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特表2022-553734可溶性食物繊維及びその製造方法と使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(54)【発明の名称】可溶性食物繊維及びその製造方法と使用方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/21 20160101AFI20221219BHJP
   A23L 25/00 20160101ALI20221219BHJP
   A23L 23/00 20160101ALI20221219BHJP
   A23L 7/126 20160101ALI20221219BHJP
   A23L 9/10 20160101ALI20221219BHJP
   A23C 9/152 20060101ALI20221219BHJP
   A23L 29/00 20160101ALI20221219BHJP
   A23G 1/32 20060101ALI20221219BHJP
   A23G 3/00 20060101ALI20221219BHJP
   A23G 4/10 20060101ALI20221219BHJP
   A23L 25/10 20160101ALI20221219BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20221219BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20221219BHJP
   A23L 2/02 20060101ALI20221219BHJP
   A23L 2/66 20060101ALI20221219BHJP
   A23L 7/157 20160101ALI20221219BHJP
   A21D 10/04 20060101ALI20221219BHJP
   A21D 2/18 20060101ALI20221219BHJP
   A21D 13/80 20170101ALI20221219BHJP
【FI】
A23L33/21
A23L25/00
A23L23/00
A23L7/126
A23L9/10
A23C9/152
A23L29/00
A23G1/32
A23G3/00
A23G4/10
A23L25/10
A23L2/00 G
A23L2/52 101
A23L2/52
A23L2/02
A23L2/00 F
A23L2/66
A23L7/157
A21D10/04
A21D2/18
A21D13/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524064
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-06-22
(86)【国際出願番号】 US2020057022
(87)【国際公開番号】W WO2021081305
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】62/926,315
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/987,742
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522149980
【氏名又は名称】テイト アンド ライル ソリューションズ ユー・エス・エー エル・エル・シー
【氏名又は名称原語表記】Tate & Lyle Solutions USA LLC
【住所又は居所原語表記】5450 Prairie Stone Parkway, Hoffman Estates, IL 60192, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ピアス
(72)【発明者】
【氏名】レスリー クライナー
(72)【発明者】
【氏名】マーヴィン デ ソウザ
(72)【発明者】
【氏名】バート モイソン
【テーマコード(参考)】
4B001
4B014
4B018
4B025
4B032
4B035
4B036
4B117
【Fターム(参考)】
4B001AC03
4B001EC99
4B014GB01
4B014GB08
4B014GB09
4B014GB13
4B014GK12
4B014GL11
4B018LB01
4B018LB08
4B018LB10
4B018MD28
4B018MD29
4B018MD47
4B018ME01
4B018ME14
4B018MF06
4B018MF07
4B025LB17
4B025LB25
4B025LG27
4B025LG45
4B025LK07
4B032DB05
4B032DB13
4B032DB21
4B032DK14
4B032DL20
4B035LC06
4B035LC16
4B035LG20
4B035LP24
4B035LP59
4B036LC07
4B036LF01
4B036LF19
4B036LH35
4B036LK06
4B117LC05
4B117LG01
4B117LK13
4B117LK15
4B117LL09
4B117LP03
4B117LP20
(57)【要約】
本開示は、一般に、可溶性食物繊維、並びに関連する方法及び製品に関する。当該可溶性食物繊維は、小さい中心粒径及び狭い粒径分布を含む、従来の可溶性食物繊維と比較して増強された性質を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
d10が40μm以下であり、d50が5μm~100μmの範囲であり、d90が20μm~200μmの範囲である、粒子形状の可溶性食物繊維。
【請求項2】
前記d10が30μm以下であり、前記d50が5μm~95μmの範囲であり、前記d90が20μm~100μmの範囲である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項3】
前記d10が30μm以下であり、前記d50が5μm~60μmの範囲であり、前記d90が20μm~100μmの範囲である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項4】
前記d10が10μm~40μmの範囲である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項5】
前記d50が15μm~95μmの範囲である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項6】
前記d50が55μm~100μmの範囲である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項7】
前記d90が20μm~175μmの範囲である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項8】
前記d90が100μm~200μmの範囲である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項9】
前記d10値が前記d50値の少なくとも25%である、及び/又は前記d90値が前記d50値の400%以下である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項10】
水分含有量が6重量%以下である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項11】
水分含有量が0.5重量%~6重量%の範囲、例えば、0.5重量%~5重量%である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項12】
重量平均分子量が1000g/mol~2500g/molの範囲である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項13】
重量平均分子量が1000g/mol~2000g/molの範囲である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項14】
95%固形分で測定した際に、ガラス転移温度が50℃~100℃の範囲である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項15】
単糖及び二糖の総量が乾燥固形分基準で最大25重量%である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項16】
結合パターンが、
25~45%の末端結合グルコピラノシル残基、
10~22%の6-結合グルコピラノシル残基、
13~32%の4-結合グルコピラノシル残基、
2~11%の3-結合グルコピラノシル残基、
3~13%の4,6-結合グルコピラノシル残基、
1~5%の3,6-結合グルコピラノシル残基、及び
0.5~4%の2,4-結合のグルコピラノシル残基である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項17】
繊維含有量が少なくとも65%である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項18】
繊維含有量が70%~100%の範囲である、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項19】
可溶性食物繊維が、
デキストロース及び/又はデキストロースオリゴマーを乾燥固形分基準で少なくとも95重量%(例えば、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%)含む糖供給物を提供することと、
水の存在下、及び糖アルコールの実質的な非存在下で、少なくとも約80重量%の総固形分濃度、及び少なくとも約120℃の温度で、前記糖供給物を、繊維含有量が少なくとも60%である生成物組成物を生成するのに十分な時間にグルコシル結合の開裂及び形成速度を促進させる少なくとも1つの酸触媒と反応させることと、を含むプロセスによって製造される、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項20】
前記粒子形状が実質的に球形の形態を有する、請求項1に記載の可溶性食物繊維。
【請求項21】
請求項1~20のいずれかに記載の可溶性食物繊維を製造する方法であって、
可溶性食物繊維供給物の水溶液を提供することと、
前記水溶液を乾燥させて、粒子形状の前記可溶性食物繊維を提供することと、を含む方法。
【請求項22】
前記乾燥が噴霧乾燥である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記噴霧乾燥がスチームアシスト式噴霧化を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
食品を製造する方法であって、
請求項1~20のいずれかに記載の可溶性食物繊維を提供することと、
前記可溶性食物繊維を1つ以上の他の食品成分と組み合わせることと、を含む方法。
【請求項25】
請求項1~24のいずれかに記載の可溶性食物繊維を含む食品。
【請求項26】
前記可溶性食物繊維が、3.5重量%以下の水を有する、食品の相に配置されている、請求項23に記載の食品。
【請求項27】
前記可溶性食物繊維が、3.5重量%以下の水を有する食品中に配置されている、請求項23に記載の食品。
【請求項28】
前記繊維が食品マトリックスの脂質相に分散している、請求項23に記載の食品。
【請求項29】
前記食品がチョコレート、菓子組成物、又はクリーム充填物である、請求項25に記載の食品。
【請求項30】
前記食品が、例えば、ミルクチョコレート、ほろ苦いチョコレート、ダークチョコレート、ホワイトチョコレート、若しくは風味付きチョコレートなどのチョコレート、例えば、チョコレート風味若しくは他の風味などの菓子組成物、又は、例えば、チョコレートシェルの中に、若しくは、他の例では、クッキー、ペストリー、若しくはケーキなどの焼き菓子の中に配置されるチョコレート充填物である、請求項28に記載の方法又は食品。
【請求項31】
前記チョコレート、菓子組成物又はクリーム充填物が、キャンディ、バー(例えば、エナジーバー、スナックバー、朝食バー、プロテインバー)、冷菓、又は焼き菓子の一部である、請求項28に記載の食品。
【請求項32】
前記食品が、例えば、甘くされたヘーゼルナッツスプレッド(例えば、ヌテラ)などの強く甘くされたスプレッドなどの脂肪スプレッド、ミルク系のスプレッド、チョコレート系のスプレッド、又はピーナッツバター、アーモンドバター、カシューバターなどのナッツ系のスプレッドである、請求項25に記載の食品。
【請求項33】
前記食品が、チューインガム(糖化ガム、無糖ガム、機能性ガム、及びバブルガムを含む)、センターフィル菓子、薬用菓子、ロゼンジ、タブレット、トローチ、ミント、標準ミント、パワーミント、チューイングキャンディ、ハードキャンディ、ボイルドキャンディ、ブレス及びその他のオーラルケアフィルム又はストリップ、キャンディケーン、ロリポップ、グミ、ゼリー、ワインガム、ファッジ、キャラメル、ハード及びソフト糖衣食品、トフィー、タフィー、リコリス、ゼラチンキャンディ、グミドロップ、ゼリービーンズ、ヌガー、及びフォンダンから選択される、請求項25に記載の食品。
【請求項34】
前記食品が、例えば、フルーツ飲料、プロテイン飲料、ミールリプレイスメント、乳児用調製乳若しくはグローイングアップミルクなどのミルク、若しくはミルクモディファイアなどの飲料用、又はバッター、プディング、スープ、グレービー、若しくはソース用のドライミックスである、請求項25に記載の食品。
【請求項35】
前記可溶性食物繊維が、粒径の実質的な減少なしに前記食品に組み込まれる、請求項25に記載の食品。
【請求項36】
前記可溶性食物繊維が前記食品の水相に分散されている(例えば、溶解されている)、請求項24に記載の方法。
【請求項37】
前記食品が、フルーツ飲料、プロテイン飲料、ミールリプレイスメント、若しくは乳児用調製乳若しくはグローイングアップミルクなどのミルクなどの飲料、又は、バッター、プディング、スープ、グレービー、若しくはソースである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記水相が、少なくとも10%の水、例えば、少なくとも20%の水、少なくとも30%の水、又は少なくとも50%の水を有する、請求項36に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年10月25日出願の米国仮特許出願第62/926315号及び、2020年3月10日出願の米国仮特許出願第62/987742号の利益を主張するものであり、各々の開示全体を参照として本明細書に援用する。
【0002】
技術分野
本開示は、一般に、食物繊維及びそれから作られた製品に関する。より具体的には、本開示は、望ましい形態学的、物理的及び化学的性質を有する可溶性食物繊維、及びそれらを製造及び使用するための方法を含むそれらに関連する方法に関する。
【0003】
背景技術
様々な糖類、澱粉、繊維など、様々な炭水化物が食品に使用されている。これらの炭水化物の多くは、人間の胃や小腸で消化される。対して、食品中の食物繊維は、一般的に、胃や小腸で消化されない。したがって、食物繊維、特に可溶性食物繊維は、食物繊維含有量を増加するため、又は食物中の糖及びカロリー含有量を減少するために、他の食品における可食性の製品及び成分として興味深い。これらの改変は両方とも、一定の健康上の効果があると考えられている。
【0004】
特に興味深いのは、糖の削減に向けた食品の改質である。可溶性食物繊維は、それらが、嵩高さを提供し、スクロースよりもカロリーが低く、場合によっては機能性を提供するため、望ましく好適な糖代替品である。しかしながら、可溶性食物繊維は、高い残留水分含有量であることが多く、食品組成物に望ましくない変更をもたらし、一部の菓子などでは高脂肪配合物と好ましくない相互作用をすることがあり得る。さらに、人間の舌は、直径が30μmを超える粒子を、望ましくない食感を有するより大きな粒子を含む最終的な配合物で感知することができ、これは、可溶性食物繊維が不溶性になる傾向がある高脂肪/低水分系において特に問題となる。
【0005】
このため、好適な食品、食品添加物、又は糖代替品となるためには、粒径が小さく、知覚可能な甘味があり、水分含有量が低い可溶性食物繊維が必要である。
【0006】
発明の概要
本開示の1つの態様は、d10が40μm以下(例えば、1μm~40μmの範囲)であり、d50が5μm~110μmの範囲であり、d90が20μm~200μmの範囲である、粒子形状の可溶性食物繊維である。本開示のある実施形態において、粒子形状の可溶性食物繊維は、d10が35μm以下(例えば、1~35μmの範囲)であり、d50が5μm~100μmの範囲であり、d90が20μm~175μmの範囲である。本開示のある実施形態において、粒子形態の可溶性食用繊維は、d10が30μm以下(例えば、1μm~30μmの範囲)であり、d50が5μm~95μmの範囲であり、d90が及び20μm~160μmの範囲である。
【0007】
本開示の別の態様は、可溶性食物繊維を製造する方法であって、
可溶性食物繊維供給物の水溶液を提供することと、
当該水溶液を乾燥させて、粒子形状の可溶性食物繊維を提供することと、を含む方法である。
例えば、ある実施形態において、乾燥は噴霧乾燥である(例えば、スチームアシスト式噴霧を含む)。
【0008】
本開示の別の態様は、本明細書に記載の粒子形状の可溶性食物繊維を製造する方法である。当該方法は、可溶性食物繊維供給物を提供することと、空気分級粉砕、ジェット粉砕(例えば、流動床ジェット粉砕)、ボール粉砕、及び球状微粉化から選択される技術を使用して可溶性食物繊維供給物を処理し、粒子形状の可溶性食物繊維を提供することと、を含む。
【0009】
本開示の別の態様は、食品を製造する方法であって、
可溶性食物繊維を提供することと、
当該可溶性食物繊維を1つ以上の他の食品成分と組み合わせることと、を含む方法である。
【0010】
本開示の別の態様は、本明細書に記載の可溶性食物繊維を含む食品である。
【0011】
本開示の追加の態様は、本明細書の開示から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施例2に記載された可溶性食物繊維についての測定された粒径分布を示すグラフである。
図2図2A、2B及び2Cは、実施例2に記載のサンプル1の×50(2A)、×200(2B)、及び×500(2C)での走査型電子顕微鏡写真である。
図3図3A、3B及び3Cは、実施例2に記載のサンプル2の×50(3A)、×200(3B)、及び×500(3C)での走査型電子顕微鏡写真である。
図4図4A、4B及び4Cは、実施例2に記載のサンプル3の×50(4A)、×200(4B)、及び×500(4C)での走査型電子顕微鏡写真である。
図5図5A、5B及び5Cは、実施例2に記載のサンプル4の×50(5A)、×200(5B)、及び×500(5C)での走査型電子顕微鏡写真である。
図6図6A及び6Bは、実施例3の噴霧乾燥サンプルの×100(6A)及び×500(6B)での走査型電子顕微鏡写真である。
図7図7A及び7Bは、実施例4の噴霧乾燥サンプルの×200(7A)及び×600(7B)での走査型電子顕微鏡写真である。
図8図8A及び8Bは、実施例5の噴霧乾燥サンプルの×200(7A)及び×600(7B)での走査型電子顕微鏡写真である。
図9図9A及び9Bは、実施例6の噴霧乾燥サンプルの×200(8A)及び×600(8B)での走査型電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
可溶性食物繊維の特定の性質、及びそれによる様々な食品及び非食品用途でのそれらの有用性は、繊維の形態に強く依存する。本発明者らは、形態の正確な制御がいくつかの新規の性質を達成するための鍵であると判断した。本発明者らは、油脂系菓子(例えば、チョコレート)及びクリーム充填物などの食品配合物において有意な利点(すなわち、向上された滑らかさ、及び増強された口当たり)を提供する、比較的小さい粒径、及び比較的狭い粒径分布を有する特定の粒子状可溶性食用繊維を開発した。それらはまた、それらが特に容易にその中に分散され得るという点で、飲料粉末及び他のドライミックスにおいて有意な利点を提供する。
【0014】
本発明者らは、可溶性食物繊維は、それらが、嵩高さを提供し、スクロースよりもカロリーが低く、材料において望ましい他の機能性のいくつかを提供するため、チョコレート中の糖に対する望ましく好適な代替物であることに留意した。しかしながら、多くの可溶性食物繊維は、それらがアモルファス(例えば、室温でガラス状)であるという点で、スクロース(結晶性材料)とは根本的に異なる。この違いは、例えば、配合物中の総水分量といったチョコレート製造プロセスにおける様々なパラメータ、精製プロセス、及びコンチングプロセスに影響する。
【0015】
チョコレートは、脂肪中に他の成分(例えば、ミルクチョコレートについては、ミルク固形分及びココア)が分散したものと見なすことができる。水分はチョコレートの製造に有害であり、当業者には一般に、最終製品中の水分含有量を1.5重量%以下に維持することが望ましいと理解されている。水分は、チョコレートのレオロジーパラメータ(粘度及び降伏値)を変化させ、最終的には貯蔵寿命の不安定性(ブルーム)に寄与する。典型的に、少量の水分は、乳化剤によって安定化され得るが、組成物中の成分からの水分は、コンチングプロセスによって排出される。
【0016】
精製は、チョコレートの大部分を制御された粒径に粉砕するプロセスである。塊はスクロースを含むが、全脂肪組成物、及び/又は乳化剤、及び/又は風味組成物を含まないことがある。このプロセスの目的は、組成物の粒径を一様にすることであり、通常、粒子の大部分で30μm以下(例えば、D90が30μm以下)を目標としている。この粒径は、人間の舌が「粒状性」を検知できる閾値であるため、重要である。チョコレートは、粒状性なしに口の中で溶けるように意図されているので、本発明者らは、成分の粒径が高い関心事であることに留意した。
【0017】
精製は、リファイナ(典型的には、ローラーミル)の使用に依拠し、リファイナは、通常、チョコレートの塊を、目標の粒径に粉砕するために、1つのロールから別のロールに(例えば、一連の5つのローラーの間を)通過させる。ローラー間の空間は、材料の粒径に対して大きなインパクトを与える。このプロセスは、熱を発生させるが、ローラーが流水で冷却されて熱を減らし得る。しかしながら、このプロセス中に、温度が可溶性食物繊維成分のガラス転移温度(T)を超えた場合、繊維はガラス質で脆い状態からゴム状の状態に遷移し、繊維の精製挙動及びチョコレートの塊の粘度を変化させ得る。温度によっては、可溶性食物繊維の粒子は、はるかに大きな凝集体に融合するのに十分なゴム状となり得、これにより、プロセスが完全に停止せざるをえなくなることがある。さらに、可溶性食物繊維成分を含む配合物のレオロジーにおける熱による変化は、チョコレート製品の性質に影響を及ぼし、成形、注入、又はエンロービングコーティングとして使用される能力に様々な影響を及ぼし得る。可溶性食物繊維は、一般に、スクロースよりもTが低いため、精製プロセス中のレオロジーの変化は、スクロースや他の糖類よりも、可溶性食物繊維での温度に対してより高い関心事である。本発明者らは、このことが、比較的低いTを有する可溶性食物繊維に特に当てはまることに留意した。
【0018】
「コンチング」は、主に、残留水分を排出し、風味を発達させ、特定のオフノートを揮発させるために使用されるプロセスである。当技術分野では多くのコンチングプロセスが知られているが、それらは一般的に、典型的には50℃~100℃、例えば、50℃~95℃の範囲の温度で、長時間の加熱と混合を伴う。湿気の環境において、チョコレートの塊の水分含有量が高い場合、コンチング時間が長くなり、塊の水分が最終的な目標レベルまで低下することになる。
【0019】
上記の観察を考慮して、本発明者らは、チョコレート及び同様の用途(チョコレート、菓子コーティング、アイスクリームコーティング、クリーム充填物など)における、部分的又は完全なスクロース置換に使用されることが可能であり、低水分含有量の配合物を提供し、可溶性食物繊維の精製を簡素化又は回避さえして粒径を縮小させ、最終製品において所望の低水分含有量を提供するために、コンチングプロセスの時間延長を必要としない、可溶性食物繊維成分の必要性に留意した。
【0020】
本発明者らは、本明細書に記載されるように、d10が40μm以下(例えば、1μm~40μmの範囲)、d50が5μm~110μmの範囲、D90が20μm~200μmの範囲である、粒子形状の可溶性食用繊維によって、様々な望ましい性質が提供されると判断した。当該分野で従来的であるように、d10、d50、及びd90値は、粒子状の可溶性食物繊維の粒径分布の尺度である。本明細書で使用される場合、これらの値はレーザー回折によって決定され、それ自体は体積基準である。
【0021】
本明細書に別途記載されたある実施形態において、粒子形状の可溶性食用繊維のd10は35μm以下(例えば、1μm~35μmの範囲)、d50は5μm~100μmの範囲、及びd90は20μm~175μmの範囲である。例えば、本開示のある実施形態に記載の可溶性食物繊維において、d10は30μm以下(例えば、1μm~30μmの範囲)、d50は5μm~95μmの範囲、及びd90は20μm~160μmの範囲である。ある実施形態において、本明細書に別途記載された可溶性食用繊維のd10は15μm~35μm(例えば、20μm~30μm)の範囲、d50は60μm~95μm(例えば、65μm~90μm)の範囲、及びd90は100μm~175μm(例えば、125μm~160μm)の範囲である。ある代替の実施形態において、本明細書に別途記載された可溶性食用繊維のd10は30μm以下(例えば、1μm~30μmの範囲)、d50は5μm~80μmの範囲、及びd90は20μm~180μmの範囲、例えば、d10は30μm以下(例えば、1μm~30μmの範囲)、d50は5μm~60μmの範囲、及びd90は20μm~100μmの範囲である。
【0022】
d50値は、材料の体積中位粒径値、すなわち、材料の50体積%がその粒径以下になる値である。上記のように、本開示のある態様において、d50は5μm~110μmの範囲である。例えば、本明細書に別途記載されたある実施形態において、d50は10μm~100μm、例えば、10μm~75μmの範囲である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、d50は、15μm~95μmの範囲、例えば、16μm~40μmの範囲、又は代わりに40μm~70μmの範囲、又は70μm~95μmの範囲である。本明細書に別途記載された様々な追加の実施形態において、d50は、5μm~100μm、又は5μm~95μm、又は5μm~90μm、又は5μm~70μm、又は5μm~60μm、又は5μm~45μm、又は5μm~30μm、又は5μm~25μm、又は5μm~15μm、又は8μm~100μm、又は8μm~95μm、又は8μm~90μm、又は8μm~80μm、又は8μm~70μm、又は8μm~60μm、又は8μm~45μm、又は8μm~30μm、又は8μm~25μm、又は8μm~15μm、又は10μm~100μm、又は10μm~95μm、又は10μm~90μm、又は10μm~80μm、又は10μm~70μm、又は10μm~60μm、又は10μm~45μm、又は10μm~30μm、又は10μm~25μm、又は15μm~80μm、又は15μm~70μm、又は15μm~60μm、又は15μm~100μm、又は15μm~95μm、又は15μm~90μm、又は15μm~45μm、又は15μm~30μm、又は15μm~25μm、又は25μm~100μm、又は25μm~95μm、又は25μm~90μm、又は25μm~80μm、又は25μm~70μm、又は25μm~60μm、又は25μm~45μm、又は35μm~100μm、又は35μm~95μm、又は35μm~90μm、又は35μm~80μm、又は35μm~70μm、又は35μm~60μm、又は45μm~110μm、又は45μm~100μm、又は15μm~95μm、又は15μm~90μm、又は45μm~80μm、又は45μm~70μm、又は45μm~60μm、又は55μm~110μm、又は55μm~100μm、又は55μm~95μm、又は55μm~90μm、又は55μm~80μm、又は55μm~70μm、又は70μm~110μm、又は70μm~100μm、又は70μm~95μm、又は70μm~90μmの範囲である。
【0023】
d10値は、材料の10体積%がその粒径以下になる粒径値である。上記のように、本開示のある態様において、d10は40μm以下(例えば、1μm~40μmの範囲)である。例えば、本明細書に別途記載されたある実施形態において、d10は、35μm以下、例えば、30μm以下、又は25μm以下である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、d10は、20μm以下、又は15μm以下、又は10μm以下である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、d10は、1μm~35μm、又は1μm~30μm、又は2μm~26μmの範囲である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、d10は、3μm~24μm、又は6μm~14μm、又は14μm~30μm、又は20μm~40μmの範囲である。本明細書に別途記載されたある様々な追加の実施形態において、d10は、1μm~20μm、又は1μm~15μm、又は1μm~10μm、又は1μm~5μm、又は3μm~40μm、又は3μm~35μm、又は3μm~30μm、又は3μm~25μm、又は3μm~15μm、又は3μm~10μm、又は5μm~40μm、又は5μm~35μm、又は5μm~30μm、又は5μm~25μm、又は5μm~15μm、又は5μm~10μm、又は10μm~40μm、又は10μm~35μm、又は10μm~30μm、又は10μm~25μm、又は10μm~20μm、又は15μm~40μm、又は15μm~35μm、又は15μm~30μm、又は15μm~30μm、又は20μm~40μm、又は20μm~35μm、又は20μm~30μmの範囲である。もちろん、d10値はd50値以下であり、例えば、その10~80%、例えば、その20~60%の範囲であり得る。
【0024】
d90値は、材料の90体積%がその粒径以下になる粒径値である。上記のように、本開示のある態様において、d90は20μm~200μmの範囲である。例えば、本明細書に別途記載されたある実施形態において、d90は、20μm~175μm、例えば、20μm~160μm、又は20μm~150μm、又は25μm~125μmの範囲である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、d90は、20μm~35μm、例えば、25μm~32μmの範囲である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、d90は、90μm~130μm、例えば、100μm~120μmの範囲である。本明細書に別途記載された様々な追加の実施形態において、d90は、20μm~180μm、又は20μm~160μm、又は20μm~140μm、又は20μm~120μm、又は20μm~100μm、又は20μm~80μm、又は20μm~60μm、又は20μm~40μm、又は30μm~200μm、又は30μm~180μm、又は30μm~160μm、又は30μm~140μm、又は30μm~120μm、又は30μm~100μm、又は30μm~80μm、又は30μm~60μm、又は50μm~200μm、又は50μm~180μm、又は50μm~160μm、又は50μm~140μm、又は50μm~120μm、又は50μm~100μm、又は50μm~80μm、又は80μm~180μm、又は80μm~200μm、又は80μm~180μm、又は80μm~160μm、又は80μm~140μm、又は80μm~120μm、又は100μm~200μm、又は100μm~180μm、又は100μm~160μm、又は100μm又は140μm、又は100μm~120μm、又は120μm~200μm、又は120μm~180μm、又は120μm~160μmの範囲である。もちろん、d90値はd50値以上であり、例えば、その120%~1000%、例えば、その170%~500%の範囲であり得る。
【0025】
当業者は、可溶性食物繊維に望ましい粒径を選択するであろう。例えば、ある実施形態において、d90が30μm以下である(又はd95が30μm以下、若しくはd98が30μm以下さえ)可溶性食物繊維を提供することにより、より小さな粒径への精製を必ずしも必要とせずに、チョコレート配合物に導入され得る。代わりに、いくつかの用途では、d90値が非常に低い、例えば、20μm又は10μmの可溶性食物繊維の粒子の導入が必要になることがあり、これは、例えば、チョコレート製品の製造中に精製することによって、d90が約30μmである可溶性食物繊維の粒径を減少することによって形成され得る。
【0026】
さらに、180ミクロンまでのd90値は、特に単糖及び二糖の量が少なくとも10重量%である可溶性食物繊維については、典型的な可溶性食物繊維粒径のd90値よりもまだはるかに小さい。d90値が30μmを超えている場合、ある製品、例えば、チョコレート製品において望ましい粒径を提供するために、ある程度の精製が必要になる可能性がある。しかしながら、精製の量は、より大きな粒径の材料と比べて少なくなる。これにより、より短い精製時間、及び、粉砕プロセス自体における摩擦による精製プロセスでの温度上昇の減少が、有利に提供されることができ、これらは両方とも、他の成分へ与える損傷を比較的少なくすることができる。精製要件の減少はまた、機器の摩耗及び保守コストの削減、製造のためのハードウェア要件の減少、並びに全体的な生産コストの減少をもたらし得る。
【0027】
中位粒径値が小さいこと以上に、ある実施形態では、本明細書に別途記載された可溶性食物繊維が比較的狭いサイズ分布であることが望ましい。本明細書に別途記載されたある実施形態において、d10値は、d50値の少なくとも12.5%である。例えば、あるこのような実施形態において、d10値は、d50値の少なくとも25%、例えば、d50値の少なくとも33%である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、d90値は、d50値の800%以下である。例えば、あるこのような実施形態では、d90値は、d50値の400%以下、例えば、d50値の300%以下である。このような狭いサイズ分布は、食品に組み込まれた際の均一な分散を提供することができ、そのため、ざらざら感の知覚を減少し、増強された口当たりをもたらし得る。
【0028】
食品製造の分野における継続的な課題は、水分の制御である。澱粉や食物繊維は吸湿性である傾向があり、高い水分含有量をもたらす。そして、可溶性食物繊維は、水性シロップの形状で商業的に提供されることが多い。従来の乾燥技術による水分の除去は、相転移又は望ましい性質の他の歪みをもたらし得る。本明細書に別途記載されたある実施形態において、粒子形状の可溶性食物繊維の水分含有量は、10重量%以下である。例えば、本明細書に別途記載されたある実施形態において、粒子形状の可溶性食物繊維の水分含有量は、8重量%以下、例えば、6重量%以下である。もちろん、実際のサンプルには少量の水が含まれていることが多くある。そのため、ある実施形態において、本明細書に別途に記載された可溶性食物繊維の水分含有量は、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも2.5重量%である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維の水分含有量は、0.5~10重量%、例えば、0.5~8重量%、又は0.5~6重量%、又は0.5~5重量%の範囲である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維の水分含有量は、1~10重量%、例えば、1~8重量%、又は1~6重量%、又は1~5重量%の範囲である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維の水分含有量は、2~10重量%、例えば、2~8重量%、又は2~6重量%、又は2~5重量%の範囲である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維の水分含有量は、2.5~10重量%、例えば、2.5~8重量%、又は2.5~6重量%、又は2.5~5重量%の範囲である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維の水分含有量は、3~10重量%、例えば、3~8重量%、又は3~6重量%、又は3~5重量%の範囲である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維の水分含有量は、3.5~10重量%、例えば、3.5~8重量%、又は3.5~6重量%、又は3.5~5重量%の範囲である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維の水分含有量は、4~10重量%、例えば、4~8重量%、又は4~6重量%、又は4~5重量%の範囲である。水分含有量は、105℃の乾燥オーブンで100mmHgの減圧下で4時間加熱する前後に測定された重量を比較することによって決定される。
【0029】
可溶性食物繊維の性能に影響を与える別の性質に、重量平均分子量がある。可溶性食物繊維は、(実質的に水溶性で残存することに一致する)様々な分子量を有し得る。しかしながら、可溶性食物繊維の粘度は、分子量に強く依存することがある。多くの最終使用では、特定の粘度が望まれるため、粘度に対する可溶性食物繊維の影響を減少するために、可溶性食物繊維が比較的低分子量であることが望ましいことがある。本開示の可溶性食物繊維は、糖代替品として使用されてよく、多くの糖は溶液中の粘度に及ぼす影響が少ないため、粘度を大幅に増加させない可溶性食物繊維が望ましいことがある。本明細書に別途記載されたある実施形態において、繊維の重量平均分子量は、1000g/モル~2500g/モルの範囲である。例えば、あるこのような実施形態において、可溶性食物繊維の重量平均分子量は、1000g/モル~2000g/モルの範囲である。本明細書に別途記載された様々な追加の実施形態において、可溶性食用繊維の重量平均分子量は、1000~2250g/モル、又は1000g/モル~1800g/モル、又は1000g/モル~1600g/モル、又は1200~2500g/モル、又は1200~2250g/モル、又は1200g/モル~2000g/モル、又は1200g/モル~1800g/モル、又は1200g/モル~1600g/モル、又は1400~2500g/モル、又は1400~2250g/モル、又は1400g/モル~2000g/モル、又は1400g/モル~1800g/モル、又は1600~2500g/モル、又は1600~2250g/モル、又は1600g/モル~2000g/モル、又は1800g/モル~2500g/モル、又は1800~2250g/モル、又は2000g/モル~2500g/モルの範囲である。本明細書で使用される場合、可溶性食用繊維の分子量は、標準試料として狭い標準プルランを使用して、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される重量平均分子量である(実施例1を参照)。
【0030】
ガラス転移温度は、材料がより硬い相(典型的に、アモルファスガラス相)からいわゆる「ゴム」相に相変化をする温度である。低水分レベルの可溶性食物繊維は、典型的に、室温ではガラス状の固体であるが、典型的な食品加工温度の範囲ではガラス転移があり得る。可溶性食物繊維材料がガラス転移を受ける温度は、分子構造(例えば、可溶性食物繊維については、結合パターン)、分子量、水分含有量、及び、可塑剤として機能できる低分子量材料の相対量を含む、様々な要因による。本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維のガラス転移温度は、95%固形分で測定される際、50℃~100℃の範囲である。本明細書で使用される場合、可溶性食物繊維のガラス転移温度は、示差走査熱量測定を使用して測定される。例えば、本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維のガラス転移温度は、95%固形分で測定される際、55℃~100℃、例えば、60℃~100℃、又は65℃~100℃の範囲である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維のガラス転移温度は、95%固形分で測定される際、50℃~95℃、例えば、55℃~95℃、又は60℃~95℃、又は65℃~95℃の範囲である。本明細書に別途記載されたある実施形態において(例えば、単糖及び二糖が、10~25重量%などの比較的大量である実施形態において)、可溶性食物繊維のガラス転移温度は、95%固形分で測定される際、50℃~90℃、又は55℃~90℃、又は60℃~90℃、又は65℃~90℃の範囲である。そして、本明細書に別途記載されたある実施形態において(例えば、単糖及び二糖が、10~25重量%などの比較的大量である実施形態において)、可溶性食物繊維のガラス転移温度は、95%固形分で測定される際、50℃~85℃、又は55℃~85℃、又は60℃~85℃、又は65℃~85℃の範囲である。ガラス転移温度は、相変化のリスクを冒すことなく、可溶性食物繊維が受け得る動作温度を左右する。精製中の相変化は、粒子の凝集又は変形を引き起こすことがあり、これはいくつかのシステムにおいて望ましくないことがあり、有利には、本明細書に記載の可溶性食物繊維の比較的小さい粒径が、比較的低い程度の精製、そのようなものとして、精製中の比較的低い熱蓄積を規定することがあり、システムの温度を可溶性食物繊維のガラス転移温度より低く保つことを可能にする。代わりに、いくつかのプロセスでは、繊維をガラス転移温度より高くすることが望ましい場合があり、そのような場合、本明細書に記載される小さな粒径(及びいくつかの実施形態については、他の特徴)は、高温で使用される時間を比較的短くすることを可能にし得る。
【0031】
本明細書で使用される場合、可溶性食物繊維は、主にデキストロースオリゴマー(すなわち、少なくとも98%のデキストロースモノマー残基を有するオリゴ糖含有量、及び2~30の範囲の重合度)から、任意にデキストロース(すなわち、単糖)と共に形成される組成物である。本明細書で使用される場合、可溶性食物繊維中のデキストロースオリゴマー及びデキストロースの総量は、少なくとも95%、望ましくは少なくとも98%である。可溶性食物繊維中のオリゴマー糖アルコール残留物の総量は、2%以下、例えば、1%以下、又は0.5%以下さえである。このため、可溶性食物繊維は、一般的に理解されているような用語としての「ポリデキストロース」ではない。
【0032】
本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維は、ある量の単糖及び/又は二糖を含む。これは典型的に、主にデキストロース、並びにマルトース及びイソマルトースなどのデキストロース二糖であるが、当業者は、少量の他の単糖及び/又は二糖が存在し得ることを理解するであろう。本明細書に別途記載されたある実施形態において、単糖及び二糖の総量は、乾燥固形分基準で最大25重量%、例えば、最大20重量%である。ある実施形態において、本明細書に別途記載された可溶性食物繊維は、比較的少量の単糖及び二糖、例えば、15重量%以下、10重量%以下を有し得る。いくつかの実施形態において、単糖及び二糖の総量は5重量%以下である。いくつかの実施形態において、可溶性食物繊維は、2重量%以下の単糖及び二糖の総量、又は1重量%以下の単糖及び二糖の総量を有する。
【0033】
本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維中に比較的有意な量の単糖及び/又は二糖が存在する。例えば、本明細書に別途記載されたある実施形態において、単糖及び二糖の総量は、10重量%~25重量%の範囲である。例えば、あるこのような実施形態において、単糖及び二糖の総量は、乾燥固形分基準で、10重量%~20重量%、又は12重量%~20重量%、又は15重量%~25重量%の範囲である。単糖及び二糖の総量は、他の要因の中でも、可溶性食物繊維の知覚される甘さの調節に役立つことができ、食品組成物における可溶性食物繊維の使用のための重要なパラメータである。もちろん、有意な量の単糖及び/又は二糖の存在は、オリゴマー材料の可塑化を通じて、比較的低いガラス転移温度をもたらし得る。
【0034】
単糖及び/又は二糖の量は、パルスアンペロメトリック検出器を備えた高性能陰イオン交換(HPAE-PAD)を使用して、電気化学検出器と勾配ポンプを備えた適切な機器(例えば、DioNexイオンクロマトグラフ、DX500)と、適切な分析及びガードカラム(例えば、DioNex Carbopac PA1)を使用して、水酸化ナトリウムと酢酸ナトリウムの溶離液の勾配送達を使用して決定され得る。糖は、4-電位波形の金電極を使用して検出され得る。サンプルは水で希釈され、分析前にAmiconUltra-4遠心フィルター装置を通過される。当業者は、存在する単糖及び二糖に対する応答因子を決定し、これらの値を使用して、溶出されたサンプル中の単糖及び二糖の量を定量化した後、単糖及び二糖の乾燥固形分基準で重量パーセントを決定するために、その定量化された量をサンプルの総固形分含有量と比較することができる。
【0035】
多くの実施形態において、単糖及び二糖の含有量は、可溶性食物繊維を製造するために使用される縮合プロセスの結果である。例えば、単糖はプロセス供給物からの未反応のデキストロースから主に生じ得る。そして、二糖は、提供された反応時間でさらにオリゴマー化しない2分子のデキストロースの凝縮から主に生じ得る。本明細書に別途記載されたある実施形態において、二糖の量は、単糖の量の1/3~3倍の範囲である(すなわち、重量/重量基準で)。例えば、ある実施形態において、二糖の量は、単糖の量の1/2~2倍の範囲、又は単糖の量の2/3~1.5倍の範囲である。ある望ましい実施形態において、糖は、可溶性食物繊維を提供するために反応生成物に添加されない。
【0036】
本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維の結合パターンは、
25~45%の末端結合グルコピラノシル残基、
10~22%の6-結合グルコピラノシル残基、
13~32%の4-結合グルコピラノシル残基、
2~11%の3-結合グルコピラノシル残基、
3~13%の4,6-結合グルコピラノシル残基、
1~5%の3,6-結合グルコピラノシル残基、及び
0.5~4%の2,4-結合のグルコピラノシル残基である。
【0037】
本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維の結合パターンは、
29~45%の末端結合グルコピラノシル残基、
10~22%の6-結合グルコピラノシル残基、
13~27%の4-結合グルコピラノシル残基、
2~11%の3-結合グルコピラノシル残基、
3~13%の4,6-結合グルコピラノシル残基、
1~5%の3,6-結合グルコピラノシル残基、及び
0.5~4%の2,4-結合のグルコピラノシル残基である。
【0038】
結合パターンは、York et al.、Methods Enzymol.、116、3-40(1985)の方法を使用して決定され、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。この方法は、オリゴ糖を過メチル化した後、定量的な加水分解及びアセチル化を行うことによって進行する。これにより、オリゴ糖の他の残基に結合した場所ではアセチル化され、他の場所ではメチル化されたモノマー種が生じる。モノマー種の混合物は、ガスクロマトグラフィー-質量分析法によって分析され、異なるタイプの結合モノマーの相対量を決定することができる。本開示で定量化されたすべての結合は、この方法を使用して決定されることができる。
【0039】
本明細書で使用される場合、末端残基は、それがその一部であるオリゴ糖の残りの部分と単一の結合のみを有する残基である。1,X-結合残基は、それがその1位及びそのX位を介してその一部であるオリゴ糖の残りの部分に(すなわち、他の2つの残基に)結合されているものである。1,X,Y-結合残基は、それがその1位、そのX位、及びそのY位を介してその一部であるオリゴ糖の残りの部分に(すなわち、他の3つの残基に)連結されているものである。本明細書で使用される場合、「オリゴ糖」という用語は、二糖、三糖、及び最大30のより高い重合度のオリゴマーを含む。結合割合は、末端結合残基、二結合残基、及び三結合残基の総数の分率として提供される。
【0040】
本開示の可溶性食物繊維材料は、様々な繊維含有量を有し得る。本明細書で使用される用語としての「繊維含有量」は、AOAC2001.03によって測定された乾燥固形分基準の繊維の重量での量である。本明細書で使用される場合、可溶性食物繊維の繊維含有量は、少なくとも60%である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維の繊維含有量は、少なくとも65%である。例えば、ある実施形態において、別途記載された可溶性食物繊維の繊維含有量は、少なくとも70%、例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、又は少なくとも85%である。ある実施形態において、本明細書に別途記載された可溶性食物繊維の繊維含有量は、少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、又は少なくとも98%さえである。例えば、本明細書に別途記載された様々な実施形態において、可溶性食物繊維の繊維含有量は、70%~100%の繊維の範囲、例えば、70%~99%、又は70%~98%、又は70%~95%の範囲、又は70%~90%、又は70%~85%、又は70%~80%の範囲である。本明細書に別途記載された他の実施形態において、可溶性食物繊維の繊維含有量は、65~85%の範囲、例えば、65%~80%の範囲、又は65%~75%の範囲である。そして、本明細書に別途記載された他の実施形態において、可溶性食物繊維の繊維含有量は、85%~100%、例えば、85%~99%、又は85%~98%、又は85%~95%の範囲である。
【0041】
本開示の可溶性食物繊維は、様々なやり方で製造され得る。例えば、ある実施形態において、可溶性食物繊維は、乾燥固形分基準で、少なくとも95重量%(例えば、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)のデキストロース及び/又はデキストロースオリゴマーを含む糖供給物を提供することと、糖供給物を、水の存在下及び糖アルコールの実質的な非存在下で、総固形分濃度が少なくとも80重量%、温度が少なくとも120℃で、繊維含有量が少なくとも60%である生成物組成物を生成するのに十分な時間に、グルコシル結合の形成及び開裂速度を促進させる少なくとも1つの酸触媒と反応させることと、を含むプロセスによって製造され得る。
【0042】
糖供給物は、様々な材料によって提供されることができる。ある実施形態において、それは、有意な含有量の線状デキストロースオリゴマー、すなわち、デキストロース残基が1,4-アルファ結合によってのみ結合されるオリゴマーである。本明細書に別途記載されたある実施形態において、糖供給物は、乾燥固形分基準で、少なくとも95重量%(例えば、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)のデキストロース及び/又は線状デキストロースオリゴマーを含む。デンプン加水分解物は、例えば、デキストロース当量値が26~95、例えば、26~50、40~70、又は60~95の範囲である供給組成物として、好適に使用されることができる。これらは、様々な量のデキストロース、マルトース、及びより高次のデキストロースオリゴマーを有し得る。トウモロコシ、米、小麦、タピオカ、及びジャガイモなど、様々なデンプン源が好適である。より高純度のデキストロース(例えば、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)もまた、供給組成物として好適である。
【0043】
糖供給物は、水の存在下、少なくとも80%の総固形分濃度で反応する。高い固形分濃度での使用は、縮合に向けて反応を進行させ、所望の分子量に構築し(例えば、上記のように)、デキストロース残基を互いに縮合させる。特に、この縮合は、人間の消化器系によってそれほど簡単に消化されない非1,4-アルファグルコシル結合を含む、様々な異なるタイプの結合を提供し得る。しかしながら、供給物中(例えば、線状デキストロースオリゴマー中)の既存の1,4-アルファ結合の一部を加水分解するために、幾分かの水を存在させることが望ましい。当業者は、所望の可溶性食物繊維を提供するために、他のプロセス条件に合わせて固形分含有量を選択するであろう。例えば、本明細書に別途記載されたある実施形態において、少なくとも85%、又は少なくとも90%さえの総固形分濃度で反応は行われる。本明細書に別途記載された様々な実施形態において、80重量%~99重量%、例えば、85~99重量%、又は90~99重量%、又は93~99重量%、又は80~98重量%、又は85~98重量%、又は90~98重量%、又は93~98重量%、又は80~96重量%、又は85~96重量%、又は90~96重量%、又は93~96重量%の範囲の総固形分濃度で反応は行われる。
【0044】
もちろん、糖供給物は、比較的低い固形分含有量(例えば、60~70%の揚水性シロップ)で提供され得、次いで、反応条件下で、反応のための最終的に所望の固形分含有量まで濃縮され得る。反応は、水を逃がしながら(例えば、ベンティングによって受動的に、又は真空下で能動的に)行われ、より低い固形分供給物を濃縮し得るだけでなく、水の除去によって縮合を進行し得る。水が系から除去されるため、固形分含有量を望ましいレベル(例えば、93~98重量%、又は上記の任意の他の量)に維持するために、一部の水を加えることが望ましいことがある。
【0045】
縮合によって水が生成されるため、反応は、例えば、系のベンティングから受動的に、又は真空ポンプを使用して能動的に、系から水を逃がしながら行われることがある。
【0046】
特に、本開示の可溶性食物繊維が「ポリデキストロース」ではないという事実と一致するように、反応は、糖アルコールの実質的な非存在下で行われる。本明細書で使用される場合、「糖アルコールが実質的に非存在である」は、供給物の0.5重量%以下を意味する。望ましくは、反応は、微量以下の糖アルコールが存在する状態で行われる。
【0047】
反応は少なくとも120℃の温度で行われる。当業者は、所望の可溶性食物繊維を提供するために、他のプロセス条件に合わせて固形分含有量を選択するであろう。例えば、本明細書に別途記載されたある実施形態において、反応は、少なくとも130℃、少なくとも140℃、又は少なくとも149℃でさえの温度で行われる。本明細書に別途記載された様々な実施形態において、反応は、120℃~190℃、例えば、120~180℃、又は120~170℃、又は130~190℃、又は130~180℃、又は130~170℃、又は140~190℃、又は140~180℃、又は140~170℃、又は140~190℃、又は140~180℃、又は140~170℃の範囲の温度で行われる。
【0048】
グルコシル結合の形成及び加水分解を触媒する様々な酸触媒が知られている。例えば、ある実施形態において、少なくとも1つの酸触媒は、塩酸、リン酸、及び硫酸から選択される。1つの実施形態において、塩酸とリン酸の組み合わせが使用される。もちろん、他の酸触媒、例えば、クエン酸、酢酸、リンゴ酸もまた好適であり得る。しかしながら、ある実施形態において、カルボン酸触媒は使用されない。ある実施形態において、酸触媒の少なくとも一部は、初期の処理から(例えば、供給物として使用されるデンプン加水分解物の形成から)存在する。当業者は、他の反応条件を考慮して、所望の反応速度を提供するのに好適な量の酸を選択するであろう。例えば、ある実施形態において、十分な酸が存在して、pHが4以下、例えば、1.0~2.5の範囲など、3以下、又は2.5以下の反応混合物を提供する。
【0049】
当業者は理解するであろうように、反応時間は反応条件によって変化する。多種多様な時間が使用され得る。しかしながら、ある実施形態において、反応時間(すなわち、記載された温度、酸、及び固形分含有量の条件下での時間)は、0.1~60分、例えば、0.1~30分、又は0.1~15分、又は0.1~10分、又は0.5~60分、又は0.5~30分、又は0.5~15分、又は0.5~10分、又は1~60分、又は1~30分、又は1~15分、又は1~10分の範囲である。
【0050】
反応は、任意の便利な系の中、例えば、バッチ反応器中、又は連続流を伴う連続反応器(例えば、パイプ)中で行われ得る。
【0051】
ある実施形態において、可溶性食物繊維は、乾燥固形分基準で、少なくとも98%(又は少なくとも99%)のデキストロース及び/又はデキストロースオリゴマーを含む糖供給物を提供することと、糖供給物を、水の存在下及び糖アルコールの実質的な非存在下で、総固形分濃度が少なくとも90重量%、温度が少なくとも149℃で、繊維含有量が少なくとも60%である生成物組成物を生成するのに十分な時間(例えば、0.1~15分)に、グルコシル結合の形成及び開裂速度を促進させる少なくとも1つの酸触媒と(例えば、4以下、又は1.0~2.5のpHで)反応させることと、を含むプロセスによって製造され得る。
【0052】
上記のように、反応は、生成物組成物(すなわち、反応生成物)の繊維含有量が少なくとも60%であるように行われる。ある実施形態において、反応は、可溶性食物繊維の含有量とほぼ同じ繊維含有量(例えば、可溶性食物繊維に関して上記の任意の値)を有する生成物組成物を提供するために行われる。しかしながら、他の実施形態において、生成物組成物は中間の繊維含有量を有し、繊維含有量を可溶性食物繊維の含有量に改善するために分画が行われる。分画は、例えば、高分子量成分と比較して、低分子量成分(例えば、DP1(すなわち、重合度1)、又はDP1+DP2、又はDP1~DP3)を選択的に除去するために行われ得る。例えば、膜ろ過又は逐次的疑似移動床式クロマトグラフィーを分画に使用することができる。
【0053】
酵素によるさらなる処理もまた、例えば、任意の分画ステップの前又は後に使用されることがある。しかしながら、ある実施形態において、酵素による処理は、反応又は精製シーケンス中のいかなる時点でも行われない。
【0054】
当業者は、従来の方法論、例えば、脱色及びイオン交換を、生成物のさらなる精製に使用できることを理解するであろう。
【0055】
好適な可溶性食物繊維及びそれらを製造する方法は、米国特許第9868969号、第9957537号、第9963726号、及び第10344308号、並びに米国特許出願公開第2012/0034366号にさらに記載されており、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。好適なこのような繊維には、Tate&Lyle Ingredients Americas LLCによって商品名PROMITOR(登録商標)で販売されているものが含まれる。当業者は、これらの参考文献に基づいて、本明細書に記載の方法及び材料をさらに適合させることができる。
【0056】
本明細書に記載のある繊維(例えば、本明細書に記載のように製造された、及び/又は本明細書に記載の結合分布を有する繊維)の1つの特別な利点は、それらが良好な消化耐性を有し得ることである。例えば、本明細書に記載のある食物繊維(例えば、商品名PROMITOR(登録商標)で販売されているもの)は、イヌリンやフラクトオリゴ糖のような他の繊維よりも、人間の消化器系によってずっと良好に許容される。したがって、このような食物繊維は、大量に摂取した際に消化不快感を引き起こす可能性がずっと低いため、イヌリンやフラクトオリゴ糖のような消化耐性の低い繊維よりも高い使用レベルで食品組成物に含まれ得る。
【0057】
上記のように、可溶性食物繊維は粒子形状で提供される。粒子の形態は、取り扱いの容易さ、分散、粉砕、溶解性、及びその他の要因に寄与し得る重要な要因である。本明細書に別途記載されたある実施形態において、粒子形状は、実質的に球形の形態を有する(例えば、図2~5に示すように)。
【0058】
本発明者らは、本明細書に記載の粒子形状の可溶性食物繊維が、それらの流動性質に関して特に有利であり得ることを決定した。現在市販されているある可溶性食物繊維は、粒子形状であるが、冷却ベルトプロセスを介して提供され、ここにおいて、溶融繊維は冷却ベルト上に広げられ、冷却されて固形分を形成した後、粉砕される。本発明者らは、本明細書に記載の小さな粒径及び比較的狭い粒径分布により、従来のチルベルト材料よりも改善された流動性質が提供され得、これが処理及び材料の取り扱いに利益を得ることがあることを決定した。
【0059】
本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維は噴霧乾燥された形状である。以下に詳述されるように、噴霧乾燥は、粒子形状、特に実質的に球形の形態を有する可溶性食物繊維を形成する好ましい方法であることが本発明者らによって見出された。冷却ベルト乾燥及びそれに続く粉砕によっては、実質的に球形ではない、例えば、よりギザギザのプロファイルを有する粒子が提供され得る。実質的に球形の粒子は、非球形の粒子よりもずっと良好な流動性を有する。
【0060】
ある望ましい実施形態において、粒子形状の可溶性食物繊維の粒子は、実質的に可溶性食物繊維から形成される。例えば、本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維の粒子は、乾燥固形分基準で、乾燥固形分基準の可溶性食物繊維の少なくとも90重量%、例えば、少なくとも95重量%、又は少なくとも98重量%で構成されている。
【0061】
可溶性食物繊維の潜在的な用途の1つは、糖置換として使用して、糖、例えば、スクロース、デキストロース、フルクトース(例えば、コーンシロップのようなシロップによって提供される)と比較して、最終製品に与えるカロリーを減らしながら、嵩高さ及び食感の属性を提供することである。同様に、糖アルコール(例えば、マルチトール(例えば、マルチトール粉末又はマルチトールシロップによって提供される)、エリスリトール、ソルビトール(例えば、ソルビトール粉末又はソルビトールシロップによって提供される)、キシリトール、マンニトール)のような他の甘味料により、便通の問題が提示され得、その高い消化耐性によって、糖アルコールの代わりに可溶性食物繊維が使用され、製品に嵩高さ及び食感の属性を提供することができる。ある望ましい実施形態において、可溶性食物繊維は、最終製品にいくらかの甘さを提供することができる。したがって、本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維は、知覚される甘さを有する。もちろん、ある実施形態において、高甘味度甘味料(例えば、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドM、及びそれらの混合物などのステビオシド、モグロシド、アスパルテーム、スクラロース、サッカリン、ネオテーム、アセスルファムK、シクラメート、アルロース、モンクフルーツ甘味料)が使用され、甘味料の省略によって失われた甘さを提供することができる。
【0062】
本明細書に別途記載されたある実施形態において、粒子形状の可溶性食物繊維は、乳化剤(すなわち、0.05重量%未満)又は香料(すなわち、0.05重量%未満)を含まない。
【0063】
本開示の別の態様は、上記の実施形態に記載の可溶性食物繊維を製造する方法である。この方法は、可溶性食物繊維供給物(すなわち、上記のような任意の可溶性食物繊維)の水溶液を提供すること、及び水溶液を乾燥させて、粒子形状の可溶性食物繊維を提供することを含む。本発明者らは、可溶性食物繊維のガラス転移温度が比較的低い場合でさえ、噴霧乾燥(例えば、スチームアシスト式噴霧を使用する)を使用して、望ましい粒径及び粒径分布を有する粒子状可溶性食物繊維を提供できることを特に決定した。
【0064】
噴霧乾燥は、従来の装置を使用して行われ得る。例えば、小規模の噴霧乾燥は、ブチ(ブチ、CH)から入手可能なものなど実験室規模の噴霧乾燥機を使用して行われ得る。大規模な装置には、例えば、シングル又はマルチステージ乾燥用に構成された様々な設計の工業規模の乾燥機と同じように、ロータリーアトマイザー及びNiro MOBILE MINOR(登録商標)を備えたAnhydro PSD55噴霧乾燥ユニット、及びModel MM-I噴霧乾燥機が含まれる。1つのある例では、FILTERMAT(登録商標)噴霧乾燥機は、本明細書に記載のプロセスでの使用に適合され得る。しかしながら、当業者は、本明細書に記載されるような噴霧乾燥材料を提供するように適合され得るいくつもの工業規模の噴霧乾燥システムがあることを理解するであろう。噴霧化システム及び方法もまた、当該分野でよく知られている。本明細書の開示に基づいて、当業者は、本明細書に記載されるように、所望の粒径及び粒径分布を有する噴霧乾燥材料を提供するのに好適なシステム及びプロセス条件を選択するであろう。
【0065】
例えば、本明細書に別途記載されたある実施形態において、水溶液の溶解固形分の濃度は、10%~80%の範囲である。例えば、本明細書に別途記載されたプロセスの様々な実施形態において、水溶液中の溶解固形分の濃度は、25%~75%の範囲、又は30%~75%の範囲、又は25%~65%の範囲、又は30%~65%の範囲、又は50%~80%の範囲、又は50%~70%の範囲である。本発明者らは、このような濃度が可溶性食物繊維の噴霧乾燥に特に有用であり得ることを決定した。本発明者らは、以下に記載されるように、スチームアシスト式噴霧が、より高い溶解固形分濃度の供給物で特に有用であり得ることに留意している。
【0066】
噴霧乾燥の温度は慎重に制御されることが望ましい。当業者は、特別な噴霧乾燥温度がシステム及びプロセス設計に依存することを理解するであろう。例えば、本明細書に別途記載されたある実施形態において、噴霧乾燥は、60~130℃、例えば、60~100℃、又は65~100℃、又は75~110℃、又は75~115℃、又は80~120℃、又は85~130℃の範囲の出口温度で行われる。本明細書に別途記載されたある実施形態において、噴霧乾燥は、125~250℃、例えば、125~185℃、又は125~160℃、又は130~150℃、又は150~250℃、又は150~225℃、又は150~200℃、又は175~250℃、又は175~225℃、又は200~250℃の範囲の入口温度で行われる。より高い温度は、より乾燥した粒子状材料を提供するのに役立ち得る。ある実施形態において、粒子が飛行中に乾燥しているときに、粒子をより冷たい乾燥ガス(例えば、除湿空気)と接触させて、それらの温度をガラス転移温度より低くして、粘着性及び凝集を回避するのに役立つことが望ましい場合がある。
【0067】
当業者は、本明細書の開示に基づいて、他の点では従来の噴霧乾燥システムの方法論を、本明細書に記載の可溶性食物繊維の噴霧乾燥に適合させるだろう。例えば、二流体ノズル、単一流体ノズル、回転噴霧器、及びスチームアシスト式噴霧技術を、本明細書に記載の方法及び材料に適合させることができる。本発明者らは、可溶性食物繊維を噴霧乾燥するためのいくつもの関連のある考慮事項を決定した。例えば、出口温度は1つの重要な考慮事項である。粒子の迅速な乾燥を最大化するために、比較的高い出口温度を使用することが望ましい場合があり得る。もちろん、これは、乾燥粒子がより長い時間、より高温になることを意味するため、場合によっては、プロセス装置に接触した際のべたつき及び他の粒子に接触した際の凝集を防ぐために、飛行中に(例えば、除湿空気のような乾燥ガスで)乾燥粒子を冷却することが望ましいことがある。出口温度は、入口温度、供給固形分、空気流、供給量、及び流量を含む様々なパラメータによって調整され得る。噴霧された溶液の固形分の濃度も重要である。水が妥当な温度及び滞留時間で蒸発され得るように、十分に高い固形分濃度で乾燥することが望ましい。溶液中の水が多すぎると、噴霧された粒子が十分に速く乾燥せず、したがってプロセス装置又は他の粒子に接触した際に粘着性になることに至り得る。溶液中の水が少なすぎる場合、噴霧された溶液の流動性が望ましくないほど低くなることがある(これはスチームアシスト式噴霧で改善され得るが)。さらに、固形分濃度もまた、粒径に影響を与え、より低い固形分濃度が、より小さい粒径に至る。液滴の粒径、したがって乾燥粒子の粒径は、ノズルの構成と乾燥機のタイプを変更することによって改変され得る。当業者は、使用される特別な装置及び方法論に基づいて、他のパラメータ同様にノズルサイズを選択するであろう。当業者は、これらの考慮事項を、噴霧乾燥技術における従来の他の考慮事項と共にバランスを取って、所望の製品を提供することができる。
【0068】
従来の噴霧乾燥ノズル(例えば、高圧ノズル)を使用して、本開示の噴霧乾燥プロセスにおいて可溶性食物繊維の溶液を噴霧することができる。しかしながら、本発明者らはまた、スチームアシスト式噴霧が、本明細書に記載の粒子状の可溶性食物繊維を提供するための噴霧乾燥技術において有利に使用され得ることに留意する。スチームアシスト式噴霧において、噴霧される材料はノズル内で蒸気と混合され、非常に細かく噴霧された液滴を提供し、このため、噴霧された液滴の乾燥後に、望ましくは小さい粒径及び狭い粒径分布の一次粒子を提供する。スチームアシスト式噴霧によって製造された粒子は、空気の混入を回避し、液滴形成中の乾燥を遅らせることにより、高い球形度を有利に有し得る。スチームアシスト式噴霧は、所望の粒径及び分布を依然として提供しながら、比較的高い固形分供給物が使用され得るという点で有利となることがある。従来のシステムは、例えば、ランス及び熱風入口スロートを適合させることによって、小さな粒径及び狭いサイズ分布を提供するように適合させることができ、例えば、ランスを大きくして、蒸気がノズルに供給されるのを可能にできる。国際特許出願公開第2005/079595号、第03/090893号、及び第01/45858号に記載された技術(これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、本明細書に記載されるように、粒子状の可溶性食物繊維を提供するように適合され得る。
【0069】
スチームアシスト式噴霧によって製造された粒子は、二次粒子に凝集され得るが、多くの場合、当業者が実質的な凝集を回避するためにプロセスを操作することが望ましいことがある。
【0070】
本明細書に記載されるように、噴霧乾燥を有利に使用して、粒子形状の可溶性食物繊維を製造することができるが、本発明者らは、他の方法を使用できることに留意する。例えば、多くの粉砕方法は、本明細書に記載された可溶性食用繊維を望ましく小さいサイズに粉砕するのに好適でないが、本発明者らは、好適であり得る粉砕方法、例えば、空気分級粉砕、ジェット粉砕(例えば、流動床ジェット粉砕)、及びボール粉砕があることに留意する。当業者は、例えば、低温を使用して、本明細書に記載された粒子状の可溶性食物繊維を提供するように、これらの技術を適応させるであろう。
【0071】
したがって、本開示の別の態様は、本明細書に記載の粒子形状の可溶性食物繊維を製造する方法である。この方法は、固形状の可溶性食物繊維供給物を提供することと、空気分級粉砕、ジェット粉砕(例えば、流動床ジェット粉砕)、ボール粉砕、及び球状微粉化から選択される技術を使用して可溶性食物繊維供給物を処理して、粒子形状の可溶性食物繊維を提供することとを含む。
【0072】
固溶性食物繊維は、液溶性食物繊維を蒸発させて(例えば、本明細書に記載の任意の所望の水分レベルまで)、続いて冷却して、例えば、ガラスの形状の高固形分材料を提供することによって製造され得る。冷却ベルト(例えば、水冷又は空冷)を有利に使用することができる。上に参照された粉砕及び微粉化技術により、本明細書に別途記載されるように、バルク固形分材料を所望の粒径分布及び水分レベルの粒子状材料に変換され得る。
【0073】
当業者は、例えば、製薬産業で使用される、実質的に球状の粒子をミクロンスケールで形成するための他の方法もまた使用され得ることを理解するであろう。
【0074】
本開示の別の態様は、本明細書に記載の方法によって製造された可溶性食物繊維である。
【0075】
本開示の別の態様は、食品を製造する方法である。この方法は、可溶性食物繊維を提供することと、可溶性食物繊維を1つ以上の他の食品成分と組み合わせることとを含む。本開示の別の態様は、このような方法によって製造される食品である。
【0076】
本開示の別の態様は、本明細書に記載の可溶性食物繊維を含む食品である。このような食品は、本明細書に記載の方法によって製造されることができる。
【0077】
本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維は、3.5重量%以下の水、例えば、3.0重量%以下の水、又は2.5重量%以下の水を有する食品の相に配置される。例えば、あるこのような実施形態において、可溶性食物繊維は、2重量%以下の水、例えば、1.5重量%以下の水を有する食品の相に配置される。特に、可溶性食物繊維が、比較的水分の少ない食品の相に配置されている場合、溶解又は凝集しない傾向がある。したがって、本明細書に記載の小さな粒径及び狭い粒径分布は、例えば、他の所望の機能(例えば、糖置換、望ましい食感の提供)を満たしながら、低い程度の知覚されるざらつき感、及び優れた口当たりを提供し得る。
【0078】
同様に、本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維は、3.5重量%以下の水、例えば、3.0重量%以下の水、又は2.5重量%以下の水を有する食品中に配置される。例えば、あるこのような実施形態において、可溶性食物繊維は、2重量%以下の水、例えば、1.5重量%以下の水を有する食品中に配置される。
【0079】
本明細書に別途記載された方法及び食品のある実施形態において、可溶性食物繊維は食品に溶解されない。例えば、繊維は、食品マトリックスの脂質相に分散され得る。脂質相を含む食品の例としては、チョコレート、菓子コーティング、クリーム充填物などが挙げられる。ここにおいても、本明細書に記載の小さな粒径及び狭い粒径分布は、例えば、他の所望の機能(例えば、糖置換、望ましい食感の提供)を満たしながら、低い程度の知覚されるざらつき感、及び優れた口当たりを提供し得る。
【0080】
ある実施形態(例えば、d90が30ミクロン以下である場合)において、可溶性食物繊維は、実質的な粒径の減少なしに食品に組み込まれる。しかしながら、他の実施形態(例えば、d90が30ミクロンを超える場合)において、可溶性食物繊維は、実質的な粒径の減少を伴って食品に組み込まれる。このような実施形態において、従来のより大きな粒径の材料を使用する際よりも、比較的少ない粒径の減少が必要となることがある。例えば、上記のように、チョコレート組成物で使用される際、より大きな粒径の材料を使用する際よりも、比較的少ない精製が必要であり得、このことは、比較的少ない加熱及び他の成分への比較的少ない損傷を提供し得る。
【0081】
本明細書に別途記載されたある実施形態において、食品は、可溶性食物繊維が配置されている菓子組成物、例えば、チョコレート組成物を含む。あるこのような実施形態において、このような食品を製造する方法は、可溶性食用繊維(例えば、1~75重量%の量で)を、甘味料(例えば、1つ以上の糖及び上記のような非糖甘味料)、カカオリカー、カカオバター、該当する場合は乳成分を含むチョコレート成分と組み合わせることと、粉砕によってその組み合わせを精製することと、それから精製された組み合わせを混合と加熱によってコンチングすることと、を含む。必要に応じて、乳化剤、追加のカカオバター、及び風味が組み込まれ得る。例えば、ミルクチョコレート、ほろ苦いチョコレート、ダークチョコレート、ホワイトチョコレート、風味付きチョコレートなど、多種多様なチョコレート組成物が提供され得る。このような製品には、例えば、ある量の他の植物性脂肪(いわゆるカカオバター置換品及びカカオバター代替品の形状など)を含むことができる。例えば、欧州連合の規制では、5%まで存在が許可されている。
【0082】
別の態様において、食品は、菓子組成物、例えば、甘味料、カカオバター、若しくはカカオバター同等物、カカオバター置換品、若しくはカカオバター代替品、又は他の植物性脂肪が、それらと1~75重量%の濃度の可溶性食物繊維との任意の組み合わせで、カカオパウダー又はカカオリカーの有無にかかわらず、及び、風味及び/又は乳化剤の有無にかかわらず、使用される菓子コーティングを含む。カカオパウダー又はカカオリカーなしで使用される際、このようなコーティングには、他の風味(例えば、ヨーグルト、ストロベリー、バニラ、ホワイトチョコレート、ミント、ピーナッツバター他)を含めることができ、所望の濃度を提供するために乳化剤が使用され得る。したがって、本開示の菓子コーティングは、繊維、脂肪、香料、及び乳化剤の混合物に基づくことができる。ここのいても、例えば、チョコレート風味又はその他の風味など、多種多様な菓子コーティングを提供することができる。
【0083】
ある実施形態において、食品は、本明細書に記載の可溶性食物繊維を含むチョコレート充填物を含む。チョコレート充填物は、例えば、チョコレートの殻の中に、又は他の例では、クッキー、ペストリー、又はケーキなどの焼き菓子の中に配置され得る。
【0084】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、ナッツ系のスプレッドなど、脂肪質のスプレッドである。例としては、甘くしたヘーゼルナッツスプレッド(例えば、NUTELLA)などの非常に甘くしたスプレッド、ミルク系のスプレッド、チョコレート系のスプレッド、並びにピーナッツバター、アーモンドバター、及びカシューバターなどのナッツ系のスプレッドが挙げられる。このようなスプレッドを製造する際、固形成分が脂肪と混合された後で精製され得、得られた混合物は、食感パラメータを制御するように、コンチング又は混合され得る。本明細書に記載の可溶性食物繊維の使用により、特に糖が高甘味度甘味料及び可溶性食物繊維に代替されている場合に、特にナッツ系のスプレッドに有益な口当たりが提供され得る。
【0085】
本明細書に別途記載されたある実施形態において、食品は、菓子組成物(例えば、コーティング(エンロービング)する、又はチョコレートの含有物など含有物を追加する、又は水分移動からの保護を追加する目的のため使用される、チョコレート及び/又は菓子コーティング組成物、及び/又はクリーム充填組成物)、又はこのようなチョコレート又は菓子コーティングでエンローブされ得る他の食品(例えば、チョコレートナッツクラスター)を含むキャンディ、バー(例えば、エナジーバー、スナックバー、朝食バー、プロテインバー)、冷菓、又は焼き菓子である。
【0086】
その他の好適な食品には、チューインガム(糖化ガム、無糖ガム、機能性ガム、及びバブルガムを含む)、センターフィル菓子、薬用菓子、ロゼンジ、タブレット、トローチ、ミント、標準ミント、パワーミント、チューイングキャンディ、ハードキャンディ、ボイルドキャンディ、ブレス及びその他のオーラルケアフィルム又はストリップ、キャンディケーン、ロリポップ、グミ、ゼリー、ワインガム、ファッジ、キャラメル、ハード及びソフト糖衣食品、トフィー、タフィー、リコリス、ゼラチンキャンディ、グミドロップ、ゼリービーンズ、ヌガー、及びフォンダンが含まれるが、これらに限定されない。
【0087】
本発明者らは、本明細書に記載の可溶性食物繊維の小さい粒径は、少なくとも部分的にそれらの小さい粒径に起因して、水に都合よく溶解されることに留意した。したがって、本明細書に別途記載されたある実施形態において、可溶性食物繊維は、食品の水相に分散している(例えば、溶解している)。水相は、例えば、少なくとも10%の水、少なくとも20%の水、少なくとも30%の水、又は少なくとも50%の水を有し得る。例えば、ある実施形態において、水相は、10~99.8%の水、又は20~99.8%の水、又は30~99.8%の水、又は40~99.8%の水を含む。もちろん、本明細書に記載された可溶性食物繊維は、多種多様な水分含有量の食品に提供され得る。このような食品の例としては、ミールリプレイスメント、バッター、スープ、グレービー、及びソースと同様に、飲料(すなわち、水性である単相を有し得る)が挙げられる。したがって、本開示のある実施形態は、本明細書に記載の粒径を有する可溶性食物繊維を提供すること、及びそれを水性媒体に溶解することを含む、このような食品を提供する方法に関する。本開示の可溶性食物繊維は、ミールリプレイスメント、バッター、プディング、スープ、グレービー、及びソースと同様に、様々なドライミックス、例えば、飲料用のドライミックスに有利に使用され得る。特別なドライミックスには、フルーツ飲料などの飲料、プロテイン飲料、ミールリプレイスメント、乳児用調製乳若しくはグローイングアップミルクなどのミルク、ミルクモディファイア、バッター、プディング、スープ、グレービー、ソースのための粉末が含まれる。小さな粒径は、分散、水相への繊維の溶解、並びに下流及び/又は上流の混合の均質化の助けとなり得る。以下に、水相を有する様々な食品をさらに記載する。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、このような食品及びそのためのドライミックスを製造する方法において有用である。
【0088】
当業者は、本明細書に記載の可溶性食物繊維が他の多種多様な食品に使用され得ることを理解するであろう。食品は、例えば、肉類似品、パン、ケーキ、クッキー、クラッカー、押し出しスナック、スープ、冷菓、揚げ物、パスタ製品、ジャガイモ製品、米製品、トウモロコシ製品、小麦製品、乳製品、ヨーグルト、菓子、ハードキャンディ、栄養バー、朝食用シリアル、又は飲料であり得る。
【0089】
本明細書に別途記載された食品のある実施形態は、肉類似物、焼き菓子、朝食用シリアル、無水コーティング(例えば、アイスクリーム化合物コーティング、チョコレート)、乳製品、菓子、ジャム及びゼリー、飲料、充填物、押し出し及びシート状スナック、ゼラチンデザート、スナックバー、チーズ及びチーズソース、食用かつ水溶性フィルム、スープ、シロップ、ソース、ドレッシング、クリーマー、アイシング、フロスティング、グレーズ、ペットフード、トルティーヤ、肉及び魚、ドライフルーツ、乳幼児用食料、並びにバッター及びパンから選択される。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、従来の炭水化物の代替又は補助、例えば、甘味料固形分の完全又は部分的な代替、組成物中の他の固形分の代替用増量剤、又は食物繊維の源としてなど、1つ以上の目的のため食品中に存在され得る。本明細書に記載の可溶性食用繊維が使用され得る食品の具体例としては、肉類似品、パン、ケーキ、クッキー、クラッカー、押し出しスナック、スープ、冷菓、揚げ物、パスタ製品、ジャガイモ製品、米製品、トウモロコシ製品、小麦製品、乳製品、ヨーグルト、菓子、ハードキャンディ、栄養バー、朝食用シリアル、及び飲料などの加工食品が挙げられる。本明細書に記載の可溶性食物繊維を含む食品は、コーンシロップなどの従来の炭水化物が使用される同様の食品よりも、低いカロリー含有量、低いグリセミック応答、低いグリセミック指数、及び低いグリセミック負荷を有し得る。同様に、本明細書に記載の可溶性食物繊維を含む食品は、コーンシロップなどの従来の炭水化物が使用される同様の食品と比較して、繊維含有量を増加させることができる。
【0090】
本明細書に記載の可溶性食物繊維は、可溶性繊維の源として食品に添加され得る。風味、口当たり、又は食感に悪影響を与えることなく、食品の繊維含有量を増加させ得る。
【0091】
本明細書に記載の可溶性食物繊維の機能性は、コーンシロップ及び糖に類似し得、これにより、食品中の様々な栄養甘味料の完全又は部分的な代替に好適となる。例えば、本明細書に記載の可溶性食用繊維は、食品中のスクロース、高フルクトースコーンシロップ(HFCS)、フルクトース、デキストロース、通常のコーンシロップ、コーンシロップ固形分、又はタピオカシロップ、オート麦シロップ、米シロップ、エンドウ豆シロップなどの他のシロップの全体又部分的な置換に使用され得る。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、同様に、糖アルコール甘味料の部分的又は完全な置換として作用し得る。高い甘味料固形分置換レベルでは、糖及びカロリー含有量が低下したのに対して、食品の甘さは低下することがあるが、口当たり及び風味の放出は実質的に同じままであり得る。また、本明細書に記載の可溶性食物繊維は、食品配合中の脂肪、小麦粉、又は他の成分の代わりである、増量剤として使用され得る。代わりに、本明細書に記載の可溶性食物繊維は、スクロース、HFCS、又はフルクトースなどの甘味料と組み合わせて食品に使用され得、結果的に食品の全体的な甘さに変化をもたらさない。別の例として、本明細書に記載の可溶性食物繊維は、スクラロース又は他の高甘味度甘味料と組み合わせて食品に使用され得、これにより、食品の甘さ又は口当たりを変化させることなく甘味料の置換を可能にする。
【0092】
本明細書に記載の可溶性食物繊維は、食品の繊維含有量を増加させ、製品の消費による生理学的利益を高め、カロリー含有量を減少させ、及び/又は製品の栄養プロファイルを増強させるために、難消化性デンプン、ポリデキストロース、又は他の繊維源と組み合わせて食品に使用され得る。
【0093】
本明細書に記載の可溶性食物繊維は、カロリー含有量を減少させるため、及び/又は製品の栄養プロファイルを増強させるために、糖アルコール又はマルトデキストリンなどの増量剤と任意選択で組み合わせて食品に使用され得る。本明細書に記載の可溶性食物繊維はまた、食品中の脂肪又は油の部分的な置換としても使用され得る。
【0094】
本明細書に記載の可溶性食物繊維は、クリスピー感又はスナップ感を高め、視覚への訴えを改善し、及び/又はレオロジー(例えば、生地、バッター、又は他の食品組成物の)を改善するために、軟化剤又は品質改良剤として食品に使用され得る。本明細書に記載の可溶性食物繊維はまた、製品の貯蔵寿命を増加させ、及び/又はより柔らかくよりしっとりした食感を作り出すために、保湿剤として食品に使用され得る。また、水分活性を低下させ、又は水を固定して管理するためにも、食品に使用され得る。本明細書に記載のオリゴマー組成物の追加の使用には、溶き卵を置き換えること、及び/又は食品の表面光沢を増強させること、小麦粉デンプンの糊化温度を変化させること、製品の食感を改変すること、及び製品の褐変を増強させることが含まれる。本明細書で使用される可溶性食物繊維はまた、食品中の脂肪を少なくとも部分的に置き換えるために使用され得る。
【0095】
少なくとも本発明のいくつかの実施形態において、本明細書に記載の可溶性食物繊維は、以下の利点のうちの1つ以上を有する。バッター及び生地などの食品組成物へ組み込まれやすくする高い溶解性、高温及び/又は酸性pH下での安定性(イヌリンなどの他のいくつかの可溶性繊維はそれほど安定していない)、より低い甘さ、クリーンな風味、及び透明な色である。本明細書に記載の可溶性食物繊維の性質は、それが使用される食品がクリーンなラベルを有することを可能にし得る。
【0096】
本明細書に記載の可溶性食物繊維は、様々なタイプの食品に使用され得る。本明細書に記載の可溶性食物繊維が非常に有用であり得る食品の1つのタイプは、ケーキ、ブラウニー、クッキー、クッキークリスプ、マフィン、パン、及び甘い生地などのベーカリー製品(すなわち、焼成食品)である。従来のベーカリー製品は、糖が比較的多く、総炭水化物が多いことがある。本明細書に記載の可溶性食物繊維のベーカリー製品の成分としての使用は、ベーカリー製品の繊維含有量を増加させながら、総カロリーを減少するのはもちろん、糖及び炭水化物レベルを減少させるのに役立ち得る。
【0097】
ベーカリー製品には、酵母で膨らませたものと化学的に発酵させたものの2つの主要なカテゴリがある。ドーナツ、甘い生地、パンなどの酵母で膨らませた製品では、糖の代わりに本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用できるが、酵母の発酵基質用、又はクラストの褐変用に必要なため、少量の糖が依然として望まれることがある。固形状の本明細書に記載される可溶性食物繊維は、栄養性乾燥甘味料と同様に、他の乾燥成分とともに添加され得、特別な取り扱いを必要としないことになる。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、シロップ又は液体甘味料の直接の代替として他の液体と一緒に加えられ得る。それから、生地は、混合、発酵、分割、ローフ又はある形状への成形又は押し出し、試し焼き、及び焼くこと又は揚げることを含む、ベーキング業界で一般的に使用される条件下で加工されることになる。製品は、旧来の製品と同様の条件を使用して、焼いたり揚げたりされ得る。パンは通常、420°Fから520°Fまでの範囲の温度で20~23分間焼かれ、ドーナツは400から415°Fの範囲の温度で揚げられ得る、他の温度及び時間も使用され得る。必要に応じて高甘味度甘味料を生地に添加して、最適な甘さと風味プロファイルを得ることができる。
【0098】
化学的に発酵された製品は、典型的に、より多くの糖を有し、より高レベルの本明細書に記載の可溶性食物繊維を含んでよい。完成したクッキーは30%の糖を含むことができ、これは、本明細書に記載の可溶性食物繊維で、完全又は部分的に、代替され得る。これらの製品のpHは、例えば、4~9.5であり得る。水分含有量は、例えば、2~40%の間である。
【0099】
本明細書に記載の可溶性食物繊維は、すぐに組み込まれ、クリーミング工程中の混合の開始時に、又は代替するために使用されているシロップ又は乾燥甘味料と同様の任意の方法で脂肪に添加されてよい。製品は混合された後、例えば、シート状化、ロータリーカット、ワイヤーカットされることによって、又は別の成形プロセスを通して成形されることになる。それから、製品は、典型的なベーキング条件下、例えば、200~450°Fで焼かれることになる。
【0100】
本明細書に記載の可溶性食物繊維はまた、アモルファス状態の糖ガラスを形成するため、焼き菓子に粒子を付着させるために使用され、及び/又は焼き菓子の外観を増強させるフィルム又はコーティングを形成するために使用され得る。固形状の本明細書に記載されている可溶性食物繊維は、他のアモルファス糖のように、加熱され、次いでそれらのガラス転移温度よりも低い温度に冷却されることでガラスを形成する。
【0101】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、朝食用シリアルである。例えば、本明細書に記載の可溶性食物繊維は、押し出されたシリアル断片及び/又はそれらの断片の外側のコーティング中の砂糖の全て又は一部を置き換えるために使用され得る。コーティングは、典型的に、完成したシリアル断片の総重量の30~60%である。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、例えば、スプレーで塗布される、又は滴下され得る。コーティング用の配合は、本明細書に記載の可溶性食物繊維の75%溶液のように単純であり得る。本明細書に記載の可溶性食物繊維はまた、様々な割合で砂糖と、又は他の甘味料若しくはポリオールと配合され得る。それから、余分な水分は、弱火のオーブンで蒸発され得る。押し出された断片において、固形状の本明細書に記載の可溶性食物繊維は、乾燥成分と共に直接添加され得る、又はシロップ形状の本明細書に記載の可溶性食物繊維は、水と共に又は別々に押出機に計量供給され得る。押出機に少量の水を加えた後、100°F~300°Fの範囲の様々なゾーンを通過させ得る。随意に、難消化性デンプンなどの他の繊維源を押し出し断片に使用できる。本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用すると、他の繊維源とは異なる食感が作られることになる。単独で使用する、又は他の繊維と組み合わせて使用すると、食感を変化させて製品の多様性が作られ得る。
【0102】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、乳製品又は乳製品代替物である。使用され得る乳製品及び乳製品代替品の例としては、ヨーグルト、ヨーグルト飲料、ミルク飲料、フレーバーミルク、ナッツ系のミルク代替品及びオート麦系のミルク代替品などの植物系のミルク代替品、スムージー、アイスクリーム、シェイク、カッテージチーズ、カッテージチーズドレッシング、並びにクワルク及びホイップムースタイプの製品などの乳デザートが挙げられる。これには、直接消費されることを目的とした乳製品(例えば、包装されたスムージー)、及び他の成分と配合されることを目的とした乳製品(例えば、ブレンドスムージー)が含まれることになる。これは、160°F~285°Fの温度で殺菌されるものなど、殺菌された乳製品に使用され得る。乳製品中の糖の完全な置換が可能である(これは、全配合の最大24%であることになる)。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、一般に、酸性のpH値で安定である(乳飲料のpH範囲は、典型的に、2~8であることになる)。本明細書に記載された可溶性繊維はまた、ヨーグルト又はヨーグルト代替品などの乳製品に付随するフルーツプレパレーション(例えば、ソース又はトッピング)においても有用であり得る。
【0103】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、菓子である。使用され得る菓子の例としては、ハードキャンディ、フォンダント、ヌガー及びマシュマロ、ゼラチンゼリーキャンディ又はグミ、ゼリー、ワインガム、チョコレート、菓子コーティング、リコリス、チューインガム、キャラメル及びタフィー、チュー、ミント、タブレット菓子、ハード及びソフト糖衣製品、並びにフルーツスナックなどが挙げられる。フルーツスナックにおいて、本明細書に記載の可溶性食物繊維は、フルーツジュースと組み合わせて使用され得る。フルーツジュースは甘さの大部分を提供し、本明細書に記載の可溶性食物繊維は、総糖含有量を減少させ、繊維を追加することになる。シロップは初期のキャンディスラリーに加えられ、完成した固形分含有量まで加熱され得る。スラリーは200から305°Fに加熱され、完成した固形分含有量を達成することができる。加熱の前又は後に酸を加えて、最終pHを2~7にすることができる。本明細書に記載の可溶性食用繊維は、存在する糖の0~100%、及びコーンシロップ又は他の甘味料(例えば、タピオカシロップ、オート麦シロップ、ライスシロップ、エンドウ豆シロップ、糖アルコール)の1~100%の置換として使用され得る。
【0104】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、ジャム及びゼリーである。ジャム及びゼリーは果物から製造される。ジャムには果物片が含まれ、ゼリーはフルーツジュースから製造される。本明細書に記載の可溶性食用繊維は、糖又は他の甘味料(例えば、糖アルコール又はコーンシロップ、タピオカシロップ、オート麦シロップ、ライスシロップ、エンドウ豆シロップなどのシロップ)の代わりに、以下のように使用され得る。果物及びジュースをタンクに秤量する。糖、難消化性コーンシロップ、及びペクチンをプレミックスする。乾燥組成物を液体に加え、214~220°Fの温度で調理する。ジャーに熱間充填し、5~30分間加熱殺菌する。
【0105】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、飲料である。使用され得る飲料の例としては、炭酸飲料、フルーツジュースなどのフルーツ飲料、濃縮ジュースミックス(例えば、マルガリータミックス)、清水、すぐに飲める飲料、ミールリプレイスメント、プロテイン飲料、乳児用調製乳及びグローイングアップミルクなどが挙げられる。そして、上記のように、本明細書に記載の可溶性食物繊維は、飲料のドライミックスにおいて有用である。本明細書に記載の可溶性食物繊維の使用は、多くの場合、他のタイプの繊維が飲料に添加されるときに生じる透明度の問題を克服することができる。糖の完全な交換が可能である(例えば、全配合の最大12%になり得る)。本明細書に記載の可溶性食物繊維の酸性pHでの安定性のために、例えば、pHが2~7の範囲である飲料に使用され得る。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、冷加工飲料及び殺菌飲料に使用され得る。ドライミックスに関して上述されたように、小さな粒径は、分散、水相への繊維の溶解、並びに下流及び/又は上流の飲料及びそれに使用される成分の均質化を助けとなり得る。
【0106】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、高固形分充填物である。使用され得る高固形分充填物の例としては、スナックバー、トースターペストリー、ドーナツ、及びクッキーの中の充填物が挙げられる。高固形分充填物は、例えば、酸/果物充填物又はセイボリー充填物であり得る。それは、そのまま消費されることになる製品、又は食品加工業者(追加のベーキング)若しくは消費者(安定な充填物を焼く)によってさらに加工されることになる製品に加えられ得る。いくつかの実施形態において、高固形分充填物は、67~90%の間の固形分濃度を有することになる。固形分は、本明細書に記載の可溶性食物繊維で完全に代替され得る、又は存在する他の甘味料固形分の部分的な代替(例えば、現在の固形分の5~100%の代替)に使用され得る。典型的に、果物充填物のpHは2~6であるが、セイボリー充填物のpHは4~8である。充填物は、低温で調製されるか、又は最大250°Fに加熱されて、所望の最終固形分含有量まで蒸発させることができる。
【0107】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、押し出し及びシート状のスナックである。使用され得る押し出し及びシート状のスナックの例としては、パフスナック、クラッカー、トルティーヤチップ、及びコーンチップなどが挙げられる。押し出された断片の調製において、本明細書に記載の可溶性食物繊維(例えば、固形状で)は、乾燥製品と共に直接加えられることになる。少量の水が押出機に加えられた後、それは100°Fから300°Fまでの範囲の様々なゾーンを通過することになる。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、乾燥製品混合物の0~50%のレベルで加えられ得る。液体形状の本明細書に記載の可溶性食物繊維もまた、押出機に沿った液体ポートの1つに加えられ得る。製品は、低水分含有量(5%)で出てきた後、余分な水分を取り除くために焼かれるか、又はわずかに高い水分含有量(10%)で、水分を取り除くために揚げられ、製品を調理し終えることになる。ベーキングは、500°Fまでの温度で20分間であり得る。より典型的には、350°Fで10分間のベーキングであることになる。揚げ物は、典型的に、350°Fで2~5分間であることになる。シート状のスナックにおいて、難消化性コーンシロップの固形分は、他の乾燥成分(例えば、小麦粉)の部分的な置換として使用され得る。乾燥重量の0~50%からあり得る。生成物は、乾式混合された後、水を加えて凝集性の生地を形成することになる。生成物ミックスのpHは5~8であり得る。それから、生地は、シート状にされ、カットされた後、焼かれる又は揚げられることになる。ベーキングは、500°Fまでの温度で20分間であり得る。揚げ物は、典型的に、350°Fで2~5分間であることになる。本明細書に記載の可溶性食物繊維の使用による別の潜在的な利点は、揚げ物の内部成分又は外側のコーティングとして加えられた際に、揚げたスナックの脂肪含有量が15%減少することである。
【0108】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、ゼラチンデザートである。ゼラチンデザートの材料は、ゲル化剤としてのゼラチンとのドライミックスとして販売されていることが多い。糖固形分は、ドライミックス中の固形状の本明細書に記載の可溶性食物繊維と、部分的又は完全に代替され得る。それから、ドライミックスは、水と混合され、212°Fに加熱されてゼラチンを溶解した後、さらに水及び/又は果物が加えられてゼラチンデザートを完成させることができる。それから、ゼラチンは冷却されて固められる。ゼラチンはまた、貯蔵安定なパックで販売されることができる。その場合、安定剤は、通常カラギナン系である。上述したように、本明細書に記載の可溶性食物繊維は、他の甘味料固形物の100%まで代替することができる。乾燥材料は、液体に混合された後、殺菌されてカップに入れられ、冷却されて固められる。カップは、通常、箔の蓋を有する。
【0109】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、チーズ、チーズソース、及び他のチーズ製品、並びにそれらの乳製品の代替品バージョンである。それが使用され得るチーズ、チーズソース、及び他のチーズ製品、並びに乳製品の代替品の例としては、低乳固形分チーズ、低脂肪チーズ、及び低カロリーチーズなどが挙げられる。ブロックチーズにおいて、溶融特性を向上させる、又はデンプンなどの他の成分によって加えられた溶融制限の効果を減少させることに役立ち得る。チーズソースでは、また、例えば増量剤として、脂肪、乳固形分、又はその他の典型的な増量剤を置換することもできる。
【0110】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、食用及び/又は水溶性のフィルムである。それが使用され得るフィルムの例としては、水に溶解することを目的とした様々な食料及び飲料のドライミックスを封入するために使用されるフィルム、又は調理後まだ熱いうちに食品に加えられる香辛料フィルムなどの色素若しくは風味を送達するために使用されるフィルムなどが挙げられる。他のフィルム用途には、果物及び野菜の皮革、並びに他の可撓性フィルムが含まれるが、これらに限定されない。
【0111】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、スープ、シロップ、ソース、及びドレッシングである。典型的なドレッシングは、pHが2~7の範囲で、0~50%が油であり得る。それは、冷加工又は熱処理が可能である。それは、混合された後、安定剤が加えられる。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、必要に応じて他の成分とともに液体又は乾燥形態で容易に加えられ得る。安定剤を活性化するために、ドレッシング組成物は加熱される必要があってよい。典型的な加熱条件は、170から200°Fで1~30分間であることになる。冷却後、油が加えられてプレエマルジョンが作られる。それから、生成物は、ホモジナイザー、コロイドミル、又はその他の高せん断処理を使用して、乳化される。
【0112】
ソースは、0~10%の油と10~50%の総固形分であり得、pHが2~8であり得る。ソースは冷加工又は熱処理され得る。材料は混合された後、熱処理される。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、必要に応じて他の成分と共に液体又は乾燥形態で容易に加えられ得る。典型的な加熱は、170から200°Fで1~30分間であることになる。
【0113】
スープは、より典型的には20~50%の固形分であり、より中性のpH範囲(4~8)にある。それらは、固形状の本明細書に記載の可溶性食物繊維が加えられ得るドライミックス、又は缶詰にされた後、加熱殺菌される液体スープであり得る。スープにおいて、本明細書に記載の可溶性食物繊維は50%の固形分まで使用され得るが、より典型的な使用は5gの繊維/一人前を送達されることになる。
【0114】
シロップは、糖固形分の100%までの置換として、本明細書に記載の可溶性食物繊維を組み込むことができる。典型的に、それは現状の基準で可溶性食物繊維の12~20%であることになる。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、水と一緒に加えられた後、殺菌されて、熱充填されて、安全で貯蔵安定な製品にできることになる(典型的に、185°Fで1分間の殺菌)。
【0115】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、コーヒークリーマーである。それを使用され得るコーヒークリーマーの例としては、液体クリーマーとドライクリーマーの両方が挙げられる。ドライブレンドされたコーヒークリーマーは、以下の脂肪タイプの市販のクリーマー粉末とブレンドされ得る。大豆、ココナッツ、ヤシ、ヒマワリ、若しくは菜種油、又は乳脂肪。これらの脂肪は、水素化されていないことも、水素化されていることもある。固形状の本明細書に記載の可溶性食物繊維は、繊維源として、フラクトオリゴ糖、ポリデキストロース、イヌリン、マルトデキストリン、難消化性デンプン、スクロース、及び/又は従来のコーンシロップ固形分と、任意選択で一緒に加えられ得る。組成物はまた、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、アルロース、モンクフルーツ甘味料、ステビオシド又はそれらの組み合わせなどの高甘味度甘味料を含み得る。これらの材料は、所望の組成物を生成するために乾燥ブレンドされ得る。
【0116】
噴霧乾燥クリーマー粉末は、脂肪、タンパク質及び炭水化物、乳化剤、乳化塩、甘味料、並びに固結防止剤の組み合わせである。脂肪源は、大豆、ココナッツ、ヤシ、ヒマワリ、若しくは菜種油、又は乳脂肪のうち1つ以上であり得る。タンパク質は、カゼインナトリウム若しくはカゼインカルシウム、乳タンパク質、乳清タンパク質、小麦タンパク質、又は大豆タンパク質であり得る。炭水化物は、本明細書に記載の可溶性食物繊維を単独、又はフラクトオリゴ糖、ポリデキストロース、イヌリン、難消化性デンプン、マルトデキストリン、スクロース、又はコーンシロップとの組み合わせであり得る。乳化剤は、モノグリセリド及びジグリセリド、アセチル化モノグリセリド及びジグリセリド、又はプロピレングリコールモノエステルであり得る。塩は、クエン酸三ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸一カリウム、及び/又はリン酸二カリウムであり得る。組成物はまた、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、又はそれらの組み合わせなどの高甘味度甘味料を含むことができる。好適な固化防止剤には、ケイアルミン酸ナトリウム又は二酸化シリカが含まれる。製品はスラリー中で組み合わされ、任意選択で均質化され、顆粒状又は凝集形態のいずれかで噴霧乾燥される。
【0117】
液体コーヒークリーマーは、脂肪(乳脂肪又は水素化植物油のどちらか)、一部の乳固形分又はカゼイン、コーンシロップ、及びバニラ又はその他の風味、並びに安定化ブレンドの単純な均質化及び殺菌されたエマルジョンである。生成物は通常、HTST(高温短時間)を介して185°Fで30秒間、又はUHT(超高温)を介して285°Fで4秒間殺菌され、2段階ホモジナイザーで500~3000psiの第1段階、及び200~1000psiの第2段階で均一化される。コーヒークリーマーは通常、コーヒーに加えた際に壊れないように安定化されている。
【0118】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、アイシング、フロスティング、及びグレーズなどの食品コーティングである。アイシング及びフロスティングにおいて、本明細書に記載の可溶性食物繊維は、カロリー含有量を低下させ、繊維含有量を増加させるために、甘味料の置換(完全又は部分的)として使用され得る。グレーズは、典型的に、約70~90%の糖であり、残りのほとんどは水であり、糖を完全に又は部分的に置換するために、本明細書に記載の可溶性食物繊維が使用され得る。フロスティングには、典型的に、約2~40%の液体/固体脂肪の組み合わせ、約20~75%の甘味料の固形分、色素、風味、及び水が含まれる。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、甘味料固形物の全て又は一部を置換するために、又は低脂肪系における増量剤として使用され得る。
【0119】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、乾式又は湿式のドッグフードなどのペットフードであり得る。ペットフードは、押し出し、成形、グレービーとしての配合など、様々な方法で製造される。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、これらのタイプのそれぞれにおいて0~50%のレベルで使用され得る。
【0120】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用できる別のタイプの食品は、トルティーヤであり得、これは通常、小麦粉及び/又はコーンミール、脂肪、水、塩、及びフマル酸を含む。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、小麦粉又は脂肪を置換するために使用され得る。材料が混合された後、シート状にされる、又は打ち抜かれて、調理される。この添加は、繊維を加えるために、又は貯蔵寿命を延ばすために使用され得る。
【0121】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、魚及び肉である。従来のコーンシロップはすでにある種の肉に使用されているため、本明細書に記載の可溶性食物繊維は、部分的又は完全な代替品として使用され得る。例えば、本明細書に記載の可溶性食物繊維は、それが肉に真空散布される、又は注入される前に、塩水に加えられ得る。塩及びリン酸塩、並びに、任意選択でデンプン、カラギナン、又は大豆タンパク質などの水結合成分と共に加えられ得る。これは繊維を加えるために使用され、優れた繊維源の規格に合う典型的なレベルは5g/一人前であることになる。
【0122】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、肉類似品又は肉代替品である。肉類似品及び肉代替品は、代替肉として使用される食品であり、植物系の成分が含まれている。肉類似物及び肉代替品は、動物系の成分を使用せずに形成され得、又は代わりに、動物系の成分を植物系の成分(例えば、タンパク質、繊維、及び/又は脂肪)と組み合わせることによって製造され得る。例としては、組織化された植物性タンパク質、テンペ、セイタン、及びエンドウ豆のタンパク質系の食品、並びにインポッシブル・フーズ及びビヨンド・ミートによって製造されたタイプの動物肉類似物が挙げられる。上記のような可溶性食物繊維は、風味、食感、及び/又は栄養のいずれかに対する改変剤として導入され得る。例えば、可溶性食物繊維は、肉類似物の成分として使用される組織化タンパク質製品に加えられ得る、組織化タンパク質を作成するために押し出される塊に加えられ得る、又は塊が押し出された後に加えられ得る。可溶性食物繊維は、組織化タンパク質の有無にかかわらず肉類似物に加えられてよく、肉類似体の塊の押し出し前又は押し出し後、又は組成物中の成分のブレンド若しくは混合の前若しくは後、又は加工の前若しくは後に加えられ得る。上記のような可溶性食物繊維は、製品全体に均一に分散されてもよい、又は製品の特別な側面、例えば、筋肉肉、軟骨、結合組織及び/又は脂肪組織などの動物系の成分を模倣することを目的とする側面に集中されてもよい。
【0123】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、ドライフルーツ(浸されたフルーツ)である。多くの種類のドライフルーツは、糖に浸された場合にのみ安定し、口当たりが良い。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、糖の全部又は一部の代わりになり得る。例えば、本明細書に記載の可溶性食物繊維は、乾燥する前に果実を浸すために使用される塩水に加えられ得る。この塩水には、硫酸塩などの安定剤も同様に使用され得る。
【0124】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、乳幼児用食物である。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、そのような食物のための1つ以上の従来の成分に対する代替又は補助として使用され得る。マイルドな風味とクリアな色のため、糖を減少させ、繊維含有量を増加させるために、様々な離乳食に加えられ得る。同様に、本明細書に記載の可溶性食用繊維は、乳児用調製乳及びグローイングアップミルク、例えば、ミルク及び/又は大豆タンパク質、米タンパク質、エンドウ豆タンパク質又は他の植物系のタンパク質などのタンパク質源と組み合わせて有用である。
【0125】
本明細書に記載の可溶性食物繊維を使用することができる別のタイプの食品は、肉用のバッター及びパン粉など、バッター及びパン粉である。これは、バッター及び/又はパン粉の乾燥成分の全部又は一部(例えば、小麦粉タイプの成分)を本明細書に記載の可溶性食物繊維で代替することによって、又は肉の筋肉若しくは揚げ物自体に対する添加と組み合わせて使用することによって行われ得る。これは、増量剤として、繊維の添加のために、又は揚げ物中の脂肪を減少させるために使用され得る。
【0126】
本明細書に開示される食品は、糖尿病に苦しむヒトなどの哺乳動物における血中グルコース濃度の制御に役立てるために使用され得る。食品が哺乳動物によって消費された際、食品中の本明細書に記載の可溶性食物繊維は、血流における相対的血糖反応をより穏やかにすることができ(すなわち、コーンシロップを含む同様の食品とは対照的に)、これは、糖尿病患者にとって有益であり得る。この文脈での「制御」は、相対的な用語として理解されるべきである。すなわち、血糖反応は、同じ哺乳動物がコーンシロップを含む同様の食品を摂取した場合に発生するものと比較して改善され得るが、血糖反応は、糖尿病に罹患していない哺乳動物、又は食品をまったく食べていない哺乳動物で観察されるものと必ずしも同等ではないこともある。
【0127】
ある実施形態では、食品は、バー(例えば、スナックバー)、例えば、ミールリプレイスメントバー、栄養バー、グラノーラバー、シリアルバー、グレインバー、プロテインバー、又はナッツバーである。本明細書に記載の可溶性食物繊維は、高固形分充填物、結合シロップ、又は粒子部分などのスナックバーの任意の部分で使用され得る。結合シロップ中の糖の完全又は部分的な置換は、本明細書に記載の可溶性食物繊維で可能である。結合シロップは、典型的に、50~90%の固形分であり、10%の結合シロップ対90%の粒子から、70%の結合シロップ対30%の粒子までの範囲の比率で適用される。結合シロップは、甘味料、増量剤、及びその他の結合剤(デンプンなど)の溶液を160~230°Fに(シロップに必要な完成固形物に応じて)加熱することによって製造される。それから、結合シロップは、粒子と混合されて粒子をコーティングし、マトリックス全体にコーティングを提供する。本明細書に記載の可溶性食物繊維はまた、粒子自体に使用され得る。これは、押し出された断片、直接拡張又はガンで膨化した断片であり得る。それは別の穀物成分、コーンミール、米粉、又は他の同様の成分と組み合わせて使用され得る。
【0128】
有利には、本明細書に記載の可溶性繊維は、食品中の糖の代替物として使用されてよい。したがって、本明細書に別途記載されたある実施形態において、食品の糖は、可溶性の食物繊維なしで製造された同等に知覚される甘さの食品よりも少なくとも30%少ない、又は少なくとも40%少ない、又は少なくとも50%、又は少なくとも60%少ない、又は少なくとも70%少ない、又は少なくとも80%少ない、又は少なくとも90%少ない、又は少なくとも95%少ない。このような同等に知覚される甘さは、例えば、可溶性食物繊維自体の甘さ、及び/又は非糖甘味料、例えば、本明細書に記載のものなど高甘味度甘味料からの甘さに由来し得る。
【0129】
以下、実施例に関して、さらなる説明が提供される。
【0130】
実施例1-ゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量の決定
サンプルをGPC溶離液(0.1N NaNO水溶液、1mM NaN、0.4%メタノール流量マーカー)に、室温で撹拌しながら10gの全溶離液に50mg溶解する。溶液を、0.45μmナイロンシリンジフィルターを通してGPCオートサンプラーバイアルへ直接ろ過する。すべてのサンプルを、50μLの注入で2回注入する。GPC分析は、2本のWaters Ultrahydrogel250Å及び150Å、7.8×300mmカラム、並びに7.8×50mmガードカラムで1.3mL/分、1N NaNO水溶液、1mM NaNを使用して70℃で実施される。3次回帰フィットを、180~404,000Daの範囲の一連の狭い標準プルランからのLogMに対するフローマーカー補正保持時間に適用する。結果はプルラン等価分子量として報告される。
【0131】
実施例2-可溶性食物繊維の噴霧乾燥
糖が2%未満の可溶性食物繊維(すなわち、単糖類及び二糖類)、15~20%の糖(A)を含む第1の可溶性食物繊維、そして、15~20%の糖(B)を含む第2の可溶性食物繊維を、Buchi B-290ミニ噴霧器を使用して噴霧乾燥した。市販の繊維を、20%~30%の範囲の溶解固形物を含む溶液に形成した。噴霧乾燥後、100℃の乾燥オーブンで、100mmHgで4時間ベーキングする前後の測定重量を比較することにより、水分レベルを決定した。JEOL JSM-6010LA分析走査型電子顕微鏡で、低真空下で、×50、×200、及び×500の倍率で画像化することによって形態を決定した。粉末モジュールを備えたレーザー回折粒径アナライザー(Beckman CoulterのLS13 320)を使用して、粒径及び粒径分布を決定した。噴霧乾燥の主要なパラメータは表1にあり、粉末の分析試験の結果は表2にある。図2A、2B、及び2Cは、×50(2A)、×200(2B)、及び×500(2C)でのサンプル1の走査型電子顕微鏡写真である。図3A、3B及び3Cは、×50(3A)、×200(3B)、及び×500(3C)でのサンプル2の走査型電子顕微鏡写真である。図4A、4B及び4Cは、×50(4A)、×200(4B)、及び×500(4C)でのサンプル3の走査型電子顕微鏡写真である。そして図5A、5B及び5Cは、×50(5A)、×200(5B)、及び×500(5C)でのサンプル4の走査型電子顕微鏡写真である。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】
図1は、可溶性食物繊維についての測定された粒径分布を示すグラフである。
【0135】
特に、市販の可溶性食物繊維は、噴霧乾燥に成功し、粒径が小さく、粒径分布が狭い粒子形状の可溶性食物繊維を提供した。これは、ガラス転移温度が低い(例えば、65~75℃)数値指定「70」の製品にも当てはまった。この材料は、水分含有量が低く(2.7~4.1重量%)、同様の粒子状の市販製品よりも低いため、従来のコンチングプロセス条件を使用した製菓プロセスで使用できる。有利なことに、低い水分含有量はまた、可溶性食物繊維のガラス転移温度を上昇させる傾向があり、これにより、悪影響を与えることなく、それらをその後処理し、取り扱い、又は高温で保存することができた。
【0136】
比較例1-粒径を小さくするための市販の繊維の粉砕
15~20%の単糖及び二糖を有する市販の可溶性食物繊維の中位粒径値は257.7μmである。この可溶性食物繊維を実験室で粉砕してより小さな粒子を生成すると、滞留時間が長くなり、プロセスが過熱し、機器が故障した。パイロットプラント規模での粉砕を、3回と5回の連続通過でフィッツハンマーミルを使用して達成した。3回の通過後、粒子の粒径分布を、d10:28.4μm、d50:162.6μm、及びd90:371.6μmであると決定した。5回の通過後、粒子の粒径分布を、d10:19.7μm、d50:121.2μm、及びd90:281.1μmであると決定した。
【0137】
実施例3-パイロット規模での噴霧乾燥
15~20%の糖(B)を含む第2の可溶性食物繊維を、Niro Mobile Minor Model MM-I噴霧乾燥機を使用して噴霧乾燥した。市販の繊維を、57%の溶解固形分を含む溶液に形成した。噴霧乾燥後、100℃の乾燥オーブンで、100mmHgの真空で4時間ベーキングする前後の測定重量を比較することにより、水分レベルを決定した。JEOL JSM-6010LA分析走査型電子顕微鏡で、低真空下で100倍及び500倍の倍率で画像化することによって、形態を決定した。粉末モジュールを備えたレーザー回折粒径アナライザー(Beckman CoulterのLS13320)を使用して、粒径及び粒径分布を決定した。噴霧乾燥の主要なパラメータは表3にあり、粉末の分析試験の結果は表4にある。図6A及び6Bは、×100(6A)、×200(6B)での最終乾燥製品の走査型電子顕微鏡写真である。
【0138】
【表3】
【0139】
【表4】
【0140】
実施例4-可溶性食物繊維の噴霧乾燥
15~20%の糖を含む可溶性食物繊維を、50%~60%の範囲の溶解固形分を有する水溶液から噴霧乾燥した。噴霧乾燥後、105℃の乾燥オーブンで、100mmHgで4時間加熱する前後の測定重量を比較することにより、水分レベルを決定した。JEOL JSM-6010LA分析走査型電子顕微鏡で、低真空下で200倍及び600倍の倍率で画像化することによって、形態を決定した。粉末モジュールを備えたレーザー回折粒径アナライザー(Beckman CoulterのLS13320)を使用して、粒径及び粒径分布を決定した。噴霧乾燥の主要なパラメータ及び結果として生じる製品の水分を表5に示す。得られた粉末成分の粒径分析の結果を表6に示す。図7A及び7Bは、それぞれ×200(1A)及び×600(1B)でのこのサンプルの走査型電子顕微鏡写真である。
【0141】
【表5】
【0142】
【表6】
【0143】
実施例5-可溶性食物繊維の噴霧乾燥
15~20%の糖を含む可溶性食物繊維を、50%~60%の範囲の溶解固形分を有する水溶液から噴霧乾燥した。噴霧乾燥後、105℃の乾燥オーブンで、100mmHgで4時間加熱する前後の測定重量を比較することにより、水分レベルを決定した。JEOL JSM-6010LA分析走査型電子顕微鏡で、低真空下で200倍及び600倍の倍率で画像化することによって、形態を決定した。粉末モジュールを備えたレーザー回折粒径アナライザー(Beckman CoulterのLS13320)を使用して、粒径及び粒径分布を決定した。噴霧乾燥の主要なパラメータ及び結果として生じる製品の水分を表7に示す。得られた粉末成分の粒径分析の結果を表8に示す。図8A及び8Bは、それぞれ×200(2A)及び×600(2B)でのこのサンプルの走査型電子顕微鏡写真である。
【0144】
【表7】
【0145】
【表8】
【0146】
実施例6-可溶性食物繊維の噴霧乾燥
15~20%の糖を含む可溶性食物繊維を噴霧乾燥した。市販の繊維を、50%~60%の範囲の溶解固形物を含む水溶液に形成した。噴霧乾燥後、105℃の乾燥オーブンで、100mmHgで4時間加熱する前後の測定重量を比較することにより、水分レベルを決定した。JEOL JSM-6010LA分析走査型電子顕微鏡で、低真空下で200倍及び600倍の倍率で画像化することによって、形態を決定した。粉末モジュールを備えたレーザー回折粒径アナライザー(Beckman CoulterのLS13320)を使用して、粒径及び粒径分布を決定した。噴霧乾燥の主要なパラメータ及び結果として生じる製品の水分を表9に示す。得られた粉末成分の粒径分析の結果を表10に示す。図9A及び9Bは、それぞれ×200(9A)及び×600(9B)でのこのサンプルの走査型電子顕微鏡写真である。
【0147】
【表9】
【0148】
【表10】
【0149】
本開示はさらに、以下の列挙された実施形態を提供し、これらは、論理的又は技術的に矛盾しない任意の組み合わせ及び任意の数で組み合わせられ得る。
実施形態1 d10が40μm以下(例えば、1μm~40μmの範囲)、d50が5μm~110μmの範囲、及びd90が20μm~200μmの範囲である、粒子形状の可溶性食物繊維。
実施形態2 d10が30μm以下(例えば、1μm~35μmの範囲)、d50が5μm~100μmの範囲、及びd90が20μm~175μmの範囲である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態3 d10が30μm以下(例えば、1μm~30μmの範囲)、d50が5μm~95μmの範囲、及びd90が20μm~160μmの範囲である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態4 d10が30μm以下(例えば、1μm~30μmの範囲)、d50が5μm~80μmの範囲、及びd90が20μm~180μmの範囲である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態5 d10が30μm以下(例えば、1μm~30μmの範囲)、d50が5μm~60μmの範囲、及びd90が20μm~100μmの範囲である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態6 d10が15μm~35μm(例えば、20μm~30μm)の範囲、d50が60μm~95μm(例えば、65μm~90μm)の範囲、及びd90が100μm~175μm(例えば、125μm~160μm)の範囲である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態7 d10が35μm以下、例えば、30μm以下、又は25μm以下である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態8 d10が20μm以下、例えば、15μm以下、又は10μm以下である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態9 d10が1μm~35μm、例えば、1μm~30μm、又は2μm~26μmの範囲である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態10 d10が3μm~24μm、例えば、6μm~14μmの範囲である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態11 d10が14μm~30μm、又は20μm~40μmの範囲である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態12 d10が1μm~20μm、又は1μm~15μm、又は1μm~10μm、又は1μm~5μm、又は3μm~40μm、又は3μm~35μm、又は3μm~30μm、又は3μm~25μm、又は3μm~15μm、又は3μm~10μm、又は5μm~40μm、又は5μm~35μm、又は5μm~30μm、又は5μm~25μm、又は5μm~15μm、又は5μm~10μm、又は10μm~40μm、又は10μm~35μm、又は10μm~30μm、又は10μm~25μm、又は10μm~20μm、又は15μm~40μm、又は15μm~35μm、又は15μm~30μm、又は15μm~30μm、又は20μm~40μm、又は20μm~35μm、又は20μm~30μmの範囲である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態13 d50が10μm~100μmの範囲である、実施形態1及び7~12のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態14 d50が15μm~95μmの範囲である、実施形態1及び7~12のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態15 d50が16μm~40μm、又は40μm~70μm、又は70μm~95μmの範囲である、実施形態1及び7~12のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態16 d50が5μm~100μm、又は5μm~95μm、又は5μm~90μm、又は5μm~70μm、又は5μm~60μm、又は5μm~45μm、又は5μm~30μm、又は5μm~25μm、又は5μm~15μm、又は8μm~100μm、又は8μm~95μm、又は8μm~90μm、又は8μm~80μm、又は8μm~70μm、又は8μm~60μm、又は8μm~45μm、又は8μm~30μm、又は8μm~25μm、又は8μm~15μm、又は10μm~100μm、又は10μm~95μm、又は10μm~90μm、又は10μm~80μm、又は10μm~70μm、又は10μm~60μm、又は10μm~45μm、又は10μm~30μm、又は10μm~25μm、又は15μm~80μm、又は15μm~70μm、又は15μm~60μm、又は15μm~100μm、又は15μm~95μm、又は15μm~90μm、又は15μm~45μm、又は15μm~30μm、又は15μm~25μm、又は25μm~100μm、又は25μm~95μm、又は25μm~90μm、又は25μm~80μm、又は25μm~70μm、又は25μm~60μm、又は25μm~45μm、又は35μm~100μm、又は35μm~95μm、又は35μm~90μm、又は35μm~80μm、又は35μm~70μm、又は35μm~60μm、又は45μm~110μm、又は45μm~100μm、又は15μm~95μm、又は15μm~90μm、又は45μm~80μm、又は45μm~70μm、又は45μm~60μm、又は55μm~110μm、又は55μm~100μm、又は55μm~95μm、又は55μm~90μm、又は55μm~80μm、又は55μm~70μm、又は70μm~110μm、又は70μm~100μm、又は70μm~95μm、又は70μm~90μmの範囲である、実施形態1及び7~12のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態17 d90が20μm~175μm、例えば、20μm~160μmの範囲である、実施形態1及び7~16のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態18 d90が20μm~35μmの範囲である、実施形態1及び7~16のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態19 d90が100μm~200μmの範囲である、実施形態1及び7~16のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態20 d90が20μm~180μm、又は20μm~160μm、又は20μm~140μm、又は20μm~120μm、又は20μm~100μm、又は20μm~80μm、又は20μm~60μm、又は20μm~40μm、又は30μm~200μm、又は30μm~180μm、又は30μm~160μm、又は30μm~140μm、又は30μm~120μm、又は30μm~100μm、又は30μm~80μm、又は30μm~60μm、又は50μm~200μm、又は50μm~180μm、又は50μm~160μm、又は50μm~140μm、又は50μm~120μm、又は50μm~100μm、又は50μm~80μm、又は80μm~180μm、又は80μm~200μm、又は80μm~180μm、又は80μm~160μm、又は80μm~140μm、又は80μm~120μm、又は100μm~200μm、又は100μm~180μm、又は100μm~160μm、又は100μm又は140μm、又は100μm~120μm、又は120μm~200μm、又は120μm~180μm、又は120μm~160μmの範囲である、実施形態1及び7~16のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態21 d10が35μm以下(例えば、1μm~35μmの範囲)であり、d50が5μm~100μmの範囲であり、d90が20μm~175μmの範囲である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態22 d10が15μm~35μm(例えば、20μm~30μm)の範囲であり、d50が60μm~95μm(例えば、65μm~90μm)の範囲であり、d90が100μm~175μm(例えば、125μm~160μm)の範囲である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態23 d10が30μm以下(例えば、1μm~30μmの範囲)であり、d50が5μm~80μmの範囲であり、d90が20μm~180μmの範囲である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態24 d10が30μm以下(例えば、1μm~30μmの範囲)であり、d50が5μm~60μmの範囲であり、d90が20μm~100μmの範囲である、実施形態1に記載の可溶性食物繊維。
実施形態25 d10値がd50値の少なくとも12.5%である、及び/又はd90値がd50値の800%以下である、実施形態1~24のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態26 d10値がd50値の少なくとも25%である、及び/又はd90値がd50値の400%以下である、実施形態1~24のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態27 水分含有量が、10重量%以下、例えば、8重量%以下、又は6重量%以下である、実施形態1~26のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態28 水分含有量が、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも2.5重量%である、実施形態1~27のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態29 水分含有量が、0.5~10重量%、例えば、0.5~8重量%、又は0.5~6重量%、又は0.5~5重量%の範囲である、実施形態1~26のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態30 水分含有量が、1~10重量%、例えば、1~8重量%、又は1~6重量%、又は1~5重量%の範囲である、実施形態1~26のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態31 水分含有量が、2~10重量%、例えば、2~8重量%、又は2~6重量%、又は2~5重量%の範囲である、実施形態1~26のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態32 水分含有量が、2.5~10重量%、例えば、2.5~8重量%、又は2.5~6重量%、又は2.5~5重量%の範囲である、実施形態1~26のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態33 水分含有量が、3~10重量%、例えば、3~8重量%、又は3~6重量%、又は3~5重量%の範囲である、実施形態1~26のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態34 水分含有量が、3.5~10重量%、例えば、3.5~8重量%、又は3.5~6重量%、又は3.5~5重量%の範囲である、実施形態1~26のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態35 水分含有量が、4~10重量%、例えば、4~8重量%、又は4~6重量%、又は4~5重量%の範囲である、実施形態1~26のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態36 重量平均分子量が、1000g/モル~2500g/モルの範囲である、実施形態1~35のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態37 重量平均分子量が、1000g/モル~2000g/モルの範囲である、実施形態1~35のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態38 ガラス転移温度が、95%固形分で測定した際に、50℃~100℃の範囲である、実施形態1~37のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態39 ガラス転移温度が、95%固形分で測定した際に、55℃~100℃、例えば、60℃~100℃、又は65℃~100℃の範囲である、実施形態1~37のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態40 ガラス転移温度が、95%固形分で測定した際に、50℃~95℃、例えば、55℃~95℃、又は60℃~95℃、又は65℃~95℃の範囲である、実施形態1~37のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態41 ガラス転移温度が、95%固形分で測定した際に、50℃~90℃、又は55℃~90℃、又は60℃~90℃、又は65℃~90℃の範囲である、実施形態1~37のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態42 ガラス転移温度が、95%固形分で測定した際に、50℃~85℃、又は55℃~85℃、又は60℃~85℃、又は65℃~85℃の範囲である、実施形態1~37のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態43 単糖及び二糖の総量が、乾燥固形分基準で、最大25重量%、例えば最大20重量%である、実施形態1~42のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態44 単糖及び二糖の総量が、乾燥固形分基準で、15重量%以下、例えば10重量%以下である、実施形態1~42のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態45 単糖及び二糖の総量が、乾燥固形分基準で、10重量%~25重量%、例えば、10重量%~20重量%、又は12重量%~20重量%、又は15重量%~25重量%の範囲である、実施形態1~42のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態46 結合パターンが、
25~45%の末端結合グルコピラノシル残基、
10~22%の6-結合グルコピラノシル残基、
13~32%の4-結合グルコピラノシル残基、
2~11%の3-結合グルコピラノシル残基、
3~13%の4,6-結合グルコピラノシル残基、
1~5%の3,6-結合グルコピラノシル残基、及び
0.5~4%の2,4-結合のグルコピラノシル残基である、実施形態1~45のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態47 結合パターンが、
29~45%の末端結合グルコピラノシル残基、
10~22%の6-結合グルコピラノシル残基、
13~27%の4-結合グルコピラノシル残基、
2~11%の3-結合グルコピラノシル残基、
3~13%の4,6-結合グルコピラノシル残基、
1~5%の3,6-結合グルコピラノシル残基、及び
0.5~4%の2,4-結合のグルコピラノシル残基である、実施形態1~45のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態48 繊維含有量が少なくとも65%である、実施形態1~47のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態49 繊維含有量が、少なくとも70%、例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、又は少なくとも85%ですらある、実施形態1~47のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態50 繊維含有量が、少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、又は少なくとも98%ですらある、実施形態1~47のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態51 繊維含有量が、65%~85%の範囲、例えば、65%~80%の範囲、又は65%~75%の範囲である、実施形態1~43のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態52 繊維含有量が、70%~100%の範囲、例えば、70%~99%、又は70%~98%、又は70%~95%、又は70%~90%、又は70%~85%、又は70%~80%の範囲である、実施形態1~47のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態53 繊維含有量が、85%~100%、例えば、85%~99%、又は85%~98%、又は85%~95%の範囲である、実施形態1~47のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態54 可溶性食物繊維が、
デキストロース及び/又はデキストロースオリゴマーを乾燥固形分基準で少なくとも95重量%(例えば、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%)含む糖供給物を提供することと、
水の存在下、及び糖アルコールの実質的な非存在下で、少なくとも約80重量%の総固形分濃度、及び少なくとも約120℃の温度での糖供給物を、繊維含有量が少なくとも60%である生成物組成物を生成するのに十分な時間にグルコシル結合の開裂及び形成速度を促進させる少なくとも1つの酸触媒と反応させることと、を含むプロセスによって製造される、実施形態1~49のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態55 粒子形状が実質的に球形の形態を有する、実施形態1~54のいずれかに記載の可溶性食物繊維。
実施形態56 実施形態1~55のいずれかに記載の可溶性食物繊維を製造する方法であって、
可溶性食物繊維供給物の水溶液を提供することと、
当該水溶液を乾燥させて、粒子形状の可溶性食物繊維を提供することと、を含む方法。
実施形態57 乾燥が噴霧乾燥である、実施形態56に記載の方法。
実施形態58 噴霧乾燥がスチームアシスト式噴霧化を含む、実施形態56に記載の方法。
実施形態59 実施形態1~55のいずれかに記載の可溶性食物繊維を製造する方法であって、固形状の可溶性食物繊維供給物を提供すること、及び可溶性食物繊維供給物を処理して、粒子形状の可溶性食物繊維を提供することを含む方法。
実施形態60 処理が、空気分級粉砕、ジェット粉砕(例えば、流動床ジェット粉砕)、ボール粉砕、及び球状微粉化から選択される技術を介する、実施形態59に記載の方法。
実施形態61 可溶性食物繊維供給物が、低水分レベルの液体可溶性食物繊維の冷却によって製造される、実施形態59又は実施形態60に記載の方法。
実施形態62 低水分レベルの液体可溶性食物繊維が、液体可溶性食物繊維を蒸発させることによって製造される、実施形態61に記載の方法。
実施形態63 実施形態56~62のいずれかの方法によって製造された可溶性食物繊維。
実施形態64 食品を製造する方法であって、
実施形態1~55及び63のいずれかに記載の可溶性食物繊維を提供することと、
当該可溶性食物繊維を1つ以上の他の食品成分と組み合わせることと、を含む方法。
実施形態65 実施形態1~55及び63のいずれかに記載の可溶性食物繊維を含む食品。
実施形態66 可溶性食物繊維が、3.5%以下の水を有する、例えば、3.0重量%以下の水、又は2.5重量%以下の水を有する食品の相に配置される、実施形態64又は実施形態65に記載の方法又は食品。
実施形態67 可溶性食物繊維が、2重量%以下の水を有する、例えば、1.5重量%以下の水を有する食品の相に配置される、実施形態64又は実施形態65に記載の方法又は食品。
実施形態68 可溶性食物繊維が、3.5%以下の水を有する、例えば、3.0重量%以下の水、又は2.5重量%以下の水を有する食品の相に配置される、実施形態64又は実施形態65に記載の方法又は食品。
実施形態69 可溶性食物繊維が、2重量%以下の水を有する、例えば、1.5重量%以下の水を有する食品の相に配置される、実施形態64又は実施形態65に記載の方法又は食品。
実施形態70 可溶性食物繊維が食品に溶解されていない、実施形態64~69のいずれかに記載の方法又は食品。
実施形態71 繊維が食品マトリックスの脂質相に分散されている、実施形態64~69のいずれかに記載の方法又は食品。
実施形態72 食品が、チョコレート、菓子組成物、又はクリーム充填物である、実施形態71に記載の方法又は食品。
実施形態73 チョコレート、菓子組成物又はクリーム充填物が、キャンディ、バー(例えば、エナジーバー、スナックバー、朝食バー、プロテインバー)、冷菓又は焼き菓子の一部である、実施形態72に記載の方法又は食品。
実施形態74 食品が、チョコレート、例えば、ミルクチョコレート、ほろ苦いチョコレート、ダークチョコレート、ホワイトチョコレート、又は風味付きチョコレートである、実施形態73に記載の方法又は食品。
実施形態75 食品が、例えば、チョコレート風味又は他の方法で風味付けされた、菓子組成物である、実施形態73に記載の方法又は食品。
実施形態76 食品が、例えば、チョコレートの殻の中に、又は他の例ではクッキー、ペストリー若しくはケーキなどの焼き菓子の中に配置された、チョコレート充填物である、実施形態73に記載の方法又は食品。
実施形態77 食品が、脂肪スプレッド、例えば、甘くされたヘーゼルナッツスプレッド(例えば、ヌテラ)などの強く甘くされたスプレッド、ミルク系のスプレッド、チョコレート系のスプレッド、又はピーナッツバター、アーモンドバター、カシューバターなどのナッツ系のスプレッドである、実施形態64~74のいずれかに記載の方法又は食品。
実施形態78 食品が、チューインガム(糖化ガム、無糖ガム、機能性ガム、及びバブルガムを含む)、センターフィル菓子、薬用菓子、ロゼンジ、タブレット、トローチ、ミント、標準ミント、パワーミント、チューイングキャンディ、ハードキャンディ、ボイルドキャンディ、ブレス及びその他のオーラルケアフィルム又はストリップ、キャンディケーン、ロリポップ、グミ、ゼリー、ワインガム、ファッジ、キャラメル、ハード及びソフト糖衣食品、トフィー、タフィー、リコリス、ゼラチンキャンディ、グミドロップ、ゼリービーンズ、ヌガー、及びフォンダンから選択される、実施形態64~74のいずれかに記載の方法又は食品。
実施形態79 食品が、例えば、フルーツ飲料、プロテイン飲料、ミールリプレイスメント、乳児用調製乳若しくはグローイングアップミルクなどのミルク、若しくはミルクモディファイアなどの飲料用、又はバッター、プディング、スープ、グレービー、若しくはソース用のドライミックスである、実施形態64~74のいずれかに記載の方法又は食品。
実施形態80 可溶性食物繊維が、粒径の実質的な減少なしに食品に組み込まれる、実施形態64~80のいずれかに記載の方法又は食品。
実施形態81 可溶性食物繊維が、食品の水相に分散される(例えば、溶解される)、実施形態80に記載の方法。
実施形態82 食品が、フルーツ飲料、プロテイン飲料、ミールリプレイスメント、乳児用調製乳若しくはグローイングアップミルクなどのミルクなどの飲料である、実施形態81に記載の方法。
実施形態83 食品が、バッター、プディング、スープ、グレービー、又はソースである、実施形態81に記載の方法。
実施形態84 水相が、少なくとも10%の水、例えば、少なくとも20%の水、少なくとも30%の水、又は少なくとも50%の水を有する、実施形態81~83のいずれかに記載の方法。
実施形態85 水相が、10~99.8%の水、例えば、20~99.8%の水、又は30~99.8%の水、又は40~99.8%の水を有する、実施形態81~83のいずれかに記載の方法。
実施形態86 水相が食品の唯一の実質的な相である(例えば、食品の少なくとも98%を構成する)、実施形態81~83のいずれかに記載の方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
【国際調査報告】