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▶ フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(54)【発明の名称】呼吸療法システムのためのアラーム
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
A61M16/00 305B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522604
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(85)【翻訳文提出日】2022-05-17
(86)【国際出願番号】 IB2020056237
(87)【国際公開番号】W WO2021079202
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】62/925,973
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガリー、アントン キム
(72)【発明者】
【氏名】フアン、イー リン
(57)【要約】
呼吸補助装置であって、呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器を含み、呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、呼吸補助装置が開示される。呼吸補助装置のコントローラは、呼吸ガスの目標酸素濃度を特定し、且つ呼吸ガスの初期酸素濃度と、呼吸ガスの標的酸素濃度との間の差及び患者の血中酸素濃度に基づいて患者の血中酸素濃度の推定将来値を計算するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸補助装置であって、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、前記呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
前記呼吸ガスの酸素濃度を制御するように構成されたコントローラ、
少なくとも1つのセンサーであって、前記患者の血中酸素濃度を示す測定値を前記コントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー
を含み、
前記コントローラは、前記呼吸ガスの目標酸素濃度を特定するように構成され、
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定将来値を、
前記呼吸ガスの初期酸素濃度と、前記呼吸ガスの前記目標酸素濃度との間の差と、
前記患者の血中酸素濃度を示す前記測定値と
に基づいて計算するように構成される、呼吸補助装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記呼吸ガスの前記酸素濃度を前記目標酸素濃度に基づいて制御するように構成される、請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項3】
前記患者の血中酸素濃度の前記推定将来値は、前記コントローラが前記呼吸ガスの前記酸素濃度を前記目標酸素濃度に制御するときからの時間にさらに基づく、請求項1又は2に記載の呼吸補助装置。
【請求項4】
前記コントローラは、入力を受信し、且つ前記入力に基づいて前記呼吸ガスの目標酸素濃度を特定するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項5】
前記入力は、目標酸素濃度上限及び目標酸素濃度下限を含む目標酸素濃度範囲を含む、請求項4に記載の呼吸補助装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の前記推定将来値を血中酸素濃度アラーム閾値及び/又は血中酸素濃度アラーム範囲と比較し、且つ前記患者の血中酸素濃度の前記推定将来値が前記血中酸素濃度アラーム範囲内にない場合、アラーム出力を生成するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項7】
前記血中酸素濃度アラーム範囲は、血中酸素濃度アラーム閾値上限及び血中酸素濃度アラーム閾値下限を含む、請求項6に記載の呼吸補助装置。
【請求項8】
前記血中酸素濃度アラーム閾値は、前記コントローラが前記呼吸ガスの前記酸素濃度を前記目標酸素濃度に制御するときからの前記時間に基づいて特定される、請求項6又は7に記載の呼吸補助装置。
【請求項9】
前記アラーム閾値は、目標酸素濃度の変化量に基づいて特定され得る、請求項6~8のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項10】
前記アラーム閾値は、特定された又は目標酸素濃度であり得る、請求項6~9のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項11】
前記アラーム閾値は、ガスの特定された現在の酸素濃度であり得る、請求項6~10のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項12】
前記アラーム閾値は、前記目標血中酸素濃度に基づく、請求項6~11のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項13】
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の前記推定将来値及び血中酸素濃度アラーム閾値との比較に基づいてアラーム出力を生成するように構成される、請求項6~12のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項14】
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の前記推定将来値が前記血中酸素濃度閾値を上回るか又は下回る場合、前記アラーム出力を生成するように構成される、請求項13に記載の呼吸補助装置。
【請求項15】
前記アラーム閾値は、前記コントローラが前記呼吸ガスの前記酸素濃度を前記目標酸素濃度に制御するときからの前記時間に基づく、請求項14に記載の呼吸補助装置。
【請求項16】
前記入力は、目標血中酸素濃度を含み、及び前記血中酸素濃度アラーム範囲は、前記目標血中酸素濃度に基づく、請求項1~15のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項17】
前記血中酸素濃度閾値及び/又は血中酸素濃度アラーム範囲は、前記目標酸素濃度と前記目標酸素濃度上限との間の差に基づく、請求項16に記載の呼吸補助装置。
【請求項18】
呼吸補助装置であって、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、前記呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
少なくとも1つのセンサーであって、前記患者の血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー、
コントローラであって、入力を受信するように構成され、前記入力は、目標酸素濃度上限及び/又は目標酸素濃度下限を含む目標酸素濃度範囲を含む、コントローラ、
コントローラであって、前記呼吸ガスの酸素濃度を目標酸素濃度に制御するように構成され、前記目標酸素濃度は、目標酸素濃度上限及び目標酸素濃度下限を含む前記目標酸素濃度範囲内であり、前記コントローラは、
前記目標酸素濃度範囲に関する患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、患者の血中酸素濃度を示す前記測定値及び前記目標酸素濃度と前記目標酸素濃度上限との間の差に基づいて計算すること、又は
前記目標酸素濃度範囲に関する患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を、患者の血中酸素濃度を示す前記測定値及び前記目標酸素濃度と前記目標酸素濃度下限との間の差に基づいて計算すること
を行うように構成される、コントローラ
を含む呼吸補助装置。
【請求項19】
前記コントローラは、前記呼吸ガスの酸素濃度を初期酸素濃度から目標酸素濃度に制御するように構成される、請求項18に記載の呼吸補助装置。
【請求項20】
前記初期酸素濃度は、前記コントローラが前記呼吸ガスの前記酸素濃度を前記目標酸素濃度に制御する前の酸素濃度である、請求項18又は19に記載の呼吸補助装置。
【請求項21】
前記目標酸素濃度範囲を示す入力を受信するように構成される、請求項18~20のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項22】
前記目標酸素濃度範囲は、ユーザインタフェースを介して入力される、請求項21に記載の呼吸補助装置。
【請求項23】
前記推定最大将来値及び/又は前記推定最小将来値は、推定酸素効率に基づく、請求項18~22のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項24】
前記推定最大将来値及び/又は前記推定最小将来値は、リアルタイムで更新される、請求項18~23のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項25】
前記最大又は最小将来値は、酸素濃度の変化の効果が患者の血中酸素に対して実現された後のものである、請求項18~22のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項26】
呼吸補助装置であって、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、前記呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
少なくとも1つのセンサーであって、前記患者の血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー
を含み、
前記装置の動作中、前記コントローラは、呼吸ガス酸素濃度データを記憶するように構成され、前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データは、前記呼吸ガスの1つ以上の酸素濃度を含み、前記呼吸ガスの各酸素濃度は、関連するタイムスタンプを有し、
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定将来値を、
前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データであって、前記呼吸ガスの前記酸素濃度は、前記関連するタイムスタンプに基づいて重み付けされる、前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データと、
前記患者の血中酸素濃度を示す前記測定値と
に基づいて計算するように構成される、呼吸補助装置。
【請求項27】
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定将来値を、
前記患者の推定酸素効率比、
ヘモグロビン飽和関数
に基づいて計算するように構成される、請求項26に記載の呼吸補助装置。
【請求項28】
呼吸補助装置であって、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、前記呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
少なくとも1つのセンサーであって、前記患者の血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー
を含み、
前記装置の動作中、前記コントローラは、呼吸ガス酸素濃度データを記憶するように構成され、前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データは、前記呼吸ガスの1つ以上の酸素濃度を含み、前記呼吸ガスの各酸素濃度は、関連するタイムスタンプを有し、
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、
前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データであって、前記呼吸ガスの前記酸素濃度は、前記関連するタイムスタンプに基づいて重み付けされる、前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データと、
前記患者の血中酸素濃度を示す前記測定値と、
前記呼吸ガスの現在の酸素濃度と目標酸素濃度上限との間の差と
に基づいて計算するように構成される、呼吸補助装置。
【請求項29】
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、
前記患者の推定酸素効率比、
ヘモグロビン飽和関数
に基づいて計算するように構成される、請求項28に記載の呼吸装置。
【請求項30】
呼吸補助装置であって、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、前記呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
少なくとも1つのセンサーであって、前記患者の血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー
を含み、
前記装置の動作中、前記コントローラは、呼吸ガス酸素濃度データを記憶するように構成され、前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データは、前記呼吸ガスの1つ以上の酸素濃度を含み、前記呼吸ガスの各酸素濃度は、関連するタイムスタンプを有し、
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、
前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データであって、前記呼吸ガスの前記酸素濃度は、前記関連するタイムスタンプに基づいて重み付けされる、前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データと、
前記患者の血中酸素濃度を示す前記測定値と、
現在の推定フェーズにおける前記呼吸ガスの前記酸素濃度と目標酸素濃度下限との間の差と
に基づいて計算するように構成される、呼吸補助装置。
【請求項31】
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を、
前記患者の推定酸素効率比、
ヘモグロビン飽和関数
に基づいて計算するように構成される、請求項30に記載の呼吸補助装置。
【請求項32】
前記関連するタイムスタンプは、前記呼吸ガスの前記関連する酸素濃度が記録、及び/又は測定、及び/又は記憶された時間を含む、請求項30又は31に記載の呼吸補助装置。
【請求項33】
前記関連するタイムスタンプは、前記呼吸ガスの前記関連する酸素濃度が記録、及び/又は測定、及び/又は記憶されてから経過した時間を含む、請求項30~32のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項34】
前記コントローラは、前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データ中の前記呼吸ガスの酸素濃度への一連の変化を特定するように構成される、請求項30~33のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項35】
前記呼吸ガスの前記酸素濃度は、前記呼吸ガスの目標酸素濃度に制御される、請求項30~34のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項36】
前記呼吸ガスの前記酸素濃度は、前記呼吸ガスの測定された酸素濃度である、請求項30~34のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項37】
少なくとも1つのガス組成センサーを含み、前記ガス組成センサーは、前記呼吸ガスの前記酸素濃度を示す測定値を前記コントローラに提供するように構成される、請求項30~36のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項38】
前記コントローラは、前記呼吸ガスの前記記憶された酸素濃度を規則的な時間間隔又は不規則な時間間隔で更新するように構成される、請求項30~37のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項39】
前記コントローラは、前記呼吸ガスの目標酸素濃度が前記コントローラによって更新されるとき、前記呼吸ガスの前記記憶された酸素濃度を更新するように構成される、請求項30~38のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項40】
前記関連するタイムスタンプに基づく前記重み付けは、減衰関数に基づく、請求項30~39のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項41】
前記記憶された酸素濃度データは、前記呼吸補助装置と通信する1つ以上のサーバ又は患者監視ユニット及び/若しくは看護師監視ステーションに送信される、請求項30~40のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項42】
呼吸補助装置であって、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、前記呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
少なくとも1つのセンサーであって、前記患者の血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー
を含み、
前記コントローラは、呼吸ガス酸素濃度の変化の合計を維持するように構成され、
前記コントローラは、推定更新フェーズを実行するように構成され、前記推定更新フェーズは、
減衰関数を前記呼吸ガスの前記酸素濃度の変化の前記合計に適用すること、
現在の推定更新フェーズにおける前記呼吸ガスの前記酸素濃度と、前回の推定更新フェーズにおける前記呼吸ガスの前記酸素濃度との間の差を計算すること、
前記差を前記呼吸ガスの前記酸素濃度への変化の前記合計に加算すること
を含み、
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定将来値を、
前記呼吸ガスの前記酸素濃度の変化の前記合計と、
前記患者の血中酸素濃度を示す前記測定値と
に基づいて計算するように構成される、呼吸補助装置。
【請求項43】
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定将来値を、
前記患者の推定酸素効率比、
ヘモグロビン飽和関数
に基づいて計算するように構成される、請求項42に記載の呼吸補助装置。
【請求項44】
呼吸補助装置であって、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、前記呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
少なくとも1つのセンサーであって、前記患者の血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー
を含み、
前記コントローラは、呼吸ガス酸素濃度の変化の合計を維持するように構成され、
前記コントローラは、推定更新フェーズを実行するように構成され、前記推定更新フェーズは、
減衰関数を前記呼吸ガスの前記酸素濃度の変化の前記合計に適用すること、
現在の推定更新フェーズにおける前記呼吸ガスの前記酸素濃度と、前回の推定更新フェーズにおける前記呼吸ガスの前記酸素濃度との間の差を計算すること、
前記差を前記呼吸ガスの前記酸素濃度への変化の前記合計に加算すること
を含み、
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、
前記呼吸ガスの前記酸素濃度の変化の前記合計と、
前記患者の血中酸素濃度を示す前記測定値と、
現在の推定フェーズにおける前記呼吸ガスの前記酸素濃度と目標酸素濃度上限との間の差と
に基づいて計算するように構成される、呼吸補助装置。
【請求項45】
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、
前記患者の推定酸素効率比、
ヘモグロビン飽和関数
に基づいて計算するように構成される、請求項44に記載の呼吸補助装置。
【請求項46】
呼吸補助装置であって、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、前記呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
少なくとも1つのセンサーであって、前記患者の前記血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー
を含み、
前記コントローラは、呼吸ガス酸素濃度の変化の合計を維持するように構成され、
前記コントローラは、推定更新フェーズを実行するように構成され、前記推定更新フェーズは、
減衰関数を前記呼吸ガスの前記酸素濃度の変化の前記合計に適用すること、
現在の推定更新フェーズにおける前記呼吸ガスの前記酸素濃度と、前回の推定更新フェーズにおける前記呼吸ガスの前記酸素濃度との間の差を計算すること、
前記差を前記呼吸ガスの前記酸素濃度への変化の前記合計に加算すること
を含み、
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を、
前記呼吸ガスの酸素濃度の変化の前記合計と、
前記患者の血中酸素濃度を示す前記測定値と、
現在の推定フェーズにおける前記呼吸ガスの前記酸素濃度と目標酸素濃度下限との間の差と
に基づいて計算するように構成される、呼吸補助装置。
【請求項47】
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を、
前記患者の推定酸素効率比、
ヘモグロビン飽和関数
に基づいて計算するように構成される、請求項46に記載の呼吸補助装置。
【請求項48】
前記コントローラは、前記推定更新フェーズを規則的な時間間隔又は不規則な時間間隔で実行するように構成される、請求項42~47のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項49】
前記コントローラは、前記推定更新をリアルタイムで実行するように構成される、請求項42~47のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項50】
前記コントローラは、前記推定更新フェーズを周期的に実行するように構成される、請求項42~47のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項51】
前記コントローラは、前記呼吸ガスの目標酸素濃度が前記コントローラによって更新されるとき、前記推定更新フェーズを実行するように構成される、請求項42~47のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項52】
前記コントローラは、前記呼吸ガスの前記酸素濃度を目標酸素濃度に制御するように構成される、請求項42~51のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項53】
前記呼吸ガスの前記酸素濃度は、前記呼吸ガスの目標酸素濃度に制御される、請求項42~47のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項54】
前記呼吸ガスの前記酸素濃度は、前記呼吸ガスの測定された酸素濃度である、請求項42~53のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項55】
少なくとも1つのガス組成センサーを含み、前記ガス組成センサーは、前記呼吸ガスの前記酸素濃度を示す測定値を前記コントローラに提供するように構成される、請求項1~54のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項56】
前記コントローラは、前記呼吸ガスの目標酸素濃度を更新し、且つ前記呼吸ガスの酸素濃度を初期酸素濃度から前記目標酸素濃度に制御するように構成される、請求項1~55のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項57】
前記目標酸素濃度は、酸素濃度コントローラによって提供される、請求項1~56のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項58】
前記又はある入力は、前記目標血中酸素濃度をさらに含む、請求項1~57のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項59】
前記又はある目標血中酸素濃度は、範囲である、請求項1~58のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項60】
前記目標血中酸素濃度は、目標血中酸素濃度上限及び/又は目標血中酸素濃度下限を含む、請求項59に記載の呼吸補助装置。
【請求項61】
前記コントローラは、前記目標酸素濃度を目標血中酸素濃度範囲の中間点に基づいて特定するように構成される、請求項59又は60に記載の呼吸補助装置。
【請求項62】
前記コントローラは、前記目標血中酸素濃度を、前記目標血中酸素濃度上限及び前記目標血中酸素濃度下限内であるように制御するように構成される、請求項59~61のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項63】
前記コントローラは、前記目標酸素濃度を変化させて、前記患者の血中酸素濃度を前記目標血中酸素濃度に制御するように構成される、請求項1~62のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項64】
前記コントローラは、酸素源から前記呼吸ガスに提供される補足酸素の量を変化させて、前記呼吸ガスの前記酸素濃度を制御するように構成される、請求項1~63のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項65】
少なくとも1つの弁装置を含む、請求項1~64のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項66】
前記弁装置は、送風器と流体連通する、請求項65に記載の呼吸補助装置。
【請求項67】
前記弁装置は、ガス流に導入される酸素の量を調整するように制御可能であり得る、請求項65又は66に記載の呼吸補助装置。
【請求項68】
前記コントローラは、アラーム出力を生成するように構成される、請求項1~67のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項69】
前記アラーム出力は、前記呼吸補助装置と通信する1つ以上のサーバ又は患者監視ユニット及び/若しくは看護師監視ステーションに送信され得る、請求項68に記載の呼吸補助装置。
【請求項70】
前記アラーム出力は、少なくとも1つのアラームパラメータを含む、請求項68又は69に記載の呼吸補助装置。
【請求項71】
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の前記推定将来値及び/又は前記患者の血中酸素濃度の前記推定最大若しくは最小将来値に基づいて、前記アラーム出力を生成するように構成される、請求項68~70のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項72】
前記コントローラは、患者の血中酸素濃度の前記推定最大将来値を前記目標血中酸素濃度上限と比較し、且つ患者の血中酸素濃度の前記推定最大将来値が前記目標血中酸素濃度上限を下回る場合、前記アラーム出力を生成するように構成される、請求項70に記載の呼吸補助装置。
【請求項73】
前記アラーム出力のアラームパラメータは、患者の血中酸素濃度の前記推定最大将来値と前記目標血中酸素濃度上限との間の差の大きさに基づく、請求項68~71のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項74】
前記コントローラは、患者の血中酸素濃度の前記推定最小将来値を前記目標血中酸素濃度下限と比較し、且つ患者の血中酸素濃度の前記推定最小将来値が前記目標血中酸素濃度下限を下回る場合、アラーム出力を生成するように構成される、請求項68~せ72のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項75】
前記アラーム出力のアラームパラメータは、患者の血中酸素濃度の前記推定最小将来値と前記目標血中酸素濃度下限との間の差の大きさに基づく、請求項70~74のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項76】
前記アラームパラメータは、アラーム時間又はアラーム強度である、請求項70~75のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項77】
前記アラーム出力は、ディスプレイに提供される、請求項70~76のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項78】
前記アラーム出力は、ディスプレイ上にメッセージを提示するように構成される、請求項70~77のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項79】
前記アラーム出力は、音声を生成するか又は表示を提供するように構成される、請求項70~78のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項80】
前記又はある少なくとも1つのセンサーは、前記コントローラと電気的に通信する、請求項1~79のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項81】
前記少なくとも1つのセンサーは、パルスオキシメータ又は動脈血酸素センサーである、請求項80に記載の呼吸補助装置。
【請求項82】
ガス組成センサーをさらに含む、請求項1~81のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項83】
前記ガス組成センサーは、前記コントローラと電気的に通信する、請求項82に記載の呼吸補助装置。
【請求項84】
前記ガス組成センサーは、前記呼吸ガスの前記酸素濃度を測定するように構成された酸素濃度センサーである、請求項82又は83に記載の呼吸補助装置。
【請求項85】
前記少なくとも1つのガス組成センサーは、前記呼吸ガスの前記初期酸素濃度を示す信号を提供する、請求項82~84のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項86】
前記コントローラは、前記酸素濃度センサーから、前記呼吸ガスの前記酸素濃度を示す酸素濃度信号を受信するように構成される、請求項84又は85に記載の呼吸補助装置。
【請求項87】
前記コントローラは、前記酸素濃度センサーからの前記酸素濃度信号に基づいて前記呼吸ガスの前記酸素濃度を制御するように構成される、請求項82~86のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項88】
前記コントローラは、1つ以上のプロセッサを含み、前記プロセッサは、コンピュータ可読命令で構成される、請求項1~87のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項89】
前記コントローラは、少なくとも1つのメモリ素子を含み、前記メモリ素子は、前記コンピュータ可読命令を記憶するように構成される、請求項1~88のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項90】
前記メモリ素子は、非一時的である、請求項89に記載の呼吸補助装置。
【請求項91】
前記流れ発生器は、送風器モジュールであるか又はそれを含み、前記送風器モジュールは、前記ガスの流れを発生させるように構成された少なくとも1つの送風器を含む、請求項1~88のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項92】
前記又はあるアラーム出力を表示するように構成された少なくとも1つのディスプレイを含む、請求項1~88のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項93】
前記ディスプレイは、少なくとも1つのスクリーンを含む、請求項92に記載の呼吸補助装置。
【請求項94】
可聴音声を出力するように構成された少なくとも1つの音声発生装置を含む、請求項1~88のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項95】
請求項1~94のいずれか一項に記載の呼吸補助装置、導管及びユーザインタフェースを含むシステム。
【請求項96】
患者の血中酸素濃度の将来値を推定する方法であって、
初期目標酸素濃度を有する呼吸ガスを前記患者に提供するステップ、
前記患者の血中酸素濃度を測定するステップ、
目標酸素濃度を有する呼吸ガスを前記患者に提供するステップ、
前記患者の血中酸素濃度の将来値を、前記患者の血中酸素濃度及び初期目標酸素濃度と前記目標酸素濃度との間の差に基づいて計算するステップ
を含む方法。
【請求項97】
目標酸素濃度範囲に関する患者の血中酸素濃度の最大将来値を推定する方法であって、
患者の血中酸素濃度を測定するステップ、
ある酸素濃度を有する呼吸ガスを前記患者に提供するステップ、
患者の血中酸素濃度の最大将来値を、前記患者の血中酸素濃度及び前記目標酸素濃度範囲の目標酸素濃度上限と前記呼吸ガスの前記酸素濃度との間の差に基づいて計算するステップ
を含む方法。
【請求項98】
目標酸素濃度範囲に関する患者の血中酸素濃度の最小将来値を推定する方法であって、
患者の血中酸素濃度を測定するステップ、
ある酸素濃度を有する呼吸ガスを前記患者に提供するステップ、
患者の血中酸素濃度の最小将来値を、前記患者の血中酸素濃度及び前記目標酸素濃度範囲の目標酸素濃度下限と前記呼吸ガスの前記酸素濃度との間の差に基づいて計算するステップ
を含む方法。
【請求項99】
患者の血中酸素濃度の将来値を推定する方法であって、
前記患者に呼吸ガスを提供するステップ、
装置の動作中、呼吸ガス酸素濃度データを記憶するステップであって、前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データは、前記呼吸ガスの複数の酸素濃度を含み、前記呼吸ガスの各酸素濃度は、関連するタイムスタンプを有する、ステップ、
患者の血中酸素濃度を測定するステップ、
前記患者の血中酸素濃度の推定将来値を、
前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データであって、前記呼吸ガスの前記酸素濃度は、前記関連するタイムスタンプに基づいて重み付けされる、前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データと、
前記患者の血中酸素濃度を示す測定値と
に基づいて計算するステップ
を含む方法。
【請求項100】
患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を推定する方法であって、
前記患者に呼吸ガスを提供するステップ、
装置の動作中、呼吸ガス酸素濃度データを記憶するステップであって、前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データは、前記呼吸ガスの1つ以上の酸素濃度を含み、前記呼吸ガスの各酸素濃度は、関連するタイムスタンプを有する、ステップ、
患者の血中酸素濃度を測定するステップ、
前記患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、
前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データであって、前記呼吸ガスの酸素濃度は、前記関連するタイムスタンプに基づいて重み付けされる、前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データと、
前記患者の血中酸素濃度を示す測定値と、
前記呼吸ガスの現在の酸素濃度と目標酸素濃度上限との間の差と
に基づいて計算するステップ
を含む方法。
【請求項101】
患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を推定する方法であって、
前記患者に呼吸ガスを提供するステップ、
装置の動作中、呼吸ガス酸素濃度データを記憶するステップであって、前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データは、前記呼吸ガスの1つ以上の酸素濃度を含み、前記呼吸ガスの各酸素濃度は、関連するタイムスタンプを有する、ステップ、
患者の血中酸素濃度を測定するステップ、
前記患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を、
前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データであって、前記関連するタイムスタンプに基づいて重み付けされる、前記記憶された呼吸ガス酸素濃度データと、
前記患者の血中酸素濃度を示す測定値と、
現在の推定フェーズにおける前記呼吸ガスの前記酸素濃度と目標酸素濃度下限との間の差と
に基づいて計算するステップ
を含む方法。
【請求項102】
患者の血中酸素濃度の将来値を推定する方法であって、
前記患者に呼吸ガスを提供するステップ、
呼吸ガス酸素濃度の変化の合計を維持するステップ、
推定更新フェーズを実行するステップであって、前記推定更新フェーズは、
減衰関数を前記呼吸ガスの前記酸素濃度の変化の前記合計に適用すること、
現在の推定更新フェーズにおける前記呼吸ガスの前記酸素濃度と、前回の推定更新フェーズにおける前記呼吸ガスの前記酸素濃度との間の差を計算すること、
前記差を前記呼吸ガスの前記酸素濃度の変化の前記合計に加算すること
を含む、ステップ
を含む方法。
【請求項103】
コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定将来値を、
前記呼吸ガスの前記酸素濃度の変化の前記合計と、
前記患者の血中酸素濃度を示す前記測定値と
に基づいて計算するように構成される、請求項101又は102に記載の方法。
【請求項104】
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、
前記呼吸ガスの前記酸素濃度の変化の前記合計と、
前記患者の血中酸素濃度を示す前記測定値と、
現在の推定フェーズにおける前記呼吸ガスの前記酸素濃度と目標酸素濃度上限との間の差と
に基づいて計算するように構成される、請求項101~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記コントローラは、前記患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を、
前記呼吸ガスの前記酸素濃度の変化の前記合計と、
前記患者の血中酸素濃度を示す前記測定値と、
現在の推定フェーズにおける前記呼吸ガスの前記酸素濃度と目標酸素濃度下限との間の差と
に基づいて計算するように構成される、請求項101~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
請求項96~105のいずれか一項に記載の方法を提供するために使用されるフロー療法装置。
【請求項107】
請求項96~105のいずれか一項に記載の方法を提供するためを含む、フロー療法装置の使用。
【請求項108】
前記フロー療法装置は、請求項1~95のいずれか一項に記載の装置である、請求項106又は107に記載のフロー療法装置又はフロー療法装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸補助装置を制御し且つ/又は動作させる方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸器は、病院、医療施設、居住介護又は家庭環境などの様々な環境においてユーザ又は患者にガスの流れを供給するために使用されている。呼吸器、例えばフロー療法装置は、ガスの流れと共に補足酸素を供給できるようにする酸素流入口並びに/又は加熱及び加湿ガスを供給するための加湿装置を含み得る。フロー療法装置は、流量、温度、酸素濃度などのガス濃度、湿度、圧力などを含むガス流の特性の調整及び制御を可能にし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
呼吸ガスを患者に提供する呼吸補助装置に関する1つ以上の発明が開示される。
【0004】
ある態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
呼吸ガスの酸素濃度を制御するように構成されたコントローラ、
少なくとも1つのセンサーであって、患者の血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー
を含み、
コントローラは、呼吸ガスの目標酸素濃度を特定するように構成され、
コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値を、
呼吸ガスの初期酸素濃度と、呼吸ガスの目標酸素濃度との間の差と、
患者の血中酸素濃度を示す測定値と
に基づいて計算するように構成される。
【0005】
いくつかの実施形態において、コントローラは、呼吸ガスの酸素濃度を目標酸素濃度に基づいて制御するように構成される。
【0006】
いくつかの実施形態において、患者の血中酸素濃度の推定将来値は、コントローラが呼吸ガスの酸素濃度を目標酸素濃度に制御するときからの時間にさらに基づく。
【0007】
いくつかの実施形態において、コントローラは、入力を受信し、且つ入力に基づいて呼吸ガスの目標酸素濃度を特定するように構成される。
【0008】
いくつかの実施形態において、入力は、目標酸素濃度上限及び目標酸素濃度下限を含む目標酸素濃度範囲を含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、酸素補助の加湿器、コントローラ、流れ発生器及びセンサーは、1つのハウジング内に配置される。
【0010】
いくつかの実施形態において、装置は、少なくとも1つのガス組成センサーを含み、ガス組成センサーは、呼吸ガスの酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのガス組成センサーは、超音波センサーである。
【0012】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の前記推定将来値を血中酸素濃度アラーム閾値及び/又は血中酸素濃度アラーム範囲と比較し、且つ患者の血中酸素濃度の推定将来値が前記血中酸素濃度アラーム範囲内にない場合、アラーム出力を生成するように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態において、血中酸素濃度アラーム範囲は、血中酸素濃度アラーム閾値上限及び血中酸素濃度アラーム閾値下限を含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、血中酸素濃度アラーム閾値は、コントローラが呼吸ガスの酸素濃度を目標酸素濃度に制御するときからの時間に基づいて特定される。
【0015】
いくつかの実施形態において、アラーム閾値は、目標酸素濃度の変化量に基づいて特定され得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、アラーム閾値は、特定された又は目標酸素濃度であり得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、アラーム閾値は、ガスの特定された現在の酸素濃度であり得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、アラーム閾値は、目標血中酸素濃度に基づく。
【0019】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値及び血中酸素濃度アラーム閾値との比較に基づいてアラーム出力を生成するように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値が血中酸素濃度閾値を上回るか又は下回る場合、前記アラーム出力を生成するように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態において、アラーム閾値は、コントローラが呼吸ガスの酸素濃度を目標酸素濃度に制御するときからの時間に基づく。
【0022】
いくつかの実施形態において、入力は、目標血中酸素濃度を含み、及び血中酸素濃度アラーム範囲は、目標血中酸素濃度に基づく。
【0023】
いくつかの実施形態において、血中酸素濃度閾値及び/又は血中酸素濃度アラーム範囲は、目標酸素濃度と目標酸素濃度上限との間の差に基づく。
【0024】
いくつかの実施形態において、呼吸補助装置は、少なくとも1つの弁を含み得、コントローラは、酸素源から呼吸ガスに提供される酸素の量を変化させることによって呼吸ガスの酸素濃度を制御するように弁を制御するように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態において、呼吸補助装置は、酸素供給源に接続され得、コントローラは、酸素供給源からのガスの流れを制御して、呼吸ガスの酸素濃度を制御するように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態において、コントローラは、呼吸ガスの酸素濃度を呼吸ガスの目標酸素濃度及び測定された酸素濃度に基づいて制御するように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態において、患者の血中酸素濃度を示す測定値は、所定の時間にわたって特定され得る。
【0028】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値に基づいてアラーム出力を生成するように構成される。
【0029】
いくつかの実施形態において、呼吸補助装置(又は関連機器)は、アラーム出力又はアラーム出力に関連する情報を表示するように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態において、呼吸補助装置(又は関連機器)は、患者に血中酸素濃度の推定将来値を表示するように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態において、アラーム出力は、呼吸補助装置と通信する1つ以上のサーバ又は患者監視ユニット及び/若しくは看護師監視ステーションに送信され得る。
【0032】
他の態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
少なくとも1つのセンサーであって、患者の血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー、
コントローラであって、入力を受信するように構成され、入力は、目標酸素濃度上限及び/又は目標酸素濃度下限を含む目標酸素濃度範囲を含む、コントローラ、
コントローラであって、呼吸ガスの酸素濃度を目標酸素濃度に制御するように構成され、目標酸素濃度は、目標酸素濃度上限及び目標酸素濃度下限を含む前記目標酸素濃度範囲内であり、コントローラは、
目標酸素濃度範囲に関する患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、患者の血中酸素濃度を示す測定値及び目標酸素濃度と目標酸素濃度上限との間の差に基づいて計算すること、又は
目標酸素濃度範囲に関する患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を、患者の血中酸素濃度を示す測定値及び目標酸素濃度と目標酸素濃度下限との間の差に基づいて計算すること
を行うように構成される、コントローラ
を含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、コントローラは、呼吸ガスの酸素濃度を初期酸素濃度から目標酸素濃度に制御するように構成される。
【0034】
いくつかの実施形態において、初期酸素濃度は、コントローラが呼吸ガスの酸素濃度を目標酸素濃度に制御する前の酸素濃度である。
【0035】
いくつかの実施形態において、呼吸補助装置は、目標酸素濃度範囲を示す入力を受信するように構成される。
【0036】
いくつかの実施形態において、目標酸素濃度範囲は、ユーザインタフェースを介して入力される。
【0037】
いくつかの実施形態において、推定最大将来値及び/又は推定最小将来値は、推定酸素効率に基づく。
【0038】
いくつかの実施形態において、推定最大将来値及び/又は推定最小将来値は、リアルタイムで更新される。
【0039】
いくつかの実施形態において、最大又は最小将来値は、酸素濃度の変化の効果が患者の血中酸素に対して実現された後のものである。
【0040】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素の最小推定将来値及び/又は患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を表示するように構成される。
【0041】
いくつかの実施形態において、コントローラは、アラーム出力を生成するように構成される。
【0042】
いくつかの実施形態において、アラーム出力は、呼吸補助装置と通信する1つ以上のサーバ又は患者監視ユニット及び/若しくは看護師監視ステーションに送信され得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、アラーム出力は、少なくとも1つのアラームパラメータを含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値及び/又は患者の血中酸素濃度の推定最大若しくは最小将来値に基づいて、アラーム出力を生成するように構成される。
【0045】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の前記推定最大将来値を目標血中酸素濃度上限と比較し、且つ患者の血中酸素濃度の推定最大将来値が目標血中酸素濃度上限を下回る場合、アラーム出力を生成するように構成される。
【0046】
いくつかの実施形態において、その又はあるアラーム出力のアラームパラメータは、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値と目標血中酸素濃度上限との間の差の大きさに基づく。
【0047】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の前記推定最小将来値を目標血中酸素濃度下限と比較し、且つ患者の血中酸素濃度の推定最小将来値が目標血中酸素濃度下限を下回る場合、アラーム出力を生成するように構成される。
【0048】
いくつかの実施形態において、そのアラーム出力のその又はあるアラームパラメータは、患者の血中酸素濃度の推定最小将来値と目標血中酸素濃度下限との間の差の大きさに基づく。
【0049】
いくつかの実施形態において、アラームパラメータは、アラーム時間又はアラーム強度である。
【0050】
いくつかの実施形態において、アラーム出力及び/又は関連データは、ディスプレイに提供される。
【0051】
いくつかの実施形態において、アラーム出力は、ディスプレイ上にメッセージを提示するように構成される。
【0052】
いくつかの実施形態において、アラーム出力は、音声を生成するか又は表示を提供するように構成される。
【0053】
他の態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
少なくとも1つのセンサーであって、患者の血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー
を含み、
装置の動作中、コントローラは、呼吸ガス酸素濃度データを記憶するように構成され、記憶された呼吸ガス酸素濃度データは、呼吸ガスの複数の酸素濃度を含み、呼吸ガスの各酸素濃度は、関連するタイムスタンプを有し、
コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値を、
記憶された呼吸ガス酸素濃度データであって、呼吸ガスの酸素濃度は、関連するタイムスタンプに基づいて重み付けされる、記憶された呼吸ガス酸素濃度データと、
患者の血中酸素濃度を示す測定値と
に基づいて計算するように構成される。
【0054】
幾つかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値を、
患者の推定酸素効率比、
ヘモグロビン飽和関数
に基づいて計算するように構成される。
【0055】
幾つかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値に基づいてアラーム出力を生成するように構成される。
【0056】
いくつかの実施形態において、呼吸補助装置(又は関連機器)は、アラーム出力又はアラーム出力に関連する情報を表示するように構成される。
【0057】
いくつかの実施形態において、呼吸補助装置(又は関連機器)は、患者の血中酸素濃度の推定将来値を表示するように構成される。
【0058】
いくつかの実施形態において、アラーム出力は、呼吸補助装置と通信する1つ以上のサーバ又は患者監視ユニット及び/若しくは看護師監視ステーションに送信され得る。
【0059】
他の態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
少なくとも1つのセンサーであって、患者の血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー
を含み、
装置の動作中、コントローラは、呼吸ガス酸素濃度データを記憶するように構成され、記憶された呼吸ガス酸素濃度データは、呼吸ガスの1つ以上の酸素濃度を含み、呼吸ガスの各酸素濃度は、関連するタイムスタンプを有し、
コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、
記憶された呼吸ガス酸素濃度データであって、呼吸ガスの酸素濃度は、関連するタイムスタンプに基づいて重み付けされる、記憶された呼吸ガス酸素濃度データと、
患者の血中酸素濃度を示す測定値と、
呼吸ガスの現在の酸素濃度と目標酸素濃度上限との間の差と
に基づいて計算するように構成される。
【0060】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、
患者の推定酸素効率比、
ヘモグロビン飽和関数
に基づいて計算するように構成される。
【0061】
他の態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
少なくとも1つのセンサーであって、患者の血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー
を含み、
装置の動作中、コントローラは、呼吸ガス酸素濃度データを記憶するように構成され、記憶された呼吸ガス酸素濃度データは、呼吸ガスの1つ以上の酸素濃度を含み、呼吸ガスの各酸素濃度は、関連するタイムスタンプを有し、
コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、
記憶された呼吸ガス酸素濃度データであって、呼吸ガスの酸素濃度は、関連するタイムスタンプに基づいて重み付けされる、記憶された呼吸ガス酸素濃度データと、
患者の血中酸素濃度を示す測定値と、
現在の推定フェーズにおける呼吸ガスの酸素濃度と目標酸素濃度下限との間の差と
に基づいて計算するように構成される。
【0062】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を、
患者の推定酸素効率比、
ヘモグロビン飽和関数
に基づいて計算するように構成される。
【0063】
いくつかの実施形態において、関連するタイムスタンプは、呼吸ガスの関連する酸素濃度が記録、及び/又は測定、及び/又は記憶された時間を含む。
【0064】
いくつかの実施形態において、関連するタイムスタンプは、呼吸ガスの関連する酸素濃度が記録、及び/又は測定、及び/又は記憶されてから経過した時間を含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、コントローラは、記憶された呼吸ガス酸素濃度データ中の呼吸ガスの酸素濃度への一連の変化を特定するように構成される。
【0066】
いくつかの実施形態において、呼吸ガスの酸素濃度は、呼吸ガスの目標酸素濃度に制御される。
【0067】
いくつかの実施形態において、呼吸ガスの酸素濃度は、呼吸ガスの測定された酸素濃度である。
【0068】
いくつかの実施形態において、装置は、少なくとも1つのガス組成センサーを含み、ガス組成センサーは、呼吸ガスの酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成される。
【0069】
いくつかの実施形態において、コントローラは、呼吸ガス濃度データの記憶された酸素濃度を規則的な時間間隔又は不規則な時間間隔で更新するように構成される。
【0070】
いくつかの実施形態において、コントローラは、呼吸ガスの目標酸素濃度がコントローラによって更新されるとき、呼吸ガスの記憶された酸素濃度を更新するように構成される。
【0071】
いくつかの実施形態において、関連するタイムスタンプに基づく重み付けは、減衰関数に基づく。
【0072】
いくつかの実施形態において、記憶された酸素濃度データは、呼吸補助装置と通信する1つ以上のサーバ又は患者監視ユニット及び/若しくは看護師監視ステーションに送信される。
【0073】
他の態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
少なくとも1つのセンサーであって、患者の血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー
を含み、
前記コントローラは、呼吸ガス酸素濃度の変化の合計を維持するように構成され、
前記コントローラは、推定更新フェーズを実行するように構成され、推定更新フェーズは、
減衰関数を呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計に適用すること、
現在の推定更新フェーズにおける呼吸ガスの酸素濃度と、前回の推定更新フェーズにおける呼吸ガスの酸素濃度との間の差を計算すること、
差を呼吸ガスの酸素濃度への変化の合計に加算すること
を含み、
コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値を、
呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計と、
患者の血中酸素濃度を示す測定値と
に基づいて計算するように構成される。
【0074】
コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値を、
患者の推定酸素効率比、
ヘモグロビン飽和関数
に基づいて計算するように構成される。
【0075】
他の態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
少なくとも1つのセンサーであって、患者の血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー
を含み、
コントローラは、呼吸ガス酸素濃度の変化の合計を維持するように構成され、
コントローラは、推定更新フェーズを実行するように構成され、推定更新フェーズは、
減衰関数を呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計に適用すること、
現在の推定更新フェーズにおける呼吸ガスの酸素濃度と、前回の推定更新フェーズにおける呼吸ガスの酸素濃度との間の差を計算すること、
差を呼吸ガスの酸素濃度への変化の合計に加算すること
を含み、
コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、
呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計と、
患者の血中酸素濃度を示す測定値と、
現在の推定フェーズにおける呼吸ガスの酸素濃度と目標酸素濃度上限との間の差と
に基づいて計算するように構成される。
【0076】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、
患者の推定酸素効率比、
ヘモグロビン飽和関数
に基づいて計算するように構成される。
【0077】
他の態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
呼吸ガスを患者に提供するように構成された流れ発生器であって、呼吸ガスは、酸素源から提供される補足酸素を含む、流れ発生器、
少なくとも1つのセンサーであって、患者の血中酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサー
を含み、
コントローラは、呼吸ガス酸素濃度の変化の合計を維持するように構成され、
コントローラは、推定更新フェーズを実行するように構成され、推定更新フェーズは、
減衰関数を呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計に適用すること、
現在の推定更新フェーズにおける呼吸ガスの酸素濃度と、前回の推定更新フェーズにおける呼吸ガスの酸素濃度との間の差を計算すること、
差を呼吸ガスの酸素濃度への変化の合計に加算すること
を含み、
コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を、
呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計と、
患者の血中酸素濃度を示す測定値と、
現在の推定フェーズにおける呼吸ガスの酸素濃度と目標酸素濃度下限との間の差と
に基づいて計算するように構成される。
【0078】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を、
患者の推定酸素効率比、
ヘモグロビン飽和関数
に基づいて計算するように構成される。
【0079】
いくつかの実施形態において、コントローラは、推定更新フェーズを規則的な時間間隔又は不規則な時間間隔で実行するように構成される。
【0080】
いくつかの実施形態において、コントローラは、推定更新をリアルタイムで実行するように構成される。
【0081】
いくつかの実施形態において、コントローラは、推定更新フェーズを周期的に実行するように構成される。
【0082】
いくつかの実施形態において、コントローラは、呼吸ガスの目標酸素濃度がコントローラによって更新されるとき、推定更新フェーズを実行するように構成される。
【0083】
いくつかの実施形態において、コントローラは、呼吸ガスの酸素濃度を目標酸素濃度に制御するように構成される。
【0084】
いくつかの実施形態において、呼吸ガスの酸素濃度は、呼吸ガスの目標酸素濃度に制御される。
【0085】
いくつかの実施形態において、呼吸ガスの酸素濃度は、呼吸ガスの測定された酸素濃度である。
【0086】
いくつかの実施形態において、装置は、少なくとも1つのガス組成センサーを含み、ガス組成センサーは、呼吸ガスの酸素濃度を示す測定値をコントローラに提供するように構成される。
【0087】
いくつかの実施形態において、コントローラは、呼吸ガスの目標酸素濃度を更新し、且つ呼吸ガスの酸素濃度を初期酸素濃度から目標酸素濃度に制御するように構成される。
【0088】
いくつかの実施形態において、目標酸素濃度は、酸素濃度コントローラによって提供される。
【0089】
いくつかの実施形態において、その又はある入力は、目標血中酸素濃度をさらに含む。
【0090】
いくつかの実施形態において、その又はある目標血中酸素濃度は、範囲である。
【0091】
いくつかの実施形態において、目標血中酸素濃度は、目標血中酸素濃度上限及び/又は目標血中酸素濃度下限を含む。
【0092】
いくつかの実施形態において、コントローラは、目標酸素濃度を目標血中酸素濃度範囲の中間点に基づいて特定するように構成される。
【0093】
いくつかの実施形態において、コントローラは、目標血中酸素濃度を、目標血中酸素濃度上限及び目標血中酸素濃度下限内であるように制御するように構成される。
【0094】
いくつかの実施形態において、コントローラは、目標酸素濃度を変化させて、患者の血中酸素濃度を目標血中酸素濃度に制御するように構成される。
【0095】
いくつかの実施形態において、コントローラは、酸素源から呼吸ガスに提供される補足酸素の量を変化させて、呼吸ガスの酸素濃度を制御するように構成される。
【0096】
いくつかの実施形態において、装置は、少なくとも1つの弁装置を含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、弁装置は、送風器と流体連通する。
【0098】
いくつかの実施形態において、弁装置は、ガス流に導入される酸素の量を調整するように制御可能であり得る。
【0099】
いくつかの実施形態において、コントローラは、アラーム出力を生成するように構成される。
【0100】
いくつかの実施形態において、アラーム出力は、呼吸補助装置と通信する1つ以上のサーバ又は患者監視ユニット及び/若しくは看護師監視ステーションに送信され得る。
【0101】
いくつかの実施形態において、アラーム出力は、少なくとも1つのアラームパラメータを含む。
【0102】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値及び/又は患者の血中酸素濃度の推定最大若しくは最小将来値に基づいて、アラーム出力を生成するように構成される。
【0103】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の前記推定最大将来値を目標血中酸素濃度上限と比較し、且つ患者の血中酸素濃度の推定最大将来値が目標血中酸素濃度上限を下回る場合、アラーム出力を生成するように構成される。
【0104】
いくつかの実施形態において、その又はあるアラーム出力のアラームパラメータは、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値と目標血中酸素濃度上限との間の差の大きさに基づく。
【0105】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の前記推定最小将来値を目標血中酸素濃度下限と比較し、且つ患者の血中酸素濃度の推定最小将来値が目標血中酸素濃度下限を下回る場合、アラーム出力を生成するように構成される。
【0106】
いくつかの実施形態において、アラーム出力のその又はあるアラームパラメータは、患者の血中酸素濃度の推定最小将来値と目標血中酸素濃度下限との間の差の大きさに基づく。
【0107】
いくつかの実施形態において、アラームパラメータは、アラーム時間又はアラーム強度である。
【0108】
いくつかの実施形態において、アラーム出力及び/又は関連するデータは、ディスプレイに提供される。
【0109】
いくつかの実施形態において、アラーム出力は、ディスプレイ上にメッセージを提示するように構成される。
【0110】
いくつかの実施形態において、アラーム出力は、音声を生成するか又は表示を提供するように構成される。
【0111】
いくつかの実施形態において、その又はある少なくとも1つのセンサーは、コントローラと電気的に通信する。
【0112】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのセンサーは、パルスオキシメータ又は動脈血酸素センサーである。
【0113】
いくつかの実施形態において、呼吸補助装置は、ガス組成センサーをさらに含む。
【0114】
いくつかの実施形態において、ガス組成センサーは、コントローラと電気的に通信する。
【0115】
いくつかの実施形態において、ガス組成センサーは、呼吸ガスの酸素濃度を測定するように構成された酸素濃度センサーである。
【0116】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのガス組成センサーは、呼吸ガスの初期酸素濃度を示す信号を提供する。
【0117】
いくつかの実施形態において、コントローラは、酸素濃度センサーから、呼吸ガスの酸素濃度を示す酸素濃度信号を受信するように構成される。
【0118】
いくつかの実施形態において、コントローラは、酸素濃度センサーからの酸素濃度信号に基づいて呼吸ガスの酸素濃度を制御するように構成される。
【0119】
いくつかの実施形態において、コントローラは、1つ以上のプロセッサを含み、プロセッサは、コンピュータ可読命令で構成される。
【0120】
いくつかの実施形態において、コントローラは、少なくとも1つのメモリ素子を含み、メモリ素子は、前記コンピュータ可読命令を記憶するように構成される。
【0121】
いくつかの実施形態において、メモリ素子は、非一時的である。
【0122】
いくつかの実施形態において、流れ発生器は、送風器モジュールであるか又はそれを含み、送風器モジュールは、前記ガスの流れを発生させるように構成された少なくとも1つの送風器を含む。
【0123】
いくつかの実施形態において、呼吸補助装置は、その又はあるアラーム出力を表示するように構成された少なくとも1つのディスプレイを含む。
【0124】
いくつかの実施形態において、ディスプレイは、少なくとも1つのスクリーンを含む。
【0125】
いくつかの実施形態において、呼吸補助装置は、可聴音声を出力するように構成された少なくとも1つの音声発生装置を含む。
【0126】
他のシステムにおいて、上述の態様のいずれか1つの呼吸補助装置、導管及びユーザインタフェースを含む。
【0127】
他の態様において、患者の血中酸素濃度の将来値を推定する方法が提供され、方法は、
初期目標酸素濃度を有する呼吸ガスを患者に提供するステップ、
患者の血中酸素濃度を測定するステップ、
目標酸素濃度を有する呼吸ガスを患者に提供するステップ、
患者の血中酸素濃度の将来値を、患者の血中酸素濃度及び初期目標酸素濃度と目標酸素濃度との間の差に基づいて計算するステップ
を含む。
【0128】
他の態様において、目標酸素濃度範囲に関する患者の血中酸素濃度の最大将来値を推定する方法が提供され、方法は、
患者の血中酸素濃度を測定するステップ、
ある酸素濃度を有する呼吸ガスを患者に提供するステップ、
患者の血中酸素濃度の最大将来値を、患者の血中酸素濃度及び目標酸素濃度範囲の目標酸素濃度上限と呼吸ガスの酸素濃度との間の差に基づいて計算するステップ
を含む。
【0129】
他の態様において、目標酸素濃度範囲に関する患者の血中酸素濃度の最小将来値を推定する方法が提供され、方法は、
患者の血中酸素濃度を測定するステップ、
ある酸素濃度を有する呼吸ガスを患者に提供するステップ、
患者の血中酸素濃度の最小将来値を、患者の血中酸素濃度及び目標酸素濃度範囲の目標酸素濃度下限と呼吸ガスの酸素濃度との間の差に基づいて計算するステップ
を含む。
【0130】
他の態様において、患者の血中酸素濃度の将来値を推定する方法が提供され、方法は、
患者に呼吸ガスを提供するステップ、
装置の動作中、呼吸ガス酸素濃度データを記憶するステップであって、記憶された呼吸ガス酸素濃度データは、呼吸ガスの1つ以上の酸素濃度を含み、呼吸ガスの各酸素濃度は、関連するタイムスタンプを有する、ステップ、
患者の血中酸素濃度を測定するステップ、
患者の血中酸素濃度の推定将来値を、
記憶された呼吸ガス酸素濃度データであって、呼吸ガスの酸素濃度は、関連するタイムスタンプに基づいて重み付けされる、記憶された呼吸ガス酸素濃度データと、
患者の血中酸素濃度を示す測定値と
に基づいて計算するステップ
を含む。
【0131】
他の態様において、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を推定する方法が提供され、方法は、
患者に呼吸ガスを提供するステップ、
装置の動作中、呼吸ガス酸素濃度データを記憶するステップであって、記憶された呼吸ガス酸素濃度データは、呼吸ガスの1つ以上の酸素濃度を含み、呼吸ガスの各酸素濃度は、関連するタイムスタンプを有する、ステップ、
患者の血中酸素濃度を測定するステップ、
患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、
記憶された呼吸ガス酸素濃度データであって、呼吸ガスの酸素濃度は、関連するタイムスタンプに基づいて重み付けされる、記憶された呼吸ガス酸素濃度データと、
患者の血中酸素濃度を示す測定値と、
呼吸ガスの現在の酸素濃度と目標酸素濃度上限との間の差と
に基づいて計算するステップ
を含む。
【0132】
他の態様において、患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を推定する方法が提供され、方法は、
患者に呼吸ガスを提供するステップ、
装置の動作中、呼吸ガス酸素濃度データを記憶するステップであって、記憶された呼吸ガス酸素濃度データは、呼吸ガスの1つ以上の酸素濃度を含み、呼吸ガスの各酸素濃度は、関連するタイムスタンプを有する、ステップ、
患者の血中酸素濃度を測定するステップ、
患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を、
記憶された呼吸ガス酸素濃度データであって、呼吸ガスの酸素濃度は、関連するタイムスタンプに基づいて重み付けされる、記憶された呼吸ガス酸素濃度データと、
患者の血中酸素濃度を示す測定値と、
現在の推定フェーズにおける呼吸ガスの酸素濃度と目標酸素濃度下限との間の差と
に基づいて計算するステップ
を含む。
【0133】
他の態様において、患者の血中酸素濃度の将来値を推定する方法が提供され、方法は、
患者に呼吸ガスを提供するステップ、
呼吸ガス酸素濃度の変化の合計を維持するステップ、
推定更新フェーズを実行するステップであって、推定更新フェーズは、
減衰関数を呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計に適用すること、
現在の推定更新フェーズにおける呼吸ガスの酸素濃度と、前回の推定更新フェーズにおける呼吸ガスの酸素濃度との間の差を計算すること、
差を呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計に加算すること
を含む、ステップ
を含む。
【0134】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値を、
呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計と、
患者の血中酸素濃度を示す測定値と
に基づいて計算するように構成される。
【0135】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を、
呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計と、
患者の血中酸素濃度を示す測定値と、
現在の推定フェーズにおける呼吸ガスの酸素濃度と目標酸素濃度上限との間の差と
に基づいて計算するように構成される。
【0136】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を、
呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計と、
患者の血中酸素濃度を示す測定値と、
現在の推定フェーズにおける呼吸ガスの酸素濃度と目標酸素濃度下限との間の差と
に基づいて計算するように構成される。
【0137】
他の態様において、呼吸補助装置及び補助機器を含むシステムが提供され、推定最大将来値、及び/又は推定最小将来値、及び/又は推定将来値は、補助機器で計算される。
【0138】
他の態様において、呼吸補助装置及び補助機器を含むシステムが提供され、コントローラは、少なくとも部分的に補助機器上にある。
【0139】
いくつかの実施形態において、呼吸装置は、センサー出力及び/又は記憶されたデータを補助機器に提供する。
【0140】
いくつかの実施形態において、その又はあるアラーム出力は、呼吸補助装置上に提供され得る。
【0141】
いくつかの実施形態において、その又はあるアラーム出力は、補助機器上に提供され得る。
【0142】
他の態様において、上述の態様のいずれかの方法を提供するために使用される呼吸補助装置が提供される。
【0143】
他の態様において、上述の態様のいずれかの方法を提供するための呼吸補助装置の使用が提供される。
【0144】
他の態様において、上述の態様のいずれかの呼吸補助装置又はフロー療法装置の使用が提供され、呼吸補助装置は、上述の態様のいずれかの請求項のいずれかの装置である。
【0145】
本明細書で開示される数値の範囲への言及(例えば、1~10)は、その範囲内のすべての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9及び10)及びその範囲内の有理数の任意の範囲(例えば、2~8、1.5~5.5及び3.1~4.7)への言及も含むものとする。
【0146】
本明細書に記載の実施形態は、広い解釈により、個々に又は集合的に、本願の本明細書で言及された又は示された部品、要素及び特徴並びに前記部品、要素又は特徴のいずれか2つ以上のあらゆる組合せに関係すると言うことができ、本発明が関連する技術分野における既知の均等物を有する具体的な整数が本明細書に記載されている場合、かかる既知の均等物は、個別に明記されているかのように本明細書に組み込まれるとみなされる。
【0147】
本明細書では、特許明細書及び他の文献を含む外部情報源が参照されている場合、これは、一般に、本発明の特徴を論じるための内容を提供するためのものである。別段の断りがない限り、かかる情報源は、いずれの法域においても、その情報源が先行技術であるか、又は当技術分野での共通の一般的知識の一部をなすものと解釈されない。
【0148】
本明細書では、用語「含んでいる」は、「少なくとも部分的に~からなる」を意味する。その用語を含む本明細書の文章を解釈するとき、各文章においてその用語に先行する特徴は、すべて存在する必要があるが、他の特徴も存在する可能性がある。「含む」及び「含んだ」などの関連語は、同じように解釈されるものとする。
【0149】
これら及び他の特徴及び態様を、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0150】
ここで、本発明は、あくまでも例として、下記の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0151】
図1A】フロー療法装置の概略的な形態を示す。
図1B】フロー療法装置において使用され得る流量センサーを含むセンシング回路基板を示す。
図1C】直交流ビームを使用するセンサーアセンブリのための様々な超音波トランスデューサ構成の概略図を示す。
図1D】直交流ビームを使用するセンサーアセンブリのための様々な超音波トランスデューサ構成の概略図を示す。
図1E】流れに沿ったビームを使用するセンサーアセンブリのための様々な超音波トランスデューサ構成の概略図を示す。
図1F】流れに沿ったビームを使用するセンサーアセンブリのための様々な超音波トランスデューサ構成の概略図を示す。
図2A】呼吸装置の動作を示すグラフを示す。
図2B】呼吸装置の動作を示すグラフを示す。
図3】呼吸装置の動作を示すグラフを示す。
図4A】患者の血中酸素の将来値を推定するプロセスを示す。
図4B】患者の血中酸素の将来値を推定するプロセスを示す。
図4C】患者の血中酸素の将来値を推定するプロセスを示す。
図4D】患者の血中酸素の将来値を推定するプロセスを示す。
図5A】呼吸装置のアラーム条件を示す。
図5B】呼吸装置のアラーム条件を示す。
図6】患者の血中酸素の最大又は最小将来値を推定するプロセスを示す。
図7】呼吸装置の動作を示すグラフを示す。
図8A】呼吸装置の動作を示すグラフを示す。
図8B】呼吸装置の動作を示すグラフを示す。
図9A】患者の血中酸素の最大又は最小将来値を推定するプロセスを示す。
図9B】患者の血中酸素の最大又は最小将来値を推定するプロセスを示す。
図10】呼吸装置の動作を示すグラフである。
図10A】患者の酸素効率を推定するプロセスを示す。
図11】モータ及び/又はセンサーモジュールサブアセンブリのための、ハウジングの内部の凹部を示す、フロー療法装置の主ハウジングの第1の下面の斜視図である。
図12】モータ及び/又はセンサーモジュールサブアセンブリのための凹部を示す、フロー療法装置の主ハウジングの第2の下面の斜視図である。
図13】主ハウジングの下面のモータ及び/又はセンサーサブアセンブリ並びにフロー療法装置の固定されたL字継手の斜視図である。
図14】サブアセンブリを通る矢印のガス流路によって概略的に示す、モータ及び/又はセンサーサブアセンブリの構成要素の分解斜視図である。
図15】センサーの位置を示す、モータ及び/又はセンサーサブアセンブリのカバー及び感知PCBの下面の図である。
図16】モータ及び/又はセンサーサブアセンブリを受け入れるための凹部を提供する主ハウジングの一部分の配置構成を示す、フロー療法装置の後縁に隣接した断面で示したフロー療法装置の後方からの斜視図である。
図17A】フロー療法装置の左前からの斜視図である。
図17B】フロー療法装置の左前からの斜視図である。
図18】弁モジュール及びフィルターモジュールを示す、部分的に切り欠いた左前からの斜視図である。
図19】フィルターモジュール及び弁モジュールに関するガス流路の概略図であり、実線矢印は、酸素(又は他のガス)の流れを表し、及び破線矢印は、周囲空気流れを表す。
図20】フィルターモジュール及び弁モジュールを通るガス流路を示す断面図である。
図21】第1の構成の弁モジュールの後方の頭上からの斜視図である。
図22】第1の構成の弁モジュールを通るガス流路を示す後方の頭上からの斜視図であり、実線矢印は、酸素(又は他のガス)の流れを表し、及び破線矢印は、周囲空気流れを表す。
図23】第1の構成の弁モジュールを通る断面図である。
図24】第1の構成の弁モジュールの弁と弁マニホールドとの結合及びそれらを通るガス流路を示す断面図である。
図25】呼吸補助装置及び補助機器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0152】
様々な健康状態及び疾病を患う患者は、呼吸療法の恩恵を受けることができる。少なくとも1つの形態において、呼吸療法は、酸素療法であり得る。例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎、喘息、気管支肺異形成症、心不全、嚢胞性線維症、睡眠時無呼吸、肺疾患、呼吸系への外傷、急性呼吸窮迫及び/又は他の状態若しくは疾病を患う患者は、呼吸療法の恩恵を受けることができる。同様に、術前及び術後の酸素供給を受けている患者も呼吸療法の恩恵を受けることができる。そのような問題を治療する一般的な方法は、制御された濃度の補足酸素を含む呼吸ガスを患者に供給することによる。少なくとも1つの構成において、呼吸ガスは、制御された濃度の補足酸素と共に供給され得る。補足酸素は、患者の血中酸素濃度(例えば、血中酸素飽和度(SpO2))が低下しすぎる(例えば、約90%を下回る)ことを防止するのに役立つ。
【0153】
しかしながら、補足酸素を提供することなどによって呼吸療法を患者に提供する際、患者の血中酸素濃度の変化は、提供される酸素濃度の変化から遅れ得る。すなわち、提供される酸素濃度を変化させた時点から血中酸素濃度のいずれかの変化が発生するには、かなりの時間がかかり得る。換言すれば、補足酸素療などの呼吸療法を患者に提供する際、提供される酸素濃度の変化と、その結果である患者の血中酸素濃度の変化との間にかなりの遅延があり得る。従って、提供される酸素濃度の変化が患者の血中酸素濃度の点で所望の治療目標に合うか否かをユーザが判断することは、かなりの時間が経過してからでなければ難しい可能性がある。この時間中、患者に十分な呼吸療法が提供されないことがあり得る。
【0154】
従って、呼吸ガスの酸素濃度の変化が患者の血中酸素濃度に及ぼす効果を推定する呼吸療法装置10が提供され得る。
【0155】
1つの利点は、ユーザが、呼吸ガスの酸素濃度の変化が患者の血中酸素濃度に及ぼす効果を直ちに見て、これがその治療目標(例えば、所望の血中酸素濃度)に適合するか否かを判断し得ることである。
【0156】
他の利点は、呼吸療法装置10が患者の血中酸素濃度の推定将来値に基づいてアラームを発し得ることである。例えば、呼吸療法装置10は、提供される呼吸ガスの酸素濃度の変化が患者の血中酸素濃度における所望の変化を提供し得ると推定された場合にアラームを発し得る。
【0157】
典型的には、療法士、看護師、医師又は他の医療従事者であるユーザは、目標血中酸素濃度を設定するときに呼吸ガスの目標酸素濃度範囲も設定し得る。呼吸療法装置10は、従って、呼吸ガスの酸素濃度が目標酸素濃度範囲内にあることを確認しながら、提供される呼吸ガスの酸素濃度を変化させることによって患者の血中酸素濃度を制御するように試みる。
【0158】
しかしながら、場合により、呼吸療法装置10は、目標酸素濃度範囲内の組成の呼吸ガスを提供しても、目標血中酸素濃度に到達させることができない。同じく、この場合、患者は、十分な療法を得られないことがあり得る。
【0159】
さらに、前述のように、患者の血中酸素濃度の変化は、提供される酸素濃度の変化から遅れ得る。従って、患者が十分な療法を受けていないことをユーザが認識するまでにある程度の時間がかかり得る。
【0160】
従って、目標酸素範囲に対応する患者の最大又は最小将来血中酸素濃度を推定する呼吸治療装置10が提供され得る。
【0161】
呼吸補助装置、呼吸療法装置及びフロー療法装置という用語は、互換的に使用され得る。
【0162】
従って、装置は、目標酸素濃度範囲内の組成の呼吸ガスを提供するときにも装置が目標血中酸素濃度に到達できないことをユーザに通知するアラーム出力を生成し得る。ユーザは、従って、患者をよく確認し、任意選択により目標酸素濃度範囲を修正し得る。
【0163】
いくつかの実施形態において、装置は、目標酸素濃度範囲の目標血中酸素濃度に到達できないことを装置が検出すると、更新された目標酸素濃度範囲を特定し得る。
【0164】
最大又は最小将来血中酸素濃度の推定により、患者が十分な療法を受けていないことを早い段階でユーザに示し得る。
【0165】
血中酸素濃度は、末梢血酸素飽和度(SpO2)又は酸素分圧(PaO2)であり得る。
【0166】
呼吸ガスの酸素濃度は、吸入酸素の割合(FiO2)、例えば患者が吸い込んだ呼吸ガスの酸素のパーセンテージ又は供給酸素の割合(FdO2)、例えば患者に供給さたれ呼吸ガスの酸素のパーセンテージであり得る。
【0167】
生理学的に、患者に提供される酸素(例えば、吸入酸素の割合(FiO2))は、肺を介して患者の血液中に(例えば、酸素分圧(PaO2)として)送られる。
【0168】
患者の血液中の酸素(例えば、酸素分圧(PaO2))は、ヘモグロビン飽和関数を用いて末梢血酸素飽和度(SpO2)に変換され得る。
【0169】
図1Aに呼吸療法装置10が示されている。呼吸療法装置10は、モータ/インペラ配置構成(例えば、送風器)の形態の流れ発生器11と、任意選択的な加湿器12と、コントローラ13と、ユーザインタフェース14(例えば、ディスプレイ及び1つ又は複数のボタン、タッチスクリーンなどの1つ又は複数の入力機器を含む)とを入れている主ハウジング100を含み得る。コントローラ13は、呼吸療法装置10の動作を制御するように構成又はプログラムされ得る。例えば、コントローラ13は、限定するものではないが、患者に供給するためのガスの流れ(ガス流)を生じるために流れ発生器11を動作させること、発生したガス流を加湿及び/又は加熱するために加湿器12(存在する場合)を動作させること、流れ発生器の送風器への酸素の流れを制御すること、呼吸療法装置10の再構成及び/又はユーザが定義した動作のためにユーザインタフェース14からユーザ入力を受信すること及びユーザに対して情報を(例えば、ディスプレイ上に)出力することを含む呼吸療法装置10の構成要素を制御できる。
【0170】
これらの目的のために、コントローラ13は、1つ以上のコンピュータプロセッサ13aと、プロセッサ実行可能命令又はコードが記憶された関連する非一時的メモリ又はストレージ媒体とを含む。命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、呼吸療法装置に、本明細書に記載のステップ及びプロセスを行わせる。
【0171】
ユーザは、患者、ヘルスケア専門家(例えば、臨床医)又は装置の使用に関心がある他の人物であり得る。本明細書では、「ガス流」は、呼吸補助又は呼吸装置において使用され得るいずれかのガスの流れ、例えば周囲空気流れ、実質的に100%の酸素を含む流れ、周囲空気と酸素とのいくつかの組み合わせを含むガス流などを指し得る。
【0172】
患者呼吸導管16は、一方の端部において、呼吸療法装置10のハウジング100のガス流出口21に結合される。患者呼吸導管16は、別の端部において、マニホールド19及び鼻プロング18を備える非シール鼻カニューレなどの患者インタフェース17に結合される。加えて又は代わりに、患者呼吸導管16は、フェイスマスク、鼻マスク、鼻枕マスク、気管内チューブ、気管切開インタフェースなどに結合され得る。フロー療法装置10によって発生されるガス流は、加湿され、且つ患者呼吸導管16を経由して患者インタフェース17を通して患者に供給され得る。患者呼吸導管16は、患者の体内を通るガス流を加熱するための加熱素子16aを有し得る。加熱素子16aは、コントローラ13の制御下にあり得る。少なくとも1つの構成において、加熱素子16aは、ヒータ線16aである。患者呼吸導管16及び/又は患者インタフェース17は、呼吸療法装置10の一部又は代わりにその周辺機器とみなされ得る。呼吸療法システム1は、呼吸療法装置10、患者呼吸導管16及び患者インタフェース17を含み得、これらは、一緒に呼吸療法システムを形成し得る。
【0173】
コントローラ13は、所望の流量のガス流を発生させるように流れ発生器11を制御できる。コントローラ13は、補足酸素の供給を可能にする補足酸素流入口も制御し得る。加湿器12(存在する場合)は、適切なレベルにガス流を加湿し得、且つ/又はガス流を加熱し得るなどである。コントローラ13は、加湿器12を制御するように構成され得る。ガス流は、患者呼吸導管16及び患者インタフェース17を通して患者に向けられる。コントローラ13は、所望のレベルの治療及び/又は患者の快適度のための所望の温度にガスを加熱するために、加湿器12内の加湿器加熱素子16b及び/又は患者導管16内の加熱素子16aも制御し得る。コントローラ13は、ガス流の好適な目標温度によってプログラムされ得るか又はそれを決定し得る。
【0174】
酸素流入口ポート28は、弁を含み、そこを通して加圧ガスが呼吸療法装置10に入り得る。弁は、呼吸療法装置10に流入する酸素の流れを制御できる。弁は、比例弁又はバイナリ弁などの任意のタイプの弁であり得る。酸素源は、酸素タンク又は病院の酸素供給源であり得る。医療グレードの酸素は、一般に、95%~100%の純度である。より低い純度の酸素源も使用され得る。弁モジュール及びフィルターの例は、2016年10月18日出願の「Valve Modules and Filter」という名称の米国仮特許出願第62/409,543号明細書及び2017年4月23日出願の「Valve Modules and Filter」という名称の米国仮特許出願第62/488,841号明細書に開示されており、これらの全体が参照により本明細書に援用される。弁モジュール及びフィルターについて、図7~15を参照して下記でさらに詳細に説明する。
【0175】
フロー療法装置10は、患者に供給されているガスの酸素含有量、従って患者によって吸気されるガスの酸素含有量を測定及び制御できる。ハイフロー療法の少なくとも1つの実装形態において、供給される高流量のガスは、患者のピーク吸気需要を満たすか又はそれを上回る。これは、吸気中に機器によって患者に供給されるガスの量が、吸気中に患者によって吸気されるガスの量を満たすか又はそれを上回ることを意味する。従って、ハイフロー療法は、患者が息を吸うときの周囲空気の吸い込み及び呼気による患者の気道のフラッシングを防止することを支援し得る。供給されたガスの流量が患者のピーク吸気需要を満たすか又はそれを上回る限り、周囲空気の吸い込みは、防止され、及び機器によって供給されるガスは、患者が息を吸うガスと実質的に同じである。そのようなものとして、機器で測定された酸素濃度は、供給された酸素の割合(FdO2)と均等であり得、且つ患者が息を吸う酸素濃度、吸気酸素の割合(FiO2)と実質的に同じであり得、及びそのようものとして、両方の用語は、均等とみなされ得る。
【0176】
動作センサー3a、3b、3c、例えば流れ、温度、湿度及び/又は圧力センサーがフロー療法装置10内の様々な箇所に配置され得る。追加的なセンサー(例えば、センサー20、25)は、患者導管16及び/又は患者インタフェース17の様々な箇所に配置され得る(例えば、吸気チューブの端部に又はその近くに温度センサー29があり得る)。センサーは、コントローラ13によって監視され得る。これは、好適な治療法をもたらすようにコントローラ13がフロー療法装置10を動作させることを支援し得る。いくつかの構成では、好適な治療法をもたらすことは、患者のピーク吸気需要になることを含む。呼吸療法装置10は、コントローラ13がセンサーからの信号8を受信すること、及び/又は限定するものではないが、流れ発生器11、加湿器12及び加熱素子16a、加湿器加熱素子16bを含む、フロー療法装置10の様々な構成要素又はフロー療法装置10に関連する付属品若しくは周辺機器を制御することができるようにする送信器、受信器及び/又は送受信器15を有し得る。加えて又は代わりに、送信器、受信器及び/又は送受信器15は、リモートサーバにデータを提供し得るか、又は呼吸療法装置10若しくは呼吸療法システム1のリモートコントロールを可能にし得る。
【0177】
酸素は、酸素と周囲空気とが混合された後、1つ以上のガス組成センサー(例えば、超音波トランスデューサシステム)を配置することによって測定され得る。測定値は、呼吸療法装置10、患者呼吸導管16、患者インタフェース17又は任意の他の適当な箇所に取られ得る。
【0178】
酸素濃度は、周囲空気流入口導管、酸素流入口導管及び患者呼吸導管の少なくとも2つで流量センサーを使用することによっても測定され、少なくとも2種類のガスの流量を決定し得る。両方の流入口ガスの流量又は一方の流入口ガスの流量及び一方の総流量を、流入口ガスの仮定又は測定された酸素濃度(周囲空気では約20.9%、酸素では約100%)と併せて決定することにより、最終的なガス組成の酸素濃度が計算され得る。代わりに、流量センサーは、周囲空気流入口導管、酸素流入口導管及び最終供給導管の3つすべてに配置され得、冗長性と、読取値の一貫性をチェックすることによる、各センサーが正しく動作していることの試験とを可能にする。フロー療法装置10によって供給される酸素濃度を測定する他の方法も使用され得る。
【0179】
フロー療法装置10は、パルスオキシメータなどの患者センサー26又は患者監視システムを含み、患者の1つ以上の生理的パラメータ、例えば患者の血中酸素濃度(例えば、血中酸素飽和度(SpO2))、心拍数、呼吸数、灌流指標を測定し、且つ信号品質の指標を提供し得る。センサー26は、有線接続又はセンサー26の無線送信器による通信によってコントローラ13と通信し得る。センサー26は、患者の指に接続されるように設計された使い捨ての粘着センサーであり得る。センサー26は、使い捨てではないセンサーであり得る。センサーは、異なる年齢層用に設計され且つ患者の異なる箇所に接続されて利用可能であり、フロー療法システム1と一緒に使用され得る。パルスオキシメータは、患者、一般に患者の指に取り付けられ得るが、他の場所、例えば耳たぶも選択肢である。パルスオキシメータは、呼吸療法装置10内のプロセッサに接続され得、且つ患者の血中酸素飽和度を示す信号を絶えず提供する。患者センサー26は、ホットスワップ可能な機器であり得、フロー療法装置10の動作中に取り付けられ得るか又は入れ替えられ得る。例えば、患者センサー26は、USBインタフェースを使用して又は無線通信プロトコル(Bluetooth(登録商標)など)を使用してフロー療法装置10に接続され得る。患者センサー26が動作中に接続を切られると、フロー療法装置10は、規定された期間にわたり、その以前の動作状態で動作し続け得る。規定された期間後、フロー療法装置10は、アラームをトリガし、自動モードから手動モードに移行し、且つ/又は制御モード(例えば、自動モード又は手動モード)から完全に出得る。患者センサー26は、物理的又は無線インタフェースによってフロー療法装置10と通信するベッドサイド監視システム又は他の患者監視システムであり得る。
【0180】
フロー療法装置10は、ハイフロー療法装置を含み得るか又はその形態であり得る。本明細書では、「ハイフロー」療法は、患者のピーク吸気需要を満たすか又はそれを上回る比較的高流量での患者の気道へのガスの投与を指す。「ハイフロー」を達成するために使用される流量は、下記に挙げる流量のいずれかであり得る。例えば、いくつかの構成では、成人患者では、「ハイフロー療法」は、1分当たり約10リットル(10LPM)以上、例えば約10LPM~約100LPM、又は約15LPM~約95LPM、又は約20LPM~約90LPM、又は25LPM~75LPM、又は約25LPM~約85LPM、又は約30LPM~約80LPM、又は約35LPM~約75LPM、又は約40LPM~約70LPM、又は約45LPM~約65LPM、又は約50LPM~約60LPMの流量での患者へのガスの供給を指し得る。いくつかの構成では、新生児、幼児又は小児患者では、「ハイフロー療法」は、1LPMを上回る、例えば約1LPM~約25LPM、又は約2LPM~約25LPM、又は約2LPM~約5LPM、又は約5LPM~約25LPM、又は約5LPM~約10LPM、又は約10LPM~約25LPM、又は約10LPM~約20LPM、又は約10LPM~15LPM、又は約20LPM~25LPMの流量での患者へのガスの供給を指し得る。成人患者、新生児、幼児又は小児患者でのハイフロー療法装置は、約1LPM~約100LPMの流量又は上記で概要を述べた部分範囲のいずれかの流量で患者にガスを供給し得る。フロー療法装置10は、100%までの任意の濃度の酸素(例えば、FdO2)を約1LPM~約100LPMの任意の流量で供給し得る。いくつかの構成では、流量のいずれかは、約20%~30%、21%~30%、21%~40%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%及び90%~100%の酸素濃度(FdO2)と組み合わされ得る。いくつかの組み合わせでは、流量は、約20%~30%、21%~30%、21%~40%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%及び90%~100%の酸素濃度(FdO2)と組み合わされて、約25LPM~75LPMであり得る。いくつかの構成では、フロー療法装置10は、手動モードで動作するとき、患者が患者に酸素を供給しすぎることを防止する安全閾値を含み得る。
【0181】
ハイフロー療法は、患者の鼻孔に及び/若しくは経口的に、又は気管切開インタフェースを介して投与され得る。ハイフロー療法は、意図した患者のピーク吸気流量条件以上の流量で患者にガスを供給し得る。ハイフロー療法は、鼻咽頭内でフラッシング効果を生成し、上気道の解剖学的死腔が高流入ガス流によってフラッシングされるようにし得る。これにより、一回一回の呼吸に利用できる新鮮なガスの溜め部を形成し得る一方、窒素及び二酸化炭素の再呼吸を最小限にする。吸気需要になること及び気道のフラッシングは、患者のFdO2を制御しようとするときにさらに重要である。ハイフロー療法は、例えば、鼻カニューレなどの非シール患者インタフェースによって供給され得る。患者インタフェース17は、意図した患者のピーク吸気流量条件を上回る流量で患者の鼻孔に呼吸ガスを供給するように構成され得る。
【0182】
本明細書では、用語「非シール患者インタフェース」は、患者の気道を完全には閉塞しない、患者の気道とガス流源(例えば、流れ発生器11からの)との間の空気式リンクを提供するインタフェースを指し得る。非シール空気式リンクは、患者の気道の約95%未満の閉塞を含み得る。非シール空気式リンクは、患者の気道の約90%未満の閉塞を含み得る。非シール空気式リンクは、患者の気道の約40%~約80%の閉塞を含み得る。気道は、患者の鼻孔又は口の1つ以上を含み得る。鼻カニューレでは、気道は、鼻孔を通る。
【0183】
流れ発生器11は、送風器モジュールであるか又はそれを含み得る。送風器モジュールは、前記ガス流を生成するように構成された少なくとも1つの送風器11を含み得る。
【0184】
流れ発生器11は、室内周囲空気を送風器内に吸い込む周囲空気流入口ポート27を含み得る。フロー療法装置10は、弁に至る酸素流入口ポート28も含み得、その弁を通して加圧ガスが流れ発生器11に流入し得る。弁は、流れ発生器11への酸素の流れを制御できる。弁は、比例弁又はバイナリ弁を含め、任意のタイプの弁であり得る。
【0185】
送風器11は、約1,000RPM超及び約30,000RPM未満、約2,000RPM超及び約21,000RPM未満又は上述の複数の値のいずれかの間のモータ速度で動作し得る。送風器11の動作は、流入口ポート(例えば、周囲空気流入口ポート27及び/又は酸素流入口ポート28)を通して送風器11に流入するガスを混合できる。ミキサーとして送風器11を使用することによって混合にエネルギーを要するため、例えばバッフルを含む静的ミキサーなどの別個のミキサーを備えるシステムで発生し得る圧力低下を減少させ得る。
【0186】
呼吸補助装置は、ガス組成センサーをさらに含み得る。ガス組成センサーは、後述のセンサー(例えば、超音波トランスデューサの構成)であり得る。
【0187】
ガス組成センサーは、コントローラに接続され得る。
【0188】
ガス組成センサーは、流路内のいずれの地点にも配置され得る。
【0189】
ガス組成センサーは、呼吸ガスの酸素濃度を測定するように構成された酸素濃度センサーであり得る。
【0190】
コントローラは、酸素濃度センサーから、呼吸ガスの酸素濃度を示す酸素濃度信号を受信するように構成され得る。
【0191】
ガス組成センサーは、ガス組成センサーの出力をコントローラに提供するように構成され得る。任意選択により、ガス組成センサーの出力は、呼吸ガスのガス組成(例えば、酸素濃度)を示す信号であり得る。
【0192】
ガス組成センサーは、コントローラと電気通信し得る。
【0193】
コントローラは、呼吸ガスの酸素濃度を酸素濃度センサーからの酸素濃度信号に基づいて制御するように構成され得る。
【0194】
呼吸補助装置は、血中酸素濃度センサーをさらに含み得る。
【0195】
血中酸素濃度センサーは、信号をコントローラに提供し得る。
【0196】
血中酸素濃度センサーは、パルスオキシメータ又は動脈血酸素センサーであり得る。
【0197】
血中酸素濃度センサーは、コントローラと電気通信し得る。
【0198】
コントローラ13は、1つ以上のプロセッサを含み得る。プロセッサは、コンピュータ可読命令で構成され得る。
【0199】
コントローラ13は、少なくとも1つのメモリ素子を含み得る。メモリ素子は、前記コンピュータ可読命令を記憶するように構成され得る。
【0200】
メモリ素子は、非一時的であり得る。
【0201】
呼吸補助装置は、アラーム出力を表示するように構成された少なくとも1つの表示モジュールを含み得る。
【0202】
いくつかの実施形態において、推定将来値に関する情報が表示され得る。例えば、患者の血中酸素の推定最小将来値並びに/又は患者の血中酸素濃度の推定最小将来値及び/若しくは推定将来値である。)
【0203】
呼吸補助装置は、可聴アラームを発するように構成された少なくとも1つの可聴モジュールを含み得る。
【0204】
表示モジュールは、少なくとも1つのディスプレイを含む(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード(LED)ディスプレイを含み得るが、いずれの表示技術も使用され得ることを理解されたい)。
【0205】
表示モジュールは、システムへの入力を受信するように構成され得る(例えば、タッチスクリーンとして)。
【0206】
さらに、図1Bを参照すると、フロー療法装置10に実装され得るセンシング回路基板2200が示されている。センシング回路基板2200は、センサー室内に位置決めされて、センシング回路基板2200が少なくとも部分的にガスの流れに浸されるようにし得る。ガスの流れは、送風器11から流出して導管を通してセンサー室内の流路に流入し得る。センシング回路基板2200上のセンサーの少なくともいくつかは、ガスの流れ内に位置決めされて、その流れのガスの特性を測定し得る。センサー室内の流路を通過した後、ガスは、上述の加湿器12に流出し得る。
【0207】
センシング回路基板2200は、センシング印刷回路基板(PCB)であり得る。代わりに、基板2200上の回路は、回路基板上に印刷されているのではなく、電子部品を接続する電線を備えて組み立てられ得る。センシング回路基板2200の少なくとも一部分は、ガスの流れ外に取り付けられ得る。ガスの流れは、上述の流れ発生器11によって発生され得る。センシング回路基板2200は、超音波トランスデューサ2204を含み得る。センシング回路基板2200は、1つ以上のサーミスタ2205を含み得る。サーミスタ2205は、ガス流の温度を測定するように構成され得る。センシング回路基板2200は、サーミスタ流量センサー2206を含み得る。センシング回路基板2200は、他のタイプのセンサー、例えば別個の温度センサーと一緒に使用される湿度のみのセンサー並びに湿度及び温度複合センサーを含む湿度センサー、大気圧を測定するためのセンサー、差圧を測定するためのセンサー及び/又はセンサーゲージ圧を測定するためのセンサーを含み得る。サーミスタ流量センサー2206は、熱線風速計、例えば白金線及び/又はサーミスタ、例えば負温度係数(NTC)若しくは正温度係数(PTC)サーミスタを含み得る。加熱された温度感知素子の他の非限定的な例は、ガラス若しくはエポキシでカプセル化された又は非カプセル化サーミスタを含む。サーミスタ流量センサー2206は、定電力で供給されていることによってガスの流量を測定するか、又は一定のセンサー温度に若しくはセンサーとガスの流れとの間が一定の温度差に維持されるように構成され得る。
【0208】
センシング回路基板2200は、第1の部分2201及び第2の部分2202を含み得る。第1の部分2201は、ガスの流路内に位置決めされ得る一方、第2の部分2202は、ガスの流路外に位置決めされ得る。ガスの流れの方向は、図1Bにおいて矢印2203によって示されている。ガスの流れの方向は、直線であり得るか、又は図1Bに示すように湾曲し得る。
【0209】
サーミスタ2205及び/又はサーミスタ流量センサー2206の1つ以上を複合型送風器及びミキサーの下流に位置決めすることにより、送風器からのガス流に供給される熱を考慮し得る。また、温度ベースの流量センサーを流路に浸すことにより、流れに浸されているセンサーが、ガスが流れるときと同じ条件、例えば温度にさらされる傾向がより高くなり得るため、測定精度を高め、従ってガスの特性をより良好に示し得る。
【0210】
センシング回路基板2200は、超音波トランスデューサ、送受信機又はガス流のガス特性、例えばガスストリーム内の1種以上のガスのガス組成若しくは濃度を測定するためのセンシング回路基板のセンサーを含み得る。任意の好適なトランスデューサ、送受信機又はセンサーは、理解されるように、センシング回路基板2200に取り付けられ得る。この構成では、ガス組成センサーは、ガス濃度を決定するために超音波又は音波を利用する超音波トランスデューサである。様々なセンサー構成が図1C~1Fを参照して下記で説明される。
【0211】
超音波トランスデューサは、ガス流中の2種以上のガスの相対的なガス濃度を決定し得る。超音波トランスデューサは、実質的に窒素(N2)と酸素(O2)との二成分気体混合物である、補足酸素で補強された大気からなるバルクガスストリーム流中の酸素割合を測定するように構成され得る。超音波トランスデューサは、窒素(N2)及び二酸化炭素(CO2)を含む、ガスストリーム中の大気とブレンドされた他の補強ガスのガス濃度を測定するように構成され得ることも理解される。超音波センサーは、比較的高い周波数でガス流中のガスのガス濃度を決定できる。例えば、超音波センサーは、センサーの最大サンプルレート又は最大サンプルレートよりも低い周波数、例えば約1Hz~200Hz、約1Hz~100Hz、約1Hz~50Hz及び約1Hz~25Hzで実測FdO2値を出力できる。
【0212】
いくつかの構成では、センシング回路基板2200は、センシング回路基板の対向する両側に設けられた超音波トランスデューサの対を含む。超音波トランスデューサの様々な代替的な構成は、超音波のビーム又はパルスの送信及び受信によってガスストリームの特性を感知するために使用され得る。
【0213】
センシング回路基板2200の両端部の超音波トランスデューサ2204間の距離は、測定分解能に影響を及ぼし得る。概して、実測長は、一定量の誤差を有し、及びその長さが長くなる場合、測定中に生成される誤差の割合は、より短い長さに対するものよりも少ないため、超音波トランスデューサ2204のそれぞれの間の距離の増大は、比例的又は部分的誤差を減少させ得る。従って、測定の全体的な不確実性が低下する。距離の増大は、超音波トランスデューサ2204間の音響信号をより長い期間にできるため、測定分解能及び精度も上げ得る。しかしながら、距離が増大すると、信号がより弱くなり得る。
【0214】
超音波トランスデューサ2204は、超音波トランスデューサ2204間の空間が少なくとも部分的に流路と一致するように位置決めされ得る。いくつかの構成では、超音波トランスデューサは、センシング回路基板の対向端部に位置決めされる。流路の面全体が音響経路にさらされるため、音波が流路中のすべてのガスを通して伝播する。波の平均化は、流路の1セクションではなく、流路全体にわたって発生し得る。より長い距離の平均化は、誤差を減少させ、及び空気-酸素の混合の依存性を低下させる。超音波トランスデューサは、流路に対するいずれかの角度からガスの特性を測定するように構成され得る。
【0215】
流路又はモジュール外の代わりに、流路又はモジュール内のポジショニングセンサーは、トランスデューサ2204の両方とも互いに対してより小さい温度範囲内又は両方とも実質的に1つの温度(すなわちガス流の温度)において動作できるようにする。トランスデューサは、温度に敏感であるため、それらを実質的に均質な温度にすることによって精度を高める。さらに、流路に沿ったポジショニングセンサーは、ガスの速度の影響を説明する測定及び計算を可能にするため、ガスの速度の影響は、センサーの測定値から除去され得る。
【0216】
図1C~1Fを参照して、超音波ビーム又はパルスを送信及び受信することにより、ガスストリームを通る音速を感知するためのガス組成感知システムに関して、超音波トランスデューサの様々な構成を説明する。同様の参照符号は、同様の構成要素を表す。
【0217】
図1Cを参照して説明すると、トランスデューサ構成2300は、感知通路2306の対向する両側から互いに対向するトランスデューサ2302、2304の対がある配置構成を提供し、空気流路の方向を全体的に2308で示している。この構成では、トランスデューサ2302、2304のそれぞれは、専用の送信器又は受信器のいずれかとして駆動されて、超音波パルス2310がガス流路にわたって送信器から受信器トランスデューサに一方向に送信されるようにする。図示の通り、トランスデューサ対は、空気流路方向2308に対して位置合わせされ(すなわち互いから上流又は下流に変位されない)、且つガス流路方向に対して実質的に垂直である直交流パルスを送信するように構成される。
【0218】
図1Dを参照すると、感知通路の対向する両側にトランスデューサ2322、2324の対が互いに対向して設けられているが、各トランスデューサが送信器及び受信器の両方として動作し得、すなわち超音波送信器-受信器又は送受信機である、代替的なトランスデューサ構成2320が示されている。この構成では、双方向性超音波パルス2326がトランスデューサ対2322、2324間で送られ得る。例えば、パルスは、トランスデューサ間で交互に行ったり来たりするか、又は任意の他のシーケンス若しくはパターンで送られ得る。ここでも、トランスデューサ対は、ガス流路方向に対して位置合わせされ、且つガス流路方向に対して実質的に垂直である直交流パルスを送信するように構成される。
【0219】
図1Eを参照すると、感知通路2306の対向する両端部に互いに対向するトランスデューサ2362、2364の対があり、ガス流路方向又は軸が全体的に2308によって示されている、代替的なトランスデューサ構成2360が示されている。この構成2360では、トランスデューサ2362、2364のそれぞれは、専用の送信器又は受信器のいずれかとして駆動されて、感知通路2306内のガス流路軸2308と実質的に位置合わせされるか又はそれに対して平行である、流れに沿った超音波パルス2366が送信器と受信器との間のビーム経路内を一方向に送信されるようにする。図示の実施形態では、送信器は、受信器の上流にあるが、反対の配置構成も利用できることが理解される。この構成では、流量センサーは、感知通路内に設けられて、感知通路内のガスストリームの流量を示す流量信号を提供する。感知通路内の音速は、上記の実施形態で前述したものと同様の方法で導き出され得るか又は決定され得ること、及び流量信号は、計算された音速信号のガス流量を除去又は補償するために信号処理において用いられることが理解される。
【0220】
図1Fを参照すると、図1Eのように感知通路の対向する両端部に互いに対向してトランスデューサ2372、2374の対が設けられているが、各トランスデューサが送信器及び受信器の両方として動作し得、すなわち超音波送信器-受信器又は送受信機である、代替的なトランスデューサ構成2370が示されている。この構成では、流れに沿った超音波パルス2376がトランスデューサ対2372及び2374間で双方向に送られ得る。例えば、パルスは、トランスデューサ間で交互に行ったり来たりするか、又は任意の他のシーケンス若しくはパターンで送られ得る。ここでも、トランスデューサ対は、ガス流路軸2308と位置合わせされ、且つ感知通路2306内のガス流路軸2308と実質的に位置合わせされているか又はそれに対して平行な1つ又は複数のビーム経路内で直交流パルスを送信するように構成される。この構成では、音速信号の流量成分は、送信及び受信された音響パルスの処理から直接導き出され得るか又は決定され得るため、別個の流量センサーが必ずしも設けられる必要はない。
【0221】
フロー療法装置のいくつかの例は、2016年12月2日出願の「Flow Path Sensing for Flow Therapy Apparatus」という名称の国際出願PCT/ニュージーランド特許出願公開第2016/050193号明細書及び2016年6月24日出願の「Breathing Assistance Apparatus」という名称の国際出願PCT/IB2016/053761号明細書に開示されており、これらの全体が参照により本明細書に援用される。本開示の態様と使用され得るフロー療法装置の構成の例について、下記で図14~19に関してさらに詳細に説明する。
【0222】
再度、図1Aを参照して説明すると、コントローラ13は、フロー療法装置10の動作を制御するために閉ループ制御システムを実行するようにプログラム又は構成され得る。閉ループ制御システムは、患者の血中酸素濃度(例えば、SpO2)が目標レベルに達し、且つこのレベルに又はその近くに一貫して留まることを保証するように構成され得る。
【0223】
酸素制御システムは、2018年10月5日出願の「Closed Loop Oxygen Control」という名称の国際出願PCT/ニュージーランド特許出願公開第2018/050137号明細書に記載されており、その全体が参照により本願に援用される。
【0224】
コントローラ13は、患者の血中酸素濃度を目標血中酸素濃度(又は目標血中酸素濃度範囲)に制御するように構成され得る。コントローラ13は、患者の血中酸素濃度を示す信号を受信し、呼吸ガスの目標酸素濃度を計算して、患者の血中酸素濃度を目標血中酸素濃度(又は目標血中酸素濃度範囲)に制御するように構成され得る。
【0225】
呼吸ガスの目標酸素濃度は、呼吸ガスの目標酸素濃度範囲内になるように制御され得る(より詳細に後述する)。
【0226】
コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度を呼吸ガスの目標酸素濃度に制御するように構成され得る。コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度を示す信号を受信し、呼吸ガスの酸素濃度を呼吸ガスの目標酸素濃度に制御するように構成され得る。
【0227】
呼吸ガスの酸素濃度は、例えば、呼吸ガスの測定された酸素濃度、及び/又は呼吸ガスの供給された酸素濃度、及び/又は呼吸ガスの提供された酸素濃度であり得る。
【0228】
コントローラ13は、コントローラ13が閉ループ制御システムを動作させるために使用し得る、ユーザからの入力を受信し得る。入力は、患者の目標血中酸素濃度を含み得る。目標血中酸素濃度は、目標SpO2値であり得る。目標血中酸素濃度は、1つの値又は値の範囲であり得る。値は、事前設定されるか、ユーザによって選択されるか、又は患者のタイプに基づいて特定され得る。患者のタイプとは、現在の症状及び/又は患者に関する情報、例えば年齢、体重、身長、性別及び他の患者の特性を指し得る。同様に、目標SpO2は、2つの値であり得、各々が前述のいずれかの方法で選択される。2つの値は、患者の目標血中酸素濃度の容認可能な値の範囲を表すであろう(より詳細に後述する)。コントローラは、前記範囲内のある値を目標とし得る。目標血中酸素濃度は、その範囲の中間値又はその範囲内の他のいずれの値でもあり得、これは、事前設定されるか又はユーザによって選択され得る。代わりに、範囲は、目標血中酸素濃度に基づいて自動的に設定され得る。コントローラは、患者の血中酸素濃度がその範囲から外れた場合、1つ以上の設定された応答を有するように構成し得る。応答は、アラームを発すること、FdO2の手動制御に切り替えること、FdO2を特定の値に変化させること及び/又は他の応答を含み得る。コントローラは、1つ以上の範囲を有し得、それが各範囲から外れた場合、1つ以上の異なる応答がなされる。
【0229】
フロー療法装置10のグラフィカルユーザインタフェースは、ユーザに、患者のタイプを入力するように促すように構成され得、目標血中酸素濃度(又は例えば、目標血中酸素濃度範囲)は、ユーザがいずれを選択するかに基づいて特定されるであろう。さらに、ユーザインタフェースは、カスタムオプションを含み得、ユーザは、呼吸ガスの目標酸素濃度範囲の限度を特定し得る。
【0230】
一般に、患者の血中酸素濃度(例えば、SpO2)は、約80%~約100%、又は約80%~約90%、又は約88%~約92%、又は約90~約99%、又は約92%~約96%に制御されるであろう。SpO2は、上述の範囲のいずれか2つのうちのいずれか2つの適当な値間にも制御され得る。目標SpO2は、約80%~約100%、又は約80%~約90%、又は約88%~約92%、又は約90%~約99%、又は約92%~約96%、又は約94%、又は94%、又は約90%、又は90%、又は約85%、又は85%であり得る。目標SpO2は、上述の範囲のいずれか2つのうちのいずれか2つの適当な値間のいずれの値でもあり得る。目標SpO2は、画定されたSopO2範囲の中間に対応し得る。
【0231】
コントローラ13が受信する入力は、さらに又は代わりに、目標酸素濃度範囲を含み得る。目標酸素濃度範囲は、目標FdO2又はFiO2であり得る。
【0232】
目標酸素濃度範囲は、ユーザインタフェース14を介して提供され得る。
【0233】
前述のように、呼吸ガスの酸素濃度(例えば、FdO2)は、呼吸ガスの目標酸素濃度範囲内に制御され得る。目標酸素範囲は、FdO2がその中に制御される許容範囲であり得る。前述のように、装置内での測定(例えば、FdO2)は、流量が患者のピーク吸気需要に適合するか又はそれを上回る限り、患者が吸い込む酸素濃度(FiO2)と実質的に同じとなり、そのため、これらの用語は、均等とみなすことができる。目標酸素濃度範囲の限度の各々は、事前設定されるか、ユーザによって選択されるか、又は患者のタイプに基づいて特定され得る。患者のタイプとは、現在の症状及び/又は患者に関する情報、例えば年齢、体重、身長、性別及び他の患者の特性を指し得る。代わりに、FdO2の1つの値が選択され得る。目標酸素濃度範囲は、少なくとも部分的にこの値に基づいて特定され得る。例えば、目標酸素濃度範囲は、選択されたFdO2を上回る及び下回る設定量であり得る。選択されたFdO2は、コントローラ13の開始点として使用し得る。呼吸療法装置10は、コントローラ13が目標酸素濃度範囲外にFdO2を移動させようとした場合、1つ以上の応答を有し得る。これらの応答は、アラームを発すること、FdO2が範囲から外れるのを防止すること、FdO2を手動制御に切り替えること及び/又は特定のFdO2に切り替えることを含み得る。呼吸療法装置10は、1つ以上の目標酸素濃度範囲を有し得、それが各目標酸素濃度範囲の限度に近づくと、1つ以上の異なる応答がなされる。
【0234】
呼吸ガスの目標酸素濃度範囲は、目標酸素濃度上限を含み得る。
【0235】
呼吸ガスの目標酸素濃度範囲は、目標酸素濃度下限を含み得る。
【0236】
状況により、目標酸素濃度上限又は目標酸素濃度下限が提供されないことがあり得ることを理解されたい。
【0237】
呼吸ガスの酸素濃度(例えば、FdO2)は、約21%~約100%、又は約21%~約90%、又は約21%~約80%、又は約21%~約70%、又は約21%~約60%、又は約21%~約50%、又は約25%~約45%に制御され得る。FdO2は、上述の任意の2つの範囲からの任意の2つの好適な値間で制御され得る。FdO2目標は、上述の任意の2つの範囲からの任意の2つの好適な値間であり得る。範囲が単一の値に基づく場合、上限及び下限は、選択した値に対して一定量を足す/引くことによって決定され得る。足された又は引かれた量は、約1%、又は約5%、又は10%、又は約15%、又は約20%、又は約30%、又は約50%、又は約100%であり得る。足された/引かれた量は、選択した値に対して変化することができる。例えば、上限は、選択した値よりも20%高いことができるため、50%の選択した値では、FdO2は、制御範囲に対して60%の上限を有する。範囲に使用される百分率は、約1%、又は約5%、又は10%、又は約15%、又は約20%、又は約30%、又は約50%、又は約100%であり得る。下限及び上限を計算するための方法は、必ずしも同じである必要はない。単一の値が使用される場合、値は、約21%~約100%、又は約25%~約90%、又は約25%~約80%、又は約25%~約70%、又は約25%~約60%、又は約25%~約50%、又は約25%~約45%であり得る。
【0238】
グラフィカルユーザインタフェース14(GUI)は、その間にFdO2及び/又はSpO2が制御される値の範囲を表示するように構成され得る。範囲(例えば、患者目標血中酸素範囲又は呼吸ガスの目標酸素濃度範囲)は、GUI上で2つの限度を相互に離間させることによって表示でき、それぞれの範囲内にインジケータが現れ、範囲の限度に関する現在の値の位置をグラフィカルに表現する。
【0239】
GUIは、最近のFdO2及び/又はSpO2データのグラフを表示し得る。GUIは、同じ又は異なるグラフにおいて、1時間以上などの規定された期間にわたって各パラメータのレベルを表示し得る。データが表示される時間の長さは、データが現在利用可能である時間の長さに適合し得る。
【0240】
表示されるFdO2データは、目標FdO2又は実測FdO2の少なくとも1つであり得る。SpO2データは、目標SpO2を示すラインを含み得る。加えて又は代わりに、SpO2及び/又はFdO2データは、それらのそれぞれの制御限界値を示す1つ以上のライン又は斜線部分を含み得る。
【0241】
グラフは、デフォルトのディスプレイ上に表示され得る。代わりに、グラフは、現在のデータ値のみが示されている状態で隠され得る。グラフは、規定されたパラメータのためのグラフを見るために選択することによってなど、GUIとの相互作用によって利用可能になる。
【0242】
閉ループ制御システムは、2つの制御ループを利用し得る。第1の制御ループは、血中酸素濃度(例えば、SpO2)コントローラによって実行され得る。血中酸素濃度コントローラは、目標酸素濃度(例えば、FdO2)を、部分的に目標血中酸素濃度及び/又は測定された血中酸素濃度に基づいて特定し得る。前述のように、目標血中酸素濃度値は、1つの値又は容認可能な値の範囲であり得る。値は、事前設定されるか、ユーザによって選択されるか、又はクライアントの特性に基づいて自動的に特定され得る。
【0243】
目標血中酸素濃度は、目標血中酸素濃度範囲内に制御され得る。
【0244】
目標血中酸素濃度範囲は、目標血中酸素濃度上限及び/又は目標血中酸素濃度下限を含み得る。
【0245】
コントローラ13は、目標血中酸素濃度を目標血中酸素濃度範囲の目標血中酸素濃度上限及び目標血中酸素濃度の目標血中酸素濃度下限内に制御するように構成され得る。
【0246】
一般に、目標血中酸素濃度値は、治療セッションの開始前又は開始時に受信又は特定されるが、目標血中酸素濃度値は、治療セッション中の任意の時点で受信され得る。
【0247】
治療セッション中、血中酸素濃度コントローラは、入力として、ガス組成センサーからの測定された酸素濃度読取値並びに患者センサーからの測定された血中酸素濃度読取値及び信号品質読取値も受信し得る。いくつかの構成では、血中酸素濃度コントローラは、目標酸素濃度を入力として受信し得る。このような場合、血中酸素濃度コントローラの出力は、血中酸素濃度コントローラに入力として直接再び提供され得る。少なくとも部分的に入力に基づいて、血中酸素濃度コントローラは、目標酸素濃度を第2の制御ループに出力し得る。
【0248】
第2の制御ループは、呼吸ガス酸素濃度コントローラによって実装され得る。酸素濃度コントローラは、酸素濃度を初期酸素濃度から目標酸素濃度に制御するように構成され得る。
【0249】
血中酸素濃度コントローラは、コントローラ13とは別のコントローラであり得るか、又はコントローラ13の一部として含められ得る。
【0250】
酸素濃度コントローラは、コントローラ13とは別のコントローラであり得るか、又はコントローラ13の一部として含められ得る。
【0251】
初期酸素濃度は、測定された酸素濃度であり得る。いくつかの実施形態において、初期酸素濃度は、酸素濃度のそれ以前の制御の結果であろう。いくつかの実施形態において、例えばシステムの起動時又は補足酸素源が接続されていないとき、この場合、初期酸素濃度は、周囲空気のものと実質的に同じであり得る。
【0252】
目標酸素濃度は、血中酸素濃度コントローラによって提供される目標酸素濃度(例えば、FdO2)であり得る。
【0253】
酸素濃度コントローラは、呼吸ガスの測定された酸素濃度及び呼吸ガスの目標酸素濃度の入力を受信し得る。呼吸ガス酸素濃度コントローラは、従って、測定された酸素濃度と目標酸素濃度値との間の差に基づいて酸素弁の動作を制御するための酸素入口弁制御信号を出力し得る。酸素濃度コントローラは、目標酸素濃度値を受信し得、これは、呼吸療法装置が自動モードで動作しているときに第1の制御ループから出力される。呼吸ガス酸素濃度コントローラは、流量値、ガス特性及び/又は測定された酸素濃度等の追加のパラメータも受信し得る。ガス特性には、O2入口におけるガスの温度及び/又は供給源の酸素含有量を含み得る。酸素入口弁に接続されたガス供給源は、酸素富化ガス流であり得、供給源の酸素含有量は、純酸素(すなわち100%)未満であり得る。例えば、酸素供給源は、酸素含有量が100%未満且つ21%超の酸素含有量の酸素富化ガス流であり得る。
【0254】
入力の少なくとも一部から、呼吸ガス酸素濃度コントローラは、目標酸素濃度を実現するために必要であろう酸素流量を特定し得る。酸素濃度コントローラは、流量入力を用いて弁制御信号を変更し得る。流量が変化すると、酸素濃度コントローラは、目標酸素濃度を新しい流量に保持するために必要である新たな必要酸素流量を、ガス濃度センサーからのフィードバック、例えば測定された酸素濃度値を待たずに自動的に計算し得る。酸素濃度コントローラは、従って、新たな流量に基づいて弁を制御するための変更された弁制御信号を出力し得る。いくつか構成において、酸素濃度コントローラの制御信号は、酸素弁の電流を設定して酸素弁の動作を制御し得る。加えて又は代わりに、酸素濃度コントローラは、測定された酸素濃度の変化を検出し、それに応じて弁の位置を変更し得る。手動モード中、第2の制御ループは、第1の制御ループから目標酸素濃度を受信せずに、独立して動作し得る。むしろ、目標酸素濃度は、ユーザ入力から受信されるか又はデフォルト値であり得る。
【0255】
治療セッション中、血中酸素濃度及び酸素濃度コントローラは、治療セッションが終了するまで又はある事象が自動モードから手動モードへの変更をトリガするまで、フロー療法装置の動作を自動的に制御し続け得る。
【0256】
呼吸ガス酸素濃度コントローラは、呼吸ガス中の酸素濃度を目標酸素濃度範囲内に制御するように構成され得る。目標酸素濃度範囲は、目標酸素濃度上限及び/又は目標酸素濃度下限を含み得る。
【0257】
呼吸補助装置は、少なくとも1つの弁装置をさらに含み得る(より詳細に後述する)。
【0258】
弁装置は、コントローラによって酸素源から呼吸ガスに提供される補足酸素量を変化させるように制御可能であり得る。
【0259】
弁装置は、送風器と流体連通し得る。
【0260】
弁装置は、ガス流中に導入される酸素の量を調整するように制御可能であり得る。
【0261】
弁装置は、1つ以上のアクチュエータを含み得る。
【0262】
コントローラは、酸素源から呼吸ガスに提供される補足酸素の量を変化させて、呼吸ガスの酸素濃度を制御するように構成され得る。
【0263】
呼吸療法システム1は、予測的アラームシステムを含み得る。特に、呼吸療法装置10は、予測的アラームシステムを含み得る。予測的アラームシステムは、特定の血中酸素濃度の推定将来値に基づいてアラームを発し得る。
【0264】
予測的アラームシステムは、コントローラ13の一部又は別のアラームモジュールの一部であり得る。
【0265】
コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度の変化の患者の血中酸素濃度に対する効果を推定するように構成され得る。
【0266】
コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度の過去の変化(例えば、一連の変化)の患者の血中酸素濃度に対する効果を推定するように構成され得る。
【0267】
コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の最大将来値を、呼吸ガスの酸素濃度の過去の変化(例えば、一連の変化)の効果及び呼吸ガスの目標酸素濃度範囲に基づいて推定するように構成され得る。
【0268】
コントローラ13は、患者の血中酸素(すなわちセンサーによって測定される)も考慮し得る。
【0269】
いくつかの実施形態において、患者の血中酸素は、ある期間にわたって特定され得る。
【0270】
コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度を目標酸素濃度に制御するように構成され得る。
【0271】
呼吸ガスの酸素濃度の変化(提供される酸素濃度の変化)は、患者の血中酸素濃度の対応する変化を生じさせ得る。
【0272】
変化が呼吸ガスの酸素濃度の上昇(例えば、図2Aに示される)である場合、患者の血中酸素濃度の対応する上昇が発生するはずである。
【0273】
変化が呼吸ガスの酸素濃度の低下(例えば、図2Bに示されるである場合、患者の血中酸素濃度の対応する低下が発生するはずである。
【0274】
図2Aは、呼吸ガスの酸素濃度の経時的な例示的上昇(ステップ変化)(例えば、コントローラが呼吸ガスの目標酸素濃度を制御することによる)及びこれが患者の血中酸素濃度に及ぼす対応する経時的な効果を示す。
【0275】
時間t1では、コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度を初期酸素濃度920からステップ変化921を経てより高い目標酸素濃度922に制御する。図2Aの経時的な血中酸素濃度に示されているように、酸素濃度921の変化が血中酸素濃度に及ぼす効果は、経時的に漸進的であり、推定血中酸素濃度は、t1からt3までの時間にわたって上昇する。
【0276】
図2Bは、呼吸ガスの酸素濃度の経時的な例示的低下(ステップ変化)(例えば、コントローラが呼吸ガスの目標酸素濃度を制御することによる)及びこれが患者の血中酸素濃度に及ぼす対応する経時的な効果を示す。
【0277】
時間t1では、コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度を初期酸素濃度930からステップ変化931を経てより低い目標酸素濃度932に制御する。経時的な血中酸素濃度に示されているように、酸素濃度931の変化が血中酸素濃度に及ぼす効果は、経時的に漸進的であり、推定血中酸素濃度933は、t1からt3までの時間にわたって低下する。時間t4は、呼吸ガスの酸素濃度の変化が推定血中酸素濃度933に対して十分な効果を及ぼし終わった時間を表す。
【0278】
図2A及び2Bは、酸素濃度における経時的な1回のステップ変化を示す。コントローラは、ある期間にわたって一連の変化を実行し得ることを理解されたい(例えば、図3に示される)。
【0279】
図3は、呼吸ガスの酸素濃度の経時的な一連の例示的変化(例えば、コントローラが呼吸ガスの目標酸素濃度を制御する)及びこれが患者の血中酸素濃度に及ぼす対応する経時的な効果を示す。
【0280】
時間t1では、コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度を、ステップ変化939を経て呼吸ガスのより高い酸素濃度に、次にt2でさらなるステップ変化939'を経て呼吸ガスのより高い酸素濃度に、次にt3でさらなるステップ変化939''を経て呼吸ガスのより低い酸素濃度に、次にt4でさらなるステップ変化939'''を経て呼吸ガスのより低い酸素濃度に制御する。
【0281】
コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度のこれらの変化を患者の血中酸素濃度の制御に基づいて実行し得る(前述の通り)。
【0282】
コントローラ13は、これらの変化を呼吸ガスの目標酸素濃度に到達するように実行し得る。
【0283】
図2A、2B及び3は、呼吸ガスの酸素濃度の変化をステップ変化として示すが、これらの変化は、ある期間にわたって生じ得る。いくつかの実施形態において、呼吸ガスの酸素濃度の制御は、連続的であり得る。
【0284】
装置10の動作中、コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度を、記憶された酸素濃度データとして記憶し得る。
【0285】
コントローラ13は、関連するタイムスタンプも記憶し得る。コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度及び関連するタイムスタンプを、記憶された酸素濃度データとして記憶し得る。例えば、記憶された酸素濃度データは、呼吸ガスの1つ以上の酸素濃度を含み得、各酸素濃度は、関連するタイムスタンプを有する。
【0286】
タイムスタンプは、呼吸ガスの酸素濃度が測定(例えば、センサーによる)又は特定された(例えば、目標として計算される時間に関する情報を含み得る。
【0287】
図4Aを参照すると、患者の血中酸素濃度の推定将来値の特定がより詳細に示されている。
【0288】
図4Aに示される推定将来値の特定は、呼吸ガスの酸素濃度の1回の変化又はある期間にわたる呼吸ガスの酸素濃度の1回以上の変化の効果に基づき得る。
【0289】
ブロック901において、コントローラ13は、呼吸ガスの初期酸素濃度を特定する。前述のように、フロー療法装置10がすでに動作していると、この初期酸素濃度は、周囲空気のものより高温であり得る。代わりに、フロー療法装置10が依然として動作していないと、酸素濃度は、周囲空気のものと実質的に同じであり得る。
【0290】
初期酸素濃度は、ガス組成センサーからの信号から特定され得る(前述の通り)。コントローラ13は、ガス組成センサーから読取値を監視して、初期酸素濃度を特定し得る。
【0291】
ブロック902において、コントローラ13は、呼吸ガスの目標酸素濃度を特定する。前述のように、呼吸ガスの目標酸素濃度は、血中酸素濃度コントローラによって提供される目標酸素濃度(例えば、FdO2)であり得る。
【0292】
目標酸素濃度は、ガス組成センサーからの信号から特定され得る(前述の通り)。
【0293】
ブロック903において、コントローラ13は、患者の血中酸素濃度(例えば、患者のSpO2)を特定する。いくつかの実施形態において、患者の血中酸素濃度は、所定の時間にわたって特定され得る。
【0294】
ブロック904において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値を特定する(より詳細に後述する)。
【0295】
コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の推定将来値を、呼吸ガスの初期酸素濃度と呼吸ガスの目標酸素濃度との間の差に基づいて計算するように構成され得る。
【0296】
加えて又は代わりに、コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の推定将来値を、患者の血中酸素濃度の素を示す測定値に基づいて計算するように構成され得る。
【0297】
いくつかの実施形態において、患者の血中酸素濃度(BOC)の推定将来値は、以下の式に基づき得る。
推定将来値BOC=現在のBOC+K(ΔO Conc)
ここで、
推定将来BOCは、患者の血中酸素濃度の推定値である。
現在のBOCは、現在の血中酸素濃度である。
Kは、供給されたガスの酸素濃度の変化と、患者の血中酸素濃度への効果との間の関係を定義する係数又は関数である。
Δ Concは、呼吸ガスの酸素濃度の変化(例えば、呼吸ガスの初期酸素濃度と呼吸ガスの目標酸素濃度との間の差)である。
【0298】
患者の血中酸素濃度の推定将来値は、コントローラが呼吸ガスの酸素濃度を目標酸素濃度に制御するときからの時間にさらに基づき得る。上の式に関して、係数Kは、呼吸ガスの酸素濃度の変化が生じたときからの時間に基づき得る。
【0299】
Kは、例えば、供給酸素の増大の結果、患者の血中酸素濃度がそれに応じて上昇する線形又は非線形関数であり得る。
【0300】
患者の血中酸素濃度の推定将来値は、患者にとっての推定酸素効率に基づき得る。推定酸素効率は、呼吸ガスの酸素濃度の変化と、患者の血中酸素濃度の変化との間の関係の指標である。患者の推定酸素効率は、前述の係数又は関数Kの一部に含められ得る。
【0301】
図4Bを参照すると、患者の血中酸素濃度の推定将来値の他の特定がより詳細に示されている。
【0302】
ブロック911において、コントローラ13は、記憶された呼吸ガス酸素濃度データを更新し得る(より詳細に後述する)。
【0303】
コントローラ13は、装置の起動時若しくは治療の開始から又は現在時刻までの所定の長さの時間(例えば、最後の15分間)の呼吸ガス酸素濃度データを記憶し得る。
【0304】
コントローラ13は、記憶された呼吸ガス酸素濃度データを規則的な時間間隔又は不規則な時間間隔で更新し得る。いくつかの実施形態において、コントローラは、記憶された呼吸ガス酸素濃度データをリアルタイムで更新し得る。
【0305】
いくつかの実施形態において、記憶された呼吸ガス酸素濃度データを更新することは、呼吸ガスの1つ以上のさらなる酸素濃度と関連するタイムスタンプを加算すること(例えば、呼吸ガスの新たに測定された酸素濃度と共にその測定が行われた時点をタイムスタンプとして)を含み得る。
【0306】
ブロック912において、コントローラ13は、患者の血中酸素濃度(例えば、患者のSpO2)を特定する。
【0307】
ブロック913において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値を特定する(より詳細に後述する)。
【0308】
いくつかの実施形態において、患者の血中酸素濃度(BOC)の推定将来値は、以下の式に基づき得る。
推定将来値BOC=f(BOC,O Conc,C)
ここで、
推定将来BOCは、患者の血中酸素濃度の推定値である。
BOCは、治療期間又は所定の期間にわたる患者の血中酸素濃度(例えば、測定された血中酸素濃度)である。
Concは、治療期間又は所定の期間にわたる呼吸ガスの酸素濃度(例えば、目標酸素濃度)である。
Cは、定数及び/又は関数(例えば、患者の酸素効率及び/又はヘモグロビン飽和関数)を含み得る。
【0309】
この式は、推定将来BOCが患者の血中酸素濃度、呼吸ガスの酸素濃度並びに定数及び/又は関数Cの関数であることを示す。
【0310】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定将来値を、記憶された呼吸ガス酸素濃度データ及び患者の血中酸素濃度の素を示す測定値に基づいて計算するように構成される。
【0311】
記憶された呼吸ガス酸素濃度データの呼吸ガスの酸素濃度は、関連するタイムスタンプに基づいて重み付けされ得る。
【0312】
コントローラは、呼吸ガスの酸素濃度の一連の変化が記憶された呼吸ガス酸素濃度データ中にあることを特定し得る。
【0313】
タイムスタンプに基づく重み付けは、呼吸ガスの酸素濃度の変化が起きてからの時間に反比例し得る。
【0314】
すなわち、血中酸素濃度の将来値の計算において、比較的古い変化に比較的低い重みが割り当てられ、これは、これらの変化の効果は、比較的最近の変化と比較して、(少なくとも部分的に)患者の血中酸素濃度上にすでに反映されている可能性があるからである。
【0315】
いくつかの実施形態において、患者の血中酸素濃度(BOC)の推定将来値は、呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計に基づき得る。
【0316】
図4Cを参照すると、患者の血中酸素濃度の推定将来値の他の特定がより詳細に示されている。
【0317】
ブロック916において、コントローラ13は、推定更新フェーズを実行する。
【0318】
推定更新フェーズは、装置10の1つ以上の可変値を特定し、それに応じて呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計を更新するように構成され得る。
【0319】
ブロック917において、コントローラ13は、患者の血中酸素濃度を特定する。
【0320】
ブロック918において、コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の将来値を酸素濃度の変化の合計(ブロック916において、推定更新フェーズ内で更新されている)に基づいて推定する。
【0321】
推定更新フェーズ916は、図4Dにより詳細に示されている。
【0322】
ブロック990において、減衰係数が呼吸ガスの酸素濃度の変化の現在の合計に適用される。
【0323】
減衰係数は、患者の血中酸素濃度に効果を及ぼした呼吸ガスの酸素濃度の変化を考慮するために、各推定更新フェーズで呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計を減衰させる。
【0324】
ブロック991において、コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度を特定する。前述のように、呼吸ガスの酸素濃度は、測定された酸素濃度(例えば、ガス組成センサーによって測定される)又は目標酸素濃度(すなわちコントローラ13によって設定される)であり得る。
【0325】
ブロック992において、コントローラ13は、前回の推定更新時の呼吸ガスの酸素濃度を特定する。
【0326】
ブロック993において、コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度と、前回の推定更新時の呼吸ガスの酸素濃度との間の差を特定する。
【0327】
ブロック994において、コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度と、前回の推定更新時の呼吸ガスの酸素濃度との間の差と、呼吸ガスの酸素濃度の変化の減衰された合計とを加算することによって呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計を更新する。
【0328】
呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計は、患者の血中酸素濃度に依然として影響を与えていない、ユーザに提供された酸素の変化を示し得る。
【0329】
患者の血中酸素濃度の推定将来値は、患者の酸素効率及び/又はヘモグロビン飽和関数に基づき得る。
【0330】
推定更新フェーズは、以下の式によって示され得る。
【0331】
(ΣΔO conc)=∝(ΣΔO conc)t-1+((O conc)-(O conc)t-1
ここで、
(ΣΔO conc)は、現在の推定更新フェーズ(時間t)における呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計である。
∝は、減衰係数である。
(ΣΔO conc)t-1は、前回の推定更新フェーズ(時間t-1)における呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計である。
(O conc)は、現在の推定更新フェーズ(t)における呼吸ガスの酸素濃度である。
(O conc)t-1は、前回の推定更新フェーズ(時間t-1)における呼吸ガスの酸素濃度である。
【0332】
コントローラ13は、推定更新フェーズを規則的な時間間隔又は不規則な時間間隔で実行するように構成され得る。
【0333】
いくつかの実施形態において、コントローラ13は、推定更新フェーズを0.5秒毎~約2秒毎、又は1秒毎~約1.5秒毎、又は0.5秒毎、又は1秒毎、又は1.5秒毎に実行するように構成され得る。
【0334】
いくつかの実施形態において、減衰係数は、指数関数的減衰を規定し得る。
【0335】
減衰係数は、推定更新フェーズ間の時間に基づき得る。
【0336】
いくつかの実施形態において、減衰係数は、呼吸ガスの酸素濃度のいずれの変化も、その振幅が45秒間でその当初値の36%まで減衰するように選択され得る。
【0337】
記憶された酸素濃度データは、呼吸装置機器によって1つ以上のサーバ又は患者監視ユニット及び/若しくは看護師監視ステーションに送信され得る。
【0338】
コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の推定将来値を血中酸素濃度アラーム範囲と比較するように構成され得る。
【0339】
コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の推定将来値が前記血中酸素濃度アラーム範囲内にない場合、アラーム出力を生成し得る。
【0340】
例えば、図5Aにおいて、血中酸素濃度アラーム範囲は、血中酸素濃度アラーム閾値上限996及び血中酸素濃度アラーム閾値下限997を含み得る。
【0341】
アラーム出力は、推定将来値と、血中酸素濃度アラーム閾値上限996(又は血中酸素アラーム閾値下限997)との間の差及び時間の長さに基づき得る。
【0342】
アラーム出力が生成されるのにかかる時間は、差に反比例し得る。例えば、差が比較的小さいと、アラームが起動するのにより長い時間がかかり得、他方では、差が比較的大きいと、アラームは、より短時間で起動し得る。
【0343】
いくつかの実施形態において、推定血中酸素濃度がアラーム閾値に近い場合、アラームは、起動するまでに比較的長い時間がかかる。
【0344】
いくつかの実施形態において、推定血中酸素濃度がアラーム閾値から離れている場合、アラームは、比較的短時間で起動する。
【0345】
血中酸素濃度アラーム閾値上限996及び/又は血中酸素濃度アラーム閾値下限997は、コントローラが呼吸ガスの酸素濃度を目標酸素濃度に制御するときからの時間に基づき得る。例えば、血中酸素濃度アラーム下限は、時間が経過すると上昇し得る。
【0346】
アラーム閾値は、目標酸素濃度の変化量(例えば、目標酸素濃度と初期酸素濃度との間の差)に基づいて特定され得る。
【0347】
加えて又は代わりに、アラーム閾値は、特定された又は目標酸素濃度であり得る。
【0348】
加えて又は代わりに、アラーム閾値は、ガスの特定された現在の酸素濃度であり得る。
【0349】
アラーム閾値は、目標血中酸素濃度に基づき得る。
【0350】
例えば、図5Bに示されているように、コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の推定将来値と、血中酸素濃度アラーム閾値998との比較に基づいてアラーム出力を生成するように構成され得る。
【0351】
コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の推定将来値が血中酸素濃度閾値を上回るか又は下回る場合、前記アラーム出力を生成するように構成され得る。
【0352】
アラーム閾値は、コントローラが呼吸ガスの酸素濃度を目標酸素濃度に制御するときからの時間に基づき得る。
【0353】
アラーム出力は、呼吸療法装置と通信する1つ以上のサーバ又は患者監視ユニット及び/若しくは看護師監視ステーションに送信され得る。
【0354】
アラーム閾値は、目標酸素濃度の変化量(例えば、目標酸素濃度と初期酸素濃度との間の差)に基づいて特定され得る。
【0355】
加えて又は代わりに、アラーム閾値は、特定された又は目標酸素濃度であり得る。
【0356】
加えて又は代わりに、アラーム閾値は、ガスの特定された現在の酸素濃度であり得る。
【0357】
アラーム範囲は、目標血中酸素濃度に基づき得る。
【0358】
アラーム出力は、呼吸療法装置と通信する1つ以上のサーバ又は患者監視ユニット及び/若しくは看護師監視ステーションに送信され得る。
【0359】
血中酸素濃度アラーム閾値は、目標血中酸素濃度に基づき得る。例えば、血中酸素濃度アラーム閾値は、目標血中酸素濃度からのパーセンテージでの差又は所定の量であり得る。
【0360】
コントローラは、呼吸ガスの目標酸素濃度範囲内で呼吸ガスの酸素濃度にさらに加えられる可能性のある変化が、患者の血中酸素濃度に及ぼす効果を特定するようにも構成され得る。
【0361】
例えば、目標酸素濃度範囲の目標酸素濃度上限が呼吸ガスの酸素濃度より高い場合、コントローラは、呼吸ガスの酸素濃度を目標酸素濃度上限まで上昇させることが患者の血中酸素濃度に及ぼす効果を特定できる。
【0362】
アラーム出力について、以下により詳細に説明する。
【0363】
図6を参照すると、対応する目標酸素範囲に関する患者の血中酸素濃度の最大又は最小将来値の特定がより詳細に示されている。
【0364】
最大又は最小将来値は、呼吸ガスの酸素濃度のいずれかの変化が患者の血中酸素に反映された後(例えば、患者の血中酸素がそれ以上変化しなくなったとき又は低状状態に到達したとき)であり得る。
【0365】
ブロック941において、コントローラ13は、呼吸ガスの目標酸素濃度範囲を特定する(より詳細に前述の通り)。例えば、目標酸素濃度範囲は、ユーザからの入力として提供され得るか、又はコントローラ13若しくは装置の他のコントローラ13によって特定され得る。
【0366】
ブロック942において、コントローラ13は、患者の血中酸素濃度を特定する(例えば、パルスオキシメータなどのセンサーによる)。
【0367】
ブロック943において、コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度を特定する。コントローラ13が呼吸ガスの酸素濃度を変化させるか又は制御する過程中である場合、呼吸ガスの酸素濃度は、呼吸ガスの目標酸素濃度であり得る。
【0368】
ブロック944において、コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の推定最大又は最小将来値を特定する。患者の血中酸素濃度の推定最大又は最小将来値は、呼吸ガスの目標酸素濃度範囲、呼吸ガスの現在の酸素濃度及び現在の患者の血中酸素濃度に基づき得る。
【0369】
図7は、コントローラ13が呼吸ガスの酸素濃度を初期酸素濃度920から目標酸素濃度921に制御している例を示す。目標酸素濃度921は、目標酸素濃度範囲内であり得る。前述のように、目標酸素濃度範囲は、目標酸素濃度上限935及び/又は目標酸素濃度下限936を含み得る。
【0370】
コントローラは、目標酸素濃度上限935と目標酸素濃度921との間の差(参照番号937で示されている)を特定し得る。
【0371】
コントローラは、目標酸素濃度下限936と目標酸素濃度921との間の差(参照番号938で示される)を特定し得る。
【0372】
コントローラ13は、目標酸素濃度範囲に関する患者の血中酸素濃度の推定最大又は最小将来値を計算するように構成され得る。すなわち、目標酸素濃度範囲内に留めながら、装置が提供酸素濃度をさらに変化させ得る可能性があるものとして、患者の血中酸素濃度の最大又は最小将来値の推定を計算する。
【0373】
推定最大又は最小将来値は、ユーザによって入力された呼吸ガスの目標酸素濃度範囲内において、患者の血中酸素濃度に関して装置が提供できる推定される効果に関してユーザに情報を提供するために有益であり得る。例えば、推定最大又は最小将来値がユーザにとって容認できない場合、ユーザは、通知を受け、システムの入力パラメータを変更するか又は療法を修正し得る。
【0374】
コントローラ13は、目標酸素濃度範囲に関する患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を計算するように構成され得る。目標酸素濃度範囲に関する患者の血中酸素濃度の推定最大将来値は、目標酸素濃度と目標酸素濃度上限との間の差及び患者の血中酸素濃度を示す測定値に基づき得る。
【0375】
患者の血中酸素濃度の推定最大又は最小将来値は、加えて、患者の血中酸素濃度を示す測定値に基づき得る。
【0376】
患者の血中酸素濃度の推定最大又は最小将来値の特定は、患者の血中酸素濃度の推定将来値を特定するための前述の方法の態様を含み得る。
【0377】
患者の血中酸素濃度の推定最大又は最小将来値は、過去において生じた呼吸ガスの酸素濃度の変化(例えば、記憶された呼吸ガス酸素濃度データ)及び将来行われ得る、考えられる変化(例えば、呼吸ガスの酸素濃度を呼吸ガスの目標酸素濃度範囲内に制御する中で生じ得る変化)に基づき得る。
【0378】
いくつかの実施形態において、患者の血中酸素濃度(BOC)の推定最大将来値は、以下の式に基づき得る。
【数1】
ここで、
【数2】
は、対応する目標酸素範囲に関する患者の血中酸素濃度の推定最大値である。
現在のBOCは、現在の患者の血中酸素濃度である。
Pは、供給ガスの酸素濃度の考え得るさらなる上昇と、患者の血中酸素濃度への効果との間の関係を定義する係数又は関数である。
目標O conc上限は、目標酸素濃度上限(任意選択により目標酸素濃度範囲の)である。
現在のO concは、呼吸ガスの現在の酸素濃度である。
【0379】
コントローラ13は、目標酸素濃度範囲に関する患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を計算するように構成され得る。患者の血中酸素濃度の推定最小将来値は、目標酸素濃度と目標酸素濃度下限との間の差及び患者の血中酸素濃度を示す測定値に基づき得る。
【0380】
いくつかの実施形態において、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値は、以下の式に基づき得る。
【数3】
ここで、
【数4】
は、対応する目標酸素範囲に関する患者の血中酸素濃度の推定最小値である。
現在のBOCは、現在の患者の血中酸素濃度である。
Qは、供給ガスの酸素濃度の考え得るさらなる低下と、患者の血中酸素濃度への効果との間の関係を定義する係数又は関数である。
目標O conc下限は、目標酸素濃度下限(任意選択により目標酸素濃度範囲の)である。
現在のO concは、呼吸ガスの現在の酸素濃度である。
【0381】
図8Aは、目標酸素濃度上限935と目標酸素濃度下限936によって画定される呼吸ガスの目標酸素濃度範囲を示す。
【0382】
患者の血中酸素濃度の最小又は推定最大将来値の計算の例が図8A及び8Bに示されている。図8Aは、呼吸ガスの酸素濃度922を経時的に示す。この例では、コントローラ13は、呼吸ガスの酸素濃度922を一定の値に制御している(すなわち変化がない)。
【0383】
呼吸ガスの酸素濃度922は、経時的な患者の血中酸素濃度に対応する。呼吸ガスの酸素濃度922は、一定であるため、患者の血中酸素濃度932も同じである。
【0384】
前述のように、コントローラ13は、呼吸ガスの目標酸素濃度上限935と呼吸ガスの酸素濃度922(例えば、呼吸ガスの現在の酸素濃度)との間の差937を計算し得る。この差937は、従って、患者の血中酸素濃度923を示す測定値と共に、患者の血中酸素濃度の最大将来値950を推定するために使用され得る。
【0385】
前述のように、コントローラ13は、呼吸ガスの目標酸素濃度下限936と、呼吸ガスの酸素濃度922(例えば、呼吸ガスの現在の酸素濃度)との間の差938を計算し得る。この差938は、従って、患者の血中酸素濃度923を示す測定値と共に、患者の血中酸素濃度の最小将来値951を推定するために使用され得る。
【0386】
いくつかの実施形態において、患者の血中酸素濃度の推定最大又は最小将来値は、前述のように、例えば患者の血中酸素濃度の推定将来値に基づき得る(酸素濃度の最近の変化に基づき得る)。これにより、呼吸ガスの酸素濃度における過去又は最近の変化を考慮するために、患者の血中酸素濃度の最大又は最小将来値を推定できる(前述の通り)。
【0387】
いくつかの実施形態において、患者の血中酸素濃度の推定最大又は最小将来値は、記憶された呼吸ガス酸素濃度データに基づき得る(より詳細に前述の通り)。
【0388】
いくつかの実施形態において、患者の血中酸素濃度の推定最大又は最小将来値は、呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計に基づき得る(より詳細に前述の通り)。
【0389】
患者の血中酸素濃度の推定最大又は最小将来値は、患者の血中酸素濃度を示す測定値及び患者の血中酸素濃度の推定将来値にさらに基づき得る(前述の通り)。
【0390】
図9Aを参照すると、呼吸ガスの対応する目標酸素濃度範囲についての、患者の血中酸素濃度の最大又は最小将来値の特定がより詳細に示されている。
【0391】
ブロック960において、コントローラ13は、記憶された呼吸ガス酸素濃度データを更新し得る(より詳細に前述の通り)。
【0392】
コントローラ13は、機械の起動、例えば治療の開始又は現時点からの所定の長さの時間(例えば、最後の15分間)にわたり、呼吸ガス酸素濃度データを記憶し得る。
【0393】
コントローラ13は、呼吸ガス酸素濃度データを規則的な時間間隔又は不規則な時間間隔で記憶し得る。いくつかの実施形態において、コントローラは、記憶された呼吸ガス酸素濃度データをリアルタイムで更新し得る。
【0394】
ブロック961において、コントローラ13は、患者の血中酸素濃度(例えば、患者のSpO2)を特定する。
【0395】
ブロック962において、コントローラ13は、呼吸ガスの目標酸素濃度範囲を特定する(より詳細に前述の通り)。例えば、呼吸ガスの目標酸素濃度範囲は、ユーザからの入力として提供され得るか、又はコントローラ13若しくは装置の他のコントローラ13によって特定され得る。
【0396】
ブロック963において、コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の推定最大又は最小将来値を計算する(本明細書の他の箇所に記載されている通り)。
【0397】
いくつかの実施形態において、患者の血中酸素濃度(BOC)の推定最大又は最小将来値は、以下の式に基づき得る。
推定最大又は最小将来BOC=f(BOC,O Conc,目標O Conc,C)
ここで、
推定最大又は最小将来BOCは、患者の血中酸素濃度の推定最大又は最小将来値である。
BOCは、治療期間又は所定の期間にわたる患者の血中酸素濃度である。
Concは、治療期間又は所定の期間にわたる呼吸ガスの酸素濃度である。
目標O Concは、呼吸ガスの目標酸素濃度範囲である。
Cは、定数及び/又は関数(例えば、患者の酸素効率及び/又はヘモグロビン飽和関数)を含み得る。
【0398】
この式は、推定最大又は最小将来BOCが患者の血中酸素濃度、呼吸ガスの酸素濃度、呼吸ガスの目標酸素濃度範囲及び定数及び/又は関数Cの関数であることを示す。
【0399】
いくつかの実施形態において、コントローラは、患者の血中酸素濃度の推定最大又は最小将来値を、記憶された呼吸ガス酸素濃度データ、呼吸ガスの目標酸素濃度範囲及び患者の血中酸素濃度を示す測定値に基づいて計算するように構成される。
【0400】
記憶された呼吸ガス酸素濃度データの呼吸ガスの酸素濃度は、関連するタイムスタンプに基づいて重み付けされ得る。
【0401】
コントローラは、呼吸ガスの酸素濃度の一連の変化が記憶された呼吸ガス酸素濃度データ中にあると判断し得る。
【0402】
タイムスタンプに基づく重み付けは、呼吸ガスの酸素濃度の変化が生じてからの時間に反比例し得る。
【0403】
すなわち、推定最大又は最小将来血中酸素濃度の計算において比較的古い変化には比較的低い重みが割り当てられ、これは、これらの変化の効果が、比較的より新しい変化と比較して、(少なくとも部分的に)患者の血中酸素濃度上にすでに反映されている可能性があるからである。
【0404】
図9Bを参照すると、患者の血中酸素濃度の推定最大又は最小将来値の他の特定がより詳細に示されている。
【0405】
ブロック970において、コントローラ13は、推定更新フェーズを実行する(より詳細に前述し、図4Cに示した通り)。
【0406】
ブロック971において、コントローラ13は、患者血中酸素濃度を特定する。
【0407】
ブロック972において、コントローラ13は、呼吸ガスの目標酸素濃度範囲を特定する。
【0408】
ブロック973において、コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の将来値を酸素濃度の変化の合計(ブロック916において推定更新フェーズで更新されている)に基づいて推定する。
【0409】
コントローラ13は、呼吸ガスの目標酸素濃度上限935と、呼吸ガスの酸素濃度922(例えば、呼吸ガスの現在の酸素濃度)との間の差937を計算し得る。この差937は、従って、患者の血中酸素濃度923を示す測定値及び呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計と共に、患者の血中酸素濃度の最大将来値950を推定するために使用され得る。
【0410】
コントローラ13は、呼吸ガスの目標酸素濃度下限936と、呼吸ガスの酸素濃度922(例えば、呼吸ガスの現在の酸素濃度)との間の差938を計算し得る。この差938は、従って、患者の血中酸素濃度923を示す測定値及び呼吸ガスの酸素濃度の変化の合計と共に、患者の血中酸素濃度の最小将来値を推定するために使用され得る。
【0411】
推定最大将来値及び/又は推定最小将来値は、リアルタイムで更新され得る。このようにして、推定最大将来値及び/又は推定最小将来値は、装置10の動作中、常に更新され得る。
【0412】
推定最大将来値及び/又は推定最小将来値は、酸素効率比に基づき得る。
【0413】
いくつかの実施形態において、酸素効率比(前述のように酸素効率比を含む)は、ユーザによって入力され得る。
【0414】
いくつかの実施形態において、酸素効率比は、測定された血中酸素濃度と、呼吸ガスの目標酸素濃度下限(又は呼吸ガスの目標酸素濃度上限)とに基づいて計算され得る。
【0415】
他の実施形態において、フロー療法装置10は、患者に関連する酸素効率を特定し得る。
【0416】
システムは、患者の酸素効率(ξO2)の推定を他のパラメータと共に計算し得る。一般に、酸素効率は、患者の測定された血中酸素濃度(例えば、SpO2)及び呼吸ガスの測定された酸素濃度(例えば、FdO2)に基づいて計算され得る。1つの構成において、酸素効率は、患者の測定されたSpO2を測定されたFdO2で割ったものに基づいて特定される。
【0417】
補足酸素を必要とする患者の酸素効率は、健康な人を下回り得る。例えば、健康な人では、FdO2の変化は、低酸素効率の患者のSpO2のように、SpO2の2倍の変化を引き起こし得る。患者の酸素効率の指標を有することにより、閉ループ酸素制御システムをより効率的に実行できるようにする。
【0418】
図10Aに示すように、コントローラ13は、患者の酸素効率を計算できる。コントローラは、実測SpO2値を受信し得る。実測FdO2値は、ガス組成センサーから受信され得る。そのため、実測SpO2及び実測FdO2値に基づいて瞬間的な酸素効率が計算され得る。その後、患者の全体酸素効率は、運転中のフィルターを瞬間的な酸素効率データに適用することによって推定され得る。瞬間的な酸素効率データのフィルタリングは、患者の全体酸素効率の推定値の変動を減少させ得る。コントローラは、より最近のデータを優先することもできる。瞬間的な酸素効率データは、パルスオキシメータの信号品質によって重み付けでき、低信号品質のデータから行われた瞬間的な酸素効率の測定が患者の全体酸素効率の推定値への影響を減少させ得るようにする。瞬間的な酸素効率データは、FdO2への最近の変化のサイズに基づいても重み付けされ得、FdO2の大きい変化に続いてデータから行われた瞬間的な酸素効率の測定が患者の全体酸素効率の推定値への影響を減少させ得るようにする。これは、FdO2に変化がもたらされる時点と実測SpO2が変化する時点との間に遅延があるためである。コントローラは、患者の酸素効率を推定するとき、患者がカニューレを装着しているかどうかも考慮し得る。例えば、コントローラは、患者がカニューレを装着していない期間からの効率データを無視し得る。
【0419】
機器は、患者の全体酸素効率の推定値を絶えず監視及び更新し得る。患者の全体酸素効率は、閉ループ制御システムの複数の部分、例えば予測モデル、PID係数の同調及び/又はフィードフォワードフェーズのステップアップによって使用され得る。患者の全体酸素効率は、患者の瞬間的な酸素効率の推定値が変化するため、絶えず更新され得る。コントローラは、補足酸素を必要とする患者の典型的な酸素効率に基づく患者の酸素効率の初期推定値で開始し得る。その後、全体酸素効率は、データが受信されると更新され得る。酸素効率のより高い推定値は、FdO2の変化を小さくし、これにより患者が酸素を多く受け取りすぎるリスクを低下させ得る。より低い推定値は、FdO2の変化をより大きくし、これによりコントローラが目標SpO2をより迅速に達成できるようにするが、オーバーシュートを引き起こす可能性がある。
【0420】
いくつかの構成では、フロー療法装置10は、患者の酸素効率を決定するために初期酸素効率計算フェーズを有し得る。いくつかの構成では、酸素効率は、初期酸素効率計算後に更新されない。
【0421】
コントローラは、アラーム出力を生成するように構成され得る。
【0422】
アラーム出力は、アラーム信号を含み得る。
【0423】
アラーム出力は、前述の特徴のいずれかを有し得る。
【0424】
アラーム出力は、前述のアラーム出力と一緒に提供され得る。
【0425】
コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を目標血中酸素濃度上限と比較し、且つ患者の血中酸素濃度の推定最大将来値が目標血中酸素濃度上限を上回る場合、アラーム出力を生成するように構成され得る。
【0426】
コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値を目標血中酸素濃度下限と比較し、且つ患者の血中酸素濃度の推定最大将来値が目標血中酸素濃度下限を下回る場合、アラーム出力を生成するように構成され得る。
【0427】
アラーム出力のアラームパラメータは、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値と目標血中酸素濃度上限との間の差の大きさに基づき得る。
【0428】
コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の推定最小将来値を目標血中酸素濃度下限と比較し、且つ患者の血中酸素濃度の推定最小将来値が目標血中酸素濃度下限を下回る場合、アラーム出力を生成するように構成され得る。
【0429】
コントローラ13は、患者の血中酸素濃度の前記推定最小将来値を目標血中酸素濃度上限と比較し、且つ患者の血中酸素濃度の推定最小将来値が目標血中酸素濃度上限を上回る場合、アラーム出力を生成するように構成され得る。
【0430】
アラーム出力のアラームパラメータは、患者の血中酸素濃度の推定最小将来値と目標血中酸素濃度下限との間の差の大きさに基づき得る。
【0431】
アラームパラメータは、アラーム持続時間又はアラーム強度であり得る。
【0432】
アラーム強度は、例えば、アラームの重大度を示すアラームレベルであり得る。
【0433】
アラーム出力は、ディスプレイに提供され得る。
【0434】
ディスプレイは、ユーザインタフェースを提供するように構成され得る。
【0435】
アラーム出力は、音声を生成するか又は表示(例えば、視覚的表示)を提供するように構成され得る。
【0436】
アラーム出力は、呼吸療法装置と通信する1つ以上のサーバ又は患者監視ユニット及び/若しくは看護師監視ステーションに送信され得る。
【0437】
アラーム出力は、推定最大将来値と血中酸素濃度アラーム閾値下限931との間の差(又は推定最小将来値と血中酸素濃度アラーム閾値上限930との間の差)及び時間の長さに基づき得る。
【0438】
アラーム出力が生成されるのにかかる時間は、差に反比例し得る。例えば、差が比較的小さいと、アラームが起動するまでにより長い時間がかかり得、他方では、差が比較的大きいと、アラームは、より短時間で起動し得る。
【0439】
いくつかの実施形態において、推定された血中酸素濃度がアラーム閾値に近いと、アラームが起動するのに比較的長い時間がかかる。
【0440】
いくつかの実施形態において、推定された血中酸素濃度がアラーム閾値から離れていると、アラームは、比較的短時間で起動する。
【0441】
コントローラ13が、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値が目標血中酸素濃度より低い閾値量を上回ると予想した場合、酸素投与不足警告アラーム出力が提供され得る。
【0442】
酸素投与不足警告アラーム出力は、その間に患者の血中酸素濃度の推定最大将来値が目標血中酸素濃度より低い閾値量を上回る酸素投与不足警告アラーム出力時間が経過した後に提供され得る。
【0443】
酸素投与不足警告アラーム閾値量は、酸素投与不足第1レベル警告に対応する第1の閾値と、酸素投与不足第2レベル警告に対応する第2の閾値とを有し得、第1の閾値は、第2の閾値より高い。
【0444】
酸素投与不足第1レベル警告は、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値と目標血中酸素濃度との間の差が大きいことを示し得る。
【0445】
酸素投与不足第2レベル警告は、患者の血中酸素濃度の推定最大将来値と目標血中酸素濃度との間の差が小さいことを示し得る。
【0446】
酸素投与不足第1レベル警告は、酸素不足第2レベル警告と異なるアラームパラメータを有し得る(例えば、より長いアラーム時間)。
【0447】
コントローラ13が、患者の血中酸素濃度の推定最小将来値が目標血中酸素濃度より高い閾値量を上回ると予想した場合、酸素投与過剰警告アラーム出力が提供され得る。
【0448】
酸素投与過剰警告アラーム出力は、その間に患者の血中酸素濃度の推定最小将来値が目標血中酸素濃度より高い閾値量を上回る酸素投与過剰警告アラーム出力時間が経過した後に提供され得る。
【0449】
酸素投与過剰警告アラーム閾値量は、酸素過剰第1レベル警告に対応する第1の閾値と、酸素投与過剰第2レベル警告に対応する第2の閾値とを有し得、第1の閾値は、第2の閾値より高い。
【0450】
酸素投与過剰第1レベル警告は、患者の血中酸素濃度の推定最小将来値と目標血中酸素濃度との間の差が大きいことを示し得る。
【0451】
酸素投与過剰第2レベル警告は、患者の血中酸素濃度の推定最小将来値と目標血中酸素濃度との間の差が小さいことを示し得る。
【0452】
酸素投与過剰第1レベル警告は、酸素過剰第2レベル警告と異なるアラームパラメータを有し得る(例えば、より長いアラーム時間)。
【0453】
アラーム出力は、以下の式に従っても生成され得る。
ΣAlarm=Σ(BOCmin-推定最大又は最小将来値-β)
ここで、
ΣAlarmは、アラームの和であり、
BOCminは、例えば、ユーザ入力又は目標血中酸素濃度下限としての最小BOC閾値であり、
推定最大又は最小将来値は、前述の推定最大又は最小将来値である。
【0454】
アラーム出力は、アラームの和が閾値を上回った場合に生成され得る。
【0455】
上述の説明は、装置に関しているが、上記は、方法としても実装され得ることを理解されたい。
【0456】
前述の方法を提供するために使用されるフロー療法装置も開示される。
【0457】
前述の実施形態は、少なくとも部分的に補助機器2によって実行され得る。
【0458】
例えば、推定最大将来値、及び/又は推定最小将来値、及び/又は推定将来値の計算は、呼吸補助装置のコントローラではなく、補助機器(例えば、図25に示される)で実行され得る。
【0459】
図25に示されるように、補助機器2はディスプレイ及び/又はコントローラを含み得る。例えばコントローラは、呼吸補助装置1のコントローラ13の機能のいずれかを引き受け得る。
【0460】
図25に示されるように、呼吸補助装置は、補助機器2に情報を提供して、患者の血中酸素の推定将来値を計算するのに必要な情報を提供し得る。
【0461】
例えば、呼吸補助装置1は、呼吸補助装置1によって測定される可変値、例えば現在の患者の血中酸素濃度及び呼吸ガスの目標酸素濃度を、補助機器に提供し、補助機器2がその計算を行うことができるようにし得る。
【0462】
呼吸補助装置1は、補助機器2上で表示される他の情報(例えば、患者の血中酸素濃度及び呼吸ガスの目標酸素濃度又は呼吸補助装置1が測定又は計算する他の可変値)も提供し得る。
【0463】
いくつかの実施形態において、呼吸装置1は、アラーム出力(より詳細に前述の通り)を補助機器2に通信し得る。
【0464】
補助機器2は、アラーム(例えば、補助機器のディスプレイ及び/又はスピーカを介した音声及び/又は視覚アラーム)を出力し得る。
【0465】
いくつかの実施形態において、補助機器2は、アラーム出力を特定し、呼吸補助装置1にアラーム出力を提供し得る。呼吸装置1は、従って、前述のようにアラームを出力し得る)
【0466】
補助機器2は、サーバ又は患者監視ユニット、及び/又は看護師監視ステーション、及び/又はタブレット若しくは携帯電話などの携帯機器であるか又はそれを含み得る。
【0467】
補助機器2は、ワイヤ接続又は無線接続を介して(例えば、Bluetooth又はNFC)呼吸装置1と通信し得る。
【0468】
補助機器2には、情報及び/又はアラームを表示するためのアプリ又はユーザインタフェースが設けられ得る。
【0469】
補助機器2は、呼吸補助装置の少なくとも1つのパラメータ(例えば、呼吸ガスの目標酸素濃度)を変化させるように構成され得る。
【0470】
モータ及び/又はセンサーモジュール構成
フロー療法装置10の構成が図11~13に示されている。フロー療法装置は、主ハウジング100を含む。主ハウジング100は、主ハウジング上部外枠102及び主ハウジング下部外枠202を有する。
【0471】
図11及び図12に示す通り、下部外枠202は、図13~15に示し且つ下記でさらに詳細に説明する、取り外し可能又は取り外し不能なモータ及び/又はセンサーモジュール400を受け入れるためのモータ用凹部250を有する。図16及び図18に示され、且つ下記でさらに詳細に説明する取り外し可能又は取り外し不能なモータ/センサーモジュール400を受け入れるための凹部開口部251が底壁230にその後縁に隣接して設けられる。
【0472】
図13~16は、モータ及び/又はセンサーモジュール又はサブアセンブリ400をさらに詳細に示す。上述の通り、下部外枠202は、モータ及び/又はセンサーモジュール400を受け入れるための凹部250を含む。
【0473】
図13~16に示す形態では、モータ及び/又はセンサーモジュール400は、3つの主構成要素、サブアセンブリ400のベース403(そこにモータ402が位置決めされる)と、ベース403の上方に位置決めされた流出口ガス流路及び感知層420と、カバー層440との積層配置構成を含む。ベース403、感知層420及びカバー層440を組み立てて、凹部250の形状に相補的な形状を有するサブアセンブリハウジングを形成するため、サブアセンブリ400は、凹部250に受け入れられ得る。ベース403は、サブアセンブリ400が凹部250内に位置決めされると凹部開口部251を閉鎖するように構成される。サブアセンブリ400は、凹部内の適所に例えば締結具、クリップ又は簡易脱着配置構成などの任意の好適な方法で維持されるか、又は取り外し不能に固定され得る。
【0474】
感知層は、1つ以上のセンサーを備えるガス流路を含み、ガス流路は、ガスをハウジングの流出口ポートに供給するように配置されている。
【0475】
モータ402は、インペラを入れるインペラ室を画定する本体408を有する。モータ402は、任意の好適なガス送風器モータであり得、及び例えば国際公開第2013/009193号パンフレットで説明されているタイプのモータ及びインペラアセンブリであり得る。その明細書の内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0476】
ガス流出口406は、モータの上部に積み重ねられた流出口ガス流路及び感知層420のガス流入口と流体連通している。この層420は、本体422を含み、本体は、本体422をベース403に固定するために、ベース403の複数の取付けスロット(図示せず)に挿入され得る複数の取付け脚部425を含む。1つの構成では、本体422は、ガス流出口406をガス流路及び感知層420のガス流入口に結合するガス流路を画定する。
【0477】
本体422は、感知及びガス流路の下方部分426を画定する。カバー層440は、感知及びガス流路の上方部分446を画定する本体442を有し、上方及び下方部分426、446の形状は、実質的に互いに対応する。
【0478】
図14及び図15に示す通り、ガス流路は、線形の長尺状ガス流部分428、448を含む。流入口は、ガス流路の線形の長尺状部分428、448の入口端部に又はそれに隣接して配置されるガス流路の接線入口部分430、450と流体連通している。凹部433、453及び434、454は、ガス流路の線形の長尺状部分の対向する両端部に設けられ得る。
【0479】
ガス流出口ポート452は、カバー層440の本体442を通して垂直に延在し、及びガス流路の線形の長尺状部分428、448の対向する出口端部に又はそれに隣接して配置される。ガス流出口ポート452は、モータ用凹部250の上方部分と流体連通しており、それは、次にガス流路と流体連通している。ここでも、凹部250の壁252及び天井262の構成に起因して、モータ/センサーモジュール400からのガスの漏れがある場合、ガスは、電子機器及び制御装置の大部分を入れている主ハウジング100の部分に入るのではなく、大気に放出される。凹部250は、図15に示す通り、天井262から下方に突出するラグなどの1つ又は複数のスペーサを含み、ガス流出口ポート452及び凹部の天井262からガス流に好適な間隔を維持し得る。
【0480】
図14から、モータ及び/又は感知モジュール400を通してそこから出るガス流路の少なくとも一部は、蛇行状又は波状構成を有していることが分かる。例えば、長尺状部分428、448を移動するガス流の方向は、一般的に、ガス流出口ポート452からガス流路の入口にL字継手324を通して移動するガス流の方向とは反対である。
【0481】
図14及び図15に示す通り、カバー層440は、感知印刷回路基板(PCB)456を含む。カバー層440は、ガス流路の長尺状部分428、448に載置されるサーミスタなどの1つ以上の温度センサーも含み得る。一方のセンサーは、ガスの温度を測定し、及び他方のセンサーは、冗長温度センサーの機能を果たし得る。代わりに、サーミスタの1つは、基準流量センサーとして使用され得(例えば、定温サーミスタとしての使用によって)、及び実測温度は、ガス流路の部分428、448を通るガス流量を決定するために使用され得る。1つ以上の温度センサーは、ガス流に対面する感知PCB456の部分に配置され得る。感知PCB456は、限定するものではないが、圧力センサー、湿度センサー及び露点センサーを含む他のセンサーをさらに含み得る。
【0482】
電子基板272の一方又は両方は、センサーと電気通信しているか又はそれに結合されていて、センサーから受信した情報を処理し、且つセンサーから受信した情報に基づいて装置10を動作させる。
【0483】
代替的な構成では、モータ/インペラユニットは、装置10から離れた箇所に提供され得る。その構成では、凹部250に受け入れられたモジュールは、ガス流路及び様々なセンサーのみを含んで、固定されたL字継手324に、それにより液室300にガスを供給し得る。代替的な構成では、凹部250に受け入れられたモジュールは、モータ及びガス流路のみを含み、センサーを含まなくてもよい。
【0484】
別の代替的な構成では、モータ及び/又はセンサーモジュール400は、凹部250から取り外すことができなくてもよく、むしろそこに永久的に取り付けられ得る。電気/電子部品からガスを絶縁する利点は、依然としてその構成においてもたらされる。
【0485】
流路は、コンパクトであり、且つカーブ/急カーブが少なくされており、それにより流れの分離を減少させ、且つ流れに対する抵抗を低下させる。
【0486】
モータ及び流路の配置構成は、壁配置構成のために別の絶縁層を提供する。
【0487】
モジュール式モータ及び/又はセンサーモジュールを有することにより、洗浄及び/又は修理が必要である場合、モジュールの様々な部品を分解することができる。
【0488】
モータ及び/又はセンサーモジュールに漏れ経路がないことが好都合である。モータ及び/又はセンサーモジュールに潜在的な漏れ点があり得、その領域での漏れにより、酸素が大気又は液室内に放出されることになる。
【0489】
図17A図17B図18図19図20図21図22図23図24は、弁モジュール4001の第1の構成を示す。弁モジュール4001は、装置10のガス流路に入る酸素及び/又は他のガスの流れを制御し、及び装置10が、空気の流れに吸い込まれる酸素の割合を調整できるようにする。弁モジュールは、例えば、不具合、定期保守又は将来のアップグレード/改良の場合、製造、組み立て、修理若しくは交換を簡単にするためにモジュール式ユニットとして形成される。
【0490】
弁モジュール4001は、主ハウジングの下部外枠202に弁モジュール受口306を垂直方向に上向きに挿入する。代替的な構成では、弁モジュールは、ハウジング内に異なる方向において、例えば前向き、下向き、後向き又は横向きで挿入可能であり得る。弁モジュール4001は、装置の主ハウジングと取り外し可能に係合可能であり、弁モジュール4001が実質的にハウジングに受け入れられ、且つハウジングの外部からアクセス可能であるようにする。いくつかの構成では、弁モジュール4001は、主ハウジング内に固定され、取り外し可能でないようにできる。弁モジュールがハウジングに取り外し可能に係合されるとき、弁モジュール4001の一部は、ハウジングの外壁と実質的に同一平面になるように配置される。
【0491】
弁モジュールは、モジュール式であり、且つハウジングの外部からアクセス可能であるため、弁モジュールは、装置10を著しく解体することなく、且つ装置のハウジングのシールを損なうことなく交換できる。弁モジュール4001は、ハウジング内に実質的に受け入れられるため、弁モジュールがハウジングと係合されると、弁モジュールは、ハウジングと一体化するため、ハウジングのサイズ又は嵩を大きくすることはない。さらに、弁モジュールの構成要素、例えば下記で説明する弁4003及び弁マニホールド4011は、使用中、弁支持体4051及び装置の主ハウジング内に位置決めされるため、使用中保護される。この構成は、装置10が不注意に叩かれたり又は落とされたりする場合、弁モジュール及び弁モジュールの構成要素が損傷される可能性を著しく低下させる。
【0492】
弁モジュールは、弁マニホールド4011を通るガスの流れを制御するように配置される流れ制御弁4003を含む。弁は、装置の部分へのガスの流れを制御するように配置される。例えば、弁は、フィルターモジュール1001へのガスの流れを制御するように配置され得る。代わりに、弁4003は、装置の別の部分へのガスの流れを制御するように配置され得る。弁モジュール4001及びフィルターモジュール1001は、送風器402及びモータ及び/又はセンサーモジュール400の上流に位置決めされる。いくつかの実施形態では、弁モジュール4001及びフィルターモジュール1001は、送風器402の下流に位置決めされる。
【0493】
弁4003は、シリンダー状本体4005と、本体内に弁部材とを含む。
【0494】
フロー制御弁は、例えば、ソレノイド弁であり得るか、モータ駆動され得るか、又はピエゾ操作され得る。
【0495】
ソレノイド弁では、弁部材は、開放位置と閉鎖位置との間で作動される。ソレノイド弁は、比例弁であり得る。弁を通るガス流の量(すなわち弁の開放サイズに起因する)は、弁に供給される電流に相関的である。
【0496】
代わりに、ソレノイド弁は、変調入力信号によって制御され得るため、弁は、開放位置と閉鎖位置との間で変調される。
【0497】
弁4003は、ニードル弁、プランジャー弁、ゲート弁、ボール弁、バタフライ弁、グローブ弁などであり得る。弁は、圧力補償タイプであり得る。
【0498】
いくつかの構成では、弁は、ノーマルクローズ弁である。すなわち、弁は、電源が切られているとき、閉鎖されている。それにより、装置の電源が切られているとき、接続されているガス供給ラインが絶えず酸素又は他のガスを放出することを防止する。いくつかの代替的な構成では、弁は、ノーマルオープン弁である。
【0499】
いくつかの構成では、弁4003は、電気的に作動した比例ソレノイド弁である。例えば、弁は、Staiger GmbH&Co.KG(Erligheim、Germany)から入手可能なμProp弁若しくはEmerson/Asco Valves(New Jersey)から入手可能なAsco 202シリーズのPreciflow弁又は任意の他の好適なタイプの弁であり得る。
【0500】
弁は、同軸の流入口-流出口構成を有し得る。
【0501】
弁モジュール4001は、弁マニホールドガス流入口4017と1つ以上の弁マニホールドガス流出口4019との間にガス流路4015を画定する本体4013を有する弁マニホールド4011を含む。弁マニホールドのガス流入口4017は、弁マニホールドの端部に又はその方に向けて軸方向に配置される。いくつかの構成では、弁マニホールド4011は、弁マニホールドに半径方向に配置される単一のガス流出口4019を有する。いくつかの構成では、弁マニホールド4011は、弁マニホールドの周りに半径方向に配置される複数の弁マニホールドガス流出口4019を含む。弁マニホールド流出口4019は、弁マニホールドガス流入口4017からフィルターモジュール1001のガス流入口にガスを供給するように配置される。1つ又は複数の流出口4019の半径方向の配置は、酸素(又は他のガス)をフィルターモジュールの方に向けること、酸素損失を最小限にすること及び吸い込み効率を高めることを支援する。弁4003は、弁マニホールドガス流入口4017から1つ又は複数の弁マニホールドガス流出口4019へのガスの流れを制御するように配置される。弁が「閉鎖されている」とき、ガス流入口4017から1つ又は複数のガス流出口4019へのガス流が防止される。弁が「開放されている」とき、ガス流入口4017から1つ又は複数のガス流出口4019へのガス流が可能にされる。
【0502】
ガス流入口に対向する弁マニホールド4011の端部4018は、弁4003を受け入れて、それと封止式に係合して、弁及び弁マニホールドが流体連通するようにする。端部4018は、弁に取り付けるためのフランジ4023を含む。フランジ4023は、マニホールドを弁4003に締結するための締結具4023Fを受け入れるアパーチャ4023Aを有する。1つ又は複数のOリングが弁4003と弁マニホールド4011との間のインタフェースの周辺に提供されて、弁を弁マニホールドと封止式に係合する。
【0503】
弁マニホールド4011は、酸素を、弁から、半径方向に配置されたガス流出口4019を経由するように方向付ける/分散させる。いくつかの実施形態では、単一のガス流出口4019が弁マニホールドに設けられている。酸素が1つ又は複数の流出口を通過するとき、ノイズが生成される。呼吸器は、医療及び/又は家庭環境において、患者のごく近くで使用され得るため、生成されるノイズを最小限にすることが望ましい。
【0504】
加えて又は代わりに、ノイズを減少させるために、1つ又は複数の弁マニホールド流出口4019の周りに、その近くに又はそれと流体連通して、フード、ダクト又はチャンネルが形成され得る。加えて及び/又は代わりに、ノイズを減少させるために、発泡体などが弁マニホールドの周りに、弁マニホールド流出口の近くに配置され得る。
【0505】
弁マニホールドガス流入口4017の流入口内に小型フィルターが提供されて、塵又は微粒子が弁に導入されることを防止する。
【0506】
ガス流入口4015に対応する弁マニホールドの端部は、コネクタ4031を受け入れてそれに接続されるように配置される。図示の形態では、コネクタ4031はスイベルコネクタである。代わりに、コネクタ4031は、コネクタのガス流入口4033が例えば並進運動又は旋回運動などの異なる方法で動くことができるように配置され得る。
【0507】
弁モジュール4001は、装置の流路の最初に配置される。弁4003が塞がれた場合(すなわち塵、微粒子などによって)、開放した状態に保たれるように、過度の加圧酸素又は他のガスは、弁支持体4051にある1つ又は複数の周囲空気流入口開口部から「まとめて吐き出される」(例えば、図26では、開口部は、スイベルコネクタの真下に示されている)。これにより、いかなる過剰圧力も患者に到達することを防止する。そのようなものとして、システムは、圧力逃し弁を使用することなく、本質的に圧力が制限されているとみなされ得る。
【0508】
1つ又は複数の開口部4051Oが弁支持体4051に設けられて、周囲空気を装置のガス流路に引き入れるようにする。周囲空気流路は、弁の近く又はそれに隣接して通過する。図示の形態では、開口部4051Oは、スイベルコネクタのガス流入口の周囲に配置される。加えて又は代わりに、開口部は、弁支持体のいずれか他の箇所に配置される。装置の送風器モータ402が動作されるとき、フィルターモジュール及び弁モジュールを通る吸引を生じ、装置に周囲空気を吸引する。周囲空気流路は、弁モジュールを通過し、且つ周囲空気がフロー制御弁からのガスの流れと一緒に吸い込まれることができるようにする。周囲空気流路は、周囲空気を供給するように適合されたガス流出口を有して、周囲空気が装置の1つ以上の温度センサーを通り過ぎて流れて、ガスの流れを供給するようにする。
【0509】
装置は、同時に、弁マニホールドのガス流入口からガス及び周囲空気を引き入れ得るか、又はガス流入口からのガスを加圧して、ガスを、強制的にフィルターを通るようにし得る。ガスは、弁モジュールから流出して、フィルター内のガス流入口に流入する。装置は、ガス流入口からのガス及び周囲空気が装置のガス流出口に供給される前に装置内に動的に吸い込まれる/そこで混合されるように構成され得る。
【0510】
弁モジュールは、スイベルコネクタのあたり及び/又はいずれか他の箇所に配置された周囲空気のための大きい開口部4051O、流路内の丸みをつけた/丸い/傾斜のある縁(すなわち例えば弁マニホールド内)の1つ以上を有することにより、弁モジュールの前後の圧力低下を最小限にして、乱流を最小限にし、且つ流れを滑らかにするように構成され得る。
【0511】
本明細書で説明するこの弁モジュール4001は、フィルター1001と直接結合して、弁モジュールからフィルターへのガス流路を提供するように配置される。弁モジュールとフィルターモジュールとの間にホース接続は必要とされない。これにより、構成要素のサイズを最小限にし、且つモジュール式弁モジュールとフィルターモジュールとの接続及び切り離しを簡単にする。
【0512】
本明細書で説明するフィルターモジュール及び弁モジュールは、装置に様々なガス流路を提供し得る。例えば、弁モジュールは、弁モジュール及びフィルターモジュールを経由して装置のガス流路に流入する酸素の流れを制御し得る。代わりに、弁モジュールは、第1のサブコンパートメントガス流入口(例えば、図37の流入口1011)によるフィルターモジュールへの代替的な酸素源の直接的な接続によって迂回され得る。これは、ユーザが酸素供給源を手動で調整したい状況では現実的であり得る(すなわち壁面供給のロータメータによるなど)。
【0513】
本明細書で説明するフィルターモジュール及び弁モジュールは、ガスの流れを供給する装置内で別々に使用され得ることが理解される。代わりに、フィルター及び弁モジュールは、機能性を向上させるためにフィルター及び弁アセンブリとして一緒に使用され得る。
【0514】
図示の構成では、装置10は、以下の少なくとも1つによって酸素を受け取る:弁モジュールを経由して(装置による自動酸素調整)、又はフィルターの上部に設けられた代替的なガス流入口を経由して(手動で調整可能な酸素供給源の取り付けを可能にする - すなわち壁面供給のロータメータによるなど)。
【0515】
説明した様々な構成は、例示的な構成にすぎない。構成のいずれかからの任意の1つ以上の特徴が他の構成のいずれかからの任意の1つ以上の特徴と組み合わせて使用され得る。
【0516】
例えば、弁モジュールにおいて使用されるスイベルコネクタは、追加的な機能性を有し得る。いくつかの構成では、スイベルコネクタは、2つ以上の軸の周りでスイベル回転するように配置され得、及び例えば互いに直角の回転軸を備える2つの隣接するスイベル接続部分を有し得るため、スイベルコネクタのガス流入口は、2つの軸の周りで回転できる。いくつかの構成では、スイベルコネクタは、球継手配置構成又は同様のものを含み得、スイベルコネクタのガス流入口を実質的にいずれの方向にも回転できるようにする。いくつかの構成では、スイベルコネクタは、スイベル回転運動及び並進運動の両方を提供するように配置され得、スイベルコネクタガス流入口が例えば約1つ以上の軸の周りでスイベル回転し得、及びまた線形に移動し得るようにする。これは、例えば、装置の一方の側面から装置の他方の側面など、装置の1つの部分から別の部分にガス流入口を平行移動させるのに有用であり得る。いくつかの構成では、ガス流入口は、回転する代わりに平行移動するように配置され得る。
【0517】
別の例として、モータ及び/又はセンサーサブアセンブリ凹部は、主ハウジングの下面にあると説明されるが、代わりにハウジングの後部、側面、前面又は上部にあり得る。そのような変形形態では、空気及び/又は酸素流入口も必要に応じて異なって位置決めされ得る。
【0518】
別の例として、液室及び室用空間は、液室がハウジングの前面から室用空間に挿入され且つそこから取り出されるように構成されるのではなく、構成は、液室がハウジングの側面、後部又は上部から室用空間に挿入され且つそこから取り出されるように構成され得る。
【0519】
別の例として、フィルターモジュールは、上からハウジングに挿入され、及び弁モジュールは、下からハウジングに挿入されると説明されるが、それらの構成要素の一方又は両方は、ハウジングの任意の好適な部分、上方部、下方部、側面部、前方部又は後方部に挿入され得る。
【0520】
フィルターモジュール及び弁モジュールは、患者又はユーザに加熱及び加湿ガスを供給できるフロー療法装置を参照して説明される。装置は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に好適であり得る。装置は、高流量(ハイフロー療法)、特にネーザルハイフロー療法で患者インタフェースにガスを供給するように構成され得る。
【0521】
代わりに、フィルターモジュール及び/又は弁モジュールは、異なる目的で装置において使用され得る。装置は、ハイフロー療法装置又はローフロー療法装置であり得る。特徴は、ガス(加湿又は他のもの)を陽圧で供給し得る持続気道陽圧(CPAP)をもたらすための装置にも提供され得る。
【0522】
代わりに、フィルターモジュール及び/又は弁モジュールは、加湿器を必要としない装置と一緒に使用され得るため、液室300又は室用空間108の特徴を必要としない。例えば、モータ及びガス流路を電気及び電子部品から絶縁する構成は、他のタイプのガス供給装置において広く適用されることが理解される。
【0523】
「フロー療法装置」という用語は、そのような変形形態をすべて網羅するものとする。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図10A
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【国際調査報告】