(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-23
(54)【発明の名称】非接触型の交換可能なバッテリーシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/10 20160101AFI20221216BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221216BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20221216BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20221216BHJP
【FI】
H02J50/10
H02J7/00 301D
H02J50/90
H02J50/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525142
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(85)【翻訳文提出日】2022-06-23
(86)【国際出願番号】 US2020058319
(87)【国際公開番号】W WO2021087332
(87)【国際公開日】2021-05-06
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】514287443
【氏名又は名称】インダクトイーブイ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ダガ、アンドリュー ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】マクマホン、フランシス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ワード、マシュー エル.
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503BB02
5G503FA06
5G503GB08
(57)【要約】
【要約】
非接触型バッテリーシステムは、バッテリー装置および前記バッテリー装置に接続された少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーを収容する密閉可能な防塵および防水加工されているケースを含む。前記少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーは、前記密閉可能なケースの少なくとも1つの面に対して配置され、充電、放電、および前記バッテリーとの通信のための磁気誘導信号を可能にする。物理的な接触がなければ、電圧と電流に触れることができないため、前記バッテリーは本質的に安全である。物理的な接触がないということは、接触の摩耗がなくなり、前記バッテリーモジュールには固有のガルバニック絶縁という利点を有することも意味する。前記バッテリーシステムは密閉されているため、内部侵入検知システムを使用して、バッテリー交換の不適切な試みや使用状況や充電記録を含む電子機器への攻撃を検出し、二次バッテリー市場での前記バッテリー装置の価値を高めることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触型バッテリーシステムであって、
密閉可能なケースと、
前記密閉可能なケース内に配置されたバッテリー装置と、
前記バッテリー装置に接続され、前記密閉可能なケース内に配置された少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーであって、前記密閉可能なケースの少なくとも1つの面に対して配置され、充電、放電、および前記バッテリー装置との通信のための磁気誘導信号を可能にするものである、前記少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーと
を有する、非接触型バッテリーシステム。
【請求項2】
請求項1記載のバッテリーシステムにおいて、前記密閉可能なケースは防塵および防水加工されているものである、バッテリーシステム。
【請求項3】
請求項1記載のバッテリーシステムにおいて、前記バッテリー装置は複数のバッテリーセルを有し、各セルは、化学セル、容量セル、燃料電池、または化学セル、容量セル、および燃料電池のうちの少なくとも2つからなるハイブリッドアレイを有する、バッテリーシステム。
【請求項4】
請求項1記載のバッテリーシステムにおいて、前記少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーは、前記バッテリー装置によって供給される電圧、電流、または電力に応じて1~nxmのワイヤレス電力伝送カプラーを有し、ここで、nは前記密閉可能なケースの平坦な側面の数であり、mは平坦な側面あたりのワイヤレス電力伝送カプラーの数である、バッテリーシステム。
【請求項5】
請求項1記載のバッテリーシステムにおいて、さらに、
前記密閉可能なケースの各側面縁部に含まれ、前記バッテリーシステムを強固に保持する保持要素を有し、当該保持要素により前記バッテリーシステムの使用中または充電中の横振動が最小限に抑えられるものである、バッテリーシステム。
【請求項6】
請求項1記載のバッテリーシステムにおいて、さらに、
前記密閉可能なケースの端部に配置され、使用中および充電中に前記バッテリーシステムを所定の位置に固定する固定保持要素を有するものである、バッテリーシステム。
【請求項7】
請求項1記載のバッテリーシステムにおいて、さらに、
前記バッテリー装置の使用中および充電中に前記密閉可能なケースの内部構成要素への伝導を介して冷却および加熱のうちの少なくとも1つを提供する、前記密閉可能なケース上の非接続型インターフェースを有するものである、バッテリーシステム。
【請求項8】
請求項1記載のバッテリーシステムにおいて、さらに、
前記密閉可能なケース内の誘導通信リンクインターフェースを有し、前記誘電通信リンクイターフェースは前記バッテリー装置と、放電ステーションおよび充電ステーションのうちの少なくとも1つとの間のワイヤレス通信を可能にするものである、バッテリーシステム。
【請求項9】
請求項8記載のバッテリーシステムにおいて、さらに、
前記密閉可能なケース内の通信制御装置を有し、前記通信制御装置は、暗号化キーを使用する認証がない場合、前記バッテリー装置への通信アクセスを阻止するものである、バッテリーシステム。
【請求項10】
請求項8記載のバッテリーシステムにおいて、前記誘導通信リンクインターフェースは、全二重磁気誘導通信リンク、セルラー無線、および短距離送受信機のうちの少なくとも1つを有する、バッテリーシステム。
【請求項11】
請求項1記載のバッテリーシステムにおいて、さらに、
前記密閉可能なケース内に配置された少なくとも1つのセンサーを有し、前記少なくとも1つのセンサーは、前記密閉可能なケース内の温度、前記バッテリー装置によって出力される電圧、前記バッテリー装置によって出力される電流、および前記バッテリー装置の加速度のうちの少なくとも1つを測定するものである、バッテリーシステム。
【請求項12】
請求項11記載のバッテリーシステムにおいて、さらに、
前記密閉可能なケース内の電力管理システムを有し、前記電力管理システムは、前記少なくとも1つのセンサーからの読み取り値を保護された永久記録に記録するハードウェアセキュリティモジュールを有するものである、バッテリーシステム。
【請求項13】
請求項12記載のバッテリーシステムにおいて、さらに、
前記密閉可能なケース内に配置された侵入検知システムを有し、前記侵入検知システムは、前記密閉可能なケースを開放する試みおよび前記密閉可能なケース内の電子機器への攻撃を検出し、検出された、前記密閉可能なケースを開放する試みおよび前記密閉可能なケース内の電子機器への攻撃を前記永久記録に記録するものである、バッテリーシステム。
【請求項14】
請求項11記載のバッテリーシステムにおいて、さらに、
前記少なくとも1つのセンサーのバッテリーバックアップを有し、前記バッテリーバックアップにより、壊滅的な障害が発生した場合に前記バッテリーシステムがシャットダウンする前にセンサーデータの記録が可能となるものである、バッテリーシステム。
【請求項15】
請求項1記載のバッテリーシステムにおいて、さらに、
前記密閉可能なケースを受け入れる囲み部を有する充電クレードルを有し、前記充電クレードルは、前記密閉可能なケースが前記充電クレードル内に配置されるときに、前記少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーにワイヤレスで接続する少なくとも1つの充電ポイントを有するものである、バッテリーシステム。
【請求項16】
請求項15記載のバッテリーシステムにおいて、さらに、
前記密閉可能なケース内の通信制御装置を有し、前記通信制御装置は、暗号化されたワイヤレス通信リンクを介して前記充電クレードルと通信するものである、バッテリーシステム。
【請求項17】
請求項1記載のバッテリーシステムにおいて、前記密閉可能なケースは、車両のバッテリー装置ソケットアレイに適合するように構成されており、それにより、少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーが、ワイヤレス電力伝送のために前記車両のワイヤレス伝送カプラーと幾何学的に整合されるものである、バッテリーシステム。
【請求項18】
請求項1記載のバッテリーシステムにおいて、前記密閉可能なケースは、さらに、
前記密閉可能なケースの取り扱いに適合したビアを有するものである、バッテリーシステム。
【請求項19】
水平方向にクラスター配置された複数の請求項1記載のバッテリーシステムを有するクラスター化されたバッテリーシステムにおいて、各バッテリーシステムの少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーは、別のバッテリーシステムの少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーと位置合わせされて、前記水平方向にクラスター配置された前記バッテリーシステム間に電力が供給されるものである、クラスター化されたバッテリーシステム。
【請求項20】
請求項19記載のクラスター化されたバッテリーシステムにおいて、さらに、
前記複数のバッテリーシステムを保持し、各バッテリーシステムの各ワイヤレス電力伝送カプラーの位置合わせを保証する下部トレイを有し、
前記下部トレイは、さらに、
前記複数のバッテリーシステムへの通信インターフェースと、前記複数のバッテリーシステムとの間で電力を供給または伝送するための電源接続を提供するものである、クラスター化されたバッテリーシステム。
【請求項21】
垂直方向にクラスター配置された複数の請求項1記載のバッテリーシステムを有するクラスター化されたバッテリーシステムにおいて、各バッテリーシステムの少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーは、別のバッテリーシステムの少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーと位置合わせされて、前記垂直方向にクラスター配置された前記バッテリーシステム間で電力が供給されるものである、クラスター化されたバッテリーシステム。
【請求項22】
請求項21記載のクラスター化されたバッテリーシステムにおいて、さらに、
前記複数のバッテリーシステムを保持し、各バッテリーシステムの各ワイヤレス電力伝送カプラーの位置合わせを保証する下部トレイを有し、
前記下部トレイは、さらに、
前記複数のバッテリーシステムへの通信インターフェースと、前記複数のバッテリーシステムとの間で電力を供給または伝送するための電源接続を提供するものである、クラスター化されたバッテリーシステム。
【請求項23】
非接触型バッテリーシステムであって、
密閉可能なケースと、
前記密閉可能なケース内に配置されたバッテリー装置と、
前記バッテリー装置に接続され、前記密閉可能なケース内に配置された少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーであって、前記密閉可能なケースの少なくとも1つの面に対して配置され、充電、放電、および前記バッテリーとの通信のための磁気誘導信号を可能にするものである、前記少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーと、
前記バッテリ装置の履歴動作プロファイルを格納する前記密閉可能なケース内の安全なメモリと
を有し、
前記履歴動作プロファイルは、経時的な前記バッテリー装置の温度の記録、経時的な前記バッテリー装置の放電サイクル、使用中のバッテリーの充電および放電の速度、経時的な加速度計の測定値、経時的な前記バッテリー装置の電圧レベル、および経時的な前記バッテリー装置の電流レベルのうちの少なくとも1つを有するものである、非接触型バッテリーシステム。
【請求項24】
請求項23記載のバッテリーシステムにおいて、さらに、
前記履歴動作プロファイルから数値的な品質値を生成し、前記数値的な品質値を前記安全なメモリに安全に保管するバッテリー制御装置を有するものである、バッテリーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2019年10月30日に出願された米国仮特許出願番号62/928、015に優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示は、充電および放電のための非接触型磁気誘導結合を使用する交換可能なバッテリーパックの構造および使用について説明する。
【背景技術】
【0003】
交換可能なバッテリーの概念は、1800年にアレッサンドロ・ボルタによる電堆の発明以来存在している。
【0004】
独自仕様でない交換可能なバッテリーに対する消費者のニーズは、体積サイズ、電圧、および端子(つまり、接点)の標準化につながった。これらの標準には、例えば、次のものが含まれる。米国規格協会(ANSI)規格C18.1M、「携帯型一次電池および水性電解質を備えたバッテリーの国家規格」。
【0005】
磁気共鳴誘導によるワイヤレス電力伝送は、19世紀に導入されたが、導電性チャネルを形成する大気の能力の誤解により商業的に失敗した。磁気インダクタンスのためのフラットワイヤコイルの使用は、米国特許第512、340号に詳述されている。「エレクトロマグネット用コイル」、1894年1月9日発行。
【0006】
1982年のSF小説「金曜日」でロバートA.ハインラインが書いたように、「問題はエネルギーの不足ではなく、エネルギーの輸送にあった。エネルギーは、日光、風、渓流、あらゆる種類の温度勾配、石炭、化石燃料、放射性鉱石、緑の成長など、いたるところにある。特に海の深さや宇宙空間では、エネルギーは人間の理解を超えて豊富な量を取り入れるために自由である。「エネルギー不足」や「省エネ」について語った人々は、単に状況を理解していなかったのである。空は「雨のスープ」であった。必要だったのは、それを運ぶためのバケツだったのだ。」ハインラインの携帯型エネルギー貯蔵用の架空の画像は「シップストーン」と呼ばれていた。
【0007】
リチウムイオン(Li-ion)バッテリー(さまざまな構成と化学)は、エネルギー貯蔵におけるその価値が認められており、バッテリーの発明者は2019年のノーベル化学賞を受賞している。ただし、リチウムイオンを含むバッテリーの使用は、架空のバッテリーとは異なり、大規模な電源の使用には依然として問題がある。
【発明の概要】
【0008】
次に、様々な例が、以下の発明の概要でさらに説明される簡略化された形式で概念の選択を紹介するために説明される。発明の概要は、主張された主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図しておらず、主張された主題の範囲を制限するために使用されることも意図されていない。
【0009】
サンプルの実施形態におけるワイヤレス電力伝送に共振誘導結合を使用するバッテリ装置は、接触摩耗がなく、環境的に密閉された容器であるという利点、ならびに湿潤または爆発性雰囲気の状況で使用できるという利点を提供する。
【0010】
サンプルの実施形態では、防塵および防水の密閉可能なケース、前記密閉可能なケース内に配置されたバッテリー装置、および前記バッテリー装置に接続されて前記密閉可能なケース内に配置された少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーを含む非接触型バッテリーシステムが提供される。前記少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーは、前記密閉可能なケースの少なくとも1つの面に対して配置され、充電、放電、および前記バッテリー装置との通信のための磁気誘導信号を可能にする。前記バッテリー装置は、複数のバッテリーセルを含み、各セルは、化学電池、容量電池、燃料電池、または化学電池、容量電池、および燃料電池のうちの少なくとも2つのハイブリッドアレイを有する。前記少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーは、前記バッテリ装置によって供給される電圧、電流、または電力に応じて、1からnxmのワイヤレス電力伝送カプラーを構成し、nは、前記密閉可能なケースの平坦な側面の数であり、mは、平坦な面あたりのワイヤレス電力伝送カプラーの数である。
【0011】
前記バッテリーシステムの他の機能には、前記バッテリーシステムの使用中または充電中の横振動を最小限に抑えるために前記バッテリーシステムをしっかりと保持するための前記密閉可能なケースの各側面縁部に含まれる保持要素と、使用中および充電中に前記バッテリーシステムを所定の位置に固定するために前記密閉可能なケースの端部にある固定保持要素とを有する。前記密閉可能なケース上の非接続型放射接触面は、使用中および前記バッテリーシステムの充電中に、前記密閉可能なケースの内部構成要素への伝導を介して冷却および/または加熱を提供することもできる。
【0012】
他の実施形態では、前記バッテリーシステムは、前記密閉可能なケース内に誘導通信リンクインターフェースを含む。例えば、誘導通信リンクインターフェースは、前記バッテリー装置と、放電ステーションおよび充電ステーションのうちの少なくとも1つとの間の無線通信を可能にする。暗号化キーを使用する認証がない場合、前記バッテリー装置への通信アクセスを阻止するために、前記密閉可能なケース内の通信制御装置を提供することもできる。代替の実施形態では、前記通信リンクインターフェースは、全二重磁気誘導通信リンク、セルラー無線、または短距離送受信機(例えば、赤外線、Wi-Fi、ブルートゥース、ジグビー)のうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
さらなる実施形態では、前記バッテリーシステムは、前記密閉可能ケース内の温度、前記バッテリー装置によって出力される電圧、前記バッテリー装置によって出力される電流、および/または前記バッテリー装置の加速度を測定する、前記密閉可能ケース内に配置された少なくとも1つのセンサーを含む。前記密閉可能なケース内の電力管理システムには、少なくとも1つのセンサーからの読み取り値を保護された永久記録に記録するハードウェアセキュリティモジュールが含まれる。前記密閉可能なケースを開けようとする試みおよび前記密閉可能なケース内の電子機器への攻撃を検出するために、前記密閉可能なケース内の侵入検知システムも提供される。前記密閉可能なケースを開けようとする試みや前記密閉可能なケース内の電子機器への攻撃が検出された場合は、前記保護された永久記録に記録される。前記少なくとも1つのセンサーにバッテリーバックアップを提供して、壊滅的な障害が発生した場合に前記バッテリーシステムをシャットダウンする前にセンサーデータを記録できるようにすることもできる。
【0014】
前記バッテリーシステムは、さらに、前記密閉可能なケースを受け入れる周囲の筐体を有する充電クレードルをさらに含む。前記充電クレードルは、前記密閉可能なケースが前記充電クレードル内に配置されている場合に、少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーにワイヤレスで接続する少なくとも1つの充電ポイントを有することができる。前記密閉可能なケース内の通信制御装置は、暗号化されたワイヤレス通信リンクを介して前記充電クレードルと通信することができる。
【0015】
特定の実施形態では、前記バッテリーシステムは、電気自動車に電力を供給するために使用される。そのような実施形態では、前記密閉可能なケースは、車両のバッテリ装置ソケットアレイに適合するように構成され、それによって、少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーが、ワイヤレス電力伝送のために前記車両のワイヤレス伝送カプラーと幾何学的に整合する。取り扱いを容易にするために、前記密封可能なケースは、さらに、前記密封可能なケースの取り扱いに適合されたビアを含むことができる。
【0016】
他のサンプル実施形態では、複数の前記バッテリーシステムが水平方向にクラスター配置され、それにより、各バッテリーシステムの少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーが、前記水平方向にクラスター配置された前記バッテリーシステム間に電力が供給されるために別のバッテリーシステムの少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーと整合される。あるいは、前記複数のバッテリーシステムは、垂直方向にクラスター配置され、それにより、各バッテリーシステムの少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーは、別のバッテリーシステムの少なくとも1つのワイヤレス電力伝送カプラーと整合されて、垂直方向にクラスター配置されたどちらの構成でも、複数のバッテリーシステムを保持するために下部トレイを設けて、各バッテリーシステムの各ワイヤレス電力伝送カプラーの位置合わせを保証することができる。前記底部トレイはまた、前記複数のバッテリーシステムへの通信インターフェースと、前記複数のバッテリーシステムとの間で電力を供給または伝送するための電源接続を提供できる。結果として得られる行または列のアレイは、より高い電圧(直列に接続されている場合)またはより高い電流(並列に接続されている場合)を提供できます。結果として得られる行または列のアレイは、より高い電圧(直列に接続されている場合)またはより高い電流(並列に接続されている場合)を提供できます。結果として得られる行または列のアレイは、より高い電圧(直列に接続されている場合)またはより高い電流(並列に接続されている場合)を提供できる。
【0017】
さらに他のサンプルの実施形態では、前記非接触型バッテリーシステムは、さらに、前記バッテリー装置の履歴動作プロファイルを格納する前記密閉可能なケース内に安全なメモリを含む。前記履歴動作プロファイルには、経時的な前記バッテリー装置の温度の記録、経時的な前記バッテリー装置の放電サイクル、使用中のバッテリーの充電および放電の速度、経時的な加速度計の測定、経時的な前記バッテリー装置の電圧レベル、および経時的な前記バッテリー装置の電流レベルのうちの少なくとも1つが含まれる。バッテリ制御装置は、前記履歴動作プロファイルから数値的な品質値を生成し、前記数値的な品質値を前記安全なメモリに安全に保管することができる。前記数値的な品質値は、前記バッテリーシステムの負荷テストの代わりに使用して、前記バッテリーシステムの状態のスナップショットを生成するための品質測定法を提供できる。
【0018】
さらに別のサンプルの実施形態では、前記バッテリー装置は、直流(DC)エネルギー貯蔵装置および交流(AC)電源に接続され、前記DCエネルギー貯蔵装置と前記AC電源との間の単純な双方向ワイヤレス電力伝送を提供するように適合されている。
【0019】
方法は、装置によって実行することができ、前記方法のさらなる特徴は、前記装置の機能性に起因する。また、各側面とその実装について提供された説明は、他の側面と対応する実装にも同様に適用される。前記異なる実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実施することができる。また、前述の例のいずれか1つを、他の前述の例のいずれか1つ若しくはそれ以上と組み合わせて、本開示の範囲内で新しい実施形態を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本明細書に記載の主題の前述および他の有益な特徴および利点は、添付の図に関連する以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、サンプル実施形態における非接触型バッテリー装置の例を示している。
【
図2】
図2は、サンプルの実施形態における、前記密封された非接触型バッテリー装置の内部機能サブシステムならびに放電ステーションを示している。
【
図3】
図3は、充電クレードル内の前記非接触型バッテリ装置のサンプル実施形態を示している。
【
図4】
図4は、サンプル実施形態における、非接触型バッテリー装置の例示的な水平方向へのクラスター配置を示している。
【
図5】
図5は、サンプル実施形態における、非接触型バッテリー装置の例示的な垂直方向へのクラスター配置を示している。
【
図6a】
図6aは、サンプル実施形態における、非接触型バッテリー装置の車両用途を示している。
【
図6b】
図6bは、サンプル実施形態における、非接触型バッテリー装置を使用する建設車両給油のサンプル実施形態を示している。
【
図7】
図7は、操作用に構成された非接触型バッテリー装置の例示的な実施形態を示している。
【
図8】
図8は、サンプル実施形態における、使用モデルに対するバッテリー寿命の例をグラフで示している。
【
図9】
図9は、単信回線双方向性電力を提供するための機能ブロックを示している。
【
図10】
図10は、例示的な実施形態による方法を実行し、処理機能を実施するための回路を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
電動車両の充電に使用するためのサンプルの実施形態を
図1~10に関して説明するが、当業者は、本明細書で提供される教示が他の非車両共振磁気誘導ワイヤレス電力伝送システムで使用できることを理解するであろう。そのような実施形態は、本開示の範囲内にあることを意図している。
【0022】
本明細書に記載の前記非接触型交換式(交換可能な)バッテリ装置は、磁気誘導結合を使用して、システム要素の充電、放電、およびシステム要素間の通信を実現し、頑丈で防塵および防水加工されている容器に恒久的に密閉される非接触型バッテリ装置を可能にする 。
【0023】
物理的な接触がなければ、電圧と電流に触れることができないため、前記バッテリーは本質的に安全である。導電性材料がないということは、接触摩耗がなくなることも意味する。前記非接触型交換可能バッテリーのケースは、ワイヤレス共振カプラー間のスタンドオフ距離を提供する。前記バッテリモジュールには、前記システムの非接触性により、固有のガルバニック絶縁という利点もある。
【0024】
ブレーカー、割り込み、またはヒューズを前記バッテリー装置のハウジング内に組み込むことができるが、ワイヤレス電力伝送を使用すると、導電性雰囲気や水中の淡水または海水の用途でも、取り扱い時の短絡や地絡を防ぐことができる。
【0025】
前記バッテリー装置の密閉された外観は、水やほこりの侵入を防ぎ、濡れた、ほこりの多い、または爆発性の雰囲気環境でのバッテリーの使用を可能にする。前記密閉された外観により、物理的および電子的な内部(前記ケースへの)侵入検知システムの展開も可能になる。前記侵入検知は、二次寿命バッテリー市場での前記バッテリー装置の価値を高めるために、バッテリー交換の不適切な試みや、使用状況と充電記録を含む電子機器への攻撃を検出するために使用できる。
【0026】
短期的には、大規模な(複数キロワット時(kWh))車両および地上拠点の展開が、前記密閉された非接触型バッテリー装置と充電ステーションで予測される。ただし、電子機器の小型化が進むにつれて、ほとんどまたはすべての交換可能なバッテリー用途に密閉型非接触型バッテリー装置を含めることが可能になる。
【0027】
図1は、サンプル実施形態における密封された非接触型バッテリー装置101の例を示している。頑丈な密閉ケース102は、前記バッテリー装置101の内部構成要素を保護する。前記密封されたケース102の材料は、非導電性材料(例えば、ガラス繊維、ケブラー(登録商標)複合材料)または金属である。前記ケースが金属製の場合、ワイヤレス電力伝送(WPT)カップリング103と105、および周囲の保護バンド104と106を覆う領域は非導電性でなければならない。
図1では、追加の2つのワイヤレス電力伝送カプラが、前記バッテリー装置101の反対側に示されていないことに留意されたい。前記バッテリー装置101が供給することを意図する電圧、電流、または電力に応じて、前記WPTカップリング103の数は、1からnxmまで変化でき、ここで、nは、前記密封されたケース102の平坦な側面の数であり、mは、平坦な側面あたりのカプラーの取り付け数である(カプラー領域に対する前記使用可能な平坦な側面領域の比率に基づく)。前記バッテリー装置101の形状は、追加の平坦な側面ごとに変えることができ、追加のWPTカプラーの設置を可能にする。前記バッテリー装置101のサイズもまた、用途に応じて変えることができ、従って、各平坦な側面の前記利用可能な領域に追加のカプラーを設置することも可能にする。前記磁気誘導性カプラーのサイズおよびカプラーの表面積もまた、前記バッテリー装置101あたりの所望の数のカプラーを得るために変更できる。
【0028】
各カプラーは、前記バッテリーケースの前記非導電性充電面部分の下で保護された関連回路(フィルター、整流器、電圧変換器、電圧レギュレーターなど)を備えた1若しくはそれ以上のフラットコイル部品を含む。前記カプラーは、充電時の再充電と電源供給時の放電を交互に使用できるという点で双方向である。
【0029】
図1に示すように、保持要素107は、前記バッテリー装置101の前記密封されたケース102の各横方向の角に含まれる。前記保持要素107は、交換(挿入および取り外し)を支援し、前記バッテリー装置101を強固に保持して、使用中または充電中の横振動を最小限に抑えるのに役立つ。
図1の例では、ソケットレセプタクルに提供されたスロットに合うように縁部に取り付けられたスライドとして示されているが、他の動力付きまたは動力なしの機械要素(スライド、レール、ローラー、リニアボールおよびローラーベアリング(再循環および非再循環のいずれか)、ラックアンドピニオン、ローラーベアリングプレート、ねじ付きおよびねじなしロッド)、および前記ケースフレームへの配置(または統合)は、前記バッテリー装置の交換を容易にし、前記バッテリー装置101の振動を十分に減衰させて保持することを想定している。
【0030】
固定保持要素108は、前記バッテリー装置101の後端に含まれる。前記固定保持要素108は、使用および充電のために前記バッテリー装置101を所定の位置に固定する。前記固定保持要素108はまた、不注意または悪意のある前記バッテリー装置101の取り外しに対する抑止力として機能する。この例では、修正された固定部品として描かれているが、他の機械的、磁気的油圧、電磁的、および電気機械的保持要素が有効または作動する構造は、前記保持および固定機能を提供または有効にすることが可能である。
【0031】
環境制御要素109は、前記バッテリー装置101の後端に示されている。前記環境制御要素109は、使用中または充電中に利用可能な外部冷却および/または加熱要素への前記バッテリー装置101の内部冷却および/または加熱要素のためのコネクションレス型インターフェースを提供する。追加の熱伝導性表面は、別の要素(前記WPTカプラーの前記充電面など)によって占有されていない前記ケースのどこにでも配置できることに注意されたい。
【0032】
この実施形態では、前記バッテリー装置101と充電または放電クレードル(図示せず)との間の誘導二重通信を送受信するための磁気ループアンテナは、前記非導電性表面領域を前記ワイヤレス電力伝送(WPT)カプラー103および105と共有する。異なるアンテナ配置が必要な場合は、専用の非導電性表面を使用することもできる。
【0033】
図2は、前記密閉された非接触型バッテリー装置201(
図1からの前記バッテリー装置101を含む)および放電ステーション202の内部機能サブシステムを示している。前記バッテリー装置201は、前記放電ステーション202に隣接して挿入されるか、さもなければ所定の位置に保持される。バッテリー装置カプラー206と前記放電ステーションカプラー204との間の隙間205は、前記ケースの厚さ、または前記ケースの厚さと前記放電ステーションのカバーの組み合わせによって調整することができる。連結部204と206との間の追加の空隙205は、スタンドオフまたは前記バッテリー装置201の前記保持要素107を使用して組み付けることができる。
【0034】
前記放電ステーション202は、磁気共振インダクタンスを使用して前記バッテリー装置201に接続する。前記磁気放電信号に加えて、誘導結合通信システム信号も存在する可能性がある。
【0035】
電力接続212は、前記放電ステーション結合204によって生成された電気を伝達し、電力管理システム203によって調整される。前記放電結合204は、1つ若しくはそれ以上のフラットコイル電磁石および関連する回路(例えば、フィルタ、整流器、電圧変換器-調整器)から構成される。
【0036】
前記放電ステーション202と発電ステーション(例えば、車両、充電クレードル、電力貯蔵デポ、または企業または住宅の据付場所)との間の二重通信リンクインターフェース214は、前記放電ステーション202への前記誘導性通信リンクを介して前記バッテリ装置201との間で双方向のデジタル情報を伝達する。
【0037】
環境制御接続213は、所望の冷却媒体または加熱媒体を前記放電ステーション202に供給する。前記バッテリー装置101は密閉されているので、前記バッテリー装置201の放射表領域211は、伝導または対流熱伝達を介して、前記供給された加熱または冷却と結合することができる。前記バッテリー装置201の内部は、前記内部冷却剤資源(例えば、空気、液体冷却剤、相変化材料)を管理および分配するのに役立つ環境制御システム210である。前記環境制御システム210は、バッテリーアレイ209および搭載電子機器207および208全体にわたって加熱または冷却を提供する。前記バッテリーアレイ209は異なるセルからなり、それぞれが前記電力管理システム208と前記バッテリー管理システム205および前記環境制御システム210に接続している。前記異なったセルは、化学セル、容量性セル(例えば、ウルトラキャパシター)、可逆燃料電池、またはそれらの混合物であり、ハイブリッドアレイを生成する。
【0038】
前記バッテリー装置通信制御装置216は、ファイアウォールセキュリティを備えたゲートウェイルータであり、前記放電ステーション202の通信制御装置217によって提供される適切なキーなしで前記バッテリ装置201の前記内部ネットワークへのアクセスを防止する。前記バッテリー装置通信制御装置216はまた、前記バッテリー装置201の内部構成を外部プロービングから隠すように機能する。外部で利用可能な情報(例えば、電子シリアル番号、充電状態、品質スコア、使用ログ情報の要約された、または公に利用可能な部分)は、前記バッテリー装置通信制御装置216にローカルに保持される。
【0039】
前記放電ステーション通信制御装置217は、すべての外部ネットワークと前記内部WPT対応通信ネットワークとの間のブリッジルータである。一実施形態では、安全なインターネット通信プロトコル(例えば、トランスポート層セキュリティ)が、任意の外部ネットワーク接続に必要とされる。インターネット仮想プライベートネットワーキング「トンネル」内では、前記放電ステーション202と前記バッテリー装置201の両方にアクセスするために、データ暗号化を使用する追加の認証およびアクセス制御が必要となる場合がある。
【0040】
図2に示されるように、前記電力管理システム208は、機械的に強化されたハードウェアセキュリティモジュール(HSM)218およびロギング219のための安全なメモリを含む。前記安全な暗号化された不揮発性メモリ219は、前記バッテリー装置201に埋め込まれたすべてのセンサーの安全な永久記録の記録に使用される。これらのセンサーには、時間、温度、電圧、電流、圧力、および加速度が含まれる。前記電力管理システム208はまた、HSM218によって保持される暗号鍵ボールトへのアクセスを制限するのに役立つ。
【0041】
前記電力管理システム208は、すべての通信セッション、物理的侵入、およびソフトウェアアクセス/攻撃の試みを記録することができる。前記電力管理サブシステム208は、前記バッテリー装置201の前記内部の暗号化された安全なネットワークにのみインターフェースする通信プロセッサ(図示せず)を含む。前記電力制御サブシステム208通信リンクを介して、前記バッテリー装置201の内部と前記バッテリー装置通信制御装置216を介して外部ソースとの間の両方で転送されるすべてのデータは、内部(前記電力管理システム208へ)ファイアウォールによって遮蔽される。
【0042】
前記バッテリー装置201は恒久的に密閉されることを意図されているので、前記バッテリー装置201の内部の保守は困難であることが意図されている。交換事象がログに記録されるという点で、メーカーレベルの保守(例えば、前記バッテリーアレイ209内の誤動作しているバッテリーセルの交換)のための準備がなされている。
【0043】
前記非接触型バッテリー装置のメーカーレベルのメンテナンスのログ記録は、前記鍵ボールトに埋め込まれた暗号化鍵を使用することで可能になる。鍵を使用すると、信頼できる施設が前記メンテナンスを実行したことが保証される。対称鍵と非対称(公開鍵)ストレージの両方をHSM218に保持できる。
【0044】
前記電力管理システム208は、外部ソフトウェアまたは物理的攻撃のような壊滅的な障害または前記バッテリー装置201の内部システム障害の場合にシャットダウン前にセンサーデータの記録を可能にするサイズのバッテリバックアップを有する。
【0045】
図3は、充電クレードル内の前記非接触型バッテリー装置201の例示的な実施形態を示している。前記交換可能な密封された非接触型バッテリー装置201の1つの利点は、用途に応じて、オフサイトまたは電気自動車の外で充電できることである。前記オフサイトの場所では、電力と冷却にアクセスできるため、最適な制御可能な充電条件が可能になる。
【0046】
この例における前記充電ステーション301は、前記充電ポイント202を天候から遮蔽および分離する囲み部302を含む。前記充電ステーション301には、前記充電ポイント202のそれぞれについて、電力接続212および環境制御(例えば、冷却剤)接続213が供給される。この例は、前記バッテリー装置201にワイヤレスで接続する4つの充電ポイント202を使用する。各前記充電ポイント202は、充電電圧を最適化するために独立して制御可能である。
図3の前記充電ステーション構成においては、前記外部通信リンクインターフェース210は、関磁気的に結合された二重通信215を実施するために、1つの充電ポイント202でのみ必要とされる。冗長性のために追加の通信リンクが提供される場合があり、それ以外の場合は、さまざまなセクションを制御するために内部接続が提供される。
【0047】
有線電力接続212、ワイヤレス電力接続214、およびワイヤレス通信リンク215は双方向であるため、充電ステーション310は、
図2に示される前記放電ステーション202として動作可能に使用することができる。
【0048】
前記バッテリー装置201は、異なる当事者によって所有される可能性のある任意の充電ステーションで充電できるので、前記バッテリー装置のHSM218によって提供される前記暗号化サービスは、データの機密性、通信の完全性、否認防止の報酬、所有者の識別および前記充電ステーション310と前記バッテリー装置201認証に使用することができる。
【0049】
前記バッテリー装置201は、車両に取り付けられている間、または別の車両外の場所に取り付けられている間に充電することができる。一実施形態では、前記充電器は、冷却および電力需要を下げるために、低電圧を使用してゆっくりと充電する。
【0050】
高出力で短時間の充電の場合、前記充電ステーション301は、構成されていても、電力と冷却を供給することができる。前記電力および冷却の必要性は、関誘導通信システムを介して前記充電ステーション301に供給される過去の耐用期間充電履歴から生成される。
【0051】
車両から取り外されて前記充電ステーション301に設置されると、冷却液の完全または部分的な水没は、ケース温度(したがって内部バッテリー温度)を調整するために使用できるが、前記ワイヤレス電力伝送システムによってアースが必要であり、前記密閉されたバッテリーケースの一部が前記液体とのアース接触として機能する可能性がある構造でアースへの電気接続としても使用できる。前記恒久的に密閉されたケースは、ほこりや水の侵入がNEMA6またはIP67の要件を満たす(または超過する)ことを防止する。
【0052】
車両以外の主な用途には、同じ充電シナリオ(たとえば、現場での充電、またはオフサイトでの充電のための取り外し)が適用される。
【0053】
図4は、サンプル実施形態における交換可能な密封された非接触型バッテリー装置411の例示的な水平スタックを示している。前記バッテリー装置402、403、および404は、独立して交換可能であり、交換中に電流レベルを維持するために、通常、n+1アレイに配置される。一方で、前記装置が機能していないときに、すべてのバッテリーが交換されるシナリオもある。
図4の例では、排出ステーションは、下部トレイ405に一体であり、これは、前記バッテリー装置402、403、および404を所定の位置に保持する役割も果たし、下部結合装置(図示せず)の位置合わせを保証する。水平方向配置においては、側面取り付けカップリング412(注:
図4の視点では1つだけを見ることができる)がアクティブであり、各バッテリー装置402、403、および404の電力負荷または容量さえ均等になるように電力を供給する。振動または横方向の負荷(例えば、車両の動き、地震)を伴う展開では、水平方向アレイ401は、垂直方向支持体406を装備することができる。これらの垂直方向支持体406はまた、バッテリー装置402の追加の列を支持および安定化するために使用される。追加の列は、下の列とインターフェースし、下から上に位置合わせされたカップリング配置を介して電力と通信を供給する(または供給される)ことができる。ロックおよび保持構成要素407は、各バッテリー装置402、403、および404を前記トレイ405上の所定の位置に保持する。
【0054】
図4に示される構成では、共通環境制御インターフェース411は、前記バッテリー装置402、403、および404に必要な加熱または冷却を供給し、一方、単一通信インターフェース510は、外部通信のための接続を提供する。単一電源接続409は、使用例に応じて電力を供給または搬送するために使用される。必要に応じて(例えば、それぞれ冷却、帯域幅、または負荷用)、追加の環境、通信、および電源インターフェイスを展開できる。共通環境交換構成要素408は、個々のバッテリー装置402、403、および404の交換を可能にする独立した接続を可能にする。いくつかの展開では、前記バッテリー装置402、403、および404への個々の冷却または加熱接続も使用される。
【0055】
図5は、例示的な実施形態における例示的な垂直方向バッテリー装置アレイ501を示している。
図5に示される前記垂直方向バッテリー装置アレイ501は、独立した交換可能な密封された非接触型バッテリー装置502、503、および504の相互接続された積み重ねられたクラスターの例である。前記バッテリー装置アレイ501は、電源513、通信515、および環境制御514のための外部接続へのリンクを提供する下部トレイ505上に置かれる。機械的サポートシステム511は、前記バッテリー装置502、503、および504を所定の位置に適切に位置合わせして保持し、一方、機械的支持およびロックシステム512は、交換を容易にし、動きに対する追加の機械的支持を提供する。環境交換システム510は、前記バッテリー装置502、503、および504のそれぞれとインターフェースし、各バッテリー装置502、503、または504ならびに外部環境接続514の個別の交換を可能にする。
【0056】
最下部のバッテリー装置503および504(バッテリーケースの内部)の上部および下部にあるワイヤレス結合アセンブリ(図示せず)は、通信および電力伝達を可能にする。最上部のバッテリー装置502は、通信および電力伝達のためにその下部に取り付けられたワイヤレス結合アセンブリ(図示せず)を使用し、その上部のワイヤレス結合アセンブリ509は、この例示的な設置では未使用であり、電力が供給されていない。
【0057】
右側に取り付けられたワイヤレス結合アセンブリ506、507、および508は、左側に取り付けられたワイヤレス結合アセンブリ(図示せず)と同様に、必要に応じて別の垂直方向スタックへの相互接続に利用可能である。相互接続されていないすべてのワイヤレス結合アセンブリは、電源が入っていないままである。
【0058】
図6aは、電動式建設車両601における独立した交換可能な密封された非接触型バッテリー装置のクラスターの車両用途を示している。前記建設車両601は、化学的/電気的ハイブリッドであっても良い。図示のように、バッテリー装置ソケットアレイ602は、前記車両(例えば、ダンプトラック)601に取り付けられ、バッテリー装置201の積み下ろしのための容易なアクセスを可能にする。この例示的な例では、バッテリー装置の挿入のために8つの個別のソケット603が利用可能である。1つ若しくはそれ以上のWPT結合アセンブリを、前記ソケットアレイ602の各平坦側に構築することができる。前記車両ソケットおよび前記バッテリー装置の片側あたりのアセンブリに不一致がある場合、前記車両601上の他のバッテリー装置またはワイヤレス伝送カプラーを幾何学的に整合している結合のみがワイヤレス電力伝送が可能になる。
【0059】
図6bは、サンプル実施形態において非接触型バッテリー装置を使用して燃料補給する、
図6aからの前記例示的なダンプトラック601などの建設車両のサンプル実施形態を示す。図示のように、交換用バッテリー装置604は、電力およびデータの通信のために、前記バッテリー装置604の前記平坦な側面に取り付けられた1つ若しくはそれ以上の結合アセンブリ605を有する。環境インターフェース606は、前記交換用バッテリー装置604(ワイヤレス結合アセンブリによって占有されていないもの)の両端に設置されている。
【0060】
前記バッテリー装置ソケットアレイ602は、前記バッテリー装置ソケットへの容易なアクセスを可能にする。この例では、前記バッテリー装置ソケットアレイ602は、二次アクセス607を備えている。608で交換用バッテリー装置604を挿入することにより、以前に取り付けられた、おそらく消耗したバッテリー装置が、前記二次アクセス607を介して609で前記バッテリーソケットから押し出される。この例の前記環境インターフェースは、周囲空冷または前記バッテリー装置ソケットアレイ602のハッチ内の接続に依存している。
【0061】
図7は、取り扱い用に構成された非接触型バッテリー装置の例示的な実施形態を示している。
図7は、前記密閉された非接触型バッテリー装置101のカスタマイズの可能性を示している。この例では、前記バッテリー装置101は、前記バッテリー装置101の本体にビア701および702を備えており、これにより、軽く変更された従来の取扱設備(例えば、フォークリフト)による運搬および設置が可能になる。前記ビア701および702の前記バッテリー装置の重心を通る平行管状構造は、転倒または転がることなくソケットに挿入するための位置決めを可能にする。
【0062】
一旦設置されると、前記バッテリー装置を通る前記ビアも再利用され、追加の伝導冷却を提供し、他の設置された環境制御インターフェース109を増強する。
【0063】
図8は、サンプルの実施形態におけるバッテリ寿命に対する使用モデルの例をグラフで示している。バッテリー品質モデルの実例を
図8に示す。x軸803は時間を示し、y軸801は、バッテリー品質の詳細な多変量モデルとの相関から決定されるように、バッテリー品質802を示す。簡略化された線形バッテリー寿命モデルは、バッテリー品質をグラフ形式で決定する際の変数を示すために示されている。品質しきい値811は、特定の設計の交換可能な密閉型バッテリー装置が無価値になる値を示すために描かれている。他のしきい値が存在する可能性があり、例えば、前記バッテリー品質が車両用の応用に適さなくなる場合である。すべての実例は、時間の経過に伴う線形関係を示しており、ただし、より正確なモデルには、時間の経過に伴う容量の変動への影響をより適切に一致させるために、時間の経過に伴うさまざまな線形セグメント(つまり勾配の変化)を含めることができる。
【0064】
バッテリーの品質を推定する最も簡単なケースは、充電され、保管されているバッテリー装置について示されている。ここで、貯蔵施設の温度は品質の主な決定要因であり、より低温の施設は、より高い温度品質推定値805で貯蔵されたバッテリー装置の品質推定値804よりも高い品質推定値804をもたらす。
【0065】
通常の動作プロファイル(高速充電(過電圧)または深放電のない定期的な定期充電)の簡略化されたモデルの場合、推定値806は、80%の充電状態から20%の充電状態への放電サイクルにより、より高い品質を示す。一方、推定値907は、90%から10%の充電状態までの放電サイクルの相対的な影響を示している。
【0066】
品質モデル810に対する壊滅的な事象の影響が示されている。このモデルでは、事象(内部短絡、内部開回路、内部冷却液の減圧、高加速(衝撃)など)によって前記バッテリー装置が損傷し、すぐに品質が低下するまで、時間の経過とともにバッテリーの品質が直線的に低下する。
【0067】
前記高速充電および/または深刻な消耗の影響を示す品質モデルは、モデル808および809によって示される。前記モデル808を生成する前記バッテリー装置は、定期的に深部まで駆動され(たとえば、充電容量の現在の状態が2%未満)、一晩充電される。前記モデル809を生成するバッテリー装置は、定期的に深部に駆動され(例えば、充電容量の現在の状態が2%未満)、その後、急速充電器を使用して充電される。相対的な品質レベルは、前記バッテリーアレイに対する前記深刻な消耗と前記急速充電の両方の影響を示している。
バッテリーの熱管理
【0068】
前記バッテリー装置101は、密閉された外部ケース102に結合された内部熱管理システムを支持する。次に、前記密閉された外部ケース102は、前記密閉されたバッテリーケース102を貫通することなく冷却または加熱を供給する前記車両601または充電ステーション301の要素と接触することができる。前記バッテリー装置101はまた、内部バッテリーアレイを予熱するための内部電気加熱システムを有する。
センサーと履歴
【0069】
前記バッテリー装置101の密封された恒久的な性質は、バッテリー使用の履歴プロファイルを生成するために使用される電圧、電流、温度および動的加速度計のための恒久的な内部センサーの展開を可能にする。温度、電圧レベル、電流レベル、および個々のセルレベルへの3軸加速度に関する情報を生成して保持できる。この履歴プロファイルにより、前記バッテリー装置101の将来の機能に関して予測を行うことができる。これらの予測により、中古車用の自動車の走行距離(走行距離計の読み取り値)と同様のバッテリーの流通市場での評価の定式化が可能になる。
【0070】
ワイヤレス接続を備えた前記恒久的に密閉された非接触型バッテリー装置101は、計装(電圧、電流、内部および外部温度、加速)が前記バッテリーアレイおよび前記密閉された区画に恒久的に組み込まれることにより、貯蔵、充電および放電事象の耐用期間の履歴を有する。
【0071】
バッテリー装置101ごとに、過去の使用プロファイル(充電、放電、電圧、温度、貯蔵、加速)を作成することができる。乱暴な取り扱いを検出する加速負荷も考慮される。この耐用期間プロファイルにより、バッテリー装置の品質測定を定式化できる。品質に関する「一目でわかる」単一の数値(中古車の走行距離計と同様)の作成を含む、完全な履歴も利用できる。
【0072】
前記バッテリー装置のセンサーによって取得され、前記バッテリー背面制御装置によって保存された記録された情報を使用して、一度充電された、未使用の、保存されていない、放電されていないバッテリーモデルとの相関関係を作成できる。完全な充電履歴(たとえば、新しく製造され、最初に使用できる状態)を持つバッテリーは、1Daga(注:新しい測定単位)の相関関係がある。前記バッテリー装置が時間の経過とともに循環するにつれて、前記値は減少し、ユーザ/所有者に前記バッテリー耐用期間の推定値と2番目と3番目の耐用期間市場への値を与える。例えば、定格が600ミリdagas(mb)のバッテリーは、保有車両使用設備から第2の耐用応用先(グリッド拡張など)に移動される。両用の600md(または、0.600D)のしきい値は一例であり、市場の要望、所有者の好み、および規制要件によって異なる可能性がある。
【0073】
明らかに、バッテリーに損傷を与える過充電、過熱、および急速放電は、前記モデルからの逸脱として、より低いDagaスコアで説明される。衝撃を測定する加速度計もDagaスコアに貢献する。開き窓の侵入検知は、前記バッテリー装置制御装置に対するサイバー攻撃の検知と同様に、前記Dagaスコアの計算にも貢献する。
【0074】
価値のある項目として、前記Dagaスコアは、前記バッテリー装置101内の安全なストレージに保持され、充電クレードルで充電するときにネットワーク(例えば、インターネットに接続されたサーバーベースの)ストレージにアップロードすることができる。
【0075】
前記バッテリー装置センサーデータをアップロードできるため、前記使用プロファイルまたは前記使用プロファイルの更新は、見積もりやラボテストによってではなく、展開されたバッテリー装置の母集団からのデータを集約することによって生成される可能性がある。特定の充電式電池の化学的性質(例:鉛酸、ニッケルカドミウム(NiCdまたはNi-Cad)、ニッケル金属水素化物(NiMH)、アルカリ(主に亜鉛(Zn)、二酸化マンガン(MnO22)ベース)および前記リチウムイオン、リチウム-硫黄、およびリチウム-ポリマー(例:リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(NMC)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム(NCA)、リン酸鉄リチウム(LFP)およびリチウム-チタン酸塩(LTO)))、ソリッドステートバッテリー、バッテリーアナログ(ウルトラキャパシター、リバーシブル燃料電池)、および2若しくはそれ以上の技術または化学物質が使用される各ハイブリッドエネルギー貯蔵システム用には、使用法に対して異なる品質モデルが存在する可能性があることに留意されたい。
【0076】
バッテリー装置の負荷テストの代わりに前記Daga品質測定法を使用して、前記バッテリー装置の状態のスナップショットを生成することもできる。
【0077】
磁気誘導通信(例えば、「静的および動的共振誘導無線充電で使用するための近距離、全二重データリンク」と題された米国特許第10、135、496号および2019年9月13日に出願され、「静的および動的共振誘導ワイヤレス充電で使用するためのニアフィールド、全二重データリンク」と題された米国特許出願第16/570、801号に詳述されている。)は、バッテリーの状態、充電状態、および過去の充電、放電データの交換および前記充電信号の閉ループ制御を可能にする安全で洗練された通信を可能にする。これらの特許文書の説明は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0078】
短距離送受信機(例えば、RFID、Bluetooth、WiFi、Zigbeeなど)の前記バッテリー装置に追加することによる代替または補足の通信手段の使用も、特定の展開構成で、または顧客または規制の要件を満たすために役立つ場合がある。これらの同じ理由で、前記バッテリー装置101または放電クレードル202に追加された場合、セルラー無線などのより長距離の通信手段の使用も選択できる。
双方向の使用
【0079】
前記バッテリーのワイヤレス充電装置は、前記バッテリーの充電と放電の両方をサポートする双方向使用が可能な場合がある。前記ワイヤレス充電システムは、1つ若しくはそれ以上のワイヤレスカプラーで構成され、放電に再利用できる。オプションで、個別のワイヤレス誘導カップリングを使用して、予想される電力伝送速度に合わせたサイズで充電と放電を行うことができる。
【0080】
図9は、サンプルの実施形態における双方向ワイヤレス電力伝送システムによる電力フロースルーおよび変換の例示的な高レベルの機能図を示している。特定の構成要素は本質的に双方向で動作が対称であり(例えば、オープンコアトランスとしても知られる共振誘導回路)、共有することができるが、順方向(充電)および逆方向(放電)の送電経路は発散単信回線アーキテクチャに依存し、前記順方向(充電)および前記逆方向(放電)使用シナリオの各前記送電経路をアクティブにして完了するために、スイッチ909、制御ロジック(図示せず)、および通信リンク(図示せず)を必要とする。
【0081】
前記順方向では、電力は名目上、ユーティリティグリッド901から供給される。前記グリッド接続に応じて、前記電力は、単相交流(AC)、直流(DC)、または多相交流である。前記ユーティリティグリッド901は、高圧送電線からの電圧を降圧するために必要な変圧器を含む。この例では、単相ACは、力率が約1(単一性)に調整されるように十分な静電容量が存在する前記ユーティリティグリッド901によって供給される。
【0082】
前記AC電力は、AC/DC902変換器によってDCに変換される。この機能は、アクティブ(スイッチベース)またはパッシブ(ダイオードベース)整流器によって実現できる。
【0083】
DC/AC変換器903は、入力DC電力を受け取り、それを高周波AC(この実施形態では名目上85kHz)正弦波信号に変換する。前記DC/AC変換器903による前記DC/AC変換動作は、インバータを使用して達成することができる。
【0084】
前記AC電力信号は、一次コイルおよび二次コイルを備えた前記カップリング、共振空芯変圧器904に渡される。前記AC電力は、一次側で磁束に変換され、二次側と誘導結合する。前記二次コイルは、前記受け取った磁束をAC電力信号に変換する。
【0085】
前記AC電力信号は、AC/DCコンバータ905に渡される。前記AC/DC変換機能は、アクティブ(スイッチベース)またはパッシブ(ダイオードベース)整流器によって達成することができる。
【0086】
前記結果として生じるDC信号は、エネルギー貯蔵装置906、名目上は再充電可能な化学バッテリー=を充電するために使用されるが、コンデンサバンク、可逆燃料電池、全固体バッテリー、または前述のハイブリッドの組み合わせのうちの1つまたは複数である。前記DC信号は、電気機器に直接電力を供給するためにも使用できる。
【0087】
双方向であるため、前記エネルギー貯蔵装置906は、蓄積された電力を直流として逆伝送経路に出力することができる。前記DC電力は、前記DC/ACインバータ907によって前記必要なAC電力信号に変換される。
【0088】
このAC電力信号は、前記共振誘導回路904に入力される。この逆経路シナリオでは、前記コイルは、動作中に前記順経路から逆にされる。前記AC電力は、前記二次コイルと誘導結合された前記オープンコア変圧器904の前記一次コイルにおいて磁束に変換される。前記二次コイルは、前記受け取った磁束をAC電力信号に変換する。前記結果として生じるAC電力は、AC/ACコンバータ908によって周波数が調整される。一実施形態では、AC/DC/ACコンバータは、前記AC/ACコンバータ908として使用され、前記AC/AC周波数調整動作は、AC/DC整流器を使用して達成され、そしてインバータ回路によって必要な周波数でDCからACに変換される。この例の前記ユーティリティグリッド901は、前記AC電力を所望の電圧に変換するために必要な前記変圧器と、必要に応じてユーティリティ供給電力とインターフェースするためのAC/DC変換を含む。
【0089】
図10は、例示的な実施形態による方法を実行し、処理機能を実装するための回路を示すブロック図である。例えば、
図10の前記処理回路を使用して、前記通信制御装置の前記暗号化処理機能、前記熱および電力管理機能、前記侵入検知機能、および前記履歴使用プロファイルと品質モデルの管理を実装できる。様々な実施形態ですべての構成要素を使用する必要はない。
【0090】
図10は、処理装置1002、メモリ1004、リムーバブル記憶装置1006、および非リムーバブル記憶装置1008を含むコンピュータ1000の形態のコンピュータ・デバイスの一例を示している。前記例示的なコンピュータ・デバイスは、コンピュータ1000として図示および説明されているが、前記コンピュータ・デバイスは、異なる実施形態において異なる形態であっても良い。例えば、前記コンピュータ・デバイスは、代わりに、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、または
図10に関して図示および説明されたものと同じまたは類似の要素を含む他のコンピュータ・デバイスであっても良い。スマートフォン、タブレット、スマートウォッチなどのデバイスは、一般的にモバイルデバイスまたはユーザー機器と総称される。さらに、前記様々なデータ記憶装置要素が前記コンピュータ1000の一部として示されているが、前記記憶装置はまた、または代わりに、インターネットまたはサーバーベースの記憶装置などのネットワークを介してアクセス可能なクラウドベースの記憶装置を含んでも良い。
【0091】
メモリ1004は、揮発性メモリ1010および不揮発性メモリ1012を含む。コンピュータ1000はまた、揮発性メモリ1010および不揮発性メモリ1012、リムーバブル記憶装置1006および非リムーバブル記憶装置1008などの様々なコンピュータ可読媒体を含むか、またはそれらを含むコンピューティング環境にアクセスできる。コンピュータ記憶装置には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)または電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたはその他のメモリ技術、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD―ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)またはその他の光学ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶装置デバイス、またはコンピュータ可読命令を格納できるその他のメディア、を含む。
【0092】
コンピュータ1000は、さらに、入力インターフェース1014、出力インターフェース1016、および通信インターフェース1018を含むコンピュータ環境を含むか、またはそれらにアクセスすることができる。出力インターフェース1016は、入力デバイスとしても機能するタッチスクリーンなどの表示デバイスを含む。前記入力インターフェース1014は、1つ若しくはそれ以上のタッチスクリーン、タッチパッド、マウス、キーボード、カメラ、1つ若しくはそれ以上のデバイス固有のボタン、前記コンピュータ1000への有線またはワイヤレスデータ接続内に統合または結合された1つ若しくはそれ以上のセンサ、および他の入力デバイスを含んでも良い。
【0093】
前記コンピュータ1000は、1つ若しくはそれ以上のリモートコンピュータに接続するために通信インターフェース1018を使用してネットワーク化された環境で動作することができる。前記リモートコンピュータは、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイスまたは他の一般的なネットワークスイッチなどを含む。前記通信インターフェース1018を介してアクセスされる通信接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、セルラー、Wi―Fi、ブルートゥース、ジグビー、または他のネットワークを含む。一実施形態によれば、前記コンピュータ1000の様々な構成要素は、システムバス1020に接続されている。
【0094】
コンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータ可読命令は、プログラム1022などの前記コンピュータ1000の前記処理装置1002によって実行可能である。いくつかの実施形態における前記プログラム1022は、前記処理装置1002によって実行されると、本明細書に含まれる実施形態のいずれかによって動作を実行するソフトウェアを有する。ハードドライブ、CD―ROM、およびRAMは、記憶装置などの非一時的なコンピュータ可読媒体を含む品物の例である。前記コンピュータ可読媒体および記憶装置という用語は、搬送波が一時的すぎると見なされる範囲での搬送波を含まない。記憶装置には、ストレージエリアネットワーク(SAN)などのネットワークストレージも含まれる。コンピュータプログラム1022を使用して、処理装置1002に、本明細書に記載の1つ若しくはそれ以上の方法または機能を実行させることができる。
【0095】
本開示のステップのいずれかまたはすべてを参照して上記のような処理および操作を容易にする1つもしくはそれ以上のコンピュータ実行可能命令を含むソフトウェアが、1つ若しくはそれ以上の前記バッテリー装置、またはここに記載されている放電装置にインストールされ、販売されることをさらに理解されたい。あるいは、前記ソフトウェアは、例えば、前記ソフトウェア作成者が所有するサーバーから、または前記ソフトウェア作成者が所有していないが使用しているサーバーからを含む、物理的媒体または配布システムを介して前記ソフトウェアを取得することを含む、開示と一致する方法で取得され、1つ若しくはそれ以上のバッテリー装置または放電装置にロードされる。前記ソフトウェアは、例えばインターネット上で配布するためにサーバーに保存することができる。
【0096】
また、本開示は、その適用において、上記の説明に記載された、または図面に示された構造の詳細および構成要素の配置に限定されないことが当業者によって理解されるであろう。本明細書の実施形態は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実施することができる。また、本明細書で使用される用語および用語は、説明を目的とするものであり、限定的なものと見なされるべきではないことが理解されよう。明細書における「含む」、「構成する」、または「有する」およびそれらの変形の使用は、その後に記載される項目およびその同等物ならびに追加の項目を包含することを意味する。
【0097】
例示された実施形態に従って使用される例示的な装置、システム、および方法の構成要素は、少なくとも部分的に、デジタル電子回路、アナログ電子回路、またはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実装される。これらの構成要素はまた、例えば、コンピュータプログラム、プログラムコード、または情報キャリアまたは機械可読記憶装置に具体的に具体化されたコンピュータ命令などのコンピュータプログラム製品として、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、または複数のコンピュータなどのデータ処理装置によって操作実行するために、またはそれらを制御するために実装される。
【0098】
コンピュータプログラムは、コンパイルまたは解釈された言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述でき、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピューティング環境での使用に適した他の装置としてなど、任意の形式で展開できる。コンピュータプログラムは、1台のコンピュータまたは1つのサイトの複数のコンピュータで実行されるように展開されるか、複数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続される。また、本明細書に記載のシステムおよび方法を達成するための関数型プログラム、コード、およびコードセグメントは、本開示が関係する当技術分野のプログラマーによる開示の範囲内であると容易に解釈することができる。例示的な実施形態に関連する方法ステップは、コンピュータプログラム、コード、または機能を実行するための命令を実行する1つまたは複数のプログラム可能なプロセッサによって(例えば、入力データを操作し、出力を生成することによって)実行される。方法のステップは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASICなどの特別な目的の論理回路によって実行することもでき、装置を実装することもできる。
【0099】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGAまたは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート、または、トランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本書に記載されている機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを用いて実装または実行される。 汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替として、前記プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装される。
【0100】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサには、例として、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方、および任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1若しくはそれ以上のプロセッサが含まれる。一般的に、プロセッサは、読み取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリ、あるいはその両方から命令とデータを受信する。前記コンピュータの要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令とデータを格納するための1若しくはそれ以上のメモリ装置である。一般的に、コンピュータはまた、データを格納するための1若しくはそれ以上の大容量記憶装置、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクを含むか、またはデータを受信するか、またはデータを転送するか、あるいはその両方に動作可能に結合される。コンピュータプログラム命令およびデータを具体化するのに適した情報キャリアには、例えば、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリまたはROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能なROM(EEPROM) 、フラッシュメモリ装置、およびデータストレージディスク(たとえば、磁気ディスク、内部ハードディスク、またはリムーバブルディスク、磁気光学ディスク、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、またはデジタル多用途ディスクROM(DVD-ROM)などの半導体メモリデバイスを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリが含まれる。前記プロセッサと前記メモリは、特別な目的の論理回路によって補完されるか、組み込まれる場合がある。
【0101】
当業者は、情報および信号が、様々な異なる技術および技術のいずれかを使用して表現されることを理解している。例えば、上記の説明全体で参照される可能性のあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または粒子、光場または粒子、またはそれらの組み合わせによって表現される。
【0102】
当業者は、さらに、本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実装され得ることを理解する。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に説明するために、さまざまな例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、一般的にそれらの機能の観点から上で説明されてきた。このような機能がハードウェアとして実装されているかソフトウェアとして実装されているかは、システム全体に課せられた特定のアプリケーションと設計上の制約によって異なる。当業者は、特定のアプリケーションごとにさまざまな方法で説明された機能を実装することができるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ROM、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている他の形式の記憶媒体に常駐することができる。サンプル記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。あるいは、記憶媒体はプロセッサに不可欠である。換言すれば、プロセッサおよび記憶媒体は、集積回路内に存在するか、または個別の構成要素として実装できる。
【0103】
本明細書で使用される「機械可読媒体」は、命令およびデータを一時的または恒久的に格納することができるデバイスを意味し、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、バッファメモリ、フラッシュメモリ、光メディア、磁気メディア、キャッシュメモリ、他のタイプのストレージ(例えば、EEPROM)、およびそれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。「機械可読媒体」という用語は、プロセッサ命令を格納できる単一の媒体または複数の媒体(たとえば、集中型または分散型のデータベース、または関連するキャッシュとサーバー)を含むと解釈する必要がある。「機械可読媒体」という用語はまた、本明細書に記載の方法論のいずれか1若しくはそれ以上を実行するための1若しくはそれ以上のプロセッサによって実行されたときに命令が引き起こすように、1若しくはそれ以上のプロセッサによって実行するための命令を格納することができる任意の媒体または複数の媒体の組み合わせを含むと解釈されるものとする。従って、「機械可読媒体」は、単一の記憶装置または装置、ならびに「クラウドベースの」記憶システムまたは複数の記憶装置または装置を含む記憶ネットワークを指す。本明細書で使用される「機械可読媒体」という用語は、信号自体を除外する。
【0104】
外部冷却/加熱供給
電力負荷、充電負荷、外部周囲温度、および/またはバッテリの化学的性質によっては、外部電源からの強制空気または液体冷却剤を使用するために、環境カプラーを前記非接触型バッテリ装置に追加する必要がある場合がある。前記密閉されたケースは、伝導および対流手段による冷却のための接触面を提供するが、前記バッテリーパックへのアクセスを制限できる接続ポートが必要になる場合がある。この設置タイプでは、バッテリー装置の交換が複雑になるが、前記バッテリー装置の内部冷却システムが分離されていると、前記密閉されたバッテリー装置の残りの部分へのアクセスが制限される。温度センサーネットワークを備えた前記環境制御電子機器は、空気または液体バルブ接続ポートを介した冷却剤の出入りを可能にするように設計された非接触バッテリー装置に圧力センサーを追加することで補完される。
【0105】
一部の展開では、加熱された強制空気または液体冷却剤の使用による非接触型バッテリー装置の外部加熱が同様に装備され、監視される。
【0106】
燃料電池の使用
本明細書に記載の前記非接触型交換可能バッテリー装置101は、化学バッテリーの代わりに燃料電池とともに使用することができる。船外燃料供給は、潜在的に危険な燃料と酸化剤の同じ倉庫保管と安全な充電を提供する。前記非接触型設計では、同じように電気接点が不足する。前記燃料と酸化剤の投入は、必然的に前記密閉されたケースを危険にさらすが、補充のために開かれる。補充施設は、使用場所から離れた場所に設置することができ、車両で使用する場合、または車両以外で使用する場合に近くにいる人のために、運転手と乗客により多くの保護を与えることができる。
【0107】
当業者は、本明細書に含まれる開示が車両への電力の供給に関するものであるが、これは多くの可能な用途のうちの1つにすぎず、非車両用途を含む他の実施形態が可能であることを理解されたい。例えば、当業者は、例えば、歯ブラシ、携帯電話、およびその他のデバイスの充電に使用されるもの(PowerMat(商標)など)などのポータブル家電充電器のような車両以外の誘導充電用途に電池を提供する多くの用途があることを理解するであろう。大容量でありながら携帯性があり、非接触型で交換可能なバッテリーパックは、たとえば鉄道で、重要な電力サービスのために自然災害または人為的災害に見舞われた地域に移動できる。従って、これらおよび他のそのような用途は、以下の特許請求の範囲に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
リチウムイオン(Li-ion)バッテリー(さまざまな構成と化学)は、エネルギー貯蔵におけるその価値が認められており、バッテリーの発明者は2019年のノーベル化学賞を受賞している。ただし、リチウムイオンを含むバッテリーの使用は、架空のバッテリーとは異なり、大規模な電源の使用には依然として問題がある。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許出願公開第2015/0364799号明細書
(特許文献2) 米国特許出願公開第2008/0280195号明細書
(特許文献3) 米国特許出願公開第2012/0030480号明細書
(特許文献4) 米国特許出願公開第2010/0019730号明細書
(特許文献5) 米国特許第6,496,949号明細書
(特許文献6) 米国特許第5,378,555号明細書
(特許文献7) 米国特許第9,112,364号明細書
【国際調査報告】