(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-23
(54)【発明の名称】ネットワークデバイスを動作させるための装置、方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/19 20180101AFI20221216BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20221216BHJP
【FI】
H04W76/19
H04W84/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523063
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2020079145
(87)【国際公開番号】W WO2021074355
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】201941041974
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】アジメール アーマド ラフィック
(72)【発明者】
【氏名】ガディ サティヤ ファネーンドラ レディー
(72)【発明者】
【氏名】クランガラ マノイ アイヤンコティル
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA26
5K067EE02
5K067EE25
5K067HH23
5K067HH24
5K067JJ41
(57)【要約】
本発明の目的は、ネットワークのセルフヒーリングケイパビリティを向上させることができる装置を提供することであり、装置は、ZigBeeネットワーク等、ネットワーク100の一部であるように構成される。動作装置110は、ネットワークデバイス101を動作させるように構成され、ネットワーク情報提供ユニット111であって、ネットワーク情報は、ネットワークをメンテナンスするためにネットワークデバイス101及び/又は近隣ネットワークデバイス103、104によって送信及び/又は受信されるメンテナンスメッセージ105、106、107に関する情報を指す、ネットワーク情報提供ユニット111と、ネットワーク情報から自己関連接続情報を決定するための決定ユニット112であって、自己関連接続情報は、ネットワークとのネットワークデバイス自身の接続に関する情報を指す、決定ユニット112と、自己関連接続情報に基づいてネットワークデバイスを制御するための制御ユニット113とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークデバイスを含むネットワークの一部であるように構成されるネットワークデバイスを動作させるための動作装置であって、当該動作装置は、
ネットワーク情報を提供するためのネットワーク情報提供ユニットであって、前記ネットワーク情報は、前記ネットワークをメンテナンスするために前記ネットワークデバイス及び/又は前記ネットワークデバイスの近隣ネットワークデバイスによって送信及び/又は受信されるメンテナンスメッセージに関する情報を指し、前記近隣ネットワークデバイスは、前記ネットワークデバイスと同じネットワークの一部である、ネットワーク情報提供ユニットと、
前記ネットワーク情報から自己関連接続情報を決定するための決定ユニットであって、前記自己関連接続情報は、前記ネットワークとの前記ネットワークデバイス自身の接続に関する情報を指す、決定ユニットと、
前記自己関連接続情報に基づいて前記ネットワークデバイスを制御するための制御ユニットと、
を含み、
前記ネットワーク情報は、前記ネットワークデバイスのネットワークネイバーフッドの一部である近隣ネットワークデバイスのネットワークネイバーフッドを示すネイバーフッド情報を含み、前記決定ユニットは、前記ネイバーフッド情報から自己関連接続情報を決定するように構成され、
前記決定ユニットは、前記ネイバーフッド情報から、前記ネットワークデバイスが、前記近隣ネットワークデバイスによって、前記近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドに属することが知られているかどうかのインディケーションを自己関連接続情報として決定するように構成され、
前記制御ユニットは、前記自己関連接続情報が前記ネットワークへの前記ネットワークデバイスの接続に障害があることを示す場合、前記ネットワークに再接続するための措置をとるために前記ネットワークデバイスを制御するように構成される、動作装置。
【請求項2】
前記ネットワーク情報から決定される自己関連接続情報は、前記ネットワークデバイス自身によって送信されるメンテナンスメッセージのタイミングを示す情報を含む、請求項1に記載の動作装置。
【請求項3】
前記ネットワーク情報から決定される自己関連接続情報は、前記ネットワークデバイス自身によって最後のメンテナンスメッセージが送信されてからのタイムスパンを含み、前記制御ユニットは、前記決定されたタイムスパンを所定の閾値と比較する及び比較結果に基づいて前記ネットワークデバイスを制御するように構成される、請求項1又は2に記載の動作装置。
【請求項4】
前記ネイバーフッド情報は、2つのネットワークデバイス間のネットワーク接続の品質を示す接続品質データを含み、前記決定ユニットは、前記接続品質データから自己関連接続情報を決定するように構成される、請求項1に記載の動作装置。
【請求項5】
前記決定ユニットは、ランダムに選択された近隣ネットワークデバイスのネイバーフッド情報から自己関連接続情報を決定するように構成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の動作装置。
【請求項6】
前記ネイバーフッド情報は、ネイバーフッドテーブルを含み、前記ネイバーフッドテーブルは、前記ネイバーフッドテーブルを送信するネットワークデバイスのネイバーフッドの一部であると考えられるすべてのネットワークデバイスの識別子を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の動作装置。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記自己関連接続情報が前記ネットワークデバイスの接続に障害があることを示す場合、前記ネットワークへの接続に障害があるという情報をユーザ及び/又は他のネットワークデバイスに提供するために前記ネットワークデバイスを制御するように構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の動作装置。
【請求項8】
前記ネットワークは、ZigBeeネットワークであり、前記ネットワークデバイスは、前記ZigBeeネットワークの一部であるように構成される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の動作装置。
【請求項9】
複数のネットワークデバイスのネットワークの一部であるように構成されるネットワークデバイスであって、当該ネットワークデバイスを動作させるための請求項1に記載の動作装置を含む、ネットワークデバイス。
【請求項10】
請求項9に記載のネットワークデバイスを少なくとも1つ含む、ネットワーク。
【請求項11】
複数のネットワークデバイスを含むネットワークの一部であるように構成されるネットワークデバイスを動作させるための動作方法であって、当該動作方法は、
ネットワーク情報を提供することであって、前記ネットワーク情報は、前記ネットワークをメンテナンスするために前記ネットワークデバイス及び/又は前記ネットワークデバイスの近隣ネットワークデバイスによって送信されるメンテナンスメッセージに関する情報を含み、前記近隣ネットワークデバイスは、前記ネットワークデバイスと同じネットワークの一部である、ことと、
前記ネットワーク情報から自己関連接続情報を決定することであって、前記自己関連接続情報は、前記ネットワークとの前記ネットワークデバイス自身の接続に関する情報を指す、ことと、
前記自己関連接続情報に基づいて前記ネットワークデバイスを制御することと、
を含み、
前記ネットワーク情報は、前記ネットワークデバイスのネットワークネイバーフッドの一部である近隣ネットワークデバイスのネットワークネイバーフッドを示すネイバーフッド情報を含み、前記決定することは、前記ネイバーフッド情報から自己関連接続情報を決定することを含み、
前記決定することは、前記ネイバーフッド情報から、前記ネットワークデバイスが、前記近隣ネットワークデバイスによって、前記近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドに属することが知られているかどうかのインディケーションを自己関連接続情報として決定することを含み、
前記ネットワークデバイスを制御することは、前記自己関連接続情報が前記ネットワークへの前記ネットワークデバイスの接続に障害があることを示す場合、前記ネットワークに再接続するための措置をとるために前記ネットワークデバイスを制御することを含む、動作方法。
【請求項12】
ネットワークデバイス動作させるためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、請求項1に記載の動作装置に、当該コンピュータプログラムが前記動作装置によって実行された場合に請求項11に記載の動作方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のネットワークデバイスを含むネットワークの一部であるように構成されるネットワークデバイスを動作させるための装置、方法及びコンピュータプログラムに関する。さらに、本発明は、複数のネットワークデバイスのネットワークの一部であるように構成されるネットワークデバイス、及び装置を含む複数のネットワークデバイスを含むネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、多くのアプリケーション、例えば、スマートホームアプリケーションにおいて、照明デバイス等のデバイスは、他のデバイスとのネットワークに参加するように構成される。これらのネットワークは、デバイスが、近隣デバイス、すなわち、当該デバイスと同じエリアにあるデバイスだけでなく、ネットワークの遠方のメンバとも通信することを可能にし、ネットワークの通信メンバの間にあるデバイスは、通信のための転送局として使用される。このようなネットワークはほとんど分散組織化される(decentrally organized)ので、あるネットワークメンバがネットワークから脱落する場合、すなわち、ネットワークの他のメンバと通信するのををやめる場合、ほとんどのネットワークは、欠落したメンバを補うためにメンバ間の通信を再ルーティングする。ネットワークのメンバの障害に対処する分散組織化されたネットワークのこのケイパビリティは、ネットワークのセルフヒーリングケイパビリティ(self-healing capability)と呼ばれる。セルフヒーリングネットワークのコンテキストにおいて、ほとんどのデバイスは、ネットワークの近隣デバイス、すなわち、近隣メンバがネットワークから脱落し、もはや通信目的に使用されることができない場合に気づくように構成される。しかしながら、このような場合でも、ネットワークのユーザが、デバイスがネットワークから脱落したことを通知され、ネットワークに再び参加できるように脱落したデバイスを手動でリセットする必要がある。これはユーザにとってかなり面倒なことであり得、斯くして、ネットワークのセルフヒーリングケイパビリティを向上させるネットワークデバイスを提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、ネットワークのセルフヒーリングケイパビリティを向上させることができる、装置、ネットワークデバイス、ネットワークデバイスを含むネットワーク、方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様では、複数のネットワークデバイスを含むネットワークの一部であるように構成されるネットワークデバイスを動作させるための動作装置(operation apparatus)であって、動作装置は、a)ネットワーク情報を提供するためのネットワーク情報提供ユニットであって、ネットワーク情報は、ネットワークをメンテナンスする(maintain)ためにネットワークデバイス及び/又はネットワークデバイスの近隣ネットワークデバイスによって送信及び/又は受信されるメンテナンスメッセージ(maintenance message)に関する情報を指し、近隣ネットワークデバイスは、ネットワークデバイスと同じネットワークの一部である、ネットワーク情報提供ユニットと、b)ネットワーク情報から自己関連接続情報(self-related connection information)を決定するための決定ユニットであって、自己関連接続情報は、ネットワークとのネットワークデバイス自身の接続に関する情報を指す、決定ユニットと、c)自己関連接続情報に基づいてネットワークデバイスを制御するための制御ユニットとを含む、動作装置が提供される。
【0005】
決定ユニットは、ネットワーク情報から自己関連接続情報を決定するように構成され、自己関連接続情報は、ネットワークとのネットワークデバイス自身の接続に関する情報を指すので、依然パワーオンされているネットワークデバイスは、自身が依然ネットワークに接続されているか、又は直接のネットワークへの接続を失うリスクがあるかどうかを自ら判断することができる。さらに、制御ユニットは、自己関連接続情報に基づいてネットワークデバイスを制御するように構成されるので、制御ユニットは、自己関連接続情報がネットワークとのネットワークデバイスの接続に問題が生じたことを示し次第、措置を開始することができる。このような場合、制御ユニットは、例えば、ネットワーク接続のリセットを開始する、ネットワークデバイスのネットワーク送信のためのパワーを増加させる等して、ネットワークからの切断を防止する又はネットワークにネットワークデバイスを再接続させることができる。斯くして、このようなネットワークデバイスを含むネットワークのセルフヒーリングケイパビリティが向上されることができる。
【0006】
動作装置は、ネットワークデバイスを動作させるように構成される。とりわけ、動作装置は、例えば、ネットワークデバイスの提供機能に影響を与える制御メッセージをネットワークデバイスに送信することによって、ネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。動作装置は、ハードウェア又はソフトウェアとしてネットワークデバイスの一部として配されることができ、例えば、ネットワークデバイスと同じハウジングに設けられることができる。代替的に、動作装置は、ネットワークデバイスから独立することができ、例えば、独自のハウジングに設けられることができ、この場合、動作装置は、ネットワークデバイスと通信するためにネットワークデバイスと有線又はワイヤレスで直接接続されることができる。
【0007】
ネットワークデバイスは、ネットワークデバイスと同一又は異なる機能を有する複数の他のネットワークデバイスのネットワークの一部であるように構成される任意の種類のデバイスであることができる。好ましくは、ネットワークデバイスは、固定(stationary)ネットワークデバイス、すなわち、その通常の用途の間、一定のロケーションに静止しているネットワークデバイスである。ネットワークデバイスは、好ましくは、固定スマートネットワークデバイス、すなわち、その少なくとも1つ以上の特定の機能に加えて、ネットワークケイパビリティを含むデバイスである。とりわけ、固定スマートネットワークデバイスは、一般的なアプリケーションのための一般的な計算デバイス又はスマートフォン等の携帯型の一般的な計算デバイスを指すものではない。ネットワークデバイスは、例えば、スマートホームネットワークアプリケーションの一部であるように構成され、このコンテキストにおける機能を提供することができる。例えば、ネットワークデバイスは、温度、圧力、湿度等を監視するためのセンサデバイス、スピーカ、モニタ等のエンターテイメントデバイス、温度制御デバイス、湿度制御デバイス、照明制御デバイス等の雰囲気制御デバイス等であることができる。好ましくは、ネットワークデバイスは、その環境に光を提供するための照明ユニットを少なくとも含む照明デバイスである。さらに、ネットワークデバイスは、複数の照明デバイスを含む照明ネットワークに接続されるように構成されることが好ましく、ネットワークは、センサデバイス等の追加のネットワークデバイスを含むこともできる。さらに、ネットワークデバイスは、通信のためにZigbee(登録商標)プロトコルを使用するZigbeeネットワークに接続する、すなわち、その一部であるように構成されることが好ましい。追加的に、又は代替的に、ネットワークデバイスは、スターセンス(Star Sense)ワイヤレスネットワークに接続する、すなわち、その一部であるように構成されることができる。一般に、ネットワークは、ネットワークをメンテナンスする又はネットワークのステータス、例えば、健全性ステータス(health status)を決定するための同期(すなわち、メンテナンス(maintenance))メカニズムを有する任意のネットワークであることができる。ネットワークは、ホームコントロールアプリケーション、オートメーションアプリケーション、産業用アプリケーション、セキュリティアプリケーション、電力計測アプリケーション等のアプリケーションの一部であることができる。
【0008】
ネットワーク情報提供ユニットは、ネットワーク情報を提供するように構成される。ネットワーク情報提供ユニットは、ネットワーク情報が既に記憶され、ネットワーク情報が取得されることができる記憶ユニットであることができる。また、ネットワーク情報提供ユニットは、例えば、データを送信及び受信することによってネットワークと通信するように構成される送信ユニットから、ネットワーク情報を取得するための取得ユニットであることができ、この場合、ネットワーク情報提供ユニットは、例えば、送信及び受信データからネットワークに関する情報を識別することによって、このデータからネットワーク情報を決定するように構成される。さらに、ネットワーク情報提供ユニットは、受信ユニットであることもでき、この場合、例えば、送信ユニットを含むことができる。
【0009】
ネットワーク情報は、ネットワークデバイスが接続されるネットワークに関する情報を指す。ネットワークへの接続は、ネットワークの一部であるネットワークデバイスへの少なくとも1つの接続を含むことができるが、ネットワークの一部である複数の他のネットワークデバイスとの接続を含むこともできる。ネットワークデバイス間の接続は、有線又はワイヤレス接続であることができる。とりわけ、ネットワークデバイスは、ネットワークデバイスがネットワークの他のメンバのために信号を送信及び受信することができ、さらに、少なくとも1つの他のメンバによって、他のネットワークデバイスから信号を送信及び受信することができると知られている場合、ネットワークの一部であると考えられることができる。
【0010】
ネットワーク情報は、ネットワークをメンテナンスするためにネットワークデバイス及び/又はネットワークデバイスの近隣ネットワークデバイスによって送信されるメンテナンスメッセージに関する情報を含む。一般に、ほとんどのネットワーク通信プロトコルは、ネットワークの一部である各ネットワークデバイスが、どの他のネットワークデバイスが妥当な通信距離にあり、ネットワークの一部でもあるとみなされることができるかを決定することを可能にする規則的な時間間隔でのメンテナンスメッセージの送信を含む。斯くして、これらのメンテナンスメッセージは、デバイスのネットワークをアライブ(alive)に保つために重要である。ネットワーク情報は、例えば、送信又は受信されたメンテナンスメッセージのタイミングに関する情報、メンテナンスメッセージのコンテンツに関する情報、送信又は受信されたメンテナンスメッセージの品質に関する情報、又はメンテナンスメッセージの送信及び受信に関連する任意の他の特性に関する情報を含むことができる。情報は、ネットワークデバイス自身及び/又は近隣ネットワークデバイスによって送信及び/又は受信されるメンテナンスメッセージに関連することができる。
【0011】
近隣ネットワークデバイス(neighboring network device)は、当該ネットワークデバイスと同じネットワークの一部であり、当該ネットワークデバイスのネットワークネイバーフッド(network neighborhood)の一部でもあるネットワークデバイスを指す。ネットワークネイバーフッドは、例えば、使用される通信プロトコルによって定義されることができ、又はネットワークデバイス間の空間的距離によって定義されることがきる。一例として、ネットワークデバイスのネイバーフッドは、当該ネットワークデバイスがメンテナンスメッセージを受信するすべてのネットワークデバイスからなると定義されることができる。他の例では、ネットワークデバイスのネイバーフッドは、当該ネットワークデバイスの周囲の予め定められた空間的近傍内にあるすべてのネットワークデバイスを組み込むと定義されることができ、又はネットワークの所与の階層的順序等、ネットワークの所与の構造に基づいて定義されることができ、この場合、ネットワークデバイスのネイバーフッドは、ネットワークデバイスがメンテナンスメッセージを受信するネットワークデバイスであって、さらに、当該ネットワークデバイスと同じ及び/又は隣接する階層的順序にあるネットワークデバイスのみを指すことができる。
【0012】
決定ユニットは、ネットワーク情報から自己関連接続情報を決定するように構成される。自己関連接続情報は、ネットワークとのネットワークデバイス自身の接続に関する情報を指す。例えば、ネットワーク情報が、ネットワークデバイス及び/又は近隣ネットワークデバイスからのメンテナンスメッセージの送信及び受信のタイミング情報を含む場合、決定ユニットは、タイミング情報のうちネットワークデバイス自身に関連する部分、例えば、ネットワークデバイス自身によって送信又は受信されるメンテナンスメッセージのタイミングを自己関連接続情報として決定するように構成されることができる。別の例では、ネットワーク情報が、ネットワークデバイスの近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドのデバイスに関する情報を含む場合、決定ユニットは、自己関連接続情報として、このネイバーフッド情報からの当該ネットワークデバイス自身に関連する情報、例えば、当該ネットワークデバイスが近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドの一部であると考えられるか否かの情報を決定することができる。斯くして、自己関連接続情報は、ネットワークデバイス自身との明確な関係を有する情報のみに関連する。とりわけ、自己関連接続情報は、近隣ネットワークデバイス等、他のネットワークデバイスに関する接続情報を含まない。例えば、自己関連接続情報は、他のネットワークデバイスが当該ネットワークデバイス又は近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドの一部であるかどうか、又は他のネットワークデバイスが当該ネットワークデバイスに対してメンテナンスメッセージを送信したかどうかに関する情報を含まない。
【0013】
制御ユニットは、自己関連接続情報に基づいてネットワークデバイスを制御するように構成される。とりわけ、自己関連接続情報は、ネットワークとのネットワークデバイス自身の接続を指す情報を提供するので、動作装置によって動作されるネットワークデバイスが依然ネットワークの一部であるか、又はネットワークから切断するリスクがあるかを判断することが可能である。例えば、自己関連接続情報が、ネットワークデバイス自身のその近隣ネットワークデバイスに対するメンテナンスメッセージの送信のタイミングに関する情報を含む場合、制御ユニットは、ネットワークデバイスが所定の期間メンテナンスメッセージを送信し損なっており、斯くして、近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドから脱落する、斯くして、ネットワークとの接続を断つリスクがあり得ると判断するように構成されることができる。好ましくは、制御ユニットは、ネットワークデバイスがネットワークから切断された又はネットワークから切断するリスクがあると判断される場合、ネットワークへのネットワークデバイスの接続を維持又は回復するための措置がとられるようにネットワークデバイスを制御するように構成される。このような措置は、例えば、ネットワークデバイスのリセット、ネットワークデバイスのネットワーク接続のリセット、ネットワークデバイスのパワーダウン又はパワーアップ、ネットワークデバイスの送信の信号強度又は帯域幅の増加、ネットワークデバイスのネットワークネイバーフッドの構造の再構成(rearrangement)等であることができる。斯くして、動作装置を含むネットワークデバイス自身が、ネットワークとの自身の接続のステータスに関する情報を得、完全にネットワークから脱落するのを防止することが可能となり、ネットワークの全体的なセルフヒーリングケイパビリティが向上される。
【0014】
一実施形態において、ネットワーク情報から決定される自己関連接続情報は、ネットワークデバイス自身によって送信されるメンテナンスメッセージのタイミングを示す情報を含む。ネットワークデバイス自身によって送信されるメンテナンスメッセージのタイミングを示す情報は、例えば、最後のメンテナンスメッセージが送信された時刻等、いつ最後のメンテナンスメッセージが送信されたかに関する情報、ネットワークデバイスによってネットワークと通信するために用いられるネットワークプロトコルがメンテナンスメッセージからスケジュールを予め定める場合、最後のメンテナンスメッセージがスケジュールに従って送信されたかどうかに関する情報、最後に送信されたメンテナンスメッセージ間のタイムスパンに関する情報等であることができる。斯くして、この場合のネットワーク情報は、ネットワークデバイス自身がネットワークへの接続を維持するのに寄与したかどうか及びどのように寄与したかに関する情報を含む。ネットワーク情報から、例えば、ネットワークデバイス自身が、ネットワークで用いられるネットワークプロトコルのメンテナンスメッセージスケジュールによって示されるようにメンテナンスメッセージを送信していないと判断されることができる場合、これは、ネットワークデバイスがネットワークの一部であることを認識し、ネットワーク接続を維持することを可能にするネットワークデバイスのソフトウェア又はハードウェアに何らかの障害がある可能性があることを示すことができる。斯くして、この実施形態では、制御ユニットは、例えば、ネットワークデバイスがメンテナンスメッセージを送信するのをやめた又は定期的にメンテナンスメッセージを送信していないと判断される場合、例えば、ネットワークプロトコルのスケジュールに基づいて、メンテナンスメッセージを送信するのを再開又は維持するための措置がとられるようにネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。
【0015】
好ましい実施形態において、ネットワーク情報から決定される自己関連接続情報は、ネットワークデバイス自身によって最後のメンテナンスメッセージが送信されてからのタイムスパンを含み、制御ユニットは、決定されたタイムスパンを所定の閾値と比較する及び比較結果に基づいてネットワークデバイスを制御するように構成される。ネットワークデバイス自身によって最後のメンテナンスメッセージが送信されてからのタイムスパンは、例えば、最後のメンテナンスメッセージのタイムスタンプを現在時刻と比較することによって、又は、メンテナンスメッセージの送信後、次のメンテナンスメッセージの送信までの時間をカウントするクロックを提供することによって決定されることができる。タイムスパンが比較される所定の閾値は、例えば、ネットワークデバイスによって使用されるネットワークプロトコルのメンテナンスメッセージスケジュールに基づいて決定される閾値であることができる。この場合、閾値は、例えば、スケジュールされているメンテナンスメッセージの送信間の時間の3倍を指すことができる。使用されるネットワークプロトコルがZigbeeネットワークプロトコルである場合、閾値は、例えば、Zigbeeメンテナンスステータススケジュール(maintenance status schedule)が15秒~30秒ごとにメンテナンスメッセージを送信することを示す場合、5分であることができる。しかしながら、閾値は、より低くても高くてもよい。その後、制御ユニットは、比較の結果に基づいてネットワークデバイスを制御するように構成される。とりわけ、制御ユニットは、比較の結果が、決定されたタイムスパンが所定の閾値を越えることを示す場合、ネットワークへの接続を再接続又は維持するための措置をとるためにネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。
【0016】
一実施形態において、ネットワーク情報は、ネットワークデバイスのネットワークネイバーフッドの一部である近隣ネットワークデバイスのネットワークネイバーフッドを示すネイバーフッド情報(neighborhood information)を含み、決定ユニットは、ネイバーフッド情報から自己関連接続情報を決定するように構成される。上述したように、ネットワークネイバーフッドは、例えば、使用される通信プロトコルによって定義されることができ、又はネットワークデバイスと近隣ネットワークデバイスとの間の空間的距離によって定義されることがきる。近隣ネットワークデバイスのネイバーフッド情報は、例えば、各ネットワークデバイスによって送信されるメンテナンスメッセージの一部として提供されることができ、又はネットワークデバイスから要求を受けた後にネットワークデバイスに提供されることができる。さらに、ネイバーフッド情報は、例えば、他のメンテナンス情報(maintenance information)とともに、メンテナンスメッセージの一部として所定の間隔で送信されることができる。ネイバーフッド情報は、近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドの一部であるとみなされるすべてのネットワークデバイスの識別子、例えば、識別番号を含むことができる。また、識別番号の代わりに、ネイバーフッド情報は、近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドの一部であるとみなされる各ネットワークデバイスを識別する他の識別子、例えば、ネットワークデバイスのロケーション、例えばユーザによって、ネットワークデバイスに与えられる名前、ネットワークにおけるネットワークデバイスの特定の機能、ネットワークの階層構造におけるネットワークデバイスの位置等を含むことができる。さらに、ネイバーフッド情報は、識別子以外のネイバーフッドの一部であると考えられるネットワークデバイスに関する情報を含むことができる。例えば、ネイバーフッド情報は、識別子に加えて、ネットワークデバイスとの接続品質を示すデータ、ネットワークデバイスの接続のステータスに関する情報、ネットワークの構造的階層におけるネットワークデバイスの地位に関する情報、接続帯域幅、使用される通信プロトコル等のネットワークデバイスの接続特性に関する情報等を含むことができる。
【0017】
その後、決定ユニットは、ネイバーフッド情報から1つ以上の自己関連接続情報を決定するように構成される、すなわち、ネイバーフッド情報からネットワークデバイス自身に関連する情報を抽出するように構成される。例えば、決定ユニットは、ネットワークデバイスの識別子、ネットワークデバイスによって使用される通信プロトコル、ネットワークデバイスと近隣ネットワークデバイスとの間の接続の品質、及びネイバーフッド情報からのネットワークデバイス自身に関連する他の情報を自己関連接続情報として抽出するように構成されることができる。その後、制御ユニットは、例えば、ネットワークとの接続を維持するためにネットワークデバイスが近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドの一部であると認識されるようにするための措置をとるためにネットワークデバイスを制御する必要があるかどうかを、自己関連ネイバーフッド情報を含む自己関連接続情報に基づいて判断するように構成されることができる。
【0018】
好ましい実施形態において、決定ユニットは、ネイバーフッド情報から、ネットワークデバイスが、近隣ネットワークデバイスによって、近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドに属することが知られているかどうかのインディケーションを自己関連接続情報として決定するように構成される。決定ユニットは、例えば、近隣ネットワークデバイスによって提供されるネイバーフッド情報においてネットワークデバイスの識別子を検索することによって、ネットワークデバイスが、近隣ネットワークデバイスによって、近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドに属するものとして知られているかどうかを判断するように構成されることができる。近隣ネットワークデバイスのネイバーフッド情報がネットワークデバイス自身の識別子を含んでいない場合、ネットワークデバイスは、ネットワークデバイスが、近隣ネットワークデバイスによって、近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドに属するものとして知られていないと判断するように構成されることができる。決定ユニットが、ネットワークデバイス自身の識別子が近隣ネットワークデバイスのネイバーフッド情報の一部として提供されていると判断する場合、決定ユニットは、ネットワークデバイスが、近隣ネットワークデバイスによって、近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドに属するものとして知られていると判断するように構成されることができる。その後、制御ユニットは、ネットワークデバイスを制御するために、ネットワークデバイス自身が、近隣ネットワークデバイスによって、近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドに属するものとして知られているかどうかの情報を含む自己関連接続情報に基づいてネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。追加的に、決定ユニットは、先の近隣ネットワークデバイスから受ける情報を検証するために、ネットワークデバイスのネイバーフッドに属する他の近隣ネットワークデバイスのネイバーフッド情報から、ネットワークデバイスが他の近隣ネットワークデバイスによって知られているかどうかをさらに判断するように構成されることができる。例えば、ネットワークデバイスが近隣ネットワークデバイスによって知られていない場合、決定ユニットは、ネットワークデバイスが、ネイバーフッド内の他の近隣ネットワークデバイスによって知られているかどうかを検証するように構成されることができ、その結果に基づいて、制御ユニットは、ネットワークデバイスと近隣ネットワークデバイスとの間のネットワーク接続を維持するためにネットワークデバイスの存在を近隣ネットワークデバイスに通知するための措置をとるためにネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。さらに、制御ユニットは、ネットワークデバイスが近隣ネットワークデバイスのうちの1つによって、又は所定の数の近隣ネットワークデバイスによって知られていないと判断される場合、ネットワーク接続を維持するための措置をとるように構成されることもできる。
【0019】
一実施形態において、ネイバーフッド情報は、2つのネットワークデバイス間のネットワーク接続の品質を示す接続品質データを含み、決定ユニットは、接続品質データから自己関連接続情報を決定するように構成される。接続品質データは、2つのネットワークデバイス間のネットワーク接続の品質を示し、例えば、接続品質データは、品質値を指すことができる。品質値は、受信信号強度、例えば、受信信号強度インジケータ(RSSI: received signal strength indicator)、通信信号のレイテンシ、パケット送信遅延、通信パケット損失又は送信再試行の数、信号対雑音比、再ブロードキャスト中に使用されるパッシブアクノリッジメント(passive acknowledgement)等を示すことができる。自己関連接続情報は、ネットワークデバイス自身に関連する接続品質データからの情報を指す。例えば、接続品質データから決定される自己関連接続情報は、近隣ネットワークデバイスによって認識されるようなネットワークデバイスと近隣ネットワークデバイスとの間の接続品質を指すことができる。また、接続品質データから決定される自己関連接続情報は、ネットワークデバイスによって送信され、近隣ネットワークデバイスによって受信されるデータの品質を指すことができる。その後、制御ユニットは、接続品質データに基づいてネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。一実施形態において、制御ユニットは、接続品質データからの情報が接続品質が所定の閾値を下回ることをを示す場合、近隣ネットワークデバイスとの接続を維持する又は近隣ネットワークデバイスに再接続するための措置をとるためにネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。
【0020】
一実施形態において、決定ユニットは、ランダムに選択された近隣ネットワークデバイスのネイバーフッド情報から自己関連接続情報を決定するように構成される。例えば、ネットワークデバイスが、メンテナンスメッセージの一部として、複数の近隣ネットワークデバイスのネイバーフッド情報を定期的に受信する場合、決定ユニットは、近隣ネットワークデバイスをランダムに選択し、ランダムに選択された近隣ネットワークデバイスのネイバーフッド情報から自己関連接続情報を決定するように構成されることができる。この実施形態は、時間の経過とともに、近隣ネットワークデバイスの各々からのネイバーフッド情報が自己関連接続情報を決定するために使用されるようにし、斯くして、近隣ネットワークデバイスの各々とのネットワークデバイスの接続を時間的にチェックすることを可能にする。ランダムに選択された近隣ネットワークデバイスのネイバーフッド情報から自己関連接続情報を決定した後、決定ユニットは、別の近隣ネットワークデバイス、とりわけ、別のランダムに選択された近隣ネットワークデバイスからのネイバーフッド情報からさらに自己関連接続情報を決定するように構成されることができる。
【0021】
好ましい実施形態において、決定ユニットが、ランダムに選択された近隣ネットワークデバイスのネイバーフッド情報から、ネットワークデバイスの識別子が近隣ネットワークデバイスに知られていると判断する場合、決定ユニットはさらに、ランダムに選択された近隣ネットワークデバイスのネイバーフッド情報から接続品質データを判断するように構成されることができる。例えば、決定ユニットは、近隣ネットワークデバイスとのネットワークデバイスの接続の品質が許容範囲内であるかどうかをチェックするように構成されることができる。この場合、決定ユニットは、利用可能な近隣ネットワークデバイスのすべてのネイバーフッド情報が処理されるまで、又はネイバーフッド情報のうちの1つが近隣ネットワークデバイスのうちの1つへのネットワークデバイスの接続の障害を示すまで、これらのパラメータを決定するために次のランダムに選択された近隣ネットワークデバイスの次のネイバーフッド情報を選択するように構成されることができ、決定ユニットは、この情報を制御ユニットに自己関連接続情報として提供するように構成されることができる。
【0022】
好ましい実施形態において、ネイバーフッド情報は、ネイバーフッドテーブルを含み、ネイバーフッドテーブルは、ネイバーフッドテーブルを送信するネットワークデバイスのネイバーフッドの一部であると考えられるすべてのネットワークデバイスの識別子を含む。好ましくは、ネイバーフッド情報は、ネイバーフッドテーブルを送信するネットワークデバイスのネイバーフッドの一部であると考えられるネットワークデバイスに関連するさらなるネットワーク関連パラメータを含む。さらなるネットワーク関連パラメータは、好ましくは、接続品質データを含む。
【0023】
一実施形態において、制御ユニットは、自己関連接続情報がネットワークへのネットワークデバイスの接続に障害がある(failing)ことを示す場合、ネットワークに再接続するための又はネットワークへの接続を維持するための措置をとるためにネットワークデバイスを制御するように構成される。ネットワークとのネットワークデバイスの接続は、1つ以上の近隣ネットワークデバイスへのネットワークデバイスの接続に障害がある場合に障害があると判断されることができる。また、障害があることは、ネットワークへの又は1つ以上の近隣ネットワークデバイスへの接続が完全に失われることを含むことができる。好ましくは、ネットワークへの接続に障害があることは、近隣ネットワークデバイスへの複数の接続が失われる、又は近い将来に失われることを示す場合に示される。近隣ネットワークデバイスとの接続の障害(failure)は、例えば、自己関連接続情報について上記で与えられた例のうちの1つ以上の組み合わせによって示されることができる。例えば、近隣ネットワークデバイスへの接続の障害は、接続品質の低下、当該ネットワークデバイスが1つ以上の近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドテーブルの一部ではないとの判断、及び/又は当該ネットワークデバイス自身によりメンテナンスメッセージの送信をやめること(quitting)によって示されることができる。その後、ネットワークの構造、例えば、ネットワークの階層的順序に基づいて、制御ユニットは、近隣ネットワークデバイスへの1つ以上の障害がある接続に基づいて、ネットワークデバイスの接続に障害があると判断するように構成されることができる。
【0024】
好ましくは、制御ユニットは、自己関連接続情報がネットワークへのネットワークデバイスの接続に障害があることを示す場合、ネットワークデバイスが自身をリセットするように制御するように構成される。ネットワークデバイスのリセットは、例えば、ネットワークデバイスのパワーダウン及びパワーアップ、ネットワークデバイスの一部のパワーダウン及びパワーアップ、ネットワークとの通信のリセット、例えば、ネットワークへの再接続メッセージの送信、チャネル又はネットワークスキャンの実行等を含むことが可能である。追加的に又は代替的に、制御ユニットは、例えば、通信又はメンテナンスメッセージを送信するためのパワーを増加させること、例えば異なる通信チャネル上のノイズに基づいて、より適した通信チャネルを決定すること等によって、ネットワークに再接続するための又はネットワークへの接続を維持するための他の措置をとるように構成されることができる。
【0025】
代替的に、又は追加的に、一実施形態において、制御ユニットは、自己関連接続情報がネットワークデバイスの接続に障害があることを示す場合、ネットワークへの接続に障害があるという情報をユーザ及び/又は他のネットワークデバイスに提供するためにネットワークデバイスを制御するように構成される。ネットワークデバイスの障害があるネットワーク接続に関する情報がユーザ又は他のネットワークデバイスに提供されるので、ユーザ又は他のネットワークデバイスは、ネットワークデバイスのネットワーク接続が欠落していることに従って対応することが可能になる。例えば、ネットワークデバイスのリセットによっても、ネットワークデバイスが、ネットワークに再接続できない、又はネットワークへの安定した接続を維持できない場合、制御ユニットは、この情報をユーザに提供し、ユーザが、例えば、ネットワークデバイスを交換する、又はネットワークデバイスを修理することによって介入できるように構成されることができる。さらに、他のネットワークデバイスが、ネットワークデバイスによって、ネットワークへの、例えば、近隣デバイスの少なくとも1つへのネットワークデバイスの接続に障害があることが通知されるので、他のネットワークデバイスは、この情報に対応することができる。例えば、他のネットワークデバイスは、障害があるネットワークデバイスを含まない通信経路の計画を開始することができる、欠落したネットワークデバイスを補償するためにネットワークの構造及び/又は階層的順序を再構成することができる、ネットワークデバイスに再接続信号を提供することができる、及び/又はネットワークデバイスに通信信号が送信される通信パワーを増大させることができる。斯くして、障害があるネットワークデバイス自身が、可能性のある又は差し迫った障害を認識するので、及び、ネットワークデバイスが、可能であれば、この障害を他のネットワークデバイスに直接通信するので、障害の情報は、ネットワークデバイスの実際の障害のかなり前にネットワークで利用可能になり得る。斯くして、障害があるネットワークデバイスを防止する、又は、これが可能ではない場合、障害があるネットワークデバイスに対処するための措置がネットワークで直接利用可能になり、ネットワークのセルフヒーリングケイパビリティがさらに向上する。
【0026】
好ましい実施形態において、ネットワークは、ZigBeeネットワークであり、ネットワークデバイスは、ZigBeeネットワークの一部であるように構成される。代替的に、ネットワークは、スターセンスネットワークであることができ、ネットワークデバイスは、スターセンスネットワークの一部であるように構成されることができる。さらに、ネットワークは、ネットワークをメンテナンスするために又はネットワークの構造及び健全性を決定するためにビーコンメッセージ等の定期的なメンテナンスメッセージを使用するネットワークトポロジ、すなわち、ネットワーク構造に従う任意の他のワイヤレスネットワークプロトコルに基づくことができる。
【0027】
本発明の別の態様において、複数のネットワークデバイスのネットワークの一部であるように構成されるネットワークデバイスであって、ネットワークデバイスを動作させるための上述した実施形態による動作装置を含む、ネットワークデバイスが提供される。好ましくは、ネットワークデバイスは、例えば、ホームコントロールアプリケーション、オートメーションアプリケーション、産業用オートメーションアプリケーション、セキュリティアプリケーション、電力計測アプリケーション等の一部であるスマートネットワークデバイスであり、ネットワークデバイスは、汎用コンピュータデバイス又はスマートフォン等のポータブルコンピュータデバイスを指すものではない。好ましい実施形態において、ネットワークデバイスは、照明ケイパビリティを含み、例えば、スマート照明デバイスを指す。
【0028】
本発明の別の態様では、ネットワークであって、上述した実施形態によるネットワークデバイスを含む、ネットワークが提供される。好ましくは、ネットワークは、Zigbeeネットワーク通信プロトコルに基づく。代替的に、ネットワークは、スターセンスワイヤレス通信プロトコル、又はメッシュトポロジ、すなわち、ネットワーク構造に関する知識を利用する任意の他のワイヤレスネットワークプロトコルに基づくことができる。とりわけ、ネットワークは、上述したような少なくとも1つのネットワークデバイスと、ネットワークデバイスと同一又は他の機能を有する、上述したようなネットワークデバイスを指すこともできる、すなわち、動作装置を含む、複数の他のネットワークデバイスとを含み、動作装置を有さない追加のネットワークデバイスを含むこともできる。好ましくは、ネットワークは、上述したような3つ以上のネットワークデバイスを含み、さらに、例えば、ネットワークに情報を送信することしかできないセンサデバイス等、制限されたネットワークケイパビリティを有する追加のネットワークデバイスを含んでもよい。
【0029】
本発明の別の態様では、複数のネットワークデバイスを含むネットワークの一部であるように構成されるネットワークデバイスを動作させるための動作方法であって、動作方法は、a)ネットワーク情報を提供することであって、ネットワーク情報は、ネットワークをメンテナンスするためにネットワークデバイス及び/又はネットワークデバイスの近隣ネットワークデバイスによって送信されるメンテナンスメッセージに関する情報を含み、近隣ネットワークデバイスは、ネットワークデバイスと同じネットワークの一部である、ことと、b)ネットワーク情報から自己関連接続情報を決定することであって、自己関連接続情報は、ネットワークとのネットワークデバイス自身の接続に関する情報を指す、ことと、c)自己関連接続情報に基づいてネットワークデバイスを制御することとを含む、動作方法が提供される。
【0030】
本発明のさらなる態様では、ネットワークデバイス動作させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムは、上記の動作装置に、コンピュータプログラムが動作装置によって実行された場合に上記の動作方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラムが提供される。
【0031】
請求項1の動作装置、請求項11の方法及び請求項12のコンピュータプログラムは、同様及び/又は同一の好適な実施形態、とりわけ、従属請求項に記載されるような実施形態を有することを理解されたい。
【0032】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項又は上記の実施形態とそれぞれの独立請求項との任意の組み合わせであり得ることも理解されたい。
【0033】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】ネットワークの一部であるネットワークデバイスを動作させるための動作装置の一実施形態を概略的且つ例示的に示す。
【
図2】例示的な動作装置によって動作されるネットワークデバイスを含むネットワークのレイアウトを概略的且つ例示的に示す。
【
図3】ネットワークデバイスを動作させるための方法の一実施形態を例示的に示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、ネットワークの一部であるネットワークデバイスを動作させるための動作装置の一実施形態を概略的及び例示的に示している。以下の実施形態において、動作装置110は、例えば、ネットワークデバイスの環境を照明するための照明モジュールであるネットワークデバイス101を動作させるように構成される。ネットワークデバイス101は、ネットワークデバイス101に加えて、さらなるネットワークデバイス102、103、104を含むネットワーク100の一部である。この例では、ネットワークデバイス103、104は、ネットワークデバイス101のネットワークネイバーフッドの一部であるとみなされることができ、斯くして、近隣ネットワークデバイスとみなされることができる。この場合、ネットワークデバイス101のネットワークネイバーフッドは、ネットワークデバイス101がネットワークをメンテナンスするためのメンテナンスメッセージ106、107を受けることができるネットワークのネットワークデバイスによって定義される。
図1において提供される例では、ネットワークデバイス102もネットワークの一部であるが、ネットワークデバイス101がネットワークデバイス102から送信されるメンテナンスメッセージを受信できないので、ネットワークデバイス101のネイバーフッドの一部ではない。
【0036】
ネットワークデバイス101を動作させるための動作装置110は、ネットワーク情報提供ユニット111、決定ユニット112及び制御ユニット113を含む。この実施形態では、動作装置110は、ネットワークデバイス101に直接接続され、とりわけ、ネットワークデバイス101と同じハウジング(図示せず)に設けられる。
【0037】
ネットワーク情報提供ユニット111は、この場合、例えば、ネットワーク100の他のネットワークデバイス102、103、104に信号を送信する及びこれらから信号を受信するように構成されるネットワークデバイス101のトランシーバから、ネットワーク情報を受信するための受信ユニットである。ネットワーク情報提供ユニット111から受けるネットワーク情報は、ネットワークデバイス及び/又は近隣ネットワークデバイス103、104によって送信及び/又は受信されるメンテナンスメッセージ105、106、107に関する情報を指す。ネットワーク情報提供ユニット111によって受けるネットワーク情報は、例えば、送信及び受信されたメンテナンスメッセージ105、106、107のタイミング、又は近隣ネットワークデバイス103、104から受けるネイバーフッド情報であることができ、好ましくは、ネイバーフッド情報は、ネイバーフッドテーブルを送信するネットワークデバイスのネイバーフッドの一部であると考えられるすべてのネットワークデバイスの識別子を含むネイバーフッドテーブルの形態をとる。ネットワーク情報を受信した後、例えば、近隣ネットワークデバイス103からのネイバーフッドテーブルを含むメンテナンスメッセージ106を受信した後、ネットワーク情報提供ユニット111は、ネットワーク情報を決定ユニット112に提供する。
【0038】
決定ユニット112は、ネットワーク情報提供ユニット111によって提供されるネットワーク情報から自己関連接続情報を決定するように構成される。自己関連接続情報は、ネットワーク100とのネットワークデバイス101自身の接続に関する情報を指す。例えば、近隣ネットワークデバイス103のネイバーフッドテーブルを含むネットワーク情報を受信した後、決定ユニット112は、ネットワークデバイス101自身と関係があるネイバーフッドテーブルのすべての情報を決定又は抽出することができる。ネイバーフッドテーブルの場合、自己関連接続情報は、近隣ネットワークデバイス103がネットワークデバイス101を自身のネイバーフッドの一部であると考えていることを示すネットワークデバイス101のネットワーク識別子が近隣ネットワークデバイス103のネイバーフッドテーブルに存在するかどうか判断することができる。さらに、決定ユニット112は、ネットワークデバイス101のネットワーク識別子が近隣ネットワークデバイス103のネイバーフッドテーブルに存在すると判断する場合、近隣ネットワークデバイス103によって認識されるようなネットワークデバイス101と近隣ネットワークデバイス103との間の接続の品質を示す接続品質情報をネイバーフッドテーブルからさらに抽出するように構成されることができる。
【0039】
別の実施形態では、ネットワーク情報は、ネイバーフッドテーブルに追加的に又は代替的に、ネットワークデバイス101のトランシーバによって送信及び受信されるメンテナンスメッセージ105、106、107のタイミング情報を含むこともできる。この例では、決定ユニット112は、送信及び受信されたメンテナンスメッセージ105、106、107のタイミング情報から自己関連接続情報を決定するように構成されることができる。好ましくは、決定ユニットは、自己関連接続情報として又は自己関連接続情報の一部として、ネットワークデバイス101自身によるメンテナンスメッセージ105の最後の送信からのタイムスパンを決定するように構成される。決定されたタイムスパンが所定の閾値よりも大きい場合(閾値は、例えば、ネットワーク100によって使用される通信プロトコルによって提供されるメンテナンスメッセージのタイミングスケジュールに基づいて決定されることができる)、これは、ネットワークデバイス101がネットワーク100への接続を失ったことを示すことができる。
【0040】
自己関連接続情報の決定後、制御ユニット113は、ネットワークデバイス101を制御するために自己関連接続情報を使用する。とりわけ、自己関連接続情報が、ネットワークデバイス101がネットワーク100への接続を失ったこと、又はネットワーク100との接続を失うリスクがあることを示す場合、制御ユニットは、ネットワークデバイス101がネットワーク接続の喪失を防止するための又はネットワーク100への接続を回復するための措置をとるようにネットワークデバイス101を制御するように構成されることができる。とりわけ、制御ユニット113は、ネットワークデバイス101がリセットされるようにネットワークデバイス101を制御するように構成されることができる。リセットは、例えば、ネットワークデバイス101の、又はネットワークデバイス101のハードウェア若しくはソフトウェアの個々の部分のパワーダウン及びパワーアップによって実現されることができる。一例では、自己関連ネットワーク情報が、ネットワークデバイス101のトランシーバが、ネットワーク100の通信プロトコルのメンテナンスメッセージスケジュールによってスケジュールされるようにネットワークにメンテナンスメッセージ105を送信していないことを示す場合、制御ユニットは、ネットワークデバイス101のトランシーバを制御するソフトウェアの一部をリスタートするためにネットワークデバイス101を制御するように構成されることができる。
【0041】
代替的に、又は追加的に、制御ユニット113は、自己関連接続情報がネットワークデバイスの接続が失敗している又は失敗したことを示す場合、ユーザ及び/又は他のネットワークデバイス102、103、104に情報を提供するためにネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。例えば、ユーザ又は他のネットワークデバイスに通知するために、制御ユニット113は、ネットワーク接続の問題を示すオーディオ及び/又は光信号等の信号を提供するためにネットワークデバイス101を制御するように構成されることができる。または、外部信号インディケーションが可能ではない場合、ネットワークデバイスは、障害が発生したことを示すために自身の診断属性の1つ、例えば、ネットワークデバイスに記憶される診断ネットワークプロトコルを、任意選択的に障害に関するさらなる情報とともに、更新し、ユーザが後で障害をリトレース(retrace)することが可能になるようにすることができる。さらに、依然としてデバイス101のネットワーク接続の少なくとも一部が利用可能である場合、例えば、ネットワークデバイス101が近隣ネットワークデバイス103、104の少なくとも一方にメッセージを送信する可能性を依然有している場合、制御ユニット113は、ネットワークデバイス101が自身のネットワーク接続問題をネットワーク100に通知するために近隣ネットワークデバイス103、104の少なくとも一方に通知を送信するようにネットワークデバイス101を制御するように構成されることができる。近隣ネットワークデバイス103、104は、ネットワークデバイス101からのこのような通知を検出するように構成されることができる、並びに/又は、ネットワークデバイス101の照明信号の変化を検出する及び/若しくはネットワークデバイス101のオーディオ信号を検出するように構成されることができる。その後、ネットワークデバイス102、103、104は、例えば、ネットワーク100の階層的順序等のネットワーク100の構造を再構成することによって、ネットワークデバイス101を含まない新しい通信経路を探索することによって、及び/又は、例えば、ネットワーク100の通信信号の信号強度を高めることにより、ネットワークデバイス101をネットワーク100に再接続することを試みることによって、相応に対応するように構成されることができる。追加的に、又は代替的に、ネットワークデバイス101の通知を知覚するユーザは、ネットワークデバイス101の通知に対応する、とりわけ、ネットワークデバイス101自身によるネットワーク100への接続を再確立するための少なくとも1回の試みが、例えば、ネットワークデバイス101の何らかのハードウェアコンポーネントが永久的に損傷して交換される必要があり得ることを示すように失敗した場合、ネットワーク100への接続を再確立することを手動で試みることができる。
【0042】
図2は、上述したような動作装置が適用可能であるネットワーク200を概略的且つ例示的に示している。例示的なネットワーク200は、ネットワーク200内の通信にZigbee通信プロトコルを使用する。ネットワーク200は、この例では、Zigbee規格に従って、ネットワークをコーディネートするZigbeeコーディネータ210と、
図2にアルファベット文字で示される複数のZigbeeルータ230とを含む。さらに、ネットワーク200は、Zigbeeルータ230のうちの1つと通信する複数のZigbeeエンドデバイス220を含む。ここで述べられる実施形態では、Zigbeeコーディネータ及びZigbeeルータはすべて、ネットワークデバイスを動作させるための上述した動作装置を備える。Zigbeeネットワーク200のセルフヒーリングケイパビリティを向上させるために、Zigbeeコーディネータ210及びZigbeeルータ230の各々の動作装置、とりわけ、動作装置の決定ユニットは、各Zigbeeリンクステータスメッセージ(link status message)、すなわち、Zigbee規格のメンテナンスメッセージがそれぞれのデバイスによって送信された時刻を判断することになる。Zigbeeエンドデバイス220はスリープモードに移行するケイパビリティを有するので、エンドデバイス220は、この実施形態では動作装置を備えない。さらに、Zigbeeルータ230及びZigbeeコーディネータ210の動作装置は、近隣ネットワークデバイスの受信したリンクステータスメッセージから自己関連接続情報をさらに決定することになる。
【0043】
例えば、ZigbeeルータDは、ZigbeeルータA、B、E、H及びZigbeeコーディネータ210からリンクステータスメッセージを受信することができる。斯くして、この例では、ZigbeeルータA、B、E、H及びコーディネータ210は、ZigbeeルータDのネットワークネイバーフッドの一部とみなされることができる。この場合、ZigbeeルータDの動作装置の決定ユニットは、自己関連接続情報を決定するための基礎として、ZigbeeルータA、B、E、H及びZigbeeコーディネータ210から受信するリンクステータスメッセージの1つをランダムに選択するように構成されることができる。例えば、決定ユニットは、ランダムに選択されたリンクステータスメッセージから、ZigbeeルータDとランダムに選択された近隣Zigbeeルータ、例えば、ZigbeeルータAとの間の接続品質を自己関連接続情報として決定することができる。この場合、ZigbeeルータDの制御ユニットは、ZigbeeルータAによって認識される接続品質が所定の閾値を下回る場合、ZigbeeルータDがオフラインになった、又はオフラインになる過程にあると判断するように構成されることができる。
【0044】
追加的に、又は代替的に、ZigbeeルータDの制御ユニットは、最後に送信されたリンクステータスメッセージからのタイムスパンが、ある閾値、例えば、5分を超える場合、ZigbeeルータDがオフラインになった、又はオフラインになる過程にあると判断するように構成されることができる。いずれの場合も、制御ユニットは、例えば、ネットワーク200に再接続するためにパワーダウンし、再びパワーアップすることによって、ZigbeeルータDが自身を回復するように制御するように構成されることができる。したがって、ネットワーク200への接続の問題は、ZigbeeルータD自身がネットワーク200との接続を再確立又は維持するための措置をとることができるようにZigbeeルータD自身によって判断されることができる。これにより、Zigbeeネットワーク200のセルフヒーリングケイパビリティが向上する。
【0045】
以下では、ネットワーク100の一部であるネットワークデバイス101を動作させるための方法300の一実施形態が、
図3に示されるフローチャートを参照して述べられる。動作方法300は、ネットワーク情報を提供する第1のステップ310を含み、ネットワーク情報は、ネットワーク100をメンテナンスするためにネットワークデバイス101及び/又はネットワークデバイス101の近隣ネットワークデバイス103、104によって送信されるメンテナンスメッセージ105、106、107に関する情報を含む。第2のステップ320において、自己関連接続情報がネットワーク情報から決定され、自己関連接続情報は、ネットワーク100とのネットワークデバイス101自身の接続に関する情報を指す。自己関連接続情報に基づいて、方法300は、ステップ330において、ネットワークデバイス101を制御することを含む。とりわけ、ネットワークデバイス101を制御することは、例えば、ネットワークデバイス101をパワーダウン及びパワーアップすることにより、ネットワークデバイス101をリセットすることを含むことができる。
【0046】
複数のネットワークデバイスを含むワイヤレスネットワークにとって、重要な課題の一つは、ネットワークがセルフヒーリングすること及び大きな問題なく通信が継続するようにすることである。このため、Zigbeeスタック実装等、メッシュネットワークスタック実装は、ネットワークデバイスのすべての近隣ネットワークデバイスに関する情報が定期的に更新されるようにする。これは、本質的にレジリエントなネットワークにつながる。とりわけ、すべての近隣ネットワークデバイスに関する情報が各ネットワークデバイスに知られるので、あるネットワークデバイスから別のネットワークデバイスへの通信の代替経路は非常に容易に見つけられることができる。しかしながら、ネットワークのセルフヒーリング挙動は、主に近隣ネットワークデバイスの障害を検出することに基づくのに対し、ネットワークデバイスは、自身が他のネットワークデバイスによって到達不能であるかどうかを検出することができない。したがって、本発明は、ネットワークデバイスがネットワークへの接続の問題を有するかどうかを自ら判断することを可能にする動作装置、方法及びコンピュータプログラムに重点が置かれる。
【0047】
例えば、本発明は、依然パワーオンされているが他のネットワークデバイスによって到達できないネットワークデバイスが、とりわけ、近隣ネットワークデバイスのネイバーフッドテーブルを作成及び維持するために使用される、ネットワークをメンテナンスするメンテナンスメッセージがスケジュールに従って送信されているか否かを定期的にチェックすることによって、自ずとこの問題を検出することを可能にする。例示的な実施形態では、照明デバイスが、メッシュネットワークにワイヤレスに接続される。メッシュネットワークは、現在のネットワークを維持するため及び新しいネットワークデバイスをネットワークに更新するため及び到達不能なネットワークデバイスをネットワークから除去するためにネイバーフッドテーブルを使用する。とりわけ、メンテナンスメッセージ、例えば、定期データメッセージ又はデータを持たないイベントメッセージは、ネットワークデバイスによって、自身のネイバーフッドテーブルを更新するために使用される。その後、ネットワークデバイスは、近隣ネットワークデバイスにおけるネイバーフッドテーブルをメンテナンスするために送信される自身のメンテナンスメッセージを監視することができる。代替的に、又は追加的に、ネットワークデバイスは、近隣ネットワークデバイスがネットワークデバイスをそのネイバーフッドの一部とみなすように近隣デバイスのネイバーフッドテーブルがネットワークデバイス自身の識別子を含んでいるかどうかをチェックすることもできる。
【0048】
一般に、ワイヤレス通信が可能なネットワークデバイスは、メッセージ、例えば、無線(radio)メッセージを送信及び受信するためのトランシーバを含む。ほとんどのワイヤレスベースのネットワークにおいて、スリープモードに入らない各ネットワークデバイス、Zigbeeネットワークの場合、特にZigbeeルータ及びZigbeeコーディネータは、ネットワークを常にアライブに保つためにメンテナンスメッセージを送信し続ける。これらのメンテナンスメッセージに基づき、ほとんどのネットワークにおいて、ネットワークデバイスは、ネットワークデバイスのネットワークネイバーフッドの一部であるすべてのネットワークデバイスを識別するネイバーフッドテーブルをメンテナンスする。例えば、Zigbeeアプリケーションでは、リンクステータスメッセージが、最近傍にある、すなわち、ハブカウントが1であるすべてのネットワークデバイスに定期的な間隔で送信される。Zigbeeアプリケーションの場合、リンクステータスメッセージは、リンクステータスメッセージを送信するネットワークデバイスのすべての近隣ネットワークデバイスのネットワークアドレス、すなわち、ネットワーク識別子と、インカミング/アウトカミングリンク品質情報(incoming/outcoming link quality information)、すなわち、接続品質データとを含む。Zigbee通信プロトコルにおけるリンクステータスメッセージの詳細に関する情報は、例えば、ZigBee仕様書(2014年12月16日版)の3.4.8節で見ることができる。
【0049】
Zigbeeネットワークの場合、リンクステータスメッセージは、ネットワークの他のネットワークデバイスにネットワークデバイスの存在を通知するために、数秒ごと、とりわけ、15~30秒ごと等、定期的に送信される。提案される発明の一実施形態において、例えば動作装置によって処理される、ワイヤレスメッセージスタックは、最後の定期メンテナンスメッセージ、例えば、Zigbeeの場合、リンクステータスメッセージの送信時刻のノートを取る。
【0050】
さらに、提案される発明の一実施形態において、すべてのネットワークデバイス、とりわけ、ネットワークデバイスの一部である動作装置は、いつも同じ近隣ネットワークデバイスのメンテナンスメッセージが監視されないようにするためにランダムに受信した近隣ネットワークデバイスのメンテナンスメッセージにおけるネイバーフッドテーブル内の自身のエントリ、すなわち、ネットワーク識別子を監視する。とりわけ、ネットワークデバイス、とりわけ、ネットワークデバイスの動作装置は、定期メンテナンスメッセージを監視し、単に近隣ネットワークデバイスを追加又は除去するだけでなく、メンテナンスメッセージ内の自身のエントリ、すなわち、ネットワーク識別子を探すように構成されることができる。エントリが存在する場合、リンク品質インジケータ、すなわち、接続品質データが、ネットワークデバイスが近隣ネットワークデバイスによってどの程度到達可能であると考えられているかを判断するために考慮されることができる。複数の近隣ネットワークデバイスから決定される当該ネットワークデバイスについてのリンク品質インジケータが閾値を越える、例えば、Zigbeeの場合、255のうち180を越える場合、ネットワークデバイスは、健全であると自ずと考えることができる。このネットワークデバイスについてのリンク品質インジケータが、少なくとも1つの近隣デバイスから見てある期間にわたって劣化(degradation)を示す場合、ネットワークデバイス自身がオフラインになる過程、すなわち、障害があることに気付くことができる。
【0051】
同じ一般原理は、ネットワークのセルフヒーリングケイパビリティを向上させるためにZigbeeスタック又はBluetooth low energy(BLE)スタックに実装されることができる。さらに、スターセンスワイヤレスソリューションで使用されるスタックも、上記の原則に基づいて適応されることができる。スターセンス無線周波数スタックの場合、メンテナンスメッセージ、すなわち、ビーコンは、ネットワーク内のネイバーフッドテーブル、すなわち、ネットワークテーブルのメンテナンスを可能にするために90秒ごとに送信される。
【0052】
上記の実施形態において、本発明は主にZigbeeネットワークに基づいて説明されたが、ネットワークは、例えば、スターセンス通信プロトコル、BLEメッシュ通信プロトコル、6LoWPAN通信プロトコル等、他のネットワーク通信プロトコルを使用することもできる。さらに、上記の実施形態において、ネットワークデバイスは、照明機能を果たすために照明ユニットを含むが、他の実施形態では、ネットワークデバイスは、例えば、センサ機能、エンターテイメント機能、環境操作機能等、他の機能を提供することができる。
【0053】
図面、本開示、及び添付の請求項の検討によって、開示される実施形態に対する他の変形形態が、当業者により理解されることができ、また、特許請求される発明を実施する際に実行されることができる。
【0054】
請求項では、単語「含む」は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。
【0055】
単一のユニット又はデバイスが、請求項において列挙される、いくつかの項目の機能を果たしてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0056】
1つ又は複数のユニット又はデバイスによって実行される、ネットワーク情報の提供、自己関連接続情報の決定、ネットワークデバイスの制御等のプロシージャは、他の任意の数のユニット又はデバイスによって実行されることができる。例えば、これらのプロシージャは、単一のデバイスによって実行されることができる。これらのプロシージャは、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として、及び/又は専用ハードウェアとして実装されることができる。
【0057】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、又は他のハードウェアの一部として供給される、光学記憶媒体又は固体媒体等の、好適な媒体において記憶/頒布されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくはワイヤレス電気通信システムを介して等、他の形態で頒布されてもよい。
【0058】
請求項中のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0059】
本発明は、ネットワークのセルフヒーリングケイパビリティを向上させることができる装置を提供することであり、装置は、ZigBeeネットワーク等、ネットワークの一部であるように構成される。動作装置は、ネットワークデバイスを動作させるように構成され、ネットワーク情報提供ユニットであって、ネットワーク情報は、ネットワークをメンテナンスするためにネットワークデバイス及び/又は近隣ネットワークデバイスによって送信及び/又は受信されるメンテナンスメッセージに関する情報を指す、ネットワーク情報提供ユニットと、ネットワーク情報から自己関連接続情報を決定するための決定ユニットであって、自己関連接続情報は、ネットワークとのネットワークデバイス自身の接続に関する情報を指す、決定ユニットと、自己関連接続情報に基づいてネットワークデバイスを制御するための制御ユニットとを含む。
【国際調査報告】