(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(54)【発明の名称】TREK(TWIK関連K+チャネル)チャネル機能のモジュレータ
(51)【国際特許分類】
C07D 231/02 20060101AFI20221215BHJP
C07D 405/14 20060101ALI20221215BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20221215BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221215BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20221215BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20221215BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20221215BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20221215BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20221215BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20221215BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20221215BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20221215BHJP
A61P 25/06 20060101ALI20221215BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20221215BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20221215BHJP
A61P 9/06 20060101ALI20221215BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20221215BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20221215BHJP
A61P 13/10 20060101ALI20221215BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20221215BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221215BHJP
A61P 19/08 20060101ALI20221215BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20221215BHJP
A61P 19/10 20060101ALI20221215BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20221215BHJP
A61P 25/30 20060101ALI20221215BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20221215BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20221215BHJP
A61K 31/4545 20060101ALI20221215BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20221215BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20221215BHJP
C07D 409/14 20060101ALI20221215BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20221215BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20221215BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20221215BHJP
C07D 405/04 20060101ALI20221215BHJP
C07D 405/06 20060101ALI20221215BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20221215BHJP
C07D 493/08 20060101ALI20221215BHJP
C07D 417/14 20060101ALI20221215BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20221215BHJP
C07D 413/06 20060101ALI20221215BHJP
A61K 31/4709 20060101ALI20221215BHJP
A61K 31/415 20060101ALI20221215BHJP
A61K 31/4155 20060101ALI20221215BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
C07D231/02 CSP
C07D405/14
A61K31/4439
A61P43/00 111
A61P25/14
A61P25/16
A61P25/18
A61P25/22
A61P25/24
A61P25/28
A61P25/04
A61P25/00
A61P25/06
A61P25/08
A61P9/10
A61P9/06
A61P11/02
A61P11/00
A61P13/10
A61P31/04
A61P35/00
A61P19/08
A61P13/12
A61P19/10
A61P1/04
A61P25/30
A61K45/00
C07D401/14
A61K31/4545
C07D471/04 106A
C07D401/12
C07D409/14
A61K31/5377
A61K31/55
C07D413/14
C07D405/04
C07D405/06
A61K31/496
C07D493/08 A
C07D417/14
A61K31/454
C07D413/06
A61K31/4709
A61K31/415
A61K31/4155
A61K31/444
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523352
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 JP2020040001
(87)【国際公開番号】W WO2021080015
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/117116
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000185983
【氏名又は名称】小野薬品工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】509346070
【氏名又は名称】バンダービルト ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100134784
【氏名又は名称】中村 和美
(72)【発明者】
【氏名】リンゼイ, クレイグ ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】エンガーズ, ダレン ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】チルドレス, エリザベス エス.
(72)【発明者】
【氏名】ボリンジャー, ショーン アール.
(72)【発明者】
【氏名】シュミット, ジョーザ
(72)【発明者】
【氏名】ガリソン, アーロン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ペリー, チャールズ ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】デントン, ジェロッド エス.
(72)【発明者】
【氏名】田中 元之
【テーマコード(参考)】
4C063
4C065
4C071
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA03
4C063AA05
4C063BB01
4C063BB02
4C063BB03
4C063BB09
4C063CC22
4C063CC54
4C063CC62
4C063CC75
4C063CC76
4C063CC78
4C063CC82
4C063CC92
4C063DD02
4C063DD03
4C063DD08
4C063DD10
4C063DD12
4C063DD14
4C063DD17
4C063DD19
4C063DD22
4C063EE01
4C065AA03
4C065BB05
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH01
4C065JJ08
4C065KK01
4C065LL01
4C065PP09
4C065PP12
4C071AA03
4C071BB01
4C071CC11
4C071EE05
4C071FF15
4C071GG05
4C071JJ01
4C071JJ05
4C071LL01
4C084AA22
4C084NA05
4C084ZA021
4C084ZA061
4C084ZA081
4C084ZA121
4C084ZA151
4C084ZA161
4C084ZA181
4C084ZA341
4C084ZA361
4C084ZA591
4C084ZA811
4C084ZA961
4C084ZA971
4C084ZB261
4C084ZB351
4C084ZC391
4C084ZC411
4C084ZC412
4C084ZC752
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC36
4C086BC37
4C086BC50
4C086BC73
4C086CB05
4C086GA02
4C086GA04
4C086GA06
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA10
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA06
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZA34
4C086ZA36
4C086ZA59
4C086ZA81
4C086ZA96
4C086ZA97
4C086ZB26
4C086ZB35
4C086ZC39
4C086ZC41
(57)【要約】
式(I)の化合物が開示されており、式中、全ての記号は本明細書で定義される。本化合物を含む医薬組成物、本化合物を作製する方法、本化合物を含むキット、及び哺乳動物におけるTREK-1、TREK-2、又はTREK-1及びTREK-2の両方の調節不全に関連する障害を予防及び/又は治療するために本化合物を使用する方法もまた開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中、
Lは、(1)結合、(2)C2~C4-アルキニレン、(3)C2~C4-アルケニレン、(4)-(C1~C10-アルキレン)-O-、(5)-O-(C1~C10-アルキレン)-、(6)-(6から15員のアリール)-、(7)-(5から15員のヘテロアリール)-、(8)-(3から15員の複素環)-、及び(9)-(C3~C10-シクロアルカン)-から選択され、
Wは、(1)CH、(2)CR
4及び(3)Nから選択され、
Zは、(1)CH、(2)CR
5及び(3)Nから選択され、
R
4及びR
5は、各々独立して、(1)シアノ、(2)ハロゲン、(3)ペンタハロスルファニル、(4)C1~C10-チオアルキル、(5)C1~C10-アルコキシ、(6)C1~C10-アルキル、(7)C2~C10-アルケニル、(8)C2~C10-アルキニル、(9)-OR
b、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル、(13)C2~C10-ヘテロアルキル、(14)3から15員の複素環、及び(15)-(CR
cR
d)n-Qから選択され、
R
4又はR
5の(4)~(8)の各々は、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよく、R
4又はR
5の(10)~(14)の各々は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
R
bは、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
R
cは、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
R
dは、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
又は、R
c及びR
dがC1~C10-アルキルである場合、R
c及びR
dは、それらが結合している炭素原子と一緒にC3~C10-シクロアルキルを任意に形成してもよく、
nは、0、1、2、3又は4であり、;
Qは、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OR
201、(4)-SR
202、(5)-C(=O)R
203、(6)-C(=O)OR
204、(7)-S(=O)R
205、(8)-SO
2R
206、(9)-N(R
207)
2、(10)-C(=O)N(R
208)
2、(11)-SO
2N(R
209)
2、(12)6から15員のアリール、(13)5から15員のヘテロアリール、(14)C3~C10-シクロアルキル及び(15)3から15員の複素環から選択され、Qの(12)~(15)の各々は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
R
201、R
202、R
203、R
204、R
205、R
206、R
207、R
208及びR
209は、各々独立して、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、複数のR
207、R
208及びR
209は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
【化2】
は、(1)R
3で置換された1,2,3ートリアゾール、(2)R
3で置換されたピロール、(3)R
3で置換されたピラゾール、(4)R
3で置換されたイソオキサゾール、(5)R
3で置換されたイソチアゾール、(6)R
3で置換されたイミダゾール、(7)R
3で置換されたフラン、(8)R
3で置換されたチオフェンから選択され、
式中、Yは、(1)CH、(2)CR
3、(3)N、(4)NH、(5)NR
3、(6)O及び(7)Sから選択され、
Uは、(1)CH、(2)CR
3、(3)CR
x、(4)N、(5)NH、(6)NR
3、(7)NR
x、(8)O及び(9)Sから選択され、
Vは、(1)CH、(2)CR
x、(3)N、(4)NH、(5)NR
x、(6)O及び(7)Sから選択され、
Y及びUの一方はNR
3又はCR
3であり、他方はNR
3又はCR
3ではなく、
【化3】
は、単結合又は二重結合であり、
R
xは、(1)NH
2、(2)ハロゲン、(3)C1~C4-アルキル及び(4)C1~C4-ハロアルキルから選択され、
Rは、(1)6から15員のアリール及び(2)5から15員のヘテロアリールから選択され、これらは各々、1から5個のR
6で任意に置換されていてもよく、
複数のR
6は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
R
6は、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)ペンタハロスルファニル、(4)C1~C10-アルキル、(5)C1~C10-チオアルキル、(6)C1~C10-アルコキシ、(7)C2~C10-アルケニル、(8)C2~C10-アルキニル及び(9)-OR
bから選択され、R
6の(4)~(6)の各々は、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよく、
R
1は、(1)C1~C10-アルキル、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルコキシ、(4)C1~C10-ハロアルキル、(5)C1~C10-ハロアルコキシ及び(6)シアノから選択され、
R
21は、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル、(3)ハロゲン、(4)C1~C10-アルコキシ、(5)C1~C10-ハロアルキル、(6)C1~C10-ハロアルコキシ及び(7)シアノから選択され、
R
2は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、(3)C1~C10-ハロアルキル、(4)シアノ、並びに(5)、(1)ハロゲン(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C10-シクロアルキルから選択され、
R
3は、(1)R
7、又は
【化4】
から選択され、
R
7は、(1)C3~C10-アルキル、(2)-(C2~C10-アルキレン)-シアノ、(3)-(C1~C10-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)、(4)-(C1~C10-アルキレン)-O-(C1~C10-アルキル)及び(5)-(C1~C10-アルキレン)-(CR
71R
72)
p-R
73から選択され、R
7の(1)~(5)の各々は、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよく、
R
71は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
R
72は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
又はR
71及びR
72がC1~C10-アルキルである場合、R
71及びR
72は、それらが結合している炭素原子と一緒にC3~C10-シクロアルキルを任意に形成していてもよく、C3~C10-シクロアルキルは、(1)ハロゲン及び(2)シアノから選択される1~10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
pは、0、1、2、3又は4であり、
R
73は、(1)-OR
101、(2)-SR
102、(3)-C(=O)R
103、(4)-C(=O)OR
104、(5)-S(=O)R
105、(6)-SO
2R
106、(7)-N(R
107)
2、(8)-C(=O)N(R
108)
2、(9)-SO
2N(R
109)
2、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル、及び(13)3から15員の複素環から選択され、R
73の(10)~(13)の各々は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1~10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
R
101、R
102、R
103、R
104、R
105、R
106、R
107、R
108及びR
109は、各々独立して、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、複数のR
107、R
108及びR
109は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
Mは、(1)結合又は(2)1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C10-アルキレンから選択され、
Ring Bは、(1)1から5個のR
8で任意に置換されていてもよいC3~C10-シクロアルキル、(2)1から5個のR
9で任意に置換されていてもよい3から15員の複素環、(3)1から5個のR
10で任意に置換されていてもよい6から15員のアリール及び(4)1から5個のR
11で任意に置換されていてもよい5から15員のヘテロアリールから選択され、
複数のR
8、R
9、R
10又はR
11は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
R
8、R
9、R
10及びR
11は各々独立して、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、(3)シアノ、(4)-C(=O)-(C1~C10-アルキル)、(5)-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(6)-C(=O)-(3から15員の複素環)、(7)-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)、(8)-C(=O)-O-(C3~C10-シクロアルキル)、(9)-C(=O)-O-(3から15員の複素環)、(10)-C(=O)-NR
81-(C1~C10-アルキル)、(11)-C(=O)-NR
82-(C3~C10-シクロアルキル)、(12)-C(=O)-NR
83-(3から15員の複素環)、(13)-NR
84-C(=O)-(C1~C10-アルキル)、(14)-NR
85-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(15)-NR
86-C(=O)-(3から15員の複素環)、(16)-NR
87-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)、(17)-NR
88-C(=O)-O-(C3~C10-シクロアルキル)、(18)-NR
89-C(=O)-O-(3から15員の複素環)、(19)-SO
2-(C1~C10-アルキル)及び(20)オキソから選択され、
R
8、R
9、R
10又はR
11の(2)、(4)、(7)、(10)、(13)、(16)及び(19)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C10-アルコキシから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、R
8、R
9、R
10又はR
11の(5)、(6)、(8)、(9)、(11)、(12)、(14)、(15)、(17)及び(18)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C10-アルキル、(4)C1~C10-アルコキシ及び(5)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
R
81、R
82、R
83、R
84、R
85、R
86、R
87、R
88及びR
89は、独立して、(1)水素及び(2)C1~C4-アルキルから選択される]
の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式(Ia):
【化5】
[式中、
【化6】
は、(1)R
3で置換された1,2,3ートリアゾール、(2)R
3で置換されたピロール、(3)R
3で置換されたピラゾール、及び(4)R
3で置換されたイミダゾールから選択され、
式中、Y
1は、CR
3又はNR
3から独立して選択され、
U
1は、(1)CH、(2)NR
x及び(3)Nから選択され、
V
1は、(1)CH及び(2)Nから選択され、
他の記号は請求項1に定義される通りである]
の化合物である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
式(Ia-1):
【化7】
[式中、全ての記号は、請求項1又は請求項2に定義される通りである]
の化合物である、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
R
2がハロゲンである、請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
式(Ia-2):
【化8】
[式中、
R
1aは、(1)ハロゲン及び(2)C1~C10-アルキルから選択され、
R
5aは、(1)水素、(2)ハロゲン及び(3)C1~C10-アルキルから選択され、
R
2aはハロゲンであり、
他の記号は請求項1に定義される通りである]
の化合物である、請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
式(Ia-3):
【化9】
[式中、全ての記号は請求項1又は5に定義される通りである]
の化合物である、請求項5に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
式(Ia-4):
【化10】
[式中、全ての記号は請求項1又は5に定義される通りである]
の化合物である、請求項5に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
式(Ia-5):
【化11】
[式中、
R
1bは、(1)ハロゲン及び(2)C1~C10-アルキルから選択され、
その他の記号は請求項1又は5に定義される通りである]
の化合物である、請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
式(Ia-6):
【化12】
[式中、全ての記号は請求項1又は5に定義される通りである]
の化合物である、請求項8に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
式(Ia-7):
【化13】
[式中、全ての記号は請求項1又は5に定義される通りである]
の化合物である、請求項8に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
式(Ib):
【化14】
[式中、
【化15】
は、(1)R
3で置換された1,2,3ートリアゾール、(2)R
3で置換されたピロール、(3)R
3で置換されたピラゾール、及び(4)R
3で置換されたイミダゾールから選択され、
式中、Y
2は、(1)CH及び(2)Nから選択され、
U
2は、(1)CR
3及び(2)NR
3から選択される;
V
2は、(1)CH、(2)CR
x及び(3)Nから選択され、
R
1cは、(1)C1~C10-アルキル、(2)ハロゲン及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
他の記号は請求項1に定義される通りである]
の化合物である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
式(Ib-1):
【化16】
[式中、全ての記号が請求項1又は請求項11に定義される通りである]
の化合物である、請求項11に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
式(Ib-2):
【化17】
[式中、全ての記号が請求項1又は請求項11に定義される通りである]
の化合物である、請求項12に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
R
2がハロゲンである、請求項13に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
式(Ib-3):
【化18】
[式中、
R
2bはハロゲンであり、
R
3bは、
【化19】
であり、式中、M
1は、(1)結合及び(2)1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C10-アルキレンから選択され、
Ring Cは、(1)1から5個のR
13で任意に置換されていてもよいC3~C10-シクロアルキル、(2)1から5個のR
14で任意に置換されていてもよい3から15員の複素環、及び(3)1から5個のR
15で任意に置換されていてもよい5から15員のヘテロアリールから選択され、
複数のR
13、R
14又はR
15は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
R
13、R
14及びR
15は各々独立して、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、(3)-C(=O)-(C1~C10-ハロアルキル)、(4)シアノ、(5)-C(=O)-(C1~C10-アルキル)、(6)-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(7)-C(=O)-(3から15員の複素環)及び(8)オキソから選択され、
他の記号は、請求項1又は請求項11に定義される通りである]、
の化合物である、請求項14に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
前記化合物が、
(1)1-((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(2)4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(3)(R)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(4)(S)-1-((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(5)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(6)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(7)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-((4-フルオロフェニル)エチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(8)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(9)4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-(4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(10)1-((3R,4R)-1-アセチル-3-フルオロピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(11)1-(1-(1,4-ジオキサン-2-カルボニル)ピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(12)1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(13)1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(14)1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(15)1-((1-アセチル-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(16)(S)-1-(1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)エチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(17)1-((1-アセチル-3-フルオロアゼチジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(18)1-((1-アセチル-3-フルオロアゼチジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(19)4-クロロ-1-[(3S)-1-(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-[3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(20)4-クロロ-1-[(3R)-1-(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-[3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項18】
前記式(I)の化合物が式(Ia)の化合物である、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤である、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記式(I)の化合物が式(Ib)の化合物である、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項21】
TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤である、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に治療有効量の請求項2から10若しくは16のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を含む、方法。
【請求項23】
TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する障害が、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する神経障害及び/又は精神障害である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらす前記TREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する神経障害及び/又は精神障害が、うつ病、統合失調症、不安障害、双極性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、22q11.2欠失症候群、神経因性疼痛又は脳梗塞から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に治療有効量の請求項11から15のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を含む、方法。
【請求項26】
TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が治療上の利益をもたらす前記TREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する障害が、疼痛、片頭痛、鼻炎症、心房細動、急性呼吸窮迫症候群、急性肺傷害、過活動膀胱、脳虚血、てんかん、筋萎縮性側索硬化症、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、敗血症、膵臓がん、クッシング症候群、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患、骨折、骨粗鬆症、側頭葉てんかん、統合失調症、大腸炎又は依存から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項2から10又は16のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、
並びに、(a)TREK1チャネル活性を低下させることが知られている少なくとも1つの薬剤、(b)TREK2チャネル活性を低下させることが知られている少なくとも1つの薬剤、(c)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREKチャネル機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療することが知られている少なくとも1つの薬剤、(d)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREKチャネル機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療するための説明書、及び(e)認知行動療法に関連して前記化合物を投与するための説明書、のうちの1つ以上
を含むキット。
【請求項28】
請求項11から15のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、並びに、
(a)TREK1チャネル活性を増加させることが知られている少なくとも1つの薬剤、(b)TREK2チャネル活性を増加させることが知られている少なくとも1つの薬剤、(c)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の活性化剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREKチャネル活性に関連する障害を予防及び/又は治療することが知られている少なくとも1つの薬剤、及び(d)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の活性化剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK活性に関連する障害を予防及び/又は治療するための説明書、のうちの1つ以上
を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、K2P K+チャネルに関連する障害、具体的には、TREK-1、TREK-2又はTREK-1及びTREK-2の両方のモジュレータが治療上の利益をもたらすTREK(TWIK関連K+チャネル)機能障害を予防及び/又は治療するための化合物、組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カリウム(K+)チャネルは、生物の実質的に全ての細胞で発現される膜タンパク質である。K+チャネルサブユニット(約80遺伝子)は、シェーカー型電位依存性(Kv)、内向き整流性(Kir)及び二孔ドメインを有するK+チャネル(K2P)を含む3つの主要な構造クラスに分けることができる(Kubo et al.,Pharmacol Rev.2005,57,509,Gutman,et al.Pharmacol Rev.2005,57,473,Goldstein et al.Pharmacol Rev.2005,57,527)。K+チャネルの3番目のファミリーは20年前に発見された(Leasge et al.EMBO J.1996,15,1004)。15個のヒトK2P K+チャネルがこれまでに同定されており、6つの構造サブグループ、すなわち、TWIK、TREK(TWIK関連K+チャネル)、TASK(TWIK関連酸感受性K+チャネル)、TALK(TWIK関連ALkaline pH活性化K+チャネル)、THIK(タンデム細孔ドメインハロタン阻害K+チャネル)及びTRESK(TWIK関連脊髄K+チャネル)に分類されている(Enyedi et al.Physiol.Rev.2010,90,559)。K2P K+チャネルは、バックグラウンド電流又は「リーク」K+電流を担う。これらのチャネルは、膜伸張、温度、アシドーシス、脂質及び吸入麻酔薬などの様々な物理的及び化学的刺激によって調節される。さらに、チャネル活性は、膜受容体刺激及びセカンドメッセンジャーのリン酸化経路によって厳密に制御される。この新規なK+チャネルファミリーのいくつかのメンバーは、中枢神経系及び末梢神経系で多く発現しており、重要な生理学的役割を果たすと提唱されている(TRENDs in Neurosci.2001)。
【0003】
TREKサブグループに属するTREK-1、TREK-2は、リゾリン脂質と、アラキドン酸を含むPUFAとによって活性化される熱及び機械ゲートK+チャネルである。これらは、PKA及びPKCリン酸化を介してGタンパク質共役受容体によって調節される(Channels(Austin).2011 Sep-Oct;5(5):402-9)。TREK-1遺伝子はCNSで広く発現され、末梢での分布は限定的である。CNSでは、TREK-1の発現は、線条体組織、尾状突起及び被殻、並びに脊髄、胎児脳、扁桃体及び視床において最も多い。末梢では、TREK-1発現は心臓、胃及び小腸で観察される。TREK-2遺伝子は、TREK-1と比較して非常に類似した発現プロファイルを有し、特に尾腺、被殻及び胎児脳で多く発現する。しかしながら、TREK-1とは対照的に、TREK-2はまた、小脳及び脳梁並びにいくつかの末梢組織、特に腎臓において多く発現される(Mol.Brain Res.2001,86,101)。
【0004】
TREK-1欠損マウスは、セロトニン(5-HT)神経伝達の有効性の増加、及びうつ病耐性表現型を示す(Nature Neurosci.2006,9,1134)。天然に存在するペプチドであるスパジンは、TREK-1を遮断し、抗うつ効果の迅速な発現をもたらす(Br.J.Pharmacol.2014,172,771)。さらに、フルオキセチン及びパロキセチンなどの抗うつ薬は、TREKチャネルを直接阻害する(Nat.Neurosci.2006,9,1134;Br.J.Pharmacol.2005,144,821)。したがって、低分子によるTREK-1の阻害は、うつ病並びに他の気分障害の治療に有望である(Front.Pharmacol.2018,9,863)。
【0005】
TREK-1の阻害は、麻酔によって誘発される認知障害からマウスを保護し、海馬における高密度と相まって、TREK-1は、揮発性麻酔薬によって誘発される記憶障害及び認知障害を伴う他のCNS障害に対する潜在的な治療標的である(Neurobiology of Learning and Memory、2017、145、199)。TREK-1遺伝子発現は、健常対照と比較して統合失調症患者の海馬で増加している(Neuropsychopharmacology 2010,35,239-57.)。TREK-1を標的とするマイクロRNAの髄腔内注射は、慢性狭窄坐骨神経損傷(Neurochem Res.2018、43、1143)によって誘発される神経障害性疼痛を改善し、TREK-1の阻害が認知障害及び神経障害性疼痛に有効であり得ることを示唆する。TREK-1のノックダウンは、インビトロ及びインビボで前立腺がん細胞の増殖を有意に阻害し、G1/S細胞周期停止を誘導する(Cancer Res.2008,68,1197-203.,Oncotarget.2015,6,18460-8)。TREK-1はヒト卵巣がん組織でも過剰発現し、TREK-1阻害剤(クルクミン及びL-メチオニン)の処置は卵巣がん細胞の増殖を抑制し、後期アポトーシスを増加させる(Clin.Transl.Oncol.2013,15,910-8.)。したがって、TREK-1阻害剤は、前立腺がん及び卵巣がんの治療に有用であり得る。
【0006】
TREK-1チャネルの抑制は、CRH誘発ACTH分泌に対するAVPの増強作用に寄与することが明らかになっている。したがって、TREK-1チャネルの開口部の増加は、副腎皮質刺激ホルモン分泌細胞の電気的興奮性に対するCRH及びAVPの刺激効果に対抗し、次いで、ストレス誘導性ACTHの放出を減少させ、これにより、TREK-1活性化剤がコルチゾールの異常に高いレベルを有する疾患、例えばクッシング症候群(Endocrinology 2015,156,3661)にも有用であると考えられるようになった。TREK-1活性化剤はまた、鼻炎症(Sci Rep.2015,5,9191)、急性呼吸窮迫症候群(急性肺傷害)(Am.J.Physiol.Lung Cell Mol.Physiol.2015,308,L731)、過活動膀胱(J.Pharmacol.Exp.Ther.2005,313250)、筋萎縮性側索硬化症(Mol.Pharmacol.2000,57,906)、敗血症(J.Surg.Res.2015,193,816)、膵臓がん(Biochim.Biophys.Acta.2016,1862,1994)に有用である。
【0007】
ニューロテンシン(NT)は、嗅内皮質II層星状ニューロンにおけるPLC/PKC経路のNT受容体1媒介活性化を介してTREK-2電流を抑制し、膜電位の脱分極及びニューロン興奮性の増強をもたらす。さらに、NT誘導性の空間学習の増強は、TREK-2 KOマウスでは減少しており、TREK-2阻害剤がアルツハイマー病などの認知障害の治療に有用であり得ることを示唆している(J.Neurosci.2014,34,7027-42.)。TREK-2は、ヒト膀胱がん細胞で発現しており、TREK-2が静止膜電位の調節に寄与する。TREK-2 KDは細胞増殖を減少させる(Korean J.Physiol.Pharmacol.2013,17,511-6.)。したがって、TREK-2阻害剤はまた、膀胱がんの治療に有効であり得る。
【0008】
TREK-2チャネルは、腎臓の近位曲尿細管上皮細胞で発現し、そのポリシスチンは機械的ストレスに応答して腎上皮細胞をアポトーシスから保護し、この機能はTREK-2の開口部を介して媒介される(Cell Rep.2012,1,241)。したがって、TREK-2活性化剤は、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患に有用である。TREK-2チャネルは、虚血後の星状膠細胞において機能的にアップレギュレートされ、グルタミン酸の星状膠細胞緩衝作用を助け、これにより、TREK-2活性化剤がまた虚血のために有用であると考えられるようになった(Open Neurosci J.2009,3,40)。嗅内皮質は、記憶の固定及び想起、アルツハイマー病、統合失調症及び側頭葉てんかんと密接に関連している。ノルエピネフリンは、これらの生理学的機能及び神経疾患において重要な役割を果たす神経伝達物質である。ノルエピネフリンは、プロテインキナーゼA経路のα2Aアドレナリン受容体媒介阻害を介してTREK-2を活性化し、これにより、膜電位を過分極させ、ニューロンの興奮性を低下させる(J.Biol Chem.2009,284,10980,ACS Chem Neurosci.2016 Sep 22(WEB ASAP))。
【0009】
小型阻害剤によるTREK-1の選択的阻害は、うつ病、統合失調症、認知症を含む認知障害、神経因性疼痛、脳卒中、前立腺がん及び卵巣がんに対して潜在的な治療上の利益を有する(Nat.Neurosci.2006,9,1134,Neuropsychopharmacology 2010,35,239,Neurobiol.Learn Mem.2017,145,199,Neurochem Res.2018,43,1143,Neurosci Lett.2018,671,93,Cancer Res.2008,68,1197,Clin.Transl.Oncol.2013,15,910)。
【0010】
低分子活性化剤によるTREK-1の選択的活性化は、疼痛、鼻炎症、心房細動、急性呼吸窮迫症候群、脳虚血、過活動膀胱、てんかん、筋萎縮性側索硬化症、麻酔、神経変性疾患、敗血症、膵臓がん及びクッシング症候群の潜在的な治療上の利益を有する(Nat.Commun.2013,4,2941,Sci.Rep.2015,5,9191,Life Sci.2014,97,107,EMBO J.2004,23,2684,Mol.Pharmacol.2000,57,906,Biochim.Biophys.Acta.2016,1862,1994,Endocrinology 2015,156,3661)。
【0011】
低分子阻害剤によるTREK-2の選択的阻害は、認知症などの認知障害、脳卒中及び膀胱がんの潜在的な治療上の利益を有する(J.Neurosci.2014,34,7027,Biochem.Biophys.Res.Commun.2005,327,1163,Korean J.Physiol.Pharmacol.2013,17,511)。急性ラット脳虚血モデルの皮質及び海馬においてTREK-2の発現レベルが上昇する(Biochem.Biophys.Res.Commun.2005,327,1163-9.)したがって、TREK-2阻害剤は脳卒中の治療に有用であり得る。
【0012】
低分子活性化剤によるTREK-2の選択的活性化は、疼痛、虚血、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患、骨粗鬆症、麻酔、側頭葉てんかん及び統合失調症に対して潜在的な治療上の利益を有する(J.Neurosci.2014,34,1494,Open Neurosci J.2009,3,40,Cell Rep.2012,1,41,J.Bone Miner.Res.2005,20,1454,Neurosci.Lett.2016,619,54,J.Biol.Chem.2009,284,10980,ACS Chem Neurosci.2016 WEB ASAP)。
【0013】
上記障害の全てはまた、TREK1及びTREK2の優先性の程度を変えて、TREK1及びTREK2の両方の阻害剤又は活性化剤によって有効に治療され得る。
【0014】
K2Pチャネルの研究及びTREK1/TREK2薬理学チャネルの研究の進歩にもかかわらず、TREK1、TREK2のいずれか、又はTREK1及びTREK2の両方の強力で有効な選択的阻害剤であり、K2P K+チャネルに関連する神経学的障害、炎症性障害、呼吸器障害、腎臓障害及び心血管障害、特にTREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK(TWIK関連K+チャネル)機能障害の治療にも有効な化合物、又は、TREK1、TREK2にいずれか、又はTREK1及びTREK2の両方の強力で有効な選択的活性化剤であり、K2P K+チャネルに関連する障害、特にTREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が治療上の利益をもたらすTREK(TWIK関連K+チャネル)機能障害の治療にも有効な化合物が依然として不足している。
【0015】
特許文献1は、式(A):
【化1】
、式中、
Hy
Aは、1~2個の窒素等を有する5~6員のヘテロアリール環であり、
環A
Aは、フェニル、ピリジルなどであり、
L
2Aは、
【化2】
などであり、
各R
XAは、独立して水素などであり、
環B
Aは、フェニル、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式複素芳香環などであり、
各R
1Aは、RAなどから独立して選択され、
各R
Aは、独立して、水素、又はC1~6脂肪族、3~8員飽和又は部分不飽和単環式炭素環から選択される任意に置換された基などであり、
L
1Aは、置換されるC1~4員の直鎖状又は分岐鎖状の飽和又は不飽和の二価炭化水素鎖などであり、
R
2A及びR
3Aの各々は、R
A、ハロゲン、シアノ、OR
Aなどから独立して選択され、
m及びnの各々は、独立して、1、2、3、4又は5であり、;pは、0、1、2又は3である、式(A)で表される化合物、又は薬理学的に許容される塩が
アリール炭化水素受容体の阻害剤であり、がんの治療に有用であることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【発明の概要】
【0017】
一態様では、式(I)
【化3】
式中、全ての記号は以下のように定義される、
の化合物又はその薬学的に許容される塩が開示される。
【0018】
また、本化合物を含む医薬組成物、本化合物の製造方法、本化合物を含むキット、並びに、TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する神経学的及び/又は精神医学的障害、あるいは、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する障害などの予防及び/又は治療のための本化合物、本組成物及び本キットの使用方法も開示される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、化合物12が新規物体認識課題においてMK-801誘導性欠損の回復を引き起こしたことを示す。縦軸は、Recognition indexを示し、横軸は、ビヒクルを投与した群、ビヒクル+MK-801を投与した群、又は試験化合物を投与した群を示す(ビヒクル+MK-801処理群との比較*p<0.05(ダネット検定)、ビヒクル+MK-801処理群との比較#p<0.07(ダネット検定))。
【発明を実施するための形態】
【0020】
TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方のモジュレータが本明細書に開示される。
【0021】
すなわち、本発明は、
[1] 式(I):
【化4】
式中、
Lは、(1)結合、(2)C2~C4-アルキニレン、(3)C2~C4-アルケニレン、(4)-(C1~C10-アルキレン)-O-、(5)-O-(C1~C10-アルキレン)-、(6)-(6から15員のアリール)-、(7)-(5から15員のヘテロアリール)-、(8)-(3から15員の複素環)-、及び(9)-(C3~C10-シクロアルカン)-から選択され、
Wは、(1)CH、(2)CR
4及び(3)Nから選択され、
Zは、(1)CH、(2)CR
5及び(3)Nから選択され、
R
4及びR
5は各々独立して、(1)シアノ、(2)ハロゲン、(3)ペンタハロスルファニル、(4)C1~C10-チオアルキル、(5)C1~C10-アルコキシ、(6)C1~C10-アルキル、(7)C2~C10-アルケニル、(8)C2~C10-アルキニル、(9)-OR
b、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル、(13)C2~C10-ヘテロアルキル、(14)3から15員の複素環、及び(15)-(CR
cR
d)
n-Qから選択され、
ここで、R
4又はR
5の(4)~(8)の各々は、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよく、R
4又はR
5の(10)~(14)の各々は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
R
bは、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
R
cは、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル、及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
R
dは、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル、及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
又は、R
c及びR
dがC1~C10-アルキルである場合、R
c及びR
dは、それらが結合している炭素原子と一緒にC3~C10-シクロアルキルを任意に形成してもよく、
nは、0、1、2、3又は4であり、;
Qは、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OR
201、(4)-SR
202、(5)-C(=O)R
203、(6)-C(=O)OR
204、(7)-S(=O)R
205、(8)-SO
2R
206、(9)-N(R
207)
2、(10)-C(=O)N(R
208)
2、(11)-SO
2N(R
209)
2、(12)6から15員のアリール、(13)5から15員のヘテロアリール、(14)C3~C10-シクロアルキル、及び(15)3から15員の複素環から選択され、Qの(12)~(15)の各々は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
R
201、R
202、R
203、R
204、R
205、R
206、R
207、R
208及びR
209は、各々独立して、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、複数のR
207、R
208及びR
209は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
【化5】
は、(1)R
3で置換された1,2,3ートリアゾール、(2)R
3で置換されたピロール、(3)R
3で置換されたピラゾール、(4)R
3で置換されたイソオキサゾール、(5)R
3で置換されたイソチアゾール、(6)R
3で置換されたイミダゾール、(7)R
3で置換されたフラン、(8)R
3で置換されたチオフェンから選択され、
式中、Yは、(1)CH、(2)CR
3、(3)N、(4)NH、(5)NR
3、(6)O、及び(7)Sから選択され、
Uは、(1)CH、(2)CR
3、(3)CR
x、(4)N、(5)NH、(6)NR
3、(7)NR
x、(8)O、及び(9)Sから選択され、
Vは、独立して、(1)CH、(2)CR
x、(3)N、(4)NH、(5)NR
x、(6)O、及び(7)Sから選択され、
Y及びUの一方は、NR
3又はCR
3であり、他方は、NR
3又はCR
3ではなく、
【化6】
は、単結合又は二重結合であり、
R
xは、(1)NH
2、(2)ハロゲン、(3)C1~C4-アルキル及び(4)C1~C4-ハロアルキルから選択され、
Rは、(1)6から15員のアリール及び(2)5から15員のヘテロアリールから選択され、これらは、各々、1から5個のR
6で任意に置換されていてもよく、
ここで、複数のR
6は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
R
6は、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)ペンタハロスルファニル、(4)C1~C10-アルキル、(5)C1~C10-チオアルキル、(6)C1~C10-アルコキシ、(7)C2~C10-アルケニル、(8)C2~C10-アルキニル、及び(9)-OR
bから選択され、ここで、R
6の(4)~(6)の各々は、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよく、
R
1は、(1)C1~C10-アルキル、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルコキシ、(4)C1~C10-ハロアルキル、(5)C1~C10-ハロアルコキシ、及び(6)シアノから選択され、
R
21は、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル、(3)ハロゲン、(4)C1~C10-アルコキシ、(5)C1~C10-ハロアルキル、(6)C1~C10-ハロアルコキシ、及び(7)シアノから選択され、
R
2は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、(3)C1~C10-ハロアルキル、(4)シアノ、並びに(5)(1)ハロゲン(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C10-シクロアルキルから選択され、
R
3は、(1)R
7、又は
【化7】
から選択され、ここで、R
7は、(1)C3~C10-アルキル、(2)-(C2~C10-アルキレン)-シアノ、(3)-(C1~C10-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)、(4)-(C1~C10-アルキレン)-O-(C1~C10-アルキル)、及び(5)-(C1~C10-アルキレン)-(CR
71R
72)
p-R
73から選択され、R
7の(1)~(5)の各々は、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよく、
式中、R
71は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル、及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
R
72は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル、及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択されるか、
又はR
71及びR
72がC1~C10-アルキルである場合、R
71及びR
72は、それらが結合している炭素原子と一緒にC3~C10-シクロアルキルを任意に形成していてもよく、ここで、C3~C10-シクロアルキルは、(1)ハロゲン及び(2)シアノから選択される1~10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
pは、0、1、2、3又は4であり、
R
73は、(1)-OR
101、(2)-SR
102、(3)-C(=O)R
103、(4)-C(=O)OR
104、(5)-S(=O)R
105、(6)-SO
2R
106、(7)-N(R
107)
2、(8)-C(=O)N(R
108)
2、(9)-SO
2N(R
109)
2、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル、及び(13)3から15員の複素環から選択され、R
73の(10)~(13)の各々は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1~10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
R
101、R
102、R
103、R
104、R
105、R
106、R
107、R
108及びR
109は、各々独立して、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、複数のR
107、R
108及びR
109は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
Mは、(1)結合又は(2)1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C10-アルキレンから選択され、
Ring Bは、(1)1から5個のR
8で任意に置換されていてもよいC3~C10-シクロアルキル、(2)1から5個のR
9で任意に置換されていてもよい3から15員の複素環、(3)1から5個のR
10で任意に置換されていてもよい6から15員のアリール及び(4)1から5個のR
11で任意に置換されていてもよい5から15員のヘテロアリールから選択され、
ここで、複数のR
8、R
9、R
10又はR
11は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
R
8、R
9、R
10及びR
11は、各々独立して、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、(3)シアノ、(4)-C(=O)-(C1~C10-アルキル)、(5)-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(6)-C(=O)-(3から15員の複素環)、(7)-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)、(8)-C(=O)-O-(C3~C10-シクロアルキル)、(9)-C(=O)-O-(3から15員の複素環)、(10)-C(=O)-NR
81-(C1~C10-アルキル)、(11)-C(=O)-NR
82-(C3~C10-シクロアルキル)、(12)-C(=O)-NR
83-(3から15員の複素環)、(13)-NR
84-C(=O)-(C1~C10-アルキル)、(14)-NR
85-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(15)-NR
86-C(=O)-(3から15員の複素環)、(16)-NR
87-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)、(17)-NR
88-C(=O)-O-(C3~C10-シクロアルキル)、(18)-NR
89-C(=O)-O-(3から15員の複素環)、(19)-SO
2-(C1~C10-アルキル)及び(20)オキソから選択され、
ここで、R
8、R
9、R
10又はR
11の(2)、(4)、(7)、(10)、(13)、(16)及び(19)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C10-アルコキシから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、R
8、R
9、R
10又はR
11の(5)、(6)、(8)、(9)、(11)、(12)、(14)、(15)、(17)及び(18)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C10-アルキル、(4)C1~C10-アルコキシ及び(5)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
R
81、R
82、R
83、R
84、R
85、R
86、R
87、R
88及びR
89は、独立して、(1)水素及び(2)C1~C4-アルキルから選択される、
の化合物又はその薬学的に許容される塩が開示される。
【0022】
[2] 式(Ia):
【化8】
式中、
【化9】
は、(1)R
3で置換された1,2,3ートリアゾール、(2)R
3で置換されたピロール、(3)R
3で置換されたピラゾール、及び(4)R
3で置換されたイミダゾールから選択され、式中、Y
1は、CR
3又はNR
3から独立して選択され、
U
1は、(1)CH、(2)NR
x及び(3)Nから選択され、
V
1は、(1)CH及び(2)Nから選択され、
その他の記号は、[1]に定義される通りである、
の化合物である、[1]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0023】
[3] 式(Iaー1):
【化10】
式中、全ての記号は[1]又は[2]に定義される通りである、
の化合物である、[2]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0024】
[4-1] R
1は、C1~C4-アルキル、ハロゲン、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルキル又はC1~C4-ハロアルコキシ(好ましくはC1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル又はハロゲン、より好ましくはC1~C4-アルキル又はハロゲン、最も好ましくはメチル又はハロゲン)であり、
R
2は、ハロゲン、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキル(好ましくはC1~C4-アルキル又はハロゲン、より好ましくはハロゲン)であり、
R
21は、水素、C1~C4-アルキル、ハロゲン、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルキル又はC1~C4-ハロアルコキシ(好ましくは、水素)であり、
【化11】
R
xは、NH
2、ハロゲン又はメチル(好ましくはNH
2又はメチル)であり、
R
3は、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C2~C6-アルキレン)-シアノ、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C1~C6-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C1~C6-アルキル)、1~10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C1~C6-アルキレン)-O-(C1~C6-アルキル)、1から5個のR
8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、1から5個のR
9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環、1から5個のR
10で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、1から5個のR
11で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリール、-(C1~C4-アルキレン)-(1から5個のR
8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル)、-(C1~C4-アルキレン)-(1から5個のR
9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、-(C1~C4-アルキレン)-(1から5個のR
10で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール)、又は、-(C1~C4-アルキレン)-(1から5個のR
11で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリール)であり(好ましくは、1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C2~C4-アルキレン)-シアノ、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C3~C6-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C3~C6-アルキル)、1から10個のハロゲンで任意に置換されてもよい-(C3~C6-アルキレン)-O-(C3~C6-アルキル)、1から5個のR
8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、1から5個のR
9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環、-(C1~C4-アルキレン)-(1から5個のR
8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル)、又は、-(C1~C4-アルキレン)-(1から5個のR
9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)であり、より好ましくは、1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C2~C4-アルキレン)-シアノ、から1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C3~C6-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C3~C6-アルキル)、から1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C3~C6-アルキレン)-O-(C3~C6-アルキル)、1から5個のR
8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、1から5個のR
9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環、-(C1~C2-アルキレン)-(1から5個のR
8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル)、又は、-(C1~C2-アルキレン)-(1から5個のR
9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)であり、最も好ましくは、1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C2~C4-アルキレン)-シアノ(好ましくは、-(C2~C4-アルキレン)-シアノ)、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C3~C6-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C3~C6-アルキル)、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい(C3~C6-アルキレン)-O-(C3~C6-アルキル)(好ましくは、-(C3~C6-アルキレン)-O-(C3~C6~アルキル))、1から5個のR
8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、1から5個のR
9で任意に置換されていてもよい4から7員の複素環、-(C1~C2-アルキレン)-(1から5個のR
8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル)、又は、-(C1~C2-アルキレン)-(1から5個のR
9で任意に置換されていてもよい4から7員の複素環)である)、
R
8は、ハロゲン、シアノ、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、-C(=O)-NH-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-SO
2-(C1~C4-アルキル)であり(好ましくは、ハロゲン、シアノ、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、又は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-C4-アルキル)であり、より好ましくは、シアノ、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいメチル)、又は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)である)、
R
9は、ハロゲン、シアノ、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-NH-(C1~C4-アルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)、-C(=O)-NH-((1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-SO
2-(C4~C4-アルキル)であり(好ましくは、ハロゲン、シアノ、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-SO
2-(C1~C4-アルキル)であり、より好ましくは、ハロゲン、シアノ、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいメチル、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、又は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)である)、
R
10は、ハロゲン、シアノ、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)、-C(=O)-NH-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-SO
2-C4-アルキルであり(好ましくは、ハロゲン、シアノ、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-SO
2-(C1~C4-アルキル)であり、より好ましくは、ハロゲン、シアノ、又は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキルである)、
R
11は、ハロゲン、シアノ、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルコキシ、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-NH-C3~C7-シクロアルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-SO
2-(C1~C4-アルキル)であり(好ましくは、ハロゲン、シアノ、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-SO
2-(C1~C4-アルキル)であり、より好ましくは、ハロゲン、シアノ、又は(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキルである)、
Rは、1から5個のR
6で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、又は、1から5個のR
6で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリールであり(好ましくは、1から3個のR
6で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール又は5員のヘテロアリールであり、より好ましくは、1から3個のR
6で任意に置換されていてもよいチオフェニル又はフェニルであり、最も好ましくは、1から3個のR
6で任意に置換されていてもよいフェニルである)、
R
6は、ハロゲン、シアノ、1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は、1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシであり(好ましくは、ハロゲン、1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシであり、より好ましくは、ハロゲン又は1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいメチルである)、
複数のR
6、R
8、R
9、R
10又はR
11は、互いに同じであっても異なっていてもよい、
[3]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0025】
[4-2] R2がハロゲンである、[3]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0026】
[5] 式(Iaー2):
【化12】
式中、
R
1aは、(1)ハロゲン及び(2)C1~C10-アルキル(好ましくはC1~4アルキル)から選択され、
R
5aは、(1)水素、(2)ハロゲン及び(3)C1~C10-アルキル(好ましくはC1~4アルキル)から選択され、
R
2aは、ハロゲンであり、
その他の記号は[1]に定義される通りである、
の化合物である、[3]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0027】
[6] 式(Iaー3):
【化13】
式中、全ての記号は[1]又は[5]に定義される通りである、
の化合物である、[5]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0028】
[7] 式(Iaー4):
【化14】
式中、全ての記号は[1]又は[5]に定義される通りである、
の化合物である、[5]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0029】
[8] 式(Iaー5):
【化15】
式中、R
1bは、(1)ハロゲン及び(2)C1~C10-アルキル(好ましくはC1~4アルキル)から選択され、
その他の記号は、[1]又は[5]に定義される通りである、
の化合物である、[3]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0030】
[9] 式(Iaー6):
【化16】
式中、全ての記号は[1]、[5]又は[8]に定義される通りである、
の化合物である、[8]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0031】
[10] 式(Iaー7):
【化17】
式中、全ての記号は[1]、[5]又は[8]に定義される通りである、
の化合物である、[8]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0032】
[11] Rが、1から5個のR6で任意に置換されていてもよいフェニルである、[1]から[10]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0033】
[12] 式(Iaー1-7b):
【化18】
式中、R
Yは、1から5個のR
6で任意に置換されていてもよいフェニルであり、
Ring D
1は、(1)ベンゼン及び(2)5員のヘテロアリールから選択され、
R
3zは、
【化19】
であって、式中、M
1zは、(1)結合又は(2)1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキレンから選択され、
その他の記号は[1]に定義される通りである、
の化合物である、[2]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0034】
[13] Ring D
1が、
【化20】
から選択され、式中、右矢印は6員環との結合位置であり、左矢印はR
Yとの結合位置である、
[12]に記載の化合物。
【0035】
[14] 式(Iaー1-2b):
【化21】
式中、全ての記号は[1]又は[12]に定義される通りである、
の化合物である、[2]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0036】
[15] 式(Ib):
【化22】
式中、
【化23】
は、(1)R
3で置換された1,2,3ートリアゾール、(2)R
3で置換されたピロール、(3)R
3で置換されたピラゾール、及び(4)R
3で置換されたイミダゾールから選択され、
式中、Y
2は、(1)CH及び(2)Nから選択され、
U
2は、(1)CR
3及び(2)NR
3から選択され、
V
2は、(1)CH、(2)CR
x及び(3)Nから選択され、
R
1cは、(1)C1~C10-アルキル、(2)ハロゲン及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
その他の記号は[1]に定義される通りである、
の化合物である、[1]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0037】
[16] 式(Ibー1):
【化24】
式中、全ての記号は[1]又は[15]に定義される通りである、
の化合物である、[15]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0038】
[17] 式(Ibー2):
【化25】
式中、全ての記号は[1]又は[15]に定義される通りである、
の化合物である、[16]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0039】
[18] R
2がハロゲンである、[17]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
[19] 式(Ibー3):
【化26】
式中、R
2bは、ハロゲンであり、
R
3bは、
【化27】
であり、式中、M
1は、(1)結合及び(2)1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C10-アルキレンから選択され、
Ring Cは、(1)1から5個のR
13で任意に置換されていてもよいC3~C10-シクロアルキル、(2)1から5個のR
14で任意に置換されていてもよい3から15員の複素環、及び(3)1から5個のR
15で任意に置換されていてもよい5から15員のヘテロアリールから選択され、
複数のR
13、R
14又はR
15は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
R
13、R
14及びR
15は、各々独立して、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、(3)-C(=O)-(C1~C10-ハロアルキル)、(4)シアノ、(5)-C(=O)-(C1~C10-アルキル)、(6)-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(7)-C(=O)-(3から15員の複素環)及び(8)オキソから選択され、
その他の記号は[1]又は[15]に定義される通りである、
の化合物である、[18]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0040】
[20] Rが、1から5個のR6で任意に置換されていてもよいフェニルである、[15]から[19]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0041】
[21] 前記化合物が、
(1)1-((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(2)4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(3)(R)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(4)(S)-1-((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(5)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(6)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(7)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-((4-フルオロフェニル)エチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(8)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(9)4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-(4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(10)1-((3R,4R)-1-アセチル-3-フルオロピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(11)1-(1-(1,4-ジオキサン-2-カルボニル)ピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(12)1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(13)1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(14)1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(15)1-((1-アセチル-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(16)(S)-1-(1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)エチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(17)1-((1-アセチル-3-フルオロアゼチジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(18)1-((1-アセチル-3-フルオロアゼチジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(19)4-クロロ-1-[(3S)-1-(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-[3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(20)4-クロロ-1-[(3R)-1-(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-[3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
である、[1]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0042】
[22] 式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【0043】
[23] 前記式(I)の化合物が式(Ia)の化合物である、[22]に記載の医薬組成物。
【0044】
[24] TREK1、TREK2又はTREK1およびTREK2の両方の阻害剤である、[23]に記載の医薬組成物。
【0045】
[25] 前記式(I)の化合物が式(Ib)の化合物である、[22]に記載の医薬組成物。
【0046】
[26] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤である、[25]に記載の医薬組成物。
【0047】
[27] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する障害の予防及び/又は治療剤である、[23]に記載の医薬組成物。
【0048】
[28] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらす前記TREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する障害が神経障害及び/又は精神障害である、[27]に記載の医薬組成物。
【0049】
[29] 前記神経障害及び/又は精神障害が、うつ病、統合失調症、不安障害、双極性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、22q11.2欠失症候群、神経因性疼痛又は脳梗塞から選択される、[28]に記載の医薬組成物。
【0050】
[30] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する障害の予防及び/又は治療剤である、[25]に記載の医薬組成物。
【0051】
[31] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が治療上の利益をもたらす前記TREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する障害が、疼痛、片頭痛、鼻炎症、心房細動、急性呼吸窮迫症候群、急性肺傷害、過活動膀胱、脳虚血、てんかん、筋萎縮性側索硬化症、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、敗血症、膵臓がん、クッシング症候群、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患、骨折、骨粗鬆症、側頭葉てんかん、統合失調症、大腸炎、又は依存から選択される、[30]に記載の医薬組成物。
【0052】
[32] 式(Ia)の化合物又はその薬学的に許容される塩と、定型抗精神病薬及び非定型抗精神病薬から選択される少なくとも1つを含む医薬。
【0053】
[33] 式(Ia)の化合物又はその薬学的に許容される塩と、ベンゾジアゼピン系抗不安薬、チエノジアゼピン系抗不安薬、非ベンゾジアゼピン系抗不安薬、CRFアンタゴニスト、ニューロキニン1(NK1)アンタゴニスト、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤、トリアゾロピリジン系抗うつ薬、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニン再取り込み阻害剤、ノルアドレナリン作動性及び特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)、ノルアドレナリン及びドーパミン脱阻害薬(NDDI)、選択的セロトニン再取り込み促進剤(SSRE)から選択される少なくとも1つを含む医薬。
【0054】
[34] 式(Ib)の化合物又はその薬学的に許容される塩と、アルキル化剤、代謝拮抗物質、抗がん抗生物質、植物ベースの調製物、ホルモン剤、白金化合物、トポイソメラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、抗CD20抗体、抗HER2抗体、抗EGFR抗体、抗VEGF抗体、プロテアソーム阻害剤、HDAC阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤及び免疫調節薬から選択される少なくとも1つを含む医薬。
【0055】
[35] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に治療有効量の[2]から[14]及び[21]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を含む、方法。
【0056】
[36] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する障害が、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすであろう、TREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する神経障害及び/又は精神障害である、[35]に記載の方法。
【0057】
[37] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらす前記TREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する神経障害及び/又は精神障害が、うつ病、統合失調症、不安障害、双極性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、22q11.2欠失症候群、神経因性疼痛又は脳梗塞から選択される、[36]に記載の方法。
【0058】
[38] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に治療有効量の請求項[15]から[20]のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を含む、方法。
【0059】
[39] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が治療上の利益をもたらす前記TREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する障害が、疼痛、片頭痛、鼻炎症、心房細動、急性呼吸窮迫症候群、急性肺傷害、過活動膀胱、脳虚血、てんかん、筋萎縮性側索硬化症、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、敗血症、膵臓がん、クッシング症候群、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患、骨折、骨粗鬆症、側頭葉てんかん、統合失調症、大腸炎又は依存から選択される、[38]に記載の方法。
【0060】
[40] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する神経障害及び/又は精神障害の予防及び/又は治療に使用するための式(Ia)の化合物又はその薬学的に許容される塩。
[41] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が治療上の利益をもたらすTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する障害の予防及び/又は治療に使用するための式(Ib)の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0061】
[42] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する神経障害及び/又は精神障害に対する予防薬及び/又は治療薬を製造するための式(Ia)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【0062】
[43] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する障害に対する予防及び/又は治療剤を製造するための式(Ib)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【0063】
[44] [2]から[14]又は[21]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、並びに、(a)TREK1チャネル活性を低下させることが知られている少なくとも1つの薬剤、(b)TREK2チャネル活性を低下させることが知られている少なくとも1つの薬剤、(c)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREKチャネル機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療することが知られている少なくとも1つの薬剤、(d)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療するための説明書、及び(e)認知行動療法に関連して本化合物を投与するための説明書、のうちの1つ以上を含むキット。
【0064】
[45] [15]から[20]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、並びに、(a)TREK1チャネル活性を増加させることが知られている少なくとも1つの薬剤、(b)TREK2チャネル活性を増加させることが知られている少なくとも1つの薬剤、(c)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の活性化剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREKチャネル活性に関連する障害を予防及び/又は治療することが知られている少なくとも1つの薬剤、及び(d)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の活性化剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK活性に関連する障害を予防及び/又は治療するための説明書、のうちの1つ以上を含むキット。
【0065】
本明細書では、TREK(TWIK関連K+チャネル)-サブタイプ1及び2(TREK1及びTREK2)のモジュレータ、特に阻害剤又は活性化剤、その作製方法、それを含む医薬組成物、並びに、それを使用してTREKチャネル機能障害に関連する神経学的、精神医学的障害、炎症性障害、呼吸器障害、腎臓障害及び心血管障害を予防及び/又は治療する方法が開示される。本化合物には、限定するものではないが、
(1)1-((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(2)4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(3)(R)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
(4)(S)-1-((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(5)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(6)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(7)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-((4-フルオロフェニル)エチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(8)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(9)4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-(4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(10)1-((3R,4R)-1-アセチル-3-フルオロピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(11)1-(1-(1,4-ジオキサン-2-カルボニル)ピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(12)1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(13)1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(14)1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(15)1-((1-アセチル-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(16)(S)-1-(1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)エチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(17)1-((1-アセチル-3-フルオロアゼチジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(18)1-((1-アセチル-3-フルオロアゼチジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(19)4-クロロ-1-[(3S)-1-(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-[3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(20)4-クロロ-1-[(3R)-1-(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-[3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、又はその薬学的に許容される塩が含まれる。
【0066】
定義
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合には、定義を含む本文書が優先される。好ましい方法及び材料を以下に記載するが、本明細書に記載の方法及び材料と類似又は同等の方法及び材料を本発明の実施又は試験に使用することができる。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。本明細書に開示される材料、方法、及び例は、例示にすぎず、限定することを意図するものではない。
【0067】
本明細書で使用される「包含する(comprise(s))」、「含む(include(s))」、「有する(having)」、「有する(has)」、「できる(can)」、「含む(contain(s))」という用語、及びそれらの変形は、追加の行為又は構造の可能性を排除しないオープンエンドの移行句、用語、又は単語であることを意図している。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の言及を含む。本開示はまた、明示的に記載されているか否かにかかわらず、本明細書に提示される実施形態又は要素を「含む(comprising)」、「からなる(consistingof)」、及び「から本質的になる(consistingessentiallyof)」他の実施形態をも企図する。
【0068】
量に関連して使用される修飾語「約」は、記載された値を含み、文脈によって指示される意味を有する(例えば、それは、少なくとも、特定の量の測定に関連する誤差の程度を含む)。「約」という修飾語はまた、2つの終点の絶対値によって定義される範囲を開示していると見なされるべきである。例えば、「約2から約4」という表現は、「2から4」の範囲をも開示する。「約」という用語は、示された数の±10%を指し得る。例えば、「約10%」は9%から11%の範囲を示し得、「約1」は0.9~1.1を意味し得る。「約」の他の意味は、その文脈、例えば、四捨五入から明らかとなり得、例えば「約1」は、0.5から1.4をも意味し得る。
【0069】
特定の官能基及び化学用語の定義を以下により詳細に説明する。本開示では、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75thEd.内側カバーに従って同定され、特定の官能基は、一般に、そこに記載されるように定義される。さらに、有機化学の一般原理、並びに特定の官能性部分及び反応性は、Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito,1999、Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley&Sons,Inc.,New York,2001、Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989、Carruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987、に記載されており、その各々の全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0070】
場合によって、ヒドロカルビル置換基(例えば、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニレン、アルキニル、アルキレン、アルキニレン、シクロアルキル、シクロアルカン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル又はチオアルキル)中の炭素原子の数は、接頭辞「Cx~Cy-」によって示され、ここで、xは置換基中の炭素原子の最小数であり、yは置換基中の炭素原子の最大数である。したがって、例えば、「C1~C3-アルキル」は、1から3個の炭素原子を含むアルキル置換基を指し、「C1~C10-アルコキシ」は、1から10個の炭素原子を含むアルコキシ置換基を指し、「C2~C10-アルケニル」は、2から10個の炭素原子を含むアルケニル置換基を指し、「C2~C4-アルケニレン」は、2から4個の炭素原子を含むアルケニレン置換基を指し、「C2~C10-アルキニル」は、2から10個の炭素原子を含むアルキニル置換基を指し、「C2~C10-アルキレン」は、2から10個の炭素原子を含むアルキレン置換基を指し、「C2~C4-アルキニレン」は、2から4個の炭素原子を含むアルキニレン置換基を指し、「C3~C10-シクロアルキル」は、3から10個の炭素原子を含むシクロアルキル置換基を指し、「C3~C10-シクロアルカン」は、3から10個の炭素原子を含むシクロアルカンを指し、「C1~C10-ハロアルキル」は、1から10個の炭素原子を含むハロアルキル置換基を指し、「C1~C10-ハロアルコキシ」は、1から10個の炭素原子を含むハロアルコキシ置換基を指し、「C2~C10-ヘテロアルキル」は、2から10個の炭素原子を含むヘテロアルキル置換基を指し、又は「C1~C10-チオアルキル」は、2から10個の炭素原子を含むチオアルキル置換基を指す。
【0071】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、1から10個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素鎖を意味する。「低級アルキル」又は「C1~C6-アルキル」という用語は、1~6個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素を意味する。「C1~C4-アルキル」という用語は、1から4個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素を意味する。アルキルの代表的な例としては、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル及びn-デシルが挙げられるが、これらに限定されない。
R4のC1~C10アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R4のより好ましいC1~C10-アルキルは、メチルである。
R4の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R5のC1~C10アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R5のより好ましいC1~C10-アルキルは、メチルである。
R5の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
RbのC1~C10アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
RcのC1~C10アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
RdのC1~C10アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
Qの置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R201のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R202のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R203のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R204のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R205のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R206のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R207のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R208のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R209のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
RxのC1~C4-アルキルとしては、メチルが好ましい。
R7のC3~C10-アルキルとしては、C4~C8-アルキルが好ましい。
R7の-(C1~C10-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C6-アルキルが好ましい。R7の-(C1~C10-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)のより好ましいC1~C10-アルキルは、C3~C6-アルキルである。
R7の-(C1~C10-アルキレン)-O-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C6-アルキルが好ましい。R7中の-(C1~C10-アルキレン)-O-(C1~C10-アルキル)のより好ましいC1~C10-アルキルは、C3~C6-アルキルである。
R71のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R72のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R73の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R101のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R102のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R103のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R104のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R105のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R106のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R107のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R108のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R109のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R6のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R6のより好ましいC1~C10-アルキルは、メチルである。
R1のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R1のより好ましいC1~C10-アルキルはメチルである。
R21のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R2のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R2のC3~C10-シクロアルキル中の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R8のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R9のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R10のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R11のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R8の-C(=O)-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R9の-C(=O)-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R9の-C(=O)-(C1~C10-アルキル)のより好ましいC1~C10-アルキルは、メチルである。
R10の-C(=O)-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R11の-C(=O)-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R8の-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R9の-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R10の-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R11の-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R8の-C(=O)-NR81-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R9の-C(=O)-NR81-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R10の-C(=O)-NR81-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R11の-C(=O)-NR81-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R8の-NR84-C(=O)-(C1~C10アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R8の-NR84-C(=O)-(C1~C10アルキル)のより好ましいC1~C10-アルキルは、メチルである。
R9の-NR84-C(=O)-(C1~C10アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R10の-NR84-C(=O)-(C1~C10アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R11の-NR84-C(=O)-(C1~C10アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R8の-NR87-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R9の-NR87-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R10の-NR87-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R11の-NR87-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R8の-SO2-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R9の-SO2-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R10の-SO2-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R11の-SO2-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R8の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R9の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R10の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R11の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R81のC1~C4-アルキルとしては、メチルが好ましい。
R82のC1~C4-アルキルとしては、メチルが好ましい。
R83のC1~C4-アルキルとしては、メチルが好ましい。
R84のC1~C4-アルキルとしては、メチルが好ましい。
R85のC1~C4-アルキルとしては、メチルが好ましい。
R86のC1~C4-アルキルとしては、メチルが好ましい。
R87のC1~C4-アルキルとしては、メチルが好ましい。
R88のC1~C4-アルキルとしては、メチルが好ましい。
R89のC1~C4-アルキルとしては、メチルが好ましい。
R1aのC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R1aのより好ましいC1~C10-アルキルはメチルである。
R5aのC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R5aのより好ましいC1~C10-アルキルはメチルである。
R1bのC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R1bのより好ましいC1~C10-アルキルはメチルである。
R1cのC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R1cのより好ましいC1~C10-アルキルは、メチルである。
R13のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R14のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R15のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R13の-C(=O)-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R14の-C(=O)-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
R15の-C(=O)-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
【0072】
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義されるアルキル基を指す。アルコキシの代表的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ及びtert-ブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
R4のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
R5のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
R6のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
R1のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
R21のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
R8のC1~C10-アルコキシ置換基としては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
R9のC1~C10-アルコキシ置換基としては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
R10のC1~C10-アルコキシ置換基としては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
R11のC1~C10-アルコキシ置換基としては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
【0073】
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合及び2から10個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖を意味する。
R4のC2~C10-アルケニルとしては、C2~C4-アルケニルが好ましい。
R5のC2~C10-アルケニルとしては、C2~C4-アルケニルが好ましい。
R6のC2~C10-アルケニルとしては、C2~C4-アルケニルが好ましい。
【0074】
本明細書で使用される「アルケニレン」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合及び2から10個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖に由来する二価基を指す。
LのC2~C4-アルケニレンとしては、エテニレンが好ましい。
【0075】
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合及び2から10個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖を意味する。
R4のC2~C10-アルキニルとしては、C2~C4-アルキニルが好ましい。
R5のC2~C10-アルキニルとしては、C2~C4-アルキニルが好ましい。
R6のC2~C10-アルキニルとしては、C2~C4-アルキニルが好ましい。
【0076】
本明細書で使用される「アルコキシアルキル」という用語は、本明細書で定義されるアルキル基を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義されるアルコキシ基を指す。
【0077】
本明細書で使用される「アルコキシフルオロアルキル」という用語は、本明細書で定義されるフルオロアルキル基を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義されるアルコキシ基を指す。
【0078】
本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、1から10個の炭素原子、例えば2から5個の炭素原子の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素から誘導される二価基を指す。アルキレンの代表的な例としては、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2-、-C(CH3)2-CH2-、-CH2CH2CH2CH2CH2-、-CH2-C(CH3)2-、-CH(CH3)-CH2-、-CH2-CH(CH3)-、及び-CH(CH3)-が挙げられるが、これらに限定されない。
Lの-(C1~C10-アルキレン)-O-のC1~C10-アルキレンとしては、-C1~C4-アルキレンが好ましい。Lの-(C1~C10-アルキレン)-O-のより好ましいC1~C10-アルキレンは、-CH2-である。
Lの-O-(C1~C10-アルキレン)-のC1~C10-アルキレンとしては、-C1~C4-アルキレンが好ましい。Lの-O-(C1~C10-アルキレン)-のより好ましいC1~C10-アルキレンは、-CH2-である。
R7のC2~C10-アルキレン-シアノのC2~C10-アルキレンとしては、C2~C6-アルキレンが好ましい。R7の-(C2~C10-アルキレン)-シアノのより好ましいC2~C10-アルキレンは、C2~C4-アルキレンである。
R7の-(C1~C10-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキレンとしては、C1~C6-アルキレンが好ましい。R7の-(C1~C10-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)のより好ましいC1~C10-アルキレンは、C3~C6-アルキレンである。
R7の-(C1~10-アルキレン)-O-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキレンとしては、C1~C6-アルキレンが好ましい。R7の-(C1~10-アルキレン)-O-(C1~C10-アルキル)のより好ましいC1~C10-アルキレンは、C3~C6-アルキレンである。
R7の-(C1~C10-アルキレン)-(CR71R72)p-R73のC1~C10-アルキレンとしては、C1~C6-アルキレンが好ましい。R7の-(C1~C10-アルキレン)-(CR71R72)p-R73のより好ましいC1~C10-アルキレンはC3~C6-アルキレンである。
MのC1~C10-アルキレンとしては、C1~C4-アルキレンが好ましい。Mのより好ましいC1~C10-アルキレンは、C1~C2-アルキレンである。
M1のC1~C10-アルキレンとしては、C1~C4-アルキレンが好ましい。M1のより好ましいC1~C10-アルキレンは、C1~C2-アルキレンである。
M1zのC1~C4-アルキレンとしては、C1~2-アルキレンが好ましい。M1zのより好ましいC1~C4-アルキレンは、メチレン又はエチレンである。
MaのC1~C10-アルキレンとしては、C1~C6-アルキレンが好ましい。Maのより好ましいC1~C4-アルキレンは、C1~C2-アルキレンである。Maのより好ましいC1~C10-アルキレンは、メチレン又はエチレンである。
【0079】
本明細書で使用される「アルキニレン」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合及び2から10個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖に由来する二価基を指す。
LのC2~C4-アルキニレンとしては、エチニレンが好ましい。
【0080】
本明細書で使用される「アルキルアミノ」という用語は、本明細書で定義される少なくとも1つのアルキル基が、本明細書で定義されるアミノ基を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
【0081】
本明細書で使用される「アミド」という用語は、-C(O)NRE-又は-NREC(O)-を意味し、ここでREは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル、又はヘテロアルキルであり得る。
【0082】
本明細書で使用される「アミノアルキル」という用語は、本明細書で定義される少なくとも1つのアミノ基が、本明細書で定義されるアルキレン基を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
【0083】
本明細書で使用される「アミノ」という用語は、-NRFRGを意味し、RF及びRGは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル、又はヘテロアルキルであり得る。アミノアルキル基又はアミノが2つの他の部分を一緒に付加する任意の他の部分の場合、アミノは-NRH-であり得、RHは水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル又はヘテロアルキルであり得る。
【0084】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、フェニル基、又は二環式縮合環系を指す。二環式縮合環系は、親分子部分に付加され、本明細書で定義されるシクロアルキル基、本明細書で定義されるフェニル基、ヘテロアリール基、又は本明細書で定義される複素環に縮合したフェニル基によって例示される。そのような二環式縮合環系は、15個以下の原子で構成される。「6から15員のアリール」という用語は、6から15個の原子を含む環系を意味する。「6から10員のアリール」という用語は、6から10個の原子を含む環系を意味する。アリールの代表的な例としては、インドリル、ナフチル、フェニル、テトラヒドロキノリニル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル、インダゾール-5-イル、及びベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル、ベンゾフラン-5-イルが挙げられるが、これらに限定されない。
Lの-(6から15員のアリール)-としては、6から10員のアリールが好ましい。
R4の6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
R5の6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
Qの6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
Rの6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。より好ましいRの6から15員のアリールは、フェニルである。
R73の6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
Ring Bの6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
Ring Dの6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。より好ましいRing Dは、フェニルである。
【0085】
本明細書で使用される「シアノアルキル」という用語は、少なくとも1つの-CN基が、本明細書で定義されるアルキレン基を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
【0086】
本明細書で使用される「シアノフルオロアルキル」という用語は、少なくとも1つの-CN基が、本明細書で定義されるフルオロアルキル基を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
【0087】
本明細書で使用される「シクロアルコキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義されるシクロアルキル基を指す。
【0088】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、3から10個の炭素原子、0個のヘテロ原子及び0個の二重結合を含む単炭素環系又は二炭素環系を指す。シクロアルキルの代表的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル及びシクロデシルが挙げられるが、これらに限定されない。「シクロアルキル」はまた、シクロアルキル基が親分子部分に付加され、本明細書で定義されるアリール基(例えば、フェニル基)、本明細書で定義されるヘテロアリール基、又は本明細書で定義される複素環に縮合している炭素環系を含む。シクロアルキルの代表的な例としては、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾリルも挙げられるが、これに限定されない。二炭素環系は、単炭素環系、スピロシクロアルキル基、又は環の2つの隣接しない原子が1、2、3、4個の炭素原子のアルキレン架橋によって架橋された架橋単炭素環系に融合した単炭素環系である。代表的な二炭素環系の例としては、スピロ[2.2]ペンタニル、スピロ[2.4]ヘプタニル、スピロ[3.5]ノナニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル又はビシクロ[2.2.2]オクタニルが挙げられるが、これらに限定されない。
R4のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
R5のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
Rc及びRdがそれらが結合している炭素原子と一緒に形成されるC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
QのC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C8-シクロアルキルが好ましい。
R2のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
R71及びR72がそれらが結合している炭素原子と一緒に形成されるC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R73のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C8-シクロアルキルが好ましい。
RingBのC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C8-シクロアルキルが好ましい。
R8の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。R8の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のより好ましいC3~C10-シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルである。R8の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)の最も好ましいC3~C10-シクロアルキルは、シクロプロピルである。
R9の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。R9の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のより好ましいC3~C10-シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルである。R9の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)の最も好ましいC3~C10-シクロアルキルは、シクロプロピルである。
R10の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。R10の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のより好ましいC3~C10-シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルである。R10の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)の最も好ましいC3~C10-シクロアルキルは、シクロプロピルである。
R11の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。R11の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のより好ましいC3~C10-シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルである。R11の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)の最も好ましいC3~C10-シクロアルキルは、シクロプロピルである。
R8の-C(=O)-O-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R9の-C(=O)-O-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R10の-C(=O)-O-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R11の-C(=O)-O-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R8の-C(=O)-NR82-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R9の-C(=O)-NR82-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R10の-C(=O)-NR82-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R11の-C(=O)-NR82-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R8の-NR85-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R9の-NR85-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R10の-NR85-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R11の-NR85-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R8の-NR88-C(=O)-O-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R9の-NR88-C(=O)-O-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R10の-NR88-C(=O)-O-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R11の-NR88-C(=O)-O-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
Ring CのC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C8-シクロアルキルが好ましい。
R13の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R14の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
R15の-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
Ring BaのC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C8-シクロアルキルが好ましい。
【0089】
本明細書で使用される「シクロアルカン」という用語は、3から10個の炭素原子、0個のヘテロ原子及び0個の二重結合を含む単炭素環系又は二炭素環系を指す。シクロアルカンの代表的な例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン及びシクロデカンが挙げられるが、これらに限定されない。「シクロアルカン」はまた、シクロアルカン基が親分子部分に付加され、本明細書で定義されるアリール基(例えば、フェニル基)、本明細書で定義されるヘテロアリール基、又は本明細書で定義される複素環に縮合している炭素環系を含む。シクロアルカンの代表的な例としては、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾールも挙げられるが、これに限定されない。二炭素環系は、単炭素環系、スピロシクロアルカン基、又は環の2つの隣接しない原子が1、2、3、4個の炭素原子のアルキレン架橋によって架橋された架橋単炭素環系に融合した単炭素環系である。二炭素環系の代表的な例としては、スピロ[2.2]ペンタン、スピロ[2.4]ヘプタン、スピロ[3.5]ノナン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられるが、これらに限定されない。
Lの-(C3~C10-シクロアルカン)-のC3~C10-シクロアルカンとしては、C3~C6-シクロアルカンが好ましい。
【0090】
本明細書で使用される「シクロアルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含み、好ましくは環当たり5から10個の炭素原子を有する非芳香族単環式又は多環式環系を意味する。例示的な単環式シクロアルケニル環としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル又はシクロヘプテニルが挙げられる。
【0091】
本明細書で使用される「フルオロアルキル」という用語は、1、2、3、4、5、6、7又は8個の水素原子がフッ素によって置き換えられている、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。フルオロアルキルの代表的な例としては、2-フルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、及び3,3,3-トリフルオロプロピルなどのトリフルオロプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
本明細書で使用される「フルオロアルコキシ」という用語は、本明細書で定義される少なくとも1つのフルオロアルキル基が酸素原子を介して親分子部分に付加されていることを意味する。フルオロアルコキシの代表的な例としては、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及び2,2,2-トリフルオロエトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
本明細書で使用される「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、Cl、Br、I、又はFを意味する。
【0094】
本明細書で使用される「ハロアルキル」という用語は、1、2、3、4、5、6、7又は8個の水素原子がハロゲンで置き換えられている、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
R4の置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R5の置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
RbのC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
RcのC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
RdのC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
Qの置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R201のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R202のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R203のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R204のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R205のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R206のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R207のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R208のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R209のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
RxのC1~C4-ハロアルキルとしては、1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいメチルが好ましい。
R1のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R21のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R2のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R2のC3~C10-シクロアルキルの置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R71のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R72のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R73の置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R101のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R102のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R103のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R104のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R105のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R106のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R107のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R108のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R109のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R8の置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R9の置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R10の置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R11の置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R1cのC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R13の-C(=O)-(C1~C10-ハロアルキル)のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R14の-C(=O)-(C1~C10-ハロアルキル)のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
R15の-C(=O)-C1~C10-ハロアルキルのC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
【0095】
本明細書で使用される「ハロアルコキシ」という用語は、本明細書で定義される少なくとも1つのハロアルキル基が酸素原子を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
R1のC1~C10-ハロアルコキシとしては、C1~C4-ハロアルコキシが好ましい。
R21のC1~C10-ハロアルコキシとしては、C1~C4-ハロアルコキシが好ましい。
【0096】
本明細書で使用される「ハロシクロアルキル」という用語は、1個以上の水素原子がハロゲンで置き換えられている、本明細書で定義されるシクロアルキル基を意味する。
【0097】
本明細書で使用される「ヘテロアルキル」という用語は、1個以上の炭素原子がS、O、P及びNから選択されるヘテロ原子によって置き換えられている、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。ヘテロアルキルの代表的な例としては、アルキルエーテル、第二級及び第三級のアルキルアミン、アミド、及びアルキルスルフィドが挙げられるが、これらに限定されない。
R4のC2~C10-ヘテロアルキルとしては、C2~C4-ヘテロアルキルが好ましい。
R5のC2~C10-ヘテロアルキルとしては、C2~C4-ヘテロアルキルが好ましい。
【0098】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、芳香族単環式環系又は芳香族二環式環系を指す。「5から15員のヘテロアリール」という用語は、5から15個の原子を含む環系を意味する。「5から10員のヘテロアリール」という用語は、5から10個の原子を含む環系を意味する。「5員のヘテロアリール」という用語は、5個の原子を含む環系を意味する。芳香族単環は、N、O及びSからなる群から独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O、S及びNから独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子)を含む5又は6員環である。5員の芳香族単環は2つの二重結合を有し、6員6員の芳香族単環は3つの二重結合を有する。二環式ヘテロアリール基は、親分子部分に付加され、本明細書で定義される単環式シクロアルキル基、本明細書で定義される単環式アリール基、本明細書で定義される単環式ヘテロアリール基、又は本明細書で定義される単環式複素環に縮合した単環式ヘテロアリール環によって例示される。そのような芳香族二環式環系は、15個以下の原子で構成される。ヘテロアリールの代表的な例としては、インドリル、ピリジニル(ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イルを含む)、ピリミジニル、ピリミジン-5-イル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピラゾール-1,3-イル、ピラゾール-1,4-イル、ピロリル、ベンゾピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、チオフェニル、チオフェン-2-イル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアゾール-5-イル、テトラゾリル、チエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、プリニル、イソインドリル、キノキサリニル、インダゾリル、キナゾリニル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、イソキノリニル、キノリニル、キノリン-3-イル、6,7-ジヒドロ-1,3-ベンゾチアゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、ナフチリジニル、ピリドイミダゾリル、チアゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル、チアゾロ[5,4-d]ピリミジン-2-イル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン、及び4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
Lの-(5から15員のヘテロアリール)-としては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。Lのより好ましい(5から15員のヘテロアリール)-は、5員のヘテロアリールである。
R
4の5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
R
5の5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
Qの5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
Rの5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。より好ましいRの5から15員のヘテロアリールは、5員のヘテロアリールである。最も好ましいRの5から15員のヘテロアリールは、チオフェニルである。
R
73の5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
Ring Bの5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
Ring Cの5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
Ring Dの5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。より好ましいRing Dの5から15員のヘテロアリールは、5員のヘテロアリールである。
Ring D
1の5員のヘテロアリールとしては、ピラゾリル又はオキサジアゾリルが好ましい。より好ましいRing D
1の5員のヘテロアリールは、
【化28】
から選択され、式中、右矢印は6員環との結合位置であり、左矢印はR
Yとの結合位置である、化合物。
最も好ましいRing D
1の5員のヘテロアリールは、
【化29】
から選択され、式中、右矢印は6員環との結合位置であり、左矢印はR
Yとの結合位置である、化合物。
Ring B
aの5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
【0099】
本明細書で使用される「複素環」又は「複素環式」という用語は、3から15個の原子で構成される単環式複素環、二環式複素環、又は三環式複素環を意味する。「3から15員の複素環」という用語は、3から15個の原子を含む環系を意味する。「3から10員の複素環」という用語は、3から10個の原子を含む環系を意味する。「4から6員の複素環」という用語は、4から6個の原子を含む環系を意味する。単環式複素環は、O、N及びSからなる群から独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む3、4、5、6、7又は8員環である。3員環又は4員環は、0個又は1個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1個のヘテロ原子とを含む。5員環は、0個又は1個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子とを含む。6員環は、0個、1個又は2個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子とを含む。7員環及び8員環は、0個、1個、2個又は3個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子とを含む。単環式複素環の代表的な例としては、アゼチジニル、アゼチジン-3-イル、アゼパニル、アゼパン-4-イル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキサン-2-イル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオラニル、1,3-ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、モルホリン-2-イル、2-オキソ-3-ピペリジニル、2-オキソアゼパン-3-イル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキセタニル、オキセパニル、オキソカニル、ピペラジニル、ピペラジン-1-イル、ピペリジニル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジン-3-イル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、1,2-チアジナニル、1,3-チアジナニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニル、トリチオチアニル、3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、及び7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式複素環は、フェニル基に縮合した単環式複素環、あるいは単環式シクロアルキルに縮合した単環式複素環、あるいは単環式シクロアルケニルに縮合した単環式複素環、あるいは単環式複素環に縮合した単環式複素環、あるいはスピロ複素環基、あるいは環の隣接していない2個の原子が、1、2、3若しくは4個の炭素原子からなるアルキレン架橋、又は2、3若しくは4個の炭素原子からなるアルケニレン架橋、1、2、3若しくは4個の炭素原子及び1、2個の酸素原子からなるアルコキシ架橋によって架橋された架橋単環式複素環系である。二環式複素環の代表的な例としては、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クロマニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾチエニル、2,3-ジヒドロイソキノリン、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル(2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルを含む)、アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イルを含む)、2,3-ジヒドロ-1H-インドリル、6-アザスピロ[3.4]オクタン-2-イル、7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル、イソインドリニル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル、オクタヒドロピロロピリジニル、テトラヒドロイソキノリニル、1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン及びオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-6-イルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
三環式複素環は、フェニル基に縮合した二環式複素環、あるいは単環式シクロアルキルに縮合した二環式複素環、あるいは単環式シクロアルケニルに縮合した二環式複素環、あるいは単環式複素環に縮合した二環式複素環、あるいは二環式環の隣接しない2個の原子が、1、2、3、若しくは4個の炭素原子からなるアルキレン架橋、又は2、3、若しくは4個の炭素原子からなるアルケニレン架橋によって架橋された二環式複素環によって例示される。三環式複素環の例としては、オクタヒドロ-2,5-エポキシペンタレン、ヘキサヒドロ-2H-2,5-メタノシクロペンタ[b]フラン、ヘキサヒドロ-1H-1,4-メタノシクロペンタ[c]フラン、アザ-アダマンタン(1-アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)、及びオキサ-アダマンタン(2-オキサトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)が挙げられるが、これらに限定されない。単環式、二環式及び三環式の複素環は、環内に含まれる任意の炭素原子又は任意の窒素原子を介して親分子部分に結合しており、非置換であっても置換されていてもよい。
Lの-(3から15員の複素環)-の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいLの-(3から15員の複素環)-の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R4の3から15員の複素環としては、4から6員の複素環が好ましい。
R5の3から15員の複素環としては、4から6員の複素環が好ましい。
Qの3から15員の複素環としては、4から6員の複素環が好ましい。
R73の3から15員の複素環としては、4から6員の複素環が好ましい。
Ring Bの3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいRing Bの3から15員の複素環は、4から7員の複素環である。さらに好ましいRing Bの3から15員の複素環は、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、アゼパン、1,4-ジアゼパン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、1,4-ジアゼパン、ホモモルホリン、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン又は3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタンである。最も好ましいRing Bの3から15員の複素環は、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、アゼパン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサンである。特に最も好ましいRing Bの3から15員の複素環は、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンである。
R8の-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR8の-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R9の-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR9の-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R10の-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR10の-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R11の-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR11の-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R8の-C(=O)-O-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR8の-C(=O)-O-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R9の-C(=O)-O-の3(3から15員の複素環)から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR9の-C(=O)-O-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R10の-C(=O)-O-の3から15員の複素環(3から15員の複素環)としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR10の-C(=O)-O-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R11の-C(=O)-O-の3から15員の複素環(3から15員の複素環)としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR11の-C(=O)-O-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R8の-C(=O)-NR83-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR8の-C(=O)-NR83-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R9の-C(=O)-NR83-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR9の-C(=O)-NR83-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R10の-C(=O)-NR83-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR10の-C(=O)-NR83-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R11の-C(=O)-NR83-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR11の-C(=O)-NR83-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R8の-NR86-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR8の-NR86-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R9の-NR86-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR9の-NR86-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R10の-NR86-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR10の-NR86-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R11の-NR86-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR11の-NR86-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R11の-NR83-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR11の-NR83-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R8の-NR89-C(=O)-O-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR8の-NR89-C(=O)-O-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R9の-NR89-C(=O)-O-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR9の-NR89-C(=O)-O-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R10の-NR89-C(=O)-O-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR10の-NR89-C(=O)-O-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R11の-NR89-C(=O)-O-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR11の-NR89-C(=O)-O-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R13の-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR13の-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R14の-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR14の-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
R15の-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいR15の-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
Ring Baの3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。より好ましいRing Baの3から15員の複素環は、4から7員の複素環である。さらに好ましいRing Baの3から15員の複素環は、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、アゼパン、1,4-ジアゼパン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、1,4-ジアゼパン、ホモモルホリン、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン又は3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタンである。最も好ましいRing Baの3から15員の複素環は、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、アゼパン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサンである。特に最も好ましいRing Baの3から15員の複素環は、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンである。
【0101】
本明細書で使用される「ヒドロキシル」又は「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を意味する。
【0102】
本明細書で使用される「ヒドロキシアルキル」という用語は、少なくとも1つの-OH基が、本明細書で定義されるアルキレン基を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
【0103】
本明細書で使用される「ヒドロキシフルオロアルキル」という用語は、少なくとも1つの-OH基が、本明細書で定義されるフルオロアルキル基を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
【0104】
本明細書で使用される「ペンタハロスルファニル」という用語は、SF5を含むが、これに限定されない。
【0105】
本明細書で使用される「チオアルキル」という用語は、本明細書で定義されるアルキル基が、硫黄原子を介して親部分に付加されていることを意味する。
R4のC1~C10-チオアルキルとしては、C1~C4-チオアルキルが好ましい。
R5のC1~C10-チオアルキルとしては、C1~C4-チオアルキルが好ましい。
R6のC1~C10-チオアルキルとしては、C1~C4-チオアルキルが好ましい。
【0106】
本明細書で使用される「スルホンアミド」という用語は、-S(O)2NRK-又は-NRKS(O)-を意味し、ここでRKは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル又はヘテロアルキルであり得る。
【0107】
用語
【化30】
は、単結合
【化31】
、又は二重結合
【化32】
を示す。
【0108】
本明細書に記載の化合物の場合、その基及び置換基は、原子及び置換基の許容される原子価に従って選択することができ、その結果、その選択及び置換は、例えば、転位、環化、脱離などによる変換を自発的に受けない安定な化合物をもたらす。
【0109】
本明細書で使用される「活性化剤」という用語は、標的受容体タンパク質の活性を増強する分子実体(例えば、限定するものではないが、リガンド及び開示される化合物)を指す。
【0110】
本明細書で使用される「阻害剤」という用語は、標的受容体タンパク質の活性を減少又は消失させる分子実体(例えば、限定するものではないが、開示される化合物)を指す。
【0111】
本明細書で使用される「リガンド」という用語は、受容体に会合又は結合して複合体を形成し、生物学的効果を媒介、防止又は改変することができる天然又は合成の分子実体を指す。したがって、「リガンド」という用語は、アロステリックモジュレータ、阻害剤、活性化剤、アゴニスト、アンタゴニスト、天然基質及び天然基質の類似体を包含する。
【0112】
本明細書で使用される「天然リガンド」及び「内因性リガンド」という用語は、互換的に使用され、受容体に結合する天然に存在するリガンドを指す。
【0113】
本明細書における「タリウムフラックスアッセイ(thallium flux assay)」という用語は、TREKチャネルの活性をモニターするために使用される蛍光ベースのアッセイを指す。タリウムは、TREKチャネルの細孔を通って容易に流動するカリウムの同族体である。タリウムフラックスは、Thallosと呼ばれる市販のタリウム感受性蛍光色素を用いて測定される。詳細な方法については後述する。
本明細書における「パッチクランプ法」という用語は、TREKチャネル薬理学を評価するための「ゴールデンスタンダードな」方法を指す。詳細な方法については後述する。
【0114】
本明細書における「MK-801誘発性新規物体認識試験」という用語は、統合失調症認知障害動物モデルにおけるインビボ有効性を評価するための実験を指す。詳細な方法については後述する。MK-801はジゾシルピンとしても知られている。
【0115】
本明細書で使用される「TREK阻害剤」という用語は、動物、特に哺乳動物、例えばヒトにおいて当該チャネルを直接的又は間接的に阻害する任意の外因的に投与される化合物又は薬剤を指す。
【0116】
本明細書で使用される「TREK活性化剤」という用語は、動物、特に哺乳動物、例えばヒトにおいて当該チャネルを直接的又は間接的に活性化する任意の外因的に投与される化合物又は薬剤を指す。
【0117】
本明細書で使用される「TREKモジュレータ」という用語は、動物、特に哺乳動物、例えばヒトにおいて当該チャネルを直接的又は間接的に活性化又は阻害する任意の外因的に投与される化合物又は薬剤を指す。明確にするために、本明細書で使用される「TREKモジュレータ」という用語は、任意のTREK活性化剤又はTREK阻害剤を指す。
【0118】
本明細書で使用される「機能障害」という用語は、動物、特に哺乳動物、例えばヒトにおいてチャネルの活性化又は阻害を誘導する任意の異常な機能を指す。
【0119】
本明細書において数値範囲を示す場合、その間に介在する各数字が同じ程度の明確さで明示的に企図されている。例えば、6~9の範囲では、6及び9に加えて数字7及び8が企図され、6.0~7.0の範囲では、数字6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、及び7.0が明示的に企図されている。
【0120】
化合物
一態様では、式(I):
【化33】
の化合物又はその薬学的に許容される塩が開示され、式中、全ての記号は以下のように定義される。
【0121】
式(I)の化合物は、TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方のモジュレータである。
【0122】
ある実施形態では、化合物は、式(Ia):
【化34】
又はその薬学的に許容される塩であり、
全ての記号は以下のように定義される。
【0123】
式(Ia)の化合物は、TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤である。
【0124】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1):
【化35】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1-4):
【化36】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0125】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1-5):
【化37】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0126】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-2):
【化38】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0127】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-3):
【化39】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0128】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-4):
【化40】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0129】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-5):
【化41】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0130】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-6):
【化42】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0131】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-7):
【化43】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0132】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1-1):
【化44】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0133】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1-1a):
【化45】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0134】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1-2):
【化46】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0135】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1-2a):
【化47】
である(式中、R
3aは、(1)R
7a、又は
【化48】
から選択され、式中、R
7aは、(1)C1~C10-アルキレン-シアノ、(2)C1~C10-アルキレン-NH-C(=O)-O-C1~C10-アルキル、(3)C1~10-アルキレン-O-C1~C10-アルキル及び(4)C1~C10-アルキレン-(CR
71R
72)p-R
73から選択され、(1)~(4)の各々は、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよく、
M
aは、(1)結合又は(2)1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C10-アルキレンから選択され、
Ring B
aは、(1)1から5個のR
8で任意に置換されていてもよいC3~C10-シクロアルキル、(2)1から5個のR
9で任意に置換されていてもよい3から15員の複素環、(3)1から5個のR
10で任意に置換されていてもよい6から15員のアリール、及び(4)1から5個のR
11で任意に置換されていてもよい5から15員のヘテロアリールから選択され、
その他の記号は以下に定義される通りである)。
【0136】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1-3):
【化49】
である(式中、Ring Dは、(1)6から15員のアリール及び(2)5から15員のヘテロアリールから選択され、他の記号は、以下に定義される通りである)。
【0137】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1-7a):
【化50】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0138】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1-3a):
【化51】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0139】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1-3b):
【化52】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0140】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1-3c):
【化53】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0141】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1-3d):
【化54】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0142】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1-3e):
【化55】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0143】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(Ia-1-3f):
【化56】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0144】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(1a-1-6):
【化57】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0145】
ある実施形態では、式(Ia)は、好ましくは式(1a-1-6a):
【化58】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0146】
ある実施形態では、式(I)は、好ましくは式(Ia-1-4a)、(Ia-1-7b)又は(Ia-1-2b):
【化59】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、Ring D
1は、
【化60】
から選択され、ここで、右矢印は6員環との結合位置であり、左矢印はR
Yとの結合位置であり、その他の記号は以下のように定義される。
【0147】
ある実施形態では、式(I)は、好ましくは式(Ia-1-4b)、(Ia-1-7b)又は(Ia-1-2b):
【化61】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、Ring D
1は、
【化62】
から選択され、ここで、右矢印は6員環との結合位置であり、左矢印はR
Yとの結合位置であり、その他の記号は以下のように定義される。
【0148】
ある実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ib):
【化63】
又はその薬学的に許容される塩であり、
全ての記号は以下のように定義される。
【0149】
式(Ib)の化合物は、TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の活性化剤である。
ある実施形態では、式(Ib)は、好ましくは式(Ib-1):
【化64】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0150】
ある実施形態では、式(Ib)は、好ましくは式(Ib-2):
【化65】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0151】
ある実施形態では、式(Ib)は、好ましくは式(Ib-2-1):
【化66】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0152】
ある実施形態では、式(Ib)は、好ましくは式(Ib-3):
【化67】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0153】
Lは、好ましくは、結合、C2~C4-アルキニレン(好ましくは、エチニレン)、C2~C4-アルケニレン(好ましくは、エテニレン)、-(C1~C4-アルキレン)-O-(好ましくは、-CH2-O-)、-(6から10員のアリール)-又は-(5から10員のヘテロアリール)-である。より好ましいLは、C2~C4-アルキニレン(好ましくは、エチニレン)、-(C1~C4-アルキレン)-O-(好ましくは、-CH2-O-)又は-(5から10員のヘテロアリール)-(好ましくは、5員のヘテロアリール)である。最も好ましいLは、C2~C4-アルキニレン(好ましくは、エチニレン)である。最も好ましいLはまた、-(5から10員のヘテロアリール)-である。
【0154】
Wは、好ましくはCH又はCR4である。より好ましいWは、CHである。
【0155】
Zは、好ましくはCR5又はNである。より好ましいZは、Nである。
【0156】
R4は、好ましくはシアノ、ハロゲン、又は1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキルである。より好ましいR4は、ハロゲン、又は1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキルである。最も好ましいR4は、ハロゲン又はメチルである。
【0157】
R5は、好ましくはシアノ、ハロゲン、又は1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキルである。より好ましいR5は、ハロゲン、又は1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキルである。最も好ましいR5は、ハロゲン又はメチルである。特に好ましいR5は、メチルである。
Rbは、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。より好ましいRbは、水素又はC1~C4-アルキルである。
【0158】
Rcは、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
Rdは、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
Rc及びRdは、好ましくは、炭素原子が互いに結合して、C3~C10-シクロアルキルを形成する。より好ましいRc及びRdは、炭素原子が互いに結合して、C3~C7-シクロアルキルを形成する。
【0159】
nは、好ましくは1、2、3又は4である。
【0160】
Qは、好ましくは、ハロゲン、シアノ、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリール、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、又は、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環である。
【0161】
より好ましいQは、ハロゲン、シアノ、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、又は、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環である。
R201は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
【0162】
R202は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
R203は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
R204は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
R205は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
R206は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
【0163】
R
207は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
R
208は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
R
209は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
【化68】
は、好ましくは、R
3で置換されたピロール又はR
3で置換されたピラゾールである。より好ましい
【化69】
は、R
3で置換されたピラゾールである。
【0164】
Yは、好ましくはCH、CR3、N、NH又はNR3である。より好ましいYは、CR3又はNR3である。より好ましいYはまた、CH、N又はNHである。最も好ましいYは、NR3である。最も好ましいYはまた、N又はNHである。
【0165】
Uは、好ましくは、CH、CR3、CRx、N、NH、NR3又はNRxである。より好ましいUは、CH、CRx、N、NH又はNRxである。より好ましいUはまた、CR3又はNR3である。最も好ましいUは、NR3である。
【0166】
Vは、好ましくは、CH、CRx、N、NH又はNRxである。より好ましいVは、CH、CRx、N、NH又はNRxである。最も好ましいVは、CH、N又はNHである。
【0167】
Rxは、好ましくは、NH2、ハロゲン又はメチルである。より好ましいRxは、NH2又はメチルである。
【0168】
Rは、好ましくは、1から5個のR6で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール又は1から5個のR6で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリールである。より好ましいRは、1から3個のR6で任意に置換されていてもよい6から10員のアリールである。より好ましいRはまた、1から3個のR6で任意に置換されていてもよい5員のヘテロアリールである。さらに好ましいRは、1から3個のR6で任意に置換されていてもよいチオフェニル又はフェニルである。最も好ましいRは、1から3個のR6で任意に置換されていてもよいフェニルである。
【0169】
R6は、好ましくは、ハロゲン、シアノ、1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシである。より好ましいR6は、ハロゲン、1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシである。最も好ましいR6は、ハロゲン、又は1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいメチルである。
【0170】
R1は、好ましくは、C1~C4-アルキル、ハロゲン、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルキル又はC1~C4-ハロアルコキシである。より好ましいR1は、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル又はハロゲンである。さらに好ましいR1は、C1~C4-アルキル又はハロゲンである。最も好ましいR1は、メチル又はハロゲンである。
R21は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル、ハロゲン、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルキル又はC1~C4-ハロアルコキシである。より好ましいR21は、水素である。
【0171】
R2は、好ましくは、ハロゲン、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。より好ましいR2は、C1~C4-アルキル又はハロゲンである。最も好ましいR2は、ハロゲンである。
R3は、好ましくは、
1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C2~C6-アルキレン)-シアノ、
1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C1~C6-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C1~C6-アルキル)、
1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C1~C6-アルキレン)-O-(C1~C6-アルキル)、
1から5個のR8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、
1から5個のR9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環、
1から5個のR10で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、又は
1から5個のR11で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリール、
-(C1~C4-アルキレン)-(1から5個のR8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル)、
-(C1~C4-アルキレン)-(1から5個のR9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、
-(C1~C4-アルキレン)-(1から5個のR10で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール)、又は
-(C1~C4-アルキレン)-(1から5個のR11で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリール)である。
【0172】
より好ましいR3は、
1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C2~C4-アルキレン)-シアノ、
1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C3~C6-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C3~C6-アルキル)、
1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C3~C6-アルキレン)-O-(C3~C6-アルキル)、
1から5個のR8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、
1から5個のR9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環、
-(C1~C4-アルキレン)-(1から5個のR8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル)、又は
-(C1~C4-アルキレン)-(1から5個のR9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)である。
【0173】
さらに好ましいR3は、
1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C2~C4-アルキレン)-シアノ、
1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C3~C6-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C3~C6-アルキル)、
1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C3~C6-アルキレン)-O-(C3~C6-アルキル)、
1から5個のR8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、
1から5個のR9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環、
-(C1~C2-アルキレン)-(1から5個のR8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル)、又は
-(C1~C2-アルキレン)-(1から5個のR9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)である。
【0174】
最も好ましいR3は、
1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C2~C4-アルキレン)-シアノ)(好ましくは、-(C2~C4-アルキレン)-シアノ)、
1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C3~C6-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C3~C6-アルキル)、
1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C3~C6-アルキレン)-O-(C3~C6-アルキル)(好ましくは、-(C3~C6-アルキレン)-O-(C3~C6-アルキル)、
1から5個のR8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、
1から5個のR9で任意に置換されていてもよい4から7員の複素環、
-(C1~C2-アルキレン)-(1から5個のR8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル)、又は
-(C1~C2-アルキレン)-(1から5個のR9で任意に置換されていてもよい4から7員の複素環)である。
【0175】
R7は好ましくは、
1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C2~C6-アルキレン)-シアノ、
1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C1~C6-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C1~C6-アルキル)、又は
1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C1~C6-アルキレン)-O-(C1~C6-アルキル)である。
【0176】
より好ましいR7は、
-(C2~C4-アルキレン)-シアノ、
1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C3~C6-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C3~C6-アルキル)、又は
-(C3~C6-アルキレン)-O-(C3~C6-アルキル)である。
【0177】
最も好ましいR7は、-(C2~C4-アルキレン)-シアノである。
R71は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。より好ましいR71は、C1~C4-アルキルである。
R72は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。より好ましいR72は、C1~C4-アルキルである。
R71及びR72は、好ましくは、炭素原子が互いに結合して、C3~C7-シクロアルキルを形成する。
pは、好ましくは、1、2、3又は4である。より好ましいpは、1である。
R7は好ましくは、
(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1~10個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、又は
(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環である。
【0178】
R101は、好ましくは、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
R102は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
R103は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
R104は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
R105は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
R106は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
R107は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
R108は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
R109は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
【0179】
【化70】
のMは、好ましくは、結合又は1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキレンである。
【0180】
より好ましいMは、結合又は1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C2-アルキレンである。
【0181】
【化71】
のRing Bは、好ましくは、
1から5個のR
8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、
1から5個のR
9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環、又は
1から5個のR
11で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリールである。
【0182】
より好ましいRing Bは、
1から5個のR8で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、又は
1から5個のR9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。さらに好ましいRing Bは、1から3個のR9で任意に置換されていてもよい4から7員の複素環である。
【0183】
さらに好ましいRing Bはまた、1から3個のR9で任意に置換されていてもよい、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、アゼパン、1,4-ジアゼパン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、1,4-ジアゼパン、ホモモルホリン、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、又は3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタンである。
最も好ましいRing Bは、1から3個のR9で任意に置換されていてもよい、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、アゼパン、1,4-ジアゼパン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、又は1,4-ジオキサンである。
【0184】
特に最も好ましいRing Bは、1から3個のR9で任意に置換されていてもよい、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンである。
Ring BのR8は、好ましくは、ハロゲン、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、
シアノ、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、
-C(=O)-NH-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-SO2-(C1~C4-アルキル)である。
【0185】
より好ましいR8は、
ハロゲン、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、
シアノ、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、又は
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)である。
【0186】
最も好ましいR8は、
シアノ、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいメチル)、又は
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)である。
【0187】
Ring BのR9は、好ましくは、ハロゲン、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、
シアノ、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)、
-C(=O)-NH-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-SO2-(C1~C4-アルキル)である。
【0188】
より好ましいR9は、
ハロゲン、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、
シアノ、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-SO2-(C1~C4-アルキル)である。
【0189】
最も好ましいR9は、
ハロゲン、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいメチル、
シアノ、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、又は
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)である。
【0190】
Ring BのR10は、好ましくは、
ハロゲン、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、
シアノ、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)、
-C(=O)-NH-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-SO2-(C1~C4-アルキル)である。
【0191】
より好ましいR10は、
ハロゲン、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、
シアノ、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-SO2-(C1~C4-アルキル)である。
【0192】
最も好ましいR10は、
ハロゲン、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は
シアノである。
【0193】
Ring BのR11は、好ましくは、
ハロゲン、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、
シアノ、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)、
-C(=O)-NH-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-SO2-(C1~C4-アルキル)である。
【0194】
より好ましいR11は、
ハロゲン、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、
シアノ、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル)、
-NH-C(=O)-((1)ハロゲン、(2)-OH、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-SO2-(C1~C4-アルキル)である。
【0195】
最も好ましいR11は、
ハロゲン、
(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)C1~C4-アルコキシから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は
シアノである。
【0196】
R
81は、好ましくは、水素である。
R
82は、好ましくは、水素である。
R
83は、好ましくは、水素である。
R
84は、好ましくは、水素である。
R
85は、好ましくは、水素である。
R
86は、好ましくは、水素である。
R
87は、好ましくは、水素である。
R
88は、好ましくは、水素である。
R
89は、好ましくは、水素である。
【化72】
は、好ましくは、R
3で置換されたピロール又はR
3で置換されたピラゾールである。より好ましい
【化73】
は、R
3で置換されたピラゾールである。
【0197】
Y1は、好ましくは、CR3又はNR3である。より好ましいY1は、NR3である。
U1は、好ましくは、CH、NRx又はNである。より好ましいU1は、Nである。
V1は、好ましくは、CH又はNである。より好ましいV1は、CHである。
R1aは、ハロゲンであることが好ましい。
R1aはまた、好ましくは、C1~C4-アルキルである。より好ましいR1aは、メチルである。
R5aは、好ましくは、水素である。
R5aはまた、好ましくは、ハロゲン又はC1~C4-アルキルである。より好ましいR5aは、ハロゲン又はメチルである。さらに好ましいR5aは、メチルである。
R1bは、好ましくは、ハロゲンである。
R1bはまた、好ましくは、C1~C4-アルキルである。より好ましいR1bは、メチルである。
【0198】
【化74】
は、好ましくは、R
3で置換されたピラゾールである。
Y
2は、好ましくは、Nである。
U
2は、好ましくは、NR
3である。
V
2は、好ましくは、CH又はCR
xである。より好ましいV
2は、CHである。
R
1cは、好ましくは、C1~C4-アルキル又はハロゲンである。より好ましいR
1cは、メチル又はハロゲンである。
R
3bは、好ましくは、
【化75】
【0199】
より好ましいR3bは、-(C1~C10-アルキレン)-(1から5個のR14で任意に置換されていてもよい3から15員の複素環)である。
【0200】
さらに好ましいR3bは、-(C1~C4-アルキレン)-(1から5個のR14で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)である。
【0201】
最も好ましいR
3bは、-(C1~C2-アルキレン)-(1から5個のR
14で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環)である。
【化76】
のM
1は、好ましくは、C1~C4-アルキレンである。より好ましいM
1は、C1~C2-アルキレンである。
【0202】
【化77】
のRing Cは、好ましくは、
1から5個のR
13で任意に置換されていてもよいC3~C7-シクロアルキル、又は
1から5個のR
14で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。
【0203】
R13は、好ましくは、C1~C4-アルキル、-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-C(=O)-(C3~C7-シクロアルキル)、-C(=O)-(3から10員の複素環)又はオキソである。
R14は、好ましくは、C1~C4-アルキル、-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-C(=O)-(C3~C7-シクロアルキル)、-C(=O)-(3から10員の複素環)又はオキソである。
R15は、好ましくは、C1~C4-アルキル、-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、-C(=O)-(C3~C7-シクロアルキル)、-C(=O)-(3から10員の複素環)又はオキソである。
【0204】
R3aのR7aは、好ましくは、
1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C1~C6-アルキレン)-シアノ、
1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C1~C4-アルキレン)-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、又は
1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよい-(C1~C4-アルキレン)-O-(C1~C4-アルキル)である。
【0205】
【化78】
のM
aは、好ましくは、結合又は-(C1~C6-アルキレン)-である。より好ましいM
aは、結合又は-(C1~C4-アルキレン)-である。
【化79】
のRing B
aは、好ましくは、
1から5個のR
8で任意に置換されていてもよいC3~C10-シクロアルキル、
1から5個のR
9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環、又は
1から5個のR
11で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリールである。
【0206】
より好ましいRing Baは、
1から5個のR8で任意に置換されていてもよいC3~C10-シクロアルキル、又は
1から5個のR9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。
最も好ましいRing Baは、1から3個のR9で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。
【0207】
Ring Dは、好ましくは、5から10員のヘテロアリールである。より好ましいRing Dは、ピラゾリルであり、又はオキサジアゾリルであることが好ましい。最も好ましいRing Dは、
【化80】
であり、式中、右矢印は6員環との結合位置であり、左矢印はRとの結合位置である。
【0208】
Ring D
1は、好ましくは、ピラゾリル又はオキサジアゾリルである。より好ましいRing D
1は、
【化81】
から選択され、式中、右矢印は6員環との結合位置であり、左矢印はR
Yとの結合位置である、化合物。最も好ましいRing D
1の5員のヘテロアリールは、
【化82】
から選択され、式中、右矢印は6員環との結合位置であり、左矢印はR
Yとの結合位置である、化合物。
【0209】
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-1)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-1a)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-2)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-2a)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-2b)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-3)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-3a)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-3b)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-3c)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-3d)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-3e)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-3f)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-4)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-4a)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-4b)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-5)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(1a-1-6)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(1a-1-6a)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(1a-1-7a)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(1a-1-7b)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-2)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-3)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-4)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-5)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-6)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-7)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ib)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ib-1)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ib-2)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ib-2-1)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ib-3)である。
【0210】
ある実施形態では、本化合物は、好ましくは、
(1)1-((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(2)4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(3)(R)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
(4)(S)-1-((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(5)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(6)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(7)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-((4-フルオロフェニル)エチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(8)1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(9)4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-(4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(10)1-((3R,4R)-1-アセチル-3-フルオロピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(11)1-(1-(1,4-ジオキサン-2-カルボニル)ピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(12)1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(13)1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(14)1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(15)1-((1-アセチル-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(16)(S)-1-(1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)エチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(17)1-((1-アセチル-3-フルオロアゼチジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(18)1-((1-アセチル-3-フルオロアゼチジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(19)4-クロロ-1-[(3S)-1-(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-[3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
(20)4-クロロ-1-[(3R)-1-(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-[3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、又はその薬学的に許容される塩、であるが、これらに限定されない。
【0211】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
1-((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
【0212】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
(R)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
(S)-1-((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
【0213】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
【0214】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-((4-フルオロフェニル)エチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
【0215】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-(4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
1-((3R,4R)-1-アセチル-3-フルオロピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
【0216】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
1-(1-(1,4-ジオキサン-2-カルボニル)ピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
【0217】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
【0218】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
1-((1-アセチル-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
(S)-1-(1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)エチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
【0219】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
1-((1-アセチル-3-フルオロアゼチジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
1-((1-アセチル-3-フルオロアゼチジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
【0220】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
4-クロロ-1-[(3S)-1-(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-[3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
4-クロロ-1-[(3R)-1-(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-[3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である。
【0221】
式(I)の化合物は、好ましくは、R、L、W、Z、Y、U、V、R1、R2及びR21について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia)の化合物は、好ましくは、R、L、W、Z、Y1、U1、V1、R1、R2及びR21について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-1)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、Y1、U1、V1、R1、R2及びR21について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
【0222】
式(Ia-1-1)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、Y1、U1、V1、R1、R2及びR21について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-1-1a)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、R1 R2、R21及びR3について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-1-2)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、Y1、U1、V1、R1、R2及びR21について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
【0223】
式(Ia-1-2a)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、R1 R2、R21及びR3aについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-1-2a)の化合物としては、好ましくは、RY、W、Z、R1 R2、R21及びR3zについて上述した好ましい例の一部又は全部を組み合わせたものである。
式(Ia-1-3)の化合物は、好ましくは、R、Ring D、W、Z、Y1、U1、V1、R1、R2及びR21について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
【0224】
式(Ia-1-3a)の化合物は、好ましくは、R、Ring D、R1a、R2a、R3及びR5aについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-1-3b)の化合物は、好ましくは、R、Ring D、R1a、R2a、R5a及びR7好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-1-3c)の化合物は、好ましくは、R、Ring B、Ring D、M、R1a、R2a及びR5aについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
【0225】
式(Ia-1-3d)の化合物は、好ましくは、R、Ring D、R1b、R2a、R21及びR3について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-1-3e)の化合物は、好ましくは、R、Ring D、R1b、R2a、R21及びR7について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-1-3f)の化合物は、好ましくは、R、Ring D、M、R1b、R2a及びR21について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
【0226】
式(Ia-1-4)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、R1、R2、R21及びR3について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-1-5)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、R1、R2、R21、R3及びRxについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-1-6)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、Y1、U1、V1、R1、R2、R21、R3及びRxについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
【0227】
式(Ia-1-6a)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、R1、R2a、R21、R3及びRxについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-2)の化合物は、好ましくは、R、R1a、R2a、R3及びR5aについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-3)の化合物は、好ましくは、R、R1a、R2a、R3 R5a及びR7について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
【0228】
式(Ia-4)の化合物は、好ましくは、R、Ring B、M、R1a、R2a及びR5aについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-5)の化合物は、好ましくは、R、R1b、R2a R21及びR3について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-6)の化合物は、好ましくは、R、R1b、R2a R21及びR7について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
【0229】
式(Ia-7)の化合物は、好ましくは、R、Ring B、M、R1b、R2a及びR21について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-1-7a)の化合物は、好ましくは、R、Ring D、W、Z、R1、R2及びR21について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-1-7b)の化合物は、好ましくは、RY、Ring D1、W、Z、R1、R2、R21及びR3zについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
【0230】
式(Ib)の化合物は、好ましくは、R、L、W、Z、Y2、U2、V2、R1c、R2及びR21について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ib-1)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、Y2、U2、V2、R1c、R2及びR21について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ib-2)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、R1c、R2、R21及びR3について上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
【0231】
式(Ib-2-1)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、R1c、R2、R21、R3及びRxについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ib-3)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、R1c、R2bについて上述した好ましい例の一部又は全部が満たされるような化合物である。R21とR3bは組み合わされる。
TREKの阻害剤としては、式(I)は、好ましくは、式(Ia)である。
【0232】
TREKの活性化剤としては、式(I)は、好ましくは、式(Ib)である。
TREKの阻害剤として、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する障害は、好ましくは、神経障害及び/又は精神障害である。
TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連するより好ましい障害は、うつ病、統合失調症、不安障害、双極性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、22q11.2欠失症候群、神経因性疼痛又は脳梗塞である。
【0233】
さらに、TREK1、TREK2、又はTREK1、TREK2若しくはTREK1とTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する好ましい障害は、うつ病、統合失調症、不安障害、双極性障害である。TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する最も好ましい障害は、うつ病又は統合失調症である。
【0234】
TREKの活性化剤として、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する障害は、好ましくは、疼痛、片頭痛、鼻炎症、心房細動、急性呼吸窮迫症候群、急性肺傷害、過活動膀胱、脳虚血、てんかん、筋萎縮性側索硬化症、22q11.2欠失症候群、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、敗血症、膵臓がん、クッシング症候群、常染色体優性多嚢胞腎疾患、骨折、骨粗鬆症、側頭葉てんかん、統合失調症、大腸炎又は依存である。
【0235】
化合物名は、PerkinElmerのCHEMDRAW(登録商標)ULTRA又はAdvanced Chemistry DevelopmentのACD/Name(登録商標)の一部としてStruct=Name命名アルゴリズムを使用することによって割り当てられる。これらのプログラムは、一般に、IUPAC命名法に従って化合物を命名する。本明細書で使用される化合物名もまた、IUPAC命名法に従って命名される。
【0236】
本発明においては、特に断らない限り、
記号:
【化83】
は、紙面の裏側に置換基が結合していること(換言すれば、α配置)を表し、
記号:
【化84】
は、紙面の手前側に置換基が結合していること(換言すれば、β配置)を表し、
記号:
【化85】
は、α-立体配置又はβ-立体配置を表し、
記号:
【化86】
は、この記号が不斉炭素原子で置換されている限りにおいては、α-配置とβ-配置との混合物を表す。
【0237】
本化合物は、不斉中心又はキラル中心が存在する立体異性体として存在し得る。立体異性体は、キラル炭素原子の周りの置換基の配置に応じて「R」又は「S」である。本明細書で使用される「R」及び「S」という用語は、IUPAC 1974 RecommendationsのSection E,Fundamental Stereochemistry、Pure Appl.Chem.,1976,45:13-30で定義されている構成である。本開示は、様々な立体異性体及びそれらの混合物を企図し、これらは特に本発明の範囲内に含まれる。立体異性体には、エナンチオマー及びジアステレオマー、並びにエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物が含まれる。本化合物の個々の立体異性体は、不斉中心又はキラル中心を含有する市販の出発物質から合成的に、又はラセミ混合物の調製とそれに続く当業者に周知の分割方法によって調製することができる。これらの分割方法は、(1)エナンチオマーの混合物のキラル補助剤への結合、再結晶又はクロマトグラフィーによって得られたジアステレオマーの混合物の分離、及び任意選択の、Furniss,Hannaford,Smith,and Tatchell,’’Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry,’’5th edition(1989)、Longman Scientific&Technical,Essex CM20 2JE,Englandに記載されているような補助剤からの光学的に純粋な生成物の遊離、又は、(2)キラルクロマトグラフィーカラムによる光学エナンチオマーの混合物の直接分離、又は、(3)分別再結晶方法によって例示される。
【0238】
本化合物は互変異性体並びに幾何異性体を有してもよく、これらもまた本開示の実施形態を構成することを理解されたい。
【0239】
本開示はまた、1つ以上の原子が、自然界で通常見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置き換えられているという事実を除いて、式(I)に記載されるものと同一である同位体標識化合物を含む。本発明の化合物に含めるのに適した同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、及び塩素であり、例えば、限定するものではないが、それぞれ、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clである。より重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性から生じる特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の増加又は必要投与量の減少をもたらすことができ、それゆえ、いくつかの状況では好ましい場合がある。本化合物は、受容体の分布を決定するために、医療撮像及び陽電子放出断層撮影(PET)研究のための陽電子放出同位体を組み込むことができる。式(I)の化合物に組み込むことができる適切な陽電子放出同位体は、11C、13N、15O、及び18Fである。式(I)の同位体標識化合物は、一般に、当業者に公知の従来の技術によって、又は、非同位体標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、添付の実施例に記載されるものと同様の方法によって調製することができる。
【0240】
薬学的に許容される塩
【0241】
本開示の化合物は、薬学的に許容される塩として存在し得る。「薬学的に許容される塩」という用語は、水又は油に溶性又は分散性であり、過度の毒性、刺激及びアレルギー反応を伴わない障害の治療に適しており、合理的な利益/リスク比に見合っており、それらの意図する用途に有効な、化合物の塩又は双性イオンを指す。塩は、本化合物の最終的な単離及び精製中に調製することができ、又は本化合物のアミノ基を適切な酸と反応させることによって別々に調製することができる。例えば、化合物を、適切な溶媒、例えば、限定するものではないがメタノール及び水に溶解し、塩酸などの少なくとも1当量の酸で処理することができる。得られた塩を沈殿させ、濾過によって単離し、減圧下で乾燥させることができる。あるいは、溶媒及び過剰な酸を減圧下で除去して塩を得ることができる。代表的な塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、イセチオン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、グルタミン酸塩、パラ-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、塩酸塩、臭酸塩、硫酸塩、リン酸塩などが挙げられる。本化合物のアミノ基はまた、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ラウリル、ミリスチル、ステアリルなどのアルキルの塩化物、臭化物及びヨウ化物で四級化されてもよい。
【0242】
塩基性付加塩は、開示された化合物の最終単離及び精製中に、カルボキシル基と、適切な塩基、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム若しくはアルミニウムなどの金属カチオンの水酸化物、炭酸塩若しくは重炭酸塩、又は有機第一級、第二級若しくは第三級アミンとの反応によって調製され得る。例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、1-エフェナミン、及びN,N’-ジベンジルエチレンジアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどから誘導される第四級アミン塩を調製することができる。
【0243】
本発明において、本発明の化合物としては、全て式(I)で表される化合物、又はその塩、溶媒和物若しくは共結晶が挙げられる。
【0244】
式(I)で表される化合物及びその塩は、水又はエタノールなどの薬学的に許容される溶媒との非溶媒和形態又は溶媒和形態で存在し得る。好ましい溶媒和物としては、水和物が挙げられる。式(I)で示される化合物及びその塩は、公知の方法により溶媒和物に変換することができる。
【0245】
式(I)で表される化合物は、適切な共結晶形成剤によって共結晶を形成することができる。共結晶としては、薬学的に許容される共結晶形成剤により形成された薬学的に許容される共結晶が好ましい。共結晶とは、典型的には、イオン結合とは異なる分子間相互作用により、2種以上の異なる分子からなる結晶と定義される。また、共結晶は、中性分子と塩との複合体であってもよい。共結晶は、周知の方法による溶媒からの再結晶、例えば、溶融結晶化や、成分を一緒に物理的に粉砕することによって作製することができる。好適な共結晶形成剤としては、国際公開第2006/007448号に記載されているものが挙げられる。
【0246】
式(I)で表される化合物は、プロドラッグとして投与することができる。式(I)で表される化合物のプロドラッグは、酵素や胃酸等との反応により、生体内で式(I)で表される化合物に変換される化合物を指す。式(I)で表される化合物のプロドラッグとしては、式(I)で表される化合物がアミノ基を有する場合には、そのアミノ基が、アシル化、アルキル化又はリン酸化された化合物(例えば、そのアミノ基が、エイコサノイル、アラニル、ペンチルアミノカルボニル、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メトキシカルボニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジルメチル、ピバロイルオキシメチル、アセトキシメチル、tert-ブチルなどに変換された式(I)で表される化合物)、式(I)で示される化合物がヒドロキシ基を有する場合には、そのヒドロキシ基が、アシル化、アルキル化、リン酸化されているか、又はボレートに変換されている化合物(例えば、そのヒドロキシ基が、アセチル、パルミトイル、プロパノイル、ピバロイル、スクシニル、フマル、アラニル、ジメチルアミノメチルカルボニルなどに変換された式(I)で表される化合物)、式(I)で表される化合物がカルボキシ基を有する場合には、そのカルボキシ基がエステル化又はアミド化された化合物(例えば、そのカルボキシ基が、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、フェニルエステル、カルボキシメチルエステル、ジメチルアミノメチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、フタリジルエステル、1-{(エトキシカルボニル)オキシ}エチルエステル、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル、1-{[(シクロヘキシルオキシ)カルボニル]オキシ}エチルエステル、メチルアミドなどに変換された式(I)で表される化合物)などが挙げられる。式(I)で表される化合物のプロドラッグは、「医薬品の開発」第7巻「分子設計」、p163-198、1990、広川書店株式会社に開示されているもののような、生理学的条件下において、式(I)で表される化合物に変換されるものであり得る。
【0247】
一般的な合成
【0248】
式(I)の化合物は、合成プロセス又は代謝プロセスによって調製することができる。代謝プロセスによる化合物の調製には、ヒト若しくは動物の体内で生じるもの(インビボ)又はインビトロで生じるプロセスが含まれる。
以下のスキームの説明で使用されている略語は以下の通りであり、すなわち、AcOHは酢酸であり、DCEは1,2-ジクロロエタンであり、DIEA又はDIPEAはN,N-ジイソプロピルエチルアミンであり、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドであり、IPAはイソプロピルアルコールであり、HATUは1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェートであり、MWはマイクロ波(マイクロ波リアクターを指す)であり、PyClUは1-(クロロ-1-ピロリジニルメチレン)ピロリジニウムヘキサフルオロホスフェートである。
【0249】
式(I)の化合物、具体的にはA6、A8、A11、A12、A15及びA17のエチニレン-ピラゾール化合物は、スキームIからXに示すように合成することができる。
スキームI
【化87】
(式中、X
1は、(1)ハロゲン、(2)トルシラート、(3)メシラート及び(4)トリフラートから選択され、他の記号は以下のように定義される)
【0250】
スキームIに示すように、化合物A1を、当該分野で一般的に知られている薗頭カップリング条件下で種々のアルキンとカップリングさせて、中間体A2を得ることができる。例えば、その反応は、約60℃まで加熱しながら、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、塩基(例えば、DIEA)及び銅源(例えば、ヨウ化銅(I))の存在下、Pd(PPh3)2Cl2などのパラジウム触媒を用いて行うことができる。
【0251】
【化88】
(式中、X
2は、(1)ハロゲン、(2)トルシラート、(3)メシラート及び(4)トリフラートから選択され、他の記号は以下のように定義される)
スキームIIは、中間体A4及び位置異性体A5への一般的な経路を示す。中間体A3は、適切なカップリングパートナー(例えば、R
3-X
2(式中、X
2は、ハロゲン、トルシラート、メシラート又はトリフラートである))、溶媒(例えばDMF)中の塩基(例えば、K
2CO
3)を用いて加熱(例えば約100℃)下でアルキル化してエステルを得ることができ、当業者であればこれを分離することができる。このエステルを標準条件下(例えば、NaOH、DMF/水)で加水分解して、カルボン酸A4又はA5を得ることができる。
【0252】
【化89】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームIIaは、中間体A4への一般的な経路を示す。中間体A3を、溶媒(例えば、THF)中、標準的なMitsunobu条件下(例えば、PPh
3及びジイソプロピルアゾジカルボキシレート)でアルコール(例えば、R
3-OH)を用いてアルキル化してエステルを得ることができる。このエステルを標準条件下(例えば、NaOH水溶液、THF/MeOH)で加水分解して、カルボン酸A4を得ることができる。
【0253】
【化90】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームIIIは、式(A6)の化合物への一般的な経路を示す。化合物A6は、約60℃に加熱する標準的なアミドカップリング条件(例えば、PyClU、ピリジン、DCE)によって形成され得る。
【0254】
【化91】
(式中、R
41は、(1)C1~C10-アルキル(2)C3~C10-シクロアルキル及び(3)3から15員の複素環から選択され、他の記号は以下のように定義される。)
スキームIVに示すように、酸性条件下(例えば、TFA/DCM)における中間体A7は、第二級アミンをもたらし得、続いて、標準的なアミドカップリング条件下(例えば、HATU、DIEA、カルボン酸)でカップリングさせてアミドA8を形成し得る。
【0255】
【化92】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームVは、中間体A9への一般的な経路を示す。化合物A9は、標準的なアミド化条件(例えば、塩化アンモニウム、HATU、DIEA及びDMF)及び60℃までの加熱条件下での中間体A4によって形成され得る。
【0256】
【化93】
(式中、X
3は、(1)ハロゲン、(2)トルシラート、(3)メシラート及び(4)トリフラートから選択され、その他の記号は以下のように定義される。)
スキームVIは、化合物A11への一般的な経路を示す。化合物A11は、標準的なパラジウム交差カップリング条件下(例えば、Pd
2(dba)
3、キサントホス、Cs
2CO
3、DMF、最大100℃)でアミドA9を中間体A10とカップリングさせることによって形成され得る。
【化94】
(式中、R
22は、(1)-C1~C10-アルキル、(2)-C3~C10-シクロアルキル及び(3)-3から15員の複素環から選択され、他の記号は以下のように定義される。)
【0257】
スキームVIIに示すように、酸性条件下(例えば、TFA/DCM)における中間A7は、第二級アミンをもたらし得、続いてイソニトリル及び塩基(例えばDIEA、THF、室温(rt))とカップリングされて尿素A12を形成し得る。
【化95】
全ての記号は以下のように定義される。
【0258】
スキームVIIIは、アリールエステルA13及びA14への一般的な経路を示す。中間体A13及びA14は、ボロン酸又はボロンエステルとエステルA3とを組み合わせた有機金属クロスカップリング条件(例えば、Cu(Oac)
2、ピリジン及びDCM)によって形成され得る。
【化96】
全ての記号は以下のように定義される。
【0259】
スキームIXは、式(A15)の化合物への一般的な経路を示す。化合物A15は、約60℃に加熱する標準的なアミドカップリング条件(例えば、PyClU、ピリジン、DCE)によって形成され得る。
【化97】
(式中、R
41はC1~C10-アルキルであり、その他の記号は以下のように定義される。)
【0260】
スキームXに示すように、酸性条件下(例えば、TFA/DCM)における中間体A16は、第二級アミンをもたらし得、続いて、標準的なアミドカップリング条件下(例えば、HATU、DIEA、カルボン酸)でカップリングさせてアミドA17を形成し得る。
ピラゾールの窒素原子がピロリジンで置換された化合物もまた、ピラゾールの窒素原子がピペリジンである化合物についてのスキームIV、VII又はXに記載されるのと同じ反応条件下で合成することもできる。
【0261】
式(I)の化合物、特にA20の結合ピラゾール化合物は、スキームXIからXIIIに示すように合成することができる。
【化98】
(式中、X
4は、(1)ハロゲン、(2)トルシラート、(3)メシラート及び(4)トリフラートから選択され、その他の記号は以下のように定義される。)
【0262】
スキームXIに示すように、中間体A19は、中間体A4とアミンA18との間の標準的なアミドカップリング条件(例えば、PyClU、ピリジン、DCE)から形成され得る。化合物A20は、標準的なSuzuki条件下(例えば、パラジウム源、Cs
2CO
3及びジオキサン/水)で形成され得る。
【化99】
(式中、X
5は、(1)ハロゲン、(2)トルシラート、(3)メシラート及び(4)トリフラートから選択され、その他の記号は以下のように定義される。)
【0263】
化合物A21は、標準的なSuzuki条件下(例えば、パラジウム源、Cs
2CO
3及びジオキサン/水)で形成され得る。
【化100】
全ての記号は以下のように定義される。
【0264】
スキームXIIIは、式(A20)の化合物の代替経路を示す。化合物A20は、アミンA21及びカルボン酸A4を用いて約60℃に加熱する標準的なアミドカップリング条件(例えば、PyClU、ピリジン、DCE)によって形成され得る。
【0265】
式(I)の化合物、特にA23の-CH
2O-ピラゾール化合物は、スキームXIVに示すように合成することができる。
【化101】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームXIVに示すように、化合物A23は、アミンA22及びカルボン酸A4との標準的なアミドカップリング条件(例えば、HATU、DIEA、DMF)によって形成され得る。
【0266】
式(I)の化合物、特にA27のエチニレン-アミノピラゾール化合物は、スキームXVからXVIに示すように合成することができる。
【化102】
(式中、X
2は、(1)ハロゲン、(2)トルシラート、(3)メシラート及び(4)トリフラートから選択され、他の記号は以下のように定義される)
【0267】
スキームXVは、中間体A25及び位置異性体A26への一般的な経路を示す。中間体A24を、適切なカップリングパートナー(例えば、R3-X2(式中、X2は、ハロゲン、トルシラート、メシラート又はトリフラートである))、溶媒(例えばDMF)中の塩基(例えば、K2CO3)を用いて加熱(例えば約100℃)下でアルキル化してエステルを得ることができ、当業者であればこれを分離することができる。このエステルを標準条件下(例えば、NaOH、DMF/水)で加水分解して、カルボン酸A25又はA26を得ることができる。
【0268】
【化103】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームXVIに示すように、化合物A27は、中間体A26とアミンA2との間の標準的なアミドカップリング条件(例えば、PyClU、ピリジン、DCE)、それに続く酸性条件下でのBoc基の標準的な脱保護条件(例えば、TFA/DCM)から形成され得る。
【0269】
各反応の出発原料として用いられる化合物は公知であるか、公知の方法で容易に調製することができる。
【0270】
本化合物及び中間体は、有機合成の当業者に周知の方法によって単離及び精製することができる。化合物を単離及び精製するための従来の方法の例としては、例えば、「Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry」,5th edition(1989),by Furniss,Hannaford,Smith,and Tatchell,pub.Longman Scientific&Technical,Essex CM20 2JE,Englandに記載されているように、任意選択の活性炭による前処理を伴う高温又は低温での再結晶によるシリカゲル、アルミナ、又はアルキルシラン基で誘導体化されたシリカなどの固体支持体上のクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、様々な圧力での蒸留、真空下での昇華、及び研和を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0271】
開示される化合物は、少なくとも1つの塩基性窒素を有することができ、それによって化合物を酸で処理して所望の塩を形成することができる。例えば、化合物を室温以上で酸と反応させて所望の塩を得ることができ、これを堆積させ、冷却後に濾過によって回収する。反応に適した酸の例としては、酒石酸、乳酸、コハク酸、並びにマンデル酸、アトロ乳酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、炭酸、フマル酸、マレイン酸、グルコン酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、クエン酸、ヒドロキシ酪酸、カンファースルホン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸、アスパラギン酸、又はグルタミン酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0272】
各個々の工程の反応条件及び反応時間は、使用される特定の反応物及び使用される反応物中に存在する置換基に応じて異なり得る。具体的な手順は、実施例のセクションに提示されている。反応は、従来の方法で、例えば、残渣から溶媒を除去することによって仕上げることができ、さらに、当技術分野で一般的に知られている方法、例えば、限定するものではないが、結晶化、蒸留、抽出、研和及びクロマトグラフィーなどに従って精製することができる。特に記載のない限り、出発物質及び試薬は市販されているか、又は化学文献に記載されている方法を使用して市販の物質から当業者によって調製され得る。出発材料は、市販されていない場合、標準的な有機化学技術、既知の構造的に類似した化合物の合成に類似した技術、又は上記のスキーム若しくは合成例のセクションに記載の手順に類似した技術から選択される手順によって調製することができる。
【0273】
反応条件、試薬及び合成経路の順序の適切な取り扱いと、反応条件と両立し得ない任意の化学官能性の保護と、方法の反応順序の適切な時点における脱保護とを含む日常的な実験は、本発明の範囲に含まれる。適切な保護基並びにかかる適切な保護基を使用して異なる置換基を保護及び脱保護する方法は、当業者に周知であり、その例は、PGM Wuts and TW Greene,in Greene’s book titled Protective Groups in Organic Synthesis(4th ed.)、John Wiley&Sons,NY(2006)に見出すことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の化合物の合成は、上記及び特定の実施例に記載の合成スキームに記載されたものと同様の方法によって達成することができる。
【0274】
開示される化合物の光学活性形態が必要とされる場合、それは、(例えば、適切な反応ステップの不斉誘導によって調製される)光学活性の出発物質を使用して、本明細書に記載される手順の1つを実施することによって、又は、(クロマトグラフィー分離、再結晶若しくは酵素分割などの)標準的な手順を使用して、本化合物若しくは中間体の立体異性体の混合物を分割することによって、得ることができる。
【0275】
同様に、化合物の純粋な幾何異性体が必要とされる場合、それは、出発物質として純粋な幾何異性体を使用して、上記手順の1つを行うことによって、又は、クロマトグラフィー分離などの標準的な手順を使用して、本化合物若しくは中間体の幾何異性体の混合物を分割することによって得ることができる。
【0276】
記載された合成スキーム及び特定の例は例示的なものであり、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことが理解されよう。合成方法及び具体的な例の全ての代替物、改変物及び等価物は、特許請求の範囲内に含まれる。
【0277】
TREK1及びTREK2の活性化剤又は阻害剤活性
TREK1及びTREK2の活性化剤又は阻害剤活性の測定条件は以下の通りである。実施例の活性データは、特に明記しない限り、方法1によって測定した。
【0278】
TREK1のタリウムフラックスアッセイ
方法1;
ヒトTREK-1を安定に発現するCHO-K1細胞を384ウェルプレートに播種し、一晩培養し、翌日にThallos色素を添加した。別々のプレート上に調製した、試験化合物若しくは対照化合物(tert-ブチル(3-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロフェニル)カルバメート)又は0.3%DMSO(ビヒクル対照)を細胞プレートに添加し、10分間インキュベートし、次いで細胞をタリウム刺激バッファーで処理してタリウムフラックスを開始させた。試験化合物の有効性及び効力を測定するために、蛍光強度の変化(ΔRatio)及び阻害%を以下の式を使用して計算した:
ΔRatio=(タリウム添加25秒後の蛍光強度)/(タリウム添加前の蛍光強度の平均値)
阻害%={1-(試験化合物のΔRatio-10μMの対照化合物のΔRatio)/(0.3%DMSOのΔRatio-10μMの対照化合物のΔRatio)}×100
方法2;
ヒトTREK-1を安定に発現するCHO-K1細胞を、384ウェルプレートにアッセイの日に播種し、Thallos色素を添加した。試験化合物若しくは対照化合物(tert-ブチル(3-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロフェニル)カルバメート)又は0.3%DMSO(ビヒクル対照)を細胞プレートに直接添加し、10分間インキュベートし、次いで、タリウム刺激バッファーで処理してタリウムフラックスを開始させた。試験化合物の有効性及び効力を測定するために、蛍光強度の変化(ΔRatio)及び阻害%を以下の式を使用して計算した:
ΔRatio=(タリウム添加25秒後の蛍光強度)/(タリウム添加前の蛍光強度の平均値)
阻害%={1-(試験化合物のΔRatio-10μMの対照化合物のΔRatio)/(0.3%DMSOのΔRatio-10μMの対照化合物のΔRatio)}×100
【0279】
TREK-2のタリウムフラックスアッセイ
方法1;
ヒトTREK-2を安定に発現するHEK293細胞を384ウェルプレートに播種し、一晩培養し、翌日にThallos色素を添加した。別々のプレート上に調製した、試験化合物若しくは対照化合物(tert-ブチル(3-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロフェニル)カルバメート)又は0.3%DMSO(ビヒクル対照)を細胞プレートに添加し、10分間インキュベートし、次いで細胞をタリウム刺激バッファーで処理してタリウムフラックスを開始させた。
【0280】
試験化合物の有効性及び効力を測定するために、蛍光強度の変化(ΔRatio)及び阻害%を以下の式を使用して計算した:
ΔRatio=(タリウム添加25秒後の蛍光強度)/(タリウム添加前の蛍光強度の平均値)
阻害%={1-(試験化合物のΔRatio-10μMの対照化合物のΔRatio)/(0.3%DMSOのΔRatio-10μMの対照化合物のΔRatio)}×100
【0281】
パッチクランプ法
方法1:
ヒトTREK-1を安定に発現するCHO-K1細胞又はヒトTREK-2を安定に発現するHEK293細胞をカバーガラス上に播種し、パッチクランプ法のホールセルの設定でボルテージクランプした。細胞を-80mVの保持電位でボルテージクランプし、500ミリ秒にわたって0mVにステップした。その後、電圧を500ミリ秒の持続時間にわたって-120mVから+80mVまで上昇させた。このステップランププロトコルを10秒ごとに繰り返した。浴液は以下を含んでいた:135mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl2、1mM MgCl2、5mM D-グルコース、10mM HEPES、10mM スクロース(NaOH、300mosmol/kg H2OでpH7.4に調整)。ピペット溶液は以下を含んでいた:135mM KCl、2mM MgCl2、1mM EGTA、10mM HEPES、2mM Na2ATP(KOH、285mosmol/kg H2OでpH7.35に調整)。試験化合物を浴液に溶解した。最大阻害を求めることができるように、対照化合物(tert-ブチル(3-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロフェニル)カルバメート)を添加して、TREK-2に対する実験を終了した。電流に対する試験化合物の効果は、以下の式を使用して0mVで計算した:
TREK-1チャネルを発現するCHO細胞の場合:阻害%=(1-後電流/前電流)×100、
TREK-2チャネルを発現するHEK293細胞の場合:阻害%={1-(後電流-10μMの対照化合物の存在下での電流)/(前電流-10μMの対照化合物の存在下での電流)}×100。
【0282】
いくつかの実験では、本開示の化合物は、タリウムフラックスアッセイにおけるタリウム蛍光の増加若しくは減少の形で、又はパッチクランプ電気生理学アッセイにおける0mVで測定される電流の増加若しくは減少の形で、TREK1チャネル応答を活性化又は阻害する。
【0283】
本開示の化合物は、活性化又は阻害機構を介して、又はアロステリック調節機構を介して、TREK-1及び/又はTREK-2を活性化又は阻害し得る。
MK-801誘発性新規物体認識試験:
6週齢の雄性Sprague Dawleyラットを用いて試験を行った。試験日に、ラットを空の箱で個別に10分間順化させた。本開示の化合物を1時間前に経口投与し、続いてMK-801(0.2mg/kg、皮下)を10分間の獲得試行(acquisition trial)の30分前に投与した。10分間の保持試行(retention trial)は、80分間の試行間間隔で行った。ラットは獲得試行において同じ対象を探索することができた。保持試行では、獲得試行で使用した対象物のうちの1つを新規のものに置き換えた。保持試行において、舐める、鼻を鳴らす、又は触れるの探索時間を測定した。0.3、1、3又は10mg/kg p.o.の用量における各化合物の有効性(n=12~15)をRecognition index(新規物体に至るまでの探索時間/全探索時間)によって求めた。MK-801/ビヒクル及びMK-801/化合物処置群のスコアをDunnett検定によって統計学的に分析した。
【0284】
本開示の化合物は、TREK1を選択的に阻害し得る。本開示の化合物は、TREK2を選択的に阻害し得る。本開示の化合物は、TREK1及びTREK2の両方を様々な程度に阻害し得る。本開示の化合物は、競合的アンタゴニスト機構を介して、又はアロステリックな非競合的機構を介して、TREK1及び/又はTREK2を阻害し得る。
【0285】
本開示の化合物は、TREK1又はTREK2をトランスフェクトしたCHO-K1細胞におけるTREK1及び/又はTREK2の反応を、TREK1又はTREK2に対するIC50未満又はそれと同等のIC50で阻害し得る。すなわち、開示される化合物は、TREK2に比べてTREK1に選択性を有し得、開示される化合物は、TREK1に比べてTREK2に選択性を有し得、又は選択性を有し得ない。例えば、ある実施形態では、開示される化合物は、TREK1の反応を、TREK2のIC50の、約1/5、約1/10、約1/20、約1/30、約1/50、約1/100、約1/200、約1/300、約1/400、又は約1/500未満のIC50で阻害することができる。ある実施形態では、開示される化合物は、TREK2の反応を、TREK1のIC50の、約1/5、約1/10、約1/20、約1/30、約1/50、約1/100、約1/200、約1/300、約1/400、又は約1/500未満のIC50で阻害することができる。ある実施形態では、開示される化合物は、同等のIC50値でTREK1及びTREK2の反応を阻害することができる。
【0286】
本開示の化合物は、TREK1を選択的に活性化し得る。本開示の化合物は、TREK2を選択的に活性化し得る。本開示の化合物は、TREK1及びTREK2の両方を様々な程度に活性化し得る。本開示の化合物は、競合的アゴニスト機構を介して、又はアロステリックな非競合的機構を介して、TREK1及び/又はTREK2を活性化し得る。
【0287】
本開示の化合物は、TREK1又はTREK2をトランスフェクトしたCHO-K1細胞におけるTREK1及び/又はTREK2の反応を、TREK1又はTREK2に対するEC50未満又はそれと同等のEC50で活性化し得る。すなわち、開示される化合物は、TREK2に比べてTREK1に選択性を有し得、開示される化合物は、TREK1に比べてTREK2に選択性を有し得、又は選択性を有し得ない。例えば、ある実施形態では、開示される化合物は、TREK1の反応を、TREK2のEC50の、約1/5、約1/10、約1/20、約1/30、約1/50、約1/100、約1/200、約1/300、約1/400、又は約1/500未満のEC50で活性化することができる。ある実施形態では、開示される化合物は、TREK2の反応を、TREK1のEC50の、約1/5、約1/10、約1/20、約1/30、約1/50、約1/100、約1/200、約1/300、約1/400、又は約1/500未満のEC50で活性化することができる。ある実施形態では、開示される化合物は、同等のEC50値でTREK1及びTREK2の反応を活性化することができる。
【0288】
医薬組成物及び製剤
【0289】
本開示の化合物は、対象(例えば、ヒト又は非ヒトであり得る患者)への投与に適した医薬組成物に組み込むことができる。本開示の化合物はまた、噴霧乾燥分散配合物などの配合物として提供され得る。
【0290】
医薬組成物及び製剤は、「治療有効量」又は「予防有効量」の薬剤を含み得る。「治療有効量」は、所望の治療結果を達成するための、それに必要な投与量及び期間における有効な量を指す。本組成物の治療有効量は、当業者によって決定され得、個体の疾患状態、年齢、性別及び体重、並びに個体において所望の応答を誘発する本組成物の能力などの因子によって変動し得る。治療有効量はまた、治療上有益な効果が本発明の化合物(例えば、式(I)の化合物)の任意の毒性又は有害な影響を上回る量である。「予防有効量」は、所望の予防結果を達成するための、それに必要な投与量及び期間における有効な量を指す。典型的には、予防用量が疾患の前又は初期段階で対象に使用されるので、予防有効量は治療有効量よりも少ない。
【0291】
例えば、式(I)の化合物の治療有効量は、患者への1日1回から数回の経口投与による、一回約0.01mgから約1000mg、一回約0.05mgから約500mg、一回約0.1mgから約500mg、一回約0.5mgから約300mg、一回約1mgから約250mg、一回約5mgから約200mg、及び一回約10mgから約150mgであり得、又は、患者への1日あたり30分から24時間にわたる静脈内への非経口的な投与による、一回約0.01mgから約1000mg、一回約0.05mgから約500mg、一回約0.1mgから約500mg、一回約0.5mgから約300mg、一回約1mgから約250mg、一回約5mgから約200mg、及び一回約10mgから約150mgであり得る。それは、1日あたり1回から数回患者に投与され得る。
【0292】
言うまでもなく、上述したように、使用される有効量は、様々な条件に応じて変動する。したがって、上記範囲よりも低い有効量で十分な場合があり、上記範囲よりも高い有効量が必要な場合がある。
【0293】
医薬組成物及び製剤は、薬学的に許容される担体を含み得る。本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という用語は、任意の種類の非毒性の不活性固体、半固体又は液体充填剤、希釈剤、カプセル化材料又は製剤補助剤を意味する。薬学的に許容され得る担体として機能し得る物質のいくつかの例は、限定するものではないが、ラクトース、グルコース及びスクロースなどの糖;限定するものではないが、コーンスターチ及びジャガイモデンプンなどのデンプン;限定するものではないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体;トラガント粉末;麦芽;ゼラチン;タルク;限定するものではないが、カカオバター及び坐剤ワックスなどの賦形剤;限定するものではないが、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール類;限定するものではないが、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル類;寒天;限定するものではないが、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール、及びリン酸緩衝液、並びに、限定するものではないが、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどの他の非毒性の適合性潤滑剤であり、加えて、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び芳香剤、保存剤、並びに酸化防止剤もまた、製剤者の判断に従って本組成物中に存在し得る。
【0294】
したがって、本化合物及びそれらの生理学的に許容される塩は、例えば、固体投与、点眼剤、局所油性製剤、注射、(口若しくは鼻のいずれかを介する)吸入、インプラント、又は経口投与、頬側投与、非経口投与若しくは直腸投与による投与のために製剤化され得る。技術及び製剤は、一般に、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(Meade Publishing Co.,Easton,Pa.)に見出すことができる。治療用組成物は、典型的には、製造及び貯蔵の条件下で無菌かつ安定でなければならない。
【0295】
本開示の化合物が投与される経路及び本組成物の形態は、使用される担体の種類を決定する。本組成物は、例えば、全身投与(例えば、経口、直腸、経鼻、舌下、頬側、インプラント、又は非経口)又は局所投与(例えば、皮膚、肺、鼻、耳、眼、リポソーム送達系、又はイオン導入)に適した様々な形態であり得る。
【0296】
全身投与用の担体は、典型的には、希釈剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、香味料、甘味料、酸化防止剤、保存剤、流動促進剤、溶媒、懸濁化剤、湿潤剤、界面活性剤、それらの組み合わせなどのうちの少なくとも1つを含む。全ての担体は、本組成物において自由に選択できる。
【0297】
好適な希釈剤としては、グルコース、ラクトース、デキストロース及びスクロースなどの糖;プロピレングリコールなどのジオール;炭酸カルシウム;炭酸ナトリウム;グリセリンなどの糖アルコール;マンニトール;及びソルビトールが挙げられる。全身又は局所組成物中の希釈剤の量は、典型的には約50から約90%である。
【0298】
好適な潤滑剤としては、シリカ、タルク、ステアリン酸とそのマグネシウム塩及びカルシウム塩、硫酸カルシウム、並びに、液体潤滑剤、例えば、ポリエチレングリコールと、植物油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びテオブロマの油とが挙げられる。全身又は局所組成物中の潤滑剤の量は、典型的には約5から約10%である。
【0299】
好適な結合剤としては、ポリビニルピロリドン;マグネシウムアルミニウムシリケート;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンなどのデンプン;ゼラチン;トラガカント;並びにセルロースとその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。全身組成物中の結合剤の量は、典型的には約5から約50%である。
【0300】
好適な崩壊剤としては、寒天、アルギン酸とそのナトリウム塩、発泡性混合物、クロスカルメロース、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土、及びイオン交換樹脂が挙げられる。全身又は局所組成物中の崩壊剤の量は、典型的には約0.1から約10%である。
【0301】
好適な着色剤としては、FD&C染料などの着色剤が挙げられる。使用時において、全身又は局所組成物中の着色剤の量は、典型的には約0.005から約0.1%である。
【0302】
好適な香味料としては、メントール、ペパーミント、及びフルーツフレーバーが挙げられる。全身又は局所組成物中の香味料の量は、使用時において、典型的には約0.1から約1.0%である。
【0303】
好適な甘味料としては、アスパルテーム及びサッカリンが挙げられる。全身又は局所組成物中の甘味料の量は、典型的には約0.001から約1%である。
好適な酸化防止剤としては、ブチル化ヒドロキシアニソール(「BHA」)、ブチル化ヒドロキシトルエン(「BHT」)及びビタミンEが挙げられる。全身又は局所組成物中の抗酸化剤の量は、典型的には約0.1から約5%である。
【0304】
好適な防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、メチルパラベン及び安息香酸ナトリウムが挙げられる。全身又は局所組成物中の防腐剤の量は、典型的には約0.01から約5%である。
【0305】
好適な流動促進剤としては、二酸化ケイ素が挙げられる。全身又は局所組成物中の流動促進剤の量は、典型的には約1から約5%である。
【0306】
好適な溶媒としては、水、等張食塩水、オレイン酸エチル、グリセリン、ヒドロキシル化ヒマシ油、エタノールなどのアルコール、及びリン酸緩衝液が挙げられる。全身又は局所組成物中の溶媒の量は、典型的には約0から約100%である。
【0307】
好適な懸濁化剤としては、AVICEL RC-591(ペンシルバニア州フィラデルフィア所在のFMC Corporationが提供する)及びアルギン酸ナトリウムが挙げられる。全身又は局所組成物中の懸濁化剤の量は、典型的には約1から約8%である。
【0308】
好適な界面活性剤としては、レシチン、ポリソルベート80及びラウリル硫酸ナトリウム、並びにデラウェア州ウィルミントンのAtlas Powder Companyが提供するTWEENSが挙げられる。好適な界面活性剤としては、C.T.F.A.Cosmetic Ingredient Handbook,1992,pp.587-592、Remington’s Pharmaceutical Sciences,15th Ed.1975,pp.335-337、及び、McCutcheon’s Volume 1,Emulsifiers&Detergents,1994,North American Edition,pp.236-239に開示されているものが挙げられる。全身又は局所組成物中の界面活性剤の量は、典型的には約0.1%から約5%である。
【0309】
全身組成物中の成分の量は、調製される全身組成物の種類に応じて異なり得るが、一般に、全身組成物は、0.01%から50%の活性化合物(例えば、式(I)の化合物)及び50%から99.99%の1種以上の担体を含む。非経口投与のための組成物は、典型的には、0.1%から10%の活性物質及び90%から99.9%の希釈剤及び溶媒などの担体を含む。
【0310】
経口投与のための組成物は、様々な剤形を有することができる。例えば、固体形態には、錠剤、カプセル、顆粒、及びバルク粉末が含まれる。これらの経口剤形は、安全かつ有効な量、通常、少なくとも約5%、より具体的には約25%から約50%の活性物質を含む。経口投与組成物は、約50%から約95%の担体、より具体的には、約50%から約75%の担体を含む。
【0311】
錠剤は、圧縮錠、粉薬錠剤、腸溶錠、糖衣錠、フィルムコート、又は多重圧縮錠であり得る。錠剤は、典型的には、活性成分と、希釈剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、甘味料、流動促進剤、及びそれらの組み合わせから選択される成分を含む担体とを含む。具体的な希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトース及びセルロースが挙げられる。具体的な結合剤としては、デンプン、ゼラチン及びスクロースが挙げられる。具体的な崩壊剤としては、アルギン酸及びクロスカルメロースが挙げられる。具体的な潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルクが挙げられる。具体的な着色剤は、FD&C染料であり、外観のために添加することができる。チュアブル錠は、好ましくは、アスパルテーム及びサッカリンなどの甘味料、又はメントール、ペパーミント、フルーツフレーバー、又はそれらの組み合わせなどの香味料を含有する。
【0312】
カプセル(インプラント、徐放性製剤及び持続放出性製剤を含む)は、典型的には、活性化合物(例えば、式(I)の化合物)と、ゼラチンを含むカプセル中に先に開示される1つ以上の希釈剤を含む担体とを含む。顆粒は、典型的には、開示された化合物、及び好ましくは流動特性を改善するため流動促進剤、例えば二酸化ケイ素を含む。インプラントは、生分解性又は非生分解性タイプのものであり得る。
【0313】
経口組成物用の担体の成分の選択は、本発明の目的にとって重要ではない、味、コスト及び保存安定性などの二次的な懸案事項に依存する。
固体組成物は、従来の方法によって、典型的にはpH又は時間依存性コーティングを用いてコーティングすることができ、その結果、開示された化合物が、適用を所望する近辺の消化管に放出され、又は所望の作用を先延ばしするように様々な時点及び時間で放出される。コーティングは、典型的には、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、EUDRAGIT(登録商標)コーティング(ドイツ、エッセンのEvonik Industriesより入手可能)、ワックス及びシェラックからなる群から選択される1つ以上の成分を含む。
【0314】
経口投与のための組成物は、液体形態を有することができる。例えば、好適な液体形態としては、水溶液、エマルジョン、懸濁液、非発泡性顆粒から再構成された溶液、非発泡性顆粒から再構成された懸濁液、発泡性顆粒から再構成された発泡性調製物、エリキシル、チンキ剤、シロップなどが挙げられる。液体経口投与組成物は、典型的には、開示された化合物、及び担体、すなわち、希釈剤、着色剤、香味剤、甘味料、保存剤、溶媒、懸濁化剤及び界面活性剤から選択される担体を含む。経口液体組成物は、好ましくは、着色剤、香味料、及び甘味料から選択される1つ以上の成分を含む。
【0315】
主題化合物の全身送達を達成するのに有用な他の組成物には、舌下、頬側及び経鼻剤形が含まれる。かかる組成物としては、典型的には、1つ以上の可溶性充填剤物質、例えば、スクロース、ソルビトール及びマンニトールなどの希釈剤、並びに、結合剤、例えば、アカシア、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。かかる組成物は、潤滑剤、着色剤、香味剤、甘味剤、酸化防止剤、及び流動促進剤をさらに含んでもよい。
【0316】
本開示の化合物は局所投与することができる。皮膚に局所的に適用することができる局所組成物は、固体、溶液、油、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、シャンプー、リーブオン及びリンスアウト毛髪コンディショナー、ミルク、クレンザー、保湿剤、スプレー、皮膚パッチなどを含む任意の形態であり得る。局所組成物は、開示された化合物(例えば、式(I)の化合物)及び担体を含む。局所組成物の担体は、好ましくは、化合物の皮膚への浸透を助ける。担体は、1つ以上の任意選択の構成要素をさらに含んでもよい。
【0317】
開示される化合物と共に使用される担体の量は、単位用量あたりの本化合物を投与するために実際に役に立つ量の組成物をもたらすのに十分なものである。本発明の方法において有用な剤形を作製するための技術及び組成物は、以下の参考文献、すなわち、Modern Pharmaceutics,Chapters9 and 10,Banker&Rhodes,eds.(1979);Liebermanら、Pharmaceutical Dosage Forms:Tables(1981);及びAnsel,Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,2nd Ed.,(1976)に記載されている。
【0318】
担体は、単一の成分又は2つ以上の成分の組み合わせを含み得る。局所組成物において、担体は局所担体を含む。好適な局所用担体としては、リン酸緩衝生理食塩水、等張水、脱イオン水、単官能性アルコール、対称性アルコール、アロエベラゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンA及びE油、鉱油、プロピレングリコール、プロピオン酸PPG-2ミリスチル、ジメチルイソソルビド、ヒマシ油、それらの組み合わせなどから選択される1つ以上の成分が挙げられる。より詳細には、皮膚適用のための担体としては、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビド、及び水が挙げられ、さらにより詳細には、リン酸緩衝生理食塩水、等張水、脱イオン水、単官能性アルコール、及び対称性アルコールが挙げられる。
【0319】
局所組成物の担体は、皮膚軟化剤、噴射剤、溶媒、保湿剤、増粘剤、粉末、香料、顔料、及び防腐剤から選択される1つ以上の成分をさらに含んでいてもよく、これらは全て任意である。
【0320】
好適な皮膚軟化剤としては、ステアリルアルコール、グリセリルモノリシノレエート、グリセリルモノステアレート、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,3-ジオール、ミンク油、セチルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オクタデカン-2-オール、イソセチルアルコール、パルミチン酸セチル、セバシン酸ジ-n-ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ゴマ油、ヤシ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール、石油、鉱油、ミリスチン酸ブチル、イソステアリン酸が含まれる、パルミチン酸、イソプロピルリノレエート、ラウリルラクテート、ミリスチルラクテート、デシルオレエート、ミリスチン酸ミリスチル、及びそれらの組み合わせが挙げられる。皮膚に対する具体的な皮膚軟化剤としては、ステアリルアルコール及びポリジメチルシロキサンが挙げられる。皮膚ベースの局所組成物中の皮膚軟化剤の量は、典型的には約5%から約95%である。
【0321】
好適な噴射剤としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、亜酸化窒素、及びそれらの組み合わせが挙げられる。局所組成物中の噴射剤の量は、典型的には約0%から約95%である。
【0322】
好適な溶媒としては、水、エチルアルコール、塩化メチレン、イソプロパノール、ヒマシ油、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。具体的な溶媒としては、エチルアルコール及びホモトピックなアルコールが挙げられる。局所組成物中の溶媒の量は、典型的には約0%から約95%である。
【0323】
好適な保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、2-ピロリドン-5-カルボン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、フタル酸ジブチル、ゼラチン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。具体的な保湿剤としては、グリセリンが挙げられる。局所組成物中の湿潤剤の量は、典型的には0%から95%である。
【0324】
局所組成物中の増粘剤の量は、典型的には約0%から約95%である。
【0325】
好適な粉末としては、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、チョーク、タルク、フラー土、カオリン、デンプン、ガム、コロイド状二酸化ケイ素、ポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキルアンモニウムスメクタイト、トリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学修飾ケイ酸マグネシウムアルミニウム、有機修飾モンモリロナイトクレー、水和ケイ酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチレングリコールモノステアレート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。局所組成物中の粉末の量は、典型的には0%から95%である。
【0326】
局所組成物中の芳香剤の量は、典型的には約0%から約0.5%、特に約0.001%から約0.1%である。
【0327】
好適なpH調整添加剤としては、局所医薬組成物のpHを調整するのに十分な量のHCl又はNaOHが挙げられる。
【0328】
ある実施形態では、以下の成分を通常の方法で互いに混合し、打錠し、各々が5mgの活性成分を含有する10,000錠を得る。
・1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(50g);
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤)(20g);
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤)(10g);
・微結晶セルロース(920g)。
【0329】
噴霧乾燥分散配合物
【0330】
本開示の化合物は、噴霧乾燥分散液(SDD)として製剤化され得る。SDDは、ポリマーマトリックス中の薬物の単相非晶質分子分散物である。これは、固体マトリックス中に本化合物が分子的に「溶解」した固溶体である。SDDは、薬物及びポリマーを有機溶媒に溶解し、次いで溶液を噴霧乾燥することによって得られる。医薬用途のための噴霧乾燥の使用は、生物製剤分類システム(BCS)のクラスII(高透過性、低溶解性)及びクラスIV(低透過性、低溶解性)の薬物の溶解度が増加した非晶質分散液をもたらし得る。溶媒が液滴から急速に蒸発して、その結果、相分離又は結晶化のための十分な時間を与えないようにするべく、配合及びプロセス条件が選択される。SDDは、長期安定性及び製造可能性を実証している。例えば、SDDでは、2年を超える貯蔵寿命が実証されている。SDDの利点としては、難水溶性化合物の経口バイオアベイラビリティの向上、従来の固体剤形(例えば、錠剤及びカプセル剤)を使用した送達、再現性のある制御可能でスケーラブルな製造プロセス、及び、広範囲の物理的特性を有する構造的に多様な不溶性化合物への広範な適用性が挙げられるが、これらに限定されない。
【0331】
これは、一実施形態において、本開示は、式(I)の化合物を含む噴霧乾燥分散配合物を提供し得る。
【0332】
使用方法
【0333】
本開示の化合物、医薬組成物及び製剤は、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤又は阻害剤が治療上の利益をもたらすK2P K+チャネル、特にTREK(TWIK関連K+チャネル)機能障害に関連する神経障害、滑車障害、炎症性障害、呼吸障害、腎臓障害及び心血管障害などの障害の治療方法に使用され得る。
【0334】
障害の治療
【0335】
本開示の化合物、医薬組成物及び製剤は、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREKチャネル機能障害に関連する神経障害及び/又は精神障害などの障害の予防及び/又は治療のための方法において使用され得る。予防及び/又は治療の方法は、そのような予防及び/又は治療を必要とする対象に、治療有効量の式(Ia)の化合物、又は治療有効量の式(Ia)の化合物を含む医薬組成物を投与することを含み得る。
【0336】
ある実施形態では、本開示は、哺乳動物に治療有効量の式(Ia)の化合物、又は治療有効量の式(Ia)の化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含む、哺乳動物における認知を増強し、及び/又は統合失調症及びうつ病などの精神症状のリスクを治療、予防、改善、制御又は低減する方法を提供する。
【0337】
本明細書に開示される化合物及び組成物は、選択的TREKチャネル阻害に関連する様々な障害のリスクを治療、予防、改善、制御又は低減するのに有用であり得る。したがって、少なくとも1つの開示された化合物又は少なくとも1つの開示された医薬組成物を対象の障害を治療するのに有効な量で対象に投与する工程を含む、対象の障害を治療又は予防する方法が提供される。
【0338】
治療有効量の式(Ia)の化合物、又は治療有効量の式(Ia)の化合物を含む医薬組成物を対象に投与する工程を含む、対象のTREKチャネル活性に関連する1つ以上の障害を予防及び/又は治療する方法もまた提供される。
【0339】
ある実施形態では、本開示は、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREKチャネル機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療するための方法であって、有効量の少なくとも1つの開示される化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は少なくとも1つの開示される化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を哺乳動物に投与する工程を含む方法を提供する。
【0340】
ある実施形態では、TREK-1及び/又は2を活性化する開示された化合物及び組成物は、疼痛、片頭痛、鼻炎、心房細動、急性呼吸窮迫症候群、急性肺傷害、過活動膀胱、脳虚血、てんかん、筋萎縮性側索硬化症、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、敗血症、膵臓がん、クッシング症候群、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患、骨折、骨粗鬆症、側頭葉てんかん、統合失調症、若しくは大腸炎又は依存を予防及び/又は治療するのに有用性を有する。
【0341】
ある実施形態では、本開示の化合物及び組成物は、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK-1及び/又は2阻害に関連する様々な神経学的、精神医学的及び認知障害又はがんの予防及び/又は治療における有用性を有し、その障害又はがんには、以下の状態又は疾患、すなわち、統合失調症、精神病性障害NOS、短期精神病性障害、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、共有精神病性障害、壊滅的統合失調症、産後精神病、精神病性鬱病、精神病的破壊、遅発性精神病、粘液水腫性精神病、職業精神病、月経精神病、二次精神病性障害、精神病性の特徴を有する双極性I障害、物質誘発精神病性障害、神経因性疼痛、前立腺がん、及び卵巣がんのうちの1つ以上が含まれる。ある実施形態では、精神病性障害は、大うつ病性障害、産後うつ病、治療抵抗性うつ病、情動障害、双極性障害、電解質障害、アルツハイマー病、神経障害、低血糖、AIDS、狼瘡、及び心的外傷後ストレス障害並びに22q11.2欠失障害から選択される疾患に関連する精神病である。
【0342】
ある実施形態では、神経障害は、脳腫瘍、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、多発性硬化症、サルコイドーシス、ライム病、梅毒、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び抗NMDA受容体脳炎から選択される。
【0343】
ある実施形態では、精神病性障害は、統合失調症、短期精神病性障害、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、及び共有精神病性障害から選択される。ある実施形態では、統合失調症は、壊滅的統合失調症、緊張型統合失調症、パラノイド統合失調症、残遺統合失調症、解体性統合失調症、及び未分化統合失調症から選択される。ある実施形態では、障害は、シゾイド性人格障害、シゾタイプ性人格障害、及びパラノイド性人格障害から選択される。ある実施形態では、精神病性障害は、一般的な病状によるものであるか、又は、物質誘発性又は薬物誘発性(フェンシクリジン、ケタミン及び他の解離性麻酔薬、アンフェタミン及び他の精神刺激薬、並びにコカイン)である。
【0344】
ある実施形態では、神経障害として、統合失調症、短期精神病性障害、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、及び共有精神病性障害が好ましい。
【0345】
ここで、「統合失調症」とは、統合失調症及び統合失調症に伴う認知障害(CIAS)の陰性症状を含む。
【0346】
ある実施形態では、本開示は、認知障害を予防及び/又は治療する方法であって、それを必要とする患者に有効量の本開示の化合物又は組成物を投与することを含む方法を提供する。いくつかの態様では、認知障害には、認知症(アルツハイマー病、虚血、多発梗塞性認知症、外傷、血管障害又は脳卒中、HIV疾患、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、周産期低酸素症、他の一般的な病状又は物質乱用に関連する)、せん妄、健忘障害、物質誘発性持続性せん妄、HIV疾患による認知症、ハンチントン病による認知症、パーキンソン病による認知症、パーキンソニアン-ALS認知症、アルツハイマー型認知症、加齢性認知低下、及び軽度認知障害が含まれる。
【0347】
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM-IV-TR)(2000年、米国精神医学会、ワシントンDC)の第4版のテキスト改訂版は、認知症、せん妄、健忘障害及び加齢性認知低下を含む認知障害を含む診断ツールを提供している。Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM-5)(2013年、米国精神医学会、ワシントンDC)の第5版は、神経認知障害(NCD)の診断ツールを提供しており、この診断ツールには、せん妄、それに続く重度のNCD、軽度のNCD、及びそれらの病因サブタイプの症候群が含まれる。重度又は軽度のNCDサブタイプには、アルツハイマー病によるNCD、血管NCD、レビー小体型NCD、パーキンソン病によるNCD、前頭側頭型NCD、外傷性脳損傷によるNCD、HIV感染症によるNCD、物質/薬物誘発性NCD、ハンチントン病によるNCD、プリオン病によるNCD、別の病状によるNCD、複数の病因によるNCD、及び不明のNCDが含まれる。DSM-5におけるNCDカテゴリーは、主要な臨床的欠損が認知機能におけるものであり、発達的ではなく獲得的な障害の群を包含する。本明細書で使用される場合、「認知障害」という用語は、DSM-IV-TR又はDSM-5に記載されているような認知障害及び神経認知障害の予防及び/又は治療を含む。当業者は、精神障害のための代替の命名法、分類法及び分類システムが存在すること、並びにこれらのシステムが医学的及び科学的進歩と共に進化することを理解するであろう。したがって、「認知障害」という用語は、他の診断情報源に記載されている障害と同様の障害を含むことを意図している。
【0348】
ある実施形態では、本開示は、統合失調症又は精神病を予防及び/又は治療する方法であって、それを必要とする患者に有効量の本開示の化合物又は組成物を投与することを含む方法を提供する。特定の統合失調症又は精神病の病状は、パラノイド統合失調症、無秩序統合失調症、緊張型統合失調症又は未分化統合失調症及び物質誘発性精神病性障害である。DSM-IV-TRは、パラノイド統合失調症、無秩序統合失調症、緊張型統合失調症、未分化統合失調症又は残遺統合失調症、及び物質誘発性精神病性障害を含む診断ツールを提供する。DSM-5は、統合失調症のサブタイプを排除し、代わりに、統合失調症のコア症状の重症度を評価して、精神病性障害を有する個体にわたって発現される症状のタイプ及び重症度の不均一性を捕捉するための次元的アプローチを含む。本明細書で使用される場合、「統合失調症又は精神病」という用語は、DSM-IV-TR又はDSM-5に記載されているような精神障害の予防及び/又は治療を含む。当業者は、精神障害のための代替の命名法、分類法及び分類システムが存在すること、並びにこれらのシステムが医学的及び科学的進歩と共に進化することを理解するであろう。したがって、「統合失調症又は精神病」という用語は、他の診断情報源に記載されている障害と同様の障害を含むことを意図している。
【0349】
ある実施形態では、本開示は、疼痛の予防及び/又は治療を必要とする患者に有効量の本開示の化合物又は組成物を投与することを含む、疼痛を予防及び/又は治療する方法を提供する。特定の疼痛の実施形態は、骨痛及び関節痛(変形性関節症)、反復性運動痛、歯科痛、がん痛、筋膜痛(筋損傷、線維筋痛症)、周術期疼痛(一般外科、婦人科)、慢性疼痛及び神経因性疼痛である。
【0350】
本化合物及び本組成物は、本明細書に記載の疾患、障害及び状態の予防、治療、制御、改善、又はリスクの低減のための方法においてさらに有用であり得る。本化合物及び本組成物は、他の薬剤と組み合わせて、上述の疾患、障害及び状態の予防、治療、制御、改善、又はリスクの低減のための方法においてさらに有用であり得る。
【0351】
TREKチャネル(TREK1、TREK2又はTREK1/2の両方)の阻害を必要とする状態の予防及び/又は治療において、適切な投与量レベルは約0.01から500mg/日であり得、これを単回用量又は複数回用量で患者に投与することができる。投与量レベルは、1日当たり約1から約300mg、又は1日当たり約5から約200mgであり得、これは単回用量又は複数回用量で患者に投与することができる。適切な投与量レベルは、1日当たり約1から250mg、1日当たり約5から200mg、又は1日当たり約10から150mgであり得、これは単回用量又は複数回用量で患者に投与することができる。この範囲内で、投与量は、1日当たり0.05から0.5、0.5から5、又は5から50mgであり得、これは単回用量又は複数回用量で患者に投与することができる。経口投与の場合、本組成物は、治療される患者への投与量の対症的調整のために、1.0から500ミリグラムの活性成分、具体的には、1.0、5.0、10、15、20、25、50、75,100,150,200,250,300,400又は500ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供され得る。本化合物は、1日1から4回、好ましくは1日1回又は2回のレジメンで投与することができる。この投与レジメンは、最適な治療応答をもたらすように調整することができる。しかしながら、任意の特定の患者に対する特定の用量レベル及び投与頻度は変動し得、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与様式及び投与時間、排泄率、薬物の組み合わせ、特定の状態の重症度、並びに、治療を受けている受給者などの、様々な因子に依存することが理解されよう。
【0352】
ある実施形態では、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらす障害は、精神病、統合失調症、行動障害、破壊的行動障害、双極性障害、不安神経症の精神病エピソード、精神病に関連する不安、重症大うつ病性障害などの精神病性気分障害、精神病性障害に関連する気分障害、急性躁病、双極性障害に関連する鬱病、統合失調症に関連する気分障害、精神遅滞の行動症状、自閉症障害、運動障害、トゥレット症候群、akinetic-rigid症候群、パーキンソン病に関連する運動障害、遅発性ジスキネジア、薬物誘発性及び神経変性に基づくジスキネジア、注意欠陥多動性障害、認知障害、認知症、及び記憶障害から選択され得る。
【0353】
ある実施形態では、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益を提供する障害は、アルツハイマー病である。
【0354】
本開示の化合物、医薬組成物及び製剤は、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が治療上の利益をもたらすTREKチャネル機能障害に関連する障害の予防及び/又は治療のための方法において使用され得る。予防及び/又は治療の方法は、かかる予防及び/又は治療を必要とする対象に、治療有効量の式(Ib)の化合物、又は治療有効量の式(Ib)の化合物を含む医薬組成物を投与することを含み得る。
【0355】
ある実施形態では、本開示は、治療有効量の式(Ib)の化合物、又は治療有効量の式(Ib)の化合物を含む医薬組成物を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物の認知を増強する方法を提供する。
【0356】
本明細書に開示される化合物及び組成物は、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が治療上の利益をもたらすTREKチャネル機能障害に関連する様々な障害のリスクを治療、予防、改善、制御又は低減するのに有用であり得る。したがって、対象の障害を予防及び/又は治療する方法であって、少なくとも1つの開示された化合物又は少なくとも1つの開示された医薬組成物を、対象の障害を予防及び/又は治療するのに有効な量で対象に投与する工程を含む方法が提供される。
【0357】
治療有効量の式(Ib)の化合物、又は治療有効量の式(Ib)の化合物を含む医薬組成物を対象に投与する工程を含む、対象のTREKチャネル機能障害に関連する1つ以上の障害を予防及び/又は治療する方法もまた提供される。
【0358】
ある実施形態では、本開示は、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREKチャネル機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療するための方法であって、有効量の少なくとも1つの開示される化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は少なくとも1つの開示される化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を哺乳動物に投与する工程を含む方法を提供する。
【0359】
TREKチャネル(TREK-1、TREK-2又はTREK-1及び2の両方)の活性化を必要とする状態の予防及び/又は治療において、適切な投与量レベルは、1日当たり約0.01から500mgであり得、これを単回用量又は複数回用量で患者に投与することができる。投与量レベルは、1日当たり約1から約300mg、又は1日当たり約5から約200mgであり得、これは単回用量又は複数回用量で患者に投与することができる。適切な投与量レベルは、1日当たり約1から250mg、1日当たり約5から200mg、又は1日当たり約10から150mgであり得、これは単回用量又は複数回用量で患者に投与することができる。この範囲内で、投与量は、1日当たり0.05から0.5、0.5から5、又は5から50mgであり得、単回又は複数回投与で患者に投与することができる。経口投与の場合、本組成物は、治療される患者への投与量の対症的調整のために、1.0から500ミリグラムの活性成分、具体的には、1.0、5.0、10、15、20、25、50、75,100,150,200,250,300,400又は500ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供され得る。本化合物は、1日1から4回、好ましくは1日1回又は2回のレジメンで投与することができる。この投与レジメンは、最適な治療応答をもたらすように調整することができる。しかしながら、任意の特定の患者に対する特定の用量レベル及び投与頻度は変動し得、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与様式及び投与時間、排泄率、薬物の組み合わせ、特定の状態の重症度、並びに、治療を受けている受給者などの、様々な因子に依存することが理解されよう。
【0360】
ある実施形態では、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の活性化剤が治療上の利益をもたらす障害は、疼痛、片頭痛、鼻炎、心房細動、急性呼吸窮迫症候群、急性肺傷害、過活動膀胱、脳虚血、てんかん、筋萎縮性側索硬化症、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、敗血症、膵臓がん、クッシング症候群、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患、骨折、骨粗鬆症、側頭葉てんかん、統合失調症、大腸炎又は依存から選択され得る。
【0361】
同時治療法
【0362】
本発明はさらに、認知療法又は行動療法に関連して治療成績を改善するための選択的TREKチャネル阻害剤の投与に関する。すなわち、ある実施形態では、本発明は、少なくとも1つの開示化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量及び投与量を哺乳動物に投与する工程を含む同時治療方法に関する。
【0363】
ある実施形態では、投与は、認知療法又は行動療法の状況において治療成績を改善する。認知療法又は行動療法に関連する投与は、連続的又は断続的であり得る。投与は、治療と同時である必要はなく、治療前、治療中、及び/又は治療後であり得る。例えば、認知療法又は行動療法は、化合物の投与前又は投与後の1、2、3、4、5、6、7日以内に提供することができる。さらなる例として、認知療法又は行動療法は、化合物の投与前又は投与後の1、2、3又は4週間以内に提供することができる。さらに別の例として、認知療法又は行動療法は、投与された化合物の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10半減期の期間内に、投与前又は投与後に提供することができる。
【0364】
開示された同時治療方法は、開示された化合物、組成物、キット、及び使用に関連して使用し得ることが理解される。
【0365】
併用療法
【0366】
本明細書中に記載される使用方法において、さらなる治療剤を、本開示の化合物及び組成物と同時に又は逐次的に投与し得る。逐次投与は、本開示の化合物及び組成物の前又は後の投与を含む。ある実施形態では、追加の1つ以上の治療薬は、本開示の化合物と同じ組成物の形で投与され得る。他の実施形態では、さらなる治療薬の投与と本開示の化合物の投与との間に時間間隔があり得る。ある実施形態では、さらなる治療薬を開示された化合物と共に投与することにより、他の治療薬の用量をより少なくすること及び/又はより低い頻度の間隔で投与することが可能になり得る。1つ以上の他の有効成分と組み合わせて使用する場合、本発明の化合物及び他の有効成分は、各々を単独で使用する場合よりも低用量で使用することができる。したがって、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分を含有するものを含む。上記の組み合わせには、本発明の化合物と1種の他の活性化合物との組み合わせだけでなく、2種以上の他の活性化合物との組み合わせも含まれる。
【0367】
本開示の化合物は、化合物又は他の薬物が有用性を有する前述の疾患、障害及び状態の治療、予防、制御、改善又はリスクの低減において、単剤として、又は1つ以上の他の薬物と組み合わせて使用することができ、薬物の組み合わせは、いずれかの薬物単独よりも安全又は有効である。他の薬物は、開示される化合物と同時又は逐次的に、そのために一般的に使用される経路及び量で投与することができる。開示される化合物が1つ以上の他の薬物と同時に使用される場合、そのような薬物及び開示される化合物を含有する単位剤形の医薬組成物を使用することができる。しかしながら、併用療法は、重複するスケジュールで投与することもできる。1つ以上の活性成分と開示された化合物との組み合わせが、いずれの単剤よりも有効であり得ることもまた想定される。したがって、1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用される場合、本開示の化合物及び他の活性成分は、各々が単独で使用される場合よりも低い用量で使用することができる。
【0368】
本発明の医薬組成物及び方法は、前述の病的状態の予防及び/又は治療に通常適用される、本明細書に記載の他の治療活性化合物をさらに含むことができる。
【0369】
上記の組み合わせは、開示された化合物と1種の他の活性化合物との組み合わせだけでなく、2種以上の他の活性化合物との組み合わせも含む。同様に、開示される化合物は、開示される化合物が有用である疾患又は状態の予防、治療、制御、改善、又はリスクの低減に使用される他の薬物と組み合わせて使用することができる。かかる他の薬物は、本発明の化合物と同時又は逐次的に、そのために一般的に使用される経路及び量で投与することができる。本発明の化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用する場合は、開示される化合物に加えてかかる他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。したがって、本医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分をも含有するものを含む。
【0370】
開示された化合物と第2の有効成分の重量比は変えることができ、それは各成分の有効用量に依存する。一般に、各々の有効用量が使用される。したがって、例えば、本発明の化合物を別の薬剤と組み合わせる場合、開示の化合物と他の薬剤の重量比は、一般に、約1000:1から約1:1000、好ましくは約200:1から約1:200の範囲である。本発明の化合物と他の活性成分との組み合わせもまた一般に前述の範囲内であるが、いずれの場合にも、各活性成分の有効用量を使用すべきである。
【0371】
かかる組み合わせでは、開示された化合物及び他の活性薬剤を別々に又は組み合わせて投与することができる。さらに、1つの要素の投与は、他の薬剤の投与の前、投与と同時、又は投与の後であり得る。
【0372】
したがって、本開示の化合物は、単独で、又は対象の適応症において有益であることが知られている他の薬剤、又は本開示の化合物の有効性、安全性、利便性を増加させるか、若しくは望ましくない副作用若しくは毒性を減少させる受容体若しくは酵素に影響を及ぼす他の薬物と組み合わせて使用することができる。主題化合物及び他の薬剤は、併用療法又は決められた組み合わせのいずれかで同時投与することができる。
【0373】
ある実施形態では、本化合物は、抗アルツハイマー剤、β-セクレターゼ阻害剤、コリン作動剤、γ-セクレターゼ阻害剤、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤、M1アロステリックアゴニスト、M1ポジティブアロステリックモジュレータ、イブプロフェン含有NSAID、ビタミンE、及び抗アミロイド抗体と組み合わせて使用することができる。別の実施形態では、主題化合物を、鎮静剤、催眠薬、抗不安薬、(定型及び非定型)抗精神病薬、抗不安薬、シクロピロロン、イミダゾピリジン、ピラゾロピリミジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニスト及びアンタゴニスト、メラトン作動薬、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、5HT-2アンタゴニストなど、例えば、アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アリピプラゾール、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスピロン、ブタバルビタール、ブチラール、カプリン、カルボクロラール、クロラルベタイン、クロラルハイドレート、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼプ酸、クロルジアゼポキシド、クロレタート、クロルプロマジン、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デキストラモール、ジアゼパム、ジクロロフェナゾン、ジバルプロエックス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、エスタゾラム、エトクロルビノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ハロペリドール、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マプロチリン、メクロクアロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタカロン、ミダフラール、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オランザピン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロプチリン、クアゼパム、ケチアピン、レクラゼパム、リスペリドン、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクローン、テマゼパム、チオリダジン、チオチキセン、トラカゾレート、トラニルシプロメイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフルオロペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ジプラシドン、ゾラゼパム、ゾルピデム、及びそれらの塩、並びにそれらの組み合わせなどと組み合わせて使用することができ、あるいは、主題化合物は、光治療又は電気刺激などの物理的方法の使用と併せて投与することができる。
【0374】
ある実施形態では、本化合物は、レボドパ(カルビドパ又はベンセラジドなどの選択的脳外脱炭酸酵素阻害剤を併用する又はしない)、ビペリデン(その塩酸塩又は乳酸塩として)及びトリヘキシフェニジル(ベンズヘキシトール)塩酸塩などの抗コリン薬、エンタカポンなどのCOMT阻害剤、MOA-B阻害剤、酸化防止剤、A2aアデノシン受容体拮抗薬、コリン作動薬、NMDA受容体拮抗薬、セロトニン受容体拮抗薬、並びに、アレンテモール、ブロモクリプチン、フェノールドーパミン、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリド及びプラミペキソールなどのドーパミン受容体作動薬と組み合わせて使用することができる。ドーパミン作動薬は、薬学的に許容される塩、例えば、アレンテモール臭化水素酸塩、ブロモクリプチンメシラート、フェノールドパムメシラート、ナキサゴリド塩酸塩及びペルゴリドメシラートの形態であり得ることが理解されよう。リスリド及びプラミペキソールは、一般に非塩形態で使用される。
【0375】
ある実施形態では、本化合物は、フェノチアジン、チオキサンテン、複素環式ジベンズアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジン及びインドロンクラスの神経遮断薬からの化合物と組み合わせて使用することができる。フェノチアジン類の好適な例としては、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン及びトリフルオロペラジンが挙げられる。チオキサンテンの好適な例としては、クロルプロチキセン及びチオチキセンが挙げられる。ジベンズアゼピンの例は、クロザピンである。ブチロフェノンの例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの例は、ピモジドである。インドロンの例は、モリンドロンである。他の神経遮断薬としては、ロキサピン、スルピリド及びリスペリドンが挙げられる。神経遮断薬は、主題化合物と組み合わせて使用される場合、薬学的に許容される塩、例えば、塩酸クロルプロマジン、ベシル酸メソリダジン、塩酸チオリダジン、マレイン酸アセトフェナジン、塩酸フルフェナジン、エナチン酸フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、塩酸トリフルオペラジン、塩酸チオチセン、デカン酸ハロペリドール、コハク酸ロキサピン及び塩酸モリンドンの形態であり得ることが理解されよう。ペルフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ハロペリドール、ピモジド及びリスペリドンは、一般に非塩形態で使用される。したがって、主題化合物は、アセトフェナジン、アレンテモール、アリピプラゾール、アミスルプリド、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノールドーパミン、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドパ、ベンセラジドを併用するレボドパ、カルビドパを併用するレボドパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、クエチアピン、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル、チオリダジン、トリフルオペラジン、又はジプラシドンと組み合わせて使用することができる。
【0376】
ある実施形態では、本化合物は、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(三級アミン三環系及び二級アミン三環系を含む)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMA)、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、ニューロキニン-1受容体アンタゴニスト、非定型抗うつ剤、ベンゾジアゼピン、5-HT1Aアゴニスト又はアンタゴニスト、特に5-HT1A部分アゴニスト、並びにコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストなどの、抗うつ剤又は抗不安剤と組み合わせて使用することができる。具体的な薬剤としては、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン及びトリミプラミンアモキサピン;アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン及びプロトリプチリン;フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン及びセルトラリン;イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン及びセレギリン;モクロベミド:ベンラファキシン;デュロキセチン;アプレピタント;ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン及びビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム及びプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン及びイプサピロン、並びにそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0377】
ある実施形態では、本化合物は、オルソステリックムスカリンアゴニスト、ムスカリン性増強剤、又はコリンエステラーゼ阻害剤と同時投与することができる。ある実施形態では、本化合物は、限定するものではないが、リスペリドン、クロザピン、ハロペリドール、フルオキセチン、プラゼパム、キサメリン、リチウム、フェノバルビトール、及びそれらの塩、並びにそれらの組み合わせなどのGlyT1阻害剤などと同時投与することができる。
【0378】
ある実施形態では、統合失調症の予防及び/又は治療のための他の薬物は、定型抗精神病薬、非定型抗精神病薬などから選択される少なくとも1つの薬物である。
【0379】
定型抗精神病薬としては、例えば、クロルプロマジン、フルフェナジン、ハロペリドール、スルピリドなどを挙げることができる。
【0380】
非定型抗精神病薬としては、例えば、セロトニン-ドーパミン拮抗薬、多作用性受容体標的化抗精神病薬、ドーパミン部分的アゴニストなどを挙げることができる。
【0381】
セロトニン-ドーパミン拮抗薬としては、例えば、リスペリドン、ペロスピロン、ジプラシドン、ブロナンセリンなどを挙げることができる。
【0382】
多作用性受容体標的化抗精神病薬としては、例えば、オランザピン、ケチアピン、クロザピン、ルラシドンなどを挙げることができる。
【0383】
ドーパミン部分作動薬としては、例えば、アリピプラゾール、カリプラジンなどを挙げることができる。
【0384】
ある実施形態では、鬱病の予防及び/又は治療のための他の薬物は、ベンゾジアゼピン系抗不安薬、チエノジアゼピン系抗不安薬、非ベンゾジアゼピン系抗不安薬、ニューロキニン-1(NK1)拮抗薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害薬、トリアゾロピリジン系抗うつ薬、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン再取り込み阻害薬、ノルアドレナリン及び特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)、ノルアドレナリン及びドーパミン脱阻害薬(NDDI)、選択的セロトニン再取り込み促進薬(SSRE)などから選択される少なくとも1つの薬物である。
【0385】
ベンゾジアゼピン系抗不安薬としては、例えば、アルプラゾラム、オキサゼパム、オキサゾラム、クロキサゾラム、クロラゼペートジカリウム、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、トフィソサム、トリアゾラム、プラゼパム、フルジアゼパム、フルタゾラム、フルトプラゼパム、ブロマゼパム、メキサゾラム、メダゼパム、エチルロフラゼパートロラゼパムなどを挙げることができる。
【0386】
チエノジアゼピンアンチ不安薬としては、例えば、エチゾラム、クロチアゼパムなどを挙げることができる。
【0387】
非ベンゾジアゼピン系抗不安薬としては、例えば、クエン酸タンドスピロン、ヒドロキシジン塩酸塩などを挙げることができる。
【0388】
ニューロキニン-1(NK1)アンタゴニストとしては、例えば、アプレピタント、フォサプレピタントメグルミンなどを挙げることができる。
【0389】
三環系抗うつ薬としては、例えば、アミトリプチリン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩、クロミプラミン塩酸塩、ドスレピン塩酸塩、ノルトリプチリン塩酸塩、ロフェプラミン塩酸塩、トリミプラミンマレイン酸塩、アモキサピンなどを挙げることができる。
【0390】
四環系抗うつ薬としては、例えば、マプロチリン塩酸塩、ミアンセリン塩酸塩、セチプチリンマレイン酸塩などを挙げることができる。
【0391】
モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤としては、例えば、サフラジン塩酸塩などを挙げることができる。
【0392】
トリアゾロピリジン系抗うつ剤としては、例えば、トラゾドン塩酸塩などを挙げることができる。
【0393】
セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)としては、例えば、ミルナシプラン塩酸塩、ベンラファキシン塩酸塩、デュロキセチン塩酸塩などを挙げることができる。
【0394】
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)としては、例えば、マレイン酸フルボキサミン、塩酸パロキセチン、塩酸フルオキセチン、塩酸シタロプラム、塩酸セルトラリン、シュウ酸エスシタロプラムなどを挙げることができる。
【0395】
セロトニン再取り込み阻害剤としては、例えば、トラゾドン塩酸塩などを挙げることができる。
【0396】
ノルアドレナリン及び特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)としては、例えば、ミルタザピンなどを挙げることができる。
【0397】
ノルアドレナリン及びドーパミン脱阻害薬(NDDI)としては、例えば、アゴメラチンなどを挙げることができる。
【0398】
選択的セロトニン再取り込み促進剤(SSRE)としては、例えば、チアネプチンなどを挙げることができる。
【0399】
ある実施形態では、心房細動の予防及び/又は治療のための他の薬物は、β遮断薬、ジゴキシンなどから選択される少なくとも1つの薬物である。
【0400】
ある実施形態では、疼痛の予防及び/又は治療のための他の薬物は、アセトアミノフェン、非ステロイド系抗炎症薬、オピオイド、抗うつ薬、抗てんかん薬、N-メチル-D-アスパラギン酸アンタゴニスト、筋弛緩薬、抗不整脈薬、ステロイド、ビスホスホネートなどから選択される少なくとも1つの薬物である。
【0401】
β遮断薬としては、例えば、アルプレノロール塩酸塩、ブプラノロール塩酸塩、ブフェトロール塩酸塩、オキスプレノロール塩酸塩、アテノロール、フマル酸ビソプロロール、塩酸ベタキソロール、塩酸ベバントロール、コハク酸メトプロロール、酒石酸メトプロロール、塩酸アセブトロール、塩酸セリプロロール、ニプラジロール、塩酸チイソロール、ナドール、塩酸プロプラノロール、インデノロール塩酸塩、カルテオロール塩酸塩、ピンドロール、塩酸ブニトロロール、塩酸ランジオロール、塩酸エスモロール、アロチノロール塩酸塩、カルベジロール、マレイン酸チモロールなどを挙げることができる。
【0402】
抗不整脈薬は、例えば、リドカイン、メキシレチンなどを挙げることができる。
【0403】
非ステロイド系抗炎症薬としては、例えば、ササピリン、サリチル酸ナトリウム、アスピリン、アスピリン-ジアルミン酸などを含むアスピリン製剤、ジフルニサル、インドメタシン、スプロフェン、ウフェナメート、ジメチルイソプロピルアズレン、ブフェキサマク、フェルビナク、ジクロフェナク、トルメチンナトリウム、クリノリル、フェンブフェン、ナブメトン、プログルメタシン、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、マレイン酸プログルメタシン、アンフェナクナトリウム、モフェゾラック、エトドラク、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、ケトプロフェン、フェノプロフェンカルシウム、チアプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム、アルミノプロフェン、ザルトプロフェン、メフェナム酸、メフェナム酸アルミニウム、トルフェナム酸、フロクタフェニン、ケトフェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカム、ナパゲルン軟膏、エピリゾール、塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、エモルファゾン、スルピリン、ミグレニン、サリドン、セデスG、アミピロN、ソルボン、ピリン系風邪治療薬、アセトアミノフェン、フェナセチン、メシル酸ジメトチアジン、メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、シメトリド含有製剤、及びノンピリン系風邪治療薬などを挙げることができる。
【0404】
オピオイドとしては、例えば、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルホン、プロポキシフェンなどを挙げることができる。
【0405】
抗うつ剤としては、例えば、三環系抗うつ剤(例えば、イミプラミン塩酸塩、クロミプラミン塩酸塩、ドスレピン塩酸塩、ノルトリプチリン塩酸塩、ロフェプラミン塩酸塩、トリミプラミンマレイン酸塩、アモキサピン)、四環系抗うつ剤(例えば、マプロチリン塩酸塩、ミアンセリン塩酸塩、セチプチリンマレイン酸塩)、モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤(サフラジン塩酸塩)、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)(例えば、ミルナシプラン塩酸塩、ベンラファキシン塩酸塩)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)(例えば、マレイン酸フルボキサミン、塩酸パロキセチン、)、セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、トラゾドン塩酸塩)などを挙げることができる。
【0406】
抗てんかん薬としては、例えば、フェノバルビタール、プリドミン、フェニトイン、エトスクシミド、ゾニサミド、ニトラゼパム、クロナゼパム、カルバマゼピン、バルプロ酸ナトリウム、アセタゾラミド、スルチーム、ガバペンチン、プレガバリンなどを挙げることができる。
【0407】
N-メチル-D-アスパラギン酸拮抗剤としては、例えば、塩酸ケタミン、塩酸アマンタジン、塩酸メマンチン、デキストロメトルファン、メタドンなどを挙げることができる。
【0408】
筋弛緩剤としては、例えば、サクシニルコリン、スキサメトニウム、臭化ベクロニウム、臭化パンクロニウム、ダントロレンナトリウムなどを挙げることができる。
【0409】
ステロイドとしては、例えば、局所剤として、プロピオン酸クロベタゾール、ジフロラゾンジアセテート、フルオシノニド、フランカルボン酸モメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ジフルプレドナート、ブデソニド、ジフルプレドネート、アムシノニド、ハルシノニド、デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸デプロドン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンアセトニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、酪酸クロベタゾン、プレドニゾロン、プロピオン酸ベクロメタゾン、フルドロキシコルチドなどを挙げることができる。
【0410】
ビスホスホネートとしては、例えば、エチドロネート、パミドロネート、アレンドロネート、リセドロネート、ゾレドロネート、ミノドロネートなどを挙げることができる。
【0411】
投与様式
予防及び/又は治療の方法は、開示される組成物を投与する任意の数の様式を含み得る。投与様式としては、錠剤、丸剤、糖衣錠、硬質及び軟質ゲルカプセル、顆粒剤、ペレット、水溶液、脂質溶液、油性溶液又は他の溶液、エマルジョン、例えば、水中油型エマルジョン、リポソーム、水性又は油性懸濁液、シロップ、エリキシル剤、固体エマルジョン、固体分散液又は分散性粉末を挙げることができる。経口投与のための医薬組成物の調製の場合、薬剤は、一般的に知られ、使用されているアジュバント及び賦形剤、例えば、アラビアガム、タルカム、デンプン、糖(例えば、マンニトース、メチルセルロース、ラクトースなど)、ゼラチン、界面活性剤、ステアリン酸マグネシウム、水性又は非水性溶媒、パラフィン誘導体、架橋剤、分散剤、乳化剤、潤滑剤、保存剤、香味剤(例えば、エーテル油)、溶解度向上剤(例えば、安息香酸ベンジル又はベンジルアルコール)、又はバイオアベイラビリティ向上剤(例えば、Gelucire(商標))と混合され得る。医薬組成物において、薬剤はまた、微粒子、例えば、ナノ粒子組成物中に分散されてもよい。
【0412】
非経口投与の場合、薬剤は、生理学的に許容される希釈剤、例えば、水、緩衝液、又は可溶化剤、表面活性剤、分散剤若しくは乳化剤を含む若しくは含まない油に、溶解又は懸濁させることができる。油としては、例えば、限定するものではないが、オリーブ油、落花生油、綿実油、大豆油、ヒマシ油及びゴマ油が使用され得る。より一般的には、非経口投与の場合、薬剤は、水溶液、脂質溶液、油性溶液若しくは他の種類の溶液若しくは懸濁液の形態であり得、又はさらにリポソーム若しくはナノ懸濁液の形態でも投与され得る。
【0413】
本明細書で使用される「非経口的に」という用語は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下及び関節内の注射及び注入を含む投与様式を指す。
【0414】
本化合物は毒性が低いため、医薬品として安全に使用することができる。
【0415】
キット
【0416】
一態様では、本開示は、少なくとも1つの開示された化合物又はその薬学的に許容される塩と、
(a)TREK1活性を低下させることが知られている少なくとも1つの薬剤、
(b)TREK2活性を低下させることが知られている少なくとも1つの薬剤、
(c)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療することが知られている少なくとも1つの薬剤、
(d)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療するための説明書、又は、
(e)認知療法又は行動療法に関連して本化合物を投与するための説明書、のうちの1つ又は複数と、を含むキットを提供する。
【0417】
一態様では、本開示は、少なくとも1つの開示された化合物又はその薬学的に許容される塩と、
(a)TREK1活性を増加させることが知られている少なくとも1つの薬剤、
(b)TREK2活性を増加させることが知られている少なくとも1つの薬剤、
(c)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の活性化剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK活性に関連する障害を予防及び/又は治療することが知られている少なくとも1つの薬剤、又は、
(d)TREK活性に関連する障害を予防及び/又は治療するための説明書、のうちの1つ又は複数と、を含むキットを提供する。
【0418】
ある実施形態では、少なくとも1つの開示される化合物及び少なくとも1つの薬剤は一緒に製剤化される。ある実施形態では、少なくとも1つの開示される化合物及び少なくとも1つの薬剤は一緒に包装される。本キットはまた、他の成分と一緒に包装され、一緒に製剤化され、及び/又は一緒に送達される化合物及び/又は製品を含むことができる。例えば、薬物製造業者、薬物再販売業者、医師、調剤薬局、又は薬剤師は、開示された化合物及び/又は製品と、患者に提供するための別の構成要素とを含むキットを提供することができる。
【0419】
本開示のキットは、開示された使用方法に関連して使用することができる。
本キットは、キットの使用が哺乳動物(特にヒト)における医学的状態の予防及び/又は治療を提供する情報、説明書、又はその両方を含み得る。その情報及び説明書は、言語、写真、又はその両方などの形態であってもよい。加えて、又は別法として、本キットは、本化合物、組成物又はその両方と、好ましくは哺乳動物(例えば、ヒト)における医学的状態を予防及び/又は治療するという利益を伴う化合物又は組成物の適用方法に関する情報、説明書又はその両方とを含み得る。
【0420】
本発明の化合物及びプロセスは、以下の実施例を参照することによってよりよく理解され、これらは本発明の範囲を限定するものではなく、例示として意図されている。
【実施例】
【0421】
全てのNMRスペクトルは、400MHz AMX Bruker NMR分光計で記録した。1H化学シフトは、重水素化溶媒を内部標準として用いて、低磁場でのδ値(ppm)で報告される。データを以下のように報告する:化学シフト、多重度(s=一重項、bs=ブロード一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、dd=二重項の二重項、m=多重項、ABq=AB四重項)、カップリング定数、積分。
【0422】
LCMS分析条件は以下の通りである。実施例中のMSデータは、特記しない限り、逆相LCMS法(1)により測定した。
逆相LCMS(1):
逆相LCMS分析は、脱気装置付きバイナリポンプ、高性能オートサンプラ、サーモスタット付きカラムコンパートメント、C18カラム、ダイオードアレイ検出器(DAD)及びAgilent 6150 MSDで構成されるAgilent 1200システムを用い、以下のパラメータを用いて行った。グラジエント条件は、水相として0.1%TFA水溶液を用い、1.4分間にわたってアセトニトリルを5%から95%とした。試料をWaters Acquity UPLC BEH C18カラム(1.7μm、1.0×50mm)で0.5mL/分で分離し、カラム及び溶媒の温度を55℃に維持した。DADを190から300nmまで走査するように設定し、使用したシグナルは220nm及び254nm(両方ともバンド幅4nm)であった。MS検出器はエレクトロスプレーイオン化源で構成し、低分解能質量スペクトルは、ステップサイズ0.2AMU、0.13サイクル/秒、ピーク幅0.008分で、140AMUから700AMUまでスキャンすることにより取得した。乾燥ガス流量は300℃で毎分13リットルに設定し、ネブライザー圧力は30psiに設定した。キャピラリーニードル電圧を3000Vに設定し、フラグメンター電圧を100Vに設定した。データ取得は、Agilent Chemstation及びAnalytical Studio Reviewerソフトウェアを用いて行った。
【0423】
逆相LCMS(2)
ESI源を用いてSHIMADZU LC20-MS2010で逆相LCMS分析を得た。MSパラメータは以下の通りであった:移動相:1.5mL/4LのTFA水溶液(溶媒A)及び0.75mL/4LのTFAアセトニトリル溶液(溶媒B)、0.7分間にわたる溶出グラジエント5%~95%(溶媒B)を使用、1.5ml/分の流量で0.4分間95%で保持、カラム:Agilent Pursit 5 C18 20*2.0mm;波長:UV 220nm、254nm、215nm;カラム温度:50℃;MSイオン化:ESI。
【0424】
逆相LCMS(3)
ESI供給源を有するSHIMADZU LCMS-2020で逆相LCMS分析を得た。MSパラメータは以下の通りであった:移動相:0.1%TFA水溶液(溶媒A)及び0.1%のTFAアセトニトリル溶液(溶媒B)、5%(溶媒B)で0.1分間溶出保持、1.1分間にわたるグラジエント5%~95%(溶媒B)を使用、1.0ml/分の流量で0.4分間95%で保持、カラム:YMC Triart C18 Φ2.0mm*L30mm;波長:UV 220nm、254nm;カラム温度:30℃;検出器MS、ELSD;MSイオン化:ESI。
【0425】
以下の実施例の説明で使用されている略語は以下の通りであり、すなわち、IPAはイソプロピルアルコールであり、AcOHは酢酸であり、BOPは(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートであり、DBUは1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エンであり、DCEは、
1,2-ジクロロエタンであり、DCMはジクロロメタンであり、DIEAはN,N-ジイソプロピルエチルアミンであり、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドであり、DMSOはジメチルスルホキシドであり、EtOAc又はEAは酢酸エチルであり、HATUは[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾール[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェートであり、NMPはN-メチル-2-ピロリドンであり、MWはマイクロ波であり(マイクロ波リアクターを指す)、PyClUは1-(クロロ-1-ピロリジニルメチレン)ピロリジニウムヘキサフルオロホスフェートであり、PEは石油エーテルであり、RBFは丸底フラスコであり、RT又はrtは室温である。
【0426】
中間体:
【化104】
5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-アミン(B1):マイクロ波バイアルに、5-ヨード-2-アミノ-3-ピコリン(2000mg、8.55mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(10.42mL、59.82mmol)、trans-ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(602mg、0.85mmol)、ヨウ化銅(I)(163mg、0.85mmol)及び4-フルオロフェニルアセチレン(2.94mL、25.64mmol)を加えた。バイアルに蓋をし、排気し、N
2で(3回)パージし、次いで、DMF(2mL)で希釈した。混合物をマイクロ波の中、2時間で60℃に加熱した。反応確認生成物のLCMS後、試料をセライトパッドで濾過し、(3:1)CHCl
3:IPAですすいだ。試料を濃縮後、順相カラムクロマトグラフィー(グラジエント:ヘキサン中0~80%EtOAc)で精製し、(B1)(1564mg、収率81%)を得た。ES-MS[M+1]
+:227.2,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.15(d,J=1.3Hz,1H),7.49-7.42(m,2H),7.41(d,J=0.7Hz,1H),7.03(m,2H),4.58(s,2H),2.13(s,3H).
【0427】
【化105】
3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-アミン(B2):化合物B2を、化合物B1と同様の方法で調製して、表題化合物B2を得る(1807mg、収率68%)。ES-MS[M+1]
+:209.4,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.15(s,1H),7.51-7.48(m,2H),7.45(s,1H),7.03(m,3H),4.76(s,2H),2.14(s,3H).
【0428】
【化106】
3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-アミン(B3):化合物B3を、化合物B1と同様の方法で調製して、表題化合物B3(26.0mg、収率97%)を得る。ES-MS[M+1]
+:213.2,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.07(s,1H),7.51-7.49(m,2H),7.36-7.33(m,4H),4.76(s,2H).
【0429】
【化107】
3-メチル-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2-アミン(B4):ジオキサン(4mL)及び水(0.4mL)に、5-ヨード-2-アミノ-3-ピコリン(100mg、0.43mmol)、4-(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(162mg、0.86mmol)、Pd(dppf)Cl
2-DCM付加物(35mg、0.04mmol)及びCs
2CO
3(308mg、0.94mmol)を混合した混合物を3時間で85℃に加熱した。溶液を熱源から外し、水で希釈した。希釈物をEtOAc25mLで2回抽出し、水50mLで2回洗浄した。抽出物を濃縮し、順相フラッシュクロマトグラフィー(グラジエント:DCM中0~10%MeOH)で精製した。生成物を含む画分を合わせ、濃縮して、(中間体B4)(108mg、収率99%)を得た。ES-MS[M+1]
+:253.4.
【0430】
【化108】
3-フルオロ-5-(チオフェン-2-イルエチニル)ピリジン-2-アミン(B5):化合物B5を、化合物B1と同様の方法で調製して、表題化合物B5(1096mg、収率100%)を得る。ES-MS[M+1]
+:219.2,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO)δ7.97(dd,J=1.5,1.5Hz,1H),7.63(dd,J=5.1,1.1Hz,1H),7.54(dd,J=11.9,1.8Hz,1H),7.35(dd,J=3.6,1.1Hz,1H),7.10(dd,J=5.1,3.6Hz,1H),6.76(s,2H).
【0431】
【化109】
1-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C1):1-boc-4-ブロモピペリジン(2000mg、7.57mmol)、メチル4-クロロピラゾール-3-カルボキシレート(527mg、3.3mmol)、及び炭酸カリウム(885mg、6.31mmol)の混合物に、DMF(5mL)を添加し、混合物を100℃に加熱した。6時間後、水酸化ナトリウム(667mg、16.3mmol)及び水(2.5mL)を混合物に添加した。100℃でさらに1時間を経た後、反応物を熱源から外した。室温で、混合物を水で希釈し、次いで、2mol/LHClをpH=4~5になるまで滴下した。混合物をCHCl
3:IPa(3:1)で(3回)抽出した後、収集した有機層を真空中で濃縮し、次いで、逆相HPLC(グラジエント:25~65%MeCN水溶液(0.1%TFAを含む))で精製した。所望の画分を濃縮して、C1をオフホワイトの固体として得、これをTFA塩(904mg、2段階で収率36%)として先に進んだ。ES-MS[M+Na]
+:352.3,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.54(s,1H),5.26-5.15(m,1H),4.26(br d,J=12.9Hz,2H),2.97-2.83(m,2H),2.08(dddd,J=13.1,12.2,11.9,4.2Hz,2H),2.01-1.93(m,2H),1.47(s,9H).
【0432】
【化110】
tert-ブチル4-クロロ-5-((3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(328):室温で、C1(3500mg、10.6mmol)、中間体B2(3315mg、15.9mmol)、PyClU(7061mg、21.2mmol)及びピリジン(8.6mL、106.1mmol)の混合物に、DCE(21.3mL)を添加した。17時間後、反応混合物を真空中で濃縮し、次いで、逆相HPLC(グラジエント:60~95%MeCN水溶液(0.1%TFAを含む))で精製して、黄褐色固体として328を得、これをTFA塩(2230mg、収率33%)として先に進んだ。ES-MS[M+1]
+:520.0,LCMS保持時間:1.21分,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ10.98(s,1H),8.41(d,J=1.6Hz,1H),7.95(d,J=1.6Hz,1H),7.68(s,1H),7.60-7.55(m,2H),7.48-7.43(m,3H),4.70-4.59(m,1H),4.04(d,J=12.0Hz,2H),3.0-2.76(m,2H),2.29(s,3H),2.03-1.80(m,4H),1.41(s,9H).
【0433】
【化111】
1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(5):328のTFA塩(4585mg、7.23mmol)に、室温でDCM:TFA(1:1;10mL)を加えた。1時間後、混合物を真空中で濃縮して黄褐色固体を得た。ES-MS[M+1]+:420.4.得られた粗製アミンをDMF(36mL)に溶解し、DIEA(18.9mL、108mmol)を添加した。混合物に、酢酸(2.1mL、36.2mmol)及びHATU(6050mg、15.9mmol)を添加した。30分後、混合物を真空中で濃縮し、次いで、逆相HPLC(グラジエント:50~90%MeCN水溶液(0.05%NH
4OHを含む))で精製した。所望の画分を濃縮して、5をオフホワイトの固体として得た(2787mg、2段階で91%)。ES-MS[M+1]
+:462.0,LCMS保持時間:1.07分,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO)δ10.99(s,1H),8.41(d,J=1.7Hz,1H),7.95(dd,J=2.2,0.7Hz,1H),7.68(s,1H),7.61-7.55(m,2H),7.48-7.43(m,3H),4.77-4.66(m,1H),4.46(d,J=13.4Hz,1H),3.92(d,J=13.6Hz,1H),3.24-3.14(m,1H),2.75-2.64(m,1H),2.29(s,3H),2.03(s,3H),2.03-1.94(m,3H),1.82(dddd,J=12.8,12.2,12.1,4.3Hz,1H).
【0434】
【化112】
tert-ブチル4-(4-クロロ-5-((3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(255):DCE(12.0mL)に、C1(1200mg、3.64mmol)、中間体B3(1004mg、4.73mmol)、PyClU(2421mg、7.28mmol)及びピリジン(3.0mL、37.1mmol)を混合した混合物を60℃で撹拌した。1時間後、混合物を濃縮し、残渣にDMF(6.0mL)、水(1.0mL)及びNaOH(1000mg、24.4mmol)を添加した。混合物を30分間で60℃に加熱した。熱源から外した後、混合物を水で希釈し、pH=4~5になるまで2mol/L HClで中和した。混合物をCHCl
3:IPa(3:1)で(3回)抽出した。収集した有機層を真空中で濃縮し、次いで、逆相HPLC(グラジエント:60~95%MeCN水溶液(0.1%TFAを含む))で精製して、255を黄褐色固体として得、これをTFA塩(2004mg、収率43%)として先に進んだ。ES-MS[M+Na]
+:546.4,LCMS保持時間:1.21分,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ10.50(s,1H),8.51(dd,J=1.7,0.7Hz,1H),8.28(s,1H),8.08(dd,J=10.4,1.8Hz,1H),7.65-7.58(m,2H),7.50-7.45(m,3H),4.49-4.39(m,1H),4.05(d,J=12.5Hz,2H),3.04-2.82(br s,2H),2.05(dd,J=12.3,2.6Hz,2H),1.87(dddd,12.9,12.2,12.0,4.1Hz,2H),1.42(s,9H).
【0435】
【化113】
1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(6):255のTFA塩(5762mg、11.0mmol)に、DCM:TFA(1:1;40mL)を添加した。室温で1時間後、反応混合物を真空中で濃縮し、ジエチルエーテルで洗浄して黄褐色固体を得た。ES-MS[M+1]+:424.0.得られた粗製アミン(5914.7mg、11.0mmol)をDMF(55.0mL)に溶解し、DIEA(28.8mL、165.3mmol)を添加した。混合物を5分間撹拌し、次いで、酢酸(3.2mL、55.9mmol)及びHATU(9198mg、24.2mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌した。混合物にNH
4OH(5mL)を添加し、混合物を1時間撹拌した。試料を真空中で濃縮し、次いで、逆相HPLC(グラジエント:50~80%MeCN水溶液(0.05%NH
4OHを含む))で精製した。所望の画分を濃縮して、6を白色固体として得た(3300mg、2段階で82%)。ES-MS[M+1]
+:466.3,LCMS保持時間:1.08分,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO)δ11.33(s,1H),8.47(d,J=1.2Hz,1H),8.12(dd,J=10.6,1.7Hz,1H),7.73(s,1H),7.64-7.57(m,2H),7.50-7.45(m,3H),4.78-4.66(m,1H),4.46(d,J=13.6Hz,1H),3.91(dd,J=13.7,2.2Hz,1H),3.22-3.12(m,1H),2.72-2.61(m,1H),2.03(s,3H),2.02-1.92(m,3H),1.80(dddd,12.8,12.7,12.0,4.4Hz,1H).
【0436】
【化114】
tert-ブチル4-(4-クロロ-5-((5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(D1):バイアルに、中間体B1(961mg、4.25mmol)、2-(1-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジル)-4-クロロ-ピラゾール-3-カルボン酸(C1)(700mg、2.12mmol)、ピリジン(1.72mL、21.2mmol)、PyClU(2118mg、6.37mmol)及びDCM(10mL)を添加した。反応混合物を50℃に加熱した。1時間後、LCMSは、生成物の形成及び望ましくない副生成物を示した。混合物を濃縮し、残渣にNaOH(583mg、14.2mmol)、DMF(1.5mL)及びH
2O(0.58mL)を添加した。溶液を60℃に加熱した。1時間後、LCMSは望ましくない副生成物の存在を示さなかった。反応混合物をH
2Oで希釈し、1mol/L HClをpH=7になるまで滴下した。混合物をDCMで(3回)抽出した後、収集した有機層を濾過し、濃縮し、逆相HPLC(グラジエント:40~100%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。所望の生成物を飽和NaHCO
3水溶液で中和し、混合物をDCMで(3回)抽出し、回収した有機層を濃縮して(D1)を得た(552mg、収率48%)。ES-MS[M+1]
+:538.2,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.56(s,1H),8.49(d,J=1.7Hz,1H),7.74(dd,J=2.0,0.6Hz,1H),7.56(s,1H),7.54-7.51(m,2H),7.10-7.04(m,2H),5.35(tt,J=11.2,4.3Hz,1H),4.24(br s,2H),2.85(br s,2H),2.36(s,3H),2.14-1.99(m,4H),1.46(s,9H).
【0437】
【化115】
4-クロロ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-2-[1-(2,2,2-トリフルオロアセチル)-4-ピペリジル]ピラゾール-3-カルボキサミド(E1):DCM(1.2mL)に、tert-ブチル4-[4-クロロ-5-[[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]カルバモイル]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート及び2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(328)(120mg、0.19mmol)を溶解した溶液に、トリフルオロ酢酸(370mg、3.26mmol)を添加した。室温で1時間後、溶液を濃縮して、4-クロロ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-2-(4-ピペリジル)ピラゾール-3-カルボキサミド及び2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(E1)を得た。THF(0.67mL)に、(E1)(20mg、0.04mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(24mg、0.19mmol)を溶解した溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(12mg、0.06mmol)を室温で添加した。16時間後、溶液を逆相HPLC(グラジエント:30~95%MeCN水溶液(0.05%NH
4OHを含む))で精製して、(268)(12mg、収率62%)を得た。ES-MS[M+1]
+:516.3.LCMS保持時間:1.08分。
【0438】
【化116】
1-((1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C2):DMF(10mL)に、tert-ブチル3-(ブロモメチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(1402mg、5.6mmol)、メチル4-クロロピラゾール-3-カルボキシレート(750mg、4.7mmol)及び炭酸カリウム(786mg、5.6mmol)を混合した混合物を100℃に加熱した。6時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、次いで、ジクロロメタンで(3回)抽出した。回収した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物を順相カラムクロマトグラフィー(グラジエント:ヘキサン中0~20%EtOAc)で精製して、所望のエステル中間体である、無色アモルファス固体(912mg、収率59%)を得た。中間体エステルをTHF(2mL)に溶解し、2mol/L水酸化ナトリウム(2mL)を加えた。混合物を50℃に加熱した。3時間後、混合物を水で希釈し、2mol/L HClを滴下することによって溶液のpHを約3に調整した。反応混合物をジクロロメタンで(3回)抽出した後、回収した有機層を真空中で濃縮して、C2を純粋なオフホワイトの固体として得た(872mg、2段階で収率59%)。ES-MS[M-
tBu]
+:260.1,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.50(s,1H),4.75(m,2H),4.03(dd,J=8.6,8.6Hz,2H),3.82(dd,J=9.1,5.5Hz,2H),3.13(m,1H),1.44(s,9H).
【0439】
【化117】
tert-ブチル3-((4-クロロ-5-((3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(D2):DCE(21.3mL)に、C2(750mg、2.4mmol)、B2(742mg、3.6mmol)、PyClU(1580mg、4.8mmol)及びピリジン(1.9mL、24.2mmol)を混合した混合物を60℃で16時間撹拌した。試料を真空中で濃縮し、次いで、逆相HPLC(グラジエント:60~95%MeCN水溶液(0.05%NH
4OHを含む))で精製した。所望の画分を濃縮して、D2を黄褐色固体として得た(456mg、収率38%)。ES-MS[M+1]
+:506.2,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.63(s,1H),8.43(br.s,1H),7.69(m,1H),7.51-7.46(m,3H),7.33-7.28(m,3H),4.74(d,J=7.4Hz,2H),3.92(dd,J=8.6,8.6Hz,2H),3.77-3.71(dd,J=8.4,5.3Hz,2H),3.15-3.04(m,1H),2.29(s,3H),1.37(s,9H).
【0440】
【化118】
1-((1-アセチルアゼチジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(135):D2(187mg、0.37mmol)に、DCM:TFA(4mL;1:1)を添加した。室温で1時間後、混合物を真空中で濃縮し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、DCMで(3回)抽出した。回収した有機層を真空中で濃縮して、粗製アミンを得た。ES-MS[M+1]+:406.2.得られた粗製アミン(150mg、0.37mmol)をDMF(3.5mL)に溶解し、DIEA(0.14mL、0.81mmol)を添加した。5分後、混合物に酢酸(2.5μL、0.44mmol)及びHATU(168.6mg、0.44mmol)を添加した。さらに30分後、試料を真空中で濃縮し、次いで、逆相HPLC(グラジエント:50~90%MeCN水溶液(0.05%NH
4OHを含む))で精製した。所望の画分を濃縮して、135を灰白色アモルファス固体(100.9mg、2段階で60%)として得た。ES-MS[M+1]
+:448.2,LCMS保持時間:0.97分,
1H NMR(400MHz,(CDCl
3)δ.8.65(s,1H),8.48(s,1H),7.74(m,1H),7.55-7.51(m,3H),7.37-7.33(m,3H),4.88-4.74(m,2H),4.14(dd,J=8.1,8.1Hz,1H),4.09-4.00(m,2H),3.81(dd,J=10.1,5.5 Hz,1H),3.22(m,1H),2.34(s,3H),1.83(s,3H).
【0441】
【化119】
1-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C3):DMF(2mL)に、tert-ブチル3-(ブロモメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(329mg、1.2mmol)、メチル4-クロロピラゾール-3-カルボキシレート(100mg、0.6mmol)及び炭酸カリウム(175mg、1.2mmol)を混合した混合物を100℃に加熱した。6時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、次いで、ジクロロメタンで(3回)抽出した。回収した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗製生成物を順相カラムクロマトグラフィー(グラジエント:ヘキサン中0~20%EtOAc)で精製してメチルエステル中間体を得、これを無色アモルファス固体として得た(84mg、収率39%)。中間体エステルをTHF(2mL)に溶解し、2mol/L水酸化ナトリウム(2mL)を加えた。50℃で2時間後、混合物を水で希釈し、2mol/L HClをpH=3になるまで滴下した。反応混合物をジクロロメタンで(3回)抽出し、回収した有機層を真空中で濃縮して、C3を純粋なオフホワイトの固体として得た(80mg、2段階で収率39%)。ES-MS[M-
tBu]
+:274.0,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.88(br.s,1H),7.44(m,1H),4.59(m,1H),4.44(m,1H),3.52-3.32(m,2H),3.25(m,1H),3.08(m,1H),2.70(m,1H),1.83(m,1H),1.62(m,1H),1.39(s,9H).
【0442】
【化120】
tert-ブチル3-((4-クロロ-5-((3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(D3):DCE(1.5mL)に、中間体B3(25mg、0.08mmol)、C3(57mg、0.27mmol)、PyClU(50mg、0.15mmol)及びピリジン(0.06mL、0.15mmol)を混合した混合物を60℃で2時間撹拌した。試料を真空中で濃縮し、次いで、逆相HPLC(グラジエント:40~95%MeCN水溶液(0.05%NH
4OHを含む))で精製した。所望の画分を濃縮して、D3を淡黄色の油状物として得た(28mg、収率71%)。ES-MS[M+1]
+:524.0,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.88(br.s,1H),8.41(d,J=1.6Hz,1H),7.58(dd,J=10.3,1.5Hz,2H),7.52-7.47(m,3H),7.36-7.30(m,3H),4.69-4.54(m,2H),3.50-3.36(m,2H),3.24(m,1H),3.09(m,1H),1.86(m,1H),1.63(m,1H),1.39(s,9H).
【0443】
【化121】
1-((1-アセチルピロリジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(44):D3(11mg、0.03mmol)に、DCM:TFA(1:1;2mL)を添加した。室温で1時間後、反応混合物を真空中で濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、DCMで(3回)抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮して、粗製アミンを得た。ES-MS[M+1]+:424.0.得られた粗製アミン(10mg、0.02mmol)をDMF(1.0mL)に溶解し、DIEA(8.8μL、0.05mmol)を添加した。5分後、混合物に酢酸(1.5μL、0.03mmol)及びHATU(10.5mg、0.03mmol)を添加した。さらに30分後、混合物を真空中で濃縮し、次いで、逆相HPLC(グラジエント:35~90%MeCN水溶液(0.05%NH
4OHを含む))で精製した。所望の画分を濃縮して、44を灰白色アモルファス固体(7.6mg、2段階で65%)として得た。ES-MS[M+1]
+:466.2,LCMS保持時間:1.18分,
1H NMR(400MHz,(CDCl
3)δ8.89(br.s,1H),8.42(s,1H),7.60(ddd,J=10.2,3.3,1.8Hz,1H),7.54-7.49(m,3H),7.37-7.32(m,3H),4.70(ddd,J=13.4,9.8,6.5Hz,1H),4.57(dt,J=13.4,7.5Hz,1H),3.66-3.49(m,2H),3.48-3.30(m,2H),3.29-3.18(m,1H),2.93-2.80(m,1H),1.98(m,3H),1.83-1.70(m,1H).
【0444】
【化122】
tert-ブチル3-((4-クロロ-5-((3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアゼチジン-1-カルボキシレート(D4):DMF(10mL)に、tert-ブチル3-(ブロモメチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(1402mg、5.6mmol)、メチル4-クロロピラゾール-3-カルボキシレート(750mg、4.7mmol)及び炭酸カリウム(786mg、5.6mmol)を混合した混合物を100℃で6時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、次いで、ジクロロメタンで(2回)抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで、真空中で除去した。粗生成物を、100:0から80:20のヘキサン:酢酸エチルを使用するシリカゲルクロマトグラフィーで精製して純粋なエステル中間体を溶出し、これを無色アモルファス固体として得た(912mg)。中間体エステルをTHF(2mL)及び2mol/L水酸化ナトリウム(2mL)に溶解した後、50℃で2時間攪拌した。反応が完了した時点で、溶媒を真空中で部分的に除去し、混合物を水で希釈した。溶液のpHを、2mol/L HClをゆっくり添加することによって約3に調整し、次いで、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機物を真空中で濃縮して、C4(872mg、2段階で収率59%)を得た。ES-MS[M-
tBu]
+:278.2,
1H NMR(400MHz,d6-DMSO)δ7.81(s,1H),5.07(d,J=20.5Hz,2H),4.20(dd,J=19.7,10.7Hz,2H),3.89(dd,J=21.5,10.4Hz,2H),1.39(s,9H).
【0445】
化合物D4を、化合物328と同様の方法で調製して、表題化合物(D4)を得る(128mg、収率41%)。ES-MS[M+1]
+:524.4.
【化123】
1-((1-アセチル-3-フルオロアゼチジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(215):化合物215を、化合物5と同様の方法で調製して、表題化合物(215)を得る(68mg、収率60%)。ES-MS[M+H]
+:466.3,LCMS保持時間:1.14分,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.56(s,1H),8.49(s,1H),7.76(d,J=1.4Hz,1H),7.61(s,1H),7.56-7.54(m,2H),7.38-7.37(m,3H),5.25(dd,J=14.9,14.9Hz,1H),5.06(dd,J=21.3,14.6Hz,1H),4.48(dd,J=17.7,10.1Hz,1H),4.27-4.17(m,2H),4.12(dd,J=21.4,11.5Hz,1H),2.35(s,3H),1.90(s,3H).
【0446】
【化124】
tert-ブチル3-((4-クロロ-5-((3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアゼチジン-1-カルボキシレート(D5):DCE(2.5mL)に、PyClU(223mg、0.67mmol)、3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)ピリジン-2-アミンB3(107mg、0.50mmol)及び2-[(1-tert-ブトキシカルボニル-3-フルオロ-アゼチジン-3-イル)メチル]-4-クロロ-ピラゾール-3-カルボン酸C4(150mg、0.34mmol)を混合した混合物に、ピリジン(0.30mL、3.43mmol)を添加した。60℃で17時間後、混合物を室温まで冷却し、NH
4OH(0.5mL、12.8mmol)を溶液に添加した。室温で1時間後、溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をDMSOに溶解し、所望の生成物を逆相HPLC(グラジエント:60~95%MeCN水溶液(0.1%TFAを含む))で精製した。所望の生成物を含む画分を合わせ、濃縮して、表題化合物D5を黄褐色固体として得、これをTFA塩(113mg、収率53%)として先に進んだ。ES-MS[M+H]
+:528.3,
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO)δ11.3(br s,1H),8.48(d,J=1.5Hz,1H),8.11(dd,J=10.5,1.8Hz,1H),7.82(s,1H),7.64-7.58(m,2H),7.50-7.43(m,3H),4.88(d,J=21.5Hz,2H),4.20(dd,J=19.4,10.3Hz,2H),3.88(dd,J=21.2,10.4Hz,2H),1.38(s,9H).
【0447】
【化125】
1-((1-アセチル-3-フルオロアゼチジン-3-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(140):DCM(1mL)に、tert-ブチル3-((4-クロロ-5-((3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアゼチジン-1-カルボキシレートD5及び2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(83mg、0.13mmol)を溶解した溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。室温で1時間後、溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をDMF(1mL)に希釈した。希釈物に、DIEA(0.414mL、2.38mmol)、HATU(108mg、0.13mmol)及び酢酸(0.036mL、0.63mmol)を添加した。室温で2時間後、溶液を濾過し、逆相HPLC(グラジエント:20~70%MeCN水溶液(0.05%NH
4OHを含む))で精製した。所望の生成物を含む画分を濃縮して、表題化合物140を灰白色固体(52mg、収率93%)として得た。ES-MS[M+1]
+:470.3,LCMS保持時間:1.02分,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO)δ11.32(br s,1H),8.48(d,J=1.0Hz,1H),8.10(br d,J=10.3Hz,1H),7.81(s,1H),7.64-7.58(m,2H),7.51-7.44(m,3H),4.90(d,J=21.6Hz,2H),4.46(dd,J=19.3,10.6Hz,1H),4.26-4.12(m,2H),3.85(dd,J=21.6,11.1Hz,1H),1.79(s,3H).
【0448】
【化126】
1-((1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-シアノピペリジン-4-イル)メチル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C5):化合物C5を、化合物C1と同様の方法で調製して、表題化合物(C5)をオフホワイトの固体として得、これをTFA塩(352mg、2段階で収率16%)として先に進んだ。ES-MS[M-tBu+2H]
+:313.4,
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO))δ7.85(s,1H),4.83(s,2H),3.99(d,J=13.3Hz,2H),2.82(br s,2H),1.78(d,J=13.3Hz,2H),1.60(ddd,J=14.1,13.2,4.0Hz,2H),1.40(s,9H).
【0449】
【化127】
tert-ブチル4-((4-クロロ-5-((3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート(126):化合物126を、328について記載したのと同様の手順を使用して調製した。化合物126を黄褐色固体として得、これをTFA塩(185mg、収率64%)として先に進んだ。ES-MS[M+1]
+:559.3,LCMS保持時間:1.27分,
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO))δ10.92(s,1H),8.42(d,J=1.7Hz,1H),7.96(dd,J=2.1,0.6Hz,1H),7.83(s,1H),7.62-7.55(m,2H),7.61-7.55(m,2H),7.48-7.43(m,3H),4.64(s,2H),4.00(d,J=12.6Hz,2H),2.86(br s,2H),2.28(s,3H),1.86(ad,J=13.1Hz,2H),1.59(ddd,J=14.3,13.4,4.1Hz,2H),1.39(s,9H).
【0450】
【化128】
1-((1-アセチル-4-シアノピペリジン-4-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(84):化合物84を、化合物5と同様の方法で調製して、表題化合物(129mg、2段階で収率98%)を得る。ES-MS[M+1]
+:501.4,LCMS保持時間:1.04分,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO)δ10.90(s,1H),8.43(d,J=1.4Hz,1H),7.95(dd,J=2.1,0.6,Hz,1H),7.83(s,1H),7.63-7.55(m,2H),7.48-7.43(m,3H),4.63(s,2H),4.42(br d,J=13.7Hz,1H),3.90(br d,J=14.2Hz,1H),3.21-3.10(m,1H),2.70-2.60(m,1H),2.28(s,3H),2.00(s,3H),1.93(br d,J=13.5Hz,1H),1.86(br d,J=14.2Hz,1H),1.71(ddd,J=14.1,13.2,4.0Hz,1H),1.53(ddd,J=14.1,13.2,4.0Hz,1H).
【0451】
【化129】
(R)-テトラヒドロフラン-3-イル4-メチルベンゼンスルホネート(C6):化合物C6を、C12について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物C6を無色透明の油状物として得た(198mg、収率72%)。ES-MS[M+Na]
+:265.4,
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO))δ7.81(d,J=8.2Hz,2H),7.49(d,J=8.2Hz,2H),5.12-5.09(m,1H),3.79-3.63(m,4H),2.43(s,3H),2.13-2.02(m,1H),1.93-1.84(m,1H).
【0452】
(S)-4-クロロ-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C7):化合物C7を、C13について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物C7をオフホワイトの固体として得、これをTFA塩(188mg、2段階で収率12%)として先に進んだ。ES-MS[M+H]+:217.3,1H NMR(400MHz,((CD3)2SO))δ7.74(s,1H),5.76-5.68(m,1H),3.99(dd,J=9.5,6.3Hz,1H),3.95(dd,J=15.3,7.6Hz,1H),3.85-3.77(m,2H),2.42-2.25(m,2H).
【0453】
【化130】
(S)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(3):化合物3を、C13について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物3をオフホワイトの固体として得た(17mg、収率62%)。ES-MS[M+1]
+:407.4,LCMS保持時間:1.09分,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.50(s,1H),7.87(s,1H),7.58(s,1H),7.57-7.53(m,2H),7.61-7.55(m,2H),7.41-7.36(m,3H),5.93-5.85(m,1H),4.23-4.05(m,3H),3.95(td,J=8.2,5.1Hz,1H),2.59-2.50(m,1H),2.46-2.40(m,1H),1.38(s,3H).
【0454】
【化131】
4-クロロ-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C8):化合物C8を、C1について記載したのと同様の手順を使用して(ただし80℃で)調製した。化合物C8を無色透明の非晶質固体として得、これをTFA塩(151mg、2段階で収率34%)として先に進んだ。ES-MS[M-tBu+2H]
+:245.2,
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO))δ7.72(s,1H),4.38(d,J=7.2Hz,2H),3.80(ddd,J=11.4,4.1,1.7Hz,2H),3.22(td,J=11.6,2.2Hz,2H),2.10-1.97(m,1H),1.37-1.29(m,2H),1.22(qd,11.6,4.5Hz,2H).
【0455】
【化132】
4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(2):化合物2を、328について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物2をベージュ色の固体として得た(5mg、収率20%)。ES-MS[M+1]
+:435.4,LCMS保持時間:1.13分,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.66(br s,1H),8.50(s,1H),7.77(d,J=1.1Hz,1H),7.58-7.51(m,3H),7.41-7.35(m,3H),4.52(d,J=7.2Hz,2H),3.98-3.90(m,2H),3.33(ddd,J=11.8,11.4,2.9Hz,2H),2.36(s,3H),2.30-2.16(m,1H),1.51-1.37(m,4H).
【0456】
【化133】
1-((4-(tert-ブトキシカルボニル)モルホリン-2-イル)メチル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C9):化合物C9を、C1について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物C9を白色固体として得、これをTFA塩(640mg、2段階で収率39%)として先に進んだ。ES-MS[M+Na]
+:369.3,
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO))δ7.68(s,1H),4.62(dd,J=13.8,7.0Hz,1H),4.51(dd,J=13.8,5.0Hz,1H),3.80-3.60(m,4H),3.30(dd,J=11.5,2.8Hz,3H),1.38(s,9H).
【0457】
【化134】
tert-ブチル2-((4-クロロ-5-((3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(300):化合物300を、化合物328と同様の方法で調製して、表題化合物300を得る(73mg、収率36%)。ES-MS[M+1]
+:540.4,LCMS保持時間:1.12分,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO)δ
1H NMR(400MHz,DMSO)δ11.21(s,1H),8.46(s,1H),8.08(d,J=10.5Hz,1H),7.73(s,1H),7.66-7.55(m,2H),7.51-7.42(m,3H),4.42(d,J=5.9Hz,2H),3.85-3.73(m,2H),3.72-3.61(m,2H),2.94-2.76(m,1H),2.69-2.41(m,2H),1.38(s,9H).
【0458】
【化135】
1-((4-アセチルモルホリン-2-イル)メチル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(27):化合物27を、化合物5と同様の方法で調製して、表題化合物27を得る(13mg、収率61%)。ES-MS[M+1]
+:482.2,LCMS保持時間:1.02分,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO)δ11.21(s,1H),8.49(d,J=5.2Hz,1H),8.10(d,J=10.5Hz,1H),7.75(s,1H),7.65-7.58(m,2H),7.52-7.44(m,3H),4.50-4.39(m,2H),4.15(dd,J=58.6,13.2Hz,1H),3.87-3.60(m,3H),3.44-3.22(m,1H),3.18-2.83(m,1H),2.73-36(m,1H),1.99(s,3H).
【0459】
【化136】
tert-ブチル6-(トシルオキシ)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(C10):化合物C10を、C12について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物C10を白色固体として得た(299mg、収率87%)。ES-MS[M+Na]
+:390.4,
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO))δ7.76(d,J=8.2Hz,2H),7.47(d,J=8.2Hz,2H),4.71(p,J=7.2Hz,1H),3.75(br d,J=13.3Hz,4H),2.46-2.39(m,5H),2.25-2.17(m,2H),1.33(s,9H).
【0460】
1-(2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C11):化合物C11を、C13について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物C11を白色固体として得、これをTFA塩(418mg、2段階で収率26%)として先に進んだ。ES-MS[M-tBu+2H]+:286.4,1H NMR(400MHz,((CD3)2SO))δ7.74(s,1H),5.41(p,J=8.0Hz,1H),3.94(s,2H),3.83(s,2H),2.65(d,J=8.0Hz,4H),1.36(s,9H).
【0461】
【化137】
tert-ブチル6-(4-クロロ-5-((3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(330):化合物330を、化合物328と同様の方法で調製して、表題化合物330を得る(99mg、収率63%)。ES-MS[M+1]
+:532.4,LCMS保持時間:1.16分,
1H NMR(400MHz,DMSO)δ10.91(s,1H),8.40(d,J=2.2Hz,1H),7.94(d,J=1.7Hz,1H),7.71(s,1H),7.62-7.51(m,2H),7.49-7.40(m,3H),4.98(p,J=7.8Hz,1H),3.93(s,2H),3.85(s,2H),2.73-2.61(m,2H),2.27(s,3H),1.36(s,9H).
【0462】
【化138】
1-(2-アセチル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(173):化合物173を、化合物5と同様の方法で調製して、表題化合物173を得る(12mg、収率52%)。ES-MS[M+1]
+:474.3,LCMS保持時間:0.99分,
1H NMR(400MHz,DMSO)δ10.92(s,1H),8.40(s,1H),7.94(s,1H),7.71(s,1H),7.63-7.52(m,2H),7.48-7.40(m,3H),5.08-4.96(m,1H),4.16(d,J=30.0Hz,2H),3.87(d,J=31.6Hz,2H),2.75-2.64(m,4H),2.27(s,3H),1.72(d,J=1.8Hz,3H).
【0463】
【化139】
シス-(3-(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブチル4-メチルベンゼンスルホネート(C12):ピリジン(32.4mL)にシス-tert-ブチル(3-ヒドロキシシクロブチル)カルバメート(2000mg、10.68mmol)を溶解した溶液に、室温でp-トルエンスルホニルクロリド(2444mg、12.82mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(0.15mL、1.07mmol)を加えた。反応物を24時間攪拌した。試料を真空中で濃縮し、順相クロマトグラフィー(グラジエント:ヘキサン中0~40%EtOAc)で精製して、C12を白色固体として得た(2357mg、収率65%)。ES-MS[M+Na]
+:364.4,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO)δ7.6(d,J=8.2Hz,2H),7.48(d,J=8.2Hz,2H),7.14(d,J=8.1Hz,1H),4.49(p,J=7.3Hz,1H),3.54(dddd,J=16.2,8.1,8.1,8.1Hz,1H),2.47-2.38(m,5H),2.03-1.91(m,2H),1.33(s,9H).
【0464】
1-(trans-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブチル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C13):DMF(10mL)に、C12(2357mg、6.9mmol)、メチル4-クロロピラゾール-3-カルボキシレート(2217mg、13.81mmol)及び炭酸カリウム(2129mg、15.19mmol)を混合した混合物を100℃で1時間。水酸化ナトリウム(566mg、13.81mmol)及び水(5mL)を混合物に添加し、混合物を100℃で3.5時間撹拌した。混合物を水で希釈し、次いで、2mol/L HClをpH=4~5になるまで添加した。混合物を水でさらに希釈し、3:1CHCl3:IPAで洗浄した。有機物を真空中で濃縮し、逆相HPLC(グラジエント:25~70%MeCN水溶液(0.1%TFAを含む))で精製した。所望の画分を濃縮して、C13を白色固体として得、これをTFA塩(495mg、2段階で収率23%)として先に進んだ。ES-MS[M+Na]+:338.3,1H NMR(400MHz,,(CD3)2SO))δ7.78(s,1H),7.36(d,J=7.0Hz,1H),5.59-5.49(m,1H),4.21-4.09(m,1H),2.72-2.62(m,2H),2.46-2.37(m,2H),1.39(s,9H).
【0465】
【化140】
tert-ブチル(trans-3-(4-クロロ-5-((3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)シクロブチル)カルバメート(292):DCE(2.3mL)に、C13(200mg、0.465mmol)、中間体B2(145mg、0.698mmol)、PyClU(310mg、0.931mmol)及びピリジン(0.380mL、4.65mmol)を混合した混合物を室温で1時間撹拌した。混合物にNH
4OH(0.5mL)を添加し、混合物を1分間撹拌した。試料を真空中で濃縮し、次いで、逆相HPLC(グラジエント:60~95%MeCN水溶液(0.1%TFAを含む))で精製した。所望の画分を濃縮して、黄褐色固体として292を得て、これをTFA塩(81mg、収率28%)として先に進んだ。ES-MS[M+1]
+:506.3,LCMS保持時間:1.11分,1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO))δ10.91(s,1H),8.41(d,J=1.6Hz,1H),7.95(dd,J=2.1,0.6Hz,1H),7.74(s,1H),7.62-7.55(m,2H),7.48-7.42(m,3H),7.39(br d,J=7.1Hz,1H),5.21-5.11(m,1H),4.22-4.11(m,1H),2.78-2.68(m,2H),2.46-2.37(m,2H),2.28(s,3H),1.38(s,9H).
【0466】
【化141】
1-(trans-3-アセトアミドシクロブチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(156):292のTFA塩(161mg、0.259mmol)に、DCM(1.3mL)及びトリフルオロ酢酸(1.3mL、16.98mmol)を添加した。混合物を1時間撹拌した。試料を真空中で濃縮し、ジエチルエーテルで洗浄して黄褐色固体を得た。ES-MS[M+1]
+:406.2.得られた粗製アミン(164mg、0.259mmol)をDMF(2.0mL)に溶解し、DIEA(0.83mL、4.77mmol)を添加した。混合物を5分間撹拌し、次いで、酢酸(0.0742mL、1.30mmol)及びHATU(217mg、0.570mmol)を添加した。混合物を17時間撹拌した。混合物にNH
4OH(0.5mL)を添加し、混合物を1時間撹拌した。試料を真空中で濃縮し、逆相HPLC(グラジエント:35~80%MeCN水溶液(0.05%NH
4OHを含む))で精製した。所望の画分を濃縮して、156を白色固体として得た(73mg、2段階で82%)。ES-MS[M+1]
+:448.3,LCMS保持時間:1.02分,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO)δ10.92(s,1H),8.40(d,J=1.8Hz,1H),8.35(d,J=7.0Hz,1H),7.93(d,J=1.4Hz,1H),7.61-7.54(m,2H),7.48-7.42(m,3H),5.26-5.15(m,1H),4.40-4.29(m,1H),2.81-2.71(m,2H),2.44-2.34(m,2H),2.27(s,3H),1.80(s,3H).
【0467】
【化142】
1-(シス-3-アセトアミドシクロブチル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(64):中間体(C14)を(スキーム29)に記載したのと同様の方法で合成した。DCE(6mL)に、C14(300mg、0.95mmol)、中間体B2(297mg、1.4mmol)及びPyClU(623mg、1.9mmol)を溶解した溶液に、ピリジン(752mg、9.5mmol)を添加した。60℃で3時間後、溶液を部分的に濃縮し、EtOAcで希釈した。希釈物を水250mLで5回洗浄した。希釈物を無水MgSO
4で乾燥させ、濃縮した後、逆相HPLC(グラジエント:40~90%MeCN水溶液(0.1%TFAで修飾された水溶液))で精製した。生成物を含有する画分を合わせ、NaHCO
3溶液で中和し、水(500mL)で希釈した。溶液をEtOAc200mLで1回抽出した。抽出物を水200mLで2回洗浄し、真空中で濃縮して、(357)(197mg、収率41%)を得た。ES-MS[M+1]
+:506.4、LCMS保持時間:1.10分。
【0468】
DCM(5mL)に(357)(197mg、0.39mmol)及びTFA(1489mg、13.1mmol)を溶解した溶液を室温で2時間反応させた。溶液を濃縮し、得られた粗残渣をDCM(5mL)及びDIEA(0.27mL、106mmol)で希釈した。この溶液に塩化アセチル(32mg、0.41mmol)をゆっくり添加した。室温で2時間後、溶液を逆相HPLC(グラジエント:28~80%MeCN水溶液(0.1%TFAで修飾された水溶液))で精製した。生成物を含有する画分を合わせ、水及びNaHCO3溶液で希釈した。希釈物をEtOAc250mLで1回抽出した。抽出物を水250mLで(3回)洗浄し、濃縮して、(64)(68mg、収率39%)を得た。ES-MS[M+1]+:448.4,LCMS保持時間:1.01分,1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.54(br s,1H),8.48(s,1H),7.77(d,J=1.3Hz,1H),7.59(s,1H),7.57-7.52(m,2H),7.39-7.36(m,3H),5.77(d,J=7.8Hz,1H),5.51(dddd,J=8.0,8.0,8.0,8.0Hz,1H),4.37-4.27(m,1H),3.01-2.94(m,2H),2.57-2.50(m,2H),2.35(s,3H),1.98(s,3H).
【0469】
【化143】
trans-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル4-メチルベンゼンスルホネート(C15):DCM(40.3mL)にtrans-tert-ブチル(4-ヒドロキシシクロヘキシル)カルバメート(5000mg、23.22mmol)を溶解した溶液に、p-トルエンスルホニルクロリド(5313mg、27.87mmol)及びTEA(6.7mL、47.72mmol)を0℃で加えた。反応物を室温に加温し、17時間攪拌した。試料を真空中で濃縮し、順相クロマトグラフィー(グラジエント:ヘキサン中0~40%EtOAc)で精製して、C15をオフホワイトの固体として得た(3523mg、2段階で収率41%)。ES-MS[M+Na]
+:392.4,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO)δ7.79(d,J=8.2Hz,2H),7.47(d,J=8.2Hz,2H),6.72(d,J=7.4Hz,1H),4.39-4.29(m,1H),3.3.26-3.14m,1H),2.42(s,3H),1.81-1.66(m,4H),1.53-1.39(m,2H),1.35(s,9H),1.25-1.10(m,2H).
【0470】
【化144】
1-((cis-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(C16)及び1-(cis-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C17):化合物C16及びC17を、C13について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物C16及びC17を逆相HPLC(グラジエント:30~65%MeCN水溶液(0.1%TFAを含む))で分離した。化合物C16をオフホワイトの固体として得、これをTFA塩(26mg、2段階で収率8%)として先に進んだ。ES-MS[M+Na]
+:366.4,
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO))δ8.19(s,1H),6.90(d,J=6.9Hz,1H),4.26-4.16(m,1H),3.60(br s,1H),2.15-2.02(m,2H),1.83-1.73(m,2H),1.71-1.54(m,4H),1.39(s,9H).化合物C17を白色固体として得、これをTFA塩(316mg、2段階で収率44%)として先に進んだ。ES-MS[M-tBu+2H]
+:288.4,
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO))δ7.71(s,1H),6.90(br s,1H),5.01-4.90(m,1H),3.59-3.51(m,1H),2.15-2.00(m,2H),1.89-1.79(m,2H),1.72-1.63(m,2H),1.60-1.49(m,2H),1.39(s,9H).
【0471】
【化145】
tert-ブチル(cis-4-(4-クロロ-5-((3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)シクロヘキシル)カルバメート(309):化合物309を、328について記載したのと同様の手順を使用して調製した。化合物309を褐色固体として得、これをTFA塩(654mg、収率50%)として先に進んだ。ES-MS[M+1]
+:534.2,LCMS保持時間:1.27分,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO))δ10.96(s,1H),8.41(d,J=1.7Hz,1H),7.95(dd,J=2.0,0.7Hz,1H),7.65(s,1H),7.65-7.58(m,2H),,7.48-7.43(m,3H),6.91(br s,1H),4.54-4.42(m,1H),3.57-3.49(m,1H),2.28(s,3H),2.22-2.09(m,2H),1.90-1.80(m,2H),1.80-1.70(m,2H),1.62-1.50(m,2H),1.40(s,9H).
【0472】
【化146】
1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(12):化合物12を、5について記載したのと同様の手順を使用して調製した。化合物12をオフホワイトの固体として得た(349mg、2段階で収率98%)。ES-MS[M+1]
+:476.3,LCMS保持時間:1.08分,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO)δ10.96(s,1H),8.40(d,J=1.5Hz,1H),7.94(d,J=1.5Hz,1H),7.92(d,J=6.8Hz,1H),7.66(s,1H),7.62-7.55(m,2H),7.48-7.42(m,3H),4.54-4.44(m,1H),3.86-3.78(m,1H),2.28(s,3H),2.21-2.08(m,2H),1.85(s,3H),1.83-1.76(m,4H),1.65-1.53(m,2H).
【0473】
【化147】
tert-ブチル(cis-4-(4-クロロ-5-((5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)シクロヘキシル)カルバメート(D18):化合物D18を、328について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物D18を褐色固体として得、これをTFA塩(43mg、収率44%)として先に進んだ。ES-MS[M+1]
+:552.4,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.48(d,J=1.9Hz,1H),7.77(dd,J=2.0,0.7Hz,1H),7.56(s,1H),7.55-7.50(m,2H),7.07(dd,J=8.7,8.7Hz,2H),5.24-5.14(m,1H),4.87(d,J=5.5Hz,1H),3.86(s,3H),2.36(s,3H),2.15-1.99(m,2H),1.94(br d,J=11.0,4H),1.77-1.64(m,2H),1.45(s,9H).
【0474】
【化148】
1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(14):化合物14を、ESC Sch5 Comp14について記載したのと同様の手順を使用して調製した。化合物14をオフホワイトの固体として得た(107mg、2段階で収率98%)。ES-MS[M+1]
+:494.3,LCMS保持時間:1.11分,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO)δ10.96(s,1H),8.40(d,J=1.5Hz,1H),7.95-7.88(m,2H),7.68-7.60(m,3H),7.33-7.26(m,2H),4.55-4.43(m,1H),3.86-3.78(m,1H),2.28(s,3H),2.20-2.08(m,2H),1.84(s,3H),1.83-1.74(m,4H),1.64-1.52(m,2H).
【0475】
【化149】
tert-ブチル(3R,4S)-3-フルオロ-4-(トシルオキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(C19):化合物C19を、C12について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物C19をオフホワイトの固体として得た(1577mg、93%)。ES-MS[M+Na]
+:396.3,
1H NMR(400MHz,,(CD
3)
2SO))δ7.83(d,J=8.2Hz,2H),7.49(d,J=8.2Hz,2H),4.88-4.78(m,1H),4.78-4.62(m,1H),4.04-3.92(m,1H),3.89-3.64(br s,1H),3.28-3.07(m,1H),3.07-2.80(m,1H),2.43(s,3H),1.80-1.60(m,1H),1.65-1.55(m,1H),1.36(s,9H).
【0476】
1-((3R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-4-イル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C20):化合物C20を、C13について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物C20をオフホワイトの固体として得、これをTFA塩(384mg、2段階で収率20%)として先に進んだ。ES-MS[M-tBu+2H]+:292.1,1H NMR(400MHz,,(CD3)2SO))δ7.85(s,1H),5.51-5.38(m,1H),4.91-4.68(m,1H),4.26(br s,1H),3.96(d,J=12.2Hz,1H),2.98(br s,2H),2.11-2.02(m,1H),1.97-1.81(m,1H),1.42(s,9H).
【0477】
【化150】
tert-ブチル(3R,4R)-4-(4-クロロ-5-((5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(D20):化合物D20を、328について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物D20をオフホワイトの固体として得、これをTFA塩(71mg、収率74%)として先に進んだ。ES-MS[M+1]
+:556.3,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO))δ11.03(s,1H),8.44(d,J=1.6Hz,1H),7.95(d,J=1.6Hz,1H),7.81(s,1H),7.69-7.61(m,2H),7.34-7.26(m,2H),4.93-4.69(m,2H),4.28(br s,1H),3.96(d,J=10.6Hz,1H),2.99(br s,2H),2.27(s,3H),2.18-2.08(m,1H),2.03-1.87(m,1H),1.42(s,9H).
【0478】
【化151】
1-((3R,4R)-1-アセチル-3-フルオロピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(10):化合物10を、5について記載したのと同様の手順を使用して調製した。化合物10をオフホワイトの固体として得た(1063mg、3段階で収率95%)。ES-MS[M+1]
+:498.3,LCMS保持時間:0.99分,
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO)δ11.04(s,1H),8.46(d,J=1.6Hz,1H),7.96(d,J=1.6Hz,1H),7.82(s,1H),7.70-7.62(m,2H),7.36-7.28(m,2H),5.12-4.77(m,2H),4.76-4.33(m,1H),4.26-3.82(m,1H),3.31-3.18(m,1H),2.94-2.71(m,1H),2.28(s,3H),2.21-1.82(m,5H).
【0479】
【化152】
tert-ブチル4-(4-クロロ-5-((5-フルオロ-6-(フェニルエチニル)ピリジン-3-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(D21):DMF(2.5mL)に、(C1)(150mg、0.45mmol)、NH
4Cl(24mg、0.45mmol)及びHATU(259mg、0.68mmol)を溶解した溶液に、DIEA(176mg、1.36mmol)を添加した。60℃で1時間後、溶液を逆相HPLC(グラジエント:8~95%MeCN/水(0.05%NH
4OHを含む))で精製した。溶媒を除去した後、(F1)を得た(61mg、収率41%)。ES-MS[M+23]
+:351.2.
【0480】
中間体B6を、中間体B1に記載された方法と同様の方法で調製した。乾燥マイクロ波バイアルに、(F1)(30mg、0.09mmol)、(中間体B6)(25mg、0.09mmol)、Pd2(dba)3(5mg、0.005mmol)、キサントホス(3mg、0.005mmol)及びCs2CO3(60mg、0.18mmol)を添加した。バイアルを密封し、排気し、乾燥窒素を3回充填した。バイアルにDMF(1.2mL)を添加した。100℃で1時間後、溶液を逆相HPLC(グラジエント:30~95%MeCN/水(0.05%NH4OHを含む))で精製した。単離された生成物を含む画分を濃縮して、(D21)(32mg、収率66%)を得た。
【0481】
【化153】
1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(5-フルオロ-6-(フェニルエチニル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(化合物378):(378)(32.5mg、0.06mmol)とDCM:TFA 1:1(2mL)の溶液を室温で15分間反応させた。溶液を濃縮し、得られた粗残渣をDMF(1.1mL)、DIEA(39mg、0.30mmol)及び塩化アセチル(7.1mg、0.09mmol)に溶解し、室温で反応させた。18時間後、溶液を逆相HPLC(グラジエント:30~95%MeCN/水(0.05%NH
4OHを含む))で精製した。単離された生成物を含む画分を濃縮して、(378)(20mg、収率69%)を得た。ES-MS[M+1]
+:466.0、LCMS保持時間:1.06分。
【0482】
【化154】
4-(4-クロロ-5-((3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)-N-エチルピペリジン-1-カルボキサミド(158):tert-ブチル4-(4-クロロ-5-((3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート255(15mg、0.03mmol)及びDCM:TFA 1:1(2mL)の溶液を室温で撹拌した。2時間後、溶液を濃縮し、得られた粗残渣をTHF(0.5mL)に溶解し、DIEA(18mg、0.14mmol)及びイソシアナトエタン(0.03mmol)を添加した。室温で2時間後、溶液を逆相HPLC(グラジエント:40~95%MeCN/水(0.05%NH
4OHを含む)で精製して、(158)(3mg、収率22%)を得た。ES-MS[M+1]
+:495.3、LCMS保持時間:0.99分。
【0483】
【化155】
4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル4-メチルベンゼンスルホネート(C21):化合物C21を、C12について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物C21をオフホワイトの固体として得た(525mg、収率62%)。ES-MS[M+H]
+:293.4,
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO))δ7.84(d,J=8.2Hz,2H),7.50(d,J=8.2Hz,2H),7.36(d,J=1.8Hz,1H),6.01-5.99(m,1H),5.10-5.04(m,1H),4.20-4.10(m,1H),4.05-3.94(m,1H),3.04(dd,J=17.1,4.4Hz,1H),2.91(dd,J=17.1,4.4Hz,1H),2.43(s,3H),2.22-2.07(m,2H),1.39.
【0484】
【化156】
4-クロロ-1-(4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C22):化合物C22を、C13について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物C22をオフホワイトの固体として得、これをTFA塩(81mg、2段階で収率17%)として先に進んだ。ES-MS[M+H]
+:267.4,
1H NMR(400MHz,,(CD
3)
2SO))δ7.77(s,1H),7.39(d,J=1.8Hz,1H),6.04(d,J=1.8Hz1H),5.61-5.52(m,1H),4.18-4.11(m,2H),3.30(br dd,J=16.1Hz,5.3Hz,1H),3.14(br dd,J=16.1,8.8Hz,1H),2.57-2.51(m,1H),2.40-2.31(m,1H).
【0485】
【化157】
4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-(4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(9):化合物9を、328について記載したのと同様の手順を用いて調製した。化合物9をオフホワイトの固体として得た(4mg、収率22%)。ES-MS[M+1]
+:457.4,LCMS保持時間:1.06分,
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO))δ11.02(s,1H),8.40(d,J=1.7Hz,1H),7.94(dd,J=2.1,0.7Hz,1H),7.70(s,1H),7.61-7.55(m,2H),7.48-7.43(m,3H),7.39(d,J=1.7Hz,1H),6.06(d,J=1.7Hz,1H),5.08-5.07(m,1H),4.23-4.14(m,1H),3.41-3.33(m,1H),3.31-3.20(m,2H),1.90-1.80(m,1H),2.63-2.51(m,1H),2.45-2.36(m,1H),2.30(s,3H).
【0486】
【化158】
メチル1-(ベンゾフラン-5-イル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(C23)及びメチル1-(ベンゾフラン-6-イル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(C24)DCM(2.5mL)に、ベンゾフラン-5-イルボロン酸(100mg、0.63mmol)及びメチル4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(50mg、0.31mmol)を溶解した溶液に、酢酸銅(II)(85mg、0.47mmol)、ピリジン(0.050mL、0.62mmol)及び150mgの4Åモレキュラーシーブを加えた。バイアルに空気が入るようにゆるく蓋をして、室温で16時間後、反応物をセライトを通して濾過し、メタノールで洗浄し、真空中で濃縮した。得られた残渣を順相クロマトグラフィー(0~40%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製した。画分を濃縮して、(C23)と(C24)の分離不可能な混合物を得た(17mg、収率20%)。ES-MS[M+1]
+:277.2.
【0487】
【化159】
1-(ベンゾフラン-5-イル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C25)及び1-(ベンゾフラン-6-イル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(C26)。DMF(0.5mL)及び水(0.5mL)に、(C23)及び(C24)の混合物(17mg、0.061mmol)を溶解した溶液に、NaOH(5mg、0.12mmol)を添加した。反応混合物を60℃に加熱した。30分後、反応物を室温に冷却し、2mol/L HClで酸性化した(pH約4~5)。混合物をDCMで(3回)抽出した後、合わせた有機層を相分離器に通し、濃縮して、(C25)と(C26)の分離不可能な混合物を得た(16mg、収率99%)。ES-MS[M+1]
+:263.2.
【0488】
【化160】
1-(ベンゾフラン-5-イル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(化合物304)DCE(1mL)に、(C25)及び(C26)(16mg、0.06mmol)の混合物を溶解した溶液に、中間体B2(19mg、0.09mmol)、PyClU(41mg、0.12mmol)及びピリジン(0.049mL、0.06mmol)を添加した。反応物を室温で16時間撹拌した。反応物を濾過した後、溶液を逆相HPLC(グラジエント:40~85%MeCN/水(0.1%TFAを含む))で精製した。生成物を含有する合わせた分画を飽和NaHCO
3で塩基性化し、濃縮し、その後水で希釈し、DCMで(2回)抽出した。合わせた有機層を濃縮して、(304)(2.3mg、収率8%)及び(304R)(10mg、収率36%)を得た。NOSEYを使用して、(304)が所望の位置異性体(逆相HPLCで最初に溶出)であることを確認した。(304):ES-MS[M+1]
+:453.3,LCMS保持時間:1.09分,
1HNMR(400MHz,CD
3OD)δ8.21(br,1H),7.88(br,1H),7.78(d,J=2Hz,1H),7.72(d,J=2.1Hz,1H),7.65(br,2H),7.51(d,J=8.8Hz,1H),7.44-7.41(m,3H),7.30-7.29(m,2H),6.83(dd,J=2.2,0.9Hz,1H),2.05(s,3H).(304R):ES-MS[M+1]
+:453.2,
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.62(br,1H),9.02(br,1H),8.58(d,J=1.8Hz,1H),8.34(d,J=2.3Hz,1H),8.21(d,J=2.2Hz,1H),8.04-8.02(m2H),7.87(d,J=8.9Hz),7.67-7.65(m,2H),7.54-7.51(m,3H),7.15(dd,J=2.2,0.8Hz,1H),2.35(s,3H).
【0489】
【化161】
メチル1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(C27)及びメチル1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート(C28)中間体C27及びC28を、C23及びC24と同様の方法で調製した。本化合物を、(C27)と(C28)の分離不可能な混合物として得た(77mg、収率88%)。ES-MS[M+1]
+:281.1.
【0490】
【化162】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C29)及び1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(C30)中間体C29及びC30を、C25及びC26と同様の方法で調製した。本化合物を分離不可能な混合物(77mg)として得、粗生成物をさらに精製することなく先に進んだ。ES-MS[M+1]
+:267.2.
【0491】
【化163】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(283)DCE(1.8mL)に、(C29)及び(C30)(33mg、0.124mmol)の混合物を溶解した溶液に、中間体B2(39mg、0.19mmol)、PyClU(82mg、0.25mmol)及びピリジン(0.10mL、1.24mmol)を添加した。反応物を室温で16時間撹拌した。反応物を濾過した後、溶液を逆相HPLC(グラジエント:45~80%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。別々に、各生成物を含有する合わせた画分を飽和NaHCO
3(水溶液)で塩基性化し、濃縮し、その後、水で希釈し、DCMで(2回)抽出した。合わせた有機層を濃縮して、(283)(8.4mg、収率15%)及び(283R)(8.8mg、収率16%)を得た。(283):ES-MS[M+1]
+:457.3,LCMS保持時間:1.08分,
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ11.07(br,1H),8.30(br,1H),7.81(br,1H),7.80(s,1H),7.57-7.55(m,2H),7.46-7.42(m,3H),7.18(d,J=2Hz,1H),7.09(dd,J=8.3,2.1Hz,1H),7.03(d,J=8.3Hz,1H),6.12(s,2H),2.18(s,3H);(283R):ES-MS[M+1]
+:461.4.
【0492】
【化164】
tert-ブチル(cis-4-(5-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-1-イル)シクロヘキシル)カルバメート(404):バイアルに、(C18)(20mg、0.06mmol)及びHATU(66.36mg、0.175mmol)を添加した。次いで、4-ベンジルオキシ-2-メチルアニリン(12.4mg、0.06mmol)及びDMF(0.29mL)の溶液をバイアルに添加した。最後に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.05mL、0.29mmol)を溶液に添加し、バイアルに蓋をし、ベンチトップ上に室温で1時間放置した。その後、LCMSは生成物の形成を示した。したがって、試料をシリンジ濾過し、濃縮し、DMSOに再懸濁した。試料を逆相HPLC(グラジエント:60~90%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。画分を飽和NaHCO
3溶液で中和し、次いで、MeCNを蒸発させた。生成物を分画からDCMで抽出し、次いで、濃縮して、(404)(20.9mg、収率66.6%)を得た。ES-MS[M-Boc+1]
+:439.2,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.06(s,1H),7.71(d,J=8.6Hz,1H),7.54(s,1H),7.44-7.31(m,5H),6.89-6.85(m,2H),5.25(tt,J=10.9,3.7Hz,1H),5.07(s,2H),4.87(d,J=6.4Hz,1H),3.86(s,1H),2.32(s,3H),2.10-2.01(m,2H),1.94(d,J=10.0Hz,4H),1.75-1.68(m,2H),1.45(s,9H).
【0493】
【化165】
1-(シス-4-アミノシクロヘキシル)-N-(4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(E31):バイアルに、(404)(19.2mg、0.04mmol)、トリフルオロ酢酸(0.05mL)及びDCM(0.200mL)を添加した。室温で1時間後、LCMSは所望の生成物を示した。試料を飽和NaHCO
3溶液で中和し、生成物をDCMに抽出した。有機抽出物を濃縮し、DMSOに再懸濁し、次いで、逆相HPLC(グラジエント:25~55%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。画分を飽和NaHCO
3溶液で中和し、次いで、MeCNを蒸発させた。生成物を分画からDCMで抽出し、次いで、濃縮して(E31)(13mg、収率84%)を得た。ES-MS[M+1]
+:439.2,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.06(s,1H),7.72(d,J=8.5Hz,1H),7.53(s,1H),7.44-7.37(m,4H),7.35-7.30(m,1H),6.89-6.85(m,2H),5.22(tt,J=10.8,4.0Hz,1H),5.07(s,2H),3.18(p,J=3.5Hz,1H),2.32(s,3H),2.29-2.21(m,2H),1.87-1.81(m,2H),1.77-1.73(m,4H),1.42(br s,2H).
【0494】
【化166】
1-(シス-4-アセトアミドシクロヘキシル)-N-(4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(399):バイアルに、酢酸(0.002mL、0.03mmol)及びHATU(17.15mg、05mmol)を添加した。次いで、(E31)(6.6mg、0.02mmol)及びDMF(0.40mL)の溶液をバイアルに添加した。最後に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.01mL、0.08mmol)を溶液に添加した。室温で1時間後、LCMSは生成物の形成を示した。したがって、試料をシリンジ濾過し、濃縮し、DMSOに再懸濁した。試料を逆相HPLC(グラジエント:50~80%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。画分を飽和NaHCO
3溶液で中和し、次いで、MeCNを蒸発させた。生成物を分画からDCMで抽出し、次いで、濃縮して、(399)(2mg、収率29%)を得た。ES-MS[M+1]
+:481.2,LCMS保持時間:1.02分,1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.07(s,1H),7.71(d,J=8.6Hz,1H),7.55(s,1H),7.44-7.37(m,4H),7.35-7.31(m,1H),6.89-6.85(m,2H),5.78(d,J=7.4Hz,1H),5.30-5.23(m,1H),5.07(s,2H),4.20-4.14(m,1H),2.32(s,3H),2.11-1.93(m,6H),2.01(s,3H),1.79-1.70(m,2H)
【0495】
【化167】
tert-ブチル2-((5-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(415):バイアルに、(C9)(22mg、0.06mmol)及びHATU(73mg、0.19mmol)を添加した。次いで、4-ベンジルオキシ-2-メチルアニリン(13.7mg、0.06mmol)及びDMF(0.35mL)の溶液をバイアルに添加した。最後に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.06mL、0.32mmol)を溶液に添加し、バイアルに蓋をし、ベンチトップ上で室温で1時間放置した。試料をシリンジ濾過し、濃縮し、DMSOに再懸濁した。試料を逆相HPLC(グラジエント:60~90%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。画分を飽和NaHCO
3溶液で中和し、次いで、MeCNを蒸発させた。生成物を分画からDCMで抽出し、次いで、濃縮して、(415)(18mg、収率53%)を得た。ES-MS[M-Boc+1]
+:441.2,LCMS保持時間:1.20分,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.11(s,1H),7.70(d,J=8.4Hz,1H),7.55(s,1H),7.44-7.31(m,5H),6.89-6.85(m,2H),5.01(s,2H),4.76(dd,J=13.5,7.2Hz,1H),4.67(dd,J=13.7,4.4Hz,1H)3.93-3.78(m,4H),3.44(td,J=11.5,2.7Hz,1H),2.93(t,J=11.1Hz,1H),2.73(t,J=11.2Hz,1H)2.32(s,3H),1.44(s,9H).
【0496】
【化168】
N-(4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)-4-クロロ-1-(モルホリン-2-イルメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(E32):バイアルに、(415)(17mg、0.03mmol)、トリフルオロ酢酸(0.04mLmg、0.56mmol)及びDCM(0.15mL)を添加した。室温で1時間後、LCMSは所望の生成物を示した。試料を飽和NaHCO
3溶液で中和し、生成物をDCMに抽出した。有機抽出物を濃縮して(E32)(15.0mg、収率110.9%)を得て、そのまま先に進んだ。捕捉された溶媒に起因してより高い収率。ES-MS[M+1]
+:441.2,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.14(s,1H),7.69(d,J=8.6Hz,1H),7.54(s,1H),7.44-7.37(m,4H),7.35-7.31(m,1H),6.89-6.85(m,2H),5.07(s,2H),4.66(d,J=1.3Hz,1H),4.65(s,1H),3.93-3.84(m,2H),3.51(td,J=11.2,2.8Hz,1H),2.95(dd,J=12.1,1.1Hz,1H),2.88-2.82(m,1H),2.79-2.76(m,1H),2.66-2.60(m,1H),2.32(s,3H),1.76(br s,1H).
【0497】
【化169】
1-((4-アセチルモルホリン-2-イル)メチル)-N-(4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(423):バイアルに、酢酸(0.002mL、0.03mmol)及びHATU(19.4mg、0.05mmol)を添加した。次いで、(E32)(7.5mg、0.02mmol)及びDMF(0.10mL)の溶液をバイアルに添加した。最後に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.015mL、0.09mmol)を溶液に添加した。室温で1時間後、反応のLCMSは生成物の形成を示した。試料をシリンジ濾過し、濃縮し、DMSOに再懸濁した。試料を逆相HPLC(グラジエント:45~75%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。画分を飽和NaHCO
3溶液で中和し、次いで、MeCNを蒸発させた。生成物を分画からDCMで抽出し、次いで、濃縮して、(423)(6.2mg、収率76%)を得た。ES-MS[M-Boc+1]
+:483.3,LCMS保持時間:0.96分,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.12(d,J=11.1Hz,1H),7.70(dd,J=16.4,8.5Hz,1H),7.56(d,J=9.2Hz,1H),7.44-7.37(m,4H),7.35-7.31(m,1H),6.90-6.85(m,2H),5.07(s,2H),4.84-7.68(m,2H),4.43-4.31(m,1H),3.94-3.85(m,2H),3.75-3.40(m,2H),3.30-3.02(m,1H),2.96-2.60(m,1H),2.32(s,3H),2.07(d,J=3.7Hz,3H).
【0498】
【化170】
tert-ブチル6-(5-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-1-イル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(D33):バイアルに、(C11)(19.5mg、0.06mmol)及びHATU(65.08mg、0.17mmol)を添加した。次いで、4-ベンジルオキシ-2-メチルアニリン(12.2mg、0.06mmol)及びDMF(0.30mL)の溶液をバイアルに添加した。最後に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.05mL、0.29mmol)を溶液に添加した。室温で1時間後、反応のLCMSは生成物の形成を示した。反応混合物をシリンジ濾過し、濃縮し、DMSOに再懸濁した。試料を逆相HPLC(グラジエント:60~90%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。画分を飽和NaHCO
3溶液で中和し、次いで、MeCNを蒸発させた。生成物を分画からDCMで抽出し、次いで、濃縮して(D33)(19.7mg、収率64%)を得た。ES-MS[M+1]
+:537.2,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.06(s,1H),7.70(d,J=8.5Hz,1H),7.55(s,1H),7.44-7.37(m,4H),7.35-7.30(m,1H),6.89-6.85(m,2H),5.65(p,J=8.16Hz,1H),5.07(s,2H),4.01(s,2H),3.94(s,2H),2.85-2.79(m,2H),2.73-2.68(m,2H),2.31(s,3H),1.43(s,9H).
【0499】
【化171】
N-(4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)-4-クロロ-1-(2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(E33):バイアルに、(D33)(44.7mg、0.08mmol)、トリフルオロ酢酸(0.117mLmg、1.53mmol)及びDCM(0.42mL)を添加した。室温で1.5時間後、反応物のLCMSはboc基の除去を示した。したがって、試料を飽和NaHCO
3溶液で中和し、生成物をDCMに抽出した。有機抽出物を濃縮し、DMSOに再懸濁し、次いで、逆相HPLC(グラジエント:25~65%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。画分を飽和NaHCO
3溶液で中和し、次いで、MeCNを蒸発させた。生成物を分画からDCMで抽出し、次いで、濃縮して(E33)(24.3mg、収率67%)を得た。ES-MS[M+1]
+:437.4,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.06(m,1H),7.69(d,J=8.5Hz,1H),7.54(m,1H),7.44-7.36(m,4H),7.34-7.30(m,1H),6.88-6.84(m,2H),5.61(p,J=8.2Hz,1H),5.06(s,2H),3.71(d,J=28.9Hz,3H),3.28(d,J=26.9Hz,1H),2.79-2.61(m,4H),2.50(br s,1H),2.31(s,3H).
【0500】
【化172】
1-(2-アセチル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)-N-(4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(433):バイアルに、酢酸(0.002mL、0.04mmol)及びHATU(21.1mg、0.06mmol)を添加した。次いで、(E33)(8.1mg、0.02mmol)及びDMF(0.452mL)の溶液をバイアルに添加した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.02mL、0.09mmol)を溶液に添加した。室温で1時間後、試料を濾過し、濃縮し、DMSOに溶解した。試料を逆相HPLC(グラジエント:50~80%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。画分を飽和NaHCO
3溶液で中和し、次いで、MeCNを蒸発させた。生成物を分画からDCMで抽出し、次いで、濃縮して、(433)(6.0mg、収率68%)を得た。ES-MS[M+1]
+:479.2,LCMS保持時間:1.04分,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.07(d,J=11.4Hz,1H),7.71-7.67(m,1H),7.56(s,1H),7.44-7.37(m,4H),7.35-7.31(m,1H),6.89-6.85(m,2H),5.74-5.65(m,1H),5.07(s,2H),4.20(s,1H),4.14(s,1H),4.07(s,1H),4.02(s,1H),2.90-2.83(m,2H),2.78-2.70(m,2H),2.31(d,J=1.4Hz,3H),1.86(d,J=2.9Hz,3H).
【0501】
【化173】
tert-ブチル4-(4-クロロ-5-((5’-クロロ-6’-メトキシ-5-メチル-[3,3’-ビピリジン]-6-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(G35):DCE(10mL)に、(C1)(1000mg、3.03mmol)、5-ヨード-2-アミノ-3-ピコリン(922mg、3.94mmol)及びPyClU(2017mg、6.06mmol)を溶解した溶液に、ピリジン(2445mg、30.9mmol)を加えた。60℃で3時間後、溶液を水(500mL)で希釈した。反応混合物をEtOAc500mLで1回抽出した。有機層を濃縮し、順相フラッシュクロマトグラフィー(グラジエント:0~50%EtOAcのヘキサン溶液)で精製した。生成物を含有する画分を濃縮して、(G34)(1203mg、収率73%)を得た。ES-MS[M+1]
+:546.2.
【0502】
ジオキサン(0.5mL)及び水(0.1mL)に、(G34)(50mg、0.09mmol)、3-クロロ-2-メトキシピリジン-5-ボロン酸(34mg、0.18mmol)、Pd(dppf)Cl2-DCM付加物(7.5mg、0.009mmol)及びCs2CO3(66mg、0.20mmol)を溶解した溶液を1時間で80℃まで加熱した。溶液を熱源から外し、部分的に濃縮した。溶液を逆相HPLC(グラジエント:35~95%MeCN水溶液(0.1%TFAで修飾された水溶液))で精製した。画分を濃縮して、(G35)(38mg、収率62%)を得た。ES-MS[M+1]+:561.4.
【0503】
【化174】
1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(5’-クロロ-6’-メトキシ-5-メチル-[3,3’-ビピリジン]-6-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(425):DCM(1mL)に(G35)(38mg、0.07mmol)を溶解した溶液にTFA(0.25mL)を添加した。室温で1時間後、溶液を濃縮した。残渣に、DCM(1.2mL)、DIEA(26mg、0.20mmol)及び塩化アセチル(6.4mg、0.08mmol)を添加した。室温で1時間後、溶液を濃縮した。生成物を逆相HPLC(グラジエント:25~75%MeCN水溶液(0.1%TFAで修飾された水溶液))で精製した。単離された生成物を含有する画分を合わせ、水及びNaHCO
3溶液で希釈した。希釈物をEtOAc5mLで2回抽出した。合わせた有機層を水10mLで2回洗浄し、濃縮して、(425)(18mg、収率52%)を得た。ES-MS[M+1]
+:503.2,LCMS保持時間:0.96分,
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.68-8.54(brm,2H),8.27(s,1H),7.84(s,1H),7.80(s,1H),7.58(s,1H),5.45(br s,1H),4.75(d,J=12.0Hz,1H),4.09(s,3H),3.94(d,J=11.5Hz),3.21(br s,1H),2.70(br s,1H),2.46(s,3H),2.14-2.08(m,4H),2.12(s,3H).
【0504】
【化175】
3-メチル-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2-アミン(B36):ジオキサン(4mL)及び水(0.4mL)に、5-ヨード-2-アミノ-3-ピコリン(100mg、0.43mmol)、4-(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(162mg、0.86mmol)、Pd(dppf)Cl
2-DCM付加物(35mg、0.04mmol)及びCs
2CO
3(308mg、0.94mmol)を混合した混合物を3時間で85℃に加熱した。溶液を熱源から外し、水で希釈した。反応混合物をEtOAc25mLで2回抽出し、水50mLで2回洗浄した。有機層を濃縮し、順相フラッシュクロマトグラフィー(グラジエント:0~10%MeOHのDCM溶液)で精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、(B36)(108mg、収率99%)を得た。ES-MS[M+1]
+:253.4.
【0505】
【化176】
4-クロロ-N-(3-メチル-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2-イル)-1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(E36):DMF(1mL)に、(C1)(62mg、0.19mmol)、(B36)(47mg、0.19mmol)及びHATU(142mg、0.37mmol)を溶解した溶液に、DIEA(142mg、0.47mmol)を添加した。50℃で3時間後、溶液を水で希釈し、EtOAc10mLで2回抽出した。有機層を合わせ、水10mLで1回洗浄した。有機層を濃縮し、逆相HPLC(グラジエント:35~95%MeCN水溶液(0.1%TFAで修飾された水溶液))で精製した。単離された生成物を含有する画分を合わせ、真空中で濃縮した。得られた残渣をDCM(10mL)及びTFA(1mL)に懸濁した。室温で30分後、溶液を濃縮して、(E36)をTFA塩として得た(31mg、収率29%)。
【0506】
【化177】
1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(化合物427):DCMに(E36)(31mg、0.05mmol)及びDIEA(21mg、0.16mmol)を溶解した溶液に、塩化アセチル(5mg、0.06mmol)を添加した。室温で1時間後、溶液を部分的に濃縮し、逆相HPLC(グラジエント:30~90%MeCN水溶液(水を0.1%TFAで修飾)で精製した。生成物を含有する画分を合わせ、水及びNaHCO
3溶液で希釈した。希釈物をEtOAc5mLで2回抽出した。抽出物を合わせ、水10mLで2回洗浄し、濃縮して(427)(12mg、収率43%)を得た。ES-MS[M+1]
+:506.3,LCMS保持時間:1.05分。
【0507】
【化178】
N-(4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)-4-クロロ-1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(E37):DMF(0.5mL)に、(C1)(30mg、0.09mmol)、4-ベンジルオキシ-2-メチルアニリン(19mg、0.09mmol)及びHATU(69mg、0.18mmol)を溶解した溶液に、DIEA(29mg、0.23mmol)を添加した。50℃で3時間後、溶液を水で希釈し、EtOAc10mLで2回抽出した。合わせた有機層を水(10mL)で1回洗浄し、濃縮し、逆相HPLC(グラジエント:35~95%MeCN水溶液(0.1%TFAで修飾された水溶液))で精製した。単離された生成物を含有する画分を合わせ、真空中で濃縮した。得られた残渣をDCM(5mL)及びTFA(1mL)に懸濁した。室温で30分後、溶液を濃縮して、(E37)をTFA塩として得た(12mg、収率24%)。
【0508】
【化179】
1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-N-(4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(388):DCM(0.5mL)に、(E37)(11mg、0.02mmol)及びDIEA(8mg、0.06mmol)を溶解した溶液に、塩化アセチル(2mg、0.03mmol)を添加した。室温で1時間後、溶液を濃縮し、生成物を逆相HPLC(グラジエント:35~95%MeCN水溶液(水1Lあたり0.5mLのNH
4OHで水を修飾))で精製した。生成物を含有する画分を濃縮して、(388)(5.2mg、収率55%)を得た。ES-MS[M+1]
+:466.0,LCMS保持時間:1.07分,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.13(s,1H),7.70(d,J=8.5Hz,1H),7.54(s,1H),7.44-7.31(m,5H),6.90-6.86(m,2H),5.52-5.45(m,1H),5.07(s,2H),4.74(br s,1H),3.93(br s,1H),3.22(br s,1H),2.71(br s,1H),2.32(s,3H),2.17-2.03(m,4H),2.13(s,3H).
【0509】
【化180】
1-(2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)エチル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C38)及び1-(2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)エチル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(C39):化合物C38及びC39を、化合物C16及びC17と同様の方法で調製する。C38:(124mg、収率34%)ES-MS[M+Na]
+:380.3,
1H NMR(400MHz,DMSO)δ7.69(s,1H),4.53-4.45(m,2H),3.88(d,J=13.1Hz,2H),2.76-2.55(m,2H),1.71-1.60(m,4H),1.38(s,9H),1.37-1.27(m,1H),0.99(dddd,J=12.28,12.25,12.25,4.3Hz,2H).C39:(129mg、収率35%)ES-MS[M+Na]
+:380.4,
1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.14(s,1H),4.16(t,J=7.3Hz,2H),3.89(d,J=13.1Hz,2H),2.78-2.54(m,2H),1.73(q,J=7.1Hz,2H),1.64(d,J=12.9Hz,2H),1.38(s,9H),1.36-1.27(m,1H),1.00(dddd,J=12.28,12.08,12.08,4.3Hz,2H).
【0510】
【化181】
tert-ブチル4-(2-(4-クロロ-3-((3-フルオロ-5-(チオフェン-2-イルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)エチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(D39):化合物D39を、化合物328と同様の方法で調製して、表題化合物D39を得る(59mg、収率79%)。ES-MS[M+1]
+:558.2
1H NMR(400MHz,DMSO)δ10.46(s,1H),8.49-8.47(m,1H),8.22(s,1H),8.08(dd,J=10.5,1.8Hz,1H),7.75(dd,J=5.1,1.2Hz,1H),7.50(dd,J=3.6,1.2Hz,1H),7.17(dd,J=5.1,3.6Hz,1H),4.21(t,J=7.1Hz,3H),3.90(d,J=13.0Hz,2H),2.77-2.56(m,2H),1.82-1.75(m,2H),1.71-1.63(m,2H),1.38(s,9H),1.02(dddd,J=12.30,12.25,12.25,4.3Hz,2H).
【0511】
【化182】
1-(2-(1-アセチルピペリジン-4-イル)エチル)-4-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(チオフェン-2-イルエチニル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(447):化合物447を、化合物5と同様の方法で調製して、表題化合物447を得る(7mg、収率72%)。ES-MS[M+1]
+:500.0,LCMS保持時間:0.98分,
1H NMR(400MHz,DMSO)δ10.47(s,1H),8.49(dd,J=1.9,0.7Hz,1H),8.23(s,1H),8.08(dd,J=10.4,1.8Hz,1H),7.75(dd,J=5.2,1.2Hz,1H),7.50(dd,J=3.6,1.2Hz,1H),7.17(dd,J=5.1,3.6Hz,1H),4.37-4.29(m,1H),4.22(t,J=7.2Hz,2H),3.80-3.72(m,1H),3.02-2.92(m,2H),1.97(s,3H),1.80(dddd,J=9.1,9.1,6.7,6.7Hz,2H),1.76-1.65(m,1H),1.50-1.38(m,1H),1.10(dddd,J=12.2,12.2,12.2,4.1Hz,1H),0.97(dddd,J=12.3,12.2,12.2,4.2Hz,1H).
【0512】
【化183】
メチル5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-クロロ-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート(C40):DMF(2mL)に、メチル3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(100mg、0.36mmol)、4-(ブロモメチル)オキサン(97mg、0.54mmol)及び炭酸カリウム(153mg、1.09mmol)を溶解した溶液を2時間で80℃に加熱した。反応混合物を逆相HPLC(グラジエント:20~80%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。単離された中間体を含む画分を濃縮して、(C40)(32mg、収率24%)を得た。;
1H NMR(400MHz,d6-DMSO)δ9.31(br s,1H),3.94(t,J=7.4Hz,2H),3.85-3.79(m,2H),3.81(s,3H),3.22(m,2H),2.05(m,1H),1.43-1.40(m,2H),1.38(s,3H),1.32-1.19(m,2H).
【0513】
【化184】
5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-クロロ-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(C41):水(0.582mL)及び(C40)(55mg、0.15mmol)の溶液に、2mol/L NaOH(水溶液)(0.60mL、1.2mmol)を添加した。50℃で15時間後、溶液を6M HCl水溶液の滴下によって中和した。混合物を濃縮し、得られた固体をEtOHで超音波処理し、スラリーを濾過して、(C41)を得た(18mg、収率58%);ES-MS[M+H]
+:360.3.
【0514】
【化185】
5-アミノ-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(438):DCE(0.5mL)に、(C41)(15mg、0.04mmol)、(B2)(13mg、0.06mmol)、PyClU(28mg、0.08mmol)及びDIEA(0.04mL、0.21mmol)を溶解した溶液を80℃に加熱した。13時間後、溶液を逆相HPLC(グラジエント:45~95%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。単離された生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、(438)のTFA塩を得た。残渣をMeOHで希釈した。希釈物にMP-カーボネートを添加した。溶液を濾過し、濃縮して、(438)(8.2mg、収率44%)を得た、ES-MS[M+H]
+:450.2,LCMS保持時間:1.03分,
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.46(d,J=1.8Hz,1H),7.92(d,J=1.1Hz,1H),7.56-7.53(m,2H),7.40-7.37(m,3H),4.01-3.98(m,2H),3.91(d,J=7.3Hz,2H),3.41(ddd,J=11.7,11.7,1.7Hz,2H),2.42(s,3H),2.30-2.22(m,1H),1.61-1.57(m,2H),1.46-1.36(m,2H).
【0515】
【化186】
(S)-1-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-イル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(C42):トルエン(15mL)に、メチル4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(1g、6.23mmol)及び(R)-tert-ブチル3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシラート(1283mg、6.85mmol)を溶解した溶液に、2-(トリブチルホスホラニリデン)アセトニトリル(2255mg、9.34mmol)を添加した。反応混合物を120℃で16時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。その残渣をフラッシュカラム(0%~25%EaのPE溶液)で精製して、(C42)(1.3g、3.94mmol、収率63%)を黄色油状物として得た。
*1ESI-MS[M-tBu+2H]
+:274,
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ7.48(m,1H),5.71(m,1H),3.95(s,3H),3.79(m,1H),3.69-3.61(m,2H),3.50(m,1H),2.45(m,1H),2.30(m,1H),1.45(s,9H).
*1:このデータは、上記のように逆相LCMS法(2)で測定した。
【化187】
メチル(S)-4-クロロ-1-(1-(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(C43):HCl/ジオキサン(5mL、20.0mmol)に(C42)(1.3g、3.94mmol)を溶解した溶液を20℃で2時間撹拌した。化合物C42がTLCで消費された後、反応混合物を濃縮して、メチル4-クロロ-2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]ピラゾール-3-カルボキシレート塩酸塩(1g、3.76mmol)を白色固体として得、これをさらに精製することなくその後で使用した。DCM(5mL)にメチル4-クロロ-2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]ピラゾール-3-カルボキシレート塩酸塩(1g、3.76mmol)を溶解した溶液に、TEA(2.61mL、18.79mmol)及びシクロプロパンカルボニルクロリド(0.41mL、4.51mmol)を0℃で添加した。得られた混合物を0℃で0.5時間撹拌して黄色溶液を得た。TLC(Rf:0.4、PE/EtOAc=1/1)で新しいスポットを確認した後、反応混合物を濃縮して、水(10mL)に注ぎ、EtOAc(10mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラム(PEから50%EtOAcのPE溶液)で精製して、(C43)(1g、3.36mmol、収率89%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ7.51-7.48(m,1H),5.86-5.74(m,1H),4.18-3.76(m,8H),2.63-2.34(m,2H),1.04-0.99(m,2H),0.80-0.76(m,2H).
【0516】
【化188】
(S)-4-クロロ-1-(1-(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C44):メタノール(5mL)及び水(5mL)に(C43)(1g、3.36mmol)を溶解した溶液に水酸化リチウム水和物(282mg、6.72mmol)を添加した。混合物を20℃で4時間撹拌した。化合物C43がTLCで消費された後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ、1mol/L HCl水溶液でpH=2に酸性化した。水性混合物をDCM(50mL)で4回抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3水溶液(50mL)で2回洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させた。濾液を減圧下で濃縮して、(C44)(650mg、2.29mmol、収率68%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO)):δ7.76-7.74(m,1H),5.83-5.66(m,1H),4.08-3.50(m,5H),2.46-2.28(m,2H),0.73-0.68(m,4H).
【0517】
【化189】
4-クロロ-1-[(3S)-1-(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-[3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(454):MeCN(5mL)に(C44)(200mg、0.70mmol)を溶解した溶液に、(B2)(73.4mg、0.35mmol)及び1-メチル-1H-イミダゾール(0.2mL、2.47mmol)及びN-(クロロ(ジメチルアミノ)メチレン)-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(395.6mg、1.41mmol)を20℃で添加した。得られた混合物を20℃で4時間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。残渣にMeOH(1mL)を添加してから、1mon/L NaOH水溶液(1mL)を添加し、混合物を50℃で4時間撹拌した。反応混合物を水(5mL)に注ぎ、DCM(5mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(カラム:Welch Xtimate C18 150
*25mm
*5um)(水(0.2%Faを含有)/MeCN=55/45~15/85)で精製した。得られた流れを合わせ、濃縮してCH
3CNの大部分を除去し、凍結乾燥させて、(454)(52.4mg、0.11mmol、収率16%)を黄色固体として得た。
*1ESI-MS[M+1]
+:474.2,LCMS保持時間:1.20分,
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.61(m,1H),8.51(m,1H),7.77(m,1H),7.58-7.54(m,3H),7.39(m,3H),5.95(m,1H),4.18-3.65(m,5H),2.60-2.40(m,2H),2.39-2.36(m,3H),1.02-0.95(m,2H),0.80-0.74(m,2H)
*1:このデータは、上記のように逆相LCMS法(3)で測定した。
【化190】
(R)-1-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-イル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(C45):THF(6mL)に、(メチル4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート)(1.0g、6.23mmol)、((S)-tert-ブチル3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート)(1220mg、6.54mmol)及びPPh
3(2.12g、8.10mmol)を溶解した溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1640mg、8.10mmol)を10度で加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物に、EtOAc、H2O、次いでブラインを添加した。水性混合物をEtOAcで抽出し、次いで、有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して無機物を除去してから、濃縮した。残渣をSiO
2カラムクロマトグラフィー(nHexane/EtOAc=90/10~15/85)で精製して、(C45)(1.73g、収率84%)を無色油状物として得た。
*1ESI-MS[M-tBu+2H]
+:274,1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO):δ7.48(m,1H),5.71(m,1H),3.95(s,3H),3.79(m,1H),3.69-3.61(m,2H),3.50(m,1H),2.45(m,1H),2.30(m,1H),1.45(s,9H).
*1:このデータは、上記のように逆相LCMS法(3)で測定した。
【化191】
(R)-1-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-イル)-4-クロロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(C46):THF-MeOH(6.68mL-6.68mL)に(C45)(1.66g、5.28mmol)を溶解した溶液に、2mon/LのNaOH水溶液(6.3mL、12.7mmol)を添加し、反応混合物を室温で45分間攪拌した。反応混合物に、1mol/L HCl水溶液(15mL)を添加し、水性混合物をEtOAcで抽出し、次いで、有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、(C46)(1.67g、定量的)を無色の油状物として得た。
*1ESI-MS[M-tBu+2H]
+:260,
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO)):δ7.75(m,1H),5.67(m,1H),3.68(m,1H),3.53-3.25(m,3H),2.38-2.20(m,2H),1.40-1.37(m,9H).
*1:このデータは、上記のように逆相LCMS法(3)で測定した。
【化192】
tert-ブチル(R)-3-(4-クロロ-5-((3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(C47):NMP(3.2mL)に、(C46)(400mg、1.27mmol)及び(B2)(277mg、1.33mmol)を溶解した溶液に、4-メチルモルホリン(0.28mL、2.53mmol)を添加した。反応混合物に、クロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(533mg、1.90mmol)を0度で添加した。得られた混合物を室温で2.5時間撹拌した。反応混合物に、EtOAc、H
2O、次いで1mol/L HCl水溶液を添加した。有機層を分離し、飽和NaHCO
3水溶液及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をSiO
2カラムクロマトグラフィー(nHexane/EtOAc=92/8~65/35)で精製して、(C47)(174mg、27%)を黄色アモルファス粉末として得た。
*1ESI-MS[M+1]
+:506(M+H),
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO)):δ10.98(brs,1H),8.40(brs,1H),7.95(m,1H),7.70(s,1H),7.60-7.57(m,2H),7.46-7.39(m,3H),5.25(brs,1H),3.71(m,1H),3.60(m,1H),3.52-3.25(m,2H),2.38-2.25(m,5H),1.40(s,9H).
*1:このデータは、上記のように逆相LCMS法(3)で測定した。
【化193】
(R)-4-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-1-(ピロリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(C48):MeOH(1.2mL)に(C47)(163mg、0.322mmol)を溶解した溶液に、メタンスルホン酸(0.084mL、1.29mmol)を添加した。得られた混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物をNaHCO
3水溶液に添加し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(C48)(129mg、収率99%)を黄色アモルファス粉末として得た。
*1ESI-MS[M+1]
+:406,
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO)):δ8.41(m,1H),7.96(m,1H),7.65(s,1H),7.60-7.54(m,2H),7.48-7.42(m,3H),5.06(m,1H),3.25-2.80(m,4H),2.29(s,3H),2.24-2.08(m,2H).
*1:このデータは、上記のように逆相LCMS法(3)で測定した。
【化194】
4-クロロ-1-[(3R)-1-(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-[3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(455):THF-MeCN(0.6mL~0.6mL)に(C48)(60mg、0.148mmol)を溶解した溶液に、シクロプロパンカルボン酸(12.7mg、0.148mmol)、Et
3N(0.0247mL、0.177mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(24.9mg、0.163mmol)及びEDC-HCl(31.2mg、0.163mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を1mol/L HCl水溶液に注いで、EtOAcで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をSiO
2カラムクロマトグラフィー(nHexane/EtOAc=50/50~0/100)で精製して、(455)(56mg、収率80%)を淡黄色アモルファス粉末として得た。
*1ESI-MS[M+1]
+:474.2,LCMS保持時間:1.20分,
1H NMR(400MHz,((CD
3)
2SO)):δ11.00(brs,1H),8.40(brs,1H),7.96(brs,1H),7.70(m,1H),7.62-7.52(m,2H),7.50-7.39(m,3H),5.45-5.22(m,1H),4.22-3.20(m,5H),2.38-2.30(m,2H),2.31(m,3H),0.80-0.68(m,4H).
*1:このデータは、上記のように逆相LCMS法(3)で測定した。
【0518】
表1に示す化合物を、適切な出発物質を用いて同様の方法で調製し、本発明者らのTREK-1 タリウム(Tl+)フラックスアッセイで評価した。
【0519】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【表1-22】
【表1-23】
【表1-24】
【表1-25】
【表1-26】
【表1-27】
【表1-28】
【表1-29】
【表1-30】
【表1-31】
【表1-32】
【表1-33】
【表1-34】
【表1-35】
【表1-36】
【表1-37】
【表1-38】
【表1-39】
【表1-40】
【表1-41】
【表1-42】
【表1-43】
【表1-44】
【表1-45】
【表1-46】
【表1-47】
【表1-48】
【表1-49】
【表1-50】
【表1-51】
【表1-52】
【表1-53】
【表1-54】
【表1-55】
【表1-56】
【表1-57】
【表1-58】
【表1-59】
【表1-60】
【表1-61】
【表1-62】
【表1-63】
【表1-64】
【表1-65】
【表1-66】
【表1-67】
【表1-68】
【表1-69】
【表1-70】
【表1-71】
【表1-72】
【表1-73】
【表1-74】
【表1-75】
【表1-76】
【表1-77】
【表1-78】
【表1-79】
*1:このデータは、上記のように逆相LCMS法(3)で測定した。
*2:溶出のピーク(SFCで分析)保持時間3.35分,カラム:Lux Cellulose;カラム寸法:20×250mm;共溶媒:MeOH;グラジエントプロファイル:30%イソクラティック;流速:80mL/分
*3:溶出のピーク(SFCにより分析)保持時間8.54分 カラム:Lux Cellulose;カラム寸法:20×250mm;共溶媒:MeOH;グラジエントプロファイル:30%イソクラティック;流速:80mL/分
*4:114合成時のBoc中間体(D21に相当する中間体)の溶出のピーク(SFCで分析)保持時間5.6分、カラム:Chiralpak Ia;カラム寸法:20×250mm;共溶媒:MeOH;グラジエントプロファイル:20%イソクラティック;流速:80mL/分
*5:31合成時のBoc中間体(D21に相当する中間体)の溶出のピーク(SFCで分析)保持時間6.56分、カラム:Chiralpak Ia;カラム寸法:20×250mm;共溶媒:MeOH;グラジエントプロファイル:20%イソクラティック;流速:80mL/分
*6:261合成時のBoc中間体(D21に相当する中間体)の溶出のピーク(SFCで分析)保持時間8.09分,カラム:Chiralpak Ia;カラム寸法:20×250mm;共溶媒:MeOH;グラジエントプロファイル:20%イソクラティック;流速:80mL/分
*7:86合成時のBoc中間体(D21に相当する中間体)の溶出のピーク(SFCで分析)保持時間18.43分,Column:ChiralpakIa;カラム寸法:20×250mm;共溶媒:MeOH;グラジエントプロファイル:20%イソクラティック;流速:80mL/分
*8:362合成時のカルボン酸中間体(C11のカルボン酸に相当する中間体)の溶出のピーク(逆相LCMS法(1)で分析)保持時間0.902分
*9:363合成時のカルボン酸中間体(C11のカルボン酸に相当する中間体)の溶出のピーク(逆相LCMS法(1)で分析)保持時間0.909分
*10:溶出のピーク(SFCによって分析)保持時間3.14分、カラム:Chiralpak AS-3 100×4.6mmI.D.、3um;移動相:A:CO2、B:エタノール(0.05%DEA);グラジエント:4分間で5%から40%のB、2.5分間40%を保持、次いで1.5分間で5%のB;流速:2.8mL/分、カラム温度:35度、ABPR:1500psi
*11:溶出のピーク(SFCによって分析)保持時間3.49分、カラム:Chiralpak AS-3 100×4.6mmI.D.、3um;移動相:A:CO2、B:エタノール(0.05%DEA);グラジエント:4分間で5%から40%のB、2.5分間40%を保持、次いで1.5分間で5%のB;流速:2.8mL/分、カラム温度:35度、ABPR:1500psi
*12:このデータは、上記のようにTREK1タリウム流動アッセイの方法2によって測定した。
*13:このデータは、上記のように逆相LCMS法(2)で測定した。
【0520】
表2に示す化合物を、適切な出発物質を用いて同様の方法で調製し、本発明者らのTREK-1マニュアルパッチクランプ(hMPC)アッセイで評価した。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
*1:このデータは、上記のように逆相LCMS法(3)で測定した。
*2:溶出のピーク(SFCで分析)保持時間3.35分,カラム:Lux Cellulose;カラム寸法:20×250mm;共溶媒:MeOH;グラジエントプロファイル:30%イソクラティック;流速:80mL/分
【0521】
表3に示す化合物を、適切な出発物質を用いて同様の方法で調製し、本発明者らのTREK-1タリウム(Tl+)フラックスアッセイで評価した。
【0522】
【0523】
[実施例1]インビボ薬理試験結果
MK-801誘発新規物体認識障害
薬物:試験化合物を10%Tween80/90%滅菌水ビヒクルで調製した。手持ち式ホモジナイザーで激しくボルテックスし、超音波処理した後、調製した化合物を39℃の超音波水浴に1時間入れた。試験化合物は、投与液10mL/kg体重の経口投与(p.o.)又は1mL/kg体重の腹腔内投与(i.p.)が可能な濃度に調製した。MK-801マレイン酸水素をSigma(ミズーリ州セントルイス)から入手し、滅菌生理食塩水に溶解し、1mL/kg体重の量を皮下投与した。
【0524】
動物:体重175~300gの成体雄性Sprague-Dawleyラット(インディアナポリス、インディアナ州、エンビーゴ)を使用した。それらを米国実験動物認定協会(AALAC)によって認定された動物飼育施設に、12時間の明/暗サイクル(点灯:午前6時;消灯:午後6時)の下で飼育し、食物及び水へのアクセスを自由とした。動物を試験前の最低5日間飼育施設に順応させ、明期の間に行動試験を実施した。全ての実験は、ヴァンダービルト大学の施設内動物管理使用委員会によって承認され、米国学術研究会議によって確立されたガイドライン「実験動物の管理及び使用のためのガイド」に準拠した。
【0525】
装置:新規物体認識試験のために、不透明のプラスチックチャンバ(41.2cm×65.4cm×34.9cm)を使用した。チャンバの両端に、試験対象(滅菌水を充填した高さ20cmのゲータレードボトル)又は22cmの高さの金属箱)を配置することができた)。動物の行動を記録するための装置の上方にビデオカメラを取り付けた。
【0526】
手順:
順化.行動試験の少なくとも1日前に、動物を空の試験室に、すなわちいかなる物体も存在しない状態で10分間慣れさせた。
【0527】
訓練.ビヒクル又はMK-801の投与の30分後、動物を、2つのトラフィックコーン又は2つの磁気ロッドのいずれかの2つの同一の物体を含む試験チャンバに10分間のセッション期間にわたって入れた。その後、動物を飼育ケージに戻した。
認識.訓練セッションが終了して90分後、2つの同一の物体の一方が新規の物体によって置き換えられた試験チャンバに動物を再び戻した。(例:2つのトラフィックコーンを用いた訓練セッション-1つのトラフィックコーン及び1つの磁気ロッドを用いた認識セッション)合計5分間。
【0528】
行動分析:
処置条件及び新規の対象物の位置を知らされていない観察者は、録画を用いて、動物と2つの対象物との相互作用をオフラインでスコア付けした。動物が各物体を探索した期間は、動物が、その鼻が物体から2cm以下の距離にあり、なんらかの認識可能なひげの動きがある状態で、物体に面していた合計時間として求めた。これらのデータから、判別指数を以下のように算出した。
判別指数=100×(新規物体探索時間-既知物体探索時間)/新規物体探索時間+既知物体探索時間)
【0529】
データ分析:1-WAY ANOVAの後Dunnett検定により、必要に応じてGraphPad Prism7ソフトウェアパッケージを使用して、データを分析した。p値≦0.05を有意差とした。
【0530】
結果:0.1mg/kg、0.3mg/kg及び1mg/kgで投薬された化合物12、並びに0.2mg/kgで投薬されたMK-801は、記憶機能の前臨床齧歯類モデルであるNovel Object Recognition TaskにおけるMK-801誘導性欠損を用量依存的に回復させた。データを
図1に示す。
【0531】
結論:化合物12の全身投与は、記憶機能の前臨床齧歯類モデルであるNovel Object Recognition TaskにおいてMK-801誘発性欠損を回復させた。
【0532】
[実施例2]インビトロ薬物代謝及び薬物動態
血漿タンパク質及び脳ホモジネート結合、肝ミクロソーム内在性クリアランス及びP450阻害を調べるために、化合物12をいくつかのインビトロアッセイで試験した。これらのアッセイは、以下の参考文献、すなわち、Conde-Ceideら、ACS Med.Chem.Lett.2015,6,716-720、Morrisら、J.Med.Chem.2014,57,10192-10197、及びBubserら、ACS Chem.Neurosci.2014,5,920-942に一般的に記載されている公知の方法に従って実施した。結果を表4に示す。以下の表の説明で使用されている略語は以下の通りであり、PPBは血漿タンパク質結合であり、BHBは脳ホモジネート結合であり、CLintは肝ミクロソームの固有クリアランスである。
【0533】
【0534】
[実施例3]インビボ薬物代謝及び薬物動態
化合物12をいくつかのインビボアッセイで試験して、薬物動態及び脳内分布を調べた。ラットの静脈内カセット投与の結果を表5に示す。以下の表の説明で使用されている略語は以下の通りであり、すなわち、CLpはプラズマクリアランスであり、Vssは定常状態における分布体積であり、Elim.t1/2は、排出の半減期であり、Kpは組織分布分配係数であり、Kp,uuは非結合組織分布分配係数である。
【0535】
【0536】
前述の詳細な説明及び添付の実施例は単なる例示であり、本発明の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ定義されることが理解される。
【0537】
開示された実施形態に対する様々な変更及び改変は、当業者には明らかである。本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成物、組成物、製剤又は使用方法に関するものを含むがこれらに限定されないそのような変更及び改変は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。
【0538】
本化合物は、強力なTREK阻害を有するため、TREK-1、TREK-2、又はTREK-1及びTREK-2の両方のチャネル活性に関連する種々の神経学的及び/又は精神医学的障害、特に、うつ病、統合失調症、不安障害、双極性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、22q11.2欠失症候群、神経因性疼痛、脳梗塞の治療及び/又は予防剤として有用である。
【0539】
本化合物は、強力なTREK活性化を有するため、TREK-1、TREK-2又はTREK-1とTREK-2の両方のチャネル機能障害に関連する種々の障害、特に、疼痛、片頭痛、鼻炎症、心房細動、急性呼吸窮迫症候群、急性肺傷害、過活動膀胱、脳虚血、てんかん、筋萎縮性側索硬化症、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、敗血症、膵臓がん、クッシング症候群、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患、骨折、骨粗鬆症、側頭葉てんかん、統合失調症、大腸炎又は依存の予防及び/又は治療剤として有用である。
【国際調査報告】