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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-27
(54)【発明の名称】トレーラの向きの決定
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/26 20060101AFI20221220BHJP
   G06T 7/73 20170101ALI20221220BHJP
   G06V 20/56 20220101ALI20221220BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
G01B11/26 H
G06T7/73
G06V20/56
G08G1/16 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521408
(86)(22)【出願日】2020-10-01
(85)【翻訳文提出日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 EP2020077479
(87)【国際公開番号】W WO2021069289
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】102019127478.8
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514189527
【氏名又は名称】コノート、エレクトロニクス、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CONNAUGHT ELECTRONICS LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】プアニマ、ナラヤナスワミ
(72)【発明者】
【氏名】ナビーン、クルバ
【テーマコード(参考)】
2F065
5H181
5L096
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA37
2F065BB15
2F065BB27
2F065CC11
2F065DD03
2F065FF04
2F065FF61
2F065JJ03
2F065MM02
2F065MM26
2F065QQ03
2F065QQ21
2F065QQ23
2F065QQ25
2F065QQ28
2F065QQ31
2F065UU05
5H181AA01
5H181CC04
5L096BA04
5L096CA02
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA19
5L096JA11
(57)【要約】
トレーラの向きを決定する方法によれば、トレーラ(12)の構成要素(14)を示す画像(13)が、カメラシステム(15)によって生成される。所定の第1及び第2の基準構造(16、18)は、画像(13)に基づいて識別される。トレーラの向きは、基準構造(16、18)に応じてコンピューティングユニット(17)によって決定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
牽引車両(11)に対するトレーラの向きを決定するための方法であって、
前記車両(11)のカメラシステム(15)によってトレーラ(12)の構成要素(14)を示す画像(13)を生成することと、
前記車両(11)のコンピューティングユニット(17)によって前記画像(13)に基づいて所定の第1の基準構造(16)を識別することと、
を含み、
所定の第2の基準構造(18)は、前記コンピューティングユニット(17)によって前記画像(13)に基づいて識別され、
前記トレーラの向きは、前記第1の基準構造(16)の第1の位置及び前記第2の基準構造(18)の第2の位置に応じて、前記コンピューティングユニット(17)によって決定される
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記トレーラの向きは、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離(19)に応じて、前記コンピューティングユニット(17)によって決定されることを特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トレーラ(12)のヨー角(φ)は、前記第1及び前記第2の基準構造(16、18)に応じて前記コンピューティングユニット(17)によって決定されることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ヨー角(φ)は、前記第1及び前記第2の位置に応じて前記コンピューティングユニット(17)によって決定されることを特徴とする、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記トレーラ(12)の前記構成要素(14)を示す基準画像(20)は、前記カメラシステム(15)の手段で生成され、
前記第1及び前記第2の基準構造(16、18)は、前記コンピューティングユニット(17)による前記基準画像(20)に基づいて画定される
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
基準画像(20)が基準ブロック(21)に区分され、基準ブロック(21)のうちの1つが前記コンピューティングユニット(17)によって選択され、
前記第1及び前記第2の基準構造(16、18)は、前記コンピューティングユニット(17)によって前記選択された基準ブロック(21’)に基づいて画定される
ことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記画像(13)がブロック(22)に区分され、前記ブロック(22)のうちの1つが前記コンピューティングユニット(17)によって選択され、
前記第1及び前記第2の基準構造(16、18)は、前記コンピューティングユニット(17)によって前記選択されたブロック(22’)に基づいて識別される
ことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記画像(13)と前記基準画像(20)とは、前記コンピューティングユニット(17)によって関連付けられ、
前記第1及び前記第2の位置は、前記関連付けの結果に基づいて前記コンピューティングユニット(17)によって決定される
ことを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1及び前記第2の基準構造(16、18)は、それらが前記基準画像(20)内で重なり合うように前記コンピューティングユニット(17)によって画定されることを特徴とする、
請求項5から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記トレーラ(12)の前記構成要素(14)を示す生画像が、前記カメラシステム(15)によって生成され、
前記生画像の極変換が前記画像(13)を生成するため生成される
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記画像(20)が、前記トレーラ(12)の前記構成要素(14)として前記トレーラのトウバー(14)を示すように、前記カメラシステム(15)によって生成されることを特徴とする、
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
トレーラ(12)と牽引車両(11)との組み合わせのための電子車両案内システムであって、
前記電子車両案内システム(23)は、前記トレーラ(12)の構成要素(14)を示す画像(13)を受信するために前記車両(11)のカメラシステム(15)に結合されるように構成されたコンピューティングユニット(17)を備え、
前記コンピューティングユニット(17)は、前記画像(13)に基づいて所定の第1の基準構造(16)を識別するように構成され、
前記コンピューティングユニット(17)が、
前記画像(13)に基づいて所定の第2の基準構造(18)を識別することと、
前記第1の基準構造(16)の第1の位置及び前記第2の基準構造(18)の第2の位置に応じて、前記車両(11)に対するトレーラの向きを決定することと、
を行うように構成されることを特徴とする、電子車両案内システム。
【請求項13】
前記電子車両案内システム(23)は前記カメラシステム(15)を備え、前記カメラシステム(15)は前記車両(11)に取り付けられたリアビューカメラ(15)を備えることを特徴とする、
請求項12に記載の電子車両案内システム。
【請求項14】
請求項12又は13のいずれか一項に記載の電子車両案内システム(23)を備える自動車。
【請求項15】
コンピュータプログラムがコンピュータシステムによって実行されるとき、前記コンピュータシステムに請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牽引車両に対するトレーラの向きを決定するための方法に関する。本方法は、車両のカメラシステムによってトレーラの構成要素を示す画像を生成することと、車両のコンピューティングユニットによって画像に基づいて所定の第1の基準構造を識別することを含む。
【0002】
本発明はまた、対応する電子車両案内システム、自動車及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
運転者支援機能又は車両案内機能は、例えば後退支援又は衝突警告のために、牽引車両に対する決定されたトレーラの向きを利用することができる。
【0004】
文献国際公開第2018/153915号には、トレーラの角度位置を決定するための方法が記載されている。ここで、トレーラの一部の生画像は、牽引車両のリアカメラによって取得される。画像のテクスチャ値に応じて、角度方向が決定される。
【0005】
牽引車両に対するトレーラの向き又は角度位置、特にヨー角を決定するとき、それぞれの方法の精度又は適用性は、車両に対するトレーラのピッチ角変動によって制限され得る。具体的には、カメラベースの手法では、カメラ画像は、変化するピッチ角によって歪む可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2018/153915号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、決定の精度又は信頼性を向上させるために、牽引車両に対するトレーラの向きを決定するための改良された概念を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、独立請求項の主題によって解決される。さらなる実施態様及び実施態様は、従属請求項の主題である。
【0009】
改良された概念は、カメラ画像内の2つの所定の基準構造を識別し、2つの基準構造のそれぞれの位置に基づいてトレーラの向きを決定するという考えに基づいている。
【0010】
改良された概念の第1の独立した態様によれば、牽引車両に対するトレーラの向き、特にトレーラのヨー角を決定するための方法が提供される。本方法によれば、トレーラの構成要素を示す画像が、車両のカメラシステムによって生成される。所定の第1の基準構造は、車両のコンピューティングユニットによって画像に基づいて識別される。所定の第2の基準構造は、画像に基づいてコンピューティングユニットによって識別される。トレーラの向きは、第1の基準構造の第1の位置及び第2の基準構造の第2の位置に応じて、コンピューティングユニットによって決定される。
【0011】
画像は、カメラシステムによって生成された画像データとして、又は例えばコンピューティングユニット若しくはさらなるコンピューティングユニットによって画像データに基づいて生成されたデータとして理解され得る。
【0012】
言い換えれば、カメラによって画像を生成することは、カメラシステムを使用することを含むが、必ずしもカメラシステムのみを使用することに限定されないように理解され得る。例えば、生画像をカメラシステムによって生成することができ、画像補正又は画像処理ステップを生データ又は生画像に対して実行して、コンピューティングユニット又はさらなるコンピューティングユニットによって画像を取得することができる。
【0013】
車両とも示される牽引車両とトレーラとは、特にトレーラが連結点に対して回転できるように互いに連結される。
【0014】
トレーラの向きは、トレーラの方向、特にトレーラの角度位置として理解され得る。
【0015】
トレーラの構成要素は、例えばテンプレートマッチングアルゴリズムによって画像内で識別されることに適したトレーラの任意の部分であってもよい。構成要素は、例えば、トレーラのトウバー又はタングによって与えられてもよく、又はそれらを含んでもよい。
【0016】
第1及び第2の基準構造は、トレーラの構成要素の少なくともそれぞれの部分を含む。
【0017】
第1及び第2の基準構造は、例えば、カメラシステムによって撮影された1つ又は複数のそれぞれの基準画像に基づいて予め決定されてもよい。
【0018】
第1又は第2の基準構造を識別することは、例えば、それぞれの基準構造が実際に画像内に存在することを、例えば信頼値が所定の閾値以上であることを確認することを含み得る。基準構造を識別することはまた、画像内の基準構造のそれぞれの位置を決定することを含み得る。
【0019】
具体的には、基準構造の第1及び第2の位置は、画像内のそれぞれの位置に対応する。具体的には、位置は、必ずしも車両又はトレーラの環境に対する絶対座標によって与えられるとは限らない。
【0020】
改良された概念による方法によって、トレーラの向きを決定するために2つの独立した基準構造が考慮される。具体的には、2つの基準構造間の距離が考慮されてもよく、又は他の相対情報が使用されてもよい。したがって、1つの基準構造に関する絶対情報だけでなく、基準構造に関する相対情報が使用され得るので、そうでなければトレーラの向きを決定するためのテンプレートマッチングの可能性を制限する可能性があるピッチ角変動による画像内の構成要素の延長又は幅の変動が補正され得る。さらに、2つの独立した基準構造を使用する場合、ピッチ角変動に起因する画像内の構成要素のサイズ変動は、1つの基準構造のみを考慮する場合と比較してそれほど重要ではない可能性がある。
【0021】
したがって、改良された概念による方法は、車両に対するトレーラのピッチ角が変化するとき、又はピッチ角変動が著しく大きいときを含むより広い範囲のシナリオに適用され得る。したがって、向きの決定の信頼性及び結果として得られる決定された向きの精度が向上する。
【0022】
車両に対するトレーラのヨー及びピッチ角は、例えば、車両の長手方向軸及びトレーラの長手方向軸によって囲まれるそれぞれの角度に基づいて決定され得る。
【0023】
本方法のいくつかの実施態様によれば、トレーラの向きは、第1の位置と第2の位置との間の距離に応じてコンピューティングユニットによって決定される。
【0024】
車両とトレーラとの間の正のピッチ角の場合、トレーラの構成要素、したがって基準構造はカメラシステムに近く、したがって0ピッチ角と比較して画像においてより大きく見える。一方、負のピッチ角の場合、構成要素、したがって基準構造は車両からさらに離れており、画像ではより小さく見える。
【0025】
したがって、第1及び第2の基準構造の第1及び第2の位置の間の距離は、それぞれピッチ角の尺度を提供し、ピッチ角に応じて画像を変換又は仮想的に変換するために使用することができる。したがって、トレーラの向きの決定のより高い精度を達成することができる。
【0026】
車両の長手方向軸は、例えば、車両のゼロ操舵角又は中立操舵位置の場合に車両が走ることができる方向に対応することができる。
【0027】
トレーラの長手方向軸は、例えば、ゼロ操舵角で連続的に走る車両によって牽引されるときのトレーラの走行方向に対応することができる。トレーラの長手方向は、例えば、トレーラのトウバー又はタングなどの構成要素の向き又は長手方向に対応することができる。
【0028】
特に、0ピッチ角及び0ヨー角の場合、車両及びトレーラの長手方向軸は、互いに同一又は平行であり得る。トレーラと車両との間の連結点を座標系の原点として考え、車両位置が不変であると仮定すると、ヨー角及びピッチ角は、座標系におけるトレーラの長手方向軸の極角及び方位角に従ってそれぞれ定義され得る。具体的には、ピッチ角は負極角として定義されてもよく、ヨー角は方位角として定義されてもよい。
【0029】
いくつかの実施態様によれば、車両に対するトレーラのヨー角は、第1及び第2の基準構造に応じてコンピューティングユニットによって、特にトレーラの向きとして決定される。
【0030】
具体的には、第1及び第2の基準構造の形態で取得された相対情報、例えば基準構造の位置間の距離は、ヨー角の決定又は推定における誤差を補正するために使用され得る。
【0031】
例えば、ヨー角は、基準構造におけるエッジ検出及びエッジの向きの決定に基づいて決定され得る。この目的のために、テンプレートマッチングアルゴリズムが使用され得る。
【0032】
次いで、決定されたヨー角は、例えば安全情報、例えばトレーラが車両と衝突する可能性がある場合に車両の運転者に警告するために使用され得る。
【0033】
例えば、ヨー角は、例えば、後退支援機能又は衝突警告機能のために、電子車両案内システムのために、又は電子車両案内システムによって使用され得る。
【0034】
いくつかの実施態様によれば、ヨー角は、第1及び第2の位置に応じて、特に位置間の距離に応じて、コンピューティングユニットによって決定される。
【0035】
いくつかの実施態様によれば、トレーラの構成要素を示す基準画像がカメラシステムによって生成され、第1及び第2の基準構造が、コンピューティングユニットによる基準画像に基づいて定義される。具体的には、基準画像を生成し、基準構造を定義するステップは、画像を生成し、画像内の基準構造を識別する前に実行される。
【0036】
基準画像に基づいて基準構造を定義することは、基準構造を事前に決定することとして理解され得る。
【0037】
基準画像を生成し、基準構造を定義するステップは、例えば、トレーラと車両との所与の組み合わせに対して1回実行することができ、次いで、組み合わせの通常動作中に画像内の基準構造を識別するために連続的又は繰り返し使用することができる。具体的には、基準構造、したがってトレーラの構成要素は、基準画像によって定義された基準構造に基づいて追跡又は監視することができる。
【0038】
このようにして、トレーラ構成要素の無目標追跡が可能である。無目標追跡は、例えば、方向を決定するために、追跡されるトレーラに専用の基準パターン、例えばステッカーを設ける必要がないように理解され得る。むしろ、改良された概念によれば、基準構造は、構成要素を基準画像として示すことによって本質的に定義される。
【0039】
例えば、トレーラ上のステッカーによって与えられる基準パターンとは対照的に、基準構造の正確な外観は、基準構造の定義前には知られていないため、改良された概念は、無目標トレーラの追跡用途に適しており、特に有益である。したがって、ピッチ角変動は、無目標トレーラの追跡により大きく影響する可能性がある。したがって、改良された概念によるピッチ角変動の補正は特に有益である。
【0040】
いくつかの実施態様によれば、基準画像は、2つ以上の基準ブロックに区分又は分割され、基準ブロックのうちの1つがコンピューティングユニットによって選択される。第1及び第2の基準構造は、コンピューティングユニットによって選択された基準ブロックに基づいて定義される。
【0041】
選択された基準ブロックに基づいて定義される基準構造は、両方の基準構造が基準ブロック内にあるように理解され得る。
【0042】
基準ブロックの位置、具体的には選択された基準ブロックの位置を記憶することができる。
【0043】
基準ブロックを選択し、基準ブロック内に基準構造を定義することにより、より複雑でない追跡アルゴリズム又はテンプレートマッチングアルゴリズムを使用することができ、より少ない量のデータを追跡する必要があってよい。
【0044】
いくつかの実施態様によれば、基準ブロックは、基準画像内のストライプ、特に水平ストライプに対応する。
【0045】
いくつかの実施態様によれば、画像はブロックに区分又は分割され、ブロックのうちの1つがコンピューティングユニットによって選択される。第1及び第2の基準構造は、コンピューティングユニットによって選択されたブロックに基づいて識別される。
【0046】
選択されたブロックに基づいて識別される基準構造は、両方の基準構造が少なくとも部分的に選択されたブロック内にあるように理解され得る。
【0047】
ブロックの選択は、例えば、画像内の選択されたブロックが基準画像の選択された基準ブロックに対応するようにすることができる。ブロックの選択は、例えば、基準ブロックの記憶された位置に基づいて実行され得る。
【0048】
いくつかの実施態様によれば、画像及び基準画像は、コンピューティングユニットによって関連付けられ、第1及び第2の位置は、相関の結果に基づいてコンピューティングユニットによって決定される。相関は、具体的には相互相関に対応し得る。
【0049】
基準画像と画像とを相関させることは、例えば、画像と基準画像とのそれぞれのデータセットが相関されるように理解され得る。例えば、空間的に依存する相関値は、例えばそれぞれの相関積分によって計算される。
【0050】
相関により、画像及び基準画像内の類似部分が識別され得る。具体的には、相関値は、画像及び基準画像内のそれぞれの空間部分の類似性のそれぞれの尺度を表すことができる。したがって、相関によって、基準構造を画像内で認識することができる。
【0051】
いくつかの実施態様によれば、第1及び第2の基準構造は、それらが基準画像内で重なり合うようにコンピューティングユニットによって定義される。
【0052】
したがって、追跡されているトレーラの構成要素は、例えば、トレーラのトウバーなどの比較的小さな物体であってもよい。
【0053】
いくつかの実施態様によれば、トレーラの構成要素を示す生画像がカメラシステムによって生成され、生画像の極変換が生成されて画像が生成される。
【0054】
具体的には、極変換は、コンピューティングユニット又はさらなるコンピューティングユニットによって実行されてもよく、さらなるコンピューティングユニットは、例えばカメラシステムに含まれてもよい。
【0055】
生画像の極変換を生成するために、特に生画像の極図(polar view)が生成される。
【0056】
生画像の極変換を考慮することにより、例えばトレーラの回転点の近くで、画像の最も関連する部分で詳細レベルを向上させることができる。
【0057】
いくつかの実施態様によれば、生の基準画像がカメラシステムによって生成され、生の基準画像はトレーラの構成要素を示す。基準画像を生成するために、生の基準画像の極変換が生成される。
【0058】
いくつかの実施態様によれば、画像は、カメラシステムによって生成され、その結果、トレーラの構成要素としてトレーラのトウバーを示す。
【0059】
その形状により、特にトレーラの長手方向軸に対応する、又はほぼ対応するその向きにより、トウバーは、向き、特にヨー角に関する特に適切な、又は意味のある情報を提供することができる。
【0060】
いくつかの実施態様によれば、トレーラの構成要素は、トレーラのトウバーを含む。
【0061】
改良された概念のさらなる独立した態様によれば、トレーラと牽引車両との組み合わせのための電子車両案内システムが提供される。電子車両案内システムは、トレーラの構成要素を示す画像を受信するために車両のカメラシステムに結合されるように構成されたコンピューティングユニットを備える。コンピューティングユニットは、画像に基づいて所定の第1の基準構造を識別するように構成される。コンピューティングユニットは、画像に基づいて所定の第2の基準構造を識別するようにさらに構成される。コンピューティングユニットは、第1の基準構造の第1の位置及び第2の基準構造の第2の位置に応じて、車両に対するトレーラの向きを決定するように構成される。
【0062】
電子車両案内システムは、特に車両制御における運転者による操作又は介入なしに、完全に自動的に又は完全に自律的に車両を案内するように構成された電子システムとして理解され得る。車両は、必要な操舵動作、制動動作及び/又は加速動作を自動的に行う。具体的には、電子車両案内システムは、SAE J3016による完全自動又は完全自律運転モードを実装することができる。電子車両案内システムはまた、部分的に自動運転又は部分的に自律運転で運転者を支援する先進運転者支援システムADASとして理解され得る。具体的には、電子車両案内システムは、SAE J3016分類のレベル1~4に従って、部分的に自動又は部分的に自律運転モードを実装し得る。ここ及び以下において、SAE J3016は、2018年6月付けのそれぞれの規格を指す。
【0063】
電子車両案内システムのいくつかの実施態様によれば、電子車両案内システムはカメラシステムを備え、カメラシステムは、車両に取り付けられた、特に車両の後側に取り付けられたリアカメラ又はリアビューカメラを備える。
【0064】
車両の後側は、具体的には、トレーラに面する車両の側である。
【0065】
現代の車両は、トレーラの向きを決定すること以外の複数の用途、特にトレーラが取り付けられていない車両に関する用途のためリアビューカメラを備える場合がある。例えば、リアビューカメラは、駐車支援機能に使用され得る。したがって、改良された概念による電子車両案内システムは、既存のカメラシステムを使用することができ、空間要件及び費用を低減する。
【0066】
電子車両案内システムのさらなる実施態様は、改良された概念による方法の様々な実施態様から直接続き、逆もまた同様である。具体的には、改良された概念による電子車両案内システムは、改良された概念による方法を実行するように設計又はプログラムされてもよく、又は電子車両案内システムは、改良された概念による方法を実行する。
【0067】
改良された概念のさらなる独立した態様によれば、改良された概念による電子車両案内システムを備える自動車が提供される。
【0068】
改良された概念のさらなる独立した態様によれば、命令を含むコンピュータプログラムが提供される。命令は、コンピュータプログラムがコンピュータシステムによって、特に改良された概念による電子車両案内システムのコンピュータシステムによって実行されると、コンピュータシステムに改良された概念による方法を実行させる。その中で、改良された概念による電子車両案内システムのコンピュータシステムは、電子車両案内システムのコンピューティングユニットによって与えられてもよい。
【0069】
改良された概念のさらなる独立した態様によれば、改良された概念によるコンピュータプログラムを含むコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0070】
本発明のさらなる特徴は、特許請求の範囲、図面及び図面の説明から明らかである。説明において上述した特徴及び特徴の組み合わせ、並びに図の説明において以下に述べる及び/又は図のみに示す特徴及び特徴の組み合わせは、それぞれ指定された組み合わせにおいてだけでなく、本発明の範囲から逸脱することなく他の組み合わせにおいても使用可能である。したがって、実施態様もまた、本発明に包含され本発明によって開示されていると見なされるべきであり、図に明示的に示されずかつ説明されていないが、説明された実施態様から分離された特徴の組み合わせから生じ、それによって生成され得る。実施態様及び特徴の組み合わせも開示されていると見なされるべきであり、したがって、元々策定された独立請求項の特徴のすべてを有するわけではない。さらに、実施態様及び特徴の組み合わせは、特に、特許請求の範囲の関係で示された特徴の組み合わせを超えて延びる、又はそれから逸脱する上記の実施態様によって開示されていると見なされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】改良された概念による電子車両案内システムの例示的な実施態様を備える車両とトレーラとの組み合わせの上面図を示す。
図2図1の組み合わせの側面図を示す。
図3】改良された概念による方法の例示的な実施態様のフロー図を示す。
図4】改良された概念に従って使用するための基準画像の一例を示す。
図5】改良された概念に従って使用するための画像の一例を示す。
図6】改良された概念による方法のさらなる例示的な実施態様のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1は、車両11が備える電子車両案内システム23の例示的な実施態様を示す。トレーラ12は、トレーラ12のトウバー14によって、車両11、例えば車両11のトウボールに連結される。
【0073】
車両11の長手方向軸25は、トレーラの長手方向軸26とのヨー角φを含む。
【0074】
車両案内システム23は、コンピューティングユニット17と、車両11の後側に取り付けられ、コンピューティングユニット17に接続されたリアビューカメラ15とを備える。
【0075】
任意選択で、車両11、例えばコンピューティングユニット17は、改良された概念によるコンピュータプログラムを記憶する改良された概念によるコンピュータ可読記憶媒体24を備え得る。コンピューティングユニット17は、例えば、記憶媒体24にアクセスしてコンピュータプログラムを実行することができる。このようにして、車両案内システム23に、改良された概念による方法を実行させる。
【0076】
図2では、図1の車両11及びトレーラ12を含む組み合わせが側面図で示されている。
【0077】
長手方向軸25、26は、ピッチ角θを含む。ピッチ角θは、例えば、長手方向軸25、26が互いに一致するか、又は互いに平行であるときにゼロになるように定義されてもよい。さらに、ピッチ角θは、例えば、トレーラの長手方向軸26がリアビューカメラ15に向かって傾斜しているときに正であり、リアビューカメラ15から離れるように傾斜しているときに負であるように定義され得る。
【0078】
図1及び図2のような電子車両案内システム23の動作及び機能は、図3から図6に関して改良された概念による方法の例示的な実施態様に関してより詳細に説明される。
【0079】
図3は、改良された概念による方法の例示的な実施態様の概略フロー図を示す。
【0080】
本方法のステップ1では、リアビューカメラ15によって基準画像20が生成される。基準画像20は、例えば、コンピューティングユニット17によって基準ブロック21に区分されてもよく、基準ブロック21は、例えば、基準画像20内の水平ストライプにほぼ対応する。具体的には、基準画像20は、トウバー14又はトウバー14の一部を示す。
【0081】
本方法のステップ2では、コンピューティングユニット17は、図4に概略的に示すように、基準ブロック21’のうちの1つを選択し、選択された基準ブロック21’内に第1の基準構造16及び第2の基準構造18を画定する。そこで、基準構造16、18は、例えば、選択された基準ブロック21’内の重なり合う領域に対応し得る。基準画像20を生成することは、例えば、生の基準画像を極図に変換することを含み得る。
【0082】
具体的には、基準画像20は、例えば所定の最小信頼度で、ヨー角及びピッチ角φ、θが両方とも0又はほぼ0である場合に生成され得る。そこで、角度φ、θが0であることは、例えば、オドメトリ測定値又は推定値に基づいて決定され得る。
【0083】
本方法のステップ3では、画像13がリアビューカメラ15によって生成される。具体的には、画像13は、全体として、非ゼロヨー角φ及びゼロ又は非ゼロピッチ角θに対して生成される。また、画像13は、例えば、生画像及び後続の極図変換に基づいて生成することができる。
【0084】
画像13は、ステップ1における基準画像20の基準ブロック21への区分と同様に、ブロック又は水平ストライプ22に区分けされる。具体的には、ブロック22の各々とそれぞれの基準ブロック21との間には一対一の対応関係があり得る。
【0085】
本方法のステップ4では、特に選択されたブロック21’が選択された基準ブロック21’に対応するように、ブロック22’のうちの1つが選択される。
【0086】
本方法のステップ5では、基準画像20及び画像13に基づいて画像相関が実行される。具体的には、選択された基準ブロック21’及び選択されたブロック22’に対応する画像データは、互いに関連付けられる。相関により、テンプレートマッチングを実行することができ、第1の基準構造16に対応する選択されたブロック22’内の領域は、図5に概略的に示すように、選択された基準ブロック21’内の対応する領域と一致する。同様に、第2の基準構造18に対応する選択されたブロック22’内のそれぞれの領域は、選択された基準ブロック21’内の対応する領域と一致する。
【0087】
テンプレートマッチングのために2つの独立した基準構造16、18を考慮することによって、ピッチ角θは、例えばヨー角φの値を計算又は推定するときに補正され得る。
【0088】
具体的には、コンピューティングユニット17は、本方法のステップ5で、基準構造16、18間の位置19内のそれぞれの位置又は差を考慮して、テンプレートマッチング又は相関の結果に応じてヨー角φの値を計算する。
【0089】
図6は、改善された概念による、図3に示す方法に基づく方法のさらなる例示的な実施態様の概略フロー図を示す。具体的には、図6のステップ1~5は、図3に関連して説明したステップ1~5に対応する。
【0090】
方法のステップ6では、コンピューティングユニット17は、例えば、ヨー角φの生成された値の信頼値を計算することができる。任意選択的に、コンピューティングユニット17は、ステップ10において、例えば車両の走行距離、車両速度、及び/又は車両操舵角シーケンスに関する情報を含むオドメトリ信号に基づくオドメトリ推定を考慮して、ヨー角φに対する1つ又は複数の基準値を生成することができる。信頼値は、例えば、ヨー角φに対する1つ又は複数の基準値に基づいて決定され得る。
【0091】
ステップ7では、ヨー角φの値は、例えば、ヨー角φの信頼値が十分に大きい場合に出力することができ、これは、所定の最小信頼値以上であることを意味する。本方法のステップ8では、信頼値が出力され得る。
【0092】
ヨー角φ及びそれぞれの信頼値の出力値は、車両案内システム23の衝突警告機能又は後退支援機能又は他の機能に使用され得る。
【0093】
本方法の任意選択のステップ9では、例えば、トウバーの長さ、トウボール位置及び/又はリアビューカメラ15のカメラ較正データを含む追加の入力情報を使用して、画像13及び基準画像20の極図を生成することができる。
【0094】
改良された概念によれば、ピッチ角変動を補正する可能性により、トレーラの向きが改良された精度で決定され得る。無目標トレーラの追跡の場合、改良された概念は特に有益であり得る。いくつかの実施態様によるそれぞれの画像相関によって、向き検出の性能が向上する。相関ステップ性能は、ピッチ角の変化に対してより耐性を持つようになる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】