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特表2022-553284TREK(TWIK関連K+チャネル)チャネル機能の阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(54)【発明の名称】TREK(TWIK関連K+チャネル)チャネル機能の阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07C 237/40 20060101AFI20221215BHJP
   C07C 271/28 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20221215BHJP
   C07D 213/75 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 31/4433 20060101ALI20221215BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 31/4427 20060101ALI20221215BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20221215BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 31/27 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20221215BHJP
   C07D 401/06 20060101ALI20221215BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20221215BHJP
   C07D 241/20 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 31/4965 20060101ALI20221215BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20221215BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20221215BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20221215BHJP
   C07D 413/04 20060101ALI20221215BHJP
   C07D 409/04 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 31/4436 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
C07C237/40
C07C271/28 CSP
A61P43/00 111
A61P25/24
A61P25/18
A61P25/22
A61P25/28
A61P25/16
A61P25/14
A61P21/00
A61P9/10
A61P25/02 101
A61P29/00
A61K31/44
C07D213/75
A61K31/444
A61K31/4433
C07D405/12
A61K31/4427
C07D401/12
C07D413/14
A61K31/4439
A61K31/27
A61K31/497
C07D401/06
C07D401/04
C07D241/20
A61K31/4965
C07D405/14
C07D413/12
A61K31/5377
C07D417/12
A61K31/167
C07D413/04
C07D409/04
A61K31/4436
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523359
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 JP2020039994
(87)【国際公開番号】W WO2021080013
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】62/925,475
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000185983
【氏名又は名称】小野薬品工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】509346070
【氏名又は名称】バンダービルト ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100134784
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和美
(72)【発明者】
【氏名】リンゼイ, クレイグ ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】エンガーズ, ダレン ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】チルドレス, エリザベス エス.
(72)【発明者】
【氏名】ボリンジャー, ショーン アール.
(72)【発明者】
【氏名】シュミット, ジョーザ
(72)【発明者】
【氏名】チョプコ, トレバー シー.
(72)【発明者】
【氏名】デントン, ジェロッド エス.
(72)【発明者】
【氏名】田中 元之
(72)【発明者】
【氏名】倉田 晴登
【テーマコード(参考)】
4C055
4C063
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C055AA01
4C055BA02
4C055BA03
4C055BA06
4C055BA08
4C055BA13
4C055BA16
4C055BA39
4C055BA53
4C055BA58
4C055BB04
4C055BB10
4C055BB15
4C055CA02
4C055CA03
4C055CA06
4C055CA08
4C055CA13
4C055CA25
4C055CA28
4C055CA39
4C055CA42
4C055CA53
4C055CA58
4C055CB04
4C055CB10
4C055CB15
4C055DA01
4C055DA06
4C055DA39
4C055EA01
4C055FA15
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063BB02
4C063BB03
4C063BB07
4C063BB08
4C063BB09
4C063CC12
4C063CC22
4C063CC34
4C063CC51
4C063CC58
4C063CC62
4C063CC72
4C063CC73
4C063CC78
4C063CC82
4C063CC94
4C063DD02
4C063DD03
4C063DD07
4C063DD12
4C063DD22
4C063DD58
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC17
4C086BC48
4C086BC67
4C086BC71
4C086BC73
4C086BC82
4C086GA02
4C086GA03
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA10
4C086GA12
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZA21
4C086ZA36
4C086ZA40
4C086ZA94
4C086ZC41
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
4C206GA02
4C206GA17
4C206GA31
4C206HA22
4C206KA01
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206NA14
4C206ZA02
4C206ZA08
4C206ZA12
4C206ZA16
4C206ZA18
4C206ZA21
4C206ZA36
4C206ZA40
4C206ZA94
4C206ZC41
4C206ZC75
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB20
4H006BJ50
4H006BM30
4H006BM72
4H006BP30
4H006BU46
4H006BV74
(57)【要約】
式(I)の化合物が開示されており、式中、全ての記号は本明細書で定義される。本化合物を含む医薬組成物、本化合物を作製する方法、本化合物を含むキット、及び哺乳動物におけるTREK-1、TREK-2、又はTREK-1及びTREK-2の両方の調節不全に関連する障害を治療するために本化合物を使用する方法もまた開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中、
Lは、(1)結合、(2)C2~C4-アルキニレン、(3)-(C1~C10-アルキレン)-O-、(4)-O-(C1~C10-アルキレン)-、(5)-(6から15員のアリール)-、(6)-(5から15員のヘテロアリール)-、(7)-(3から15員の複素環)-、及び(8)-(C3~C10-シクロアルカン)-から選択され、
Wは、(1)CH、(2)CR及び(3)Nから選択され、
Zは、(1)CH、(2)CR及び(3)Nから選択され、
及びRは各々独立して、(1)シアノ、(2)ハロゲン、(3)ペンタハロスルファニル、(4)C1~C10-チオアルキル、(5)C1~C10-アルコキシ、(6)C1~C10-アルキル、(7)C2~C10-アルケニル、(8)C2~C10-アルキニル、(9)-OR、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル、(13)C2~C10-ヘテロアルキル、(14)3から15員の複素環、及び(15)-(CR1011-Qから選択され、
ここで、R又はRの(4)~(8)の各々は、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよく、R又はRの(10)~(14)の各々は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
は、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
10は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
11は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
又は、R10及びR11がC1~C10-アルキルである場合、R10及びR11は、それらが結合している炭素原子と一緒にC3~C10-シクロアルキルを任意に形成してもよく、
nは、0、1、2、3又は4であり、
Qは、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OR101、(4)-SR102、(5)-C(=O)R103、(6)-C(=O)OR104、(7)-S(=O)R105、(8)-SO106、(9)-NR107108、(10)-C(=O)NR109110、(11)-SONR111NR112、(12)6から15員のアリール、(13)5から15員のヘテロアリール、(14)C3~C10-シクロアルキル、及び(15)3から15員の複素環から選択され、Qの(12)~(15)の各々は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
101、R102、R103、R104、R105、R106、R107、R108、R109、R110、R111及びR112は、各々独立して、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
は、(1)水素及び(2)-NHから選択され、
Xは、(1)CH、(2)CR12及び(3)Nから選択され、
12は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
Yは、(1)CH、(2)CR13及び(3)Nから選択され、
13は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
Rは、(1)6から15員のアリール及び(2)5から15員のヘテロアリールから選択され、これらは、各々、1から5個のR14で任意に置換されていてもよく、
ここで、複数のR14は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
14は、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)ペンタハロスルファニル、(4)C1~C10-アルキル、(5)C1~C10-チオアルキル、(6)C1~C10-アルコキシ、(7)C2~C10-アルケニル、(8)C2~C10-アルキニル、(9)6から15員のアリール及び(10)-ORから選択され、ここで、R14の(4)~(9)の各々は、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよく、
は、(1)C1~C10-アルキル、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルコキシ、(4)C1~C10-ハロアルキル、(5)C1~C10-ハロアルコキシ、及び(6)シアノから選択され、
は、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル、(3)ハロゲン、(4)C1~C10-アルコキシ、(5)C1~C10-ハロアルキル、(6)C1~C10-ハロアルコキシ、及び(7)シアノから選択され、
は、(1)水素及び(2)C1~C10-アルキルから選択され、
は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル、(4)C1~C10-ハロアルキル、(5)シアノ、並びに(6)(1)ハロゲン(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C10-シクロアルキルから選択され、
又は、R及びRは、一緒になって、(1)-CR4142-、(2)-CR4344-CR4546-、(3)-CR47=CR48-を任意に形成してもよく、
41、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48は、各々独立して、(1)水素及び(2)C1~C10-アルキルから選択され、
は、(1)水素、(2)シアノ、(3)-NH、(4)C1~C10-アルキル、(5)C1~C10-アルコキシ、(6)-NH-C(=O)-R15、(7)-NH-C(=O)-O-R16、(8)-O-R17、(9)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(10)-C(=O)-R19、(11)-C(=O)-NH-R20、(12)-(C1~C10-アルキレン)-(CR2122-R23、(13)6から15員のアリール、(14)5から15員のヘテロアリール、(15)C3~C10-シクロアルキル、及び(16)3から15員の複素環から選択され、
の(4)、(5)、(9)及び(12)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(13)~(16)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
ただし、Rが水素である場合、Rは-NHであり、
15、R16、R17、R18、R19及びR20は、各々独立して、(1)C1~C10-アルキル、(2)C1~C10-アルコキシ、(3)6から15員のアリール、(4)5から15員のヘテロアリール、(5)C3~C10-シクロアルキル及び(6)3から15員の複素環から選択され、R15、R16、R17、R18、R19又はR20の(1)及び(2)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、R15、R16、R17、R18、R19又はR20の(3)~(6)の各々は、1から5個のR25で任意に置換されていてもよく、
21及びR22は、各々独立して、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル、及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択されるか、
又は、R21及びR22がC1~C10-アルキルである場合、R21及びR22は、それらが結合している炭素原子と一緒にC3~C10-シクロアルキルを任意に形成してもよく、
pは、0、1、2、3又は4であり、
23は、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OR201、(4)-SR202、(5)-C(=O)R203、(6)-C(=O)OR204、(7)-S(=O)R205、(8)-SO206、(9)-NR207208、(10)-C(=O)NR209210、(11)-SONR211212、(12)6から15員のアリール、(13)5から15員のヘテロアリール、(14)C3~C10-シクロアルキル、及び(15)3から15員の複素環から選択され、R23の(12)~(15)の各々は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
201、R202、R203、R204、R205、R206、R207、R208、R209、R210、R211及びR212は、各々独立して、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
24及びR25は各々独立して、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OH、(4)オキソ、(5)C1~C10-アルキル、(6)C1~C10-アルコキシ、(7)-(C1~C10-アルキレン)-NR2627、(8)C3~C10-シクロアルキル、(9)3から15員の複素環及び(10)-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)から選択され、ここでR24又はR25の(5)~(7)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)シアノから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよく、R24又はR25の(8)~(10)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C10-アルキル及び(5)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよく、
26及びR27は、各々独立して、(1)水素及び(2)C1~C10-アルキルから選択され、
複数のR24及びR25は、互いに同じであっても異なっていてもよい]
の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式(Ia):
【化2】
[式中、全ての記号は請求項1に定義される通りである]
の化合物である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
は、(1)シアノ、(2)-NH、(3)-NH-C(=O)-R15、(4)-NH-C(=O)-O-R16、(5)-O-R17、(6)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(7)-C(=O)-R19、(8)-C(=O)-NH-R20、(9)6から15員のアリール、(10)5から15員のヘテロアリール、(11)C3~C10-シクロアルキル及び(12)3から15員の複素環から選択され、
の(6)は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(9)~(12)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
他の記号は請求項1に定義される通りである、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
式(Ia-1-1):
【化3】
[式中、
1aは、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
8aは、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル、及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
5aは、(1)シアノ、(2)-NH、(3)-NH-C(=O)-R15、(4)-NH-C(=O)-O-R16、(5)-O-R17、(6)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(7)-C(=O)-R19、(8)-C(=O)-NH-R20、(9)6から15員のアリール、(10)5から15員のヘテロアリール、(11)C3~C10-シクロアルキル及び(12)3から15員の複素環から選択され、
5aの(6)は(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(9)~(12)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
他の記号は請求項1に定義される通りである]
の化合物である、請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
5aは、(1)-NH-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(2)-NH-C(=O)-(3から15員の複素環)、(3)ハロゲン、シアノ及び-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)、(4)ハロゲン、シアノ及び-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C10-アルキル)、(5)-O-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)、(6)-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(7)-C(=O)-(3から15員の複素環)、(8)-C(=O)-NH-(C1~C10-アルキル)及び(9)5から15員のヘテロアリールから選択され、
5aの(1)、(2)及び(5)~(9)の各々は、1から5個のR51で任意に置換されていてもよく、
複数のR51は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
51は独立して、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OH、(4)C1~C10-アルキル、(5)C1~C10-アルコキシ、(6)-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)、(7)C3~C10-シクロアルキル及び(8)3から15員の複素環から選択され、
51の(4)~(8)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C10-アルキル及び(5)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよい、請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
式(Ia-1-2):
【化4】
[式中、全ての記号は請求項1又は4に定義される通りである]
の化合物である、請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
5aは、(1)-NH-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(2)-NH-C(=O)-(3から15員の複素環)、(3)ハロゲン、シアノ及び-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)、(4)ハロゲン、シアノ及び-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C10-アルキル)、(5)-O-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)、(6)-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(7)-C(=O)-(3から15員の複素環)、(8)-C(=O)-NH-(C1~C10-アルキル)及び(9)5から15員のヘテロアリールから選択され、
5aの(1)、(2)及び(5)~(9)の各々は、1から5個のR51で任意に置換されていてもよく、
複数のR51は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
51は独立して、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OH、(4)C1~C10-アルキル、(5)C1~C10-アルコキシ、(6)-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)、(7)C3~C10-シクロアルキル及び(8)3から15員の複素環から選択され、
51の(4)~(8)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C10-アルキル及び(5)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよい、請求項6に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
式(Ib):
【化5】
[式中、全ての記号は請求項1に定義される通りである]
の化合物である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
Rは、1から5個のR14で任意に置換されていてもよいフェニルであり、
はハロゲンであり、
は、(1)C1~C10-アルキル、(2)C1~C10-アルコキシ、(3)-NH-C(=O)-R15、(4)-NH-C(=O)-O-R16、(5)-O-R17、(6)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(7)-C(=O)-R19、(8)-C(=O)-NH-R20、(9)-(C1~C10-アルキレン)-(CR2122-R23、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル及び(13)3から15員の複素環から選択され、
の(1)、(2)、(6)及び(9)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(10)~(13)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
他の記号は請求項1に定義される通りである、請求項8に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
式(Ic):
【化6】
[式中、Ring Bは、(1)6から15員のアリール及び(2)5から15員のヘテロアリールから選択され、
その他の記号は請求項1に定義される通りである]
の化合物である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
Ring Bは、
【化7】
から選択され、
[式中、右矢印は6員環との結合位置であり、左矢印はRとの結合位置であり、
Rは、1から5個のR14で任意に置換されていてもよいフェニルであり、
はハロゲンであり、
は、(1)C1~C10-アルキル、(2)C1~C10-アルコキシ、(3)-NH-C(=O)-R15、(4)-NH-C(=O)-O-R16、(5)-O-R17、(6)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(7)-C(=O)-R19、(8)-C(=O)-NH-R20、(9)-(C1~C10-アルキレン)-(CR2122-R23、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル及び(13)3から15員の複素環から選択され、
ここで、Rの(1)、(2)、(6)及び(9)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(10)~(13)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
他の記号は請求項1に定義される通りである]
の化合物である、請求項10に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
前記化合物が、
(1)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(2)2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-[[(1S,2S)-2-メチルシクロプロパンカルボニル]アミノ]ベンズアミド、
(3)2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-[(2-メチルシクロプロパンカルボニル)アミノ]ベンズアミド、
(4)2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-2-ピリジル]-5-[[(1S,2S)-2-メチルシクロプロパンカルボニル]アミノ]ベンズアミド、
(5)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(6)2-クロロ-5-[(1-フルオロシクロプロパンカルボニル)アミノ]-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(7)2-クロロ-5-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-N-[3-フルオロ-5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-2-ピリジル]ベンズアミド、
(8)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(9)2-クロロ-5-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(10)N-[4-クロロ-3-[[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
(11)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[6-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-2,4-ジメチル-3-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(12)N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]オキセタン-2-カルボキサミド、
(13)N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
(14)N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
(15)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[3-メチル-5-[2-(2-ピリジル)エチニル]-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(16)2-クロロ-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-カルボニル)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(17)4-クロロ-N1-(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-エチル)-N3-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンゼン-1,3-ジカルボキサミド、
(18)2-クロロ-N-[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]-5-(3-ヒドロキシ-3-メチル-アゼチジン-1-カルボニル)ベンズアミド、
(19)2-クロロ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-(5-テトラヒドロフラン-3-イル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド、
(20)2-クロロ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-(テトラヒドロピラン-4-イルメトキシ)ベンズアミド、
(21)2-クロロ-5-[[(2R)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ]-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(22)2-クロロ-5-(1,4-ジオキサン-2-イルメトキシ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(23)2-クロロ-5-[[(2S)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ]-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(24)2-クロロ-5-(2-メトキシエトキシ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(25)tert-ブチル (3-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロフェニル)カルバメート、
(26)tert-ブチル (4-クロロ-3-((2-メチル-4-(フェノキシメチル)フェニル)カルバモイル)フェニル)カルバメートである、
請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項14】
TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤である、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する障害を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に治療有効量の請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を含む、方法。
【請求項16】
TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する障害が、TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する神経障害及び/又は精神障害である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
哺乳動物においてTREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらす前記TREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する神経障害及び/又は精神障害が、うつ病、統合失調症、不安障害、双極性うつ病、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、神経因性疼痛又は脳梗塞から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、並びに、
(a)TREK1チャネル活性を低下させることが知られている少なくとも1つの薬剤、(b)TREK2チャネル活性を低下させることが知られている少なくとも1つの薬剤、(c)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREKチャネル機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療することが知られている少なくとも1つの薬剤、(d)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療するための説明書、及び(e)認知行動療法に関連して前記化合物を投与するための説明書、のうちの1つ以上
を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、K2P Kチャネルに関連する障害、具体的には、TREK-1、TREK-2又はTREK-1及びTREK-2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK(TWIK関連Kチャネル)機能障害を治療するための化合物、組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カリウム(K)チャネルは、生物の実質的に全ての細胞で発現される膜タンパク質である。Kチャネルサブユニット(約80遺伝子)は、シェーカー型電位依存性(Kv)、内向き整流性(Kir)及び二孔ドメインを有するKチャネル(K2P)を含む3つの主要な構造クラスに分けることができる(Kubo et al.,Pharmacol Rev.2005,57,509,Gutman,et al.Pharmacol Rev.2005,57,473,Goldstein et al.Pharmacol Rev.2005,57,527)。Kチャネルの3番目のファミリーは20年前に発見された(Leasge et al.EMBO J.1996,15,1004)。15個のヒトK2P Kチャネルがこれまでに同定されており、6つの構造サブグループ、すなわち、TWIK、TREK(TWIK関連Kチャネル)、TASK(TWIK関連酸感受性Kチャネル)、TALK(TWIK関連ALkaline pH活性化Kチャネル)、THIK(タンデム細孔ドメインハロタン阻害Kチャネル)及びTRESK(TWIK関連脊髄Kチャネル)に分類されている(Enyedi et al.Physiol.Rev.2010,90,559)。K2P Kチャネルは、バックグラウンド電流又は「リーク」K電流を担う。これらのチャネルは、膜伸張、温度、アシドーシス、脂質及び吸入麻酔薬などの様々な物理的及び化学的刺激によって調節される。さらに、チャネル活性は、膜受容体刺激及びセカンドメッセンジャーのリン酸化経路によって厳密に制御される。この新規なKチャネルファミリーのいくつかのメンバーは、中枢神経系及び末梢神経系で多く発現しており、重要な生理学的役割を果たすと提唱されている(TRENDs in Neurosci.2001)。
【0003】
TREKサブグループに属するTREK-1、TREK-2は、リゾリン脂質と、アラキドン酸を含むPUFAとによって活性化される熱及び機械ゲートKチャネルである。これらは、PKA及びPKCリン酸化を介してGタンパク質共役受容体によって調節される(Channels(Austin).2011 Sep-Oct;5(5):402-9)。TREK-1遺伝子はCNSで広く発現され、末梢での分布は限定的である。CNSでは、TREK-1の発現は、線条体組織、尾状突起及び被殻、並びに脊髄、胎児脳、扁桃体及び視床において最も多い。末梢では、TREK-1発現が心臓、胃及び小腸で観察される。TREK-2遺伝子は、TREK-1と比較して非常に類似した発現プロファイルを有し、特に尾腺、被殻及び胎児の脳で多く発現する。しかしながら、TREK-1とは対照的に、TREK-2はまた、小脳及び脳梁並びにいくつかの末梢組織、特に腎臓において多く発現される(Mol.Brain Res.2001,86,101)。
【0004】
TREK-1欠損マウスは、セロトニン(5-HT)神経伝達の有効性の増加、及びうつ病耐性表現型を示す(Nature Neurosci.2006,9,1134)。天然に存在するペプチドであるスパジンは、TREK-1を遮断し、抗うつ効果の迅速な発現をもたらす(Br.J.Pharmacol.2014,172,771)。さらに、フルオキセチン及びパロキセチンなどの抗うつ薬は、TREKチャネルを直接阻害する(Nat.Neurosci.2006,9,1134;Br.J.Pharmacol.2005,144,821)。したがって、小分子によるTREK-1の阻害は、うつ病並びに他の気分障害の治療に有望である(Front.Pharmacol.2018,9,863)。
【0005】
TREK-1の阻害は、麻酔によって誘発される認知障害からマウスを保護し、海馬における高密度と相まって、TREK-1は、揮発性麻酔薬によって誘発される記憶障害及び認知障害を伴う他のCNS障害に対する潜在的な治療標的である(Neurobiology of Learning and Memory、2017、145、199)。TREK-1遺伝子発現は、健常対照と比較して統合失調症患者の海馬で増加している(Neuropsychopharmacology 2010,35,239-57.)。TREK-1を標的とするマイクロRNAの髄腔内注射は、慢性狭窄坐骨神経損傷(Neurochem Res.2018、43、1143)によって誘発される神経障害性疼痛を改善し、TREK-1の阻害が認知障害及び神経障害性疼痛に有効であり得ることを示唆する。TREK-1のノックダウンは、インビトロ及びインビボで前立腺がん細胞の増殖を有意に阻害し、G1/S細胞周期停止を誘導する(Cancer Res.2008,68,1197-203.,Oncotarget.2015,6,18460-8)。TREK-1はヒト卵巣がん組織でも過剰発現し、TREK-1阻害剤(クルクミン及びL-メチオニン)の処置は卵巣がん細胞の増殖を抑制し、後期アポトーシスを増加させる(Clin.Transl.Oncol.2013,15,910-8.)。したがって、TREK-1阻害剤は、前立腺がん及び卵巣がんの治療に有用であり得る。
【0006】
ニューロテンシン(NT)は、嗅内皮質II層星状ニューロンにおけるPLC/PKC経路のNT受容体1媒介活性化を介してTREK-2電流を抑制し、膜電位の脱分極及びニューロン興奮性の増強をもたらす。さらに、NT誘導性の空間学習の増強は、TREK-2 KOマウスでは減少しており、TREK-2阻害剤がアルツハイマー病などの認知障害の治療に有用であり得ることを示唆している(J.Neurosci.2014,34,7027-42.)。TREK-2は、ヒト膀胱がん細胞で発現しており、TREK-2が静止膜電位の調節に寄与する。TREK-2 KDは細胞増殖を減少させる(Korean J.Physiol.Pharmacol.2013,17,511-6.)。したがって、TREK-2阻害剤はまた、膀胱がんの治療に有効であり得る。
【0007】
低分子阻害剤によるTREK-1の選択的阻害は、うつ病、統合失調症、認知症を含む認知障害、神経因性疼痛、脳卒中、前立腺がん及び卵巣がんに対して潜在的な治療上の利益を有する(Nat.Neurosci.2006,9,1134,Neuropsychopharmacology 2010,35,239,Neurobiol.Learn Mem.2017,145,199,Neurochem Res.2018,43,1143,Neurosci Lett.2018,671,93,Cancer Res.2008,68,1197,Clin.Transl.Oncol.2013,15,910)。
【0008】
低分子阻害剤によるTREK-2の選択的阻害は、認知症などの認知障害、脳卒中及び膀胱がんの潜在的な治療上の利益を有する(J.Neurosci.2014,34,7027,Biochem.Biophys.Res.Commun.2005,327,1163,Korean J.Physiol.Pharmacol.2013,17,511)。急性ラット脳虚血モデルの皮質及び海馬においてTREK-2の発現レベルが上昇する(Biochem.Biophys.Res.Commun.2005,327,1163-9.)したがって、TREK-2阻害剤は脳卒中の治療に有用であり得る。
【0009】
上記障害の全てはまた、TREK1及びTREK2の優先性の程度を変えて、TREK1及びTREK2の両方の阻害剤によって有効に治療され得る。
K2Pチャネル研究及びTREK1/TREK2薬理チャネルの研究の進歩にもかかわらず、TREK1、TREK2のいずれか、又はTREK1及びTREK2の両方の強力で有効な選択的阻害剤であって、K2P Kチャネルに関連する神経障害、炎症性障害、呼吸器障害、腎臓障害及び心血管障害、特にTREK(TWIK関連Kチャネル)機能障害の治療にも有効であり、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらす化合物が依然として不足している。
【発明の概要】
【0010】
一態様では、式(I)
【化1】
式中、全ての記号は以下のように定義される、
の化合物又はその薬学的に許容される塩が開示される。
【0011】
また、本化合物を含む医薬組成物、本化合物の製造方法、本化合物を含むキット、並びに、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらす、TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する神経学的及び/又は精神医学的障害などの障害の予防及び/又は治療のための本化合物、本組成物及び本キットの使用方法も開示される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が本明細書に開示される。
すなわち、本発明は、
[1]式(I)
【化2】
式中、
Lは、(1)結合、(2)C2~C4-アルキニレン、(3)-(C1~C10-アルキレン)-O-、(4)-O-(C1~C10-アルキレン)-、(5)-(6から15員のアリール)-、(6)-(5から15員のヘテロアリール)-、(7)-(3から15員の複素環)-、及び(8)-(C3~C10-シクロアルカン)-から選択され、
Wは、(1)CH、(2)CR及び(3)Nから選択され、
Zは、(1)CH、(2)CR及び(3)Nから選択され、
及びRは各々独立して、(1)シアノ、(2)ハロゲン、(3)ペンタハロスルファニル、(4)C1~C10-チオアルキル、(5)C1~C10-アルコキシ、(6)C1~C10-アルキル、(7)C2~C10-アルケニル、(8)C2~C10-アルキニル、(9)-OR、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル、(13)C2~C10-ヘテロアルキル、(14)3から15員の複素環、及び(15)-(CR1011-Qから選択され、
ここで、R又はRの(4)~(8)の各々は、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよく、R又はRの(10)~(14)の各々は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
は、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
10は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル、及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択されるか、
11は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル、及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択されるか、
又は、R10及びR11がC1~C10-アルキルである場合、R10及びR11は、それらが結合している炭素原子と一緒にC3~C10-シクロアルキルを任意に形成してもよく、
nは、0、1、2、3又は4であり、;
Qは、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OR101、(4)-SR102、(5)-C(=O)R103、(6)-C(=O)OR104、(7)-S(=O)R105、(8)-SO106、(9)-NR107108、(10)-C(=O)NR109110、(11)-SONR111NR112、(12)6から15員のアリール、(13)5から15員のヘテロアリール、(14)C3~C10-シクロアルキル、及び(15)3から15員の複素環から選択され、ここで、Qの(12)~(15)の各々は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
101、R102、R103、R104、R105、R106、R107、R108、R109、R110、R111及びR112は、各々独立して、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
は、(1)水素及び(2)-NHから選択され、
Xは、(1)CH、(2)CR12及び(3)Nから選択され、
12は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
Yは、(1)CH、(2)CR13及び(3)Nから選択され、
13は、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
Rは、(1)6から15員のアリール及び(2)5から15員のヘテロアリールから選択され、これらは、各々、1から5個のR14で任意に置換されていてもよく、
ここで、複数のR14は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
14は、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)ペンタハロスルファニル、(4)C1~C10-アルキル、(5)C1~C10-チオアルキル、(6)C1~C10-アルコキシ、(7)C2~C10-アルケニル、(8)C2~C10-アルキニル、(9)6から15員のアリール及び(10)-ORから選択され、ここで、R14の(4)~(9)の各々は、1から10個のハロゲンで任意に置換されていてもよく、
は、(1)C1~C10-アルキル、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルコキシ、(4)C1~C10-ハロアルキル、(5)C1~C10-ハロアルコキシ、及び(6)シアノから選択され、
は、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル、(3)ハロゲン、(4)C1~C10-アルコキシ、(5)C1~C10-ハロアルキル、(6)C1~C10-ハロアルコキシ、及び(7)シアノから選択され、
は、(1)水素、及び(2)C1~C10-アルキルから選択され、
は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル、(4)C1~C10-ハロアルキル、(5)シアノ、並びに(6)(1)ハロゲン(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C10-シクロアルキルから選択され、
又は、R及びRは、一緒になって、(1)-CR4142-、(2)-CR4344-CR4546-、(3)-CR47=CR48-を任意に形成してもよく、
41、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48は、各々独立して、(1)水素及び(2)C1~C10-アルキルから選択され、
は、(1)水素、(2)シアノ、(3)-NH、(4)C1~C10-アルキル、(5)C1~C10-アルコキシ、(6)-NH-C(=O)-R15、(7)-NH-C(=O)-O-R16、(8)-O-R17、(9)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(10)-C(=O)-R19、(11)-C(=O)-NH-R20、(12)-(C1~C10-アルキレン)-(CR2122-R23、(13)6から15員のアリール、(14)5から15員のヘテロアリール、(15)C3~C10-シクロアルキル、及び(16)3から15員の複素環から選択され、
ここで、Rの(4)、(5)、(9)及び(12)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(13)~(16)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
ただし、Rが水素である場合、Rは-NHであり、
15、R16、R17、R18、R19及びR20は、各々独立して、(1)C1~C10-アルキル、(2)C1~C10-アルコキシ、(3)6から15員のアリール、(4)5から15員のヘテロアリール、(5)C3~C10-シクロアルキル及び(6)3から15員の複素環から選択され、R15、R16、R17、R18、R19又はR20の(1)及び(2)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、R15、R16、R17、R18、R19又はR20の(3)~(6)の各々は、1から5個のR25で任意に置換されていてもよく、
21及びR22は、各々独立して、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル、及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択されるか、
又は、R21及びR22がC1~C10-アルキルである場合、R21及びR22は、それらが結合している炭素原子と一緒にC3~C10-シクロアルキルを任意に形成してもよく、
pは、0、1、2、3又は4であり、
23は、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OR201、(4)-SR202、(5)-C(=O)R203、(6)-C(=O)OR204、(7)-S(=O)R205、(8)-SO206、(9)-NR207208、(10)-C(=O)NR209210、(11)-SONR211212、(12)6から15員のアリール、(13)5から15員のヘテロアリール、(14)C3~C10-シクロアルキル、及び(15)3から15員の複素環から選択され、R23の(12)~(15)の各々は、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
201、R202、R203、R204、R205、R206、R207、R208、R209、R210、R211及びR212は、各々独立して、(1)水素、(2)C1~C10-アルキル及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
24及びR25は各々独立して、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OH、(4)オキソ、(5)C1~C10-アルキル、(6)C1~C10-アルコキシ、(7)-(C1~C10-アルキレン)-NR2627、(8)C3~C10-シクロアルキル、(9)3から15員の複素環及び(10)-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)から選択され、ここでR24又はR25の(5)~(7)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)シアノから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよく、R24又はR25の(8)~(10)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C10-アルキル及び(5)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよく、
26及びR27は、各々独立して、(1)水素及び(2)C1~C10-アルキルから選択され、
複数のR24及びR25は、互いに同じであっても異なっていてもよい
の化合物又はその薬学的に許容される塩が開示される。
【0013】
[1-1] Lは、(1)エチニレン、(2)-CH-O-及び(3)-5員のヘテロアリール(好ましくはチエニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル又はオキサジアゾリル(例えば、1,2,4-オキサジアゾール)、より好ましくはピラゾリル、イソオキサゾリル又はオキサジアゾリル(例えば、1,2,4-オキサジアゾール))から選択される、
[1]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
[2]式(Ia):
【化3】
式中、全ての記号は[1]に定義される通りである、
の化合物である、[1]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
[3-1] Wは、(1)CH、(2)CR及び(3)Nから選択され、
Zは、(1)CH、(2)CR及び(3)Nから選択され、
及びRは、各々独立して、(1)シアノ、(2)ハロゲン、又は(3)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル(好ましくは(1)ハロゲン又は(2)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、より好ましくは(1)ハロゲン又は(2)メチル)から選択され、
Rは、(1)1から3個のR14で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、又は、(2)1か3個のR14で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリールであり(好ましくは、1から3個のR14で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、より好ましくは、各々が1から3個のR14で任意に置換されていてもよいフェニル又はピリジンであり、最も好ましくは、1から3個のR14で任意に置換されていてもよいフェニルである)から選択され、
ここで、複数のR14は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
14は、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)1から5個のハロゲンで置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は、(4)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシ(より好ましくは、(1)ハロゲン、(3)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は(4)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシ、最も好ましくは、(1)ハロゲン又は(3)1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいメチル)から選択され、
は、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル、(3)C1~C4-アルコキシ、(4)C1~C4-ハロアルキル又は(5)C1~C4-ハロアルコキシ(好ましくは(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル又は(3)C1~C4-アルコキシ、より好ましくは(1)ハロゲン(2)メチル又は(3)メトキシ)から選択され、
は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ、(5)C1~C4-ハロアルキル又は(6)C1~C4-ハロアルコキシ(好ましくは水素)から選択され、
は、(1)水素、及び(2)C1~C4-アルキル(好ましくは水素)から選択され、
は、ハロゲンであり、
は、(1)C1~C6-アルキル、(2)C1~C6-アルコキシ、(3)-NH、(4)-NH-C(=O)-R15、(5)-NH-C(=O)-O-R16、(6)-O-R17、(7)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(8)-C(=O)-R19、(9)-C(=O)-NH-R20、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル又は(13)3から15員の複素環(好ましくは、(4)-NH-C(=O)-R15、(5)-NH-C(=O)-O-R16、(6)-O-R17、(7)-O-(C1~C4-アルキレン)-R18、(8)-C(=O)-R19、(9)-C(=O)-NH-R20又は(11)5から10員のヘテロアリール)から選択され、
ここで、Rの(1)、(2)及び(7)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(10)~(13)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
24は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル、(5)C1~C4-アルコキシ、(6)C3~C10-シクロアルキル、(7)3から10員の複素環、又は(8)-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)(好ましくは(4)C1~C4-アルキル、(7)3から10員の複素環又は(8)-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)、より好ましくは(7)3から10員の複素環)から選択され、ここで、R24の(4)~(5)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)シアノから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよく、R24の(6)~(8)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよく、
15、R16、R17、R18、R19及びR20は、各々独立して、(1)C1~C4-アルキル、(2)C1~C4-アルコキシ、(3)6から15員のアリール、(4)6から10員のヘテロアリール、(5)C3~C6-シクロアルキル又は(6)3から10員の複素環から選択され、R15、R16、R17、R18、R19又はR20の(1)及び(2)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよく、R15、R16、R17、R18、R19又はR20の(3)~(6)の各々は、1から5個のR25で任意に置換されていてもよく、
25は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル、(5)C1~C4-アルコキシ、(6)C3~C10-シクロアルキル、(7)3から10員の複素環、又は(8)-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)(好ましくは、(1)ハロゲン、(2)-OH、(4)C1~C4-アルキル又は(5)C1~C4-アルコキシ、より好ましくは、(1)ハロゲン、(2)-OH、(4)ハロゲン、-OH及びシアノで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいメチル、又は(5)ハロゲン、-OH及びシアノから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいメトキシ)から選択され、ここで、R25の(4)~(5)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)シアノから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよく、R25の(6)~(8)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよい、
[2]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0014】
[3-2] Rは、(1)シアノ、(2)-NH、(3)-NH-C(=O)-R15、(4)-NH-C(=O)-O-R16、(5)-O-R17、(6)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(7)-C(=O)-R19、(8)-C(=O)-NH-R20、(9)6から15員のアリール、(10)5から15員のヘテロアリール、(11)C3~C10-シクロアルキル及び(12)3から15員の複素環から選択され、
ここで、Rの(6)は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(9)~(12)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
その他の記号は[1]に定義される通りである、
[2]に記載の化合物。
【0015】
[4]式(Iaー1-1):
【化4】
式中、
1aは、(1)ハロゲン、(2)C1~C10-アルキル、及び(3)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
8aは、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C10-アルキル、及び(4)C1~C10-ハロアルキルから選択され、
5aは、(1)シアノ、(2)-NH、(3)-NH-C(=O)-R15、(4)-NH-C(=O)-O-R16、(5)-O-R17、(6)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(7)-C(=O)-R19、(8)-C(=O)-NH-R20、(9)6から15員のアリール、(10)5から15員のヘテロアリール、(11)C3~C10-シクロアルキル及び(12)3から15員の複素環から選択され、
ここで、Rの(6)は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(9)~(12)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
その他の記号は[1]に定義される通りである、
の化合物である、[3-2]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0016】
[5]R5aは、(1)-NH-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(2)-NH-C(=O)-(3から15員の複素環)、(3)ハロゲン、シアノ及び-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)、(4)ハロゲン、シアノ及び-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C10-アルキル)、(5)-O-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)、(6)-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(7)-C(=O)-(3から15員の複素環)、(8)-C(=O)-NH-(C1~C10-アルキル)及び(9)5から15員のヘテロアリールから選択され、
ここで、R5aの(1)、(2)及び(5)~(9)の各々は、1から5個のR51で任意に置換されていてもよく、
複数のR51は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
51は独立して、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OH、(4)C1~C10-アルキル、(5)C1~C10-アルコキシ、(6)-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)、(7)C3~C10-シクロアルキル及び(8)3から15員の複素環から選択され、ここで、R51の(4)~(8)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C10-アルキル及び(5)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよい、
[4]に記載の化合物。
【0017】
[6]式(Iaー1-2):
【化5】
式中、全ての記号は[1]又は[4]に定義される通りである、
の化合物である、[3]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0018】
[7]R5aは、(1)-NH-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(2)-NH-C(=O)-(3から15員の複素環)、(3)ハロゲン、シアノ及び-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)、(4)ハロゲン、シアノ及び-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C10-アルキル)、(5)-O-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)、(6)-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(7)-C(=O)-(3から15員の複素環)、(8)-C(=O)-NH-(C1~C10-アルキル)及び(9)5から15員のヘテロアリールから選択され、
ここで、R5aの(1)、(2)及び(5)~(9)の各々は、1から5個のR51で任意に置換されていてもよく、
複数のR51は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
51は独立して、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OH、(4)C1~C10-アルキル、(5)C1~C10-アルコキシ、(6)-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)、(7)C3~C10-シクロアルキル及び(8)3から15員の複素環から選択され、
ここで、R51の(4)~(8)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C10-アルキル及び(5)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよい、
[6]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0019】
[8]Rが、1から5個のR14で置換されていてもよいフェニルである、[2]から[7]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0020】
[9]式(Ib):
【化6】
式中、全ての記号は[1]に定義される通りである、
の化合物である、[1]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0021】
[10] Wは、(1)CH、(2)CR及び(3)Nから選択され、
Zは、(1)CH、(2)CR及び(3)Nから選択され、
及びRは、各々独立して、(1)シアノ、(2)ハロゲン、又は(3)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル(好ましくは(1)ハロゲン又は(2)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、より好ましくは(1)ハロゲン又は(2)メチル)から選択され、
Rは、(1)1から3個のR14で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、又は、(2)1か3個のR14で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリールであり(好ましくは、1から3個のR14で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、より好ましくは、各々が1から3個のR14で任意に置換されていてもよいフェニル又はピリジンであり、最も好ましくは、1から3個のR14で任意に置換されていてもよいフェニルである)から選択され、
ここで、複数のR14は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
14は、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)1から5個のハロゲンで置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は、(4)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシ(より好ましくは、(1)ハロゲン、(3)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は(4)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシ、最も好ましくは、(1)ハロゲン又は(3)1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいメチル)から選択され、
は、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル、(3)C1~C4-アルコキシ、(4)C1~C4-ハロアルキル又は(5)C1~C4-ハロアルコキシ(好ましくは(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル又は(3)C1~C4-アルコキシ、より好ましくは(1)ハロゲン(2)メチル又は(3)メトキシ)から選択され、
は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ、(5)C1~C4-ハロアルキル又は(6)C1~C4-ハロアルコキシ(好ましくは水素)から選択され、
は、(1)水素、及び(2)C1~C4-アルキル(好ましくは水素)から選択され、
は、ハロゲンであり、
は、(1)C1~C6-アルキル、(2)C1~C6-アルコキシ、(3)-NH、(4)-NH-C(=O)-R15、(5)-NH-C(=O)-O-R16、(6)-O-R17、(7)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(8)-C(=O)-R19、(9)-C(=O)-NH-R20、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル又は(13)3から15員の複素環(好ましくは、(4)-NH-C(=O)-R15、(5)-NH-C(=O)-O-R16、(6)-O-R17、(7)-O-(C1~C4-アルキレン)-R18、(8)-C(=O)-R19、(9)-C(=O)-NH-R20又は(11)5から10員のヘテロアリール)から選択され、
ここで、Rの(1)、(2)及び(7)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(10)~(13)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
24は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル、(5)C1~C4-アルコキシ、(6)C3~C10-シクロアルキル、(7)3から10員の複素環、又は(8)-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)(好ましくは(4)C1~C4-アルキル、(7)3から10員の複素環又は(8)-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)、より好ましくは(7)3から10員の複素環)から選択され、ここで、R24の(4)~(5)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)シアノから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよく、R24の(6)~(8)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよく、
15、R16、R17、R18、R19及びR20は、各々独立して、(1)C1~C4-アルキル、(2)C1~C4-アルコキシ、(3)6から15員のアリール、(4)6から10員のヘテロアリール、(5)C3~C6-シクロアルキル又は(6)3から10員の複素環から選択され、R15、R16、R17、R18、R19又はR20の(1)及び(2)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよく、R15、R16、R17、R18、R19又はR20の(3)~(6)の各々は、1から5個のR25で任意に置換されていてもよく、
25は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル、(5)C1~C4-アルコキシ、(6)C3~C10-シクロアルキル、(7)3から10員の複素環、又は(8)-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)(好ましくは、(1)ハロゲン、(2)-OH、(4)C1~C4-アルキル又は(5)C1~C4-アルコキシ、より好ましくは、(1)ハロゲン、(2)-OH、(4)ハロゲン、-OH及びシアノで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいメチル、又は(5)ハロゲン、-OH及びシアノから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいメトキシ)から選択され、ここで、R25の(4)~(5)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)シアノから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよく、R25の(6)~(8)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよい、
[9]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0022】
[11] Rは、1から5個のR14で任意に置換されていてもよいフェニルであり、
は、ハロゲンであり、
は、(1)C1~C10-アルキル、(2)C1~C10-アルコキシ、(3)-NH-C(=O)-R15、(4)-NH-C(=O)-O-R16、(5)-O-R17、(6)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(7)-C(=O)-R19、(8)-C(=O)-NH-R20、(9)-(C1~C10-アルキレン)-(CR2122-R23、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル及び(13)3から15員の複素環から選択され、
ここで、Rの(1)、(2)、(6)及び(9)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(10)~(13)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
その他の記号は[1]に定義される通りである、
[10]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0023】
[11-1] Rは、(1)-NH-C(=O)-R15及び(2)-NH-C(=O)-O-R16から選択され、
その他の記号は[1]に定義される通りである、
[11]に記載の化合物。
【0024】
[12] 式(Ic):
【化7】
式中、Ring Bは、(1)6から15員のアリール及び(2)5から15員のヘテロアリールから選択され、
その他の記号は[1]に定義される通りである。
[13] [12]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩であって、式中、
Wは、(1)CH、(2)CR及び(3)Nから選択され、
Zは、(1)CH、(2)CR及び(3)Nから選択され、
及びRは、各々独立して、(1)シアノ、(2)ハロゲン、又は(3)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル(好ましくは(1)ハロゲン又は(2)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、より好ましくは(1)ハロゲン又は(2)メチル)から選択され、
Rは、(1)1から3個のR14で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、又は、(2)1か3個のR14で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリールであり(好ましくは、1から3個のR14で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、より好ましくは、各々が1から3個のR14で任意に置換されていてもよいフェニル又はピリジンであり、最も好ましくは、1から3個のR14で任意に置換されていてもよいフェニルである)から選択され、
ここで、複数のR14は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
14は、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)1から5個のハロゲンで置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は、(4)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシ(より好ましくは、(1)ハロゲン、(3)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は(4)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシ、最も好ましくは、(1)ハロゲン又は(3)1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいメチル)から選択され、
は、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル、(3)C1~C4-アルコキシ、(4)C1~C4-ハロアルキル又は(5)C1~C4-ハロアルコキシ(好ましくは(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル又は(3)C1~C4-アルコキシ、より好ましくは(1)ハロゲン(2)メチル又は(3)メトキシ)から選択され、
は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ、(5)C1~C4-ハロアルキル又は(6)C1~C4-ハロアルコキシ(好ましくは水素)から選択され、
は、(1)水素、及び(2)C1~C4-アルキル(好ましくは水素)から選択され、
は、ハロゲンであり、
は、(1)C1~C6-アルキル、(2)C1~C6-アルコキシ、(3)-NH、(4)-NH-C(=O)-R15、(5)-NH-C(=O)-O-R16、(6)-O-R17、(7)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(8)-C(=O)-R19、(9)-C(=O)-NH-R20、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル又は(13)3から15員の複素環(好ましくは、(4)-NH-C(=O)-R15、(5)-NH-C(=O)-O-R16、(6)-O-R17、(7)-O-(C1~C4-アルキレン)-R18、(8)-C(=O)-R19、(9)-C(=O)-NH-R20又は(11)5から10員のヘテロアリール)から選択され、
ここで、Rの(1)、(2)及び(7)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(10)~(13)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
24は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル、(5)C1~C4-アルコキシ、(6)C3~C10-シクロアルキル、(7)3から10員の複素環、又は(8)-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)(好ましくは(4)C1~C4-アルキル、(7)3から10員の複素環又は(8)-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)、より好ましくは(7)3から10員の複素環)から選択され、ここで、R24の(4)~(5)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)シアノから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよく、R24の(6)~(8)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよく、
15、R16、R17、R18、R19及びR20は、各々独立して、(1)C1~C4-アルキル、(2)C1~C4-アルコキシ、(3)6から15員のアリール、(4)6から10員のヘテロアリール、(5)C3~C6-シクロアルキル又は(6)3から10員の複素環から選択され、R15、R16、R17、R18、R19又はR20の(1)及び(2)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよく、R15、R16、R17、R18、R19又はR20の(3)~(6)の各々は、1から5個のR25で任意に置換されていてもよく、
25は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル、(5)C1~C4-アルコキシ、(6)C3~C10-シクロアルキル、(7)3から10員の複素環、又は(8)-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)(好ましくは、(1)ハロゲン、(2)-OH、(4)C1~C4-アルキル又は(5)C1~C4-アルコキシ、より好ましくは、(1)ハロゲン、(2)-OH、(4)ハロゲン、-OH及びシアノで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいメチル、又は(5)ハロゲン、-OH及びシアノから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいメトキシ)から選択され、ここで、R25の(4)~(5)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)シアノから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよく、R25の(6)~(8)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよい、
の化合物である、[1]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0025】
[14] Ring Bは、
【化8】
から選択され、式中、右矢印は6員環との結合位置であり、左矢印はRとの連結位置であり、
Rは、1から5個のR14で任意に置換されていてもよいフェニルであり、
は、ハロゲンであり、
は、(1)C1~C10-アルキル、(2)C1~C10-アルコキシ、(3)-NH-C(=O)-R15、(4)-NH-C(=O)-O-R16、(5)-O-R17、(6)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(7)-C(=O)-R19、(8)-C(=O)-NH-R20、(9)-(C1~C10-アルキレン)-(CR2122-R23、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル及び(13)3から15員の複素環から選択され、
ここで、Rの(1)、(2)、(6)及び(9)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(10)~(13)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
その他の記号は[1]に定義される通りである、
[13]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0026】
[15] Ring Bは、
【化9】
は、(1)-NH-C(=O)-R15及び(2)-NH-C(=O)-O-R16から選択され、
その他の記号は[1]に定義される通りである、
[14]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0027】
[16] 前記化合物が、
(1)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(2)2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-[[(1S,2S)-2-メチルシクロプロパンカルボニル]アミノ]ベンズアミド、
(3)2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-[(2-メチルシクロプロパンカルボニル)アミノ]ベンズアミド、
(4)2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-2-ピリジル]-5-[[(1S,2S)-2-メチルシクロプロパンカルボニル]アミノ]ベンズアミド、
(5)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(6)2-クロロ-5-[(1-フルオロシクロプロパンカルボニル)アミノ]-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(7)2-クロロ-5-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-N-[3-フルオロ-5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-2-ピリジル]ベンズアミド、
(8)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(9)2-クロロ-5-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(10)N-[4-クロロ-3-[[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
(11)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[6-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-2,4-ジメチル-3-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(12)N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]オキセタン-2-カルボキサミド、
(13)N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
(14)N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
(15)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[3-メチル-5-[2-(2-ピリジル)エチニル]-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(16)2-クロロ-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-カルボニル)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(17)4-クロロ-N1-(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-エチル)-N3-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンゼン-1,3-ジカルボキサミド、
(18)2-クロロ-N-[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]-5-(3-ヒドロキシ-3-メチル-アゼチジン-1-カルボニル)ベンズアミド、
(19)2-クロロ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-(5-テトラヒドロフラン-3-イル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
(20)2-クロロ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-(テトラヒドロピラン-4-イルメトキシ)ベンズアミド、
(21)2-クロロ-5-[[(2R)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ]-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(22)2-クロロ-5-(1,4-ジオキサン-2-イルメトキシ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(23)2-クロロ-5-[[(2S)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ]-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(24)2-クロロ-5-(2-メトキシエトキシ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(25)tert-ブチル (3-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロフェニル)カルバメート、
(26)tert-ブチル (4-クロロ-3-((2-メチル-4-(フェノキシメチル)フェニル)カルバモイル)フェニル)カルバメート、
又はその薬学的に許容される塩である、
[1]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0028】
[17] 式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【0029】
[18] TREK1阻害剤、TREK2阻害剤、又はTREK1阻害剤/TREK2阻害剤の両方である、[17]に記載の医薬組成物。
【0030】
[19] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する障害の予防及び/又は治療剤である、[18]に記載の医薬組成物。
【0031】
[20] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらす前記TREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する障害が神経障害及び/又は精神障害である、[19]に記載の医薬組成物。
【0032】
[21] 前記神経障害及び/又は精神障害が、うつ病、統合失調症、不安障害、双極性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、22q11.2欠失症候群、神経因性疼痛又は脳梗塞から選択される、[20]に記載の医薬組成物。
【0033】
[22] 式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩と、定型抗精神病薬及び非定型抗精神病薬から選択される少なくとも1つを含む医薬。
【0034】
[23] TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する障害を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に治療有効量の[1]から[10]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を含む方法。
【0035】
[24] TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する障害が、TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する神経障害及び/又は精神障害である、[23]に記載の方法。
【0036】
[25] 哺乳動物においてTREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらす前記TREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する神経障害及び/又は精神障害が、うつ病、統合失調症、不安障害、双極性うつ病、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、神経因性疼痛又は脳梗塞から選択される、[24]に記載の方法。
【0037】
[26] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2、TREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する神経障害及び/又は精神障害の予防及び/又は治療に使用するための式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0038】
[27] TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する神経障害及び/又は精神障害に対する予防薬及び/又は治療薬を製造するための式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【0039】
[28] [1]から[16]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、並びに、(a)TREK1チャネル活性を低下させることが知られている少なくとも1つの薬剤、(b)TREK2チャネル活性を低下させることが知られている少なくとも1つの薬剤、(c)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREKチャネル機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療することが知られている少なくとも1つの薬剤、(d)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療するための説明書、及び(e)認知行動療法に関連して本化合物を投与するための説明書、のうちの1つ以上を含むキット。
【0040】
本明細書では、TREK(TWIK関連Kチャネル)-サブタイプ1及び2(TREK1及びTREK2)の阻害剤、その作製方法、それを含む医薬組成物、並びに、それを使用してTREKチャネル機能障害に関連する神経学的、精神医学的障害、炎症性障害、呼吸器障害、腎臓障害及び心血管障害を予防及び/又は治療する方法が開示される。本化合物には、限定するものではないが、
(1)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(2)2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-[[(1S,2S)-2-メチルシクロプロパンカルボニル]アミノ]ベンズアミド、
(3)2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-[(2-メチルシクロプロパンカルボニル)アミノ]ベンズアミド、
(4)2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-2-ピリジル]-5-[[(1S,2S)-2-メチルシクロプロパンカルボニル]アミノ]ベンズアミド、
(5)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(6)2-クロロ-5-[(1-フルオロシクロプロパンカルボニル)アミノ]-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(7)2-クロロ-5-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-N-[3-フルオロ-5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-2-ピリジル]ベンズアミド、
(8)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(9)2-クロロ-5-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(10)N-[4-クロロ-3-[[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
(11)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[6-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-2,4-ジメチル-3-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(12)N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]オキセタン-2-カルボキサミド、
(13)N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
(14)N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
(15)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[3-メチル-5-[2-(2-ピリジル)エチニル]-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(16)2-クロロ-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-カルボニル)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(17)4-クロロ-N1-(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-エチル)-N3-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンゼン-1,3-ジカルボキサミド、
(18)2-クロロ-N-[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]-5-(3-ヒドロキシ-3-メチル-アゼチジン-1-カルボニル)ベンズアミド、
(19)2-クロロ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-(5-テトラヒドロフラン-3-イル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド、
(20)2-クロロ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-(テトラヒドロピラン-4-イルメトキシ)ベンズアミド、
(21)2-クロロ-5-[[(2R)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ]-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(22)2-クロロ-5-(1,4-ジオキサン-2-イルメトキシ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(23)2-クロロ-5-[[(2S)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ]-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(24)2-クロロ-5-(2-メトキシエトキシ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(25)tert-ブチル (3-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロフェニル)カルバメート、
(26)tert-ブチル (4-クロロ-3-((2-メチル-4-(フェノキシメチル)フェニル)カルバモイル)フェニル)カルバメート、
又はその薬学的に許容される塩が含まれる。
【0041】
定義
【0042】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合には、定義を含む本文書が優先される。好ましい方法及び材料を以下に記載するが、本明細書に記載の方法及び材料と類似又は同等の方法及び材料を本発明の実施又は試験に使用することができる。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。本明細書に開示される材料、方法、及び例は、例示にすぎず、限定することを意図するものではない。
【0043】
本明細書で使用される「包含する(comprise(s))」、「含む(include(s))」、「有する(having)」、「有する(has)」、「できる(can)」、「含む(contain(s))」という用語、及びそれらの変形は、追加の行為又は構造の可能性を排除しないオープンエンドの移行句、用語、又は単語であることを意図している。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の言及を含む。本開示はまた、明示的に記載されているか否かにかかわらず、本明細書に提示される実施形態又は要素を「含む(comprising)」、「からなる(consistingof)」、及び「から本質的になる(consistingessentiallyof)」他の実施形態をも企図する。
【0044】
量に関連して使用される修飾語「約」は、記載された値を含み、文脈によって指示される意味を有する(例えば、それは、少なくとも、特定の量の測定に関連する誤差の程度を含む)。「約」という修飾語はまた、2つの終点の絶対値によって定義される範囲を開示していると見なされるべきである。例えば、「約2から約4」という表現は、「2から4」の範囲をも開示する。「約」という用語は、示された数の±10%を指し得る。例えば、「約10%」は9%から11%の範囲を示し得、「約1」は0.9~1.1を意味し得る。「約」の他の意味は、その文脈、例えば、四捨五入から明らかとなり得、例えば「約1」は、0.5から1.4をも意味し得る。
【0045】
特定の官能基及び化学用語の定義を以下により詳細に説明する。本開示では、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75thEd.内側カバーに従って同定され、特定の官能基は、一般に、そこに記載されるように定義される。さらに、有機化学の一般原理、並びに特定の官能性部分及び反応性は、Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito,1999、Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley&Sons,Inc.,New York,2001、Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989、Carruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987、に記載されており、その各々の全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
場合によって、ヒドロカルビル置換基(例えば、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニレン、アルキニル、アルキレン、アルキニレン、シクロアルキル、シクロアルカン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル又はチオアルキル)中の炭素原子の数は、接頭辞「Cx~Cy-」によって示され、ここで、xは置換基中の炭素原子の最小数であり、yは置換基中の炭素原子の最大数である。したがって、例えば、「C1~C3-アルキル」は、1から3個の炭素原子を含むアルキル置換基を指し、「C1~C10-アルコキシ」は、1から10個の炭素原子を含むアルコキシ置換基を指し、「C2~C10-アルケニル」は、2から10個の炭素原子を含むアルケニル置換基を指し、「C2~C4-アルケニレン」は、2から4個の炭素原子を含むアルケニレン置換基を指し、「C2~C10-アルキニル」は、2から10個の炭素原子を含むアルキニル置換基を指し、「C2~C10-アルキレン」は、2から10個の炭素原子を含むアルキレン置換基を指し、「C2~C4-アルキニレン」は、2から4個の炭素原子を含むアルキニレン置換基を指し、「C3~C10-シクロアルキル」は、3から10個の炭素原子を含むシクロアルキル置換基を指し、「C3~C10-シクロアルカン」は、3から10個の炭素原子を含むシクロアルカンを指し、「C1~C10-ハロアルキル」は、1から10個の炭素原子を含むハロアルキル置換基を指し、「C1~C10-ハロアルコキシ」は、1から10個の炭素原子を含むハロアルコキシ置換基を指し、「C2~C10-ヘテロアルキル」は、2から10個の炭素原子を含むヘテロアルキル置換基を指し、又は「C1~C10-チオアルキル」は、2から10個の炭素原子を含むチオアルキル置換基を指す。
【0047】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、1から10個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素鎖を意味する。「低級アルキル」又は「C1~C6-アルキル」という用語は、1~6個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素を意味する。「C1~C4-アルキル」という用語は、1から4個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素を意味する。アルキルの代表的な例としては、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル及びn-デシルが挙げられるが、これらに限定されない。
のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。Rのより好ましいC1~C10-アルキルはメチルである。
の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
のC1~C10アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。Rのより好ましいC1~C10-アルキルはメチルである。
の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
10のC1~C10アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
11のC1~C10アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
Qの置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
101のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
102のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
103のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
104のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
105のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
106のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
107のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
108のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
109のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
110のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
111のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
112のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
12のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
13のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
14のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。Rのより好ましいC1~C10-アルキルはメチルである。
のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。RのC1~C10アルキル、C1~C4-アルキルが好ましい。Rのより好ましいC1~C10-アルキルは、メチルである。
のC3~C10-シクロアルキル中の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
41のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
42のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
43のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
44のC1~C10アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
45のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
46のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
47のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
48のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
のC1~C10-アルキルとしては、C1~C6-アルキルが好ましい。Rのより好ましいC1~C10-アルキルは、C1~C4-アルキルである。
15のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R15のより好ましいC1~C10-アルキルは、tert-ブチルである。
16のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R16のより好ましいC1~C10-アルキルは、tert-ブチルである。
17のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
18のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
19のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
20のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
21のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
22のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
23の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
201のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
202のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
203のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
204のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
205のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
206のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
207のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
208のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
209のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
210のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
211のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
212のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
24のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
24の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
25のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
25の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R25の最も好ましいC1~C10-アルキルは、メチルである。
26のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
27のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
1aのC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R1aのより好ましいC1~C10-アルキルはメチルである。
8aのC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R8aのより好ましいC1~C10-アルキルはメチルである。
5aの置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
5aの-NH-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
5aの-O-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
5aの-C(=O)-NH-(C1~C10-アルキル)のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
51のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
51の置換基のC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。
1aのC1~C10-アルキルとしては、C1~C4-アルキルが好ましい。R1aのより好ましいC1~C10-アルキルはメチルである。
【0048】
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義されるアルキル基を指す。アルコキシの代表的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ及びtert-ブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
14のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C6-アルコキシが好ましい。R14のより好ましいC1~C10-アルコキシはC1~C4-アルコキシである。
のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。Rのより好ましいC1~C10-アルコキシはメトキシである。
のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
15のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
16のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
17のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
18のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
19のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
20のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
24のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
25のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。R25の最も好ましいC1~C10-アルコキシはメトキシである。
51のC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。
1aのC1~C10-アルコキシとしては、C1~C4-アルコキシが好ましい。R1aのより好ましいC1~C10-アルコキシはメトキシである。
【0050】
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合及び2から10個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖を意味する。
【0051】
のC2~C10-アルケニルとしては、C2~C4-アルケニルが好ましい。
のC2~C10-アルケニルとしては、C2~C4-アルケニルが好ましい。
14のC2~C10-アルケニルとしては、C2~C4-アルケニルが好ましい。
【0052】
本明細書で使用される「アルケニレン」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合及び2から10個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖に由来する二価基を指す。
LのC2~C4-アルケニレンとしては、エテニレンが好ましい。
【0053】
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合及び2から10個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖を意味する。
のC2~C10-アルキニルとしては、C2~C4-アルキニルが好ましい。
のC2~C10-アルキニルとしては、C2~C4-アルキニルが好ましい。
14のC2~C10-アルキニルとしては、C2~C4-アルキニルが好ましい。
【0054】
本明細書で使用される「アルコキシアルキル」という用語は、本明細書で定義されるアルキル基を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義されるアルコキシ基を指す。
【0055】
本明細書で使用される「アルコキシフルオロアルキル」という用語は、本明細書で定義されるフルオロアルキル基を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義されるアルコキシ基を指す。
【0056】
本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、1から10個の炭素原子、例えば2から5個の炭素原子の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素から誘導される二価基を指す。アルキレンの代表的な例としては、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-C(CH-CH-、-CHCHCHCHCH-、-CH-C(CH-、-CH(CH)-CH-、-CH-CH(CH)-、及び-CH(CH)-が挙げられるが、これらに限定されない。
Lの(C1~C10-アルキレン)-O-のC1~C10-アルキレンとしては、-C1~C4-アルキレンが好ましい。Lの(C1~C10-アルキレン)-O-のより好ましいC1~C10-アルキレンは、-CH-である。
Lの-O-(C1~C10-アルキレン)-のC1~C10-アルキレンとしては、-C1~C4-アルキレンが好ましい。Lの-O-(C1~C10-アルキレン)-のより好ましいC1~C10-アルキレンは、-CH-である。
の-O-(C1~C10-アルキレン)-R18のC1~C10-アルキレンとしては、-C1~C4-アルキレンが好ましい。
の-(C1~C10-アルキレン)-(CR2122-R23のC1~C10-アルキレンとしては、C1~C4-アルキレンが好ましい。
24の-(C1~C10-アルキレン)-NR2627のC1~C10-アルキレンとしては、C1~C4-アルキレンが好ましい。
25の-(C1~C10-アルキレン)-NR2627のC1~C10-アルキレンとしては、C1~C4-アルキレンが好ましい。
24の-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)のC1~C10-アルキレンとしては、C1~C4-アルキレンが好ましい。
25の-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)のC1~C10-アルキレンとしては、C1~C4-アルキレンが好ましい。
5aの-O-(C1~C10-アルキレン)-R18のC1~C10-アルキレンとしては、-C1~C4-アルキレンが好ましい。
5aの-O-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)のC1~C10-アルキレンとしては、C1~C4-アルキレンが好ましい。
51の-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)のC1~C10-アルキレンとしては、C1~C4-アルキレンが好ましい。
【0057】
本明細書で使用される「アルキニレン」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合及び2から10個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖に由来する二価基を指す。
LのC2~C4-アルキニレンとしては、エチニレンが好ましい。
【0058】
本明細書で使用される「アルキルアミノ」という用語は、本明細書で定義される少なくとも1つのアルキル基が、本明細書で定義されるアミノ基を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
【0059】
本明細書で使用される「アミド」という用語は、-C(O)NR-又は-NRC(O)-を意味し、ここでRは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル、又はヘテロアルキルであり得る。
【0060】
本明細書で使用される「アミノアルキル」という用語は、本明細書で定義される少なくとも1つのアミノ基が、本明細書で定義されるアルキレン基を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
【0061】
本明細書で使用される「アミノ」という用語は、-NRを意味し、R及びRは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル、又はヘテロアルキルであり得る。アミノアルキル基又はアミノが2つの他の部分を一緒に付加する任意の他の部分の場合、アミノは-NR-であり得、Rは水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル又はヘテロアルキルであり得る。
【0062】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、フェニル基、又は二環式縮合環系を指す。二環式縮合環系は、親分子部分に付加され、本明細書で定義されるシクロアルキル基、本明細書で定義されるフェニル基、ヘテロアリール基、又は本明細書で定義される複素環に縮合したフェニル基によって例示される。そのような二環式縮合環系は、15個以下の原子で構成される。「6から15員のアリール」という用語は、6から15個の原子を含む環系を意味する。「6から10員のアリール」という用語は、6から10個の原子を含む環系を意味する。アリールの代表的な例としては、インドリル、ナフチル、フェニル、テトラヒドロキノリニル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル、インダゾール-5-イル、及びベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル、ベンゾフラン-5-イルが挙げられるが、これらに限定されない。
Lの-(6から15員のアリール)-としては、6から10員のアリールが好ましい。
の6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
の6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
Qの6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
Rの6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。より好ましいRの6から15員のアリールは、フェニルである。
14の6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
の6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
15の6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
16の6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
17の6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
18の6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
19の6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
20の6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
23の6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
5aの6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
Ring Bの6から15員のアリールとしては、6から10員のアリールが好ましい。
【0063】
本明細書で使用される「シアノアルキル」という用語は、少なくとも1つの-CN基が、本明細書で定義されるアルキレン基を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
【0064】
本明細書で使用される「シアノフルオロアルキル」という用語は、少なくとも1つの-CN基が、本明細書で定義されるフルオロアルキル基を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
【0065】
本明細書で使用される「シクロアルコキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義されるシクロアルキル基を指す。
【0066】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、3から10個の炭素原子、0個のヘテロ原子及び0個の二重結合を含む単炭素環系又は二炭素環系を指す。シクロアルキルの代表的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル及びシクロデシルが挙げられるが、これらに限定されない。「シクロアルキル」はまた、シクロアルキル基が親分子部分に付加され、本明細書で定義されるアリール基(例えば、フェニル基)、本明細書で定義されるヘテロアリール基、又は本明細書で定義される複素環に縮合している炭素環系を含む。シクロアルキルの代表的な例としては、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾリルも挙げられるが、これに限定されない。二炭素環系は、単炭素環系、スピロシクロアルキル基、又は環の2つの隣接しない原子が1、2、3、4個の炭素原子のアルキレン架橋によって架橋された架橋単炭素環系に融合した単炭素環系である。代表的な二炭素環系の例としては、スピロ[2.2]ペンタニル、スピロ[2.4]ヘプタニル、スピロ[3.5]ノナニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル又はビシクロ[2.2.2]オクタニルが挙げられるが、これらに限定されない。
のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
10及びR11がそれらが結合している炭素原子と一緒に形成されるC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
QのC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C8-シクロアルキルが好ましい。
のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
15のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
16のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
17のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
18のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
19のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
20のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
21及びR22がそれらが結合している炭素原子と一緒に形成されるC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
23のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C8-シクロアルキルが好ましい。
24のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
25のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C6-シクロアルキルが好ましい。
5aのC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
5aの-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
51のC3~C10-シクロアルキルとしては、C3~C7-シクロアルキルが好ましい。
【0067】
本明細書で使用される「シクロアルカン」という用語は、3から10個の炭素原子、0個のヘテロ原子及び0個の二重結合を含む単炭素環系又は二炭素環系を指す。シクロアルカンの代表的な例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン及びシクロデカンが挙げられるが、これらに限定されない。「シクロアルカン」はまた、シクロアルカン基が親分子部分に付加され、本明細書で定義されるアリール基(例えば、フェニル基)、本明細書で定義されるヘテロアリール基、又は本明細書で定義される複素環に縮合している炭素環系を含む。シクロアルカンの代表的な例としては、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾールも挙げられるが、これに限定されない。二炭素環系は、単炭素環系、スピロシクロアルカン基、又は環の2つの隣接しない原子が1、2、3、4個の炭素原子のアルキレン架橋によって架橋された架橋単炭素環系に融合した単炭素環系である。二炭素環系の代表的な例としては、スピロ[2.2]ペンタン、スピロ[2.4]ヘプタン、スピロ[3.5]ノナン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられるが、これらに限定されない。
Lの-(C3~C10-シクロアルカン)-のC3~C10-シクロアルカンとしては、C3~C6-シクロアルカンが好ましい。
【0068】
本明細書で使用される「シクロアルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含み、好ましくは環当たり5から10個の炭素原子を有する非芳香族単環式又は多環式環系を意味する。例示的な単環式シクロアルケニル環としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル又はシクロヘプテニルが挙げられる。
【0069】
本明細書で使用される「フルオロアルキル」という用語は、1、2、3、4、5、6、7又は8個の水素原子がフッ素によって置き換えられている、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。フルオロアルキルの代表的な例としては、2-フルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、及び3,3,3-トリフルオロプロピルなどのトリフルオロプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
本明細書で使用される「フルオロアルコキシ」という用語は、本明細書で定義される少なくとも1つのフルオロアルキル基が酸素原子を介して親分子部分に付加されていることを意味する。フルオロアルコキシの代表的な例としては、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及び2,2,2-トリフルオロエトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
本明細書で使用される「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、Cl、Br、I、又はFを意味する。
【0072】
本明細書で使用される「ハロアルキル」という用語は、1、2、3、4、5、6、7又は8個の水素原子がハロゲンで置き換えられている、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
の置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
の置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
10のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
11のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
Qの置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
101のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
102のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
103のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
104のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
105のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
106のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
107のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
108のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
109のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
110のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
111のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
112のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
12のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
13のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
のC3~C10-シクロアルキルの置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
21のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
22のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
23の置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
201のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
202のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
203のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
204のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
205のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
206のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
207のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
208のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
209のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
210のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
211のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
212のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
24の置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
25の置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
51の置換基のC1~C10-ハロアルキルとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
【0073】
本明細書で使用される「ハロアルコキシ」という用語は、本明細書で定義される少なくとも1つのハロアルキル基が酸素原子を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
のC1~C10-ハロアルコキシとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
のC1~C10-ハロアルコキシとしては、C1~C4-ハロアルキルが好ましい。
【0074】
本明細書で使用される「ハロシクロアルキル」という用語は、1個以上の水素原子がハロゲンで置き換えられている、本明細書で定義されるシクロアルキル基を意味する。
【0075】
本明細書で使用される「ヘテロアルキル」という用語は、1個以上の炭素原子がS、O、P及びNから選択されるヘテロ原子によって置き換えられている、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。ヘテロアルキルの代表的な例としては、アルキルエーテル、第二級及び第三級のアルキルアミン、アミド、及びアルキルスルフィドが挙げられるが、これらに限定されない。
のC2~C10-ヘテロアルキルとしては、C2~C4-ヘテロアルキルが好ましい。
のC2~C10-ヘテロアルキルとしては、C2~C4-ヘテロアルキルが好ましい。
【0076】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、芳香族単環式環系又は芳香族二環式環系を指す。「5から15員のヘテロアリール」という用語は、5から15個の原子を含む環系を意味する。「5から10員のヘテロアリール」という用語は、5から10個の原子を含む環系を意味する。「5員のヘテロアリール」という用語は、5個の原子を含む環系を意味する。芳香族単環は、N、O及びSからなる群から独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O、S及びNから独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子)を含む5又は6員環である。5員の芳香族単環は2つの二重結合を有し、6員6員の芳香族単環は3つの二重結合を有する。二環式ヘテロアリール基は、親分子部分に付加され、本明細書で定義される単環式シクロアルキル基、本明細書で定義される単環式アリール基、本明細書で定義される単環式ヘテロアリール基、又は本明細書で定義される単環式複素環に縮合した単環式ヘテロアリール環によって例示される。そのような芳香族二環式環系は、15個以下の原子で構成される。ヘテロアリールの代表的な例としては、インドリル、ピリジニル(ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イルを含む)、ピリミジニル、ピリミジン-5-イル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピラゾール-1,3-イル、ピラゾール-1,4-イル、ピロリル、ベンゾピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、チオフェン-2-イル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、イソオキサゾール-3、5-イル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアゾール-5-イル、テトラゾリル、チエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、プリニル、イソインドリル、キノキサリニル、インダゾリル、キナゾリニル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、イソキノリニル、キノリニル、キノリン-3-イル、6,7-ジヒドロ-1,3-ベンゾチアゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、ナフチリジニル、ピリドイミダゾリル、チアゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル、チアゾロ[5,4-d]ピリミジン-2-イル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン、及び4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
Lの-(5から15員のヘテロアリール)-としては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。Lのより好ましい(5から15員のヘテロアリール)-は、5員のヘテロアリールである。
の5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
の5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
Qの5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
Rの5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
の5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
15の5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
16の5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
17の5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
18の5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
19の5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
20の5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
23の5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
5aの5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。
Ring Bの5から15員のヘテロアリールとしては、5から10員のヘテロアリールが好ましい。より好ましいRing Bの5から15員のヘテロアリールは、5員のヘテロアリールである。Ring Bのより好ましい5から15員ヘテロアリールは、また、チエニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル又はオキサジアゾリルである。さらに好ましいRing Bの5から15員のヘテロアリールは、
【化10】
である。最も好ましいRing Bの5から15員のヘテロアリールは、
【化11】
【0077】
本明細書で使用される「複素環」又は「複素環式」という用語は、3から15個の原子で構成される単環式複素環、二環式複素環、又は三環式複素環を意味する。「3から15員の複素環」という用語は、3から15個の原子を含む環系を意味する。「3から10員の複素環」という用語は、3から10個の原子を含む環系を意味する。「4から6員の複素環」という用語は、4から6個の原子を含む環系を意味する。単環式複素環は、O、N及びSからなる群から独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む3、4、5、6、7又は8員環である。3員環又は4員環は、0個又は1個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1個のヘテロ原子とを含む。5員環は、0個又は1個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子とを含む。6員環は、0個、1個又は2個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子とを含む。7員環及び8員環は、0個、1個、2個又は3個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子とを含む。単環式複素環の代表的な例としては、アゼチジニル、アゼチジン-3-イル、アゼパニル、アゼパン-4-イル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキサン-2-イル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオラニル、1,3-ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、モルホリン-2-イル、2-オキソ-3-ピペリジニル、2-オキソアゼパン-3-イル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキセタニル、オキセパニル、オキソカニル、ピペラジニル、ピペラジン-1-イル、ピペリジニル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジン-3-イル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、1,2-チアジナニル、1,3-チアジナニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニル、トリチオチアニル、3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン、及び7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタンが挙げられるが、これらに限定されない。二環式複素環は、フェニル基に縮合した単環式複素環、あるいは単環式シクロアルキルに縮合した単環式複素環、あるいは単環式シクロアルケニルに縮合した単環式複素環、あるいは単環式複素環に縮合した単環式複素環、あるいはスピロ複素環基、あるいは環の隣接していない2個の原子が、1、2、3若しくは4個の炭素原子からなるアルキレン架橋、又は2、3若しくは4個の炭素原子からなるアルケニレン架橋、1、2、3若しくは4個の炭素原子及び1、2個の酸素原子からなるアルコキシ架橋によって架橋された架橋単環式複素環系である。二環式複素環の代表的な例としては、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クロマニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾチエニル、2,3-ジヒドロイソキノリン、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル(2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルを含む)、アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イルを含む)、2,3-ジヒドロ-1H-インドリル、6-アザスピロ[3.4]オクタン-2-イル、7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル、イソインドリニル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル、オクタヒドロピロロピリジニル、テトラヒドロイソキノリニル、1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン及びオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-6-イルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
三環式複素環は、フェニル基に縮合した二環式複素環、あるいは単環式シクロアルキルに縮合した二環式複素環、あるいは単環式シクロアルケニルに縮合した二環式複素環、あるいは単環式複素環に縮合した二環式複素環、あるいは二環式環の隣接しない2個の原子が、1、2、3、若しくは4個の炭素原子からなるアルキレン架橋、又は2、3、若しくは4個の炭素原子からなるアルケニレン架橋によって架橋された二環式複素環によって例示される。三環式複素環の例としては、オクタヒドロ-2,5-エポキシペンタレン、ヘキサヒドロ-2H-2,5-メタノシクロペンタ[b]フラン、ヘキサヒドロ-1H-1,4-メタノシクロペンタ[c]フラン、アザ-アダマンタン(1-アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)、及びオキサ-アダマンタン(2-オキサトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)が挙げられるが、これらに限定されない。単環式、二環式及び三環式の複素環は、環内に含まれる任意の炭素原子又は任意の窒素原子を介して親分子部分に結合しており、非置換であっても置換されていてもよい。
【0079】
Lの-(3から15員の複素環)-の3から15員の複素環としては、3~10員の複素環が好ましい。より好ましいLの-(3から15員の複素環)-の3から15員の複素環は、4から6員の複素環である。
の3から15員の複素環としては、4から6員の複素環が好ましい。
の3から15員の複素環としては、4から6員の複素環が好ましい。
Qの3から15員の複素環としては、4から6員の複素環が好ましい。
の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
15の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
16の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
17の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
18の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
19の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
20の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
23の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
24の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
25の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
24の-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
25の-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
5aの3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
5aの-NH-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
5aの-O-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
5aの-C(=O)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
51の-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
51の3から15員の複素環としては、3から10員の複素環が好ましい。
【0080】
本明細書で使用される「ヒドロキシル」又は「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を意味する。
【0081】
本明細書で使用される「ヒドロキシアルキル」という用語は、少なくとも1つの-OH基が、本明細書で定義されるアルキレン基を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
【0082】
本明細書で使用される「ヒドロキシフルオロアルキル」という用語は、少なくとも1つの-OH基が、本明細書で定義されるフルオロアルキル基を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
【0083】
本明細書で使用される「ペンタハロスルファニル」という用語は、SFを含むが、これに限定されない。
【0084】
本明細書で使用される「チオアルキル」という用語は、本明細書で定義されるアルキル基が、硫黄原子を介して親部分に付加されていることを意味する。
のC1~C10-チオアルキルとしては、C1~C4-チオアルキルが好ましい。
のC1~C10-チオアルキルとしては、C1~C4-チオアルキルが好ましい。
14のC1~C10-チオアルキルとしては、C1~C4-チオアルキルが好ましい。
【0085】
本明細書で使用される「スルホンアミド」という用語は、-S(O)NR-又は-NRS(O)-を意味し、ここでRは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル又はヘテロアルキルであり得る。
【0086】
用語
【化12】
は、単結合
【化13】
、又は二重結合
【化14】
を示す。
【0087】
本明細書に記載の化合物の場合、その基及び置換基は、原子及び置換基の許容される原子価に従って選択することができ、その結果、その選択及び置換は、例えば、転位、環化、脱離などによる変換を自発的に受けない安定な化合物をもたらす。
【0088】
本明細書で使用される「阻害剤」という用語は、標的受容体タンパク質の活性を減少又は消失させる分子実体(例えば、限定するものではないが、開示される化合物)を指す。
【0089】
本明細書で使用される「リガンド」という用語は、受容体に会合又は結合して複合体を形成し、生物学的効果を媒介、防止又は改変することができる天然又は合成の分子実体を指す。したがって、「リガンド」という用語は、アロステリックモジュレータ、阻害剤、アクチベータ、アゴニスト、アンタゴニスト、天然基質及び天然基質の類似体を包含する。
【0090】
本明細書で使用される「天然リガンド」及び「内因性リガンド」という用語は、互換的に使用され、受容体に結合する天然に存在するリガンドを指す。
【0091】
本明細書における「タリウムフラックスアッセイ(thallium flux assay)」という用語は、TREKチャネルの活性をモニターするために使用される蛍光ベースのアッセイを指す。タリウムは、TREKチャネルの細孔を通って容易に流動するカリウムの同族体である。タリウムのフラックスは、Thallosと呼ばれる市販のタリウム感受性蛍光色素を用いて測定される。詳細な方法については後述する。
【0092】
本明細書における「パッチクランプ法」という用語は、TREKチャネル薬理学を評価するための「ゴールデンスタンダードな」方法を指す。詳細な方法については後述する。
【0093】
本明細書における「MK-801誘発性新規物体認識試験」という用語は、統合失調症認知障害動物モデルにおけるインビボ有効性を評価するための実験を指す。詳細な方法については後述する。MK-801はジゾシルピンとしても知られている。
【0094】
本明細書で使用される「TREK阻害剤」という用語は、動物、特に哺乳動物、例えばヒトにおいて当該チャネルを直接的又は間接的に阻害する任意の外因的に投与される化合物又は薬剤を指す。
【0095】
本明細書で使用される「機能障害」という用語は、動物、特に哺乳動物、例えばヒトにおいてチャネルの活性化又は阻害を誘導する任意の異常な機能を指す。
【0096】
本明細書において数値範囲を示す場合、その間に介在する各数字が同じ程度の明確さで明示的に企図されている。例えば、6~9の範囲では、6及び9に加えて数字7及び8が企図され、6.0~7.0の範囲では、数字6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、及び7.0が明示的に企図されている。
【0097】
化合物
一態様では、式(I)の化合物:
【化15】
又はその薬学的に許容される塩が開示され、式中、全ての記号は以下のように定義される。
【0098】
ある実施形態では、式(I)は、好ましくは式(Ia):
【化16】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
ある実施形態では、式(I)は、好ましくは式(Ia-1):
【化17】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0099】
ある実施形態では、式(I)は、好ましくは式(Ia-1-1):
【化18】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
ある実施形態では、式(I)は、好ましくは式(Ia-1-1a):
【化19】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0100】
ある実施形態では、式(I)は、好ましくは式(Ia-1-2):
【化20】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
ある実施形態では、式(I)は、好ましくは式(Ia-1-2a):
【化21】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0101】
ある実施形態では、式(I)は、好ましくは式(II):
【化22】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Lは、(1)エチニレン、(2)-CH-O-及び(3)-5員のヘテロアリール(好ましくはチエニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル又はオキサジアゾリル(例えば、1,2,4-オキサジアゾール)、より好ましくはピラゾリル、イソオキサゾリル又はオキサジアゾリル(例えば、1,2,4-オキサジアゾール))から選択され、
Wは、(1)CH、(2)CR及び(3)N(好ましくはCH)から選択され、
Zは、(1)CH、(2)CR及び(3)N(好ましくはCR8a又はN)から選択され、
及びRは、各々独立して、シアノ、ハロゲン、又は1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル(好ましくはハロゲン又は1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、より好ましくはハロゲン又はメチル)であり、
8aは、水素、ハロゲン、又は1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル(好ましくはハロゲン又はメチル)であり、
Rは、(1)1から3個のR14で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、又は、(2)1か3個のR14で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリールであり(好ましくは、1から3個のR14で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、より好ましくは、各々が1から3個のR14で任意に置換されていてもよいフェニル又はピリジンであり、最も好ましくは、1から3個のR14で任意に置換されていてもよいフェニルである)から選択され、
ここで、複数のR14は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
14は、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)1から5個のハロゲンで置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は、(4)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシ(より好ましくは、(1)ハロゲン、(3)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は(4)1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシ、最も好ましくは、(1)ハロゲン又は(3)1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいメチル)から選択され、
は、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル、(3)C1~C4-アルコキシ、(4)C1~C4-ハロアルキル又は(5)C1~C4-ハロアルコキシ(好ましくは(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル又は(3)C1~C4-アルコキシ、より好ましくは(1)ハロゲン(2)メチル又は(3)メトキシ)から選択され、
は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C1~C4-アルキル、(4)C1~C4-アルコキシ、(5)C1~C4-ハロアルキル又は(6)C1~C4-ハロアルコキシ(好ましくは水素)から選択され、
は、(1)水素又は(2)C1~C4-アルキル(好ましくは水素)から選択され、
は、ハロゲンであり、
は、(1)C1~C6-アルキル、(2)C1~C6-アルコキシ、(3)-NH、(4)-NH-C(=O)-R15、(5)-NH-C(=O)-O-R16、(6)-O-R17、(7)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(8)-C(=O)-R19、(9)-C(=O)-NH-R20、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル又は(13)3から15員の複素環(好ましくは、(4)-NH-C(=O)-R15、(5)-NH-C(=O)-O-R16、(6)-O-R17、(7)-O-(C1~C4-アルキレン)-R18、(8)-C(=O)-R19、(9)-C(=O)-NH-R20又は(11)5から10員のヘテロアリール)から選択され、
ここで、Rの(1)、(2)及び(7)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(10)~(13)の各々は、1から5個のR24(より好ましくは、(1)-NH-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(2)-NH-C(=O)-(3から15員の複素環)、(3)ハロゲン、シアノ及び-OHから選択される1から5個の任意に置換基で置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)、(4)ハロゲン、シアノ及び-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C4-アルキル)、(5)-O-(C1~C6-アルキレン)-(3から15員の複素環)、(6)-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(7)-O(=O)-(3から15員の複素環)、(8)-C(=O)-NH-(C1~C10-アルキル)及び(9)5から10員のヘテロアリール、さらに好ましくは(1)-NH-C(=O)-(C3~C6-シクロアルキル)、(2)-NH-C(=O)-(3から10員の複素環)、(3)ハロゲン、シアノ及び-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、(4)ハロゲン、シアノ及び-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C4-アルキル)、(5)-O-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)、(6)-C(=O)-(C3~C6-シクロアルキル)、(7)-C(=O)-(3から10員の複素環)、(8)-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)及び(9)5から10員のヘテロアリール)で任意に置換されていてもよく、
ここで、Rの(1)、(2)及び(5)~(9)の各々は、1から5個のR51で任意に置換されていてもよく、
複数のR51は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
24は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル、(5)C1~C4-アルコキシ、(6)C3~C10-シクロアルキル、(7)3から10員の複素環、又は(8)-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)(好ましくは(4)C1~C4-アルキル、(7)3から10員の複素環又は(8)-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)、より好ましくは(7)3から10員の複素環)から選択され、ここで、R24の(4)~(5)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)シアノから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよく、R24の(6)~(8)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよく、
51は独立して、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OH、(4)C1~C10-アルキル、(5)C1~C10-アルコキシ、(6)-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)、(7)C3~C10-シクロアルキル及び(8)3から15員の複素環から選択され、ここで、R51の(4)~(8)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C10-アルキル及び(5)C1~C10-ハロアルキル(好ましくは、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル、(3)C1~4-ハロアルキル、(4)C1~C4-アルコキシ及び(5)C1~4-ハロアルコキシ)から選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、
15、R16、R17、R18、R19及びR20は、各々独立して、(1)C1~C4-アルキル、(2)C1~C4-アルコキシ、(3)6から15員のアリール、(4)6から10員のヘテロアリール、(5)C3~C6-シクロアルキル又は(6)3から10員の複素環から選択され、R15、R16、R17、R18、R19又はR20の(1)及び(2)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよく、R15、R16、R17、R18、R19又はR20の(3)~(6)の各々は、1から5個のR25で任意に置換されていてもよく、
25は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル、(5)C1~C4-アルコキシ、(6)C3~C10-シクロアルキル、(7)3から10員の複素環、又は(8)-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)(好ましくは、(1)ハロゲン、(2)-OH、(4)C1~C4-アルキル又は(5)C1~C4-アルコキシ、より好ましくは、(1)ハロゲン、(2)-OH、(4)ハロゲン、-OH及びシアノで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいメチル、又は(5)ハロゲン、-OH及びシアノから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいメトキシ)から選択され、ここで、R25の(4)~(5)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH及び(3)シアノから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよく、R25の(6)~(8)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル及び(5)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよい。
【0102】
ある実施形態では、式(I)は、好ましくは式(Ia-1)、(Ib)又は(Ic):
【化23】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
は、(1)シアノ、(2)-NH、(3)-NH-C(=O)-R15、(4)-NH-C(=O)-O-R16、(5)-O-R17、(6)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(7)-C(=O)-R19、(8)-C(=O)-NH-R20、(9)6から15員のアリール、(10)5から15員のヘテロアリール、(11)C3~C10-シクロアルキル及び(12)3から15員の複素環から選択され、
ここで、Rの(6)は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(9)~(12)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
式(Ib):
【化24】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Rは、1から5個のR14で任意に置換されていてもよいフェニルであり、
は、ハロゲンであり、
は、(1)C1~C10-アルキル、(2)C1~C10-アルコキシ、(3)-NH-C(=O)-R15、(4)-NH-C(=O)-O-R16、(5)-O-R17、(6)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(7)-C(=O)-R19、(8)-C(=O)-NH-R20、(9)-(C1~C10-アルキレン)-(CR2122-R23、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル及び(13)3から15員の複素環から選択され、
ここで、Rの(1)、(2)、(6)及び(9)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(10)~(13)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、又は、
式(Ic):
【化25】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Ring Bは、
【化26】
から選択され、式中、右矢印は6員環との結合位置であり、左矢印はRとの結合位置であり、
Rは、1から5個のR14で任意に置換されていてもよいフェニルであり、
は、ハロゲンであり、
は、(1)C1~C10-アルキル、(2)C1~C10-アルコキシ、(3)-NH-C(=O)-R15、(4)-NH-C(=O)-O-R16、(5)-O-R17、(6)-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、(7)-C(=O)-R19、(8)-C(=O)-NH-R20、(9)-(C1~C10-アルキレン)-(CR2122-R23、(10)6から15員のアリール、(11)5から15員のヘテロアリール、(12)C3~C10-シクロアルキル及び(13)3から15員の複素環から選択され、
ここで、Rの(1)、(2)、(6)及び(9)の各々は、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよく、Rの(10)~(13)の各々は、1から5個のR24で任意に置換されていてもよく、
その他の記号は以下に定義される通りである。
【0103】
ある実施形態では、式(I)は、好ましくは式(Ib):
【化27】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
ある実施形態では、式(I)は、好ましくは式(Ib-1):
【化28】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0104】
ある実施形態では、式(I)は、好ましくは式(Ic):
【化29】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
ある実施形態では、式(I)は、好ましくは式(Ic):
【化30】
である(式中、全ての記号は以下のように定義される)。
【0105】
Lは、好ましくは、結合、C2~C4-アルキニレン(好ましくは、エチニレン)、C2~C4-アルケニレン(好ましくは、エテニレン)、-(C1~C4-アルキレン)-O-(好ましくは、-CH-O-)、-O-(C1~C4-アルキレン)-(好ましくは、-O-CH-)、-(6から10員のアリール)-又は-(5から10員のヘテロアリール)-である。より好ましいLは、C2~C4-アルキニレン(好ましくは、エチニレン)、-(C1~C4-アルキレン)-O-(好ましくは、-CH-O-)、-O-(C1~C4-アルキレン)-(好ましくは、-O-CH-)又は-(5から10員のヘテロアリール)-(好ましくは、-5員のヘテロアリール)である。最も好ましいLは、C2~C4-アルキニレン(好ましくは、エチニレン)である。最も好ましいLは、また、-(5から6員ヘテロアリール)-(好ましくは、-5員のヘテロアリール)である。最も好ましいLは、また、-(C1~C4-アルキレン)-O-(好ましくは、-CH-O-)である。
【0106】
Wは、好ましくはCH又はCRである。最も好ましいWは、CHである。
Zは、好ましくはCR8a又はNである。最も好ましいZは、Nである。
は、好ましくはシアノ、ハロゲン、又は1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキルである。より好ましいRは、ハロゲン、又は1から5個のハロゲンで置換されていてもよいC1~C4-アルキルである。最も好ましいRは、ハロゲン又はメチルである。
【0107】
は、好ましくはシアノ、ハロゲン、又は1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキルである。より好ましいRは、ハロゲン、又は1から5個のハロゲンで置換されていてもよいC1~C4-アルキルである。最も好ましいRは、ハロゲン又はメチルである。
8aは、好ましくは、水素、ハロゲン、又は1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキルである。より好ましいR8aは、ハロゲン又はメチルである。
【0108】
は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。より好ましいRは、水素又はC1~C4-アルキルである。
10は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。より好ましいR10は、C1~C4-アルキルである。
11は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。より好ましいR11は、C1~C4-アルキルである。
【0109】
10及びR11は、好ましくは、炭素原子が互いに結合して、C3~C10-シクロアルキルを形成する。より好ましいR10及びR11は、炭素原子が互いに結合して、C3~C7-シクロアルキルを形成する。
nは、好ましくは1、2、3又は4である。
Qは、好ましくは、ハロゲン、シアノ、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリール、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、又は、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環である。
【0110】
より好ましいQは、ハロゲン、シアノ、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C8-シクロアルキル、又は、(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい4から6員の複素環である。
101、R102、R103、R104、R105、R106、R107、R108、R109、R110、R111及びR112は各々好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
【0111】
は、好ましくは、水素である。
Xは、好ましくは、CHである。
Yは、好ましくは、CHである。
12は、好ましくは、ハロゲン、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。より好ましいR12は、ハロゲンである。
【0112】
13は、好ましくは、ハロゲン、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。より好ましいR13は、ハロゲンである。
Rは、好ましくは、1から3個のR14で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール又は1から3個のR14で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリールである。より好ましいRは、1から3個のR14で任意に置換されていてもよい6から10員のアリールである。より好ましいRは、各々が1から3個のR14で任意に置換されていてもよいフェニル又はピリジンである。最も好ましいRは、1から3個のR14で任意に置換されていてもよいフェニルである。
【0113】
14は、好ましくは、ハロゲン、シアノ、1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシである。より好ましいR14は、ハロゲン、1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、1から5個のハロゲンで任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシである。最も好ましいR14は、ハロゲンである。最も好ましいR14は、また、1から3個のハロゲンで任意に置換されていてもよいメチルである。
【0114】
は、好ましくは、C1~C4-アルキル、ハロゲン、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルキル又はC1~C4-ハロアルコキシである。より好ましいRは、C1~C4-アルキル又はハロゲンである。最も好ましいRは、メチル、メトキシ又はハロゲン(より好ましくは、メチル、ハロゲン)である。
1aは、好ましくは、ハロゲン、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。より好ましいR1aは、メチル、メトキシ又はハロゲンである。最も好ましいR1aは、メチル又はハロゲンである。
【0115】
は、好ましくは、水素、C1~C4-アルキル、ハロゲン、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルキル又はC1~C4-ハロアルコキシである。より好ましいRは、水素である。特に、R又はR8aが水素でない場合、好ましいRは水素である。
は、好ましくは、水素又はC1~C4-アルキルである。より好ましいRは、水素である。
は、好ましくは、ハロゲン、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。より好ましいRは、C1~C4-アルキル又はハロゲンである。最も好ましいRは、ハロゲンである。
【0116】
好ましい一実施形態として、R及びRは、一緒になって-CR4142-(好ましくは-CH-)を形成する。
41、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48は、各々好ましくは、水素又はC1~C4-アルキルであり、より好ましくは、各々水素である。
は、好ましくは、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C6-アルキル、
(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C6-アルコキシ、シアノ、-NH、-NH-C(=O)-R15、-NH-C(=O)-O-R16、-O-R17
(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C10-アルキレン)-R18、-C(=O)-R19、-C(=O)-NH-R20
1から5個のR24で任意に置換されていてもよい6から15員のアリール、
1から5個のR24で任意に置換されていてもよい5から15員のヘテロアリールである。
1から5個のR24で任意に置換されていてもよいC3~C10-シクロアルキル、
1から5個のR24で任意に置換されていてもよい3から15員の複素環である。
【0117】
より好ましいRは、NH-C(=O)-R15、-NH-C(=O)-O-R16、-O-R17
(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C4-アルキレン)-R18、-C(=O)-R19、-C(=O)-NH-R20、又は、
1から5個のR24で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリールである。
【0118】
また、Rは、好ましくは、R5aである。
より好ましいR及びR5aは、NH-C(=O)-R15、-NH-C(=O)-O-R16、-O-R17
(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C4-アルキレン)-R18、-C(=O)-R19、-C(=O)-NH-R20、又は、
1から5個のR24で任意に置換されていてもよい5から15員のヘテロアリールである。
【0119】
5aは、好ましくは、
(1)ハロゲン、(2)シアノ、及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C1~C4-アルキル)、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(3から10員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)シアノ、及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C-O-(=O)-(C1~C4-アルキル)、
(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C4-アルキレン)-(C1~C4-アルコキシ)、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C4-アルキレン)-(5から10員のヘテロアリール)、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(5から10員のヘテロアリール)、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(3から10員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)シアノ、及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)、又は
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリールである。
【0120】
より好ましいR5aは、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-(3から10員の複素環)、
(1)ハロゲン、(2)シアノ、及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C-O-(=O)-(C1~C4-アルキル)、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい-C(=O)-(3から10員の複素環)、又は
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリールである。より好ましいR及びR5aは各々、(1)-NH-C(=O)-(C3~C10-シクロアルキル)、(2)-NH-C(=O)-(3から15員の複素環)、(3)ハロゲン、-OH及びシアノから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C10-アルキル)、(4)ハロゲン、-OH及びシアノから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C10-アルキル)、(5)-O-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)、(6)-C(=O)-(C3から15員の複素環)、(7)-C(=O)-(3から15員の複素環)、(8)-C(=O)-NH-(C1~C10-アルキル)及び(9)5から15員のヘテロアリールであり、
ここで、R5aの(1)、(2)及び(5)~(9)の各々は、1から5個のR51で任意に置換されていてもよく、
複数のR51は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
51は独立して、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OH、(4)C1~C10-アルキル、(5)C1~C10-アルコキシ、(6)-(C1~C10-アルキレン)-(3から15員の複素環)、(7)C3~C10-シクロアルキル及び(8)3から15員の複素環から選択され、
ここで、R51の(4)~(8)の各々は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C10-アルキル及び(5)C1~C10-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよい、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0121】
より好ましいR及びR5aは各々、(1)-NH-C(=O)-(C3~C6-シクロアルキル)、(2)-NH-C(=O)-(3から10員の複素環)、(3)ハロゲン、-OH及びシアノから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-NH-C(=O)-O-(C1~C4-アルキル)、(4)ハロゲン、-OH及びシアノから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよい-O-(C1~C4-アルキル)、(5)-O-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)、(6)-C(=O)-(C3から6員の複素環)、(7)-C(=O)-(3から10員の複素環)、(8)-C(=O)-NH-(C1~C4-アルキル)及び(9)5から10員のヘテロアリールであり、
ここで、R5aの(1)、(2)及び(5)~(9)の各々は、1から5個のR51aで任意に置換されていてもよく、
複数のR51aは、互いに同じであっても異なっていてもよい。
51aは、独立して、(1)ハロゲン、(2)シアノ、(3)-OH、(4)C1~C6-アルキル、(5)C1~C6-アルコキシ、(6)-(C1~C6-アルキレン)-(3から10員の複素環)、(7)C3~C6-シクロアルキル及び(8)3から10員の複素環から選択される。
【0122】
51及びR51aは、各々好ましくは(1)ハロゲン、C1~C4-アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~C4-アルコキシ又はC1~4ハロアルコキシである。
15、R16、R17、R18、R19及びR20は、各々好ましくは、
(1)ハロゲン、(2)シアノ、及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、
(1)ハロゲン、(2)シアノ、及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシ、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリールであり、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよいC3~C6-シクロアルキル、又は
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。
【0123】
より好ましいR15は、
(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、1から5個のR25で任意に置換されていてもよいC3~C6-シクロアルキル、又は1から5個のR25で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。
【0124】
最も好ましいR15は、
(1)ハロゲン、(2)シアノ、及び(3)-OHから選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいtert-ブチル、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよいC3~C6-シクロアルキル、又は
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。
【0125】
より好ましいR16は、
(1)ハロゲン、(2)シアノ、及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキルである。
最も好ましいR16は、
(1)ハロゲン、(2)シアノ、及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいtert-ブチルである。
【0126】
より好ましいR17は、
(1)ハロゲン、(2)シアノ、及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシ、又は、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。
最も好ましいR17は、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。
【0127】
より好ましいR18は、
(1)ハロゲン、(2)シアノ、及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシ、又は、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。
最も好ましいR18は、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。
【0128】
より好ましいR19は、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい6から10員のアリール、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリールであり、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよいC3~C6-シクロアルキル、又は
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。
【0129】
最も好ましいR19は、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよいC3~C6-シクロアルキル、
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい5から10員のヘテロアリール、又は
1から5個のR25で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。
より好ましいR20は、
(1)ハロゲン、(2)シアノ、及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は
(1)ハロゲン、(2)シアノ、及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシである。
【0130】
最も好ましいR20は、
(1)ハロゲン、(2)シアノ、及び(3)-OHから選択される1から5個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキルである。
21及びR22は、各々好ましくは、水素、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。より好ましいR21及びR22は、各々C1~C4-アルキルである。
【0131】
21及びR22は、好ましくは、炭素原子が互いに結合して、C3~C10-シクロアルキルを形成する。
pは、好ましくは、1、2、3又は4である。より好ましいpは、1である。
23は、好ましくは、ハロゲン、シアノ、
(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1~10個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C10-シクロアルキル、又は
(1)ハロゲン、(2)C1~C4-アルキル及び(3)C1~C4-ハロアルキルから選択される1から10個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。
【0132】
より好ましいR23はハロゲン又はシアノである。
201、R202、R203、R204、R205、R206、R207、R208、R209、R210、R211及びR212は各々好ましくはC1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルである。
24及びR25は、各々好ましくは-OH、ハロゲン、シアノ、
(1)ハロゲン、(2)-OH、及び(3)シアノで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、
(1)ハロゲン、(2)-OH、及び(3)シアノで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシ、
(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル及び(5)C1~C4-ハロアルキルで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいC3~C10-シクロアルキル、
(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル及び(5)C1~C4-ハロアルキルで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環、又は、
(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル及び(5)C1~C4-ハロアルキルで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよい-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)である。
【0133】
より好ましいR24は、
(1)ハロゲン、(2)-OH、及び(3)シアノで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、
(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル及び(5)C1~C4-ハロアルキルで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環、又は、
(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル及び(5)C1~C4-ハロアルキルで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよい-(C1~C4-アルキレン)-(3から10員の複素環)である。
【0134】
最も好ましいR24は、(1)ハロゲン、(2)-OH、(3)シアノ、(4)C1~C4-アルキル及び(5)C1~C4-ハロアルキルで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよい3から10員の複素環である。
より好ましいR25は、ハロゲン、-OH、
(1)ハロゲン、(2)-OH、及び(3)シアノで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルキル、又は
(1)ハロゲン、(2)-OH、及び(3)シアノで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいC1~C4-アルコキシである。
【0135】
最も好ましいR25は、ハロゲン、-OH、
(1)ハロゲン、(2)-OH、及び(3)シアノで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいメチル、又は
(1)ハロゲン、(2)-OH、及び(3)シアノで選択される1から3個の置換基で任意に置換されていてもよいメトキシである。
【0136】
26及びR27は各々好ましくは、水素又はC1~C4-アルキルである。
より好ましいR26は、水素である。
より好ましいR27は、水素である。
Ring Bは、好ましくは、6から10員のアリール、又は5から10員のヘテロアリールである。より好ましいRing Bは、5から10員のヘテロアリールである。より好ましいRing Bはまた、5員のヘテロアリール(例えば、チエニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル又はオキサジアゾリル(例えば、1,2,4-オキサジアゾール)であり、より好ましいRing Bは、ピラゾリル、イソオキサゾリル又はオキサジアゾリル(例えば、1,2,4-オキサジアゾール)である。
さらに好ましいRing Bは、
【化31】
最も好ましいRing Bは、
【化32】
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-1)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-2)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ia-1-2a)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ib)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ib-1)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ic)である。
ある実施形態では、式(I)はまた、好ましくは式(Ic-1)である。
ある実施形態では、本化合物は、好ましくは、
(1)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(2)2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-[[(1S,2S)-2-メチルシクロプロパンカルボニル]アミノ]ベンズアミド、
(3)2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-[(2-メチルシクロプロパンカルボニル)アミノ]ベンズアミド、
(4)2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-2-ピリジル]-5-[[(1S,2S)-2-メチルシクロプロパンカルボニル]アミノ]ベンズアミド、
(5)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(6)2-クロロ-5-[(1-フルオロシクロプロパンカルボニル)アミノ]-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(7)2-クロロ-5-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-N-[3-フルオロ-5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-2-ピリジル]ベンズアミド、
(8)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(9)2-クロロ-5-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(10)N-[4-クロロ-3-[[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
(11)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[6-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-2,4-ジメチル-3-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(12)N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]オキセタン-2-カルボキサミド、
(13)N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
(14)N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
(15)tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[3-メチル-5-[2-(2-ピリジル)エチニル]-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
(16)2-クロロ-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-カルボニル)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(17)4-クロロ-N1-(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-エチル)-N3-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンゼン-1,3-ジカルボキサミド、
(18)2-クロロ-N-[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]-5-(3-ヒドロキシ-3-メチル-アゼチジン-1-カルボニル)ベンズアミド、
(19)2-クロロ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-(5-テトラヒドロフラン-3-イル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド、
(20)2-クロロ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-(テトラヒドロピラン-4-イルメトキシ)ベンズアミド、
(21)2-クロロ-5-[[(2R)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ]-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(22)2-クロロ-5-(1,4-ジオキサン-2-イルメトキシ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(23)2-クロロ-5-[[(2S)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ]-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(24)2-クロロ-5-(2-メトキシエトキシ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
(25)tert-ブチル (3-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロフェニル)カルバメート、
(26)tert-ブチル (4-クロロ-3-((2-メチル-4-(フェノキシメチル)フェニル)カルバモイル)フェニル)カルバメート、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0137】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート又はその薬学的に許容される塩である。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-[[(1S,2S)-2-メチルシクロプロパンカルボニル]アミノ]ベンズアミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0138】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-[(2-メチルシクロプロパンカルボニル)アミノ]ベンズアミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
2-クロロ-N-[3-フルオロ-5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-2-ピリジル]-5-[[(1S,2S)-2-メチルシクロプロパンカルボニル]アミノ]ベンズアミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0139】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
2-クロロ-5-[(1-フルオロシクロプロパンカルボニル)アミノ]-N-[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0140】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
2-クロロ-5-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-N-[3-フルオロ-5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-2-ピリジル]ベンズアミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0141】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
2-クロロ-5-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
N-[4-クロロ-3-[[3-フルオロ-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0142】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[6-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-2,4-ジメチル-3-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]オキセタン-2-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0143】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0144】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[3-メチル-5-[2-(2-ピリジル)エチニル]-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
2-クロロ-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-カルボニル)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0145】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
4-クロロ-N1-(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-エチル)-N3-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンゼン-1,3-ジカルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
2-クロロ-N-[5-[2-(3-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]-5-(3-ヒドロキシ-3-メチル-アゼチジン-1-カルボニル)ベンズアミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0146】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
2-クロロ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-(5-テトラヒドロフラン-3-イル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
2-クロロ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-5-(テトラヒドロピラン-4-イルメトキシ)ベンズアミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0147】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
2-クロロ-5-[[(2R)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ]-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
2-クロロ-5-(1,4-ジオキサン-2-イルメトキシ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0148】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
2-クロロ-5-[[(2S)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ]-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
2-クロロ-5-(2-メトキシエトキシ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0149】
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
tert-ブチル (3-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロフェニル)カルバメート、
又はその薬学的に許容される塩である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
ある実施形態では、より好ましい化合物は、
tert-ブチル (4-クロロ-3-((2-メチル-4-(フェノキシメチル)フェニル)カルバモイル)フェニル)カルバメート、又はその薬学的に許容される塩である。
【0150】
式(I)の化合物は、好ましくは、R、L、W、Z、Y、R、R、R、R、R及びRについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、R、R、R、R及びRについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
【0151】
式(Iaー1)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、R、R、R及びRについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-1-1)の化合物は、好ましくは、R、R1a、R、R5a及びR8aについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ia-1-2)の化合物は、好ましくは、R、R1a、R、R及びR5aについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
【0152】
式(Ia-1-2a)の化合物は、好ましくは、R、R1a、R及びR5aについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ib)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、R、R、R、R及びRについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ibー1)の化合物は、好ましくは、R、W、Z、R、R、R及びRについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
【0153】
式(Ic)の化合物は、好ましくは、R、Ring B、W、Z、R、R、R、R及びRについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(Ic-1)の化合物は、好ましくは、R、Ring B、W、Z、R、R、R及びRについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
式(II)の化合物は、好ましくは、R、L、W、Z、R、R、R及びRについて上述した好ましい例の一部又は全部が組み合わされた化合物である。
TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する障害は、好ましくは、神経障害及び/又は精神障害である。
【0154】
TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連するより好ましい障害は、うつ病、統合失調症、不安障害、双極性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、22q11.2欠失症候群、神経因性疼痛又は脳梗塞である。
【0155】
さらに、TREK1、TREK2、又はTREK1、TREK2若しくはTREK1とTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK1及びTREK2の両方の機能障害に関連する好ましい障害は、うつ病、統合失調症、不安障害、双極性障害である。TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK1、TREK2又はTREK1/TREK2の両方の機能障害に関連する最も好ましい障害は、うつ病又は統合失調症である。
【0156】
化合物名は、CHEMDRAW(登録商標)ULTRA v15.0の一部であるStruct=Name命名アルゴリズムを使用して決定される。
【0157】
本発明においては、特に断らない限り、
記号:
【化33】
は、紙面の裏側に置換基が結合していること(換言すれば、α配置)を表し、
記号:
【化34】
は、紙面の手前側に置換基が結合していること(換言すれば、β配置)を表し、
記号:
【化35】
は、α-立体配置とβ-立体配置との混合を表す。
【0158】
本化合物は、不斉中心又はキラル中心が存在する立体異性体として存在し得る。立体異性体は、キラル炭素原子の周りの置換基の配置に応じて「R」又は「S」である。本明細書で使用される「R」及び「S」という用語は、IUPAC 1974 RecommendationsのSection E,Fundamental Stereochemistry、Pure Appl.Chem.,1976,45:13-30で定義されている構成である。本開示は、様々な立体異性体及びそれらの混合物を企図し、これらは特に本発明の範囲内に含まれる。立体異性体には、エナンチオマー及びジアステレオマー、並びにエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物が含まれる。本化合物の個々の立体異性体は、不斉中心又はキラル中心を含有する市販の出発物質から合成的に、又はラセミ混合物の調製とそれに続く当業者に周知の分割方法によって調製することができる。これらの分割方法は、(1)エナンチオマーの混合物のキラル補助剤への結合、再結晶又はクロマトグラフィーによって得られたジアステレオマーの混合物の分離、及び任意選択の、Furniss,Hannaford,Smith,and Tatchell,’’Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry,’’5th edition(1989)、Longman Scientific&Technical,Essex CM20 2JE,Englandに記載されているような補助剤からの光学的に純粋な生成物の遊離、又は、(2)キラルクロマトグラフィーカラムによる光学エナンチオマーの混合物の直接分離、又は、(3)分別再結晶方法によって例示される。
【0159】
本化合物は互変異性体並びに幾何異性体を有してもよく、これらもまた本開示の実施形態を構成することを理解されたい。
【0160】
本開示はまた、1つ以上の原子が、自然界で通常見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置き換えられているという事実を除いて、式(I)に記載されるものと同一である同位体標識化合物を含む。本発明の化合物に含めるのに適した同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、及び塩素であり、例えば、限定するものではないが、それぞれ、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clである。より重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性から生じる特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の増加又は必要投与量の減少をもたらすことができ、それゆえ、いくつかの状況では好ましい場合がある。本化合物は、受容体の分布を決定するために、医療撮像及び陽電子放出断層撮影(PET)研究のための陽電子放出同位体を組み込むことができる。式(I)の化合物に組み込むことができる適切な陽電子放出同位体は、11C、13N、15O、及び18Fである。式(I)の同位体標識化合物は、一般に、当業者に公知の従来の技術によって、又は、非同位体標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、添付の実施例に記載されるものと同様の方法によって調製することができる。
【0161】
薬学的に許容される塩
本開示の化合物は、薬学的に許容される塩として存在し得る。「薬学的に許容される塩」という用語は、水又は油に溶性又は分散性であり、過度の毒性、刺激及びアレルギー反応を伴わない障害の治療に適しており、合理的な利益/リスク比に見合っており、それらの意図する用途に有効な、化合物の塩又は双性イオンを指す。塩は、本化合物の最終的な単離及び精製中に調製することができ、又は本化合物のアミノ基を適切な酸と反応させることによって別々に調製することができる。例えば、化合物を、適切な溶媒、例えば、限定するものではないがメタノール及び水に溶解し、塩酸などの少なくとも1当量の酸で処理することができる。得られた塩を沈殿させ、濾過によって単離し、減圧下で乾燥させることができる。あるいは、溶媒及び過剰な酸を減圧下で除去して塩を得ることができる。代表的な塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、イセチオン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、グルタミン酸塩、パラ-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、塩酸塩、臭酸塩、硫酸塩、リン酸塩などが挙げられる。本化合物のアミノ基はまた、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ラウリル、ミリスチル、ステアリルなどのアルキルの塩化物、臭化物及びヨウ化物で四級化されてもよい。
【0162】
塩基性付加塩は、開示された化合物の最終単離及び精製中に、カルボキシル基と、適切な塩基、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム若しくはアルミニウムなどの金属カチオンの水酸化物、炭酸塩若しくは重炭酸塩、又は有機第一級、第二級若しくは第三級アミンとの反応によって調製され得る。例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、1-エフェナミン、及びN,N’-ジベンジルエチレンジアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどから誘導される第四級アミン塩を調製することができる。
【0163】
本発明において、本発明の化合物としては、全て式(I)で表される化合物、又はその塩、溶媒和物若しくは共結晶が挙げられる。
【0164】
式(I)で表される化合物及びその塩は、水又はエタノールなどの薬学的に許容される溶媒との非溶媒和形態又は溶媒和形態で存在し得る。好ましい溶媒和物としては、水和物が挙げられる。式(I)で示される化合物及びその塩は、公知の方法により溶媒和物に変換することができる。
【0165】
式(I)で表される化合物は、適切な共結晶形成剤によって共結晶を形成することができる。共結晶としては、薬学的に許容される共結晶形成剤により形成された薬学的に許容される共結晶が好ましい。共結晶とは、典型的には、イオン結合とは異なる分子間相互作用により、2種以上の異なる分子からなる結晶と定義される。また、共結晶は、中性分子と塩との複合体であってもよい。共結晶は、周知の方法による溶媒からの再結晶、例えば、溶融結晶化や、成分を一緒に物理的に粉砕することによって作製することができる。好適な共結晶形成剤としては、国際公開第2006/007448号に記載されているものが挙げられる。
【0166】
式(I)で表される化合物は、プロドラッグとして投与することができる。式(I)で表される化合物のプロドラッグは、酵素や胃酸等との反応により、生体内で式(I)で表される化合物に変換される化合物を指す。式(I)で表される化合物のプロドラッグとしては、式(I)で表される化合物がアミノ基を有する場合には、そのアミノ基が、アシル化、アルキル化又はリン酸化された化合物(例えば、そのアミノ基が、エイコサノイル、アラニル、ペンチルアミノカルボニル、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メトキシカルボニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジルメチル、ピバロイルオキシメチル、アセトキシメチル、tert-ブチルなどに変換された式(I)で表される化合物)、式(I)で示される化合物がヒドロキシ基を有する場合には、そのヒドロキシ基が、アシル化、アルキル化、リン酸化されているか、又はボレートに変換されている化合物(例えば、そのヒドロキシ基が、アセチル、パルミトイル、プロパノイル、ピバロイル、スクシニル、フマル、アラニル、ジメチルアミノメチルカルボニルなどに変換された式(I)で表される化合物)、式(I)で表される化合物がカルボキシ基を有する場合には、そのカルボキシ基がエステル化又はアミド化された化合物(例えば、そのカルボキシ基が、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、フェニルエステル、カルボキシメチルエステル、ジメチルアミノメチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、フタリジルエステル、1-{(エトキシカルボニル)オキシ}エチルエステル、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル、1-{[(シクロヘキシルオキシ)カルボニル]オキシ}エチルエステル、メチルアミドなどに変換された式(I)で表される化合物)などが挙げられる。式(I)で表される化合物のプロドラッグは、「医薬品の開発」第7巻「分子設計」、p163-198、1990、広川書店株式会社に開示されているもののような、生理学的条件下において、式(I)で表される化合物に変換されるものであり得る。
【0167】
一般的な合成
式(I)の化合物は、合成プロセス又は代謝プロセスによって調製することができる。代謝プロセスによる化合物の調製には、ヒト若しくは動物の体内で生じるもの(インビボ)又はインビトロで生じるプロセスが含まれる。
【0168】
以下のスキームの説明で使用されている略語は以下の通りであり、すなわち、IPAはイソプロピルアルコールであり、AcOHは酢酸であり、TFAはトリフルオロ酢酸であり、DCEは1,2-ジクロロエタンであり、DCMはジクロロメタンであり、DIEAはN,N-ジイソプロピルエチルアミンであり、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドであり、HATUは1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェートであり、MWはマイクロ波であり(マイクロ波リアクターを指す)、PyClUは1-(クロロ-1-ピロリジニルメチレン)ピロリジニウムヘキサフルオロホスフェートであり、rtは室温であり、キサントホス(Xantphos)は4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテンであり、Bocはtert-ブチルオキシカルボニルであり、dppfは、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンであり、dbaは、ジベンジリデンアセトンである。
【0169】
式(I)の化合物、具体的には式(Ia)、式(Ib)及び式(Ic)の化合物は、スキームIからXIVに示すように合成することができる。
【化36】
(式中、Xは、(1)ハロゲン、(2)トシレート、(3)メシラート及び(4)トリフラートから選択され、他の記号は以下のように定義される)
【0170】
スキームIに示すように、化合物A1ー1を、当該分野で一般的に知られている薗頭カップリング条件下で種々のアルキンとカップリングさせて、中間体A2ー1を得ることができる。例えば、この反応は、約60℃まで加熱しながら、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、塩基(例えば、DIEA)及び銅源(例えば、ヨウ化銅(I))の存在下、Pd(PPhClなどのパラジウム触媒を用いて行ってもよい。
【0171】
【化37】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームI-aに示すように、化合物A1-1を、当技術分野で一般的に知られている遷移金属触媒カップリング条件下又は塩基性条件下で種々のアルコールとカップリングさせて、中間体A2-2を得ることができる。例えば、この反応は、トルエンなどの溶媒中、遷移金属触媒(例えば、CuI)及び塩基(例えば、CsCO)の存在下、約80℃まで加熱しながら行ってもよい。あるいは、この反応は、塩基(例えば、NaH)の存在下、約120℃まで加熱しながら行ってもよい。
【0172】
【化38】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームI-bに示すように、化合物A1-2を、当技術分野で一般的に知られている光延条件下で種々のアルコールとカップリングさせて、中間体A1-3を得ることができる。例えば、この反応は、THFなどの溶媒中、ホスフィン(例えば、PPh)の存在下で、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートなどのジアゾ誘導体を用いて行ってもよい。
【0173】
【化39】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームI-cに示すように、化合物A1-4を、当技術分野で一般的に知られている塩基性条件下で種々のアルコールとカップリングさせて、中間体A1-5を得ることができる。例えば、この反応は、DMFなどの溶媒中、塩基(例えば、CsCO)の存在下、フェノールなどのAr-OHを用いて行ってもよい。Arは、以下のようにアリールを意味する。
【0174】
【化40】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームI-dに示すように、化合物A1-6は、当技術分野で一般的に知られている還元条件下でアニリン中間体A2-3に変換され得る。例えば、この反応は、THF-HOなどの溶媒中、酸(例えば、塩化アンモニウム)の存在下、約75℃まで加熱しながら、鉄粉末などの水素源を用いて反応を行ってもよく、あるいは、酢酸エチルなどの溶媒中、パラジウム触媒(例えば、5%パラジウム炭素)の存在下、水素などの水素源を用いて行ってもよい。
【0175】
【化41】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームI-eに示すように、化合物A1-7を、当該分野で一般的に知られている塩基性条件下で種々のハロゲン化アルキルとカップリングさせて、中間体A2-2を得ることができる。例えば、この反応は、DMFなどの溶媒中、塩基(例えば、CsCO)の存在下、臭化ベンジルなどのハロゲン化アルキルを用いて行ってもよい。
【0176】
【化42】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームIIは、式(A4-1)の化合物への一般的な経路を示す。化合物A4-1は、約60℃に加熱する標準的なアミドカップリング条件(例えば、PyClU、ピリジン、DCE)によって形成され得る。
【0177】
【化43】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームIIIは、式(A6)の化合物への一般的な経路を示す。化合物A6は、約60℃に加熱する標準的なアミドカップリング条件(例えば、PyClU、ピリジン、DCE)によって形成され得る。
【0178】
【化44】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームIVに示すように、化合物A6を、当該分野で一般的に知られている薗頭カップリング条件下で種々のアルキンとカップリングさせて、A4-2を得ることができる。例えば、その反応は、約60℃まで加熱しながら、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、塩基(例えば、DIEA)及び銅源(例えば、ヨウ化銅(I))の存在下、Pd(PPhClなどのパラジウム触媒を用いて行うことができる。
【0179】
【化45】
ここで、R15Aは、5から15員のヘテロアリール又は3から15員の複素環から選択され、その他の記号は以下のように定義される。
スキームVに示すように、酸性条件下(例えば、TFA/DCM)におけるA4-3は、アニリンをもたらし得、続いて、標準的なアミドカップリング条件下(例えば、HATU、DIEA、カルボン酸、又R15COCl、DIEA、DCM)でカップリングさせてアミドA4-4を形成し得る。
【0180】
【化46】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームVIは、式(A8)の化合物への一般的な経路を示す。化合物A8は、約60℃に加熱したPd触媒(例えば、CO(g)、KCO、Pd(OAc)、MeOH、DMF)の存在下、標準的なCO挿入条件によって形成され得る。
【0181】
【化47】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームVIIは、式(A9)の化合物への一般的な経路を示す。化合物A9は、標準的な鹸化条件(例えば、NaOH、HO、MeOH、室温)によって形成され得る。
【0182】
【化48】
式中、
【化49】
は、5から15員のヘテロアリール又はアミド形成に適した窒素を有する3から15員の複素環から選択され、その他の記号は以下のように定義される。
【0183】
スキームVIIIに示すように、中間体A9は、標準的なアミドカップリング条件下(例えば、HATU、DIEA、アミン
【化50】
)、アミドA4-5を形成する。
【0184】
【化51】
ここで、R20Aは、(1)ハロゲン(2)シアノ及び(3)-OHから選択される置換基で任意に置換されていてもよいC1~C10-アルキルから選択され、その他の記号は以下のように定義される。
【0185】
スキームIXに示すように、中間体A9を標準的なアミドカップリング条件下(例えば、HATU、DIEA、アミン(R20A-NH))でカップリングさせてアミドA4~6を形成することができる。
【化52】
全ての記号は以下のように定義される。
【0186】
スキームXに示すように、中間体A3-1は、酸塩化物(例えばSOCl)を形成し、その後、塩基(例えば、DIEA)、溶媒(例えば、DCM)及びアミンA2の存在下でのアミド形成を経て、アミドA10を得ることができる。
【化53】
全ての記号は以下のように定義される。
【0187】
スキームXIに示すように、化合物A10を、塩基性条件下で種々のハロゲン化アルキルとカップリングさせてエーテルA4ー7を得ることができる。例えば、この反応は、DMFなどの溶媒中、塩基(例えば、CsCO)の存在下、2-(ブロモメチル)ジオキサンなどのハロゲン化アルキルを用いて行ってもよい。
【化54】
式中、
【化55】
は、5員のヘテロアリールであり、その他の記号は以下のように定義される。
【0188】
スキームXIIに示すように、化合物A4-8は、当該分野で一般的に知られている鈴木クロスカップリング条件によって調製することができる。例えば、この反応は、
【化56】
のようなボロン酸、
【化57】
のようなボロン酸エステルなどのホウ素試薬、並びにパラジウム触媒(例えば、Pd(dppf)Cl)を用いて、塩基(例えば、KCO)の存在下、適切な溶媒(例えば、1,4-ジオキサン及び水)中、85℃まで加熱しながら行ってもよい。
【0189】
【化58】
式中、
【化59】
は、5員のヘテロアリールであり、その他の記号は以下のように定義される。
【0190】
スキームXIIIに示すように、化合物A4-9は、当該分野で一般的に知られている鈴木クロスカップリング条件によって調製することができる。例えば、この反応は、
【化60】
のようなボロン酸、
【化61】
のようなボロン酸エステルなどのホウ素試薬、並びにパラジウム触媒(例えば、Pd(dppf)Cl)を用いて、塩基(例えば、KCO)の存在下、適切な溶媒(例えば、1,4-ジオキサン及び水)中、85℃まで加熱しながら行ってもよい。
【0191】
【化62】
全ての記号は以下のように定義される。
スキームXIVは、中間体A11とアミドA12との間の交差カップリングを示す。例えば、この反応は、100℃まで加熱しながら、中間体A11及びA12、パラジウム触媒(例えば、Pd(dba))、適切な配位子(例えばキサントホス)、塩基(例えばCsCO)及び溶媒(例えばDMF)を用いて行ってもよい。
【0192】
各反応の出発原料として用いられる化合物は公知であるか、公知の方法で容易に調製することができる。
【0193】
本化合物及び中間体は、有機合成の当業者に周知の方法によって単離及び精製することができる。化合物を単離及び精製するための従来の方法の例としては、例えば、「Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry」,5th edition(1989),by Furniss,Hannaford,Smith,and Tatchell,pub.Longman Scientific&Technical,Essex CM20 2JE,Englandに記載されているように、任意選択の活性炭による前処理を伴う高温又は低温での再結晶によるシリカゲル、アルミナ、又はアルキルシラン基で誘導体化されたシリカなどの固体支持体上のクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、様々な圧力での蒸留、真空下での昇華、及び粉砕を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0194】
開示される化合物は、少なくとも1つの塩基性窒素を有することができ、それによって化合物を酸で処理して所望の塩を形成することができる。例えば、化合物を室温以上で酸と反応させて所望の塩を得ることができ、これを堆積させ、冷却後に濾過によって回収する。反応に適した酸の例としては、酒石酸、乳酸、コハク酸、並びにマンデル酸、アトロ乳酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、炭酸、フマル酸、マレイン酸、グルコン酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、クエン酸、ヒドロキシ酪酸、カンファースルホン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸、アスパラギン酸、又はグルタミン酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0195】
各個々の工程の反応条件及び反応時間は、使用される特定の反応物及び使用される反応物中に存在する置換基に応じて異なり得る。具体的な手順は、実施例のセクションに提示されている。反応は、従来の方法で、例えば、残渣から溶媒を除去することによって仕上げることができ、さらに、当技術分野で一般的に知られている方法、例えば、限定するものではないが、結晶化、蒸留、抽出、粉砕及びクロマトグラフィーなどに従って精製することができる。特に記載のない限り、出発物質及び試薬は市販されているか、又は化学文献に記載されている方法を使用して市販の物質から当業者によって調製され得る。出発材料は、市販されていない場合、標準的な有機化学技術、既知の構造的に類似した化合物の合成に類似した技術、又は上記のスキーム若しくは合成例のセクションに記載の手順に類似した技術から選択される手順によって調製することができる。
【0196】
反応条件、試薬及び合成経路の順序の適切な取り扱いと、反応条件と両立し得ない任意の化学官能性の保護と、方法の反応順序の適切な時点における脱保護とを含む日常的な実験は、本発明の範囲に含まれる。適切な保護基並びにかかる適切な保護基を使用して異なる置換基を保護及び脱保護する方法は、当業者に周知であり、その例は、PGM Wuts and TW Greene,in Greene’s book titled Protective Groups in Organic Synthesis(4th ed.)、John Wiley&Sons,NY(2006)に見出すことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の化合物の合成は、上記及び特定の実施例に記載の合成スキームに記載されたものと同様の方法によって達成することができる。
【0197】
開示される化合物の光学活性形態が必要とされる場合、それは、(例えば、適切な反応ステップの不斉誘導によって調製される)光学活性の出発物質を使用して、本明細書に記載される手順の1つを実施することによって、又は、(クロマトグラフィー分離、再結晶若しくは酵素分割などの)標準的な手順を使用して、本化合物若しくは中間体の立体異性体の混合物を分割することによって、得ることができる。
【0198】
同様に、化合物の純粋な幾何異性体が必要とされる場合、それは、出発物質として純粋な幾何異性体を使用して、上記手順の1つを行うことによって、又は、クロマトグラフィー分離などの標準的な手順を使用して、本化合物若しくは中間体の幾何異性体の混合物を分割することによって得ることができる。
【0199】
記載された合成スキーム及び特定の例は例示的なものであり、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことが理解されよう。合成方法及び具体的な例の全ての代替物、改変物及び等価物は、特許請求の範囲内に含まれる。
【0200】
TREK1及びTREK2の阻害剤活性
方法1(タリウムフラックスアッセイ)
ヒトTREK-1を安定に発現するCHO-K1細胞又はヒトTREK-2を安定に発現するHEK293細胞を384ウェルプレートに播種し、一晩培養し、翌日にThallos色素を添加し、試験化合物又は対照化合物(tert-ブチル (3-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロフェニル)カルバメート)又は0.3%DMSO(ビヒクル対照)で10分間処理し、次いでタリウム刺激バッファーで処理してタリウムフラックスを開始させた。試験化合物の有効性及び効力を測定するために、蛍光強度の変化(ΔRatio)及び阻害%を以下の式を使用して計算した:
ΔRatio=(タリウム添加25秒後の蛍光強度)/(タリウム添加前の蛍光強度の平均値)
阻害%={1-(試験化合物のΔRatio-10μMの対照化合物のΔRatio)/(0.3%DMSOのΔRatio-10μMの対照化合物のΔRatio)}×100
【0201】
方法2(パッチクランプ法)
ヒトTREK-1を安定に発現するCHO-K1細胞又はヒトTREK-2を安定に発現するHEK293細胞をカバーガラス上に播種し、パッチクランプ法のホールセルの設定でボルテージクランプした。細胞を-80mVの保持電位でボルテージクランプし、500ミリ秒にわたって0mVにステップした。その後、電圧を500ミリ秒の持続時間にわたって-120mVから+80mVまで上昇させた。このステップランププロトコルを10秒ごとに繰り返した。浴液は以下を含んでいた:135mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、5mM D-グルコース、10mM HEPES、10mM スクロース(NaOH、300mosmol/kg HOでpH7.4に調整)。ピペット溶液は以下を含んでいた:135mM KCl、2mM MgCl、1mM EGTA、10mM HEPES、2mM NaATP(KOH、285mosmol/kg HOでpH7.35に調整)。試験化合物を浴液に溶解した。最大阻害を求めることができるように、対照化合物(tert-ブチル (3-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロフェニル)カルバメート)を添加して、TREK-2に対する実験を終了した。電流に対する試験化合物の効果は、以下の式を使用して0mVで計算した:
TREK-1チャネルを発現するCHO細胞の場合:阻害%=(1-後電流/前電流)×100、
TREK-2チャネルを発現するHEK293細胞の場合:阻害%={1-(後電流-10μMの対照化合物の存在下での電流)/(前電流-10μMの対照化合物の存在下での電流)}×100。
【0202】
いくつかの実験では、本開示の化合物は、タリウムフラックスアッセイにおけるタリウム蛍光の減少の形で、又はパッチクランプ電気生理学アッセイにおける0mVで測定される電流の減少の形で、TREK1チャネル応答を阻害する。
【0203】
本開示の化合物は、阻害機構を介して、又はアロステリック調節機構を介して、TREK-1及び/又はTREK-2を阻害し得る。
【0204】
方法3(MK-801誘発性新規物体認識試験):
6週齢の雄性Sprague Dawleyラットを用いて試験を行った。試験日に、ラットを空の箱で個別に10分間順化させた。本開示の化合物を1時間前に経口投与し、続いてMK-801(0.2mg/kg、腹腔内又は皮下)を10分間の獲得試行(acquisitiontrial)の30分前に投与した。10分間の保持試行(retention trial)は、80分間の試行間間隔で行った。ラットは獲得試行において同じ対象を探索することができた。保持試行では、獲得試行で使用した対象物のうちの1つを新規のものに置き換えた。保持試行において、舐める、鼻を鳴らす、又は触れるの探索時間を測定した。0.3、1、3又は10mg/kg p.o.の用量における各化合物の有効性(n=12~15)をRecognition index(新規物体に至るまでの探索時間/全探索時間)によって求めた。MK-801/ビヒクル及びMK-801/化合物処置群のスコアをDunnett検定によって統計学的に分析した。
【0205】
本開示の化合物は、TREK1を選択的に阻害し得る。本開示の化合物は、TREK2を選択的に阻害し得る。本開示の化合物は、TREK1及びTREK2の両方を様々な程度に阻害し得る。本開示の化合物は、競合的アンタゴニスト機構を介して、又はアロステリックな非競合的機構を介して、TREK1及び/又はTREK2を阻害し得る。
【0206】
本開示の化合物は、TREK1又はTREK2をトランスフェクトしたCHO-K1細胞におけるTREK1及び/又はTREK2の反応を、TREK1又はTREK2に対するIC50未満又はそれと同等のIC50で阻害し得る。すなわち、開示される化合物は、TREK2に比べてTREK1に選択性を有し得、開示される化合物は、TREK1に比べてTREK2に選択性を有し得、又は選択性を有し得ない。例えば、ある実施形態では、開示される化合物は、TREK1の反応を、TREK2のIC50の、約1/5、約1/10、約1/20、約1/30、約1/50、約1/100、約1/200、約1/300、約1/400、又は約1/500未満のIC50で阻害することができる。ある実施形態では、開示される化合物は、TREK2の反応を、TREK1のIC50の、約1/5、約1/10、約1/20、約1/30、約1/50、約1/100、約1/200、約1/300、約1/400、又は約1/500未満のIC50で阻害することができる。ある実施形態では、開示される化合物は、同等のIC50値でTREK1及びTREK2の反応を阻害することができる。
【0207】
医薬組成物及び製剤
本開示の化合物は、対象(例えば、ヒト又は非ヒトであり得る患者)への投与に適した医薬組成物に組み込むことができる。本開示の化合物はまた、噴霧乾燥分散配合物などの配合物として提供され得る。
【0208】
医薬組成物及び製剤は、「治療有効量」又は「予防有効量」の薬剤を含み得る。「治療有効量」は、所望の治療結果を達成するための、それに必要な投与量及び期間における有効な量を指す。本組成物の治療有効量は、当業者によって決定され得、個体の疾患状態、年齢、性別及び体重、並びに個体において所望の応答を誘発する本組成物の能力などの因子によって変動し得る。治療有効量はまた、治療上有益な効果が本発明の化合物(例えば、式(I)の化合物)の任意の毒性又は有害な影響を上回る量である。「予防有効量」は、所望の予防結果を達成するための、それに必要な投与量及び期間における有効な量を指す。典型的には、予防用量が疾患の前又は初期段階で対象に使用されるので、予防有効量は治療有効量よりも少ない。
【0209】
例えば、式(I)の化合物の治療有効量は、患者への1日1回から数回の経口投与による、一回約0.01mgから約1000mg、一回約0.05mgから約500mg、一回約0.1mgから約500mg、一回約0.5mgから約300mg、一回約1mgから約250mg、一回約5mgから約200mg、及び一回約10mgから約150mgであり得、又は、患者への1日あたり30分から24時間にわたる静脈内への非経口的な投与による、一回約0.01mgから約1000mg、一回約0.05mgから約500mg、一回約0.1mgから約500mg、一回約0.5mgから約300mg、一回約1mgから約250mg、一回約5mgから約200mg、及び一回約10mgから約150mgであり得る。それは、1日あたり1回から数回患者に投与され得る。
【0210】
言うまでもなく、上述したように、使用される有効量は、様々な条件に応じて変動する。したがって、上記範囲よりも低い有効量で十分な場合があり、上記範囲よりも高い有効量が必要な場合がある。
【0211】
医薬組成物及び製剤は、薬学的に許容される担体を含み得る。本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という用語は、任意の種類の非毒性の不活性固体、半固体又は液体充填剤、希釈剤、カプセル化材料又は製剤補助剤を意味する。薬学的に許容され得る担体として機能し得る物質のいくつかの例は、限定するものではないが、ラクトース、グルコース及びスクロースなどの糖;限定するものではないが、コーンスターチ及びジャガイモデンプンなどのデンプン;限定するものではないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体;トラガント粉末;麦芽;ゼラチン;タルク;限定するものではないが、カカオバター及び坐剤ワックスなどの賦形剤;限定するものではないが、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール類;限定するものではないが、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル類;寒天;限定するものではないが、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール、及びリン酸緩衝液、並びに、限定するものではないが、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどの他の非毒性の適合性潤滑剤であり、加えて、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び芳香剤、保存剤、並びに酸化防止剤もまた、製剤者の判断に従って本組成物中に存在し得る。
【0212】
したがって、本化合物及びそれらの生理学的に許容される塩は、例えば、固体投与、点眼剤、局所油性製剤、注射、(口若しくは鼻のいずれかを介する)吸入、インプラント、又は経口投与、頬側投与、非経口投与若しくは直腸投与による投与のために製剤化され得る。技術及び製剤は、一般に、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(Meade Publishing Co.,Easton,Pa.)に見出すことができる。治療用組成物は、典型的には、製造及び貯蔵の条件下で無菌かつ安定でなければならない。
【0213】
本開示の化合物が投与される経路及び本組成物の形態は、使用される担体の種類を決定する。本組成物は、例えば、全身投与(例えば、経口、直腸、経鼻、舌下、頬側、インプラント、又は非経口)又は局所投与(例えば、皮膚、肺、鼻、耳、眼、リポソーム送達系、又はイオン導入)に適した様々な形態であり得る。
【0214】
全身投与用の担体は、典型的には、希釈剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、香味料、甘味料、酸化防止剤、保存剤、流動促進剤、溶媒、懸濁化剤、湿潤剤、界面活性剤、それらの組み合わせなどのうちの少なくとも1つを含む。全ての担体は、本組成物において自由に選択できる。
【0215】
好適な希釈剤としては、グルコース、ラクトース、デキストロース及びスクロースなどの糖;プロピレングリコールなどのジオール;炭酸カルシウム;炭酸ナトリウム;グリセリンなどの糖アルコール;マンニトール;及びソルビトールが挙げられる。全身又は局所組成物中の希釈剤の量は、典型的には約50から約90%である。
【0216】
好適な潤滑剤としては、シリカ、タルク、ステアリン酸とそのマグネシウム塩及びカルシウム塩、硫酸カルシウム、並びに、液体潤滑剤、例えば、ポリエチレングリコールと、植物油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びテオブロマの油とが挙げられる。全身又は局所組成物中の潤滑剤の量は、典型的には約5から約10%である。
【0217】
好適な結合剤としては、ポリビニルピロリドン;マグネシウムアルミニウムシリケート;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンなどのデンプン;ゼラチン;トラガカント;並びにセルロースとその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。全身組成物中の結合剤の量は、典型的には約5から約50%である。
【0218】
好適な崩壊剤としては、寒天、アルギン酸とそのナトリウム塩、発泡性混合物、クロスカルメロース、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土、及びイオン交換樹脂が挙げられる。全身又は局所組成物中の崩壊剤の量は、典型的には約0.1から約10%である。
【0219】
好適な着色剤としては、FD&C染料などの着色剤が挙げられる。使用時において、全身又は局所組成物中の着色剤の量は、典型的には約0.005から約0.1%である。
【0220】
好適な香味料としては、メントール、ペパーミント、及びフルーツフレーバーが挙げられる。全身又は局所組成物中の香味料の量は、使用時において、典型的には約0.1から約1.0%である。
【0221】
好適な甘味料としては、アスパルテーム及びサッカリンが挙げられる。全身又は局所組成物中の甘味料の量は、典型的には約0.001から約1%である。
【0222】
好適な酸化防止剤としては、ブチル化ヒドロキシアニソール(「BHA」)、ブチル化ヒドロキシトルエン(「BHT」)及びビタミンEが挙げられる。全身又は局所組成物中の抗酸化剤の量は、典型的には約0.1から約5%である。
【0223】
好適な防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、メチルパラベン及び安息香酸ナトリウムが挙げられる。全身又は局所組成物中の防腐剤の量は、典型的には約0.01から約5%である。
【0224】
好適な流動促進剤としては、二酸化ケイ素が挙げられる。全身又は局所組成物中の流動促進剤の量は、典型的には約1から約5%である。
【0225】
好適な溶媒としては、水、等張食塩水、オレイン酸エチル、グリセリン、ヒドロキシル化ヒマシ油、エタノールなどのアルコール、及びリン酸緩衝液が挙げられる。全身又は局所組成物中の溶媒の量は、典型的には約0から約100%である。
【0226】
好適な懸濁化剤としては、AVICEL RC-591(ペンシルバニア州フィラデルフィア所在のFMC Corporationが提供する)及びアルギン酸ナトリウムが挙げられる。全身又は局所組成物中の懸濁化剤の量は、典型的には約1から約8%である。
【0227】
好適な界面活性剤としては、レシチン、ポリソルベート80及びラウリル硫酸ナトリウム、並びにデラウェア州ウィルミントンのAtlas Powder Companyが提供するTWEENSが挙げられる。好適な界面活性剤としては、C.T.F.A.Cosmetic Ingredient Handbook,1992,pp.587-592、Remington’s Pharmaceutical Sciences,15th Ed.1975,pp.335-337、及び、McCutcheon’s Volume 1,Emulsifiers&Detergents,1994,North American Edition,pp.236-239に開示されているものが挙げられる。全身又は局所組成物中の界面活性剤の量は、典型的には約0.1%から約5%である。
【0228】
全身組成物中の成分の量は、調製される全身組成物の種類に応じて異なり得るが、一般に、全身組成物は、0.01%から50%の活性化合物(例えば、式(I)の化合物)及び50%から99.99%の1種以上の担体を含む。非経口投与のための組成物は、典型的には、0.1%から10%の活性物質及び90%から99.9%の希釈剤及び溶媒などの担体を含む。
【0229】
経口投与のための組成物は、様々な剤形を有することができる。例えば、固体形態には、錠剤、カプセル、顆粒、及びバルク粉末が含まれる。これらの経口剤形は、安全かつ有効な量、通常、少なくとも約5%、より具体的には約25%から約50%の活性物質を含む。経口投与組成物は、約50%から約95%の担体、より具体的には、約50%から約75%の担体を含む。
【0230】
錠剤は、圧縮錠、粉薬錠剤、腸溶錠、糖衣錠、フィルムコート、又は多重圧縮錠であり得る。錠剤は、典型的には、活性成分と、希釈剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、甘味料、流動促進剤、及びそれらの組み合わせから選択される成分を含む担体とを含む。具体的な希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトース及びセルロースが挙げられる。具体的な結合剤としては、デンプン、ゼラチン及びスクロースが挙げられる。具体的な崩壊剤としては、アルギン酸及びクロスカルメロースが挙げられる。具体的な潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルクが挙げられる。具体的な着色剤は、FD&C染料であり、外観のために添加することができる。チュアブル錠は、好ましくは、アスパルテーム及びサッカリンなどの甘味料、又はメントール、ペパーミント、フルーツフレーバー、又はそれらの組み合わせなどの香味料を含有する。
【0231】
カプセル(インプラント、徐放性製剤及び持続放出性製剤を含む)は、典型的には、活性化合物(例えば、式(I)の化合物)と、ゼラチンを含むカプセル中に先に開示される1つ以上の希釈剤を含む担体とを含む。顆粒は、典型的には、開示された化合物、及び好ましくは流動特性を改善するため流動促進剤、例えば二酸化ケイ素を含む。インプラントは、生分解性又は非生分解性タイプのものであり得る。
【0232】
経口組成物用の担体の成分の選択は、本発明の目的にとって重要ではない、味、コスト及び保存安定性などの二次的な懸案事項に依存する。
固体組成物は、従来の方法によって、典型的にはpH又は時間依存性コーティングを用いてコーティングすることができ、その結果、開示された化合物が、適用を所望する近辺の消化管に放出され、又は所望の作用を先延ばしするように様々な時点及び時間で放出される。コーティングは、典型的には、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、EUDRAGIT(登録商標)コーティング(ドイツ、エッセンのEvonik Industriesより入手可能)、ワックス及びシェラックからなる群から選択される1つ以上の成分を含む。
【0233】
経口投与のための組成物は、液体形態を有することができる。例えば、好適な液体形態としては、水溶液、エマルジョン、懸濁液、非発泡性顆粒から再構成された溶液、非発泡性顆粒から再構成された懸濁液、発泡性顆粒から再構成された発泡性調製物、エリキシル、チンキ剤、シロップなどが挙げられる。液体経口投与組成物は、典型的には、開示された化合物、及び担体、すなわち、希釈剤、着色剤、香味剤、甘味料、保存剤、溶媒、懸濁化剤及び界面活性剤から選択される担体を含む。経口液体組成物は、好ましくは、着色剤、香味料、及び甘味料から選択される1つ以上の成分を含む。
【0234】
主題化合物の全身送達を達成するのに有用な他の組成物には、舌下、頬側及び経鼻剤形が含まれる。かかる組成物としては、典型的には、1つ以上の可溶性充填剤物質、例えば、スクロース、ソルビトール及びマンニトールなどの希釈剤、並びに、結合剤、例えば、アカシア、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。かかる組成物は、潤滑剤、着色剤、香味剤、甘味剤、酸化防止剤、及び流動促進剤をさらに含んでもよい。
【0235】
本開示の化合物は局所投与することができる。皮膚に局所的に適用することができる局所組成物は、固体、溶液、油、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、シャンプー、リーブオン及びリンスアウト毛髪コンディショナー、ミルク、クレンザー、保湿剤、スプレー、皮膚パッチなどを含む任意の形態であり得る。局所組成物は、開示された化合物(例えば、式(I)の化合物)及び担体を含む。局所組成物の担体は、好ましくは、化合物の皮膚への浸透を助ける。担体は、1つ以上の任意選択の構成要素をさらに含んでもよい。
【0236】
開示される化合物と共に使用される担体の量は、単位用量あたりの本化合物を投与するために実際に役に立つ量の組成物をもたらすのに十分なものである。本発明の方法において有用な剤形を作製するための技術及び組成物は、以下の参考文献、すなわち、Modern Pharmaceutics,Chapters9 and 10,Banker&Rhodes,eds.(1979);Liebermanら、Pharmaceutical Dosage Forms:Tables(1981);及びAnsel,Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,2nd Ed.,(1976)に記載されている。
【0237】
担体は、単一の成分又は2つ以上の成分の組み合わせを含み得る。局所組成物において、担体は局所担体を含む。好適な局所用担体としては、リン酸緩衝生理食塩水、等張水、脱イオン水、単官能性アルコール、対称性アルコール、アロエベラゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンA及びE油、鉱油、プロピレングリコール、プロピオン酸PPG-2ミリスチル、ジメチルイソソルビド、ヒマシ油、それらの組み合わせなどから選択される1つ以上の成分が挙げられる。より詳細には、皮膚適用のための担体としては、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビド、及び水が挙げられ、さらにより詳細には、リン酸緩衝生理食塩水、等張水、脱イオン水、単官能性アルコール、及び対称性アルコールが挙げられる。
【0238】
局所組成物の担体は、皮膚軟化剤、噴射剤、溶媒、保湿剤、増粘剤、粉末、香料、顔料、及び防腐剤から選択される1つ以上の成分をさらに含んでいてもよく、これらは全て任意である。
【0239】
好適な皮膚軟化剤としては、ステアリルアルコール、グリセリルモノリシノレエート、グリセリルモノステアレート、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,3-ジオール、ミンク油、セチルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オクタデカン-2-オール、イソセチルアルコール、パルミチン酸セチル、セバシン酸ジ-n-ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ゴマ油、ヤシ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール、石油、鉱油、ミリスチン酸ブチル、イソステアリン酸が含まれる、パルミチン酸、イソプロピルリノレエート、ラウリルラクテート、ミリスチルラクテート、デシルオレエート、ミリスチン酸ミリスチル、及びそれらの組み合わせが挙げられる。皮膚に対する具体的な皮膚軟化剤としては、ステアリルアルコール及びポリジメチルシロキサンが挙げられる。皮膚ベースの局所組成物中の皮膚軟化剤の量は、典型的には約5%から約95%である。
【0240】
好適な噴射剤としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、亜酸化窒素、及びそれらの組み合わせが挙げられる。局所組成物中の噴射剤の量は、典型的には約0%から約95%である。
【0241】
好適な溶媒としては、水、エチルアルコール、塩化メチレン、イソプロパノール、ヒマシ油、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。具体的な溶媒としては、エチルアルコール及びホモトピックなアルコールが挙げられる。局所組成物中の溶媒の量は、典型的には約0%から約95%である。
【0242】
好適な保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、2-ピロリドン-5-カルボン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、フタル酸ジブチル、ゼラチン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。具体的な保湿剤としては、グリセリンが挙げられる。局所組成物中の湿潤剤の量は、典型的には0%から95%である。
【0243】
局所組成物中の増粘剤の量は、典型的には約0%から約95%である。
【0244】
好適な粉末としては、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、チョーク、タルク、フラー土、カオリン、デンプン、ガム、コロイド状二酸化ケイ素、ポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキルアンモニウムスメクタイト、トリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学修飾ケイ酸マグネシウムアルミニウム、有機修飾モンモリロナイトクレー、水和ケイ酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチレングリコールモノステアレート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。局所組成物中の粉末の量は、典型的には0%から95%である。
【0245】
局所組成物中の芳香剤の量は、典型的には約0%から約0.5%、特に約0.001%から約0.1%である。
【0246】
好適なpH調整添加剤としては、局所医薬組成物のpHを調整するのに十分な量のHCl又はNaOHが挙げられる。
【0247】
ある実施形態では、以下の成分を通常の方法で互いに混合し、打錠し、各々が5mgの活性成分を含有する10,000錠を得る。
・tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート(50g);
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤)(20g);
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤)(10g);
・微結晶セルロース(920g)。
【0248】
噴霧乾燥分散配合物
本開示の化合物は、噴霧乾燥分散液(SDD)として製剤化され得る。SDDは、ポリマーマトリックス中の薬物の単相非晶質分子分散物である。これは、固体マトリックス中に本化合物が分子的に「溶解」した固溶体である。SDDは、薬物及びポリマーを有機溶媒に溶解し、次いで溶液を噴霧乾燥することによって得られる。医薬用途のための噴霧乾燥の使用は、生物製剤分類システム(BCS)のクラスII(高透過性、低溶解性)及びクラスIV(低透過性、低溶解性)の薬物の溶解度が増加した非晶質分散液をもたらし得る。溶媒が液滴から急速に蒸発して、その結果、相分離又は結晶化のための十分な時間を与えないようにするべく、配合及びプロセス条件が選択される。SDDは、長期安定性及び製造可能性を実証している。例えば、SDDでは、2年を超える貯蔵寿命が実証されている。SDDの利点としては、難水溶性化合物の経口バイオアベイラビリティの向上、従来の固体剤形(例えば、錠剤及びカプセル剤)を使用した送達、再現性のある制御可能でスケーラブルな製造プロセス、及び、広範囲の物理的特性を有する構造的に多様な不溶性化合物への広範な適用性が挙げられるが、これらに限定されない。
【0249】
これは、一実施形態において、本開示は、式(I)の化合物を含む噴霧乾燥分散配合物を提供し得る。
【0250】
使用方法
本開示の化合物、医薬組成物及び製剤は、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすKPKチャネル、特にTREK(TWIK関連Kチャネル)機能障害に関連する神経障害、精神障害、炎症性障害、呼吸障害、腎臓障害及び心血管障害などの障害の治療方法に使用され得る。
【0251】
障害の治療
本開示の化合物、医薬組成物及び製剤は、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREKチャネル機能障害に関連する神経障害及び/又は精神障害などの障害の予防及び/又は治療のための方法において使用され得る。予防及び/又は治療の方法は、かかる予防及び/又は治療を必要とする対象に、治療有効量の式(I)の化合物、又は治療有効量の式(I)の化合物を含む医薬組成物を投与することを含み得る。
【0252】
ある実施形態では、本開示は、哺乳動物に治療有効量の式(I)の化合物、又は治療有効量の式(I)の化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含む、哺乳動物における認知を増強し、及び/又は統合失調症及びうつ病などの精神症状のリスクを治療、予防、改善、制御又は低減する方法を提供する。
【0253】
本明細書に開示される化合物及び組成物は、選択的TREKチャネル阻害に関連する様々な障害のリスクを治療、予防、改善、制御又は低減するのに有用であり得る。したがって、少なくとも1つの開示された化合物又は少なくとも1つの開示された医薬組成物を対象の障害を治療するのに有効な量で対象に投与する工程を含む、対象の障害を治療又は予防する方法が提供される。
【0254】
治療有効量の式(I)の化合物、又は治療有効量の式(I)の化合物を含む医薬組成物を対象に投与する工程を含む、対象のTREKチャネル活性に関連する1つ以上の障害を予防及び/又は治療する方法もまた提供される。
【0255】
ある実施形態では、本開示は、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREKチャネル機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療するための方法であって、有効量の少なくとも1つの開示される化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は少なくとも1つの開示される化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を哺乳動物に投与する工程を含む方法を提供する。
【0256】
ある実施形態では、本開示の化合物及び組成物は、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらすTREK-1及び/又は2阻害に関連する様々な神経学的、精神医学的及び認知障害又はがんの予防及び/又は治療における有用性を有し、その障害又はがんには、以下の状態又は疾患、すなわち、統合失調症、精神病性障害NOS、短期精神病性障害、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、共有精神病性障害、壊滅的統合失調症、産後精神病、精神病性鬱病、精神病的破壊、遅発性精神病、粘液水腫性精神病、職業精神病、月経精神病、二次精神病性障害、精神病性の特徴を有する双極性I障害、物質誘発精神病性障害、神経因性疼痛、前立腺がん、及び卵巣がんのうちの1つ以上が含まれる。ある実施形態では、精神病性障害は、大うつ病性障害、産後うつ病、治療抵抗性うつ病、情動障害、双極性障害、電解質障害、アルツハイマー病、神経障害、低血糖、AIDS、狼瘡、及び心的外傷後ストレス障害並びに22q11.2欠失障害から選択される疾患に関連する精神病である。
【0257】
ある実施形態では、神経障害は、脳腫瘍、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、多発性硬化症、サルコイドーシス、ライム病、梅毒、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び抗NMDA受容体脳炎から選択される。
【0258】
ある実施形態では、精神病性障害は、統合失調症、短期精神病性障害、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、及び共有精神病性障害から選択される。ある実施形態では、統合失調症は、壊滅的統合失調症、緊張型統合失調症、パラノイド統合失調症、残遺統合失調症、解体性統合失調症、及び未分化統合失調症から選択される。ある実施形態では、障害は、シゾイド性人格障害、シゾタイプ性人格障害、及びパラノイド性人格障害から選択される。ある実施形態では、精神病性障害は、一般的な病状によるものであるか、又は、物質誘発性又は薬物誘発性(フェンシクリジン、ケタミン及び他の解離性麻酔薬、アンフェタミン及び他の精神刺激薬、並びにコカイン)である。
【0259】
ある実施形態では、神経障害として、統合失調症、短期精神病性障害、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、及び共有精神病性障害が好ましい。
【0260】
ここで、「統合失調症」とは、統合失調症及び統合失調症に伴う認知障害(CIAS)の陰性症状を含む。
【0261】
ある実施形態では、本開示は、認知障害を予防及び/又は治療する方法であって、それを必要とする患者に有効量の本開示の化合物又は組成物を投与することを含む方法を提供する。ある態様では、認知障害には、認知症(アルツハイマー病、虚血、多発梗塞性認知症、外傷、血管障害又は脳卒中、HIV疾患、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、周産期低酸素症、他の一般的な病状又は物質乱用に関連する)、せん妄、健忘障害、物質誘発性持続性せん妄、HIV疾患による認知症、ハンチントン病による認知症、パーキンソン病による認知症、パーキンソニアン-ALS認知症、アルツハイマー型認知症、加齢性認知低下、及び軽度認知障害が含まれる。
【0262】
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM-IV-TR)(2000年、米国精神医学会、ワシントンDC)の第4版のテキスト改訂版は、認知症、せん妄、健忘障害及び加齢性認知低下を含む認知障害を含む診断ツールを提供している。Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM-5)(2013年、米国精神医学会、ワシントンDC)の第5版は、神経認知障害(NCD)の診断ツールを提供しており、この診断ツールには、せん妄、それに続く重度のNCD、軽度のNCD、及びそれらの病因サブタイプの症候群が含まれる。重度又は軽度のNCDサブタイプには、アルツハイマー病によるNCD、血管NCD、レビー小体型NCD、パーキンソン病によるNCD、前頭側頭型NCD、外傷性脳損傷によるNCD、HIV感染症によるNCD、物質/薬物誘発性NCD、ハンチントン病によるNCD、プリオン病によるNCD、別の病状によるNCD、複数の病因によるNCD、及び不明のNCDが含まれる。DSM-5におけるNCDカテゴリーは、主要な臨床的欠損が認知機能におけるものであり、発達的ではなく獲得的な障害の群を包含する。本明細書で使用される場合、「認知障害」という用語は、DSM-IV-TR又はDSM-5に記載されているような認知障害及び神経認知障害の予防及び/又は治療を含む。当業者は、精神障害のための代替の命名法、分類法及び分類システムが存在すること、並びにこれらのシステムが医学的及び科学的進歩と共に進化することを理解するであろう。したがって、「認知障害」という用語は、他の診断情報源に記載されている障害と同様の障害を含むことを意図している。
【0263】
ある実施形態では、本開示は、統合失調症又は精神病を予防及び/又は治療する方法であって、それを必要とする患者に有効量の本開示の化合物又は組成物を投与することを含む方法を提供する。特定の統合失調症又は精神病の病状は、パラノイド統合失調症、無秩序統合失調症、緊張型統合失調症又は未分化統合失調症及び物質誘発性精神病性障害である。DSM-IV-TRは、パラノイド統合失調症、無秩序統合失調症、緊張型統合失調症、未分化統合失調症又は残遺統合失調症、及び物質誘発性精神病性障害を含む診断ツールを提供する。DSM-5は、統合失調症のサブタイプを排除し、代わりに、統合失調症のコア症状の重症度を評価して、精神病性障害を有する個体にわたって発現される症状のタイプ及び重症度の不均一性を捕捉するための次元的アプローチを含む。本明細書で使用される場合、「統合失調症又は精神病」という用語は、DSM-IV-TR又はDSM-5に記載されているような精神障害の予防及び/又は治療を含む。当業者は、精神障害のための代替の命名法、分類法及び分類システムが存在すること、並びにこれらのシステムが医学的及び科学的進歩と共に進化することを理解するであろう。したがって、「統合失調症又は精神病」という用語は、他の診断情報源に記載されている障害と同様の障害を含むことを意図している。
【0264】
本化合物及び本組成物は、本明細書に記載の疾患、障害及び状態の予防、治療、制御、改善、又はリスクの低減のための方法においてさらに有用であり得る。本化合物及び本組成物は、他の薬剤と組み合わせて、上述の疾患、障害及び状態の予防、治療、制御、改善、又はリスクの低減のための方法においてさらに有用であり得る。
【0265】
TREKチャネル(TREK1、TREK2又はTREK1/TREK2)の阻害を必要とする状態の予防及び/又は治療において、適切な投与量レベルは約0.01から500mg/日であり得、これを単回用量又は複数回用量で患者に投与することができる。投与量レベルは、1日当たり約1から約300mg、又は1日当たり約5から約200mgであり得、これは単回用量又は複数回用量で患者に投与することができる。適切な投与量レベルは、1日当たり約1から250mg、1日当たり約5から200mg、又は1日当たり約10から150mgであり得、これは単回用量又は複数回用量で患者に投与することができる。この範囲内で、投与量は、1日当たり0.05から0.5、0.5から5、又は5から50mgであり得、これは単回用量又は複数回用量で患者に投与することができる。経口投与の場合、本組成物は、治療される患者への投与量の対症的調整のために、1.0から500ミリグラムの活性成分、具体的には、1.0、5.0、10、15、20、25、50、75,100,150,200,250,300,400又は500ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供され得る。本化合物は、1日1から4回、好ましくは1日1回又は2回のレジメンで投与することができる。この投与レジメンは、最適な治療応答をもたらすように調整することができる。しかしながら、任意の特定の患者に対する特定の用量レベル及び投与頻度は変動し得、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与様式及び投与時間、排泄率、薬物の組み合わせ、特定の状態の重症度、並びに、治療を受けている受給者などの、様々な因子に依存することが理解されよう。
【0266】
ある実施形態では、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益をもたらす障害は、精神病、統合失調症、行動障害、破壊的行動障害、双極性障害、不安神経症の精神病エピソード、精神病に関連する不安、重症大うつ病性障害などの精神病性気分障害、精神病性障害に関連する気分障害、急性躁病、双極性障害に関連する鬱病、統合失調症に関連する気分障害、精神遅滞の行動症状、自閉症障害、運動障害、トゥレット症候群、akinetic-rigid症候群、パーキンソン病に関連する運動障害、遅発性ジスキネジア、薬物誘発性及び神経変性に基づくジスキネジア、注意欠陥多動性障害、認知障害、認知症、及び記憶障害から選択され得る。
【0267】
ある実施形態では、TREK1、TREK2、又はTREK1及びTREK2の両方の阻害剤が治療上の利益を提供する障害は、アルツハイマー病である。
【0268】
同時治療法
本発明はさらに、認知療法又は行動療法に関連して治療成績を改善するための選択的TREKチャネル阻害剤の投与に関する。すなわち、ある実施形態では、本発明は、少なくとも1つの開示化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量及び投与量を哺乳動物に投与する工程を含む同時治療方法に関する。
【0269】
ある実施形態では、投与は、認知療法又は行動療法の状況において治療成績を改善する。認知療法又は行動療法に関連する投与は、連続的又は断続的であり得る。投与は、治療と同時である必要はなく、治療前、治療中、及び/又は治療後であり得る。例えば、認知療法又は行動療法は、化合物の投与前又は投与後の1、2、3、4、5、6、7日以内に提供することができる。さらなる例として、認知療法又は行動療法は、化合物の投与前又は投与後の1、2、3又は4週間以内に提供することができる。さらに別の例として、認知療法又は行動療法は、投与された化合物の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10半減期の期間内に、投与前又は投与後に提供することができる。
【0270】
開示された同時治療方法は、開示された化合物、組成物、キット、及び使用に関連して使用し得ることが理解される。
【0271】
併用療法
本明細書中に記載される使用方法において、さらなる治療剤を、本開示の化合物及び組成物と同時に又は逐次的に投与し得る。逐次投与は、本開示の化合物及び組成物の前又は後の投与を含む。ある実施形態では、追加の1つ以上の治療薬は、本開示の化合物と同じ組成物の形で投与され得る。他の実施形態では、さらなる治療薬の投与と本開示の化合物の投与との間に時間間隔があり得る。ある実施形態では、さらなる治療薬を開示された化合物と共に投与することにより、他の治療薬の用量をより少なくすること及び/又はより低い頻度の間隔で投与することが可能になり得る。1つ以上の他の有効成分と組み合わせて使用する場合、本発明の化合物及び他の有効成分は、各々を単独で使用する場合よりも低用量で使用することができる。したがって、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分を含有するものを含む。上記の組み合わせには、本発明の化合物と1種の他の活性化合物との組み合わせだけでなく、2種以上の他の活性化合物との組み合わせも含まれる。
【0272】
本開示の化合物は、化合物又は他の薬物が有用性を有する前述の疾患、障害及び状態の治療、予防、制御、改善又はリスクの低減において、単剤として、又は1つ以上の他の薬物と組み合わせて使用することができ、薬物の組み合わせは、いずれかの薬物単独よりも安全又は有効である。他の薬物は、開示される化合物と同時又は逐次的に、そのために一般的に使用される経路及び量で投与することができる。開示される化合物が1つ以上の他の薬物と同時に使用される場合、そのような薬物及び開示される化合物を含有する単位剤形の医薬組成物を使用することができる。しかしながら、併用療法は、重複するスケジュールで投与することもできる。1つ以上の活性成分と開示された化合物との組み合わせが、いずれの単剤よりも有効であり得ることもまた想定される。したがって、1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用される場合、本開示の化合物及び他の活性成分は、各々が単独で使用される場合よりも低い用量で使用することができる。
【0273】
本発明の医薬組成物及び方法は、前述の病的状態の予防及び/又は治療に通常適用される、本明細書に記載の他の治療活性化合物をさらに含むことができる。
【0274】
上記の組み合わせは、開示された化合物と1種の他の活性化合物との組み合わせだけでなく、2種以上の他の活性化合物との組み合わせも含む。同様に、開示される化合物は、開示される化合物が有用である疾患又は状態の予防、治療、制御、改善、又はリスクの低減に使用される他の薬物と組み合わせて使用することができる。かかる他の薬物は、本発明の化合物と同時又は逐次的に、そのために一般的に使用される経路及び量で投与することができる。本発明の化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用する場合は、開示される化合物に加えてかかる他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。したがって、本医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分をも含有するものを含む。
【0275】
開示された化合物と第2の有効成分の重量比は変えることができ、それは各成分の有効用量に依存する。一般に、各々の有効用量が使用される。したがって、例えば、本発明の化合物を別の薬剤と組み合わせる場合、開示の化合物と他の薬剤の重量比は、一般に、約1000:1から約1:1000、好ましくは約200:1から約1:200の範囲である。本発明の化合物と他の活性成分との組み合わせもまた一般に前述の範囲内であるが、いずれの場合にも、各活性成分の有効用量を使用すべきである。
【0276】
かかる組み合わせでは、開示された化合物及び他の活性薬剤を別々に又は組み合わせて投与することができる。さらに、1つの要素の投与は、他の薬剤の投与の前、投与と同時、又は投与の後であり得る。
【0277】
したがって、本開示の化合物は、単独で、又は対象の適応症において有益であることが知られている他の薬剤、又は本開示の化合物の有効性、安全性、利便性を増加させるか、若しくは望ましくない副作用若しくは毒性を減少させる受容体若しくは酵素に影響を及ぼす他の薬物と組み合わせて使用することができる。主題化合物及び他の薬剤は、併用療法又は決められた組み合わせのいずれかで同時投与することができる。
【0278】
ある実施形態では、本化合物は、抗アルツハイマー剤、ベータ-セクレターゼ阻害剤、コリン作動剤、ガンマ-セクレターゼ阻害剤、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤、Mアロステリックアゴニスト、Mポジティブアロステリックモジュレータ、イブプロフェン含有NSAID、ビタミンE、及び抗アミロイド抗体と組み合わせて使用することができる。別の実施形態では、主題化合物を、鎮静剤、催眠薬、抗不安薬、(定型及び非定型)抗精神病薬、抗不安薬、シクロピロロン、イミダゾピリジン、ピラゾロピリミジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニスト及びアンタゴニスト、メラトン作動薬、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、5HT-2アンタゴニストなど、例えば、アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アリピプラゾール、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスピロン、ブタバルビタール、ブチラール、カプリン、カルボクロラール、クロラルベタイン、クロラルハイドレート、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼプ酸、クロルジアゼポキシド、クロレタート、クロルプロマジン、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デキストラモール、ジアゼパム、ジクロロフェナゾン、ジバルプロエックス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、エスタゾラム、エトクロルビノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ハロペリドール、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マプロチリン、メクロクアロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタカロン、ミダフラール、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オランザピン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロプチリン、クアゼパム、ケチアピン、レクラゼパム、リスペリドン、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクローン、テマゼパム、チオリダジン、チオチキセン、トラカゾレート、トラニルシプロメイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフルオロペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ジプラシドン、ゾラゼパム、ゾルピデム、及びそれらの塩、並びにそれらの組み合わせなどと組み合わせて使用することができ、あるいは、本対象化合物は、光治療又は電気刺激などの物理的方法の使用と併せて投与することができる。
【0279】
ある実施形態では、本化合物は、レボドパ(カルビドパ又はベンセラジドなどの選択的脳外脱炭酸酵素阻害剤を併用する又はしない)、ビペリデン(任意選択でその塩酸塩又は乳酸塩として)及びトリヘキシフェニジル(ベンズヘキシトール)塩酸塩などの抗コリン薬、エンタカポンなどのCOMT阻害剤、MOA-B阻害剤、酸化防止剤、A2aアデノシン受容体拮抗薬、コリン作動薬、NMDA受容体拮抗薬、セロトニン受容体拮抗薬、並びに、アレンテモール、ブロモクリプチン、フェノールドーパミン、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリド及びプラミペキソールなどのドーパミン受容体作動薬と組み合わせて使用することができる。ドーパミン作動薬は、薬学的に許容される塩、例えば、アレンテモール臭化水素酸塩、ブロモクリプチンメシラート、フェノールドパムメシラート、ナキサゴリド塩酸塩及びペルゴリドメシラートの形態であり得ることが理解されよう。リスリド及びプラミペキソールは、一般に非塩形態で使用される。
【0280】
ある実施形態では、本化合物は、フェノチアジン、チオキサンテン、複素環式ジベンズアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジン及びインドロンクラスの神経遮断薬からの化合物と組み合わせて使用することができる。フェノチアジン類の好適な例としては、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン及びトリフルオロペラジンが挙げられる。チオキサンテンの好適な例としては、クロルプロチキセン及びチオチキセンが挙げられる。ジベンズアゼピンの例は、クロザピンである。ブチロフェノンの例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの例は、ピモジドである。インドロンの例は、モリンドロンである。他の神経遮断薬としては、ロキサピン、スルピリド及びリスペリドンが挙げられる。神経遮断薬は、主題化合物と組み合わせて使用される場合、薬学的に許容される塩、例えば、塩酸クロルプロマジン、ベシル酸メソリダジン、塩酸チオリダジン、マレイン酸アセトフェナジン、塩酸フルフェナジン、エナチン酸フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、塩酸トリフルオペラジン、塩酸チオチセン、デカン酸ハロペリドール、コハク酸ロキサピン及び塩酸モリンドンの形態であり得ることが理解されよう。ペルフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ハロペリドール、ピモジド及びリスペリドンは、一般に非塩形態で使用される。したがって、主題化合物は、アセトフェナジン、アレンテモール、アリピプラゾール、アミスルプリド、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノールドーパミン、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドパ、ベンセラジドを併用するレボドパ、カルビドパを併用するレボドパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、クエチアピン、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル、チオリダジン、トリフルオペラジン、又はジプラシドンと組み合わせて使用することができる。
【0281】
ある実施形態では、本化合物は、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(三級アミン三環系及び二級アミン三環系を含む)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMA)、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、ニューロキニン-1受容体アンタゴニスト、非定型抗うつ剤、ベンゾジアゼピン、5-HT1Aアゴニスト又はアンタゴニスト、特に5-HT1A部分アゴニスト、並びにコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストなどの、抗うつ剤又は抗不安剤と組み合わせて使用することができる。具体的な薬剤としては、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン及びトリミプラミンアモキサピン;アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン及びプロトリプチリン;フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン及びセルトラリン;イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン及びセレギリン;モクロベミド:ベンラファキシン;デュロキセチン;アプレピタント;ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン及びビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム及びプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン及びイプサピロン、並びにそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0282】
ある実施形態では、本化合物は、オルソステリックなムスカリンアゴニスト、ムスカリン性増強剤、又はコリンエステラーゼ阻害剤と同時投与することができる。ある実施形態では、本化合物は、限定するものではないが、リスペリドン、クロザピン、ハロペリドール、フルオキセチン、プラゼパム、キサメリン、リチウム、フェノバルビトール、及びそれらの塩、並びにそれらの組み合わせなどのGlyT1阻害剤などと同時投与することができる。
【0283】
ある実施形態では、統合失調症の予防及び/又は治療のための他の薬物は、定型抗精神病薬、非定型抗精神病薬などから選択される少なくとも1つの薬物である。
【0284】
定型抗精神病薬としては、例えば、クロルプロマジン、フルフェナジン、ハロペリドール、スルピリドなどを挙げることができる。
【0285】
非定型抗精神病薬としては、例えば、セロトニン-ドーパミン拮抗薬、多作用性受容体標的化抗精神病薬、ドーパミン部分的アゴニストなどを挙げることができる。
【0286】
セロトニン-ドーパミン拮抗薬としては、例えば、リスペリドン、ペロスピロン、ジプラシドン、ブロナンセリンなどを挙げることができる。
【0287】
多作用性受容体標的化抗精神病薬としては、例えば、オランザピン、ケチアピン、クロザピン、ルラシドンなどを挙げることができる。
【0288】
ドーパミン部分作動薬としては、例えば、アリピプラゾール、カリプラジンなどを挙げることができる。
【0289】
ある実施形態では、うつ病の予防及び/又は治療のための他の薬物は、ベンゾジアゼピン系抗不安薬、チエノジアゼピン系抗不安薬、非ベンゾジアゼピン系抗不安薬、ニューロキニン-1(NK1)拮抗薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害薬、トリアゾロピリジン系抗うつ薬、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン再取り込み阻害薬、ノルアドレナリン及び特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)、ノルアドレナリン及びドーパミン脱阻害薬(NDDI)、選択的セロトニン再取り込み促進薬(SSRE)などから選択される少なくとも1つの薬物である。
【0290】
ベンゾジアゼピン系抗不安薬としては、例えば、アルプラゾラム、オキサゼパム、オキサゾラム、クロキサゾラム、クロラゼペートジカリウム、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、トフィソサム、トリアゾラム、プラゼパム、フルジアゼパム、フルタゾラム、フルトプラゼパム、ブロマゼパム、メキサゾラム、メダゼパム、エチルロフラゼパートロラゼパムなどを挙げることができる。
【0291】
チエノジアゼピンアンチ不安薬としては、例えば、エチゾラム、クロチアゼパムなどを挙げることができる。
【0292】
非ベンゾジアゼピン系抗不安薬としては、例えば、クエン酸タンドスピロン、ヒドロキシジン塩酸塩などを挙げることができる。
【0293】
ニューロキニン-1(NK1)アンタゴニストとしては、例えば、アプレピタント、フォサプレピタントメグルミンなどを挙げることができる。
【0294】
三環系抗うつ薬としては、例えば、アミトリプチリン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩、クロミプラミン塩酸塩、ドスレピン塩酸塩、ノルトリプチリン塩酸塩、ロフェプラミン塩酸塩、トリミプラミンマレイン酸塩、アモキサピンなどを挙げることができる。
【0295】
四環系抗うつ薬としては、例えば、マプロチリン塩酸塩、ミアンセリン塩酸塩、セチプチリンマレイン酸塩などを挙げることができる。
【0296】
モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤としては、例えば、サフラジン塩酸塩などを挙げることができる。
【0297】
トリアゾロピリジン系抗うつ剤としては、例えば、トラゾドン塩酸塩などを挙げることができる。
【0298】
セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)としては、例えば、ミルナシプラン塩酸塩、ベンラファキシン塩酸塩、デュロキセチン塩酸塩などを挙げることができる。
【0299】
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)としては、例えば、マレイン酸フルボキサミン、塩酸パロキセチン、塩酸フルオキセチン、塩酸シタロプラム、塩酸セルトラリン、シュウ酸エスシタロプラムなどを挙げることができる。
【0300】
セロトニン再取り込み阻害剤としては、例えば、トラゾドン塩酸塩などを挙げることができる。
【0301】
ノルアドレナリン及び特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)としては、例えば、ミルタザピンなどを挙げることができる。
【0302】
ノルアドレナリン及びドーパミン脱阻害薬(NDDI)としては、例えば、アゴメラチンなどを挙げることができる。
【0303】
選択的セロトニン再取り込み促進剤(SSRE)としては、例えば、チアネプチンなどを挙げることができる。
【0304】
投与様式
予防及び/又は治療の方法は、開示される組成物を投与する任意の数の様式を含み得る。投与様式としては、錠剤、丸剤、糖衣錠、硬質及び軟質ゲルカプセル、顆粒剤、ペレット、水溶液、脂質溶液、油性溶液又は他の溶液、エマルジョン、例えば、水中油型エマルジョン、リポソーム、水性又は油性懸濁液、シロップ、エリキシル剤、固体エマルジョン、固体分散液又は分散性粉末を挙げることができる。経口投与のための医薬組成物の調製の場合、薬剤は、一般的に知られ、使用されているアジュバント及び賦形剤、例えば、アラビアガム、タルカム、デンプン、糖(例えば、マンニトース、メチルセルロース、ラクトースなど)、ゼラチン、界面活性剤、ステアリン酸マグネシウム、水性又は非水性溶媒、パラフィン誘導体、架橋剤、分散剤、乳化剤、潤滑剤、保存剤、香味剤(例えば、エーテル油)、溶解度向上剤(例えば、安息香酸ベンジル又はベンジルアルコール)、又はバイオアベイラビリティ向上剤(例えば、Gelucire(商標))と混合され得る。医薬組成物において、薬剤はまた、微粒子、例えば、ナノ粒子組成物中に分散されてもよい。
【0305】
非経口投与の場合、薬剤は、生理学的に許容される希釈剤、例えば、水、緩衝液、又は可溶化剤、表面活性剤、分散剤若しくは乳化剤を含む若しくは含まない油に、溶解又は懸濁させることができる。油としては、例えば、限定するものではないが、オリーブ油、落花生油、綿実油、大豆油、ヒマシ油及びゴマ油が使用され得る。より一般的には、非経口投与の場合、薬剤は、水溶液、脂質溶液、油性溶液若しくは他の種類の溶液若しくは懸濁液の形態であり得、又はさらにリポソーム若しくはナノ懸濁液の形態でも投与され得る。
【0306】
本明細書で使用される「非経口的に」という用語は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下及び関節内の注射及び注入を含む投与様式を指す。
【0307】
本化合物は毒性が低いため、医薬品として安全に使用することができる。
【0308】
キット
一態様では、本開示は、少なくとも1つの開示された化合物又はその薬学的に許容される塩と、
(a)TREK1活性を低下させることが知られている少なくとも1つの薬剤、
(b)TREK2活性を低下させることが知られている少なくとも1つの薬剤、
(c)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療することが知られている少なくとも1つの薬剤、
(d)TREK1、TREK2、又はTREK1/TREK2の両方の阻害剤が哺乳動物において治療上の利益をもたらすTREK機能障害に関連する障害を予防及び/又は治療するための説明書、又は、
(e)認知療法又は行動療法に関連して本化合物を投与するための説明書、のうちの1つ又は複数と、を含むキットを提供する。
【0309】
ある実施形態では、少なくとも1つの開示される化合物及び少なくとも1つの薬剤は一緒に製剤化される。ある実施形態では、少なくとも1つの開示される化合物及び少なくとも1つの薬剤は一緒に包装される。本キットはまた、他の成分と一緒に包装され、一緒に製剤化され、及び/又は一緒に送達される化合物及び/又は製品を含むことができる。例えば、薬物製造業者、薬物再販売業者、医師、調剤薬局、又は薬剤師は、開示された化合物及び/又は製品と、患者に提供するための別の構成要素とを含むキットを提供することができる。
【0310】
本開示のキットは、開示された使用方法に関連して使用することができる。
本キットは、キットの使用が哺乳動物(特にヒト)における医学的状態の予防及び/又は治療を提供する情報、説明書、又はその両方を含み得る。その情報及び説明書は、言語、写真、又はその両方などの形態であってもよい。加えて、又は別法として、本キットは、本化合物、組成物又はその両方と、好ましくは哺乳動物(例えば、ヒト)における医学的状態を予防及び/又は治療するという利益を伴う化合物又は組成物の適用方法に関する情報、説明書又はその両方とを含み得る。
【0311】
本発明の化合物及びプロセスは、以下の実施例を参照することによってよりよく理解され、これらは本発明の範囲を限定するものではなく、例示として意図されている。
【実施例
【0312】
全てのNMRスペクトルは、400MHz AMX Bruker NMR分光計、400MHz AVANCE III HD Bruker NMR分光計又は500MHz AVANCE III HD Bruker NMR分光計で記録した。H化学シフトは、重水素化溶媒を内部標準として用いて、低磁場でのδ値(ppm)で報告される。データを以下のように報告する:化学シフト、多重度(s=一重項、bs=ブロード一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、dd=二重項の二重項、m=多重項、ABq=AB四重項)、カップリング定数、積分。
【0313】
LCMS分析条件は以下の通りである。実施例中のES-MSデータ及び保持時間は、特記しない限り、逆相LCMS法-1により測定した。
逆相LCMS分析は、以下を使用して行った:
逆相LCMS法-1:脱気装置付きバイナリポンプ、高性能オートサンプラ、サーモスタット付きカラムコンパートメント、C18カラム、ダイオードアレイ検出器(DAD)及びAgilent6150 MSDで構成される以下のパラメータを用いたAgilent1200システム。グラジエント条件は、水相として0.1%TFA水溶液を用い、1.4分間にわたってアセトニトリルを5%から95%とした。試料をWaters Acquity UPLC BEH C18カラム(1.7μm、1.0×50mm)で0.5mL/分で分離し、カラム及び溶媒の温度を55℃に維持した。DADを190から300nmまで走査するように設定し、使用したシグナルは220nm及び254nm(両方ともバンド幅4nm)であった。MS検出器はエレクトロスプレーイオン化源で構成し、低分解能質量スペクトルは、ステップサイズ0.2AMU、0.13サイクル/秒、ピーク幅0.008分で、140AMUから700AMUまでスキャンすることにより取得した。乾燥ガス流量は300℃で毎分13リットルに設定し、ネブライザー圧力は30psiに設定した。キャピラリーニードル電圧を3000Vに設定し、フラグメンター電圧を100Vに設定した。データ取得は、Agilent Chemstation及びAnalytical Studio Reviewerソフトウェアを用いて行った。
【0314】
逆相LCMS方法-2:逆相LCMS分析は、以下のパラメータを用いて、バイナリポンプ、高性能オートサンプラ、サーモスタット式カラムコンパートメント、C18カラム、ダイオードアレイ検出器(DAD)、ELSD及びSQD2で構成されるWaters Acquity UPLC I-Class Systemを使用して以下のパラメータで行った。試料をYMC Triart C18カラム(1.9μm、2.0×30mm)で1.0mL/分で分離し、カラム及び溶媒の温度を30℃に維持した。グラジエント条件は、移動相:A)水中0.1%TFA、B)アセトニトリル中0.1%TFA、グラジエント条件(アセトニトリル%);0.00~0.10分 5%、0.10~1.20分 5~95%、1.20~1.40分 95%とした。DADを210から400nmまで走査するように設定し、使用したシグナルは220nm及び254nm(両方ともバンド幅1.2nm)であった。MS検出器をエレクトロスプレーイオン化源で構成し、低分解能質量スペクトルを140から700AMUまで2サイクル/秒でスキャンすることによって取得した。乾燥ガス流量は350℃は毎時650リットルに設定し、コーンガス流量は毎時50リットルに設定した。キャピラリーニードル電圧を2200Vに設定し、コーン電圧を30Vに設定した。データ取得は、Waters MassLynx及びOpenLynxソフトウェアを用いて行った。
【0315】
逆相LCMS方法-3:逆相LCMS分析は、以下のパラメータを用いて、バイナリポンプ、高性能オートサンプラ、サーモスタット式カラムコンパートメント、C18カラム、ダイオードアレイ検出器(DAD)、ELSD及びLCMS-2020で構成されるShimadzu NexeraX2システムを使用して以下のパラメータで行った。試料をYMC Triart C18カラム(1.9μm、2.0×30mm)で1.0mL/分で分離し、カラム及び溶媒の温度を30℃に維持した。グラジエント条件は、移動相:A)水中0.1%TFA、B)アセトニトリル中0.1%TFA、グラジエント条件(アセトニトリル%);0.00~0.10分 5%、0.10~1.20分 5~95%、1.20~1.50分 95%とした。DADを210から400nmまで走査するように設定し、使用したシグナルは220nm及び254nm(両方ともバンド幅1.2nm)であった。MS検出器をエレクトロスプレーイオン化源で構成し、低分解能質量スペクトルは160m/zから1000m/zまで5,000u/秒でスキャンすることによって取得した。乾燥ガス流量は400℃で毎分15リットルに設定し、ネブライザーガス流量は毎分1.5リットルに設定した。プローブ電圧は4.5kVに設定した。データ取得は、Shimadzu Labsolutionソフトウェアを用いて行った。
【0316】
以下の実施例の説明で使用されている略語は以下の通りであり、すなわち、AcOHは酢酸であり、BOPは(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートであり、DBUは1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エンであり、DCMはジクロロメタンであり、DIEAはN,N-ジイソプロピルエチルアミンであり、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドであり、DMSOはジメチルスルホキシドであり、EtOAcは酢酸エチルであり、IPAはイソプロピルアルコールであり、NMPはN-メチル-2-ピロリドンであり、MWはマイクロ波であり(マイクロ波反応器を指す)、PyClUはクロロジピロリジノカルベニウムヘキサフルオロホスフェートであり、HCTUはO-(6-クロロベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートであり、RBFは丸底フラスコであり、RT又はrtは室温であり、TPはプロピルホスホン酸無水物である。
【0317】
中間体:
【化63】
5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-アミン(B1):マイクロ波バイアルに、5-ヨード-2-アミノ-3-ピコリン(2000mg、8.55mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(10.42mL、59.82mmol)、trans-ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(602mg、0.85mmol)、ヨウ化銅(I)(163mg、0.85mmol)及び4-フルオロフェニルアセチレン(2.94mL、25.64mmol)を加えた。バイアルに蓋をし、排気し、Nで(3回)パージし、次いで、DMF(2mL)で希釈した。混合物をマイクロ波の中、2時間で60℃に加熱した。反応確認生成物のLCMS後、試料をセライトパッドで濾過し、(3:1)CHCl:IPAですすいだ。試料を濃縮後、順相カラムクロマトグラフィー(グラジエント:ヘキサン中0~80%EtOAc)で精製し、(B1)(1564mg、収率81%)を得た。ES-MS[M+1]:227.2,H NMR(400MHz,CDCl)δ8.15(d,J=1.3Hz,1H),7.49-7.42(m,2H),7.41(d,J=0.7Hz,1H),7.03(m,2H),4.58(s,2H),2.13(s,3H).
【0318】
【化64】
3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-アミン(B2):化合物B2を、化合物B1と同様の方法で調製して、表題化合物B2を得る(1807mg、収率68%)。ES-MS[M+1]:209.4,H NMR(400MHz,CDCl)δ8.15(s,1H),7.51-7.48(m,2H),7.45(s,1H),7.03(m,3H),4.76(s,2H),2.14(s,3H).
【0319】
【化65】
3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-アミン(B3):化合物B3を、化合物B1と同様の方法で調製して、表題化合物B3(26.0mg、収率97%)を得る。ES-MS[M+1]:213.2,H NMR(400MHz,CDCl)δ8.07(s,1H),7.51-7.49(m,2H),7.36-7.33(m,4H),4.76(s,2H).
【0320】
【化66】
2-ブロモ-3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン(B4):化合物B4を、化合物B1と同様の方法で調製して、表題化合物B4(585mg、収率64%)を得る。ES-MS[M+1]:272.2,H NMR(400MHz,D4-MeOD)δ8.30(d,J=1.9Hz,1H),7.84-7.83(m,1H),7.57-7.52(m,2H),7.42-7.38(m,3H),2.41(s,3H).
【0321】
【化67】
tert-ブチル(4-クロロ-3-((5-ヨード-3-メチルピリジン-2-イル)カルバモイル)フェニル)カルバメート(B5):DCM(50mL)に、5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-クロロ-安息香酸(5000mg、18.4mmol)、5-ヨード-3-メチル-ピリジン-2-アミン(4738mg、20.2mmol)、DIEA(9.55mL、55.2mmol)を溶解した無色溶液に、PyClU(9183mg、27.6mmol)を添加した。反応混合物を50℃に加熱した。1.5時間後、LCMSは生成物の形成を示した。混合物をNaHCO水溶液に注ぎ、THFを添加して所望の生成物を溶解した。混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、続いてNHCl水溶液、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをDCM(55.5mL)とヘキサン(55.5mL)の混合物で研和して、(B5)を白色粉末として得た(7.11g、収率79%)。ES-MS[M+1]:488,H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.61(br,1H),9.67(br,1H),8.50(br,1H),8.14(d,J=1.5Hz,1H),7.73(d,J=2.5Hz,1H),7.52(dd,J=9.0,2.5Hz,1H),7.41(d,J=9.0Hz,1H),2.26(s,3H),1.49(s,9H).
【0322】
【化68】
tert-ブチル(4-クロロ-3-((3-フルオロ-5-ヨードピリジン-2-イル)カルバモイル)フェニル)カルバメート(B6):DCM(80mL)に、5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-クロロ-安息香酸(10000mg、36.8mmol)、3-フルオロ-5-ヨードピリジン-2-アミン(9636mg、40.5mmol)、ピリジン(8.93mL、110.4mmol)を溶解したベージュ色の懸濁液に、プロピルホスホン酸無水物(TP)の酢酸エチル溶液(50%、32.5mL、55.2mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で19時間撹拌した。混合物をNaHCO水溶液に注ぎ、THFを添加して所望の生成物を溶解した。混合物をTHFと酢酸エチルの混合物で2回抽出し、次いで酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をNaHCO水溶液、水で洗浄し、続いてNHCl水溶液(2回)、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾液を減圧下で濃縮して粗生成物(20.2g)を得、これを酢酸エチル(60mL)とヘキサン(120mL)の混合物を用いて70℃で30分間研和し、次いで周囲温度で2時間研和した。粉末を濾過によって回収して、(B6)を淡黄色粉末として得た(13.74g、収率76%)。ES-MS[M+1]:492,H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.92(br,1H),9.69(br,1H),8.53(br,1H),8.32(dd,J=9.0,1.5Hz,1H),7.75(d,J=2.5Hz,1H),7.52(dd,J=9.0,2.5Hz,1H),7.43(d,J=9.0Hz,1H),1.49(s,9H).
【0323】
【化69】
((2S)-1,4-ジオキサン-2-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホネート(B7):DCM(20mL)に(R)-2-(ヒドロキシメチル)ジオキサン(2000mg、16.9mmol)を溶解した溶液に、p-トルエンスルホニルクロリド(0.74mL、20.3mmol)及びトリエチルアミン(4.72mL、33.9mmol)を添加した。室温で48時間後、反応物を部分的に濃縮し、水(500ml)で希釈した。希釈物をEtOAc500mLで2回抽出した。合わせた有機層を濃縮した。粗残渣を順相フラッシュクロマトグラフィー(グラジエント:ヘキサン中10~80%EtOAc)で精製した。画分を合わせ、濃縮して、B7(4610mg、収率95%)を得た ES-MS[M+1]:273.2,H NMR(400MHz,CDCl)δ7.79(d,J=8.0Hz,2H),7.35(d,J=7.9Hz,2H),4.04-3.94(m,2H),3.81-3.77(m,1H),3.76-3.72(m,2H),3.70-3.64(m,2H),3.59-3.52(m,1H),3.35(dd,J=10.9,10.2Hz,1H),2.45(s,3H).
【0324】
【化70】
2-クロロ-5-[[(2S)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ]安息香酸B8):DMF(103mL)に、エチル2-クロロ-5-ヒドロキシベンゾエート(2578mg、12.9mmol)、中間体B7(3500mg、12.9mmol)及び炭酸カリウム(7209mg、51.4mmol)を溶解した溶液を、マイクロ波合成装置内で45分間115℃に加熱した。溶液を水で希釈し、EtOAc(500mL)で(2回)抽出した。合わせた有機層を水で(2回)洗浄し、真空中で濃縮した。残渣をTHF(200mL)、メタノール(80mL)及び水酸化ナトリウム水溶液(103mL、2N)に溶解した。室温で2時間後、溶液を水及びEtOAcで希釈し、2N HCl水溶液で処理してpHを5pH未満に低下させた。反応混合物をEtOAc(500mL)で(2回)抽出した。有機層を水(1L)で(3回)洗浄した。各水洗物をEtOAc(250mL)で(3回)抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮した。残渣をDCMに溶解し、疎水性フィルターを通して濾過して中間体B8を得た。生成物をさらに精製することなくその後の反応に使用した。ES-MS[M+1]:273,H NMR(400MHz,CDCl)δ7.56(d,J=3.0Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),7.04(dd.J=8.8,3.0Hz,1H),4.05-3.94(m,3H),3.93-3.87(m,2H),3.82(ddd,J=10.6,2.6,2.6Hz,1H),3.77(d,J=11.5Hz,1H),3.68(ddd,J=11.0,11.0,3.1Hz,1H),3.56(m,1H).
【0325】
【化71】
tert-ブチル N-[4-クロロ-3-[[5-[2-(4-フルオロフェニル)エチニル]-3-メチル-2-ピリジル]カルバモイル]フェニル]カルバメート(8):DMF(4mL)に、B5(500mg、1.03mmol)、1-エチニル-4-フルオロベンゼン(0.59mL、5.1mmol)、DIEA(1.77mL、10.3mmol)を溶解した溶液に、CuI(39.1mg、0.21mmol)及びPd(PPhClを添加した。反応混合物を60℃に加熱した。3時間後、LCMSは生成物の形成を示した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水を添加した。混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をヘキサンで希釈し、水(2回)、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製し、濃縮残渣を酢酸エチル、tert-ブチルメチルエーテル及びヘキサンの混合物を用いて研和して、(8)をオフホワイトの粉末(103mg、収率22%)として得た。ES-MS[M+1]:480.5,LCMS保持時間:1.14分(LCMS法-2),H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.71(br,1H),9.68(br,1H),8.46(br,1H),7.94(d,J=1.5Hz,1H),7.75(d,J=2.5Hz,1H),7.68-7.65(m,2H),7.53(dd,J=9.0,2.5Hz,1H),7.42(d,J=9.0Hz,1H),7.34-7.29(m,2H),2.31(s,3H),1.49(s,9H).
【0326】
【化72】
N-(4-クロロ-3-((5-((4-フルオロフェニル)エチニル)-3-メチルピリジン-2-イル)カルバモイル)フェニル)-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド(14):DCM:トリフルオロ酢酸(1:1;1mL)に化合物8(27mg、0.060mmol)を混合した混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、ジエチルエーテルで洗浄して黄褐色固体を得た。ES-MS[M+1]+:380.0.DCM(1.0mL)中の粗残渣(5mg、0.013mmol)、PyClU(9mg、0.026mmol)、DIEA(0.012mL、0.066mmol)、及びジオキシン-2-カルボン酸(0.005mL、0.039mmol)を、マイクロ波合成装置内で45分間100℃に加熱した。試料を室温に冷却し、濾過し、真空中で濃縮し、逆相HPLC(グラジエント:55~90%MeCN水溶液(0.05%NHOHを含む))で精製して、オフホワイトの固体(2mg、収率31%)を得た。ES-MS[M+1]:494.0,LCMS保持時間:0.92分,H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.74(s,1H),10.08(s,1H),8.45(s,1H),8.01(d,J=2.6Hz,1H),7.94(d,J=1.7Hz,1H),7.83(dd,J=8.8,2.6Hz,1H),7.71-7.60(m,2H),7.48(d,J=8.8Hz,1H),7.34-7.25(m,2H),4.26(dd,J=9.2,3.1Hz,1H),3.99-3.85(m,2H),3.78-3.68(m,2H),3.61-3.52(m,2H),2.31(s,3H).
【0327】
【化73】
tert-ブチル(4-クロロ-3-((3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)フェニル)カルバメート(1):化合物8の合成と同様の条件を用いて、化合物1を合成した。化合物1をオフホワイトの固体として得た(45mg、収率48%)。ES-MS[M+1]:466.3,LCMS保持時間:1.04分,H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.03(s,1H),9.69(s,1H),8.48(dd,J=1.8,0.8Hz,1H),8.10(dd,J=10.5,1.8Hz,1H),7.76(d,J=2.6Hz,1H),7.66-7.57(m,2H),7.52(dd,J=8.8,2.6Hz,1H),7.49-7.45(m,3H),7.43(d,J=8.8Hz,1H),1.48(s,9H).
【0328】
【化74】
2-クロロ-N-(3-フルオロ-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-5-((1S,2S)-2-メチルシクロプロパン-1-カルボキサミド)ベンズアミド(2):化合物1(45.4mg、0.097mmol)、DCM(1.0mL)及びトリフルオロ酢酸(1.0mL、13.06mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、ジエチルエーテルで洗浄して黄褐色固体を得た。ES-MS[M+1]+:366.0.得られたアミン(18mg、0.05mmol)、PyClU(32mg、0.100mmol)、DIEA(0.04mL、0.240mmol)、及び(1S,2S)-2-メチルシクロプロパン-1-カルボン酸(0.010mL、0.150mmol)を含むDCM(2.0mL)を、マイクロ波合成装置内で、45分間で100℃に加熱した。試料を室温に冷却し、濾過し、真空中で濃縮し、逆相HPLC(グラジエント:60~90%MeCN水溶液(0.05%NHOHを含む))で精製して、2をオフホワイトの固体(14mg、収率63%)として得た。ES-MS[M+1]:448.0,LCMS保持時間:0.98分,H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.05(s,1H),10.42(s,1H),8.47(s,1H),8.09(d,J=10.5Hz,1H),7.89(d,J=2.5Hz,1H),7.68(dd,J=8.8,2.6Hz,1H),7.64-7.58(m,2H),7.51-7.43(m,4H),1.55-1.47(m,1H),1.29-1.19(m,1H),1.10(d,J=6.0Hz,3H),1.07-0.98(m,1H),0.73-0.64(m,1H).
【0329】
【化75】
5-ブロモ-2-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(B9):化合物B9は、B5の合成について記載したのと同様の条件を用いて合成した。化合物B9をオフホワイトの固体として得た(567mg、収率28%)。ES-MS[M+H]:427.0,H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.84(s,1H),8.45(s,1H),7.94(d,J=1.3Hz,1H),7.81(d,J=2.4Hz,1H),7.59-7.58(m,0H),7.52(d,J=8.6Hz,1H),7.49-7.42(m,3H),2.32(s,3H).
【0330】
【化76】
4-クロロ-3-[[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]カルバモイル]安息香酸(B10):容器に、酢酸カリウム(104mg、1.1mmol)、中間体B9(150mg、0.35mmol)及びジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(58mg、0.07mmol)を添加した。容器を密封し、Nでパージした。混合物にメタノール(1.8mL)及びDMF(1.8mL)を添加した。CO(g)の雰囲気を、バルーンを介して反応容器に適用した。50℃で16時間後、反応混合物を逆相HPLC(グラジエント:10~50%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。所望の生成物を含有する画分を合わせ、水及びNaHCO溶液(水溶液)で希釈した。混合物をEtOAc(10mL)で(3回)抽出し、合わせた有機層を水で洗浄し、濃縮した。残渣に、THF(1.0mL)及び1M LiOH(1mL、1mmol)を添加した。40℃で1時間後、2N HClを、pHが約7になるまで溶液に滴下した。混合物を濃縮し、得られた固体を水で洗浄し、真空濾過によって回収して、B10(67mg、2段階で収率49%)を得た、ES-MS[M+1]:391.2,H NMR(400MHz,D4-MeOD)δ8.44(s,1H),8.25(d,J=1.2Hz,1H),8.05(dd,J=8.7,1.5Hz,1H),7.92(s,1H),7.61-7.56(m,2H),7.54(d,J=8.3Hz,1H),7.45-7.39(m,3H),2.44(s,3H).
【0331】
【化77】
2-クロロ-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-カルボニル)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド(16):DMF(1.9mL)に、HATU(49mg、0.13mmol)、3,3-ジフルオロアゼチジン塩酸塩8mg、0.06mmol)、B10(25mg、0.06mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.03mL、0.19mmol)を溶解した溶液を50℃に加熱した。反応混合物を逆相HPLC(グラジエント:20~60%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。所望の生成物を含有する画分を合わせ、水及びNaHCO溶液で希釈した。反応混合物をEtOAc(10mL)で(2回)抽出した。合わせた有機層を濃縮して、化合物16(10.2mg、収率34%)を得た、ES-MS[M+1]:466.0,LCMS保持時間:0.96分,H NMR(400MHz,CDCl)δ8.94(brs,1H),8.32(s,1H),8.02(d,J=1.9Hz,1H),7.79(d,J=1.3Hz,1H),7.73(dd,J=8.3,2.1Hz,1H),7.56-7.53(m,3H),7.40-7.36(m,3H),4.56(t,J=11.7Hz,4H),2.41(s,3H).
【0332】
【化78】
2-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-5-(1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ベンズアミド(66):1,4-ジオキサン(1mL)及びHO(0.05mL)に、5-ブロモ-2-クロロ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド(10mg、0.020mmol)、1-テトラヒドロフラン-3-イル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール(12mg、0.050mmol)、Pd(dppf)Cl(2mg、0.002mmol)及び炭酸セシウム(17mg、0.050mmol)を混合した混合物を2時間で85℃まで加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、真空中で濃縮し、逆相HPLC(グラジエント:55~85%MeCN水溶液(0.05%NHOHを含む))で精製して、66を淡黄色固体として得た(6.4mg、収率56%)。ES-MS[M+H]:483.2,LCMS保持時間:1.11分,H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.77(s,1H),8.47(s,1H),8.42(d,J=0.8Hz,1H),8.04(d,J=0.8Hz,1H),7.95(dd,J=2.3,0.9Hz,1H),7.83(d,J=2.2Hz,1H),7.73(dd,J=8.4,2.2Hz,1H),7.63-7.56(m,2H),7.51(d,J=8.4Hz,1H),7.48-7.43(m,3H),5.08-4.98(m,1H),4.09(q,J=5.3Hz,2H),4.04-3.97(m,2H),3.94(dd,J=9.4,3.7Hz,1H),3.89-3.79(m,1H),2.48-2.36(m,1H),2.36-2.28(m,4H).
【0333】
【化79】
2-クロロ-5-シアノ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(53):化合物53は、B5の合成について記載されるのと同様の条件を使用して合成した。化合物53をオフホワイトの固体として得た(15mg、収率11%)。ES-MS[M+H]:372.2,LCMS保持時間:1.06分,H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.91(s,1H),8.44(s,1H),8.19(d,J=2.0Hz,1H),7.99(dd,J=8.4,2.1Hz,1H),7.97-7.93(m,1H),7.80(d,J=8.4Hz,1H),7.62-7.55(m,2H),7.51-7.42(m,3H),2.33(s,3H).
【0334】
【化80】
2-クロロ-5-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(B13):エタノール(0.5mL)に、2-クロロ-5-シアノ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド(20mg、0.05mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(19mg、0.27mmol)、及びトリメチルアミン(0.04mL、0.27mmol)を混合した混合物を、マイクロ波合成装置内で、5分間で150℃に加熱した。試料を室温に冷却し、濾過し、真空中で濃縮し、逆相HPLC(グラジエント:25~55%MeCN水溶液(0.1%TFAを含む))で精製して、B13をオフホワイトの固体として得、これをTFA塩(6mg、収率26%)として先に進んだ。ES-MS[M+H]:405.3,H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.98(s,1H),10.87(s,1H),8.46(s,1H),8.82-7.98(m,2H),7.96(dd,J=3.5,2.1Hz,2H),7.83(dd,J=8.5,2.3Hz,1H),7.75(d,J=8.5Hz,1H),7.62-7.55(m,2H),7.52-7.41(m,3H),2.34(s,3H).
【0335】
【化81】
2-クロロ-N-(3-メチル-5-(フェニルエチニル)ピリジン-2-イル)-5-(5-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド(19):DMF(0.5mL)に、中間体B13(5mg、0.01mmol)、テトラヒドロ-3-フロ酸(0.002mL、0.022mmol)、HCTU(9mg、0.022mmol)及びDIEA(0.004mL、0.004mmol)を混合した混合物を100℃で加熱した。17時間後、反応混合物を濾過し、真空中で濃縮し、逆相HPLC(グラジエント:50~80%MeCN水溶液(0.05%NHOHを含む))で精製して、19をオフホワイトの固体として得た(3mg、収率50%)。ES-MS[M+H]:485.2,LCMS保持時間:1.14分,H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.95(s,1H),8.45(s,1H),8.15-8.07(m,2H),7.96(s,1H),7.77(d,J=8.3Hz,1H),7.63-7.55(m,2H),7.48-7.43(m,3H),5.33(dd,J=8.0,5.1Hz,1H),4.10-3.80(m,2H),2.45-2.36(m,1H),2.35-2.33(m,3H),2.33-2.22(m,1H),2.11-1.96(m,2H).
【0336】
【化82】
2-クロロ-5-ヒドロキシ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド(B14):塩化チオニル(3mL、41mmol)に2-クロロ-5-ヒドロキシ安息香酸(99mg、0.58mmol)を溶解した溶液を加熱還流した。1時間後、溶液を真空中で濃縮し、DCM(4mL)で希釈した。中間体B2(60mg、0.29mmol)及びDIEA(0.05mL、0.29mmol)の別の溶液を滴下した。室温で10分後、溶液に、DCMにDIEA(0.15mL、0.87mmol)を混合した混合物を滴下した。室温で30分後、溶液に2N NaOH溶液(2mL、4mmol)を添加した。室温で16時間後、溶液をDCM及び水で希釈した。溶液のpHを、2N HCl溶液の滴下によって約pH6に調整した。溶液をDCM(10mL)で(3回)抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮した。残渣を逆相HPLC(グラジエント:25~75%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。生成物を含有する画分を合わせ、水及びNaHCO溶液で希釈した。混合物をEtOAcで(2回)抽出した。有機層を水(20mL)で(3回)洗浄し、真空中で濃縮して、B14(50mg、収率47%)を得た、ES-MS[M+1]:363.2,H NMR(400MHz,CDOD)δ8.43(s,1H),7.90(s,1H),7.58-7.54(m,2H),7.42-7.39(m,3H),7.31(dd,J=8.7,1.9Hz,1H),7.06(dd,J=2.5,2.5Hz,1H),6.90(ddd,J=8.7,2.6,2.6Hz,1H),2.41(s,3H).
【0337】
【化83】
2-クロロ-5-(1,4-ジオキサン-2-イルメトキシ)-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド(22):DMF(2.5mL)に、2-クロロ-5-ヒドロキシ-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド(中間体B14)(50mg、0.14mmol)、2-(ブロモメチル)ジオキサン(30mg、0.16mmol)及びKCO(48mg、0.34mmol)を溶解した溶液を、マイクロ波合成装置内で、10分間で110℃に加熱した。反応混合物を逆相HPLC(グラジエント:30~100%MeCN水溶液(0.5mL NHOH/水1L))で精製した。生成物を含む画分を合わせ、濃縮して、22(14.6mg、収率23%)を得た、ES-MS[M+1]:463.0.LCMS保持時間:0.96分,H NMR(400MHz,CDOD)δ8.43(s,1H),7.91(d,J=1.4Hz,1H),7.58-7.54(m,2H),7.43-7.39(m,4H),7.25(d,J=3.0Hz,1H),7.08(dd,J=8.9,3.0Hz,1H),4.09-4.01(m,2H),3.99-3.94(m,1H),3.89(dd,J=11.5,2.6Hz,1H),3.85-3.81(m,1H),3.79-3.71(m,2H),3.63(ddd,J=14.0,11.0,3.3Hz,1H),3.54(dd,J=11.5,9.9Hz,1H),2.41(s,3H).
【0338】
【化84】
2-クロロ-5-[[(2S)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ]-N-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]ベンズアミド(23):等しく分割した7本のバイアルに、ピリジン(5.19mL、64.2mmol)、2-クロロ-5-[[(2S)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ]安息香酸(B8)(3500mg、12.8mmol)、3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)ピリジン-2-アミン(B2)(4009mg、19.3mmol)及びDCE(67mL)を添加した。50℃で1時間後、溶液を水(500mL)で希釈し、DCM300mLで3回抽出した。DCM抽出物を水300mLで2回洗浄し、合わせ、真空中で濃縮した。残渣を逆相HPLC(グラジエント:30~80%MeCN水溶液(0.1%TFA水溶液))で精製した。画分を真空中で部分的に濃縮し、NaHCO溶液(0.5mL)、水及びEtOAcで希釈した。試料をEtOAc(500mL)で(2回)抽出した。合わせた有機層を水(300mL)で(3回)洗浄し、濃縮した。得られた固体をMeOH中で超音波処理し、得られたスラリーを濾過して、化合物23(1196mg、収率20%)を得た ES-MS[M+1]:463.2、LCMS保持時間:1.05分、1H NMR(400MHz,CDCl)δ9.13(br s,1H),8.40(s,1H),7.91(s,1H),7.57-7.54(m,2H),7.42-7.34(m,5H),7.01(dd,J=8.9,3.0Hz,1H),4.06-4.0(m,3H),3.91-3.84(m,2H),3.81(ddd,J=10.4,2.7,2.7Hz,1H),3.75(d,J=11.3Hz,1H),3.67(ddd,J=11.5,10.5,3.3Hz,1H),3.55(dd,J=11.3,9.3Hz,1H),2.44(s,3H).
【0339】
【化85】
6-メトキシ-2-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]イソインドリン-1-オン(B15):DMF(6.98mL)に、6-メトキシ-1-イソインドリノン(50mg、0.31mmol)、2-ブロモ-3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)ピリジン(B4)(83mg、0.31mmol)、キサントホス(11mg、0.020mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(17mg、0.02mmol)及び炭酸セシウム(201mg、0.61mmol)を溶解した溶液を3時間で100℃に加熱した。溶液を濾過し、生成物を逆相HPLC(グラジエント:30~95%MeCN水溶液(0.5mLNH4OH/1L水))で精製した。生成物を含む画分を合わせ、濃縮して、B15(49mg、収率45%)を得た、ES-MS[M+1]:355.4,LCMS保持時間:1.10分,H NMR(400MHz,CDCl)δ8.49(d,J=1.9Hz,1H),7.79(d,J=1.5Hz,1H),7.57-7.55(m,2H),7.42(d,J=8.5Hz,1H),7.41(d,J=2.4Hz,1H),7.39-7.36(m,3H),7.19(dd,8.3,2.5Hz,1H),5.01(s,2H),3.90(s,3H),2.38(s,3H).
【0340】
【化86】
6-ヒドロキシ-2-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]イソインドリン-1-オン(B16):DCM(3.97mL)に6-メトキシ-2-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]イソインドリン-1-オン(B15)(49mg、0.14mmol)を溶解した溶液に、室温で三臭化ホウ素(0.05mL、0.53mmol)を滴下した。室温で45分後、反応混合物を氷浴中で冷却し、水(1mL)を滴下した。溶液を氷浴から取り出し、NaHCO溶液(3mL)で希釈した。混合物をDCM(3mL)で(2回)抽出した。合わせた有機層を濃縮し、残渣を逆相HPLC(グラジエント:30~90%MeCN水溶液(0.5mL NHOH/1L水))で精製した。生成物を含む画分を合わせ、濃縮して、B16(12.6mg、収率27%)を得た、ES-MS[M+1]:341.4.
【0341】
【化87】
2-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルメトキシ)イソインドリン-1-オン(82):DMF(0.63mL)に、6-ヒドロキシ-2-[3-メチル-5-(2-フェニルエチニル)-2-ピリジル]イソインドリン-1-オン(B16)(12.6mg、0.04mmol)、4-ブロモメチルテトラヒドロピラン(20mg、0.11mmol)、及び炭酸セシウム(36mg、0.11mmol)を溶解した溶液を、2mLのMWバイアル内で、マイクロ波合成装置内で40分間で125℃に加熱した。溶液を逆相HPLC(グラジエント:40~95%MeCN水溶液(0.5mL NHOH/1L水))で精製した。単離された生成物を含有する画分を濃縮して、82(7.6mg、収率47%)を得た、ES-MS[M+1]:439.4,LCMS保持時間:1.15分,H NMR(400MHz,D4-MeOD)δ8.51(d,J=1.8Hz,1H),7.96(d,J=1.5Hz,1H),7.59-7.56(m,3H),7.42-7.41(m,3H),7.37(d,J=2.3Hz,1H),7.29(dd,J=8.4,2.4Hz,1H),5.01(s,2H),4.00(dd,J=11.2,3.2Hz,2H),3.95(d,J=6.3Hz,2H),3.49(ddd,J=11.9,11.9,2.0Hz,2H),2.34(s,3H),2.18-2.08(m,1H),1.81(dd,J=13.0,1.9Hz,2H),1.50(dddd,J=12.1,12.1,12.1,4.5Hz,2H).
【0342】
【化88】
tert-ブチル(4-クロロ-3-((3-フルオロ-5-(1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)フェニル)カルバメート(92):1,4-ジオキサン(1mL)及びHO(0.220mL)に、B6(50mg、0.102mmol)、1-(4-フルオロフェニル)ピラゾール-4-ボロン酸(42mg、0.203mmol)、Pd(dppf)Cl(8mg、0.010mmol)及びCsCO(73mg、0.224mmol)を混合した混合物を85℃まで加熱した。1時間後、反応混合物を室温に冷却し、濾過し、真空中で濃縮し、逆相HPLC(グラジエント:50~90%MeCN水溶液(0.05%NHOHを含む))で精製した。所望の画分を濃縮して、化合物92(25mg、収率47%)を得た。ES-MS[M+1]:526.2,LCMS保持時間:1.13分,H NMR(400MHz,CDCl)δ10.82(s,1H),9.68(s,1H),9.16(s,1H),8.68(s,1H),8.38(s,1H),8.18(d,J=11.1Hz,1H),7.95-7.87(m,2H),7.77(s,1H),7.51(dd,J=8.8,2.6Hz,1H),7.46-7.34(m,3H),1.49(s,9H).
【0343】
【化89】
tert-ブチル (3-((4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)カルバモイル)-4-クロロフェニル)カルバメート(25):DCM(30mL)に、5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-クロロ-安息香酸(500mg、1.84mmol)、4-(ベンジルオキシ)-2-メチルアニリン(393mg、1.84mmol)、DIEA(0.96mL、5.52mmol)を溶解した溶液に、酢酸エチル(50%、1.6mL、2.7mmol)にTPを溶解した溶液を添加した。反応混合物を室温で32時間撹拌した後、反応混合物をNHCl水溶液に注ぎ、DCMで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製し、濃縮残渣をメタノールを用いて研和して、(25)を白色粉末として得た(660mg、収率77%)。ES-MS[M+1]:467.3,LCMS保持時間:1.15分(LCMSmethod-2),H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.80(br,1H),9.66(br,1H),7.72(d,J=2.5Hz,1H),7.51(dd,J=9.0,2.5Hz,1H),7.47-7.39(m,5H),7.36-7.32(m,1H),7.24(d,J=9.0Hz,1H),6.94(d,J=2.5Hz,1H),6.87(dd,J=9.0,2.5Hz,1H),5.11(s,2H),2.25(s,3H),1.49(s,9H).
【0344】
【化90】
5-(ベンジルオキシ)-3-メチルピラジン-2-アミン(B17):磁気撹拌子及び窒素雰囲気を備えた乾燥10mLマイクロ波用バイアルに、ベンジルアルコール(0.80mL、7.7mmol)中の5-ブロモ-3-メチルピラジン-2-アミン(135mg、0.718mmol)を装入し、反応混合物を0℃に冷却した。鉱油中の60%水素化ナトリウム(31.6mg、0.790mmol)を2回に分けて、一回は0℃で、もう一回は周囲温度で、添加した。反応バイアルを密封し、反応混合物を120℃で5時間加熱し、次いで、周囲温度で一晩撹拌した。その後、反応混合物を水(40mL)で希釈し、ジクロロメタン(25mL)で(3回)抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタンから40%酢酸エチル/ヘプタン、グラジエント)で精製し、引き続いて逆相クロマトグラフィー(C18、水からアセトニトリル、グラジエント)で精製した。合わせたカラム画分を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL)で(3回)抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、5-(ベンジルオキシ)-3-メチルピラジン-2-アミン(B17)(52mg、34%)をオフホワイトの固体として得た:H NMR(500MHz,CDCl)δ7.66-7.65(m,1H),7.46-7.43(m,2H),7.38-7.35(m,2H),7.33-7.29(m,1H),5.29(s,2H),4.06(br s,2H),2.35(d,J=1.0Hz,3H).
【0345】
【化91】
6-(ベンジルオキシ)-2-メチルピリジン-3-アミン(B18):磁気撹拌子及び窒素雰囲気を備えた乾燥50mL丸底フラスコに、テトラヒドロフラン(3mL)中の6-メチル-5-ニトロピリジン-2(1H)-オン(260mg、1.69mmol)、ベンジルアルコール(177mg、1.64mmol)及びトリフェニルホスフィン(878mg、3.35mmol)を装入し、反応混合物を0℃に冷却した。ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.80mL、4.1mmol)を添加し、反応混合物を一晩撹拌しながら周囲温度にゆっくり加温した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタンから30%酢酸エチル/ヘプタン、グラジエント)で精製し、引き続いてクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタンから25%酢酸エチル/ヘプタン、グラジエント)で精製して、6-(ベンジルオキシ)-2-メチル-3-ニトロピリジン(95.5mg、24%)をオフホワイトの固体として得た:H NMR(500MHz,DMSO)δ8.39(d,J=9.0Hz,1H),7.50-7.47(m,2H),7.42-7.38(m,2H),7.36-7.33(m,1H),6.94(d,J=9.0Hz,1H),5.46(s,2H),2.74(s,3H).
【0346】
磁気撹拌子及び窒素雰囲気を備えた乾燥10mLマイクロ波バイアルに、テトラヒドロフラン(3mL)中の6-(ベンジルオキシ)-2-メチル-3-ニトロピリジン(42.8mg、0.175mmol)を装入した。水(2mL)中の塩化アンモニウム(40mg、0.75mmol)を添加し、反応混合物を75℃で30分間撹拌した。反応混合物を冷却し、鉄粉(39mg、0.70mmol)を添加し、反応混合物を75℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を室温に冷却し、珪藻土のパッドで濾過した。濾液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(40mL)で中和し、酢酸エチル(10mL)で(3回)抽出した。合わせた有機層を食塩水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、6-(ベンジルオキシ)-2-メチルピリジン-3-アミン(B18、32.5mg、87%)を黄色油として得た:H NMR(500MHz,DMSO)δ7.42-7.40(m,2H),7.37-7.34(m,2H),7.30-7.27(m,1H),6.99(d,J=8.5Hz,1H),6.46(d,J=8.5Hz,1H),5.19(s,2H),4.51(br s,2H),2.20(s,3H).
【0347】
【化92】
2-メチル-4-(フェノキシメチル)アニリン(B19):磁気撹拌子及び窒素雰囲気を備えた乾燥50mL丸底フラスコに、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中の4-(ブロモメチル)-2-メチル-1-ニトロベンゼン(230mg、1.00mmol)及びフェノール(147mg、1.56mmol)を装入した。炭酸セシウム(455mg、1.40mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。その後、反応混合物を水(40mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL)で(3回)抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタンから20%酢酸エチル/ヘプタン、グラジエント)で精製して、2-メチル-1-ニトロ-4-(フェノキシメチル)ベンゼン(136mg、56%)を透明な油状物として得た:H NMR(500MHz,CDCl)8.01(d,J=8.0Hz,1H),7.41-7.39(m,2H),7.33-7.29(m,2H),7.00(tt,J=8.0,1.0Hz,1H),6.98-6.95(m,2H),5.11(s,2H),2.63(s,3H).
【0348】
磁気撹拌子及び窒素雰囲気を備えた乾燥100mL丸底フラスコに、酢酸エチル(20mL)中の2-メチル-1-ニトロ-4-(フェノキシメチル)ベンゼン(135mg、0.555mmol)を装入した。5%パラジウム炭素(50%湿潤、118mg)を添加し、溶液に水素をスパージし、反応混合物を水素のバルーン圧力下、周囲温度で1時間撹拌した。その後、反応混合物を窒素で脱気し、珪藻土で濾過し、濾過ケークを酢酸エチル(15mL)で(3回)洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、2-メチル-4-(フェノキシメチル)アニリン(B19、93mg、79%)を透明な油状物として得た:H NMR(500MHz,CDCl)7.29-7.26(m,2H),7.14(d,J=1.5Hz,1H),7.10(dd,J=8.0,1.5Hz,1H),6.98-6.93(m,3H),6.78(d,J=8.0Hz,1H),4.91(s,2H),3.60(br s,2H),2.18(s,3H).
【0349】
【化93】
5-(ベンジルオキシ)-3-メチルピリジン-2-アミン(B20):磁気撹拌子及び窒素雰囲気を備えた乾燥50mL丸底フラスコに、N,N-ジメチルホルムアミド(6ml)中の6-アミノ-5-メチルピリジン-3-オール(90mg、0.73mmol)及び炭酸セシウム(360mg、1.11mmol)を装入した。臭化ベンジル(0.086ml、0.73mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度で22時間攪拌した。その後、反応混合物を水(40mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL)で(3回)抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタンから酢酸エチル、グラジエント)で精製して、5-(ベンジルオキシ)-3-メチルピリジン-2-アミン(B20、18mg、12%)をオフホワイトの固体として得た:H NMR(500MHz,CDCl)δ7.72(d,J=2.5Hz,1H),7.42-7.36(m,4H),7.33-7.30(m,1H),7.03(d,J=2.5Hz,1H),5.00(s,2H),4.12(br s,2H),2.12(s,3H).
【0350】
表1に示す化合物を、適切な出発物質を用いて同様の方法で調製し、本発明者らのTREK-1 タリウム(Tl)フラックスアッセイで評価した。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【表1-22】
【表1-23】
【表1-24】
【表1-25】
表1のES-MSの値は、指定されない限り、逆相LCMS方法-1によって検出した。
【0351】
表2に示す化合物を、適切な出発物質を用いて同様の方法で調製し、本発明者らのTREK-1マニュアルパッチクランプ(hMPC)アッセイで評価した。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
表2のES-MSの値は、特に明記しない限り、逆相LCMS方法-1によって検出した。
【0352】
前述の詳細な説明及び添付の実施例は単なる例示であり、本発明の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ定義されることが理解される。
開示された実施形態に対する様々な変更及び改変は、当業者には明らかであろう。本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成物、組成物、製剤又は使用方法に関するものを含むがこれらに限定されないそのような変更及び改変は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。
【0353】
本化合物は、強力なTREK阻害を有するため、TREK-1、TREK-2、又はTREK-1及びTREK-2の両方のチャネル活性に関連する種々の神経学的及び/又は精神医学的障害、特に、うつ病、統合失調症、不安障害、双極性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、22q11.2欠失症候群、神経因性疼痛、脳梗塞の治療及び/又は予防剤として有用である。
【国際調査報告】