(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-23
(54)【発明の名称】接続ユニット、電池モジュール、電池パック、及び電池モジュールを電源として使用するデバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 50/507 20210101AFI20221216BHJP
H01M 50/503 20210101ALI20221216BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20221216BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20221216BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20221216BHJP
【FI】
H01M50/507
H01M50/503
H01M50/588
H01M50/593
H01M50/204
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523699
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(85)【翻訳文提出日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 CN2020121315
(87)【国際公開番号】W WO2021078067
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】201910999598.2
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 文才
(72)【発明者】
【氏名】王 旭光
(72)【発明者】
【氏名】▲銭▼ 木
(72)【発明者】
【氏名】姚 己▲華▼
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA18
5H040AS07
5H040AS12
5H040AT02
5H040AY08
5H040DD03
5H040NN01
5H040NN03
5H043AA04
5H043AA11
5H043AA13
5H043CA04
5H043FA04
5H043GA24
5H043JA01F
5H043JA02F
5H043LA02F
5H043LA11F
5H043LA21F
(57)【要約】
本願は接続ユニット、電池モジュール、電池パック、及び電池モジュールを電源として使用するデバイスを開示する。接続ユニットは複数の接続片及び絶縁膜を含み、接続片は調整部及び接続部を含み、調整部は隣接する接続部の間に接続された突起として構成され、接続部は電池モジュールの電池セルを接続することに用いられ、絶縁膜は複数の接続片の一方側に設けられ、且つ絶縁膜には調整部と対応して設置された貫通孔が開口されている。接続片と絶縁膜とが一体成形されるとき、調整部が突起として設置されるため、貫通孔を設置することで絶縁膜の突起での延性を向上させることができ、突起に起因する絶縁膜のしわ、引き裂き等の問題を回避し、接続ユニットの製造効率を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続ユニットであって、電池モジュール(10)に用いられ、
調整部(111)及び接続部(112)を含み、前記調整部(111)は隣接する前記接続部(112)の間に接続された突起(111a)として構成され、前記接続部(112)は前記電池モジュール(10)の電池セル(4)を接続することに用いられる複数の接続片(11)と、
前記複数の接続片(11)の一方側に設けられ、且つ前記調整部(111)と対応して設置された貫通孔(H)が開口されている絶縁膜とを含む、接続ユニット。
【請求項2】
前記貫通孔(H)は第1貫通孔(H1)を含み、前記第1貫通孔(H1)は前記調整部(111)に位置し、且つ前記第1貫通孔(H1)は前記調整部(111)を収容することに用いられる、請求項1に記載の接続ユニット。
【請求項3】
前記第1貫通孔(H1)の前記接続部(112)が位置する平面での投影面積は、前記調整部(111)の前記接続部(112)が位置する平面での投影面積よりも大きい、請求項2に記載の接続ユニット。
【請求項4】
前記貫通孔(H)は第2貫通孔(H2)を含み、前記第2貫通孔(H2)は前記調整部(111)に位置し、且つ前記第2貫通孔(H2)は前記調整部(111)に密着して設置された突出部(T)を含む、請求項1に記載の接続ユニット。
【請求項5】
前記突出部(T)は、前記第2貫通孔(H2)の孔壁の内側に接続され、前記調整部(111)へ延伸する、請求項4に記載の接続ユニット。
【請求項6】
前記突出部(T)は、前記第2貫通孔(H2)の長手方向(X4)に位置する孔壁の内側に接続される、請求項5に記載の接続ユニット。
【請求項7】
前記突出部(T)は舌状の構造又は角形構造である、請求項4に記載の接続ユニット。
【請求項8】
前記第2貫通孔(H2)の幅は前記調整部(111)の幅以上である、請求項4に記載の接続ユニット。
【請求項9】
前記貫通孔(H)は第3貫通孔(H3)を含み、前記第3貫通孔(H3)は前記接続部(112)に位置し、且つ前記第3貫通孔(H3)は前記調整部(111)に近接して設置される、請求項1に記載の接続ユニット。
【請求項10】
前記第3貫通孔(H3)は前記調整部(111)の両側に対称的に分布する、請求項9に記載の接続ユニット。
【請求項11】
前記絶縁膜は、それぞれ前記複数の接続片(11)の両側に設けられる第1絶縁膜(12)及び第2絶縁膜(13)を含み、前記第1絶縁膜(12)及び前記第2絶縁膜(13)はいずれも前記貫通孔(H)が設置されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の接続ユニット。
【請求項12】
前記第1絶縁膜(12)及び前記第2絶縁膜(13)のうちの一方の絶縁膜に第1貫通孔(H1)が設置されており、他方の絶縁膜に第2貫通孔(H2)又は第3貫通孔(H3)が設置されており、
前記第1貫通孔(H1)は前記調整部(111)に位置し、前記第1貫通孔(H1)は前記調整部(11)を収容することに用いられ、
前記第2貫通孔(H2)は前記調整部(111)に位置し、且つ前記第2貫通孔(H2)は前記調整部(111)に密着して設置された突出部(T)を含み、
前記第3貫通孔(H3)は前記接続部(112)に位置し、且つ前記第3貫通孔(H3)は前記調整部(111)に近接して設置される、請求項11に記載の接続ユニット。
【請求項13】
前記接続ユニットはサンプリングユニット(14)をさらに含み、前記サンプリングユニット(14)は前記複数の接続片(11)に接続され、且つ前記サンプリングユニット(14)と前記複数の接続片(11)とは前記絶縁膜を介して一体構造として接続される、請求項1~10のいずれか1項に記載の接続ユニット。
【請求項14】
電池モジュールであって、積んで設置された複数の電池セル(4)、及び請求項1~13のいずれか1項に記載の接続ユニット(1)を含み、前記複数の接続片(11)は前記複数の電池セル(4)の電極リード線に接続される、電池モジュール。
【請求項15】
電池パックであって、ボックス及び請求項14に記載の電池モジュール(10)を含み、前記電池モジュール(10)は前記ボックス内に収容される、電池パック。
【請求項16】
電池モジュールを電源として使用するデバイスであって、駆動装置及び請求項14に記載の電池モジュール(10)を含み、前記駆動装置は前記デバイスに駆動力を提供することに用いられ、前記電池モジュール(10)は前記駆動装置に電気エネルギーを提供するように配置される、電池モジュールを電源として使用するデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年10月21日に提出された、名称が「接続ユニット、電池モジュール、電池パック、及び電池モジュールを電源として使用するデバイス」である中国特許出願201910999598.2の優先権を主張し、当該出願の全内容は援用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本願は電池の技術分野に関し、特に接続ユニット、電池モジュール、電池パック、及び電池モジュールを電源として使用するデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
現在、自動車業界の各自動車メーカーはいずれもクーペ型の方向に開発しており、従来の改造電気自動車も電気自動車の加速が速いという長所及び特徴を反映する必要があるため、急速加速運転モードのニーズはますます一般的になり、電池モジュールのモジュールグループ化効率、構造強度、及び安全性能の要件もますます高くなっている。
【0004】
電池モジュールの接続片の一方側に絶縁膜が敷設され、電池セルが充放電して膨張するとき、電池セル間に相対変位が発生し、絶縁膜が膨張力の作用下で引き裂かれるおそれがあるため、接続片が露出し、短絡のリスクが発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、接続ユニット、電池モジュール、電池パック、及び電池モジュールを電源として使用するデバイスを提供することで、電池モジュールの安全性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1態様は電池モジュールに用いられる接続ユニットを提供し、調整部及び接続部を含み、調整部は隣接する接続部の間に接続された突起として構成され、接続部は電池モジュールの電池セルを接続することに用いられる複数の接続片と、複数の接続片の一方側に設けられ、且つ調整部と対応して設置された貫通孔が開口されている絶縁膜とを含む。
【0007】
いくつかの実施例では、貫通孔は第1貫通孔を含み、第1貫通孔は調整部に位置し、且つ第1貫通孔は調整部を収容することに用いられる。
【0008】
いくつかの実施例では、第1貫通孔の接続部が位置する平面での投影面積は、調整部の接続部が位置する平面での投影面積よりも大きい。
【0009】
いくつかの実施例では、貫通孔は第2貫通孔を含み、第2貫通孔は調整部に位置し、且つ第2貫通孔は調整部に密着して設置された突出部を含む。
【0010】
いくつかの実施例では、突出部は、第2貫通孔の孔壁の内側に接続され、調整部へ延伸する。
【0011】
いくつかの実施例では、突出部は、第2貫通孔の長手方向に位置する孔壁の内側に接続される。
【0012】
いくつかの実施例では、突出部は舌状の構造又は角形構造である。
【0013】
いくつかの実施例では、第2貫通孔の幅は調整部の幅以上である。
【0014】
いくつかの実施例では、貫通孔は第3貫通孔を含み、第3貫通孔は接続部に位置し、且つ第3貫通孔は調整部に近接して設置される。
【0015】
いくつかの実施例では、第3貫通孔は調整部の両側に対称に分布する。
【0016】
いくつかの実施例では、絶縁膜は、それぞれ複数の接続片の両側に設けられる第1絶縁膜及び第2絶縁膜を含み、第1絶縁膜及び第2絶縁膜にいずれも貫通孔が設置されている。
【0017】
いくつかの実施例では、第1絶縁膜及び第2絶縁膜のうちの一方の絶縁膜に第1貫通孔が設置されており、他方の絶縁膜に第2貫通孔又は第3貫通孔が設置されており、第1貫通孔は調整部に位置し、第1貫通孔は調整部を収容することに用いられ、第2貫通孔は調整部に位置し、且つ第2貫通孔は調整部に密着して設置された突出部を含み、第3貫通孔は接続部に位置し、且つ第3貫通孔は調整部に近接して設置される。
【0018】
いくつかの実施例では、接続ユニットはサンプリングユニットをさらに含み、サンプリングユニットは複数の接続片に接続され、且つサンプリングユニットと複数の接続片とは絶縁膜を介して一体構造として接続される。
【0019】
本願の第2態様は電池モジュールを提供し、積んで設置された複数の電池セル、及び本願の第1態様で提供された接続ユニットを含み、複数の接続片は複数の電池セルの電極リード線に接続される。
【0020】
本願の第3態様は電池パックを提供し、ボックス及び本願の第2態様で提供された電池モジュールを含み、電池モジュールはボックス内に収容される。
【0021】
本願の第4態様は電池モジュールを電源として使用するデバイスを提供し、駆動装置及び本願の第2態様で提供された電池モジュールを含み、駆動装置はデバイスに駆動力を提供することに用いられ、電池モジュールは駆動装置に電気エネルギーを提供するように配置される。
【0022】
本願が提供する技術的解決手段によれば、接続ユニットは複数の接続片及び絶縁膜を含み、接続片は調整部及び接続部を含み、調整部は隣接する接続部の間に接続された突起として構成され、接続部は電池モジュールの電池セルを接続することに用いられ、絶縁膜は複数の接続片の一方側に設けられ、且つ絶縁膜には調整部と対応して設置された貫通孔が開口されている。接続片と絶縁膜とが一体成形されるとき、調整部が突起として設置されるため、貫通孔を設置することで絶縁膜の突起での延性を向上させることができ、突起に起因する絶縁膜のしわ、引き裂き等の問題を回避し、接続ユニットの製造効率を向上させることができる。接続ユニットを電池モジュールに応用するとき、電池セルが充放電過程で膨張して移動するため、調整部が電池セルの移動に伴って変形し、絶縁膜に開口された貫通孔は膨張力をリリースすることができ、それにより絶縁膜が引き裂かれることを回避し、接続片の露出及び他の部材の短絡のリスクを低減させ、接続ユニット及び電池モジュールの安全性能を向上させる。
【0023】
以下、図面を参照して本願の例示的実施例を詳細に説明することによって、本願の他の特徴及び利点は明確になる。
【0024】
図面の簡単な説明
ここで説明される図面は本願をさらに理解するためのものであり、本願の一部を構成し、本願の例示的実施例及びその説明は本願を解釈するためのものであり、本願に対する不適切な限定を構成するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図4】
図3の接続ユニットの立体構造模式図である。
【
図5】
図4に示される接続ユニットの分解構造模式図である。
【
図7】本願の別の実施例の接続片の構造模式図である。
【
図8】
図4に示される接続ユニットの下面構造模式図である。
【
図10】
図4に示される接続ユニットの上面構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例の技術的解決手段を明確で、完全に説明し、明らかなように、説明される実施例は本願の一部の実施例に過ぎず、全部の実施例ではない。少なくとも1つの例示的実施例に対する以下の説明は実際に例示的ものに過ぎず、本願及びその応用又は使用を制限するためのものではない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的労働を必要とせずに取得したすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0027】
特に断らない限り、これらの実施例に記載の部材及びステップの相対的な配置、数式及び数値は本願の範囲を制限しない。また、説明の便宜上、図面に示される各部分の寸法が実際の縮尺関係で描かれていないことは理解されるべきである。当業者に知られている技術、方法及びデバイスは詳細に検討されないかもしれないが、適切な場合、上記技術、方法及びデバイスは明細書の一部と見なされるべきである。ここで示され、検討されているすべての例では、いかなる具体的な値は、例示的なものであり、制限するためのものではないと解釈されるべきである。従って、例示的実施例の他の例では異なる値を有してもよい。なお、以下の図面では、同様の符号及びアルファベットは同様のものを示し、従って、あるものが1つの図面で定義されると、以降の図面でさらに検討する必要はない。
【0028】
説明の便宜上、ここで、「…の上に位置する」、「…の上方に位置する」、「…の上面に位置する」、「上面の」等の空間的相対用語を使用して、図面に示される1つの素子又は特徴と他の素子又は特徴との空間的位置関係を説明することに用いることができる。理解されるべきであるように、空間的相対用語は、図面で説明される方位だけでなく、使用又は操作中の素子の異なる方位も含むことを意味する。例えば、図面の素子を反転させると、「他の素子又は構造の上方に位置する」又は「他の素子又は構造の上に位置する」と説明された素子は、そのあとで、「他の素子又は構造の下方に位置する」又は「他の素子又は構造の下に位置する」と位置決めされる。従って、例示的用語「…の上方に位置する」は「…の上方に位置する」及び「…の下方に位置する」という2つの方位を含んでもよい。当該素子は他の異なる方式で位置決めされてもよく(90度回転し又は他の方位に位置し)、且つここで使用される空間的相対説明を対応付けて解釈する。
【0029】
以下、
図1~
図16に基づいて本願の実施例の電池モジュールの構造及び当該実施例の接続ユニットの構造を詳細に説明する。
【0030】
本願の実施例は、電池モジュール10を電源として使用するデバイス、電池パック100、電池モジュール10及び接続ユニット1を提供する。電池モジュール10を電源として使用するデバイスは、電池モジュール10と、当該デバイスに駆動力を提供するための駆動装置とを含み、電池モジュール10は駆動装置に電気エネルギーを提供する。当該デバイスの駆動力は、全部が電気エネルギーであってもよく、一部が電気エネルギーであり、残りが他のエネルギー(例えば、機械的エネルギー)であってもよい。例えば、当該デバイスはエンジン等の機械的エネルギーを提供する動力源を含んでもよい。電池モジュール10を電源として使用する装置であれば、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0031】
本願の実施例のデバイスは車両、船舶、小型飛行機等の移動デバイスであってもよい。車両を例とし、本願の実施例の車両は新エネルギー自動車であってもよい。当該新エネルギー自動車は純電気自動車であってもよく、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車であってもよい。
図1に示すように、当該車両は電池パック100及び車両本体200を含み、電池パック100は車両本体200内に設置され、少なくとも1つの電池モジュール10を含む。車両本体200に駆動モータが設置され、駆動モータは電池パック100に電気的に接続され、電池パック100は駆動モータに電気エネルギーを提供し、駆動モータは伝動機構を介して車両本体200の車輪に接続されることにより車両を駆動して走行させる。具体的には、当該電池パック100は車両本体200の底部に水平に設置されてもよい。
【0032】
本願の実施例の電池パック100は少なくとも1つの電池モジュール10を含む。具体的には、本実施例では、
図2に示すように、本実施例の電池パック100は複数の電池モジュール10、及び複数の電池モジュール10を収容するためのボックスを含む。ボックスは収容室を有し、複数の電池モジュール10は収容室内に配列して配置される。具体的には、本実施例のボックスは箱形ボックスであり、且つ電池モジュール10を収容する下部ボックス30、及び下部ボックス30と蓋合する上部ボックス20を含む。他の図示されない実施例では、ボックスは枠状ボックス、円盤状ボックス等の他の形状であってもよい。
【0033】
図3に示すように、本願の実施例の電池モジュール10は複数の電池セル4、及び複数の電池セル4を固定するためのフレーム構造を含む。複数の電池セル4は電池モジュール10の長手方向X1に沿って積んで行となるように配列される。フレーム構造は端板2、第1結束バンド5及び第2結束バンド6を含み、端板2は電池モジュール10の長手方向X1における両端に位置し、且つ端板2は電池セル4が電池モジュール10の長手方向X1に沿って移動するのを制限することに用いられる。第1結束バンド5及び第2結束バンド6は積んでいる複数の電池セル4を接続することに用いられる。
【0034】
他の実施例では、フレーム構造は電池モジュール10の短手方向Y1における両側に位置するサイドプレートをさらに含んでもよく、サイドプレートは端板と接続してフレーム構造を囲んで形成する。また、電池モジュール10はフレーム構造が設置されなくてもよく、それが電池パック100のボックス内に固定されるとき、ボックスの骨格構造、例えばボックスのサイドエッジ、補強ビーム等によって、積んでいる複数の電池セル4を固定し、又は接着等の方式で電池セル4をボックスに固定してもよい。
【0035】
本実施例の電池モジュール10は絶縁キャップ3をさらに含み、絶縁キャップ3はフレーム構造と電池セル4との間に設置されて絶縁の役割を果たす。具体的には、本実施例では、絶縁キャップ3は端板2と電池セル4との間、及び結束バンドと電池セル4との間に位置する。
【0036】
本実施例の電池セル4は電極リード線を含み、具体的には、各電池セル4は正電極リード線41及び負電極リード線42を含む。電池モジュール10では、複数の電池セル4同士は接続片11を介して電気的に接続される。複数の電池セル4同士は、接続片11を介して直列接続及び/又は並列接続等の接続方式を用いることができ、例えば、電池セル4は直列に接続されるとき、1つの電池セル4の正電極リード線41と別の電池セル4の負電極リード線42とが接続片11を介して接続され、又は、電池セル4は並列に接続されるとき、1つの電池セル4の正電極リード線41と別の電池セル4の正電極リード線41とが接続片11を介して接続される。
【0037】
図6に示すように、本実施例の接続片11は調整部111及び接続部112を含み、具体的には、2つの接続部112は接続片11の長手方向X3において間隔を空けて設置され、調整部111は2つの接続部112の間に設置され、接続部112は電池セル4の電極リード線に接続することに用いられ、具体的には、接続部112には、電極リード線との取り付け及び位置決めを行うための位置決め孔112aが設置されている。調整部111は、隣接する接続部112の間に接続された突起111aとして構成される。当然ながら、本実施例の接続片11は2つの接続部112が設けられる状況に限定されず、接続部112は3つ以上あってもよく、例えば、接続部112が3つあるとき、調整部111は2つあり、各調整部111は隣接する2つの接続部112の間に位置する。
【0038】
調整部111と接続部112との間に応力集中が発生することを回避するために、調整部111と接続部112との間はアークを介して遷移される。
【0039】
具体的には、本実施例の調整部111は隣接する2つの接続部112の間に設置された1つの突起111aを含み、当該突起111aは接続片11の短手方向Y3に延伸する。
図6に示すように、本実施例の調整部111の長さはp
0であり(長さp
0とは接続片11の短手方向Y3における調整部111の延伸寸法を指す)、幅はq
0である(幅q
0とは接続片11の長手方向X3における調整部111の延伸寸法を指す)。電池セル4が充放電過程で膨張するとき、調整部111は膨張力をリリースすることに用いられる。そして、本実施例の調整部111の突起111aは電池セル4の一方側に向かって突出し、接続片11と電池セル4との間に固有の隙間を利用することができ、それにより調整部111は不必要な空間を使用せず、さらに電池モジュール10全体の体積を小さくする。
【0040】
本実施例の突起111aの断面はアークであることが好ましい。
【0041】
他の実施例では、調整部111は接続片11の長手方向X3に連続的に設置された2つ以上の突起111aを含んでもよい。
図7に示される実施例では、調整部111は接続片11の長手方向X3に連続的に設置された3つの突起111aを含む。
【0042】
図4及び
図5に示すように、本実施例の接続ユニット1は複数の接続片11及び絶縁膜を含む。絶縁膜は複数の接続片11の一方側に設けられ、複数の接続片11に接続され、それにより複数の接続片11を一体に接続する。本実施例の複数の接続片11は絶縁膜を介して一体に接続され、接続ユニット1は一体構造となり、電池モジュール10のグループ化を容易にし、それにより生産効率を向上させる。具体的には、射出成形、接着、熱圧着等の技術を利用して接続ユニット1を一体成形することができる。いくつかの実施例では、絶縁膜の厚さが薄いとき、本実施例の接続ユニット1の複数の接続片11は絶縁膜を介して熱圧着技術で一体に統合される。具体的には、本実施例の絶縁膜の内側に裏糊を有し、裏糊を有する当該絶縁膜と接続片11とを治具に置いて熱圧着を行って一体構造に統合する。
【0043】
図5に示すように、本実施例の接続ユニット1はサンプリングユニット14をさらに含み、サンプリングユニット14は複数の接続片11に接続され、且つサンプリングユニット14と複数の接続片11とは絶縁膜を介して一体構造として接続される。本実施例のサンプリングユニット14と複数の接続片11が絶縁膜を介して一体に接続されることで、接続ユニット1全体を一体構造にし、さらに電池モジュール10のグループ化過程を簡略化させ、それにより生産効率を向上させる。具体的には、射出成形、接着、熱圧着等の技術を利用して接続ユニット1を一体成形することができる。
【0044】
具体的には、本実施例のサンプリングユニット14は回路基板141及びサンプリング端子142を含む。サンプリング端子142は接続片11に接続されて電池セル4の電圧、温度等のデータをサンプリングし、データを回路基板141に伝送する。具体的には、回路基板141はFPC又はPCB等であってもよく、サンプリング端子142は回路基板141内のサンプリング線に接続されたニッケルプレート、銅片、アルミニウムプレート等であってもよく、サンプリング端子142は回路基板141内のサンプリング線から延伸する一部分であってもよい。ここで、具体的に制限せず、電池セル4の情報に対する収集を実現できればよい。いくつかの実施例では、回路基板141はフレキシブル回路基板である。サンプリング端子142はニッケルプレートである。
図5に示すように、本実施例の回路基板141の長手方向は接続ユニット1の長手方向X2と一致し、且つ本実施例の接続ユニット1は接続ユニット1の短手方向Y2に分布する2つの回路基板141を含む。他の実施例では、回路基板141の長手方向は接続ユニット1の長手方向X2と一致しなくてもよく、具体的には、電池セル4の積み方式に応じて回路基板141の配置方向を調整することができる。
【0045】
図4、
図5、
図8及び
図10に示すように、絶縁膜には調整部111と対応して設置された貫通孔Hが開口されている。本実施例の接続ユニット1は絶縁膜に貫通孔Hが開口され、且つ貫通孔Hは調整部111の位置と対応する。接続片11と絶縁膜を熱圧着又は接着によって一体成形するとき、調整部111が突起111aとして設置されるため、貫通孔Hを設置することで絶縁膜の突起111aでの延性を向上させることができ、突起111aに起因する絶縁膜のしわ、引き裂き等の問題を回避し、接続ユニット1の製造効率を向上させることができる。接続ユニット1を電池モジュール10に応用するとき、電池セル4が充放電過程で膨張して移動するため、調整部111が電池セル4の移動に伴って変形し、絶縁膜に開口された貫通孔Hは膨張力をリリースすることができ、それにより絶縁膜が引き裂かれることを回避し、接続片11の露出及び他の部材の短絡のリスクを低減させ、接続ユニット1及び電池モジュール10の安全性能を向上させる。
【0046】
ここで説明する必要がある点として、本実施例の絶縁膜に開口された貫通孔Hと調整部111との「対応して設置する」とは、貫通孔Hが調整部111に設置され、又は貫通孔Hが調整部111に近接して接続部112に設置されることを指す。また、
図7に示される実施例の接続片11について、絶縁膜において当該接続片11に対して調整部111の複数の突起111aと対応する複数の貫通孔Hが設置されてもよく、調整部111と対応する1つの貫通孔Hが設置されてもよい。
【0047】
1つの実施例では、貫通孔Hは第1貫通孔H1を含み、第1貫通孔H1は調整部111に位置し且つ調整部111を収容することに用いられる。
【0048】
具体的には、本実施例では、
図8及び
図9に示すように、絶縁膜に第1貫通孔H1が設置され、且つ第1貫通孔H1は調整部111を収容することに用いられる。第1貫通孔H1の寸法は調整部111を収容でき、従って、調整部111は変形するときに伸びる空間を有し、この場合、調整部111は電池セル4の移動に伴って変形するとき、調整部111は第1貫通孔H1内で自由に変形でき、それにより絶縁膜が膨張力を受けて引き裂かれることを回避する。
【0049】
調整部111は完全に第1貫通孔H1内に収容されてもよく、部分的に第1貫通孔H1内に収容されてもよい。
【0050】
いくつかの実施例では、第1貫通孔H1の接続部112が位置する平面での投影面積は、調整部111の接続部112が位置する平面での投影面積よりも大きく、それにより調整部111を完全に第1貫通孔H1内に収容する。具体的には、
図9に示すように、本実施例の第1貫通孔H1は角形孔である。第1貫通孔H1の長さはp
1とし、第1貫通孔H1の幅はq
1とし、且つ第1貫通孔H1の長さp
1は調整部111の長さp
0よりも大きく、且つ第1貫通孔H1の幅q
1は調整部111の幅q
0よりも大きい。貫通孔Hを、調整部111を完全に収容する第1貫通孔H1として設置することで、熱圧着過程での絶縁膜と接続片11との間の位置決め精度要件を低減させ、製造効率を向上させることができる。
【0051】
第1貫通孔H1の4つの角に応力集中が発生することを回避するために、本実施例の第1貫通孔H1の4つの角はいずれもフィレットを用いて遷移する。
【0052】
第1貫通孔H1の長さp1が調整部111の長さp0よりも大きいため、金属粒子が第1貫通孔H1を通過して電池セル4に落ちやすく、さらに短絡等の問題を引き起こす。当然ながら、第1貫通孔H1の長さp1を調整部111の長さp0よりもやや大きく、例えば1ミリメートル(mm)大きくするように設定してもよく、このとき、大部分の金属粒子が電池モジュール10の内部に入ることを防止することができる。しかし、接続ユニット1を製造するデバイスは高い精度を有する必要があり、第1貫通孔H1と調整部111との間隔を正確に制御することによって金属粒子を阻止する。
【0053】
第1貫通孔H1の長さp1を調整部111の長さp0よりも小さくするように設定してもよく、それにより、絶縁膜と接続片11の調整部111のエッジとの間に隙間がないことを確保し、金属粒子の落下を防止する。第1貫通孔H1の長さp1が調整部111の長さp0よりも小さい場合、調整部111は部分的に第1貫通孔H1内に収容される。これは調整部111の自由な伸び空間を減少させ、且つ絶縁膜の熱圧着時にその延性に限りがあるため、熱圧着後の絶縁膜と調整部111との間の接続強度が低く、電池セル4に伴って膨張する過程で、調整部111に接続される絶縁膜は引き裂かれるリスクが存在する。
【0054】
以上の問題を解決するために、1つの可能な設計では、貫通孔Hは第2貫通孔H2を含み、第2貫通孔H2は調整部111に位置し、且つ第2貫通孔H2は調整部111に密着して設置された突出部Tを含み、且つ突出部Tは第2貫通孔H2と調整部111との間の隙間aを被覆する。突出部Tが調整部111に密着して設置されることで、絶縁膜が調整部111によく密着できることをよりよく確保し、そして、突出部Tは第2貫通孔H1と調整部111との間の隙間aを被覆することで、金属粒子が絶縁膜と調整部111との間の隙間を通過して電池セル4に落ちることをよりよく防止する。
【0055】
図11及び
図13に示すように、本実施例の突出部Tは、第2貫通孔H2の孔壁の内側に接続され、調整部111へ延伸し、調整部111に密着して第2貫通孔H2と調整部111との間の隙間aを被覆する。
【0056】
具体的には、本実施例では、
図11及び
図13に示すように、突出部Tは第2貫通孔H2の長手方向X4に位置する孔壁の内側に位置する。
【0057】
他の実施例では、突出部Tは第2貫通孔H2の短手方向Y4に位置する孔壁の内側に設置されてもよい。
【0058】
【0059】
いくつかの実施例では、調整部111の突起111aの断面がアークであるため、突起111aによりよく密着するために、
図13に示すように、突出部Tは舌状の構造であることが好ましい。舌状の構造の両側エッジが徐々に第2貫通孔H2の中部に接近することにより、突出部Tと突起111aとの間の密着を容易にする。
【0060】
いくつかの実施例では、第2貫通孔H2の長さp2が調整部111の長さp0よりも小さく、それにより絶縁膜と接続片11の調整部111のエッジとの間に隙間がないことを確保し、金属粒子の落下を防止する。
【0061】
本実施例の第2貫通孔H2の幅q2は調整部111の幅q0以上であり、又はそれよりもやや小さく、それにより、膨張力をリリースすることに用いられる。いくつかの実施例では、位置決めの困難性を下げて熱圧着による製造を容易にするために、第2貫通孔H2の幅q2を調整部111の幅q0よりも大きくする。
【0062】
応力集中を防止するために、本実施例の第2貫通孔H2のエッジはいずれも円弧を用いてゆっくりと遷移する。
【0063】
絶縁膜が引き裂かれることを防止するために、別の実施例では、貫通孔Hは第3貫通孔H3であってもよく、第3貫通孔H3は接続部112に位置し、且つ第3貫通孔H3は調整部111に近接して設置される。つまり、第3貫通孔H3は調整部111の接続片11の長手方向X3における一方側に位置することで、調整部111を回避し、それにより、金属粒子が電池モジュール10の内部に落ちることを防止する役割を果たす。
【0064】
具体的には、本実施例では、
図15及び16に示すように、本実施例の絶縁膜に、それぞれ調整部111の接続片11の長手方向X3における両側に位置する2つの第3貫通孔H3が設置されている。調整部111の両側に対向して設置された2つの第3貫通孔H3はさらに膨張力のリリースに有利である。
【0065】
いくつかの実施例では、2つの第3貫通孔H3は対称に設置される。
【0066】
他の実施例では、3つ以上の第3貫通孔H3が設置されてもよく、複数の第3貫通孔H3は接続ユニット1の柔軟性をさらに向上させ、絶縁膜が引き裂かれるリスクを低減させることができる。しかし、多すぎる第3貫通孔H3を設置すると、絶縁膜の熱圧着面積が小さくなり、且つ金型の複雑さが高くなる。従って、実際の状況に応じて第3貫通孔H3の数を適切に調整することができる。
【0067】
図15に示すように、本実施例の第3貫通孔H3は角形孔である。第3貫通孔H3の長さp
3は接続部112の幅(接続片11の短手方向Y3における接続部112の延伸寸法)以下である。第3貫通孔H3が接続部112により被覆されるため、金属粒子が電池モジュール10内に落ちることを回避することができ、又は第3貫通孔H3の長さp
3は接続部112の幅よりもやや大きく、例えば1mm大きく、大部分の金属粒子が落ちることを防止することができる。本実施例では、
図6に示すように、接続部112の幅は調整部111の長さと同じであり、いずれもp
0である。
【0068】
当該第3貫通孔H3の幅はq3≧0.5mmであり、このとき、金型の製造性及び膨張力のリリース効果はいずれも良く、幅が小さすぎると、金型の耐用年数及び製造性に悪影響を与える。
【0069】
金属粒子が調整部111から落下しないことを効果的に確保するために、本実施例の第3貫通孔H3の調整部111に近接する一方側の孔壁と調整部のエッジとの間の距離はb≧0である。
【0070】
本実施例の第3貫通孔H3の4つの角はいずれもフィレットを用いて遷移することで応力集中を防止する。
【0071】
具体的には、異なる状況に応じて、絶縁膜に第1貫通孔H1又は第2貫通孔H2又は第3貫通孔H3を設置してもよい。当然ながら、絶縁膜に第1貫通孔H1、第2貫通孔H2及び第3貫通孔H3を同時に設置してもよい。
【0072】
接続ユニット1の接続強度を向上させるために、
図5に示すように、本実施例の絶縁膜は、それぞれ複数の接続片11及びサンプリングユニット14の両側に設けられる第1絶縁膜12及び第2絶縁膜13を含む。すなわち、複数の接続片11及びサンプリングユニット14は第1絶縁膜12と第2絶縁膜13との間に位置する。具体的には、本実施例の第1絶縁膜12、サンプリングユニット14、複数の接続片11及び第2絶縁膜13は熱圧着によって一体に統合される。
【0073】
さらに、接続ユニット1の製造効率を向上させ、電池セル4が充放電時に膨張するため絶縁膜が引き裂かれることによる安全上の問題を回避するために、
図8及び
図10に示すように、本実施例の第1絶縁膜12及び第2絶縁膜13にいずれも貫通孔Hが設置され、接続ユニット1の柔軟性を向上させることができ、製造及び使用過程で、接続ユニット1の絶縁膜が引き裂かれることを回避する。具体的には、
図5に示すように、第1絶縁膜12は接続片11及びサンプリングユニット14の上側に設けられ、第2絶縁膜13は接続片11及びサンプリングユニット14の下側に設けられ、つまり、本実施例の第1絶縁膜12、接続片11及びサンプリングユニット、第2絶縁膜13は、前記接続ユニット1の高さ方向Z2において順に設置される。
【0074】
1つの可能な設計では、第1絶縁膜12に第2貫通孔H2が設置され、第2絶縁膜13に第1貫通孔H1が設置される。具体的には、
図8及び
図9に示すように、第1貫通孔H1は調整部111に位置し、第1貫通孔H1は調整部11を収容することに用いられる。
図10~
図14に示すように、第2貫通孔H2は調整部111に位置し、且つ第2貫通孔H2の孔壁の内側に突出部Tが接続され、突出部Tは調整部111へ延伸し、調整部111に密着して設置され、第2貫通孔H2と調整部111との間の隙間aを被覆する。
【0075】
具体的には、
図9に示すように、第1貫通孔H1は調整部111に位置し、且つ本実施例の第1貫通孔H1は角形孔である。第1貫通孔H1の長さp
1は調整部111の長さp
0よりも大きく、且つ第1貫通孔H1の幅q
1は調整部111の幅q
0よりも大きく、それにより調整部111は第1貫通孔H1に収容される。第1貫通孔H1の長さp
1が調整部111の長さp
0よりも大きいため、金属粒子が第1貫通孔H1を通過して電池セル4に落ちやすく、さらに短絡等の問題を引き起こす。
【0076】
さらに、第1絶縁膜12に第2貫通孔H2が設置され、第2貫通孔H2は調整部111に位置し、且つ第2貫通孔H2は前記調整部111に密着して設置された突出部Tを含む。
図11及び
図13に示すように、第2貫通孔H2は調整部111に位置し、第2貫通孔H2の長さp
2は調整部111の長さp
0よりも小さく、金属粒子が調整部111と第1貫通孔H1との間の隙間を通過して電池モジュール10内に落ちることを防止する。さらに、本実施例の第2貫通孔H2の孔壁の内側に突出部Tが接続され、突出部Tは調整部111へ延伸し、調整部111に密着して第2貫通孔H2と調整部111との間の隙間aを被覆し、絶縁膜と調整部111との間の密着強度を向上させ、金属粒子が第2貫通孔H2と調整部111との間の隙間aを通過して電池モジュール10内に落ちることを回避する。
【0077】
別の可能な設計では、第1絶縁膜12に第3貫通孔H3が設置され、第2絶縁膜13に第1貫通孔H1が設置される。具体的には、
図8及び
図9に示すように、第1貫通孔H1は調整部111に位置し、第1貫通孔H1は調整部11を収容することに用いられる。
図10、
図15及び
図16に示すように、第3貫通孔H3は接続部112に位置し、且つ第3貫通孔H3は調整部111に近接して設置される。つまり、第3貫通孔H3は調整部111の接続片11の長手方向X3における一方側に位置することで、調整部111を回避し、それにより、金属粒子が電池モジュール10の内部に落ちることを防止する役割を果たす。
【0078】
具体的には、第2絶縁膜13に第1貫通孔H1が設置され、第1貫通孔H1は調整部111に位置し、且つ第1貫通孔H1は調整部11を収容することに用いられる。
図9に示すように、本実施例の第1貫通孔H1は角形孔である。第1貫通孔H1の長さp
1は調整部111の長さp
0よりも大きく、且つ第1貫通孔H1の幅q
1は調整部111の幅q
0よりも大きく、それにより調整部111は第1貫通孔H1に収容される。第1貫通孔H1の長さp
1が調整部111の長さp
0よりも大きいため、金属粒子が第1貫通孔H1を通過して電池セル4に落ちやすく、さらに短絡等の問題を引き起こす。
【0079】
さらに、第1絶縁膜12に第3貫通孔H3が設置され、第3貫通孔H3は接続部112に位置し、且つ第3貫通孔H3は調整部111に近接して設置され、接続ユニット1の柔軟性を向上させるとともに、金属粒子が電池セル4に落ちるリスクを低減させる。
図15及び16に示すように、本実施例の第1絶縁膜12に2つの第3貫通孔H3が設置され、且つ2つの第3貫通孔H3はそれぞれ調整部111の接続片11の長手方向X3における両側に位置する。
【0080】
図15に示すように、本実施例の第3貫通孔H3は角形孔である。1)第3貫通孔H3の長さp
3が接続部112の長さ以下である場合、このとき、第3貫通孔H3が接続部112により被覆されるため、金属粒子が電池モジュール10内に落ちることを回避することができ、従って、第2絶縁膜13に設置された第3貫通孔H3と第1絶縁膜12に設置された第1貫通孔H1との相互に近接する孔壁の間の距離cを制限しない。2)第3貫通孔H3の長さp
3が接続部112の幅よりも大きい場合、金属粒子が第3貫通孔H3を通過して電池セル4に落ちることができ、このとき、第1絶縁膜12における第3貫通孔H3と第2絶縁膜13における第1貫通孔H1との相互に近接する孔壁の間の距離がc≧-1mmであることを制限し、cが[-1mm,0mm]にある場合、つまり第1絶縁膜12と第2絶縁膜13との間に0~1mmの隙間が存在する場合、このとき、依然として大部分の金属粒子が入ることを防止することができ、例えば、c≧0である。
【0081】
以上から明らかなように、金属粒子が電池モジュール10の内部に落ちることを回避するために、
図10に示すように、第1絶縁膜12における貫通孔Hは第2貫通孔H2であってもよく、第3貫通孔H3であってもよい。具体的には、本実施例では、第1絶縁膜12に第2貫通孔H2が開口されているだけでなく、第3貫通孔H3が開口されている。
【0082】
最後に、以上の実施例は本願の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを制限するためのものではない。好ましい実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、本願の技術的解決手段の精神を逸脱することなく、本願の発明を実施するための形態を修正し、又は一部の技術的特徴に対して均等置換を行うことができ、これらの修正や均等置換はいずれも本願が特許請求する技術的解決手段の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1 接続ユニット
11 接続片
111 調整部
112 接続部
112a 位置決め孔
12 第1絶縁膜
13 第2絶縁膜
14 サンプリングユニット
141 回路基板
142 サンプリング端子
2 端板
3 絶縁キャップ
4 電池セル
41 正電極リード線
42 負電極リード線
5 第1結束バンド
6 第2結束バンド
10 電池モジュール
20 上部ボックス
30 下部ボックス
100 電池パック
H 貫通孔
H1 第1貫通孔
H2 第2貫通孔
H3 第3貫通孔
T 突出部
X1 電池モジュールの長手方向
Y1 電池モジュールの短手方向
Z1 電池モジュールの高さ方向
X2 接続ユニットの長手方向
Y2 接続ユニットの短手方向
Z2 接続ユニットの高さ方向
X3 接続片の長手方向
Y3 接続片の短手方向
X4 貫通孔の長手方向
Y4 貫通孔の短手方向
p0 調整部の長さ
q0 調整部の幅
p1 第1貫通孔の長さ
q1 第1貫通孔の幅
p2 第2貫通孔の長さ
q2 第2貫通孔の幅
p3 第3貫通孔の長さ
q3 第3貫通孔の幅
a 第2貫通孔と調整部との間の隙間
b 第3貫通孔の調整部に近接する一方側の孔壁と調整部のエッジとの間の距離
c 第2絶縁膜に設置された第3貫通孔と第1絶縁膜に設置された第1貫通孔との相互に近接する孔壁の間の距離
【手続補正書】
【提出日】2022-04-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続ユニットであって、電池モジュー
ルに用いられ、
調整
部及び接続
部を含み、前記調整
部は隣接する前記接続
部の間に接続された突
起として構成され、前記接続
部は前記電池モジュー
ルの電池セ
ルを接続することに用いられる複数の接続
片と、
前記複数の接続
片の一方側に設けられ、且つ前記調整
部と対応して設置された貫通
孔が開口されている絶縁膜とを含む、接続ユニット。
【請求項2】
前記貫通
孔は第1貫通
孔を含み、前記第1貫通
孔は前記調整
部に位置し、且つ前記第1貫通
孔は前記調整
部を収容することに用いられる、請求項1に記載の接続ユニット。
【請求項3】
前記第1貫通
孔の前記接続
部が位置する平面での投影面積は、前記調整
部の前記接続
部が位置する平面での投影面積よりも大きい、請求項2に記載の接続ユニット。
【請求項4】
前記貫通
孔は第2貫通
孔を含み、前記第2貫通
孔は前記調整
部に位置し、且つ前記第2貫通
孔は前記調整
部に密着して設置された突出
部を含む、請求項1に記載の接続ユニット。
【請求項5】
前記突出
部は、前記第2貫通
孔の孔壁の内側に接続され、前記調整
部へ延伸する、請求項4に記載の接続ユニット。
【請求項6】
前記突出
部は、前記第2貫通
孔の長手方
向に位置する孔壁の内側に接続される、請求項5に記載の接続ユニット。
【請求項7】
前記突出
部は舌状の構造又は角形構造である、請求項4に記載の接続ユニット。
【請求項8】
前記第2貫通
孔の幅は前記調整
部の幅以上である、請求項4に記載の接続ユニット。
【請求項9】
前記貫通
孔は第3貫通
孔を含み、前記第3貫通
孔は前記接続
部に位置し、且つ前記第3貫通
孔は前記調整
部に近接して設置される、請求項1に記載の接続ユニット。
【請求項10】
前記第3貫通
孔は前記調整
部の両側に対称に分布する、請求項9に記載の接続ユニット。
【請求項11】
前記絶縁膜は、それぞれ前記複数の接続
片の両側に設けられる第1絶縁
膜及び第2絶縁
膜を含み、前記第1絶縁
膜及び前記第2絶縁
膜はいずれも前記貫通
孔が設置されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の接続ユニット。
【請求項12】
前記第1絶縁
膜及び前記第2絶縁
膜のうちの一方の絶縁膜に第1貫通
孔が設置されており、他方の絶縁膜に第2貫通
孔又は第3貫通
孔が設置されており、
前記第1貫通
孔は前記調整
部に位置し、前記第1貫通
孔は前記調整
部を収容することに用いられ、
前記第2貫通
孔は前記調整
部に位置し、且つ前記第2貫通
孔は前記調整
部に密着して設置された突出
部を含み、
前記第3貫通
孔は前記接続
部に位置し、且つ前記第3貫通
孔は前記調整
部に近接して設置される、請求項11に記載の接続ユニット。
【請求項13】
前記接続ユニットはサンプリングユニッ
トをさらに含み、前記サンプリングユニッ
トは前記複数の接続
片に接続され、且つ前記サンプリングユニッ
トと前記複数の接続
片とは前記絶縁膜を介して一体構造として接続される、請求項1~10のいずれか1項に記載の接続ユニット。
【請求項14】
電池モジュールであって、積んで設置された複数の電池セ
ル、及び請求項1~13のいずれか1項に記載の接続ユニッ
トを含み、前記複数の接続
片は前記複数の電池セ
ルの電極リード線に接続される、電池モジュール。
【請求項15】
電池パックであって、ボックス及び請求項14に記載の電池モジュー
ルを含み、前記電池モジュー
ルは前記ボックス内に収容される、電池パック。
【請求項16】
電池モジュールを電源として使用するデバイスであって、駆動装置及び請求項14に記載の電池モジュー
ルを含み、前記駆動装置は前記デバイスに駆動力を提供することに用いられ、前記電池モジュー
ルは前記駆動装置に電気エネルギーを提供するように配置される、電池モジュールを電源として使用するデバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
1つの可能な設計では、第1絶縁膜12に第2貫通孔H2が設置され、第2絶縁膜13に第1貫通孔H1が設置される。具体的には、
図8及び
図9に示すように、第1貫通孔H1は調整部111に位置し、第1貫通孔H1は調整部
111を収容することに用いられる。
図10~
図14に示すように、第2貫通孔H2は調整部111に位置し、且つ第2貫通孔H2の孔壁の内側に突出部Tが接続され、突出部Tは調整部111へ延伸し、調整部111に密着して設置され、第2貫通孔H2と調整部111との間の隙間aを被覆する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
別の可能な設計では、第1絶縁膜12に第3貫通孔H3が設置され、第2絶縁膜13に第1貫通孔H1が設置される。具体的には、
図8及び
図9に示すように、第1貫通孔H1は調整部111に位置し、第1貫通孔H1は調整部
111を収容することに用いられる。
図10、
図15及び
図16に示すように、第3貫通孔H3は接続部112に位置し、且つ第3貫通孔H3は調整部111に近接して設置される。つまり、第3貫通孔H3は調整部111の接続片11の長手方向X3における一方側に位置することで、調整部111を回避し、それにより、金属粒子が電池モジュール10の内部に落ちることを防止する役割を果たす。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
具体的には、第2絶縁膜13に第1貫通孔H1が設置され、第1貫通孔H1は調整部111に位置し、且つ第1貫通孔H1は調整部
111を収容することに用いられる。
図9に示すように、本実施例の第1貫通孔H1は角形孔である。第1貫通孔H1の長さp
1は調整部111の長さp
0よりも大きく、且つ第1貫通孔H1の幅q
1は調整部111の幅q
0よりも大きく、それにより調整部111は第1貫通孔H1に収容される。第1貫通孔H1の長さp
1が調整部111の長さp
0よりも大きいため、金属粒子が第1貫通孔H1を通過して電池セル4に落ちやすく、さらに短絡等の問題を引き起こす。
【国際調査報告】