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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】車両用熱線装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/20 20060101AFI20221214BHJP
   B60R 1/06 20060101ALI20221214BHJP
   B60S 1/02 20060101ALI20221214BHJP
   B60J 1/20 20060101ALI20221214BHJP
   H05B 3/84 20060101ALN20221214BHJP
【FI】
H05B3/20 340
B60R1/06 P
B60S1/02 400Z
B60J1/20 C
H05B3/84
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523543
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(85)【翻訳文提出日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 KR2020014404
(87)【国際公開番号】W WO2021091126
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0141408
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0132800
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509023012
【氏名又は名称】エル エス エムトロン リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS Mtron Ltd.
【住所又は居所原語表記】127, LS-ro, Dongan-gu, Anyang-si, Gyeonggi-do, 14119 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】リー、スチャン
(72)【発明者】
【氏名】キム、セジン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジェホン
【テーマコード(参考)】
3D053
3D225
3K034
【Fターム(参考)】
3D053FF19
3D053FF21
3D053HH55
3D053JJ20
3D225AC10
3D225AD02
3K034AA02
3K034AA12
3K034JA07
3K034JA10
(57)【要約】
本発明は、車両内に設けられる支持部と、前記支持部の周辺部に配置され、熱を発生させるための周辺発熱部と、前記周辺部に隣接する中央部に配置され、熱を発生させるための中央発熱部と、を含む車両用熱線装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に設けられる支持部と、
前記支持部の周辺部に配置され、熱を発生させるための周辺発熱部と、
前記周辺部に隣接する中央部に配置され、熱を発生させるための中央発熱部と、を含み、
前記中央発熱部は、前記中央部に第1温度を有する第1発熱領域を形成し、
前記周辺発熱部は、前記中央発熱部に隣接するように前記周辺部に配置され、前記周辺部に第2温度を有する第2発熱領域を形成し、
前記支持部には、前記中央発熱部と前記周辺発熱部が導電性金属を用いた成形回路部品(Molded Interconnection Device)工程で形成される車両用熱線装置。
【請求項2】
前記中央発熱部は、前記中央部に熱を発生させるための第1中央熱線を含み、
前記周辺発熱部は、前記周辺部に熱を発生させるための第1周辺熱線を含み、
前記第1中央熱線は、第1幅を有するように形成され、
前記第1周辺熱線は、第2幅を有するように形成され、
前記第1幅は、前記第2幅に比べてより大きい請求項1に記載の車両用熱線装置。
【請求項3】
前記中央発熱部は、前記中央部に熱を発生させるための第1中央熱線と、前記第1中央熱線から第1間隔で離隔して配置される第2中央熱線と、を含み、
前記周辺発熱部は、前記周辺部に熱を発生させるための第1周辺熱線と、前記第1周辺熱線から第2間隔で離隔して配置される第2周辺熱線と、を含み、
前記第1間隔は、前記第2間隔に比べてより大きい請求項1に記載の車両用熱線装置。
【請求項4】
前記中央発熱部は、前記中央部に熱を発生させるための複数の中央熱線を含み、
前記中央熱線は、前記周辺発熱部に近い位置に配置されるほど、より小さな幅を有するように形成される請求項1に記載の車両用熱線装置。
【請求項5】
前記中央発熱部は、前記中央部に熱を発生させるための複数の中央熱線を含み、
前記中央熱線は、互いに離隔して配置されるが、前記周辺発熱部に近い位置に配置されるほど、より小さな間隔で離隔して配置される請求項1に記載の車両用熱線装置。
【請求項6】
前記中央発熱部は、前記周辺部の内側の前記中央部に配置され、
前記周辺発熱部は、前記中央発熱部を囲むように前記周辺部に配置される請求項1に記載の車両用熱線装置。
【請求項7】
車両内に設けられる支持部と、
前記支持部の中央部に配置される中央発熱部と、
前記中央部の外側の周辺部に配置される周辺発熱部と、を含み、
前記中央発熱部は、前記中央部に第1温度を有する第1発熱領域を形成し、
前記周辺発熱部は、前記中央発熱部を基準にして互いに異なる方向側に配置され、前記周辺部に第2温度を有する第2発熱領域を形成し、
前記支持部には、前記中央発熱部と前記周辺発熱部が導電性金属を用いた成形回路部品(Molded Interconnection Device)工程で形成される車両用熱線装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のカメラ、サイドミラーなどに設けられる車両用熱線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両は、Sedan、SUVなどの車両、トラクター、コンバインなどの農業用車両、装甲車、タンクなどの軍用車両、または建設用車両、土木用車両に区分され得る。これらの車両には、カメラについた霜を除去したり、サイドミラーに形成された結露を除去するための車両用熱線装置が設けられる。車両用熱線装置は、カメラとサイドミラーに温度を上昇させるための発熱体を含む。
【0003】
図1は、従来技術による車両用熱線装置についての概略的な平面図であり、図2は、従来技術による車両用熱線装置において、発熱領域上の3次元熱流体解析(CFD、Computation Fluid Dynamics)の結果を示したものである。図1における支持部、陽極電源端子、および陰極電源端子に表現されたハッチングは、他の構成との区別のために表示されたものである。
【0004】
図1を参照すると、従来技術による車両用熱線装置100は、支持部110および発熱部120を含む。
【0005】
前記支持部110は、前記発熱部120を支持するためのものである。前記発熱部120は、前記支持部110に結合されることにより、前記支持部110に支持される。前記支持部110は、絶縁性(Insulative)を有する材質で形成される。
【0006】
前記発熱部120は、カメラとサイドミラーの温度を上昇させるための発熱(Heating)機能を担当するものである。前記発熱部120は、外部から電源の供給を受けて発熱することによって、発熱領域HAを形成する。前記発熱部120は、導電性(Conductive)を有する材質で形成される。
【0007】
前記発熱部120は、熱線(Hot Wire)で具現される。前記発熱部120は、通常、ベースフィルム(図示せず)、き裂板(図示せず)上に銅箔で形成された熱線で具現される。この場合、前記発熱部120は、通常、陽極電源端子121(図1に図示する)から陰極電源端子122(図1に図示する)に延長される1つのループを有する熱線で具現される。1つのループを有する熱線は、空気の対流現象とパターンの重畳問題により、次のような問題を引き起こす。熱が分散する経路が少ない前記支持部110の中央部CAに熱が集中し、外部面に隣接して熱が分散しやすい周辺部SAは、前記中央部CAに比べて温度が低く形成され、従来技術による車両用熱線装置100は、発熱領域についての温度分布の均一性を確保することが困難であった。また、銅箔、ベースフィルム、き裂板などの部品が必要であるため、従来技術による車両用熱線装置100は、構造的にも複雑な構造であった。
【0008】
これにより、従来技術による車両用熱線装置100は、図2に示すように、前記中央部CAの温度が前記周辺部SAの温度よりも高く実現される。図2に示した発熱領域HA内における比較的暗い領域は、比較的高い温度領域を意味し、比較的明るい領域は、比較的低い温度領域を意味する。
【0009】
図2に示すように、従来技術による車両用熱線装置100は、前記発熱領域HAについての温度分布の均一性が低下するため、カメラについた霜やサイドミラーに形成された結露を除去する除去作業についての完成度が低下する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前述のような問題を解決するために案出されたものであって、発熱領域についての温度分布の均一性を向上させるための車両用熱線装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述のような課題を解決するために、本発明は、以下のような構成を含み得る。
【0012】
本発明による車両用熱線装置は、車両内に設けられる支持部と、前記支持部の周辺部に配置され、熱を発生させるための周辺発熱部と、前記周辺部に隣接する中央部に配置され、熱を発生させるための中央発熱部と、を含み得る。前記中央発熱部は、前記中央部に第1温度を有する第1発熱領域を形成し得る。前記周辺発熱部は、前記中央発熱部に隣接するように前記周辺部に配置され、前記周辺部に第2温度を有する第2発熱領域を形成し得る。前記支持部には、前記中央発熱部と前記周辺発熱部が導電性金属を用いた成形回路部品(Molded Interconnection Device)工程で形成され得る。
【0013】
本発明による車両用熱線装置は、車両内に設けられる支持部と、前記支持部の中央部に配置される中央発熱部と、前記中央部の外側の周辺部に配置される周辺発熱部と、を含み得る。前記中央発熱部は、前記中央部に第1温度を有する第1発熱領域を形成し得る。前記周辺発熱部は、前記中央発熱部を基準にして互いに異なる方向側に配置され、前記周辺部に第2温度を有する第2発熱領域を形成し得る。前記支持部には、前記中央発熱部と前記周辺発熱部が導電性金属を用いた成形回路部品(Molded Interconnection Device)工程で形成され得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、次のような効果が図られる。
【0015】
本発明は、発熱領域についての温度分布の均一性を向上させることができるため、カメラについた霜やサイドミラーに形成された結露を除去する作業についての完成度を高めることができる。
【0016】
本発明は、支持部の全領域に均一な温度分布を形成させるための作業の容易性を向上させ得る。
【0017】
本発明は、発熱部についてのメンテナンス作業の容易性を向上させるとともに、発熱部についてのメンテナンス費用を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】従来技術による車両用熱線装置についての概略的な平面図。
【0019】
図2】従来技術による車両用熱線装置において、発熱領域上の3次元熱流体解析の結果を示した図面。
【0020】
図3】本発明による車両用熱線装置が設けられる車両の一例についての斜視図。
【0021】
図4】本発明による車両用熱線装置についての概略的な斜視図。
【0022】
図5図4のA部分を拡大して示した概略的な平面図。
図6図4のA部分を拡大して示した概略的な平面図。
【0023】
図7】本発明による車両用熱線装置において、第1発熱領域および第2発熱領域上の3次元熱流体解析の結果を示した図面。
【0024】
図8】本発明の変形された実施形態による車両用熱線装置についての概略的な平面図。
【0025】
図9】本発明の変形された実施形態による車両用熱線装置において、第1発熱領域および第2発熱領域上の3次元熱流体解析の結果を示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下においては、本発明による車両用熱線装置についての実施形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。図4および図8において、中央発熱部、周辺発熱部、第1端子、および第2端子に表現されたハッチングは、他の構成との区別のために表示されたものである。
【0027】
図3を参照すると、本発明による車両用熱線装置1は、車両10に設けられる。本発明による車両用熱線装置1は、前記車両10のカメラ11、サイドミラー12などに設けられ、前記カメラ11についた霜を除去したり、前記サイドミラー12に形成された結露を除去できる。本発明による車両用熱線装置1は、前記カメラ11、サイドミラー12などが有するハウジング自体の一部領域に形成され得、前記カメラ11、サイドミラー12などが有するガラスに形成され得る。
【0028】
このために、本発明による車両用熱線装置1は、以下のように具現できる。
【0029】
図4図7を参照すると、本発明による車両用熱線装置1は、熱を発生させるための中央発熱部2と、熱を発生させるための周辺発熱部3と、前記周辺発熱部3と前記中央発熱部2を支持するための支持部4と、を含む。前記中央発熱部2は、前記支持部4の中央部CAに第1温度T1を有する第1発熱領域HA1を形成する。前記第1温度T1は、特定の温度であることもあり、下限値と上限値を有する温度の範囲であることもある。前記第1温度T1は、作業者によって予め設定されることがある。前記周辺発熱部3は、前記支持部4の周辺部SAに第2温度T2を有する第2発熱領域HA2を形成する。前記第2温度T2は、特定の温度であることもあり、下限値と上限値を有する温度の範囲であることもある。前記第2温度T2は、作業者によって予め設定されることがある。
【0030】
前記中央発熱部2が前記中央部CAに前記第1温度T1を有する前記第1発熱領域HA1を形成するとともに、前記周辺発熱部3が前記周辺部SAに前記第2温度T2を有する前記第2発熱領域HS2を形成するように具現されることによって、本発明による車両用熱線装置1は、次のような作用効果が図られる。
【0031】
本発明による車両用熱線装置1は、前記中央部CAと前記周辺部SAが同じ温度を有するように具現できる。本明細書において、温度が同じであるとは、温度が全く同じ場合だけでなく、温度が所定の範囲内で差がある場合も含むものである。所定の範囲は、作業者によって予め設定されることがある。本発明による熱線装置1は、熱線が形成される面積を区画して熱線を具現することによって、熱が集中する中央部CAと熱が分散する周辺部SAに分けて発熱するように具現できる。この場合、熱が集中する部分は、熱を分散させるように具現し、熱が分散するところは、熱を集中させるように具現する。したがって、本発明による車両用熱線装置1は、前記発熱領域HA1、HA2についての温度分布の均一性を向上させることができるため、前記カメラ11についた霜や前記サイドミラー12に形成された結露を除去する作業についての完成度を高めることができる。
【0032】
本発明による車両用熱線装置1は、発熱部が区画されているため、前記中央発熱部2または前記周辺発熱部3のうち、少なくとも1つを発熱させるように具現できる。これにより、本発明による車両用熱線装置1は、ユーザの必要に応じて前記支持部4の全領域に互いに異なる温度分布が形成されるように具現できる。したがって、本発明による車両用熱線装置1は、ユーザの必要に応じた性能を有するように具現できる。
【0033】
本発明による車両用熱線装置1は、前記中央部CAの熱線間の間隔と前記周辺部SAの熱線間の間隔が互いに異なるように具現できる。この場合、前記中央部CAの熱線の間隔d1が前記周辺部SAの熱線間の間隔d2よりも大きく形成され得る。これにより、熱が集中する前記中央部CAの熱線の間隔d1をより大きく形成し、前記中央部CAでは、熱を分散させるように具現できる。この場合、相対的に前記周辺部SAは、熱線間の間隔d2をより小さく形成し、前記周辺部SAでは、熱を集中させるように具現できる。このように、熱線間の間隔を前記中央部CAと前記周辺部SAで互いに異なるように形成し、熱線が形成される面積で全体的に均一な発熱となるように具現できる。
【0034】
本発明による車両用熱線装置1は、前記中央部CAの熱線自体の幅w1と前記周辺部SAの熱線自体の幅w2が互いに異なるように具現できる。この場合、前記中央部CAの熱線の幅w1は、前記周辺部SAの熱線の幅w2よりも大きく形成され得る。これにより、前記中央部CAの熱線の断面積を広げて抵抗を低くし、前記中央部CAでは、熱を分散させるように具現できる。この場合、前記周辺部SAの熱線の幅w2を小さく形成して抵抗を大きくし、前記周辺部SAでは、発熱が多くなるように具現できる。このように、熱線の幅を前記中央部CAと前記周辺部SAで互いに異なるように形成し、熱線が形成される面積で全体的に均一な発熱となるように具現できる。
【0035】
本発明による車両用熱線装置1は、従来技術において、熱線シートの構成時に必要な銅箔、ベースフィルム、き裂板などのような別の部品なしで、成形回路部品(MID、Molded Interconnection Device)工程で熱線が必要な部分のケースに直接熱線を形成して具現できる。これにより、本発明による車両用熱線装置1を構造的に簡素化して費用の削減および生産性の向上が図られる。
【0036】
以下では、前記中央発熱部2、前記周辺発熱部3、および前記支持部4について添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0037】
図4図9を参照すると、前記中央発熱部2は、前記車両10に設けられて熱を発生させるためのものである。前記中央発熱部2は、前記カメラ11または前記サイドミラー12に設けられ得る。前記発熱部2、3は、前記サイドミラーに成形回路部品(MID)工程で直接形成され得る。この場合、前記支持部4が前記サイドミラー12に該当し得る。前記中央発熱部2は、1つの熱線で具現できる。前記中央発熱部2は、導電性(Conductive)を有する材質で形成され得る。
【0038】
前記中央発熱部2は、前記支持部4の中央部CAに第1温度T1を有する第1発熱領域HA1を形成する。前記中央部CAは、前記周辺部SAの内側に配置され得る。前記中央部CAは、前記支持部4の側方から離隔した距離が同じ地点であって、前記支持部4の一領域に該当し得る。前記中央発熱部2は、前記第1温度T1を有する第1発熱領域HA1を形成し得る。
【0039】
前記中央発熱部2は、導電性金属を用いた成形回路部品(MID)工程で前記支持部4に形成され得る。これにより、本発明による車両用熱線装置1は、従来技術において、熱線シートの構成時に必要な銅箔、ベースフィルム、き裂板のような別の部品がなくても、前記中央発熱部2が成形回路部品(MID)工程で直接前記支持部4に形成されるように具現できる。したがって、本発明による車両用熱線装置1は、前記中央部CAを発熱させるのに必要な部品数を減少させることによって、製造のための工程費用を削減できる。
【0040】
前記中央発熱部2は、第1幅w1(図5に図示する)を有するように形成され得る。前記第1幅w1は、前記中央発熱部2が延長される方向に対して垂直な方向を基準とする長さであり得る。
【0041】
図5および図6を参照すると、前記中央発熱部2は、第1中央熱線21と、第2中央熱線22と、を含み得る。
【0042】
前記第1中央熱線21は、前記中央部CAに熱を発生させるものである。前記第1中央熱線21は、前記中央発熱部2が1つの熱線で具現された場合、前記中央部CAに熱を発生させるための前記中央発熱部2の一部分であり得る。前記第1中央熱線21は、直線に沿って延長される形を有するように形成され得る。前記第1中央熱線21は、導電性を有する材質で形成され得る。
【0043】
前記第2中央熱線22は、前記第1中央熱線21から離隔した位置で前記中央部CAに熱を発生させるためのものである。前記第2中央熱線22は、前記中央発熱部2が1つの熱線で具現された場合、前記中央部CAに熱を発生させるための前記中央発熱部2の一部分であり得る。前記第2中央熱線22は、直線に沿って延長される形を有するように形成され得る。前記第2中央熱線22は、導電性を有する材質で形成され得る。
【0044】
前記第2中央熱線22は、前記第1中央熱線21と第1間隔d1(図5に図示する)を有するように配置され得る。前記第1中央熱線21と前記第2中央熱線22による熱は、前記第1間隔d1を介して分散できる。前記第1間隔d1は、前記中央部CAの外側に向かうほど大きさが徐々に減少し得る。前記中央発熱部2が前記第2中央熱線22と前記第1中央熱線21とを含んで複数の中央熱線を含む場合、前記中央熱線は、前記周辺発熱部3に近い位置に配置されるほど、より小さな間隔で離隔して配置され得る。すなわち、前記中央熱線が互いに離隔した間隔は、前記周辺発熱部3側に向かうほど順次に減少し得る。
【0045】
図示していないが、前記第2中央熱線22と前記第1中央熱線21は、中央連結熱線によって互いに連結され得る。前記中央連結熱線は、前記第2中央熱線22と前記第1中央熱線21との間に配置され、前記第2中央熱線22と前記第1中央熱線21を連結するものである。前記中央連結熱線は、前記第2中央熱線22と前記第1中央熱線21を連結できる限り、コの字型、半円形などで形成され得る。前記中央連結熱線、前記第2中央熱線22、および前記第1中央熱線21は、一体として形成され得る。
【0046】
本発明による車両用熱線装置1は、前記中央発熱部2が前記中央部CAの外側に向かうほど幅が減少するように具現できる。この場合、図6に示すように、前記第2中央熱線22の幅w1’は、前記第1中央熱線21の幅w1に比べてより小さく形成され得る。これにより、本発明による車両用熱線装置1は、前記中央部CAの外側に向かうほど、前記中央発熱部2の発熱量が減少するように具現できる。前記中央発熱部2が前記第2中央熱線22と前記第1中央熱線21とを含んで複数の中央熱線を含む場合、前記中央熱線は、前記周辺発熱部3に近い位置に配置されるほど、より小さな幅を有するように形成され得る。すなわち、前記中央熱線の幅は、前記周辺発熱部3側に向かうほど順次に減少し得る。
【0047】
図4図9を参照すると、前記周辺発熱部3は、前記車両10に設けられ、前記中央発熱部2から離隔した位置に熱を発生させるためのものである。前記周辺発熱部3は、前記カメラ11または前記サイドミラー12に設けられ得る。前記周辺発熱部3は、1つの熱線で具現できる。
【0048】
前記周辺発熱部3は、前記支持部4の周辺部SAに第2温度T2を有する第2発熱領域HA2を形成する。前記周辺部SAは、前記中央部CAに隣接して配置され得る。前記周辺部SAは、前記中央部CAに隣接して配置される前記支持部4の他の領域に該当し得る。この場合、前記周辺発熱部3は、前記中央発熱部2に隣接して前記周辺部SAに配置され得る。前記周辺部SAは、前記中央部CAの外側に配置され得る。この場合、前記周辺部SAは、前記中央部CAの外側に配置される前記支持部4の他の領域に該当し得る。前記周辺部SAが前記中央部CAの外側に配置されている場合、前記周辺発熱部3は、前記中央発熱部2を囲むように前記周辺部SAに配置され得る。この場合、前記中央部CAが前記周辺部SAの内側に配置され、前記中央発熱部2は、前記周辺発熱部3の内側に配置され得る。
【0049】
本発明による車両用熱線装置1は、前記周辺発熱部3が前記第1温度T1と同じである第2温度T2を有する第2発熱領域HA2を形成するように具現できる。これは、本発明による車両用熱線装置1において、発熱領域HA1、HA2上の3次元熱流体解析(CFD、Computation Fluid Dynamics)の結果を示した図7から分かる。図7は、本発明による車両用熱線装置1における前記発熱領域HA1、HA2の温度分布を示したものである。図5の左側に示したバー(Bar)において、上側に配置されるほど温度が高いことを意味する。
【0050】
図7に示すように、前記第1発熱領域HA1の第1温度T1と前記第2発熱領域HA2の第2温度T2は、同じであることが分かる。したがって、本発明による車両用熱線装置1は、前記発熱領域HA1、HA2についての温度分布の均一性を向上させることができるため、前記カメラ11についた霜や前記サイドミラー12に形成された結露を除去する作業についての完成度を高めることができる。第1温度T1および第2温度T2は、図7に示すように、おおよそ116℃および104℃で具現できるが、これは例示的なものであり、第1温度T1および第2温度T2は、異なる温度で具現できる。
【0051】
前記周辺発熱部3は、導電性金属を用いた成形回路部品(MID)工程で前記支持部4に形成され得る。これにより、本発明による車両用熱線装置1は、従来技術において、熱線シートの構成時に必要な銅箔、ベースフィルム、き裂板のような別の部品がなくても、前記周辺発熱部3が成形回路部品(MID)工程で直接前記支持部4に形成されるように具現できる。したがって、本発明による車両用熱線装置1は、前記周辺部SAを発熱させるのに必要な部品数を減少させることによって、製造のための工程費用を削減できる。
【0052】
前記周辺発熱部3は、第2幅w2(図5に図示する)を有するように形成され得る。この場合、前記第2幅w2は、前記第1幅w1と異なる大きさを有するように形成され得る。これにより、本発明による車両用熱線装置1は、前記周辺発熱部3と前記中央発熱部2の抵抗の大きさを変更させることによって、前記第2発熱領域HA2の発熱量および前記第1発熱領域HA1の発熱量を互いに異なるように具現できる。すなわち、前記中央発熱部2の熱線の幅を前記周辺発熱部3の幅よりも広く形成し、前記中央発熱部2の熱線の断面積を広げて抵抗を低くして熱を分散させることができる。一方、前記周辺発熱部3の熱線の幅は、小さく形成し、前記周辺発熱部3の熱線の抵抗を上げて発熱が多くなるようにする。抵抗は、長さに比例し、断面積に反比例するため、熱が集中されるべきである周辺部SAでは、熱線の抵抗を上げて熱を高く形成できるようにし、熱が分散するべきである中央部CAでは、熱線の抵抗を下げて熱を低く形成できるようにするものである。したがって、本発明による車両用熱線装置1は、前記車両10の様々な運用状況に応じて第2温度T2および第1温度T1を異なるように調整できる調整力を具現できる。例えば、図5に示すように、前記第2幅w2が前記第1幅w1に比べてより小さい大きさを有するように形成される場合、前記第2発熱領域HA2の発熱量は、前記第1発熱領域HA1の発熱量に比べてより大きく具現できる。熱線の抵抗は幅が小さくなるほど増加するので、発熱量が増加し得るためである。これにより、第2温度T2は、第1温度T1に比べてより大きく形成され得る。
【0053】
図5および図6を参照すると、前記周辺発熱部3は、第1周辺熱線31と、第2周辺熱線32と、を含み得る。
【0054】
前記第1周辺熱線31は、前記周辺部SAに熱を発生させるものである。前記第1周辺熱線31は、前記周辺発熱部3が1つの熱線で具現された場合、前記周辺部SAに熱を発生させるための前記周辺発熱部3の一部であり得る。前記第1周辺熱線31は、直線に沿って延長される形を有するように形成され得る。前記第1周辺熱線31は、導電性を有する材質で形成され得る。
【0055】
前記第1周辺熱線31は、前記第2幅w2を有するように形成され得る。この場合、前記第1中央熱線21は、前記第1幅w1を有するように形成され得る。前記第1幅w1は、前記第2幅w2に比べてより大きく具現できる。したがって、前記第1中央熱線21は、前記第1周辺熱線31に比べてより大きい幅に形成され得る。
【0056】
前記第2周辺熱線32は、前記第1周辺熱線31から離隔した位置で前記周辺部SAに熱を発生させるためのものである。前記第2周辺熱線32は、前記周辺発熱部3が1つの熱線で具現された場合、前記周辺部SAに熱を発生させるための前記周辺発熱部3の一部であり得る。前記第2周辺熱線32は、直線に沿って延長される形を有するように形成され得る。前記第2周辺熱線32は、導電性を有する材質で形成され得る。
【0057】
前記第2周辺熱線32は、前記第2幅w2を有するように形成され得る。この場合、前記第2中央熱線22は、前記第1幅w1を有するように形成され得る。前記第1幅w1は、前記第2幅w2に比べてより大きく具現できる。したがって、前記第2中央熱線22は、前記第2周辺熱線32に比べてより大きい幅に形成され得る。
【0058】
前記第2周辺熱線32は、前記第1周辺熱線31から第2間隔d2(図5に図示する)を有するように配置され得る。前記第1周辺熱線31と前記第2周辺熱線32による熱は、前記第2間隔d2を介して分散できる。これにより、本発明による車両用熱線装置1は、前記周辺発熱部3の温度が過度に増大することを抑制する抑制力を具現することによって、発熱による前記周辺発熱部3の損傷ないし破損の可能性を減少させることができる。したがって、本発明による車両用熱線装置1は、前記周辺発熱部3の使用の周期を増大させることができる。
【0059】
本発明による車両用熱線装置1は、前記第2間隔d2が前記第1間隔d1に比べてより小さい大きさを有するように具現できる。すなわち、前記第2周辺熱線32および前記第1周辺熱線31は、前記第1間隔d1に比べてより小さい間隔を有するように配置され得る。これにより、本発明による車両用熱線装置1は、前記中央発熱部2に熱を分散させる分散力を増大させるとともに、前記周辺発熱部3に熱を分散させる分散力を減少させることができる。すなわち、前記中央発熱部2は、熱を分散することができる経路が少ないので熱が集中されるため、熱を分散することができるように熱線の間隔を大きく具現できる。一方、前記周辺発熱部3は、熱を分散することができる外郭部に隣接するので熱が集中されず、熱が低く形成されるため、熱を集中させるために前記周辺発熱部3の熱線間の間隔を中央発熱部2の熱線の間隔よりも小さく形成するものである。したがって、本発明による車両用熱線装置1は、前記周辺発熱部3によって囲まれて相対的に発熱が集中される地点に分散力を増大させるとともに、相対的に発熱が分散するところに分散力を減少させることによって、前記支持部4の全領域に均一な温度分布が形成されるように具現できる。本発明による車両用熱線装置1の一実施形態において、前記第2間隔d2は、前記第1間隔d1に比べてより大きい大きさを有するように具現できる。
【0060】
図示していないが、前記第2周辺熱線32と前記第1周辺熱線31は、周辺連結熱線によって互いに連結され得る。前記周辺連結熱線は、前記第2周辺熱線32と前記第1周辺熱線31との間に配置され、前記第2周辺熱線32と前記第1周辺熱線31を連結するものである。前記周辺連結熱線は、前記第2周辺熱線32と前記第1周辺熱線31を連結できる限り、コの字型、半円形などで形成され得る。前記周辺連結熱線、前記第2周辺熱線32、および前記第1周辺熱線31は、一体として形成され得る。
【0061】
本発明による車両用熱線装置1は、前記周辺発熱部3が前記中央部CAの外側に向かうほど幅が減少するように具現できる。この場合、図6に示すように、前記第2周辺熱線32の幅w2’は、前記第1周辺熱線31の幅w2に比べてより小さい大きさを有するように形成され得る。これにより、本発明による車両用熱線装置1は、前記周辺部SAの外側に向かうほど、前記周辺発熱部3の発熱量が減少するように具現できる。
【0062】
図4図9を参照すると、前記支持部4は、前記周辺発熱部3と前記中央発熱部2を支持するためのものである。前記支持部4は、前記車両10に設けられ、前記周辺発熱部3と前記中央発熱部2を支持する機能を担当できる。前記支持部4には、前記周辺発熱部3と前記中央発熱部2が結合され得る。前記支持部4は、絶縁性(Insulative)を有する材質で形成され得る。前記支持部4は、全体的に四角形の板状に形成され得る。
【0063】
図4図9を参照すると、本発明による車両用熱線装置1は、電源部5を含み得る。
【0064】
前記電源部5は、前記中央発熱部2と前記周辺発熱部3に電源を供給するためのものである。前記電源部5は、電源装置50(図4および図8に図示する)を介して前記中央発熱部2と前記周辺発熱部3に電源を供給できる。
【0065】
前記電源部5は、第1端子51(図4および図8に図示する)と、第2端子52(図4および図8に図示する)と、を含み得る。
【0066】
前記第1端子51は、前記中央発熱部2と前記周辺発熱部3に接続されるためのものである。前記電源装置50が前記中央発熱部2と前記周辺発熱部3に電力を供給すると、前記第1端子51から前記中央発熱部2および前記周辺発熱部3のそれぞれを通って前記第2端子52へ電流が流れる。前記第1端子51は、前記中央発熱部2が有する中央供給熱線(図示せず)および前記周辺発熱部3が有する周辺供給熱線(図示せず)のそれぞれに接続され得る。前記第1端子51は、導電性を有する材質で形成され得る。前記第1端子51は、プラス(+)端子で具現されることがある。
【0067】
前記第2端子52は、前記第1端子51から離隔した位置で前記中央発熱部2と前記周辺発熱部3に接続されるためのものである。前記第2端子52は、前記周辺発熱部3が有する中央排出熱線(図示せず)および前記周辺発熱部3が有する周辺排出熱線(図示せず)のそれぞれに接続され得る。前記第2端子52は、導電性を有する材質で形成され得る。前記第2端子52は、マイナス(-)端子で具現されることがある。
【0068】
前述においては、前記第1発熱領域HA1と前記第2発熱領域HA2が同じ温度を有するものと説明したが、本発明による車両用熱線装置1は、前記車両10の様々な使用環境に応じて前記第1発熱領域HA1と前記第2発熱領域HA2が互いに異なる温度を有するように具現されることもある。
【0069】
以下は、本発明の変形された実施形態による車両用熱線装置1を図8および図9を参照して具体的に説明する。一方、本発明の変形された実施形態による車両用熱線装置1は、前述した本発明による車両用熱線装置1とおおよそ同一に具現されるため、以下では、相違点を中心に説明する。
【0070】
本発明の変形された実施形態による車両用熱線装置1は、複数の周辺発熱部3G、3G’、3G’’を含み得る。前記周辺発熱部3G、3G’、3G’’は、前記中央部CAの外側の周辺部SA、SA’、SA’’に配置され得る。この場合、周辺発熱部3G、3G’、3G’’は、前記中央発熱部2を基準にして互いに異なる方向側に配置され得る。例えば、本発明の変形された実施形態による車両用熱線装置1は、前記周辺発熱部3G、3G’、3G’’と前記中央発熱部2が全体的に三角形の形状をなすように配置され、前記周辺発熱部3G、3G’、3G’’が三角形の頂点に該当する領域に配置されるように具現できる。この場合、前記中央発熱部2は、全体的に円形の形状をなすように形成され、前記周辺発熱部3G、3G’、3G’’のそれぞれは、全体的に三角形の形状をなすように形成され得る。前記周辺発熱部3G、3G’、3G’’が互いに離隔した空間を介して、前記中央発熱部2の一部が外側に対して露出するように配置され得る。
【0071】
前記中央発熱部2が有する第1中央熱線21は、曲面を有するように形成され得る。前記中央発熱部2が有する第2中央熱線22は、前記第1中央熱線21と離隔した位置で曲面を有するように形成され得る。
【0072】
前記周辺発熱部3は、前記支持部4の周辺部SAに第2温度T2を有する第2発熱領域HA2を形成する。前記周辺発熱部3は、グループ別に互いに離隔するように前記中央発熱部2の外側に配置され得る。前記周辺発熱部3は、前記第1発熱領域HA1の第1温度T1と同じである第2温度T2を有する前記第2発熱領域HA2を形成し得る。これは、本発明による車両用熱線装置1において、発熱領域HA1、HA2上の3次元熱流体解析(CFD、Computation Fluid Dynamics)の結果を示した図9から分かる。図9は、本発明による車両用熱線装置1における前記発熱領域HA1、HA2の温度を示したものである。図9の左側に示したバー(Bar)において、上側に配置されるほど温度が高いことを意味する。
【0073】
図9に示すように、前記第1発熱領域HA1の第1温度T1と前記第2発熱領域HA2の第2温度T2は、同じであることが分かる。したがって、本発明による車両用熱線装置1は、前記発熱領域HA1、HA2についての温度分布の均一性を向上させることができるため、前記カメラ11についた霜や前記サイドミラー12に形成された結露を除去する作業についての完成度を高めることができる。第1温度T1および第2温度T2は、図9に示すように、おおよそ116℃と113℃で具現できるが、これは例示的なものであり、第1温度T1および第2温度T2は、異なる温度で具現できる。また、図8および図9においては、本発明の変形された実施形態による車両用熱線装置1が3つの周辺発熱部3G、3G’、3G’’を含むものと示したが、これは例示的なものであり、本発明の変形された実施形態による車両用熱線装置1は、1つ、2つ、または4つ以上の周辺発熱部3を含むように具現できる。
【0074】
以上で説明した本発明は、前述した実施形態および添付の図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で種々の置換、変形および変更が可能であることが本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】