(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-23
(54)【発明の名称】伸縮装置及び搬送ロボット
(51)【国際特許分類】
B25J 18/02 20060101AFI20221216BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20221216BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
B25J18/02
B65G1/00 501C
B25J5/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524053
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 CN2020122781
(87)【国際公開番号】W WO2021078191
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】201921794310.X
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911014146.0
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921795638.3
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519206553
【氏名又は名称】シャンハイ クイックトロン インテリジェント テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI QUICKTRON INTELLIGENT TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Room 1030, Zone B, Room 1205, No.968, 128 Memorial Road, Baoshan District, Shanghai 200435, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シュエ,ルイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,チェンハオ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ソンシャン
(72)【発明者】
【氏名】クイ,ジェンユー
【テーマコード(参考)】
3C707
3F022
【Fターム(参考)】
3C707CS08
3C707CU02
3C707HS27
3C707HT02
3C707WA16
3F022EE01
3F022KK12
3F022LL07
3F022MM11
(57)【要約】
本出願は、伸縮装置及び搬送ロボットに関し、ここで、伸縮装置は、荷台と、荷台の幅方向において対向して配置された少なくとも2つの伸縮アームアセンブリであって、各々が、荷台に取り付けられた固定アームと、固定アームの内側にスライド可能に配置された第1スライドアームと、を備える伸縮アームアセンブリと、第1スライドアームを固定アームに対して荷台の長さ方向に沿ってスライド駆動するための駆動機構と、を備える。本出願に係る伸縮装置によれば、双方向の伸縮を実現でき、これにより、搬送ロボットの搬送効率を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台と、
前記荷台の幅方向において対向して配置された少なくとも2つの伸縮アームアセンブリであって、2つの前記伸縮アームアセンブリの各々は、前記荷台に取り付けられた固定アームと、前記固定アームの内側にスライド可能に配置された第1スライドアームと、を有する、少なくとも2つの伸縮アームアセンブリと、
前記第1スライドアームを前記固定アームに対して前記荷台の長さ方向に沿ってスライド駆動するための駆動機構と、
を備える、
伸縮装置。
【請求項2】
前記駆動機構は、2つの前記伸縮アームアセンブリに対応して配置された2つのプーリアセンブリを有し、
前記プーリアセンブリは、ホイールアセンブリと、前記ホイールアセンブリに配設された同期ベルトとを有し、
前記第1スライドアームの下面にはラックが設けられており、前記同期ベルトの外面が前記ラックに伝動連結されている、
請求項1に記載の伸縮装置。
【請求項3】
前記同期ベルトの内面及び外面には共に複数の同期歯が設けられており、
前記同期ベルトの内面に設けられた複数の前記同期歯は、前記ホイールアセンブリと伝動係合し、
前記同期ベルトの外面に設けられた複数の前記同期歯は、前記ラックと伝動係合する、
請求項2に記載の伸縮装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、2つの前記ホイールアセンブリの原動ホイールを同期運転させるための駆動モータをさらに有する、
請求項2に記載の伸縮装置。
【請求項5】
前記ホイールアセンブリは、前記原動ホイールと、少なくとも1つの従動ホイールと、複数のテンションホイールとを有し、
前記従動ホイールは、前記同期ベルトの伝動によって運転され、
複数の前記テンションホイールは、前記同期ベルトにテンションをかけるように、間隔をあけて配置されている、
請求項4に記載の伸縮装置。
【請求項6】
前記伸縮アームアセンブリは、
前記第1スライドアームの内側にスライド可能に係合された第2スライドアームと、
前記第1スライドアームが前記固定アームに対してスライドする過程において、前記第2スライドアームを前記第1スライドアームに対してスライドさせるための伝動機構と、をさらに有し、
前記第2スライドアームが前記第1スライドアームに対してスライドする方向と前記第1スライドアームが前記固定アームに対してスライドする方向とは同じである、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の伸縮装置。
【請求項7】
前記伝動機構は、少なくとも1組のスライド滑車及びスライドロープを有し、
前記スライドロープは、前記スライド滑車とスライド係合され、
前記スライド滑車は、前記第1スライドアームに回動可能に設けられており、
前記スライドロープの両端は、前記スライド滑車の同じ側に位置しており、前記スライドロープの一端が前記固定アームに固定され、前記スライドロープの他端が前記第2スライドアームに固定されている、
請求項6に記載の伸縮装置。
【請求項8】
前記伝動機構は、2組の前記スライド滑車及び前記スライドロープを有し、
2つの前記スライドロープの開口方向は、前記荷台の長さ方向において対向して配置されており、
2つの前記スライド滑車は、前記荷台の長さ方向において間隔をあけて配置されている、
請求項7に記載の伸縮装置。
【請求項9】
前記第2スライドアームの長さ方向の両端のそれぞれには、トグルアセンブリが設けられており、
前記トグルアセンブリは、ストッパーアームと、トグルモータとを有し、
前記ストッパーアームは、第1ストレートアームと第2ストレートアームとを有し、
前記第1ストレートアームは、前記第2ストレートアームの長さ方向に沿って配置され、
前記第2ストレートアームは、前記第1ストレートアームと角度をなしており、
前記トグルモータの出力端は、前記第1ストレートアームと伝動連結されている、
請求項6に記載の伸縮装置。
【請求項10】
前記伸縮装置は、
前記荷台の下方に設けられた取付底板と、
前記取付底板と前記荷台との間に設けられ、前記荷台を前記取付底板に対して回動駆動するための回動装置と、
をさらに有する、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の伸縮装置。
【請求項11】
移動シャーシと、
前記移動シャーシに取り付けられ、鉛直方向に沿って間隔をあけて配置された複数のトレイを有し、昇降装置が設けられたラックと、
前記昇降装置に取り付けられ、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の伸縮装置と、
を備え、
前記昇降装置は、前記伸縮装置を鉛直方向に昇降させることに用いられる、
搬送ロボット。
【請求項12】
前記移動シャーシは、前段シャーシと、後段シャーシと、リンクアセンブリとを有し、
前記前段シャーシは、前記後段シャーシにヒンジ連結されており、
前記リンクアセンブリは、前記移動シャーシの幅方向において対向して配置された2つの縦リンクを有し、
前記縦リンクの第1端は前段シャーシにヒンジ連結されており、前記縦リンクの第2端は前記後段シャーシにヒンジ連結されており、
前記ラックは2つの前記縦リンクに取り付けられている、
請求項11に記載の搬送ロボット。
【請求項13】
前記リンクアッセンブリは、前記移動シャーシの幅方向に沿って前記前段シャーシに固定された横リンクをさらに有し、
2つの前記縦リンクの第1端のそれぞれは、前記横リンクの両端にヒンジ連結されている、
請求項12に記載の搬送ロボット。
【請求項14】
前記前段シャーシと前記後段シャーシとは、ヒンジによって連結されており、
前記ヒンジは、第1ヒンジ連結部と第2ヒンジ連結部とを有し、
前記第1ヒンジ連結部は前記前段シャーシに固定されており、前記第2ヒンジ連結部は前記後段シャーシに固定されている、
請求項13に記載の搬送ロボット。
【請求項15】
前記ヒンジは2つであり、2つの前記ヒンジが前記移動シャーシの幅方向に沿って対向して配置されており、
前記ヒンジの第1ヒンジ連結部には固定溝が設けられており、
前記縦リンクは前記固定溝内に取り付けられている、
請求項14に記載の搬送ロボット。
【請求項16】
前記リンクアッセンブリは、2つの前記縦リンクに対応して配置された2つの回動アームをさらに有し、
前記回動アームの一端は対応する縦リンクの第2端にヒンジ連結されており、前記回動アームの他端は前記後段シャーシにヒンジ連結されている、
請求項12に記載の搬送ロボット。
【請求項17】
各前記縦リンクは、互いに連結されている、第1セグメント及び第2セグメントを有し、
前記第1端は前記第1セグメントの端部に形成されており、前記第2端は前記第2セグメントの端部に形成されており、
前記第2セグメントの上面は、前記ラックを取り付けるための取り付け平面として構成されている、
請求項12乃至請求項16のいずれか一項に記載の搬送ロボット。
【請求項18】
前記第1セグメントと前記第2セグメントとの間には中間セグメントが連結されており、
前記第2セグメントの上面は鉛直方向において前記第1セグメントの上面よりも上方に位置しており、前記中間セグメントは三角形のブラケットとして構成されている、
請求項17に記載の搬送ロボット。
【請求項19】
前記第1セグメントの長さは前記第2セグメントの長さよりも短い、
請求項17に記載の搬送ロボット。
【請求項20】
前記移動底板は駆動装置をさらに有し、
前記駆動装置は、駆動モータと駆動ホイールとを有し、
前記駆動モータの出力端は前記駆動ホイールと伝動連結されており、
前記モータ及び前記駆動ホイールは共に前記後段シャーシに取り付けられている、
請求項12乃至請求項19のいずれか一項に記載の搬送ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2019年10月23日に中国特許庁へ出願された出願番号が201911014146.0であり、発明の名称が「クランプ式伸縮装置及びそれを用いた搬送ロボット」である中国特許出願の優先権を主張しており、当該出願の全ての内容は引用により本出願に組み込まれている。また、本出願は2019年10月23日に中国特許庁へ出願された出願番号が201921795638.3であり、考案の名称が「搬送ロボット」である中国実用新案出願の優先権を主張しており、当該出願の全ての内容は引用により本出願に組み込まれている。
【0002】
本出願は、伸縮装置及び搬送ロボットに関するものであり、倉庫技術分野に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術では搬送ロボットが提案されており、その搬送ロボットは搬送装置を備え、搬送装置のプッシュロッドアセンブリの伸縮を制御することで貨物が搬送される。しかし、このプッシュロッドアセンブリの運動方向は比較的に単一であるため、貨物の搬送効率が低く、利便性が不足している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、関連技術における1つ又は複数の技術課題を解決するために、伸縮装置及び搬送ロボットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、以下の技術方案を採用する。
【0006】
本出願の実施例の1つの態様では、伸縮装置を提供し、該伸縮装置は、荷台と、荷台の幅方向において対向して配置された少なくとも2つの伸縮アームアセンブリであって、各々が、荷台に取り付けられた固定アームと、固定アームの内側にスライド可能に配置された第1スライドアームと、を備える伸縮アームアセンブリと、第1スライドアームを固定アームに対して荷台の長さ方向に沿ってスライド駆動するための駆動機構と、を備える。
【0007】
1つの実施形態では、駆動機構は、2つの伸縮アームアセンブリに対応して配置された2つのプーリアセンブリを備え、プーリアセンブリは、ホイールアセンブリと、ホイールアセンブリに配設された同期ベルトとを備え、第1スライドアームの下面にはラックが設けられており、同期ベルトの外面がラックに伝動連結されている。
【0008】
1つの実施形態では、同期ベルトの内面及び外面には共に複数の同期歯が設けられており、同期ベルトの内面に設けられた複数の同期歯はホイールアセンブリと伝動係合し、同期ベルトの外面に設けられた複数の同期歯はラックと伝動係合する。
【0009】
1つの実施形態では、駆動機構は、2つのホイールアセンブリにおける原動ホイールを同期運転させるための駆動モータをさらに備える。
【0010】
1つの実施形態では、ホイールアセンブリは、原動ホイールと、少なくとも1つの従動ホイールと、複数のテンションホイールとを備え、従動ホイールは、同期ベルトによる伝動により運転し、複数のテンションホイールは、同期ベルトにテンションをかけるように間隔をあけて配置されている。
【0011】
1つの実施形態では、伸縮アームアセンブリは、第1スライドアームの内側にスライド可能に係合された第2スライドアームと、第1スライドアームが固定アームに対してスライドする間に、第2スライドアームを第1スライドアームに対してスライドさせるための伝動機構と、をさらに備え、ここで、第2スライドアームが第1スライドアームに対してスライドする方向と第1スライドアームが固定アームに対してスライドする方向とが同じである。
【0012】
1つの実施形態では、伝動機構は、少なくとも1組のスライド滑車とスライドロープとを備え、スライドロープはスライド滑車とスライド係合され、スライド滑車は第1スライドアームに回動可能に設けられており、スライドロープの両端はスライド滑車の同じ側に位置しており、スライドロープの一端が固定アームに固定され、スライドロープの他端が第2スライドアームに固定されている。
【0013】
1つの実施形態では、伝動機構は、2組のスライド滑車とスライドロープとを備え、2つのスライドロープの開口方向は荷台の長さ方向において対向して配置されており、2つのスライド滑車は荷台の長さ方向において間隔をあけて配置されている。
【0014】
1つの実施形態では、第2スライドアームの長さ方向の両端には、それぞれトグルアセンブリが設けられており、トグルアセンブリは、ストッパーアームと、トグルモータとを備え、ストッパーアームは、第1ストレートアームと第2ストレートアームとを備え、第1ストレートアームは第2ストレートアームの長さ方向に沿って配置され、第2ストレートアームは第1ストレートアームと角度を有しており、ここで、トグルモータの出力端は第1ストレートアームと伝動連結されている。
【0015】
1つの実施形態では、伸縮装置は、荷台の下方に設けられた取付底板と、取付底板と荷台との間に設けられ、荷台を取付底板に対して回動駆動するための回動装置と、をさらに備える。
【0016】
本出願の実施例のもう1つの態様では、搬送ロボットを提供し、該搬送ロボットは、移動シャーシと、移動シャーシに取り付けられ、鉛直方向に沿って間隔をあけて配置された複数のトレイを有し、昇降装置が設けられたラックと、昇降装置に取り付けられ、請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の伸縮装置と、を備え、ここで、昇降装置は、伸縮装置を鉛直方向に昇降させることに用いられる。
【0017】
1つの実施形態では、移動シャーシは、前段シャーシと、後段シャーシと、リンクアセンブリとを備え、前段シャーシは、後段シャーシにヒンジ連結されており、リンクアセンブリは、移動シャーシの幅方向において対向して配置された2つの縦リンクを備え、縦リンクの第1端は前段シャーシにヒンジ連結されており、縦リンクの第2端は後段シャーシにヒンジ連結されており、ラックは2つの縦リンクに取り付けられている。
【0018】
1つの実施形態では、リンクアッセンブリは、移動シャーシの幅方向に沿って前段シャーシに固定された横リンクをさらに備え、2つの縦リンクの第1端はそれぞれ横リンクの両端にヒンジ連結されている。
【0019】
1つの実施形態では、前段シャーシと後段シャーシとはヒンジによって連結されており、ヒンジは、第1ヒンジ連結部と第2ヒンジ連結部とを備え、第1ヒンジ連結部は前段シャーシに固定されており、第2ヒンジ連結部は後段シャーシに固定されている。
【0020】
1つの実施形態では、ヒンジは2つであり、2つのヒンジが移動シャーシの幅方向に沿って対向して配置されており、ヒンジの第1ヒンジ連結部には固定溝が設けられており、縦リンクは固定溝内に取り付けられている。
【0021】
1つの実施形態では、リンクアッセンブリは、2つの縦リンクに対応して配置された2つの回動アームをさらに備え、回動アームの一端は対応する縦リンクの第2端にヒンジ連結されており、回動アームの他端は後段シャーシにヒンジ連結されている。
【0022】
1つの実施形態では、各縦リンクは、連結された第1セグメントと第2セグメントとを備え、第1端は第1セグメントの端部に形成されており、第2端は第2セグメントの端部に形成されており、ここで、第2セグメントの上面は、ラックを取り付けるための取り付け平面として構成されている。
【0023】
1つの実施形態では、第1セグメントと第2セグメントとの間には中間セグメントが連結されており、ここで、第2セグメントの上面は鉛直方向において第1セグメントの上面よりも上方に位置しており、中間セグメントは三角形のブラケットとして構成されている。
【0024】
1つの実施形態では、第1セグメントの長さは第2セグメントの長さよりも短い。
【0025】
1つの実施形態では、移動底板は駆動装置をさらに備え、駆動装置は、駆動モータと駆動ホイールとを備え、駆動モータの出力端は駆動ホイールと伝動連結されており、モータ及び駆動ホイールは共に後段シャーシに取り付けられている。
【0026】
上記の技術方案中のいずれかによれば以下の利点または有益な効果を有する。即ち、本出願の実施例による伸縮装置は双方向の伸縮を実現でき、これにより、搬送ロボットの搬送効率を向上させることができる。
【0027】
上述した概要は説明のためのものであり、何ら限定的なものではありません。上述した概略的な側面、実施形態及び特徴に加えて、本出願のさらなる態様、実施形態及び特徴は、添付の図面及び以下の詳細な説明を参照することによって容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の実施形態または関連技術における技術方案をより明確に説明するために、以下、実施形態又は関連技術の説明に使用する必要のある添付図面について簡単に説明するが、以下に説明される添付図面は、本発明の実施形態に記載された一部の実施例に過ぎず、当業者にとっては、これらの添付図面に基づいて他の添付図面を得ることができることは明白である。
【
図1】本出願の実施例に係る伸縮装置の構成を示す概略図である。
【
図2】本出願の実施例に係る伸縮装置の構成を示す概略図である。
【
図3】本出願の実施例に係る伸縮装置の側面図である。
【
図4】本出願の実施例に係る搬送ロボットの構成を示す概略図である。
【
図5】本出願の実施例に係る搬送ロボットの分解図である。
【
図6】本出願の実施例に係る搬送ロボットの移動シャーシの構成を示す概略図である。
【
図7】本出願の実施例に係る搬送ロボットの移動シャーシの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、いくつかの例示的な実施例のみについて簡単に説明する。当業者によって認識され得るように、本出願の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで記載された実施例に様々な修正を加えることができる。したがって、添付の図面及び説明は、限定的ではなく、本質的に例示的であると考えられる。
【0030】
以下、
図1~
図3を参照して、本出願の実施例に係る伸縮装置100について説明する。本出願の実施例による伸縮装置100は、搬送ロボット1000に適用することができる。
【0031】
図1~
図3に示すように、本出願の実施例に係る伸縮装置100は、荷台10と、伸縮アームアセンブリ20と、駆動機構30とを備える。
【0032】
具体的に、伸縮アームアセンブリ20は2つであり、且つ伸縮アームアセンブリ20は荷台10の幅方向において対向して配置されており、各伸縮アームアセンブリ20は、固定アーム21と、第1スライドアーム22とを備え、固定アーム21が荷台10に取り付けられており、第1スライドアーム22が固定アーム21の内側にスライド可能に配置されている。駆動機構30は、第1スライドアーム22を固定アーム21に対して荷台10の長さ方向に沿ってスライド駆動して、荷台10に対して貨物を搬出又は搬入するためのものである。
【0033】
なお、荷台10の長さ方向は図示の左右方向であってもよく、荷台10の幅方向は図示の水平面内において左右方向と直交する方向であってもよい。ここで、固定アーム21の長さ方向及び第1スライドアーム22の長さ方向は、いずれも図示の左右方向に平行である。駆動機構30は、2つの伸縮アームアセンブリ20を荷台10の一方側から突出させるように駆動して、荷台10に貨物を搬入したり、荷台10から貨物を搬出したりする。
【0034】
一例において、固定アーム21の内側面には、その長さ方向に沿って延びるスライドレールが設けられてもよく、第1スライドアーム22の固定アーム21に向かう外側面には、スライドレールと係合するスライド係合部が設けられて、固定アーム21に対する第1スライドアーム22のスライド安定性を確保することができる。また、本出願の他の例では、スライドレールは第1スライドアーム22の外側面に設けてもよく、スライド係合部は固定アーム21の内側面に設けてもよい。
【0035】
なお、駆動機構30は、第1スライドアーム22を固定アーム21に対して図示の左右方向に沿ってスライド駆動するように構成されている。
図1に示すように、駆動機構30は、第1スライドアーム22を固定アーム21に対して左方向にスライド駆動することで、第1スライドアーム22を荷台10の左側から滑り出させることができる。
図2に示すように、駆動機構30は、第1スライドアーム22を固定アーム21に対して右方向にスライド駆動することで、第1スライドアーム22を荷台10の右側から滑り出させることもできる。好ましくは、第1スライドアーム22が荷台10から滑り出さないときに、第1スライドアーム22を固定アーム21と重なる位置に配置させることにより、伸縮装置100の外形寸法を小さくし、伸縮装置100が占有するスペースを小さくすることができる。
【0036】
本出願の実施例に係る伸縮装置100は、駆動機構30を設けることにより、第1スライドアーム22を固定アーム21に対して荷台10の長さ方向に沿ってスライド駆動することで、第1スライドアーム22は、荷台10の長さ方向のいずれの側からも滑り出すことが可能となり、関連技術の搬送ロボットの搬送装置は片側のみが伸縮可能であったのに比べると、本出願の実施例に係る伸縮装置は、荷台10の長さ方向のいずれか一方の側の貨物を直接搬送することができ、伸縮装置を対応する側に回動制御する必要がなく、伸縮装置100の搬送効率及び利便性を向上させることができる。
【0037】
一実施形態では、
図1~
図3に示すように、駆動機構30は、2つの伸縮アームアセンブリ20に対応して配置された2つのプーリアセンブリ31を備え、各プーリアセンブリ31は、ホイールアセンブリ311と、同期ベルト312とを備え、同期ベルト312がホイールアセンブリ311に配設され、ホイールアセンブリ311が、同期ベルト312を運転させるために用いられ、第1スライドアーム22の下面にはラック221が設けられており、同期ベルト312の外面がラック221と伝動連結されることにより、ラック221を固定アーム21に対して荷台10の長さ方向に沿ってスライドさせる。
【0038】
一例では、2つのプーリアセンブリ31は、荷台10の幅方向の両側にそれぞれ位置している。同期ベルト312は、ホイールアセンブリ311に配設されると共に、ホイールアセンブリ311によってテンションがかけられて、ホイールアセンブリ311は同期ベルト312を時計回り方向または反時計回り方向に運転するように駆動する。同期ベルト312の外側面の一部は、ラック221と伝動連結を構成して、ラック221を荷台10の長さ方向に沿って左右に移動可能にさせることで、ラック221によって第1スライドアーム22を固定アーム21に対して左右にスライドさせる。
【0039】
一実施形態では、同期ベルト312の内面及び外面の両方には複数の同期歯が設けられており、同期ベルト312の内面上の複数の同期歯はホイールアセンブリ311と伝動係合し、同期ベルト312の外面上の複数の同期歯はラック221と伝動係合する。これにより、同期ベルト312と、ホイールアセンブリ311及びラック221との伝動効果が良好となり、ホイールアセンブリ311とラック221との間の伝動比をより安定させることができ、固定アーム21に対する第1スライドアーム22のスライドの安定性を向上させることができる。
【0040】
さらに、本出願の他の例では、同期ベルト312は、その内面及び外面の両方にチェーンソケットを有するチェーンであってもよく、ホイールアセンブリ311は、複数の同期ホイールを備えてもよく、ここで、各同期ホイールは、チェーンの内面にある複数のチェーンソケットと係合するチェーン歯を有し、ラック221には、チェーンの外面にある複数のチェーンソケットと係合する同期歯が設けられる。
【0041】
一実施形態では、駆動機構30は、2つのホイールアセンブリ311における原動ホイール3111を同期運転させるための駆動モータ(図示せず)をさらに備える。
【0042】
一例では、2つのホイールアセンブリ311における同期ホイール間に同期レバーが連結され、駆動モータの出力端が同期レバーに伝動連結されることにより、駆動モータは2つのホイールアセンブリ311における原動ホイール3111を同期駆動するようになる。これにより、2つの駆動機構30のプーリアセンブリ31の運転中の同期性が確保され、2つの伸縮アームアセンブリ20の動作を一致させることができる。
【0043】
一実施形態では、
図3に示されるように、各ホイールアセンブリ311は、原動ホイール3111と、少なくとも1つの従動ホイール3112と、複数のテンションホイール3113とを備え、従動ホイール3112は同期ベルト312による伝動により運転し、複数のテンションホイール3113は同期ベルト312にテンションをかけるように間隔をあけて配置されている。
【0044】
一例では、従動ホイール3112は2つであり、且つ2つの従動ホイール3112は荷台10の長さ方向において間隔をあけて配置されており、2つの従動ホイール3112の頂点間に位置する同期ベルト312の部分は、ラック221と伝動連結を構成して、複数のテンションホイール3113を設けることにより、2つの従動ホイール3112の頂点間に位置する同期ベルト312の部分が荷台10の長さ方向に沿って運転することは保証され、同期ベルト312とラック221との伝動連結の安定性が向上し、伸縮アームアセンブリ20の安定性が向上する。
【0045】
一実施形態において、
図1~
図3に示すように、各伸縮アームアセンブリ20は、第2スライドアーム23及び伝動機構40をさらに備える。第2スライドアーム23は、第1スライドアーム22の内側にスライド可能に係合し、言い換えれば、第1スライドアーム22は第2スライドアーム23と固定アーム21との間に位置しており、第2スライドアーム23は、第1スライドアーム22に対して荷台10の長さ方向に沿って左にまたは右にスライド可能である。伝動機構40は、第1スライドアーム22が固定アーム21に対してスライドする間に、第2スライドアーム23が第1スライドアーム22に対してスライドする方向と、第1スライドアーム22が固定アーム21に対してスライドする方向とが同じ方向であるように、第2スライドアーム23を第1スライドアーム22に対してスライドさせるためのものである。ここで、第2スライドアーム23の長さ方向は、図示の左右方向と平行であってもよい。好ましくは、伸縮アームアセンブリ20が収縮状態にあるときに、第2スライドアーム23、第1スライドアーム22及び固定アーム21が重なり合うことにより、伸縮アームアセンブリ20の外形寸法が小さくなり、伸縮装置100の体積が小さくなる。
【0046】
一例では、伝動機構40は、電動プッシュロッドであってもよい。具体的に、電動プッシュロッドは固定アーム21に取り付けられており、電動プッシュロッドの伸縮ロッドの端部は第2スライドアーム23に連結されている。第1スライドアーム22が固定アーム21に対してスライドすると、電動プッシュロッドは、第2スライドアーム23を第1スライドアーム22に対して同期スライドするようにプッシュする。第2スライドアーム23が第1スライドアーム22に対してスライドする方向と、第1スライドアーム22が固定アーム21に対してスライドする方向とが一致するようにするために、電動プッシュロッドは反対方向に設けられた2つの電動プッシュロッドを設けてもよく、ここで、一方の電動プッシュロッドは第2スライドアーム23を第1スライドアーム22に対して左方向にスライドするようにプッシュするために用いられ、他方の電動プッシュロッドは第2スライドアーム23を第1スライドアーム22に対して右方向にスライドするようにプッシュするために用いられる。
【0047】
一実施形態では、伝動機構40は、少なくとも1組のスライド滑車41と、スライドロープ42とを備え、スライドロープ42はスライド滑車41とスライド係合し、スライド滑車41は第1スライドアーム22に回動可能に設けられており、スライドロープ42の両端はスライド滑車41の同じ側に位置しており、スライドロープ42の一端が固定アーム21に固定され、他端が第2スライドアーム23に固定されている。
【0048】
具体的に、スライドロープ42の両端が対向するように、スライドロープ42の中間部を湾曲して設けることで、スライドロープ42はU字状に形成され、スライドロープ42の湾曲部にスライド滑車41が伝動連結される。スライド滑車41が第1スライドアーム22に固定され、スライドロープ42の一端が固定アーム21に固定され、スライドロープ42の他端が第2固定アーム21に固定されているので、スライド滑車41とスライドロープ42とはスライド滑車構造を形成することができる。第1スライドアーム22が固定アーム21に対してスライドすると、第1スライドアーム22によって、スライド滑車を、固定アーム21に固定されたスライドロープ42の一端に対して移動させ、それにより、スライドロープ42の他端によって第2固定アーム21を移動させる。
【0049】
なお、第2固定アーム21の第1固定アーム21に対するスライド方向は、第1固定アーム21の固定アーム21に対するスライド方向と同じであり、且つ第2固定アーム21が固定アーム21に対してスライドする速度は、第1固定アーム21が固定アーム21に対してスライドする速度の2倍である。これにより、駆動機構30が第1スライドアーム22を固定アーム21に対してスライド駆動する際に、第2固定アーム21は第1スライドアーム22に対して同期スライドすることができ、スライドアームアセンブリの伸縮長さを増大させ、伸縮アームアセンブリ20による貨物搬送の有効距離を増大させることができる。
【0050】
好ましくは、
図3に示すように、伝動機構40は、2組のスライド滑車41とスライドロープ42とを備え、2つのスライドロープ42の開口方向は荷台10の長さ方向において対向して配置されており、2つのスライド滑車41は荷台10の長さ方向において間隔をあけて配置されている。具体的に、2組のスライド滑車41とスライドロープ42とはそれぞれ2組のスライド滑車を構成し、且つ2組のスライド滑車は上下方向において間隔をあけて配置されている。ここで、2つのスライドロープ42の開口方向は対向して配置されており、ここで、左側のスライド滑車41に対応するスライドロープ42の開口方向は右方向に向いており、右側のスライド滑車41に対応する開口方向は左方向に向いている。これにより、2組のスライド滑車41とスライドロープ42とを設けることにより、伝動機構40による、第2スライドアーム23に対する駆動効率を向上させることができ、第1スライドアーム22に対する第2スライドアーム23のスライドの安定性を向上させることに有利である。
【0051】
一実施形態では、
図1~
図3に示すように、第2スライドアーム23の長さ方向の両端には、それぞれトグルアセンブリ50が設けられており、トグルアセンブリ50は、ストッパーアーム51と、トグルモータ52とを備え、ストッパーアーム51は、第2スライドアーム23の長さ方向に沿って配置された第1ストレートアーム511と、第1ストレートアーム511と角度をなして配置された第2ストレートアーム512とを備え、ここで、トグルモータ52の出力端は第1ストレートアーム511に伝動連結されている。
【0052】
一例では、
図1に示すように、トグルアセンブリ50は、第2スライドアーム23の第1スライドアーム22に向かう側面に設けられており、第2スライドアーム23と第1スライドアーム22との間の相対運動へのトグルアセンブリ50による干渉を回避するために、第1スライドアーム22の第2スライドアーム23に向かう側面にトグルアセンブリ50を収容する回避スロットが設けられている。さらに、第1ストレートアーム511の周方向を左右方向に配置可能とし、第2ストレートアーム512は第1ストレートアーム511の端部に連結され、且つ第2ストレートアーム512と第1ストレートアーム511間が直角の角度をなして、トグルモータ52は、第1ストレートアーム511をその軸方向に回動駆動することにより、第2ストレートアーム512を回動させる。なお、伸縮アームアセンブリ20は、貨物を搬送する時に、ストッパーアーム51を水平角度まで回動駆動するようにトグルモータ52を制御することで、ストッパーアーム51の第2ストレートアーム512が貨物を押引することができ、貨物を荷台10に搬入したり、荷台10から搬出したりすることができる。
【0053】
一実施形態では、伸縮装置100は、取付底板60と、回動装置61とをさらに備え、取付底板60が荷台10の下方に設けられており、回動装置61が取付底板60と荷台10との間に設けられて、荷台10を取付底板60に対して回動駆動するためのものである。これにより、荷台10を取付底板60に対して水平方向において異なる角度に回動させることができるので、伸縮アームアセンブリ20の伸縮方向を調整することができ、伸縮装置100による貨物搬送の搬送範囲を向上させることができる。
【0054】
以下、
図4~
図7を参照して、本出願の実施例に係る搬送ロボット1000について説明する。
【0055】
図4に示すように、本出願の実施例に係る搬送ロボット1000は、移動シャーシ200と、ラック300と、本出願の上述した実施例に係る伸縮装置100とを備える。移動シャーシ200は、貨物倉内でラック300を移動させるように構成されている。
【0056】
具体的に、ラック300は移動シャーシ200に取り付けられており、ラック300は、鉛直方向に沿って間隔をあけて配置された複数のトレイ310を有し、トレイ310は、貨物を一時的に保管するためのものであり、ラック300には昇降装置320が設けられており、伸縮装置100は昇降装置320に取り付けられて、昇降装置320によって伸縮装置100を鉛直方向に昇降させることによって、伸縮装置100を対応するトレイ310まで昇降させることで、伸縮アームアセンブリ20によって荷台10とトレイ310との間で貨物を搬送する。
【0057】
移動シャーシ200は、前段シャーシ201と、後段シャーシ202と、リンクアセンブリ70とを備え、前段シャーシ201は、後段シャーシ202にヒンジ連結されている。リンクアセンブリ70は、移動シャーシ200の幅方向において対向して配置された2つの縦リンク71を備え、縦リンク71の長さ方向には第1端71aと第2端71bとを有し、縦リンク71の第1端71aは前段シャーシ201にヒンジ連結されており、縦リンク71の第2端71bは後段シャーシ202にヒンジ連結されている。ここで、移動シャーシ200の長さ方向は、図示の前後方向であってもよく、移動シャーシ200の幅方向は、図示の水平面内において前後方向と垂直な方向であってもよく、縦リンク71の長さ方向は、移動シャーシ200の長さ方向と平行であり、移動シャーシ200は、2つの縦リンク71に取り付けられている。
【0058】
一例では、前段シャーシ201が後端シャーシに対してある角度だけ回動することができるように、前段シャーシ201の後側縁部は、後段シャーシ202の前側縁部とヒンジ連結される。2つの縦リンク71は、移動シャーシ200の上方に設けられており、各縦リンク71の第1端71aが前段シャーシ201にヒンジ連結され、各縦リンク71の第2端71bが後段シャーシ202にヒンジ連結されているので、前段シャーシ201が後段シャーシ202に対して回動する間に、縦リンク71は前段シャーシ201及び後段シャーシ202の両方に対して回動し、これにより、前段シャーシ201、後段シャーシ202及び縦リンク71が三角形構造を形成する。
【0059】
本出願の実施例に係る搬送ロボット1000によれば、搬送ロボット1000は、互いにヒンジ連結された前段シャーシ201及び後段シャーシ202を設けることにより、移動シャーシ200が不安定な床面を走行する際に、前段シャーシ201と後段シャーシ202とが相対的に回動することにより、移動シャーシ200と床面との接触状態を調整して、移動シャーシ200を安定して運転させることができるので、本出願の実施例に係る搬送ロボット1000は床面への適合性に優れている。さらに、前段シャーシ201及び後段シャーシ202にそれぞれヒンジ連結された2つの縦リンク71を設けることにより、前段シャーシ201及び後段シャーシ202のヒンジ連結部分への荷重を低減することができ、移動シャーシ200の構造強度及び剛性を向上させ、ひいては移動シャーシ200の故障率を低減させることができる。
【0060】
一実施形態では、
図6及び
図7に示すように、リンクアセンブリ70は、横リンク72をさらに備え、横リンク72が移動シャーシ200の幅方向に沿って前段シャーシ201に固定されており、2つの縦リンク71の第1端71aはそれぞれ横リンク72の両端にヒンジ連結されている。なお、横リンク72の軸方向は、移動シャーシ200の幅方向と平行に配置されている。横リンク72を設けることにより、リンクアッセンブリ70の構造強度だけでなく、前段シャーシ201全体の構造強度を向上させることができる。
【0061】
一実施形態では、
図6及び
図7に示すように、前段シャーシ201と後段シャーシ202とはヒンジ80によって連結されており、ヒンジ80は、前段シャーシ201に固定された第1ヒンジ連結部81と、後段シャーシ202に固定された第2ヒンジ連結部82とを備える。好ましくは、第1ヒンジ連結部81は、前段シャーシ201の上面に設けられており、第2ヒンジ連結部82は、後段シャーシ202の上面に設けられ、前段シャーシ201の後側の面は後段シャーシ202の前側の面と面接触可能である。これにより、前段シャーシ201と後段シャーシ202との間にセルフロック作用を形成することができ、前段シャーシ201の上面と後段シャーシ202の上面との間の最大角度が180°を超えることを防止することができる。
【0062】
一実施形態では、
図6及び
図7に示すように、ヒンジ80は2つであり、2つのヒンジ80は移動シャーシ200の幅方向に沿って対向して配置されており、各ヒンジ80の第1ヒンジ連結部81には固定溝811が設けられており、縦リンク71は固定溝811内に取り付けられている。これにより、前段シャーシ201と後段シャーシ202との連結効果を高めることができ、前段シャーシ201と後段シャーシ202との相対回動をより安定させることができる。
【0063】
一例では、縦リンク71の第1端71aには、横リンク72に回動可能に配設された軸スリーブが設けられている。第1ヒンジ連結部81の上面には上方に開放された固定溝811が設けられており、固定溝811は移動シャーシ200の幅方向に沿って対向して設けられた2つの固定溝であり、軸スリーブは2つの固定溝811内に係合して設けられている。これにより、縦リンク71の第1端71aに対して移動シャーシ200の幅方向における制限として機能することができる。
【0064】
一実施形態では、
図6及び
図7に示すように、リンクアセンブリ70は回動アーム73をさらに備え、回動アーム73は、2つの縦リンク71に対応して配置された2つの回動アームであり、各回動アーム73の一端は対応する縦リンク71の第2端71bにヒンジ連結されており、各回動アーム73の他端は後段シャーシ202にヒンジ連結されている。
【0065】
なお、前段シャーシ201が後段シャーシ202に対して回動する間に、縦リンク71が前段シャーシ201に対して回動するとともに、縦リンク71の第2端71bと後段シャーシ202との間に位置する回動アーム73も回動する。回動アーム73によって、縦リンク71が後段シャーシ202に対して回動する角度が小さくなるので、縦リンク71上に位置するラック300の傾く角度も小さくなり、ラック300が大きく傾くことが回避され、ひいてはラック300からの貨物の滑落が回避され、ラック300及び搬送ロボット1000全体の安定性が得られる。
【0066】
一実施形態では、
図7に示すように、各縦リンク71は、第1セグメント711と、第1セグメント711に連結された第2セグメント712とを備え、第1端71aは第1セグメント711の端部に形成されており、第2端71bは第2セグメント712の端部に形成されており、ここで、第2セグメント712の上面は、ラック300を取り付けるための取り付け平面712aとして構成されている。一例では、ラック300と第2セグメント712との間は、位置決めピンによって位置決めされると共に、ボルトにより連結されることが可能であり、これにより、ラック300と移動シャーシ200との突き合わせ位置の正確性が保証され、両者間の連結強度が保証される。
【0067】
一実施形態では、続いて
図7に示すように、第1セグメント711と第2セグメント712との間には中間セグメント713が連結されており、ここで、第2セグメント712の上面は鉛直方向において第1セグメント711の上面よりも上方に位置しており、中間セグメント713は三角形のブラケットとして構成されている。好ましくは、第2セグメント712は直角三角形構造として構成されており、ここで、第2セグメント712の斜角辺を形成する部分は第1セグメント711と第2セグメント712との間に連結され、且つ第2セグメント712の一方の直角辺は後段シャーシ202の上面に支持されている。これにより、縦リンク71と移動シャーシ200との接触面積を大きくすることができ、縦リンク71に対するラック300の押圧力を小さくすることができ、縦リンク71の構造強度を向上させることができる。
【0068】
さらに、第1セグメント711の長さは、第2セグメント712の長さよりも短い。これにより、第2セグメント712上の取り付け平面712aの面積を大きくすることで、ラック300の取り付けをより安定させることができる一方、前端シャーシが後段シャーシ202に対して回動する場合には、第2セグメント712が後段シャーシ202に対して傾く角度を小さくすることができ、ラック300の安定性をより向上させることができる。
【0069】
一実施形態では、
図7に示すように、移動底板は駆動装置90をさらに備え、駆動装置90は駆動モータ91と駆動ホイール92とを備え、駆動モータ91の出力端は駆動ホイール92に伝動連結されており、モータ及び駆動ホイール92は、共に後段シャーシ202に取り付けられている。
【0070】
一例では、駆動ホイール92は2つであり、2つの駆動ホイール92は移動シャーシ200の幅方向において間隔をあけて設けられており、駆動モータ91は、2つの駆動ホイール92を独立して運転するように駆動するためのものである。ここで、駆動モータ91は、搬送ロボット1000のコントローラと電気的に通信し、2つの駆動ホイール92を同一または異なる回転速度または方向で運転するように駆動モータ91を駆動制御することにより、移動シャーシ200を直線方向に走行または旋回制御することができる。さらに、移動シャーシ200はステアリングホイールを備え、ステアリングホイールは自在キャスターであってもよい。
【0071】
なお、上述した実施形態に係る搬送ロボット1000の他の構成は、当業者が現在及び将来に知りえる様々な技術案を採用することができ、ここでは詳細に説明しない。
【0072】
本出願の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」「反時計回り」「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を便利又は簡単に説明するために使用されるものであり、指定された装置又は部品が特定の方位や、特定の方位において構造され操作されると指示又は暗示するものではないため、本発明を限定するものと理解してはならない。
【0073】
また、「第1」、「第2」の用語は説明に用いられるものであり、比較的重要であることを指示又は暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはならない。「第1」、「第2」が限定されている特徴は1つ又はより多くの前記特徴を含むことを明示又は暗示するものである。本発明の説明において、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、例えば、2つ、3つなど、2つ以上を意味する。
【0074】
なお、本出願の説明において、明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」、「固定」の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続、あるいは一体化が可能である。機械的接続や、電気的接続や、通信も可能である。直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続すること、二つの部品の内部が連通することや、二つの素子の相互作用の関係も可能である。当業者にとって、具体的な場合に応じて上記用語の本発明の具体的な意味を理解することができる。
【0075】
本出願では、特に明確な規定と限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」または「下」に直接接触するか、第1特徴と第2特徴が中間メディアを介して間接的に接触するかのいずれかである。また、第1特徴は第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真上または斜め上にあること、或いは第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを示す。第1特徴は、第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあるのは、第1特徴が第2特徴の直下または斜め下にあること、或いは第1特徴の水平高さが第2特徴よりも小さいことを示す。
【0076】
上記の開示は、本出願の異なる構造を実現するための多くの異なる実施形態または例を提供する。本出願の開示を簡略化するために、特定の例の構成要素及び設置を上記にて説明している。当然ながら、これらは一例にすぎず、本出願を制限することを目的としていない。さらに、本出願は、異なる例において数字及び/又はアルファベットを繰り返し参照することができ、このような繰り返しは、簡略化と明瞭化の目的を実現するためであり、その自体が検討する各種の実施形態及び/又は設置の間の関係を示していない。
【0077】
上記の具体的な実施形態は、本出願の保護範囲に対する制限にならない。当業者が、設計要件と他の要因に基づいて、改修、組合、サブ組合、代替を行うことができることは明らかである。本出願の思想と原理における変更、均等な置換及び改善等は、いずれも本発明の保護の範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】