(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(54)【発明の名称】流体を注入するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
F04B 43/02 20060101AFI20221215BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
F04B43/02 Z
A61M5/142 530
F04B43/02 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523278
(86)(22)【出願日】2019-10-18
(85)【翻訳文提出日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 CN2019111841
(87)【国際公開番号】W WO2021072729
(87)【国際公開日】2021-04-22
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522156519
【氏名又は名称】ヒールテル・(グアンジョウ)・メディカル・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ハングアン・ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ヨウウェイ・ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ボブ・シュ
(72)【発明者】
【氏名】ユ・リウ
(72)【発明者】
【氏名】リフェイ・チェン
【テーマコード(参考)】
3H077
4C066
【Fターム(参考)】
3H077AA08
3H077BB03
3H077CC02
3H077DD02
3H077DD05
3H077DD06
3H077DD08
3H077EE05
3H077EE40
3H077FF07
3H077FF08
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3H077FF32
3H077FF36
3H077FF55
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD11
(57)【要約】
本願は、マイクロ流体チップポンプを提供し、前記マイクロ流体チップポンプは、ポンプ室を含むポンプ本体と、前記ポンプ室内に配置され、前記ポンプ室を第1のチャンバと第2のチャンバに分割する可動部材と、前記可動部材を第1の安定位置と第2の安定位置との間で駆動して、前記第1のチャンバの体積及び前記第2のチャンバの体積を変化させるように構成されたドライバアセンブリと、を含む。前記可動部材が前記第1の安定位置にあるとき、前記第1のチャンバの体積は最小体積になり、前記可動部材が前記第2の安定位置にあるとき、前記第1のチャンバの体積は最大体積になる。前記可動部材が前記第1の安定位置から前記第2の安定位置に駆動されるたびに、マイクロ流体チップポンプは、前記第2のチャンバから固定体積の流体を吐出するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ室を含むポンプ本体と、
前記ポンプ室内に配置され、前記ポンプ室を第1のチャンバと第2のチャンバに分割する可動部材と、
前記可動部材を第1の安定位置と第2の安定位置との間で駆動して、前記第1のチャンバの体積及び前記第2のチャンバの体積を変化させるように構成されたドライバアセンブリと、を含む、マイクロ流体チップポンプであって、
前記可動部材が前記第1の安定位置にあるとき、前記第1のチャンバの体積は最小体積になり、
前記可動部材が前記第2の安定位置にあるとき、前記第1のチャンバの体積は最大体積になり、
前記可動部材が前記第1の安定位置から前記第2の安定位置に駆動されるたびに、マイクロ流体チップポンプは、前記第2のチャンバから固定体積の流体を吐出するように構成され、前記固定体積は、前記第1のチャンバの最大体積と前記第1のチャンバの最小体積との差に等しい、マイクロ流体チップポンプ。
【請求項2】
前記ポンプ本体は、前記可動部材を前記第1の安定位置に拘束するように配置された第1の壁を含み、
前記可動部材が前記第1の安定位置にあるとき、前記可動部材は前記第1の壁に隣接する、請求項1に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項3】
前記ポンプ本体は、前記可動部材を前記第2の安定位置に拘束するように配置された第2の壁を含み、
前記可動部材が前記第2の安定位置にあるとき、前記可動部材は前記第2の壁に隣接する、請求項1又は2に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項4】
前記第2のチャンバから吐出される流体の前記固定体積は0.01μL~10mLの範囲にある、請求項1~3のいずれか1項に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項5】
前記第2のチャンバから吐出される流体の前記固定体積は0.1μL~2μLの範囲にある、請求項4に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項6】
前記第2のチャンバから吐出される流体の前記固定体積は0.5μLである、請求項4に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項7】
前記流体はインスリン溶液である、請求項1~6のいずれか1項に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項8】
前記第2のチャンバと流体連通する入口弁と、
前記第2のチャンバと流体連通する出口弁と、をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項9】
第1のチャネルを介して前記入口弁と流体連通するリザーバと、
第2のチャネルを介して前記出口弁と流体連通する適用部材と、をさらに含む、請求項8に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項10】
前記可動部材を前記第1の安定位置と前記第2の安定位置との間で駆動するように前記ドライバアセンブリに制御信号を提供するように構成された制御回路をさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項11】
前記制御信号は、前記可動部材を前記第2の安定位置から前記第1の安定位置に駆動するための前記ドライバアセンブリへの第1の制御信号と、前記可動部材を前記第1の安定位置から前記第2の安定位置に駆動するための前記ドライバアセンブリへの第2の制御信号と、を含み、
前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号はパルス信号によって表される、請求項10に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項12】
前記可動部材は弾性材料で製造される、請求項1~11のいずれか1項に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項13】
前記可動部材は変形可能な膜である、請求項12に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項14】
前記可動部材は剛性材料で製造される、請求項1~11のいずれか1項に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項15】
前記可動部材は可動ピストンである、請求項12に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項16】
前記可動部材は磁気駆動部材である、請求項12に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項17】
前記ドライバアセンブリは駆動アセンブリ及び伝動アセンブリを含む、請求項1~16のいずれか1項に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項18】
前記駆動アセンブリは、モータ、圧電アクチュエータ、磁気アクチュエータ、形状記憶金属アセンブリ、又は熱変形に関連するアセンブリのうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項19】
前記伝動アセンブリは、油圧伝動装置、空気圧伝動装置、又は機械的伝動装置のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項20】
前記マイクロ流体チップポンプは、1つ以上のセンサに動作可能に結合されるか又は前記1つ以上のセンサを含み、前記1つ以上のセンサは、前記マイクロ流体チップポンプの動作状態を監視するように構成される、請求項1~19のいずれか1項に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項21】
マイクロ流体チップポンプを使用して固定体積の流体を注入する方法であって、前記マイクロ流体チップポンプは、ポンプ室を含むポンプ本体と、前記ポンプ室を第1のチャンバと第2のチャンバに分割する可動部材と、ドライバアセンブリと、を含み、前記方法は、
前記ドライバアセンブリが前記可動部材を第1の安定位置に駆動することにより、前記流体を、入口弁を通って前記第2のチャンバに流入させ、前記第1のチャンバの体積を最小体積にすると共に、出口弁を閉じることと、
前記ドライバアセンブリが前記可動部材を前記第1の安定位置から第2の安定位置に駆動することにより、前記流体を、前記出口弁を通って前記第2のチャンバから流出させ、前記第1のチャンバの体積を最大体積にすると共に、前記入口弁を閉じることと、を含み、前記固定体積は、前記第1のチャンバの前記最大体積と前記最小体積との差に等しい、方法。
【請求項22】
前記ポンプ本体は、前記可動部材を前記第1の安定位置に拘束するように配置された第1の壁を含み、
前記可動部材が前記第1の安定位置にあるとき、前記可動部材は前記第1の壁に隣接する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ポンプ本体は、前記可動部材を前記第2の安定位置に拘束するように配置された第2の壁を含み、
前記可動部材が前記第2の安定位置にあるとき、前記可動部材は前記第2の壁に隣接する、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記流体はインスリン溶液である、請求項21~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
マイクロ流体チップポンプを使用して固定体積の流体を1回以上注入することにより目標体積の流体を注入する方法であって、前記マイクロ流体チップポンプは、ポンプ室を含むポンプ本体と、前記ポンプ室を第1のチャンバと第2のチャンバに分割する可動部材と、ドライバアセンブリと、を含み、前記方法は、
前記目標体積と前記固定体積に基づいて、第1の制御信号及び第2の制御信号の数量を決定することと、
第1の制御信号及び第2の制御信号を送信して、前記目標体積になるまで固定体積の前記流体を注入することと、を含み、
前記固定体積の流体を注入するたびに、前記方法は、
第1の制御信号を前記ドライバアセンブリに送信して前記可動部材を第1の安定位置に駆動することにより、前記流体を、入口弁を通って前記第2のチャンバに流入させ、前記第1のチャンバの体積を最小体積にすると共に、出口弁を閉じることと、
第2の制御信号を前記ドライバアセンブリに送信して前記可動部材を前記第1の安定位置から第2の安定位置に駆動することにより、前記流体を、出口弁を通って前記第2のチャンバから流出させ、前記第1のチャンバの体積を最大体積にすると共に、前記入口弁を閉じることと、を含み、前記固定体積は、前記第1のチャンバの前記最大体積と前記最小体積との差に等しい、方法。
【請求項26】
前記目標体積と前記固定体積に基づいて、第1の制御信号及び第2の制御信号の数量を決定することは、
単位時間内又は所定の期間内の所定の体積と前記固定体積に基づいて、前記マイクロ流体チップを使用して流体を注入する頻度を決定することと、
前記頻度に基づいて、前記第1の制御信号及び第2の制御信号の数量を決定することと、を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記頻度を調整することにより前記目標体積を調整することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ポンプ本体は、前記可動部材を前記第1の安定位置に拘束するように配置された第1の壁を含み、
前記可動部材が前記第1の安定位置にあるとき、前記可動部材は前記第1の壁に隣接する、請求項25~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記ポンプ本体は、前記可動部材を前記第2の安定位置に拘束するように配置された第2の壁を含み、
前記可動部材が前記第2の安定位置にあるとき、前記可動部材は前記第2の壁に隣接する、請求項25~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記流体はインスリン溶液である、請求項25~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号はパルス信号によって表される、請求項25~30のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に流体注入技術に関し、具体的には、マイクロ流体チップポンプを使用して流体を注入するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプは、流体注入に広く使用されている。従来の流体注入技術は、主にアナログ出力に基づく。これは、全体的な注入精度を達成するために複雑なセンサ(例えば、流量センサ、変位センサなど)を使用して流体の実際の状態を検出すると共に注入量を動的に調整する必要があり、これは、高価であり、注入システムを複雑にする。また、流体の実際の状態を注入システムにフィードバックするのは非常に時間がかかるため、このような方法では、安定して注入するのに時間がかかる。したがって、特に比較的少量の流体を注入する必要があるとき、従来の注入技術により正確で安定した注入は困難である。したがって、マイクロ流体チップポンプを使用して流体を便利、正確かつ低コストで注入するシステム及び方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
本願の一態様において、マイクロ流体チップポンプが提供される。該マイクロ流体チップポンプは、ポンプ室を含むポンプ本体と、前記ポンプ室内に配置され、前記ポンプ室を第1のチャンバと第2のチャンバに分割する可動部材と、前記可動部材を第1の安定位置と第2の安定位置との間で駆動して、前記第1のチャンバの体積及び前記第2のチャンバの体積を変化させるように構成されたドライバアセンブリと、を含む。前記可動部材が前記第1の安定位置にあるとき、前記第1のチャンバの体積は最小体積になる。前記可動部材が前記第2の安定位置にあるとき、前記第1のチャンバの体積は最大体積になり、前記可動部材が前記第1の安定位置から前記第2の安定位置に駆動されるたびに、マイクロ流体チップポンプは、前記第2のチャンバから固定体積の流体を吐出するように構成され、前記固定体積は、前記第1のチャンバの最大体積と前記第1のチャンバの最小体積との差に等しい。
【0004】
本願の他の態様において、マイクロ流体チップポンプを使用して固定体積の流体を注入する方法が提供され、前記マイクロ流体チップポンプは、ポンプ室を含むポンプ本体と、前記ポンプ室を第1のチャンバと第2のチャンバに分割する可動部材と、ドライバアセンブリと、を含む。前記方法は、前記ドライバアセンブリが前記可動部材を第1の安定位置に駆動することにより、前記流体を、入口弁を通って前記第2のチャンバに流入させ、前記第1のチャンバの体積を最小体積にすると共に、出口弁を閉じることと、前記ドライバアセンブリが前記可動部材を前記第1の安定位置から第2の安定位置に駆動することにより、前記流体を、前記出口弁を通って前記第2のチャンバから流出させ、前記第1のチャンバの体積を最大体積にすると共に、前記入口弁を閉じることとのうちの1つ以上の動作を含み、前記固定体積は、前記第1のチャンバの前記最大体積と前記最小体積との差に等しい。
【0005】
本願の別の態様において、マイクロ流体チップポンプを使用して固定体積の前記流体を1回以上注入することにより目標体積の流体を注入する方法が提供され、前記マイクロ流体チップポンプは、ポンプ室を含むポンプ本体と、前記ポンプ室を第1のチャンバと第2のチャンバに分割する可動部材と、ドライバアセンブリと、を含み、前記方法は、前記目標体積と前記固定体積に基づいて、第1の制御信号及び第2の制御信号の数量を決定することと、第1の制御信号及び第2の制御信号を送信して、前記目標体積になるまで固定体積の前記流体を注入することと、を含む。前記固定体積の流体を注入するたびに、前記方法は、第1の制御信号を前記ドライバアセンブリに送信して前記可動部材を第1の安定位置に駆動することにより、前記流体を、入口弁を通って前記第2のチャンバに流入させ、前記第1のチャンバの体積を最小体積にすると共に、出口弁を閉じることと、第2の制御信号を前記ドライバアセンブリに送信して前記可動部材を前記第1の安定位置から第2の安定位置に駆動することにより、前記流体を、出口弁を通って前記第2のチャンバから流出させ、前記第1のチャンバの体積を最大体積にすると共に、前記入口弁を閉じることとのうちの1つ以上の動作を含み、前記固定体積は、前記第1のチャンバの前記最大体積と前記最小体積との差に等しい。
【0006】
いくつかの実施例において、前記マイクロ流体チップポンプのポンプ本体は、前記可動部材を前記第1の安定位置に拘束するように配置された第1の壁を含んでもよく、可動部材が前記第1の安定位置にあるとき、可動部材は前記第1の壁に隣接する。
【0007】
いくつかの実施例において、前記マイクロ流体チップポンプのポンプ本体は、前記可動部材を前記第2の安定位置に拘束するように配置された第2の壁を含んでもよく、可動部材が前記第2の安定位置にあるとき、可動部材は前記第2の壁に隣接する。
【0008】
いくつかの実施例において、前記第2のチャンバから吐出される流体の前記固定体積は0.01μL~10mLの範囲にある。
【0009】
いくつかの実施例において、前記第2のチャンバから吐出される流体の前記固定体積は0.1μL~2μLの範囲にある。
【0010】
いくつかの実施例において、前記第2のチャンバから吐出される流体の前記固定体積は0.5μLである。
【0011】
いくつかの実施例において、前記流体はインスリン溶液である。
【0012】
いくつかの実施例において、前記マイクロ流体チップポンプは、前記第2のチャンバと流体連通する入口弁と、前記第2のチャンバと流体連通する出口弁と、をさらに含む。
【0013】
いくつかの実施例において、前記マイクロ流体チップポンプは、第1のチャネルを介して前記入口弁と流体連通するリザーバと、第2のチャネルを介して前記出口弁と流体連通する適用部材と、をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施例において、前記マイクロ流体チップポンプは、前記可動部材を前記第1の安定位置と前記第2の安定位置との間で駆動するように前記ドライバアセンブリに制御信号を提供するように構成された制御回路をさらに含む。
【0015】
いくつかの実施例において、前記制御信号は、前記可動部材を前記第2の安定位置から前記第1の安定位置に駆動するための前記ドライバアセンブリへの第1の制御信号と、前記可動部材を前記第1の安定位置から前記第2の安定位置に駆動するための前記ドライバアセンブリへの第2の制御信号と、を含み、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号はパルス信号によって表される。
【0016】
いくつかの実施例において、前記可動部材は弾性材料で製造されてもよい。
【0017】
いくつかの実施例において、前記可動部材は変形可能な膜であってもよい。
【0018】
いくつかの実施例において、前記可動部材は剛性材料で製造されてもよい。
【0019】
いくつかの実施例において、前記可動部材は可動ピストンであってもよい。
【0020】
いくつかの実施例において、前記可動部材は磁気駆動部材であってもよい。
【0021】
いくつかの実施例において、前記ドライバアセンブリは駆動アセンブリ及び伝動アセンブリを含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施例において、前記駆動アセンブリは、モータ、圧電アクチュエータ、磁気アクチュエータ、形状記憶金属アセンブリ、又は熱変形に関連するアセンブリのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0023】
いくつかの実施例において、前記伝動アセンブリは、油圧伝動装置、空気圧伝動装置、又は機械的伝動装置のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施例において、前記マイクロ流体チップポンプは、1つ以上のセンサに動作可能に結合されるか又は前記1つ以上のセンサを含み、前記1つ以上のセンサは、前記マイクロ流体チップポンプの動作状態を監視するように構成される。
【0025】
いくつかの実施例において、前記目標体積と前記固定体積に基づいて、第1の制御信号及び第2の制御信号の数量を決定することは、単位時間内又は所定の期間内の所定の体積と前記固定体積に基づいて、前記マイクロ流体チップを使用して流体を注入する頻度を決定することと、前記頻度に基づいて、前記第1の制御信号及び第2の制御信号の数量を決定することと、を含む。
【0026】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記頻度を調整することにより前記目標体積を調整することをさらに含む。
【0027】
本願の一部の付加的な特徴は以下の記述で説明されてもよく、以下の記述及び対応する図面の研究、又は実施例の製造若しくは動作に対する理解により、本願の一部の付加的な特徴は当業者にとって明らかになる。本願の特徴は、以下に説明する具体的な実施例の様々な態様の方法、手段及び組み合わせの実施又は使用によって実現し達成することができる。
【0028】
本願は、例示的な実施例によりさらに説明される。これらの例示的な実施例は、図面を参照して詳細に説明される。図面は、比例に応じて描かれるものではない。これらの実施例は非限定的かつ例示的な実施例であり、これらの実施例において、各図における同じ番号は同様な構造を表す。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本願のいくつかの実施例に係る注入システムの例示的な応用場面の概略図である。
【
図2】本願のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロ流体チップポンプの断面の概略図である。
【
図3A】本願のいくつかの実施例に係る異なる安定位置にある可動部材を有する例示的なマイクロ流体チップポンプの断面の概略図である。
【
図3B】本願のいくつかの実施例に係る異なる安定位置にある可動部材を有する例示的なマイクロ流体チップポンプの断面の概略図である。
【
図4A】本願のいくつかの実施例に係る異なる安定位置にある別の可動部材を有する例示的なマイクロ流体チップポンプの断面の概略図である。
【
図4B】本願のいくつかの実施例に係る異なる安定位置にある別の可動部材を有する例示的なマイクロ流体チップポンプの断面の概略図である。
【
図5】本願のいくつかの実施例に係るマイクロ流体チップポンプを使用して固定体積の流体を注入するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図6】本願のいくつかの実施例に係る例示的な制御信号の概略図である。
【
図7】本願のいくつかの実施例に係るマイクロ流体チップポンプを使用して目標体積の流体を注入する例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に使用する必要がある図面について簡単に説明する。しかしながら、本願がこれらの詳細なしで実施されてもよいことは、当業者には明らかであろう。その他の場合、本願のいくつかの態様を不必要に不明瞭にすることを回避するために、本願において、公知の方法、プログラム、システム、アセンブリ及び/又は回路が比較的高いレベルで概略的に説明される。開示された実施例に様々な変更を行うことができ、そして、本願で定義された一般的な原則が、本願の原則及び範囲から逸脱せずに他の実施例及び応用場面に適用することができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本願は、示される実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲と一致する最も広い範囲にある。
【0031】
本明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明することのみを目的としており、本発明の例示的な実施例を限定することを意図するものではない。例えば、本願に使用される単数形「一」、「1つ」及び「該」は、文脈によって別途明確に指し示されていない限り、同様に複数形を含むことができる。本明細書で使用されるように、用語「及び/又は」及び「少なくとも1つ」は、関連して列挙された項目のうちの1つ以上の任意かつ全ての組み合わせを含む。本明細書で使用される場合、用語「含む」、「…で構成される」、「含有」及び/又は「…を含む」は、述べられた特徴、符号、ステップ、動作、要素及び/又はアセンブリの存在を示すが、1つ以上の他の機能、集合、ステップ、動作、素子、アセンブリ及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことがさらに理解される。同様に、用語「例示的」は、例又は説明を表すことを意図するものである。
【0032】
本明細書で使用される用語「システム」、「エンジン」、「ユニット」、「モジュール」及び/又は「モジュール」は、レベルの異なる様々なアセンブリ、素子、部品、部材又はアセンブリを昇順で区別する方法であることが理解される。しかしながら、これらの用語は、同じ目的を達成すると、他の表現に置き換えられる可能性がある。
【0033】
一般に、本明細書で使用される用語「モジュール」、「ユニット」又は「ブロック」は、ハードウェア又はファームウェアで具体化された論理又はソフトウェア命令の集合を指す。本明細書で説明されるモジュール、ユニット又はブロックは、ソフトウェア及び/又はハードウェアとして実装され、かつ任意のタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体又は別の記憶装置に記憶されてもよい。いくつかの実施例において、ソフトウェアモジュール/ユニット/ブロックは、コンパイルされて実行可能プログラムにリンクされてもよい。ソフトウェアモジュールは、他のモジュール/ユニット/ブロック又はそれ自体から呼び出されてもよく、及び/又は検出されたイベント又は割り込みに応答して呼び出されてもよいことが認識されるであろう。コンピューティングデバイスで実行されるように構成されたソフトウェアモジュール/ユニット/ブロックは、コンピュータ可読媒体(例えば、光ディスク、デジタルビデオディスク、フラッシュドライブ、磁気ディスク又は任意の他の有形媒体)に提供されてもよい(最初に圧縮又はインストール可能なフォーマットで記憶されてもよく、実行される前にインストールし、解凍するか又は復号する必要がある)。本明細書のソフトウェアコードは、動作を実行するコンピューティングデバイスの記憶装置に部分的又は全体的に記憶されて、コンピューティングデバイスの動作に適用されてもよい。ソフトウェア命令は、ファームウェア、例えばEPROMに埋め込まれてもよい。ハードウェアモジュール/ユニット/ブロックは、ゲート及びフリップフロップなどの接続された論理アセンブリに含まれてもよく、及び/又は、プログラム可能なユニット、例えばプログラム可能なゲートアレイ又はプロセッサに含まれてもよいことも認識されるであろう。本明細書で説明されるモジュール/ユニット/ブロック又はコンピューティングデバイスの機能は、ソフトウェアモジュール/ユニット/ブロックとして実装されてもよいが、ハードウェア又はファームウェアで表されてもよい。通常、本明細書で説明されるモジュール/ユニット/ブロックは、それらの物理的組織又はストレージにもかかわらず、他のモジュール/ユニット/ブロックと組み合わせたり、サブモジュール/サブユニット/サブブロックに分割したりすることができる論理モジュール/ユニット/ブロックを指す。該説明は、システム、エンジン又はその一部に適用されてもよい。
【0034】
ユニット、エンジン、モジュール又はブロックは、別のユニット、エンジン、モジュール又はブロック「上」にあり、別のユニット、エンジン、モジュール又はブロックに「接続される」か又は「結合される」と記載される場合、文脈によって別途明確に指し示されていない限り、直接的に別のユニット、エンジン、モジュール又はブロック上にあって、それらと接続又は通信してもよく、中間ユニット、エンジン、モジュール又はブロックが存在してもよいことが理解される。本願において、用語「及び/又は」は、関連して列挙された任意の1つ以上のアイテム又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0035】
用語「第1」、「第2」、「第3」などは、本明細書において様々な素子を説明するために使用されてもよいが、これらの素子はこれらの用語によって限定されるものではないことが理解される。これらの用語は、ある素子を別の素子と区別するためにのみ使用される。例えば、本願の例示的な実施例の範囲から逸脱することなく、第1の素子は第2の要素と呼ばれてもよく、同様に、第2の素子は第1の素子と呼ばれてもよい。
【0036】
「接続」、「付着」、「取り付け」などの様々な用語は、素子間の空間的及び機能的な関係を説明するために使用される。「直接」と明確に説明されていない限り、本願において第1の素子と第2の素子との間の関係を説明する場合、該関係は、第1の素子と第2の素子との間で他の介在素子が存在しない直接的な関係と、第1の素子と第2の素子との間で1つ以上の介在素子が(空間的及び機能的に)存在する間接的な関係とを含む。逆に、ある素子が別の素子に「直接的」に接続されるか又は位置決めされると、中間素子は存在しない。素子間の関係を説明するために使用される他の単語(例えば、「の間」と「直接的に…の間」、「隣接」と「直接隣接」など)は、同様の方式で解釈されるべきである。
【0037】
「頂部」、「底部」、「上部」、「下部」、「垂直」、「横方向」、「上方」、「下方」、「上向き」、「下向き」などの空間参照用語のような用語を相対的に使用して、ポンプが通常の動作位置にあるときの、ポンプの他のこのような特徴に対するポンプの特定の表面/部品/アセンブリの位置又は方向を説明し、ポンプの位置又は方向が変わると、これらの空間参照用語も変わる可能性があることも理解されるべきである。
【0038】
本願のこれら及び他の特徴、特性及び関連構造素子の機能及び動作方法、ならびに部材組み合わせ及び製造経済性は、図面に対する以下の説明により、より明らかになることができ、これらの図面はいずれも本願の明細書の一部である。しかしながら、図面は、例示及び説明のみを目的としており、本願の範囲を限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。図面は比例に応じて描かれるものではないことが理解されるべきである。
【0039】
本願において、フローチャートを使用して、本願のいくつかの実施例に係るシステムが実行する動作を説明する。フローチャートに示す動作が順序に関係なく実行されてもよいことが理解されるべきである。逆に、様々なステップは逆の順序で、又は同時に実施されてもよい。また、1つ以上の他の動作は、これらのフローチャートに追加されてもよい。1つ以上の動作は、フローチャートから削除されてもよい。
【0040】
本願は、マイクロ流体チップポンプを使用して流体を注入するシステム及び方法に関する。上記マイクロ流体チップポンプは、ポンプ本体(ポンプ本体がポンプ室を含む)、可動部材(可動部材がポンプ室を第1のチャンバと第2のチャンバに分割する)、及びドライバアセンブリを含んでもよい。マイクロ流体チップポンプを使用して固定体積の流体を1回以上注入することにより、目標体積の流体を注入することができる。具体的には、目標体積と固定体積に基づいて、第1の制御信号及び第2の制御信号の数量を決定してもよい。第1の制御信号及び第2の制御信号をドライバアセンブリに送信して、目標体積になるまで固定体積の流体を注入してもよい。
【0041】
本願のマイクロ流体チップポンプによれば、流体を離散的に(又はデジタル的に)注入することによって、流体の連続的な(又はアナログな)注入を実現することができる。マイクロ流体チップポンプは、毎回単位体積の流体を送り出すことができ、かつ単位体積が一定であってもよい。マイクロ流体チップポンプによる流体の注入頻度(すなわち、マイクロ流体チップポンプによる単位時間あたりの注入回数)を調整することにより、所望の体積の流体の注入を実現することができる。したがって、単位体積の精度を向上させることにより流体注入精度を向上させることができ、かつマイクロ流体チップポンプの可動部材の安定位置を設定することにより、単位体積の精度を保証することができる。また、流体の実際の状態をフィードバックする必要がないため、注入システムを簡略化し、コストを削減し、安定した注入を迅速に実現し、長期間(又は毎回)の正確な注入を保証することができ、したがって、精密な流体注入においてマイクロ流体チップポンプを使用する可能性を提供する。
【0042】
図1は、本願のいくつかの実施例に係る注入システムの例示的な応用場面の概略図である。注入システム100は、流体を対象(例えば、適用部材140)に1回又は複数回で不連続的に(又は連続的に)注入するように構成されてもよい。流体は、流動できる任意の物質を含んでもよい。例示的な流体は、液体、ガス、プラズマなどを含んでもよい。例示的な液体は、栄養溶液(例えば、ビタミン、塩溶液など)、及び薬物溶液(例えば、インスリン溶液、鎮痛薬(例えば、モルヒネ、ペチジン、エトルフィンなど)、ホルモン薬、抗生物質、抗炎症薬など)を含んでもよい。適用部材140は、生物学的物体(例えば、人体、動物体、培養された組織又は細胞など)又は非生物学的物体(例えば、ファントム、流体検出アセンブリなど)であってもよい。単に一例として、適用部材140は、1つ以上の疾患又は症状(例えば、糖尿病、肥満症など)を患っている患者であってもよい。
【0043】
図1に示すように、注入システム100は、注入装置110、ネットワーク120、1つ以上の端末130及び/又は記憶装置150を含んでもよい。注入システム100のアセンブリは、1つ以上の異なる方式で接続されてもよい。単に一例として、注入装置110は、ネットワーク120を介して端末130に接続されてもよい。また例えば、注入装置110は、注入装置110と端末130とを接続する破線の両方向矢印によって示されるように、端子130に直接接続されてもよい。更に別の例として、記憶装置150は、直接又はネットワーク120を介して注入装置110に接続されてもよい。
【0044】
注入装置110は、一定体積(例えば、所望の体積)の流体を適用部材140に注入又は輸送するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、注入装置110は、携帯型であってもよい。いくつかの実施例において、注入装置110は、ポンプ111、制御アセンブリ112及び/又はリザーバ114を含んでもよい。いくつかの実施例において、動作ごとに、ポンプ111は、所定の体積(例えば、固定体積)の流体を(例えば、リザーバ114から)適用部材140に注入、輸送又はポンピングするように構成されてもよい。ポンプ111の1回の動作は、ポンプ111の1回の注射を指してもよい。いくつかの実施例において、ポンプ111は、液体を連続的にポンピングしてもよく(アナログポンプとも呼ばれる)、かつポンプ111の1回の動作(又は1回の注射)は、ポンプ111の起動からポンプ111の停止までの液体のポンピングを表してもよい。いくつかの実施例において、ポンプ111は、液体の不連続的、離散的又はデジタル的なポンピング(デジタルポンピング又は量子注入とも呼ばれる)を実行してもよく、ポンプ111は、毎回単位体積の液体をポンピングしてもよく、ポンプ111の起動からポンプ111の停止まで1回以上ポンピングしてもよい。したがって、ポンプ111の1回の動作(又は1回の注射)は、単位体積の液体をポンピングすることを指してもよい。
【0045】
いくつかの実施例において、ポンプ111がアナログポンプの構造で実現されると、注入装置110は、注入又は輸送される流体の実際の体積を検出するように構成された流量検出アセンブリをさらに含んでもよい。しかしながら、注入装置110のこのような構造は非常に複雑である可能性があり、かつ注入装置110の寸法は比較的大きくなる可能性がある。いくつかの実施例において、ポンプ111がデジタルポンプの構造で実現されると、流量検出アセンブリが必要とされなくてもよいため、注入装置110の構造は簡略化されてもよく、かつ注入装置110の寸法は比較的小さくてもよい。デジタルポンプ構成のいくつかの実施例において、目標体積が設定されると、ポンプは、目標体積になるまで流体を複数回注入するように設定されてもよく、毎回の注入量が同じである。場合によっては、このような方法により、ポンプの構造が簡略化され、かつ注入体積の監視及び制御が容易になる。ポンプ111による流体の注入頻度(すなわち、ポンプ111による単位時間あたりの注入回数)を調整することにより、目標体積の流体の注入を実現することができる。したがって、単位体積の精度を向上させることにより注入精度を向上させることができ、かつポンプ111の構造(例えば、ポンプ111の可動部材の安定位置)により、単位体積の精度を保証することができる。また、流体の実際の状態をフィードバックする必要がないため、注入システム100を簡略化し、コストを削減し、安定した注入を迅速に実現し、長期間(又は毎回)の正確な注入を保証することができ、したがって、精密な流体注入において注入装置110を使用する可能性を提供する。
【0046】
いくつかの実施例において、流体はインスリン溶液を含んでもよく、かつポンプ111はインスリンポンプであってもよい。いくつかの実施例において、流体はガスを含んでもよく、かつポンプ111は空気ポンプであってもよい。
【0047】
いくつかの実施例において、ポンプ111は、マイクロ流体チップポンプ(例えば、
図2に示すマイクロ流体チップポンプ200、
図3に示すマイクロ流体チップポンプ300、及び
図4に示すマイクロ流体チップポンプ400)であってもよい。該マイクロ流体チップポンプは、ポンプ本体、可動部材、及びドライバアセンブリを含んでもよい。該ポンプ本体はポンプ壁及びポンプ室を含んでもよく、可動部材は該ポンプ室に配置されてもよく、ドライバアセンブリは第1の安定位置と第2の安定位置との間の可動部材を駆動するように構成されてもよい。マイクロ流体チップポンプについてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図2~4Bとそれらの説明)に見出すことができる。
【0048】
制御アセンブリ112は、ポンプ111の動作を制御するように構成されてもよい。具体的には、制御アセンブリ112は、ポンプ111の起動/停止、ポンプ111の各動作の注入量、ポンプ111の動作回数、ポンプ111の総注入量、ポンプ111の注入頻度などを制御してもよい。いくつかの実施例において、制御アセンブリ112は、1つ以上の制御信号をポンプ111(例えば、ポンプ111のドライバアセンブリ)に提供してもよい。いくつかの実施例において、制御アセンブリ112は、1つ以上の制御回路を含んでもよい(例えば、第1の制御回路は、
図3A及び
図3Bに示す1つ以上のマイクロ流体チップポンプの弁の動作を制御するように構成され、第2の制御回路は、
図3A及び
図3Bなどに示すマイクロ流体チップポンプの可動部材の動作を制御するように構成される)。いくつかの実施例において、制御アセンブリ112は、ポンプ111の動作回数を調整することによって流体の定量注入を実現することができる。定量注入制御についてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図6及び
図7とそれらの説明)に見出すことができる。
【0049】
いくつかの実施例において、制御アセンブリ112は、端末130から1つ以上の命令を受信し、かつ該命令に基づいて対応する制御信号を生成してもよい。いくつかの実施例において、該命令は、ユーザ(例えば、適用部材140)によって端末130に入力又は提供されてもよい。単に一例として、ユーザの血糖濃度が閾値よりも高いことをユーザが知っていると、ユーザは端末によって命令を提供してもよい。いくつかの実施例において、端末130は、例えば、所定の処方(例えば、医者によって提供される)に基づいて、命令を自動的に生成してもよい。いくつかの実施例において、制御アセンブリ112は、所定の処方に基づいて、対応する制御信号を自動的に生成してもよい。いくつかの実施例において、制御アセンブリ112は、外部装置(例えば、血糖測定装置)(図示せず)と通信して、対応する制御信号を自動的に生成してもよい。例えば、ユーザは血糖測定装置を使用して血糖濃度を測定してもよい。血糖濃度が閾値よりも高くなると、血糖測定装置は、制御アセンブリ112に命令を送信してもよく、かつ制御アセンブリ112は対応する制御信号を生成してもよい。いくつかの実施例において、制御アセンブリ112は、健康管理サービスプラットフォームから命令を受信して、対応する制御信号を生成してもよい。
【0050】
リザーバ114は、流体(例えば、インスリン溶液)を貯蔵するように構成されてもよい。リザーバ114は、ポンプ111に動作可能に接続されて、必要に応じてポンプ111に一定体積の流体を供給してもよい。いくつかの実施例において、リザーバ114は、ポンプ111に直接接続されてもよい。いくつかの実施例において、リザーバ114は、チューブを介してポンプ111に接続されてもよい。いくつかの実施例において、リザーバ114は、ポンプ111の一部であってもよい。いくつかの実施例において、リザーバ114は、ポンプ111の外部空間に取り付けられてもよい。
【0051】
いくつかの実施例において、ポンプ111は、適用部材140に動作可能に接続されてもよい。いくつかの実施例において、適用部材140は、注入装置110の一部であってもよい。いくつかの実施例において、適用部材140は、ポンプ111の一部であってもよい。いくつかの実施例において、ポンプ111は、チューブを介して適用部材140に接続されてもよい。いくつかの実施例において、注入装置110(例えば、ポンプ111)が動作状態になる前に、ポンプ111が適用部材140に接続されてもよい。例えば、ポンプ111に接続されたチューブは、注射器の針に接続されてもよく、かつ注射器の針は、ポンプ111が適用部材140と流体連通することができるように、適用部材140に挿入又は嵌入されてもよい。注入装置110(例えば、ポンプ111)が動作状態になると、ポンプ111と適用部材140との間の流体連通により一定体積の流体を適用部材140に注入してもよい。いくつかの実施例において、注入装置110が待機状態になると、ポンプ111は、適用部材140から切断されてもよい。例えば、ポンプ111と適用部材140との間の流体連通が切断されるように、注射器の針は適用部材140から解放されてもよく、ポンプ111と注射器の針を接続するチューブは注射器の針から解放されてもよい。いくつかの実施例において、注入装置110(例えば、ポンプ111)が動作状態にあるか否かにかかわらず、ポンプ111と適用部材140との間の流体連通は維持することができる。いくつかの実施例において、ユーザ(例えば、適用部材140)は、ポンプ111と適用部材140との間の流体連通の維持又は中断を決定することができる。
【0052】
ネットワーク120は、注入システム100による情報及び/又はデータの交換を容易にすることができる任意の適切なネットワークを含んでもよい。いくつかの実施例において、注入システム100の1つ以上のアセンブリ(例えば、注入装置110、1つ以上の端末130、記憶装置150など)は、ネットワーク120を介して互いに情報及び/又はデータを伝達してもよい。例えば、注入装置110は、ネットワーク120を介して端末130から命令を取得してもよい。ネットワーク120は、公衆ネットワーク(例えば、インターネット)、プライベートネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)など)、有線ネットワーク(例えば、イーサネット)、無線ネットワーク(例えば、802.11ネットワーク、Wi-Fiネットワークなど)、セルラーネットワーク(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク)、画像リレーネットワーク、仮想プライベートネットワーク(「VPN」、衛星ネットワーク、電話ネットワーク、ルータ、ハブ、スイッチ、サーバコンピュータ及び/又はそれらの組み合わせであってもよく、及び/又は、上述したものを含んでもよい。例えば、ネットワーク120は、ケーブルネットワーク、有線ネットワーク、光ファイバネットワーク、電気通信ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)、ブルートゥースTMネットワーク、ZigBeeTMネットワーク、近距離無線通信ネットワーク(NFC)など、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、ネットワーク120は、1つ以上のネットワークアクセスポイントを含んでもよい。例えば、ネットワーク120は、有線及び/又は無線ネットワークアクセスポイント、例えば基地局及び/又はネットワークスイッチングポイントを含んでもよく、注入システム100の1つ以上のアセンブリは、該アクセスポイントを介してネットワーク120にアクセスしてデータ及び/又は情報交換を行ってもよい。
【0053】
いくつかの実施例において、ユーザ(例えば、医者、オペレータ又は適用部材140)は、端末130によって注入システム100を動作させてもよい。端末130は、モバイルデバイス131、タブレットコンピュータ132、ラップトップコンピュータ133など、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、モバイルデバイス131は、スマートホームデバイス、ウェアラブルデバイス、モバイルデバイス、仮想現実装置、拡張現実装置などを含んでもよい。いくつかの実施例において、スマートホームデバイスは、スマート照明装置、スマート電気機器用制御装置、スマート監視装置、スマートテレビ、スマートカメラ、インターフォンなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、ウェアラブルデバイスは、ブレスレット、履物、メガネ、ヘルメット、腕時計、衣類、バックパック、スマートアクセサリーなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、モバイルデバイスは、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ゲーム装置、ナビゲーション装置、販売時点情報管理(POS)装置、ノートパソコン、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータなど、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、仮想現実装置及び/又は拡張現実装置は、仮想現実ヘルメット、仮想現実メガネ、仮想現実メガネ、拡張現実ヘルメット、拡張現実メガネ、拡張現実メガネなど、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、仮想現実装置及び/又は拡張現実装置は、Google GlassTM、Oculus RiftTM、HololensTM、Gear VRTMなどを含んでもよい。いくつかの実施例において、端末130は、注入装置110の一部であってもよい。いくつかの実施例において、制御アセンブリ112は、端末130に統合されてもよい。いくつかの実施例において、端末130は、ポンプ111に動作可能に結合されてもよい。
【0054】
記憶装置150は、データ、命令及び/又は任意の他の情報を記憶してもよい。いくつかの実施例において、記憶装置150は、端末130及び/又は注入装置110から取得されたデータを記憶してもよい。例えば、記憶装置150は、流体注入に関連する所定の処方を記憶してもよい。また例えば、記憶装置150は、流体注入に関連する履歴データ(例えば、流体が注入されるとき、注入された流体の量、ポンプ111の運転回数など)を記憶してもよい。いくつかの実施例において、記憶装置150は、大容量記憶装置、リムーバブル記憶装置、揮発性読み書きメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)などを含んでもよい。例示的な大容量ストレージは、磁気ディスク、光ディスク、ソリッドステートディスクなどを含んでもよい。例示的なリムーバブル記憶装置は、フラッシュドライブ、フロッピーディスク、光ディスク、メモリカード、コンパクトディスク、磁気テープなどを含んでもよい。例示的な揮発性読み書きメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでもよい。例示的なRAMは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、ダブルデータレートシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR SDRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、サイリスタランダムアクセスメモリ(T-RAM)及びゼロキャパシタランダムアクセスメモリ(Z-RAM)などを含んでもよい。例示的なROMは、マスク読み取り専用メモリ(MROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能かつプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能かつプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、光ディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)及びデジタル汎用ディスク読み取り専用メモリなどを含んでもよい。いくつかの実施例において、記憶装置150は、クラウドプラットフォームで実行してもよい。例えば、クラウドプラットフォームは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散型クラウド、相互接続型クラウド、マルチクラウドなど、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0055】
いくつかの実施例において、記憶装置150は、ネットワーク120に接続されて、注入システム100の1つ以上の他のアセンブリ(例えば、注入装置110、1つ以上の端末130など)と通信してもよい。注入システム100の1つ以上のアセンブリは、ネットワーク120を介して記憶装置150に記憶されたデータ又は命令にアクセスしてもよい。いくつかの実施例において、記憶装置150は、注入システム100の1つ以上の他のアセンブリ(例えば、注入装置110、1つ以上の端末130など)に直接接続されてもよく、それらと通信してもよい。いくつかの実施例において、記憶装置150は注入装置110の一部であってもよい。例えば、記憶装置150は、制御アセンブリ112に統合されてもよい。いくつかの実施例において、記憶装置150は端末130の一部であってもよい。
【0056】
いくつかの実施例において、注入システム100(例えば、注入装置110)は、注入システム100(例えば、注入装置110)の状態を監視するための1つ以上のセンサをさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、ポンプ111(例えば、
図2~
図4に示すマイクロ流体チップポンプ)は、ポンプ111の動作状態を監視するように構成された1つ以上のセンサを含んでもよく、該1つ以上のセンサに動作可能に接続されてもよい。いくつかの実施例において、注入システム100(例えば、注入装置110、ポンプ111)の監視された状態は、注入システム100内の流体の圧力、温度及び/又は流量を含んでもよい。例えば、ポンプ111内の流体の圧力、リザーバ114とポンプ111を接続するチューブ内の流体の圧力、ポンプ111と適用部材140を接続するチューブ内の流体の圧力、ポンプ111内の流体の温度、リザーバ114とポンプ111を接続するチューブ内の流体の温度、ポンプ111と適用部材140を接続するチューブ内の流体の温度、ポンプ111内の流体の流量、リザーバ114とポンプ111を接続するチューブ内の流体の流量、ポンプ111と適用部材140を接続するチューブ内の流体の流量などである。いくつかの実施例において、センサは、圧力センサ、温度センサ及び/又は流量センサを含む。いくつかの実施例において、センサは、ポンプ111、リザーバ114、リザーバ114とポンプ111を接続するチューブ、ポンプ111と適用部材140を接続するチューブ又は注入システム100の任意の他の箇所に動作可能に結合されてもよい。
【0057】
いくつかの実施例において、注入システム100の監視された状態に基づいて、制御アセンブリ112又は端末130は、注入システム100の異常状況、例えば、注入システム100のチューブが閉塞するか否か、リザーバ114が空であるか否か、ポンプ111が故障するか否か、注入システム100に1つ以上の気泡があるか否か、流体漏れが発生するか否かなどを決定することができる。いくつかの実施例において、注入システム100は、注入システム100が異常状況にあるときに警報信号を発するように構成された警告ユニットをさらに含んでもよい。センサ、注入システム100の状態の監視、警告ユニットについてのより詳細な説明は、2018年9月29日に出願された、名称「マイクロ流体チップ及びその制御システムの異常状況の検出」の中国特許出願第201811145948.0号に見出すことができ、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
図2は、本願のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロ流体チップポンプの断面の概略図である。
図2に示すように、マイクロ流体チップポンプ200は、ポンプ本体220、可動部材260、及びドライバアセンブリ210を含んでもよい。
【0059】
ポンプ本体220は、マイクロ流体チップポンプ200の空間を画定し、かつマイクロ流体チップポンプ200の1つ以上の内部アセンブリ(例えば、可動部材260)を囲むように構成されてもよい。いくつかの実施例において、ポンプ本体220は、第1の壁221、第2の壁222、第3の壁223、及び/又は第4の壁224を含んでもよい。いくつかの実施例において、ポンプ本体220は、ポンプ室230を含んでもよい。いくつかの実施例において、ポンプ室230は、第1の壁221、第2の壁222、第3の壁223、第4の壁224、入口弁242及び出口弁252によって画定された空間であってもよい。いくつかの実施例において、ポンプ室230の少なくとも一部は、流体を収容するように構成されてもよい。流体についてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図1とその説明)に見出すことができる。
【0060】
いくつかの実施例において、第3の壁223及び第4の壁224は、一体に構成されてもよい。いくつかの実施例において、第1の壁221は、可動部材260を第1の安定位置に拘束するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、第1の壁221は平らであってもよい。いくつかの実施例において、第1の壁221は、少なくとも1つの湾曲した表面(例えば、弧状表面)を有してもよい。例えば、可動部材260に面する第1の壁221の第1の表面は弧状表面であってもよいのに対し、ドライバアセンブリ210に面する第1の壁221の第2の表面は平らであってもよい。いくつかの実施例において、第2の壁222は、可動部材260を第2の安定位置に拘束するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、第2の壁222は平らであってもよい。いくつかの実施例において、第2の壁222は、少なくとも1つの湾曲した表面(例えば、弧状表面)を有してもよい。例えば、可動部材260に面する第2の壁222の第1の表面は弧状表面であってもよいのに対し、第2の壁222の第1の表面に対向する第2の壁222の第2の表面は平らであってもよい。いくつかの実施例において、第3の壁223及び第4の壁224は、不規則な形状を有してもよい。例えば、第3の壁223及び第4の壁224の一部は水平面に配置されてもよいのに対し、第3の壁223及び第4の壁224の別の部分は垂直面に配置されてもよい。
【0061】
いくつかの実施例において、第1の壁221は、例えば、接着、溶接、加熱接続、ボルト接続など、又はそれらの組み合わせによって、第3の壁223及び第4の壁224に接続されてもよい。いくつかの実施例において、第1の壁221及び第3の壁223(又は第4の壁224)は第1の一体部品としてもよい。いくつかの実施例において、第2の壁222及び第4の壁224(又は第3の壁223)は第2の一体部品としてもよい。いくつかの実施例において、第1の一体部品は、例えば、接着、溶接、加熱接続、ボルト接続など、又はそれらの組み合わせによって、第2の一体部品に接続されてもよい。いくつかの実施例において、第2の壁222は、例えば、接着、溶接、加熱接続、ボルト接続など、又はそれらの組み合わせによって第3の壁223及び第4の壁224に接続されてもよい。いくつかの実施例において、第2の壁222の少なくとも一部及び第3の壁223の少なくとも一部は、流体を(例えば、リザーバ114から)ポンプ室230に流入させるように案内するように構成されてもよい入口チャネル243(第1のチャネルとも呼ばれる)を形成してもよい。いくつかの実施例において、第2の壁222の少なくとも一部及び第4の壁224の少なくとも一部は、流体をポンプ室230から(例えば、適用部材140へ)流出させるように案内するように構成されてもよい出口チャネル253(第2のチャネルとも呼ばれる)を形成してもよい。いくつかの実施例において、第1の壁221、第2の壁222、第3の壁223及び/又は第4の壁224は剛性であってもよい。いくつかの実施例において、第1の壁221、第2の壁222、第3の壁223及び/又は第4の壁224は固定された相対位置を有してもよい。
【0062】
いくつかの実施例において、第1の壁221、第2の壁222、第3の壁223及び/又は第4の壁224は同じ又は異なる材料で製造されてもよい。例示的な材料は、無機材料、プラスチック材料、金属材料、セラミック材料及び/又は複合材料を含んでもよい。例示的な無機材料は、シリカ、ガラス、結晶シリコン、石英又は任意の他の無機材料を含んでもよい。例示的なプラスチック材料は、架橋ポリマー鎖(例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS))、熱硬化性ポリマー(例えば、SU-8フォトレジスト及びポリイミド)及び/又は熱可塑性プラスチック(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC))を含んでもよい。例示的な金属材料は、鉄、銅、ニッケル、化合物又は合金(例えば、ステンレス鋼、ニッケルチタン合金)などを含んでもよい。例示的なセラミック材料は、酸化アルミニウムセラミック、窒化ケイ素セラミック、炭化ケイ素セラミック、六方晶窒化ホウ素セラミックなどを含んでもよい。いくつかの実施例において、第1の壁221、第2の壁222、第3の壁223及び/又は第4の壁224を製造するために使用される材料は、生体適合性を有してもよい。例示的な生体適合性材料は、チタン合金、ニッケルチタン合金、コバルト合金、酸化アルミニウム(アルミナ)、医療用炭素材料、ヒドロキシアパタイト(HAP)、生体活性ガラス(BAG)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアクリレート、芳香族ポリエステル、ポリオキシメチレン(POM)、コラーゲン、キチン、ポリラクチド(PLA)、ポリエチレングリコール(PEG)を含んでもよい。いくつかの実施例において、ポンプ本体220(例えば、第1の壁221、第2の壁222、第3の壁223及び/又は第4の壁224)の内面には生体適合性材料が塗布されてもよい。
【0063】
いくつかの実施例において、可動部材260は、ポンプ室230内に収容された流体の少なくとも一部を送り出すように構成されてもよい。いくつかの実施例において、ポンプ室230は、第1のチャンバ231及び第2のチャンバ233を含んでもよい。いくつかの実施例において、第1のチャンバ231及び第2のチャンバ233は、可動部材260によって分離されてもよい。いくつかの実施例において、第1のチャンバ231は、第1の壁221、可動部材260、第3の壁223及び/又は第4の壁224によって画定されたチャンバを指してもよい。いくつかの実施例において、第2のチャンバ233は、第2の壁222、可動部材260、第3の壁223、第4の壁224、入口弁242及び/又は出口弁252によって画定されたチャンバを指してもよい。いくつかの実施例において、第1のチャンバ231には、第1の媒体(例えば、液体、ガスなど)が充填されてもよいのに対し、第2のチャンバ233には、第2の媒体(例えば、流体)が充填されてもよい。いくつかの実施例において、可動部材260は、ポンプ本体220(例えば、第3の壁223及び第4の壁224)に気密に接続されてもよく、動作可能に接続されてもよい。いくつかの実施例において、可動部材260は、第1のチャンバ231内の第1の媒体と第2のチャンバ233内の第2の媒体との間の媒体交換を防ぐことができる。いくつかの実施例において、可動部材260は、平らな表面又は湾曲した表面(例えば、弧状表面)を有してもよい。いくつかの実施例において、可動部材260の基面は、第1の壁221の基面及び/又は第2の壁222の基面に実質的に平行であってもよい。
【0064】
いくつかの実施例において、可動部材260は、変形可能な膜の構造で実現されてもよい。いくつかの実施例において、可動部材260は、ポンプ本体220(例えば、第3の壁223及び第4の壁224)に固定され、かつ動作するときに変形してもよい。いくつかの実施例において、変形可能な膜は、弾性材料で製造されてもよい。例示的な弾性材料は、エラストマー(例えば、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタン)、ゴム(例えば、シリコーン樹脂)、弾性金属(例えば、ステンレス鋼、ニッケルチタン合金)など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、可動部材260が本願の他の箇所で説明される生体適合性材料で製造されてもよく、可動部材260に生体適合性材料が塗布されてもよい。いくつかの実施例において、可動部材260の動作を容易にするために、可動部材260の厚さは、比較的薄くてもよい。いくつかの実施例において、可動部材260の厚さは、可動部材260の材料に関連してもよい。例えば、可動部材260がエラストマーで製造されると、可動部材260の厚さは、例えば、0.1~1mm(例えば、0.1~0.2mm)以内にあってもよい。また例えば、可動部材260が弾性金属で製造されると、可動部材260の厚さは、エラストマーの厚さよりも薄く、例えば、0.01~0.05mm(例えば、0.02~0.03mm)であってもよい。かなり薄い厚さを有する可動部材260は、動作するときに比較的速く応答できる可能性がある。可動部材260を動作させて、一定体積の流体を、例えば、出口チャネル253を通って適用部材140へ送り出してもよい。例えば、可動部材260は、第1の安定位置と第2の安定位置との間で動作してもよく(例えば、ドライバアセンブリ210によって駆動される)、可動部材260が第1の安定位置から第2の安定位置に駆動されると、第1のチャンバ231の体積及び第2のチャンバ233の体積を変化させて、第2のチャンバ233から一定体積の流体を吐出する。変形可能な膜の構造で実現された可動部材260、安定位置及び可動部材260の動作についてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図3A及び
図3Bとそれらの説明)に見出すことができる。
【0065】
いくつかの実施例において、可動部材260は、可動ピストンの構造で実現されてもよい。いくつかの実施例において、可動部材260は、ポンプ本体220(例えば、第3の壁223及び第4の壁224)に気密に接続され、かつ動作するときに移動してもよい。いくつかの実施例において、可動部材260は、平らな表面を有してもよい。いくつかの実施例において、可動部材260は、ポンプ本体220に固定されずに、ポンプ本体220に対して移動してもよい。可動部材260を動作させて、一定体積の流体を、例えば、出口チャネル253を通って適用部材140へ送り出してもよい。例えば、可動部材260は、2つ以上の安定位置の間で動作してもよく(例えば、ドライバアセンブリ210によって駆動される)、可動部材260が、第2の壁222から比較的遠い安定位置から第2の壁222に比較的近い安定位置に駆動されると、第2のチャンバ233の体積を変化させて、第2のチャンバ233から一定体積の流体を吐出する。可動部材260が可動ピストンの構造で実現されると、第1の壁221は、第3の壁223及び第4の壁224に接続されなくてもよく、第1の壁221は移動可能であってもよく、省略されてもよいことに留意されるべきである。可動ピストンの構造で実現された可動部材260、1つ以上の安定位置及び可動部材260の動作についてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図4A及び
図4Bとそれらの説明)に見出すことができる。
【0066】
いくつかの実施例において、可動部材260は磁気駆動部材であってもよい。例えば、ドライバアセンブリ210は、可動部材260に磁力を発生させて磁力を加えてもよい。磁力に応答して、可動部材260は、異なる安定位置の間で駆動されてもよい。いくつかの実施例において、可動部材260は、磁性を有してもよい。いくつかの実施例において、可動部材260は、電流を伝導し、かつ磁気によって駆動されてもよい。
【0067】
いくつかの実施例において、ドライバアセンブリ210は、可動部材260を動作させるように駆動するように構成されてもよい。例えば、ドライバアセンブリ210は、2つ以上の安定位置(例えば、第1の安定位置と第2の安定位置)の間で可動部材260を駆動してもよい。いくつかの実施例において、可動部材260が異なる安定位置にあれば、第1のチャンバ231は異なる体積を有してもよく、かつ第2のチャンバ233は異なる体積を有してもよい。いくつかの実施例において、ドライバアセンブリ210は、駆動アセンブリ211及び伝動アセンブリ212を含んでもよい。いくつかの実施例において、駆動アセンブリ211は、可動部材260を駆動するための1つ以上の駆動力を生成するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、駆動アセンブリ211は、例えば、制御アセンブリ112から1つ以上の制御信号を受信し、制御信号に基づいて駆動力を生成してもよい。いくつかの実施例において、伝動アセンブリ212は、駆動アセンブリ211によって生成された駆動力を可動部材260に伝達して、可動部材260を異なる安定位置の間で動作させるように構成されてもよい。いくつかの実施例において、駆動アセンブリ211は、モータ、圧電アクチュエータ、磁気アクチュエータ、形状記憶金属アセンブリ、又は熱変形に関連するアセンブリなど、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施例において、伝動アセンブリ212は、油圧伝動装置、空気圧伝動装置、機械的伝動装置、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。
図2~4Bに示すように、いくつかの実施例において、駆動アセンブリ211及び駆動アセンブリ212は互いに結合されてもよい。いくつかの実施例において、駆動アセンブリ211及び駆動アセンブリ212は一体型アセンブリとして構成されてもよい。
【0068】
いくつかの実施例において、ドライバアセンブリ210は、例えば、ネジ接続、スプライン接続、接着剤による接続、リベット接続、溶接接続など、又はそれらの組み合わせによって、ポンプ本体220(例えば、第1の壁221、第3の壁223及び/又は第4の壁224)に動作可能に接続されてもよい。いくつかの実施例において、ドライバアセンブリ210は、可動部材260に動作可能に接続されて、可動部材260を駆動してもよい。例えば、
図3A及び
図3Bに示すように、ドライバアセンブリ305は、伝動アセンブリ320内の媒体及び第1のチャンバ340内の媒体によって可動部材350に動作可能に結合され、かつ伝動アセンブリ320内の媒体及び第1のチャンバ340内の媒体によって駆動力を可動部材350に伝達してもよい。駆動アセンブリ212から可動部材260への駆動力の伝達についてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図3A及び
図3Bとそれらの説明)に見出すことができる。また例えば、
図4A及び
図4Bに示すように、ドライバアセンブリ405は、例えば、接続ロッド(図示せず)を介して可動部材450に動作可能に接続されてもよく、かつ駆動力は、接続ロッドを介して可動部材450に伝達されてもよい。
【0069】
ポンプ本体220の上方にあるドライバアセンブリ210は、例示の目的のために設置されるものに過ぎず、本願の範囲を限定することを意図するものではないことに留意されるべきである。当業者であれば、本願の説明に基づいて、様々な変更及び修正を行うことができる。しかしながら、これらの変更及び修正は、本願の範囲から逸脱するものではない。例えば、ドライバアセンブリ210は、ポンプ本体220の下方にあってもよい。また例えば、ドライバアセンブリ210は、ポンプ本体220の片側にあってもよい。
【0070】
いくつかの実施例において、ポンプ室230(例えば、第1のチャンバ231、第2のチャンバ233)の体積は、比較的小さい可能性があり、例えば、0.01μL~10mL(例えば、0.1μL、0.25μL、0.5μLなど)である。したがって、1回の動作ではマイクロ流体チップポンプ200によって送り出される液体の単位体積が比較的小さくてもよいため、マイクロ流体チップポンプ200は、微小体積(ひいては微量体積)の流体を適用部材140に輸送するのに適する。単に一例として、流体がインスリン流体であり、かつ適用部材140が糖尿病患者であれば、マイクロ流体チップポンプ200は、毎回の動作で患者に微小体積又は微量体積のインスリン液体を輸送し、複数回の動作で総体積のインスリン液体を輸送し、かつ輸送時間又は輸送頻度を制御することにより総体積を調整してもよい。したがって、流体の総体積への制御を容易にし、かつ輸送プロセスをより合理的かつ科学的にすることができるため、患者の治療及びリハビリテーションに有益である。なお、少量で正確な投与量は、薬物の無駄を削減するか又はなくすことができ、かつ患者への副作用を軽減するか又はなくすことができる。いくつかの実施例において、マイクロ流体チップポンプ200(例えば、ポンプ本体220)の少なくとも一部は、例えば、洗浄、フォトリソグラフィー、熱成長、エッチング、印刷など、又はそれらの任意の組み合わせを含む半導体加工技術を使用して製造されてもよい。
【0071】
いくつかの実施例において、リザーバ114は、入口チャネル243を介して入口弁242と流体連通してもよい。いくつかの実施例において、入口弁242は、第2のチャンバ233と流体連通する可能性がある。いくつかの実施例において、入口弁242は、流体を入口チャネル243から第2のチャンバ233に流入させるように制御するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、適用部材140は、出口チャネル253を介して出口弁252と流体連通してもよい。いくつかの実施例において、出口弁252は、第2のチャンバ233と流体連通してもよい。いくつかの実施例において、出口弁252は、流体を第2のチャンバ233から出口チャネル253に流入させるように制御するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、入口弁242及び/又は出口弁252は、能動弁であってもよい。いくつかの実施例において、能動弁の開閉状態は、制御回路(例えば、制御アセンブリ112に統合された制御回路)によって制御されてもよい。いくつかの実施例において、能動弁は、制御回路から制御信号を受信し、それに応じて開閉コマンドを実行してもよい。いくつかの実施例において、制御アセンブリ112は、可動部材260の動作に基づいて、入口弁242及び/又は出口弁252の開閉状態を制御してもよい。例えば、制御アセンブリ112がポンプ室230への流体の供給を制御する必要がある場合、可動部材260は第2の安定位置から第1の安定位置に駆動されてもよく、入口弁242は開くように制御されてもよく、かつ出口弁252は閉じるように制御されてもよい。また例えば、制御アセンブリ112がポンプ室230からの流体の送り出しを制御する必要がある場合、可動部材260は第1の安定位置から第2の安定位置に駆動されてもよく、入口弁242は閉じるように制御されてもよく、かつ出口弁252は開くように制御されてもよい。
【0072】
いくつかの実施例において、入口弁242及び/又は出口弁252は、受動弁であってもよい。いくつかの実施例において、入口弁242及び出口弁252は、一方向弁であってもよい。入口チャネル243内の第1の流体の圧力が第2のチャンバ233内の第2の流体の圧力よりも大きくなると、第1の流体の圧力と第2の流体の圧力との間の圧力差により、入口弁242は開かれてもよい。流体が入口チャネル243から第2のチャンバ233に流入することを可能にする。入口チャネル243内の第1の流体の圧力が第2のチャンバ233内の流体の圧力よりも小さくなると、第1の流体の圧力と第2の流体の圧力との間の圧力差により、入口弁242は閉じられてもよい。流体が第2のチャンバ233から入口チャネル243へ還流することを防ぐことができる。出口チャネル253内の第3の流体の圧力が第2のチャンバ233内の第2の流体の圧力よりも小さくなると(例えば、出口チャネル253には流体がなくてもよく、かつ出口チャネル253内の流体の圧力が0であってもよい)、第3の流体の圧力と第2の流体の圧力との間の圧力差により、出口弁252は開かれてもよい。流体が第2のチャンバ233から出口チャネル253に流入することを可能にする。出口チャネル253内の第3の流体の圧力が第2のチャンバ233内の第2の流体の圧力よりも大きくなると、第3の流体の圧力と第2の流体の圧力との間の圧力差により、出口弁252は閉じられてもよい。流体が出口チャネル253から第2のチャンバ233へ還流することを防ぐことができる。特定の実施例において、入口弁242及び出口弁252は、いずれも受動弁である。このような設計により、ポンプの構造をより簡単にし、かつコストを削減することができる。いくつかの実施例において、流体漏れを防ぐように受動弁(例えば、注入口弁242、出口弁252)のシール性及び信頼性を向上させるために、受動弁に付勢力を印加してもよい。受動弁の両側に流体圧力差がない場合(例えば、第3の流体の圧力と第2の流体の圧力が等しい場合、又は第1の流体の圧力と第2の流体の圧力が等しい場合)、付勢力は受動弁を閉じるように構成されてもよい。
【0073】
図3A及び
図3Bは、本願のいくつかの実施例に係る異なる安定位置にある可動部材を有する例示的なマイクロ流体チップポンプの断面の概略図である。いくつかの実施例において、
図2に示すマイクロ流体チップポンプ200と同様に、マイクロ流体チップポンプ300は、ドライバアセンブリ305(上記ドライバアセンブリ305が駆動アセンブリ310及び伝動アセンブリ320を含む)、第1の壁330、第1のチャンバ340、可動部材350、第2のチャンバ360、第2の壁370、入口弁380、出口弁390、第3の壁3100及び第4の壁3110を含んでもよい。いくつかの実施例において、第3の壁3100及び第4の壁3110は、一体に構成されてもよい。マイクロ流体チップポンプ300及び対応するアセンブリについてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図2とマイクロ流体チップポンプ200に関連する説明)に見出すことができる。
【0074】
いくつかの実施例において、可動部材350は変形可能又は動作可能であってもよい。いくつかの実施例において、可動部材350は、本願の他の箇所で説明される弾性材料で製造されてもよい。いくつかの実施例において、可動部材350は、本願の他の箇所で説明される剛性材料で製造されてもよい。いくつかの実施例において、可動部材350は、任意の適切な構造、例えば、フィルム、シート、板などで実現されてもよい。例えば、可動部材350は、変形可能な膜であってもよい。可動部材350は、2つ以上の安定位置に配置されてもよい。可動部材350は、安定位置の間で(例えば、ドライバアセンブリ305によって)駆動されてもよい。
【0075】
図3Aに示すように、マイクロ流体チップポンプ300の可動部材350は、第1の安定位置にあってもよい。いくつかの実施例において、第1の安定位置は、可動部材350(又はその少なくとも一部)が第1の壁330に最も近い位置を指してもよい。いくつかの実施例において、第1の安定位置にあるとき、可動部材350(又はその少なくとも一部、例えば、可動部材350の中央領域)は、第1の壁330に隣接してもよい。いくつかの実施例において、第1の安定位置で、可動部材350は、第1の壁330に密着されてもよい。いくつかの実施例において、第1の安定位置で、可動部材350の一部と第1の壁330との間で空間又は隙間がなくてもよい。いくつかの実施例において、可動部材350と第1の壁330との間の密着を容易にするために、可動部材350に面する第1の壁330の表面は、湾曲した表面(例えば、弧状表面)であってもよい。いくつかの実施例において、第1の安定位置にあるとき、可動部材350は、第1の壁330に向かって変形してもよい。例えば、第1の安定位置にあるとき、可動部材350の中央領域は、第1の壁330に付着されずに第1の壁330に向かって突出してもよい。可動部材350が
図3Aに示す第1の安定位置にあれば、可動部材350の少なくとも一部が第1のチャンバ340の空間の少なくとも一部を占めて、第1のチャンバ340の体積が最小体積になってもよいため、第2のチャンバ360の体積は最大体積になってもよい。いくつかの実施例において、第1のチャンバ340の最小体積は約0であってもよいのに対し、第2のチャンバ360の最大体積は第1のチャンバ340及び第2のチャンバ360を含むポンプ室の体積に実質的に等しくてもよい。可動部材350の構造及び/又は材料及び/又は第1の壁330の存在により、第1の安定位置は第1の固定位置であり、可動部材350が(例えば、第2の安定位置から)第1の安定位置に駆動されるたびに、可動部材350は同じ固定位置(第1の安定位置)に到達することに留意されるべきである。好ましくは、特定の実施形態において、可動部材350の構造及び/又は材料とポンプ本体の構造及び/又は材料により、可動部材350は、第2の安定位置と第1の安定位置との間で停止することができないように構成される。したがって、可動部材350が(例えば、第2の安定位置から)第1の安定位置に駆動されるたびに、第1のチャンバ340の体積は第1の固定体積(すなわち、第1のチャンバ340の最小体積)になってもよく、第2のチャンバ360の体積は第2の固定体積(すなわち、第2のチャンバ360の最大体積)になってもよい。
【0076】
図3Bに示すように、マイクロ流体チップポンプ300の可動部材350は、第2の安定位置にあってもよい。可動部材350が異なる安定位置にあること以外、
図3Aに示すマイクロ流体チップポンプ300は、
図3Bにおけるマイクロ流体チップポンプ300と同じである。いくつかの実施例において、第2の安定位置は、可動部材350(又はその少なくとも一部)が第2の壁370に最も近い位置を指してもよい。いくつかの実施例において、第2の安定位置にあるとき、可動部材350(又はその少なくとも一部、例えば、可動部材350の中央領域)は、第2の壁370に隣接してもよい。いくつかの実施例において、第2の安定位置で、可動部材350は、第2の壁370に密着されてもよい。いくつかの実施例において、第2の安定位置で、可動部材350と第2の壁370との間で空間又は隙間がなくてもよい。いくつかの実施例において、可動部材350と第2の壁370との間の密着を容易にするために、可動部材350に面する第2の壁370の表面は、湾曲した表面(例えば、弧状表面)であってもよい。いくつかの実施例において、第2の安定位置にあるとき、可動部材350は、第2の壁370に向かって変形してもよい。例えば、第2の安定位置にあるとき、可動部材350の中央領域は、第2の壁370に付着されずに第2の壁370に向かって突出してもよい。可動部材350が
図3Bに示す第2の安定位置にあれば、可動部材350の少なくとも一部が第2のチャンバ360の空間の少なくとも一部を占め、第2のチャンバ360の体積が最小体積になってもよいため、第1のチャンバ340の体積は最大体積になってもよい。いくつかの実施例において、第2のチャンバ360の最小体積は約0であり、かつ第1のチャンバ340の最大体積は第1のチャンバ340及び第2のチャンバ360を含むポンプ室の体積に実質的に等しくてもよい。可動部材350の構造及び/又は材料及び/又は第2の壁370の存在により、第2の安定位置は第2の固定位置であり、かつ可動部材350が(例えば、第1の安定位置から)第2の安定位置に駆動されるたびに、可動部材350は同じ固定位置(例えば、第2の固定位置)に到達することに留意されるべきである。したがって、可動部材350が(例えば、第1の安定位置から)第2の安定位置に駆動されるたびに、第1のチャンバ340の体積は第3の固定体積(すなわち、第1のチャンバ340の最大体積)になってもよく、かつ第2のチャンバ360の体積は第4の固定体積(すなわち、第2のチャンバ360の最小体積)になってもよい。
【0077】
いくつかの実施例において、可動部材350は、変形可能な膜の構造で実現されてもよい。いくつかの実施例において、マイクロ流体チップポンプ300の可動部材350は、ドライバアセンブリ305(例えば、駆動アセンブリ310及び伝動アセンブリ320)により第1の安定位置と第2の安定位置との間で駆動されてもよい。いくつかの実施例において、ドライバアセンブリ305は、可動部材350に動作可能に接続されて可動部材350を駆動してもよい。いくつかの実施例において、第1の壁330は、1つ以上の孔を有してもよい。いくつかの実施例において、伝動アセンブリ320は、第1の壁330の孔を介して第1のチャンバ340と流体連通してもよい。いくつかの実施例において、伝動アセンブリ320と第1のチャンバ340は、媒体(例えば、液体(例えば、水、油)、ガス(例えば、空気)など)が充填されてもよい気密空間を形成してもよい。いくつかの実施例において、媒体は、第2のチャンバ360における流体と異なってもよい。いくつかの実施例において、駆動アセンブリ310は、1つ以上の制御信号に基づいて、1つ以上の駆動力を生成してもよい。いくつかの実施例において、伝動アセンブリ320は、駆動力を可動部材350に(例えば、伝動アセンブリ320と第1のチャンバ340内に充填された媒体によって)伝達することにより第1の安定位置と第2の安定位置との間で可動部材350を駆動してもよい。
【0078】
いくつかの実施例において、駆動アセンブリ310は、モータ、圧電アクチュエータ、磁気アクチュエータ、形状記憶金属アセンブリ、熱変形に関連するアセンブリ、又は任意の他のアクチュエータであってもよい。いくつかの実施例において、伝動アセンブリ320は、油圧伝動装置であってもよく、かつ伝動アセンブリ320と第1のチャンバ340に充填された媒体は、液体であってもよい。いくつかの実施例において、伝動アセンブリ320と第1のチャンバ340に充填された媒体は、水-グリコール作動液、リン酸塩作動液、耐火作動液、脂肪族エステル作動液などを含んでもよい。いくつかの実施例において、伝動アセンブリ320は、空気圧伝動装置であってもよく、かつ伝動アセンブリ320と第1のチャンバ340に充填された媒体は、ガスであってもよい。駆動アセンブリ310が
図3Aに示す矢印Aに示す方向の駆動力を生成すると、伝動アセンブリ320内の媒体と可動部材350を矢印Aに示す方向に沿って引っ張り、可動部材350に印加された媒体の圧力を減少させ、可動部材350の2つの表面での力のバランスを崩し、次に可動部材350は第2の安定位置(
図3B参照)から第1の安定位置に動作してもよい(
図3A参照)。駆動アセンブリ310が
図3Bに示す矢印A’に示す方向の駆動力を生成すると、伝動アセンブリ320内の媒体と可動部材350を矢印A’に示す方向に沿って引っ張り、可動部材350に印加された媒体の圧力を増加させ、可動部材350の2つの表面での力のバランスを崩し、次に可動部材350は第1の安定位置(
図3A参照)から第2の安定位置に動作してもよい(
図3B参照)。
【0079】
いくつかの実施例において、入口弁380及び出口弁390は、受動弁であってもよい。いくつかの実施例において、入口弁380及び出口弁390は、一方向弁であってもよい。入口チャネル383内の流体の圧力が第2のチャンバ360内の流体の圧力よりも大きくなると、(
図3Aの矢印Bに示すように)入口弁380が開かれてもよく、かつ(
図3Aの矢印Dに示すように)流体が入口チャネル383から第2のチャンバ360に流入することを可能にする。入口チャネル383内の流体の圧力が第2のチャンバ360内の流体の圧力よりも小さくなると、(
図3Bの矢印B’に示すように)入口弁380が閉じられてもよく、かつ流体が第2のチャンバ360から入口チャネル383へ還流することを防ぐ。出口チャネル393内の流体の圧力が第2のチャンバ360内の流体の圧力よりも小さくなると(例えば、出口チャネル393には流体がなくてもよく、かつ出口チャネル393内の流体の圧力が0であってもよい)、(
図3Bの矢印C’に示すように)出口弁390が開かれてもよく、かつ(
図3Bの矢印Dに示すように)流体が第2のチャンバ360から出口チャネル393に流入することを可能にする。出口チャネル393内の流体の圧力が第2のチャンバ360内の流体の圧力よりも大きくなると、(
図3Aの矢印Cに示すように)出口弁390が閉じられてもよく、かつ流体が出口チャネル393から第2のチャンバ360へ還流することを防ぐ。
図3A及び
図3Bに示す入口弁380及び出口弁390は、説明のために提供されるものに過ぎず、本願の範囲を限定することを意図しない。入口弁380及び出口弁390についてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図2の入口弁242及び出口弁252とそれらの説明)に見出すことができる。いくつかの実施例において、入口弁380及び/又は出口弁390は、第1の制御回路によって制御されてもよい。第1の制御回路は、入口弁380及び/又は出口弁390に1つ以上の制御信号を提供することにより、入口弁380及び/又は出口弁390を開閉してもよい。いくつかの実施例において、第1の制御回路は、制御装置内に設置されてもよい。いくつかの実施例において、第1の制御回路は、制御アセンブリ112内に設置されてもよい。
【0080】
いくつかの実施例において、
図3Aに示すように、可動部材350は、ドライバアセンブリ305によって第2の安定位置から第1の安定位置に駆動されてもよい。矢印Aは、可動部材350に印加された駆動力の方向を示す。駆動力は、第1の壁330に対して垂直であり、かつ可動部材350を第2の安定位置から第1の安定位置に駆動してもよい。いくつかの実施例において、可動部材350が第2の安定位置から第1の安定位置に移動すると、第2のチャンバ360の体積を増加させてもよい。したがって、第2のチャンバ360内の流体の圧力を減少させてもよく、かつ第2のチャンバ360内の流体の圧力は入口チャネル383内の流体の圧力よりも小さくてもよい。したがって、入口弁380は開かれてもよく、かつ流体が入口チャネル383から第2のチャンバ360に流入することを可能にし、出口弁390は閉じられてもよい。すなわち、
図3Aの矢印Aに示す方向の駆動力が可動部材350に印加される場合、可動部材350は第2の安定位置から第1の安定位置に動作してもよく、かつ一定体積(例えば、ポンプ室の体積又は第2のチャンバ360の最大体積)の流体は第2のチャンバ360に供給されてもよい。
【0081】
いくつかの実施例において、
図3Bに示すように、可動部材350は、ドライバアセンブリ305によって第1の安定位置から第2の安定位置に駆動されてもよい。矢印A’は、可動部材350に印加された駆動力の方向を示す。駆動力は、第1の壁330に対して垂直であり、かつ可動部材350を第1の安定位置から第2の安定位置に駆動してもよい。いくつかの実施例において、可動部材350が第1の安定位置から第2の安定位置に移動すると、第2のチャンバ360の体積を減少させてもよい。したがって、第2のチャンバ360内の流体の圧力を増加させてもよく、かつ第2のチャンバ360内の流体の圧力は出口チャネル393内の流体の圧力よりも大きくてもよい。したがって、出口弁390は開かれてもよく、かつ流体が第2のチャンバ360から出口チャネル393に流入することを可能にし、入口弁380は閉じられてもよい。すなわち、
図3Bの矢印A’に示す方向の駆動力が可動部材350に印加される場合、可動部材350は第1の安定位置から第2の安定位置に動作してもよく、かつ一定体積(例えば、ポンプ室の体積又は第2のチャンバ360の最大体積)の流体は第2のチャンバ360から送り出されてもよい。
【0082】
いくつかの実施例において、ドライバアセンブリ305は、第2の制御回路によって制御されてもよい。いくつかの実施例において、第2の制御回路は、第1の安定位置と第2の安定位置との間で可動部材350を駆動するように、ドライバアセンブリ305に1つ以上の制御信号を提供してもよい。いくつかの実施例において、第2の制御回路は、制御装置内に設置されてもよい。いくつかの実施例において、第2の制御回路は、制御アセンブリ112内に設置されてもよい。いくつかの実施例において、第2の制御回路と第1の制御回路は、同一の制御回路を共有してもよく、同一の制御回路として実現されてもよい。第2の制御回路についてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図6及び
図7とそれらの説明)に見出すことができる。
【0083】
いくつかの実施例において、可動部材350が第1の安定位置から第2の安定位置に駆動されるたびに、出口弁390によって一定体積の流体を第2のチャンバ360から適用部材140に吐出してもよい。上記のように、可動部材350が第1の安定位置から第2の安定位置に駆動されると、第1のチャンバ340の体積は、第1の固定体積から第3の固定体積になってもよく、したがって、第2のチャンバ360の体積は第2の固定体積から第4の固定体積になってもよい。第2のチャンバ360から吐出された流体の体積は、第1のチャンバ340の最大体積(すなわち、第3の固定体積)と第1のチャンバ340の最小体積(すなわち、第1の固定体積)との間の第1の差(又は第2のチャンバ360の最大体積(すなわち、第2の固定体積)と第2のチャンバ360の最小体積(すなわち、第4の固定体積)との間の第2の差)に等しくてもよい。したがって、第2のチャンバ360から毎回吐出された流体の体積は一定であってもよい。いくつかの実施例において、第1の差は、第2の差に等しくてもよい。いくつかの実施例において、弧状表面を有する第1の壁330の構造及び弧状表面を有する第2の壁370の構造は、可動部材350と第1の壁330との密着及び可動部材350と第2の壁370との密着を確保することができ、それにより可動部材350の第1の安定位置及び第2の安定位置が一定であることを確保することができる。したがって、第2のチャンバ360から吐出された流体の固定体積を確保することができ、マイクロ流体チップポンプ300のポンピング特性を改善することができ、かつ流量の制御精度を相対的に高くすることができる。
【0084】
いくつかの実施例において、第2のチャンバ360から吐出された液体の固定体積は、0.01μL~10mLの範囲内にあってもよく、例えば、0.01μL、0.02μL、0.04μL、0.08μL、0.1μL、0.25μL、0.5μL、1μL、1.5μL、2μL、2.5μL、3μL、4μL、5μL、6μL、7μL、8μL、9μL、10μL、1mL、2mL、5mL、10mLなど、又はそれらの間の任意の体積である。いくつかの実施例において、第2のチャンバ360から吐出された流体の固定体積は0.1μL~2μLの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、第2のチャンバ360から吐出された流体の固定体積は0.5μLであってもよい。いくつかの実施例において、第2のチャンバ360から吐出された流体の固定体積は0.25μLであってもよい。いくつかの実施例において、固定体積は、第1のチャンバ340の体積(及び/又は寸法)、第2のチャンバ360の体積(及び/又は寸法)、及び/又は可動部材350の寸法、構造及び材料、及び/又は可動部材350に印加された駆動力により決定されてもよく、それに関連してもよい。例えば、第1のチャンバ340と第2のチャンバ360の体積が相対的に大きくなると、第2のチャンバ360から吐出された流体の固定体積は相対的に大きくてもよく、その逆も同様である。上述のように、現在の本願の注入流体の固定体積は非常に小さくてもよい(例えば0.1~2μLである)。いくつかの実施例において、このような小さい体積は、目標体積に正確になるまでの複数回の繰り返しを可能にするため、デジタルポンピング(又は量子注入)を可能にする。また、小さい体積での正確な繰り返し注入は技術的に挑戦性を有する。特定の実施例において、半導体プロセス又は微細加工技術の利用により、小さくて正確な注入を可能にする。
【0085】
特定の実施例において、
図3A及び
図3Bに示すように、駆動アセンブリ310は圧電アクチュエータの構造で実現されてもよく、伝動アセンブリ320は油圧伝動装置の構造で実現されてもよく、かつ入口弁380及び出口弁390は受動弁であってもよいことに注意されるべきである。可動部材350はエラストマーで製造されてもよく、かつ可動部材350の厚さは、例えば、0.1~0.2mm内にあってもよい。ポンプ室の体積は、例えば、0.25μL又は0.5μLであってもよい。可動部材350が第1の安定位置にあるとき、第1のチャンバ340の最小体積は0であってもよく、第2のチャンバ360の最大体積はポンプ室の体積と実質的に同じであってもよく、例えば、0.25μL又は0.5μLである。可動部材350が第2の安定位置にあるとき、第1のチャンバ340の最大体積はポンプ室の体積と実質的に同じであってもよく、例えば0.25μL又は0.5μLであり、かつ第2のチャンバ360の最小体積は0であってもよい。したがって、マイクロ流体チップポンプ300は、毎回0.25μL又は0.5μLの流体を注入することができる。
【0086】
可動部材350についての以上の説明は、例示のために提供されるものに過ぎず、本願の範囲を限定することを意図しない。当業者であれば、本願の説明に基づいて、様々な変更及び修正を行うことができる。しかしながら、これらの変更及び修正は、本願の範囲から逸脱するものではない。いくつかの実施例において、可動部材350は、2つ以上(例えば、3つ、4つ、5つなど)の安定位置を有してもよい。可動部材350は、様々な大きさ及び/又は方向の駆動力を印加することにより、安定位置の間で駆動されてもよい。第2のチャンバ360から吐出された流体の固定体積は、可動部材350を異なる安定位置の間で駆動することにより調整されてもよい。
【0087】
図4A及び
図4Bは、本願のいくつかの実施例に係る異なる安定位置にある別の可動部材を有する例示的なマイクロ流体チップポンプの断面の概略図である。いくつかの実施例において、マイクロ流体チップポンプ400は、ドライバアセンブリ405(ドライバアセンブリ405が駆動アセンブリ410及び伝動アセンブリ420を含む)、第1の壁430、第1のチャンバ440、可動部材450、第2のチャンバ460、第2の壁470、入口弁480、出口弁490、第3の壁4100及び第4の壁4110を含んでもよい。いくつかの実施例において、ドライバアセンブリ405、第2の壁470、入口弁480、出口弁490、第3の壁4100及び第4の壁4110は、
図3に示すマイクロ流体チップポンプ300の同じ部材と同じであるか又は類似し、本明細書で説明を省略する。
【0088】
いくつかの実施例において、可動部材450は、ポンプ室を第1のチャンバ440と第2のチャンバ460に分割してもよい。いくつかの実施例において、可動部材450は、可動ピストンの構造で実現されてもよい。いくつかの実施例において、可動部材450は、第3の壁4100及び第4の壁4110に気密に接続され、かつ動作するときに移動してもよい。いくつかの実施例において、可動部材450は、平らな表面を有してもよい。いくつかの実施例において、可動部材450は、ポンプ本体に固定されず、ポンプ本体に対して移動してもよい。可動部材450は、一定体積の流体を送り出すように、(例えば、ドライバアセンブリ405によって)2つ以上の安定位置の間で駆動されてもよい。
【0089】
いくつかの実施例において、駆動アセンブリ410は、1つ以上の制御信号に基づいて、1つ以上の駆動力を生成してもよい。制御信号についてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図2、
図3、
図6、及び
図7とそれらの説明)に見出すことができる。いくつかの実施例において、ドライバアセンブリ405は、例えば、図示しない接続ロッドを介して可動部材450に動作可能に接続されてもよく、かつ(駆動アセンブリ410によって生成された)駆動力は、接続ロッドを介して伝動アセンブリ420によって可動部材450に伝達されてもよい。すなわち、ドライバアセンブリ405は、(接続ロッドを介して)可動部材450を移動させるように駆動してもよい。いくつかの実施例において、第1の壁430は、第3の壁4100及び第4の壁4110に接続されてもよい。いくつかの実施例において、第1の壁430は孔を含んでもよく、かつ伝動アセンブリ420と可動部材450を接続する接続ロッドは孔を通して移動してもよい。代替的には、いくつかの実施例において、第1の壁430は、第3の壁4100及び第4の壁4110に接続されなくてもよく、第1の壁430は移動可能であってもよく、省略されてもよい。
【0090】
図4Aに示すように、マイクロ流体チップポンプ400の可動部材450は、第1の安定位置にあってもよい。いくつかの実施例において、第1の安定位置で、可動部材450は、第1の壁430に最も近くてもよい。いくつかの実施例において、第1の安定位置にあるとき、可動部材450は、第1の壁430に隣接してもよい。いくつかの実施例において、第1の安定位置で、可動部材450は、第1の壁430に密着されてもよい。いくつかの実施例において、第1の安定位置で、可動部材450と第1の壁430との間で空間又は隙間がなくてもよい。可動部材450が
図4Aに示す第1の安定位置にあるとき、第1のチャンバ440の体積は最小体積になってもよく、したがって、第2のチャンバ460の体積は最大体積になってもよい。いくつかの実施例において、第1のチャンバ440の最小体積は約0であってもよいのに対し、第2のチャンバ460の最大体積は第1のチャンバ440及び第2のチャンバ460を含むポンプ室の体積に実質的に等しくてもよい。
【0091】
図4Bに示すように、マイクロ流体チップポンプ400の可動部材450は、第2の安定位置にあってもよい。可動部材450が異なる安定位置にあること以外、
図4Aに示すマイクロ流体チップポンプ400は、
図4Bにおけるマイクロ流体チップポンプ400と同じである。いくつかの実施例において、第2の安定位置で、可動部材450の底面は、第3の壁4100及び第4の壁4110の底面と整列されてもよい。代替的には、いくつかの実施例において、第2の安定位置にあるとき、可動部材450は、第2の壁470に隣接してもよい。いくつかの実施例において、第2の安定位置で、可動部材450は第2の壁470に密着される可能性がある。可動部材450が
図4Bに示す第2の安定位置にあるとき、第2のチャンバ460の体積は最小体積になってもよく、したがって、第1のチャンバ440の体積は最大体積になってもよい。
【0092】
図4A及び
図4B及び以上の説明で示した可動部材450の第1の安定位置及び第2の安定位置は、例示のために提供されるものに過ぎず、本願の範囲を限定することを意図しないことに注意されるべきである。いくつかの実施例において、可動部材450は、2つ以上の安定位置を有してもよい。いくつかの実施例において、ドライバアセンブリ405は、可動部材450の現在位置を記録してもよく、及び/又は、可動部材450をポンプ室内の任意の所望の位置に移動させるように駆動してもよい。したがって、可動部材450は、少なくとも2つの安定位置を有してもよく、かつ可動部材450の現在位置及び/又は可動部材450の目標位置に基づいて可動部材450に印加された駆動力により、ドライバアセンブリ405は、可動部材450を異なる安定位置の間で駆動(又は制御)してもよい。
【0093】
いくつかの実施例において、入口弁480及び/又は出口弁490は、受動弁であってもよい。可動部材450が異なる安定位置の間で駆動されるとき、第1のチャンバ440(及び/又は第2のチャンバ460)の体積は変化してもよく、かつ第2のチャンバ460内の流体の圧力は変化してもよい。第2のチャンバ460内の流体の圧力の変化に伴って、流体を第2のチャンバ460に供給してもよく、第2のチャンバ460から送り出してもよい。受動弁による流体のポンピングについてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図2~
図3Bとそれらの説明)に見出すことができる。いくつかの実施例において、入口弁480及び/又は出口弁490は、能動弁であってもよい。可動部材450が異なる安定位置の間で駆動されるとき、制御アセンブリ112は対応して入口弁480及び/又は出口弁490の開閉状態を制御してもよく、したがって、流体を第2のチャンバ460に供給してもよい(又はその中から送り出してもよい)。
【0094】
図5は、本願のいくつかの実施例に係るマイクロ流体チップポンプ(例えば、
図2のマイクロ流体制御チップポンプ200、
図3のマイクロ流体制御チップポンプ300、及び
図4のマイクロ流体制御チップポンプ400)を使用して固定体積の流体を注入するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【0095】
502において、可動部材(例えば、可動部材260、可動部材350、及び可動部材450)は、ドライバアセンブリ(例えば、ドライバアセンブリ210、ドライバアセンブリ305、及びドライバアセンブリ405)によって第1の安定位置(例えば、
図3A及び
図4Aに示す第1の安定位置)に駆動される。入口弁(例えば、入口弁242、入口弁380、及び入口弁480)を通って液体を第2のチャンバ(例えば、第2のチャンバ233、第2のチャンバ360、及び第2のチャンバ460)に流入させ、第1のチャンバ(例えば、第1のチャンバ231、第1のチャンバ340、及び第1のチャンバ440)の体積を最小体積にすると共に、出口弁(例えば、出口弁252、出口弁390、及び出口弁490)を閉じる。第1の安定位置と可動部材の第1の安定位置への移動とについてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図3A及び
図4Aとそれらの説明)に見出すことができる。
【0096】
504において、可動部材は、第1の安定位置から第2の安定位置(例えば、
図3B及び
図4Bに示す第2の安定位置)に駆動されてもよい。入口弁を閉じると共に、出口弁によって流体を第2のチャンバから流出させ、かつ第1のチャンバの体積を最大体積にすることができる。いくつかの実施例において、固定体積は、第1のチャンバの最大体積と最小体積との差に等しくてもよい。第2の安定位置と可動部材の第2の安定位置への移動とについてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図3B及び
図4Bとそれらの説明)に見出すことができる。
【0097】
プロセス500についての以上の説明は、例示のために提供されるものに過ぎず、本願の範囲を限定することを意図しない。当業者であれば、本願の説明に基づいて、様々な変更及び修正を行うことができる。しかしながら、これらの変更及び修正は、本願の範囲から逸脱するものではない。例えば、動作502及び504は、単一の動作に統合されてもよい。また例えば、可動部材は、別の固定体積の流体を第2のチャンバから流出させるように、第2の安定位置から第3の安定位置に駆動されてもよい。
【0098】
図6は、本願のいくつかの実施例に係る例示的な制御信号の概略図である。いくつかの実施例において、ドライバアセンブリ(例えば、ドライバアセンブリ305、ドライバアセンブリ210、及びドライバアセンブリ405)は、制御回路(例えば、
図3A及び
図3Bの第2の制御回路)によって制御されてもよい。制御回路は、1つ以上の制御信号を提供して、ドライバアセンブリを制御してマイクロ流体チップポンプの可動部材(例えば、マイクロ流体チップポンプ300の可動部材350、及びマイクロ流体チップポンプ400の可動部材450)を異なる安定位置の間で駆動してもよい。いくつかの実施例において、制御回路は、マイクロ流体チップポンプ内に設置されてもよく、マイクロ流体チップポンプに動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施例において、制御回路が生成した制御信号は、1つ以上の第1の制御信号601及び1つ以上の第2の制御信号602を含んでもよい。いくつかの実施例において、第1の制御信号601は、可動部材を第2の安定位置から第1の安定位置に駆動して、流体を、入口弁を通って第2のチャンバに流入させるように、ドライバアセンブリを制御するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、第2の制御信号602は、可動部材を第1の安定位置から第2の安定位置に駆動して、流体を、出口弁を通って第2のチャンバから流出させるように、ドライバアセンブリを制御するように構成されてもよい。第1の安定位置及び第2の安定位置についてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図3A~
図4Bとそれらの説明)に見出すことができる。
【0099】
いくつかの実施例において、
図6に示すように、第1の制御信号601及び/又は第2の制御信号602は、パルス信号によって表されてもよい。いくつかの実施例において、第1の制御信号601を表すパルス信号と第2の制御信号602を表すパルス信号は、逆方向にあってもよい。例えば、第1の制御信号601は正パルス信号であってもよいのに対し、第2の制御信号602は負パルス信号であってもよい。いくつかの実施例において、パルス信号は、可動部材の動きを駆動するように構成されてもよい。例えば、1つのパルス信号は、可動部材の1つの動きを表してもよい。いくつかの実施例において、第1の制御信号601を表すパルス信号と第2の制御信号602を表すパルス信号は、同じ方向にあってもよい。いくつかの実施例において、第1の制御信号601を表すパルス信号と第2の制御信号602を表すパルス信号は、それぞれゼロと非ゼロであってもよい。
図6に示す制御信号は、例示のために提供されるものに過ぎず、本願の範囲を限定することを意図しない。いくつかの実施例において、第1の制御信号601及び/又は第2の制御信号602は、方形波、正弦波、台形波などで表されてもよい。いくつかの実施例において、第1の制御信号601及び第2の制御信号602は、単一の制御信号に統合されてもよく、単一の信号で表されてもよい。いくつかの実施例において、単一の制御信号は、1つ以上の立ち上がりエッジ及び1つ以上の立ち下がりエッジを含んでもよい。いくつかの実施例において、立ち上がりエッジは、可動部材を駆動するように構成される(例えば、ドライバアセンブリを制御して可動部材を第2の安定位置から第1の安定位置に移動させるか又は第1の安定位置から第2の安定位置に移動させる)。いくつかの実施例において、単一の制御信号の立ち上がりエッジに続く安定レベルは、可動部材を第1の安定位置(又は第2の安定位置)に維持するように指示してもよい。いくつかの実施例において、立ち下がりエッジは、可動部材の別の動きを駆動するように構成されてもよい(例えば、ドライバアセンブリを制御して可動部材を第1の安定位置から第2の安定位置に移動させるか又は第1の安定位置から第2の安定位置に移動させる)。いくつかの実施例において、単一の制御信号の立ち下がりエッジに続く安定レベルは、可動部材を第2の安定位置(又は第1の安定位置)に維持するように指示してもよい。
【0100】
マイクロ流体チップポンプ300を例として、ユーザ又はオペレータが端末130又は制御アセンブリ112によって制御回路に命令を送信すると、制御回路は、駆動アセンブリ310に制御信号を提供してもよい。駆動アセンブリ310は、制御信号に基づいて、1つ以上の駆動力を生成してもよい。伝動アセンブリ320は、駆動力を可動部材350に伝達して、第1の安定位置と第2の安定位置との間で可動部材350を駆動してもよい。第2の制御信号を提供すると、駆動アセンブリ310及び伝動アセンブリ320は、可動部材350を第1の安定位置から第2の安定位置に駆動してもよい。第1の制御信号601を提供すると、駆動アセンブリ310及び伝動アセンブリ320は、可動部材350を第2の安定位置から第1の安定位置に駆動してもよい。
【0101】
いくつかの実施例において、第1の制御信号601及びそれに続く第2の制御信号602に応答して、マイクロ流体チップポンプは、一定体積の流体を注入してもよい。目標体積の流体を注入する必要がある場合、一定数量の第1の制御信号及び第2の制御信号を使用してマイクロ流体チップポンプを制御して流体を複数回注入してもよい。目標体積の流体の注入についてのより詳細な説明は、本願の他の箇所(例えば、
図7とその説明)に見出すことができる。
【0102】
図7は、本願のいくつかの実施例に係るマイクロ流体チップポンプ(例えば、
図2のマイクロ流体制御チップポンプ200、
図3のマイクロ流体制御チップポンプ300、及び
図4のマイクロ流体制御チップポンプ400)を使用して目標体積の流体を注入する例示的なプロセスのフローチャートである。いくつかの実施例において、プロセス700は、注入システム100によって実行されてもよい。例えば、プロセス700は、1つ以上の記憶装置(例えば、記憶装置150)に記憶され、かつ端末130によって呼び出され及び/又は実行される命令(例えば、アプリケーションプログラム)として実現されてもよい。以下に示されるプロセス700の動作は、例示的であることを意図する。いくつかの実施例において、プロセスは、説明されていない1つ以上の動作を増加させ、及び/又は検討された1つ以上の動作を削除することにより完了されてもよい。また、
図7に示すような、以下に説明するプロセス700の動作の順序は、限定することを意図しない。
【0103】
702において、目標体積と固定体積に基づいて、第1の制御信号及び第2の制御信号の数量を決定してもよい。例えば、目標体積を固定体積で割った値に基づいて、数量を決定してもよい。
【0104】
704において、第1の制御信号及び第2の制御信号を送信して、目標体積になるまで固定体積の流体を注入してもよい。いくつかの実施例において、固定体積の流体を注入するたびに、第1の制御信号をマイクロ流体チップポンプのドライバアセンブリに送信して可動部材を第1の安定位置に駆動することにより、流体を、入口弁を通って第2のチャンバに流入させ、第1のチャンバの体積を最小体積にすると共に、出口弁を閉じてもよい。いくつかの実施例において、第2の制御信号をドライバアセンブリに送信して可動部材を第1の安定位置から第2の安定位置に駆動することにより、流体を、出口弁を通って第2のチャンバから流出させ、かつ第1のチャンバの体積を最大体積にすると共に、入口弁を閉じてもよい。いくつかの実施例において、固定体積は、第1のチャンバの最大体積と最小体積との差に等しくてもよい。
【0105】
いくつかの実施例において、単位時間あたりに注入された所定の体積、所定の期間、固定体積及び/又は目標体積に基づいて、マイクロ流体チップを使用して流体を注入する頻度(すなわち、単位時間あたりの流体の注入回数)を決定してもよい。いくつかの実施例において、頻度に基づいて、第1の制御信号及び第2の制御信号の数量を決定してもよい。いくつかの実施例において、頻度に基づいて、単位時間あたりに送信された第1の制御信号及び第2の制御信号の数量を決定してもよい。例えば、1時間あたりに流体を2回注入するように設計すると、2つの第1の制御信号及び2つの第2の制御信号を使用してマイクロ流体チップポンプを制御して流体を注入してもよい。いくつかの実施例において、頻度を調整することにより目標体積を調整してもよい。
【0106】
上記説明は、例示のために提供されるものに過ぎず、本願の範囲を限定することを意図しないことに注意されるべきである。当業者であれば、本願の説明に基づいて、様々な変更及び修正を行うことができる。しかしながら、これらの変更及び修正は、本願の範囲から逸脱するものではない。
【0107】
以上のように基本的概念を説明したが、本願を読んだ当業者には、上記発明の開示が単に一例であり、本願を限定するものでないことが明らかである。本明細書で明らかに説明していないが、当業者であれば、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。このような変更、改良及び修正は本願において提案されているため、このような変更、改良及び修正は依然として本願の例示的な実施例の主旨及び範囲に属する。
【0108】
本願は、特定の単語を用いて本願の実施例を説明する。また、本願は、特定の用語を用いて本願の実施例を説明する。例えば、用語「1つの実施例」、「一実施例」及び「いくつかの実施例」とは、本願の少なくとも1つの実施例に関連するある特徴、構造又は特性を指す。したがって、本明細書において異なる位置で2回以上言及された「一実施例」、「1つの実施例」又は「代替的な実施例」は、必ずしも同一の実施例を指すものではないことに強調及び注意されるべきである。また、本願の1つ以上の実施例のある特徴、構造又は特性を適宜組み合わせることができる。
【0109】
また、本願の各態様は、任意の新規で有用なプロセス、機械、製品又は物質の組み合わせ、又は任意のそれらの新規で有用な改良を含む複数の特許可能なクラス又はコンテキストにおいて説明及び記載できることが当業者によって理解されるであろう。対応的に、本願の各態様は、完全にハードウェアによって実行されてもよいし、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)によって実行されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実行されてもよく、上記ハードウェア又はソフトウェアは、いずれも「モジュール」、「ユニット」、「アセンブリ」、「デバイス」又は「システム」と呼ばれてもよい。また、本願の各態様は、コンピュータ可読プログラムコードを含む、1つ以上のコンピュータ可読媒体において具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取ってもよい。
【0110】
コンピュータ可読信号媒体に、例えば、ベースバンド内に又は搬送波の一部分として具現化された、コンピュータプログラムコードを有する伝播データ信号が含まれてもよい。このような伝播信号は、電磁気形態、光形態など、又は任意の適切な組み合わせを含む様々な形態を取ってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であってもよく、該媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスに接続されて、使用されるプログラムを通信、伝播又は送信することができる。コンピュータ可読信号媒体にあるプログラムコードは、無線、ケーブル、光ファイバケーブル、RFなど、又は任意の上記媒体の組み合わせを含む任意の適切な媒体によって伝播することができる。
【0111】
本願の各部分の動作に必要なコンピュータプログラムコードは、Java、Scala、Smalltalk、Eiffel、JADE、Emerald、C++、C#、VB.NET、Pythonなどのオブジェクト指向型プログラミング言語、「C」言語、Visual Basic、Fortran 2003、Perl、COBOL 2002、PHP、ABAPなどの従来の手続型プログラミング言語、Python、Ruby及びGroovyなどの動的プログラミング言語、又は他のプログラミング言語を含む任意の1つ以上のプログラミング言語で記述することができる。該プログラムコードは、完全にユーザコンピュータで実行されても、独立したソフトウェアパッケージとしてユーザコンピュータで実行されても、部分的にユーザコンピュータで実行され部分的にリモートコンピュータで実行されても、完全にリモートコンピュータ又はサーバで実行されてもよい。後者の状況では、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)などの任意のネットワーク形式でユーザコンピュータに接続されても、(例えば、インターネットを介して)外部コンピュータに接続されても、クラウドコンピューティング環境において使用されても、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)などのサービスとして使用されてもよい。
【0112】
また、本願に記載されている処理素子及びシーケンスの順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、請求項において明記しない限り、本願のプロセス及び方法の順序を限定することを意図しない。上記開示において様々な例によって現在では有用であると考えられるいくつかの発明の実施例を検討したが、そのような詳細が説明の目的のみで提供され、付加的な請求項が開示された実施例に限定されず、逆に、請求項は本願の実施例の実質及び範囲に合致するすべての修正及び等価な組み合わせをカバーすることを意図することに理解されるべきである。例えば、以上に説明されたシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスによって実現されてもよいが、ソフトウェアの解決手段のみによって実現されてもよく、例えば、従来のサーバ又はモバイルデバイスに説明されたシステムをインストールすることにより実現されてもよい。
【0113】
同様に、本願に開示された記述を簡略化して、1つ以上の発明の実施例に対する理解を助けるために、本願の実施例に対する上述した説明において、複数の特徴を1つの実施例、図面又はそれに対する説明に統合する場合があることに注意されるべきである。しかしながら、本願の該方法は、言及された走査対象物質が、各請求項に明確に記載されている特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を示すと解釈されるべきではない。実際に、特許請求の範囲の特徴は、上記開示された単一の実施例のすべての特徴よりも少ない。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ室を含むポンプ本体と、
前記ポンプ室内に配置され、前記ポンプ室を第1のチャンバと第2のチャンバに分割する可動部材と、
前記可動部材を第1の安定位置と第2の安定位置との間で駆動して、前記第1のチャンバの体積及び前記第2のチャンバの体積を変化させるように構成されたドライバアセンブリと、を含む、マイクロ流体チップポンプであって、
前記可動部材が前記第1の安定位置にあるとき、前記第1のチャンバの体積は最小体積になり、
前記可動部材が前記第2の安定位置にあるとき、前記第1のチャンバの体積は最大体積になり、
前記可動部材が前記第1の安定位置から前記第2の安定位置に駆動されるたびに、マイクロ流体チップポンプは、前記第2のチャンバから固定体積の流体を吐出するように構成され、前記固定体積は、前記第1のチャンバの最大体積と前記第1のチャンバの最小体積との差に等しい、マイクロ流体チップポンプ。
【請求項2】
前記ポンプ本体は、前記可動部材を前記第1の安定位置に拘束するように配置された第1の壁を含み、
前記可動部材が前記第1の安定位置にあるとき、前記可動部材は前記第1の壁に隣接する、請求項1に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項3】
前記ポンプ本体は、前記可動部材を前記第2の安定位置に拘束するように配置された第2の壁を含み、
前記可動部材が前記第2の安定位置にあるとき、前記可動部材は前記第2の壁に隣接する、請求項1又は2に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項4】
前記第2のチャンバから吐出される流体の前記固定体積は0.01μL~10mLの範囲にある、請求項1~3のいずれか1項に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項5】
前記第2のチャンバから吐出される流体の前記固定体積は0.1μL~2μLの範囲にある、請求項4に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項6】
前記第2のチャンバから吐出される流体の前記固定体積は0.5μLである、請求項4に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項7】
前記第2のチャンバと流体連通する入口弁と、
前記第2のチャンバと流体連通する出口弁と、をさらに含む、請求項1~
6のいずれか1項に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項8】
第1のチャネルを介して前記入口弁と流体連通するリザーバと、
第2のチャネルを介して前記出口弁と流体連通する適用部材と、をさらに含む、請求項
7に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項9】
前記可動部材を前記第1の安定位置と前記第2の安定位置との間で駆動するように前記ドライバアセンブリに制御信号を提供するように構成された制御回路をさらに含む、請求項1~
8のいずれか1項に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項10】
前記制御信号は、前記可動部材を前記第2の安定位置から前記第1の安定位置に駆動するための前記ドライバアセンブリへの第1の制御信号と、前記可動部材を前記第1の安定位置から前記第2の安定位置に駆動するための前記ドライバアセンブリへの第2の制御信号と、を含み、
前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号はパルス信号によって表される、請求項
9に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項11】
前記マイクロ流体チップポンプは、1つ以上のセンサに動作可能に結合されるか又は前記1つ以上のセンサを含み、前記1つ以上のセンサは、前記マイクロ流体チップポンプの動作状態を監視するように構成される、請求項1~
10のいずれか1項に記載のマイクロ流体チップポンプ。
【請求項12】
マイクロ流体チップポンプを使用して固定体積の流体を注入する方法であって、前記マイクロ流体チップポンプは、ポンプ室を含むポンプ本体と、前記ポンプ室を第1のチャンバと第2のチャンバに分割する可動部材と、ドライバアセンブリと、を含み、前記方法は、
前記ドライバアセンブリが前記可動部材を第1の安定位置に駆動することにより、前記流体を、入口弁を通って前記第2のチャンバに流入させ、前記第1のチャンバの体積を最小体積にすると共に、出口弁を閉じることと、
前記ドライバアセンブリが前記可動部材を前記第1の安定位置から第2の安定位置に駆動することにより、前記流体を、前記出口弁を通って前記第2のチャンバから流出させ、前記第1のチャンバの体積を最大体積にすると共に、前記入口弁を閉じることと、を含み、前記固定体積は、前記第1のチャンバの前記最大体積と前記最小体積との差に等しい、方法。
【請求項13】
マイクロ流体チップポンプを使用して固定体積の流体を1回以上注入することにより目標体積の流体を注入する方法であって、前記マイクロ流体チップポンプは、ポンプ室を含むポンプ本体と、前記ポンプ室を第1のチャンバと第2のチャンバに分割する可動部材と、ドライバアセンブリと、を含み、前記方法は、
前記目標体積と前記固定体積に基づいて、第1の制御信号及び第2の制御信号の数量を決定することと、
第1の制御信号及び第2の制御信号を送信して、前記目標体積になるまで固定体積の前記流体を注入することと、を含み、
前記固定体積の流体を注入するたびに、前記方法は、
第1の制御信号を前記ドライバアセンブリに送信して前記可動部材を第1の安定位置に駆動することにより、前記流体を、入口弁を通って前記第2のチャンバに流入させ、前記第1のチャンバの体積を最小体積にすると共に、出口弁を閉じることと、
第2の制御信号を前記ドライバアセンブリに送信して前記可動部材を前記第1の安定位置から第2の安定位置に駆動することにより、前記流体を、出口弁を通って前記第2のチャンバから流出させ、前記第1のチャンバの体積を最大体積にすると共に、前記入口弁を閉じることと、を含み、前記固定体積は、前記第1のチャンバの前記最大体積と前記最小体積との差に等しい、方法。
【請求項14】
前記目標体積と前記固定体積に基づいて、第1の制御信号及び第2の制御信号の数量を決定することは、
単位時間内又は所定の期間内の所定の体積と前記固定体積に基づいて、前記マイクロ流体チップを使用して流体を注入する頻度を決定することと、
前記頻度に基づいて、前記第1の制御信号及び第2の制御信号の数量を決定することと、を含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記頻度を調整することにより前記目標体積を調整することをさらに含む、請求項
14に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】