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特表2022-553604洗浄機器及び洗浄機器におけるドラムロックの判定方法
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  • 特表-洗浄機器及び洗浄機器におけるドラムロックの判定方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(54)【発明の名称】洗浄機器及び洗浄機器におけるドラムロックの判定方法
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/32 20200101AFI20221219BHJP
   D06F 34/20 20200101ALI20221219BHJP
【FI】
D06F33/32
D06F34/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510144
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(85)【翻訳文提出日】2022-04-08
(86)【国際出願番号】 CN2020109903
(87)【国際公開番号】W WO2021032101
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】201910769300.9
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514114622
【氏名又は名称】青島海爾滾筒洗衣机有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】許升
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA05
3B167AE02
3B167AE04
3B167BA48
3B167BA82
3B167HA56
3B167KA63
3B167KA76
3B167LA23
3B167LA38
3B167LC02
3B167LD15
3B167LE02
3B167LF06
3B167LG08
(57)【要約】
洗浄機器及び洗浄機器におけるドラムロックの判定方法において、洗浄機器は洗浄水を収容するドラムを含む。洗浄機器には、ドラムを回転駆動させるドラムモータ(3)及びドラムをロックするロック構造(2)が装着されている。ドラムモータ(3)は、所定のパワー出力でドラムを回転駆動させ、ロック構造(2)は、ドラムをロックするロック動作を発生させる。そして、ドラムモータ(3)の出力電流が定格電流よりも大きくなると、ロック構造(2)がドラムをロックしたと判定する。ドラムモータ(3)の出力電流を定格電流と比較して、ドラムモータ(3)の出力電流が定格電流よりも大きい場合には、ロック構造(2)がドラムをロックしたと判定する。上記の判定によって、ロック構造(2)がドラムをロックしたか否かを正確に判断可能なことから、ドラムロックの精度を向上させられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄機器におけるドラムロックの判定方法であって、前記洗浄機器に、ドラムを回転駆動させるドラムモータ及びロック構造が装着されている方法において、
前記ドラムモータは所定のパワー出力で前記ドラムを回転駆動させ、前記ロック構造は前記ドラムをロックするロック動作を発生させ、前記ドラムモータの出力電流が定格電流よりも大きくなると、前記ロック構造が前記ドラムをロックしたと判定することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ロック構造は前記ドラムをロックするロック動作を発生させ、前記ドラムモータは所定のパワー出力で前記ドラムを引き続き回転駆動させ、前記ドラムが一定時間tだけ回転したあとに、前記ドラムモータの出力電流を検出することで、前記ドラムモータの出力電流Iを取得し、
>Iの場合には、前記ロック構造が前記ドラムをロックしており、I<Iの場合には、前記ロック構造がドラムロックに失敗していることを特徴とする請求項1に記載の洗浄機器におけるドラムロックの判定方法。
【請求項3】
前記ロック構造は、デッドボルトと、前記デッドボルトを径方向に伸縮させるロックモータを含み、前記ドラムモータのロータにはロック溝が設けられており、
前記ドラムが一定時間tだけ回転したあと、前記ロック構造のデッドボルトが前記ロック溝の位置に突き合わされ、前記ロックモータが前記デッドボルトを前記ロック溝内に挿入することで、前記ロック構造が前記ドラムをロックし、
好ましくは、前記デッドボルトが前記ロック溝に挿入されて前記ドラムをロックしたあと、前記ドラムモータへの電気供給を停止することで、前記ドラムモータは動作を停止することを特徴とする請求項2に記載の洗浄機器におけるドラムロックの判定方法。
【請求項4】
前記ロック構造がドラムロックに失敗した場合には、前記ロックモータが、前記デッドボルトを前記ドラムモータから離脱させて前記デッドボルトを位置復帰させるとともに、前記ドラムモータが所定のパワー出力で前記ドラムを引き続き回転駆動させて、前記ロック構造が前記ドラムをロックしたか否かを改めて判定することを特徴とする請求項3に記載の洗浄機器におけるドラムロックの判定方法。
【請求項5】
S1.前記ドラムモータは所定のパワー出力で前記ドラムを回転駆動させ、前記ロック構造は前記ドラムをロックするロック動作を発生させ、前記ドラムモータは所定のパワー出力で前記ドラムを引き続き回転駆動させ、前記ドラムが一定時間tだけ回転したあとに、前記ドラムモータの出力電流を検出することで、前記ドラムモータの出力電流値Iを取得し、
S2.前記ドラムモータの出力電流値Iと定格電流値を比較して、I>Iの場合にはステップS3を実行し、I<Iの場合にはステップS5を実行し、
S3.前記ロックモータが前記デッドボルトを前記ロック溝内に挿入したことで、前記ロック構造により前記ドラムがロックされたと判定し、ステップS4を実行し、
S4.前記ドラムモータへの電気供給を停止することで、前記ドラムモータが動作を停止し、
S5.前記ロックモータが前記デッドボルトを前記ドラムモータから離脱させて前記デッドボルトを位置復帰させるとともに、前記ドラムモータが所定のパワー出力で前記ドラムを引き続き回転駆動させて、ステップS1を再度実行する、ことを特徴とする請求項4に記載の洗浄機器におけるドラムロックの判定方法。
【請求項6】
前記ドラムモータは、停止命令を受信すると、前記ドラムモータのパワーを所定のパワーまで低下させてから、所定のパワー出力で前記ドラムを回転駆動させることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の洗浄機器におけるドラムロックの判定方法。
【請求項7】
前記ロック構造がドラムロックに失敗したあと、前記ロック構造によるドラムロックの失敗回数が所定の回数を上回ったことが検出された場合には、前記ロック構造がロックの実行を停止し、前記洗浄機器が警告信号を発することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の洗浄機器におけるドラムロックの判定方法。
【請求項8】
洗浄水を収容するドラムと、前記ドラムを回転駆動させるドラムモータを含む洗浄機器であって、
請求項1~7のいずれか1項に記載の洗浄機器におけるドラムロックの判定方法に応用され、前記洗浄機器には前記ドラムをロックするロック構造が設けられていることを特徴とする洗浄機器。
【請求項9】
前記ドラムは、洗浄機器が洗浄プログラムを実行する際に洗浄水を収容する密封容器であることを特徴とする請求項8に記載の洗浄機器。
【請求項10】
前記ドラムは回転可能に洗浄機器の外槽内に装着され、前記ロック構造は外槽底に装着され、前記ロック構造は、デッドボルトと、前記デッドボルトを径方向に伸縮させるロックモータを含み、前記ドラムモータのロータには、前記デッドボルトに適応するロック溝が設けられており、前記デッドボルトは、前記ロックモータの駆動によって前記ロック溝に対し挿設又は離脱することを特徴とする請求項8又は9に記載の洗浄機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用電気製品の分野に属し、具体的には、洗浄機器及び洗浄機器におけるドラムロックの判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一般的に使用されているドラム洗濯機はいずれも側面開放型である。しかし、当該側面開放型の洗濯機は、使用時に、ユーザが屈むかしゃがんで洗濯機のサイドドアからドラム内に衣類を投入したり、ドラム内の衣類を取り出したりする必要があるため、ユーザ(特に、高齢者)の使用体験に影響を及ぼす。
【0003】
そこで、天井開放型のドラム洗濯機が登場している。洗濯機の天井開放ドアに対応して、ドラムの周方向にもドラムドアが設置されており、ドラムドアが天井開放ドアと対応する位置まで回転したときにドラムがロックされる。特許文献1は、ドラム洗濯機のドラムドアの自動位置決め方法及び装置を開示している。特許文献1が採用する手法では、従来の洗濯プログラムの終了後又は中断後に洗濯機のドラムが回転を停止した際に、位置測定装置によって洗濯機のドラムドアの位置を測定する。そして、ドラムドアが正常な開放位置にあることが測定された場合に、ドラムを回転駆動させるモータを停止状態に維持する。一方、ドラムドアが正常な開放位置にないことが測定されると、前記モータを起動して、ドラムドアが正常な開放位置にあることを位置測定装置が測定するまで低速運転させてから、前記モータの回転を停止させる。上述した当該発明におけるドラムドアの自動位置決め方法及び装置によれば、ドラム洗濯機が自動洗濯を終了したあと、ドラムドアを自動的に正常な開放位置に位置決め可能であり、洗濯機の使用をいっそうユーザフレンドリー化させるのに都合がよい。また、特許文献2は、簡単な構造でドラムの回転位置を固定するドラム式洗濯機を開示している。特許文献2では、ドラムの主軸に直接接続される外歯車型モータのロータの外周縁部に接合溝部が設けられており、軸の真下にドラムロック装置が設けられている。ドラムロック装置は、トルクモータの回転に伴ってロックピンを上下方向に移動させる構造を有しており、ロックピンを前進させて接合溝部の溝孔に嵌合させることで、ドラムをロック位置にロックする。しかし、上述したドラム洗濯機のドラムドアの自動位置決め方法及び装置や、ドラム式洗濯機は、ドラムのドラムドアが正常な開放位置に到達し、ドラムがロック位置となった場合に、ドラムのロックに成功したか否かを判断するとの点については開示しておらず、ドラムロックの精度が影響を受ける。
【0004】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願第02160752.4号明細書
【特許文献2】中国特許出願第03105194.4号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術におけるドラムロックの精度が高くないとの欠点を解消するために、洗浄機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0008】
本発明は、一局面において、洗浄機器におけるドラムロックの判定方法を提供する。前記洗浄機器には、ドラムを回転駆動させるドラムモータ及びロック構造が装着されている。ドラムモータは、所定のパワー出力でドラムを回転駆動させ、ロック構造は、ドラムをロックするロック動作を発生させる。そして、ドラムモータの出力電流が定格電流よりも大きくなると、ロック構造がドラムをロックしたと判定する。
【0009】
更に、ロック構造はドラムをロックするロック動作を発生させ、ドラムモータは所定のパワー出力でドラムを引き続き回転駆動させる。そして、ドラムが一定時間tだけ回転したあとに、ドラムモータの出力電流を検出することで、ドラムモータの出力電流Iを取得する。
【0010】
>Iの場合には、ロック構造がドラムをロックしており、I<Iの場合には、ロック構造がドラムロックに失敗している。
【0011】
更に、前記ロック構造は、デッドボルトと、前記デッドボルトを径方向に伸縮させるロックモータを含む。前記ドラムモータのロータにはロック溝が設けられている。
【0012】
ドラムが一定時間tだけ回転したあと、ロック構造のデッドボルトがロック溝の位置に突き合わされる。そして、ロックモータがデッドボルトをロック溝内に挿入することで、ロック構造がドラムをロックする。
【0013】
好ましくは、デッドボルトがロック溝に挿入されてドラムをロックしたあと、ドラムモータへの電気供給を停止することで、ドラムモータは動作を停止する。
【0014】
更に、ロック構造がドラムロックに失敗した場合には、ロックモータが、デッドボルトをドラムモータから離脱させてデッドボルトを位置復帰させるとともに、ドラムモータが所定のパワー出力でドラムを引き続き回転駆動させて、ロック構造がドラムをロックしたか否かを改めて判定する。
【0015】
更に、S1.ドラムモータは所定のパワー出力でドラムを回転駆動させ、ロック構造はドラムをロックするロック動作を発生させる。また、ドラムモータは所定のパワー出力でドラムを引き続き回転駆動させる。そして、ドラムが一定時間tだけ回転したあとに、ドラムモータの出力電流を検出することで、ドラムモータの出力電流値Iを取得する。
【0016】
S2.ドラムモータの出力電流値Iと定格電流値を比較して、I>Iの場合にはステップS3を実行し、I<Iの場合にはステップS5を実行する。
【0017】
S3.ロックモータがデッドボルトをロック溝内に挿入したことで、ロック構造によりドラムがロックされたと判定し、ステップS4を実行する。
【0018】
S4.ドラムモータへの電気供給を停止することで、ドラムモータが動作を停止する。
【0019】
S5.ロックモータがデッドボルトをドラムモータから離脱させてデッドボルトを位置復帰させるとともに、ドラムモータが所定のパワー出力でドラムを引き続き回転駆動させて、ステップS1を再度実行する。
【0020】
更に、ドラムモータは、停止命令を受信すると、ドラムモータのパワーを所定のパワーまで低下させてから、所定のパワー出力でドラムを回転駆動させる。
【0021】
更に、ロック構造がドラムロックに失敗したあと、ロック構造によるドラムロックの失敗回数が所定の回数を上回ったことが検出された場合には、ロック構造がロックの実行を停止し、洗浄機器が警告信号を発する。
【0022】
本発明のもう一つの目的は、ドラムロックの精度を提供するとの目的を実現するために、洗浄機器を提供することである。上記の目的を実現するために、洗浄機器を提供する。前記洗浄機器は、洗浄水を収容するドラムと、前記ドラムを回転駆動させるドラムモータを含み、上記の技術方案で提供した洗浄機器におけるドラムロックの判定方法に応用される。前記洗浄機器には前記ドラムをロックするロック構造が設けられている。
【0023】
更に、前記ドラムは、洗浄機器が洗浄プログラムを実行する際に洗浄水を収容する密封容器である。
【0024】
更に、前記ドラムは回転可能に洗浄機器の外槽内に装着され、前記ロック構造は外槽底に装着される。前記ロック構造は、デッドボルトと、前記デッドボルトを径方向に伸縮させるロックモータを含む。前記ドラムモータのロータには、前記デッドボルトに適応するロック溝が設けられている。前記デッドボルトは、前記ロックモータの駆動によって前記ロック溝に対し挿設又は離脱する。
【発明の効果】
【0025】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0026】
1.本発明で提供する洗浄機器におけるドラムロックの判定方法では、洗浄機器に、ドラムを回転駆動させるドラムモータ及びロック構造が装着されている。ドラムモータは、所定のパワー出力でドラムを回転駆動させ、ロック構造は、ドラムをロックするロック動作を発生させる。そして、ドラムモータの出力電流が定格電流よりも大きくなると、ロック構造がドラムをロックしたと判定する。上記の判定によって、ドラムロックの精度を向上させられる。
【0027】
2.本発明で提供する洗浄機器におけるドラムロックの判定方法では、ドラムモータの出力電流I>定格電流Iの場合には、ロック構造がドラムをロックしており、I<Iの場合には、ロック構造がドラムロックに失敗している。
【0028】
3.本発明で提供する洗浄機器のドラムは、洗浄機器が洗浄プログラムを実行する際に洗浄水を収容する密封容器である。ドラムは回転可能に洗浄機器の外槽内に装着され、ロック構造は外槽に装着される。
【0029】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0030】
図面は、本発明の一部として、本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要さないことを前提に、これらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明の実施例で提供する洗浄機器におけるドラムロックの判定方法のフローチャートである。
図2図2は、本発明の実施例で提供する洗浄機器の概略構造図である。
図3図3は、図2のA部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0033】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0034】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0035】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0036】
図1に示すように、本発明は、一局面において、洗浄機器におけるドラムロックの判定方法を提供する。洗浄機器には、ドラムを回転駆動させるドラムモータ3及びロック構造2が装着されている。洗浄機器には、ドラムを回転駆動させるドラムモータ3及びロック構造2が装着されている。ドラムモータ3は、所定のパワー出力でドラムを回転駆動させ、ロック構造2は、ドラムをロックするロック動作を発生させる。そして、ドラムモータ3の出力電流が定格電流よりも大きくなると、ロック構造2がドラムをロックしたと判定する。
【0037】
本発明の実施例において、上記の技術方案では、洗浄機器のロック構造2がドラムをロック位置にロックするために用いられる。ドラムモータ3は、所定のパワー出力でドラムを回転駆動させ、ロック構造2はドラムをロックするロック動作を発生させる。そして、ドラムが回転を続け、ドラムモータ3の出力電流が定格電流よりも大きくなると、ロック構造2がドラムをロックしたと判定する。上記の判定によって、ロック構造2がドラムをロックしたか否かを正確に判断可能なことから、ドラムロックの精度を向上させられる。
【0038】
説明すべき点として、上記の方案において、ロック構造2はドラムをドラムのロック位置にロックする。ドラムのロック位置とは、ドラムドアが正常な開放位置となるときの位置である。ドラムがロック構造2によってロック位置にロックされると、ドラムドアはロック構造2によってドラムドアの正常な開放位置にロックされる。
【0039】
図1に示すように、本発明の実施例において、ロック構造2はドラムをロックするロック動作を発生させ、ドラムモータ3は、所定のパワー出力でドラムを引き続き回転駆動させる。そして、ドラムが一定時間tだけ回転したあと、ドラムモータの出力電流を検出することで、ドラムモータの出力電流Iを取得する。
【0040】
>Iの場合には、ロック構造2がドラムをロックしており、I<Iの場合には、ロック構造2がドラムをロックしていない。
【0041】
本発明の実施例では、ドラムがロック位置にロックされたか否かを次のようにして判断する。上記の技術方案では、ロック構造2がドラムをロックするロック動作を発生させたあと、ドラムモータ3が所定のパワー出力でドラムを引き続き回転駆動させ、ドラムが一定時間tだけ回転したあとに、ドラムモータ3の出力電流を検出する。そして、ドラムモータの出力電流が定格電流よりも大きい場合には、ロック構造2がドラムをロックしたことを意味し、ドラムモータ3の定格電流がドラムモータの定格電流よりも小さい場合には、ロック構造2がドラムロックに失敗したことを意味する。上記の比較によって、ドラムがロックされたことを正確に特定可能となるため、ドラムモータのロック精度が向上する。
【0042】
本発明の実施例において、ロック構造2は、デッドボルト202と、デッドボルト202を径方向に伸縮させるロックモータ201を含む。また、ドラムモータ3のロータ301にはロック溝302が設けられている。
【0043】
ドラムが一定時間tだけ回転したあと、ロック構造2のデッドボルト202がロック溝の位置に突き合わされる。そして、ロックモータ201がデッドボルト202をロック溝302内に挿入することで、ロック構造2がドラムをロックする。
【0044】
好ましくは、デッドボルト202がロック溝302に挿入されてドラムをロックしたあと、ドラムモータ3への電気供給を停止することで、ドラムモータ3は動作を停止する。
【0045】
本発明の実施例において、ドラムは、一定時間回転することで、ロック溝302の溝口にロック構造2のデッドボルト202がちょうど突き合わされるまで回転する。そして、ロックモータ201がデッドボルト202をロック溝302内に挿入することで、ロック構造2がドラムをロックする。また、デッドボルト202がロック溝302内に挿入されてドラムをロックしたあと、ドラムモータ3への電気供給を停止することで、ドラムモータ3は動作を停止する。これにより、ドラムの最終的なロック及び位置決めが完了する。
【0046】
説明すべき点として、ドラムが回転している一定時間t内において、ロックモータ201は、デッドボルト202をロックモータ201に当止させることで、ロックモータ201を軽く位置決め可能とする。これにより、ドラムの回転に伴って、ロック構造2のデッドボルト202がロック溝302の溝口にちょうど突き合わされるまでドラムが回転したときに、ロックモータ201は、デッドボルト202を比較的正確にロック溝302内に挿入可能となる。
【0047】
本発明の実施例において、ロック構造2がドラムロックに失敗した場合、ロックモータ201は、デッドボルト202をドラムモータ3から離脱させて、デッドボルト202を位置復帰させる。また、ドラムモータ3は、所定のパワー出力でドラムを引き続き回転駆動させる。これにより、ロック構造2がドラムをロックしたか否かを改めて判定する。
【0048】
本発明の実施例では、ロック構造2がドラムロックに失敗したあとも、ロック構造2がドラムをロックするまで、ロック構造2によってドラムがロックされたか否かを判定し直すことが可能である。ロック構造2がドラムをロックしたか否かを改めて判定するために、その過程では、ロックモータ201がデッドボルト202をドラムから離脱させて、デッドボルト202を元の位置に復帰させる必要がある。そして、ドラムモータ3が所定のパワー出力でドラムを引き続き回転駆動させるとともに、ドラムモータ3の出力電流を再度検出する。これにより、ロック構造2がドラムのロックに成功する確率を向上させる。
【0049】
図1に示すように、本発明の実施例において、S1.ドラムモータ3は、所定のパワー出力でドラムを回転駆動させ、ロック構造2は、ドラムをロックするロック動作を発生させる。また、ドラムモータ3は、所定のパワー出力でドラムを引き続き回転駆動させる。そして、ドラムが一定時間tだけ回転したあとに、ドラムモータ3の出力電流を検出することで、ドラムモータ3の出力電流値Iを取得する。
【0050】
S2.ドラムモータ3の出力電流値Iと定格電流値を比較して、I>Iの場合にはステップS3を実行し、I<Iの場合にはステップS5を実行する。
【0051】
S3.ロックモータ201がデッドボルト202をロック溝302内に挿入したことで、ロック構造2によりドラムがロックされたと判定し、ステップS4を実行する。
【0052】
S4.ドラムモータ3への電気供給を停止することで、ドラムモータ3が動作を停止する。
【0053】
S5.ロックモータ201は、デッドボルト202をドラムモータ3から離脱させて、デッドボルト202を位置復帰させる。また、ドラムモータ3が所定のパワー出力でドラムを引き続き回転駆動させる。これにより、ステップS1を再度実行する。
【0054】
本発明の実施例において、洗浄機器は位置検出装置4を更に含む。位置検出装置4は、外槽1に設けられるホールセンサ402と、ドラムモータ3のロータ301に設けられる永久磁石を含む。
【0055】
ドラムモータ3は、所定のパワー出力でドラムを回転駆動させる。また、ホールセンサ402によって、ドラムモータ3のロータ301上の永久磁石401を検出することで、ロータの挿設溝が到達したか否かを検出する。そして、到達した場合には、ロック構造2がドラムをロックするロック動作を発生させることを意味する。
【0056】
本発明の実施例において、ドラムモータ3のロータ301には永久磁石が設けられている。ホールセンサ402がドラムモータ3のロータ301上の永久磁石を検出した場合には、ロック構造2がドラムをロックするロック動作を開始することを意味する。これにより、ロックモータ201のデッドボルト202を比較的正確にロック溝302内に挿入可能となるため、ドラムロックの精度が向上する。
【0057】
本発明の実施例において、ドラムモータ3は、停止命令を受信すると、ドラムモータのパワーを所定のパワーまで低下させてから、所定のパワー出力でドラムを回転駆動させる。
【0058】
本発明の実施例において、ドラムモータのパワー及びドラムの回転速度が高いときに、ロック構造2のデッドボルト202がドラムモータ3を突然制動した場合には、デッドボルト202に対する衝撃力が大きくなり、瞬間的な衝撃力でデッドボルトが切断される結果、洗浄機器が故障する恐れがある。そこで、上記の状況が発生しないよう、ドラムモータ3のパワーを所定のパワーまで低下させる必要がある。
【0059】
説明すべき点として、ドラムモータ3及びロックモータ201は制御装置によって制御される。制御装置は、ドラムモータ3の回転開始、回転の減速及び回転停止等を制御する。また、制御装置は、ロックモータ201の動作を制御するとともに、ロックモータ201によるデッドボルト202の収縮を制御する。
【0060】
本発明の実施例において、ロック構造2がドラムロックに失敗したあと、ロック構造2によるドラムロックの失敗回数が所定の回数を上回ったことが検出された場合には、ロック構造2がロックの実行を停止し、洗浄機器が警告信号を発する。
【0061】
本発明の実施例では、ロック構造2が複数回にわたりドラムロックに失敗し、且つ失敗回数がシステムの所定の回数を上回ったことが検出された場合には、ロック構造2によるロックの実行を停止するよう制御するとともに、洗浄機器が、警告を発して洗浄機器に異常が生じた旨を示す。これにより、ドラムロックのエラー率を低下させる。
【0062】
本発明のもう一つの目的は、ドラムロックの精度を提供するとの目的を実現するために、洗浄機器を提供することである。上記の目的を実現するために、洗浄機器を提供する。洗浄機器は、洗浄水を収容するドラムと、前記ドラムを回転駆動させるドラムモータを含み、上記技術方案の洗浄機器におけるドラムロックの判定方法に応用される。洗浄機器には、ドラムをロック位置にロックするロック構造2が設けられている。
【0063】
本発明の実施例において、洗浄機器に設けられるロック構造2は、洗浄水を収容するドラムをロック位置にロック可能とすることで、正常な開放位置へのドラムドアのロックを実現する。且つ、ロック構造2がロック位置に対するドラムのロックに成功したか否かを判定することで、ロック構造2によるドラムロックの精度を向上させる。
【0064】
本発明の実施例において、ドラムは、洗浄機器が洗浄プログラムを実行する際に洗浄水を収容する密封容器である。
【0065】
本発明の実施例において、洗浄機器はドラム及び外槽1を含み、ドラムが洗浄水を収容するために用いられる。
【0066】
本発明の実施例において、内槽の側壁にはリフティングリブが設けられており、リフティングリブの内部に収容室が設けられている。収容室の壁面には、内槽の内部空間と連通する第1貫通孔、及び、内槽と外槽との隙間と連通する第2貫通孔が設けられている。収容室の内部には、第1貫通孔及び/又は第2貫通孔の開閉を制御する制御構造が設けられている。上記のように設置することで、内槽が孔無し内槽の場合の内槽からの液体の排出を実現する。第1貫通孔及び/又は第2貫通孔が閉止された場合には、内槽の内部が密閉状態となって、内槽内の洗浄水が外槽1の内壁に飛散するとの事態が回避される。一方、第1貫通孔及び第2貫通孔が開放された場合には、内槽の内部が開放状態となって、内槽内の洗浄水が内槽と外槽との隙間に排出される。
【0067】
図2及び図3に示すように、本発明の実施例において、ドラムは回転可能に洗浄機器の外槽1内に装着され、ロック構造2は外槽底101に装着される。
【0068】
本発明の実施例において、ドラムは内槽として回転可能に洗浄機器の外槽1内に装着される。内槽がロック位置まで回転すると、外槽1に装着されたロック構造2が内槽をロック位置にロックする。これにより、内槽がロックされて停止し、内槽の内槽ドアが正常な開放位置にロックされる。
【0069】
図2及び図3に示すように、本発明の実施例において、ロック構造2は、デッドボルト202と、デッドボルト202を径方向に伸縮させるロックモータ201を含む。ドラムモータ3のロータには、デッドボルト202に適応するロック溝302が設けられている。デッドボルト202は、ロックモータ201の駆動によってロック溝302に対し挿設又は離脱する。
【0070】
本発明の実施例では、ドラムが一定時間tだけ回転したあと、ロック構造2のデッドボルト202がロック溝302の位置に突き合わされる。そして、ロックモータ201がデッドボルト202をロック溝302内に挿入することで、ドラムがロック構造2によってロック位置にロックされる。また、デッドボルト202がロック溝302に挿入されてドラムをロックしたあと、ドラムモータ3への電気供給を停止することで、ドラムモータ3は動作を停止する。
【0071】
説明すべき点として、ロック構造のデッドボルトはロックモータ201のモータ軸としてもよい。
【0072】
本発明の他の実施例において、洗浄機器はドラムを含み、ドラムが洗浄水を収容するために用いられる。ロック構造2は、洗浄機器のハウジングに装着可能である。ロック構造2は、デッドボルト201と、デッドボルト202を径方向に伸縮させるロックモータ201を含む。ドラムモータ3のロータには、デッドボルトに適応するロック溝302が設けられている。デッドボルトは、ロックモータ201の駆動によってロック溝302に対し挿設又は離脱する。
【0073】
本発明の他の実施例において、洗浄機器はドラム及び外槽を含み、外槽が洗浄水を収容するために用いられる。ロック構造2は、洗浄機器の外槽に装着可能である。ドラムモータ3のロータには、デッドボルト202に適応するロック溝が設けられている。デッドボルト202は、ロックモータ201の駆動によってロック溝に対し挿設又は離脱する。
【0074】
図2に示すように、本発明の実施例では、更に、ドラムモータ3のロータ301の位置を検出するための位置検出装置4を含む。位置検出装置4は、一部がドラムモータ3のロータ301に設けられ、他の部分が外槽に設けられる。位置検出装置4の一部及び他の部分は、動作時に相互に作用して相応の位置情報を発生させる。
【0075】
本発明の実施例において、説明すべき点として、位置検出装置4の他の部分の設置位置はドラムのロック位置に対応している必要がある。位置検出装置4は、機械式、電子式、電磁式等のデバイスで構成してもよいし、これらの複合体で構成してもよい。また、位置検出装置4の一部はドラムモータ3のロータ301に付随して回転する。位置検出装置4の一部は、回転を続け、位置検出装置4の他の部分の位置まで回転すると、位置検出装置4の他の部分と相互に作用して相応の位置情報を発生させる。これにより、ロータ上の挿設溝が到達したか否かを検出し、到達した場合には、ロック構造2がドラムをロックするロック動作を発生させる。
【0076】
図2及び図3に示すように、本発明の実施例において、位置検出装置4は永久磁石401及びホールセンサ402を含む。
【0077】
永久磁石401はドラムモータ3のロータ301に設けられ、ホールセンサ402は外槽1に設けられる。ホールセンサ402と永久磁石401は、動作時に相互に作用して相応の位置情報を発生させる。
【0078】
本発明の実施例において、外槽1のデッドボルトに対応する位置にはホールセンサ402が設けられ、ドラムモータ3のロック溝302に対応する位置には永久磁石が設けられる。ホールセンサ402が永久磁石信号を検出すると、ロック構造はドラムをロックするロック動作を発生させる。また、ドラムモータ3は、所定のパワー出力でドラムを回転駆動させ続ける。ドラムは、一定時間tだけ回転することで、ロック構造のデッドボルトにロック溝302の溝口が突き合わされる位置まで回転する。これにより、ドラムはロック位置まで回転し、ドラムドアが正常な開放位置に到達する。そして、ロックモータ201がデッドボルトをロック溝302内に挿入することで、ドラムがロック位置にロックされる。
【0079】
このほか、永久磁石は外槽1に設けられ、ホールセンサはドラムモータ3のロータ301に設けられる。ホールセンサは、ドラムモータ3のロータ301に付随して回転する。
【0080】
本発明の実施例において、位置検出装置4は光電センサ及び発光体を含む。
【0081】
光電センサはドラムモータ3のロータ301に設けられ、発光体は外槽1に設けられる。光電センサと発光体は、動作時に相互に作用して相応の位置情報を発生させる。
【0082】
本発明の実施例において、外槽1のデッドボルト202に対応する位置には発光体が設けられ、ドラムのロック溝302に対応する位置には光電センサが設けられる。光電センサが発光体の光信号を検出すると、ロック構造はドラムをロックするロック動作を発生させる。また、ドラムモータは、所定のパワー出力でドラムを回転駆動させ続ける。ドラムは、一定時間tだけ回転することで、ロック構造2のデッドボルト202にロック溝302が突き合わされる位置まで回転し、ドラムドアが正常な開放位置に到達する。その後、ロックモータ201がデッドボルト202を解放して伸出させ、ロック溝302に挿設することで、ロック位置に対するドラムのロックが完了する。
【0083】
このほか、光電センサは外槽1に設けられ、発光体はドラムモータ3のロータ301に設けられる。光電センサは発光体に付随して回転する。
【0084】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0085】
1 外槽
101 外槽底
2 ロック構造
201 ロックモータ
202 デッドボルト
3 ドラムモータ
301 ロータ
302 ロック溝
4 位置検出装置
401 永久磁石
402 ホールセンサ
図1
図2
図3
【国際調査報告】