(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-23
(54)【発明の名称】プラズマでガス状汚染物質を処理する装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/70 20060101AFI20221216BHJP
H05H 1/30 20060101ALI20221216BHJP
B01D 53/76 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
B01D53/70 ZAB
H05H1/30
B01D53/76
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022505518
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 SG2019050545
(87)【国際公開番号】W WO2021091477
(87)【国際公開日】2021-05-14
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518359742
【氏名又は名称】エコシス ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田 志偉
【テーマコード(参考)】
2G084
4D002
【Fターム(参考)】
2G084AA18
2G084BB36
2G084CC14
2G084CC32
2G084DD41
2G084DD45
2G084DD62
2G084GG02
2G084GG08
2G084GG16
2G084GG29
4D002AA17
4D002AC07
4D002BA05
4D002BA07
4D002BA12
4D002EA02
4D002GA01
4D002GB20
(57)【要約】
マイクロ波源と導波アセンブリと共振チャンバーとを含むプラズマでガス状汚染物質を処理する装置であって、マイクロ波源はマイクロ波振動を発生させ、導波アセンブリはマイクロ波源に結合され、共振チャンバーは導波アセンブリに結合され、マイクロ波振動は実質的に導波方向に向かって伝達され、共振チャンバーは第1チャンバーと第2チャンバーとを含み、導波方向は実質的に第1チャンバーの基準軸線に平行であり、第1チャンバーは基準軸線を取り囲む内壁を有し、内壁は、基準軸線に向かって傾斜する第1内壁と、基準軸線に対して実質的に平行となる第2内壁を含み、第1内壁の面積が第2内壁より大きいことで第1チャンバーは先細りのテーパースペースとして形成されており、マイクロ波振動は第2チャンバーにおいて点火ガスと反応してトーチを生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波振動を発生させるマイクロ波源と、
前記マイクロ波源に結合されて前記マイクロ波振動を伝達する導波アセンブリと、
前記導波アセンブリに結合され且つ前記マイクロ波振動がその内部において実質的に導波方向に向かって伝達される共振チャンバーであって、前記導波アセンブリに近い第1チャンバーと、前記導波アセンブリから遠い第2チャンバーとを含み、前記第1チャンバーが前記導波アセンブリに接続された入口端と、前記導波アセンブリから遠い出口端とを含み、前記第2チャンバーが前記出口端に連通する連通端と、前記連通端から遠い閉鎖端とを含み、前記第2チャンバーが前記第1チャンバーを通過する前記マイクロ波振動を受け取り、前記マイクロ波振動が前記第2チャンバーにおいて点火ガスと反応してトーチを生成する前記共振チャンバーとを含み、
前記導波方向は実質的に前記第1チャンバーの基準軸線に平行であり、前記第1チャンバーは前記基準軸線を取り囲み且つ前記基準軸線に沿って延在する内壁を有し、前記内壁は前記基準軸線に向かって傾斜する第1領域と、前記基準軸線に対して実質的に平行となる第2領域とを含み、前記第1領域の面積が前記第2領域より大きいことで前記第1チャンバーは前記入口端から前記出口端まで先細りのテーパースペースとして形成されている、プラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項2】
前記内壁は第1内側壁と、前記第1内側壁に対向する第2内側壁とを含み、前記第1内側壁及び前記第2内側壁は前記入口端から前記出口端まで前記基準軸線に対して内向きに傾斜している、請求項1に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項3】
前記内壁は第1内側壁と、前記第1内側壁に対向する第2内側壁とを有し、前記第1内側壁と前記第2内側壁との間に、前記基準軸線に沿って漸減するように次第に変化する幅の差を有する、請求項1に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項4】
前記第1チャンバーの前記内壁は、第1天壁と第1底壁とを有し、前記第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、前記第2天壁は、前記第1天壁に対して第1高さの差を有する、請求項1に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項5】
前記第1チャンバーの前記内壁は、第1天壁と第1底壁とを有し、前記第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、前記第2底壁は、前記第1底壁に対して第2高さの差を有する、請求項1に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項6】
点火源と、誘電体管とをさらに含み、前記誘電体管は前記第2チャンバーに挿設され且つ前記点火源に近い第1端と、前記点火源から遠い第2端とを有し、前記第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、前記誘電体管の前記第2端は、前記第2チャンバーから突出しており且つ前記第2チャンバーの前記第2底壁に対して第3高さの差を有する、請求項1に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項7】
点火源と誘電体管とをさらに含み、前記誘電体管は前記第2チャンバーに挿設され、前記点火源はプローブアセンブリを含み、前記プローブアセンブリは、キャリアと、前記キャリアに設けられた少なくとも1つの先端とを含み、前記先端は1.6mm~2mmの外径を有する、請求項1に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項8】
前記点火ガスは空気、窒素及びアルゴンからなる群から選ばれる、請求項1に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項9】
マイクロ波振動を発生させるマイクロ波源と、
前記マイクロ波源に結合されて前記マイクロ波振動を伝達する導波アセンブリと、
前記導波アセンブリに結合され且つ前記マイクロ波振動がその内部において実質的に導波方向に向かって伝達される共振チャンバーであって、前記導波アセンブリに近い第1チャンバーと、前記導波アセンブリから遠い第2チャンバーとを含み、前記第1チャンバーが前記導波アセンブリに接続された入口端と、前記導波アセンブリから遠い出口端とを含み、前記第2チャンバーが前記出口端に連通する連通端と、前記連通端から遠い閉鎖端とを含み、前記第2チャンバーが前記第1チャンバーを通過する前記マイクロ波振動を受け取り、前記マイクロ波振動が前記第2チャンバーにおいて点火ガスと反応してトーチを生成する前記共振チャンバーとを含み、
前記導波方向は実質的に前記第1チャンバーの基準軸線に平行であり、前記第1チャンバーは第1内側壁と、前記第1内側壁に対向する第2内側壁と、第1天壁と、第1底壁とを含み、前記第1内側壁及び前記第2内側壁は前記入口端から前記出口端まで前記基準軸線に対して内向きに傾斜している、プラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項10】
前記第1内側壁と前記第2内側壁との間に、前記基準軸線に沿って漸減するように次第に変化する幅の差を有する、請求項9に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項11】
前記第1チャンバーは、第1天壁と第1底壁とを有し、前記第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、前記第2天壁は、前記第1天壁に対して第1高さの差を有する、請求項9に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項12】
前記第1チャンバーは、第1天壁と第1底壁とを有し、前記第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、前記第2底壁は、前記第1底壁に対して第2高さの差を有する、請求項9に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項13】
点火源と誘電体管とをさらに含み、前記誘電体管は、前記第2チャンバーに挿設され且つ前記点火源に近い第1端と、前記点火源から遠い第2端とを有し、前記第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、前記誘電体管の前記第2端は、前記第2チャンバーから突出しており且つ前記第2チャンバーの前記第2底壁に対して第3高さの差を有する、請求項9に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項14】
点火源と誘電体管とをさらに含み、前記誘電体管は前記第2チャンバーに挿設され、前記点火源はプローブアセンブリを含み、前記プローブアセンブリは、キャリアと、前記キャリアに設けられた少なくとも1つの先端とを含み、前記先端は1.6mm~2mmの外径を有する、請求項9に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項15】
マイクロ波振動を発生させるマイクロ波源と、
前記マイクロ波源に結合されて前記マイクロ波振動を伝達する導波アセンブリと、
前記導波アセンブリに結合され且つ導波方向に沿って延在する共振チャンバーであって、前記導波アセンブリに近いテーパーチャンバーと、前記導波アセンブリから遠い燃焼チャンバーとを含み、前記燃焼チャンバーは前記テーパーチャンバーを通過する前記マイクロ波振動を受け取り、前記マイクロ波振動は前記第2チャンバーにおいて非燃料点火ガスと反応してトーチを生成する前記共振チャンバーとを含む、燃料を必要としないガス状汚染物質の処理装置。
【請求項16】
前記テーパーチャンバーは、第1天壁と第1底壁とを有し、前記燃焼チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、前記第2天壁は、前記第1天壁の底端に対して第1高さの差を有する、請求項15に記載の燃料を必要としないガス状汚染物質の処理装置。
【請求項17】
前記テーパーチャンバーの前記内壁は、第1天壁と第1底壁とを有し、前記燃焼チャンバーは第2天壁と第2底壁とを有し、前記第2底壁は、前記第1底壁に対して第2高さの差を有する、請求項15に記載の燃料を必要としないガス状汚染物質の処理装置。
【請求項18】
点火源と、誘電体管とをさらに含み、前記誘電体管は、前記第2チャンバーに挿設され且つ前記点火源に近い第1端と、前記点火源から遠い第2端とを有し、前記第2チャンバーは第2天壁と第2底壁とを有し、前記誘電体管の前記第2端は、前記第2チャンバーから突出しており且つ前記第2チャンバーに対して第3高さの差を有する、請求項15に記載の燃料を必要としないガス状汚染物質の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス状汚染物質を処理する装置に関し、特に、プラズマでガス状汚染物質を処理する装置である。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の排気ガスには人体又は環境に有害な様々な化学物質が含まれており、大衆から最大の関心を寄せているのは、CF4、C2F6、C3F8をはじめとするパーフルオロ化合物(PerFluoroCompounds、PFCs)である。通常の排気ガス処理設備としては、燃焼式、プラズマ式、加熱式、水洗式、触媒式などがあり、パーフルオロ化合物の分解温度が高いため、一般には燃焼式又はプラズマ式で処理する。プラズマ式は成熟度が高く安定的な技術で、トーチが発生させる高温は、パーフルオロ化合物の分解に特に好適であるため、燃焼式の後継者として大きな注目を集める技術である。
【0003】
プラズマ源によって、トーチ式の排気ガス処理設備は主に直流式トーチ、マイクロ波式トーチを含み、このようなものは従来の技術として特許文献1~10などに記載されている。
【0004】
しかしながら、従来の技術には、電力と燃料を多く消費する必要があるため、トーチを利用して排気ガスを処理する場合はコストが合理的な範囲までには下がらないという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国出願公開特許第US20180071751A1号
【特許文献2】米国登録特許第US9937467号
【特許文献3】米国登録特許第US9346005号
【特許文献4】米国登録特許第US9371581号
【特許文献5】米国登録特許第US10064262号
【特許文献6】米国登録特許第US9512518号
【特許文献7】米国登録特許第US9277636号
【特許文献8】米国出願公開特許第US20100074821A1号
【特許文献9】米国出願公開特許第US20100290966A1号
【特許文献10】米国出願公開特許第US20090301298A1号
【特許文献11】米国登録特許第US9937467号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、従来のトーチには多くの電力と燃料を消費する必要があるという問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の目的を達成するために、マイクロ波振動を発生させるマイクロ波源と、当該マイクロ波源に結合されて当該マイクロ波振動を伝達する導波アセンブリと、当該導波アセンブリに結合され且つ当該マイクロ波振動がその内部において実質的に導波方向に向かって伝達される共振チャンバーであって、当該導波アセンブリに近い第1チャンバーと、当該導波アセンブリから遠い第2チャンバーとを含み、当該第1チャンバーが当該導波アセンブリに接続された入口端と、当該導波アセンブリから遠い出口端とを含み、当該第2チャンバーが当該出口端に連通する連通端と、当該連通端から遠い閉鎖端とを含み、当該第2チャンバーが当該第1チャンバーを通過する当該マイクロ波振動を受け取り、当該マイクロ波振動が当該第2チャンバーにおいて点火ガスと反応してトーチを生成する当該共振チャンバーとを含むプラズマでガス状汚染物質を処理する装置を提供し、当該導波方向は実質的に当該第1チャンバーの基準軸線に平行であり、当該第1チャンバーは当該基準軸線を取り囲み且つ当該基準軸線に沿って延在する内壁を有し、当該内壁は当該基準軸線に向かって傾斜する第1領域と、当該基準軸線に対して実質的に平行となる第2領域とを含み、当該第1領域の面積が当該第2領域より大きいことで当該第1チャンバーは当該入口端から当該出口端まで先細りのテーパースペースとして形成されている。
【0008】
一実施例では、当該内壁は第1内側壁と、当該第1内側壁に対向する第2内側壁とを含み、当該第1内側壁及び当該第2内側壁は当該入口端から当該出口端まで当該基準軸線に対して内向きに傾斜している。
【0009】
一実施例では、当該内壁は第1内側壁と、当該第1内側壁に対向する第2内側壁とを有し、当該第1内側壁と当該第2内側壁との間に、当該基準軸線に沿って漸減するように次第に変化する幅の差を有する。
【0010】
一実施例では、当該第1チャンバーの当該内壁は、第1天壁と第1底壁とを有し、当該第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、当該第2天壁は、当該第1天壁に対して第1高さの差を有する。
【0011】
一実施例では、当該第1チャンバーの当該内壁は、第1天壁と第1底壁とを有し、当該第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、当該第2底壁は、当該第1底壁に対して第2高さの差を有する。
【0012】
一実施例では、点火源と誘電体管とをさらに含み、当該誘電体管は当該第2チャンバーに挿設され且つ当該点火源に近い第1端と、当該点火源から遠い第2端とを有し、当該第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、当該誘電体管の当該第2端は、当該第2チャンバーから突出しており且つ当該第2チャンバーの当該第2底壁に対して第3高さの差を有する。
【0013】
一実施例では、点火源と誘電体管とをさらに含み、当該誘電体管は当該第2チャンバーに挿設され、当該点火源はプローブアセンブリを含み、当該プローブアセンブリは、キャリアと、当該キャリアに設けられた少なくとも1つの先端とを含み、当該先端は1.6mm~2mmの外径を有する。
【0014】
一実施例では、当該点火ガスは空気、窒素及びアルゴンからなる群から選ばれる。
【0015】
本発明は、マイクロ波振動を発生させるマイクロ波源と、当該マイクロ波源に結合されて当該マイクロ波振動を伝達する導波アセンブリと、当該導波アセンブリに結合され且つ当該マイクロ波振動がその内部において実質的に導波方向に向かって伝達される共振チャンバーであって、当該導波アセンブリに近い第1チャンバーと、当該導波アセンブリから遠い第2チャンバーとを含み、当該第1チャンバーが当該導波アセンブリに接続された入口端と、当該導波アセンブリから遠い出口端とを含み、当該第2チャンバーが当該出口端に連通する連通端と、当該連通端から遠い閉鎖端と、を含み、当該第2チャンバーが当該第1チャンバーを通過する当該マイクロ波振動を受け取り、当該マイクロ波振動が当該第2チャンバーにおいて点火ガスと反応してトーチを生成する当該共振チャンバーとを含むプラズマでガス状汚染物質を処理する装置をさらに提供し、当該導波方向は実質的に当該第1チャンバーの基準軸線に平行であり、当該第1チャンバーは第1内側壁と、当該第1内側壁に対向する第2内側壁と、第1天壁と、第1底壁とを含み、当該第1内側壁及び当該第2内側壁は当該入口端から当該出口端まで当該基準軸線に対して内向きに傾斜している。
【0016】
一実施例では、当該第1内側壁と当該第2内側壁との間に、当該基準軸線に沿って漸減するように次第に変化する幅の差を有する。
【0017】
一実施例では、当該第1チャンバーは、第1天壁と第1底壁とを有し、当該第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、当該第2天壁は、当該第1天壁に対して第1高さの差を有する。
【0018】
一実施例では、当該第1チャンバーは、第1天壁と第1底壁とを有し、当該第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、当該第2底壁は、当該第1底壁に対して第2高さの差を有する。
【0019】
一実施例では、点火源と誘電体管とをさらに含み、当該誘電体管は、当該第2チャンバーに挿設され且つ当該点火源に近い第1端と、当該点火源から遠い第2端とを有し、当該第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、当該誘電体管の当該第2端は、当該第2チャンバーから突出しており且つ当該第2チャンバーの当該第2底壁に対して第3高さの差を有する。
【0020】
一実施例では、点火源と誘電体管とをさらに含み、当該誘電体管は当該第2チャンバーに挿設され、当該点火源はプローブアセンブリを含み、当該プローブアセンブリは、キャリアと、当該キャリアに設けられた少なくとも1つの先端とを含み、当該先端は1.6mm~2mmの外径を有する。
【0021】
本発明は、マイクロ波振動を発生させるマイクロ波源と、当該マイクロ波源に結合されて当該マイクロ波振動を伝達する導波アセンブリと、当該導波アセンブリに結合され且つ導波方向に沿って延在する共振チャンバーであって、当該導波アセンブリに近いテーパーチャンバーと、当該導波アセンブリから遠い燃焼チャンバーとを含み、当該燃焼チャンバーは当該テーパーチャンバーを通過する当該マイクロ波振動を受け取り、当該マイクロ波振動は当該第2チャンバーにおいて非燃料点火ガスと反応してトーチを生成する当該共振チャンバーとを含む、燃料を必要としないガス状汚染物質の処理装置をさらに提供する。
【0022】
一実施例では、当該テーパーチャンバーの当該内壁は、第1天壁と第1底壁とを有し、当該燃焼チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、当該第2天壁は、当該第1天壁の底端に対して第1高さの差を有する。
【0023】
一実施例では、当該テーパーチャンバーの当該内壁は、第1天壁と第1底壁とを有し、当該燃焼チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、当該第2底壁は、当該第1底壁に対して第2高さの差を有する。
【0024】
一実施例では、点火源と、誘電体管とをさらに含み、当該誘電体管は、当該第2チャンバーに挿設され且つ当該点火源に近い第1端と、当該点火源から遠い第2端とを有し、当該第2チャンバーは第2天壁と第2底壁とを有し、当該誘電体管の当該第2端は、当該第2チャンバーから突出しており且つ当該第2チャンバーに対して第3高さの差を有する。
【0025】
本発明では、チャンバー構造という特別な設計を利用して、第1チャンバーのテーパー面を増やして、例えば、ダブルコーン状チャンバーのようなスペースを得ることで、マイクロ波場の強度を高め、第2チャンバーのマイクロ波場の強度を最大にする。これにより、マイクロ波源に必要な電力が大幅に低減するとともに、燃料ガスを使用する必要はなく、コストダウンになるだけでなく、省エネの効果も得られる。また、本発明の点火源に必要なのはプローブだけで、従来の技術のように点火変圧器とグロー放電電極を配置する必要はなく、点火変圧器からグロー放電電極に給電する必要もない。
【0026】
また、本発明のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置はそのまま排気ガス処理設備として使ってもよいし、あるいは、本発明のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置を排気ガス処理モジュールとして、他の形態の排気ガス処理設備に組み込んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施例の組み立ての立体的模式図である。
【
図2】
図1のXZ平面における一部断面の立体的模式図である。
【
図3A】
図1のXZ平面における断面模式図である。
【
図4A】
図1のXY平面における断面模式図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る、当該プローブアセンブリの組み立ての立体的模式図である。
【
図6A】本発明の第1実施例の一部組み立ての立体的模式図である。
【
図7A】本発明の第2実施例の一部組み立ての立体的模式図である。
【
図8A】本発明の第3実施例の一部組み立ての立体的模式図である。
【
図9】本発明の第4実施例の一部組み立ての立体的模式図である。
【
図10】本発明の別の実施例の組み立ての立体的模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の詳細な説明として、図面を参照して技術内容について説明する。
本発明はプラズマでガス状汚染物質を処理する装置を開示し、
図1から
図4Bで参照されるとおり、一実施例では、当該装置はマイクロ波源10と、導波アセンブリ20と、スペーサー30と、共振チャンバー40と、誘電体管50と、プローブアセンブリ60と、移動部材70と、冷却アセンブリ80と、誘電体窓アセンブリ90とを含み、マイクロ波源10はマイクロ波振動を発生させるために用いられ、本実施例では、マイクロ波源10としてマグネトロンが用いられ、導波アセンブリ20はマイクロ波源10に近く且つマイクロ波源10に結合され、導波アセンブリ20はチャンバー21を含み、チャンバー21は直方体状であり、チャンバー21は入口端21aと、出口端21bとを含み、入口端21aはマイクロ波源10に接続され、スペーサー30は導波アセンブリ20と共振チャンバー40との間に設けられる。誘電体窓アセンブリ90は少なくとも1つの第1誘電体窓90aと、少なくとも1つの第2誘電体窓90bとを含み、第1誘電体窓90aは導波アセンブリ20とスペーサー30との間に設けられ、第2誘電体窓90bはスペーサー30と共振チャンバー40との間に設けられる。本実施例では、スペーサー30はサーキュレータと水負荷とを含み、且つ第1誘電体窓90a及び第2誘電体窓90bは石英ガラスからなる。
【0029】
図2、
図3A及び
図3Bで参照されるとおり、共振チャンバー40は第1チャンバー41と、第2チャンバー42と、入口端43と、連通端44と、閉鎖端45とを含み、本発明の一実施例では、第1チャンバー41は基準軸線Lに沿って延在し、当該マイクロ波振動は共振チャンバー40内において実質的に導波方向に平行に伝達され、当該導波方向は基準軸線Lに近く又は実質的にそれと同じものであり、第1チャンバー41は内壁411を有し、内壁411は基準軸線Lを取り囲み且つ基準軸線Lに沿って延在し、内壁411は第1領域と第2領域とを含み、当該第1領域は基準軸線Lに向かって傾斜し、当該第2領域は基準軸線Lに対して実質的に平行であり、当該第1領域の面積が当該第2領域より大きいことで、第1チャンバー41は入口端43から連通端44まで先細りのテーパースペースとして形成されている。
【0030】
図3Aから
図4Bで参照されるとおり、本実施例では、内壁411は第1内側壁411aと、第2内側壁411bと、第1天壁411cと、第1底壁411dとを含み、第1内側壁411a及び第2内側壁411bは基準軸線Lに対して対称に内向きに傾斜しており、第1内側壁411a又は第2内側壁411bと基準軸線Lとは夾角θ2を形成しており、夾角θ2は1°~5°であり、好ましくは、夾角θ2は1°~3°である。第1天壁411cは基準軸線Lに対して内向きに傾斜しており、第1天壁411cと基準軸線Lは夾角θ1を形成しており、夾角θ1は10°~15°であり、好ましくは、夾角θ1は10°~13°であり、第1天壁411cは入口端43に近い高い端と、連通端44に近い低い端とを含み、第1底壁411dは基準軸線Lに対して実質的に平行である。言い換えれば、本実施例では、当該第1領域は第1内側壁411aと、第2内側壁411bと、第1天壁411cとを含み、当該第2領域は第1底壁411dを含み、本実施例では、当該第1領域と当該第2領域の面積比は1.2~2である。
図4Bに示すとおり、第1内側壁411aと第2内側壁411bとの間には基準軸線Lに沿って漸減するように次第に変化する幅の差W1
Dを有し、
図3Bに示すとおり、第1天壁411cと第1底壁411dとの間には基準軸線Lに沿って漸減するように次第に変化する高さの差H1
Dを有する。
【0031】
図3Aから
図4Bで参照されるとおり、本実施例では、第2チャンバー42は第1内側壁421aと、第2内側壁421bと、第2天壁421cと、第2底壁421dとを含み、第2天壁421cは上部開口422を含み、第2底壁421dは下部開口423を含み、誘電体管50は上部開口422と下部開口423に挿設され、誘電体管50は第1セクション51と、第2セクション52と、第3セクション53と、上端54と、底端55とを含み、第1セクション51、第3セクション53はそれぞれ上部開口422、下部開口423から突出しており、第2セクション52は第2チャンバー42内に位置する。本実施例では、第2チャンバー42の第1内側壁421aと第1チャンバー41の第1内側壁411aは基準軸線Lに対して連続的な傾斜面を形成しており、第2チャンバー42の第2内側壁421bと第1チャンバー41の第2内側壁411bも基準軸線Lに対して連続的な傾斜面を形成しており、第2チャンバー42の第2天壁421cと第2底壁421dは互いに平行であり、一実施例では、第2チャンバー42の第2底壁421dと第1チャンバー41の第1底壁411dは同じ高さに位置し、第2チャンバー42の第2天壁421cは当該第1チャンバーの第1天壁411cの低い端と同じ高さに位置する。第2チャンバー42の第2天壁421cと第2底壁421dとの間には高さの差H2
Dを有し、本実施例では、高さの差H2
Dは基準軸線Lに沿って一定の値であり、他の実施例では、高さの差H2
Dは基準軸線Lに沿って次第に変化する値であり又は落差を有する。
【0032】
共振チャンバー40において、入口端43は第1高さH1と第1幅W1を有し、連通端44は第2高さH2と第2幅W2を有し、閉鎖端45は第3高さH3と第3幅W3を有し、本実施例では、入口端43の第1高さH1、第1幅W1はそれぞれ連通端44の第2高さH2、第2幅W2より大きく、連通端44の第2高さH2は閉鎖端45の第3高さH3に等しく、連通端44の第2幅W2は閉鎖端45の第3幅W3より大きく、他の実施例では、連通端44の第2幅W2は閉鎖端45の第3幅W3に等しくてもよい。
【0033】
図2及び
図3Bで参照されるとおり、冷却アセンブリ80は誘電体管50の上端54の方に据え付けられ且つ誘電体管50の第1セクション51をカバーしており、移動部材70はプローブアセンブリ60に接続され、且つ冷却アセンブリ80に据え付けられ、プローブアセンブリ60はキャリア61と、キャリア61の端面611に設けられた少なくとも1つの先端62とを含む。移動部材70はプローブアセンブリ60の第2チャンバー42に対する垂直な移動を制御し、冷却アセンブリ80はガスチャンバー81と、ガス管路82と、冷却管路83とを含み、ガスチャンバー81は誘電体管50の中空部Hに連通し、ガスチャンバー81の内壁は少なくとも1つのガス穴811を有し、少なくとも1つの点火ガスはガス穴811からガスチャンバー81に入って誘電体管50の中空部Hに入り、一実施例では、当該点火ガスは非燃料ガスであり、例えば、窒素(N
2)やアルゴン(Ar)などの不活性ガス又は圧縮乾燥空気(Clean Dry Air/Compressed dry air、CDA)であり、冷却管路83には冷却流体が流動して、ガスチャンバー81の温度を制御して素子の損傷を避ける。本実施例では、プローブアセンブリ60、移動部材70及び冷却アセンブリ80が点火源を構成し、ただしこれは説明のための一例に過ぎず、実際には、当該点火源は他の構成としてもよい。
【0034】
図3Bで参照されるとおり、当該マイクロ波振動は共振チャンバー40の第2チャンバー42で最大強度に達し、当該最大強度は誘電体管50の第2セクション52内の中空部Hに発生し、当該点火ガスが誘電体管50の中空部Hを満たすと、移動部材70はプローブアセンブリ60を制御して下向きに第2セクション52内の中空部Hに入らせ、当該マイクロ波振動の当該最大強度が最小閾値に達していると、プローブアセンブリ60の先端62にトーチTが生成する。本実施例では、移動部材70としてシリンダーを用いることができる。
【0035】
図5で参照されるとおり、本発明の一実施例では、プローブアセンブリ60は第1先端62aと、第2先端62bとを含み、第1先端62a、第2先端62bはそれぞれ先細りの端部を含み、当該端部の直径は1.6mm~2.0mmであり、第1先端62a及び第2先端62bの長さは30mm~50mmであり、第1先端62a及び第2先端62bの材質は銅(Cu)、タングステン(W)又はニッケル-クロム合金であってもよく、例えば、Inconel(登録商標)600である。当該先端を複数設置すると、点火の可能性が上がり、また、他の実施例では、当該端部は直径1.6mm未満としてもよい。
【0036】
本発明の一実施例によると、第1チャンバー41の第1天壁411cは第2チャンバー42の第2天壁421cと第1高さの差を有する。本発明の別の実施例によると、第1チャンバー41の第1底壁411dは第2チャンバー42の第2底壁421dと第2高さの差を有し、誘電体管50の底端55は第2チャンバー42から突出しており且つ第2チャンバー42の第2底壁421dと第3高さの差を有する。
【0037】
続いて
図6Aから
図9で参照されるとおり、本発明の異なる実施例では、当該第1高さの差、当該第2高さの差及び当該第3高さの差、及び当該誘電体管の各セクションのサイズを変更又は調整することによって、マイクロ波場の強度をさらに調整し又は高めることができる。本発明の第1実施例の一部組み立ての立体的模式図の
図6A、側面模式図の
図6Bで参照されるとおり、本実施例では、第2チャンバー42は第1本体42aと、第2本体42bとを含み、第1本体42a、第2本体42bはそれぞれ高さH
a、H
bを有し、誘電体管50の底端55と第2チャンバー42の第1本体42aの外底壁との間の距離はH
dであり、第1本体42aは円柱体であり、第2本体42bは正方体である。第1本体42aの高さH
aは20mmであり、第2本体42bの直径は80mmであり、第1本体42aの開口424の直径は36mmであり、誘電体管50の全長は20cmである。次の表1は、異なる第2本体42bの高さH
b及び距離H
dから、第2チャンバー42内の最大場強度(V/m)を測定したものである。
【0038】
本発明の第2実施例の一部組み立ての立体的模式図の
図7A、及び側面模式図の
図7Bで参照されるとおり、本実施例では、第2チャンバー42は第1本体42aと、第2本体42bとを含み、第1本体42a、第2本体42bはそれぞれ高さH
a、H
bを有し、誘電体管50の底端55と第2チャンバー42の第1本体42aの外底壁との間の距離はH
dであり、第1本体42a及び第2本体42bはいずれも正方体である。第1本体42aの高さH
aは20mmであり、第2本体42bの辺の長さは80mmであり、第1本体42aの開口424の直径は36mmであり、誘電体管50の全長は20cmである。次の表2は、異なる第2本体42bの高さH
b及び距離H
dから、第2チャンバー42内の最大場強度(V/m)を測定したものである。
【0039】
本発明の第3実施例の一部組み立ての立体的模式図の
図8A、及び側面模式図の
図8Bで参照されるとおり、本実施例では、第2チャンバー42は第1本体42aと、第2本体42bと、第3本体42cとを含み、第1本体42a、第2本体42b、第3本体42cはそれぞれ高さH
a、H
b、H
cを有し、誘電体管50の底端55と第2チャンバー42の第3本体42cの外底壁との間の距離はH
dであり、第1本体42a、第2本体42b及び第3本体42cはいずれも正方体である。第1本体42aの高さH
aは20mmであり、第1本体42a及び第3本体42cの辺の長さは80mmであり、第1本体42aの開口424の直径は36mmであり、誘電体管50の全長は20cmである。次の表3及び表4は、異なる第2本体42bの高さH
b、第3本体42cの高さH
c及び距離H
dから、第2チャンバー42内の最大場強度(V/m)を測定したものである。
ここで、表4の最後の組み合わせでは最も優れている最大場強度が確認され、当該組み合わせの具体的な構造は
図9を参照されたい。
【0040】
本発明の別の実施例の組み立ての立体的模式図の
図10、及び
図10のYZ平面における断面模式図の
図11を参照する。本実施例では、当該ガス状汚染物質を処理する装置は給気モジュール100をさらに含み、給気モジュール100は第1管路100aと、第2管路100bとを含み、第1管路100a及び第2管路100bは冷却アセンブリ80に据え付けられ、且つガスチャンバー81と互いに連通し、給気モジュール100は少なくとも1つの処理対象ガス状汚染物質Gをガスチャンバー81内に取り入れるために用いられ、これはガスチャンバー81から誘電体管50の中空部Hに入って当該トーチから発生した高温によって分解される。
【符号の説明】
【0041】
θ2 夾角
G ガス状汚染物質
H 中空部
H1D 次第に変化する高さの差
H2D 高さの差
H1 第1高さ
H2 第2高さ
H3 第3高さ
Ha、Hb、Hc 高さ
Hd 距離
L 基準軸線
T トーチ
W1D 次第に変化する幅の差
W1 第1幅
W2 第2幅
W3 第3幅
10 マイクロ波源
20 導波アセンブリ
21 チャンバー
21a 入口端
21b 出口端
30 スペーサー
40 共振チャンバー
41 第1チャンバー
411 内壁
411a 第1内側壁
411b 第2内側壁
411c 第1天壁
411d 第1底壁
42 第2チャンバー
42a 第1本体
42b 第2本体
42c 第3本体
421a 第1内側壁
421b 第2内側壁
421c 第2天壁
421d 第2底壁
422 上部開口
423 下部開口
424 開口
43 入口端
44 連通端
45 閉鎖端
50 誘電体管
51 第1セクション
52 第2セクション
53 第3セクション
54 上端
55 底端
60 プローブアセンブリ
61 キャリア
611 端面
62 先端
62a 第1先端
62b 第2先端
70 移動部材
80 冷却アセンブリ
81 ガスチャンバー
811 ガス穴
82 ガス管路
83 冷却管路
90 誘電体窓アセンブリ
90a 第1誘電体窓
90b 第2誘電体窓
100 給気モジュール
100a 第1管路
100b 第2管路
【手続補正書】
【提出日】2021-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波振動を発生させるマイクロ波源と、
前記マイクロ波源に結合されて前記マイクロ波振動を伝達する導波アセンブリと、
前記導波アセンブリに結合され且つ前記マイクロ波振動がその内部において実質的に導波方向に向かって伝達される共振チャンバーであって、前記導波アセンブリに近い第1チャンバーと、前記導波アセンブリから遠い第2チャンバーとを含み、前記第1チャンバーが前記導波アセンブリに接続された入口端と、前記導波アセンブリから遠い出口端とを含み、前記第2チャンバーが前記出口端に連通する連通端と、前記連通端から遠い閉鎖端とを含み、前記第2チャンバーが前記第1チャンバーを通過する前記マイクロ波振動を受け取り、前記マイクロ波振動が前記第2チャンバーにおいて点火ガスと反応してトーチを生成する前記共振チャンバーとを含み、
前記導波方向は実質的に前記第1チャンバーの基準軸線に平行であり、前記第1チャンバーは前記基準軸線を取り囲み且つ前記基準軸線に沿って延在する内壁を有し、前記内壁は前記基準軸線に向かって傾斜する第1領域と、前記基準軸線に対して実質的に平行となる第2領域とを含み、前記第1領域の面積が前記第2領域より大きいことで前記第1チャンバーは前記入口端から前記出口端まで先細りのテーパースペースとして形成されている、プラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項2】
前記内壁は第1内側壁と、前記第1内側壁に対向する第2内側壁とを含み、前記第1内側壁及び前記第2内側壁は前記入口端から前記出口端まで前記基準軸線に対して内向きに傾斜している、請求項1に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項3】
前記内壁は第1内側壁と、前記第1内側壁に対向する第2内側壁とを有し、前記第1内側壁と前記第2内側壁との間に、前記基準軸線に沿って漸減するように次第に変化する幅の差を有する、請求項1に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項4】
前記第1チャンバーの前記内壁は、第1天壁と第1底壁とを有し、前記第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、前記第2天壁は、前記第1天壁に対して第1高さの差を有する、請求項1に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項5】
前記第1チャンバーの前記内壁は、第1天壁と第1底壁とを有し、前記第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、前記第2底壁は、前記第1底壁に対して第2高さの差を有する、請求項1に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項6】
点火源と、誘電体管とをさらに含み、前記誘電体管は前記第2チャンバーに挿設され且つ前記点火源に近い第1端と、前記点火源から遠い第2端とを有し、前記第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、前記誘電体管の前記第2端は、前記第2チャンバーから突出しており且つ前記第2チャンバーの前記第2底壁に対して第3高さの差を有する、請求項1に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項7】
点火源と誘電体管とをさらに含み、前記誘電体管は前記第2チャンバーに挿設され、前記点火源はプローブアセンブリを含み、前記プローブアセンブリは、キャリアと、前記キャリアに設けられた少なくとも1つの先端とを含み、前記先端は1.6mm~2mmの外径を有する、請求項1に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項8】
前記点火ガスは空気、窒素及びアルゴンからなる群から選ばれる、請求項1に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項9】
マイクロ波振動を発生させるマイクロ波源と、
前記マイクロ波源に結合されて前記マイクロ波振動を伝達する導波アセンブリと、
前記導波アセンブリに結合され且つ前記マイクロ波振動がその内部において実質的に導波方向に向かって伝達される共振チャンバーであって、前記導波アセンブリに近い第1チャンバーと、前記導波アセンブリから遠い第2チャンバーとを含み、前記第1チャンバーが前記導波アセンブリに接続された入口端と、前記導波アセンブリから遠い出口端とを含み、前記第2チャンバーが前記出口端に連通する連通端と、前記連通端から遠い閉鎖端とを含み、前記第2チャンバーが前記第1チャンバーを通過する前記マイクロ波振動を受け取り、前記マイクロ波振動が前記第2チャンバーにおいて点火ガスと反応してトーチを生成する前記共振チャンバーとを含み、
前記導波方向は実質的に前記第1チャンバーの基準軸線に平行であり、前記第1チャンバーは第1内側壁と、前記第1内側壁に対向する第2内側壁と、第1天壁と、第1底壁とを含み、前記第1内側壁及び前記第2内側壁は前記入口端から前記出口端まで前記基準軸線に対して内向きに傾斜している、プラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項10】
前記第1内側壁と前記第2内側壁との間に、前記基準軸線に沿って漸減するように次第に変化する幅の差を有する、請求項9に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項11】
前記第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、前記第2天壁は、
前記第1チャンバーの前記第1天壁に対して第1高さの差を有する、請求項9に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項12】
前記第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、前記第2底壁は、
前記第1チャンバーの前記第1底壁に対して第2高さの差を有する、請求項9に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項13】
点火源と誘電体管とをさらに含み、前記誘電体管は、前記第2チャンバーに挿設され且つ前記点火源に近い第1端と、前記点火源から遠い第2端とを有し、前記第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、前記誘電体管の前記第2端は、前記第2チャンバーから突出しており且つ前記第2チャンバーの前記第2底壁に対して第3高さの差を有する、請求項9に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項14】
点火源と誘電体管とをさらに含み、前記誘電体管は前記第2チャンバーに挿設され、前記点火源はプローブアセンブリを含み、前記プローブアセンブリは、キャリアと、前記キャリアに設けられた少なくとも1つの先端とを含み、前記先端は1.6mm~2mmの外径を有する、請求項9に記載のプラズマでガス状汚染物質を処理する装置。
【請求項15】
マイクロ波振動を発生させるマイクロ波源と、
前記マイクロ波源に結合されて前記マイクロ波振動を伝達する導波アセンブリと、
前記導波アセンブリに結合され且つ導波方向に沿って延在する共振チャンバーであって、前記導波アセンブリに近いテーパーチャンバーと、前記導波アセンブリから遠い燃焼チャンバーとを含み、前記燃焼チャンバーは前記テーパーチャンバーを通過する前記マイクロ波振動を受け取り、前記マイクロ波振動は前記
燃焼チャンバーにおいて非燃料点火ガスと反応してトーチを生成する前記共振チャンバーとを含む、燃料を必要としないガス状汚染物質の処理装置。
【請求項16】
前記テーパーチャンバーは、第1天壁と第1底壁とを有し、前記燃焼チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、前記第2天壁は、前記第1天壁の底端に対して第1高さの差を有する、請求項15に記載の燃料を必要としないガス状汚染物質の処理装置。
【請求項17】
前記テーパーチャンバーの前記内壁は、第1天壁と第1底壁とを有し、前記燃焼チャンバーは第2天壁と第2底壁とを有し、前記第2底壁は、前記第1底壁に対して第2高さの差を有する、請求項15に記載の燃料を必要としないガス状汚染物質の処理装置。
【請求項18】
点火源と、誘電体管とをさらに含み、前記誘電体管は、前記
燃焼チャンバーに挿設され且つ前記点火源に近い第1端と、前記点火源から遠い第2端とを有し、前記
燃焼チャンバーは第2天壁と第2底壁とを有し、前記誘電体管の前記第2端は、前記
燃焼チャンバーから突出しており且つ前記
燃焼チャンバーに対して第3高さの差を有する、請求項15に記載の燃料を必要としないガス状汚染物質の処理装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
【特許文献1】米国出願公開特許第US20180071751A1号
【特許文献2】米国登録特許第US9937467号
【特許文献3】米国登録特許第US9346005号
【特許文献4】米国登録特許第US9371581号
【特許文献5】米国登録特許第US10064262号
【特許文献6】米国登録特許第US9512518号
【特許文献7】米国登録特許第US9277636号
【特許文献8】米国出願公開特許第US20100074821A1号
【特許文献9】米国出願公開特許第US20100290966A1号
【特許文献10】米国出願公開特許第US20090301298A1号
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
一実施例では、当該第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、当該第2天壁は、当該第1チャンバーの当該第1天壁に対して第1高さの差を有する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
一実施例では、当該第2チャンバーは、第2天壁と第2底壁とを有し、当該第2底壁は、当該第1チャンバーの当該第1底壁に対して第2高さの差を有する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
本発明は、マイクロ波振動を発生させるマイクロ波源と、当該マイクロ波源に結合されて当該マイクロ波振動を伝達する導波アセンブリと、当該導波アセンブリに結合され且つ導波方向に沿って延在する共振チャンバーであって、当該導波アセンブリに近いテーパーチャンバーと、当該導波アセンブリから遠い燃焼チャンバーとを含み、当該燃焼チャンバーは当該テーパーチャンバーを通過する当該マイクロ波振動を受け取り、当該マイクロ波振動は当該燃焼チャンバーにおいて非燃料点火ガスと反応してトーチを生成する当該共振チャンバーとを含む、燃料を必要としないガス状汚染物質の処理装置をさらに提供する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
一実施例では、点火源と、誘電体管とをさらに含み、当該誘電体管は、当該燃焼チャンバーに挿設され且つ当該点火源に近い第1端と、当該点火源から遠い第2端とを有し、当該燃焼チャンバーは第2天壁と第2底壁とを有し、当該誘電体管の当該第2端は、当該燃焼チャンバーから突出しており且つ当該燃焼チャンバーに対して第3高さの差を有する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
【
図1】本発明の一実施例の組み立ての立体的模式図である。
【
図2】
図1のXZ平面における一部断面の立体的模式図である。
【
図3A】
図1のXZ平面における断面模式図である。
【
図4A】
図1のXY平面における断面模式図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る、当該プローブアセンブリの組み立ての立体的模式図である。
【
図6A】本発明の第1実施例の一部組み立ての立体的模式図である。
【
図7A】本発明の第2実施例の一部組み立ての立体的模式図である。
【
図8A】本発明の第3実施例の一部組み立ての立体的模式図である。
【
図10】本発明の別の実施例の組み立ての立体的模式図である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
図2、
図3A及び
図3Bで参照されるとおり、共振チャンバー40は第1チャンバー41と、第2チャンバー42と、入口端43と、連通端44と、閉鎖端45とを含み、本発明の一実施例では、第1チャンバー41は基準軸線Lに沿って延在し、当該マイクロ波振動は共振チャンバー40内において実質的に導波方向に平行に伝達され、当該導波方向は基準軸線Lに近く又は実質的にそれと同じものであり、第1チャンバー41は内壁411を有し、内壁411は基準軸線Lを取り囲み且つ基準軸線Lに沿って延在し、内壁411は第1領域と第2領域とを含み、当該第1領域は基準軸線Lに向かって傾斜し、当該第2領域は基準軸線Lに対して実質的に平行であり、当該第1領域の面積が当該第2領域より大きいことで、第1チャンバー41は入口端43から連通端44まで先細りのテーパースペースとして形成されている。
本発明の別の実施例では、共振チャンバー40は、導波アセンブリ20に結合され且つ導波方向に沿って延在し、共振チャンバー40は、導波アセンブリ20に近いテーパーチャンバーと、当該導波アセンブリから遠い燃焼チャンバーとを含み、当該燃焼チャンバーは、当該テーパーチャンバーを通過する当該マイクロ波振動を受け取り、当該マイクロ波振動は当該燃焼チャンバーにおいて非燃料点火ガスと反応してトーチTを生成する。
【国際調査報告】