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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(54)【発明の名称】組織を切除するための医療システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525166
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(85)【翻訳文提出日】2022-06-24
(86)【国際出願番号】 US2020058852
(87)【国際公開番号】W WO2021091991
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】62/930,721
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ヘンチー、トラビス
(72)【発明者】
【氏名】スコット、セレナ
(72)【発明者】
【氏名】バグリー、ケビン エル.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK37
4C160KK63
(57)【要約】
医療システムは、組織を切除するためのカテーテル(101)であって、遠位端部を含む可撓性の長手方向本体と、長手方向本体の遠位端部から遠位に延びる遠位部分とを含む、カテーテル(101)を備えることができる。遠位部分は、複数の電極(103)を含むことができる。医療システムはまた、カテーテルに結合された1つまたは複数の制御ユニット(112)であって、(1)複数の電極のそれぞれに対する電気エネルギーの供給を制御し、(2)カテーテルの遠位部分の位置を自動的に制御するように構成される、1つまたは複数の制御ユニット(112)を備えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を切除するためのカテーテルであって、
遠位端部を含む可撓性の長手方向本体と、
長手方向本体の前記遠位端部から遠位に延びる遠位部分であって、複数の電極を含む、遠位部分とを含む、カテーテルと、
前記カテーテルに結合された1つまたは複数の制御ユニットであって、(1)前記複数の電極のそれぞれに対する供給電気エネルギーを制御し、(2)前記カテーテルの前記遠位部分の位置を自動的に制御するように構成される、1つまたは複数の制御ユニットとを備える、医療システム。
【請求項2】
前記カテーテルを近位および遠位に移動させるように構成された駆動システムをさらに備え、
前記駆動システムが、前記1つまたは複数の制御ユニットと通信し、前記制御ユニットによって制御される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の電極のそれぞれに対して電気エネルギーを提供するために前記1つまたは複数の制御ユニットに結合され、前記制御ユニットによって制御される発電機と、
患者の解剖学的構造の画像を作り出すように構成された走査装置とをさらに備える、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つまたは複数の制御ユニットが、前記複数の電極のそれぞれのインピーダンスを監視し、監視された前記インピーダンスに基づいて、前記複数の電極のそれぞれに対して供給される電気エネルギーを調整するように構成される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の電極による切除の標的とされる組織の領域をユーザが選択することを可能にするように構成されたグラフィカル・ユーザ・インターフェースをさらに備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つまたは複数の制御ユニットが、走査装置によって作り出された少なくとも1つの画像に基づいて、前記複数の電極のうちの少なくとも1つに対して供給される電気エネルギーの量を調整するように構成される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つまたは複数の制御ユニットが、複数の記憶された切除パターンを含み、それぞれの記憶された切除パターンは、前記複数の電極のそれぞれごとの出力エネルギー・レベルを含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記カテーテルが、前記カテーテルの近位部分から前記遠位部分まで延びる内部要素を含み、
前記内部要素が、前記遠位部分の径方向内側の表面と接触する径方向に最も外側の表面を備えた遠位突起部を含み、
前記内部要素が、前記遠位部分および前記長手方向本体内に配置され、前記遠位部分および前記長手方向本体に対して移動可能であり、
前記内部要素が、前記複数の電極のそれぞれに対して、前記複数の電極のうちの他の電極から独立して電気エネルギーを伝送するように構成される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記カテーテルが、前記遠位部分内に配置された超音波プローブを含み、
走査装置が、前記超音波プローブの位置を検出するように構成される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記カテーテルの前記遠位部分が、拡張可能であり、内部分と外部表面とを含み、
前記複数の電極のそれぞれが、前記内部分から前記外部表面まで延びる、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記カテーテルの前記遠位部分が、円筒状であり、円錐遠位部分と円錐近位部分とを含み、
前記複数の電極が、前記遠位部分の径方向に最も外側の部分の周りに格子パターンを形成する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記遠位突起部が、各電極と接触したときに前記複数の電極のそれぞれを独立的に活性化するように構成され、前記遠位突起部は、長手方向に並進し、前記遠位部分に対して回転するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数の電極のそれぞれが、近位リード線に接続されず、
前記遠位突起部が、湾曲している、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記駆動システムが、前記カテーテルを長手方向に並進させ、前記カテーテルの長手方向軸の周りで前記カテーテルを回転させるための複数のモータを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つまたは複数の制御ユニットが、前記複数の電極のそれぞれに対して電気エネルギーを独立的に供給するように構成される、請求項1乃至14のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示のさまざまな態様は、一般に、組織のラジオ波焼灼を含む、組織切除に関する。より詳細には、本開示の少なくとも特定の実施形態は、他の態様の中でも、組織を切除するためのシステム、デバイス、および関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術的進歩により、医療システム、デバイス、および方法のユーザは、被検者に対してますます複雑な処置を行えるようになってきている。組織の切除は、たとえば、組織を切除するためにラジオ波エネルギーを伝達するデバイスを使用することを伴うことが多い。いくつかの例では、ユーザは、所望の組織を治療するための一定の電力および切除時間期間を設定することによって管理される、ラジオ波焼灼治療アルゴリズムを実施することができる。この方法からの組織切除ゾーンは、臨床医が治療中、直接的な視覚化を有することができず、標的とされる組織の正確な治療を確認するための治療中および治療後のフィードバックが限定され得るため、治療を必要とする組織の大まかな推定となり得る。いくつかの例では、そのような治療アルゴリズムの結果、電気外科術に関連する負傷数が増大し得る。たとえば、健康な組織の一部が、不注意に切除されることがある。このおよび/または他の難点に対処する電気外科的デバイスおよびシステムが、必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の態様は、とりわけ、組織を切除するためのシステム、デバイス、および方法に関する。本明細書において開示される態様のそれぞれは、他の開示される態様の任意のものに関連して説明される特徴の1つまたは複数を含むことができる。
【0004】
医療システムは、組織を切除するためのカテーテルであって、遠位端部を含む可撓性の長手方向本体と、長手方向本体の遠位端部から遠位に延びる遠位部分とを含む、カテーテルを備えることができる。遠位部分は、複数の電極を含むことができる。医療システムはまた、カテーテルに結合された1つまたは複数の制御ユニットであって、(1)複数の電極のそれぞれに対する供給電気エネルギーを制御し、(2)カテーテルの遠位部分の位置を自動的に制御するように構成される、制御ユニットを備えることができる。
【0005】
本明細書において開示されるシステムおよびデバイスのいずれも、以下の特徴のいずれかを有することができる。駆動システムは、カテーテルを近位および遠位に移動させるように構成されてもよく、駆動システムは、1つまたは複数の制御ユニットと通信し、この制御ユニットによって制御され得る。発電機が、複数の電極のそれぞれに対して電気エネルギーを提供するために1つまたは複数の制御ユニットに結合され、この制御ユニットによって制御され得る。そして走査装置は、患者の解剖学的構造の画像を作り出すように構成され得る。1つまたは複数の制御ユニットは、複数の電極のそれぞれのインピーダンスを監視し、監視されたインピーダンスに基づいて、複数の電極のそれぞれに対して供給される電気エネルギーを調整するように構成され得る。グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、複数の電極による切除の標的とされる組織の領域をユーザが選択することを可能にするように構成され得る。1つまたは複数の制御ユニットは、走査装置によって作り出された少なくとも1つの画像に基づいて、複数の電極の少なくとも1つに対して供給される電気エネルギーの量を調整するように構成され得る。1つまたは複数の制御ユニットは、複数の記憶された切除パターンを含むことができ、それぞれの記憶された切除パターンは、複数の電極のそれぞれごとの出力エネルギー・レベルを含むことができる。カテーテルは、カテーテルの近位部分から遠位部分まで延びる内部要素を含むことができる。内部要素は、遠位部分の径方向内側の表面と接触する径方向に最も外側の表面を備えた遠位突起部を含むことができ、内部要素は、遠位部分および長手方向本体内に配置され、遠位部分および長手方向本体に対して移動可能であってもよく、内部要素は、複数の電極のそれぞれに対して、複数の電極の他のものから独立して電気エネルギーを伝送するように構成され得る。カテーテルは、遠位部分内に配置された超音波プローブを含むことができる。走査装置は、超音波プローブの位置を検出するように構成され得る。カテーテルの遠位部分は、拡張可能であってもよく、内部分と外部表面とを含むことができ、複数の電極のそれぞれは、内部分から外部表面まで延びる。カテーテルの遠位部分は、円筒状であってもよく、円錐遠位部分と円錐近位部分とを含むことができる。そして複数の電極は、遠位部分の径方向に最も外側の部分の周りに格子パターンを形成することができる。遠位突起部は、各電極と接触したときに複数の電極のそれぞれを独立的に活性化するように構成されてもよく、遠位突起部は、長手方向に並進し、遠位部分に対して回転するように構成されてもよい。複数の電極のそれぞれは、近位リード線に接続されなくてもよく、遠位突起部は湾曲してもよい。駆動システムは、カテーテルを長手方向に並進させ、カテーテルの長手方向軸の周りでカテーテルを回転させるための複数のモータを含むことができる。1つまたは複数の制御ユニットは、複数の電極のそれぞれに対して電気エネルギーを独立的に供給するように構成され得る。
【0006】
別の例では、医療システムは、組織を切除するためのカテーテルであって、遠位端部を含む可撓性の長手方向本体と、長手方向本体の遠位端部から遠位に延びる遠位部分であって、複数の電極を含む、遠位部分とを含む、カテーテルを備えることができる。医療システムはまた、カテーテルに結合された1つまたは複数の制御ユニットであって、(1)複数の電極のそれぞれに対して独立的に電気エネルギーを供給し、(2)カテーテルの遠位部分の位置を自動的に制御するように構成される、制御ユニットを備えることができる。医療システムは、さらに、カテーテルを近位および遠位に移動させるように構成された駆動システムを備えることができる。駆動システムは、1つまたは複数の制御ユニットと通信し、この制御ユニットによって制御され得る。また、医療システムは、複数の電極のそれぞれに対して電気エネルギーを提供するために1つまたは複数の制御ユニットに結合され、この制御ユニットによって制御される、発電機を備えることができる。
【0007】
本明細書において開示されるシステムまたはデバイスのいずれも、以下の特徴のいずれかを有することができる。カテーテルの遠位部分は、拡張可能であってもよく、内部分と外部表面とを含むことができ、複数の電極のそれぞれは、内部分から外部表面まで延びることができる。
【0008】
組織を治療するための方法は、遠位部分の複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が治療ゾーンに隣接するように、治療ゾーンの近位にカテーテルの遠位部分を配置する工程を備えることができる。方法はまた、制御ユニットを介して、複数の電極のうちの少なくとも1つの電極を活性化して治療ゾーンの組織を治療する工程を備えることができる。方法は、さらに、治療ゾーンに対してカテーテルの遠位部分を自動的に移動させる工程と、制御ユニットを介して、複数の電極のうちの少なくとも1つの他の電極を活性化して治療ゾーンの組織を治療する工程とを備えることができる。
【0009】
本明細書において開示される方法のいずれも、以下の工程または特徴のいずれかを含むことができる。方法は、さらに、複数の電極のうちの少なくとも1つの電極の測定されたインピーダンスに基づいて、複数の電極のうちの少なくとも1つの電極に対して供給される電気エネルギーの量を調整する工程を備えることができる。方法はまた、遠位部分に対してカテーテルの内部構成要素を移動させて複数の電極のうちの別の電極を活性化する工程を備えることができる。
【0010】
前述の全般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例示的および説明的にすぎず、特許請求される発明を制限するものではないことが理解され得る。
本明細書に援用され、その一部を構成する添付の図は、本開示の例示的な態様を示し、説明と一緒になって本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の態様による、例示的な医療切除システムの概略図。
図2A】本開示の態様による、例示的な医療デバイスの一部および切除形状の側面図。
図2B】本開示の態様による、例示的な医療デバイスの一部および別の切除形状の側面図。
図2C】本開示の態様による、例示的な医療デバイスの一部および別の切除形状の側面図。
図2D】本開示の態様による、例示的な医療デバイスの一部および別の切除形状の側面図。
図3】本開示の態様による、体管腔内に配置された例示的な医療デバイスの一部の側面図。
図4】本開示の態様による、例示的な医療デバイスの一部の側面図。
図5】本開示の態様による、例示的な医療デバイスの一部の前部断面図。
図6】本開示の態様による、例示的な医療デバイスの一部の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、態様の中でも、組織を切除する、切開する、擦り取る、水分除去する、または別の形で損傷もしくは破損するためのシステム、デバイス、および方法に向けられる。次に、本開示の態様に対して詳細に参照がなされ、その例は、添付の図に示される。可能な限り、同じまたは同様の部分を指すために、同じまたは類似の参照番号が、図を通して使用される。用語「遠位」は、患者体内にデバイスを導入するときにユーザから最も遠くにある部分を指す。対照的に、用語「近位」は、患者体内にデバイスを留置するときにユーザに最も近い部分を指す。本明細書で使用されるとき、用語「備える」、「備えている」、またはその任意の他の変形形態は、非排他的包含を対象とするように意図され、それにより、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの要素だけを含むのではなく、明示的にリストされていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置固有である他の要素を含むことができる。用語「例示的」は、「理想」ではなく「例」の意味で使用される。
【0013】
本開示の実施形態は、腔内空間内で組織を切除するために、またはそのプロセスを容易にするために使用され得る。特に、いくつかの実施形態は、複数の電極を含む拡張可能または膨脹可能なデバイスを含む。デバイスは、内視鏡作業チャネルまたはデバイスを案内するための他の構造を通して標的組織に送達されてもよく、または内視鏡無しで独立的に標的組織部位に送達されてもよい。いくつかの例では、デバイスは、近位ポートから遠位に送られてもよく、またはデバイスを患者の体内に挿入する前に、内視鏡、胃内視鏡、大腸内視鏡、可撓性カテーテルまたは他の医療デバイス作業チャネルを通して逆に送られてもよい。本明細書において論じられるデバイスのすべてまたは一部は、金属製、複合材、プラスチックであることができ、または形状記憶金属(ニチノールなど)、形状記憶ポリマー、ポリマー、もしくは生体適合性材料の任意の組み合わせを含むことができる。
【0014】
図1は、本開示の実施形態による例示的な外科システム100を示す。システム100は、カテーテル・デバイス101と、走査装置106と、制御ユニット112と、発電機110と、ロボット・コンピュータ制御装置114と、表示装置116と、モータ組立体108とを含むことができる。カテーテル・デバイス101は、患者の体管腔を通って移動し、カテーテル・デバイス101の遠位部分102の外部表面上の1つまたは複数の電極103を使用して組織を切除するように構成される。カテーテル・デバイス101は、腹腔鏡もしくは内視鏡処置などの低侵襲外科処置、または任意の他の適切な医療処置中に使用され得る。カテーテル・デバイス101は、ラジオ波焼灼に使用されてもよく、ラジオ波によって生み出された電流を組織に対して印加するように構成されてもよい。
【0015】
図1に示されるように、カテーテル・デバイス101は、遠位部分102と、近位伸張部105と、遠位部分102の表面上に配置された1つまたは複数の電極103とを含むことができる。遠位部分102は、円筒状であってもよく、テーパにされた円錐形状の近位および遠位端部を有することができる。遠位部分102の近位端部は、最も近位の端部に向けて径方向内向きにテーパにされてもよく、最も近位の端部は、近位伸張部に結合されてもよい。遠位部分102は、拡張可能または膨脹可能な本体であってもよく、近位伸張部105の管腔(図示されず)を遠位部分102の内部空洞に接続する近位管腔(図示されず)を含むことができる。1つまたは複数の電極103は、遠位部分102の外部表面上に配置され得る。いくつかの例では、複数の電極103が、遠位部分102の表面上に配置されてもよく、近位伸張部105内に配置された1つまたは複数のワイヤ(リード線)を通して制御ユニット112にそれぞれ接続されてもよい。いくつかの例では、各電極103は、1つまたは複数のワイヤ、または遠位部分102の内部表面上にプリントされた他の導電体を通して制御ユニット112に接続され得る。いくつかの例では、各電極103は、個々に制御されてもよく、遠位部分102上の電極103は交互に、並置する正極または負極に接続されてもよい。たとえば、遠位部分102は、正電極103が負電極103に隣接する状態のバイポーラ・デバイスであってもよい。いくつかの例では、電極103は、遠位部分102の表面上に格子を形成することができる。電極103は、遠位部分102の長手方向軸の周りを円周方向に延びることができるパターンを遠位部分102の表面上に形成することができる。パターンは、たとえば、複数の長手方向列の電極103と、離間された電極103の複数の円周方向リングとを含むことができる。いくつかの例では、電極103は、円形であってもよく、および/または遠位部分102は、少なくとも5個、10個、15個、20個、24個、50個または100個の電極103を含むことができる。いくつかの例では、電極103は、遠位部分102の中央長手方向軸に対して遠位部分102の径方向外側の表面の一部または全体にわたる格子パターンなどの格子パターンで均等に離間され得る。いくつかの例では、電極103は、遠位部分102の中央長手方向軸に対して遠位部分102の径方向に最も外側の表面のみにわたって格子パターンで均等に離間され得る。いくつかの例では、各電極103は、遠位部分102の外部表面から突起することができ、他の例では、各電極は、遠位部分102の外部表面と同一平面であることができる。遠位部分102の外部表面は、可撓性、圧縮性、および/または屈曲性であってもよく、患者の解剖学的構造の不規則な表面に適合するように構成され得る。各電極103は、制御ユニット112と通信することができ、それにより、制御ユニット112は、各電極103のインピーダンスおよび他の電気特性を監視し、各電極103への電力/電流を制御することができる。
【0016】
遠位部分102は、膨脹可能または別の形で拡張可能であってもよく、柔軟なおよび/または非柔軟な材料を含むことができ、近位伸張部105を通って延びる管腔(図示されず)に流体的に接続され得る。空気、生理食塩水、または別の流体が、遠位部分102を膨脹させるために管腔内に投入され得る。他の例では、遠位部分102は、剛性であってもよい。近位伸張部105は、円筒状であってもよく、体管腔を通して遠位部分102を並進、回転、または別の形で移動させるように構成され得る。たとえば、近位伸張部105は、可撓性であってもよく、体管腔の蛇行経路を通って屈曲するように構成されてもよく、また、近位伸張部105が遠位に並進されるときに、体管腔を通して遠位部分102を並進させるのに十分な剛性であってもよい。近位伸張部105の近位部分は、制御ユニット112に結合され得る。
【0017】
制御ユニット112は、カテーテル・デバイス101とインターフェース接続して電流を1つまたは複数の電極103に提供し、各電極103のインピーダンスを監視することができ得る。制御ユニット112は、走査装置106、表示装置116、発電機110、ロボット・コンピュータ制御装置114、モータ108、および/またはカテーテル・デバイス101に結合され、通信することができる。制御ユニット112は、電気取り出し口および/または発電機110などの外部源によって給電され得る。制御ユニット112は、制御ユニット112の1つまたは複数のプロセッサを制御するために、ボタン、ノブ、タッチスクリーン、1つまたは複数のグラフィカル・ユーザ・インターフェース、または他のユーザ・インターフェースを含むことができる。いくつかの例では、表示装置116は、制御ユニット112用のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを提供することができ、表示装置116は、制御ユニット112またはシステム100の他のデバイスから受信されたデータを表示するための1つまたは複数のモニタからなることができる。制御ユニット112は、ユーザが、帯電させる電極103を変え、モータ組立体108を介してカテーテル・デバイス101の配置を調整し、および/または事前に設定された電気刺激パターンをカテーテル・デバイス101に対して適用することなどによって、カテーテル・デバイス101に対して適用される電気刺激のパターンを設定することができるように構成され得る。たとえば、制御ユニット112は、ユーザまたはアルゴリズムの選択に応じて、電極103のグループを活性化させ、これに対して電力を供給するように構成され得る。いくつかの例では、制御ユニット112は、各電極103に対して供給される電力を独立的に調整するように構成され得る。制御ユニット112は、カテーテル・デバイス101、または1つまたは複数の電極103などのカテーテル・デバイス101の構成要素の温度、インピーダンス、位置、または他のパラメータに関する情報を受信し、監視するように構成され得る。
【0018】
モータ組立体108は、1つまたは複数のモータを含むことができ、患者の体管腔を通してカテーテル・デバイス101を移動させるように構成され得る。モータ組立体108は、1つまたは複数の回転モータと、1つまたは複数の並進モータとを含むことができ、カテーテル・デバイス101の近位部分を受け入れるように構成され得る。モータ組立体108は、カテーテル・デバイス101を(並進および/または回転を含んで)移動させるように構成されてもよく、制御ユニット112から命令を受信することができる。ロボット・コンピュータ制御装置114は、制御ユニット112の一部であってもよく、または別個のものであって制御ユニットに接続されてもよい。いくつかの例では、ユーザは、マウス、ノブ、タッチスクリーン、または他のユーザ・インターフェースなどを介して、ロボット・コンピュータ制御装置114と対話することができ、ロボット・コンピュータ制御装置は、命令を直接的にモータ組立体108に中継するか、または制御ユニット112を通してモータ組立体108に中継する。いくつかの例では、ユーザは、カテーテル・デバイス101の近位端部を制御ユニット112に結合する前に、カテーテル・デバイス101の近位部分をモータ組立体108を通して挿入することができる。いくつかの例では、モータ組立体108は、患者の体の標的領域内にカテーテル・デバイス101をロボ的に配置するための手段を提供することができる。
【0019】
走査装置106は、三次元断層撮影(CT)走査装置、超音波走査装置、または患者の解剖学的構造を走査し、患者の解剖学的構造の画像を撮影し、および/または患者の解剖学的構造の画像を記憶するための任意の他のタイプの走査装置であってもよい。走査装置106は、患者の体内の治療ゾーンを撮像し、表示のために制御ユニット112に画像を出力するように構成され得る。いくつかの例では、走査装置106は、カテーテル・デバイス101が患者の体を通って移動するときにカテーテル・デバイス101を検出するように構成され得る。走査装置106は、カテーテル・デバイス101が使用される処置中に制御ユニット112がリアルタイムの画像を受信するように、制御ユニット112に動作可能に結合され得る。いくつかの例では、走査装置106は、患者の組織の切除の量を撮像するように構成され得る。
【0020】
いくつかの例では、ユーザは、最初に走査装置106を使用して患者の体内の治療ゾーンを撮像することによって、システム100を使用して処置を行うことができる。たとえば、ユーザは、コンピュータ断層撮影(CT)走査を使用して患者の体を走査し、たとえば体管腔を含む患者の解剖学的構造の三次元画像を生成することができる。ユーザは、次いで、制御ユニット112および表示装置116を使用して、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を介して患者の解剖学的構造の三次元画像を表示することができる。治療ゾーンが画像内で識別された後、ユーザは、次いで、GUIを使用して、治療するための組織の凡その量(たとえば画像内に示される、切除するための組織の凡その量)を選択することができる。いくつかの例では、制御ユニット112は、次いで、選択された標的組織のセグメント領域に対して画像の閾値処理、レジストレーション、および行列変換を選択し、実施することができる。いくつかの例では、画像の閾値処理は、特定の色強度(または閾値の色強度)間でボクセルを識別し、形状を識別するためのアルゴリズムに従って、ボクセルの集まりを識別する方法を含むことができる。画像の閾値処理変換を当技術分野で知られている他の画像処理技術と共に使用して、ボクセルおよび/またはピクセル色強度に基づいて形状を識別することにより、患者体内の罹患組織の場所の識別が容易になり得る。いくつかの例では、ボクセルおよび/またはピクセル色強度は、CT走査装置によって生み出された画像内の組織密度と相関付けることができる。
【0021】
画像のレジストレーションは、たとえば、最初の走査からの画像を使用することによって、三次元空間内の座標を画像内の各ボクセルに関連付ける方法を含むことができる。次いで、次に続く画像を作り出す次に続く走査が、最初の走査と比較されてもよく、次に続く走査からの画像内の各ボクセルの座標が、最初の走査からの画像内の各ボクセルの座標と比較されてもよく、それによって、三次元空間内で、次に続く画像内の各ボクセルが位置付けられた場所をユーザが識別することが可能になり得る。画像のレジストレーションの方法はまた、行列変換を適用して、最初の走査画像内に示される最初の開始位置から、次に続く走査からの画像内に示される新しい位置までの空間内における各ボクセルの並進および回転に関する情報を得ることを含むことができる。この方法は、当技術分野で知られている任意の画像処理手段によって実施され得る。画像のレジストレーションは、他の態様の中でも、罹患組織の配置を追跡するために使用され得る。
【0022】
たとえば、制御ユニット112は、患者の解剖学的構造の1つまたは複数の画像内に示される所望の治療ゾーンのグラフィカル・オーバーレイを生成することができる。ユーザが治療ゾーンを選択し、制御ユニット112が切除する組織の量を算出した後、制御ユニット112は、切除計画を算出することができる。切除計画は、活性化するカテーテル・デバイス101の特定の電極103、および遠位部分102が治療ゾーンの近位にまたは治療ゾーンに配置された後に各電極に対して印加される電気エネルギーの特定の量を特定することによって、治療ゾーンを切除するために、システム100、詳細にはカテーテル・デバイス101をどのように使用するかについての外科計画であってもよい。たとえば、切除計画は、可変の形状、深さ、および長さの複数の重複切除を伴うことができる。いくつかの例では、切除計画は、切除される健康な組織の量を最小限にしながら、治療ゾーンのすべてを包含することを目的とする。たとえば、切除計画は、治療ゾーンの不健康な組織を標的とする形状の切除ゾーンを作り出すために、特定のグループの電極103を活性化するための命令を含むことができる。いくつかの例では、切除計画は、モータ組立体108を使用して治療ゾーンに遠位部分102を配置するために、モータ組立体108向けの特定の命令を含むことができる。切除計画は、治療ゾーンにカテーテル・デバイス101の遠位部分102を配置するために実行するロボット・コンピュータ制御装置114向けの命令を含むことができる。いくつかの例では、ユーザは、切除計画を確認することができ、必要に応じて、GUIを介して切除計画に調整を加えることができる。
【0023】
切除計画を実行するとき、ユーザは、選択された治療ゾーンの近位におよび/またはその治療ゾーンに遠位部分102を配置することができる。たとえば、ユーザは、活性化部分、または遠位部分102の、電極103が配置された部分を治療ゾーンと整列させることができる。ユーザは、走査装置106を使用して遠位部分102の配置を監視することができ、患者の体内の遠位部分102の配置を表示装置116を介して視覚化することができる。いくつかの例では、制御ユニット112は、治療ゾーンにおける遠位部分102の位置の、走査装置106によって生成された画像を使用して算出された基準点を作り出し、記憶することができる。基準点または基準位置は、治療ゾーンの最初の走査からの最初の画像を使用して作り出された遠位部分102の最初の状態および/または最初の位置であってもよい。いくつかの例では、基準点または基準位置は、選択された治療ゾーンを治療する前にユーザが識別する開始位置であってもよい。基準点は、治療ゾーンに対する遠位部分102の必要とされる移動を算出するために、制御ユニット112によって使用され得る。
【0024】
基準点が制御ユニット112内に確立され記憶された後、制御ユニット112は、前に概説された切除計画に従って、モータ組立体108を使用してカテーテル・デバイス101を治療の開始点まで移動させることができる。いくつかの例では、制御ユニット112は、命令をモータ組立体108に対して送信して、たとえば、近位ハンドルからの人による機械的入力無しに、自動的にカテーテル・デバイス101を移動させることができる。カテーテル・デバイス101、詳細には遠位部分102が開始点に配置された後、制御ユニット112は、発電機110を活性化させ、所定の電力および電圧限界設定値のエネルギーを特定のグループの電極103に対して供給することができる。特定の選択された電極103に対して所定の量のエネルギーを供給することにより、システム100は、切除計画内で確立された、計画された形状の切除と同様の形状の切除を作り出すことができる。いくつかの例では、制御ユニット112は、電極103のそれぞれからのリアルタイムのインピーダンス・フィードバックを測定することができ、測定されたインピーダンス・フィードバックに基づいて、電極103のそれぞれに対して供給されるエネルギーを能動的に調整することができる。いくつかの例では、カテーテル・デバイス101の遠位部分102は、最初の形状の切除が治療ゾーンに対して適用された後に移動されてもよく、次いで、制御ユニット112は、所定の量のエネルギーを異なる、特定の選択されたグループの電極103に対して供給することができる。このプロセスは、全治療ゾーンが切除されるまで繰り返され得る。いくつかの例では、制御ユニット112は、電極103のそれぞれからの測定されたインピーダンス・フィードバックに基づいて、新しい切除計画を自動的に算出することができる。
【0025】
カテーテル・デバイス101を使用した切除の後、ユーザは、次いで、走査装置106を使用してCTまたは他の医療画像を取得することができ、新しく取得された画像と、切除計画を作り出すために使用された画像を比較することができる。標的とされる組織(罹患組織など)を示す画像および切除された組織を示す画像は、次いで、互いに位置合わせされ、比較されて、切除治療の程度を定量化し、必要とされる組織のすべてが切除されていることを確認することができる。標的組織の一部分が残っている場合、ユーザは、次いで、残っている組織を切除するための新しい切除計画を作り出すことができる。
【0026】
図2A~2Dは、活性化するカテーテル・デバイス101の特定の電極203を選択することによって作り出されたさまざまな切除パターンを示す。各切除ゾーン214、215、220、225、230は、切除された組織の部分を表すことができ、各切除ゾーン214、215、220、225、230は、各電極203に対して供給される電気エネルギーの調節および遠位部分202の移動を介して形成され得る。図2Aは、遠位部分202、電極203、近位伸張部205を含むカテーテル・デバイス201と、切除パターン213とを示す。切除パターン213は、中央領域214と、2つの横方向領域215とを含み、中央領域214は、横方向領域215に対して最大切除深さを有している。切除パターン213の径方向に最も外側の縁は、湾曲している。各電極203に対して供給される電気エネルギーは、可変であってもよく、遠位部分202は、切除パターン213を形成するように移動されてもよい。
【0027】
図2Bは、カテーテル・デバイス201と、カテーテル・デバイス201の両側の偏心的な切除ゾーン220を含む切除パターン219とを示す。切除ゾーン220は、遠位部分202の両側に配置された2つの円形形状を含むことができ、湾曲した径方向に最も外側の縁を含むことができる。切除ゾーン220の各部分は、遠位部分202の電極203の異なるグループ化によって作り出され得る。切除ゾーン220の部分は、半円形状にされ得る。
【0028】
図2Cは、カテーテル・デバイス201と、らせん形状の切除ゾーン225を含む切除パターン224とを示す。切除ゾーン225は、遠位部分202の表面の周りに配置された複数の電極203によって形成され得る。切除ゾーン225は、遠位部分202に巻き付くことができ、いくつかの例では、体管腔の周りを円周方向に延びる組織の部分を切除することができる。切除パターン224は、らせん状および/またはコルク栓抜き形状であってもよい。
【0029】
図2Dは、カテーテル・デバイス201と、勾配制御された切除ゾーン230を含む切除パターン229とを示し、この切除ゾーンは、切除ゾーン230が遠位部分202の近位端部から遠位部分202の遠位端部に延びるにつれて、カテーテル・デバイス211の長手方向軸から径方向外向きに増大する。切除ゾーン230の遠位部分は、切除ゾーン230の近位部分に対してより大きくてもよく、切除ゾーン230は、1つまたは複数の三角形形状を形成することができる。いくつかの例では、切除ゾーン230は、その1つまたは複数の最も近位の端部において一点に向けてテーパになることができる。切除ゾーン230を形成するために、最も遠位の電極203に対して印加されるエネルギーは、最も近位の電極203に対して印加されるエネルギーより大きくなり得る。他の例では、切除パターンは、切除パターンの遠位部分に対してより大きい近位部分を含むことができ、切除パターンは、切除パターンが遠位に延びるにつれて、カテーテル・デバイスの中央長手方向軸に向かって径方向内向きにテーパになることができる。
【0030】
図2A~2Dは、例示的であり、さまざまな異なる切除パターンが、カテーテル・デバイス201の複数の電極203を使用し、各電極203からのエネルギー出力を調節して作り出され得る。加えて、近位、遠位、もしくは横方向の並進、または長手方向軸周りの回転などのカテーテル・デバイス201の移動により、カテーテル・デバイス201が追加の可変の切除パターンを作り出すことが可能になり得る。たとえば、切除計画の一部は、カテーテル・デバイス201をその長手方向軸周りで90°時計回りに、そして90°反時計回りに、またはいずれかの方向に他の回転角度で回転させることを含むことができる。
【0031】
図3は、患者の体管腔345内にいずれも配置されている、遠位部分302、電極303、および近位伸張部305を含むカテーテル・デバイス301を示す。体管腔345を取り囲む組織350は、標的ゾーン330を含む。治療ゾーン330の遠位セクション331は、治療ゾーン330の中間セクション332および近位セクション333と比べて異なる深さおよび形状の切除を必要とする。各電極303に対して印加されるエネルギーの量を調節し、体管腔345内でカテーテル・デバイス301を移動させることにより、ユーザは、切除パターンを作り出すことができ、この切除パターンは、治療ゾーン330と整列し、治療ゾーン330に隣接する組織を損傷することなく治療ゾーン330の組織を標的にする。図3は、不規則な形状の治療ゾーンの例を示している。カテーテル・デバイス301の複数の電極303から発せられるエネルギーを選択的に活性化し、調整する能力により、ユーザおよび患者の必要性に基づいて切除パターンを調整するという利点が提供される。
【0032】
図4は、遠位部分402と、複数の電極403と、近位伸張部405とを含むカテーテル・デバイス401の代替の実施形態を示す。カテーテル・デバイス401は、カテーテル・デバイス101、201、301に関連して本明細書において説明される任意の特徴を有することができる。カテーテル・デバイス401は、カテーテル・デバイス101と実質的に同様であるが、電極403のそれぞれは、制御ユニットに至る個々の対応するワイヤに接続されない。その代わり、各電極403は、電極403によって共有される内部要素460によって、電力/電流が共通して供給される。内部要素460は、円筒状(たとえばロッド、ワイヤなど)であってもよく、遠位部分内に配置されてもよく、近位伸張部405の管腔を通って延びることができる。内部要素460は、要素460の遠位端部において内部要素460の長手方向軸から径方向外向きに延びる遠位突起部462を含むことができる。遠位突起部462の径方向に最も外側の表面463は、遠位部分402の内部表面465と接触し、摺動式に係合するように構成され得る。たとえば、内部要素460のその長手方向軸周りの回転および/または内部要素460の近位または遠位の並進により、遠位突起部462の径方向に最も外側の表面463は、内部表面465と径方向に最も外側の表面463が接触したままであるように、遠位部分402の内部表面465に沿って並進され得る。
【0033】
内部要素460の近位端部は、制御ユニット112に結合するように構成されてもよく、制御ユニット112から内部要素460の遠位突起部462まで電気エネルギーを伝送するために導電性材料を含むことができる。遠位突起部462の径方向に最も外側の表面463が1つまたは複数の電極403と接触したとき、内部要素460は、制御ユニット112によって供給される電気エネルギーをこれらの1つまたは複数の電極403に対して伝送することができる。たとえば、遠位突起部462は、遠位突起部が1つまたは複数の電極403の内部表面と接触するときに1つまたは複数の電極403との電気接続を形成することができる。内部要素460は、近位または遠位に移動され、その長手方向軸周りで回転されて、電気活性化のための特定の電極403を位置付けることができる。いくつかの例では、内部要素460は、近位および/もしくは遠位に継続的に並進し、ならびに/または特定の周波数において回転して、ユーザ所望の切除パターンを作り出すことができる。いくつかの例(図示されず)では、カテーテル・デバイスは、複数の電極と同時に接触することができる(突起部462と同様の)複数の突起部を備えた(内部要素460と同様の)内部要素を含むことができ、いくつかの例では、カテーテル・デバイスは、複数の電極と同時に接触することができる(内部要素460と同様の)複数の内部要素を含むことができる。
【0034】
図5は、カテーテル・デバイス401の断面Cの前面図を示す。矢印470は、内部要素460の長手方向軸周りの近位突起部462の回転を示す。遠位突起部462は、図5に示されるように湾曲してもよく、C字形状を形成することができる。いくつかの例では、遠位突起部462は、剛性であってもよく、他の例では、遠位突起部462は、可撓性であってもよい。各電極403は、径方向内向きに向く表面を含むことができ、この表面は、カテーテル・デバイス401の動作中に遠位部分402の内部空間に露出されたままであり、それによって遠位突起部462の径方向に最も外側の表面463が各電極403に直接接触することを可能にする。
【0035】
カテーテル・デバイス401は、本明細書の上記で説明されたカテーテル・デバイス101と実質的に同じ方法で動作することができる。いくつかの例では、内部要素460の近位部分は、遠位部分402および近位伸張部405の位置を制御するために使用されるモータ組立体とは別個のモータ組立体に結合され得る。内部要素460を使用して各電極403を活性化することにより、カテーテル・デバイス401は、各電極403からの追加の配線を必要としなくてもよく、カテーテル・デバイス401の製造および小型化を容易にすることができる。
【0036】
図6は、遠位部分602と、複数の電極603と、近位伸張部605とを含むカテーテル・デバイス601の別の代替の実施形態を示す。カテーテル・デバイス601は、カテーテル・デバイス101、201、301、401に関連して本明細書において説明される任意の特徴を有することができる。カテーテル・デバイス601は、カテーテル・デバイス601の内部分内に配置された内部部材670に結合された超音波プローブ672を含むことができる。超音波プローブ672は、遠位部分602の内部分内に配置されてもよく、超音波信号を発することができる。超音波プローブ672は、内部部材670の内部分を通って延びるワイヤなどを通して、制御ユニット112に電気的に接続され、この制御ユニットと通信することができる。動作中、超音波プローブ672から発せられた信号は、ユーザが超音波撮像によって患者の体内の遠位部分602の位置を監視することを可能にすることができる。たとえば、走査装置106は、超音波走査装置を含むことができ、処置中、患者の体内の遠位部分602の位置を監視するために使用され得る。患者の体内の治療ゾーンにカテーテル・デバイス601の遠位部分602を配置するときに超音波プローブ672を使用することにより、ユーザは、超音波撮像を使用して遠位部分602の場所を確認することができる。いくつかの例では、超音波プローブ672により、ユーザは、超音波撮像技術を使用して患者の組織の切除の三次元図を作り出すことができるようになる。
【0037】
ユーザが組織を選択的に切除し、治療ゾーンに配置された複数の電極に対して印加される電力を詳細に調節することができるカテーテル・デバイスを提供することにより、ユーザは、健康な組織の損傷を低減し、ラジオ波焼灼処置中の組織の過剰な切除によって引き起こされる患者の体への不必要な傷害を回避することができる。
【0038】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示されたデバイスおよび方法にさまざまな改変形態および変形形態が加えられてもよいことが、当業者に明らかとなるであろう。本開示の他の態様が、本明細書の考慮および本明細書において開示される特徴の実践から、当業者に明らかとなるであろう。本明細書および例は例示的としてのみ考慮されることが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】