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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(54)【発明の名称】電子式自爆信管構造体
(51)【国際特許分類】
   F42C 9/16 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
F42C9/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524123
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(85)【翻訳文提出日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 KR2020014064
(87)【国際公開番号】W WO2021080242
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】10-2019-0131287
(32)【優先日】2019-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522163687
【氏名又は名称】セジュ エンジニアリング カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEJU ENGINEERING CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】リー,ウォン-べ
(57)【要約】
【要約】
本発明は、40mm榴弾を発射した後、所定水準のセットバックと遠心力によって安全装置が解体されるようにして、安全を確保しながら所定水準以上の衝撃が加えられることによって爆発し、また衝撃が所定水準に到逹できなくて爆発が発生しない場合、所定時間が経過した後に自爆することができるようにすることにより、不発弾の発生を防止することができる電子式自爆信管構造体に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下を貫通する第1案内孔と、前記第1案内孔に挿入されて動く第1ピンを備える下板構造体;
前記下板構造体の下側に位置し、前記第1ピンの位置に対応して位置し、前記第1ピンの打撃によって活性化される予備電池が装着される第1貫通孔、短絡を感知することができる第1導線が交差される第2貫通孔、短絡を感知することができる第2導線が形成された第3貫通孔、及び下側で前記第2導線の短絡による電気的起爆信号を出力しながら、この出力によって起爆する電気雷管が下部に付着された基板モジュール;及び
前記基板モジュールの下側に位置し、遠心力によって中心から外側方向に移動して、前記第1導線を短絡させる遠心力振り子と、慣性によって昇降して、前記第2導線を短絡させる衝撃振り子と、前記電気雷管がスピットバックと近接するように形成された第1雷管孔とを備える第1安全構造体で構成される、ことを特徴とする電子式自爆信管構造体。
【請求項2】
前記下板構造体は、上下を貫通する第2案内孔と、前記第2案内孔に挿入されて動く第2ピンとをさらに含み、
前記基板モジュールは、前記第2ピンを通過させる第4貫通孔をさらに含み、
前記第1安全構造体は、前記遠心力振り子を臨時固定し、発射する時に発生するセットバックによる前記第2ピンの加圧を通じて解除される固定部材をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電子式自爆信管構造体。
【請求項3】
前記第1安全構造体の下側に位置し、前記電気雷管の爆発力が下側の前記スピットバックに伝達されるように形成された第2雷管孔と、前記第2雷管孔を遮蔽した状態で、遠心力によって開放される開閉部とを備える第2安全構造体をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電子式自爆信管構造体。
【請求項4】
前記開閉部は、
前記第2雷管孔と前記電気雷管との間を遮断し、前記第2雷管孔の側面に形成された回動軸を中心として遠心力によって弾の円周方向に動いて、前記第2雷管孔を開放する貫通部が形成されたロータで構成され、
前記第1安全構造体は、
前記遠心力振り子の下側に突出された支持突起と、前記支持突起が下側へ貫通した状態で動くように形成された第5貫通孔をさらに含み、
前記支持突起は、前記ロータが動かないように固定した状態で、遠心力によって外側方向に動いて、前記ロータの回動を許容する、ことを特徴とする請求項3に記載の電子式自爆信管構造体。
【請求項5】
前記ロータは、回動軸を中心として第2雷管孔を開閉する開閉側外周面にギアが形成され、反対側回動側には重量部が形成され、
上側で前記ロータのギアに噛み合って回転する第1ギア部、及び下側で相対的に大きいギア比を有する第2ギア部が形成された変換ギア部と、
前記変換ギア部に接触して回転抵抗を通じて減速させる速度調節部とをさらに含む、ことを特徴とする請求項4に記載の電子式自爆信管構造体。
【請求項6】
前記ロータに形成された貫通部に連結火薬を装着して、スピットバックの点火を促進するように構成される、ことを特徴とする請求項4に記載の電子式自爆信管構造体。
【請求項7】
前記下板構造体を上側で覆って結合され、第1ピンと第2ピンのそれぞれの上端を収容する第1収容溝及び第2収容溝が形成されたキャップ状の上板構造体をさらに含む、ことを特徴とする請求項2に記載の電子式自爆信管構造体。
【請求項8】
前記基板モジュールは、
外周に沿って第2導線が延長されて、基板モジュールの破損の時、第2導線の短絡のような効果が発生するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の電子式自爆信管構造体。
【請求項9】
前記第1導線と第2導線は、通電がよくできるが、細い導線で、ワイヤボンディング(Wire Bonding)或いはウェッジボンディング(Wedge Bonding)で形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子式自爆信管構造体。
【請求項10】
前記第1ピン及び第2ピンは、それぞれタングスプリングの上に装着される、ことを特徴とする請求項1に記載の電子式自爆信管構造体。
【請求項11】
前記予備電池は、上部に形成されて、左右に突出された電極の底面が前記基板モジュールと電気的に連結される、ことを特徴とする請求項1に記載の電子式自爆信管構造体。
【請求項12】
前記遠心力振り子には、固定された位置に動かないようにする固定部材と、前記第1導線を切る短絡突起と、前記衝撃振り子を取締りする固定突起と、前記ロータの回転を制御する支持突起と、が形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の電子式自爆信管構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自爆信管構造体に関し、詳しくは、40mmの榴弾を発射した後、所定水準のセットバックと遠心力によって安全装置が解体されるようにして、安全を確保しながら所定水準以上の衝撃が加えられることで爆発し、また、衝撃が所定水準に到逹できなくて爆発が発生されない場合、所定の時間が経過した後に自爆することができるようにすることで、不発弾の発生を防止することができる電子式自爆信管構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
40mm榴弾は、榴弾発射機を利用して発射することで、人の命を殺傷したり、軽装甲機動車、陣地などを破壊する軍需武器の一種類で、ベトナム戦時期にアメリカで開発されて、実戦に投入され、その後、その効用性を大きく認められて、多くの国家で使用されている。
【0003】
しかしながら、信管作動条件が合わない場合、一定割合の不発弾が発生するようになり、このような不発弾は、弾の効率性を低めるだけでなく、我軍や民間人、甚だしくは本人までにも傷害を与えるなどたくさんの被害につながるので、不発弾の適切な処理が非常に重要である。
【0004】
すなわち、正常に打ち上げられた榴弾は、衝撃などの条件によって起爆する機械式メカニズムが適用された榴弾がたくさん使われて来た。
【0005】
どころが、従来の機械式信管の起爆方式は、構造的に複雑であるだけでなく、それによる作動信頼度にも問題があって、不発弾がたくさん発生している実情である。近年、打撃によって活性化される予備電池を利用した電子式自爆方式の信管開発を行って不発弾の問題を解決しようと努力している。
【0006】
特に、草むらや泥などに落ちて衝撃が弱い場合、不発弾が発生する問題があり、また、一般的に、発射主体及び我軍を保護するために、発射した後に安全距離以内では爆発しないようにする安全装置を備える必要があるので、このような安全装置としての機能、信管の円滑な作動と自爆すべき二重的な面が存在することから、このような安全及び爆発と自爆という機能が円滑に具現されることができる信頼性が要求されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記のような問題点を解決するために創出されたもので、本発明の目的は、発射された榴弾が安全距離を逸脱する前に爆発することを防止しながら、設定条件のみで爆発することにより、弾の安全性を高め、不発弾の発生を防止することができる電子式自爆信管構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述のような目的のために、本発明は、上下を貫通する第1案内孔と、前記第1案内孔に挿入されて動く第1ピンとを備える下板構造体;前記下板構造体の下側に位置し、前記第1ピンの位置に対応して位置し、前記第1ピンの打撃によって活性化される予備電池が装着される第1貫通孔と、短絡を感知することができる第1導線が交差される第2貫通孔と、短絡を感知することができる第2導線が形成された第3貫通孔と、下側に前記第2導線短絡による電気的起爆信号を出力しながら、この出力によって起爆する電気雷管が下部に付着された基板モジュール;前記基板モジュールの下側に位置し、遠心力によって中心から外側方向に移動して前記第1導線を短絡させる遠心力振り子と、弾が目標物に衝撃すると、慣性によって昇降して前記第2導線を短絡させる衝撃振り子と、前記電気雷管がスピットバックと近接するように形成された第1雷管孔を備える第1安全構造体;で構成されることを特徴とする。
【0009】
この時、前記下板構造体は、上下を貫通する第2案内孔と、前記第2案内孔に挿入されて動く第2ピンをさらに含み、前記基板モジュールは、前記第2ピンを通過させる第4貫通孔をさらに含み、前記第1安全構造体に備えられた遠心力振り子を第1安全構造体と前記基板モジュールとの間に臨時固定し、前記第2ピンの加圧を通じて解除される固定部材をさらに含むことが好ましい。
【0010】
また、前記第1安全構造体の下側に位置し、前記電気雷管の爆発力が下側のスピットバックに伝達されるように形成された第2雷管孔と、前記第2雷管孔を遮蔽した状態で、遠心力によって開放される開閉部とを備える第2安全構造体をさらに含むことが好ましい。
【0011】
また、前記開閉部は、前記第2雷管孔と前記電気雷管との間に積層される形態で設置され、前記電気雷管の起爆による爆圧をブースター火薬であるスピットバックに伝達する通路である前記第2雷管孔の開放及び閉鎖を取締りし、前記第2雷管孔の側面に弾の中心から離れた偏心に形成された回動軸を中心として遠心力によって回転し、前記第2雷管孔を開放する貫通部が形成された半円形ロータ(Rotor)で構成され、前記第1安全構造体に装着されて、前記遠心力振り子の下側に突出された支持突起と、前記支持突起が下側へ貫通した状態で動くように形成された第5貫通孔とをさらに含み、前記支持突起は、前記ロータが動かないように固定した状態で、遠心力によって動いて前記ロータの回動を許容することが好ましい。
【0012】
また、前記ロータの回動軸を中心として外周面にギアが形成され、前記ギアと回動軸との間には重量部が形成され、上側で前記ロータのギアと噛み合って回転し、ロータの回転速度を減速させる変換ギア部と、前記変換ギア部に接触して、変換ギアの回転速度を減速する減速部とが装着されることが好ましい。
【0013】
また、前記下板構造体を上側で覆って結合され、第1ピンと第2ピンそれぞれの上端を収容する第1収容溝と第2収容溝が形成されたキャップ状の上板構造体をさらに含むことが好ましい。
【0014】
また、前記基板モジュールは、外周に沿って第2導線が延長されて、基板モジュールの破損の時、第2導線の短絡のような効果が発生するように構成されることが好ましい。
【0015】
また、前記第1導線と第2導線は、通電がよくできるが、細い導線で、ワイヤボンディング(Wire Bonding)或いはウェッジボンディング(Wedge Bonding)で形成することが好ましい。
【0016】
また、前記第1ピン及び第2ピンは、それぞれタングスプリングの上に装着されることが好ましい。
【0017】
また、前記予備電池は、上部に形成されて、左右に突出された電極の底面が前記基板モジュールと電気的に連結されることが好ましい。
【0018】
また、前記遠心力振り子には固定された位置に動かないようにする固定部材と、前記第1導線を切る短絡突起と、前記衝撃振り子を取締りする固定突起と、前記ロータの回転を取締りする支持突起とが形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係ると、自爆機能で榴弾の不発弾発生率を大きく減少することができて、我軍を含めて特に民間人の被害を大きく減少することができる。
【0020】
さらに、本発明に係ると、発射した後、セットバックと遠心力によって安全装置が解体されて、発射者及び我軍の安全を確保しながら、安全装置を解体した後、速度変化などに敏感に動作することで、目や泥などの環境で小さい衝撃にも充分に爆発され、不発が発生する時、基板電子回路の作用で自爆が発生されて、安全性の確保と弾の効率性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る自爆信管構造体の分解状態を示した分解斜視図である。
図2】第1ピンが予備電池を攻撃する状態を示した断面図である。
図3】第2ピンが固定部材と遠心力振り子の連結部位を攻撃する状態を示した斜視図である。
図4図4(a)は、図3によって固定部材から分離された遠心力振り子が弾の回転力によって外側に押されて衝撃振り子の取締りを解除する状態を示した平面図である。図4(b)は、図3によって固定部材から分離された遠心力振り子が弾の回転力によって外側に押されて衝撃振り子の取締りを解除する状態を示した平面図である。図4(c)は、図3によって固定部材から分離された遠心力振り子が弾の回転力によって外側に押されて衝撃振り子の取締りを解除する状態を示した断面図である。図4(d)は、図3によって固定部材から分離された遠心力振り子が弾の回転力によって外側に押されて衝撃振り子の取締りを解除する状態を示した断面図である。
図5図5(a)は、図3によって固定部材から分離された遠心力振り子が弾の回転力によって外側に押されながら第1導線を短絡させる作動状態図である。図5(b)は、図3によって固定部材から分離された遠心力振り子が弾の回転力によって外側に押されながら第1導線を短絡させる作動状態図である。図5(c)は、図4によって取締りが解除された衝撃振り子が弾の衝突による速度変換によって前進して第2導線を短絡させる作動状態図である。
図6図3によって固定部材から分離された二つの遠心力振り子のうち一つが下に形成された突起が下のロータの回転を取締りしてから弾の回転力によって外側に押されながらロータの取締りを解除し、本発明に係る自爆信管構造体が回転することによって開閉部の作動状態を示した平面図である。
図7】本発明の他の実施例に係る基板モジュールの状態を示した斜視図である。
図8】本発明の他の実施例に係る開閉部がベースプレートと結合した状態を示した状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、添付図面とともに本発明に係る自爆信管構造体について詳しく説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る自爆信管構造体の分解状態を示した分解斜視図であり、図3は、第2ピンが固定部材と遠心力振り子の連結部位を攻撃する状態を示した斜視図であり、図4(a)及び図4(b)は、図3によって固定部材から分離された遠心力振り子が弾の回転力によって外側に押されて衝撃振り子の取締りを解除する状態を示した平面図であり、図4(c)及び図4(d)は、図3によって固定部材から分離された遠心力振り子が弾の回転力によって外側に押されて衝撃振り子の取締りを解除する状態を示した断面図であり、図5は、図4によって外側に押された遠心力振り子が第1導線を短絡すると同時に、衝撃振り子を制御する突起が衝撃振り子の取締りを解除し、その結果、取締りが解除された衝撃振り子が弾の衝突による速度変換によって、第2導線が短絡される作動状態図であり、図5(a)は、第1導線の短絡前の状態を、図5(b)は、図4によって外側に押された遠心振り子が第1導線を短絡した状態を示す。図5(c)は、取締りが解除された衝撃振り子が弾の衝突による速度変換によって第2導線が短絡される状態をそれぞれ示しており、図6は、図3によって固定部材から分離された二つの遠心力振り子のうちの一つが下に形成された突起が下のロータの回転を取締りしてから弾の回転力によって外側に押されながらロータの取締りを解除し、本発明に係る自爆信管構造体が回転することによって開閉部の作動状態を示した平面図である。
【0024】
図1に示したように、本発明に係る自爆信管構造体は、大きく、上板構造体50、下板構造体10、基板モジュール20、第1安全構造体30及び第2安全構造体40で構成される。
【0025】
前記上板構造体50は、前記下板構造体10の上部に位置した構成で、内部には第1収容溝51が形成され、前記第1収容溝51と離れた位置に第2収容溝52が形成される。
【0026】
このような第1収容溝51と第2収容溝52は、後述される第1ピン11aと第2ピン12aが収容されて、前記第1ピン11aと第2ピン12aの上下方向の動きをガイドする役割を果たす。この時、安定的な作動のために、前記第1ピン11aと第2ピン12aがそれぞれ2つ、すなわち一対に備えられ、これに対応して、前記第1収容溝51と第2収容溝52もそれぞれ一対が中央部を中心として対称するように形成される。
【0027】
前記下板構造体10は、前記上板構造体50の下側に結合される構成で、前記上板構造体50の下側面に複数の第1結合突起53を円周方向に沿って形成し、これに対応して、前記下板構造体10の上側面に円周方向に沿って前記第1結合突起53と噛み合う第1結合溝13を形成して、正確な位置で安定的な結合が行われるようになる。
【0028】
そして、前記下板構造体10には、上側に結合される上板構造体50の第1収容溝51と第2収容溝52の位置にそれぞれ対応するように、第1案内孔11及び第2案内孔12が形成されて、それぞれ第1ピン11aと第2ピン12aが通過して上下に動くことができる構造が設けられる。
【0029】
この時、前記第1ピン11aは、前記第1案内孔11の上端に、前記第2ピン12aは、前記第2案内孔12の上端にそれぞれ載せられる形態にセッティングされ、前記第1案内孔11の中間部分には慣性スプリングである第1タングスプリング11bが備えられて、前記第1タングスプリング11b上に前記第1ピン11aが載せられ、同様に、前記第2案内孔12の中間部分には慣性スプリングである第2タングスプリング12bが備えられて、前記第2タングスプリング12b上に前記第2ピン12aが載せられる形態に初期セッティングされる。
【0030】
前記第1タングスプリング11b及び第2タングスプリング12bは、それぞれ第1ピン11aと第2ピン12aがそれぞれ前記第1案内孔11と第2案内孔12に沿って弱い衝撃や外力によって任意に動くことを防止するための構成で、榴弾の発射時にセットバックによる所定の力以上に加えられた時、前記第1ピン11aと第2ピン12aがそれぞれ第1案内孔11と第2案内孔12に沿って下側に動くことができるように機能する。
【0031】
前記基板モジュール20は、前記下板構造体10の下側に結合されるPCBに代表される回路基板で、正確な位置での堅固な結合のために、前記下板構造体10の下側面に複数の第2結合突起14を円周方向に沿って形成し、前記基板モジュール20の上側面に前記第2結合突起14と噛み合う第2結合溝20aを形成するようになる。
【0032】
前記基板モジュール20には、前記第1ピン11aの位置に対応して、予備電池21の設置のための第1貫通孔22と、第1導線23aが横切る形態に設置された第2貫通孔23と、第2導線24aが横切る形態に設置された第3貫通孔24と、前記第2ピン12aの位置に対応して、第2ピン12aの端部が通過されることができる大きさの第4貫通孔26がそれぞれ形成される。
【0033】
前記予備電池21は、電源供給のための電池で、通常は、非活性化状態で電源供給が行われない状態で、上側の第1ピン11aから加えられる衝撃を通じて活性化されて電源供給が行われる。
【0034】
この時、前記予備電池21を基板モジュール20の上側ではない前記第1貫通孔22の間に位置するようにすることで、前記予備電池21と前記第1ピン11aとの間での十分なストローク空間を確保することができ、確保された空間を通じて、前記第1ピン11aが加速されて、予備電池21を強く攻撃することができるようになる。
【0035】
図2は、第1ピンが予備電池21を攻撃する状態を示した断面図である。
【0036】
このような予備電池21は、外部の打撃を通じて活性化されて電気を発生させる電池で、予備電池21の上部に形成された左右に突出された電極の底面が前記基板モジュール20と電気的に連結され、本出願人が所有した韓国登録特許第10-1445616号公報を含めた多様な製品を適用することができるので、本発明の主旨が曖昧になることを防止するために、予備電池21に対する具体的な説明は省略する。
【0037】
前述したように、第1ピン11a及び第2ピン12aがそれぞれ一対ずつ
対称的に構成されることによって、基板モジュール20に備えられる第1貫通孔22、第2貫通孔23、第3貫通孔24及び第4貫通孔26もそれぞれ一対ずつ対称的に構成される。
【0038】
このような基板モジュール20の下側には、前記第2導線24aの短絡を通じて電気信号によって爆発するように設計された電気雷管25が設置される。
【0039】
前記第1安全構造体30は、前記基板モジュール20の下側に設置される構成で、同様に、正確な位置で堅固な結合が行われることができるように、前記下板構造体10の下側に突出された第2結合突起14が前記基板モジュール20に形成された第2結合溝20aを通じて支持され、下側に突出された状態で第1安全構造体30の第3結合溝30aがこれを収容する形態に結合される。
【0040】
このような第1安全構造体30には、前記第2貫通孔23の位置に対応して遠心力振り子31が、前記第3貫通孔24の位置に対応して衝撃振り子32がそれぞれ配置される。また、前記第1安全構造体30の中央には、前記電気雷管25が貫通し、下側のスピットバック73に近接することができるように、第1雷管孔33が形成される。
【0041】
前記遠心力振り子31と衝撃振り子32の配置のために、第1安全構造体に30は、遠心力振り子31と衝撃振り子32を収容するための遠心力振り子収容溝34、及び衝撃振り子収容溝35をそれぞれ備え、前記遠心力振り子収容溝34の場合、前記遠心力振り子31が中心から外側方向に遠心力によって所定の範囲に移動可能な大きさを有する。
【0042】
また、前記回路基板20に形成された第1貫通孔22に装着された予備電池21の下部が収容される予備電池収容溝36がさらに備えられる。
【0043】
前記遠心力振り子31の外側には初期遠心力振り子31が動かないように臨時固定する固定部材31aが設置され、前記遠心力振り子31と前記固定部材31aとの連結部位には、比較的簡単に判断可能にV字状の溝を形成し、前記第4貫通孔26を通過して移動する第2ピン12aが加える衝撃によって、前記固定部材31aと遠心力振り子31が分離されることができるようにする。
【0044】
また、前記遠心力振り子31には、初期位置で隣接して設置された衝撃振り子32が任意に上側へ突出されないように固定する固定突起31bとともに、上端には前記第2貫通孔23を通過して突出されて、前記第1導線23aを切断するための短絡突起31cが形成される。
【0045】
この時、安定的な作動のために、前記予備電池36、遠心力振り子31、衝撃振り子32、第2貫通孔23及び第3貫通孔24がそれぞれ2つ、すなわち一対に備えられ、一対が中央部を中心として対称となるように形成される。また、二つの遠心力振り子31のうち、遠心力によってスプリング38が圧縮されるように設置された遠心力振り子の下端に突起31dが前記第2安全構造体40のロータ43の回動を取締りし、弾の回転によって円周側へ押されると、第2安全構造体40に装着されたロータ43の取締りを解除し、また、ロータ43が移動した後、次の弾の回転が止まった時、圧縮されたスプリング38の復元力によって、ロータ43が戻ることを防ぐ役割もする。
【0046】
前記第2安全構造体40は、前記第1安全構造体30の下側に結合され、前記第1安全構造体30の下側面に複数の第3結合突起30bが円周に沿って形成され、これに噛み合う第4結合溝40aが第2安全構造体40の上側に形成されて、定位置での堅固な結合構造が設けられる。
【0047】
前記第2安全構造体40の下側にはスピットバック73が位置し、前記電気雷管25がスピットバック73に発火が容易になるように、第2雷管孔41が形成される。特に、安全装置として、初期第2雷管孔41を塞ぎ、爆発条件で第2雷管孔41を開放する開閉部42が設けられる。また、弾の回転によって一緒に回ることができるように、前記第2安全構造体40の下側面に複数の第4結合突起49が円周に沿って形成され、これに噛み合う第5結合溝71を通じて、前記第2安全構造体40は、弾の信管部ベースプレート70に結合される。
【0048】
前記第2安全構造体40の下側に位置した前記ベースプレート70には、スピットバック収容溝72が形成され、前記スピットバック収容溝72内にスピットバック73が位置し、前記第2安全構造体40の下側には、前記電気雷管25がスピットバック73に近接されて発火可能に第2雷管孔41が形成される。特に、安全装置として、初期第2雷管孔41を塞ぎ、爆発条件で、第2雷管孔41を開放する開閉部42が設けられる。
【0049】
このような前記開閉部42は、榴弾の発射特性を考慮して、遠心力によって開放が行われる構成で、このために、第2雷管孔41より大きい面積を有するロータ43が中央の第2雷管孔41の側面に偏心された回動軸42aを通じて設置される。
【0050】
この時、前記回動軸42aを通じて側方向に回動可能なロータ43には、回動する時、第2雷管孔41を開放することができる貫通部43aが形成される。すなわち、ロータ43は、初期前記第2雷管孔41と前記電気雷管25との間を遮断し、弾の回転の時、前記回動軸42aを中心として偏心遠心力によって回動して、前記貫通部43aが第2雷管孔41の位置に合わせられ、スピットバック73が電気雷管25と位置整列して火炎が伝達されることができるように、機械式武装(Arming)をする。
【0051】
このような動作のために、ロータ43は、回動軸42aを中心として面積の広い開閉側部分が前記第2雷管孔41を覆うことができるように形成され、このようなロータ43の開閉側部分の外周面が、それぞれ回動軸42aを中心とする円弧を有する状態で、後述される第1ギア45aと噛み合う43bが形成される。また、前記回動軸42aを基準として貫通部43aの反対部分である回動側には、相対的に重い重量部43cが形成されて、遠心力によるロータ43の回転が円滑になる。
【0052】
前記ロータ43は、発射初期に安全距離内の爆発を防止するための安全装置であるので、初期の動きを遮断するように固定された状態で、弾が安全距離を飛行した後、機械式武装をする。
【0053】
このために、前記第1安全構造体30の遠心力振り子31の一つが用いられ、選択された遠心力振り子31の下側に、第1安全構造体30の下側に突出されて、前記ロータ43に接して回転を阻止する支持突起31dが形成され、これに対応して、前記第1安全構造体30には、前記支持突起31dが下側へ貫通した状態で動くことができるように、第5貫通孔37が形成される。
【0054】
すなわち、前記遠心力振り子31の初期位置で、前記支持突起31dは、前記ロータ43が動かないように固定した状態を保持するようになり、遠心力によって遠心力振り子31が外側方向に動きながら、前記ロータ43と離れて回動が行われることができるように構成される。
【0055】
この時、前記ロータ43には、初期位置で、前記遠心力振り子31に接触する突起が形成され、ロータ43を支持する役割の遠心力振り子31の外側に遠心力振り子31を中心として押すためのスプリング38を構成することができる。
【0056】
この時、前記ロータ43が早く開閉されて、安全範囲内で弾が武装されることを防止するように、ロータ43の側面には回転速度を適切に低減するための速度調節部46が設置される。このような速度調節部46は、前記ロータ43の回動軸を中心として、外周面にギア43bが形成され、ギアの反対側には重量部43cが形成され、上側で前記ロータ43のギア43bと噛み合って回転し、ロータ43の回転速度を減速させる変換ギア部45と、前記変換ギア部45に接触して、変換ギア部35の回転速度を減速する減速部とが装着されることが好ましい。
【0057】
本発明の実施例では、第2安全構造体40の下部に位置したベースプレート70のスピットバック収容溝72にスピットバック73が位置し、第2雷管孔41が開放されることによって、上側の電気雷管25の点火によって、スピットバック73を起爆する実施例を記載している。
【0058】
図8は、本発明の他の実施例に係る開閉部がベースプレートと結合した状態を示した状態図であり、前述した構造を変形して、前記ロータ43が遠心力を通じて移動する時、前記第2雷管孔41と直線に連通されることができる貫通部43aに電気雷管とスピットバックとの間に位置するように、連結火薬48を設置した後、電気雷管25と重なった状態で起爆されるようにすることにより、爆圧が第2雷管孔25を通過して第2安全構造体40の下部に設置されたスピットバック73を点火させるようにする方式でも実施可能である。
【0059】
次に、前述の構成からなる自爆信管構造体の作動過程は次の通りである。
【0060】
まず、榴弾が発射される時、図2のように、榴弾の発射推進力として作用する強いセットバックによって、前記第1ピン11aが支持していた第1タングスプリング11bの作用力を押して動き、第1案内孔11に沿って動くようになり、前記予備電池21を打撃すると、予備電池21が活性化されて、電気を発生して、前記基板モジュール20に電源を供給する。
【0061】
また、図3~4のように、榴弾が発射される時、前記第1ピン11aとともに、第2ピン12aもセットバックによって第2タングスプリング12bの支持が解除されて、第2案内孔12に沿って移動し、前記第4貫通孔26を貫通して、前記遠心力振り子31と固定部材31aを攻撃しながら、前記固定部材31aから遠心力振り子31を分離させて移動可能にする。
【0062】
その後、図5のように、遠心力によって、前記遠心力振り子31が外側に装着されたスプリング38の作用力を勝って加圧しながら、遠心力振り子収容溝34に沿って外側に押され、遠心力振り子31が外側へ移動するにつれて、遠心力振り子31に形成された短絡突起31cが第1導線23aを短絡させて、安全が解除されて、前記電気雷管25の起爆のための準備が行われる。
【0063】
また、遠心力振り子固定部材31aの反対側に形成された固定突起31bが前記衝撃振り子32の取締りを解除すると、弾の衝撃の時、第2導線24aを短絡させて電気雷管25を起爆させる。この時、弾が安全距離を離れた後、武装になるように回路の電子的制御をする。
【0064】
また、前記第2安全構造体40に備えられた前記開閉部42の動作原理は、次の通りである。
【0065】
図6のように、榴弾の推進中に発生する遠心力によって遠心力振り子31が移動することにつれて、遠心力振り子31の下側に形成されて、ロータ43の回転を防止する支持突起31dが第5貫通孔37に沿って移動してロータ43と離れるので、ロータ43は固定が解除されて、回動軸42aを中心として面積の広い開閉側が外側に向かって遠心力を受けて回動するようになる。
【0066】
この時、ロータ43の開閉側の外周面に形成されたギア43bが、第1ギア部45a及び第2ギア部45bが形成された変換ギア部45と噛み合って、ロータ43の回転速度が減少され、前記変換ギア部45とこれに接触して変換ギア部45の回転速度を減速する減速部によって、ロータ43の回転する速度が適切に調節された状態で第2雷管孔41が開放されて、電気雷管25が下側に形成されたスピットバック73を起爆させることができるようになる。
【0067】
このように、速度調節部46が前記ロータ43の開放速度を低減して、榴弾が安全距離内で第2雷管孔41が開放されてスピットバック73が起爆される状況を防止することができる。
【0068】
また、榴弾が目標物にぶつかった時、前記衝撃振り子32が慣性によって第3貫通孔24を通過して上側に突出されて、第3貫通孔24に装着されている第2導線24aを切って短絡させる。
【0069】
この時、第2導線24aの短絡によって発生する電流が電気雷管25に印加されて電気雷管25が起爆すると、スピットバック73が点火され、その後、榴弾本体にあるブースターに火がついてメイン火薬が爆発することにより榴弾が爆発するようになる。
【0070】
また、前記榴弾に衝撃が加えられたにも衝撃振り子32が第2導線24aを切ることができなくて不発される状況に備えるために、前記基板モジュール20には、追加的な電子スィッチを設けて、設計者が意図する時間が経過した後に自爆が行われて不発弾殺生を遮断することが好ましい。
【0071】
このように、基本的に、第2導線24aが衝撃振り子32によって切れることによって、電気雷管25が動作することができるが、榴弾の衝突角度によっては、上板構造体50から下板構造体10及び基板モジュール20の破損及び形状が変形され、衝撃振り子32が第2導線24aを切ることができない場合が発生する可能性がある。
【0072】
図7は、本発明の他の実施例に係る基板モジュールの状態を示した斜視図で、第2導線24aの設置範囲を第3貫通孔24の外部に確張して、言及した基板モジュール20の破損を直ちに感知することができるように構成した状態を示している。
【0073】
すなわち、基板モジュール20の外周に沿って第2導線24a′を囲む形態に構成することにより、多様な衝突角で、基板の損傷が発生した場合、第2導線24a′が切れるような効果を生じて、電気雷管25が動作するようにすることにより、弾の破損による不発弾の発生を防止することができる。
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3(a)】
図3(b)】
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
図4(d)】
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図6(a)】
図6(b)】
図7
図8
【国際調査報告】