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特表2022-553136圧力波発生器及び圧力波発生器の操作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(54)【発明の名称】圧力波発生器及び圧力波発生器の操作方法
(51)【国際特許分類】
   F15C 1/22 20060101AFI20221215BHJP
   F41H 13/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
F15C1/22
F41H13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520066
(86)(22)【出願日】2020-10-20
(85)【翻訳文提出日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 EP2020079524
(87)【国際公開番号】W WO2021078754
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】01347/19
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520124822
【氏名又は名称】エクスプロテクニック アーゲー
【氏名又は名称原語表記】EXPLOTECHNIK AG
(71)【出願人】
【識別番号】522072714
【氏名又は名称】ハンス リュエッグ
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ハンス リュエッグ
(57)【要約】
圧力チャンバ(2)を備えた圧力波発生器(1)の運転方法において、圧力波発生器(1)は、閉鎖位置では、出口(15)に対して圧力チャンバ(2)を閉鎖し、開放位置では、作動媒体を圧力チャンバ(2)から出口(15)に流入させる閉鎖要素(9)と、アクチュエータであって、アクチュエータによって閉鎖要素(9)は、閉鎖位置から開放位置にもたらすことができ、特に、開放位置から閉鎖位置にもたらすこともできる、アクチュエータと、を備え、方法は、100バールを超える圧力で圧力チャンバ(2)をガス状の作動媒体で充填するステップと、アクチュエータを移動させることにより、閉鎖要素(9)を開放方向に移動させて圧力チャンバ(2)を前記出口(15)に対して開放するステップと、15ミリ秒未満の排出期間内に、圧力チャンバ(2)から出口(15)を介して加圧された作動媒体を排出するステップと、を繰り返して行う。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力チャンバ(2)を備えた圧力波発生器(1)の運転方法において、前記圧力波発生器(1)は、
閉鎖位置では、出口(15)に対して前記圧力チャンバ(2)を閉鎖し、開放位置では、作動媒体を前記圧力チャンバ(2)から前記出口(15)に流入させる閉鎖要素(9)と、
アクチュエータであって、前記アクチュエータによって前記閉鎖要素(9)は、前記閉鎖位置から前記開放位置に移動させることができ、特に、前記開放位置から前記閉鎖位置に移動させることもできる、アクチュエータと、
を備え、
前記方法は、
100バールを超える圧力で前記圧力チャンバ(2)を気体の作動媒体で充填するステップと、
前記アクチュエータを移動させることにより、前記閉鎖要素(9)を開放方向に移動させて前記圧力チャンバ(2)を前記出口(15)に対して開放するステップと、
15ミリ秒未満の排出時間内に、前記圧力チャンバ(2)から前記出口(15)を介して加圧された前記作動媒体を排出するステップと、
を繰り返して行うことを含む、方法。
【請求項2】
前記圧力チャンバ(2)の容積が3リットルを超え、特に4リットルを超え、特に5リットルを超える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記出口(15)の最も狭い点の面積が20平方センチメートルを超え、特に80平方センチメートルを超え、特に180平方センチメートルを超える、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記閉鎖要素(9)の開放速度は、10m/秒より大きく、特に20m/秒より大きく、特に少なくとも30m/秒である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
開閉運動作中の前記閉鎖要素(9)の行程は、30ミリメートルから150ミリメートルの間、特に40ミリメートルから100ミリメートルの間、特に50ミリメートルから80ミリメートルの間である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記作動媒体による前記圧力チャンバ(2)の充填は、150バールを超える圧力、特に200バールを超える圧力で行われる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
排出時間は、10ミリ秒未満、特に5ミリ秒未満、特に3ミリ秒未満である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記作動媒体は、空気、窒素又は蒸気の1つであり、特に過熱蒸気又は飽和蒸気である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
充填するステップ中、又は、充填するステップの後で前記圧力チャンバを開放するステップの前に実行されたステップと、
前記圧力チャンバへ供給された、または前記圧力チャンバに置かれた前記作動媒体を、特に200℃から450度、特に250℃に加熱するステップと、
を含み、
特に、前記加熱するステップは、電気的エネルギで実行される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
空気圧アクチュエータ(4b)を使用する、請求項1~9ののいずれか一項に記載の方法において、前記空気圧アクチュエータ(4b)は、
第1の容積(41)内の気体制御媒体に対して作用する第1のピストン表面(91)であって、前記第1の容積(41)内の圧力が前記第1のピストン表面(91)に第1の方向のアクチュエータ力を生じさせる、第1のピストン表面(91)と、
第2の容積(42)内の制御媒体に対して作用する第2のピストン表面(92)であって、第2の容積(42)内の第2のピストン表面(92)上の圧力が、前記第1の方向と反対の第2の方向にアクチュエータ力を生じさせる、第2のピストン表面(92)と、
を備え、
前記閉鎖要素(9)は、前記空気圧アクチュエータ(4b)によって前記閉鎖位置から前記開放位置にもたらすことができ、特に、前記開放位置から前記閉鎖位置にもたらすこともでき、
前記圧力チャンバを開放する方法は、
特に、前記第1の容積(41)の入口/出口開口を開き、それによって前記圧力チャンバ(2)を開くことによって、前記第1の容積(41)から前記制御媒体の少なくとも一部を排出するステップと、
前記第1の容積(41)における圧力降下を前記第2の容積(42)における圧力降下よりも速くすることによって前記アクチュエータを第2の方向に移動させることにより、前記閉鎖要素(9)を開放方向に移動させて、前記出口(15)に対して前記圧力チャンバ(2)を開放し、前記圧力チャンバ(2)から前記作動媒体を前記出口(15)を介して排出するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
空気圧アクチュエータ(4b)を使用する、請求項1~9ののいずれか一項に記載の方法において、前記空気圧アクチュエータ(4b)は、
第1の容積(41)内の気体制御媒体に対して作用する第1のピストン表面(91)であって、前記第1の容積(41)内の圧力が前記第1のピストン表面(91)に第1の方向のアクチュエータ力を生じさせる、第1のピストン表面(91)と、
第2の容積(42)内の制御媒体に対して作用する第2のピストン表面(92)であって、前記第2の容積(42)内の前記第2のピストン表面(92)上の圧力が、前記第1の方向とは反対の第2の方向のアクチュエータ力を生じさせる、第2のピストン面(92)と、
を備え、
前記閉鎖要素(9)は、前記空気圧アクチュエータ(4b)によって前記閉鎖位置から前記開放位置にもたらすことができ、特に、前記開放位置から前記閉鎖位置にもたらすこともでき、
前記方法は、
特に充填弁、たとえば圧縮空気弁(49)を用いて、前記第1の容積(41)に加圧されたガス制御媒体を充填するステップと、
絞りによって前記第1の容積(41)と前記第2の容積(42)との間の圧力補償を行うことにより、前記第1のピストン表面(91)と前記第2のピストン表面(92)との表面差によって前記アクチュエータを前記第1の方向に移動させることにより、閉鎖要素(9)を閉鎖方向に移動させて前記圧力チャンバ(2)を閉鎖させるステップと、
前記圧力チャンバ(2)をガス状の作動媒体で充填するステップと、
特に、前記第1の容積(41)の入口/出口開口を開放することによって、前記第1の容積(41)から制御媒体の少なくとも一部を排出し、それによって前記圧力チャンバ(2)を開放するステップと、
前記第2の容積(42)よりも前記第1の容積(41)の方が圧力降下が速いことによって前記アクチュエータを前記第2の方向に移動させることにより、前記閉鎖要素(9)を開放方向に移動させて前記出口(15)に対して前記圧力チャンバ(2)を開放し、前記作動媒体を前記第2の容積(42)から排出するステップと、
を繰り返して行う、方法。
【請求項12】
圧力チャンバ(2)を備える、請求項1又は2に記載の方法を実施するための圧力波発生器(1)であって、
閉鎖位置では、前記出口(15)に対して圧力チャンバ(2)を閉鎖し、開放位置では、作動媒体を前記圧力チャンバ(2)から前記出口(15)に流出させることを可能にする、閉鎖要素(9)と、
前記閉鎖要素(9)を前記閉鎖位置から前記開放位置へ、および前記開放位置から前記閉鎖位置へもたらすことができるアクチュエータと、
を備え、
前記圧力チャンバ(2)の容積が3リットルを超え、特に4リットルを超え、特に5リットルを超え、
前記出口(15)の最も狭い点の面積が20平方センチメートルを超え、特に80平方センチメートルを超え、特に180平方センチメートルを超え、
開閉運動中の前記閉鎖要素(9)の行程は、30ミリメートルから150ミリメートルの間、特に40ミリメートルから100ミリメートルの間、特に50ミリメートルから80ミリメートルの間である、圧力波発生器(1)。
【請求項13】
前記閉鎖要素(9)によってそれぞれ閉鎖および開放される閉鎖開口部の閉鎖面積は、少なくとも出口の最も狭い点における面積と同程度の大きさであり、特に前記出口の最も狭い点における面積より少なくとも10%大きい、請求項12に記載の圧力波発生器(1)。
【請求項14】
前記閉鎖要素(9)は、中空円筒状であり、円筒表面に対応する閉鎖開口部を開閉するように配置されている、請求項12又は13に記載の圧力波発生器(1)。
【請求項15】
前記閉鎖要素(9)が前記閉鎖開口部を閉鎖する端部位置から始まって前記閉鎖要素(9)を開放する運動中に、前記閉鎖要素は、ゼロと異なる最小距離、特に5ミリメートルを超えるかまたは8ミリメートルを超える最小距離をカバーした後にのみ前記閉鎖開口部を開放する、請求項12~14のいずれか一項に記載の圧力波発生器(1)。
【請求項16】
圧力チャンバ(2)を備える、請求項9に記載の方法を実施するための圧力波発生器(1)であって、前記圧力波発生器(1)は、
閉鎖位置では、出口(15)に対して前記圧力チャンバ(2)を閉鎖し、開放位置では、作動媒体を前記圧力チャンバ(2)から前記出口(15)に流入させる閉鎖要素(9)と、
前記閉鎖要素(9)を前記閉鎖位置から前記開放位置へ、および前記開放位置から前記閉鎖位置へもたらすことができるアクチュエータと、
前記圧力チャンバ(2)に供給される作動媒体又は前記圧力チャンバ(2)内に存在する作動媒体を加熱するためのヒータ(80)と、
を備え、特に、前記ヒータ(80)は電気ヒーターである、圧力波発生器(1)。
【請求項17】
請求項12~16のいずれか一項に記載の圧力波発生器(1)であって、コントローラ(20)を備え、前記コントローラ(20)は、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法を実行する為に前記圧力発生器(1)を制御するように構成される圧力波発生器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高強度圧力パルスを発生するためのデバイスおよび方法に関する。特に、独立特許請求の範囲の前文に記載された圧力波発生器及び圧力波発生器の操作方法に関する。
【0002】
WO 2007/028264、特にWO 2010/025574に記載されているように、圧力波発生器では、補助爆発と主爆発が互いに分離されたチャンバ内で点火される。補助爆発は、主爆発チャンバのシャッタを直接または他のラッチ機構を介して解放するように作用し、その結果、後続の主爆発がシャッタに全力で作用して、それに応じてシャッタを損傷または破壊しないようにする。爆発遅延は、補助爆発と主爆発の間で発生する。そのような遅延は、例えば、爆発が補助チャンバから主チャンバへ伝導される遅延ラインによって、またはチャンバ内に存在する別個の点火デバイスを介して2つのチャンバ内で遅延点火によって生じる。
【0003】
簡素化された圧力波発生器が必要である。
【0004】
したがって、本発明の可能な目的は、既知のデバイスに関して単純化された圧力波発生器を提供することである。
【0005】
本発明の可能な更なる目的は、既知のデバイスと比較して、より堅牢および/または耐久性のある圧力波発生器を提供することである。
【0006】
これらの目的の少なくとも1つは、特許請求の範囲に記載された圧力波発生器および圧力波発生器を操作する方法によって解決される。
【0007】
圧力チャンバを有する圧力波発生器を操作するための方法であって、圧力波発生器は
・閉鎖要素であって、閉鎖位置において、圧力チャンバを出口に対して閉鎖し、開放位置において、作動媒体が圧力チャンバから出口に流入することを可能にするもの;
・アクチュエータであって、これにより、閉鎖要素を閉鎖位置から開放位置にもたらすことができ、特に、開放位置から閉鎖位置にもたらすこともできるもの;
ここで、この方法は、以下のステップを繰り返し行うことを含む:
・圧力チャンバに100バールを超える圧力の気体作動媒体を充填するステップ;および
・アクチュエータを移動させ、それによって閉鎖要素を開放方向に移動させて圧力チャンバを出口に対して開放し、加圧された作動媒体を15ミリ秒未満の排出時間内に圧力チャンバから出口を通して排出するステップ。
【0008】
排出時間内に、圧力チャンバ内の圧力は周囲圧力まで低下している。
【0009】
実施形態において、圧力チャンバの容積は、3リットル以上、より具体的には4リットル以上、より具体的には5リットル以上である。
【0010】
実施形態において、出口の最も狭い点における面積は、20平方センチメートルより大きく、より具体的には80平方センチメートルより大きく、より具体的には180平方センチメートルより大きい。
【0011】
円形出口の場合には、直径に対して最も狭い点の面積を丸めた上記の値は、直径が5cm超、特に10cm超、特に15cm超であることに対応する。
【0012】
実施形態において、閉鎖要素の開放速度は、10メートル/秒よりも大きく、より具体的には20メートル/秒よりも大きく、より具体的には少なくとも30メートル/秒である。
【0013】
実施形態において、開閉運動中の閉鎖要素の行程は、30~150mm、特に40~100mm、特に50~80mmである。
【0014】
実施形態において、圧力チャンバへの作動媒体の充填は、150バールを超える圧力、特に200バールを超える圧力で行われる。
【0015】
実施形態において、排出持続時間は、10ミリ秒未満、より具体的には5ミリ秒未満、より具体的には3ミリ秒未満である。
【0016】
実施形態において、作動媒体は、空気、窒素、および蒸気、特に過熱蒸気または飽和蒸気のうちの1つである。
【0017】
実施形態において、この方法は、充填後かつ圧力チャンバを開放する前に行われる以下のステップを含む。
・特に、圧力チャンバに連結された循環ラインを流れる場合、特に、作動媒体が循環ブロワーによって循環ラインを通って搬送される場合、圧力チャンバに置かれた作動媒体を加熱するステップ。
【0018】
実施形態において、この方法は、圧力チャンバの充填中に行われる以下のステップを含む。
・特に作動媒体充填ラインを流れる場合、圧力チャンバに供給される作動媒体を加熱するステップ。
【0019】
実施形態において、作動媒体は、150℃~250℃、特に230℃の温度、又は200℃~450度、特に250℃の温度に加熱される。
【0020】
相対的に言えば、加熱は、例えば、100℃を超える温度差、特に200℃を超える温度差、特に300℃を超える温度差、およびある状況においては400℃を超える温度差によって行うことができる。加熱は、たとえば電気加熱要素を用いて行うことができる。流出速度と流出する作動媒体のパルスは温度の平方根と共に増加した。
【0021】
作動媒体を加熱する別の効果は、作動媒体が圧力チャンバから流出するときに冷却し過ぎないようにすることができることである。作動媒体が流出するとき、作動媒体は周囲圧力に緩和し、したがって、状況およびどの作動媒体が存在するかに応じて、その液化温度より低い温度に冷却することができる。その結果、噴流は排出後に音速以下で広がり、デバイスの影響を制限する。
【0022】
実施形態において、圧力チャンバ内の作動媒体を加熱するように構成されたヒータ、特に電気ヒータが存在する。
【0023】
実施形態において、作動媒体を加熱するために作動媒体充填ラインに配置されるヒータが設けられる。
【0024】
実施形態において、ヒータは、熱交換器、特に熱交換器要素、特に電気的に加熱された熱交換器要素である。
【0025】
実施形態において、この方法は、空気圧アクチュエータを使用して実行され、空気圧アクチュエータは
・第1の容積において気体制御媒体に対して作用する第1のピストン表面であって、第1の容積における圧力が第1の方向において第1のピストン表面にアクチュエータ力を生じさせる、第1のピストン表面と;
・第2の容積において制御媒体に対して作用する第2のピストン表面であって、第2の容積における圧力が第1の方向とは反対の第2の方向において第2のピストン表面にアクチュエータ力を生じさせる、第2のピストン表面と;
を備え、
閉鎖要素は、空気圧アクチュエータによって閉鎖位置から開放位置にもたらすことができ、特に、開放位置から閉鎖位置にもたらすこともでき;
圧力チャンバを開放する方法は、
・制御媒体の少なくとも一部を第1の容積から排出するステップであって、特に第1の容積の入口/出口ポートを開放することによって圧力チャンバを開放するステップと;
・第1の容積の方が第2の容積よりも圧力降下が速く、アクチュエータを第2の方向に移動させることにより、閉鎖要素を開放方向に移動させて圧力チャンバを出口に対して開放し、作動媒体を圧力チャンバから出口を介して排出する、ステップと、
を含む。
【0026】
実施形態において、この方法は、空気圧アクチュエータを使用して行われるが、空気圧アクチュエータは、
・第1の容積において気体制御媒体に対して作用する第1のピストン表面であって、第1の容積における圧力が第1の方向において第1のピストン表面にアクチュエータ力を生じさせる、第1のピストン表面と;
・第2の容積において制御媒体に対して作用する第2のピストン表面であって、第2の容積における圧力が第1の方向とは反対の第2の方向において第2のピストン表面にアクチュエータ力を生じさせる、第2のピストン表面と;
を備える。
【0027】
空気圧アクチュエータを使用して、閉鎖要素を閉鎖位置から開放位置へ、特に開放位置から閉鎖位置へ移動させることができる。
【0028】
この方法は、以下のステップの繰り返し行うことを含む。
a)第1の容積を加圧された気体制御媒体で充填するステップ、特に充填弁、例えば圧縮空気弁を用いて充填するステップ;
b)第1の容積と第2の容積との間の圧力を絞りで補償することにより、第1のピストン面積と第2のピストン面積との面積の差により、アクチュエータを第1の方向に移動させることにより、閉鎖要素を閉鎖方向に移動させて圧力チャンバを閉鎖するステップ;
c)圧力チャンバに気体作動媒体を充填するステップ;
d)特に第1の容積の入口/出口ポートを開放し、それによって圧力チャンバを開放することによって、第1の容積から制御媒体の少なくとも一部を排出するステップ;および
e)第1の容積における圧力降下が第2の容積における圧力降下よりも速いことにより、アクチュエータを第2の方向に移動させ、それにより閉鎖要素を開放方向に移動させて圧力チャンバを出口に対して開放し、作用媒体を圧力チャンバから出口を介して排出するステップ。
【0029】
ステップa)、b)およびc)は、同時に、または時間的に重複して行うことができる。ステップd)は、通常、ステップa)、b)およびc)の後に行われる。ステップd)では、入口/出口ポートの開放によってトリガされた圧力チャンバの開放がステップe)に直接移る。
【0030】
実施形態において、例えば排出ソレノイド弁の作動による閉鎖要素の開放運動の開始と、閉鎖要素の最大開放との間の持続時間は、20ミリ秒~120ミリ秒の範囲、特に40ミリ秒~60ミリ秒の範囲である。
【0031】
実施形態において、閉鎖要素を開放するための持続時間は、それによって10ミリ秒未満、特に5ミリ秒未満、特に3ミリ秒未満である。それは、排出時間と実質的に同じであってもよい。
【0032】
第1の態様による圧力波発生器は、上述の方法を行うために使用される。
【0033】
これは、圧力チャンバと、
・閉鎖要素であって、閉鎖位置において圧力チャンバを出口に対して閉鎖し、開放位置において作動媒体が圧力チャンバから出口に流入することを可能にする閉鎖要素と;
・閉鎖要素を閉鎖位置から開放位置へ、及び開放位置から閉鎖位置へ移動させることができるアクチュエータと;
を備え、
・圧力チャンバの容積が3リットル以上、特に4リットル以上、特に5リットル以上であり;
・特に圧力チャンバの容積が15リットル未満であり;
・出口の最も狭い点での面積が20平方センチメートルを超えるもの、特に80平方センチメートルを超えるもの、特に180平方センチメートルを超えるものであり;
・開閉運動中の閉鎖要素の行程は、30~150mm、特に40~100mm、特に50~80mmである。
【0034】
これにより、圧力波発生器は、自由空間内の自由噴流膨張の後に、そこで可能な最大の最大圧力または可能な最大の力を発生する出口噴流を発生することができる。この目的のために、圧力波発生器によって発生される質量流量は、可能な限り大きくされる。質量流量は、作動媒体の密度および出口速度ならびに出口開口の面積に比例する。従って、圧力チャンバ内のガス作動媒体の予め定められた充填圧力から出発して、出口噴流の最大圧力を発生する上に定義された限界内でパラメータの組合せを決定することができる。
【0035】
実施形態において、閉鎖要素によってそれぞれ閉鎖および開放される閉鎖開口部の閉鎖面積は、少なくとも出口の最も狭い点における面積と同じ大きさであり、特に出口の最も狭い点における面積よりも少なくとも10%大きい。
【0036】
これは、弁が最も狭い点を形成する通常の弁とは対照的である。最も狭い横断面では、ガスは音速で流れる。この点が流出口の端部にない場合は、最も狭い点の後に超音速流が発生する。これは、出口に圧縮衝撃をもたらし、デバイスの性能を妨げる。出口噴流を出口の外側に膨張させることによって、これは防止される。
【0037】
実施形態において、閉鎖要素は中空円筒状であり、円筒面に対応する閉鎖開口を閉鎖または開放するように配置される。
【0038】
中空円筒状の設計により、閉鎖要素の質量を小さくすることができる。さらに、中空円筒凹部を取り囲むピストンの環状表面は、逃げるガスがピストンを押し戻す反跳力を決定する。実施形態では、横断面で見た場合、中空円筒状凹部の面積は、閉鎖要素の面積の25%以上、特に50%以上である。円筒形の閉鎖表面は、閉鎖表面の面積を閉鎖の運動の関数として大きく変化させることができる。
【0039】
実施形態において、加圧作動媒体が閉鎖要素に閉鎖方向に力を及ぼす閉鎖要素上の面積の合計は、出口が閉鎖要素によって閉鎖される点における出口の断面積の10%未満である。
【0040】
実施形態において、第1の容積の入口/出口開口部の面積は、200平方ミリメートル~500平方ミリメートル、または最大1500平方ミリメートルである。開口部の円形横断面の場合、これは、16mm~25mm、または最大44mmの円形の直径に対応する。これにより、第1の容積を十分に迅速に空にすることが可能となり、ひいてはそれに対応して迅速な開放運動が可能となる。その結果、これらの直径は第1のピストン面積、即ち、第1の容積内のピストン面積にはほとんど依存しないことが分かった。
【0041】
実施形態において、閉鎖要素の開放運動中に、閉鎖要素が閉鎖開口部を閉鎖する端部位置から開始して、閉鎖要素は、最小距離をカバーした後にのみ閉鎖開口部を開放する。この距離はゼロとは異なる。特に、この距離は5ミリメートル以上又は8ミリメートル以上である。
【0042】
第2の態様による圧力波発生器は、上記の方法を実行するために使用される。これは、圧力チャンバと、
・閉鎖要素であって、閉鎖位置において圧力チャンバを出口に対して閉鎖し、開放位置において作動媒体が圧力チャンバから出口に流入することを可能にするものと、
・閉鎖要素を閉鎖位置から開放位置へ、及び開放位置から閉鎖位置へ移動させることができるアクチュエータと、
・圧力チャンバに供給される作動媒体または圧力チャンバ内に存在する作動媒体を加熱するように構成されたヒータであって、特に電気ヒータであるものと、
を備える。
【0043】
特に圧力波発生器に使用するための空気圧アクチュエータは、
・第1の容積において気体制御媒体に対して作用する第1のピストン表面であって、第1の容積における圧力が第1の方向において第1のピストン表面にアクチュエータ力を生じさせるものと、
・第2の容積において制御媒体に対して作用する第2のピストン表面であって、第2の容積における圧力が第1の方向とは反対の第2の方向において第2のピストン表面にアクチュエータ力を生じさせるものと、
・第1の容積と第2の容積との間の絞りと、
・第1の容積に制御媒体を導入し、第1の容積から制御媒体を排出するための第1の容積の入口/出口ポートと、
を備え、
・第1のピストン面積が第2のピストン面積よりも大きい。
【0044】
実施形態において、空気圧アクチュエータは、特に入口/出口開口部を閉鎖することによって、終端位置減衰を有する。これにより、入口/出口開口部が第1の容積に対して閉鎖される。
【0045】
実施形態において、ピストン閉鎖要素は、入口/出口開口部を閉鎖するように構成される。これにより、ピストン自体の要素によって端部位置減衰を簡単に実現することができる。
【0046】
空気圧アクチュエータを操作する方法では、以下のステップが行われる。
・加圧されたガス制御媒体で第1の容積を充填するステップ、特に充填弁、例えば圧縮空気弁を用いて充填するステップ、
・絞りによる第1の容積と第2の容積との間の圧力補償により、第1のピストン表面と第2のピストン表面との表面差によりアクチュエータを第1の方向に移動させるステップ、
・特に入口/出口ポートを開放することによって、制御媒体の少なくとも一部を第1の容積から排出するステップ、および
・第1の容積における圧力降下が第2の容積における圧力降下よりも速くなることにより、アクチュエータを第2の方向に移動させるステップ。
【0047】
これにより、充填弁および出入口開口部のみの簡単な手段でアクチュエータの往復運動を実現することができる。これは、一方ではピストン表面間の表面差の結果であり、他方では2つの容積間の絞りの結果である。
【0048】
入口/出口開口部は、第1の容積内の急速な圧力低下をもたらすように比較的大きくすることができる。
【0049】
実施形態において、ピストン閉鎖要素も、第1の容積に対して制御媒体充填ラインを隔離するように構成される。これにより、充填ラインの高圧サージを回避することができる。
【0050】
実施形態において、2つの容積は、単一のピストンが配置され、その上に2つのピストン表面が形成されるシリンダの共通の作動チャンバの一部として実現される。
【0051】
これにより、ピストンの(現在では一般的な)シリンダに対するシールが重要でなくなる。ピストンとシリンダの間に隙間ができる場合もある。これには、2つの容積間の絞り機能がある。したがって、圧力補償は、この隙間を介して行われる。これにより、設計をさらに簡略化することができる。このように、実施形態において、絞りは、シリンダとピストンとの間の隙間によって形成されている。これにより、ピストンに対する従来のシールが不要となる。
【0052】
別の実施形態において、2つの容積およびピストン表面は、別々のシリンダ内の別々のピストン上にあり、2つの別々のピストンは機械的に結合され、それらの運動も結合される。
【0053】
実施形態において、第1のピストン表面および入口/出口開口部を閉鎖するためのピストン閉鎖要素は、同じピストン上に形成される。これにより、特に単純で信頼性の高い設計が可能になる。
【0054】
実施形態において、空気圧アクチュエータは、入口/出口ポートを開放することによって第1の容積から制御媒体を急速に排出するためのシリンダ排出弁を備える。シリンダ排出弁は、制御媒体が加えられたときにシリンダ排出弁を閉鎖する力が発生するピストン表面と、制御媒体が加えられたときにシリンダ排出弁の開放方向に力が発生する弁表面とを有し、弁表面はピストン表面よりも小さい。このように、両面に同一の圧力を加えることにより、シリンダ排出弁を閉鎖位置にして保持することができる。
【0055】
実施形態において、空気圧アクチュエータは、制御媒体がピストン表面に作用する排出弁容積から制御媒体を排出するための排出パイロット弁を含む。これを使用して、2つの表面に瞬間的かつ一時的な圧力の不均衡を生じさせ、それによってシリンダ排出弁を開放することができる。
【0056】
実施形態において、制御媒体充填ラインは、排出弁容積と第1の容積の両方を同じ圧力下で制御媒体で充填するように構成される。したがって、一方では2つの容積内で同じ圧力を達成することができ、他方では、2つの容積間で絞りとして作用する充填ラインによって、一時的な不均衡を実現することができる。
【0057】
制御媒体内の圧力は、たとえば、50~140バール、特に80~100バールである。
【0058】
実施形態において、第1の容積に制御媒体が供給される制御媒体充填ラインの一部が、シリンダ排出弁、特に弁のプラグを通って流れる。たとえば、このセクションはプラグ内の通路であり、弁の閉鎖位置であっても弁を通る小さな流れを可能にする。
【0059】
実施形態において、第1の容積が制御媒体と共に供給される制御媒体充填ラインの一部分は、圧力波発生器のハウジングを通って延びる。
【0060】
実施形態において、ピストンの直線ガイドは、後方閉鎖ガイドを包囲し、運動方向において後方閉鎖ガイドに沿って直線的に移動可能なピストンと、後方閉鎖ガイドに固定された軸受要素を包囲して運動方向においてピストンから離れて延びる中空円筒形ピストン連結要素とによって形成される。ここで、第2の容積は、ピストンと、ピストン連結要素の内表面と、軸受要素と、後部閉鎖ガイドとの間に形成されている。典型的には、後部閉鎖ガイドはハウジングに連結されて固定されている。
【0061】
したがって、中空円筒形ピストン連結要素の延長として、中空円筒形要素を駆動することができ、これは特定の用途において有利である。たとえば、ここで説明する中空円筒状の閉じ要素を有する圧力波発生器の場合である。
【0062】
さらなる好ましい実施形態は、従属特許請求の範囲に示される。方法クレームの特徴は、装置クレームと必要な変更を加えて組み合わせることができ、その逆も同様である。
【0063】
特に、圧力波発生器は、方法クレームの少なくとも1つに記載の方法を実行するために圧力波発生器を制御するように構成されたコントローラを有することができる。この制御は、少なくとも圧力波発生器の弁を制御することにより行われる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
以下、添付の図面に示される好ましい実施例に基づいて、本発明の主題をより詳細に説明する。それらは、概略的に示す。
図1図1は、圧力波発生器を通る縦断面を示す。
図2図2は、他の実施形態を通る縦断面を示す。
図3図3は、作動媒体を加熱する為のヒータを有する実施形態を示す。
図4図4は、作動媒体を加熱する為のヒータを有する実施形態を示す。 原則として、図中、同一部分には同一符号を付している。
【0065】
【発明の詳細な説明】
【0066】
図1および図2は、それぞれ、圧力チャンバ2を備えた圧力波発生器1を示す。閉鎖要素9は、出口15の反対側で圧力チャンバ2を閉鎖するように配置される。
【0067】
閉鎖要素9は、閉鎖要素9の直線的な開閉運動を可能にする軸受要素14上で案内される。図1の実施形態において、閉鎖要素9は中空円筒形であり、ハウジング16に連結されて固定された軸受要素14によって案内されるピストンを有する。図2の実施形態において、閉鎖要素9は中空円筒形であり、ハウジング16に連結されて固定されたベ軸受要素14を取り囲む。二重矢印で示される運動方向は、典型的には、圧力波発生器1の縦方向であるとともに、作動媒体が出口15から流出する流出方向である。図1および図2は、閉鎖位置にある閉鎖要素9を示す、即ち、圧力チャンバ2は出口15に対して閉鎖されている。
【0068】
出口15は、作動媒体の方向性のある排出に使用される。これにより、圧力波を発生させることができる。
【0069】
開放位置において、閉鎖要素9は、閉鎖開口部の閉鎖表面を解放する。閉鎖位置において、閉鎖開口部は閉鎖要素9によって閉鎖される。ここで、閉鎖表面は円筒の閉鎖表面である。圧力チャンバ2は環状である。圧力チャンバ2は、閉鎖要素9を包囲する。閉鎖開口部は、圧力チャンバ2から開始して、環状の圧力チャンバ2に対して径方向内向きに導く。閉鎖開口部を通って流出する作動媒体は、径方向内向きに流れ、次いで、出口15を通って、環状圧力チャンバ2に対して軸方向に流れる。
【0070】
閉鎖状態では、閉鎖要素9はハウジング16の弁座と接触している。弁座は、カラーを有するように設計することができ、これは、閉鎖要素が閉鎖位置の端部位置から開始して開放方向に移動されるとき、閉鎖開口部のみが開放され、閉鎖要素9がある距離をカバーした後に作動媒体が流出することを意味する。この経路は、カラー幅77として示されている。これにより、閉鎖開口部を開放する前に閉鎖要素9の運動を加速することができ、閉鎖開口部を迅速に開放して作動媒体を急激に流出させることができる。
【0071】
閉鎖面積のサイズは、出口の面積または出口面積、すなわち出口が自由空間に合流する横断面積よりも大きい。特に、出口15は、圧力チャンバ2から出た作動媒体の経路に沿った最も狭い点に対応する。その結果、流出する作動媒体の速度は出口15またはその直後で最も高くなる。特に、これにより、流出する作動媒体は、最も狭い点の直後、すなわち出口15の直後にのみ音速に達する。これはデバイスの動作に有利である。
【0072】
第1の充填ラインまたは作動媒体充填ライン12は、圧力チャンバ2に作動媒体を充填するために配置される。それは、作動媒体弁10によって送られる。
【0073】
装置を操作する方法において、
・圧力チャンバ2は、出口15に対して閉鎖要素9により閉鎖され、
・圧力チャンバ2は、高圧下、即ち、100バール、特に150バールを超える圧力、特に200バールを超える圧力下で作動媒体で充填され、
・圧力チャンバ2は、作動媒体に蓄えられたエネルギができるだけ短い期間にわたって運動エネルギに変換されるように急激に開放される。期間が短ければ短いほど、流出する作動媒体の速度と運動量が大きくなり、圧力波の効果も大きくなる。
【0074】
実施形態では、以下のパラメータが実施される。
圧力:100バール~300バール
容積:3~15リットル
出口面積:50cm~320cm(=直径 約80-200mm)
開放速度:15m/s~40m/s
行程:50mm~100mm
【0075】
実施形態では、以下のパラメータが実施される。
圧力:120バール超
容積:4リットル
出口面積:80cm(直径約100mm相当)
開放速度:15m/s超
行程:60mm
【0076】
実施形態では、以下のパラメータが実施される。
圧力:250バール~300バール、特に280バール
容積:8~12リットル、特に10リットル
出口面積:150cm~210cm、特に180cm(直径約150mmに相当)。
開放速度:25m/s超
行程:60mm~90mm、特に75mm
【0077】
実施形態では、以下のパラメータが実施される。
圧力:250バール~300バール、特に280バール
容積:4~6リットル、特に5リットル
出口面積:60cm~80cm、特に70cm(直径約95mm相当)
開放速度:20m/s超
行程:50mm~70mm、特に60mm
【0078】
全ての実施形態において、作動媒体を150℃から250℃までの温度、特に230℃まで、または200℃から450度までの温度、特に250℃まで加熱することが可能である。
【0079】
閉鎖要素9の開放運動は、活性ガススプリングまたは空気圧アクチュエータ4bによって行われる。これは、円筒状の作動チャンバ43を有し、その中を移動するピストン93を有し、その運動は、特に互いに連結されて固定されることによって、特に一体に形成されることによって、閉鎖要素9の運動に結合される。図1および図2の実施形態において、結合はピストン連結要素94によって行われる。これは、図1ではピストンロッド、図2では中空の円筒である。
【0080】
ピストン93は、作動チャンバ43を第1の容積41と第2の容積42とに分割する。作動チャンバ43の内部シリンダ壁44とピストン93との間はシールされていない。特に、以下ピストンギャップ96と称する小さな隙間があってもよい。これにより、2つの容積間のガス交換が可能になり、特に絞りとして機能する。他の実施形態において、第1の容積41と第2の容積42との間に別個の導管を配置することができ、また、ピストン隙間96に加えてまたはその代替としてガス交換を可能にする絞りを有することができる。また、このような絞りは、ピストン93を通る1つ以上の孔を通るピストン絞り100として実施することができ、これにより、2つの容積間のガス交換も可能になる。
【0081】
第1の容積41における制御媒体のガス圧力は、閉鎖要素9の開放運動の方向に対して力を生じさせるので、この場合に有効な表面は、第1のピストン表面91である。
【0082】
第2の容積42内の制御媒体のガス圧力は、閉鎖要素9の開放運動の方向に力を生じさせ、この場合に有効な表面は第2のピストン表面92である。
【0083】
ここで、第2のピストン面積92は、第1のピストン面積91よりも小さく、たとえば、少なくとも5%または10%または20%小さい。
【0084】
ピストン93はピストン閉鎖要素95を有し、ピストン閉鎖要素95は、第1の容積41のシリンダ入口/出口45または入口/出口開口部を開放運動の過程で閉鎖する。シリンダ入口/出口45は、ここでは作動チャンバ43と同心に描かれているが、これに代えて横方向に配置されてもよい。シリンダ入口/出口45を閉鎖することによって、開放運動の制動または終了位置減衰が行われる。同時に、圧縮空気弁49もまた圧縮空気充填ライン48を通る圧力サージから保護される。
【0085】
シリンダ入口/出口45は、シリンダ排出弁46によって開放することができる。制御媒体は、たとえば、排出ラインまたは通気ライン102を通って流出する。シリンダ排出弁46は、充填ラインと比較して比較的大きな弁横断面を有することができる。 これにより、第1の容積41における急激な減圧を実現することができる。シリンダ排出弁46は、圧縮空気充填ライン48内の圧力によって閉鎖された状態に保持される。この圧力は、排出パイロット弁47を開放することによって低下させることができる。従って、ブリードパイロット弁を開放することにより、閉鎖要素の開放運動が始められる。
【0086】
シリンダ排出弁46は、例えば可動プラグ付きポペット弁である。プラグは、圧縮空気充填ライン48から圧縮空気が排出弁容積51内で作用するピストン表面52を有する。シリンダ出入口45内の圧力の作用を受ける弁表面53はピストン表面52よりも小さく、ピストン表面52と弁表面53との間の力は互いに逆向きである。排出パイロット弁47が閉鎖されるとき、2つの表面上のガス圧力は同じであり、ピストン表面52上の力は弁表面53上の力よりも大きく、それはプラグまたはシリンダ排出弁46を、閉鎖した位置に維持する。
【0087】
また、圧縮空気充填ライン48は、圧縮空気充填ライン48の部分101を介して、第1の容積41を送る。圧縮空気充填ライン48は、圧縮空気弁49を介して送られる。
【0088】
通気ライン97は、周囲空気と中間シリンダとの間の圧力を均等化する。中間シリンダは、閉鎖要素9の後端部と活性ガススプリング又は空気圧アクチュエータ4bとの間に置かれる。
【0089】
図1の変形例において、作動チャンバ43とピストン93とがコンパクトに実現されている。しかしながら、同じ操作モードは、別個の第1および第2の容積と、異なるピストン面積を有する別個のピストンとによっても実現することができる。この場合、2つの容積間に絞りを有するラインが配置され、2つのピストンの運動が機械的に結合される。つまり、2つのピストンの一方が直線的に運動すると、常にもう一方のピストンも直線的に運動する。
【0090】
図1および図2の実施形態において、ピストン行程は、例えば、20mm~150mmの間、特に30mm~80mmの間とすることができる。ピストンの直径は、たとえば、20mm~200mm、特に40mm~120mmとすることができる。
【0091】
実施形態では、加熱要素99が設けられる。これは、圧力チャンバ2内の圧力作動媒体を加熱するために使用することができる。これにより、発生する圧力波のエネルギを増大させることができる。
【0092】
図1および図2は、圧力波発生器1と組み合わせた空気圧アクチュエータ4bを示している。
【0093】
この変形例の操作において、以下の方法ステップを行うことができる。
【0094】
・排出パイロット弁47を閉鎖した状態で圧縮空気弁49を開放する。これには次のような効果がある。圧縮空気充填ライン48内の圧力(例えば70バール)は、シリンダ排出弁46を閉鎖する。第1の容積41は、圧縮空気充填ライン48を介して圧縮空気で加圧される。また、第2の容積42は、ピストン隙間96を介して加圧され、同じ圧力が経時的に両方の容積に存在する。第1のピストン面積91は第2のピストン面積92よりも大きいので、ピストン93、したがって閉鎖要素9は(開放運動の方向に対して)閉鎖位置に移動される。
【0095】
・圧縮空気弁49を閉じる。閉鎖要素9は、閉鎖位置に留まる。
【0096】
・作動媒体弁10を開放し、それによって圧力チャンバ2を充填する。
【0097】
・シリンダ排出弁46を開くことによって開放運動をトリガすること(これは、特に排出パイロット弁47を開放し、圧縮空気充填ライン48内の圧力を低下させることによって行うことができる)シリンダ排出弁46を開放すると、第1の容積41内の圧力が低下する。第2の容積42内の圧力もまた低下するが、ピストン隙間96の絞り効果のために第1の容積41内よりもゆっくりと低下する。これにより、第2のピストン表面92上の力が第1のピストン表面91上の力よりも大きくなる。これにより、ピストン93が移動して、閉鎖要素9が開放する。
【0098】
・ピストン93または閉鎖要素9が停止する前に、ピストン閉鎖要素95は、シリンダ入口/出口45を閉鎖する。(現在はより小さい)第1の容積41内に残っている空気は圧縮され、ピストン93および閉鎖要素9の運動を遅くする。圧縮空気弁49は、圧力のピークによって応力を受けることが防止される。
【0099】
・作動媒体は、閉鎖要素9によって解放された開口部から流出する。
【0100】
・特に排出パイロット弁47を閉鎖することによって、シリンダ排出弁46を閉鎖する。これは、圧縮空気がシリンダ排出弁46またはそのプラグに対して反対方向に作用する面積よりもピストン面積が大きい場合に行うことができるが、ピストン面積は、圧縮空気充填ライン48内の圧縮空気がシリンダ排出弁46またはそのプラグを閉鎖位置に押圧する。シリンダ排出弁46を閉鎖した後、第1の容積41内の圧力は、第2の容積42との圧力補償後であってもピストン93を後退させて閉鎖要素9を閉鎖位置に移動させるのに十分な高さ(例えば20バール)であってもよい。
【0101】
・その後、圧縮空気弁49を開放することにより、再び手順を開始することができる。
【0102】
上述したように空気圧アクチュエータ4bを使用する場合、開閉要素を開放方向に移動させることは、空気圧アクチュエータを第2の方向に移動させることによって行われる。閉鎖要素を閉鎖方向に移動させることは、空気圧アクチュエータを第1の方向に移動させることによって行われる。
【0103】
図2は、図1に示したものとは別の空気圧アクチュエータ4bを有する実施形態を示す。図2に示す空気圧アクチュエータ全体を使用することもできるし、個々の要素のみ、即ち、
・ピストン絞り100および/または
・ピストン連結要素94としてのピストンロッドの代わりに中空シリンダを有する閉鎖要素9および/または
・圧縮空気充填ラインのセクション101を有するシリンダ排出弁46であって、図1に示すように、圧力波発生器1と組み合わされるもの、
を使用することもできる。さらに、本実施形態は、加熱要素99(図示せず)を備えてもよい。
【0104】
操作は基本的に図1の実施形態と同じであり、個々の要素の実現において以下の相違がある。
【0105】
ピストン93を閉鎖要素9に連結するピストン連結要素94は、中空のシリンダによって形成されている。ピストン93は、後部閉鎖ガイド98を包囲しており、この後部閉鎖ガイド98は、概略の円筒、特に円筒として設計することができ、運動方向に同様に直線的に移動させることができる。ピストン連結要素94は、ハウジング16に連結されて固定された軸受要素14を取り囲む。第2の容積42は、後部閉鎖ガイドとピストン93と中空シリンダまたはピストン連結要素94の内側との間に置かれる。
【0106】
第1の容積41と第2の容積42との間の絞りは、ピストン93を通る1つ以上の孔を通るピストン絞り100として実現される。しかしながら、ピストン絞りの機能は、ピストン93と後部閉鎖ガイド98との間の隙間によっても行うことができる。
【0107】
第1の容積41に制御媒体が供給される圧縮空気充填ライン48のセクション101は、ハウジング16を貫通するのではなく、例えばボアとしてシリンダ排出弁46のプラグを貫通しており、シリンダ排出弁46のピストン絞りと呼ぶこともできる。これにより、第1の容積41には、排出弁容積51を介して制御媒体が供給される。
【0108】
終端位置減衰を省略することができる。図5の実施形態において終端位置減衰が実施される場合、これは、シリンダ入口/出口45内に移動する突出ピストン閉鎖要素95によって、またはシリンダ入口/出口45が第1の容積41内に横方向に案内され、開放移動中にシリンダ入口/出口45上を移動するピストン93により閉鎖されることによって、図1のように行うことができる。
【0109】
実施形態(図示せず)において、2つまたは3つ以上の閉鎖要素9が互いに平行に配置されて、総出口面積を増大させる。それらは、互いに同期して、またはそれぞれ同時にトリガされて、単一の閉鎖要素9よりも高いエネルギの圧力波を発生することができる。この場合、複数の閉鎖要素が単一の圧力チャンバ2に連結され、単一の空気圧アクチュエータによって作動される。閉鎖要素9のこのような並列配置は、圧力波発生器によって実現することもでき、圧力波発生器は、爆発を使用して圧力チャンバ内に圧力を発生させ、および/または閉鎖要素を駆動する。
【0110】
コントローラ20は、説明された方法ステップを実行するように構成される。このため、コントローラ20は、圧縮空気弁49、作動媒体弁10およびシリンダ排出弁46を制御するように構成されている。シリンダ排出弁46は、排出パイロット弁47によって制御することができる。
【0111】
図3および図4は、作動媒体を加熱するためのヒータ80を有する実施形態を示す。図3の実施形態によれば、ヒータ80は、作動媒体が第1の充填ラインまたは作動媒体充填ライン12を流れるときに作動媒体を加熱するように構成される。加熱された空気は、いかなる圧力上昇も経験しない。図4の実施形態によれば、ヒータ80は、作動媒体が循環ライン84を流れるときに作動媒体を加熱するように構成されている。循環ライン84は、圧力チャンバ2からヒータ80を通り、圧力チャンバ2に戻る。加熱は、圧力チャンバ2内の温度と圧力の両方を上昇させる。循環ブロワー85は、循環ライン84を通して作動媒体を搬送するように配置されてもよい。
【0112】
ヒータはそれぞれ、作動媒体がその周りを流れる熱交換器要素82を有する熱交換器81を有することができる。熱交換器要素82は、電気ヒータ83によって加熱することができる。
【0113】
図示されていない別の実施形態では、熱交換器要素82は、圧力チャンバ2内に配置される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】