(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】圧力センサ
(51)【国際特許分類】
G01L 19/12 20060101AFI20221214BHJP
G01L 7/08 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
G01L19/12 A
G01L7/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523128
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(85)【翻訳文提出日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 IB2020059707
(87)【国際公開番号】W WO2021074846
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】102019000019274
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522154560
【氏名又は名称】メタルックス・ソチエタ・アノニマ
【氏名又は名称原語表記】Metallux SA
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】モニキーノ,マッシモ
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055CC02
2F055EE11
2F055EE18
2F055EE23
2F055FF21
(57)【要約】
それぞれ第1面と第2面が互いに反対側にある、少なくとも1つの第1の本体部分(3)と1つの第2の本体部分(4)を有するセンサ本体(2)を備え、流体の圧力を検出するための圧力センサ(1)。前記第1の本体部分(3)と前記第2の本体部分(4)は、前記第1の本体部分(3)の前記第1面が、そこから離れて、前記第2の本体部分(4)の前記第1面に面するように互いに結合されている。前記第1の本体部分(3)および前記第2の本体部分(4)の少なくとも1つは、流体の圧力の結果として、前記第1の本体部分(3)および前記第2の本体部分(4)のうちの他方に向かって弾性屈曲または変形を受ける膜部分(7)を含み、前記膜部分(7)は、前記第1の本体部分(3)および前記第2の本体部分(4)の前記第1面を定義する。前記圧力センサ(1)は、センサ本体(2)によって支持される回路構成(8、10)を有し、前記回路構成(8、10)は、前記膜部分(7)に対応する良一で少なくとも部分的に延びる少なくとも1つの第1の電気回路(10)を備え、かつ、少なくとも1つのそれぞれの検出コンポーネント(R1、R2、R4)を介して、その弾性屈曲または変形を検出するように構成される。前記第1の電気回路(10)は、前記第1の本体部分(3)および前記第2の本体部分(4)のうちの1つの前記第1面に関連付けられており、かつ、前記第1の本体部分(3)および前記第2の本体部分(4)の他の一つの前記第1面は、少なくとも1つの回路要素(20)を形成するか、またはそれに関連付けられ、前記回路要素(20)は、それにより、前記膜部分(7)の弾性屈曲または変形が実質的に所定の限界に少なくとも等しい程度である場合に、流体の過剰な圧力、不正確な圧力測定、および前記装置の異常な状態のうちの少なくとも1つを表す情報または警報を生成する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の圧力を検出するための圧力センサであって、それぞれ第1面と第2面が互いに反対側にある、少なくとも1つの第1の本体部分(3;3’)と1つの第2の本体部分(4;4’)を有するセンサ本体(2;2’)を備え、
前記第1の本体部分(3;3’)と前記第2の本体部分(4;4’)は、前記第1の本体部分(3;3’)の前記第1面が、そこから離れて、前記第2の本体部分(4;4’)の前記第1面に面するように互いに結合されており、
前記第1の本体部分(3;3')および前記第2の本体部分(4;4’)の少なくとも1つは、流体の圧力の結果として、前記第1の本体部分(3;3’)および前記第2の本体部分(4;4’)のうちの他方に向かって弾性屈曲または変形を受ける膜部分(7;7’)を含み、前記膜部分(7;7’)は、前記第1の本体部分(3;3’)および前記第2の本体部分(4;4’)の前記第1面の少なくとも一部を定義し、
前記圧力センサ(1)は、センサ本体(2)によって支持される回路構成(8、10)を有し、前記回路構成(8、10)は、前記膜部分(7;7’)で少なくとも部分的に延びる少なくとも1つの第1の電気回路(10)を含み、かつ、圧力の測定を表す第1の情報を提供するために、少なくとも1つのそれぞれの検出コンポーネント(R1、R2、R3、R4)を介して、1つの前記弾性屈曲または変形を少なくとも検出するように構成されており、
前記第1の電気回路(10)は、前記第1の本体部分(3;3’)および前記第2の本体部分(4;4’)のうちの1つの前記第1面に関連付けられており、かつ、前記第1の本体部分(3; 3’)および前記第2の本体部分(4;4’)の他の一つの前記第1面は、少なくとも1つの回路要素(20)を形成するか、またはそれに関連付けられており、
前記回路要素(20)は、前記膜部分(7;7’)の前記弾性屈曲または変形が実質的に所定の限界に少なくとも等しい程度である場合に、前記第1の電気回路(10)と相互作用するように事前に準備され、それにより、流体の過剰な圧力、不正確な圧力測定、および前記圧力センサ(1)の異常な状態のうちの少なくとも1つを表す第2の情報または信号を生成する、
圧力センサ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの回路要素(20)は、前記第1の電気回路(10)と機能的に異なる要素である、
請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの回路要素(20)は、抵抗性材料、金属材料、または高い導電性を有する材料などの導電性材料で作られた要素であって、前記第1の電気回路(10)の少なくとも一つの部分が、前記実質的に所定の限界に少なくとも等しい程度の前記膜部分(7;7’)の前記弾性屈曲または変形の後に接触する要素を備える、
請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項4】
前記第1の電気回路(10)の前記部分は、
1つの前記検出構成要素(R1、…、R4)、
1つの前記検出構成要素(R1、…、R4)を接続するための導電性トラック(10a)、および、
前記第1の電気回路(10)の導電性トラック(10a;10a’)に電気的に接続されたコンタクトパッド(10b;10b’)、
のうちの少なくとも1つを備える、
請求項3に記載の圧力センサ。
【請求項5】
前記圧力センサー(1;1’)は、最小圧力と最大圧力の間の公称動作範囲に含まれる流体の圧力を検出するために事前に配置され、
前記第1の電気回路(10)は、流体の圧力値を表す出力信号を供給するように構成され、前記出力信号は、それぞれ前記最小圧力および前記最大圧力に対応する最小値と最大値との間の公称値の範囲に含まれる値をとることができる電気量であり、
前記回路要素(20)と前記第1の電気回路(10)の少なくとも一部との間の接触は、対応する電気量の値が前記公称値の範囲に含まれないように前記出力信号の変動を引き起こす、
請求項3に記載の圧力センサ。
【請求項6】
前記回路要素(20)は信号回路に属しており、
前記回路要素(20)と前記第1の電気回路(10)の少なくとも一部との間の相互作用は、前記第2の情報または信号を表す対応する信号を発生させ、前記対応する信号は、前記第1の情報を表す前記第1の電気回路(10)の出力信号とは独立している、
請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項7】
前記回路要素(20)は、前記第1の電気回路(10)も関連付けられている前記第1面に関連付けられた少なくとも1つの第2の導電性要素(20”)と共に、近接または位置検出器を提供する第1の導電性要素を備え、
前記近接または位置検出器は、前記膜部分(7;7’)の前記弾性屈曲または変形が、少なくとも前記実質的に所定の限界に等しい程度である場合には。前記第1の導電性要素と前記第2の導電性要素(20”)の間に接触がない場合でも、前記第2の情報または信号を生成するように構成されている、
請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項8】
前記近接または位置検出器は、誘導型または容量型または磁気型である、
請求項7に記載の圧力センサ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの検出コンポーネント(R1、R2、R3、R4;20”)は、抵抗性コンポーネント、ピエゾ抵抗性コンポーネント、圧電コンポーネントの中から選択される、
請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項10】
前記回路構成(8、10)はさらに、
前記第1の本体部分(3;3’)と前記第2の本体部分(4;4’)の間の他の一つの前記第2面に関連付けられた第2の電気回路(8)と、
接続手段であって、前記第1の電気回路(10)を前記電気回路(8)に電気的に接続し、かつ、少なくともセンサ本体(2)の軸方向に延びる接続手段と、を備える、
請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項11】
前記接続手段は、
前記第1の本体部分(3;3’)と前記第2の本体部分(4;4’)のうちの他の一つの複数のスルーホール(11)であって、前記それぞれの第1面と第2面の間で軸方向に延びるスルーホール、および、
前記第1の本体部分(3;3’)の前記第1面と前記第2の本体部分(4;4’)の前記第1面の間に設定された材料(5)の層の複数の通路または開口部(14)、
のうちの少なくとも一つを備え、
前記接続手段は、スルーホール(11)のそれぞれ、および/または前記通路または開口部(14)のそれぞれの内側に延び、かつ、前記第1の電気回路(10)を前記第2の電気回路(8)に電気的に接続する、導電性材料(12、13;12、13、12”;13’;13”)をさらに備える、
請求項10に記載の圧力センサ。
【請求項12】
シーリング材料(5)の環状層は、前記第1の本体部分(3)の前記第1面と前記第2の本体部分(4)の前記第1面の間に設定され、
前記第1の本体部分(3)の前記第1面、前記第2の本体部分(4)の前記第1面、および前記シーリング材料(5)の環状層は、前記センサ本体(2)のキャビティ(7)を区切る、
請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項13】
前記第1の本体部分(3’)の前記少なくとも1つと前記第2の本体部分(4’)は、対応する第1面(3a)で前記膜部分(7’)により閉じたアキシャル・キャビティ(6’)を備え、
前記アキシャル・キャビティ(6)は、その圧力が検出されるべき前記流体を受けるために、前記対応する第2面(3b)で開口している、
請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項14】
前記回路構成(8、10)は、単一の信号と、第1の信号および第2の信号とのうちのいずれか一つを生成するように構成され、
前記単一の信号は、前記第1の情報と前記第2の情報の両方を含み、前記回路構成(8、10)は、好ましくは、特にその後の送信の目的で、前記単一の信号における前記第1の情報と前記第2の情報を識別するように構成され、
前記第1の信号は、前記第1の情報を含み、前記第2の信号は、前記第2の情報を含み、前記回路構成(8、10)は、好ましく、特にその後の送信の目的で、単一の信号において前記第1の信号と前記第2の信号を組み合わせるように構成される、
請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14の一またはそれ以上に記載の圧力センサを備える圧力検出デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力センサに関するものであり、特に、圧力が測定される流体によって弾性屈曲または変形を受ける膜部分を備えたセンサ本体を有するセンサを参照して開発された。
【背景技術】
【0002】
上述のタイプのセンサは、様々な分野、自動車分野、家事分野および家庭用電化製品分野、暖房、換気および空調分野、および一般的な水力衛生分野などの流体(液体および気体)の圧力を検出するための装置で使用される。これらの検出装置は、通常、ケーシングまたは支持体を含み、圧力が測定される流体のための入口を備えた少なくとも1つのハウジング、ならびにハウジング内の圧力センサを定義し、その膜部分が流体にさらされる。
【0003】
センサは、一般に電気絶縁材料で作られたセンサ本体を有し、キャビティは、前述の膜部分によって少なくとも一端が閉じられている。一部のタイプのセンサ(例えば、相対タイプの一部のセンサ)では、アキシャル・キャビティは実質的にブラインド・アキシャル・キャビティであり、センサ本体の面、ここでは、簡単にするために「上面」と定義する面でのみ閉じられる。
【0004】
代わりに、上記アキシャル・キャビティは、センサ本体の反対側の面(ここでは「下面」と定義)で開き、流体を受け取るためにデバイスの入口と連絡するように設定されるように設計されている。他のタイプのセンサ(たとえば、絶対タイプの一部のセンサ)では、代わりに、キャビティはその両端で実質的に閉じられ、これらの端の1つに膜部分が提供され、その外側は 流体にさらされている。
【0005】
センサのタイプに関係なく、センサ本体はモノリシックである場合もあれば、いくつかの部品で構成されている場合もある。例えば、センサ本体は、対応する膜部分を備えたブラインドキャビティを単一の部品で定義するためにモノリシックであるか、あるいは、その上面に比較的薄い要素である軸方向に中空の本体を含むことができ、前述のキャビティの一端を閉じるために、膜部分を定義する。センサ本体が多数の部品で構成されている他の解決策では、本体が提供され、これは、ブラインドキャビティを一体的に定義し、本体自体の一部によって上面が閉じられ、下面が、本体に適用される膜部分を定義する要素によって閉じられる。あるいは、前述の本体は、外部環境と連絡するようにキャビティを設定するための穴を想定することができる。それでも他のセンサでは、2つの本体部分は、特定の厚さを有する固定材料からなる環状層によって一緒に結合され、センサ本体のキャビティは、2つの本体部品の2つの対向する表面によって軸方向に区切られ、固定材料の環状層によって周辺的に区切られる。これらの場合、2つの本体部品の1つは、必ずしもそれぞれのキャビティを定義する必要はない。
【0006】
言及されているタイプのセンサでは、圧力の検出は、検出される流体の作用によって引き起こされる膜部分の弾性撓みまたは変形性を利用することによって得られる。流体の圧力を表す撓みまたは変形の程度は、膜部分に直接提供される適切な回路手段を介して電気的に測定され、これらの手段は通常、圧電型であるか、またはその他のピエゾ抵抗型、またはその他の抵抗型、またはそれ以外は容量型である。
【0007】
膜部分とその上に設けられた検出回路は、特に流体の圧力のために過度の機械的ストレスにさらされる場合、センサの重要性の要素を表している。このようなストレスは、例えば、検出される流体の時折の過圧によって、あるいはその凍結による流体の体積の増加によって引き起こされる可能性がある。これらの状況では、膜部分の過度の曲げを引き起こす可能性があり、例えば、膜部分の故障および/または検出回路に属するその上に堆積された電気接続トラックの中断を引き起こす可能性がある。機械的タイプのこれらの問題は、一般に、圧力センサまたはそれを統合する装置に、例えばWO2008/078184Aに記載されているような適切な機械的補償要素を提供することによって解決される。
【0008】
しかしながら、本出願人は、いくつかのタイプの圧力センサにおいて、膜部分上の流体による過度の応力、すなわち、過度の圧力が、センサ自体またはその部品の故障を引き起こさなくても、時々、不正確な検出を引き起こす可能性があることを発見した。
【0009】
例えば、すでに述べたように、一部の圧力センサは、主にブラインド・キャビティのないモノリシックボディで構成されており、その下面には、適切な材料の環状層、たとえば接着剤を介して、膜部分を定義する要素が密封されている。このように、2つの部分を密封して結合する材料は、キャビティの境界を定める。このような構成では、膜部分を規定する要素は、モノリシック本体の下面に実質的に平行に、そこから一定の距離を置いて設定される。固定材料の層の厚さに依存するこの距離は、一般に比較的控えめ(数十マイクロメートルのオーダー)である。
【0010】
これらのセンサでは、センサ本体は通常、モノリシック本体の上面に堆積された導電性材料で作られた第1の電気回路パターンを含む第1の部分を有する回路構成を支持し、これに、圧力値を表す信号の処理のために(たとえば、増幅または処理の目的で)様々な回路コンポーネントを接続することができる。代わりに、圧力値を表す電気信号は、第2の電気回路パターンを含む、回路構成の第2の部分から取得され、これは、膜部分の撓みまたは変形を検出するように設計された手段、例えば、ウィートストーンブリッジを形成するために接続された一連の電気抵抗を提供するか、またはそれに接続されている。2つの回路パターンは、センサ本体の軸方向に延びる接続要素を介して電気的に接続される。これらの接続要素には、少なくともモノリシックボディの貫通穴が含まれることがよくあり、これは、2つの対向する面の間に軸方向に伸び、その内側には、両方の回路パターンと接触する導電性材料がある。
【0011】
2番目の電気回路パターン、たとえば前述のウィートストーンブリッジは、膜部分を定義する要素の「内側」の面、つまりセンサ本体のキャビティの内側に面する面(または 言い換えれば、流体にさらされる膜要素の反対側の膜要素の面)に形成される。すでに述べたように、前述の内面はモノリシックボディの下面に比較的近い。
【0012】
本出願人は、例えば、言及されたタイプのセンサにおいて、流体の過度の圧力に起因する膜部分の変形の過度の屈曲が、時折、 前述の膜部分とモノリシックボディの下面、またはその部品が浮き彫りになっている部分、および前述の接触により、圧力値の検出に著しい誤差が生じる可能性があることを見出した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【発明の概要】
【0014】
本発明は、基本的に、上記の問題を解決することを可能にする、単純で、安価で、信頼できる構造を有する圧力センサを提供することを目的としている。これ以降明らかになるであろうこの目的および他の目的は、本発明によれば、圧力センサおよびそのような圧力センサを統合する装置によって達成され、添付の特許請求の範囲において言及される特徴を有し、これらは、本発明に関連して本明細書で提供される技術的教示の不可欠な部分を形成する。
【0015】
本発明のさらなる目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面から明らかになるであろう。これらは、純粋に説明的かつ非限定的な例として提供され、以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】可能な実施形態による圧力センサの概略斜視図である。
【
図2】上部保護層が取り外された、
図1のセンサの概略斜視図である。
【
図4】モノリシックボディを取り外した
図2のセンサの概略斜視図である。
【
図6】
図5のVI-VI線による第1の状態のセンサの概略断面図である。
【
図8】センサが2番目の状態になっている
図6と同様の図である。
【
図9】センサが2番目の状態になっている
図7と同様の図である。
【
図10】センサが3番目の状態になっている
図6および
図8と同様の図である。
【
図11】センサが3番目の状態になっている
図7および
図9と同様の図である。
【
図12】さらに可能な実施形態によるセンサに関して
図6と同様の図である。
【
図13】さらに可能な実施形態によるセンサに関して
図8と同様の図である。
【
図14】さらに可能な実施形態によるセンサに関して
図10と同様の図である。
【
図16】さらに可能な実施形態によるセンサの概略図および部分断面図である。
【
図17】さらに可能な実施形態によるセンサの概略斜視図である。
【
図18】さらに可能な実施形態によるセンサの下からの概略図である。
【
図23】センサが異なる状態になっている
図19と同様の概略断面図である。
【
図25】可能な変形の実施形態に関して、
図24と同様の図である。
【
図26】いくつかの部品が取り外されている可能な実施形態によるセンサの概略上面図である。
【
図27】いくつかの部品が取り外されている可能な実施形態によるセンサの概略斜視図である。
【
図28】さらに可能な実施形態に関して、
図26と同様の図である。
【
図29】さらに可能な実施形態に関して、
図27と同様の図である。
【
図30】さらに可能な実施形態に関して、
図26と同様の図である。
【
図31】さらに可能な実施形態に関して、
図27と同様の図である。
【
図32】さらに可能な実施形態に関して、
図26と同様の図である。
【
図33】さらに可能な実施形態に関して、
図27と同様の図である。
【
図34】さらに可能な実施形態に関して、
図26と同様の図である。
【
図35】さらに可能な実施形態に関して、
図27と同様の図である。
【
図36】さらに可能な実施形態に関して、
図26と同様の図である。
【
図37】さらに可能な実施形態に関して、
図27と同様の図である。
【
図40】いくつかの部品が取り外された、可能な実施形態によるセンサの概略斜視図である。
【
図41】いくつかの部品が取り外された、さらに可能な実施形態によるセンサの概略斜視図である。
【
図42】2つの異なる条件での
図41の実施形態によるセンサの概略断面図である。
【
図43】2つの異なる条件での
図41の実施形態によるセンサの概略断面図である。
【
図45】いくつかの部品を取り外した、さらに可能な実施形態によるセンサの概略上面図である。
【
図46】いくつかの部品を取り外した、さらに可能な実施形態によるセンサの概略上面図である。
【
図47】考えられる変形の実施形態に関して、
図4と同様の図である。
【
図48】考えられる変形の実施形態に関して、
図21と同様の図である。
【
図49】さらに可能な実施形態によるセンサの一部の概略上面図である。
【
図51】従来の技術によるセンサの考えられる圧力検出エラーを例示することを目的とした概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書の枠組みにおける「実施形態」または「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の構成、構造、または特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを示すことを意図する。したがって、この説明の様々な点に存在し得る「実施形態において」、「一実施形態において」などの句は、必ずしも同一の実施形態を指すとは限らない。さらに、フレームワークで定義された特定のコンフォメーション、構造、または特徴は、表されたものとは異なっていても、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。本明細書で使用される参照番号および空間参照(「上方」、「下方」、「上」、「下」など)は、単に便宜のために提供され、したがって、保護の範囲または実施形態の範囲を定義するものではない。本明細書および添付の特許請求の範囲において、一般的な用語「材料」は、いくつかの異なる材料(例えば、多層構造または複合材料)の混合物、組成物、または組み合わせを含むものとして理解されなければならない。
【0018】
一般的に、本発明の圧力センサは、膜部分によって少なくとも一端が閉じられているキャビティを備えたセンサ本体を有する。センサ本体は、少なくとも2つの本体部分を含み、そのうちの少なくとも1つは、それぞれの膜部分を規定し、変形検出回路が関係付けられている。センサ本体、またはそれを構成する少なくとも2つの本体部分のそれぞれは、好ましくは、セラミック材料、例えば、アルミナなどの電気絶縁材料でできている。一方、センサ本体の1つまたは複数の部品を製造するために、少なくとも部分的に電気絶縁材料でコーティングされた導電性材料、たとえば金属を使用することは除外されない。
【0019】
本発明による第1のタイプのセンサでは、2つの本体部分が、2つの本体部分が互いに向き合うそれぞれの第1の面を有するように、追加の固定材料によって一緒に接合される。このようにして、前述の第1の面および固定材料は、キャビティを区切る。その高さは、固定材料の層の厚さに依存する。膜部分の内側、すなわちキャビティの内側に面する最初の面に関連するのは変形検出回路であり、その外側は流体にさらされている。このタイプのセンサでは、2つのボディパーツの1つが、最初の面にそれぞれのくぼみを定義することもあり、これにより、キャビティの少なくとも一部が定義される。したがって、このようなセンサの変形では、キャビティの深さは前述のくぼみの深さにも依存する。
【0020】
前述の第1のタイプのセンサでは、本体センサのキャビティは、固定材料を介して気密に閉じられ得る。他方、実質的に同様の構造を使用して、本発明による第2のタイプの圧力センサを提供することもでき、ここで、センサ本体のキャビティは、外部環境と、例えば、体の一部、特に、膜部分を定義するものとは異なる本体部分の貫通穴を介して、流体連絡するように設定される。したがって、貫通穴は、膜部分自体の外側に作用する測定される圧力に関して、必要に応じて、キャビティ内部の膜部分の側面で、基準圧力を提供するために使用することができるダクトを提供する。この解決策は、例えば、特に周囲圧力に関して、流体の差圧検出を実行するために採用され得る。
【0021】
本発明による第3のタイプの圧力センサにおいて、2つの本体部分のうちの1つは、ブラインド・アキシャル・キャビティ、すなわち、膜部分によってその一端で閉じられたキャビティを規定する。問題の本体部分は、本質的な特徴を構成しないとしても、好ましくはモノリシックタイプである。代わりに、アキシャル・キャビティの反対側の端は、流体を受け入れることができるように開いている。これらのセンサでは、第2の本体部分は、実質的に膜部分で、そこから離れて第1の本体部分に固定され、例えば、回路構成の一部を支持する。また、これらの場合、2つの本体部分は、検出回路に関連付けられている膜部分を定義する本体部分の第1面に対して、それぞれの第1面が互いに向き合っている。
【0022】
本発明によるセンサは、いかなる場合でも、上記に例示されたものとは異なる形態またはバージョンで入手することができる。
【0023】
すでに述べたように、センサ本体には、互いに固定された少なくとも2つの部品が含まれる。これらの部品は、モノリシックであるか、またはいくつかの組み立てられたコンポーネントによって形成されている場合がある。例えば、上記の第3のタイプのセンサを参照すると、膜部分を規定する本体部分は、対応するブラインド・アキシャル・キャビティも単一の部品で規定するようにモノリシックであり得る。しかしながら、前述の本体部分はまた、第1の軸方向に中空のコンポーネント、すなわち、第2の比較的薄いコンポーネントである端面に密封的に固定された貫通穴を有するコンポーネントによって形成され得るものであり、これは膜部分を定義し、一端の貫通穴を閉じる。
【0024】
図1では、全体として1で示されているのは、本発明の可能な実施形態による、特に上記で言及された第1のタイプの圧力センサである。
【0025】
例示された実施形態では、センサ1は、全体として2によって示されるセンサ本体を有する。様々な実施形態において、本体2は、いくつかの部分、3で示される少なくとも1つの第1の本体部分と、4で示される1つの第2の本体部分を備える。示されている例では、2つの部分3および4は、適切な手段を介して密封的に結合されており、ここでは、固定材料5の層、例えば、接着剤または焼結可能な材料によって表され、部分3は、部分4の対応する最初の面(ここでは上面)に、そこから離れた位置で面している。層5は環状形状であり、部分3の下面と部分4の上面との間に設置されている。このように、2つの本体部分3、4の間に定義されるのは、キャビティまたはチャンバーであり、ここでは、たとえば
図6において6で示される密閉型である。
【0026】
様々な実施形態において、部分3は、これが必須ではなく、比較的厚いが、実質的にモノリシックであるが、部分4は、比較的薄く、少なくともその中央領域において、例えば、
図3~6において7で示される弾性変形可能な膜部分を規定する。本体部分3及び4は、セラミック材料等の電気絶縁材料(例えば、アルミナ)、または高分子材料であることが優先されるが、本発明の範囲から除外されないのは、部分3および4の両方は、必要に応じて、電気絶縁材料の層によって少なくとも部分的にコーティングされた導電性材料(例えば、金属材料)でできている。
【0027】
本体部分3は、好ましくは、例えば
図3において3aおよび3bによって示される2つの対向する面、ならびに
図1においてのみ3cによって示されるいくつかの周縁リファレンスまたは位置決めシートを備えた、ほぼ円筒形である。様々な実施形態(図示せず)において、本体部分3は、異なる形状、例えば、一般に平行六面体またはいずれの場合も角柱形を有し得る。本体部分4は、示されている例では実質的に円形である部分3のそれと実質的に一致する周辺プロファイルを優先的に有する。この例では、部分4は実質的にディスクの形状を有し、それは少なくともその中央領域に上記の膜部分7を提供し、これは本体部分3に向かって弾性屈曲または変形を受け、流体の結果として、その圧力が検出される。
【0028】
より厚いまたは剛性のある本体部分3およびより薄く、少なくとも部分的に可撓性の本体部分4は、平行六面体形状、すなわち、実質的に正方形または長方形の断面を有する可能性がある。これらの形状は、例えば、それぞれより厚いおよびより薄い、より大きな寸法のシートから複数の本体3および4を切り出すことによって、好ましくは対応するシートが一緒に固定された後に本体3および4を切り取ることによって得ることができる。
【0029】
センサ1は、センサ本体2によって支持される回路構成を含み、これは、様々な好ましい実施形態において、それぞれが対応する本体部分3および4によって支持される少なくとも2つの部分または回路を含む。
【0030】
特に
図2~4を参照すると、様々な実施形態において、前述の回路構成は、全体として8で示される、本体部分3の上面3aに関連する電気回路を含む。回路8は、導電性材料の複数のそれぞれのトラックを含み、そのうちのいくつかは、
図2~5の8aによって示され、例えば、金属または金属合金(銀-パラジウム合金など)でできており、そのようなトラックをスクリーン印刷するか、またはいずれにせよ、本体部分3の面3aに堆積させることが可能である。次に、好ましい実施形態では、部分3を構成する電気絶縁材料が、回路構成の少なくとも一部の基板として直接利用される。しかしながら、前述のように、面3aはまた、導電性であるが、例えば、回路8である電気絶縁材料の層でコーティングされ得る。
【0031】
回路8は、対応する回路コンポーネント、例えば、例えばそのフィルタリング、増幅、処理などのための圧力値に関して、第1の情報を表す電気信号の処理のために構成されたコンポーネントを含み得る。また、前述のコンポーネントの1つまたは複数は、例えば、スクリーン印刷された抵抗など、面3a上に直接形成され得る。
【0032】
図2では、8bで示されているのは、回路8の対応する導電性トラック8aの下にあるいくつかの接続パッドであり、これらは、センサ1を一般的な外部システム(たとえば、内部燃焼エンジンの電子制御ユニット)に接続するために使用される。
【0033】
図1では、回路8および対応する回路コンポーネントは、パッド8b(およびカバーされない可能性のあるさらなる部品)が配置されているいくつかの領域を除いて、高分子またはガラス質材料の層などの電気的絶縁材料で作られた保護層9で少なくとも部分的にコーティングされていることに留意されたい。他の図では、レイヤー9の表現は省略されている。
【0034】
センサ1の回路構成は、いずれの場合も、
図3および4において全体として10で示される電気回路を含み、これは、本体部分4の上面、つまり、本体部分3の下面3b(
図3を参照)に面し、そこから離れた位置に関連付けられている。
図4(より明確にするために本体部分3の表現が省略されている)に明確に示されているように、回路10は、膜部分7に対応する位置に少なくとも部分的に延びる。
【0035】
回路10の少なくとも一部は、膜部分7の弾性屈曲または変形を検出するように構成される。この回路部は、その分野で知られている任意のタイプに従って得ることができ、好ましくは、抵抗型の検出回路、圧電型の検出回路、圧電抵抗型の検出回路の中から選択される。
【0036】
また、回路10は、導電性材料、例えば、金属または金属合金(銀-パラジウム合金など)で作られた複数のトラックを優先的に含み、そのいくつかは、
図3および4の10aによって示される。好ましくは、本体部分4の前述の上面、ならびにトラックに電気的に接続された1つまたは複数の検出回路コンポーネントに直接(例えば、スクリーン印刷されて)堆積される。また、1つまたは複数の検出コンポーネントは、本体部分4の前述の上面に直接形成され得えるものであり、例えば、抵抗、または圧電要素、またはピエゾ抵抗要素が、スクリーン印刷または他の何らかの堆積技術によって堆積される。また、この場合、前述のように、本体部分4で考慮される面は、導電性材料、例えば、金属材料で作ることができるが、少なくとも回路10が存在する部分は電気絶縁材料でコーティングされている。
【0037】
この例では、膜部分7の変形を検出する回路10の部分が抵抗型、特にピエゾ抵抗型であるとすると、それは、ウィートストーンブリッジ構成でトラック10aを介して接続された、R1、R2、R3、およびR4で指定された4つの抵抗、特にピエゾ抵抗を備え、膜部分7の一般的に中央の位置に優先的に配置される少なくとも2つの抵抗(ここでは、R3およびR4によって示される、ブリッジの2つの中央の抵抗)を有する。以下では、4つの抵抗R1、R2、R3、およびR4も、全体としてR1、…、R4として示される。
【0038】
したがって、検討した例では、抵抗性検出ブリッジの一部を形成する抵抗R1、…、R4は、膜部分7上において、本体部分4の上面に堆積した抵抗性またはピエゾ抵抗性材料(たとえば、抵抗性またはピエゾ抵抗性ペースト)でできている。撓みを検出するための回路コンポーネントが圧電材料でできている場合、異なる適切な構成を採用することができる。
【0039】
2つの回路8および10は、センサ本体2の軸方向に延びる適切な電気接続要素によって一緒に接続されている。好ましい実施形態では、2つの回路8および10を接続する手段は、対応する面3aおよび3bの間に軸方向に延びる、本体部分3の複数の貫通穴に設定された少なくとも1つの導電性材料を含む。このような穴のうちの2つは、
図3でのみ11で示されているが、12で示されているのは、導電性材料で作られた対応する充填物である(
図4も参照)。充填物の代わりに、穴11に存在する導電性材料12は、その両端まで、その全長および/または表面について、各穴11の内面上に延びる材料の層からなり得ることに留意されたい。使用される特定の技術に関係なく、材料12は、金属または他の導電性材料の一部が穴11の外側の対応する端部に突出するように優先的に適用される。
【0040】
示されている例では、前述のように、穴11は、導電性材料12、例えば、導電性ペーストで満たされ、実質的に円筒形の電気トラックを形成する。あるいは、前述のように、材料12を穴11にセットして、例えば金属化プロセスを介して、穴11を充填せずに、後者の円筒面のみをコーティングすることができる。さらに、または代替として、説明されているような機能を実行する接続層または導電性トラックが、本体部分3の軸方向溝3cの少なくとも2つに提供される可能性がある(
図1)。
【0041】
注目されるように、例えば
図3および4では、各穴11の導電性材料12は、回路8のトラック8aに接続されているそれぞれの端子パッド8cを備え、部品3の上面3aで電気的に接触している。本体部分3の下面3b上で、材料12は、代わりに、回路10に電気的に接続され、例えば、本体部分4の上面で得られた導電性材料で作られた接触層13に、これらの接触層13は、穴11に実質的に軸方向に整列され、回路10の対応するトラック10aの下に来る。材料12と層13との間の接続を可能にするために、固定材料5の層は、それぞれの通路または開口部を備えており、そのいくつかは14によって示されている。層13は、例えば、穴11を利用し、その中にそのような層13を提供する導電性材料を導入することによって、本体部分3と4との間の相互固定後にも得ることができる。
【0042】
本発明の一態様によれば、膜部分7の前に設定された本体部分3の面は、後者の弾性撓みまたは変形が、少なくとも実質的に所定の限界に等しい程度である場合、流体の過度の圧力、すなわち膜部分7の過度の屈曲を表す第2の情報を生じさせるため、膜部分に存在する電気回路と相互作用するように構成された少なくとも1つのさらなる回路要素を形成するか、またはそれに関連付けている。
【0043】
様々な実施形態において、前述の回路要素は、流体の過度の圧力および/または膜部分7の過度の屈曲を示す信号または電気量の値を生成するために利用される。
【0044】
様々な好ましい実施形態において、前述の回路要素は、明確に区別可能かつ明確な方法で、膜部分の変形を検出する電気回路の出力信号を変更するように構成される。このようにして、圧力の通常の測定に関する前述の第1の情報を提供するように設計された検出回路の同じ出力信号を利用して、流体の過剰な圧力の状態、または膜の過度の変形に関する第2の情報を推測することができる。問題の回路要素は、検出回路とは機能的に異なるコンポーネントである。つまり、圧力の効果的な測定には寄与しないが、代わりに、過度の圧力の場合に、または、圧力センサの状態の異常な状態の場合に、検出回路の出力信号を「摂動」または明確に区別できる方法で変化させるように構成される。
【0045】
検出回路の同一の出力信号、特にアナログタイプの信号が両方の測定値および異常な状態の兆候を提供できるという事実は、少数の電気接続が存在する場合でも、複数の情報を提供できるという利点がある。しかしながら、本発明によるセンサは、必要に応じて、測定値と異常状態に関する情報も含む複数のデータをデジタル形式(例えば、シリアルデータ)で送信するために、データを制御、処理、および送信するための適切な回路を、例えば、センサ本体に取り付けられたチップの形で提供することができ、または、制御回路が単一の測定信号とステータス信号を識別し、それを2つのコンポーネント(圧力測定と異常状態)に分離してから、それぞれの電気接続で別々に外部ユーザ回路に供給することができる。
【0046】
好ましくは、最小圧力と最大圧力との間の公称作動範囲に含まれる流体の圧力を検出するために、流体の圧力値を表す出力信号を供給するように構成された膜の変形を検出するための電気回路を備えた圧力センサ1が事前に配置されている。出力信号は、電気量、たとえば電圧で表され、前述の最小圧力と最大圧力にそれぞれ対応する最小値と最大値の間の公称値の範囲に含まれる値をとることができる。したがって、前述の回路要素と電気的検出回路の前述の部分との間の接触は、対応する電気量の値が前述の公称値の範囲に含まれないように、出力信号の変動を決定する。
【0047】
具体的な例を示すために、単に例として、センサ1が、それぞれ、センサの公称動作範囲の最小値(8バール)と最大値(13バール)に対応する0.035V~0.065Vの電圧で構成される回路からの出力での電気量を有し、8バールから13バールの間に含まれる公称圧力範囲で動作すると仮定する。本発明に従って提供される回路要素と検出回路の対応する部分との間の接触は、出力電圧の値を決定的に変更し、例えば、それを0.01V、あるいは0.09Vにし、または、いずれの場合も、流体の圧力が8~13バールの公称動作範囲に含まれる場合に生成される電圧値(たとえば、0.03~0.07)と明確に区別できる電圧値になる。
【0048】
これまでに説明した例を参照すると、
図3の20で示される前述の回路要素は、本体部分3の面3bに関連付けられており、好ましくは、導電性要素で構成され、この定義は、電気抵抗性要素も含むと理解される。
【0049】
図3から理解され得るように、特に接点またはプレートまたはパッドの形態の要素20は、そこからの距離で、少なくとも部分的に回路10を覆うように、本体部分3の面3bに関連付けられている。要素20は、例えば、面3aに接着され得るか、あるいは、例えば、スクリーン印刷を介して、導電性材料(抵抗性材料を含む)の面への堆積を介して得られ得る。
【0050】
様々な実施形態において、回路要素20は、これが本質的な特性を構成しないとしても、膜部分7の中央領域に実質的に対応する面3bの領域に設定される。面3bが平面でない場合、要素20は、前述の面のレリーフの部分に関連付けられ得る。本体部分3がモノリシックではない場合、特に一緒に組み立てられた多数のコンポーネントによって形成される場合、要素20は、本体部分4に概ね面する位置に位置するそのようなコンポーネントの1つに関連付けられ得る。
【0051】
これまで考えられてきたものなどの様々な実施形態において、回路要素20は、その後、少なくとも前述の実質的に所定の限界に等しい程度の膜部分7の前述の弾性屈曲または変形に続き、電気回路10の一部と接触するように配置される。検出回路がウィートストーンブリッジを含む様々な好ましい実施形態では、要素20は、ブリッジの2つの中心抵抗R2、R3のうちの少なくとも1つに実質的に対応する位置にあり、特に、センサの軸方向を基準として有する。
【0052】
回路要素20の動作の理解を容易にするために、
図6~11を参照することができる。
【0053】
図6は、本体2が断面図で概略的に表されており、センサの動作不能状態または休止状態、すなわち、流体が膜部分7の「外側」(すなわち、本体部分4の下面)に衝突しない状態、または、重要でない圧力、すなわち、部分7の感知できるほどの変形を決定するのに不十分な圧力でそれに衝突する状態を示している。したがって、流体の圧力はゼロであるか、いずれの場合もセンサの公称動作範囲の下限よりも低くなる。膜部分7は、実質的に静止状態にあり、例えば、本体部分3の下面3aに対して実質的に平面で平行であり、回路10は、
図7の詳細からもわかるように、面3aおよび要素20から距離を置いている。前述のように、回路要素20は、回路10の少なくとも一部を覆っている。例えば、この部分が抵抗R2に対応すると仮定する。
【0054】
代わりに、
図8は、膜部分7の外側に作用するのが、センサの公称動作範囲内にある流体の圧力Pである動作条件を示しており、ここでも、8~13バールで構成されていると見なすことができる(明らかに、動作範囲はセンサのクラスによって異なる場合がある)。
【0055】
圧力Pは、膜部分7の弾性変形を引き起こすようなものであり、これは面3bに向かって曲がるが、
図9の詳細からもわかるように、回路10と接触することはない。膜部分7の変形は、検出回路の1つまたは複数の抵抗R1、…、R4、特に少なくとも膜部分7の中央領域に位置する抵抗R2およびR3の変形も引き起こす。この変形により、R2とR3の抵抗値が変動し、検出回路R1、…、R4の出力信号、好ましくは電圧信号の変動が生じる。
【0056】
したがって、
図6の条件で生成された静止値に対する電圧値の変化などの出力信号の上記の変化は、流体によって生成された圧力Pを表している。信号は、材料12によって形成された軸方向トラックによって表される接続手段を介して回路8に到達し、パッド8bを介して外部システムで処理および利用可能になる可能性がある(
図1)。
【0057】
図10は、代わりに、8バールから13バールの間に含まれる作業範囲に関する上記の非限定的な例を参照すると、膜部分7の外側に流体の過剰な圧力P’、つまり、センサの公称動作範囲を超える圧力、例えば14バールの圧力が作用する異常な状態を示している。
【0058】
図11の詳細からも注目され得るように、膜部分7の弾性屈曲は、ここでは抵抗R2で表される回路10の一部が回路要素20と接触するようなものである。
【0059】
すでに述べたように、この状態では、ここではウィートストーンブリッジR1、…、R4で表される検出回路の特徴的な出力信号が電気的に変更され、信号の変化は、電気信号とは明確かつ明確な方法で検出できるようになっており、代わりに、それは、圧力センサの公称動作範囲内(すなわち、膜部分7に衝突する圧力が、要素20と回路10との間の接触を引き起こさないようなものである場合)にある圧力の条件で生成される。
【0060】
提案された解決策は、従来のセンサ、すなわち回路要素20のないセンサにおいて、検出回路の出力信号が公称動作範囲(例えば、直線的に、または実質的に事前定義された曲線に従って変化する)において実質的に定義された特性プロットを有するという事実の認識に基づき、そして、過度の圧力の結果として、膜部分がセンサの上にある本体部分と接触すると、この信号は特性プロットから発散し、検出エラーが発生する可能性がある。
【0061】
この概念をより明確にするために、
図51を参照することができ、これは、これまでに説明したものと同様の構造を持つが、回路要素20がない3つの従来の圧力センサの動作を簡略化して表している。
図51のグラフは、S1、S2、およびS3で示される3つのセンサの出力信号のボルトで表された値を、バールで表された圧力の関数として表している。簡単にするために、3つのセンサの公称動作範囲がそれぞれ8~11バール(信号S1)、8~12バール(信号S2)、および8~13バール(信号S3)で構成されていると仮定する。
【0062】
注目されるように、出力信号S1、S2、およびS3は、3つのセンサの公称動作範囲において実質的に単調で線形である。代わりに、センサの膜部分とセンサ本体の上部との接触に対応する、少なくとも11.1バール、12.1バール、および13.1バールに等しい圧力から開始して、出力信号が減少し始める。この動作の変化は、基本的に、膜部分の変形が増加し、その上にある本体部分との接触面積が増加すると、測定ブリッジの中心抵抗が反対方向に湾曲している(実質的に凹状の構成から、実質的に凸状の構成をとる傾向がある)という事実によるものであり、その結果、出力信号の値はさらに増加するのではなく、徐々に減少し始める。したがって、出力信号の1つの同じ値に対して、互いに明らかに異なる2つの圧力の値が対応し得ることが理解されよう。たとえば、0.07 Vの出力電圧に対応する信号の値を参照のこと。ここで、
-信号S1の場合、この値に約11バールまたは約15.8バールの圧力が対応し得る。
-信号S2の場合、この値に約9.8バールまたは12.8バールの圧力が対応し得る。
-信号S3の場合、この値に約10.4バールまたは13.8バールの圧力が対応し得る。
このタイプの動作は、明らかに圧力の検出にかなりのエラーを引き起こす可能性がある。
【0063】
本発明による解決策は、検出される流体の圧力がセンサの公称動作範囲の上限を超えるときの正確な識別を可能にする。
【0064】
これまでに示した例(特に
図11を参照)に戻ると、回路要素20は、抵抗性材料(または、あるいは、金属要素または高導電性材料)でできていてもよく、抵抗R1、…、R4の1つ、ここでは抵抗R2と直接接触するように設計されている。理解され得るように、回路要素20と抵抗R2との間の接触に続いて、ブリッジR1、…、R4の抵抗の全体値は、通常の動作条件(公称範囲の圧力)に対して根本的に変更され、例えば減少する。回路10の出力電圧はそれに応じて変化するので、制御電子機器、例えば回路8に実装された電子機器、あるいはセンサ1が接続されている外部システムに実装された電子機器によって容易に区別することができる。
【0065】
図6-11に例示されているケースでは、抵抗R1、…、R4、またはそれらの少なくとも1つは、たとえば
図7、9、および11の詳細から明確に示されているように、対応する接続トラック10aの終端に少なくとも部分的に延びている。このようにして、要素20は、膜部分7の過度の変形に続いて、考慮される抵抗と直接接触することができる。
【0066】
しかしながら、他の実施形態では、逆の配置も、すなわち、抵抗R1、…、R4、またはそれらの少なくとも1つを少なくとも部分的に超えて延びる導電性トラック10aの終端を有することで可能である。このような場合は、
図12-15に例示されており、特に
図15の詳細から、この場合、回路要素20が、抵抗R2の接続用に、10aで指定されたトラックの終端とどのように接触するかがわかる。この場合、例えば、回路要素20は、実質的に完全に導電性であるか、または2つのトラック10aを短絡するなどの非常に低い電気抵抗を有する金属要素であり得る。(一方、この例でも、回路要素20は抵抗性材料で作ることができる)。この場合、膜部分の過度の変形、すなわち流体の過度の圧力P'による接触に続いて、ブリッジR1、…、R4の抵抗の全体的な値は、通常の動作条件(公称範囲の圧力)に関して根本的に変更され、例えば、回路10の出力電圧がそれに応じて変化する間、減少し、特に、センサがセンサ1の適用のために想定される公称圧力範囲で動作するときに許容される最大電圧値を超える。
【0067】
図16に示されているのは、本発明による別の圧力センサであり、実質的に前述の第2のタイプのものである。この例では、センサ1は、
図1のセンサと実質的に同様の全体的な構造を持っており、ただし、本体部分3、4、および固定材の層5で区切られたキャビティまたはチャンバーは、外部環境と連絡するように設定されている。この目的のために、
図16に例示されている場合、本体部分3には通路11’があり、ここでは穴11のように作られ、キャビティまたはチャンバーを外部環境に接続するように設計されている(
図50も参照)。この目的のために、優先的には、固定材料5の層も、少なくとも穴11’の下端に配置され、部分3、4と層5との間に規定されるキャビティまたはチャンバーとの連絡を可能にする。もちろん、本体部分3の上面3aに設定された可能な保護層9もまた、穴11’の上端を外部環境と接続できるように形成されるであろう。例示された場合、この目的のために、層9は、穴11’の上端に通路または開口部9aを有する。
【0068】
図17-25は、特に、それぞれのキャビティを規定する本体部分を有する、1’で全体として示される前述の第3のタイプの圧力センサに関連して、本発明のさらなる可能な実施例を例示している。
【0069】
特に
図17-19を参照すると、この場合、センサ本体2'のより厚い部分3'は、
図18-19において6'で示されるブラインド・アキシャル・キャビティを定義し、対応する膜部分7'によって上端が閉じられており、好ましくは、例えば、アルミナなどのセラミック材料で作られた、本体部分3'と一体的に規定されている。注目されるように、特に
図19では、キャビティ6'は、代わりに、その下端、すなわち、部分3'の下面3bで開いており、その結果、キャビティ6'は、その中に検出される流体を受け入れることができる。
【0070】
本体部分3'の上面3aに取り付けられているのは、本体部分3'よりも薄い第2の本体部分4'であり(膜部分7'を除く)、好ましくは、例えば、PCBまたは平面支持体の形態で、比較的堅い。ボディパーツ4’の上面に実装されているのは回路8で、
図17の場合、対応する保護層9で部分的にコーティングされている。
【0071】
本体部分3'および4'は、本体部分3'の第1の面(ここでは上面3a)、またはいずれにせよその膜部分7'が対応する第1の面(ここでは
図19および20に明確に示されているように、本体部分4'の下面)から離れたところにある。また、この場合、回路10は、例えば、すでに前に例示されたものと同様のモダリティで、膜部分7’に対応する領域に少なくとも部分的に設定される。
【0072】
また、この場合、本体部品3'および4'を一緒に接合するための手段は、問題の部品の間に設定された固定材料5'の層、例えば、接着剤または焼結性材料を含み得る。ただし、このアプリケーションでは、層5'が2つの部分3'と4'を液密にシールする必要はなく、それらの間に閉じたチャンバーが存在することは必須ではないことに注意すべきである。
【0073】
図21は、対応する回路10を備えた本体部分3’を示しており、これは、前述のように、すでに説明したものと同じように作成できる。例示された場合、回路10の導電性トラック10aは、それぞれ、例えば13によって先に指定されたものと同様の電気接続層13’の下にあり、上面3aに堆積され、そこから軸方向に上昇することができる。このような層13’は、回路10を回路8に接続するために有利に使用され得る。この目的のために、例えば、本体部分4'は、例えば、
図17から理解され得るように、形成13'に対応する位置に貫通穴を設けて、層13'が少なくとも部分的に前述の穴に浸透するようにすることができる。前述の穴は、回路8の対応する導電性トラックに接続された表面金属化を備えていてもよい。あるいは、前述の導電性トラックは、適用された溶接材料によって層13’に接続され得る。
【0074】
図22は、
図21と同様であるが、様々な実施形態において、ここでは中心抵抗R2およびR3によって表される回路の2つの検出コンポーネントと接触するように構成される回路要素20をさらに示す。
図19および20からわかるように、この場合、要素20は本体部分4’の下面、この場合も、優先的に膜部分7’の中央領域に対応する位置に設定されている。
【0075】
図23-24からわかるように、センサ1’の動作原理は、すでに上で説明したものと同様である。また、この場合、実際には、センサ1'の公称動作範囲に対して圧力P'が過剰になると、膜部分7'が過度に変形し、例えば、
図24で強調表示されているように、回路の少なくとも一部(ここでは抵抗R2-R3で表される)と、本体部分4’によって運ばれる導電性回路要素20との接触を引き起こす。この接触は、要素20を形成する導電性材料のタイプ(抵抗性材料または高導電性材料)に関係なく、測定ブリッジR1、…、R4、の出力信号に急激な変動を引き起こし、これは、制御電子機器によって明確に識別でき、つまり、公称範囲に対する圧力の超過を示す。
【0076】
図17-244の場合、抵抗R1、…、R4は、接続トラック10aの対応する終端に少なくとも部分的に延びているが、もちろん、
図25で強調表示されているように、上記ですでに説明したタイプの反対の構成も可能で、接続トラック10aの終端は、抵抗R1、…、R4を少なくとも部分的に超えて延びる。
【0077】
図26-27、28-29、30-31、および32-33は、回路要素20の可能な代替構成のいくつかを単なる例として示しています。
図26-27は、抵抗R2と接触するように設計された要素20の場合を示しており、それを実質的に短絡するか、あるいは要素20で得られた抵抗を抵抗R2と並列に接続し(したがって、抵抗R2の値を減らす)、一方、
図28-29は、抵抗R3に関連する同様のケースを示している。
【0078】
図30-31は、2つの抵抗R2およびR3を互いに別々に接触させて、それらを短絡またはその抵抗値を低減するように設計された2つの別個の回路要素20の場合を示している。
【0079】
図32-33は、代わりに、すでに言及した、抵抗R2およびR3と同時に接触し、特に、個々の抵抗の値と抵抗R2とR3の間の両方の抵抗の減少または短絡、つまり、対応する測定ブリッジの部分間の短絡を引き起こし、信号の変動を大きくする単一の要素20のケースを強調している。
【0080】
様々な実施形態において、回路要素20および回路10は、回路10の少なくとも1つの検出コンポーネントとは異なる位置で相互に接触するように事前に配置され得る。例えば、
図34-35を参照すると、2つの対応するパッド10bを提示するように、回路10の2つの異なる導電性トラック10a(ここでは、それぞれ抵抗R2およびR3の下に来る2つの導電性トラック)が形成される。他方、
図36-37は、前述の2つのパッド10bと接触し、それらを短絡するように、または、抵抗R2およびR3と接触することなく、要素20自体によって得られる抵抗でそれらを接続するように構成された回路要素20の可能な構成を示している。この例では、この接触要素は、パッド10bに対応する位置に、抵抗R2およびR3を互いに分離する空間に対応する位置に設定された中間部分20bによって互いに接続された2つの端部20aを含む。このようにして、後続の
図38-39に例示されているように、流体の過剰な圧力P’、つまりセンサ1の公称動作範囲を超える圧力P’が存在する場合、パッド10bは、要素20の部分20aと接触し、一方、その中間部分20bは、抵抗R2およびR3に接触しない。この目的のために、パッド10bの上部は、抵抗R2およびR3よりも高い高さに配置されることが好ましい。また、この場合、要素20は、抵抗を規定するための抵抗性材料を含み得るか、あるいは短絡要素またはブリッジを規定するための金属材料または高導電性材料を含み得る。また、そのような実施形態において、最終的な効果は、回路10の出力信号を識別することができる変化からなる、すでに上で説明されたものである。
【0081】
回路要素20はまた、測定ブリッジR1、…、R4の1つまたは複数の分岐に電気的に接続され得る。このような場合は、
図40に例示されており、要素20の下にあるのは、それぞれの導電性トラック20cであり、これは、センサ本体(ここでは図示せず)の膜部分7に面する部分(ここでは図示されていない)の面からも離れて設定されている。トラック20cのもう一方の端は、例えば、回路10を回路8に接続するために使用される金属化12の1つを介して、ブリッジR1、…、R4の分岐の1つに接続されている。このような実施形態においても、要素20と回路10との間の接触の最終的な効果が、例えば、抵抗R2に対応する位置では、ブリッジR1、…、R4の出力信号の急激な変化を引き起こし、これは、制御電子機器によって、流体の過剰な圧力を表すものとして認識できることを理解されよう。
【0082】
好ましいとはいえ、回路要素20は、必ずしも、抵抗R2およびR3などの回路10の1つまたは複数の中央検出コンポーネントに実質的に対応する位置にある必要はない。要素20は、実際には、他の抵抗R1およびR4の一方または両方と相互作用するように設定することができる。
【0083】
このような場合を
図41に示すと、回路要素20は、実質的に環状の形状を有し、すでに上で説明したように、流体の過度の圧力に続いて、抵抗R1およびR4によって(すなわち、対応する導電性トラック10aの終端によって)接触することができるように配置されている。しかしながら、回路要素20は、抵抗R1、R4の1つだけとの接触を提供することができ、あるいは、いずれの場合も、抵抗R1およびR4の両方との接触を提供するように設計された他の形状を有することができる(例えば、半円形の形状、または少なくとも1つの導電性トラックによって互いに接続された2つのパッドを含む形状)。
【0084】
好ましくは、この場合、要素20の厚さは、上で例示された場合よりも比較的厚い。他方、要素20は、本体部分3の対応する面の浮き彫り部分、すなわち、膜7に近いその平面内の部分に設置することができる。
【0085】
図42からわかるように、流体の圧力がない場合、膜部分7は実質的に平面または静止しているため、要素20から離れたところにすべての抵抗R1、…、R4(または対応する接続トラック10aの対応する終端)がある。センサ1の公称作動範囲内にある流体の圧力の設定は、前述のように、抵抗R1およびR4と要素20との間の接触を引き起こさないような程度の膜部分7の変形をもたらす。
【0086】
代わりに、膜部分7に加えられた圧力P’がセンサの公称圧力を超える場合、いずれにせよ、上にある本体部分3に向かって前述の部分7の過剰な変形が生じる。膜部分7の中央領域は、要素20の中央通路の存在のおかげで、本体部分3に向かって自由に変形を受ける。膜部分7は、抵抗R1およびR4に対応するその周辺領域においても変形を受けるので、後者は上昇する。このようにして、
図43に概略的に示されるように、抵抗R4を参照して
図44で強調表示されているように、抵抗R1およびR4とリング状要素20との間に接触が生じる。したがって、この場合も、回路10の出力信号の急激な変動が生じ、制御電子機器によって識別および検出することができる。
【0087】
示されていない他の変形の実施形態では、回路要素20は、すべての抵抗R1、R2、R3、R4、または少なくともいくつかの抵抗の異なる組み合わせ(例えば、R1とR2、またはR1とR3、またはR2とR4、またはR3とR4)で接触または相互作用することができるように成形および配置され得ることに留意されたい。
【0088】
見られるように、次に、要素20は、回路10の少なくとも一部に接触し、したがって電気的に接続される電気抵抗を提供するように、例えば、検出回路の少なくとも1つの電気抵抗R1、…、R4に並列接続を提供し、または、検出回路の複数の電気抵抗R1、…、R4間の接続、または、検出回路に属する検出コンポーネントR1、…、R4の接続トラック10a間の接続を提供するように構成された電気抵抗要素であり得る。あるいは、前述のように、要素20はまた、金属要素または高導電性要素であり得るものであり、接触するように設計され、したがって、検出回路の少なくとも1つの電気抵抗R1、…、R4を横切る短絡接続、または、検出回路の複数の電気抵抗R1、…、R4間の短絡接続、または検出回路に属する検出コンポーネントR1、…、R4の接続トラック10a間の短絡接続のように回路10の少なくとも一部に電気的に接続される短絡要素を提供する。
【0089】
前述の説明から、本発明の特徴は、同様にその利点として明らかになる。
【0090】
本発明によるセンサは、その膜部分とセンサ本体の別の部分との接触またはその過度の接近を検出および/または信号(警告)するように設計された手段を備えている。この検出または信号(警告)は、圧力検出の目的で、膜部分の変形の検出を担当する測定回路の出力信号の事前定義された変化を通じて取得することができる。一方、これまで見てきたように、本発明によれば、前述の測定回路に加えて、膜部分との接触、または、直接接触していない場合でも、センサ本体の別の固定部分への過度な接近を検出するように設計された第2の電気的または電子的回路を想定することも可能である。提案された解決策は、センサの膜部分の変形がセンサの公称動作範囲で許容される範囲を超えた場合に、簡単で、安価で、信頼性の高い方法で、誤った検出のリスクを防ぐことを可能にする。
【0091】
添付の特許請求の範囲で定義されるように、それによって本発明の範囲から逸脱することなく、例として記載される圧力センサへの分岐に熟練した人によって多くの変形がなされ得ることは明らかである。
【0092】
回路10は、安全信号または故障信号、すなわち、圧力の超過を示す信号を利用可能にするように構成することができ、これは、測定ブリッジR1、…、R4の出力信号に対して追加の、かつ、独立した信号である。
【0093】
例えば、回路10は、前述の安全信号を生じさせるために、同じく抵抗性要素の形態で、短絡されるか、またはいずれの場合にも要素20によって一緒に接続される特定のパッドを提示し得る。より一般的には、回路要素20は、膜部分に存在する専用のパッドおよび導電性トラックとともに、故障信号を供給するのに適したスイッチまたは電気接点を提供する導電性要素であり得る。
【0094】
このような場合は、
図45-46例示されており、回路10は、2つの追加の導電性トラック10a’を含み、これらは、それぞれの層13の下にあり(したがって、
図4の材料12で作られたものなどのそれぞれのトラックの下にある)、それぞれのパッド10b’を定義し、これらは電気的に絶縁されているか、検出回路R1、…、R4のトラック10aから独立している。この場合、接触要素20は、
図36-39を参照して説明したものと同様の概念であることができ、すなわち、抵抗R2および/またはR3ではなく、パッド10b’によって接触するように形成されることができる。したがって、要素20は、すでに上で説明したように、2つの端部20aおよび中間部分20bを含むことができる。
【0095】
この場合、過度の圧力が存在する場合、測定回路の出力信号は、回路要素20によって変更されないであろう。ただし、後者は2つのパッド10b’を接続すると、膜部分7の過度の変形を表す追加の信号が発生し、代わりに、センサが公称動作範囲で動作している場合、信号は存在しない。また、測定回路R1、…、R4の出力信号が、
図51に関連して説明した問題の影響を受ける場合、エレメント20とパッド10b’との接触によって決定される前述の追加の信号の同時の存在は、流体の過剰な圧力の存在を示すものとして、センサの制御電子機器によって解釈されるであろう。したがって、このタイプの実施形態では、パッド10b’および回路要素20は一種のスイッチを形成し、圧力センサの公称圧力を超える流体の圧力に達すると、信号(警告)回路を閉じる。この種のスイッチは、パッド10b’間に短絡ブリッジを提供するように設計された接触要素20を備え得るか、あるいはパッド10b’間に電気抵抗を提供することができ、いずれにせよ、適切な制御回路によって検出できる信号を供給することができる。
【0096】
図45-46の例では、圧力の測定値を表す検出回路の出力信号は、異常状態を表す前述の追加の安全信号とは異なる。しかしながら、本発明によるセンサは、データの制御、処理、および送信のための適切な回路(例えば、回路構成に属するチップの形で)を備え、好ましくは、たとえばシリアルタイプの単一の電気接続を介して、測定値および異常状態に関する一連の情報を組み合わせたり、送信したりするように構成されていてもよい。
【0097】
本発明に従って提供される回路要素20はまた、膜部分に提供される少なくとも1つのさらなるコンポーネント(できれば、変形検出回路に属さないコンポーネント)と共に、エレメント20と前述のさらなるコンポーネントとの間に接触がない場合でも、故障信号を供給するように構成された近接または位置検出器を提供する金属または導電性要素を含み得る。
【0098】
図47は、
図1-4に示すタイプの基本構造を持つセンサ1についての、この意味での、例を示しており、ここで、膜部分7上の回路要素20に対応するのは、それぞれのトラック10a”およびそれぞれの軸方向トラック12”を介して回路8に接続されている同様の要素20”である。
【0099】
この例では、要素20および20インチは、例えば金属材料で作られた、コンデンサの対向板として機能し、1つ(20)は固定位置にあり、もう1つ(20”)は可変位置にあり、制御電子機器に接続されていると想定することができる。この用途では、膜部分7の変形が過度である場合、すなわち、それが安全限界を超える場合、2つのプレート20、20”は、それらの間で、センサ1の回路構成によって(またはセンサ1が接続されている外部システムによって)、検出できる容量を決定し、これは過剰な圧力を示す。
図17-19に示すタイプの基本構造を持つセンサ1’に関連して、同様のケースが
図48に例示されており、エレメントまたはプレート20”は、対応するフォーメーション13”の下にある導電性トラック10a”に接続されている。
【0100】
図47および48の例では、要素20および20”は、容量型の近接センサを実質的に提供し、要素またはプレート20は、電気的接続がないが、好ましくは金属パッドの形態であり、要素またはプレート20”と相互作用し、その容量の変動を引き起こすようなものである。ただし、必要に応じて、要素またはプレート20にも、回路8またはセンサ1の回路構成の他の部分に接続するためのそれぞれの電気トラックを設けることができる。
【0101】
同様の構造は、誘導型またはおそらく磁気型のセンサの製造の目的に有効である。例えば、要素20”は、導電性材料で作られたコイルまたは巻線、および回路8への適切な電気的接続を含み得るものであり、これは、好ましくは強磁性タイプの要素20によって活性化されて、別個の故障信号を生成することができる。このような場合、コイルまたは巻線は、固定された本体部分にあり得るものであり、要素20は、膜部分にあり得る。あるいは、要素20は永久磁石を含むことができ、要素20”は、ホール効果タイプのセンサなどの磁気センサを含むことができる。この場合も、磁気センサ20”は固定体部分にあり得るものであり、磁気要素20は膜部分にあり得る。
【0102】
図49および50は、
図34-37(またはおそらく
図45-46)の実施形態と概念的に類似した実施形態を参照しているが、膜部分7の前に存在する回路要素20は単純化された形状を有する。この例では、要素20は、四角形、好ましくは長方形で、抵抗R2およびR3と接触することなく、好ましくは(必ずしもではないが)パッド10bと接触することができるように、回路10に対して傾斜したプロファイルを有する単純なプレートまたはパッドの形状を有する。
図34-37(または
図45-46)の場合のように、抵抗との接触を防ぐことが目的の場合、
図50に見られるように、パッド10bの上部は、抵抗R2およびR3よりも高い高さに配置されることが好ましい。
【0103】
前述の様々な導電性トラックおよび/または抵抗および/または回路要素は、これが好ましい技術であるとしても、スクリーン印刷とは異なる技術を用いてセンサ本体2の対応する部分で得ることができる。例えば、この意味での代替技術は、リソグラフィー、フォトリソグラフィー、導電性材料の噴霧、表面金属化、めっきなどの中から選択され得る。
【0104】
すでに述べたように、回路10によって生成された1つまたは複数の信号の処理および/または処理に関しては、回路8内の能動的または受動的回路構成要素の存在は厳密には必要ではなく、圧力センサが接続されている外部システムで実行できる。したがって、そのような実施形態では、回路8は、パッド8bおよび対応する接続トラック8bのみを提示して、単純なインターフェースまたは接続機能を実行することができる。
【0105】
本発明による圧力センサは、いかなる場合でも、例えば
図17に例示されるように、回路8内に能動的または受動的な回路構成要素を含むことができる。この例では、センサ1’の回路8は、例えばチップまたはダイの形態の制御および/または処理および/または伝送回路MPを含み、これは、デジタルプロセッサ(マイクロプロセッサまたはマイクロコンピュータ回路、あるいは統合されたASICまたはFPGA回路など)を含む場合があり、これは、好ましくは不揮発性および/または電子的に再書き込み可能なタイプの電子メモリ手段を備えているか、または組み合わせている可能性がある。
【0106】
さらに、そのような回路MPは、入力および出力、そして好ましくは、アナログからデジタルへの変換手段を備えている。回路MPは、必要に応じて、非常に好ましくは、SENT(Single-Edge Nibble Transmission)またはCAN(Controller Area Network)インターフェースおよび/またはプロトコル、あるいはイーサネット形式を使用して、シリアル形式のデータ送信回路を想定することもできる。
【0107】
制御回路は、たとえば、
図17でMPによって指定されたタイプの場合、圧力測定値や異常の可能性のある状態など、1つの同じシリアル出力で複数の情報を表すのに適したシリアルタイプのデジタル信号を供給するように構成できる。このような制御回路は、単一の入力信号で圧力測定値を表す情報を異常の可能性のある状態を表す情報から識別し、それらを別々に、または連続して送信するように構成することもできる。
【0108】
センサの膜部分に存在する回路と相互作用する本発明に従って提供される回路要素は、センサ本体の対応する部分(それぞれ
図1-4または
図17-19を参照して説明したタイプのセンサ構造の場合、部分3または4’)から、この本体部分が金属または導電性材料でできている場合には、少なくともセンサの膜部分に面しているその部分から直接得ることができる。
【国際調査報告】