(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(54)【発明の名称】バッテリーセルの等級判定及びバッテリーモジュールの組立工程を統合して行うための工程自動化システム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/396 20190101AFI20221219BHJP
G01R 31/389 20190101ALI20221219BHJP
B07C 5/344 20060101ALI20221219BHJP
B65G 47/14 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G01R31/396
G01R31/389
B07C5/344
B65G47/14 V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521478
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(85)【翻訳文提出日】2022-04-08
(86)【国際出願番号】 KR2021010362
(87)【国際公開番号】W WO2022035133
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0100691
(32)【優先日】2020-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】フン-クン・パク
(72)【発明者】
【氏名】チュン-クウォン・カン
【テーマコード(参考)】
2G216
3F079
3F080
【Fターム(参考)】
2G216BA41
2G216BA51
2G216BB21
3F079AD06
3F079AD19
3F079CA06
3F079CA37
3F079DA02
3F080AA05
3F080BB03
3F080BC01
3F080BE01
3F080CG02
(57)【要約】
本発明による工程自動化システムは、バッテリーセルを移送するセル移送ユニットと、予め決められた個数単位で各バッテリーセルの開放電圧を測定して良品バッテリーセルと不良バッテリーセルを選別するセル検査ユニットと、良品バッテリーセルを挿入するためのバッテリーモジュールのモジュールフレームを移送するフレーム移送ユニットと、不良バッテリーセルを積載及び排出するセル排出ユニットと、セル移送ユニット、セル検査ユニット、フレーム移送ユニット及びセル排出ユニットのうちいずれか一つのユニットから一つ以上のバッテリーセルをピックアップして他の一つのユニットに搬送するグリッパーユニットと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセルを移送するセル移送ユニットと、
予め決められた個数単位で各バッテリーセルの開放電圧を測定して良品バッテリーセルと不良バッテリーセルを選別するセル検査ユニットと、
前記良品バッテリーセルを挿入するためのバッテリーモジュールのモジュールフレームを移送するフレーム移送ユニットと、
前記不良バッテリーセルを積載及び排出するセル排出ユニットと、
前記セル移送ユニット、前記セル検査ユニット、前記フレーム移送ユニット及び前記セル排出ユニットのうちいずれか一つのユニットから一つ以上の前記バッテリーセルをピックアップして他の一つのユニットに搬送するグリッパーユニットと、を含むことを特徴とする、工程自動化システム。
【請求項2】
前記バッテリーセルは、各々QRコード(登録商標)を備え、
前記セル検査ユニットは、前記QRコード(登録商標)をスキャンして各バッテリーセル毎の開放電圧の値をサーバーに伝送するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の工程自動化システム。
【請求項3】
前記セル検査ユニットは、各バッテリーセルの開放電圧を測定する電圧測定機と、各バッテリーセルのQRコード(登録商標)スキャナーと、含むことを特徴とする、請求項2に記載の工程自動化システム。
【請求項4】
前記セル検査ユニットは、周縁に沿って配置されるセルホルダーを備え、時計回りまたは反時計回りに回転可能に設けられたターンテーブルをさらに含み、
前記電圧測定機及び前記QRコード(登録商標)スキャナーは、前記ターンテーブルを挟んで互いに対向して配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の工程自動化システム。
【請求項5】
前記バッテリーセルは、円筒状のバッテリーセルであり、
前記セル検査ユニットは、前記ターンテーブルの一側端の上部に配置されて前記セルホルダーに挿入されるバッテリーセルのうち一つ以上のバッテリーセルの上下を反転させるセル反転機をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の工程自動化システム。
【請求項6】
前記セル反転機は、前記セルホルダーに挿入されたバッテリーセルのうち少なくとも一つを把持できるように設けられたクランプと、前記クランプを±180°回転させるローテーターと、前記ローテーターと連結され、上下方向へ移動可能に設けられた移動ブロックとを含むことを特徴とする、請求項5に記載の工程自動化システム。
【請求項7】
前記セルホルダーは4個であり、前記ターンテーブル上で四角形をなすように配置され、前記ターンテーブルが回転して各セルホルダーに装着された前記バッテリーセルの電圧測定、QRコード(登録商標)スキャン、上下反転が行われるように構成されたことを特徴とする、請求項5に記載の工程自動化システム。
【請求項8】
前記フレーム移送ユニットは、相互に平行に延びて配置される第1フレーム移送ユニット及び第2フレーム移送ユニットを含み、
前記セル検査ユニットは、前記第1フレーム移送ユニットと前記第2フレーム移送ユニットとの間に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の工程自動化システム。
【請求項9】
前記セル検査ユニットは、前記開放電圧の値が予め設定した第1設定範囲に属するバッテリーセルを第1良品バッテリーセルとして決定し、前記開放電圧の値が予め設定した第2設定範囲に属するバッテリーセルを第2良品バッテリーセルとして決定する制御部を備えることを特徴とする、請求項8に記載の工程自動化システム。
【請求項10】
前記第1良品バッテリーセルまたは前記第2良品バッテリーセルを臨時で積載するための臨時積載ユニットをさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の工程自動化システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1良品バッテリーセルが前記第1フレーム移送ユニットに供給され、前記第2良品バッテリーセルが前記第2フレーム移送ユニットに供給されるように前記グリッパーユニットを制御するように構成されたことを特徴とする、請求項9に記載の工程自動化システム。
【請求項12】
前記セル排出ユニットが、前記不良バッテリーセルを積載するように設けられた排出トレイと、前記排出トレイを移動するコンベヤーと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の工程自動化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工程自動化システムに関し、より詳しくは、各バッテリーセルの等級を判定する工程装置と、良品バッテリーセルをバッテリーモジュールのモジュールフレームに挿入する工程装置と、を統合した工程自動化システムに関する。
【0002】
本出願は、2020年8月11日出願の韓国特許出願第10-2020-0100691号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
通常、二次電池は充電不可な一次電池とは異なり、充放電が可能な電池をいい、携帯電話、ノートブックPC、カムコーダーなどの電子機器または電気自動車などに広く使用されている。特に、リチウム二次電池は、作動電圧が約3.5~3.6Vであって、電子装備の電源によく使用されるニッケル‐カドミウム電池、ニッケル‐水素電池より大きい容量を有し、単位重量当たりエネルギー密度が高いことかから、使用が急増しつつある。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、正極、負極及び正極と負極との間に形成され、正極と負極を絶縁する分離膜を含む電極組立体を備え、フォーメーション(formation)工程とエージング(aging)工程を経て形成されるが、工程中に多様な原因によって不良が発生する場合が多くて、このような不良を正確に選別することが重要である。最近、二次電池の不良を選別するために活性化工程時に二次電池の低電圧不良を選別する方式が用いられている。
【0005】
しかし、活性化工程時には正常に判定されたが、活性化工程が終了した後、二次電池がバッテリーモジュールに組み立てられる時点までの保管期間を経ながら二次電池の不良がさらに発生することがある。また、低電圧不良と判定されるべき製品が正常製品に誤判定されてバッテリーモジュールに組み立られる場合がある。
【0006】
バッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルを直列及び並列で接続して構成されるが、バッテリーセルの性能と容量が相違する場合、最低級のバッテリーセルの性能によってバッテリーモジュールの品質が決定される虞がある。このようなバッテリーモジュールは寿命が短くて性能が均一でないため、製品の信頼度が低い。
【0007】
そこで、本出願人は、特許文献1に開示したように、バッテリーセルを容量別に分類可能なバッテリーセル等級分類システムを導入し、特定のバッテリーモジュールに搭載されるバッテリーセルは容量が実質的に同一に管理されている。
【0008】
バッテリーセル等級分類設備は、
図1に示したように、セル供給ライン11と開放電圧検査装備12、そして等級別に分類して排出するための複数のセル排出ライン13~17に構成される。
【0009】
図1に示したように、バッテリーセル20は、開放電圧値によって各々1~4等級及び不良に分類される。このようなバッテリーセル等級分類設備を経た等級別バッテリーセルは別の積載トレイに載置され、バッテリーモジュール組立工程設備がある所へ物流移動される。
【0010】
ところが、最近、バッテリーセルの工程効率を改善するための研究が盛んでおり、その一環としてバッテリーセル工程のうち必須工程といえるバッテリーセル等級分類工程とバッテリーモジュールの組立工程とを一つの設備に統合して行うことができる設備の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2015-0049527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、各バッテリーセルの等級を判定する工程装置と、良品バッテリーセルをバッテリーモジュールのモジュールフレームに挿入する工程装置と、を統合した工程自動化システムを提供することを目的とする。
【0013】
本発明が解決しようとする技術的課題は、本発明が属する技術分野の通常の知識を持つ者であれば、下記の説明、特許請求の範囲に示した手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を達成するための本発明による工程自動化システムは、バッテリーセルを移送するセル移送ユニットと、予め決められた個数単位で各バッテリーセルの開放電圧を測定して良品バッテリーセルと不良バッテリーセルを選別するセル検査ユニットと、良品バッテリーセルを挿入するためのバッテリーモジュールのモジュールフレームを移送するフレーム移送ユニットと、不良バッテリーセルを積載及び排出するセル排出ユニットと、セル移送ユニット、セル検査ユニット、フレーム移送ユニット及びセル排出ユニットのうちいずれか一つのユニットから一つ以上のバッテリーセルをピックアップして他の一つのユニットに搬送するグリッパーユニットと、を含み得る。
【0015】
バッテリーセルは各々QRコード(登録商標)を備え、セル検査ユニットはQRコード(登録商標)をスキャンして各バッテリーセル毎の開放電圧値をサーバーに伝送するように構成され得る。
【0016】
セル検査ユニットは、各バッテリーセルの開放電圧を測定する電圧測定機と、各バッテリーセルのQRコード(登録商標)スキャナーと、含み得る。
【0017】
セル検査ユニットは、周縁に沿って配置されるセルホルダーを備え、時計回りまたは反時計回りに回転可能に設けられたターンテーブルをさらに含み、電圧測定機及びQRコード(登録商標)スキャナーは、ターンテーブルを挟んで互いに対向して配置され得る。
【0018】
バッテリーセルは、円筒状のバッテリーセルであり、セル検査ユニットは、ターンテーブルの一側端の上部に配置されてセルホルダーに挿入されるバッテリーセルのうち一つ以上のバッテリーセルの上下を反転させるセル反転機をさらに含み得る。
【0019】
セル反転機は、セルホルダーに挿入されたバッテリーセルのうち少なくとも一つを把持できるように設けられたクランプと、クランプを±180°回転させるローテーターと、ローテーターと連結され、上下方向へ移動可能に設けられた移動ブロックとを含み得る。
【0020】
セルホルダーは4個であり、ターンテーブル上で四角構図をなすように配置され、ターンテーブルが回転して各セルホルダーに装着されたバッテリーセルの電圧測定、QRコード(登録商標)スキャン、上下反転が行われるように構成され得る。
【0021】
フレーム移送ユニットは、相互に平行に延びて配置される第1フレーム移送ユニット及び第2フレーム移送ユニットを含み、セル検査ユニットは、第1フレーム移送ユニットと第2フレーム移送ユニットとの間に配置され得る。
【0022】
セル検査ユニットは、開放電圧値が予め設定した第1設定範囲に属するバッテリーセルを第1良品バッテリーセルとして決定し、開放電圧値が予め設定した第2設定範囲に属するバッテリーセルを第2良品バッテリーセルとして決定する制御部を備え得る。
【0023】
第1良品バッテリーセルまたは第2良品バッテリーセルを臨時で積載するための臨時積載ユニットをさらに含み得る。
【0024】
制御部は、第1良品バッテリーセルが第1フレーム移送ユニットに供給され、第2良品バッテリーセルが第2フレーム移送ユニットに供給されるようにグリッパーユニットを制御するように構成され得る。
【0025】
セル排出ユニットは、不良バッテリーセルを積載するように設けられた排出トレイと、排出トレイを移動するコンベヤーと、を含み得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一面によると、各バッテリーセルの等級を判定する工程装置と、良品バッテリーセルをバッテリーモジュールのモジュールフレームに挿入する工程装置と、を統合した工程自動化システムを提供することができる。
【0027】
例えば、従来の方式のように、セル等級分類設備が位置した場所でバッテリーセルを等級別に分類し、ここで良品等級を受けたバッテリーセルをバッテリーモジュール組立設備が位置した場所に移した後、バッテリーセルをバッテリーモジュールのモジュールフレームに挿入する場合、バッテリーセルの物流移動に時間と手間が必要である。また、各工程設備の構築に多くの設備投資費用がかかる。
【0028】
しかし、本発明は、工程自動化システムの構築によって、バッテリーセルの等級分類とバッテリーモジュールの組立、そして不良バッテリーセルの排出が統合的に行われることで、設備効率と物流移動が大幅改善される。
【0029】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は請求範囲の記載から当業者により明らかに理解されるだろう。
【0030】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】従来技術によるバッテリーセル等級分類装置を概略的に示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態による工程自動化システムの主要構成を概略的に示した平面図である。
【
図3】
図2の工程自動化システムの概略的な斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるセル検査ユニットの電圧測定機領域を示した図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるセル検査ユニットのQRコード(登録商標)スキャナー領域を示した図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるセル検査ユニットのセル反転機の領域を示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるセル検査ユニットのセル反転機の領域を示した図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるバッテリーセルの等級判定及び組立方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0033】
本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものであり、図面における構成要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張または省略されるか、概略的に示されることがある。したがって、各構成要素の大きさや割合は、実際の大きさや割合を完全に反映することではない。
【0034】
図2及び
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーセル工程自動化システム10は、セル移送ユニット100、セル検査ユニット200、フレーム移送ユニット300、グリッパーユニット400及びセル排出ユニット500を含む。
【0035】
以下で説明する本実施形態によるバッテリーセル工程自動化システム10は、バッテリーセル20の等級判定と分類及びバッテリーモジュールの組立工程のうちバッテリーセル20をモジュールフレーム30に挿入する工程に適用し得る。
【0036】
本実施形態でバッテリーセル20は、円筒状バッテリーセルを指す。しかし、本発明の権利範囲が必ずしも円筒状バッテリーセルに限定して解釈されることはない。例えば、バッテリーセル20は角形やパウチ型であってもよく、この場合、当該バッテリーセルの類型に合わせてバッテリーセル20を収納するためのトレイやモジュールフレームの形状を本実施形態と相違に構成すればいい。
【0037】
セル移送ユニット100は、バッテリーセル20を移動するための手段であって、コンベヤーとして具現され得る。バッテリーセル20は、トレイ40に載置されてコンベヤーに沿って移動し、セル検査ユニット200と隣接する箇所に位置し得る。勿論、コンベヤーは、他の物流移動手段に代替され得る。即ち、バッテリーセル20を安定的に移動させることができる物流移動手段であれば、コンベヤーの代わりに如何なる物流移動手段でも適用可能である。
【0038】
セル検査ユニット200は、セル移送ユニット100からバッテリーセル20が供給され、バッテリーセル20の開放電圧(OCV:Open Ciruit Voltage)を測定し、予め設定された開放電圧の範囲に基づいて各バッテリーセル20の等級を判定するように構成され得る。
【0039】
また、セル検査ユニットは、各バッテリーセルの等級判定時、開放電圧に加え、内部抵抗(IR,Internal Resistance)、K値(K‐value)などのような管理指標をさらに検査するように構成され得る。
【0040】
また、セル検査ユニット200は、各バッテリーセル20毎に備えられたQRコード(登録商標)20aによって各バッテリーセル20を識別し、識別したバッテリーセル20の開放電圧(OCV)、内部抵抗(IR)などのような情報をサーバーに伝送するように構成され得る。
【0041】
また、
図2~
図7に示したように、本実施形態によるセル検査ユニット200は、ターンテーブル210、電圧測定機220、QRコード(登録商標)スキャナー230、セル反転機240及び制御部(図示せず)を含み得る。
【0042】
ターンテーブル210は、中心部に結合した回転軸210aと回転軸210aに連結されたサーボモーター(図示せず)との組合せによって時計回りまたは反時計回りに回転し得る。サーボモーターは、制御部によって制御され得る。
【0043】
ターンテーブル210の周縁部には、周方向に沿ってセルホルダー211が所定の間隔で離隔した位置に備えられ得る。セルホルダー211は、所定の個数のバッテリーセル20を各々差し込み得るソケット形態で提供され得る。
【0044】
本実施形態は、4個のセルホルダー211がターンテーブル210の上で四角形をなすように配置され、各セルホルダー211は、一列に7個のバッテリーセル20が装着可能に構成される。勿論、必要に応じてセルホルダー211は一つ以上の列を有し、各列当たり6個以下または8個以上のバッテリーセル20を装着するように構成されることも可能である。
【0045】
ターンテーブル210は、電圧測定機220、QRコード(登録商標)スキャナー230、セル反転機240が設けられた位置に各セルホルダー211が順次に位置するように所定の角度ずつ回転し得る。例えば、各セルホルダー211単位でバッテリーセル20にいずれかの作業が終了すると、ターンテーブル210が回転して次の作業が行われるようにターンテーブル210が制御され得る。
【0046】
このようなターンテーブル210は、一定の個数のバッテリーセル20を回転させながら複数の作業を同時に可能にするため、設備を空間効率的に具現するのに有用に機能できる。
【0047】
電圧測定機220は、バッテリーセル20の開放電圧を測定するための手段であって、上部測定ピン221及び下部測定ピン222、そしてこれらを昇降または前後に移動させる測定機駆動部材223を含んで構成され得る。
【0048】
セル移送ユニット100から供給されたバッテリーセル20は、セルホルダー211に各々装着され、
図4に示したように、電圧測定機220が作動して上部測定ピン221と下部測定ピン222が各バッテリーセル20の上端と下端に接触して各バッテリーセル20の開放電圧が測定でき、測定された各バッテリーセル20の開放電圧値は制御部に伝送され、バッテリーセル20の良不良及び等級判定が行われ得る。
【0049】
ここで、上部測定ピン221及び下部測定ピン222は、一体でまたは個別的に作動するように構成され得る。したがって、セルホルダー211に装着された全てのバッテリーセル20の開放電圧を同時に測定するか、または一部のバッテリーセル20を測定し、残りのバッテリーセル20の開放電圧は測定しないように駆動され得る。
【0050】
バッテリーセル20は、QRコード(登録商標)20aを備える。QRコード(登録商標)20aには、各バッテリーセル20の製造年月日、容量、仕様、固有番号などのような製品情報が保存され得る。ここで、QRコード(登録商標)20aは、バーコードに代替可能である。
【0051】
QRコード(登録商標)スキャナー230は、
図5のように、各バッテリーセル20のQRコード(登録商標)20aをスキャンするための手段であって、透明スクリーン231と、各バッテリーセル20のQRコード(登録商標)20aをスキャンするカメラ233と、を含み、各バッテリーセル20の履歴管理のためのデータ保存サーバー(図示せず)及び制御部と有線または無線で接続されるように構成される。
【0052】
QRコード(登録商標)スキャナー230は、各バッテリーセル20のQRコード(登録商標)20aに保存された固有番号によって各バッテリーセル20を識別し、各バッテリーセル20毎の開放電圧値をデータ保存サーバーに伝送する。
【0053】
このようなQRコード(登録商標)スキャナー230は、ターンテーブル210を挟んで電圧測定機220と対向して配置され得る。これは、後述する複数のフレーム移送ユニット300の配置による作業空間効率を高めるための配置構造といえる。したがって、モジュールフレーム30の移送ユニットの配置またはターンテーブル210の上で検査項目を追加したい場合、電圧測定機220とQRコード(登録商標)スキャナー230の位置は、本実施形態とは相違に調整され得る。
【0054】
セル反転機240は、電圧検査及び検査結果を保存した後、バッテリーセル20をバッテリーモジュールのモジュールフレーム30に即時に挿入できるように、特定のバッテリーセル20の極性を変える作業を行うための手段である。セル反転機240は、ターンテーブル210の一側端部の上部に配置され、セルホルダー211に挿入されるバッテリーセル20のうち一つ以上のバッテリーセル20を上下反転可能に構成され得る。
【0055】
参考までに、円筒状のバッテリーセル20から構成されたバッテリーモジュールの場合、バッテリーセル同士の直列及び並列接続を容易にするために、ある一群のバッテリーセル20は、正極として機能する上キャップが上方に向かうようにし、他の一群のバッテリーセル20は、上キャップが下方に向かうようにモジュールフレーム30に挿入され得る。セル反転機240は、上述したように、モジュールフレームにバッテリーセルを挿入する前にバッテリーセルの上下を選択的に反転する必要がある場合に使用され得る。
【0056】
具体的には、本実施形態のセル反転機240は、各バッテリーセル20を選択的に把持できるように設けられたクランプ241と、クランプ241を±180°回転させるローテーター243と、ローテーター243と連結され、上下方向へ移動可能に設けられた移動ブロック245と、を含んで構成され得る。
【0057】
図6及び
図7を参照して、セル反転機240のバッテリーセルの反転例を簡略に説明する。
【0058】
クランプ241はセルホルダー211の上部に位置しており、下降して反転が必要なバッテリーセル20のみを把持した後、さらに上昇する。ここで、クランプ241は、反転が必要なバッテリーセルを選択的に把持できるように各バッテリーセル20を個別的にクランピング可能に構成され得る。
【0059】
続いて、
図7のように、ローテーター243によってクランプ241が180°回転する。これによって、クランプ241に把持されたバッテリーセル20は、上キャップが下方に向かうように反転される。この状態で、移動ブロック245が作動してクランプ241が下降し、反転させたバッテリーセル20をセルホルダー211にさらに載置する。
【0060】
このように、セル反転機240を使って選択的にバッテリーセルの上下を予め反転させておき、追ってグリッパーユニットでセルホルダー211からバッテリーセルを全てピックアップしてモジュールフレーム30にそのまま挿入すれば、組立が容易になる。
【0061】
ここで、モジュールフレーム30は、バッテリーモジュールの構成要素であって、バッテリーセル20を固定して外部衝撃から保護するための構造物である。バッテリーモジュールは、モジュールフレーム30にバッテリーセル20を挿入配置した後、メタルプレート(図示せず)を使用してバッテリーセル20を電気的に接続し、BMSなどを組み立てた後にモジュールフレーム30の上部にハウジングカバー(図示せず)を結合する形態で製作され得る。このようなモジュールフレーム30は、フレーム移送ユニット300によって移送されることによって供給され得る。
【0062】
フレーム移送ユニット300は、モジュールフレーム30を支持して移動させるための手段であって、例えば、コンベヤーとして具現され得る。勿論、フレーム移送ユニット300は、コンベヤー以外にも、物流移動を安定的に行い得るものであれば、他の装置に代替可能である。
【0063】
フレーム移送ユニット300(
図2参照)は、セル検査ユニット200を間に置いて平行に延びて配置される第1フレーム移送ユニット310及び第2フレーム移送ユニット320で構成され得る。
【0064】
このようにフレーム移送ユニット300を複数個で構成すると、物流ラインを二元化できるという長所があり、第1フレーム移送ユニット310の上のモジュールフレーム30と、第2フレーム移送ユニット320の上のモジュールフレーム30に等級が相違する良品バッテリーセル21、22を挿入してバッテリーモジュールの容量偏差をより減らすことができる。
【0065】
一方、本発明による工程自動化システム(
図8参照)は、セル検査ユニット200が、バッテリーセルの良否を判定するために制御部を備え得る。制御部は、電圧測定機220で測定された各バッテリーセル20の開放電圧値と、予め設定された開放電圧値との範囲を比較して測定された各バッテリーセル20の開放電圧値が、予め設定された範囲に属すると、良品バッテリーセル21、22と判定し、バッテリーモジュールのモジュールフレーム30に即時に搭載されるように管理し、開放電圧値が予め設定された範囲から外れるバッテリーセル20に対しては、不良と判定するように構成され得る。
【0066】
さらには、制御部は、予め設定された範囲を第1設定範囲と第2設定範囲にさらに区分し、良品バッテリーセル21、22は、第1設定範囲に属する第1良品バッテリーセル21と第2設定範囲に属する第2良品バッテリーセル22にさらに区分するように構成され得る。
【0067】
例えば、リチウムイオン円筒状バッテリーセル20の開放電圧値の予め設定された範囲を3.58~3.50Vとすると、第1設定範囲は3.58~3.54Vであり、第2設定範囲は3.5399~3.5Vにさらに分けられ得る。この場合、第1良品バッテリーセル21は、開放電圧値が3.58~3.54V以内であるバッテリーセル20であり、第2良品バッテリーセル22は、開放電圧値が3.5399~3.5V以内であるバッテリーセル20を意味する。
【0068】
また、制御部は、第1良品バッテリーセル21が第1フレーム移送ユニット310に供給されるようにし、第2良品バッテリーセル22は、第2フレーム移送ユニット320に供給されるようにグリッパーユニット400を制御し得る。
【0069】
このように良品バッテリーセル21、22を等級に分けてモジュールフレーム30に組み立てると、各バッテリーモジュールを構成するバッテリーセル20の容量差がほとんどなくなるため、バッテリーモジュールの品質と寿命特性を向上させることができる。
【0070】
一方、開放電圧値が予め設定された範囲から外れると判定された不良バッテリーセル23は、モジュールフレーム30に組み立てることなく別に排出して管理する。このために、本発明のバッテリーセル工程自動化システム10は、不良バッテリーセル23の積載及び排出のためのセル排出ユニット500をさらに含む。
【0071】
セル排出ユニット500は、第1フレーム移送ユニット310と第2フレーム移送ユニット320との間に配置され、不良バッテリーセル23を収納するように設けられた排出トレイ40を移動させるコンベヤーを含み得る。
【0072】
また、本実施形態によるバッテリーセル工程自動化システム10は、上述したように、第1良品バッテリーセル21及び第2良品バッテリーセル22を分類して第1フレーム移送ユニット310または第2フレーム移送ユニット320に供給するために、第1良品バッテリーセル21または第2良品バッテリーセル22を臨時で積載可能な臨時積載ユニット600をさらに含み得る。臨時積載ユニット600については、後述する。
【0073】
グリッパーユニット400は、上述したセル移送ユニット100と、セル検査ユニット200と、フレーム移送ユニット300と、セル排出ユニット500との間でバッテリーセル20を搬送するための手段であって、セル検査ユニット200と連動し、一つ以上のバッテリーセル20をピックアップして搬送できるように設けられ得る。
【0074】
図3をさらに参照すると、グリッパーユニット400は、バッテリーセル20をピックアップする複数個のフィンガー410と、複数個のフィンガー410がX-Y-Z軸へ移動できるように複数個のフィンガー410に連結された複数のリンクアーム420と、図面の便宜上図示していないが、駆動のためのシリンダーとリニアモーター、物体の感知のためのセンサーなどの組合せを含んで構成され得る。
【0075】
本実施形態において7個で構成されたフィンガー410は、各々個別的にグリップ動作可能に構成され得る。言い換えれば、7個のフィンガー410は、一回に7個のバッテリーセル20をピックアップして搬送する以外にも、2~3個のバッテリーセル20のみを選択して搬送することも可能に構成され得る。
【0076】
続いて、本発明の一実施形態による工程自動化システム10によるバッテリーセル20の等級分類及び等級分類されたバッテリーセル20がモジュールフレーム30に挿入される過程を
図2及び
図3を参照してさらに説明する。
【0077】
セル移送ユニット100の上の積載トレイ40から7個のバッテリーセル20がグリッパーユニット400によってピックアップされ、電圧測定機220が位置した側のターンテーブル210の上のセルホルダー211に挿入される(以下、ターンテーブル210において電圧測定機220側に位置した区域を第1区域とし、その時計回りに90°毎の区域を、第2区域、第3区域、第4区域とする。)。
【0078】
その後、電圧測定機220によって第1区域のセルホルダー211に装着された7個のバッテリーセル20の開放電圧が測定され、測定された各バッテリーセル20の開放電圧値及び予め設定された電圧範囲に基づいて7個のバッテリーセル20の等級が判定される。
【0079】
このようにバッテリーセル20の等級が判定されると、次のように工程自動化システムが作動され得る。
【0080】
第一に、電圧の測定結果、全てのバッテリーセル20が第1良品バッテリーセル21である場合がある。この場合、ターンテーブル210は、順次に90°ずつ時計回りに回転しながら、開放電圧測定、QRコード(登録商標)20aのスキャン、サーバーに各バッテリーセル20毎の開放電圧保存、一部のバッテリーセル20の反転作業及び第1フレーム移送ユニット310のモジュールフレーム30に第1良品バッテリーセルを挿入する作業順に工程が繰り返して行われる。
【0081】
参考までに、セル反転作業が行われる第4区域に置かれたセルホルダー211は、第4区域で全ての第1良品バッテリーセル21がピックアップされて第1フレーム移送ユニット310に移され、ターンテーブル210が回転して第1区域に戻るときに空いている状態になる。
【0082】
電圧の測定結果、全てのバッテリーセル20が第2良品バッテリーセル22である場合は、第2フレーム移送ユニット320のモジュールフレーム30に第2良品バッテリーセルを挿入することを除いては、第1良品バッテリーセル21の作業順序と同一である。
【0083】
第二に、電圧の測定結果、良品バッテリーセル21、22と不良バッテリーセル23とが混合されている場合である。この場合、グリッパーユニット400によって該当の不良バッテリーセル23のみを選び出してセル排出ユニット500に積載する。そして、不良バッテリーセル23が選び出された箇所には、新しいバッテリーセル20が補われ、補われたバッテリーセル20の電圧のみを測定する。電圧測定結果、良品バッテリーセル21、22として判定されると、第一の場合のようにターンテーブル210を回転させて後続作業を行う。
【0084】
第三に、電圧の測定結果、第1良品バッテリーセル21、第2良品バッテリーセル22、不良バッテリーセル23が混合されている場合である。この場合、グリッパーユニット400によって不良バッテリーセル23をセル排出ユニット500に積載し、第2良品バッテリーセル22は臨時積載ユニット600に積載する。
【0085】
セルホルダー211において不良バッテリーセル23及び第2良品バッテリーセル22を選び出した個所には、新しいバッテリーセル20が補われ、補われたバッテリーセル20の電圧のみを測定する。この過程は、セルホルダー211に補われたバッテリーセル20が全て第1良品バッテリーセル21になるまで繰り返され得る。このように第1区域のセルホルダー211が第1良品バッテリーセル21で全て補われると、ターンテーブル210を順次に回転させて後続作業を行う。
【0086】
このようなパターンを反復し続けると、臨時積載ユニット600に第2良品バッテリーセル22の個数が増加するようになる。これによって、第2良品バッテリーセル22の個数が臨時積載ユニット600に充分に補われると、ターンテーブル210が一回りしてセルホルダー211が第1区域に空いている状態で戻るとき、セル移送ユニット100ではなく臨時積載ユニット600から第2良品バッテリーセル22をセルホルダー211に移して工程を行う。
【0087】
勿論、臨時積載ユニット600に第2良品バッテリーセル22の代わりに第1良品バッテリーセル21を臨時で積載してから第1良品バッテリーセル21をターンテーブル210へ移すことも可能である。
【0088】
上述したように、本発明による工程自動化システム10の構成と作動によると、バッテリーセル20の等級判定とバッテリーモジュールの組立作業とが一つの設備で行われることで、工程効率と物流移動が大幅改善される。
【0089】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0090】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【国際調査報告】