(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(54)【発明の名称】視覚支援型のロボット化デパレタイザ
(51)【国際特許分類】
B25J 13/08 20060101AFI20221215BHJP
B65G 59/02 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
B25J13/08 A
B65G59/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523074
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 CA2020051387
(87)【国際公開番号】W WO2021072545
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518267045
【氏名又は名称】シムボティック カナダ、ユーエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シモン、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】モレンシー、シルヴァン-ポール
(72)【発明者】
【氏名】レガーレ、ウイリアム
(72)【発明者】
【氏名】ラロシュ、ベノワ
(72)【発明者】
【氏名】ジョドアン、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】コンラッド、ユルゲン
【テーマコード(参考)】
3C707
3F030
【Fターム(参考)】
3C707AS02
3C707BS10
3C707KS03
3C707KT02
3C707KT03
3C707KT06
3C707KT09
3C707LS15
3C707NS02
3F030AB04
3F030BA05
(57)【要約】
パレット荷層に配置されたケースのパレット荷を受け取るためのパレットステーションと、層の少なくとも1つを把持およびピッキングするためのグリップ、およびデパレタイジングエンドエフェクタに対する、層のための所定の層係合位置および配向を画定するグリップ係合インターフェースを有するエンドエフェクタを備えるロボットと、ケースのパレット荷を撮像し、ロボットの運動から独立して層の上部の少なくとも1つの画像を生成するための視覚システムと、画像を受信し、グリップ係合インターフェースの所定の層係合位置および配向に対する層位置および配向の判定をもたらす制御装置であって、制御装置が、グリップを位置づけ、グリップ係合インターフェースにおいてグリップを用いて層を捕捉して保持するようにロボットに動作可能に連結されている、制御装置とを有するデパレタイザ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デパレタイザであって、前記デパレタイザが、
パレット荷層に配置されたケースのパレット荷を受け取るように構成されたパレット荷降ろしステーションであって、前記パレット荷層の各々が、前記パレット荷の領域にわたって共通のレベルで並置された複数のケースで形成されている、パレット荷降ろしステーションと、
少なくとも1つのパレット荷層を前記パレット荷降ろしステーションにおける前記パレット荷から出力ステーションに搬送するように、前記パレット荷層の少なくとも1つを把持してピッキングするように構成されたグリップを有するデパレタイジングエンドエフェクタを備えたロボットであって、前記グリップが、前記グリップを用いた前記パレット荷層の少なくとも1つの捕捉および安定した保持を繰り返しもたらすように、前記デパレタイジングエンドエフェクタに対する、前記パレット荷層の少なくとも1つのための所定の層係合位置および配向を画定するグリップ係合インターフェースを有する、ロボットと、
前記パレット荷降ろしステーションで前記ケースのパレット荷を撮像するように配置され、ロボットの運動から独立して前記パレット荷層の少なくとも1つの上部の少なくとも1つの画像を生成するように構成された視覚システムと、
前記視覚システムから少なくとも1つの画像を受信するように前記視覚システムに動作可能に連結され、前記少なくとも1つの画像に基づいて、前記グリップ係合インターフェースの前記所定の層係合位置および配向に対する、前記パレット荷層の少なくとも1つの層位置および配向の判定をもたらすように構成された制御装置であって、前記制御装置は、前記グリップを位置づけ、前記グリップ係合インターフェースにおいて前記グリップを用いて前記パレット荷層の少なくとも1つを捕捉して保持するように、前記ロボットに動作可能に連結されている、制御装置と
を備える、デパレタイザ。
【請求項2】
前記所定の層係合位置および配向が、前記グリップ係合インターフェースの係合平面配向を提供し、前記層位置および配向が、前記パレット荷層の少なくとも1つにわたって実質的にまたがる前記グリップ係合インターフェースとインターフェース接続するように配置された、前記パレット荷層の少なくとも1つの、係合面の平面性を表し、前記層位置および配向が、前記パレット荷層の少なくとも1つの前記係合面と前記グリップ係合インターフェースの平面配向との間の少なくとも2つの直交方向における平面不整合を表す、請求項1記載のデパレタイザ。
【請求項3】
前記視覚システムが、前記ロボットから独立して取り付けられた少なくとも1つのカメラを備える、請求項1記載のデパレタイザ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのカメラの各々が、共通のカメラ較正基準構造に較正され、前記共通のカメラ較正基準構造への較正が、各々のそれぞれのカメラのそれぞれのカメラ基準フレームと、少なくとも1つのカメラの他の各々のカメラとの、および前記ロボットの所定の基準フレームとの位置関係性を表す、請求項3記載のデパレタイザ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのカメラは、前記少なくとも1つのカメラの視野が、前記パレット荷の最上部の上向き面から前記パレット荷の底部まで前記パレット荷をカバーするように配置される、請求項3記載のデパレタイザ。
【請求項6】
前記少なくとも1つのカメラが、前記パレット荷層の各々の最上部の上向き面が前記少なくとも1つのカメラの視野内にあるように配置される、請求項3記載のデパレタイザ。
【請求項7】
デパレタイザであって、前記デパレタイザが、
パレット荷層に配置されたケースのパレット荷を受け取るように構成されたパレット荷降ろしステーションであって、前記パレット荷層の各々が、前記パレット荷の領域にわたって共通のレベルで並置された複数のケースで形成されている、パレット荷降ろしステーションと、
少なくとも1つのパレット荷層を前記パレット荷降ろしステーションにおける前記パレット荷から出力ステーションに搬送するように、前記パレット荷層の少なくとも1つを把持してピッキングするように構成されたグリップを有するデパレタイジングエンドエフェクタを備えたロボットであって、前記グリップが、前記グリップを用いた前記パレット荷層の少なくとも1つの捕捉および安定した保持を繰り返しもたらすように、前記デパレタイジングエンドエフェクタに対する、前記パレット荷層の少なくとも1つのための所定の層係合位置および配向を画定するグリップ係合インターフェースを有する、ロボットと、
前記ロボットとは別個に、前記パレット荷降ろしステーションで前記パレット荷を撮像するように配置され、ロボットの運動から切り離されて前記パレット荷層の少なくとも1つの上部の少なくとも1つの画像を生成するように構成された視覚システムと、
前記少なくとも1つの画像に基づいて、前記グリップ係合インターフェースと前記パレット荷層の少なくとも1つの各最上パレット層との間の位置および配向関係性の判定をもたらすように構成された制御装置と
を備える、デパレタイザ。
【請求項8】
前記制御装置が、前記視覚システムから前記少なくとも1つの画像を受信するように前記視覚システムに動作可能に連結されている、請求項7記載のデパレタイザ。
【請求項9】
前記制御装置が、判定された関係性に基づいて各最上パレット層に対して前記グリップを位置づけ、前記グリップ係合インターフェースにおいて前記グリップを用いて前記少なくとも1つのパレット荷層を捕捉して保持するように、前記ロボットに動作可能に連結されている、請求項7記載のデパレタイザ。
【請求項10】
判定された関係性が、前記ロボットの所定の基準フレームに対する前記グリップ係合インターフェースの前記所定の層係合位置および配向に対する各最上層の層位置および配向を表す、請求項7記載のデパレタイザ。
【請求項11】
前記制御装置が、前記少なくとも1つの画像に基づいて、各最上層のそれぞれの層位置および配向を判定し、前記それぞれの層位置および配向を前記ロボットの所定の基準フレームと比較することによって、判定された関係性の判定をもたらす、請求項7記載のデパレタイザ。
【請求項12】
前記それぞれの層位置および配向が、それぞれ各最上層にわたって実質的にまたがる前記グリップ係合インターフェースとインターフェース接続するように配置された、各最上層の、係合面の平面性を表し、前記それぞれの層位置および配向が、前記最上層の係合面と前記グリップ係合インターフェースとの間の少なくとも2つの直交方向における平面不整合および中心点不整合の少なくとも1つを表す、請求項11記載のデパレタイザ。
【請求項13】
前記制御装置は、前記ロボットの前記所定の基準フレームに表された前記デパレタイザを境界付けるロボットのアーキテクチャおよび構造のうちの少なくとも1つによって画定されるロボットの運動境界条件に基づいて、それぞれ、各最上層との最適グリップ係合のために、前記平面不整合および前記中心点不整合の少なくとも1つを解消するように構成されている、請求項12記載のデパレタイザ。
【請求項14】
前記視覚システムが、前記ロボットから独立して取り付けられた少なくとも1つのカメラを備える、請求項7記載のデパレタイザ。
【請求項15】
前記少なくとも1つのカメラの各々が、共通のカメラ較正基準構造に較正され、前記共通のカメラ較正基準構造への較正が、各々のそれぞれのカメラのそれぞれのカメラ基準フレームと、前記少なくとも1つのカメラの他の各々のカメラとの、および前記ロボットの所定の基準フレームとの位置関係性を表す、請求項14記載のデパレタイザ。
【請求項16】
前記少なくとも1つのカメラは、前記少なくとも1つのカメラの視野が、前記パレット荷の最上部の上向き面から前記パレット荷の底部まで前記パレット荷をカバーするように配置される、請求項14記載のデパレタイザ。
【請求項17】
前記少なくとも1つのカメラが、前記パレット荷層の各々の最上部の上向き面が前記少なくとも1つのカメラの視野内にあるように配置される、請求項14記載のデパレタイザ。
【請求項18】
デパレタイザにおいてケースをデパレタイズする方法であって、前記方法が、
前記デパレタイザのパレット荷降ろしステーションで、パレット荷層に配置されたケースのパレット荷を受け取る工程であって、前記パレット荷層の各々が、前記パレット荷の領域にわたって共通のレベルで並置された複数のケースで形成されている、工程と、
少なくとも1つのパレット荷層を前記パレット荷降ろしステーションにおける前記パレット荷から出力ステーションに搬送するように、前記パレット荷層の少なくとも1つを把持してピッキングするように構成されたグリップを有するデパレタイジングエンドエフェクタを備えたロボットを提供する工程であって、前記グリップが、前記グリップを用いた前記パレット荷層の少なくとも1つの捕捉および安定した保持を繰り返しもたらすように、前記デパレタイジングエンドエフェクタに対する、前記パレット荷層の少なくとも1つのための、所定の層係合位置および配向を画定するグリップ係合インターフェースを有する、工程と、
視覚システムを用いて、前記パレット荷降ろしステーションで前記ケースのパレット荷を撮像し、ロボットの運動から独立して前記パレット荷層の少なくとも1つの上部の少なくとも1つの画像を生成する工程と、
前記視覚システムに動作可能に連結された制御装置において、前記視覚システムから前記少なくとも1つの画像を受信し、前記少なくとも1つの画像に基づいて、前記グリップ係合インターフェースの前記所定の層係合位置および配向に対する前記パレット荷層の少なくとも1つの層位置および配向の判定をもたらす工程であって、前記制御装置が、前記グリップを位置づけ、前記グリップ係合インターフェースにおいて前記グリップを用いて前記パレット荷層の少なくとも1つを捕捉して保持するように、前記ロボットに動作可能に連結されている、工程と
を含む、方法。
【請求項19】
前記所定の層係合位置および配向が、前記グリップ係合インターフェースの係合平面配向を提供し、前記層位置および配向が、前記パレット荷層の少なくとも1つにわたって実質的にまたがる前記グリップ係合インターフェースとインターフェース接続するように配置された、前記パレット荷層の少なくとも1つの、係合面の平面性を表し、前記層位置および配向が、前記パレット荷層の少なくとも1つの前記係合面と前記グリップ係合インターフェースの平面配向との間の少なくとも2つの直交方向における平面不整合を表す、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記視覚システムが、前記ロボットから独立して取り付けられた少なくとも1つのカメラを備える、請求項18記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのカメラの各々が、共通のカメラ較正基準構造に較正され、前記共通のカメラ較正基準構造への較正が、各々のそれぞれのカメラのそれぞれのカメラ基準フレームと、前記少なくとも1つのカメラの他の各々のカメラとの、および前記ロボットの所定の基準フレームとの位置関係性を表す、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのカメラは、前記少なくとも1つのカメラの視野が、前記パレット荷の最上部の上向き面から前記パレット荷の底部まで前記パレット荷をカバーするように配置される、請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのカメラが、前記パレット荷層の各々の最上部の上向き面が前記少なくとも1つのカメラの視野内にあるように配置される、請求項20記載の方法。
【請求項24】
デパレタイザにおいてケースをデパレタイズする方法であって、前記方法が、
前記デパレタイザのパレット荷降ろしステーションで、パレット荷層に配置されたケースのパレット荷を受け取る工程であって、前記パレット荷層の各々が、前記パレット荷の領域にわたって共通のレベルで並置された複数のケースで形成されている、工程と、
少なくとも1つのパレット荷層を前記パレット荷降ろしステーションにおける前記パレット荷から出力ステーションに搬送するように、前記パレット荷層の少なくとも1つを把持してピッキングするように構成されたグリップを有するデパレタイジングエンドエフェクタを備えたロボットを提供する工程であって、前記グリップが、前記グリップを用いた前記パレット荷層の少なくとも1つの捕捉および安定した保持を繰り返しもたらすように、前記デパレタイジングエンドエフェクタに対する、前記パレット荷層の少なくとも1つのための所定の層係合位置および配向を画定するグリップ係合インターフェースを有する、工程と、
前記ロボットとは別個に配置された視覚システムを用いて、前記パレット荷降ろしステーションで前記パレット荷を撮像し、ロボットの運動から切り離されて前記パレット荷層の少なくとも1つの上部の少なくとも1つの画像を生成する工程と、
前記デパレタイザの制御装置を用いて、前記少なくとも1つの画像に基づき、前記グリップ係合インターフェースと前記パレット荷層の少なくとも1つの各最上パレット層との間の位置および配向関係性の判定をもたらす工程と
を含む、方法。
【請求項25】
前記制御装置が、前記視覚システムから前記少なくとも1つの画像を受信するように前記視覚システムに動作可能に連結されている、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記制御装置が、判定された関係性に基づいて各最上パレット層に対して前記グリップを位置づけ、前記グリップ係合インターフェースにおいて前記グリップを用いて前記少なくとも1つのパレット荷層を捕捉して保持するように、前記ロボットに動作可能に連結されている、請求項24記載の方法。
【請求項27】
判定された関係性が、前記ロボットの所定の基準フレームに対する前記グリップ係合インターフェースの前記所定の層係合位置および配向に対する各最上層の層位置および配向を表す、請求項24記載の方法。
【請求項28】
前記制御装置が、前記少なくとも1つの画像に基づいて、各最上層のそれぞれの層位置および配向を判定し、前記それぞれの層位置および配向を前記ロボットの所定の基準フレームと比較することによって、判定された関係性の判定をもたらす、請求項24記載の方法。
【請求項29】
前記それぞれの層位置および配向が、それぞれ各最上層にわたって実質的にまたがる前記グリップ係合インターフェースとインターフェース接続するように配置された、各最上層の、係合面の平面性を表し、前記それぞれの層位置および配向が、最上層の前記係合面と前記グリップ係合インターフェースとの間の少なくとも2つの直交方向における平面不整合および中心点不整合の少なくとも1つを表す、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記制御装置が、前記ロボットの前記所定の基準フレームに表された前記デパレタイザを境界付けるロボットのアーキテクチャおよび構造のうちの少なくとも1つによって画定されるロボットの運動境界条件に基づいて、それぞれ、各最上層との最適グリップ係合のために前記平面不整合および前記中心点不整合の少なくとも1つを解消する、請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記視覚システムが、前記ロボットから独立して取り付けられた少なくとも1つのカメラを備える、請求項24記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つのカメラの各々が、共通のカメラ較正基準構造に較正され、前記共通のカメラ較正基準構造への較正が、各々のそれぞれのカメラのそれぞれのカメラ基準フレームと、前記少なくとも1つのカメラの他の各々のカメラとの、および前記ロボットの所定の基準フレームとの位置関係性を表す、請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも1つのカメラは、前記少なくとも1つのカメラの視野が、前記パレット荷の最上部の上向き面から前記パレット荷の底部まで前記パレット荷をカバーするように配置される、請求項31記載の方法。
【請求項34】
前記少なくとも1つのカメラが、前記パレット荷層の各々の最上部の上向き面が前記少なくとも1つのカメラの視野内にあるように配置される、請求項31記載の方法。
【請求項35】
横断経路に沿って移動する商品の層からスリップシートを除去するためのスリップシート除去装置であって、前記スリップシート除去装置が、
フレームと、
回転軸を中心にした回転のために前記フレームに回転可能に連結されたローラであって、前記ローラが、前記ローラの商品支持面を通って伸長する真空ポートを有する、ローラと、
前記真空ポートを通して真空を引くように前記ローラに連結された真空機構であって、前記真空ポートは、前記スリップシートを把持し、前記商品の層から前記スリップシートを分離するべく、前記ローラと前記ローラの前記商品支持面上に支持された前記商品の層との間に配置された前記スリップシートと係合するために、前記ローラ上に位置づけられる、真空機構と
を備える、スリップシート除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、2019年10月16日に出願された米国仮特許出願第62/916,080号の非仮出願であり、その利益を主張する。
【0002】
[技術分野]
本開示は、概して、デパレタイジングに関し、より具体的には、製品の視覚支援型のロボット化デパレタイジングに関する。
【背景技術】
【0003】
製品の小売流通(従来の「実店舗」店、オンラインストア、または混合小売チャネルのいずれであっても)は、特に、店舗補充用か個別注文用かにかかわらず(所与の輸送内の)混合ケースまたは異種ケースとして知られているものの流通のために、保管、仕分け、および輸送効率の改善を要求している。これらへのインテリジェント/適応性の自動化の適用により、保管、仕分け、および輸送を含む流通の多くのレベルでの効率の改善がますます促進されている。
【0004】
流通センターおよび倉庫では、典型的に、構造化されたパレット上で、ケース、ボックス、オープントレイ、ストレッチラップトレイなどの製品が受け取られ、たとえば、それらは隙間なく整然と位置づけられている。パレットから製品を取り出すためのデパレタイジングシステムが当技術分野で知られている。パレット荷に対する自動位置決めを改善するために3Dパレット荷をマッピングするように電磁放射および光学マッピングセンサ(たとえば、レーザスキャナ、3Dカメラなど)を有する従来のパレットアンローダ(デパレタイザなど)が知られている。たとえば、環境とのロボット相互作用を促進するためにそのような環境を検出および再構築するための1つの従来の方法およびシステムは、三次元(3D)仮想環境を判定する工程を含み、ここで、3D仮想環境は、物理環境内のそれぞれの物理オブジェクトに対応する複数の3D仮想オブジェクトを含むロボットマニピュレータの物理環境を表す。当該方法は、その後、二次元(2D)深度マップを含む仮想環境の2D画像を判定する工程を含む。当該方法は、その後、所与の1つまたは複数の物理オブジェクトに対応する2D画像の部分を判定する工程を含み得る。当該方法は、その後、部分および2D深度マップに基づいて、所与の1つまたは複数の物理オブジェクトに対応する2D画像の部分に対応する3Dモデルを判定する工程を含み得る。当該方法は、その後、3Dモデルに基づいて、所与の1つまたは複数の物理オブジェクトから1つの物理オブジェクトを選択する工程を含み得る。当該方法は、その後、オブジェクトを移動させるようにロボットマニピュレータに命令を提供する工程を含み得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示の前述の態様および他の特徴は、添付の図面に関連した以下の記載において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示の態様による流通設備の概略図である。
【
図2】本開示の態様によるパレット荷の概略図である。
【
図3】本開示の態様による
図1の流通設備のパレタイザ/デパレタイザセルの概略斜視図であり、パレタイザ/デパレタイザセルは、視覚システムおよび層デパレタイジングツールを備えたロボットを有する。
【
図4】
図3の層デパレタイジングツールの上面斜視図である。
【
図5】
図3の層デパレタイジングツールの上面平面図である。
【
図6】
図3の層デパレタイジングツールの分解斜視図であり、層デパレタイジングツールは、そのフレームの大部分なしで示されている。
【
図7】
図3の層デパレタイジングツールのフレームの一部およびカーテン作動アセンブリの上面斜視図である。
【
図8A】完全なパレット層を把持する位置に示されている、
図3の層デパレタイジングツールの上面斜視図である。
【
図8B】完全なパレット層を把持する位置に示されている、
図3の層デパレタイジングツールの底面斜視図である。
【
図9A】パレット層に圧力を加え、カーテンが部分的に閉じられている、
図3の層デパレタイジングツールのクランプを示す、
図8Aに類似した斜視図である。
【
図9B】パレット層に圧力を加え、カーテンが部分的に閉じられている、
図3の層デパレタイジングツールのクランプを示す、
図8Bに類似した斜視図である。
【
図10A】パレット層への圧力の一部を解放し、カーテンが完全に閉じられている、
図3の層デパレタイジングツールのクランプを示す、
図8Aに類似した斜視図である。
【
図10B】パレット層への圧力の一部を解放し、カーテンが完全に閉じられている、
図3の層デパレタイジングツールのクランプを示す、
図8Bに類似した斜視図である。
【
図11A】本開示の態様による
図3のパレタイザセルの視覚システムのためのカメラ視野の概略斜視図である。
【
図11B】本開示の態様による
図3のパレタイザセルの視覚システムのためのカメラ視野の概略斜視図である。
【
図11C】本開示の態様による
図3のパレタイザセルの視覚システムのためのカメラ視野の概略斜視図である。
【
図11D】本開示の態様による
図3のパレタイザセルの視覚システムのためのカメラ視野の概略斜視図である。
【
図11E】本開示の態様による
図3のパレタイザセルの視覚システムのためのカメラ視野の概略斜視図である。
【
図11F】本開示の態様による
図3のパレタイザセルの視覚システムのためのカメラ視野の概略斜視図である。
【
図12】本開示の態様による
図3のパレタイザセルの視覚システムによって捕捉された例示的な画像である。
【
図13A】本開示の態様による
図3の視覚システムのための例示的な較正治具/固定具である。
【
図13B】本開示の態様による視覚システムによって捕捉された
図13Aの較正治具/固定具の例示的な画像である。
【
図14】本開示の態様による方法の例示的なフローダイアグラムである。
【
図15A】本開示の態様に従ってピッキングされるパレット層に対する
図3の層デパレタイジングツールの例示的な位置を例示する。
【
図15B】本開示の態様に従ってピッキングされるパレット層に対する
図3の層デパレタイジングツールの例示的な位置を例示する。
【
図15C】本開示の態様に従ってピッキングされるパレット層に対する
図3の層デパレタイジングツールの例示的な位置を例示する。
【
図15D】本開示の態様に従ってピッキングされるパレット層に対する
図3の層デパレタイジングツールの例示的な位置を例示する。
【
図16A】本開示の態様による
図3の層デパレタイジングツールによってピッキングされ得る例示的なパレット層構成である。
【
図16B】本開示の態様による
図3の層デパレタイジングツールによってピッキングされ得る例示的なパレット層構成である。
【
図16C】本開示の態様による
図3の層デパレタイジングツールによってピッキングされ得る例示的なパレット層構成である。
【
図17】本開示の態様による方法の例示的なフローダイアグラムである。
【
図18】本開示の態様による方法の例示的なフローダイアグラムである。
【
図19A】本開示の態様によるスリップシート除去の概略図である。
【
図19B】本開示の態様によるスリップシート除去の概略図である。
【
図19C】本開示の態様によるスリップシート除去の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本開示の態様による倉庫システムまたは流通設備100WS(本明細書では倉庫システム100WSと呼ばれる)の概略図である。本開示の態様が、図面を参照して説明されるが、多くの形態で具体化され得ることが理解されるべきである。さらに、任意の適切なサイズ、形状、またはタイプの要素または材料が使用され得る。流通設備100WSは、本明細書では自動流通設備として説明されているが、本開示の態様が、自動化および手動の搬送システムの両方などの任意の適切な搬送システムを有する流通設備、または完全に手動の搬送システムにも適用可能であることが理解されるべきである。
【0008】
図1および
図2を参照すると、本開示の態様によれば、倉庫システム100WSは、少なくとも1つのパレタイザ/デパレタイザセル10A、10B(本明細書ではまとめてパレタイザセル10と呼ばれる)を含む。パレタイザセル10は、混合パレット荷の物品ユニットCU(本明細書ではケースユニットまたはケースもしくは製品18とも呼ばれる)を、視覚システム支援で混合ケースパレット荷PALを構築するスタックSL1-Snおよび/または層PL1-PL4に配置する(個別にまたは製造されたピックフェース)1つまたは複数のロボットケースマニピュレータ14(本明細書では、多関節ロボット、適応型リアルタイムロボット、ロボット、または製品ピッキング装置とも呼ばれる)を有する。パレタイザ/デパレタイザの適切な例は、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、2019年7月9日に発行された「Vision-Assisted Robotized Depalletizer」と題される米国特許第10,343,857号明細書に記載されている。
【0009】
パレタイザセル10には、ロボット14によって取り外される各パレット層(本明細書ではパレット荷層とも呼ばれる)、およびそのケースユニットCUの三次元(3D)画像を生成する(1つまたは複数の)三次元(3D)飛行時間(TOF)カメラ視覚システム310(本明細書では視覚システム310と呼ばれる)が設けられている。視覚システム310は、パレット荷降ろし/荷積みステーション301でケースCUのパレット荷PALを撮像するようにパレタイザセル10に配置され、ロボット14の運動から独立して、少なくとも1つのパレット荷層816(
図8B-パレット層PL1、PL2、PL3、PL4、PL5を表す)の少なくとも上部/面148(
図2、
図8A、および
図11A~
図11F)の少なくとも1つの画像(
図12を参照)を生成するように構成されている。三次元画像情報は、パレット荷PALから商品をデパレタイズするようにパレット層をピッキングするロボット14の周期的運動とリアルタイムで一致して、視覚システム310によって生成および提供され、(ロボット14のピッキング/配置の運動周期フレーム内で)リアルタイムで、パレット支持部SPALに載置された第1のケース層PL1から最後のケース層PL5までのパレットビルドにおける各パレット層に対する少なくとも層ポーズを通知する。
【0010】
各層の層ポーズの三次元画像情報によって、たとえばロボット14との差異に対する補償を通知する、平面からの差異(たとえば、パレット支持部SPALおよび/または他の層、オープンケースユニットCUなどに対する層の傾斜)を識別し、それにより、ロボット14は、リアルタイムで、ピッキングされる層に対するロボット14の位置決めを補償して、適応型のリアルタイムロボット14の配置で実質的に連続した、および(完全な自動化またはユーザ支援との協力/協働での)適応型のデパレタイジングを促進し、同時にパレットの品質/制御およびロボット14によるデパレタイジングを解決する。
【0011】
制御装置(ロボット制御装置16および/またはセル制御装置10Cなど)が、視覚システム310から少なくとも1つの画像を受信するように視覚システム310に動作可能に連結されている。制御装置は、少なくとも1つの画像に基づいて、ロボット14のグリップ800(
図8)のグリップ係合インターフェース810(
図8B-本明細書に記載されるように)の所定の層係合位置および配向に対する少なくとも1つのパレット層816(
図8B)の(ロボットの座標系または基準フレームX、Y、Z、RX、RY、RZなどにおける(
図3))層位置およびポーズ/配向の判定をもたらすように構成され、ここで、制御装置は、(たとえば、グリップインターフェース810と、パレット荷層の少なくとも1つの各最上パレット層との間の判定された関係性に基づいて)グリップ800を各最上パレット層に対して位置づけ、グリップ係合インターフェース810においてグリップ800を用いて少なくとも1つのパレット層816を捕捉して保持するように、ロボット14に動作可能に連結されている。制御装置は、少なくとも1つの画像に基づいて、各最上層のそれぞれの層位置および配向を判定し、それぞれの層位置および配向をロボット14の(本明細書に記載されるような)所定の基準フレームと比較することによって、判定された関係性の判定をもたらす。
【0012】
自動化パレタイザセル10に組み込まれた視覚システム310は、一態様では、パレット荷の差異に(さらに記載されるように、指令されたトランザクション時間に対応して)リアルタイムで応答する((1つまたは複数の)ロボット14などの自動化に対する)リアルタイムの(または略リアルタイムの)コマンド入力を提供するようにセル制御装置10Cに通知し、それを可能にし、それにより、(1つまたは複数の)ロボット14はリアルタイムで適応して、パレット荷ビルドの差異を解消し、時間的に最適な方法でデパレタイジングをもたらすように時間的に最適な方法で(自動的におよび/またはユーザ支援と協力/協働して)デパレタイジングをもたらす。
【0013】
再び
図1を参照すると、本開示の態様によれば、流通設備100WSは、たとえば、ケースユニット用に小売店から受けた注文を履行するために小売流通センターまたは倉庫で動作し得る保管および取り出しシステム100を含む。一例では、ケースユニットは、トレイに、トート上またはパレット上に保管されていない(たとえば、含まれていない)商品のケースまたはユニットであり得る。他の例では、ケースユニットは、トレイに、トート上またはパレット上などに、任意の適切な方法で含まれている商品のケースまたはユニットであってもよい。なお、ケースユニットは、パレットから取り出されるかまたはパレット上に配置されるように適合されている商品のケースに入れられたユニット(たとえば、スープ缶のケース、シリアルの箱など)または個々の商品を含んでもよい。実施形態によれば、ケースユニット用の輸送ケース(たとえば、カートン、バレル、ボックス、木枠、ジャグ、またはケースユニットを保持するための任意の他の適切な装置)は、可変サイズを有し得、輸送中にケースユニットを保持するために使用され得、輸送用にパレット化させることができるように構成され得る。なお、たとえば、ケースユニットの束またはパレットが保管および取り出しシステムに到着したときに、各パレットの内容物は均一であり得(たとえば、各パレットは所定の数の同じアイテムを保持する。すなわち、1つのパレットはスープを保持し、別のパレットはシリアルを保持する)、パレットが保管および取り出しシステムを出ると、パレットは、任意の適切な数および組み合わせのさまざまなケースユニットを含み得る(たとえば、各パレットは、さまざまなタイプのケースユニットを保持し得る。すなわち、パレットはスープとシリアルの組み合わせを保持する)。実施形態では、本明細書に記載される保管および取り出しシステムは、ケースユニットが保管および取り出される任意の環境に適用され得る。
【0014】
保管および取り出しシステム100は、たとえば、既存の倉庫構造に設置するように構成され得るか、または新しい倉庫構造に適合させられ得る。本開示の態様では、保管および取り出しシステムは、1つまたは複数のインフィード移送ステーション170および1つまたは複数のアウトフィード移送ステーション160、イン/アウトケースコンベヤ150A、150B、150C(まとめて、イン/アウトケースコンベヤ150と呼ばれる)、保管構造アレイ130、および多数の自律型車両搬送ロボット110(本明細書では「ボット」と呼ばれる)を含み得る。本開示の態様では、保管および取り出しシステムはまた、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、2015年8月4日に発行された米国特許第9,096,375号明細書に記載されるように、ロボットまたはボット移送ステーションを含み得る。本開示の態様では、ボット移送ステーションは、ケースユニットをボット110とイン/アウトケースコンベヤ150との間でボット移送ステーションを介して間接的に移送させることができるように、ボット110とイン/アウトケースコンベヤ150との間のインターフェースを提供し得る。本開示の態様では、ケースユニットは、ボット110とイン/アウトケースコンベヤ150との間で直接的に移送され得る。
【0015】
保管構造アレイ130は、ケースユニットのための保管場所130SLの保管アレイを形成する複数レベルの保管ラックモジュールを含み得、その各保管場所130SLは、各保管場所130SLで少なくとも1つのケースユニットを保管するように配置されている。一態様では、各レベルの保管構造アレイ130は、それぞれの保管/ピッキング通路130A、および保管構造アレイ130の保管領域のいずれかと任意のイン/アウトケースコンベヤ150の任意の棚との間でケースユニットを移送するための移送デッキ130Bを含む。保管通路130Aおよび移送デッキ130Bはまた、ケースユニットをピッキングストックに配置するためにボット110が保管通路130Aおよび移送デッキ130Bを横断し、注文されたケースユニットを取り出すことを可能にするように構成され、ここで、ケースユニットは、保管場所130SLにおいて、保管通路130A内に、および/または移送デッキ130B上で保管されるか、またはそうでなければ保持される。ボット110は、保管および取り出しシステム100全体にわたってケースユニットを運び、移送することができる任意の適切なボットであり得る。ボットの適切な例は、例示目的のみで、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、2013年4月23日に発行された米国特許第8,425,173号明細書、2017年2月7日に発行された米国特許第9,561,905号明細書、2015年2月24日に発行された米国特許第8,965,619号明細書、2014年4月15日に発行された米国特許第8,696,010号明細書、2015年11月17日に発行された米国特許第9,187,244号明細書、2011年12月15日に出願された、「Automated Bot with Transfer Arm」と題する、米国特許付与前公開番号第2012/0189416(米国シリアル番号第13/326,952)号明細書、および2016年11月22日に発行された米国特許第9,499,338号明細書で見ることができる。ボット110は、上記の小売商品などのケースユニットを、保管構造アレイ130の1つまたは複数のレベルにおけるピッキングストック内に配置し、その後、注文されたケースユニットを選択的に取り出して、注文されたケースユニットを、たとえば、店舗または他の適切な場所に出荷するように構成され得る。
【0016】
インフィード移送ステーション170およびアウトフィード移送ステーション160は、ケースユニットを保管構造アレイ130の1つまたは複数のレベルへ/から双方向に移送させ、保管構造アレイ130へのケースユニットのインフィードおよび保管構造アレイ130からのケースユニットの出力をもたらすために、それぞれのイン/アウトケースコンベヤ150A、150Bと一緒に動作し得る。なお、インフィード移送ステーション170およびアウトフィード移送ステーション160(およびそれらのそれぞれのイン/アウトケースコンベヤ150A、150Bおよびパレタイザ/デパレタイザセル10A、10B)は、専用のインバウンド(たとえば、インフィード)移送ステーション170および専用のアウトバウンド(たとえば、アウトフィード)移送ステーション160であるとして記載されているが、本開示の態様では、移送ステーション170、160の各々が、保管および取り出しシステムからのケースユニットのインバウンドとアウトバウンドの移送の両方に使用されてもよい。なお、イン/アウトケースコンベヤが本明細書に記載されているが、コンベヤは、任意の適切なコンベヤ(垂直および/または水平のコンベヤ経路などの、任意の適切な搬送経路配向を含む)または任意の適切な搬送経路配向を有する移送/ピッキング装置であってもよい。
【0017】
一態様では、上記のように、インフィード移送ステーション170およびアウトフィード移送ステーション160の各々は、それぞれのイン/アウトケースコンベヤ150A、150Bおよびそれぞれのパレタイザ/デパレタイザセル10A、10B(本明細書ではまとめてパレタイザセル10と呼ばれる)を含む。一態様では、パレタイザ/デパレタイザセル10は自動化セルであり、その各々は、たとえば、(入力コンベヤとして
図1に例示されている)インアウト積荷パレットコンベヤ175Cを含み得るパレット荷内175の領域から(均一または混合ケースユニットまたは製品などの)積荷パレットを受け取るように、および/または、たとえば、(出力コンベヤとして
図1に例示されている)インアウト積荷パレットコンベヤ180Cを含み得るパレット荷外180の領域への搬送のために(均一または混合ケースユニットまたは製品などの)積荷パレットを構築するように構成されている。一態様では、コンベヤ175C、180Cは各々、保管構造アレイ130に接続され、積荷パレットを、保管構造アレイ130に向かう入力方向に、および保管構造アレイ130から離れる異なる出力方向に、双方向に搬送するように構成されている。一態様では、コンベヤ175C、180Cは各々、運搬経路を形成するように配置された分配コンベヤベッドを備えたコンベヤ配置を含み得るか、または他の態様では、コンベヤ175C、180Cは、たとえば、フォークリフト/パレットトラックなどの個別の搬送ユニットであり得る。自動パレタイザ/デパレタイザセル10A、10Bの適切な例は、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、2016年8月12日に出願された米国特許出願第15/235,254号、および2015年2月24日に発行された米国特許第8,965,559号明細書に見られ得る。各パレタイザセルは、1つまたは複数のロボットケースマニピュレータ14を含み、これは多関節ロボットまたはロボットとも呼ばれ得る。1つまたは複数のロボットケースマニピュレータ14は、本明細書に記載されるように、パレット荷の物品ユニットCUを連続してパレット支持部上に搬送し、配置して、パレット荷250をパレット荷降ろし/荷積みステーション301上で構築する(または他の態様では、本明細書に記載されるように、分解する、または解放する)ように構成されている(
図3を参照)。
【0018】
パレタイザセル10がパレタイザとして出力の役割で機能する場合、さまざまなサイズであり得るパレット荷の物品ユニットCUは、本明細書に記載されるように、イン/アウトケースコンベヤ150Bを介してパレタイザセル10に到達し、ロボットケースマニピュレータ14の1つによってピッキングされ、パレット荷PAL上に配置される。パレタイザセル10がパレタイザとして出力の役割で機能する場合、さまざまなケースユニットから作成されたフルパレット荷PAL(
図2を参照)は、パレット荷外180の領域への運搬のためにパレタイザセル10からフォークリフトでピックアップされる準備ができている。パレタイザ/デパレタイザセル10がデパレタイザとして入力の役割で機能する場合、パレット荷層に配置された、さまざまなパレット荷の物品ユニットCUから作成された、(パレット荷PALに類似し、均質または混合ケースで形成され得る)ケースのフルパレット荷は、パレット荷内175の領域から、フォークリフトまたは他の運搬などの任意の適切な方法で、パレタイザセル10のパレット荷降ろし/荷積みステーション301に移送される。パレット荷層PL1、PL2、PL3、PL4、PL5の各々は、パレット荷PALの領域にわたって共通のレベルで並置された複数のケースCUで形成されている。一態様では、
図2に例示されるように、パレット層は、異なるサイズのケースCUを含む混合パレット層であり得るが、他の態様では、
図3に例示されるように、パレット層全体にわたって略同じサイズを有するケースCUを含む均一な層であり得る。1つまたは複数のロボットケースマニピュレータ14は、保管構造アレイ130内への移送のために、パレット荷の物品ユニットCUをパレットPALからピッキングする。
【0019】
一態様では、各インフィード移送ステーション170は、ケース入力経路Ipを形成し、そこでは、パレタイザ/デパレタイザセル10Aが、ケースユニットを層ごとにデパレタイズするか、またはそうでなければケースユニットを標準パレット(たとえば、製品ピッキング装置またはロボット14などの自動層インターフェースユニットによるパレット層の自動係合に適した安定性を有する均質パレット)から単一のケースユニットにデパレタイズする。パレタイザ/デパレタイザセル10Aは、ケースユニットを自動化保管および取り出しシステム100に供給する一体型入力システム(たとえば、インフィード移送ステーション170)を形成するように、イン/アウトケースコンベヤ150Aなどの、自動化保管および取り出しシステム100の搬送システムと通信している。各インフィード移送ステーション170は、自動化保管および取り出しシステム100および倉庫管理システム199と一体化されているケース入力経路Ipを画定し、ここで、倉庫管理システム199は、任意の適切な非一時的プログラムコードおよびメモリを用いて、少なくとも、保管構造アレイ130へのケースユニットの入力、保管構造アレイ130内のケースユニットの保管分配および保管構造アレイ130からのケースユニットの取り出し、ケースユニットの棚卸/補充、およびケースユニット出力を管理するように構成された任意の適切な制御装置199Cを含む。
【0020】
一態様では、各ケースユニットの入力経路Ipは、倉庫管理システム199と通信する少なくとも1つの対応するケースユニット検査セル142を含む。一態様では、少なくとも1つの対応するケースユニット検査セル142は、多次元ライトカーテン、撮像システム、および/またはケースユニットの欠陥を検出し、たとえば、棚卸、搬送シーケンス、保管分配、および保管構造アレイ130からの出力のためのケースユニットのシーケンスのためにケースユニットを識別するように構成された任意の他の適切な感知/センサ配置などを備える、任意の適切な体積検査を含む任意の適切な検査セルであり得る。
【0021】
一態様では、上述のように、パレタイザ/デパレタイザセル10Aは、パレタイザ/デパレタイザセル10Aで降ろすパレットから(1つまたは複数の)層を分解または解放するように、完全に自動であり得る。なお、
図2を参照すると、解放(decommission)という用語は、各パレット荷の物品ユニットCUが、パレットPALの(解放する/取り付ける(commissioning)レベルまたは移送面に対応し得る)所定のレベル200で層PL1、PL2、PL3、PL4から取り外され、それにより、いくつかの態様では、パレットPALが、パレットPALの次のレベルに対応する(全体的または部分的な)次の層PL2、PL3の取り外しのために、パレットPALの次のレベルに(パレタイザセル10の任意の適切なパレット持ち上げ装置によって)索引付けされるような、パレットPALからの(全体的または部分的な)パレット層PL1、PL2、PL3、PL4の取り外しを指す。
【0022】
一態様では、パレタイザ/デパレタイザセル10Aは、解放が、自動化保管および取り出しシステム100において、倉庫管理システム199によって確立された、ケースユニットの供給量の所定の割合または供給速度と、倉庫管理システム199によって同期されるか、またはそうでなければ調和される(たとえば、一致される)ように、層PL1、PL2、PL3、PL4を解放するように構成されている。たとえば、一態様では、倉庫管理システム199は、自動化保管および取り出しシステム100内のケースユニットの供給量の所定の割合を設定および/またはモニターするように構成されている。たとえば、倉庫管理システム199は、自動化保管および取り出しシステム100の自動化システム(たとえば、イン/アウトケースコンベヤ150A、150B、ボット110、およびパレタイザ/デパレタイザセル10A、10Bなど)をモニターおよび管理し、ここで、自動化システムの各々、または自動化システムの1つまたは複数は、実際に、単独でまたは組み合わせて、倉庫管理システム199または自動化保管および取り出しシステム100の任意の他の適切な制御装置(たとえば、ボット制御装置、コンベヤ制御装置、パレタイザ/デパレタイザ制御装置など)の制御下で、倉庫管理システム199によって確立された自動化保管および取り出しシステム100におけるケースユニットの供給量の所定の割合を画定する、所与のトランザクション時間(たとえば、イン/アウトケースコンベヤ上/外のケースユニットをピッキング/配置ステーションに移送するか、またはケースユニットを所定の距離だけ持ち上げるか、または保管場所でのボット移送のピッキング/配置など、ケースの搬送または移送の基本単位を有効にする時間/期間、パレットへ/からパレット層を移送する時間など)を有している。たとえば、倉庫管理システム199の制御装置199Cは、(1つまたは複数の)インアウトケースコンベヤ150A、150Bが、所定のケース供給速度で、ケースユニットを保管構造アレイ130へ/から双方向に搬送するように、インアウトケースコンベヤ150A、150Bに通信可能に接続されている。制御装置199Cはまた、それぞれ実質的に連続している、パレタイザ/デパレタイザセル10A、10Bの層の取り付けおよび解放が、所定のケース供給速度に一致するように、(1つまたは複数の)インアウトケースコンベヤ150A、150Bに対応するパレタイザ/デパレタイザセル10A、10Bに通信可能に接続され得る。本開示の態様は、自動化搬送システムを備えた自動化保管および取り出しシステム100を有する流通設備100WSに関して本明細書で説明されているが、本開示の態様は、自動化搬送システムと手動搬送システムの両方などの任意の適切な搬送システムを有する流通設備または完全手動搬送システムにも適用可能であり、ここで、自動化搬送トランザクションと手動搬送トランザクションの両方は、各々、それぞれのトランザクション時間を有し、パレットへ/からのケースユニットの取り付けおよび解放は、本明細書に記載される方法に略類似した方法でトランザクション時間に一致させられ得る。
【0023】
一態様では、各アウトフィード移送ステーション160は、ケース出力経路Opを形成し、そこでは、1つまたは複数のロボットケースマニピュレータ14などの自動層インターフェースユニットなどを用いて、パレタイザ/デパレタイザセル10Bが、ケースユニットをパレットPAL上に層ごとにパレタイズする。一態様では、パレットPALは、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、2016年1月18日に出願された米国特許出願第14/997,920号に記載されるものなどの、標準パレット(たとえば、均質ケースユニット)として、または混合パレットとして形成され得る。一態様では、倉庫管理システム199は、1つまたは複数のロボットケースマニピュレータ14のエンドエフェクタが層として移送するのに適した安定したパレット荷スタックを提供する、混合ケースユニットを用いた、パレットソリューションを確立するように構成されている。上記のように、パレタイザ/デパレタイザセル10Bの適切な例は、前に開示全体が引用により本明細書に組み込まれた、2016年8月12日に出願された米国特許出願第15/235,254号で見られ得る。
【0024】
一態様では、パレタイザ/デパレタイザセル10Bは、任意の適切なケースアウトオーダーシーケンスに従うパレット上の配置のために自動化保管および取り出しシステム100からケースユニットを受け取る一体型出力システム(たとえば、アウトフィード移送ステーション160)を形成するように、イン/アウトケースコンベヤ150Bなどの、自動化保管および取り出しシステム100の搬送システムと通信している。たとえば、上記のように、1つまたは複数のロボットケースマニピュレータ14へのルートを決められたパレット荷の物品ユニットCUは、1つまたは複数のロボットケースマニピュレータ14のエンドエフェクタによってパレットPALに移送され、パレット荷の物品ユニットCU(出力ケースユニット)は、標準の出力パレット荷を形成するために層ごとに(層がパレットの全体または一部をカバーし得ることに留意)倉庫管理システム199によって確立された所定のシーケンスで配置されている。
【0025】
各アウトフィード移送ステーション160は、自動化保管および取り出しシステム100および倉庫管理システム199と一体化されているケース出力経路Opを画定し、ここで、倉庫管理システム199は、本明細書に記載されるように、任意の適切な非一時的プログラムコードおよびメモリを用いて、保管構造アレイ130からのケースユニットの出力を含む、流通設備100WSの動作を管理するように構成された任意の適切な制御装置199Cを含む。一態様では、各ケースユニット出力経路Opは、倉庫管理システム199と通信している(上記のような)少なくとも1つの対応するケースユニット検査セル142を含む。一態様では、上述のように、パレタイザ/デパレタイザセル10Bは、パレタイザ/デパレタイザセル10Bに積み込むパレットに(1つまたは複数の)層を構築または取り付けるように、完全に自動化され得る。なお、
図2を参照すると、取り付け(commission)という用語は、パレット層PL1、PL2、PL3、PL4、PL5が形成されるまで、各パレット荷の物品ユニットCUが、パレットPALの(解放する/取り付けるレベルまたは移送面に対応し得る)所定のレベル200で層PL1、PL2、PL3、PL4に挿入され、それにより、いくつかの態様では、パレットPALが、パレットPALの次のレベルに対応する(全体的または部分的に)次の層PL1、PL2の構築のために、パレットPALの次のレベルに(パレタイザセル10の任意の適切なパレット持ち上げ装置によって)索引付けされるような、パレットPALへの(全体的または部分的な)パレット層PL1、PL2、PL3、PL4の構築を指す。一態様では、パレタイザ/デパレタイザセル10Bは、層PL1、PL2、PL3、PL4の解放に関して上記に略類似した方法で、取り付けが、自動化保管および取り出しシステム100において、倉庫管理システム199によって確立された、ケースユニットの供給量の所定の割合または供給速度と、倉庫管理システム199によって同期されるか、またはそうでなければ調和される(たとえば、一致される)ように、層PL1、PL2、PL3、PL4、PL4を取り付けるように構成され、ここで、倉庫管理システム199は、ケースユニットの取り出し順序、混合ケースユニットのパレット荷のロードアウトシーケンスに出力された混合ケースユニットのシーケンス、および在庫調整などの出力の他の関連する態様を管理する。
【0026】
本開示の態様によれば、
図3を参照すると、層PL1、PL2、PL3、PL4、PL5を解放するように構成されているパレタイザ/デパレタイザセル10Aは、(セル制御装置10Cに連結されるか、またはその一部を形成する)ロボット制御装置316に連結されたロボットアーム12を有する少なくとも1つのロボット14を含む。ロボットアーム12は、本明細書に記載されるように層を解放するのに適した標準の産業用多関節ロボットアームの形態である。一態様では、ロボットアーム12は、6自由度の運動を含む一方で、他の態様では、6自由度より多いまたは少ない運動を有し得る。本明細書で使用されるように、「ロボット」および「ロボットアーム」という表現は、ツールを受け取り、制御し、および移動させることができる多関節および/または可動の部材を含むプログラム可能なシステムを意味するように交換可能に使用される。
図3に例示されるように、層デパレタイジングツールまたはエンドエフェクタ99は、ロボットアーム12に連結され、本明細書に記載されるように層PL1、PL2、PL3、PL4、PL5を解放するように構成されている。一態様では、層デパレタイジングツール99は、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、「Tool and Method for Layer Depalletizing」と題された、2015年5月22日に出願された米国特許出願第14/720,089号に記載されるツールに略類似し得る。
【0027】
図3~5および
図8Bを参照すると、層デパレタイジングツール99は、少なくとも1つのパレット荷層816を、パレット荷降ろし/荷積みステーション301でのパレット荷PALから(一態様では、コンベヤ150などの任意の適切なコンベヤを含む)出力ステーション333に搬送するように、(パレット層PL1、PL2、PL3、PL4、PL5のいずれか1つを表す)パレット荷層816の少なくとも1つを把持およびピッキングするように構成されたグリップ800を有する。グリップ800は、グリップ800を用いた少なくとも1つのパレット荷層816の捕捉および安定した保持を繰り返しもたらすように、層デパレタイジングツール99に対する、少なくとも1つのパレット層816のための(たとえば、ロボット座標系または空間X、Y、Z、RX、Ry、RZ-
図3を参照、本明細書ではロボットの基準フレームと呼ばれる-における)所定の層係合位置および配向を画定するグリップ係合インターフェース810を有する。なお、本明細書に記載されるグリップ800の構成が、本開示の態様で利用され得るパレット層把持機構の1つの適切な例であるが、他の態様では、グリップは、任意の適切な差圧グリップ、ブラダーグリップ、またはグリップによるパレット層の移送のためにパレット層とインターフェース接続する係合/捕捉システムを画定する他の捕捉機構を有していてもよい。層デパレタイジングツール99は、フレーム20と、パレット層1PL1、PL2、PL3、PL4、PL5を把持および解放するための、フレーム20に移動可能に取り付けられた4つのサイドクランプ22~24と、クランプ22~24によって把持されたパレット層816の下に挿入される、クランプ22~24の下でフレームに取り付けられた2つのカーテン26と、クランプ22~24の上でフレーム20に取り付けられた上部パッド28と、を備え、ここで、4つのサイドクランプ22~24、2つのカーテン26、および上部パッド28のうちの1つまたは複数は、グリップ係合インターフェース810を形成する。所定の層係合位置および配向によって、グリップ係合インターフェース810の(少なくとも部分的に上部パッド28によって画定されるような)係合平面配向が提供される。層位置および配向は、少なくとも1つのパレット層816にわたって実質的にまたがって広がるグリップ係合インターフェース810とインターフェース接続するように配置された、少なくとも1つの(上部)パレット層816の(上面148と一致し得る)係合面1210の平面性を表し(
図12の平面1200を参照)、層位置および配向は、少なくとも1つのパレット層816の係合面1210とグリップ係合インターフェース810の平面配向との間の(たとえば、ロボット座標系または基準フレームの)少なくとも2つの直交方向における平面不整合を表す。制御装置(ロボット制御装置16および/またはセル制御装置10Cなど)は、ロボット14の所定の基準フレームで表された、デパレタイザ10を境界付けるロボットのアーキテクチャおよび構造のうちの少なくとも1つによって画定されるロボットの運動境界条件に基づいて、それぞれ、各最上層との最適グリップ係合のために、平面不整合および中心点不整合の少なくとも1つを解消するように構成されている。
【0028】
フレーム20は、概して長方形の周囲を画定するように組み立てられた2対の平行な壁30~32を備える。各壁30および32は、それぞれ、底部長方形部分34および36と、それぞれ、一体型三角形部分38および40とを含む。2つの三角形部分40は、互いに向かってわずかに曲がっている。フレーム20は、それぞれ、壁32間で壁30に平行に、および壁30間で壁32に平行に伸長する、2つの横方向の長方形中空管42および44をさらに備える。壁30~32の三角形部分38~40の上部近くには、孔45(
図6Aを参照)が設けられ、ここで、中空管42および44は固定され、壁30~32を通り、その後、中空管42および44を通るコネクタおよびケーブル(図示せず)の通過が可能になる。取り付けブラケット46(
図8Aを参照)が、中空管42および44の両方に、それらの交差点で固定され、これにより、層デパレタイジングツール99をロボットアーム12に取り付けることが可能になる。フレーム構成要素30~44は、留め具および/または溶接を使用して組み立てられ、同様に層デパレタイジングツール99の他の部分もフレーム20に取り付けられる。フレーム20は、上記のものに限定されず、層デパレタイジングツール99をロボットアーム12に取り付け、他の構成要素を動作可能に受け取るために、他の部材も提供することができる。なお、フレーム20の記載は例示目的のみであり、他の態様では、フレームが任意の適切な構成を有していてもよく、および/または層デパレタイジングツールが任意の適切な方法でロボットアームに連結されてもよい。
【0029】
図6も参照すると、各々の対向する対のサイドクランプ22および24は、それぞれのトラック43および45に摺動可能に取り付けられ、その各々は、それぞれ、取り付けアセンブリ48および50を介して中空管42および44に沿って移動するために中空管42および44の下にそれぞれ固定される。取り付けアセンブリ48および50は非常に類似しているため、フレーム20へのクランプ22の1つの取り付けのみが本明細書でより詳細に説明される。取り付けアセンブリ48は、トラック43を介してその下で中空管42に摺動可能に取り付けられ、および2つのアクチュエータ56のロッド60の遠位端に取り付けられるブラケット52を含む。バー54は、クランプ22をブラケット52に固定して接続する。バー54は、ブラケット52に、そこから垂直に伸長するように取り付けられ、クランプ22に取り付けられている。クランプ22は、バー54を含む平面内で中空管42に垂直である。
【0030】
中空管42とブラケット52との間に2つの空気圧アクチュエータ56が設けられることで、それらの運動が引き起こされ、したがって、中空管42に沿ったクランプ22の運動も引き起こされる。より具体的には、各アクチュエータ56の本体58は、そのそれぞれの側面で中空管42に固定され、アクチュエータのロッド60の遠位端は、ブラケット52に固定して取り付けられる。クランプ22および24は、パレット層を、その2つの対向する側から、およびその後、それらの他の側から把持するために、平行対で移動させられる。したがって、アクチュエータ56は、最初は(同じ中空管42または44に固定された)4つが動作され、その後、他の4つが同時に動作される。本開示の別の態様によれば、すべてのクランプ22および24が同時に作動される。
【0031】
本明細書に記載されるような視覚システム310によって判定された、(パレット層PL1、PL2、PL3、PL4、PL5のいずれか1つを表す)パレット層816の寸法およびポーズを提供して、各対のクランプ22および24は、伸長位置と収縮位置との間で移動可能であり、ここで、クランプ22または24は、対応する対向する側からパレット層816に圧力を加える。クランプ22および24は異なる幅を有するが、本開示の別の態様によるクランプは同じ幅を有し得る。別の態様によるクランプが、フレームに枢動可能に取り付けられている。さらに他の態様によれば、クランプは、本明細書に例示されているもの以外の他の構成を有し、フレームに対して異なって移動可能であるように、任意の適切な方法でフレームに取り付けられる。
【0032】
図7、
図9A、および
図10Bを参照すると、両方のカーテン26は、フレーム20の長方形部分34にそれらの間で摺動可能かつ回転可能に取り付けられている一連の金属ロール62によって画定される。両方のカーテン26は、一緒に、部分34の全長に沿って伸長し、その各々はその長さの半分にまたがる。より具体的には、各ロール62は、その長手方向端部に、フレーム20の内面に取り付けられた平行なトラック64において受容されるハブ部分63(
図10Bを参照)を備える。4つのトラック64の各々は、長方形部分34の下端66に沿って、その中心から、壁30の長手方向端部側近くの三角形部分38に向かって上昇するトラック64の弧状部分68の端部まで伸長する。弧状部分68は、カーテン26が開かれたときのカーテン受容部分を画定する。なお、一部の図面では、簡略化するためにロール62の一部が図示されていない。
【0033】
各カーテン26は、その前端に回転ヘッド70を含み、これは、ロール62とともにトラック64において摺動可能に取り付けられ、また、トラック64に回転可能に取り付けられている。ロール62は、各カーテン26のヘッド70とともに、アクチュエータ72によってそれぞれのトラック64に沿って移動させられる。アクチュエータ72の本体74は、壁30の1つの長方形部分34にその外面で固定され、そのロッド76は、トラック79に沿ったロッド76とヘッド70とが一斉に並進するために、長方形部分34の外面に取り付けられている取り付けブラケット78(
図7B)を介してヘッド70に固定して取り付けられている。カーテン26が開くとき、アクチュエータ72は、ヘッド70をトラック64に沿って押し、ロール62を同じ方向に押し進める。カーテン26が閉じるとき、アクチュエータ72は、ヘッド70をトラック64に沿って同じ方向に引っ張る。ヘッド70は、各カーテン26の前縁に沿って伸長する複数の回転可能な摩擦要素80の形態である。摩擦要素80は、2つの平行なロール82上に無限に回転するように取り付けられたゴム製のOリングの形態である。2つのロール82は、取り付けブラケット78にそれらの間で回転可能に取り付けられている。
【0034】
図5および
図7Bでより良好に見ることができるように、各カーテン26の2つのロール82は、1つの側鎖84および駆動部90を含むそれぞれの駆動アセンブリによって駆動される。側鎖84は、それぞれのトラック64の直線部分に沿って伸長し、それぞれの駆動スプロケット86およびそれぞれの従動スプロケット87に取り付けられる。従動スプロケット87は、各々のそれぞれのロール82の端部に固定されている。駆動部90は、壁部分34に固定され、駆動スプロケット86のそれぞれの1つを介して2つの側鎖84に動作可能に連結されている。側鎖84は、ロール82および関連する鎖(またはベルト)84が一斉に回転するように、スプロケット87を介して2つのロール82に対して位置づけられている。したがって、各駆動部90の回転は摩擦要素80の回転を引き起こす。ヘッド70は、トラック64に沿って同時にかつ独立して回転および摺動することができる。ヘッド70の各端部に配置された側鎖85を連結し、それによって、ヘッド70がトラック64に垂直のままであることを保証することによって、トラック64に沿ったヘッド70の変位をさらに容易にするために、各カーテン26の2つの従動スプロケット88間に端部ロール92が設けられる。なお、側鎖84を含む駆動アセンブリの要素が、簡略化するために一部の図面で省略されている。
【0035】
より具体的に、
図4~
図6を参照して、上部パッド28およびその作動機構についてここで説明する。上部パッド28は、クランプ22~24によって把持されたパレット層816に向かって、およびパレット層816から離れて移動可能なプレートの形態である。上部パッド28は、パッド作動アセンブリ5100を介したフレーム20へのその取り付けによって移動可動にされる。(プレートの形態の)上部パッド28は、ゴムまたはプラスチックなどの柔軟な弾性材料で作られ、これは、その非接触面において金属管で補強されている。他の態様によれば、上部パッド28は、別の材料で作られる、および/または補強されていない。パッド作動アセンブリ5100は、フレーム20に回転可能に取り付けられている4つのパッドホルダシャフト102~108と、シャフト102~108の各々に平行対で取り付けられた8つのパッドホルダホイール6110と、4つのリンク要素112であって、各々が上部パッド28とそれぞれのシャフト102~108のホイール6110の両方にそれらの間で固定された、4つのリンク要素112と、4つのシャフトプーリ114~120であって、各1つが各シャフト102~108の一端近くに固定された、4つのシャフトプーリ114~120と、フレーム20に固定された上部パッドリニアアクチュエータ122と、フレーム20に固定して取り付けられたプーリアセンブリ124と、4つのケーブル126~132であって、各1つがそれぞれのシャフトプーリ114~120をアクチュエータ122の可動端に動作可能に連結する、4つのケーブル126~132と、を含む。4つのパッドホルダシャフト102~108は、4つの支持ブラケット134を介して中空管42~44に回転可能に取り付けられている。4つのシャフト102~108は、一緒に、正方形の構成で端から端まで相対的に位置づけられている。リンク要素112の各々は、その上での部分的な巻き付けのためにそれぞれの一対のホイール6110に固定され、アタッチメント136を介して上部パッド28にしっかりと固定されている。プーリアセンブリ124は、アクチュエータ122の可動端に位置づけられるように中空管42に固定された支持体138と、その下で支持体138に回転可能に取り付けられた3つの中間プーリ140~144とを含む。
図5でより良好に見ることができるように、中間プーリ140~144およびアクチュエータの位置および配向によって、ケーブル126~132を使用して4つのシャフトプーリ114~120をアクチュエータのロッド146に接続することが可能になる。
【0036】
動作中、上部パッド28は、アクチュエータ122にそのロッド146を引っ込めさせ、それにより同時に、ケーブル126~132へと引っ張られることによって上昇させられる。これにより、シャフト102~108を同時に回転させ、上部パッド28を上昇させるリンク要素112に引っ張り力を生じさせる。アクチュエータロッド146を伸長させることによって逆の効果が得られる。
【0037】
上記のように、
図1、
図3、および
図11A~11Fを参照すると、パレタイザセル10Aは視覚システム310を含む。視覚システム310は、ロボット14のスループットを最大化するように、ロボット14から独立してパレタイザセル10に取り付けられた少なくとも1つのカメラ310Cを含む(すなわち、ロボット14が前にピッキングされたパレット層をコンベヤ150上に配置する間に視覚システム310によって次のパレット層が取得および分析される)。少なくとも1つのカメラ310Cは、二次元画像、二次元深度マップ、および三次元点群のうちの1つまたは複数を生成するように構成された任意の適切な三次元画像センサである(またはそれを含む)。一態様では、視覚システム310は1つのカメラ310Cを含み、他の態様では、視覚システム310は、3つのカメラ310C1、310C2、310C2を含み、さらに他の態様では、視覚システム310は、6つのカメラ310C1、310C2、310C3、310C4、310C5、310C6を含む。さらに他の態様では、視覚システム310は任意の適切な数のカメラを含む。複数のカメラ310C1、310C2、310C3、310C4、310C5、310C6が提供される場合、カメラ310C1、310C2、310C3、310C4、310C5、310C6の2つまたは3つ以上は、複数の垂直レベル387L1、387L2に配置され得る(
図3および
図11A~11F)。たとえば、一態様では、カメラ301C1、31C2、301C3は共通レベル387L1に配置され、カメラ301C4、301C5、301C6は、カメラ301C1、31C2、301C3とは(たとえば、パレット荷PALに相対して)異なる高さになるように別の共通レベル387L2に配置され、それにより、複数のカメラ310C1、310C2、310C3、310C4、310C5、310C6は、パレット荷PALを撮像するために、異なる高さ/レベルに配置される。他の態様では、複数のカメラ310C1、310C2、310C3、310C4、310C5、310C6は、単一のレベルに配置され得るか、または任意の適切な数のレベルに配置され得る。他の態様では、カメラ310C1、310C2、310C3、310C4、310C5、310C6はまた、(本明細書に記載されるように)パレット荷のビルド構造RPALの略完全な360°のカバレッジで各パレット層を撮像するために、カメラ310C1、310C2、310C3、310C4、310C5、310C6を上昇および/または下降させるために、(ロボットアーム14から独立した)可動プラットフォームに取り付けられ得る。
【0038】
本明細書に記載される態様では、少なくとも1つのカメラ310Cは、パレット荷PALの3つの角が少なくとも1つのカメラ310Cの視野FOV1~FOV6内に直接入るように位置づけられる。たとえば、一態様では、レベル387L1上のカメラ310C1~310C3は3つの角に向けられているが、第4の角には対応するカメラがなく、別の態様では、レベル387L1上のカメラ310C1~310C3は3つの角に向けられており、カメラ310C4~310C6も3つの角に向けられているが、第4の角には対応するカメラがなく、さらに他の態様では、カメラ310C1~310C6は、パレット荷PALの4つの角すべてが視野FOV1~FOV6内に直接入るように配置され得る。一態様では、少なくとも1つのカメラ310Cは、少なくとも1つのカメラ310Cのそれぞれの視野FOV1~FOV6が、パレット荷PALの最上部の上向き面148(
図12)からパレット荷の底部までパレット荷PALをカバーするように配置される。一態様では、少なくとも1つのカメラ310Cは、パレット層の各々の最上部の上向き面148(
図12)が、少なくとも1つのカメラ310Cのそれぞれの視野FOV1~FOV6内に入るように配置される。上述のように、少なくとも1つのカメラ310Cは、パレット層の各々の最上部の上向き面148(
図12)が、それぞれの視野FOV1~FOV6内に入るように、および/またはそれぞれの視野FOV1~FOV6が、パレット荷PALの最上部の上向き面148(
図12)からパレット荷の底部までパレット荷PALをカバーするように、単一のレベル、複数のレベル、および/または可動プラットフォーム上に配置され得る。
【0039】
なお、各カメラ310C1~310C6が、(たとえば、3つの角のみが視野FOV1~FOV6内に直接入る場合の態様でも)視野FOV1~FOV6内で、パレット上面148だけでなく、パレット荷PALの4つの最も外側の垂直面(側面)すべて(または側面の交差によって形成される少なくとも3つを超える頂点/角)を提供するように、パレット荷PALに対して約45°の垂直角度(または約45°より大きいまたは小さい他の適切な垂直角度)および約45°の水平角度(または約45°より大きいまたは小さい他の適切な水平角度)になるように配置される一方で、他の態様では、少なくとも1つのカメラ310Cの各カメラが、パレット荷PALに対して任意の適切な垂直および/または水平角度で配置されてもよい。カメラを異なる高さ(たとえば、異なるレベル387L1、387L2)に配置して、カメラの各レベルでパレット荷の異なる部分を撮像する(たとえば、下位レベル387L2はパレット荷PALの下半分を撮像し、上位レベル387L1はパレット荷PALの上半分を撮像し得る)一方で、他の態様では、カメラの単一のレベルでパレット荷PAL全体を上部から下部まで撮像してもよい。一態様では、少なくとも1つのカメラ310C(たとえば、カメラ310C1~310C6など)は、所定の画像強度に対する任意の適切な焦点距離を有し得る。一態様では、少なくとも1つのカメラ(たとえば、カメラ310C1~310C6)の各々のそれぞれの視野FOV1~FOV6(他の視野に対する強調した各視野を例示する
図11A~11Fを参照)は、約45°の視野であり得るが、他の態様では、少なくとも1つのカメラ31Cのそれぞれの視野FOVは、パレット荷PALの3つの角がカメラの視野FOV1~FOV6内に直接入る限り、約45°より大きくまたは小さくてもよい。いくつかの態様では、少なくとも1つのカメラ310Cの各々のそれぞれの視野の属性は同じである(たとえば、各カメラは約45°の視野を有する)が、他の態様では、それぞれの視野の属性は、少なくとも1つのカメラ310Cのうちの1つまたは複数に対して異なり得る(たとえば、1つまたは複数のカメラは、約45°とは異なる視野を有し得る)。
【0040】
少なくとも1つのカメラ310Cは、たとえば、ロボットアーム12が、デパレタイジングに影響を与えるパレット荷ビルドの差異のリアルタイムの解消に適応するようにパレット荷の差異にリアルタイムで応答する、(本明細書で述べられるような指令されたトランザクション時間に基づく)リアルタイム(または略リアルタイム)のコマンド入力を用いてロボットアーム12を誘導するように、セル制御装置10Cに連結され、セル制御装置10Cに通知し、セル制御装置10Cがロボットアーム12(またはまとめてロボット14)に移動コマンドを発行することを可能にする。たとえば、少なくとも1つのカメラ310Cは、セル制御装置10Cが、層デパレタイジングツール99をパレット層PL1、PL2、PL3、PL4、PL5に移動させ、誘導するために、ロボットアーム12にコマンドを発行することを可能にする。本明細書に記載されるように、視覚システム310は、上部パレット層(層816など)の位置(ロボット座標系または基準フレームにおけるX、Y、Z)および/または配向(ロボット座標系または基準フレームにおけるRX、RY、RZ)を提供する(またはそうでなければその判定をもたらす)。一態様では、視覚システム310は、上部層の長さLおよび幅Wを提供する(またはそうでなければその判定をもたらす)(
図12を参照)。
【0041】
セル制御装置10Cによって発行される(少なくとも1つのカメラ310Cからの画像データに基づく)コマンドは、傾斜したパレット層(たとえば、パレット支持部SPALに対して回転させられているパレット層および/または他のパレット層)、オフセットパレット層(たとえば、パレット支持部SPALの周辺縁部を確立した仮想垂直パレット平面/境界に張り出す縁部を有するパレット層)、オープンケースユニットCU(たとえば、ボックスの1つまたは複数のフラップが開いている段ボール箱などのケースユニット)、許容範囲外のパレット荷/層、不完全な層(たとえば、ケースユニットが欠落している)などに適応するために、パレット層PL1、PL2、PL3、PL4、PL5に対して、複数の自由度(たとえば、平面自由度だけでなく回転自由度)での層デパレタイジングツール99の位置/空間的な調整をもたらす。視覚システム310は、ロボット14の座標系/基準フレーム(本明細書では、座標系および基準フレームという用語は交換可能に使用される)における上部層の実際の位置および配向に基づいて、パレットの上部層をピッキングするのに(たとえば、他の可能なピッキングの位置および配向と比較して)最適なピッキングの位置および配向への層デパレタイジングツール99の誘導および位置決めをもたらすよう、セル制御装置10Cにデータを提供するように構成されている。
【0042】
セル制御装置10Cによって発行される(少なくとも1つのカメラ31Cからの画像データに基づく)コマンドはまた、たとえば、予期しないオブジェクトがパレタイザセル10A内に位置づけられるか、またはそうでなければそこに入る場合、パレット荷PALの縁部または側面が、層デパレタイジングツール99またはロボット14の他の部分と略同じ高さにある場合、パレット荷PALが、ロボット除外ゾーン(たとえば、ロボット14が入ることを許可されていない、パレタイザセル10内の予め定義された領域)に隣接している場合などに、障害物回避をもたらす。視覚システム310は、予期しないオブジェクト、パレット荷PALの側面/縁部、パレット荷PALとロボット除外ゾーンとの間の距離などを検出し、データ信号をセル制御装置10Cに送信して、セル制御装置10Cが、層デパレタイジングツール99を、予期しないオブジェクトの周り、パレット荷の側面の周り、パレット荷PALとロボット除外ゾーン(またはパレット荷PALに隣接する他の障害物)との間で、および/またはパレット層PL1、PL2、PL3、PL4、PL5をピッキングするための任意の他の適切な方法で移動させるようにロボットアーム12に指令するか、または他の態様では、ロボットアーム12に移動を停止させるように指令するように構成されている。
【0043】
上述のように、セル制御装置10C(またはロボット制御装置316などの他の適切な制御装置)は、パレット、パレット層を検出する、および/またはそれらの特徴を分析するように、画像データの分析のために、視覚システム310から(二次元画像、二次元深度マップ、および/または三次元点群などからの)画像データを受信する。また上述のように、セル制御装置10Cに提供される画像データは、ロボット14の座標系または基準フレームに提供され、ここで、視覚システム310は、ロボット14の座標系または基準フレームに較正/登録される。なお、各カメラ310C1~310C6は、本質的にそれ自体の座標系に較正される(すなわち、各カメラが、カメラのそれぞれの画像センサからのオブジェクトの深度を認識する)。複数のカメラ310C1~310C6が利用される場合、一態様では、視覚システム310の較正は、カメラ310C1~310C6の、共通のベース基準フレームへの較正、および共通のベース基準フレームの、ロボットの基準フレームへの較正を含むが、他の態様では、1つまたは複数のカメラが利用される場合、1つのカメラの基準フレーム、または1つまたは複数のカメラ310C1~310C6の基準フレームは、ロボットの基準フレームに個別に較正され得る。
【0044】
例示目的のみで、
図3、
図13A、および
図13Bを参照すると、カメラ310C1~310C6の、共通のベース基準フレームへの較正は、各カメラ310C1~310C6のそれぞれの基準フレームが、単一のカメラの基準フレームであり得る、または各カメラ310C1~310C6が、視覚システムのすべてのカメラに対してまとめて共通のベース基準フレームを形成するように関連付けられ得る任意の他の適切な共通のベース基準フレームであり得る、共通のベース基準フレームに変換(または参照)されるように、各カメラ310C1~310C6のそれぞれの基準フレーム間の変換を識別および適用することを含む。たとえば、(カメラのいずれかが使用され得るが)カメラ130C1のための基準フレームは、共通のベース基準フレームを表す。変換(すなわち、6自由度での強固な変換)は、カメラ310C2、310C3、310C4、310C5、310C6からの画像データが、カメラ130C1の基準フレームに相関または変換されるように、カメラ310C1の基準フレームに対する他のカメラ310C2、310C3、310C4、310C5、310C6のための座標系/基準フレームの各々に対して判定される。カメラ310C1、310C2、310C3、310C4、310C5、310C6のこの較正は、パレット荷降ろし/荷積みステーション301に配置されている較正治具/固定具1300(共通のカメラ較正基準構造とも呼ばれる)を用いて実施され得る。本明細書に記載されるように、少なくとも1つのカメラ310C1、310C2、310C3、310C4、310C5、310C6の各々は、共通のカメラ較正基準構造に較正され、共通のカメラ較正基準構造への較正は、各カメラ310C1、310C2、310C3、310C4、310C5、310C6のそれぞれのカメラ基準フレームと、少なくとも1つのカメラの他の各々のカメラ310C1、310C2、310C3、310C4、310C5、310C6との、およびロボット14の(本明細書に記載されるような)所定の基準フレームとの位置関係性を表す。
【0045】
較正固定具1300は、グリップインターフェースへのパレット層の相対的なポーズを判定するように、さらに説明されるように、較正固定具1300に非対称パターンを提供し、共通のベース基準フレームへの(たとえば、各カメラからの)カメラの基準フレームの判定/変換、および共通のベース基準フレームとロボットの基準フレームとの間の変換を制約する、一意に識別可能な三次元幾何学的形状1310~1319(本例では、一部が他に対して回転されている、正方形)を含む。本明細書に示され、記載される較正固定具1300は例示的なものであり、任意の他の適切な較正固定具が、本明細書に記載される方法に類似した方法で利用されてもよい。例示目的で、三次元幾何学的形状1310~1319の各々は、三次元幾何学的形状1310~1319の角または点C1~C36の識別を制約する所定のサイズであり、その変換は、対応する角C1~C36間の距離が最小化される(たとえば、カメラ310C1の基準フレームにおけるそれぞれの角C1~C36間の距離が、各カメラ310C2~310C6の基準フレームにおいて識別されたそれぞれの角C1~C36の各々に対して最小化される)ようにされる。
【0046】
三次元幾何学的形状1310~1319の各々は、同時に撮像され(すなわち、三次元幾何学的形状1310~1319は各々、基準フレームが共通のベース基準フレームに較正されるすべてのカメラによって撮像する間に共通の基準フレームにおける単一の場所にある)、画像(1つの例示的な画像が
図13Bに例示される)で識別された三次元幾何学的形状1310~1319の点/角C1~C36が、(パレット層の角PC1~PC4の判定に関して本明細書に記載される方法などの任意の適切な方法で)視覚システム310によって識別されるように、単一の場所でカメラ310C1~310C6の各々によって一意に識別され、較正固定具の配向とは独立して一意に判定される。なお、一意に識別された角C1~C36は、カメラ310C1、310C2、310C3、310C4、310C5、310C6によって撮影される画像の各セットに対応する画像セット(較正固定具またはパレット荷の所与の場所に対するカメラの各々によって撮影された画像のコレクションである画像セット)が撮影されたときにすべてのカメラに共通であるロボット基準フレームにおいて、単一の場所に位置する。画像セットの各画像で識別される角C1~C36は、各カメラ基準フレームについての、(一例では、カメラ310C1の基準フレームに対応し得るか、またはそうでなければそれによって定義される)共通のベース基準フレームへの変換を画定するために画像間で比較される。なお、較正固定具1300は、パレット荷降ろし/荷積みステーション301の(パレット荷PALの寸法に対応する)作業ボリューム全体にわたる点を識別するように構成される。たとえば、三次元幾何学的形状1310~1319は、パレット荷降ろし/荷積みステーション301のX-Y平面にまたがり得、較正固定具は、パレット荷降ろし/荷積みステーション301の作業ボリューム全体にわたって様々な高さで撮像され得る。
【0047】
すべてのカメラ310C1~310C6の共通のベース基準フレームへの登録で、共通のベース基準フレームが(または1つまたは複数のカメラの基準フレームが個別に)、較正固定具1300(または同様の固定具)をロボット14に取り付けることによってロボットの基準フレーム(X、Y、Z、RX、RY、RZ)に変換される(たとえば、登録される)。較正固定具は、三次元幾何学的形状1310~1319(およびその角C1~C36)が、グリップ800のグリップ係合インターフェース(
図8B)(またはロボット14の他の適切な基準データムまたは位置)に対して、既知の所定の空間的関係性(たとえば、位置、平面性、配向など)を有するように、ロボット14に取り付けられ得る。ロボット14は、カメラ310C1、310C2、310C3、310C4、310C5、310C6の1つまたは複数によって撮像されながら、X、Y、Z軸の1つまたは複数に沿って所定の運動で(それにより較正固定具1300が保持された状態で)移動するように指令され得る。セル制御装置10Cは、視覚システム310で得られた画像内の識別された角C1~C36を、たとえば、(ロボット14の運動経路、すなわち、ロボット14によってもたらされる固定具の運動を記述する)エンコーダデータと比較し得、(共通のベース基準フレームに基づいて)画像から、グリップ800のグリップ係合インターフェース(
図8B)(またはロボット14の他の適切な基準データムまたは位置)に対する、識別された角C1~C36の平面配向および位置(6自由度において、ポーズおよび配向)を生成し得る。グリップ800のグリップ係合インターフェース(
図8B)(またはロボット14の他の適切な基準データムまたは位置)に対する、識別された角C1~C36の生成された平面配向および位置(6自由度において、ポーズおよび配向)は、視覚システムの画像の角C1~C36の位置がロボットの基準フレームに較正されるように、共通のベース基準フレームの画像フィールドとロボット14の基準フレームとの間の関係性を特徴付ける。上記の較正は、パレタイジングセル10の取り付け時にまたは任意の適切な時間間隔で(または電源遮断後などのロボット14の各初期化時に)1回実施され得、視覚システム310の画像データをロボット14と同じ座標系/基準フレームで表すことを可能にする。
【0048】
一態様では、少なくとも1つのカメラ310Cは、特徴ポーズ(たとえば、パレット層のX、Y、Z、RX、RY、RZ位置または較正固定具1300の特徴部-
図11A~11Fおよび
図12を参照)の最大の確実性が、少なくとも1つのカメラ310Cのそれぞれの視野FOV1~FOV6においてアイテムの単一の画像から取得されるように、2つまたは3つ以上の直交平面からケースユニット特徴部(たとえば、ケースユニットの縁および角)の三次元定義を解像する。ここで、(1つまたは複数の)パレット層および/または較正固定具1300の特徴部の三次元定義の解像は、カメラ310Cの配置から独立しており、(たとえば、少なくとも1つのロボット14のピッキング/配置のサイクル内で)リアルタイムで実施される。
【0049】
6つのカメラ310C1~310C6が説明されているが、任意の適切な所望の解像度で、望ましくはパレット荷のビルド構造RPAL上のあらゆる場所にある(1つまたは複数の)オブジェクトの三次元飛行時間の画像を捕捉するように、視覚システム310のカメラ310C1~310C6の視野が、パレタイジングセル10のパレット荷降ろし/荷積みステーション301、パレット荷降ろし/荷積みステーション301に載置されたパレット支持部SPAL、およびパレット荷降ろし/荷積みステーション301での予測されるパレット荷のビルド構造RPALの全体(または少なくとも所定の一部)をカバーするように、6つより多いまたは少ないカメラ310C1~310C6が使用および配置されてもよいことが理解されるべきである。組み合わされた視野FOV1~FOV6によって、結果として、視野FOV1~FOV6のオーバーラップを伴うパレット荷のビルド構造RPALの略完全な360°のカバレッジがもたらされる。たとえば、組み合わせた視野FOV1~FOV6は、(たとえば、48インチ×48インチ、48インチ×40インチ、および/または36インチ×36インチの寸法を有する)標準のパレット支持部SPALをカバーし得るが、(1つまたは複数の)カメラ310C1~310C6および関連する(1つまたは複数の)視野FOV1~FOV6が、適宜、(たとえば、トラック荷台または任意のフィールドサイズを含む)より大きなフィールドをカバー(たとえば、撮像)し得ることが理解されるべきである。さらに、(1つまたは複数の)視野FOV1~FOV6は、たとえば、60インチ、70インチ、および80インチの高さなどの、任意の適切なパレット荷のビルド構造RPALの高さPH(
図2を参照)をカバーし得るが、他の態様では、(1つまたは複数の)視野FOV1~FOV6は、60インチ未満または80インチを超える高さをカバーし得る。
【0050】
一態様では、(1つまたは複数の)カメラ310C1~310C6の各々は、176ピクセル×132ピクセルの解像度を有し得るが、他の態様では、(1つまたは複数の)カメラ310C1~310C4の各々、または1つまたは複数は、(パレット支持部/パレットビルドの全体または所定の一部の捕捉された画像全体の深度マップの定義が約0.5インチ以上になるように)パレットビルドの三次元空間の最も外側の境界で約0.5インチを定義する所望の最小深度マップを提供するように必要に応じて、より高い解像度(たとえば、320ピクセル×240ピクセルまたはそれより大きい解像度)を有し得る。このように、パレット荷PALの上面148にわたる平面性が、パレット荷PALからパレット層PL1~PL5を解放するために判定され、完全に確立されるように、パレット荷PALの少なくとも上面148の特徴部を解像するために、十分な解像度が視覚システム310によって提供される。また各層PL1~PL5(
図2を参照)の上部にわたる平面性が、層PL1~PL5を解放するために判定され、完全に確立されるように、ケースユニット特徴部(たとえば、ケースの縁など)を解像するために、十分な解像度が提供される。(1つまたは複数の)カメラ310C1~310C6の解像度は、ケースユニット特徴部が、実質的にセル制御装置10Cによって受信された画像からリアルタイムで解像されるように、ケースユニット特徴部(たとえば、ケースユニットの縁およびパレット層の角)を解像するために最小限の処理が必要とされるようなものであり得る。たとえば、各パレット層PL1~PL5の角PC1~PC4は、たとえば、Ramer-Douglas-Peuckerアルゴリズム(Computer Graphics and Image Processing, Volume 1, Issue 3,November 1972,Pages 244-256に公開された「An iterative procedure for the polygonal approximation of plane curves」、Image Processing Online, February 27, 2018, ISSN 2105-1232,(著作権)2018に公開されたBuadesらによる「The Contours, Corners and T-Junctions Detection Algorithm」を参照)などによる任意の適切な方法で、または開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、Suraya Abu Bakar, Muhammad Suzuri Hitam and Wan Nural Jawahir Hj. Wan Yussof, 2017. 「Improved Global and Local Curvature Properties for Shape Corner Detection」、Journal of Applied Sciences, 17: 458-466;「The Comparison and Application of Corner Detection Algorithms」、Jie Chen et al., Journal of Multimedia, Volume 4, No. 6, December 2009;および「Robust Corner Detection by Image-Based Direct Curvature Field Estimation for Mobile Robot Navigation」, Sungho Kim, International Journal of Advanced Robotic Systems, 2012, Volume 9, 187:2012, DOI: 10.5772/53872に記載される方法などの任意の他の適切な方法で、視覚システム310でそれぞれのパレット層の少なくとも上面148を撮像し、パレット層PL1~PL5の角PC1~PC4の位置を判定することによって判定され得る。
【0051】
ここで
図3、
図2、
図8B、および
図12を参照すると、一態様では、セル制御装置10Cは、対応するリアルタイム三次元撮像データから、グリップ800(
図8)のグリップ係合インターフェース810(
図8B)に対して解放されているパレット層PL1~PL5の層平面性分散PSV1、PSV2をリアルタイムで判定するように構成されている。セル制御装置10Cはまた、少なくともリアルタイムで判定された層平面性分散PSV1、PSV2に依存する多関節ロボット運動信号をリアルタイムで生成するように構成され、ここで、多関節ロボット運動信号は、少なくとも1つの多関節ロボット14による、1つの解放されたパレット層PL1~PL5の配置と、パレット荷PALの略連続的な解放を可能にする順次連続する解放されたパレット層PL1~PL5の配置との間で少なくとも1つの多関節ロボット14によってリアルタイムで実施されるように、リアルタイムで生成される。一態様では、セル制御装置10Cによって生成される少なくとも1つの多関節ロボット運動信号は、少なくとも1つの多関節ロボット14のピッキング/配置経路399、1580に沿った停止運動信号、少なくとも1つの多関節ロボット14のピッキング/配置経路399、1580に沿った低速運動信号、または少なくとも1つの多関節ロボット14の安全停止経路398に沿った安全位置への移動であり、ここで、安全停止経路398はピッキング/配置経路399、1580とは異なる。一態様では、セル制御装置10Cによって生成される多関節ロボット運動信号は、解放されているパレット層PL1~PL5の層平面性分散PSV1、PSV2に基づいて層デパレタイジングツール99のピッキング位置を設定するピッキング位置信号である。
【0052】
セル制御装置10Cは、対応するリアルタイム三次元撮像データから、パレット層PL1~PL5の層平面性分散PSV1、PSV2および位置、ならびに解放されている層ポーズPSV3(RZ)および位置(X、Y)をリアルタイムで判定するように構成され、ここで、たとえば、視覚システム310は、上記のように上部パレット層の上面148の側面、角、および平面性を識別するのに十分な精細度でパレット荷PALの上部層の三次元画像を得るために層PL1~PL5の上面148を撮像する。ここで、パレット支持部の分散PSV1、PSV2は、不均一な間隔のケースユニットCU(たとえば、ケースユニットのシート表面に山/谷を形成するパレット層におけるケースユニットCU間の空間-
図9A)、パレット層における欠落しているケースユニットCU、高さの違い(たとえば、突起および/またはくぼみ-
図9A)、または層デパレタイジングツール99によるパレット層の把持に影響を与え得るパレット層における任意の他の欠陥のうちの1つまたは複数であり得る。一態様では、セル制御装置10Cは、パレット支持部の分散PSV1、PSV2が、上部パッド28によって定義される平面などの所定の基準から閾値を超える場合に、パレット層のピッキングを拒否する(および交換されるまで停止ボット信号を送信する)ように構成されている。たとえば、パレット層の欠落しているケースユニットCUが所定の領域よりも大きい場合、またはパレット層におけるケースユニットCU間の間隔が所定の距離よりも大きい場合、パレット層のピッキングは拒否され、パレット層は、パレット層における欠陥が(手動介入などによって)解消されるまでピッキングされない。パレット層が所定の閾値内にある場合、セル制御装置10Cは、パレット層の平面分散(たとえば、三次元ロボット空間X、Y、Z、RX、RY、RZ内のパレット層の位置)を解像し、結果として生じるパレット層のより高いピッキング確率で層デパレタイジングツール99の適応ポーズに対する上述の分散に基づいて、計画されたロボットのピッキング/配置経路を確認または修正(補償)するように構成されている。制御装置はまた、ロボット14の移動速度の低下を識別し得るか、またはロボット14の配置経路399、1580およびそれぞれの経路軌道(
図3)を修正して、所望の層デパレタイジングツール99のピッキングポーズ(たとえば、三次元空間X、Y、Z、RX、RY、RZにおける位置)を生成し得る。
【0053】
一態様では、セル制御装置10Cは、パレット支持部の分散PSV1、PSV2から、少なくとも1つの三次元カメラ310Cによって撮像された、パレット層のパレット層データムDTM(
図12)を設定するように構成され、パレット層データムDTMは、パレット層内の各々の異なる物品ユニットの配置位置で局所的な表面分散を解像し、パレット層の多関節ロボット14のピッキングに対するリアルタイムの位置ベース基準を画定する。一態様では、パレット層データムDTMは、パレット層の上面148の平面性を画定する。
【0054】
図3、
図12、および
図14を参照して、デパレタイジング構成におけるパレタイザセル10の例示的な操作が説明される。なお、
図14を参照すると、そこに記載されている操作ブロックは、必ずしも特定の操作順序を規定するものではなく、操作ブロックによって識別された操作は、任意の適切な順序で実施され得る。たとえば、ブロック1401および1410は、ロボット14のピッキング経路/軌道を判定する前の任意の時間に実施され得る。
【0055】
パレタイザセル10の操作において、パレット荷PALは、(上記などの)任意の適切な方法で荷降ろし/荷積みステーション301上に搬送され、位置づけられる。パレタイザセル10の例示的な操作において、画像センサまたはカメラ310Cのフィールドは、パレタイザセル10の操作の前および/または間の任意の適切な時間に、本明細書に記載されるようなロボットの基準フレーム(X、Y、X、RX、RY、RZ)で随意に登録される(
図14、ブロック1401)。パレット荷PALは、上部パレット層816の上面148の画像が捕捉されるように、少なくとも1つのカメラ310Cによって撮像される(
図14、ブロック1405)。少なくとも1つのカメラ310Cの各々からの画像データは、本明細書に記載される方法などで、それぞれのカメラ基準フレームからロボット14の基準フレームに変換される(
図14、ブロック1410)。なお、一態様では、カメラ310Cの視野の登録が、ロボット14の基準フレームへのカメラ画像データの変換前に操作の一部として随意に実施される。また、ロボット14の基準フレームへのカメラ画像データの変換が、
図14に記載される例示的な時間など、ロボット14のピッキング軌道の判定前の任意の適切な時間に実施されてもよい。パレット層の(1つまたは複数の)基準データムは、カメラ310Cの基準フレームおよび/またはロボット基準14の基準フレームにおける画像データに基づいて判定される(
図14、ブロック1415)。パレットの(1つまたは複数の)基準データムは、カメラ310Cの基準フレームおよび/またはロボット14の基準フレームにおけるパレットのポーズおよび位置を特定するか、またはそうでなければ画定するパレットの任意の適切な幾何学的特徴部(たとえば、パレット層の角、パレット層におけるケースユニットの角、パレット層の最外側面、最外側面の頂点、最外側面の直交度、側面の位置など)である。たとえば、一態様では、(1つまたは複数の)基準データムは、パレット層816の角PC1~PC4であり、ここで、角PC1~PC4は、少なくとも1つのカメラ310Cによって得られた画像データに基づいて(任意の適切な画像分析角発見アルゴリズムを用いる上記の方法などの)任意の適切な方法で、セル制御装置10Cによってカメラ310Cの基準フレームおよびロボット14の基準フレームのうちの1つまたは複数において判定される。一態様では、パレット層の角PC1~PC4は、少なくとも1つのカメラ310Cの各々の画像データから別々に判定されるが、他の態様では、カメラからの画像データは、パレット層の角を判定するために随意に組み合わされ得る(
図14、ブロック1420)。たとえば、少なくとも1つのカメラ310Cからの画像データが組み合わされる場合、パレット層816を含むパレット荷PALの少なくとも一部の単一点群1270が、セル制御装置10Cを用いて、少なくとも1つのカメラ310Cの各々からの画像データを組み合わせることによって生成される。
【0056】
セル制御装置10Cは、ランダムサンプルコンセンサス(RANSAC)アルゴリズム、組織化されたセグメンテーションアルゴリズム(または組織化された点群データのセグメンテーションのための他の適切なアルゴリズム)、または任意の他の適切なアルゴリズムなどを用いて、任意の適切な方法で、少なくとも1つのカメラ310Cの1つまたは複数からの画像データに基づいて、平面1200をパレット層の(1つまたは複数の)基準データムに適合させる(
図14、ブロック1425)ように構成されている。一態様では、平面1200は、カメラ310Cの基準フレームおよび/またはロボット14の基準フレームにおけるパレット層816の上面148に対応し、それを画定する。一態様では、ロボットの基準フレームにおけるパレット層816の角PC1~PC4の位置は、セル制御装置10Cを用いて、単一点群1270を平面1200上に投影することにより角PC1~PC4の位置を判定する(
図14、ブロック1430)ことによって随意に検証され得る。セル制御装置10Cを用いて、パレット層816のポーズPSV3およびサイズ(長さLおよび幅W)は、任意の適切なブロブ分析技術(重心、主軸、最小フェレットなど)などによる任意の適切な方法で、少なくとも1つのカメラ310Cの1つまたは複数からの画像データから判定される(
図14、ブロック1435)。
【0057】
(1つまたは複数の)基準データム(本例では、角PC1~PC4であり、したがって、長さLおよび幅Wである)が上記操作に基づいて正確に知られており、平面1200が確立されて、パレット層816の上面148を表すことで、セル制御装置10Cは、グリップ係合インターフェース810の(たとえば、上部パッド28によって画定される)平面28Pに対するパレット層816の上面148の平面性を検証する(
図14、ブロック1440)。上面148の平面性の検証は、任意の適切な画像分析閾値化技術を使用してセル制御装置10Cによって実施され得、層デパレタイジングツール99がパレット層816をピッキングすることができるかどうかを判定する。たとえば、所定の閾値を超える平面28Pに対する平面1200の平面性の偏差(たとえば、一態様では、偏差は、X軸および/またはY軸周りで最大約5°または最大約10°であり得る一方で、他の態様では、約10°より大きくなり得る)は、層デパレタイジングツール99によるパレット層816のピッキングを妨げる。パレット層816を層デパレタイジングツール99によってピッキングすることができない場合、セル制御装置10Cは、パレット層のピッキングを解決するためにオペレータに任意の適切な聴覚的および/または視覚的アラートを発するように構成されている。
【0058】
図15A~
図15Cも参照すると、セル制御装置10Cは、任意の適切な方法で、パレット荷PALからパレット層816をピッキング/解放するために、パレット層816に対する層デパレタイジングツール99の最適ピッキング位置を提供するか、またはそうでなければ決定する(
図14、ブロック1445)ロボット14の移動軌道および経路を判定するように構成されている。最適ピッキング位置は、パレット荷PALの略連続的な解放をもたらすように、前にピッキングされたパレット層の配置サイクル中にセル制御装置10Cによって判定され得る。最適ピッキング位置は、パレット層816に対する層デパレタイジングツール99の位置であり、層デパレタイジングツール99の中心99Cとパレット層816の中心816Cとの間の距離は、層デパレタイジングツール99およびパレタイズセル10の物理的制約を満たしながら最小化される。例示目的のみで、層デパレタイジングツール99の物理的制約には、限定されないが、たとえば、グリップ800がオープン構成の状態でのグリッパ長さLTおよびグリッパ幅WTによって画定される(パレット層816が挿入されている)グリップ係合インターフェースのグリップ領域1520、サイドクランプ22~24とパレット層の(垂直)側面との間の平面性の偏差(この偏差制約は、平面28Pに対する平面1200の平面性の偏差に類似し得る)、上面148の平面1200と上面パッド28の平面28Pとの間の平面性の偏差、層デパレタイジングツール99が(パレット層816の把持以外)パレット荷PALに接触しないように実施されるパレット層816のピッキングなどが含まれる。また、例示目的で、パレタイズセル10の物理的制約には、限定されないが、ロボット14の移動を妨げる除外ゾーン1500~1502が含まれる(すなわち、ロボット14およびロボット14によって運ばれる層デパレタイジングツール99は、除外ゾーン1500~1502に入ることから除外される)。
【0059】
例示目的のみで、最適ピッキング位置は、セル制御装置10Cによって判定され得、ここで、セル制御装置10Cは、上で判定されたパレット層特性(たとえば、角PC1~PC4の位置、長さL、幅Wなど)に基づいてパレット層中心816Cを見つける。セル制御装置10Cは、除外ゾーン1500~1502を回避し、層デパレタイジングツール99の物理的制約を満たしながら、中心99Cと中心816Cとの間の距離を最小化する層デパレタイジングツール99の位置を判定するために、層デパレタイジングツール99の既知の寸法(外形寸法に加えて、グリップ長さLT、およびグリップ幅WTなど)を使用する。セル制御装置10Cは、本明細書で言及される制約に対する最適ピッキング位置の実現可能性を判定する(
図14、ブロック1450)ように構成されている。
【0060】
図15Aは、パレット層816が完全なパレット層を形成するように均一なケース分布を有する例示的な図であるが、他の態様では、パレット層816は、
図16A~
図16Cに例示されるものなどの任意の適切な不均一または不完全なケースユニット分布を有していてもよい。パレット層は、中心99Cがパレット層816の中心816Cと一致する層デパレタイジングツール99の最適ピッキング位置にあるように、パレット荷降ろし/荷積みステーション301の中心301CNに対して中心にある。ここで、層デパレタイジングツール99と除外ゾーン1500~1502との間に空間がある他に、パレット層816をグリップ領域1520に挿入することができるようにグリップ800とパレット層816との間にも空間がある(たとえば、このピッキングは、セル制御装置10Cによって実現可能であることが確証される)。
【0061】
図15Bは、パレット層816が完全なパレット層を形成するように均一なケース分布を有する例示的な図であるが、他の態様では、パレット層816は、
図16A~
図16Cに例示されるものなどの任意の適切な不均一または不完全なケースユニット分布を有していてもよい。本例では、パレット層816の中心816Cは、パレット荷降ろし/荷積みステーション301の中心301CNから中心がずれて位置づけられている。
図15Bに例示される例では、パレット層816と除外ゾーン1500、1501、1502との間に、層デパレタイジングツール99を挿入することができる空間がある他に、パレット層816をグリップ領域1520に挿入することができるようにパレット層816とグリップ800との間にも空間がある(たとえば、このピッキングは、セル制御装置10Cによって実現可能であることが確証される)。
【0062】
図15Cは、パレット層816が完全なパレット層を形成するように均一なケース分布を有する例示的な図であるが、他の態様では、パレット層816は、
図16A~
図16Cに例示されるものなどの任意の適切な不均一または不完全なケースユニット分布を有していてもよい。本例では、パレット層816の中心816Cは、パレット荷降ろし/荷積みステーション301の中心301CNから中心がずれて位置づけられている。
図15Cに例示される例では、パレット層816と除外ゾーン1500、1501、1502との間に、層デパレタイジングツール99を挿入することができる空間があるが、
図15Cは、(Z軸に沿った)グリップ800の2つの側面とパレット層816との間の最小のクリアランスを伴うパレット荷降ろし/荷積みステーション301におけるパレット層816の配置の極端な例を例示している。再び、
図15Cに例示される例における層デパレタイジングツール99の最適ピッキング位置は、中心99C、816Cがオフセットされるが、中心99C、816C間の距離が、パレット層816と除外ゾーン1500、1501の各々との間の空間制約を考慮して最小化される位置である。
【0063】
図15Dは、パレット層816が完全なパレット層を形成するように均一なケース分布を有する例示的な図であるが、他の態様では、パレット層816は、
図16A~
図16Cに例示されるものなどの任意の適切な不均一または不完全なケースユニット分布を有していてもよい。パレット層816の中心816Cは、パレット荷降ろし/荷積みステーション301の中心301CNから中心がずれて位置づけられている。
図15Dに例示される例では、パレット層816と除外ゾーン1500、1501、1502との間に空間があるが、グリップ800は、除外ゾーン1500に入ることなくパレット層816をグリップ領域1520内に配置するように位置づけられ得ない(たとえば、このピッキングは、セル制御装置10Cによって実現可能でないことが確証される)。
図15Dに例示される例では、層デパレタイジングツール99の最適ピッキング位置はなく、パレット層のピッキングは中止され、セル制御装置10Cは、オペレータに層ピッキングを解決するために、聴覚的および/または視覚的アラートを提供する。
【0064】
本開示の態様では、セル制御装置10Cは、パレタイジングセル10およびその中に位置するオブジェクトの(任意の適切な画像分析技術を使用する)特徴分析を実施する(
図14、ブロック1450)ように構成されている。たとえば、一態様では、視覚システム310は、パレット荷PALの底部にあるパレット支持部SPALを識別するように構成されている。パレット支持部に欠陥があるいくつかの例では、パレット荷が、たとえば、フォークリフトで操作され得るように、別のパレット支持部がパレット荷PALの下に配置される(つまり、パレット荷PALが、上下に積み重ねられた2つまたは3つ以上のパレット支持部を含むように)。視覚システム310は、他のパレット支持部(最下部のパレット支持部)がロボット14によってピッキングされないように、積み重ねられたパレット支持部SPALを識別するように構成されている。別の態様では、視覚システムは、部分パレット層(層のケースユニットはパレット領域全体(長さLおよび幅W)に及ばない)が、層デパレタイジングツール99によってピッキングされるのに十分な支持を提供するかどうかを判定するように構成されている。たとえば、
図16A~
図16Cを参照すると、例示的な部分パレット層1601、1602、1603(これらは、
図15A~
図15Dに例示されるパレット層816を置き換えてもよく、いくつかの態様では典型的なものである)が例示され、これは、クランプ22~24によって加えられる把持力がそれぞれのクランプ22~24に沿って略均一に加えられるように、層デパレタイジングツール99によるピッキングに適し得る。ピッキングに適し得ないパレット層は、いくつかのケースユニットCUが把持され、他のケースユニットCUが把持されないようにし得るクランプ22~24に対するモーメントを引き起こす不均一な方法で、クランプ22~24によって加えられる把持力を加えさせるパレット層を含む。さらに他の態様では、視覚システム310は、オペレータ介入のための聴覚的および/または視覚的アラームを生成するように、パレット荷PALからパレタイズセル10における(床上、コンベヤ150上などの)位置に落下したケースユニットCUFを識別するように構成されている。視覚システム310はまた、失敗のピッキングが生じたロボットアーム14の「再試行」軌道を判定するように構成され得る。たとえば、ロボットアームがピッキングを失敗した場合(すなわち、意図されたピッキングが生じない場合)、パレット層は、パレット層の特徴部を再識別し、ピッキングを再試行するためのロボットアーム12の軌道を生成するために、上記の方法で視覚システム310および/またはセル制御装置10Cによって再分析され得、ここで、再試行軌道は最初に生成された軌道とは異なり得る。
【0065】
図3、
図8A~
図10B、
図15A~
図15D、および
図17を参照すると、層を解放するための層デパレタイジングツール99の操作が、本開示の態様に従って説明される。操作において、任意の適切な制御装置(ロボット制御装置316および/またはセル制御装置10Cなど)は、少なくともパレット荷降ろし/荷積みステーション301およびそれらの構造(除外ゾーン)を含むロボット空間マップ1599(
図15A~
図15Dを参照)を生成する(
図17、ブロック17100)。一態様では、ロボット空間マップ1599は解放操作の一部として生成され、および/またはロボット空間マップ1599は解放操作の前に生成され得る。ロボット空間マップ1599は、視覚システム310から得られたデータおよび/またはパレタイザセル10のコンピュータ支援設計(CAD)モデルからのデータなどを用いて、任意の適切な方法で生成され得る。
図15A~
図15Dのロボット空間マップ1599は、例示目的で、二次元で例示されているが、ロボット空間マップ1599が、二次元深度マップ、構造/除外ゾーンを表す1つまたは複数の点群を含む三次元マップ、画像および/またはCADデータから生成された三次元モデルなどの任意の適切な構成を有し得ることが理解されるべきである。
【0066】
パレット荷PALは、パレタイザセル10のパレット荷降ろし/荷積みステーション301に送達され、配置される(
図17、ブロック17200)。パレット荷PALは、本明細書に記載される方法で視覚システム310によって撮像される(
図17、ブロック17201)。ロボット制御装置316および/またはセル制御装置10Cは、上部パレット層816の位置、ポーズなどの識別をもたらすために、少なくともパレット層816の典型となるものがロボット空間マップ1599内で生成されるように、パレット画像データをロボット空間マップ1599(
図15A~
図15Dを参照)に統合する(
図17、ブロック17101)。パレット層816のみが
図15A~
図15Dに例示されているが、パレット全体を表す画像データが、後続する上部パレット層の位置、ポーズなどの識別をもたらすように各層が解放されるために、ロボット空間マップ1599に繰り返し統合され得ることが理解されるべきである。ロボット制御装置316および/またはセル制御装置10Cは、ロボット空間マップ1599内のパレット層816の位置/ポーズに基づいて、パレット層のピッキング境界条件および制約を動的に画定する(
図17、ブロック17102)ように構成されている。たとえば、視覚システム310からの画像データに基づいて、ロボット制御装置316および/またはセル制御装置10Cは、(適切な画像認識アルゴリズムなどによる)任意の適切な方法でパレタイジングセル10内のオブジェクトの位置を動的に判定するように構成され、オブジェクトの判定された位置に基づいてロボット空間マップ1599を構成/再構成する(例示目的のみで、オブジェクト1571の侵入およびロボット14の移動が許可される領域1570の再画定に基づくロボット空間マップ1599の再構成を参照)。オブジェクトは、パレタイジングセル10、パレタイジングセル10構造の一部、パレット荷PALなどに侵入するおよび/またはそれらを出る一時的なオブジェクトであり得る(いくつかの態様では、一時的なオブジェクトは予期されない/許可されていないオブジェクトであり、その場合、制御装置はロボット14に運動停止のコマンドを発行し得る)。ロボット14の移動の境界条件および制約は、パレタイジングセル10内のオブジェクトの位置に基づいて、ロボット制御装置316および/またはセル制御装置10Cによって動的に判定される。境界条件の例は、ロボット14の移動を許可するかまたは制限するパレタイジングセル10の領域1570を含み、一方で、制約の例は、上記のもの、パレタイジングセル10内のオブジェクトのタイプ、除外ゾーン1500~1502、パレット荷構造PALの位置/ポーズ、パレット層のコンテンツに基づくロボット14の移動の加速などである。
【0067】
ロボット制御装置316が、たとえば、セル制御装置10Cから、パレット層816がピッキングされる準備ができている(
図17、ブロック17202)ことを示す信号を受信するとき、ロボット制御装置316および/またはセル制御装置10Cは、層デパレタイジングツール99を初期位置(事前のピッカーパレット層の配置位置または任意の他の適切な位置など)から、上部パレット層816をピッキングするためのピッキング位置(
図15A~
図15Dに示される位置など)に移動させるためのロボット14の経路1580および軌道1581を判定する(
図17、ブロック17103)。たとえば、ロボット制御装置316および/またはセル制御装置10Cは、(パレット層816の画像データを含む)ロボット空間マップ1599、判定された境界条件、および判定された制約に基づいて、任意の適切な方法でロボットの経路1580および軌道1581を生成する。ロボット14の経路1580および軌道1581の判定は、ロボット14の経路1580および軌道が、ロボット14の初期ポーズとは独立した、(本明細書に記載されるような)層デパレタイジングツール99の初期位置から最適ピッキング位置へのロボット14の最適化された移動をもたらすよう最適化される(たとえば、時間最適化される)ような反復手順であり得る。ロボット制御装置316および/またはセル制御装置10Cは、クランプ22および24がパレット層816を取り囲むように、最適化された経路1580および軌道1581に基づいて層デパレタイジングツール99を最適ピッキング位置に位置づけるようにロボット14に指令する(
図17、ブロック17204)(
図8Aおよび
図8Bを参照)。
【0068】
なお、従来技術からのほとんどの層デパレタイジングツール、システムおよび方法に関して、ツールの位置決めは、層の名目上の垂直位置のみに依拠している。
【0069】
しかし、材料ハンドリング業界において、製品18が、パレット層816またはその上に位置する層の重量によって、パレット荷PAL内でしばしば押しつぶされることが知られている。もちろん、これは、パレット支持部SPAL(
図2を参照)に直接載置されている最後の層がデパレタイズされる場合に特に当てはまる。したがって、ロボット14の初期プログラミングで使用される、各パレット層816の名目上の位置は、層デパレタイジングツール99の誤った位置決めにつながりかねず、パレット層816を適切にデパレタイズするシステムの能力が制限される。
【0070】
本開示の態様では、層デパレタイジングツール99の上部パッド28は、ピッキングされているパレット層816の上面148の実際の高さ/位置を評価するように構成されたセンサ888と連結され、したがって、層デパレタイジングツール99をより正確に位置づけることが可能になる。この追加された精度によって、ロボット14および層デパレタイジングツール99を含むデパレタイジングシステムがより効率的になり、製品の損傷の可能性を低下させるか、または不適切な位置決めが製品18のデパレタイズを妨げるケースも回避される。センサは、アナログレーザ距離センサまたは任意の他の適切な距離判定センサの形態をとることができる。
【0071】
上部パッド28は下げられ、パレット上の上部層の上に位置づけられる(
図17、ブロック17206)。ロボット14は、層デパレタイジングツール99を、視覚システム310の画像データから判定された、ピッキングされるパレット層816の高さに位置づける。上部パッド28がパレット層816の上面148に接触することを認識すると、センサ888は上部パッド28の位置を測定する。その後、ロボット制御装置316(および/またはセル制御装置10C)は、パレット層816の実際の高さを計算し、実際の高さを、視覚システム310の画像データから判定された層816の高さと比較する。(センサ888によって判定された)実際の高さと視覚システム310の画像データから判定された層816の高さとの間に差がある場合、ロボット制御装置316は、それに応じて層デパレタイジングツール99の位置を調整する。高さの差はまた、(センサ888によって判定された)実際の高さと視覚システム310の画像データから判定された層816の高さとの間の差を減少させ、または最小化するべく視覚システム310を再較正/微調整するようにセル制御装置10Cに通信され得る。
【0072】
上部パッド28を使用してパレットの上面の実際の高さを判定することは、パレット層816の上面148の位置を検証するための堅牢な方法を表している。たとえば、製品18のフラップが持ち上げられた場合、または製品18が十分に位置づけられていない場合でも、上部パッド28の全体的な位置は影響を受けず、したがって、パレット層816の実際の高さについての貴重で正確な情報を提供する。必要に応じて、ロボット14は、層デパレタイジングツール99の高さを調整する(
図17、ブロック17210)。
【0073】
各パレット層816が複数の製品18から構成され得ることを考慮すると、いくつかの製品18が、パレット層816の外部に面する側面を有さないことがしばしば生じる。一態様によれば、クランプ22~24により製品18を適切に把持することを可能にする機構の組み合わせが提供される。たとえば、4つのクランプ22~24は、空気圧アクチュエータ56を作動および制御することによって、パレット層816を水平に移動させることなく各側面でパレット層816全体を圧縮するために使用される(
図17、ブロック17212)。その後、ロボット14は、層デパレタイジングツール99をわずかに持ち上げて、主に、パレット層816の周囲に位置する製品18の下面8150(
図8B)とすぐ下のパレット層816の製品18の上面との間に間隙を作る(
図17、ブロック17214)。その後、水平カーテン26の閉鎖が開始され、それらがパレット層816の下に挿入される(
図17、ブロック17216)。水平カーテン26の閉鎖は、
図9A~
図10Bに例示されている。カーテン26の回転摩擦ヘッド70は、把持されたパレット層816から水平カーテン26上に製品18を移動させることに寄与している。より具体的には、これにより、パレット層816の周囲に位置していない、および概してサイドクランプ22~24によって部分的にのみ持ち上げられるか、または時にまったく持ち上げられない製品18が、水平カーテン26上を移動することが可能になる。
【0074】
クランプ22~24の圧力により製品18の垂直面に生じる摩擦は、時々、製品18に損傷を与えることなく水平カーテン26を下で閉じることを可能にするために製品18が上方に移動するのを妨げる。これが生じたとき、圧力がサイドクランプ22~24上で自動的に低下され、そのため、上述の摩擦も減少され、したがって、ピッキングされるパレット層816の残りの製品18を持ち上げてピッキングするためにカーテンの移動が促進される。
【0075】
クランプ22~24の圧力の変動は、水平カーテン26の線形移動をモニターすることによって調整される(
図17、ブロック17218)。製品18がこの移動を妨げる場合、水平カーテン26は前方に移動することができない。これが生じたとき、少なくとも1つの製品18が移動を阻害していると結論付けられる。したがって、圧力が、アクチュエータ56によってクランプ22~24上で低下され(
図17、ブロック17220)、パレット層816上のすべての製品18をピッキングするプロセスが継続される。
【0076】
別の態様によれば、カーテン26の線形移動は、カーテンが移動し続けているときでさえ、その移動抵抗を検出するようにモニターされる。
【0077】
カーテン26が完全に閉じられると(
図10A~
図10Bを参照)、パレット層816は、層デパレタイジングツール99によって完全に把持され(
図17、ブロック17222)、ロボット14は、把持されたパレット層816とともに層デパレタイジングツール99を移動させ、パレット層816をアウトフィード位置(コンベヤ150など)に移送する(
図17、ブロック17232)。視覚システム310は、ピッキングされる次の層のポーズ、位置などを判定するために、ロボット14の配置サイクル中にパレット荷PALを撮像する(
図17、ブロック17233)。ロボット14は、パレット層816をアウトフィードコンベヤ150(または他の適切なアウトフィード位置)に配置し(
図17、ブロック17234)、パレット解放プロセスはブロック17202で継続する。
【0078】
パレット荷PALの上部パレット層816の位置の正確な評価を可能にする上記の機能に加えて、上部パッド28はまた、水平カーテン26が下を移動するときに小さな製品18がパレット層816から「飛び出す」のを防ぐ。製品18のそのような移動は、たとえば、パレット層816が小さな製品18、すなわち高さを低くされた製品18で構成されているときに生じることになる。上部パッド28の重量は、水平カーテン26が下に入る能力を制限することなく、小さな製品の「飛び出し」効果を防ぐのに十分である。同様に、上部パッド28は、水平カーテン26が製品18の下から取り外されるときに、小さな製品18が「飛び出す」のを防ぐ。
【0079】
いくつかの態様では、パレット荷PAL内の製品18のいくつかの層間にスリップシート277(
図2)が提供される。標準的なアプローチは、各層のデパレタイジングシーケンス間にスリップシート277を自動的に除去する独立した装置を有することである。このアプローチはうまく機能するが、独立した装置の追加を考えるとかなりの費用がかかる。本開示の態様によれば、層デパレタイジングツールには、パレット層816がデパレタイズされると同時に製品18のパレット層816上に配置されたスリップシート277を取り出す構成要素が設けられている。そのような層デパレタイジングツールは層デパレタイジングツール99に類似しており、このさらなる解放プロセスが上記のものと類似しているため、簡潔にする目的で、それらの間の違いのみが
図17を参照して説明される。
【0080】
ツールは、パレット層816がデパレタイズされると同時にパレット層816上のスリップシートを除去するための吸引カップ(図示せず)を含む上部パッド28を含む。パレット層816が層デパレタイジングツールによって完全に把持される(
図17、ブロック17222)と、吸引カップが作動される(
図17、ブロック17224)。ツールによって把持されて持ち上げられる、把持されたパレット層816に向かって上向きに面している(
図9Bも参照)別の、たとえば、スリップシートセンサ999(たとえば、
図9Aおよび
図9B、特に
図9Bに示されるような中間ケースのケース縁の解像のために構成されたカメラまたはスキャナなど)、または上記で言及された同じものが、たとえば、上部パッド28に取り付けられたスリップシート277が存在するかどうかを判定するために使用される。ロボット14がパレット層816を持ち上げて移送させると、上部パッド28はわずかに持ち上げられる(
図17、ブロック17226)。それでもスリップシートセンサ999がオブジェクトの存在を検出する場合(
図17、ブロック17228)、これは、デパレタイズされているパレット層816の下にスリップシート277が存在し(
図17、ブロック17229)、真空が吸引カップ上で維持される(
図17、ブロック17230)ことを意味している。さらに
図19A、
図19B、および
図19Cを参照すると、ロボット17は、その後、(パレット層の下にスリップシート277を有する)パレット層816をマット上部コンベヤ(アウトフィードコンベヤ150など)上に配置し、パレット層816がアウトフィードコンベヤ150上に配置された(
図17、ブロック17232)または他の場所に配置された後に、スリップシートは除去されて、ビンに廃棄される(
図17、ブロック17236)。逆に、スリップシートセンサ999が何も検出しない場合、これは、デパレタイズされている層の下にスリップシートがないことを意味している。そのような場合、以前のパレット層816がアウトフィードコンベヤ150上に配置されると、真空が吸引カップから除去され、ロボット14が直接移動して戻って、パレット上の次のパレット層816をピッキングする。
【0081】
依然として
図19A、
図19B、および
図19Cを参照すると、コンベヤ150の部分の間にスリップシートリムーバ998が位置決めされるか、またはそうでなければ配置される。たとえば、コンベヤ150は、マット上部または上流部分993(デパレタイズされている層が配置される場所)およびケース拡散または下流部分994を含む。スリップシートリムーバ998は、真空ローラ997(しかし、任意の適切な接着または吸引タイプのローラが使用されてもよい)、制限プレート996、および偏向シールド995などの任意の適切な真空除去機構を含む。真空ローラ997は、たとえば、真空ローラが、回転軸989を中心に回転し、真空ローラ997の外面(たとえば、商品支持面)上または内に配列された吸引カップまたはポート997Pに流体連結されている、およびスリップシート227が真空ローラ997を通過するときにスリップシート227に吸引力を加えるように配置されている吸引管997Tを含むなど、スリップシート227を把持するための任意の適切な構成を有する。制限プレート996は、スリップシートを剥がすか、またはそうでなければ除去して、真空ローラ997からビン990にガイドするように、真空ローラ997の下に配置される。偏向シールド995は、(たとえば、コンベヤ150に沿ったパレット層816の移動方向988に対して)真空ローラ997から下流に配置され、(たとえば、ケースが、スリップシートリムーバ998を通過する間に1つのコンベヤ部分から別のコンベヤ部分に、引っ掛かったり詰まったりすることなくスムーズに移行するように)コンベヤ間へのケース縁の侵入を防ぎ、少なくとも部分的に(パレット層816の底部から除去された)スリップシート227をコンベヤ部分993、994間の間隙に方向づける任意の適切なサイズおよび形状を有している(しかし、1つまたは複数の態様では、真空ローラ997は、スリップシートをコンベヤ部分993、994間の間隙内におよびそこに通して独立してガイドするのに十分な吸引力を提供し得る)。上記のように、スリップシート227は、スリップシートセンサ999によって検出され、スリップシートセンサ999は、任意の適切な信号を制御装置10Cに送信して、スリップシートリムーバ998を作動させる。スキップシートリムーバ998の作動は、真空ローラ997を自動的に作動させ、パレット層816の下からスリップシートを自動的に除去することを含む。ここで、パレット層816がコンベヤ部分993からコンベヤ部分994に移行すると、スリップシート227が(真空ローラ997を介して)パレット層816の底部に付着するのが防止される。真空ローラ997は、スリップシート227が真空ローラ997上を移動するとスリップシート277を把持し、ここで、真空ローラは、スリップシート997を、コンベヤ部分間の間隙を通して、制限プレート996に移送し、ここで、スリップシート227は、真空ローラ997から除去され、ビン990に廃棄される。
【0082】
図3、
図8A~
図10B、
図15A~
図15D、および
図18を参照すると、デパレタイザ10においてケースをデパレタイズする方法が提供される。当該方法は、デパレタイザ10のパレット荷降ろしステーション301で、パレット荷層816(パレット層PL1~PL5の典型)に配置されたケースCUのパレット荷PALを受け取る工程(
図18、ブロック1800)を含み、パレット荷層816の各々は、パレット荷PALの領域にわたって共通のレベルで並置された複数のケースCUで形成されている。ロボット14が提供され(
図18、ブロック1810)、ロボット14は、少なくとも1つのパレット荷層816をパレット荷降ろしステーション301におけるパレット荷PALから(一態様では、任意の適切なコンベヤ150を含む)出力ステーション333に搬送するように、パレット荷層816の少なくとも1つを把持してピッキングするように構成されたグリップ800を有するデパレタイジングエンドエフェクタ99を備えている。グリップ800は、グリップ800を用いたパレット荷層816の少なくとも1つの捕捉および安定した保持を繰り返しもたらすように、デパレタイジングエンドエフェクタ99に対する、パレット荷層816の少なくとも1つのための(たとえば、本明細書ではロボットの基準フレームとも呼ばれる、ロボット座標系または空間X、Y、Z、RX、Ry、RZ-
図3を参照-における)所定の層係合位置および配向を画定するグリップ係合インターフェース810を有する。視覚システム310は、パレット荷降ろしステーション301でケースCUのパレット荷PALを撮像し、ロボットの運動から独立してパレット荷層816の少なくとも1つの上部の少なくとも1つの画像を生成する(
図18、ブロック1820)。視覚システム310に動作可能に連結されている制御装置(ロボット制御装置16および/またはセル制御装置10Cなど)は、視覚システム310から少なくとも1つの画像を受信し、少なくとも1つの画像に基づいて、グリップ係合インターフェース810の所定の層係合位置および配向に対するパレット荷層816の少なくとも1つの層位置および配向の判定をもたらし(
図18、ブロック1830)、制御装置は、グリップ800を位置づけ、グリップ係合インターフェース810においてグリップ800を用いてパレット荷層816の少なくとも1つを捕捉して保持するように、ロボット14に動作可能に連結されている。
【0083】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、デパレタイザは、
【0084】
パレット荷層に配置されたケースのパレット荷を受け取るように構成されたパレット荷降ろしステーションであって、パレット荷層の各々が、パレット荷の領域にわたって共通のレベルで並置された複数のケースで形成されている、パレット荷降ろしステーションと、
【0085】
少なくとも1つのパレット荷層をパレット荷降ろしステーションにおけるパレット荷から出力ステーションに搬送するように、パレット荷層の少なくとも1つを把持してピッキングするように構成されたグリップを有するデパレタイジングエンドエフェクタを備えたロボットであって、グリップが、グリップを用いたパレット荷層の少なくとも1つの捕捉および安定した保持を繰り返しもたらすように、デパレタイジングエンドエフェクタに対する、パレット荷層の少なくとも1つのための所定の層係合位置および配向を画定するグリップ係合インターフェースを有する、ロボットと、
【0086】
パレット荷降ろしステーションでケースのパレット荷を撮像するように配置され、ロボットの運動から独立してパレット荷層の少なくとも1つの上部の少なくとも1つの画像を生成するように構成された視覚システムと、
【0087】
視覚システムから少なくとも1つの画像を受信するように視覚システムに動作可能に連結され、少なくとも1つの画像に基づいて、グリップ係合インターフェースの所定の層係合位置および配向に対する、パレット荷層の少なくとも1つの層位置および配向の判定をもたらすように構成された制御装置であって、制御装置は、グリップを位置づけ、グリップ係合インターフェースにおいてグリップを用いてパレット荷層の少なくとも1つを捕捉して保持するように、ロボットに動作可能に連結されている、制御装置と、を備える。
【0088】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、所定の層係合位置および配向は、グリップ係合インターフェースの係合平面配向を提供し、層位置および配向は、パレット荷層の少なくとも1つにわたって実質的にまたがるグリップ係合インターフェースとインターフェース接続するように配置された、パレット荷層の少なくとも1つの、係合面の平面性を表し、層位置および配向は、パレット荷層の少なくとも1つの係合面とグリップ係合インターフェースの平面配向との間の少なくとも2つの直交方向における平面不整合を表す。
【0089】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、視覚システムは、ロボットから独立して取り付けられた少なくとも1つのカメラを備える。
【0090】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのカメラの各々は、共通のカメラ較正基準構造に較正され、共通のカメラ較正基準構造への較正は、各々のそれぞれのカメラのそれぞれのカメラ基準フレームと、少なくとも1つのカメラの他の各々のカメラとの、およびロボットの所定の基準フレームとの位置関係性を表す。
【0091】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのカメラは、少なくとも1つのカメラの視野が、パレット荷の最上部の上向き面からパレット荷の底部までパレット荷をカバーするように配置される。
【0092】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのカメラは、パレット荷層の各々の最上部の上向き面が少なくとも1つのカメラの視野内にあるように配置される。
【0093】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、デパレタイザは、
【0094】
パレット荷層に配置されたケースのパレット荷を受け取るように構成されたパレット荷降ろしステーションであって、パレット荷層の各々が、パレット荷の領域にわたって共通のレベルで並置された複数のケースで形成されている、パレット荷降ろしステーションと、
【0095】
少なくとも1つのパレット荷層をパレット荷降ろしステーションにおけるパレット荷から出力ステーションに搬送するように、パレット荷層の少なくとも1つを把持してピッキングするように構成されたグリップを有するデパレタイジングエンドエフェクタを備えたロボットであって、グリップが、グリップを用いたパレット荷層の少なくとも1つの捕捉および安定した保持を繰り返しもたらすように、デパレタイジングエンドエフェクタに対する、パレット荷層の少なくとも1つのための所定の層係合位置および配向を画定するグリップ係合インターフェースを有する、ロボットと、
【0096】
ロボットとは別個に、パレット荷降ろしステーションでパレット荷を撮像するように配置され、ロボットの運動から切り離されてパレット荷層の少なくとも1つの上部の少なくとも1つの画像を生成するように構成された視覚システムと、
【0097】
少なくとも1つの画像に基づいて、グリップ係合インターフェースとパレット荷層の少なくとも1つの各最上パレット層との間の位置および配向関係性の判定をもたらすように構成された制御装置と、を備える。
【0098】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、視覚システムから少なくとも1つの画像を受信するように視覚システムに動作可能に連結されている。
【0099】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、判定された関係性に基づいて各最上パレット層に対してグリップを位置づけ、グリップ係合インターフェースにおいてグリップを用いて少なくとも1つのパレット荷層を捕捉して保持するように、ロボットに動作可能に連結されている。
【0100】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、判定された関係性は、ロボットの所定の基準フレームに対するグリップ係合インターフェースの所定の層係合位置および配向に対する各最上層の層位置および配向を表す。
【0101】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、少なくとも1つの画像に基づいて、各最上層のそれぞれの層位置および配向を判定し、それぞれの層位置および配向をロボットの所定の基準フレームと比較することによって、判定された関係性の判定をもたらす。
【0102】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、それぞれの層位置および配向は、それぞれ各最上層にわたって実質的にまたがるグリップ係合インターフェースとインターフェース接続するように配置された、各最上層の、係合面の平面性を表し、それぞれの層位置および配向は、最上層の係合面とグリップ係合インターフェースとの間の少なくとも2つの直交方向における平面不整合および中心点不整合の少なくとも1つを表す。
【0103】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、ロボットの所定の基準フレームに表されたデパレタイザを境界付けるロボットのアーキテクチャおよび構造のうちの少なくとも1つによって画定されるロボットの運動境界条件に基づいて、それぞれ、各最上層との最適グリップ係合のために、平面不整合および中心点不整合の少なくとも1つを解消するように構成されている。
【0104】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、視覚システムは、ロボットから独立して取り付けられた少なくとも1つのカメラを備える。
【0105】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのカメラの各々は、共通のカメラ較正基準構造に較正され、共通のカメラ較正基準構造への較正は、各々のそれぞれのカメラのそれぞれのカメラ基準フレームと、少なくとも1つのカメラの他の各々のカメラとの、およびロボットの所定の基準フレームとの位置関係性を表す。
【0106】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのカメラは、少なくとも1つのカメラの視野が、パレット荷の最上部の上向き面からパレット荷の底部までパレット荷をカバーするように配置される。
【0107】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのカメラは、パレット荷層の各々の最上部の上向き面が少なくとも1つのカメラの視野内にあるように配置される。
【0108】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、デパレタイザにおいてケースをデパレタイズする方法が提供される。当該方法は、
【0109】
デパレタイザのパレット荷降ろしステーションで、パレット荷層に配置されたケースのパレット荷を受け取る工程であって、パレット荷層の各々が、パレット荷の領域にわたって共通のレベルで並置された複数のケースで形成されている、工程と、
【0110】
少なくとも1つのパレット荷層をパレット荷降ろしステーションにおけるパレット荷から出力ステーションに搬送するように、パレット荷層の少なくとも1つを把持してピッキングするように構成されたグリップを有するデパレタイジングエンドエフェクタを備えたロボットを提供する工程であって、グリップが、グリップを用いたパレット荷層の少なくとも1つの捕捉および安定した保持を繰り返しもたらすように、デパレタイジングエンドエフェクタに対する、パレット荷層の少なくとも1つのための所定の層係合位置および配向を画定するグリップ係合インターフェースを有する、工程と、
【0111】
視覚システムを用いて、パレット荷降ろしステーションでケースのパレット荷を撮像し、ロボットの運動から独立してパレット荷層の少なくとも1つの上部の少なくとも1つの画像を生成する工程と、
【0112】
視覚システムに動作可能に連結された制御装置において、視覚システムから少なくとも1つの画像を受信し、少なくとも1つの画像に基づいて、グリップ係合インターフェースの所定の層係合位置および配向に対するパレット荷層の少なくとも1つの層位置および配向の判定をもたらす工程であって、制御装置が、グリップを位置づけ、グリップ係合インターフェースにおいてグリップを用いてパレット荷層の少なくとも1つを捕捉して保持するように、ロボットに動作可能に連結されている、工程と、を含む。
【0113】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、所定の層係合位置および配向は、グリップ係合インターフェースの係合平面配向を提供し、層位置および配向は、パレット荷層の少なくとも1つにわたって実質的にまたがるグリップ係合インターフェースとインターフェース接続するように配置された、パレット荷層の少なくとも1つの、係合面の平面性を表し、層位置および配向は、パレット荷層の少なくとも1つの係合面とグリップ係合インターフェースの平面配向との間の少なくとも2つの直交方向における平面不整合を表す。
【0114】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、視覚システムは、ロボットから独立して取り付けられた少なくとも1つのカメラを備える。
【0115】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのカメラの各々は、共通のカメラ較正基準構造に較正され、共通のカメラ較正基準構造への較正は、各々のそれぞれのカメラのそれぞれのカメラ基準フレームと、少なくとも1つのカメラの他の各々のカメラとの、およびロボットの所定の基準フレームとの位置関係性を表す。
【0116】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのカメラは、少なくとも1つのカメラの視野が、パレット荷の最上部の上向き面からパレット荷の底部までパレット荷をカバーするように配置される。
【0117】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのカメラは、パレット荷層の各々の最上部の上向き面が少なくとも1つのカメラの視野内にあるように配置される。
【0118】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、デパレタイザにおいてケースをデパレタイズする方法が提供される。当該方法は、
【0119】
デパレタイザのパレット荷降ろしステーションで、パレット荷層に配置されたケースのパレット荷を受け取る工程であって、パレット荷層の各々が、パレット荷の領域にわたって共通のレベルで並置された複数のケースで形成されている、工程と、
【0120】
少なくとも1つのパレット荷層をパレット荷降ろしステーションにおけるパレット荷から出力ステーションに搬送するように、パレット荷層の少なくとも1つを把持してピッキングするように構成されたグリップを有するデパレタイジングエンドエフェクタを備えたロボットを提供する工程であって、グリップが、グリップを用いたパレット荷層の少なくとも1つの捕捉および安定した保持を繰り返しもたらすように、デパレタイジングエンドエフェクタに対する、パレット荷層の少なくとも1つのための所定の層係合位置および配向を画定するグリップ係合インターフェースを有する、工程と、
【0121】
ロボットとは別個に配置された視覚システムを用いて、パレット荷降ろしステーションでパレット荷を撮像し、ロボットの運動から切り離されてパレット荷層の少なくとも1つの上部の少なくとも1つの画像を生成する工程と、
【0122】
デパレタイザの制御装置を用いて、少なくとも1つの画像に基づき、グリップ係合インターフェースとパレット荷層の少なくとも1つの各最上パレット層との間の位置および配向関係性の判定をもたらす工程と、を含む。
【0123】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、視覚システムから少なくとも1つの画像を受信するように視覚システムに動作可能に連結されている。
【0124】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、判定された関係性に基づいて各最上パレット層に対してグリップを位置づけ、グリップ係合インターフェースにおいてグリップを用いて少なくとも1つのパレット荷層を捕捉して保持するように、ロボットに動作可能に連結されている。
【0125】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、判定された関係性は、ロボットの所定の基準フレームに対するグリップ係合インターフェースの所定の層係合位置および配向に対する各最上層の層位置および配向を表す。
【0126】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、少なくとも1つの画像に基づいて、各最上層のそれぞれの層位置および配向を判定し、それぞれの層位置および配向をロボットの所定の基準フレームと比較することによって、判定された関係性の判定をもたらす。
【0127】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、それぞれの層位置および配向は、それぞれ各最上層にわたって実質的にまたがるグリップ係合インターフェースとインターフェース接続するように配置された、各最上層の、係合面の平面性を表し、それぞれの層位置および配向は、最上層の係合面とグリップ係合インターフェースとの間の少なくとも2つの直交方向における平面不整合および中心点不整合の少なくとも1つを表す。
【0128】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、ロボットの所定の基準フレームに表されたデパレタイザを境界付けるロボットのアーキテクチャおよび構造のうちの少なくとも1つによって画定されるロボットの運動境界条件に基づいて、それぞれ、各最上層との最適グリップ係合のために平面不整合および中心点不整合の少なくとも1つを解消する。
【0129】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、視覚システムは、ロボットから独立して取り付けられた少なくとも1つのカメラを備える。
【0130】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのカメラの各々は、共通のカメラ較正基準構造に較正され、共通のカメラ較正基準構造への較正は、各々のそれぞれのカメラのそれぞれのカメラ基準フレームと、少なくとも1つのカメラの他の各々のカメラとの、およびロボットの所定の基準フレームとの位置関係性を表す。
【0131】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのカメラは、少なくとも1つのカメラの視野が、パレット荷の最上部の上向き面からパレット荷の底部までパレット荷をカバーするように配置される。
【0132】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのカメラは、パレット荷層の各々の最上部の上向き面が少なくとも1つのカメラの視野内にあるように配置される。
【0133】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、横断経路に沿って移動する商品の層からスリップシートを除去するためのスリップシート除去装置が提供される。スリップシート除去装置は、フレームと、回転軸を中心にした回転のためにフレームに回転可能に連結されたローラであって、ローラが、ローラの商品支持面を通って伸長する真空ポートを有する、ローラと、真空ポートを通して真空を引くようにローラに連結された真空機構とを備え、真空ポートは、スリップシートを把持し、商品の層からスリップシートを分離するべく、ローラとローラの商品支持面上に支持された商品の層との間に配置されたスリップシートと係合するために、ローラ上に位置づけられる。
【0134】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、ローラは、商品の層からスリップシートを分離するように、真空機構によって把持されたスリップシートを、回転軸を中心に略同時に回転させる。
【0135】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、真空機構は、ローラを通って伸長する少なくとも1つの吸引管を含む。
【0136】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、真空ポートは、スリップシートを把持するためにローラに連結された吸引カップを含む。
【0137】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、スリップシート除去装置は、スリップシートと係合し、商品の層からスリップシートを分離するための偏向シールドをさらに備える。
【0138】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、スリップシート除去装置は、フレームに連結されたストリッパプレートをさらに備え、ストリッパプレートは、ローラからスリップシートを取り除く(またはそうでなければ剥ぐ/除去する)ようにローラに対して位置づけられる。
【0139】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、スリップシート除去装置は、商品の層から分離されたスリップシートを収集するように構成された収集ビンをさらに備える。
【0140】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、スリップシート除去装置は、上流コンベヤおよび下流コンベヤをさらに備え、ローラが上流コンベヤと下流コンベヤとの間に配置されている。
【0141】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、横断経路は上流および下流のコンベヤに沿って伸長する。
【0142】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、上流コンベヤはマットトップコンベヤであり、下流コンベヤはケース拡散コンベヤである。
【0143】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、デパレタイザは、商品のパレットを受け取り、パレットを商品の層に分離するためのパレット荷降ろしステーションと、商品の層をパレット荷降ろしステーションから保管アレイに搬送し、保管アレイへの商品の供給をもたらすように構成されたケースコンベヤであって、ケースコンベヤが、複数のコンベヤセクションを含む、ケースコンベヤと、複数のコンベヤセクションのうちの2つの隣接するコンベヤセクション間に配置されたスリップシート除去システムとを備え、スリップシート除去システムは、フレームと、回転軸を中心にした回転のためにフレームに回転可能に連結されたローラであって、ローラが、ローラの商品支持面を通って伸長する真空ポートを有する、ローラと、真空ポートを通して真空を引くようにローラに連結された真空機構とを含み、真空ポートは、スリップシートを把持し、商品の層からスリップシートを分離するべく、ローラとローラの商品支持面上で支持された商品の層との間に配置されたスリップシートと係合するために、ローラ上に位置づけられている。
【0144】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、商品の層からスリップシートを除去する方法が提供される。当該方法は、スリップシート除去装置のフレームを提供する工程と、回転軸を中心にフレームに回転可能に連結されたローラを提供する工程であって、ローラが、横断軸に沿ってスリップシート上に配置された商品の層を支持および搬送するように構成されている、工程と、ローラでスリップシートを真空把持する工程であって、真空が、ローラに連結された真空機構によって生成される、工程と、ローラを用いて商品の層からスリップシートを分離する工程とを含む。
【0145】
前述の説明が、本開示の態様の例示にすぎないことを理解されたい。本開示の態様から逸脱することなく、当業者によって様々な代替および補正が企図され得る。したがって、本開示の態様は、本明細書に添付された任意の請求項の範囲内にあるすべてのそのような代替、補正、および変形を包含することを意図している。さらに、異なる特徴が相互に異なる従属請求項または独立請求項に記載されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせが利点を有して使用することができず、そのような組み合わせが本開示の態様の範囲内にとどまることを示すものではない。
【国際調査報告】