(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(54)【発明の名称】電子装置
(51)【国際特許分類】
H02N 2/16 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
H02N2/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522670
(86)(22)【出願日】2020-10-19
(85)【翻訳文提出日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 CN2020121916
(87)【国際公開番号】W WO2021078098
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】201911013990.1
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】易 小軍
【テーマコード(参考)】
5H681
【Fターム(参考)】
5H681AA18
5H681AA19
5H681BB03
5H681BB12
5H681BB14
5H681BC01
5H681CC07
5H681DD23
5H681DD30
5H681DD53
5H681DD64
5H681EE20
5H681GG01
5H681GG10
5H681GG18
(57)【要約】
本開示による電子装置であって、ハウジング、駆動機構、および駆動されるモジュール(100)を備え、前記ハウジングには、前記ハウジングの内部空間と連通する逃げ空間が設けられ、前記駆動機構は、少なくとも2つの第1のフィールド誘起変形部材(200)を備え、前記第1のフィールド誘起変形部材(200)が前記逃げ空間内に配置され、隣接する2つの前記第1のフィールド誘起変形部材(200)が離間して配置され、且つ逆方向の通電電流を印加され、前記駆動されるモジュール(100)と前記第1のフィールド誘起変形部材(200)とが接続され、前記第1のフィールド誘起変形部材(200)が通電状態にある場合、前記第1のフィールド誘起変形部材(200)のそれぞれは、変形することにより前記駆動されるモジュール(100)を駆動して回転させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置であって、ハウジング、駆動機構、および駆動されるモジュール(100)を備え、前記ハウジングには、前記ハウジングの内部空間と連通する逃げ空間が設けられ、前記駆動機構は、少なくとも2つの第1のフィールド誘起変形部材(200)を備え、前記第1のフィールド誘起変形部材(200)は前記逃げ空間内に配置され、隣接する2つの前記第1のフィールド誘起変形部材(200)は離間して配置され、且つ逆方向の通電電流を印加され、前記駆動されるモジュール(100)と前記第1のフィールド誘起変形部材(200)とは接続され、前記第1のフィールド誘起変形部材(200)が通電状態にある場合、前記第1のフィールド誘起変形部材(200)のそれぞれは、変形することにより前記駆動されるモジュール(100)を駆動して回転させる電子装置。
【請求項2】
前記駆動機構は、第1の弾性部(300)をさらに備え、前記第1の弾性部(300)は、前記駆動されるモジュール(100)と前記第1のフィールド誘起変形部材(200)との間に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記駆動機構は、少なくとも2つの第2のフィールド誘起変形部材(400)を備え、前記第2のフィールド誘起変形部材(400)は前記逃げ空間内に設置され、2つの隣接する前記第2のフィールド誘起変形部材(400)は離間して配置され、且つ逆方向の通電電流が印加され、前記第2のフィールド誘起変形部材(400)が通電状態にある場合、各前記第2のフィールド誘起変形部材(400)は変形することにより、前記駆動されるモジュール(100)を駆動して、前記逃げ空間を通って前記ハウジング内に引っ込むか前記ハウジングから少なくとも部分的に飛び出す、ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記第1のフィールド誘起変形部材(200)および前記第2のフィールド誘起変形部材(400)は、前記駆動されるモジュール(100)の回転方向に離間して配置される、ことを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記駆動機構は、第2の弾性部をさらに備え、前記第2の弾性部は、前記駆動されるモジュール(100)と前記第2のフィールド誘起変形部材(400)との間に設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、ミドルフレーム(500)およびバックカバー(600)を備え、前記ミドルフレーム(500)と前記バックカバー(600)とは接続され、前記ミドルフレーム(500)に第1の溝(510)は設けられ、前記バックカバー(600)に第2の溝(610)は設けられ、前記第1の溝(510)および前記第2の溝(610)は、前記逃げ空間を形成し、前記第1の溝(510)の内壁に前記第1のフィールド誘起変形部材(200)は設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項7】
前記第2の溝(610)の内壁に、前記第1のフィールド誘起変形部材(200)は設置され、前記第1の溝(510)における前記第1のフィールド誘起変形部材(200)と、前記第2の溝(610)における前記第1のフィールド誘起変形部材(200)とは、互いに反対側に配置される、ことを特徴とする請求項6に記載の電子装置。
【請求項8】
電子回路層(700)および絶縁層(800)をさらに備え、前記絶縁層(800)は前記逃げ空間上に敷き、前記電子回路層(700)は前記絶縁層(800)上に敷き、前記第1のフィールド誘起変形部材(200)は、前記電子回路層(700)上に配置され、且つ前記電子回路層(700)に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項6に記載の電子装置。
【請求項9】
前記第1のフィールド誘起変形部材(200)および前記第2のフィールド誘起変形部材(400)は、共に電歪素子である、ことを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項10】
前記第1のフィールド誘起変形部材(200)および前記第2のフィールド誘起変形部材(400)は、共に光歪素子である、ことを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項11】
前記第1のフィールド誘起変形部材(200)および前記第2のフィールド誘起変形部材(400)は、共に電磁コイルおよび磁歪素子を備え、前記電磁コイルおよび前記磁歪素子は、共に前記逃げ空間内に設置され、前記磁歪素子は前記駆動されるモジュール(100)に接続され、前記電磁コイルが通電状態にある場合、前記磁歪素子は変形し前記駆動されるモジュール(100)を駆動して回転させる、ことを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年10月23日に中国で提出された中国特許出願第201911013990.1号の優先権を主張し、当該出願の全内容は参照によりここに援用される。
本開示は、通信装置の技術分野、特に電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の進歩と電子装置の開発に伴い、全画面表示の電子装置に対するユーザーの需要は徐々に高まっている。全画面表示の電子装置の開発により、一部の駆動されるモジュールが電子装置内に設置されるようになる。同時に、駆動されるモジュールが対応する機能を実行できるようにするために、電子装置には、駆動されるモジュールを駆動するための駆動機構も含まれている。
【0003】
通常、駆動機構は主に駆動モータと伝達装置で構成されている。しかし、駆動モータと伝達装置の構造が複雑でサイズが比較的に大きいので、電子装置の内部空間のレイアウトに影響を与えることがある。それに、伝達装置は一般に金属材料でできているため、駆動機構の全体の質量が大きくなる。駆動モータが作動しているとき、ある程度の雑音が生成され、ユーザーエクスペリエンスに悪い影響を与えることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、従来の電子装置における駆動機構の構造が複雑である課題を解決するための電子装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本開示は以下の技術案を採用する。
【0006】
電子装置であって、ハウジング、駆動機構、および駆動されるモジュールを備え、前記ハウジングには、前記ハウジングの内部空間と連通する逃げ空間が設けられ、前記駆動機構は、少なくとも2つの第1のフィールド誘起変形部材を備え、前記第1のフィールド誘起変形部材が前記逃げ空間内に配置され、隣接する2つの前記第1のフィールド誘起変形部材が離間して配置され、且つ逆方向の通電電流を印加され、前記駆動されるモジュールと前記第1のフィールド誘起変形部材とが接続され、前記第1のフィールド誘起変形部材が通電状態にある場合、前記第1のフィールド誘起変形部材のそれぞれは、変形することにより前記駆動されるモジュールを駆動して回転させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示で採用された技術案は、以下の有益な効果を達成することができる。
【0008】
本開示の実施形態に開示される電子装置は、複数の第1のフィールド誘起変形部材の振動を利用して、駆動されるモジュールの回転方向に沿って伝播する進行波を形成することで、駆動されるモジュールを駆動して回転させる。従来の駆動機構と比べて、本開示で開示される実施形態では、駆動機構は、駆動モータおよび伝達装置を必要としないので、駆動機構の構造は比較的に簡単であり、それに、駆動機構が占有した電子装置の内部空間はより少なく、生じた雑音もより少なくなる。
【0009】
ここで説明されている図面は、本開示をよりよく理解できるようにすることが意図されており、本開示を設定する一部である。本開示の例示的な実施形態は、本開示を説明するために使用され、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態による開示された電子装置の模式図である。
【
図2】本開示の実施形態による開示された電子装置の駆動されるモジュールが引っ込み状態にある一部の構造の模式図である。
【
図3】本開示の実施形態による開示された電子装置の駆動されるモジュールが差し出し状態にある一部の構造の模式図である。
【
図4】本開示の実施形態による開示された電子装置一部の構造の模式図である。
【
図5】本開示の実施形態による開示された電子装置一部の構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の目的、技術案および利点を、さらに明らかにするために、以下では、本開示の実施形態および添付の図面を参照しながら、本開示の技術案を明瞭で完全に説明する。説明される実施形態は、本開示の実施形態の一部であり、すべての実施形態ではないことを言うまでもない。本開示の実施形態に基づいて、創造的な労働なしに当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本開示の保護範囲に含まれる。
【0012】
本開示のそれぞれの実施形態によって開示される技術案は、添付の図面を参照して以下で詳細に説明される。
【0013】
図1~
図5に示すように、本開示は電子装置を開示し、開示された電子装置は、ハウジング、駆動機構、および駆動されるモジュール100を備える。
【0014】
ハウジングは、電子装置の外側のコンポーネントであり、ハウジングは、電子装置の他のコンポーネントの設置位置を提供することができる。本開示の実施形態では、ハウジングには、ハウジングの内部空間と連通する逃げ空間が設けられている。
【0015】
駆動機構は駆動されるモジュール100と接続され、駆動されるモジュール100を駆動して移動させることができる。具体的に、駆動機構は少なくとも2つの第1のフィールド誘起変形部材200を備える。第1のフィールド誘起変形部材200は逃げ空間内に配置される。隣接する2つの第1のフィールド誘起変形部材200は離間して配置され、且つ逆方向の通電電流を印加される。駆動されるモジュール100と前記第1のフィールド誘起変形部材200とは接続される。第1のフィールド誘起変形部材200は、変形することにより駆動されるモジュール100を駆動して移動させる。
【0016】
駆動されるモジュール100は、カメラアセンブリ、補助光モジュール、指紋識別モジュール、USBインターフェース、および受話器のうちの少なくとも1つを含んでもよい。本開示の実施形態は、駆動されるモジュール100の特定のタイプを限定するものではない。
【0017】
具体的な動作プロセスにおいて、第1のフィールド誘起変形部材200が通電状態にある場合、各第1のフィールド誘起変形部材200は伸縮して変形し、且つ任意の隣接する第1のフィールド誘起変形部材200は交互に伸縮して変形するので、配置された少なくとも2つの第1のフィールド誘起変形部材200は、駆動されるモジュール100の回転方向に沿って伝播する進行波を形成し、それによって駆動されるモジュール100を駆動して回転させる。この場合において、駆動されるモジュール100は任意の方向に回転させることができることで、複数の方向での駆動されるモジュール100が動作することを実現するために複数の駆動されるモジュール100を設置する必要がなくなる。本開示の実施形態では、少なくとも2つの第1のフィールド誘起変形部材200が通電されて伸縮して変形することで進行波を形成するプロセスおよび原理は周知の技術であり、詳細は本明細書で再度説明しない。
【0018】
電子装置のハウジングとディスプレイ画面の両方に光透過領域を設けることができ、駆動されるモジュール100は、光透過領域を介して動作することができる。
【0019】
前述の動作するプロセスからわかるように、本開示の実施形態に開示される電子装置は、複数の第1のフィールド誘起変形部材200の振動を利用して、駆動されるモジュール100の回転方向に沿って伝播する進行波を形成することで、駆動されるモジュール100を駆動して回転させる。従来の駆動機構と比べて、本開示で開示される実施形態では、駆動機構は、駆動モータおよび伝達装置を必要としないので、駆動機構の構造は比較的に簡単であり、それに、駆動機構が占有した電子装置の内部空間はより少なく、生じる雑音もより少なくなる。
【0020】
本開示の実施形態で開示される電子装置では、第1のフィールド誘起変形部材200が駆動されるモジュール100を駆動する駆動効果を改善するために、駆動機構は、第1の弾性部300をさらに備えてもよい。具体的に、第1の弾性部300は、駆動されるモジュール100と第1のフィールド誘起変形部材200との間に設けられる。第1の弾性部300は、第1のフィールド誘起変形部材200の変形に伴い変形することができ、且つ第1の弾性部300は、第1のフィールド誘起変形部材200によって形成される進行波を増幅することができるので、第1のフィールド誘起変形部材200が駆動されるモジュール100を駆動する駆動効果は、一層強化される。
【0021】
駆動されるモジュール100の動作がハウジングの影響を受けないようにするために、具体的な動作プロセスにおいて、駆動されるモジュール100の少なくとも一部が、逃げ空間を通ってハウジングから差し出して動作することができる。それに、動作が完了すると、駆動されるモジュール100は、逃げ空間を通ってハウジング内に引っ込むことができる。したがって、駆動されるモジュール100をハウジング内に引っ込むか、または少なくとも部分的にハウジングから飛び出すことができるようにするために、駆動機構は、少なくとも2つの第2のフィールド誘起変形部材400を備えてもよい。同様に、第2のフィールド誘起変形部材400も逃げ空間内に設置してもよく、2つの隣接する第2のフィールド誘起変形部材400が離間して配置され、且つ逆方向の通電電流が印加される。
【0022】
具体的な動作プロセスにおいて、第2のフィールド誘起変形部材400が通電状態にある場合、各第2のフィールド誘起変形部材400は伸縮して変形し、且つ任意の隣接する2つの第2のフィールド誘起変形部材400は交互に伸縮して変形するので、配置された少なくとも2つの第2のフィールド誘起変形部材400は、駆動されるモジュール100の伸縮方向に沿って伝播する進行波を形成し、それによって駆動されるモジュール100を駆動して、逃げ空間を通ってハウジング内に引っ込むかハウジングから少なくとも部分的に飛び出すことができる。駆動されるモジュール100の2方向への移動を実現するためには、第2のフィールド誘起変形部材400の通電電流の方向を変えるだけでよい。
【0023】
この場合において、第1のフィールド誘起変形部材200と第2のフィールド誘起変形部材400は、互いに協調して駆動されるモジュール100を駆動して移動してもよい。具体的には、駆動されるモジュール100を駆動して所定の方向に回転させるように、第1のフィールド誘起変形部材200をまず制御し、次に駆動されるモジュール100を駆動してハウジングの外に差し出して動作させるように、第2のフィールド誘起変形部材400を制御してもよい。駆動されるモジュール100を駆動してハウジングの外に差し出させるように、第2のフィールド誘起変形部材400をまず制御し、そして駆動されるモジュール100を駆動して所定の方向に回転して動作させるように、第1のフィールド誘起変形部材200を制御してもよい。
【0024】
オプションの案では、第1のフィールド誘起変形部材200および第2のフィールド誘起変形部材400を同時に制御してもよい。具体的には、第1のフィールド誘起変形部材200は、駆動されるモジュール100を駆動して回転させるうちに、第2のフィールド誘起変形部材400は、駆動されるモジュール100を駆動してハウジングの外に差し出させることで、駆動機構は、駆動されるモジュール100に対して2つの駆動効果を同時に実行し、最終的に、駆動機構の動作効率を改善する。
【0025】
第1のフィールド誘起変形部材200および第2のフィールド誘起変形部材400が逃げ空間における配置は様々であってもよい。例えば、第1のフィールド誘起変形部材200および第2のフィールド誘起変形部材400は、駆動されるモジュール100の伸縮方向に離間して配置されてもよく、または第1のフィールド誘起変形部材200および第2のフィールド誘起変形部材400は、駆動されるモジュール100の回転方向に離間して配置されてもよい。オプションの案では、第1のフィールド誘起変形部材200および第2のフィールド誘起変形部材400は、駆動されるモジュール100の回転方向に離間して配置されてもよく、他の配置と比較して、この方式は第1のフィールド誘起変形部材200および第2のフィールド誘起変形部材400の設置により有益である。
【0026】
一方、この場合において、第1のフィールド誘起変形部材200は逃げ空間に整列して配置されてもよく、同様に、第2のフィールド誘起変形部材400も逃げ空間に整列して配置されてもよい。オプションの案では、第1のフィールド誘起変形部材200および第2のフィールド誘起変形部材400は、逃げ空間に交差して配置されてもよい。このようにして、任意の2列の隣接する第1のフィールド誘起変形部材200の間には、1列の第2のフィールド誘起変形部材400を離間して設置してもよい。各列の第1のフィールド誘起変形部材200および各列の第2のフィールド誘起変形部材400は、駆動されるモジュール100の伸縮方向に整列される。このような配置方法は、バランスの取れた駆動の目的を達成することができる。
【0027】
駆動機構は、第2の弾性部をさらに備えてもよい。具体的に、第2の弾性部は、駆動されるモジュール100と第2のフィールド誘起変形部材400との間に設けられる。第2の弾性部は、第2のフィールド誘起変形部材400によって形成される進行波を増幅することができるので、第2のフィールド誘起変形部材400が駆動されるモジュール100を駆動する駆動効果は、一層強化される。
【0028】
本開示で開示された実施形態では、逃げ空間は、ハウジングのミドルフレーム500に設置されてもよいか、またはハウジングの他の位置に設置されてもよい。通常、電子装置の外観と性能を向上させるために、ハウジングのミドルフレーム500に逃げ空間を設けてもよい。具体的には、逃げ空間を逃げ穴としてもよい。第1のフィールド誘起変形部材200を容易に設置するために、逃げ空間を溝にしてもよく、第1のフィールド誘起変形部材200を溝の内壁に敷くことができる。
【0029】
ハウジングのバックカバー600が駆動されるモジュール100の移動に影響を与えるのを防ぐために、本開示の実施形態では、ミドルフレーム500に第1の溝510を設けて、バックカバー600に第2の溝610を設けてもよい。第1の溝510および第2の溝610は、逃げ空間を形成する。この場合において、電子装置のコンパクトな構造を確保できるだけでなく、第1のフィールド誘起変形部材200の設置にも有利である。
【0030】
第2の溝610の内壁には、第1のフィールド誘起変形部材200を設置してもよい。それにより、第1のフィールド誘起変形部材200は、駆動されるモジュール100の複数の位置で駆動されるモジュール100を駆動して移動することができることで、第1のフィールド誘起変形部材200が駆動されるモジュール100を駆動する駆動効果を改善する。同時に、駆動されるモジュール100の移動の安定性を改善するために、第1の溝510における第1のフィールド誘起変形部材200と、第2の溝610における第1のフィールド誘起変形部材200とは、互いに反対側に配置することができるので、各位置で駆動されるモジュール100によって受け取られる駆動力は、比較的平衡され、それにより、駆動されるモジュール100は、スムーズに移動することができる。
【0031】
通常、第1のフィールド誘起変形部材200の電気的接続を容易にするために、電子装置は、電子回路層700をさらに備えてもよい。電子回路層700は、逃げ空間内に配置されてもよく、第1のフィールド誘起変形部材200は、電子回路層700上に配置され、且つ電子回路層700に電気的に接続されてもよく、各第1のフィールド誘起変形部材200の通電電流の制御を容易にする。
【0032】
ミドルフレーム500は、一般に金属部材である。したがって、ミドルフレーム500が電子回路層700と短絡するのを防ぐために、電子装置は、絶縁層800をさらに備えてもよい。具体的な設置過程において、絶縁層800は、逃げ空間上に敷くことができ、電子回路層700は、絶縁層800上に敷くことができるので、ミドルフレーム500と電子回路層700は、絶縁層800によって分離され、さらに、ミドルフレーム500と電子回路層700との間の短絡を防止する。同時に、層間の接続を確実にするために、各層は、結合によって一緒に積み重ねることができる。
【0033】
本開示の実施形態に開示された電子装置において、第1のフィールド誘起変形部材200および第2のフィールド誘起変形部材400の、駆動機能のための実施方法は様々であり、例えば、第1のフィールド誘起変形部材200および第2のフィールド誘起変形部材400は、共に電歪素子であってもよい。電歪素子は電歪材料で構成され、電歪材料は、圧電単結晶、圧電多結晶、圧電ポリマー、または圧電複合材料のいずれかでああてもよい。
【0034】
電歪素子の具体的な動作方式は次のとおりである。圧電材料の表面に電場を印加すると、電場の作用により電気双極子モーメントが伸ばされ、圧電材料は変化に抵抗するために電場の方向に沿って伸びるので、電歪を実現し、それにより、駆動されるモジュール100を駆動する目的を達成する。電歪素子の材料は様々である。オプションの案では、電歪素子は形状記憶合金部材にすることができる。形状記憶合金は他の材料で作られた電歪素子よりも長寿命である。
【0035】
第1のフィールド誘起変形部材200および第2のフィールド誘起変形部材400は、共に電磁コイルおよび磁歪素子を備えてもよい。電磁コイルおよび磁歪素子は、共に逃げ空間内に設置され、磁歪素子は駆動されるモジュール100に接続され、電磁コイルは、通電されると磁場を生成することができ、磁歪素子は、磁場中で磁化され、磁化の方向に変形することができる。具体的には、磁歪材料は、磁歪合金材料、圧電セラミック材料または磁歪希土類金属間複合材料などの材料の1つである。特定の動作プロセスでは、電磁コイルが通電されると、磁歪素子が電磁コイルの周囲の磁場によって磁化されることで、磁歪素子が変形し、最後に駆動されるモジュール100を駆動して移動させる。
【0036】
第1のフィールド誘起変形部材200および第2のフィールド誘起変形部材400の両方が光歪素子であってもよい。光歪素子の材料は光歪材料であり、光歪材料は、光線の照射下で変形され得るので、光歪素子を変形させて、駆動されるモジュール100を駆動して移動させることができる。光歪材料は、強誘電性材料、感光性ペロブスカイトなどであってもよい。
【0037】
本開示の実施形態で開示された電子装置は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、電子書籍リーダー、およびウェアラブルデバイスなどの装置であってもよい。当該電子装置は他の装置であってもよく、本開示の実施形態は、特定のタイプの電子装置を限定しない。
【0038】
本開示の上記の実施形態は、主に、様々な実施形態間の差異を説明する。様々な実施形態の異なる最適化された特徴が矛盾しない限り、それらを組み合わせて、より良い実施形態を形成することができる。説明の簡潔さを考慮して、ここでは繰り返さないことにする。
【0039】
上記の説明は、本開示の単なる実施形態であり、本開示を限定することを意図するものではない。本開示の様々な修正および変形が当業者に生じるであろう。本開示の精神および原則の範囲内で行われた修正、同等の交換、改善などは、本開示の請求項の範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0040】
100 駆動されるモジュール
200 第1のフィールド誘起変形部材
300 第1の弾性部
400 第2のフィールド誘起変形部材
500 ミドルフレーム
510 第1の溝
600 バックカバー
610 第2の溝
700 電子回路層
800 絶縁層
【国際調査報告】