(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(54)【発明の名称】正方形離間電極を有する心臓マッピングカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523928
(86)(22)【出願日】2020-10-19
(85)【翻訳文提出日】2022-05-31
(86)【国際出願番号】 IB2020059797
(87)【国際公開番号】W WO2021079246
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バス・シュバユ
(72)【発明者】
【氏名】トビー・ダスティン・アール
(72)【発明者】
【氏名】フォーリー・ジョン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フエンテス-オルテガ・セサル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK12
4C160KK38
4C160MM38
(57)【要約】
装置は、カテーテルシャフトアセンブリとエンドエフェクタとを含む。エンドエフェクタは、複数のストリップと複数の電極とを含む。ストリップは、第1の構成においてカテーテルシャフトアセンブリの外側シース内に収まるように構成されている。ストリップは、外側シースの遠位端に対して遠位に露出されるときに、第2の構成においてカテーテルシャフトアセンブリによって規定される長手方向軸から離れて外向きに拡張するように構成されている。電極は、ストリップのうちの少なくともいくつかの上に配置されている。電極は、4つの電極の各グループが実質的に正方形の構成を画定するように、互いに対して位置決めされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)近位端と遠位端とを有するカテーテルシャフトアセンブリであって、長手方向軸を規定し、遠位端を有する外側シースを含むカテーテルシャフトアセンブリと、
(b)前記カテーテルシャフトアセンブリの前記遠位端に関連付けられたエンドエフェクタであって、
(i)複数のストリップであって、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成されており、前記第1の構成において前記外側シース内に収まるように構成されており、前記外側シースの前記遠位端に対して遠位に露出されるときに、前記第2の構成において前記長手方向軸から離れて外向きに拡張するように構成されている、複数のストリップと、
(ii)前記ストリップのうちの少なくともいくつかの上に配置された複数の電極であって、4つの前記電極の各グループが、概ね実質的に正方形の構成を画定するように、互いに対して位置決めされている、複数の電極と、を含むエンドエフェクタと、を備える、装置。
【請求項2】
前記エンドエフェクタは、複数の電極アセンブリを更に備え、各電極アセンブリは、前記複数のストリップのうちの1組のストリップと、前記複数の電極のうちの対応する1組の電極と、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記エンドエフェクタは長手方向軸を規定し、前記電極アセンブリは、前記長手方向軸を中心として互いから角度的に離間している、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
ストリップの各組は、互いに平行である複数のストリップを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
4つの電極の各グループは、
(A)第1の電極と、
(B)第1の次元に沿って第1の距離だけ前記第1の電極から離間した第2の電極と、
(C)第2の次元に沿って前記第1の距離だけ前記第2の電極から離間した第3の電極であって、前記第2の次元は、前記第1の次元に対して垂直である、第3の電極と、
(D)前記第1の次元に沿って前記第1の距離だけ前記第3の電極から離間した第4の電極であって、前記第2の次元に沿って前記第1の距離だけ前記第1の電極から更に離間している、第4の電極と、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の電極及び前記第2の電極は長手方向軸に沿って配置され、前記第1の次元は前記長手方向軸と平行であり、前記第2の次元は前記長手方向軸に対して垂直である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の電極及び前記第3の電極は長手方向軸に沿って配置され、前記第1の次元は前記長手方向軸に対して斜めに配向され、前記第2の次元は前記長手方向軸に対して斜めに配向されている、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記複数のストリップのうちの第1のストリップに沿って配置されている、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記複数のストリップのうちの第2のストリップに沿って配置されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の電極及び前記第3の電極は、前記複数のストリップのうちの第1のストリップに沿って配置されている、請求項5に記載の装置。
【請求項11】
前記第2の電極は、前記複数のストリップのうちの第2のストリップ上に配置されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第4の電極は、前記複数のストリップのうちの第3のストリップ上に配置されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記電極は双極対として配列され、前記双極対は、4つの前記電極対の各グループが実質的に正方形の構成を画定するように、互いに対して位置決めされている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ストリップは、前記外側シースの前記遠位端に対して遠位に露出されたことに応答して、前記第2の構成において前記長手方向軸から離れて外向きに拡張するように弾性的に付勢されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
各ストリップは、可撓性の本体に一体化された、又は固定された少なくとも1つの弾性特徴部を含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記エンドエフェクタはバルーンを更に含み、前記バルーンは、前記ストリップを前記第2の構成へと促すように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記電極は、組織内の電位を感知するように構成された少なくとも一対の双極感知電極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記電極は、少なくとも1つのアブレーション電極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
(a)近位端と遠位端とを有するカテーテルシャフトアセンブリであって、長手方向軸を規定し、遠位端を有する外側シースを含むカテーテルシャフトアセンブリと、
(b)前記カテーテルシャフトアセンブリの前記遠位端に関連付けられたエンドエフェクタであって、
(i)複数のストリップであって、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成されており、前記第1の構成において前記外側シース内に収まるように構成されており、前記外側シースの前記遠位端に対して遠位に露出されるときに、前記第2の構成において前記長手方向軸から離れて外向きに拡張するように構成されている、複数のストリップと、
(ii)前記ストリップのうちの少なくともいくつかの上に配置された複数の電極であって、4つの前記電極の各グループが、
(A)第1の電極と、
(B)第1の次元に沿って第1の距離だけ前記第1の電極から離間した第2の電極と、
(C)第2の次元に沿って前記第1の距離だけ前記第2の電極から離間した第3の電極であって、前記第2の次元は、前記第1の次元に対して垂直である、第3の電極と、
(D)前記第1の次元に沿って前記第1の距離だけ前記第3の電極から離間した第4の電極であって、前記第2の次元に沿って前記第1の距離だけ前記第1の電極から更に離間している、第4の電極と、を含むように、互いに対して位置決めされている、複数の電極と、を含むエンドエフェクタと、を備える、装置。
【請求項20】
(a)近位端と遠位端とを有するカテーテルシャフトアセンブリであって、長手方向軸を規定し、遠位端を有する外側シースを含むカテーテルシャフトアセンブリと、
(b)前記カテーテルシャフトアセンブリの前記遠位端に関連付けられたエンドエフェクタであって、
(i)複数のストリップであって、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成されており、前記第1の構成において前記外側シース内に収まるように構成されており、前記外側シースの前記遠位端に対して遠位に露出されるときに、前記第2の構成において前記長手方向軸から離れて外向きに拡張するように構成されている、複数のストリップと、
(ii)前記ストリップのうちの少なくともいくつかの上に配置された複数の電極であって、2つの垂直方向において同じ距離だけ互いから離間している、複数の電極と、を含むエンドエフェクタと、を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、2019年10月23日に出願された米国特許仮出願第62/924,832号、発明の名称「Cardiac Mapping Catheter with Square-Spaced Electrodes」(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
心房細動などの心不整脈は、心臓組織の領域が電気信号を異常に伝導するときに発生する。不整脈を治療するための処置には、そのような信号の伝導経路を外科的に破壊することが含まれる。エネルギー(例えば、高周波(radiofrequency、RF)エネルギー)を印加することによって心臓組織を選択的にアブレーションすることにより、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正することが可能であり得る。アブレーションプロセスは、組織を横切る異常な電気信号の伝達を効果的に遮断する電気絶縁性病変又は瘢痕組織を形成することにより、望ましくない電気経路に対する障壁を提供することができる。
【0003】
一部の処置では、1つ以上のRF電極を有するカテーテルを使用して、心臓血管系内にアブレーションを提供することができる。カテーテルを主要な静脈又は動脈(例えば、大腿動脈)に挿入し、次に前進させて、心臓内又は心臓に隣接する心臓血管構造(例えば、肺静脈)内に電極を位置決めすることができる。電極を、心臓組織又は他の血管組織と接触するように配置し、次にRFエネルギーで活性化し、それによって、接触した組織をアブレーションすることができる。場合によっては、電極は双極であってもよい。いくつかの他の場合において、単極電極を、接地パッド又は患者と接触している他の参照電極と共に使用することができる。
【0004】
アブレーションカテーテルの例は、米国特許出願公開第2013/0030426号、発明の名称「Integrated Ablation System using Catheter with Multiple Irrigation Lumens」、2013年1月31日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);米国特許出願公開第2017/0312022号、発明の名称「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」、2017年11月2日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);米国特許出願公開第2018/0071017号、発明の名称「Ablation Catheter with a Flexible Printed Circuit Board」、2018年3月15日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);米国特許出願公開第2018/0056038号、発明の名称「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」、2018年3月1日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);米国特許第10,130,422号、発明の名称「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」、2018年11月20日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);米国特許第8,956,353号、発明の名称「Electrode Irrigation Using Micro-Jets」、2015年2月17日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);及び米国特許第9,801,585号、発明の名称「Electrocardiogram Noise Reduction」、2017年10月31日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0005】
一部のカテーテルアブレーション処置は、アブレーションの標的とすべき組織領域を特定するために、電気生理学(electrophysiology、EP)マッピングを用いた後に実施され得る。このようなEPマッピングは、カテーテル(例えば、アブレーションを実施するために使用されるのと同じカテーテル又は専用のマッピングカテーテル)上の感知電極の使用を含んでもよい。このような感知電極は、導電性心内膜組織から発する電気信号を監視して、不整脈の原因となる異常な導電性組織部位の場所を特定することができる。EPマッピングシステムの例は、米国特許第5,738,096号、発明の名称「Cardiac Electromechanics」、1998年4月14日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。EPマッピングカテーテルの例は、米国特許第9,907,480号、発明の名称「Catheter Spine Assembly with Closely-Spaced Bipole Microelectrodes」、2018年3月6日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);米国特許第10,130,422号、発明の名称「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」、2018年11月20日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);及び米国特許出願公開第2018/0056038号、発明の名称「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」、2018年3月1日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0006】
EPマッピングを使用することに加えて、一部のカテーテルアブレーション処置は、画像誘導手術(image guided surgery、IGS)システムを使用して実施されてもよい。IGSシステムにより、医師は、患者内の解剖学的構造の画像に関連して、患者内のカテーテルの場所をリアルタイムで視覚的に追跡することができる。一部のシステムは、Biosense Webster,Inc.(Irvine,California)によるCARTO3(登録商標)システムを含めて、EPマッピング機能とIGS機能の組み合わせを提供することができる。IGSシステムと共に使用するように構成されたカテーテルの例は、米国特許第9,480,416号、発明の名称「Signal Transmission Using Catheter Braid Wires」、2016年11月1日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び本明細書に引用される様々な他の参照文献に開示されている。
【0007】
いくつかのカテーテルシステム及び方法が製造され使用されてきたが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に記載の本発明を製造又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】カテーテルアセンブリのカテーテルを患者に挿入する医療処置の概略図である。
【
図2A】カテーテルのエンドエフェクタがカテーテルの外側シースに対して近位位置にある、
図1のカテーテルの遠位部分の斜視図である。
【
図2B】エンドエフェクタが外側シースに対して遠位位置にあり、エンドエフェクタが外向拡張状態にある、
図2Aの遠位部分の斜視図である。
【
図3】外向拡張状態にある
図2Aのエンドエフェクタの側面図である。
【
図4】外向拡張状態にある
図2Aのエンドエフェクタの遠位端面図である。
【
図5】
図2Aのエンドエフェクタの電極アセンブリの斜視図である。
【
図6】
図5の電極アセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図7】
図5の電極アセンブリの近位部分の斜視図である。
【
図8】
図5の電極アセンブリの一部分の拡大平面図である。
【
図9】代替的なエンドエフェクタが拡張状態にある、
図1のカテーテルに組み込まれ得る代替的なエンドエフェクタの例の斜視図である。
【
図10】
図1のカテーテルの代替的なエンドエフェクタに組み込まれ得る、代替的な電極アセンブリの配列の斜視図である。
【
図12】
図10の電極アセンブリの配列の電極アセンブリのうちの1つの一部分の拡大平面図である。
【
図13】
図1のカテーテルの代替的なエンドエフェクタに組み込まれ得る、別の代替的な電極アセンブリの例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より、当業者には明らかとなろう。認識されるように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものと見なされるべきである。
【0010】
本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正形態及び変形形態は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0011】
本明細書で使用する場合、任意の数値又は数値の範囲についての「概ね」、「実質的に」、「約」、又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素の集合が、本明細書で述べる意図された目的に沿って機能することを可能にする好適な寸法の許容範囲を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±10%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指し得る。更に、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「被験体」という用語は、任意のヒト又は動物被験体を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。
【0012】
I.例示的なカテーテルシステムの概要
図1は、心臓マッピング又はアブレーションシステムの、医療処置及び関連する構成要素の例を示す。特に、
図1は、カテーテルアセンブリ(100)のハンドル(110)を把持する医師(PH)を、カテーテルアセンブリ(100)の可撓性カテーテル(120)のエンドエフェクタ(200)が(
図2A~
図4に示されているが、
図1には示されていない)、患者(PA)の心臓(H)内又はその近くの組織をマッピング又はアブレーションするために、患者(PA)内に配設されている状態で示している。
図2A~
図2Bに示されるように、カテーテル(120)は、外側シース(122)と、第1の内側シャフト(124)と、第2の内側シャフト(126)と、を含む。第1の内側チューブ(124)は、外部シース(122)内に同軸にかつ摺動可能に配設されている。第2の内側シャフト(126)は、第1の内側シャフト(124)内に同軸に配設されている。いくつかの変形例では、第2の内側シャフト(126)は第1の内側シャフト(124)に対して摺動するように動作可能であるが、これは任意選択である。エンドエフェクタ(200)は、第1の内側シャフト(124)の遠位端に配置され、第2の内側シャフト(126)の遠位部分を包含する。カテーテルアセンブリ(100)は、ケーブル(30)を介して誘導駆動システム(10)に連結されている。カテーテルアセンブリ(100)はまた、流体導管(40)を介して流体源(42)に結合されているが、これは任意選択である。1組の磁場発生器(20)は、患者(PA)の下に配置され、またケーブル(22)を介して誘導駆動システム(10)に結合されている。
【0013】
本実施例の誘導駆動システム(10)は、コンソール(12)及びディスプレイ(18)を含む。コンソール(12)は、第1のドライバモジュール(14)及び第2のドライバモジュール(16)を含む。第1のドライバモジュール(14)は、ケーブル(30)を介してカテーテルアセンブリ(100)に連結されている。いくつかの変形形態では、第1のドライバモジュール(14)は、以下により詳細に説明するように、エンドエフェクタ(200)の電極対(230)を介して取得されたEPマッピング信号を受信するように動作可能である。コンソール(12)は、そのようなEPマッピング信号を処理し、それによって、当該技術分野において公知のEPマッピングを提供するプロセッサ(図示せず)を含む。追加的に又は代替的に、第1のドライバモジュール(14)は、エンドエフェクタ(200)のアブレーション電極(図示せず)にRF電力を供給し、それによって組織をアブレーションするように動作可能であり得る。いくつかの変形例では、第1のドライバモジュール(14)はまた、以下により詳細に説明するように、エンドエフェクタ(200)内の1つ以上の位置センサ(127)から位置指示信号を受信するように動作可能である。このような変形例では、コンソール(12)のプロセッサはまた、位置センサ(127)からの位置指示信号を処理し、それによって、患者(PA)内のカテーテル(120)のエンドエフェクタ(200)の位置を特定するように動作可能である。
【0014】
第2のドライバモジュール(16)は、ケーブル(22)を介して磁場発生器(20)に連結されている。第2のドライバモジュール(16)は、磁場発生器(20)を作動させて、患者(PA)の心臓(H)の周囲に交流磁場を発生させるように動作可能である。例えば、磁場発生器(20)は、心臓(H)を含む所定の作業体積内に交流磁場を発生させるコイルを含んでもよい。
【0015】
ディスプレイ(18)は、コンソール(12)のプロセッサに連結されており、患者の解剖学的構造の画像をレンダリングするように動作可能である。このような画像は、手術前又は手術中に得られた1組の画像(例えば、CT又はMRIスキャン、3Dマップなど)に基づくことができる。ディスプレイ(18)を介して提供される患者の解剖学的構造の図はまた、エンドエフェクタ(200)の位置センサからの信号に基づいて動的に変化してもよい。例えば、カテーテル(120)のエンドエフェクタ(200)が患者(PA)内で移動すると、位置センサ(127)からの対応する位置データにより、コンソール(12)のプロセッサは、ディスプレイ(18)内の患者の解剖学的構造の図をリアルタイムで更新し、エンドエフェクタ(200)が患者(PA)内で移動するときのエンドエフェクタ(200)の周囲の患者の解剖学的構造の領域を描写することができる。更に、コンソール(12)のプロセッサは、エンドエフェクタ(200)によるEPマッピングによって検出されるように、異常な導電性組織部位の場所を示すように、ディスプレイ(18)を駆動してもよい。単なる例として、コンソール(12)のプロセッサは、例えば、照らされたドット、十字線、又は異常な導電性組織部位の視覚的表示のいくつかの他の形式を重ね合わせることなどによって、異常な導電性組織部位の場所を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。
【0016】
コンソール(12)のプロセッサはまた、例えば、照らされたドット、十字線、エンドエフェクタ(200)のグラフィック表現、又は視覚的表示のいくつかの他の形態を重ね合わせることなどによって、エンドエフェクタ(200)の現在の場所を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。このような重ね合わされた視覚的表示はまた、医師が患者(PA)内でエンドエフェクタ(200)を移動させると、リアルタイムでディスプレイ(18)上の患者の解剖学的構造の画像内で移動することができ、それによって、エンドエフェクタ(200)が患者(PA)内で移動するときの患者(PA)内のエンドエフェクタ(200)の位置に関するリアルタイムの視覚的フィードバックを操作者に提供する。したがって、ディスプレイ(18)を介して提供される画像は、エンドエフェクタ(200)を観察するなんらかの光学機器(即ちカメラ)を必ずしも有することなく、患者(PA)内のエンドエフェクタ(200)の位置を追跡する動画を効果的に提供することができる。同じ図において、ディスプレイ(18)は、本明細書に記載されるように、EPマッピングによって検出された、複数の異常な導電性組織部位の場所を、同時に視覚的に示すことができる。したがって、医師(PH)は、ディスプレイ(18)を見て、マッピングされた異常な導電性組織部位に関して、また患者(PA)内の隣接する解剖学的構造の画像に関して、エンドエフェクタ(200)のリアルタイムの位置決めを観察することができる。
【0017】
本実施例の流体源(42)は、生理食塩水又は一部の他の適切な灌注流体を収容するバッグを含む。導管(40)は、流体源(42)からカテーテルアセンブリ(100)に流体を選択的に駆動するように動作可能なポンプ(44)に更に連結された可撓性チューブを含む。いくつかの変形形態では、導管(40)、流体源(42)、及びポンプ(44)は、完全に省略されている。これらの構成要素が含まれている変形例では、エンドエフェクタ(200)は、流体源(42)から患者内の標的部位に灌注流体を伝達するように構成されてもよい。このような灌注は、本明細書に引用されている様々な特許参考文献のいずれかの教示に従って、又は、本明細書の教示に鑑みて当業者に明らかとなる他の任意の好適な方法で行うことができる。
【0018】
II.エンドエフェクタの例
心臓EPマッピングエンドエフェクタが当該技術分野で既知である限り、そのようなEPマッピングエンドエフェクタは、一般に2つの異なるカテゴリのうちの1つのみに適合し得る。1つのカテゴリは、心臓(H)の室内で使用するために特定的に構成されたEPマッピングエンドエフェクタに関するものであり、エンドエフェクタは、組織から心電図信号を拾うために、心臓(H)の室を画定する壁に対して押圧される。別のカテゴリは、肺静脈での使用のために特定的に構成されたEPマッピングエンドエフェクタに関するものであり、エンドエフェクタは、組織から心電図信号を拾うために、肺静脈の壁に対して押圧される。肺静脈の壁の幾何学形状が心臓(H)の室を画定する壁と実質的に異なることが、当業者には認識されよう。例えば、肺静脈の壁は、ほぼ円形の断面を有し、比較的小さい曲率半径を有する。対照的に、心臓(H)の室を画定する壁は、ほぼ平坦な領域と、肺静脈に関連する曲率半径よりも大きい曲率半径を有する湾曲した領域と、を有し得る。
【0019】
したがって、肺静脈の幾何学的形状と心臓(H)の室を画定する壁の幾何学的形状との違いにより、肺静脈での使用のために特別に構成されたEPマッピングエンドエフェクタは、心臓(H)の室内での使用に適していない場合がある。同様に、心臓(H)の室内での使用のために特別に構成されたEPマッピングエンドエフェクタは、肺静脈での使用に適していない場合がある。したがって、肺静脈内での使用と心臓(H)の室内での使用との両方に適したEPマッピングエンドエフェクタを提供することが望ましい場合がある。そのようなエンドエフェクタ(200)の例が、以下により詳細に記載される。
【0020】
図2B~
図4は、エンドエフェクタ(200)をより詳細に示す。図示のように、エンドエフェクタ(200)は、外側シース(122)内に収まるように圧縮可能である1組の電極アセンブリ(210)を含む。上記のように、エンドエフェクタ(200)は、外側シース(122)の内部にあり、かつ外側シース(122)に対して摺動可能に配設された第1の内側シャフト(124)に取り付けられている。
図2Aは、エンドエフェクタ(200)が外側シース(122)の遠位端の近位にあるように、エンドエフェクタ(200)が外側シース(122)に対して近位に後退されている状態を示す。この状態では、エンドエフェクタ(200)は、外側シース(122)の円筒状内部に変形可能に適合する。カテーテル(120)及びエンドエフェクタ(200)は、カテーテル(120)が患者(PA)の体内に導入されたとき、及び挿入部位から患者(PA)内の標的心臓血管領域への移行中、
図2Aに示された状態にある可能性がある。
【0021】
図2Bは、エンドエフェクタ(200)が外側シース(122)の遠位端の遠位にあるように、エンドエフェクタ(200)が外側シース(122)に対して遠位に前進されている状態を示す。
図2Bに示されるように、電極アセンブリ(210)は、電極アセンブリ(210)がカテーテル(120)の長手方向軸(LA)から外向きに離れて湾曲するように、外向きに拡張した構成に向かって弾性的に付勢されている。したがって、エンドエフェクタ(200)は、この状態で概ね球状の構成を示す。
【0022】
いくつかの変形例では、
図2Aに示される状態と
図2Bに示される状態との間で移行するために、第1の内側シャフト(124)はハンドル(110)に対して長手方向に静止したままであるのに対し、外側シース(122)はハンドル(110)に対して、また第1の内側シャフト(124)に対して長手方向に並進する。そのような変形例では、ハンドル(110)又は外側シース(122)の近位端は、外側シース(122)をハンドル(110)に対して、又内側シャフト(124)に対して長手方向に駆動するように医師(PH)によって操作され得るアクチュエータ(ACT)を含んでもよい。別の単なる例示的な変形形態として、
図2Aに示される状態と
図2Bに示される状態との間で移行するために、外側シース(122)は、ハンドル(110)に対して長手方向に静止したままであるのに対し、第1の内側シャフト(124)は、ハンドル(110)に対して、また外側シース(122)に対して長手方向に並進する。そのような変形例では、ハンドル(110)は、第1の内側シャフト(124)をハンドル(110)に対して、また外側シース(122)に対して長手方向に駆動するように医師(PH)によって操作され得るアクチュエータを含んでもよい。
【0023】
図2B~
図4に示される外向きに湾曲した構成を取るように電極アセンブリ(210)が弾性的に付勢されることに加えて(あるいはそれに代えて)、一方の内側シャフト(124、126)は、非拡張状態と拡張状態との間でエンドエフェクタ(200)を移行させるために、他方の内側シャフト(124、126)に対して並進してもよい。例えば、エンドエフェクタ(200)を非拡張状態にするために、第2の内部シャフト(126)は、
図2B~
図4に示される位置よりも(第1の内側シャフト(124)に対して)更に遠位に配置され得る。いくつかのそのような変形例では、第1の内側シャフト(124)は次いで、電極アセンブリ(210)の近位部分(240)を電極アセンブリ(210)の遠位部分(250)に対して遠位に並進させるために、第2の内側シャフト(126)に対して遠位に前進されるのに対し、第2の内側シャフト(126)は静止したままである。遠位部分(250)に対する近位部分(240)のこのような遠位並進は、電極アセンブリ(210)を外向きに座屈させ、それによって、エンドエフェクタ(200)を非拡張状態から拡張状態へと移行させることになる。別の単なる例示的な変形形態として、第1の内側シャフト(124)は、第2の内側シャフト(126)が近位に後退されるときにも静止したままであり、それによって遠位部分(250)を近位部分(240)に対して近位に駆動し得る。近位部分(240)に対する遠位部分(250)のこのような近位並進は、電極アセンブリ(210)を外向きに座屈させ、それによって、エンドエフェクタ(200)を非拡張状態から拡張状態へと移行させることになる。いずれの場合も、前述の動きは、エンドエフェクタ(200)を非拡張状態に復帰させるために逆転されてもよく、また、外側シース(122)は、処置の終了時に患者(PA)から引き抜くために、非拡張のエンドエフェクタ(200)の上で前進されてもよい。
【0024】
図4に最良に示されるように、本実施例のエンドエフェクタ(200)は、カテーテル(120)の長手方向軸(LA)の周りに等距離で互いに角度方向に離間配置されている4つの電極アセンブリ(210)を含む。代替として、限定するものではないが、2つの電極アセンブリ(210)、3つの電極アセンブリ(210)、又は4つより多い電極アセンブリ(210)を含めて、任意の他の好適な個数の電極アセンブリ(210)が使用されてよい。
【0025】
本実施例のエンドエフェクタ(200)は、第2の内部シャフト(126)の遠位端(129)の近くに位置する位置センサ(127)を更に含む。位置センサ(127)は、患者(PA)内のエンドエフェクタ(200)の位置及び配向を示す信号を生成するように動作可能である。単なる例として、位置センサ(127)は、磁場発生器(20)によって発生される交流電磁場の存在に応じて電気信号を生成するように構成された1つのワイヤコイル又は複数のワイヤコイル(例えば、3つの直交コイル)の形態であってもよい。位置センサ(127)は、カテーテル(120)に沿って又は他の方法でカテーテル(120)を介して、ワイヤ、トレース、又は任意の他の好適な電気導管と連結されてもよく、それにより、位置センサ(127)によって生成された信号が、再びカテーテル(120)内の電気導管(図示せず)を通ってコンソール(12)に伝達されることを可能にする。コンソール(12)は、位置センサ(127)からの信号を処理して、患者(PA)内でのエンドエフェクタ(200)の位置を特定することができる。エンドエフェクタ(200)に関連するリアルタイムの位置データを生成するために使用され得る他の構成要素及び技術は、無線三角測量、音響追跡、光学追跡、慣性追跡などを含み得る。いくつかの変形例では、位置センサ(127)は省略されてもよい。
【0026】
以下により詳細に記載されるように、各電極アセンブリ(210)の電極対(230)は、患者(PA)の心臓系内のEPマッピングを提供するように動作可能である。
図2B~
図3に示されるように、第2の内側シャフト(126)は、第2の内側シャフト(126)の周りに同軸に配置された一対の参照電極(128)を含む。そのような参照電極(128)は、EPマッピング処理中に、電極対(230)と併せて利用され得る。例えば、参照電極(128)は、EPマッピング処理中に、エンドエフェクタ(200)の内部を通過する血液又は生理食塩水からの参照電位を拾うために利用され得る。そのような参照電位は、当該技術分野で既知であるように、ノイズ又は遠距離場信号を低減するために使用され得る。本実施例では、参照電極(128)は、電極アセンブリ(210)によって画定された内部に効果的に収容されるので、電極アセンブリ(210)は、EPマッピング処理におけるエンドエフェクタ(200)の使用中に組織が参照電極(128)に接触することを防止するが、一方で、血液及び生理食塩水がエンドエフェクタ(200)を通って自由に流動して参照電極(128)に到達するのを依然として可能にする。
【0027】
上記のように、本実施例のカテーテルアセンブリ(100)は、流体導管(40)を介して流体源(42)と連結されている。流体導管(図示せず)は、カテーテル(120)の長さに沿って延びており、第2の内部シャフト(126)の開口遠位端(129)を通って灌注流体(例えば、生理食塩水)を送達するように動作可能である。例えば、流体導管は、遠位端(129)で遠位に終端してもよい。追加的に又は代替的に、第2の内部シャフト(126)は、流体導管と連通する1つ以上の横方向に配向された灌注ポートを組み込むことができる。そのような灌注ポートは、エンドエフェクタ(200)の長手方向位置に対応する長さの領域に沿って離間され得る。いずれの場合も、灌注流体は、患者(PH)内のエンドエフェクタ(200)の動作中に、エンドエフェクタ(200)で冷却、フラッシング、又は他の効果を提供することができる。カテーテルアセンブリ(100)が灌注を提供し得る様々な好適な方法は、当業者には明らかであろう。代替として、カテーテルアセンブリ(100)の一部の変形形態は、導管(40)、流体源(42)、及びポンプ(44)が省略され得るように、灌注能力を欠く可能性がある。
【0028】
上記に加えて、エンドエフェクタ(200)及びカテーテルアセンブリ(100)の他の態様は、米国特許公開第2018/0056038号(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくともいくつかに従って構成されてよく、また動作可能となり得る。
【0029】
III.電極アセンブリの例
図5~
図7は、エンドエフェクタ(200)の単一の電極アセンブリ(210)をより詳細に示す。この実施例の電極又はグリッドアセンブリ(210)は、近位端ストリップ(212)と、遠位端ストリップ(214)と、ストリップ(212)とストリップ(214)との間に延びる複数のストリップ(220、222)と、を含む。ストリップ(220、222)は、中央ストリップ(220)と、中央ストリップ(220)の各側に配置される、複数の横方向に配置されたストリップ(222)と、を含む。近位端ストリップ(212)は、第1の内側シャフト(124)の内部へと近位に延び、それによって第1の内側シャフト(124)内に各電極アセンブリ(210)を近位に係留する。遠位端ストリップ(214)は、第2の内側シャフト(126)の内部へと近位に延び、第2の内側シャフト(126)を介して可動アクチュエータ(ACT)に固定され得るが、それによって各電極アセンブリ(210)が固定される。
図2Bに概略的に示されるように、可動アクチュエータ(ACT)は、アクチュエータ(ACT)によって遠位端ストリップ(214)が長手方向に駆動され得るように、第2の内側シャフト(126)に固定され得る。言い換えれば、アクチュエータ(ACT)は、オペレータが電極アセンブリ(210)の構成を変更し、それによって電極アセンブリ(210)上の電極(232、234)のグリッド構成を変更することが可能となるように、長手方向軸(LA)に沿って移動され得る。したがって、
図2Bの矢印(DIR)で示される方向における長手方向軸(LA)に沿った移動は、各電極アセンブリ(210)を連続的に拡張又は収縮させて、各電極アセンブリ(210)の長手方向軸(LA)に対して様々な曲率半径(R)を規定することになる。各電極アセンブリ(210)はしたがって、アクチュエータ(ACT)の移動に応じて、球状の形状の一部分を取る。アクチュエータ(ACT)が完全に伸長すると、外側管状部材(122)の中に回収するために各電極アセンブリ(210)を長手方向軸(LA)に沿って平坦化させることになる。いくつかの変形例では、アクチュエータ(ACT)のうちの1つのみが所望の電極アセンブリ(210)を作動させるために必要とされ得るのに対し、他の電極アセンブリ(210)は、電極アセンブリ(210)のそれぞれのアクチュエータ(ACT)の場所に応じて、依然として平坦であるか又は異なる構成をなすように、各電極アセンブリ(210)は、独立したアクチュエータ(ACT)に接続され得る。代替として、全ての電極アセンブリ(210)が1つのアクチュエータ(ACT)のみに結合されてもよい。明確にするために、追加のアクチュエータ(ACT)は、電極グリッド(210)の空間的配置が明らかとなるように、図面の残りの部分に示されていない。端ストリップ(212、214)がそれぞれのシャフト(124、126)に対して固定され駆動され得る様々な他の好適な方式が、本明細書の教示に鑑みれば当業者に明らかとなろう。
【0030】
本実施例では、中央ストリップ(220)の各側に2つのストリップ(222)があるが、任意の他の好適な数の横方向に配置されたストリップ(222)が提供されてよい。
図6~
図7に最良に示されるように、各ストリップ(222)は、近位セグメント(224)と、中間セグメント(226)と、遠位セグメント(228)と、を含む。近位セグメント(224)は、中央ストリップ(220)から離れて外向きに分散する。中間セグメント(226)は、中央ストリップ(220)と平行である。遠位セグメント(228)は、中央ストリップ(220)に向かって内向きに収束する。本実施例では、遠位セグメント(228)は、近位セグメント(224)が互いに対して位置決めされるよりも、互いに接近して位置決めされている。代替として、任意の他の好適な間隔が利用されてよい。例えば、マッピング電極の間隔は、2019年3月18日出願の米国特許出願第16/820,848号、発明の名称「Electrode Configurations for Diagnosis of Arrhythmias」(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に図示及び記述された配列に合致するように配列され得る。エンドエフェクタ(200)は、ストリップ(220、222)が互いに離間し、電極アセンブリ(210)が互いに離間した状態で、エンドエフェクタ(200)の使用中に(例えば、エンドエフェクタ(200)が、心臓(H)の室内、肺静脈などで拡張状態にあるときに)血液がエンドエフェクタ(200)を通って流動することを可能にするように構成されている。上記のように、そのように流動する血液も、エンドエフェクタ(200)の使用中に第2の内側シャフト(126)上の参照電極(128)に到達し得る。
【0031】
各ストリップ(220、222)は、ストリップ(220、222)の長さに沿って配置された、いくつかの電極対(230)を有する。各電極対(230)は、近位電極(232)と遠位電極(234)とを含む。各対(230)の電極(232、234)は、当該技術分野で既知であるように、組織からの心電図信号を拾うことによって双極EPマッピングを提供するように動作可能である。いくつかの他の変形形態では(例えば、以下の更なる実施例の文脈で説明されるように)、各対(230)が電極アセンブリ(210)上に位置決めされる場所に、単一の電極が位置決めされる。いずれの場合も、電極(232、234)によって拾われた信号は、再びカテーテル(120)内の電気導管(図示せず)を通じてコンソール(12)に通信されてよく、コンソール(12)は、その信号を処理してEPマッピングを提供し、それによって心臓の解剖学的構造内の異常な電気的活動の場所が特定され得る。これにより、医師(PH)は、アブレーションする(例えば、RFエネルギー、冷凍アブレーションなどで)心臓組織の最も適切な領域を特定することができ、それによって、心臓組織を横切る異常な電気活動の伝達を防止するか、又は少なくとも低減することができる。
【0032】
本実施例の各電極アセンブリ(210)は、フレックス回路の形態をなす。例えば、各電極アセンブリ(210)は、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、又は任意の他の好適なフレックス回路基板から形成された基板を含んでよく、電極(232、234)及び関連する導電性トレースは基板上に印刷される。エンドエフェクタ(200)を拡張構成にするために、各電極アセンブリ(210)が、外側に湾曲するように弾性的に付勢される変形例では、1つ以上の弾性要素が教示(teach)電極アセンブリ(210)に統合されてもよい。単なる例として、弾性材料(例えば、ニチノールなど)の1つ以上のストリップが教示電極アセンブリ(210)に統合されてもよい。
【0033】
単なる例として、電極(128、232、234)は、白金、金、又は任意の他の適切な材料から形成されてもよい。電極(128、232、234)は、所望に応じて、様々なコーティングを含んでもよい。例えば、電極対(230)は、電極対(230)からの信号の信号対雑音比を改善するように選択されたコーティングを含んでもよい。そのようなコーティングとしては、酸化イリジウム(IrOx)コーティング、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)コーティング、電着酸化イリジウム(EIROF)コーティング、白金イリジウム(PtIr)コーティング、又は任意の他の適切なコーティングを挙げることができるが、これらに限定されない。電極(128、232、234)に使用され得る様々な適切な種類のコーティングは、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであろう。
【0034】
本実施例では、電極(232、234)は、物理蒸着(PVD)法によって電極アセンブリ(210)の基板上に薄膜として提供され得る。単なる例として、そのようなPVD法は、国際公開第2015/117908号、発明の名称「Medical Device for Ablating Tissue Cells and System Comprising a Device of This Type」、2015年8月13日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部、ドイツ特許公開第102017130152号、発明の名称「Method for Operating a Multi-Layer Structure」、2019年1月3日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部、又は、米国特許第10,061,198号、発明の名称「Method for Producing a Medical Device or a Device with Structure Elements,Method for Modifying the Surface of a Medical Device or of a Device with Structure Elements,Medical Device and Laminated Composite with a Substrate」、2018年8月28日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って実行され得る。電極(232、234)、導電性トレース、又は他の回路構成要素を電極アセンブリ(210)上に設けるために、限定するものではないが、スパッタ蒸着、化学気相蒸着(chemical vapor deposition、CVD)、熱蒸着などを含む他の方法が用いられてもよい。用いられる方法に関係なく、各電極アセンブリ(210)は、最終的にフレックス回路を構成し得る。
【0035】
上記のように、本実施例の各電極アセンブリ(210)は、
図2Aに示されるように、外側シース(122)内で圧縮するように十分に可撓性を有するが、
図2Bに示される外向きに湾曲された構成に向かって弾性的に付勢されている。いくつかの変形形態では、この弾力性は、各電極アセンブリ(210)の基板を形成する材料によって提供される。いくつかの他の変形形態では、弾性的な付勢力を付与するために、1つ以上の弾性特徴部(図示せず)が各電極アセンブリ(210)の基板に追加される。単なる例として、1つ以上のニチノールストリップ又は他のニチノール構造が、ストリップ(220、222)のいずれか1つ以上に沿ってなど、各電極アセンブリ(210)の基板に適用されてもよい。このようなニチノールストリップは、上述した蒸着プロセス又は他の製造技術を用いて適用することができる。
【0036】
上記のように、エンドエフェクタ(200)が(例えば、心臓(H)の室内、肺静脈内など)心臓組織に対して押圧されるとき、エンドエフェクタ(200)が心臓組織の輪郭及び他の表面幾何学形状に適合し得るように、各電極アセンブリ(210)は可撓性を有している。エンドエフェクタ(200)の変形により、電極対(230)と心臓組織との間の完全な接触が促進され得る。このような接触は、各電極アセンブリ(210)上に相当数の電極対(230)を設けることによって更に促進され得る。電極対(230)のうちのいくつかの対が心臓組織の複数の領域で同時に感知する心電図信号を提供し得るため、相当数の電極対(230)を有することにより、エンドエフェクタ(200)は、肺静脈内など、心臓(H)の4つの全ての室にわたる高密度EPマッピングを提供することが可能になり得る。
【0037】
心電図信号を拾うためにエンドエフェクタ(200)が心臓組織に対して押圧されるとき、電極対(230)は、実質的に正方形の間隔を伴って、実質的に正方形の構成をなして組織に接触するように位置決めされる。この文脈において、「実質的に正方形の構成」及び「実質的に正方形の間隔」という用語は、電極対(230)が2つの垂直方向において同じ距離だけ互いから離間されることを包含するものとして読み取られるべきである。この実質的に正方形の間隔の例が
図8に示されており、ここで、2つの垂直方向は、第1の次元(d
1)及び第2の次元(d
2)に沿うものとして示されている。図示のように、1つのストリップ(222)上の電極対(230)は、ストリップ(220)上の第1の電極対(230)から第1の次元(d
1)に沿って距離(x)だけ離間され、ストリップ(220)上の第2の電極対(230)から第2の次元(d
2)に沿って同じ距離(x)だけ離間されている。同様に、別のストリップ(222)上の電極対(230)は、ストリップ(220)上の第2の電極対(230)から第1の次元(d
1)に沿って同じ距離(x)だけ離間され、ストリップ(220)上の第1の電極対(230)から第2の次元(d
2)に沿って同じ距離(x)だけ離間されている。これらの4つの電極対(230)はこのようにして、距離(x)だけ等距離に離間された実質的に正方形の間隔を伴って、実質的に正方形の形状の配列で配列される。この同じ実質的に正方形の間隔は、各電極アセンブリ(210)上の全ての電極対(230)に適用され得る。この電極配列は、実質的に正方形の間隔の配列に限定されず、また電極は、2019年3月18日出願の米国特許出願第16/820,848号、発明の名称「Electrode Configurations for Diagnosis of Arrhythmias」(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に図示及び記述された配列に従うように配列され得る。
【0038】
本実施例では、電極対(230)の間隔の次元(d1、d2)は、エンドエフェクタ(200)の長手方向軸(LA)に対して斜めに配向される。例えば、電極対(230)間の間隔の次元(d1、d2)は、エンドエフェクタ(200)の長手方向軸(LA)に対して約45°の角度に配向されてもよい。いくつかの他の変形例では、電極対(230)間の間隔の第1の次元(d1)は、エンドエフェクタ(200)の長手方向軸(LA)に対して平行であり、電極対(230)の間隔の第2の次元(d2)は、エンドエフェクタ(200)の長手方向軸(LA)に対して垂直である。
【0039】
上記のように、また
図2B~
図7に示されるように、ストリップ(220、222)は、それらが何かに促されて変形されるまで、概ね湾曲した構成を有する。例えば、
図2Aに示されるように、ストリップ(220、222)が概ね平坦化された構成を呈し、それによってエンドエフェクタ(200)が非拡張状態となるようにするため、外側シース(122)がストリップ(220、222)を変形させてもよい。更に、エンドエフェクタ(200)が解剖学的構造(例えば、肺静脈の壁、心房又は心臓(H)の他の室の壁など)に対して押圧されるとき、解剖学的構造は、エンドエフェクタ(200)の接触部分を変形するように促し、そのため、ストリップ(220、222)の接触領域は、ストリップ(220、222)が押圧されている解剖学的構造の表面幾何学形状に概ね適合し得る。ストリップ(220、222)のそのような接触領域は、解剖学的構造の組織に接触しているストリップ(220、222)内の電極対(230)の実質的に正方形の間隔をもたらし得る。いくつかの場合(例えば、心房又は心臓(H)の他の室内において)、ストリップ(220、222)の組織接触領域は実質的に平坦となる。他の場合(例えば、肺静脈において)、ストリップ(220、222)の組織接触領域は湾曲し得る。これらのシナリオはそれでもなお、解剖学的構造の組織に接触しているストリップ(220、222)内の電極対(230)の実質的に正方形の間隔を依然としてもたらし得る。したがって、「実質的に正方形の構成」及び「実質的に正方形の間隔」という用語は、問題の電極対(230)が、直線である2つの垂直方向において同じ距離だけ互いから等距離に離間されなければならないことを、必ずしも要求するものではないことを理解されたい。正方形離間電極対(230)は、湾曲している2つの垂直方向において同じ距離だけ互いから等距離に離間され得る。いずれの場合も、電極対(230)の実質的に正方形離間の又は実質的に正方形の構成は、さもなければ、他の種類の離間又は配列を有する電極を用いて可能となると考えられるよりも多くの方向において、心臓組織を横切って進行する信号をエンドエフェクタ(200)が拾うことを可能にすることが、当業者には認識されよう。
【0040】
エンドエフェクタ(200)が、患者(PA)体内で使用される方法の一例において、医師(PH)は、最初にカテーテル(120)を大静脈又は大動脈(例えば、大腿動脈)に挿入し、次いでカテーテル(120)を前進させてエンドエフェクタ(200)を患者(200)の心臓(H)内に位置決めし得る。カテーテル(120)のこの前進中、コンソール(12)は、位置センサ(127)からの信号に基づいてカテーテル(120)の位置をリアルタイムで追跡し、そのリアルタイム位置をディスプレイ(18)上にレンダリングし得るが、それによって、医師(PH)は、(例えば、患者(PA)の術前に取得された画像に関して)ディスプレイ(18)を観察してカテーテル(120)のリアルタイム位置を判定し得る。外側シース(122)は、患者(PA)へのカテーテル(120)の前進中は遠位位置(
図2A)にあり得る。
【0041】
カテーテル(120)の遠位端が適切に位置決めされると、医師(PH)は外側シース(122)を近位に後退させて、エンドエフェクタ(200)を露出させ得る。エンドエフェクタ(200)は次いで、
図2Bに示されるように、拡張状態に到達し得る。エンドエフェクタ(200)が拡張状態にあると、医師(PH)は、肺静脈の壁、心房又は心臓(H)の他の室の壁など、患者(PA)の心臓系内の解剖学的構造に対してエンドエフェクタ(200)を押圧し得る。エンドエフェクタ(200)がこれらの解剖学的構造に係合すると、組織と接触している電極対(230)は、組織から信号を拾い、それによってコンソール(12)がEPマッピングを実施することを可能にする。コンソール(12)は、電極対(230)からの信号を位置センサ(127)からの同時信号と相関させ、それにより、患者(PA)の心臓組織内の異常な電気信号の正確な場所の記憶を可能にし得る。コンソール(12)はこうして、患者(PA)の心臓の解剖学的構造の術前に取得された画像に対する異常な電気信号部位のマッピングを可能にし得る。そのようなマップが確立されている場合、医師(PH)は次いで、そのマップに基づいて、(例えば、エンドエフェクタ(200)又は何らかの他のデバイスを使用した)正確に標的化されたアブレーション又は何らかの他の種類の標的治療を提供し得る。
【0042】
EPマッピング電極(232、234)のみが各電極アセンブリ(210)上に示されているが、電極アセンブリ(210)の他の変形例が、電極アセンブリ(210)上にEPマッピング電極(232、234)を含むことに加えて、あるいはそれに代えて、アブレーション電極を含んでもよい。そのようなアブレーション電極を使用して、アブレーション電極と接触している組織にRFエネルギーを印加し、それによって組織をアブレーションすることができる。各アブレーション電極は、電極アセンブリ(210)上の対応するトレース又は他の電気導管と連結されてもよく、それによって、コンソール(12)は、カテーテル(120)内の電気導管(図示せず)を介してRFエネルギーを電極アセンブリ(210)上のトレース又は他の導管に伝達して、アブレーション電極に到達させることができる。各電極アセンブリ(210)はまた、位置センサ(127)を含む第2の内側シャフト(126)に加えて、あるいはそれに代えて、上述の位置センサ(127)のような1つ以上の位置センサを含んでもよい。
【0043】
図9は、上述のエンドエフェクタ(200)と実質的に同様である、代替的なエンドエフェクタ(290)の例を示している。しかしながら、エンドエフェクタ(290)を非拡張状態から拡張状態へと移行させるために、電極アセンブリ(210)の弾力性又は内側シャフト(124、126)間の何らかの相対運動に依存する代わりに、この例のエンドエフェクタ(290)は膨張可能なバルーン(292)を含んでいる。別様に構成され、エンドエフェクタ(200)の電極アセンブリ(210)のように動作可能である電極アセンブリ(210)は、バルーン(292)に固定されている。ハブ(294)が、バルーン(292)の遠位端において電極アセンブリ(210)を共に接合している。バルーン(292)が膨張されると、電極アセンブリ(210)は、
図9に示される拡張状態へと外向きに駆動される。いくつかのそのような変形例では、バルーン(292)は、バルーン(292)から流出する潅注流体の連通を可能にしながらも、バルーン(292)が膨張状態を達成することを依然として可能にするための開口部を含んでもよい。エンドエフェクタ(290)が拡張用のバルーン(292)を組み込み得る他の好適な方式が、本明細書の教示に鑑みれば当業者に明らかとなろう。
【0044】
IV.代替的な電極アセンブリの例
図10~
図11は、上述の電極アセンブリ(210)に代えてエンドエフェクタ(200)に組み込まれ得る代替的な電極アセンブリ(310)の例を示している。
図10~
図11は、6つの電極アセンブリ(310)を示しているが、任意の他の適切な数の電極アセンブリ(310)がエンドエフェクタ(200)の変形形態に組み込まれてよい。以下に別段の記載がある場合を除き、この実施例の電極アセンブリ(310)は、電極アセンブリ(210)と同様に構成され、かつ動作可能であり得る。この実施例の電極アセンブリ(310)は、第1の内側シャフト(124)の内部へと近位に延び、それによって第1の内側シャフト(124)内に各電極アセンブリ(310)を近位に係留するように構成された近位部分(340)を含む。電極アセンブリ(310)の遠位部分(350)は、第2の内側シャフト(126)の内部へと近位に延び、それによって第2の内側シャフト(126)内に各電極アセンブリ(310)を遠位に係留する。
【0045】
この実施例の各電極アセンブリ(310)は、中央ストリップ(320)と、中央ストリップ(320)の各側に配置される、横方向に配置された1組のストリップ(322)と、を更に含む。各ストリップ(322)は、近位セグメント(324)と、中間セグメント(326)と、遠位セグメント(328)と、を含む。近位セグメント(324)は、中央ストリップ(320)から離れて外向きに分散する。中間セグメント(326)は、中央ストリップ(320)と平行である。遠位セグメント(328)は、中央ストリップ(320)に向かって内向きに収束する。各電極アセンブリ(310)において、セグメント(310)が、1組のストリップ(320、322)と電極アセンブリ(310)の近位部分(340)との間に延びている。電極アセンブリ(310)を組み込んだエンドエフェクタ(200)の変形例は、ストリップ(320、322)が互いに離間し、電極アセンブリ(310)が互いに離間した状態で、エンドエフェクタ(200)の使用中に(例えば、エンドエフェクタ(200)が、心臓(H)の室内、肺静脈などで拡張状態にあるときに)血液がエンドエフェクタ(200)を通って流動することを可能にするように構成される。上記のように、そのように流動する血液も、エンドエフェクタ(200)の使用中に第2の内側シャフト(126)上の参照電極(128)に到達し得る。
【0046】
各ストリップ(320、322)は、ストリップ(320、322)の長さに沿って配置された、いくつかの電極(330)を有する。電極(330)は、当該技術分野で既知であるように、組織からの心電図信号を拾うことによって単極又は双極EPマッピングを提供するように動作可能である。いくつかの他の変形形態では、各電極(330)が電極アセンブリ(310)上に配置される場所に、(例えば、上述の電極対(230)と同様の)電極対が配置される。いずれの場合も、電極(330)によって拾われた信号は、再びカテーテル(120)内の電気導管(図示せず)を通じてコンソール(12)に通信されてよく、コンソール(12)は、その信号を処理してEPマッピングを提供し、それによって心臓の解剖学的構造内の異常な電気的活動の場所が特定され得る。これにより、医師(PH)は、アブレーションする(例えば、RFエネルギー、冷凍アブレーションなどで)心臓組織の最も適切な領域を特定することができ、それによって、心臓組織を横切る異常な電気活動の伝達を防止するか、又は少なくとも低減することができる。
【0047】
本実施例の各電極アセンブリ(310)は、フレックス回路の形態をなす。例えば、各電極アセンブリ(310)は、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、又は任意の他の好適なフレックス回路基板から形成された基板を含んでよく、電極(330)及び関連する導電性トレースは基板上に印刷される。エンドエフェクタ(200)を拡張構成にするために、各電極アセンブリ(310)が、外側に湾曲するように弾性的に付勢される変形例では、1つ以上の弾性要素が教示電極アセンブリ(310)に統合されてもよい。単なる例として、弾性材料(例えば、ニチノールなど)の1つ以上のストリップが教示電極アセンブリ(310)に統合されてもよい。
【0048】
単なる例として、電極(330)は、白金、金、又は任意の他の適切な材料から形成されてもよい。電極(330)は、所望に応じて、様々なコーティングを含んでもよい。例えば、電極(330)は、電極(330)からの信号の、信号対雑音比を改善するように選択されたコーティングを含んでもよい。そのようなコーティングとしては、酸化イリジウム(IrOx)コーティング、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)コーティング、電着酸化イリジウム(EIROF)コーティング、白金イリジウム(PtIr)コーティング、又は任意の他の適切なコーティングを挙げることができるが、これらに限定されない。電極(330)に使用され得る様々な適切な種類のコーティングは、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであろう。
【0049】
本実施例では、電極(330)は、物理蒸着(PVD)法によって電極アセンブリ(210)の基板上に薄膜として提供され得る。単なる例として、そのようなPVD法は、国際公開第2015/117908号、発明の名称「Medical Device for Ablating Tissue Cells and System Comprising a Device of This Type」、2015年8月13日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部、ドイツ特許公開第102017130152号、発明の名称「Method for Operating a Multi-Layer Structure」、2019年1月3日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部、又は、米国特許第10,061,198号、発明の名称「Method for Producing a Medical Device or a Device with Structure Elements,Method for Modifying the Surface of a Medical Device or of a Device with Structure Elements,Medical Device and Laminated Composite with a Substrate」、2018年8月28日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って実行され得る。電極(330)、導電性トレース、又は他の回路構成要素を電極アセンブリ(310)上に設けるために、限定するものではないが、スパッタ蒸着、化学気相蒸着(chemical vapor deposition、CVD)、熱蒸着などを含む他の方法が用いられてもよい。用いられる方法に関係なく、各電極アセンブリ(310)は、最終的にフレックス回路を構成し得る。
【0050】
上記のように、本実施例の各電極アセンブリ(310)は、
図2Aに示されるように、外側シース(122)内で圧縮するように十分に可撓性を有するが、
図2Bに示される外向きに湾曲された構成に向かって弾性的に付勢されている。いくつかの変形形態では、この弾力性は、各電極アセンブリ(310)の基板を形成する材料によって提供される。いくつかの他の変形形態では、弾性的な付勢力を付与するために、1つ以上の弾性特徴部(図示せず)が各電極アセンブリ(310)の基板に追加される。単なる例として、1つ以上のニチノールストリップ又は他のニチノール構造が、ストリップ(320、322)のいずれか1つ以上に沿ってなど、各電極アセンブリ(310)の基板に適用されてもよい。このようなニチノールストリップは、上述した蒸着プロセス又は他の製造技術を用いて適用することができる。
【0051】
上記のように、エンドエフェクタ(200)が(例えば、心臓(H)の室内、肺静脈内など)心臓組織に対して押圧されるとき、電極アセンブリ(310)を組み込んだエンドエフェクタ(200)のある変形例が心臓組織の輪郭及び他の表面幾何学形状に適合し得るように、各電極アセンブリ(310)は可撓性を有している。エンドエフェクタ(200)の変形により、電極(330)と心臓組織との間の完全な接触が促進され得る。このような接触は、各電極アセンブリ(310)上に相当数の電極(330)を設けることによって更に促進され得る。電極(330)のうちのいくつかの対が心臓組織の複数の領域で同時に感知する心電図信号を提供し得るため、相当数の電極(330)を有することにより、エンドエフェクタ(200)は、肺静脈内など、心臓(H)の4つの全ての室にわたる高密度EPマッピングを提供することが可能になり得る。
【0052】
心電図信号を拾うために、電極アセンブリ(310)を組み込んだエンドエフェクタ(200)の変形例が心臓組織に対して押圧されるとき、電極(330)は、電極対(230)の文脈で上述されたように、実質的に正方形の間隔を伴って、実質的に正方形の構成をなして組織に接触するように位置決めされる。この実質的に正方形の間隔が
図12に示されており、ここで、2つの垂直方向は、第1の次元(d
3)及び第2の次元(d
4)に沿うものとして示されている。図示のように、1つのストリップ(322)上の第1の電極(330)は、ストリップ(320)上の第1の電極(330)から第1の次元(d
3)に沿って距離(y)だけ離間され、ストリップ(322)上の第2の電極(330)から第2の次元(d
4)に沿って同じ距離(y)だけ離間されている。同様に、ストリップ(320)上の第2の電極(330)は、ストリップ(320)上の第1の対(330)から第1の次元(d
3)に沿って同じ距離(y)だけ離間され、ストリップ(222)上の第2の電極(330)から第2の次元(d
4)に沿って同じ距離(y)だけ離間されている。これらの4つの電極(330)はこのようにして、距離(x)だけ等距離に離間された実質的に正方形の間隔を伴って、実質的に正方形の形状の配列で配列される。この同じ実質的に正方形の間隔は、各電極アセンブリ(310)上の全ての電極(330)に適用され得る。
【0053】
本実施例では、電極(330)同士の間隔の次元(d3)は、エンドエフェクタ(200)の長手方向軸(LA)に対して平行であり、電極(330)同士の間隔の次元(d4)は、エンドエフェクタ(200)の長手方向軸(LA)に対して垂直である。いくつかの他の変形例では、電極(330)同士の間隔の次元(d3、d4)は、電極アセンブリ(210)と同様に、エンドエフェクタ(200)の長手方向軸(LA)に対して斜めに配向される。
【0054】
電極アセンブリ(310)を組み込んだエンドエフェクタ(200)の変形例が解剖学的構造(例えば、肺静脈の壁、心房又は心臓(H)の他の室の壁など)に対して押圧されるとき、解剖学的構造は、エンドエフェクタ(200)の接触部分を変形するように促し、そのため、ストリップ(320、322)の接触領域は、ストリップ(320、322)が押圧されている解剖学的構造の表面幾何学形状に概ね適合し得る。ストリップ(320、322)のそのような接触領域は、解剖学的構造の組織に接触しているストリップ(320、322)内の電極(330)の実質的に正方形の間隔をもたらし得る。いくつかの場合(例えば、心房又は心臓(H)の他の室内において)、ストリップ(320、322)の組織接触領域は実質的に平坦となる。他の場合(例えば、肺静脈において)、ストリップ(320、322)の組織接触領域は湾曲し得る。これらのシナリオはそれでもなお、解剖学的構造の組織に接触しているストリップ(320、322)内の電極(330)の実質的に正方形の間隔を依然としてもたらし得る。したがって、「実質的に正方形の構成」及び「実質的に正方形の間隔」という用語は、問題の電極(330)が、直線である2つの垂直方向において同じ距離だけ互いから等距離に離間されなければならないことを、必ずしも要求するものではないことを理解されたい。正方形離間電極(330)は、湾曲している2つの垂直方向において同じ距離だけ互いから等距離に離間され得る。いずれの場合も、電極(330)の実質的に正方形離間の又は実質的に正方形の構成は、さもなければ、他の種類の離間又は配列を有する電極を用いて可能となると考えられるよりも多くの方向において、心臓組織を横切って進行する信号をエンドエフェクタ(200)が拾うことを可能にすることが、当業者には認識されよう。
【0055】
電極アセンブリ(310)を組み込んだエンドエフェクタ(200)の変形例は、電極アセンブリ(210)を組み込んだエンドエフェクタ(200)の変形例に関連して上述されたものと同様の方式で使用され得る。
【0056】
図13~
図16は、上述の各電極アセンブリ(210)に代えてエンドエフェクタ(200)に組み込まれ得る別の代替的な電極アセンブリ(410)の例を示している。以下に別段の記載がある場合を除き、この実施例の電極アセンブリ(410)は、電極アセンブリ(210)と同様に構成され、かつ動作可能であり得る。また、任意の好適な数の電極アセンブリ(410)がエンドエフェクタ(200)に組み込まれ得ることも理解されたい。この実施例の電極アセンブリ(410)は、第1の内側シャフト(124)の内部へと近位に延び、それによって第1の内側シャフト(124)内に各電極アセンブリ(410)を近位に係留するように構成されたストリップ(412)を備えた近位部分(450)を含む。電極アセンブリ(410)の遠位部分(460)は、第2の内側シャフト(126)の内部へと近位に延び、それによって第2の内側シャフト(126)内に各電極アセンブリ(410)を遠位に係留するように構成されたストリップ(414)を含む。
【0057】
この実施例の各電極アセンブリ(310)は、中央部分(420)と、中央部分(420)の各側に配置される、横方向に配置された一対のストリップ(440)と、を更に含む。中央部分(420)は、近位ストリップ(421)と、横方向に離間した一対の中間ストリップ(422)と、遠位ストリップ(426)と、を含む。中間ストリップ(422)は互いにほぼ平行であり、楕円形の開口部(424)を画定する。各ストリップ(440)は、近位セグメント(442)と、中間セグメント(444)と、遠位セグメント(446)と、を含む。近位セグメント(442)は外向きに分散する。中間セグメント(444)は互いに平行であり、また中間ストリップ(422)と平行である。遠位セグメント(446)は内向きに収束する。遠位ストリップ(426)は、ストリップ(422)と第1の対の遠位セグメント(446)との間に延びている。スペーシングストリップ(428)が、第1の対の遠位セグメント(446)と第2の対の遠位セグメント(446)との間に延びている。
【0058】
電極アセンブリ(410)を組み込んだエンドエフェクタ(200)の変形例は、ストリップ(422、440)が互いに離間し、電極アセンブリ(410)が互いに離間した状態で、エンドエフェクタ(200)の使用中に(例えば、エンドエフェクタ(200)が、心臓(H)の室内、肺静脈などで拡張状態にあるときに)血液がエンドエフェクタ(200)を通って流動することを可能にするように構成される。上記のように、そのように流動する血液も、エンドエフェクタ(200)の使用中に第2の内側シャフト(126)上の参照電極(128)に到達し得る。
【0059】
各ストリップ(422、440)は、それぞれのストリップ(422、440)の長さに沿って配置された、いくつかの電極(430)を有する。電極(430)は、当該技術分野で既知であるように、組織からの心電図信号を拾うことによって単極又は双極EPマッピングを提供するように動作可能である。いくつかの他の変形形態では、各電極(430)が電極アセンブリ(410)上に配置される場所に、(例えば、上述の電極対(230)と同様の)電極対が配置される。いずれの場合も、電極(430)によって拾われた信号は、再びカテーテル(120)内の電気導管(図示せず)を通じてコンソール(12)に通信されてよく、コンソール(12)は、その信号を処理してEPマッピングを提供し、それによって心臓の解剖学的構造内の異常な電気的活動の場所が特定され得る。これにより、医師(PH)は、アブレーションする(例えば、RFエネルギー、冷凍アブレーションなどで)心臓組織の最も適切な領域を特定することができ、それによって、心臓組織を横切る異常な電気活動の伝達を防止するか、又は少なくとも低減することができる。
【0060】
本実施例の各電極アセンブリ(410)は、フレックス回路の形態をなす。例えば、各電極アセンブリ(410)は、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、又は任意の他の好適なフレックス回路基板から形成された基板を含んでよく、電極(430)及び関連する導電性トレースは基板上に印刷される。エンドエフェクタ(200)を拡張構成にするために、各電極アセンブリ(410)が、外側に湾曲するように弾性的に付勢される変形例では、1つ以上の弾性要素が教示電極アセンブリ(410)に統合されてもよい。単なる例として、弾性材料(例えば、ニチノールなど)の1つ以上のストリップが教示電極アセンブリ(410)に統合されてもよい。
【0061】
単なる例として、電極(430)は、白金、金、又は任意の他の適切な材料から形成されてもよい。電極(430)は、所望に応じて、様々なコーティングを含んでもよい。例えば、電極(430)は、電極(430)からの信号の、信号対雑音比を改善するように選択されたコーティングを含んでもよい。そのようなコーティングとしては、酸化イリジウム(IrOx)コーティング、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)コーティング、電着酸化イリジウム(EIROF)コーティング、白金イリジウム(PtIr)コーティング、又は任意の他の適切なコーティングを挙げることができるが、これらに限定されない。電極(430)に使用され得る様々な適切な種類のコーティングは、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであろう。
【0062】
本実施例では、電極(430)は、物理蒸着(PVD)法によって電極アセンブリ(210)の基板上に薄膜として提供され得る。単なる例として、そのようなPVD法は、国際公開第2015/117908号、発明の名称「Medical Device for Ablating Tissue Cells and System Comprising a Device of This Type」、2015年8月13日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部、ドイツ特許公開第102017130152号、発明の名称「Method for Operating a Multi-Layer Structure」、2019年1月3日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部、又は、米国特許第10,061,198号、発明の名称「Method for Producing a Medical Device or a Device with Structure Elements,Method for Modifying the Surface of a Medical Device or of a Device with Structure Elements,Medical Device and Laminated Composite with a Substrate」、2018年8月28日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って実行され得る。電極(430)、導電性トレース、又は他の回路構成要素を電極アセンブリ(410)上に設けるために、限定するものではないが、スパッタ蒸着、化学気相蒸着(chemical vapor deposition、CVD)、熱蒸着などを含む他の方法が用いられてもよい。用いられる方法に関係なく、各電極アセンブリ(410)は、最終的にフレックス回路を構成し得る。
【0063】
上記のように、本実施例の各電極アセンブリ(410)は、
図2Aに示されるように、外側シース(122)内で圧縮するように十分に可撓性を有するが、
図2Bに示される外向きに湾曲された構成に向かって弾性的に付勢されている。いくつかの変形形態では、この弾力性は、各電極アセンブリ(410)の基板を形成する材料によって提供される。いくつかの他の変形形態では、弾性的な付勢力を付与するために、1つ以上の弾性特徴部(図示せず)が各電極アセンブリ(410)の基板に追加される。単なる例として、1つ以上のニチノールストリップ又は他のニチノール構造が、ストリップ(422、440)のいずれか1つ以上に沿ってなど、各電極アセンブリ(410)の基板に適用されてもよい。このようなニチノールストリップは、上述した蒸着プロセス又は他の製造技術を用いて適用することができる。
【0064】
上記のように、エンドエフェクタ(200)が(例えば、心臓(H)の室内、肺静脈内など)心臓組織に対して押圧されるとき、電極アセンブリ(410)を組み込んだエンドエフェクタ(200)のある変形例が心臓組織の輪郭及び他の表面幾何学形状に適合し得るように、各電極アセンブリ(410)は可撓性を有している。エンドエフェクタ(200)の変形により、電極(430)と心臓組織との間の完全な接触が促進され得る。このような接触は、各電極アセンブリ(410)上に相当数の電極(430)を設けることによって更に促進され得る。電極(430)のうちのいくつかの対が心臓組織の複数の領域で同時に感知する心電図信号を提供し得るため、相当数の電極(430)を有することにより、エンドエフェクタ(200)は、肺静脈内など、心臓(H)の4つの全ての室にわたる高密度EPマッピングを提供することが可能になり得る。
【0065】
心電図信号を拾うために、電極アセンブリ(410)を組み込んだエンドエフェクタ(200)の変形例が心臓組織に対して押圧されるとき、電極(430)は、電極(330)の文脈で上述されたように、実質的に正方形の間隔を伴って、実質的に正方形の構成をなして組織に接触するように位置決めされる。特に、電極(430)は、
図12に示され、電極(330)の文脈において上述されたものと同じ種類の配列で組織に接触し得る。上記のように、電極(430)のこの実質的に正方形の間隔は、電極(430)が2つの次元(d
3、d
4)に沿って距離(x)だけ等距離に離間される、実質的に正方形の形状の配列を提供し得る。同様に上記のように、電極(430)同士の間隔の次元(d
3)は、エンドエフェクタ(200)の長手方向軸(LA)に対して平行であり、電極(430)同士の間隔の次元(d
4)は、エンドエフェクタ(200)の長手方向軸(LA)に対して垂直である。いくつかの他の変形例では、電極(430)同士の間隔の次元(d
3、d
4)は、電極アセンブリ(210)と同様に、エンドエフェクタ(200)の長手方向軸(LA)に対して斜めに配向される。
【0066】
電極アセンブリ(410)を組み込んだエンドエフェクタ(200)の変形例が解剖学的構造(例えば、肺静脈の壁、心房又は心臓(H)の他の室の壁など)に対して押圧されるとき、解剖学的構造は、エンドエフェクタ(200)の接触部分を変形するように促し、そのため、ストリップ(433、440)の接触領域は、ストリップ(433、440)が押圧されている解剖学的構造の表面幾何学形状に概ね適合し得る。ストリップ(433、440)のそのような接触領域は、解剖学的構造の組織に接触しているストリップ(433、440)内の電極(430)の実質的に正方形の間隔をもたらし得る。いくつかの場合(例えば、心房又は心臓(H)の他の室内において)、ストリップ(433、440)の組織接触領域は実質的に平坦となる。他の場合(例えば、肺静脈において)、ストリップ(433、440)の組織接触領域は湾曲し得る。これらのシナリオはそれでもなお、解剖学的構造の組織に接触しているストリップ(433、440)内の電極(430)の実質的に正方形の間隔を依然としてもたらし得る。したがって、「実質的に正方形の構成」及び「実質的に正方形の間隔」という用語は、問題の電極(430)が、直線である2つの垂直方向において同じ距離だけ互いから等距離に離間されなければならないことを、必ずしも要求するものではないことを理解されたい。正方形離間電極(430)は、湾曲している2つの垂直方向において同じ距離だけ互いから等距離に離間され得る。いずれの場合も、電極(430)の実質的に正方形離間の又は実質的に正方形の構成は、さもなければ、他の種類の離間又は配列を有する電極を用いて可能となると考えられるよりも多くの方向において、心臓組織を横切って進行する信号をエンドエフェクタ(200)が拾うことを可能にすることが、当業者には認識されよう。
【0067】
電極アセンブリ(410)を組み込んだエンドエフェクタ(200)の変形例は、電極アセンブリ(210)を組み込んだエンドエフェクタ(200)の変形例に関連して上述されたものと同様の方式で使用され得る。
【0068】
V.組み合わせの例
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の書類提出における任意の時点で提示され得るいずれの特許請求の適用範囲をも限定することを意図したものではないことを理解されたい。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は、あくまでも例示的な目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の種々の教示は、その他の多くの方式で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者らによって又は本発明者らの利益の承継者によって、後日そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。いずれの特許請求が、本出願において、又は以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む本出願に関連する後の書類提出において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0069】
(a)近位端と遠位端とを有するカテーテルシャフトアセンブリであって、長手方向軸を規定し、遠位端を有する外側シースを含むカテーテルシャフトアセンブリと、(b)カテーテルシャフトアセンブリの遠位端に関連付けられたエンドエフェクタであって、(i)複数のストリップであって、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成されており、第1の構成において外側シース内に収まるように構成されており、外側シースの遠位端に対して遠位に露出されるときに、第2の構成において長手方向軸から離れて外向きに拡張するように構成されている、複数のストリップと、(ii)ストリップのうちの少なくともいくつかの上に配置された複数の電極であって、4つの電極の各グループが、概ね実質的に正方形の構成を画定するように、互いに対して位置決めされている、複数の電極と、を含むエンドエフェクタと、を備える、装置。
【実施例2】
【0070】
エンドエフェクタは、複数の電極アセンブリを更に備え、各電極アセンブリは、複数のストリップのうちの1組のストリップと、複数の電極のうちの対応する1組の電極と、を含む、実施例1に記載の装置。
【実施例3】
【0071】
エンドエフェクタは長手方向軸を規定し、電極アセンブリは、長手方向軸を中心として互いから角度的に離間している、実施例2に記載の装置。
【実施例4】
【0072】
ストリップの各組は、互いに平行である複数のストリップを含む、実施例2~3のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例5】
【0073】
ストリップの各組は、複数のセグメントを有する複数のストリップを含み、複数のセグメントは、(i)中心軸から離れて外向きに遠位に分散する第1のセグメントと、(ii)中心軸と平行に第1のセグメントから長手方向に遠位に延びる第2のセグメントと、(iii)中心軸に向かって内向きに収束する、第2のセグメントから長手方向に遠位に延びる第3のセグメントと、を含む、実施例2~4のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例6】
【0074】
各第2のセグメントは、電極のうちの少なくともいくつかを含む、実施例5に記載の装置。
【実施例7】
【0075】
各第3のセグメントは、電極のうちの少なくともいくつかを含む、実施例5~6のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例8】
【0076】
ストリップの各組は中央ストリップを更に含み、中央ストリップは、対応するストリップの組のうちの他のストリップの第2のセグメントと平行である、実施例5~7のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例9】
【0077】
ストリップの各組は中央部分を更に含み、中央部分は、対応するストリップの組のうちの他のストリップの第2のセグメントと平行である一対のセグメントを備え、中央部分は、中央部分の一対のセグメント間の開口部を更に画定する、実施例5~7のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例10】
【0078】
開口部は楕円形の形状をなす、実施例9に記載の装置。
【実施例11】
【0079】
各電極アセンブリは、遠位アンカー部材と近位アンカー部材とを更に含み、各電極アセンブリは、遠位アンカー部材及び近位アンカー部材を介してカテーテルシャフトアセンブリに固定されている、実施例2~10のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例12】
【0080】
カテーテルシャフトアセンブリは、第1のシャフトと、第1のシャフトに対して遠位に延びる第2のシャフトと、を更に含む、実施例11に記載の装置。
【実施例13】
【0081】
各電極アセンブリの近位アンカー部材は、第1のシャフトに固定されている、実施例12に記載の装置。
【実施例14】
【0082】
各電極アセンブリの遠位アンカー部材は、第2のシャフトに固定されている、実施例12~13のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例15】
【0083】
遠位アンカー部材は、複数のストリップのうちの1つのストリップを含む、実施例12~14のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例16】
【0084】
近位アンカー部材は、複数のストリップのうちの1つのストリップを含む、実施例12~15のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例17】
【0085】
第2のシャフトは、少なくとも1つの参照電極を含む、実施例12~16のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例18】
【0086】
少なくとも1つの参照電極は環状の形状を有し、少なくとも上の(at least on)電極は、第2のシャフトに沿って同軸に配置されている、実施例17に記載の装置。
【実施例19】
【0087】
4つの電極の各グループは、(A)第1の電極と、(B)第1の次元に沿って第1の距離だけ第1の電極から離間した第2の電極と、(C)第2の次元に沿って第1の距離だけ第2の電極から離間した第3の電極であって、第2の次元は、第1の次元に対して垂直である、第3の電極と、(D)第1の次元に沿って第1の距離だけ第3の電極から離間した第4の電極であって、第2の次元に沿って第1の距離だけ第1の電極から更に離間している、第4の電極と、を含む、実施例1~18のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例20】
【0088】
第1の電極及び第2の電極は長手方向軸に沿って配置され、第1の次元は長手方向軸と平行であり、第2の次元は長手方向軸に対して垂直である、実施例19に記載の装置。
【実施例21】
【0089】
第1の電極及び第3の電極は長手方向軸に沿って配置され、第1の次元は長手方向軸に対して斜めに配向され、第2の次元は長手方向軸に対して斜めに配向されている、実施例19に記載の装置。
【実施例22】
【0090】
第1の電極及び第2の電極は、複数のストリップのうちの第1のストリップに沿って配置されている、実施例19~20のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例23】
【0091】
第3の電極及び第4の電極は、複数のストリップのうちの第2のストリップに沿って配置されている、実施例22に記載の装置。
【実施例24】
【0092】
第2のストリップは、第1のストリップに隣接し、かつ第1のストリップと平行に配置されている、実施例23に記載の装置。
【実施例25】
【0093】
第1の電極及び第3の電極は、複数のストリップのうちの第1のストリップに沿って配置されている、実施例19又は21のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例26】
【0094】
第2の電極は、複数のストリップのうちの第2のストリップ上に配置されている、実施例25に記載の装置。
【実施例27】
【0095】
第2のストリップは、第1のストリップに隣接し、かつ第1のストリップと平行に配置されている、実施例26に記載の装置。
【実施例28】
【0096】
第4の電極は、複数のストリップのうちの第3のストリップ上に配置されている、実施例26~27のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例29】
【0097】
第3のストリップは、第1のストリップに隣接し、かつ第1のストリップと平行に配置されている、実施例28に記載の装置。
【実施例30】
【0098】
第1のストリップは、第2のストリップと第3のストリップとの間に横方向に配置されている、実施例28~29のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例31】
【0099】
電極は双極対として配列され、双極対は、4つの電極対の各グループが実質的に正方形の構成を画定するように、互いに対して位置決めされている、実施例1~30のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例32】
【0100】
第2の構成にあるエンドエフェクタは、球状の構成を画定するように構成されている、実施例1~31のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例33】
【0101】
外側シースは、第1の長手方向位置と第2の長手方向位置との間でエンドエフェクタに対して並進するように動作可能であり、外側シースは、第1の長手方向位置でエンドエフェクタを収容するように構成され、外側シースは、第2の長手方向位置でエンドエフェクタを露出させるように構成されている、実施例1~32のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例34】
【0102】
エンドエフェクタは、第1の長手方向位置と第2の長手方向位置との間で外側シースに対して並進するように動作可能であり、エンドエフェクタは、第1の長手方向位置で外側シース内に収容されるように構成され、エンドエフェクタは、第2の長手方向位置で外側シースから露出されるように構成されている、実施例1~33のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例35】
【0103】
ストリップは、外側シースの遠位端に対して遠位に露出されたことに応答して、第2の構成において長手方向軸から離れて外向きに拡張するように弾性的に付勢されている、実施例1~34のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例36】
【0104】
各ストリップは、可撓性の本体に一体化された、又は固定された少なくとも1つの弾性特徴部を含む、実施例35に記載の装置。
【実施例37】
【0105】
少なくとも1つの弾性特徴部は、ニチノールを含む、実施例36に記載の装置。
【実施例38】
【0106】
エンドエフェクタはバルーンを更に含み、バルーンは、ストリップを第2の構成へと促すように動作可能である、実施例1~37のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例39】
【0107】
ストリップはバルーンに固定されている、実施例38に記載の装置。
【実施例40】
【0108】
電極は、組織内の電位を感知するように構成された少なくとも一対の双極感知電極を含む、実施例1~39のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例41】
【0109】
電極は、少なくとも1つのアブレーション電極を含む、実施例1~40のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例42】
【0110】
位置センサを更に備え、位置センサは、3次元空間におけるカテーテルシャフトアセンブリの少なくとも一部又はエンドエフェクタの少なくとも一部の一方又は両方の位置を示す信号を生成するように動作可能である、実施例1~41のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例43】
【0111】
位置センサは、エンドエフェクタ内に位置している、実施例42に記載の装置。
【実施例44】
【0112】
位置センサは、ストリップのうちの1つに位置している、実施例42に記載の装置。
【実施例45】
【0113】
複数の位置センサを更に備え、各ストリップは、ストリップに一体化された位置センサのうちの少なくとも1つを有する、実施例44に記載の装置。
【実施例46】
【0114】
(a)近位端と遠位端とを有するカテーテルシャフトアセンブリであって、長手方向軸を規定し、遠位端を有する外側シースを含むカテーテルシャフトアセンブリと、(b)カテーテルシャフトアセンブリの遠位端に関連付けられたエンドエフェクタであって、(i)複数のストリップであって、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成されており、第1の構成において外側シース内に収まるように構成されており、外側シースの遠位端に対して遠位に露出されるときに、第2の構成において長手方向軸から離れて外向きに拡張するように構成されている、複数のストリップと、(ii)ストリップのうちの少なくともいくつかの上に配置された複数の電極であって、4つの電極の各グループが、(A)第1の電極と、(B)第1の次元に沿って第1の距離だけ第1の電極から離間した第2の電極と、(C)第2の次元に沿って第1の距離だけ第2の電極から離間した第3の電極であって、第2の次元は第1の次元に対して垂直である、第3の電極と、(D)第1の次元に沿って第1の距離だけ第3の電極から離間した第4の電極であって、第2の次元に沿って第1の距離だけ第1の電極から更に離間している、第4の電極と、を含むように、互いに対して位置決めされている、複数の電極と、を含むエンドエフェクタと、を備える、装置。
【実施例47】
【0115】
(a)近位端と遠位端とを有するカテーテルシャフトアセンブリであって、長手方向軸を規定し、遠位端を有する外側シースを含むカテーテルシャフトアセンブリと、(b)カテーテルシャフトアセンブリの遠位端に関連付けられたエンドエフェクタであって、(i)複数のストリップであって、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成されており、第1の構成において外側シース内に収まるように構成されており、外側シースの遠位端に対して遠位に露出されるときに、第2の構成において長手方向軸から離れて外向きに拡張するように構成されている、複数のストリップと、(ii)ストリップのうちの少なくともいくつかの上に配置された複数の電極対であって、4つの電極対の各グループが、実質的に正方形の構成を画定するように、互いに対して位置決めされている、複数の電極対と、を含むエンドエフェクタと、を備える、装置。
【実施例48】
【0116】
(a)近位端と遠位端とを有するカテーテルシャフトアセンブリであって、長手方向軸を規定し、遠位端を有する外側シースを含むカテーテルシャフトアセンブリと、(b)カテーテルシャフトアセンブリの遠位端に関連付けられたエンドエフェクタであって、(i)複数のストリップであって、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成されており、第1の構成において外側シース内に収まるように構成されており、外側シースの遠位端に対して遠位に露出されるときに、第2の構成において長手方向軸から離れて外向きに拡張するように構成されている、複数のストリップと、(ii)ストリップのうちの少なくともいくつかの上に配置された複数の電極であって、4つの電極の各グループ内の電極が、4つの各グループ内の電極の間に実質的に正方形の間隔を画定するように、互いに対して位置決めされている、複数の電極と、を含むエンドエフェクタと、を備える、装置。
【実施例49】
【0117】
(a)近位端と遠位端とを有するカテーテルシャフトアセンブリであって、長手方向軸を規定し、遠位端を有する外側シースを含むカテーテルシャフトアセンブリと、(b)カテーテルシャフトアセンブリの遠位端に関連付けられたエンドエフェクタであって、(i)複数のストリップであって、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成されており、第1の構成において外側シース内に収まるように構成されており、外側シースの遠位端に対して遠位に露出されるときに、第2の構成において長手方向軸から離れて外向きに拡張するように構成されている、複数のストリップと、(ii)ストリップのうちの少なくともいくつかの上に配置された複数の電極であって、2つの垂直方向において同じ距離だけ互いから離間している、複数の電極と、を含むエンドエフェクタと、を備える、装置。
【0118】
VI.その他
本明細書に記載される器具のいずれも、処置前及び/又は処置後に洗浄及び滅菌することができる。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次に、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。デバイスはまた、限定されないが、β線又はγ線、エチレンオキシド、過酸化水素、過酢酸、及びプラズマ又は水蒸気を伴う又は伴わない気相滅菌を含む当技術分野で公知の任意の他の技術を用いて滅菌されてもよい。
【0119】
本明細書に記載の実施例のいずれも、上述のものに加えて又はそれらの代わりに、様々な他の特徴部を含み得ることを理解されたい。単なる例として、本明細書に記載の実施例のいずれも、参照により本明細書に組み込まれている様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴部のうちの1つ以上を含むことができる。
【0120】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正形態及び変形形態は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0121】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又はその他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0122】
本発明の様々な変形例について図示し説明してきたが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成することができる。このような可能な修正のうちのいくつかについて述べたが、その他の修正が当業者には明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、変形例、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0123】
〔実施の態様〕
(1) (a)近位端と遠位端とを有するカテーテルシャフトアセンブリであって、長手方向軸を規定し、遠位端を有する外側シースを含むカテーテルシャフトアセンブリと、
(b)前記カテーテルシャフトアセンブリの前記遠位端に関連付けられたエンドエフェクタであって、
(i)複数のストリップであって、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成されており、前記第1の構成において前記外側シース内に収まるように構成されており、前記外側シースの前記遠位端に対して遠位に露出されるときに、前記第2の構成において前記長手方向軸から離れて外向きに拡張するように構成されている、複数のストリップと、
(ii)前記ストリップのうちの少なくともいくつかの上に配置された複数の電極であって、4つの前記電極の各グループが、概ね実質的に正方形の構成を画定するように、互いに対して位置決めされている、複数の電極と、を含むエンドエフェクタと、を備える、装置。
(2) 前記エンドエフェクタは、複数の電極アセンブリを更に備え、各電極アセンブリは、前記複数のストリップのうちの1組のストリップと、前記複数の電極のうちの対応する1組の電極と、を含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記エンドエフェクタは長手方向軸を規定し、前記電極アセンブリは、前記長手方向軸を中心として互いから角度的に離間している、実施態様2に記載の装置。
(4) ストリップの各組は、互いに平行である複数のストリップを含む、実施態様2に記載の装置。
(5) 4つの電極の各グループは、
(A)第1の電極と、
(B)第1の次元に沿って第1の距離だけ前記第1の電極から離間した第2の電極と、
(C)第2の次元に沿って前記第1の距離だけ前記第2の電極から離間した第3の電極であって、前記第2の次元は、前記第1の次元に対して垂直である、第3の電極と、
(D)前記第1の次元に沿って前記第1の距離だけ前記第3の電極から離間した第4の電極であって、前記第2の次元に沿って前記第1の距離だけ前記第1の電極から更に離間している、第4の電極と、を含む、実施態様1に記載の装置。
【0124】
(6) 前記第1の電極及び前記第2の電極は長手方向軸に沿って配置され、前記第1の次元は前記長手方向軸と平行であり、前記第2の次元は前記長手方向軸に対して垂直である、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記第1の電極及び前記第3の電極は長手方向軸に沿って配置され、前記第1の次元は前記長手方向軸に対して斜めに配向され、前記第2の次元は前記長手方向軸に対して斜めに配向されている、実施態様5に記載の装置。
(8) 前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記複数のストリップのうちの第1のストリップに沿って配置されている、実施態様5に記載の装置。
(9) 前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記複数のストリップのうちの第2のストリップに沿って配置されている、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記第1の電極及び前記第3の電極は、前記複数のストリップのうちの第1のストリップに沿って配置されている、実施態様5に記載の装置。
【0125】
(11) 前記第2の電極は、前記複数のストリップのうちの第2のストリップ上に配置されている、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記第4の電極は、前記複数のストリップのうちの第3のストリップ上に配置されている、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記電極は双極対として配列され、前記双極対は、4つの前記電極対の各グループが実質的に正方形の構成を画定するように、互いに対して位置決めされている、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記ストリップは、前記外側シースの前記遠位端に対して遠位に露出されたことに応答して、前記第2の構成において前記長手方向軸から離れて外向きに拡張するように弾性的に付勢されている、実施態様1に記載の装置。
(15) 各ストリップは、可撓性の本体に一体化された、又は固定された少なくとも1つの弾性特徴部を含む、実施態様14に記載の装置。
【0126】
(16) 前記エンドエフェクタはバルーンを更に含み、前記バルーンは、前記ストリップを前記第2の構成へと促すように動作可能である、実施態様1に記載の装置。
(17) 前記電極は、組織内の電位を感知するように構成された少なくとも一対の双極感知電極を含む、実施態様1に記載の装置。
(18) 前記電極は、少なくとも1つのアブレーション電極を含む、実施態様1に記載の装置。
(19) (a)近位端と遠位端とを有するカテーテルシャフトアセンブリであって、長手方向軸を規定し、遠位端を有する外側シースを含むカテーテルシャフトアセンブリと、
(b)前記カテーテルシャフトアセンブリの前記遠位端に関連付けられたエンドエフェクタであって、
(i)複数のストリップであって、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成されており、前記第1の構成において前記外側シース内に収まるように構成されており、前記外側シースの前記遠位端に対して遠位に露出されるときに、前記第2の構成において前記長手方向軸から離れて外向きに拡張するように構成されている、複数のストリップと、
(ii)前記ストリップのうちの少なくともいくつかの上に配置された複数の電極であって、4つの前記電極の各グループが、
(A)第1の電極と、
(B)第1の次元に沿って第1の距離だけ前記第1の電極から離間した第2の電極と、
(C)第2の次元に沿って前記第1の距離だけ前記第2の電極から離間した第3の電極であって、前記第2の次元は、前記第1の次元に対して垂直である、第3の電極と、
(D)前記第1の次元に沿って前記第1の距離だけ前記第3の電極から離間した第4の電極であって、前記第2の次元に沿って前記第1の距離だけ前記第1の電極から更に離間している、第4の電極と、を含むように、互いに対して位置決めされている、複数の電極と、を含むエンドエフェクタと、を備える、装置。
(20) (a)近位端と遠位端とを有するカテーテルシャフトアセンブリであって、長手方向軸を規定し、遠位端を有する外側シースを含むカテーテルシャフトアセンブリと、
(b)前記カテーテルシャフトアセンブリの前記遠位端に関連付けられたエンドエフェクタであって、
(i)複数のストリップであって、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成されており、前記第1の構成において前記外側シース内に収まるように構成されており、前記外側シースの前記遠位端に対して遠位に露出されるときに、前記第2の構成において前記長手方向軸から離れて外向きに拡張するように構成されている、複数のストリップと、
(ii)前記ストリップのうちの少なくともいくつかの上に配置された複数の電極であって、2つの垂直方向において同じ距離だけ互いから離間している、複数の電極と、を含むエンドエフェクタと、を備える、装置。
【国際調査報告】