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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(54)【発明の名称】AC-DCコンバータ回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20221219BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20221219BHJP
   H01L 21/338 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H01L27/06 102A
H01L29/80 H
H01L29/80 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022519971
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2020079756
(87)【国際公開番号】W WO2021078863
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】19205265.2
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520404964
【氏名又は名称】エピノバテック、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】EPINOVATECH AB
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】マルティン、アンドレアス、オルソン
【テーマコード(参考)】
5F048
5F102
5H730
【Fターム(参考)】
5F048AC01
5F048AC03
5F048AC10
5F048BA02
5F048BA14
5F048BA15
5F048BB11
5F048BF02
5F048BF07
5F048BG13
5F102GA01
5F102GA02
5F102GA14
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD10
5F102GJ03
5F102GL04
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GR09
5F102GV05
5F102GV07
5F102GV08
5H730AA14
5H730AA15
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS13
5H730AS17
5H730BB13
5H730BB14
5H730BB57
5H730CC01
5H730DD04
5H730DD12
5H730EE59
5H730FD01
5H730FG05
5H730ZZ15
(57)【要約】
電池の高電力充電用のAC-DCコンバータ回路(100)が提供される。この回路は、第1のノードおよび第2のノードを含む入力整流器を含む。入力整流器(110)は、第1のノード(112)でAC電圧を受け取り、第2のノード(114)で整流された電圧を提供するように構成される。この回路は、第1のゲートノード(122)、第1のソースノード(124)、および第1のドレインノード(126)を含む第1のトランジスタ(120)をさらに含む。第1のドレインノードは、入力整流器の第2のノードに接続される。第1のゲートノードは、接地ノード(170)に接続されている。この回路は、第2のゲートノード(132)、第2のソースノード(344)、および第2のドレインノード(136)を含む第2のトランジスタ(130)をさらに含む。第2のドレインノードは第1のソースノードに接続されている。第2のトランジスタは、物質的に第1のトランジスタに対応する。この回路は、第2のトランジスタにスイッチング波形を提供するために第2のゲートノードに接続されたデューティサイクル制御ユニット(140)をさらに備える。この回路は、第2のソースノードまたは第1のソースノードに接続された出力整流器(150)をさらに含む。この回路は、出力整流器の第2のソースノードまたは出力ノード(151)に接続された出力電子フィルタ(160)をさらに含む。AC-DCコンバータ装置、電池の充電方法、回生ブレーキシステムも提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池のハイパワー充電用のAC-DCコンバータ回路(100)であって、
第1のノード(112)および第2のノード(114)を含む入力整流器(110)であって、前記第1のノードでAC電圧を受け取り、前記第2のノードで整流された電圧を供給するように構成された入力整流器(110)と、
第1のトランジスタ(120)であって、前記第1のトランジスタ(120)は空乏型トランジスタであり、第1のゲートノード(122)、第1のソースノード(124)、および第1のドレインノード(126)を含み、前記第1のドレインノードは前記入力整流器の前記第2のノードに接続されており、前記第1のゲートノードは接地ノード(170)に接続されている、第1のトランジスタ(120)と、
第2のトランジスタ(130)であって、第2のゲートノード(132)、第2のソースノード(344)、および第2のドレインノード(136)を含み、前記第2のドレインノードが第1のソースノードに接続され、物質的に前記第1のトランジスタに対応する、第2のトランジスタ(130)と、
前記第2のトランジスタにスイッチング波形を供給するために前記第2のゲートノードに接続されたデューティサイクル制御ユニット(140)と、
前記第2のソースノードまたは前記第1のソースノードに接続された出力整流器(150)と、
前記第2のソースノードまたは前記出力整流器の出力ノード(151)に接続された出力電子フィルタ(160)と、
を備える、AC-DCコンバータ回路(100)。
【請求項2】
前記第1のトランジスタは、高電子移動度トランジスタHEMTであり、前記第2のトランジスタは、HEMTである、請求項1に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項3】
前記第1のトランジスタが窒化ガリウムトランジスタであり、前記第2のトランジスタが窒化ガリウムトランジスタである、請求項1または2のいずれかに記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項4】
前記入力整流器は、少なくとも1つのダイオードを含む半波整流器である、請求項1~3のいずれか一項に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項5】
前記入力整流器は、少なくとも2つのダイオードを含む全波整流器であり、前記入力整流器は、さらに第3のノード(116)を含み、
前記入力整流器は、第1のノードと第3のノードとの間でAC電圧を受け取るように構成される、請求項4に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項6】
前記出力電圧レベルを監視するための制御回路(180)をさらに備え、
前記制御回路は、監視された前記出力電圧レベルに基づいて前記デューティサイクル制御ユニットにフィードバックを提供するように構成される、請求項1~5のいずれかに記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項7】
前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタは、同じ基板層構造(290)上にモノリシックに集積されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項8】
前記基板層構造がシリコン基板層を含む、請求項7に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項9】
前記 出力整流器は、窒化ガリウムダイオードであり、前記入力整流器の任意のダイオードが存在する場合は窒化ガリウムダイオードである、
請求項1~8のいずれか一項に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項10】
前記第1のトランジスタは、
基板層構造(290)の上の第1のキャリア層構造(224)と、
第1のキャリア層構造の上にある第1のバリア層構造(226)と、を含み、
前記第1のゲートノードおよび前記第1のドレインノードは、前記第1のバリア層構造の上に配置され、前記ノードは、スペーサー構造(250)によって物理的に分離され、
前記第2のトランジスタは、
基板層構造の上の第2のキャリア層構造(234)と、
前記第2のキャリア層構造の上にある第2のバリア層構造(236)と、を含み、
前記第2のゲートノードおよび前記第2のソースノードは、前記第2のバリア層構造の上に配置され、前記ノードは、スペーサー構造(250)によって物理的に分離され、
前記第1および第2のキャリア層構造は、第1の半導体材料を含み、
前記第1および第2のバリア層構造は、第2の半導体材料を含む、
請求項1~9のいずれか一項に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項11】
前記第1のキャリア層構造は、前記スペーサー構造(250)によって前記第2のキャリア層構造から物理的に分離されており、
前記第1のバリア層構造は、同じスペーサー構造(250)によって前記第2のバリア層構造から物理的に分離されている、
請求項10に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項12】
前記第1のキャリア層構造が前記第2のキャリア層構造に接続されており、
前記第1のバリア層構造は、前記第2のバリア層構造に接続されている、請求項10に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項13】
AC-DCコンバータデバイス(300)であって、
請求項1~12のいずれか1項に記載のAC-DCコンバータ回路(100)を備え、
前記デバイスは、さらに、
AC電圧源(310)からAC電圧(311)を受けるためのインターフェースと、
DC電圧(312)を電池(320)に提供するためのインターフェースであって、前記電池は、電子車両の電池または移動式電子機器の電池である、インターフェースと、
を含む、AC-DCコンバータデバイス(300)。
【請求項14】
電池に加えて、トラクションモータおよび請求項1~13のいずれか一項に記載のAC-DCコンバータ回路を備えた電気自動車の電池を充電するための方法であって、前記方法は
前記電気自動車の動きを減速すること(1001)と、
前記電気自動車の運動の減速により、前記トラクションモータからAC型電流を生成すること(1002)と、
生成されたAC型電流をAC-DCコンバータ回路によりDC型電流に変換すること(1003) と、
前記DC型電流で電池を充電すること(1004)と、
を備える、方法。
【請求項15】
電気自動車(2000)の回生ブレーキシステム(2100)であって、前記回生ブレーキシステムは、
電池(320)と、
AC型電流を生成するように適合されたトラクションモータ(2300)と、
前記電気自動車を減速するために適合されたブレーキシステム(2400)と、
トラクションモータからのAC型電流をDC型電流に変換し、前記電池を充電するように構成された、請求項1~13に記載のAC-DCコンバータ回路(100) と、
前記電池からのDC型電流をAC型電流に変換して前記トラクションモータに電力を供給するように構成されたDC-ACコンバータ回路(3000)と、を備える、回生ブレーキシステム(2100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流(AC)を直流(DC)に変換するための回路および装置に関する。 特に、電気自動車やスマートフォンの急速充電用のAC-DCコンバータ回路に関連する。
【背景技術】
【0002】
電子および電気機器、工具、および車両は、電力網に直接接続されていない場合でも使用できるように、電荷を蓄積するために電池を必要とすることがよくある。 電池は直流でのみ充電できるが、送電網は交流を供給する。
電気自動車には、電気自動車の内部に車載充電器が装備されており、車載充電器と電気自動車(EV)電池をグリッドまたは主電源に接続することにより、通常6.6または22kWの電力で充電できる。 EV電池の電荷を電力網からの電力で補充するには、最初に電流(または電圧)をACからDCに変換する必要がある。 この変換は、車載充電器のAC-DCコンバータ回路を使用して実行できる。車載充電器のサイズはAC-DCコンバータ回路は車内に収まるように制限されているため、電気自動車の充電時間は最大8時間で、低電力充電に制限される。これは、ガソリン車に燃料を補給する通常の時間よりもはるかに長くなる。代わりに、DC急速充電は、電気自動車の外部でAC-DC電力変換を行う低電力の車載充電器をはるかに高い電力(約50~350 kW)でバイパスする。
【0003】
AC-DCコンバータ回路は、例えば、電流を整流する整流部と、整流電流をほぼ一定のレベルに安定させる昇降圧コンバータ部を備えている。昇降圧コンバータは、一般に、スイッチングトランジスタを含むスイッチング部分と、コンデンサおよびインダクタンスの過渡的挙動を使用して電流を本質的に平均化することができるフライホイール回路部分とを備える。スイッチングトランジスタは一般にそのゲートで方形波を受信し、その結果、トランジスタは整流電流の周期的なスイッチとして動作する。より静的な出力電流を実現するには、高速スイッチングが望ましい。ただし、スイッチングトランジスタの寄生容量により、スイッチング速度が低下し、静電流を実現するためにフライホイール回路を変更する必要がある。寄生容量はまた、スイッチングサイクルあたりの熱損失を増加させ、したがって変換効率を低下させる。さらに、標準的に一般的に使用されているシリコン(Si)ベースの金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)は、効率的な電力変換のためのスケーリングとスイッチング速度の点で限界に達しつつある。したがって、ハイパワー用のパワーエレクトロニクスの小型化は、大きくてかさばる、高価な、手作りの受動部品を必要とする低速スイッチング速度での典型的なシリコンMOSFETによって制限される。このようなパッシブコンポーネントは、EVだけでなく車載充電器にもかなりの重量を追加するものである。同じことが例えばスマートフォンやラップトップ用の壁の充電器についても言える。ただし、さまざまな材料で作られたさまざまなタイプのトランジスタを組み込むと、集積の課題が生じる可能性がある。さらに、電池の発熱、ガスの形成、特定の電池の化学的性質に固有の寄生的な不可逆的な化学反応など、まだ十分に修正されていない、より高い電力での電池の充電に関連する問題がある。したがって、電池のハイパワー充電用の効率的で小型化された電力コンバータを提供するための技術分野には改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、上記を考慮して、本発明の目的は、AC-DC変換に関連する上記および他の問題のいくつかを少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、電池のハイパワー充電用のAC-DCコンバータ回路が提供される。この回路は、第1のノードおよび第2のノードを含む入力整流器を含む。入力整流器は、第1のノードでAC電圧を受け取り、第2のノードで整流された電圧を提供するように構成されている。この回路はさらに第1のトランジスタを含み、第1のトランジスタは空乏型トランジスタであり、第1のゲートノード、第1のソースノード、および第1のドレインノードを含む。第1のドレインノードは、入力整流器の第2のノードに接続されている。第1のゲートノードはグラウンドノードに接続されている。この回路は、第2のゲートノード、第2のソースノード、および第2のドレインノードを含む第2のトランジスタをさらに含む。 第2のドレインノードは第1のソースノードに接続されている。第2のトランジスタは、物質的に第1のトランジスタに対応する。この回路は、第2のトランジスタにスイッチング波形を提供するために第2のゲートノードに接続されたデューティサイクル制御ユニットをさらに備える。この回路は、第2のソースノードまたは第1のソースノードに接続された出力整流器をさらに含む。この回路は、出力整流器の第2のソースノードまたは出力ノードに接続された出力電子フィルタをさらに含む。
【0006】
発明者は、常にオン(トランジスタチャネルが開いている)であるグランドゲート(第1)トランジスタを使用すると、第2のドレインノード(第1のソースノードに接続される)の寄生容量が減少する可能性があることに気付いた。第1のトランジスタは、本質的に、第1のドレインノードと第1のソースノードとの間の伝導のための特定の抵抗を有する抵抗器として機能する。これは、有効なノードサイズの削減に起因する可能性がある。したがって、例えば、第2のドレインノードと第2のゲートノードとの間の寄生容量に寄与する領域もある。寄生容量を減らすと、第2のトランジスタのスイッチング速度が上がる可能性がある。これは、スイッチングが完了する前に、減少した寄生容量を充電する必要があるためである。また、容量が小さいほど、同じ電圧で充電するのにかかる時間が短くなるためである。これにより、熱損失が減少し、スイッチング効率が向上する可能性もある。改善されたスイッチング効率はまた、改善されたAC-DC変換効率、そして最終的には、例えば、電池のより速い充電速度につながる可能性がある。さらに、スイッチモード電源を使用したハイパワー変換では、使用するトランジスタを使用した高スイッチング周波数での効率的な電力変換のために、低い寄生容量が必要である。発明者はまた、電気自動車内に効率的に適合するために、AC-DCオンボード電力コンバータの小型化によってハイパワー変換を提供できることに気付いた。スイッチング周波数を上げると、パッシブコンポーネント(インダクタ、DCリンクコンデンサ)のサイズを小さくすることで、スイッチングモード電源のサイズを小さくすることができる。電気自動車の範囲は重量に敏感であり、電池はすでにこの重量の大きな原因となっている。したがって、その重量を減らすためのあらゆる源が望ましい。さらに、本発明者は、同様の材料およびデバイス設計を使用して2つのトランジスタを形成することにより、集積が簡素化され、デバイスのダウンスケーリングおよびAC-DC電力コンバータの小型化の見通しが改善される可能性があることも認識している。例えば、同じ材料を使用するデバイスは、同じ処理ステップで同時に製造することができる。異なる材料のデバイスを組み込むために他の方法で必要とされる遷移、バッファ、および/またはスペーサー構造が回避され得るので、デバイスはまた、互いに近接して作成され得る。グラウンドゲートトランジスタは、マイクロエレクトロニクススケールで効率的に実現および集積するのが難しい可能性がある従来の抵抗器と比較した場合に特に利点を提供する。
【0007】
電流と電圧という用語は、回路内の同じノード間の電気信号を指す場合がある。 このような場合、オームの法則を適用することにより、それらは相互に関連していると理解する必要がある。 交流(AC)電圧という用語は、ピーク振幅電圧(絶対または非絶対)、ピークツーピーク電圧、二乗平均平方根(RMS)電圧、または振動電圧を指す他の方法を指す場合がある。したがって、直流(DC)電圧という用語は、実質的に静的な電圧レベル、または少なくとも実質的な周期的振動のない電圧レベルを指す場合がある。 整流電圧という用語は、周期性またはある種の過渡動作をまだ持っているが、極性を切り替えない電圧レベルを指す場合がある。 AC-DC変換とは、任意のAC電圧が任意のDC電圧に変換されることを意味する。つまり、電圧レベルが変化する可能性がある。
【0008】
整流器という用語は、一方向にのみ電流を伝送する任意のデバイスまたは回路を指す場合がある。ダイオードは整流装置の簡単な例である。トランジスタという用語は、ゲートノードでの電気信号(電圧など)に基づいてソースノードとドレインノードの間で導通する電気スイッチを指すものである。すでに述べたMOSFET、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、ヘテロ接合電界効果トランジスタ(HFET)とも呼ばれる高電子移動度トランジスタ(HEMT)など、さまざまなタイプのトランジスタが存在する。動作と要件のバリエーションは、トランジスタの種類によって異なる。一般に、トランジスタは、条件付き導電性を実現するために不純物がドープされた結晶性半導体材料によって形成される。トランジスタは一般に半導体基板に基づいており、高度な電子デジタルおよびアナログ回路を形成するためにまとめて集積されている。MOSFETやHEMTなどの多くのトランジスタタイプは、ドレイン-ソース対称性を備えている場合がある。これは、ドレインおよびソースと呼ばれるものが単に慣例に従うことを意味する。たとえば、ソースとドレインの接続を反転する。回路内の通常のMOSFETは、回路の動作に影響を与えない場合がある。トランジスタが互いに物質的に対応するという言い回しは、同じ材料を含むか、または少なくとも同様の材料システムに基づくトランジスタとして理解され得る。
【0009】
デューティサイクル制御ユニットという用語は、方形波などの周期的な波形を出力するデバイスを指す場合がある。波形の高い部分と低い部分の持続時間の比率を使用して、出力DCレベルを制御できる。デューティサイクル制御ユニットは、回路によって出力された測定されたDC電圧に基づいて波形を変更するように適合させることができる。デューティサイクル制御ユニットを使用して第2のトランジスタを切り替えると、DC出力を制御して例えば定電流または定電圧の機能を実現できるため、有利な場合がある。電子フィルタという用語は、周波数などのパラメータに基づいて電気信号をフィルタ処理する方法として機能する、回路の単一のコンポーネントまたは小さな部分を指す場合がある。例えば。インダクタとコンデンサは、電子フィルタで使用できる。インダクタとコンデンサの充電動作は一時的なものであるため、これらを含む回路は周波数信号の変化に対して異なる応答をする。これは、たとえばローパス、ハイパス、およびバンドパスフィルタを作成するために使用できる。
【0010】
ノードという用語は、電荷、電圧値、またはそれを流れる電流を特徴とする回路内の電気ノードを指すと理解する必要がある。 最も一般的には、ノードは回路内のデバイスとコンポーネント間の金属相互接続ノードを指すが、ノードは他の方法でも理解できる。 例えば、半導体材料の一部または塊は、いくつかの実施形態においてノードとして機能し得る。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、第1および第2のトランジスタは両方ともHEMTである。あるいは、第1または第2のトランジスタのいずれかがHEMTであり得る。しかしながら、両方のトランジスタがHEMTである実施形態は、2つが同時にそして隣接して集積されることを可能にする。HEMTは一般に、その名前が示すように、より優れた電子輸送を提供し、したがって、同じ体積の半導体材料に対してより高い電流を可能にする。これは、キャリア層とバリア層の間の界面でいわゆる二次元電子ガス(2DEG)を利用するHEMTに起因する可能性がある。バリア層に最も近い層に酸化物を使用するMOSFETと比較すると、HEMTのバリア層は、キャリア層よりもバンドギャップの大きい半導体であることがよくある。2DEGは、本質的に2次元の平面が電荷キャリア、例えばトランジスタのソース領域とドレイン領域の間の電子、の平均自由行程(MFP)を増加させるため、電子輸送を改善する。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、第1および第2のトランジスタは窒化ガリウムトランジスタである。あるいは、第1または第2のトランジスタのいずれかが窒化ガリウムトランジスタであり得る。窒化ガリウムトランジスタという用語は、さまざまなタイプのトランジスタ、例えば、窒化ガリウム(GaN)またはIII族窒化物(III-N)材料システムの材料を特徴とする、またはそれらに基づくMOSFETまたはHEMT、を指す場合がある。この用語はさらに、GaNを含むトランジスタのキャリアまたはチャネル層を指す場合がある。両方のトランジスタが窒化ガリウムトランジスタである実施形態は、2つが同時にそして隣接して集積されることを可能にする。窒化ガリウムトランジスタは、GaNの固有の材料特性のために有利な場合がある。GaNは、シリコンと比較して優れた電子移動度を持ち、より低い熱損失でより効率的な伝導を提供する。トランジスタなどのGaNデバイスは、Siの対応するデバイスよりも小さくすることができるが、それでもパフォーマンスは維持される。したがって、GaNデバイスは製造コストが低くなる可能性がある。GaNデバイスは一般にSiデバイスよりも高い絶縁破壊電圧を示すため、電気自動車の電池を約400Vで充電するなどの高電圧アプリケーションに適している。GaNデバイスは、Siデバイスよりも高いスイッチング周波数を可能にする場合がある。 GaNトランジスタは、Siデバイスよりも効率的なスイッチングを提供する場合もある。 GaNトランジスタは、ハイパワー変換アプリケーションに有利な場合がある。
【0013】
ハイパワー変換は、熱の観点からシリコントランジスタの高周波で大きなスイッチング損失を引き起こすものである。シリコントランジスタとのスイッチング中のより高い電力は、より大きくてかさばる容量性および誘導性コンポーネントを必要とする。高速スイッチングを実現するには、寄生容量を減らす必要がある。そうしないと、スイッチング時間に遅延が生じる。
いくつかの実施形態によれば、入力整流器は、少なくとも1つのダイオードを含む半波整流器である。 半波整流器は、AC電圧の半分、つまり負極性または正極性の電圧を伝送する整流器である。 そのような整流器は、非常に小さく、複雑さを低くすることができる。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、入力整流器は、少なくとも2つのダイオードを含む全波整流器である。入力整流器はさらに第3のノードを含む。入力整流器は、第1のノードと第3のノードの間でAC電圧を受けるように構成されている。全波整流器は、AC電圧の半分をそのまま伝送し、残りの半分を同じ極性に変換し、変換された半分も伝送する整流器である。あるいは、全波整流器は、時間の経過に伴う入力AC電圧の絶対値を出力していると見なすことができる。したがって、全波整流器は通常、より多くの初期AC電圧を整流する。したがって、より多くの電気エネルギーも変換される。一般に半波整流器よりも大きい全波整流器は、依然として比較的小さく(たとえば、2つまたは4つのダイオードを使用して)、複雑さを低くすることができる。フルブリッジとダイオードブリッジは、ブリッジ回路に配置された4つ以上のダイオードを使用する全波整流器に関連する別の命名法である。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、AC-DCコンバータ回路は、出力電圧レベルを監視するための制御回路をさらに含む。 制御回路は、監視された出力電圧レベルに基づいてデューティサイクル制御ユニットにフィードバックを提供するように構成されている。 制御回路フィードバックを使用して、AC-DCコンバータ回路の出力DC電圧レベルを所望の固定電圧レベルに設定および安定化することができる。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタは、同じ基板層構造上にモノリシックに集積される。モノリシックとは、この点に関して、形成されているトランジスタが同じ半導体基板(例えば、ウェーハ)上に集積されていることを指す。そのため、回路のサイズとコストを削減できる。 さらに、2つのトランジスタのモノリシック集積は、中間ノード(第1のソースノード/第2のドレインノード)のサイズの縮小を可能にし、したがって、関連する寄生容量をさらに低減することができる。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、基板層構造は、シリコン基板層を含む。 シリコン(Si)基板、例: ウェーハは、一般的に安価で製造が簡単である。 Siは電子産業のベースラインであるため、他の回路や電子機器とより緊密に集積するために、このような基板にAC-DCコンバータ回路を組み込むことが有利である。 これは、Siに基づかないデバイスにも当てはまる。 GaNベースのデバイス、 特に、従来のGaNデバイスは、サファイア(α-Al2O3)や炭化ケイ素(SiC)などの高価で複雑な基板材料を必要とする。
いくつかの実施形態によれば、出力整流器は窒化ガリウムダイオードである。 入力整流器のダイオードは、存在する場合、窒化ガリウムダイオードです。 これは、特に、ダイオードとしてGaNトランジスタが使用され、トランジスタがより緊密に集積される場合に有利である可能性がある。 例えば、ダイオードおよびトランジスタは、このようにして、同じ半導体材料上に並列に形成され得る。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、第1のトランジスタは、基板層構造の上の第1のキャリア層構造と、第1のキャリア層構造の上の第1のバリア層構造とを含む。 第1のゲートノードおよび第1のドレインノードは、第1のバリア層構造の上に配置されている。 ノードはスペーサー構造によって物理的に分離されている。 同様に、第2のトランジスタは、基板層構造の上の第2のキャリア層構造と、第2のキャリア層構造の上の第2のバリア層構造とを含む。 第2のゲートノードおよび第2のソースノードは、第2のバリア層構造の上に位置している。 ノードはスペーサー構造によって物理的に分離されている。 第1および第2のキャリア層構造は、第1の半導体材料を含む。 第1および第2のバリア層構造は、第2の半導体材料を含む。
【0019】
キャリアおよびバリア層の構造は、異なる半導体材料を含むものとして理解されるべきである。 スペーサー構造という用語は、誘電体などの実質的に非導電性の物理的構造として理解されるべきである。 それに応じて層構造、ノード、およびスペーサーを配置することにより、HEMTまたはHFETデバイスの形成が可能になる。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、第1のキャリア層構造は、スペーサー構造によって第2のキャリア層構造から物理的に分離されている。 第1のバリア層構造は、同じスペーサー構造によって第2のバリア層構造から物理的に分離されている。 そのようなものとして、2つのデバイス間の干渉および/または漏れを最小限に抑えることができる。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、第1のキャリア層構造は、第2のキャリア層構造に接続されている。 同様に、第1のバリア層構造は、第2のバリア層構造に接続されている。 そのようなデバイスの複雑さは軽減され得、製造の複雑さは例えば以下のように軽減され得る。 半導体のエッチングやトレンチの形成を避けることができるからである。 これは、GaNベースのデバイスに特に有利である。
【0022】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様によるAC-DCコンバータ回路を含むAC-DCコンバータデバイスが提供される。 この装置は、AC電圧源からAC電圧を受け取るためのインターフェースと、電池にDC電圧を提供するためのインターフェースとをさらに備える。 電池は、電子車両の電池または移動式電子機器の電池であり得る。
【0023】
そのような装置は、電池の充電に有利に適している。 さらに、コンバータ回路のAC-DC変換効率に関する上記のすべての改善は、AC-DCコンバータデバイスに継承される。 二相充電、すなわち、最初に定電流充電の期間、続いて定電圧充電の期間は、電池に過度のストレスをかけることなく高速電池充電を提供するので、有利である可能性がある。 そのような二相充電は、提案されたAC-DCコンバータデバイスによって採用され得る。 デバイス(およびコンバータ回路)は、二相(定電流、定電圧)充電用に構成することができる。 AC入力とDC出力のインターフェースは、最も単純な形式では電気端子ノードとして理解できる。 入力インターフェースは、例えば、 送電網からAC電圧を受け取るのに適したものにする。
【0024】
AC-DCコンバータデバイスは、電気自動車の電池にDC電圧を提供するように構成され得る。ACからDCへの効率的な変換は、電気自動車(EV)の電池を充電するのに有利である。改良されたGaNデバイスは、より高出力のデバイスでより高速な充電を提供する可能性がある。GaNデバイスは、小型化できるため、EVの車載充電回路が改善され、既存の電力網インフラストラクチャを使用してより高速で効率的な充電が可能になるため、さらに有利である。
【0025】
AC-DCコンバータデバイスは、移動式電子デバイスの電池にDC電圧を提供するように構成される。モバイル電子デバイスという用語は、例えば 携帯電話、ラップトップコンピュータ、タブレット、リモコン、電卓などを指す場合がある。当業者は、上記のリストが網羅的ではなく、電池を備えた同様のデバイス、例えば、 データ処理能力が考慮される場合がある。 EVと同様のメリットが期待できる。 特に、より小型および/またはより効率的なデバイスの見通しは有利である可能性がある。
【0026】
本発明の第3の態様によれば、電気自動車の電池を充電するための方法が提供され、電気自動車は、電池に加えて、トラクションモータ、および第1の態様のAC-DCコンバータ回路を含む。この方法は、
電気自動車の動きを減速させることと、
電気自動車の運動の減速により、前記トラクションモータから交流型電流を発生させることと、
発生した交流型電流をAC-DCコンバータ回路により直流型電流に変換すること と、
DC型電流で電池を充電することと、を含む。
【0027】
本発明の第2の態様によれば、電気自動車の回生ブレーキシステムが提供され、回生ブレーキシステムは、
電池と、
AC型電流を生成するように適合されたトラクションモータと、
電気自動車を減速するために適合されたブレーキシステムと、
トラクションモータからのAC型電流をDC型電流に変換し、電池を充電するように構成された第1の態様のAC-DCコンバータ回路 と、
電池からのDC型電流をAC型電流に変換してトラクションモータに電力を供給するように構成されたDC-ACコンバータ回路と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0028】
上記、ならびに本発明の追加の目的、特徴および利点は、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明を通じてよりよく理解される。 同様の要素には数字が使用される。
図1図1は、降圧構成されている第1の態様によるAC-DCコンバータ回路の基本的な概略図を示している。
図2図2は、実施形態のいくつかの任意の特徴を備えて構成された第1の態様による回路のより詳細な概略図も提示している。
図3図3は、実施形態による半導体層構造およびデバイスの概略断面図を示している。
図4図4は、さらなる実施形態による半導体層構造およびデバイスの概略断面を示している。
図5図5は、トランジスタがデュアルゲートデバイスとして共配置されている半導体層構造の概略断面図を示している。
図6図6は、第2の態様によるAC-DCコンバータデバイスの概略図を示している。
図7図7は、電気自動車の電池の充電方法のフローチャートを図示している。
図8図8は、電気自動車の回生ブレーキシステムのブロック概略図を図示している。
図9図9は、ブースト構成されている第1の態様によるAC-DCコンバータ回路の基本的な概略図を示している。
図10図10は、実施形態のいくつかの任意の特徴でブースト構成されている第1の態様による回路のより詳細な概略図も提示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、本発明の実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下により完全に説明される。 本明細書に開示されるシステムおよびデバイスは、動作中に説明される。
【0030】
図1および図2は両方とも、詳細レベルは異なるが、AC-DCコンバータ回路100の概略図を示している。 図1および図2は、特に、降圧型AC-DCコンバータ回路100を示している。
【0031】
回路100は、AC電圧(または電流)を、安定した実質的に静的なDC電圧(または電流)に変換することができる。 AC電圧は、45~65Hzで振動する正弦波電圧の形をとることができる。 好ましくは、振動は実質的に50または60Hzのいずれかである。 電圧レベルは、0 Vまたは別の固定(DC)電圧オフセット付近で振動する可能性がある。AC電圧は、100から500Vの間のRMS値を有し得る。好ましくは、AC電圧は、実質的に、または約110V、115V、220V、230V、380V、または400Vで平均化されたRMS値を有する。 明確にし、トートロジーを回避するために、DC型電流は直流を参照するために使用され、AC型電流は、交流を参照するために使用されることができる。
【0032】
回路100は、第1のノード112で受信されたAC電圧を整流するように構成される入力整流器110を備える。第1のノード112は、入力整流器110の入力ノードとして機能することができる。入力整流器は、動作する第3のノード116に接続される。 AC電圧は、第1のノード112のみで、あるいは第1のノード112と第3のノード116との間で受け取ることができる。入力整流器110は、入力整流器110の出力ノードとして機能するノード114において、第2の整流器電圧(または電流)を提供する。
入力整流器110は、1つ以上のダイオード、より好ましくは2つ以上のダイオード、そして最も好ましくは4つ以上のダイオードを含み得る。 入力整流器110は、半波または全波整流器であり得る。入力整流器110は、ダイオードブリッジ、すなわち、直列に接続された4つのダイオードを備え得る。ダイオードは、2つの並列経路を形成するように配置することができ、両方とも、接地ノード170から第2のノード114まで導通し、第1のノード112および第3のノード116は、いずれかの経路のダイオード間を接続する。このような入力整流器は図2に例示されている。
【0033】
図2に示すように、DC成分のないAC電圧が第1のノード112と第3のノード116との間に接続される場合、AC波周期の前半は、振動電流の絶対値が、入力整流器110の上部または下部の経路のいずれかを介して伝達されることになる。AC波周期の後半では、発振電流の絶対値が入力整流器110のもう一方の経路を介して伝達される。したがって、電圧は、第2のノード114で入力整流器を出ると、同じ極性を有するように整流され得る。
【0034】
入力整流器110のさらなる代替案は、例えば 2つのダイオードを含むセンタータップ整流器、または1つまたは2つのダイオードを含む電圧ダブラ回路を含み得る。
【0035】
入力整流器110のダイオードは、窒化ガリウム(GaN)ダイオードであり得る。ダイオードは、半導体のpn接合に基づいている場合がある。 pn接合は、本質的に、異なる原子不純物がドープされた2つの半導体材料間の遷移である。ドーパント不純物は、半導体材料に電荷キャリア(電子と正孔)を導入するために使用される。シリコン(Si)ダイオードの場合、p型ドーパントは、例えば、以下を含み得る。ホウ素(B)およびn型ドーパントには、窒素(N)またはリン(P)が含まれる場合がある。GaNダイオードの場合、p型ドーパントにはマグネシウム(Mg)が含まれ、n型ドーパントには炭素(C)またはSiが含まれる場合がある。入力整流器110について本明細書で参照されるダイオードは、好ましくはショットキーダイオードであり得る。あるいは、ショットキーダイオードは、ショットキーバリアダイオードまたはホットキャリアダイオードと呼ばれることもある。ショットキーダイオードは、金属との半導体接合として形成されることにより、通常のpn接合ダイオードとは異なる。ショットキーダイオードは、低い順方向電圧降下と非常に高速なスイッチング動作を特長としている。この低い順方向電圧要件により、より高いスイッチング速度とより優れたシステム効率が可能になる。
【0036】
いくつかの実施形態では、ダイオードは、GaN-on-Silicon基板上に形成することができる。 ショットキーダイオードの場合、基板は金属を含むAlGaN / GaN/Siヘテロ構造で構成される。AlGaN /GaN /Siの上部に、Pd/Auのショットキーダイオードコンタクトメタル構造を設けることができる。 AlCuがアルミニウム銅合金である場合、Ti/AlCu/Ni/Auのオーミック接触も提供され得る。pn接合の場合、基板はp-GaN/n-GaNホモ接合を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、4つのショットキーダイオードまたはp-GaN/n-GaNホモ接合が同じGaN-on-Silicon基板上に統合されて、基板上にダイオードブリッジを形成することが好ましい。
【0038】
回路100は、第1のトランジスタ120をさらに含む。第1のトランジスタは、第1のゲートノード122、第1のソースノード124、および第1のドレインノード126を含む。回路100は、第2のトランジスタ130をさらに含む。第2のトランジスタは、第2のゲートノード132、第2のソースノード 134、および第2のドレインノード136を備える。第1のトランジスタ120および第2のトランジスタ130は、まとめてトランジスタ120、130と呼ばれることがある。トランジスタ120、130は、空乏(depletion)モード(通常はオン)またはエンハンスメント(enhancement)モード(通常はオフ)であり得る。トランジスタ120、130は、Siベースのトランジスタ、GaNベースのトランジスタ、SiCベースのトランジスタ、または上記の任意の組み合わせであり得る。
【0039】
トランジスタ120、130は、MOSFETであり得る。MOSFETは、例えば 酸化ケイ素(SiOx)および/または酸化ハフニウム(HfOx)および/または酸化アルミニウム(AlOx)を含むゲート酸化物を特徴とする場合がある。MOSFETはドープされた半導体領域を特徴とする場合がある。MOSFETは、正チャネル(PMOS)または負チャネル(NMOS)デバイスのいずれかである。
トランジスタ120、130はまた、HEMT/HFET、またはHEMTとMOSFETの任意の組み合わせであり得る。HEMTは、キャリア層と、キャリア層の上のバリア層とを含み得る。 図3図4、および図5はすべて、(第1及び第2)キャリア層構造224、234および(第1及び第2)キャリア層構造224、234の上のバリア層構造226、236を含むHEMT / HFETタイプのデバイスであるトランジスタの概略断面図を示している。2DEGは、キャリア層構造224、234とバリア層構造226、236との間の界面のキャリア層構造側に形成され得る。各図の左上隅にある(テキストの方向に基づく)真っ直ぐな太い矢印は、下から上への方向、つまり、下の基板から始まるデバイス製造の方向を示している。 MOSFETの場合と同様に、HEMTもゲート酸化物を備えている場合があります。 HEMTのゲート酸化物は、ゲートノード122、132およびバリア層構造226、236の中間であり得る。
【0040】
図3は、基板層構造290の上に配置された第1のキャリア層構造224と、第1のキャリア層構造224の上に配置された第1のバリア層構造226とを備える第1のトランジスタ120を示している。第1のゲートノード122、第1のソースノード124、および第1のドレインノード126は、第1のバリア層構造226の上に配置されて示されている。第1のゲートノード122は、第1のソースノード124と第1のドレインノード126との間に位置して示されている。ノードは、スペーサー構造250によって物理的および空間的に分離されていることが示されている。スペーサー構造250によって課される物理的間隔は、例えば、1 nm~1 μmの範囲である必要がある。
【0041】
図3はさらに、基板層構造290の上に配置された第2のキャリア層構造234と、第2のキャリア層構造234の上に配置された第2のバリア層構造236とを備える第2のトランジスタ130を示している。第2のゲートノード132、第2のソースノード 134、および第2のドレインノード136は、第2のバリア層構造236の上に配置されて示されている。第2のゲートノード132は、第2のソースノード 134と第2のドレインノード136との間に位置して示されている。ノードは、スペーサー構造250によって物理的および空間的に分離されていることが示されている。物理的間隔は、第1のトランジスタ120と同様に、例えば、1 nm~1 μmの範囲である必要があります。
【0042】
基板層構造290は、シリコン(Si)基板層を含み得る。 Si基板層は、実質的に単結晶であり得る。 基板層構造290は、1インチから20インチの間の直径を有するウェーハであり得る。 トランジスタ120、130は、同じ基板層構造290上にモノリシックに統合され得る。基板層構造290は、バッファ層、遷移層、およびキャッピング層などのいくつかのサブ層を含み得る。基板層構造290は、熱膨張係数などの材料パラメータに一致し、基板層構造290とキャリア層構造224、234との間の界面と格子不整合になるように構成された層を特徴とし得る。そのような層の1つは、ナノワイヤ(nanowire)アレイで強化された遷移層を含み得る。 ナノワイヤは、GaNナノワイヤであり得、遷移層は、上記のキャリア層構造224、234に対して、改善されたGaN結晶品質およびデバイス性能を可能にし得る。
【0043】
キャリア層構造224、234は、第1の半導体材料を含み得る。 キャリア層構造224、234は、第1の半導体材料を少なくとも部分的に含むか、または実質的に含むことができる。 バリア層構造226、236は、第2の半導体材料を含み得る。 バリア層構造226、236は、第2の半導体材料を少なくとも部分的に含むか、または実質的に含むことができる。
【0044】
【0045】
図3は、第1および第2のキャリア層構造224、234が、スペーサー構造250によって互いに物理的に分離されていることを示している。この図はさらに、同じスペーサー構造250によって互いに物理的に分離されている第1および第2のバリア層構造226、236を示している。2つのトランジスタ間のスペーサー構造250は、例えば 第1および第2の半導体材料にトレンチをエッチングし、スペーサー材料を堆積させることによって形成することができる。スペーサー構造250によって課される物理的間隔は、例えば、1 nm~1 μmの範囲である必要がある。
【0046】
本明細書で論じられるスペーサー構造250は、一般に、物理的スペーサー、不動態化、および隔離構造として機能する非導電性(絶縁)材料の層を指すことができる。使用できる材料の例には、誘電体材料、およびSiOx(例えば、SiO2)または窒化ケイ素Si3N4などの酸化物が含まれる。κ値が低い誘電体材料、すなわち比誘電率または誘電率が低い材料が望ましい。例えば、低κ材料のスペーサー構造は、スペーサー構造をより高いκ値の材料で作製する場合と比較して、スペーサー構造上の寄生容量を低減する可能性がある。スペーサー構造250は、可能な限り低いκ値、すなわち1に近づくためのエアギャップまたは真空ギャップであり得るため、スペーサー構造250上の寄生容量を低減する。寄生容量は、ゲートノード132とソースノード134(Cgs)の間、および/またはゲートノード132とドレインノード136(Cgd)の間、および/またはゲートノード132と半導体バルク(Cgb)。半導体バルクは、例えば、バリア層構造226、236および/またはキャリア層構造224、234および/または基板290を参照されたい。
【0047】
トランジスタ120、130のゲート、ソースおよびドレインノードは、金属材料または縮退ドープされた半導体材料などの導電性材料によって形成され得る。 ノード材料の例には、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、ウォルフラムまたはタングステン(W)、および上記すべての合金が含まれます。 さらなる例には、多結晶Siおよび窒化チタン(TiN)が含まれる。
【0048】
図4は、第1および第2のキャリアおよびバリア層構造の間にスペーサー構造を持たない代替の実施形態を示している。 したがって、第1のキャリア層構造224および第2のキャリア層構造234は、共通のキャリア層構造224、234を形成する。同様に、第1のバリア層構造226および第2のバリア層構造236は、共通のバリア層構造226、236を形成する。
【0049】
図5は、単一のデュアルゲートデバイスを形成するために共配置されている2つのトランジスタの概略断面図を示している。 この図では、中間ノード124、136は、組み合わされたキャリア層構造224、234内に配置されている。そのようなデバイスは、中間ノード124、136が効果としてより低い寄生容量で小型化され得るので、有益な挙動を提供し得る。
【0050】
第1のトランジスタ120は、第1のゲートノード122と接地ノード170、または別の接地ノードに結合されている。回路は、同じ接地ノード170を共有する必要はないが、多くの実施形態および図において共有する。第1のゲートノード122が接地接続されると、第1のトランジスタ120は本質的にパッシブデバイスになる。そのため、トランジスタは、トランジスタの動作に応じて常にオンまたはオフになる。したがって、第1のトランジスタ120は、好ましくは、空乏モード(通常はオン)のトランジスタであり得る。次に、第1のトランジスタ120は、オン状態抵抗(Ron)の値を特徴とし得る。オン状態抵抗は、第1のソースノード124と第1のドレインノード126との間の電気抵抗を指す場合がある。したがって、第1のトランジスタ120は、チップ上で他の受動的および能動的マイクロエレクトロニクス構成要素と統合するために小型化され得る抵抗器として機能し得る。接地ノード170は、0V DCに設定することができる。あるいは、静的DC電圧オフセットを第1のゲート122に接続して、少なくともエンハンスメントモードの第1のトランジスタ120を使用することをより実行可能にすることができる。
【0051】
回路100において、第1のドレインノード126は、第2のノード114、すなわち、入力整流器110の出力ノードに接続される。第1のソースノード124は、第2のドレインノード136に接続される。 トランジスタ120、130は、直列に接続されていると理解することができる。
【0052】
回路100は、デューティサイクル制御ユニット140をさらに備える。デューティサイクル制御ユニット140は、第2のゲートノード132に接続される。デューティサイクル制御ユニット140は、第2のトランジスタ130にスイッチング波形を提供するように構成される。 スイッチング波形は、方形波の過渡電圧またはAC電圧の形式にすることができる。 正弦波形などの他の波形を使用することもできる。方形波は、実質的に方形、つまり非常に高い周波数のエッジを持つものとして理解する必要がある。方形波は、立ち上がり時間と立ち下がり時間が非常に短いと説明することもできる。
波形は、高レベルと低レベルの持続時間の間のさまざまな比率を特徴とする場合がある。これは、降圧変換によって出力DC電圧レベルを制御するために使用できる。 例えば、波形の高レベルと低レベルの持続時間の比率が1:1の場合、電圧が入力電圧の半分に降圧される可能性がある。 グリッドの直接の電圧レベルは、電池の効率的および/または安全および/または実用的な充電には大きすぎる可能性があるため、これは望ましいことである。 デューティサイクル制御ユニット140を介して、DC電圧降圧は、充電プロセス全体を通して変更され得る。 入力電圧と出力電圧の比は、降圧比と呼ばれることがある。
第2のトランジスタ130は、グランドゲートされた第1のトランジスタ120の一般的な動作とは逆にスイッチングを実行するので、スイッチングトランジスタ130と呼ばれることもある。 トランジスタ120、130の一方または両方は、ラップゲートノード122、132を備えたナノワイヤトランジスタであり得る。
【0053】
回路100は、第2のソースノード134(バック構成、図1~2を参照)または第1のソースノード124(ブースト構成、図9-10を参照)に接続された出力整流器150をさらに含む。出力整流器150は、少なくとも1つのダイオードを含む。 出力整流器150は、より具体的には、GaNダイオードであり得る。出力整流器150は、ショットキーダイオードであり得る。ショットキーダイオードは、一般に、通常のpn接合ダイオードと比較して低い順方向電圧降下を特徴とし、これは、出力整流器150および/またはAC-DCコンバータ回路100のより速い回復時間および増加した効率につながる可能性がある。ショットキーダイオードが入力整流器110に使用される場合、同じ利点が適用され得る。
出力整流器150は、接地ノード170から第2のソースノード134に導通するように接続することができる。本明細書で電気伝導方向を参照する場合、それらは電流の方向、すなわち電子の流れと反対の方向として理解されるべきであることに留意されたい。出力整流器150は、接地ノード170から第2のソースノード134への伝導経路を提供することによって、スイッチングトランジスタ130がオフに切り替えられたときに、潜在的に破壊的な電荷が第2のソースノード134に蓄積するのを防ぐ。
【0054】
回路100は、第2のソースノード134(バック構成、図1~2を参照)または出力整流器150の出力ノード151(ブースト構成、図9-10を参照)に接続された出力電子フィルタ160をさらに備える。出力電子フィルタ160は、図2に示されるように、インダクタおよびコンデンサを備え得る。インダクタとコンデンサは直列に接続できる。出力電子フィルタ180は、抵抗器または抵抗器として配置されたトランジスタをさらに備えてもよい。インダクタとコンデンサは、従来のマイクロエレクトロニクス製造方法で、例えば バックエンドオブライン処理中(BEOL)に、形成できる。
【0055】
出力電子フィルタ160および出力整流器150は、一緒にフライホイール回路と呼ばれることがある。これは、エネルギーが断続的にのみ追加されるサイクルの運動量を維持する機械式フライホイールの機能と類似しているためである。インダクタとコンデンサの過渡動作により、スイッチングトランジスタがオンになると充電され、スイッチングトランジスタがオフになると電荷が解放される。したがって、本質的に静的な出力DC電圧が達成される。
【0056】
回路100の出力DC電圧は、インダクタとコンデンサとの間のノードから抽出することができる。あるいは、回路の出力DC電圧は、コンデンサの電圧として理解され、コンデンサの両側の端子ノードで抽出される。
【0057】
回路100は、図2に示されるように、入力電子フィルタをさらに備え得る。この図では、入力電子フィルタは、第2のノード114と接地ノード170との間のコンデンサとして実現されている。入力電子フィルタは、第2のノード114での整流された電圧を比較的静的なレベルに平滑化するように機能するリザーバコンデンサとして機能することができる。入力電子フィルタは、インダクタおよび/または抵抗器をさらに備え得る。抵抗器は、抵抗器として配置されたトランジスタとして実現することができる。
【0058】
回路100は、出力電圧レベルを監視するための制御回路180をさらに備え得る。 制御回路180は、監視された出力電圧レベルに基づいてデューティサイクル制御ユニット140にフィードバックを供給するように構成され得る。 制御回路180は、例えば、 デューティサイクル制御ユニット140に、必要なDC電圧降圧に関連するフィードバックまたは指示を供給する。
【0059】
図2では、制御回路180は、回路100のDC出力端子およびデューティサイクル制御ユニット140に接続するように示されている。制御回路180は、負帰還回路などのフィードバック回路であり得る。制御回路180は、少なくとも1つの演算増幅器(OP増幅器)を備え得る。制御回路180は、比例積分微分コントローラ(PIDコントローラ)をさらに含むことができる。あるいは、制御回路180は、PIDコントローラの一部、例えば P、I、D、PI、ID、またはPDコントローラ、だけを含むことができる。制御回路180は、単純な電子回路またはデジタルコンピューティングおよび/またはデータ処理能力を備えた集積回路であり得る。
【0060】
AC-DCコンバータ回路100は、降圧コンバータ回路として説明することができる。あるいは、AC-DCコンバータ回路100は、ブーストコンバータ回路であり得る。AC-DCコンバータ回路100はまた、両方の組み合わせ、すなわち、降圧ブーストコンバータ回路であり得る。
【0061】
一般に、ブーストコンバータとバックコンバータは、それぞれステップアップ機能とステップダウン機能を備えた電圧制御を備えたDC-DCコンバータ回路を指している。AC-DCコンバータ回路100は、例えば 4つのGaNダイオードで構成されたダイオードブリッジなどの入力整流器110を備えたDC-DCバックコンバータとして理解することができる。
【0062】
スマートフォンの電池の充電には、降圧コンバータ回路が好ましい場合があります。 このようなコンバータは、好ましくは、230V ACの入力電圧を約9V DCの出力電圧に降圧および変換するように構成され得る。
【0063】
電気自動車の電池の充電には、ブーストコンバータ回路が好ましい場合がある。このようなコンバータは、好ましくは、230V ACの入力電圧を約300~400V DCの出力電圧に昇圧および変換するように構成され得る。
【0064】
前述のように、図1図2に降圧型AC-DCコンバータ回路を示している。図9および図10は、出力整流器150が2つのトランジスタ120、130の中間のノード124、136に接続されることを特徴とするブースト型コンバータ回路を示している。出力フィルタ160は、そのような実施形態では、出力整流器の出力ノード151に接続されている。第2のソースノード 134は、そのような実施形態では、接地ノード170に接続することができる。
【0065】
図6は、AC-DCコンバータデバイス300内に含まれる回路100を示している。デバイス300はさらに、AC電圧源310からAC電圧311を受けるためのインターフェースと、電池320にDC電圧312を供給するためのインターフェースとを備える。
【0066】
AC電圧源310は、例えば電気壁コンセントのような送電網からAC電圧を分配するための分配点として理解され得る。AC電圧311を受けるためのインターフェースは、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの導電性コネクタを含むソケットプラグ接続として理解され得る。DC電圧311を供給するためのインターフェースは、少なくとも1つの導電性コネクタとして理解され得る。
【0067】
電池320は、任意の二次電池、すなわち再充電可能な電池として理解することができる。電池320は、電気エネルギーを化学形態の例えば 鉛蓄電池、リチウムイオン電池、またはニッケル水素電池(NiMH)に貯蔵するための任意の電気化学的デバイスまたはセルとしてさらに理解することができる。
【0068】
電気化学セルは、3つの部分、アノード、電解質、及びカソードで構成されます。リチウムイオン電池用の電気化学セルの例は、次のように説明することができる。
[LiC//ポリマーゲル//CoO2+ポリマー]
アノードとカソードに2つの半電池反応があります。
アノード:LixC6(s)= xLi + 6C + xe-
カソード:xLi + + CoO2(s)+ xe- = LixCoO2(s)
【0069】
上記では、xは、例えば整数の変数に対応し、Liはリチウム元素に対応し、Cは炭素元素に対応し、Oは酸素元素に対応し、Coはコバルト元素に対応し、e-は電子に対応し、(s)は化合物が固体であることを示している。
【0070】
電池の充電を支配する化学反応は、ギブズの自由エネルギーΔGによって表される。電池の場合、ギブズの自由エネルギーは、ネルンストの式で与えられる化学反応の推進力である。
【数1】
ここで、ΔGは過剰な化学ポテンシャル、Fは華氏定数、nは電池セルの半反応で転送される電子の数である。 この量ΔGは、エンタルピー(ΔH)およびエントロピー(ΔS)のように分解できる。
【数2】
ここで、Tは温度である。 電池に電気エネルギーを加えると、エンタルピーΔHが増加しする。 電池を充電するためのより高い温度は、結果的に発熱を増加させる。 急速充電に対する電池の効率ηは、次のように書くことができます。
【数3】
【0071】
ターフェル式による電池半セル反応(battery half-cell reaction)の電流密度iは、次のように書くことができる。
【数4】
ここで、nは上記と同じ、kは半セル反応(half-cell reaction)の速度定数、Rは単元ガス定数、Fはファラデー定数、Cはアノードまたはカソード表面の反応種濃度である。
【0072】
以下では、本発明による電池の急速充電のための発熱の低減について説明する。電池で発生する熱は、主に電池の容量性によるものである。電池のノートン等価回路充電インピーダンスモデルには、次のように記述できるインピーダンスがあります。
【数5】
ここで、R1はAC / DCコンバータ回路の等価抵抗、R2とC2は電池の関連する抵抗と静電容量、jは虚数単位、ωは電池320へのDC出力波形の周波数である。したがって、電荷を受け取るための電池320の電圧は、AC / DCコンバータ100によって電池がどのように充電されているかに依存する。電池に周波数ωの高周波DCパルスを供給することによって、電池の静電容量が減少する。 DC波形は、電池に対して1~10ミリ秒の範囲、好ましくは約1~5ミリ秒のパルスを有し得る。さらに、電池を冷却して、電池内の発熱を減らすことができる。
【0073】
電池の充電速度は、内部抵抗を考慮して電池を充電および放電する時間を表すC定格から決定できる。1C定格および4C定格の電池の充電時間は、それぞれ1時間および7.5分である。本発明によれば、この充電時間は、電池を充電するためのDC波形を制御することによってさらに短縮することができる。
【0074】
AC電圧は、45~65Hzで振動する正弦波電圧の形をとることができる。 好ましくは、振動は実質的に50または60Hzのいずれかである。電圧レベルは、0 Vまたは別の固定(DC)電圧オフセット付近で振動する可能性がある。AC電圧のRMS値は100Vと500Vとの間である。好ましくは、AC電圧は、実質的にまたは平均して約110V、115V、220V、230V、380V、または400VのRMS値を有する。
【0075】
DC電圧は、好ましくは0~500Vの範囲の静的電圧であり得る。DC電圧は、より好ましくは1~100Vの範囲であり得る。DC電圧は、最も好ましくは、実質的に、例えば 1.5、3、3.7、4、5、6、12、24、48、または96V、または、その周辺の値を有し得る。ただし、アプリケーションの場合、例えば 電化鉄道アプリケーションのために最大30kVRMSまたは5kVDCのAC電圧など、大幅に高い電圧が考慮される場合がある。DC電圧は過渡電圧として理解する必要があり、充電を最適化するためにさまざまな降圧比で変更できる。
DC電圧はパルス化される場合がある。パルスDC電圧(または電流)は、立ち上がり時間と立ち下がり時間が非常に短いため、AC電圧(または電流)と区別できる。時間の経過に伴うパルスDC信号は、例えば、ほぼ離散的なヘヴィサイドの階段関数(near discrete Heaviside step function)によって理想的に例示される。
【0076】
デバイス300は、電気自動車(EV)または移動式電子デバイスの電池320にDC電圧を供給するように構成され得る。EVは、たとえば 自動車、バイク、スクーター、原付、自転車、または同様の車両などの個人用輸送車両である。あるいは、EVは例えば トラック、配達用車両、または同様の車両などの商用車である。あるいは、EVは例えば 移動機械、産業機器、建設車両、トラクターまたは同様の車両などの産業キャラクタである。あるいは、EVは、船舶や航空機、又は、鉄道車両(例えば、電車)などの代替輸送形態として理解することもできる。
EVを充電するために、制御回路180は、定電流動作(すなわち、電流レベルが一定であり、電圧レベルが過渡的である)または定電圧動作(つまり、電圧レベルが一定で、電流レベルが過渡的である)のために出力電流を調整するように構成され得る。これらの2つの動作タイプは、本明細書の他の場所でさらに説明される、電池の二相充電に利用することができる。AC-DCコンバータ回路100の出力電流は、EVの電池320を充電するとき、300~500Aの範囲にあるように構成され得る。回路100はさらに、単相AC入力ならびに二相(二相と混同されるべきではない)および/または三相AC入力などの多相AC入力のために構成され得る。EV充電には三相AC入力が推奨される。
【0077】
モバイル電子デバイスは、電池320および例えば デジタルコンピューティングおよび/またはデータ処理能力を備えた、例えば、 携帯電話、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレット、リモコン、電卓、または同様のデバイスである。モバイル電子デバイスの充電の場合、制御回路180は、モバイル電子デバイスの最大100Wの充電をサポートするUV-C電力供給(USB-CPD)の仕様に従って出力電流を調整するように構成され得る。AC-DCコンバータ回路100の出力電流は、移動式電子機器の電池320を充電するときに3~10Aの範囲にあるように構成することができる。モバイル電子デバイスの充電には、単相AC入力充電が推奨される。
【0078】
あるいは、AC-DCコンバータ回路100は、例えば AC電圧をDC電圧に変換してHVDC送電線を介して送電する高電圧DC(HVDC)コンバータまたは変圧器ステーションなどの固定装置または設備で利用することができる。
【0079】
図7は、電気自動車の電池を充電するための方法を示しており、電気自動車は、当該電池に加えて、トラクションモータおよびAC-DCコンバータ回路100を含む。この方法は:
電気自動車の動きを減速すること1001と、
電気自動車の運動の減速により、前記主電動機からAC型電流を生成すること1002と、
発生したAC型電流をAC-DCコンバータ回路100によりDC型電流に変換すること1003と、
DC型電流で電池を充電すること1004と、を含む。
【0080】
DC型電流は、パルスDC型電流であり得る。 これは、インピーダンスが減少し、充電損失が最小限に抑えられるため、有利な場合がある。 パルスDC型電流は、好ましくは1~10ミリ秒の範囲のパルスを有し得、より好ましくは1~5ミリ秒の範囲のパルスを有し得る。
【0081】
この方法は、電池を冷却することをさらに含み得る。したがって、電池の発熱に対処することができる。
【0082】
図8は、電気自動車2000の回生ブレーキシステム2100を示している。回生ブレーキシステム2100は、
電池320と、
AC型電流を生成するように適合されたトラクションモータ2300と、
電気自動車2000を減速するように適合されたブレーキシステム2400と、
主電動機2300からのAC型電流をDC型電流に変換し、電池320を充電するように構成されたAC-DCコンバータ回路100と、
電池320からのDC型電流をAC型電流に変換して、トラクションモータ2300に電力を供給するように構成されたDC-ACコンバータ3000と、を備える。
【0083】
トラクションモータ2300は、回転子および固定子を含む誘導ベースの電動機であり得る。トラクションモータ2300は、電気自動車2000を加速および減速するために、電気自動車2000のホイールにトルクを提供するように構成され得る。ブレーキシステム2400は、トラクションモータ2300と一体的に形成され得る。ブレーキシステム2400はまた、誘導によって作動することができる。
【0084】
好ましい実施形態
本発明の好ましい実施形態は、電池の急速充電用の車載充電器であって、第1のノード112および第2のノード114を含む入力整流器110であって、第1のノードでAC電圧を受け取り、第2のノードで整流された電圧を提供するように構成される、入力整流器と、第1のゲートノード122、第1のソースノード124、および第1のドレインノード126を含む第1のトランジスタ120であって、第1のドレインノードは、入力整流器の第2のノードに接続され、第1のゲートノードは、接地ノード170に接続されている、第1のトランジスタと、第2のゲートノード132、第2のソースノード 134、および第2のドレインノード136を含む第2のトランジスタ130であって、第2のドレインノードは第1のソースノードに接続され、物質的に第1のトランジスタに対応する、第2のトランジスタと、第2のトランジスタにスイッチング波形を供給するために第2のゲートノードに接続されたデューティサイクル制御ユニット140と、第2のソースノードに接続された出力整流器150と、第2のソースノードに接続された出力電子フィルタ160と、を備える。第1のトランジスタは、高電子移動度トランジスタ、HEMTであり得、第2のトランジスタは、HEMTであり得る。第1のトランジスタは窒化ガリウムトランジスタであり得、第2のトランジスタは窒化ガリウムトランジスタであり得る。入力整流器は、少なくとも1つのダイオードを含む半波整流器であり得る。入力整流器は、少なくとも2つのダイオードを含む全波整流器であり得、入力整流器は、第3のノード116をさらに含み、入力整流器は、第1のノードと第3のノードとの間でAC電圧を受け取るように構成される。すべてのダイオードがGaNショットキーダイオードであることが好ましい。AC-DCコンバータ回路は、出力電圧レベルを監視するための制御回路180を備えることができ、制御回路は、監視された出力電圧レベルに基づいてデューティサイクル制御ユニットにフィードバックを提供するように構成される。第1のトランジスタおよび第2のトランジスタは、同じ基板層構造290上にモノリシックに集積され得る。基板層構造は、シリコン基板層を含み得る。 出力整流器は窒化ガリウムダイオードであり得、入力整流器の任意のダイオードは、存在する場合、窒化ガリウムダイオードであり得る。第1のトランジスタは、基板層構造290の上の第1のキャリア層構造224と、第1のキャリア層構造の上の第1のバリア層構造226とを、備え、第1のゲートノードおよび第1のドレインノードは、第1のバリア層構造の上に配置され、ノードは、スペーサー構造250によって物理的に分離され、第2のトランジスタは、基板層構造の上の第2のキャリア層構造234と、第2のキャリア層構造の上の第2のバリア層構造236と、を備え、第2のゲートノードおよび第2のソースノードは、第2のバリア層構造の上に配置され、ノードは、スペーサー構造250によって物理的に分離され、第1および第2のキャリア層構造は、第1の半導体材料を含み、第1および第2のバリア層構造は、第2の半導体材料を含む。第1のキャリア層構造は、スペーサー構造250によって第2のキャリア層構造から物理的に分離され得、第1のバリア層構造は、同じスペーサー構造250によって第2のバリア層構造から物理的に分離され得る。第1のキャリア層構造は、第2のキャリア層構造に接続することができ、第1のバリア層構造は、第2のバリア層構造に接続することができる。
【0085】
本発明の好ましい実施形態は、電池の急速充電のためのスマートフォン壁充電器であって、スマートフォン壁充電器は、第1のノード112および第2のノード114を含む入力整流器110であって、第1のノードでAC電圧を受け取り、第2のノードで整流された電圧を提供するように構成される入力整流器と、第1のゲートノード122、第1のソースノード124、および第1のドレインノード126を含む第1のトランジスタ120であって、第1のドレインノードは、入力整流器の第2のノードに接続され、第1のゲートノードは、接地ノード170に接続されている第1のトランジスタと、第2のゲートノード132、第2のソースノード 134、および第2のドレインノード136を含む第2のトランジスタであって、第2のドレインノードが第1のソースノードに接続され、実質的に第1のトランジスタに対応する第2のトランジスタ130と、第2のトランジスタにスイッチング波形を供給するために第2のゲートノードに接続されたデューティサイクル制御ユニット140と、第2のソースノードに接続された出力整流器150と、第2のソースノードに接続された出力電子フィルタ160と、を備える。 第1のトランジスタは、高電子移動度トランジスタ、HEMTであり得、第2のトランジスタは、HEMTであり得る。第1のトランジスタは窒化ガリウムトランジスタであり得、第2のトランジスタは窒化ガリウムトランジスタであり得る。 入力整流器は、少なくとも1つのダイオードを含む半波整流器であり得る。 入力整流器は、少なくとも2つのダイオードを含む全波整流器であり得、入力整流器は、第3のノード116をさらに含み、入力整流器は、第1のノードと第3のノードとの間でAC電圧を受け取るように構成される。 すべてのダイオードがGaNショットキーダイオードであることが好ましい。AC-DCコンバータ回路は、出力電圧レベルを監視するための制御回路180を備えることができ、制御回路は、監視された出力電圧レベルに基づいてデューティサイクル制御ユニットにフィードバックを供給するように構成される。 第1のトランジスタおよび第2のトランジスタは、同じ基板層構造290上にモノリシックに集積され得る。基板層構造は、シリコン基板層を含み得る。 出力整流器は窒化ガリウムダイオードであり得、入力整流器の任意のダイオードは、存在する場合、窒化ガリウムダイオードであり得る。 第1のトランジスタは、基板層構造290の上の第1のキャリア層構造224と、 第1のキャリア層構造の上の第1のバリア層構造226と、を含み、第1のゲートノードおよび第1のドレインノードは、第1のバリア層構造の上に配置され、ノードは、スペーサー構造250によって物理的に分離され、第2のトランジスタは、基板層構造の上の第2のキャリア層構造234と、 第2のキャリア層構造の上にある第2のバリア層構造236とを含み、第2のゲートノードおよび第2のソースノードは、第2のバリア層構造の上に配置され、ノードは、スペーサー構造250によって物理的に分離され、第1および第2のキャリア層構造は、第1の半導体材料を含み、第1および第2のバリア層構造は、第2の半導体材料を含む。第1のキャリア層構造は、スペーサー構造250によって第2のキャリア層構造から物理的に分離され得、第1のバリア層構造は、同じスペーサー構造250によって第2のバリア層構造から物理的に分離され得る。第1のキャリア層構造は、第2のキャリア層構造に接続することができ、第1のバリア層構造は、第2のバリア層構造に接続することができる。
【0086】
本発明の別の好ましい実施形態は、請求項1~12のいずれかに記載のAC-DCコンバータ回路100を含むAC-DCコンバータデバイス300であって、デバイスは、さらに、AC電圧源310からAC電圧311を受けるためのインターフェース と、DC電圧312を電池320に供給するためのインターフェースと、を備え、電池は、電子車両の電池または移動式電子機器の電池である。
【0087】
本発明による好ましい方法は、電気自動車の電池を充電するための方法であって、電気自動車は、電池に加えて、トラクションモータおよびAC-DCコンバータ回路を備え、方法は:電気自動車の動きを減速すること1001と、電気自動車の運動の減速により、前記トラクションモータからAC型電流を生成すること1002と、発生したAC型電流をAC-DCコンバータ回路によりDC型電流に変換すること1003と、DC型電流で電池を充電すること1004と、を備え、DC型電流は、1~10ミリ秒の範囲のパルスを有するDC波形をさらに含み、好ましくは、前記パルスは、1~5ミリ秒である。電池を冷却して、電池の発熱を減らすこともできる。
【0088】
本発明の別の好ましい実施形態は、電気自動車2000の回生ブレーキシステム2100であり、回生ブレーキシステムは:電池320と、 AC型電流を生成するように適合されたトラクションモータ2300と、電気自動車を減速するように適合されたブレーキシステム2400と、トラクションモータからのAC型電流をDC型電流に変換し、電池を充電するように構成された、請求項1~13に記載のAC-DCコンバータ回路100 と、電池からのDC型電流をAC型電流に変換して、主電動機に電力を供給するように構成されているDC-ACコンバータ回路3000と、を備える。
【0089】
開示された実施形態および利点は、単なる例示であり、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。AC-DCコンバータ回路の現在の教示は、充電のためのインピーダンスを低減することによって、他の種類のより速い充電に容易に適用することができる。この説明は、例示を目的としたものであり、特許請求の範囲を限定するものではない。多くの代替、修正、および変形は、当業者には明らかであろう。本明細書に記載の例示的な実施形態の特徴、構造、方法、および他の特性を様々な方法で組み合わせて、追加のおよび/または代替の例示的な実施形態を得ることができる。本特徴は、その特徴から逸脱することなくいくつかの形態で具体化することができるので、上記の実施形態は、別段の指定がない限り、前述の説明の詳細のいずれにも限定されず、むしろ解釈されるべきであることも理解されたい。 添付の特許請求の範囲に広く定義されている範囲内。 修正および変更が当業者によって提案され得るとしても、本発明の範囲は、最新技術への貢献の範囲内に合理的に含まれるすべての変更および修正を含むことが発明者の意図である。 異なる実施形態の特徴は、必要な変更を加えて本明細書に記載されている他の実施形態と組み合わせることができる。 本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池のハイパワー充電用のAC-DCコンバータ回路(100)であって、
第1のノード(112)および第2のノード(114)を含む入力整流器(110)であって、前記第1のノードでAC電圧を受け取り、前記第2のノードで整流された電圧を供給するように構成された入力整流器(110)と、
第1のトランジスタ(120)であって、前記第1のトランジスタ(120)は空乏型トランジスタであり、第1のゲートノード(122)、第1のソースノード(124)、および第1のドレインノード(126)を含み、前記第1のドレインノードは前記入力整流器の前記第2のノードに接続されており、前記第1のゲートノードは接地ノード(170)に接続されている、第1のトランジスタ(120)と、
第2のトランジスタ(130)であって、第2のゲートノード(132)、第2のソースノード(344)、および第2のドレインノード(136)を含み、前記第2のドレインノードが第1のソースノードに接続され、物質的に前記第1のトランジスタに対応する、第2のトランジスタ(130)と、
前記第2のトランジスタにスイッチング波形を供給するために前記第2のゲートノードに接続されたデューティサイクル制御ユニット(140)と、
前記第2のソースノードに接続された出力整流器(150)と、
前記第2のソースノードに接続された出力電子フィルタ(160)と、
を備え、
前記第1のトランジスタは、
基板層構造(290)の上の第1のキャリア層構造(224)と、
第1のキャリア層構造の上にある第1のバリア層構造(226)と、を含み、
前記第1のゲートノードおよび前記第1のドレインノードは、前記第1のバリア層構造の上に配置され、前記ノードは、スペーサー構造(250)によって物理的に分離され、
前記第2のトランジスタは、
基板層構造の上の第2のキャリア層構造(234)と、
前記第2のキャリア層構造の上にある第2のバリア層構造(236)と、を含み、
前記第2のゲートノードおよび前記第2のソースノードは、前記第2のバリア層構造の上に配置され、前記ノードは、スペーサー構造(250)によって物理的に分離され、
前記第1および第2のキャリア層構造は、第1の半導体材料を含み、
前記第1および第2のバリア層構造は、第2の半導体材料を含み、
スペーサー構造(250)は、前記第1のキャリア層構造を前記第2のキャリア層構造から物理的に分離するだけでなく、前記第1のバリア層構造を前記第2のバリア層構造から物理的に分離する、
AC-DCコンバータ回路(100)。
【請求項2】
電池のハイパワー充電用のAC-DCコンバータ回路(100)であって、
第1のノード(112)および第2のノード(114)を含む入力整流器(110)であって、前記第1のノードでAC電圧を受け取り、前記第2のノードで整流された電圧を供給するように構成された入力整流器(110)と、
第1のトランジスタ(120)であって、前記第1のトランジスタ(120)は空乏型トランジスタであり、第1のゲートノード(122)、第1のソースノード(124)、および第1のドレインノード(126)を含み、前記第1のドレインノードは前記入力整流器の前記第2のノードに接続されており、前記第1のゲートノードは接地ノード(170)に接続されている、第1のトランジスタ(120)と、
第2のトランジスタ(130)であって、第2のゲートノード(132)、第2のソースノード(344)、および第2のドレインノード(136)を含み、前記第2のドレインノードが第1のソースノードに接続され、物質的に前記第1のトランジスタに対応する、第2のトランジスタ(130)と、
前記第2のトランジスタにスイッチング波形を供給するために前記第2のゲートノードに接続されたデューティサイクル制御ユニット(140)と、
前記第1のソースノードに接続された出力整流器(150)と、
前記出力整流器の出力ノード(151)に接続された出力電子フィルタ(160)と、
を備え、
前記第1のトランジスタは、
基板層構造(290)の上の第1のキャリア層構造(224)と、
第1のキャリア層構造の上にある第1のバリア層構造(226)と、を含み、
前記第1のゲートノードおよび前記第1のドレインノードは、前記第1のバリア層構造の上に配置され、前記ノードは、スペーサー構造(250)によって物理的に分離され、
前記第2のトランジスタは、
基板層構造の上の第2のキャリア層構造(234)と、
前記第2のキャリア層構造の上にある第2のバリア層構造(236)と、を含み、
前記第2のゲートノードおよび前記第2のソースノードは、前記第2のバリア層構造の上に配置され、前記ノードは、スペーサー構造(250)によって物理的に分離され、
前記第1および第2のキャリア層構造は、第1の半導体材料を含み、
前記第1および第2のバリア層構造は、第2の半導体材料を含み、
スペーサー構造(250)は、前記第1のキャリア層構造を前記第2のキャリア層構造から物理的に分離するだけでなく、前記第1のバリア層構造を前記第2のバリア層構造から物理的に分離する、
AC-DCコンバータ回路(100)。
【請求項3】
前記第1のトランジスタは、高電子移動度トランジスタHEMTであり、前記第2のトランジスタは、HEMTである、請求項1又は2に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項4】
前記第1のトランジスタが窒化ガリウムトランジスタであり、前記第2のトランジスタが窒化ガリウムトランジスタである、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項5】
前記入力整流器は、少なくとも1つのダイオードを含む半波整流器である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項6】
前記入力整流器は、少なくとも2つのダイオードを含む全波整流器であり、前記入力整流器は、さらに第3のノード(116)を含み、
前記入力整流器は、第1のノードと第3のノードとの間でAC電圧を受け取るように構成される、請求項5に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項7】
前記出力電圧レベルを監視するための制御回路(180)をさらに備え、
前記制御回路は、監視された前記出力電圧レベルに基づいて前記デューティサイクル制御ユニットにフィードバックを提供するように構成される、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項8】
前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタは、同じ基板層構造(290)上にモノリシックに集積されている、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項9】
前記基板層構造がシリコン基板層を含む、請求項8に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項10】
前記 出力整流器は、窒化ガリウムダイオードであり、前記入力整流器の任意のダイオードが存在する場合は窒化ガリウムダイオードである、
請求項1ないし9のいずれか一項に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項11】
前記第1のキャリア層構造が前記第2のキャリア層構造に接続されており、
前記第1のバリア層構造は、前記第2のバリア層構造に接続されている、請求項1ないし10のいずれか一項に記載のAC-DCコンバータ回路。
【請求項12】
AC-DCコンバータデバイス(300)であって、
請求項1ないし11のいずれか一項に記載のAC-DCコンバータ回路(100)を備え、
前記デバイスは、さらに、
AC電圧源(310)からAC電圧(311)を受けるためのインターフェースと、
DC電圧(312)を電池(320)に提供するためのインターフェースであって、前記電池は、電子車両の電池または移動式電子機器の電池である、インターフェースと、
を含む、AC-DCコンバータデバイス(300)。
【請求項13】
電池に加えて、トラクションモータおよび請求項1ないし12のいずれか一項に記載のAC-DCコンバータ回路を備えた電気自動車の電池を充電するための方法であって、前記方法は
前記電気自動車の動きを減速すること(1001)と、
前記電気自動車の運動の減速により、前記トラクションモータからAC型電流を生成すること(1002)と、
生成されたAC型電流をAC-DCコンバータ回路によりDC型電流に変換すること(1003) と、
前記DC型電流で電池を充電すること(1004)と、
を備える、方法。
【請求項14】
電気自動車(2000)の回生ブレーキシステム(2100)であって、前記回生ブレーキシステムは、
電池(320)と、
AC型電流を生成するように適合されたトラクションモータ(2300)と、
前記電気自動車を減速するために適合されたブレーキシステム(2400)と、
トラクションモータからのAC型電流をDC型電流に変換し、前記電池を充電するように構成された、請求項1ないし12のいずれか一項に記載のAC-DCコンバータ回路(100) と、
前記電池からのDC型電流をAC型電流に変換して前記トラクションモータに電力を供給するように構成されたDC-ACコンバータ回路(3000)と、を備える、回生ブレーキシステム(2100)。
【国際調査報告】