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特表2022-553265テープ・ドライブにおける読取りエラー回復
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(54)【発明の名称】テープ・ドライブにおける読取りエラー回復
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/584 20060101AFI20221215BHJP
   G11B 5/09 20060101ALI20221215BHJP
   G11B 20/10 20060101ALI20221215BHJP
   G11B 5/008 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
G11B5/584
G11B5/09 321Z
G11B5/09 371A
G11B20/10 301Z
G11B5/008 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523264
(86)(22)【出願日】2020-10-06
(85)【翻訳文提出日】2022-04-18
(86)【国際出願番号】 IB2020059369
(87)【国際公開番号】W WO2021079218
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】16/661,039
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】宮村 剛志
(72)【発明者】
【氏名】増田 摂子
【テーマコード(参考)】
5D044
【Fターム(参考)】
5D044BC01
5D044CC02
5D044DE03
5D044DE38
5D044DE46
5D044DE68
(57)【要約】
第1の読取りヘッドを用いて読取りを実行しているときに読取りエラーが発生する。書込み中読取り操作で使用することができる第2の読取りヘッドが、第1のトラックの内側を通るのか、または第1のトラックの外側を通るのかを判定する。第2の読取りヘッドの幅はトラック上の確認済みエリアを画定する。第2の読取りヘッドが完全に前記第1のトラックの内側を通る場合には、第1の読取りヘッドを確認済みエリアの内側に配置する。第2の読取りヘッドが部分的に第1のトラックの外側を通り、確認済みエリアの第1のトラックの内側にある部分が第1の読取りヘッドの幅よりも広い場合には、第1の読取りヘッドを、この確認済みエリアの第1のトラックの内側にある部分の内側に配置する。この部分が、第1の読取りヘッドの幅よりも広くない場合には、第1の読取りヘッドの側面が第1のトラックの境界線のところに位置するように、第1の読取りヘッドを配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ・ドライブにおける読取りエラー回復のための方法であって、
テープ・メディアの第1のトラック上に記憶された第1のデータ・セットを読み取る読取り操作を第1の読取りヘッドを使用して実行するステップであり、前記第1の読取りヘッドが幅を有し、前記第1のトラックがトラック幅を有し、前記読取り操作が、前記第1の読取りヘッドを前記第1のトラックの中心に配置することを含む、前記実行するステップと、
前記読取り操作を実行しているときに読取りエラーが発生したと判定するステップと、
前記読取り操作を実行しているときに前記読取りエラーが発生したと判定したことに応答してエラー回復手順を実行するステップと
を含み、前記エラー回復手順が、
書込み中読取り操作で使用することができるドライブの第2の読取りヘッドが、完全に前記第1のトラックの前記トラック幅の内側を通るように構成されているのか、または部分的に前記第1のトラックの前記トラック幅の外側を通るように構成されているのかを判定するステップであり、前記第2の読取りヘッドが、特定のテープ・ドライブ世代と一致する幅を有し、前記第2の読取りヘッドの前記幅がトラック上の確認済みエリアを画定する、前記判定するステップと、
前記第2の読取りヘッドは完全に前記第1のトラックの前記トラック幅の内側を通るように構成されていると判定したことに応答して、前記第1の読取りヘッドを第2の位置に配置するステップであり、前記第2の位置が、前記第2の読取りヘッドの前記確認済みエリアの内側にある、前記配置するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記エラー回復手順が、
前記第2の位置にある前記第1の読取りヘッドを使用して読取り操作を実行するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エラー回復手順が、
前記特定のテープ・ドライブ世代として、前記テープ・メディア上に前記データ・セットを書き込むことができる一組のテープ・ドライブ世代の中から第1のテープ・ドライブ世代を選択するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エラー回復手順が、
前記第2の位置にある前記第1の読取りヘッドを使用して読取り操作を実行するステップと、
前記第2の位置で前記読取り操作を実行しているときに読取りエラーが発生したと判定するステップと、
前記第2の位置で前記読取り操作を実行しているときに読取りエラーが発生したと判定したことに応答して、前記特定のテープ・ドライブ世代として、前記テープ・メディア上に前記データ・セットを書き込むことができる前記一組のテープ・ドライブ世代の中から第2のテープ・ドライブ世代を選択するステップと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記エラー回復手順が、
前記第2の読取りヘッドは部分的に前記第1のトラックの前記トラック幅の外側を通るように構成されていると判定したことに応答して、前記確認済みエリアの、前記第1のトラックの前記トラック幅の内側にある部分が、前記第1の読取りヘッドの前記幅よりも広いかどうかを判定するステップと、
前記確認済みエリアの、前記第1のトラックの前記トラック幅の内側にある前記部分は、前記第1の読取りヘッドの前記幅よりも広いと判定したことに応答して、前記第1の読取りヘッドを第2の位置に配置するステップであり、前記第2の位置が、前記第2の読取りヘッドの前記確認済みエリアの、前記第1のトラックの前記トラック幅の内側にある前記部分の内側にある、前記配置するステップと、
前記第2の位置にある前記第1の読取りヘッドを使用して読取り操作を実行するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記エラー回復手順が、
前記第2の読取りヘッドは部分的に前記第1のトラックの前記トラック幅の外側を通るように構成されていると判定したことに応答して、前記確認済みエリアの、前記第1のトラックの前記トラック幅の内側にある部分が、前記第1の読取りヘッドの前記幅よりも広いかどうかを判定するステップと、
前記確認済みエリアの、前記第1のトラックの前記トラック幅の内側にある部分は、前記第1の読取りヘッドの前記幅よりも広くないと判定したことに応答して、前記第1の読取りヘッドを第2の位置に配置するステップであり、前記第2の位置が、前記第2の読取りヘッドの前記確認済みエリアの、前記第1のトラックの前記トラック幅の内側にある前記部分の内側にあり、前記第2の位置が、前記第1の読取りヘッドの側面が前記第1のトラックの境界線のところに位置する位置である、前記配置するステップと、
前記第2の位置にある前記第1の読取りヘッドを使用して読取り操作を実行するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エラー回復手順が、
前記トラックからデータ・セット情報テーブルが成功のうちに読み取られたかどうかを判定するステップと、
前記トラックから前記データ・セット情報テーブルが成功のうちに読み取られたと判定したことに応答して、前記データ・セット情報テーブルの中に格納されたテープ・ドライブ世代を前記特定のテープ・ドライブ世代としてセットするステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
システムであって、請求項1ないし7のいずれかに記載の方法の全ての前記ステップを実行するように適合された手段を備えるシステム。
【請求項9】
コンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・プログラムがコンピュータ・システム上で実行されたときに請求項1ないし7のいずれかに記載の方法の全ての前記ステップを実行するための命令を含むコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はデータ・ストレージ・システムに関し、より詳細には、テープ・メディア上に記憶されたデータを読み取るときの読取りエラーからの回復に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気テープ・メディア上にデータが記憶されたデータ・ストレージ・システムでは、磁気変換器が、磁気記録メディアからデータを読み取り、磁気記録メディア上にデータを書き込む。データは、磁気記録変換器を有する書込みヘッドをメディア上のデータを記憶する位置に移動させることによって、磁気記録メディア上に書き込まれる。磁気記録変換器は次いで磁場を発生させ、この磁場が、データを磁気メディア中にコード化する。データは、磁気読取り変換器を有する読取りヘッドをメディアのデータが記憶された領域の上に配置し、次いで磁気メディアの磁場を感知することによって、メディアから読み取られる。
【発明の概要】
【0003】
さまざまな実施形態が、テープ・ドライブにおける読取りエラー回復のための方法を対象としている。この方法は、読取り操作を第1の読取りヘッドを使用して実行することを含むことができる。この読取り操作は、テープ・メディアの第1のトラック上に記憶された第1のデータ・セットを読み取る。第1の読取りヘッドは幅を有し、第1のトラックはトラック幅を有し、読取り操作は、第1の読取りヘッドを第1のトラックの中心に配置することを含む。この方法は、読取り操作を実行しているときに読取りエラーが発生したと判定することを含むことができる。読取り操作を実行しているときに読取りエラーが発生したと判定したことに応答して、この方法は、エラー回復手順(error recovery procedure)を実行することを含むことができる。このエラー回復手順は、書込み中読取り(read-while-write)操作で使用することができるドライブの第2の読取りヘッドが、完全に第1のトラックのトラック幅の内側を通るように構成されているのか、または部分的に第1のトラックのトラック幅の外側を通るように構成されているのかを判定することを含むことができる。第2の読取りヘッドは、特定のテープ・ドライブ世代と一致する幅を有し、第2の読取りヘッドの幅は、トラック上の確認済みエリアを画定する。このエラー回復手順はさらに、第2の読取りヘッドは完全に第1のトラックのトラック幅の内側を通るように構成されていると判定したことに応答して、第1の読取りヘッドを第2の位置に配置することを含むことができる。第2の位置は、第2の読取りヘッドの確認済みエリアの内側にあることができる。
【0004】
さまざまな実施形態において、エラー回復手順はさらに、第2の位置にある第1の読取りヘッドを使用して読取り操作を実行することを含む。
【0005】
さまざまな実施形態において、エラー回復手順はさらに、特定のテープ・ドライブ世代として、テープ・メディア上にデータ・セットを書き込むことができる一組のテープ・ドライブ世代の中から第1のテープ・ドライブ世代を選択することを含む。
【0006】
さまざまな実施形態において、エラー回復手順はさらに、第2の位置にある第1の読取りヘッドを使用して読取り操作を実行すること、第2の位置で読取り操作を実行しているときに読取りエラーが発生したと判定すること、および第2の位置で読取り操作を実行しているときに読取りエラーが発生したと判定したことに応答して、特定のテープ・ドライブ世代として、テープ・メディア上にデータ・セットを書き込むことができる一組のテープ・ドライブ世代の中から第2のテープ・ドライブ世代を選択することを含む。
【0007】
さまざまな実施形態において、エラー回復手順はさらに、第2の読取りヘッドは部分的に第1のトラックのトラック幅の外側を通るように構成されていると判定したことに応答して、確認済みエリアの、第1のトラックのトラック幅の内側にある部分が、第1の読取りヘッドの幅よりも広いかどうかを判定すること、確認済みエリアの、第1のトラックのトラック幅の内側にある部分は、第1の読取りヘッドの幅よりも広いと判定したことに応答して、第1の読取りヘッドを第2の位置に配置することであり、第2の位置が、第2の読取りヘッドの確認済みエリアの、第1のトラックのトラック幅の内側にある部分の内側にある、配置すること、および第2の位置にある第1の読取りヘッドを使用して読取り操作を実行することを含む。
【0008】
さまざまな実施形態において、エラー回復手順はさらに、第2の読取りヘッドは部分的に第1のトラックのトラック幅の外側を通るように構成されていると判定したことに応答して、確認済みエリアの、第1のトラックのトラック幅の内側にある部分が、第1の読取りヘッドの幅よりも広いかどうかを判定すること、確認済みエリアの、第1のトラックのトラック幅の内側にある部分は、第1の読取りヘッドの幅よりも広くないと判定したことに応答して、第1の読取りヘッドを第2の位置に配置することであり、第2の位置が、第2の読取りヘッドの確認済みエリアの、第1のトラックのトラック幅の内側にある部分の内側にあり、第2の位置が、第1の読取りヘッドの側面が第1のトラックの境界線のところに位置する位置である、配置すること、および第2の位置にある第1の読取りヘッドを使用して読取り操作を実行することを含む。
【0009】
さまざまな実施形態において、エラー回復手順はさらに、トラックからデータ・セット情報テーブルが成功のうちに読み取られたかどうかを判定すること、およびトラックからデータ・セット情報テーブルが成功のうちに読み取られたと判定したことに応答して、データ・セット情報テーブルの中に格納されたテープ・ドライブ世代を特定のテープ・ドライブ世代としてセットすることを含む。
【0010】
さらに、さまざまな実施形態が、テープ・ドライブにおける読取りエラー回復のための方法であって、データを読み取ることを求めるリクエストを受け取ったときにデータを読み取るために、データが書き込まれたテープのトラックの中心にテープ・ドライブの第1の読取りヘッドを配置することを含む方法を対象としている。さらに、この方法は、リードバック(read back)操作中にエラーが発生したときにヘッド・シフト幅を決定すること、および第1の読取りヘッドを再配置することを含むことができ、第1の読取りヘッドを再配置することは、データを書き込んだ書込みドライブの第2の読取りヘッドがテープのテープ・フォーマットのトラック・ピッチ上を通る場合に、第1の読取りヘッドを、データを書き込んだ書込みドライブの書込みヘッドに関連した第2の読取りヘッド位置の範囲内の位置にセットすることによって実行される。
【0011】
追加の実施形態では、テープ・ドライブにおける読取りエラー回復のためのこの方法が、データを書き込んだドライブの第2の読取りヘッドが、テープのテープ・フォーマットのトラック・ピッチの境界線をまたいで通り、トラック・ピッチの内側の有効データ幅が第1の読取りヘッドの幅よりも広い場合に、第1の読取りヘッドを、データを書き込んだ書込みドライブの書込みヘッドに関連した第2の読取りヘッド位置のトラック・ピッチの内側にある位置にセットすることをさらに含むことができる。
【0012】
追加の実施形態では、テープ・ドライブにおける読取りエラー回復のためのこの方法が、データを書き込んだ書込みヘッドに関連した第2の読取りヘッドが、テープのテープ・フォーマットのトラック・ピッチ境界線をまたいで通り、トラック・ピッチの内側の有効データ幅が第1の読取りヘッドの幅よりも狭いときに、第1の読取りヘッドを、データの書込み時に書込みヘッドがまたいだ、テープのテープ・フォーマットのトラック・ピッチの端の位置にセットすることをさらに含むことができる。
【0013】
追加の実施形態では、テープ・ドライブにおける読取りエラー回復のためのこの方法が、テープ・ドライブの書込みヘッドを用いてテープにデータを書き込んでいる間に、書込みヘッドに関連した第2の読取りヘッドを使用して、データの読取り確認を実行することをさらに含むことができる。
【0014】
さらに、さまざまな実施形態が、上記の方法の1つまたは複数の態様を実行することができるテープ・ドライブのエラー回復手順を有するテープ・ライブラリ・システムを対象としている。
【0015】
さらに、さまざまな実施形態が、テープ・ドライブにおける読取りエラー回復のためのコンピュータ・プログラム製品を対象としており、このコンピュータ・プログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータ可読ストレージ・メディアと、この1つまたは複数のコンピュータ可読ストレージ・メディア上に集合的に記憶されたプログラム命令とを含み、このプログラム命令は、テープ・ライブラリ内の処理論理によって、上記の方法の1つまたは複数の態様をテープ・ライブラリに実行させるように実行可能である。
【0016】
上記の概要が、本開示の図示されたそれぞれの実施形態または全ての実施態様を説明することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】さまざまな実施形態による、テープ・メディア上のデータ・トラックのレイアウトを示す図である。
図2】さまざまな実施形態による、5世代のテープ・ドライブのトラック・ピッチ、書込みヘッド幅および読取りヘッド幅、ならびに3世代のテープ・ドライブの例示的な書込みヘッドおよび読取りヘッドを示す図である。
図3】さまざまな実施形態による、書込み中読取り操作で使用するために2つの書込みヘッド間に配置された1つの読取りヘッドを示す図である。
図4】さまざまな実施形態による、データ書込み時の位置エラーの許容範囲を示す図である。
図5】さまざまな実施形態による、書込み中読取り操作でトラックにデータが書き込まれるときの読取りヘッドの位置の一例を、読取り操作でトラックからデータが読み取られるときの読取りヘッドの位置との比較で示す図である。
図6】さまざまな実施形態による、書込み中読取り操作でデータがトラックに書き込まれるときの読取りヘッドの位置の別の例を、読取り操作でトラックからデータが読み取られるときの読取りヘッドの位置との比較で示す図である。
図7】さまざまな実施形態による、書込み中読取り操作でデータがトラックに書き込まれるときの読取りヘッドの位置の別の例を、読取り操作でトラックからデータが読み取られるときの読取りヘッドの位置との比較で示す図である。
図8】さまざまな実施形態による、エラー回復手順を含む読取り方法を示す図である。
図9】エラー回復手順のオフセット法で使用するオフセット値を決定するためのプロセスを示す図である。
図10】さまざまな実施形態による、書込み中読取り操作で使用される書込みヘッドおよびその関連する読取りヘッドに対する、読取り操作で使用される読取りヘッドのさまざまな位置の一例を示す図であり、読取りヘッドのさまざまな位置はオフセット法によって決定される。
図11】さまざまな実施形態による、書込み中読取り操作で使用される書込みヘッドおよびその関連する読取りヘッドに対する、読取り操作で使用される読取りヘッドのさまざまな位置の別の例を示す図であり、読取りヘッドのさまざまな位置はオフセット法によって決定される。
図12】さまざまな実施形態による、書込み中読取り操作で使用される書込みヘッドおよびその関連する読取りヘッドに対する、読取り操作で使用される読取りヘッドの位置の別の例を示す図であり、読取りヘッドの位置はオフセット法によって決定される。
図13】さまざまな実施形態に基づく、3世代テープ・ドライブの重なり幅比(overwrapped width ratio)をオフセット対マージン比に対して示したグラフである。
図14】本発明の態様を実施することができるクライアント-サーバ・ライブラリ・システムを示すブロック図である。
図15】さまざまな実施形態による、クライアント、サーバまたはホスト・コンピュータとして使用することができるコンピュータ・システムを示すブロック図である。
図16】さまざまな実施形態による、ホスト・コンピュータと通信している例示的なデータ・ストレージ・テープ・ライブラリを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図および詳細な説明では、同じデバイス、部品、構成要素、ステップ、操作などを指すために同じ符号が使用されることがある。本開示に記載された発想および実施形態はさまざまな変更および代替形態を受け入れるが、それらの明細は図面に例示的に示されており、詳細に説明される。しかしながら、その意図は、特許請求項を、記載された特定の実施形態だけに限定しないことにあることを理解すべきである。反対に、その意図は、本発明の思想および範囲に含まれる全ての変更、等価物および代替物をカバーすることにある。
【0019】
それぞれの世代のテープ・ストレージ・デバイスは、ますます高い密度およびますます狭いトラック幅(またはトラック・ピッチ)でデータの読取りおよび書込みを実行する。テープ・ヘッド、テープ経路およびメディアは全て摩耗および細片(debris)の影響を受ける。環境条件がテープの損傷または歪みを引き起こすこともある。テープからデータを読み取るときには、劣化したメディアまたは他の伝送欠陥のために、書き込まれたデータにエラーが発生しうる。ますます高い密度およびますます狭いトラック幅が読取りエラーの発生を増大させることがある。
【0020】
異なる世代のテープは、異なるデータ・フォーマットおよび異なるトラック・ピッチを有する。さらに、異なる世代のテープ・ドライブによって書き込まれたデータは、異なるサイズの読取りヘッド要素および書込みヘッド要素を有する。より早い世代のテープ・ヘッドによってデータが書き込まれたより早い世代のテープが後に、より後の世代のテープ・ドライブを用いて読み取られるときには、追加のエラー源が生み出される。
【0021】
最初にデータを書き込むとき、テープ・ドライブは、そのデータを、書込み中読取り操作を使用して書き込むことができる。書込み中読取り操作では、書込みヘッドの後に読取りヘッドが続き、データを書き込んだ直後にそのデータを読み取る。書込み中読取り操作は、テープ上に確認済みエリアまたは確認済み領域を効果的に画定する。
【0022】
磁気テープ・メディア上に記憶されたデータ・セットをテープ・ドライブが読み取ることができないときにはエラー回復プロセスが実行される。このプロセスは、ヘッドを再配置してメディアからデータを再読取りする一連の読取り試行を含むことができる。それぞれの再試行は、データを成功のうちに読み取るために、読取り速度を変化させ、試行のデータフロー、チャネルおよびサーボ・セッティングを変更することができる。エラー回復手順の1つによれば、テープ・ドライブは、読取りヘッド位置を、データが書き込まれたトラックの中心からオフセットの分だけシフトさせることによって、データ・セットを読み取ることができる。さまざまな実施形態が、ヘッド・シフト幅またはオフセット値を決定することを対象としている。
【0023】
テープ・メディアの世代、データを書き込んだテープ・ドライブの世代、データを書き込んだテープ・ドライブに関連した確認済み領域、および現在データを読み取ろうとしているテープ・ドライブの世代を考慮することによって決定されるヘッド・シフト・オフセットは、読取り操作を成功に導くことがある。
【0024】
(1)データを書き込んだテープ・ドライブの読取りヘッドが、完全にデータ・トラックの、テープ世代のフォーマットによって画定されたトラック・ピッチの内側を通るときには、データを読み取るテープ・ヘッドの読取りヘッドを、データが書き込まれたときに書込みドライブの読取りヘッドが通った範囲の位置、すなわち確認済みエリアの内側の位置にセットすることができる。
【0025】
(2)データを書き込んだテープ・ドライブの読取りヘッドが、データが書き込まれたときにテープ世代フォーマットのトラック・ピッチ境界線をまたいでおり、すなわち、確認済みエリアが、部分的にデータ・トラックのトラック・ピッチの内側および部分的にデータ・トラックのトラック・ピッチの外側にあり、トラック・ピッチの内側の確認済みエリアの幅が読取りドライブの読取りヘッド幅よりも広いときには、データを読み取るテープ・ヘッドの読取りヘッドを、データが書き込まれたときの書込みドライブの読取りヘッドの範囲のトラック・ピッチの内側の位置、すなわちデータ・トラックの内側の確認済みエリアの内側の位置にセットすることができる。
【0026】
(3)データを書き込んだテープ・ドライブの読取りヘッドが、データが書き込まれたときにテープ世代フォーマットのトラック・ピッチ境界線をまたいでおり、すなわち、確認済みエリアが、部分的にデータ・トラックのトラック・ピッチの内側および部分的にデータ・トラックのトラック・ピッチの外側にあり、トラック・ピッチの内側の確認済みエリアの幅が読取りドライブの読取りヘッド幅よりも狭いときには、データを読み取るテープ・ヘッドの読取りヘッドを、データの書込み時に書込みヘッドが横切りまたはまたいだ、トラック・ピッチの端の位置にセットすることができる。
【0027】
図1は、さまざまな実施形態による、テープ・メディア上のデータ・トラックのレイアウトを示している。テープ・メディア、例えば磁気テープは垂直方向(幅)および水平方向(長さ)を有する。テープ・メディアは、垂直方向(幅)に沿って多数のラップに分割されている。図1に示されているように、ドライブは、偶数ラップ上に、テープの始端(the beginning of the tape)(BOT)からテープの終端(the end of the tape)(EOT)へ水平順方向にデータを線状に書き込み、次いで、奇数ラップ上に、EOTからBOTへ水平逆方向にデータを線状に書き込む。それぞれのラップの幅はトラック・ピッチ(Wtp)と呼ばれる。
【0028】
テープ・メディア上にデータが正確に書き込まれることを保証するため、書込み操作中に書込みヘッドを使用してテープにデータを書き込んでいるときに、テープに書き込まれたデータを読取りヘッドを使用してリードバックするように、テープ・ドライブを構成することができる。この確認機構は「書込み中読取り」と呼ばれる。データの書込み時に、テープに書き込まれたデータをテープ・ドライブがリードバックするとき、この書込み操作は「書込み中読取り操作」と呼ばれることがある。ドライブは、この書込み中読取り操作を、偶数ラップ上と奇数ラップ上(順方向と逆方向)の両方で実行する。
【0029】
図3は、さまざまな実施形態による、書込み中読取り操作で使用するために2つの書込みヘッド302、304間に配置された1つの読取りヘッド306を示している。さまざまな実施形態で、テープ・ドライブは、少なくとも、1つの書込みヘッドおよび1つの読取りヘッドを有することができる。さまざまな実施形態によれば、ドライブは、図3に示されているように、2つの書込みヘッド302、304および1つの読取りヘッド306を備える。読取りヘッド306は、2つの書込みヘッド302、304間に物理的に挟まれている。データは両方向に(偶数ラップ300および奇数ラップ301に)書き込まれるため、データが偶数ラップ300に書き込まれているのか、または奇数ラップ301に書き込まれているのかに関わらず、読取りヘッドは、常に一方の書込みヘッドの後ろに読取りヘッドがあるように、書込みヘッドの中心に配置されている。データの書込み時に、テープに書き込まれたデータをテープ・ドライブがリードバックするとき、テープ・ドライブは、テープ上に確認済みエリアまたは確認済み領域を効果的に画定する。「確認済み領域」は、書込み中読取り操作で使用された読取りヘッドの幅と一致し、読取りヘッドの後ろに水平に延びる。書込み中読取り操作で使用される読取りヘッドは書込みヘッドよりも幅が狭いため、確認済み領域の幅は、書込みヘッドの後ろのデータが書き込まれた領域の幅よりも狭くなる。
【0030】
トラック配置の正確さは、データ・ライタに対するサーボ・リーダの配置によって達成される。ドライブは、テープ・メディアの表面に書き込まれたサーボ・パターンを読み取って、垂直(幅)位置におけるドライブの位置を推定する。例えば、ドライブは、反対方向にデータを読み取るためまたは反対方向にデータを書き込むために方向を逆にする前に、それぞれのラップの終端で、サーボ・パターンに基づいてヘッドを異なる垂直(幅)位置に移動させる。テープの歪みおよび書込みドライブのマージン特性は最適なトラック位置を変化させうる。さまざまな実施形態によれば、回復プロセスが呼び出されたときに、普通はサーボ制御が選ぶことになるこの位置オフセットに正または負の値を加算することができる。
【0031】
図4は、さまざまな実施形態による、データ書込み時の位置エラーの許容範囲を示している。テープ上もしくはヘッド表面の細片またはテープの歪みなどのために、ドライブ位置が予期せずに移動した場合、ドライブは次のラップにデータを書き込む可能性がある。この問題を回避するため、ドライブは、図4に示されているように位置エラーが予め定められた幅よりも大きくなったことをドライブが検出したときに、書込みイネーブル信号を強制的にドロップする。図4は、書込み中読取り操作でトラックにデータが書き込まれるときの書込みヘッド402、404の位置を示している(分かりやすくするため関連する読取りヘッドは省かれている)。書込みヘッド402、404の位置が+αμmまたは-αμmよりも大きくずれた場合には、書込みヘッド位置エラーが発生する。読取り操作でそのトラックからデータを読み取るときの読取りヘッド406の位置も示されている。読取りヘッド406のテープ・ドライブ世代は書込みヘッド402、404とテープ・ドライブ世代と同じである。読取り操作では読取りヘッド406の初期位置がトラックの中心にあることがあることを理解することができる。
【0032】
データ・トラック(ラップとも呼ばれる)を部分的に重ね合わせ、それによってテープの横断方向のデータ・トラックの数を増やすことによって、テープ・メディア上に記憶されるデータの量を増やすことができる。この技術は「シングリング(shingling)」と呼ばれる。より幅の広い従来のライタを使用してより幅の狭いトラックに書き込むために、シングリングを使用して、書込み済みのトラックの幅を調整することができる。このことは、後方互換性(backward compatibility)を可能にする。書込みヘッド幅WWHはトラック・ピッチWtpよりも広いため、ドライブが次のラップにデータを書き込むとき、書込みヘッドは、以前のラップのトラック・ピッチを超えるデータを上書きする(シングリング)。ドライブは、偶数ラップ上(順方向)で、以前のラップの下側のシングリング・エリアを上書きし、奇数ラップ上(逆方向)で、以前のラップの上側のシングリング・エリアを上書きする。
【0033】
テープ・ドライブの新たな世代が発表されるときには常に、テープ・メディアにより大量のデータを記憶するために、トラック・ピッチの幅が、以前の世代のテープ・ドライブのトラック・ピッチよりも狭くなる。書込みヘッド幅(WWH)は、以前のテープ・ドライブ世代のトラック・ピッチと同じ幅として設計される。以前の世代のトラック・ピッチの幅を有する新たな世代の書込みヘッドを提供することによって、その新たな世代のテープ・ドライブは、以前のテープ・ドライブ世代のフォーマットでデータを書き込むことができる。新たな世代の読取りヘッド幅(WRH)は、新たな世代および以前の世代のデータ・フォーマットのトラック・ピッチよりも狭い。新たな世代のドライブは、たとえ読取りヘッド位置がノイズによってある長さだけシフトした場合であっても、以前の世代のトラック・ピッチ上に記憶されたデータを、より幅の狭い読取りヘッドを使用してリードバックすることができる。したがって、より新たな世代テープ・ドライブは、より古い世代テープ・ドライブによって書き込まれたテープを読み取る機能を有する。
【0034】
図2は、5世代のテープ・ドライブのトラック・ピッチ、書込みヘッド幅および読取りヘッド幅を示している。図2はさらに、3世代の例示的な書込みヘッドおよび読取りヘッドを示している。図2から分かるように、テープ・ドライブは、ますます幅の狭いトラック・ピッチ上にデータを記録することを要求される。トラック・ピッチの幅がますます狭くなるにつれて、テープ・メディアの表面のわずかな歪みまたは細片による位置エラーはより一般的になる。(後述する実施形態で使用するため、図2に示されたデータをコンピュータ・メモリに記憶することができる。)図2に示された例は、可能な一部の世代のテープ・ドライブのみの例であり、たとえそれが図に示されていないとしても、本発明の原理は、適当な既存の世代のテープ・ドライブまたは適当な将来の世代のテープ・ドライブに適用することができることを理解すべきである。
【0035】
いくつかの事例では、ドライブが、同じテープ・ドライブによって書き込まれたデータをリードバックすることができないことがある。これは、摩耗したテープまたは劣化したテープ・ドライブ・ヘッドによって引き起こされうるが、重要な理由は、ドライブがラップにデータを書き込むときの読取りヘッド位置が、ドライブがそのラップからデータをリードバックするときの読取りヘッド位置とは異なることである。
【0036】
シングリングによって、ドライブがラップにデータを書き込むときの読取りヘッドの位置は、ドライブがそのラップからデータをリードバックするときの読取りヘッドの位置とは異なるであろう。この差は、オフセットまたは重なり割合(パーセント)として定量化することができる。1つの世代の読取りヘッドが、以前の世代の書込みヘッドによって書き込まれたデータを読み取ると、オフセットは増大し、重なり割合は低下する。したがって、ドライブが、より早い世代のテープ・ドライブによって書き込まれたデータを読み取るときには、エラーが増える可能性がある。
【0037】
図5は、さまざまな実施形態による、書込み中読取り操作でトラックにデータが書き込まれるときの読取りヘッド506の位置の一例を、続いて読取り操作でそのトラックからデータが読み取られるときの読取りヘッド508の位置との比較で示している。図5の例では、読取りヘッド508と書込みヘッド502(および関連する読取りヘッド506)の世代が同じである。図5は、LTO7テープ上での書込み中読取り操作と通常の読取りとの間のLTO7ドライブの読取りヘッドの位置を示している。LTO7トラック・ピッチは2.88μm、書込みヘッド幅は4.75μm、読取りヘッド幅は2.3μmである。上述のとおり、書込み中読取り操作の場合、読取りヘッドは、読取りヘッドが、書込みヘッドがデータを書き込んでいる領域の中心からデータをリードバックするように、書込みヘッドの中心に配置されているが、図5に示されているとおり、この位置はLTO7トラック・ピッチの外に出ている。通常の読取り操作でドライブがテープからデータをリードバックするとき、ドライブは読取りヘッドをトラック・ピッチの中心に配置する。これらの読取りヘッドの対応するそれぞれの位置間のオフセットは0.935μmであり、読取りヘッド幅の59.3%だけが重なっている。
【0038】
図6は、さまざまな実施形態による、書込み中読取り操作でトラックにデータが書き込まれるときの読取りヘッド606の位置の別の例を、読取り操作でそのトラックからデータが読み取られるときの読取りヘッド608の位置との比較で示している。図6の例では、読取りヘッド608が1つの世代のものであり、書込みヘッド602(および関連する読取りヘッド606)が以前の世代のものである。図6は、LTO6テープ・ドライブによって書き込まれたLTO6テープ上のデータをLTO7テープ・ドライブが読み取るときのケースを示している。LTO6トラック・ピッチは4.75μm、書込みヘッド幅は8.1μm、読取りヘッド幅は2.8μmである。通常の読取り操作でドライブがテープからデータをリードバックするとき、ドライブは読取りヘッドをトラック・ピッチの中心に配置する。LTO6テープ・ドライブを使用した書込み中読取り操作での読取りヘッドの位置は、LTO7読取りヘッドを使用してデータをリードバックするときの通常の読取り操作での読取りヘッドの位置から1.425μmオフセットされている。さらに、これらの読取りヘッドの対応するそれぞれの位置の幅の38.0%だけが重なっている。
【0039】
図7は、さまざまな実施形態による、書込み中読取り操作でトラックにデータが書き込まれるときの読取りヘッド706の位置の別の例を、読取り操作でそのトラックからデータが読み取られるときの読取りヘッド708の位置との比較で示している。図7の例では、読取りヘッド706が1つの世代のものであり、書込みヘッド702(および関連する読取りヘッド706)が以前の世代のものである。図7は、LTO5テープ・ドライブによって書き込まれたLTO5テープ上のデータをLTO7テープ・ドライブが読み取るときのケースを示している。LTO5トラック・ピッチは8.1μm、書込みヘッド幅は11.5μm、読取りヘッド幅は3.8μmである。LTO5テープ・ドライブを使用した書込み中読取り操作での読取りヘッドの位置は、LTO7ドライブを使用してデータをリードバックするときの通常の読取り操作での読取りヘッドの位置から0.95μmオフセットされている。さらに、これらの読取りヘッドの対応するそれぞれの位置の幅の58.7%だけが重なっている。
【0040】
さまざまな実施形態によれば、テープ上に書き込まれたデータを読み取ることができないときには、読取りのためのエラー回復手順(ERP)が実行される。ERPは、ドライブのセッティング(例えばチャネル、データフローまたはヘッド・セッティング)を繰り返し変更し、読取り操作を、テープを読むことができるようになるまで繰り返す。ERPは、最高約70回実行することができ、データを依然として読み取ることができない場合にはホストにエラーが返される。ERPは、いくつかのオプションまたは代替のエラー回復法を含むことができる。
【0041】
さまざまな実施形態によれば、ERP法が読取りヘッド位置をシフトさせる。シフト幅は、特定の比率、例えばヘッド・マージンの2/3によって決定することができる。ヘッド・マージンは、読取りヘッドの端からトラック・ピッチの端までの距離である。このシフト幅は下式によって表すことができる。
d=±(Wtp/2-WRH/2)×2/3
【0042】
特定の比率に基づいて読取りヘッド位置をシフトさせる上記のERP法は、書込み中読取り操作中の読取りヘッド位置、確認済みエリアおよび読取りヘッド幅を考慮しない。読取りヘッド位置を特定の比率だけシフトさせると、読取りに成功しないことがあり、または読取り試行に成功するまでに多数の位置を試みる必要が生じることがある。一方、単純な比率よりも多くの情報を考慮する式によって決定された量だけ読取りヘッド位置をシフトさせると、読取りに成功することがある。
【0043】
さまざまな実施形態が、通常の読取り操作中に読取りヘッドをシフトさせる量を決定するときに、書込み中読取り操作中の読取りヘッドの位置、確認済みエリアおよび読取りヘッド幅を考慮するERP法を対象としている。これらの実施形態はオフセットERP法と呼ばれることがある。
【0044】
これらの実施形態を図8に示された読取り方法に組み込むことができる。
【0045】
図8は、ERPを含む読取り方法(800)を示している。テープ・メディア上の指定された位置から特定のデータ・セットを読み取る操作を実行する(804)。読取り操作に成功したかどうかを判定する(806)。読取り操作に成功した場合、この方法はループして、読み取る次のデータ・セットを選択する(808)。読取り操作に成功しなかった場合、方法は読取りERPに進む(810)。読取りERP(810)で、そのデータ・セットを読み取ることを繰り返し試みる。812で、ERP限度を超えたかどうかを判定する。ERP限度の例は10、20、30、40、50、60、70である。ERP限度を超えた場合、読取りは失敗である(814)。一方、ERP限度を超えていない場合には、さまざまなERPオプションのうちの1つのオプションを選択することができる(816)。818で、オフセットERPオプションが選択されたかどうかを判定する。オフセットERPオプションが選択されていない場合、方法は、選択された別のERP法に進む(820)。オフセットERPオプションが選択された場合、方法は、オフセットERP法に進む(822)。
【0046】
822でオフセットERP法が選択されたときには、読取りヘッドの位置を、そのデータ・セットが書き込まれた書込み中読取り操作中に読取りが実行された位置へ移動させる。読取りヘッドの位置を、トラック・ピッチの中心から特定の幅だけシフトさせる。本明細書では、トラックの中心から読取りヘッドをシフトさせる幅をオフセットと呼ぶ。さまざまな実施形態が、このオフセットの値を計算することを対象としている。
【0047】
テープ・ドライブは、テープ上での読取りおよび書込みをデータ・セット・ベースで実行する。それぞれのデータ・セットは、そのデータ・セットに登録されたデータ・セット情報テーブル(data set information table)(DSIT)と呼ばれるデータを含み、DSITは、データ・セット番号などのメタ情報を含む。メタ情報の1つは、そのデータ・セットを書き込んだテープ・ドライブに関する情報である。データ・セットを読み取ることはできないが、DSITを読み取ることはできるときには、そのデータ・セットを書き込んだテープ・ドライブの世代に関する情報を取得することができる。後述する操作912では、オフセットを計算するために使用することができるさまざまな値が説明される。
【0048】
図9は、オフセットERP法で使用するオフセット値を決定するためのプロセス900を示している。818でオフセットERPオプションが選択されたときには、図9に示されたプロセスに従ってオフセット値を計算する。このオフセット値は、トラックの中心からヘッドをシフトさせる幅である。オフセット値を計算した後、ドライブの読取りヘッドの位置を、トラック・ピッチの中心から新たな位置へ、オフセット値の分だけシフトさせる。次いで、新たな位置にある読取りヘッドを用いてデータ・セットを読み取る通常の読取り操作を実行する。読取りヘッドの新たな位置は、そのデータ・セットがそのトラックに最初に書き込まれたときに書込みヘッドに関連した読取りヘッドによって書込み中読取り操作中に読取りが実行された位置と一致する。
【0049】
テープ・ドライブは、テープ上での読取りおよび書込みをデータ・セット・ベースで実行する。それぞれのデータ・セットは、そのデータ・セットに登録されたデータ・セット情報テーブル(DSIT)と呼ばれるデータを有し、DSITは、データ・セット番号などのメタ情報を含む。メタ情報の1つは、そのデータ・セットを書き込んだテープ・ドライブに関する情報である。
【0050】
904で、プロセス900に入る。906で、DSITを読み取ることができるかどうかを判定する。データ・セットを読み取ることはできないが、DSITを読み取ることはできるときには、そのデータ・セットを最初に書き込んだテープ・ドライブの世代(g)に関する情報を取得することができる。そのデータ・セットを最初に書き込んだテープ・ドライブの世代を取得することができるときには、908で、その世代のドライブの書込みヘッド幅を使用する(「gをセットする」)。
【0051】
反対に、テープ・ドライブの世代を取得することができないとき、方法は910(「データを書き込むことができる1つの世代を選択する」)に進み、そのテープ上にそのデータ・セットを書き込むことができる一組の世代の中からテープ・ドライブ世代を選択する。例えば、そのデータ・セットがLTO6テープのフォーマットで書き込まれている場合には、LTO6ドライブおよびLTO7ドライブがそのテープにデータを書き込むことができることが(図2のデータから)分かる。ERPは繰り返し実行されるため、選択された第1の世代のヘッド幅を用いてそのデータ・セットを読み取ることができないときには、910で、一組のテープ・ドライブ世代、例えば図2に示された世代のうちの残りのテープ・ドライブ世代の中から、第2、第3およびさらにそれ以降のテープ・ドライブ世代を選択することができ、そのデータ・セットが成功のうちに読み取られるまで、世代ごとにこの方法を繰り返すことができる。したがって、そのデータ・セットを書き込むことができる全てのテープ・ドライブ世代の書込みヘッド幅に関係したオフセットを用いて、そのデータを読み取ることを試みることが可能である。選択の順序に関しては、以前に(および最も最近に)成功のうちに読み取ったデータ・セットを書き込んだドライブの世代と同じテープ・ドライブ世代の書込みヘッド幅を使用することが効率的であることがあり、そのような書込みヘッド幅を最初に選択することができる。しかしながら、他の実施形態では、異なる選択順序を使用すること、例えば最も新しい世代から最も古い世代へまたは最も古い世代から最も新しい世代へ世代を順次使用することができる。
【0052】
912で、選択した世代について、オフセットを計算するために使用する以下の値をセットする。
:データ・セットを読み取るドライブの世代
:データ・セットを書き込んだドライブ(または、分からない場合には、データ・セットを書き込むことができるドライブの中から選択したドライブ)の世代
g:テープ上に書き込まれたデータ・フォーマットの世代
RH(g):データを読み取るドライブの読取りヘッドの幅
WH(g):データ・セットを書き込んだドライブの書込みヘッドの幅
tp(g):テープ上に書き込まれたデータ・フォーマットのトラック・ピッチ
α:データ書込み中に書込みを停止することなく書込みを維持するヘッドのシフト幅
【0053】
さまざまな実施形態で、DSITは、操作912に関して上で説明したさまざまな値のうちの1つまたは複数の値を格納することができる。さらに、テープ世代フォーマットに対する値「g」は、特定のテープ・カートリッジのためのメモリに記憶されたデータから取得することができる。
【0054】
選択した世代に対するオフセットを計算するために使用する値をセットした後、いくつかの条件を評価する。914で、第1の不等式(条件1)が満たされているかどうかを判定する。
条件1:WWH(g)/2+WRH(g)/2<Wtp(g)-α
【0055】
条件1は、書込み中読取り操作でテープ・メディア上にデータを書き込んだドライブの読取りヘッドが、完全にデータ・トラックまたはラップのトラック・ピッチまたはトラック幅の内側を通ったケースと一致する。条件1が満たされているときは、916でオフセットを決定し、922で、読取りヘッドを、計算されたオフセットに基づく位置へ移動させる。この位置は、データ・セットを書き込んだドライブの、完全にトラック・ピッチの内側にある書込みヘッド幅の中心にあるであろう。通常の読取り操作中に使用される読取りヘッドは、書込み中読取り操作で読取りヘッドによって確認された確認済み領域よりも幅が狭いことがあるため、読取りヘッドを2つ以上の位置に移動させることが可能であることがある。そのため、916でのオフセットの決定は、最大および最小オフセットを計算することを含むことがある。操作922は、読取りヘッドを移動させた位置で読取り操作を実行することを含むことができる。
【0056】
図10は、さまざまな実施形態による、書込み中読取り操作で使用される書込みヘッド1002およびその関連する読取りヘッド1006に対する、通常の読取り操作で使用される読取りヘッド1008のさまざまな位置の一例を示しており、通常の読取り操作で使用される読取りヘッド1008のさまざまな位置またはオフセットはオフセット法によって決定される。図10に示されているように、読取りのために、データ・セットを書き込んだドライブの読取りヘッドの幅の内側の位置に読取りヘッド1008を固定することによって、書込み中読取り操作で確認されたエリア1020から、データ・セットを完全に読み取ることができる。例えば、1回目のERP反復1014に対して位置オフセットmin(1010)でデータを読み取ること、ERPの次の反復1016に対して位置オフセットmax(1012)でデータを読み取ること、および3回目のERP反復1018に対してオフセットminとオフセットmaxの間の中間位置でデータを読み取ることが可能である。データ・セットが正確に読み取られた後、このERP法を停止することができる。その時のトラック・ピッチ(1022)の中心からの移動距離オフセットは下式によって表される。
オフセットmin≦オフセット≦オフセットmax、この式で
オフセットmin=[WWH(gw)-Wtp(g)-{WRH(gw)-WRH(gr)}]/2
オフセットmax=[WWH(gw)-Wtp(g)+{WRH(gw)-WRH(gr)}]/2
【0057】
914で、第1の不等式(条件1)が満たされていないと判定されることがある。そのように判定された場合には、914で、第2の不等式(条件2)が満たされているかどうかを判定することができる。
条件2 Wtp(g)-WWH(gw)/2+WRH(gw)/2>WRH(gr)
【0058】
条件2は、書込み中読取り操作でテープ・メディア上にデータを書き込んだドライブの読取りヘッドが、部分的にデータ・トラックのトラック・ピッチの内側を通り、部分的にデータ・トラックのトラック・ピッチの外側を通ったケースと一致する。言い換えると、書込み中読取り操作で読取りヘッドによって確認されたエリアが、データ・トラックのピッチの境界線または境界をまたいでいる。条件1が満たされておらず、条件2が満たされている状態では、データ・セットを書き込んだドライブの読取りヘッドがトラック・ピッチの外に出ている。さらに、条件2は、トラック・ピッチの内側の確認済みエリアが読取りヘッドの幅より幅が広いケースと一致する。条件2が満たされているときには、918でオフセットを決定し、922で、読取りヘッドを、計算されたオフセットに基づく位置へ移動させる。通常の読取り操作中に使用される読取りヘッドは、データ・トラックの境界の内側に含まれる、読取りヘッドによって確認された確認済み領域よりも幅が狭いことがあるため、読取りヘッドを2つ以上の位置に移動させることが可能であることがある。そのため、918でのオフセットの決定は、最大および最小オフセットを計算することを含むことがある。操作922は、読取りヘッドを移動させた位置で読込み操作を実行することを含むことができる。
【0059】
図11は、さまざまな実施形態による、書込み中読取り操作で使用される書込みヘッド1102およびその関連する読取りヘッド1106に対する、読取り操作で使用される読取りヘッド1108のさまざまな位置の例を示しており、読取りヘッドのさまざまな位置はオフセット法によって決定される。図11に示されているように、読取りのために、データ・セットを書き込んだドライブの読取りヘッド1106の幅の内側の位置に読取りヘッド1108を固定することによって、書込み中読取り操作によって確認されたエリア1120から、データ・セットを完全に読み取ることができる。例えば、1回目のERP反復1114に対して位置オフセットmin(1110)でデータを読み取ること、次のERP反復1116に対して位置オフセットmax(1112)でデータを読み取ること、および3回目のERP反復1118に対してオフセットminとオフセットmaxの間の中間位置でデータを読み取ることが可能である。データ・セットが正確に読み取られた後、このERP法を停止することができる。その時のトラック・ピッチ(1122)の中心からの移動距離オフセットは下式によって表される。
オフセットmin≦オフセット≦オフセットmax、この式で
オフセットmin=[WWH(gw)-Wtp(g)-{WRH(gw)-WRH(gr)}]/2
オフセットmax=Wtp(g)/2-WRH(gr)/2-α
【0060】
914で、条件1もまたは条件2も満たされていないと判定されることがある。第2の不等式が満たされることもあるが、条件2も、トラック・ピッチの内側の確認済みエリアが読取りヘッドの幅よりも広いことを要求する。通常の読取り操作での読取りヘッドの幅が、書込み中読取り操作中に読取りヘッドによって確認済みエリアよりも広い場合、条件2は満たされていない。条件1もまたは条件2も満たされていないとき、方法は920に進む。条件1もまたは条件2も満たされていない場合、データ・セットを書き込んだドライブの読取りヘッドはトラック・ピッチの外に出ており、トラック・ピッチの内側の、書込み中読取り操作によって確認されたエリアは、読取りヘッドの幅よりも狭い。言い換えると、操作920は、書込み中読取り操作でテープ・メディア上にデータを書き込んだドライブの読取りヘッドが、部分的にデータ・トラックのトラック・ピッチの内側を通り、部分的にデータ・トラックのトラック・ピッチの外側を通っており、読取りヘッドの幅が、トラック・ピッチの内側の確認済みエリアよりも広いケースと一致する。操作920で、通常の読取り操作中に読取りヘッドを適切な位置に移動させる際に使用するオフセットを決定することができる。
【0061】
図12は、さまざまな実施形態による、書込み中読取り操作で使用される書込みヘッド1202およびその関連する読取りヘッド1206に対する、読取り操作で使用される読取りヘッド1208の位置の別の例を示しており、読取りヘッド1208の位置はオフセット法によって決定される。図12に示されているように、データ・セットを書き込んだドライブによって使用された読取りヘッド1206は、(下境界線1204から上境界線1205まで広がる)トラック・ピッチ1222の外に出ており、別のラップに書き込まれたデータがノイズとなり、これがデータを読み取ることを難しくする。この問題を解決するため、書込み時の書込み中読取り操作中にデータが読み取られた確認済みエリア1220からできるだけ多くの信号を取得することができるように、920で決定したオフセットを使用して読取りヘッド1208を、次のラップのできるだけ近くに移動させる。すなわち、データ・セットが書き込まれたときに書込みヘッドがまたいだ、データ・トラックの境界もしくは境界線、例えば境界線1204の位置(または境界もしくは境界線に非常に近い位置)に、読取りヘッドをセットすることができる。データ・セットが書き込まれたときに書込みヘッドがまたいだ、トラック・ピッチの境界は、データ・トラックの下側または上側にあることがある。その時のトラック・ピッチの中心からの移動距離オフセットは下式によって表される。
オフセット=Wtp(g)/2-WRH(gr)/2-α
【0062】
表1は、本発明の実施形態による、通常の読取り時にトラック・ピッチの中心を読み取るときと、読取りヘッドをオフセットの分だけ移動させたときとの比較を示している。この比較は、読取りヘッドが通過するエリアが、書込み時の書込み中読取り操作によって確認されたエリアとどれくらい重なるのかに関する。ここでは便宜上、計算においてα=0とした。
【0063】
データを読み取るドライブはLTO7であり、データが書き込まれたテープはLTO7、LTO6およびLTO5である。トラック・ピッチ、ヘッド幅などは図2に示したものである。「TP中心での読取り」は、通常の読取り時にトラック・ピッチの中心を読み取るときに使用される読取りヘッドと、書込み時の書込み中読取り操作によって確認されたエリアとの重なりの百分率を表している。「オフセットを用いた読取り」は、ERPに関して提案された幅の分だけ読取りヘッドをシフトさせたときに観察される、書込み時の書込み中読取り操作によって確認されたエリアとの重なりの百分率を表している。この表は、例えばLTO6テープの場合、通常の読取りにおいて、読取りヘッドは、書込み時に読取りヘッドが通過したエリアの38.0%だけを通過するのに対して、提案された方法によってヘッドをオフセットすることによりデータを読み取ったときには、読取りヘッドがそのエリアの91.3%を通過することを示している。
【0064】
【表1】
【0065】
所定のオフセットを使用するERPでは、LTO7の場合、-71%、-64%、-57%、-50%、-40%、-30%、-20%、-10%、10%、20%、30%、40%、50%、57%、64%および71%の16段階のオフセット幅が、読取りヘッドの端からトラックの端までの幅(マージン幅)に垂直に適用され、オフセット幅ごとにデータが読み取られる。
【0066】
図13は、さまざまな実施形態に基づく、3世代テープ・ドライブについて、重なり幅比をオフセット対マージン比(offset per margin ratio)に対して示したグラフである。図13は、LTO7、LTO6およびLTO5のテープがLTO7ドライブを用いて読み取られたときに読取りヘッドが通過するエリアが、書込み時の書込み中読取り操作によって確認されたエリアとどれくらい重なるのかを示す比較結果を示している。
【0067】
LTO7またはLTO6テープを読み取るときには、読取りヘッドが通過するエリアと書込み時に使用された読取りヘッドの幅との重なりの百分率が、ERPの全16段階を使用して提案された機構を用いたときよりも小さい。同様に、LTO5の場合も、読取りヘッドが通過するエリアと書込み時に使用された読取りヘッドの幅との重なりの百分率が、16段階のうちの11回のERPを使用して提案された機構を用いたときよりも小さいが、ヘッド幅との重なりの百分率は5回以降、同じになる。既存のERPにおいてどんな百分率をセットすることによって得られる重なり幅も、提案された機構を使用して取得される重なり幅を超えないことに留意すべきである。
【0068】
図14は、本発明のさまざまな実施形態の態様を実施することができるクライアント-サーバ・ライブラリ・システムを示すブロック図である。システム100は、多数のクライアント・コンピュータ111を含み、クライアント・コンピュータ111からは、データ・ストレージ・ライブラリまたはテープ・ライブラリ113にアーカイブするためにデータがサーバ112に伝送される。クライアント・コンピュータ111はさらに、以前にアーカイブされたデータをサーバ112を通してライブラリ113から取り出す。クライアント・コンピュータ111は、パーソナル・コンピュータ、ポータブル・デバイス(例えばPDA)、ワークステーションまたはサーバ・システムとすることができる。イーサネット(R)・ネットワークなどのローカル・エリア・ネットワークを通して、またはSCSI、iSCSI、ファイバ・チャネル(Fibre Channel)、ファイバ・チャネル・オーバー・イーサネット(R)(Fibre Channel over Ethernet(R))もしくはインフィニバンド(Infiniband)によって、クライアント・コンピュータ111をサーバ112に接続することができる。同様に、光もしくは銅ファイバ・チャネル、SCSI、iSCSI、イーサネット(R)、ファイバ・チャネル・オーバー・イーサネット(R)またはインフィニバンドなどの高データ転送速度接続を使用して、データ・ストレージ・ライブラリ113をサーバ112に接続することができる。
【0069】
図15は、さまざまな実施形態による、クライアント、サーバまたはホスト・コンピュータとして使用することができるコンピュータ・システムを示すブロック図である。示されているとおり、コンピュータ・システム200は、プロセッサ・ユニット211、メモリ・ユニット212、永続性ストレージ213、通信ユニット214、入力/出力ユニット215、ディスプレイ216およびシステム・バス210を含む。コンピュータ・プログラムは通常、実行のために必要になるまで永続性ストレージ213に記憶されており、実行時に、プロセッサ・ユニット211が直接にアクセスすることができるように、メモリ・ユニット212にプログラムが送られる。プロセッサ・ユニット211は、プロセッサ211がメモリ212に与えるアドレスを、読取りもしくは書込みまたはその両方を求めるリクエストとともに使用することによって、読み取るためもしくは書き込むためまたはその両方のためのメモリ・ユニット212の部分を選択する。普通、1つのアドレスにあるコード化された命令を読み取り、解釈することによって、プロセッサ211は、後続のアドレスまたは他の何らかのアドレスにある後続の命令を取り出す。プロセッサ・ユニット211、メモリ・ユニット212、永続性ストレージ213、通信ユニット214、入力/出力ユニット215およびディスプレイ216は、システム・バス210を通して互いにインタフェースする。
【0070】
テープ・ライブラリ113は、シングル・リールまたは2リール磁気テープ・カートリッジなどのテープ・メディア上で読取りおよび書込みを実行するための多数のテープ・ドライブを収容した、自動化されたテープ・ライブラリとすることができる。ライブラリ113の例は、IBM(R) TS3400およびTS3500テープ・ライブラリ、IBM(R) TotalStorage3494テープ・ライブラリ、ならびにIBM(R) 3952テープ・フレーム モデルC20を含み、これらは磁気テープ・カートリッジを格納し、IBM(R) TS1130テープ・ドライブを使用する。ライブラリ113の他の例は、磁気テープ・カートリッジを格納し、IBM(R) LTO(Linear Tape Open)テープ・ドライブを使用する、IBM(R) TS3310およびTS3100/3200テープ・ライブラリを含む。テープ・ライブラリ113内の数列または数群のストレージ・スロットに複数のテープ・メディアを格納することができる。テープ・メディアは、磁気テープ・カートリッジ、磁気テープ・カセットおよび光学テープ・カートリッジに含まれているメディアなど、さまざまなフォーマットのさまざまなメディアを包含することがある。これらのタイプのメディアを全般的に指すために、本明細書では用語「テープ・メディア」または「メディア」が使用され、本明細書ではこれらのタイプの容器を「テープ・カートリッジ」または「カートリッジ」と呼ぶ。テープ・ライブラリ113はアクセス・ロボットを含むことができ、アクセス・ロボットは、カートリッジ・ピッカ(cartridge picker)およびカートリッジ・ピッカ上に取り付けられたバー・コード・リーダを含み、カートリッジ・ピッカは、選択されたカートリッジをストレージ・スロットとドライブとの間で輸送する。
【0071】
テープ・ライブラリ113はさらにライブラリ・コントローラを有し、ライブラリ・コントローラは、少なくとも1つのマイクロプロセッサと、コンピュータ・システム200の中に示された他の構成要素とを含む。ライブラリ・コントローラは、カートリッジの目録(inventory)を提供し、ライブラリを制御する役目をすることができる。通常、ライブラリ・コントローラは、ライブラリの動作を制御するための適当なメモリおよびデータ・ストレージ機能を有する。ライブラリ・コントローラは、アクセス・ロボット、カートリッジ・ピッカおよびバー・コード・リーダの動作を制御する。さまざまな実施形態で、ライブラリ・コントローラは、読取り回復操作中に読取りヘッドを移動させるために、命令を実行し、コマンドを発行することができる。ライブラリ・コントローラは、インタフェースを通して1つまたは複数のホスト・プロセッサに相互接続されており、ホスト・プロセッサは、特定のテープ・メディアへのアクセスまたは特定のストレージ・スロットの中のメディアへのアクセスを要求するコマンドを提供する。ホストは、直接にまたはライブラリ・コントローラを通して、データ・ストレージ・ドライブの動作を制御する。テープ・メディア上のデータまたは位置にアクセスするためのコマンド、および選択されたテープ・メディアに記憶する情報または選択されたテープ・メディアから読み取る情報にアクセスするためのコマンドが、ドライブとホストの間で伝送される。ライブラリ・コントローラは通常、適切なストレージ・スロットの中のテープ・カートリッジの位置を突き止めるため、およびカートリッジ目録を維持するためのデータベースを有する。
【0072】
さまざまな実施形態で、テープ・メディアをテープ・カートリッジに格納することができ、このテープ・カートリッジは、動作中に繰出しリールの働きをする1つのテープ・リールだけを含むときにシングル・リール・カートリッジと呼ばれることがある。テープ・リールからテープ・メディアが繰り出されているときにテープ・メディアを受け取るため、テープ・ドライブ内に巻取りリールが提供される。テープ・ドライブの異なる設計では、テープ・ドライブ内ではなくカートリッジ自体に巻取りリールが含まれることがある。そのようなテープ・カートリッジはデュアル・リール・カートリッジと呼ばれる。
【0073】
図16は、さまざまな実施形態による、ホスト・コンピュータと通信している例示的なデータ・ストレージ・テープ・ライブラリを示すブロック図を示している。図16は、本発明の態様を提供するためにホスト・コンピュータ511と通信している例示的なデータ・ストレージ・テープ・ライブラリ500の機能構成要素を示している。ライブラリ500は、ホスト511に接続されており、メディア・ドライブ512およびロボット・デバイス517を含む。データおよび制御経路513がホスト511とドライブ512とを相互接続している。同様に、データおよび制御経路516が、ドライブ512とロボット・デバイス517とを相互接続している。経路513および516は、1つまたは複数の導電性部材(例えば電線、導電性トレース、ケーブルなど)を含むバス、無線通信(例えば無線周波または他の電磁信号、赤外線通信など)、および光ファイバ通信などの、信号を伝達するための適当な手段を含むことができる。さらに、経路513および516は、希望に応じてデジタルまたはアナログ信号を使用する、シリアル、パラレルまたは別の通信フォーマットを使用することができる。メディア・ドライブ512との通信およびロボット・デバイス517との通信はそれぞれ通信ポート514および518を通して実施される。
【0074】
ドライブ512およびロボット・デバイス517はともに、対応するそれぞれの処理ユニット515および519、例えばCPU、プロセッサ、コントローラを含むことができる。ライブラリ500は、磁気テープ、カートリッジ、光学テープ、光学ディスク、リムーバブル磁気ディスク・ドライブ、CD-ROM、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)、フラッシュ・メモリまたは別の適切なフォーマットなどの、リムーバブルまたはポータブル・データ・ストレージ・メディアの配置およびアクセスを管理する。これらのタイプのストレージ・メディアの一部は、可搬式容器またはカートリッジ内に自蔵されている(self-contained)ことがある。これらのタイプのストレージ・メディアを全般的に指すために、本開示ではそれらをメディアと呼ぶ。
【0075】
ホスト511は、サーバ、ワークステーション、パーソナル・コンピュータ、またはデータおよび制御信号をメディア・ドライブ512と交換するための他の手段とすることができる。ポータブル・データ・ストレージ・メディアとデータを交換するため、ドライブ512は、データを読み取り、もしくはデータを書き込み、またはその両方を実行するための機械を含む。ロボット・デバイス517は、処理ユニット519および処理ユニット519に結合されたメディア輸送機構520を含む。ドライブ512、さまざまなストレージ・ビン(storage bin)(図示せず)、インポート/エクスポート・スロットなどの間のメディア・アイテムの輸送を(少なくとも)含む機能を実行するため、メディア輸送機構520は、サーボ、モータ、アーム、グリッパ、センサ、ならびに他のロボット設備、機械設備および電気設備を含む。機構520は例えば、ドライブ512に取り付けられたオートローダ、マス・ストレージ・ライブラリに収容されたロボット・アーム、または別の適当なデバイスを含むことができる。一例として、機構520は、アクセス・ロボット、カートリッジ・ピッカおよびバー・コード・リーダを含むことができる。
【0076】
本開示の態様は、システム、方法もしくはコンピュータ・プログラム製品、またはこれらの組合せであることがある。コンピュータ・プログラム製品は、本発明の態様をプロセッサに実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有するコンピュータ可読ストレージ媒体を含むことがある。
【0077】
このコンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行デバイスが使用するための命令を保持および記憶することができる有形のデバイスとすることができる。このコンピュータ可読ストレージ媒体は例えば、限定はされないが、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光学ストレージ・デバイス、電磁気ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイスまたはこれらの適当な組合せとすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル・リードオンリー・メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク・リードオンリー・メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー(R)・ディスク、機械的にコード化されたデバイス、例えばパンチカードまたはその上に命令が記録された溝の中の一段高くなった構造体、およびこれらの適当な組合せを含む。本明細書で使用されるとき、コンピュータ可読ストレージ媒体は、それ自体が一過性の信号、例えば電波もしくは他の自由に伝搬する電磁波、ウェーブガイドもしくは他の伝送体内を伝搬する電磁波(例えば光ファイバ・ケーブル内を通る光パルス)、または電線を通して伝送される電気信号であると解釈されるべきではない。
【0078】
本明細書に記載されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読ストレージ媒体から対応するそれぞれのコンピューティング/処理デバイスにダウンロードすることができ、またはネットワーク、例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークもしくは無線ネットワークまたはこれらの組合せを介して外部コンピュータもしくは外部ストレージ・デバイスにダウンロードすることができる。このネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータもしくはエッジ・サーバ、またはこれらの組合せを含むことができる。それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インタフェースは、コンピュータ可読プログラム命令をネットワークから受信し、それらのコンピュータ可読プログラム命令を、対応するそれぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読ストレージ媒体に記憶するために転送する。
【0079】
本発明の実施形態の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データであってもよく、またはSmalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同種のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれた、ソース・コードもしくはオブジェクト・コードであってもよい。このコンピュータ可読プログラム命令は、全体がユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、一部がユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、独立型ソフトウェア・パッケージとして実行されてもよく、一部がユーザのコンピュータ上で、一部がリモート・コンピュータ上で実行されてもよく、または全体がリモート・コンピュータもしくはリモート・サーバ上で実行されてもよい。上記の最後のシナリオでは、リモート・コンピュータが、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、またはこの接続が、外部コンピュータに対して(例えばインターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介して)実施されてもよい。いくつかの実施形態では、本発明の実施形態の態様を実行するために、例えばプログラム可能論理回路、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)またはプログラム可能論理アレイ(PLA)を含む電子回路が、このコンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用してその電子回路をパーソナライズすることにより、このコンピュータ可読プログラム命令を実行してもよい。
【0080】
本明細書では、本発明の態様が、本発明の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータ・プログラム製品の流れ図もしくはブロック図またはその両方の図を参照して説明される。それらの流れ図もしくはブロック図またはその両方の図のそれぞれのブロック、およびそれらの流れ図もしくはブロック図またはその両方の図のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施することができることが理解される。
【0081】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または機械を形成する他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに、それらのコンピュータのプロセッサまたは他のプログラム可能データ処理装置によって実行されるこれらの命令が、これらの流れ図もしくはブロック図またはその両方の図のブロックに指定された機能/操作を実施する手段を生成するような態様で、提供することができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令はさらに、特定の方式で機能するようにコンピュータ、プログラム可能データ処理装置もしくは他のデバイスまたはこれらの組合せに指図することができるコンピュータ可読ストレージ媒体に、その中に命令が記憶されたコンピュータ可読ストレージ媒体が、これらの流れ図もしくはブロック図またはその両方の図のブロックに指定された機能/操作の態様を実施する命令を含む製品を含むような態様で、記憶することができる。
【0082】
これらのコンピュータ可読プログラム命令はさらに、コンピュータ、他のプログラム可能装置または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させて、コンピュータによって実施されるプロセスを生成するために、このコンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置または他のデバイス上に、このコンピュータ、他のプログラム可能装置または他のデバイス上で実施されるこれらの命令が、これらの流れ図もしくはブロック図またはその両方の図のブロックに指定された機能/操作を実施するような態様で、ロードすることができる。
【0083】
添付図中の流れ図およびブロック図は、本発明のさまざまな実施形態によるシステム、方法およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能および動作を示す。この点に関して、それらの流れ図またはブロック図のそれぞれのブロックは、指定された論理機能を実施する1つまたは複数の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメントまたは部分を表すことがある。いくつかの代替実施態様では、ブロックに示された機能を、図に示された順序とは異なる順序で実行することができる。例えば、連続して示された2つのブロックが、実際は、実質的に同時に、あるいは、含まれる機能によってはそれらのブロックが時に逆の順序で実行されることもある。それらのブロック図もしくは流れ図またはその両方の図のそれぞれのブロック、ならびにそれらのブロック図もしくは流れ図またはその両方の図のブロックの組合せを、指定された機能もしくは操作を実行しまたは専用ハードウェアとコンピュータ命令の組合せを実施するハードウェアベースの専用システムによって実施することができることにも留意すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2022-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ・ドライブにおける読取りエラー回復のための方法であって、
テープ・メディアの第1のトラック上に記憶された第1のデータ・セットを読み取る読取り操作を第1の読取りヘッドを使用して実行するステップであり、前記第1の読取りヘッドが幅を有し、前記第1のトラックがトラック幅を有し、前記読取り操作が、前記第1の読取りヘッドを前記第1のトラックの中心に配置することを含む、前記実行するステップと、
前記読取り操作を実行しているときに読取りエラーが発生したと判定するステップと、
前記読取り操作を実行しているときに前記読取りエラーが発生したと判定したことに応答してエラー回復手順を実行するステップと
を含み、前記エラー回復手順が、
書込み中読取り操作で使用することができるドライブの第2の読取りヘッドが、完全に前記第1のトラックの前記トラック幅の内側を通るように構成されているのか、または部分的に前記第1のトラックの前記トラック幅の外側を通るように構成されているのかを判定するステップであり、前記第2の読取りヘッドが、特定のテープ・ドライブ世代と一致する幅を有し、前記第2の読取りヘッドの前記幅がトラック上の確認済みエリアを画定する、前記判定するステップと、
前記第2の読取りヘッドは完全に前記第1のトラックの前記トラック幅の内側を通るように構成されていると判定したことに応答して、前記第1の読取りヘッドを第2の位置に配置するステップであり、前記第2の位置が、前記第2の読取りヘッドの前記確認済みエリアの内側にある、前記配置するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記エラー回復手順が、
前記第2の位置にある前記第1の読取りヘッドを使用して読取り操作を実行するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エラー回復手順が、
前記特定のテープ・ドライブ世代として、前記テープ・メディア上に前記データ・セットを書き込むことができるテープ・ドライブ世代の中から第1のテープ・ドライブ世代を選択するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エラー回復手順が、
前記第2の位置にある前記第1の読取りヘッドを使用して読取り操作を実行するステップと、
前記第2の位置で前記読取り操作を実行しているときに読取りエラーが発生したと判定するステップと、
前記第2の位置で前記読取り操作を実行しているときに読取りエラーが発生したと判定したことに応答して、前記特定のテープ・ドライブ世代として、前記テープ・メディア上に前記データ・セットを書き込むことができる前記テープ・ドライブ世代の中から第2のテープ・ドライブ世代を選択するステップと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記エラー回復手順が、
前記第2の読取りヘッドは部分的に前記第1のトラックの前記トラック幅の外側を通るように構成されていると判定したことに応答して、前記確認済みエリアの、前記第1のトラックの前記トラック幅の内側にある部分が、前記第1の読取りヘッドの前記幅よりも広いかどうかを判定するステップと、
前記確認済みエリアの、前記第1のトラックの前記トラック幅の内側にある前記部分は、前記第1の読取りヘッドの前記幅よりも広いと判定したことに応答して、前記第1の読取りヘッドを第2の位置に配置するステップであり、前記第2の位置が、前記第2の読取りヘッドの前記確認済みエリアの、前記第1のトラックの前記トラック幅の内側にある前記部分の内側にある、前記配置するステップと、
前記第2の位置にある前記第1の読取りヘッドを使用して読取り操作を実行するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記エラー回復手順が、
前記第2の読取りヘッドは部分的に前記第1のトラックの前記トラック幅の外側を通るように構成されていると判定したことに応答して、前記確認済みエリアの、前記第1のトラックの前記トラック幅の内側にある部分が、前記第1の読取りヘッドの前記幅よりも広いかどうかを判定するステップと、
前記確認済みエリアの、前記第1のトラックの前記トラック幅の内側にある部分は、前記第1の読取りヘッドの前記幅よりも広くないと判定したことに応答して、前記第1の読取りヘッドを第2の位置に配置するステップであり、前記第2の位置が、前記第2の読取りヘッドの前記確認済みエリアの、前記第1のトラックの前記トラック幅の内側にある前記部分の内側にあり、前記第2の位置が、前記第1の読取りヘッドの側面が前記第1のトラックの境界線のところに位置する位置である、前記配置するステップと、
前記第2の位置にある前記第1の読取りヘッドを使用して読取り操作を実行するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エラー回復手順が、
前記トラックからデータ・セット情報テーブルが成功のうちに読み取られたかどうかを判定するステップと、
前記トラックから前記データ・セット情報テーブルが成功のうちに読み取られたと判定したことに応答して、前記データ・セット情報テーブルの中に格納されたテープ・ドライブ世代を前記特定のテープ・ドライブ世代としてセットするステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
システムであって、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の方法の全てのステップを実行する手段を備えるシステム。
【請求項9】
プロセッサ請求項1ないし7のいずれか一項に記載の方法の全てのステップを実行させるためのコンピュータ・プログラム。
【国際調査報告】