(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】スプレーコーティングに使用する塗装ブースのための空気濾過器
(51)【国際特許分類】
B05B 14/43 20180101AFI20221214BHJP
B05B 16/60 20180101ALI20221214BHJP
B01D 46/10 20060101ALI20221214BHJP
B01D 46/121 20220101ALI20221214BHJP
B01D 46/12 20220101ALI20221214BHJP
B01D 50/00 20220101ALI20221214BHJP
B01D 50/20 20220101ALI20221214BHJP
B01D 45/08 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
B05B14/43
B05B16/60
B01D46/10 E
B01D46/121
B01D46/12
B01D50/00 501G
B01D50/00 501E
B01D50/00 501A
B01D50/00 502A
B01D50/20
B01D45/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523100
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 EP2020079278
(87)【国際公開番号】W WO2021074426
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522153954
【氏名又は名称】ユーキューブ ラブ エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ハヨウン,パトリック アラン ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】カルボナーラ,ミシェル
【テーマコード(参考)】
4D031
4D058
4D073
【Fターム(参考)】
4D031AB06
4D031BA01
4D031BA10
4D031CA01
4D031DA04
4D031EA01
4D058JA12
4D058JB25
4D058KA01
4D058KA23
4D058KB06
4D058KB11
4D058KB20
4D058LA01
4D058QA01
4D058QA07
4D058SA15
4D058SA20
4D073DC02
4D073DC19
4D073DD10
(57)【要約】
スプレーコーティングのための空気濾過器(1)は:立方体を示し、かつ空気入口を形成する面(5)、及び反対側の空気出口を形成する面(7)を伴って設計された、ハウジング(3)と;折り曲げ線(11)を伴い、この折り曲げ線(11)でアコーディオン式に折り曲げられ、かつ濾過障壁(8)を形成するためにハウジング(3)に位置された、1つまたは複数のアコーディオン式パネル(9)と、を備え;濾過障壁(8)の1つまたは複数のアコーディオン式パネル(9)は、アコーディオン式パネル(9)のうちの1つで形成された捕捉チャンバ(29)が空圧的に後に続く、収束プロファイルを形成するために折り曲げられるよう構成された、少なくとも一対のフラップ部分(15)と、捕捉チャンバ(29)の側方の排出通路を形成する開口部と、を備える。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレーコーティングのための空気濾過器(1)であって、
立体形状を示すよう、かつ空気入口を形成する面(5)及び空気出口を形成する反対側の面(7)を伴い設計された、ハウジング(3)と、
折り曲げ線(11)を伴い、前記折り曲げ線(11)でアコーディオン式に折り曲げられ、かつ濾過障壁(8)を形成するために前記ハウジング(3)に位置された、1つまたは複数のアコーディオン式パネル(9)と、を備え、
前記空気濾過器(1)は、
前記濾過障壁(8)における1つまたは複数の前記アコーディオン式パネル(9)が、前記アコーディオン式パネル(9)の1つによって形成された捕捉チャンバ(29)が空圧的に後に続く、収束プロファイルを形成するために、折り曲げられるよう構成された少なくとも一対のフラップ部分(15)と、前記捕捉チャンバ(29)の側方の排出通路を形成する開口部と、を備えることを特徴とする、空気濾過器(1)。
【請求項2】
前記開口部は、対応した前記捕捉チャンバ(29)の底部から離れるよう、対応した前記フラップ部分(15)に隣接する、請求項1に記載の空気濾過器(1)。
【請求項3】
少なくとも一対の前記フラップ部分(15)の各々は、1つまたは複数の前記パネル(9)のうち1つにおける端部分(9A)によって形成される、請求項1または2に記載の空気濾過器(1)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記捕捉チャンバ(29)の各々は、1つまたは複数の前記パネル(9)のうち1つにおける、2つの折り曲げられた主部分(13)によって形成され、角度は30°よりも大きく、及び/または60°未満である、請求項1~3のうちいずれか一項に記載の空気濾過器(1)。
【請求項5】
少なくとも1つの前記捕捉チャンバ(29)の各々は、1つまたは複数の前記パネル(9)のうち1つにおける、2つの折り曲げられた前記主部分(13)それぞれに形成された、2つの開口部を備える、請求項4に記載の空気濾過器(1)。
【請求項6】
前記開口部の各々は、1つまたは複数の前記アコーディオン式パネル(9)の一部分(13B)によって分離された2つの副開口部(13A)に、前記折り曲げ線(11)の方向に沿って小分けされる、請求項1~5のうちいずれか一項に記載の空気濾過器(1)。
【請求項7】
前記折り曲げ線(11)に対して垂直に延び、かつ1つまたは複数の前記アコーディオン式パネル(9)それぞれの反対側の両端部で係合する2つの保持パネル(19)をさらに備え、それによって1つまたは複数の前記アコーディオン式パネル(9)を、安定した折り曲げ構成に保持する、請求項1~6のうちいずれか一項に記載の空気濾過器(1)。
【請求項8】
2つの前記保持パネル(19)は、1つもしくは複数の前記アコーディオン式パネル(9)それぞれの反対側の両端部におけるタブ(13C)または突出部分(15A)を受入れるための、スロット(19C)またはノッチ(19D)を備える、請求項7に記載の空気濾過器(1)。
【請求項9】
1つまたは複数の前記アコーディオン式パネル(9)、及び存在する場合は2つの前記保持パネル(19)は、空気の連続した誘導表面を形成する、請求項1~8のうちいずれか一項に記載の空気濾過器(1)。
【請求項10】
前記濾過障壁(8)は、前記空気入口の下流側に直接配置された、入口濾過障壁(8)であり、前記空気濾過器(1)は、前記空気出口の上流側に直接配置された出口濾過障壁(17)を備え、前記出口濾過障壁(17)は、フレーム(17B)と、前記フレーム(17B)に支えられた線維の濾過材料層(17A)と、を備える、請求項1~9のうちいずれか一項に記載の空気濾過器(1)。
【請求項11】
中間濾過障壁(21)をさらに備え、前記中間濾過障壁(21)は、折り曲げ線(25)を有し、かつ前記折り曲げ線(25)に沿ってアコーディオン式に折り曲げられるよう構成された、濾過パネル(23)を備える、請求項1~10のうちいずれか一項に記載の空気濾過器(1)。
【請求項12】
前記中間濾過障壁(21)の前記濾過パネル(23)は、穴開きパネル(23A)と、前記穴開きパネル(23A)によって支えられた線維の濾過材料層(23B)と、を備える、請求項11に記載の空気濾過器(1)。
【請求項13】
前記中間濾過障壁(21)は横部材(27)を備え、前記横部材(27)は、前記濾過パネル(23)がアコーディオン式に折り曲げられたとき、前記中間濾過障壁(21)の後面(21A)における前記折り曲げ線(25)間に一定の距離を維持するために、前記中間濾過障壁(21)の前記後面(21A)に位置された前記濾過パネル(23)の、前記折り曲げ線(25)と係合するよう構成される、請求項11または12に記載の空気濾過器(1)。
【請求項14】
前記中間濾過障壁(21)は、前記入口濾過障壁(8)と前記出口濾過障壁(17)との間で前記ハウジング(3)に位置されるよう構成される、請求項10、及び、11~13のうちいずれか一項に記載の空気濾過器(1)。
【請求項15】
前記ハウジング(3)、1つまたは複数の前記アコーディオン式パネル(9)、存在する場合は2つの前記保持パネル(19)、存在する場合は前記穴開きパネル(23A)、及び/または存在する場合は前記横部材(27)、は段ボールで作られる、請求項1~14のうちいずれか一項に記載の空気濾過器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレーコーティングの塗装ブースに関し、より詳細には、塗装ブースのための空気濾過システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スプレーコーティングは、部品または自動車の塗装における産業界で広範に使用される。それは、好ましくは粉末形態の塗料などの様々な材料を、ノズルによって対象物にスプレーすることから成る。この材料は次に、対象物の表面に均一なコーティングを形成する。しかしスプレーコーティングは、湿潤及び/または乾燥塗料のエアゾールによって形成された塗料の霧など、重大な欠点も有する。したがって、使用者個人の安全を向上させるために、空気濾過システムを使用することが必要である。
【0003】
そのために、塗装ブースのための空気濾過器を使用することは公知であり、産業界で開発されている。塗装ブースは一般的に、閉鎖された部屋から成り、複数の個々の空気濾過器で作られた、壁、屋根、または床を形成する空気出口を伴う。各濾過器は、空気入口及び空気出口を形成するハウジングを備える。一般的にハウジングの内側でアコーディオン式に折り曲げられるよう設計されたパネルは、塗料粒子に対する濾過障壁を形成する。これらの濾過器は、濾過器の形態及び/または組成に依拠して、80~99%の範囲の有効率で、スプレーした材料を維持することができる。しかし、より高い有効率の濾過器は、一般的にあまり多くの塗料の量を保持することができず、そのため度々交換する必要がある。
【0004】
国際公開第2018/140032号で公開された先行技術は、開口部を伴い、アコーディオン式パネルを形成する支持部を備えた、塗装ブースのための立方体型濾過器を開示している。パネルのアコーディオン形状は、ハウジング内に位置付けられたアコーディオン式パネルの、上部及び内部における両方の先端に固定された保持パネルによって、維持される。さらにこの支持部は、好ましくは複数の紙シートで作られた濾過材料を備える。しかしこの濾過器は、複雑な構造で製造が困難である。濾過品質、濾過容量、及びもたらされる圧力損失においても、制限を呈する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の先行技術における欠点の少なくとも1つに対する解決策を、技術的課題のために提供する。より詳細には、本発明は、満足のいく濾過品質、限定された圧力損失、及び限定されたコストを維持しながら、濾過器が濾過及び包含できる塗料材料の量を、技術的課題のために向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のため、本発明はスプレーコーティングのための空気濾過器を目標とし、この空気濾過器は:立方体を示し、かつ空気入口を形成する面、及び反対側の空気出口を形成する面を伴って設計された、ハウジングと;折り曲げ線を伴い、この折り曲げ線でアコーディオン式に折り曲げられ、かつ濾過障壁を形成するためにハウジングに位置された、1つまたは複数のアコーディオン式パネルと、を備え;濾過障壁の1つまたは複数のアコーディオン式パネルが、アコーディオン式パネルのうちの1つで形成された捕捉チャンバが空圧的に後に続く、収束プロファイルを形成するために、折り曲げられるよう構成された少なくとも一対のフラップ部分と、捕捉チャンバの側方の排出通路を形成する開口部と、を備えることは注目に値する。
【0008】
有利には、ハウジングの各空気入口面及び空気出口面は、フレーム及び中央開口部を備え、このフレームは、各障壁をハウジングで維持するのを可能にする。
【0009】
有利には、空気濾過器は平坦構成であり、動作させるために折り曲げて組み立てる必要がある。
【0010】
好ましい実施形態によると、開口部は、対応した捕捉チャンバの底部から離れるよう、対応したフラップ部分に隣接する。
【0011】
好ましい実施形態によると、少なくとも一対のフラップ部分の各々は、1つまたは複数のパネルのうち1つにおける端部分によって形成される。
【0012】
好ましい実施形態によると、少なくとも1つの捕捉チャンバの各々は、1つまたは複数のパネルのうち1つにおける、2つの折り曲げられた主部分によって形成され、角度は30°よりも大きく、及び/または60°未満である。
【0013】
好ましい実施形態によると、少なくとも1つの捕捉チャンバの各々は、1つまたは複数のパネルのうち1つにおける、2つの折り曲げられた主部分それぞれに形成された、2つの開口部を備える。
【0014】
好ましい実施形態によると、開口部の各々は、1つまたは複数のアコーディオン式パネルの一部分によって分離された2つの副開口部に、折り曲げ線の方向に沿って小分けされる。
【0015】
好ましい実施形態によると、空気濾過器は、折り曲げ線に対して垂直に延び、かつ1つまたは複数のアコーディオン式パネルそれぞれにおける反対側の両端部で係合する、2つの保持パネルをさらに備え、それによって1つまたは複数のアコーディオン式パネルを、安定した折り曲げ構成に保持する。
【0016】
有利には、各保持パネルは、折り曲げられたアコーディオン構造を呈し、この折り曲げは、各アコーディオン式パネルを折り曲げ位置に維持できる保持パネルを形成するように、折り曲げ線において成される。
【0017】
好ましい実施形態によると、2つの保持パネルは、1つもしくは複数のアコーディオン式パネルそれぞれにおける反対側の両端部におけるタブ、または突出部分を受入れるためのスロットもしくはノッチを備える。
【0018】
有利には、各主パネルはタブを備える。このタブは、保持パネルにおける対応したスロットに入ることができる。各フラップ部分は突出部分を備える。この突出部分は、対応した保持パネルに作られた、対応したノッチに挿入させることができる。
【0019】
好ましい実施形態によると、1つまたは複数のアコーディオン式パネル、及び存在する場合は2つの保持パネルは、空気の連続した誘導表面を形成する。
【0020】
好ましい実施形態によると、濾過障壁は、空気入口の下流側に直接配置された、入口濾過障壁である。この空気濾過器は、空気出口の上流側に直接配置された出口濾過障壁を備える。この出口濾過障壁は、フレームと、このフレームに支えられた線維の濾過材料層と、を備える。
【0021】
好ましい実施形態によると、空気濾過器は、中間濾過障壁をさらに備える。この中間濾過障壁は濾過パネルを備える。この濾過パネルは、折り曲げ線を有し、この折り曲げ線に沿ってアコーディオン式に折り曲げられるよう構成される。
【0022】
好ましい実施形態によると、中間濾過障壁の濾過パネルは、穴開きパネルと、この穴開きパネルによって支えられた線維質の濾過材料層と、を備える。
【0023】
好ましい実施形態によると、中間濾過障壁は横部材を備える。この横部材は、濾過パネルがアコーディオン式に折り曲げられたとき、中間濾過障壁の後面における折り曲げ線間に一定の距離を維持するために、中間濾過障壁の後面に位置された濾過パネルの折り曲げ線と係合するよう構成される。
【0024】
好ましい実施形態によると、中間濾過障壁は、入口濾過障壁と出口濾過障壁との間において、ハウジングの中に位置されるよう構成される。
【0025】
好ましい実施形態によると、ハウジング、1つまたは複数のアコーディオン式パネル、存在する場合は2つの保持パネル、存在する場合は穴開きパネル、及び/または存在する場合は横部材、は段ボールで作られる。
【0026】
本発明は、満足のいく濾過品質、限定された圧力損失、及び限定されたコストを維持しながら、濾過器が濾過及び包含できる塗料材料の量を、技術的課題のために向上させる点で興味深い。実際、好ましい実施形態において、本発明は、3つの異なる障壁を濾過器に使用することによって、空気濾過による塗料粒子の保持力の有効性を99.45%まで増加させる。本発明の各空気濾過器は、30kgよりも多い塗料の保持力も可能にし、それによって、濾過器を交換する必要が少ないため、濾過器の経済的な使用を可能にする。これらの濾過器を使用しながら、重要なコスト低下を可能にする。本発明による各空気濾過器は、輸送のためにも折り畳まれ得る。それによって輸送コストの低下、及び濾過器の総コストの低下を可能にする。さらに、塗装ブースにおける設定が容易かつ迅速である。設定に必要な材料は、当業者には公知である。最後に、組立のために使用する材料は低コストで、かつリサイクル可能である。
【0027】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及びそれらの中の図面から、容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明による空気濾過器における空気入口を示す正面図である。
【
図2】
図1の空気濾過器における空気出口の背面図である。
【
図3】本発明による、アコーディオン式パネルで作られた濾過障壁及び保持パネルの、折り畳まれた図である。
【
図6】本発明による中間濾過障壁のための濾過パネルの、側方斜視図である。
【
図7】本発明による中間濾過障壁のための、横部材の斜視図である。
【
図8】本発明による中間濾過障壁の、側方斜視図である。
【
図10】本発明による出口濾過障壁の後面図である。
【
図11】本発明による空気濾過器の動作原理の概要を示す図である。
【
図12】本発明による空気濾過器内の、空気フローの概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1及び
図2は、本発明による空気濾過器の、2つの異なる図である。
【0030】
空気濾過器1は、好ましくは段ボールで作られ、かつ立方体形状を示すよう設計された、ハウジング3を備える。この形状は、塗装ブースで、より好ましくはスプレーコーティングのために使用される濾過器として最も広範に作られるため、好ましくは選択される。空気濾過器1のハウジング3は、空気入口を形成する面5、及び空気出口を形成する反対側の面7を備える。空気フローは、参照[R」を伴う太い矢印によって、図面に示される。ハウジング3の各面(5、7)は、中央開口部(5B、7B)を伴うフレーム(5A、7A)から成る。両面(5、7)のフレーム(5A、7A)は、各障壁をハウジング3内に維持するのを可能にする。面5の中央開口部5Bから、濾過障壁8、より詳細にはこの濾過障壁8の1つまたは複数のアコーディオン式パネル9が視認できる。好ましくは、空気濾過器1は、2つ以上のアコーディオン式パネル9を備え、ハウジング3内で互いに連続して隣に位置付けられる。
【0031】
各アコーディオン式パネル9は、折り曲げ線11を備え、ハウジング3に位置付けるために、パネル9がアコーディオン式に折り曲げられるのを可能にする。これらの折り曲げ線11は、穴開き線または同等のものであってよく、材料に弱点を作ることによって、パネル9を折り曲げられるように作られる。アコーディオン式パネル9は、2つの主部分13、及び少なくとも一対のフラップ部分15で作られる。濾過障壁8は、好ましくは3つの連続したアコーディオン式パネル9を備え、したがって6つの主部分13、及び9つの折り曲げ線11を伴う6つのフラップ部分15、を備える。
【0032】
ハウジング3の反対側の面7は、その中央開口部7Bに、基本的に単層のポリエステル材料17Aで作られた、出口濾過障壁17を示す。
【0033】
【0034】
濾過障壁8は、1つまたは複数のアコーディオン式パネル9、及び2つの保持パネル19を備える。各アコーディオン式パネル9は、折り曲げ線11で折り曲げられた2つの主部分13、及びパネル9の端部分9Aによって形成された一対のフラップ部分15、を備える。より好ましくは、各主部分13の端部分によってパネル9を構成する。各フラップ部分15はさらに、折り曲げ線11によって主部分13に対してヒンジ式に連結される。有利には、各フラップ部分15の各自由先端部は、一旦ハウジングに取り付けられたら(
図1及び
図2で視認できる)、ハウジングの後端部に向けて方向付けられ、フラップ部分15及び主部分13は収束プロファイルを形成する。
【0035】
2つの連続した主部分13は、30°よりも大きく、及び/または60°未満の角度で折り曲げられる。各主部分13は、フラップ部分15に隣接した開口部を備える。この開口部は、好ましくは折り曲げ線11の方向に沿って、それぞれの主部分13の部分13Bによって離隔された、2つの副開口部13Aに小分けされる。
【0036】
濾過障壁8は、2つの保持パネル19も備える。各保持パネル19は、連続した長手方向部分19Aで作られ、搬送に容易なアコーディオン形態をとるために、折り曲げ線19Bによって折り畳まれる。各長手方向部分19Aは、少なくとも1つのスロット19Cを備え、それは対応した主部分13からの対応したタブ13Cを受入れる。各長手方向部分19Aは、少なくとも1つのノッチ19Dを備え、それは対応したフラップ部分15の対応した突出部分15Aを受入れる。各保持パネル19は、アコーディオン式パネル9に取り付けて濾過障壁8を形成した後に、折り曲げ線11に対して垂直に延びて、アコーディオン式パネル9の反対側端部それぞれに係合する。保持パネル19は、アコーディオン式パネル9を安定した折り曲げ構成に保持するために使用される。さらに、アコーディオン式パネル9及び2つの保持パネル19は、空気の連続した誘導表面を形成する。
【0037】
図6~
図9は、本発明による中間濾過障壁の異なる図を開示する。
【0038】
中間濾過障壁21の存在は、有効性、及び本発明の濾過器による塗料の保持力を増加させる。しかし、小さいサイズの濾過器など、いくつかの実施において、中間障壁21はなくてもよい。中間障壁21は、折り曲げ線25を伴う濾過パネル23を備える。このパネル23は、折り曲げ線25に沿ってアコーディオン式に折り曲げられる。濾過パネル23は、穴開きパネル23A、及び穴開きパネル23Aによって支えられた線維材料層23Bを備える。穴開きパネル23Aは、いくつかのオリフィス23Cを備え、線維材料層23Bは、好ましくはポリエステル繊維で作られ、その厚さは15~25mmで構成される。中間濾過障壁21は横部材27も備える。この横部材27は、互いに等間隔に位置付けられたノッチ27Aを伴う。この横部材27は、濾過パネル23の折り曲げ線25と係合するよう、より具体的には、濾過パネル23が折り曲げられたときに、中間障壁21の後面21Aに位置された折り曲げ線25と係合するよう、構成される。横部材27は、濾過パネル23の対応した折り曲げ線25に位置付けられた、対応したノッチ25Aに挿入するよう作られる。これらノッチ25Aは、横部材27に位置付けられたノッチ27Aに対応する。したがって、横部材27は容易にはずれることはなく、後面21Aにおける各折り曲げ線25間で一定の距離を維持する。線維の濾過材料層23Bは、固定手段21Bによって穴開きパネル23Aに固定される。穴開きパネル23A及び横部材27は、好ましくは段ボールで作られる。
【0039】
図10は、本発明による出口濾過障壁の斜視図を示す。
【0040】
この出口濾過障壁17はフレーム17Bを備え、その上に線維材料層17Aが取り付けられる。この出口濾過障壁17は、空気出口の上流側に直接配置される。出口濾過障壁17のフレーム17Bは、好ましくは段ボールで作られ、線維材料層17Aは、好ましくはポリエステルで作られる。
【0041】
図11及び
図12は、本発明による濾過システムの2つの概要を表わす。これらの図面は、前述した
図1~
図10にも相関して説明される。
【0042】
ハウジング3において、アコーディオン式パネル9は、その主部分13及びフラップ部分15を伴い、濾過器1の空気入口の近くに位置付けられる。各アコーディオン式パネル9のフラップ部分15及び主部分13は、捕捉チャンバ29を形成する。1つのアコーディオン式パネル9によって形成された、各捕捉チャンバ29は、主部分13に位置付けられた副開口部13Aを有し、この副開口部13Aは、捕捉チャンバ29の側方の排出通路を形成する。空気入口の近くに位置付けられたフラップ部分15は、対応した捕捉チャンバ29の底部から、ある距離だけ離される。各捕捉チャンバ29は、2つの折り曲げられた主部分13によって形成される。第1の濾過障壁8は、塗料粒子の74%までを捕捉できる。
【0043】
中間濾過障壁21は、アコーディオン式パネル9を形成する入口濾過障壁8と、出口濾過障壁17との間で、ハウジング3に位置付けられる。線維材料層23Bは、入口濾過障壁8に向けて方向付けられ、横部材27、したがって中間濾過障壁21の後面21Aは、濾過器1の出口濾過障壁17に向けて位置付けられる。この障壁21は、24%までの残りの塗料粒子を捕捉できる。
【0044】
出口濾過障壁17は、中間障壁21の後に位置付けられる。それは最後の塗料粒子の捕捉を可能にし、それによって99.8%の純粋な空気が空気濾過器1を出る。
【0045】
塗料粒子で強化された空気Rは、フラップ部分15間で濾過器1に入り、濾過器1の面5を通過する。空気Rは、ほとんどが各捕捉チャンバ29の底部に向けられる。次に空気Rは、濾過障壁8の各主部分13における副開口部13Aに再び向けられる。副開口部13Aは、フラップ部分15の下に位置される。したがって、空気Rは中間障壁21へ向けられ、そこで空気Rは、穴開きパネル23Aの一方の側に位置付けられた、線維材料層23Bの穴の間を通る。次に空気Rは、出口濾過障壁17に向けられ、そこで空気Rは、線維材料層17Aを横断して、残りの塗料粒子のほとんどを除去することができる。次に空気Rは、塗料粒子を含まずに塗装ブースを離れることができる。
【0046】
空気濾過器1を取り付ける方法。この方法は、
図1~12と相関させて説明する。空気濾過器1は、好ましくは平坦構成で、動作させるために折り曲げて組み立てる必要がある。
【0047】
第1の実施形態:空気濾過器1は、濾過障壁8及び出口濾過障壁17の、2つの障壁を備える。
【0048】
第1に、ハウジング3を、立方体形状に形成するよう広げる。
【0049】
第2に、濾過障壁8を取り付ける。各保持パネル19及びアコーディオン式パネル9を広げる。各主部分13の各タブ13Cを、対応した保持パネル19の対応したスロット19Cに挿入する。次に、各突出部分15Aを、保持パネル19の対応したノッチ19Dに挿入するように、各フラップ部分15を折り曲げ線11で折り曲げる。次に、フラップ部分15をハウジング3の面5の近くに位置付けるために、濾過障壁8をハウジング3に挿入する。
【0050】
第3に、出口濾過障壁17を、濾過障壁8の後に挿入し、次にハウジング3を閉鎖する。これで、空気濾過器1の使用準備が整う。
【0051】
第2の実施形態:空気濾過器1は、本発明による3つの障壁を備える。この実施形態は最も好ましい。
【0052】
第1に、ハウジング3を、立方体形状に形成するよう広げる。
【0053】
第2に、出口濾過障壁17をハウジング3に挿入する。
【0054】
第3に、中間濾過障壁21を、アコーディオンを形成するように折り曲げる。次に、横部材27を、濾過パネル23の各折り曲げ線25に存在するノッチ25Aに挿入する。次に、横部材27をハウジング3の後端部に向けて方向付けるために、濾過障壁21をハウジング3に挿入する。
【0055】
第4に、濾過障壁8を取り付ける。各保持パネル19及びアコーディオン式パネル9を広げる。各主部分13の各タブ13Cを、対応した保持パネル19の対応したスロット19Cに挿入する。次に、突出部分15Aを、保持パネル19の対応したノッチ19Dに挿入するように、各フラップ部分15を折り曲げ線11で折り曲げる。次に、フラップ部分15をハウジング3の面5の近くに位置付けるために、濾過障壁8をハウジング3に挿入する。次にハウジング3を閉鎖し、それによって空気濾過器1の使用準備が整う。
【国際調査報告】