(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(54)【発明の名称】モノリス異方性基板支持体
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20221215BHJP
C23C 16/509 20060101ALI20221215BHJP
C04B 35/645 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
H01L21/68 R
C23C16/509
C04B35/645
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523396
(86)(22)【出願日】2020-10-20
(85)【翻訳文提出日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 US2020056436
(87)【国際公開番号】W WO2021080953
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホリングスワース・ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】リンガムパリ・ラムキシャン・ラオ
(72)【発明者】
【氏名】リーサー・カール・フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】トッピング・スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー・ノア・エリオット
【テーマコード(参考)】
4K030
5F131
【Fターム(参考)】
4K030FA01
4K030GA02
5F131AA02
5F131BA04
5F131CA02
5F131EA03
5F131EA04
5F131EB14
5F131EB16
5F131EB17
5F131EB54
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
(57)【要約】
【解決手段】基板支持体は、第1の層、第2の層、および中間層を有するモノリス異方体を備える。第1の層は、第1の材料で形成され、内部にRF電極およびクランプ電極が配置されている。第2の層は、第1の材料または第2の材料で形成され、内部に発熱体が配置されている。中間層は、第1の層および第2の層とは異なる材料で形成され、その結果、中間層の熱エネルギ伝導性が、第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの熱エネルギ伝導性と異なる、および、中間層の電気エネルギ伝導性が、第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの電気伝導性と異なる、の少なくともいずれかになる。中間層は、第1の層と第2の層との間に配置されている、または、第2の層は、第1の層と中間層との間に配置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持体であって、
高周波電極と、
クランプ電極と、
発熱体と、
モノリス異方体であって、
第1の材料で形成され、内部に前記高周波電極および前記クランプ電極が配置されている、第1の層と、
前記第1の材料または第2の材料で形成され、内部に前記発熱体が配置されている、第2の層と、
前記第1の層および前記第2の層とは異なる材料で形成された第1の中間層と、を有し、その結果、
前記第1の中間層の熱エネルギ伝導性が、前記第1の材料および前記第2の材料の少なくともいずれかの熱エネルギ伝導性と異なる、および、
前記第1の中間層の電気エネルギ伝導性が、前記第1の材料および前記第2の材料の少なくともいずれかの電気伝導性と異なる、の少なくともいずれかになり、
前記第1の中間層は、前記第1の層と前記第2の層との間に配置されている、または、前記第2の層は、前記第1の層と前記第1の中間層との間に配置されている、モノリス異方体と、
を備える、基板支持体。
【請求項2】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1の中間層は、前記第1の層および前記第2の層とは異なる材料で形成され、その結果、
前記第1の中間層の前記熱エネルギ伝導性が、前記第1の材料および前記第2の材料の少なくともいずれかの前記熱エネルギ伝導性と異なる、および、
前記第1の中間層の前記電気エネルギ伝導性が、前記第1の材料および前記第2の材料の少なくともいずれかの前記電気伝導性と異なる、基板支持体。
【請求項3】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1の中間層は、前記第1の層および前記第2の層とは異なる材料で形成され、その結果、
前記第1の中間層の前記熱エネルギ伝導性が、前記第1の材料および前記第2の材料の前記熱エネルギ伝導性と異なる、および、
前記第1の中間層の前記電気エネルギ伝導性が、前記第1の材料および前記第2の材料の前記電気伝導性と異なる、の少なくともいずれかになる、基板支持体。
【請求項4】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1の中間層の熱膨張係数は、前記第1の材料および前記第2の材料の少なくともいずれかの熱膨張係数とは異なる、基板支持体。
【請求項5】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1の中間層は、内側部分および外側部分を有し、
前記内側部分は、前記第1の層および前記第2の層とは異なる材料で形成され、
前記外側部分は、前記第1の材料または前記第2の材料で形成される、基板支持体。
【請求項6】
請求項1に記載の基板支持体であって、さらに、
前記第1の中間層と前記第2の層との間に配置された金属層を備える、基板支持体。
【請求項7】
請求項6に記載の基板支持体であって、
前記金属層は、金属スクリーンまたは金属メッシュとして実装される、基板支持体。
【請求項8】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第2の層は、前記第1の材料で形成される、基板支持体。
【請求項9】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1の中間層は、
被覆層に覆われた内側部分と、
前記内側部分を囲む外側部分と、
を備える、基板支持体。
【請求項10】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1の中間層は、前記モノリス異方体の前記第1の層、前記第2の層、および前記第1の中間層とは異なる密度、単位面積あたりの気孔率、および単位面積あたりの割れ数の少なくとも1つを有する固体構造体を含む、基板支持体。
【請求項11】
請求項1に記載の基板支持体であって、さらに、
前記第2の層の下方に配置され、前記第1の層および前記第2の層とは異なる材料で形成された第2の中間層であって、その結果、
前記第2の中間層の熱エネルギ伝導性が、前記第1の材料および前記第2の材料の少なくともいずれかの前記熱エネルギ伝導性と異なる、および、
前記第2の中間層の電気エネルギ伝導性が、前記第1の材料および前記第2の材料の少なくともいずれかの前記電気伝導性と異なる、の少なくともいずれかになる、基板支持体。
【請求項12】
請求項11に記載の基板支持体であって、
前記第2の中間層は、内側部分および外側部分を有し、
前記内側部分は、前記第1の層および前記第2の層とは異なる材料で形成され、
前記外側部分は、前記第1の材料または前記第2の材料で形成される、基板支持体。
【請求項13】
請求項11に記載の基板支持体であって、さらに、
前記第1の中間層と前記第2の層との間に配置された第1の金属層と、
前記第2の層と前記第2の中間層との間に配置された第2の金属層と、
を備える、基板支持体。
【請求項14】
請求項11に記載の基板支持体であって、
前記第1の中間層は、
第1の被覆層に覆われた第1の内側部分と、
前記第1の内側部分を囲む第1の外側部分と、を有し、
前記第2の中間層は、
第2の被覆層に覆われた第2の内側部分と、
前記第2の内側部分を囲む第2の外側部分と、を有する、基板支持体。
【請求項15】
請求項11に記載の基板支持体であって、
前記第1の中間層は、第1の固体構造体を含み、前記第2の中間層は、第2の固体構造体を含み、
前記第1の固体構造体および前記第2の固体構造体は、前記モノリス異方体の前記第1の層、前記第2の層、前記第1の中間層の残りの部分、および前記第2の中間層の残りの部分とは異なる密度、単位面積あたりの気孔率、および単位面積あたりの割れ数の少なくとも1つを有する、基板支持体。
【請求項16】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記モノリス異方体は、前記発熱体と同様に成形され、前記発熱体を制約する中空内部領域を備える、基板支持体。
【請求項17】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記モノリス異方体は、前記モノリス異方体に対する前記発熱体の動きを制限するための留め具を備える、基板支持体。
【請求項18】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1の中間層は、リングおよびボイドの少なくともいずれかを備える、基板支持体。
【請求項19】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1の中間層は、絶縁ガスまたは導電性流体で満たされたボイドを備える、基板支持体。
【請求項20】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記モノリス異方体は、垂直に延びた梁を有し、
前記梁は、前記第1の層および前記第2の層とは異なる材料で形成されている、基板支持体。
【請求項21】
基板支持体を形成する方法であって、
第1の金型に第1の材料および第1の物体を配置して初期プリフォームを形成する工程と、
前記初期プリフォームを焼結して第1の初期内部構造体を提供する工程と、
第2の金型に前記1の初期内部構造体、第2の材料、および第2の物体を配置して最終プリフォームを形成する工程と、
前記最終プリフォームを焼結して前記基板支持体を提供する工程と、を含み、
前記第1の物体および前記第2の物体は、発熱体、クランプ電極、および高周波電極を含む、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、さらに、
前記初期プリフォームの焼結前および焼結中の少なくともいずれかに、前記初期プリフォームに圧力を印加する工程を含む、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、さらに、
前記初期プリフォームの焼結前および焼結中の少なくともいずれかに、前記初期プリフォームに圧力を印加しない工程を含む、方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法であって、さらに、
前記最終プリフォームの焼結前および焼結中の少なくともいずれかに、前記最終プリフォームに圧力を印加する工程を含む、方法。
【請求項25】
請求項21に記載の方法であって、さらに、
前記最終プリフォームの焼結前および焼結中の少なくともいずれかに、前記最終プリフォームに圧力を印加しない工程を含む、方法。
【請求項26】
請求項21に記載の方法であって、さらに、
前記初期内部構造体を含む複数の内部構造体を形成する工程を含み、
前記最終プリフォームの形成は、前記第2の金型に前記複数の内部構造体を配置する工程を含む、方法。
【請求項27】
請求項21に記載の方法であって、さらに、
第3の金型に、前記第1の初期内部構造体ならびに第3の材料および第3の物体の少なくともいずれかを集約配置して、中間プリフォームを形成する工程と、
前記中間プリフォームを焼結して中間内部構造体を形成する工程と、を含み、
前記最終プリフォームの形成は、前記第2の金型に前記中間内部構造体を配置する工程を含む、方法。
【請求項28】
請求項21に記載の方法であって、さらに、
前記最終プリフォームを形成し、前記第2の金型に前記初期内部構造体を配置する前に、前記初期内部構造体を加工する工程を含む、方法。
【請求項29】
請求項21に記載の方法であって、
前記基板支持体は、グリーンシート構造を有する、方法。
【請求項30】
請求項21に記載の方法であって、
前記初期プリフォームの形成は、複数の層の積層を形成する工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2019年10月21日出願の米国仮出願第62/923,912号の利益を主張する。上記出願の全ての開示は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、基板処理システムの静電チャックに関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に記載の背景技術の説明は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄だけでなく、出願時に先行技術に該当しない説明の態様に記載される範囲において、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0004】
モノリス基板支持体(例えば、モノリス台座またはモノリス静電チャック)は、バルクセラミック体を備えてよい。バルクセラミック体には、静電クランプ、高周波(RF)電極、および1つ以上の発熱体が配置される。モノリス基板支持体は、基板上で実施されるプロセスの速度を変化させる局所的ホットスポットを被る可能性がある。ホットスポットの2つの原因は、熱エネルギの不十分な拡散と、セラミック体内における発熱体の再現不可能な設置である。
【0005】
厚いセラミック体は通常、薄いセラミック体よりも均一に熱エネルギを拡散させることができる。しかし、セラミック体の厚さを増加させることは、用いる材料の量を増加させ、材料および製造のコストを増加させる。厚さの増加は、内部の部品(例えば、電極および発熱体)の配置再現性にも悪影響を及ぼし、結果として基板支持体の製造におけるスループットに悪影響を及ぼしうる。例えば、製造中に原料粉末が変化する可能性があり、内部部品の配置が変化する。変化量および/または変化が起こる可能性は、セラミック体が厚いほど高まる。また、セラミック基板支持体は、熱応力による機械的故障の影響を受けやすい。
【発明の概要】
【0006】
高周波電極、クランプ電極、発熱体、およびモノリス異方体を備える基板支持体が提供される。モノリス異方体は、第1の層、第2の層、および第1の中間層を備える。第1の層は、第1の材料から形成され、内部に高周波電極およびクランプ電極が配置される。第2の層は、第1の材料または第2の材料から形成され、内部に発熱体が配置される。第1の中間層は、その熱エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの熱エネルギ伝導性と異なる、ならびに、その電気エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの電気伝導性と異なる、の少なくともいずれかになるように、第1の層および第2の層とは異なる材料で形成される。第1の中間層は、第1の層と第2の層の間に配置されている、または、第2の層は、第1の層と第1の中間層との間に配置されている。
【0007】
他の特徴において、第1の中間層は、第1の中間層の熱エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの熱エネルギ伝導性と異なる、および、第1の中間層の電気エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの電気伝導性と異なるように、第1の層および第2の層とは異なる材料で形成される。
【0008】
他の特徴において、第1の中間層は、第1の中間層の熱エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の熱エネルギ伝導性と異なる、および、第1の中間層の電気エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の電気伝導性と異なる、の少なくともいずれかになるように、第1の層および第2の層とは異なる材料で形成される。
【0009】
他の特徴において、第1の中間層の熱膨張係数は、第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの熱膨張係数と異なる。
【0010】
他の特徴において、第1の中間層は、内側部分および外側部分を有する。内側部分は、第1の層および第2の層とは異なる材料で形成される。外側部分は、第1の材料または第2の材料で形成される。
【0011】
他の特徴において、基板支持体はさらに、第1の中間層と第2の層との間に配置された金属層を備える。他の特徴において、金属層は、金属スクリーンまたは金属メッシュとして実装される。
【0012】
他の特徴において、第2の層は、第1の材料で形成される。他の特徴において、第1の中間層は、被覆層に覆われた内側部分と、内側部分を囲む外側部分とを備える。
【0013】
他の特徴において、第1の中間層は、モノリス異方体の第1の層、第2の層、および第1の中間層とは異なる密度、単位面積あたりの気孔率、または単位面積あたりの割れ数のうちの少なくとも1つを有する固体構造体を備える。
【0014】
他の特徴において、第1の中間層は、モノリス異方体を形成するために、第1の層、第2の層、および第1の中間層の圧密より前に圧密された固体構造体を備える。
【0015】
他の特徴において、基板支持体はさらに、第2の層の下方に配置され、第1の層および第2の層と異なる材料で形成された第2の中間層を備え、その結果、第2の中間層の熱エネルギ伝導性は、第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの熱エネルギ伝導性と異なる、および、第2の中間層の電気エネルギ伝導性は、第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの電気伝導性と異なる、の少なくともいずれかになる。
【0016】
他の特徴において、第2の中間層は、内側部分および外側部分を有する。内側部分は、第1の層および第2の層とは異なる材料で形成される。外側部分は、第1の材料または第2の材料で形成される。
【0017】
他の特徴において、基板支持体はさらに、第1の中間層と第2の層との間に配置された第1の金属層と、第2の層と第2の中間層との間に配置された第2の金属層とを備える。
【0018】
他の特徴において、第1の中間層は、第1の被覆層に覆われた第1の内側部分と、第1の内側部分を囲む第1の外側部分とを備える。第2の中間層は、第2の被覆層に覆われた第2の内側部分と、第2の内側部分を囲む第2の外側部分とを備える。
【0019】
他の特徴において、第1の中間層は第1の固体構造体を備え、第2の中間層は第2の固体構造体を備える。第1の固体構造体および第2の固体構造体は、モノリス異方体の第1の層、第2の層、第1の中間層の残りの部分、および第2の中間層の残りの部分とは異なる密度、単位面積あたりの気孔率、または単位面積あたりの割れ数のうちの少なくとも1つを有する。
【0020】
他の特徴において、第1の中間層は第1の固体構造体を備え、第2の中間層は第2の固体構造体を備え、それらはモノリス異方体を形成するために、第1の層、第2の層、第1の中間層、および第2の中間層の圧密よりも前に圧密される。
【0021】
他の特徴において、モノリス異方体は、発熱体と同様に成形され、発熱体を制約する中空内部領域を備える。他の特徴において、モノリス異方体は、モノリス異方体に対する発熱体の動きを制限するための留め具を備える。他の特徴において、第1の中間層は、リングおよびボイドの少なくともいずれかを備える。
【0022】
他の特徴において、第1の中間層は、絶縁ガスまたは導電性流体で満たされたボイドを備える。他の特徴において、モノリス異方体は、垂直に延びた梁を備える。梁は、第1の層および第2の層とは異なる材料で形成される。
【0023】
他の特徴において、基板支持体を形成する方法が提供される。この方法は、第1の金型に第1の材料および第1の物体を配置して初期プリフォームを形成する工程と、初期プリフォームを焼結して第1の初期内部構造体を提供する工程と、第2の金型に第1の初期内部構造体、第2の材料、および第2の物体を配置して、最終プリフォームを形成する工程と、最終プリフォームを焼結して基板支持体を提供する工程と、を含む。第1の物体および第2の物体は、発熱体、クランプ電極、および高周波電極を含む。
【0024】
他の特徴において、この方法はさらに、初期プリフォームの焼結前および焼結中の少なくともいずれかに、初期プリフォームに圧力を印加する工程を含む。他の特徴において、この方法はさらに、初期プリフォームの焼結前および焼結中の少なくともいずれかに、初期プリフォームに圧力を印加しない工程を含む。他の特徴において、この方法はさらに、最終プリフォームの焼結前および焼結中の少なくともいずれかに、最終プリフォームに圧力を印加する工程を含む。
【0025】
他の特徴において、この方法はさらに、最終プリフォームの焼結前および焼結中の少なくともいずれかに、最終プリフォームに圧力を印加しない工程を含む。他の特徴において、この方法はさらに、初期内部構造体を含む内部構造体を形成する工程を含む。最終プリフォームの形成は、第2の金型に内部構造体を配置する工程を含む。
【0026】
他の特徴において、この方法はさらに、第3の金型に第1の初期内部構造体、ならびに、第3の材料および第3の物体の少なくともいずれかを集約配置して、中間プリフォームを形成する工程と、中間プリフォームを焼結して中間内部構造体を形成する工程と、を含む。最終プリフォームの形成は、第2の金型に中間内部構造体を配置する工程を含む。
【0027】
他の特徴において、この方法はさらに、最終プリフォームを形成し、第2の金型に初期内部構造を配置する前に、初期内部構造体を加工する工程を含む。他の特徴において、基板支持体はグリーンシート構造を有する。他の特徴において、初期プリフォームの形成は、積層の形成を含む。
【0028】
他の特徴において、高周波電極、クランプ電極、発熱体、およびモノリス異方体を備える基板支持体が提供される。モノリス異方体は、第1の材料で形成され、高周波電極およびクランプ電極を有する、1つ以上の第1の層と、第1の材料または第2の材料で形成され、発熱体を有する、1つ以上の第2の層と、第1の中間層と、を備える。第1の中間層は、1つ以上の第1の層と1つ以上の第2の層との間に配置され、第1の中間層の熱エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの熱エネルギ伝導性と異なる、ならびに、第1の中間層の電気エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの電気伝導性と異なる、の少なくともいずれかになるように、1つ以上の第1の層および1つ以上の第2の層とは異なる材料で形成される。
【0029】
他の特徴において、第1の中間層の熱エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの熱エネルギ伝導性と異なる、ならびに、第1の中間層の電気エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの電気伝導性と異なるように、第1の中間層は、1つ以上の第1の層および1つ以上の第2の層とは異なる材料で形成される。
【0030】
他の特徴において、第1の中間層の熱エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の熱エネルギ伝導性と異なる、ならびに、第1の中間層の電気エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の電気伝導性と異なる、の少なくともいずれかになるように、第1の中間層は、1つ以上の第1の層および1つ以上の第2の層とは異なる材料で形成される。
【0031】
他の特徴において、第1の中間層の熱膨張係数は、第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの熱膨張係数とは異なる。
【0032】
他の特徴において、第1の中間層は、内側部分および外側部分を有する。内側部分は、1つ以上の第1の層および1つ以上の第2の層とは異なる材料で形成される。外側部分は、第1の材料または第2の材料で形成される。
【0033】
他の特徴において、基板支持体はさらに、第1の中間層と1つ以上の第2の層との間に配置された金属層を有する。他の特徴において、金属層は、金属スクリーンまたは金属メッシュとして実装される。他の特徴において、1つ以上の第2の層は、第1の材料で形成される。
【0034】
他の特徴において、第1の中間層は、第1の被覆層に覆われた内側部分と、内側部分を囲む外側部分とを備える。他の特徴において、第1の中間層は、モノリス異方体を形成するために、1つ以上の第1の層、1つ以上の第2の層、および第1の中間層を圧密する前に圧密された固体構造体を備える。
【0035】
他の特徴において、基板支持体はさらに、1つ以上の第2の層の下方に配置され、1つ以上の第1の層および1つ以上の第2の層とは異なる材料で形成された第2の中間層を備え、その結果、第2の中間層の熱エネルギ伝導性は、第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの熱エネルギ伝導性と異なる、および、第2の中間層の電気エネルギ伝導性は、第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの電気伝導性と異なる、の少なくともいずれかになる。
【0036】
他の特徴において、第2の中間層は、内側部分および外側部分を備える。内側部分は、1つ以上の第1の層および1つ以上の第2の層とは異なる材料で形成され、外側部分は、第1の材料または第2の材料で形成される。
【0037】
他の特徴において、基板支持体はさらに、第1の中間層と1つ以上の第2の層との間に配置された第1の金属層と、1つ以上の第2の層と第2の中間層との間に配置された第2の金属層と、を備える。
【0038】
他の特徴において、第1の中間層は、第1の被覆層に覆われた第1の内側部分と、第1の内側部分を囲む第1の外側部分とを備える。第2の中間層は、第2の被覆層に覆われた第2の内側部分と、第2の内側部分を囲む第2の外側部分とを備える。
【0039】
他の特徴において、第1の中間層は第1の固体構造体を備え、第2の中間層は、モノリス異方体を形成するために、1つ以上の第1の層、1つ以上の第2の層、第1の中間層、および第2の中間層の圧密よりも前に圧密された第2の固体構造体を備える。他の特徴において、モノリス異方体は、発熱体と同様に成形され、発熱体を制約する中空内部領域を備える。他の特徴において、モノリス異方体は、モノリス異方体に対する発熱体の動きを制限するための留め具を備える。
【0040】
他の特徴において、第1の中間層は、リングおよびボイドの少なくともいずれかを備える。他の特徴において、第1の中間層は、絶縁ガスまたは導電性流体で満たされたボイドを備える。
【0041】
他の特徴において、モノリス異方体は垂直梁を備え、梁は、1つ以上の第1の層および1つ以上の第2の層とは異なる材料で形成される。
【0042】
他の特徴において、高周波電極、クランプ電極、発熱体、およびモノリス異方体を備える基板支持体が提供される。モノリス異方体は、第1の材料で形成され、高周波電極およびクランプ電極を有する、1つ以上の第1の層と、第1の材料または第2の材料で形成され、発熱体を有する、1つ以上の第2の層と、中間層と、を備える。中間層は、中間層の熱エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの熱エネルギ伝導性と異なる、ならびに、中間層の電気エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの電気伝導性と異なる、の少なくともいずれかになるように、1つ以上の第1の層および1つ以上の第2の層とは異なる材料で形成される。1つ以上の第2の層は、1つ以上の第1の層と中間層との間に配置される。
【0043】
他の特徴において、中間層は、中間層の熱エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの熱エネルギ伝導性と異なる、ならびに、中間層の電気エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの電気伝導性と異なるように、1つ以上の第1の層および1つ以上の第2の層とは異なる材料で形成される。
【0044】
他の特徴において、中間層は、中間層の熱エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の熱エネルギ伝導性と異なる、ならびに、中間層の電気エネルギ伝導性が第1の材料および第2の材料の電気伝導性と異なる、の少なくともいずれかになるように、1つ以上の第1の層および1つ以上の第2の層とは異なる材料で形成される。
【0045】
他の特徴において、中間層の熱膨張係数は、第1の材料および第2の材料の少なくともいずれかの熱膨張係数とは異なる。他の特徴において、中間層は、内側部分および外側部分を有する。内側部分は、1つ以上の第1の層および1つ以上の第2の層とは異なる材料で形成される。外側部分は、第1の材料または第2の材料で形成される。
【0046】
他の特徴において、基板支持体はさらに、中間層と1つ以上の第1の層または1つ以上の第2の層との間に配置された金属層を備える。他の特徴において、金属層は、金属スクリーンまたは金属メッシュとして実装される。他の特徴において、1つ以上の第2の層は、その材料で形成される。他の特徴において、中間層は、被覆層に覆われた内側部分と、内側部分を囲む外側部分とを備える。
【0047】
他の特徴において、中間層は、モノリス異方体を形成するために、1つ以上の第1の層、1つ以上の第2の層、および中間層の圧密よりも前に圧密された固体構造体を備える。他の特徴において、モノリス異方体は、発熱体と同様に成形され、発熱体を制約する中空内部領域を備える。他の特徴において、モノリス異方体は、モノリス異方体に対する発熱体の動きを制限するための留め具を備える。他の特徴において、中間層は、リングおよびボイドの少なくともいずれかを備える。他の特徴において、中間層は、絶縁ガスまたは導電性流体で満たされたボイドを備える。
【0048】
他の特徴において、モノリス異方体は、垂直に延びた梁を備える。梁は、1つ以上の第1の層および1つ以上の第2の層とは異なる材料で形成される。
【0049】
他の特徴において、基板支持体を形成する方法が提供される。この方法は、第1の金型に第1の材料および1つ以上の第1の物体を集約配置して、初期プリフォームを形成する工程と、初期プリフォームを焼結して第1の初期内部構造体を提供する工程と、第2のプリフォーム動作であって、第2の金型に、第1の初期内部構造、第2の材料、および1つ以上の第2の物体を集約配置して、最終プリフォームを形成する工程と、最終プリフォームを焼結して基板支持体を提供する工程と、を含む第2のプリフォーム動作を実施する工程と、を含む。1つ以上の第1の物体および1つ以上の第2の物体は、発熱体、クランプ電極、および高周波電極を含む。
【0050】
他の特徴において、この方法はさらに、初期プリフォームの焼結前および焼結中の少なくともいずれかに、初期プリフォームに圧力を印加する工程を含む。他の特徴において、この方法はさらに、初期プリフォームの焼結前および焼結中の少なくともいずれかに、初期プリフォームに圧力を印加しない工程を含む。他の特徴において、この方法はさらに、最終プリフォームの焼結前および焼結中の少なくともいずれかに、最終プリフォームに圧力を印加する工程を含む。他の特徴において、この方法はさらに、最終プリフォームの焼結前および焼結中の少なくともいずれかに、最終プリフォームに圧力を印加しない工程を含む。
【0051】
他の特徴において、この方法はさらに、初期内部構造体を備える内部構造体を形成する工程を含む。第2のプリフォーム動作は、第2の金型に内部構造体を配置する工程を含む。
【0052】
他の特徴において、この方法はさらに、第3の金型に、第1の初期内部構造体、ならびに、第3の材料および1つ以上の第3の物体の少なくともいずれかを集約配置して、中間プリフォームを形成する工程と、中間プリフォームを焼結して中間内部構造体を形成する工程と、を含む。第2のプリフォーム動作は、第2の金型に中間内部構造体を配置する工程を含む。
【0053】
他の特徴において、この方法はさらに、第2のプリフォーム動作を実施して第2の金型に初期内部構造体を配置する前に、初期内部構造体を加工する工程を含む。他の特徴において、基板支持体は、グリーンシート構造を有する。他の特徴において、第1のプリフォーム動作は、積層を形成する工程を含む。
【0054】
本開示のさらなる適用分野は、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、および図面から明らかになるだろう。発明を実施するための形態および特定の例は、例示のみの目的を意図し、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本開示は、発明を実施するための形態、および添付の図面からより深く理解されるだろう。
【0056】
【
図1】本開示の例による、重層構造および/または層状構造を有するモノリス異方性基板支持体を備える例示的な基板処理システムの機能ブロック図。
【0057】
【
図2】本開示の例による、金属層を含む重層構造および/または層状構造を有する、例示的な別のモノリス異方性基板支持体の断面側面図。
【0058】
【
図3】本開示の例による、被覆層を含む重層構造および/または層状構造を有する、例示的な別のモノリス異方性基板支持体の断面側面図。
【0059】
【
図4】本開示の例による、重層構造および/または層状構造を有し、制約された構造を提供する、例示的な別のモノリス異方性基板支持体の断面側面図。
【0060】
【
図5】本開示の例による、重層構造および/または層状構造を有し、制約された構造を提供し、留め具を備える、例示的な別のモノリス異方性基板支持体の断面側面図。
【0061】
【
図6】本開示の例による、リングを含む重層構造および/または層状構造を有する、例示的な別のモノリス異方性基板支持体の断面側面図。
【0062】
【
図7】本開示の例による、梁を含む重層構造および/または層状構造を有する、例示的な別のモノリス異方性基板支持体の断面側面図。
【0063】
【
図8】本開示の例による、異なる熱膨張係数を有するプレートおよびセラミック基材を含む重層構造および/または層状構造を有する、例示的な別のモノリス異方性基板支持体の断面側面図。
【0064】
【
図9】本開示の例による、ボイドを含む重層構造および/または層状構造を有する、例示的な別のモノリス異方性基板支持体の断面側面図。
【0065】
【
図10】本開示の例による、基板支持体コントローラを備える基板支持体製造システムの例。
【0066】
【
図11】本開示の例による、基板支持体を形成する方法。
【0067】
図面では、類似および/または同一の要素を識別するために、参照記号は繰り返し用いられてよい。
【発明を実施するための形態】
【0068】
「熱プレス」によって形成されたセラミック基板支持体は、制限された容量に悩まされる。熱プレスの間、材料(例えば、粉末)および他の要素(電極および発熱体など)が金型に配置されて、プリフォームが提供される。プリフォームの温度およびプリフォームに印加される圧力は上昇して、プリフォームが焼結され、固体単一物体(または、基板支持体)が提供される。熱プレス中に材料はクリープし、固体に融合する。結果として生じたセラミック基板支持体の構造体は、金型の容量および焼結前のプリフォームの密度によって制限されるプリフォームの質量によって制約される。
【0069】
発熱体一体型セラミック静電チャックは、発熱体とクランプ電極およびRF電極(総称して、「電極」)との間の電子伝導性からの電気エネルギ損失に悩まされる。電極と発熱体との間の短絡により、大量のクランプ電圧および/または電力が放散されることが多い。電気損失は、印加できるクランプ電圧を制限し、特定の電圧、および、他の場合で必要になるよりも高い出力電流レベルを提供する電源を必要とする可能性がある。
【0070】
本明細書に記載の例は、複数の層を有するモノリス異方性基板支持体を含む。モノリス異方性基板支持体は、従来のモノリス基板支持体よりも熱エネルギ拡散が向上するように形成されている。例は、異なる電気伝導性および/または熱伝導性を有する異なる材料で形成された層を含む。これらの層は、電気部品、ボイド、流路、粉末、構造要素(例えば、プレート、リング、梁、ボイドなど)、予備焼結体および/もしくはプリプレス体、ならびに/または他のアイテムを含みうる、プリフォームを焼結することにより形成される。プリフォームは、上記のように熱プレスによって焼結されてよい。
【0071】
例は、基板支持体全体に向上した熱エネルギ拡散を提供する。結果として生じた基板支持体の層は、異なる材料および/または構造体を備えて、基板支持体の所定の全厚さ内で向上した熱エネルギ拡散を提供する。例は、基板支持体の導電要素間の電気放散も防ぐ。
【0072】
図1は、ESC101として示された基板支持体を備える基板処理システム100を示す。ESC101は、
図2~9に示された基板支持体を含む、本明細書に開示のあらゆる基板支持体と同様に、または類似して構成されてよい。
図1は容量結合プラズマ(CCP)システムを示すが、本明細書に開示の実施形態は、トランス結合プラズマ(TCP)システム、誘導結合プラズマ(ICP)システム、ならびに/または、モノリス基板支持体を備える他のシステムおよびプラズマ源に適用可能である。本実施形態は、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)プロセス、化学強化プラズマ蒸着(CEPVD)プロセス、原子層堆積(ALD)プロセス、および/または、基板温度が450℃以上である他のプロセスに適用可能である。ESC101は、モノリス異方体102を備える。本体102は、異なる材料および/または異なるセラミック組成で形成されてよい。本体102は、例えば、窒化アルミニウム(AlN
3)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、および/または、酸窒化アルミニウム(AlON)を含んでよい。
【0073】
基板処理システム100は、処理チャンバ104を備える。ESC101は、処理チャンバ104で囲まれている。処理チャンバ104は、上部電極105などの他の構成部品も囲み、RFプラズマを含む。動作中に基板107は、ESC101に配置され、静電気的にクランプされる。例えのみで、上部電極105は、ガスを導入および分配するシャワーヘッド109を備えてよい。シャワーヘッド109は、処理チャンバ104の上面に接続された一端を有するステム部111を備えてよい。シャワーヘッド109は、一般に円筒状であり、処理チャンバ104の上面から離れた位置でステム部111のもう一端から径方向外向きに広がる。シャワーヘッド109の基板対向面は、プロセスガスまたはパージガスが流れる孔を備える。あるいは、上部電極105は導電性プレートを備えてよく、ガスは別の手法で導入されてよい。
【0074】
ESC101は、発熱体とも呼ばれる温度制御素子(TCE)を備えてよい。例として
図1は、発熱体110を備えるESC101を示す。発熱体110は電力を受け取り、ESC101を加熱する。一実施形態では、ESC101は、基板107の裏面に裏面ガスを流すための1つ以上のガス流路115を備える。
【0075】
RF生成システム120は、RF電圧を生成し、それを上部電極105およびESC101内の1つ以上の下部電極116に出力する。上部電極105およびESC101のいずれかは、DC接地されてよい、AC接地されてよい、または浮遊電位であってよい。例えのみで、RF生成システム120は、1つ以上の整合分配ネットワーク124によって上部電極105および/またはESC101に供給されるRF電圧を生成する、1つ以上のRF発生器122(例えば、容量結合プラズマRF電力発生器、バイアスRF電力発生器、および/または、他のRF電力発生器)を備えてよい。RF信号、RF電圧、および/または、RF電力を受け取る電極は、RF電極と呼ばれる。例として、プラズマRF発生器123、バイアスRF発生器125、プラズマRF整合ネットワーク127、およびバイアスRF整合ネットワーク129が示されている。プラズマRF発生器123は、例えば6~10キロワット(kW)以上の電力を生成する高電力RF発生器であってよい。バイアスRF整合ネットワークは、RF電極116などのRF電極に電力を供給する。
【0076】
ガス供給システム130は、1つ以上のガス源132-1、132-2、・・・、および132-N(総称して、ガス源132)を備える(Nは、ゼロよりも大きい整数)。ガス源132は、1つ以上の前駆体およびそのガス混合物を供給する。ガス源132は、エッチンガス、キャリアガス、および/または、パージガスも供給してよい。気化前駆体が用いられてもよい。ガス源132は、弁134-1、134-2、・・・、および134-N(総称して、弁134)、ならびに、マスフローコントローラ136-1、136-2、・・・、および136-N(総称して、マスフローコントローラ136)によって、マニホールド140に接続される。マニホールド140の出力は、処理チャンバ104に供給される。例えのみで、マニホールド140の出力は、シャワーヘッド109に供給される。
【0077】
基板処理システム100はさらに、発熱体110に接続されうる温度制御装置142を有する加熱システム141を備える。温度制御装置142は、発熱体110に電力を供給する電源144を制御する。温度制御装置142は、システムコントローラ160と別々に示されているが、システムコントローラ160の一部として実装されてよい。ESC101は、複数の温度制御されたゾーンを備えてよく、各ゾーンは、温度センサおよび発熱体を有する。温度制御装置142は、温度センサに示された温度を監視し、発熱体への電流、電圧、および/または、電力を調節して、温度を目的温度に調節してよい。電源144は、基板107をESC101に静電気的にクランプするために、クランプ電極131に高電圧を含む電力を提供してもよい。クランプ電極は、電力を受け取って基板107をESC101に静電気的にクランプする。電源144は、システムコントローラ160によって制御されてよい。
【0078】
基板処理システム100はさらに、裏面真空制御装置152を有する冷却システム150を備える。裏面真空制御装置152は、マニホールド140からガスを受け取り、そのガスを流路115および/またはポンプ158に供給してよい。これにより、基板支持体101と基板107との間の熱エネルギ伝達が向上する。裏面ガスは、基板周縁パージおよび基板位置の真空トラッキングを向上させるために提供されてもよい。流路115は、1つ以上の注入口によって供給されてよい。一実施形態では、冷却の向上のために複数の注入口が備えられる。例として、裏面ガスはヘリウムを含んでよい。
【0079】
温度制御装置142は、動作を制御することにより発熱体の温度を制御し、その結果として基板(例えば、基板107)の温度を制御してよい。温度制御装置142は、処理チャンバ104内の温度センサ143からの検出したパラメータに基づいて、発熱体に供給される電流を制御する。裏面真空制御装置152は、1つ以上のガス源132からガス流路115への流れを制御することにより、基板107を冷却するためのガス流路115への裏面ガス(例えば、ヘリウム)の流量を制御する。裏面真空制御装置152は、温度センサ143からの検出したパラメータに基づいて、流路115に供給されるガスの圧力および流量を制御する。一実施形態では、温度制御装置142および裏面真空制御装置152は、一体化した単一制御装置として実装される。
【0080】
温度センサ143は、抵抗温度装置、熱電対、デジタル温度センサ、および/または、他の適した温度センサを含んでよい。堆積プロセスの間、基板107は、高電力プラズマの存在下で加熱されてよい。流路115を通るガス流は、基板107の温度を低減してよい。
【0081】
弁156およびポンプ158は、処理チャンバ104から反応物を排出するために用いられてよい。システムコントローラ160は、基板処理システム100の構成部品を制御してよく、供給されたRF電力レベル、供給されたガスの圧力および流量、RFの整合などの制御を含む。システムコントローラ160は、弁156およびポンプ158の状態を制御する。ロボット164は、基板をESC101に供給し、ESC101から取り除くために用いられてよい。例えば、ロボット164は、ESC101とロードロック166との間で基板を搬送してよい。ロボット164は、システムコントローラ160に制御されてよい。システムコントローラ160は、ロードロック166の動作を制御してよい。
【0082】
本明細書に記載の、弁、ガスポンプ、電源、RF発生器などは、アクチュエータと呼ばれてよい。本明細書に記載の、発熱体、ガス流路などは、温度調節要素と呼ばれてよい。
【0083】
図の例では、ECS101は、モノリス異方体102を有する重層構造および/または層状構造である。モノリス異方体102は、高温で操作できる固体モノリス構造体であり、大気温度未満の温度まで冷却される必要がない。モノリス異方体102は、図のように5つの材料層を備え、3つの材料層172の間に2つの中間材料層170が配置されている。5つの層170および172は、積層で配置されている。層170の第1の(径方向外側)部分174は、層172と一体成形されてよい。一実施形態では、層170の第2の(内側円板状)部分176は、層172とは異なる材料で形成されるが、第1の部分174は、層172と同じ材料で形成される。第1の部分174はリング状で、第2の部分176を囲んでよい。部分176は、(i)基板107の下方領域で、発熱体110を電極116および131から分離し、(ii)向上した熱エネルギ拡散を提供し、(iii)電力の放散、ならびに/または、電極116および131から発熱体110への電力の短絡を防ぐために用いられてよい。これにより、基板107全体により均一な加熱が提供され、電力損失が阻止され、より小型の電源の使用が可能になる。
【0084】
例として、層172、第1の部分174、および第2の部分176は、1つ以上のセラミック組成で形成されてよく、例えば窒化アルミニウム(AlN3)、酸化アルミニウム(Al2O3)、および/または、酸窒化アルミニウム(AlON)を含んでよい。層172、第1の部分174、および第2の部分176は、異なる組成を有してよい、および/または、異なる材料で形成されてよい。第2の部分176は、対応する基板支持体の所定の全厚さ内で、層172および部分174よりも優れた、または劣った熱エネルギ拡散特性を有してよい。
【0085】
例として、層172および第1の部分174に対して第2の部分176の熱伝導性を増加させるために、第2の部分176は、酸化カルシウム(CaO)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化セリウム(Ce2O3)、フッ化イットリウム(YF3)、および/または、これらの組み合わせを含んでよい。熱伝導性は、例えばAlN3の焼結中に酸素含有量を低減することにより増加してよい。酸素含有量は、(i)Y2O3、および(ii)炭素を含む窒素還元雰囲気を用いて低減されてよい。別の例として、層172および第1の部分174に対する第2の部分176の熱伝導性を低減するために、層170および172がAlN3で形成されたときは、第2の部分176は部分的に酸化されてよい、および/または、1つ以上の材料(例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)、炭化シリコン(SiC)、一窒化ケイ素(SiN)、および/または、炭化アルミニウム(Al4C3))は第2の部分176で分解されてよい。
【0086】
層172ならびに部分174および176は、対応する層および/または部分の熱伝導性および/または電気伝導性に影響を与えるために、異なる特性を有する添加物を含むように形成されてよい。層172ならびに部分174および176はAlN3で形成されてよく、部分176は、層170および部分174とは異なる添加物を有してよい。層172ならびに部分174および176を類似の材料で形成することにより、層170および172は、発熱体110に供給された温度および電力における変化に対し確実に類似して反応する。その結果、発熱体110に供給された温度および電力の変化による基板支持体の割れの可能性が低くなる。層172ならびに部分174および176は、(i)過渡液相焼結のためのガラス添加物、(ii)酸化マグネシウム(MgO)、および/または(iii)他の添加物を含むように形成されてよい。
【0087】
一実施形態では、部分176は、層172および部分174を形成するための材料が含まれる前に形成される。部分176を形成するために用いられる材料は、焼結されて円板状プレートを形成し、次に他の材料が一緒に含まれて、層172および部分174をプリフォームとして形成する。プリフォームは次に焼結されて、最終固体物が形成される。
【0088】
図の例では、電極116および131は、層172の最上層に配置されている。発熱体110は、層172の第2の(または、中間)層に配置されている。一実施形態では、発熱体110は、円形状および/または円板状である。発熱体110は、上部電極175および底部電極177であって、それらの周縁部に沿って互いに接続されている上部電極175および底部電極177を備えてよい。一実施形態では、上部電極175および底部電極177は、円形状、円板状、および/または穿孔状態である。1つの発熱体110が示されているが、ESC101には任意の数の発熱体が備えられてよい。発熱体は、異なる大きさおよび形状を有し、対応する加熱パターンを提供し、ESC101のそれぞれの加熱ゾーンに配分されてよい。層170の一層は、電極116および131と発熱体110との間に配置される。層170のもう一層は、発熱体110の下方に配置される。
【0089】
層172および174は、高熱エネルギ伝導性材料で形成されてよい。一実施形態では、部分176は、層172および部分174よりも低い熱エネルギ伝導性を有する。さらに別の例として、部分176は、周囲のセラミック材料よりも高い電気抵抗を有する材料で形成されてよい。これは、電極と発熱体との間の短絡を防ぎ、電力損失を防いでエネルギを節約し、より小型の電源の使用を可能にするために実施される。
【0090】
別の実施形態では、部分176は、純AlN3で形成され、分離層として機能し、周囲の純度の低いAlN3層よりも大きい抵抗を有する。周囲のAlN3層は、少なくとも部分的に、部分176とは異なる材料を含む。別の実施形態では、部分176は、AlN3で形成された層172および部分174の周囲の材料よりも抵抗が大きいAIONで形成される。記載の実施形態では、AlN3は、AIONで形成された部分176よりも小さい熱エネルギ伝導性を有する。AIONは、AlN3とは異なる熱膨張係数を有する。
【0091】
部分176は、熱プレス中の付着を向上させるために、理論密度比率まで焼結されてよい。焼結部分176は、所定の幾何形状に加工され、次に周囲材料(例えば、層172および部分174を形成するために用いられる材料)への付着向上のために、表面処理および/または被覆が施されてよい。プリフォームは、(i)加工部分176、(ii)他の内部構造体(RF電極、クランプ電極、発熱体など)、および(iii)層172および部分174を形成するための材料(例えば、粉末)を含むように形成されてよい。加工部分および内部構造体は、圧粉(層172および部分174を形成するために用いられる材料)に埋設されてよい。圧粉は、部分176よりも高い熱エネルギ伝導性を有してよい。
【0092】
一実施形態では、層172の中心から周縁までの熱エネルギ伝導性は同じである。同じ実施形態について、部分176の熱エネルギ伝導性は、中心から周縁まで同じである。しかし、層172の熱エネルギ伝導性は、部分176の熱エネルギ伝導性とは異なる。
【0093】
上記のように、最終的に基板支持体を形成するように形成されたプリフォームは、複数層で形成されてよい。これは、構造体が、対応するセラミック材料の論理密度の値またはそれに近い値まで焼結するにつれて、粉末ならびに任意の内部プレートおよび/または他の構造要素が結合するように熱プレスされたグリーンシート構造を提供することにより実現されてよい。論理密度は、焼結後のセラミック材料の多孔率を示す、および/またはそれを評価するために用いられるパラメータである。グリーンシート構造を形成するときは、粉末は密充填または疎充填されてよい。グリーンシート構造の一部は、グリーンシート構造全体の最終圧密より前に圧密(例えば、単一固体構造体を形成するために、予備焼結、結合、接合、および/または、一体化)されてよい。
【0094】
焼結は、内部部品の適切な設置を確実にするために任意の回数で実施されてよい。セラミックプレート、配線、電極、ならびに/または、他の構造要素および回路部品は、実施される各焼結段階中に、例えばセラミック粉末と共に加えられてよい。基板支持体のプリフォームを形成する前にいくつかの層および/または構造要素を焼結することで、熱プレスの金型をより密充填することが可能になる。これにより、回路部品のより正確な設置が可能になり、最終焼結段階中の移動量を最小にできる。上記方法の例は、
図11に関連して以下に説明される。
【0095】
一実施形態では、部分176の上方部分は低電気伝導性を有し、部分176の下方部分は高電気伝導性を有する。
【0096】
図1~9のESCは各々、特定の特徴を有して他の特徴を有さないように示されているが、各ESCは、本明細書および
図1~9に開示の任意の特徴を備えるように変更されてよい。
【0097】
図2は、
図1の層172に類似しうる層202を含む、重層構造および/または層状構造を有するモノリス異方性基板支持体200を示す。モノリス異方性基板支持体200はさらに、
図1の層170に類似しうる、内側部分205を有する層204を備える。内側部分205は、層302、および/または、部分205を囲む層204の一部と異なる材料で形成される、および/または、その材料を含む。モノリス異方性基板支持体200は、電極116および131ならびに発熱体110、ならびに/または、他の電極および発熱体を備えてよい。モノリス異方性基板支持体200はさらに、金属層210および212を備える。金属層210および212は、実際には、電極116および131と基板214との間の裏面放電を防ぐためにファラデーケージを提供する。金属層210は、基板支持体200の上面を発熱体110から電気的に遮蔽してよい。金属層212は、基板支持体200の底面を発熱体110から電気的に遮蔽してよい。
【0098】
金属層210および212は、他の層202および204ならびに発熱体110に対して特定の位置に示されているが、他の位置にあってもよい。金属層210および212は、熱を拡散するのに役立つように合体されてよい。金属層210および212は、熱エネルギを拡散しながら比較的均一な温度を有してよい。一実施形態では、層210および212は、高熱伝導性を有する材料で形成される。層210および212は、基板支持体200およびその上に配置された基板214にホットスポットが生じるのを防ぐのに役立つ。
【0099】
一実施形態では、金属層210および212は、円板状の金属スクリーンまたは金属メッシュとして実装される。金属層210および212は、金属スクリーン印刷を用いて形成されてよい、および/または、複合構造体をもたらす複数の金属層の積層を含んでよい。金属層210および212は、穿孔プレートとして実装されてよい。図の例では、金属層210は、発熱体110と層204の上部層との間に配置されている。金属層212は、発熱体と層204の下部層との間に配置されている。層210および212を囲む基板支持体200の部分は、層202、および/または、層204を囲む基板支持体200の部分と同じまたは類似する材料で形成されてよい。層204の底部層および金属層212は、電力を発熱体110に提供し、発熱体110から受け取る導体220の通路用の開口を備えてよい。
【0100】
図3は、
図1の層172に類似しうる層302を含む、重層構造および/または層状構造を有するモノリス異方性基板支持体300を示す。モノリス異方性基板支持体300はさらに、
図1の層170に類似しうる層304を備える。層304の内側部分305は、層302、および/または、部分305を囲む層304の一部と異なる材料で形成される、および/または、それらの材料を含む。モノリス異方性基板支持体300は、電極116および131ならびに発熱体110、ならびに/または、他の電極および発熱体を備えてもよい。図の例では、層304の内側部分305は、添加物で被覆される、および/または、周囲の(または、被膜)材料の熱伝導性を局所的に変化させる化学表面処理によって改質される。部分305は、外側被覆層310を有する。部分305は、外側被覆層310の内部に配置されてよい。外側被覆層310はそれぞれ、部分305を包み込む。
【0101】
一実施形態では、部分305は、高熱エネルギ伝導性を有する材料で形成されたプレートとして実装される。このプレートは、セラミック材料で形成されてよい。別の実施形態では、プレートは、焼結中に周囲のセラミック材料と反応する、またはそこに溶解するように選択された固形物を有する。被覆層310は、セラミック内の固溶体の原子の濃度を増加または減少させるように選択された材料で形成され、それによりプレートの局所熱伝導性が変更されて層状構造が提供される。一実施形態では、部分305上の被膜は、焼結中に周囲のセラミックと反応し、独特の特性を有する反応層を形成する。これにより、プレートあたりの層の数が3倍になる。部分305の底部および対応する外側被覆層310は、電流を発熱体110に提供し発熱体110から受け取る導体320の通路用の開口を備えてよい。
【0102】
図2~3の部分205および305に加えて、および/または、それらに代えて、基板支持体部品(例えば、RF電極、クランプ電極、発熱体など)の相対位置を制約して、対応する基板支持体の製造中に部品の繰り返し可能な設置を向上させるために、固形物のシートが用いられてよい。シートは、部分205および305に類似して構成されてよい。一実施形態では、シートは、図の部分205および305の例とは異なり、基板支持体の周囲に延びる。本明細書に開示の基板支持体は、任意の数の層および固形物のシートを有してよい。
【0103】
図2~3では、予備焼結プレート205および305は、ヒータ回路の平面に近接して配置されてよく、各平面は、1つ以上の発熱体の部分を含む。この近接配置は、焼結後の発熱体の最終位置における初期濃度変化の影響を低減するように提供されてよい。
【0104】
使用温度に高電気抵抗率(例えば、650℃で111オームメータ(Ωm))を有する1つ以上のセラミック材料層は、クランプ電極131と発熱体110との間に配置されてよい。使用温度は、周囲のセラミックバルク材料よりも高くてよい(例えば、650℃で19Ωm)。例として、プレート205および305の1つ以上は、高電気抵抗率を有するセラミック材料で形成されてよい。これは、クランプ電極131および/またはRF電極116から発熱体110への電気損失を防ぐ。
【0105】
図4は、重層構造および/または層状構造を有し、制約された形態を提供するモノリス異方性基板支持体400を示す。基板支持体400は、発熱体110を受け入れるように成形された基部402を備える。基板402は、セラミック材料で形成され、1つ以上の発熱体と合うおよび/またはそれらを保持するように成形された、溝および/または他の凹み、流路、凹状領域などを備えてよい。図の例では、セラミックプレート402は、発熱体110の形状に合うように成形された中空内部領域404を有する。発熱体110は、中空内部領域404に配置され、基部402によって制約される。一実施形態では、基部402は、発熱体の設計形態に発熱体110を受け入れるように成形される。別の実施形態では、発熱体は、接着材料によってセラミック基部に固定される。
【0106】
図5は、重層構造および/または層状構造を有し、制約された形態を提供し、留め具502を有する、モノリス異方性基板支持体500を示す。任意の数の留め具が備えられてよい。基板支持体500は、留め具502を備えること以外は、
図4の基板支持体400に類似する。留め具502は、図のようにつまみとして実装されてよい、または、基部504に対する発熱体110および/または他の発熱体の少なくとも一部の動きを制限する、フック、ブロック、ガイドなどとして実装されてよい。基部504は、セラミックで形成されてよく、発熱体110の形状に合うように成形された中空内部領域506を有する。留め具502は、異なる形状および大きさを有してよい。異なる種類の留め具が備えられてよく、留め具は、基部504に対する発熱体110の少なくともそれぞれの部分の動きを抑制する、および/または制限してよい。
【0107】
別の実施形態では、発熱体110は、接着剤によって基部504に固定される。別の実施形態では、材料の焼結可能なプリフォームは、金型への設置前に基部504に固定されてよい、留め具として用いられてよい、および、発熱体110の少なくとも一部の位置を制約するように成形されてよい。
【0108】
熱応力への脆弱性を最小限にするために、構造要素(例えば、プレート、リング、または梁)が基板支持体に備えられてよい。リング、梁、およびプレートを含む例は、
図6~8にそれぞれ示されている。構造要素は、基板支持体の選択部分(基板支持体の上面およびその付近)における引張応力に対抗するように設置されてよい。構造要素は、張力および/または内部引張応力を生じさせるために備えられてよい。例えば、構造要素は、周囲の材料よりも大きい熱膨張を有し、その結果、構造要素が膨張したときに、構造要素と周囲の材料との間に張力を生じさせる。また、対応する基板支持体が冷却したときは、構造要素は周囲の材料よりも大きく収縮し、周囲の材料を圧縮させるかもしれない。一実施形態では、構造要素は、周囲の材料と同じまたは類似の熱エネルギ伝導特性を有するが、周囲の材料とは異なる膨張係数を有する。
【0109】
図6は、リング602および603を備える重層構造および/または層状構造を有する、モノリス異方性基板支持体600を示す。リング602および603の厚さ、内径および外径、ならびに/または、材料構成は、適した量の局所熱伝導率および/または引張応力を提供するように設定されてよい。図の例では、リング602および603は、水平に、および/または、基板支持体600の底面に平行に延びてよい。第1のリング602は、基板支持体600の基部604の底部と発熱体110との間に配置されている。第2のリング603は、発熱体110とRF電極116との間に配置されている。一実施形態では、リング602および603は、基部604の熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有するセラミック材料で形成される。基部604は、リング602および603のセラミック材料とは異なる組成を有するセラミック材料で形成されてよい。リング602および603は、例えば、リング602および603の径方向内向きの熱収縮によって生じうる内部引張応力を印加するように備えられてよい。この収縮は、矢印606で表されている。
【0110】
図7は、梁702を備える重層構造および/または層状構造を有する、モノリス異方性基板支持体700を示す。任意の数の梁が備えられてよい。梁702の長さ、幅、水平断面積および形状、ならびに/または、材料構成は、適した量の局所熱伝導率および/または引張応力を提供するように設定されてよい。梁702は、互いに垂直におよび/または平行に延びてよい。一実施形態では、梁702は、互いから、および/または、基板支持体700の垂直中心線704から等距離に設置される。梁702は、中心線704を通って垂直に延びる1つ以上の平面に対して対称的に設置されてよい。
【0111】
各構造要素が、対応する基板支持体のバルクセラミック材料よりも大きい熱膨張係数(CTE)を有する場合は、1つ以上の構造部材が追加されてよい。構造要素は、提示の図に示されたように、プレート、リング、梁などを備えてよい。引張応力は、(i)構造部材が対応する最終形状を取る製造温度、および(ii)バルクセラミック材料の使用温度、における差によって誘発されてよい。
【0112】
一実施形態では、焼結後に生じた、構造部材を備えるように形成された構造体は、構造部材(例えば、高CTE値を有する構造部材)が周囲の材料よりも高速度で変形する温度で熱処理される。これは、制御された量の応力を軽減するクリープ変形と呼ばれてよい。
【0113】
別の実施形態では、基板支持体の異なる部分は、異なるクリープ速度を経るように形成されてよい。これは、基板支持体の最終全応力プロファイルを制御するために、基板支持体の選択部分において熱処理、ドープ、および/または、いくつかの他の処理を実施することにより行われてよい。
【0114】
さらに別の実施形態では、構造要素は、セラミック材料で形成されてよく、添加物で被覆されてよい、または、対応する基板支持体の周囲の材料のCTEを局所的に変化させる化学表面処理によって改質されてよい。別の実施形態では、選択された大きさおよび形状を有する固形物は、1カ所以上の予め選択された位置のバルクセラミック材料に追加され、焼結中にバルクセラミック材料と局所的に反応する、および/または、バルクセラミック材料に溶解する。これは、各位置において局所CTEを変更し、基板支持体のバルクセラミック材料(または、バルクセラミック体)に構造部材を形成する。
【0115】
一実施形態では、基板支持体のプリフォームに含まれるべきセラミックプレートが形成され、印加圧力なしで焼結され、次に他の材料が追加されてプリフォームが形成される。これは、所定の最終容量のプリフォームの高さを低減するために行われてよく、より多くのプリフォームが金型の内部容積に適合することを可能にする。
【0116】
上記のようなプリフォームを形成するために、割れに耐性がある初期応力のあるセラミック体が形成され、他の材料および内部部品と組み合わされてよい。これにより、圧密された構造要素を備える基板支持体のプリフォームを形成する前に、基板支持体の構造要素の材料が圧密される(例えば、焼結される、溶接される、結合される、および/または、単一固形物になる)ことが可能になる。これは、焼結中に基板支持体の内部構造体の設置を大きく制御し、基板支持体を製造するために用いられるシステムのスループットを増加させるために行われてよい。これは、対応する構造体を同時に形成するために用いられる全てのセラミック粉末を焼結することにより形成される、従来の熱プレスセラミック基板支持体とは異なる。
【0117】
図8は、異なる熱膨張係数を有するプレート802およびセラミック基材804を備える重層構造および/または層状構造を有する、モノリス異方性基板支持体800を示す。基板支持体800は、金属層、スクリーン、リング、梁、被覆層、ボイド、および/または、
図2~7および9に関連して説明された独特の特性(独特の熱膨張係数、電気伝導性、および/または電気抵抗率など)を有する異なる材料組成を有する他の物体を備えてよい。
図8の例はプレート802を含むが、他の記載アイテムのいずれかを備えてよい。プレート802の厚さ、直径、および/または材料構成は、適した量の熱伝導率、電気伝導性、電気抵抗率、および/または、局所引張応力を提供するように設定されてよい。
【0118】
図9は、重層構造および/または層状構造を有し、特定層に内部ボイドおよび/または流路(例示的ボイド902が示されている)を備えうる、モノリス異方性基板支持体900を示す。内部ボイドおよび流路は、熱伝導率を変化させるために配置されている。ボイド902は、基板支持体900内の他とは異なる遠隔位置にあってよい。流路は、ボイドと呼ばれてよい。いくつかの例として、流路はリング状および/または螺旋状であってよい。ボイドおよび流路は、任意のガス、液体、および/または物質の空所であってよい。一実施形態では、ボイドおよび流路の1つ以上は、伝導率低減のために低圧絶縁ガス(六フッ化硫黄(SF
6)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)など)で満たされる。別の実施形態では、ボイドおよび流路のいずれかまたは両方は、導電性流体で満たされる。導電性流体は、高圧ヘリウム(He)または金属(ガリウム(Ga)、インジウム(In)、および/またはスズ(Sn))を含んでよい。導電性流体は、熱伝達(強制対流、自然対流など)を向上させるために含まれてよい。ボイドおよび流路の大きさ、形状、厚さ、直径、および/または内部材料は、適した量の熱伝導率、電気伝導性、電気抵抗率、および/または、局所引張応力を提供するように設定されてよい。
【0119】
図10は、基板支持体製造システム1000であって、コンピュータ1002、1つ以上のプレス機(1つのプレス機1006が示されている)を制御するプレス制御装置1004、1つ以上の加工ツール(1つの加工ツール1010が示されている)を制御する加工制御装置1008、およびセンサ1012を備える、基板支持体製造システム1000を示す。コンピュータ1002は、製作制御装置1014、メモリ1016、およびインタフェース1018を備えてよい。
【0120】
製作制御装置1014は、温度制御装置1020、圧力制御装置1022、配置制御装置1024、金型およびプレス制御装置1026、ならびに/または、他の制御装置1028を含んでよい。制御装置1014、1020、1022、1024、1026、および1028のいくつかの動作は、
図11の方法に関連して以下に説明される。
【0121】
メモリ1016は、例えば、パラメータ1030、温度データ1032、圧力データ1034、位置データ1036、および/または、他のデータ1038を記憶してよい。パラメータ1030、ならびに、データ1032、1034、1036、および1038は、基板支持体のモデルに対応してよく、ならびに/または、テーブルの一部として記憶されてよく、ヒストリカル値、所定値、推定値、シミュレーション値、および/または測定値を含む。パラメータ1030は、センサ1012で検出されたパラメータを含んでよく、
図11の方法の間に用いられた、推定された、測定された、および/または、決定されたパラメータを含んでよい。センサ1012は、プレス機1006、加工ツール1010、および/または他の場所に設置されてよい。センサ1012は、温度センサ、圧力センサ、位置センサなどを含んでよい。
【0122】
温度データ1032は、例えば、プレス機1006に設置された金型1040の温度を含んでよい。圧力データは、金型1040に印加された圧力を含んでよい。1つのプレス機および1つの金型が示されているが、プレス制御装置は、複数のプレス機および金型に接続されてよい、および/または、それらを制御してよい。金型は、初期プリフォーム、中間プリフォーム、最終プリフォーム、および/または、結果として生じる基板支持体を備えてよい。記載のプリフォームは、
図11に関連して以下にさらに説明される。
【0123】
加工ツール1010は、コンピュータ数値制御(CNC)フライス盤、ローレット加工機、成形機、鋳造機、三次元(3D)プリンタ、ならびに/または、プリフォームに含まれる物体および/もしくは内部構造体を製作および/もしくは修正するのに適した、他の機械および/もしくは装置を含んでよい。加工制御装置1008は、インタフェース1018を通じて、制御装置1014、1020、1022、1024、1026、および1028から、制御信号、パラメータ、および/またはデータを受信してよい。制御装置1014、1020、1022、1024、1026、および1028は、基板支持体を製作するために、プレス制御装置1004および加工制御装置1008の動作を制御する。
【0124】
本明細書に開示の基板支持体は、いくつかの方法を用いて形成されてよく、
図11には上記の製造実施形態のいくつかを含みうる例示的な方法が示されている。
図11には、基板支持体を形成する方法が示されている。以下の動作は、主に
図1~10の実施形態に関連して説明されるが、本開示の他の実施形態に適用するように容易に変更されてよい。これらの動作は、繰り返し実施されてよい。
【0125】
この方法は、1100で開始してよい。1102では、材料(例えば、セラミック粉末および/または他の材料)ならびに1つ以上の物体(例えば、発熱体、電極、配線、プレート、リング、梁、および/または、本明細書に開示の他の物体)がプレス金型に集約配置されて、初期プリフォームが形成される。
【0126】
1104では、初期プリフォームに圧力が印加されてよい。これは、第1の動作または予圧密動作と呼ばれてよい。動作1104は、動作1106より前に、および/または、動作1106の最中に実施されてよい。1106では、初期プリフォームが所定温度で焼結される。1107では、初期内部構造体の一部が加工されて、初期内部構造体から材料が除去されてよい、および/または、初期内部構造体が成形されてよい。
【0127】
1108では、別の内部構造体が形成されるべきかどうかが決定される。動作1102、1104、および1106の組み合わせの各繰り返しは、異なる金型および/またはプレス機を含んでよい。
【0128】
1110では、材料(例えば、セラミック粉末および/もしくは他の材料)、1つ以上の初期内部構造体、1つ以上の中間内部構造体、ならびに/または、1つ以上の物体(例えば、発熱体、電極、配線、プレート、リング、梁、および/または、本明細書に開示の他の物体)がプレス金型に集約配置されて、中間プリフォームが形成される。初期内部構造体は、動作1102、1104、1106の繰り返しの間に、および/または、他の動作によって形成されてよい。中間内部構造体は、動作1110、1112、1114の繰り返しの間に、および/または、他の動作によって形成されてよい。
【0129】
1112では、中間プリフォームに圧力が印加されてよい。これは、別の予圧密動作と呼ばれてよい。動作1112は、動作1114より前に、および/または、動作1114の最中に実施されてよい。1114では、中間プリフォームが所定温度で焼結される。1115では、中間内部構造体の一部が加工されて、中間内部構造体から材料が除去されてよい、および/または、初期内部構造体が成形されてよい。
【0130】
1116では、別の内部構造体が形成されるべきかどうかが決定される。動作1110、1112、および1114の組み合わせの各繰り返しは、異なる金型および/またはプレス機を含んでよい。
【0131】
1118では、材料(例えば、セラミック粉末および/もしくは他の材料)、1つ以上の初期内部構造体、1つ以上の中間内部構造体、ならびに/または、1つ以上の物体(例えば、発熱体、電極、配線、プレート、リング、梁、および/もしくは、本明細書に開示の他の物体)がプレス金型に集約配置されて、最終プリフォームが形成される。初期内部構造体は、動作1102、1104、1106の繰り返しの間に、および/または、他の動作によって形成されてよい。中間内部構造体は、動作1110、1112、1114の繰り返しの間に、および/または、他の動作によって形成されてよい。1120では、最終プリフォームに圧力が印加されてよい。これは、最終圧密動作と呼ばれてよい。動作1120は、動作1122より前に、および/または、動作1122の最中に実施されてよい。1122では、最終プリフォームが所定温度で焼結される。この方法は、1124で終了してよい。
【0132】
上記動作の1つ以上は、基板支持体の最終全応力プロファイルを制御するために、1つ以上の初期内部構造体および中間内部構造体の選択部分において、熱処理、ドープ、および/または、いくつかの他の処理を実施することを含んでよい。
【0133】
上記動作の間に、構造体は、予圧密動作を実施することにより予め成形され、その後に最終圧密動作が続く。予め成形された各構造体の密度(単位面積あたりの質量)、単位面積あたりの気孔率、および/または、単位面積あたりの割れ数は、最終製品の残りとは異なる。「単位面積あたり」という表現は、基板支持体またはその一部が均等の大きさの単位に分割されたときの予め選択された面積または容積を意味する。密度について、「単位面積あたり」は容積を意味してよい。気孔率および割れ数について、「単位面積あたり」は二次元面積または容積を意味してよい。例として、第1の中間層および第2の中間層は、予圧密されたそれぞれの固体構造体を含んでよい。第1の中間層および第2の中間層は、最終製品の他の層の間に配置されてよい。最終圧密後の中間層の他の層および/または他の部分は、予め成形された構造体と異なる密度、気孔率、および/または、割れ数を有する。予め成形された構造体は、最終製品の他の層および/または他の部分よりも高い密度、低い気孔率、および少ない割れを有してよい。例として、予め成形された構造体の密度は、最終製品の他の層および/または他の部分の密度よりも1%以上高くてよい。別の例として、予め成形された構造体の密度は、最終製品の他の層および/または他の部分の密度よりも20%以上高くてよい。
【0134】
上記動作は、例を意味する。これらの動作は、重複する期間に順に、同期して、同時に、連続して実施されてよい、または、用途に応じて異なる順序で実施されてよい。また、動作のいずれかは、実施形態および/または一連の事象に応じて、実施されなくてよい、または省略されてよい。
【0135】
上記の例は、焼結前に大量のセラミック材料を金型に設置することを可能にする、および/または、既定の熱均一性の仕様を満たすのに必要なバルクセラミック体の厚さを低減する。基板支持体構造体は、熱拡散を向上させ、発熱体のより近くにウエハを設置するように配置される。これは、熱均一性を犠牲にすることなく行われ、より薄いセラミック体が、より少量の原材料で、および縮小した金型空間で同じまたは向上した性能を実現できるようにし、結果として熱プレス能力を可能にする。
【0136】
前記は本質的に単なる説明であり、本開示、その適用、または用途を決して限定する意図はない。本開示の広義の教示は、様々な形態で実施されうる。よって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると他の変更形が明らかになるため、本開示の真の範囲はそれほど限定されるべきでない。方法内の1つ以上の工程は、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または、同時に)実行されてよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するように上述されているが、本開示の実施形態に関連して説明されたそれらの特徴の任意の1つ以上は、他の実施形態において実施されうる、および/または、他の実施形態の特徴と組み合わせて(その組み合わせが明記されていない場合でも)実施されうる。つまり、記載の実施形態は互いに排他的でなく、1つ以上の実施形態の相互の並べ替えは、本開示の範囲内に留まる。
【0137】
要素間(例えば、モジュール間、回路素子間、半導体層間など)の空間的関係および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「近接する」、「上に」、「上方」、「下方」、および「配置された」を含む様々な用語を用いて説明される。上記開示において第1の要素と第2の要素との関係が説明されるときは、「直接的」であると明記されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的関係でありうるが、同時に、第1の要素と第2の要素との間に1つ以上の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的関係でもありうる。本明細書で用いられる、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを用いる論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきでない。
【0138】
いくつかの実施形態では、コントローラは、上述の例の一部でありうるシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を備える半導体処理装置を含みうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。これらの電子機器は、システムの様々な構成部品または副部品を制御できる「コントローラ」と呼ばれてよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツールおよび/または特定のシステムに接続もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬入出を含む、本明細書に開示されたあらゆるプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0139】
概してコントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハ金型の製造時における1つ以上の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0140】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合もしくは結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよい、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えばコントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする「クラウド」内にあってよい、またはファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータはシステムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または性能の基準を調査して、現行の処理のパラメータを変更してよい、または現行の処理に続く処理工程を設定してよい、または新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のパラメータを特定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが接続するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって、上述のようにコントローラは、例えば互いにネットワーク接続された1つ以上の別々のコントローラを含むことと、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向けて協働することとによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバ上の1つ以上の集積回路だろう。
【0141】
制限するものではないが、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、洗浄チャンバまたは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0142】
上述のように、コントローラは、ツールによって実施されるプロセス工程に応じて、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通してよい。
【国際調査報告】