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特表2022-553051ねじり動吸振器が装着されたハイブリッド自動車または電気自動車用のドライブトレイン
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  • 特表-ねじり動吸振器が装着されたハイブリッド自動車または電気自動車用のドライブトレイン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】ねじり動吸振器が装着されたハイブリッド自動車または電気自動車用のドライブトレイン
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20221214BHJP
   B60K 17/12 20060101ALI20221214BHJP
   F16F 15/12 20060101ALI20221214BHJP
   F16F 15/129 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B60K17/12
F16F15/12 L
F16F15/129 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523537
(86)(22)【出願日】2020-10-20
(85)【翻訳文提出日】2022-06-09
(86)【国際出願番号】 EP2020079525
(87)【国際公開番号】W WO2021078755
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】1911762
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503041177
【氏名又は名称】ヴァレオ アンブラヤージュ
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】エリク、ルモー
【テーマコード(参考)】
3D042
3D235
【Fターム(参考)】
3D042AA08
3D042AB01
3D042BE01
3D235AA01
3D235BB23
3D235CC12
3D235GB02
3D235HH62
(57)【要約】
本発明は、自動車用のドライブトレイン(1)であって、ドライブトレイン(1)は、電気モータ(2)と、駆動トルクを自動車のホイールに伝達するよう設計された減速機構(3)と、を備え、電気モータ(2)は、ロータシャフト(4)を設けられたロータを備え、ロータシャフト(4)は、減速機構(3)の一次シャフト(5)に回転的に連結され、ドライブトレイン(1)は、ねじり動吸振器(13)をさらに備え、ねじり動吸振器(13)は、支持要素(14)と、軸Xを中心として前記支持要素(14)に対して回転可能に装着された慣性質量体(15)と、支持要素(14)に対する慣性質量体(15)の、軸Xを中心とした相対的な回転に対抗する弾性部材(16)と、を備える、ドライブトレイン(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用のドライブトレイン(1)であって、
電気モータ(2)と、
駆動トルクを前記自動車のホイールに伝達するよう設計された減速機構(3)と、を備え、
前記電気モータ(2)は、ロータシャフト(4)を設けられたロータを備え、
前記ロータシャフト(4)は、前記減速機構(3)の一次シャフト(5)に回転的に連結され、
前記ドライブトレイン(1)は、ねじり動吸振器(13)をさらに備え、
前記ねじり動吸振器(13)は、支持要素(14)と、軸Xを中心として前記支持要素(14)に対して回転可能に装着された慣性質量体(15)と、前記支持要素(14)に対する前記慣性質量体(15)の、前記軸Xを中心とした相対的な回転に対抗する弾性部材(16)と、を備える、
ドライブトレイン(1)。
【請求項2】
前記ねじり動吸振器(13)の共振周波数は、1~20Hzの間である、
請求項1に記載のドライブトレイン(1)。
【請求項3】
前記ねじり動吸振器(13)の前記共振周波数は、4~10Hzの間である、
請求項2に記載のドライブトレイン(1)。
【請求項4】
前記慣性質量体(15)は、0.001~0.010kg.mの間の慣性モーメントを有する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のドライブトレイン(1)。
【請求項5】
前記慣性質量体(15)は、0.005~0.006kg.mの間の慣性モーメントを有する、
請求項1~4のいずれか一項に記載のドライブトレイン(1)。
【請求項6】
前記ロータシャフト(4)は、前記減速機構(3)の前記一次シャフト(5)に、連結装置(6)により回転的に連結され、
前記ねじり動吸振器(13)の前記支持要素(14)は、前記連結装置(6)に装着される、
請求項1~6のいずれか一項に記載のドライブトレイン。
【請求項7】
前記ねじり動吸振器(13)の前記支持要素(14)は、前記ロータシャフト(4)に装着される、
請求項1~6に記載のドライブトレイン。
【請求項8】
前記ねじり動吸振器(13)の前記支持要素(14)は、前記一次シャフト(5)に装着される、
請求項1~6に記載のドライブトレイン。
【請求項9】
前記ねじり動吸振器(13)は、ヒステリシス装置を備える、
請求項1~8のいずれか一項に記載のドライブトレイン(1)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のドライブトレイン(1)を設けられた自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用、特に電気自動車またはハイブリッド自動車、すなわち車両を推進することができる少なくとも1つの電気モータを備えた車両用のドライブトレインの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を推進することができる電気モータと、電気モータのシャフトと車両のホイールとの間でトルクが伝達される経路に介設されたギアボックス等の減速機構と、を備えるドライブトレインが、従来技術から知られている。
【0003】
本件出願人は、電気モータが一定のトルクを生成せず、特に電気モータの磁石の磁化均質性の不足を原因とする非周期的な挙動を呈することに気づいた。非周期的な挙動により振動が発生する。振動は、ドライブトレイン全体および車両のホイールに伝達され得るとともに、非常に好ましくない揺れ、騒音、および騒音公害を引き起こし得る。非周期的な挙動は、特に、振動の周波数がドライブトレインの共振周波数に一致する場合、特に重大な振動を発生させやすい。
【発明の概要】
【0004】
本発明を支持する1つの発想は、上述の欠点に対処することができる、すなわち電気モータが発生させやすい振動を効果的にフィルタリング(除去)することができるドライブトレインを提案することである。
【0005】
このことをなすために、本発明は、自動車用のドライブトレインであって、電気モータと、前記駆動トルクを前記自動車のホイールに伝達するよう設計された減速機構と、を備え、前記電気モータは、ロータシャフトを設けられたロータを備え、前記ロータシャフトは、前記減速機構の一次シャフトに回転的に連結され、前記ドライブトレインは、ねじり動吸振器をさらに備え、前記ねじり動吸振器は、支持要素と、軸Xを中心として前記支持要素に対して回転可能に装着された慣性質量体と、前記支持要素に対する前記慣性質量体の、前記軸Xを中心とした相対的な回転に対抗する弾性部材と、を備える、ドライブトレインを提案する。
【0006】
したがって、ねじり動吸振器によって、ドライブトレインの振動、特に前記ドライブトレインの共振周波数付近の振動が制限される。
【0007】
他の実施形態によれば、ドライブトレインは、以下に記載の特徴のうちの単数または複数を有し得る。
【0008】
一実施形態によれば、前記ねじり動吸振器の共振周波数は、1~20Hzの間であり、好適には4~10Hzの間である。
【0009】
一実施形態によれば、前記慣性質量体は、0.001~0.010kg.mの間であり、より具体的には0.005~0.006kg.mの間である慣性モーメントを有する。
【0010】
一実施形態によれば、前記弾性部材は、0.01~0.70Nm/°の間である角度剛さを提供するように構成される。
【0011】
一実施形態によれば、前記連結装置は、クラッチ装置である。一実施形態によれば、前記クラッチ装置は、第1クラッチと第2クラッチとを備える。
【0012】
一実施形態によれば、前記減速機構は、ギアボックスである。
【0013】
一実施形態によれば、前記ギアボックスは、第1一次シャフトと第2一次シャフトとを備え、前記クラッチ装置は、前記ロータシャフトを前記第1一次シャフトおよび前記第2一次シャフトに連結することがそれぞれ意図された第1クラッチと第2クラッチとを備える。
【0014】
一実施形態によれば、前記支持要素は、トルクが前記ロータシャフトから前記車両の前記ホイールに伝達される際に回転駆動されるように配置され、有利には、ロータシャフトと同一速度で回転駆動される。
【0015】
一実施形態によれば、前記支持要素は、前記ロータシャフトに回転的に固定される。
【0016】
一実施形態によれば、前記ロータシャフトは、前記減速機構の前記一次シャフトに、連結装置により回転的に連結される。
【0017】
一実施形態によれば、前記ねじり動吸振器の前記支持要素は、前記連結装置に装着される。一実施形態によれば、前記連結装置がクラッチ装置である場合、前記ねじり動吸振器の前記支持要素は、前記機構に、または前記クラッチ装置のクラッチディスクに装着される。
【0018】
一実施形態によれば、前記ねじり動吸振器の前記支持要素は、前記一次シャフトに装着される。
【0019】
一実施形態によれば、前記支持要素は、前記ロータシャフトに装着される。
【0020】
一実施形態によれば、前記ねじり動吸振器は、ヒステリシス装置を備える。1つの有利な実施形態によれば、前記ヒステリシス装置は、前記支持要素に対する前記慣性質量体の角度行程が増加するにつれて増加する摩擦トルクを加えるように構成される。
【0021】
一実施形態によれば、本発明は、上述のドライブトレインを設けられた自動車を提案する。
【0022】
添付図面を参照しつつ非限定的な例示のみにより提供される本発明の複数の特定の実施形態についての以下の説明から、本発明はより良く理解され得るとともに、その他の目的、詳細、特徴および利点がより明瞭になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、第1実施形態によるドライブトレインの概略図である。
図2図2は、第2実施形態によるドライブトレインの概略図である。
図3図3は、第3実施形態によるドライブトレインの概略図である。
図4図4は、第4実施形態によるドライブトレインの概略図である。
図5図5は、一実施形態によるねじり動吸振器の特性曲線である。
図6図6は、他の実施形態によるねじり動吸振器の特性曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
第1実施形態による電気自動車のドライブトレイン1を、図1を参照しつつ以下に説明する。ドライブトレイン1は、トルクが伝達される経路に沿って連続的に、電気モータ2と、減速機構3と、図示しない差動装置と、を備えている。差動装置は、自動車の横方向において対向する2つのホイールを駆動することができる。減速機構3は、車両のホイールに所望レベルの速度およびトルクを達成することができる。
【0025】
電気モータ2は、例えば、同期型永久磁石電気モータである。電気モータ2は、ステータと、ロータシャフト4が設けられたロータと、を備えている。
【0026】
減速機構3は、少なくとも一次シャフト5を備えている。一次シャフト5は、連結装置6によってロータシャフト4に回転的に連結されている。連結装置6は、特に、永久連結装置またはクラッチ装置であり得る。図示の実施形態において、連結装置6は、一方でロータシャフト4に形成された図示しないスプラインと協働し、他方で一次シャフト5に形成された図示しないスプラインと協働するスプラインスリーブである。
【0027】
減速機構3は、二次シャフト7および三次シャフト8をさらに備えている。三次シャフト8は、差動装置に接続可能である。差動装置それ自体は、車両のホイールに接続されている。一次シャフト5、二次シャフト7、および三次シャフト8は、互いに平行に配置されている。一次シャフト5は、ギアホイール9を設けられている。ギアホイール9は、二次シャフト7と一体的に回転する第1ギアホイール10と噛み合う。二次シャフト7は、第2ギアホイール11をさらに備えている。第2ギアホイール11は、三次シャフト8と一体的に回転するギアホイール11と噛み合う。ギアホイール9、10、11、12の歯数は、減速機構3が一次シャフト5から三次シャフト8に向かって回転速度を低下させることができ、これによりトルクを増大させ得るようなものとされている。
【0028】
図示しない変形実施形態によれば、減速機構3は、複数の減速比を有するギアボックスである。本例において、ドライブトレイン1は、ロータシャフト4をギアボックスの一次シャフト5に対して連結または連結解除するように構成されたクラッチ装置を備えている。したがって、このようなクラッチ装置により、ギア比の変更中に、トルクの伝達が中断され得る。
【0029】
1つの特定の変形例によれば、ギアボックスは、第1一次シャフトと、空洞であるとともに第1一次シャフトを取り囲む第2一次シャフトとを備えている。第1一次シャフトおよび第2一次シャフトの各々は、二次シャフトのギアホイールと噛み合うギアホイールを備えている。本例において、クラッチ装置は、第1クラッチと第2クラッチとを備えている。第1クラッチおよび第2クラッチは、ロータシャフト4を第1一次シャフトおよび第2一次シャフトにそれぞれ連結することができる。ギア比を変更するには、第1クラッチおよび第2クラッチの一方をその係合位置からその係合解除位置に移動させるとともに、他方をその係合解除位置からその係合位置に移動させる。これにより、駆動トルクが第1クラッチおよび第2クラッチの一方から他方に次第に伝達される。したがって、このようなクラッチ装置により、トルクの途切れを生じることなく、すなわち、駆動トルクの車両のホイールへの伝達を維持しながら、ギア比を変更することができる。
【0030】
また、ドライブトレイン1は、ねじり動吸振器13を備えている。このようなねじり動吸振器13は、自動車のドライブトレイン1と並行して動作するバネ-質量システムを備えている。
【0031】
ねじり動吸振器13は、支持要素14と、例えば環状の慣性質量体15であって、軸Xを中心として支持要素14に対して回転可能に装着された慣性質量体15と、バネ等の弾性部材16と、を備えている。弾性部材16は、支持要素14と慣性質量体15との間に配置されるとともに、支持要素14に対する慣性質量体15の、軸Xを中心とした相対的な回転に対抗する。一例として、このようなねじり動吸振器13の構造は、文書FR3051029、FR3027985、FR2865516、FR2824374、WO11060752、およびDE10201223751に記載されている。
【0032】
このようなねじり動吸振器13は、所定の周波数範囲に亘る振動を選択的にフィルタリングすることができる。したがって、慣性質量体15の慣性モーメントおよび弾性部材16の集合体の剛さは、ねじり動吸振器13の共振周波数がフィルタリングされるべき振動の周波数に一致するように調整される。ねじり動吸振器13の共振周波数は、例えば、1~20Hzの間であり、より具体的には4~10Hzの間であり、例えばおおよそ6~8Hzの間であり、より具体的には、ドライブトレイン1の共振周波数に一致する。
【0033】
慣性質量体15は、例えば、0.001~0.010kg.mの間の、より具体的には、0.005~0.006kg.mの間の慣性モーメントを有している。したがって、このようなねじり動吸振器13は、実質的に10倍大きい慣性モーメント、すなわち0.010~0.100kg.mの間の慣性モーメントを有するロータに関連付けられることに特に良好に適している。
【0034】
さらに、ねじり動吸振器13の弾性部材16の集合体を模した単一の弾性部材は、例えば、0.01~0.70Nm/°の間の角度剛さを有している。
【0035】
図1の実施形態において、ねじり動吸振器13は、ロータシャフト4と減速機構3の一次シャフト5とを連結する連結装置6に装着されている。したがって、一例として、連結装置6がスリーブである場合、ねじり動吸振器13の支持要素14は、前記スリーブに装着される。連結装置6がクラッチ装置である場合、ねじり動吸振器13の支持要素14は、特にクラッチ装置の機構、または前記クラッチの摩擦ディスクに装着され得る。
【0036】
図2、3および4は、他の実施形態によるドライブトレインを示す。これらの実施形態は、上述の実施形態と、ねじり動吸振器13の位置において異なっている。図示の全ての実施形態において、ねじり動吸振器13は、ロータシャフト4、または、減速比を有さずに前記ロータシャフト4に接続されたドライブトレインの要素のいずれかに直接関連付けられていることに留意されたい。
【0037】
図2の実施形態において、ねじり動吸振器13の支持要素14は、ロータシャフト4に装着されている。図2において、ねじり動吸振器13は、ロータシャフト4に、前記シャフト4の一端部であって、減速機構3の一次シャフト5に連結された端部の反対側の端部である一端部において固定されている。
【0038】
図2および図3の実施形態において、ねじり動吸振器13の支持要素14は、一次シャフト5に装着されている。図3の実施形態において、ねじり動吸振器13の支持要素14は、一次シャフト5を支持する2つのベアリング間に配置されている。これに対し、図4の実施形態において、ねじり動吸振器13の支持要素14は、一次シャフト5の一端部であって、ロータシャフト4に連結された端部とは反対側の端部である一端部に配置されている。
【0039】
実施形態の変形例によれば、ねじり動吸振器13は、図示しないヒステリシス装置を備えている。ヒステリシス装置は、慣性質量体15と支持要素14との間で相対的な回転があるとき、摩擦抵抗トルクを加えるように構成されている。これにより、弾性部材16に蓄積されたエネルギーの一部が摩擦により消散され得る。
【0040】
図5は、支持要素14に対する慣性質量体15の角度行程の関数としてのねじり動吸振器13を通過するトルクを表す曲線を示す。図5の実施形態において、ヒステリシス装置は、角度行程に応じて変化する摩擦トルク、より具体的には、慣性質量体のその静止位置に対する行程が増加するにつれて増加する摩擦トルクを加える。この実施形態の変形例において、角度行程の関数としての摩擦トルクを表す曲線は、線形関数である。換言すれば、摩擦トルクは、角度行程に比例して変化する。一例として、このような摩擦トルクを得ることができるヒステリシス装置の構造は、出願WO11060752に記載されている。
【0041】
図6は、別の実施形態による、支持要素に対する慣性質量体の角度行程の関数としてのねじり動吸振器を通過するトルクを表す曲線を示す。ヒステリシス装置は、同様に、角度行程に応じて変化する、より具体的には増加する摩擦トルクを加える。ただし、本実施形態において、摩擦トルクは、段階的に増加する。これを達成すべく、ヒステリシス装置は、角度行程に関係なく一定である摩擦トルクを加える第1ヒステリシス手段と、摩擦トルクを特定の相対位置においてのみ加える条件付起動の第2ヒステリシス手段と、を備えている。条件付起動の第2ヒステリシス手段は、摩擦トルクを一方向においてのみ、すなわち行程が閾値角度値の上方に増加した場合にのみ加える。
【0042】
本発明を複数の特定の実施形態に関して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、説明した手段の全ての技術的同等物、および本発明の範囲に含まれるそれらの組み合わせを備えることが極めて明白である。
【0043】
動詞「有する(have)」、「備える(comprise)」または「含む(include)」およびその活用形の使用は、請求項に記載されたもの以外の要素やステップの存在を排除しない。
【0044】
特許請求の範囲において、括弧内の参照符号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】