IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マイクロン テクノロジー, インク.の特許一覧

<>
  • 特表-メモリサブシステムの電力無効化 図1A
  • 特表-メモリサブシステムの電力無効化 図1B
  • 特表-メモリサブシステムの電力無効化 図2
  • 特表-メモリサブシステムの電力無効化 図3A
  • 特表-メモリサブシステムの電力無効化 図3B
  • 特表-メモリサブシステムの電力無効化 図3C
  • 特表-メモリサブシステムの電力無効化 図4
  • 特表-メモリサブシステムの電力無効化 図5A
  • 特表-メモリサブシステムの電力無効化 図5B
  • 特表-メモリサブシステムの電力無効化 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(54)【発明の名称】メモリサブシステムの電力無効化
(51)【国際特許分類】
   G11C 5/14 20060101AFI20221215BHJP
   G11C 7/24 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
G11C5/14
G11C7/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523810
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-06-09
(86)【国際出願番号】 US2020056889
(87)【国際公開番号】W WO2021081224
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】62/924,866
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/714,503
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】カルティケヤン マノハル
(72)【発明者】
【氏名】パルトゥ メフディ
(57)【要約】
システムは、メモリデバイスと、バスコネクタとメモリデバイスをパワーオン及びオフするように適合された電源回路と結合された電力無効化回路とを含む。処理デバイスは、バスコネクタ、電力無効化回路、及びメモリデバイスに結合される。処理デバイスは、PWDIS信号が第1の電圧レベルにある間にバスコネクタの電力無効化(PWDIS)信号の状態を監視し、PWDIS信号が第2の電圧レベルに遷移することに応答して、PWDIS信号が第2の電圧レベルにある時間の長さが閾値基準を満たすか否かを判定することを行う。PWDIS信号が第2の電圧レベルにある時間の長さが閾値基準を満たすことに応答して、処理デバイスは、汎用入力/出力信号を用いて電力無効化回路を有効化することを行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスと、
ホストシステムのバスコネクタと、前記メモリデバイスをパワーオン及びオフするように適合された電源回路とに結合された電力無効化回路と、
前記バスコネクタ、前記電力無効化回路、及び前記メモリデバイスに動作可能に結合された処理デバイスであって、前記処理デバイスは、
PWDIS信号が第1の電圧レベルにある間に前記バスコネクタの前記電力無効化(PWDIS)信号の状態を監視することと、
前記PWDIS信号が第2の電圧レベルに遷移することに応答して、前記PWDIS信号が前記第2の電圧レベルにある時間の長さが閾値基準を満たすか否かを判定することと、
前記PWDIS信号が前記第2の電圧レベルにある時間の前記長さが前記閾値基準を満たすことに応答して、汎用入力/出力信号を用いて前記電力無効化回路を有効化すること
を行う、前記処理デバイスと
を含む、システム。
【請求項2】
前記PWDIS信号が前記第2の電圧レベルにある時間の前記長さを判定するために、前記処理デバイスは、タイマーを開始及び追跡することを行い、時間の前記長さは、前記閾値基準を満たすための30秒~60秒である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
一旦有効化されると、前記電力無効化回路は、前記PWDIS信号が前記第1の電圧レベルに戻って遷移することに応答して、前記処理デバイス及び前記メモリデバイスへの電力を遮断するための信号を前記電源回路へ送る、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記電力無効化回路は、
相互に結合されたソースと、前記PWDIS信号を受信するためのゲートを備えた第1の電界効果トランジスタ(FET)及び第2のFETであって、前記第2のFETの第2のゲートにおける前記PWDIS信号のアサートされた入力に応答して、前記第1のFETのドレインはフローティングのままである、前記第1のFET及び前記第2のFETと、
前記汎用入力/出力信号に応答して出力をアサートするためのラッチ回路と、
前記第1のFETの前記ドレインと前記ラッチ回路の前記出力とに結合された第3のFETであって、前記ラッチ回路の前記出力のアサートに応答して、前記第3のFETは、前記処理デバイス及び前記メモリデバイスへの電力を遮断するための信号を前記電源回路へ送ること行う、前記第3のFETと
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記電力が遮断されることに応答して、前記ラッチ回路は、前記汎用入力/出力信号の電圧状態にラッチし、前記PWDIS信号が前記第2の電圧レベルに遷移するのを待機することを行い、前記PWDIS信号が前記第2の電圧レベルに向かうことに応答して、前記第1のFETの前記ドレインは、前記第2の電圧レベルに遷移することを行い、前記電力を回復するための信号を前記第3のFETに前記電源回路へ送らせることを行う、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のFETの第1のゲートに結合された抵抗器及びコンデンサの組み合わせを更に含み、前記第1のゲートにおける前記PWDIS信号の前記アサートされた入力に応答して、前記抵抗器及びコンデンサは、デグリッチを実施するために前記PWDIS信号の前記アサートされた入力を遅延させることを行う、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記メモリデバイスの初期のパワーアップ中に、前記電力無効化回路は、前記PWDIS信号の状態を無視する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の電圧レベルは高電圧レベルであり、前記第2の電圧レベルは低電圧レベルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
メモリサブシステムをパワーオン及びオフするための電源回路と、
ホストシステムのバスコネクタと前記電源回路とに結合された電力無効化回路と、
タイマーを含み、前記バスコネクタ、前記電力無効化回路、及び前記メモリサブシステムのメモリデバイスに動作可能に結合された、前記メモリサブシステムの処理デバイスであって、前記処理デバイスは、
前記メモリデバイスの初期のパワーアップ中に、前記バスコネクタの電力無効化(PWDIS)信号の状態を無視することと、
前記メモリデバイスがパワーオンされた後、前記PWDIS信号が高電圧レベルにある間に前記バスコネクタの前記PWDIS信号の前記状態を監視することと、
前記PWDIS信号が低電圧レベルに遷移することに応答して、前記タイマーを開始することと、
前記タイマーが閾値基準を満たすことに応答して、有効化信号を用いて前記電力無効化回路を有効化すること
を行う、前記処理デバイスと
を含むシステム。
【請求項10】
前記閾値基準は30秒~60秒である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
一旦有効化されると、前記電力無効化回路は、
前記PWDIS信号が前記高電圧レベルに戻って遷移することを監視することと、
前記PWDIS信号が前記高電圧レベルに戻って遷移することに応答して、前記メモリサブシステムへの電力を遮断するための信号を前記電源回路へ送ること
を行う、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記電力無効化回路は、
相互に結合されたソースと、前記PWDIS信号を受信するためのゲートとを備えた第1の電界効果トランジスタ(FET)及び第2のFETであって、前記第2のFETの第2のゲートにおける前記PWDIS信号のアサートされた入力に応答して、前記第1のFETのドレインはフローティングのままである、前記第1のFET及び前記第2のFETと、
前記有効化信号に応答して出力をアサートするためのラッチ回路と、
前記第1のFETの前記ドレインと前記ラッチ回路の前記出力とに結合された第3のFETであって、前記ラッチ回路の前記出力のアサートに応答して、前記第3のFETは、前記メモリサブシステムへの電力を遮断するための信号を前記電源回路へ送ることを行う、前記第3のFETと
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記電力が遮断されることに応答して、前記ラッチ回路は、前記有効化信号の高電圧状態にラッチし、前記PWDIS信号が前記低電圧レベルに遷移するのを待機することを行い、前記PWDIS信号が前記低電圧レベルに遷移することに応答して、前記第1のFETの前記ドレインは、前記低電圧レベルに遷移することを行い、前記電力を回復するための信号を前記第3のFETに前記電源回路へ送らせることを行う、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
電力回復をトリガーするために前記低電圧レベルに遷移した場合に、前記PWDIS信号の立ち下がりエッジにデグリッチを提供するための、前記第1のFETの第1のゲートに結合された抵抗器及びコンデンサの組み合わせと、前記電力と前記第2のFETのドレインとの間の第2の抵抗器とを更に含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
ホストシステムのバスコネクタと電源回路とに結合された電力無効化回路と、前記バスコネクタ、前記電力無効化回路、及びメモリデバイスに動作可能に結合された処理デバイスとを含むシステムを動作させることであって、前記システムを動作させることは、
前記メモリデバイスの初期のパワーアップ中に、前記バスコネクタの電力無効化(PWDIS)信号の状態を無視することと、
前記メモリデバイスがパワーオンにされた後、前記PWDIS信号が高電圧レベルにある間に、前記バスコネクタの前記PWDIS信号の前記状態を前記処理デバイスが監視することと、
前記PWDIS信号が低電圧レベルに遷移することに応答して、前記PWDIS信号が前記低電圧レベルにある時間の長さが閾値基準を満たすか否かを判定することと、
前記PWDIS信号が前記低電圧レベルにある時間の前記長さが前記閾値基準を満たすことに応答して、前記処理デバイスが汎用入力/出力信号を用いて前記電力無効化回路を有効化すること
を含むこと
を含む、方法。
【請求項16】
前記システムを動作させることは、
PWDISが前記システムによってサポートされているか否かを判定することと、
PWDISが前記システムによって有効化されているか否かを判定するとと、
前記PWDISがサポートされ、有効化されていると判定することに応答して、前記PWDIS信号の前記状態の前記監視を有効化すること
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
タイマーを開始及び追跡することによって、前記PWDIS信号が前記低電圧レベルにある時間の前記長さを判定することを更に含み、前記閾値基準を前記満たすことは、前記タイマーが30~60秒に到達することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記システムを動作させることは、一旦有効化されると、前記電力無効化回路が、前記PWDIS信号が前記高電圧レベルに戻って遷移することに応答して、前記処理デバイス及び前記メモリデバイスへの電力を遮断するための信号を前記電源回路へ送ることを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記電力無効化回路は、相互に結合されたソースを備えた第1の電界効果トランジスタ(FET)及び第2のFETと、ラッチ回路と、前記第1のFETの前記ドレインと前記メモリデバイス及び前記処理デバイスとに結合された第3のFETとを含み、前記システムを動作させることは、
前記第1のFET及び前記第2のFETのゲート、並びに前記ラッチ回路の入力において前記PWDIS信号を受信することと、
前記第2のFETの第2のゲートにおける前記PWDIS信号のアサートされた入力に応答して、前記第1のFETのドレイン出力をフローティングのままにすることと、
前記汎用入力/出力信号に応答して前記ラッチ回路の出力をアサートすることと、
前記ラッチ回路の前記出力を前記アサートすることに応答して前記第3のFETによって、前記処理デバイス及び前記メモリデバイスへの電力を遮断するための信号を前記電源回路へ送ること
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記電力を遮断することに応答して、前記システムを動作させることは、
前記ラッチ回路を前記汎用入力/出力信号の高電圧状態にラッチすることと、
前記PWDIS信号が前記低電圧レベルに遷移するのを待機することと、
前記PWDIS信号が前記低電圧レベルに遷移することに応答して、前記第1のFETの前記ドレインにおける電圧を前記低電圧レベルに遷移させ、前記電力を回復するための信号を前記電源回路に信号を送るように前記第3のFETをトリガーすること
を更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、一般的に、メモリサブシステムに関し、より具体的には、メモリサブシステムの電力無効化に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリサブシステムは、データを蓄積する1つ以上のメモリデバイスを含み得る。メモリデバイスは、例えば、不揮発性メモリデバイス及び揮発性メモリデバイスであり得る。一般的に、ホストシステムは、メモリデバイスにデータを蓄積するため、及びメモリデバイスからデータを検索するためにメモリサブシステムを利用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示は、以下に与えられる詳細な説明から、及び開示の様々な実施形態の添付の図面から、より完全に理解されるであろう。
【0004】
図1A】開示の実施形態に従ったメモリサブシステムを含む例示的なコンピューティング環境を説明する。
図1B】開示の実施形態に従ったメモリサブシステム及び電力無効化回路を含むより詳細なコンピューティング環境を説明する。
図2】一実施形態に従ったメモリサブシステムの電力無効化をサポートするためのコントローラのファームウェアと電力無効化回路との間の相互作用を説明する方法のフローチャートである。
図3A】幾つかの実施形態に従った電力無効化回路の概略図である。
図3B】幾つかの実施形態に従った電力無効化回路の概略図である。
図3C】幾つかの実施形態に従った電力無効化回路の概略図である。
図4】一実施形態に従ったメモリサブシステムの電力無効化制御のための例示的な方法のフロー図である。
図5A】様々な実施形態に従ったメモリサブシステムの電力無効化制御のための例示的な方法のフロー図である。
図5B】様々な実施形態に従ったメモリサブシステムの電力無効化制御のための例示的な方法のフロー図である。
図6】本開示の実施形態が動作し得る例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示の態様は、メモリサブシステムの電源無効化をサポートするための回路及び関連するファームウェア機能に向けられている。メモリサブシステムは、ストレージデバイス、メモリモジュール、又はストレージデバイスとメモリモジュールとのハイブリッドであり得る。ストレージデバイス及びメモリモジュールの例は、図1Aに関連して以下に説明される。一般的に、ホストシステムは、1つ以上のメモリコンポーネント又はデバイスを含むメモリサブシステムを利用し得る。ホストシステムは、メモリサブシステムに蓄積されるデータを提供し、メモリサブシステムから検索されるデータをリクエストし得る。
【0006】
メモリサブシステムは、ホストシステムからのデータを蓄積し得る複数のメモリコンポーネント又はメモリデバイスを含み得る。シリアル及びパラレルATアタッチメント(例えば、SATA、PATA)に対するインターフェース等のバスコネクタでは、電力無効化機構は、サポート及び有効化される場合に、デバイス回路への電力を無効化するために使用され得る。例えば、SATAコネクタピン3(例えば、電力無効化(PWDIS)ピン)がTHNにより定義された数秒間ネゲートされ、その後アサートされた(THAによって定義された)場合、SATAソリッドステートドライブ(SSD)はパワーサイクルすべきである。表1は、例としてシリアルATAリビジョン3.3ゴールドに対するPWDISプロトコルを説明する。(既存の又は創出される)その他の電力無効化プロトコルが本開示により想定される。
【0007】
顧客は、主に、個々のメモリサブシステム、例えば、ストレージデバイス又はドライブへのオペレーターのアクセスを必要とせずにメモリサブシステムへの電力をリモートでオフにするために、このPWDIS機構を使用することに動機付けられる。この機構は、メモリサブシステムが望ましくない状態にあり、電力がオフにされ、又はパワーサイクルオンされる必要があり得る場合に、メモリサブシステムへの電力をリモートでオフ又は遮断するために使用され得る。メモリサブシステムとしてSSDへの言及が主になされるが、その他のメモリサブシステム又はデバイスの電力をリモートで無効化することが想定されている。メモリサブシステムからの電力をオフ又は遮断することは、図1A及び図1Bに説明するように、メモリサブシステムの処理デバイス及びメモリデバイスからの電力を切断することを含むと理解され得る。
【表1】
【0008】
幾つかの実施形態では、電力無効化機構は、メモリコントローラのファームウェアの実行とメモリサブシステム内に提供されるハードウェアとの組み合わせを介して有効化され得る。一実施形態では、ファームウェアは、PWDIS(又はP3ピン)信号及び関連するレジスタを監視する。PWDIS信号がサポートされ、PWDISがローであるタイミング要件が満たされている場合、例えば、コントローラに電力が供給されていない場合であってもメモリサブシステム又はデバイスをパワーオフしパワーバックアップする時期を検出するために、コントローラは、PWDIS信号の監視を更に実施するために電力無効化回路を有効化し得る。
【0009】
一実施形態では、システムは、メモリデバイスと、ホストシステムのバスコネクタに結合され、メモリサブシステムの少なくとも処理デバイス(例えば、コントローラ)及びメモリデバイスをパワーオン(及びオフ)にするように適合された電源回路に結合された電力無効化回路とを含み得る。処理デバイスは、バスコネクタ、電力無効化回路、及びストレージデバイスに動作可能に結合され得る。処理デバイスは、PWDIS信号が高電圧レベルにある間、(例えば、SATAのためのP3ピンにおいて)バスコネクタの電源無効化(PWDIS)信号の状態を監視するように適合され得る。PWDIS信号が低電圧レベルに向かうことに応答して、処理デバイスは、PWDIS信号が低電圧レベルにある時間の長さが閾値基準を満たしているか否かを判定するために、タイマー(又は同等のもの)を使用し得る。一実施形態では、(閾値基準を満たすための)時間のこの長さは、少なくとも30秒であるが、ベンダー又は実装に応じて、より長い期間(例えば、最大60秒以上)に延長し得る。処理デバイスは更に、PWDIS信号が低電圧レベルにある時間の長さが閾値基準を満たすことに応答して、汎用入力/出力信号(GPIO)を介して電力無効化回路を有効化し得る。
【0010】
様々な実施形態において、一旦有効化されると、電力無効化回路は、PWDIS信号が高電圧レベルに戻ることを監視し得、それに応答して、電力無効化回路は、メモリサブシステム、例えば、処理デバイス及びメモリデバイスへの電力を遮断することを行う。更に、メモリサブシステムの初期のパワーアップ中に、電力無効化回路は、PWDIS信号の状態を無視するように適合され得、したがって、レガシーメモリサブシステムが依然として用いられ得る。本明細書では“高電圧レベル”及び“低電圧レベル”に言及されるが、これらは、後で論じるように、更新されたロジックで逆にされ得る。
【0011】
本開示の利点は、メモリサブシステムの遠隔でパワーオフする、及び/又はパワーオフし、その後パワーバックオンする(例えば、パワーサイクルする)機能を含むが、これらに限定されない。開示する実施形態は、PWDISがサポート及び/又は有効化されないことがあるレガシーデバイスにおいてさえ、そうした電力遮断(又はサイクリング)を実施することを可能にする。このようにして、製造元又はオペレーターの要件に従って、様々なデバイス上で電力無効化機構が選択的に有効化され得る。その他の利点は、以下で論じるメモリサブシステムの電力無効化機構の当業者には明らかであろう。
【0012】
図1Aは、本開示の幾つかの実施形態に従ったメモリサブシステム110を含む例示的なコンピューティングシステム100Aを説明する。メモリサブシステム110は、1つ以上の揮発性メモリデバイス(例えば、メモリデバイス140)、1つ以上の不揮発性メモリデバイス(例えば、メモリデバイス130)、又はそれらの組み合わせ等の媒体を含み得る。各メモリデバイス130又は140は、1つ以上のメモリコンポーネントであり得る。
【0013】
メモリサブシステム110は、ストレージデバイス、メモリモジュール、又はストレージデバイスとメモリモジュールとのハイブリッドであり得る。ストレージデバイスの例は、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュドライブ、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ、組み込みマルチメディアコントローラ(eMMC)ドライブ、ユニバーサルフラッシュストレージ(UFS)ドライブ、セキュアデジタル(SD)カード、及びハードディスクドライブ(HDD)を含む。メモリモジュールの例は、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)、スモールアウトラインDIMM(SO-DIMM)、及び不揮発性デュアルインラインメモリモジュール(NVDIMM)を含む。
【0014】
コンピューティングシステム100Aは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットワークサーバ、モバイルデバイス、車両(例えば、航空機、ドローン、列車、自動車、又は他の輸送手段)、モノのインターネット(IoT)対応デバイス、組み込みコンピュータ(例えば、車両、産業用機器、若しくはネットワーク化された商用デバイス内に含まれるもの)、又はメモリ及び処理デバイスを含むそうしたコンピューティングデバイス等のコンピューティングデバイスであり得る。
【0015】
コンピューティングシステム100Aは、1つ以上のメモリサブシステム110に結合されたホストシステム120を含み得る。幾つかの実施形態では、ホストシステム120は、異なるタイプのメモリサブシステム110に結合される。図1Aは、1つのメモリサブシステム110に結合されたホストシステム120の一例を説明する。本明細書で使用するとき、“に結合される”又は“と結合される”は、一般的に、電気、光、及び磁気等の接続を含む、有線であるか無線であるかに関わらない、間接的通信接続又は(例えば、介在するコンポーネント又はデバイスがない)直接的通信接続であり得るコンポーネント又はデバイス間の接続を指す。
【0016】
ホストシステム120は、プロセッサチップセットと、プロセッサチップセットにより実行されるソフトウェアスタックとを含み得る。プロセッサチップセットは、1つ以上のコア、1つ以上のキャッシュ、メモリコントローラ(例えば、NVDIMMコントローラ)、及びストレージプロトコルコントローラ(例えば、PCIeコントローラ、SATAコントローラ)を含み得る。ホストシステム120は、例えば、メモリサブシステム110にデータを書き込むため、及びメモリサブシステム110からデータを読み出すためにメモリサブシステム110を使用する。
【0017】
ホストシステム120は、システムバス150を介して通信し得る物理ホストインターフェースを介してメモリサブシステム110に結合され得る。物理ホストインターフェースの例は、シリアルアドバンスドテクノロジーアタッチメント(SATA)インターフェース、ペリフェラルコンポーネントインターコネクトエクスプレス(PCIe)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、ファイバーチャネル、スモールコンピュータシステムインターフェース(SCSI)、シリアルアタッチドSCSI(SAS)、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)インターフェース(例えば、ダブルデータレート(DDR)をサポートするDIMMソケットインターフェース)等を含むが、これらに限定されない。物理ホストインターフェースは、ホストシステム120とメモリサブシステム110との間でデータを送信するために使用され得る。ホストシステム120は更に、メモリサブシステム110がPCIeインターフェースによりホストシステム120と結合される場合に、メモリコンポーネント(例えば、メモリデバイス130)にアクセスするために、NVMエクスプレス(NVMe)インターフェースを利用し得る。物理ホストインターフェースは、メモリサブシステム110とホストシステム120との間で制御、アドレス、データ、及びその他の信号を渡すためのインターフェースを提供し得る。
【0018】
メモリデバイスは、異なるタイプの不揮発性メモリデバイス及び/又は揮発性メモリデバイスの任意の組み合わせを含み得る。揮発性メモリデバイス(例えば、メモリデバイス140)は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)及び同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)等のランダムアクセスメモリ(RAM)であり得るが、これらに限定されない。
【0019】
不揮発性メモリデバイス(例えば、メモリデバイス130)の幾つかの例は、ネガティブand(NAND)タイプのフラッシュメモリ及び3次元クロスポイント(“3Dクロスポイント”)等のライトインプレースメモリである。不揮発性メモリのクロスポイントアレイは、スタック可能なクロスグリッドデータアクセスアレイと組み合わせて、バルク抵抗の変化に基づいてビットストレージを実施し得る。また、多くのフラッシュベースのメモリとは対照的に、クロスポイント不揮発性メモリは、不揮発性メモリセルを事前に消去することなく不揮発性メモリセルがプログラミングされ得るライトインプレース動作を実施し得る。
【0020】
メモリデバイス130の各々は、メモリセルの1つ以上のアレイを含み得る。1つのタイプのメモリセル、例えば、シングルレベルセル(SLC)は、セル毎に1ビットを蓄積し得る。マルチレベルセル(MLC)、トリプルレベルセル(TLC)、及びクアッドレベルセル(QLC)等のその他のタイプのメモリセルは、セル毎に複数ビットを蓄積し得る。幾つかの実施形態では、メモリデバイス130の各々は、SLC、MLC、TLC、QLC、又はそれらの任意の組み合わせ等のメモリセルの1つ以上のアレイを含み得る。幾つかの実施形態では、特定のメモリデバイスは、メモリセルのSLC部分、及びMLC部分、TLC部分、又はQLC部分を含み得る。メモリデバイス130のメモリセルは、データを蓄積するために使用されるメモリデバイスの論理ユニットを指し得るページとしてグループ化され得る。幾つかのタイプのメモリ(例えば、NAND)では、ページは、ブロックを形成するためにグループ化され得る。
【0021】
3Dクロスポイントタイプ及びNANDタイプのメモリ等の不揮発性メモリコンポーネントが説明されているが、メモリデバイス130は、リードオンリーメモリ(ROM)、相変化メモリ(PCM)、自己選択メモリ、その他のカルコゲナイドベースのメモリ、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FeRAM)、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)、ネガティブor(NOR)フラッシュメモリ、及び電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)等のその他のタイプの不揮発性メモリに基づき得る。
【0022】
メモリサブシステムコントローラ115(又は簡単にするためにコントローラ115)は、メモリデバイス130でのデータの読み出し、データの書き込み、又はデータの消去等の動作及びその他のそうした動作等の動作を実施するためにメモリデバイス130と通信し得る。メモリサブシステムコントローラ115は、1つ以上の集積回路及び/若しくはディスクリートコンポーネント、バッファメモリ、又はそれらの組み合わせ等のハードウェアを含み得る。ハードウェアは、本明細書に説明する動作を実施するための専用の(すなわち、ハードコードされた)ロジックを備えたデジタル回路を含み得る。メモリサブシステムコントローラ115は、マイクロコントローラ、特殊目的論理回路(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)等)、又はその他の適切なプロセッサであり得る。
【0023】
メモリサブシステムコントローラ115は、ローカルメモリ119内に蓄積された命令を実行するように構成されたプロセッサ117(例えば、処理デバイス)を含み得る。説明する例では、メモリサブシステムコントローラ115のローカルメモリ119は、メモリサブシステム110とホストシステム120との間の通信の処理を含む、メモリサブシステム110の動作を制御する様々なプロセス、動作、論理フロー、及びルーチンを実施するための命令を蓄積するように構成された組み込みメモリを含む。
【0024】
幾つかの実施形態では、ローカルメモリ119は、メモリポインタ、フェッチされたデータ等を蓄積するメモリレジスタを含み得る。ローカルメモリ119は、マイクロコードを蓄積するためのリードオンリーメモリ(ROM)をも含み得る。図1Aの例示的なメモリサブシステム110は、メモリサブシステムコントローラ115を含むものとして説明されているが、本開示の別の実施形態では、メモリサブシステム110は、メモリサブシステムコントローラ115を含まず、代わりに、(例えば、外部ホストによって、又はメモリサブシステムとは別のプロセッサ若しくはコントローラによって提供される)外部制御に依存し得る。
【0025】
一般的に、メモリサブシステムコントローラ115は、ホストシステム120からコマンド又は動作を受信し得、メモリデバイス130への所望のアクセスを達成するために、コマンド又は動作を命令又は適切なコマンドに変換し得る。メモリサブシステムコントローラ115は、ウェアレベリング動作、ガベージコレクション動作、エラー検出及びエラー訂正コード(ECC)動作、暗号化動作、キャッシング動作、並びにメモリデバイス130と関連付けられた論理アドレス(例えば、論理ブロックアドレス(LBA)、ネームスペース)と物理アドレス(例えば、物理ブロックアドレス)との間のアドレス変換等のその他の動作を担当し得る。メモリサブシステムコントローラ115は、物理ホストインターフェースを介してホストシステム120と通信するためのホストインターフェース回路を更に含み得る。ホストインターフェース回路は、ホストシステムから受信したコマンドをメモリデバイス130にアクセスにするためのコマンド命令に変換すると共に、メモリデバイス130と関連する応答をホストシステム120に対する情報に変換し得る。
【0026】
メモリサブシステム110はまた、説明されない追加の回路又はコンポーネントを含み得る。幾つかの実施形態では、メモリサブシステム110は、キャッシュ又はバッファ(例えば、DRAM)と、メモリサブシステムコントローラ115からアドレスを受信し得、メモリデバイス130にアクセスするためのアドレスをデコードし得るアドレス回路(例えば、行デコーダ及び列デコーダ)とを含み得る。
【0027】
幾つかの実施形態では、メモリデバイス130は、メモリデバイス130の1つ以上のメモリセル上で動作を実行するようにメモリサブシステムコントローラ115と連動して動作するローカル媒体コントローラ135を含む。外部コントローラ(例えば、メモリサブシステムコントローラ115)は、メモリデバイス130を外部で管理し(例えば、メモリデバイス130上で媒体管理動作を実施し)得る。幾つかの実施形態では、メモリデバイス130は、管理されたメモリデバイスであり、これは、同じメモリデバイスパッケージ内の媒体管理のためのローカルコントローラ(例えば、ローカルコントローラ135)と組み合わされた未加工なメモリデバイスである。管理されたメモリデバイスの例は、マネージドNAND(MNAND)デバイスである。
【0028】
幾つかの実施形態では、コントローラ115は、エラー訂正コード(ECC)エンコーダ/デコーダ111を含む。ECCエンコーダ/デコーダ111は、メモリデバイス130に書き込まれるデータに対するECCエンコードと、メモリデバイス130から読み出されたデータに対するECCデコードとを夫々実施し得る。ECCデコードは、未加工の読み出しデータのエラーを訂正するようにECCコードワードをデコードするために、及び多くの場合、未加工の読み出しデータ内のビットエラーの数を報告するためにも実施され得る。
【0029】
図1Bは、実施形態に従ったメモリサブシステム110及び電力無効化回路を含む、より詳細なコンピューティング環境100Bを説明する。開示する実施形態では、ホストシステム120は、コンピューティング環境110Bのバスコネクタ124に結合された物理ホストインターフェース122(上記参照)を含み得る。物理ホストインターフェース122の例は、シリアルアドバンスドテクノロジーアタッチメント(SATA)インターフェース、ペリフェラルコンポーネントインターコネクトエクスプレス(PCIe)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、ファイバーチャネル、シリアルアタッチドSCSI(SAS)等を含むが、これらに限定されない。物理ホストインターフェース122は、例えば、バスコネクタ124を介して、ホストシステム120とメモリサブシステム110との間でデータを送信するために使用され得る。
【0030】
コンピューティング環境100Bは、説明するように、電源回路160に結合された電力無効化回路150を更に含み得、それらの両方は、メモリサブシステム110に結合される。図3A図3Cを参照してより詳細に論じられるであろう電源回路160は、コントローラ115からの電力無効化信号(PWDIS)信号を監視するハンドオフを受信するために、コントローラ115から汎用入力/出力(GPIO)又はその他のイネーブル信号を受信するように適合され得る。電力無効化回路150は、それに応じて電源回路160をトリガーすることによって、メモリデバイス130又は140への電力のパワーオフ及び随意のサイクルバックオンを更に実施し得る。電源回路160は、したがって、電力無効化回路150からのパワーオン/オフ信号に応答し、それに応じてコントローラ115並びにメモリデバイス130及び/又は140への電力をオフに(又はバックオン)するように適合され得る。一実施形態では、電源回路160は、SSDアプリケーションのための高効率エネルギーストレージ及び管理ユニットであるMP5505である。
【0031】
コントローラ115は、バスコネクタ124からPWDIS信号の電圧レベルを検出するために、電力無効化コネクタ(PWDIS)モニタ113(又はPWDIS_CONNモニタ)を更に含み得る。該電圧レベルは、(例えば、一実施形態では高い)第1の電圧レベル又は(例えば、一実施形態では低い)第2の電圧レベルであり得る。これらは、現在のPWDISプロトコルの電圧レベルである。逆の電圧レベルに応答するようにロジックが更新(現在のプロトコルから変更)された場合、第1の電圧レベルは、第2の電圧レベルと逆にされ得る。したがって、本開示では、関連するとみなされ得るのは、バスコネクタ124を介してPWDIS信号で用いられるPWDISプロトコルに従った、詳細に論じられであろうような電圧レベル間の遷移である。PWDISコネクタモニタ113は、電源無効化の目的で電力無効化回路150を有効化又は活性化するためにGPIO(又はその他の)信号を電力無効化回路150へ送信する前にPWDIS信号が第2の又は低電圧のレベルにある時間を判定するために使用されるタイマー113Aを更に含み得、又は結合され得る。PWDISコネクタモニタ113及びタイマー113Aの機能は、後でより詳細に論じられるであろう。
【0032】
図2は、実施形態に従ったメモリサブシステムの電力無効化機構をサポートするための、コントローラのファームウェアと電力無効化回路との間の相互作用を説明する方法200のフローチャートである。方法200は、ハードウェア(例えば、処理デバイス、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、デバイスのハードウェア、集積回路等)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス上で実行(run)又は実行(execute)される命令)、又はそれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実施され得る。幾つかの実施形態では、方法200は、図1Aのコントローラ115(例えば、PWDISコネクタモニタ113)によって実施される。方法200のその他の部分は、電力無効化回路150によって、及び随意で電源回路160によっても実施され得る。特定のシーケンス又は順序で示されているが、特に明記しない限り、プロセスの順序は変更され得る。したがって、説明する実施形態は、ほんの一例として理解されるべきであり、説明するプロセスは異なる順序で実施され得、幾つかのプロセスは並行して実施され得る。また、様々な実施形態では、1つ以上のプロセスは省略され得る。したがって、あらゆる実施形態で全てのプロセスが必要とされるわけではない。その他のプロセスフローが可能である。
【0033】
図2を参照すると、動作202において、処理ロジックは、コールドパワーオン、例えば、メモリサブシステム110の初期のパワーアップを実施する。動作204において、処理ロジックは、メモリサブシステムが準備されていることを検出する。動作208において、処理ロジックは、例えば、ローカルレジスタ又はローカルメモリ119内に蓄積され得るコントローラ115からのPWDIS識別ビットを確認する。PWDIS識別ビットは、PWDISプロトコルがサポートされているか否か、サポートされる場合は有効化されているか否かを指し示し得る。動作210において、処理ロジックは、例えば、PWDIS識別ビットの状態に応じて、PWDISがサポートされているか否かを判定する。PWDISがサポートされていない場合、動作212において、処理ロジックは、(例えば、バスコネクタのP3ピンからの)PWDIS信号の状態を無視する。
【0034】
PWDISがサポートされている場合、動作214において、処理ロジックは、例えば、PWDIS識別ビットの状態に応じて、PWDISが有効化されているか否かを判定する。PWDISが有効化されていない場合、動作216において、処理ロジックは、PWDISが常に有効化されているか否かを判定する。PWDISが常に有効化されていない場合、動作212において、処理ロジックは、例えば、バスコネクタ124のP3ピンから来るPWDIS信号の状態を無視する。
【0035】
PWDISが有効化(動作214)又は常に有効化(動作216)されている場合、動作220において、処理ロジックは、PWDIS信号の監視を有効化する。PWDIS信号が監視される場合、動作224において、処理ロジックは、夫々、PWDIS信号電圧レベルが高いか、それとも低いか、例えば、第1の電圧レベルであるか、それとも第2の電圧レベルかを判定する。高電圧レベルにある場合、動作224において、処理ロジックは、PWDIS信号を監視し続ける。処理ロジックがPWDIS信号の低電圧レベルへの遷移を検出した場合、動作227において、処理ロジックは、PWDIS信号が低電圧レベルにある時間の長さが閾値基準を満たすか(例えば、30秒、40秒、60秒等に到達したか)否かを判定するために、タイマー118Aを使用する。PWDIS信号が低電圧レベルにある時間の長さが閾値基準を満たしている場合、動作230Aにおいて、処理ロジックは、電力無効化回路150を有効化するために、GPIO(又はその他の有効化)信号を送信する。
【0036】
図2を引き続き参照すると、動作230Bにおいて、電力無効化回路150は、GPIO又はその他の有効化信号を受信すると有効化される。動作235において、処理ロジックは、PWDIS信号がアサートされたか否かを判定する(例えば、表1を参照)。PWDIS信号が一旦アサートされると、動作240において、処理ロジックは、電力無効化回路に着信するPWDIS信号をある一定の数(例えば、少なくとも1、1.5、2、又はそれ以上)のマイクロ秒だけに遅延させる。このことは、着信するPWDIS信号のデグリッチを実施するためである。アサートされ、デグリッチ遅延に後続する場合、動作245において、処理ロジックは、電気ヒューズにおいて5ボルトの電源を遮断する。動作250において、処理ロジックは、例えば、コントローラ115(例えば、処理デバイス)及びメモリデバイス130又は140をパワーダウンするために、標準的電力損失ルーチンを実施する。動作250において、この標準的電力損失ルーティングは、コントローラ115及びメモリデバイス130又は140への電力の遮断を電源回路160に引き継がせるための信号を処理ロジックが電源回路160へ送信することを含み得る。コントローラ115のファームウェアが、GPIO信号を介した電力無効化回路150に対する監視をハンドオフするまで、電力無効化回路150は、PWDIS信号を無視し得る。
【0037】
図3A図3Cは、幾つかの実施形態に従った電力無効化回路150の概略図である。様々な実施形態において、電力無効化回路150は、(例えば、D型ラッチ又はその他のタイプのラッチであり得る)ラッチ回路U40、電界効果トランジスタ(FET)のセットQ1、電圧バッファU42、及び電圧スーパーバイザーU43を含む。一実施形態では、ラッチ回路U40は、PWDIS信号(例えば、図3AのPWDIS_CONN)がアサートされることに応答してストレージデバイス130又は140が無電力モードになった場合に、高電圧レベルにあるPWDISイネーブル(PWDIS_EN)GPIO出力信号をラッチする。その結果、電力無効化回路150は、電力がコントローラ115から除去され、したがって、そのGPIOが低電圧レベルに移行したとしても、電力が供給され、有効化されたままであり得る。結果として、電力無効化回路150は、PWDIS信号に直接反応し得、PWDIS信号が(表1による高電圧レベルに)アサートされたままである限り電力を切断したままにし得、PWDIS信号が(表1により低電圧レベルに)ネゲートされると直ぐにストレージデバイス130に電力を回復し得る。
【0038】
開示する実施形態では、ラッチ回路U40のPGIN信号は、入力電力が許容可能な閾値以下であることを指し示す電源回路160(図1B)からの電力良好信号を参照する。
【0039】
電力無効化回路150の様々な実施形態では、ラッチ回路U40へのラッチ有効化(LE)及びD入力は2.85V信号レベルであるので、VCCがVIHレベルを許容範囲よりも上に設定し得るため、VCCは5V_CONNに直接接続されない。電力無効化回路150は、この問題に対処するために、5Vから3Vまでの分圧器(R150/R151)を更に含み得る。ラッチ回路U40から引き出される電流は、(例えば、47.5kオームであり得る)R221により約70マイクロアンペアに制限されるので、何らかの電流/抵抗(IR)の低下の問題が発生すると予想され、したがって、コンデンサC278は、信号遷移中の電荷と共にノイズデカップリングを提供するために配置される。
【0040】
開示する実施形態では、抵抗器(R41+R65)及びコンデンサC277は、電力回復中にPWDIS_CONN信号の立ち下がりエッジ上にデグリッチ遅延(例えば、RC遅延)を提供し得る。更に、抵抗器R65及びコンデンサC277は、電力シャットダウン中にPWDIS信号(例えば、図3AのPWDIS_CONN)の立ち上がりエッジ上でデグリッチ遅延を提供し得る。電力回復及びパワーダウンシーケンスは、5V_CONN_EN信号をアサート/デアサートすることによってトリガーされ得、この信号は、電源回路160(図1B)をトリガーするために電気ヒューズ(EFUSE)のイネーブル信号を制御する。
【0041】
電力無効化回路150は、コンポーネントQ1内に(第1のゲートG1、第1のドレインD1、及び第1のソースS1を備えた)第1のFETと(第2のゲートG2、第2のドレインD2、及び第2のソースS2を備えた)第2のFETとを含む電界効果トランジスタ(FET)のセットを更に含み得、第1及び第2のFETのソースは相互に結合される。PWDIS信号(例えば、PWDIS_CONN)は、第1及び第2のFETの第1及び第2のゲートにおいて受信され得る。第3のFET(Q3)は、ラッチ回路U40の出力(ピンQ)及び第1のFETの第1のドレインに結合されたゲートを有し得る。電力無効化回路150は、初回又は初期のパワーアップ中にPWDIS信号の状態を無視し得る。したがって、本明細書に開示するメモリサブシステム110に従って設計されたSSDは、電源無効化機構をもサポートしないホストにプラグインされ得る。
【0042】
開示する実施形態では、以前に説明したように電力無効化回路150が一旦有効化されると、電力無効化回路150は、PWDIS信号(例えば、図3AのPWDIS_CONN)が高電圧レベルになるのを監視し得る。第3の電界効果トランジスタ(FET)Q3のゲートは、電源回路160に信号を送るため、並びにコントローラ115及びメモリデバイス130又は140への電力をオフ(又は遮断)するために、高電圧レベルにある。PWDIS信号が(例えば、低電圧レベルに)ローになるまで、又はローである間に、第1のFETの第1のドレインは(例えば、第2の電圧レベルに)ローにある。このことは、第3のFET Q3のゲートがローにあり、したがって、電力が遮断されないことを意味する。PWDIS信号が(例えば、第1の又は高電圧レベルまで)ハイに一旦遷移すると、第1のFETの第1のドレインはフローティングのままである。コントローラ115は、GPIO信号を用いてピンQが現在有効化されているので、ラッチ回路U40の出力(ピンQ)はハイであり得る。このことは、第3のFET Q3のゲートがハイであり、したがって、例えば、電力を遮断するための信号を電源回路160へ送ることを介して電力が現在遮断されていることを意味する。電力が一旦遮断されると、コントローラ115からのGPIO信号も失われる。
【0043】
様々な実施形態では、電力が遮断されるが、ラッチ回路U40は、以前の状態(例えば、高電圧レベル)にラッチし得、PWDIS信号がローに、例えば、低電圧レベルに遷移するのを待機し得る。PWDIS信号が低電圧レベルに一旦遷移すると、Q1内の第1のFETの第1のドレインも低電圧レベルに遷移する。このことは、第3のFET Q3のゲートが再び低電圧レベルに遷移し、したがって、電力がコントローラ115及びストレージデバイス130に再接続される(例えば、サイクルバックオンされる)ことを意味する。
【0044】
電力無効化回路150のコンポーネントのその他の値は、異なる実装に対して、例えば、異なるストレージデバイス130又は140に対して異なる電圧レベルを適合させるために用いられ得る。論じたように、3Aの回路は、第1の又は高電圧のレベルが第2の又は低電圧のレベルと逆にされる逆ロジックのために更新され得る。図3A図3Bの実装は、5ボルトの入力の実装用であるが、別のそうした異なる実装は、3.3電圧の入力等に適合させられ得る。
【0045】
図3Bを参照すると、電力無効化回路150は、PGIN信号が高電圧レベルになった後、VCCを通じてラッチ回路U40に電力を供給する電圧スーパーバイザーU43を含み得、これは、ラッチ回路U40が既知の状態に上昇することを可能にするであろう。PGINが上昇する前にラッチ回路のパワーアップされている場合、Dラッチは、例えば、フローティング入力に起因して、未知の又は未判定の状態に出力する。電圧スーパーバイザーU43は、PWDIS信号の状態に関係なく、コントローラ115及びストレージデバイス130をパワーアップすることを可能にする。
【表2】
【0046】
より具体的には、正味のPGIN信号は、電源回路160から到来し得、ストレージデバイス130への入力電力が一旦安定すると、高電圧レベルに遷移し得る。安定するまでに約100ミリ秒かかり得る。電圧スーパーバイザーU43は、ラッチ回路U40がその後パワーアップされる約200ミリ秒の遅延を提供し得る。ラッチ回路U40が電力を供給された場合、PGIN信号はハイになるであろうし、コントローラからのGPIOはローになるであろう。このことは、ラッチ回路U40のピンQにおける出力がローになるであろうし、メモリサブシステム110が、PWDIS信号(例えば、図3AのPWDIS_CONN)の状態に関係なくオンになることを意味する。電圧スーパーバイザーU43を使用せずに、ホスト側でPWDIS信号が誤ってハイになった場合、ストレージデバイス130は最初にパワーアップしないことがある。
【0047】
図3Cを参照すると、3.3ボルトシステムでは、負荷スイッチS4は、第3のFET Q3と電源回路160との間に配置され得、これは、幾つかの実施形態では、SSDアプリケーションに対するMP5505又はその他の高効率エネルギーストレージ及び管理ユニットを含み得る。MP5505コンポーネントは、本明細書で論じるように、閾値基準を満たす時間の長さに渡ってネゲートされた後にPWDIS信号が一旦アサートされると、コントローラ115及びメモリデバイス130又は140をオフにする。表2は、PWDIS信号(PWDIS_CONN)、コントローラ115からのPWDISイネーブル信号(PWDIS_EN)、電源回路160のラッチイネーブル信号(LATCH_EN)、ラッチアウト信号(LATCH_OUT)、及び電子ヒューズイネーブル信号(EFUSE_EN)と関連付けられるものを含む、様々な信号の値及び機能を説明する真理値表を有する。
【0048】
図4は、実施形態に従ったメモリサブシステム110の電力無効化制御のための例示的な方法400のフロー図である。方法400は、ハードウェア(例えば、処理デバイス、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、デバイスのハードウェア、集積回路等)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス上で実行又は実行される命令)、又はそれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実施され得る。幾つかの実施形態では、方法400は、図1Aのコントローラ115(例えば、PWDISコネクタモニタ113)によって実施される。特定のシーケンス又は順序で示されているが、特に指定がない限り、プロセスの順序は変更され得る。したがって、説明する実施形態は、ほんの一例として理解されるべきであり、説明するプロセスは異なる順序で実施され得、幾つかのプロセスは並行して実施され得る。また、様々な実施形態では、1つ以上のプロセスは省略され得る。したがって、あらゆる実施形態で全てのプロセスが必要とされるわけではない。その他のプロセスフローが可能である。
【0049】
図4を参照すると、動作410において、処理ロジックは、バスコネクタ124の電力無効化(PWDIS)信号の状態を無視する。動作415において、メモリデバイス130又は140がパワーオンにされた後、処理ロジックは、PWDIS信号が第1の又は高電圧のレベルにある間にバスコネクタ124のPWDIS信号の状態を監視する。この高電圧レベルは、約2.1ボルト~3.6ボルト等の電圧範囲であると理解され得る。以前に論じたように、処理ロジックが反対の電圧レベルによってトリガーされるように更新された場合、この第1の電圧レベルは低電圧レベルであり得、第2の電圧レベルへの遷移は低電圧レベルから高電圧レベルへの遷移であり得る。本説明の目的のために、及び表1のPWDISプロトコルに従って、PWDIS信号は、パワーオフ信号を指し示し得る低電圧レベルへの遷移に対して、高電圧レベルでまず監視されると推定される。
【0050】
図4を引き続き参照すると、動作420において、処理ロジックは、PWDIS信号が第2の又は低電圧のレベルに遷移したか否かを検出する。低電圧レベルはまた、約-0.5ボルト~0.7ボルト等の電圧レベルの範囲であり得る。遷移が発生しなかった場合、動作415において、処理ロジックは、第2の又は低電圧のレベルへの遷移を監視し続ける。低電圧レベルへの遷移が発生した場合、動作430において、処理ロジックは、PWDIS信号が低電圧レベルにある時間の長さが閾値基準を満たすか否かを判定する。閾値基準を満たすために、時間の長さは、PWDISネゲートホールド時間(THN)として表1に説明されているPWDISプロトコルに対しては少なくとも30秒であるが、30~60秒以上等、より長くし得る。異なる電力無効化プロトコルのために設計された場合、時間の長さは30秒未満(例えば、15秒)でさえあり得る。処理ロジックは、PWDIS信号が第2の又は低電圧のレベルにある時間を追跡するためにタイマー又はその他のクロックロジックを使用し得る。
【0051】
様々な実施形態において、時間の長さが閾値基準を満たす前にPWDIS信号が高電圧レベルに戻って遷移する場合、動作415において、処理ロジックは、PWDIS信号を監視し続ける。PWDIS信号が低電圧レベルにある時間の長さが閾値基準を満たしている場合、動作435において、処理ロジックは、GIPO又はその他の有効化信号を介して電力無効化回路150を有効化する。電力無効化回路150が一旦有効化されると、電力無効化回路150は、監視することを引き継ぎ得、PWDIS信号が第1の又は高電圧レベルに戻って遷移することに応答して、処理デバイス及びメモリデバイスへの電力を遮断するための信号を電源回路160へ送る。これを行うための一実施形態が図3Aに説明され、プロセスフローは、図5Bを参照してより詳細に論じられる。
【0052】
図5Aは、様々な実施形態に従ったメモリサブシステム110の電力無効化制御のための例示的な方法500Aのフロー図である。方法500Aは、ハードウェア(例えば、処理デバイス、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、デバイスのハードウェア、集積回路等)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス上で実行又は実行される命令)、又はそれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実施され得る。幾つかの実施形態では、方法500Aは、図1Aのコントローラ115(例えば、PWDISコネクタモニタ113)によって実施される。特定のシーケンス又は順序で示されているが、特に指定がない限り、プロセスの順序は変更され得る。したがって、説明する実施形態は、ほんの一例として理解されるべきであり、説明するプロセスは異なる順序で実施され得、幾つかのプロセスは並行して実施され得る。また、様々な実施形態では、1つ以上のプロセスが省略され得る。したがって、あらゆる実施形態で全てのプロセスが必要とされるわけではない。その他のプロセスフローが可能である。
【0053】
図5Aを参照すると、動作510において、処理ロジックは、PWDIS信号が高電圧レベルにある間に、バスコネクタ124の電力無効化(PWDIS)信号の状態を監視する。この高電圧レベルは、約2.1ボルト~3.6ボルト等の電圧範囲であると理解され得るが、その他の電圧範囲が想定される。動作515において、処理ロジックは、PWDIS信号が低電圧レベルに遷移したか否かを判定する。低電圧レベルもまた、約-0.5ボルト~0.7ボルト等の電圧レベルの範囲であり得るが、その他の電圧範囲が想定される。Noである場合、動作510において、処理ロジックは、PWDIS信号の状態を監視し続ける。Yesである場合、動作520において、処理ロジックは、PWDIS信号が低電圧レベルに留まっている時間を追跡するために、タイマー113Aを開始する。
【0054】
図5Aを引き続き参照すると、動作530において、処理ロジックは、タイマー113Aが閾値基準(例えば、一実施形態では30秒、別の実施形態では45秒、又は更に別の実施形態では60秒等)を満たす時間の長さに到達したか否かを判定する。タイマー113Aが閾値基準を満たさない場合、動作510において、処理ロジックは、PWDIS信号レベルの状態を監視し続ける。タイマー113Aが閾値基準を満たした場合、動作535において、処理ロジックは、GPIO(又はその他の有効化)信号を介して電力無効化回路150を有効化する。電力無効化回路150が一旦有効化されると、電力無効化回路150は、監視することを引き継ぎ得、PWDIS信号が第1の又は高電圧レベルに戻って遷移することに応答して、処理デバイス及びメモリデバイスへの電力を遮断するための信号を電源回路160へ送る。この機能は、例として図5Bを参照してより詳細に論じられる。
【0055】
図5Bは、様々な実施形態に従ったメモリサブシステム110の電力無効化制御のための例示的な方法500Bのフロー図である。方法500Bは、ハードウェア(例えば、処理デバイス、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、デバイスのハードウェア、集積回路等)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス上で実行又は実行される命令)、又はそれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実施され得る。幾つかの実施形態では、方法500Bは、図1Aの電力無効化回路150によって実施される。特定のシーケンス又は順序で示されているが、特に指定がない限り、プロセスの順序は変更され得る。したがって、説明する実施形態は、ほんの一例として理解されるべきであり、説明するプロセスは異なる順序で実施され得、幾つかのプロセスは並行して実施され得る。また、様々な実施形態では、1つ以上のプロセスが省略され得る。したがって、あらゆる実施形態で全てのプロセスが必要とされるわけではない。その他のプロセスフローが可能である。
【0056】
図5Bを参照すると、動作540において、処理ロジックは、ストレージデバイスの初期のパワーアップに応答してPWDIS信号の状態を無視する。初期のパワーアップ中にPWDISの状態を無視することは、開示する電力無効化機構をサポートすることを意図しないレガシーメモリサブシステム110において開示する電力無効化回路150の使用を可能にし得る(PWDISのサポート/有効化の確認については図2を参照)。動作542において、処理ロジックは、第1のFET及び第2のFETのゲートにおいて、並びにラッチ回路U40の入力においてPWDIS信号を受信する。
【0057】
様々な実施形態において、動作545において、処理ロジックは、そのソースが第1のFETのソースと相互に結合されている第2のFETの第2のゲートにおいて(PWDIS信号からの)アサートされた入力に応答して第1のFETのドレインをフローティングさせる。動作550において、処理ロジックのラッチ回路U40は、コントローラ115からのGPIO(又はその他の有効化)信号の入力に応答して出力をアサートする(図4及び図5Aを参照)。動作555において、処理ロジックの第3のFET(Q3)は、ラッチ回路の出力のアサートに応答して、メモリサブシステム110、例えば、コントローラ115及びメモリデバイス130又は140への電力を遮断するための信号を電源回路へ送る。図3Aを参照して論じたように、第3のFET(Q3)は、ラッチ回路U40の出力(ピンQ)及びコンポーネントQ1内の第1のFETの第1のドレイン(D1)に結合された、そのゲートを有し得る。第3のFETの第3のソース(S3)はグランドに結合され、第3のFETの第3のドレイン(D3)は、電源回路160、例えば、SSDアプリケーションのための高効率エネルギーストレージ及び管理ユニットであるMP5505に結合される。
【0058】
図5Bを引き続き参照すると、動作560において、処理ロジックのラッチ回路U40は、GPIO信号の高電圧状態をラッチし、PWDIS信号が低電圧レベルに遷移するのを待機する。このことは、コントローラ115への電力が遮断された後のGPIO(又はその他の有効化)信号の最後の状態を電力無効化回路150が知ることを可能にする。動作565において、処理ロジックの第3のFET(Q3)は、PWDIS信号が低電圧レベルに遷移することに応答して、コントローラ115及びメモリデバイス130又は140への電力を回復し、このことは、第1のFETのドレインを低電圧レベルに戻して遷移させ、第3のFETをオンに戻す。
【0059】
図6は、本明細書で論じる方法の内の何れか1つ以上をマシンに実施させるための命令のセットが実行され得るコンピュータシステム600の例示的なマシンを説明する。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム600は、メモリサブシステム(例えば、図1A図1Bのメモリサブシステム110)を含む、結合される、又は利用するホストシステム(例えば、図1A図1Bのホストシステム120)に対応し得、又は(例えば、図1BのPWDIS_CONNモニタ113に対応する動作を実施するためのオペレーティングシステムを実行するために)コントローラ115の動作を実施するために使用され得る。代替の実施形態では、マシンは、LAN、イントラネット、エクストラネット、及び/又はインターネット内の他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)され得る。マシンは、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境内のピアマシンとして、又はクラウドコンピューティングインフラストラクチャ若しくは環境内のサーバー若しくはクライアントマシンとして、クライアント-サーバーネットワーク環境内のサーバー又はクライアントマシンの性能で動作し得る。
【0060】
マシンは、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバー、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又は該マシンによって実行されるアクションを指定する命令のセット(シーケンシャル又はその他)を実行可能な任意のマシンであり得る。更に、単一のマシンが説明されているが、用語“マシン”はまた、本明細書で論じる方法の内の何れか1つ以上を実施するための命令のセット(又は複数のセット)を個々に又は共同で実行するマシンの任意の集合を含むと解釈されるべきである。
【0061】
例示的なコンピュータシステム600は、処理デバイス602、メインメモリ604(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期型DRAM(SDRAM)又はランバスDRAM(RDRAM)等のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)等)、静的メモリ606(例えば、フラッシュメモリ、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)等)、及びデータストレージシステム618を含み、これらは、バス630を介して相互に通信する。
【0062】
処理デバイス602は、マイクロプロセッサ又は中央処理デバイス等の1つ以上の汎用処理デバイスを表す。より具体的には、処理デバイスは、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、又はその他の命令セットを実装するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであり得る。処理デバイス602はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はネットワークプロセッサ等の1つ以上の専用処理デバイスであり得る。処理デバイス602は、本明細書で論じる動作及びステップを実施するための命令626を実行するように構成される。コンピュータシステム600は、ネットワーク620を介して通信するためのネットワークインターフェースデバイス608を更に含み得る。
【0063】
データストレージシステム618は、本明細書に説明する方法又は機能の内の何れか1つ以上を具体化する命令626又はソフトウェアの1つ以上のセットが蓄積されるマシン可読ストレージ媒体624(コンピュータ可読媒体としても知られる)を含み得る。命令626はまた、完全に又は少なくとも部分的に、コンピュータシステム600によるその実行中にメインメモリ604内及び/又は処理デバイス602内に常駐し得、メインメモリ604及び処理デバイス602もまたマシン可読ストレージを構成する。マシン可読ストレージ媒体624、データストレージシステム618、及び/又はメインメモリ604は、図1A図1Bのメモリサブシステム110に対応し得る。
【0064】
一実施形態では、命令626は、エラー判定コンポーネント(例えば、図1BのPWDIS_CONNモニタ113)に対応する機能を実装するための命令を含む。マシン可読ストレージ媒体624は、例示的な実施形態では単一の媒体であることが説明されているが、用語“非一時的マシン可読ストレージ媒体”は、命令の1つ以上のセットを蓄積する単一の媒体又は複数の媒体を含むと解釈されるべきである。用語“マシン可読ストレージ媒体”はまた、マシンによる実行のための命令のセットを蓄積又はエンコードすることが可能であり、本開示の方法の内の何れか1つ以上をマシンに実施させる任意の媒体を含むと解釈されるべきである。したがって、用語“マシン可読ストレージ媒体”は、それに応じて、固体メモリ、光学媒体、及び磁気媒体を含むがこれらに限定されないと解釈されるであろう。
【0065】
前述の詳細な説明の内の幾つかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する動作のアルゴリズム及び記号表現の観点で提示されている。これらのアルゴリズムの説明及び表現は、データ処理技術の当業者が彼らの仕事の実体を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用される方法である。アルゴリズムはここにあり、一般的に、所望の結果につながる自己矛盾のない一連の動作であると考えられる。動作は、物理量の物理的操作を必要とする動作である。通常、必ずしもそうとは限らないが、これらの量は、蓄積、結合、比較、及びその他の方法で操作されることが可能な電気又は磁気信号の形式をとる。主に一般的な使用の理由のため、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、又は数値等と称することが便利であると裏付けられている。
【0066】
しかしながら、これらの及び類似の用語の内の全ては、適切な物理量と関連付けられるべきであり、これらの量に適用される単なる便利なラベルであることに留意すべきである。本開示は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はその他のそうした情報ストレージシステム内の物理量として同様に表されるその他のデータに変換する、コンピュータシステム又は同様の電子コンピューティングデバイスの作用及びプロセスを指し得る。
【0067】
本開示はまた、本明細書の動作を実施するための装置に関する。この装置は、意図された目的のために特別に構築され得、又はコンピュータ内に蓄積されたコンピュータプログラムにより選択的に起動又は再構成される汎用コンピュータを含み得る。こうしたコンピュータプログラムは、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、及び磁気光学ディスクを含む任意のタイプのディスク、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気若しくは光カード、又は電子命令を蓄積するのに適した任意のタイプの媒体等を含むがこれらに限定されないコンピュータ可読ストレージ媒体内に蓄積され得、各々は、コンピュータシステムバスに結合される。
【0068】
本明細書に提示するアルゴリズム及びディスプレイは、任意の特定のコンピュータ又はその他の装置に本質的に関連しない。本明細書の教示に従ったプログラムを用いて様々な汎用システムが使用され得、又は該方法を実施するためのより特殊な装置を構築することが便利であると裏付けられ得る。これらの様々なシステムに対する構造は、以下の説明に記載するように現れるであろう。また、本開示は、何れの特定のプログラミング言語に言及して説明されない。本明細書に説明するような開示の教示を実装するために様々なプログラミング言語が使用され得ることが理解されるであろう。
【0069】
本開示は、本開示に従ったプロセスを実施するためにコンピュータシステム(又はその他の電子デバイス)をプログラミングするために使用され得る、命令をその上に蓄積しているマシン可読媒体を含み得るコンピュータプログラム製品又はソフトウェアとして提供され得る。マシン可読媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)によって可読な形式で情報を蓄積するための任意のメカニズムを含む。幾つかの実施形態では、マシン可読(例えば、コンピュータ可読)媒体は、リードオンリーメモリ(“ROM”)、ランダムアクセスメモリ(“RAM”)、磁気ディスクストレージ媒体、光ストレージ媒体、フラッシュメモリコンポーネント等のマシン(例えば、コンピュータ)可読ストレージ媒体を含む。
【0070】
前述の明細書において、開示の実施形態は、その特定の例示的な実施形態に言及して説明されている。以下の特許請求の範囲に記載されるように、開示の実施形態のより広い精神及び範囲から逸脱することなく、それらに様々な修正がなされ得ることは明らかであろう。明細書及び図面は、したがって、限定的な意味ではなく、例示的な意味でみなされるべきである。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
ホストシステム120は、システムバスを介して通信し得る物理ホストインターフェースを介してメモリサブシステム110に結合され得る。物理ホストインターフェースの例は、シリアルアドバンスドテクノロジーアタッチメント(SATA)インターフェース、ペリフェラルコンポーネントインターコネクトエクスプレス(PCIe)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、ファイバーチャネル、スモールコンピュータシステムインターフェース(SCSI)、シリアルアタッチドSCSI(SAS)、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)インターフェース(例えば、ダブルデータレート(DDR)をサポートするDIMMソケットインターフェース)等を含むが、これらに限定されない。物理ホストインターフェースは、ホストシステム120とメモリサブシステム110との間でデータを送信するために使用され得る。ホストシステム120は更に、メモリサブシステム110がPCIeインターフェースによりホストシステム120と結合される場合に、メモリコンポーネント(例えば、メモリデバイス130)にアクセスするために、NVMエクスプレス(NVMe)インターフェースを利用し得る。物理ホストインターフェースは、メモリサブシステム110とホストシステム120との間で制御、アドレス、データ、及びその他の信号を渡すためのインターフェースを提供し得る。
【国際調査報告】