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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(54)【発明の名称】送達予測装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20221215BHJP
【FI】
A24F40/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522946
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(85)【翻訳文提出日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 GB2020052245
(87)【国際公開番号】W WO2021074577
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】1914944.2
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】モロニー, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジャスティン ハン ヤン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB28
4B162AC34
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD20
4B162AD23
4B162AD40
4B162AD41
(57)【要約】
エアロゾル供給システムは、使用者による吸引のためにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されており、1時間以下の長さの直前の吸引セッション中の使用者の1つ又は複数の吸引行為に基づいて、生成されるエアロゾル内の有効成分に対する使用者要求を推定し、推定される使用者要求に応答して、エアロゾル供給を次の吸引行為に適合させるように、エアロゾル供給システムの1つ又は複数の動作パラメータを調整するように構成されたコンピュータを備える。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者による吸引のためにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル供給システムであって、
1時間以下の長さの直前の吸引セッション中の前記使用者の1つ又は複数の吸引行為に基づいて、前記生成されるエアロゾル内の有効成分に対する使用者要求を推定し、
前記推定される使用者要求に応答して、エアロゾル供給を次の吸引行為に適合させるように、前記エアロゾル供給システムの1つ又は複数の動作パラメータを調整する
ように構成されたコンピュータを備える、システム。
【請求項2】
吸引セッションが、吸引シーケンスに対応し、前記シーケンスが、特性パターンに対応する、請求項1に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項3】
吸引セッションが、吸引シーケンスに対応し、前記シーケンスが、閾値持続時間より長い休止によって別のセッションから分離されている、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項4】
前記使用者要求が、前記使用者による次の吸引に対して推定される、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項5】
直前の吸引セッション中の前記使用者の少なくとも第1の吸引行為の特性が閾値を超えたことに応答して、
前記コンピュータが、前記少なくとも第1の吸引に基づいて、前記使用者による前記次の吸引に対する使用者要求の増大を推定するように構成される、請求項4に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項6】
直前の吸引セッション中の前記使用者の少なくとも第1の吸引行為が、閾値量より多いエアロゾルを生成させたことに応答して、
前記コンピュータが、前記少なくとも第1の吸引に基づいて、前記使用者による前記次の吸引に対する使用者要求の増大を推定するように構成される、請求項4又は5に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項7】
現在の吸引セッション中の前記使用者による次の吸引に対応する直前の吸引セッション中の第1の時点での前記使用者の第1の吸引行為が、閾値量より多いエアロゾルを生成させたことに応答して、
前記コンピュータが、前記第1の吸引に基づいて、前記使用者による前記次の吸引に対する使用者要求の増大を推定するように構成される、請求項5又は6に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項8】
直前の吸引セッション中の前記使用者の少なくとも第1の吸引行為の特性が第2の閾値より小さいことに応答して、
前記コンピュータが、前記少なくとも第1の吸引に基づいて、前記使用者による前記次の吸引に対する使用者要求の低減を推定するように構成される、請求項4~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項9】
直前の吸引セッション中の前記使用者の少なくとも第1の吸引行為が、第2の閾値量より少ないエアロゾルを生成させたことに応答して、
前記コンピュータが、前記少なくとも第1の吸引に基づいて、前記使用者による前記次の吸引に対する使用者要求の低減を推定するように構成される、請求項4~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項10】
次の吸引に対する推定される使用者要求に応答して、
前記コンピュータが、予め定められた吸引プロファイルの範囲内で、前記推定される使用者要求を満たすエアロゾルを生成するように構成される、請求項4~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項11】
前記閾値が、前記エアロゾル中の有効成分の濃度に応答して調整可能である、請求項4~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項12】
前記使用者要求が、前記使用者による次の吸引セッションの少なくとも一部に対して推定される、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項13】
直前の吸引中の前記使用者の少なくとも第1の吸引行為の特性が閾値を超えたことに応答して、
前記コンピュータが、前記少なくとも第1の吸引に基づいて、前記次の吸引セッションの少なくとも一部に対する使用者要求の増大を推定するように構成される、請求項12に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項14】
直前の吸引セッション中の前記使用者の少なくとも第1の吸引行為が、閾値量より多いエアロゾルを生成させたことに応答して、
前記コンピュータが、前記少なくとも第1の吸引に基づいて、前記次の吸引セッションの少なくとも一部に対する使用者要求の増大を推定するように構成される、請求項12に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項15】
現在の吸引セッション内の次の部分に対応する直前の吸引セッションの少なくとも第1の部分中の前記使用者の吸引行為の第1のシーケンスが、組み合わせた閾値量より多いエアロゾルを生成させたことに応答して、
前記コンピュータが、前記第1のシーケンスに基づいて、前記使用者による次の吸引シーケンスの少なくとも一部に対する使用者要求のパターンを推定するように構成される、
請求項12~14のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項16】
直前の吸引セッション中の前記使用者の少なくとも第1の吸引行為の特性が第2の閾値より小さいことに応答して、
前記コンピュータが、前記少なくとも第1の吸引に基づいて、次の吸引セッションの少なくとも一部に対する使用者要求の低減を推定するように構成される、
請求項12に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項17】
直前の吸引セッション中の前記使用者の少なくとも第1の吸引行為が、閾値量より少ないエアロゾルを生成させたことに応答して、
前記コンピュータが、前記少なくとも第1の吸引に基づいて、次の吸引セッションの少なくとも一部に対する使用者要求の低減を推定するように構成される、
請求項12に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項18】
前記次の吸引シーケンスの少なくとも一部に対する推定される使用者要求に応答して、
前記コンピュータが、予め定められたシーケンスの一部又はすべての範囲内で、前記推定される使用者要求を満たすエアロゾルを生成するように構成される、請求項12~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項19】
前記閾値が、前記エアロゾル中の有効成分の濃度に応答して調整可能である、
請求項12~18のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項20】
有効成分に対する使用者要求の推定が、直前の吸引セッション中の前記使用者の1つ又は複数の吸引行為から生じると推定された前記使用者の体内の前記有効成分の前記血液濃度に応答している、請求項1~19のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項21】
前記推定される使用者要求に応答する前記エアロゾル供給システムの1つ又は複数の動作パラメータの調整が、前記使用者の体内の前記有効成分の前記現在の血液濃度の推定に応答している、請求項1~20のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項22】
前記推定される使用者要求に応答する前記エアロゾル供給システムの1つ又は複数の動作パラメータの調整が、前記使用者の体内の前記有効成分の前記現在の血液濃度の限度に応答している、請求項21に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項23】
前記コンピュータの動作のいくつか又はすべてが、
i.エアロゾル生成ユニット、
ii.前記エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な遠隔サーバ、
iii.前記エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な移動コンピューティングデバイス、及び
iv.前記エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な移動コンピューティングデバイスと通信するように動作可能な遠隔サーバからなるリストから選択された1つ又は複数に配置されている、請求項1~22のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項24】
使用者による吸引のためにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル供給システムのためのエアロゾル供給方法であって、
1時間以下の長さの直前の吸引セッション中の前記使用者の1つ又は複数の吸引行為に基づいて、前記生成されるエアロゾル内の有効成分に対する使用者要求を推定するステップと、
前記推定される使用者要求に応答して、エアロゾル供給を前記次の吸引行為に適合させるように、前記エアロゾル供給システムの1つ又は複数の動作パラメータを調整するステップとを含む方法。
【請求項25】
吸引セッションが、
i.特性パターンに対応する吸引シーケンス、及び
ii.閾値持続時間より長い休止によって別のセッションから分離された吸引シーケンスからなるリストから選択された1つに対応する、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
コンピュータシステムに請求項24又は26に記載の方法を実行させるように構成されたコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[開示の背景]
[分野]
本開示は、送達予測装置及び方法に関し、詳細には、電子タバコなどの電子エアロゾル供給システム向けの送達予測装置及び方法に関する。
【従来技術の説明】
【0002】
本明細書に提供する「背景」の説明は、本開示の文脈について概略的に提示することを目的とする。この背景の節に記載する範囲で本明細書に名前を挙げる発明者らの仕事、並びにその他の点では出願の時点で従来技術であると考えられない説明の態様は、明示又は暗示を問わず本開示において従来技術であると認められるものではない。
【0003】
電子タバコ(eシガレット)などの電子エアロゾル供給システムは一般に、ニコチンを典型的に含む配合剤を含有する原料液体のリザーバを含み、エアロゾルは、それから、たとえば加熱気化によって生成される。したがって、エアロゾル供給システム用のエアロゾル供給源は、たとえばウィッキング/毛細管作用によってリザーバから原料液体を受け取るように配置された加熱要素を有するヒーターを備えてもよい。植物物質、又は有効成分及び/若しくは香味剤などのゲルなどの他の供給源材料も同様に加熱して、エアロゾルを生じさせることができる。したがって、より一般的には、eシガレットは、加熱気化のためのペイロードを含む又は受け入れるものと考えることができる。
【0004】
使用者がデバイスを吸引する間、電力が加熱要素に供給されて、加熱要素の近くにあるエアロゾル供給源(ペイロードの一部分)を気化し、使用者による吸引のためのエアロゾルを生成する。そのようなデバイスは通常、システムの吸い口端部から離れたところに配置された1つ又は複数の空気入口孔を備える。使用者がシステムの吸い口端部に接続された吸い口を吸うと、空気は入口孔を通って引き込まれ、エアロゾル供給源を通過する。エアロゾル供給源と吸い口の開口との間を接続する流路があり、その結果、エアロゾル供給源を通過する空気は、エアロゾル供給源からエアロゾルの一部を運びながら、流路に沿って吸い口開口に引き込まれ続ける。エアロゾルを運ぶ空気は、使用者による吸引のための吸い口開口を通ってエアロゾル供給システムを出る。
【0005】
通常、使用者がデバイスを吸い込む/パフすると、ヒーターに電流が供給される。典型的に、使用者が吸引する/吸い込む/パフすると、流路に沿った空気流センサが起動することに応答して、又は使用者によるボタンの起動に応答して、電流がヒーター、たとえば抵抗加熱要素へ供給される。加熱要素によって生成された熱は、配合剤を気化するために使用される。放出された蒸気は、喫煙消費者によってデバイスに吸い込まれた空気と混合し、エアロゾルを形成する。これに代えて、又はこれに加えて、加熱要素は、タバコなどの植物を典型的には燃焼させずに加熱して、その有効成分を蒸気/エアロゾルとして放出するために使用される。
【0006】
使用者によって吸引される気化/エアロゾル化されるペイロードの量は、少なくとも部分的に、ある期間において、使用者がどれだけ長く及びどれだけ深く吸引するか、並びに同様に使用者がどれだけ頻繁に吸引するかに依存する。これらの使用者挙動は、使用者の気分に影響されることがある。
【0007】
特に、吸引されるペイロードに対する使用者の現在の要求を推定することが有用となりうる。
【発明の概要】
【0008】
第1の態様では、エアロゾル供給システムが、請求項1によって提供される。
【0009】
別の態様では、エアロゾル供給方法が、請求項22によって提供される。
【0010】
本開示の上記の一般的な概要及び以下の詳細な説明はどちらも、本開示の例示であり、制限するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示及びそれに伴う利点の多くのより完全な理解は、以下の詳細な説明を参照し、添付の図面と関連して考慮することによってよりよく理解されることから、容易に得られる。
【0012】
図1】電子エアロゾル/蒸気供給システム(EVPS)を示す図である。
図2】EVPSのさらなる詳細を示す図である。
図3】EVPSのさらなる詳細を示す図である。
図4】EVPSのさらなる詳細を示す図である。
図5】EVPS及び遠隔デバイスを備えるシステムを示す図である。
図6】エアロゾル供給方法のフローチャートである。
【実施形態の説明】
【0013】
電子エアロゾル供給システム及び方法が開示される。以下の説明では、本開示の実施形態の徹底的な理解を提供するために、複数の特有の詳細を提示する。しかし、本開示の実施形態を実施するためにこれらの特有の詳細を用いる必要がないことは、当業者には明らかである。逆に言えば、当業者に知られている特有の詳細は、説明を明確にする目的で必要に応じて省略される。
【0014】
上述したように、本開示は、エアロゾル供給システム(たとえば、非燃焼式エアロゾル供給システム)又はeシガレットなどの電子蒸気供給システム(EVPS)に関する。以下の説明全体を通して、「eシガレット」という用語が使用されることがあるが、この用語は、(電子)エアロゾル/蒸気供給システムと交換可能に使用することができる。同様に、「蒸気」及び「エアロゾル」という用語も本明細書では同等に参照される。
【0015】
一般に、電子蒸気/エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END)としても知られている電子タバコとすることができるが、エアロゾル化可能材料内にニコチンが存在することは必要条件ではないことに留意されたい。いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているタバコ加熱システムである。いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、エアロゾル化可能材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムであり、これらの材料のうちの1つ又は複数を加熱することができる。エアロゾル化可能材料の各々は、たとえば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含有しても又は含有しなくてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル化可能材料と、固体のエアロゾル化可能材料とを含む。固体のエアロゾル化可能材料は、たとえば、タバコ又は非タバコ製品を含んでもよい。一方、いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、1つ又は複数のそのようなエアロゾル化可能材料から蒸気/エアロゾルを生成する。
【0016】
典型的に、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと、非燃焼式エアロゾル供給システムとともに使用するための物品とを備えることができる。しかし、それ自体がエアロゾル生成構成要素にパワーを供給するための手段を備える物品は、それ自体が非燃焼式エアロゾル供給システムを形成することができると考えられる。一実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスは、パワー源及びコントローラを備えることができる。パワー源は、電源であっても又は発熱パワー源であってもよい。一実施形態では、発熱パワー源は、発熱パワー源の近くのエアロゾル化可能材料又は熱伝達材料に熱の形態のパワーを分配するようにエネルギーを与えることができる炭素基材を含む。一実施形態では、発熱パワー源などのパワー源は、非燃焼式エアロゾル供給部を形成するように物品に設けられる。一実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、エアロゾル化可能材料を含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル化可能材料から1つ又は複数の揮発成分を放出してエアロゾルを形成するようにエアロゾル化可能材料と相互作用することが可能なヒーターである。一実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、加熱することなくエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することが可能である。たとえば、エアロゾル生成構成要素は、たとえば振動手段、機械的手段、加圧手段、又は静電気的手段のうちの1つ又は複数によって、熱を加えることなくエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することが可能である。
【0018】
いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、活性材料、エアロゾル形成材料、及び任意選択で1つ又は複数の機能材料を含んでもよい。活性材料は、ニコチン(任意選択で、タバコ又はタバコ派生物に含まれる)又は1つ若しくは複数の他の非嗅覚的な生理活性材料を含んでもよい。非嗅覚的な生理活性材料は、嗅覚以外の生理学的応答を実現するためにエアロゾル化可能材料に含まれる材料である。エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ又は複数を含んでもよい。1つ又は複数の機能材料は、香料、キャリア、pH調整剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、エアロゾル化可能材料、又はエアロゾル化可能材料を受け入れるための領域を含んでもよい。一実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、吸い口を備えてもよい。エアロゾル化可能材料を受け入れるための領域は、エアロゾル化可能材料を貯蔵するための貯蔵領域であってもよい。たとえば、貯蔵領域はリザーバであってもよい。一実施形態では、エアロゾル化可能材料を受け入れるための領域は、エアロゾル生成領域から離れていても、又はエアロゾル生成領域と組み合わされていてもよい。
【0020】
次に図面を参照されたい。いくつかの図全体を通して、同じ参照番号が同一の部分又は対応する部分を指す。
【0021】
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるeシガレット10などの電子蒸気/エアロゾル供給システムの概略図である(原寸に比例しない)。eシガレットは、破線LAによって示す長手方向軸線に沿って延びる略円筒形の形状を有し、2つの主要な構成要素、すなわち本体20及びカトマイザ30を備える。カトマイザは、たとえばニコチンを含む液体などのペイロードのリザーバと、気化器(ヒーターなど)と、吸い口35とを含む内部チャンバを含む。以下で述べる「ニコチン」は、単なる例示であり、任意の好適な有効成分に置き換えることができることを理解されたい。ペイロードとして述べる「液体」は、単なる例示であり、植物物質(たとえば、燃焼ではなく加熱されるタバコ)、又は有効成分及び/若しくは香味剤を含むゲルなどの任意の好適なペイロードに置き換えることができることを理解されたい。リザーバは、気化器へ送達することが必要とされるときまで液体を保持するための発泡体又は任意の他の構造とすることができる。液体/流動性ペイロードの場合、気化器は、その液体を気化するためのものであり、カトマイザ30は、少量の液体をリザーバから気化器の気化位置、又は気化器に隣り合う気化位置へ移送するためのウィック又は類似の手段をさらに含むことができる。以下では、ヒーターが気化器の具体例として使用されている。しかし、気化器の他の形態(たとえば、超音波を利用するもの)も使用することができることを理解されたい。使用される気化器のタイプはまた、気化されるペイロードのタイプに依存しうることも理解されたい。
【0022】
本体20は、eシガレット10に電力を供給するための再充電可能な電池又はバッテリーと、eシガレットを全体的に制御するための回路基板とを含む。回路基板によって制御されるように、ヒーターがバッテリーから電力を受け取ると、ヒーターは液体を気化し、次いでこの蒸気は吸い口35を通って使用者によって吸引される。いくつかの特有の実施形態では、本体は、本体の外側に配置された手動起動デバイス265、たとえばボタン、スイッチ、又はタッチセンサをさらに備える。
【0023】
本体20及びカトマイザ30は、図1に示すように、長手方向軸線LAに平行な方向に分離することによって、互いから取外し可能とすることができるが、本体20とカトマイザ30との間の機械的及び電気的な接続を提供するために、図1に25A及び25Bとして概略的に示す接続部によって、デバイス10が使用されるときにともに接合される。カトマイザ30に接続するために使用される本体20の電気コネクタ25Bはまた、本体20がカトマイザ30から取り外されたときに充電デバイス(図示せず)を接続するためのソケットとしても働く。充電デバイスの他方の端部をUSBソケットに差し込んで、eシガレット10の本体20内の電池を再充電することができる。他の実施態様では、本体20の電気コネクタ25BとUSBソケットとの間の直接接続のためにケーブルが提供されてもよい。
【0024】
eシガレット10には、空気入口用の1つ又は複数の孔(図1には図示せず)が設けられている。これらの孔は、eシガレット10を通って吸い口35に至る空気通路に接続する。使用者が吸い口35を吸引すると、空気は、eシガレットの外側に好適に配置された1つ又は複数の空気入口孔を通ってこの空気通路に引き込まれる。ヒーターを起動させてカートリッジからニコチンを気化させると、空気流は生成された蒸気を通ってその蒸気と結合し、次いで空気流と生成された蒸気とが組み合わさって、吸い口35から流出して、使用者によって吸引される。1回限りの使用のデバイスを除いて、カトマイザ30は、液体の供給源が使い尽くされたとき、本体20から取り外されて処分されてもよい(所望される場合は別のカトマイザと交換される)。
【0025】
図1に示すeシガレット10は、例として提示されており、様々な他の実施態様を採用することができることが理解されよう。たとえば、いくつかの実施形態では、カトマイザ30は、2つの分離可能な構成要素として、すなわち液体リザーバ及び吸い口を備えるカートリッジ(リザーバからの液体が使い尽くされたときは交換することができる)、及びヒーターを備える気化器(一般的に保持される)として提供される。別の例として、充電手段は、車のシガーライタなどの追加又は代替の電源に接続してもよい。
【0026】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による図1のeシガレット10の本体20の概略図(簡略図)である。図2は、概して、eシガレット10の長手方向軸線LAを通る平面における断面であると考えることができる。たとえば配線及びより複雑な形状など、本体の様々な構成要素及び詳細は、明確にするために図2から省略されたことに留意されたい。
【0027】
本体20は、使用者によるデバイスの起動に応答してeシガレット10に電力を供給するためのバッテリー又は電池210を含む。加えて、本体20は、eシガレット10を制御するためのコントロールユニット(図2には図示せず)、たとえば特定用途向け集積回路(ASIC)又はマイクロコントローラなどのチップを含む。マイクロコントローラ又はASICは、CPU又はマイクロプロセッサを含む。CPU及び他の電子構成要素の動作は、概して、CPU(又は他の構成要素)上で走るソフトウェアプログラムによって少なくとも部分的に制御される。そのようなソフトウェアプログラムは、マイクロコントローラ自体に組み込むことができ、又は別個の構成要素として設けることができる、ROMなどの不揮発性メモリに記憶されてもよい。CPUは、必要に応じて、及び必要とされるときに、ROMにアクセスして個々のソフトウェアプログラムをロード及び実行することができる。マイクロコントローラはまた、適当な場合、本体10内の他のデバイスと通信するための適当な通信インターフェース(及び制御ソフトウェア)を含む。
【0028】
本体20は、eシガレット10の遠方(遠位)端をシールして保護するためのキャップ225をさらに含む。典型的に、使用者が吸い口35を吸引すると、空気が本体20に流入することができるように、キャップ225に、又はキャップ225に隣り合って、空気入口孔が設けられる。コントロールユニット又はASICは、バッテリー210に沿って、又はバッテリー210の一端に、配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ASICは、吸い口35での吸引を検出するためにセンサユニット215に取り付けられる(又はその代わりに、ASIC自体にセンサユニット215を設けてもよい)。空気入口から空気流センサ215及びヒーター(気化器又はカトマイザ30内)を通過して吸い口35に至る空気経路が、eシガレットに設けられている。したがって、使用者がeシガレットの吸い口を吸引すると、CPUは、空気流センサ215からの情報に基づいて、そのような吸引を検出する。
【0029】
キャップ225とは反対側の本体20の端部には、本体20をカトマイザ30に接合するためのコネクタ25Bがある。コネクタ25Bは、本体20とカトマイザ30との間の機械的及び電気的な接続を提供する。コネクタ25Bは、カトマイザ30への電気接続のための1つの端子(正又は負)として機能する金属(いくつかの実施形態では銀めっきされている)である本体コネクタ240を含む。コネクタ25Bは、第1の端子、すなわち本体コネクタ240とは反対の極性の、カトマイザ30への電気接続のための第2の端子を提供する電気接点250をさらに含む。電気接点250は、コイルばね255に取り付けられている。本体20がカトマイザ30に取り付けられると、カトマイザ30のコネクタ25Aは、コイルばねを軸線方向、すなわち長手方向軸線LAに平行な方向(長手方向軸線LAと一致する方向)に圧縮するように、電気接点250を押す。ばね255の弾性を考慮すると、この圧縮によって、ばね255が付勢されて伸びようとし、これには電気接点250をカトマイザ30のコネクタ25Aに対してしっかりと押し付ける効果があり、以て本体20とカトマイザ30との間の良好な電気接続を確実にするのに役立つ。本体コネクタ240及び電気接点250は、架台260によって分離されており、架台260は、2つの電気端子間の良好な絶縁を提供するために、非導電体(プラスチックなど)から作られている。架台260は、コネクタ25A及び25Bの相互の機械的係合を支援するような形状である。
【0030】
上述したように、手動起動デバイス265の形態を表すボタン265は、本体20の外側ハウジングに配置することができる。ボタン265は、使用者によって手動で起動されるように動作可能な任意の適当な機構を使用して、たとえば機械式ボタン又はスイッチ、静電容量型又は抵抗型のタッチセンサなどとして実施することができる。また、手動起動デバイス265は、本体20の外側ハウジングではなく、カトマイザ30の外側ハウジングに配置されてもよく、その場合、手動起動デバイス265は、接続部25A、25BによってASICに取り付けられてもよいことが理解されよう。ボタン265はまた、キャップ225の代わりに(又はキャップ225に加えて)、本体20の端部に配置されてもよい。
【0031】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による図1のeシガレット10のカトマイザ30の概略図である。図3は、概して、eシガレット10の長手方向軸線LAを通る平面における断面であると考えることができる。配線及びより複雑な形状など、カトマイザ30の様々な構成要素及び詳細は、明確にするために図3から省略されたことに留意されたい。
【0032】
カトマイザ30は、カトマイザ30の中心軸線(長手方向軸線)に沿って、吸い口35から、カトマイザ30を本体20に接合するためのコネクタ25Aまで延びる空気通路355を含む。液体のリザーバ360が、空気通路335の周りに設けられている。このリザーバ360は、たとえば液体に浸漬された綿又は発泡体を提供することによって実施することができる。他の実施形態では、リザーバ360は、液体が保持される(そして一般に、中空空間の周りを自由に移動する)カトマイザ30内の中空空間として実施されてもよい。カトマイザ30はまた、使用者がeシガレット10を吸引したことに応答して、蒸気を生成して空気通路355に流し、吸い口35から流出させるように、リザーバ360からの液体を加熱するためのヒーター365を含む。ヒーター365は、電線366及び367を通して電力が供給され、電線366及び367は、コネクタ25Aを介して本体20のバッテリー210の反対の極性(正極及び負極、又はその逆)に接続される(電力線366及び367とコネクタ25Aとの間の配線の詳細は、図3から省略されている)。
【0033】
コネクタ25Aは内部電極375を含み、内部電極375は、銀めっきされても、又は何らかの他の好適な金属若しくは導電性材料から作られてもよい。カトマイザ30が本体20に接続されると、内部電極375は本体20の電気接点250に接触して、カトマイザ30と本体20との間に第1の電気経路を提供する。特に、コネクタ25A及び25Bが係合されると、内部電極375は、コイルばね255を圧縮するように電気接点250を押し、以て内部電極375と電気接点250との間の良好な電気接触を確実にするのに役立つ。
【0034】
内部電極375は絶縁リング372に取り囲まれており、絶縁リング372は、プラスチック、ゴム、シリコーン、又は任意の他の好適な材料から作ることができる。絶縁リングは、カトマイザコネクタ370によって取り囲まれており、カトマイザコネクタ370は、銀めっきされても、又は何らかの他の好適な金属若しくは導電性材料から作られてもよい。カトマイザ30が本体20に接続されると、カトマイザコネクタ370は本体20の本体コネクタ240に接触して、カトマイザ30と本体20との間に第2の電気経路を提供する。言い換えれば、内部電極375及びカトマイザコネクタ370は、適当な場合、本体20内のバッテリー210から供給線366及び367を介してカトマイザ30内のヒーター365へ電力を供給するための正端子及び負端子(又はその逆)として機能する。
【0035】
カトマイザコネクタ370には、eシガレット10の長手方向軸線から離れて反対の方向に延びる2つの突起又はタブ380A、380Bが設けられている。これらのタブは、カトマイザ30を本体20に接続するために、本体コネクタ240とともにバヨネット式の取付具を提供するために使用される。このバヨネット式の取付具は、カトマイザ30と本体20との間に確実で堅牢な接続を提供し、その結果、カトマイザ及び本体は互いに対して固定位置に保持され、ぐらつき又はたわみが最小限に抑えられ、偶発的な分離の可能性が非常に小さい。同時に、バヨネット式の取付具は、挿入してから回転させて接続すること、及び回転(逆方向)させてから引っ張って分離することによって、簡単で迅速な接続及び切断を提供する。他の実施形態は、スナップ嵌め又はねじ接続など、本体20とカトマイザ30との間で異なる形態の接続を使用することができることが理解されよう。
【0036】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による本体20の端部にあるコネクタ25Bの特定の詳細の概略図である(ただし、説明を明確にするため、架台260など、図2に示すコネクタの内部構造の大部分は省略する)。特に、図4は、概ね円筒チューブの形態を有する本体20の外部ハウジング201を示す。この外部ハウジング201は、たとえば、紙などで外側が覆われた金属の内側チューブを備えてもよい。外部ハウジング201はまた、手動起動デバイス265が使用者にとって容易にアクセス可能となるように、手動起動デバイス265(図4には図示せず)を備えてもよい。
【0037】
本体コネクタ240は、本体20のこの外部ハウジング201から延びる。図4に示す本体コネクタ240は、2つの主要な部分、本体20の外部ハウジング201にちょうど嵌るようなサイズの中空の円筒チューブの形状のシャフト部分241、及びeシガレットの主長手方向軸線(LA)から離れる方向に、半径方向に外向きに向けられたリップ部分242を備える。シャフト部分が外部ハウジング201と重複しないところで、カラー又はスリーブ290が、本体コネクタ240のシャフト部分241を取り囲んでおり、カラー290もまた円筒チューブの形状である。カラー290は、本体コネクタ240のリップ部分242と本体の外部ハウジング201との間に保持され、これらはともに、カラー290の軸線方向(すなわち、軸線LAに平行な方向)の移動を防止する。しかし、カラー290は、シャフト部分241(したがって、軸線LAでもある)の周りを自由に回転することができる。
【0038】
上述したように、キャップ225には、使用者が吸い口35を吸引すると空気が流れることができるように、空気入口孔が設けられている。しかし、いくつかの実施形態では、使用者が吸引するとデバイスに入る空気の大部分は、図4に2つの矢印によって示すように、カラー290及び本体コネクタ240を通って流れる。
【0039】
図1を再び参照すると、本開示の一実施形態では、エアロゾル供給システム10は、使用者による吸引のためにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成される。本明細書に前述したように、エアロゾル生成材料は、ヒーター若しくは他の手段(超音波トランスデューサなど)を使用して気化/エアロゾル化することができる任意の好適な液体若しくはゲル、又は加熱されると蒸気及び/若しくはエアロゾル化された粒子を放出する植物を含むことができる。
【0040】
図6も参照すると、エアロゾル供給システムは、EVPS10を単独で含んでもよいし、或いは、EVPSと、ブルートゥース(BlueTooth)(登録商標)などのローカル無線プロトコルを介して通信する移動電話100、又は原則的に、EVPSがインターネットに直接若しくは間接的にアクセスするように動作可能(たとえば、ワイファイ(WiFi)(登録商標)を使用)である場合は遠隔サーバなど、EVPSと通信するように動作可能な遠隔デバイスとの組合せであってもよい。
【0041】
エアロゾル供給システムは、コンピュータ、たとえばEVPSのプロセッサ64及び/又は電話若しくはサーバのプロセッサ(又はこれらの任意の組合せ)を備えており、コンピュータは、第1に、1時間以下の長さの直前の吸引セッション中の使用者の1つ又は複数の吸引行為に基づいて、生成されるエアロゾル内の有効成分に対する使用者要求を推定するように構成され、第2に、推定される使用者要求に応答して、エアロゾル供給を次の吸引行為に適合させるように、エアロゾル供給システムの1つ又は複数の動作パラメータを調整するように構成される。
【0042】
使用者要求の推定は、本明細書で後により詳細に説明する。
【0043】
コンピュータ動作のいくつか又はすべてが移動電話又はサーバで生じる場合、その結果得られる推定及び/又は調整は、必要に応じて、EVPSへ返送される。
【0044】
このようにして、エアロゾル供給システムは、短期的な挙動に基づいて、使用者の挙動を予測することができる(ここで、「短期」とは、たとえば1時間未満を意味する)。
【0045】
本開示の一実施形態では、吸引セッションは吸引シーケンスに対応する。シーケンスは、1つの特性パターンに対応することができる。したがってこの場合、吸引セッションは、大きい体積から小さい体積へのパフのシーケンスなど、特性シーケンスを含むことができる。そのようなシーケンスは、使用者が最初に吸引から強い効果を受け取ることを要望するが、次いで効果が感じられると、満足して吸引が先細りするまで、それほど強くない要望を有するときに特徴的となりうる。その代わりに、吸引セッションは、使用者によるEVPSでの予め定められた数又は範囲の吸引に対応してもよい。たとえば、1つのセッションは、10回の吸引又は8~12回の吸引であると定義することができる。それに加えて、又はその代わりに、1つのセッションは、使用者によるEVPSでの最初の吸引からの事前定義された時間によって定義されてもよい。たとえば、予め定められた時間は、4分とすることができる。したがって、1つのセッションは、吸引の総数が8~12回の吸引に到達したとき、及び/又は最初の吸引から経過した時間が4分に到達したときに定義することができる。予め定められた吸引数に対する値及び予め定められた時間は、純粋に一例として与えられており、他の実施態様では、必要に応じて他の数及び時間が使用されてもよいことを理解されたい。
【0046】
これに代えて、又はこれに加えて、本開示の一実施形態では、吸引セッションは吸引シーケンスに対応し、シーケンスは、閾値持続時間より長い休止によって別のセッションから分離されている。閾値持続時間は、使用者による理解を容易にするように選択されてもよいし(たとえば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、若しくは55分、又はより好ましくは、5~45分の範囲内の期間、又はより好ましくは、10~30分範囲内の期間、又はさらにより好ましくは、15~20分の範囲内の期間)、又は体内のニコチンのいわゆる半減期(約2時間)など、薬物動態学的に選択されてもよいし、若しくはニコチンによる脳刺激の知覚される降下(たとえば、約15~25分、平均約18~20分)など、生理学的に選択されてもよい。任意選択で、この半減期は、たとえば性別、体格(背格好、体重など)、民族性などに基づいて個別化されてもよい。それ以外は総称的な半減期値を改良するために、半減期値のルックアップテーブル、及び/又は使用者の1つ若しくは複数の生理学的要因に対するスケーリング値が使用されてもよい。
【0047】
したがって、吸引セッションは、特性パターンを含むこと、及び/又は非使用の閾値持続時間によって別のセッションから分離することができる。
【0048】
使用者が「グレージング」、すなわち閾値持続時間より短い比較的頻繁な間隔で、EVPSで同様に継続的に吸引した場合、吸引セッションは、上記の基準のいずれかによって特徴付けられるのではなく、長さ1時間(たとえば、前の1時間)として単にタイムアウトしてもよい。セッションが単に、先行する期間における一連の吸引に基づいている場合、1時間の長さである必要はなく、45、30、又は15分などの任意の好適な期間であってもよいことが理解されよう(ただし、期間がより短くなると、サンプル吸引事象がより少なくなるため、あらゆる予測の精度を低減させることがある)。
【0049】
生成されるエアロゾル内の有効成分に対する使用者要求は、最近の吸引行為(たとえば、先行する特性シーケンス内、又はある時間までの先行する期間内)のプロキシによって示される使用者の最近の短期的な気分/挙動に基づいて、パフごとに(たとえば、次の吸引行為に対して)推定すること、及び/又は次のパフセッションに対して推定する(たとえば、特性パターンを予測し、それに応じて有効成分送達を変更する)ことができる。
【0050】
したがって、本開示の一実施形態では、次いで使用者要求は、直前の吸引セッション中の使用者の1つ又は複数の吸引行為に基づいて、使用者による次の吸引又は吸引セッションに対して推定することができる。
【0051】
使用者による次の吸引又は吸引セッションに対する推定される使用者要求は、直前の吸引セッション中の1つ又は複数の吸引行為の任意の好適な特性、又は特性の組合せに基づくことができる。たとえば、特性は、吸引強度、持続時間、又は時間に応じた吸引強度など、個々の吸引と関連付けられた特性であってもよい。複数の吸引が使用者要求を推定するために使用される例では、直前の吸引セッションの1つ又は複数の特性に対する平均又は累積の尺度が使用されてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、直前の吸引セッション中の使用者の少なくとも第1の吸引行為が、閾値量より多いエアロゾルを生成させたことに応答して、コンピュータは、少なくとも第1の吸引に基づいて、使用者による次の吸引に対する使用者要求の増大を推定するように構成される。
【0053】
閾値量は、有効成分に対する要求の高まりを示すように設定される。第1の事例では、閾値は、デフォルト量とすることができ、デフォルト量は固定されてもよいし、又はそれ自体が、使用の別個のプロセス若しくは分析の結果であってもよく、たとえば閾値は、1日の間に変動してもよいし、又は吸引セッションの初期化によって引き起こされる固定のサイクルにわたって変動してもよい。閾値はまた、デバイスの内部状態に応じて変動すること(たとえば、電力又は有効成分資源が残り少なくなっている場合は、送達を引き延ばすために、応答の高まりをトリガする可能性を低減させるように上昇する)、及び/又は有効成分に関する情報(たとえば、リザーバが変化するかどうか、又はデバイスの送達特性を変えるデバイスの流量などに対する制御が存在するかどうか)に応じて変動することができる。同様に、閾値は、使用者によって選択されたベイピング中止プログラム又はベイピング制限/抑制オプションなどに従って変動してもよい。
【0054】
第2の事例では、上記の考慮のいずれかの代わりに、又はそれに加えて、閾値は、吸引セッションの特性パターンに応答してもよく、たとえばセッションの開始時にはより高く、終了時にはより低くなり、上述した起こりうるセッション中の要求の変化を反映し、したがってセッション自体の通常の特性パターンと比較して、要求の高まりを構成するものの差を反映する。
【0055】
この後者の場合、デバイスは、現在の予測自体が、最近の吸引セッション又は過去1時間における使用者吸引挙動のみに基づいている場合でも、任意の期間にわたって、使用者の1つ又は複数の特徴的な吸引セッションパターンを比較のために学習及び記憶することができる。
【0056】
したがって、この後者の場合、現在の吸引セッション中の使用者による次の吸引に対応する直前の吸引セッション中の第1の時点での使用者の第1の吸引行為が、閾値量より多いエアロゾルを生成させたことに応答して、コンピュータは、第1の吸引に基づいて、使用者による次の吸引に対する使用者要求の増大を推定するように構成されてもよい。
【0057】
逆に言えば、使用者の最近の吸引挙動は、要求の高まりではなく、有効成分に対する要求が予想より少ないことを示すことができる。したがって、直前の吸引セッション中の使用者の少なくとも第1の吸引行為が、(第2の)閾値量より少ないエアロゾルを生成させたことに応答して、コンピュータは、少なくとも第1の吸引に基づいて、使用者による次の吸引に対する使用者要求の低減を推定するように構成される。
【0058】
上述した要求の高まりと同様に、そのような閾値は、デフォルトとすることができ、或いは、別個の使用者オプション、方策、若しくは分析の結果であること、及び/又は吸引セッションの特性パターン内の予想位置に応じて変動することができる。
【0059】
上記のシナリオのいずれかにおいて、好ましくは次の吸引に対する推定される使用者要求に応答して、コンピュータは、予め定められた吸引プロファイルの範囲内で、推定される使用者要求を満たすエアロゾルを生成するように構成される。言い換えれば、EVPSは、使用者の側での通常のパフ行為中に所望の有効成分の送達を試みるべきであり、したがって使用者は、普段より著しく長く若しくは短く、又は深く若しくは浅く、吸引する必要はない。
【0060】
これはたとえば、より多い若しくはより少ない蒸気/エアロゾルを送達するためにヒーターの温度を増大若しくは減少させること、及び/又はより多い若しくはより少ない蒸気/エアロゾルを送達するために空気流を増大若しくは制限すること、及び/又はより多い若しくはより少ない蒸気/エアロゾルを送達するためにヒーターとペイロードの相互作用を増大若しくは制限することによって実現することができる。他の技法も当業者には明らかであろう。
【0061】
吸引の持続時間及び深さ/速度の点で使用者の側の通常のパフ行為を構成するものは、別個に予測されてもよい。第1の近似として、これは単に、たとえば平均吸引持続時間の経験的研究に基づいて、デフォルト期間であってもよい。この事例では、要求が送達ごとに判断される場合、吸引持続時間は変動しないと予測されるため(実際には変動する場合でも)、吸引持続時間は事実上考慮されない。
【0062】
したがって、第2の近似として、及びおそらく個々の使用者の経験的測定に基づく平均期間として、持続時間は、この場合もともすれば、一定であると考えられた場合、実際的に考慮されないが、閾値自体は、吸引ごとの通常の送達レベルからの偏差を反映するため、使用者の平均持続時間を暗示的に考慮する。
【0063】
一方、第3の近似として、これは、時刻、場所などの要因に関係する使用者の最近の吸引行為及び/又は吸引挙動履歴のうちの1つ又は複数に基づいてもよい。
【0064】
いずれにしても、予測される要求、及び任意選択で予測された吸引持続時間を考慮して、上述したものなどのエアロゾル供給システムの1つ又は複数の動作パラメータは、それに応答して、エアロゾル供給を次の吸引行為に適合させるように調整されてもよい。
【0065】
前述したように、次の個々のパフの代わりに、又はそれに加えて、本開示の実施形態では、使用者要求は、使用者による次の吸引セッションの少なくとも一部に対して推定されてもよく、次の吸引セッションの一部とは、そのようなセッションの一部又はすべてを意味し、連続する2つ以上パフを含む。
【0066】
このシナリオでは、本開示の一実施形態では、次いで、直前の吸引セッション中の使用者の少なくとも第1の吸引行為が、閾値量より多いエアロゾルを生成させたことに応答して、コンピュータは、少なくとも第1の吸引に基づいて、次の吸引セッションの少なくとも一部に対する使用者要求の増大を推定するように構成される。
【0067】
したがって、個々のパフに対する要求の増大を予測する代わりに、又はそれに加えて、前のセッションが1つ又は複数のパフを含み、デフォルト送達に対する不満を示す場合(たとえば、本明細書に前述したように、1つ又は複数のパフに対する上限閾値を超過することによる)、コンピュータは、次の吸引行為がその一部である次のセッションの弧全体に対して送達の基準レベルを修正してもよい。たとえば、吸引セッション中にパフごとに送達される有効成分の量は、前のセッション内の単一のパフが閾値を超過したことに応答して、各パフに対して5%増大されてもよいし、又は前のセッション内の2つのパフが閾値を超過したことに応答して、各パフに対して10%増大されてもよい。前のセッション内の挙動と現在のセッションの修正との間の関係は、任意の好適な形態をとってもよい。たとえば、先行する吸引シーケンス内で、1つ又は複数のパフが閾値を超過した位置は、次の吸引行為がその一部である次の吸引シーケンス内の追加の有効成分の送達への段階的な修正におけるピークを示してもよい。
【0068】
したがって、非限定的な例として、仮説上10回のパフからなるシーケンスにおいて、前に使用者がパフ6及び7中に閾値量より多く吸引した場合、次の吸引シーケンスに対するエアロゾル送達における結果として生じる百分比の増大は、+0、+0、+1、+3、+5、+10、+10、+5、+3、+1の形態をとることができる。実際の値の変化は、たとえば、体内に取り込まれた有効成分の量に応じて、たとえば知覚された影響レベルに基づいて、経験的に判定されてもよく、シーケンス内のパフごとのデフォルト量(たとえば、百分比の増大)に対するものであってもよいし、又は絶対値(たとえば、別個の固定又は可動の増大)であってもよい。
【0069】
同様に、個々のパフに対する要求の増大を予測する代わりに、又はそれに加えて、現在の吸引セッション内の次の部分に実質的に対応する直前の吸引セッションの少なくとも第1の部分中の使用者の吸引行為の第1のシーケンスが、組み合わせた閾値量より多いエアロゾルを生成させたことに応答して、コンピュータは、第1のシーケンスに基づいて、使用者による次の吸引シーケンスの少なくとも一部に対する使用者要求のパターンを推定するように構成されてもよい。
【0070】
言い換えれば、次の吸引シーケンス内の追加の有効成分の送達への段階的な修正を生成する上記の原理はまた、1つ又は複数の個々のパフに対する高い要求の指示ではなく、先行するシーケンスの一部又はすべてに対する累積要求に適用されてもよい。したがって、1つ又は複数の累積閾値を使用して、たとえば使用者が全体として吸引セッションシーケンスの第1の部分からより多い若しくはより少ない有効成分を要求するかどうか、又は同様に、吸引セッションシーケンスの中間部分からより多い若しくはより少ない有効成分を要求するかどうか、又は同様に吸引セッションシーケンスの終了部分からより多い若しくはより少ない有効成分を要求するかどうかを判定し、それに応じて、次にくる吸引セッション中に有効成分の送達を修正することができる。
【0071】
次にくるセッション中の挙動の予測が、現在及び将来の吸引行為に対するエアロゾル送達の修正に寄与しうる実施形態では、現在の吸引セッションの特性パターンが予測される必要がないこともある。
【0072】
個々のパフと同様に、第1の近似として、これは、任意選択でデバイスの製造者による経験的測定に基づいて、デフォルトパターンの形態をとってもよい。第2の近似として、これは、たとえば連続するセッションに対する吸引包絡線を生成することによって、このデバイスの個々の使用者から学習したデフォルトパターンの形態をとってもよく、セッションは、本明細書に前述したように、デバイスの進行中の使用中に吸引行為ごとの吸引レベルを測定し、複数のセッションに対して平均化することによって、最小期間によって分離されてもよい。
【0073】
第3の近似として、複数のそのような吸引包絡線は、たとえばクラスタリングアルゴリズムを使用して、EVPSによって捕捉されたデータに基づいて吸引包絡線の異なるクラスを識別することによって展開されてもよい。そのような処理は、たとえば、遠隔の移動電話又はサーバがEVPSと直接又は間接的に通信することによって実行されてもよい。次いで、そのような吸引包絡線を、時刻及び/若しくは使用者の場所などの他の状況データ、又は使用者の挙動を示す任意の他のデータと関連付けて、状況データと個々の吸引包絡線との間の何らかの相関関係を判定し、次の吸引セッションの最も起こりうる次の吸引包絡線、したがって特性パターンを予測することができる。その代わりに、及びそれに加えて、次の吸引セッションが進行するにつれて、これを複数のそのような吸引包絡線と比較して、最も近い一致を見付けることができ、予測はそのような一致に基づいて行われ、したがって吸引行為への修正は、現在の吸引セッションの特徴的な本質が明らかになるため、デフォルトモデルから特性モデルへ、又は連続して増大する特性モデルへ移行及び改良することができる。
【0074】
この場合も、個々のパフと同様に、より多い有効成分を要求することに加えて、任意選択で、使用者は、より少ない有効成分を要望してもよく、したがって上述したように個々又は累積の閾値を超過することに加えて、使用者は、個々又は累積の閾値より少ない有効成分を吸引してもよい。
【0075】
したがって、直前の吸引セッション中の使用者の少なくとも第1の吸引行為が、閾値量より少ないエアロゾルを生成させたことに応答して、コンピュータは、少なくとも第1の吸引に基づいて、次の吸引セッションの少なくとも一部に対する使用者要求の低減を推定するように構成されてもよい。
【0076】
この場合も、修正がどのように個々の対応するパフに関係することができるか、又は吸引セッションの口部分内の修正曲線において段階化することができるかに関係する上述した技法は、有効成分の増大と同様に、有効成分の生成を低減させるために適用されてもよい。
【0077】
この場合も、個々のパフと同様に、有効成分の生成の修正は、この修正が通常の吸引セッション中に発生することを可能にするために、予測される使用者要求を満たすことが望ましい。すなわち、使用者は、有効成分の量の予測される変化を受け取るために、セッション内でより頻繁に又は何度も吸引する必要はないはずである。それに応じて、次の吸引シーケンスの少なくとも一部に対する推定される使用者要求に応答して、コンピュータは、予め定められたシーケンスの一部又はすべての範囲内で、推定される使用者要求を満たすエアロゾルを生成するように構成されてもよい。上述したように、これは、球全体にわたって、又は任意選択で、本明細書に前述したように、始まり、中間、又は終わりなど、球の一区分の範囲内で、その包絡線の積分が所望の量だけ増大又は減少するように、吸引包絡線を修正することによって実現されてもよい。
【0078】
上述した例は、吸引行為又はシーケンス(頻度、持続時間、体積、強度、又はそのいずれかの組合せにかかわらない)に応じた使用者要求を表す推定、予測、及び閾値を参照するが、これに代えて、又はこれに加えて、推定、予測、及び閾値のいずれか又はすべては、直前の吸引セッション中の使用者の1つ又は複数の吸引行為から生じると推定された使用者の体内の有効成分の血液濃度に応答してもよい。
【0079】
言い換えれば、有効成分の血液濃度は、単一のパフに応答して瞬間的に、又は吸引シーケンスによって形成される包絡線の一部として、頻度、持続時間、体積、強度、又はこれらのいずれかの組合せ、及び任意選択でペイロード中の有効成分の濃度(変動する場合)、及び任意選択で使用者の生理学的な詳細(身長、体重、性別など)にかかわらず、たとえば吸引に基づいて、認識及び/又は経験的に判定された薬物動態学的関係を使用して、パフ自体から推測されてもよい。次いでこれは、パフ自体とともに、又はパフ自体の代わりに、直前の吸引セッション中の使用者の1つ又は複数の吸引行為から推定された血液濃度レベルに基づいて、生成されるエアロゾル内の有効成分に対する使用者要求を推定するために使用されてもよい。
【0080】
したがって、推定される使用者要求に応答するエアロゾル供給システムの1つ又は複数の動作パラメータの調整もまた、使用者の体内の有効成分の現在の血液濃度の推定に応答してもよい。
【0081】
上述した場合、所望の主観的な効果を与えるものは、時として有効成分自体ではなく、1つ若しくは複数の代謝産物、又は有効成分若しくは代謝産物の存在に応答して放出される2次化合物であることが理解されよう。したがって、有効成分への上記の参照は、必要に応じてこれらの代謝産物又は2次化合物を包含することができる。
【0082】
上記では、コンピュータが、直前の吸引セッション中の使用者の少なくとも第1の吸引行為が、閾値量より多い/少ないエアロゾルを生成させたことに基づいて、次の1つ又は複数の吸引に対する使用者要求の増大/減少を推定するように構成されるシナリオについて説明したが、直前の吸引セッション中の使用者の少なくとも第1の吸引行為の他の特性が、使用者要求の増大/減少を示してもよいことを理解されたい。たとえば、少なくとも第1の吸引が、吸引の瞬間から吸引の終了までの特定の第1の時間の長さを超過した場合、これは、使用者要求の増大を意味することができる。逆に言えば、少なくとも第1の吸引が、吸引の瞬間から吸引の終了までの特定の第2の時間の長さ(第1の時間の長さより短くてもよい)を下回った場合、これは、使用者要求の減少を意味することができる。同様に、少なくとも第1の吸引が、特定の第1の圧力閾値(吸引の強度を意味することができる)を超過した場合、これは、使用者要求の増大を意味することができる。逆に言えば、少なくとも第1の吸引が、特定の第2の圧力閾値(第1の圧力閾値より低くてもよい)を下回った場合、これは、使用者要求の減少を意味することができる。同様に、使用者要求を推定するために、パラメータの組合せが使用されてもよい。
【0083】
他の例では、推定される使用者要求は、複数の吸引を特徴付ける特性、たとえば連続する吸引間の時間及び/又は吸引の頻度に基づいてもよい。これらの特性もまた、1つ又は複数の閾値を超過すること又は下回ることに基づいて、使用者要求の増大及び/又は減少を推定するために使用されてもよい。
【0084】
加えて、推定される使用者要求は、直前の吸引セッション中の複数の吸引行為と関連付けられた特性の平均測定に基づいてもよい。たとえば、推定される使用者要求は、吸引強度及び/又は持続時間の平均に基づいてもよい。
【0085】
図1を再び参照すると、EVPSは、自己内蔵型ユニット(デバイス自体が従来のシガレットの形状又は寸法に必ずしも一致しない場合でも、一般にeシガレットと呼ばれる)とすることができる。そのようなeシガレットは、空気流測定手段、処理手段、並びに任意選択で、触覚、音声、及び/又は光/表示手段などの1つ又は複数のフィードバック手段を備えることができる。
【0086】
その代わりに、図5を参照すると、EVPSは、eシガレット10、及びたとえばブルートゥース(登録商標)を介してeシガレットと通信するように(たとえば、少なくともeシガレットからのデータを受け取るように)動作可能な移動電話又は類似のデバイス(タブレットなど)100など、2つの構成要素を備えることができる。
【0087】
次いで、移動電話は、eシガレットのものの代わりに、又はそれに加えて、処理手段、並びに触覚、音声、及び/又は光/表示手段などの1つ又は複数のフィードバック手段を備えることができる。
【0088】
任意選択で、EVPSは、移動電話100と通信するように動作可能なeシガレット10を備えることができ、移動電話は、EVPSに対する1つ若しくは複数のパラメータ又は他のデータ(使用者による使用の1つ又は複数の態様に特徴的なデータなど)を記憶し、eシガレットからそのようなパラメータ/データを受け取る。次いで、電話は、任意選択で、そのようなパラメータ/データに関する処理を実行し、処理済みのデータ及び/若しくは命令をEVPSへ戻し、結果を使用者に表示し(又は別の行為を実行する)、又は処理済み及び/若しくは未処理のパラメータ/データを遠隔サーバへ転送することができる。
【0089】
任意選択で、移動電話又はEVPS自体は、そのような遠隔サーバで使用者のアカウントに関連付けられたデータに無線でアクセスするように動作可能であってもよい。
【0090】
したがって、コンピュータの動作は、エアロゾル生成ユニット自体、エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な遠隔サーバ、エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な移動コンピューティングデバイス、及びエアロゾル供給システムと通信するように動作可能な移動コンピューティングデバイスと通信するように動作可能な遠隔サーバからなるリストから選択された1つ又は複数に配置することができる。
【0091】
図6を次に参照すると、使用者による吸引のためにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル供給システムのためのエアロゾル供給方法は、
第1のステップs710で、1時間以下の長さの直前の吸引セッション中の使用者の1つ又は複数の吸引行為に基づいて、生成されるエアロゾル内の有効成分に対する使用者要求を推定することと、
第2のステップs720で、推定される使用者要求に応答して、エアロゾル供給を次の吸引行為に適合させるように、エアロゾル供給システムの1つ又は複数の動作パラメータを調整することとを含む。
【0092】
本開示の範囲内で、本明細書に説明及び特許請求する方法及び/又は装置の様々な実施形態の動作に対応する上記の方法の変形が考えられることが、当業者には明らかであり、本開示は、それだけに限定されるものではないが、以下を含む。
【0093】
吸引セッションは、特性パターンに対応する吸引シーケンス、及び閾値持続時間より長い休止によって別のセッションから分離された吸引シーケンスからなるリストから選択された1つに対応する。
【0094】
使用者要求は、使用者による次の吸引に対して推定される。
【0095】
直前の吸引セッション中の使用者の少なくとも第1の吸引行為の特性が閾値を超えたことに応答して、少なくとも第1の吸引に基づいて、使用者による次の吸引に対する使用者要求の増大を推定する。
【0096】
直前の吸引セッション中の使用者の少なくとも第1の吸引行為が、閾値量より多いエアロゾルを生成させたことに応答して、少なくとも第1の吸引に基づいて、使用者による次の吸引に対する使用者要求の増大を推定する。
【0097】
いずれの事例でも、エアロゾルの特性又は量が閾値を超えた場合、特性又はエアロゾルは、吸引された有効成分の量に対するプロキシとすることができる。エアロゾルの単位体積当たりの有効成分の量が可変である(たとえば、使用者による)システムでは、閾値は、エアロゾル中の有効成分の現在の濃度に応答して調整されてもよい。
【0098】
現在の吸引セッション中の使用者による次の吸引に対応する直前の吸引セッション中の第1の時点での使用者の第1の吸引行為が、閾値量より多いエアロゾルを生成させたことに応答して、第1の吸引に基づいて、使用者による次の吸引に対する使用者要求の増大を推定する。
【0099】
直前の吸引セッション中の使用者の少なくとも第1の吸引行為の特性が第2の閾値より小さいことに応答して、少なくとも第1の吸引に基づいて、使用者による次の吸引に対する使用者要求の低減を推定する。
【0100】
直前の吸引セッション中の使用者の少なくとも第1の吸引行為が、閾値量より少ないエアロゾルを生成させたことに応答して、少なくとも第1の吸引に基づいて、使用者による次の吸引に対する使用者要求の低減を推定する。
【0101】
次の吸引に対する推定される使用者要求に応答して、予め定められた吸引プロファイルの範囲内で、推定される使用者要求を満たすエアロゾルを生成する。
【0102】
使用者要求は、使用者による次の吸引セッションの少なくとも一部に対して推定される。
【0103】
直前の吸引中の使用者の少なくとも第1の吸引行為の特性が閾値を超えたことに応答して、少なくとも第1の吸引に基づいて、次の吸引セッションの少なくとも一部に対する使用者要求の増大を推定する。
【0104】
直前の吸引セッション中の使用者の少なくとも第1の吸引行為が、閾値量より多いエアロゾルを生成させたことに応答して、少なくとも第1の吸引に基づいて、次の吸引セッションの少なくとも一部に対する使用者要求の増大を推定する。
【0105】
現在の吸引セッション内の次の部分に対応する直前の吸引セッションの少なくとも第1の部分中の使用者の吸引行為の第1のシーケンスが、組み合わせた閾値量より多いエアロゾルを生成させたことに応答して、第1のシーケンスに基づいて、使用者による次の吸引シーケンスの少なくとも一部に対する使用者要求のパターンを推定する。
【0106】
直前の吸引セッション中の使用者の少なくとも第1の吸引行為の特性が第2の閾値より小さいことに応答して、少なくとも第1の吸引に基づいて、使用者による次の吸引に対する使用者要求の低減を推定する。
【0107】
直前の吸引セッション中の使用者の少なくとも第1の吸引行為が、閾値量より少ないエアロゾルを生成させたことに応答して、少なくとも第1の吸引に基づいて、次の吸引セッションの少なくとも一部に対する使用者要求の低減を推定する。
【0108】
次の吸引シーケンスの少なくとも一部に対する推定される使用者要求に応答して、予め定められたシーケンスの一部又はすべての範囲内で、推定される使用者要求を満たすエアロゾルを生成する。
【0109】
有効成分に対する使用者要求の推定が、直前の吸引セッション中の使用者の1つ又は複数の吸引行為から生じると推定された使用者の体内の有効成分の血液濃度に応答している。
【0110】
推定される使用者要求に応答するエアロゾル供給システムの1つ又は複数の動作パラメータの調整が、使用者の体内の有効成分の現在の血液濃度の推定に応答している。
【0111】
推定される使用者要求に応答するエアロゾル供給システムの1つ又は複数の動作パラメータの調整が、使用者の体内の有効成分の現在の血液濃度の限度に応答している。
【0112】
推定動作のいくつか又はすべては、エアロゾル生成ユニット、エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な遠隔サーバ、エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な移動コンピューティングデバイス、及びエアロゾル供給システムと通信するように動作可能な移動コンピューティングデバイスと通信するように動作可能な遠隔サーバからなるリストから選択された1つ又は複数に配置される。
【0113】
上記の方法は、該当する場合はソフトウェア命令によって好適に構成された従来のハードウェアで実施されてもよく、又は専用のハードウェアの包含若しくは置換えによって実施されてもよいことが理解されよう。
【0114】
したがって、従来の同等なデバイスの既存の部品を適合させるのに必要なことは、フロッピーディスク、光ディスク、ハードディスク、固体状態ディスク、PROM、RAM、フラッシュメモリ、又はこれら若しくは他の記憶媒体の任意の組合せなどの非一時的機械可読媒体に記憶されたプロセッサ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品の形態で実施することができ、或いはASIC(特定用途向け集積回路)又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、又は従来の同等なデバイスを適合させる際に使用するのに好適な他の構成可能な回路としてハードウェアで実現することができる。これとは別に、そのようなコンピュータプログラムは、イーサネット、無線ネットワーク、インターネット、又はこれら若しくは他のネットワークの任意の組合せなどのネットワークで、データ信号を介して伝送することができる。
【0115】
本開示の変形実施形態では、使用者の第1のEVPSは、その使用者設定の一部又は全部を別のEVPSへ通信することができる。使用者設定は、使用者挙動に特徴的なデータ、及び/又はEVPS動作の修正に関するデータなど、上記で開示した方法の実施態様に関係する設定を含むことができる。
【0116】
そのようなデータは、デバイス間で直接(たとえば、ブルートゥース(登録商標)又は近距離通信を介して)中継することができ、又は2つのデバイスの使用者によって所有される移動電話若しくは使用者がアカウントを有するサーバなどの1つ若しくは複数の仲介デバイスを介して中継することができる。
【0117】
このようにして、たとえば使用者が、2つのEVPSデバイスを有する場合、又は使用者が、蓄積された個人化データを失うことなく、1つのEVPSを別のEVPSに交換したいと考えた場合、使用者は、1つのデバイスから別のデバイスへデータを容易に共有することができる。
【0118】
任意選択で、この実施形態では、第2のEVPSが第1のEVPSとはタイプが異なる場合(たとえば、異なるデフォルトパワーレベル又は加熱効率を有することによる)、動作パラメータを第1のEVPSから第2のEVPSへ変換するための変換係数又はルックアップテーブルを用いてもよい。これは、第2のEVPSのソフトウェア又はファームウェアで提供することができ、直接通信するとき(又はデータが電話などの仲介を介した変化なく中継されるとき)、第1のEVPS、したがって適当な変換を識別する。これに代えて、又はこれに加えて、電話のアプリにより変換を提供してもよく、任意選択で第1及び第2のEVPSの識別情報に応答して、関連する変換をダウンロードしてもよい。この場合も、これに代えて、又はこれに加えて、遠隔サーバが、使用者のアカウントに関連付けられた第1及び第2のEVPSの識別情報に応答して、変換を提供してもよい。
【0119】
上記の議論は、本開示の単なる例示的な実施形態を開示及び説明する。当業者には理解されるように、本開示は、本開示の本質的な特徴から逸脱することなく、他の特有の形態で実施してもよい。それに応じて、本開示の開示は、本開示の範囲並びに他の特許請求の範囲の限定ではなく説明であることを意図したものである。本開示は、本明細書の教示のあらゆる容易に認識できる変形形態を含めて、本発明の主題が公衆に専用に供されないように、上記の特許請求の範囲の術語の範囲を部分的に定義する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】