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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(54)【発明の名称】セレキシパグを含む医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4965 20060101AFI20221215BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20221215BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20221215BHJP
【FI】
A61K31/4965
A61P1/16
A61P9/00
A61P9/12
A61P11/00
A61P13/12
A61K9/28
A61K47/26
A61K47/36
A61K47/04
A61K47/38
A61K47/32
A61K47/02
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523448
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2020079698
(87)【国際公開番号】W WO2021078835
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2019/078905
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500226786
【氏名又は名称】アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH-4123 Allschwil,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】マーク パトリック シュレイダー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドラ シュリッカー-スペイン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA44
4C076BB01
4C076CC11
4C076CC15
4C076DD26
4C076DD27
4C076DD28
4C076DD29
4C076DD38
4C076DD41
4C076DD46
4C076DD67
4C076EE16B
4C076EE23
4C076EE31
4C076EE32B
4C076EE36
4C076EE38
4C076EE53
4C076FF01
4C076GG01
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC48
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA20
4C086ZA36
4C086ZA42
4C086ZA59
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
(57)【要約】
本発明は、経口投与(p.o.)に好適である、2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}-N-(メチルスルホニル)アセトアミド(セレキシパグ、NS-304、ACT-293987)に関する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
80~170mcgの量の式(I)
【化1】
の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、若しくは形態学的形態を含む医薬組成物。
【請求項2】
a)充填剤、
b)崩壊剤、
c)結合剤、及び
d)潤滑剤からなる群から選択される1つ以上を更に含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
- 前記充填剤は、存在する場合、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、ラクトース、α化デンプン、リン酸水素カルシウム二水和物(CaHPO・2HO)、微結晶セルロース、及びマルトデキストリンからなる群から選択される1つ以上であり、
- 前記崩壊剤は、存在する場合、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、及び架橋ポリビニルピロリドンからなる群から選択される1つ以上であり、
- 前記結合剤は、存在する場合、ヒドロキシプロピルセルロース、スクロース、ゼラチン、デンプン、α化デンプン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリジノン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グアーガム、粘土、イオン交換樹脂、及びケイ酸カルシウムからなる群から選択される1つ以上であり、
- 前記潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、安息香酸ナトリウム、モノ脂肪酸グリセリル、ポリエチレングリコール、水添綿実油、ヒマシ種子油、ショ糖エステル、ケイ酸カルシウム、及び二酸化ケイ素からなる群から選択される1つ以上である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
(v)前記充填剤は、11.5~145.0mgの量で含まれ、
(vi)前記崩壊剤は、0.6~8.5mgの量で含まれ、
(vii)前記結合剤は、0.5~6.5mgの量で含まれ、
(viii)前記潤滑剤は、0.2~2.5mgの量で含まれる、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
(i)前記充填剤は、12.0~45.0mgの量で含まれ、
(ii)前記崩壊剤は、0.6~2.5mgの量で含まれ、
(iii)前記結合剤は、0.5~2.0mgの量で含まれ、
(iv)前記潤滑剤は、0.2~0.7mgの量で含まれる、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
- D-マンニトール及びトウモロコシデンプンと、
- 低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、
- ヒドロキシプロピルセルロースと、
- ステアリン酸マグネシウムと、を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
- 7.0~90.0mgの量のD-マンニトールと、
- 4.5~60.0mgの量のトウモロコシデンプンと、
- 0.6~9.0mgの量の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、
- 0.5~6.5mgの量のヒドロキシプロピルセルロースと、
- 0.2~2.5mgの量で含まれるステアリン酸マグネシウムと、を含む、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
- 7.0~25.0mgの量のD-マンニトールと、
- 4.5~20.0mgの量のトウモロコシデンプンと、
- 0.6~3.0mgの量の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、
- 0.5~2.0mgの量のヒドロキシプロピルセルロースと、
- 0.2~0.7mgの量で含まれるステアリン酸マグネシウムと、を含む、請求項6又は7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
錠剤の形態である、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記錠剤は、コーティングされ、コーティング材料は、可塑剤、被膜形成剤、及び顔料からなる群から選択される1つ以上を含む、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記錠剤は、コーティングされ、コーティング材料は、可塑剤、被膜形成剤、流動促進剤、及び顔料からなる群から選択される1つ以上を含む、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記錠剤は、1.5~4mmの直径を有する、請求項9~11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
薬剤としての使用のための、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
小児用薬剤としての使用のための、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
肝障害のある患者又はCYP 2C8阻害剤との薬物相互作用を経験している患者における使用のための、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
潰瘍、手指潰瘍、糖尿病性壊疽、糖尿病性足潰瘍、肺高血圧症、肺動脈高血圧症、フォンタン病及びフォンタン病に関連する肺高血圧、サルコイドーシス及びサルコイドーシスに関連する肺高血圧、末梢循環障害、結合組織疾患、任意のステージの糸球体腎炎及び糖尿病性腎症を含む慢性腎疾患、器官若しくは組織の線維症が関与する疾患、又は呼吸器疾患の予防又は治療における使用のための、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
肺動脈高血圧症(PAH)の予防又は治療における使用のための、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
潰瘍、手指潰瘍、糖尿病性壊疽、糖尿病性足潰瘍、肺高血圧症、肺動脈高血圧症、フォンタン病及びフォンタン病に関連する肺高血圧、サルコイドーシス及びサルコイドーシスに関連する肺高血圧、末梢循環障害、結合組織疾患、任意のステージの糸球体腎炎及び糖
尿病性腎症を含む慢性腎疾患、器官若しくは組織の線維症が関与する疾患、又は呼吸器疾患を予防及び/又は治療するための方法であって、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することを必要とするヒト対象に請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項19】
前記ヒト対象は、2歳以上18歳未満である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ヒト対象は、肝障害のある患者、又はCYP 2C8阻害剤との薬物相互作用を経験している患者である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物を製造するプロセスであって、
a)式(I)の前記化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、若しくは形態学的形態を充填剤と混合する工程と、
b)充填剤及び崩壊剤を工程a)のブレンドに添加し、それを混合する工程と、
c)工程(b)から受けた前記ブレンドを、前記結合剤を含む溶液と湿式造粒する工程と、
d)工程(c)の造粒物を乾燥させ、粉砕する工程と、
e)好適なブレンダにおいて潤滑剤で前記造粒物を潤滑化させる工程と、
f)前記造粒物をコア錠剤に圧縮する工程と、を含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口投与(p.o.)に好適である、2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}-N-(メチルスルホニル)アセトアミド(セレキシパグ、NS-304、ACT-293987、以下、化合物)を含む医薬組成物に関する。
【0002】
【化1】
【背景技術】
【0003】
セレキシパグ及びその活性代謝物2-(4-((5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)(イソプロピル)アミノ)ブトキシ)酢酸(MRE-269、ACT-333679)の調製及び医薬としての使用は、国際公開第2002/088084号、同第2009/157396号、同第2009/107736号、同第2009/154246号、同第2009/157397号、同第2009/157398号、同第2010/150865号、同第2011/024874号、Nakamura et al.,Bioorg Med Chem(2007),15,7720-7725、Kuwano et al.,J Pharmacol Exp Ther(2007),322(3),1181-1188、Kuwano et al.,J Pharmacol Exp Ther(2008),326(3),691-699、O.Sitbon et al.,N Engl J Med(2015),373,2522-33、Asaki et al.,Bioorg Med Chem(2007),15,6692-6704、Asaki et al.,J.Med.Chem.(2015),58,7128-7137に記載されている。ある特定の製剤は、国際公開第2013/024051号、同第2014/069401号、及び同第2018/162527号に開示されている。
【0004】
セレキシパグは、成人に対する肺動脈高血圧症の治療に有益であることが示された。第III相臨床試験では、肺動脈高血圧症を有する患者間で、肺動脈高血圧症に関連する死又は合併症の主要な複合エンドポイントのリスクは、プラセボを受けた患者間よりもセレキシパグを受けた患者間で有意に低かった。セレキシパグは、例えば、米国で販売承認を受けており、疾患の進行を遅延させ、PAHの入院リスクを低減させるための肺動脈高血圧症(PAH、WHOグループI)の治療について示されている。
【0005】
セレキシパグは、哺乳動物、特にヒトにおいて、活性代謝産物2-(4-((5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)(イソプロピル)アミノ)ブトキシ)酢酸の持続的な選択的IP受容体アゴニスト活性を発揮することができるプロドラッグとして(IP受容体に対するある程度のアゴニスト活性をそれ自体で保持しながら)機能すると考えられる。セレキシパグのインビボ代謝は、可能性として、活性を延長し、かつ高濃度のPGI2アゴニストに関連する典型的な有害反応を低減させる「遅放出機構」のような作用を効果的に発揮し得る(Kuwano et al.,J Pharmacol Exp Ther(2007),322(3),1181-1188)。
【0006】
PGI2アゴニストに関連する有害反応はまた、特定のアップタイトレーション(up-titration)スケジュールによって対処される。成人に対する経口セレキシパグの推奨開始用量は、200マイクログラムであり、1日2回付与される。次いで、1日2回での200マイクログラムの増分で、通常は1週間の間隔をもって、1日2回での最大1600マイクログラムの最大許容用量まで、用量を増加させる。患者が許容することができない用量に達した場合、投与量は前の許容用量まで低減されるべきである。
【0007】
セレキシパグは、PAHのある成人において証明された有効性及び安全性を有する経口使用のための選択的IP受容体アゴニストである。今日まで、セレキシパグは、不十分な疾患制御のために追加の治療を必要とする成人患者において、主に現在の最前線の経口PAH特異的医薬と併用して、WHO FC II-IIIにわたる長期治療に関して世界的に承認された唯一のIP受容体アゴニストである。セレキシパグは、これらの患者の重要な追加の治療選択肢の典型である。
【0008】
経口使用のための、アドオン療法におけるPAH疾患の転帰に対する利益を実証する、セレキシパグ、すなわち高選択性IP受容体アゴニストの利用可能性は、患者のライフスタイルにあまり影響を与えることなく、PAH疾患の医学的に適切な段階でプロスタサイクリン経路療法を開始するために重要な理論的根拠を提供する。
【0009】
小児PAHは、著しい罹患率及び死亡率に関連する希少な進行性疾患である。小児集団における現在の推奨される治療としては、PDE-5阻害剤、ERA、並びに吸入、皮下及び静脈内(intravenous、i.v.)プロスタサイクリン経路アゴニストが挙げられる。しかしながら、小児患者におけるこれらの治療の有効性を示すために推進されたランダム化対照臨床試験がない場合、治療アルゴリズムは、成人試験からの証拠に基づく。セレキシパグの成人有効成分含量と小児有効成分含量との生体比較試験が実施された(M.Boehler et al,Eur J Drug Metab Pharmacokinet.2018 Feb;43(1):115-120.doi:10.1007/s13318-017-0424-z)。
【0010】
肝障害のある患者、又はCYP 2C8阻害剤との薬物相互作用を経験している患者はまた、自身の状態への用量適応から利益を得ることができる。好ましくは、これらの患者は成人である。
【0011】
更に、200mcgの開始用量を許容しない患者は、新しい投与量から利益を得てもよい。
【0012】
したがって、肝障害のある小児患者若しくは患者、又はCYP 2C8阻害剤との薬物相互作用を経験している患者であって、PAH及び他の疾患のある全ての患者において、疾患修飾性であり得る治療の開発が必要とされている。更に、体重に応じた投薬が可能であるべきである。更に、治療は、ミニ錠剤などの子供に優しい形態であるべきである。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、例えば、PAHのある小児患者を治療するための手段を提供し、その手段は、2歳以上6歳未満、6歳以上12歳未満、及び12歳以上18歳未満などの異なる年齢階級を有する子供に対して有効かつ安全である。
【0014】
更に、本発明は、肝障害を患う、又はCYP 2C8阻害剤との薬物相互作用を経験している、例えば、PAHのある患者を治療するための手段を提供する。
【0015】
1)第1の実施形態は、80~170mcgの量の式(I)
【0016】
【化2】
の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、若しくは形態学的形態を含む医薬組成物に関する。
【0017】
それに関して、「mcg」という略語は、マイクログラム、すなわち、1×10-6グラムを表す。
【0018】
好ましい実施形態では、医薬組成物は、80~160mcgの量、より好ましくは90~110ug mcg及び140~160mcgの量、最も好ましくは93~107mcg及び143~157mcgの量、例えば、許容範囲が±7%の100mcg及び許容範囲が±7%の150mcgで、式(I)の化合物を含む。これにより、その許容範囲は、20錠の群に適用される。
【0019】
好ましくは、式(I)の化合物、すなわち2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}-N-(メチルスルホニル)アセトアミドは、結晶形態、特に、本質的に純粋な結晶形態(好ましくは、国際公開第2010/150865号/欧州特許第2447254号に開示されるような本質的に純粋な結晶形態I又は本質的に純粋な結晶形態II)で、当該組成物の調製に使用される。
【0020】
2)更なる実施形態は、実施形態1)に記載の組成物に関し、組成物は、
a)充填剤、
b)崩壊剤、
c)結合剤、及び
d)潤滑剤からなる群から選択される1つ以上を更に含む。
【0021】
増量剤又は希釈剤とも称される充填剤は、医薬組成物内の活性成分を希釈するなどのいくつかの機能を有し、充填剤は、長期安定化を確実にし得るか、又は薬物吸収を促進する若しくは溶解度を高めるなどの治療的増強をもたらし得る。充填剤はまた、活性物質の取り扱いを補助するために、製造プロセスにおいて有用であり得る。
【0022】
崩壊剤は、湿潤時に膨張し、例えば、消化プロセスの特定のセグメントにおいて錠剤を分解し、吸収のために活性成分を放出させる。
【0023】
結合剤は、錠剤中の成分を一緒に保持する。結合剤は、錠剤及び造粒物が必要な機械的強度で形成され得ることを確実にする。
【0024】
潤滑剤は、成分が一緒に凝集して錠剤パンチ又はカプセル充填機に付着するのを防ぐ。潤滑剤はまた、錠剤の形成及び排出が、固体とダイ壁との間の摩擦が低い状態で起き得ることを確実にする。
【0025】
3)更なる実施形態は、実施形態2)に記載の医薬組成物に関し、
- 充填剤は、存在する場合、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、ラクトース
、α化デンプン、リン酸水素カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O)、微結晶セルロース、及びマルトデキストリンからなる群から選択される1つ以上であり、好ましい充填剤は、D-マンニトール及びトウモロコシデンプンであり、
- 崩壊剤は、存在する場合、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、及び架橋ポリビニルピロリドンからなる群から選択される1つ以上であり、好ましい崩壊剤は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースであり、
- 結合剤は、存在する場合、ヒドロキシプロピルセルロース、スクロース、ゼラチン、デンプン、α化デンプン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリジノン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グアーガム、粘土、イオン交換樹脂、及びケイ酸カルシウムからなる群から選択される1つ以上であり、好ましい結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであり、
- 潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、安息香酸ナトリウム、モノ脂肪酸グリセリル、ポリエチレングリコール、水添綿実油、ヒマシ種子油、ショ糖エステル、ケイ酸カルシウム、及び二酸化ケイ素からなる群から選択される1つ以上であり、好ましい潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0026】
列挙された全ての賦形剤は、市販されており、当業者に周知である。
【0027】
好ましい崩壊剤は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(low substituted hydroxypropyl cellulose、L-HPC)、IUPAC名:セルロース、2-ヒドロキシプロピルエーテル(低置換度)である。7~13%、特に(USP/NF方法に従って)約10~13%のヒドロキシプロポキシル含有量を有するL-HPCが特に好ましい。
【0028】
好ましい結合剤は、セルロース骨格中のその大量のヒドロキシプロポキシル基に起因して水に可溶性であるヒドロキシプロピルセルロース(HPC)である。IUPAC名:セルロース、2-ヒドロキシプロピルエーテル。2%水溶液中、20℃で2.0~6.0、好ましくは2.0~5.9、特に好ましくは2.0~2.9の粘度(mPas)が特に好ましい。分子量(GPC法)は、好ましくは34000~110000、より好ましくは40000~100000、最も好ましくは40000(±15%、好ましくは±10%)である。
【0029】
本明細書で言及されるこれらの薬学的に許容される賦形剤及び手順並びに他の薬学的に許容される賦形剤及び手順についての主題に関する広範な文献を参照する。例えば、R.C.Rowe,P.J.Seskey,S.C.Owen,Handbook of Pharmaceutical Excipients,5th edition(and
th edition)Pharmaceutical Press 2006、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition(2005),Part 5、「Pharmaceutical Manufacturing」(Lippincott Williams & Wilkinsによって出版)を参照されたい。更に、Shin-Etsu Chemical Co.,Ltd,Cellulose & Pharmaceutical Excipative Department,05.8/1000のパンフレットを参照する。
【0030】
4)更なる実施形態は、実施形態1)~3)のいずれか1つに記載の医薬組成物に関し、医薬組成物は、
- D-マンニトール及びトウモロコシデンプンと、
- 低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、
- ヒドロキシプロピルセルロースと、
- ステアリン酸マグネシウムと、を含む。
【0031】
5)更なる実施形態は、実施形態2)~4)のいずれか1つに記載の医薬組成物に関し、
(i)充填剤は、11.5~145.0mg、好ましくは12.0~45.0mg、例えば、12.0~35.0mgの量で含まれ、
(ii)崩壊剤は、0.6~8.5mg、好ましくは0.6~2.5mg、例えば、0.7~2.0mgの量で含まれ、
(iii)結合剤は、0.5~6.5mg、好ましくは0.5~2.0mg、例えば、0.5~1.5mgの量で含まれ、
(iv)潤滑剤は、0.2~2.5mg、好ましくは0.2~0.7mg、例えば、0.2~0.5mgの量で含まれる。
【0032】
6)更なる実施形態は、実施形態1)~5)のいずれか1つに記載の医薬組成物に関し、医薬組成物は、
- 7.0~90.0mg、好ましくは7.0~25.0mg、例えば、7.0~20mgの量のD-マンニトールと、
- 4.5~60.0mg、好ましくは4.5~20.0mg、例えば、4.5~15.0mgの量のトウモロコシデンプンと、
- 0.6~9.0mg、好ましくは0.6~3.0mg、例えば、0.7~1.8mgの量の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、
- 0.5~6.5mg、好ましくは0.5~2.0mg、例えば、0.5~1.5mgの量のヒドロキシプロピルセルロースと、
- 0.2~2.5mg、好ましくは0.2~0.7mg、例えば、0.2~0.5mgの量のステアリン酸マグネシウムと、を含む。
【0033】
7)更なる実施形態は、実施形態1)~6)のいずれか1つに記載の医薬組成物に関し、医薬組成物は、錠剤又はカプセルの形態である。好ましくは、医薬組成物は、錠剤の形態である。
【0034】
錠剤は、形状が多様であり得、例えば、円形、卵形、楕円形、円筒形、クローバー葉型、又は任意の他の好適な形状であり得る。好ましくは、錠剤は、円形である。
【0035】
使用され得る手順は、当該技術分野において従来のもの若しくは既知であってもよく、又はそのような手順に基づいてもよく、例えば、L.Lachman et al.,The Theory and Practice of Industrial Pharmacy,3rd Ed.,1986;H.Sucker et al.,Pharmazeutische Technologie,Thieme,1991;Hagers Handbuch der pharmazeutischen Praxis,4th Ed.(Springer Verlag,1971)及びRemington’s Pharmaceutical Sciences,13th Ed.,(Mack
Publ.,Co.,1970)又は後続のエディションに記載されている手順に基づいてもよい。
【0036】
8)更なる実施形態は、実施形態7)に記載の医薬組成物に関し、錠剤は、コーティングされ、コーティング材料は、可塑剤、被膜形成剤、及び顔料からなる群から選択される1つ以上を含む。
【0037】
好ましくは、錠剤は、フィルムコーティングされている。
【0038】
被膜形成剤の例は、ヒプロメロース、セルロースアセテートフタレート(cellulose acetate phthalate、CAP)、アクリレートポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(hydroxypropyl methyl cellulose phthalate、HPMCP)、又はポリ酢酸ビニルフタレート(polyvinyl acetate phthalate、PVAP)である。本リストは限定的ではないことに留意されたい。好ましい被膜形成剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)としても知られるヒプロメロース(INN)である。
【0039】
被膜形成剤として使用されるポリマーに可塑剤を添加して、ポリマーを曲げやすくかつ柔軟にし、被膜の柔軟性及び可塑性を高める。可塑剤は、胃保持性被膜、眼被膜、経皮被膜、バッカル被膜、口腔内崩壊性被膜などの製剤において重要な役割を果たし、ガラス転移温度を低下させるためにこれらの生成物に添加されて、薬物及び他の成分の熱安定性を助ける。
【0040】
好ましくは、可塑剤は、親水性可塑剤である。親水性可塑剤の例は、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、ソルビトールソルビタン溶液、及びクエン酸トリエチルである。プロピレングリコールが好ましい。
【0041】
流動促進剤は、粉末流を改善し、粒子間の摩擦又は凝集性を低減するために添加される物質である。一般的な例は、ステアリン酸マグネシウム、Aerosil(コロイド状二酸化ケイ素)、デンプン、及びタルクである。流動促進剤の好ましい濃度は、5~10%である。
【0042】
Aulton’s Pharmaceutics(The Design and Manufacture of Medicines),5th edition(editors:Kevin Taylor Michael Aulton),Elsevierを参照する。
【0043】
本明細書で使用される好ましいコーティング方法は、水性コーティングである。
【0044】
好ましい顔料は、二酸化チタン、又は任意の色の二酸化鉄である。
【0045】
更に、カルナウバ蝋、蜜蝋又はパラフィンなどのつや出し剤を塗布してもよい。カルナウバ蝋が好ましい。
【0046】
疑義を避けるために、実施形態1)~9)に定義される医薬組成物が、単独で又は組み合わせて使用され得る更なる従来の成分及び/又は添加剤を追加で含み得ることをよく理解されたい。
【0047】
好ましい賦形剤は、以下の表に指定され、それらは全て公定書記載である。
【0048】
【表1】
【0049】
更に好ましい賦形剤は、流動促進剤として機能するタルクである。
【0050】
全ての賦形剤は、欧州薬局方、米国薬局方、及び日本薬局方に準拠する。
【0051】
9)更なる実施形態は、実施形態7)~9)のいずれか1つに記載の医薬組成物に関し、錠剤は、直径が1.5~4mm、好ましくは2.5~4mm、より好ましくは2.7~3.5mm、最も好ましくは3mm±0.3mmのミニ錠剤である。
【0052】
好ましくはミニ錠剤である、実施形態1)~8)に記載の医薬組成物は、12~50mg未満、好ましくは12~47mgの重量を有する。
【0053】
実施形態1)~8)に記載の医薬組成物は、ある特定の期間中、式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、若しくは形態学的形態の初期含有量の70%、好ましくは80%、より好ましくは90%、最も好ましくは95%が当該期間にわたって維持される場合、「安定」と見なされる。
【0054】
医薬組成物の安定性は、従来の様式で、例えば、定義された期間、25℃及び60%相対湿度での保管、30℃及び75%相対湿度、並びに/又は40℃及び75%相対湿度での保管後、例えば、式Iの化合物及びその分解生成物の測定、溶解、破砕性、崩壊時間、外観及び/又は顕微鏡検査によって試験され得る。
【0055】
好ましくは、本発明の固体組成物は、5~50℃の温度に維持したときに、少なくとも6か月間又は12か月間安定である。より好ましくは、本発明の固体組成物は、15~45℃の温度に維持したときに、少なくとも6か月間又は12か月間安定である。最も好ましくは、本発明の固体組成物は、25~40℃の温度に維持したときに、少なくとも12か月間又は36か月間安定である。
【0056】
より好ましい実施形態では、医薬組成物は、1年、好ましくは2年などの特定の期間にわたって安定である。より好ましくは、医薬組成物は、3~5年間安定である。
【0057】
好ましい実施形態では、本発明によるミニ錠剤は、特定の安定性を示す。
【0058】
「医薬組成物」という用語は、「配合物」又は「組成物」という用語と交換可能である。
【0059】
「~(between)」又は「~(to)」という語が数値範囲を説明するために使用される場合はいつでも、示された範囲の端点は明示的に開示され、その範囲内に含まれると理解すべきである。例えば、温度範囲が40℃~80℃(又は40℃~80℃)であると記載されている場合、これは、終点40℃及び80℃がその範囲に含まれることを意味し、又は、変数が1~4(又は1~4)の整数であると定義される場合、これは、変数が整数1、2、3、若しくは4であることを意味する。
【0060】
10)実施形態1)~9)に記載の医薬組成物は、好ましくは経口投与のための薬剤として使用され得る。
【0061】
11)実施形態1)~10)に記載の医薬組成物は、小児医薬品として使用され得る。好ましくは、小児患者は、2歳以上18歳未満である。
【0062】
12)実施形態1)~11)に記載の医薬組成物は、肝障害のある患者又はクロピドグレルなどのCYP 2C8阻害剤との薬物相互作用を経験している患者において更に使用され得る。
【0063】
医薬組成物はまた、200mcgの開始用量を許容しない患者に使用され得る。
【0064】
13)実施形態1)~12)に記載の医薬組成物は、潰瘍、手指潰瘍、糖尿病性壊疽、糖尿病足潰瘍、褥瘡(床ずれ)、高血圧症、肺高血圧症、肺動脈高血圧症、フォンタン病及びフォンタン病に関連する肺高血圧、サルコイドーシス及びサルコイドーシスに関連する肺高血圧、末梢循環障害(例えば、慢性動脈閉塞、間欠性跛行、末梢塞栓症、振動症候群、レイノー病)、結合組織疾患(例えば、全身性エリテマトーデス、強皮症、混合性結合組織疾患、血管炎症候群)、経皮経管冠動脈形成術(percutaneous transluminal coronary angioplasty、PTCA)後の再閉塞/再狭窄、動脈硬化、血栓症(例えば、急性期脳血栓症、肺塞栓症)、一過性脳虚血発作(transient ischemic attack、TIA)、糖尿病性神経障害、虚血性障害(例えば、脳梗塞、心筋梗塞)、狭心症(例えば、安定狭心症、不安定狭心症)、任意のステージの糸球体腎炎及び糖尿病性腎症を含む慢性腎疾患、アレルギー、気管支喘息、アテレクトミー及びステント移植などの冠動脈インターベンション後の再狭窄、透析による血小板減少症、臓器又は組織の線維症が関与する疾患[例えば、尿細管間質性腎炎などの腎疾患)、呼吸器疾患(例えば、間質性肺炎/(特発性)肺線維症、慢性閉塞性肺疾患)、消化性疾患(例えば、肝硬変、ウイルス性肝炎、慢性膵炎、及びスキルス胃癌)、心血管疾患(例えば、心筋線維症)、骨及び関節疾患(例えば、骨髄線維症及び関節リウマチ)、皮膚疾患(例えば、手術後の瘢痕、熱傷による瘢痕、ケロイド、及び肥厚性瘢痕)、産科疾患(例えば、子宮筋腫)、泌尿器疾患(例えば、前立腺肥大)、他の疾患(例えば、アルツハイマー病、硬化性腹膜炎、I型糖尿病、及び手術後臓器癒着)]、勃起機能不全(例えば、糖尿病性勃起機能不全、心因性勃起機能不全、精神病性勃起機能不全、慢性腎不全に関連する勃起機能不全、前立腺を除去するための骨盤内手術後の勃起機能不全、並びに老化及び動脈硬化に関連する血管性勃起機能不全)、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病、腸結核、虚血性大腸炎、及びベーチェット病に関連する腸潰瘍)、胃炎、胃潰瘍、虚血性眼科障害(例えば、網膜動脈閉塞症、網膜静脈閉塞症、虚血性視神経障害)、突発性難聴、無血管性骨壊死、非ステロイド性抗炎症剤の投与によって引き起こされる腸損傷、並びに腰部脊柱管狭窄症に関連する症状の予防及び/又は治療での使用に好適である。
【0065】
好ましくは、実施形態1)~12)のいずれか1つに記載の医薬組成物は、潰瘍、手指潰瘍、糖尿病性壊疽、糖尿病性足潰瘍、肺高血圧症、肺動脈高血圧症、フォンタン病及びフォンタン病に関連する肺高血圧、サルコイドーシス及びサルコイドーシスに関連する肺
高血圧、末梢循環障害、結合組織疾患、任意のステージの糸球体腎炎及び糖尿病性腎症を含む慢性腎疾患、器官若しくは組織の線維症が関与する疾患、又は呼吸器疾患の予防又は治療に使用され得る。
【0066】
好ましくは、実施形態1)~12)のいずれか1つに記載の医薬組成物は、肺動脈高血圧症(PAH)の予防又は治療に使用され得る。
【0067】
実施形態1)~12)のいずれか1つに記載の医薬組成物は、薬剤の製造に、特に上記適応症を予防及び/又は治療するための薬剤に使用され得ることを理解されたい。
【0068】
本発明はまた、実施形態13)の疾患を予防及び/又は治療するための方法に関することを更に理解されたい。
【0069】
14)本発明の更なる実施形態は、実施形態1)~9)のいずれか1つに記載の医薬組成物を製造するためのプロセスに関し、プロセスは、
(a)式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、若しくは形態学的形態を充填剤と混合する工程と、
(b)充填剤及び崩壊剤を工程(a)のブレンドに添加し、それを混合する工程と、
(c)工程(b)から受けたブレンドを、結合剤を含む溶液と湿式造粒する工程と、
(d)工程(c)の造粒物を乾燥させ、粉砕する工程と、
(e)好適なブレンダにおいて潤滑剤で造粒物を潤滑化させる工程と、
(f)造粒物をコア錠剤に圧縮する工程と、を含む。
【0070】
更に、錠剤コアは、フィルムコーティングされ、乾燥され、つや出しされる。好ましくは、錠剤は、フィルムコーティングされている。
【0071】
本発明を、以下の非限定的実施例によって説明する。
【実施例
【0072】
【表2】
【0073】
1.化合物の調製:
セレキシパグ(化合物:2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}-N-(メチルスルホニル)アセトアミド)の調製は、国際公開第2002/088084号に記載されている。多形形態、すなわち、遊離塩基の結晶形態I、II、及びIIIの調製は、国際公開第2010/150865号に開示されている。薬学的に許容される塩の多形形態は、国際公開第2011/024874号に開示されている。以下の実施例及びアッセイにおいて、遊離塩基の形態、特に多形形態Iの結晶形態で化合物を使用した。
【0074】
2.セレキシパグのフィルムコーティングされた錠剤の定量的組成
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
表2及び表3に示されるフィルムコーティングされた錠剤は、およそ3mmの直径を有するミニ錠剤であり、これによりミニ錠剤では子供にとって飲み込みが容易となる。
【0078】
4.製造プロセス
i)混合
セレキシパグ及びD-マンニトールは、好適なブレンダにおいてブレンドされる。
【0079】
ii)混合
次いで、トウモロコシデンプン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースをブレンダに添加する。混合物をブレンドする。
【0080】
iii)湿式造粒
ブレンドを流動床造粒機/乾燥機に移し、水中のヒドロキシプロピルセルロースの溶液を噴霧し、生成物をおよそ30~35℃の温度に維持する。
【0081】
iv)乾燥及び粉砕
湿潤造粒物を流動床乾燥機で乾燥させ、粉砕する。
【0082】
v)潤滑化
造粒物は、好適なブレンダにおいてステアリン酸マグネシウムで潤滑化される。
【0083】
vi)圧縮
最終ブレンドをコア錠剤に圧縮する。
【0084】
vii)コーティング
錠剤コアをパンに装填し、錠剤適合重量に達するまでコーティング懸濁液を噴霧する。完全に乾燥するまで錠剤を冷却する。
【0085】
viii)つや出し
フィルムコーティングされた錠剤は、カルナウバ蝋を使用してつや出しされる。
【0086】
ix)包装
フィルムコーティングされた錠剤は、チャイルドレジスタントポリプロピレンキャップを備えた高密度ポリエチレンボトルに充填され、1つの乾燥剤を含有する。
【国際調査報告】