IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大冶特殊鋼有限公司の特許一覧

特表2022-5534563ロール縮径機のロール孔型長半径の高速測定方法
<>
  • 特表-3ロール縮径機のロール孔型長半径の高速測定方法 図1
  • 特表-3ロール縮径機のロール孔型長半径の高速測定方法 図2
  • 特表-3ロール縮径機のロール孔型長半径の高速測定方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(54)【発明の名称】3ロール縮径機のロール孔型長半径の高速測定方法
(51)【国際特許分類】
   B21C 51/00 20060101AFI20221215BHJP
   B21B 38/10 20060101ALI20221215BHJP
   B21B 27/02 20060101ALN20221215BHJP
   B21B 28/02 20060101ALN20221215BHJP
【FI】
B21C51/00 N
B21B38/10 Z
B21B27/02 D
B21B28/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542418
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(85)【翻訳文提出日】2022-07-08
(86)【国際出願番号】 CN2021097510
(87)【国際公開番号】W WO2021239148
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】202010479489.0
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522275980
【氏名又は名称】大冶特殊鋼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DAYE SPECIAL STEEL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.316 Huangshi Avenue Huangshi, Hubei 435001, China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100214400
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一郎
(72)【発明者】
【氏名】曹華
(72)【発明者】
【氏名】皇甫幼礼
(72)【発明者】
【氏名】張後生
(72)【発明者】
【氏名】呉君
(72)【発明者】
【氏名】謝帆
【テーマコード(参考)】
4E016
【Fターム(参考)】
4E016DA06
(57)【要約】
【課題】本発明は、3ロール縮径機のロール孔型長半径の高速測定方法が開示され、以下のようなステップを含む。専用数値制御旋盤のフレームステーション番号に基づいて、3ロール孔型データテーブルから対応する楕円孔型平均直径の値と、第一長半径の値(a)及び短い半軸の値(b)を選択する;楕円方程式、取得された第一長半径の値(a)及び取得された短い半軸の値(b)に基づいて、第一線分の値(X)を算出する;直角三角形定理及び前記第一線分の値(X)に基づいて、第二長半径の値(M)を算出する;三爪内径マイクロメータの三つの爪により三つのロールギャップを貼り付けて測定して第一寸法数値を取得する;又は内キャリパの一端によりいずれかのロールギャップに貼り付けられ、他端が前記ロールギャップに対向するロール円弧(40)の底部に貼り付けられて第二寸法値を取得する。本発明は、3ロール縮径機のロール孔型長半径の測定を解決し、鋼管の外径精度及び表面品質を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
専用数値制御旋盤のフレームステーション番号に基づいて、3ロール孔型データテーブルから対応する楕円孔型平均直径の値と、第一長半径の値及び短半径の値を選択し、
楕円方程式、取得された第一長半径の値及び取得された短半径の値に基づいて、第一線分の値を算出し、
直角三角形定理及び前記第一線分の値に基づいて、第二長半径の値を算出し、
三爪内径マイクロメータの三つの爪により三つのロールギャップに貼り付けて測定して第一寸法数値を取得し、
又は内キャリパの一端によりいずれか1つのロールギャップに貼り付けて、他端により前記ロールギャップに対向するロール円弧の底部に貼り付けて測定して第二寸法値を取得し、
第一寸法数値と前記第二長半径とを比較し、前記第一寸法数値が前記第二長半径の2倍に等しいなら、3ロール縮径機のロール孔型長半径の加工寸法が正確であることを証明し、そうでなければ3ロール縮径機のロール孔型長半径加工寸法の誤りを証明し、
又は第二寸法数値を前記第二長半径と前記短い半軸との和と比較し、第二寸法数値が前記第二長半径と前記短い半軸との和が等しいなら、3ロール縮径機のロール孔型の長半径の加工寸法が正確であることを証明し、そうでなければ3ロール縮径機のロール孔型長半径加工寸法の誤りを証明し、
前記3ロール縮径機の孔型は軸線の間の夾角が120°である三つのロールの一端で構成され、
各ロールの前記一端は二つの軸対称な斜面で一つの楕円を挟んで円弧状に形成され、
二つの隣接するロールの斜面は密着し、それにより三つの楕円弧の首尾が接続されて3ロール縮径機の孔型を形成し、
前記斜面と軸線との間の夾角は60°であり、
前記楕円弧の焦点は軸線上に位置し、焦点から楕円弧の両端点までの間の接続線の夾角は120°であり、
前記第一線分は前記楕円弧の両端点を接続するための接続線の半分であり、
前記第二長半径は前記焦点と前記楕円弧の一端点を接続するための接続線である、というステップを含む
ことを特徴とする3ロール縮径機のロール孔型長半径の高速測定方法。
【請求項2】
直角三角形の定理及び前記第一線分の値に基づいて、第二長半径の値を算出し、具体的には、
直角三角形のピタゴラス定理又は三角関数と、前記第一線分の値及び前記第一線分と第二長半径との夾角α1に基づいて、ここで夾角α1は30°であり、第二長半径の値を算出し、
前記直角三角形は前記第一線分、前記第二長半径及び第二線分の首尾が順に接続して構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の3ロール縮径機のロール孔型長半径の高速測定方法。
【請求項3】
前記楕円方程式は以下のとおりである。
【数1】
Xは前記第一線分の値であり、aは前記第一長半径の値であり、bは前記短い半軸の値である、
ことを特徴とする請求項1に記載の3ロール縮径機のロール孔型長半径の高速測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧延機設備の調整技術分野に属し、特に3ロール縮径機のロール孔型長半径の高速測定方法。
【背景技術】
【0002】
従来の3ロール縮径機の孔型は加工及び使用中に以下の問題が存在する:1.三爪内径マイクロメータは縮径機の孔型短軸(加工後及び使用後)のみを測定することができ、長半径は測定(加工後及び使用後)を行うことができない。2.孔型サンプルプレートを製造することにより孔型サイズ(長さ、短半径)を測定すると、孔型はサンプルプレートを製造する必要がありかつ費用が高い。3.長半径を測定することができないため、鋼管の外径精度及び表面品質(例えば青線、ローリング)を保証することができない。
【0003】
機械加工で3ロール縮径機のロール孔型を加工する時、3ロール縮径機のロール孔型長半径が測定されないため孔型の加工寸法が誤って、3ロール縮径機の孔型にエラーが発生した後、鋼管が縮径機を経て圧延された後に一本又は複数本の青線、圧延(深さが0.1mm~0.3mmに達する)欠陥及び内部楕円(一般的に0.8mm~0.9mmであり、ひどい時に10mm~1.2mmに達する)欠陥が発生しやすく、この二種類の欠陥:1.鋼管の外表面に深刻な影響を与える;2.ユーザーの使用(加工時に黒皮現象が現れる)に深刻な影響を与える。
【0004】
本発明のこのような3ロール縮径機のロール孔型長半径の高速測定方法は3ロール縮径機のロール孔型(長半径)の測定(加工後及び使用後)をよく解決し、特に長い半軸の摩耗量が所定の摩耗量を超え、縮径機の孔型重車を行い、鋼管の精度及び品質の発生を回避する。この測定方法により鋼管の外径精度と表面品質を大幅に向上させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術の不足に対して、本発明は、3ロール縮径機のロール孔型長半径の高速測定方法を提供し、3ロール縮径機のロール孔型長半径の測定を解決し、鋼管の外径精度及び表面品質を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術的解決手段を提供する。3ロール縮径機のロール孔型長半径の高速測定方法であって、以下のステップを含む。専用数値制御旋盤のフレームステーション番号に基づいて、3ロール孔型データテーブルから対応する楕円孔型平均直径の値と、第一長半径の値及び短い半軸の値を選択する;楕円方程式、取得された第一長半径の値及び取得された短い半軸の値に基づいて、第一線分の値を算出する;直角三角形定理及び前記第一線分の値に基づいて、第二長半径の値を算出する;三爪内径マイクロメータの三つの爪により三つのロールギャップを貼り付けて測定して第一寸法数値を取得する;又は内キャリパの一端によりいずれかのロールギャップに貼り付けられ、他端が前記ロールギャップに対向するロール円弧の底部に貼り付けられて第二寸法値を取得する;第一寸法数値と前記第二長半径とを比較し、前記第一寸法数値が前記第二長半径の2倍に等しいと、3ロール縮径機のロール孔型長半径の加工寸法が正確であることを証明し、そうでなければ3ロール縮径機のロール孔型長半径加工寸法の誤りを証明する;又は第二寸法数値と前記第二長半径と前記短い半軸との和を比較し、第二寸法数値と前記第二長半径と前記短い半軸との和が等しいと、3ロール縮径機のロール孔型の長半径の加工寸法が正確であることを証明し、そうでなければ3ロール縮径機のロール孔型長半径加工寸法の誤りを証明する;前記3ロール縮径機の孔型は軸線の間の夾角が120°である三つのロールの一端で構成される;各ロールの前記一端は二つの軸対称な斜面で一つの楕円を挟んで円弧状に形成される;二つの隣接するロールの斜面は緊密に貼り付けられ、それにより三つの楕円弧の首尾が接続されて3ロール縮径機の孔型を形成し、前記斜面と軸線との間の夾角は60°である;前記楕円弧の焦点は軸線上に位置し、焦点から楕円弧の両端点までの間の接続線の夾角は120°である;前記第一線分は前記楕円弧の両端点を接続するための接続線の半分である;前記第二長半径は前記焦点と前記楕円弧の一端点を接続するための接続線である。
【0007】
好ましくは、直角三角形の定理及び前記第一線分の値に基づいて、第二長半径の値を算出し、具体的には以下を含む。直角三角形のピタゴラス定理又は三角関数と、前記第一線分の値及び前記第一線分と第二長半径との夾角α1に基づいて、ここで夾角α1は30°であり、第二長半径の値を算出する;前記直角三角形は前記第一線分、前記第二長半径及び第二線分の首尾が順に接続して構成される。
好ましくは、前記楕円方程式は以下のとおりである。
【0008】
【数1】
Xは前記第一線分の値であり、aは前記第一長半径の値であり、bは前記短い半軸の値である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施例が提供する技術的解決手段による有益な効果は以下のとおりである。
本発明は、機械加工が完了した後の3ロール縮径機のロール孔型の長さと、短い半軸を測定した後、機械加工によって加工された3ロール縮径機のロールの孔型寸法が誤って鋼管の品質問題をもたらすことを途絶し、3ロール縮径機のロール孔型の精度を確保し、鋼管の表面及び寸法精度の問題を大幅に改善し、鋼管製品の品質がユーザーの承認を取得する。市場での競争力もさらに向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】三つのロールで構成された孔型構造概略図である。
図2】未加工の単ロールの構造概略図である。
図3】単ロール加工が完了した後の孔型構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下には、図面を参照しながら実施例を組み合わせて本発明を詳細に説明する。各実施例は、本発明の解釈のためになされたものであり、発明を限定するものではない。実際には、当業者は、本発明の範囲又は主旨から逸脱することなく、本発明に修正及び変形を行うことができることを明らかにする。例えば、一つの実施例の一部の特徴を別の実施例に用いることができ、別の実施例を生成することができる。したがって、所望のことは、本発明は添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に属するこのような修正及び変形を含むことである。
【0012】
本発明の説明において、用語「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」等の指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づいて、本発明を説明しやすいために本発明が特定の方位で構造し操作しなければならないことを要求するものではないため、本発明を限定するものと理解すべきではない。本発明で使用される用語「接する」、「接続」、「設置」は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能に接続されてもよい;直接接続されてもよく、中間部材を介して間接的に接続されてもよい;有線電気接続、無線接続であってもよく、無線通信信号接続であってもよく、当業者にとって、具体的な状況に基づいて上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0013】
図1図3に示すとおり、本発明の実施例によれば、3ロール縮径機のロール孔型長半径方法を迅速に測定し、以下のステップを含む:
S11:専用数値制御旋盤のフレームステーション番号に基づいて、3ロール孔型データテーブルから対応する楕円孔型平均直径の値と、第一長半径の値及び短い半軸の値を選択する。
S22:楕円方程式と、取得された第一長半径の値及び取得された短い半軸の値に基づいて、第一線分の値を算出する。
S33:直角三角形の定理及び第一線分の値に基づいて、第二長半径の値を算出する。
S44:三爪内径マイクロメータの三つの爪をにより三つのロールギャップを貼り付けて測定して第一寸法数値を取得する;又は内キャリパの一端によりいずれかのロールギャップに貼り付け、他端がロールギャップに対向するロール円弧底部に貼り付けて第二寸法数値を取得する。
S55:第一寸法の数値と第二長半径とを比較し、第一寸法の数値が第二長半径の2倍に等しい場合、3ロール縮径機のロール孔型の長半径の加工寸法が正確であることを証明し、そうでなければ3ロール縮径機のロール孔型長半径の加工寸法の誤りを証明する;又は第二寸法数値と第二長半径と短い半軸との和を比較し、第二寸法数値と第二長半径と短い半軸との和が等しいと、3ロール縮径機のロール孔型の長半径の加工寸法が正確であることを証明し、そうでなければ3ロール縮径機のロール孔型長半径の加工寸法の誤りを証明する。
【0014】
本発明は、3ロール孔型データテーブルにおける第一長半径の値と、短い半軸の値及び楕円方程式及び直角三角形定理に基づいて、第二長半径の値を算出する。本発明は、さらに機械加工が完了した後の3ロール縮径機のロール孔型を測定し、本発明がさらに測定値と2倍の第二長半径又は第二長軸の値と短い半軸の値との和を比較することにより、機械加工によって加工された3ロール縮径機のロールの孔型寸法が誤って鋼管の品質問題をもたらすことを途絶し、3ロール縮径機のロール孔型の精度を確保し、鋼管の表面及び寸法精度の問題を大幅に改善し、鋼管製品の品質がユーザーの承認を取得する。市場での競争力もさらに向上させる。
【0015】
図1及び図3に示すように、3ロール縮径機の孔型は軸線の間の夾角が120°である三つのロール10の一端で構成される;各ロール10の一端は第一斜面20、第二斜面60および第一斜面20と第二斜面60との間に挟まれた楕円弧40で形成され、そのうち第一斜面20と第二斜面60はロール軸線に対して対称である。楕円弧40の焦点は軸線に位置し、楕円弧40の焦点は即ち3ロール縮径機の孔型の中心点であり、焦点から楕円弧40の両端点までの間の接続線の夾角は120°である。各楕円弧が位置する楕円の長短の半軸データは表1を参照する。
二つの隣接するロール10の斜面は緊密に貼り付けられ、それにより三つの楕円弧40の首尾が接続されて3ロール縮径機の孔型を形成し、斜面と軸線との間の夾角は60°である。
【0016】
本発明の実施例において、第二長半径の値をより便利で迅速に算出するために、本発明は、直角三角形のピタゴラス定理又は三角関数と、前記第一線分の値及び第一線分と第二長半径との夾角α1に基づいて、直角三角形において斜面と軸線との間の夾角が60°であるため、夾角α1は30°であり、それにより第二長半径の値を算出する;直角三角形は第一線分、第二長半径及び第二線分で首尾接続して構成される。
本発明の実施例において、本発明の楕円方程式は以下のとおりである。
【0017】
【数2】
Xは前記第一線分の値であり、aは前記3ロール孔型データテーブルにおける第一長半径の値であり、bは前記3ロール孔型データテーブルにおける短い半軸の値である。
本発明は、さらに3ロール縮径機のロール孔型長半径方法の一つの実施例を提供し、3ロール縮径機のロール孔型を加工する場合、機械フレーム全体を専用の数値制御旋盤に吊り込んで加工する必要がある。機械加工作業者は3ロール孔型データテーブルに基づいて3ロール縮径機のロール孔型を加工する。
3ロール縮径機のロール孔型データは表1に示すとおりである(各ロールの楕円弧部分に対応する楕円の長短の半軸データを含む)。
【0018】
【表1】
本発明の実施例において、専用数値制御旋盤のフレームステーション番号を10番として選択し、3ロール孔型データテーブルから対応する孔型平均直径の値が52.49であり、第一長半径の値が26.43mmであり、短い半軸の値が26.06 mmであることを選択する。
【0019】
3ロール縮径機のロール孔型は、三つのロール上の円弧で構成された孔型であり、三つのロールは縮径機のフレームの円周方向に120°の角度を呈してフレーム内に配置される。
【0020】
図1及び図2に示すように、Aは第二長半径であり、第二長半径は3ロール孔型の中心点と楕円弧の一端点を接続するための接続線であり、すなわち図1における線分CE、線分EF、線分EGである。Bは短い半軸すなわち図1における線分EH、線分EJ、線分EKであり、図1における網掛け部分は3ロール縮径機のロール孔型である。
【0021】
図2及び図3に示すように、既知の3孔型データテーブルにおける第一長半径の値は26.43 mm(a=26.43)、3孔型データテーブルにおける短い半軸の値は26.06 mm(b=26.06)であり、さらに楕円方程式に基づいて第一線分の値を算出し、ここで第一線分は図3又は図1における線分CDであり、即ち
【0022】
【数3】
X=22.81mm
Xは第一線分の値であり、すなわちX=CD=22.81 mmである。
【0023】
CD=22.81 mmであり、第一線分は楕円弧の両端点を接続するための接続線の半分であり、すなわち、接続線は図1における線分CGであり、即ちCG=CD*2=22.81*2=45.62 mmであり、次に第一線分の値及び第一線分と第二長半径との夾角α1の正接値に基づいて、第二線分の値を算出し、第二線分は焦点と接続線の中点を接続するための線分であり、即ち図1における線分EDであり、ここで夾角α1は、図1又は図3における∠ECDであり、α1=∠ECD=30°であり、即ち:
Tgα1=Y/X ,Y=Tgα1*X=0.057735*22.81=13.17mm,
ここで、Yは第二線分の値であり、即ちED=Y=13.17mmである。
さらに既知の第一線分の値、第二線分の値に基づいて、かつ直角三角形のピタゴラス定理を用いて、第二長半径の値を計算し、ここで直角三角形は第一線分、第二長半径及び第二線分の首尾が順に接続して構成され、ここで直角三角形は図1又は図3中の三角形ECDであり、ここで第二長半径は図1における線分CE、EF、EGであり、即ち:
M^2=Y^2+X^2,M^2=13.17^2+22.81^2=26.34mm,
ここでMは第二長半径の値であり、すなわちCE=EF=EG=M=26.34 mmである。
【0024】
又は直角三角形ECDにおいて、∠ECD=30°、ED=13.17 mmでCE(直角三角形定理から分かるように、30°角に対向する辺が斜辺の半分である)を算出することができ、それによりCE=M=2*Y=2*13.17=26.34 mmを求めることができる。
【0025】
又は既知のED=13.17 mm及びSin∠ECD=Sin30°に基づいて、CEの値を算出することができ、すなわち:CE=ED/(Sin30°)=26.34 mmである。
【0026】
本実施例において、さらに孔型長半径値を計算する別の方式(CEの値)を提供し、CD=22.81mm、第一線分と第二長半径との夾角α1の余弦が既知であり、かつ夾角α1は図1又は図3における∠ECDであり、α1=∠ECD=30°であり、即ち:
Cosα1= X/M,M=X/Cosα1 =CE=CD/(Cos30°)= 26.34mm。
【0027】
測定時、三爪内径マイクロメータを採用して3ロール孔型測定(三爪内径千分の三つの爪を三つのロールギャップに貼り付けて測定する)を採用すると、測定された第一寸法数値を2倍の第二長半径の値と比較し、2倍の第二長半径の値はEF*2=26.34*2=52.68 mmである。測定された第一寸法の数値が2倍の第二長半径の値と同じであれば、3ロール縮径機のロール孔型の長半径の加工寸法が正確であることを証明し、測定された第一寸法の数値と2倍の第二長半径の値が異なると、3ロール縮径機のロール孔型の長半径の加工寸法が誤っていることを証明する。
【0028】
測定時に、内キャリパを採用して3ロール孔型を測定すると、内キャリパを採用して測定する場合に内キャリパの一端をロールギャップの他端に貼り付けて円弧底部(測定時に内キャリパが必ず垂直に測定しようとする)に貼り付けられた後に鋼直定規で内部キャリパ距離を測定する必要がある;内キャリパで測定された第二寸法数値を孔型長半径の値と3孔型データテーブルにおける短い半軸の和と比較する必要があり、ここで第二長半径の値と3孔型データテーブルにおける短い半軸との和は、EF+B(短半径)=26.34+26.06=52.40mmである。測定された第二寸法数値が第二長半径の値と3孔型データテーブルにおける短い半軸の和と同じであれば、3ロール縮径機のロール孔型の長半径の加工寸法が正確であることを証明し、測定された第二寸法数値が第二長半径の値と3孔型データテーブルにおける短い半軸の和と異なると、3ロール縮径機のロール孔型の長半径の加工寸法が誤っていることを証明する。
【0029】
3ロール縮径機のロール孔型長半径の加工寸法が誤ると、該孔型は他のより大きなサイズの孔型に二次加工することしかできない。
本発明の方法を用いて3ロール縮径機のロール孔型(長半径)の内径の楕円度データと従来の設計に基づく従来の3ロール縮径機のロール孔型(長半径)を測定して設計仕様が62.5X14である40Crb鋼を試験して測定し、プロセスパラメータが同じであり、測定された内径の楕円度データ(単位:mm)は例えば表2に示すとおりである。
【0030】
【表2】
1.以上の表におけるデータ単位はmmである。
【0031】
2.以上の表中のデータは同じ温度、同じ鋼種、同じ仕様、同じプロセスパラメータで実物を測定する。
【0032】
3.以上の表中の最小は製造された鋼管の内径の最小値を指し、最大は製造された鋼管の内径の最大値を指す。
【0033】
上記表は、本出願人が複数回の実験により得られたものであり、さらに上記内容と組み合わせて、本発明の方法を用いて機械加工が完了した後の3ロール縮径機のロール孔型の長さ、短半径を測定した後、機械加工により加工された3ロール縮径機のロール孔型の寸法が誤って鋼管の品質問題をもたらすことを途絶し、3ロール縮径機のロール孔型の精度を確保し、鋼管の表面及び寸法精度の問題を大幅に改善し、鋼管製品の品質がユーザーの承認を得て、市場競争力がさらに向上させる。
【0034】
本発明の方法を使用しない3ロール縮径機のロール孔型(長半径)であって、該3ロール縮径機のロール孔型(長半径)で製造された鋼管は、肉眼で鋼管を目視することができ、鋼管の内孔は、三角形、アヒルの卵型でありかつ鋼管の外表面に青線があるものである。
【0035】
本発明の方法を使用する3ロール縮径機のロール孔型(長半径)であって、該3ロール縮径機のロール孔型(長半径)で製造された鋼管は、肉眼で鋼管を目視することにより鋼管の内径が楕円度が高く、内孔が円であることを目視することができる。鋼管の外表面の青線、圧延を除去する。
【0036】
技術的常識から分かるように、本発明はその主旨又は必要な特徴から逸脱しない他の実施形態により実現することができる。したがって、上記開示された実施形態は、いずれも例を挙げて説明し、単に例示的なものではない。いずれも本発明の範囲内にあるか又は本発明の範囲内での変更はいずれも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
10 ロール
20 第一斜面
40 楕円弧
60 第二斜面
図1
図2
図3
【国際調査報告】