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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-23
(54)【発明の名称】包絡線追跡方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/02 20060101AFI20221216BHJP
【FI】
H03F1/02 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523055
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 CN2020121598
(87)【国際公開番号】W WO2021073612
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】201910984844.7
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,チェンチー
(72)【発明者】
【氏名】ワン,リングオ
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA47
5J500AC36
5J500AF04
5J500AF10
5J500AF11
5J500AF17
5J500AH10
5J500AH20
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH33
5J500AH39
5J500AK01
5J500AK05
5J500AK18
5J500AK34
5J500AK48
5J500AK49
5J500AM13
5J500AS13
5J500AT01
5J500RG01
(57)【要約】
本開示は包絡線追跡方法及び装置を提供する。当該方法は、昇圧回路(303)を利用して、目的包絡線追跡入力電流信号(IA)を取得し、昇圧回路(303)によって、目的包絡線追跡入力電流信号(IA)を増幅回路に伝送するステップであって、増幅回路は演算増幅器(301)とフィードバックネットワーク(302)とを備え、演算増幅器(301)は浮動接地するように動作するステップと、増幅回路は目的包絡線追跡入力電流信号(IA)に対して閉ループ変換増幅を行って、包絡線追跡出力電圧(VOUT)を出力するステップと、を備える。関連する包絡線追跡装置は、従来の関連技術において、包絡線追跡の出力電圧(VOUT)の振幅が高く、スイングが大きい場合、線形増幅過程で、演算増幅器(301)の損失が大きく、効率が低いという問題を解決し、目的包絡線追跡入力電流信号(IA)に対するより効果的な変換増幅を実現し、増幅、演算増幅器(301)の変換効率を向上させ、増幅損失を低減させ、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包絡線追跡装置であって、
前記包絡線追跡装置は増幅回路と昇圧回路とを備え、
前記増幅回路は演算増幅器とフィードバックネットワークとを備え、
前記演算増幅器は同相入力端、給電マイナス端、給電プラス端、前記演算増幅器の出力端及び逆相入力端を備え、前記同相入力端には参照基準電圧VREFが印加され、前記給電マイナス端は第1電圧源VEEに接続され、前記給電プラス端は第2電圧源VCCに接続され、前記参照基準電圧VREFの電圧値は前記第1電圧源VEEの電圧値より大きく、且つ前記第2電圧源VCCより小さく、前記第1電圧源VEEの電圧値はゼロより大きく、
前記昇圧回路の第1端は目的包絡線追跡入力電流信号を受信し、その第2端は前記逆相入力端に接続されており、前記目的包絡線追跡入力電流信号を前記昇圧回路によって前記逆相入力端に伝送してから、前記演算増幅器に伝送するように配置され、
前記フィードバックネットワークの第1端は前記逆相入力端に接続され、その第2端は前記演算増幅器の出力端に接続されており、前記演算増幅器の出力端の出力電圧信号を前記逆相入力端に伝達するように配置され、
前記増幅回路は、前記目的包絡線追跡入力電流信号に対して閉ループ変換増幅を行うように配置され、前記演算増幅器の出力端は包絡線追跡出力電圧を出力する包絡線追跡装置。
【請求項2】
前記包絡線追跡装置は定電流源信号回路をさらに備え、
前記定電流源信号回路は前記昇圧回路の第1端に接続されており、包絡線追跡入力電流信号を目的包絡線追跡入力電流信号に変換するように配置される請求項1に記載の包絡線追跡装置。
【請求項3】
前記包絡線追跡装置はスイッチ回路をさらに備え、前記スイッチ回路は前記演算増幅器の出力端及び負荷に接続されており、前記演算増幅器の出力電流を低減させるように配置される請求項1に記載の包絡線追跡装置。
【請求項4】
前記包絡線追跡装置はディジタル-アナログ変換器をさらに備え、
前記ディジタル-アナログ変換器の給電マイナス端は接地し、その出力端は前記昇圧回路の第1端に接続されており、変換によって、包絡線追跡入力電流信号を出力するように配置される請求項1~3の何れか1項に記載の包絡線追跡装置。
【請求項5】
前記包絡線追跡装置はバイアス抵抗をさらに備え、
前記バイアス抵抗は前記ディジタル-アナログ変換器の出力端と前記昇圧回路の第1端との間に接続されており、正常動作の必要なバイアス電圧を前記ディジタル-アナログ変換器に提供するように配置される請求項4に記載の包絡線追跡装置。
【請求項6】
前記昇圧回路は並列接続されているツェナーダイオードとコンデンサとを備え、前記ツェナーダイオードの、陽極が前記コンデンサに並列接続される端を前記昇圧回路の第1端とする請求項1~3の何れか1項に記載の包絡線追跡装置。
【請求項7】
前記昇圧回路は定電圧電源を備える請求項1~3の何れか1項に記載の包絡線追跡装置。
【請求項8】
包絡線追跡方法であって、前記包絡線追跡方法は、
昇圧回路は目的包絡線追跡入力電流信号を取得し、前記目的包絡線追跡入力電流信号を増幅回路に伝送するステップであって、前記増幅回路は演算増幅器とフィードバックネットワークとを備え、前記演算増幅器は浮動接地するように動作するステップと、
前記増幅回路は前記目的包絡線追跡入力電流信号に対して閉ループ変換増幅を行って、包絡線追跡出力電圧を出力するステップと、を備える包絡線追跡方法。
【請求項9】
前記目的包絡線追跡入力電流信号を取得する前、
定電流源信号回路によって、包絡線追跡入力電流信号を前記目的包絡線追跡入力電流信号に変換するステップをさらに備える請求項8に記載の包絡線追跡方法。
【請求項10】
前記包絡線追跡方法は、
スイッチ回路によって、前記演算増幅器の出力電流を低減させるステップをさらに備える請求項9に記載の包絡線追跡方法。
【請求項11】
前記包絡線追跡方法は、
ディジタル-アナログ変換器によって、前記包絡線追跡入力電流信号を出力するステップをさらに備える請求項8~10の何れか1項に記載の包絡線追跡方法。
【請求項12】
前記包絡線追跡方法は、
バイアス抵抗によって、正常動作の必要なバイアス電圧を前記ディジタル-アナログ変換器に提供するステップをさらに備える請求項11に記載の包絡線追跡方法。
【請求項13】
前記昇圧回路は並列接続されているツェナーダイオードとコンデンサとを備え、前記ツェナーダイオードの、陽極が前記コンデンサに並列接続される端を前記昇圧回路の第1端とする請求項8~10の何れか1項に記載の包絡線追跡方法。
【請求項14】
前記昇圧回路は定電圧電源を備える請求項8~10の何れか1項に記載の包絡線追跡方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は電子機器技術分野に関しているが、これに限定されず、具体的に、包絡線追跡方法及び装置に関しているが、これに限定されていない。
【背景技術】
【0002】
包絡線追跡技術は通信などの多種の分野に適用され、包絡線追跡電源の出力は、必要な信号変化に連れて変化し、帯域幅が高く、一般的に、数兆ヘルツ~数百兆ヘルツであり、包絡線追跡電力増幅器回路に適用され、電力増幅器の電源電圧が増幅を必要とする信号の電力に連れて変化するように、電力増幅器に給電し、これによって、電力増幅器の効率を向上させる。
【0003】
従来技術は一般的に、図1に示すように、初段演算増幅器を利用して、又は図2に示すように、二段演算増幅器を利用して、入力包絡線信号に対して増幅追跡を行う。
【0004】
図1に示すように、使用される初段増幅器の回路は簡単であり、消費電力が小さいが、出力された電圧の振幅値が大きい場合、包絡線信号追跡の帯域幅を向上させるために、演算増幅器のゲイン大きくなってはならないので、入力包絡線信号Uiの振幅値が大きくなければならなくて、一般的に、実現しがたい。
【0005】
図2では、二段増幅器を利用する場合、入力包絡線信号の振幅値が小さくても良いため、実現しやすいが、初段演算増幅器を追加するため、部品が増えて、消費電力は大きくなり、信号の時間遅延を増やして、効率にも影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
包絡線追跡電力増幅器の必要な給電包絡線電圧範囲は広くて、例えば10~30vである場合、包絡線追跡電源の出力電圧範囲も相応的に広くなり、10~30v範囲内にあるべきであり、以上の従来回路を利用して増幅追跡を行うと、演算増幅器の出力電圧範囲は広いため、給電電圧も30v以上でなければならなくて、出力電圧のスイングが大きく、振幅値及び周波数が高く、図1の回路を使用すれば、必要な入力包絡線信号Uiの振幅値が大きくなり、実現し難くて、図2の回路を使用すれば、部品が多く、演算増幅器の損失が大きくて、効率に影響する。電力増幅器の効率が向上したが、給電部分の包絡線追跡電源効率は低下し、全体効率に影響する。これから分かるように、関連技術において、包絡線追跡の出力電圧の振幅が大きい場合、線形増幅過程で、演算増幅器の損失が大きく、効率が低い。
【0007】
従来技術において包絡線追跡の出力電圧の振幅が大きい場合、線形増幅過程で、演算増幅器の損失が大きく、効率が低いという技術問題を解決するために、本開示の実施例は包絡線追跡方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術問題を解決するために、本開示の実施例は包絡線追跡装置を提供し、前記包絡線追跡装置は増幅回路と昇圧回路とを備え、前記増幅回路は演算増幅器とフィードバックネットワークとを備え、
前記演算増幅器は同相入力端、給電マイナス端、給電プラス端、前記演算増幅器の出力端及び逆相入力端を備え、前記同相入力端には参照基準電圧VREFが印加され、前記給電マイナス端は第1電圧源VEEに接続され、前記給電プラス端は第2電圧源VCCに接続され、前記参照基準電圧VREFの電圧値は前記第1電圧源VEEの電圧値より大きく、且つ前記第2電圧源VCCより小さく、前記第1電圧源VEEの電圧値はゼロより大きく、
前記昇圧回路の第1端は目的包絡線追跡入力電流信号を受信し、その第2端は前記逆相入力端に接続されており、前記目的包絡線追跡入力電流信号を前記昇圧回路によって前記逆相入力端に伝送してから、前記演算増幅器に伝送するように配置され、
前記フィードバックネットワークの第1端は前記逆相入力端に接続され、その第2端は前記演算増幅器の出力端に接続されており、前記演算増幅器の出力端の出力電圧信号を前記逆相入力端に伝達するように配置され、
前記増幅回路は、前記目的包絡線追跡入力電流信号に対して閉ループ変換増幅を行うように配置され、前記演算増幅器の出力端は包絡線追跡出力電圧を出力する。
【0009】
本開示の実施例は包絡線追跡方法をさらに提供し、
昇圧回路は目的包絡線追跡入力電流信号を取得し、前記目的包絡線追跡入力電流信号を増幅回路に伝送するステップであって、前記増幅回路は演算増幅器とフィードバックネットワークとを備え、前記演算増幅器は浮動接地するように動作するステップと、
前記増幅回路は前記目的包絡線追跡入力電流信号に対して閉ループ変換増幅を行って、包絡線追跡出力電圧を出力するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
明細書の後続部分で、本開示の他の特徴及び相応的な有益な効果について記載し、なお、本開示の明細書の記載によって、少なくとも一部の有益な効果は分かりやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の背景技術における、従来の包絡線信号追跡増幅の1つの回路である。
図2】本開示の背景技術における、従来の包絡線信号追跡増幅の別の回路である。
図3】本開示の実施例1の包絡線追跡装置の回路模式図である。
図4】本開示の実施例1の別の包絡線追跡装置の回路模式図である。
図5】本開示の実施例1の別の包絡線追跡装置の回路模式図である。
図6-1】本開示の実施例1の別の包絡線追跡装置の回路模式図である。
図6-2】本開示の実施例1の別の包絡線追跡装置の回路模式図である。
図6-3】本開示の実施例1の別の包絡線追跡装置の回路模式図である。
図7】本開示の実施例1の別の包絡線追跡装置の回路模式図である。
図8】本開示の実施例1の別の包絡線追跡装置の回路模式図である。
図9】本開示の実施例1の別の包絡線追跡装置の回路模式図である。
図10】本開示の実施例1の別の包絡線追跡装置の回路模式図である。
図11】本開示の実施例1の別の包絡線追跡装置の回路模式図である。
図12】本開示の実施例1の別の包絡線追跡装置の回路模式図である。
図13】本開示の実施例1の別の包絡線追跡装置の回路模式図である。
図14】本開示の実施例1の別の包絡線追跡装置の回路模式図である。
図15-1】本開示の実施例1の包絡線追跡装置の回路原理の包絡線追跡の出力電圧の波形模式図である。
図15-2】本開示の実施例1の包絡線追跡装置の回路原理の演算増幅器のための目的包絡線追跡入力電流信号の波形模式図である。
図16】本開示の実施例2の包絡線追跡方法のフロー模式図である。
図17】本開示の実施例3の包絡線追跡方法の具体的な実施例のフロー模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の目的、技術案及び利点がより明らかになるために、以下は具体的な実施形態を利用して、図面を結合して本開示の実施例をさらに詳しく説明する。なお、記載の具体的な実施例は本開示を限定するものではなく、ただ本開示を解釈するためのものである。
【0013】
実施例1
図3を参照し、本実施例が提供する包絡線追跡装置は増幅回路と昇圧回路303とを備え、増幅回路は演算増幅器301とフィードバックネットワーク302とを備え、
演算増幅器301は同相入力端3011、給電マイナス端V-、給電プラス端V+、演算増幅器の出力端3012及び逆相入力端3013を備え、同相入力端3011には参照基準電圧VREFが印加され、給電マイナス端V-は、電流出力/入力能力を有する第1電圧源VEEに接続され、給電プラス端V+は第2電圧源VCCに接続され、参照基準電圧VREFの電圧値は第1電圧源VEEの電圧値より大きく、且つ第2電圧源VCCより小さく、第1電圧源VEEの電圧値はゼロより大きく、
昇圧回路303の第1端は目的包絡線追跡入力電流信号IAを受信し、その第2端は逆相入力端3013に接続されており、目的包絡線追跡入力電流信号を昇圧回路303によって逆相入力端3013に伝送してから、演算増幅器301に伝送するように配置され、
フィードバックネットワーク302の第1端は逆相入力端3013に接続され、その第2端は演算増幅器の出力端3012に接続されており、演算増幅器の出力端3012の出力電圧信号を逆相入力端3013に伝達するように配置され、
増幅回路は目的包絡線追跡入力電流信号に対して閉ループ変換増幅を行うように配置され、演算増幅器の出力端3012は包絡線追跡出力電圧VOUTを出力する。
【0014】
いくつかの実施例において、昇圧回路は目的包絡線追跡入力電流信号を伝達し、電流信号を伝達するため、昇圧回路を経ても、電流信号の大きさも変更されることなく、即ち、昇圧回路に流入した目的包絡線追跡入力電流信号と、流出した目的包絡線追跡入力電流信号との間の電流信号の大きさは一致する。
【0015】
いくつかの実施例において、当業者の必要に応じて、演算増幅器の同相入力端に印加される参照基準電圧VREFの大きさを設定すればよい。
【0016】
なお、演算増幅器原理に基づいて、同相入力端3011と逆相入力端3013との電圧レベルは同様である。
【0017】
いくつかの実施例において、給電マイナス端V-に接続される第1電圧源VEEは、給電プラス端V+に接続される第2電圧源VCCより小さく、直接的に接地せず、このように、演算増幅器の実際給電電圧は、給電プラス端V+と給電マイナス端V-との電圧差であり、演算増幅器の実際動作の給電電圧範囲を低減させ、演算増幅器は浮動接地するように動作することに相当し、演算増幅器の消費電力を低減させ、増幅効率を向上させる。
【0018】
なお、給電マイナス端V-に接続される第1電圧源VEE、給電プラス端V+に接続される第2電圧源VCC、及び参照基準電圧VREFという三者の間の電圧はVCC>VREF>VEE>0Vを満たしている。
【0019】
いくつかの実施例において、第1電圧源電流出力/入力能力を有する。
【0020】
いくつかの実施例において、図4を参照して、フィードバックネットワークは、演算増幅器の逆相入力端3013と演算増幅器の出力端3012との間に接続されるフィードバック抵抗R6から形成される。回路原理に基づいて、理想状況で、フィードバック抵抗R6に流れた電流の大きさは、目的包絡線追跡入力電流信号IAの電流の大きさと一致する。目的包絡線追跡入力電流信号IAは昇圧回路を経た後、演算増幅器の逆相入力端3013に印加され、演算増幅器301及びフィードバック抵抗R6によって変換された後、増幅後の出力された包絡線追跡出力電圧VOUTを取得する。いくつかの実施例において、目的包絡線追跡入力電流信号IAと出力された包絡線追跡出力電圧VOUTとの変換式は、VOUT=VREF+R6*IAを満たしている。VOUT出力電圧の振幅はVREFとVCCとの間にある。当該回路によって、目的包絡線追跡入力電流信号IAは出力された包絡線追跡出力電圧VOUTになるように増幅され、演算増幅器OP4自体の実際動作電圧の絶対値はVCC-VEEであり、実際出力スイングはVREF-VEE~VCC-VEEの間にあり、これによって、演算増幅器は浮動接地するように動作でき、演算増幅器OP4自体の損失を低減させ、効率を向上させる。
【0021】
いくつかの実施例において、図5に示すように、包絡線追跡装置は定電流源信号回路304をさらに備え、定電流源信号回路304は昇圧回路303の第1端に接続されており、包絡線追跡入力電流信号IA1を目的包絡線追跡入力電流信号IAに変換するように配置される。なお、昇圧回路の必要を満たすために、目的包絡線追跡入力電流信号の信号方向は負電流であり、即ち、その信号方向は昇圧回路の第2端から昇圧回路の第1端に流れる。なお、定電流源信号回路304は、出力の大きさが一定である直流定電流源電流信号IA2を提供し、定電流源電流信号IA2の方向及び大きさについて、当業者は必要に応じて設置すればよい。
【0022】
いくつかの実施例において、図6-1に示すように、包絡線追跡入力電流信号IA1は負電流であり、定電流源電流信号IA2は正電流であると、包絡線追跡入力電流信号IA1から、定電流源電流信号回路304の定電流源電流信号IA2を引くことで、目的包絡線追跡入力電流信号IAを得て、即ち、IA=IA1-IA2である。なお、IA2≦IA1である。なお、包絡線追跡入力電流信号IA1は負電流であると、必要に応じて、定電流源信号回路304を配置するかどうかを決定する。
【0023】
いくつかの実施例において、図6-2に示すように、包絡線追跡入力電流信号IA1及び定電流源電流信号IA2はいずれも負電流であると、包絡線追跡入力電流信号IA1に定電流源信号回路304の定電流源電流信号IA2を加算することで、目的包絡線追跡入力電流信号IAを得て、即ち、IA=IA1+IA2である。この場合、IA1とIA2との大きさ関係について、限定していない。
【0024】
なお、定電流源信号回路304にとって、定電流源信号回路304に流入する電流信号は負電流であり、定電流源信号回路304から流出する電流信号は正電流である。
【0025】
いくつかの実施例において、図6-3に示すように、包絡線追跡入力電流信号IA1は負電流であると、定電流源信号回路を配置しなくてもよい。
【0026】
なお、包絡線追跡入力電流信号IA1は負電流であると、定電流源電流信号IA2の電流方向は正電流であってもよいし、負電流であってもよい。包絡線追跡入力電流信号IA1は正電流であると、定電流源電流信号IA2の電流方向は負電流以外ありえない。
【0027】
いくつかの実施例において、図7に示すように、包絡線追跡入力電流信号IA1は正電流であると、定電流源信号回路304の定電流源電流信号IA2から包絡線追跡入力電流信号IA1を引くことで、目的包絡線追跡入力電流信号IAを得て、即ち、IA=IA2-IA1である。なお、IA1≦IA2である。なお、包絡線追跡入力電流信号IA1は正電流であると、必ず定電流源信号回路を配置し、これによって、大きさが一定である直流電流信号定電流源電流信号IA2を生成して、包絡線追跡入力電流信号IA1を処理することで、目的包絡線追跡入力電流信号IAは要求を満たす。
【0028】
いくつかの実施例において、図8に示すように、包絡線追跡装置は、演算増幅器の出力端3012及び負荷306に接続されるスイッチ回路305をさらに備え、スイッチ回路305によって、負荷306の一部の電流を提供することで、演算増幅器301の出力電流を低減させるように配置される。
【0029】
いくつかの実施例において、出力並列接続スイッチ回路によって、負荷の必要な一部の電流を提供し、演算増幅器の出力電流を低減させ、演算増幅器の効率を向上させる。なお、いくつかの実施例において、負荷は電力増幅器であってもよい。
【0030】
いくつかの実施例において、図9に示すように、包絡線追跡装置はディジタル-アナログ変換器DAC 307をさらに備え、ディジタル-アナログ変換器307の給電マイナス端は接地し、その出力端は昇圧回路303の第1端に接続されており、変換することで、包絡線追跡入力電流信号IA1を出力するように配置される。なお、ディジタル-アナログ変換器DACと昇圧回路との間には定電流源信号回路が配置されない場合、包絡線追跡入力電流信号IA1は目的包絡線追跡入力電流信号IAである。なお、包絡線追跡入力電流信号IA1は負電流である場合、電流はディジタル-アナログ変換器の出力端から、ディジタル-アナログ変換器の内部に流入する。
【0031】
いくつかの実施例において、図10に示すように、包絡線追跡装置はバイアス抵抗R7をさらに備え、バイアス抵抗R7はディジタル-アナログ変換器307の出力端と昇圧回路303の第1端との間に接続されており、正常動作の必要なバイアス電圧をディジタル-アナログ変換器307に提供するように配置される。いくつかの実施例において、当該バイアス電圧の大きさは、VREF-昇圧回路自体圧力降下-R7圧力降下である。
【0032】
いくつかの実施例において、バイアス抵抗の第1端はディジタル-アナログ変換器の出力端に接続され、その第2端は昇圧回路の第1端に接続される。
【0033】
いくつかの実施例において、昇圧回路は、並列接続されているツェナーダイオードとコンデンサとを備え、ツェナーダイオードの、陽極がコンデンサに並列接続される端を前記昇圧回路の第1端とする。
【0034】
図11に示すように、昇圧回路は、並列接続されているツェナーダイオードVD1とコンデンサC1から形成され、この場合、目的包絡線追跡入力電流信号IAは、ツェナーダイオードVD1の、コンデンサC1に並列接続される端から、バイアス抵抗R7の第2端に接続され、動作際の必要なバイアス電圧をディジタル-アナログ変換器307の出力ポートに提供する。当該電圧の大きさは、VREF-VD1圧力降下-R7圧力降下である。ツェナーダイオードVD1の陰極の一端はコンデンサC1の一端に並列接続された後、演算増幅器301の逆相入力端3013に接続される。ツェナーダイオードVD1によって、電圧を高めた後、目的包絡線追跡入力電流信号IAを演算増幅器301の逆相入力端3013に伝達する。コンデンサC1及びツェナーダイオードVD1にはいずれも目的包絡線追跡入力電流信号IAが流れて、コンデンサC1にはほとんどの電流信号が流れることで、ツェナーダイオードVD1の電圧安定効果がよりよくなる。
【0035】
なお、実際の応用必要に応じて、バイアス抵抗の抵抗値を設定すればよく、最小値を0Ωにすることができ、バイアス抵抗によって、動作の必要なバイアス電圧をDAC出力端に提供する。
【0036】
いくつかの実施例において、昇圧回路は定電圧電源を備える。
【0037】
図12に示すように、昇圧回路は定電圧電源308から構成され、定電圧電源308のプラス端は逆相入力端3013に接続され、そのマイナス端はバイアス抵抗R7の第2端に接続され、定電圧電源308は適切な安定電圧を提供し、目的包絡線追跡入力電流信号IAを演算増幅器301の逆相入力端3013に伝達し、演算増幅器301による増幅された後、包絡線追跡出力電圧VOUTを取得するように配置される。この場合、動作際の必要なバイアス電圧をディジタル-アナログ変換器307の出力ポートに提供する。当該電圧の大きさは、VREF-定電圧電源電圧-R7圧力降下である。
【0038】
いくつかの実施例において、スイッチ回路はBUCK回路から構成され、
第1端が演算増幅器の出力端に接続されるインダクタと、
ソースが接地し、ドレインがインダクタの第2端に接続される第1MOSFETと、
ドレインが電源に接続され、ソースがインダクタの第2端に接続される第2MOSFETと、を備える。
【0039】
図13に示すように、スイッチ回路は、第1端が演算増幅器の出力端3012に接続されるインダクタL1と、ソースが接地し、ドレインがインダクタL1の第2端に接続される第1MOSFET Q1と、ドレインが電源VCCに接続され、ソースがインダクタL2の第2端に接続される第2MOSFET Q2と、を備える。いくつかの実施例において、スイッチ回路はさらに負荷に接続され、BUCK回路によって、必要な一部の電流を負荷に提供し、演算増幅器の出力電流を低減させることで、演算増幅器の消費電力を減少させ、効率を向上させる。
【0040】
理解を便利にするために、以下において、具体的な実施例によって、本開示が提供する包絡線追跡装置をさらに説明する。
【0041】
図14に示すように、包絡線追跡装置は、ディジタル-アナログ変換器307、バイアス抵抗R7、定電流源信号回路304、コンデンサC1及びツェナーダイオードVD1から形成される昇圧回路、増幅回路、インダクタL11、第1MOSFET Q1及び第2MOSFET Q2から形成されるBUCKスイッチ回路を備え、増幅回路は演算増幅器301、及びフィードバック抵抗R6からなるフィードバックネットワークを備える。各部分の間の接続関係について、図14を参照すればよく、ディジタル-アナログ変換器DAC307の給電マイナス端は接地し、その出力端はバイアス抵抗R7に直列接続され、バイアス抵抗R7の他端はツェナーダイオードVD1の、陽極がコンデンサC1に並列接続される1側に接続され、また、ツェナーダイオードVD1の陽極はさらに、定電流源信号回路304に接続される。ツェナーダイオードVD1の陰極の一端は演算増幅器301の逆相入力端3013に接続される。演算増幅器301は浮動接地するように動作し、演算増幅器301は同相入力端3011、給電マイナス端V-、給電プラス端V+、演算増幅器の出力端3012及び逆相入力端3013を備え、同相入力端3011には参照基準電圧VREFが印加され、給電マイナス端V-は、電流出力/入力能力を有する第1電圧源VEEに接続され、給電プラス端V+は第2電圧源VCCに接続され、参照基準電圧VREFの電圧値は第1電圧源VEEの電圧値より大きく、且つ第2電圧源VCCより小さく、第1電圧源VEEの電圧値はゼロより大きく、フィードバック抵抗R6の第1端は逆相入力端3013に接続され、その第2端は演算増幅器の出力端3012に接続されており、演算増幅器の出力端3012の出力電圧信号を逆相入力端3013に伝達するように配置される。インダクタL1の第1端が演算増幅器の出力端に接続され、第1MOSFET Q1のソースが接地し、そのドレインがインダクタL1の第2端に接続され、第2MOSFET Q2のドレインが電源に接続され、そのソースがインダクタL1の第2端に接続される。
【0042】
ディジタル-アナログ変換器DAC 307は包絡線追跡入力電流信号IA1を出力してから、定電流源信号回路の定電流源電流信号IA2を重ね合わせた後、目的包絡線追跡入力電流信号IAを生成し、コンデンサC1とツェナーダイオードVD1とからなる昇圧回路を介して、包絡線追跡入力電流信号を演算増幅器301の逆相入力端3013に伝達し、増幅回路は、目的包絡線追跡入力電流信号に対して閉ループ変換増幅を行うように配置され、演算増幅器の出力端3012は包絡線追跡出力電圧VOUTを出力する。増幅回路のフィードバック抵抗R6は演算増幅器の出力端3012の出力電圧信号を逆相入力端3013に伝達し、閉ループ変換増幅を形成する。
【0043】
なお、異なるDAC型番に応じて、出力された包絡線追跡入力電流信号は正電流、即ち、電流方向がDAC出力端から流出し、及び負電流、即ち、電流方向がDAC出力端から流入するという両者であってもよい。出力された包絡線追跡入力電流信号は正電流である場合、包絡線追跡入力電流信号を、後続必要を満たす目的包絡線追跡入力電流信号に変換するための定電流源信号回路を配置する必要がある。
【0044】
なお、回路原理に基づいて、理想状況で、抵抗R6に流れた電流の大きさは、入力された包絡線追跡入力電流信号の大きさと一致する。
【0045】
なお、電流信号を伝達するため、昇圧回路を経ても、目的包絡線追跡入力電流信号の大きさも変更されることなく、即ち、定電流源回路が存在すると、包絡線追跡入力電流信号と定電流源電流信号とを重ね合わせた後、取得した目的包絡線追跡入力電流信号の大きさは、昇圧回路から流出した目的包絡線追跡入力電流信号の大きさと一致する。定電流源回路が存在しないと、包絡線追跡入力電流信号と、目的包絡線追跡入力電流信号との大きさは一致する。
【0046】
いくつかの実施例において、バイアス抵抗によって、正常動作の必要なバイアス電圧をDACに提供し、当該バイアス電圧の大きさ、VREF-昇圧回路自体圧力降下-フィードバック抵抗圧力降下である。
【0047】
いくつかの実施例において、目的包絡線追跡入力電流信号と出力された包絡線追跡出力電圧VOUTとの変換式は、出力された包絡線追跡出力電圧VOUT=参照基準電圧VREF+フィードバック抵抗の抵抗値*目的包絡線追跡入力電流信号IAを満たしている。なお、昇圧電流は電流信号を伝送するため、回路には定電流源回路が存在しない場合、目的包絡線追跡入力電流信号IAと、包絡線追跡入力電流信号IA1との電流信号の大きさは同様である。
【0048】
なお、出力された包絡線追跡出力電圧VOUTの出力電圧の振幅はVREFとVCCとの間にある。
【0049】
上記回路によって、包絡線追跡入力電流信号IA1は、出力された包絡線追跡出力電圧VOUTになるよう増幅され、演算増幅器301自体の実際動作電圧の絶対値はVCC-VEEであり、実際出力スイングはVREF-VEE~VCC-VEEの間にあり、これによって、演算増幅器は浮動接地するように動作でき、演算増幅器301自体の損失を低減させ、効率を向上させる。例えば、VCC=30V、VREF=10V、VEE=8Vである場合、演算増幅器の給電電圧は22vであり、演算増幅器自体にとって、出力電圧は2~20V範囲内にあり、演算増幅器が直接的に接地して動作する場合に比べると、同じ増幅結果に対して、演算増幅器に30vだけ給電し、出力電圧は12~30v範囲にあり、増幅損失を低減させ、効率を向上させる。
【0050】
図15-1及び図15-2に示すように、本開示の実施例の包絡線追跡装置が動作している際、異なる位置の信号波形を示し、IAは目的包絡線追跡入力電流信号であり、高周波数で変化する信号であり、VOUTは、回路による増幅後の、出力された包絡線追跡出力電圧であり、振幅値がVREFとVCCとの間にあり、入力電流信号IAと出力電圧VOUTとは線形増幅の関係を有する。演算増幅器の給電プラス端の給電電圧はVCCであり、その給電マイナス端の給電電圧はVEEであり、その同相入力端には参照基準電圧VREFが印加され、VRFE>VEE>0である。
【0051】
本開示の実施例が提供する包絡線追跡装置は、演算増幅器とフィードバックネットワークとからなる増幅回路、及び昇圧回路を備え、昇圧回路によって目的包絡線追跡入力電流信号を伝達した後、増幅回路を利用して変換することで、包絡線追跡出力電圧を取得する。従来の関連技術において、包絡線追跡の出力電圧の振幅が高く、スイングが大きい場合、線形増幅過程で、演算増幅器の損失が大きく、効率が低いという問題を解決し、目的包絡線追跡入力電流信号に対するより効果的な変換を実現し、演算増幅器の変換効率を向上させ、増幅損失を低減させ、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【0052】
好ましく、DACの給電マイナス端は接地し、演算増幅器のマイナス端は直接的に接地せず、DACから出力された包絡線追跡入力電流信号は昇圧回路を経ても、影響されず、電流信号は演算増幅器の逆方向入力端に印加され、演算増幅器線形による増幅された後、出力され、後続の電力増幅負荷に使用される。DACと演算増幅器とは同時に接地して動作しないことによる、信号伝達に関する問題を解決する。
【0053】
好ましく、演算増幅器の給電マイナス端V-は高い電圧源(V-端に対して給電V+の給電電圧はより高い)に接続され、直接的に接地せず、このように、演算増幅器の実際の給電電圧は、給電プラス端V+とマイナス端V-との電圧差であり、演算増幅器の実際動作の給電電圧範囲を低減させ、演算増幅器は浮動接地するように動作することに相当し、演算増幅器の消費電力を低減させ、増幅効率を向上させる。
【0054】
好ましく、DACから出力された包絡線追跡入力電流信号は正である場合、1つの定電流源回路を追加し、2つの電流信号に対して減算を行った後、演算増幅器のための目的包絡線追跡入力電流信号を取得する。
【0055】
好ましく、DACから出力された包絡線追跡入力電流信号は負である場合、必要があれば、1つの定電流源回路を追加し、2つの電流信号に対して減算を行った後、演算増幅器のための目的包絡線追跡入力電流信号を取得する。
【0056】
好ましく、出力並列接続スイッチ回路は、電力増幅器の負荷の必要な一部の電流を提供し、演算増幅器の出力電流を低減させ、演算増幅器の効率を向上させる。
【0057】
実施例2
本実施例は包絡線追跡方法をさらに提供し、図16に示すように、当該方法は、
S1601:昇圧回路は目的包絡線追跡入力電流信号を取得するステップと、
S1602:目的包絡線追跡入力電流信号を増幅回路に伝送するステップと、
S1603:増幅回路は目的包絡線追跡入力電流信号に対して閉ループ変換増幅を行って、包絡線追跡出力電圧を出力するステップと、を備える。
【0058】
いくつかの実施例において、上記包絡線追跡方法は、上記の何れか1つの実施例に記載の包絡線追跡装置に適用されることができる。
【0059】
いくつかの実施例において、目的包絡線追跡入力電流信号は直接的にディジタル-アナログ変換器DACから出力された包絡電流信号であってもよいし、ディジタル-アナログ変換器DACから出力された包絡線電流信号をさらに処理した後、得られた電流信号であってもよい。
【0060】
いくつかの実施例において、増幅回路は演算増幅器とフィードバックネットワークとを備え、演算増幅器は浮動接地するように動作する。
【0061】
いくつかの実施例において、演算増幅器の給電マイナス端は高い第1電圧源VEEに接続され、当該第1電圧源VEEは演算増幅器の給電プラス端に接続される第2電圧源VCCより小さく、演算増幅器の同相入力端には参照基準電圧VREFが印加され、三者の間の関係は、VCC>VREF>VEE>0Vである。上記配置によって、演算増幅器の浮動接地動作を実現する。
【0062】
なお、電流信号を伝達するため、昇圧回路を経ても、目的包絡線追跡入力電流信号の大きさも変更されることなく、即ち、定電流源回路が存在すると、包絡線追跡入力電流信号と定電流源電流信号とを重ね合わせた後、取得された目的包絡線追跡入力電流信号の大きさは、昇圧回路から流出した目的包絡線追跡入力電流信号の大きさと一致する。定電流源回路が存在しないと、包絡線追跡入力電流信号と、目的包絡線追跡入力電流信号との大きさは一致する。
【0063】
いくつかの実施例において、当業者の必要に応じて、演算増幅器の同相入力端に印加される参照基準電圧VREFの大きさを設定すればよい。
【0064】
なお、演算増幅器原理に基づいて、同相入力端3011と逆相入力端3013との電圧レベルは同様である。
【0065】
いくつかの実施例において、給電マイナス端V-に接続される第1電圧源VEEは、給電プラス端V+に接続される第2電圧源VCCより小さく、直接的に接地せず、このように、演算増幅器の実際給電電圧は、給電プラス端V+と給電マイナス端V-との電圧差であり、演算増幅器の実際動作の給電電圧範囲を低減させ、演算増幅器は浮動接地するように動作することに相当し、演算増幅器の消費電力を低減させ、増幅効率を向上させる。
【0066】
いくつかの実施例において、第1電圧源電流出力/入力能力を有する。
【0067】
いくつかの実施例において、増幅回路におけるフィードバックネットワークはフィードバック抵抗Rから形成され、フィードバック抵抗は、演算増幅器の逆相入力端と演算増幅器の出力端との間に接続される。回路原理に基づいて、理想状況で、フィードバック抵抗に流れた電流の大きさは、目的包絡線追跡入力電流信号IAの電流の大きさと一致する。目的包絡線追跡入力電流信号IAは昇圧回路を経た後、演算増幅器の逆相入力端に印加され、演算増幅器及びフィードバック抵抗Rによって変換された後、増幅後の出力された包絡線追跡出力電圧VOUTを取得する。いくつかの実施例において、目的包絡線追跡入力電流信号IAと、出力された包絡線追跡出力電圧VOUTとの変換式は、VOUT=VREF+R6*IAを満たしている。VOUT出力電圧の振幅はVREFとVCCとの間にある。当該回路によって、目的包絡線追跡入力電流信号IAは出力された包絡線追跡出力電圧VOUTになるように増幅され、演算増幅器OP4自体の実際動作電圧の絶対値はVCC-VEEであり、実際出力スイングはVREF-VEE~VCC-VEEの間にあり、これによって、演算増幅器は浮動接地するように動作でき、演算増幅器OP4自体の損失を低減させ、効率を向上させる。
【0068】
いくつかの実施例において、増幅回路はフィードバックネットワークによって、演算増幅器の出力電圧信号を回演算増幅器のマイナス端に伝達する。
【0069】
いくつかの実施例において、目的包絡線追跡入力電流信号を取得する前、定電流源信号回路によって、包絡線追跡入力電流信号を目的包絡線追跡入力電流信号に変換するステップをさらに備える。
【0070】
なお、目的包絡線追跡入力電流信号は昇圧回路の必要を満たしている電流信号であり、その信号方向は負電流であり、即ち、その信号方向は昇圧回路の第2端から昇圧回路の第1端に流れる。なお、定電流源信号回路は、出力の大きさが一定である直流定電流源電流信号を提供し、定電流源電流信号の方向及び大きさについて、当業者は必要に応じて設置すればよい。
【0071】
いくつかの実施例において、包絡線追跡入力電流信号は負電流であり、定電流源電流信号は正電流であると、包絡線追跡入力電流信号から定電流源信号回路の定電流源電流信号を引くことで、目的包絡線追跡入力電流信号を取得し、包絡線追跡入力電流信号は、定電流源信号回路の定電流源電流信号の以上である。
【0072】
いくつかの実施例において、包絡線追跡入力電流信号は負電流であり、定電流源電流信号は負電流であると、包絡線追跡入力電流信号に定電流源信号回路の定電流源電流信号を加算することで、目的包絡線追跡入力電流信号を取得する。
【0073】
なお、定電流源信号回路304にとって、定電流源信号回路304に流入する電流信号は負電流であり、定電流源信号回路304から流出する電流信号は正電流である。
【0074】
なお、包絡線追跡入力電流信号は負電流であると、必要に応じて、定電流源信号回路を配置するかどうかを决定する。
【0075】
いくつかの実施例において、包絡線追跡入力電流信号は正電流であると、定電流源信号回路の定電流源電流信号から、包絡線追跡入力電流信号を引くことで、目的包絡線追跡入力電流信号を取得し、包絡線追跡入力電流信号は、定電流源信号回路の定電流源電流信号の以下である。
【0076】
なお、包絡線追跡入力電流信号は正電流であると、必ず定電流源信号回路を配置し、これによって、大きさが一定である直流電流信号定電流源電流信号を生成し、目的包絡線追跡入力電流信号が要求を満たすように、包絡線追跡入力電流信号を処理する。
【0077】
なお、定電流源電流信号は正電流であってもよいし、負電流であってもよく、定電流源電流信号の大きさ及び方向について、当業者は対応する包絡線追跡入力電流信号の大きさ及方向に基づいて、設定すればよく、これによって、目的包絡線追跡入力電流信号が要求を満たすように、定電流源信号回路から生成された、大きさが一定である直流電流信号定電流源電流信号を介して、包絡線追跡入力電流信号を処理する。
【0078】
なお、包絡線追跡入力電流信号IA1は負電流であると、定電流源電流信号IA2の電流方向は正電流であってもよいし、負電流であってもよい。包絡線追跡入力電流信号IA1は正電流であると、定電流源電流信号IA2の電流方向は負電流以外ありえない。
【0079】
いくつかの実施例において、包絡線追跡方法は、スイッチ回路が負荷の一部の電流を提供することで、演算増幅器の出力電流を低減させるステップをさらに備える。
【0080】
いくつかの実施例において、出力並列接続スイッチ回路によって、負荷の必要な一部の電流を提供し、演算増幅器の出力電流を低減させ、演算増幅器の効率を向上させる。なお、負荷は電力増幅器であってもよい。
【0081】
いくつかの実施例において、包絡線追跡方法は、
ディジタル-アナログ変換器によって、包絡線追跡入力電流信号を出力するステップをさらに備える。
【0082】
なお、ディジタル-アナログ変換器DACの給電マイナス端は接地し、その出力端は昇圧回路の第1端に接続されており、変換によって、包絡線追跡入力電流信号を出力するように配置される。
【0083】
なお、ディジタル-アナログ変換器DACと昇圧回路との間には定電流源信号回路が配置されない場合、包絡線追跡入力電流信号は目的包絡線追跡入力電流信号である。なお、包絡線追跡入力電流信号は負電流である場合、電流はディジタル-アナログ変換器の出力端から、ディジタル-アナログ変換器の内部に流入する。
【0084】
いくつかの実施例において、包絡線追跡方法は、
バイアス抵抗によって、正常動作の必要なバイアス電圧をディジタル-アナログ変換器に提供するステップをさらに備える。
【0085】
いくつかの実施例において、当該バイアス電圧の大きさは、VREF-昇圧回路自体圧力降下-R7圧力降下である。
【0086】
いくつかの実施例において、昇圧回路は、並列接続されているツェナーダイオードとコンデンサとを備え、ツェナーダイオードの、陽極がコンデンサに並列接続される端を昇圧回路の第1端とする。
【0087】
いくつかの実施例において、昇圧回路は、並列接続されているツェナーダイオードとコンデンサとから形成され、この場合、目的包絡線追跡入力電流信号は、ツェナーダイオードの、コンデンサに並列接続される端から、バイアス抵抗の第2端に接続され、動作際の必要なバイアス電圧をディジタル-アナログ変換器の出力ポートに提供する。当該電圧の大きさは、VREF-ツェナーダイオード圧力降下-バイアス抵抗圧力降下である。ツェナーダイオードの陰極の一端は、コンデンサの一端に並列接続された後、演算増幅器の逆相入力端に接続される。ツェナーダイオードによって電圧を高めた後、目的包絡線追跡入力電流信号を演算増幅器の逆相入力端に伝達する。コンデンサ及びツェナーダイオードにはいずれも目的包絡線追跡入力電流信号が流れて、コンデンサにはほとんどの電流信号が流れて、これによって、ツェナーダイオードの電圧安定効果がよりよくなる。
【0088】
いくつかの実施例において、昇圧回路は定電圧電源を備える。
【0089】
いくつかの実施例において、定電圧電源は適切な安定電圧を提供し、目的包絡線追跡入力電流信号を演算増幅器の逆相入力端に伝達し、演算増幅器による増幅された後、包絡線追跡出力電圧VOUTを取得するように配置される。この場合、動作際の必要なバイアス電圧をディジタル-アナログ変換器の出力ポートに提供する。当該電圧の大きさは、VREF-定電圧電源電圧-バイアス抵抗圧力降下である。
【0090】
いくつかの実施例において、スイッチ回路は、
第1端が演算増幅器の出力端に接続されるインダクタと、
ソースが接地し、ドレインがインダクタの第2端に接続される第1MOSFETと、
ドレインが電源に接続され、ソースがインダクタの第2端に接続される第2MOSFETと、を備える。
【0091】
いくつかの実施例において、スイッチ回路はさらに負荷に接続され、BUCK回路によって、演算増幅器の出力電流を低減させることで、演算増幅器の消費電力を減少させ、効率を向上させる。
【0092】
実施例3
以下は具体的な実施例によって、上記の包絡線追跡方法をさらに説明し、図17を参照し、図17に示すように、具体的な包絡線追跡方法は、
S1701:ディジタル-アナログ変換器は包絡線追跡入力電流信号を出力するステップと、
S1702:定電流源信号回路によって、包絡線追跡入力電流信号を目的包絡線追跡入力電流信号に変換するステップと、
S1703:昇圧回路は目的包絡線追跡入力電流信号を取得するステップと、
S1704:目的包絡線追跡入力電流信号を増幅回路に伝送するステップと、
S1705:増幅回路は目的包絡線追跡入力電流信号に対して閉ループ変換増幅を行う、包絡線追跡出力電圧を出力するステップと、
S1706:スイッチ回路が負荷の一部の電流を提供することで、演算増幅器の出力電流を低減させるステップと、を備える。
【0093】
なお、増幅回路は演算増幅器とフィードバックネットワークとを備える。フィードバックネットワークは演算増幅器の出力端の出力電圧信号を演算増幅器の逆相入力端に伝達し、閉ループ変換増幅を形成するように配置される。
【0094】
なお、異なるDAC型番に応じて、出力された包絡線追跡入力電流信号は正電流であり、即ち、電流方向はDAC出力端から流出し、また、負電流であり、即ち、電流方向はDAC出力端から流入するという両者である。出力された包絡線追跡入力電流信号は正電流である場合、包絡線追跡入力電流信号を、後続の必要を満たす目的包絡線追跡入力電流信号に変換するための定電流源信号回路を配置する必要がある。
【0095】
なお、回路原理に基づいて、理想状況で、抵抗R6に流れた電流の大きさは、入力された包絡線追跡入力電流信号の大きさと一致する。
【0096】
なお、電流信号を伝達するため、昇圧回路を経ても、目的包絡線追跡入力電流信号の大きさも変更されることなく、即ち、定電流源回路が存在すると、包絡線追跡入力電流信号と定電流源電流信号とを重ね合わせた後、取得された目的包絡線追跡入力電流信号の大きさは、昇圧回路から流出した目的包絡線追跡入力電流信号の大きさと一致する。定電流源回路が存在しないと、包絡線追跡入力電流信号と、目的包絡線追跡入力電流信号との大きさは一致する。
【0097】
いくつかの実施例において、バイアス抵抗によって、正常動作の必要なバイアス電圧をDACに提供し、当該バイアス電圧の大きさは、VREF-昇圧回路自体圧力降下-フィードバック抵抗圧力降下である。
【0098】
いくつかの実施例において、目的包絡線追跡入力電流信号と出力された包絡線追跡出力電圧VOUTとの変換式は、出力された包絡線追跡出力電圧VOUT=参照基準電圧VREF+フィードバック抵抗的抵抗値*目的包絡線追跡入力電流信号IAを満たしている。なお、昇圧電流は電流信号を伝送するため、回路には定電流源回路が存在しない場合、目的包絡線追跡入力電流信号IAと、包絡線追跡入力電流信号IA1との電流信号の大きさは同様である。
【0099】
なお、出力された包絡線追跡出力電圧VOUTの出力電圧の振幅はVREFとVCCとの間にある。
【0100】
上記回路によって、包絡線追跡入力電流信号IA1は、出力された包絡線追跡出力電圧VOUTになるよう増幅され、演算増幅器自体の実際動作電圧の絶対値はVCC-VEEであり、実際出力スイングはVREF-VEE~VCC-VEEの間にあり、これによって、演算増幅器は浮動接地するように動作でき、演算増幅器自体の損失を低減させ、効率を向上させる。例えば、VCC=30V、VREF=10V、VEE=8Vである場合、演算増幅器の給電電圧は22vであり、演算増幅器自体にとって、出力電圧は2~20V範囲内にあり、演算増幅器が直接的に接地して動作する場合に比べると、同じ増幅結果に対して、演算増幅器に30vだけ給電し、出力電圧は12~30vの範囲にあり、増幅損失を低減させ、効率を向上させる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本開示の実施例が提供する包絡線追跡方法において、昇圧回路を利用して目的包絡線追跡入力電流信号を取得し、昇圧回路によって、目的包絡線追跡入力電流信号を増幅回路に伝送し、増幅回路は演算増幅器とフィードバックネットワークとを備え、演算増幅器は浮動接地するように動作し、増幅回路は目的包絡線追跡入力電流信号に対して閉ループ変換増幅を行って、包絡線追跡出力電圧を出力する。従来の関連技術において、包絡線追跡の出力電圧の振幅が高く、スイングが大きい場合、線形増幅過程で、演算増幅器の損失が大きく、効率が低いという問題を解決し、目的包絡線追跡入力電流信号に対するより効果的な増幅を実現し、演算増幅器の変換効率を向上させ、増幅損失を低減させ、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【0102】
なお、ある場合、上記実施例の記載と異なる順序に従って、示され、又は記載される少なくとも1つのステップを実行できる。
【0103】
以上の内容は、具体的な実施形態を結合して、本開示の実施例に対するさらなる詳しい説明であり、本開示の具体な実施はこれらの説明に限定されていない。当業者にとって、本開示の構想を逸脱しない前提で、いくつかの簡単な演繹又は差し替えを行ってもよく、いずれも本開示の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15-1】
図15-2】
図16
図17
【国際調査報告】