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特表2022-553695ビデオコーディングのための領域適応ループフィルタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(54)【発明の名称】ビデオコーディングのための領域適応ループフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/117 20140101AFI20221219BHJP
   H04N 19/70 20140101ALI20221219BHJP
   H04N 19/176 20140101ALI20221219BHJP
【FI】
H04N19/117
H04N19/70
H04N19/176
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523507
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(85)【翻訳文提出日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 US2021033162
(87)【国際公開番号】W WO2021247241
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】63/034,045
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/314,687
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】520353802
【氏名又は名称】テンセント・アメリカ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】チュン・アウヨン
(72)【発明者】
【氏名】シアン・リ
(72)【発明者】
【氏名】シャン・リュウ
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159KK61
5C159ME11
5C159PP04
5C159RC12
5C159SS08
5C159SS09
5C159SS10
5C159TA69
5C159TB08
5C159TD15
5C159UA02
5C159UA05
5C159UA16
(57)【要約】
ビデオ符号化およびビデオ復号のための方法、コンピュータプログラム、およびコンピュータシステムが提供される。所定の複数の領域を有する画像に対応するデータのビットストリームが受信され、画像に関連付けられた適応ループフィルタ内のフィルタの数に対応する数がビットストリームから決定される。インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするための領域インデックスが復号される。適応ループフィルタ内のフィルタのフィルタ係数が復号される。画像は、復号されたフィルタ係数および復号された領域インデックスに基づいて復号され、インデックスルックアップテーブルをフィルタリングする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサによって実行可能なビデオコーディングの方法であって、
所定の複数の領域を有する画像に対応するデータのビットストリームを受信するステップと、
前記画像に関連付けられた適応ループフィルタ内のフィルタの数に対応する数を前記ビットストリームから決定するステップと、
領域インデックスを復号して、インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするステップと、
前記適応ループフィルタ内の前記フィルタのフィルタ係数を復号するステップと、
前記復号されたフィルタ係数および前記復号された領域インデックスに基づいて前記画像を復号して、前記インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするステップと、
を含むビデオコーディングの方法。
【請求項2】
前記インデックスは、1と所定の領域の数との間の全てを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記インデックスが1であること、または前記所定の領域の数であることに基づいている場合、前記インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするための前記領域インデックスは、前記ビットストリーム内で符号化されず、前記領域インデックスはデフォルト値を使用して復号される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記インデックスが、2と前記所定の領域の数-1との間の全てを含むことに基づいている場合、前記インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするための前記領域インデックスは前記ビットストリームから復号される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記画像を復号する前記ステップは、
前記所定の複数の領域の中から前記画像の領域のセットをマージするステップと、
同じフィルタを使用して領域の前記マージされたセットを復号するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記領域のセットは、前記領域のセットをマージする前記ステップに関連付けられたレート歪みコストを最小化することに基づいてマージされる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ビットストリーム内の前記複数の領域に関連付けられた前記フィルタ係数を1つまたは複数の構文要素でシグナリングするステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
ビデオコーディングのためのコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、
コンピュータプログラムコードを記憶するように構成された1つまたは複数のコンピュータ可読非一時的記憶媒体と、
前記コンピュータプログラムコードにアクセスし、前記コンピュータプログラムコードによって命令されるように動作するように構成された1つまたは複数のコンピュータプロセッサと、
を備え、前記コンピュータプログラムコードは、
前記1つまたは複数のコンピュータプロセッサに、所定の複数の領域を有する画像に対応するデータのビットストリームを受信させるように構成された受信コードと、
前記1つまたは複数のコンピュータプロセッサに、前記画像に関連付けられた適応ループフィルタ内のフィルタの数に対応する数を前記ビットストリームから決定させるように構成された決定コードと、
前記1つまたは複数のコンピュータプロセッサに、領域インデックスを復号させて、インデックスルックアップテーブルをフィルタリングさせるように構成された第1の復号コードと、
前記1つまたは複数のコンピュータプロセッサに、前記適応ループフィルタ内の前記フィルタのフィルタ係数を復号させるように構成された第2の復号コードと、
前記1つまたは複数のコンピュータプロセッサに、前記復号されたフィルタ係数および前記領域インデックスに基づいて前記画像を復号させて、前記インデックスルックアップテーブルをフィルタリングさせるように構成された第3の復号コードと
を含む、コンピュータシステム。
【請求項9】
前記インデックスは、1と前記所定の領域の数との間の全てを含む、請求項8に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記インデックスが1であること、または前記所定の領域の数であることに基づいている場合、前記インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするための前記領域インデックスは、前記ビットストリーム内で符号化されず、前記領域インデックスはデフォルト値を使用して復号される、請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記インデックスが、2と前記所定の領域の数-1との間の全てを含むことに基づいている場合、前記インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするための前記領域インデックスは前記ビットストリームから復号される、請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記第2の復号コードは、
前記1つまたは複数のコンピュータプロセッサに、前記所定の複数の領域の中から前記画像の領域のセットをマージさせるように構成されたマージコードと、
前記1つまたは複数のコンピュータプロセッサに、同じフィルタを使用して前記マージされた領域のセットを復号させるように構成された復号コードとを含む、
請求項8に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記領域のセットは、前記領域のセットをマージさせることに関連付けられたレート歪みコストを最小化することに基づいてマージされる、請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記ビットストリーム内の前記所定の複数の領域に関連付けられた前記フィルタ係数を1つまたは複数の構文要素でシグナリングすることをさらに含む、請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
ビデオコーディングのためのコンピュータプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータプログラムは、1つまたは複数のプロセッサに、
所定の複数の領域を有する画像に対応するデータのビットストリームを受信させ、
前記画像に関連付けられた適応ループフィルタ内のフィルタの数に対応する数を前記ビットストリームから決定させ、
領域インデックスを復号して、インデックスルックアップテーブルをフィルタリングさせ、
前記適応ループフィルタ内の前記フィルタの前記フィルタ係数を復号させ、
前記復号されたフィルタ係数および前記復号された領域インデックスに基づいて前記画像を復号して、前記インデックスルックアップテーブルをフィルタリングさせるように構成される、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記インデックスは、1と前記所定の領域の数との間の全てを含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記インデックスが1であること、または前記所定の領域の数であることに基づいている場合、前記インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするための前記領域インデックスは、前記ビットストリーム内で符号化されず、前記領域インデックスはデフォルト値を使用して復号される、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記インデックスが、2と前記所定の領域の数-1との間の全てを含むことに基づいている場合、前記インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするための前記領域インデックスは前記ビットストリームから復号される、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記コンピュータプログラムは、
1つまたは複数のプロセッサに、
前記所定の複数の領域の中から前記画像の領域のセットをマージさせ、
同じフィルタを使用して前記マージされた領域のセットを復号させるようにさらに構成される、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記領域のセットは、前記領域のセットをマージさせることに関連付けられたレート歪みコストを最小化することに基づいてマージされる、請求項19に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月3日に出願された米国仮特許出願第63/034,045号および2021年5月7日に出願された米国特許出願第17/314,687号に基づく優先権を主張し、その全体が参照により本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般に、データ処理の分野に関し、より詳細には、ビデオ符号化およびビデオ復号に関する。
【0003】
AVS HPM-6は、AVS2.0から適応ループフィルタ(ALF)を継承したものである。HPM-6ルーマALFは、領域ベースのALFである。デブロッキング後の出力から再構築されたピクチャをフィルタリングし、有限インパルス応答(FIR)ウィーナーフィルタを利用して形状適応オフセット(SAO)を行うことによって、ピクチャ品質を改善することが意図されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態は、ビデオコーディングのための方法、システム、およびコンピュータ可読媒体に関する。一態様によると、ビデオコーディングのための方法が提供される。本方法は、所定の複数の領域を有する画像に対応するデータのビットストリームを受信するステップを含んでよい。画像に関連付けられた適応ループフィルタ内のフィルタの数に対応する数がビットストリームから決定される。インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするための領域インデックスが復号される。適応ループフィルタ内のフィルタのフィルタ係数が復号される。画像は、復号されたフィルタ係数および領域インデックスに基づいて復号され、インデックスルックアップテーブルをフィルタリングする。
【0005】
別の態様によると、ビデオコーディングのためのコンピュータシステムが提供される。コンピュータシステムは、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のコンピュータ可読メモリと、1つまたは複数のコンピュータ可読有形記憶装置と、1つまたは複数のメモリのうちの少なくとも1つを介して1つまたは複数のプロセッサのうちの少なくとも1つによって実行するために1つまたは複数の記憶装置のうちの少なくとも1つに格納されたプログラム命令であって、それによってコンピュータシステムが方法を実行することができるプログラム命令とを含んでよい。本方法は、所定の複数の領域を有する画像に対応するデータのビットストリームを受信するステップを含んでよい。画像に関連付けられた適応ループフィルタ内のフィルタの数に対応する数がビットストリームから決定される。インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするための領域インデックスが復号される。適応ループフィルタ内のフィルタのフィルタ係数が復号される。画像は、復号されたフィルタ係数および復号された領域インデックスに基づいて復号され、インデックスルックアップテーブルをフィルタリングする。
【0006】
さらに別の態様によると、ビデオコーディングのためのコンピュータ可読媒体が提供される。コンピュータ可読媒体は、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶装置と、1つまたは複数の有形記憶装置のうちの少なくとも1つに格納されたプログラム命令とを含んでよく、プログラム命令はプロセッサによって実行可能である。プログラム命令は、所定の複数の領域を有する画像に対応するデータのビットストリームを受信するステップをそれに応じて含み得る方法を実行するためにプロセッサによって実行可能である。画像に関連付けられた適応ループフィルタ内のフィルタの数に対応する数がビットストリームから決定される。インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするための領域インデックスが復号される。適応ループフィルタ内のフィルタのフィルタ係数が復号される。画像は、復号されたフィルタ係数および復号された領域インデックスに基づいて復号され、インデックスルックアップテーブルをフィルタリングする。
【0007】
これらおよび他の目的、特徴および利点は、添付の図面に関連して読まれるべき例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。例示は詳細な説明と併せて当業者の理解を容易にする際の明確さのためのものであるため、図面の様々な特徴は正確な縮尺ではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】少なくとも1つの実施形態によるネットワーク化されたコンピュータ環境を示す図である。
図2】少なくとも1つの実施形態による適応ループフィルタのブロック図である。
図3】少なくとも1つの実施形態による例示的な構文データの図である。
図4】少なくとも1つの実施形態による、ビデオコーディングのためのプログラムによって実行されるステップを示す動作フローチャートである。
図5】少なくとも1つの実施形態による、図1に描かれるコンピュータおよびサーバの内部構成要素および外部構成要素のブロック図である。
図6】少なくとも1つの実施形態による、図1に描かれるコンピュータシステムを含む例示的なクラウドコンピューティング環境のブロック図である。
図7】少なくとも1つの実施形態による、図6の例示的なクラウドコンピューティング環境の機能層のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特許請求される構造および方法の詳細な実施形態が本明細書に開示されているが、開示された実施形態は、様々な形態で具現化され得る特許請求された構造および方法の単なる例示であることが理解され得る。これらの構造および方法は、しかしながら、多くの異なる形態で具体化され得、本明細書に記載される例示的な実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、本開示が詳細かつ完全であり、当業者にその範囲を十分に伝えるために提供されている。この説明では、提示された実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の特徴および技術の詳細は省略される場合がある。
【0010】
実施形態は、一般に、データ処理の分野に関し、より詳細にはビデオ符号化およびビデオ復号に関する。以下に記載される例示的な実施形態は、とりわけ、AVS 3 HPM-6におけるコーディング効率を改善するためのシステム、方法、およびコンピュータプログラムを提供する。したがって、いくつかの実施形態は、所定の走査順序での隣接する領域のみが適応ループフィルタリングのために同じフィルタを共有することができるという制限を排除することを可能にすることによってコーディングの分野を改善する能力を有する。
【0011】
前述したように、AVS HPM-6は、AVS2.0から適応ループフィルタ(ALF)を継承したものである。HPM-6ルーマALFは、領域ベースのALFである。デブロッキング後の出力から再構築されたピクチャをフィルタリングし、有限インパルス応答(FIR)ウィーナーフィルタを利用して形状適応オフセット(SAO)を行うことによって、ピクチャ品質を改善することが意図されている。
【0012】
適応ループフィルタリングのために、HPM-6は、再構成されたピクチャの輝度成分を16個の矩形領域に分割する。16個の領域は、ヒルベルト走査順に並べられている。各領域は、4×4ブロックの倍数からなる。領域内の4×4ブロックがフィルタリングされるとき、それはその領域用の同じFIRフィルタによってフィルタリングされる。ALFを用いてピクチャごとにビットストリーム内で最大16個のフィルタをシグナリングすることができる。ビットストリーム内で符号化されるフィルタの数を減らすために、HPM-6は、ヒルベルト走査順で隣接する領域のみが同じフィルタを共有し得ることを指定した。
【0013】
VVC VTM-8.0は、ブロックベース適応ループフィルタ(BALF)を採用し、この場合、FIRフィルタは、その分類に従って4×4ブロックレベルで切り替えることができる。4×4ブロックの分類は、4×4ブロックの10×10近傍の発光画素の1Dラプラシアンに基づく特徴を使用して決定される。VTM-8.0は、ALF用に合計100クラスの4×4ブロックを有する。4×4ブロックの異なるクラスは、同じフィルタによってフィルタリングすることができる。ピクチャの輝度成分の適応ループフィルタリングのための最大25セットのオンライン訓練されたフィルタ係数は、ビットストリームの適応パラメータセットRBSPにおいてシグナリングすることができる。ビットストリーム内でシグナリングされる各フィルタについて、デコーダは、フィルタ係数の位置に対する3つの所定の幾何学的変換を利用して、3つの他のフィルタを生成することができる。結果として、各クラスに1つずつ、最大100個のフィルタを適応ループフィルタリングのためにデコーダによって使用することができる。
【0014】
VTM-8におけるALFのためのビットストリームの適応パラメータセットRBSPにおいて、最大25セットのフィルタ係数をシグナリングすることができる。ビットストリーム内で符号化されるフィルタ係数のセットの数を減らすために、4×4ブロックの異なるクラスは、フィルタリングのために同じフィルタを共有することができる。HPM-6とは対照的に、VTM-8は、4×4ブロックの異なるクラス間でフィルタをどのように共有するかについて何ら制限を持たない。フィルタが4×4ブロッククラスによってどのように共有されるかは、フィルタインデックスルックアップテーブルに対するクラスインデックスを利用してビットストリーム内でシグナリングされる。フィルタインデックスルックアップテーブルに対するクラスインデックスおよびフィルタ係数が復号された後、SAOの出力から再構築されたピクチャからの4×4ブロックは、フィルタリングプロセスの定める通りにフィルタリングされる。フィルタインデックスルックアップテーブルに対するクラスインデックスは、VVC ALFデータ構文内の1つまたは複数の構文要素によってシグナリングされる。
【0015】
様々な実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ可読媒体のフローチャート図および/またはブロック図を参照して、態様を本明細書で説明する。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施され得ることが理解されよう。
【0016】
以下に説明する例示的な実施形態は、所定の走査順序での隣接する領域のみが適応ループフィルタリングのために同じフィルタを共有することができるという制限を排除することに基づいて、ビデオをコード化するシステム、方法、およびコンピュータプログラムを提供する。ここで図1を参照すると、ビデオデータを符号化および復号するためのビデオコーディングシステム100(以下「システム」)を示すネットワーク化されたコンピュータ環境の機能ブロック図が描かれている。図1は、一実施態様の例示のみを提供し、異なる実施形態が実施され得る環境に関する限定を意味しないことを理解されたい。図示した環境に対する多くの修正は、設計および実施要件に基づいて行うことができる。
【0017】
システム100は、コンピュータ102およびサーバコンピュータ114を含むことができる。コンピュータ102は、通信ネットワーク110(以下「ネットワーク」)を介してサーバコンピュータ114と通信することができる。コンピュータ102は、プロセッサ104と、データ記憶装置106に格納され、ユーザとインターフェースし、サーバコンピュータ114と通信することが可能なソフトウェアプログラム108とを含むことができる。図5を参照して以下に説明するように、コンピュータ102は、それぞれ内部構成要素800Aおよび外部構成要素900Aを含むことができ、サーバコンピュータ114は、それぞれ内部構成要素800Bおよび外部構成要素900Bを含むことができる。コンピュータ102は、例えば、モバイルデバイス、電話、携帯情報端末、ネットブック、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、またはプログラムを実行し、ネットワークにアクセスし、データベースにアクセスすることができる任意の種類のコンピューティングデバイスであってもよい。
【0018】
サーバコンピュータ114はまた、図6および図7に関して以下に説明するように、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、またはサービスとしてのインフラストラクチャ(laaS)などのクラウドコンピューティングサービスモデルで動作してもよい。サーバコンピュータ114はまた、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、またはハイブリッドクラウドなどのクラウドコンピューティング展開モデルに配置されてもよい。
【0019】
ビデオデータを符号化および復号するために使用され得るサーバコンピュータ114は、データベース112と相互作用し得るビデオコーディングプログラム116(以下、「プログラム」)を実行することが可能である。ビデオコーディングプログラム方法は、図4に関して以下により詳細に説明される。一実施形態では、コンピュータ102は、ユーザインターフェースを含む入力デバイスとして動作することができ、プログラム116は、主にサーバコンピュータ114上で実行することができる。代替的な実施形態では、プログラム116は、主に1つまたは複数のコンピュータ102上で実行することができ、サーバコンピュータ114は、プログラム116によって使用されるデータの処理および格納に使用することができる。プログラム116は、スタンドアロンプログラムであってもよく、またはより大きなビデオコーディングプログラムに統合されてもよいことに留意されたい。
【0020】
しかしながら、プログラム116の処理は、場合によっては、コンピュータ102とサーバコンピュータ114との間で任意の比で共有されてもよいことに留意されたい。別の実施形態では、プログラム116は、複数のコンピュータ、サーバコンピュータ、またはコンピュータとサーバコンピュータとの何らかの組み合わせ、例えば、ネットワーク110を介して単一のサーバコンピュータ114と通信する複数のコンピュータ102上で動作することができる。別の実施形態では、例えば、プログラム116は、ネットワーク110を介して複数のクライアントコンピュータと通信する複数のサーバコンピュータ114上で動作することができる。あるいは、プログラムは、ネットワークを介してサーバおよび複数のクライアントコンピュータと通信するネットワークサーバ上で動作してもよい。
【0021】
ネットワーク110は、有線接続、無線接続、光ファイバ接続、またはそれらの何らかの組み合わせを含むことができる。一般に、ネットワーク110は、コンピュータ102とサーバコンピュータ114との間の通信をサポートする接続およびプロトコルの任意の組み合わせとすることができる。ネットワーク110は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)などの電気通信ネットワーク、無線ネットワーク、公衆交換網、衛星ネットワーク、セルラーネットワーク(例えば、第5世代(5G)ネットワーク、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、第3世代(3G)ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネットワークなど)、公衆陸上移動網(PLMN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、プライベートネットワーク、アドホックネットワーク、イントラネット、光ファイバベースのネットワークなど、および/またはこれらのもしくは他のタイプのネットワークの組み合わせなどの様々なタイプのネットワークを含むことができる。
【0022】
図1に示すデバイスおよびネットワークの数および配置は、一例として提供されている。実際には、追加のデバイスおよび/またはネットワーク、より少ないデバイスおよび/またはネットワーク、異なるデバイスおよび/またはネットワーク、あるいは図1に示すものとは異なる配置のデバイスおよび/またはネットワークが存在してもよい。さらに、図1に示す2つ以上のデバイスは、単一のデバイス内に実装されてもよく、または図1に示す単一のデバイスは、複数の分散型デバイスとして実装されてもよい。それに加えて、またはその代わりに、システム100の一組のデバイス(例えば、1つまたは複数のデバイス)は、システム100の別の一組のデバイスによって実行されるものとして説明される1つまたは複数の機能を実行することができる。
【0023】
ここで図2を参照すると、例示的な適応ループフィルタ200が描かれている。適応ループフィルタリングのために、HPM-6は、再構成されたピクチャの輝度成分を16個の矩形領域(すなわち0~15)に分割する。16個の領域は、ヒルベルト走査順に並べられている。各領域は、4×4ブロックの倍数からなる。領域内の4×4ブロックがフィルタリングされるとき、それはその領域用の同じFIRフィルタによってフィルタリングされる。ALFを用いてピクチャごとにビットストリーム内で最大16個のフィルタをシグナリングすることができる。ビットストリーム内で符号化されるフィルタの数を減らすために、HPM-6は、ヒルベルト走査順で隣接する領域のみが同じフィルタを共有し得ることを指定した。
【0024】
AVS HPM-6デコーダでは、4x4ブロックの適応ループフィルタリングのためのフィルタの選択は、4x4ブロックを含む領域の位置に基づいているため、計算量が低い。しかしながら、隣接する領域のみが同じフィルタを共有することができるという要件は、より良好なコーディング効率のためには制限的であることが分かった。VTM-8では、4×4ブロックの適応ループフィルタリングのためのフィルタの選択は、HPM-6と比較して高い計算量を有する。選択プロセスは、特徴パラメータを決定するための複数の1Dラプラシアンの計算と、4×4ブロックのフィルタリングのためのフィルタを選択するために特徴パラメータに決定木を適用することとに基づく。しかし、VTM-8は、4×4ブロックの異なるクラスが、より良好なコーディング効率のために同じフィルタをどのように共有できるかについて何ら制限を持たないという、HMP-6を超える利点を有する。
【0025】
HPM-6のコーディング効率を改善するために、HM-6の場合のように、異なる領域がどのように同じフィルタを共有することができるかに関する制限は排除されてよい。フィルタの数Nが1より大きく16未満である場合、フィルタインデックスルックアップテーブルに対する領域インデックスは、ビットストリームから直接復号される。Nが1に等しいとき、フィルタインデックスルックアップテーブルに対する領域インデックスは0値を有すると推測される。Nが16に等しいとき、フィルタインデックスルックアップテーブルに対する領域インデックスは0、1、…、15の値を有すると推測される。フィルタインデックスルックアップテーブルに対する領域インデックスは、構文要素alf_region_to_filter_map [i]によってシグナリングされる。
【0026】
VTM-8における復号プロセスは、より良好なコーディング効率のために領域がフィルタをどのように共有することができるかについて制限がないという、HPM-6を超える利点を有する。HPM-6は、同じフィルタを共有するためにヒルベルト走査順序での連続する領域のみをマージすることができることを制限する。HPM-6は、制限を満たすレート歪みコストを最小化することによって最良のマージを探索する。一般にHPM-6よりも低いレート歪みコストを提供するために、制限なしにレート歪みコストを最小化することを利用して、最良のマージが探索されてよい。
【0027】
ここで図3を参照すると、適応ループフィルタデータの構文データ300が、1つまたは複数の実施形態について描かれている。構文データ300は、1つまたは複数の構文要素を含んでよい。1つまたは複数の実施形態では、構文要素alf_region_to_filter_map [i]は、符号なしExp-Golombコード化入力を受け入れるようにコード化される。1つまたは複数の実施形態では、構文要素alf_region_to_filter_map [i]は符号なし入力を受け入れるようにコード化される。
【0028】
HPM-6は、ヒルベルト走査順序での連続する領域のみをマージすることができることを制限するので、HPM-6は、構文要素alf_region_distance [i]によって示されるランレングスコーディングを利用して、ヒルベルト走査順序でいくつの連続する領域が一緒にマージされるかをシグナリングする。HPM-6とは対照的に、同じフィルタを使用するためにマージすることができる領域は制限されなくてよい。どのフィルタがどの領域nをフィルタリングすべきかをシグナリングするために、構文要素alf_region_to_filter_map [i]は、インデックスiで領域をフィルタリングすべきフィルタのインデックスを示す。
【0029】
ここで図4を参照すると、所定の走査順序での隣接する領域のみが適応ループフィルタリングのために同じフィルタを共有することができるという制限を排除することに基づいてビデオデータを符号化および復号するプログラムによって実行される方法400のステップを示す動作フローチャートが描かれている。
【0030】
402において、方法400は、複数の領域を有する画像に対応するデータのビットストリームを受信するステップを含んでよい。
【0031】
404において、方法400は、画像に関連付けられた適応ループフィルタ内のフィルタの数に対応する数をビットストリームから決定するステップを含んでよい。
【0032】
406において、方法400は、領域インデックスを復号してインデックスルックアップテーブルをフィルタリングするステップを含んでよい。
【0033】
408において、方法400は、適応ループフィルタ内のフィルタのフィルタ係数を復号するステップを含んでよい。
【0034】
410において、方法400は、復号されたフィルタ係数および復号された領域インデックスに基づいて画像を復号して、インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするステップを含んでよい。
【0035】
図4は、一つの実装形態の例示のみを提供し、異なる実施形態がどのように実施され得るかに関していかなる限定も暗示していないことが理解されよう。図示した環境に対する多くの修正は、設計および実施要件に基づいて行うことができる。
【0036】
図5は、例示的な実施形態による、図1に描かれるコンピュータの内部構成要素および外部構成要素のブロック図500である。図5は、一つの実装形態の例示のみを提供し、異なる実施形態が実施され得る環境に関していかなる限定も暗示していないことを理解されたい。図示した環境に対する多くの修正は、設計および実施要件に基づいて行うことができる。
【0037】
コンピュータ102(図1)およびサーバコンピュータ114(図1)は、図5に示す内部構成要素800A、800Bおよび外部構成要素900A、900Bのそれぞれのセットを含むことができる。内部構成要素800のセットの各々は、1つまたは複数のプロセッサ820と、1つまたは複数のバス826上の1つもしくは複数のコンピュータ可読RAM822および1つもしくは複数のコンピュータ可読ROM824と、1つまたは複数のオペレーティングシステム828と、1つまたは複数のコンピュータ可読有形記憶装置830と、を含む。
【0038】
プロセッサ820は、ハードウェア、ファームウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実装される。プロセッサ820は、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、加速処理装置(APU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または別の種類の処理構成要素である。いくつかの実施態様では、プロセッサ820は、機能を実行するようにプログラムすることができる1つまたは複数のプロセッサを含む。バス826は、内部構成要素800A、800B間の通信を可能にする構成要素を含む。
【0039】
1つまたは複数のオペレーティングシステム828、ソフトウェアプログラム108(図1)、ならびにサーバコンピュータ114(図1)上のビデオコーディングプログラム116(図1)は、それぞれのRAM822(通常はキャッシュメモリを含む)のうちの1つまたは複数を介してそれぞれのプロセッサ820のうちの1つまたは複数によって実行されるために、それぞれのコンピュータ可読有形記憶装置830のうちの1つまたは複数に格納される。図5に示す実施形態では、コンピュータ可読有形記憶装置830の各々は、内蔵ハードドライブの磁気ディスク記憶装置である。あるいは、コンピュータ可読有形記憶装置830の各々は、ROM 824、EPROM、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、ソリッドステートディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、カートリッジ、磁気テープ、および/またはコンピュータプログラムおよびデジタル情報を格納することができる別の種類の非一時的なコンピュータ可読有形記憶装置などの半導体記憶装置である。
【0040】
内部構成要素800A、800Bの各セットはまた、CD-ROM、DVD、メモリスティック、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク、または半導体記憶装置などの1つまたは複数のポータブルコンピュータ可読有形記憶装置936から読み書きするためのR/Wドライブまたはインターフェース832を含む。ソフトウェアプログラム108(図1)およびビデオコーディングプログラム116(図1)などのソフトウェアプログラムは、それぞれのポータブルコンピュータ可読有形記憶装置936のうちの1つまたは複数に格納され、それぞれのR/Wドライブまたはインターフェース832を介して読み取られ、それぞれのハードドライブ830にロードされ得る。
【0041】
内部構成要素800A、800Bの各セットはまた、TCP/IPアダプタカード、無線Wi-Fiインターフェースカード、あるいは3G、4G、もしくは5G無線インターフェースカードまたは他の有線もしくは無線通信リンクなどのネットワークアダプタまたはインターフェース836を含む。ソフトウェアプログラム108(図1)およびサーバコンピュータ114(図1)上のビデオコーディングプログラム116(図1)は、ネットワーク(例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、または他の広域ネットワーク)およびそれぞれのネットワークアダプタまたはインターフェース836を介して外部コンピュータからコンピュータ102(図1)およびサーバコンピュータ114にダウンロードすることができる。ネットワークアダプタまたはインターフェース836から、ソフトウェアプログラム108およびサーバコンピュータ114上のビデオコーディングプログラム116が、それぞれのハードドライブ830にロードされる。ネットワークは、銅線、光ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータおよび/またはエッジサーバを含むことができる。
【0042】
外部構成要素900A、900Bのセットの各々は、コンピュータディスプレイモニタ920、キーボード930、およびコンピュータマウス934を含むことができる。外部構成要素900A、900Bはまた、タッチスクリーン、仮想キーボード、タッチパッド、ポインティングデバイス、および他のヒューマンインターフェースデバイスを含むことができる。内部構成要素800A、800Bのセットの各々はまた、コンピュータディスプレイモニタ920、キーボード930、およびコンピュータマウス934にインターフェースするためのデバイスドライバ840を含む。デバイスドライバ840、R/Wドライブまたはインターフェース832ならびにネットワークアダプタまたはインターフェース836は、(記憶装置830および/またはROM824に格納された)ハードウェアおよびソフトウェアを含む。
【0043】
本開示はクラウドコンピューティングに関する詳細な説明を含むが、本明細書に列挙された教示の実施態様はクラウドコンピューティング環境に限定されないことを事前に理解されたい。むしろ、いくつかの実施形態は、現在知られているまたは後に開発される任意の他の種類のコンピューティング環境と併せて実施することができる。
【0044】
クラウドコンピューティングは、最小限の管理労力またはサービスのプロバイダとの対話で迅速にプロビジョニングおよびリリースすることができる構成可能コンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理、メモリ、ストレージ、アプリケーション、仮想マシン、およびサービス)の共有プールへの便利なオンデマンドネットワークアクセスを可能にするためのサービス配信のモデルである。このクラウドモデルは、少なくとも5つの特性、少なくとも3つのサービスモデル、および少なくとも4つの展開モデルを含むことができる。
【0045】
特徴は以下の通りである。
オンデマンドセルフサービス:クラウド消費者は、サービスのプロバイダとの人的な対話を必要とせずに、必要に応じて自動的に、サーバ時間およびネットワークストレージなどのコンピューティング機能を一方的にセットアップすることができる。
広範なネットワークアクセス:機能は、ネットワークを介して利用可能であり、異種のシンまたはシックなクライアントプラットフォーム(例えば、携帯電話、ラップトップ、およびPDA)による使用を促進する標準的な機構を介してアクセスされる。
リソースプーリング:プロバイダのコンピューティングリソースは、マルチテナントモデルを使用して複数の消費者にサービスを提供するためにプールされ、異なる物理リソースおよび仮想リソースは、需要に応じて動的に割り当ておよび再割り当てされる。消費者は、一般に、提供されたリソースの正確な位置に対する制御または知識を持たないが、より高い抽象化レベル(例えば、国、州、またはデータセンター)で位置を指定することができるという点で、位置独立性の感覚がある。
スピーディな拡張性:スピーディに、伸縮自在に、場合によっては自動で割り当ておよび提供が可能であり、即座にスケールアウトし、スピーディに解放されて即座にスケールインできる。消費者にとっては、多くの場合、割り当てのために利用可能な能力は無尽蔵であり、いつでもどんな量でも調達可能であるように見える。
測定されたサービス:クラウドシステムは、サービスのタイプ(例えば、ストレージ、処理、帯域幅、およびアクティブユーザアカウント)に適したある抽象化レベルで計量能力を活用することによって、リソース使用を自動的に制御および最適化する。リソース使用は、利用されるサービスのプロバイダおよび消費者の両方に透明性を提供するように監視、制御、および報告され得る。
【0046】
サービスモデルは以下の通りである。
サービスとしてのソフトウェア(SaaS):消費者に提供される機能は、クラウドインフラストラクチャ上で実行されるプロバイダのアプリケーションを使用することである。アプリケーションは、ウェブブラウザ(例えば、ウェブベースの電子メール)などのシンクライアントインターフェースを介して様々なクライアントデバイスからアクセス可能である。消費者は、あり得る、限られたユーザ固有のアプリケーション構成設定を除いて、ネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム、ストレージ、または個々のアプリケーション機能さえも含む基盤となるクラウドインフラストラクチャを管理または制御しない。
サービスとしてのプラットフォーム(PaaS):消費者に提供される機能は、プロバイダによってサポートされるプログラミング言語およびツールを使用して作成された、消費者が作成または取得したアプリケーションをクラウドインフラストラクチャ上に展開することである。消費者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム、またはストレージを含む基盤となるクラウドインフラストラクチャを管理または制御しないが、展開されたアプリケーションおよび場合によってはアプリケーションホスティング環境構成を制御する。
サービスとしてのインフラストラクチャ(laaS):消費者に提供される機能は、処理、ストレージ、ネットワーク、および他の基本的なコンピューティングリソースを提供することであり、消費者は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションを含むことができる任意のソフトウェアを展開および実行することができる。消費者は、基盤となるクラウドインフラストラクチャを管理も制御もしないが、オペレーティングシステム、ストレージ、展開されたアプリケーション、および場合によっては選択ネットワーキング構成要素(例えば、ホストファイアウォール)の限定された制御を制御する。
【0047】
展開モデルは以下の通りである。
プライベートクラウド:クラウドインフラストラクチャは、組織のために単独で動作する。これは、組織または第三者によって管理されてもよく、オンプレミスまたはオフプレミスで存在してもよい。
コミュニティクラウド:クラウドインフラストラクチャは、いくつかの組織によって共有され、共有された関心事項(例えば、ミッション、セキュリティ要件、ポリシー、およびコンプライアンスの考慮事項)を有する特定のコミュニティをサポートする。これは、組織または第三者によって管理されてもよく、オンプレミスまたはオフプレミスで存在してもよい。
パブリッククラウド:クラウドインフラストラクチャは、一般の人々または大規模な業界グループに提供され、クラウドサービスを販売する組織によって所有される。
ハイブリッドクラウド:クラウドインフラストラクチャは、独自のエンティティのままであるが、データおよびアプリケーションの可搬性(例えば、クラウド間の負荷分散のためのクラウドバースト)を可能にする標準化されたまたは専売技術によって互いに結び付けられた2つ以上のクラウド(私的、共同体、または公的)の構成である。
【0048】
クラウドコンピューティング環境は、無国籍、低結合、モジュール性、およびセマンティック相互運用性に焦点を合わせたサービス指向である。クラウドコンピューティングの中心には、相互接続されたノードのネットワークを含むインフラストラクチャがある。
【0049】
図6を参照すると、例示的なクラウドコンピューティング環境600が描かれている。図示するように、クラウドコンピューティング環境600は、例えば、携帯情報端末(PDA)または携帯電話54A、デスクトップコンピュータ54B、ラップトップコンピュータ54C、および/または自動車コンピュータシステム54Nなどの、クラウド消費者によって使用されるローカルコンピューティングデバイスが通信することができる1つまたは複数のクラウドコンピューティングノード10を含む。クラウドコンピューティングノード10は、互いに通信することができる。それらは、上述のプライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、またはそれらの組み合わせなどの1つもしくは複数のネットワークにおいて、物理的または仮想的にグループ化(図示せず)されてもよい。これにより、クラウドコンピューティング環境600は、クラウド消費者がローカルコンピューティングデバイス上のリソースを維持する必要がないサービスとして、インフラストラクチャ、プラットフォーム、および/またはソフトウェアを提供することができる。図6に示すコンピューティングデバイス54A~Nのタイプは例示のみを意図していること、ならびにクラウドコンピューティングノード10およびクラウドコンピューティング環境600は、任意のタイプのネットワークおよび/またはネットワークアドレス指定可能な接続(例えば、ウェブブラウザを使用する)を介して任意のタイプのコンピュータ化されたデバイスと通信することができることが理解される。
【0050】
図7を参照すると、クラウドコンピューティング環境600(図6)によって提供される一組の機能抽象化層700が示されている。図7に示す構成要素、層、および機能は例示のみを意図しており、実施形態はそれに限定されないことを事前に理解されたい。描かれるように、以下の層および対応する機能が提供される。
【0051】
ハードウェアおよびソフトウェア層60は、ハードウェアおよびソフトウェア構成要素を含む。ハードウェア構成要素の例は、メインフレーム61、RISC(縮小命令セットコンピュータ)アーキテクチャベースのサーバ62、サーバ63、ブレードサーバ64、記憶装置65、ならびにネットワークおよびネットワーク構成要素66を含む。いくつかの実施形態では、ソフトウェア構成要素は、ネットワークアプリケーションサーバソフトウェア67およびデータベースソフトウェア68を含む。
【0052】
仮想化層70は、仮想エンティティの以下の例が提供され得る抽象化層を提供する。仮想サーバ71、仮想ストレージ72、仮想プライベートネットワークを含む仮想ネットワーク73、仮想アプリケーションおよびオペレーティングシステム74、ならびに仮想クライアント75である。
【0053】
一例では、管理層80は、以下に説明する機能を提供することができる。リソースプロビジョニング81は、クラウドコンピューティング環境内でタスクを実行するために利用されるコンピューティングリソースおよび他のリソースの動的な調達を提供する。計測および価格設定82は、リソースがクラウドコンピューティング環境内で利用されるときのコスト追跡、およびこれらのリソースの消費に対する請求または請求書発行を提供する。一例では、これらのリソースは、アプリケーションソフトウェアライセンスを含むことができる。セキュリティは、クラウド消費者およびタスクのための識別検証、ならびにデータおよび他のリソースのための保護を提供する。ユーザポータル83は、消費者およびシステム管理者にクラウドコンピューティング環境へのアクセスを提供する。サービスレベル管理84は、必要なサービスレベルが満たされるようにクラウドコンピューティングリソースの割り当ておよび管理を提供する。サービス水準合意(SLA)の計画および履行85は、その将来の要件がSLAに従って予想されるクラウドコンピューティングリソースの事前配置および調達を提供する。
【0054】
ワークロード層90は、クラウドコンピューティング環境を利用することができる機能の例を提供する。この層から提供され得る作業負荷および機能の例は、マッピングおよびナビゲーション91、ソフトウェア開発およびライフサイクル管理92、仮想教室教育配信93、データ解析処理94、取引処理95、ならびにビデオコーディング96を含む。ビデオコーディング96は、所定の走査順序での隣接する領域のみが適応ループフィルタリングのために同じフィルタを共有することができるという制限を排除することに基づいてビデオデータを符号化および復号することができる。
【0055】
いくつかの実施形態は、任意の可能な技術的詳細レベルの統合におけるシステム、方法、および/またはコンピュータ可読媒体に関することができる。コンピュータ可読媒体は、プロセッサに動作を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読非一時的記憶媒体を含むことができる。
【0056】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持および格納することができる有形のデバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、またはこれらの任意の適切な組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、命令が記録されたパンチカードまたは溝内の隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、ならびに上記の任意の適切な組み合わせを含む。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、電波もしくは他の自由に伝搬する電磁波、導波路もしくは他の伝送媒体(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)を伝搬する電磁波、またはワイヤを介して伝送される電気信号などの一時的な信号自体であると解釈されるべきではない。
【0057】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から、またはネットワーク、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワークおよび/または無線ネットワークを介して外部コンピュータもしくは外部記憶装置を介してそれぞれのコンピューティング/処理装置にダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータおよび/またはエッジサーバを含むことができる。各コンピューティング/処理装置内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理装置内のコンピュータ可読記憶媒体に格納するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0058】
動作を実行するためのコンピュータ可読プログラムコード/命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路の構成データ、あるいはSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語もしくは同様のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、または外部コンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)接続されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、態様または動作を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路をパーソナライズすることによってコンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0059】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実施するための手段を作成するように、機械を製造するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてもよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、および/または他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよく、その結果、格納された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を含む。
【0060】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他の装置上で実行される命令がフローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実施するように、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他の装置上で一連の動作ステップを実行させてコンピュータ実装プロセスを生成するために、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他の装置上にロードされてもよい。
【0061】
図のフローチャートおよびブロック図は、様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。これに関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、または命令の一部を表すことができる。方法、コンピュータシステム、およびコンピュータ可読媒体は、図に描かれるものよりも、さらなるブロック、より少ないブロック、異なるブロック、または異なる配置のブロックを含んでもよい。いくつかの代替的な実施態様では、ブロックに記載された機能は、図に記載された順序とは異なる順序で行われてもよい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、同時にまたは実質的に同時に実行されてもよく、またはブロックは、関連する機能に応じて、時には逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行するか、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する、専用ハードウェアベースのシステムによって実装され得ることにも留意されたい。
【0062】
本明細書に記載のシステムおよび/または方法は、ハードウェア、ファームウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせの異なる形態で実装されてもよいことは明らかであろう。これらのシステムおよび/または方法を実装するために使用される実際の専用の制御ハードウェアまたはソフトウェアコードは、実施態様を限定するものではない。したがって、システムおよび/または方法の動作および挙動は、特定のソフトウェアコードを参照することなく本明細書に記載されており、ソフトウェアおよびハードウェアは、本明細書の記載に基づいてシステムおよび/または方法を実装するように設計され得ることが理解される。
【0063】
本明細書で使用される要素、動作、または命令は、そのように明示的に記載されていない限り、重要または必須であると解釈されるべきではない。また、本明細書で使用される場合、冠詞「a」および「an」は、1つまたは複数の項目を含むことを意図しており、「1つまたは複数」と交換可能に使用され得る。さらに、本明細書で使用される場合、「セット」という用語は、1つまたは複数の項目(例えば、関連項目、無関係な項目、関連項目と無関係な項目との組み合わせなど)を含むことを意図しており、「1つまたは複数」と互換的に使用され得る。1つの項目のみが意図される場合、「1つ」という用語または同様の用語が使用される。また、本明細書で使用される場合、「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」などの用語は、オープンエンド用語であることを意図している。さらに、「に基づいて」という語句は、特に明記しない限り、「少なくとも部分的に、基づいて」を意味することを意図している。
【0064】
様々な態様および実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であること、または開示された実施形態に限定されることを意図するものではない。特徴の組み合わせが特許請求の範囲に記載され、および/または本明細書に開示されているが、これらの組み合わせは、可能な実施態様の開示を限定することを意図するものではない。実際、これらの特徴の多くは、特許請求の範囲に具体的に記載されていない、および/または明細書に開示されていない方法で組み合わされてもよい。以下に列挙される各従属請求項は1つの請求項のみに直接依存してもよいが、可能な実施態様の開示は、各従属請求項を請求項セット内の他の全ての請求項と組み合わせて含む。記載された実施形態の範囲から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、実際の用途または市場で見られる技術に対する技術的改善を最もよく説明するために、または当業者が本明細書に開示する実施形態を理解することを可能にするために選択された。
【符号の説明】
【0065】
10 クラウドコンピューティングノード
54A 携帯情報端末(PDA)または携帯電話
54B デスクトップコンピュータ
54C ラップトップコンピュータ
54N 自動車コンピュータシステム
60 ハードウェアおよびソフトウェア層
61 メインフレーム
62 RISC(縮小命令セットコンピュータ)アーキテクチャベースのサーバ
63 サーバ
64 ブレードサーバ
65 記憶装置
66 ネットワークおよびネットワーク構成要素
67 ネットワークアプリケーションサーバソフトウェア
68 データベースソフトウェア
70 仮想化層
71 仮想サーバ
72 仮想ストレージ
73 仮想ネットワーク
74 仮想アプリケーションおよびオペレーティングシステム
75 仮想クライアント
80 管理層
81 リソースプロビジョニング
82 計測および価格設定
83 ユーザポータル
84 サービスレベル管理
85 サービス水準合意(SLA)の計画および履行
90 ワークロード層
91 マッピングおよびナビゲーション
92 ソフトウェア開発およびライフサイクル管理
93 仮想教室教育配信
94 データ解析処理
95 取引処理
96 ビデオコーディング
100 ビデオコーディングシステム
102 コンピュータ
104 プロセッサ
106 データ記憶装置
108 ソフトウェアプログラム
110 通信ネットワーク
112 データベース
114 サーバコンピュータ
116 ビデオコーディングプログラム
200 適応ループフィルタ
300 構文データ
400 方法
500 コンピュータの内部構成要素および外部構成要素のブロック図
600 クラウドコンピューティング環境
700 機能抽象化層
800A 内部構成要素
800B 内部構成要素
820 プロセッサ
822 RAM
824 ROM
826 バス
828 オペレーティングシステム
830 コンピュータ可読有形記憶装置、ハードドライブ
832 R/Wドライブまたはインターフェース
836 ネットワークアダプタまたはインターフェース
840 デバイスドライバ
900A 外部構成要素
900B 外部構成要素
920 コンピュータディスプレイモニタ
930 キーボード
934 コンピュータマウス
936 ポータブルコンピュータ可読有形記憶装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-04-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータプロセッサによって実行可能なビデオコーディングの方法であって、
所定の複数の領域を有する画像に対応するデータのビットストリームを受信するステップと、
前記画像に関連付けられた適応ループフィルタ内のフィルタの数に対応する数を前記ビットストリームから決定するステップと、
領域インデックスを復号して、インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするステップと、
前記適応ループフィルタ内の前記フィルタのフィルタ係数を復号するステップと、
前記復号されたフィルタ係数および前記復号された領域インデックスに基づいて前記画像を復号して、前記インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするステップと、
を含むビデオコーディングの方法。
【請求項2】
前記領域インデックスは、1と所定の領域の数との間の全てを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記領域インデックスが1であること、または前記所定の領域の数であることに基づいている場合、前記インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするための前記領域インデックスは、前記ビットストリーム内で符号化されず、前記領域インデックスはデフォルト値を使用して復号される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記領域インデックスが、2と前記所定の領域の数-1との間の全てを含むことに基づいている場合、前記インデックスルックアップテーブルをフィルタリングするための前記領域インデックスは前記ビットストリームから復号される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記画像を復号する前記ステップは、
前記所定の複数の領域の中から前記画像の領域のセットをマージするステップと、
同じフィルタを使用して領域の前記マージされたセットを復号するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記領域のセットは、前記領域のセットをマージする前記ステップに関連付けられたレート歪みコストを最小化することに基づいてマージされる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ビットストリーム内の前記複数の領域に関連付けられた前記フィルタ係数を1つまたは複数の構文要素でシグナリングするステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
ビデオコーディングのためのコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、
コンピュータプログラムコードを記憶するように構成された1つまたは複数のコンピュータ可読非一時的記憶媒体と、
前記コンピュータプログラムコードにアクセスし、前記コンピュータプログラムコードによって命令されるように動作するように構成された1つまたは複数のコンピュータプロセッサと、
を備え、前記コンピュータプログラムコードは、前記1つまたは複数のコンピュータプロセッサに、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を行わせるためのコンピュータプログラムコードである、コンピュータシステム。
【請求項9】
1つまたは複数のコンピュータプロセッサに、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を行わせるためのコンピュータプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
AVS HPM-6デコーダでは、4x4ブロックの適応ループフィルタリングのためのフィルタの選択は、4x4ブロックを含む領域の位置に基づいているため、計算量が低い。しかしながら、隣接する領域のみが同じフィルタを共有することができるという要件は、より良好なコーディング効率のためには制限的であることが分かった。VTM-8では、4×4ブロックの適応ループフィルタリングのためのフィルタの選択は、HPM-6と比較して高い計算量を有する。選択プロセスは、特徴パラメータを決定するための複数の1Dラプラシアンの計算と、4×4ブロックのフィルタリングのためのフィルタを選択するために特徴パラメータに決定木を適用することとに基づく。しかし、VTM-8は、4×4ブロックの異なるクラスが、より良好なコーディング効率のために同じフィルタをどのように共有できるかについて何ら制限を持たないという、HPM-6を超える利点を有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
HPM-6のコーディング効率を改善するために、HPM-6の場合のように、異なる領域がどのように同じフィルタを共有することができるかに関する制限は排除されてよい。フィルタの数Nが1より大きく16未満である場合、フィルタインデックスルックアップテーブルに対する領域インデックスは、ビットストリームから直接復号される。Nが1に等しいとき、フィルタインデックスルックアップテーブルに対する領域インデックスは0値を有すると推測される。Nが16に等しいとき、フィルタインデックスルックアップテーブルに対する領域インデックスは0、1、…、15の値を有すると推測される。フィルタインデックスルックアップテーブルに対する領域インデックスは、構文要素alf_region_to_filter_map [i]によってシグナリングされる。
【国際調査報告】