IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特表2022-553433点火補助剤および結合剤を含む可燃性熱源
<>
  • 特表-点火補助剤および結合剤を含む可燃性熱源 図1
  • 特表-点火補助剤および結合剤を含む可燃性熱源 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(54)【発明の名称】点火補助剤および結合剤を含む可燃性熱源
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/22 20200101AFI20221215BHJP
【FI】
A24D1/22
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022536962
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(85)【翻訳文提出日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 EP2020085948
(87)【国際公開番号】W WO2021122442
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】19217188.2
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】モフセニ ファーハン
(72)【発明者】
【氏名】ナスバウマー シモン
(72)【発明者】
【氏名】オルソリーニ パオラ
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045AA02
4B045AB00
(57)【要約】
エアロゾル発生物品用の可燃性熱源であって、可燃性熱源が、炭素と、アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤と、および少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤と、を含む、可燃性熱源。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品用の可燃性熱源であって、前記可燃性熱源が、
炭素と、
アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤と、
少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤と、を含む、可燃性熱源。
【請求項2】
前記少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、およびそれらのグラフト共重合体からなる群から選択される、請求項1に記載の可燃性熱源。
【請求項3】
前記アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤が過酸化カルシウムである、請求項1または2に記載の可燃性熱源。
【請求項4】
前記可燃性熱源が、約20重量パーセント~約60重量パーセントの前記アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の可燃性熱源。
【請求項5】
前記可燃性熱源が、少なくとも約3重量パーセントの前記結合剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の可燃性熱源。
【請求項6】
前記可燃性熱源が、約4重量パーセント~約15重量パーセントの前記結合剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の可燃性熱源。
【請求項7】
前記可燃性熱源が、少なくとも約0.5重量パーセントの前記少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の可燃性熱源。
【請求項8】
前記可燃性熱源が、約0.75乾燥重量パーセント~約4重量パーセントの前記少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の可燃性熱源。
【請求項9】
前記結合剤が、カルボキシメチルセルロースと前記少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーとの組み合わせを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の可燃性熱源。
【請求項10】
前記カルボキシメチルセルロースが、少なくとも約1.5乾燥重量パーセントの量で前記可燃性熱源中に存在する、請求項9に記載の可燃性熱源。
【請求項11】
前記可燃性熱源内のカルボキシメチルセルロースの前記重量パーセントと前記少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの前記重量パーセントとの比率が、少なくとも約1:1である、請求項9または10に記載の可燃性熱源。
【請求項12】
前記可燃性熱源が、約30重量パーセント~約55重量パーセントの炭素を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の可燃性熱源。
【請求項13】
一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩をさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の可燃性熱源。
【請求項14】
前記可燃性熱源が、少なくとも約1重量パーセントの前記一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩を含む、請求項13に記載の可燃性熱源。
【請求項15】
エアロゾル発生物品であって、
請求項1~14のいずれか一項に記載の可燃性熱源と、
前記可燃性熱源の下流にあるエアロゾル形成基体と、含む、エアロゾル発生物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生物品用の可燃性熱源と、可燃性熱源および可燃性熱源の下流にあるエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ材料が燃焼されるよりはむしろ加熱される多くのエアロゾル発生物品が、当業界において提唱されてきた。このような「加熱式」エアロゾル発生物品の一つの目的は、従来の紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解性分解によって生成される種類の公知の有害な煙成分を低減することである。
【0003】
加熱式エアロゾル発生物品では通常、例えば、化学的、電気的または可燃性熱源などの熱源から、熱源の内部、周囲、または下流に位置し得る物理的に分離されたエアロゾル形成基体への熱伝達により、エアロゾルが生成される。
【0004】
加熱式エアロゾル発生物品の一つの種類では、可燃性炭素質熱源から可燃性炭素質熱源の下流に位置するたばこ材料を含む物理的に分離されたエアロゾル形成基体への熱伝達によりエアロゾルが生成される。使用時に、揮発性化合物は可燃性炭素質熱源からエアロゾル形成基体に熱伝達によってたばこ材料から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き込まれた空気中に同伴される。放出された化合物が冷えるにつれて、それらは凝縮し、ユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成する。
【0005】
熱は、強制的対流および伝導の一方または両方によって、可燃性炭素質熱源からエアロゾル形成基体に伝達され得る。
【0006】
可燃性炭素質熱源からエアロゾル形成基体への十分な伝導性熱伝達を確保して、容認可能なエアロゾルを得るために、熱伝導性要素を、可燃性炭素質熱源の少なくとも後方部分、および加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の少なくとも前方部分の周りに直接接触するように含めることが公知である。例えば、国際公開第2009/022232 A2号は、可燃性炭素質熱源、可燃性熱源の下流のエアロゾル形成基体、および可燃性炭素質熱源の後方部分およびエアロゾル形成基体の隣接する前方部分の周りにあり、かつ直接接触する熱伝導性要素を備える喫煙物品を開示している。使用時に、可燃性炭素質熱源の燃焼の間に生成された熱は、可燃性炭素質熱源の当接する下流端および熱伝導性要素を通じた伝導によって、エアロゾル形成基体の前方部分の周辺部に伝達される。
【0007】
加熱式エアロゾル発生物品用の可燃性熱源の燃焼温度は、加熱式エアロゾル発生物品の使用中のエアロゾル形成基体の燃焼または熱分解をもたらすほど高くなるべきでない。ところが、可燃性炭素質熱源の燃焼温度は、エアロゾル形成基体から十分な揮発性化合物を放出して、特に初期吸煙の間に容認可能なエアロゾルを生成するのに十分な熱を生成するのに十分に高いものであるべきである。
【0008】
加熱式エアロゾル発生物品用の各種の可燃性炭素質熱源は、当技術分野において公知である。
【0009】
加熱式エアロゾル発生物品で使用される場合、公知の可燃性炭素質熱源は、点火後に十分な熱を生成せず、早期の吸煙中に許容可能なエアロゾルを生成しないことが多い。
【0010】
加熱式エアロゾル発生物品に使用される場合、公知の可燃性炭素質熱源は、多くの場合、着火するのが困難である。加熱式エアロゾル発生物品の可燃性炭素質熱源に適切に点火することができないと、容認できないエアロゾルがユーザーに送達されることがあり得る。
【0011】
加熱式喫煙物品の点火およびその燃焼特性を改善するために、可燃性炭素質熱源の中に酸化剤および他の添加剤を含むことが当業界で提唱されている。例えば、国際公開第2012/164077A1号は、約摂氏600度未満の熱分解温度を有する金属硝酸塩、塩素酸塩、過酸化物、サーミチック材料、金属間材料、マグネシウム、ジルコニウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される炭素および少なくとも一つの点火補助剤を含む、喫煙物品の可燃性熱源を開示する。
【0012】
公知の可燃性炭素質熱源で使用される一部の点火補助剤は、可燃性炭素質熱源の輸送および保管中の環境条件への曝露時に分解することが見出されている。例えば、公知の可燃性炭素質熱源で使用される一部の点火補助剤は、可燃性炭素質熱源の輸送および保管中に大気中の水分に曝露したときに分解することが見出されている。輸送および保管中の点火補助剤の分解は、点火補助剤源を含む公知の炭素質の可燃性熱源の点火を不都合にも、より困難にし得る。
【0013】
環境条件に曝露した後であっても、急速な点火および機械的完全性を示す点火補助剤を含む可燃性炭素質熱源を提供することが望ましい。
【0014】
点火補助剤を含む公知の可燃性炭素質熱源と比較して、改善された燃焼特性を示す点火補助剤を含む可燃性炭素質熱源を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、エアロゾル発生物品用の可燃性熱源に関する。可燃性熱源は、炭素を含んでもよい。可燃性熱源は、点火補助剤を含んでもよい。点火補助剤は、アルカリ土類金属過酸化物であってもよい。可燃性熱源は、結合剤を含んでもよい。結合剤は、少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含んでもよい。
【0016】
本発明によれば、エアロゾル発生物品用の可燃性熱源が提供され、可燃性熱源は、炭素、アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、および少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤を含む。
【0017】
本発明によれば、本発明による可燃性熱源と、可燃性熱源の下流にあるエアロゾル形成基体と、を備えるエアロゾル発生物品がさらに提供されている。
【0018】
本発明による可燃性熱源に少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤を含有させることは、環境条件への曝露の結果としてアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤の分解を有利に減少させ得ることが驚くべきことに見出された。
【0019】
特に、本発明による可燃性熱源に少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤を含有させることは、高湿度への曝露の結果としてアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤の分解を低減し得ることが驚くべきことに見出された。
【0020】
理論に拘束されることを意図するものではないが、少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤の含有は、本発明による可燃性熱源への水分拡散に対するバリアを作り出すと考えられる。
【0021】
アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤の分解を低減することによって、少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤の含有は、可燃性熱源の輸送および保管中における、本発明による可燃性熱源の化学的および物理的安定性を有利に改善し得る。
【0022】
また驚くべきことに、少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーとアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤との組み合わせを含む結合剤の含有は、本発明による可燃性熱源の燃焼特性を有利に著しく改善し得ることが見出された。
【0023】
特に、驚くべきことに、少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤の含有は、本発明による可燃性熱源の点火伝播速度を有利に著しく改善し得ることが見出された。
【0024】
理論に拘束されることを意図するものではないが、少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤は、本発明による可燃性熱源の点火中にエネルギーを提供すると考えられる。理論に拘束されることを意図するものではないが、これは本発明による可燃性熱源の点火伝播速度を改善すると考えられる。
【0025】
また、驚くべきことに、少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤の含有は、本発明による可燃性熱源の機械的特性を有利に著しく改善し得ることが見出された。
【0026】
理論に拘束されることを意図するものではないが、少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤の含有は、本発明による可燃性熱源の形成中に、炭素およびアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤の凝集を修飾すると考えられる。理論に拘束されることを意図するものではないが、これは本発明による可燃性熱源の機械的特性に影響を及ぼすと考えられる。
【0027】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「遠位」「上流」および「前方」、および用語「近位」、「下流」および「後方」は、本発明によるエアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分の相対的位置を描写するために使用される。本発明によるエアロゾル発生物品は、使用時に、ユーザーに送達するために、エアロゾルがそこを通ってエアロゾル発生物品を抜け出る近位端を備える。エアロゾル発生物品の近位端は、またエアロゾル発生物品の口側端と呼ばれる場合もある。使用時に、エアロゾル発生物品によって生成されたエアロゾルを吸い込むために、ユーザーはエアロゾル発生物品の近位端を吸い込む。
【0028】
本発明によるエアロゾル発生物品は、遠位端を備える。可燃性熱源はエアロゾル発生物品の遠位端に位置するか、またはそれに近接する。エアロゾル発生物品の口側端は、エアロゾル発生物品の遠位端の下流にある。また、エアロゾル発生物品の近位端は、エアロゾル発生物品の下流端と言及してもよく、また、エアロゾル発生物品の遠位端は、エアロゾル発生物品の上流端と言及してもよい。本発明によるエアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分は、エアロゾル発生物品の近位端とエアロゾル発生物品の遠位端との間のこれらの相対的位置に基づき互いの上流または下流にあると記述され得る。
【0029】
本発明による可燃性熱源は、前端面および後端面を有する。可燃性熱源の前端面は可燃性熱源の上流端にある。可燃性熱源の上流端は、エアロゾル発生物品の近位端から最も遠い可燃性熱源の端である。可燃性熱源の後端面は可燃性熱源の下流端にある。可燃性熱源の下流端は、エアロゾル発生物品の近位端に最も近い可燃性熱源の端である。
【0030】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「長軸方向」は、本発明による可燃性熱源の上流端と下流端との間の方向、および本発明によるエアロゾル発生物品を記述するために使用される。
【0031】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「横断方向」は、長軸方向に対して垂直な方向を記述するために使用される。すなわち、本発明による可燃性熱源の上流端と下流端との間の方向に垂直な方向、および本発明によるエアロゾル発生物品に垂直な方向な方向である。
【0032】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「長さ」は、本発明による可燃性熱源の長軸方向における最大寸法、および本発明によるエアロゾル発生物品のそれを記述するために使用される。
【0033】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「直径」は、本発明による可燃性熱源の横断方向における最大寸法、および本発明によるエアロゾル発生物品のそれを記述するために使用される。
【0034】
本発明による可燃性熱源は炭素質熱源であることが好ましい。
【0035】
本発明に関連して本明細書に使用される用語「炭素質」は、炭素を含む可燃性熱源を説明するために使用される。
【0036】
本発明による可燃性熱源は、燃料としての炭素を含んでもよい。
【0037】
可燃性熱源は、少なくとも約25重量パーセントの炭素を含んでもよい。
【0038】
特に明記されない限り、本明細書に列挙される可燃性熱源の構成成分の重量パーセントは、可燃性熱源の総乾燥重量に基づく。
【0039】
可燃性熱源は、少なくとも約30重量パーセントの炭素を含むことが好ましい。
【0040】
より好ましくは、可燃性熱源は、少なくとも約35重量パーセントの炭素を含む。
【0041】
可燃性熱源は、少なくとも約40重量パーセントの炭素を含んでもよい。
【0042】
可燃性熱源は、約60重量パーセント以下の炭素を含んでもよい。
【0043】
可燃性熱源は、約55重量パーセント以下の炭素を含むことが好ましい。
【0044】
より好ましくは、可燃性熱源は、約50重量パーセント以下の炭素を含む。
【0045】
可燃性熱源は、約45重量パーセント以下の炭素を含んでもよい。
【0046】
可燃性熱源は、約25重量パーセント~約60重量パーセントの炭素、約25重量パーセント~約55重量パーセントの炭素、約25重量パーセント~約50重量パーセントの炭素、または約25重量パーセント~約45重量パーセントの炭素を含んでもよい。
【0047】
可燃性熱源は、約30重量パーセント~約60重量パーセントの炭素、約30重量パーセント~約55重量パーセントの炭素、約30重量パーセント~約50重量パーセントの炭素、または約30重量パーセント~約45重量パーセントの炭素を含むことが好ましい。
【0048】
より好ましくは、可燃性熱源は、約35重量パーセント~約60重量パーセントの炭素、約35重量パーセント~約55重量パーセントの炭素、約35重量パーセント~約50重量パーセントの炭素、または約35重量パーセント~約45重量パーセントの炭素を含む。
【0049】
可燃性熱源は、約40重量パーセント~約60重量パーセントの炭素、約40重量パーセント~約55重量パーセントの炭素、約40重量パーセント~約50重量パーセントの炭素、または約40重量パーセント~約45重量パーセントの炭素を含んでもよい。
【0050】
本発明による可燃性熱源は、一つ以上の適切な炭素材料から形成され得る。有利には、本発明による可燃性熱源は、一つ以上の炭化材料を含む。適切な炭素材料は、当技術分野で広く公知であり、炭素粉末および炭粉末を含むが、これに限定されない。
【0051】
本発明による可燃性熱源は、アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含む。
【0052】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤」、可燃性熱源の点火中にエネルギーおよび酸素の一方または両方を放出するアルカリ土類金属過酸化物を記述するために使用され、ここで、アルカリ土類金属過酸化物によるエネルギーおよび酸素の一方または両方の放出の速度は、周囲酸素拡散が制限されていない。言い換えれば、可燃性熱源の点火中のアルカリ土類金属過酸化物によるエネルギーおよび酸素の一方または両方の放出速度は、周囲酸素がアルカリ土類金属過酸化物に到達できる速度にほとんど無関係である。
【0053】
可燃性熱源の点火中にアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤によって放出されるエネルギーおよび酸素の一方または両方の量は、可燃性熱源が二段階燃焼プロセスを経ることをもたらすのに十分であり得る。
【0054】
本発明による初期第一段階における可燃性熱源は、温度における「ブースト」を示してもよく、本発明による後続の第二段階における可燃性熱源は、より低い「クルージング」温度で持続的な燃焼を経てもよい。
【0055】
本発明による可燃性熱源の初期の温度における「ブースト」は、その一部の点火時に可燃性熱源の全体に渡る非常に急速な熱の伝播に起因して生じ得る。非常に急速な熱の伝播は、発火した可燃性熱源の一部分が、隣接する未点火部分の可燃性熱源の点火を引き起こす連鎖反応の結果であり得る。
【0056】
本発明によるエアロゾル発生物品での使用の、本発明による可燃性熱源の「ブースト」温度への急速な温度の上昇は、エアロゾル形成基体から揮発性化合物が放出されるレベルまで、エアロゾル形成基体の温度を急速に上昇させ得る。これにより、本発明によるエアロゾル発生物品が、早期の吸煙中に知覚的に許容可能なエアロゾルを生成することを確実にし得る。本発明による可燃性熱源の温度のその後の「クルージング」温度への低下は、エアロゾル形成基体の温度が、エアロゾル形成基体の燃焼または熱分解が起こるレベルに到達しないことを保証し得る。
【0057】
上述の方法で本発明による可燃性熱源の温度を制御することは、本発明によるエアロゾル発生物品が、早期の吸煙中に知覚的に許容可能なエアロゾルを生成するだけでなく、エアロゾル形成基体の燃焼または熱分解も実質的に回避されることを有利に可能にし得る。
【0058】
上述の二段階プロセスを達成するために含まなければならないアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤の量は、可燃性熱源に含まれる特定のアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤に応じて変化する。
【0059】
一般的に、単位質量当たりのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤によって放出されるエネルギーおよび酸素の一方または両方の量が大きいほど、上述の二段階燃焼プロセスを達成するために可燃性熱源に含まれなければならないアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤の量が少ない。
【0060】
可燃性熱源は、少なくとも約15重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含んでもよい。
【0061】
可燃性熱源は、少なくとも約20重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含むことが好ましい。
【0062】
より好ましくは、可燃性熱源は、少なくとも約30重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含む。
【0063】
可燃性熱源は、少なくとも約40重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含んでもよい。
【0064】
可燃性熱源は、約65重量パーセント以下のアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含んでもよい。
【0065】
可燃性熱源は、約60重量パーセント以下のアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含むことが好ましい。
【0066】
より好ましくは、可燃性熱源は、約55重量パーセント以下のアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含む。
【0067】
可燃性熱源は、約50重量パーセント以下のアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含んでもよい。
【0068】
可燃性熱源は、約15重量パーセント~約65重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、約15重量パーセント~約60重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、約15重量パーセント~約55重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、または約15重量パーセント~約50重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含んでもよい。
【0069】
好ましくは、可燃性熱源は、約20重量パーセント~約65重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、約20重量パーセント~約60重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、約20重量パーセント~約55重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、または約20重量パーセント~約50重量パーセントアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含む。
【0070】
より好ましくは、可燃性熱源は、約30重量パーセント~約65重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、約30重量パーセント~約60重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、約30重量パーセント~約55重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、または約30重量パーセント~約50重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含む。
【0071】
可燃性熱源は、約40重量パーセント~約65重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、約40重量パーセント~約60重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、約40重量パーセント~約55重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、または約40重量パーセント~約50重量パーセントのアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含んでもよい。
【0072】
アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤は、過酸化カルシウムであることが好ましい。
【0073】
可燃性熱源は、少なくとも約15重量パーセントの過酸化カルシウムを含んでもよい。
【0074】
可燃性熱源は、少なくとも約20重量パーセントの過酸化カルシウムを含むことが好ましい。
【0075】
より好ましくは、可燃性熱源は、少なくとも約30重量パーセントの過酸化カルシウムを含む。
【0076】
可燃性熱源は、少なくとも約40重量パーセントの過酸化カルシウムを含んでもよい。
【0077】
可燃性熱源は、約65重量パーセント以下の過酸化カルシウムを含んでもよい。
【0078】
好ましくは、可燃性熱源は、約60重量パーセント以下の過酸化カルシウムを含む。
【0079】
より好ましくは、可燃性熱源は、約55重量パーセント以下の過酸化カルシウムを含む。
【0080】
可燃性熱源は、約50重量パーセント以下の過酸化カルシウムを含んでもよい。
【0081】
可燃性熱源は、約15重量パーセント~約65重量パーセントの過酸化カルシウム、約15重量パーセント~約60重量パーセントの過酸化カルシウム、約15重量パーセント~約55重量パーセントの過酸化カルシウム、または約15重量パーセント~約50重量パーセントの過酸化カルシウムを含んでもよい。
【0082】
可燃性熱源は、約20重量パーセント~約65重量パーセントの過酸化カルシウム、約20重量パーセント~約60重量パーセントの過酸化カルシウム、約20重量パーセント~約55重量パーセントの過酸化カルシウム、または約20重量パーセント~約50重量パーセントの過酸化カルシウムを含むことが好ましい。
【0083】
より好ましくは、可燃性熱源は、約30重量パーセント~約65重量パーセントの過酸化カルシウム、約30重量パーセント~約60重量パーセントの過酸化カルシウム、約30重量パーセント~約55重量パーセントの過酸化カルシウム、または約30重量パーセント~約50重量パーセントの過酸化カルシウムを含む。
【0084】
可燃性熱源は、約40重量パーセント~約65重量パーセントの過酸化カルシウム、約40重量パーセント~約60重量パーセントの過酸化カルシウム、約40重量パーセント~約55重量パーセントの過酸化カルシウム、または約40重量パーセント~約50重量パーセントの過酸化カルシウムを含んでもよい。
【0085】
本発明による可燃性熱源は、固体の可燃性熱源とし得る。
【0086】
好ましくは、可燃性熱源は、しっかり固まった固体の可燃性熱源である。すなわち、一体型の固体の可燃性熱源である。
【0087】
本発明による可燃性熱源は、少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤を含む。
【0088】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「結合剤」は、炭素およびアルカリ土類金属過酸化物点火補助剤および可燃性熱源の任意の他の構成成分を一緒に結合することができる可燃性熱源の構成成分を記述するために使用される。
【0089】
可燃性熱源は、少なくとも約3重量パーセントの結合剤を含んでもよい。
【0090】
可燃性熱源は、少なくとも約4重量パーセントの結合剤を含むことが好ましい。
【0091】
より好ましくは、可燃性熱源は、少なくとも約5重量パーセントの結合剤を含む。
【0092】
可燃性熱源は、約20重量パーセント以下の結合剤を含んでもよい。
【0093】
可燃性熱源は、約15重量パーセント以下の結合剤を含むことが好ましい。
【0094】
より好ましくは、可燃性熱源は、約10重量パーセント以下の結合剤を含む。
【0095】
可燃性熱源は、約3重量パーセント~約20重量パーセントの結合剤、約3重量パーセント~約15重量パーセントの結合剤、または約3重量パーセント~約10重量パーセントの結合剤を含んでもよい。
【0096】
好ましくは、可燃性熱源は、約4重量パーセント~約20重量パーセントの結合剤、約4重量パーセント~約15重量パーセントの結合剤、または約4重量パーセント~約10重量パーセントの結合剤を含む。
【0097】
より好ましくは、可燃性熱源は、約5重量パーセント~約20重量パーセントの結合剤、約5重量パーセント~約15重量パーセントの結合剤、または約5重量パーセント~約10重量パーセントの結合剤を含む。
【0098】
結合剤は、少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む。
【0099】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「非セルロース性膜形成ポリマー」は、固体表面への適用時に膜を形成することができる非セルロース性ポリマーを記述するために使用される。
【0100】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「非セルロース性膜形成ポリマー」は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの修飾セルロースおよびセルロース誘導体を含まない。
【0101】
好ましくは、少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、およびそれらのグラフト共重合体からなる群から選択される。
【0102】
可燃性熱源は、少なくとも約0.5重量パーセントの少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含んでもよい。
【0103】
好ましくは、可燃性熱源は、少なくとも約0.75重量パーセントの少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む。
【0104】
より好ましくは、可燃性熱源は、少なくとも約1重量パーセントの少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む。
【0105】
可燃性熱源は、約5重量パーセント以下の少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含んでもよい。
【0106】
好ましくは、可燃性熱源は、約4重量パーセント以下の少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む。
【0107】
より好ましくは、可燃性熱源は、約3重量パーセント以下の少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む。
【0108】
可燃性熱源は、約0.5重量パーセント~約5重量パーセントの少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマー、約0.5重量パーセント~約4重量パーセントの少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマー、または約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含んでもよい。
【0109】
可燃性熱源は、約0.75重量パーセント~約5重量パーセントの少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマー、約0.75重量パーセント~約4重量パーセントの少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマー、または約0.75重量パーセント~約3重量パーセントの少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含むことが好ましい。
【0110】
より好ましくは、可燃性熱源は、約1重量パーセント~約5重量パーセントの少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマー、約1重量パーセント~約4重量パーセントの少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマー、または約1重量パーセント~約3重量パーセントの少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む。
【0111】
本発明による可燃性熱源は、少なくとも一つのセルロースエーテルと少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーとの組み合わせを含む結合剤を含むことが好ましい。
【0112】
より好ましくは、本発明による可燃性熱源は、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも一つのセルロースエーテル、および少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの組み合わせを含む結合剤を含む。
【0113】
最も好ましくは、本発明による可燃性熱源は、カルボキシメチルセルロースと、少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーとの組み合わせを含む結合剤を含む。
【0114】
本発明による可燃性熱源は、カルボキシメチルセルロース、少なくとも一つの追加のセルロースエーテル、および少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの組み合わせを含む結合剤を含んでもよい。
【0115】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「追加のセルロースエーテル」は、カルボキシメチルセルロース以外のセルロースエーテルを記述するために使用される。
【0116】
本発明による可燃性熱源は、少なくとも一つのセルロースエーテル、およびポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、およびそのグラフト共重合体からなる群から選択される少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの組み合わせを含む結合剤を含むことが好ましい。
【0117】
より好ましくは、本発明による可燃性熱源は、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも一つのセルロースエーテルと、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、およびそのグラフト共重合体からなる群から選択される少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーとの組み合わせを含む結合剤を含む。
【0118】
最も好ましくは、本発明による可燃性熱源は、カルボキシメチルセルロースと、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、およびそれらのグラフト共重合体からなる群から選択される少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーとの組み合わせを含む結合剤を含む。
【0119】
本発明による可燃性熱源は、カルボキシメチルセルロースと、少なくとも一つの追加のセルロースエーテルと、およびポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、およびそのグラフト共重合体からなる群から選択される少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーとの組み合わせを含む結合剤を含んでもよい。
【0120】
本発明による可燃性熱源は、カルボキシメチルセルロースと、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも一つの追加のセルロースエーテルと、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、およびそのグラフト共重合体からなる群から選択される少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーとの組み合わせを含む結合剤を含んでもよい。
【0121】
可燃性熱源は、少なくとも約1.5重量パーセントのカルボキシメチルセルロースを含んでもよい。
【0122】
可燃性熱源は、少なくとも約2重量パーセントのカルボキシメチルセルロースを含むことが好ましい。
【0123】
より好ましくは、可燃性熱源は、少なくとも約3重量パーセントのカルボキシメチルセルロースを含む。
【0124】
可燃性熱源は、約15重量パーセント以下のカルボキシメチルセルロースを含んでもよい。
【0125】
好ましくは、可燃性熱源は、約12重量パーセント以下のカルボキシメチルセルロースを含む。
【0126】
より好ましくは、可燃性熱源は、約8重量パーセント以下のカルボキシメチルセルロースを含む。
【0127】
可燃性熱源は、約1.5重量パーセント~約15重量パーセントのカルボキシメチルセルロース、約1.5重量パーセント~約12重量パーセントのカルボキシメチルセルロース、または約1.5重量パーセント~約8重量パーセントのカルボキシメチルセルロースを含んでもよい。
【0128】
可燃性熱源は、約2重量パーセント~約15重量パーセントのカルボキシメチルセルロース、約2重量パーセント~約12重量パーセントのカルボキシメチルセルロース、または約2重量パーセント~約8重量パーセントのカルボキシメチルセルロースを含むことが好ましい。
【0129】
より好ましくは、可燃性熱源は、約3重量パーセント~約15重量パーセントのカルボキシメチルセルロース、約3重量パーセント~約12重量パーセントのカルボキシメチルセルロース、または約3重量パーセント~約8重量パーセントのカルボキシメチルセルロースを含む。
【0130】
可燃性熱源中の少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの重量パーセントに対するカルボキシメチルセルロースの重量パーセントの比率は、少なくとも約1:1とし得る。
【0131】
好ましくは、可燃性熱源中の少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの重量パーセントに対するカルボキシメチルセルロースの重量パーセントの比率は、少なくとも約3:2である。
【0132】
より好ましくは、可燃性熱源中の少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの重量パーセントに対するカルボキシメチルセルロースの重量パーセントの比率は、少なくとも約2:1である。
【0133】
可燃性熱源中の少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの重量パーセントに対するカルボキシメチルセルロースの重量パーセントの比率は、約4:1以下であってもよい。
【0134】
好ましくは、可燃性熱源中の少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの重量パーセントに対するカルボキシメチルセルロースの重量パーセントの比率は、約7:2以下である。
【0135】
より好ましくは、可燃性熱源中の少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの重量パーセントに対するカルボキシメチルセルロースの重量パーセントの比率は、約3:1以下である。
【0136】
可燃性熱源中の少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの重量パーセントに対するカルボキシメチルセルロースの重量パーセントの比率は、約5:2以下であってもよい。
【0137】
可燃性熱源中の少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの重量パーセントに対するカルボキシメチルセルロースの重量パーセントの比率は、約1:1~約4:1、約1:1~約7:2、約1:1~約3:1、または約1:1~約5:2の間であり得る。
【0138】
好ましくは、可燃性熱源中の少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの重量パーセントに対するカルボキシメチルセルロースの重量パーセントの比率は、約3:2~約4:1、約3:2~約7:2、約3:2~約3:1、または約3:2~約5:2である。
【0139】
より好ましくは、可燃性熱源中の少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの重量パーセントに対するカルボキシメチルセルロースの重量パーセントの比率は、約2:1~約4:1、約2:1~約7:2、約2:1~約3:1、または約2:1~約5:2である。
【0140】
結合剤は、不燃性無機シートケイ酸塩結合剤を含んでもよい。
【0141】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「不燃性」は、可燃性熱源が点火または燃焼中に到達する温度にて燃えないまたは分解しない構成成分を記述するために使用される。
【0142】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「不燃性無機シートケイ酸塩結合剤」は、可燃性熱源の点火および燃焼中に結合剤が供される温度で安定し、可燃性熱源の燃焼中および燃焼後に実質的に損なわれないであろう無機シートケイ酸塩結合剤を記述するために使用される。
【0143】
好適な不燃性無機シートケイ酸塩結合剤としては、以下に限定されないが、ベントナイト、モンモリロナイト、及びカオリナイトなどの粘土、雲母、及び蛇紋岩が挙げられる。
【0144】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「粘土」は、ケイ酸塩イオンとアルミネートイオンの二次元シートから形成されるフィロケイ酸アルミニウム材料を記述するために使用され、これは粘土内に別個の層状構造を形成する。
【0145】
有利には、結合剤は、不燃性無機シートケイ酸塩結合剤を含まない場合がある。
【0146】
本発明による可燃性熱源は、一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩を含んでもよい。
【0147】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「カルボン酸塩燃焼塩」は、炭酸以外のカルボン酸の塩を記述するために使用される。すなわち、本発明に関連して本明細書で使用される用語「カルボン酸塩燃焼塩」は、炭酸塩または重炭酸塩を含まない。
【0148】
一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩は、可燃性熱源の燃焼を有利に促進し得る。
【0149】
カルボン酸塩燃焼塩は、一価、二価、または三価のカチオンおよびカルボン酸アニオンを含んでもよい。
【0150】
カルボン酸塩燃焼塩は、一価、二価、または三価のカチオンと、酢酸塩、クエン酸塩、またはコハク酸塩アニオンとを含んでもよい。
【0151】
カルボン酸塩燃焼塩は、アルカリ金属カルボン酸塩燃焼塩であってもよい。例えば、カルボン酸塩燃焼塩は、カルボン酸ナトリウム燃焼塩またはカルボン酸カリウム熱傷塩であってもよい。
【0152】
カルボン酸塩燃焼塩は、アルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属クエン酸塩、またはアルカリ金属コハク酸塩であってもよい。
【0153】
最も好ましくは、カルボン酸塩燃焼塩はクエン酸カリウムである。
【0154】
可燃性熱源は、単一のカルボン酸塩燃焼塩を含んでもよい。
【0155】
可燃性熱源は、二つ以上の異なるカルボン酸塩燃焼塩の組み合わせを含んでもよい。二つ以上の異なるカルボン酸塩燃焼塩は、異なるカルボン酸アニオンを含んでもよい。二つ以上の異なるカルボン酸塩燃焼塩は、異なるカチオンを含んでもよい。例えば、可燃性熱源は、アルカリ金属クエン酸塩とアルカリ土類金属コハク酸塩との組み合わせを含んでもよい。
【0156】
可燃性熱源は、少なくとも約0.1重量パーセントの一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩を含んでもよい。
【0157】
可燃性熱源は、少なくとも約0.5重量パーセントの一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩を含んでもよい。
【0158】
好ましくは、可燃性熱源は、少なくとも約1重量パーセントの一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩を含む。
【0159】
可燃性熱源は、約4重量パーセント以下の一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩を含んでもよい。
【0160】
好ましくは、可燃性熱源は、約3重量パーセント以下の一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩を含む。
【0161】
可燃性熱源は、約0.1重量パーセント~約4重量パーセントの一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩、または約0.1重量パーセント~約3重量パーセントの一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩を含んでもよい。
【0162】
可燃性熱源は、約0.5重量パーセント~約4重量パーセントの一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩、または約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩を含んでもよい。
【0163】
好ましくは、可燃性熱源は、約1重量パーセント~約4重量パーセントの一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩、または約1重量パーセント~約3重量パーセントの一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩を含む。
【0164】
本発明による可燃性熱源は組成において実質的に均一であることが好ましい。
【0165】
本発明による可燃性熱源は、任意の所望の長さを有してもよい。
【0166】
本発明による可燃性熱源は、約5ミリメートル~約20ミリメートルの長さを有してもよい。
【0167】
好ましくは、本発明による可燃性熱源は、約7ミリメートル~約17ミリメートルの長さを有する。
【0168】
より好ましくは、本発明による可燃性熱源は、約7ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有する。
【0169】
最も好ましくは、本発明による可燃性熱源は、約7ミリメートル~約13ミリメートルの長さを有する。
【0170】
本発明による可燃性熱源は、任意の所望の直径を有してもよい。
【0171】
本発明による可燃性熱源は、約5ミリメートル~約15ミリメートルの直径を有してもよい。
【0172】
好ましくは、本発明による可燃性熱源は、約5ミリメートル~約10ミリメートルの直径を有する。
【0173】
より好ましくは、本発明による可燃性熱源は、約7ミリメートル~約8ミリメートルの直径を有する。
【0174】
本発明による可燃性熱源は、可燃性熱源の後方部分の直径が、可燃性熱源の前方部分の直径より大きくなるように先細であってもよい。
【0175】
好ましくは、本発明による可燃性熱源は、実質的に一定の直径である。
【0176】
好ましくは、本発明による可燃性熱源は、実質的に円形の横断断面である。
【0177】
好ましくは、本発明による可燃性熱源は実質的に円筒形状である。
【0178】
本発明による可燃性熱源は、約300ミリグラム~約500ミリグラムの質量を有してもよい。例えば、本発明による可燃性熱源は、約400ミリグラム~約450ミリグラムの質量を有する。
【0179】
本発明による可燃性熱源は、1立法センチメートルあたり約0.6グラム~1立法センチメートルあたり約1.0グラムの見掛け密度を有する。
【0180】
本発明による可燃性熱源は、例えば、水銀ポロシメトリーまたはヘリウムピクノメトリーによって測定されるとき、約20パーセント~約80パーセントの空隙率を有し得る。
【0181】
例えば、本発明による可燃性熱源は、例えば、水銀ポロシメトリーまたはヘリウムピクノメトリーによって測定される場合、約20パーセント~60パーセント、約50パーセント~約70パーセント、または約50パーセント~約60パーセントの空隙率を有してもよい。
【0182】
必要とされる空隙率は、本発明による可燃性熱源の従来の方法および技術を使用する製造中に容易に達成される場合がある。
【0183】
本発明による可燃性熱源は、一つ以上の炭素材料、アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、結合剤、および可燃性熱源の任意の他の構成成分を組み合わせて混合物を形成し、混合物を所望の形状に形成することによって形成され得る。
【0184】
好ましくは、本発明による可燃性熱源は、一つ以上の炭素材料、アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、結合剤、および可燃性熱源の任意の他の構成成分を組み合わせて、顆粒混合物を形成し、顆粒混合物を所望の形状に形成することによって形成される。
【0185】
有利には、結合剤は、顆粒混合物中の顆粒間および顆粒内位置に分散される。
【0186】
一つ以上の炭素材料、アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、結合剤、および可燃性熱源の任意の他の構成成分を組み合わせて、例えば、乾式造粒法、湿式造粒法、高せん断混合法、球状化法または押出成形法などの適切な公知の方法を使用して混合物を形成してもよい。
【0187】
好ましくは、一つ以上の炭素材料、アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、結合剤、および可燃性熱源の任意の他の構成成分を組み合わせて、顆粒混合物を湿式造粒法によって形成する。
【0188】
混合物は、例えば、スリップキャスティング、押出成形法、射出成形法および金型圧縮または金型加圧またはその組合せなどの、適切な公知のセラミック形成方法を使用して、希望の形状に形成し得る。
【0189】
好ましくは、混合物は、加圧によって所望の形状に形成される。
【0190】
形成後、所望の形状を乾燥させてその含水量を低減させることが好ましい。所望の形状は、適切な公知の方法を使用して乾燥されてもよい。例えば、所望の形状は、約摂氏85度~約摂氏105度の温度でオーブン中で乾燥されてもよい。
【0191】
可燃性熱源は、非ブラインド可燃性熱源であってもよい。
【0192】
本発明に関連して本明細書に使用される用語「非ブラインド」は、空気がユーザーによる吸引のために引き込まれて通る、可燃性熱源の長さに沿って延在する少なくとも一つの気流チャネルを含む可燃性熱源を記述するために使用される。
【0193】
可燃性熱源が非ブラインド可燃性熱源である場合、非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間に、不燃性の実質的に非通気性のバリアを備えてもよい。
【0194】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「不燃性のバリア」は、可燃性熱源が点火および燃焼中に達した温度にて実質的に不燃性であるバリアを記述するために使用される。
【0195】
非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間に不燃性の実質的に非通気性のバリアを含めることにより、非ブラインド可燃性熱源の点火および燃焼中に形成された燃焼および分解生成物が、少なくとも一つの気流チャネルを通して引き込まれた空気に入ることが、使用時に、有利に実質的に防止または阻害され得る。
【0196】
使用時に、非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間の不燃性の実質的に非通気性のバリアを含めることにより、ユーザーによる吸煙の間、非ブラインド可燃性熱源の燃焼の活性化が有利に実質的に防止または阻害され得る。本発明によるエアロゾル発生物品における使用の際、これは、ユーザーによる吸煙の間、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の温度における急上昇を有利に実質的に阻止または抑制し得る。
【0197】
非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間のバリアは、低い熱伝導率または高い熱伝導率を有してもよい。
【0198】
非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間のバリアの厚さは、良好な性能を達成するよう選択され得る。
【0199】
非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間のバリアは、点火および燃焼中に非ブラインド可燃性熱源によって達成される温度で、実質的に熱的に安定しており不燃性である一つ以上の適切な材料から形成されてもよい。適切な材料は当技術分野で公知であり、例えば粘土;酸化鉄、アルミナ、チタニア、シリカ、シリカ-アルミナ、ジルコニアおよびセリアなどの金属酸化物;ゼオライト、リン酸ジルコニウムおよびその他のセラミック材料;またはこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0200】
非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間のバリアは、非ブラインド可燃性熱源の少なくとも一つの気流チャネルの内側表面に接着または貼り付けられ得る。
【0201】
非ブラインド可燃性熱源の少なくとも一つの気流チャネルの内側表面にバリアを接着または貼り付けるための適切な方法は、当技術分野において公知であり、米国特許公開第5,040,551号および国際公開第2009/074870A2号に記載の方法を含むが、これらに限定されない。
【0202】
非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間のバリアは、少なくとも一つの気流チャネル内に挿入されるライナーを備えてもよい。
【0203】
可燃性熱源は、ブラインド可燃性熱源であることが好ましい。
【0204】
本発明に関連して本明細書に使用される用語「ブラインド」は、ユーザーによる吸入のために引き込まれる場合がある空気が通る可燃性熱源の長さに沿って延在するいかなる気流チャネルも含まない可燃性熱源を記述するために使用される。
【0205】
本発明によるブラインド可燃性熱源、および本発明による非ブラインド可燃性熱源は、空気がユーザーによる吸入のために引き込まれない場合がある一つ以上の閉鎖または遮断チャネルを含んでもよい。
【0206】
例えば、可燃性熱源は、可燃性熱源の長さに沿って途中までのみ延在する一つ以上の閉鎖チャネルを含んでもよい。
【0207】
一つ以上の閉鎖チャネルを含むことは、空気からの酸素に曝露される可燃性熱源の表面積を増加させ得る。有利には、これは可燃性熱源の点火および燃焼の持続を容易にし得る。
【0208】
本発明によるエアロゾル発生物品は、本発明による可燃性熱源およびエアロゾル形成基体を備える。
【0209】
本発明に関連して本明細書に使用される用語「エアロゾル形成基体」は、加熱時にエアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出することができるエアロゾル形成材料を含む基体を記述するために使用される。本発明によるエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルは、見えてもよく、または見えなくてもよく、また蒸気(例えば、室温では通常、液体または固体である物質の、気体状態にある物質の微粒子)ならびに気体および凝縮された蒸気の液滴を含んでもよい。
【0210】
エアロゾル形成基体は、包装紙によって周囲を囲まれた揮発性化合物の加熱時にエアロゾルを放出できる材料を含むプラグまたはセグメントの形態であってもよい。エアロゾル形成基体がこのようなプラグまたはセグメントの形態である場合、包装紙を含むプラグまたはセグメントの全体は、エアロゾル形成基体であると見なされる。
【0211】
エアロゾル形成基体は可燃性熱源の下流に位置してもよい。すなわち、エアロゾル形成基体は、可燃性熱源とエアロゾル発生物品の遠位端との間に位置することが有利である。
【0212】
エアロゾル形成基体は可燃性熱源に隣接してもよい。
【0213】
エアロゾル形成基体は、可燃性熱源から長軸方向に間隙を介してもよい。
【0214】
有利には、エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体を含むエアロゾル形成材料を備える。
【0215】
エアロゾル形成体は、使用時に、密度が高く安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつエアロゾル発生物品の動作温度で実質的に熱分解に対する耐性のある、任意の適切な化合物または化合物の混合物であってもよい。適切なエアロゾル形成体は当技術分野で公知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテートなど)、およびモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸およびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0216】
有利には、エアロゾル形成体は一つ以上の多価アルコールを含む。
【0217】
より有利には、エアロゾル形成体はグリセリンを含む。
【0218】
エアロゾル形成基体は固体のエアロゾル形成基体であることが好ましい。エアロゾル形成基体は固体と液体成分の両方を含んでもよい。
【0219】
エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0220】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。
【0221】
エアロゾル形成基体はたばこ材料を含んでもよい。
【0222】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「たばこ材料」は、たばこを含む任意の材料を記述するために使用され、たばこ葉、たばこリブ、たばこ茎、たばこ幹、たばこダスト、膨化たばこ、再構成たばこ材料、および均質化したたばこ材料が含まれるが、それらに限定されない。
【0223】
たばこ材料は、例えば粉末、顆粒、ペレット、断片、撚糸、細片、シート、またはそれらの任意の組み合わせの形態であってもよい。
【0224】
有利には、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含む。
【0225】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「均質化したたばこ材料」は、粒子状たばこの凝集により形成される材料を記述するために使用される。
【0226】
特定の実施形態において、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の複数の撚糸を有利に含む。
【0227】
有利には、均質化したたばこ材料の複数の撚糸は、エアロゾル形成基体内で互いに実質的に平行に整列され得る。
【0228】
特定の実施形態では、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料のシートの集合体を有利に含む。
【0229】
エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含むロッドを含んでもよい。
【0230】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「ロッド」は、実質的に円形、長円形または楕円形の断面の実質的に円筒形状の要素を記述するために使用される。
【0231】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「シート」は、その厚さよりもかなり大きい幅および長さを有する薄層状の要素を記述するために使用される。
【0232】
本発明に関連して本明細書に使用される用語「集められた」は、巻き込まれ、折り畳まれ、または別途エアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して実質的に横断方向に圧縮され、または収縮されたシートを記述するために使用される。
【0233】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料と、エアロゾル形成材料の周りにあり、かつそれと接触する包装紙とを備え得る。
【0234】
包装紙は、エアロゾル形成材料に巻かれてエアロゾル形成基体を形成することが可能な、任意の適切なシート材料から形成され得る。
【0235】
特定の実施形態では、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含むロッド、およびたばこ材料の周りにあり、かつそれと接触する包装紙を含んでもよい。
【0236】
特定の実施形態では、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を有利に含む。
【0237】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「きめのあるシート」は、捲縮された、エンボスされた、デボスされた、穿孔された、または変形されたシートを記述するために使用される。
【0238】
均質化したたばこ材料のきめのあるシートの使用は、均質化したたばこ材料のシートを集めてエアロゾル形成基体を形成することを有利に容易にする場合がある。
【0239】
エアロゾル形成基体は、複数の間隔を置いたへこみ、突起、穿孔またはそれらの任意の組み合わせを含む均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含んでもよい。
【0240】
エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。
【0241】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「捲縮したシート」は、複数の実質的に平行な隆起または波型形状を有するシートを記述するために使用される。
【0242】
有利には、エアロゾル形成基体を含む本発明によるエアロゾル発生物品が組み立てられた時に、実質的に平行な隆起または波型形状は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、またはそれと平行に延在する。これは、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を容易にして、エアロゾル形成基体を形成する。
【0243】
しかし、本発明によるエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体に含まれる均質化したたばこ材料の捲縮したシートは、代わりにまたは追加で、エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に鋭角または鈍角で配置される複数の実質的に平行な隆起または波型形状を有してもよいと理解されるであろう。
【0244】
エアロゾル形成基体は実質的に円筒形状であることが好ましい。
【0245】
エアロゾル形成基体は、約5ミリメートル~約20ミリメートルの長さを有し得る。
【0246】
エアロゾル形成基体は、約6ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有することが好ましい。
【0247】
エアロゾル形成基体は、約7ミリメートル~約12ミリメートルの長さを有することがさらに好ましい。
【0248】
エアロゾル形成基体は、約5ミリメートル~約15ミリメートルの直径を有し得る。
【0249】
エアロゾル形成基体は、約5ミリメートル~約10ミリメートルの直径を有することが好ましい。
【0250】
エアロゾル形成基体は、約7ミリメートル~約8ミリメートルの直径を有することがより好ましい。
【0251】
本発明によるエアロゾル発生物品は、本発明による可燃性熱源、可燃性熱源の下流のエアロゾル形成基体、および一つ以上の他の構成要素を含んでもよい。
【0252】
可燃性熱源、エアロゾル形成基体、および、含まれる場合はエアロゾル発生物品の一つ以上の他の構成要素は、一つ以上の包装紙内で組み立てられ、近位端および対向する遠位端を有する細長いロッドを形成する。本発明によるエアロゾル発生物品は、従来の点火端のある紙巻たばことこのように類似する。
【0253】
一つ以上の他の構成要素は、キャップ、移動要素またはスペーサー要素、エアロゾル冷却要素または熱交換器、およびマウスピースの一つ以上を含んでもよい。
【0254】
本発明によるエアロゾル発生物品は、可燃性熱源の前方部分を少なくとも部分的に覆うように構成されるキャップを備え得る。エアロゾル発生物品の使用前に可燃性熱源の前方部分が露出されるように、キャップは取り外し可能であってよい。有利には、キャップは、エアロゾル発生物品の使用前に可燃性熱源を保護する。
【0255】
本発明に関連して本明細書に使用される用語「キャップ」は、可燃性熱源の前方部分を実質的に囲むエアロゾル発生物品の遠位端における保護カバーを記述するために使用される。
【0256】
例えば、本発明によるエアロゾル発生物品は、虚弱線にてエアロゾル発生物品の遠位端に取り付けられた取り外し可能なキャップを含んでもよく、国際公開第2014/086998A1号に記述されるように、キャップは包装紙によって囲まれる材料でできた円筒形状のプラグを備える。
【0257】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流の移動要素またはスペーサー要素を備え得る。つまり、移動要素またはスペーサー要素は、エアロゾル形成基体とエアロゾル発生物品の近位端との間に位置する。
【0258】
移動要素は、エアロゾル形成基体に隣接してもよい。あるいは、移動要素はエアロゾル形成基体から長軸方向に間隙を介していてもよい。
【0259】
移動要素の包含は、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によって発生したエアロゾルの冷却を有利に可能にする場合がある。
【0260】
移動要素の包含は、エアロゾル発生物品の全長を、移動要素の長さの適切な選択によって所望の値に調整することを有利に可能にする場合がある。移動要素の包含は有利なことに、エアロゾル発生物品の全長を、従来の紙巻たばこの長さに類似した長さに調整することを可能にする。
【0261】
移動要素は、約7ミリメートル~約50ミリメートルの長さを有してもよい。移動要素は、約10ミリメートル~約45ミリメートルの長さ、または約15ミリメートル~約30ミリメートルの長さを有してもよい。
【0262】
移動要素は、エアロゾル発生物品の所望の全長と、エアロゾル発生物品内の他の構成要素の存在および長さに応じて、他の長さを有してもよい。
【0263】
移動要素は端の開いた管状中空体を含んでもよい。使用時に、ユーザーによってエアロゾル発生物品の中へと引き込まれる空気は、それがエアロゾル形成基体からエアロゾル発生物品の近位端へエアロゾル発生物品を通って下流に通過する時に、端の開いた管状中空体を通ってもよい。
【0264】
端の開いた管状中空体は、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱の移動によって生成されるエアロゾルの温度で実質的に熱的に安定している一つ以上の適切な材料から形成されてもよい。適切な材料は当技術分野で公知であり、これには紙、厚紙、酢酸セルロースなどの熱可塑性物質、およびセラミックなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0265】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル冷却要素またはエアロゾル形成基体の下流にあるまたは熱交換器を含んでもよい。すなわち、エアロゾル冷却要素または熱交換器は、エアロゾル形成基体とエアロゾル発生物品の近位端との間に位置する。
【0266】
エアロゾル冷却要素は、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によって発生したエアロゾルの冷却を有利に可能にする場合がある。
【0267】
エアロゾル冷却要素は複数の長軸方向に延びるチャネルを含んでもよい。
【0268】
エアロゾル冷却要素は、金属箔、ポリマー材料および実質的に非多孔性の紙またはボール紙から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。
【0269】
エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)およびアルミ箔から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。
【0270】
エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸(PLA)またはMater-Bi(登録商標)の等級(市販のデンプンベースのコポリエステルのファミリー)などの生物分解性高分子材料のシートの集合体を含んでもよい。
【0271】
本発明によるエアロゾル発生物品が、エアロゾル形成基体の下流に移動要素、およびエアロゾル形成基体の下流にエアロゾル冷却要素を備える場合、エアロゾル冷却要素は移動要素の下流にあることが好ましい。すなわち、エアロゾル冷却要素は、移動要素とエアロゾル発生物品の近位端との間に位置することが好ましい。
【0272】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流にマウスピースを備え得る。すなわち、マウスピースは、エアロゾル形成基体とエアロゾル発生物品の近位端との間に位置する。
【0273】
本発明によるエアロゾル発生物品は、好ましくは、エアロゾル発生物品の近位端に位置するマウスピースを含む。
【0274】
マウスピースは濾過効率が低くてもよく、また濾過効率が非常に低くてもよい。
【0275】
マウスピースは、単一セグメントのマウスピースとし得る。
【0276】
マウスピースは、複数のセグメントのマウスピースとし得る。
【0277】
マウスピースは、濾過材料を含む一つ以上のセグメントを備えてもよい。
【0278】
適切な濾過材料は当技術分野で公知であり、これには酢酸セルロースおよび紙が含まれるが、これらに限定されない。
【0279】
マウスピースは、吸収材料を含む一つ以上のセグメントを含んでもよい。
【0280】
マウスピースは、吸着材料を含む一つ以上のセグメントを含んでもよい。
【0281】
好適な吸収材料および好適な吸着材料は当該技術分野で公知であり、活性炭、シリカゲル、およびゼオライトを含むが、これに限定されるものではない。
【0282】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流に一つ以上のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。例えば、含まれる場合、本発明によるエアロゾル発生物品のマウスピース、移動要素、およびエアロゾル冷却要素のうちの一つ以上は、一つ以上のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。
【0283】
本発明に関連して本明細書に使用される用語「エアロゾル修飾剤」は、使用時に、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体によって生成されるエアロゾルの一つ以上の特徴または特性を修飾する薬剤を記述するために使用される。
【0284】
適切なエアロゾル修飾剤には風味剤、および化学感覚剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0285】
本発明に関連して本明細書で使用される用語「化学感覚剤」は、使用時に、味覚受容体細胞または嗅覚受容体細胞を介した知覚以外の、またはそれに加えた手段によって、ユーザーの口腔または鼻腔において知覚される薬剤を記述するために使用される。化学感覚剤の知覚は典型的には、「三叉神経応答」、三叉神経、舌咽神経、迷走神経のいずれか、またはこれらの何らかの組み合わせによる、を経る。化学感覚剤は、辛い、香ばしい、清涼感のある、または鎮静する感覚として知覚されることが典型的である。
【0286】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流に、風味剤と化学感覚剤の両方である一つ以上のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。例えば、含まれる場合、本発明によるエアロゾル発生物品のマウスピース、移動要素およびエアロゾル冷却要素のうちの一つ以上は、冷却する化学感覚効果を提供するメンソールまたは別の風味剤を含んでもよい。
【0287】
本発明によるエアロゾル発生物品は、一つ以上の熱伝導性要素を備えてもよい。
【0288】
好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部の周りに熱伝導性要素を含む。熱伝導性要素は、伝導によって、エアロゾル形成基体の周辺部に熱を有利に伝達する。
【0289】
より好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分の周りにあり、かつそれと接触する熱伝導性要素を備える。このことは、エアロゾル形成基体の周辺部への伝導性熱伝達を有利に容易にし得る。
【0290】
熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の全長の周りにあってもよい。すなわち、熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の全長の上にあってもよい。
【0291】
熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の後方部分の周りにないないことが好ましい。すなわち、エアロゾル形成基体は、熱伝導性要素を越えて下流方向に長軸方向に有利に延在する。
【0292】
エアロゾル形成基体は、熱伝導性要素を越えて下流方向に長軸方向に少なくとも約3ミリメートル延在することが好ましい。
【0293】
好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品は、可燃性熱源の少なくとも一部分および少なくともエアロゾル形成基体の一部分のまわりに熱伝導性要素を含む。
【0294】
本発明によるエアロゾル発生物品は、少なくとも可燃性熱源の後方部分および少なくともエアロゾル形成基体の前方部分の周りに熱伝導性要素を含むことがより好ましい。
【0295】
最も好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品は、可燃性熱源の少なくとも後方部分の周りに、かつ接触して、かつエアロゾル形成基体の少なくとも前方部分の周りに、かつ接触して、熱伝導性要素を含む。
【0296】
熱伝導性要素は、可燃性熱源とエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体との間に熱リンクを提供する。これは、許容されるエアロゾルを生成するための可燃性熱源からエアロゾル形成基体への適切な熱伝達を容易にするのに有利に役立ち得る。
【0297】
好ましくは、熱伝導性要素と接触する熱源の後方部分は、約2ミリメートル~約8ミリメートルの長さである。
【0298】
熱伝導性要素と接触する熱源の後方部分は、約3ミリメートル~約5ミリメートルの長さであることがより好ましい。
【0299】
熱伝導性要素は、不燃性であることが好ましい。
【0300】
熱伝導性要素は酸素制限性であってもよい。言い換えれば、熱伝導性要素は、熱伝導性要素を通る酸素の通過を阻害または妨碍し得る。
【0301】
熱伝導性要素は、任意の適切な熱伝導性材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。
【0302】
熱伝導性要素は、改良トランジェントプレーンソース(MTPS)法を使用して測定される時に、摂氏23度および50パーセントの相対湿度にて、約10ワット毎メートル・ケルビン(W/(m・K))~約500ワット毎メートル・ケルビン(W/(m・K))のバルク熱伝導率を有する一つ以上の熱伝導性材料を含むことが好ましく、約15ワット毎メートル・ケルビン(W/(m・K))~約400ワット毎メートル・ケルビン(W/(m・K))を有することがより好ましい。
【0303】
有利には、熱伝導性要素は、一つ以上の金属、一つまたは複数の合金、または一つ以上の金属および一つ以上の合金の組み合わせを含む。
【0304】
適切な熱伝導性のある材料は当技術分野で公知であり、例えばアルミ箔、鉄箔および銅箔などの金属箔、および例えばスチール箔などの合金箔を含むが、これらに限定されない。
【0305】
有利には、熱伝導性要素は、アルミ箔を含む。
【0306】
本発明によるエアロゾル発生物品は、可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間に不燃性の実質的に非通気性のバリアを備えてもよい。
【0307】
可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間に不燃性の実質的に非通気性のバリアを含めることにより、可燃性熱源の点火および燃焼中にエアロゾル形成基体が曝される温度が、有利に制限され得る。これは、エアロゾル発生物品の使用時にエアロゾル形成基体の熱劣化または燃焼を回避または低減するのに役立ち得る。
【0308】
可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間に不燃性の実質的に不通気性のバリアを含めることにより、エアロゾル発生物品の保管および使用中、可燃性熱源へのエアロゾル形成基体の構成成分の移動が、有利に実質的に防止または阻害され得る。
【0309】
バリアは可燃性熱源の後端面およびエアロゾル形成基体の一方または両方に隣接してもよい。あるいは、バリアは可燃性熱源の後端面およびエアロゾル形成基体の一方または両方から長軸方向に間隙を介していてもよい。
【0310】
有利には、バリアは、可燃性熱源の後端面に接着される、または貼り付けられる。
【0311】
可燃性熱源の後端面にバリアを接着する、または貼り付ける適切な方法は、当技術分野において公知であり、吹き付け塗装、蒸着、浸漬、材料移動(例えば、ブラッシングまたは糊付け)、静電沈着、加圧、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、これに限定されない。
【0312】
可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間のバリアは、低い熱伝導率または高い熱伝導率を有してもよい。例えば、バリアは、改良トランジェントプレーンソース(MTPS)法を使用して測定される時に、摂氏23度および50パーセントの相対湿度にて、約0.1W毎メートル・ケルビン(W/(m・K))~約200W毎メートル・ケルビン(W/(m・K))のバルク熱伝導率を有する材料から形成されてもよい。
【0313】
可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間のバリアの厚さは、良好な性能を達成するよう選択され得る。例えば、バリアの厚さは約10マイクロメートル~約500マイクロメートルであってもよい。
【0314】
可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間のバリアは、点火および燃焼中、可燃性熱源が達した温度で実質的に熱的に安定しており不燃性である一つ以上の適切な材料から形成され得る。適切な材料は、当技術分野で公知であり、例えば、ベントナイトおよびカオリナイトなどの粘土、ガラス、ミネラル、セラミック材料、樹脂、金属、またはこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0315】
バリアはアルミ箔を含むことが好ましい。
【0316】
アルミ箔のバリアは、可燃性熱源にそれを糊付けまたは加圧することによって、可燃性熱源の後端面に適用され得る。バリアは、アルミ箔が、可燃性熱源の少なくとも後端面全体を実質的に覆い、接着するように、切り取られ、または機械加工され得る。有利には、アルミ箔は、可燃性熱源の後端面全体を覆い、接着する。
【0317】
本発明によるエアロゾル発生物品は、本発明による非ブラインド可燃性熱源を含んでもよい。
【0318】
可燃性熱源が非ブラインド可燃性熱源である場合、使用時に、ユーザーによる吸引のためにエアロゾル発生物品を通して引き込まれた空気は、ブラインド可燃性熱源の長さに沿った少なくとも一つの気流チャネルを通過する。
【0319】
可燃性熱源が非ブラインド可燃性熱源である場合、エアロゾル形成基体の加熱は伝導および強制対流によって生じる。
【0320】
本発明によるエアロゾル発生物品が、本発明による非ブラインド可燃性熱源と、可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間に不燃性の実質的に非通気性のバリアとを備える場合、バリアは、可燃性熱源の長さに沿って延在する少なくとも一つの気流チャネルを通って引き込まれる空気が、エアロゾル発生物品を通って下流に引き込まれることを可能にすべきである。
【0321】
本発明によるエアロゾル発生物品は、本発明によるブラインド可燃性熱源を含むことが好ましい。
【0322】
可燃性熱源がブラインド可燃性熱源である場合、使用時に、ユーザーによる吸入のためにエアロゾル発生物品を通して引き込まれた空気は、ブラインド可燃性熱源の長さに沿ったいかなる気流チャネルも通過しない。
【0323】
可燃性熱源がブラインド可燃性熱源である場合、エアロゾル形成基体の加熱は、伝導によって主に生じ、強制対流によるエアロゾル形成基体の加熱は最小にされるか、または減少する。こうした実施形態では、可燃性熱源とエアロゾル形成基体との間の伝導性熱伝達を最適化することが特に重要である。
【0324】
それを通してユーザーによる吸入のために空気が引き込まれ得る可燃性熱源の長さに沿って延在する任意の気流チャネルの欠如は、ユーザーによる吸煙中のブラインド可燃性熱源の燃焼の活性化を有利に実質的に阻止または抑制する。これは、ユーザーによる吸煙の間、エアロゾル形成基体の温度の急上昇を有利に実質的に防止または阻止し得る。
【0325】
ブラインド可燃性熱源の燃焼の活性化を防止または抑制すること、およびそのようにしてエアロゾル形成基体における過剰な温度上昇を防止または抑制することによって、激しい吸煙状況下でのエアロゾル形成基体の燃焼または熱分解が有利に回避され得る。加えて、主流エアロゾルの組成物へのユーザーの吸煙状況の影響は、有利に最小化され、または減少され得る。
【0326】
また、ブラインド可燃性熱源を含めることは、ブラインド可燃性熱源の点火および燃焼中に形成される燃焼および分解生成物並びにその他の材料が、ユーザーによる吸入のために、エアロゾル発生物品を通して引き込まれる空気に入るのを有利に実質的に阻止または抑制し得る。
【0327】
可燃性熱源がブラインド可燃性熱源である場合、本発明によるエアロゾル発生物品は、ユーザーによる吸入のために空気をエアロゾル発生物品の中へと引き込むための一つ以上の空気吸込み口をブラインド可燃性熱源の下流に含む。
【0328】
こうした実施形態では、ユーザーによる吸入のためにエアロゾル発生物品を通して引き込まれた空気は、エアロゾル発生物品の遠位端を通してではなく、一つ以上の空気吸込み口を通してエアロゾル発生物品に入る。
【0329】
可燃性熱源が非ブラインド可燃性熱源である場合、本発明によるエアロゾル発生物品は、ユーザーによる吸入のために空気をエアロゾル発生物品の中へと引き込むための一つ以上の空気吸込み口も非ブラインド可燃性熱源の下流にまた含んでもよい。
【0330】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の周辺部の周りに一つ以上の空気吸込み口を含んでもよい。
【0331】
こうした実施形態では、ユーザーによる吸煙の間、冷気は、エアロゾル形成基体の周辺部の周りで一つ以上の空気吸込み口を通してエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体内に引き込まれる。これは、ユーザーによる吸煙の間、エアロゾル形成基体の温度を有利に低減し、そのためエアロゾル形成基体の温度の急上昇を実質的に防止または阻害する。
【0332】
本発明に関連して本明細書に使用される用語「冷気」は、ユーザーによる吸煙の際に可燃性熱源によって著しく加熱されない周囲空気を記述するために使用される。
【0333】
エアロゾル形成基体の温度の急上昇を防止または阻害することによって、エアロゾル形成基体の周辺部に一つ以上の空気吸込み口を含めることは、激しい吸煙状況下でエアロゾル形成基体の燃焼または熱分解を回避または低減するのに有利に役立ち得る。
【0334】
エアロゾル形成基体の周辺部の周りに一つ以上の空気吸込み口を含めることにより、エアロゾル発生物品の主流エアロゾルの組成物に対するユーザーの吸煙状況の影響が、最小化または低減するのに有利に役立ち得る。
【0335】
特定の好ましい実施形態では、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流端の近くに位置する一つ以上の空気吸込み口を備え得る。
【0336】
本発明によるエアロゾル発生物品は、望ましい任意の長さを有し得る。
【0337】
本発明によるエアロゾル発生物品は、約65ミリメートル~約100ミリメートルの長さを有することが好ましい。
【0338】
本発明によるエアロゾル発生物品は、望ましい任意の幅を有し得る。
【0339】
本発明によるエアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約12ミリメートルの幅を有することが好ましい。
【0340】
本発明によるエアロゾル発生物品は公知の方法および機械を使用して組み立てられてもよい。
【0341】
疑いを避けるために、適切な場合、本発明による可燃性熱源に関する上述の特徴は、本発明によるエアロゾル発生物品にもまた適用されてもよく、逆もまた同じである。
【0342】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0343】
図1図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生物品の概略的な長軸方向断面を示す。
図2図2は、本発明の第一の実施形態による可燃性熱源における過酸化カルシウム含有量、本発明の第二の実施形態による可燃性熱源における過酸化カルシウム含有量、および本発明によらない比較可燃性熱源における過酸化カルシウム含有量の、時間の関数としてのグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0344】
図1に示す本発明の実施形態によるエアロゾル発生物品2は、本発明による可燃性熱源4と、可燃性熱源4の下流のエアロゾル形成基体10とを備える。可燃性熱源4は、前端面6および対向する後端面8を有するブラインド可燃性熱源であり、エアロゾル発生物品2の遠位端に位置する。エアロゾル発生物品2は、移動要素12と、エアロゾル冷却要素14と、スペーサー要素16と、マウスピース18と、をさらに備える。可燃性熱源4、エアロゾル形成基体10、移動要素12、エアロゾル冷却要素14、スペーサー要素16、およびマウスピース18は、隣接する同軸列に配置される。図1に示したように、エアロゾル形成基体10、移動要素12、エアロゾル冷却要素14、スペーサー要素16、およびマウスピース18、ならびに可燃性熱源4の後方部分は、例えば、紙巻たばこ用紙などのシート材料の外側包装紙20に包まれる。
【0345】
図1に示したように、アルミ箔のディスクの形態の不燃性の実質的に非通気性のバリア22は、可燃性熱源4の後端面8とエアロゾル形成基体10との間に提供される。バリア22は、可燃性炭素質熱源4の後端面8上へアルミ箔のディスクを加圧することによって可燃性熱源4の後端面8に適用され、可燃性炭素質熱源4の後端面8およびエアロゾル形成基体10に隣接する。
【0346】
可燃性熱源4は、炭素、アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤、および少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤を含む。
【0347】
エアロゾル形成基体10は、可燃性熱源4の後端面8に適用されるバリア22のすぐ下流に位置する。エアロゾル形成基体10は、均質化したたばこ材料24の捲縮したシートの集合体と、均質化したたばこ材料24の捲縮したシートの集合体の周りにあり、かつ直接接触する包装紙26と、を含む。均質化したたばこ材料24の捲縮したシートの集合体は、例えば、グリセリンなどの適切なエアロゾル形成体を含む。
【0348】
移動要素12はエアロゾル形成基体10のすぐ下流に位置し、円筒形状の端の開いた中空の酢酸セルロースの管28を含む。
【0349】
エアロゾル冷却要素14は移動要素12のすぐ下流に位置し、例えばポリ乳酸などの生物分解性高分子材料のシートの集合体を備える。
【0350】
スペーサー要素16はエアロゾル冷却要素14のすぐ下流に位置し、円筒形状の端の開いた中空の紙またはボール紙の管を備える。
【0351】
マウスピース18はスペーサー要素16のすぐ下流に位置する。図1に示したように、マウスピース18はエアロゾル発生物品2の近位端に位置し、フィルタープラグ包装32に包まれた、例えば非常に低い濾過効率の酢酸セルローストウなどの適切な濾過材料の円筒形状のプラグ30を含む。
【0352】
エアロゾル発生物品は、外側包装紙20の下流端部分を取り囲むチップペーパー(図示せず)の帯をさらに含んでいてもよい。
【0353】
図1に示したように、エアロゾル発生物品2は、可燃性熱源4の後方部分4bおよびエアロゾル形成基体10の前方部分10aの周りにあり、かつそれと直接接触する、例えば、アルミ箔などの適切な熱伝導性のある材料から形成される熱伝導性要素34をさらに備える。図1に示す本発明の実施形態によるエアロゾル発生物品2では、エアロゾル形成基体10は、熱伝導性要素34を越えて下流に延在する。すなわち、熱伝導性要素34は、エアロゾル形成基体10の後方部分の周りになく、および接触しない。しかし、当然のことながら、本発明の他の実施形態では(図示せず)、熱伝導性要素34がエアロゾル形成基体10の全長の周りにあってもよく、またそれと接触してもよい。当然のことながら、本発明の他の実施形態(図示せず)では、熱伝導性要素34の上にある一つ以上の追加的な熱伝導性要素も提供されてもよい。
【0354】
図1に示す本発明の実施形態によるエアロゾル発生物品2は、エアロゾル形成基体10の周辺部の周りに一つ以上の第一の空気吸込み口36を備える。図1に示すように、空気吸込み口36の周囲配置は、エアロゾル形成基体10の包装紙26および上にある外側包装紙20に提供されて、冷気(図1で点線矢印によって示される)をエアロゾル形成基体10へと入れる。
【0355】
使用時に、ユーザーは、可燃性炭素質熱源4を点火する。可燃性炭素質熱源4が点火されると、ユーザーはエアロゾル発生物品2のマウスピース18を吸う。ユーザーがマウスピース18を吸う時、冷気(図1に点線矢印によって示す)は、空気吸込み口36を通ってエアロゾル発生物品2のエアロゾル形成基体10の中へと引き込まれる。
【0356】
エアロゾル形成基体10の前方部分10aの周辺部は、可燃性熱源4の後端面8およびバリア22ならびに熱伝導性要素34を通して伝導によって加熱される。
【0357】
伝導によるエアロゾル形成基体10の加熱は、エアロゾル形成体ならびに他の揮発性および半揮発性化合物を、均質化したたばこ材料24の捲縮したシートの集合体から放出する。エアロゾル形成基体10から放出された化合物は、エアロゾル形成基体10を通って流れるときに、空気吸込み口36を通ってエアロゾル発生物品2のエアロゾル形成基体10の中に引き出された空気に同伴したエアロゾルを形成する。引き込まれた空気および同伴されたエアロゾル(図1に破線の矢印によって示す)は、移動要素12の円筒形状の端の開いた中空の酢酸セルロース管28、エアロゾル冷却要素14、およびスペーサー要素16の内部を通って下流を通過し、ここで冷却され凝結する。冷却された引き込まれた空気および同伴されたエアロゾルは、マウスピース18を通って下流に流れ、エアロゾル発生物品2の近位端を通ってユーザーに送達される。可燃性炭素質熱源4の後端面8上の不燃性の実質的に非通気性のバリア22は、使用時に、エアロゾル発生物品2を通って引き出される空気が可燃性熱源4と直接接触しないように、エアロゾル発生物品2を通って引き出された空気から可燃性熱源4を分離する。
【0358】
上述の特定の実施形態および実施例は本発明を例示するが、本発明を限定しない。本発明の他の実施形態がなされてもよく、また本明細書に記載のある具体的な実施形態および実施例は網羅的なものでないことが理解される。
【0359】
本発明の第一の実施形態による可燃性熱源は、表1に示す組成物を有するよう生産された。
【表1】
【0360】
表1の構成成分を組み合わせて、湿式造粒法により顆粒混合物を形成する。炭、過酸化カルシウム、およびカルボキシメチルセルロースを混合して、粒子混合物を形成する。炭、過酸化カルシウムおよびカルボキシメチルセルロースの粒子混合物は、空気流動され、クエン酸三カリウム水和物の溶液およびポリビニルアルコールの水溶液を噴霧されて、顆粒混合物を形成する。
【0361】
顆粒混合物は、加圧によって円筒形状に形成される。約400ミリグラムの顆粒混合物を、単一の空洞プレスに押し込み、約9ミリメートルの長さ、約7.7ミリメートルの直径、および約0.9グラム/立方センチメートルの密度を有する円筒形状の可燃性熱源を形成する。円筒形状の可燃性熱源は、単一の空洞プレスから取り除かれ、約摂氏85度~約摂氏105度の温度で約3時間、乾燥オーブンで乾燥される。
【0362】
本発明の第二の実施形態による可燃性熱源は、表2に示される組成物を有するように生成される。
【表2】
【0363】
表2の構成成分を組み合わせて、湿式造粒法により顆粒混合物を形成する。炭、過酸化カルシウム、およびカルボキシメチルセルロースを混合して、粒子混合物を形成する。炭、過酸化カルシウム、およびカルボキシメチルセルロースの粒子混合物は、空気流動され、クエン酸三カリウム水和物の溶液およびポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールのグラフト共重合体の水溶液を噴霧されて、顆粒混合物を形成する。
【0364】
顆粒混合物は、加圧によって円筒形状に形成される。約400ミリグラムの顆粒混合物を、単一の空洞プレスに押し込み、約9ミリメートルの長さ、約7.7ミリメートルの直径、および約0.9グラム/立方センチメートルの密度を有する円筒形状の可燃性熱源を形成する。円筒形状の可燃性熱源は、単一の空洞プレスから取り除かれ、約摂氏85度~約摂氏105度の温度で約3時間、乾燥オーブンで乾燥される。
【0365】
表3に示される組成物を有する本発明によらない比較可燃性熱源も生成される。
【表3】
【0366】
表3の構成成分を組み合わせて、湿式造粒法により顆粒混合物を形成する。炭、過酸化カルシウム、およびカルボキシメチルセルロースを混合して、粒子混合物を形成する。炭、過酸化カルシウムおよびカルボキシメチルセルロースの粒子混合物は、空気流動され、クエン酸三カリウム水和物の溶液、次いでベントナイトの水溶液を噴霧されて、顆粒混合物を形成する。
【0367】
顆粒混合物は、加圧によって円筒形状に形成される。約400ミリグラムの顆粒混合物を、単一の空洞プレスに押し込み、約9ミリメートルの長さ、約7.7ミリメートルの直径、および約0.9グラム/立方センチメートルの密度を有する円筒形状の可燃性熱源を形成する。円筒形状の可燃性熱源は、単一の空洞プレスから取り除かれ、約摂氏85度~約摂氏105度の温度で約3時間、乾燥オーブンで乾燥される。
【0368】
輸送および保管中に可燃性熱源が曝露され得る環境条件をシミュレーションするために、本発明の第一の実施形態による可燃性熱源、本発明の第二の実施形態による可燃性熱源、および本発明によらない比較可燃性熱源は、約摂氏30度および約75パーセントの相対湿度の条件下で7日間置かれる。本発明の第一の実施形態による可燃性熱源の過酸化カルシウム含有量(重量パーセント)、本発明の第二の実施形態による可燃性熱源の過酸化カルシウム内容物(重量パーセント)、および本発明によらない比較可燃性熱源の過酸化カルシウム含有量(重量パーセント)は、過マンガン酸カリウム(KMnO4)溶液で滴定によって時間の関数として測定される。結果を図2に示す。図2の上の線は、時間の関数としての本発明の第一の実施形態による可燃性熱源の過酸化カルシウム含有量の測定値を示し、図2の中央の線は、時間の関数としての本発明の第二の実施形態による可燃性熱源の過酸化カルシウム含有量の測定値を示し、図2の下の線は、時間の関数として本発明によらない比較可燃性熱源の過酸化カルシウム含有量の測定値を示す。図2に示す値は、各可燃性熱源の三つの複製に対する測定値の平均である。
【0369】
図2に示すように、本発明の第一の実施形態および第二の実施形態による可燃性熱源における過酸化カルシウムの経時的な分解速度は、本発明によらない比較可燃性熱源における過酸化カルシウムの経時的な分解速度よりも有利に有意に低い。
【0370】
本発明の第一の実施形態による十個の可燃性熱源の点火伝播速度、本発明の第二の実施形態による十個の可燃性熱源、および本発明によらない十個の比較可燃性熱源の点火伝播速度も測定される。結果は表4に示した。本発明の第一の実施形態による可燃性熱源、本発明の第二の実施形態による可燃性熱源、および本発明によらない比較可燃性熱源は、点火伝播速度の測定の前に、約摂氏22度および約50パーセントの相対湿度の条件下で約24時間置かれる。点火伝播速度を測定するために、熱電対は、本発明の第一の実施形態による可燃性熱源に挿入され、本発明の第二の実施形態による可燃性熱源に挿入され、および本発明によらない比較可燃性熱源に二つの位置で挿入され、第一の位置は可燃性熱源の前端面から1ミリメートルで、第二の位置は可燃性熱源の前端面から8ミリメートルである。本発明の第一の実施形態による可燃性熱源の前端面、本発明の第二の実施形態による可燃性熱源の前端面、および本発明によらない比較可燃性熱源の前端面は、電気ライターを使用して点火される。熱電対が第一の位置と第二の位置とで測定した温度が、摂氏350度に到達するまでにかかる時間の差が測定される。表4に示す点火伝播時間は、本発明の第一の実施形態による十個の可燃性熱源、本発明の第二の実施形態による十個の可燃性熱源、および本発明によらない十個の比較可燃性熱源について測定された平均時間である。
【表4】
【0371】
表4に示すように、本発明の第一および第二の実施形態による可燃性熱源の点火伝播時間は、本発明によらない比較可燃性熱源の点火伝播時間よりも有利に有意に低い。
【0372】
図2および表4の結果は、少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤の含有による、本発明による可燃性熱源の化学的および物理的安定性および燃焼特性の改善を示す。
【0373】
図2の結果は、本発明による可燃性熱源に少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤を含有させることが、環境条件への曝露の結果として、アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤の分解を有利に有意に減少させることを示す。特に、図2の結果は、本発明による可燃性熱源に少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤を含有させることが、高湿度への曝露の結果として、アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤の分解を有利に有意に減少させることを示す。
【0374】
表4の結果は、本発明による可燃性熱源に少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む結合剤を含有させることは、本発明による可燃性熱源の点火伝播速度を有利に有意に改善することも示す。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-08-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品用の可燃性熱源であって、前記可燃性熱源が、
炭素と、
アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤と、
ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、およびそれらのグラフト共重合体からなる群から選択される、カルボキシメチルセルロースと少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの組み合わせを含む結合剤と、を含む、可燃性熱源。
【請求項2】
前記アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤が過酸化カルシウムである、請求項1に記載の可燃性熱源。
【請求項3】
前記可燃性熱源が、約20重量パーセント~約60重量パーセントの前記アルカリ土類金属過酸化物点火補助剤を含む、請求項1または2に記載の可燃性熱源。
【請求項4】
前記可燃性熱源が、少なくとも約3重量パーセントの前記結合剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の可燃性熱源。
【請求項5】
前記可燃性熱源が、約4重量パーセント~約15重量パーセントの前記結合剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の可燃性熱源。
【請求項6】
前記可燃性熱源が、少なくとも約0.5重量パーセントの前記少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の可燃性熱源。
【請求項7】
前記可燃性熱源が、約0.75乾燥重量パーセント~約4重量パーセントの前記少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の可燃性熱源。
【請求項8】
前記カルボキシメチルセルロースが、少なくとも約1.5乾燥重量パーセントの量で前記可燃性熱源中に存在する、請求項7に記載の可燃性熱源。
【請求項9】
前記可燃性熱源内のカルボキシメチルセルロースの前記重量パーセントと前記少なくとも一つの非セルロース性膜形成ポリマーの前記重量パーセントとの比率が、少なくとも約1:1である、請求項8に記載の可燃性熱源。
【請求項10】
前記可燃性熱源が、約30重量パーセント~約55重量パーセントの炭素を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の可燃性熱源。
【請求項11】
一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の可燃性熱源。
【請求項12】
前記可燃性熱源が、少なくとも約1重量パーセントの前記一つ以上のカルボン酸塩燃焼塩を含む、請求項11に記載の可燃性熱源。
【請求項13】
エアロゾル発生物品であって、
請求項1~12のいずれか一項に記載の可燃性熱源と、
前記可燃性熱源の下流にあるエアロゾル形成基体と、含む、エアロゾル発生物品。
【国際調査報告】