(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(54)【発明の名称】回路基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20221215BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523716
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(85)【翻訳文提出日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 KR2020014386
(87)【国際公開番号】W WO2021080305
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】10-2019-0130455
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】シン チョン ペ
(72)【発明者】
【氏名】イ ス ミン
(72)【発明者】
【氏名】チョン チェ フン
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA38
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC08
5E316CC09
5E316CC16
5E316CC31
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5E316CC38
5E316CC39
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5E338BB19
5E338BB28
5E338BB75
5E338EE32
5E338EE60
(57)【要約】
実施例に係る印刷回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置され、キャビティを含む第2絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置され、前記キャビティを介して上面が露出するパッドと、を含み、前記キャビティは、第1内壁を含む第1パートと、前記第1パートの下の第2内壁を含む第2パートとを含み、前記第1内壁の傾斜角は、前記第2内壁の傾斜角とは異なる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に配置され、キャビティを含む第2絶縁層と、
前記第1絶縁層上に配置され、前記キャビティを介して上面が露出するパッドとを含み、
前記キャビティは、第1内壁を含む第1パートと、
前記第1パートの下の第2内壁を含む第2パートとを含み、
前記第1内壁の傾斜角は、前記第2内壁の傾斜角とは異なる、印刷回路基板。
【請求項2】
前記キャビティは、前記第1内壁と前記第2内壁との間の変曲点を含む、請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項3】
前記変曲点は、前記パッドの上面よりも高く位置する、請求項2に記載の印刷回路基板。
【請求項4】
前記第1内壁の傾斜角は、前記第2内壁の傾斜角よりも小さい、請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項5】
前記第1内壁の傾斜角は、50°~60°の範囲を有し、前記第2内壁の傾斜角は、60°~80°の範囲を有する、請求項4に記載の印刷回路基板。
【請求項6】
前記第2絶縁層は、前記キャビティが形成される領域の前記第1絶縁層の上面上に配置される第1部分と、
前記第1部分以外の第2部分とを含み、
前記第1部分の厚さは、前記第2部分の厚さよりも小さい、請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項7】
前記第2絶縁層の前記第1部分の上面は、前記パッドの上面よりも低く位置する、請求項6に記載の印刷回路基板。
【請求項8】
前記キャビティの第1パートの上部幅は、前記キャビティの前記第2パートの下部幅よりも大きい、請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項9】
前記キャビティは、前記第2内壁と連結され、前記第1絶縁層の上面よりも高く位置する底面を含む、請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項10】
前記第1内壁、前記第2内壁、および前記底面は、表面屈曲を有し、
前記第1内壁が有する表面屈曲は、前記第2内壁および前記底面のうち少なくとも一つが有する表面屈曲とは異なる、請求項1に記載の印刷回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、印刷回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷回路基板(PCB:Printed Circuit Board)は、電気絶縁基板に伝導性材料で印刷回路を印刷した基板である。
【0003】
印刷回路基板は、多様な種類の素子を平板上に密集搭載させるために、各素子の装着位置を確定し、素子を連結する回路パターンを平板の表面に印刷して固定する構造で構成したり、印刷回路基板の内部に素子が埋め込まれる形態の埋め込み(embedded)構造で構成される。
【0004】
最近、電子パートの小型化および多機能を実現するために、印刷回路基板を高密度集積化が可能な多層構造として使用されている。
【0005】
一般に、従来の埋め込み印刷回路基板は、ドリルビット(drill bit)を用いて素子を内裝するためのキャビティ(cavity)を形成したり、素子の安着のために離型フィルムなどの副材料を使用したり、サンドブラスト(sand blast)を用いて素子を内裝するためのキャビティを形成した。
【0006】
しかし、従来の埋め込み印刷回路基板は、上記のようにドリルビットを使用する場合、加工領域の位置と深さの公差が大きく発生して、高密度集積化が困難であり、これにより最終的に除去される保護層を形成しなければならなかった。
【0007】
また、従来の埋め込み印刷回路基板は、上記のようにサンドブラストを使用する場合、所望の深さまでのみキャビティを形成することが困難であり、これによりストップ層を形成しなければならなかった。
【0008】
また、離型フィルムなどの副資材を使用するためには手作業が必要であるので、キャビティサイズの小型化が容易ではなく、製造コストが上昇するという問題点があった。
【0009】
一方、前記保護層やストップ層を使用する場合、キャビティが形成された後には、その除去過程が必須に行われなければならず、これによる工程が複雑になるという問題がある。また、前記保護層やストップ層は、金属で形成され、これによりエッチング工程を行ってこれを除去した。
【0010】
しかし、サンドブラストやレーザー工程のためには、前記保護層やストップ層が少なくとも3~10μmの厚さを有するべきであり、これにより前記保護層やストップ層を除去するときに、前記キャビティを介して露出するパッドの一部も一緒に除去されるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
実施例においては、新しい構造の印刷回路基板、パッケージ基板、およびその製造方法を提供する。
【0012】
また、実施例においては、複数の工程を通じてキャビティを形成して、印刷回路基板の信頼性の問題を解決することができる印刷回路基板、パッケージ基板、およびその製造方法を提供する。
【0013】
また、実施例においては、キャビティを含む絶縁層の一部が表面に粗さを有しつつ残存するようにして、後に積層されるモールド層との接着力を向上させることができる印刷回路基板、パッケージ基板、およびその製造方法を提供する。
【0014】
提案される実施例において、解決しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、下記の記載から実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
実施例に係る印刷回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置され、キャビティを含む第2絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置され、前記キャビティを介して上面が露出するパッドと、を含み、前記キャビティは、第1内壁を含む第1パートと、 前記第1パートの下の第2内壁を含む第2パートとを含み、前記第1内壁の傾斜角は、前記第2内壁の傾斜角とは異なる。
【0016】
また、前記キャビティは、前記第1内壁と前記第2内壁との間の変曲点を含む。
【0017】
また、前記変曲点は、前記パッドの上面よりも高く位置する。
【0018】
また、前記第1内壁の傾斜角は、前記第2内壁の傾斜角よりも小さい。
【0019】
また、前記第1内壁の傾斜角は50°~60°の範囲を有し、前記第2内壁の傾斜角は60°~80°の範囲を有する。
【0020】
また、前記第2絶縁層は、前記キャビティが形成される領域の前記第1絶縁層の上面上に配置される第1部分と、前記第1部分以外の第2部分とを含み、前記第1部分の厚さは、前記第2部分の厚さよりも小さい。
【0021】
また、前記第2絶縁層の前記第1部分の上面は、前記パッドの上面よりも低く位置する。
【0022】
また、前記キャビティの前記第1パートの上部幅は、前記キャビティの前記第2パートの下部幅よりも大きい。
【0023】
また、前記キャビティは、前記第2内壁と連結され、前記第1絶縁層の上面よりも高く位置する底面を含む。
【0024】
また、前記第1内壁、前記第2内壁、および前記底面は、表面屈曲を有する。
【0025】
また、前記第1内壁が有する表面屈曲は、前記第2内壁および前記底面のうち少なくとも一つが有する表面屈曲とは異なる。
【0026】
一方、実施例に係るパッケージ基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置され、キャビティを含む第2絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置され、前記キャビティを介して上面が露出するパッドと、前記パッド上に配置される接続部と、前記接続部上に配置される電子素子と、を含み、前記キャビティは、第1内壁を含む第1パートと、前記第1パートの下に前記第1内壁と連結される第2内壁および前記第2内壁と連結される底面を含む第2パートとを含み、前記第1内壁、前記第2内壁、および底面は、それぞれ表面屈曲を有し、前記第1内壁が有する表面屈曲は、前記第2内壁および前記底面のうち少なくとも一つが有する表面屈曲とは異なる。
【0027】
また、前記キャビティは、前記第1内壁と前記第2内壁との間に前記パッドの上面よりも高く位置する変曲点を含み、前記変曲点を基準に前記第1内壁が有する傾斜角は、前記第2内壁が有する傾斜角よりも小さい。
【0028】
また、前記キャビティ内に配置され、前記電子素子の少なくとも一部を覆うモールディング層を含み、前記モールディング層は、前記第1内壁、前記第2内壁、および前記底面と接触する。
【0029】
一方、実施例に係る印刷回路基板の製造方法は、第1絶縁層を準備し、前記第1絶縁層の上面にパッドを形成するステップと、前記第1絶縁層の上面上に前記パッドを覆う第2絶縁層を形成するステップと、前記第2絶縁層上に開口部を有するマスクを形成するステップと、前記マスクの開口部を介してレーザー工程を行い、前記第2絶縁層の一部を開放するキャビティの第1パートを形成するステップと、前記第1パートの下の前記第2絶縁層にプラズ工程を行い、前記第2絶縁層の一部を開放しながら前記パッドの上面を露出するキャビティの第2パートを形成するステップと、を含み、前記第2パートの形成前の前記パッドの上面は、前記第2絶縁層により覆われる。
【0030】
また、前記第1パートは、第1傾斜角を有する第1内壁を含み、前記第2パートは、前記第1傾斜角とは異なる第2傾斜角を含む第2内壁を含む。
【0031】
また、前記第2パートは、前記第2内壁と連結され、前記第1絶縁層の上面よりも高く位置する底面を含み、前記第1内壁、前記第2内壁、および前記底面は、表面屈曲を有し、前記第1内壁が有する表面屈曲は、前記第2内壁および前記底面のうち少なくとも一つが有する表面屈曲とは異なる。
【発明の効果】
【0032】
実施例によると、印刷回路基板は、キャビティを含む。このとき、前記キャビティ160は、第2絶縁層120を貫通する構造ではなく非貫通構造を有する。このとき、前記キャビティ160は、第1絶縁層110上に配置されたパッド141aを露出する。そして、前記キャビティ160の底面は、前記パッド141aの上面よりも低く位置する。これにより、実施例においては、前記キャビティ160を形成するために追加の層を形成する必要はなく、これによる工程数を減らすことができる。また、実施例においては、前記追加層を除去する工程で発生する前記パッド141aの厚さ変化や形状変化による損失を解決することができ、これによる製品の信頼性を向上させることができる。
【0033】
また、実施例によると、キャビティの第1パートは、レーザ工程を通して形成され、その後、キャビティの残りの第2パートはプラズマ工程を通して形成される。このように前記第1パートをレーザ工程を通じて形成することにより、キャビティを形成するための全体的な工程時間を短縮することができ、前記第2パートをプラズマ工程を通じて形成することにより、精密な空間確保をすることができる。
【0034】
また、実施例によると、印刷回路基板のキャビティ160は、変曲点163を中心に第1傾斜角を有する第1内壁161と、第2傾斜角を有する第2内壁162とを含み、前記第2内壁163から延びる底面164を含む。このとき、前記キャビティ160の第1内壁161、第2内壁162、および底面164は、平坦ではなく一定の表面粗さを有することができる。また、前記キャビティ160内のパッド141a上には電子素子を実装することができる。また、モールディング層190は、キャビティ160内に配置されて前記電子素子を覆うことができる。このとき、前記キャビティ160の内壁および底面164は、一定の表面粗さを有することにより、前記モールディング層190と接触する表面面積を増加させることができ、これによる前記モールディング層190のモールディング時の接合力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図3】第1実施例に係るパッケージ基板を示す図である。
【
図4】第2実施例に係るパッケージ基板を示す図である。
【
図5】
図1に示した印刷回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図6】
図1に示した印刷回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図7】
図1に示した印刷回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図8】
図1に示した印刷回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図9】
図1に示した印刷回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図10】実施例に係る印刷回路基板のキャビティを拡大した顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0037】
但し、本発明の技術思想は、説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現され、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例間のその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置換して使用することができる。
【0038】
また、本発明の実施例で使用される用語(技術および科学的用語を含む)は、明らかに特別に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者に一般的に理解される意味として解釈することができ、事前に定義された用語のように一般的に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮して、その意味を解釈できるであろう。また、本発明の実施例で使用される用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。
【0039】
本明細書において、単数形は、フレーズで特に言及しない限り、複数形も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」に記載される場合、A、B、Cに組み合わせることができるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。また、本発明の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を用いることができる。
【0040】
このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語により当該構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合のみならず、その構成要素とその他の構成要素との間にまた他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0041】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されることが記載される場合には、上(うえ)または下(した)は、二つの構成要素が互いに直接接触される場合のみならず、一つ以上の別の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」で表現される場合、一つの構成要素を基準に上方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0042】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明すると次の通りである。
【0043】
図1は、実施例に係る印刷回路基板を示す図であり、
図2は、
図1のキャビティ領域を拡大した図である。
【0044】
図1および
図2を参照すると、印刷回路基板100は、第1絶縁層110と、第2絶縁層120と、第3絶縁層130と、回路パターン141、141、143、144 、145、146、147、148と、ビアV1、V2、V3、V4、V5、V6、V7と、保護層151、152とを含む。
【0045】
第1絶縁層110は、印刷回路基板100の中央に配置された絶縁層であり得る。
【0046】
第1絶縁層110の上部には、第2絶縁層120が配置される。
【0047】
また、第1絶縁層110の下部には、第3絶縁層130が配置される。
【0048】
このとき、図面上には、第1絶縁層110が印刷回路基板100の全体積層構造において、正中央層に配置されるものと示したが、これに限定されない。即ち、前記第1絶縁層110は、印刷回路基板100の全体積層構造において、上部側に偏った位置に配置されることもあり、これとは逆に、下部側に偏った位置に配置されることもある。
【0049】
第1絶縁層110の上部には、第2絶縁層120が配置される。このとき、第2絶縁層120は、複数の層構造を有する。例えば、第2絶縁層120は、前記第1絶縁層110の上面上に配置された第2-1絶縁層121と、前記第2-1絶縁層121の上面上に配置された第2-2絶縁層122と、前記第2-2絶縁層122の上面上に配置された第2-3絶縁層123とを含むことができる。このとき、図面上には、前記第2絶縁層120が3層構造を有するものと示したが、これに限定されない。即ち、第2絶縁層120は、2層以下で構成されることもあり、これとは異なり、4層以上の構造を有して構成されることもある。
【0050】
また、第1絶縁層110の下部には、第3絶縁層130が配置される。このとき、第3絶縁層130は、複数の層構造を有する。例えば、第3絶縁層130は、前記第1絶縁層110の下面の下に配置された第3-1絶縁層131と、前記第3-1絶縁層131の下面の下に配置された第3-2絶縁層132と、前記第3-2絶縁層132の下面の下に配置された第3-3絶縁層133とを含むことができる。このとき、図面上には、前記第3絶縁層130が3層構造を有するものと示したが、これに限定されない。即ち、第2絶縁層130は、2層以下で構成されることもあり、これとは異なり、4層以上の構造を有して構成されることもある。
【0051】
また、図面上には、印刷回路基板100が絶縁層を基準に7層構造を有するものと示したが、これに限定されない。例えば、印刷回路基板100は、絶縁層を基準に6層以下の層数を有することもあり、これとは異なり、8層以上の層数を有することもある。
【0052】
第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130は、配線を変更できる電気回路が編成されている基板であって、表面に回路パターンを形成できる絶縁材料で作られたプリント、配線板、および絶縁基板をすべて含むことができる。
【0053】
例えば、第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130のうち少なくとも一つは、リジッド(rigid)又はフレキシブル(Flexible)であり得る。例えば、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130のうち少なくとも一つは、ガラスまたはプラスチックを含むことができる。詳細には、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130の少なくとも一つは、ソーダライムガラス(soda lime glass)又はアルミノシリケートガラスなどの化学強化/半強化ガラスを含むか、ポリイミド(Polyimide、PI)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、プロピレングリコール(propylene glycol、PPG)、ポリカーボネート(PC)などの強化もしくは延性プラスチックを含むか、サファイアを含むことができる。
【0054】
また、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130の少なくとも一つは、光等方性フィルムを含むことができる。一例として、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130の少なくとも一つは、COC(Cyclic Olefin Copolymer)、COP(Cyclic Olefin Polymer)、光等方ポリカーボネート(polycarbonate、PC)または光等方ポリメチルメタクリレート(PMMA)などを含むことができる。
【0055】
また、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130のうちの少なくとも一つは、部分的に曲面を有しつつ曲がることがある。即ち、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130の少なくとも一つは、部分的には平面を有し、部分的には曲面を有しつつ曲がることがある。詳細には、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130のうち少なくとも一つは、端部が曲面を有しつつ曲がったり、ランダムな曲率を含んだ表面を有しつつ曲がったり曲がれることがある。
【0056】
また、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130の少なくとも一つは、柔軟な特性を有するフレキシブル(flexible)基板であり得る。また、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130のうちの少なくとも一つは、カーブド(curved)またはベンデッド(bended)基板であり得る。このとき、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130の少なくとも一つは、回路設計に基づいて、回路部品を接続する電気配線を配線図形に表現し、絶縁物上に電気導体を再現することができる。また、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130の少なくとも一つは、電気部品を搭載し、これらを回路的に連結する配線を形成することができ、部品の電気的な連結機能以外の部品を機械的に固定させることができる。
【0057】
一方、実施例における前記第2絶縁層120の最下部に配置された第2-1絶縁層121は、ガラス繊維(Glass Fiber)を含まない絶縁層であり得る。好ましくは、前記第2-1絶縁層121は、RCC(Resin Coated Copper)、PPG(PREPER;Glass Fabric)、およびABF(Akinomoto Build-up Film)のうちいずれか一つであり得る。これは、前記第2-1絶縁層121の一部は、プラズマ工程によって除去され得る。このとき、前記第2-1絶縁層121内にガラス繊維が含まれる場合、前記プラズマ工程に影響を与えることがあり、これにより、前記第2-1絶縁層121は、ガラス繊維を含まない絶縁物質を含むことができる。
【0058】
前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130の表面には、回路パターンが配置され得る。
【0059】
例えば、第1絶縁層110の上面には、第1回路パターン141が配置され得る。このとき、第1回路パターン141は、互いに一定間隔で離隔しつつ、前記第1絶縁層110の上面に複数で配置され得る。
【0060】
第1絶縁層110の下面には、第2回路パターン142が配置され得る。第2回路パターン142は、互いに一定間隔で離隔しつつ、前記第1絶縁層110の下面に複数で配置され得る。
【0061】
また、第2絶縁層120の表面にも回路パターンが配置され得る。例えば、第2-1絶縁層121の上面には、互いに一定間隔で離隔し、複数の第3回路パターン143が配置され得る。また、第2-2絶縁層122の上面には、互いに一定間隔で離隔し、複数の第4回路パターン144が配置され得る。また、第2-3絶縁層123の上面には、互いに一定間隔で離隔し、複数の第5回路パターン145が配置され得る。
【0062】
また、第3絶縁層130の表面にも回路パターンが配置され得る。例えば、第3-1絶縁層131の下面には、互いに一定間隔で離隔し、複数の第6回路パターン146が配置され得る。また、第3-2絶縁層132の下面には、互いに一定間隔で離隔し、複数の第7回路パターン147が配置され得る。また、第3-3絶縁層133の下面には、互いに一定間隔で離隔し、複数の第8回路パターン148が配置され得る。
【0063】
一方、上記のような第1~第8回路パターン141、142、143、144、145、146、147、148は、電気的信号を伝達する配線であって、電気伝導性の高い金属物質で形成され得る。このために、前記第1~第8回路パターン141、142、143、144、145、146、147、148は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、銅(Cu)および亜鉛(Zn)のうちから選択される少なくとも一つの金属物質で形成され得る。また、前記第1~第8回路パターン141、142、143、144、145、146、147、148は、ボンディング力に優れた金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、チタン(Ti) 、錫(Sn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)のうちから選択される少なくとも一つの金属物質を含むペースト又はソルダペーストで形成され得る。好ましくは、前記第1~第8回路パターン141、142、143、144、145、146、147、148は、電気伝導性が高く、価格が比較的安価な銅(Cu)で形成され得る。
【0064】
前記第1~第8回路パターン141、142、143、144、145、146、147、148は、通常のプリント回路基板の製造工程であるアディティブ工法(Additive process)、サブトラクティブ工法(Subtractive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)、およびSAP(Semi Additive Process)工法などで可能であり、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0065】
一方、第1回路パターン141は、前記第1絶縁層110の上面に配置され、キャビティ160を介して露出するパッド141aを含むことができる。前記パッド141aは、前記キャビティ160内に実装される電子素子(後述)と電気的に連結され得る。例えば、前記パッド141aは、前記キャビティ160内に実装される電子素子とワイヤを介して連結されるワイヤボンディングパッドであり得る。これとは異なり、前記パッド141aは、前記キャビティ160内に実装される電子素子の端子と直接連結されるフリップチップボンディングパッドであり得る。これについては、以下でより詳細に説明する。
【0066】
一方、第1~第8回路パターン141、142、143、144、145、146、147、148は、それぞれ層間導通のためのビアと連結されるパターンと、信号伝達のためのパターンと、電子素子等と連結されるパッドと、を含むことができる。
【0067】
第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130には、互いに異なる層に配置された回路パターンを互いに電気的に連結するビアV1、V2、V3、V4、V5、 V6、V7が配置され得る。ビアV1、V2、V3、V4、V5、V6、V7は、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130のうち少なくともいずれか一つを貫通して配置され得る。そして、ビアV1、V2、V3、V4、V5、V6、V7の両端は、互いに異なる絶縁層に配置された回路パターンとそれぞれ連結され、それにより電気信号を伝達することができる。
【0068】
第1絶縁層110には、第1ビアV1が配置され得る。第1ビアV1は、前記第1絶縁層110の上面および下面を貫通して配置され得る。第1ビアV1は、前記第1絶縁層110の上面に配置された第1回路パターン141と、前記第1絶縁層110の下面に配置された第2回路パターン142とを電気的に連結することができる。
【0069】
第2絶縁層120には、複数のビアが配置され得る。即ち、第2-1絶縁層121には、第2ビアV2が配置され得る。第2ビアV2は、第1絶縁層110の上面に配置された第1回路パターン141と、前記第2-1絶縁層121の上面に配置された第3回路パターン143とを電気的に連結することができる。
【0070】
また、第2-2絶縁層122には、第3ビアV3が配置され得る。第3ビアV3は、前記第2-2絶縁層122の上面に配置された第4回路パターン144と、前記第2-1絶縁層121の上面に配置された第3回路パターン143とを電気的に連結することができる。
【0071】
また、第2-3絶縁層123には、第4ビアV4が配置され得る。第4ビアV4は、前記第2-3絶縁層123の上面に配置された第5回路パターン145と、前記第2-2絶縁層122の上面に配置された第4回路パターン144とを電気的に連結することができる。
【0072】
第3絶縁層130には、複数のビアが配置され得る。即ち、第3-1絶縁層131には、第5ビアV5が配置され得る。第5ビアV5は、前記第1絶縁層110の下面に配置された第2回路パターン142と、前記第3-1絶縁層131の下面に配置された第6回路パターン146とを電気的に連結することができる。
【0073】
また、第3-2絶縁層132には、第6ビアV6が配置され得る。第6ビアV6は、前記第3-2絶縁層132の下面に配置された第7回路パターン147と、前記第3-1絶縁層131の下面に配置された第6回路パターン146とを電気的に連結することができる。
【0074】
また、第3-3絶縁層133には、第7ビアV7が配置され得る。第7ビアV7は、前記第3-3絶縁層133の下面に配置された第8回路パターン148と、前記第3-2絶縁層132の下面に配置された第7回路パターン147とを電気的に連結することができる。
【0075】
一方、前記ビアV1、V2、V3、V4、V5、V6、V7は、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130のうちいずれか一つの絶縁層のみを貫通することがあり、これとは異なり、複数の絶縁層を共通に貫通して配置され得る。これにより、前記ビアV1、V2、V3、V4、V5、V6、V7は、互いに隣接する絶縁層ではなく、少なくとも2層以上離れた絶縁層の表面上に配置された回路パターンを互いに連結することができる。
【0076】
一方、前記ビアV1、V2、V3、V4、V5、V6、V7は、前記複数の絶縁層のうち少なくとも一つの絶縁層を貫通する貫通孔(図示せず)の内部を伝導性物質で充填して形成することができる。
【0077】
前記貫通孔は、機械、レーザ、および化学加工のいずれか一つの加工方式によって形成され得る。前記貫通孔が機械加工によって形成される場合には、ミーリング(Milling)、ドリル(Drill)、およびルーティング(Routing)などの方式を使用することができ、レーザ加工によって形成される場合には、UVやCO2レーザ方式を使用することができ、化学加工によって形成される場合には、アミノシラン、ケトン類などを含む薬品を用いて前記複数の絶縁層のうち少なくとも一つの絶縁層を開放することができる。
【0078】
一方、前記レーザによる加工は、光学エネルギーを表面に集中させて材料の一部を溶かして蒸発させて、所望の形状をとる切断方法であって、コンピュータプログラムによる複雑な形成も容易に加工でき、他の方法では切断しにくい複合材料も加工することができる。
【0079】
また、前記レーザによる加工は、切断直径が最小0.005mmまで可能であり、加工可能な厚さの範囲が広いという長所がある。
【0080】
前記レーザ加工ドリルとしては、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザやCO2レーザや紫外線(UV)レーザを用いることが好ましい。YAGレーザは、銅箔層および絶縁層の両方とも加工できるレーザであり、CO2レーザは、絶縁層のみ加工できるレーザである。
【0081】
前記貫通孔が形成されると、前記貫通孔の内部を伝導性物質で充填して前記ビアV1、V2、V3、V4、V5、V6、V7を形成することができる。前記ビアV1、V2、V3、V4、V5、V6、V7を形成する金属物質は、銅(Cu)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)とパラジウム(Pd)のうちから選択されるいずれか 一つの物質であり得、前記伝導性物質の充填は、無電解メッキ、電解メッキ、スクリーン印刷(Screen Printing)、スパッタリング(Sputtering)、蒸発法(Evaporation)、インクジェットティングおよびディスフェンシングのいずれか一つ、またはこれらの組み合わせた方式を用いることができる。
【0082】
一方、第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130のうち最外郭に配置された絶縁層の表面には、保護層151、152が配置され得る。例えば、複数の絶縁層のうち最上部に配置された絶縁層の上面には、第1保護層151が配置され得る。例えば、第2絶縁層120の最上部に配置された第2-3絶縁層123の上面には、第1保護層151が配置され得る。また、複数の絶縁層のうち最下部に配置された絶縁層の下面には、第2保護層152が配置され得る。例えば、第3絶縁層130のうち最下部に配置された第3-3絶縁層133の下面には、第2保護層152が配置され得る。
【0083】
前記第1保護層151および第2保護層152は、それぞれ開口部を有することができる。例えば、第1保護層151は、第2-3絶縁層123の上面に配置された第5回路パターン145のうち露出すべき第5回路パターンの表面を露出する開口部を有することができる。
【0084】
また、第2保護層152は、第3-3絶縁層133の下面に配置された第8回路パターン148のうち露出すべき第8回路パターンの表面を露出する開口部を有することができる。
【0085】
このような第1保護層151および第2保護層152は、絶縁性物質を含むことができる。第1保護層151および第2保護層152は、回路パターンの表面を保護するために塗布された後に加熱して硬化できる多様な物質を含むことができる。前記第1保護層151および第2保護層152は、レジスト(resist)層であり得る。例えば、第1保護層151および第2保護層152は、有機高分子物質を含むソルダーレジスト層であり得る。一例として、前記第1保護層151および第2保護層152は、エポキシアクリレート系の樹脂を含むことができる。詳細には、第1保護層151および第2保護層152は、樹脂、硬化剤、光開始剤、顔料、溶媒、フィラー、添加剤、アクリル系のモノマーなどを含むことができる。但し、実施例はこれに限定されず、前記第1保護層151および第2保護層152は、フォトソルダーレジスト層、カバーレイ、および高分子物質のうちいずれか一つであり得ることは言うまでもない。
【0086】
前記第1保護層151および第2保護層152の厚さは、1μm~20μmであり得る。前記第1保護層151および第2保護層152の厚さは、1μm~15μmであり得る。例えば、前記第1保護層151および第2保護層152の厚さは、5μm~20μmであり得る。前記第1保護層151および第2保護層152の厚さが20μmを超える場合には、印刷回路基板100の厚さが増加することがある。前記第1保護層151および第2保護層152の厚さが1μm未満の場合には、印刷回路基板100に含まれた回路パターンの信頼性が低下することがある。
【0087】
一方、第2絶縁層120には、キャビティ160が形成され得る。このとき、前記キャビティ160は、複数の層で構成される第2絶縁層120内に配置され得る。このとき、前記キャビティ160は、前記複数の層で構成された第2絶縁層120のうち少なくとも一つの絶縁層を貫通して配置され、少なくとも他の一つの絶縁層を非貫通して配置され得る。
【0088】
即ち、一般的なキャビティ160は、絶縁層を貫通して配置される。これにより、キャビティ160が配置される位置で、前記キャビティ160と水平方向に重なる絶縁層は存在しなくなる。例えば、比較例におけるキャビティは、前記第2絶縁層120の全体を貫通して配置される。例えば、比較例におけるキャビティは、第2-1絶縁層121の下面および第2-3絶縁層123の上面を貫通して配置される。
【0089】
これとは異なり、実施例におけるキャビティは、キャビティが配置される位置で、前記キャビティ160と垂直に重なる絶縁層のうち少なくとも一つの絶縁層は貫通しつつ、少なくとも他の一つの絶縁層は貫通しない。
【0090】
即ち、実施例におけるキャビティ160は、前記第2絶縁層120に配置される。即ち、キャビティ160は、第2-1絶縁層121、第2-2絶縁層122、および第2-3絶縁層123内に配置される。
【0091】
このとき、比較例の印刷回路基板の構造におけるキャビティは、前記第2-1絶縁層121、第2-2絶縁層122、および第2-3絶縁層123をすべて貫通して配置される。これにより、比較例の印刷回路基板には、キャビティと垂直に重なる領域における第1絶縁層の上面が露出する。即ち、比較例の印刷回路基板における前記キャビティと垂直に重なる第1絶縁層の上面には、第2絶縁層(より明確には、第2-1絶縁層)が存在しない。
【0092】
これに対して、実施例における印刷回路基板100におけるキャビティ160は、第2-1絶縁層121および第2-2絶縁層122を貫通しつつ、前記第2-3絶縁層 123を非貫通して配置され得る。
【0093】
即ち、キャビティ160は、第2-1絶縁層121内に配置される第1部分と、第2-2絶縁層122内に配置される第2部分と、第2-3絶縁層123内に配置される第3部分と、を含むことができる。ここで、実施例における第2絶縁層122が3層構造を有することにより、前記キャビティ160が第1~第3部分で構成されるものと示したが、これに限定されない。例えば、第2絶縁層120が2層構造を有する場合、前記キャビティ160は、第1および第2部分のみを含むことができる。例えば、前記第2絶縁層122が5層構造を有する場合、前記キャビティ160は、第1~第5部分を含むことができる。但し、実施例におけるキャビティ160は、最下部に配置されたパートが貫通孔形状ではなく溝形状を有することにその特徴がある。
【0094】
前記第1部分は、前記第2-1絶縁層121内に配置され得る。このとき、前記第1部分は、前記第2-1絶縁層121内に配置され、前記キャビティ160の下部領域を形成する溝(Groove)であり得る。
【0095】
前記第2部分は、前記第2-2絶縁層122内に配置され得る。前記第2部分は、前記第2-2絶縁層122内に配置され、前記キャビティ160の中央領域を形成する貫通孔であり得る。
【0096】
前記第3部分は、前記第2-3絶縁層123内に配置され得る。前記第3部分は、前記第2-3絶縁層123内に配置され、前記キャビティ160の上部領域を形成する貫通孔であり得る。
【0097】
即ち、キャビティ160は、前記第1部分、第2部分、および第3部分の組み合わせで構成され得る。このとき、前記第1部分の厚さは、前記第2-1絶縁層121の厚さより小さいことがある。したがって、前記キャビティ160は、前記第2-1絶縁層121を非貫通して形成され得る。
【0098】
言い換えれば、第2-1絶縁層121は、前記キャビティ160と垂直方向に重なる領域上に配置される第1領域R1と、前記第1領域R1を除いた第2領域R2とを含むことができる。そして、前記第1領域R1の厚さは、前記第2領域R2の厚さとは異なることがある。
【0099】
好ましくは、前記第2領域R2の厚さH1は、前記第2-1絶縁層121が有する厚さであり得る。
【0100】
前記第2領域R2の厚さH1は、20μm~100μmであり得る。例えば、前記第2領域R2の厚さH1は、25μm~50μmの厚さを有することができる。例えば、前記第2領域R2の厚さH1は、30μm~40μmの厚さを有することができる。前記第2領域R2の厚さH1が100μmを超える場合には、全体的な印刷回路基板100の厚さが増加することがある。前記第2領域R2の厚さH1が20μm未満の場合には、パッド141aや第1回路パターンを安定して保護することができない。また、前記第2領域R2の厚さH1が前記20μm未満の場合には、電子素子を実装する工程で前記第2-1絶縁層121が熱/圧力等に脆弱であり得る。
【0101】
前記第1領域R1の厚さH2は、前記第2領域の厚さH1よりも小さいことがある。前記第1領域R1の厚さH2は、前記パッド141aの厚さH3によって決定され得る。好ましくは、前記第1領域R1の厚さH2は、前記パッド141aの厚さH3よりも小さいことがある。
【0102】
好ましくは、前記パッド141aの厚さH3は、前記第2領域R2の厚さH1よりも小さいことがある。例えば、前記パッド141aの厚さH3は、5μm~30μmであり得る。
【0103】
そして、前記第1領域R1の厚さH2は、前記パッド141aの厚さH3よりも小さいことがある。例えば、第1領域R1領域の厚さH2は、3μm~25μmであり得る。したがって、前記第2-1絶縁層121の第1領域R1は、前記第1絶縁層110上に配置される。このとき、前記第2-1絶縁層121の第1領域R1は、前記第1絶縁層110上に配置されるパッド141aの上面を露出することがある。
【0104】
即ち、実施例においては、電子素子を実装するために、前記第2絶縁層120を貫通してキャビティ160を形成せず、前記第2絶縁層120の少なくとも一部(前記第2-1絶縁層121の第1領域)を前記第1絶縁層110上に残存させた状態でキャビティ160を形成する。
【0105】
このとき、前記残存した前記第2絶縁層120の一部の厚さH2は、前記キャビティ160上に露出すべきパッド141aの厚さH3よりも小さい。これにより、実施例においては、前記パッド141a上に電子素子を実装するのに影響を与えず、前記パッド141aの形状を維持させながら前記キャビティ160を形成することができる。
【0106】
即ち、従来は、上記のような複数の絶縁層内にキャビティを形成するために、保護層またはストップ層を第1絶縁層上に配置した状態でキャビティ形成工程を行った。これにより、従来は、所望の深さ(第2絶縁層をすべて貫通する深さ)だけキャビティを形成することができた。但し、従来は、前記キャビティが形成された後に、前記保護層やストップ層を除去するエッチング工程を行なければならなかった。これにより、従来は、前記保護層やストップ層を除去するエッチング工程中に前記第1絶縁層上に配置されるパッドの一部も一緒に除去され、これにより前記パッドの信頼性に問題が発生し得る。このとき、サンドブラストやレーザー工程時に必要な保護層やストップ層の厚さは、3μm~10μm水準であり、これにより、前記エッチング工程時の前記パッドの全体の厚のうち前記保護層やストップ層の厚さに対応するだけ除去されるという問題があった。
【0107】
これにより、実施例においては、前記保護層やストップ層を形成させない状態でキャビティを容易に形成できるようにし、これにより、前記保護層やストップ層の除去工程中に発生する信頼性の問題を解決するようにする。
【0108】
そして、これは、前記キャビティを形成する工程条件の制御を通して、前記第2-1絶縁層121を貫通しない状態で前記キャビティ160を形成するようにする。
【0109】
このとき、前記キャビティ160は、複数の工程によって形成され得る。
【0110】
即ち、前記キャビティ160は、第1工程によって形成された第1パートと第2工程によって形成された第2パートとに区分され得る。
【0111】
前記第1パートは、前記第2-3絶縁層123の全領域、第2-2絶縁層122の全領域、および第2-1絶縁層121の一部領域に形成され得る。前記第1工程は、レーザー工程であり得る。
【0112】
即ち、実施例においては、キャビティ160を形成する時に、一次的にレーザ工程を通じて前記第2-3絶縁層123の全領域、第2-2絶縁層122の全領域、および第2-1絶縁層121の一部領域を除去して、キャビティ160の第1パート160aを形成することができる。
【0113】
このとき、前記第1パート160aの第1内壁161は、第1傾斜角θ1を有することができる。好ましくは、前記第1傾斜角θ1は、50°~60°であり得る。前記第1パート160aの第1内壁161は、レーザ工程によって形成されたレーザ切断面であり得る。
【0114】
前記第1パート160aは、第1深さを有することができる。このとき、前記第2絶縁層120の全体の厚を基準に前記第1パート160aが有する第1深さは、プラズマ工程によって形成された第2パート160bが有する第2深さに対して大きいことがある。前記第1パート160aが有する第1深さは、前記第2絶縁層120の厚さの1/2よりも大きいことがある。
【0115】
第1パート160aの下には、第2パート160bが形成され得る。前記第2パート160bは、前記第1パート160aと連通することができる。例えば、前記第2パート160bは、前記第1パート160aと連結されて一つのキャビティ160を形成することができる。
【0116】
前記第1パート160aの第1内壁161と第2パート160bの第2内壁162との間に変曲点163が形成され得る。前記変曲点163は、前記キャビティ160の内壁161、162の傾斜角が変更される部分を意味し得る。例えば、変曲点163は、前記第1パート160aの第1内壁161の最下端と前記第2パート160bの第2内壁162の最上端とが会う地点であり得る。
【0117】
即ち、前記第1パート160aは、レーザー工程によって形成され、前記第2パート160bは、プラズマ工程によって形成され、これによって前記第1パート160aと第2パート160bとが会う地点には、傾斜角(又は曲率)が変更される変曲点163が位置し得る。
【0118】
このとき、前記変曲点163は、前記パッド141aよりも高く位置し得る。言い換えれば、前記第1パート160aの最下端は、前記パッド141aの上面よりも高く位置し得る。言い換えれば、前記第2パート160bの最上端は、前記パッド141aの上面よりも高く位置し得る。
【0119】
即ち、前記第1パート160aは、前記パッド141aの上面を基準に、これよりも高い地点までレーザ工程によって形成され得る。このとき、前記第1パート160aが、前記パッド141aが位置した地点まで形成される場合、前記第1パート160aを形成する過程で、レーザによって前記パッド141aが損傷することがある。これにより、実施例においては、前記パッド141aの上面を基準に、これより高い地点までのみ前記第1パート160aが形成できるようにする。
【0120】
そして、第2パート160bは、第2深さを有し、前記第1パート160aの下に形成され得る。前記第2深さは、前記第1パート160aが有する第1深さよりも小さいことがある。
【0121】
前記第2パート160bは、前記第1内壁161と連結される第2内壁162および前記第2内壁162と連結される底面164を含むことができる。前記第2内壁162および前記底面164は、プラズマ工程によって形成されたプラズマ処理面であり得る。
【0122】
前記底面164は、前記パッド141aの上面よりも低く位置し得る。即ち、前記底面164が前記パッド141aよりも高く位置する場合、前記パッド141aの上面の一部が前記第2絶縁層によって覆われ、これにより製品の信頼性に影響を与えることがある。したがって、実施例においては、前記底面164が前記パッド141aの上面よりも低く位置するようにする。
【0123】
前記第2パート160bの第2内壁162は、第2傾斜角θ2を有することができる。このとき、前記第2パート160bの第2内壁162が有する第2傾斜角θ2は、前記第1パート160aの第1内壁161が有する第1傾斜角θ1とは異なることがある。例えば、前記第2パート160bの第2内壁162が有する第2傾斜角θ2は、前記第1パート160aの第1内壁161が有する第1傾斜角θ1よりも大きいことがある。例えば、前記第2傾斜角θ2は、60°~80°であり得る。
【0124】
一方、前記第2パート160bを形成する過程で、前記第2絶縁層120によって覆われたパッド141aの上面が露出することがある。このとき、前記第2パート160bは、プラズマ工程によって形成され、これにより前記第2パート160bを形成する過程で、前記パッド141aの表面に損傷を与えることなく前記第2パート160bを精密に形成することができる。
【0125】
上述したように、第1パート160aおよび第2パート160bを含む前記キャビティ160の最大深さは、前記第2絶縁層120の全体の厚よりも小さいことがある。また、前記キャビティ160の最小深さは、前記第2絶縁層120の全体の厚から前記パッド141aの厚さを引いた深さよりも大きいことがある。これにより、実施例においては、前記第2絶縁層120のうち第2-1絶縁層121の第1領域R1の上面が前記第1絶縁層110の上面よりも高く、前記パッド141aの上面よりも低く位置するようにする。
【0126】
一方、
図2を参照すると、前記キャビティ160は、第1パート160aの第1内壁161と、第2パート160bの第2内壁162および底面164とを含むことができる。
【0127】
このとき、前記第1パート160aの第1内壁161と、第2パート160bの第2内壁162および底面164とは、一定の表面粗さを有することができる。
【0128】
このとき、前記第1パート160aの第1内壁161が有する表面粗さは、前記第2パート160bの第2内壁162が有する表面粗さとは異なることがある。例えば、前記第1パート160aの第1内壁161が有する表面粗さは、前記第2パート160bの第2内壁162が有する表面粗さよりも大きいことがある。また、前記第2パート160bの第2内壁162が有する表面粗さは、前記底面164が有する表面粗さと同じであり得る。
【0129】
このとき、実施例においては、前記キャビティ160の第1パート160aの第1内壁161と、第2パート160bの第2内壁162および底面164とが一定の表面粗さを有するように追加の工程を行うことではなく、前記キャビティ160を形成するためのレーザー工程およびプラズマ工程時に、上記のような互いに異なる表面粗さが形成されるようにすることができる。
【0130】
言い換えれば、前記キャビティ160の底面164は、前記第2-1絶縁層121の第1領域R1の上面を意味し得る。そして、前記第2-1絶縁層121の第1領域R1の上面の高さは、一定ではなく、位置に応じて偏差を有することがある。
【0131】
一方、上述したように、前記第1パート160aの第1内壁161および第2パート160bの第2内壁162は、第1傾斜角θ1および第2傾斜角θ2を有することがある。
【0132】
このとき、前記内壁161、162は、直線ではなく一定の表面粗さを有する曲線であり得る。これにより、前記第1傾斜角θ1は、前記第1パート160aの最上端と前記第1パート160aの最下端との間を連結する仮想の第1ラインと前記第2絶縁層120の上面に対応する仮想の第2線間との間の内角であり得る。
【0133】
また、前記第2傾斜角θ2は、前記第2パート160bの最上端と前記第2パート160bの最下端との間を連結する仮想の第3ラインと前記第2絶縁層120の上面に対応する仮想の第2線間との間の内角であり得る。
【0134】
図3は、第1実施例に係るパッケージ基板を示す図である。
【0135】
図4を参照すると、実施例におけるパッケージ基板200は、
図1に示す印刷回路基板100と、印刷回路基板100のキャビティ160内に実装された電子素子180とを含む。
【0136】
図1で説明した印刷回路基板100は、電子素子180を実装するためのパッケージ基板200として用いることができる。
【0137】
このとき、前記印刷回路基板100については、
図1で既に詳細に説明したので、これについての説明は省略する。
【0138】
印刷回路基板100は、キャビティ160を含み、前記キャビティ160には、パッド141aが露出することがある。このとき、前記キャビティ160内で前記パッド141aが形成された領域を除いた残りの領域には、前記第2-1絶縁層121が配置され得る。但し、前記第2-1絶縁層121の第1領域R1の高さは、前記パッド141aの高さよりも低い。これにより、前記電子素子180は、前記第1領域R1上の前記第2-1絶縁層121によって影響を受けずに、前記パッド141a上に安定して実装され得る。即ち、前記パッド141aの高さよりも前記第2-1絶縁層121の前記第1領域R1の高さが高いと、前記電子素子180は、前記パッド141a上に傾いた状態で実装されることがあり、さらに前記パッド141aとの電気的接続状態に不良が発生することがある。
【0139】
このとき、前記電子素子180は、印刷回路基板100のキャビティ160内に配置される電子部品であり得、これは能動素子と受動素子とに区分され得る。そして、前記能動素子は、非線形部分を積極的に利用した素子であり、受動素子は、線形特性と非線形特性の両方が存在しても、非線形特性は利用しない素子を意味する。そして、前記受動素子には、トランジスタ、IC半導体チップなどを含むことができ、前記受動素子には、コンデンサ、抵抗、インダクタなどを含むことができる。前記受動素子は、能動素子である半導体チップの信号処理速度を高めたり、フィルタリング機能などを行うために、通常の印刷回路基板に実装される。
【0140】
一方、前記パッド141a上には、接続部170が配置され得る。前記接続部170の平面形状は、四角形状であり得る。前記接続部170は、前記パッド141a上に配置されて、前記電子素子180を固定しつつ前記電子素子180と前記パッド141aとの間を電気的に連結する。このために、パッド141aは伝導性物質で形成され得る。一例として、前記接続部170は、ソルダーボールであり得る。前記接続部170は、ソルダーに異種成分の物質が含まれ得る。前記ソルダーは、SnCu、SnPb、SnAgCuのうち少なくともいずれか一つで構成され得る。そして、前記異種成分の物質は、Al、Sb、Bi、Cu、Ni、In、Pb、Ag、Sn、Zn、Ga、Cd、およびFeのうちいずれか一つを含むことができる。
【0141】
一方、前記電子素子180の上面は、前記印刷回路基板100の最上層の表面よりも高く位置し得る。但し、実施例はこれに限定されず、前記電子素子180の種類に応じて、前記電子素子180の上面が前記印刷回路基板100の最上層の表面と同じ高さに配置されることがあり、これとは異なり、低く配置されることもある。
【0142】
図4は、第2実施例に係るパッケージ基板を示す図である。
【0143】
図4を参照すると、実施例におけるパッケージ基板200Aは、
図1に示す印刷回路基板100と、前記印刷回路基板100のキャビティ160内に実装された電子素子180aとを含む。
【0144】
また、パッケージ基板200Aは、前記キャビティ160内に配置され、前記電子素子180aを覆うモールディング層190をさらに含む。
【0145】
前記モールディング層190は、選択的に前記キャビティ160内に配置され、前記キャビティ160内に実装された電子素子180aを保護することができる。
【0146】
前記モールディング層190は、モールディング用樹脂で構成されることがあり、例えば、EMC(Epoxy molding compound)であり得る。但し、実施例はこれに限定されず、前記モールディング層190は、EMC以外にも多様な他のモールディング用樹脂で構成されることもある。
【0147】
図1で説明した印刷回路基板100は、電子素子180aを実装するためのパッケージ基板200Aとして用いることができる。
【0148】
印刷回路基板100は、キャビティ160を含み、前記キャビティ160には、パッド141aが露出することがある。このとき、前記キャビティ160内で前記パッド141aが形成された領域を除いた残りの領域には、前記第2-1絶縁層121が配置され得る。但し、前記第2-1絶縁層121の第1領域R1の高さは、前記パッド141aの高さよりも低い。これにより、前記電子素子180aは、前記第1領域R1上の第2-1絶縁層121によって影響を受けずに、前記パッド141a上に安定して実装され得る。言い換えれば、前記パッド141aの高さよりも前記第2-1絶縁層121の第1領域R1の高さが高いと、前記電子素子180aは、前記パッド141a上に傾いた状態で実装されることがあり、さらに前記パッド141aとの電気的接続状態に不良が発生することがある。
【0149】
一方、実施例におけるキャビティ160の内壁161、162および底面164は、平坦ではなく一定の屈曲を有することができる。言い換えれば、キャビティ160の内壁161、162および底面164は、一定の水準以上の表面粗さを有することができる。即ち、キャビティ160の内壁161、162および底面164は、粗さを有することができる。
【0150】
実施例におけるモールディング層190は、前記キャビティ160の内壁161、162および底面164と接触して配置される。このとき、前記キャビティ160の内壁161、162および底面164は、平坦ではなく一定の屈曲を有する。このようなキャビティ160の構造は、前記モールディング層190との接触する表面面積を増加させることができ、これにより前記モールディング層190と印刷回路基板100との間の接合力を向上させることができる。
【0151】
実施例によると、印刷回路基板は、キャビティを含む。このとき、前記キャビティ160は、第2絶縁層120を貫通する構造ではなく非貫通する構造を有する。このとき、前記キャビティ160は、第1絶縁層110上に配置されたパッド141aを露出する。そして、前記キャビティ160の底面は、前記パッド141aの上面よりも低く位置する。これにより、実施例においては、前記キャビティ160を形成するために追加の層を形成しなくてもよく、これによる工程数を減らすことができる。また、実施例においては、前記追加層を除去する工程で発生する前記パッド141aの厚さ変化や形状変化による損失を解決することができ、これによる製品の信頼性を向上させることができる。
【0152】
また、実施例によると、印刷回路基板のキャビティ160は、内壁161、162および底面164を含む。このとき、前記キャビティ160の内壁161、162および底面164は、平坦ではなく一定の表面粗さを有することができる。また、前記キャビティ160内のパッド141a上には、電子素子が実装され得る。また、モールディング層190は、前記キャビティ160内に配置されて前記電子素子を覆うことがある。このとき、前記キャビティ160の内壁および底面は、一定の表面粗さを有することにより、前記モールディング層190との接触する表面面積を増加させることができ、これによる前記モールディング層190のモールディング時の接合力を向上させることができる。
【0153】
以下では、添付の図面を参照して実施例に係る印刷回路基板の製造方法について説明する。
【0154】
図5乃至
図9は、
図1に示した印刷回路基板の製造方法を工程順に示す図であり、
図10は、実施例に係る印刷回路基板のキャビティを拡大した顕微鏡写真である。
【0155】
図5を参照すると、第1絶縁層110を準備し、前記第1絶縁層110の表面に第1および第2回路パターン141、142を形成することができ、前記第1絶縁層110を貫通し、前記第1および第2回路パターン141、142を電気的に連結する第1ビアV1を形成することができる。
【0156】
前記第1絶縁層110は、プリプレグであり得る。前記プリプレグ(PPG)は、半硬化状態で流動性および粘着性が良く、接着剤層および絶縁材層として用いられる繊維強化複合材料用の中間基材として使用されるが、強化繊維にマトリックス樹脂を予め含浸した成形材料である。このようなプリプレグを積層して加熱/加圧して樹脂を硬化させることにより成形品が形成される。即ち、プリプレグ(Prepreg)は、ガラス繊維(Glass fiber)に樹脂(BT/Epoxy、FR4、FR5など)が含浸されてB-stageまで硬化した材料をいう。
【0157】
即ち、前記第1絶縁層110は、熱硬化性または熱可塑性高分子基板、セラミック基板、有無機複合材料基板、またはガラス繊維含浸基板であり得、高分子樹脂を含む場合、エポキシ系絶縁樹脂を含むことができ、これとは異なり、ポリイミド系樹脂を含むこともできる。
【0158】
即ち、前記第1絶縁層110は、配線を変更できる電気回路が編成されている板であって、絶縁基板の表面に導体パターンを形成できる絶縁材料で作られたプリント、配線板、および絶縁基板をすべて含むことができる。
【0159】
前記第1絶縁層110の表面には、金属層(図示せず)が積層される。前記金属層は、前記第1絶縁層110上に銅を含む金属を無電解めっきを施して形成され得る。また、前記金属層は、前記第1絶縁層110に無電解めっきを施して形成することとは異なり、CCL(Copper Clad Laminate)を使用することができる。
【0160】
前記金属層に無電解めっきを施して形成する場合、前記第1絶縁層110の上面に粗さを付与してめっきが円滑に行われるようにすることができる。そして、前記金属層をパターニングして、前記第1絶縁層110の上面および下面にそれぞれ第1および第2回路パターン141、142を形成する。このとき、前記第1回路パターン141は、後で前記第1絶縁層110上に実装される電子素子180、180aと、接続部170を介して連結されるパッド141aとを含むことができる。
【0161】
上記のような第1および第2回路パターン141、142は、通常のプリント回路基板の製造工程であるアディティブ工法(Additive process)、サブトラクティブ工法(Subtractive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)、およびSAP(Semi Additive Process)工法などで可能であり、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0162】
次に、
図6を参照すると、前記第1絶縁層110の上部および下部にそれぞれ第2絶縁層120および第3絶縁層130を積層する工程を行うことができる。
【0163】
このとき、第2絶縁層120は、複数の層構造を有する。例えば、第2絶縁層120は、前記第1絶縁層110の上面上に配置された第2-1絶縁層121と、前記第2-1絶縁層121の上面上に配置された第2-2絶縁層122と、前記第2-2絶縁層122の上面上に配置された第2-3絶縁層123と、を含むことができる。
【0164】
また、第3絶縁層130は、複数の層構造を有する。例えば、第3絶縁層130は、前記第1絶縁層110の下面の下に配置された第3-1絶縁層131と、前記第3-1絶縁層131の下面の下に配置された第3-2絶縁層132と、前記第3-2絶縁層132の下面の下に配置された第3-3絶縁層133と、を含むことができる。
【0165】
また、第2絶縁層120の表面に回路パターンを形成する工程を行うことができる。例えば、第2-1絶縁層121の上面に互いに一定間隔で離隔し、複数の第3回路パターン143を形成する工程を行うことができる。また、第2-2絶縁層122の上面に互いに一定間隔で離隔する複数の第4回路パターン144を形成する工程を行うことができる。また、第2-3絶縁層123の上面に互いに一定間隔で離隔して配置される複数の第5回路パターン145を形成する工程を行うことができる。
【0166】
また、第3絶縁層130の表面に回路パターンを形成する工程を行うことができる。例えば、第3-1絶縁層131の下面に互いに一定間隔で離隔して配置される複数の第6回路パターン146を形成する工程を行うことができる。また、第3-2絶縁層132の下面に互いに一定間隔で離隔して配置される複数の第7回路パターン147を形成する工程を行うことができる。また、第3-3絶縁層133の下面に互いに一定間隔で離隔して配置される複数の第8回路パターン148を形成する工程を行うことができる。
【0167】
また、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120、および第3絶縁層130には、互いに異なる層に配置された回路パターンを互いに電気的に連結するビアV1、V2、V3、V4、 V5、V6、V7を形成する工程を行うことができる。
【0168】
次に、
図7を参照すると、第2絶縁層120におけるキャビティ領域上にキャビティ160を形成する工程を行うことができる。このとき、前記キャビティ160は、複数の層で構成される第2絶縁層120内に形成することができる。
【0169】
このとき、前記キャビティ160は、互いに異なる複数の工程を経て形成され得る。
【0170】
即ち、キャビティ160を形成するための第1キャビティ形成ステップとして、レーザ工程を行うことができる。
【0171】
このとき、前記第1キャビティ形成ステップの前に、前記第2絶縁層120の上面のうちキャビティ160が形成される領域を除いた残りの領域にマスク310を形成することができる。前記マスク310は、金属層であり得る。例えば、前記マスク310を、銅を含む金属物質で形成することができる。
【0172】
即ち、前記マスク310は、レーザーおよびプラズマ工程時にエッチングされない物質で形成され得、一例として、銅を含む金属層であり得る。
【0173】
前記マスク310は、0.1μm~12μmの間の厚さを有することができる。前記マスク310が0.1μmよりも小さい場合、マスクの役割を正常に遂行できなくなり、これによりキャビティが形成されてはいけない領域にもキャビティが形成され得る。また、前記マスク310が12μmよりも大きいと、前記マスク310の除去工程で他の回路パターンの損傷が発生することがある。
【0174】
次に、
図8に示すように、前記第2絶縁層120上にレーザを用いて第1キャビティの形成ステップを行って、キャビティ160の第1パート160aを形成する。その後、
図9に示すように、プラズマ工程を通じて第2キャビティの形成ステップを行って、前記第1パート160aの下にキャビティ160の第2パート160bを形成する。
【0175】
これにより、キャビティ160は、第2-1絶縁層121内に配置される第1部分と、第2-2絶縁層122内に配置される第2部分と、第2-3絶縁層123内に配置された第3部分と、を含むことができる。ここで、実施例における第2絶縁層122が3層構造を有することにより、前記キャビティ160が第1~第3部分で構成されるものと示したが、これに限定されない。例えば、第2絶縁層120が2層構造を有する場合、前記キャビティ160は、第1および第2部分のみを含むことができる。例えば、前記第2絶縁層122が5層構造を有する場合、前記キャビティ160は、第1~第5部分を含むことができる。但し、実施例におけるキャビティ160は、最下部に配置されたパートが貫通孔形状ではなく溝形状を有することにその特徴がある。これにより、
図10に示すように、キャビティ160は、複数の工程を経て形成され、互いに異なる傾斜角を有する複数の部分に区分され得る。
【0176】
次に、
図9に示すように、前記キャビティ160の形成に使用されたマスク310を除去した後、前記第2絶縁層120および第3絶縁層130の最外郭に保護層151、152を形成する。
【0177】
例えば、複数の絶縁層のうち最上部に配置された絶縁層の上面には、第1保護層151が配置され得る。例えば、第2絶縁層120のうち最上部に配置された第2-3絶縁層123の上面には、第1保護層151が配置され得る。また、複数の絶縁層のうち最下部に配置された絶縁層の下面には、第2保護層152が配置され得る。例えば、第3絶縁層130のうち最下部に配置された第3-3絶縁層133の下面には、第2保護層152が配置され得る。
【0178】
前記第1保護層151および第2保護層152は、それぞれ開口部を有することができる。例えば、第1保護層151は、第2-3絶縁層123の上面に配置された第5回路パターン145のうち露出すべき第5回路パターンの表面を露出する開口部を有することができる。
【0179】
また、第2保護層152は、第3-3絶縁層133の下面に配置された第8回路パターン148のうち露出すべき第8回路パターンの表面を露出する開口部を有することができる。
【0180】
以上、実施例に説明された特徴、構造、効果などは、少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例において例示された特徴、構造、効果などは実施例が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施例に対しても組合せまたは、変形して実施可能である。したがって、このような組合せと変形に関係した内容は、実施例の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0181】
以上、実施例を中心に説明したがこれは単なる例示に過ぎず、実施例を限定するものではなく、実施例が属する分野の通常の知識を有した者であれば本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で、以上で例示されていない多様な変形と応用が可能であることが理解できるだろう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は、変形して実施することができるものである。そして、このような変形と応用に係る差異点は、添付された請求範囲で規定する実施例の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に配置されたパッドと、
前記第1絶縁層上に配置され、前記パッドと厚さ方向に重なるキャビティを含む第2絶縁層と、を含み、
前記キャビティは、第1内壁を含む
第1表面屈曲を有する第1パートと、
前記第1内壁から延びる第2内壁を含
み、前記第1表面屈曲とは異なる第2表面屈曲を含む第2パートとを含
む、回路基板。
【請求項2】
前記
キャビティは、第1パートと第2パートとの間の傾斜角が変化する変曲点を含む、請求項1に記載の
回路基板。
【請求項3】
前記変曲点は、前記パッドの上面よりも高く位置する、請求項2に記載の
回路基板。
【請求項4】
前記第1パートの前記第1内壁は、前記第2絶縁層の上面に対して第1傾斜角を有し、
前記第2パートの前記第2内壁は、前記第2絶縁層の上面に対して第2傾斜角を有し、
前記第1傾斜角は、前記第2傾斜角よりも小さい、請求項1に記載の
回路基板。
【請求項5】
前記
第1傾斜角は、50°~60°の範囲を有し、前記
第2傾斜角は、60°~80°の範囲を有する、請求項4に記載の
回路基板。
【請求項6】
前記第2絶縁層は、前記
キャビティの少なくとも一部と厚さ方向に重なる第1部分と、
前記キャビティと厚さ方向に重ならない第2部分とを含み、
前記第1部分の厚さは、前記第2部分の厚さよりも小さい、請求項1に記載の
回路基板。
【請求項7】
前記第2絶縁層の前記第1部分の上面は、前記パッドの上面よりも低く位置する、請求項6に記載の
回路基板。
【請求項8】
前記キャビティの第1パートの上部幅は、前記キャビティの前記第2パートの下部幅よりも大きい、請求項1に記載の
回路基板 。
【請求項9】
前記キャビティは、前記第2内壁と連結され、前記第1絶縁層の上面よりも高く位置
し、前記第絶縁層の前記第1部分の上面に対応する底面を含む、請求項6に記載の
回路基板。
【請求項10】
前記底面は、第3表面屈曲を有し、
前記第3表面屈曲は、前記第1および第2表面屈曲のうち少なくとも一つとは異なる、請求項1に記載の
回路基板。
【請求項11】
前記変曲点は、前記第2絶縁層の上面よりも前記第2絶縁層の下面に隣接して位置する、請求項2に記載の回路基板。
【請求項12】
前記第2絶縁層は、複数の層を含み、
前記キャビティは、前記複数の第2絶縁層のうち少なくとも一つの第2絶縁層を貫通しながら、少なくとも他の一つの第2絶縁層を非貫通する、請求項11に記載の回路基板。
【請求項13】
前記第2絶縁層の上面は、前記複数の第2絶縁層のうち最上側に配置された第2絶縁層の上面であり、
前記第2絶縁層の下面は、前記複数の第2絶縁層のうち最下側に配置された第2絶縁層の下面である、請求項12に記載の回路基板。
【請求項14】
前記キャビティの前記底面は、長さ方向または幅方向に行くほど高さが変化する、請求項9に記載の回路基板。
【請求項15】
前記第2絶縁層の上面に配置され、前記キャビティと厚さ方向に重なる開口部を含む保護層を含み、
前記保護層の前記開口部の幅は、
前記キャビティの第1パートの幅よりも大きい、請求項1に記載の回路基板。
【請求項16】
前記第3表面屈曲は、前記第2表面屈曲に対応しつつ、前記第1表面屈曲とは異なる、請求項10に記載の回路基板。
【請求項17】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に配置されたパッドと、
前記第1絶縁層上に配置され、前記パッドと厚さ方向に重なるキャビティを含む第2絶縁層と、
前記パッド上に配置された接続部と、
前記接続部上に配置された電子素子と、を含み、
前記キャビティは、
前記第2絶縁層の上面に隣接した第1パートと、
前記第2絶縁層の下面および前記パッドに隣接した第2パートとを含み、
前記キャビティの底面は、前記パッドの上面と前記パッドの下面との間に位置し、
前記第1パートは、前記第2絶縁層の上面から前記第2絶縁層の下面に向かって幅が減少する形状を有し、
前記第2パートは、前記第2絶縁層の上面から前記第2絶縁層の下面に向かって幅が減少する形状を有し、
前記第1パートの上部および下部の幅の第1差は、
前記第2パートの上部および下部の幅の第2差とは異なる、パッケージ基板。
【請求項18】
前記第1差は、前記第2差よりも大きい、請求項17に記載のパッケージ基板。
【請求項19】
前記キャビティの第1パートの内壁は、第1表面屈曲を有し、
前記キャビティの前記第2パートの内壁は、第1表面屈曲とは異なる第2表面屈曲を有し、
前記キャビティの前記底面は、前記第1表面屈曲とは異なり、前記第2表面屈曲に対応する、請求項17に記載のパッケージ基板。
【請求項20】
前記第2絶縁層の上面に配置され、前記キャビティと厚さ方向に重なる開口部を含む保護層と、
前記キャビティおよび前記保護層の開口部内に配置されるモールディング層とを含み、
前記保護層の前記開口部の幅は、前記キャビティの前記第1パートの幅よりも大きく、
前記モールディング層は、前記第2絶縁層の上面と接触する部分を含む、請求項17に記載のパッケージ基板。
【国際調査報告】