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特表2022-553103パンツ式衣服、およびパンツ式衣服の製作のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】パンツ式衣服、およびパンツ式衣服の製作のための方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/496 20060101AFI20221214BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
A61F13/496 100
A61F13/49 311
A61F13/49 312A
A61F13/49 315
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523986
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 SE2019051037
(87)【国際公開番号】W WO2021080477
(87)【国際公開日】2021-04-29
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス・ベーク
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクター・オレドソン
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA12
3B200BA08
3B200BA12
3B200BA16
3B200BB03
3B200BB04
3B200BB11
3B200CA03
3B200CA04
3B200CA06
3B200DA21
3B200DA25
3B200DA27
3B200DD02
3B200DD07
3B200DE02
3B200EA07
3B200EA08
3B200EA12
3B200EA24
(57)【要約】
パンツ式衣服(1)が、長さ方向(L)および幅方向(W)を有し、長さ方向(L)において、前部分(15)と、後部分(16)と、前部分(15)と後部分(16)との間に位置付けられる股部分(10)とに分割される。前および後の部分(15、16)は、前および後の部分(15、16)の相対する横縁(22a、22b、24a、24b)に沿って前および後の部分(15、16)の重ね合わされた層によって形成される第1および第2の横継ぎ目(6a、6b)において結合され、2つの不織ウェブの間で引き伸ばし接着される弾性膜を備える引き伸ばし接着された積層体ウェブを備える。横継ぎ目は、レーザー接着によって形成される溶融接着によって構成され、パンツ式衣服(1)の前および後の部分(15、16)の横縁(22a、22b、24a、24b)に沿って延びる。横継ぎ目は、0.3~1.5ミリメートルの範囲でのパンツ式衣服(1)の幅方向(W)における幅(ws)と、0.2~1.5ミリメートルの範囲での厚さ(ts)とを有し、横継ぎ目(6a、6b)の厚さ(ts)は、パンツ式衣服(1)の幅方向(W)および長さ方向(L)に対して垂直である。パンツ式衣服を製作するための方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向(L)および幅方向(W)を有し、前記長さ方向(L)において、前部分(15)と、後部分(16)と、前記前部分(15)と前記後部分(16)との間に位置付けられる股部分(10)とに分割されるパンツ式衣服(1)であって、前記前部分(15)は、前記幅方向(W)に延びる前腰縁(21')と、前記長手方向(L)に延びる相対する横縁(22a、22b)の対とを有し、前記後部分(16)は、前記幅方向(W)に延びる後腰縁(21")と、前記長手方向(L)に延びる相対する横縁(24a、24b)の対とを有し、前記前および後の部分(15、16)は、第1および第2の横継ぎ目領域(12)に配置され、前記前および後の部分(15、16)の前記相対する横縁(22a、22b、24a、24b)に沿って前記前および後の部分(15、16)の重ね合わされた層によって形成される第1および第2の横継ぎ目(6a、6b)において結合され、前記第1および第2の横継ぎ目領域(12)は熱可塑性ウェブ材料を含み、前記横継ぎ目は、前記パンツ式衣服(1)の前記前および後の部分(15、16)の前記横縁(22a、22b、24a、24b)に沿って延びる融解した熱可塑性材料によって構成され、
前記横継ぎ目(6a、6b)の各々は、0.3~1.5ミリメートルの範囲での前記パンツ式衣服(1)の前記幅方向(W)における幅(ws)と、0.2~1.5ミリメートルの範囲での厚さ(ts)とを有し、前記横継ぎ目(6)の前記厚さ(ts)は、前記パンツ式衣服(1)の前記幅方向(W)および前記長さ方向(L)に対して垂直であることと、
前記前および後の部分(15、16)の材料は、2つの外側不織ウェブ(26、28)の間で引き伸ばし接着される弾性膜(27)を含む弾性積層体(17)を備える、またはそのような弾性積層体(17)から成り、前記横継ぎ目(6a、6b)は、前記弾性積層体(17)において完全または部分的に形成されることと
を特徴とする、パンツ式衣服(1)。
【請求項2】
前記弾性膜(27)は、離散した接着要素を備える接着パターンで、前記外側不織ウェブ(26、28)同士の間で間欠的に接着される、請求項1に記載のパンツ式衣服(1)。
【請求項3】
前記弾性積層体(17)の接着面積が、3%~15%または4%~10%など、3%~20%である、請求項2に記載のパンツ式衣服(1)。
【請求項4】
前記弾性積層体(17)は材料厚さ(tm)を有し、前記横継ぎ目(6)の前記厚さ(ts)と前記材料厚さ(tm)との間の割合ts/tmは、本発明の明細書で開示されているような方法によって測定されるとき、1.1~1.3または1.1~1.2など、1.0~1.3の範囲にある、請求項1から3のいずれか一項に記載のパンツ式衣服(1)。
【請求項5】
前記弾性膜は前記横継ぎ目(6a、6b)に沿って切り離され、非弾性領域が前記横継ぎ目(6a、6b)の各々の80%~100%に沿ってなど、60%~100%に沿って延び、前記非弾性領域は、前記横継ぎ目(6a、6b)の各々の側において、0.9ミリメートル~5ミリメートルなど、0.7ミリメートル~20ミリメートルの幅を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のパンツ式衣服(1)。
【請求項6】
前記横継ぎ目(6a、6b)は、前記パンツ式衣服(1)の衣服を向く表面に位置付けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載のパンツ式衣服(1)。
【請求項7】
前記横継ぎ目(6a、6b)の前記厚さ(ts)に対する前記横継ぎ目(6a、6b)の前記幅(ws)の割合は、0.9~1.2など、0.7~1.5の範囲にある、請求項1から6のいずれか一項に記載のパンツ式衣服(1)。
【請求項8】
各々の横継ぎ目(6a、6b)は、前記パンツ式衣服(1)の前記長手方向(L)において、前記横継ぎ目(6a、6b)の長さ(ls)の60%~100%に沿って、概して矩形の断面領域(as)を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のパンツ式衣服(1)。
【請求項9】
前記弾性積層体(17)は被覆材料を構成し、前記被覆材料は前記パンツ式衣服(1)の外側被覆の全部または一部を形成する、請求項1から8のいずれか一項に記載のパンツ式衣服(1)。
【請求項10】
前記被覆材料は、前部分(15)と、後部分(16)と、前記前部分(15)と前記後部分(16)との間の股部分(10)とを備える単一で一体の被覆ウェブである、請求項9に記載のパンツ式衣服(1)。
【請求項11】
前記被覆材料は前パネルウェブ(3)と後パネルウェブ(4)とを備え、前記前パネルウェブ(3)と前記後パネルウェブ(4)とは、別のウェブであり、股材料(2)によって結合される、請求項9に記載のパンツ式衣服(1)。
【請求項12】
前記パンツ式衣服(1)の前記横継ぎ目(6a、6b)を形成するときに伴われる少なくとも1つの不織ウェブ(26、28)が、少なくとも1つのスパンボンド層と、任意選択で少なくとも1つのメルトブロー層とを備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のパンツ式衣服(1)。
【請求項13】
前記横継ぎ目(6a、6b)の領域における前記熱可塑性材料は、ポリプロピレンおよび/もしくはポリエチレンを含む、または、ポリプロピレンおよび/もしくはポリエチレンから成る、請求項1から12のいずれか一項に記載のパンツ式衣服(1)。
【請求項14】
前記パンツ式衣服(1)は、前記前腰縁(21')と前記後腰縁(21")との一方または両方の全部または一部に沿って延びる腰弾性特徴(25)を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のパンツ式衣服(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長さ方向および幅方向を有するパンツ式衣服に関する。パンツ式衣服は、長さ方向において、前部分と、後部分と、前部分と後部分との間に位置付けられる股部分とに分割される。前部分と後部分とはそれぞれ、幅方向に延びる腰縁と、長手方向に延びる相対する横縁の対とを有する。前部分と後部分とは、相対する横縁に沿って横継ぎ目を形成する溶融接着によって結合される。
【背景技術】
【0002】
具体的には、パンツ型おむつ、サニタリーパンツ、水着、および失禁用パンツなどの使い捨てパンツ式衣服の大人の着用者について、衣服が通常の下着にできる限り似ていること、および、衣服が「おむつ」と気付かれないことは、重要である。したがって、パンツ型おむつ、サニタリーパンツ、水着、および失禁用パンツなどのパンツ式衣服は、着用者の周りに快適に心地よくフィットするように設計される。衣服が特別に製作された整った外観を有すること、および、衣服が通常の衣類の下で目立たないように着用され得ることも望ましい。衣服は、被覆材料の1つまたは複数の連続ウェブを機械方向に送り込むことと、相互に連結されたパンツ式衣服のプレカーサウェブを形成するために、弾性要素、吸収コアなどの衣服の他の構成要素を連続ウェブに取り付けることとを伴う製作方法によって一般的に作られる。パンツ式衣服は、パンツ式衣服の長手方向が、機械方向に対して垂直なプレカーサウェブの交差機械方向と並べられた状態で配置される。プレカーサウェブには、相互に連結されたパンツ式衣服の間に形成される脚開口が設けられる。個々のパンツ式衣服は、プレカーサウェブを機械方向に折り畳むことと、横継ぎ目を形成するためにプレカーサウェブの重ね合わされた層を結合することと、切断などによって個々のパンツ式衣服を連続プレカーサウェブから切り離すこととによって形成される。
【0003】
従来のパンツ式衣服の横継ぎ目は、超音波溶接または熱溶接によって形成される概してバンド形状の結合である。パンツ式衣服が衣服の着用の間に曝される力に耐えるだけの十分な強度を有するために、および、個々のパンツ式衣服をプレカーサウェブから切断するときに十分な製造公差を許容するために、このような横継ぎ目は、5~10ミリメートルまたはより大きな規模で、比較的広くされる必要がある。横継ぎ目は、パンツ式衣服の横縁から突出し、織物の下着と使い捨てのパンツ式衣服との間の最も視認可能な違いのうちの1つであり、使い捨てのパンツ式衣服を魅力のない低品質な外観にさせている。さらに、このような横継ぎ目は嵩張り、タイトにフィットする服の下に隠すのが難しい。
【0004】
さらに、衣服を使用者の脚にわたって引き下ろす必要なく汚れたパンツ式衣服を容易に取り外すことができることが望ましい。そのため、横継ぎ目は、汚れたパンツ式衣服を取り外す前に使用者または介護人が横継ぎ目を引っ張り離すことができるように、手の力によって破ることができるべきである。従来の広い横継ぎ目によって直面する問題は、横継ぎ目が着用および通常の使用の間に生じる力によっては破れないが、使用後の衣服の取り外しのために手の力によって容易に破ることができるように、強度特性における良好なバランスを達成することである。
【0005】
欧州特許出願公開第2813347号明細書および欧州特許出願公開第3064182号明細書では、レーザー溶接が、細い横継ぎ目を形成し、個々のパンツ式衣服を1回の動作でプレカーサウェブから切り離すための手段として提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2813347号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第3064182号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的は、さらに改良された機能性を有する横継ぎ目を有し、目立たたないパンツ式衣服を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的のうちの1つまたは複数は、請求項1によるパンツ式衣服で達成され得る。さらなる実施形態が、以下の記載および図面において、従属請求項に述べられている。
【0009】
本明細書で開示されているのは、長さ方向および幅方向を有し、長さ方向において、前部分と、後部分と、前部分と後部分との間に位置付けられる股部分とに分割されるパンツ式衣服であって、前部分は、幅方向に延びる前腰縁と、長手方向に延びる相対する横縁の対とを有し、後部分は、幅方向に延びる後腰縁と、長手方向に延びる相対する横縁の対とを有し、前および後の部分は、前および後の部分の相対する横縁に沿って前および後の部分の重ね合わされた層によって形成される第1および第2の横縁領域に配置される第1および第2の横継ぎ目において結合され、第1および第2の横縁領域は熱可塑性ウェブ材料を含み、横継ぎ目は、パンツ式衣服の前および後の部分の横縁に沿って延びる融解した熱可塑性材料によって構成される、パンツ式衣服である。横継ぎ目の各々は、0.3~1.5ミリメートルの範囲でのパンツ式衣服の幅方向における幅と、0.2~1.5ミリメートルの範囲での厚さとを有し、横継ぎ目の厚さは、パンツ式衣服の幅方向および長さ方向に対して垂直であり、前および後の部分の材料は、2つの外側不織ウェブの間で引き伸ばし接着される弾性膜を含む弾性積層体を備える、またはそのような弾性積層体から成り、横継ぎ目は、弾性積層体ウェブにおいて完全または部分的に形成される。
【0010】
本明細書で述べられているように、前部分と後部分とは第1の横継ぎ目および第2の横継ぎ目において結合され、それら横継ぎ目は、前部分および後部分の相対する横縁に沿って配置され、引き伸ばし接着される弾性積層体を少なくとも部分的に備える前部分と後部分との重ね合わされた層によって、完全または部分的に形成される。融解した横継ぎ目は、レーザー接着によって形成され、細い幅と小さい厚さとを有する。
【0011】
引き伸ばし接着は、弾性材料が少なくとも1つの方向に少なくとも50%は引き伸ばされている間の弾性材料への非弾性層またはより低い弾性の層の接着を意味する。
【0012】
弾性積層体は材料厚さを有し、横継ぎ目の厚さtsと材料厚さtmとの間の割合ts/tmは、1.1~1.3または1.1~1.2など、1.0~1.3の範囲にある。厚さの割合は、本明細書で開示されているような方法によれば、材料が横継ぎ目の長手方向に対して垂直に引き伸ばされている状態での引っ張りの下で決定される。
【0013】
上記の範囲内の厚さの割合は、本明細書で開示されているような方法に従って、引き伸ばされた状態での物品で測定されるとき、隣接するウェブ材料より若干大きいかまたは同じ程度である厚さを横継ぎ目が有することを意味する。横継ぎ目は、引き伸ばし接着された積層体ウェブの表面から若干突出する場合であっても、目立たず、普通の織物の下着によく似ている整った継ぎ目のより見えにくい外観をパンツ式衣服に与える。本明細書で述べられているようなパンツ式衣服では、融解した横継ぎ目は、好ましくは、パンツ式衣服の衣服を向く表面に位置付けられる。
【0014】
引き伸ばし接着された積層体が、パンツ式衣服が包装から取り出されたときの場合、および、通常は着用されているときの場合でもある弛緩した状態または完全に引き伸ばされていない状態にあるとき、弾性材料に接着される非弾性ウェブまたはより低い弾性のウェブは、弾性材料によって収縮させられ、非弾性ウェブまたはより低い弾性のウェブにしわを形成させる。パンツ式衣服の使用の間、このようなしわは、融解した横継ぎ目を視覚的に隠して不明瞭にするように、および、隣接するウェブ材料より概してより硬く頑丈な横継ぎ目における融解した材料の触ったときの保護を提供するように、供する。本明細書で開示されているようなパンツ式衣服では、横継ぎ目における融解して固化した材料は、好ましくは、内側表面が融解していないウェブ材料の特性を保持し、滑らかで柔らかいままとなるように、パンツ式衣服の外側に位置させられる。本明細書で述べられているように、パンツ式衣服が横継ぎ目に対して垂直に完全に伸ばされるとき、横継ぎ目は、隣接する材料の表面からいくらか突出する厚さを有し得る。より厚い横継ぎ目が、横継ぎ目の増加した強度を提供するために望まれてもよい。突出する横継ぎ目は、好ましくは、柔らかく滑らかな内側を保ちつつ増加した強度を提供するために、パンツ式衣服の衣服を向く側に位置付けられる。本明細書で述べられているように、横継ぎ目における固化した材料は、本明細書で開示されているような方法によれば、引き伸ばされるとき、隣接する材料に対して、若干より大きな厚さ、または等しい厚さを有する。
【0015】
引き伸ばし接着された積層体ウェブにおける少なくとも一方、好ましくは両方の不織ウェブは、線接着または点接着などの離散した接着要素を用いて、弾性膜に接着され得る。接着パターンで配置された離散した接着要素を用いることで、弛緩した不織ウェブと寄せ集まった不織ウェブとが、接着同士の間の接着していない部分において、制御された規則正しい方法でしわ寄せさせられ得る。不織ウェブのこのような制御されたしわ寄せは、寄せ集まっていない不織ウェブの厚さより相当に大きい機能的な厚さを有する高く膨れ上がった柔らかいふわっとしたクッション性の外側層を、弾性積層体ウェブに提供する。接着パターンは、例えば、不織ウェブを織物ウェブに似た方法で寄せ集めさせる点の接着パターンといった、積層体ウェブに規則正しい外観を提供するように選択され得る。離散した接着は、例えば、熱接着によって、または、超音波接着によって作り出され、本明細書で開示されているような好ましいとされる超音波接着で作り出され得る。特に適切な接着パターンは、ずらした点の接着のパターンであり得る。弾性膜層が非熱可塑性膜であり、不織層が熱可塑性層または少なくとも主に熱可塑性の層であることと、不織ウェブ層同士の間の弾性膜層の接着が、弾性膜層を穿孔すること、および、弾性膜層における穿孔において不織ウェブ層同士の間に溶融接着を作り出すことを同時に行うことで実施されることとは、特に好ましいとされ得る。この方法で作られた弾性積層体は、優れた通気性を有し、本明細書で開示されているようなパンツ式衣服における外側被覆としての使用に特に適している。
【0016】
弾性膜は、パンツ式衣服の股部分においてなど、積層体ウェブの一部においてなくてもよい。弾性膜は、好ましくは、レーザー溶接によって横継ぎ目を形成するときに切り離される非熱可塑性弾性膜である。弾性膜が横継ぎ目形成の間に引っ張りの下で保持されるため、切り離された弾性膜は横継ぎ目から跳ね返り、非弾性領域を横継ぎ目の各々に沿って作り出し、非弾性領域は、横継ぎ目の各々の側において、0.9ミリメートル~5ミリメートルなど、0.7ミリメートル~20ミリメートルの幅を有する。膜の残留物が横継ぎ目自体の融解した材料に残り得ることは、理解されるものである。
【0017】
横継ぎ目は、横継ぎ目の完全に封止された領域を構成する融解した材料の帯片によって構成され、パンツ式衣服の長手方向に延びる。各々の横継ぎ目は、パンツ式衣服の長手方向において、横継ぎ目の長さの全部または一部に沿って、概して矩形の断面領域を有してもよい。本明細書で開示されているような融解した横継ぎ目の概して矩形の断面領域は、箱形を有する融解した横継ぎ目の断面領域と称されてもい。横継ぎ目の断面領域を「概して矩形」であるとして特徴付けることで、横継ぎ目を製作するときに起こり得る断面形状における若干の変化が考慮されている。したがって、概して矩形または箱形の断面領域によって、例えば、丸められた角、および/または、直線から若干逸脱し得る1つもしくは複数の横縁を有することで、完全な矩形の断面形状から若干逸脱し得る断面領域が暗に意味されている。しかしながら、概して矩形または箱形の断面領域の全体の外観は、正方形を含め、矩形の断面領域である。このような断面形状は、均一な強度特性を伴う信頼できる横継ぎ目を提供することが見出された。箱形の横継ぎ目は、パンツの着用の間にパンツを幅方向に引っ張るとき、破損を防止するのに十分に強いことが見出されている。横継ぎ目は、非常に細くて薄いため、長手方向における横継ぎ目に沿って裂けることでなおも容易に破れる。したがって、本明細書で開示されているようなパンツ式衣服は、使用後の容易な取り外しのために、容易に裂いて開くことができる。
【0018】
各々の横継ぎ目は、横継ぎ目の全長に沿って、または、横継ぎ目の一部だけに沿って、概して矩形の断面領域を有し得る。各々の横継ぎ目が、横継ぎ目の60%~100%に沿って、または、横継ぎ目の80%~100%に沿ってなど、横継ぎ目の主な部分に沿って、矩形の断面領域を有することが好ましい場合がある。
【0019】
断面領域の箱形は、溶接の間に機械方向において引き伸ばされる融解した横継ぎ目を形成するときに関わる材料に、少なくとも部分的に起因する。横継ぎ目は、パンツ式衣服の前部分および後部分におけるウェブを、横継ぎ目に沿って一体に密に押し付けて保持する間に形成され、これは、個別の丈夫な良好に定められた横継ぎ目を製作し、さらに、箱形の断面領域を伴う横継ぎ目を得ることに寄与する。
【0020】
横継ぎ目の厚さに対する融解した横継ぎ目の幅の割合は、0.9~1.2など、0.7~1.5の範囲にあり得る。
【0021】
本明細書で開示されているようなパンツ式衣服の横継ぎ目は横継ぎ目領域に配置され、横継ぎ目領域は、使用中に使用者のヒップにわたって位置させられ、パンツ式衣服の腰開口とパンツ式衣服の脚開口のうちの対応するものとの間で延びるパンツ式衣服の一部分である。本明細書で述べられているように、パンツ式衣服は、横継ぎ目の領域の中で、重ね合わされたウェブを備える、または重ね合わされたウェブから成る。融解した横継ぎ目は、好ましくは、パンツ式衣服の衣服を向く表面に位置付けられる。
【0022】
融解した横継ぎ目は、機能的な横継ぎ目を提供するために、十分な量の熱可塑性材料を含む任意の適切な弾性積層体ウェブ材料で形成され得る。積層体における不織ウェブは、熱可塑性ポリマから完全または少なくとも主に形成され得る。弾性膜は熱可塑性膜であり得るが、本明細書で述べられているように、非熱可塑性膜が好ましいとされ得る。パンツ式衣服において、このような積層体ウェブは、インナーライナ、取得層、横フラップ、腰特徴、または外側被覆などの構成要素の一部を形成し得る、または、そのような構成要素を構成する。横継ぎ目の領域における熱可塑性材料は、例えば、ポリプロピレンおよび/もしくはポリエチレンを含み得る、または、ポリプロピレンおよび/もしくはポリエチレンから成り得る。横継ぎ目が被覆ウェブにおいて少なくとも部分的に形成されることは、好ましいとされ得る。被覆ウェブは、パンツ式衣服の外側被覆の全部または一部を形成することができる。
【0023】
外側繊維状不織層を有する引き伸ばし接着された弾性積層体が、前パネルおよび/または後パネルの少なくとも一部にわたって、外側被覆シート材料としてだけでなく、内側被覆シート材料として配置されることに、特に適しており、本明細書で開示されているように、パンツ式衣服の股部分に存在してもよい。代替で、本明細書で開示されているようなパンツ式衣服の股部分は、非弾性であり得る、または、前パネルおよび後パネルより低い弾性であり得る。
【0024】
引き伸ばし接着された弾性積層体が、前パネルおよび後パネルの一方もしくは両方の60%~100%、または、前パネルおよび後パネルの80%~100%など、前パネルおよび後パネルの一方または両方の主要な部分にわたって被覆シート材料を構成することは、好ましいとされ得る。
【0025】
引き伸ばし接着は、弾性材料が少なくとも50%は引き伸ばされている間の弾性材料への1つまたは複数の非弾性層またはより低い弾性の層の接着を意味する。引き伸ばし接着された弾性積層体は、平坦な状態で見たとき、パンツ式衣服の表面積全体の少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも30%、最も好ましくは少なくとも40%で、パンツ式衣服の外側被覆の唯一の構成要素を構成し得る。弾性膜は、弾性膜のいくつかの部分が非弾性またはより低い弾性の層への接着がないように、非弾性またはより低い弾性の層に好ましくは間欠的に接着される。
【0026】
本明細書で述べられているように、引き伸ばし接着された積層体は、2つの外側不織ウェブの間に挟まれてそれら外側不織ウェブに接着される弾性膜の積層体であり得る。弾性膜は1つまたは複数の方向において弾性とでき、外側不織ウェブのうちの少なくとも一方であって、好ましくは両方は、熱可塑性繊維から作られる。不織ウェブは、本明細書で開示されているように、任意の適切な種類のものであり得る。弾性膜は、少なくとも1つの方向において少なくとも50%の伸長へ引き伸ばされている間に外側不織ウェブに接着される。膜は、機械方向において少なくとも50%の伸長へ引き伸ばすことができ、引き伸ばし接着された積層体は、機械方向がパンツ式衣服の幅方向と一致している状態で、本明細書で開示されているようにパンツ式衣服へと組み込まれ得る。弾性膜は、接着点などの離散した接着要素を備える接着パターンで、外側不織ウェブ同士の間に間欠的に接着され得る。接着面積は、3%~15%または4%~10%など、3%~20%であり得る。好ましい接着方法は超音波接着であり得る。超音波接着は、接着要素において弾性膜に開口部を作り出してもよく、開口部は、弾性積層体の通気性を高めることができる。
【0027】
本明細書で述べられているように、本明細書で開示されているようなパンツ式衣服の融解した横継ぎ目は、弾性膜を横継ぎ目に対して垂直な方向で引き伸ばしたまま形成される。横継ぎ目における材料に適用される熱は、弾性膜を横継ぎ目に沿って切り離し、弾性膜を横継ぎ目からいくらか後退させる。それによって、弾性膜は、横継ぎ目に沿うバンド形状の領域において、存在しない、または少なくとも部分的に存在しない。横継ぎ目からはじけて戻る度合いは、弾性積層体の接着パターンによって大きく決定される。接着点などの離散した接着要素を備え、3%~15%または4%~10%など、3%~20%の積層体の伸ばされた状態において測定されるような接着面積を有する接着パターンを使用するとき、弾性膜は、横継ぎ目の長さの60%~100%に沿ってなど、横継ぎ目の長さのほとんどに沿って、横継ぎ目のいずれかの側において、各々の横継ぎ目から、0.9ミリメートル~5ミリメートルなど、0.7ミリメートル~20ミリメートルにわたって後退させられる。横継ぎ目の近傍における弾性のない領域は、横継ぎ目に沿って通気性を増加させ、パンツ式衣服の着用者のヒップにおける着用時の圧力を低減する。
【0028】
膜の残留物が横継ぎ目に残り、横継ぎ目を形成する融解した熱可塑性材料の帯片に取り込まれ得ることは、理解されるものである。
【0029】
弾性膜は、本明細書で開示されているような方法では機械方向に対応する衣服の幅方向において、パンツ式衣服に弾性を提供するように配置される。また、弾性膜は、本明細書で開示されているような方法では交差機械方向に対応する衣服の長手方向において、パンツ式衣服に弾性を提供するように配置されてもよい。
【0030】
本明細書で開示されているようなパンツ式衣服において使用される不織ウェブは、スパンボンド、エアレイド、湿式、毛羽立て、エレクトロスピニング、メルトブロー、またはSMS(スパンボンド-メルトブロー-スパンボンド)などの不織布などであり得る。不織ウェブは、ニードリング、水流交絡、超音波溶接、および熱接着などの任意の適切な技術または技術の組み合わせによって接着され得る。本明細書で開示されているようなパンツ式衣服の融解した横継ぎ目を形成するときに伴われる不織ウェブのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのスパンボンド層と、任意選択で少なくとも1つのメルトブロー層とを備えることは、好ましいとされ得る。不織ウェブは、ポリオレフィン、ポリエステルなどのポリマの単一の構成要素、2つの構成要素、および複数の構成要素の繊維など、少なくとも機能的な量の熱可塑性繊維を含む。熱可塑性繊維は、好ましくは、不織ウェブの重量に対して少なくとも70%、または、不織ウェブの重量に対して少なくとも80%など、不織ウェブの重量に対して少なくとも50%の量で存在する。繊維には、ビスコース繊維、モーダル繊維などの再生繊維、および、セルロースパルプ繊維、綿繊維、亜麻、麻などの天然繊維など、非熱可塑性繊維が含まれ得る。
【0031】
本明細書で開示されているような被覆ウェブが、前パネル部分と、後パネル部分と、前パネル部分と後パネル部分との間の股部分とを備える単一で一体の被覆ウェブであってもよい。
【0032】
代替で、被覆ウェブは前パネルウェブと後パネルウェブとを備え、前パネルウェブと後パネルウェブとは、別のウェブであり、股材料によって結合され得る。本明細書で述べられているように、股材料は、概して非弾性であり得る、または、前パネルウェブおよび後パネルウェブより低い弾性である弾性材料であり得る。股材料は、吸収コアと、バックシート、トップシートなどの構成要素と、脚弾性要素などの弾性要素とを備え得る。
【0033】
本明細書で開示されているようなパンツ式衣服は、前腰縁と後腰縁との一方または両方の全部または一部に沿って延びる腰弾性特徴を備え得る。腰弾性特徴は、腰弾性特徴が被覆ウェブの一体部となるように、パンツ式衣服の前部分および/または後部分にも存在する弾性被覆ウェブの一部として形成されてもよい。さらなる選択肢は、追加の腰弾性部を縁に沿って配置することで、弾性被覆に弾性材料を補うことである。腰弾性部は、技術的に知られているようなバンド、膜、糸などとして供給でき、好ましくは、腰縁においてより大きい弾性引っ張りを作り出すように、引っ張り状態においてパンツ式衣服の前腰縁および後腰縁に沿って好ましくは取り付けられる。腰弾性部は、望まれるように被覆されてもされなくてもよい。腰弾性部がさらなる材料によって被覆される場合、被覆材料は、被覆ウェブの1つもしくは複数の層の折り重ねられた部分として提供されてもよい、または、不織ウェブなどの材料の別体の帯片によって被覆されてもよい。腰弾性特徴は、さらに、被覆ウェブの腰縁に沿って取り付けられる別体のあらかじめ製作されたウエストバンド構成要素として適用されてもよい。
【0034】
本明細書で開示されているような概して矩形または箱形の断面領域を有する横継ぎ目は、横継ぎ目を形成することと、相互に連結されたパンツ式衣服のプレカーサウェブから個々のパンツ式衣服を切り離すこととを同時に行うための方法によって形成でき、その方法は、プレカーサウェブが、引き伸ばされた状態で、先行および後続のパンツ式衣服の横継ぎ目領域の相対する長手方向の側に沿って配置される押圧領域内の回転する支持ロールの外側支持表面に当てて保持されている間に、プレカーサウェブを押圧するステップを伴う。プレカーサウェブは少なくとも機械方向において引き伸ばされ、機械方向は、支持ロールの回転方向、および、プレカーサウェブにおけるパンツ式衣服の幅方向と一致する。押圧は、横継ぎ目領域と位置決めして重なる状態でプレカーサウェブに適用されるレーザービーム通路を備える押圧構成で実行される。
【0035】
横継ぎ目は、支持ロールの外側に配置されるレーザー装置によって発生されるレーザービームを用いて、個々のパンツ式衣服をプレカーサウェブから切り離すことと同時に形成される。レーザービームは、レーザービーム通路を通じてプレカーサウェブへと方向付けられ、支持ロールの回転と同調して、交差機械方向および機械方向においてレーザービーム通路に沿って移動するように、および、レーザービームの焦点の位置を、溶接および切り離しの進行を通じて支持表面から一定の距離で維持するために、制御される。
【0036】
横継ぎ目は、形成された後、溶接および切り離しされた個々のパンツ式衣服が支持ロールの離脱区域へ移動させられるまで、横継ぎ目に沿う圧力領域への圧力を維持しつつ冷却され、離脱区域では、圧力が解放され、個々のパンツ式衣服が支持ロールから取り外される。
【0037】
方法は、
- プレカーサウェブを、回転する支持ロールの外側周辺における敷設位置において、支持表面へと機械方向に送り込むステップであって、プレカーサウェブは、機械方向に引き伸ばされ、任意選択で、機械方向に対して垂直な交差機械方向に引き伸ばされる、ステップと、
- 機械方向においてみたとき、先行および後続の個々のパンツ式衣服の横継ぎ目領域の相対する側に配置される押圧領域内において、プレカーサウェブを支持表面に押圧するステップと、
- 横継ぎ目領域内のプレカーサウェブの重ね合わされた層において熱可塑性材料を局所的に溶解および融解させるために、レーザービームを用いてプレカーサウェブにエネルギーを適用することで、プレカーサウェブにおいて横継ぎ目を形成し、同時に、個々のパンツ式衣服をプレカーサウェブから切り離すステップであって、レーザービームは、レーザービーム通路を通じ、レーザービーム通路に沿って、支持ロールの外側からプレカーサウェブに方向付けられ、レーザービーム通路は、プレカーサウェブに形成される横継ぎ目の長さ以上である長さを交差機械方向において有してもよい、または、レーザービームがレーザービーム通路の外側に続き得るようにレーザービーム通路が一方もしくは両方の端において開放する場合、プレカーサウェブに形成される横継ぎ目の長さ未満である長さを交差機械方向において有してもよく、レーザービーム通路は、支持ロールの外側周辺における横継ぎ目領域と位置決めして重なる状態で配置され、レーザービームは、レーザービームの焦点の位置を、レーザー装置と支持表面との間の変化する距離に適応させつつ、支持ロールの回転と同調して、交差機械方向および機械方向においてレーザービーム通路に沿って移動するように制御される、ステップと、
- 先行および後続の個々のパンツ式衣服の横継ぎ目領域の押圧領域内でプレカーサウェブを押圧し続ける間に横継ぎ目を冷却し、溶接および切り離しされた個々のパンツ式衣服を、支持ロールの外側周辺に配置される冷却区域に沿って、支持ロールの外側周辺に配置される離脱区域へと移動させるステップと、
- 押圧領域における圧力を解放し、個々のパンツ式衣服を支持ロールの支持表面から取り外すステップと
を含み得る。
【0038】
本明細書で開示されているような方法において、レーザービームの焦点は、支持ロールの支持表面から20~40ミリメートル、または、支持ロールの支持表面から25~30ミリメートルなど、支持ロールの支持表面から0~60ミリメートルにあり得る。レーザービームの焦点と支持ロールの支持表面との間の特に適切な距離は、25~30ミリメートルの範囲にあり得る。
【0039】
焦点を、支持ロールの支持表面から、および、プレカーサウェブの表面から、離すように移動させることで、焦点のずれたよりはっきりとしない光入射領域が得られる。レーザービーム通路は細長い通路であり、押圧クランプもしくは押圧ベルトなどの押圧デバイスを通じてスリットの形態を取り得る、または、2つの押圧要素の間の隙間として形成され得る。概して、プレカーサウェブの横継ぎ目領域におけるすべての材料は、レーザービーム通路内で露出される材料に衝突するレーザーエネルギーによって作用させられる。ビームの中央部分は、プレカーサウェブにおける材料を完全に溶解または蒸発させ、それによってプレカーサウェブにサイドカットを作り出すのに十分なエネルギーを提供する。より小さいエネルギーがビームの周辺部分に供給され、プレカーサウェブにおける熱可塑性材料を溶解または軟化させ、プレカーサウェブの層を互いに融解させることで、サイドカットの各々の側において、レーザービーム通路の長さに沿って延びる細い融解した横継ぎ目を形成する。
【0040】
押圧構成は、プレカーサウェブを、継ぎ目領域の各々の長手方向側に沿って、支持ロールの表面にしっかりと押し付けられたままにする。プレカーサウェブは、少なくとも機械方向に引き伸ばされつつ、支持ロールにおいて保持される。溶接および切断のステップの間のプレカーサウェブの引き伸ばしは、概して矩形または箱形の断面領域を有する整った良好に定められた横継ぎ目と、きれいに良好に分離されたサイドカットとを作り出すことに寄与する。
【0041】
押圧構成は、プレカーサウェブにおける重ね合わされた層を一体に押圧されたままにし、異なる層からの溶解した材料が一体に融解し、概して矩形または箱形の断面領域を有する横継ぎ目へと固化され得ることを確実にすることに寄与する。
【0042】
押圧構成は、切り離された弾性要素および他の弾性構成要素が横継ぎ目に沿ってウェブ材料を収縮させるのを防止もし、それによって、横継ぎ目への損傷が回避され得る。
【0043】
支持ロールは吸着ロールであってもよい。吸着ロールは、中空であり、穿孔された外面を有する。吸着ロールは、穿孔を通じて支持ロールの内部に向けて方向付けられる吸着力を発生させ、プレカーサウェブを支持表面に当てて保持するのに寄与することができる。吸着ロールは、プレカーサウェブのレーザー溶接および切断の間、支持ロールの溶接区域において材料の蒸発によって発生させられる煙を除去することにも寄与することができる。
【0044】
プレカーサウェブを敷設位置において支持ロールの支持表面へと送り込むことは、偏心ロールを備えるかまたは偏心ロールから成る敷設構成など、敷設構成を用いて実行され得る。
【0045】
個々のパンツ式衣服を支持ロールの支持表面から取り外すことは、吸着ロールを備える離脱構成、または、吸着ロールから成る離脱構成などの離脱構成を用いて実行できる。パンツ式衣服は、好ましくは、切り離されたパンツ式衣服が離脱区域に到達するまで、押圧構成によって支持ロールの支持表面にしっかりと押し付けられたままとされる。この手法では、個々のパンツ式衣服は、パンツ式衣服における任意の引っ張り弾性材料の影響の下で収縮することから防止される。
【0046】
本明細書で開示されているようなプレカーサウェブおよびパンツ式衣服は、技術的に知られているようなパンツ式衣服の任意の有用な構成要素または特徴を備え得る。このような構成要素および特徴には、脚弾性部、腰特徴、横フラップ、テープタブ、障壁折り返し部、吸収要素、障壁層、湿り度指示部、グラフィックなどがあり得る。
【0047】
本明細書で開示されているような方法では、レーザービーム通路は、支持ロールの回転方向において測定される、1~3ミリメートル、1.5~2.5ミリメートル、または1.7~2.2ミリメートルなど、1~5ミリメートルの幅を有する。本明細書で述べられているように、レーザービーム通路は、押圧クランプもしくは押圧ベルトなど、押圧構成の押圧デバイスに配置され得る、または、2つの押圧バーの間など、2つの押圧要素の間の隙間として形成され得る。さらに、レーザービーム通路は、押圧構成における細い開口またはスリットによって構成される外側部分と、支持表面における細い開口またはスリットによって構成される対応する内側部分とを備え得る。レーザービーム通路の外側部分と内側部分とは、一緒にレーザービーム通路を形成するように、互いと位置決めして配置される。プレカーサウェブが押圧構成と支持表面との間に配置されるとき、レーザービーム通路の外側部分と内側部分とはプレカーサウェブの相対する表面に配置される。
【0048】
本明細書で開示されているような方法において、2~8個または3~5個の押圧構成など、少なくとも2つの押圧構成が、支持ロールの支持表面に沿って回転方向に測定される、個々のパンツ式衣服の長さに対応する間隔を押圧構成同士の間に伴って配置され、押圧構成は、回転方向において支持ロールと一緒に移動させられる。
【0049】
本明細書で開示されている方法で使用されているような押圧構成は旋回可能クランプを備えてもよく、旋回可能クランプは、旋回可能クランプがプレカーサウェブに押し下げられている押圧位置と、旋回可能クランプがプレカーサウェブから持ち上げられている解放位置との間で移動可能である。旋回可能クランプは、支持ロールの回転方向においてプレカーサウェブと一緒に移動可能である。レーザービーム通路は、旋回可能クランプに配置され得る、または、2つの旋回可能クランプの間に形成され得る。
【0050】
解放位置へ持ち上げられるとき、旋回可能クランプは、支持ロールの支持表面の表面に対して垂直な方向において径方向に延びるように配置され得る。
【0051】
旋回可能クランプは、支持ロールの周縁に沿って配置され、各々の旋回可能クランプの内側端に配置されるヒンジ構成に作用するカム機構を用いて、押圧位置と解放位置との間で移動させられ得る。
【0052】
レーザー溶接された横継ぎ目は、溶接および切り離しのされた個々のパンツ式衣服が冷却区域に沿って離脱位置へ移動する間、先行および後続の個々のパンツ式衣服の横継ぎ目領域内でプレカーサウェブへの圧力を維持する一方で、冷却および凝固させられる。
【0053】
本明細書で開示されているような方法は、エネルギーをプレカーサウェブに適用するときに発生される煙を除去するステップをさらに含み得る。煙は、支持ロールの内部に位置付けられる、および/または、支持表面の外側における支持ロールの支持表面に位置付けられる煙除去構成を用いて除去され得る。煙除去構成は、溶接区域において発生される煙を除去するように構成される。支持ロールが吸着ロールである場合、吸着ロールの内部で発生される負圧が、溶接領域から煙を除去するのに寄与することができる。
【0054】
溶接された横継ぎ目は、切り離されたパンツ式衣服が回転する支持表面において溶接区域から離脱区域へと移動させられるため、周囲空気のみを用いて冷却させられ得る。冷却は、支持ロールの内部および/または外部における冷却区域の中に位置付けられる冷却構成を用いて、加速および制御され得る。
【0055】
横継ぎ目を作り出すために、および、プレカーサウェブを切り離すために使用されるレーザービームは、溶接区域を通じたプレカーサウェブの移動の間に、レーザービームの焦点の位置を、交差機械方向および機械方向における変化する位置と、レーザー装置と支持ロールの支持表面との間の変化する距離とに適応させるために構成および制御されるレーザー装置によって好ましくは発生される。
【0056】
本明細書で述べられているように、レーザー装置は、レーザービームを押圧構成においてレーザービーム通路に沿って移動させるために制御され得るように構成される。支持ロールが溶接領域を通じて回転するとき、レーザービームは、支持ロールの回転と同調して、支持表面の交差機械方向と機械方向との両方で移動する必要がある。また、レーザービームの焦点の位置は、焦点が溶接および切断の動作を通じて支持表面から一定の距離で維持されるように、レーザー装置と支持表面との間の変化する距離に適応させる必要がある。
【0057】
レーザー溶接および切断の動作は、プレカーサウェブにおける腰縁から脚縁への方向に対応する方向で実施され得る。代替で、溶接および切断の動作は、プレカーサウェブにおける脚縁から腰縁への方向に対応する方向で実施され得る。
【0058】
プレカーサウェブが溶接区域を通じて進んだとき、レーザービームは、同時に、レーザービーム通路の一端からレーザービーム通路の他端へと移動している。溶接動作の経過の間にプレカーサウェブに付与されるエネルギーの影響の下で、切断が、レーザービームの移動する焦点によって作り出される切断線に沿って形成される。切断線は、真っ直ぐとできる、または、湾曲した形などの任意の所望の形を有することができ、交差機械方向からずらされてもよい。レーザービーム通路の形は、所望の切断線の形に好ましくは適応される。しかしながら、真っ直ぐな切断線からの逸脱が、レーザービーム通路の幅の中に収められ得るような非常に小さい場合、切断線の形に対応する形をレーザービーム通路に提供することは必要ではない可能性がある。
【0059】
レーザービームの焦点は、支持ロールの支持表面に位置付けられ得るが、好ましくは、レーザービームの若干の焦点のずれを作り出し、プレカーサウェブにより大きな入射領域を作り出すために、支持表面からある距離に位置付けられる。
【0060】
プレカーサウェブにおける材料は、切断線に沿って完全に溶解および/または蒸発される。切断線の両側に位置付けられる横継ぎ目領域の部分では、プレカーサウェブにおける熱可塑性材料は、細いバンド形状の溶融接着がレーザービーム通路の内側縁に沿って形成され、同時に、先行のパンツ式衣服における1つの横継ぎ目と、後続のパンツ式衣服における1つの横継ぎ目とを作り出すように、溶解および/または軟化される。プレカーサウェブの重ね合わされた層における熱可塑性材料の溶融は、横継ぎ目領域の縁に沿って圧力構成により適用される圧力によって促進される。理屈に縛られることを望むことなく、横継ぎ目領域の縁に沿って適用される圧力は、切断線に沿って個々のパンツ式衣服のきれいな分離を促進させるように寄与することも考えられる。本明細書で述べられているように、個々の衣服の分離は、プレカーサウェブが支持ロールにおいて保持されている間にプレカーサウェブを機械方向MDにおいて引き伸ばすことでさらに高められ得る。
【0061】
本発明は、非限定的な例を用い、添付の図面を参照して、以後においてさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】二部品の外側被覆を伴う例のパンツ式衣服の前面図である。
図2】一体の被覆を伴う例のパンツ式衣服の前面図である。
図3】本明細書で開示されているようなパンツ式衣服における横継ぎ目の詳細図である。
図4図3における横継ぎ目を通じて線IV-IVに沿っての切断における断面図である。
図5】二部品の外側被覆を伴うパンツ式衣服のためのプレカーサウェブを示す図である。
図6】一体の被覆を伴うパンツ式衣服のためのプレカーサウェブを示す図である。
図7】横継ぎ目を形成することと、相互に連結されたパンツ式衣服のプレカーサウェブから個々のパンツ式衣服を切り離すこととを同時に行うための装置の側面図である。
図8a図7に示されたものなどの装置における加工の間のパンツ式衣服のプレカーサウェブを示す図である。
図8b図7に示されたものなどの装置における加工の間のパンツ式衣服のプレカーサウェブを示す図である。
図8c図7に示されたものなどの装置における加工の間のパンツ式衣服のプレカーサウェブを示す図である。
図9】横継ぎ目を形成することと、相互に連結されたパンツ式衣服のプレカーサウェブから個々のパンツ式衣服を切り離すこととを同時に行うときのパンツ式衣服のプレカーサウェブの加工の間のレーザービームの経路を示す図である。
図10図8cにおける線X-Xに沿っての切断における断面図である。
図11】試料がパンツ式衣服から切断され得る所を概略的に示す図である。
図12】引張試験機において2つのクランプの間に留め付けられた試料を示す図である。
図13】厚さの測定のために引き伸ばされた試料を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図面が概略的であることと、材料の層などの個々の構成要素が必ずしも同一の縮尺で描かれていないこととは、理解されるものである。図に示されている使い捨てのパンツ式吸収性衣服は、例として提供されているだけであり、本明細書で開示されているような本発明への限定と見なされるべきではない。本明細書で述べられているように、本発明は、非吸収性衣服、および、洗濯されて限られた回数にわたって再使用できる再使用可能パンツ式衣服または衣服にも適用可能である。洗濯に耐えることができる再使用可能衣服は、例えば、吸収性挿入体と一緒の使用ために適合されているパンツ式衣服といった、非吸収性パンツ式衣服であり得る。
【0064】
さらに、パンツ式衣服の構造は、図との関連で示されている構造と異なってもよい。本明細書で述べられているように、一体のシャーシの代替の構造は、単一の連続的な外側被覆シート、ならびに/または、弾性の前パネルまたは後パネルをそれぞれ形成するためにシャーシの前部および後部の一方もしくは両方に結合される連続的なインナーライナおよび弾性パネルウェブを備え得る。
【0065】
図に示されているパンツ式衣服は単純化された衣服であり、それらパンツ式衣服が、前パネル、後パネル、および股部分の1つまたは複数において脚開口に配置される弾性要素で向上され得ることは、理解されるべきである。さらなる弾性が、例えば障壁折り返し部の形態で提供されてもよい。図1および図2との関連で開示されている腰弾性部が任意選択であること、または、技術的に知られているような任意の他の種類の弾性腰特徴によって代用されてもよいことも、理解されるものである。図1および図2に示されているパンツ式衣服1は、使用者の体幹下部にフィットするように伸ばされるときの見え方と同様の伸ばされた状態において示されている。
【0066】
図1に示されているパンツ式衣服1は、長手方向Lおよび幅方向Wを有し、パンツ式衣服1の前パネル3および後パネル4を形成する二部品の外側被覆9'を備え、前パネル3および後パネル4は、パンツ式衣服1の前部分15および後部分16に配置されている。コア挿入体2が、長手方向(L)において見たとき、前部分15と後部分16との間においてパンツ式衣服1の股部分10に主に位置付けられる。コア挿入体2は、前部分15と後部分16との間の隙間を橋渡しし、端部分11で前部分15および後部分16にわたって延び、端部分11において前部分15および後部分16の内部側に連結されている。コア挿入体2は、体液を吸収するための吸収コア5を備える別に製作された構成要素である。前部分15は、前腰縁21'と、一対の側縁22a、22bとを有し、後部分16は、後腰縁21"と、一対の側縁24a、24bとを有する。前部分15および後部分16の側縁22a、22b、24a、24bは、横継ぎ目6a、6bにおいて結合され、それによって、腰開口7と2つの脚開口8とを有するパンツ式衣服1を形成する。
【0067】
横継ぎ目6a、6bは、パンツ式衣服1の横継ぎ目領域12に配置されている。横継ぎ目領域12は、使用中に使用者のヒップにわたって配置されるパンツ式衣服1の部分である。各々の横継ぎ目領域12は、腰開口7からパンツ式衣服1の脚開口8のうちの対応する一方への間で延びる。本明細書で述べられているように、パンツ式衣服1は、横継ぎ目領域12の中で、重ね合わされたウェブを備える、または重ね合わされたウェブから成る。図3および図4において見られるように、横継ぎ目6a、6bは、熱可塑性ポリマ材料を含み、パンツ式衣服1の前部分15および後部分16の側縁22a、22b、24a、24bに沿って配置されるウェブ材料において、融解した帯片として形成される。
【0068】
図1において概略的に示されているパンツ式衣服1は、伸ばされた状態で示されており、完全に組み立てられており、すぐに使える。図1に示されているパンツ式衣服1は、吸収性衣服であり、パンツ型おむつ、サニタリーパンツ、または失禁用パンツとでき、大人の女性または男性の使用者の使用のために適応させることができる。
【0069】
後パネル4は、前パネル3における材料と同じであっても異なってもよい。前パネル3と後パネル4との少なくとも一方であって、好ましくは前パネル3と後パネル4との両方は、2つの外側不織層の間に挟まれる弾性膜層など、弾性材料の層を備える引き伸ばし接着の積層体ウェブから形成される。積層体ウェブの層の接着は、本明細書で述べられているような離散した接着要素の間欠的なパターンを用いてもたらされ得る。接着は、任意の適切な方法によって行うことができ、超音波接着が概して好ましい。
【0070】
図2は、大人の女性または男性の使用者のための衣服など、パンツ式衣服1の第2の例を示している。パンツ式衣服1は、組み立てられたすぐに使える状態で概略的に示されている。図1におけるパンツ式衣服と図2におけるパンツ式衣服との間の違いは、図2におけるパンツ式衣服1が一体の外側被覆9"を有していることであり、つまり、前部分15および後部分16が、少なくともパンツ式衣服1の長手方向Lにおいて連続的であり、前部分15と後部分16とを相互に連結する股部分10を備えるウェブ材料を備えることであり、股部分10は前部分15および後部分16と一体に形成されている。図2におけるパンツ式衣服1では、前部分15と股部分10と後部分16との間に明確な境界はないが、図1では、股部分10は、前パネル3と後パネル4との間に定められる。
【0071】
前部分15、後部分16、および相互に連結する股部分10を含む一体の外側被覆9"は、好ましくは、2つの外側不織層の間に挟まれる弾性膜層などの弾性材料の層を備える、本明細書で開示されているような引き伸ばし接着された積層体ウェブから、完全または部分的に形成され得る。
【0072】
図1および図2の例における前部分15および後部分16の少なくとも一方であって、好ましくは両方は、2つの繊維外側層の間に挟まれる弾性膜の積層体など、本明細書で開示されているような弾性積層体ウェブを備える、またはそのような弾性積層体ウェブから成る。弾性積層体は、その領域のすべてにわたって同一である必要はなく、異なる領域において異なる層を備えてもよい。図1では、前部分15は、前パネル3と同一の広がりを持ち、パンツ式衣服1の長手方向Lにおいて、脚縁23の上方部から腰縁21へと延びており、幅方向Wにおいて一方の横継ぎ目6aから他方の横継ぎ目6bへと延びている。後部分16は、後パネル4と同一の広がりを持ち、パンツ式衣服1の長手方向Lにおいて、脚縁23の上方部から腰縁21へと延びており、幅方向Wにおいて一方の横継ぎ目6aから他方の横継ぎ目6bへと延びている。図1に示されているように、本明細書で開示されているようなパンツ式衣服の前部分15および後部分16には腰弾性特徴25が設けられてもよく、その腰弾性特徴25は、例えばパンツ式衣服1の腰縁21に沿って取り付けられる補足的な弾性要素の形態であり得るか、パンツ式衣服1の腰縁21に沿って取り付けられる別に製作された弾性腰バンドの形態であり得るか、または、本明細書で述べられているような任意の他の適切な種類のものであり得る。
【0073】
前部分15および後部分16の形は、使用者の具体的な分類に適合するように変えられてもよい。例えば、前部分15および後部分16の一方または両方は、実質的な矩形を有してもよい。さらに、前部分15および/または後部分16の脚縁領域は、脚へのより良好な適合性を提供するように適合された湾曲の形を有してもよい。図1および図2に示されているように、後パネル部分16は、使用者の臀部のより良好な被覆を提供するために、パンツ式衣服の長手方向Lにおいて前部分15より大きな広がりを有してもよい。しかしながら、前部分15と後部分16とは、長手方向Lにおいて等しい広がりを有してもよい。概してより好ましくないが、前部分15は、パンツ式衣服1の長手方向Lにおいて後部分16より大きな広がりを有してもよい。
【0074】
図3および図4を参照すると、例えば図1および図2に示されているようなパンツ式衣服1など、パンツ式衣服1の前部分15と後部分16とを連結する横継ぎ目6の詳細図が示されている。横継ぎ目6は、融解した熱可塑性材料から形成され、パンツ式衣服1の長手方向Lにおいてパンツ式衣服1の腰縁21から脚縁23へと長さlsを有し、パンツ式衣服1の幅方向Wにおいて幅wsを有する。横継ぎ目6は、長さ方向Lにおいて、腰縁21に沿って配置される腰弾性特徴25を横切って延びている。本明細書で述べられているように、腰弾性特徴25は、技術的に知られている任意の種類のものであり得る。図3に示されている例では、前部分15および後部分16は、内側不織ウェブ26と外側不織ウェブ28との間に接着される弾性膜27を有する三層の弾性積層体17によって構成されている。腰弾性特徴25は、離間された複数の弾性糸44を外側不織ウェブに取り付け、前部分15および後部分16の三層の弾性積層体の内側不織ウェブ層の折り畳み部45で弾性糸を被覆することで作り出されている腰バンドである。腰弾性特徴25の種類に拘わらず、横継ぎ目6へと延びる腰弾性特徴は、弾性要素、および任意の被覆層または支持層などの材料が横継ぎ目に存在することを意味する。図3の例にあるように、腰特徴材料は、しばしば、前部分15および後部分16を形成する材料に加えて存在する。このような追加の材料の横継ぎ目における存在は、横継ぎ目の強度に良くも悪くもあまり影響しないことが分かっている。
【0075】
図3および図4に示されている例では、前部分15と後部分16とは両方とも、少なくとも前パネル3および後パネル4の領域の中で、または、弾性の横フラップの中で、外側被覆を形成する弾性ウェブ材料から作られている。弾性ウェブ材料は、外側不織層28と内側不織層26との間で引き伸ばし接着されている内側弾性膜27を備える三層の積層体17である。不織層26、28は、非弾性である、または、弾性膜27より低い弾性であり、弾性膜層27は、少なくともパンツ式衣服1の幅方向Wに対応する方向において少なくとも50%は引き伸ばされている間に、不織層26、28の間に接着される。
【0076】
引き伸ばし接着された三層の積層体の接着は、本明細書で開示されているような間欠的に適用された離散した接着要素を用いて作られている。
【0077】
弾性積層体ウェブが接着の後に弛緩させられるとき、弾性膜は収縮し、非弾性またはより低い弾性の不織ウェブを寄せ集めさせ、弾性積層体ウェブの外面にひだおよびしわを形成させる。弾性積層体ウェブの外面の織物外観は、しわの規則的なパターンの形成を促進する接着パターンを用いることで高められ得る。特に適切な接着パターンは、寄せ集まった不織ウェブを、非接着部分が点接着の間にある制御された規則的な方法でしわ寄せさせるずらした点の接着のパターンであり得る。不織ウェブのこのような制御されたしわ寄せは、織物パターンに似るように作られてもよく、寄せ集まっていない不織ウェブの厚さより相当に大きい機能的な厚さを有する高く膨れ上がった柔らかいふわっとしたクッション性の外側層を、弾性積層体ウェブに提供する。点接着は、例えば、熱接着によって、または、超音波接着によって作り出され、本明細書で開示されているような好ましいとされる超音波接着で作り出され得る。弾性膜層が非熱可塑性膜であり、不織層が熱可塑性層または少なくとも主に熱可塑性の層であることと、不織ウェブ層同士の間の弾性膜層の接着が、弾性膜層を穿孔すること、および、弾性膜層における穿孔において不織ウェブ層同士の間に溶融接着を作り出すことを同時に行うことで実施されることとは、特に好ましいとされ得る。この方法で作られた弾性積層体は、優れた通気性を有し、本明細書で開示されているようなパンツ式衣服における外側被覆としての使用に特に適している。
【0078】
図4を参照すると、横継ぎ目6が、本明細書で述べられているように、概して矩形または箱形の断面領域asを有する形態を有することが見て取れる。前パネル3および後パネル4における三層の弾性積層体17は、包装から取り出されたときに現れるように、寄せ集まった状態で示されている。三層の弾性積層体17は、パンツ式衣服の着用の間に少なくともいくらか寄せ集められることになる。この状態において、三層の弾性積層体17の内側不織層26および外側不織層28は、箱形の横継ぎ目6の厚さより相当に大きい外観の厚さを伴って、しわ寄せした構成を取る。横継ぎ目6は、前部分15および後部分16の三層の弾性積層体17の衣服を向く外側の表面に配置され、前部分15および後部分16の三層の弾性積層体17の外面19から内側へ距離dに位置付けられる外面18を有する。この手法では、融解した細長い横継ぎ目6における比較的硬い固化材料が、前部分15および後部分16における柔らかく膨れ上がった材料によって効果的に遮蔽される。さらに、三層の弾性積層体におけるしわは、横継ぎ目を隠すようにも供し、衣服が着用されているとき、横継ぎ目を裸眼でほとんど視認不可能にする。
【0079】
図5は、例えば図1に示されているように、本明細書で開示されており、二部品の外側被覆9'を有する種類のパンツ式衣服1を形成するためのプレカーサウェブ35を示している。プレカーサウェブ35は、引き伸ばし接着されて積層された弾性ウェブなど、2つの平行で連続的な弾性積層体ウェブ31'、31"を製造することと、プレカーサウェブ35を機械方向MDにおいて移動させている間に連続的な弾性積層体ウェブ31'、31"を、コア挿入体2などの股材料で間欠的に連結することとによって形成され得る。
【0080】
パンツ式衣服1の脚開口の所望の形に依存して、ウェブ材料は、パンツ式衣服1のより下着のような形とより良好なフィットとを提供するために、切断および成形されてもよい。
【0081】
別に製作されたコア挿入体2が、コア挿入体2が弾性積層体ウェブ31'、31"の両方と部分的に重なるように、ウェブ31'、31"が機械方向MDにおいて引っ張り状態で保持される間に弾性積層体ウェブ31'、31"の間の隙間に配置される。吸収性の挿入体2は、溶接、熱接着、接着剤の使用などの任意の適切な方法もしくは方法の組み合わせによって、弾性積層体ウェブ31'、31"に固定され得る。
【0082】
プレカーサウェブ35は、脚開口8が配置されており、相互に連結されたプレカーサパンツ式衣服36から成る連続ウェブである。図5に示されているように、プレカーサウェブ35は、プレカーサウェブ35に沿って中央で機械方向MDに延びる折り線Fに沿って折り畳まれる。
【0083】
プレカーサウェブ35が折り畳まれた後、横継ぎ目6a、6bがプレカーサウェブ35の横継ぎ目領域112に形成され、横継ぎ目6a、6bが形成されるのと同時に、個々のパンツ式衣服1が、プレカーサウェブを切り離すことでプレカーサウェブ35から分離される。
【0084】
図6に示されているプレカーサウェブ35は、本明細書で開示されているような、図2に示されたパンツ式衣服1などの一体の外側被覆を有する種類のプレカーサパンツ式衣服36の連続ウェブである。図6におけるプレカーサウェブ35は、弾性積層体ウェブ31を機械方向MDにおいて移動させることと、コア挿入体2を移動する弾性積層体ウェブ31に間欠的に適用することと、脚開口8をコア挿入体2同士の間で切断することとによって形成される。プレカーサウェブ35は、続いて、機械方向MDにおいて延びる折り線Fに沿って折り畳まれる。
【0085】
一体の被覆を有するパンツ式吸収性衣服のプレカーサウェブは、代替で、移動する連続的な内側被覆ウェブと外側被覆ウェブとの間に吸収コアを適用することで製作されてもよく、被覆ウェブのうちの少なくとも一方は、一体の被覆の全長に対応する幅を交差機械方向CDにおいて有する。さらに、プレカーサウェブは、技術的に知られているように、障壁層、取得層、脚弾性要素など、図に示されていない構成要素を備えてもよい。
【0086】
プレカーサウェブ35が折り畳まれた後、横継ぎ目が折り畳まれたプレカーサウェブ35に形成され、個々のパンツ式衣服1は、プレカーサパンツ式衣服36同士の間に横継ぎ目6a、6bを形成するのと同時にプレカーサウェブを切り離すことで、プレカーサウェブ35から分離される。
【0087】
弾性積層体ウェブ31における弾性材料が交差機械方向CDにおいて連続的である必要がないことは、理解されるものである。例として、弾性材料は、パンツ式衣服1における前パネル3および後パネル4の一方または両方に対応する弾性積層体ウェブ31の領域のみに適用されてもよい。
【0088】
図7は、横継ぎ目を形成することと、相互に連結されたプレカーサパンツ式衣服36のプレカーサウェブ35から、本明細書で開示されている種類の個々のパンツ式衣服を切り離すこととを同時に行うための装置100を示している。装置は、横継ぎ目の形成の間にプレカーサウェブ35を支持し、個々のパンツ式衣服1をプレカーサウェブ35から切り離すための外側周辺支持表面41を有する支持ロール40を備える。支持ロール40は、装置100の機械方向MDと一致する回転方向Rを有する。装置は、機械方向MDおよび支持ロール40の回転方向Rに対して垂直の交差機械方向CDをさらに有する。
【0089】
装置100には敷設構成70が設けられている。図7では、敷設構成は、プレカーサウェブ35を、支持ロール40の外側周辺における敷設位置80において、機械方向MDで支持表面41へと送り込む偏心ロールとして示されている。
【0090】
個々のパンツ式衣服1へと分離され得るプレカーサウェブ35は、図3および図4において示されているものなどのプレカーサウェブであり得る。プレカーサウェブ35は、相互に連結されたパンツ式衣服36の連続ウェブとして、支持ロール40の支持表面41に敷設される。本明細書で開示されているようなレーザー溶接および切断動作の終わりにおいて、個々のパンツ式衣服1が連続プレカーサウェブ35から切り離されており、取り外され、溶接および切断の装置100の下流の折り畳みおよび包装の機器へと運ばれ得る。
【0091】
装置100には、1つまたは複数の押圧構成110がさらに設けられている。図7に示されている装置1は、支持ロール40の外側周辺に沿って等距離に離間された6個の押圧構成110を有する。押圧構成110の数は、本明細書で開示されているような装置または方法にとって重要ではなく、本明細書で述べられているように、任意の有用な数の押圧構成が使用され得ることは、理解されるものである。押圧構成110同士の間の間隔は、好ましくは、機械方向MDにおいてパンツ式衣服1のピッチ長さに対応するように選択され得る。
【0092】
押圧構成110には、図8a図8b図8cにおいて概略的に示されている押圧クランプ170などの押圧手段が設けられており、押圧クランプ170は、機械方向MDにおいて見られる先行および後続の個々のパンツ式衣服1a、3bの横継ぎ目領域112の反対側に配置される押圧領域111の中において、プレカーサウェブ35を支持表面41に押し付けるために配置されている。押圧領域111は、横継ぎ目領域112に隣接して沿って位置付けられる。レーザービーム通路150が、押圧領域111同士の間において押圧クランプ170に配置されている。レーザービーム通路150は、押圧クランプ170における細い開口またはスリットとして、図3および図4に示されている。本明細書で述べられているように、レーザービーム通路150は、代替で、例えば、離間された押圧バー同士の間の隙間として、または、押圧ベルトにおける開口として、設けられてもよい。レーザービーム通路150は、プレカーサウェブ35に形成される横継ぎ目6a、6bの長さ以上である長さを交差機械方向CDにおいて有する。押圧クランプ170は、レーザービーム通路150が支持ロール40の外側周辺における支持表面41における横継ぎ目領域112と位置決めして重なる状態で、プレカーサウェブに適用される。それによって、横継ぎ目領域112は、レーザービーム通路150の中に完全に収容される。
【0093】
レーザー装置200が、支持ロール40の外側周辺の溶接区域210に配置される。レーザー装置200は、図8a図8b図8cに示されているようなレーザービーム通路150を通じ、レーザービーム通路150に沿って、レーザービーム220を方向付けるように構成される。レーザー装置200は、レーザービーム220を発生させるように、および、レーザービーム220の焦点fを、レーザービーム通路150に沿って、交差機械方向CDにおいてレーザービーム通路150の一端からレーザービーム通路150の他端へと移動させるように構成されている。支持ロール40が連続的に回転しているとき、焦点fは、図9に示されているように、支持ロール40の回転と同調して、機械方向MDにおいて同時に移動されなければならない。焦点fは、レーザービーム通路150に沿ってのレーザービーム200の移動の間、支持表面から一定の距離で維持されるべきである。支持ロール40が機械方向MDにおいて回転し、レーザービーム220が交差機械方向CDにおいて支持表面41にわたって移動される間、レーザー装置200は不動であるため、レーザービーム220と支持表面41との間の距離は、溶接区域210において実行される溶接および切断の動作の間に変化する。そのため、レーザー装置200は、レーザービーム220の焦点fの位置がレーザー装置200と支持表面41との間の変化する距離に適応されるように構成されてもいる。
【0094】
本明細書で使用されているように、レーザービームの焦点fの位置を適応させるように構成されているレーザー装置は、例えば、支持ロールの回転速度、支持ロールの半径、レーザービーム通路の形などの関連する入力データに基づいて、レーザー装置におけるレーザー発生機器の設定を変更するための制御信号を出力することができるデータ処理装置といった手段を備える。
【0095】
図8a図8b、および図8cは、押圧構成110の一部である押圧クランプ170によってプレカーサウェブ35が支持表面41に押し付けられている状態での支持ロール40および支持表面41の一部を示している。横継ぎ目6a、6bが形成される場所での支持表面41およびプレカーサウェブ35の一部だけが、図8a図8b、および図8cに示されている。図8a図8b、および図8cの上方の部分は腰縁21と腰弾性特徴25とを示しており、図8a図8cの下方の部分は、プレカーサウェブ35におけるパンツ式衣服1の脚縁23の上方部を示している。
【0096】
図8a図8b、および図8cは、個々のパンツ式衣服1がプレカーサウェブ35から切り離されるのと同時に、横継ぎ目6a、6bがプレカーサパンツ式衣服36a、36bにおいてどのように形成されるかを示している。レーザービーム通路150を通じてレーザーエネルギーをプレカーサウェブ35に適用することで、プレカーサウェブの重ね合わされた層における熱可塑性材料は、横継ぎ目領域112の中で局所的に溶解および融解され、同時に、個々のパンツ式衣服をプレカーサウェブ35から分離するために、プレカーサウェブ35は切り離される。レーザービーム220は、支持ロール40の外側からレーザービーム通路150を通じ、レーザービーム通路150に沿って方向付けられ、これは、レーザー装置200および押圧構成110を、保守および交換のために容易にアクセス可能にする。さらに、好ましくは、溶接および切り離しの加工によって発生される煙が支持ロール40の溶接区域210から直接的に除去され得るように、煙除去構成80が支持ロール40の外側に設けられ得る。
【0097】
本明細書で述べられているように、レーザービーム220は、焦点fが支持表面41から一定の距離で維持されるように、レーザービーム220の焦点fの位置を、レーザー装置と支持表面41との間の変化する距離に適応させつつ、支持ロール40の回転と同調して、支持表面41の交差機械方向CDおよび機械方向MDにおいてレーザービーム通路150に沿って移動するように制御される。
【0098】
図9は、締め付け構成110におけるレーザービーム通路150が溶接区域210を通じて移動し、横継ぎ目6a、6bが形成されるとき、レーザービーム220の焦点fが交差機械方向CDと機械方向MDとの両方においてどのように移動するかを示している。図9は、プレカーサウェブ35において腰縁21から脚縁23へと実施される溶接加工に対応するように取られ得る、レーザービーム通路150の左手側からレーザービーム通路150の右手側へと移動する焦点fを示している。横継ぎ目がプレカーサウェブ35において脚縁23から腰縁21へと形成されることに対応して、横継ぎ目6a、6bを反対方向において形成すること、つまり、図9において右から左へと形成することが同様に視認可能であることは、理解されるものである。
【0099】
プレカーサウェブ35が溶接区域210を通じて進み、レーザービームがプレカーサウェブ35において作用したとき、図8bに示されているように、切断が切断線85に沿って形成される。切断線85は、レーザービーム220の焦点fを移動させることで作り出される。レーザービーム220の焦点位置fは、支持ロール40の支持表面41に位置付けられ得るが、好ましくは、レーザービームの若干の焦点のずれを作り出し、プレカーサウェブ35により大きな入射領域を作り出すために、支持表面41からある距離に位置付けられる。25~35ミリメートルの支持表面41からの距離において焦点fを有するレーザービームが、良好な横継ぎ目の強度と、横継ぎ目同士の間の明確な切断との特に有用な組み合わせを提供することが見出された。しかしながら、レーザービームの焦点fは、支持ロールの支持表面から20~40ミリメートル、または、支持ロールの支持表面から25~30ミリメートルなど、支持ロールの支持表面から0~60ミリメートルにあり得る。
【0100】
プレカーサウェブ35における材料は、切断線85に沿って完全に溶解および/または蒸発される。切断線85の両側に位置付けられる横継ぎ目領域112の部分では、プレカーサウェブ35における熱可塑性材料は、細いバンド形状の溶融接着がレーザービーム通路150の内側縁に沿って形成され、先行のプレカーサパンツ式衣服36aにおける1つの横継ぎ目6aと、後続のプレカーサパンツ式衣服36bにおける1つの横継ぎ目6bとを作り出すように、溶解および/または軟化される。プレカーサウェブ35の重ね合わされた層における熱可塑性材料の溶融は、横継ぎ目領域112の正に縁において、圧力構成の押圧クランプ170などの圧力手段により適用される圧力によって促進される。理屈に縛られることを望むことなく、横継ぎ目領域112の縁に沿って適用される圧力は、図8cに示されているように、切断線85に沿って個々のパンツ式衣服36a、36bの分離を促進させるように寄与することも考えられる。個々の衣服1の分離は、プレカーサウェブ35が支持ロール40において保持されている間にプレカーサウェブ35を機械方向MDにおいて引き伸ばすことでさらに高められる。
【0101】
図10は、図8cにおける線X-Xに沿っての切断における断面図であり、先行のプレカーサパンツ式衣服36aおよび後続のプレカーサパンツ式衣服36bの新たに形成されて分離された横継ぎ目6a、6bを示している。プレカーサ衣服36a、36bの前パネルウェブ13および後パネルウェブ14の重ね合わされた層は、横継ぎ目6a、6bに直に隣接する押圧領域111において圧力Pを発揮する押圧クランプ170(または他の押圧手段)を用いて、支持表面41に押し付けられる。
【0102】
横継ぎ目6a、6bが、図7に示されている装置100の溶接区域210に形成された直後では、融解した熱可塑性材料はなおも高温であって柔らかく、強く機能的な横継ぎ目6a、6bを作り出すために冷却されて凝固させる必要がある
【0103】
横継ぎ目6a、6bが凝固するために、切り離されたプレカーサウェブ35は、支持ロール40の冷却区域137に沿って運ばれる。冷却区域137を通じて移動するとき、切り離されたプレカーサウェブ35は、押圧構成110によって支持表面41に押し付けられて保持される。切り離されたプレカーサウェブ35への圧力Pを維持することによって、プレカーサウェブ35における任意の引っ張り弾性が、収縮することから、および、新たに形成された横継ぎ目6a、6bに損傷をもたらすことから防止される。切り離されたプレカーサウェブ35の冷却は、周囲空気のみへの曝露によって実行され得る。冷却空気などの冷却構成、または、冷却区域137内において支持ロール40に配置される冷却要素を使用することも考えられる。
【0104】
冷却区域137の終わりにおいて、切り離されて冷却されたプレカーサウェブ35は、離脱構成139を伴う離脱区域138に到達する。離脱構成139は、回転する吸着ロールとして図7に示されている。離脱構成139は、個々のパンツ式衣服1を支持ロール40から取り外すように構成されている。個々のパンツ式衣服1がプレカーサウェブ35から分離されたとき、パンツ式衣服1における弾性積層体ウェブ、腰弾性部、および脚弾性部などの任意の弾性材料は、引き伸ばされた状態でもはや保持されていない。それによって、弾性は、パンツ式衣服1を寄せ集めさせ、つまり、パンツ式衣服1を収縮させ、弾性構成要素に接着される非弾性またはより低い弾性のウェブ材料においてしわまたはひだを形成させる。
【0105】
(実施例)
試験された材料
試験された材料は、16gsm(1平方メートルあたりのグラム)の基本重量を有する外側スパンボンドプロピレン不織層と、Exten SA(Extretch MD2)からのエチレンに基づく共重合体の弾性膜とを有する超音波接着された弾性材料であった。膜は、おおよそ1:3の伸張比へと引き伸ばされ、約5%の接着領域を有する外側不織層に超音波接着で接着された。
【0106】
試験
試料の幅は25mmであり、試料の長さは、試験される製品に適応させられた。試料37が、図11に示されているように、パンツ式衣服の左側および右側における横継ぎ目にわたって切り取られた。
【0107】
機器
- システムIDが5965L3520である引張試験機Instron 5965
* 破れのプログラミングのためのソフトウェア基準:
クロスヘッド速度: 300mm/min
・ 荷重が0.02Nへと低下するとき、または、荷重が最大荷重の5%へと低下するとき、破れが検出される。
・ 2秒の遅れを伴う荷重、または、検出器が1Nにおいて作動する。
・ 測定試験領域内のロードセル。不確かな場合、少なくとも100Nの高最大ロードセルで常に開始する。
・ 結果: 最大荷重、破れの種類
* クランプの板の幅: 25mm。クランプは試料の幅以上の幅でなければならない。
* クランプ同士の間の距離: 約25~50mm
- 回転ナイフを伴うカッターまたは打ち抜き型。
- 打ち抜く場合、幅が25mmで、長さはどの製品が試験されるかで変わり得る打ち抜き型板。
【0108】
試料準備
- 横継ぎ目の所望の部分から試験片を打ち抜きまたは切断し、弾性体が引き伸ばし板によって打ち抜かれる前に引き伸ばされることを確認する。製品を引き伸ばしすぎないことを確認する。
【0109】
手順
- 引張試験機を始動し、ゼロ設定/平衡化させる。装置説明書を見る。
- クランプ同士の間の距離を設定する。
- 試料が引張試験機に搭載されるごとに、搭載の前に荷重がゼロであることを確認する。
- 図12に従って、引張試験機におけるクランプ34の間に融解した材料の横継ぎ目6を伴う試験片37を留め付ける。
- 引っ張りを開始する。
- 層が分離したときに停止する。
- 最大値=F(N)と、封止において、または、封止の外の材料において破れがあったかどうかとに留意する。
【0110】
【表1】
【0111】
材料厚さ試験方法
原理
厚さは、すべての材料が含まれる物体の2つの表面の間の寸法として定義される。厚さは、所与の速さで試料へと下降される固定荷重での測定フットを用いて決定される。厚さは、測定フットが試料の表面に触れたとき、5秒後にデジタル厚さ計測器/試験機において読み取られる。
【0112】
機器
厚さ計測器/試験機、IM-Teknik AB、Reningsverksgatan 6、421 47 Vastra Frolundaによって供給される型式DT-25、精度±0.03mm。
【0113】
【表2】
【0114】
試料を引き伸ばすことについて、第1の不動のクランプと第2のクランプとを伴う引き伸ばし機器が使用され、第2のクランプは、試料がクランプ同士の間で長手方向に引き伸ばされ得るようにフレーム内で移動可能である。力測定デバイスは、負荷力を測定するために移動可能クランプに取り付けられた。力測定デバイスは、例えば動力計であり得る。
【0115】
試料準備
比較可能な結果を知るために厚さを決定するとき、製品を注意深く取り扱う。横継ぎ目に対して垂直に試料を切断する。ハサミまたは打ち抜き型が使用され得る。試料は、50mmの幅で最小150mmの長さとなるべきである。
【0116】
手順
前パネルおよび後パネルを互いから折り畳み解除し、端を引き伸ばしクランプにおいて固定する。試料を10Nまで引き伸ばす(この負荷において、材料は、約100%まで、つまり、伸張比1:2まで引き伸ばされる)。意図されている測定表面を測定フットの下に配置する。衣服を向く外側の不織層は、測定フットの方へ上向きで配置されるべきである。
【0117】
測定フットを下降させ、フットが製品の表面に触れるとき、表示部において結果を読む前に5秒以下待機する。注意! 折りおよびひだの上での測定を回避すること。
【0118】
厚さ試験結果
10個の比較可能試料が、試験された材料の2片の間の溶接された継ぎ目にわたって切断され、材料厚さと継ぎ目厚さとが測定された。試料の平均材料厚さは、0.09の標準偏差で0.7ミリメートルであった。試料の平均継ぎ目厚さは、0.07の標準偏差で0.73ミリメートルであった。継ぎ目厚さtsと材料厚さtmとの間の割合ts/tmは、0.15の標準偏差で1.06になると決定された。
【0119】
したがって、横継ぎ目6の厚さによって決定されるような継ぎ目厚さtsは、隣接する材料17の材料厚さtmより若干大きくなり、試料が2つのクランプ34の間に取り付けられて示されている図13によって示されているように、引き伸ばされた試験試料の衣服を向く表面からいくらか突出することが分かった。
【符号の説明】
【0120】
1、1a、3b パンツ式衣服
2 コア挿入体
3 前パネル
4 後パネル
5 吸収コア
6a、6b 横継ぎ目
7 腰開口
8 脚開口
9' 外側被覆
9" 一体の外側被覆
10 股部分
11 端部分
12 横継ぎ目領域
15 前部分
16 後部分
17 弾性積層体
18 横継ぎ目6の外面
19 弾性積層体17の外面
21 腰縁
21' 前腰縁
21" 後腰縁
22a、22b 側縁
23 脚縁
24a、24b 側縁
25 腰弾性特徴
26 内側不織ウェブ、内側不織層
27 弾性膜層
28 外側不織ウェブ、外側不織層
31、31'、31" 弾性積層体ウェブ
34 クランプ
35 プレカーサウェブ
36、36a、36b プレカーサパンツ式衣服、相互に連結されたパンツ式衣服
37 試料、試験片
40 支持ロール
41 支持表面
44 弾性糸
45 折り畳み部
70 敷設構成
80 敷設位置、煙除去構成
85 切断線
100 装置
110 押圧構成、締め付け構成
111 押圧領域
112 横継ぎ目領域
137 冷却区域
138 離脱区域
139 離脱構成
150 レーザービーム通路
170 押圧クランプ
200 レーザー装置
210 溶接区域
220 レーザービーム
CD 交差機械方向
F 折り線
f 焦点
L 長手方向、長さ方向
MD 機械方向
P 圧力
W 幅方向
ls 横継ぎ目6の長さ
R 回転方向
ws 横継ぎ目6の幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a-8c】
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】