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特表2022-553925コーヒー豆を節約するための下部閉鎖装置を有するコーヒー粉砕機用のホッパー、及び該ホッパーを有するコーヒー粉砕機
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  • 特表-コーヒー豆を節約するための下部閉鎖装置を有するコーヒー粉砕機用のホッパー、及び該ホッパーを有するコーヒー粉砕機 図1
  • 特表-コーヒー豆を節約するための下部閉鎖装置を有するコーヒー粉砕機用のホッパー、及び該ホッパーを有するコーヒー粉砕機 図2A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-27
(54)【発明の名称】コーヒー豆を節約するための下部閉鎖装置を有するコーヒー粉砕機用のホッパー、及び該ホッパーを有するコーヒー粉砕機
(51)【国際特許分類】
   A47J 42/50 20060101AFI20221220BHJP
   A47J 31/40 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
A47J42/50
A47J31/40 104
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522335
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 IB2020059756
(87)【国際公開番号】W WO2021074876
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】102019000019088
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512102391
【氏名又は名称】ラ マルゾッコ エス アール エル
【氏名又は名称原語表記】LA MARZOCCO S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア ディオニシオ
(72)【発明者】
【氏名】マリオ ドニーニ
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA23
4B104BA04
4B104DA03
(57)【要約】
コーヒー粉砕機用ホッパーは、作動部材、シャッター部材、作動平面及びシャッター平面を備え、シャッター平面が作動平面の下方に配置された閉鎖装置を備える。シャッター部材は、下部ホッパー部分に対して固定された単一の円周セクターを備え、その固定円周セクターは180°未満の中心角と、中心孔を有する。シャッター部材は、前記中央孔に枢着された可動円周セクターを更に備え、これらの可動円周セクターは第1位置及び第2位置の間で回動可能である。第1位置では、底部開口が開放し、可動円周セクターの少なくとも2つが単一の固定円周セクターに対応して互いに重なる。第2位置では、単一の固定円周セクターと、円周方向に連続して配置された可動円周セクターによって底部開口が閉鎖される。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー粉砕機(M)用のホッパー(10)であって:
粉砕すべきコーヒー豆を収容するための、装入口(12)を上部に有する主容器本体(11)と;
コーヒー豆を粉砕手段(G)に到達させるための底部開口(14)を有する下部ホッパー部分(13)と;
前記底部開口(14)を閉じるための閉鎖装置(20、30、40、50)と;を備え、該閉鎖装置が、作動部材(30、31)、シャッター部材(35、40、50、15)、作動平面(A)及びシャッター平面(S)を備え、前記シャッター部材が前記作動平面(A)の下方に配置され、前記シャッター部材が:
前記下部ホッパー部分(13)に対して固定され、180°未満の中心角(α)と、中心孔(16)とを有する単一の固定円周セクター(15)と;
前記中央孔(16)に枢着された可動円周セクター(35、40、50)と;
を備え、該可動円周セクターは、前記底部開口(14)が開放し、前記円周セクターの少なくとも2つが前記単一の固定円周セクターに対応して互いに重なる第1位置と、前記下側開口(14)が前記単一の固定円周セクター(15)及び円周方向に連続配置された前記可動円周セクター(35、40、50)により閉じられる第2の位置と、の間で回動可能である、ホッパー(10)。
【請求項2】
請求項1に記載のホッパーであって、前記固定円周セクター(15)の中心角(α)が、90°未満である、ホッパー(10)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のホッパーであって、前記固定円周セクター(15)は、前記ホッパー(10)の頂部から内側(11)に向けて突出するように成形され、好適には二重シュートを形成する、ホッパー(10)。
【請求項4】
前記請求項の何れか一項に記載のホッパーであって、前記閉鎖装置(20、30、40、50)は、前記底部開口(14)において前記ホッパー(10)から下方に突出する管状体(131)と、カップ状本体(30)とを備え、前記シャッター平面(S)は、前記カップ状本体(30)の底部に実質的に対応する、ホッパー。
【請求項5】
請求項4に記載のホッパーであって、前記カップ本体(30)の底部は、中心角が180°未満の底部円周セクター(35)を備え、前記カップ本体の底部円周セクター(35)は、前記単一の固定円周セクター(15)に対してヒンジ回動可能である、ホッパー(10)。
【請求項6】
請求項5に記載のホッパーであって、前記底部円周セクター(35)の中心角が90°未満である、ホッパー(10)。
【請求項7】
前記請求項の何れか一項に記載のホッパーであって、前記シャッター部材は、第1の可動円周セクター(40)と、前記カップ状本体(30)の底部円周セクター(35)の回転を通じて回動可能とした第2の可動円周セクター(50)とを備える、ホッパー。
【請求項8】
請求項7に記載のホッパーであって、前記カップ状本体(30)の底部円周セクター(35)が、円弧状に延在する溝(37)を備え、前記第1の可動円周セクター(40)が第1の歯(41)を備え、前記溝(37)は、前記第1の可動円周セクター(40)におけり第1の歯(41)と協働するように構成されている、ホッパー。
【請求項9】
請求項8に記載のホッパーであって、前記第1の可動円周セクター(40)は、前記第2の可動円周セクター(50)と協働させる第2の歯(42)を備える、ホッパー。
【請求項10】
請求項4に記載のホッパーであって、前記円筒体(131)の厚さの少なくとも一部に沿ってスリット(17)が設けられている、ホッパー。
【請求項11】
請求項4に記載のホッパーであって、前記円筒体(131)の厚さの少なくとも一部に沿って、下向きに突出する障壁縁部(18)が設けられている、ホッパー。
【請求項12】
請求項4に記載のホッパーであって、前記カップ状本体は、該カップ状本体を前記円筒体(131)に対して回転させるための環状フェルール(31)を備える、ホッパー。
【請求項13】
機械本体(11)、粉砕部材(G)を配置した粉砕室及びホッパー(10)を備えるコーヒー粉砕機(M)であって、前記ホッパー(10)は、
粉砕すべきコーヒー豆を収容するための、上部装入口(12)を有する主容器本体(11)と、
コーヒー豆を粉砕手段(G)に到達させるための底部開口(14)を有する下部ホッパー部分(13)と、
底部開口(14)を閉じるための閉鎖装置(20、30、40、50)と、
を備え、前記閉鎖装置は、作動部材(30、31)、シャッター部材(35、40、50、15)、作動平面(A)及びシャッター平面(S)を備え、前記シャッターシャッター平面(S)は前記作動平面(A)の下方に配置され、前記シャッター部材は、
前記下部ホッパー部分(13)に対して固定され、180°未満の中心角及び中心孔(16)を有する単一の円周セクター(15)と、
前記中央孔(16)に枢着された可動円周セクター(35、40、50)と、
を備え、該可動円周セクターは、前記底部開口(14)が開放し、前記円周セクターの少なくとも2つが前記単一の固定円周セクターに対応して互いに重なる第1位置と、前記下側開口(14)が前記単一の固定円周セクター(15)及び円周方向に連続配置された前記可動円周セクター(35、40、50)により閉じられる第2の位置と、の間で回動可能である、コーヒー粉砕機(M)。
【請求項14】
請求項13に記載のコーヒー粉砕機であって、前記シャッター平面(S)が、前記粉砕部材(G)から約15mm以下の距離(d)で配置されている、コーヒー粉砕機(M)。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のコーヒー粉砕機であって、前記シャッター平面(S)が、前記作動平面(A)から約20mmを超える距離(D)で配置されている、コーヒー粉砕機(M)。
【請求項16】
請求項13~15のいずれか一項に記載のコーヒー粉砕機であって、前記閉鎖装置(20、30)が、垂直軸(V)を中心とする回転運動を介して作動するように構成されている、コーヒー粉砕機(M)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー豆を粉砕するための機械の分野に関する。コーヒー粒を粉砕するための粉砕機は、別個の機械であってもよく、また、コーヒー飲料の調製機械に一体化されるものでもよい。コーヒー粒を粉砕するための粉砕機は、「コーヒーグラインダ」、「コーヒー粉砕機」又は「粉砕機」とも称される。
【0002】
本発明は、特に、ホッパー取り外し中に浪費されるコーヒーの量を節約するように構成された下部閉鎖装置を備えるコーヒー粉砕機用ホッパーに関する。また、本発明は、このようなホッパーを含むコーヒー粉砕機に関するものでもある。
【背景技術】
【0003】
周知のとおり、エスプレッソコーヒーの調製のため、通常はドーズと呼ばれる所定量の粉砕したコーヒーが使用される。粉砕したコーヒーのドーズは、フィルタ、典型的にはカップ状のフィルタに装入され、そのフィルタは頂部が開放され、底部は微細穿孔されている。典型的には、コーヒードーズをフィルタに押し込んで粉末コーヒーパックを形成する。フィルタは、次に、エスプレッソコーヒーマシンの分配グループに着脱可能に係合する構成とされたフィルタホルダによって支持される。エスプレッソコーヒーは、加圧熱水を粉末コーヒーパックに通すことによって得られる。
【0004】
コーヒー粉末は、コーヒー粉砕機によって得られるものである。既知のコーヒー粉砕機において、コーヒー豆は、粉砕部材を通過させることによって粉砕される。粉砕部材としては、平坦型、円錐型又は円筒型の形式が知られている。典型的に、コーヒー粉砕機における粉砕部材は、固定部材と、固定部材に対して回転する部材とを備えている。例えば、円錐型粉砕部材を備えるコーヒー粉砕機において、一方の粉砕部材は固定されたまま、すなわち静止したままであり、他方はモータによって回転する。
【0005】
粉砕すべきコーヒー豆は、通常、ホッパーと呼ばれる容器に装入され、これは粉砕部材の上方に配置される。典型的に、コーヒー豆は重力によって粉砕部材に到達する。
【0006】
ホッパーには、通常、開閉蓋が設けられた上部開口と、粉砕すべきコーヒー豆を粉砕部材に到達可能とする下部開口が設けられている。
【0007】
ホッパーは、様々な理由により、コーヒーマシンから取り外すことができる。例えば、粉砕手段及び/又はホッパーを掃除するため、又はホッパーを空にし、その中に含まれるコーヒー混合物を交換するためである。あるいは、かなり長期間の不使用が予想される場合(例えば、夜間又は就業終了時)に、未粉砕のコーヒーを低温乾燥環境下(例えば、冷蔵庫内)で貯蔵するためである。
【0008】
ホッパーは、これをコーヒー粉砕機から分離すべき場合、少なくとも部分的にコーヒー豆を充填することができるので、下部に閉鎖装置が設けられている。ホッパーを取り外すに先立ち、バーテンダは下部開口を閉じることにより、ホッパー内のコーヒー豆が落ちこぼれて無駄になるのを防止する。
【0009】
特許文献1~3、すなわち出願公開第102007008911号公報、ドイツ特許出願公開第102007008900号公報及びオーストラリア特許出願公開第2009202486号公報は、いずれも閉鎖システムを有するホッパーを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第102007008911号公報
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第102007008900号公報
【特許文献3】オーストラリア特許出願公開第2009202486号公報
【発明の概要】
【0011】
出願人は、コーヒー粉砕機用ホッパーにおける既知の下部閉鎖装置について仔細に検討した。
【0012】
出願人は、コーヒー粉砕機用ホッパーにおける既知の下部閉鎖装置が、少量とは言えないコーヒー豆を犠牲にする位置においてホッパーの下側閉鎖を行うことに着目した。
【0013】
すなわち、出願人は、粉砕部材とホッパーの下部閉鎖装置との間に、無視できない量の未粉砕コーヒー豆が残されていることを確認した。このようなコーヒー豆は、(多分に「アイドル状態」、すなわち必要なしに粉砕されて)無駄となるか、あるいは、一部でもバーテンダによる回収が多大な困難性を伴うことになる。
【0014】
コーヒーやいかなる食品の浪費も、倫理的には容認できないが、経済的な理由からも避けなければならない。出願人は、実際に、ホッパーを取り出すたびに浪費されるコーヒー豆の量が約20g以上であるものと算出した。ホッパーを1日に1回以上取り外す場合を想定すると、コーヒーの年間廃棄量は数キログラムに達する。
【0015】
出願人は、ホッパーが取り外されたときのコーヒーの浪費を制限し、既知の構成よりも大きい開口を提供するという課題に直面した。出願人によれば、その場合の問題は、既知の閉鎖装置が粉砕部材から離れた位置で作用することに基づいている。典型的に、閉鎖は、粉砕部材から数センチメートルの距離で生じるものである。粉砕手段と閉鎖装置との間で失われるものは、正にコーヒーの体積である。
【0016】
出願人によれば、コーヒー粉砕機のホッパーを取り外す際に無駄になるコーヒーを節約するという課題は、作動平面を画定する作動部材と、シャッター平面を画定するシャッター部材とを有する閉鎖装置を提供することで解決することができる。ここに、駆動平面はシャッター平面と一致せず、作動平面はシャッター平面よりも高い。
【0017】
操作平面とシャッター平面との間の相対位置は、粉砕されるコーヒー豆を装入するための開口を上向きとした状態において、ホッパーの直線垂直位置で評価される。
【0018】
好適には、作動は、縦軸又は実質的に縦軸周りでの回転運動によって行われる。
【0019】
これにより、実際の閉鎖平面(シャッター平面)は、粉砕部材の近傍に配置される。その結果、粉砕部材の頂部と実際の閉鎖平面との間におけるコーヒー豆の体積が既知のシステムと対比して著しく減少し、これにより、ホッパーが分離される際のコーヒーの無駄及び未使用量が節約される。
【0020】
本発明は、第1の態様において、コーヒー粉砕機用のホッパーを提供する。
該ホッパーは、
粉砕すべきコーヒー豆を収容するための、装入口を上部に有する主容器本体と、
コーヒー豆を粉砕手段に到達させるための底部開口を有する下部ホッパー部分と、
底部開口を閉じるための閉鎖装置と、
を備えている。
閉鎖装置は、作動部材、シャッター部材、作動平面及びシャッター平面を備え、シャッター部材は作動平面の下方に配置されている。
シャッター部材は、
下部ホッパー部分に対して固定され、180°未満の中心角及び中心孔を有する単一の固定円周セクターと、
中央孔に枢着された可動円周セクターと、
を備えている。
可動円周セクターは、底部開口が開放し、前記円周セクターの少なくとも2つが固定円周セクターに対応して互いに重なる第1位置と、下側開口が固定円周セクター及び円周方向に連続配置された可動円周セクターにより閉じられる第2の位置と、の間で回動可能である。
【0021】
基本的に、可動円周セクターは動くことができるものであり、扇子のように開放する。シャッター部材における円周セクターに関する限り、「扇子のように」との表現は、中心部において、すなわち端部近傍で枢着される円周セクター(「花弁」又は「クローブ」とも呼ばれる)が存在し、全ての円周セクターが互いに重なり可能であることを意味する。この場合、開口は、円周セクターが重なる部分を除いて全て開放している。円周セクターは、開口を閉じるために円周方向に連続配置することができる。この位置では、円周方向に連続する2つの円周セクターは、それぞれの円周方向に隣接する縁部に対応する最小限の部分において重ねることができる。部分的に閉鎖(又は開口)する中間位置を設定することもできる。
【0022】
一実施形態において、固定円周セクターの中心角は90°未満である。
【0023】
一実施形態において、固定円周セクターは、ホッパーの頂部から内側に向けて突出するように成形され、好適には二重シュートを形成する。
【0024】
一実施形態において、閉鎖装置は、底部開口においてホッパーから下方に突出する管状体と、カップ状本体とを備え、シャッター平面はカップ状本体の底部に実質的に対応する。
【0025】
一実施形態において、カップ本体の底部は、中心角が180°未満の底部円周セクターを備え、カップ本体の底部円周セクターは、単一の固定円周セクターに対してヒンジ回動可能である。
【0026】
一実施形態において、シャッター部材は、第1の可動円周セクターと、カップ状本体の底部円周セクターの回転を通じて回動可能とした第2の可動円周セクターとを備える。
【0027】
一実施形態において、カップ状本体の底部円周セクターは円弧状に延在する溝を備え、第1の可動円周セクターは第1の歯を備え、前記の溝は、第1の可動円周セクター(40)におけり第1の歯(41)と協働するように構成されている。
【0028】
一実施形態において、第1の可動円周セクターは、第2の可動円周セクターと協働させる第2の歯を備える。
【0029】
一実施形態では、前記円筒体の厚さの少なくとも一部に沿ってスリットが設けられている。
【0030】
一実施形態では、前記円筒体の厚さの少なくとも一部に沿って、下向きに突出する障壁縁部が設けられている。
【0031】
一実施形態において、カップ状本体は、該カップ状本体を前記円筒体に対して回転させるための環状フェルールを備える。
【0032】
本発明は、第2の態様において、コーヒー粉砕機を提供するものである。この粉砕機は、機械本体、粉砕部材を配置した粉砕室、及びホッパーを備える。
ホッパーは、
粉砕すべきコーヒー豆を収容するための、上部装入口を有する主容器本体と、
コーヒー豆を粉砕手段に到達させるための底部開口を有する下部ホッパー部分と、
底部開口を閉じるための閉鎖装置と、
を備えている。その閉鎖装置は、作動部材、シャッター部材、作動平面及びシャッター平面を備え、シャッターシャッター平面は作動平面の下方に配置されている。
シャッター部材は、
下部ホッパー部分に対して固定され、180°未満の中心角及び中心孔を有する単一の円周セクターと、
前記中央孔に枢着された可動円周セクターと、
を備えている。
可動円周セクターは、底部開口が開放し、前記円周セクターの少なくとも2つが前記単一の固定円周セクターに対応して互いに重なる第1位置と、下側開口が固定円周セクター及び円周方向に連続配置された可動円周セクターにより閉じられる第2の位置と、の間で回動可能である。
【0033】
一実施形態において、シャッター平面は、粉砕部材から約15mm以下の距離dで配置されている。
【0034】
一実施形態において、シャッター平面は、作動平面から約20mmを超える距離Dで配置されている
【0035】
一実施形態において、閉鎖装置は、垂直軸を中心とする回転運動を介して作動するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
以下、添付図面に示す非限定的で例示的な実施形態について本発明を更に詳述する。
図1図1は、本発明の一実施形態によるホッパーを有するコーヒー粉砕機の概略図である。
図2図2は、閉鎖装置の作動平面に対して低い位置にある底部開口のシャッター平面(実際の閉鎖平面)を有するホッパーの側面図である。図2Aは、蓋が閉じられた状態の図2のホッパーの斜視図である。
図3図3は、コーヒー粉砕機用ホッパーにおける下部開口を閉鎖するための装置の一実施形態を示す断面図である。
図4図4は、閉鎖装置が完全に閉鎖された位置にあるホッパーの底部からの斜視図である
図4A図4Aは、装置がその全閉位置にある状態でのホッパーの底面からの斜視図である。
図5図5は、装置が完全に開放位置にある状態でのホッパーの下方からの斜視図である
図5A図5Aは、全閉鎖装置をホッパー内から見た説明図である。
図5B図5Bは、全閉鎖装置を下方から見た平面図であり、最大開度を示している。
図6図6は、閉鎖装置の分解図である。
図7図7は、閉鎖装置における可動円周セクターの一例を示す説明図である。
図8図8は、閉鎖装置における可動円周セクターの他の例を示す説明図である。
図9図9は、部分的閉鎖位置にある閉鎖装置の斜視図である。
図10図10は、底部開口を閉鎖するための2つの可動円周セクターを有するホッパーの底部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、もっぱら例示として、上部にホッパー10が取り付けられているコーヒー粉砕機Mを示す。
【0038】
図2及び図2Aは、本発明の基礎をなす原理を説明するための概略図である。
【0039】
本発明によれば、ホッパー10の底部開口の閉塞は、ホッパーの下部開口を閉塞するための制御部材では行われない。実際には、ホッパー10の閉鎖は、作動平面Aよりも低いシャッター平面Sにおいて行われる。有利には、実際の閉鎖は、粉砕部材Gにより近い位置で行われる。その結果、ホッパー10から既に放出され、したがって回収不能なコーヒー豆の体積は、実質的にゼロであるか、又はいずれにしても小さい。閉鎖(及び再開放)は、図1に矢印で示すように時計回り及び/又は反時計回りに回転させることによって、垂直又は実質的に垂直な軸Vの周りでの回転運動によって行われる。
【0040】
有利な実施形態において、ホッパー10の底部開口の閉鎖は、回転運動を通じて行われる。
【0041】
好適には、回転は手動であり、すなわち、必要なときに人間操作者によって実行される。あるいは、例えば電動モータ等により自動制御することもできる。この場合、ホッパー10が僅かな距離でも上昇すると閉鎖指令を発するためのセンサー(例えば、近接センサー又は接触センサー)を設けることができる。これにより、オペレータがホッパーをコーヒー粉砕機Mから切り離す前に、ホッパー底部の開口部を閉め忘れるリスクが回避される。
【0042】
本発明によれば、閉鎖装置20は、バタフライ閉鎖手段を用いる既知の解決策とは対照的に、「扇子運動」により底部開口部を閉鎖する。
【0043】
既知の解決策とは異なり、本実施形態においては円周セクターが設けられている。そして、バリスタは、円周セクターを、全てが実質的に重なる開放位置から、各円周セクターが開口部の一部を閉じる閉鎖位置まで回転させることにより、円周セクターにより開口部を略完全に閉じる構成とされている。この運動は、折り畳まれた休止位置から完全に拡げられた位置まで通過させる点で、扇子の運動に類似している。
【0044】
各図を参照すると、特に図6の分解図に示すように、ホッパー10の底部13は、下向きに突出する管状部分(又は管状体)131を含むように成形されている。ホッパー10の底部開口は、管状部131である。管状部分131は、好適には、円形断面を有する。
【0045】
管状部分131は、実質的に完全に開いているが、固定円周セクター15によって閉じられている。管状部131の固定円周セクター15は略三角形であり、基部は管状部131の縁部の一部に沿っている。管状体131の固定円周セクター15は、中央孔16を有する。好適には、中心孔16にはネジが形成されている。
【0046】
固定円周セクター15は、180°未満の中心角αを有する。一実施形態において、中心角αは、90°に概ね等しいか、又は90°未満である。中心角αは、例えば、80°~85°、例えば84°である。
【0047】
好適には、管状体131の固定円周セクター15は、下面が平坦である。好適には、管状体の固定円セクターは、ホッパー10の内側に向かって上向きに突出する形状を有する。後述するように、その突出形状は、開口部に向けてのコーヒー豆の摺動に有利であり、豆が固定円周セクター15に対応して閉塞するのを防止する。
【0048】
ホッパー10がプラスチック材料からなる場合、固定円周セクター15は、各図に示すように、内部で略中空とすることができる。
【0049】
好適には、後述する理由から、円筒体131の厚さの一部に沿ってスリット17が設けられている。
【0050】
好適には、後述する理由から、少なくとも円筒形本体131の厚さの一部に沿って、下向き突出する縁部18が設けられている。
【0051】
本発明において、ホッパーの底部開口部における閉鎖装置20は、管状体131と協働するカップ状本体30を備える。
【0052】
カップ状本体30は、形状及び寸法において、円筒体131の外形部に略対応する内部断面を有している。カップ状本体30は、その上部に、バリスタによる把持(したがって回転)を容易にするための歯付きリング31を備える。
【0053】
円筒体131と同様に、カップ状本体30は、底部円周セクター35を含む。カップ本体30の底部円周セクター35は略三角形であり、基部はカップ本体30の縁部の一部に沿っている。カップ状本体の円形底部円周35は、中心孔36を備える。好適には、中心孔36は貫通孔である。
【0054】
好適には、カップ状本体30の底部円周セクター35は平坦である。
【0055】
好適には、底部円周セクター35は、カップ状本体30の縁部近傍で発達する円弧を有する溝37を含む。
【0056】
図6の分解図には、本発明による閉鎖装置20における他の要素も示されている。特に、「花弁」とも呼ばれる2つの可動円周セクター40、50が示されている。
【0057】
カップ状本体30は、カップ状本体30の中心孔36を貫通して管状体20の中心孔26にネジ結合されるネジ38により、管状体131に結合されている。花弁40、50及び任意的なワッシャ60は、2つの本体20、30間に挿入される。
【0058】
各花弁40、50は、湾曲した基部を有する略三角形状とされている。
【0059】
各花弁40、50は、好適には貫通孔である中央孔46、56を含む。
【0060】
好適には、各花弁40、50は、湾曲した基部の末端に一対の歯41、42、51、52を備える。
【0061】
「下部花弁」とも呼ばれる第1の花弁40は、カップ状本体30の底部円周セクター35内における溝37と係合するように構成された下向きの第1の歯41を備える。第1の歯41は、第1の花弁40の下面に対して実質的に90°である。第2の歯42は、第1の花弁40の上面に対して実質的に90°である。
【0062】
「上部花弁」とも呼ばれる第2の花弁50は、下部花弁40における第2の歯42と協働するように構成され、半径方向に面する第3の歯51を備える。第4の歯52は、上部花弁50の上面に対して実質的に90°である。
【0063】
底面開口が開口している状態では、カップ状本体30の底面円周35は、ホッパー10から突出する管状体131の固定円周セクター25に概ね重なる。この開放位置では、上限花弁50と下側花弁40も互いに重なる。この状態は、例えば、図5、5A及び5Bに示されている。
【0064】
図5Bに示すように、扇子に類似する解決策のため、開口角は、既知の解決策における開口角、典型的には180°よりもはるかに大きい。本実施形態において、開口角は、好適には270°より大きく、例えば図5Bの場合には276°である。
【0065】
開放位置(図5図5A及び図5B)から出発して、底部開口14を閉じるために、バリスタはカップ本体30を、したがって底部円周セクター35を回転させる。この回転の第1段階の間、下部花弁40の第1歯41は、底部円周35の溝37に沿って通過する。カップ状本体30の回転を続けると、下側花弁40は、第1の歯41と溝37の端部との間の係合によって引きずられる。管状体131に対するカップ状本体30の回転を継続すると、第2の歯42が第3の歯51と係合するので、下側花弁40は上側花弁50を回転させることとなる。次に、第2の歯42及び第4の歯52は、円筒形本体131の溝37内を摺動する。
【0066】
上述したように、円筒体の厚さの少なくとも一部に沿って下方に突出する縁部18がある。この縁部18は、カップ状本体30及び/又は花弁40、50が特定の位置にあるときに、底部開口部14を正確な方法で閉鎖することにより、大量のコーヒー又はコーヒー粉末が逃げるのを防止するための障壁を構成する。
【0067】
図4及び図4Aは、底部開口部14が完全に閉鎖した状態の閉鎖装置を示している。
【0068】
代替的に、図5、5及び5Bは、底部開口部14が完全に開いている状態の閉鎖装置を示す。
【0069】
図9は、底部開口14が部分的に開放した状態の閉鎖装置を示す。溝37における第2の歯42と第4の歯52との係合を説明するために、図10ではカップ本体30は示されていない。
【0070】
以上のとおり、本発明の利点は、ホッパーの底部開口部を閉鎖するための装置が提供されることであり、これによりコーヒー豆の無駄を大幅に制限すると同時に、既知の解決策における開口部よりもかなり広い開口部が実現されることである。既知の解決策に対するより大きな開口の割合は、50%以上とすることができる。実際、典型的には、約180°の開口角から270°を超える開口角まで増加させることができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図4A
図5
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー粉砕機(M)用のホッパー(10)であって:
粉砕すべきコーヒー豆を収容するための、充填開口(12)を上部に有する主容器本体(11)と;
コーヒー豆を粉砕手段(G)に到達させるための底部開口(14)を有する下部ホッパー部分(13)と;
前記底部開口(14)を閉じるための閉鎖装置(20、30、40、50)と;を備え、該閉鎖装置が、作動部材(30、31)、シャッター部材(35、40、50、15)、作動平面(A)及びシャッター平面(S)を備え、前記シャッター部材が前記作動平面(A)の下方に配置され、前記シャッター部材が:
・前記下部ホッパー部分(13)に対して固定され、180°未満の中心角(α)と、中心孔(16)とを有する単一の固定円周セクター(15)と;
・前記中央孔(16)に枢着された可動円周セクター(35、40、50)と;を備え、該可動円周セクターは、前記底部開口(14)が開放し、前記円周セクターの少なくとも2つが前記単一の固定円周セクターに対応して互いに重なる第1位置と、前記下側開口(14)が前記単一の固定円周セクター(15)及び円周方向に連続配置された前記可動円周セクター(35、40、50)により閉じられる第2の位置と、の間で回転可能である、ホッパー(10)。
【請求項2】
請求項1に記載のホッパーであって、前記固定円周セクター(15)の中心角(α)が、90°未満である、ホッパー(10)。
【請求項3】
請求項1に記載のホッパーであって、前記固定円周セクター(15)は、前記ホッパー(10)の頂部から内側(11)に向けて突出するように成形され、好適には二重シュートを形成する、ホッパー(10)。
【請求項4】
請求項1に記載のホッパーであって、前記閉鎖装置(20、30、40、50)は、前記底部開口(14)において前記ホッパー(10)から下方に突出する管状体(131)と、カップ状本体(30)とを備え、前記シャッター平面(S)は、前記カップ状本体(30)の底部に実質的に対応する、ホッパー。
【請求項5】
請求項4に記載のホッパーであって、前記カップ本体(30)の底部は、中心角が180°未満の底部円周セクター(35)を備え、前記カップ本体の底部円周セクター(35)は、前記単一の固定円周セクター(15)に対してヒンジ回転可能である、ホッパー(10)。
【請求項6】
請求項5に記載のホッパーであって、前記底部円周セクター(35)の中心角が90°未満である、ホッパー(10).
【請求項7】
請求項1に記載のホッパーであって、前記シャッター部材は、第1の可動円周セクター(40)と、前記カップ状本体(30)の底部円周セクター(35)の回転を通じて回転可能とした第2の可動円周セクター(50)とを備える、ホッパー.
【請求項8】
請求項7に記載のホッパーであって、前記カップ状本体(30)の底部円周セクター(35)が、円弧状に延在する溝(37)を備え、前記第1の可動円周セクター(40)が第1の歯(41)を備え、前記溝(37)は、前記第1の可動円周セクター(40)におけり第1の歯(41)と協働するように構成されている、ホッパー.
【請求項9】
請求項8に記載のホッパーであって、前記第1の可動円周セクター(40)は、前記第2の可動円周セクター(50)と協働させる第2の歯(42)を備える、ホッパー.
【請求項10】
請求項4に記載のホッパーであって、前記円筒体(131)の厚さの少なくとも一部に沿ってスリット(17)が設けられている、ホッパー.
【請求項11】
請求項4に記載のホッパーであって、前記円筒体(131)の厚さの少なくとも一部に沿って、下向きに突出する障壁縁部(18)が設けられている、ホッパー.
【請求項12】
請求項4に記載のホッパーであって、前記カップ状本体は、該カップ状本体を前記円筒体(131)に対して回転させるための環状フェルール(31)を備える、ホッパー.
【請求項13】
機械本体(11)、粉砕部材(G)を配置した粉砕室及びホッパー(10)を備えるコーヒー粉砕機(M)であって、前記ホッパー(10)は、
粉砕すべきコーヒー豆を収容するための、上部充填開口(12)を有する主容器本体(11)と、
コーヒー豆を粉砕手段(G)に到達させるための底部開口(14)を有する下部ホッパー部分(13)と、
底部開口(14)を閉じるための閉鎖装置(20、30、40、50)と、
を備え、前記閉鎖装置は、作動部材(30、31)、シャッター部材(35、40、50、15)、作動平面(A)及びシャッター平面(S)を備え、前記シャッターシャッター平面(S)は前記作動平面(A)の下方に配置され、前記シャッター部材は、
・前記下部ホッパー部分(13)に対して固定され、180°未満の中心角及び中心孔(16)を有する単一の円周セクター(15)と、
・前記中央孔(16)に枢着された可動円周セクター(35、40、50)と、
を備え、該可動円周セクターは、前記底部開口(14)が開放し、前記円周セクターの少なくとも2つが前記単一の固定円周セクターに対応して互いに重なる第1位置と、前記下側開口(14)が前記単一の固定円周セクター(15)及び円周方向に連続配置された前記可動円周セクター(35、40、50)により閉じられる第2の位置と、の間で回転可能である、コーヒー粉砕機(M).
【請求項14】
請求項13に記載のコーヒー粉砕機であって、前記シャッター平面(S)が、前記粉砕部材(G)から約15mm以下の距離(d)で配置されている、コーヒー粉砕機(M)。
【請求項15】
請求項13に記載のコーヒー粉砕機であって、前記シャッター平面(S)が、前記作動平面(A)から約20mmを超える距離(D)で配置されている、コーヒー粉砕機(M)。
【請求項16】
請求項13~15のいずれか一項に記載のコーヒー粉砕機であって、前記閉鎖装置(20、30)が、垂直軸(V)を中心とする回転運動を介して作動するように構成されている、コーヒー粉砕機(M)。
【国際調査報告】