(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(54)【発明の名称】放射性元素の放射能を測定するように設計された放射能計測装置
(51)【国際特許分類】
G01T 1/167 20060101AFI20221219BHJP
G01T 1/185 20060101ALI20221219BHJP
G01T 7/00 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G01T1/167 C
G01T1/185 E
G01T7/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521210
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(85)【翻訳文提出日】2022-04-27
(86)【国際出願番号】 EP2020078380
(87)【国際公開番号】W WO2021069645
(87)【国際公開日】2021-04-15
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2020-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520222139
【氏名又は名称】ルメール パクス
(74)【代理人】
【識別番号】100074734
【氏名又は名称】中里 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100086265
【氏名又は名称】川崎 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100076451
【氏名又は名称】三嶋 景治
(72)【発明者】
【氏名】ルメール ピエール-マリー
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188AA23
2G188CC01
2G188DD30
2G188HH08
(57)【要約】
本発明は、放射性元素の放射能を測定するように設計された放射能計測装置に関し、これは:- 前記放射性元素を受けるための電離箱(2)と、- 前記放射能計測装置(1)の操作を制御する電子/コンピュータシステム(3)と、を含む。電子/コンピュータシステム(3)は音声制御手段(33)を含み、これは:- オペレータにより発せられる音声命令(V)を捕捉できる少なくとも1つのマイクロフォン(331)と、- 前記音声命令(V)を、前記電子/コンピュータシステム(3)により実行できるリクエスト(R)に変換するように設計された認識モジュール(332)と、- 前記電子/コンピュータシステム(3)による前記リクエスト(R)の実行を制御するように設計された制御モジュール(333)と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 放射性元素を受けるための電離箱(2)と、
- キャリブレータ装置(1)の操作を制御する電子/コンピュータシステム(3)と、
- 少なくとも1つの出力周辺機器(4)と、
を含む、前記放射性元素の放射能を測定するように設計されたキャリブレータ装置(1)であって、
前記電子/コンピュータシステム(3)が:
- 前記電離箱(2)内に収集された信号を前記放射性元素の放射能の値に変換する処理手段(31)と、
- オペレータによる前記電子/コンピュータシステム(3)の前記制御のための制御手段(32)と、
を含み、
前記制御手段(32)が、
- 前記オペレータにより発せられる音声命令(V)を捕捉できる少なくとも1つのマイクロフォン(331)と、
- 前記音声命令(V)を、前記電子/コンピュータシステム(3)により実行できるリクエスト(R)に変換するように設計された認識モジュール(332)と、
- 前記電子/コンピュータシステム(3)による前記リクエスト(R)の前記実行を制御するように設計された制御モジュール(333)と、
を含む音声制御手段(33)を含むことを特徴とする、キャリブレータ装置(1)。
【請求項2】
前記認識モジュール(332)が、一連のワード:
- アクティベーションワード(M1)、
- アクションワード(M2)、及びおそらくは
- 少なくとも1つのセッティングワード(M3)
を含む前記音声命令(V)を変換するように設計されることを特徴とする、請求項1に記載のキャリブレータ装置。
【請求項3】
前記電子/コンピュータシステム(3)が、前記電子/コンピュータシステム(3)の少なくとも一部が統合されるケーシング(36)を含むことと、
前記少なくとも1つのマイクロフォン(331)が、前記ケーシング(36)に取り付けられるか、又は前記ケーシング(36)とは独立していること
を特徴とする、請求項1又は2に記載のキャリブレータ装置。
【請求項4】
前記音声制御手段(33)が、前記少なくとも1つの出力周辺機器(4)を介して前記認識モジュール(332)からの前記リクエスト(R)を再現するように設計される確認モジュール(334)を含むことを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載のキャリブレータ装置。
【請求項5】
前記制御手段(32)が、前記オペレータによる前記電子/コンピュータ(3)の冗長的制御のためのマニュアル制御手段(34)も含むことを特徴とする、請求項1~4の何れか1項に記載のキャリブレータ装置。
【請求項6】
- 前記少なくとも1つのマイクロフォン(331)により実行される、前記オペレータにより発せられる音声命令(V)を捕捉するステップと、
- 前記認識モジュール(332)により実行される、前記音声命令(V)を前記電子/コンピュータシステム(3)により実行可能なリクエスト(R)に変換するステップと、
- 前記制御モジュール(333)により実行される、前記電子/コンピュータシステム(3)による前記リクエスト(R)の前記実行を制御するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1~5の何れか1項に記載のキャリブレータ装置の操作方法。
【請求項7】
低、中、及び高エネルギの放射性薬剤組成物を例えば調製及び/又はハンドリングするための核医学機器であって、
- 請求項1~5の何れか1項に記載のキャリブレータ装置(1)と、
- 電離放射線からオペレータを保護するための放射線保護構造(11)と、
を含む、核医学機器。
【請求項8】
前記放射線保護構造(11)が放射線保護スクリーン(12)を含むことを特徴とする、請求項7に記載の核医学機器。
【請求項9】
前記放射線保護スクリーン(12)が、放射線保護材料で製作されたシールド(121)を含み、
前記シールド(121)が、傾き調整のために、好ましくは回転割出手段(122)に関連付けられる水平回転軸の周囲で回転可能である
ことを特徴とする、請求項8に記載の核医学機器。
【請求項10】
前記放射線保護構造(11)が、オペレータによる放射線元素の前記ハンドリングに適した放射線保護エンクロージャ(13)を含み、
前記放射線保護エンクロージャ(13)が:
- 前記放射性元素を収容するための密閉体積(15)を画定する放射線保護壁(14)と、
- 前記密閉体積(15)に視覚的にアクセスするための透明な放射線保護壁(16)と、
- 前記密閉体積(15)内でのハンドリング操作のための、グローブ(17a)を備える少なくとも1つの開口(17)及び/又はリモートハンドリングインタフェースと、
を含み、
前記放射線保護エンクロージャ(13)がまた:
- 前記オペレータにより制御可能な少なくとも1つの電子機器(18)と、
- 前記オペレータによる前記少なくとも1つの電子機器(18)の前記制御のための制御手段(19)と、
を含み、
前記少なくとも1つの電子機器(18)が、少なくとも請求項1~5の何れか1項に記載の前記キャリブレータ装置(1)を含む
ことを特徴とする、請求項7に記載の核医学機器。
【請求項11】
前記キャリブレータ装置(1)の前記電子/コンピュータシステム(3)が、前記放射線保護エンクロージャ(13)の前記制御手段(19)の一部であるか、又は前記放射線保護エンクロージャ(13)の前記制御手段(19)とは別であることを特徴とする、請求項10に記載の核医学機器。
【請求項12】
前記放射線保護エンクロージャ(13)の前記制御手段(19)が、前記キャリブレータ装置(1)の前記音声制御手段(33)を形成するか、又は前記キャリブレータ装置(1)の前記音声制御手段(33)に関して別である音声制御手段を含むことを特徴とする、請求項10又は11に記載の核医学機器。
【請求項13】
前記放射線保護エンクロージャ(13)が、前記キャリブレータ装置(1)に加えて、以下の電子機器(18)の少なくとも1つ:
- データベースを格納するデータストレージ手段を含む少なくとも1つのコンピュータ(181)、
- 少なくとも1つの遮蔽されたジェネレータコンパートメントに連結される操作手段(182)、
- 前記放射線保護壁(14)の1つに取り付けられた少なくとも1つのエアロック(141a)の少なくとも1つのドア(141b、141c)に関連付けられるロッキング手段(183)、
- キャリブレータスプーンを操作する手段(21)、
- 照明手段(184)、
- 消毒手段(185)、
- リモートハンドリングインタフェース
から選択される少なくとも1つの電子機器(18)を含むことを特徴とする、請求項10~12の何れか1項に記載の核医学機器。
【請求項14】
前記放射線保護壁(14)が、各々が前縁(1411)を含む2つの放射線保護側壁(141)を含み、前記放射線保護側壁(141)の少なくとも1つのうちの前記前縁(1411)が、前記少なくとも1つのマイクロフォン(331)を備えることを特徴とする、請求項10~13の何れか1項に記載の核医学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線発出製品又は発出源の全体的分野に関する。
【0002】
より詳しくは、それは放射性元素の放射能を測定するように設計された、特に、ただし限定的ではないが、シンチグラフィ検査に必要な注入可能放射性溶液を調製するため、又は特定のがんの治療にける代謝性放射線治療で使用される放射性生成物を調製するために核医学の分野において実装されるタイプのキャリブレータ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
「キャリブレータ」又は「放射性核種キャリブレータ」若しくは「ドーズキャリブレータ」と呼ばれる装置は、放射線発出源の放射能、特に(数十KeV~数MeVのエネルギ範囲内の)ガンマ線又は1.5KeVを超えるエネルギのベータ線を測定するために使用される。
【0004】
この種の測定装置の主な用途の1つは、核医学において患者に注入される放射性薬剤の投与量の較正であるが、これらは、特に工業試験場や研究センタにおいて、その他の放射性同位体測定にも使用できる。
【0005】
このキャリブレータは井戸型のガス電離箱からなり、その中に測定対象の同位体が導入される。
【0006】
この電離箱は、試験対象の同位体の放射能に比例する電流を送達するものであり、すなわち、これは電子/コンピュータ制御及び処理ユニットに接続され、それがこの電流を電圧に変換し、信号を処理し、同位体放射能測定値の指標(キュリ又はベクレル)を提供する。
【0007】
この操作を確実に行うために、キャリブレータ装置は様々な電子機器を含み、これはオペレータにより、例えばコンピュータコンソール上のタッチボタンやメニューが設けられた制御パネルを通じて制御可能である。
【0008】
特に、放射能の測定は放射性核種により発せられる放射線のエネルギスペクトルに応じているため、現在市販されているキャリブレータでは、測定対象の同位体は、存在する放射性同位体に対応する適当なキャリブレーション効率を処理電子機器に割り当てて、適当な放射能測定値を得るために、事前に記録された、又は事前にプログラムされたリストから手作業で選択することが提案される。
【0009】
現時点で、このようなマニュアル制御はエラーが生じやすく、人間工学に基づいていない。
【0010】
制御パネルを対話操作するには、実際に、オペレータは異なる領域(特にハンドリングエリアと制御エリア)を交互に注視する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それゆえ、キャリブレータ装置に含まれる電子機器の制御を簡素化する技術的ソリューションが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
最新技術の上述のような欠点を修復するために、本発明は、放射性元素の放射能を測定するように設計されたキャリブレータ装置を提案する。
【0013】
本発明によるキャリブレータ装置は:
- 前記放射性元素を受けるための電離箱と、
- 前記キャリブレータ装置の操作を制御する電子/コンピュータシステムと、
- プリンタにより完結され得る少なくとも1つの出力周辺機器、有利には表示装置と、
を含み、
前記電子/コンピュータシステムは:
- 前記電離箱内に収集された信号を前記放射性元素の放射能の値に変換する処理手段と、
- オペレータによる前記電子/コンピュータシステムの制御のための制御手段と、
を含む。
【0014】
制御手段は音声制御手段を含み、これは:
- 前記オペレータにより発せられる音声命令(V)を捕捉できる少なくとも1つのマイクロフォンと、
- 前記音声命令(V)を、前記電子/コンピュータシステムにより実行できるリクエスト(R)に変換するように設計された認識モジュールと、
- 前記電子/コンピュータシステムによる前記リクエスト(R)の実行を制御するように設計された制御モジュールと、
を含む。
【0015】
音声制御手段により、それゆえ、オペレータが音声命令を介して前記電子/コンピュータシステムを制御できる。
【0016】
このような音声制御手段は、有利には、その対話操作が音声を通じて行われる人間-機械インタフェースを構成し、これは「音声インタフェース」とも呼ばれる。
【0017】
この方式により、オペレータはハンドリングプロトコルを実行し、ハンドリングエリアを注視しながら前記電子機器を対話操作することが可能となる。
【0018】
オペレータはそれゆえ、実行しやすさと速度を得、したがって、ハンドリング操作に集中できる。
【0019】
個別にも、技術的に可能なあらゆる組合せによっても実現される、本発明による製品のその他の非限定的で有利な特徴は以下のとおりである:
- 認識モジュールは、一連のワード、すなわちアクティベーションワード(M1)、アクションワード(M2)、及びおそらくは少なくとも1つのセッティングワード(M3)を含む前記音声命令(V)を変換するように設計される;
- 前記電子/コンピュータシステムは、前記電子/コンピュータシステムの少なくとも一部が統合されるケーシングを含み、前記少なくとも1つのマイクロフォンは前記ケーシングに取り付けられるか、又は前記ケーシングとは独立している:
- 音声制御手段は、前記少なくとも1つの出力周辺機器を介して前記認識モジュールからのリクエスト(R)を再生するように設計される確認モジュールを含む:
- 制御手段は、前記オペレータによる前記電子/コンピュータシステムの冗長的制御のためのマニュアル制御手段も含む。
【0020】
本発明はまた、本発明によるキャリブレータ装置の操作方法にも関する。
【0021】
この操作方法は、以下のステップ:
- 前記少なくとも1つのマイクロフォンにより実行される、前記オペレータにより発せられる音声命令(V)を捕捉するステップと、
- 前記認識モジュールにより実行される、前記音声命令(V)を前記電子/コンピュータシステムにより実行可能なリクエスト(R)に変換するステップと、
- 前記制御モジュールにより実行される、前記電子/コンピュータシステムによる前記リクエスト(R)の実行を制御するステップと、
を含む。
【0022】
本発明はまた、例えば低、中、及び高エネルギの放射性薬剤組成物を調製及び/又はハンドリングするための核医学機器に関する。
【0023】
機器は:
- 本発明によるキャリブレータ装置と、
- 電離放射線からオペレータを保護するための放射線保護構造と、
を含む。
【0024】
ある実施形態によれば、前記放射線保護構造は放射線保護スクリーンを含む。
【0025】
この場合、放射線保護スクリーンは、有利な点として、放射線保護材料で製作されたシールドを含み、前記シールドは、傾き調整のために、好ましくは回転割出手段に関連付けられる水平回転軸の周囲で回転可能である。
【0026】
他の実施形態によれば、前記放射線保護構造は、オペレータによる放射線元素のハンドリングに適した放射線保護エンクロージャを含む。
【0027】
放射線保護エンクロージャは:
- 前記放射性元素を収容するための密閉体積を画定する放射線保護壁と、
- 前記密閉体積に視覚的にアクセスするための透明な放射線保護壁と、
- 前記密閉体積内でのハンドリング操作のための、グローブを備える少なくとも1つの開口及び/又はリモートハンドリングインタフェースと、
を含む。
【0028】
放射線保護エンクロージャはまた:
- 前記オペレータにより制御可能な少なくとも1つの電子機器と、
- 前記オペレータによる前記少なくとも1つの電子機器の制御のための制御手段と、
を含む。
【0029】
前記少なくとも1つの電子機器は、少なくとも本発明による前記キャリブレータ装置を含む。
【0030】
個別にも、技術的に可能なあらゆる組合せによっても実現される、本発明によるこの実施形態のその他の非限定的で有利な特徴は以下のとおりである:
- 前記キャリブレータ装置の電子/コンピュータシステムは、前記放射線保護エンクロージャの制御手段の一部であるか、又は前記放射線保護エンクロージャの前記制御手段とは別である;
- 前記放射線保護エンクロージャの制御手段は、前記キャリブレータ装置の音声制御手段を形成するか、又は前記キャリブレータ装置の音声制御手段に関して別である音声制御手段を含む;
- 放射線保護壁は、各々が前端を含む2つの放射線保護側壁を含み、前記放射線保護側壁の少なくとも1つのうちの前記前縁は、前記少なくとも1つのマイクロフォンを備える;
- 前記放射線保護エンクロージャは、前記キャリブレータ装置に加えて、以下の電子機器の少なくとも1つから選択される少なくとも1つの電子機器を含む:データベースを格納するデータストレージ手段を含む少なくとも1つのコンピュータ、少なくとも1つの遮蔽されたジェネレータコンパートメントに連結される操作手段、前記放射線保護壁の1つに取り付けられた少なくとも1つのエアロックの少なくとも1つのドアに関連付けられるロッキング手段、キャリブレータスプーンを操作する手段、照明手段、消毒手段、リモートハンドリングインタフェース。
【0031】
もちろん、本発明の異なる特徴、代替案、及び実施形態は、これらが相互に矛盾せず、又は排他的でないかぎり、様々な組み合わせにより相互に関連付けることができる。
【0032】
さらに、本発明のその他の様々な特徴は、本発明の非限定的な実施形態を示す下記のような図面に関して記される付属の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】音声制御手段を備えるキャリブレータ装置を概略的に示す。
【
図2】本発明によるキャリブレータ装置に関して実行される音声認識アルゴリズムをブロック図として示す。
【
図3】有利には、放射性薬剤を取り扱うためのシールドの形態の本発明によるキャリブレータ装置を示す概略的斜視図である。
【
図4】
図3によるキャリブレータ装置の他の視点からの概略図である。
【
図5】本発明によるキャリブレータ装置を備える放射線保護エンクロージャを示す概略的正面図である。
【
図6】
図5による放射線保護エンクロージャを示す概略的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
これらの図中、異なる代替案に共通の構造的及び/又は機能的要素には同じ参照番号を有することができることに留意されたい。
【0035】
キャリブレータ装置
図1に概略的に示されているキャリブレータ装置1は、放射性元素の放射能を測定するように設計される。
【0036】
このようなキャリブレータ装置1は、特に核医学の分野、特に低、中、及び高エネルギ放射性薬剤組成物の調製に適している。
【0037】
本発明によるキャリブレータ装置1は:
- 前記放射線元素を受けるための電離箱2と、
- 前記キャリブレータ装置1の操作を制御するための電子/コンピュータシステム3と、
- おそらくはプリンタで完結する少なくとも1つの出力周辺機器4、有利な態様では表示装置と、
を含む。
【0038】
放射性元素を受けるための、有利には、井戸型電離箱(それ自体、従来のものである)である電離箱2はおそらく、キャリブレータスプーン(図示せず)を操作するための手段21を含む。
【0039】
電子/コンピュータシステム3は:
- 前記電離箱2内に収集された信号を前記放射性元素の放射能の値に変換するための処理手段31と、
- オペレータによる電子/コンピュータシステム3の制御のための制御手段32
を含む。
【0040】
電子/コンピュータシステム3はそれゆえ、一方で、有利には、治療手段31を介した、放射性元素の放射能の指標を提供するための電離箱2内に収集された信号の処理と、他方で、有利には、制御手段32を介したこのキャリブレータ装置1の操作を確実にする電子/コンピュータユニットを形成する。
【0041】
その目的のために、電子/コンピュータシステム3は、有利には:
- 「計算ユニット」又は「プロセッサ」とも呼ばれる処理ユニットと、
- データベースと少なくとも1つのコンピュータプログラムを格納するデータストレージ手段と、
を含む。
【0042】
処理手段31は、有利には:
- 電離電流の強度を測定する電位計と、
- 放射能計算電子機器と、
を含む。
【0043】
さらに、制御手段32により、ハンドリングプロセスの異なるステップでのオペレータによるキャリブレータ装置1の制御が可能となる。
【0044】
このキャリブレータ装置1の制御は、例えば:
- データを入力すること、及び/又は
- 操作パラメータを設定/調整すること、及び/又は
- アクチュエータを操作すること、
からなり得る。
【0045】
本発明によれば、全てがこのハンドリングプロセスに沿って行われるオペレータによる操作条件を実質的に改善するために、制御手段32はここで、オペレータが音声命令を介してキャリブレータ装置1を制御することができるようにする音声制御手段33を含む。
【0046】
このような音声制御手段33は、有利には、キャリブレータ装置1のための人間-機械インタフェースを構成し、その対話操作は音声を通じて行われ、「音声インタフェース」とも呼ばれる。
【0047】
この方式により、それゆえ、オペレータはハンドリングプロトコルを実行し、音声を介してキャリブレータ装置1を対話操作することができる。
【0048】
ここで、音声制御手段33は:
- 前記オペレータにより発せられる音声命令Vを捕捉することのできる少なくとも1つのマイクロフォン331と、
- 前記音声命令を、前記電子/コンピュータシステム3により実行可能なリクエストRに変換するように設計された認識モジュール332と、
- 前記電子/コンピュータシステム3による前記リクエストRの実行を制御するように設計された制御モジュール333と、
を含む。
【0049】
前記少なくとも1つのマイクロフォン331は、有利には:
- キャリブレータ装置1により担持される固定マイクロフォン、又は
- 例えばオペレータがハンドリング操作中に着用するためのポータブルマイクロフォン(例えば、イヤホン、ペンダント型マイクロフォン等の形態)
からなる。
【0050】
ポータブルマイクロフォンは、支持体にも取り付けられ得る。
【0051】
前記少なくとも1つのマイクロフォン331は、有利には、制御手段32に接続されて、入力周辺機器を形成する。認識モジュール332と制御モジュール333は、制御手段32に統合される。
【0052】
図2に関して後述するように、認識モジュール332は、「自動音声認識モジュール」とも呼ばれ、それによって前記少なくとも1つのマイクロフォン331により捕捉された人間の声を分析し、それをコンピュータが使用可能なテキスト(又は命令若しくはリクエスト)として記述することが可能となる。
【0053】
この認識モジュール332は、有利には、コンピュータにより実行されると、それに音声命令Vを前記キャリブレータ装置1により実行されるためのリクエストRに変換させる命令を含むコンピュータプログラムから選択される。
【0054】
音声命令Vはまた、「音声制御」とも呼ばれ、するとキャリブレータ装置1内の予定される操作に対応する。
【0055】
本願では、認識モジュール332は、以下の一連のワードを含む音声命令Vを変換するように設計される:
- アクティベーションワードM1、
- アクションワードM2、及びおそらくは
- 少なくとも1つのセッティングワードM3。
【0056】
本願では、前記音声命令Vはそれゆえ、有利には、以下の一連のワードから構成されるシンタックスを含む:
- 音声認識モジュール332による音声命令Vを変換するプロセスをアクティベートするためのアクティベーションワードM1、別名「ウェイクアップワード」又は「ホットワード」と、次に
- 前記キャリブレータ装置1により予定される操作を定義するアクションワードM2と、おそらく
- 予定される操作を明示する少なくとも1つのパラメータ/変数を定義する少なくとも1つのパラメータワードM3(すなわち、ゼロ、1つ又は複数のパラメータワードM3)。
【0057】
アクティベーションワードM1の代わりに、又はそれを補うものとして、音声認識モジュール332は制御要素、例えばペダルによりアクティベートできる。
【0058】
音声命令Vを認識するために、認識モジュール332はおそらく、音声命令Vのワードを、以下を含む意味ラベル(又は「タグ」)に関連付けることができる:
- アクティベーションワードM1に割り当てられる第一のタグT1、
- アクションワードM2に割り当てられる第二のタグT2、及びおそらく
- パラメータワード(複数の場合もある)M3に割り当てられる変数の形態の少なくとも1つの第三のタグT3。
【0059】
音声認識モジュール332による音声命令Vの変換により、それゆえ、制御モジュール333により実行可能なリクエストRを生成することができる。
【0060】
制御モジュール333は、有利には、コンピュータにより実行されると、それに電子/コンピュータシステム3によるリクエストRの実行を制御させる命令を含むコンピュータプログラムから選択される。
【0061】
その目的のために、制御モジュール333は、プログラマブルロジックコントローラからなり、又はそれと協働できる。
【0062】
一般に、認識モジュール332と制御モジュール333は、電子/コンピュータシステム3上に記録し、そこで実行できる。
【0063】
代替案として、認識モジュール332と制御モジュール333は、例えばサーバの形態のリモートコンピュータ上に記録し、そこで実行できる。
【0064】
限定的ではなく、音声命令Vは有利には、データベース内に記録された所定の音声命令のリストから選択される。そして、このデータベースの各音声命令Vは、有利には、前記キャリブレータ装置1により実行されるためのリクエストR(「アクション」とも呼ばれる)に関連付けられる。
【0065】
例えば、一切限定されることなく、アクションワードM2/パラメータワードM3の組合せは、以下から選択できる:
- キャリブレータ装置1上で容器を選択するための「選択」/「容器名」(例えば、バイアル、シリンジ、カプセル)
- キャリブレータ装置1上で同位体を選択するための「選択」/「同位体名」(例えば、F18、フッ素、Tec、テクニチウム、Ga67、ガリウム)、
- キャリブレータ装置1上で患者を選択するための「患者」/「変数」
- キャリブレータ装置1上で保存溶液を選択するための「保存溶液」/「変数」
- キャリブレータ装置1上で溶液及び患者の選択の有効性を確認するための「バリデート」、
- 操作手段21を用いてキャリブレータスプーンを上下に移動させるための「上」又は「下」/「スプーン」。
【0066】
音声制御手段33はまた、前記少なくとも1つの出力周辺機器4(例えば、スクリーン、プリンタ)をユーザフレンドリで人間工学に基づく方法で制御することを可能にできる。
【0067】
音声制御手段33はまた、前記少なくとも1つの出力周辺機器4を介して認識モジュール332からのリクエストRを再現するように設計された確認モジュール334(「フィードバック」とも呼ばれる)も含み得る。
【0068】
この認識モジュール334は、有利には、コンピュータにより実行されると、それに前記出力周辺機器を介して前記認識モジュール332からのリクエストを再現させる命令を含むコンピュータプログラムの中から選択される。
【0069】
制御手段32はまた、オペレータによる電子/コンピュータシステム3の冗長的制御のためのマニュアル制御手段34(例えば、キーボード及び/又はタッチスクリーン)も含むことができる。
【0070】
このようなマニュアル制御手段34は、例えば音声制御手段33によって制御可能な(冗長性)又は制御可能ではない部分を制御するために有益である。
【0071】
さらに一般的に、電子/コンピュータシステム3はケーシング36を含み得て、その中に前記電子/コンピュータシステム3の少なくとも一部(例えば、処理手段31及び制御手段32)が統合される。
【0072】
前記少なくとも1つのマイクロフォン331はここで、ケーシング36から離して/それに関して独立して配置される。代替案として、図示されていないが、前記少なくとも1つのマイクロフォン331はこのケーシング36に取り付けられる。
【0073】
以下に図面に関して展開するように、音声制御手段33に関連するキャリブレータ装置1は、有利には、は自立的な、音声制御型キャリブレータ装置1を構成できる:このキャリブレータ装置1はまた、核医学機器の一部とすることができる(有利には、放射線保護エンクロージャと共に)。
【0074】
操作方法
本発明はまた、
図2に示されるように、本発明によるキャリブレータ装置1の操作方法にも関する。
【0075】
操作方法は以下のステップ:
- 前記少なくとも1つのマイクロフォン331により実行可能な、オペレータにより発せられる音声命令Vを捕捉するステップと、
- 前記認識モジュール332により実行される、前記音声命令Vを前記電子/コンピュータシステム3により実行可能なリクエストRに変換するステップと、
- 前記制御モジュール333により実行される、前記電子/コンピュータシステム3による前記リクエストRの実行を制御するステップと、
を含む。
【0076】
実際には、このようなキャリブレータ装置1は、容易に放射能測定値を処理し、対照テストを実行し、重要データをファイル又はラベル上に保存するために簡単且つ直感的に使用される。
【0077】
核医学機器
このようなキャリブレータ装置1は(その音声制御手段33と共に)、それ自体従来から知られている異なる用途のために実装できる。
【0078】
本発明はそれゆえ、例えば低、中、及び高エネルギ放射性薬剤組成物を調製する及び/又はハンドリングするための、本発明によるキャリブレータ装置1を含む核医学機器10にも関する。
【0079】
このような機器10は、
図1、3、4、5、及び6に示されており:
-
図1に関して上述した本発明によるキャリブレータ装置1と、
- オペレータを電離放射線から保護するための放射線保護構造11と、
を含む。
【0080】
図1にごく概略的に示されている実施形態によれば、放射線保護構造11は放射線保護スクリーン12を含む。
【0081】
このような放射線保護スクリーン11は、有利には、扱われる放射性薬剤組成物に合わせた放射線保護スクリーンの中から選択される。
【0082】
このような放射線保護スクリーン12は、電離箱2とオペレータとの間に挟まれることが意図される。
【0083】
この放射線保護スクリーン12は、有利には、放射線減衰材料、例えば鉛、放射線保護金属粒子が充填されたプラスチック材料、又は放射線保護金属粒子が充填されたガラスで製作される。
【0084】
例えば、この実施形態は
図3及び4にも示されている。
【0085】
この実施形態により、オペレータの生物学的安全性を確保しながら、放射線薬剤のハンドリング、調製、分画、及び測定を行うことができる。
【0086】
これらの
図3及び4の中で、放射線保護スクリーン12は、放射線保護材料(例えば、鉛ガラス)で製作されたシールド121を含む。
【0087】
このシールド121は、有利には、傾き調整のために、好ましく回転割出手段122(例えば、シリンダ)に関連付けられた水平回転軸の周囲で回転可能である。
【0088】
機器10はここでは、オペレータと音声制御手段33の対話操作のために、マイクロフォン331を備える。
【0089】
この機器10はここではまた、例えば表示装置(スクリーン)、又はさらには、例えば接着ラベルを印刷するための印刷手段(図示せず)の形態の、コンピュータ(図示せず)に連結された少なとも1つの出力周辺機器186も備える。
【0090】
音声制御手段33によれば、それゆえ、オペレータはハンドリングプロトコルを実行し、音声を通じて機器10を対話操作することができる。
【0091】
例えば、一切限定されることなく、アクションワードM2/パラメータワードM3の組合せは、以下から選択できる:
- コンピュータ上で容器を選択するための「選択」/「容器名」(例えば、バイアル、シリンジ、カプセル)
- コンピュータ上で同位体を選択するための「選択」/「同位体名」(例えば、F18、フッ素、Tec、テクニチウム、Ga67、ガリウム)、
- コンピュータにより患者を選択するための「患者」/「変数」
- コンピュータにより保存溶液を選択するための「保存溶液」/「変数」
- コンピュータにより溶液及び患者の選択の有効性を確認するための「バリデート」、
- 操作手段を用いてキャリブレータスプーンを上下に移動させるための「上」又は「下」/「スプーン」。
【0092】
図5及び6に概略的に示されている他の実施形態によれば、放射線保護構造11は、オペレータによる放射性元素のハンドリングに適した放射線保護エンクロージャ13を含む。
【0093】
このような放射線保護エンクロージャ13は、核医学の分野、特に低、中、及び高エネルギ放射性薬剤組成物の調製のために適している。
【0094】
このようなエンクロージャにより、例えばテクニチウム(Tc99m)ジェネレータの溶出、放射性薬剤キットの再生のほか、従来のシンチグラフィ検査用患者-シリンジの調製が可能となる。
【0095】
この放射線保護エンクロージャ13は、現在、「グローブボックス」、「シールドエンクロージャ」、「シールドセル」又は「ホットセル」と呼ばれているタイプのものである。
【0096】
その目的のために、放射線保護エンクロージャ13は放射線保護壁14を含み(有利な態様では、放射線減衰材料、例えば鉛、放射線保護金属粒子が充填されたプラスチック材料か又は放射線保護金属粒子が充填されたガラスを含む)、これは放射線元素を収容するための密閉体積15を画定する。
【0097】
放射線保護壁14は特に:
- 放射線保護側壁141と、
- 放射線保護側壁141と横方向に整列され、ハンドリング操作中に座るオペレータの正面にある放射線保護前壁142と、
を含む。
【0098】
放射線保護壁14は:
- 密閉体積15に視覚的にアクセスするための透明な放射線保護壁16と、
- ここでは2つであり、各々が密閉体積15内でのハンドリング操作のためのグローブ17aを備える少なくとも1つの開口17、
を含む。
【0099】
開口17はここで、放射線保護前壁142に配置され、各々が各種のハンドリング操作のために手を入れるグローブ17a(密閉体積3の中へと突出する)を備える。
【0100】
各グローブ17aはその関連する開口17にしっかりとシールされる。
【0101】
グローブ17aの代替案又は補足として、放射線保護エンクロージャ13は、手を放射線保護エンクロージャ13(図示せず)に入れることを回避するために、「リモートハンドラ」(例えば、リモートハンドリングアーム)とも呼ばれるリモートハンドリングインタフェース(又は装置)を備えることができる。
【0102】
放射線保護壁14の少なくとも1つ、本願では2つの放射線保護壁141の各々はまた、エアロック141a(「トランスファボックス」ともよばれる)も備えることができる。
【0103】
このようなエアロック141aは、密閉体積15に関して付属品や消耗品を輸送するために使用できる。
【0104】
オペレータの保護のために、各エアロック141aは、有利には、内側ドア141bと外側ドア141cを含む。
【0105】
好ましくは、密閉体積15は真空引きシステム15aにより真空とされる。
【0106】
その操作を確実にするために、放射線保護エンクロージャ13はまた:
- オペレータにより制御可能な少なくとも1つの電子機器18(「周辺機器」又は「操作部」とも呼ばれる)と、
- オペレータによる前記少なくとも1つの電子機器18の制御のための制御手段19と、
も含む。
【0107】
「電子機器18」という用語は、有利には、放射線保護エンクロージャ13の操作中に介入する、それ自体が従来から知られている電子機器を含む。
【0108】
ここでは、前記少なくとも1つの電子機器18は、少なくとも本発明によるキャリブレータ装置1(
図1に関して上述した)を含む。
【0109】
キャリブレータ装置1の電子/コンピュータシステム3はここで、放射線保護エンクロージャ13の制御手段19を構成する。
【0110】
代替案として、図示されていないが、キャリブレータ装置1の電子/コンピュータシステム3は放射線保護エンクロージャ13の制御手段19とは別である。
【0111】
さらに、放射線保護エンクロージャ13の制御手段19は音声制御手段を含む。
【0112】
これらの音声制御手段はここで、キャリブレータ装置1の音声制御手段33により形成される。代替案として、図示されていないが、放射線保護エンクロージャ13の制御手段19は、キャリブレータ装置1の音声制御手段33とは別の音声制御手段を含む。
【0113】
それゆえ、このような音声制御手段33により、オペレータはハンドリングプロトコルを実行し、手をグローブに入れたまま(又はリモートハンドラ上に置いたまま)にしながら、前記少なくとも1つの電子機器18を対話操作することができる。
【0114】
一般に、放射線保護壁14は2つの放射線保護側壁141を含み、各々が前縁1411を含む。
【0115】
放射線保護側壁141の少なくとも1つの前縁1411は、前記少なくとも1つのマイクロフォン331を備える。
【0116】
代替案として、前記少なくとも1つのマイクロフォン331は放射線保護エンクロージャ13上の他の何れの位置にあることも、又はさらにはポータブルマイクロフォンとすることもできる。
【0117】
キャリブレータ装置1に加えて、放射線保護エンクロージャ13は有利には、以下の電子機器の少なくとも1つから選択される少なくとも1つの電子機器18を含む:
- データベースを格納するデータストレージ手段を含む少なくとも1つのコンピュータ181、
- 少なくとも1つの遮蔽されたジェネレータコンパートメント182aに連結される操作手段182、
- 前記放射線保護壁14の1つに取り付けられた少なくとも1つのエアロック141aの少なくとも1つのドア141b、141cに関連付けられるロッキング手段183、
- キャリブレータスプーン(図示せず)を操作する手段21、
- 密閉体積15を照明する照明手段184、例えばLEDランプ、
- 密閉体積15の消毒のための消毒手段185、例えばUVランプ、
- 例えば表示装置(スクリーン)又は、さらには例えば接着ラベルを印刷するための印刷手段(図示せず)の形態の少なくとも1つの出力周辺機器186、
- 「リモートハンドラ」とも呼ばれるリモートハンドリング装置(例えば、リモートハンドリングアーム)。
【0118】
前記少なくとも1つのコンピュータ181は、それ自体が従来から知られ、有利には:
- 「計算ユニット」又は「プロセッサ」とも呼ばれる処理ユニット、
- データベース及び少なくとも1つのコンピュータプログラムを格納するデータストレージ手段
を含む。
【0119】
前記少なくとも1つのコンピュータ181は、有利には、放射線保護エンクロージャ13の少なくとも他の1つの電子機器18に、又はさらにはコンピュータネットワークと接続されている。
【0120】
操作手段182、21は、例えば密閉体積15内で、低位置から密閉体積15を出て高位置へと移動するリフトを含み得る。
【0121】
操作手段182(少なくとも1つの遮蔽されたジェネレータコンパートメント182aに連結される)は、2つのシールドジェネレータコンパートメント182aを操作するための2つの独立したリフトを含むことができる。
【0122】
ロッキング手段183は、例えば電気ストライクからなる。
【0123】
実際に、前記少なくとも1つの電子機器18はそれゆえ、ハンドリングプロセスの異なるステップにおいてオペレータが制御するものとされる。
【0124】
前記少なくとも1つの電子機器18の制御は、例えば:
- データを(例えばコンピュータ181上で)入力すること、及び/又は
- 例えば照明手段184及び/又はキャリブレータ装置1の操作パラメータを設定/調整すること、及び/又は
- アクチュエータ(例えば、操作手段182、21)を操作すること、
からなってもよい。
【0125】
その目的のために、
図1に関して前述したように、放射線保護エンクロージャ13の音声制御手段33は:
- 少なくとも1つの電子機器18(キャリブレータ装置1を含む)を制御するためにオペレータが発した音声命令Vを捕捉できる少なくとも1つのマイクロフォン331と、
- 前記音声命令Vを、少なくとも1つの電子機器18により実行可能なリクエストRに変換するように設計された認識モジュール332と、
- 前記少なくとも1つの電子機器18によるリクエストRの実行を制御するように設計された制御モジュール333と、
を含む。
【0126】
認識モジュール332は、有利には、コンピュータにより実行されると、それに音声命令Vを前記少なくとも1つの電子機器18により実行されるためのリクエストRに変換させる命令を含むコンピュータプログラムの中から選択される。
【0127】
限定されることなく、音声命令Vは有利には、データベースに記録された所定の音声命令のリストから選択される。また、このデータベースの各音声命令Vは、有利には、前記少なくとも1つの電子機器18により実行されるためリクエストR(「アクション」とも呼ばれる)に関連付けられる。
【0128】
例えば、一切限定されることなく、キャリブレータ装置1のための命令に加えて、アクションワードM2/パラメータワードM3の組合せは、以下から選択できる:
- コンピュータ181上で容器を選択するための「選択」/「容器名」(例えば、バイアル、シリンジ、カプセル)
- コンピュータ181上で同位体を選択するための「選択」/「同位体名」(例えば、F18、フッ素、Tec、テクニチウム、Ga67、ガリウム)、
- コンピュータ181を介して患者を選択するための「患者」/「変数」
- コンピュータ181を介して保存溶液を選択するための「保存溶液」/「変数」
- コンピュータ181を介して溶液及び患者の選択の有効性を確認するための「バリデート」、
- 操作手段182を上下に制御するための「上」又は「下」/「ジェネレータ」、
- ロッキング手段183を使用してエアロック141aの内側ドア又は外側ドアを開閉するための「開」又は「閉」/「内側ドア」又は「外側ドア」(「左」又は「右」が可能)
- 操作手段21を用いてキャリブレータスプーンを上下に移動させるための「上」又は「下」/「スプーン」、
照明手段184を使って、それぞれ点灯させ、増光させ、減光させ、又は消灯させるための「点灯」又は「増光」又は「減光」又は「消灯」/「照明」。
【0129】
さらに、制御手段19はまた、前記オペレータによる前記少なくとも1つの電子機器18の制御のための、例えば制御パネル又は少なくとも1つのペダルの形態のマニュアル制御手段34も含み得る。
【0130】
音声制御手段により、それゆえ、オペレータは音声命令を介して前記少なくとも1つの電子機器18を制御できる。
【0131】
この方式により、それゆえ、オペレータはハンドリングプロトコルを実行し、手をグローブに入れたまま(又はリモートハンドラ上に置いたまま)にしながら、前記少なくとも1つの電子機器18を対話操作することができる。
【0132】
オペレータはそれゆえ、実行しやすさとスピードを得て、したがってハンドリング操作に集中できる。
【国際調査報告】