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特表2022-553500カートリッジアセンブリ保持器を有する外科用ステープル留めデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-23
(54)【発明の名称】カートリッジアセンブリ保持器を有する外科用ステープル留めデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20221216BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516636
(86)(22)【出願日】2019-09-16
(85)【翻訳文提出日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 CN2019105928
(87)【国際公開番号】W WO2021051228
(87)【国際公開日】2021-03-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アハメド, サイード
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC29
4C160FF02
4C160MM32
(57)【要約】
外科用ステープル留めデバイス(10)は、クランプスライドアセンブリ(30)およびツールアセンブリ(16)を含む。ツールアセンブリ(16)は、アンビルアセンブリ(22)およびカートリッジアセンブリ(20)を含む。カートリッジアセンブリ(20)は、クランプスライドアセンブリ(30)上で解放可能に支持され、クランプスライドアセンブリ(30)は、外科用ステープル留めデバイス(10)を離間位置とクランプ位置との間で移動させるために、アンビルアセンブリ(22)に対して移動可能である。カートリッジアセンブリ(20)およびクランプスライドアセンブリ(30)は各々、カートリッジアセンブリ(20)をクランプスライドアセンブリ(30)上に保持するために、カートリッジアセンブリ(20)がクランプスライドアセンブリ(30)上に搭載されたときに、互いに係合するように移動可能である保持構造を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステープル留めデバイスであって、
長手方向軸およびフレームアセンブリチャネルを画定するフレームアセンブリであって、近位部分および遠位部分を有する、フレームアセンブリと、
前記フレームアセンブリチャネル内で支持されたクランプスライドアセンブリであって、遠位端部分および前記クランプスライドアセンブリの前記遠位端部分から延在する少なくとも1つの支柱を有する、クランプスライドアセンブリと、
アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリを含むツールアセンブリであって、前記アンビルアセンブリが、前記フレームアセンブリの前記遠位部分上で支持され、前記カートリッジアセンブリが、前記クランプスライドアセンブリの前記遠位端部分上で解放可能に支持されており、かつ離間した側壁を有するカートリッジ本体を含み、前記離間した側壁が、前記クランプスライドアセンブリの前記遠位端部分と係合するように寸法が定められたカートリッジチャネルを画定し、前記離間した側壁の各々が、前記カートリッジアセンブリが前記クランプスライドアセンブリ上で受容されて、前記カートリッジアセンブリを前記クランプスライドアセンブリ上に保持するとき、前記クランプスライドアセンブリの前記少なくとも1つの支柱を受容する、少なくとも1つのスロットを画定する、ツールアセンブリと、を備える、ステープル留めデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの支柱が、前記クランプスライドアセンブリの各側部上に2つの支柱を含み、前記少なくとも1つのスロットが、前記カートリッジ本体の前記離間した側壁の各々において形成された2つのスロットを含む、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つのスロットの各々が、円形の穴に遠位方向に向かう角度の付いた壁によって画定されている、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項4】
前記スロットの各々の前記円形の穴の各々が、幅を有する入口を含み、前記少なくとも1つの支柱の各々が、前記入口の前記幅よりも大きい直径を有し、その結果、前記少なくとも1つのスロットの前記円形の穴内の前記少なくとも1つの支柱の受容が、前記カートリッジ本体の前記側壁の変形を引き起こす、請求項3に記載のステープル留めデバイス。
【請求項5】
前記フレームアセンブリの前記近位部分が、ハンドルアセンブリを支持する、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項6】
前記ハンドルアセンブリが、静止ハンドルおよびトリガを含み、前記トリガが、前記ツールアセンブリを作動させるために前記静止ハンドルに対して移動可能である、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項7】
前記クランプスライドアセンブリが、遠位端部分を有する一対の離間したクランプ部材を含み、前記離間したクランプ部材の前記遠位端部分が、リベットでともに固定されており、前記リベットの各々が、第1の直径を有する中央部分と、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する両端部分と、を含む、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項8】
前記リベットの前記両端部分が、前記少なくとも1つの支柱を形成する、請求項7に記載のステープル留めデバイス。
【請求項9】
ステープル留めデバイスであって、
長手方向軸を画定し、かつフレームアセンブリチャネルを画定する離間したフレーム部材を含む、フレームアセンブリであって、前記離間したフレーム部材の各々が、近位部分、中央部分、および遠位部分を有する、フレームアセンブリと、
前記フレーム部材の前記近位部分上に支持されたハンドルアセンブリであって、前記フレーム部材の前記中央部分が、前記ハンドルアセンブリから遠位に延在する細長い本体を画定する、ハンドルアセンブリと、
前記フレームアセンブリチャネル内で支持され、かつ前記細長い本体に沿って前記ハンドルアセンブリから延在するクランプスライドアセンブリであって、前記クランプスライドアセンブリが、離間したクランプ部材を含み、前記離間したクランプ部材の各々が、遠位端部分および前記それぞれのクランプ部材から外向きに延在する少なくとも1つの支柱を有する、クランプスライドアセンブリと、
アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリを含むツールアセンブリであって、前記アンビルアセンブリが、前記フレーム部材の前記遠位部分上で支持され、前記カートリッジアセンブリが、前記クランプ部材の前記遠位端部分上で解放可能に支持され、かつ離間した側壁を有するカートリッジ本体を含み、前記離間した側壁が、前記離間したクランプ部材の前記遠位端部分を受容するように寸法が定められたカートリッジチャネルを画定し、前記離間した側壁の各々が、前記カートリッジアセンブリが前記クランプスライドアセンブリ上で受容されて、前記カートリッジアセンブリを前記クランプスライドアセンブリ上に保持するとき、前記クランプスライドアセンブリの前記少なくとも1つの支柱を受容する、少なくとも1つのスロットを画定する、ツールアセンブリと、を備える、ステープル留めデバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの支柱が、前記離間したクランプ部材の各々の上に2つの支柱を含み、前記少なくとも1つのスロットが、前記カートリッジ本体の前記離間した側壁の各々において形成された2つのスロットを含む、請求項9に記載のステープル留めデバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つのスロットの各々が、円形の穴に遠位方向に向かう角度の付いた壁によって画定されている、請求項10に記載のステープル留めデバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つのスロットの各々の前記円形穴の各々が、幅を有する入口を含み、少なくとも1つの支柱の各々が、前記入口の前記幅よりも大きい直径を有し、その結果、前記少なくとも1つのスロットの前記円形の穴内の前記少なくとも1つの支柱の受容が、前記カートリッジ本体の前記側壁の変形を引き起こす、請求項11に記載のステープル留めデバイス。
【請求項13】
前記クランプ部材の前記遠位端部分が、リベットでともに固定されており、前記リベットが、第1の直径を有する中央部分と、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する両端部分と、を含む、請求項9に記載のステープル留めデバイス。
【請求項14】
前記リベットの前記両端部分が、前記支柱を形成する、請求項13に記載のステープル留めデバイス。
【請求項15】
ステープル留めデバイスであって、
長手方向軸を画定し、かつ離間したフレーム部材を含むフレームアセンブリであって、前記離間したフレーム部材の各々が、近位部分および遠位部分を有し、かつフレームアセンブリチャネルを画定する、フレームアセンブリと、
前記フレームアセンブリチャネル内で支持され、かつ離間したクランプ部材を含むクランプスライドアセンブリであって、前記離間したクランプ部材の各々が、遠位端部分と、前記それぞれのクランプ部材から外向きに延在する少なくとも1つの支柱と、を有する、クランプスライドアセンブリと、
アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリを含むツールアセンブリであって、前記アンビルアセンブリが、前記フレーム部材の前記遠位部分上で支持され、前記カートリッジアセンブリが、前記クランプ部材の前記遠位端部分上で解放可能に支持されており、かつ離間した側壁を有するカートリッジ本体を含み、前記離間した側壁が、前記離間したクランプ部材の前記遠位端部分を受容するように寸法が定められるカートリッジチャネルを画定し、前記離間した側壁の各々が、前記カートリッジアセンブリが前記クランプスライドアセンブリ上に受容されて、前記クランプスライドアセンブリ上に前記カートリッジアセンブリを保持するとき、前記クランプスライドアセンブリの前記少なくとも1つの支柱を受容する少なくとも1つのスロットを画定し、前記少なくとも1つのスロットが、円形の穴に遠位方向に向かう角度の付いた壁によって画定されており、前記少なくとも1つのスロットの前記円形の穴の各々が、幅を有する入口を含み、前記少なくとも1つの支柱の各々が、前記入口の前記幅よりも大きい直径を有し、その結果、前記少なくとも1つのスロットの前記円形の穴内の前記少なくとも1つの支柱の受容が、前記カートリッジ本体の前記側壁の変形を引き起こす、ツールアセンブリと、を備える、ステープル留めデバイス。
【請求項16】
前記フレームアセンブリの前記近位部分が、ハンドルアセンブリを支持する、請求項15に記載のステープル留めデバイス。
【請求項17】
前記ハンドルアセンブリが、静止ハンドルおよびトリガを含み、前記トリガが、前記ツールアセンブリを作動させるために前記静止ハンドルに対して移動可能である、請求項16に記載のステープル留めデバイス。
【請求項18】
前記クランプ部材の前記遠位端部分が、リベットでともに固定されており、前記リベットが、第1の直径を有する中央部分と、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する両端部分と、を含む、請求項15に記載のステープル留めデバイス。
【請求項19】
前記リベットの前記両端部分が、前記支柱を形成する、請求項18に記載のステープル留めデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、概して、外科用ステープル留めデバイスに関し、より具体的には、装填可能なカートリッジを有する外科用ステープル留めデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮された生体組織を通してステープルの列を適用するための外科用ステープル留めデバイスは、当技術分野で知られており、切断または切除前の組織または器官の閉鎖、および胸部または腹部処置中の器官の閉塞に一般的に使用される。かかるステープル留めデバイスは、組織へのステープルの列の適用と同時に、組織または器官を切断または切除するためのナイフを含む。
【0003】
典型的に、ステープル留めデバイスは、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリを含むツールアセンブリと、駆動部材またはプッシャと、ツールアセンブリを離間位置とクランプ位置との間で移動させるための接近アセンブリと、を含む。ツールアセンブリは、直線、曲線、円形を含む様々な構成で利用可能である。加えて、ツールアセンブリは、平行および横配向を含む、ステープル留めデバイスの長手方向軸に対して様々な配向で利用可能である。
【0004】
横タイプステープル留めデバイスでは、ステープル留めデバイスの接近機構は、典型的に、装填可能なカートリッジアセンブリを支持する遠位部分を有するクランプスライド機構を含む。クランプスライド機構の遠位部分は、カートリッジアセンブリがクランプスライド機構の一方の側から遠位部分上にスライドすることを可能にするように構成され、その結果、カートリッジアセンブリは、アンビルアセンブリから離間した格納位置から、アンビルアセンブリと並列にアライメントするクランプ位置にクランプスライドアセンブリとともに移動可能である。
【0005】
クランプスライド機構のカートリッジ受容部分上にカートリッジアセンブリを確実に保持することが可能な単一の保持機構を含むステープル留めデバイスに対して、連続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様は、概して、取り外し可能または解放可能なカートリッジアセンブリを含む、外科用ステープル留めデバイスに関する。外科用ステープル留めデバイスおよびカートリッジアセンブリは、カートリッジアセンブリを外科用ステープル留めデバイス上に保持するための保持構造を含む。
【0007】
本開示の一態様は、フレームアセンブリ、クランプスライドアセンブリ、およびツールアセンブリを含むステープル留めデバイスを対象とする。フレームアセンブリは、長手方向軸およびフレームアセンブリチャネルを画定し、近位部分および遠位部分を含む。クランプスライドアセンブリは、フレームアセンブリチャネル内で支持され、遠位端部分およびクランプスライドアセンブリの遠位端部分から延在する少なくとも1つの支柱を有する。ツールアセンブリは、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリを含む。アンビルアセンブリは、フレームアセンブリの遠位部分上で支持される。カートリッジアセンブリは、クランプスライドアセンブリの遠位端部分上で解放可能に支持され、かつ離間した側壁を有するカートリッジ本体を含む。離間した側壁は、クランプスライドアセンブリの遠位端部分と係合するように寸法が定められたカートリッジチャネルを画定する。離間した側壁の各々は、カートリッジアセンブリがクランプスライドアセンブリ上に受容されて、カートリッジアセンブリをクランプスライドアセンブリ上に保持するときに、クランプスライドアセンブリの少なくとも1つの支柱を受容する少なくとも1つのスロットを画定する。
【0008】
本開示の態様では、少なくとも1つの支柱は、クランプスライドアセンブリの各側部上に2つの支柱を含み、少なくとも1つのスロットは、カートリッジ本体の離間した側壁の各々において形成された2つのスロットを含む。
【0009】
本開示のいくつかの態様では、少なくとも1つのスロットの各々は、円形の穴に遠位方向に向かう角度の付いた壁によって画定される。
【0010】
本開示の特定の態様では、スロットの各々の円形の穴の各々は、幅を有する入口を含み、少なくとも1つの支柱の各々は、入口の幅よりも大きい直径を有し、その結果、少なくとも1つのスロットの円形の穴内の少なくとも1つの支柱の受容は、カートリッジ本体の側壁の変形を引き起こす。
【0011】
本開示の態様では、フレームアセンブリの近位部分は、ハンドルアセンブリを支持する。
【0012】
本開示のいくつかの態様では、ハンドルアセンブリは、固定ハンドルと、固定ハンドルに対して移動可能であり、ツールアセンブリを作動させるトリガと、を含む。
【0013】
本開示の特定の態様では、クランプスライドアセンブリは、遠位端部分を有する離間したクランプ部材を含み、離間したクランプ部材の遠位端部分は、リベットでともに固定され、リベットは、第1の直径を有する中央部分と、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する両端部分と、を含む。
【0014】
本開示の態様では、リベットの両端部分は、支柱を形成する。
【0015】
本開示の別の態様は、フレームアセンブリ、ハンドルアセンブリ、クランプスライドアセンブリ、およびツールアセンブリを含むステープル留めデバイスを対象とする。フレームアセンブリは、長手方向軸を画定し、フレームアセンブリチャネルを画定する離間したフレーム部材を含む。離間したフレーム部材の各々は、近位部分、中央部分、および遠位部分を有する。ハンドルアセンブリは、フレーム部材の近位部分上で支持される。フレーム部材の中央部分は、ハンドルアセンブリから遠位に延在する細長い本体を画定する。クランプスライドアセンブリは、フレームアセンブリチャネル内で支持され、ハンドルアセンブリから細長い本体に沿って延在する。クランプスライドアセンブリは、離間したクランプ部材を含む。離間したクランプ部材の各々は、遠位端部分と、それぞれのクランプ部材から外向きに延在する少なくとも1つの支柱と、を有する。ツールアセンブリは、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリを含む。アンビルアセンブリは、フレーム部材の遠位部分上で支持される。カートリッジアセンブリは、クランプ部材の遠位端部分上で解放可能に支持され、かつ離間した側壁を有するカートリッジ本体を含む。離間した側壁は、離間したクランプ部材の遠位端部分を受容するように寸法が定められたカートリッジチャネルを画定する。離間した側壁の各々はまた、カートリッジアセンブリがクランプスライドアセンブリ上に受容されて、カートリッジアセンブリをクランプスライドアセンブリ上に保持するときに、クランプスライドアセンブリの少なくとも1つの支柱を受容する少なくとも1つのスロットを画定する。
【0016】
本開示の別の態様は、フレームアセンブリ、クランプスライドアセンブリ、およびツールアセンブリを含むステープル留めデバイスを対象とする。フレームアセンブリは、長手方向軸を画定し、フレームアセンブリチャネルを画定する離間したフレーム部材を含む。離間したフレーム部材の各々は、近位部分および遠位部分を有する。クランプスライドアセンブリは、フレームアセンブリチャネル内で支持され、かつ離間したクランプ部材を含む。離間したクランプ部材の各々は、遠位端部分と、それぞれのクランプ部材から外向きに延在する少なくとも1つの支柱と、を有する。ツールアセンブリは、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリを含む。アンビルアセンブリは、フレーム部材の遠位部分上で支持される。カートリッジアセンブリは、クランプ部材の遠位端部分上で解放可能に支持され、かつ離間した側壁を有するカートリッジ本体を含む。離間した側壁は、離間したクランプ部材の遠位端部分を受容するように寸法が定められたカートリッジチャネルを画定する。離間した側壁の各々は、カートリッジアセンブリがクランプスライドアセンブリ上に受容されて、カートリッジアセンブリをクランプスライドアセンブリ上に保持するときに、クランプスライドアセンブリの少なくとも1つの支柱を受容する少なくとも1つのスロットを画定する。少なくとも1つのスロットは、円形の穴に遠位方向に向かう角度の付いた壁によって画定される。少なくとも1つのスロットの円形の穴の各々は、幅を有する入口を含み、少なくとも1つの支柱の各々は、入口の幅よりも大きい直径を有し、その結果、少なくとも1つのスロットの円形の穴内の少なくとも1つの支柱の受容は、カートリッジ本体の側壁の変形を引き起こす。
【0017】
本開示の他の特徴は、以下の説明から理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の様々な態様は、図面を参照して、本明細書で以下に説明される。
【0019】
図1】ロックデバイスを含む本開示の特定の態様を例解する、離間位置においてツールアセンブリを有する外科用ステープル留めデバイスの側面斜視図である。
図2】クランプスライドアセンブリのクランプスライド部材が互いに分離された状態の、図1に示されるステープル留めデバイスのクランプスライドアセンブリの側面斜視図である。
図3】組み立てられた図2に示されるクランプスライドアセンブリ、および互いに分離された図1に示されるステープル留めデバイスのフレーム部材の側面斜視図である。
図4】カートリッジアセンブリをクランプスライドアセンブリに挿入する前の、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリを含む、図1に示されるステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図5】クランプスライドアセンブリ上に受容されたカートリッジアセンブリがロック解除位置にある状態の、図4に示されるステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図6図5に示す詳細指示領域の拡大図である。
図7】カートリッジアセンブリがロック位置に向かって移動する際、カートリッジアセンブリがクランプスライドアセンブリ上に受容された状態の、図5に示されるステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図8図7に示される、指示詳細領域の拡大図である。
図9】クランプスライドアセンブリ上に受容されたカートリッジアセンブリがロック位置にある状態の、図5に示されるステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図10図9に示す細部の指示領域の拡大図である。
図11図1に示される細部の指示領域の拡大図である。
図12】カートリッジアセンブリがロック位置にある状態の、図1に示されるステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、開示されたデバイスは、同様の参照番号が、いくつかの図の各々において同一または対応する要素を示す図面を参照して詳細に記載される。しかしながら、本開示の態様は、本開示の単なる例示に過ぎず、様々な形態で具現化され得ることを理解されたい。周知の機能または構成は、本開示を不必要に詳細に記述して本開示が不明瞭になることがないように、詳細には記載されていない。それゆえに、本明細書で開示される特定の構造的および機能的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、かつ本開示を実質的に任意の適切で詳細な構造で様々に用いるために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。加えて、前方、後方、上方、下方、上部、底部、遠位、近位、および同様の用語などの方向を示す用語は、説明の理解を助けるために使用され、本開示を限定することを意図しない。
【0021】
本明細書では、「近位」という用語は概して、臨床医に近い方のデバイスの当該部分を指すために使用されるのに対し、「遠位」という用語は概して、臨床医から遠い方のデバイスの当該部分を指すために使用される。加えて、「内視鏡」という用語は、内視鏡、腹腔鏡、関節鏡、および/または、小径の切開またはカニューレを通って行われる他の手順を指すために、概して使用される。さらに、「臨床医」という用語は、概して、医師、看護師、および支援要員を含む医療従事者を指すために使用される。
【0022】
開示された外科用ステープル留めデバイスは、クランプスライドアセンブリと、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリを含むツールアセンブリと、を有する。カートリッジアセンブリは、クランプスライドアセンブリ上で解放可能に支持され、クランプスライドアセンブリは、外科用ステープル留めデバイスを離間位置とクランプ位置との間で移動させるために、アンビルアセンブリに対して移動可能である。カートリッジアセンブリおよびクランプスライドアセンブリは各々、カートリッジアセンブリをクランプスライドアセンブリ上に保持するために、カートリッジアセンブリがクランプスライドアセンブリ上に搭載されたときに、互いに係合するように移動可能である保持構造を含む。
【0023】
図1は、概して、ステープル留めデバイス10として示される、本開示の外科用ステープル留めデバイスを例解する。ステープル留めデバイス10は、ハンドルアセンブリ12と、長手方向軸「Y」を画定する細長い本体14と、ツールアセンブリ16と、を含む。ハンドルアセンブリ12は、固定ハンドル18、およびツールアセンブリ16を作動させるように固定ハンドル18に対して移動可能であるトリガ19を含む。ツールアセンブリ16は、細長い本体14の長手方向軸「Y」に対して横向きの軸を画定するステープルカートリッジアセンブリ20およびアンビルアセンブリ22を含む。カートリッジアセンブリ20は、細長い本体14の遠位端部分上で支持され、アンビルアセンブリ22に対して、離間位置とクランプ位置との間で移動可能である。クランプ位置では、カートリッジアセンブリ20は、アンビルアセンブリ22と並列にアライメントする。本開示のいくつかの態様では、カートリッジアセンブリ20およびアンビルアセンブリ22は、患者の特定の解剖学的領域へのアクセスを容易にするために湾曲している。
【0024】
図2および図3は、ステープル留めデバイス10のフレームアセンブリ28およびクランプスライドアセンブリ30を例解する。フレームアセンブリ28は、長手方向軸を画定し、第1の離間したフレーム部材28aおよび第2の離間したフレーム部材28bを含む。フレーム部材28aおよび28bの各々は、ハンドルアセンブリ12の一部分を形成する近位部分34と、細長い本体14の一部分を形成する中央部分36と、ツールアセンブリ16の一部分を形成する遠位部分38と、を含む。フレーム部材28aおよび28bは、フレーム部材28aとフレーム部材28bとの間にフレームアセンブリチャネル42(図4)を画定するために、互いに対して離間したリベット40(図3)を含むリベットでともに固定される。チャネル42は、クランプスライドアセンブリ30およびスラストバー44(図4)を受容する。スラストバー44は、カートリッジアセンブリ20からアンビルアセンブリ22へのステープル(図示せず)の発射を容易にするために提供される。ハンドルアセンブリ12およびスラストバー44の動作のより詳細な説明については、米国特許第6,817,508号(「‘508特許」)を参照されたい。フレームアセンブリは、上記のように2つの構成要素ではなく単一の構成要素から形成され得ることが想定される。
【0025】
クランプスライドアセンブリ30は、フレームアセンブリ28のチャネル42(図4)内に受容され、互いに離間してともに固定された、離間したクランプ部材48aおよび48bを含む。クランプ部材48aおよび48bの各々は、近位端部分50、中央部分52、および遠位端部分54を含む。クランプ部材48aおよび48bの各々の近位端部分50は、アライメントピン前進アセンブリ(図示せず)の構成要素を形成する、カムスロット56を画定する。アライメントピン前進アセンブリのより詳細な説明については、‘508特許を参照されたい。各クランプ部材48aおよび48bの中央部分52および遠位端部分54は、細長いスロット57を画定する。細長いスロット57は、フレームアセンブリ28のリベット40(図3)を受容して、クランプスライドアセンブリ30を、フレームアセンブリ28のチャネル42内の線形運動に制限する。クランプ部材48aおよび48bの各々の遠位端部分54は、拡幅部を有する。クランプ部材48aおよび48bがともに固定されるとき、クランプ部材48aおよび48bの遠位端部分54は、以下でさらに詳細に記載されるように、カートリッジアセンブリ20のための支持構造を提供する。クランプスライドアセンブリ30は、上記のように2つの別個の構成要素ではなく、単一の構成要素から形成され得ることが想定される。
【0026】
クランプ部材48aおよび48bの遠位端部分54は、リベット62(図2)によってともに接続される。リベット62は、第1の直径を有する中央部分64と、第1の直径未満の第2の直径を有する両端部分66と、を有する。リベット62の両端部分66は、クランプ部材48aおよび48bの遠位端部分54内に形成された開口部70内に受容される。開口部70は、リベット62の両端66を受容するが、リベット62の中央部分64の通過を防止するための直径を有する。そのため、リベット62の中央部分64の長さは、クランプ部材48aとクランプ部材48bとの間の間隔を画定する。リベット62の両端66は、クランプ部材48aおよび48bの厚さよりも大きい長さを有し、クランプ部材48aおよび48bの遠位端部分54から外向きに延在して、支柱66(図4)を画定する。支柱66は、フレームアセンブリ28の長手方向軸を横切る方向において延在する。クランプスライドアセンブリ30の支柱66は、リベット62とは別に形成することができ、かつカートリッジアセンブリ20がクランプスライドアセンブリ30上でどのように受容されるかに応じて、クランプ部材48aおよび48bから内向きまたは外向きに延在し得ることが想定される。
【0027】
アンビルアセンブリ22は、フレーム部材28aおよび28bの遠位部分38に固定される。本開示の態様では、リベット、ねじ、または同様のもの80(図4)は、アンビルアセンブリ22をフレーム部材28aおよび28bに固定するために使用される。代替的に、他の締結技術またはデバイスが、アンビルアセンブリ22をフレームアセンブリ28に固定するために使用され得る。
【0028】
図4は、クランプスライドアセンブリ30から分離されたカートリッジアセンブリ20を例解する。カートリッジアセンブリ20は、離間した側壁92、少なくとも1つのプッシャ(図示せず)、ナイフおよびナイフ支持体(図示せず)、ならびに複数のステープル(図示せず)を有する本体90を含む。側壁92は、一端で開放され、クランプスライドアセンブリ30の遠位端部分54を受容または係合するように寸法が定められる、チャネル98を画定する。側壁92の各々は、カートリッジアセンブリ30がクランプスライドアセンブリ30上で支持されるときに、リベット62の両端部分または支柱66を受容する、2つのスロット100を画定する近位部分を含む。
【0029】
図6は、支柱66のうちの1つを受容するように寸法が定められた円形の穴104に遠位方向に向かう角度の付いた壁102によって画定されるスロット100の拡大図を例解する。本開示のいくつかの態様では、角度の付いた壁102は、それぞれの支柱66の直径よりもわずかに小さい寸法「X」(図6)を有する円形穴104への入口を画定する。支柱66が角度の付いた壁102と係合するとき、側壁92は、支柱66が円形の穴104に入ることを可能とするために、支柱66のわずかに外向きに変形する。支柱66が円形穴104に入った後、カートリッジ本体90の側壁92は、それらの元の変形していない位置に戻り、クランプスライドアセンブリ30の遠位端にカートリッジアセンブリ22を確実に保持する。
【0030】
図4図6は、カートリッジアセンブリ20が図4の矢印「A」によって示される方向に(細長い本体14の長手方向軸「Y」を横切って)クランプスライドアセンブリ30上をスライドする際のツールアセンブリ16を例解する。カートリッジアセンブリ20がクランプスライドアセンブリ30上にスライドされるとき、チャネル98は、フレームアセンブリ28の遠位部分38に面するように位置決めされ、かつカートリッジ本体90の側壁92は、クランプ部材30aおよび30b(図3)の遠位端部分54の周囲に位置決めされる。カートリッジアセンブリ20は、リベット62の両端部分66がスロット100と位置合わせされるまで、フレームアセンブリ28の遠位部分38に向かって矢印「A」の方向にスライドされる。クランプスライドアセンブリ30の遠位端部分54aは、例解されるようにカートリッジ本体90内に受容されることとは異なり、カートリッジアセンブリ20のカートリッジ本体90を受容するように構成することができるということが想定される。
【0031】
リベット62の両端部分66がスロット100と位置合わせされるとき、カートリッジアセンブリ20は、図7および図9の矢印「B」の方向に長手方向にスライドされて、スロット100の穴104内に支柱66を位置決めする。上記のように、かつ図8に示されるように、支柱の外径は、スロット100の円形穴104への入口の寸法「X」よりもわずかに大きい。そのため、カートリッジ本体90の側壁92は、支柱が穴104に入る際、矢印「C」の方向に外向きに屈曲する。同様に、側壁92は、支柱66が穴104内に受容されると、矢印「D」の方向においてそれらの元の構成に戻る(図10)。これが、カートリッジアセンブリ20をクランプスライドアセンブリ30上に確実に保持する。スロット100への入口を画定する角度の付いた壁102は、カートリッジアセンブリ20をクランプスライドアセンブリ30と適切に位置合わせする。
【0032】
図11および図12は、ロック位置においてクランプスライドアセンブリ30(図3)上で支持されたカートリッジアセンブリ20を例解する。ロック位置では、支柱66は、カートリッジ本体90内のスロット100の穴104内に完全に受容されて、カートリッジアセンブリ20をクランプスライドアセンブリ30上に確実に保持する。ステープル留めデバイス10が発射された後、カートリッジアセンブリ30は、図9の矢印「B」の方向と反対の方向において、支柱66を穴104から取り外し、次いでカートリッジアセンブリ20を図4の矢印「A」の方向と反対の方向においてスライドさせるのに十分である力をカートリッジアセンブリ20に適用することによって、クランプスライドアセンブリ30から取り外すことができる。
【0033】
当業者であれば、本明細書において具体的に説明され、添付の図面に図示される装置および方法が、本開示の非限定的な例示的な態様であることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して例示または記載される要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の要素および特徴と組み合わせてもよいことが想定される。同様に、当業者であれば、本開示の上述の開示の態様に基づく本開示のさらなる特徴および利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって指示される場合を除いて、具体的に図示および記載されたものによって限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】