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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-27
(54)【発明の名称】レーザシステム用シロキサン改善
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/14 20060101AFI20221220BHJP
   H01S 3/00 20060101ALI20221220BHJP
   H01S 3/02 20060101ALI20221220BHJP
   H01S 3/23 20060101ALI20221220BHJP
   B01D 53/04 20060101ALI20221220BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20221220BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
H01S5/14
H01S3/00 B
H01S3/02
H01S3/23
B01D53/04
B01D53/14 210
B01D53/26 200
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523046
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(85)【翻訳文提出日】2022-06-13
(86)【国際出願番号】 US2020055698
(87)【国際公開番号】W WO2021076706
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】62/915,766
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】ロックマン,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,ワン-ロン
(72)【発明者】
【氏名】ビジャレアル-サウセド,フランシスコ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ビエン
【テーマコード(参考)】
4D012
4D020
4D052
5F172
5F173
【Fターム(参考)】
4D012BA01
4D012BA03
4D012CA01
4D012CA20
4D012CE01
4D012CE02
4D012CF03
4D012CG01
4D020BA15
4D020BA23
4D020BB03
4D020BB04
4D020DA01
4D020DA02
4D020DB03
4D052CA00
5F172DD06
5F172NN05
5F172WW07
5F172WW20
5F172ZZ01
5F173MA08
5F173MC05
5F173MD64
5F173ME11
5F173MF27
5F173MF28
5F173MF39
(57)【要約】
様々な実施の形態において、レーザ共振器等のレーザシステムの部品の内部におけるシロキサン材料の濃度及び蓄積は、複数の異なる部品の内部に、低いシロキサンレベルを有するガスを直列または並列に供給する改善システムを使用することで、減少または最小化される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に1つまたは複数のビーム発振器を有する閉じたレーザキャビティと、
前記レーザキャビティの内部にガスの流入を可能にするガス入口と、
前記ガス入口にガスを供給するポンプと、
前記ポンプによって前記ガス入口に供給されるガスからシロキサンを除去するように構成されるシロキサン改善システムと、
を備える、レーザ装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記ビーム発振器は、窒化物半導体材料を有する、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項3】
少なくとも1つの前記ビーム発振器は、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、InN、またはその合金または混合物を有する、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項4】
前記レーザキャビティは、そこから供給されたガスの漏れを可能にするように構成される、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項5】
前記レーザキャビティからのガスの流出を可能にするガス出口をさらに備える、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項6】
前記ポンプは、前記ガス出口に流体的に接続される、請求項5に記載のレーザ装置。
【請求項7】
前記ガス出口は、周囲の雰囲気及び/または排気システムへガスを放出するように構成される、請求項5に記載のレーザ装置。
【請求項8】
前記ポンプによって前記ガス入口に供給されるガスから水分を除去するように配置された乾燥剤をさらに備える、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項9】
前記シロキサン改善システムは、シロキサン吸着材料及び/またはシロキサン吸収材料を有する、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項10】
(i)前記シロキサン改善システムは、シロキサン吸着材料を有し、
(ii)前記シロキサン吸着材料は、活性炭素、シリカゲル、ポリマービーズ、及び/または1つまたは複数のモレキュラーシーブスの少なくとも1つを有する、請求項9に記載のレーザ装置。
【請求項11】
(i)前記シロキサン改善システムは、シロキサン吸収材料を有し、
(ii)前記シロキサン吸収材料は、有機溶剤、鉱油、または水の少なくとも1つを有する、請求項9に記載のレーザ装置。
【請求項12】
前記シロキサン改善システムは、凝縮または反応の少なくとも1つによってガスからシロキサンを除去するように構成される浄化システムを有する、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項13】
前記シロキサン改善システムは、前記ガス入口に供給されるガスがその上及び/またはそこを通じて流れる液体を有する、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項14】
前記レーザキャビティの内部、及び/または前記ガス入口、前記ポンプ、または前記シロキサン改善システムの少なくとも1つに流体的に接続される1つまたは複数の導管の内部におけるシロキサンを検知するように構成される1つまたは複数のセンサをさらに備える、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項15】
前記ポンプの操作によって、前記ガス入口にガスを導入するように構成されるコンピュータに基づくコントローラをさらに備える、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項16】
前記レーザキャビティの内部、及び/または前記ガス入口、前記ポンプ、または前記シロキサン改善システムの少なくとも1つに流体的に接続される1つまたは複数の導管の内部におけるシロキサンを検知するように構成される1つまたは複数のセンサをさらに備え、
前記コントローラは、前記1つまたは複数のセンサから受信するシグナルに応答する、請求項15に記載のレーザ装置。
【請求項17】
前記コントローラは、少なくとも1つの前記センサによって検知されるシロキサンの濃度が閾値を超えるときのみ、前記ガス入口にガスを導入するように構成される、請求項16に記載のレーザ装置。
【請求項18】
前記コントローラは、少なくとも前記1つまたは複数のビーム発振器の操作の間において、前記ガス入口にガスを連続的に導入するように構成される、請求項15に記載のレーザ装置。
【請求項19】
前記コントローラは、規則的な間隔において、前記ガス入口にガスを導入するように構成される、請求項15に記載のレーザ装置。
【請求項20】
前記コントローラは、操作者からの指示の受信に応じて、前記ガス入口にガスを導入するように構成される、請求項15に記載のレーザ装置。
【請求項21】
前記レーザキャビティは、密閉してシールされる、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項22】
前記レーザキャビティは、脱ガスによってシロキサンを生成する1つまたは複数の材料をその内部に有する、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項23】
前記1つまたは複数のビーム発振器は、複数のビーム発振器を有し、
前記レーザキャビティは、その内部に、
前記複数のビーム発振器によって発振されるビームを受けて、ビームをマルチ波長ビームに合成するように構成される分散要素と、
前記分散要素の光学的下流に配置されて、(i)前記マルチ波長ビームを受けて、(ii)前記マルチ波長ビームの第1部分を出力ビームとして透過させて、(iii)前記分散要素に向かって戻すように前記マルチ波長ビームの第2部分を反射させるように構成される部分反射型出力カプラと、
を有する、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項24】
前記レーザキャビティは、その内部に、
前記複数のビーム発振器の光学的下流に配置される複数のスロー軸コリメーションレンズと、
前記スロー軸コリメーションレンズの光学的下流、かつ前記分散要素の光学的上流に配置される複数の折り返しミラーと、
を有し、
それぞれの前記スロー軸コリメーションレンズは1つのビーム発振器から1つまたは複数のビームを受けるように構成される、請求項23に記載のレーザ装置。
【請求項25】
前記複数のビーム発振器の下に配置される流体クーラントキャビティと、
前記流体クーラントキャビティに流体クーラントを供給するように構成される流体入口と、
前記流体クーラントキャビティから流体クーラントを排出するように構成される流体出口と、
をさらに備える、請求項23に記載のレーザ装置。
【請求項26】
複数の閉じた部品を有するレーザシステムと、
複数のガス入口と、
複数のガス出口と、
前記複数のガス入口に流体的に結合された入口マニホールドと、
前記入口マニホールドにガスを供給するポンプと、
前記ポンプによって前記入口マニホールドに供給されるガスからシロキサンを除去するように構成されるシロキサン改善システムと、
を備え、
少なくとも1つの部品は、その内部に1つまたは複数のビーム発振器を有し、
それぞれのガス入口は、異なる部品へのガスの流入を可能にするように構成され、
それぞれのガス出口は、異なる部品からのガスの流出を可能にするように構成される、レーザ装置。
【請求項27】
前記複数のガス出口に流体的に結合される出口マニホールドをさらに備える、請求項26に記載のレーザ装置。
【請求項28】
前記ポンプは、前記出口マニホールドに流体的に接続される、請求項27に記載のレーザ装置。
【請求項29】
前記ポンプの操作によって、前記入口マニホールドにガスを導入するように構成されるコンピュータに基づくコントローラをさらに備える、請求項26に記載のレーザ装置。
【請求項30】
少なくとも1つの部品の内部、及び/または前記ポンプ、少なくとも1つの部品、前記入口マニホールドまたは前記シロキサン改善システムの少なくとも1つに流体的に接続される1つまたは複数の導管の内部におけるシロキサンを検知するように構成される1つまたは複数のセンサをさらに備え、
前記コントローラは、前記1つまたは複数のセンサによって受信されるシグナルに応答する、請求項29に記載のレーザ装置。
【請求項31】
前記コントローラは、少なくとも1つの前記センサによって検知されるシロキサンの濃度が閾値を超えるときのみ、前記入口マニホールドにガスを導入するように構成される、請求項30に記載のレーザ装置。
【請求項32】
少なくとも1つの部品は、脱ガスによってシロキサンを生成する1つまたは複数の材料をその内部に有する、請求項26に記載のレーザ装置。
【請求項33】
1つの部品は、閉じたレーザキャビティを有するレーザ共振器を有し、
前記レーザキャビティは、その内部に、
複数のビーム発振器と、
前記複数のビーム発振器によって発振されるビームを受けて、ビームをマルチ波長ビームに合成するように構成される分散要素と、
前記分散要素の光学的下流に配置されて、(i)前記マルチ波長ビームを受けて、(ii)前記マルチ波長ビームの第1部分を出力ビームとして透過させて、(iii)前記分散要素に向かって戻すように前記マルチ波長ビームの第2部分を反射させるように構成される部分反射型出力カプラと、
を有する、請求項26に記載のレーザ装置。
【請求項34】
前記レーザキャビティは、その内部に、
前記複数のビーム発振器の光学的下流に配置される複数のスロー軸コリメーションレンズと、
前記スロー軸コリメーションレンズの光学的下流、かつ前記分散要素の光学的上流に配置される複数の折り返しミラーと、
を有し、
それぞれの前記スロー軸コリメーションレンズは1つのビーム発振器から1つまたは複数のビームを受けるように構成される、請求項33に記載のレーザ装置。
【請求項35】
前記複数の部品は、複数のレーザ共振器を有し、
それぞれのレーザ共振器は、その内部に複数のビーム発振器を有し、ビーム発振器によって発振されるビームを合成ビームに合成するように構成される、請求項26に記載のレーザ装置。
【請求項36】
前記複数の部品は、
前記レーザ共振器からの合成ビームを受けて、前記合成ビームを出力ビームに合成するように構成されるビーム合成モジュールと、
前記ビーム合成モジュールから前記出力ビームを受けて、前記出力ビームを光ファイバに供給するように構成されるファイバ光学モジュールと、
を有する、請求項35に記載のレーザ装置。
【請求項37】
複数の閉じた部品を有するレーザシステムと、
ここで、少なくとも1つの部品は、その内部に1つまたは複数のビーム発振器を有し、
(i)それぞれの部品は、部品へのガスの流入を可能にするように構成されるガス入口と、部品からのガスの流出を可能にするように構成されるガス出口とを有し、
(ii)部品は互いに直列に流体的に接続され、
先頭の部品の前記ガス入口にガスを供給するポンプと、
ここで、供給されるガスは、直列に接続されたそれぞれの部品の内部に及び外部に順に流れ、
前記ポンプによって供給されるガスからシロキサンを除去するように構成されるシロキサン改善システムと、
を備える、レーザ装置。
【請求項38】
前記先頭の部品の前記ガス入口に流体的に結合される入口マニホールドをさらに備え、
前記ポンプは前記先頭の部品の前記ガス入口への供給のために、前記入口マニホールドにガスを供給する、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項39】
最後の部品のガス出口に流体的に結合される出口マニホールドをさらに備える、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項40】
前記ポンプは、前記出口マニホールドに流体的に接続される、請求項39に記載のレーザ装置。
【請求項41】
最後の部品のガス出口は、前記ポンプに流体的に接続される、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項42】
前記ポンプによって供給されるガスから水分を除去するように配置された乾燥剤をさらに備える、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項43】
前記ポンプを操作するように構成されるコンピュータに基づくコントローラをさらに備える、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項44】
少なくとも1つの部品の内部、及び/または前記ポンプ、少なくとも1つの部品、または前記シロキサン改善システムの少なくとも1つに流体的に接続される1つまたは複数の導管の内部におけるシロキサンを検知するように構成される1つまたは複数のセンサをさらに備え、
前記コントローラは、前記1つまたは複数のセンサによって受信されるシグナルに応答する、請求項43に記載のレーザ装置。
【請求項45】
前記コントローラは、少なくとも1つの前記センサによって検知されるシロキサンの濃度が閾値を超えるときのみ、前記ポンプを操作するように構成される、請求項44に記載のレーザ装置。
【請求項46】
少なくとも1つの部品は、脱ガスによってシロキサンを生成する1つまたは複数の材料をその内部に有する、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項47】
1つの部品は、閉じたレーザキャビティを有するレーザ共振器を有し、
前記レーザキャビティは、その内部に、
複数のビーム発振器と、
前記複数のビーム発振器によって発振されるビームを受けて、ビームをマルチ波長ビームに合成するように構成される分散要素と、
前記分散要素の光学的下流に配置されて、(i)前記マルチ波長ビームを受けて、(ii)前記マルチ波長ビームの第1部分を出力ビームとして透過させて、(iii)前記分散要素に向かって戻すように前記マルチ波長ビームの第2部分を反射させるように構成される部分反射型出力カプラと、
を有する、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項48】
前記レーザキャビティは、その内部に、
前記複数のビーム発振器の光学的下流に配置される複数のスロー軸コリメーションレンズと、
前記スロー軸コリメーションレンズの光学的下流、かつ前記分散要素の光学的上流に配置される複数の折り返しミラーと、
を有し、
それぞれの前記スロー軸コリメーションレンズは1つのビーム発振器から1つまたは複数のビームを受けるように構成される、請求項47に記載のレーザ装置。
【請求項49】
前記複数の部品は、複数のレーザ共振器を有し、
それぞれのレーザ共振器は、その内部に複数のビーム発振器を有し、ビーム発振器によって発振されるビームを合成ビームに合成するように構成される、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項50】
前記複数の部品は、
前記レーザ共振器からの合成ビームを受けて、前記合成ビームを出力ビームに合成するように構成されるビーム合成モジュールと、
前記ビーム合成モジュールから前記出力ビームを受けて、前記出力ビームを光ファイバに供給するように構成されるファイバ光学モジュールと、
を有する、請求項49に記載のレーザ装置。
【請求項51】
レーザ装置によって1つまたは複数のビームを発振する方法であって、
前記方法は、
1つまたは複数のビームを形成するように閉じたレーザキャビティの内部に配置された1つまたは複数のビーム発振器を操作することと、
その間、前記レーザキャビティの内部のガスを、より低いシロキサンの濃度を有する新しいガスと交換することと、
を含む、方法。
【請求項52】
前記レーザキャビティの内部のガスを交換することは、新しいガスからシロキサンを除去して、新しいガスを前記レーザキャビティに供給することを有する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記レーザキャビティの内部、前記レーザキャビティに供給される新しいガスの内部、及び/または前記レーザキャビティから排出されるガスのシロキサンの濃度を検知することをさらに有する、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
検知されるシロキサンの濃度が閾値を超えるときのみ、前記レーザキャビティにおいてガスが交換される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記1つまたは複数のビーム発振器は複数のビーム発振器を有し、
前記方法は、
前記複数のビーム発振器によって発振されるビームをマルチ波長ビームに合成することと、
前記マルチ波長ビームの第1部分を出力ビームとして前記レーザキャビティから透過させることと、
前記マルチ波長ビームの第2部分を、前記複数のビーム発振器の発振を安定化させるように、前記複数のビーム発振器に戻すように方向付けることと、
をさらに有する、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記出力ビームによって、工作物を加工することをさらに有する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
複数の閉じた部品を有するレーザ装置によって1つまたは複数のビームを発振する方法であって、
(i)少なくとも1つの部品は、その内部に1つまたは複数のビーム発振器を有し、
(ii)それぞれの部品は、その内部にガスを有し、
前記方法は、
1つまたは複数のビームを形成するように前記1つまたは複数のビーム発振器を操作することと、
その間、それぞれの部品に新しいガスを並列に供給することと、
を含み、
新しいガスは、その内部により低いシロキサンの濃度を有し、
新しいガスは、それぞれの部品に並列に流入及び流出する、方法。
【請求項58】
それぞれの部品に新しいガスを並列に供給する前に、新しいガスからシロキサンを除去することをさらに有する、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
少なくとも1つの部品の内部、前記少なくとも1つの部品に供給される新しいガスの内部、及び/または前記少なくとも1つの部品から排出されるガスのシロキサンの濃度を検知することをさらに有する、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
検知されるシロキサンの濃度が閾値を超えるときのみ、新しいガスはそれぞれの部品に並列に供給される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記少なくとも1つの部品は、その内部に複数のビーム発振器を有するレーザ共振器を有し、
前記レーザ共振器の内部において、
前記複数のビーム発振器によって発振されるビームをマルチ波長ビームに合成することと、
前記マルチ波長ビームの第1部分を出力ビームとして前記レーザ共振器から透過させることと、
前記マルチ波長ビームの第2部分を、前記複数のビーム発振器の発振を安定化させるように、前記複数のビーム発振器に戻すように方向付けることと、
をさらに有する、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
複数の部品は、(i)その内部に1つまたは複数のビーム発振器をそれぞれ有する2つ以上のレーザ共振器と、(ii)ビーム合成モジュールと、(iii)ファイバ光学モジュールとを有し、
前記方法は、
前記2つ以上のレーザ共振器のそれぞれから出力ビームを発振することと、
前記2つ以上のレーザ共振器からの前記出力ビームを前記ビーム合成モジュールにおいて合成ビームに合成することと、
前記合成ビームを、前記ファイバ光学モジュールを通じて、光ファイバに結合することと、
をさらに有する、請求項57に記載の方法。
【請求項63】
前記合成ビームによって、工作物を加工することをさらに有する、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
互いに直列に流体的に接続される複数の閉じた部品を有するレーザ装置によって1つまたは複数のビームを発振する方法であって、
(i)少なくとも1つの部品は、その内部に1つまたは複数のビーム発振器を有し、
(ii)それぞれの部品は、その内部にガスを有し、
前記方法は、
1つまたは複数のビームを形成するように前記1つまたは複数のビーム発振器を操作することと、
その間、直列に接続された部品において先頭の部品に新しいガスを供給することと、
を含み、
新しいガスは、その内部により低いシロキサンの濃度を有し、
供給される新しいガスは、直列に接続されるそれぞれの部品に順に流入及び流出する、方法。
【請求項65】
直列に接続された部品において先頭の部品に新しいガスを供給する前に、新しいガスからシロキサンを除去することをさらに有する、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
少なくとも1つの部品の内部、直列に接続された部品において先頭の部品に供給される新しいガスの内部、少なくとも1つの部品に供給されるガス、及び/または少なくとも1つの部品から排出されるガスのシロキサンの濃度を検知することをさらに有する、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
検知されるシロキサンの濃度が閾値を超えるときのみ、新しいガスは直列に接続された部品において先頭の部品に供給される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記少なくとも1つの部品は、その内部に複数のビーム発振器を有するレーザ共振器を有し、
前記レーザ共振器の内部において、
前記複数のビーム発振器によって発振されるビームをマルチ波長ビームに合成することと、
前記マルチ波長ビームの第1部分を出力ビームとして前記レーザ共振器から透過させることと、
前記マルチ波長ビームの第2部分を、前記複数のビーム発振器の発振を安定化させるように、前記複数のビーム発振器に戻すように方向付けることと、
をさらに有する、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
複数の部品は、(i)その内部に1つまたは複数のビーム発振器をそれぞれ有する2つ以上のレーザ共振器と、(ii)ビーム合成モジュールと、(iii)ファイバ光学モジュールとを有し、
前記方法は、
前記2つ以上のレーザ共振器のそれぞれから出力ビームを発振することと、
前記2つ以上のレーザ共振器からの前記出力ビームを前記ビーム合成モジュールにおいて合成ビームに合成することと、
前記合成ビームを、前記ファイバ光学モジュールを通じて、光ファイバに結合することと、
をさらに有する、請求項64に記載の方法。
【請求項70】
前記合成ビームによって、工作物を加工することをさらに有する、請求項69に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年10月16日に出願された、米国仮特許出願第62/915,766号に基づく利益及び優先権を主張し、その開示の全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
様々な実施の形態において、本発明はレーザシステムに関し、特に、レーザシステムにおけるシロキサンの影響を改善するための装置及び技術に関する。
【背景技術】
【0003】
高出力レーザシステムは、溶接、切削、穴あけ加工及び材料加工等、異なる複数の用途に使用されている。このようなレーザシステムは、一般的に、レーザ発振器と、光学システムとを含み、レーザ発振器からのレーザ光は光ファイバ(または、単に「ファイバ」)内に結合され、光学システムは加工される工作物上にファイバからのレーザ光を集光させる。レーザシステムのための光学システムは、一般的に、最高品質のレーザビーム、または、同等に、最低のビームパラメータ積(BPP)を有するビームを生成するために設計されている。BPPは、レーザビームの発散角(半角)と最も狭い点におけるビームの半径(即ち、ビームウェイスト、最小スポット径)との積である。即ち、BPP=NA×D/2であって、ここでDは集光スポット(ウエスト)直径であり、NAは開口数であり、したがってNA及び/またはDを変更することでBPPを変更してもよい。BPPはレーザビームの品質、及びどの程度小さいスポットに集光できるかを定量化し、一般的にミリメートル-ミリラジアン(mm-mrad)の単位で表記される。ガウスビームは、レーザ光の波長をπ(pi)で割ることで得られる、取り得る最も低いBPPを有する。同じ波長における理想的なガウスビームに対する実際のビームのBPPの比はMと示され、波長から独立したビーム品質の基準である。
【0004】
波長合成技術(Wavelength beam combining:WBC)は、レーザダイオード、レーザダイオードバー、ダイオードバーのスタック、または1または2次元アレーに配置された他のレーザからの出力パワー及び輝度を調節するための技術である。発振器のアレーの1または両方の次元に沿ってビームを合成するWBC方法が開発された。一般的なWBCシステムは、マルチ波長ビームを形成する分散要素を用いて合成される1つまたは複数のダイオードバー等、複数の発振器を含む。WBCシステム内の各発振器は個別に共振し、ビーム合成の次元に沿って分散要素によりフィルタされる、共通の部分反射型出力カプラからの波長特性を有するフィードバックを通じて安定化される。例示的なWBCシステムは、2000年2月4日に出願された米国特許第6,192,062号と、1998年9月8日に出願された米国特許第6,208,679号と、2011年8月25日に出願された米国特許第8,670,180号と、2011年3月7日に出願された米国特許第8,559,107号と、において説明され、各出願の開示の全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0005】
シロキサンは、[Si-O]nの官能基を有し、よって、Si-O-Si結合を有する有機シリコン材料のクラスである。これらの化合物は、直鎖化合物または環状化合物であってもよく、シロキサンの例は、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンを含む。シロキサンは、その疎水性、低い熱伝導率、及び高い可撓性によって、レーザシステムを含む多くの商業的及び工業的用途を有する。残念ながら、可視光(またはそれより小さい)波長でビームを発振するGaN、InGaNに基づくダイオードレーザ等の多くのレーザ発振器のパワー劣化は、シロキサンへの露出によって加速され、シロキサンは、雰囲気から(例えば、化粧品、掃除用製品、製薬製品で広く使用されるシリコーンを含む材料による脱ガス(outgassing)から)、レーザシステムに入る可能性があり、または、その内部の部品(例えば、1つまたは複数のシリコーンを含み、これによって構成され、またはこれによって実質的に構成される部品、例えば、ガスケット、シール、エポキシ、接着剤等)からの脱ガスによってレーザシステム内で発生し得る。レーザシステム内におけるシロキサンは、窒化物に基づくレーザ発振器によって「捕捉」され、レーザ発振器面に付着することによって、パワー劣化をもたらす可能性がある。現在及び将来のレーザシステムにおいてレーザ発振器のパワー及び発振される光の強度を増加させることが望まれているが、レーザ発振器のパワー及び発振される光の強度が増加すると、このような劣化が加速される可能性がある。
【0006】
この課題に少なくとも部分的に対処するための1つの方法は、低シロキサン環境におけるレーザ装置の作成及び設置である。しかしながら、その場合、システムは、操作において外部環境からのシロキサンの流入を抑制するように密閉シールされている必要があり、これは困難である。加えて、このような解決策は、脱ガスによって生成されるシロキサンに適切に対処しない。よって、レーザシステムの部品において、シロキサンへの露出を減少または最小化するようなシステム及び方法が求められており、よってそれらの有害な効果を改善する。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施の形態において、シロキサン改善システム及び方法は、シロキサンに対するビーム発振器を含むレーザ装置の内側の部品の露出を減少または最小化するように使用され、よって、シロキサンによって誘発される性能及び信用性の劣化を減少または最小化できる。様々な実施の形態において、1つまたは複数のビーム発振器は、部分的または完全に密閉された環境である「レーザキャビティ」の内部に配置され、本明細書では「発振器モジュール」、「共振器モジュール」、または「共振器」とも称される。「レーザキャビティ」は、ビーム発振器が配置される共振器の部分を示し、レーザキャビティは、共振器において1つまたは複数の追加の内部部分に対してシールされても、または開放されてもよく、通常、光学素子、電気接続、冷却システム、及び/またはリザーバ等の他の要素を収容する。様々な実施の形態において、レーザキャビティは、レーザキャビティの内部環境からシロキサンを除去するようにレーザキャビティに内部的にガスを置き換え及び/または再循環させる閉回路または開回路の循環システムに接続される。ある実施の形態において、循環システムは、閉回路を形成し、閉回路においては、ガスはレーザキャビティからシロキサン改善システムへポンプされ、ガスはシロキサン改善システムからレーザキャビティ内にポンプされて戻される。他の環境において、循環システムは開回路を形成し、ガス(例えば、空気)はシロキサン改善システムの内部に、そしてそこからレーザキャビティにポンプされ、ガスはレーザキャビティから周囲の雰囲気に(即ち、シロキサン改善システムに戻されるようにポンプされず)逃げることができる。このような配置において形成される正圧は、レーザキャビティ内へのシロキサンの流入を抑制するように支援する。
【0008】
様々な実施の形態において、循環システムは、連続的に操作され、よってレーザキャビティ内のガスをシロキサンのより低い濃度を有する(または実質的にシロキサンを有しない)ガスと連続的に交換する。他の実施の形態において、循環システムは、間隔において操作され、間隔は規則的または不規則的に予定され、または循環システムは要求(例えば、操作者によって開始される要求)によって操作される。例えば、レーザキャビティは、シロキサン濃度を検知するための1つまたは複数のモニタまたはセンサを含んでもよく、循環システムは、シロキサン濃度が閾値に到達すると、レーザキャビティに新しいガスをポンプするように操作してもよい。
【0009】
他の実施の形態において、循環システムは、活性化された高エネルギシロキサンの種類の生成及び蒸着を抑制するように、レーザ発振の間で操作されてもよい。特に、短い波長(例えば、青い光等の可視光、または紫外線でさえも)を発振するレーザ発振器を含むレーザシステムにおいて、高エネルギレーザ光は、光によって照射されるレーザシステム内のシロキサン分子を活性化し得る。即ち、光による照射は、シロキサン種類をラジカル化しまたはその分子構造破壊し、より反応しやすくし得る(即ち、より高いエネルギ状態にし得る)。このように活性化された種類は、レーザシステムにおける他のシロキサン種類と反応し、レーザ発振器(例えば、発振面)に蒸着される可能性がある。レーザ発振器が酸化コーティング(例えば、保護的及び/または反射防止層)を有すると、シリコンと酸素との間の大きい結合エネルギによって、このような有害な蒸着は加速され得る。したがって、様々な実施の形態において、循環システムは、操作(即ち、レーザ発振)の前に開始され、レーザ発振の後、及び/またはレーザエネルギがシステムによって能動的に発振されていない期間において、消されてもよい。様々な実施の形態において、循環システムは、操作の前においてシステムの内部のシロキサン濃度を減少または最小化するように、操作の前に短い時間(例えば、1分まで、2分まで、5分まで、または10分まで)において開始されてもよい。同様に、循環システムは、操作の間に生成されたシロキサンの存在を減少または最小化するように、操作の後に短い時間(例えば、1分まで、2分まで、5分まで、または10分まで)において操作し続けてもよい。
【0010】
様々な実施の形態において、循環システムは、複数の異なるレーザキャビティまたは共振器に、直列または並列に操作する。同様に、様々な実施の形態において、循環システムは、ビーム発振器を収容するレーザキャビティのみに操作するのではなく、ファイバ光学モジュール等のレーザシステムの(シールされてもよい)他の部分または部品に操作してもよい。したがって、本明細書において、「レーザキャビティ」に関連した説明は、レーザデバイスまたは装置の他の部品、システム、またはサブシステムにも同様に適用されると理解されよう。様々な実施の形態において、循環/シロキサン改善システムは、レーザ共振器等の1つまたは複数の閉じた(enclosed)部品とともに使用されてもよい。本明細書にて使用されるように、「閉じた」部品は、1つまたは複数のシールされた領域、例えば、その内部に1つまたは複数のビーム発振器を収容するレーザキャビティを有する。即ち、閉じた部品は、その全体においてシールされてもよいが、必ずしもその全体においてシールされなくてもよい。
【0011】
様々な実施の形態において、シロキサン改善システムは、活性化炭素、シリカゲル、ポリマービーズ、または1つまたは複数のモレキュラーシーブス(molecular sieves)等、ガスストリームからシロキサンを吸着するための材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。様々な実施の形態において、シロキサン改善システムは、有機溶剤、鉱油、または水等のガスストリームからシロキサンを吸着するための材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサン改善システムにおいて、レーザキャビティにポンプされるガスは、ガスからのシロキサンの吸着及び/または吸収のための1つまたは複数のこのような材料の上をまたはそれを通じて(例えば、それを通じる気泡となって(bubbled through))流れてもよい。したがって、様々な実施の形態において、ガスからシロキサンを除去することは、ガスに水分(例えば、1つまたは複数の液体の一定量)を導入してもよい。ある実施の形態において、シロキサン改善システムは、加えてまたは代わって、凝縮(例えば、1つまたは複数の冷却システム)及び/または反応(例えば、触媒作用)を通じて、ガスストリームからシロキサンを除去する浄化システムを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。様々な実施の形態において、シロキサン改善システムは、レーザキャビティの内部へのガスの導入の前にガスから水分を除去する乾燥システム(1つまたは複数の乾燥剤をその内部に有する容器)を含んでもよい。
【0012】
本発明の実施の形態によって、シロキサン改善システムと接続する(interfacing)レーザ共振器は、可視光波長範囲(または紫外線等のより短い波長)において光を発振する1つまたは複数のレーザ共振器を含んでもよく、及び/またはGaN及びInGaN等の窒化物に基づく半導体材料によって少なくとも部分的に構成されてもよい。より長い波長の発振器を有するシステムは、同程度において、シロキサンに対する露出によるパワー劣化を示さない場合もあるが、本発明の実施の形態は、より長期間の安定性及び信用のためにこのような発振器とともに使用されてもよい。
【0013】
本発明の実施の形態による共振器は、2017年7月26日に出願された米国特許出願第15/660,134(‘134出願)、及び/または2019年5月24日に出願された米国特許出願第16/421,728号に記載された1つまたは複数の部品、インターフェース及び/または制御システムを含んでもよく、これらの出願の開示の全体は、参照によって本明細書に含まれる。例えば、本発明の実施の形態による共振器モジュールは、ビーム合成閉空間上の相補的な特徴と接続する電気的及び光学的インターフェースを含み、モジュールからの個別のビームは単一の出力ビームに合成される(及び、ある実施の形態において、光ファイバに結合される)。光学的及び電気的インターフェースは、少量の光源位置合わせが伴ったまたは位置合わせが不要な入力レーザ光源の簡単な交換を可能にする。発振器モジュールは、閉空間(enclosure)上またはその中に配置された入力容器に挿入可能であってもよく、入力容器と係合してもよく、入力容器において入力ビームは出力ビームを形成するように合成される。共振器モジュールは、ビーム結合光学系のための閉空間の中にまたはその上に配置された(またはその一部を形成する)複数の入力容器の1つと機械的、電気的及び/または光学的に接続されてもよい。
【0014】
当業者に知られているように、レーザは、一般的に光の誘導放出によって、可視光または非可視光を生成するデバイスとして定義される。上述のように、レーザは、一般的に様々な用途において活用される性質を有する。一般的なレーザの種類は、半導体レーザ(例えば、レーザダイオード及びダイオードバー)、固体レーザ、ファイバレーザ、及び気体レーザを含む。レーザダイオードは、一般的に、フォトン(光)の放出をサポートする簡単なダイオード構造に基づく。しかしながら、効率、パワー、ビーム品質、輝度、変調可能性(tunability)等を向上するためには、この簡単な構造は一般的に改造され、多くの実用的なタイプのレーザダイオードの種類を提供する。レーザダイオードのタイプは、数ミリワットから略半ワットの出力パワーを、高いビーム品質を有するビームとして発生させる小さいエッジ発振(edge-emitting)種類を含む。ダイオードレーザの構造的種類は、2つの高いバンドギャップ層の間に挟まれた低いバンドギャップ材料の層を含む二重のヘテロ構造レーザ;レーザのエネルギの高効率及び量子化をもたらす極めて薄い中間層(量子井戸層)を含む量子井戸レーザ;利得性質を向上させるために1つより多くの量子井戸層を含む複数量子井戸レーザ;より高い効率を有する量子井戸レーザを形成するために中間層をワイヤまたはドットで交換する量子ワイヤまたは量子シー(sea)(ドット)レーザ;量子層の厚みを変更することで同調することができる比較的長い波長におけるレーザ動作を可能とする量子カスケードレーザ;最も一般的な商業的レーザダイオードであって、発生させた光を効率よく閉じ込めるために、量子井戸層の上下において他の2つの層を含む、分離閉じ込めヘテロ構造レーザ;過酷な光学通信用途で一般的に使用され、利得領域に単一の波長を戻すように反射させることで、製造中に規定された安定した波長を発生させることを容易にする統合された回折格子を含む、分布帰還型レーザ;そのエッジではなくその表面から光が照射されるという点において他のレーザダイオードとは異なる構造を有する垂直共振器面発光レーザ(VCSELs);主に二重ヘテロ構造ダイオードを使用する同調可能レーザであり、回折格子または複数プリズム回折格子配置を含む、外部垂直共振器面発光レーザ(VECSELs)及び外部共振器ダイオードレーザ;を含む。外部共振器ダイオードレーザは、多くの場合において、波長同調可能であり、小さい放出幅(emission line width)を示す。レーザダイオードの種類は、様々な高パワーダイオードに基づくレーザも含み、横長出力面を有し得るマルチモードダイオードに特徴付けられ、一般的に低いビーム品質を有するが数ワットのパワーを発生させるブロードエリア型レーザ;ブロードエリア型レーザと比較すると、向上したビーム品質及び輝度を示す傾斜された出力面を有する乱視モードダイオードに特徴付けられたテーパレーザ;楕円形の出力面を有する楕円モードダイオードに特徴付けられたリッジ導波路レーザ;出力面を有する円形モードダイオードに特徴付けられ、略円形のプロファイルを有する回折限定ビームにおいてワットレベルの出力を発生させることができるスラブ結光導波路レーザ(SCOWL)を含む。
【0015】
ダイオードレーザバーは、半導体レーザの種類であり、ブロードエリア型発振器の1次元アレーを含む、または、代替的に、例えば、10-20個の細いストライプ発振器を含むサブアレーを含む。ブロードエリア型ダイオードバーは、一般的に、例えば、19-49個の発振器を含み、それぞれ、例えば、1μm×100μmの桁の寸法を有する。1μmの寸法またはファスト軸(fast-axis)に沿ったビーム品質は、一般的に、回折限界を有する。100μmの寸法またはスロー軸(slow-axis)に沿ったビーム品質は、一般的に、複数回の回折限界を有する。一般的に、商業的用途のためのダイオードバーは、1から4mmの桁のレーザ共振器長さを有し、幅方向に約10mmであり、数十ワットの出力パワーを発生させる。多くのダイオードバーは780から1070nmの波長範囲内で操作され、808nmの波長(ポンピングされたネオジムレーザ)および940nm(ポンピングされたYb:YAG)が最も顕著である。915-976nmの波長範囲は、エルビウムドープ、イッテルビウムドープの高出力ファイバレーザと増幅器のポンピングに使用される。
【0016】
本発明の実施の形態は、1つまたは複数の出力ビームを光ファイバ内に結合してもよい。様々な実施の形態において、光ファイバは、単一のコアを囲む複数のクラッド層、1つのクラッド層内に複数の離散的なコア領域(または「コア」)、または複数のクラッド層に囲まれた複数のコアを有する。
【0017】
本明細書にて、「光学素子」は、特段の記載がない限り、電磁気放射を方向転換させる、反射させる、曲げる、または他のいずれかの方法で光学的に操作する、レンズ、ミラー、プリズム、回折格子等のいずれかを指してもよい。本明細書にて、ビーム発振器、発振器、またはレーザ発振器、またはレーザは、電磁気ビームを発生させるが、自己共振するまたはしない半導体要素等のいずれかの電磁気ビーム発振器装置を含む。これらは、ファイバレーザ、ディスクレーザ、非個体レーザ等を含む。一般的に、各発振器は、背面反射面、少なくとも1つの光学利得媒体、及び正面反射面を含む。光学利得媒体は、電磁気放射の振幅を増加させる。電磁気放射は、電磁気スペクトラムのいずれかの特定部分に限定されておらず、可視光、赤外線及び/または紫外線であってもよい。発振器は、複数のビームを照射するように構成されたダイオードバー等、複数のビーム発振器を含んでもよくまたは本質的にこれによって構成されてもよい。本明細書における実施の形態において受けられる入力ビームは、先行技術において知られている様々な技術を用いて合成される単一波長または複数波長のビームであってもよい。加えて、本明細書における「レーザ」、「レーザ発振器」、または「ビーム発振器」への参照は、単一ダイオードレーザのみではなく、ダイオードバー、レーザアレー、ダイオードバーアレー、及び単一の垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)またはそのアレーを含む。本明細書において、異なる「波長」への参照は、異なる「波長の範囲」を包含し、レーザの波長(または色)は、そのプライマリ波長に対応し、即ち、発振器は、プライマリ波長を含む(及びプライマリ波長を中心とする)波長の有限のバンドを有する光を発振してもよい。
【0018】
本発明の実施の形態によるシロキサン改善システムを有し、シロキサン改善技術を使用するレーザシステムは、工作物を加工するために使用されてもよく、よって、ある表面を光で単にプローブ(probe)する光学技術(例えば、反射率測定)とは対照的に、工作物の表面は物理的に変更され、及び/または表面上または内にある特徴が形成される。本発明の実施の形態による例示的なプロセスは、切断、溶接、穴開け、及びはんだ付けを含む。本発明の様々な実施の形態は、レーザビームからの照射で工作物の表面の全体または実質的に全体を同時に照らさず、1つまたは複数の点において、または1次元的な加工パスに沿って工作物を加工する。一般的に、加工パスは、曲線状または直線上であってもよく、「直線」加工パスは1つまたは複数の方向転換を含んでもよく、即ち、直線加工パスは、互いに平行でない2つ以上の実質的に直線状のセグメントによって構成されてもよい。
【0019】
本発明の様々な実施の形態は、2015年の2月26日に出願された米国特許出願第14/632,283号と、2016年6月21日に出願された米国特許出願第15/188,076号とにおいて説明されるように、出力レーザビームのBPPを変更する技術を有するレーザシステムと共に使用されてもよく、これらの出願の開示の全体は、参照によって本明細書に含まれる。
【0020】
本発明の様々な実施の形態によるレーザシステムは、出力と工作物との間において相対移動をもたらしている間に、工作物上にレーザ出力を向けるデリバリ機構を含んでもよい。例えば、デリバリ機構は、工作物に向かって出力を向ける及び/または集光するためのレーザヘッドを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、これによって構成されてもよい。レーザヘッド自体は、工作物に対して可動移動可能及び/または回転可能であってもよく、及び/またはデリバリ機構は、固定されてもよい出力に対して工作物の移動を可能にするように、工作物のための可動ガントリーまたは他のプラットフォームを含んでもよい。
【0021】
本発明の様々な実施の形態において、様々な工作物を加工するように用いられるレーザビームは、1つまたは複数の光ファイバ(または「デリバリファイバ」)を通じて工作物に供給されてもよい。本発明の実施の形態は、多数の異なる内部構成及び形状を有する光ファイバを含んでもよい。このような光ファイバは、1つまたは複数のコア領域及び1つまたは複数のクラッド領域を有してもよい。例えば、光ファイバは、内側クラッド層によって分離された中央コア領域と環状コア領域とを含んでもよく、本質的にこれらによって構成されてもよく、これらによって構成されてもよい。1つまたは複数のクラッド領域は、環状コア領域の周りに配置されてもよい。本発明の実施の形態は、2017年4月5日に出願された米国特許出願第15/479,745号と、2019年11月6日に出願された米国特許出願第16/675,655号とにおいて説明された構成を有する光ファイバとともに使用されてもよく及び/またはこれらを含んでもよく、それぞれの出願の開示の全体は、参照によって本明細書に含まれる。
【0022】
構造的に、本発明の実施の形態による光ファイバは、本発明の原理を変更することなく外側クラッドを超えて(即ち、その外側で)、高い及び/または低い屈折率の1つまたは複数の層を含んでもよい。これらの追加的な層のそれぞれは、クラッドまたはコーティングと称されてもよく、光を誘導しなくてもよい。光ファイバは、明記されたものに加えて1つまたは複数のコアを含んでもよい。このような変形例は本発明の範囲内である。本発明の様々な実施の形態は、光ファイバの構造上またはその内部にモードストリッパを含まない。同様に、本発明の実施の形態による光ファイバの様々な層は、ファイバの全長に沿って連続的であり、その内部に開口、フォトニック結晶構造、断絶、隙間または他の不連続を含まない。
【0023】
本発明による光ファイバは、マルチモードファイバであってもよく、よってその内部に(例えば、3より多く、10より多く、20より多く、50より多くまたは100モードより多く)複数のモードを支持する。加えて、本発明による光ファイバは、一般的に受動的ファイバであり、即ち、ポンプされたファイバレーザ及び増幅器のために通常使用される活性ドーパント(例えば、エルビウム、イッテルビウム、ツリウム、ネオジム、ジスプロシウム、プラセオジム、ホルミウム、またはその他の希土類金属)がドープされていない。代わって、本発明によるファイバの様々な層における望ましい屈折率を選択するように使用されるドーパントは、例えば、フッ素、チタン、ゲルマニウム、及び/またはホウ素等のレーザ光によって励起されない一般的に受動的なドーパントである。したがって、本発明の様々な実施の形態による光ファイバ及びその様々なコア及びクラッド層は、実質的に純粋な石英ガラス及び石英ガラス等のガラスを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよく、フッ素、チタン、ゲルマニウム、及び/またはホウ素によってドープされてもよい。本発明の実施の形態による光ファイバの特定の層または領域のために望ましい屈折率を取得することは、過度な実験なく当業者によって(ドーピング等の技術によって)実現され得る。関連して、本発明の実施の形態による光ファイバは、反射板、または部分反射板(例えば、ブラッグ格子等の格子)をその内部にまたはその上に含まなくてもよい。本発明の実施の形態によるファイバは、異なる波長のレーザ光を生成するように構成されるポンプ光によって通常ポンプされない。代わって、本発明の実施の形態によるファイバは、その波長を変更することなく、その長さに沿って単に光を伝播させる。本発明の実施の形態による光ファイバは、より壊れやすいガラスまたは石英ガラス自体の周りに配置される任意の外部ポリマー保護コーティングまたは外装を有してもよい。
【0024】
加えて、本発明の実施の形態によるシステム及び技術は、光学通信または光学データ送信等の用途ではなく、材料加工(例えば、切削、穴あけ等)のために通常使用される。したがって、本発明の実施の形態によるファイバに結合されてもよいレーザビームは、光学通信に使用される1.3μmまたは1.5μmとは異なる波長を有してもよい。実は、本発明の実施の形態によって使用されるファイバは、光学通信のために使用される略1260nmから略1675nmの範囲における1つまたは複数の(または全ての)波長において分散を示してもよい。
【0025】
ある態様において、本発明の実施の形態は、その内部に1つまたは複数のビーム発振器を有する閉じたレーザキャビティと、レーザキャビティの内部にガスの流入を可能にするガス入口と、ガス入口にガスを供給するためのポンプと、ポンプによってガス入口に供給されるガスからシロキサンを除去するように構成されるシロキサン改善システムとを含み、本質的にこれによって構成され、またはこれによって構成されるレーザ装置を有する。
【0026】
本発明の実施の形態は、いずれかの組み合わせにおいて後続の1つまたは複数を含んでもよい。少なくとも1つのビーム発振器は、1つまたは複数の窒化物半導体材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。少なくとも1つのビーム発振器は、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、InN及び/またはその合金または混合物を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。レーザキャビティは、そこからの供給ガスの漏れを可能にするように構成されてもよく、即ち単一の専用ガス出口を有しなくてもよい。装置は、レーザキャビティからのガスの流出を許可するまたは許可するように構成されるガス出口を含んでもよい。ポンプは、ガス出口に流体的に接続されてもよい。ガス出口は、周囲の雰囲気及び/または排気システムへガスを放出するように構成されてもよい。装置は、ポンプによってガス入口に供給されるガスから水分を除去するように配置された乾燥剤を含んでもよい。乾燥剤は、シロキサン改善システムと異なってもよく、及び/またはその外側に配置されてもよい。シロキサン改善システムは、シロキサン吸着材料及び/またはシロキサン吸収材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサン改善システムは、活性炭素、シリカゲル、ポリマービーズ、及び/または1つまたは複数のモレキュラーシーブスを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサン改善システムは、有機溶剤、鉱油、または水を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサン改善システムは、凝縮及び/または反応によってガスからシロキサンを除去するように構成された浄化システムを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサン改善システムは、ガス入口に供給されるガスがその上及び/またはそこを通じて流れる液体を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。
【0027】
装置は、レーザキャビティ及び/またはガス入口、ポンプ、及び/またはシロキサン改善システムに流体的に接続された1つまたは複数の導管の内部におけるシロキサンを検知するように構成される1つまたは複数のセンサを含んでもよい。装置は、ポンプの操作によって、ガス入口にガスを導入するように、及び/またはシロキサン改善システムを制御するように構成されたコンピュータに基づくコントローラを含んでもよい。装置は、レーザキャビティ及び/またはガス入口、ポンプ及び/またはシロキサン改善システムに流体的に接続された1つまたは複数の導管の内部におけるシロキサンを検知するように構成される1つまたは複数のセンサを含んでもよく、コントローラは、1つまたは複数のセンサによって受信されるシグナルに応答してもよい。コントローラは、少なくとも1つのセンサによって検知されるシロキサンの濃度が閾値を超えるときのみに、ガス入口にガスを導入するように構成されてもよい。コントローラは、少なくとも1つまたは複数のビーム発振器の操作の間において、ガス入口にガスを連続的に導入するように構成されてもよい。コントローラは、例えば、1つまたは複数のビーム発振器がビームを発振するように操作する等、規則的な間隔においてガス入口にガスを導入するように構成されてもよい。コントローラは、操作者からの指示の受信に応じて、ガス入口にガスを導入するように構成されてもよい。レーザキャビティは密閉してシールされてもよい。レーザキャビティは、脱ガスによってシロキサンを生成する1つまたは複数の材料をその内部に含んでもよい。
【0028】
1つまたは複数のビーム発振器は、複数のビーム発振器を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。レーザキャビティは、その内部に、(A)複数の発振器によって発振されるビームを受けて、ビームをマルチ波長ビームに合成するように構成される分散要素と、分散要素の光学的下流に配置されて、(i)マルチ波長ビームを受けて、(ii)出力ビームとしてマルチ波長ビームの第1部分を透過させて、(iii)分散要素に向かって戻すようにマルチ波長ビームの第2部分を反射させるように構成される部分反射型出力カプラと、を含んでもよい。レーザキャビティは、その内部に、(A)複数の発振器の光学的下流に配置される複数のスロー軸コリメーションレンズと、(B)スロー軸コリメーションレンズの光学的下流、かつ分散要素の光学的上流に配置される複数の折り返しミラーとを含んでもよく、それぞれのスロー軸コリメーションレンズは1つのビーム発振器から1つまたは複数のビームを受けるように構成される。装置は、複数のビーム発振器の下に配置される流体クーラントキャビティと、流体クーラントキャビティに流体クーラントを供給するように構成される流体入口と、流体クーラントキャビティから流体クーラントを排出するように構成される流体出口とを含んでもよい。
【0029】
他の態様において、本発明の実施の形態は、複数の閉じた部品を含み、本質的にこれによって構成され、またはこれによって構成されるレーザシステムと、複数のガス入口と、複数のガス出口と、複数のガス入口に流体的に結合された入口マニホールドと、入口マニホールドにガスを供給するポンプと、ポンプによって入口マニホールドに供給されるガスからシロキサンを除去するように構成されるシロキサン改善システムとを含み、本質的にこれによって構成され、またはこれによって構成されるレーザ装置を含む。少なくとも1つの部品は、その内部に1つまたは複数のビーム発振器を含む。それぞれのガス入口は、異なる部品にガスの流入を可能にするように構成される。それぞれのガス出口は、異なる部品からのガスの流出を可能にするように構成される。
【0030】
本発明の実施の形態は、いずれかの組み合わせにおいて後続の1つまたは複数を含んでもよい。1つまたは複数の部品は、その内部にビーム発振器を含まなくてもよい。少なくとも1つのビーム発振器は、1つまたは複数の窒化物半導体材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。少なくとも1つのビーム発振器は、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、InN及び/またはその合金または混合物を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。装置は、複数のガス出口に流体的に結合される出口マニホールドを含んでもよい。ポンプは、出口マニホールドに流体的に接続されてもよい。出口マニホールドは、周囲の雰囲気及び/または排気システムの内部にガスに放出するように構成されてもよい。複数のガス出口は、周囲の雰囲気及び/または排気システムへガスを放出するように構成されてもよい。装置は、ポンプによって入口マニホールドに供給されるガスから水分を除去するように配置された乾燥剤を含んでもよい。乾燥剤は、シロキサン改善システムと異なってもよく、及び/またはその外側に配置されてもよい。シロキサン改善システムは、シロキサン吸着材料及び/またはシロキサン吸収材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサン改善システムは、活性炭素、シリカゲル、ポリマービーズ、及び/または1つまたは複数のモレキュラーシーブスを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサン改善システムは、有機溶剤、鉱油、または水を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサン改善システムは、凝縮及び/または反応によってガスからシロキサンを除去するように構成された浄化システムを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサン改善システムは、入口マニホールドに供給されるガスがその上及び/またはそこを通じて流れる液体を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。
【0031】
装置は、少なくとも1つの部品の内部、及び/またはポンプ、少なくとも1つの部品、入口マニホールド、及び/またはシロキサン改善システムに流体的に接続された1つまたは複数の導管の内部におけるシロキサンを検知するように構成される1つまたは複数のセンサを含んでもよい。装置は、ポンプの操作によって、入口マニホールドにガスを導入するように、及び/またはシロキサン改善システムを制御するように構成されたコンピュータに基づくコントローラを含んでもよい。装置は、少なくとも1つの部品及び/またはポンプ、少なくとも1つの部品、入口マニホールド及び/またはシロキサン改善システムに流体的に接続された1つまたは複数の導管の内部におけるシロキサンを検知するように構成される1つまたは複数のセンサを含んでもよく、コントローラは、1つまたは複数のセンサによって受信されるシグナルに応答してもよい。コントローラは、少なくとも1つのセンサによって検知されるシロキサンの濃度が閾値を超えるときのみに、入口マニホールドにガスを導入するように構成されてもよい。コントローラは、少なくとも1つまたは複数のビーム発振器の操作の間において、入口マニホールドにガスを連続的に導入するように構成されてもよい。コントローラは、例えば、1つまたは複数のビーム発振器がビームを発振するように操作する等、規則的な間隔において入口マニホールドにガスを導入するように構成されてもよい。コントローラは、操作者からの指示の受信に応じて、入口マニホールドにガスを導入するように構成されてもよい。少なくとも1つの部品は密閉してシールされてもよい。少なくとも1つの部品は、脱ガスによってシロキサンを生成する1つまたは複数の材料をその内部に含んでもよい。
【0032】
少なくとも1つの部品は、閉じたレーザキャビティを有するレーザ共振器を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。レーザキャビティは、その内部に、(A)複数のビーム発振器と、(B)複数の発振器によって発振されるビームを受けて、ビームをマルチ波長ビームに合成するように構成される分散要素と、(C)分散要素の光学的下流に配置されて、(i)マルチ波長ビームを受けて、(ii)出力ビームとしてマルチ波長ビームの第1部分を透過させて、(iii)分散要素に向かって戻すようにマルチ波長ビームの第2部分を反射させるように構成される部分反射型出力カプラと、を含んでもよい。レーザキャビティは、その内部に、(A)複数の発振器の光学的下流に配置される複数のスロー軸コリメーションレンズと、(B)スロー軸コリメーションレンズの光学的下流、かつ分散要素の光学的上流に配置される複数の折り返しミラーとを含んでもよく、それぞれのスロー軸コリメーションレンズは1つのビーム発振器から1つまたは複数のビームを受けるように構成される。レーザ共振器は、複数のビーム発振器の下に配置される流体クーラントキャビティと、流体クーラントキャビティに流体クーラントを供給するように構成される流体入口と、流体クーラントキャビティから流体クーラントを排出するように構成される流体出口とを含んでもよい。
【0033】
複数の部品は、複数のレーザ共振器を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。それぞれのレーザ共振器は、その内部に複数のビーム発振器を含んでもよく、ビーム発振器によって発振されるビームを合成ビームに合成するように構成されてもよい。複数の部品は、(A)レーザ共振器からの合成ビームを受けて、合成ビームを出力ビームに合成するように構成されるビーム合成モジュールと、(B)ビーム合成モジュールから出力ビームを受けて、光ファイバへ出力ビームを供給するように構成されるファイバ光学モジュールとを含んでもよい。
【0034】
また他の態様において、本発明の実施の形態は、複数の閉じた部品を含み、本質的にこれによって構成され、またはこれによって構成されるレーザシステムと、先頭の部品のガス入口にガスを供給するポンプと、ポンプによって供給されるガスからシロキサンを除去するように構成されるシロキサン改善システムとを含み、本質的にこれによって構成され、またはこれによって構成されるレーザ装置を有する。少なくとも1つの部品は、その内部に1つまたは複数のビーム発振器を含む。それぞれ部品は、部品へのガスの流入を可能にするように構成されるガス入口と、部品からのガスの流出を可能にするように構成されるガス出口とを含む。部品は、互いに直列に(例えば、ガス入口とガス出口とそれらを接続する導管とを通じて)流体的に接続される。ポンプによって供給されるガスは、直列に接続された部品のそれぞれの内部に及びその外部に順に流れる。
【0035】
本発明の実施の形態は、いずれかの組み合わせにおいて後続の1つまたは複数を含んでもよい。装置は、先頭の部品のガス入口に流体的に結合される入口マニホールドを含んでもよい。ポンプは先頭の部品のガス入口への供給のために入口マニホールドにガスを供給してもよい。1つまたは複数の部品は、その内部にビーム発振器を含まなくてもよい。少なくとも1つのビーム発振器は、1つまたは複数の窒化物半導体材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。少なくとも1つのビーム発振器は、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、InN及び/またはその合金または混合物を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。装置は、最後の部品(例えば、部品の直列接続における最後の部品)のガス出口に流体的に結合される出口マニホールドを含んでもよい。ポンプは、出口マニホールドに流体的に接続されてもよい。出口マニホールドは、周囲の雰囲気及び/または排気システムの内部にガスに放出するように構成されてもよい。最後の部品のガス出口は、ポンプに流体的に接続されてもよい。最後の部品のガス出口は、周囲の雰囲気及び/または排気システムへガスを放出するように構成されてもよい。装置は、ポンプによって供給されるガスから水分を除去するように配置された乾燥剤を含んでもよい。乾燥剤は、シロキサン改善システムと異なってもよく、及び/またはその外側に配置されてもよい。シロキサン改善システムは、シロキサン吸着材料及び/またはシロキサン吸収材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサン改善システムは、活性炭素、シリカゲル、ポリマービーズ、及び/または1つまたは複数のモレキュラーシーブスを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサン改善システムは、有機溶剤、鉱油、または水を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサン改善システムは、凝縮及び/または反応によってガスからシロキサンを除去するように構成された浄化システムを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサン改善システムは、ポンプによって供給されるガスがその上及び/またはそこを通じて流れる液体を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。
【0036】
装置は、少なくとも1つの部品及び/またはポンプ、少なくとも1つの部品、及び/またはシロキサン改善システムに流体的に接続された1つまたは複数の導管の内部におけるシロキサンを検知するように構成される1つまたは複数のセンサを含んでもよい。装置は、ポンプを操作するように、及び/またはシロキサン改善システムを制御するように構成されたコンピュータに基づくコントローラを含んでもよい。装置は、少なくとも1つの部品及び/またはポンプ、少なくとも1つの部品及び/またはシロキサン改善システムに流体的に接続された1つまたは複数の導管の内部におけるシロキサンを検知するように構成される1つまたは複数のセンサを含んでもよく、コントローラは、1つまたは複数のセンサによって受信されるシグナルに応答してもよい。コントローラは、少なくとも1つのセンサによって検知されるシロキサンの濃度が閾値を超えるときのみに、ポンプを操作するように構成されてもよい。コントローラは、少なくとも1つまたは複数のビーム発振器の操作の間において、ポンプを連続的に操作するように構成されてもよい。コントローラは、例えば、1つまたは複数のビーム発振器がビームを発振するように操作する等、規則的な間隔においてポンプを操作するように構成されてもよい。コントローラは、操作者からの指示の受信に応じて、ポンプを操作するように構成されてもよい。少なくとも1つの部品は密閉してシールされてもよい。少なくとも1つの部品は、脱ガスによってシロキサンを生成する1つまたは複数の材料をその内部に含んでもよい。
【0037】
少なくとも1つの部品は、閉じたレーザキャビティを有するレーザ共振器を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。レーザキャビティは、その内部に、(A)複数のビーム発振器と、(B)複数の発振器によって発振されるビームを受けて、ビームをマルチ波長ビームに合成するように構成される分散要素と、(C)分散要素の光学的下流に配置されて、(i)マルチ波長ビームを受けて、(ii)出力ビームとしてマルチ波長ビームの第1部分を透過させて、(iii)分散要素に向かって戻すようにマルチ波長ビームの第2部分を反射させるように構成される部分反射型出力カプラと、を含んでもよい。レーザキャビティは、その内部に、(A)複数の発振器の光学的下流に配置される複数のスロー軸コリメーションレンズと、(B)スロー軸コリメーションレンズの光学的下流、かつ分散要素の光学的上流に配置される複数の折り返しミラーとを含んでもよく、それぞれのスロー軸コリメーションレンズは1つのビーム発振器から1つまたは複数のビームを受けるように構成される。レーザ共振器は、複数のビーム発振器の下に配置される流体クーラントキャビティと、流体クーラントキャビティに流体クーラントを供給するように構成される流体入口と、流体クーラントキャビティから流体クーラントを排出するように構成される流体出口とを含んでもよい。
【0038】
複数の部品は、複数のレーザ共振器を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。それぞれのレーザ共振器は、その内部に複数のビーム発振器を含んでもよく、ビーム発振器によって発振されるビームを合成ビームに合成するように構成されてもよい。複数の部品は、(A)レーザ共振器からの合成ビームを受けて、合成ビームを出力ビームに合成するように構成されるビーム合成モジュールと、(B)ビーム合成モジュールから出力ビームを受けて、光ファイバへ出力ビームを供給するように構成されるファイバ光学モジュールとを含んでもよい。
【0039】
他の態様において、本発明の実施の形態は、レーザ装置による1つまたは複数のビームの発振(例えば、信頼の高い発振)の方法を有する。閉じたレーザキャビティの内部に配置される1つまたは複数のビーム発振器は、1つまたは複数のビームを形成するように操作される。その間、レーザキャビティの内部のガスは、その内部においてシロキサンのより低い濃度を有する新しいガスと交換される。
【0040】
本発明の実施の形態は、いずれかの組み合わせにおいて後続の1つまたは複数を含んでもよい。レーザキャビティの内部においてガスを交換することは、新しいガスからシロキサンを除去して、その後、新しいガスをレーザキャビティに供給することを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサンは、吸着及び/または吸収を通じて、新しいガスから除去されてもよい。シロキサンは、活性炭素、シリカゲル、ポリマーゲル、ポリマービーズ、及び/または1つまたは複数のモレキュラーシーブスによって吸着されてもよい。シロキサンは、有機溶剤、鉱油、及び/または水によって吸着されてもよい。シロキサンは、凝縮及び/または反応を通じて新しいガスから除去されてもよい。シロキサンは、液体の上に及び/またはそこを通じて新しいガスを流すことによって、新しいガスから除去されてもよい。レーザキャビティは、そこからのガスの漏れを可能にするように構成されてもよい。レーザキャビティの内部においてガスを交換することは、レーザキャビティに流体的に結合されたガス入口へ新しいガスを供給することと、レーザキャビティに流体的に結合されたガス出口を通じてガスを排出することとを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。ガス出口は、周囲の雰囲気及び/または排気システムにガスを放出するように構成されてもよい。水分は、レーザキャビティの内部への導入の前に、新しいガスから除去されてもよい。水分は、新しいガスからのシロキサンの除去の後で及び/またはそれと別に、新しいガスから除去されてもよい。
【0041】
レーザキャビティの内部、レーザキャビティに供給される新しいガスの内部、及び/またはレーザキャビティから排出されるガスにおけるシロキサンの濃度は、検知されてもよい。ガスは、検知されたシロキサン濃度が閾値を超えるときのみ、レーザキャビティの内部において交換されてもよい。ガスは、1つまたは複数のビーム発振器の操作の間において、レーザキャビティの内部において連続的に交換されてもよい。ガスは、規則的な間隔において、例えば、ビーム発振器が操作しているときのみ、またはビーム発振器が操作しているか否かにかかわらず、レーザキャビティの内部において交換されてもよい。ガスは、操作者(例えば、人間の操作者)からの指示の受信に応じてレーザキャビティの内部において交換されてもよい。レーザキャビティは密閉的にシールされてもよい。レーザキャビティは、その内部に、脱ガスを通じてシロキサンを生成する1つまたは複数の材料を含んでもよい。少なくとも1つのビーム発振器は、1つまたは複数の窒化物半導体材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。少なくとも1つのビーム発振器は、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、InN及び/またはその合金または混合物を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。
【0042】
1つまたは複数のビーム発振器は、複数のビーム発振器を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。ビーム発振器によって発振されるビームは、それぞれ異なる波長を有してもよい。複数のビーム発振器によって発振されるビームは、合成された及び/またはマルチ波長ビームに合成されてもよい。合成された及び/またはマルチ波長ビームの第1部分は出力ビームとしてレーザキャビティから出るように透過されてもよい。合成された及び/またはマルチ波長ビームの第2部分は、それらの発振を安定させるように(例えば、外部レーザキャビティを形成するように)複数のビーム発振器に戻るように向けられてもよい。複数のビーム発振器は、例えば、流体クーラントの流れによって、冷却されてもよい。工作物は出力ビームによって加工されてもよい。工作物を加工することは、切削、溶接、エッチング、アニーリング、穴あけ、はんだ付け、及び/またはろう付けを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。工作物を加工することは、工作物の表面の少なくとも一部を物理的に変更することを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。
【0043】
また他の態様において、本発明の実施の形態は、レーザ装置による1つまたは複数のビームの発振(例えば、信頼の高い発振)の方法を有する。レーザ装置は、複数の閉じた部品を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。少なくとも1つの部品は、その内部に1つまたは複数のビーム発振器を含む。それぞれの部品はその内部にガスを含む。1つまたは複数の部品はシールされ、または閉じられている。1つまたは複数のビーム発振器は、1つまたは複数のビームを形成するように操作される。その間、新しいガスは、それぞれの部品に並列に供給される。新しいガスは、(例えば、少なくとも1つの部品において最初に存在するガスにおけるシロキサンの濃度と比較して)その内部においてより低いシロキサンの濃度を有する。新しいガスは、(例えば、それぞれの部品の専用の1つまたは複数の導管を通じて)並列に及び/または同時にそれぞれの部品に流入及び流出する。
【0044】
本発明の実施の形態は、いずれかの組み合わせにおいて後続の1つまたは複数を含んでもよい。シロキサンは、それぞれの部品に新しいガスを並列に供給する前及び/またはその間に、新しいガスから除去されてもよい。シロキサンは、吸着及び/または吸収を通じて、新しいガスから除去されてもよい。シロキサンは、活性炭素、シリカゲル、ポリマーゲル、ポリマービーズ、及び/または1つまたは複数のモレキュラーシーブスによって吸着されてもよい。シロキサンは、有機溶剤、鉱油、及び/または水によって吸着されてもよい。シロキサンは、凝縮及び/または反応を通じて新しいガスから除去されてもよい。シロキサンは、液体の上に及び/またはそこを通じて新しいガスを流すことによって、新しいガスから除去されてもよい。少なくとも1つの部品は、そこからのガスの漏れを可能にするように構成されてもよい。新しいガスは、それぞれの部品のガス入口(例えば、特定の部品のみに結合されているガス入口)を通じてそれぞれの部品に供給されてもよい。ガスは、それぞれの部品のガス出口(例えば、特定の部品のみに結合されているガス出口)を通じてそれぞれの部品から排出されてもよい。少なくとも1つのガス出口は、周囲の雰囲気及び/または排気システムにガスを放出するように構成されてもよい。水分は、それぞれの部品に新しいガスを並列に供給する前に、新しいガスから除去されてもよい。水分は、新しいガスからのシロキサンの除去の後で及び/またはそれと別に、新しいガスから除去されてもよい。
【0045】
少なくとも1つの部品の内部、少なくとも1つの部品に供給される新しいガスの内部、及び/または少なくとも1つの部品から排出されるガスにおけるシロキサンの濃度は、検知されてもよい。新しいガスは、検知されたシロキサン濃度が閾値を超えるときのみ、それぞれの部品に並列に供給されてもよい。新しいガスは、1つまたは複数のビーム発振器の操作の間においてそれぞれの部品に連続的に並列に供給されてもよい。新しいガスは、規則的な間隔において、例えば、ビーム発振器が操作しているときのみ、またはビーム発振器が操作しているか否かにかかわらず、それぞれの部品に並列に供給されてもよい。新しいガスは、操作者(例えば、人間の操作者)からの指示の受信に応じてそれぞれの部品に並列に供給されてもよい。少なくとも1つの部品は密閉的にシールされてもよい。少なくとも1つの部品は、その内部に、脱ガスを通じてシロキサンを生成する1つまたは複数の材料を含んでもよい。少なくとも1つのビーム発振器は、1つまたは複数の窒化物半導体材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。少なくとも1つのビーム発振器は、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、InN及び/またはその合金または混合物を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。
【0046】
少なくとも1つの部品は、その内部に、複数のビーム発振器を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。複数のビーム発振器によって発振されるビームは、合成された及び/またはマルチ波長ビームに合成されてもよい。合成された及び/またはマルチ波長ビームの第1部分は出力ビームとしてレーザキャビティから出るように透過されてもよい。合成された及び/またはマルチ波長ビームの第2部分は、それらの発振を安定させるように(例えば、外部レーザキャビティを形成するように)複数のビーム発振器に戻るように向けられてもよい。複数のビーム発振器は、例えば、流体クーラントの流れによって、冷却されてもよい。
【0047】
複数の部品は、(i)それぞれが1つまたは複数のビーム発振器を含む2つ以上のレーザ共振器と、(ii)ビーム合成モジュールと、(iii)ファイバ光学モジュールとを含んでもよく、本質的にこれらによって構成されてもよく、またはこれらによって構成されてもよい。出力ビームは、2つ以上のレーザ共振器のそれぞれから発振されてもよい。各出力ビームはマルチ波長ビームであってもよい。各出力ビーム自体は、関連のレーザ共振器内における複数のビームの合成によって形成されたビームであってもよい。2つ以上のレーザ共振器からの出力ビームは、ビーム合成モジュールにおいて合成ビームに合成されてもよい。合成されたビームは、ファイバ光学モジュールを通じて、これによって、またはこれの内部において、光ファイバ内に結合されてもよい。工作物は、合成ビームによって加工されてもよい。工作物を加工することは、切削、溶接、エッチング、アニーリング、穴あけ、はんだ付け、及び/またはろう付けを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。工作物を加工することは、工作物の表面の少なくとも一部を物理的に変更することを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。
【0048】
他の態様において、本発明の実施の形態は、レーザ装置による1つまたは複数のビームの発振(例えば、信頼の高い発振)の方法を有する。レーザ装置は、直列に(例えば、2つの部品を互いに流体的に結合する導管のシリーズを通じて)互いに流体的に接続された複数の閉じた部品を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。少なくとも1つの部品は、その内部に1つまたは複数のビーム発振器を含む。それぞれの部品はその内部にガスを含む。1つまたは複数の部品はシールされ、または閉じられている。1つまたは複数のビーム発振器は、1つまたは複数のビームを形成するように操作される。その間、新しいガスは、直列に接続された部品の先頭の部品に供給される。新しいガスは、(例えば、少なくとも1つの部品において最初に存在するガスにおけるシロキサンの濃度と比較して)その内部においてより低いシロキサンの濃度を有する。供給された新しいガスは、直列に接続されたそれぞれの部品に順番に流入及び流出する。
【0049】
本発明の実施の形態は、いずれかの組み合わせにおいて後続の1つまたは複数を含んでもよい。シロキサンは、新しいガスを直列に接続された部品の先頭の部品に供給する前及び/またはその間に、新しいガスから除去されてもよい。シロキサンは、吸着及び/または吸収を通じて、新しいガスから除去されてもよい。シロキサンは、活性炭素、シリカゲル、ポリマーゲル、ポリマービーズ、及び/または1つまたは複数のモレキュラーシーブスによって吸着されてもよい。シロキサンは、有機溶剤、鉱油、及び/または水によって吸着されてもよい。シロキサンは、凝縮及び/または反応を通じて新しいガスから除去されてもよい。シロキサンは、液体の上に及び/またはそこを通じて新しいガスを流すことによって、新しいガスから除去されてもよい。少なくとも1つの部品は、そこからのガスの漏れを可能にするように構成されてもよい。ガス(例えば、新しいガス)は、直列に接続された部品の最後の部品から排出されてもよい。排出されたガスは、(例えば、直列に接続された部品の先頭の部品に向かって、ポンプに向かって、及び/またはシロキサン改善システムに向かって)再循環されてもよく、シロキサンは、直列に接続された部品の先頭の部品へ戻して導入するために排出されたガスから除去されてもよい。ガス(例えば、新しいガス)は直列に接続された部品の最後の部品から周囲の雰囲気及び/または排気システムに排出されてもよい。水分は、直列に接続された部品の先頭の部品に新しいガスを供給する前に、新しいガスから除去されてもよい。水分は、新しいガスからのシロキサンの除去の後で及び/またはそれと別に、新しいガスから除去されてもよい。
【0050】
少なくとも1つの部品の内部、直列に接続された部品の先頭の部品に供給される新しいガスの内部、少なくとも1つの部品に供給されるガス(例えば、新しいガス)の内部、及び/または少なくとも1つの部品から排出されるガスにおけるシロキサンの濃度は、検知されてもよい。新しいガスは、検知されたシロキサン濃度が閾値を超えるときのみ、直列に接続された部品の先頭の部品に供給されてもよい。新しいガスは、1つまたは複数のビーム発振器の操作の間において連続的に直列に接続された部品の先頭の部品に供給されてもよい。新しいガスは、規則的な間隔において、例えば、ビーム発振器が操作しているときのみ、またはビーム発振器が操作しているか否かにかかわらず、直列に接続された部品の先頭の部品に供給されてもよい。新しいガスは、操作者(例えば、人間の操作者)からの指示の受信に応じて直列に接続された部品の先頭の部品に供給されてもよい。少なくとも1つの部品は密閉的にシールされてもよい。少なくとも1つの部品は、その内部に、脱ガスを通じてシロキサンを生成する1つまたは複数の材料を含んでもよい。少なくとも1つのビーム発振器は、1つまたは複数の窒化物半導体材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。少なくとも1つのビーム発振器は、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、InN及び/またはその合金または混合物を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。
【0051】
少なくとも1つの部品は、その内部に、複数のビーム発振器を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。複数のビーム発振器によって発振されるビームは、合成された及び/またはマルチ波長ビームに合成されてもよい。合成された及び/またはマルチ波長ビームの第1部分は出力ビームとしてレーザキャビティから出るように透過されてもよい。合成された及び/またはマルチ波長ビームの第2部分は、それらの発振を安定させるように(例えば、外部レーザキャビティを形成するように)複数のビーム発振器に戻るように向けられてもよい。複数のビーム発振器は、例えば、流体クーラントの流れによって、冷却されてもよい。
【0052】
複数の部品は、(i)それぞれが1つまたは複数のビーム発振器を含む2つ以上のレーザ共振器と、(ii)ビーム合成モジュールと、(iii)ファイバ光学モジュールとを含んでもよく、本質的にこれらによって構成されてもよく、またはこれらによって構成されてもよい。出力ビームは、2つ以上のレーザ共振器のそれぞれから発振されてもよい。各出力ビームはマルチ波長ビームであってもよい。各出力ビーム自体は、関連のレーザ共振器内における複数のビームの合成によって形成されたビームであってもよい。2つ以上のレーザ共振器からの出力ビームは、ビーム合成モジュールにおいて合成ビームに合成されてもよい。合成されたビームは、ファイバ光学モジュールを通じて、これによって、またはこれの内部において、光ファイバ内に係合されてもよい。工作物は、合成ビームによって加工されてもよい。工作物を加工することは、切削、溶接、エッチング、アニーリング、穴あけ、はんだ付け、及び/またはろう付けを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。工作物を加工することは、工作物の表面の少なくとも一部を物理的に変更することを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。
【0053】
これら及び他の目的は、本明細書にて開示される本発明の利点及び特徴とともに、後続の説明、添付の図面及び請求項の参照によって、より明確になる。さらに、本明細書にて説明される様々な実施の形態の特徴は、相互に排他的でなく、様々な組み合わせ及び順列として存在してもよいと理解されよう。本明細書にて使用されるように、用語「実質的に」は、±10%を意味し、ある実施の形態では±5%を意味する。用語「実質的に構成する」は、本明細書にて特に定義されない限り、機能に貢献する他の材料を排除することを意味する。しかしながら、このような他の材料は、併せてまたは個別に、微量で存在してもよい。本明細書にて、用語「放射線」及び「光」は、特に断りのない限り、置換可能に使用されている。本明細書にて、「下流」または「光学的に下流」は、光ビームが第1要素に当たった後に当たる第2要素の相対的位置を示すように使用され、第1要素は第2要素に対して「上流」または「光学的に上流」である。本明細書にて、2つの要素の間の「光学的距離」は光ビームが実際に移動する2つの要素の間の距離であり、光学的距離は、2つの要素の間の物理的距離であってもよいが、例えば、ミラーからの反射、または1つの要素から他の要素に移動する光が経験する伝播方向における他の変更によって、必ずしもそうでない。本明細書にて使用される「距離」は、特に記載がない限り、「光学的距離」であるとみなされてもよい。
【0054】
図面において、類似の参照記号は、一般的に、異なる図面を通じて同一の部品を示す。さらに、図面は必ずしも縮尺があっているものでなく、一般的に、本発明の原理を示すことが強調されている。後続の説明において、本発明の様々な実施の形態は、後続の図面に対する参照と共に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1A】本発明の実施の形態による共振器の模式図
図1B】本発明の実施の形態によるレーザシステムの模式図
図1C】本発明の実施の形態によるレーザシステムの模式図
図2】本発明の実施の形態によるレーザシステムの模式図
図3】本発明の実施の形態によるレーザシステムの模式図
図4】本発明の実施の形態による波長合成技術(WBC)共振器の模式図
図5A】本発明の様々な実施の形態によるレーザ共振器の第1面を模式的に示す
図5B】本発明の様々な実施の形態によるレーザ共振器の第2面を模式的に示す
図6】本発明の様々な実施の形態による複数のレーザ共振器を含むレーザエンジンの透視図
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1Aは、本発明の実施の形態とともに使用されてもよい共振器100の簡単化された模式断面図である。図示されるように、共振器100は、共振器100の内部容積の全部または一部のみを構成する閉じたレーザキャビティ105を有する。レーザキャビティには、1つまたは複数のビーム発振器110が配置される。本発明の様々な実施の形態によるビーム発振器110は、GaN、InGaN及び/またはAlGaN等の1つまたは複数の半導体材料(例えば、窒化物半導体材料)によって、少なくとも部分的に構成されてもよい。このようなビーム発振器110は、レーザダイオード及び/またはダイオードバーを含んでもよい。様々な実施の形態によって、レーザキャビティ105及び/または共振器100は、例えば、1つまたは複数のO-リング、ガスケット、金属シール及び/またはエポキシによって、部分的にまたは完全にシールされてもよい。様々な実施の形態において、レーザキャビティ105及び/またはレーザ共振器100は、その外側エッジまたは外周の全部または一部の溶接及び/またはろう付けを通じて、部分的にまたは完全にシールされてもよい。様々な実施の形態において、シールは密閉してもよく、よって、シールを通じた空気または他のガスの流れを抑制する。他の実施の形態において、シールは密閉しない。(本明細書にて使用される場合、「シール」とは、キャビティ、共振器または領域は、周囲の雰囲気及び共振器またはシステムの他の部分から、密閉されてまたは密閉されずに隔離されることを意味する。)
【0057】
図1Bは、閉じたループにおいて、ガス(例えば、空気、窒素、またはアルゴン等の不活性ガス)が共振器100及びシロキサン改善システム120に供給されるレーザシステム115を模式的に示す。図示されるように、ポンプ125は、シロキサン改善システム120を通じてガスをポンプし、そこから、ガス入口130を通じて共振器100にポンプする。(本明細書にて説明され、ガスが空気でない実施の形態において、ポンプは、例えば、1つまたは複数のシリンダまたは他の容器、またはガスの「ハウス(house)」ソース等、望ましいガスを収容しているガスのソースに流体的に結合される。)ガスは、ガス出口135を通じて、ポンプ125にポンプされて戻される前に、共振器100のレーザキャビティ105の内部で流れる及び/または循環する。図示されるように、システム115は、流れるガスから水分を除去する任意の乾燥剤140を含んでもよい。図1Bは、乾燥剤140がシロキサン改善システム120の上流に配置されていることを示すが、様々な実施の形態において、乾燥剤140は、シロキサン改善システム120の下流に(及び共振器100の上流に)配置されてもよく、または共振器100の下流に(及びポンプ125の上流に)配置されてもよい。様々な実施の形態において、乾燥剤140は、硫酸カルシウム、シリカ、シリカゲル、活性チャコール、またはモレキュラーシーブス等の1つまたは複数の材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。図1B及び他の図において、矢印によって示されているガスの流れは、様々なシステム部品の間に延びる1つまたは複数の導管(例えば、パイプ、チューブ等)を通じて物理的に供給されてもよい。
【0058】
様々な実施の形態において、乾燥剤140単体(及び/または水分除去のために設計されたシステム及び技術)の使用は、共振器100の内部のシロキサン濃度を、高い信頼の操作を保証するように充分低いレベルにまで減少させるためには、不十分である。共振器100の内部及び/またはそこに供給されるガスからの水分の除去は、追加の有利な効果を有する場合がある一方で、このような除去は、本明細書にて説明するシロキサンによって誘発される問題に適切に対処するためには一般的に不十分である。
【0059】
システム115の全部または一部(例えば、ポンプ125及び/またはシロキサン改善システム120)は、コントローラ145によって制御されてもよい。例えば、コントローラ145は、不規則的にまたは規則的に予定されてもよい間隔においてポンプ125を操作してもよく、またはコントローラ145は、(例えば、操作者によって開始されるとき)、要求に応じてポンプ125を操作してもよい。他の実施の形態において、コントローラ145は(例えば、共振器100及び/またはその内部のビーム発振器110の操作の間、及び/または共振器100及び/またはビーム発振器110がパワーされていないまたは操作されていない間)、ポンプ125を連続的に操作する。様々な実施の形態において、コントローラ145は、シロキサン濃度を検知するための1つまたは複数のモニタまたはセンサに応答してもよく、よって、シロキサン濃度が閾値に到達すると、ポンプ125を操作してもよい。様々な実施の形態において、コントローラ145は、共振器100内の検知されたシロキサン濃度が閾値に到達すると、共振器100(及び/または1つまたは複数のビーム発振器110)をパワーダウンまたはパワーオフしてもよい。このようなモニタまたはセンサは、システム115の様々な位置、例えば、レーザキャビティ105の内部、及び/または図1Bに示すガス流れパスを構成する1つまたは複数の導管の内部において配置されてもよい。例示的なシロキサンセンサは、ガスクロマトグラフィシステム、質量分析計、及び/または原子発光検出器を含んでもよいが、これらに限定されない。様々な実施の形態において、1つまたは複数のセンサは、1つまたは複数の部品、1つまたは複数の部品及び/または1つまたは複数の部品からの排気ストリームに結合された1つまたは複数の導管において存在するシロキサン濃度を検知するように使用されてもよく、このように検知された濃度は(例えば、ディスプレイを通じて)報告されてもよい。この情報は、システムのシロキサン改善機能を追うために使用されてもよく、報告されるレベルが閾値に到達すると、例えば、システム内の(シロキサン吸着部または吸収部等の)消耗品の交換の指標として使用されてもよい。
【0060】
コントローラ145は、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせのいずれかとして設けられてもよい。例えば、システムは、カリフォルニア州、サンタクララのインテルコーポレーションによって製造されるPentium(登録商標)またはCeleron(登録商標)の系列のプロセッサ、イリノイ州、シャンバーグのモトローラコーポレーションによって製造される680x0及びPOWER PC(登録商標)の系列のプロセッサ、及び/またはカリフォルニア州、サニーベールのアドバンスドマイクロデバイス株式会社によって製造されるATHLON(登録商標)の系列のプロセッサ等の1つまたは複数のプロセッサを有するCPUボードを有するPC等、1つまたは複数の従来のサーバクラスのコンピュータ上で実施されてもよい。プロセッサは、本明細書にて説明する方法に関連するプログラム及び/またはデータを記憶するためのメインメモリユニットをさらに含んでもよい。メモリは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、リードオンリーメモリデバイス(ROM)等の一般的に入手可能なハードウェアに設置されているランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)及び/またはFLASH(登録商標)メモリを含んでもよい。ある実施の形態において、プログラムは、光学ディスク、磁気ディスク、及びその他一般的に使用されている記憶デバイス等、外部RAM及び/またはROMを使用して提供してもよい。1つまたは複数のソフトウェアプログラムとして機能が提供される実施の形態において、プログラムは、FORTRAN、PASCAL、JAVA(登録商標)、C、C++、C#、BASIC、様々なスクリプト言語、及び/またはHTML等のいずれかの数の高度な言語で記載されてもよい。加えて、ソフトウェアは、ターゲット(target)コンピュータに設置されたマイクロプロセッサに向けたアセンブリ言語として実施されてもよい;例えば、ソフトウェアがIBM PCまたはPCクローン上で実行されるように構成されている場合、ソフトウェアはインテル80x86アセンブリ言語において実施されてもよい。ソフトウェアは、これらに限定されず、フロッピーディスク、ジャンプドライブ、ハードディスク、光学ディスク、磁気テープ、PROM、EPROM、EEPROM、フィールドプログラマブルゲートアレー、またはCD-ROMを含む、製造された物品上で具現化されてもよい。
【0061】
様々な実施の形態において、シロキサン改善システム120は、活性炭素、シリカゲル、ポリマービーズ、または1つまたは複数のモレキュラーシーブス等のガスストリームからシロキサンを吸着するための材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。加えてまたは代わって、シロキサン改善システム120は、1つまたは複数の有機溶剤、鉱油、または水等のガスストリームからシロキサンを吸着するための材料(例えば、液体)を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。シロキサン改善システム120において、レーザキャビティ105にポンプされるガスは、ガスからのシロキサンの吸着及び/または吸収のための1つまたは複数の材料の上を及び/またはそこを通じて(例えば、それを通じる気泡となって)流されてもよい。
【0062】
ある実施の形態において、シロキサン改善システム120は、代わってまたは加えて、凝縮(例えば、1つまたは複数の冷却システム)及び/または反応(例えば、触媒作用)を通じて、ガスストリームからシロキサンを除去する浄化システムを含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。例えば、凝縮のためには、シロキサン改善システム120は、ガスからシロキサンの少なくとも一部を凝縮するように充分低い温度及び/または圧力を生成する装置または材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。例えば、シロキサン改善システム120は、(例えば、シロキサンの15%-50%の除去のために)略5°C以下、または(例えば、シロキサンの略95%以上の除去のために)略-25°Cまたは-30°C以下の温度にガスを冷却するような冷却システム及び/または熱交換器を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。本発明の実施の形態による触媒作用システムは、ガスからのシロキサンの反応(及び除去)のために活性アルミナ(及び/または1つまたは他のポーラス及び/またはセラミック材料)等の材料を含んでもよく、本質的にこれによって構成されてもよく、またはこれによって構成されてもよい。このような触媒材料は、レーザシステムの操作の間及び/またはその後において1つまたは複数回において補充されてもよい。
【0063】
図1Cは、ガス(例えば、空気、窒素及び/またはアルゴン等の1つまたは複数の不活性ガス)が開ループにおいてシロキサン改善システム120を通じて共振器100に供給されるレーザシステム150を模式的に示す。図示されるように、ガスは、ポンプ125を用いて、任意の乾燥剤140及びシロキサン改善システム120を通じて、ガス入口130を通じて共振器100のレーザキャビティ105の内部にポンプされる。このように、レーザキャビティ105内に正圧が形成され、ガスはガス出口135を通じてレーザキャビティ105から逃げて、周囲の雰囲気または排気システムの内部に開放されてもよい。様々な実施の形態において、特に、レーザキャビティ105が密閉されてシールされていないとき、ガスは、ガス出口135を通じてレーザキャビティを出ることに加えて(またはそれに代わって)、シール及び/または壁または共振器100自体の他の表面を通じて、レーザキャビティ105から逃げて(例えば、漏れて)もよい。このような実施の形態において、ガス出口135は存在しなくてもよい。
【0064】
図2は、ガス(例えば、空気、窒素及び/またはアルゴン等の1つまたは複数の不活性ガス)がシロキサン改善システム120を通じて複数の異なるシステム部品に並列に供給されるレーザシステム200を示す。即ち、図示されたように、ガスは、専用パスを通じて(例えば、専用のガス入口、ガス出口、及び導管を通じて)異なる部品のそれぞれに流入及び流出して、ガスは複数の部品の間で直接交換されない。1つまたは複数のポンプ125は、入口マニホールド205を通じて、様々なシステム部品にシロキサン改善システム120から移動してもよいガスの流れを制御してもよい。入口マニホールド205は、シロキサン改善システム120から処理されたガスを受けて、複数の異なる出口を通じて様々なシステム部品に供給する。ガスは、それぞれの部品から、その上のガス出口(例えば、図1B及び図1Cのガス出口135)を通じて出口マニホールド210に流れる。出口マニホールド210は、様々なガスの流れを受けて、組み合わせて、ガス出口を通じてポンプ125にガスを戻すように供給する。
【0065】
様々な実施の形態において、システム200は、単一の共振器100内の複数の部品または複数の異なる共振器100(及び/またはその部品)に適用されてもよい。例えば、図2に示すように、処理されたガスは、複数の異なるレーザキャビティ105-1~105-4に供給され、レーザキャビティ105-1~105-4のそれぞれは異なる共振器100の内部に配置されてもよい。レーザキャビティは、ビーム合成モジュール215及び/またはファイバ光学モジュール220等の1つまたは複数の追加部品と光学的に接続されてもよい(即ち、そこにレーザビームを供給してもよい)。例示的な実施の形態において、ビーム合成モジュール215は、様々なレーザキャビティから受けたビームを1つまたは複数の出力ビームに合成できるようなミラー、ダイクロイックミラー、レンズ、プリズム、分散要素、偏光ビームコンバイナ等の1つまたは複数の光学素子を収容してもよい。様々な実施の形態において、ファイバ-光学モジュールは、例えば、ビームを光ファイバに結合するような1つまたは複数の光ファイバに接続するインタフェースハードウェアとともに、出力レーザビームを調整するための1つまたは複数の光学素子を収容してもよい。
【0066】
図3は、ガス(例えば、空気、窒素、及び/またはアルゴン等の1つまたは複数の不活性ガス)が、シロキサン改善システム120を通じて複数の異なるシステム部品に直列に供給されるレーザシステム300を模式的に示す。即ち、図示するように、ガスは、先頭の部品(例えば、図示するビーム合成モジュール215)の内部に延びる単一のパスに沿って流れて、その部品から次の部品(例えば、図示するレーザキャビティ105-1)の内部に等、ガスがシリーズにおける最後の部品(例えば、図示するファイバ光モジュール220)から、ポンプ125へ戻るように供給されるために出口マニホールド210に最終的に排出されるまで、流れる。したがって、図3に示す技術において、ガスは、異なるときに及び順番にそれぞれの部品に導入され、一方で、図2に示す並列の配置においては、ガスは、(それぞれの部品に結合される導管の長さによって)それぞれの部品に実質的に同時に導入される(または少なくとも流される)。レーザシステム300は、レーザシステム200と比較すると、より少ない導管及び接続を要するが、ある実施の形態において、ガス流れパスに沿った異なる部品は、異なるレベルの純度(例えば、異なるレベルの残留シロキサン)を有するガスを受けてもよい。
【0067】
図3には1つのシロキサン改善システム120のみが図示されているが、本発明の実施の形態は、全ての部品を順番に流れるガスがより低いシロキサン濃度を維持することを保証するように、2つの部品の間に配置される1つまたは複数のシロキサン改善システムを含んでもよい。図3に示すように、1つのシロキサン改善システム120のみを有する実施の形態において、シロキサン改善システム120は、図示されるように、全ての部品の上流に配置されてもよく、または2つの部品の間に配置されてもよく、または最後の部品の下流及びポンプ125の上流に配置されてもよい。
【0068】
本発明の実施の形態による実施の形態によるレーザシステムは、WBC技術を使用してもよく、よってWBCレーザシステム及び関連部品を含んでもよい。図4は、WBC共振器400の様々な部品を模式的に示し、図示された実施の形態において、WBC共振器400は、9つの異なるマルチビーム発振器、即ち、ダイオードバー等、単一のパッケージから複数にビームが発振されるような発振器から発振されるビームを合成する。本発明の実施の形態は、9つより少ないまたは多くの発振器と共に用いられてもよい。本発明の実施の形態によると、各発振器は単一のビームを発振してもよく、または各発振器は複数のビームを発振してもよい。図4における発振器は、明確性及び図示の便宜上、それぞれ単一のビームを発振するものとして図示されている。図4のビューはWBC次元、即ち、バーからのビームが合成される次元に沿っている。例示的共振器400は、9つのダイオードバー405を特徴として、各ダイオードバー405は、WBC次元に沿った発振器のアレー(例えば、1次元アレー)を含み、本質的にこれによって構成され、またはこれによって構成される。ダイオードバー405の各発振器は、1つの方向(WBC次元に対して縦方向に配置された「ファスト軸」として知られている)においてより大きい発散、及び垂直方向(WBC次元に沿った「スロー軸」として知られている)においてより小さい発散を有する非対称的なビームを発振してもよい。
【0069】
様々な実施の形態において、各ダイオードバー405は、ファスト軸コリメータ(FAC)/光学ツイスタマイクロレンズアセンブリに関連している(例えば、取り付けられまたは他の方法で光学的に結合される)。ファスト軸コリメータ(FAC)/光学ツイスタマイクロレンズアセンブリは、ビームのファスト軸及びスロー軸を90°回転させつつ、発振されるビームのファスト軸をコリメートし、よって、発振される各ビームのスロー軸は、マイクロレンズアセンブリの下流のWBC次元に直交する。マイクロレンズアセンブリは、分散要素410に向かって各ダイオードバー405からの発振器の主光線を収束させる。適切なマイクロレンズアセンブリは、2011年3月7日に出願された、米国特許第8,553,327号と、2015年6月8日に出願された、米国特許第9,746,679号とにおいて説明され、それぞれの開示の全体は、本明細書にて参照することによって組み込まれる。
【0070】
図4に示すように、共振器400も、SACレンズ(または「スロー軸コリメータ」)415のセットを特徴として、1つのSACレンズ415は、1つのダイオードバー405に関連して、そこからビームを受ける。各SACレンズ415は、単一のダイオードバー405から発振されるビームのスロー軸をコリメートする。SACレンズ415によるスロー軸におけるコリメーションのあと、ビームは、分散要素410に向かってビームを方向転換させるインターリービングミラー420のセットに伝播する。インターリービングミラー420の配置は、ダイオードバー405の間の自由空間が減少または最小化することを可能にし、全体の波長ロッキングバンド幅を減少または最小化する。分散要素410(例えば、図4に示す透過回折格子等の回折格子を含んでもよく、それから本質的に構成されてもよく、またはそれから構成されてもよい)の上流において、レンズ425は、ダイオードバー405からのサブビーム(即ち、主光線以外の発振される光線)をコリメートするために、選択的に使用されてもよい。様々な実施の形態において、レンズ425は、ダイオードバー405から、レンズ425の焦点距離と実質的に同等な光学距離において配置されてもよい。通常の実施の形態おいて、分散要素410における主光線の重なりは、主に、レンズ425の集光能力でなく、インターリービングミラー420の方向転換によるものであることに留意する。
【0071】
図4に示すように、レンズ430、435は、2013年3月15日に出願された、米国特許第9,256,073号と、2015年6月23日に出願された、米国特許第9,268,142号とに開示されるように、光学クロストーク(optical cross-talk)の促進のための光学テレスコープ(optical telescope)を形成し、それぞれの開示の全体は、本明細書にて参照することによって組み込まれる。共振器400は、ビームの方向転換のための1つまたは複数の光学折り返しミラー440を含んでもよく、よって共振器400は、より小さい物理的フットプリントに収容されてもよい。分散要素410は、ダイオードバー405からのビームを、単一のマルチ波長ビームに合成して、マルチ波長ビームは、部分反射型出力カプラ445に伝播する。カプラ445は、ビームの一部を、共振器400の出力ビームとして、透過させ、共に、ビームの他の部分を、分散要素410、及び、各ビームの発振波長を安定させるためのフィードバックとして、そこからダイオードバー405に戻すように反射する。
【0072】
図2及び図3に示すように、本発明の様々な実施の形態において、レーザシステムは、複数の共振器400を含み、共振器400からの出力ビームは、下流において(例えば、ハウジングの内部において、及び/またはビーム合成モジュール215の内部等、1つまたは複数の光学素子によって)、加工(例えば、溶接、切削、アニーリング等)のために工作物に向けられ、及び/または(例えば、ファイバ光学モジュール220を通じて)光ファイバに結合されてもよい単一の出力ビームに合成される。
【0073】
本発明の様々な実施の形態は、外部キャビティレーザシステムを実施して、共振器の対向する側面に沿って延びるレーザキャビティを用いる共振器の必要な大きさを減少させることができる。図5A及び図5Bは、(下記で説明するように中央の開口によって接続される)単一のレーザキャビティを併せて構成する共振器500の対向する側面を示す。本発明の実施の形態によって、共振器500の両方の側面は、例えば、シーリングパス505に沿ってシールされてもよく、ガスは、ガス入口及びガス出口(図5A及び図5Bには図示せず、図1A-1Cを参照)を通じてレーザキャビティの内部に及び外部へ流れてもよい。例えば、固体のカバープレートは、共振器500の内部のレーザキャビティをシールするようにシーリングパス505に沿って共振器500のそれぞれの側面の上にシールされてもよい。様々な実施の形態において、それぞれのカバープレートは、共振器500に規定される開口の内部に延びる(及び、開口と機械的に係合し得る、例えば、スレッド状に(threadingly)係合し得る)ファスナー(例えば、ねじ、ボルト、リベット等)によって、共振器500に固定及び/またはシールされてもよい。他の実施の形態において、それぞれのカバープレートは、溶接、ろう付け、または粘着材料の使用等の技術によって、シーリングパス505に沿ってシールされてもよい。
【0074】
様々な実施の形態において、共振器500のレーザキャビティの内部への及び外部へのガスの流れのためのガス入口及び出口は、シーリングパス505に沿って共振器500にシールされた1つまたは両方のカバープレートに配置されてもよい。ミラー等の反射板は、レーザキャビティの内部の1つまたは複数のビーム発振器からビームを方向付けるように使用されてもよく、レーザキャビティは両方の側面に沿って延びるため、共振器500の全体の大きさは、(例えば、一方の側面にのみ光学キャビティを有する共振器と比較して)同じキャビティの大きさのために対応して減少されてもよい。
【0075】
図5A及び図5Bに示す例示的な実施の形態において、取付領域510に配置されるビーム発振器(例えば、図4に示すビーム発振器405)からのビームは、レンズ領域515に配置されたレンズのグループ(及び/または図4に示すSACレンズ415等の他の光学素子)によって、ミラー領域520におけるミラーのグループ(例えば、図4に示す折り返しミラー420)に向かって集光されてもよい。ミラー領域520から、ビーム発振器のビームは、(ミラー等の複数の反射板を収容する)他のミラー領域に向けられてもよく、そこから開口530を通じて、共振器500の他の側面におけるレーザキャビティの残りの部分に向けられてもよい。図5Bに示すように、ビームは、ビーム合成領域540にビームを反射する(ミラー等の複数の反射板を収容する)ミラー領域535に向けられてもよい。例示的な実施の形態において、ビーム合成領域540は、その内部に、図4に示す分散要素410(及び、ある実施の形態において、出力カプラ445)を含んでもよい。様々な実施の形態において、ビームは、それぞれ異なる波長を有し、ビーム合成領域540において、ビームは複数の波長によって構成される出力ビームに合成される。ビーム合成領域540からのビームは、ミラー545(様々な実施の形態において、これは部分反射型出力カプラ445であってもよい)に向けられてもよく、そこから、共振器500からの発振のために出力550に向けられてもよい。例えば、出力は、そこを通じたビームの発振のための窓、または光ファイバに接続するように構成された光学カプラあってもよい。様々な実施の形態において、出力は、光ファイバへの結合のためのファイバ光学モジュール(例えば、ファイバ光学モジュール220)にビームを伝達してもよい。他の実施の形態において、出力ビームは、ビーム合成モジュールに伝達されてもよく(例えば、図2参照)、他の共振器によって発振される出力ビームと合成されてもよい。結果として生じる合成ビームは、光ファイバへの結合のためにファイバ光学モジュール(例えば、ファイバ光学モジュール220)に伝達されてもよく、及び/または工作物の加工のために使用されてもよい。
【0076】
図5Bに示すように、共振器500は、液体クーラントキャビティ555を含んでもよい。液体クーラントキャビティ555は、様々な実施の形態において、取付領域510の直下において液体クーラント(例えば、水、グリセロール、または他の熱移動流体)を収容するように構成された中空のキャビティである。液体クーラントは、流体入口及び流体出口(図示せず)を通じて、キャビティ555に流入及び流出してもよく、流体入口及び流体出口は、ビーム発振器によって加熱された流体を冷却するためにクーラントのリザーバ及び/または熱交換器に流体的に結合されてもよい。‘134出願において説明されるように、本発明の実施の形態は、例えば、ビーム発振器の温度、冷却流体、及び/または共振器500の内部の1つまたは複数の他の部品及び/または位置等の1つまたは複数の検知された特徴に応じて、キャビティ555に流入及び流出する流体の流れ速度を制御するコントロールシステムを有してもよい。様々な実施の形態において、共振器500のレーザキャビティは、光学クーラントキャビティ555のシーリングなしまたはカバーなしでシールされてもよく、よって、レーザキャビティに配置されたより繊細な部品のシールを取ることまたは露出させることを要せず、光学クーラントキャビティ555を(例えば、サービス、修理、または清掃のために)アクセス可能な状態で維持できる。
【0077】
本発明の様々な実施の形態において、レーザシステムは、図2及び図3に示すように、複数の共振器を含み、共振器100からに出力ビームは、下流において(例えば、マスターハウジングの内部で及び/または1つまたは複数の光学素子によって)単一の出力ビームに合成され、加工(例えば、溶接、切削、アニーリング等)のために工作物に向けられてもよく、及び/または光ファイバに結合されてもよい。例えば、図6は、本発明の実施の形態による例示的なレーザシステム(または「レーザエンジン」)600を示す。レーザシステム600において、複数のレーザ共振器100は、マスターハウジング605の内部に取り付けられ、共振器100からの出力ビームは、ビーム合成モジュール610の内部に、及びそこからファイバ光学モジュール615に発振される。例示的な実施の形態において、ビーム合成モジュール610は、例えば、ミラー、ダイクロイックミラー、レンズ、プリズム、分散要素、偏光ビームコンバイナ等の1つまたは複数の光学素子を収容してもよく、これらは、様々な共振器から受けたビームを、1つまたは複数の出力ビームの内部に合成してもよい。様々な実施の形態において、ファイバ光学モジュール615は、光ファイバへのビームの結合のための1つまたは複数の光ファイバに接続するインタフェースハードウェアとともに、例えば、出力レーザビームを調整するための1つまたは複数の光学素子を収容してもよい。レーザエンジン600が4つの共振器100を含むように図示されているが、本発明の実施の形態によるレーザエンジンは、1つ、2つ、3つ、または5つ以上のレーザ共振器を含んでもよい。本明細書にて説明されるシロキサン改善システムの様々な部品は、明確性のために図6において図示されていないが、図2及び図3において模式的に図示されている。本発明の様々な実施の形態において、共振器におけるシロキサンの濃度を減少または最小化させるように使用される開ループまたは閉ループのシロキサン改善システムは、レーザエンジンにおける他の共振器と、及び/またはビーム合成モジュール及び/またはファイバ光学モジュール等のレーザエンジンの他の部品と(例えば、並列または直列に)共有されてもよい。
【0078】
本明細書にて説明されるように、本発明の様々な実施の形態において、レーザシステムまたはレーザ共振器の出力ビームは、例えば、ファイバ光学モジュールを通じて、(レーザデリバリヘッドに結合されてもよい)デリバリ光ファイバに伝播されてもよく、及び/または工作物を加工するために使用されてもよい。様々な実施の形態において、レーザヘッドは、その加工のために工作物上に出力ビームを集光させるために使用される1つまたは複数の光学素子を収容する。例えば、本発明の実施の形態によるレーザヘッドは、1つまたは複数のコリメータ(即ち、コリメーションレンズ)及び/または集光光学系(例えば、1つまたは複数の集光レンズ)を含んでもよい。レーザヘッドに入るビームが既にコリメートされている場合、レーザヘッドはコリメータを含まなくてもよい。様々な実施の形態によるレーザヘッドは、1つまたは複数の保護窓、焦点調整機構(手動または自動、例えば、1つまたは複数のダイヤル及び/またはスイッチ及び/または選択ボタン)を含んでもよい。レーザヘッドは、例えば、レーザパワー、対象物材料温度、及び/または反射率、プラズマスペクトル等のための1つまたは複数の監視システムを含んでもよい。レーザヘッドは、ビーム成形及び/またはビーム品質(例えば、可変BPP)の調整のための光学素子を含んでもよく、ビームの偏光及び/または焦点の軌跡のための制御システムを含んでもよい。様々な実施の形態において、レーザヘッドは、2016年6月21日に出願された米国特許出願第15/188,076号において説明されるように、ビーム形状及び/または出力ビームのBPPの変更のための1つまたは複数の光学素子(例えば、レンズ)、及びその選択及び/または配置のためのレンズ操作システムを含んでもよく、本出願の開示の全体は、参照によって本明細書に含まれる。例示的な加工は、切削、穿孔、溶接、ろう付け、アニーリング等を含む。出力ビームは、工作物の少なくとも一部上またはそこをわたる加工パスを横断するように、(例えば、ビーム及び/または工作物の並進移動によって)工作物に対して並進移動されてもよい。
【0079】
光学デリバリファイバを使用する実施の形態は、光ファイバは、様々な異なる内部構成及び形状を有してもよい。例えば、光ファイバは、内側クラッド層によって分離される中央コア領域及び環状コア領域を含んでもよく、本質的にこれによって構成されても、またはこれによって構成されてもよい。1つまたは複数の外側クラッド層は、環状コア領域の周りに配置されてもよい。本発明の実施の形態は、2017年4月5日に出願された米国特許出願第15/479,745号と、2019年11月6日に出願された米国特許出願第16/675,655号に説明された構成を有する光ファイバを含んでもよく、それぞれの出願の開示の全体は、参照によって本明細書に含まれる。
【0080】
様々な実施の形態において、コントローラは、例えば、1つまたは複数のアクチュエータの制御を通じて工作物に対するレーザヘッドまたは出力ビームの移動を制御してもよい。コントローラは、出力レーザビームと加工される工作物との間の相対移動をもたらすように構成される従来の位置合わせシステムを操作してもよい。例えば、位置合わせシステムは、2または3次元の工作物に沿った加工パスに沿ってビームを方向付ける任意の制御可能な光学的、機械的、または光学機械的システムであってもよい。加工の間、コントローラは、レーザビームが工作物に沿った加工パスを横断するように、位置合わせシステムとレーザシステムとを操作してもよい。加工パスは、ユーザによって提供され、搭載されたまたは遠隔のメモリに格納されてもよく、メモリは、加工の種類(切削、溶接等)に関するパラメータ及び加工を実行するために必要なビームパラメータも格納してもよい。格納された値は、例えば、材料の様々な加工(例えば、穿孔、切削、溶接等)、加工の種類、及び/または加工パスの形状にとって適切なビーム波長、ビーム形状、ビーム偏光等を含んでもよい。
【0081】
プロット及びスキャンの先行技術においてよく理解されているように、出力ビームと工作物との間の必要な相対移動は、可動ミラーを用いたビームの光学的偏向、ガントリー、リードスクリューまたは他の構成を用いたレーザの物理的移動、及び/またはビームに代えて(または加えて)工作物を移動させる機械的構成によって生成されてもよい。コントローラは、ある実施の形態において、適切な監視センサに接続されるフィードバックユニットから、工作物に対するビームの位置及び/または加工効率に関するフィードバックを受けてもよい。
【0082】
加えて、レーザシステムは、工作物の厚み及び/またはその上の特徴の高さを検出するための1つまたは複数のシステムを含んでもよい。例えば、レーザシステムは、2015年4月1日に出願された米国特許出願第14/676,070号で説明された、工作物の干渉計による深さ測定のためのシステム(またはその部品)を含んでもよい。上記出願の開示の全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。このような深さまたは厚みの情報は、例えば、加工される材料の種類に対応するデータベースの記憶によって、工作物の加工(例えば、切断、穿孔または溶接)を最適化するように、出力ビームを制御するためにコントローラに使用されてもよい。
【0083】
本明細書にて使用される用語及び表現は、限定ではなく、説明の用語として使用され、このような用語及び表現の使用において、示された及び説明された特徴またはその部分と同等なものを除外する意図はなく、様々な改造は請求項に記載されている発明の範囲内で可能であると認めている。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に1つまたは複数のビーム発振器を有する閉じたレーザキャビティと、
前記レーザキャビティの内部にガスの流入を可能にするガス入口と、
前記ガス入口にガスを供給するポンプと、
前記ポンプによって前記ガス入口に供給されるガスからシロキサンを除去するように構成されるシロキサン改善システムと、
を備える、レーザ装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記ビーム発振器は、窒化物半導体材料を有する、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項3】
少なくとも1つの前記ビーム発振器は、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、InN、またはその合金または混合物を有する、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項4】
前記レーザキャビティは、そこから供給されたガスの漏れを可能にするように構成される、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項5】
前記レーザキャビティからのガスの流出を可能にするガス出口をさらに備える、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項6】
前記ポンプは、前記ガス出口に流体的に接続される、請求項5に記載のレーザ装置。
【請求項7】
前記ガス出口は、周囲の雰囲気及び/または排気システムへガスを放出するように構成される、請求項5に記載のレーザ装置。
【請求項8】
前記ポンプによって前記ガス入口に供給されるガスから水分を除去するように配置された乾燥剤をさらに備える、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項9】
前記シロキサン改善システムは、シロキサン吸着材料及び/またはシロキサン吸収材料を有する、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項10】
(i)前記シロキサン改善システムは、シロキサン吸着材料を有し、
(ii)前記シロキサン吸着材料は、活性炭素、シリカゲル、ポリマービーズ、及び/または1つまたは複数のモレキュラーシーブスの少なくとも1つを有する、請求項9に記載のレーザ装置。
【請求項11】
(i)前記シロキサン改善システムは、シロキサン吸収材料を有し、
(ii)前記シロキサン吸収材料は、有機溶剤、鉱油、または水の少なくとも1つを有する、請求項9に記載のレーザ装置。
【請求項12】
前記シロキサン改善システムは、凝縮または反応の少なくとも1つによってガスからシロキサンを除去するように構成される浄化システムを有する、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項13】
前記シロキサン改善システムは、前記ガス入口に供給されるガスがその上及び/またはそこを通じて流れる液体を有する、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項14】
前記レーザキャビティの内部、及び/または前記ガス入口、前記ポンプ、または前記シロキサン改善システムの少なくとも1つに流体的に接続される1つまたは複数の導管の内部におけるシロキサンを検知するように構成される1つまたは複数のセンサをさらに備える、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項15】
前記ポンプの操作によって、前記ガス入口にガスを導入するように構成されるコンピュータに基づくコントローラをさらに備える、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項16】
前記レーザキャビティの内部、及び/または前記ガス入口、前記ポンプ、または前記シロキサン改善システムの少なくとも1つに流体的に接続される1つまたは複数の導管の内部におけるシロキサンを検知するように構成される1つまたは複数のセンサをさらに備え、
前記コントローラは、前記1つまたは複数のセンサから受信するシグナルに応答する、請求項15に記載のレーザ装置。
【請求項17】
前記コントローラは、少なくとも1つの前記センサによって検知されるシロキサンの濃度が閾値を超えるときのみ、前記ガス入口にガスを導入するように構成される、請求項16に記載のレーザ装置。
【請求項18】
前記コントローラは、少なくとも前記1つまたは複数のビーム発振器の操作の間において、前記ガス入口にガスを連続的に導入するように構成される、請求項15に記載のレーザ装置。
【請求項19】
前記コントローラは、規則的な間隔において、前記ガス入口にガスを導入するように構成される、請求項15に記載のレーザ装置。
【請求項20】
前記コントローラは、操作者からの指示の受信に応じて、前記ガス入口にガスを導入するように構成される、請求項15に記載のレーザ装置。
【請求項21】
前記レーザキャビティは、密閉してシールされる、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項22】
前記レーザキャビティは、脱ガスによってシロキサンを生成する1つまたは複数の材料をその内部に有する、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項23】
前記1つまたは複数のビーム発振器は、複数のビーム発振器を有し、
前記レーザキャビティは、その内部に、
前記複数のビーム発振器によって発振されるビームを受けて、ビームをマルチ波長ビームに合成するように構成される分散要素と、
前記分散要素の光学的下流に配置されて、(i)前記マルチ波長ビームを受けて、(ii)前記マルチ波長ビームの第1部分を出力ビームとして透過させて、(iii)前記分散要素に向かって戻すように前記マルチ波長ビームの第2部分を反射させるように構成される部分反射型出力カプラと、
を有する、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項24】
前記レーザキャビティは、その内部に、
前記複数のビーム発振器の光学的下流に配置される複数のスロー軸コリメーションレンズと、
前記スロー軸コリメーションレンズの光学的下流、かつ前記分散要素の光学的上流に配置される複数の折り返しミラーと、
を有し、
それぞれの前記スロー軸コリメーションレンズは1つのビーム発振器から1つまたは複数のビームを受けるように構成される、請求項23に記載のレーザ装置。
【請求項25】
前記複数のビーム発振器の下に配置される流体クーラントキャビティと、
前記流体クーラントキャビティに流体クーラントを供給するように構成される流体入口と、
前記流体クーラントキャビティから流体クーラントを排出するように構成される流体出口と、
をさらに備える、請求項23に記載のレーザ装置。
【請求項26】
複数の閉じた部品を有するレーザシステムと、
複数のガス入口と、
複数のガス出口と、
前記複数のガス入口に流体的に結合された入口マニホールドと、
前記入口マニホールドにガスを供給するポンプと、
前記ポンプによって前記入口マニホールドに供給されるガスからシロキサンを除去するように構成されるシロキサン改善システムと、
を備え、
少なくとも1つの部品は、その内部に1つまたは複数のビーム発振器を有し、
それぞれのガス入口は、異なる部品へのガスの流入を可能にするように構成され、
それぞれのガス出口は、異なる部品からのガスの流出を可能にするように構成される、レーザ装置。
【請求項27】
前記複数のガス出口に流体的に結合される出口マニホールドをさらに備える、請求項26に記載のレーザ装置。
【請求項28】
前記ポンプは、前記出口マニホールドに流体的に接続される、請求項27に記載のレーザ装置。
【請求項29】
前記ポンプの操作によって、前記入口マニホールドにガスを導入するように構成されるコンピュータに基づくコントローラをさらに備える、請求項26に記載のレーザ装置。
【請求項30】
少なくとも1つの部品の内部、及び/または前記ポンプ、少なくとも1つの部品、前記入口マニホールドまたは前記シロキサン改善システムの少なくとも1つに流体的に接続される1つまたは複数の導管の内部におけるシロキサンを検知するように構成される1つまたは複数のセンサをさらに備え、
前記コントローラは、前記1つまたは複数のセンサによって受信されるシグナルに応答する、請求項29に記載のレーザ装置。
【請求項31】
前記コントローラは、少なくとも1つの前記センサによって検知されるシロキサンの濃度が閾値を超えるときのみ、前記入口マニホールドにガスを導入するように構成される、請求項30に記載のレーザ装置。
【請求項32】
少なくとも1つの部品は、脱ガスによってシロキサンを生成する1つまたは複数の材料をその内部に有する、請求項26に記載のレーザ装置。
【請求項33】
1つの部品は、閉じたレーザキャビティを有するレーザ共振器を有し、
前記レーザキャビティは、その内部に、
複数のビーム発振器と、
前記複数のビーム発振器によって発振されるビームを受けて、ビームをマルチ波長ビームに合成するように構成される分散要素と、
前記分散要素の光学的下流に配置されて、(i)前記マルチ波長ビームを受けて、(ii)前記マルチ波長ビームの第1部分を出力ビームとして透過させて、(iii)前記分散要素に向かって戻すように前記マルチ波長ビームの第2部分を反射させるように構成される部分反射型出力カプラと、
を有する、請求項26に記載のレーザ装置。
【請求項34】
前記レーザキャビティは、その内部に、
前記複数のビーム発振器の光学的下流に配置される複数のスロー軸コリメーションレンズと、
前記スロー軸コリメーションレンズの光学的下流、かつ前記分散要素の光学的上流に配置される複数の折り返しミラーと、
を有し、
それぞれの前記スロー軸コリメーションレンズは1つのビーム発振器から1つまたは複数のビームを受けるように構成される、請求項33に記載のレーザ装置。
【請求項35】
前記複数の部品は、複数のレーザ共振器を有し、
それぞれのレーザ共振器は、その内部に複数のビーム発振器を有し、ビーム発振器によって発振されるビームを合成ビームに合成するように構成される、請求項26に記載のレーザ装置。
【請求項36】
前記複数の部品は、
前記レーザ共振器からの合成ビームを受けて、前記合成ビームを出力ビームに合成するように構成されるビーム合成モジュールと、
前記ビーム合成モジュールから前記出力ビームを受けて、前記出力ビームを光ファイバに供給するように構成されるファイバ光学モジュールと、
を有する、請求項35に記載のレーザ装置。
【請求項37】
複数の閉じた部品を有するレーザシステムと、
ここで、少なくとも1つの部品は、その内部に1つまたは複数のビーム発振器を有し、
(i)それぞれの部品は、部品へのガスの流入を可能にするように構成されるガス入口と、部品からのガスの流出を可能にするように構成されるガス出口とを有し、
(ii)部品は互いに直列に流体的に接続され、
先頭の部品の前記ガス入口にガスを供給するポンプと、
ここで、供給されるガスは、直列に接続されたそれぞれの部品の内部に及び外部に順に流れ、
前記ポンプによって供給されるガスからシロキサンを除去するように構成されるシロキサン改善システムと、
を備える、レーザ装置。
【請求項38】
前記先頭の部品の前記ガス入口に流体的に結合される入口マニホールドをさらに備え、
前記ポンプは前記先頭の部品の前記ガス入口への供給のために、前記入口マニホールドにガスを供給する、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項39】
最後の部品のガス出口に流体的に結合される出口マニホールドをさらに備える、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項40】
前記ポンプは、前記出口マニホールドに流体的に接続される、請求項39に記載のレーザ装置。
【請求項41】
最後の部品のガス出口は、前記ポンプに流体的に接続される、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項42】
前記ポンプによって供給されるガスから水分を除去するように配置された乾燥剤をさらに備える、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項43】
前記ポンプを操作するように構成されるコンピュータに基づくコントローラをさらに備える、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項44】
少なくとも1つの部品の内部、及び/または前記ポンプ、少なくとも1つの部品、または前記シロキサン改善システムの少なくとも1つに流体的に接続される1つまたは複数の導管の内部におけるシロキサンを検知するように構成される1つまたは複数のセンサをさらに備え、
前記コントローラは、前記1つまたは複数のセンサによって受信されるシグナルに応答する、請求項43に記載のレーザ装置。
【請求項45】
前記コントローラは、少なくとも1つの前記センサによって検知されるシロキサンの濃度が閾値を超えるときのみ、前記ポンプを操作するように構成される、請求項44に記載のレーザ装置。
【請求項46】
少なくとも1つの部品は、脱ガスによってシロキサンを生成する1つまたは複数の材料をその内部に有する、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項47】
1つの部品は、閉じたレーザキャビティを有するレーザ共振器を有し、
前記レーザキャビティは、その内部に、
複数のビーム発振器と、
前記複数のビーム発振器によって発振されるビームを受けて、ビームをマルチ波長ビームに合成するように構成される分散要素と、
前記分散要素の光学的下流に配置されて、(i)前記マルチ波長ビームを受けて、(ii)前記マルチ波長ビームの第1部分を出力ビームとして透過させて、(iii)前記分散要素に向かって戻すように前記マルチ波長ビームの第2部分を反射させるように構成される部分反射型出力カプラと、
を有する、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項48】
前記レーザキャビティは、その内部に、
前記複数のビーム発振器の光学的下流に配置される複数のスロー軸コリメーションレンズと、
前記スロー軸コリメーションレンズの光学的下流、かつ前記分散要素の光学的上流に配置される複数の折り返しミラーと、
を有し、
それぞれの前記スロー軸コリメーションレンズは1つのビーム発振器から1つまたは複数のビームを受けるように構成される、請求項47に記載のレーザ装置。
【請求項49】
前記複数の部品は、複数のレーザ共振器を有し、
それぞれのレーザ共振器は、その内部に複数のビーム発振器を有し、ビーム発振器によって発振されるビームを合成ビームに合成するように構成される、請求項37に記載のレーザ装置。
【請求項50】
前記複数の部品は、
前記レーザ共振器からの合成ビームを受けて、前記合成ビームを出力ビームに合成するように構成されるビーム合成モジュールと、
前記ビーム合成モジュールから前記出力ビームを受けて、前記出力ビームを光ファイバに供給するように構成されるファイバ光学モジュールと、
を有する、請求項49に記載のレーザ装置。
【請求項51】
レーザ装置によって1つまたは複数のビームを発振する方法であって、
前記方法は、
1つまたは複数のビームを形成するように閉じたレーザキャビティの内部に配置された1つまたは複数のビーム発振器を操作することと、
その間、前記レーザキャビティの内部のガスを、より低いシロキサンの濃度を有する新しいガスと交換することと、
を含む、方法。
【請求項52】
複数の閉じた部品を有するレーザ装置によって1つまたは複数のビームを発振する方法であって、
(i)少なくとも1つの部品は、その内部に1つまたは複数のビーム発振器を有し、
(ii)それぞれの部品は、その内部にガスを有し、
前記方法は、
1つまたは複数のビームを形成するように前記1つまたは複数のビーム発振器を操作することと、
その間、それぞれの部品に新しいガスを並列に供給することと、
を含み、
新しいガスは、その内部により低いシロキサンの濃度を有し、
新しいガスは、それぞれの部品に並列に流入及び流出する、方法。
【請求項53】
互いに直列に流体的に接続される複数の閉じた部品を有するレーザ装置によって1つまたは複数のビームを発振する方法であって、
(i)少なくとも1つの部品は、その内部に1つまたは複数のビーム発振器を有し、
(ii)それぞれの部品は、その内部にガスを有し、
前記方法は、
1つまたは複数のビームを形成するように前記1つまたは複数のビーム発振器を操作することと、
その間、直列に接続された部品において先頭の部品に新しいガスを供給することと、
を含み、
新しいガスは、その内部により低いシロキサンの濃度を有し、
供給される新しいガスは、直列に接続されるそれぞれの部品に順に流入及び流出する、方法。
【請求項54】
明細書に記載のレーザ装置。
【国際調査報告】