(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(54)【発明の名称】アクティブアンテナスイッチングを有する聴覚装置
(51)【国際特許分類】
H04R 25/00 20060101AFI20221219BHJP
H04B 1/401 20150101ALI20221219BHJP
H04B 1/3827 20150101ALI20221219BHJP
【FI】
H04R25/00 M
H04B1/401
H04B1/3827 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523227
(86)(22)【出願日】2020-10-20
(85)【翻訳文提出日】2022-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2020079482
(87)【国際公開番号】W WO2021078730
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】503021401
【氏名又は名称】ジーエヌ ヒアリング エー/エス
【氏名又は名称原語表記】GN Hearing A/S
【住所又は居所原語表記】Lautrupbjerg 7, 2750 Ballerup, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シナースィー オズデン
(72)【発明者】
【氏名】イェスパー タイセン
(72)【発明者】
【氏名】セーレン ヘルストラップ クヴィスト
(72)【発明者】
【氏名】ジェンス ヘンリック ステフンズ
【テーマコード(参考)】
5K011
【Fターム(参考)】
5K011DA02
5K011DA27
5K011EA01
5K011EA06
5K011JA01
(57)【要約】
聴覚装置が開示される。聴覚装置は、信号プロセッサを備える。信号プロセッサは、動作の聴覚装置モードを決定するように構成され、聴覚装置モードは、第1のモードおよび第2のモードを備える。聴覚装置は、第1のワイヤレス通信部および第2のワイヤレス通信部、及び電磁放射線の放射および受信のための電気アンテナをさらに備える。アンテナは、第1の周波数で共振するように構成される。聴覚装置は、さらに、第1のワイヤレス通信部及び第2のワイヤレス通信部をアンテナと相互接続するように構成されるアクティブ整合装置を含む。第1のモードでは、アクティブ整合装置は、アンテナの第1の周波数の電磁放射線の放射及び受信を可能にするように構成される。第2のモードでは、アクティブ整合装置は、アンテナのアンテナ特性を調整することによって、アンテナに第2の周波数の電磁放射線を放射及び受信させるように構成される。
【選択図】
図3e
【特許請求の範囲】
【請求項1】
聴覚装置であって、
動作の聴覚装置モードを決定するように構成される信号プロセッサであって、前記聴覚装置モードは、第1のモードと第2のモードとを備える、前記信号プロセッサと、
第1のワイヤレス通信部及び第2のワイヤレス通信部と、
電磁放射線を放射及び受信するための電気アンテナであって、当該アンテナは、第1の周波数で共振するように構成される、前記電気アンテナと、
前記第1および第2のワイヤレス通信部と前記アンテナとを相互接続するように構成されるアクティブ整合装置であって、前記第1のモードでは、前記アンテナが前記第1の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にし、前記第2のモードでは、前記アンテナのアンテナ特性を調整することによって、前記アンテナが前記第2の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にするように構成される、前記アクティブ整合装置と、
を備える、
聴覚装置。
【請求項2】
前記アクティブ整合装置は、アンテナインピーダンス、前記アンテナの電気長、および放射効率のうちの1つまたは複数の前記アンテナ特性を調整するように構成される、
請求項1に記載の聴覚装置。
【請求項3】
前記アンテナ特性の調整は、前記アンテナに沿った電流分布、および/または前記アンテナの周波数応答を変化させる、
請求項の1または2に記載の聴覚装置。
【請求項4】
前記第1および第2のワイヤレス通信部と前記アクティブ整合装置とを相互接続するダイプレクサをさらに備え、
前記ダイプレクサは、前記第1の周波数の信号を前記第2の周波数の信号から分離するように構成される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項5】
前記アクティブ整合装置は、前記第1のモードにおいて、前記アンテナのインピーダンスを前記第1のワイヤレス通信部と整合させるように構成される第1の整合回路を備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項6】
前記アクティブ整合装置は、第2の整合回路であって、
前記アンテナのインピーダンスを前記第2のワイヤレス通信部に整合させるように構成される一次整合回路と、
前記第2のモードにおいて、前記アンテナのアンテナ特性を前記第2の周波数と整合するように調整するように構成される二次整合回路と、
を有する前記第2の整合回路を備える、
請求項4に従属する請求項5に記載の聴覚装置。
【請求項7】
前記第1の整合回路および前記一次整合回路は、同一の整合回路である、
請求項5に従属する請求項6に記載の聴覚装置。
【請求項8】
前記第1の整合回路および前記第2の整合回路のそれぞれは、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、ダイオードおよびトランジスタのグループから選択される1つまたは複数の部品を備える、
請求項5から7のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項9】
前記信号プロセッサは、前記聴覚装置モードの決定に応じて、前記アクティブ整合装置に制御信号を提供するように構成される、
請求項1から8のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項10】
前記アクティブ整合装置は、前記制御信号に従って、前記第1の整合回路と前記第2の整合回路とを切り換えるように構成される、
請求項8に記載の聴覚装置。
【請求項11】
前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも高く、
前記第2の周波数は、前記第1の周波数の半分以上である、
請求項1から10のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項12】
前記第2のモードにおける前記アンテナの前記アンテナ特性は、前記第2の周波数、または前記第2の周波数の±20%以内の周波数において、共振アンテナを得るように調整される、
請求項1から11のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項13】
前記第1のモードにおける前記アンテナは、前記聴覚装置がユーザの耳における動作位置に装着されるときに、前記ユーザの一対の耳を結ぶ軸と平行となる前記アンテナのセクションにおいて最大電流を有するように構成される、
請求項1から12のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項14】
前記アンテナは、第1の端部を有し、
前記第1の端部は、前記聴覚装置の第1の側部で給電部に接続され、
前記アンテナは、第2の端部を有し、
前記第2の端部は、前記聴覚装置の第2の側部でグランド電位に接続され、
前記第2の側部は、前記第1の側部の反対側であり、
前記アンテナは、第1の電気長を有し、
前記第1の側部から前記第2の側部に延在する前記アンテナのセクションは、前記第1の電気長の約半分のところにある、
請求項1から13のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項15】
聴覚装置を動作させる方法であって、
前記聴覚装置は、
信号プロセッサと、
第1および第2のワイヤレス通信部と、
電磁放射線を放射および受信するためのアンテナであって、第1の周波数で共振するように構成される前記アンテナと、
アクティブ整合装置と、を備え、
前記方法は、
前記信号プロセッサにおいて、動作の聴覚装置モードを決定することを備え、
前記聴覚装置モードは、第1のモードと第2のモードとを備え、
前記方法は、
前記第1のモードでは、
前記第1のワイヤレス通信部を、前記アクティブ整合装置を介して前記アンテナと相互接続することと、
前記アンテナが前記第1の周波数の電磁放射線を放射および受信することを可能にすることと、を備え、さらに
前記第2のモードでは、
前記第2のワイヤレス通信部を、前記アクティブ整合装置を介して前記アンテナと相互接続することと、
前記アンテナのアンテナ特性を調整することによって、前記アンテナが、前記第2の周波数において電磁放射線を放射および受信することを可能にすることと、
を備える、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、聴覚装置および方法に関する。特に、ワイヤレス通信能力を有し、したがって、通信用のアンテナを備える聴覚装置に関する。
【0002】
本開示はさらに、磁気誘導を使用して通信するように、および/または無線周波数を使用して通信するように構成される聴覚装置に関する。聴覚装置は、バイノーラル聴覚装置システムにおいて使用されてもよい。聴覚装置は、ユーザの聴力損失を補償するための聴覚装置であってもよい。動作中、聴覚装置は、例えば、ユーザの聴力損失を軽減するために、ユーザの耳の中または耳に装着される。
【背景技術】
【0003】
補聴器などの聴覚装置は、バイノーラル聴覚装置システム内の別の聴覚装置と通信するため、および/または他の電子装置、例えば、スマートフォンと通信するためのアンテナおよびワイヤレス通信部を備えていてもよい。
【0004】
しかしながら、他の聴覚装置または電子装置との通信を提供する改良された聴覚装置が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、改善されたワイヤレス通信能力、例えば、他の聴覚装置又は電子装置との改善されたワイヤレス通信能力を有する聴覚装置を提供することである。
【0006】
一対の耳の間の(E2E)リンクが保証されるとき、聴覚装置間の無線接続性により、改善されたバイノーラル信号処理が可能となる。さらに、聴覚装置は、身体に装着されるか、またはユーザの近くに配置され得る、非常に多くの電子装置またはアクセサリに接続されてもよく、したがって、いわゆるモノのインターネット(IoT)の一部としてインターネットに接続されてもよい。安定したE2Eリンクを確保することが望まれている。低電力通信、例えば、BLEやZigBeeのための多くの整合規格が存在し、産業的使用のために世界中で利用可能であり、さらに、達成可能な電力消費と範囲との間でトレードオフされることから、2.4GHz ISMバンドが好適であり得る。したがって、2.4GHzバンドは、聴覚装置通信に使用され得る。現在、1.6GHzのISMバンドも、聴覚装置に使用することができる。
【0007】
E2Eリンクは、ウェアラブルアンテナの設計および性能に関する要件を満たし得る。身体に装着された時の良好な性能を達成するために、アンテナは、最適な放射効率、バンド幅、偏波、および放射パターンを示し得るが、一方で設計のために利用可能な容積は減少する。これは、ほとんど場合、あらゆるタイプの聴覚装置のようなウェアラブル装置では、空間が不足し、貴重であるためである。さらに、大量生産および工業デザインのニーズにより、アンテナは、さらに、目立たず、軽く、および、低コストで製造されることが求められ得る。様々な総体的な制約が関連し得る。体組織はその高含水率が原因で、1.5GHzより上において、例えば、約1.6GHzおよび約2.4GHzにおいて高い損失を受けるため、アンテナが人の頭部に近接すると、効率が悪化するおそれがある。これは、効率の低下の大きさと、聴覚装置の無線機器が超低電力領域で動作し得るという事実とを考慮すると、総体的な性能に重大な影響を与えるおそれがある。アンテナの設計に利用可能な容積が少ないと、必然的に、アンテナが装置の他の部分に対して、物理的に接近し、さらに電気的にも近接し、それらに結合する可能性が高くなり、アンテナの効率が悪化するという問題もある。同様に、電気的に小さなアンテナでは、その基本的限界のため、大きなバンド幅を達成することは難しい。バンド幅は、少なくとも2.4GHz ISMバンド幅の全体、例えば、2.45GHz +/2.5%、2.45GHz +/5%をカバーしてもよく、および/または、1.6GHz周辺、例えば、1.6GHz +/2.5%、1.6GHz+5%のバンド幅をカバーしてもよい。しかしながら、バンド幅が大きいほど、ユーザによって異なる身体に起因する、アンテナの離調を補償するのに役立つ可能性がある。
【0008】
本開示によれば、上記および他の目的は、聴覚装置および方法によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
信号プロセッサを備える聴覚装置が開示される。信号プロセッサは、動作の聴覚装置モードを決定するように構成される。聴覚装置モードは、第1のモードおよび第2のモードを含む。聴覚装置は、ワイヤレス通信部を備える。聴覚装置は、第1のワイヤレス通信部と、第2のワイヤレス通信部とを備えてもよい。聴覚装置は、電磁放射線の放射及び受信のためのアンテナを備える。アンテナは、電磁放射線の放射および受信のための電気アンテナであってもよい。アンテナは、第1の周波数で共振するように構成される。聴覚装置は、アクティブ整合装置を備える。アクティブ整合装置は、第1および第2のワイヤレス通信部を、アンテナと相互接続するように構成される。アクティブ整合装置は、第1のモードでは、アンテナが、第1の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にするように構成される。アクティブ整合装置は、第2のモードでは、アンテナのアンテナ特性を調整し、アンテナが、第2の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にするように構成されてもよい。
【0010】
開示される聴覚装置は、第1の周波数で共振するように構成されるアンテナが、第2の周波数でも共振するように構成されることができるという利点を提供する。したがって、動作の第1のモードでは、アクティブ整合装置は、アンテナが、第1の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にし、動作の第2のモードでは、アクティブ整合装置は、アンテナが、第2の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にする。したがって、アンテナが第1の周波数に加え、さらに、第2の周波数で電磁放射線を放射および受信することができるという点で有益である。アンテナが、第1のモードでは第1の周波数で、第2のモードでは第2の周波数で、電磁放射線を放射し、受信することができるという点で有益である。したがって、同じアンテナ、例えば、1つのアンテナ、例えば1つの電気アンテナによって、聴覚装置が、異なるまたは複数の周波数、例えば、第1の周波数および第2の周波数などの2つ以上の周波数で、他の聴覚装置または電子装置とワイヤレス通信をすることを可能にするという点で有益である。
【0011】
所定の実際のまたは物理的なサイズ、例えば、所定の長さおよび/または体積を有する電気アンテナは、放射効率、偏波、バンド幅、および放射パターンのような所定のアンテナ効率を伴い/所定のアンテナ効率で、所定の周波数で電磁放射線を放射し、受信することができる。
【0012】
アンテナが、アンテナの物理的なサイズを変更する必要無く、2つ以上の周波数で放射および受信できることは有益である。別言すれば、アクティブ整合装置によって、聴覚装置が動作の第1のモードにあるときに、アンテナが第1の周波数で放射及び受信することが可能となり、さらに、アンテナの物理的サイズを変更することなく、聴覚装置が動作の第2のモードにあるときに、アンテナが第2周波数で放射及び受信することが可能となるという点で有益である。
【0013】
いくつかの実施形態では、アンテナは、アンテナ効率を失うことなく、例えば、少なくとも、かなりのまたは実質的な量または程度のアンテナ効率を失うことなく、2つ以上の周波数で放射および受信することができる。別言すれば、アクティブ整合装置によって、第1の周波数、第2の周波数のいずれにおいても、アンテナ効率を損なうことなく、例えば、少なくともかなりの量のアンテナ効率を失うことなく、聴覚装置は動作の第1のモードにあるときに、アンテナが第1の周波数で放射及び受信することが可能となり、さらに、聴覚装置が動作の第2のモードにあるときに、アンテナが第2の周波数で放射及び受信することが可能となる。
【0014】
いくつかの実施形態では、聴覚装置が動作の第1のモードにあるときに、アンテナが第1の周波数で放射および受信することを可能にすることは、第1の周波数におけるアンテナ効率が、第1の閾値効率を上回ることを意味する。いくつかの実施形態では、聴覚装置が動作の第2のモードにあるときに、アンテナが第2の周波数で放射および受信するのを可能にすることは、第2の周波数におけるアンテナ効率が、第2の閾値効率を上回ることを意味する。
【0015】
いくつかの実施態様において、第1の閾値効率及び第2の閾値効率は、同じ閾値効率である。したがって、アクティブ整合装置は、第1の周波数、第2の周波数のいずれにおいても、アンテナ効率を損なうことなく、例えば、少なくともかなりの量のアンテナ効率を失うことなく、聴覚装置が動作の第1のモードにあるときに、アンテナが第1の周波数で放射および受信することを可能にし、聴覚装置が動作の第2のモードにあるときに、アンテナが第2の周波数で放射および受信することを可能にするように構成されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1の閾値効率と第2の閾値効率は異なる。いくつかの実施態様において、第1の閾値効率は、第2の閾値効率よりも高い。いくつかの実施形態では、第1の閾値効率は、第2の閾値効率よりも10%高く、例えば、第2の閾値効率よりも少なくとも10%高い。
【0017】
いくつかの実施形態では、アクティブ整合装置とアンテナは、一体で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、アクティブ整合装置及びアンテナは、第1のモードでは少なくとも第1の閾値効率に到達し、第2のモードでは少なくとも第2の閾値効率に到達するように、一体で構成されてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、アンテナは、第1の周波数におけるアンテナ効率を最適化するように構成される。例えば、アンテナの物理的な実装は、第1の周波数におけるアンテナ効率を最適化するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、アンテナは、第1の周波数で共振するように構成される。いくつかの実施形態では、アンテナの物理的な実装は、アンテナが第1の周波数で共振する、すなわち共振応答を有するように選択される。典型的には、第1の周波数において最適化された効率を有するようにアンテナを構成すると、第2の周波数を含む別の周波数におけるアンテナ効率がより低くなり、トレードオフがもたらされる。本発明の利点は、アクティブ整合装置を含むことによって、第2の周波数におけるアンテナ効率が改善され得ることである。
【0019】
ユーザ又は聴覚装置の装着者の頭部は、音波の伝播を妨げる障害物として作用することがある。さらに、ユーザの頭部は、無線周波数(RF)波または信号の伝播を妨げる障害物として作用することがある。この影響は、信号の周波数または波長によって異なる。頭部の影響は、頭部のサイズに比して波長が長いほど低いか、あるいは小さくなる。頭部の影響は、頭部のサイズに比して波長が短いほど高いか、あるいは大きくなる。従って、無線周波数でワイヤレス通信を実行するように構成される聴覚装置を設計する場合、典型的には、特に、長距離でのワイヤレス通信、例えば、ブロードキャストの場合に、一定の無線周波数における障害物としてのユーザの頭部の影響も考慮される。一定の無線周波数におけるワイヤレス通信のために聴覚装置を最適化するために、特に、アンテナ特性および/またはアンテナ構成を最適化することが求められる。
【0020】
例えば、第1の周波数におけるアンテナ効率が、第2の周波数におけるアンテナ効率よりも高くなり得るように、または、例えば、第1の周波数におけるアンテナ偏波または放射パターンが、アンテナが人の頭部に近いことによってもたらされる課題を回避するために最適化され得るように、聴覚装置が第1の周波数における他の聴覚装置または電子装置とのワイヤレス通信のために最適化され得ることは有益である。
【0021】
聴覚装置が、第1の周波数および第2の周波数の両方において、他の聴覚装置または他の電子装置とのワイヤレス通信のために最適化され得ることは有益である。いくつかの実施形態では、第1の周波数および第2の周波数の両方において、他の聴覚装置または電子装置とのワイヤレス通信のために聴覚装置を最適化する結果、第1の周波数におけるアンテナ効率は、第2の周波数におけるアンテナ効率と等しいか、または同一になり得、例えば、第2の周波数におけるアンテナ効率とほぼ等しいか、または実質的に同一となり得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1の周波数および第2の周波数の両方において、他の聴覚装置または電子装置とのワイヤレス通信のために聴覚装置を最適化する結果、第1の周波数における第1のアンテナ効率は、第2の周波数におけるアンテナ効率よりも高くなり得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、聴覚装置は、2.4GHz ISMバンドおよび/または1.6GHz ISMバンドを使用してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、第1の周波数は2.4GHz ISMバンドで選択され、第2の周波数は1.6GHz ISMバンドで選択される。聴覚装置が2つの異なる周波数、例えば、第1の周波数および第2の周波数で聴覚装置または電子装置とワイヤレスで通信することができることは有益である。聴覚装置が2.4GHz ISMバンドおよび/または1.6GHz ISMバンドを使用して、聴覚装置または電子装置とワイヤレスで通信することができることは有益である。
【0024】
聴覚装置は、1つまたは複数の外部装置、例えば、少なくとも1つのスマートフォン、少なくとも1つのタブレット、少なくとも1つの聴覚アクセサリ装置であって、少なくとも1つのスパウズ(spouse)マイクロフォン、リモコン、オーディオ試験装置、を含む少なくとも1つの聴覚アクセサリ装置、を含む1つまたは複数の外部電子装置と、またはいくつかの実施形態では、別の耳に配置された別の聴覚装置などの別の聴覚装置と、典型的にはバイノーラル聴覚装置システムにおいて通信するように構成されてもよい。
【0025】
したがって、聴覚装置がバイノーラル聴覚装置システムにおける別の聴覚装置などの他の聴覚装置、またはスマートフォンなどの外部電子装置との改善された通信を提供するということは有益である。
【0026】
聴覚装置は、受信されたオーディオ信号に基づいて1つまたは複数のマイクロフォン出力信号を生成するために、第1のトランスデューサ、すなわちマイクロフォンを備えてもよい。聴覚装置は、信号プロセッサを備える。1つまたは複数のマイクロフォン出力信号は、1つまたは複数のマイクロフォン出力信号を処理するために信号プロセッサに提供されてもよい。聴覚装置は、レシーバ又はスピーカ又はラウドスピーカを備えてもよい。レシーバは、信号プロセッサの出力を、ユーザの聴覚障害を補償するように修正された信号に変換するために、信号プロセッサの出力部に接続されてもよく、修正された信号をレシーバに提供してもよい。
【0027】
聴覚装置は、あらゆる聴覚装置、例えば、聴覚装置のユーザの聴力損失を補償するあらゆる聴覚装置、またはユーザに音を提供するあらゆる聴覚装置であってもよい。
当業者は、様々な種類の聴覚装置と、聴覚装置を聴覚装置のユーザの耳の中および/または耳に配置するための様々なオプションをよく理解している。
【0028】
例えば、聴覚装置は、耳掛け型(behind-the-ear(BTE))聴覚装置であってもよく、耳掛け型モジュールは、アセンブリとして提供されるとともに、動作位置でユーザの耳の後ろに装着されるように構成されるハウジングに取り付けられた聴覚装置部品を備える。典型的には、サウンドチューブは、聴覚装置ハウジングからユーザの外耳道まで延在する。
【0029】
例えば、聴覚装置は、耳内型(in-the-ear)レシーバタイプの聴覚装置であってもよい。その場合、レシーバが、例えば、耳内型モジュールの例えば一部として使用中にユーザの耳内、例えば外耳道内に配置される。一方で、他の聴覚装置部品、例えば、プロセッサ、ワイヤレス通信部、バッテリなどが、耳掛け型モジュールとして提供される。典型的には、チューブは、耳内型モジュールと耳掛け型モジュールとを接続する。チューブを備えるチューブモジュールは、さらに、補聴器部品およびコネクタを備え得ることが想定されるべきである。
【0030】
例えば、聴覚装置は、ユーザの耳に設けられる耳内型又は完全外耳道内型の聴覚装置であってもよい。したがって、耳内型モジュールは、プロセッサ、ワイヤレス通信部、バッテリ、マイクロフォンおよびスピーカなどを含む聴覚装置部品を備える。耳内型モジュールは、外耳道内に延在する1つまたは複数の部分を有してもよい。したがって、耳内型モジュールは、耳内および外耳道内に配置されるように構成されてもよい。
【0031】
聴覚装置は、信号プロセッサを備える。信号プロセッサは、デジタル信号プロセッサ(DSP)であってもよい。信号プロセッサは、例えば、増幅器、コンプレッサ、および/またはノイズ低減システムなどの要素を備えてもよい。信号プロセッサは、信号処理チップ内に実装されてもよい。信号プロセッサは、プリント回路基板に/上に、例えば、プリント回路基板に配置されるか、あるいは、プリント回路基板に/上に取り付けられて、提供されてもよい。信号処理チップおよび/またはプリント回路基板は、さらなる電子部品を含んでもよい。聴覚装置は、出力信号を最適化するための補償フィルタなどのフィルタ機能をさらに備えてもよい。
【0032】
本開示では、信号プロセッサは、動作の聴覚装置モードを決定するように構成される。聴覚装置モードは、動作の第1のモードおよび動作の第2のモードを含む。信号プロセッサは、アクティブ整合装置に制御信号を提供するように構成されてもよい。制御信号は、動作の聴覚装置モードに関する情報を提供する。
【0033】
いくつかの実施形態では、信号プロセッサは、第1のタイプのワイヤレス通信のための動作の第1のモードを選択し、第2のタイプのワイヤレス通信のための動作の第2のモードを選択するように構成される。いくつかの実施形態では、動作の第1のモードは、高効率を必要とするワイヤレス通信のタイプのために選択される。いくつかの実施形態では、動作の第1のモードは、低電力通信のために選択される。いくつかの実施形態では、動作の第1のモードは、ユーザの別の耳の聴覚装置との通信のために使用される。いくつかの実施形態では、動作の第2のモードは、別の外部電子装置との通信のために使用される。いくつかの実施形態では、動作の第1のモードは、レイテンシに対する特定の要件を有するワイヤレス通信のために選択されてもよい。いくつかの実施形態では、動作の第1のモードは、短いレイテンシを要するワイヤレス通信、例えば、オーディオストリーミングを可能にするために選択されてもよい。
【0034】
聴覚装置は、動作の第1の聴覚装置モードにおいて、第1の周波数で他の聴覚装置または電子装置とワイヤレスで通信してもよい。聴覚装置は、動作の第2の聴覚装置モードにおいて、第2の周波数で他の聴覚装置または電子装置とワイヤレスで通信してもよい。
【0035】
聴覚装置は、ワイヤレス通信部を備えてもよい。聴覚装置は、第1のワイヤレス通信部と、第2のワイヤレス通信部とを備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1のワイヤレス通信部および第2のワイヤレス通信部は、同一のワイヤレス通信部として実装される。聴覚装置は、第1および第2のワイヤレス通信部、例えば、第1のワイヤレス通信部および第2のワイヤレス通信部を備えてもよい。ワイヤレス通信部は、ワイヤレス通信回路として実現されてもよい。第1および第2のワイヤレス通信部は、それぞれ、第1および第2のワイヤレス通信回路として実装されてもよい。ワイヤレス通信部は、ワイヤレスデータ通信を含むワイヤレス通信のために構成されてもよく、この点において、電磁場の放射および受信のためにアンテナと相互接続されてもよい。第1および第2のワイヤレス通信部は、ワイヤレスデータ通信を含むワイヤレス通信のために構成されてもよく、この点において、電磁場の放射および受信のためにアンテナと相互接続される。ワイヤレス通信部、例えば、第1および第2のワイヤレス通信部は、他の聴覚装置および/または他の外部電子装置とのワイヤレス通信を提供するために、信号プロセッサをアンテナと相互接続するように構成されてもよい。
【0036】
各ワイヤレス通信部は、トランスミッタ、レシーバ、トランスミッタ-レシーバのセット、例えば、トランシーバ、無線ユニット等を備えてもよい。各ワイヤレス通信部は、Bluetooth Low Energy、Bluetooth Smartなどを含むBluetooth(登録商標)、WLAN規格、製造固有のプロトコル、例えば、調整された近接アンテナプロトコル、例えば、独自のプロトコル、例えば、低電力ワイヤレス通信プロトコル、例えば、CSRメッシュなど、の当業者に知られているあらゆるプロトコルを使用して通信するように構成されてもよい。
【0037】
聴覚装置は、電磁放射線の放射及び受信のためのアンテナを備える。いくつかの実施形態では、アンテナは電気アンテナである。アンテナは、第1の周波数で共振するように構成される。いくつかの実施形態では、アンテナは、第1の周波数における共振アンテナである。アンテナの効率は、共振周波数において最大効率、または最大効率に近くなる。このため、共振周波数で、例えば、アンテナが共振する周波数、またはそれに近い周波数で、アンテナを動作させることは有益である。共振アンテナは、アンテナ給電点において、いかなるリアクタンス(容量性またはインダクタンス)も伴わない、実質的にまたはほぼ純粋な抵抗を有してもよい。したがって、改善されたインピーダンスインターフェース、例えば、第1のモードのアンテナと第1のワイヤレス通信部との間で、改良されたインピーダンス整合またはインピーダンスブリッジングを提供することができるので、アンテナが第1の周波数の共振アンテナであり得ることは有益である。
【0038】
アンテナは、電気アンテナであってもよい。アンテナは、無線周波数、例えば、800MHzを超える周波数、例えば、1GHzを超える周波数、例えば、1.5GHzを超える周波数で動作するように構成されてもよい。アンテナは、無線周波数、例えば、1つまたは複数のISM周波数バンドで動作するように構成されてもよい。アンテナは、これらの周波数で動作可能なあらゆるアンテナであってよい。アンテナは、あらゆる方法で実装することができる。アンテナは、モノポールアンテナ、ダイポールアンテナなどであってもよい。アンテナは、ループアンテナ、例えば、開ループアンテナであってもよい。アンテナは、既知のあらゆるアンテナ、例えば、あらゆる電気アンテナであってもよい。あるいは、アンテナは、細長い導電材料であってもよく、または細長い導電材料を含んでもよい。細長い導電材料は、あらゆる既知の方法で電磁放射線を放射または受信するように構成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、アンテナは、動作の第1のモードにおける第1の周波数で共振してもよく、例えば、共振アンテナであってもよい。アクティブ整合装置は、動作の第2のモードにおいて第2の周波数でアンテナを共振させ、例えば、共振アンテナにしてもよい。したがって、例えば放射信号のような、異なる周波数を有する2つの電磁信号が、アンテナによって放射および/または受信されてもよい。アンテナは、第1のワイヤレス通信部および第2のワイヤレス通信部と相互接続されてもよい。
【0040】
アンテナは、アンテナ構成、例えば、アンテナ配置またはセットアップで提供されてもよい。アンテナ構成は、アンテナを備えてもよい。アンテナ構成は、アクティブ整合装置をさらに備えてもよい。用語「アンテナ構成」は、アンテナがどのように構成または配置されるか、または聴覚装置に提供されるか、例えば、アンテナがどのように接続および/または励起されるかを説明するために使用されてもよい。
【0041】
聴覚装置は、アクティブ整合装置を備える。アクティブ整合装置は、第1のワイヤレス通信部および第2のワイヤレス通信部をアンテナと相互接続するように構成される。したがって、アクティブ整合装置は、アンテナと第1及び第2のワイヤレス通信部との間に配置されてもよい。アクティブ整合装置は、信号プロセッサから制御信号を受信するように構成されてもよい。このため、アクティブ整合装置は、パッシブ整合装置ではなくアクティブ整合装置としてもよい。アクティブ整合装置は、1つまたは複数のスイッチ、例えば、少なくとも1つのスイッチを備えてもよい。1つまたは複数のスイッチは、動作時に回路内の導電経路を遮断または復元するように構成されてもよい。1つまたは複数のスイッチは、1組または1対の接点、例えば、1つまたは複数の組の接点を備えるように構成されてもよい。接点は、同時に動作するように、例えば、順次または交互に動作するように構成されてもよい。1つまたは複数のスイッチは、あらゆる種類またはタイプのスイッチ、例えば、単投(single-throw)スイッチ、双投スイッチ、切替スイッチ、「単極単投」(single-pole,single-throw(SPST)スイッチ、または「単極双投」(single-pole,dоuble-throw(SPDT))スイッチであってもよい。1つまたは複数のスイッチは、異なるタイプのスイッチ、例えば、1つのスイッチが1つのタイプのスイッチであり、別のスイッチが別のタイプのスイッチであってもよい。したがって、1つまたは複数のスイッチによって、アクティブ整合装置は、少なくとも2つの導電経路、例えば、少なくとも2つの整合回路、例えば、少なくとも2つの電気回路の間で切り替えるように構成されてもよい。切り替えは、動作の聴覚装置モードによって決定され、または動作の聴覚装置モードに依存してもよく、例えば、動作の聴覚装置モードに関する情報を提供可能な制御信号によって決定されてもよい。制御信号は、信号プロセッサによって、または信号プロセッサから提供されてもよい。
【0042】
第1のモードのアクティブ整合装置は、アンテナが第1の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にするように構成される。第2のモードのアクティブ整合装置は、アンテナが第2の周波数で電磁放射線を放射及び受信することを可能にするように、アンテナのアンテナ特性を調整する、例えば、修正する、部分的に変更する、または同調する、または変更するように構成される。従って、動作の第1のモードでは、アクティブ整合装置は、第1のワイヤレス通信部をアンテナへ相互接続、例えば、接続してもよい。動作の第2のモードでは、アクティブ整合装置は、第2のワイヤレス通信部とアンテナを相互接続、例えば、接続してもよい。したがって、アクティブ整合装置は、動作の聴覚装置モードに応じて、アンテナを第1のワイヤレス通信部または第2のワイヤレス通信部に相互接続してもよい。別言すれば、第1のモードでは、アクティブ整合装置によって、アンテナは第1のワイヤレス通信部と相互接続されてもよい。第1のモードでは、アクティブ整合装置によって、アンテナは第1の周波数の電磁放射線、例えば、信号を放射および受信してもよい。第2のモードでは、アクティブ整合装置によって、アンテナは第2のワイヤレス通信部と相互接続されてもよい。第2のモードでは、アクティブ整合装置によって、アンテナは第2の周波数の電磁放射線、例えば、信号を放射し、受信してもよい。
【0043】
第1の周波数は、2.4GHzであってもよい。第2の周波数は、1.6GHzであってもよい。本開示は、第1の周波数および第2の周波数などの所定の周波数の電磁放射線に言及する。しかしながら、アンテナによって放射および/または受信される電磁放射線、例えば電磁信号が、特定のバンドまたはバンド幅を有することは、当業者にとって、容易に理解することができる。バンド幅は、周波数の連続したバンドを含み、バンド幅は、中心周波数によって画定されてもよい。したがって、第1の周波数は、第1のバンド幅を有する第1の中心周波数であってもよい。第1の中心周波数は、2.4GHz、例えば、2.35GHz又は2.44GHzであってもよい。第1のバンド幅は、2.3GHz~2.5GHzであってもよい。第2の周波数は、第2のバンド幅を有する第2の中心周波数であってもよい。第2の中心周波数は、1.6GHz、例えば、1.55GHz又は1.64GHzであってもよい。第2のバンド幅は、1.5GHz~1.7GHzであってもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、アクティブ整合装置は、アンテナインピーダンス、アンテナの電気長、および放射効率のうちの1つまたは複数のアンテナ特性を調整するように構成される。アンテナ特性は、さらに、ゲインおよび放射強度を備えてもよい。1つまたは複数のアンテナ特性は、例えば、アンテナ上の電流分布の変化、例えば、アンテナにおける電流振幅の変化、を介して調整されてもよい。1つまたは複数のアンテナ特性の調整によって、例えば暗黙的または本質的に、アンテナ放射特性のさらなる特性が変更されてもよい。例えば、アンテナの放射パターンおよび/または偏波および/または指向性が変更されてもよい。
【0045】
したがって、アクティブ整合装置は、1つまたは複数のアンテナ特性を調整するように構成されてもよい。当業者であれば、コンパクトな装置、例えば、聴覚装置のアンテナのデザインは、アンテナ特性に関する実用的かつ基本的なデザイン上のトレードオフのために、重大な課題であることを理解するであろう。当業者であれば、アンテナ特性のうちの1つの変化が、他のアンテナ特性にも変化を及ぼすように、アンテナ特性が互いに関連し得ることを理解するであろう。
【0046】
動作の第2のモードにおけるアンテナのアンテナ特性は、動作の第1のモードにおけるアンテナ特性と異なっていてもよく、または非類似であってもよい。例えば、動作の第2のモードにおけるアンテナのアンテナ特性のうちの1つまたは複数は、動作の第1のモードにおけるアンテナ特性のうちの1つまたは複数と異なっていてもよい。
【0047】
あるいは、またはさらに、動作の第2のモードにおけるアンテナのアンテナ特性のうちの1つまたは複数は、動作の第1のモードにおけるアンテナ特性のうちの1つまたは複数と同一、または等しく、例えば、実質的に、またはほぼ等しくてもよい。
【0048】
あるいは、またはさらに、第2のモードにおけるアンテナの電気長は、第1のモードにおけるアンテナの電気長と異なってもよい。
【0049】
あるいは、またはさらに、第1のモードにおけるアンテナのインピーダンスは、第2のモードにおけるアンテナのインピーダンスと同一または等しく、例えば、実質的に、またはほぼ等しくてもよい。
【0050】
アンテナが第2の周波数で電磁放射線を放射及び受信することができるようになるので、アクティブ整合装置がアンテナ特性のうちの1つまたは複数を調整するように構成されることは有益である。したがって、アンテナ特性のうちの1つまたは複数を調整することによって、アンテナは、第2の周波数、またはその近傍で共振することができる。1つまたは複数のアンテナ特性を調整することによって、聴覚装置が、第1の周波数および第2の周波数の両方で、他の聴覚装置または電子装置とのワイヤレス通信のために構成されることができることは有益である。
【0051】
聴覚装置の柔軟な設計が可能となり、特に、同一のアンテナ、例えば、同一の電気アンテナを使用して第1の周波数および第2の周波数での通信を可能にするので、アクティブ整合装置が、アンテナ特性の1つまたは複数を調整するように構成されることは、有益である。聴覚装置には、聴覚装置のサイズに関する厳しい制限が存在するため、1つのアンテナを、より多くの周波数、例えば、第1の周波数および第2の周波数で通信するために使用することができることは有益である。
【0052】
アンテナ特性のうちの1つまたは複数が、動作のモード、例えば、第1のモードまたは第2のモードで、あるいは両方の動作のモードで最適化されることができるため、アンテナ特性のうちの1つまたは複数が調整されることができることは有益である。同一の1つまたは複数のアンテナ特性が、両方のモードにおいて最適化される必要をなくすことができることが、さらに有益である。例えば、放射線効率は、第1のモードに対して最適化されてもよいが、放射線効率は、第2のモードに対して最適化されなくてもよい。あるいは、例えば、第1のモード及び第2のモードの両方について放射効率が最適化されてもよい。
【0053】
別言すれば、1つまたは複数のアンテナ特性を調整することによって、第1の周波数における他の聴覚装置または電子装置とのワイヤレス通信のために聴覚装置を最適化することができることが有益である。あるいは、1つまたは複数のアンテナ特性を調整することによって、第1の周波数および第2の周波数の両方で、他の聴覚装置または電子装置とのワイヤレス通信のために聴覚装置を最適化することができることが有益である。
【0054】
いくつかの実施形態では、アンテナ特性の調整は、アンテナに沿った電流分布および/またはアンテナの周波数応答を変化させる。電流分布は、電流の振幅を備えてもよい。これにより、例えば、アンテナの電気長を調整又は変更又は修正することにより、アンテナに沿った電流分布を調整、変更又は修正することができる。あるいは、またはさらに、アンテナの電気長を調整することによって、アンテナの周波数応答を変化させることができる。したがって、アンテナに沿った電流分布および/またはアンテナの周波数応答は、アンテナ特性のうちの1つまたは複数の調整によって変更されてもよい。
【0055】
柔軟な聴覚装置の設計が可能になるため、アンテナ特性の調整が、アンテナに沿った電流分布および/またはアンテナの周波数応答を変化させることは有益である。例えば、アンテナに沿った電流分布は、第1のモードに対して最適化されてもよく、一方で、アンテナに沿った電流分布は、第2のモードに対して最適化されなくてもよい。あるいは、例えば、アンテナに沿った電流分布は、第1のモードと第2のモードの両方に対して最適化されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、聴覚装置は、第1および第2のワイヤレス通信部とアクティブ整合装置とを相互接続するダイプレクサをさらに備える。ダイプレクサは、第1周波数の信号を第2周波数の信号から分離またはフィルタリングするように構成される。ダイプレクサは、第1のワイヤレス通信部をアクティブ整合装置と相互接続してもよい。ダイプレクサは、第2のワイヤレス通信部をアクティブ整合装置と相互接続してもよい。ダイプレクサは、第1及び第2のワイヤレス通信部とアクティブ整合装置との間に設けられてもよい。アクティブ整合装置は、ダイプレクサとアンテナとの間に設けられてもよい。したがって、ダイプレクサは、アンテナを第1および第2のワイヤレス通信部のそれぞれと相互接続、例えば、接続するように構成されてもよい。ダイプレクサは、周波数領域多重化(frequency-domain multiplexing)を実行するパッシブ装置であってもよい。ダイプレクサによって、第1および第2のワイヤレス通信部に対して同一のアクティブ整合装置が使用できることは有益である。ダイプレクサは、当業者に周知のあらゆる適切なデータスプリッタまたはセレクタ、例えば、マルチプレクサまたはフィルタであってもよい。ここで、ダイプレクサは、バンドパスフィルタ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、表面弾性波(SAW)フィルタ、バンドストップフィルタ、ノッチフィルタ、および/またはバルク弾性波(BAW)フィルタとして実装されてもよい。
【0057】
第1及び第2のワイヤレス通信部とアクティブ整合装置との間にダイプレクサを設けることにより、アクティブ整合装置に供給される信号は振り分けられた(diplexed)信号となる。したがって、アクティブ整合装置からの信号は、中間処理を介さずに、直接アンテナに供給される。これにより、1つまたは複数のアンテナ特性、例えば、アンテナインピーダンス、アンテナの電気長、および放射効率、のあらゆる調整が、追加の処理なしにアンテナに提供される。さらに、ダイプレクサがアンテナからインピーダンス整合信号を受信するため、すなわちアクティブ整合装置を介して設けられるアンテナからインピーダンス整合信号を受信するため、第1および第2のワイヤレス通信部とアクティブ整合装置との間にダイプレクサを設けることによって、ダイプレクサにおける損失を低減することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、アクティブ整合装置は、第1の整合回路を備える。第1の整合回路は、第1のモードにおいてアンテナのインピーダンスを、第1のワイヤレス通信部と整合させるように構成されている。動作の第1のモードでは、第1の整合回路、例えば、第1の電気整合ネットワークまたは第1のアンテナチューナは、アンテナのインピーダンスを、第1のワイヤレス通信部のインピーダンスに調整または整合させてもよい。アクティブ整合装置の第1の整合回路が、アンテナと第1のワイヤレス通信部との間にインピーダンス整合インターフェースを提供することができることは有益である。アンテナと第1のワイヤレス通信部との間のインピーダンス整合インターフェースは、反射を禁止することができ、アンテナとの間の効率的な電力伝送を提供することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、アクティブ整合装置は、第2の整合回路を備える。第2の整合回路は、アンテナのインピーダンスを第2のワイヤレス通信部と整合させるように構成される一次整合回路と、第2のモードにおいて第2の周波数に整合するようにアンテナのアンテナ特性を調整するように構成される二次整合回路と、を含む。第2の整合回路、例えば、第2の電気的整合ネットワーク、または第2のアンテナチューナは、アンテナのインピーダンスを第2のワイヤレス通信部のインピーダンスと整合させるように構成されてもよい。さらに、第2の整合回路は、アンテナのアンテナ特性を第2の周波数に整合するように調整するように構成されてもよい。動作の第2のモードでは、第2の整合回路の一次整合回路は、アンテナのインピーダンスを第2のワイヤレス通信部のインピーダンスと調整又は整合させることができる。動作の第2のモードでは、第2の整合回路の二次整合回路は、アンテナのアンテナ特性のうちの1つまたは複数を、第2の周波数に整合するように調整するように構成されてもよい。したがって、アンテナ特性のうちの1つまたは複数が調整されてもよく、それによって、アンテナが、第2の周波数で共振することができる。
【0060】
アクティブ整合装置の第2の整合回路、例えば、第2の整合回路の一次整合回路が、アンテナと第2ワイヤレス通信部との間にインピーダンス整合インターフェースを提供することは有益である。アンテナと第2のワイヤレス通信部との間のインピーダンス整合インターフェースは、反射を禁止することができ、アンテナとの間の効率的な電力伝送を提供することができる。さらに、アクティブ整合装置の第2の整合回路、例えば、第2の整合回路の二次整合回路によって、アンテナが第2の周波数で共振できることができることは有益である。従って、アクティブ整合装置の第2の整合回路、例えば、第2の整合回路の二次整合回路によって、例えば、アンテナの共振周波数を第1の周波数から第2の周波数に調整又は変更するように、アンテナの共振周波数を第1の周波数から第2の周波数に変更できることは有益である。
【0061】
第2の整合回路によって、アンテナのインピーダンスが第2のワイヤレス通信部のインピーダンスと整合され、その際に、例えば、同時に、アンテナが第2の周波数で共振することができるように、アンテナのアンテナ特性が第2の周波数に整合するように調整されることは有益である。
【0062】
いくつかの実施態様において、第1の整合回路及び一次整合回路は、同一の整合回路である。このように、第1の整合回路および第2の整合回路の一次整合回路は、同一の整合回路であってもよい。別言すれば、第1の整合回路は、一次整合回路と同一、例えば、一致してもよく、または等しくてもよい。第1の整合回路と一次整合回路が同一の整合回路であることは有益である。これにより、第1の整合回路が一次整合回路として使用されてもよく、又は一次整合回路が第1の整合回路として使用されてもよい。回路の電気部品、例えば、第1の整合回路および/または一次整合回路が、例えば、動作の第1のモードおよび動作の第2のモードの両方のため使用され得ること、たとえば提供され得ること、は有益である。これにより、聴覚装置に設けられる電気部品または回路に要する空間または容積が減少する。
【0063】
いくつかの実施形態では、第1の整合回路および/または一次整合回路は、第1のワイヤレス通信部および第2のワイヤレス通信部のそれぞれとアンテナとを接続して、第1のワイヤレス通信部および第2のワイヤレス通信部のそれぞれの特定の負荷インピーダンスを、伝送線のあらゆる入力インピーダンスを潜在的に含むアンテナの入力インピーダンスに整合させることによって、それらの間の電力転送を改善するように構成される。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1の整合回路及び第2の整合回路の各々は、1つまたは複数の部品、例えば、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、ダイオード及びトランジスタのグループから選択される少なくとも1つを含む。第2の整合回路の一次整合回路および二次整合回路は、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、ダイオード、およびトランジスタのグループから選択される1つまたは複数の部品を備えてもよい。第1の整合回路の1つまたは複数の部品は、第2の整合回路の1つまたは複数の部品と異なっていてもよい。あるいは、第1の整合回路の1つまたは複数の部品のうちの少なくとも1つの部品は、第2の整合回路の1つまたは複数の部品のうちの少なくとも1つの部品と類似または同一であってもよい。さらに、第1の整合回路の1つまたは複数の部品のうちの少なくとも1つの部品は、第2の整合回路の1つまたは複数の部品のうちの少なくとも1つの部品と同じ部品であってもよい。例えば、第1の整合回路はインダクタを含んでもよく、第2の整合回路はインダクタとキャパシタを含んでもよい。あるいは、またはさらに、第1の整合回路の1つまたは複数の部品のうちの少なくとも1つの部品は、1次整合回路の1つまたは複数の部品のうちの少なくとも1つの部品と同じ部品であってもよく、2次整合回路のうちの少なくとも1つの部品と異なっていてもよい。一例では、第1の整合回路は、少なくともインダクタを含んでもよく、一次整合回路は、少なくともインダクタを含んでもよく、第2の整合回路は、少なくともキャパシタを含んでもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、信号プロセッサは、聴覚装置モードの決定に応じて、アクティブ整合装置に制御信号を提供するように構成される。このように、信号プロセッサは、動作のモードを決定し、この情報とともに制御信号をアクティブ整合装置に提供してもよい。制御信号は、論理または論理的レベルを使用するデジタル信号であってもよい。制御信号は、2進数の1および0を備えてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、アクティブ整合装置は、制御信号に従って、第1の整合回路と第2の整合回路との間を切り換えるように構成される。アクティブ整合装置は、制御信号を受信するように構成されてもよい。アクティブ整合装置は、制御信号の受信に応じて、第1の整合回路と第2の整合回路との間を切り換えるように構成されてもよい。制御信号は、動作の聴覚装置モード、例えば、動作モードに関する情報を含む。したがって、信号プロセッサが聴覚装置の動作モードを動作の第1のモードから動作の第2のモードに変更すべきであると判断した場合、信号プロセッサは、当該情報を有する制御信号をアクティブ整合装置に供給してもよい。この制御信号に応じて、アクティブ整合装置は、第2の整合回路に切り替えてもよい。その結果、アンテナが第2のワイヤレス通信部と相互接続されることができ、アンテナが第2の周波数で電磁放射線を放射及び受信することができるように、アンテナのアンテナ特性を調整することができる。同様に、信号プロセッサが、聴覚装置が動作モードを動作の第2のモードから動作の第1のモードに変更すべきであると判断した場合、信号プロセッサは、当該情報を有する制御信号をアクティブ整合装置に供給してもよい。この制御信号に応じて、アンテナが第1のワイヤレス通信部と相互接続され、アンテナが第1の周波数で電磁放射線を放射および受信することができるように、アクティブ整合装置は、第1の整合回路に切り換えてもよい。聴覚装置が動作の第1のモードと第2のモードとの間で切り替わるように構成されることができるため、アクティブ整合装置が、制御信号に従って第1の整合回路と第2の整合回路との間で切り替わるように構成されることは有益である。聴覚装置は、2つのモード、例えば、第1のモードまたは第2のモードで動作するように構成されることができることは有益である。このように、聴覚装置が第1のモードまたは第2のモードで他の聴覚装置または電子装置とワイヤレスで通信するように構成されることができることは有益である。また、聴覚装置が他の聴覚装置または電子装置とワイヤレスで通信しながら、第1のモードと第2のモードとの間で切り替わるように構成されることができることは有益である。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1のモードのアンテナは、第1の周波数において、全波長に対応する電気長、例えば、全波長の±10%の電気長を有するように構成される。
【0068】
いくつかの実施形態では、第2のモードのアンテナは、第2の周波数において、半波長に対応する電気長、例えば、半波長の±25%、例えば、半波長の±10%の電気長を有するように構成される。第2のモードにおけるアンテナは、第2の周波数における半波長よりも10%~25%大きいアンテナの電気長を有するように構成されてもよい。第2のモードにおけるアンテナは、第2の周波数における半波長よりも10%~25%短いアンテナの電気長を有するように構成されてもよい。
【0069】
アンテナの電気長は、アンテナの物理長と異なってもよい。アンテナの電気長は、アンテナの物理的長さを変更することなく調整されてもよい。アンテナの電気長は、アンテナと直列に部品を設けることによって変更されてもよい。アンテナの電気長は、アクティブ整合装置によって変更されてもよい。アクティブ整合装置は、アンテナの電気長を増加させるように構成されてもよい。アクティブ整合装置は、アンテナの電気長を減少させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、二次整合回路は、アンテナの電気長を変化させるように、例えば、アンテナの電気長を増加させるように、または、例えば、アンテナの電気長を減少させるように、構成される。
【0070】
第1のモードにおいて、アンテナが全波長アンテナ、例えば、実質的に、またはほぼ全波長アンテナとして機能することができるとことは有益である。
【0071】
さらに、第2のモードにおいて、アンテナが半波長アンテナ、例えば、実質的にまたはほぼ半波長アンテナとして機能することができることは有益である。したがって、第1のモードにおけるアンテナの電気長が第1の周波数における全波長の±10%に対応し、第2のモードにおけるアンテナの電気長が第2の周波数における半波長の±10%に対応するように、または、例えば、第2のモードにおけるアンテナの電気長が第2の周波数における半波長の±25%に対応するように、アクティブ整合装置がアンテナの電気長を調整するように構成されることができることは有益である。
【0072】
いくつかの実施形態では、第1の周波数と第2の周波数は異なる周波数である。いくつかの実施形態では、第1の周波数は第2の周波数よりも高い。第2の周波数は、第1の周波数の半分以上である。第1の周波数は、第2の周波数よりも高くてもよい。第2の周波数は、例えば、第2の周波数が、第1の周波数の半分と同じか、または等しい値であるように、第1の周波数の半分に等しくてもよい。第2の周波数は、第1の周波数の半分よりも高くてもよい。
【0073】
いくつかの実施態様において、第1の周波数及び第2の周波数は、同じ桁の大きさを有する。いくつかの実施形態では、第1の周波数は、第2の周波数の2倍に対応する。いくつかの実施形態では、第1の周波数は、第2の周波数の2倍とは異なる。いくつかの実施形態では、第1の周波数は、第2の周波数の1.1倍から1.9倍の間である。いくつかの実施形態では、第1の周波数は、第2の周波数の1と1/3から1と2/3の間である。いくつかの実施形態では、第1の周波数と第2の周波数との差は、第2の周波数の半分より小さく、例えば、第2の周波数の約半分である。
【0074】
例えば、第1の周波数は2.4GHzであってもよい。第2の周波数は、第1の周波数の半分以上、例えば、1.2GHz、1.3GHz、1.4GHz、1.5GHz、1.6GHz、1.7GHz、1.8GHz、1.9GHzであってもよい。好ましい実施形態では、第2の周波数は、1.6GHzであってもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、第2のモードにおけるアンテナのアンテナ特性は、第2の周波数で、または第2の周波数の±20%以内の周波数で、共振アンテナを得るように調整される。別言すれば、第2のモードでは、アンテナは、第2の周波数で、または第2の周波数の±20%以内の周波数、例えば、実質的に、またはほぼ第2の周波数で共振してもよく、またはその周波数での共振アンテナであってもよい。
【0076】
共振アンテナは、アンテナ給電点において一切のリアクタンス(容量性またはインダクタンス)が無く、実質的に、またはほぼ純粋な抵抗を有し得るので、アンテナが、第2のモードにおいて第2の周波数における共振アンテナであり、または実質的に共振アンテナであることができることは有益である。従って、改善されたインピーダンスインターフェース、例えば、第2のモードにおけるアンテナと第2のワイヤレス通信部との間での改善されたインピーダンス整合又はインピーダンスブリッジングを提供し得るので、アンテナが第2の周波数における共振アンテナであることは有益である。
【0077】
聴覚装置は、ハウジングを含んでもよい。聴覚装置のハウジングは、使用中にユーザの耳の後ろに配置されるように構成される耳掛け型のハウジングであってもよい。ハウジングは、第1の側部と第2の側部とを備えてもよい。ハウジングの第1の側部は、ハウジングの第2の側部の反対側に配置されてもよい。ハウジングの第1の側部は、例えば、聴覚装置の第1の長手方向側であってもよく、ハウジングの第2の側部は、例えば、聴覚装置の第2の長手方向側であってもよい。アンテナは、アンテナの長手方向がハウジングの長手方向に沿って延びるようにハウジング内に収容されてもよい。アンテナは、好ましくは、アンテナがハウジングから突出することなく、聴覚装置ハウジングの内側に配置されるように、聴覚装置ハウジング内に収容されてもよい。
【0078】
アンテナは、聴覚装置内に配置、例えば、聴覚装置内に設けられ、または収容されてもよい。聴覚装置は、第1の側部と第2の側部とを含んでもよい。第1の側部は、第2の側部の反対側に配置されてもよい。聴覚装置の第1の側部は、例えば、聴覚装置の第1の長手方向側であってもよく、聴覚装置の第2の側部は、例えば、聴覚装置の第2の長手方向側であってもよい。アンテナは、アンテナの長手方向が聴覚装置の長手方向に沿ってのびるように聴覚装置内に収容されてもよい。
【0079】
アンテナは、アンテナの少なくとも一部が聴覚装置の第1の側部から聴覚装置の第2の側部まで延在するように、聴覚装置内に配置されてもよい。アンテナは、1つまたは複数のセクションまたはパーツを含んでもよい。1つまたは複数のセクションは、接続されてもよく、ループを形成してもよい。アンテナのセクション、例えば、第1のセクションは、聴覚装置の第1の側部に設けられるか、または配置されてもよい。アンテナのセクション、例えば、第2のセクションは、聴覚装置の第2の側部に設けられるか、または配置されてもよい。いくつかの実施形態では、アンテナのセクション、例えば、第3のセクションは、聴覚装置の上部に設けられるか、または配置されてもよい。第3のセクションは、アンテナの第1のセクションと第2のセクションとを接続してもよい。聴覚装置の上部は、聴覚装置の長手方向の上部であってもよい。聴覚装置の上部は、聴覚装置がユーザの耳における動作位置に装着されるときに、実質的に上方を向いてもよく、例えば、ほぼ上方に向いてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1のモードのアンテナは、聴覚装置がユーザの耳における動作位置に装着されているときに、ユーザの一対の耳を結ぶ軸と平行となるアンテナのセクションにおいて最大電流、例えば、電流の最大値を有するように構成される。したがって、第1のモードでは、アンテナに沿った電流分布は、聴覚装置がユーザの耳における動作位置に装着されているときに、ユーザの一対の耳を結ぶ軸に平行となるアンテナのセクションにおいて、アンテナに沿って提供される電流が最大値を有し得るように、分配されてもよい。さらに、動作の第2のモードでは、アンテナは、また、聴覚装置がユーザの耳における動作位置に装着されているときに、ユーザの一対の耳を結ぶ軸に平行なアンテナのセクションにおいて最大電流を有するように構成されてもよい。第2のモードにおける最大電流は、第1のモードにおける最大電流の振幅とは異なる振幅を有してもよい。
【0081】
聴覚装置がその動作位置でユーザの耳に装着されるときに、ユーザの一対の耳を結ぶ軸に平行となるアンテナのセクションは、アンテナの第3のセクションであってもよく、聴覚装置の上部に設けられてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、アンテナに流れる電流は、アンテナの電気長に沿って定常波を形成してもよい。したがって、最大電流を有するアンテナのセクション、例えば、最大電流の箇所(location)または位置(position)または領域において、アンテナの電気長に沿った電流の定常波は最大値となる。
【0083】
第1のモードのアンテナが、聴覚装置がユーザの耳における動作位置に装着されるときに、ユーザの一対の耳を結ぶ軸に平行となるアンテナのセクションにおいて最大電流を有するように構成され得ることは有益である。これにより、アンテナによって放射される電磁場の少なくとも一部が、ユーザの頭部の表面に沿って、かつユーザの頭部の周りを伝播してもよい。電磁場の電場が、ユーザの頭部の表面に対して実質的に直交するように向き得ることは、さらに有益である。別言すれば、放射された電磁場の電場は、ユーザの頭部に直交する方向において、より高くてもよい。
【0084】
さらに、第1のモードのアンテナが、聴覚装置がユーザの耳における動作位置に装着されるときに、ユーザの一対の耳を結ぶ軸に平行となるアンテナのセクションにおいて最大電流を有するように構成され得ることは有益である。これにより、電磁場の偏波が、ユーザの頭部の表面に対して実質的に直交する方向を有していてもよい。別言すれば、電磁場の偏波は、ユーザの頭部に対して直交する方向において、より高くてもよい。
【0085】
電場の直交方向に供給されることは、強い表面波、すなわち電磁波を、ユーザの顔または頭部などの身体に沿って、例えばユーザの他方の耳に向けて、励起するために最適であることから、有益である。アンテナの偏波および電場の直交方向は、広い範囲を有する強い電磁場を励起するように最適化されてもよい。従って、第1のモードにおけるアンテナは、聴覚装置がユーザの耳における動作位置に装着されるときに、ユーザの一対の耳を結ぶ軸に平行となるアンテナのセクションにおいて最大電流を有するように構成されることは、これによってユーザの頭部の表面との相互作用による損失を最小化することができるため、有益となり得る。これにより、障害に対してより頑強なワイヤレス通信を提供することができ、さらに、送信および受信を改善して、ユーザの頭部により生じる障害の回避をサポートすることができるので、有益であり得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、アンテナは、第1の端部を備える。アンテナの第1の端部は、聴覚装置の第1の側部において、給電部、例えば、第1の給電部に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、アンテナは、第2の端部を備える。アンテナの第2の端部は、聴覚装置の第2の側部においてグランド電位に接続されてもよい。聴覚装置の第2の側部は、聴覚装置の第1の側部と反対側であってもよい。アンテナは、第1の電気長を有してもよい。聴覚装置の第1の側部から聴覚装置の第2の側部に延びるアンテナのセクションは、第1の電気長のほぼ半分のところであってもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、聴覚装置の第1の側部から聴覚装置の第2の側部まで延び、第1の電気長のほぼ半分のところにあるアンテナのセクションは、アンテナの第3のセクションと同じ部分であってもよく、聴覚装置の上部に設けられてもよい。
【0088】
これにより、ユーザの頭部の表面との相互作用による損失を、最小化することができるため、有益であり得る。したがって、これにより、障害に対してより頑強なワイヤレス通信を提供することができ、さらに、送信および受信を改善し、ユーザの頭部により生じる障害の回避をサポートし得る。
【0089】
アンテナ構成は、アンテナに沿って所望の電流分布を得るように構成されてもよい。給電部、例えば、第1の給電部、およびグランド電位への接続部は、アンテナに沿って所望の電流分布を得るように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の給電部などの給電部とグランド電位への接続部とは、互いに隣接していてもよく、または互いに比較的近接して配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、給電部およびグランド電位への接続部は、実装への障害を低減しながら、所望の電流分布をサポートするように配置されてもよい。
【0090】
あるいは、第2の端部は、聴覚装置の第2の側部に設けられた給電部、例えば、第2の給電部に接続されてもよい。あるいは、第2の端部は、聴覚装置の第1の側部に設けられた給電部、例えば、第2の給電部に接続されてもよい。あるいは、第1の端部は、第1の給電部に接続されてもよく、第2の端部は第2の給電部に接続されてもよく、両端部および両給電部は、聴覚装置の第2の側部に提供されてもよい。第1の給電部および第2の給電部は、それぞれ、所望の電流分布を得るように構成されてもよい。例えば、第1の給電部および第2の給電部は、互いに隣接していてもよく、または互いに比較的近接して配置されていてもよい。
【0091】
給電部は、給電点または励起点であってもよい。給電は、ソース、例えば、第1または第2のワイヤレス通信部、無線チップ、例えば、トランシーバ、レシーバ、トランスミッタなどに電気的に接続されてもよい。アンテナは、あらゆる従来の手段、例えば、直接給電または間接給電または結合給電を使用して励起されてもよい。アンテナは、給電線、例えば、伝送線を使用して給電されてもよい。
【0092】
アンテナの第2の端部は、グランドプレーンを通って、またはグランドプレーンを介して、グランド電位に接続されてもよい。グランドプレーンは、アンテナの励起時に電流を伝導可能なあらゆる材料で形成されてもよい。グランドプレーンは、プリント回路基板であってもよい。また、グランドプレーンは、電流を導くための、例えば銅製の単一の導電経路として形成されてもよい。グランド電位は、ゼロ電位または相対的なグランド電位であってもよい。
【0093】
アンテナの第1の端部は、聴覚装置の第1の側部に設けられたアンテナの第1のセクションの端部であってもよい。アンテナの第2の端部は、聴覚装置の第2の側部に設けられたアンテナの第2のセクションの端部であってもよい。聴覚装置の第1の側部から聴覚装置の第2の側部まで延びるアンテナのセクションは、アンテナの第3のセクションであってもよい。第1のモード及び第2のモードでは、アンテナの第3のセクションは、第1の電気長のほぼ半分のところであってもよい。第1のモードでは、アンテナの第3のセクションは、第1の周波数に対応する波長の約半分のところであってもよい。第2のモードでは、アンテナの第3のセクションは、第2の周波数に対応する波長の約1/4のところであってもよい。
【0094】
ひとつの態様では、聴覚装置を動作させる方法が開示される。聴覚装置は、信号プロセッサを備える。聴覚装置は、第1および第2のワイヤレス通信部を備える。聴覚装置は、電磁放射線の放射及び受信のためのアンテナを備える。アンテナは、第1の周波数で共振するように構成される。アンテナは、電気アンテナであってもよい。聴覚装置は、アクティブ整合装置を含む。この方法は、信号プロセッサにおいて、動作の聴覚装置モードを決定することを含み、聴覚装置モードは、第1のモードおよび第2のモードを含む。この方法は、第1のモードにおいて、第1のワイヤレス通信部を、アクティブ整合装置を介してアンテナと相互接続するステップを含む。この方法は、第1のモードにおいて、アンテナが、第1の周波数の電磁放射線を放射および受信することを可能にすることを含む。この方法は、第2のモードにおいて、第2のワイヤレス通信部を、アクティブ整合装置を介してアンテナと相互接続することを含む。この方法は、第2のモードにおいて、アンテナが、第2の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にするようにアンテナのアンテナ特性を調整することを含む。
【0095】
本開示は、以下の項目によって、さらに特徴付けられてもよい。
【0096】
(項目1)
聴覚装置であって、
動作の聴覚装置モードを決定するように構成される信号プロセッサであって、前記聴覚装置モードは、第1のモードと第2のモードとを備える、前記信号プロセッサと、
第1のワイヤレス通信部及び第2のワイヤレス通信部と、
電磁放射線を放射及び受信するための電気アンテナであって、当該アンテナは、第1の周波数で共振するように構成される、前記電気アンテナと、
前記第1および第2のワイヤレス通信部と前記アンテナとを相互接続するように構成されるアクティブ整合装置であって、前記第1のモードでは、前記アンテナが前記第1の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にし、前記第2のモードでは、前記アンテナのアンテナ特性を調整することによって、前記アンテナが前記第2の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にするように構成される、前記アクティブ整合装置と、
を備える、
聴覚装置。
【0097】
(項目2)
前記アクティブ整合装置は、アンテナインピーダンス、前記アンテナの電気長、および放射効率のうちの1つまたは複数の前記アンテナ特性を調整するように構成される、項目1に記載の聴力装置。
【0098】
(項目3)
前記アンテナ特性の調整は、前記アンテナに沿った電流分布および/または前記アンテナの周波数応答を変化させる、上述した項目のいずれかに記載の聴覚装置。
【0099】
(項目4)
前記第1および第2のワイヤレス通信部と前記アクティブ整合装置とを相互接続するダイプレクサをさらに備え、前記ダイプレクサは、前記第1の周波数の信号を前記第2の周波数の信号から分離するように構成される、上述した項目のいずれかに記載の聴覚装置。
【0100】
(項目5)
前記アクティブ整合装置が、前記第1のモードにおいて、前記アンテナのインピーダンスを前記第1のワイヤレス通信部と整合させるように構成される第1の整合回路を備える、上述した項目のいずれかに記載の聴覚装置。
【0101】
(項目6)
前記アクティブ整合装置は、第2の整合回路であって前記アンテナのインピーダンスを前記第2のワイヤレス通信部に整合させるように構成される一次整合回路と、前記第2のモードにおいて、前記アンテナのアンテナ特性を前記第2の周波数と整合するように調整するように構成される二次整合回路と、を有する前記第2の整合回路を備える、項目4に従属する項目5に記載の聴覚装置。
【0102】
(項目7)
前記第1の整合回路及び前記一次整合回路は、同一の整合回路である、項目5に従属する項目6に記載の聴覚装置。
【0103】
(項目8)
前記第1の整合回路および前記第2の整合回路のそれぞれは、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、ダイオード、およびトランジスタのグループから選択される1つまたは複数の部品を備える、項目5から7のいずれかに記載の聴覚装置。
【0104】
(項目9)
前記信号プロセッサは、前記聴覚装置モードの決定に応じて、前記アクティブ整合装置に制御信号を提供するように構成される、上述した項目のいずれかに記載の聴覚装置。
【0105】
(項目10)
前記アクティブ整合装置は、前記制御信号に従って、前記第1の整合回路と前記第2の整合回路とを切り換えるように構成される、項目8に記載の聴覚装置。
【0106】
(項目11)
前記第1のモードのアンテナは、前記第1の周波数における全波長の±10%に対応する電気長を有するように構成される、上述した項目のいずれかに記載の聴覚装置。
【0107】
(項目12)
前記第2のモードのアンテナは、前記第2の周波数において、半波長の±10%、例えば、±25%に相当する電気長を有するように構成される、上述した項目のいずれかに記載の聴覚装置。
【0108】
(項目13)
前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも高く、前記第2の周波数は、前記第1の周波数の半分以上である、上述した項目のいずれかに記載の聴覚装置。
【0109】
(項目14)
前記第2のモードにおける前記アンテナの前記アンテナ特性は、前記第2の周波数、または前記第2の周波数の±20%以内の周波数において、共振アンテナを得るように調整される、上述した項目のいずれかに記載の聴覚装置。
【0110】
(項目15)
前記第1のモードにおける前記アンテナは、前記聴覚装置が前記ユーザの耳における動作位置に装着されるときに、前記ユーザの一対の耳を結ぶ軸に平行となる前記アンテナのセクションにおいて最大電流を有するように構成される、上述した項目のいずれかに記載の聴覚装置。
【0111】
(項目16)
前記アンテナは、第1の端部を有し、
前記第1の端部は、前記聴覚装置の第1の側部で給電部に接続され、
前記アンテナは、第2の端部を有し、
前記第2の端部は、前記聴覚装置の第2の側部でグランド電位に接続され、
前記第2の側部は、前記第1の側の反対側であり、
前記アンテナは、第1の電気長を有し、
前記第1の側部から前記第2の側部に延在する前記アンテナのセクションは、前記第1の電気長の約半分のところにある、
上述した項目のいずれかに記載の聴覚装置。
【0112】
(項目17)
聴覚装置を動作させる方法であって、
前記聴覚装置は、
信号プロセッサと、
第1および第2のワイヤレス通信部と、
電磁放射線を放射及び受信するためのアンテナであって、第1の周波数で共振するように構成される前記アンテナと、
アクティブ整合装置と、
を備え、
前記方法は、
前記信号プロセッサにおいて、動作の前記聴覚装置モードを決定することを備え、
前記聴覚装置モードは、第1のモードと第2のモードとを備え、
前記方法は、
前記第1のモードでは、
前記第1のワイヤレス通信部を、前記アクティブ整合装置を介して前記アンテナと相互接続することと、
前記アンテナが前記第1の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にすることと、を備え、さらに、
前記第2のモードでは、
第2のワイヤレス通信部を、前記アクティブ整合装置を介して前記アンテナと相互接続することと、
前記アンテナのアンテナ特性を調整することによって、前記アンテナが、前記第2の周波数において電磁放射線を放射および受信することを可能にすることと、
を備える、
方法。
【0113】
本発明は、上記および以下に記載される聴覚装置および方法、ならびに対応するシステム、聴覚装置、補聴器、聴覚保護装置、方法、およびシステムパーツを含む異なる態様に関する。それぞれは、最初に説明される態様に関連して記載される1つまたは複数の利益及び利点をもたらす。また、それぞれは、最初に説明される態様に関連して記載される実施形態に対応する、および/または添付の特許請求の範囲に開示される、1つまたは複数の実施形態を有する。
【0114】
上記および他の特徴および利点は、添付の図面を参照した例示的な実施形態の以下の詳細な説明によって、当業者に容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【
図3a】本発明の一実施形態によるアクティブ整合装置を備える聴覚装置の例示的な実装形態を概略的に示す。
【
図3b】本発明の一実施形態によるアクティブ整合装置を備える聴覚装置の例示的な実装形態を概略的に示す。
【
図3c】本発明の一実施形態によるアクティブ整合装置を備える聴覚装置の例示的な実装形態を概略的に示す。
【
図3d】本発明の一実施形態によるアクティブ整合装置を備える聴覚装置の例示的な実装形態を概略的に示す。
【
図3e】本発明の一実施形態によるアクティブ整合装置を備える聴覚装置の例示的な実装形態を概略的に示す。
【
図4a】本発明の一実施形態によるアンテナを備える聴覚装置の例示的な実施形態を概略的に示す。
【
図4b】本発明の一実施形態によるアンテナを備える聴覚装置の例示的な実施形態を概略的に示す。
【
図4c】本発明の一実施形態によるアンテナを備える聴覚装置の例示的な実施形態を概略的に示す。
【
図5】聴覚装置におけるアクティブアンテナスイッチングの例示的な方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0116】
様々な実施形態が、図面を参照して以下に記載される。全体を通して、同様の参照番号は同様の要素を指す。したがって、同様の要素については、各図の説明に関して詳細には説明しない。また、図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることにも留意されたい。それらは、特許請求された発明の網羅的な説明としても、特許請求の範囲に係る発明の限定としても意図されていない。さらに、図示された実施形態は、図示された態様または利点のすべてを有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、そのように図示されていなくても、またはそのように明示的に説明されていなくても、あらゆる他の実施形態で実施することができる。
【0117】
全体を通して、同じ参照番号は、同一または対応する部分に使用される。
【0118】
図1は、例示的な聴覚装置2を概略的に示す。聴覚装置2は、信号プロセッサ4を備える。信号プロセッサ4は、動作の聴覚装置モードを決定するように構成される。聴覚装置モードは、第1のモードおよび第2のモードを備える。聴覚装置2は、第1のワイヤレス通信部6および第2のワイヤレス通信部8を備える。聴覚装置2は、電磁放射線の放射および受信のための電気アンテナ10を備える。アンテナ10は、第1の周波数で共振するように構成される。聴覚装置2は、アクティブ整合装置12を含む。アクティブ整合装置12は、第1のワイヤレス通信部6および第2のワイヤレス通信部8をアンテナ10と相互接続するように構成される。第1のモードにおいて、アクティブ整合装置12は、アンテナ10が第1の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にするように構成される。第2のモードにおいて、アクティブ整合装置12は、アンテナ10が第2の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にするように、アンテナ10のアンテナ特性を調整するように構成される。
【0119】
いくつかの実施形態では、第2のモードにおけるアンテナのアンテナ特性は、第2の周波数で、または第2の周波数の±20%以内の周波数での共振アンテナを得るように調整される。
【0120】
いくつかの実施形態では、アクティブ整合装置12は、アンテナ特性、すなわち、アンテナインピーダンス、アンテナの電気長、および放射効率のうちの1つまたは複数のアンテナ特性を調整するように構成される。
【0121】
いくつかの実施形態では、アンテナ特性の調整により、アンテナに沿った電流分布および/またはアンテナの周波数応答が変化する。
【0122】
信号プロセッサ4は、聴覚装置モードの決定に応じて、アクティブ整合装置12に制御信号13を提供するように構成される。制御信号13は、論理または論理レベルを使用するデジタル信号、例えば、2進数1および0であってもよい。
【0123】
図1に示されるように、アンテナ10は、ループアンテナであってもよい。アンテナは、給電部30を備え、グランド電位15に接続されるように示されている。
【0124】
図2は、聴覚装置2のブロック図を示す。聴覚装置2は、受信されたオーディオ信号に基づいて1つまたは複数のマイクロフォン出力信号を生成するためのトランスデューサ40、すなわちマイクロフォンを備える。1つまたは複数のマイクロフォン出力信号は、1つまたは複数のマイクロフォン出力信号を処理するために信号プロセッサ4に供給される。聴覚装置2は、レシーバ42、すなわちスピーカまたはラウドスピーカをさらに備える。レシーバ42は、信号プロセッサ4の出力を、ユーザの聴覚障害を補償するように修正された信号に変換するために、信号プロセッサ4の出力部に接続される。信号プロセッサ4は、修正された信号をレシーバ42に提供する。
【0125】
図2に示されるように、聴覚装置2は、第1のワイヤレス通信部6および第2のワイヤレス通信部8をさらに備える。聴覚装置2は、電磁放射線の放射および受信のためのアンテナ10を備える。アンテナ10は、第1の周波数で共振するように構成される。聴覚装置2はアクティブ整合装置12を含む。アクティブ整合装置12は、第1のワイヤレス通信部6および第2のワイヤレス通信部8をアンテナ10と相互接続するように構成される。信号プロセッサ4は、動作の聴覚装置モードを決定するように構成される。聴覚装置モードは、第1のモードおよび第2のモードを備える。第1のモードにおいて、アクティブ整合装置12は、アンテナ10が第1の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にするように構成される。第2のモードにおいて、アクティブ整合装置12は、アンテナ10が、第2の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にするように、アンテナ10のアンテナ特性を調整するように構成される。
【0126】
図2に示されるように、聴覚装置2は、任意選択で、第1のワイヤレス通信部6と第2のワイヤレス通信部8とアクティブ整合装置12とを相互接続するダイプレクサ14をさらに備える。ダイプレクサ14は、第1周波数の信号を第2周波数の信号から分離またはフィルタリングするように構成される。
【0127】
図3a~
図3dは、本開示の実施形態によるアクティブ整合装置12を備える聴覚装置2の例示的な実装を概略的に示す。
【0128】
図3aにおいて、アクティブ整合装置12は、アンテナ10及び第1のワイヤレス通信部6に接続されている。聴覚装置2は、第1のワイヤレス通信部6とアクティブ整合装置12とを相互接続するダイプレクサ(図示せず)を更に備えてもよい。アクティブ整合装置は、ダイプレクサ(図示せず)を介して第1のワイヤレス通信部6に接続されてもよい。
【0129】
図3aにおいて、アクティブ整合装置12は、第1の整合回路16を備える。第1の整合回路16は、第1のモードにおいて、第1のワイヤレス通信部6とアンテナ10のインピーダンスを整合するように構成されている。
図3aにおいて、第1の整合回路16はインダクタ23を含む。
【0130】
図3bにおいて、アクティブ整合装置12は、アンテナ10及び第2のワイヤレス通信部8に接続されている。聴覚装置2は、第2のワイヤレス通信部8とアクティブ整合装置12とを相互接続するダイプレクサ(図示せず)を更に備えてもよい。アクティブ整合装置は、ダイプレクサ(図示せず)を介して第2のワイヤレス通信部8に接続されてもよい。
【0131】
図3bにおいて、アクティブ整合装置12は、第2の整合回路18を備える。第2の整合回路18は、アンテナ10のインピーダンスを第2のワイヤレス通信部8と整合させるように構成される一次整合回路20と、第2のモードにおける第2の周波数に整合するようにアンテナ10のアンテナ特性を調整するように構成される二次整合回路22とを備える。
図3bにおいて、第2の整合回路18は、インダクタ23及びキャパシタ25を備える。このように、一次整合回路20は、インダクタ23を備え、二次整合回路22は、キャパシタ25を備える。キャパシタ25はグランド電位15に接続されている。
【0132】
図3c、
図3d及び
図3eにおいて、アクティブ整合装置12は、第1の整合回路16及び第2の整合回路18を備える。アクティブ整合装置12は、アンテナ10及びダイプレクサ14に接続されている。あるいは、アクティブ整合装置は、第1および第2のワイヤレス通信部(図示せず)に接続されてもよい。アクティブ整合装置12は、信号プロセッサ(図示せず)から制御信号(図示せず)を受信するように構成されてもよい。第1および第2のワイヤレス通信部に接続されているアクティブ整合装置、および信号プロセッサから制御信号を受信するように構成されているアクティブ整合装置の一例は、
図1から理解することができる。
【0133】
図3c、
図3d及び
図3eにおいて、第1の整合回路16は、インダクタ23を備える。第2の整合回路18は、インダクタ23とキャパシタ25とを備える。キャパシタ25は、グランド電位15に接続されている。
【0134】
図3c、
図3d及び
図3eにおいて、アクティブ整合装置12は、2つのスイッチ21’、21”を含むものとして示されており、両方のスイッチ21’、21”は、「単極単投」(SPST)スイッチとして示されている。アクティブ整合装置12は、制御信号に応じて第1の整合回路16と第2の整合回路18との間を切り替えるように構成されている。したがって、アクティブ整合装置は、聴覚装置が第1のモードにある状態の第1の整合回路16と、聴覚装置が第2のモードにある状態の第2の整合回路18と、の間で切り替えるように構成される。
【0135】
図3cは、聴覚装置が動作の第1のモードにあるときのアクティブ整合装置12を示す。
図3cは、スイッチ21’、21”が開いているとき、第1の整合回路16に電流が流れることを示している。動作の第1のモードでは、第1の整合回路16は、第1のワイヤレス通信部(図示せず)とアンテナ10のインピーダンスを整合させるように構成されている。
【0136】
スイッチ21’、21”が開いているときには、第2の整合回路の一次整合回路20にも電流が流れることになる。
図3cは、第1の整合回路16に流れる電流が、第2の整合回路18の一次整合回路20に流れる電流と同一であってもよいことを示している。したがって、第1の整合回路16と一次整合回路20とは同一の整合回路である。第1の整合回路16のインダクタ23は、一次整合回路20のインダクタ23と同一のインダクタである。
【0137】
図3dは、聴覚装置が動作の第2のモードにあるときのアクティブ整合装置12を示している。
図3dは、スイッチ21’、21”が閉じると、第2の整合回路18の一次整合回路20及び二次整合回路22に電流が流れることを示している。動作の第2のモードでは、一次整合回路20は、アンテナ10のインピーダンスを第2のワイヤレス通信部(図示せず)と整合させるように構成され、二次整合回路22は、第2の周波数に整合するようにアンテナ10のアンテナ特性を調整するように構成される。
図3cと同様に、
図3dは、第2の整合回路18の一次整合回路20に流れる電流が、第1の整合回路16に流れる電流と同一であってもよいことを示している。したがって、第1の整合回路16と一次整合回路20とは同一の整合回路である。
【0138】
図3eにおいて、スイッチ21’、21”は、開いたものとして示されている。これに代えて、スイッチ21’、21”は、閉じられてもよい。第1の整合回路16は、インダクタ23と、任意選択でさらなる部品24、例えば、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、ダイオード又はトランジスタを備えるように示されている。第2の整合回路18の二次整合回路22は、キャパシタ25、及び、任意選択として更なる部品24を備えるように示されている。このように、
図3eは、第1の整合回路及び第2の整合回路の各々が、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、ダイオード及びトランジスタのグループから選択された1つまたは複数の部品を備えることを示す。
【0139】
図4は、アンテナ10と、ワイヤレス通信部6、8と、グランドプレーン15とを備える例示的な聴覚装置2を概略的に示す。動作の第1のモードでは、ワイヤレス通信部は第1のワイヤレス通信部6であってもよい。動作の第2のモードでは、ワイヤレス通信モードは第2のワイヤレス通信部8であってもよい。聴覚装置は、第1および第2のワイヤレス通信部6、8をアンテナ10と相互接続するように構成されるアクティブ整合装置(図示せず)を含んでもよい。聴覚装置2は、第1および第2のワイヤレス通信部6、8およびアクティブ整合装置を相互接続するように構成されるダイプレクサ(図示せず)をさらに含んでもよい。動作の第1のモードでは、アンテナ10は、第1のワイヤレス通信部6と相互接続されてもよい。動作の第2のモードでは、アンテナ10は、第2のワイヤレス通信部8と相互接続されてもよい。アンテナ10は、グランド電位15との接続を有してもよい。
【0140】
アンテナ10は、アンテナ10の少なくとも一部が聴覚装置2の第1の側部から聴覚装置の第2の側部まで延在するように、聴覚装置2内に配置されてもよい。アンテナは、1つまたは複数のセクションを備えてもよい。
図4に示されるように、1つまたは複数のセクションは接続されてもよく、ループを形成してもよい。アンテナのセクション、例えば、第1のセクション44は、聴覚装置2の第1の側部に設けられてもよいし、配置されてもよい。アンテナのセクション、例えば、第2のセクション46は、聴覚装置2の第2の側部に設けられてもよいし、配置されてもよい。アンテナのセクション、例えば、第3のセクション48は、アンテナ10の第1のセクション44と第2のセクション46とを接続してもよい。第3のセクション48は、聴覚装置の上部に設けられてもよいし、配置されてもよい。聴覚装置2の上部は、聴覚装置2の長手方向の上部であってもよい。聴覚装置2の上部は、聴覚装置2がユーザの耳おける動作位置に装着されるとき、実質的に上方を向いてもよく、例えば、ほぼ上方を向いてもよい。
【0141】
いくつかの実施形態では、第1のモードのアンテナは、第1の周波数における全波長の±10%に対応する電気長を有するように構成される。
【0142】
いくつかの実施形態では、第2のモードのアンテナは、第2の周波数における半波長の±10%に対応する電気長を有するように構成される。
【0143】
いくつかの実施形態では、第1の周波数は、第2の周波数よりも高い。
第2の周波数は、第1の周波数の半分以上である。
【0144】
いくつかの実施形態では、第1のモードのアンテナ10は、聴覚装置がユーザの耳における動作位置に装着されているときに、ユーザの一対の耳を結ぶ軸に平行となるアンテナのセクション26において、電流の最大値のような最大電流を有するように構成される。第1のモードでは、アンテナ10に沿って供給される電流が、聴覚装置2がユーザの耳における動作位置に装着されたときに、ユーザの一対の耳を結ぶ軸に平行となるアンテナ10のセクション26において最大値を有することができるように、アンテナ10に沿った電流分布が分布されてもよい。
図4に示されるように、聴覚装置2がユーザの耳における動作位置に装着されたときに、ユーザの一対の耳を結ぶ軸に平行となるアンテナ10のセクション26は、アンテナ10の第3のセクション48と同じセクションであってもよく、聴覚装置2の上部に設けられてもよい。
【0145】
図4a、
図4b、及び
図4cは、アンテナ構成の3つの例を概略的に示す。
【0146】
図4aは、例示的な聴覚装置2のためのアンテナ構成の一例を概略的に示す。アンテナ10は、第1の端部28を有する。第1の端部28は、伝送線を介してワイヤレス通信部6、8に接続されているように示されている。アンテナ10の第1の端部28は、聴覚装置の第1の側部の給電部30に接続されている。アンテナ10は、第2の端部34を有する。第2の端部34は、伝送線を介してグランド電位15に接続されているように図示されている。アンテナは、第1の電気長を有する。聴覚装置の第1の側部から聴覚装置の第2の側部に延びるアンテナのセクション36は、第1の電気長のほぼ半分のところにある。
【0147】
図4aに図示されるように、アンテナの第1のセクション44と第2のセクション46とを接続するアンテナ10のセクション36は、第1の電気長のほぼ半分のところに設けられる。したがって、動作の第1のモードでは、アンテナは、第1の電気長のほぼ半分のところで最大電流を有するように構成されてもよい。
【0148】
図4bは、例示的な聴覚装置2のためのアンテナ構成の一例を概略的に示す。アンテナ10は、第1の端部28を有する。第1の端部28は、伝送線を介してワイヤレス通信部6、8に接続されるように示されている。アンテナ10の第1の端部28は、聴覚装置2の第1の側部において給電部30’に接続される。アンテナ10は、第2の端部34を有する。第2の端部34は、ワイヤレス通信部6、8に接続されるように示されている。アンテナ10の第2の端部34は、聴覚装置2の第2の側部で給電部30”に接続されており、第1の給電部30’及び第2の給電部30”は、ワイヤレス通信部6、8への第1及び第2の接続部であってもよい。聴覚装置2の第2の側部は、聴覚装置の第1の側部と反対側である。アンテナは、第1の電気長を有する。聴覚装置の第1の側部から聴覚装置の第2の側部まで延びるアンテナ36のセクションは、第1の電気長のほぼ半分のところであってもよい。
【0149】
図4bに示されるように、アンテナ10のセクション36は、アンテナ10の第3のセクション48と同じセクションであってもよく、アンテナ10のセクション26と同じセクションであってもよい。したがって、アンテナ10の電気長が全波長に対応するか、またはほぼ全波長に対応する場合、電流は、第3のセクション36、すなわち、第1の電気長のほぼ半分のところであって、約半波長に対応するセクションにおいて、最大値を有することになる。例えば、動作の第1のモードでは、アンテナは、第1の電気長のほぼ半分のところで最大電流を有するように構成されてもよい。
【0150】
図4cは、例示的な聴覚装置2のためのアンテナ構成の一例を概略的に示す。アンテナ10は、第1の端部28を備える。第1の端部28は、聴覚装置2の第2の側部で給電部30に接続されている。アンテナは第2の端部34を有する。アンテナ10の第2の端部34は、聴覚装置2の第2の側部で給電部30”に接続される。したがって、2つの給電部30’、30”は、聴覚装置2の同じ側に設けられるか、または配置される。あるいは、2つの給電部30’、30”は、聴覚装置2の第1の側部に設けられてもよい。アンテナ10の一部は、聴覚装置2の第1の側部から聴覚装置2の第2の側部まで延びている。聴覚装置2の第2の側部は、聴覚装置2の第1の側部と反対側である。アンテナ10は、第1の電気長を有する。
【0151】
聴覚装置の第1の側部から聴覚装置の第2の側部に延びるアンテナ36の一部は、第1の電気長のほぼ半分のところであってもよい。
【0152】
図4bに示されるようにアンテナ10のセクション36は、アンテナ10の第3のセクション48と同じセクションであってもよく、アンテナ10のセクション26と同じセクションであってもよい。したがって、アンテナ10の電気長が全波長に対応するか、またはほぼ全波長に対応する場合、電流は、第3のセクション36、すなわち、第1の電気長のほぼ半分のところであって、約半波長に対応するセクションにおいて最大値を有することになる。例えば、動作の第1のモードでは、アンテナは、第1の電気長のほぼ半分のところで最大電流を有するように構成されてもよい。
【0153】
第1の電気長の中間点または中心41は、アンテナの第3のセクション48上に設けられてもよい。あるいは、第1の電気長の中間点または中心41は、アンテナ10の中間点41から第3のセクション48までの距離が4分の1波長、即ち、λ/4以下の長さとなるように設けられてもよい。
図4cでは、アンテナ10の中間点41からアンテナの第3のセクション48までの距離は、Lで示される。アンテナ10の構造は、以下の式が成り立つように設計されてもよい。
【0154】
【0155】
距離Lと、4分の1波長λ/4のとの間の絶対相対差は、閾値T、例えば、10%または25%未満である。
【0156】
図5は、聴覚装置を作動させる方法100、より具体的には、聴覚装置におけるアクティブアンテナスイッチングの方法を示すフロー図を示す。聴覚装置は、第1および第2のワイヤレス通信部を備える。聴覚装置は、電磁放射線の放射及び受信のためのアンテナを備える。アンテナは、第1の周波数で共振するように構成される。聴覚装置は、アクティブ整合装置を含む。
【0157】
ステップ101において、信号プロセッサは、動作の聴覚装置モードを決定する。聴覚装置モードは、第1のモードおよび第2のモードを備える。
【0158】
ステップ102では、第1のモードにおいて、第1のワイヤレス通信部は、アクティブ整合装置を介して、アンテナと相互接続される。
【0159】
ステップ103では、第1のモードにおいて、アンテナは、第1の周波数で電磁放射線を放射および受信可能となる。
【0160】
ステップ104では、第2のモードにおいて、第2のワイヤレス通信部は、アクティブ整合装置を介してアンテナと相互接続される。
【0161】
ステップ105では、第2のモードにおいて、アンテナのアンテナ特性を調整することによって、アンテナが、第2の周波数で電磁放射線を放射および受信することを可能にする。
【0162】
特定の特徴が示され、説明されてきたが、それらは、特許請求の範囲に記載される発明を限定することを意図しておらず、特許請求の範囲に記載される発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正がなされ得ることが、当業者に明らかにされることが理解されるであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で見なされるべきである。特許請求の範囲に記載される発明は、全ての代替物、修正物、および均等物を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0163】
2:聴覚装置、4:信号プロセッサ、6:第1のワイヤレス通信部、8:第2のワイヤレス通信部、10:アンテナ、12:アクティブ整合装置、13:制御信号、14:ダイプレクサ、15:グランド電位、16:第1の整合回路、18:第2の整合回路、20:一次整合回路、21:スイッチ、22:二次整合回路、23:インダクタ、24:部品、25:キャパシタ、28:第1の端部、30,30’,30”:給電部、34:第2の端部、40:トランスデューサ、41:中間点、42:レシーバ、44:アンテナの第1のセクション、46:アンテナの第2のセクション、48,26,36:アンテナの第3のセクション、101:動作の聴覚装置モードを決定すること、102:第1のモードにおいて、アクティブ整合装置を介して、第1のワイヤレス通信部をアンテナと相互接続すること、103:アンテナを、第1の周波数で電磁放射線を放射および受信可能にすること、104:第2のモードにおいて、第2のワイヤレス通信部を相互接続することは、アクティブ整合装置を介してアンテナと相互接続される。105:アンテナのアンテナ特性を調整することによって、アンテナを、第2の周波数で電磁放射線を放射および受信可能にすること
【国際調査報告】