から間隙を介して配置されてもよい。第一の電極および第二の電極は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容されるとき、エアロゾル発生物品に接触するよう配置され、構成されてもよい。これらの実施形態の一部では、第一の電極および第二の電極は、エアロゾル発生物品が第一の電極と第二の電極との間の所定の空間内に導入され得るように、実質的に固定された位置に配置される。これらの実施形態の一部では、第一の電極および第二の電極のうちの少なくとも一つは、エアロゾル発生物品を物品空洞内に導入すること、およびエアロゾル発生物品を物品空洞から除去することを可能にするために、他の電極に対して移動可能である。これらの実施形態の一部では、第一の電極および第二の電極のいずれか一つは、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容されるとき、エアロゾル発生物品を貫通するように配置されてもよい。
【0027】
これらの実施形態の一部では、電極は、エアロゾル形成基体を貫通するように構成されうる。例えば、電極は、ピンまたは刃の形態であってもよい。好ましくは、エアロゾル形成基体を貫通するように構成された電極は細長い。特に、第一の電極および第二の電極のうちの一つが、第一の電極および第二の電極の他方によって実質的に囲まれる場合、他の電極によって囲まれた電極は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容される時に、エアロゾル発生物品を貫通するように構成されうる。エアロゾル発生物品を貫通するように構成された電極は、物品空洞内に延在してもよい。第一の電極および第二の電極のうちの一つが円筒形の管状電極であるこれらの実施形態の一部では、円筒形の管状電極は、物品空洞の表面を画定してもよい。第一の電極および第二の電極が平面電極であるこれらの実施形態の一部では、第一の電極および第二の電極は、物品空洞の対向面を形成してもよい。
【0028】
一部の実施形態では、シーシャ装置は、第一の電極および第二の電極のうちの一つを含み、エアロゾル発生物品は、第一の電極および第二の電極のうちの他の一つを含む。これらの実施形態では、シーシャ装置は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容される時に、エアロゾル発生物品の電極を発振回路に電気的に接続するための電気接点を含む。これらの実施形態では、シーシャ装置の電極は、物品空洞内またはその周りに配置されてもよく、シーシャ装置の電気接点は、物品空洞内またはその周りに配置されてもよい。
【0029】
これらの実施形態では、シーシャ装置の電極は、任意の適切なタイプの電極であってもよい。例えば、電極は、平面電極または管状電極であってもよい。これらの実施形態では、電極は細長い電極であってもよい。電極は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容されるとき、エアロゾル発生物品に接触するよう配置されてもよい。電極は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容されるとき、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体に接触するよう配置されてもよい。電極は、サセプタ素子は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容された時に、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を貫通するよう構成されてもよい。
【0030】
これらの実施形態では、シーシャ装置の電気接点は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容される時に、エアロゾル発生物品の電気接点に電気的に接続するよう配置される。これらの実施形態では、シーシャ装置の電極は、シーシャ装置の電気接点から間隔を置いている。シーシャ装置の電気接点は、任意の適切な形状およびサイズであってもよく、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容される時に、エアロゾル発生物品の電気接点と電気的接続するように、任意の適切な位置に配置されてもよい。例えば、電気接点は、物品空洞の側壁に配置されてもよい。シーシャ装置の電気接点は、点接点、リング接点、またはピン接点を形成しうる。
【0031】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は、第一の電極および第二の電極を含み、シーシャ装置は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容された時に、第一の電極と接触するための第一の電気接点と第二の電極と接触するための第二の電気接点を含む。第一の電気接点は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容される時に、エアロゾル発生物品の第一の電極に電気的接続するよう配置される。第二の電気接点は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容される時に、エアロゾル発生物品の第二の電極に電気的接続するよう配置される。第一の電気接点は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容される時に、エアロゾル発生物品の第一の電気接点に電気的接続するように、任意の好ましい位置に配置されてもよい。第二の電気接点は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容される時に、エアロゾル発生物品の第二の電気接点に電気的接続するように、任意の適切な位置に配置されてもよい。例えば、第一および第二の電気接点は、双方もしくはどちらか一方が、物品空洞の側壁に配置されてもよい。シーシャ装置の第一及び第二の電気接点は、点接点、リング接点、またはピン接点を形成しうる。一部の実施形態では、第二の電気接点は、実質的に第一の電気接点と実質的に同一である。一部の実施形態では、第二の電気接点は、第一の電気接点と異なっていてもよい。
【0032】
シーシャ装置は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容された時に、エアロゾル形成基体を加熱するために、第一の電極および第二の電極に無線周波数(RF)交流電圧が供給されるよう構成された発振回路を含む。
【0033】
発振回路は、無線周波数(RF)信号発生器を含んでもよい。RF信号発生器は、任意の適切なタイプのRF信号発生器であってよい。一部の実施形態では、RF信号発生器は、ソリッドステートRFトランジスタである。有利なことに、ソリッドステートRFトランジスタは、RF電磁場を発生および増幅するように構成されうる。単一のトランジスタを使用して、RF電磁場の発生および増幅の両方を提供することにより、シーシャ装置をコンパクトにすることが可能になる。ソリッドステートRFトランジスタは、例えば、LDMOSトランジスタ、GaAs FET、SiC MESFET、またはGaN HFETであってもよい。
【0034】
一部の実施形態では、発振回路は、RF信号発生器と第一の電極および第二の電極との間に配置される周波数シンセサイザをさらに含み得る。
【0035】
一部の実施形態では、発振回路は、RF信号発生器と第一の電極および第二の電極との間に配置される位相シフトネットワークをさらに含み得る。発振回路が位相シフトネットワークを含む場合、位相シフトネットワークは、RF信号発生器から受信したRFエネルギーを、互いに位相がずれている二つの別個の等しい構成要素に分割する。典型的には、位相シフトネットワークは、構成要素のうちの一つを第一の電極に供給し、他方の構成要素を第二の電極に供給する。RF信号発生器から受信されるRFエネルギーの二つの実質的に等しい構成要素は、好ましくは、実質的に90度または180度互いに位相がずれている。二つの実質的に等しい構成要素は、90度または180度の任意の倍数だけ互いに位相がすれていてもよい。二つの構成要素間の正確な位相関係は重要ではなく、むしろ二つの構成要素が同相でないことが重要であると理解されよう。
【0036】
一部の実施形態では、位相ネットワークは、RF信号発生器からのRFエネルギーを、一方が他方と異相であり、各構成要素が第一の電極および第二の電極の異なるいずれか一方に適用される、二つの実質的に等しい構成要素に分割するように構成される。これらの実施形態の一部では、第一の電極および第二の電極は、反対に、互いに向かい合って配置されてもよい。これらの実施形態の一部ではは、第一の電極および第二の電極は、接地された第三の電極から離間し、そして第三の電極に向かい合うように、並んで配設される。第一および第二の電極と第三の電極との間の空間は、物品空洞を形成しうる。
【0037】
本明細書で使用される無線周波数(RF)は、約1ヘルツ(Hz)~約300メガヘルツ(MHz)の周波数を意味する。従って、本明細書で使用されるRF周波数はマイクロ波周波数を含む。RF電磁場は、約1ヘルツ(Hz)~約300メガヘルツ(MHz)の周波数を有することが好ましい。RF電磁場は、約1メガヘルツ(MHz)~約300メガヘルツ(MHz)の周波数を有することがより好ましい。一実施形態では、RF電磁場は約4メガヘルツ(MHz)の周波数を有する。
【0038】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、典型的に、エアロゾル発生物品の一部である。例えば、エアロゾル形成基体は、シーシャエアロゾル形成基体としうる。
【0039】
シーシャエアロゾル形成基体はまた、当該技術分野では、水たばこ、たばこ糖蜜、または単に糖蜜と称されうる。シーシャエアロゾル形成基体は、従来の可燃性紙巻たばこ、または喫煙の体験を真似るために燃焼することなく加熱されることを意図するたばこベースの消耗品と比較して、比較的高い糖分を有しうる。エアロゾル形成基体は、後でより詳細に記載される。
【0040】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、シーシャ装置のためのカートリッジであってもよい。シーシャ装置のためのカートリッジは、エアロゾル形成基体を含む。シーシャ装置のためのカートリッジは、シーシャエアロゾル形成基体を含むことが好ましい。シーシャ装置のためのカートリッジは、シーシャ装置によって受容可能であり、ユーザーがシーシャ装置のマウスピースから引き出すかまたは吸煙することによって吸入可能なエアロゾルを発生させるためにシーシャ装置と動作可能である。エアロゾル発生物品は、使い捨てであってもよい。
【0041】
本明細書で使用される場合、「シーシャ装置」という用語は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を指す。シーシャ装置は、エアロゾル形成基体から分離している。シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を加熱するために、エアロゾル形成基体との組み合わせ用に構成されている。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。シーシャ装置は、エアロゾル発生物品から分離している。シーシャ装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するために、エアロゾル発生物品との組み合わせ用に構成されている。シーシャ装置は、少なくとも、加熱された基体から放出された揮発性化合物が、ユーザーによって吸入される前にシーシャ装置の液体盤を通して引き出されるという点で、他のエアロゾル発生装置とは異なる。シーシャ装置は、二人以上のユーザーが一度に装置を使用することができるように二つ以上の出口を含んでもよい。シーシャ装置は、エアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物を液体盤に方向付けるための、ステムパイプなどの気流導管を備えてもよい。
【0042】
本明細書で使用される「シーシャシステム」という用語は、シーシャ装置と、エアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品との、組み合わせを指す。シーシャシステムでは、エアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、シーシャ装置とが協働してエアロゾルを発生させる。
【0043】
シーシャ装置は、シーシャ装置によって発生されたエアロゾルが、ユーザーによってエアロゾルが吸入される前に、液体(典型的には水)を通して引き出されるという点で、他のエアロゾル発生装置とは異なる。より詳細には、ユーザーがシーシャ装置を吸う時、加熱されたエアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物が、シーシャ装置の気流導管を通して液体の中に引き出される。揮発性化合物は、液体からシーシャ装置のヘッドスペースに引き出され、ここで揮発性化合物はエアロゾルを形成する。次いで、ヘッドスペース中のエアロゾルは、ユーザーによる吸入のためにヘッドスペース出口でヘッドスペースから引き出される。液体(典型的には水)積は、揮発性化合物の温度を低下させるように作用し、シーシャ装置のヘッドスペース中に形成されるエアロゾルに追加的な含水量を付与しうる。このプロセスは、シーシャ装置を使用するプロセスに特有の特徴をユーザーに対して加え、シーシャ装置によって発生され、ユーザーによって吸入されるエアロゾルに特有の特徴を付与する。
【0044】
一部の好ましい実施形態では、シーシャ装置は、加熱されたエアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物を、物品空洞から液体空洞に搬送するための気流導管を備える。より具体的には、シーシャ装置は、加熱されたエアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物を、物品空洞から液体空洞内の液体に搬送するように構成された気流導管を含んでもよい。典型的には、気流導管は、エアロゾルを物品空洞から液体空洞の液体充填レベルより下に搬送するように構成されている。液体空洞の液体充填レベルは、シーシャ装置が最適に動作されうるように、液体空洞が液体で充填されることが意図されるレベルである。気流導管は、液体空洞の液体充填レベルより下に、液体空洞の開口部を有してもよい。
【0045】
シーシャ装置は、ヘッドスペース出口を備える。ヘッドスペース出口は、それを通してエアロゾルが液体空洞から引き出されうる出口である。ヘッドスペース出口は、液体空洞の液体充填レベルより上に配設されてもよい。液体空洞の液体充填レベルより上の空間は、ヘッドスペースと呼ばれる。液体空洞のヘッドスペースは、物品空洞から、液体空洞中の液体を通して引き出された揮発性化合物が凝縮して、ユーザーによる吸入に適したエアロゾルを形成しうる空間である。液体空洞のヘッドスペースは、液体空洞中の液体のいずれも含むことを意図していない。従って、ヘッドスペースは、液体空洞が液体で充填されることを意図したレベルである、液体空洞の液体充填レベルより上に配設されてもよい。ヘッドスペース出口は、エアロゾルが液体空洞から引き出されるのを可能にするように配置されてもよい。ヘッドスペース出口は、ヘッドスペースと流体連通していてもよい。
【0046】
マウスピースは、ヘッドスペース出口に流体接続していてもよい。マウスピースは、ユーザーがシーシャ装置によって発生させられたエアロゾルを吸うために構成されてもよい。一部の実施形態では、マウスピースはヘッドスペース出口に固定されてもよい。言い換えれば、マウスピースは、マウスピースおよびヘッドスペース出口の一方または両方を損傷することなく、ヘッドスペース出口からマウスピースが取り外されないように、ヘッドスペース出口に取り付けられてもよい。マウスピースは、ヘッドスペース出口に取り外し可能なように結合可能でありうる。言い換えれば、マウスピースは、ヘッドスペース出口に取り付けられるように、およびヘッドスペース出口から取り外されるように構成されうる。一部の実施形態では、マウスピースは、取り外し可能な一つの待機空気弁と互換性があってもよい。このようにして、複数のヘッドスペース出口が提供される場合、マウスピースの数は、任意の所与の使用セッションにおけるユーザー数に応じて、装置の引き出し抵抗(RTD)に悪影響を与えることなく調整することができる。マウスピースは、ヘッドスペース出口に接続されたホースを備えてもよい。ホースは、可撓性のホースであってもよい。
【0047】
マウスピースは、起動要素を含んでもよい。起動要素は、ユーザーによって起動可能なスイッチを備えてもよい。マウスピースは、ユーザーがマウスピースを吸煙するのを検出するように配設された吸煙センサーを備えてもよい。起動要素は、ユーザーおよび吸煙センサーによって起動可能なスイッチ両方を備えてもよい。起動要素は、シーシャ装置の制御回路に動作可能に結合されてもよい。起動要素は、シーシャ装置の制御回路に無線で結合されてもよい。起動要素の起動は、電力を発熱体に常に供給するのではなく、シーシャ装置の制御回路に発熱体を起動させるようにしうる。その結果、起動要素の使用は、こうした要素を採用していない装置と比較してエネルギーを節約するよう機能して、一定した加熱ではなく要求に応じた加熱を提供する場合がある。
【0048】
シーシャ装置は、複数のヘッドスペース出口を備えてもよい。例えば、シーシャ装置は、二つ、三つ、四つ、五つ、または六つのヘッドスペース出口を備えてもよい。複数のヘッドスペース出口を提供することによって、複数のユーザーが一度に液体空洞からエアロゾルを引き出すことを可能にしうる。言い換えれば、複数のヘッドスペース出口を提供することによって、複数のユーザーが、シーシャ装置を同時に使用することが可能となりうる。
【0049】
シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成された物品空洞を備える。
【0050】
物品空洞は、物品空洞を画定する一つ以上の壁を備えてもよい。
【0051】
物品空洞の一つ以上の壁のうちの一つは、第一の電極を含み得る。物品空洞の一つ以上の壁のうちの一つは、第二の電極を含み得る。一部の実施形態では、少なくとも、一つ以上の壁のうちの一つの一部分が第一の電極を形成しうる。一部の実施形態では、少なくとも、一つ以上の壁のうちの一つの一部分が第二の電極を形成しうる。物品空洞の一つの壁は、第一の電極を形成しうる。物品空洞の一つの壁は、第二の電極を形成しうる。一部の実施形態では、物品空洞は、第一の電極を形成する第一の壁と、第二の電極を形成する第二の壁とを含む。物品空洞の反対の壁は、第一の電極および第二の電極を形成しうる。
【0052】
少なくとも一つ以上の壁のうちの一つの一部分は、エアロゾル発生物品の電極を接触させるための電気接点を形成してもよい。一部の実施形態では、物品空洞は、物品空洞内に受容されたエアロゾル発生物品の第一の電極を接触させるための第一の電気接点を備える第一の壁を備え、物品空洞は、物品空洞内に受容されたエアロゾル発生物品の第二の電極を接触させるための第二の電気接点を備える第二の壁を備える。物品空洞の反対の壁は、第一の電気接点および第二の電気接点を含み得る。
【0053】
また、空気が物品空洞に入ることも許容されなければならない。従って、一部の実施形態では、少なくとも一つ以上の壁の一部分は、ガス透過性材料から形成されうる。これらの実施形態の一部では、物品空洞の一つ以上の壁は、ガス透過性材料から形成されうる。一部の実施形態では、一つ以上のスロットが、物品空洞への空気の侵入を可能にするために、一つ以上の壁に形成されてよい。一つ以上のスロットは、空気が物品空洞に入ることを可能にする任意の適切な形状およびサイズを有しうる。例えば、一つ以上のスロットのうちの少なくとも一つは、L字型、S字型、T字型、またはI字型を有してもよい。
【0054】
一部の実施形態では、物品空洞の一つ以上の壁の一部分は、ガス透過性材料から形成されるか、または一つ以上のスロットを備え、一つ以上の壁の異なる部分は、第一の電極または第二の電極のいずれか一つを含むか、またはそれらのうちの一つを形成する。
【0055】
物品空洞は、任意の適切な形状およびサイズを有してもよい。特に、物品空洞は、エアロゾル発生物品に相補的な形状およびサイズを有してもよい。言い換えれば、物品空洞は、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分と同一または類似の形状および寸法を有してもよい。物品空洞は、密着性を有するエアロゾル発生物品を受容されるように構成されてもよい。言い換えれば、物品空洞の壁は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容される時に、エアロゾル発生物品と接触してもよい。
【0056】
物品空洞は、任意の適切な横断断面を有してもよい。例えば、物品空洞は、円形、楕円形、長方形、正方形、三角形、または他の多角形の横断断面形状を有してもよい。
【0057】
一部の実施形態では、物品空洞は実質的に立方体状である。
【0058】
一部の実施形態では、物品空洞は実質的に円筒形状である。
【0059】
一部の実施形態では、物品空洞は、実質的に円錐台状である。一部の実施形態では、物品空洞の一方の端の幅または直径は、物品空洞の他方の端の幅または直径よりも大きい。言い換えれば、物品空洞は、一方の端から他方の端へ先細りしていてもよい。他方の端よりも狭い一方の端を有する物品空洞を提供することにより、重力のみの影響下で、物品空洞がエアロゾル発生物品を物品空洞中に保持することが可能になりうる。
【0060】
物品空洞は、開口部を備えてもよい。物品空洞は、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル発生物品を、開口部を通して受容するように構成されてもよい。物品空洞は、開放端を備えてもよい。物品空洞は、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル形成物品を、開放端を通して受容するように構成されていてもよい。
【0061】
一部の実施形態では、物品空洞は、移動可能な閉鎖部を備えてもよい。移動可能な閉鎖部は、物品空洞の開放端を実質的に閉じるように構成されてもよい。物品空洞の開放端を実質的に閉じるように移動可能な閉鎖部が配設されている場合、移動可能な閉鎖部は、エアロゾル形成物品が物品空洞から取り外し可能であることを実質的に防止しうる。移動可能な閉鎖部は、物品空洞の開放端を閉じるために回転可能に移動可能であってもよい。移動可能な閉鎖部は、物品空洞の開放端を閉じるために、摺動可能に移動可能であってもよい。移動可能な閉鎖部は、実質的に物品空洞の開放端を閉じるために、物品空洞の開放端に取り外し可能なように結合可能であってもよい。
【0062】
移動可能な閉鎖部を含む実施形態では、移動可能な閉鎖部は、第一の電極および第二の電極のうちの一つを含み得る。移動可能な閉鎖部は、第一の電極を含みうる。移動可能な閉鎖部は、第二の電極を含みうる。
【0063】
移動可能な閉鎖部を含む実施形態では、移動可能な閉鎖部は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容される時に、エアロゾル発生物品の電極に電気的に接続するための電気接点を備えてもよい。移動可能な閉鎖部は、発振回路に電気的に接続された電気接点を含み得る。移動可能な閉鎖部は、可撓性回路により、発振回路に電気的に接続された電気接点を含み得る。
【0064】
一部の実施形態では、物品空洞は、二つの開放端を備えてもよい。例えば、物品空洞は、開いた第一の端、および第一の端と反対側の開いた第二の端を備えてもよい。有利なことに、物品空洞に二つの開放端を提供することによって、空気が、物品空洞を通して開放端部の間に引き出されることを可能にしうる。
【0065】
一部の実施形態では、物品空洞は、開放端および閉鎖端を含みうる。閉鎖端は、物品空洞が、エアロゾル発生物品を物品空洞中に保持することを可能にしうる。
【0066】
一部の実施形態では、物品空洞は実質的に円錐台状であり、第二の端よりも狭い第一の端を有する。これらの実施形態では、物品空洞の第一の端は開いていてもよく、物品空洞の第二の端も開いていてもよい。これによって、空気が、物品空洞を通して第一の端から第二の端まで引き出されることが可能になりうる。これらの実施形態では、物品空洞中に受容されるように構成されたエアロゾル発生物品は、流体浸透性の第一の端の外部表面および流体浸透性の第二の端の外部表面を備えうる。エアロゾル発生物品の流体浸透性の第一の端および第二の端の外部表面は、エアロゾル発生物品が物品空洞に受容された時に、第一の端と第二の端の間を、物品空洞を通って空気が流れることを可能にしうる。
【0067】
物品空洞は、任意の適切な形状および寸法を有してもよい。物品空洞は、約10ミリメートル~約100ミリメートル、約20ミリメートル~約90ミリメートル、または約25ミリメートル~約80ミリメートルの長さを有してもよい。一部の好ましい実施形態では、物品空洞は、約33ミリメートル、約34ミリメートル、約35ミリメートル、約36ミリメートル、約37ミリメートル、約38ミリメートル、39ミリメートル、約40ミリメートル、約41ミリメートル、または約42ミリメートルの長さを有してもよい。物品空洞は、約5ミリメートル~約70ミリメートル、または約10ミリメートル~約60ミリメートル、または約10ミリメートル~約50ミリメートルの幅または直径を有してもよい。一部の好ましい実施形態では、物品空洞は、約35ミリメートル、約36ミリメートル、約37ミリメートル、約38ミリメートル、39ミリメートル、約40ミリメートル、約41ミリメートル、約42ミリメートル、約43ミリメートル、約44ミリメートル、または約45ミリメートルの幅または直径を有してもよい。
【0068】
本明細書で使用される「長さ」という用語は、シーシャ装置、シーシャ装置の構成要素、エアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生物品の構成要素の、基部または底部端と上部端との間の最大長軸方向寸法を指す。本明細書で使用される「幅」または「直径」という用語は、シーシャ装置、シーシャ装置の構成要素、エアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生物品の構成要素の最大横断方向寸法を指す。例えば、エアロゾル発生物品が円錐台形状を有する場合、エアロゾル発生物品の幅または直径は、円錐台形状の基部の幅または直径であり、これはエアロゾル発生物品の長さに沿った任意の点での、エアロゾル発生物品の最も広い部分である。横断方向寸法は、長軸方向を横断する方向に測定される方向で測定される寸法であり、長軸方向は、長軸方向寸法が測定される方向である。本明細書で使用される「横断断面」という用語は、横断面に沿って切り取られた断面を指す。
【0069】
本明細書で使用される「上部」および「底部」という用語は、シーシャ装置、シーシャ装置の構成要素、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生物品の構成要素の要素または要素の一部分の相対的な位置を指す。
【0070】
物品空洞は、加熱ユニット中に位置してもよい。加熱ユニットは、物品空洞を含んでもよい。加熱ユニットは、第一の電極、第二の電極、および物品空洞内に受けられるエアロゾル発生物品の電極への電気的接続のための一つ以上の電気接点のうちの一つ以上を含み得る。加熱ユニットは、発振回路を含む制御回路および電源のうちの一つ以上をさらに含みうる。加熱ユニットは、制御回路および電源などの、一つ以上の電気構成要素を加熱ユニットに電気的に接続するための一つ以上の電気コネクタをさらに備えてもよい。
【0071】
加熱ユニットは、RF電磁場を通さない材料から形成された一つ以上のハウジングを備えてもよい。加熱ユニットの外壁のすべてが、RF電磁場を通さない材料から形成されることが好ましい。しかしながら、加熱ユニットは、RF電磁場を通す材料から形成された一つ以上の外壁を有するハウジングを備えてもよいと理解される。一部の実施形態では、加熱ユニットのすべての外壁が、RF電磁場を通す材料から形成されることが好ましい。加熱ユニットは、エアロゾル発生物品を物品空洞に挿入することを可能にする開口部を備えてもよい。加熱ユニットは、開位置と閉位置の間を移動可能な、リッドまたはドアなどの移動可能な閉鎖部を備えてもよい。開位置は、エアロゾル発生物品を物品空洞の中に挿入することを可能にしてもよく、閉位置は、エアロゾル発生物品を物品空洞から取り外すことを実質的に防止または阻害してもよい。移動可能な閉鎖部は、加熱ユニットのハウジングの外壁に、例えば回転可能に接続または摺動可能に結合されるなど、移動可能に結合されてもよい。移動可能な閉鎖部は、加熱ユニットのハウジングの外壁に、取り外し可能なように結合されてもよい。
【0072】
シーシャ装置は、空気吸込み口を備えてもよい。空気吸込み口は、周囲空気がシーシャ装置の中に引き出されることを可能にしうる。シーシャ装置の装置ハウジングは、空気吸込み口を備えてもよい。空気吸込み口は、周囲空気が物品空洞の中に引き出されることを可能にしうる。物品空洞の一つ以上の端が、シーシャ装置の外部表面にある実施形態では、物品空洞は空気吸込み口を備えてもよい。物品空洞がエアロゾル発生物品を受容するための開放端を備える実施形態では、開放端は空気吸込み口を形成しうる。
【0073】
気流経路は、空気吸込み口とヘッドスペース出口の間に画定されてもよい。気流経路は、物品空洞を通って延伸してもよい。気流経路は、物品空洞から液体空洞の中に延伸してもよい。気流経路は、物品空洞から、気流導管を介して、液体空洞の中の液体空洞の液体充填レベルより下に延伸してもよい。気流経路は、液体空洞の液体充填レベルより下から、液体空洞のヘッドスペースまで延伸し、ヘッドスペース出口から延伸してもよい。
【0074】
気流経路は、一つ以上の入り組んだ部分を含みうる。一つ以上の入り組んだ部分は、一つ以上の放射遮蔽要素を超えて延伸してもよい。気流経路が物品空洞を通過する、または発生したRF電磁場を通過する実施形態では、気流経路は、空気吸込み口または空気出口を通じてRF放射線が漏れるのを防止するために、一つ以上の放射遮蔽要素を超えたところに入り組んだ部分を含みうる。一つ以上の流体浸透性放射遮蔽要素が、気流経路に提供されてもよい。例えば、金属メッシュが気流経路に提供されてもよい。
【0075】
一部の実施形態では、物品空洞は、物品空洞を通る気流経路が気流導管と一列に整列するように構成されている。一部の実施形態では、物品空洞は、物品空洞を通る気流経路が、第一の電極および第二の電極の一方または両方に実質的に垂直に整列されるように構成されている。一部の実施形態では、物品空洞は、物品空洞を通る気流経路が、第一の電極および第二の電極の一方または両方に実質的に平行に整列されるように構成されている。
【0076】
閉ループ制御スキームを使用することもできる。シーシャ装置は、物品空洞中にまたは物品空洞に隣接して設置されたセンサーを含んでよく、センサーは物品空洞中の温度を示す信号を提供する、またシーシャ装置は、センサーからの信号を受信するように接続され、センサーからの信号に依存して発振回路を制御するように接続されるコントローラも含んでよい。
【0077】
センサーは、温度を直接測定する温度センサーを含みうる。センサーは、物品空洞中の温度を示す、物品空洞中の電磁場の摂動を検出するように構成された一つのサンプリングアンテナまたは複数のサンプリングアンテナを備えてもよい。エアロゾル形成基体の誘電特性は、温度に依存して変化する。電磁場の周波数もしくは振幅、または周波数および振幅の両方は、装置によって提供される加熱を制御するために、センサーからの信号に基づいてコントローラによって調整されうる。
【0078】
過熱は、センサーによって検出されてもよく、加熱不足は、センサーによって検出されてもよい。過熱または加熱不足が検出されることによって、電磁場の周波数および振幅がそれに応じて調整されうる。シーシャ装置の制御回路は、過熱がセンサーによって検出されるか、または過熱がセンサーによって検出されるかに基づいて、電磁場の周波数および振幅のうちの少なくとも一つを調整するように構成されうる。
【0079】
センサーによって誤動作が検出されてもよい。誤動作が検出された場合、シーシャ装置を自動的にオフにしうる。また、物品空洞中の不適切な材料の存在を検出することも可能でありうる。物品空洞中に不適切な材料が検出された場合、シーシャ装置を自動的にオフにしうる。同様に、センサーの信号が、エアロゾル形成基体が物品空洞中に存在しないことを示唆する場合は、シーシャ装置を自動的にオフにしうる。シーシャ装置を自動的にオフにするために、シーシャ装置の制御回路は、電力が発振回路に供給されるのを防止するように構成されうる。
【0080】
物品空洞内の温度を所定の温度範囲内に維持することが望ましい場合がある。エアロゾル形成基体の温度を、エアロゾル形成基体燃焼物の温度よりも下に維持することが望まれうる。
【0081】
フィードバック信号に基づいてシーシャ装置によって提供される加熱量を制御する能力によって、異なるエアロゾル形成基体を使用することも可能になる。異なるエアロゾル形成基体を、異なる温度に加熱することが望ましい場合がある。従って、温度制御のための機構を提供することにより、異なるエアロゾル形成基体またはエアロゾル形成物品の異なる設計に対して最適な条件を達成することが可能になる。
【0082】
シーシャ装置は、ユーザーがシーシャ装置を吸煙した時を検出するように構成された吸煙検出器を備えてもよい。本明細書で使用される「吸煙」という用語は、ユーザーがシーシャ装置を吸ってエアロゾルを受容することを言及するために使用される。吸煙検出器は温度センサーを備えてもよい。吸煙検出器は圧力センサーを備えてもよい。吸煙検出器は温度センサーおよび圧力センサーの両方を備えてもよい。
【0083】
シーシャ装置は制御回路を備えてもよい。制御回路は、発振回路への電力供給を制御するように構成されうる。制御回路はマイクロプロセッサ、プログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、および特定用途向け集積回路チップ(ASIC)または制御を提供することができる他の電子回路のうちの一つ以上を含みうる。制御回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。例えば、一部の実施形態では、制御回路は、センサー、スイッチ、およびディスプレイ要素のうちの一つ以上を備えてもよい。制御回路は、RF電力センサーを含みうる。制御回路は、電力増幅器を含みうる。
【0084】
一部の実施形態では、シーシャ装置は、外部電源に接続するように構成されている。例えば、シーシャ装置は、主電源に接続するように構成されてもよい。
【0085】
一部の実施形態では、シーシャ装置は電源を備える。電源は、DC電源であってもよい。電源は、電池、またはコンデンサなど別の形態の電荷蓄積装置を含みうる。電源は、再充電可能なリチウムイオン電池を含みうる。一部の実施形態では、電源は、再充電可能電源である。シーシャ装置は、再充電可能電源を再充電するために外部電源に接続するように構成されてもよい。
【0086】
制御回路は、電源から発振回路への電力供給を制御するように構成されうる。
【0087】
電源は、約0.5ワット~約50ワットの電力を提供しうる。一部の実施形態では、電源は、約1ワット~約40ワット、または約2ワット~約30ワットの電力を提供しうる。
【0088】
シーシャ装置は、ベッセルを含んでもよい。液体空洞は、ベッセルの内部体積であってもよい。ベッセルは、液体を収容するように構成されうる。ベッセルは、液体空洞を画定してもよい。ベッセルはヘッドスペース出口を備えてもよい。ベッセルは、液体充填レベルを画定してもよい。例えば、ベッセルは、液体充填レベル境界線を含んでもよい。液体充填レベル境界線は、液体空洞が液体で充填されることが意図される所望のレベルを示すためにベッセル上に提供されるインジケータである。ヘッドスペース出口は、液体充填レベルより上に配設されてもよい。ヘッドスペース出口は、液体充填レベル境界線より上に配設されてもよい。ベッセルは、光学的に透明な部分を含んでもよい。光学的に透明な部分は、ユーザーがベッセルに収容された内容物を観察することを可能にしうる。ベッセルは、任意の適切な材料で形成されてもよい。例えば、ベッセルは、ガラスまたは硬いプラスチック材料から形成されてもよい。一部の実施形態では、ベッセルは、シーシャ組立品の残りの部分から取り外し可能である。一部の実施形態では、ベッセルは、シーシャ組立品のエアロゾル発生部分から取り外し可能である。有利なことに、取り外し可能なベッセルは、ユーザーが液体空洞を液体で充填し、液体の液体空洞を空にし、ベッセルを掃除することを可能にする。
【0089】
ベッセルは、ユーザーによって液体充填レベルまで充填されてもよい。液体は水を含むことが好ましい。液体は、着色剤および風味剤のうちの一つ以上を注入した水を含んでもよい。例えば、水には植物の浸出液と薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0090】
ベッセルは、任意の適切な形状およびサイズを有してもよい。液体空洞は、任意の適切な形状およびサイズを有してもよい。ヘッドスペースは、任意の適切な形状およびサイズを有してもよい。
【0091】
典型的には、本開示によるシーシャ装置は、ユーザーによって持ち運ばれるのではなく、使用時に表面上に定置されることが意図されている。よって、本開示によるシーシャ装置は、装置が使用中に配向されることを意図した特定の使用配向、または配向の範囲を有しうる。従って、本明細書で使用される「より上」および「より下」という用語は、シーシャ装置またはシーシャシステムが使用配向に保持された時、シーシャ装置またはシーシャシステムの特徴の相対的位置を指す。
【0092】
一部の実施形態では、物品空洞は、液体空洞より上に配設されている。これらの実施形態では、気流導管は、物品空洞から液体空洞の液体充填レベルより下に延びてもよい。有利なことに、これは、物品空洞中のエアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物が、物品空洞から、液体空洞より上のヘッドスペースではなく、液体空洞中の液体に送達されることを確実にしうる。これらの実施形態では、気流導管は、エアロゾル空洞から液体充填レベルより上の液体空洞のヘッドスペースを通って液体空洞の中に、そして液体充填レベルより下の液体の中に延びてもよい。気流導管は、液体空洞の上部または上端を通って液体空洞の中に延びてもよい。
【0093】
一部の実施形態では、物品空洞は、液体空洞より下に配設されている。これらの実施形態では、一方向弁が、物品空洞と液体空洞の間に配設されてもよい。一方向弁は、液体空洞からの液体が、重力の影響下で物品空洞に入るのを防止しうる。これらの実施形態では、一方向弁は、物品空洞から液体空洞の中に延びる気流導管中に提供されてもよい。これらの実施形態では、気流導管は、液体空洞の中の液体充填レベルより下に延びてもよい。気流導管は、液体空洞の底部端を通って液体空洞の中に延びてもよい。
【0094】
本開示では、シーシャ装置も提供される。
【0095】
一部の実施形態では、シーシャ装置は、液体空洞、物品空洞、第一の電極、第二の電極、ならびに発振回路を含む。液体空洞は、液体を収容するように構成され、液体空洞はヘッドスペース出口を備える。物品空洞はエアロゾル発生物品を受容するように構成され、また物品空洞は液体空洞と流体連通している。第一の電極と第二の電極は物品空洞の中あるいはその周囲に配置され、第二の電極は、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容された時に、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分が、第一の電極と第二の電極との間に受けられるように、第一の電極から離れて設置される。発振回路は、第一の電極および第二の電極に接続され、発振回路は、エアロゾル発生物品が第一の電極および第二の電極の間の空洞内に受容された時に、エアロゾル形成基体を加熱するために、第一の電極および第二の電極に無線周波数(RF)交流電圧が供給されるよう構成される。
【0096】
一部の実施形態では、シーシャ装置は、液体空洞、物品空洞、第一の電極、電気接点、ならびに発振回路を含む。液体空洞は、液体を収容するように構成され、液体空洞はヘッドスペース出口を備える。物品空洞はエアロゾル発生物品を受容するように構成され、また物品空洞は液体空洞と流体連通している。第一の電極は、物品空洞内またはその周りに配置されてもよい。電気接点は、第二の電極を含むエアロゾル発生物品が物品空洞内に受容される時に、第二の電極に電気的接続するよう、物品空洞内に配置されてもよい。発振回路は、第一の電極および第二の電極に接続され、第一の電極および電気接点に無線周波数(RF)交流電圧を供給するように構成される。エアロゾル形成基体および第二の電極を含むエアロゾル発生物品が物品空洞に受容されると、電気接点に供給されるRF交流電圧が第二の電極に供給され、第一の電極と第二の電極との間のエアロゾル形成基体が加熱される。
【0097】
一部の実施形態では、シーシャ装置は、液体空洞、物品空洞、第一の電気接点、第二の電気接点、ならびに発振回路を含む。液体空洞は、液体を収容するように構成され、液体空洞はヘッドスペース出口を備える。物品空洞はエアロゾル発生物品を受容するように構成され、また物品空洞は液体空洞と流体連通している。第一の電気接点は、物品空洞の中または周りに配置されてもよいし、第一の電気接点は、物品空洞内に受容されたエアロゾル発生物品の第一の電極に電気的接続するよう配置される。第二の電気接点は、物品空洞内に受容されたエアロゾル発生物品の第二の電極に電気的接続するように、物品空洞の中または周りに配置されてもよい。発振回路は、第一の電気接点および第二の電気接点に接続され、第一の電極および電気接点に無線周波数(RF)交流電圧を供給するように構成される。エアロゾル形成基体および第一の電極と第二の電極を含むエアロゾル発生物品が物品空洞に受容されると、第一の電気接点に供給されるRF交流電圧が第一の電極に供給され、また第二の電気接点に供給されるRF交流電圧が第二の電極に供給され、第一の電極と第二の電極との間のエアロゾル形成基体が加熱される。
【0098】
本開示では、前述したように、シーシャ装置と共に使用するためのエアロゾル発生物品も提供される。
【0099】
エアロゾル発生物品は、シーシャ装置と共に使用するための任意の適切なタイプのエアロゾル発生物品であってもよい。シーシャ装置と共に使用するために特別に設計されたエアロゾル発生物品は、シーシャ装置用のカートリッジと呼ばれうる。
【0100】
エアロゾル発生物品は、任意の適切な形状およびサイズを有してもよい。特に、エアロゾル発生物品は、シーシャ装置の物品空洞に相補的な形状およびサイズを有してもよい。
【0101】
エアロゾル発生物品は任意の適切な横断断面を有してもよい。例えば、エアロゾル発生物品は、円形、楕円形、長方形、正方形、三角形、または他の多角形横断断面形状を有してもよい。
【0102】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は実質的に円筒形状である。
【0103】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は実質的に立方体状である。
【0104】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は実質的に円錐台状である。一部の実施形態では、エアロゾル発生物品の第一の端の幅または直径は、第一の端とは反対側の、エアロゾル発生物品の第二の端の幅または直径よりも大きい。言い換えれば、エアロゾル発生物品は、第一の端から第二の端へ先細りしていてもよい。第一の端よりも狭い第二の端を有するエアロゾル発生物品を提供することにより、重力の影響下で、エアロゾル発生物品を相補的な物品空洞中に保持することができる。
【0105】
エアロゾル発生物品は、約10ミリメートル~約100ミリメートル、約20ミリメートル~約90ミリメートル、または約25ミリメートル~約80ミリメートルの長さを有してもよい。一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品は、約33ミリメートル、約34ミリメートル、約35ミリメートル、約36ミリメートル、約37ミリメートル、約38ミリメートル、39ミリメートル、約40ミリメートル、約41ミリメートル、または約42ミリメートルの長さを有してもよい。エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約70ミリメートル、または約10ミリメートル~約60ミリメートル、または約10ミリメートル~約50ミリメートルの幅または直径を有してもよい。一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品は、約35ミリメートル、約36ミリメートル、約37ミリメートル、約38ミリメートル、39ミリメートル、約40ミリメートル、約41ミリメートル、約42ミリメートル、約43ミリメートル、約44ミリメートル、または約45ミリメートルの幅または直径を有してもよい。
【0106】
エアロゾル発生物品は、第一の電極および第二の電極の一方または両方を含んでもよい。一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は、第一の電極および第二の電極のいずれか一つを含む。一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は、第一の電極および第二の電極を含む。
【0107】
電極は、エアロゾル発生物品の外表面の少なくとも一部分を形成してもよい。電極は、エアロゾル発生物品の外表面の一部分を形成してもよい。一部の実施形態では、電極の少なくとも一部分はエアロゾル形成基体に接触してよい。一部の実施形態では、電極の少なくとも一部分はエアロゾル形成基体に埋め込まれていてよい。言い換えれば、電極の少なくとも一部分は、実質的にエアロゾル形成基体によって囲まれてもよい。電極の少なくとも一部分がエアロゾル形成基体に埋め込まれている場合、エアロゾル発生物品が物品空洞内に受容される時に、電極がシーシャ装置の電気接点と接触しうるように、電極の一部分はエアロゾル形成基体によって囲まれない。
【0108】
エアロゾル発生物品が、エアロゾル発生物品の外表面で第一の電極および第二の電極の両方を含む場合、電気絶縁素子は、第一の電極と第二の電極との間の、エアロゾル発生物品の外表面上に配置されてもよい。電気絶縁素子は、第一の電極および第二の電極が電気的に接触しないことを保証しうる。これらの実施形態の一部では、第一の電極の少なくとも一部分はエアロゾル形成基体に接触してよい。これらの実施形態の一部では、第二の電極の少なくとも一部分はエアロゾル形成基体に接触してよい。
【0109】
本明細書で使用される「導電性」は、1×10-4オームメートル以下の比抵抗を有する材料で形成されていることを意味する。本明細書で使用される場合、「電気絶縁性」は1×104オームメートル以上の比抵抗を持つ材料から形成されていることを意味する。
【0110】
エアロゾル発生物品はエアロゾル形成基体を含む。エアロゾル形成基体は、ラッパーまたは容器に包まれていてもよい。一部の実施形態では、エアロゾル形成基体は、被覆で完全に被覆されていてもよい。
【0111】
ラッパーは、基体空洞を画定してもよい。エアロゾル形成基体は、ラッパー内の基体空洞中に設置されてもよい。
【0112】
一部の実施形態では、ラッパーの少なくとも一部分は、導電性材料を含んでもよい。一部の実施形態では、ラッパー全体が、導電性材料を含んでもよい。導電性材料は、第一の電極および第二の電極のうちの一つを形成してもよい。導電性材料は、第一の電極および第二の電極の両方を形成しうる。ラッパーが、第一の電極を形成する導電性材料から形成される第一の部分と、第二の電極を形成する導電性材料から形成される第二の部分とを備える場合、ラッパーはまた、第一の部分と第二の部分との間に配置される電気絶縁性材料から形成される部分を含んでもよい。
【0113】
ラッパーの少なくとも一部は、エアロゾル形成基体への空気の侵入及びエアロゾル発生物品からの揮発性化合物の退出を可能にするよう、ガス透過性材料から形成されてよい。一つ以上のスロットが、空気のエアロゾル形成基体への侵入、およびエアロゾル発生物品からの揮発性化合物の退出を可能にするために、ラッパー内に形成されうる。
【0114】
一部の実施形態では、導電性材料から形成されるラッパーの一部分は、ガス透過性である。これらの実施形態では、ラッパーの導電部分は、金属メッシュから形成されてもよい。一部の実施形態では、電気絶縁性材料から形成されるラッパーの一部分は、ガス透過性であってもよい。
【0115】
エアロゾル形成基体は、容器に包まれていてもよい。容器は、基体空洞を画定しうる。エアロゾル形成基体は、容器内の基体空洞中に設置されてもよい。
【0116】
一部の実施形態では、容器は、導電性材料を含んでもよい。一部の実施形態では、容器は、電気絶縁性材料を含んでもよい。
【0117】
一部の実施形態では、容器は一つ以上の壁を備えてもよい。容器の少なくとも一つの壁は、導電性材料を含んでもよい。容器の少なくとも一つの壁は、電気絶縁性材料を含んでもよい。容器の向かい合う二つの壁が、導電性材料を含んでもよい。容器のすべて壁が、導電性材料を含んでもよい。容器の二つの対向壁が導電性材料を含む場合、二つの対向壁の間に延在する容器の一つ以上の壁は、電気絶縁性材料を含み得る。
【0118】
容器の少なくとも一部分は、流体浸透性であってもよい。容器の流体浸透性部分は、エアロゾル形成基体から放出される揮発性化合物が、エアロゾル発生物品から放出されることを可能にしうる。
【0119】
電気絶縁性材料を含む容器の壁は、流体浸透性であってもよい。導電性材料を含む容器の壁は、流体浸透性であってもよい。例えば、流体浸透性の導電性材料は、金属メッシュであってもよい。従って、容器の少なくとも一部分は、金属メッシュから形成されてもよい。一部の実施形態では、容器は金属メッシュから形成されうる。一部の実施形態では、一つ以上のスロットが容器内に形成され、エアロゾル形成基体への空気の侵入、およびエアロゾル発生物品からの揮発性化合物の退出を可能にする。
【0120】
一部の実施形態では、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分は、被覆で被覆されている。本明細書で使用される「被覆」という用語は、エアロゾル形成基体を覆い、それに接着する材料の層を指す。被覆は、吹き付け塗装、蒸着、浸漬、物質移動(例えば、ブラッシングまたは糊付け)、静電沈着またはそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意の適切な方法によって、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分を覆い、それに接着するように適用されうる。
【0121】
一部の実施形態では、被覆は、導電性材料を含んでもよい。一部の実施形態では、被覆は、電気絶縁性材料を含んでもよい。
【0122】
エアロゾル形成基体の外部表面の一つ以上の領域が露出されていてもよい。言い換えれば、エアロゾル形成基体の外部表面の一つ以上の領域は、いかなる被覆も含まない場合がある。これは、エアロゾル形成基体から放出される揮発性化合物が、エアロゾル発生物品から漏れ出ることを確実にしうる。
【0123】
一部の実施形態では、被覆は、流体浸透性材料を含んでもよい。
【0124】
一部の実施形態では、エアロゾル形成基体の外部表面の一つ以上の領域は、第一の被覆で被覆されてもよく、エアロゾル形成基体の外部表面の一つ以上の領域は、第二の被覆で被覆されてもよい。
【0125】
第一の被覆および第二の被覆のうちの一つは、導電性材料を含んでもよい。第一の被覆および第二の被覆のうちの一つは、電気絶縁性材料を含んでもよい。第一の被覆および第二の被覆のうちの一つつは、導電性材料を含んでもよく、第一の電極および第二の電極のうちのもう一つは、電気絶縁性材料を含んでもよい。第一の被覆が第一の電極を形成し、第二の被覆が第二の電極を形成するように、第一の被覆および第二の被覆の両方が導電性材料を含んでもよい。
【0126】
第一の被覆および第二の被覆のうちの一つは、流体浸透性材料を含んでもよい。第一の被覆および第二の被覆の両方は、流体浸透性材料を含んでもよい。一部の好ましい実施形態では、第一の被覆および第二の被覆のうちの一方は、導電性材料を含み、第一の被覆および第二の被覆のうちの他方は、流体浸透性の、電気絶縁性材料を含む。
【0127】
一部の実施形態では、エアロゾル形成基体を包むラッパーまたは容器の少なくとも一部分は、被覆により被覆されている。被覆は、導電性材料を含んでもよい。
【0128】
エアロゾル形成基体は、加熱時された際に揮発性化合物を放出する能力を有する任意の適切な基体でありうる。
【0129】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は懸濁液の形態である。例えば、エアロゾル形成基体は、糖蜜を含んでもよい。本明細書で使用される「糖蜜」は、少なくとも約20重量パーセントの糖を有する懸濁液を含むエアロゾル形成基体組成物を意味する。例えば、糖蜜は、少なくとも約35重量パーセントの糖など、少なくとも約25重量パーセントの糖を含んでもよい。典型的に、糖蜜は、約50重量パーセント未満の糖など、約60重量パーセント未満の糖を含有する。
【0130】
エアロゾル形成基体はシーシャ基体であることが好ましい。本明細書で使用される「シーシャ基体」は、少なくとも約20重量パーセントの糖を含むエアロゾル形成基体組成物を指す。シーシャ基体は、糖蜜を含んでもよい。シーシャ基体は、少なくとも約20重量パーセントの糖を有する懸濁液を含みうる。
【0131】
エアロゾル形成基体は固体または液体であってもよいか、または固体構成要素と液体構成要素の両方を含んでもよい。
【0132】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、好ましくはたばこを含む。たばこ含有材料は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有することが好ましい。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状のたばこを凝集することによって形成されてもよい。エアロゾル形成基体は、非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0133】
エアロゾル形成基体は、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含みうる。エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、膨化たばこのうちの一つ以上を含有してもよい。たばこは、火力乾燥されてもよい。
【0134】
エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。適切なエアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にする、かつシーシャ装置の動作温度で熱分解に対して実質的に耐性のある化合物、または化合物の混合物を含む。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、最も好ましくはグリセリンなど)である。エアロゾル形成体はプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成基体は、任意の適切な量のエアロゾル形成体を含んでもよい。例えば、基体のエアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で5パーセント以上であってもよく、乾燥重量基準で30重量パーセントより高いことが好ましい。エアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で約95パーセント未満であってもよい。エアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で最大約55パーセントであることが好ましい。
【0135】
エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。一部の実施形態では、エアロゾル形成体は、グリセリンまたはグリセリンおよび一つ以上の他の適切なエアロゾル形成体(上記のものなど)の混合物である。一部の実施形態では、エアロゾル形成体はプロピレングリコールである。
【0136】
エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。一部の実施例において、エアロゾル形成基体は、任意の適切な量の一つ以上の糖を含む。エアロゾル形成基体は、転化糖を含むことが好ましい。転化糖は、スクロースを分割することによって得られたグルコースおよびフルクトースの混合物である。エアロゾル形成基体は、約1重量パーセント~約40重量パーセントの糖(転化糖など)を含むことが好ましい。一部の実施例において、一つ以上の糖は、コーンスターチまたはマルトデキストリンなどの適切な担体と混合されてもよい。
【0137】
一部の実施例において、エアロゾル形成基体は一つ以上の感覚増強剤を含む。適切な感覚増強剤としては、風味剤および感覚剤(冷感剤など)が挙げられる。適切な風味剤としては、天然または合成のメントール、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、スパイス(シナモン、クローブ、ショウガ、またはこれらの組み合わせなど)、ココア、バニラ、果実風味剤、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、リュウゼツラン、ビャクシン、アネトール、リナロール、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0138】
任意の適切な量のエアロゾル形成基体(例えば、糖蜜またはたばこ基体)が、エアロゾル発生物品中に提供されてもよい。一部の好ましい実施形態では、約3グラム~約25グラムのエアロゾル形成基体が、エアロゾル発生物品に提供されている。カートリッジは、少なくとも6グラム、少なくとも7グラム、少なくとも8グラム、または少なくとも9グラムのエアロゾル形成基体を含んでもよい。カートリッジは、最大15グラム、最大12グラム、最大11グラム、または最大10グラムのエアロゾル形成基体を含んでもよい。約7グラム~約13グラムのエアロゾル形成基体が、エアロゾル発生物品に提供されることが好ましい。
【0139】
エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。「熱的に安定な」という用語は本明細書において、基体が典型的に加熱される温度(例えば、約150℃~約300℃)で実質的に劣化しない材料を示すために使用される。担体は、第一の主表面上に、または第二の主外表面上に、または第一の主表面と第二の主表面の両方上に基体が堆積された薄層を備えてもよい。担体は、例えば紙もしくは紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穿孔された金属箔、もしくは任意の他の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。別の方法として、担体は粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートの形態を取ってもよい。担体は、たばこ成分が組み込まれた不織布繊維または繊維束としうる。不織布繊維または繊維の束は、例えば炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含みうる。
【0140】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体はたばこ、糖およびエアロゾル形成体を含んでもよい。これらの実施形態では、エアロゾル形成基体は、10重量パーセント~40重量パーセントのたばこを含んでもよい。これらの実施形態では、エアロゾル形成基体は、20重量パーセント~50重量パーセントの糖を含んでもよい。これらの実施形態では、エアロゾル形成基体は、25重量パーセント~55重量パーセントのエアロゾル形成体を含んでもよい。一部の特に好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は、20重量パーセント~30重量パーセントのたばこ、30重量パーセント~40重量パーセントの糖、および35重量パーセント~45重量パーセントのエアロゾル形成体を含む。一部の好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は、約25重量パーセントのたばこ、約35重量パーセントの糖、および約40重量パーセントのエアロゾル形成体を含んでよい。一部の好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は、15重量パーセント~30重量パーセントのたばこ、15重量パーセント~30重量パーセントの糖、および45重量パーセント~55重量パーセントのエアロゾル形成体を含んでよい。これらの好ましい実施形態では、たばこは火力乾燥たばこ葉であってもよい。これらの好ましい実施形態では、糖はショ糖または転化糖であってもよい。これらの好ましい実施形態では、エアロゾル形成体はプロピレングリコールであってもよい。
【0141】
本開示によって、シーシャ装置またはエアロゾル発生物品に関連して記載された特徴は、シーシャシステムにも適用可能でありうると、当然理解されるべきである。
【0142】
また、当然ながら、上記の様々な特徴の特定の組み合わせを独立して実施、供給または使用しうる。
【0143】
ここで本開示の実施形態を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるが説明する。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【
図2】
図2は、本開示の実施形態による誘電加熱システムを有するシーシャシステムのための閉ループ制御システムの概略図である。
【
図3】
図3は、誘電加熱システムを有するシーシャシステムの一実施形態の概略図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態によるシーシャ装置の加熱ユニットと、シーシャ装置と共に使用するために構成されたエアロゾル発生物品の概略図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態によるシーシャ装置の異なる実施形態の加熱ユニットの概略図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態によるシーシャ装置の加熱ユニットと、シーシャ装置と共に使用するために構成されたエアロゾル発生物品の概略図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態によるシーシャ装置の加熱ユニットと、シーシャ装置と共に使用するために構成されたエアロゾル発生物品の概略図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態によるシーシャ装置の加熱ユニットと、シーシャ装置と共に使用するために構成されたエアロゾル発生物品の概略図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施形態によるシーシャ装置の加熱ユニットと、シーシャ装置と共に使用するために構成されたエアロゾル発生物品の概略図である。
【
図10】
図10は、
図9に示された加熱ユニットを有するシーシャシステムの一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0145】
図1は、誘電加熱と呼ばれる場合もある無線周波数電磁放射(RF)を使用した加熱システムの概略図である。システムは、無線周波数(RF)信号発生器11および位相シフトネットワーク12を含む発振回路10を含む。システムはさらに、位相シフトネットワーク12の第一の出力に接続された第一の電極15と、位相シフトネットワーク12の第二の出力に接続された第二の電極16とを含む。第二の電極16は、第一の電極15から間隔を置いて設置され、第一の電極15と第二の電極16との間に物品空洞14を画定する。物品空洞14は、エアロゾル発生物品18を受容するように構成されている。加熱されるエアロゾル発生物品18は、物品空洞14中に定置され、第一の電極15と第二の電極16の間で、無線周波電磁放射を受ける。エアロゾル発生物品18内の極性分子は、振動電磁場と一列に整列し、振動するにつれて電磁場によって攪拌される。これは、エアロゾル発生物品18の温度の上昇を引き起こす。この種類の加熱は、(もし極性分子が均一に分布している場合には)エアロゾル発生物品18全体にわたって均一であるという利点を有する。また、これは、伝導体を介して基体に熱を伝達する従来の発熱体と比較して、第一の電極および第二の電極と接触する基体の燃焼の可能性を低減するという利点を有する。
【0146】
図2は、
図3~
図10に記載された実施形態のいずれかで使用されうる制御スキームを示す。前述したように、システムは、発振回路用の制御回路を含む。
図2の例では、発振回路10は、RF信号発生器10と、RF信号発生器10からの信号を二つの等しい構成要素、互いに180度ずれた位相に分割するための位相シフトネットワーク12とを含む。
【0147】
発振回路10の第一の出力は、第一の電極15に伝わる。発振回路10の第二の出力16は、第二の電極16に伝わる。第一の電極15および第二の電極16は、第一の電極15および第二の電極16が電気的に接触しないように、またエアロゾル発生物品18が第一の電極15と第二の電極16との間の空間内に位置付けられうるように、離間して、物品空洞14の対向面上に位置付けられる。エアロゾル発生物品18は、物品空洞14の第一の電極15と第二の電極16との間の空間に設置される。
【0148】
より詳細には、位相シフトネットワーク12は、一次巻線21、第一二次巻線22および第二二次巻線23を有するトランスフォーマーを備える。一次巻線21は、一端でRF信号発生器11の出力に接続され、他方の端で接地される。第一二次巻線22の一端は第一の電極15に接続され、第二二次巻線23の一端は第二の電極16に接続される。第一二次巻線22および第二二次巻線23の他方の端部は共に接続され、第一二次巻線22と第二二次巻線23との間の中央タップは接地されている。電力が発振回路10に供給されるとき、任意の瞬間で、第一の電極15および第二の電極16の電圧は実質的に等しいが、極性は反対である(すなわち、互いに位相が180度ずれている)。
【0149】
制御回路は、RF信号発生器11の周波数および電力出力の両方を制御できるマイクロコントローラ26を含む。一つ以上のセンサーがマイクロコントローラ26に入力を提供する。マイクロコントローラ26は、センサー入力に基づいて、RF信号発生器11の周波数または電力出力、または周波数および電力出力の両方を調整する。
図2に示す実施例では、物品空洞14内の温度を感知するように設置された温度センサー28がある。サンプリングアンテナ30は、温度センサー28の代替として、またはそれに加えて、物品空洞14中に提供されてもよい。サンプリングアンテナ30は受信機として構成され、エアロゾル形成基体20によるエネルギー吸収の効率を示唆する、物品空洞14中の電磁場の摂動を検出することができる。RF信号発生器11からの電力出力を検出するために、RF電力センサー32も提供される。
【0150】
マイクロコントローラ26は、RF電力センサー32、温度センサー28、およびサンプリングアンテナ30から信号を受信する。信号は、物品空洞14中の温度が低すぎるかどうか、温度が高すぎるかどうか、欠陥がある場合、および基体がない、または不適切な誘電特性を有する基体がある場合のうちの少なくとも一つを、判定するために使用することができる。
【0151】
マイクロコントローラ26によってなされた判定に基づいて、RFソリッドステートトランジスタによって発生した電磁場の周波数および電力が調整されるか、または電磁場がオフになる。典型的には、エアロゾルの安定的かつ一貫した体積を提供することが望ましいが、これは、エアロゾル形成基体を特定の温度範囲内に維持することを意味する。しかしながら、所望の目標温度は、エアロゾル形成基体の組成が変化し、周囲のシステムの温度が変化するにつれて、時間と共に変化し得る。また、エアロゾル形成基体の誘電特性は、温度と共に変化するため、温度の上昇または低下に伴い電磁場を調整する必要があり得る。
【0152】
一実施形態に関して記載される特徴は、その他の実施形態にも適用され得ることは明らかである。記載された実施形態は、特定の望ましいエアロゾル特性を提供するように制御されうる様式で、エアロゾル形成基体の均一な非接触の加熱の利点を提供する。
【0153】
図3~
図10を参照して記載された実施形態は、
図1および
図2に図示された基本的な加熱および制御原理を使用する。
【0154】
図3は、本開示の実施形態によるシーシャシステムの概略図である。
【0155】
シーシャ装置50は、液体空洞54を画定するベッセル52を備える。ベッセル52は、液体空洞54中に液体を保持するように構成され、ガラスなどの硬質で光学的に透明な材料から形成されている。この実施形態では、ベッセル52は実質的に円錐台形状を有し、テーブルまたは棚などの、平坦で水平な表面上のその広い端で使用時に支持される。液体空洞54は、液体を受容するための液体セクション56と、液体セクション58より上のヘッドスペース58の二つのセクションに分割されている。液体充填レベル60は、液体セクション56とヘッドスペース58の間の境界線に位置付けられ、液体充填レベル60は、ベッセル52の外表面上に印された破線によってベッセル52上に定められている。ヘッドスペース出口62は、ベッセル52の側壁上の液体充填レベル60より上に提供される。ヘッドスペース出口62は、流体がヘッドスペース58から液体空洞54の外に引き出されることを可能にする。マウスピース64は、可撓性のホース66によってヘッドスペース出口62に接続されている。ユーザーは、マウスピース64を吸って、吸入のためにヘッドスペース58から流体を引き出しうる。
【0156】
シーシャ装置50は、本開示のとおり、電発振回路を備える加熱ユニット70をさらに備える。異なる加熱ユニットの実施例は、
図4、
図5、
図6、
図7、および
図8を参照してより詳細に論じられる。加熱ユニット70は、気流導管72によってベッセル52より上に配設される。この実施形態では、加熱ユニット70は、気流導管72によってベッセル52より上に支持されているが、他の実施形態では、加熱ユニット70は、シーシャ装置のハウジングまたは別の適切な支持体によって、ベッセル52より上に支持されてもよいことが理解されよう。気流導管72は、加熱ユニット70からベッセル52の液体空洞54の中に延びる。気流導管72は、ヘッドスペース58を通り、液体充填レベル60より下を通って液体セクション58の中に延びる。気流導管72は、液体充填レベル60より下の液体空洞54の液体セクション56に出口74を備える。この配設は、加熱ユニット70からマウスピース64に空気を引き出すことを可能にする。空気は、外部環境から装置50に引き出され、加熱ユニット70に入り、加熱ユニット70を通って、気流導管72を通り、液体空洞54の液体セクション56中の液体に入り、液体を出てヘッドスペース58に入り、ヘッドスペース出口62でヘッドスペース58からベッセルの外に出て、ホース66を通り、マウスピース64に引き出されうる。
【0157】
使用時に、ユーザーは、シーシャ装置50のマウスピース64を吸って、シーシャ装置50からエアロゾルを受容しうる。より詳細には、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品は、シーシャ装置50の加熱ユニット70内の物品空洞中に位置付けられうる。加熱ユニット70は、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基体を加熱し、加熱されたエアロゾル形成基体から揮発性化合物を放出するように動作されうる。ユーザーがシーシャ装置50のマウスピース64を吸うと、シーシャ装置50内の圧力が低下し、これが、放出された揮発性化合物をエアロゾル形成基体から加熱ユニット70へと気流導管72の中に引き出す。揮発性化合物は、出口74で気流導管72から、液体空洞54の液体セクション56の液体の中に引き出される。揮発性化合物は、液体で冷却され、液体充填レベル60より上のヘッドスペース58の中に放出される。ヘッドスペース58中の揮発性化合物は、凝縮してエアロゾルを形成し、これがヘッドスペース出口62でヘッドスペースから引き出され、ユーザーによる吸入のためにマウスピース64に引き出される。
【0158】
図4は、本開示の実施形態によるシーシャシステムを形成する、エアロゾル発生物品90と組み合わせた
図3のシーシャ装置50の加熱ユニット70の概略図を示す。
図4aは、エアロゾル発生物品90を加熱ユニット70の物品空洞14に挿入する前の、加熱ユニット70およびエアロゾル発生物品90を示す。
図4bは、加熱ユニット70の物品空洞14に受容されたエアロゾル発生物品90を示す。
【0159】
図4aに示すように、加熱ユニット70は外部ハウジング71を備える。外部ハウジング71は、エアロゾル発生物品90の挿入のために一方の端で開いていて、反対側の端で実質的に閉じている円筒管を形成する。この実施形態では、外部ハウジング71は、アルミニウムなどの、RF電磁放射を通さない材料から形成されている。しかしながら、ハウジング71は、RF電磁放射を通さない材料から形成される必要はなく、むしろ一部の実施形態では、セラミック材料またはプラスチック材料などの、RF電磁放射を実質的に通さない材料から形成されてもよいと理解されよう。
【0160】
閉鎖部75は、開放端を実質的に閉じるために、加熱ユニット70の外部ハウジング71の開放端の上を移動可能である。この位置にて、外部ハウジング71および閉鎖部75は、加熱ユニット空洞を画定する。閉鎖部75は、加熱ユニットの外部ハウジング71と類似の外部ハウジングを備え、RF電磁場を通さない材料から形成され、外部ハウジング71と整列して係合し開放端を閉じるようにサイズ設定および形状設定されている。閉鎖部75は、ヒンジによって外部ハウジング71に回転可能に接続されていて、
図4aに示す開位置と
図4bに示す閉位置の間で回転可能である。閉鎖部75が開位置にある時、外部ハウジング71の開放端は、エアロゾル発生物品90を加熱ユニット空洞に挿入するため、およびエアロゾル発生物品90を加熱ユニット空洞から取り外すために開いている。閉鎖部75が閉位置にある時、加熱ユニット空洞は、RF電磁場が加熱ユニット空洞から伝搬できないように、RF電磁場を通さない材料によって囲まれている。
【0161】
外部ハウジング71の側壁は、周囲空気を加熱ユニット空洞内に侵入させるための空気吸込み口(
図4bに示す)を備える。
【0162】
加熱ユニット70は、気流導管72の上部に、シーシャ装置50のベッセル52より上に配設されている。気流導管72は、加熱ユニット空洞の中まで延伸し、加熱ユニット70の外部ハウジング71の実質的に閉じた端に固定的に取り付けられている。他の実施形態では、加熱ユニット70が必要に応じて、掃除または交換のために取り外せるように、加熱ユニット70は気流導管72に取り外し可能に取り付けられてもよいことが理解されよう。開口部73は、共鳴空洞80を気流導管72に流体接続するために、外部ハウジング71の実質的に閉じた端に提供されている。
【0163】
物品空洞14は、エアロゾル発生物品90を受容するために加熱ユニット空洞中に画定される。物品空洞14は、第一の電極15、第一の電極15の反対側の第二の電極16、および第一の電極15と第二の電極16との間に延在する側壁76によって画定される。物品空洞14は、エアロゾル発生物品90を受容するように構成されていて、エアロゾル発生物品90に相補的な形状およびサイズを有する。第一の電極15および第二の電極16は、実質的に円形の形状を有する実質的に同一の平面電極である。第一の電極15は、第一の電極15が閉鎖部75と共に移動し、第二の電極16および側壁76が気流導管72によって加熱ユニット空洞内に支持されるように、閉鎖部15の内面に固定される。第二の電極16は、物品空洞洞14の基部を形成し、側壁76は、物品空洞14の側壁を形成し、第一の電極15は、閉鎖部75が閉位置にある時、物品空洞14の上部壁を形成する。側壁76は、電気絶縁性材料、この実施形態では、PEEKなどのセラミック材料から形成される。従って、側壁76は、第一の電極15および第二の電極16が互いに電気的に接触しないようにする。
【0164】
物品空洞14の側壁76は、ガス透過性であり、
図4bに示すように、そこに形成されたスロットを有し、空気が物品空洞14を通って、一方の側面から他方に流れることを可能にする。従って、加熱ユニット70は、空気が、空気吸込み口を通して、物品空洞14を通して、物品空洞14の側壁76のスロットを通して、加熱ユニット空洞内に引き込まれ得るよう、そして加熱ユニット空洞から開口部73を通して、気流導管72内に引き込まれるように、構成される。
【0165】
加熱ユニット70は、発振回路10をさらに含む。発振回路10は、シーシャ装置の電源(図示せず)および制御回路(図示せず)に接続され、制御回路は、電源から発振回路10への電力供給を制御するように構成されている。この実施形態では、電源は再充電式リチウムイオン電池であり、シーシャ装置50は、電源を再充電するためにシーシャ装置50を主電源に接続することを可能にする電力コネクタを備える。シーシャ装置50に、電池などの電源を提供することにより、シーシャ装置50をポータブルにし、屋外または主電源が利用できない場所で使用することが可能になる。
【0166】
第一の電極15は、可撓性回路によって発振回路10に電気的に接続される。第二の電極16はまた、発振回路10に電気的に接続される。
【0167】
エアロゾル発生物品90はエアロゾル形成基体92を含む。この実施形態では、エアロゾル形成基体92は、糖蜜およびたばこを含むシーシャ基体である。エアロゾル形成基体92は、ティッピング紙などの、ガス透過性をもつ、電気絶縁材料から形成されるラッパー94内に封入される。エアロゾル発生物品90は、シーシャ装置50の物品空洞14の形状に相補的な、ホッケーパックに類似した、実質的に円筒形の形状を有する。
【0168】
図4bに示すように、エアロゾル発生物品90が加熱ユニット70の物品空洞14中に受容されると、エアロゾル発生物品90の円形の基部が物品空洞14の第二の電極16に接触し、エアロゾル発生物品90の側部が物品空洞14の側壁76に接触する。閉鎖部75が閉位置に配置されると、エアロゾル発生物品90の円形の上部は、物品空洞14の第一の電極15と接触する。この配設において、第一の電極15と第二の電極16の間の誘電材料を画定しながら、第一の電極15、第二の電極16、およびエアロゾル発生物品90は、エアロゾル形成基体90とともに、コンデンサを形成する。
【0169】
ユーザーがシーシャ装置50のマウスピース64を吸う時、空気は、外部ハウジング71の空気吸込み口を通してシーシャ装置50の中に引き込まれる。エアロゾル発生物品90および加熱ユニット70を通る気流経路は、
図4bの矢印によって示されている。空気は、外部ハウジング71の空気吸込み口を通って加熱ユニット空洞内に引き込まれ、加熱ユニット空洞からエアロゾル発生物品90内に、物品空洞14の側壁76を通って引き込まれる。空気は、エアロゾル形成基体92を通して引き込まれ、物品空洞14の側壁76の対向する部分を通して加熱ユニット空洞内に戻され、加熱ユニット空洞から、加熱ユニット70の外部ハウジング71の開口部73を通して気流導管72内に引き込まれる。
【0170】
使用時に、ユーザーがシーシャ装置50を起動すると、電源から発振回路10に電力が供給される。この実施形態では、シーシャ装置は、加熱ユニット70の外部表面上に提供された起動ボタン(図示せず)をユーザーが押すことによって起動される。他の実施形態では、シーシャ装置は、マウスピース64上に提供された吸煙センサーによって、ユーザーがマウスピース64を吸うことを検出された時など、別の様式で起動されうることが理解されよう。電力が発振回路10に供給される時、発振回路は、1Hz~300MHzの周波数を持つ、二つの実質的に等しい、位相の異なるRF電磁信号を生成する。信号のうちの一つは第一の電極15に供給され、他方の信号は第二の電極16に供給される。
【0171】
第一の電極15および第二の電極16に供給されるRF電磁信号は、物品空洞14内に交流のRF電磁場を確立し、このRF電磁場は、揮発性化合物を放出するエアロゾル形成基体90を誘電性に加熱する。上述のように、物品空洞14中の温度は、フィードバック制御機構を使用して調節することができる。シーシャ装置50の制御回路にフィードバック信号を提供するために、物品空洞14内部の温度を感知することができる、または基体空洞内部の温度を示す別のパラメータを感知することができる。制御回路は、物品空洞14内部の温度を所望の温度範囲内に維持するために、RF電磁場の周波数もしくは振幅、または周波数および振幅の両方を調整するように構成されている。
【0172】
ユーザーがシーシャ装置50のマウスピース64を吸う時、加熱されたエアロゾル形成基体90から放出される揮発性化合物は、エアロゾル発生物品90を通る気流に取り込まれ、そして、エアロゾル発生物品90から、加熱ユニット70を通して引き出され、開口部73を通じて、気流導管72の中に引き出される。上述のように、揮発性化合物は、気流導管72から、シーシャ装置50を通じて、マウスピース66やその外部に引き出される。
【0173】
図5は、本開示の別の実施形態による、シーシャ装置の加熱ユニット70およびエアロゾル発生物品90を示す。
図5に示す加熱ユニット70は、
図4に示す加熱ユニット70と実質的に類似しており、同様の特徴を示すために、同様の参照番号が使用される。
図5aは、エアロゾル発生物品90を加熱ユニット70の物品空洞14の中に挿入する前の、加熱ユニット70およびエアロゾル発生物品90を示す。
図5bは、加熱ユニット70の物品空洞14の中に受容されたエアロゾル発生物品90を示す。
【0174】
図5に示す加熱ユニット70は、
図5に示す加熱ユニット70は第一の電極15および第二の電極16を含まないという点で、
図4に示す加熱ユニット70と異なる。代わりに、この実施形態では、エアロゾル発生物品90は、第一の電極15および第二の電極16を備え、加熱ユニット70は、第一の電気接点82および第二の電気接点84を備える。
【0175】
第一の電気接点82は、
図4の実施形態の第一の電気接点15と類似の位置で、閉鎖部75の内面に固定される。第二の電気接点84は、
図4の実施形態の第二の電極16と類似の位置で、外部ハウジング71内に支持される基部78に固定される。この実施形態では、物品空洞は、単に基部78によって画定され、側壁を含まない。第一の電気接点82および第二の電気接点84は実質的に同一であり、エアロゾル発生物品90の直径よりも有意に小さい直径を有する金属の円形シートを含む。第一の電気接点および第二の電気接点は、発振回路10に電気的に接続される。
【0176】
この実施形態では、エアロゾル発生物品90は、
図4の実施形態のエアロゾル発生物品90と実質的に類似した円筒形状を有する。しかしながら、この実施形態では、エアロゾル形成基体92は、ラッパーに包まれるのではなく、むしろ容器内に含有される。容器の円形の底部壁および上部壁は、導電性材料、典型的には金属から形成される。円形の上部壁は第一の電極15を形成し、円形の底部壁は第二の電極16を形成する。側壁98は、底部壁の外周と上部壁の外周との間に延在し、底部壁および上部壁が電気的に接触しないことを保証するプラスチック材料などの電気絶縁性材料から形成される。複数のスロットが側壁98内に設けられ、空気がエアロゾル発生物品90に出入りできるようにする。
【0177】
図5bに示すように、エアロゾル発生物品90が物品空洞14内に収容され、閉鎖部75が閉位置に回転するとき、第一の電気接点82は第一の電極15と接触し、第一の電極15を発振回路10に電気的に接続し、第二の電気接点82は第二の電極15と接触し、第二の電極15を発振回路10に電気的に接続する。
【0178】
また、
図4bに示すように、使用中、周囲空気は、空気吸込み口を通して加熱ユニット70内に引き込まれ、側壁98のスロットを通してエアロゾル発生物品90内に引き込まれる。空気は、側壁98のスロットを通して、エアロゾル発生物品90から引き出され、空気がシーシャ装置のベッセルに入り込む気流導管72内に流れ込む。
【0179】
図6は、本開示の別の実施形態による、シーシャシステムを形成する、シーシャ装置およびエアロゾル発生物品90のための加熱ユニット70を示す。
図6に示す加熱ユニット70およびエアロゾル発生物品90は、
図4に示す加熱ユニット70およびエアロゾル発生物品90と実質的に類似しており、同様の特徴を示すために、同様の参照番号が使用される。
図6aは、エアロゾル発生物品90を加熱ユニット70の物品空洞14の中に挿入する前の、加熱ユニット70およびエアロゾル発生物品90を示す。
図6bは、加熱ユニット70の物品空洞14の中に受容されたエアロゾル発生物品90を示す。
【0180】
図6に示す加熱ユニット70は、第一の電極15が細長い、円筒形状の電極を備え、第二の電極16が第一の電極15を囲む細長い管状の電極を備えるという点で、
図4に示す加熱ユニット70とは異なる。
【0181】
物品空洞14は、第一の電極15、第二の電極16、および基部78の間に画定され、一端で開き、反対側の端で実質的に閉じられる細長い環状空洞を形成する。基部78は、PEEKなどの電気絶縁材料から形成され、複数のスロットを備えて、空気が物品空洞14から流れ出ることを可能にする。基部78は、
図5bに示すように、物品空洞14から流れ出ている空気が気流導管72内に流れ込むように、気流導管72のフレア状の端部の上に支持される。一部の実施形態では、気流導管72のフレア状の端部は、気流導管72の不可欠な一部分であるが、この実施形態では、気流導管72のフレア状の端部は、加熱ユニット70の不可欠な一部分であり、加熱ユニット70と気流導管から取り外し可能である。
【0182】
図6に示す加熱ユニット70はまた、外部ハウジング71が閉鎖部を備えておらず、むしろ物品空洞14が第二の電極16にヒンジで取り付けられた閉鎖部80を備えるという点で、
図4に示す加熱ユニット70とは異なる。閉鎖部80は、
図6aに示す通り、エアロゾル発生物品が物品空洞14に挿入されるように開位置と、
図6bに示す通り、物品空洞14の開放端部を閉じるための閉位置との間で移動可能である。閉鎖部80は、PEEKなどの電気絶縁性材料から形成されるという点で基部78に類似しており、閉鎖部80が閉位置にある時に空気が物品空洞14に入ることを可能にする複数のスロットを備える。閉鎖部80は、閉鎖部80が閉位置にある時、第一の電極15と接触するために、閉鎖部上に中央に位置し、また第一の電極15を発振回路10に電気的に接続する電気接点82をさらに備える。電気接点82は、可撓性回路を介して発振回路に電気的に接続される。第二の電極16の外面はまた、発振回路10に電気的に接続される。
【0183】
この実施形態では、エアロゾル発生物品90は、物品空洞14の形状に相補的な細長い管状形状を有する。特に、エアロゾル形成基体92は、第一の電極15に相補的なサイズおよび形状である内側通路97を備える。エアロゾル発生物品90が物品空洞14内に収容されると、エアロゾル発生物品90の内側通路97の内表面は、第一の電極15の外表面と接触し、エアロゾル発生物品90の外表面は、第二の電極16の内表面と接触する。
【0184】
図7は、本開示の別の実施形態によるシーシャシステムを形成する、シーシャ装置およびエアロゾル発生物品90のための加熱ユニット70を示す。
図7に示す加熱ユニット70およびエアロゾル発生物品90は、
図6に示す加熱ユニット70およびエアロゾル発生物品90と実質的に類似しており、同様の特徴を示すために、同様の参照番号が使用される。
図7aは、エアロゾル発生物品90を加熱ユニット70の物品空洞14の中に挿入する前の、加熱ユニット70およびエアロゾル発生物品90を示す。
図7bは、加熱ユニット70の物品空洞14の中に受容されたエアロゾル発生物品90を示す。
【0185】
図7に示す加熱ユニット70は、
図6に示す加熱ユニット70とは、
図7の加熱ユニット70は第二の電極16を備えていないというより、むしろ、PEEKなどの電気絶縁性を持つ材料から形成される管状側壁76を備え、電気接点84は側壁76の内面に配置されるという点において異なる。電気接点84は、発振回路10に電気的に接続された実質的に点接点である。
【0186】
図7に示す加熱ユニット70は、
図7に示す加熱ユニット70が閉鎖部を含まないという点で、
図6に示す加熱ユニット70とは異なる。
【0187】
図7に示すエアロゾル発生物品90は、
図7のエアロゾル発生物品90が、エアロゾル形成基体92の円筒形状の外表面を導電性のラッパーが周囲を囲むという形態により、第二の電極16を備えるという点で、
図6に示すエアロゾル発生物品90とは異なる。さらに、
図7のエアロゾル発生物品90は、内側通路を含まない。このため、第一の電極15は、エアロゾル発生物品90が物品空洞14内に受容される時に、エアロゾル形成基体92を貫通するように構成される。
【0188】
エアロゾル発生物品90が物品空洞14内に受容される時、第二の電極16は、円筒形状の側壁76の内表面上の電気接点84と接触し、第二の電極16を発振回路10に電気的に接続する。
【0189】
図8は、本開示の別の実施形態による、シーシャシステムを形成する、シーシャ装置ための加熱ユニット70およびエアロゾル発生物品90を示す。
図8に示す加熱ユニット70およびエアロゾル発生物品90は、
図7に示す加熱ユニット70およびエアロゾル発生物品90と実質的に類似しており、同様の特徴を示すために、同様の参照番号が使用される。
図8aは、エアロゾル発生物品90を加熱ユニット70の物品空洞14の中に挿入する前の、加熱ユニット70およびエアロゾル発生物品90を示す。
図8bは、加熱ユニット70の物品空洞14の中に受容されたエアロゾル発生物品90を示す。
【0190】
図8に示す加熱ユニット70は、
図8の加熱ユニット70は第一の電極15または第二の電極16は含まないが、むしろ第一の電気接点82および第二の電気接点84を含むという点で、
図7に示す加熱ユニット70とは異なる。第一の電気接点82は、基部78の中央に配置され、
図6の実施形態の閉鎖部80上の電気接点82と実質的に類似している。第二の電気接点84は、側壁76の内表面を囲むリング接点である。
【0191】
図8に示すエアロゾル発生物品90は、
図7のエアロゾル発生物品90は第一の電極15および第二の電極16を含むという点で、
図7に示すエアロゾル発生物品90とは異なる。第一の電極15は、エアロゾル形成基体92の中央を通って伸びる細長い円筒形状の電極を含む。第二の電極16は、エアロゾル形成基体92の円筒形状の外表面を囲む導電性ラッパーを含む。
【0192】
エアロゾル発生物品90が物品空洞14内に受容されると、 エアロゾル発生物品90の第一の電極15の端部は、物品空洞14の基部78にて第一の電気接点82と接触し、第一の電極15を発振回路10に電気的に接続する。そして、エアロゾル発生物品の第二の電極16は、円筒形状の側壁76の内表面上の第二の電気接点84と接触し、 第二の電極16を発振回路10に電気的に接続する。
【0193】
図9および
図10は、本開示の別の実施形態によるシーシャシステムを示す。シーシャシステムは、
図3に示すシーシャシステムと類似しており、同様の特徴を表すために、同様の参照番号が使用される。
【0194】
シーシャ装置50は、二つのセクションに分割された液体空洞54を画定するベッセル52と、液体を含む液体セクション56と、液体セクションより上のヘッドスペース58とを備える。この実施形態では、ベッセル52は実質的に円筒形である。液体充填レベル60は、液体セクション56とヘッドスペース58の間の境界線に画定され、ベッセル52の外部表面上の破線60によって定められている。ヘッドスペース出口62は、液体充填レベルより上のベッセル52の側壁上に提供され、ヘッドスペース58で液体空洞から流体が引き出されるのを可能にするように構成されている。マウスピース64は、可撓性のホース66によってヘッドスペース出口62に接続されている。
【0195】
ベッセル52は、加熱ユニット70上に配設されていて、この実施形態では、加熱ユニットは直径がベッセル52の直径と実質的に等しい円筒形ユニットである。従って、ベッセル52および加熱ユニット70が使用のために一緒に配設される場合、シーシャ装置50は実質的に円筒形のユニットを形成する。
【0196】
加熱ユニット70は、ねじ(図示せず)によってベッセル52に取り外し可能に取り付けられており、
図9ではベッセル52とは別個に示されている。加熱ユニット70は、
図6に示す加熱ユニットと実質的に類似しており、同様の特徴を示すために、同様の参照番号が使用される。
【0197】
加熱ユニット70は、RF電磁放射を通さない材料から形成された外部ハウジング71を備える。外部ハウジング71は、一方の端が実質的に閉じており、他方の端が開いている円筒管を形成する。
【0198】
物品空洞14は、管状の第一の電極15と円筒形状の第二の電極16との間に、外部ハウジング71内に画定される。管状の第一の電極15は、円筒形状の内側通路を画定する、円筒形状に曲げられたシート状の電極を含む。円筒形状の第二の電極16は、第一の電極15の内側通路内に延在し、物品空洞14が実質的に環状となるように、第一の電極15と同軸に整列される。第一の電極15の内側通路の直径は、第一の電極15の内表面が、エアロゾル発生物品90が物品空洞14内に受容されるとき、エアロゾル発生物品90の外表面と接触するように、エアロゾル発生物品90の直径と実質的に同じである。第二の電極16は、エアロゾル発生物品90が物品空洞14内に受容された時に、エアロゾル発生物品90を貫通するよう構成されている。エアロゾル発生物品90を貫通することによって、第二の電極16は、エアロゾル発生物品90が物品空洞14内に受容される時に、エアロゾル発生物品90のエアロゾル形成基体92に接触する。
【0199】
物品空洞14は、外部ハウジング71の開放端と同じ端で開き、この端にてエアロゾル発生物品90が物品空洞14に挿入され、物品空洞14から取り外されることを可能にする。物品空洞14の反対の端部は、物品空洞14内にエアロゾル発生物品90が正しく設置できるよう、実質的に閉じている。
【0200】
空気吸込み口85は、外部ハウジング71内に提供され、空気流通路は、空気吸込み口85と物品空洞14の実質的に閉じた端部との間に延在する。物品空洞14の実質的に閉じた端部は、空気が空気流通路86から物品空洞14内に引き込まれることを可能にする複数のスロットを備える。
【0201】
発振回路10は、加熱ユニット70内に、物品空洞14および空気流通路86の下に提供される。第一の電極15および第二の電極16は、発振回路が第一の電極15および第二の電極16のそれぞれに発振電圧を提供し得るように、発振回路10に電気的に接続される。第一の電極15の外表面は、発振回路10に電気的に接続される。第二の電極16の近位端は、物品空洞14の実質的に閉じた端部を超えて、かつ空気流通路86を通って延在し、発振回路10に電気的に接続される。
【0202】
発振回路10は、制御回路(図示せず)およびリチウムイオン電池(図示せず)に接続され、これらは、発振回路10によって生成されるRF交流電圧を制御するために、発振回路10への電力の供給を制御するように配置され構成される。
【0203】
図10に示すように、気流導管72は、ベッセル52から物品空洞14内に延在し、物品空洞14をベッセル52の液体セクション56に流体接続する。気流導管72は、液体充填レベル60より下の液体セクション56中の位置まで延びる。重力の影響下で気流導管72を通って物品空洞14の中に液体セクション56から液体が流れ込むのを防ぐために、一方向弁(図示せず)が、気流導管72中の加熱ユニット70とベッセル52の間の開口部73に配設されている。一方向弁は、流体がベッセル52から加熱ユニット70の中に流れることを許容せず、また、流体が加熱ユニット70からベッセル52に流れるために、最小圧力に達することも要求する。加熱ユニット70内に伸びる気流導管72の端部は、外向きにフレアして、物品空洞14の開放端部の外周に接触する。気流導管72のフレア状の端部は、気流導管72のフレア状の端部が、物品空洞14の開放端の外周と気密シールを形成するように、シリコンなどの弾性材料から形成され得る。
【0204】
使用時に、ユーザーがマウスピース64を吸うと、周囲空気が、シーシャ装置50の中に、空気吸込み口85及び空気流通路86を通って、物品空洞14の中に、引き込まれる。物品空洞14中に提供され、制御回路および電池に接続された吸煙センサー(図示せず)は、空気が物品空洞14の中に流れ込むので、ユーザーがマウスピース64を吸っていることを感知する。吸煙センサーが、ユーザーがマウスピース64を吸うのを検出すると、制御回路は、電池から発振回路10に電力を供給し、第一のRF交流電圧を第一の電極15に供給し、第一のRF交流電圧と180度ずれた第二のRF交流電圧を第二の電極16に供給し、物品空洞14内のエアロゾル発生物品90のエアロゾル形成基体を加熱する。揮発性化合物が加熱されたエアロゾル形成基体から放出される。物品空洞14の中に引き込まれた空気は、放出された揮発性化合物を同伴し、同伴された揮発性化合物は、気流導管72に引き込まれ、さらに一方向弁を通って、ベッセル52の液体セクション56の中に引き込まれる。揮発性化合物は、液体セクション56中の液体で冷却され、液体からヘッドスペース58の中に放出され、ここで凝縮してエアロゾルを形成する。エアロゾルは、ヘッドスペース出口62を通ってヘッドスペース58から引き出され、ホース66に沿って、ユーザーによる吸入のためにマウスピース64に引き出される。
【0205】
上述の実施形態は、例示的実施形態のみであり、本開示による様々な他の実施形態も想定されることが理解されよう。例えば、上述の加熱ユニットの実施形態は、
図3および
図10に示す装置など、シーシャ装置の任意の適切な設計と共に使用されうることが理解されよう。例えば、本開示によるシーシャシステムのベッセル、エアロゾル形成物品、および任意の他の特徴は、所望される任意の他の形状およびサイズであってもよいと理解されよう。例えば、シーシャ装置の液体セクション内の液体は、水であることが好ましいが、別の適切な液体であってもよい。
【国際調査報告】