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特表2022-553090再資源化物を有する反応器級樹脂から製造される結晶化可能な収縮性フィルムならびに熱成形性フィルムおよびシート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】再資源化物を有する反応器級樹脂から製造される結晶化可能な収縮性フィルムならびに熱成形性フィルムおよびシート
(51)【国際特許分類】
   C08G 63/78 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
C08G63/78
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523946
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-06-21
(86)【国際出願番号】 US2020054687
(87)【国際公開番号】W WO2021080779
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】62/925,882
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/925,887
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】594055158
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 規之
(72)【発明者】
【氏名】ピーターズ,マーク・アレン
(72)【発明者】
【氏名】ホートン,ジョナサン・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】キーヴァー,トラヴィス・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】エカート,マイケル・ポール
(72)【発明者】
【氏名】エカート,エリン・ジー
【テーマコード(参考)】
4J029
【Fターム(参考)】
4J029AA01
4J029AB04
4J029AD01
4J029AD06
4J029AD07
4J029AE03
4J029BA02
4J029BA03
4J029BA04
4J029BA05
4J029BA08
4J029BA10
4J029BB06A
4J029BD02
4J029BD07A
4J029BF25
4J029BF30
4J029CA02
4J029CA03
4J029CA04
4J029CA05
4J029CA06
4J029CB05A
4J029CB06A
4J029CB10A
4J029CB10B
4J029CC05A
4J029CD03
4J029FC03
4J029FC04
4J029FC07
4J029FC08
4J029FC36
4J029GA22
4J029HB03A
4J029JA253
4J029JC152
4J029JE142
4J029JE162
4J029JF321
4J029JF361
4J029JF471
4J029KD02
4J029KD07
4J029KE02
4J029KE05
(57)【要約】
本開示は、特定の利点および改良特性を有する特定の組成範囲で、テレフタル酸、ネオペンチルグリコール(NPG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、エチレングリコール(EG)、およびジエチレングリコール(DEG)の各残基を含む非晶質ポリエステル組成物を含む結晶化可能な収縮性フィルムならびに熱成形性フィルムまたはシートに関する。本開示はさらに、特定の利点および改良特性を有する特定の組成範囲で、再資源化テレフタル酸、再資源化ネオペンチルグリコール(NPG)、再資源化1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、再資源化エチレングリコール(EG)、および再資源化ジエチレングリコール(DEG)の各残基を含む結晶化可能な収縮性フィルムならびに熱成形性フィルムおよび/またはシートに関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再資源化ポリエステルからポリエステル組成物を製造するプロセスであって、
(a)テレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)ならびに再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む再資源化ポリエステルをペースト槽内に導入して、最高150℃の温度で撹拌および加熱してスラリーを生成する工程;
(b)前記ペースト槽のスラリーを第1の反応区域に送達する工程;
(c)前記第1の反応区域内に、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、またはジエチレングリコール(DEG)を含む少なくとも1種の追加のグリコールを導入し、必要に応じて再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加し、かつ必要に応じて総グリコール:TPAのモル比が1:1~4:1となるように追加のテレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)を、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で添加する工程;
(d)前記第1の反応区域内で、前記TPAおよびEGならびに再資源化ポリエステルを、前記少なくとも1種の追加のグリコールと少なくとも200℃の溶融温度で反応させて、オリゴマーおよび未反応のTPA、EG、ならびに前記追加のグリコールを含むエステル化生成物を生成する工程;
(e)必要に応じて前記エステル化生成物を第2の反応区域に送達する工程;
(f)前記第2の反応区域内で、必要に応じてCHDM、NPG、またはDEGのうちの少なくとも1種を含む追加のグリコールおよび/または再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加し、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で、少なくとも200℃の溶融温度で前記エステル化生成物をさらに反応させて、ポリエステルオリゴマーを含む結果として生じるエステル化生成物を生成する工程;
(g)前記結果として生じるエステル化生成物を、1つ以上の反応区域から第3の反応区域に送達する工程;および
(h)前記第3の反応区域内で、必要に応じて再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加し、前記結果として生じるエステル化生成物を、必要に応じて重縮合触媒および/または安定剤の存在下で重縮合させて、ポリエステルを含む重合生成物を生成する工程を含む、プロセス。
【請求項2】
再資源化ポリエステルからポリエステル組成物を製造するプロセスであって、
(a)テレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)をペースト槽内に導入して、最高150℃の温度で撹拌および加熱してスラリーを生成する工程;
(b)前記ペースト槽のスラリーを第1の反応区域に送達する工程;
(c)前記第1の反応区域内に、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、またはジエチレングリコール(DEG)を含む少なくとも1種の追加のグリコールを導入し、再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む再資源化ポリエステルを添加し、かつ必要に応じて総グリコール:TPAのモル比が1:1~4:1となるように追加のテレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)を、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で添加する工程;
(d)前記第1の反応区域内で、前記TPAおよびEGならびに再資源化ポリエステルを、前記少なくとも1種の追加のグリコールと少なくとも175℃の溶融温度で反応させて、オリゴマーおよび未反応のTPA、EG、ならびに前記追加のグリコールを含むエステル化生成物を生成する工程;
(e)必要に応じて前記エステル化生成物を第2の反応区域に送達する工程;
(f)必要に応じて前記第2の反応区域内で、必要に応じてCHDM、NPG、またはDEGのうちの1種以上を含む追加のグリコールおよび/または再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加し、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で、少なくとも200℃の溶融温度で前記エステル化生成物をさらに反応させて、ポリエステルオリゴマーを含む結果として生じるエステル化生成物を生成する工程;
(g)前記結果として生じるエステル化生成物を第3の反応区域に送達する工程;および
(h)前記第3の反応区域内で、必要に応じて再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、再資源化PCTG、再資源化PCTM、または再資源化PETMのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加し、前記結果として生じるエステル化生成物を、必要に応じて重縮合触媒および/または安定剤の存在下で重縮合させて、ポリエステルを含む重合生成物を生成する工程を含む、プロセス。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロセスによって再資源化ポリエステルから製造される少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物であって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
(a)以下を含むジカルボン酸成分:
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基;ならびに
(b)以下を含むジオール成分:
約75モル%以上のエチレングリコール残基、および
(i)約0~約24モル%未満のネオペンチルグリコール残基、
(ii)約0~約24モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)約1~約10モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約25モル%以下の他のグリコール
を含み、 前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%であり;あるいは
(b)以下を含むジオール成分:
約75モル%以上のエチレングリコール残基、および
(i)約0.1~約24モル%未満のネオペンチルグリコール残基、
(ii)約0.1~約24モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)約1~約10モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約25モル%以下の他のグリコール
を含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、ポリエステル組成物。
【請求項4】
請求項1または2に記載のプロセスによって再資源化ポリエステルから製造される少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシートであって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
(a)以下を含むジカルボン酸成分:
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基ならびに
(b)以下を含むジオール成分:
約75モル%以上のエチレングリコール残基、および
(i)約0~約24モル%未満のネオペンチルグリコール残基、
(ii)約0~約24モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)約1~約10モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約25モル%以下の他のグリコールを含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%であり;あるいは
(b)以下を含むジオール成分:
約75モル%以上のエチレングリコール残基、および
(i)約0.1~約24モル%未満のネオペンチルグリコール残基、
(ii)約0.1~約24モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)約1~約10モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約25モル%以下の他のグリコール
を含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシート。
【請求項5】
請求項1または2に記載のプロセスによって再資源化ポリエステルから製造される少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシートであって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
(a)以下を含むジカルボン酸成分:
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基;ならびに
(b)以下を含むジオール成分:
約75モル%以上のエチレングリコール残基、および
(i)約15モル%以下のネオペンチルグリコール残基、
(ii)約5モル%以下の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)約5モル%以下の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約25モル%以下の他のグリコールを含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシート。
【請求項6】
請求項1または2に記載のプロセスによって再資源化ポリエステルから製造される少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシートであって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
(a)以下を含むジカルボン酸成分:
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基;ならびに
(b)以下を含むジオール成分:
約80モル%以上のエチレングリコール残基、および
(i)約5~約17モル%未満のネオペンチルグリコール残基、
(ii)約2~約10モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)約1~約5モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約20モル%以下の他のグリコールを含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシート。
【請求項7】
請求項1または2に記載のプロセスによって再資源化ポリエステルから製造される少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシートであって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
(a)以下を含むジカルボン酸成分:
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基;ならびに
(b)以下を含むジオール成分:
約76モル%以上のエチレングリコール残基、および
(i)ネオペンチルグリコール残基、
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)最終ポリエステル組成物中のジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約24モル%以下の非晶質含量を含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシート。
【請求項8】
請求項1または2に記載のプロセスによって再資源化ポリエステルから製造される少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシートであって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
(a)以下を含むジカルボン酸成分:
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基;ならびに
(b)以下を含むジオール成分:
約75モル%以上のエチレングリコール残基、および
(i)約10~約15モル%未満のネオペンチルグリコール残基、
(ii)約1~約5モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)約1~約5モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約25モル%以下の他のグリコールを含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシート。
【請求項9】
請求項1または2に記載のプロセスによって再資源化ポリエステルから製造される少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシートであって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
(a)以下を含むジカルボン酸成分:
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基;ならびに
(b)以下を含むジオール成分:
(i)約0~約30モル%のネオペンチルグリコール残基、
(ii)約0~約30モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)その場で形成されるか否かに拘わらず、ジエチレングリコール残基を含み、
前記グリコール成分の残部は、
(iv)エチレングリコール残基、および
(v)必要に応じて、0~10モル%あるいは0~5モル%の少なくとも1種の修飾グリコールを含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシート。
【請求項10】
前記ポリエステルの固有粘度は、60/40(重量/重量)のフェノール/テトラクロロエタン中で25oCかつ0.25g/50mLの濃度で測定される場合に0.50~0.80dL/gである、請求項1~9のいずれか1項に記載の結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシート。
【請求項11】
前記ポリエステルは、Thermal Analyst Instrument社製のTA DSC 2920を用いて20℃/分の走査速度で測定される場合に65℃~80℃のTgを有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシート。
【請求項12】
前記最終ポリエステル中に非晶質成分を生成できる1種以上のジオールモノマー成分のジオール含量の総計は、100モル%である総ジオール含量に対して5~25モル%である;あるいは
前記最終ポリエステル中に非晶質成分を生成できる1種以上のジオールモノマー成分のジオール含量の総計は、100モル%である総ジオール含量に対して10~20モル%である;あるいは
前記最終ポリエステル中に非晶質成分を生成できる1種以上のジオールモノマー成分のジオール含量の総計は、100モル%である総ジオール含量に対して15~20モル%である;あるいは
前記最終ポリエステル中に非晶質成分を生成できる1種以上のジオールモノマー成分のジオール含量の総計は、100モル%である総ジオール含量に対して15~25モル%である、請求項1~11のいずれか1項に記載の結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシート。
【請求項13】
前記最終ポリエステル中の前記1,4-シクロヘキサンジメタノール残基および前記ネオペンチルグリコール残基のジオール含量の総計は、100モル%である総ジオール含量に対して5~25モル%、5~15モル%、10~15モル%、10~20モル%、または5~20モル%、または5モル%超~20モル%未満である;あるいは
前記1,4-シクロヘキサンジメタノール残基は0~約10モル%の量で存在し、前記ジエチレングリコール残基は2~10モル%の量で存在し、前記ネオペンチルグリコール残基は5~20モル%の量で存在し、かつ前記エチレングリコール残基は75モル%以上の量で存在する;あるいは
前記1,4-シクロヘキサンジメタノール残基は2~5モル%の量で存在し、前記ジエチレングリコール残基は5モル%以下の量で存在し、前記ネオペンチルグリコール残基は10~15モル%の量で存在し、かつ前記エチレングリコール残基は75モル%超の量で存在する、請求項1~11のいずれか1項に記載の結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシート。
【請求項14】
前記最終ポリエステル中の前記1,4-シクロヘキサンジメタノール残基および前記ネオペンチルグリコール残基のジオール含量の結晶化可能なポリエステル成分の総計は、100モル%である総ジオール含量に対して4~15モル%、1~25モル%、2~20モル%、または2モル%超~20モル%未満である、請求項1~11のいずれか1項に記載の結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシート。
【請求項15】
前記フィルムまたはシートは少なくとも一方向に延伸されかつ延伸されたフィルムまたはシートは170℃以上の歪み誘起結晶の融点を有し、あるいは前記フィルムまたはシートは少なくとも一方向に延伸されかつ延伸されたフィルムまたはシートは200℃以上の歪み誘起結晶の融点を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の結晶化可能なフィルムあるいは熱成形フィルムまたはシート。
【請求項16】
請求項1に記載のプロセスによって製造されるポリエステル中に再資源化含量を導入または形成する方法であって、
(a)TPA、EG、DMT、CHDM、NPG、またはDEGを含む少なくとも1種の再資源化モノマーに対して再資源化モノマーの割当または限度を得る工程;
(b)合成プロセス内で前記再資源化モノマーを転換してポリエステルを製造する工程;
(c)前記ポリエステルの少なくとも一部分を、前記再資源化モノマーの割当または限度の少なくとも一部分に対応するものとして指定する工程;および
(d)必要に応じて、その指定に対応して前記再資源化モノマーの含量を含むもの、またはその含量を用いて得られたものとして、前記ポリエステルを売り込むまたは販売する工程を含む、方法。
【請求項17】
前記プロセスに付加される再資源化ポリエステルの量は、必要とされるTPAの量を基準として5~100%である、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項18】
前記エステル化触媒は、Mn、Ti、Zn、Co、Ge、またはAlのうちの1種以上を含む、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項19】
前記重縮合触媒は、Sn、Sb、Ti、Li/Al、Al、Ge、Pb、Zn、Co、Bi、Cd、Ca、またはNiのうちの1種以上を含む、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項20】
前記プロセスは、再資源化ポリエステルの付加によって触媒または添加剤を添加することをさらに含み、前記触媒または添加剤は、Sb、Ti、Co、Mn、Li、Al、P.などの再資源化ポリエステルの一成分である、請求項1または2に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
[0001]本開示は、特定の利点および改良特性を有する特定の組成範囲内で、テレフタル酸、ネオペンチルグリコール(NPG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、エチレングリコール(EG)、およびジエチレングリコール(DEG)の各残基を含むポリエステル組成物を含む結晶化可能な収縮性フィルムならびに熱成形性フィルムおよび/またはシートに関する。本開示はさらに、特定の利点および改良特性を有する特定の組成範囲で、再資源化テレフタル酸、再資源化ネオペンチルグリコール(NPG)、再資源化1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、再資源化エチレングリコール(EG)、および再資源化ジエチレングリコール(DEG)の各残基を含むポリエステル組成物を含む結晶化可能な収縮性フィルムならびに熱成形性フィルムおよび/またはシートに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]以下の望ましい収縮フィルムの特性、すなわち(1)低い収縮開始温度、(2)収縮が発生する温度範囲に亘って温度の上昇につれ徐々にかつ制御された方式で増加する収縮率、(3)下部に位置する容器の潰れを防ぐのに十分な低い収縮力、(4)高い最大収縮率(最高温度での収縮率)、例えば95℃で主収縮方向に60%以上の収縮率、(5)高い収縮方向に直交する方向への低い収縮率、(6)製造中および収縮前後のフィルムの不要な破砕、破断、引き裂け、分裂、発泡、またはしわを防止するようなフィルムの高い靭性、(7)再資源化性、および(8)再資源化物のうちの少なくとも1つを有する収縮フィルムに対して商業的な要求がある。
【0003】
[0003]優れたフィルム特性またはシート特性ならびに再資源化性および/または再資源化物を有する熱成形性フィルムまたはシートに対して商業的な要求がある。
【発明の要旨】
【0004】
[0004]収縮フィルム樹脂組成物中の特定の組合せのグリコールモノマーにより、優れた収縮フィルム性能を有するフィルムを製造でき、さらに再資源化中のPET薄片の再資源化に影響を及ぼさないように結晶化が可能であることが判明した。これらの結晶化可能な収縮フィルム樹脂は、PETボトルとともに処理でき、再資源化プロセスの終了後に再資源化可能なPET薄片の一成分となる。特定の組合せのグリコールモノマーの選択およびその量は、優れた収縮フィルム特性を有するフィルムを製造し、かつ結晶化可能なフィルムを製造するために重要であることが判明した。本開示の最適化されたポリエステル樹脂組成物は、非晶質ではあるが結晶化可能である。このように、これらの組成物は収縮フィルムを含むフィルム用途で優れた特性を示すが、これらの歪み誘起結晶は高い融点を有するので、再資源化プロセスに適合性を提供する。本開示の収縮フィルムのラベルは、再資源化プロセス中に除去する必要はなく、この再資源化プロセスに影響を及ぼさない。
【0005】
[0005]熱収縮性フィルムは、本用途で実行するためには、使用基準に対して様々な適合性を満たす必要がある。このフィルムは丈夫で、制御された方式で収縮し、内容物を押し潰さずにボトル表面にそれ自体を保持するのに十分な収縮力を提供する必要がある。さらに、これらのラベルをポリエステル容器に貼付ける場合に、ポリエステル収縮フィルムラベルは、ボトルの再資源化プロセスを妨害してはならない。本開示の収縮フィルムは、ラベルがボトルまたは容器とともに再資源化できるので好都合である。従って、ラベルを含むボトル全体を、追加の操作要件なしで、あるいは新たな環境問題の発生なしに、新規の製品に再資源化かつ転換することができる。熱収縮性フィルムは、一定範囲の材料需要を満たすために、様々な原材料から作製されている。本開示は、収縮フィルム樹脂組成物に対して特定のモノマーの組合せで対処された類のないかつ予想外の効果を説明している。
【0006】
[0006]ポリエステル収縮フィルム組成物は、食品、飲料、身の回り用品、家庭用品などの収縮フィルムラベルとして商業的に使用されてきた。多くの場合に、これらの収縮フィルムは、透明なポリエチレンテレフタレート(PET)製のボトルまたは容器と組み合わせて使用されている。使用後に、製品全体(ボトルとラベル)が再資源化プロセスに入れられる。典型的な再資源化拠点では、類似した組成および密度のために、PETおよび収縮フィルム材料は、プロセスの最後に混在してしまうことが多い。PET薄片の乾燥は、再資源化プロセス中にPETに付着している残留水の除去のために必要である。典型的には、PETは200℃を超える温度で乾燥される。これらの温度では、一般的なポリエステル収縮フィルム樹脂は、軟化して粘着性になり、PET薄片が凝集塊を形成することが多い。これらの凝集塊は、その後の処理の前に除去する必要がある。これらの凝集塊により、このプロセスによるPET薄片の収率を低減させ、追加の操作工程が必要となってくる。
【0007】
[0007]さらに、フィルムまたはシート樹脂組成物中の特定のグリコールモノマーの組合せにより、優れた性能特性を備えるフィルムまたはシートを製造でき、これらの組合せはまた、フィルムまたはシートがPET薄片の再資源化に影響を及ぼさないように結晶化可能であることが判明した。これらの結晶化可能なフィルムまたはシート樹脂は、再資源化されるPETとともに処理でき、最終的に再資源化プロセスの終了後に再資源化可能なPET薄片の一成分となる。特定の組合せのグリコールモノマーの選択およびその量は、優れた性能特性を備えたフィルムまたはシートを製造し、かつ結晶化可能なフィルムまたはシートを製造するために重要であることが判明した。本開示の最適化されたポリエステル樹脂組成物は非晶質であるが、結晶化可能である。従ってこれら組成物は、形成、熱成形、または成型されたままの部品および/または物品などのフィルムあるいはシートの用途で優れた特性を示すが、これらは高い歪み誘起結晶の融点を有するのでPETとともに再資源化できる。本開示のフィルムまたはシートは、再資源化プロセス中に除去される必要がなく、かつ再資源化プロセスに影響を及ぼさない。
【0008】
[0008]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含む非晶質ポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約75モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)約0~約24モル%未満のネオペンチルグリコール残基、(ii)約0~約24モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)約1~約10モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約25モル%以下の他のグリコールを含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%であり、あるいはこの(b)ジオール成分は、約75モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)約0.1~約24モル%未満のネオペンチルグリコール残基、(ii)約0.1~約24モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)約1~約10モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約25モル%以下の他のグリコールを含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0009】
[0009]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含む非晶質ポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約75モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)約15モル%未満のネオペンチルグリコール残基、(ii)約5モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)約5モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約25モル%以下の他のグリコールを含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0010】
[0010]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含む非晶質ポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約80モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)約5~約17モル%未満のネオペンチルグリコール残基、(ii)約2~約10モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)約1~約5モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種を含む約20モル%以下の他のグリコールを含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0011】
[0011]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含む非晶質ポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約76モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)ネオペンチルグリコール残基、(ii)シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約24モル%以下の非晶質成分を含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0012】
[0012]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含む非晶質ポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約75モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)約10~約15モル%未満のネオペンチルグリコール残基、(ii)約1~約5モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)約1~約5モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約25モル%以下の他のグリコールを含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0013】
[0013]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、その場で形成されるか否かに拘わらず(i)約0~約30モル%のネオペンチルグリコール残基、(ii)約0~約30モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)ジエチレングリコール残基を含み、かつグリコール成分の残部は、(iv)エチレングリコール残基および(v)必要に応じて0~10モル%または0~5モル%の少なくとも1種の修飾グリコール残基を含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0014】
[0014]本開示の一実施態様は、前述の実施態様のいずれかの結晶化可能なフィルムであり、このフィルムは少なくとも一方向に延伸され、この延伸フィルムは190℃以上または200℃以上の歪み誘起結晶の融点を有する。
【0015】
[0015]本開示の一実施態様は、前述の実施態様のいずれかの結晶化可能なフィルムを含む、押出しフィルムあるいは圧延フィルムである。
[0016]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む熱成形フィルムまたはシートであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約75モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)約0~約24モル%未満のネオペンチルグリコール残基、(ii)約0~約24モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)約1~約10モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約25モル%以下の他のグリコールを含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%であり、あるいはこの(b)ジオール成分は、約75モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)約0.1~約24モル%未満のネオペンチルグリコール残基、(ii)約0.1~約24モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)約1~約10モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約25モル%以下の他のグリコールを含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0016】
[0017]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む熱成形フィルムまたはシートであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約75モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)約15モル%以下のネオペンチルグリコール残基、(ii)約5モル%以下の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)約5モル%以下の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約25モル%以下の他のグリコールを含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0017】
[0018]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む熱成形フィルムまたはシートであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約80モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)約5~約17モル%未満のネオペンチルグリコール残基、(ii)約2~約10モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)約1~約5モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約20モル%以下の他のグリコールを含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0018】
[0019]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む熱成形フィルムまたはシートであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約76モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)ネオペンチルグリコール残基、(ii)シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)最終ポリエステル組成物中のジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約24モル%以下の非晶質成分を含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0019】
[0020]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む熱成形フィルムまたはシートであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約75モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)約10~約15モル%未満のネオペンチルグリコール残基、(ii)約1~約5モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)約1~約5モル%未満の最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基のうちの1種以上を含む約25モル%以下の他のグリコールを含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0020】
[0021]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む熱成形フィルムまたはシートであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、その場で形成されるか否かに拘わらず(i)約0~約30モル%のネオペンチルグリコール残基、(ii)約0~約30モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)ジエチレングリコール残基を含み、かつグリコール成分の残部は、(iv)エチレングリコール残基および(v)必要に応じて0~10モル%または0~5モル%の少なくとも1種の修飾グリコール残基を含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0021】
[0022]本開示の一実施態様は、前述の実施態様のいずれかのフィルムまたはシートを含む、形成、熱成形、または成型された物品である。
[0023]本開示の一実施態様は、前述の実施態様のいずれかのフィルムまたはシートを含む医療機器、医療関連の梱包品、健康管理用品、商業食品供給製品、トレイ、容器、食品皿、タンブラー、収納箱、ボトル、調理器具、ブレンダーおよびミキシングボウル、家庭用品、水ボトル、野菜庫トレイ、洗浄機部品、冷蔵庫部品、真空掃除機部品、眼科用レンズ、および枠組材または玩具である。
【0022】
[0024]本開示の一実施態様は、前述の請求項のいずれかに記載の熱成形フィルムまたはシートを含む製造物品である。
[0025]本開示の一実施態様は、前述の実施態様のいずれかの熱成形フィルムまたはシートを作製する方法であり、この方法は、A)ポリエステルフィルムまたはシートを加熱する工程、B)熱で軟化したフィルムまたはシートに空気圧、真空、および/または物理的圧力を加える工程、C)真空または加圧によってシートを型形状に適合させる工程、およびD)熱成形された部品または物品を型から取り出す工程を含む。
【0023】
[0026]本開示の一側面は、再資源化ポリエステルから本発明のポリエステルを調製するプロセスである。本開示の一側面は、再資源化ポリエステルおよび/または再資源化共重合ポリエステルから共重合ポリエステルを調製するプロセスである。
【0024】
[0027]一側面では、本開示は、(A)その酸成分が少なくとも70モル%のテレフタル酸からなり、かつそのジオール成分が少なくとも70モル%のエチレングリコールからなる再資源化ポリエステルおよび/または再資源化共重合ポリエステル、あるいは(B)その酸成分が少なくとも70モル%のテレフタル酸からなり、かつそのジオール成分の少なくとも70モル%は、モル比が96:3:1~20:68:12であるエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、およびジエチレングリコールの混合物からなる、再資源化共重合ポリエステル、あるいは(C)その酸成分が少なくとも70モル%のテレフタル酸からなり、かつそのジオール成分の少なくとも70モル%はエチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG、)または2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)、ブタンジオール、およびイソソルビドを含む2種以上のグリコールの混合物からなる、再資源化共重合ポリエステル、あるいは(D)その酸成分が少なくとも70モル%のテレフタル酸からなり、かつそのジオール成分の少なくとも70モル%はモル比が3.5:96.5~100:0であるエチレングリコールおよび1,4-シクロヘキサンジメタノールの混合物からなる再資源化共重合ポリエステルのいずれかからの直鎖状かつ高分子量の共重合ポリエステルを調製するプロセスを提供する。
【0025】
[0028]このプロセスは高い重合速度を提供し、このように製造されたポリマーは、優れた物理的特性を有するプラスチック、繊維、フィルム、収縮性フィルム、シート、成形物品およびその他の成形体の製造に使用できる。一側面では、開示のプロセスは、工場からおよび消費者からの廃棄製品を、高濃度の再資源化成分を有する新規のプラスチックを製造するのに使用可能な高品質の共重合ポリエステル樹脂に変換する方法を説明している。別の側面では、開示のプロセスは、工場からおよび消費者からの廃棄製品を、高品質の収縮性フィルムを製造するのに使用可能な樹脂に変換する方法を説明している。
【0026】
[0029]本開示の一側面は、再資源化共重合ポリエステルから共重合ポリエステルを製造するプロセスであり、このプロセスは、
(a)再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTG、再資源化PCTA、再資源化PCTM、および/または再資源化PETM、テレフタル酸(TPA)、およびエチレングリコール(EG)をペースト槽内に導入して、最高150℃の温度で撹拌かつ加熱してスラリーを生成する工程;
(b)ペースト槽のスラリーを第1の反応区域に送達する工程;
(c)第1の反応区域内に、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、または2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)を含む少なくとも一種の追加のグリコールを導入し、かつ必要に応じて追加の再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCTM、および/または再資源化PETM、およびテレフタル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)をEG:TPAのモル比を1:1~4:1として添加し、かつ必要に応じて触媒を添加する工程;
(d)第1の反応区域内で、TPAをEGおよび(CHDMなどの)少なくとも1種の追加のグリコールとを少なくとも200℃の溶融温度かつ最大40psiの圧力で反応させて、オリゴマーおよび未反応のTPA、EG、および(CHDMなどの)追加のグリコールを含む第1のエステル化生成物を生成する工程;
(e)第1のエステル化生成物を第2の反応区域に送達する工程;
(f)第2の反応区域内で、第1のエステル化生成物中の未反応のTPA、EG、および(CHDMなどの)追加のグリコールを少なくとも200℃の溶融温度かつ最大20psiの圧力でエステル化して、共重合ポリエステルオリゴマーを含む第2のエステル化生成物を生成する工程;
(g)第2のエステル化生成物を第3の反応区域に送達する工程;
(h)第3の反応区域内で、第2のエステル化生成物を必要に応じて重縮合触媒の存在下で重縮合させて、共重合ポリエステルを含む予備重合生成物を生成する工程;および
(i)予備重合生成物を1つ以上の仕上げ区域に送達する工程を含む。
【0027】
[0030]本開示の一側面は、再資源化共重合ポリエステルから共重合ポリエステルを製造するプロセスであり、このプロセスは、
(a)再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTG、または再資源化PCTA、ならびにテレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)をペースト槽内に導入して、最高150℃の温度で撹拌かつ加熱してスラリーを生成する工程;
(b)ペースト槽のスラリーを第1の反応区域に送達する工程;
(c)第1の反応区域内に、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、DEG、またはネオペンチルグリコール(NPG)を含む少なくとも1種の追加のグリコールを導入し、かつ必要に応じて追加の再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTG、または再資源化PCTA、ならびにテレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)をEG:TPAのモル比を1:1~4:1として、必要に応じてエステル化触媒の存在下で添加する工程;
(d)第1の反応区域内で、TPAをEGおよび(CHDMなどの)少なくとも1種の追加のグリコールと少なくとも200℃の溶融温度かつ最大40psiの圧力で反応させて、オリゴマーおよび未反応のTPA、EG、および(CHDMおよび/またはNPGおよび/またはDEGなどの)追加のグリコールを含む第1のエステル化生成物を生成する工程;
(e)第1のエステル化生成物を第2の反応区域に送達する工程;
(f)第2の反応区域内で、第1のエステル化生成物中の未反応のTPA、EG、および(CHDMなどの)追加のグリコールを少なくとも200℃の溶融温度かつ最大20psiの圧力でエステル化して、共重合ポリエステルオリゴマーを含む第2のエステル化生成物を生成する工程;
(g)第2のエステル化生成物を第3の反応区域に送達する工程;
(h)第3の反応区域内で、必要に応じて重縮合触媒の存在下で第2のエステル化生成物を重縮合させて、共重合ポリエステルを含む予備重合生成物を生成する工程;および
(i)予備重合生成物を1つ以上の仕上げ区域に送達する工程を含む。
【0028】
[0031]本開示の一側面は、前述の側面のいずれか1つのプロセスであり、このプロセスはさらに、再資源化ポリエステルの添加により触媒または添加剤を添加する工程をさらに含み、この触媒または添加剤は、Sb、Ti、Co、Mn、Li、Al、Pなどの再資源化ポリエステル中の成分である。
【0029】
[0032]本開示の一側面は、前述の側面のプロセスによって製造されたポリエステル中に再資源化含量を導入または形成する方法であり、この方法は、
(a)TPA、EG、DMT、CHDM、NPG、またはDEGを含む少なくとも1種の再資源化モノマーに対して再資源化モノマーの割当または限度を得る工程;
(b)合成プロセス中に再資源化モノマーを変換してポリエステルを製造する工程;
(c)ポリエステルの少なくとも一部分を、再資源化モノマー割当または限度の少なくとも一部分に対応するものとして指定する工程;および
(d)必要に応じて、その指定に対応して再資源化モノマーの含量を含む、またはその含量を用いて得られたものとして、ポリエステルを売り込むまたは販売する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】[0033]図1は、Embrace LVの第1の熱歪み誘起結晶の融点を示す示差走査熱量計の温度記録図である。
図2】[0034]図2は、Embrace LVを用いた製造フィルムの収縮特性を示す(10秒間の滞留時間)。
図3】[0035]図3は、収縮性能を示す。
図4】[0036]図4は、80℃の第1の加熱で延伸したフィルムNのDSCの温度記録図である。
図5】[0037]図5は、80℃の第2の加熱で延伸したフィルムNのDSCの温度記録図である。
図6】[0038]図6は、本開示による種々のプロセスの流れ図である。
図7】[0039]図7は、rPET(再資源化PET)の出発材料の充填濃度の関数としての最終材料中のSb触媒の濃度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[0040]本開示の特定の実施態様および実施例の以下の詳細な説明を参照して、本開示をより容易に理解できる。本開示の目的に従って、本開示の特定の実施態様は、本発明の要旨に説明され、さらに本明細書に以下のように説明されている。また、本開示のその他の実施態様が本明細書に説明されている。
【0032】
[0041]熱収縮性プラスチックフィルムは、複数の物体を一緒に保持するための被覆材として、またボトル、缶、および他の種類の容器の外側の包装材として使用される。例えば、このフィルムは、製品のラベル貼付、保護、包装、または価値の向上、およびその他の理由を目的として、ボトルの蓋、首部、肩部、胴部、あるいはボトル全体の被覆に使用される。さらに、このフィルムは、箱、ボトル、板、棒、またはノートなどの物体を群として一緒に包装するための被覆材として使用でき、このフィルムはまた、包装材として密接に付着可能である。上述の使用では、フィルムの収縮性および内部収縮応力を活用している。
【0033】
[0042]歴史的に、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルムは、収縮フィルム市場の主流であった。しかし、ポリエステルフィルムはPVCフィルムが関与する環境問題を抱えていないために、ポリエステルフィルムは有意な代替品となってきた。ポリエステル収縮フィルムは、理想的にPVCフィルムと非常に類似した特性を備えているので、ポリエステルフィルムは「落とし込み(drop-in)」方式の代替フィルムとして機能でき、既存の熱収縮トンネル装置で処理できる。複製品に対して望まれるPVCフィルムの特性として、(1)比較的低い収縮開始温度、(2)温度の上昇につれ徐々にかつ制御された方式で増加する総収縮率、(3)下部にある容器の潰れを防ぐための低い収縮力、(4)高い総収縮率(例えば50%以上)、(5)収縮の前後でのフィルムの無益な引き裂けおよび分裂を防ぐための固有のフィルム靭性、および(6)高い歪み誘起結晶の融点が挙げられる。
【0034】
[0043]熱収縮性フィルムは、この用途で実行するためには、使用基準に対し様々な適合性を十分に満たす必要がある。フィルムは丈夫で、制御された方式で収縮し、内容物を潰すことなくボトル表面にそれ自体を保持するのに十分な収縮力を提供する必要がある。さらに、これらのラベルをポリエステル容器に貼付ける場合には、これらラベルがペットボトルの再資源化工程を阻害してはならない。実際のところ、ラベルもまた再資源化可能であり、追加の操作要件が発生せずに、あるいは新しい環境問題を発生することなく、ボトル全体が再資源化できて新規の製品に変換できるのであれば、好都合なこととなる。熱収縮性フィルムは、一定範囲の材料の需要を満たすために、様々な原材料から製造されている。この開示は、ポリエステル収縮フィルムからなるラベルの再資源化性を改善する特定のモノマーとの組合せにより対処された類のないかつ予想外の効果を説明している。
【0035】
[0044]収縮フィルム組成物は、食品、飲料、身の回り用品、家庭用品などの収縮フィルムラベルとして商業的に使用されている。多くの場合に、これらの収縮フィルムは、透明なポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルまたは容器と組み合わせて使用される。その後に、製品の全体(ボトルとラベル)は再資源化プロセスに入れられる。典型的な再資源化拠点では、組成と密度が類似することにより、PETおよび収縮フィルム材料は、プロセスの最後には混在されることがよくある。PET薄片の乾燥は、再資源化プロセス中にPETに付着している残留水を除去するために必要である。典型的には、PETは200℃を超える温度で乾燥される。これらの温度では、典型的なポリエステル収縮フィルム樹脂は、軟化して粘着性になり、PET薄片とともに凝集塊を形成する場合が多い。これらの凝集塊は、その後の処理の前に除去する必要がある。これらの凝集塊により、このプロセスからのPET薄片の収率は低下して、追加の操作工程が必要となる。
【0036】
[0045]収縮フィルム樹脂組成物中の特定の組合せのグリコールモノマーにより、優れた収縮フィルムを特性を備えるフィルムを製造でき、さらに再資源化プロセス中のPET薄片の再資源化に影響を及ぼさないように結晶化可能となることが判明した。これらの結晶化可能な収縮フィルム樹脂は、PETボトルとともに処理でき、再資源化プロセスの終了後に再資源化可能なPET薄片の一成分となる。特定の組合せのグリコールモノマーの選択およびその量は、優れた収縮フィルム特性を備えるフィルム、および結晶化可能なフィルムを製造するのに重要であることが判明した。
【0037】
[0046]本明細書で使用される用語「ポリエステル」は、「共重合ポリエステル」を包含するように意図され、1種以上の二官能性カルボン酸および/または多官能性カルボン酸を1種以上の二官能性ヒドロキシル化合物および/または多官能性ヒドロキシル化合物、例えば分岐剤と反応させて調製される合成ポリマーを意味するものとする。典型的には、二官能性カルボン酸はジカルボン酸であってもよく、二官能性ヒドロキシル化合物は二価アルコール、例えばグリコールおよびジオールであってもよい。本明細書で使用される用語「グリコール」は、限定はされないが、ジオール、グリコール、および/または多官能性ヒドロキシル化合物、例えば分岐剤を包含する。あるいは、二官能性カルボン酸は、ヒドロキシカルボン酸、例えばp-ヒドロキシ安息香酸であってもよく、二官能性ヒドロキシル化合物は、2個のヒドロキシル置換基、例えばヒドロキノンを保持する芳香核を有していてもよい。本明細書で使用される用語「残基」は、対応するモノマーからの重縮合および/またはエステル化反応によってポリマー中に組み込まれた任意の有機構造を意味する。本明細書で使用される用語「繰返し単位」は、エステル基を介して結合されたジカルボン酸残基およびジオール残基を有する有機構造を意味する。従って、例えばジカルボン酸残基は、ジカルボン酸モノマーまたはその関連する酸ハロゲン化物、エステル、塩、無水物、および/またはそれらの混合物に由来してもよい。さらに、本明細書で使用される用語「二酸」は、多官能性酸、例えば分岐剤を含む。従って、本明細書で使用される用語「ジカルボン酸」は、ジオールと反応処理してポリエステルを得るのに有用なジカルボン酸、ならびに関連する酸ハロゲン化物、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混合無水物、および/またはそれらの混合物などの任意のジカルボン酸誘導体を包含するよう意図されている。本明細書で使用される用語「テレフタル酸」は、ジオールと反応処理してポリエステルを得るのに有用なテレフタル酸自体およびその残基、ならびに関連する酸ハロゲン化物、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混合無水物、および/またはそれらの混合物あるいはそれらの残基など、任意のテレフタル酸誘導体を包含するよう意図されている。
【0038】
[0047]本開示で用いられるポリエステルは、典型的には、実質的に等しい割合で反応し、かつそれらの対応する残基としてポリエステル重合体に組み込まれる、ジカルボン酸とジオールから調製できる。従って本開示のポリエステルは、繰返し単位の合計モルが100モル%に等しくなるように、実質的に等モル比の酸残基(100モル%)とジオール(および/または多官能性ヒドロキシル化合物)残基(100モル%)を含んでもよい。従って本開示で示されるモル百分率は、酸残基の総モル、ジオール残基の総モル、または繰返し単位の総モルを基準としてもよい。例えば、総酸残基基準で10モル%のイソフタル酸を含むポリエステルは、そのポリエステルが合計100モル%の酸残基のうち10モル%のイソフタル酸残基を含むことを意味する。すなわち、100モルの酸残基ごとに10モルのイソフタル酸残基が存在する。別の例では、総ジオール残基基準で25モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールを含むポリエステルは、そのポリエステルが合計100モル%のジオール残基のうち25モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含むことを意味する。すなわち、100モルのジオール残基ごとに25モルの1,4-シクロヘキサンジメタノール残基が存在する。
【0039】
[0048]特定の実施態様では、テレフタル酸またはそのエステル、例えば、テレフタル酸ジメチルまたはテレフタル酸残基とそのエステルとの混合物は、本開示で有用なポリエステルを生成するのに用いられるジカルボン酸成分の一部または全体を構成してもよい。特定の実施態様では、テレフタル酸残基は、本開示で有用なポリエステルを形成するのに用いられるジカルボン酸成分の一部または全体を構成してもよい。この開示の目的について、用語「テレフタル酸」および「テレフタル酸ジメチル」は、本明細書では互換的に使用される。一実施態様では、テレフタル酸ジメチルは、本開示で有用なポリエステルを作製するのに用いられるジカルボン酸成分の一部または全体である。いくつかの実施態様では、70~100モル%;または80~100モル%;または90~100モル%;または99~100モル%;または100モル%のテレフタル酸および/またはテレフタル酸ジメチルおよび/またはそれらの混合物を使用してもよい。
【0040】
[0049]テレフタル酸に加えて、本開示で有用なポリエステルのジカルボン酸成分は、最大30モル%、最大20モル%、最大10モル%、最大5モル%、または最大1モル%の1種以上の修飾芳香族ジカルボン酸を含んでもよい。さらに別の実施態様は、0モル%の修飾芳香族ジカルボン酸を含む。従って存在する場合には、1種以上の修飾芳香族ジカルボン酸の量は、これらの上述の端点値の任意の範囲、例えば0.01~10モル%、0.01~5モル%、0.01~1モル%で変動してもよいと考えられる。一実施態様では、本開示で用いてもよい修飾芳香族ジカルボン酸として、限定はされないが、最大20個の炭素原子を有し、鎖状、パラ配向、または対称になり得るものが挙げられる。本開示で用いてもよい修飾芳香族ジカルボン酸の例として、限定はされないが、イソフタル酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、1,4-、1,5-、2,6-、2,7-ナフタレンジカルボン酸、およびトランス-4,4’-スチルベンジカルボン酸、ならびにそれらのエステルが挙げられる。一実施態様では、修飾芳香族ジカルボン酸はイソフタル酸である。
【0041】
[0050]本開示で有用なポリエステルのカルボン酸成分はさらに、最大10モル%、例えば最大5モル%または最大1モル%の、2~16個の炭素原子を含む1種以上の脂肪族ジカルボン酸、例えばシクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、および/またはドデカン二酸などのジカルボン酸で修飾されてもよい。また特定の実施態様では、0.01~10モル%、例えば0.1~10モル%、1あるいは10モル%、5~10モル%などの1種以上の修飾脂肪族ジカルボン酸も含んでもよい。さらに別の実施態様は、0モル%の修飾脂肪族ジカルボン酸を含む。ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%である。一実施態様では、アジピン酸および/またはグルタル酸は、ポリエステルの修飾脂肪族ジカルボン酸成分中に提供されて本開示では有用である。
【0042】
[0051]テレフタル酸のエステルならびにそれ以外の修飾ジカルボン酸またはそれらの対応するエステルおよび/もしくは塩を、ジカルボン酸の代わりに用いてもよい。ジカルボン酸エステルの好適な例として、限定はされないが、ジメチル、ジエチル、ジプロピル、ジイソプロピル、ジブチル、およびジフェニルの各エステルが挙げられる。一実施態様では、エステルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびフェニルの各エステルの少なくとも1種から選択される。
【0043】
[0052]一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物およびポリエステル混合組成物のジオール成分は、1,4-シクロヘキサンジメタノールを含んでもよい。別の実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物およびポリエステル混合組成物のジオール成分は、1,4-シクロヘキサンジメタノールおよび1,3-シクロヘキサンジメタノールを含む。シス/トランス1,4-シクロヘキサンジメタノールのモル比は、50/50~0/100、例えば40/60~20/80の範囲内で変動させてもよい。
【0044】
[0053]本開示で有用なポリエステル組成物およびポリエステル混合組成物のジオール成分には、限定はされないが、最終ポリエステル組成物中の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基およびネオペンチルグリコール残基の合計が、0~30モル%、1~30モル%、または1~25モル%、または1~20モル%、または1~15モル%、または1~10モル%、または2~30モル%、または2~25モル%、または2から20モル%、または2~15モル%、または2~10モル%、または3~30モル%、または3~25モル%、または3~20モル%、または3~15モル%、または3~10モル%、4~30モル%、または4~25モル%、4~20モル%、または4~15モル%、または4~10モル%、5~30モル%、または5~25モル%、5~20モル%、または5~15モル%、または5~10モル%、または6~30モル%、または6~25モル%、または6~20モル%、または6~15モル%、または6~10モル%、または7~30モル%、または7~25モル%、7~20モル%、または7~15モル%、または7~10モル%、または8~30モル%、または8~25モル%、または8~20モル%、または8~15モル%、または8~10モル%、または9~30モル%、または9~25モル%、または9~20モル%、または9~15モル%、または9~10モル%、または10~30モル%、または10~25モル%、または10~20モル%、または10~15モル%、または11~30モル%、または11~30モル%、または11~25モル%、または11~20モル%、または11~15モル%、または12~30モル%、または12~25モル%、または12~20モル%、または12~15モル%、または13~30モル%、または13~25モル%、または13~20モル%、または13~15モル%、または14~30モル%、または14~25モル%、または14~20モル%、または14~15モル%、または15~30モル%、または15~25モル%、または15~20モル%、または16~20モル%、または18~20モル%、または10~18モル%、または16~18モル%、または12~16モル%、または16~20モル%、または14~18モル%、または11~30モル%、または13~30モル%、または14~30モル%、または10~29モル%、または11~29モル%、または12~29モル%、または13~29モル%、または14~29モル%、または15~29モル%、または10~28モル%、または11~28モル%、または12~28モル%、または13~28モル%、または14~28モル%、または15~28モル%である組成物を含んでもよい。一実施態様では、最終ポリエステル組成物中の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基およびネオペンチルグリコール残基の合計は、4~15モル%、または2~21モル%、または2~20モル%未満、または4~20モル%、または5~18モル%、または10~21モル%、または12~21モル%であってもよく、ここでジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0045】
[0054]一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物およびポリエステル混合組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、0~30モル%のネオペンチルグリコールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物およびポリエステル混合組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、0~25モル%のネオペンチルグリコールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、0~17モル%のネオペンチルグリコールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物およびポリエステル混合組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、5~20モル%のネオペンチルグリコールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物およびポリエステル混合組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、10~20モル%のネオペンチルグリコールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物およびポリエステル混合組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、10~15モル%のネオペンチルグリコールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物およびポリエステル混合組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、15~25モル%のネオペンチルグリコールを含んでもよい。
【0046】
[0055]一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物およびポリエステル混合組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、0~30モル%、0.01~30モル%、または0~20モル%、または0.1~20モル%、または2~20モル%、または0.01~15モル%、または0.01~14モル%、または0.01~13モル%、または0.01~12モル%、または0.01~11モル%、または0.01~10モル%、または0.01~9モル%、または0.01~8モル%、または0.01~7モル%、または0.01~6モル%、または0.01~5モル%、または3~15モル%、または3~14モル%、または3~13モル%、または3~12モル%、または3~11モル%、または3~10モル%、または3~9モル%、または3~8モル%、または3~7モル%、または2~10モル%、または2~9モル%、または2~8モル%、または2~7モル%、または2~5モル%、または1~7モル%、または1~5モル%、または1~3モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含んでもよい。
【0047】
[0056]一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、0.01~15モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、0以上15モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、0.01~10モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、0以上10モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、0.01~5モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、0以上5モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノールを含んでもよい。
【0048】
[0057]いくつかの他のジオール残基は、当然ではあるが、処理中にその場で生成されてもよい。ジエチレングリコール残基の総量は、処理中にその場で生成されるか、または意図的に添加されるか、あるいはその両方に拘わらず、任意の量で存在してもよく、例えば100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、1~15モル%、または2~12モル%、または2~11モル%、または2~10モル%、または2~9モル%、または3~12モル%、または3~11モル%、または3~10モル%、または3~9モル%、または4~12モル%、または4~11モル%、または4~10モル%、または4~9モル%、または、5~12モル%、または5~11モル%、または5~10モル%、または5~9モル%のジエチレングリコール残基が存在してもよい。
【0049】
[0058]一実施態様では、本開示で有用なポリエステル中に存在し得るジエチレングリコール残基の総量は、処理中にその場で生成されるか、意図的に添加されるか、またはその両方であるかどうかに拘わらず、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、4モル%以下、または3.5モル%以下、または3.0モル%以下、または2.5モル%以下、または2.0モル%以下、または1.5モル%以下、または1.0モル%以下、または1~4モル%、または1~3モル%、または1~2モル%、または2~8モル%、または2~7モル%、または2~6モル%、または2~5モル%、または3~8モル%、または3~7モル%、または3~6モル%、または3~5モル%であってもよく、あるいは実施態様によっては、意図的に添加されたジエチレングリコール残基は存在しない。特定の実施態様では、ポリエステル組成物には、修飾ジオールを添加しない。
【0050】
[0059]全ての実施態様では、ジオール成分の残部は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、任意の量でエチレングリコール残基を含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のポリエステル部分は、100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、50モル%以上、または55モル%以上、または60モル%以上、または65モル%以上、または70モル%または以上、または75モル%以上、または80モル%以上、または85モル%以上、または90モル%以上、または95モル%以上、または50~80モル%、または55~80モル%、または60~80モル%、または50~75モル%、または55~75モル%、または60~75モル%、または65~75モル%のエチレングリコール残基を含んでもよい。
【0051】
[0060]一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、最大20モル%、または最大19モル%、または最大18モル%、または最大17モル%、また最大16モル%、または最大15モル%、または最大14モル%、または最大13モル%、または最大12モル%、または最大11モル%、または最大10モル%、または最大9モル%、または最大8モル%、または最大7モル%、または最大6モル%、または最大5モル%、または最大4モル%、または最大3モル%、または最大2モル%、または最大1モル%の1種以上の修飾ジオールを含んでもよい(この修飾ジオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、または1,4-シクロヘキサンジメタノールではないジオールとして定義される)。特定の実施態様では、本開示で有用なポリエステルは、10モル%以下の1種以上の修飾ジオールを含んでもよい。特定の実施態様では、本開示で有用なポリエステルは、5モル%以下の1種以上の修飾ジオールを含んでもよい。特定の実施態様では、本開示で有用なポリエステルは、3モル%以下の1種以上の修飾ジオールを含んでもよい。別の実施態様では、本開示で有用なポリエステルは、0モル%の修飾ジオールを含んでもよい。しかしながら、いくつかの他のジオール残基はその場で生成されてもよいので、その場で生成された残基の量もまた本開示の実施態様であると考えてもよい。
【0052】
[0061]いくつかの実施態様では、本明細書で定義されるポリエステル内に使用する修飾ジオールは、使用される場合には、2~16個の炭素原子を含む。修飾ジオールの例として、限定はされないが、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、イソソルビド、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、p-キシレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)、およびそれらの混合物が挙げられる。一実施態様では、イソソルビドが修飾ジオールである。別の実施態様では、修飾ジオールとして、限定はされないが、1,3-プロパンジオールおよび1,4-ブタンジオールのうちの少なくとも1種が挙げられる。一実施態様では、1,3-プロパンジオールおよび/または1,4-ブタンジオールを除外してもよい。1,4-または1,3-ブタンジオールを使用する場合には、一実施態様では、4モル%超または5モル%超を提供してもよい。一実施態様では、少なくとも1種の修飾ジオールは、5~25モル%の量で存在する1,4-ブタンジオールである。
【0053】
[0062]一実施態様では、さらに以下の構成を含むポリエステル組成物を含む収縮フィルムが提供される:100モル%であるジオール成分の総モル%基準で、1,4-シクロヘキサンジメタノール残基が0.01~約10モル%の量で存在する;ジエチレングリコール残基が2~9モル%の量で存在する;ネオペンチルグリコール残基が5~30モル%の量で存在する;およびエチレングリコール残基が60モル%以上の量で存在する。
【0054】
[0063]実施態様によっては、本開示によるポリエステルは、ジオールまたは二酸残基のいずれかの総モル%基準で、0~10モル%、例えば0.01~5モル%、0.01~1モル%、0.05~5モル%、0.05~1モル%、または0.1~0.7モル%の3個以上のカルボキシル置換基、ヒドロキシル置換基、またはそれらの組合せをそれぞれ有する、本明細書で分岐剤とも呼ばれる1個以上の分岐モノマー残基を含んでもよい。特定の実施態様では、分岐モノマーまたは分岐剤は、ポリエステルの重合前および/または重合中および/または重合後に添加されてもよい。実施態様によっては、従って本開示で有用なポリエステルは、直鎖状または分枝状であってもよい。
【0055】
[0064]分岐モノマーの例として、限定はされないが、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸二無水物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、クエン酸、酒石酸、3-ヒドロキシグルタル酸などの多官能性酸または多官能性アルコールが挙げられる。一実施態様では、分岐モノマー残基は、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸二無水物、グリセリン、ソルビトール、1,2,6-ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、および/またはトリメシン酸のうちの少なくとも1種から選択される0.1~0.7モル%の1つ以上の残基を含んでもよい。分岐モノマーは、ポリエステル反応混合物に添加してもよく、あるいは濃縮物の形態でポリエステルと混合してもよく、これは例えば米国特許第5,654,347号および第5,696,176号に説明されていて、分岐モノマーに関するこの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0056】
[0065]本開示で有用なポリエステルは、少なくとも1種の鎖延長剤を含んでもよい。好適な連鎖延長剤として、限定はされないが、(限定はされないが二官能性などの)多官能性イソシアナート、エポキシ化ノボラックなどの多官能性エポキシド、およびフェノキシ樹脂が挙げられる。特定の実施態様では、鎖延長剤は、重合処理の最後に、または重合処理の後に添加してもよい。重合処理後に添加される場合には、鎖延長剤は、配合するかあるいは射出成形や押出成形などの転換工程中に添加して組み込んでもよい。
【0057】
[0066]用いられる鎖延長剤の量は、用いられる特定のモノマー組成および所望の物理特性に応じて変更してもよいが、一般的には、ポリエステルの総重量基準で、0.1重量%~10重量%、例えば0.1重量%~5重量%である。
【0058】
[0067]本開示で有用なポリエステル組成物は、特に明記しない限り、本明細書に記載の固有粘度範囲のうちの少なくとも1種の範囲、かつ本明細書に記載のポリエステル組成物のモノマー範囲のうちの少なくとも1種の範囲を有してもよいと考えられる。本明細書で有用なポリエステル組成物はまた、特に明記しない限り、本明細書に記載のTg範囲のうちの少なくとも1種の範囲、かつ本明細書に記載のポリエステル組成物のモノマー範囲のうちの少なくとも1種の範囲を有してもよいと考えられる。本開示で有用なポリエステル組成物はまた、特に明記しない限り、本明細書に記載の固有粘度範囲のうちの少なくとも1種の範囲、本明細書に記載のTg範囲のうちの少なくとも1種の範囲、かつ本明細書に記載のポリエステル組成物のモノマー範囲のうちの少なくとも1種の範囲を有してもよいと考えられる。
【0059】
[0068]本開示の実施態様では、本開示で有用なポリエステルは、25℃かつ0.25g/50mLの濃度で、60/40(重量/重量)のフェノール/テトラクロロエタン中で測定される以下の固有粘度値のうちの少なくとも1つを示してもよい:0.50~1.2dL/g;0.50~1.0dL/g;0.50~0.90dL/g;0.50~0.80dL/g;0.55~0.80dL/g;0.60~0.80dL/g;0.65~0.80dL/g;0.70~0.80dL/g;0.50~0.75dL/g;0.55~0.75dL/g;または0.60~0.75dL/g。
【0060】
[0069]ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は、Thermal Analyst Instrument社製のTA DSC 2920を使用して、20℃/分の走査速度で測定する。
[0070]特定の実施態様では、本開示の配向フィルムまたは収縮フィルムは、ポリエステルのTgが60~80℃、70~80℃、65~80℃、または65~75℃のポリエステル/ポリエステル組成物を含む。特定の実施態様では、重合中に添加される少なくとも1種の可塑剤の有無に拘わらず、これらのTg範囲を満たすことができる。
【0061】
[0071]本開示の実施態様では、本開示で有用なポリエステルおよび/またはポリエステル組成物を含む特定の配向フィルムおよび/または収縮性フィルムは、以下の全ての特性:すなわち優れた伸縮性、制御された収縮特性、特定の靭性、特定の固有粘度、特定のガラス転移温度(Tg)、特定の歪み誘起結晶の融点、特定の曲げ弾性率、特定の密度、特定の引張弾性率、特定の表面張力、優れた溶融粘度、優れた透明度、および優れた色調のうちの特有の組合せを有してもよい。
【0062】
[0072]一実施態様では、本開示で有用な特定のポリエステル組成物は、視覚的に透明であってもよい。用語「視覚的に透明」は、本明細書では、視覚的に検査をした際に、曇り、霞み、および/または濁りが明らかに無いこととして定義される。
【0063】
[0073]本開示で有用なポリエステル組成物のポリエステル部分は、文献からの既知の方法、例えば、均質溶液中での方法、溶融物でのエステル交換による方法、および二相界面による方法で作製してもよい。好適な方法としては、限定はされないが、1種以上のジカルボン酸を1種以上のジオールと100℃~315℃の温度かつ0.1~760mmHgの圧力で、ポリエステルを生成するのに十分な時間反応させる工程が挙げられる。ポリエステルの製造方法については、米国特許第3,772,405号を参照し、その方法に関する開示内容は、本明細書に参照により組み込まれる。
【0064】
[0074]ポリエステルは一般的に、不活性雰囲気中での縮合の過程では約225℃~310℃まで徐々に温度を上昇させて、触媒の存在下でジカルボン酸またはジカルボン酸エステルをジオールと縮合させて調製してもよく、また参照により本明細書に組み込まれる米国特許第2,720,507号にさらに詳細に説明されているように、縮合の後半部分は低圧で縮合させて調製してもよい。
【0065】
[0075]実施態様によっては、本開示で有用なポリエステルの製造プロセス中に、トナーまたは染料を含む溶融物に、重合体を着色する特定の化学物質を添加してもよい。一実施態様では、得られるポリエステルポリマーの溶融相生成物のb*を低下させるために青味付けトナーを溶融物に添加する。そのような青味付け剤としては、青色の無機および有機のトナーおよび/または色素が挙げられる。また、赤色のトナーおよび/または色素を用いて、a*の色調を調整してもよい。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,372,864号および第5,384,377号に説明されているトナーなどの有機トナー、例えば青色および赤色の有機トナーを使用してもよい。有機トナーは、予混合組成物として供給してもよい。予混合組成物は、赤色と青色の化合物のニートブレンドであってもよく、あるいは組成物をポリエステルの原材料のうちの1種、例えばエチレングリコールに事前に溶解するかスラリー化してもよい。
【0066】
[0076]添加されるトナー成分の総量は、基材ポリエステル中の固有の黄色の量およびトナーの効力に依存する。一実施態様では、混合有機トナー成分を、約15ppmの最大濃度および約0.5ppmの最小濃度で使用してもよい。一実施態様では、青味付け添加剤の総量は0.5~10ppmの範囲であってもよい。一実施態様では、トナーをエステル化反応区域または重縮合反応区域に添加してもよい。好ましくは、トナーをエステル化反応区域に、または重縮合区域の初期段階に、例えば予備重合反応器に添加する。
【0067】
[0077]本開示はさらに、ポリマー混合物に関する。一実施態様では、このポリマー混合物は、
(a)5~95重量%の本明細書に記載の本開示のポリエステル組成物;および
(b)5~95重量%の少なくとも1種のポリマー成分を含む。
【0068】
[0078]ポリマー成分の好適な例として、限定はされないが、ナイロン;本明細書に記載のポリエステルとは異なるポリエステル;DuPont社製のZYTEL(登録商標)などのポリアミド;ポリスチレン;ポリスチレン共重合体;スチレンアクリロニトリル共重合体;アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体;ポリメタクリル酸メチル;アクリル共重合体;ULTEM(登録商標)(General Electric社製のポリエーテルイミド)などのポリエーテルイミド;ポリ(2,6-ジメチルフェニレンオキシド)またはNORYL 1000(登録商標)(General Electric社製のポリ(2,6-ジメチルフェニレンオキシド)とポリスチレン樹脂の混合物)などのポリフェニレンオキシド/ポリスチレン混合物などのポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリフェニレンスルフィド/スルホン;ポリエステルカーボネート;LEXAN(登録商標)(General Electric社製のポリカーボネート)などのポリカーボネート;ポリスルホン;ポリスルホンエーテル;および芳香族ジヒドロキシ化合物のポリエーテルケトン;または前述のポリマーの任意の混合物が挙げられる。一実施態様では、脂肪族-芳香族ポリエステルは、本開示で有用なポリエステル組成物から排除してもよい。本開示のポリエステル組成物を製造するために混合できる以下のポリエステルは、その混合物が本開示の組成範囲を超える場合には、追加の混合に用いられるポリマー成分としては除外してもよい:ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性PET(PETG)、グリコール変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCTG)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、酸変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート、および/またはジエチレングリコール変性PET(EASTOBONDTM共重合ポリエステル)。
【0069】
[0079]この混合物は、溶融混合または溶液混合などの当技術分野で既知の従来からの処理技術によって調製してもよい。
[0080]いくつかの実施態様では、ポリエステル組成物およびポリマー混合組成物はまた、着色剤、トナー、染料、離型剤、難燃剤、可塑剤、ガラスバブル、核生成剤、限定はされないがUV安定剤および熱安定剤などの安定剤、および/またはそれらの反応生成物、充填剤、および衝撃改質剤などの一般的な添加剤を、組成物全体の0.01~25重量%で含んでもよい。市販の衝撃改質剤の例として、限定はされないが、エチレン/プロピレン三元共重合体、アクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸グリシジルなどの官能化ポリオレフィン、スチレン系ブロック共重合体の各衝撃改質剤、および種々のアクリル系コア/シェル型の衝撃改質剤が挙げられる。それらの添加剤の残基もまた、ポリエステル組成物の一部分と考えられる。
【0070】
[0081]補強材料を、本開示で有用な組成物に添加してもよい。補強材料には、限定はされないが、炭素繊維、ケイ酸塩、雲母、クレー、タルク、二酸化チタン、ウォラストナイト、ガラス薄片、ガラスビーズおよびガラス繊維、ならびにポリマー繊維、およびそれらの組合せを含んでもよい。一実施態様では、補強材料は、繊維状ガラスなどのガラス、ガラスとタルク、ガラスと雲母、およびガラスと高分子繊維の混合物を含む。
【0071】
[0082]一実施態様では、本開示によるフィルムおよび収縮フィルムは、0.01~10重量%のポリエステル可塑剤を含んでもよい。一実施態様では、収縮フィルムは0.1~5重量%のポリエステル可塑剤を含んでもよい。一般的に収縮フィルムは、90~99.99重量%の共重合ポリエステルを含んでもよい。特定の実施態様では、収縮フィルムは、95~99.9重量%の共重合ポリエステルを含んでもよい。
【0072】
[0083]一側面では、本開示は、本開示で有用なポリエステル組成物および/またはポリマー混合物を含む、本開示の収縮フィルムおよび成形物品に関する。ポリエステル組成物および/または混合物をフィルムおよび/またはシートに成形する方法は、当技術分野で周知である。本開示で有用なフィルムおよび/またはシートの例として、限定はされないが、押出フィルムおよび/またはシート、圧縮成形フィルム、圧延加工フィルムおよび/またはシート、溶液キャストフィルムおよび/またはシートが挙げられる。一側面では、本開示の収縮フィルムを製造するのに有用なフィルムおよび/またはシートの作製方法として、限定はされないが、押出、圧縮成形、圧延、および溶液キャストが挙げられる。
【0073】
[0084]一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物は、ポリエステルからフィルムを製造する当技術分野で既知の任意の方法、例えば、溶液キャスト、押出、圧縮成形、または圧延を用いてフィルムに製造される。
【0074】
[0085]一実施態様では、形成したままのフィルムは、続いて(例えば、一軸および/または二軸配向フィルムとして)1つ以上の方向に配向される。フィルムのこの配向は、標準的な配向条件を用いて当技術分野で既知の任意の方法によって実施できる。例えば、本開示の配向フィルムは、約100~400μmの厚さを有するフィルム、例えば押出、キャスト、または圧延加工したフィルムから製造してもよく、この配向フィルムは、Tg~Tg+55℃、または70℃~125℃の温度で5:1~3:1の比率に、例えば100℃~114℃の温度で5:1または3:1の比率に配向されてもよく、またこのフィルムは、20~80μmの厚さに配向されてもよい。一実施態様では、初期の予備収縮されたフィルムの配向は、これらの配向条件に従って幅出し機(tenter frame)で実行してもよい。
【0075】
[0086]本開示の収縮フィルムは、約55~約80℃、または約55~約75℃、または約55~約70℃の収縮開始温度を有してもよい。収縮開始温度は、収縮の開始が起こる温度である。
【0076】
[0087]特定の実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物は、1.6g/cc以下、または1.5g/cc以下、または1.4g/cc以下、または1.1g/cc~1.5g/cc、または1.2g/cc~1.4g/cc、または1.2g/cc~1.35g/ccの密度を有してもよい。
【0077】
[0088]一実施態様では、フィルムまたは成型物品に多くの小さな空孔または穴を導入して、フィルムの密度を低下させる。このプロセスは「空孔形成(voiding)」と呼ばれ、「空洞形成(cavitating)」または「微細空孔形成(microvoiding)」と呼ばれることもある。これらの孔は、約1~約50重量%の小さな有機粒子または(ガラス製微小球を含む)無機粒子すなわち「介在物」(当技術分野では「空孔形成」剤または「空洞形成」剤と呼ばれる)を母材ポリマー中に組み込み、かつ少なくとも一方向に延伸してポリマーを配向させて得られる。延伸中に、空孔形成剤の周囲に小さな空洞または空孔が形成される。空孔がポリマーフィルム中に導入されると、得られる空孔付きフィルムは、空孔不含フィルムよりも密度が低いだけでなく、不透明になり紙のような表面が現れる。この表面はまた、印刷適性を向上する利点を有し、すなわち、表面は、空孔不含フィルムよりも実質的に大きな容量で多くのインクを受け入れることができる。空孔付きフィルムの典型的な例は、米国特許第3,426,754号;3,944,699号;4,138,459号;4,582,752号;4,632,869号;4,770,931号;5,176,954号;5,435,955号;5,843,578号;6,004,664号;6,287,680号;6,500,533号;6,720,085号;米国特許出願公開第2001/0036545号;2003/0068453号;2003/0165671号;2003/0170427号;日本特許出願公開第61-037827号;63-193822号;2004-181863号;欧州特許第0 581 970 B1号;欧州特許出願公開第0 214 859 A2号に記載されている。
【0078】
[0089]特定の実施態様では、押し出されたままのフィルムは、延伸中に配向される。本開示の配向フィルムまたは収縮性フィルムは、所望の最終用途に応じて任意の厚さを持つフィルムから作製できる。一実施態様では、望ましい条件は、配向フィルムおよび/または収縮性フィルムとして、ラベル、紙などの基板に接着し得る写真フィルムなどの用途のために、および/またはそれらフィルムが有用なその他の用途のために、インクで印刷できることである。本開示で有用なポリエステルを、PETなどの別のポリマーと共押出して、フィルムを本開示の配向フィルムおよび/または収縮フィルムとして使用可能とすることが望ましい場合がある。後者の共押出を実施することの1つの利点としては、実施態様によっては、結合層(tie layer)を必要としなくてもよいことである。
【0079】
[0090]一実施態様では、本開示の一軸および二軸配向フィルムは、厚さが約100~400μmのフィルム、例えば押出し、キャスト、または圧延加工されたフィルムから作製してもよく、このフィルムは、フィルムのTg~Tg+55℃の温度で6.5:1~3:1の比率で延伸してもよく、かつ20~80μmの厚さまで延伸してもよい。一実施態様では、初期の押し出しされたままのフィルムの配向は、これらの配向条件に従って幅出し機で実行してもよい。本開示の収縮フィルムは、本開示の配向フィルムから作製できる。
【0080】
[0091]特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、殆どあるいは全くしわが入らないように緩やかに収縮する。特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、5℃の温度上昇ごとに横断方向に40%以下の収縮率を有する。
【0081】
[0092]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、65℃の水に10秒間浸漬した際に、機械方向に10%以下、または5%以下、または3%以下、または2%以下の収縮率を有するか、あるいは収縮しない。本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、65℃の水に10秒間浸漬した際に、機械方向に-10%~10%、-5%~5%、または-5%~3%、または-5%~2%、または-4%~4%、または-3%~4%、または-2%~4%、または-2%~2.5%、または-2%~2%、または0~2%の収縮率を有するか、あるいは収縮しない。ここで機械方向の負の収縮率は、機械方向への膨張を示す。機械方向の正の収縮率は、機械方向への収縮を示す。
【0082】
[0093]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、95℃の水に10秒間浸漬した際に、主収縮方向に50%以上、または60%以上、または70%以上の収縮率を有する。
【0083】
[0094]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、95℃の水に10秒間浸漬した際に、主収縮方向に50~90%の収縮率を有し、かつ機械方向に10%以下または-10%~10%の収縮率を有する。
【0084】
[0095]一実施態様では、本開示で有用なポリエステルは、ポリエステルからフィルムを製造するための当技術分野で既知の任意の方法、例えば、溶液キャスト、押出、圧縮成形、または圧延を用いてフィルムにされる。次に、押し出されたままの(または形成されたままの)フィルムは、1つ以上の方向に配向される(例えば、一軸および/または二軸配向されたフィルム)。フィルムのこの配向は、標準的な配向条件を用いて、当技術分野で既知の任意の方法によって実施してもよい。例えば、本開示の一軸配向フィルムは、厚さが約100~400μmのフィルム、例えば、押出、キャスト、または圧延加工されたフィルムから作製してもよく、このフィルムは、フィルムのTg~Tg+55℃の温度で6.5:1~3:1の比率で延伸してもよく、かつ20~80μmの厚さまで延伸してもよい。一実施態様では、初期の押し出されたままのフィルムの配向は、これらの配向条件に従って幅出し機で実行してもよい。
【0085】
[0096]特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、5℃の温度上昇ごとに横断方向に40%以下の収縮率を有する。
[0097]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、約55~約80℃、または約55~約75℃、または約55~約70℃の収縮開始温度を有してもよい。収縮開始温度は、収縮の開始が起こる温度である。
【0086】
[0098]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、約55~約70℃の収縮開始温度を有してもよい。
[0099]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、ASTM法D882に従って、主収縮方向に直交する方向に500mm/分の延伸速度で200%を超える破断歪み率を有してもよい。
【0087】
[00100]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、ASTM法D882に従って、主収縮方向に直交する方向に500mm/分の延伸速度で300%を超える破断歪み率を有してもよい。
【0088】
[00101]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、ASTM法D882に従って測定して、20~400MPa、または40~260MPa、または42~260MPaの破断時の引張応力(破断応力)を有してもよい。
【0089】
[00102]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、延伸条件および所望の最終用途に応じて、ISO法14616によって測定して、4~18MPa、または4~15MPaの収縮力を有してもよい。例えば、LabThink社製の収縮力試験器を80℃で使用しISO法14616によって測定して、プラスチックボトル用に作製された特定のラベルは4~8MPaの収縮力を有してもよく、ガラスボトル用に作製された特定のラベルは10~14Mpaの収縮力を有してもよい。
【0090】
[00103]本開示の一実施態様では、ポリエステル組成物は、典型的に反応器級(reactor grade)の組成物と呼ばれるポリエステルを製造するための既知の方法によって、モノマーを反応させて生成してもよい。
【0091】
[00104]本開示の一実施態様では、本開示のポリエステル組成物は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性PET(PETG)、グリコール変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCTG)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、酸変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート、および/またはジエチレングリコール変性PET(EASTOBONDTM共重合ポリエステル)などのポリエステルを、これらの組成物のモノマー範囲を達成するように混合して生成してもよい。
【0092】
[00105]特定の実施態様では、ポリエステル組成物及びポリマー混合組成物は、着色剤、トナー、染料、離型剤、難燃剤、可塑剤、ガラスバブル、核生成剤、限定はされないがUV安定剤および熱安定剤などの安定剤、および/またはそれらの反応生成物、充填剤、および衝撃改質剤などの一般的な添加剤を、組成物全体に対して0.01~25重量%で含んでもよい。市販の衝撃改質剤の例として、限定はされないが、エチレン/プロピレン三元共重合体、アクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸グリシジルを含むオレフィンなどの官能化ポリオレフィン、スチレン系ブロック共重合体の各衝撃改質剤、および種々のアクリル系コア/シェル型の衝撃改質剤が挙げられる。それらの添加剤の残基もまた、ポリエステル組成物の一部と考えられる。
【0093】
[00106]補強材料を、本開示で有用なポリエステル組成物に添加してもよい。補強材料には、限定はされないが、炭素繊維、ケイ酸塩、雲母、クレー、タルク、二酸化チタン、ウォラストナイト、ガラス薄片、ガラスビーズおよびガラス繊維、ならびにポリマー繊維、およびそれらの組合せを含んでもよい。一実施態様では、補強材料は、繊維状ガラスなどのガラス、ガラスとタルク、ガラスと雲母、およびガラスと高分子繊維の混合物を含む。
【0094】
[00107]収縮フィルムからなる成形物品、あるいは収縮フィルムからなるのでなく、そのフィルムを含む成形物品はまた、本明細書に開示されるポリエステル組成物のいずれかから製造でき、かつ本開示の範囲内に含まれる。
【0095】
[00108]一般的に本開示による収縮フィルムは、0.01~10重量%のポリエステル可塑剤を含んでもよい。一実施態様では、収縮フィルムは、0.1~5重量%のポリエステル可塑剤を含んでもよい。一般的に収縮フィルムは、90~99.99重量%の共重合ポリエステルを含んでもよい。一般的に収縮フィルムは、95~99.9重量%の共重合ポリエステルを含んでもよい。
【0096】
[00109]一実施態様では、約100~400μmの予備配向された厚さを有し、続いてTg~Tg+55℃の温度かつ6.5:1~3:1の比率で約20~約80μmの厚さまで幅出し機で配向される場合に、本開示の収縮フィルムは、以下の特性:
(1)95℃の水に10秒間浸漬した際に、主収縮方向または横断方向に60%を超える(または70%を超える)量で収縮、かつ機械方向に10%以下(または-5%~4%)の量で収縮;
(2)約55℃~約70℃の収縮開始温度;
(3)ASTM法D882に従って、横断方向、機械方向、あるいは両方向に、500mm/分の延伸速度で200%超、または200~600%、または200~500%、または226~449%、または250~455%の破断歪み率;
(4)5℃の温度上昇ごとに40%以下で収縮;および/または
(5)200℃超の歪み誘起結晶の融点、のうちの1種以上を有してもよい。これらの特性の任意の組合せ、またはこれらの特性の全てが、本開示の収縮フィルムに存在してもよい。本開示の収縮フィルムは、上述の収縮フィルム特性のうちの2種以上の組合せを有してもよい。本開示の収縮フィルムは、上述の収縮フィルム特性のうちの3種以上の組合せを有してもよい。本開示の収縮フィルムは、上述の収縮フィルム特性のうちの4種以上の組合せを有してもよい。特定の実施態様では、(1)~(2)の特性が存在する。特定の実施態様では、(1)~(5)の特性が存在する。特定の実施態様では、(1)~(3)などの特性が存在する。
【0097】
[00110]本明細書での収縮率は、Tg~Tg+55℃の温度で6.5:1~3:1の比率で、例えば70℃~85℃の温度で5:1の比率で幅出し機で配向された約20~80μmの厚さを有する初期の生成されたままのフィルムに基づいている。一実施態様では、本開示の収縮フィルムを作製するのに用いられる配向フィルムの収縮特性に、そのフィルムが配向された温度よりも高い温度でそのフィルムを熱処理しても変動はなかった。
【0098】
[00111]本開示の配向フィルムまたは収縮フィルムを作製するのに有用なフィルムの形状は、全く制限を受けない。例えばその形状は、平坦なフィルム、あるいは管状に形成されたフィルムであってもよい。本開示で有用な収縮フィルムを製造するために、ポリエステルは、まず平坦なフィルムに形成され、次いで「一軸延伸」され、これはポリエステルフィルムを一方向に配向することを意味する。フィルムはまた、「二軸配向」してもよく、これはポリエステルフィルムを2つの異なる方向に配向することを意味し、例えばフィルムは、機械方向と機械方向とは異なる方向の両方向に延伸される。典型的には2つの方向は実質的に垂直であるが、常にそうとは限らない。例えば一実施態様では、2つの方向は、フィルムの長手方向または機械方向(「MD」)(フィルム製造機でフィルムが製造される方向)およびフィルムの横断方向(「TD」)(フィルムのMDに対し垂直な方向)である。二軸配向フィルムは、連続的に配向されてもよく、同時に配向されてもよく、あるいは同時のかつ連続的な延伸の何らかの組合せによって配向されてもよい。
【0099】
[00112]フィルムは、ロール延伸法、長間隙延伸法、幅出し延伸法、および管状延伸法などの任意の通常の方法によって配向させてもよい。これらの方法のいずれかを使用して、連続二軸延伸、同時二軸延伸、一軸延伸、またはこれらの組合せを実施してもよい。上述の二軸延伸を用いて、機械方向と横断方向の延伸を同時に実施してもよい。また延伸を、まず一方向に実施し、次いで他方向に実施して、効率的に二軸延伸をもたらすこともできる。一実施態様では、フィルムの延伸を、フィルムをそれらのガラス転移温度(Tg)よりも5℃~80℃高く予備的に加熱して実施する。一実施態様では、フィルムを、それらのTgより10℃~30℃高い温度で予備的に加熱してもよい。一実施態様では、延伸速度は、毎秒5~20インチ(12.7~50.8cm)である。次にフィルムを、例えば、機械方向、横断方向、または両方向のいずれかに、元の寸法の2~6倍に配向してもよい。フィルムは、単一フィルム層として配向させてもよく、あるいは多層フィルムとしてPET(ポリエチレンテレフタレート)などの別のポリエステルと共押出しして、次いで配向させてもよい。
【0100】
[00113]一実施態様では、本開示は、本開示の収縮フィルムの実施態様のうちのいずれかの収縮フィルムを含む製造物品または成形物品を含む。別の実施態様では、本開示は、本開示の配向フィルムの実施態様のうちのいずれかの配向フィルムを含む製造物品または成形物品を含む。
【0101】
[00114]特定の実施態様では、本開示は、限定はされないが、容器、プラスチックボトル、ガラスボトル、梱包品、電池、高温充填容器、および/または工業製品または他の用途に適用される収縮フィルムを含む。一実施態様では、本開示は、限定されないが、容器、梱包品、プラスチックボトル、ガラスボトル、紙などの写真用基板、電池、高温充填容器、および/または工業製品または他の用途に適用される配向フィルムを含む。
【0102】
[00115]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、ラベルまたはスリーブに形成してもよい。次にラベルまたはスリーブを、容器の壁、電池などの製造物品に、あるいはシートまたはフィルムの上に貼付してもよい。
【0103】
[00116]本開示の配向フィルムまたは収縮フィルムは、シート、フィルム、管、またはボトルなどの成型物品に貼付でき、様々な包装用途に一般的に使用される。例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリ乳酸(PLA)などのポリマーから製造されたフィルムおよびシートは、プラスチック飲料容器または食品容器用の収縮ラベルの製造に頻繁に使用される。例えば本開示の収縮フィルムは、多くの包装用途で使用でき、この用途では、成型物品に貼付される収縮フィルムは、優れた印刷適性、高い不透明性、高い収縮力、優れた質感、および高い剛性などの特性を示す。
【0104】
[00117]収縮特性の改善および靭性の向上の組合せにより、限定はされないが、容器、プラスチックボトル、ガラスボトル、梱包品、電池、高温充填容器、および/または工業製品または他の用途に貼付される収縮フィルムなどの新たな商業的な選択肢を提供できるはずである。
【0105】
[00118]本開示の一側面では、開示されたポリエステル組成物は、熱成形フィルムまたはシート、および/または熱成形性フィルムまたはシートとして有用である。本開示はまた、本開示の熱成形フィルムおよび/またはシートを組込んだ製造物品を対象とする。一実施態様では、本開示のポリエステル組成物は、成型物品または形成物品に容易に成形されるフィルムおよびシートとして有用である。一実施態様では、本開示のフィルムおよび/またはシートは、熱成形によって成形物品または部品に加工できる。本開示のポリエステル組成物は、様々な成形および押出の用途に使用できる。
【0106】
[00119]さらに一実施態様では、本開示の熱成形シートで有用なポリエステル組成物およびポリエステル混合物はまた、着色剤、離型剤、難燃剤、可塑剤、核生成剤、限定はされないがUV安定剤および熱安定剤などの安定剤、充填剤、および衝撃改質剤などの一般的な添加剤を、組成物全体の0.1~25重量%で含んでもよい。
【0107】
[00120]一実施態様では、補強材が本開示のポリエステル組成物を含む熱成形フィルムまたはシート中に含まれてもよい。例えば適切な補強材には、炭素繊維、ケイ酸塩、雲母、クレー、タルク、二酸化チタン、ウォラストナイト、ガラス薄片、ガラスビーズおよび繊維、ポリマー繊維、およびそれらの組合せが含まれてもよい。
【0108】
[00121]一実施態様では、本開示の熱成形フィルムまたはシートは、多層形フィルムまたはシートである。一実施態様では、多層形フィルムまたはシートの少なくとも一層は、発泡体層、あるいは発泡したポリマーまたはポリエステル層である。
【0109】
[00122]本開示の一側面は、熱成形を使用して形成部品および物品あるいは成型部品および物品を製造する方法である。当業者に既知の任意の熱成形技術またはプロセスを使用して、本開示の形成物品または成型物品を製造できる。
【0110】
[00123]一実施態様では、熱成形プロセスは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる"Technology of Thermoforming(熱成形の技術)"(Throne, James; Hanser Publishers; 1996; pp. 16-29を参照)で教示されているように、いくつかの手法で実施できる。実施態様によっては、そのプロセスは、ガス圧または空気圧を軟化させたシートに加え、次にシートをバブルのように延伸かつ引き出し、雄型を内側からそのバブル内に入れる雄型の熱成形プロセスである。次に真空を加えて、部品をさらに引き出して、雄型の表面に適合させる。この熱成形プロセスでは、軟化させたシートにガス圧または空気圧が加えられた際に、主に1回の工程で2軸延伸/配向が実行される。次に成形工程は、真空および雄型を用いて、物理特性と外観特性の良好なバランスを取るために配向をシート内に固定して完了させる。他の実施態様では、そのプロセスは、真空または物理的プラグを熱軟化させたシートに適用し、シートをほぼ最終部品寸法まで延伸かつ引き出し、次に内部からの正の空気圧または外部からのさらなる外側の真空引きによりシートを引き出し、外側の雌型に適合させる雌型の熱成形プロセスであり、配向をポリマー内に固定してシートを物品に成形する。
【0111】
[00124]実施態様によっては、バブルの生成は、さらにプラグ補助具を利用して形成されることがあり、これに続いて、上昇する雄型をシートで覆ってかつ成型し、次いで、角部および棚案内部などを真空を加えて型内に引き込む。実施態様によっては、型から取り外した後に、形成された部品または物品を、必要に応じて、切除し、穴開けし、角部を切り取ってもよい。
【0112】
[00125]他の実施態様では、熱成形は、本開示のポリエステル組成物のフィルムまたはシートが、それが変形できるのに十分な温度に加熱され、次いで加熱されたフィルムまたはシートが、真空補助、空気圧補助、およびマッチドモールド補助のような手段によって型の輪郭に適合させるプロセスである。別の実施態様では、加熱されたフィルムまたはシートは型内に配置され、例えば空気圧をかける、真空プラグ補助具を使用する、またはマッチドモールドを使用することで、型の輪郭に合致するように強制される。実施態様によっては、熱成形により薄肉物品を製造する。
【0113】
[00126]一実施態様では、熱成形プロセスにより、雄型を加熱されたフィルムまたはシートに押し込むことによって、フィルムまたはシートを所望の形状に成形する。本実施態様では、熱成形は、真空にした表面またはテーブルの間に支持された物品の雄型を有することを含む。本実施態様では、熱風送風機、熱ランプ、またはその他の放射熱源などの外部熱源からの熱をフィルムまたはシートに向ける。本実施態様では、フィルムまたはシートは軟化点まで加熱される。本実施態様では、次にテーブル、テーブルの下、かつ型の周りを真空にして、熱で軟化したフィルムまたはシートをテーブルに向かって引き寄せて、軟化したフィルムまたはシートを型表面と接触させるように配置する。本実施態様では、真空により、軟化したフィルムまたはシートを型表面の輪郭と緊密に接触させて、それに合致するように引き寄せる。これにより、フィルムまたはシートは型の形状となる。これらの実施態様では、フィルムまたはシートが冷却された後に、シートは硬化して、得られた物品または部品を型から取り出すことができる。
【0114】
[00127]一実施態様では、熱成形プロセスは、本開示のポリエステル組成物からフィルムまたはシートを形成する工程;フィルムまたはシートが軟化するまで加熱し、そのシートを型の上に配置する工程;予熱されたフィルムまたはシートを加熱された型表面に引き寄せる工程;フィルムまたはシートを冷却する工程;次に形成された物品または部品を型の窪みから取り出す工程、あるいは場合によっては、フィルムまたはシートを部分的に結晶化するのに十分な時間で、加熱された型に対してフィルムまたはシートを接触させ続けて成形フィルムまたはシートを加熱固定する工程を含む。
【0115】
[00128]一実施態様では、熱成形プロセスは、本開示のポリエステル組成物からシートを形成する工程;ポリエステルのTg以上の温度にフィルムまたはシートを加熱する工程;熱で軟化したフィルムまたはシートにガス圧、真空、および/または物理的圧力を加えて、フィルムまたはシートをほぼ最終部品寸法に延伸する工程;真空または圧力によってフィルムまたはシートを型の形状に適合させる工程;フィルムまたはシートをポリエステルのTg未満の温度に冷却する工程;次に熱成形された物品または部品を型から取り出す工程を含む。
【0116】
[00129]熱成形プロセスで使用するフィルムまたはシートは、当業者に既知の任意の従来の方法によって作製してもよい。一実施態様では、フィルムまたはシートは押出しによって形成される。一実施態様では、フィルムまたはシートは圧延によって形成される。一実施態様では、熱成形プロセス中に、フィルムまたはシートはポリエステルのTg以上の温度に加熱される。一実施態様では、この温度は、ポリエステルのTgよりも約10℃~約60℃高い。一実施態様では、より短い成形時間を実現するために、熱成形型の上に配置する前にフィルムまたはシートを加熱することが必要である。一実施態様では、シートをそのTgより高く、かつ型の窪みの上に配置中にシートが過度にたるむ温度よりも低く加熱する必要がある。一実施態様では、成形されたフィルムまたはシートを型から取り出す前に、ポリエステルのTg未満の温度に冷却させる。一実施態様では、熱成形方法には、真空補助具、空気補助具、機械的プラグ補助具、またはマッチドモールドを含んでもよい。実施態様によっては、型をフィルムまたはシートのTg以上の温度に加熱する。最適な型温度の選択は、熱成形装置の型、形成される物品の構造および肉厚、およびその他の因子に依存する。
【0117】
[00130]実施態様によっては、加熱されたフィルムまたはシートを、真空を発生させ、かつ導入して延伸する。
[00131]一実施態様では、加熱固定は、認知可能な配向を存在させずに、ポリエステルフィルムまたはシートの部分的な結晶化を熱的に誘発するプロセスである。一実施態様では、加熱固定は、フィルムまたはシートと加熱された型表面との接触を、完成部品に適切な物理的特性を付与する結晶化度の水準を達成するのに十分な時間で維持して達成される。一実施態様では、結晶化度の水準を、約10~約30%にすべきである。
【0118】
[00132]一実施態様では、熱固定された部品は、取り出しのための既知の手段によって型の窪みから取り出してもよい。例えば一実施態様では、吹き戻し(blowback)を使用し、それは圧縮空気を導入して、型と成形されたフィルムまたはシートとの間に確立された真空を破ることを含む。実施態様によっては、形成された物品または部品の余分な部分を、その後切り取って、廃物は粉砕して再資源化する。
【0119】
[00133]実施態様によっては、核生成剤の添加により、熱成形中のより速い結晶化を提供し、従ってより速い成形を提供する。一実施態様では、微粒子サイズの無機材料または有機材料などの核生成剤を使用してもよい。例えば一実施態様では、適切な核生成剤として、タルク、二酸化チタン、炭酸カルシウム、および非混和性ポリマーまたは架橋ポリマーが挙げられる。一実施態様では、核生成剤は、物品の重量を基準にして、約0.01%~約20%で変動する量で使用してもよい。一実施態様では、顔料、色素、可塑剤、亀裂防止剤、および安定剤などのその他の従来からの添加剤を、熱成形のために必要に応じて使用してもよい。実施態様によっては、亀裂防止剤は衝撃強度を改善し、核生成剤はより速い結晶化を提供する。実施態様によっては、結晶化は、高温安定性を達成するために必要である。
【0120】
[00134]一実施態様では、発泡ポリエステルフィルムまたはシートは、本開示のポリエステル組成物を化学的および/または物理的な発泡剤で発泡させ、発泡ポリエステルをシートまたはフィルムに押し出し、発泡ポリエステルフィルムまたはシートを熱成形して作製される。発泡ポリエステルフィルムの特性を向上させるための添加剤を、発泡前にポリエステルに添加してもよい。その添加剤の例として、滑り剤、粘着防止剤、可塑剤、蛍光増白剤、および紫外線抑制剤が挙げられる。一実施態様では、発泡ポリエステルフィルムは、その特性を向上するために、従来の技術を使用して片面または両面に被覆された押出成形品または積層品であってもよい。一実施態様では、被覆材料は、発泡フィルム自体ではなく、製品のラベル付けを提供する印刷面であった方が良い。
【0121】
[00135]本開示の組成物は、形成または成型されたプラスチック部品として、または固形プラスチック物品として有用である。本開示の組成物は、熱成形部品または物品として有用である。この組成物は、透明で硬質のプラスチックが必要とされる任意の用途での使用に適している。この部品の例として、使い捨てのナイフ、フォーク、スプーン、皿、カップ、ストロー、ならびに眼鏡フレーム、歯ブラシの柄、玩具、自動車装備品、工具の柄、カメラ部品、電子機器の部品、かみそり部品、インクペン軸、使い捨て注射器、ボトルなどが挙げられる。一実施態様では、本開示の組成物は、プラスチック、フィルム、繊維、およびシートとして有用である。一実施態様では、組成物は、ボトル、ボトル蓋、眼鏡フレーム、刃物類、使い捨て刃物類、刃物類の柄、棚、棚仕切り板、電子機器の筐体、電子機器ケース、コンピュータモニター、プリンター、キーボード、管、自動車部品、自動車内装部品、自動車装備品、看板、熱成形文字(thermoformed letters)、壁板、玩具、熱伝導性プラスチック、眼科用レンズ、工具、工具の柄、および家庭用品を製造するプラスチックとして有用である。別の実施態様では、本開示の組成物は、フィルム、シート、繊維、形成物品、成型物品、形成部品、成型部品、医療機器、歯科用トレイ、歯科用器具、容器、食品容器、輸送用容器、梱包品、ボトル、ボトル蓋、眼鏡フレーム、刃物類、使い捨て刃物類、刃物類の柄、棚、棚仕切り板、家具部品、電子機器筐体、電子機器ケース、コンピューターモニター、プリンター、キーボード、管、歯ブラシの柄、自動車部品、自動車内装部品、自動車装備品、看板、屋外看板、天窓、多壁層フィルム、多層フィルム、断熱部品、断熱物品、断熱容器、熱成形文字、壁板、玩具、玩具部品、トレイ、食品トレイ、歯科用トレイ、熱伝導性プラスチック、眼科用レンズおよび枠材、工具、工具の柄、および家庭用品、健康管理用品、市販の食品供給製品、箱、グラフィックアート用フィルム、プラスチックガラス積層板用プラスチックフィルム、購入ポイント表示部、天窓、排煙口、積層カード、窓割り(fenestration)、ガラス窓(glazing)、仕切り板、天井タイル、照明、機械防護板、グラフィックアート、レンズ、押出し積層シートまたはフィルム、装飾積層板、オフィス家具、フェイスシールド、医療用梱包材、表示棚の看板ホルダー、および棚の価格ホルダーとしての使用に適している。
【0122】
[00136]本開示の熱成形組成物または熱成形性組成物は、フィルム、形成物品、形成部品、成型物品、成型部品、およびシートを形成するのに有用である。熱成形組成物または熱成形性組成物を、フィルム、形成物品、形成部品、成型物品、成型部品、およびシートに製造する方法は、当技術分野で既知の任意の方法に従ってもよい。形成物品の例には、限定はされないが、医療機器、医療用梱包品、健康管理用品、トレイ、容器、食品皿、タンブラー、収納箱、ボトル、食品加工器、ミキシングボウルなどの市販の食品供給製品、家庭用品、水ボトル、野菜室トレイ、洗濯機部品、冷蔵庫部品、掃除機部品、眼科用レンズとフレーム、および玩具が含まれる。
【0123】
[00137]本開示はさらに、本明細書に記載のポリエステル組成物を含むフィルムおよび/またはシートを含む製造物品に関する。いくつかの実施態様では、本開示のフィルムおよび/またはシートは、意図された用途に必要とされる任意の厚さであってもよい。
【0124】
[00138]本開示はさらに、本明細書に説明のフィルムおよび/またはシートに関する。ポリエステル組成物をフィルムおよび/またはシートに形成する方法には、当技術分野で既知の任意の方法が含まれる。本開示のフィルムおよび/またはシートの例として、限定はされないが、押し出されたフィルムおよび/またはシート、圧延されたフィルムおよび/またはシート、圧縮成形されたフィルムおよび/またはシート、および溶液キャストされたフィルムおよび/またはシートが挙げられる。フィルムおよび/またはシートを作製する方法として、限定はされないが、押出し、圧延、圧縮成形、湿式ブロック加工、乾式ブロック加工、および溶液キャストが挙げられる。
【0125】
[00139]本開示はさらに、本明細書に説明の形成物品または成型物品に関する。ポリエステル組成物を形成物品または成型物品に成形する方法には、当技術分野で既知の任意の方法が含まれる。本開示の形成物品または成型物品の例として、限定はされないが、熱成形物品または熱成形性物品、射出成形物品、押出成形物品、射出ブロー成形物品、射出延伸ブロー成形物品、および押出ブロー成形物品が挙げられる。形成物品の製造方法には、限定はされないが、熱成形、射出成形、押出、射出ブロー成形、射出延伸ブロー成形、および押出ブロー成形が含まれる。本開示のプロセスは、当技術分野で既知の任意の熱成形プロセスを含んでもよい。本開示のプロセスには、限定はされないが、押出ブロー成形、押出延伸ブロー成形、射出ブロー成形、および射出延伸ブロー成形を含む、当技術分野で既知の任意のブロー成形プロセスを含んでもよい。
【0126】
[00140]本開示は、当技術分野で既知の任意の射出ブロー成形製造プロセスを含む。限定はされないが、射出ブロー成形(IBM)製造プロセスの典型的な説明として、1)往復スクリュー押出機中で組成物を溶融する工程、2)溶融組成物を射出成形金型に注入して、一端を閉じた部分的に冷却された管(すなわち予備成形物)を形成する工程、3)予備成形物を、予備成形物の周りに所望の最終形状を有するブロー金型内に移動して、予備成形物の周りのブロー金型を閉じる工程、4)予備成形物に空気を吹き込み、予備成形物を延伸・膨張させて金型を満たす工程、5)成形物品を冷却する工程、および6)金型から物品を取り出す工程を含む。
【0127】
[00141]本開示は、当技術分野で既知の任意の射出延伸ブロー成形製造プロセスを含む。限定はされないが、射出延伸ブロー成形(ISBM)製造プロセスの典型的な説明として、1)往復スクリュー押出機中で組成物を溶融する工程、2)溶融組成物を射出金型中に注入して、一端を閉じた部分的に冷却された管(すなわち予備成形物)を形成する工程、3)予備成形物を、予備成形物の周りに所望の最終形状を有するブロー金型内に移動して、予備成形物の周りのブロー金型を閉じる工程、4)内部延伸ロッドを使用して予備成形物を延伸し、予備成形物に空気を吹き込み、予備成形物を延伸・膨張させて金型を満たす工程、5)成形物品を冷却する工程、および6)金型から物品を取り出す工程を含む。
【0128】
[00142]本開示は、当技術分野で既知の任意の押出ブロー成形製造プロセスを含む。限定はされないが、押出ブロー成形製造プロセスの典型的な説明として、1)押出機中で組成物を溶融する工程、2)溶融組成物をダイを通して押し出して、溶融ポリマーの管(すなわちパリソン)を形成する工程、3)パリソンの周りに、所望の最終形状を有する金型を固定する工程、4)パリソン内に空気を吹き込んで、押出物を延伸・膨張させて金型を満たす工程、5)成形物品を冷却する工程、6)金型から物品を取り出す工程、および7)物品から余剰のプラスチック(一般にバリと呼ばれる)を取り除く工程を含む。
【0129】
[00143]本開示の別の側面では、再資源化共重合ポリエステルおよび/または再資源化ポリエステルから本開示のポリエステル樹脂を製造することが可能であることが判明した。
【0130】
[00144]本開示の一実施態様は、再資源化ポリエステルからポリエステル組成物を製造するプロセスであり、このプロセスは、
(a)テレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)ならびに再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む再資源化ポリエステルをペースト槽内に導入して、最高150℃の温度で撹拌および加熱してスラリーを生成する工程;
(b)ペースト槽のスラリーを第1の反応区域に送達する工程;
(c)第1の反応区域内に、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、またはジエチレングリコール(DEG)を含む少なくとも1種の追加のグリコールを導入し、必要に応じて総グリコール:TPAのモル比が1:1~4:1となるように追加のテレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)を、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で添加する工程;
(d)第1の反応区域内で、TPAおよびEGを少なくとも1種の追加のグリコールと少なくとも200℃の溶融温度で反応させて、オリゴマーおよび未反応のTPA、EG、ならびに追加のグリコールを含む第1のエステル化生成物を生成する工程;
(e)第1のエステル化生成物を第2の反応区域に送達する工程;
(f)第2の反応区域内で、第1のエステル化生成物および必要に応じて追加で添加されたグリコールを、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で少なくとも200℃の溶融温度でさらに反応させて、ポリエステルオリゴマーを含む第2のエステル化生成物を生成する工程;
(g)第2のエステル化生成物を第3の反応区域に送達する工程;および
(h)第3の反応区域内で、第2のエステル化生成物を必要に応じて重縮合触媒および/または安定剤の存在下で重縮合させて、ポリエステルを含む重合生成物を生成する工程を含む。
【0131】
[00145]本開示の一実施態様は、再資源化ポリエステルからポリエステル組成物を製造するプロセスであり、このプロセスは、
(a)テレフタル酸(TPA)またはそのエステルおよびエチレングリコール(EG)ならびに再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む再資源化ポリエステルをペースト槽内に導入して、最高150℃の温度で撹拌および加熱してスラリーを生成する工程;
(b)ペースト槽のスラリーを第1の反応区域に送達する工程;
(c)第1の反応区域内に、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、またはジエチレングリコール(DEG)を含む少なくとも1種の追加のグリコールを導入し、必要に応じて再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加し、かつ必要に応じて総グリコール:TPAのモル比が1:1~4:1となるように追加のテレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)を、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で添加する工程;
(d)第1の反応区域内で、TPAおよびEGを少なくとも1種の追加のグリコールと少なくとも200℃の溶融温度で反応させて、オリゴマーおよび未反応のTPA、EG、ならびに追加のグリコールを含む第1のエステル化生成物を生成する工程;
(e)第1のエステル化生成物を第2の反応区域に送達する工程;
(f)第2の反応区域内で、必要に応じてCHDM、NPG、またはDEGのうちの1種以上を含む追加のグリコールおよび/または再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加して、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で少なくとも200℃の溶融温度で第1のエステル化生成物をさらに反応させて、ポリエステルオリゴマーを含む第2のエステル化生成物を生成する工程;
(g)第2のエステル化生成物を第3の反応区域に送達する工程;および
(h)第3の反応区域内で、必要に応じて重縮合触媒および/または安定剤の存在下で第2のエステル化生成物を重縮合させて、ポリエステルを含む重合生成物を生成する工程を含む。
【0132】
[00146]本開示の一実施態様は、再資源化ポリエステルからポリエステル組成物を製造するプロセスであり、このプロセスは、
(a)テレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)ならびに再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む再資源化ポリエステルをペースト槽内に導入して、最高150℃の温度で撹拌および加熱してスラリーを生成する工程;
(b)ペースト槽のスラリーを第1の反応区域に送達する工程;
(c)第1の反応区域内に、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、またはジエチレングリコール(DEG)を含む少なくとも1種の追加のグリコールを導入し、必要に応じて再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加し、かつ必要に応じて総グリコール:TPAのモル比が1:1~4:1となるように追加のテレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)を、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で添加する工程;
(d)第1の反応区域内で、TPAおよびEGを少なくとも1種の追加のグリコールと少なくとも200℃の溶融温度で反応させて、オリゴマーおよび未反応のTPA、EG、ならびに追加のグリコールを含む第1のエステル化生成物を生成する工程;
(e)第1のエステル化生成物を第2の反応区域に送達する工程;
(f)第2の反応区域内で、必要に応じてCHDM、NPG、またはDEGのうちの1種以上を含む追加のグリコールおよび/または再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加して、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で少なくとも200℃の溶融温度で第1のエステル化生成物をさらに反応させて、ポリエステルオリゴマーを含む第2のエステル化生成物を生成する工程;
(g)第2のエステル化生成物を第3の反応区域に送達する工程;および
(h)第3の反応区域内で、必要に応じて再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加して、必要に応じて重縮合触媒および/または安定剤の存在下で第2のエステル化生成物を重縮合させて、ポリエステルを含む重合生成物を生成する工程を含む。
【0133】
[00147]本開示の一実施態様は、再資源化ポリエステルからポリエステル組成物を製造するプロセスであり、このプロセスは、
(a)テレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)をペースト槽内に導入して、最高150℃の温度で撹拌および加熱してスラリーを生成する工程;
(b)ペースト槽のスラリーを第1の反応区域に送達する工程;
(c)第1の反応区域内に、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、またはジエチレングリコール(DEG)を含む少なくとも1種の追加のグリコールを導入し、再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む再資源化ポリエステルを添加し、かつ必要に応じて総グリコール:TPAのモル比が1:1~4:1となるように追加のテレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)を、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で添加する工程;
(d)第1の反応区域内で、TPAおよびEGを少なくとも1種の追加のグリコールと少なくとも175℃の溶融温度で反応させて、オリゴマーおよび未反応のTPA、EG、ならびに追加のグリコールを含む第1のエステル化生成物を生成する工程;
(e)第1のエステル化生成物を第2の反応区域に送達する工程;
(f)第2の反応区域内で、必要に応じてCHDM、NPG、またはDEGのうちの1種以上を含む追加のグリコールおよび/または再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加して、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で少なくとも200℃の溶融温度で第1のエステル化生成物をさらに反応させて、ポリエステルオリゴマーを含む第2のエステル化生成物を生成する工程;
(g)第2のエステル化生成物を第3の反応区域に送達する工程;および
(h)第3の反応区域内で、必要に応じて再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加して、必要に応じて重縮合触媒および/または安定剤の存在下で第2のエステル化生成物を重縮合させて、ポリエステルを含む重合生成物を生成する工程を含む。
【0134】
[00148]本開示の一実施態様は、再資源化ポリエステルからポリエステル組成物を製造するプロセスであり、このプロセスは、
(a)テレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)ならびに再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む再資源化ポリエステルをペースト槽内に導入して、最高150℃の温度で撹拌および加熱してスラリーを生成する工程;
(b)ペースト槽のスラリーを第1の反応区域に送達する工程;
(c)第1の反応区域内に、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、またはジエチレングリコール(DEG)を含む少なくとも1種の追加のグリコールを導入し、再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む再資源化ポリエステルを添加し、かつ必要に応じて総グリコール:TPAのモル比が1:1~4:1となるように追加のテレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)を、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で添加する工程;
(d)第1の反応区域内で、TPAおよびEGを少なくとも1種の追加のグリコールと少なくとも200℃の溶融温度で反応させて、オリゴマーおよび未反応のTPA、EG、ならびに追加のグリコールを含む第1のエステル化生成物を生成する工程;
(e)第1のエステル化生成物を第2の反応区域に送達する工程;
(f)第2の反応区域内で、CHDM、NPG、またはDEGのうちの1種以上を含む追加のグリコールおよび/または再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加して、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で少なくとも200℃の溶融温度で第1のエステル化生成物をさらに反応させて、ポリエステルオリゴマーを含む第2のエステル化生成物を生成する工程;
(g)第2のエステル化生成物を第3の反応区域に送達する工程;および
(h)第3の反応区域内で、必要に応じて再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加して、必要に応じて重縮合触媒および/または安定剤の存在下で第2のエステル化生成物を重縮合させて、ポリエステルを含む重合生成物を生成する工程を含む。
【0135】
[00149]本開示の一実施態様は、再資源化ポリエステルからポリエステル組成物を製造するプロセスであり、このプロセスは、
(a)テレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)ならびに再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む再資源化ポリエステルをペースト槽内に導入して、最高150℃の温度で撹拌および加熱してスラリーを生成する工程;
(b)ペースト槽のスラリーを第1の反応区域に送達する工程;
(c)第1の反応区域内に、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、またはジエチレングリコール(DEG)を含む少なくとも1種の追加のグリコールを導入し、必要に応じて追加の再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGを添加し、かつ必要に応じて総グリコール:TPAのモル比が1:1~4:1となるようにテレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)を、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で添加する工程;
(d)第1の反応区域内で、TPAおよびEGを少なくとも1種の追加のグリコールと少なくとも200℃の溶融温度で反応させて、オリゴマーおよび未反応のTPA、EG、ならびに追加のグリコールを含む第1のエステル化生成物を生成する工程;
(e)第1のエステル化生成物を第2の反応区域に送達する工程;
(f)第2の反応区域内で、必要に応じてCHDM、NPG、またはDEGのうちの1種以上を含む追加のグリコールおよび/または再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加して、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で少なくとも200℃の溶融温度で第1のエステル化生成物をさらに反応させて、ポリエステルオリゴマーを含む第2のエステル化生成物を生成する工程;
(g)第2のエステル化生成物を第3の反応区域に送達する工程;および
(h)第3の反応区域内で、再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加して、必要に応じて重縮合触媒および/または安定剤の存在下で第2のエステル化生成物を重縮合させて、ポリエステルを含む重合生成物を生成する工程を含む。
【0136】
[00150]本開示の一実施態様は、再資源化ポリエステルからポリエステル組成物を製造するプロセスであり、このプロセスは、
(a)テレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)ならびに再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む再資源化ポリエステルをペースト槽内に導入して、最高150℃の温度で撹拌および加熱してスラリーを生成する工程;
(b)ペースト槽のスラリーを第1の反応区域に送達する工程;
(c)第1の反応区域内に、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、またはジエチレングリコール(DEG)を含む少なくとも1種の追加のグリコールを導入し、追加の再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGを添加し、かつ必要に応じて総グリコール:TPAのモル比が1:1~4:1となるようにテレフタル酸(TPA)およびエチレングリコール(EG)を、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で添加する工程;
(d)第1の反応区域内で、TPAおよびEGを少なくとも1種の追加のグリコールと少なくとも200℃の溶融温度で反応させて、オリゴマーおよび未反応のTPA、EG、ならびに追加のグリコールを含む第1のエステル化生成物を生成する工程;
(e)第1のエステル化生成物を第2の反応区域に送達する工程;
(f)第2の反応区域内で、必要に応じてCHDM、NPG、またはDEGのうちの1種以上を含む追加のグリコールおよび/または再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加して、必要に応じてエステル化触媒および/または安定剤の存在下で少なくとも200℃の溶融温度で第1のエステル化生成物をさらに反応させて、ポリエステルオリゴマーを含む第2のエステル化生成物を生成する工程;
(g)第2のエステル化生成物を第3の反応区域に送達する工程;および
(h)第3の反応区域内で、再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PCT、再資源化PCTA、または再資源化PCTGのうちの1種以上を含む追加の再資源化ポリエステルを添加して、必要に応じて重縮合触媒および/または安定剤の存在下で第2のエステル化生成物を重縮合させて、ポリエステルを含む重合生成物を生成する工程を含む。
【0137】
[00151]一実施態様では、再資源化ポリエステルおよび/または共重合ポリエステルは、製造屑あるいは産業廃棄物または消費後の再資源化(PCR)廃棄物として回収してもよい。典型的には、PCRまたは再資源化廃棄物は、使用されかつ廃棄されたポリエステルまたは共重合ポリエステルから製造された物品である。現在ではPETは機械的方法で再資源化され、未使用材料との混合物として新規のPETボトルおよびその他のPET物品中に組み込まれている。
【0138】
[00152]再資源化含量を有する共重合ポリエステルおよび再資源化含量から製造された共重合ポリエステルは、ジカルボン酸モノマー残基、ジオールまたはグリコールモノマー残基、および繰返し単位を含む。従って、本明細書で使用される用語「モノマー残基」は、ジカルボン酸、ジオールもしくはグリコール、またはヒドロキシカルボン酸の各残基を意味する。本明細書で使用される「繰返し単位」とは、カルボニルオキシ基を介して結合した2つのモノマー残基を有する有機構造を意味する。本開示の共重合ポリエステルは、繰返し単位の総モル数が100モル%に等しくなるように、実質的に等しい比率で反応する酸残基(100モル%)およびグリコール残基(100モル%)を含有する。従って本開示で示されるモル%は、酸残基の総モル数、グリコール残基の総モル数、または繰返し単位の総モル数を基準としてもよい。例えば、総繰返し単位を基準としてジカルボン酸、グリコール、またはヒドロキシカルボン酸であり得る30モル%のモノマーを含む共重合ポリエステルは、共重合ポリエステルが100モル%の総繰返し単位のうちに30モル%のモノマーを含むことを意味する。従って、100モルの繰返し単位ごとに30モルのモノマー残基が存在することになる。同様に、総酸残基を基準として30モル%のジカルボン酸モノマーを含む共重合ポリエステルは、ポリエステルが100モル%の総酸残基のうちに30モル%のジカルボン酸モノマーを含むことを意味する。従ってこの後者の場合には、100モルの酸残基ごとに30モルのジカルボン酸モノマー残基が存在することになる。
【0139】
[00153]本明細書で使用される用語「ポリエステル」は、「ホモポリマー」と「ホモポリエステル」の両方および「共重合ポリエステル」を包含し、1つ以上の二官能性カルボン酸を含む少なくとも1種の二酸成分と、1つ以上の二官能性ヒドロキシル化合物を含む少なくとも1種のグリコール成分との重縮合によって調製された合成ポリマーを意味する。本明細書で使用される用語「共重合ポリエステル」は、少なくとも3種の異なるモノマーの重縮合、例えばジカルボン酸と2種以上のグリコール、または別の例ではジオールと2種以上の異なるジカルボン酸の重縮合から形成されるポリエステルを意味することを意図する。典型的には、二官能性カルボン酸はジカルボン酸であり、二官能性ヒドロキシル化合物は、例えばグリコールおよびジオールなどの二価アルコールである。あるいは二官能性カルボン酸は、例えばp-ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸であってもよく、二官能性ヒドロキシル化合物は、例えばヒドロキノンなどの2個のヒドロキシ置換基を有する芳香族核であってもよい。本明細書で使用される用語「残基」は、対応するモノマーを含む重縮合反応によってポリマーに組み込まれた任意の有機構造を意味する。ジカルボン酸残基は、ジカルボン酸モノマー、またはその関連する酸ハロゲン化物、エステル、塩、無水物、もしくはそれらの混合物に由来してもよい。例えば一実施態様では、本開示の共重合ポリエステルでは、二酸成分をテレフタル酸またはイソフタル酸として供給する。
【0140】
[00154]再資源化ポリエステルおよび/または共重合ポリエステルは、当該技術分野では既知の任意の重縮合反応条件を用いて共重合ポリエステルに再重合されてもよい。これらは、連続、半連続、およびバッチの各操作モードによって製造してもよく、様々な反応器の種類を利用してもよい。適切な反応器の種類の例としては、限定はされないが、攪拌槽、連続攪拌槽、スラリー型、管状型、拭取り膜型、落下膜型、または押出型の各反応器が挙げられる。本明細書で使用される用語「連続」は、反応物が導入されかつ生成物が中断されない方式で同時に取り出されるプロセスを意味する。このプロセスは、経済的な理由のために連続プロセスとして有益に運転され、かつ長過ぎる期間に亘って高温に反応器内に滞在させると共重合ポリエステルが外観の劣化を引き起こす可能性があるので、優れた色調のポリマーを製造するように運転される。
【0141】
[00155]本開示の共重合ポリエステルは、当業者に既知の手順によって調製される。ジオール成分とジカルボン酸成分の反応は、従来からの共重合ポリエステル重合条件を用いて実施してもよい。例えば、ジカルボン酸成分のエステル形態からエステル交換反応によって共重合ポリエステルを調製する場合には、反応プロセスは2つの工程を含んでもよい。第1の工程では、ジオール成分と例えばテレフタル酸などのジカルボン酸成分とを、約150℃~約250℃の高温で約0.5~約8時間に亘って約0.0kPa大気圧基準~約414kPa大気圧基準(60ポンド/平方インチ、「psig」)の範囲の圧力で反応させる。エステル交換反応の温度は、約1時間~約4時間に亘って約180℃~約230℃の範囲であり、圧力は約103kPa大気圧基準(15psig)~約276kPa大気圧基準(40psig)の範囲である。その後にこの反応生成物をより高い温度かつ減圧下で加熱してジオールを排除して共重合ポリエステルを生成し、この際ジオールはこの条件で容易に揮発しシステムから排除される。
【0142】
[00156]この第2の工程すなわち重縮合工程は、より高い真空下でかつ一般的に約230℃~約350℃、または約250℃~約310℃、または約260℃~約290℃の範囲の温度で、約0.1~約6時間、または約0.2~約2時間に亘って、固有粘度により決定される所望の重合度を有するポリマーが得られるまで継続させる。重縮合工程は、約53kPa(400torr)~約0.013kPa(0.1torr)の範囲の減圧下で実施してもよい。攪拌条件または適切な条件を両方の段階に用いて、反応混合物の十分な熱伝達および表面の再生、かつ水、過剰なグリコール、またはアルコールの排除を確実にして反応および重合を促進する。両段階での反応速度を、例えばアルコキシチタン化合物、アルカリ金属水酸化物、およびアルコラート、有機カルボン酸塩、アルキルスズ化合物、金属酸化物などの適切な触媒によって上昇させる。特に酸とエステルの混合モノマー原料を用いる場合には、米国特許第5,290,631号に記載の製造手順と類似の3段階の製造手順をさらに使用してもよい。
【0143】
[00157]エステル交換反応によるジオール成分とジカルボン酸成分の反応の完結を確実にするために、1モルのジカルボン酸成分に対して約1.05~約2.5モルのジオール成分を用いて、その後の工程で過剰のグリコールを除去することが望ましい場合がある。しかし当業者なら、ジオール成分対ジカルボン酸成分の比率を一般的に反応工程が起こる反応器の設計によって決定することが分かっている。
【0144】
[00158]例えばジカルボン酸成分の酸形態からの直接エステル化による共重合ポリエステルの調製では、共重合ポリエステルを、ジカルボン酸またはジカルボン酸の混合物をグリコール成分またはグリコール成分の混合物と反応させて製造する。この反応を、約7kPa大気圧基準(1psig)~約1379kPa大気圧基準(200psig)、または689kPa(100psig)未満の圧力で実施して、約1.4~約10の平均重合度を有する低分子量かつ直鎖状または分岐状の共重合ポリエステル製品を生成する。直接エステル化反応中に用いられる温度は、約180℃~約280℃、または約220℃~約270℃である。この低分子量ポリマーを、重縮合反応によってさらに重合させてもよい。
【0145】
[00159]実施態様によっては、適切なグリコールには、限定はされないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、p-キシレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオール、ポリテトラメチレングリコール、イソソルビド、またはその混合物が含まれる。
【0146】
[00160]実施態様によっては、以下に示す二酸を含む共重合ポリエステルが、再重合プロセス、あるいは再資源化含量を有する新規の共重合ポリエステルを製造する重合プロセスでの使用に適している:テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸無水物(またはトリメリット酸)、ナフタレンジカルボン酸、および1,4-シクロヘキサンジカルボン酸。
【0147】
[00161]実施態様によっては、重合プロセス、あるいは再資源化含量を有する新規の共重合ポリエステルを製造する重合プロセスでの使用に適しているのは以下に示すグリコールを含む共重合ポリエステルである:エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、p-キシレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオール、ポリテトラメチレングリコール、イソソルビド、またはその混合物。
【0148】
[00162]一実施態様では、テレフタル酸ポリエステルおよび/または共重合ポリエステルを含む再資源化廃棄材料を再重合工程で用いてもよい。一実施態様では、任意の従来法で調製されたテレフタレートポリエステルまたは共重合ポリエステルを再重合工程で用いてもよい。一実施態様では、適切なテレフタル酸ポリエステルおよび/または共重合ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、グリコール変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCTG)、酸変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、TMCD変性ポリエチレンテレフタレート(PETM)、TMCD変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCTM)、およびそれらの混合物が挙げられる。一実施態様では、テレフタル酸ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。一実施態様では、共重合ポリエステルはPETGである。一実施態様では、共重合ポリエステルはPCTである。一実施態様では、共重合ポリエステルはPCTGである。一実施態様では、共重合ポリエステルはPCTAである。一実施態様では、共重合ポリエステルはPCTMである。一実施態様では、共重合ポリエステルはPETMである。
【0149】
[00163]一実施態様では、テレフタレートポリエステルと共重合ポリエステルの混合物を、共に組合せて再重合する。一実施態様では、PETとPETGを共に組合せて再重合する。一実施態様では、PETとPETMを共に組合せて再重合する。一実施態様では、PETとPCTを共に組合せて再重合する。一実施態様では、PETとPCTAを共に組合せて再重合する。一実施態様では、PETとPCTGを共に組合せて再重合する。一実施態様では、PETとPCTMを共に組合せて再重合する。一実施態様では、PETとPETGとPETMを共に組合せて再重合する。一実施態様では、PETとPETGとPCTMを共に組合せて再重合する。一実施態様では、PET、PETG、PCTM、およびPETMを共に組合せて再重合する。
【0150】
[00164]一実施態様では、本開示での使用に適する共重合ポリエステルは、例えば、テレフタル酸ジメチル(DMT)、テレフタル酸(TPA)、イソフタル酸(IPA)1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、および2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)などのモノマーから調製される。
【0151】
[00165]本開示の一実施態様は、テレフタル酸含有ポリエステル(例えばPET)および/または共重合ポリエステル(例えばPETG)を含む屑または消費後のポリエステルを水またはアルコールまたはグリコールで再重合して、かつ再資源化モノマーを用いて高いモル%の再資源化モノマー残基を含む共重合ポリエステルを調製することにより得られる高濃度の再資源化含量を有する共重合ポリエステルの調製プロセスに関する。
【0152】
[00166]本開示の一側面では、グリコール成分および二酸成分を含む高分子量の共重合ポリエステルであり、グリコール成分は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール,プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、トランス-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,6-ヘキサンジオール、p-キシレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオール、ポリテトラメチレングリコール、アジピン酸、イソソルビド、およびそれらの混合物を含み、二酸成分は、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸、イソフタル酸(IPA)、トリメリット酸無水物(またはトリメリット酸)、5-スルホイソフタル酸(SIPA)の塩、ナフタレンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、およびそれらの混合物を含む。可逆的なエステル交換反応が起こり得る条件で、水、アルコール、または過剰グリコールなどの解重合助剤や溶媒を導入すると、加水分解、アルコール分解、またはグリコール分解(glycolysis)による解重合が起こり、ポリマーの鎖長(分子量)が減少する。十分な量の溶媒を用いると、混合物が主にモノマー、グリコール、および酸成分のジエステルからなる時点まで反応が進行する。一側面では、混合物のグリコールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、トランス-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,6-ヘキサンジオール、p-キシレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオール、ポリテトラメチレングリコール、アジピン酸、イソソルビド、およびそれらの混合物を含む。一実施態様では、混合物のグリコールは、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオール、およびそれらの混合物を含む。一実施態様では、混合物のグリコールは、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオール、およびそれらの混合物を含む。次いでこれらの再資源化モノマーを用いて、高モル%の再資源化モノマー残基を含有する共重合ポリエステルを調製できる。
【0153】
[00167]本発明は、再資源化ポリエチレンテレフタレート(PET)および再資源化グリコール変性ポリエチレンテレフタレート共重合ポリエステル(PETG)、特に消費後の廃棄物を、直鎖状の高分子量共重合ポリエステルの製造に利用するプロセスに関する。プラスチック物品中に多量の再資源化材料を使用する要望が高まっている。この再資源化含量に対する要望により、既存のプラスチック廃棄物の流れを取り込んでかつ新たなプラスチック製品に変換するための新規の方法およびプロセスを開発する必要性が生まれている。特にPETG廃棄物の再資源化には関心が集まっている。近年、再資源化グリコール変性PET(PETG)廃棄物を樹脂識別コード(RIC)1を有する再資源化ポリエチレンテレフタレート(PET)廃棄物から分離するための法律化が試みられているのは、これらの複合廃棄物の処理で問題が発生しているからである。さらに今日では再資源化されていない大量のPETGが存在しているが、これは回収して新たなプラスチック製品に転換できる可能性がある。特にPETGにより製造された収縮フィルムは、高品質の透明な再資源化PET(rPET)を製造するために、再資源化の流れで除去する必要があるインクやその他の汚染物質を含んでいる。さらに医療用包装材は、高い比率のPETGから製造されていて、この材料は現状では再資源化の流れに乗っていない。本発明は、収縮性フィルム、繊維、耐久消費財、およびその他の成型品や成型物などの押出成形品や射出成形品の製造に有用な共重合ポリエステルの製造において、再資源化PETGおよびPETに組み合わされた再資源化PETGを反応中間体として利用するプロセスを提供する。
【0154】
[00168]今日では、ポリエチレンテレフタレート(PET)物品が回収されかつ半結晶の再資源化PET(rPET)に変換され、さらに新たなプラスチック物品に組み込まれる、非常に明確に定義されたかつ大規模な機械的再資源化プロセスが存在する。PETを1,4-シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、またはネオペンチルグリコールなどの他のグリコールでグリコール変性することは、透明度を高め、強靭性を向上させ、かつPETの結晶化度を低下させるのに非常に一般的な方法である。これらのグリコール変性材料は、一般的にグリコール変性PETすなわちPETGと呼ばれる。これらの材料の化学組成はPETと非常に類似しているが、エチレングリコール以外のグリコールで変性すると、PETの再資源化プロセスで再資源化するのが困難な材料が生成される。これらのPETG材料を回収し再資源化するために、新規の方法を創出する必要がある。
【0155】
[00169]本開示に説明のプロセスでは、再資源化PETGを供給原料として使用して様々な新たな共重合ポリエステル樹脂を製造する。このプロセスでは、再資源化PETG(rPETG)を、エチレングリコールおよびテレフタル酸とともにペーストとして導入し、製造プロセスの初期にエステル交換反応器に供給して、新たな共重合ポリエステルを製造する。このプロセス中に、添加されたグリコールはrPETGをその元の酸残基とグリコール残基の出発材料に分解し、新たなグリコールと酸を添加して、次いでその混合物をエステル化かつ重合して新たな共重合ポリエステルを製造する。このプロセスには、生成される酸やグリコールをさらに精製する必要はなく、再資源化PETGを原料として使用できる利点がある。さらにこのプロセスは、現時点では機械的な再資源化の流れに乗らず、従ってゴミ処理地に埋設するしかないrPETGを使用する方法を提供するので価値がある。
【0156】
[00170]さらにrPETG(またはrPCTG、またはrPCTM、またはrPETM、またはrPCTA、またはrPCTG、またはrPCT)は、CHDM、TMCD、DEG、およびNPGなどのrPETには存在しない2価以上の高価モノマーを含む。このプロセスから製造されるPETG製品は、未使用のPETGと同じ性能を持ち、再資源化材料の添加によっていかなる性能も犠牲にすることなく全く同じ用途に使用できる。慣例的にはrPETGを未使用材料と混合して物理的に混合物を生成している。これらの混合物は、機械的特性に関して、あるいは色調や外観に関して性能を喪失することが多く、未使用材料と同じ用途に使用できない場合が多い。
【0157】
[00171]水および炭酸飲料のボトルを製造するための新たなPETの合成では、過去に使用された、特に消費後のPETを使用することが商業的に望ましくなっている。過去に使用されたポリエステル材料の再生および再資源化を容易にするためのいくつかの化学処理技術が知られている。このような技術を再資源化ポリエステル材料を解重合するために用いて、それによってポリエステル材料をモノマー成分および/またはオリゴマー成分に還元する。次いでモノマー成分および/またはオリゴマー成分を再重合して、再資源化ポリエステル材料を製造できる。
【0158】
[00172]1種の既知の解重合技術として、再資源化PETをメタノール分解に供する。メタノール分解の手法に従って、rPETをメタノールと反応させて、テレフタル酸ジメチル(DMT)とエチレングリコール(EG)を生成する。DMTとEGは容易に精製でき、その後に再資源化ポリエステル材料を含むPETの製造に使用できる。しかし世界中の従来からの大半の商業用PET製造施設は、いずれかのテレフタル酸(TPA)を使用するように設計されており、小規模であるがDMTを使用する施設もあるが、殆どの施設はモノマー原料としてTPAとDMTの両方を使用するようには設計されていない。従って一般的に、多くのそのような施設のための原材料として必要なTPAにDMTを変換するために追加の処理が必要とされ、いずれの場合にもグリコールおよびDMT/TPAのさらなる精製が必要となる。
【0159】
[00173]他の既知の解重合技術は加水分解であり、それによって再資源化PETを水と反応させてrPETをTPAとEGに解重合する。しかしながら、一般的に再資源化PETに存在するある種の汚染物質をTPAから除去することは非常に困難かつ高価であることが知られている。さらにDMTを原料として用いるように設計された施設では、TPAをDMTに転換する必要があり、グリコールおよびDMT/TPAの精製がさらに必要とされる。
【0160】
[00174]再資源化PETの解重合にはまた、グリコール分解を使用してもよい。グリコール分解は、rPETがEGと反応する際に起こり、それによりテレフタル酸ビス-(2-ヒドロキシエチル)(BHET)および/またはそのオリゴマーを生成する。グリコール分解には、メタノール分解や加水分解のいずれよりも大きな利点があり、それは主にBHETは、製造施設の大きな変更やさらなる精製なしに、DMT系PETまたはTPA系PETのいずれかの製造プロセスの原料として使用できるからである。グリコール分解技術が提供するもう一つの重要な利点は、解重合溶媒からグリコールを除去する必要性がないことにある。
【0161】
[00175]従来から既知のグリコール分解プロセスには、消費後のrPETの独立した完全なグリコール分解と、グリコール分解生成物の一部の重縮合プロセスへのその後の添加が含まれる。このグリコール分解プロセスは、米国特許第5,223,544号明細書に記載されている。このプロセスでは、高い圧力と大過剰のエチレングリコールが必要となる。これらの要件により、反応器の潜在的な生産能力が低下することによって、反応器効率が低下する。
【0162】
[00176]典型的には、これらのグリコール分解プロセスではポリエステル分子を可溶化にして、その結果としてその分子をBHETおよびそのオリゴマーなどのその構成部分に分解できるように、高温および大過剰のEGが必要であることが判明している。この高温と過剰なEGにより、副産物として大量のジエチレングリコールがもたらされる。このように生成されたジエチレングリコールは、BHETから容易に除去できないために、次いでBHETを用いて再生PETを製造する場合に、得られるPET製品は過度のジエチレングリコール含量を有することになり、多くの商業用途には受け入れ難いポリマーとなる。
【0163】
[00177]グリコール分解を含む他の既知のプロセスは、消費後のrPETが大半の溶媒に不溶であるので可溶化にするために、反応運転の最後に10を超える重合度を有するBHETオリゴマーの末端を反応器内に保持することが必要である。これらの手順は、米国特許第4,609,680号に記載されている。従って新たな包装材等級のPETの製造では、過去に使用された消費後のrPETを効率的に操作できるグリコール分解プロセスに対する必要性が、当技術分野では明らかに依然存在している。
【0164】
[00178]本開示は、上記に考察した問題に対する解決策を提供する。特に本開示のプロセスは、再資源化PET、再資源化PETG、再資源化PETM、および再資源化PCTM、またはこれら材料の混合物を含む再資源化ポリエステルおよび/または再資源化共重合ポリエステルを利用して、包装材等級のポリエステル製品を製造するための効率的かつ経済的な手順を提供する。
【0165】
[00179]一実施態様では、混錬区域内の材料の粘度および混錬区域で生じる材料の粘度は、rPET単独に比較してrPETG(およびrPCTMまたはrPETとのその混合物)によって大幅に低下する。一実施態様では、TPAは、EG単独中よりもrPET中で速く溶解する。一実施態様では、TPAは、rPETG、rPETM、またはrPCTM中でさらに速く溶解できる。
【0166】
[00180]一実施態様では、TPAを再資源化ポリエステルまたは共重合ポリエステルで完全に置換する。
[00181]一実施態様では、最終ポリエステル製品の組成制御は、再資源化供給物と第1反応区域に添加される成分との組合せによって行われる。
【0167】
[00182]本開示の一実施態様では、共重合ポリエステルは、2つの主要な段階で製造される。第1段階では、出発材料を反応させてモノマーおよび/またはオリゴマーを生成する。第1段階に入る出発材料がTPAまたはイソフタル酸などの酸末端基を含む場合に、第1段階はエステル化と呼ばれる。エステル化段階は、単一の工程であってもよく、複数の工程に分けてもよい。第2段階では、モノマーおよび/またはオリゴマーをさらに反応させて最終的な共重合ポリエステル製品を生成する。第2段階は一般的に重縮合段階と呼ばれる。重縮合段階は、単一の工程であってもよく、予備重縮合(または予備重合)工程と最終(または仕上げ)重縮合工程とに分けてもよい。
【0168】
[00183]図6は、本開示の様々な実施態様に従ってポリエステルまたはPETGなどの共重合ポリエステルを製造するプロセスの流れ図である。この流れ図(図6)は、反応区域を、典型的には連続攪拌タンク反応器(CSTR)である別々の容器として示しているが、これら容器は、適切な仕切りおよび制御部を備える複数のエステル化区域を有する一体型ユニットであってもよい。同様に、反応区域は典型的には拭取り膜型または薄膜型のCSTRである別々の容器として示されるが、これら容器は、適切な仕切りおよび制御部を備える複数の重縮合区域を有する1つ以上の一体型ユニットに組み合わされてもよい。様々な他の種類のエステル化反応器および重縮合反応器ならびに反応器配置が当技術分野では既知であり、本開示に従う使用に適合させてもよい。
【0169】
[00184]図6を参照すると、一実施態様では、2:1のモル比のEGとTPAを再資源化共重合ポリエステルおよび/またはポリエステルとともに構成するペーストを、ペースト槽と表示される位置に供給する。追加のEGを第1の反応区域または反応器1に供給し、CHDM、TMCD、NPG、およびDEGなどの他のグリコールをまた、同じ位置で共重合ポリエステルの目標の最終組成に基づいて第1の反応区域に供給してもよく、必要に応じて追加の再資源化材料をまた添加してもよい。一実施態様では、これらの原料は、別々におよび/または直接的に第1の反応区域内に添加してもよい。実施態様によっては、再資源化共重合ポリエステルおよび/またはポリエステルを、ペースト槽、区域#1、区域#2、または仕上げ区域のうちの少なくとも1つの位置に供給される。実施態様によっては、再資源化共重合ポリエステルおよび/またはポリエステルを、ペースト槽、区域#1、区域#2、または仕上げ区域のうちの1つ以上の位置に供給される。
【0170】
[00185]第1の反応区域内の反応混合物を、熱交換器を含むリサイクルループを介して加熱する。第1の反応区域でエステル化が起こり、共重合ポリエステルのモノマー、オリゴマー、またはその両方、および未反応のTPA、EG、およびCHDM、TMCD、NPG、またはDEGなどの他のグリコールを含む第1のエステル化生成物が生成される。次いで第1の反応区域の反応生成物を第2の反応区域に送達する。第2の反応区域でさらなるエステル化が起こり、追加の共重合ポリエステルのモノマー、オリゴマー、またはその両方を含む第2のエステル化生成物が形成される。
【0171】
[00186]実施態様によっては、エステル化段階が終了したモノマーおよび/またはオリゴマーの平均鎖長は、25未満、1~20、または5~15であってもよい。
[00187]一実施態様では、第2の反応区域は任意である。実施態様によっては、生成物を第1の反応区域から第3の反応区域に送達する。
【0172】
[00188]次いで、第2の反応区域の反応生成物を第3の反応区域に送達する。実施態様によっては、重縮合が必要に応じて重縮合触媒の存在下で第3の反応区域内で起こり、共重合ポリエステルオリゴマーを含む予備重合生成物が生成される。実施態様によっては、重縮合が重縮合触媒を必要とせずに第3の反応区域内で起こり、共重合ポリエステルオリゴマーを含む予備重合生成物が生成される。実施態様によっては、再資源化共重合ポリエステルおよびポリエステルに残存する触媒残基は、重縮合触媒として作用するには十分である。実施態様によっては、第3の反応区域では、エステル化段階からのモノマーを、2~40、5~35、または10~30の範囲の平均鎖長を有するオリゴマーに転換する。
【0173】
[00189]次いで、予備重合生成物を1つ以上の反応区域または仕上げ区域に送達する。さらなる重縮合が必要に応じて重縮合触媒の存在下で仕上げ区域内で起こり、所望の平均鎖長またはIVを有する共重合ポリエステルが生成される。次いで共重合ポリエステルを仕上げ区域から回収して、水中ペレット製造機に連結された押出機を介してペレットに生成するなどの後続の処理を実施する。
【0174】
[00190]一実施態様では、混練槽内の温度は120~180℃である。
[00191]一実施態様では、グリコール分解およびエステル交換区域での温度は200~300℃である。
【0175】
[00192]一実施態様では、反応工程は、少なくとも253℃、少なくとも255℃、または少なくとも257℃の溶融温度で実施される。一実施態様では、さらにまたはあるいは、反応工程は、290℃以下、285℃以下、280℃以下、275℃以下、270℃以下、または265℃以下の溶融温度で実施される。種々の実施態様では、反応工程は、250~270℃、または257~265℃の溶融温度で実施される。
【0176】
[00193]一実施態様では、反応工程は、25~40psi、または30~40psigの圧力で実施される。
[00194]一実施態様では、エステル化工程は、少なくとも253℃、少なくとも255℃、または少なくとも257℃の溶融温度で実施される。一実施態様では、さらにまたはあるいは、エステル化工程は、290℃以下、285℃以下、280℃以下、275℃以下、270℃以下、または265℃以下の溶融温度で実施される。種々の実施態様では、エステル化工程は、250~270oC、または257~265oCの溶融温度で実施される。
【0177】
[00195]一実施態様では、エステル化工程(d)は8~20psigの圧力で実施される。
[00196]一実施態様では、反応工程での反応物の平均滞留時間は、2時間以下、1.75時間以下、1.5時間以下、1.25時間以下、1時間以下、または0.75時間以下である。種々の実施態様では、反応工程での反応物の平均滞留時間は、30分~40分である。
【0178】
[00197]一実施態様では、エステル化工程での反応物の平均滞留時間は、2時間以下、1.75時間以下、1.5時間以下、1.25時間以下、1時間以下、または0.75時間以下である。種々の実施態様では、エステル化工程(d)での反応物の平均滞留時間は、30~40分である。
【0179】
[00198]種々の実施態様では、プロセスに導入されるEG:TPAの全体モル比は、2.3:1~3.0:1の範囲である。
[00199]種々の実施態様では、プロセスに導入されるEG:TPAの全体モル比は、2.3:1~2.71:1の範囲である。
【0180】
[00200]第1の反応区域での反応工程の温度、圧力、および平均滞留時間は、上述の通りである。
[00201]種々の実施態様では、第1の反応区域での反応工程は、250~270oCの溶融温度および25~40psiの圧力で実施される。
【0181】
[00202]種々の実施態様では、第1の反応区域での反応工程は、257~265oCの溶融温度および30~40psiの圧力で実施される。
[00203]第2の反応区域でのエステル化工程の温度、圧力、および平均滞留時間は、上述の通りであってもよい。
【0182】
[00204]種々の実施態様では、第2の反応区域でのエステル化工程は、250~270oCの溶融温度および8~20psiの圧力で実施される。
[00205]種々の実施態様では、第2の反応区域でのエステル化工程は、257~265oCの溶融温度および8~20psiの圧力で実施される。
【0183】
[00206]本開示のプロセスで有用な重縮合触媒は、特に限定はされない。このような触媒の例としては、チタン系化合物、アンチモン系化合物、およびゲルマニウム系化合物が挙げられる。チタン触媒は、非常に効率的であり、低触媒濃度で速い重縮合速度を提供する。重縮合触媒は、エステル化段階中または重縮合段階中のいずれかで添加してもよい。一実施態様では、それら触媒は供給材料とともに第1反応区域に添加される。一実施態様では、触媒は共重合ポリエステルの重量を基準にして1~500ppmの範囲で添加される。一実施態様でチタンの場合には、触媒は共重合ポリエステルの重量を基準にして1~50ppmの範囲で添加されてもよい。
【0184】
[00207]一実施態様では、触媒の選択は、再資源化原料に由来する触媒によって影響を受ける。特定の触媒の利点は、原料からの触媒と、第1の反応区域および第2の反応区域に添加される触媒との組合せによって達成される。rPETから得られる可能性が高い触媒は、Sb、Li/Alを含む。rPETGから得られる触媒は、Ti、Co、Ge、およびSbである可能性がある。rPETMおよびrPCTMから得られる触媒はCoを含む。
【0185】
[00208]実施態様によっては、熱安定性を向上させるために、触媒とともにリン化合物が添加されることが多い。熱安定剤として有用なリン化合物には、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、亜ホスホン酸、およびそれらの種々のエステルおよび塩が含まれる。エステルは、アルキル、分岐アルキル、置換アルキル、二官能性アルキル、アルキルエーテル、アリール、および置換アリールであってもよい。実施態様によっては、適切な熱安定剤には、リン酸トリフェニルであるMerpol Aが挙げられる。一実施態様では、リンは、共重合ポリエステルの重量を基準にして10~100ppmの範囲で添加される。
【0186】
[00209]種々の実施態様では、1つ以上のその他の添加剤を、プロセス内の1つ以上の位置で、出発材料、共重合ポリエステル、および/または共重合ポリエステルモノマー/オリゴマーに添加してもよい。種々の実施態様では、適切な添加剤として、例えば、トリメリット酸無水物、トリメチロールプロパン、ピロメリット酸二無水物、ペンタエリスリトール、または他の多酸もしくはポリオールなどの三官能性または四官能性共モノマー;架橋剤または他の分岐剤;着色剤;トナー;顔料;カーボンブラック;ガラス繊維;充填剤;衝撃改良剤;抗酸化剤;紫外線吸収化合物;脱酸素化合物などが含まれる。
【0187】
[00210]本開示によるプロセスは、工業的規模での使用に特に適している。例えば、一実施態様では、それらプロセスは、ポリマーを500~30,000ポンド/時の速度で運転できる商業的生産ラインで実施してもよい。
【0188】
[00211]別の側面では、本開示は、本開示のプロセスから製造される共重合ポリエステルに関する。
[00212]さらに前述のプロセスによると、新たなポリエステル製品は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、および1,4-シクロヘキサンジメタノールジオール単位を含んでもよく、この1,4-シクロヘキサンジメタノール単位は全ジオール単位の最大約25モル%を占め、このジエチレングリコールは全ジオール単位の最大約15モル%を占める。この場合に、1,4-シクロヘキサンジメタノール単位およびジエチレングリコール単位は、第1の反応混合物中のエチレングリコール成分の一部に直接的に添加してもよく、消費後のポリエチレンテレフタレートまたはグリコール変性ポリエチレンテレフタレートの薄片材料の一部に由来してもよい。
【0189】
[00213]種々の実施態様では、共重合ポリエステルは、
(a)60~100モル%のテレフタル酸残基、イソフタル酸残基、またはそれらの混合物残基を含む二酸成分;および
(b)0~96.5モル%のエチレングリコール残基および3.5~100モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含むジオール成分を含み、
ここで、二酸成分は共重合ポリエステル中の100モル%の全二酸残基を基準とし、ジオール成分は共重合ポリエステル中の100モル%の全ジオール残基を基準とする。
【0190】
[00214]種々の実施態様では、共重合ポリエステルは、
(a)90~100モル%のテレフタル酸残基を含む二酸成分;および
(b)50~96.5モル%のエチレングリコール残基および3.5~50モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含むジオール成分を含み、
ここで、二酸成分は共重合ポリエステル中の100モル%の全二酸残基を基準とし、ジオール成分は共重合ポリエステル中の100モル%の全ジオール残基を基準とする。
【0191】
[00215]種々の実施態様では、共重合ポリエステルは、
(a)90~100モル%のテレフタル酸残基を含む二酸成分;および
(b)0~50モル%のエチレングリコール残基および50~100モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含むジオール成分を含み、
ここで、二酸成分は共重合ポリエステル中の100モル%の全二酸残基を基準とし、ジオール成分は共重合ポリエステル中の100モル%の全ジオール残基を基準とする。
【0192】
[00216]種々の実施態様では、共重合ポリエステルは、
(a)60~100モル%のテレフタル酸残基を含む二酸成分;および
(b)65~85モル%のエチレングリコールの残基および25~35モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含むジオール成分を含み、
ここで、二酸成分は共重合ポリエステル中の100モル%の全二酸残基を基準とし、ジオール成分は共重合ポリエステル中の100モル%の全ジオール残基を基準とする。
【0193】
[00217]種々の実施態様では、共重合ポリエステルの固有粘度は、0.4~1.5dL/gまたは0.5~1.2dL/gまたは0.6~0.9dL/gである。
[00218]他の種々の実施態様では、共重合ポリエステルは、
(a)100モル%のテレフタル酸残基、イソフタル酸残基、またはそれらの混合物残基を含む二酸成分;および
(b)0~96.5モル%のエチレングリコール残基、3.5~100モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および0~0.4モル%のトリメリット酸無水物残基を含むジオール成分を含み、
ここで、共重合ポリエステルの固有粘度(IV)は0.4~1.5dL/gであり、
全ての重量%は共重合ポリエステルの総重量を基準とし、および
二酸成分は共重合ポリエステル中の100モル%の全二酸残基を基準とし、ジオール成分は共重合ポリエステル中の100モル%の全ジオール残基を基準とする。
【0194】
[00219]一実施態様では、本開示は、本開示の収縮フィルムの実施態様のいずれかの収縮フィルムを含む製造物品または成型物品を含む。別の実施態様では、本開示は、本開示の配向フィルムの実施態様のいずれかの配向フィルムを含む製造物品または成型物品を含む。
【0195】
[00220]特定の実施態様では、本開示は、限定はされないが、容器、プラスチックボトル、ガラスボトル、梱包品、電池、高温充填容器、および/または工業製品または他の用途に適合する収縮フィルムを含む。一実施態様では、本開示は、限定されないが、容器、梱包品、プラスチックボトル、ガラスボトル、紙などの写真用基板、電池、高温充填容器、および/または工業製品または他の用途に適合する配向フィルムを含む。
【0196】
[00221]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、ラベルまたはスリーブに形成してもよい。次いで、ラベルまたはスリーブを、容器の壁、電池などの製造物品に、あるいはシートまたはフィルムの上に貼付してもよい。
【0197】
[00222]本開示の配向フィルムまたは収縮フィルムは、シート、フィルム、管、ボトルなどの成型物品に貼付でき、様々な包装用途に一般的に使用される。例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリ乳酸(PLA)などのポリマーから製造されたフィルムおよびシートは、プラスチック飲料容器または食品容器用の収縮ラベルの製造に頻繁に使用される。例えば、本開示の収縮フィルムは、多くの包装用途で使用でき、この用途では、成型物品に貼付される収縮フィルムは、優れた印刷適性、高い不透明性、優れた収縮力、優れた質感、および高い剛性などの特性を示す。
【0198】
[00223]収縮特性の改善ならびに靭性の改善の組合せにより、限定はされないが、容器、プラスチックボトル、ガラスボトル、包装品、電池、高温充填容器、および/または工業用品または他の用途に適合する収縮フィルムを含む、新たな商業的な選択肢を提供するはずである。
【0199】
[00224]さらに本開示の材料は、シートに押し出してもよく、このシートはさらに3次元物品に熱成形してもよい。本開示の材料は、成形品、フィルム、収縮性フィルム、配向フィルム、ブロー成形物品、およびブローフィルム物品に転換してもよい。
【0200】
[00225]本開示は、本明細書に記載の実施態様、特徴、特性、パラメータ、および/または範囲の任意の組合せおよび全ての組合せを含み、それら組合せを明確に考察しかつ開示する。すなわち、本開示の主題は、本明細書に記載する実施態様、特徴、特性、パラメータ、および/または範囲の任意の組合せによって規定できる。
【0201】
[00226]本開示の任意のプロセス/方法、装置、化合物、組成物、実施態様、または成分は、「含む」、「本質的にからなる」、または「からなる」、またはそれらの用語の変形である移行句によって修飾されてもよい。
【0202】
[00227]本明細書で使用される不定冠詞「a」および「an」は、文脈で明確に指示しない限り、1つ以上を意味する。同様に名詞の単数形は、文脈で明確に指示しない限り、その複数形を含み、その逆もまた同様である。
【0203】
[00228]精度を高くするように試みてはいるが、本明細書に記載の数値および範囲は、文脈で特に指示しない限り、近似値として考慮すべきである。これらの数値および範囲は、本開示によって得ようとする所望の特性、ならびに測定技術に見られる標準偏差に起因する変動に応じてその記載の数値から変動してもよい。さらに本明細書に記載の範囲は、記載の範囲内の全ての部分範囲および数値を含むことが意図されてかつ具体的に考察される。例えば、50~100の範囲は、60~90、70~80などの部分範囲を含む範囲内の全ての数値を含むことを意図している。
【0204】
[00229]実施例に報告された同一の特性またはパラメータの任意の2つの数値により、範囲を規定してもよい。それらの数値を、範囲を規定するために、最も近い千分の一、百分の一、十分の一、整数、十、百、または千の台に四捨五入してもよい。
【0205】
[00230]特許文献ならびに非特許文献を含む本明細書に引用された全ての文書の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。任意の組み込まれた主題が本明細書の任意の開示と矛盾する場合には、本明細書の開示が組み込まれた内容に対して優先するものとする。
【0206】
[00231]本開示を以下の実施例によってさらに説明できるが、当然のことであるが、これらの実施例は単に説明の目的で含まれていて、本開示の範囲を制限することを意図していない。特に指示の無い限り、部は重量部であり、温度はoC(摂氏)で示されるかあるいは室温であり、圧力は大気またはほぼ大気である。
【実施例
【0207】
[00232]本開示を、以下のその実施態様の例によってさらに説明するが、言うまでもなく、これらの例は単に説明を目的として含まれるものであり、特に指示の無い限り本開示の範囲を制限することを意図するものではない。
【0208】
比較例1
[00233]標準的なポリエステル収縮フィルム樹脂(試料SPR)の収縮フィルム特性を表1に示す(この標準樹脂は、Eastman Chemical社から市販されている)。この標準収縮フィルム樹脂を用いて作製された収縮フィルムを比較例#1とする。
【0209】
[00234]収縮特性を図2に示すが、収縮率は、主収縮方向(TD方向)および主収縮方向に直交する方向(MD方向)で60~95℃の温度範囲で測定される。歪み誘起結晶の融点は、延伸されたフィルムについて示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される(図1)。またペレット試料を170℃で2時間に亘ってオーブン中で結晶化させて、試料の結晶化度を評価できる。歪み誘起結晶の融点は、20℃/分の加熱速度で1回目の加熱により測定されるが、本開示に説明する樹脂は、典型的には、20℃/分の加熱速度によるDSC手順の2回目の加熱では測定できる結晶の融点を持たない。
【0210】
【表1】
【0211】
[00235]プラスチック再資源化業者協会(APR)は、材料が現状の再資源化プロセス(PET-CG-03)に適合しているか否かを測定する試験を構築した。この試験法を用いて、ラベル(最小重量:3重量%)およびボトルを、1/4~1/2インチの薄片寸法に粉砕した。次いでこのボトル薄片を、ラベルのない参照ボトル薄片とともに50:50で混合した。次に1.2%以下のPETがラベル付きで持ち越されることを許可する条件で、この試料を湿式分級した。この薄片を、0.3%のTriton X-100および1.0%の苛性アルカリで、88℃で15分間洗浄した。続いて薄片を全ての浮遊物質を取り除いた後に水で洗浄し、次いで濾過して余分な水を除去した。薄片を前回と同様に再度湿式分級した。続いて2ポンドの洗浄済み薄片を、洗浄済みの試料ごとにテフロン(登録商標)加工の焼成皿に入れ、この薄片を1.5インチの層の厚さになるまで追加した。薄片が入っている皿を、208℃の循環オーブン内に1時間半載置した。薄片を冷却して、次いで0.0625インチの開口部を備える篩いを通過させた。材料が篩いを通過するのなら、この材料は凝集しておらず、すなわち粗大化し過ぎて篩いを通過できないということではない。この試験に続いて、薄片の品質を確認するために押出/ペレット化かつ成形の各工程を実施した。
【0212】
[00236]表1に説明のフィルム試料は、このAPR試験を用いると1重量%超の塊状PET薄片を生じるので、PETの再資源化での使用が承認されることになる。従ってこの種の樹脂で作製されたラベルは、処理後のPET薄片の塊状化を排除するためにPET再資源化工程の前に取り除く必要がある。しかし本開示での結晶化可能なフィルムは再資源化プロセスに対してより適合性があり、かつPET薄片とともに再資源化できるので、この結晶化可能なフィルム組成物は再資源化プロセスにおいて利益を提供することになる。
【0213】
[00237]本開示に説明の結晶化可能な組成物は、再資源化プロセスに適合するように設計された。再資源化プロセスに適合させるために、結晶化可能なフィルムは、APR試験に説明されるように、208℃での乾燥工程中に「粘着性」にならないように設計されている。しかしこのフィルムはまた、収縮フィルムに対し典型的に要求される性能基準(高い最大収縮率、低値~負値のMD収縮率など)を満たす必要がある。これらの要件、すなわち再資源化性と優れた収縮特性の両方を満たすためには、ポリエステル組成物は非晶質である必要があり、すなわち、DSCでの毎分20℃の加熱速度による2回目の加熱を用いて測定した際に組成物は結晶性を含まないことが必要である。しかし延伸後に、最適化されたポリエステル樹脂組成物を用いて製造されたフィルムは、毎分20℃の加熱速度で操作するDSCを用いると、1回目の加熱中に測定される200℃超の広範囲の歪み誘起結晶の融解ピークを含む必要がある。この程度の歪み誘起結晶性であれば、再資源化PET薄片に伴う乾燥工程中の粘着性を防止できる。従って本開示の最適化されたポリエステル樹脂組成物は、非晶質ではあるが結晶化可能であると表現できる。
【0214】
[00238]以下の実施例はさらに、本開示のポリエステルを如何に製造しかつ評価できるかを示し、それらの実施例は純粋に例示的であることが意図され、かつその範囲を制限する意図はない。特に指示の無い限り、部は重量部であり、温度はoC(摂氏)で示されるかあるいは室温であり、圧力は大気またはほぼ大気である。
【0215】
[00239]本開示は、以下のその好ましい実施態様の例によってさらに説明できるが、当然のことであるが、これらの例は単に説明を目的として含まれるものであり、特に指示の無い限り本開示の範囲を制限することを意図するものではない。
【0216】
実施例1
[00240]これらの性能目標をより明確に理解するために、ポリエステルを製造する当業者に周知の手順を用いて、種々のCHDMおよびDEG含量で一連の共重合ポリエステルを製造した。合成後にこれら樹脂を粉末に粉砕し、加熱プレスを用いて10ミルのフィルム試料に圧縮した。次いで圧縮されたフィルムを、収縮フィルムの特性を測定できるようにBruckner社製のフィルム延伸機を用いて延伸した。粉砕試料を、結晶融点を測定できるように強制大気循環オーブンで170℃で2時間に亘って結晶化させた。この結晶化試料を、延伸後に存在する歪み誘起結晶の融解ピークに対する代理として使用した。表2に実験の詳細を纏める。また比較例1(フィルム#L-1/樹脂試料SPR)を、対照として作製して評価した。
【0217】
【表2】
【0218】
[00241]表2のデータは、24未満の非晶質モノマー含量(この場合にはDEG+CHDM)を有する樹脂試料は、熱処理後に200℃を超えて結晶の融解ピークを持つことを示している。次いでフィルム#L-5の組成物をより大きな反応器で増産して、市販の幅出し機で収縮フィルムを作製した。このフィルムの収縮特性を、比較例1(樹脂SPR)の試料とともに図3に示す。フィルムAの組成は、フィルム#L-5と同じであった。
【0219】
【表3】
【0220】
[00242]表3には試料SPRとフィルム試料Aとの比較を纏める。このデータから、フィルムA組成物は比較例#1と類似の形態では収縮しないことが分かる。最大収縮率(95℃での主収縮方向すなわちTDの収縮率)は、比較例#1よりも17%低くなっている。さらに主収縮方向に直交する方向の収縮率(MD収縮率)は、比較例#1に比較して、試料Aでは実際に正(7%)になっている。MD収縮率が正であることは好ましくない。
【0221】
実施例2
[00243]ネオペンチルグリコール(NPG)は、非晶質の共重合ポリエステル組成物を生成できる別のグリコールモノマーである。CHDMの代わりにNPGを添加することにより、MD収縮率を低下させることが可能であると考えられていた。この効果をさらに詳細に検討するために、CHDMの代わりにNPGを含む、組成が類似している別の樹脂試料を作製した。この新たな樹脂試料を,L-5の製造に使用した樹脂と混合して,モノマー置換の効果を検討した。これらの樹脂を10ミルのフィルムに押し出し、次いでBruckner社製のフィルム延伸機で延伸した。これらのフィルムの試験により、以下のような結果が得られた:CHDMの含量が8モル%未満の場合には、75℃でのMD収縮率は0%である;CHDMの含量をさらに低減すると、MD収縮率は負となり、収縮の代わりに膨張を示す。さらに非晶質モノマー含量の影響を確認した。表4に示す全ての試料は、23を超える非晶質モノマー含量を有する。続いて、これらの組成物の歪み誘起結晶の融点は200℃未満であった。この200℃未満の歪み誘起結晶の融点は、APR試験に合格するには低過ぎる。典型的には、APR試験に合格するには、歪み誘起結晶の融点は200℃超である必要がある。この検討から、200℃超の歪み誘起結晶の融点を確実にするには、非晶質モノマーをさらに低減させる必要があると判断された。また場合によっては、主収縮方向に直交する方向(MD方向)で最小の収縮率を有するフィルムの製造を確実にするには、CHDMの含量を10モル%未満にする必要がある。
【0222】
【表4】
【0223】
実施例3
[00244]次に一連の樹脂を製造し、2.5インチのDavis and Standard社製の押出機を用いて10ミルのフィルムに押し出し、延伸し、次いでそれらの収縮フィルム性能を評価して収縮特性および結晶化度を比較した。これらの樹脂組成物の詳細およびこれらの樹脂組成物から作製した収縮フィルムの性能を表5に示す。この解析から、75℃での低いMD収縮率と200℃を超える歪み誘起結晶の融点が得られる最適な樹脂組成物を設計した。この最適化された樹脂組成物は、10モル%のNPGと5モル%のCHDMと5モル%のDEGを含む。この場合にも、24モル%未満の非晶質モノマー含量を含む樹脂は、200℃以上の歪み誘起結晶の融点を有すると判断された。またCHDMモノマーの含量が10モル%未満である場合に、MD収縮率は最小となる。
【0224】
【表5】
【0225】
【表6】
【0226】
実施例4
[00245]次にこれらの樹脂のいくつかを、APRの実施要綱を模倣する凝集試験で試験し、凝集化に対する融点(Tm)の影響を評価した。凝集試験のパラメータは以下の通りである。
・1試料当たり約135gのPET薄片;およびその収縮状態にある約3.4gの収縮フィルム(薄片とともに2.5%のフィルム)。
・PET薄片およびフィルムをアルミ皿に入れて、1.5インチの深さにした。
・薄片を入れた皿を、強制大気循環オーブン中に208℃のオーブン温度で1.5時間載置した。
【0227】
[00246]これらの試験の結果を表7に説明する。
【0228】
【表7】
【0229】
比較例2
[00247]非晶質モノマー含量が20未満である(従ってDEG含量が12未満である)これらの組成物から製造したフィルムはまた、極めて強靭であった。これらのフィルムの靭性は、ASTM法D882を用いて測定される。300mm/分の引張速度で、さらに500mm/分の引張速度で300%を超える破断伸びを有するフィルムは強靭であると考えられる。
【0230】
[00248]その他のフィルム構造を用いて、これらの結晶化可能なポリエステル収縮フィルム樹脂を製造できる。例えば、フィルムのコアを1種の非晶質収縮フィルム樹脂(例えば比較例#1)で作製し、表皮を本開示の結晶化可能な収縮フィルム樹脂で作製するような多層フィルムを形成してもよい。この構造では、収縮フィルムの特性はコア層の特性に類似しているが、表皮は再資源化中に塊状化の量を低減し得る程度の結晶化度を示す。さらに種々の市販の樹脂組成物の混合物を作製して、反応器級樹脂の樹脂組成物を複製してもよい。いずれの場合でも、得られた収縮フィルムの性能を、収縮フィルム用途での有効性について評価する必要がある。これらの収縮フィルムの構成を表12に示す。これらのフィルムを、市販の幅出し機で製造し、これらの収縮フィルム用途での性能について評価した。
【0231】
[00249]標準試料E21、試料E12、試料SP、および試料SPRを評価した。評価した全ての標準試料は、Eastman Chemical社から市販されている。試料E226、試料E213、試料E2616は、共重合ポリエステルを製造する当業者には周知の手順を用いて試験室内で製造した。
【0232】
【表12】
【0233】
【表13】
【0234】
【表14】
【0235】
[00250]これらの混合物の実施例で分かるように、得られる収縮フィルムの特性の多くは、本開示の組成物の所望の特性を満たしている。しかしながら、フィルム実施例のうちの2種は75℃で大きなMD収縮率を有する。しかしこれらの実施例では、歪み誘起結晶の融点はより高くなる(235~240℃)。このより高い歪み誘起結晶の融点は、より高い融点が要求される用途では好都合であり得るが、これらの高い融点はより高いMD収縮率をもたらすので、特性のバランスをうまく取る必要がある。
試験の詳細
[00251]樹脂試料を60℃の除湿乾燥機中で乾燥させ、次いで混合して2種の異なるプロセスを用いてフィルムに押し出した。実験室規模の押出機プロセスでは、2.5インチのDavis and Standard社製の押出機を用いて、厚さが10ミル(250μm)のフィルムを押し出した。押出し後にフィルムを切断し,Bruckner社製のKaro 4幅出し機で,Tgより10~15℃高い温度で,約5:1の延伸比で50μmの最終厚さまで延伸した。商業的なプロセスでは、フィルムを、押し出されたフィルムが押出しの直後に延伸される商業的な幅出し工程で製造した。これらのフィルムは、実験規模のプロセスで製造したフィルムとほぼ同一の条件で、約5:1の延伸比で50μmの厚さまで延伸した。
【0236】
[00252]実験的規模の圧縮フィルムプロセスでは、樹脂を材料のTgより僅かに低い温度に設定したオーブン内で、真空で一晩(約12時間)乾燥する。乾燥後に8.00gの樹脂を秤量し、2枚の金属板の間に、板-カプトンフィルム-10ミル角の間隙調整板で囲まれた樹脂-カプトンフィルム-板の構成に従って配置した。この構成物をプレス機に挿入する前に、プレス機の圧盤を樹脂のTmより約100℃高い温度に加熱する。次いでプレス機の圧盤間に構成物を挿入し、樹脂が完全に溶融するように板に十分な力を掛ける。樹脂を3分間溶融させた後に、12,000psiまで1.5分間に亘って圧力を増大させる。次に「泡の突沸(bubble bump)」手順を実施する。すなわち12,000psiから0psiまでの圧力の解放かつ13,000psiまでの増大;直ぐに再度0psiまでの圧力の解放かつ14,000psiまでの増大;16,000psiを達成するまで1000psiの増分の繰返しかつ16,000psiの圧力の1.5分間の保持を実施する。その後に樹脂/板の構成物を、プレスから取り出しカミソリ刃を用いて間隙調整板から引き出す。その結果として、Bruckner社製の幅出し機での延伸に適する6×6角の10ミルのフィルムとなる。
【0237】
[00253]押し出されたフィルム組成物のグリコール含量を、NMRによって測定した。全てのNMRスペクトルを、ロックのために加えた重水素化クロロホルムとともに、ポリマー用のクロロホルム-トリフルオロ酢酸(70-30体積/体積)、またはオリゴマー試料用の60/40(重量/重量)のフェノール/テトラクロロエタンのいずれかを用いて、JEOL社製のEclipse Plus 600MHz核磁気共鳴分光計で記録した。本明細書で実施例に用いた混合ポリマーの酸成分は、テレフタル酸が100モル%であった。グリコール成分の総モル%は100モル%に等しく、酸成分の総モル%は100モル%に等しかった。
【0238】
[00254]本明細書ではポリエステルの固有粘度は、25℃で0.5g/100mLの濃度の60/40(重量/重量)のフェノール/テトラクロロエタン中で測定された。当該粘度をdL/gで示す。
【0239】
[00255]本明細書では収縮率は、100mm×100mm角のフィルム試料を65℃~95℃の水中に10秒間、いかなる方向にも収縮を制限することなく配置して測定する。その際収縮率は以下の式で算出される。
【0240】
収縮率(%)=[(100mm-収縮後の長さ)/100mm]×100%。
[00256]収縮率を、主収縮方向に直交する方向(機械方向:MD)で測定し、また主収縮方向(横断方向:TD)で測定した。
【0241】
[00257]収縮力を、本明細書の実施例では、LabThink社製のFST-02熱収縮試験機を用いてMPaで測定した。
[00258]引張フィルム特性は、ASTM法D882を用いて、本明細書の実施例について測定した。複数のフィルム延伸速度(300mm/分及び500mm/分)を用いて、フィルムを評価した。
【0242】
[00259]ポリエステルのガラス転移温度および歪み誘起結晶の融点(それぞれTgおよびTm)は、Thermal Analyst Instrument社製のTA DSC 2920を使用して、20℃/分の走査速度で測定する。Tmを延伸試料の1回目の加熱で測定し、Tgを2回目の加熱工程中に測定した。さらに試料を170℃の強制大気循環オーブン内で2時間結晶化させて、次いでDSCで分析することもできる。全ての試料について、20℃/分の加熱速度でのDSC走査の2回目の加熱中には、結晶の融点は典型的には存在しない。
【0243】
[00260]本開示を、その好ましい実施態様を特に参照して詳細に説明してきたが、当然のことであるが、本開示の趣旨および範囲内で複数の変更および修正を実施できる。
実験的規模プロセスの結果
[00261]一般的な手順:53.16gのPTA、62.21gのEG、2.97gのDEG、11.52gのCHDM、および18.86gのrPETの混合物を、窒素用入口、金属製スターラー、および短蒸留塔を備える500mLのフラスコに入れた。さらに,(16ppmのTiを目標とする)0.14mLのTi触媒溶液と(45ppmのMnを目標とする)1mLのMn溶液をフラスコに添加した。フラスコを予め200℃に加熱したウッドメタル浴中に配置した。実験開始時の攪拌速度を200rpmに設定した。フラスコの内容物を200℃で60分間加熱し、その後に300分掛けて徐々に250℃まで温度を上げた。次いでスターラーを100rpmに減速し、真空度を徐々に0.4torrまで上げながら、反応混合物を270℃まで20分間で加熱した。その後に温度を278℃まで20分間で上げて、攪拌を60rpmまで減速し、混合物をこの条件に120分間保持した。この保持の後に、混合物を大気圧に戻して冷却した。次いでフラスコからポリマーを取り出して分析した。実施例1では、TPAをrPETに100%置換して作製した。実施例2では、TPAをrPETに20%置換して作製した。
【0244】
[00262]本開示の一側面では、適度に一定のrPETが供給される条件では、Sbおよび他の残留触媒および添加物の量は、図7に示すように予測できる。実施態様によっては、図7は、プロセス内に供給されるrPETの量に基づいて、バランスを取るようにシステム内に添加する必要があるアンチモンの量を示している。例えば最終製品中に100ppmのSbを入れる場合には60%のrPETをプロセスに供給でき、あるいは20%のrPETを供給する場合には60ppmのSbをシステムに添加する。
【0245】
【表15】
【0246】
[00263]両方の実施例で製造された樹脂は、全ての重要な性能基準に関して類似していた。両方の材料は、添加されたrPETの量に関係なく、類似の色調、IV、および組成を有していた。
試験工場プロセスの結果
[00264]45.7重量%のエチレングリコール、0.7重量%のジエチレングリコール、9.8重量%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および36.4重量%のテレフタル酸を含む反応器に、7.3重量%の再資源化PETを添加して樹脂試料(A1およびA2)を製造した。Ti触媒を30ppmで添加した。グリコール対酸の比率は3.3であり,エチレングリコールと1,4-シクロヘキサンジメタノールを過剰となるように用いた。この反応混合物を250~255℃かつ25~30psigで3~3.5時間に亘って保持した。リンを21ppmで添加し、次いで反応混合物を270℃に加熱し、目標の溶融粘度に達するまで真空下で攪拌した。
【0247】
[00265]反応混合物にrPETまたはDEGを添加せずに50ppmのTi触媒を用いた以外は、同一のプロセスを用いて対照樹脂試料(B)を製造した。44.1重量%のエチレングリコール、10.5重量%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および45.5重量%のテレフタル酸を反応器に投入した。グリコール対酸の比率は2.9であり、エチレングリコールと1,4-シクロヘキサンジメタノールを過剰となるように用いた。CHDMの過剰分は上述の試料と同じであったが、EGの過剰分は減少させた。
【0248】
[00266]これら樹脂の特性を以下の表に説明する。
【0249】
【表16】
【0250】
[00267]樹脂の実施例A1とA2を混合して樹脂Aとした。樹脂AとBを60℃の乾燥機で4~6時間乾燥させた。次いで10ミル(250μm)の厚さを有するフィルムを、2.5インチのDavis and Standard社製の押出機を用いて押し出した。押し出し後に、フィルムを切断して、Bruckner社製のKaro 4幅出し機で最終厚さ50μmに延伸した。このフィルムを、5:1の比率かつ延伸速度を100%/秒とし、かつ延伸温度を押出しフィルムのTgより5~15℃高い温度として延伸した。このプロセスで製造された収縮性フィルムの特性評価を以下の表に説明する。
【0251】
【表17】
【0252】
[00268]樹脂AおよびBは、組成、IV、および色調が非常に類似していた。またこれら樹脂で製造された収縮性フィルムは,非常に類似した性能を示していた。これらの結果は、樹脂製造プロセスにrPETを組み込んでも、樹脂あるいは樹脂から製造された物品の最終性能に影響を及ぼさないことを実証している。
商業規模プロセス
[00269]樹脂試料をまた、商業的な製造装置で製造して本発明の有用性を実証した。
【0253】
[00270]商業規模プロセスでは、5%の再資源化PETをテレフタル酸およびエチレングリコールとともに添加した。スラリー貯蔵槽を、十分な混合を可能にするように30分以上攪拌した。次いでこのスラリーを、触媒、追加のエチレングリコール、ジエチレングリコール、およびシクロヘキサンジオールとともに反応区域1に添加した。この混合物を35+psigの圧力下かつ235℃超で少なくとも1時間反応させ、同時にPETを解重合してモノマーを反応させた。続いて反応区域1からのモノマーとオリゴマーを反応区域2に送達し、この反応区域2では、追加のグリコールを除去しながら反応温度を維持してさらに反応させた。この材料を反応区域3内に送達し、より高温かつより高い真空条件下で仕上げ処理を実施した。最終製品である実施例Cの特性を、rPETを添加せずに商業プロセスで製造した同一組成の別の共重合ポリエステル樹脂である実施例Dと比較して以下の表に示す。
【0254】
【表18】
【0255】
[00271]樹脂CおよびDを60℃の乾燥機で4~6時間乾燥させた。次いで、10ミル(250μm)の厚さを持つフィルムを、2.5インチのDavis and Standard社製の押出機を用いて押し出した。押出しの後に、フィルムを切断してBruckner社製のKaro 4幅出し機で最終厚さが50μmになるように延伸した。このフィルムを、延伸速度を100%/秒かつ延伸温度を押出しフィルムのTgより5~15℃高くして、5:1の比率で延伸した。このプロセスで製造した収縮性フィルムの特性評価を以下の表に説明する。
【0256】
【表19】
【0257】
[00272]樹脂CおよびDは、組成、IV、および色調が非常に類似していた。これらの樹脂で作製した収縮フィルムはまた、非常に類似した性能を保持していた。これらの結果は、樹脂製造工程内にrPETを組み込んでも、樹脂あるいは樹脂から製造された物品の最終性能に影響を及ぼさないことを実証している。
【0258】
[00273]本開示は、その特定の実施態様を特に参照して詳細に説明してきたが、当然のことであるが、本開示の趣旨および範囲内で変形および変更は実施してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】