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特表2022-553966消費財用スライド式開口部付きパッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-27
(54)【発明の名称】消費財用スライド式開口部付きパッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20221220BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20221220BHJP
   B65D 5/38 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
B65D85/10
B65D77/04 A
B65D5/38 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523683
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-06-13
(86)【国際出願番号】 IB2020059982
(87)【国際公開番号】W WO2021079335
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】102019000019748
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ポッローニ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ パラディーゾ
(72)【発明者】
【氏名】ロレーナ ダルフォンソ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアーノ ガンベリーニ
【テーマコード(参考)】
3E060
3E067
3E068
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060BA23
3E060DA26
3E060EA14
3E067AA14
3E067AA17
3E067AB16
3E067AB99
3E067AC03
3E067BA05B
3E067BA05C
3E067BA06C
3E067BA10B
3E067BA19C
3E067BB01C
3E067BB02C
3E067BB14B
3E067BC02B
3E067BC03C
3E067BC06B
3E067BC06C
3E067CA05
3E067EA32
3E067EB17
3E067EE44
3E067FA04
3E067FC01
3E067GD02
3E068AA21
3E068AB05
3E068AC02
3E068AC08
3E068BB02
3E068CC02
3E068CC09
3E068CC14
3E068CC15
3E068CD01
3E068CD03
3E068CE02
3E068CE03
3E068DE01
3E068EE22
(57)【要約】
消費財用スライド式開口部を有するパッケージであって、パッケージは、一群の消費財と、一群の消費財を収容しかつ消費財を取り出すための取り出し用開口部を備える、槽状の容器と、取り出し用開口部を開閉するために第1の容器に再位置決め可能な方法で固定される閉鎖ラベルと、包装材のブランクから開始して作られる、第1の容器のカバーと、包装材のブランクから開始して作られるケース5とを備える、消費財用摺動開口部を有するパッケージ。ケースは、カバーの外側に配置されており、一群の消費財へのアクセスが許されない閉鎖位置と、一群の消費財へのアクセスが可能になる開放位置との間で移動可能となるようにカバーに摺動可能に連結されている。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にたばこ産業用の消費財のためのスライド式開口部を備えたパッケージ(1)であって、前記パッケージ(1)は、
一群の消費財と、
槽状の第1の容器(2)であって、前記一群の消費財を収容しかつ前記第1の容器(2)から前記一群の消費財を取り出すための取り出し用開口部(20)を備える、第1の容器(2)と、
前記取り出し用開口部(20)を開閉して前記一群の消費財へのアクセスを可能にし又は防止するために前記第1の容器(2)に再位置決め可能な方法で固定されている、第1の閉鎖ラベル(3)と、
包装材のブランクから始めて作られる、前記第1の容器(2)のカバー(4)と、
包装材のブランクから始めて作られるケース(5)であって、前記カバー(4)の外側に配置されており、かつ、前記第1の容器(2)に収容される前記一群の消費財へのアクセスが許されない閉鎖位置(A)と、前記第1の容器(2)に含まれる前記一群の消費財へのアクセスが可能となる開放位置(B)との間で前記ケース(5)と前記カバー(4)が相互に移動できるように、前記ケース(5)が前記カバー(4)に摺動可能に連結されている、ケース(5)とを備える、パッケージ(1)。
【請求項2】
前記カバー(4)は、前記閉鎖位置(A)と前記開放位置(B)との間で前記ケース(5)に対して摺動するように前記ケース(5)の内面に係合する環状壁(40)を備え、前記環状壁(40)は、摺動方向(X)と平行に延びる上面(41)を備え、
前記第1の容器(2)は、前記一群の消費財を収容する収容部分(21)と、前記収容部分(21)から延びて前記カバー(4)の前記環状壁(40)の前記上面(41)に当接する縁部(22)とを備える、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項3】
前記閉鎖ラベル(3)が前記第1の容器(2)の前記縁部(22)に取り外し可能に固定されている、請求項2に記載のパッケージ(1)。
【請求項4】
前記パッケージ(1)は、前記第1の容器(2)の前記取り出し用開口部(20)を閉鎖するために前記第1の容器(2)の前記縁部に接合されるカバー要素を備え、
前記カバー要素は、前記第1の容器(2)の前記取り出し用開口部(20)に面する中央部と、前記中央部を少なくとも部分的に包囲しかつ前記第1の容器(2)の前記縁部(22)に接合される縁部とを備え、
前記第1の閉鎖ラベル(3)は、前記カバー要素の前記中央部に永久的に固定されており、前記第1の閉鎖ラベル(3)が前記パッケージ(1)の第1の開封において前記第1の容器(2)から分離されるときに前記カバー要素の前記中央部が前記カバー要素の前記縁部から少なくとも部分的に分離されるように、前記第1の閉鎖ラベル(3)は前記カバー要素の前記縁部に再位置決め可能な方法で固定されている、請求項2に記載のパッケージ(1)。
【請求項5】
前記カバー要素は、前記カバー要素の前記中央部と前記カバー要素の前記縁部とを分離する、予め弱められたラインを備える、請求項4に記載のパッケージ(1)。
【請求項6】
前記第1の容器(2)が、熱成形可能な材料からなり、プラスチック材料又は分解可能材料又は堆肥化可能な材料である、請求項1~5のいずれか一項に記載のパッケージ(1)。
【請求項7】
前記パッケージ(1)は、廃棄物を収容するように設計された第2の容器(6)であって、前記廃棄物を前記第2の容器(6)の中に挿入するための挿入用開口部(60)を備え、前記第2の容器(6)は前記カバー(4)によって覆われている、請求項1~6のいずれか一項に記載のパッケージ(1)。
【請求項8】
前記パッケージ(1)は、前記第2の容器(6)への廃棄物の挿入を可能にし又は防止するように前記挿入用開口部(60)を開閉するために前記第2の容器(6)に対して再位置決め可能な方法で固定されている、第2の閉鎖ラベル(7)を備える、請求項7に記載のパッケージ(1)。
【請求項9】
前記カバー(4)は、前記カバー(4)及び前記ケース(5)が前記閉鎖位置(A)にあるときに前記挿入用開口部(60)を通して前記第2の容器(6)にアクセスできるように成形されている、請求項8に記載のパッケージ(1)。
【請求項10】
前記第1の容器(2)と前記第2の容器(6)とが単体で作られている、請求項9に記載のパッケージ(1)。
【請求項11】
前記ケース(5)は、前記カバー(4)及び前記ケース(5)が前記閉鎖位置(A)にあるときに前記第2の閉鎖ラベル(7)に面する入口窓(8)を備える、請求項9又は10に記載のパッケージ(1)。
【請求項12】
前記第1の容器(2)と前記第2の容器(6)が並んで配置されており、前記取り出し用開口部(20)は前記挿入用開口部(60)に対して平面であり、前記カバー(4)は、底壁(42)と、前記底壁(42)から上昇する環状壁(40)とを備える、請求項9~11のいずれか一項に記載のパッケージ(1)。
【請求項13】
前記第1の容器(2)と前記第2の容器(6)とが互いに反対に配置されており、前記取り出し用開口部(20)は前記挿入用開口部(60)と反対であり、前記カバー(4)はリング状である、請求項9~11のいずれか一項に記載のパッケージ(1)。
【請求項14】
前記第2の容器(6)が、熱成形可能な材料からなり、プラスチック材料又は分解可能材料又は堆肥化可能な材料である、請求項9~13のいずれか一項に記載のパッケージ(1)。
【請求項15】
前記パッケージ(1)は、前記カバー(4)及び前記ケース(5)を前記閉鎖位置(A)で遮断する遮断手段(9)を備え、
前記遮断手段(9)は、前記ケース(5)に形成されたスリット(90)と、前記第1の容器(2)から延びておりかつ前記パッケージ(1)が前記閉鎖位置(A)にあるときに前記スリット(90)に係合する遮断フラップ(91)とを備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のパッケージ(1)。
【請求項16】
前記第1の閉鎖ラベル(3)は、可撓性材料からなり、前記カバー(4)及び前記ケース(5)が前記閉鎖位置(A)から前記開放位置(B)に移動させたときに前記第1の閉鎖ラベル(3)が前記第1の容器(2)から漸進的に離脱しかつ前記カバー(4)及び前記ケース(5)を前記開放位置(B)から前記閉鎖位置(A)に移動させたときに前記第1の閉鎖ラベル(3)が前記第1の容器(2)に順次固定されるように、前記第1の閉鎖ラベル(3)が前記ケース(5)に固定された端部を備える、請求項1~15のいずれか一項に記載のパッケージ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この特許出願は、2019年10月24日に出願された伊国特許出願第102019000019748号の優先権を主張し、その開示の全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、消費財用スライド式開口部を備えたパッケージに関する。
【0003】
特に、本発明は、菓子業界及びたばこ産業において適用可能である。実際、パッケージは、スイーツ、チョコレート、糖衣アーモンドなどの菓子製品や、スヌース、電子たばこ又はたばこ用のカートリッジなどの喫煙物品を収容しうる。特に、本発明は、香りや水分含量などの、長期間にわたってその特性を保存しなければならない消費財に有利に適用される。
【背景技術】
【0004】
製品の水分や香りを保存するために、菓子及び(特に、たばこを含む)たばこ産業の消費財を適切に保管しなければならないことが知られている。たばこ産業を参照すると、この問題は、使用中に最適な風味を保証するために高度の水分含量を保存しなければならない、スヌース又は電子たばこ用の特定のカートリッジなどの、いくつかの製品において特に強調される。このために、当該消費財を、当該製品の水分を保存することができるプラスチック製の箱の中に保管することが知られている。
【0005】
特許文献1(独国特許出願公開第102007030267号明細書)は、数回再利用可能な閉鎖フラップに連結された、取り外し可能な開口部を備えた、密閉された内側ラップを収容する、ヒンジ付き蓋を備えたたばこの剛性パッケージを記載している。
【0006】
特許文献2(欧州特許出願公開第2423128号明細書)は、ばらばらのたばこを受け入れるように設計されたポケットと、閉鎖構造がポケットのアクセス用開口を閉鎖する閉鎖位置からポケットのアクセス用開口がアクセス可能である開放位置へポケットに対して移動可能である、閉鎖構造とを備える、たばこパッケージを記載している。
【0007】
特許文献3(国際公開第2019/064029号)は、閉鎖端部と開放端部とを有するスリーブと、スリーブからスリーブの開放端部を通して挿入可能かつ取り外し可能である、容器とを備える、スライド式パッケージを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願公開第102007030267号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2423128号明細書
【特許文献3】国際公開第2019/064029号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、本発明の目的は、環境上の理由からプラスチックの使用を減らすために、パッケージを作る際に使用されるプラスチックの量の低減に直面して、消費財の特性の保存を保証するパッケージを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的は、本願の請求項1に記載の消費財用スライド式開口部を有するパッケージにより達成される。
【0011】
ここで、本発明を、その実施形態の非限定的な例を示す添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、パッケージが閉鎖位置にある、本発明の第1の実施形態のパッケージの上面図である。
図2図2は、パッケージが開放位置にある、図1のパッケージの斜視図である。
図3図3は、図2のパッケージの上方から見た図である。
図4図4は、図2のパッケージの下方から見た図である。
図5図5は、図1のパッケージの底面図である。
図6図6は、図5のパッケージの側面図である。
図7図7は、図5のパッケージの斜視図である。
図8図8は、図1のパッケージの容器の上方からの斜視図である。
図9図9は、図1のパッケージの容器の下方からの斜視図である。
図10図10は、パッケージが閉鎖位置にある、本発明の第2の実施形態のパッケージの斜視図である。
図11図11は、開放位置における図10のパッケージの斜視図である。
図12図12は、図10のパッケージの容器の側面図である。
図13図13は、図10のパッケージの容器の斜視図である。
図14図14は、図12及び図13の容器に代わる別の容器の斜視図である。
図15図15は、パッケージが閉鎖位置にある、本発明の第3の実施形態のパッケージの斜視図である。
図16図16は、図15のパッケージの容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照すると、参照番号1は、一般に、本発明の消費財のためのスライド式開口部を有するパッケージを示す。
【0014】
前記パッケージ1は、パッケージ1内に整然と配置された消費財としうる、又は、ばらばらの消費財としうる、一群の消費財(図示せず)を収容する。
【0015】
「大ざっぱな消費財(loose consumer goods)」という用語は、スイーツ、糖衣アーモンド又はチョコレートなどの菓子消費財や、たばこ産業からの消費財などの、種々の商品分野からの消費財を指す。たばこ産業の消費財という用語は、たばこ(cigarette)、葉巻たばこ(cigars)、スヌース、電子たばこ用カートリッジなどの製品を指す。
【0016】
特に、本発明のパッケージは、長期間にわたってそれらの特性(湿度や香り)を保存しなければならない消費財についての有利な用途を見出し、例えば、パッケージは、長期間にわたって高湿度のたばこを保存しなければならない、たばこ産業の消費財(例えば、スヌース)にとって特に有利である。
【0017】
添付図面を参照すると、パッケージ1は、
一群の消費財と、
一群の消費財を収容しかつ、第1の容器2から消費財を取り出すための取り出し用開口部20を備える、槽状の第1の容器2と、
取り出し用開口部20を開閉し、かつ、取り出し用開口部20を通して一群の消費財へのアクセスを可能にし又は防止するように、第1の容器2に再位置決め可能な方法で固定される第1の閉鎖ラベル3と、
包装材のブランクから作られた、第1の容器2のカバー4と、
包装材のブランクから作られたケース5であって、ケース5はカバー4に外側に配置され、かつ、第1の容器2に収容されている一群の消費財へのアクセスが許されない閉鎖位置Aと、第1の容器2に収容されている一群の消費財にアクセスが可能である開放位置Bとの間で、ケース5とカバー4とが互いに摺動方向Xに沿って移動可能であるように、ケース5はカバー4に摺動可能に連結されている、ケース5とを備える。
【0018】
第1の容器2と閉鎖ラベル3は、パッケージ1が閉鎖位置Aにある時に第1の容器2に収容される消費財の特性を保存することができる密閉パッケージ1を形成するように互いに配置されかつ成形されている。「密閉パッケージ」という語は、その中に収容される消費財の香りや水分などの特性を保存することができるパッケージをいう。言い換えれば、長期間にわたって消費財の特性を変化させることなく(又は、いかなる場合でも閾値を超えるように)維持することができるパッケージをいう。
【0019】
有利的には、本発明のパッケージ1は、収容される消費財の特性(例えば、湿度の程度)を保存することを可能にし、同時に、パッケージ1を製造する際のプラスチック製の消費を最小限に低減することを可能にする。カバー4及びケース5は、包装材で作られ、第1の容器2のみがプラスチック材料で作られ得る。
【0020】
特に、カバー4及びケース5が作られる包装材のブランクは、紙又は段ボールのブランクである。
【0021】
図1図9を参照して、本発明の第1の実施形態のパッケージ1を以下に説明する。
【0022】
このパッケージ1は、閉鎖位置Aにあるときに平面視で略正方形状1となっている(図1)。また、このパッケージ1は矩形の形状を有しうることが理解される。
【0023】
ケース5はカップ状であり、底壁50と、底壁50から延びるスリーブ部51とを備えている。底壁50は矩形形状を有し、スリーブ部51は、互いに逆向きでありかつかつ平行である、2つずつの4つの壁を備える。特に、スリーブ部51は、上壁51aと、下壁51bと、2つの側面51cとを備えている。図示されていない代替の実施形態によれば、ケース5は底壁を提供しなくてもよく、この場合、ケース5はスリーブ形状としうる。
【0024】
特に図2及び図3を参照すると、カバー4は、閉鎖位置Aと開放位置Bとの間でケース5に対して摺動するようにケース5の内面に係合する環状壁40を備える。
【0025】
環状壁40は、摺動方向Xに平行に延びる上面41を備える。さらに、環状壁40は、上面41とは反対にありかつ平行である下面44と、互いに反対にありかつ平行である2つずつである、上面41及び下面44に直交する4つの側面43とを備える。
【0026】
カバー4及びケース5が閉鎖位置Aにあるとき、ケース5のスリーブ部51の上壁51aがカバー4の環状壁40の上面41と対向し、同様に、ケース5のスリーブ部51の下壁51bがカバー4の環状壁40の下面44に面し、ケース5のスリーブ部51の側面51cがカバー4の環状壁40の4つの側面43の内の2つ(他の2つの側面43が一方でケース5の底壁50に面し他方がでケース5の外側に突出する)に面する。
【0027】
カバー4の環状壁40は箱状壁である。
【0028】
前記実施形態によれば、カバー4はリング状である。つまり、カバー4は、環状壁40によってのみ形成されており、底壁を有していない。有利的には、パッケージ1の製造において使用される材料の量は、さらに限定される。
【0029】
図8及び図9を参照すると、第1の容器2は、一群の消費財を収容する収容部分21と、収容部分21から延びる縁部22とを備える。
【0030】
第1の容器2とカバー4とは、第1の容器2の縁部22がカバー4の環状壁40の上面41に当接(載置されて配置される)するように配置されている。
【0031】
閉鎖ラベル3は、第1の容器2の縁部22に再位置決め可能な方法で(例えば、再接着接着剤によって)固定される。このように、閉鎖ラベル3の第1の容器2への接着は、接着のための比較的に大きな平坦面を有するので容易となる。有利的には、パッケージ1の(例えば、水分又は香りのための)シールがさらに改良される。
【0032】
第1の容器2は、カバー4に固定されている。特に、第1の容器2は、カバー4に機械的に固定することができる。すなわち、それぞれの収容部分21は、カバー4の環状壁40内に楔入することができる。さらに又は代替的に、第1の容器2をカバー4に接着することもできる。
【0033】
第1の閉鎖ラベル3は、可撓性材料で作られている。特に、第1の閉鎖ラベル3は、ケース5に固定(例えば接着剤で)される端部を備え、カバー4及びケース5が閉鎖位置Aから開放位置Bに移動させられるときに第1の閉鎖ラベル3が第1の容器2から漸進的に離脱しかつカバー4及びケース5が開放位置Bから閉鎖位置Aに移動させられるときに第1の閉鎖ラベル3が第1の容器2に順次固定されるようになっている。詳細には、第1の閉鎖ラベル3は、四角形を有し、互いに反対側にある、第1の端部及び第2の端部を備える。第1の端部はケース5の上壁51aの内面に(取り外し不可能な方法で)固定され、第2の端部は第1の容器2又はカバー4に(取り外し不可能な方法で)固定される。図示していない一実施形態によれば、閉鎖ラベル3は自動的に開放又は再度閉鎖できない場合に、閉鎖ラベルは、第1の容器2に離脱又は再度固定される使用者によって把持することができる接着剤のない把持タブを備えうる。
【0034】
図5図9を参照すると、パッケージ1は、廃棄物を収容するのに適した第2の容器6を備え、廃棄物を第2の容器6に挿入するための挿入用開口部60を備える。第2の容器6は、カバー4によって被覆(支持)されている。
【0035】
さらに、パッケージ1は、廃棄物の第2の容器6への挿入を可能にするか又は防止するように、挿入用開口部60を開閉するために、第2の容器6に再位置決め可能な方法(例えば、再接着接着剤によって)で固定された、第2の閉鎖ラベル7を備える。有利的には、パッケージ1は、廃棄物を収容するために同じものを使用することもできる使用者にとって特に実用的である。
【0036】
ケース5は、パッケージ1が閉鎖位置Aにあるときに、挿入用開口部60を通して第2の容器6にアクセスできるように成形されている(図5図7)。有利的には、使用者は、廃棄物を捨てるために最初の容器2を開ける必要はなく、これにより、便利であることに加えて、消費財の特性を保存するためのパッケージ1の容量を増す。
【0037】
図5及び図6を参照すると、ケース5は、ケース5及びカバー4が閉鎖位置Aにあるときに第2の閉鎖ラベル7(好ましくは可撓性)に面する入口窓8を備える。
【0038】
同様に、第1の容器2と同様に、第2の容器6は、廃棄物を収容するように設計された(槽状の)収容部分61と、収容部分61から延びる縁部62とを備える。
【0039】
第2の容器6及びケース5は、第2の容器6の縁部62がケース5の入口窓8に少なくとも部分的に面するように配置されかつ成形されている。
【0040】
第2の閉鎖ラベル7は、第2の容器2の縁部62に取り外し可能に(例えば、再接着接着剤によって)固定される。このように、第2の閉鎖ラベル7の第2の容器6への接着が容易となる。
【0041】
第2の閉鎖ラベル7は、好ましくは、可撓性である。さらに、第2の閉鎖ラベル7は、第2の容器6の挿入用開口部60を開けるために把持できる、接着剤が付着していない把持フラップ70を備えている。
【0042】
図8及び図9を参照すると、第1の容器2と第2の容器6は、単体で作られている。有利的には、パッケージ1を製造するための材料の使用が最小限に抑えられる。
【0043】
第1の容器2は剛性である。第2の容器6は剛性である。
【0044】
第1の容器2及び第2の容器6は、熱成形可能な材料で作られる(熱成形によって作られる、あるいは、鋳造によって形成されうる)。
【0045】
特に、第1の容器2及び第2の容器6は、プラスチック材料又は分解可能材料又は堆肥化可能な材料で作ることができる(分解可能材料又は堆肥化可能な材料の場合には、パッケージ1を作る際にプラスチックは有利的には使用されない)。
【0046】
図示されていない異なる実施形態によれば、第1の容器2と第2の容器6は、2つの別個の容器とすることができる。この場合、2つの別個の容器の一方又は両方を熱成形可能な材料で作ることができる(熱成形によって作ることができ、又は代替的に、鋳造によって形成することができる)。さらに、2つの別個の容器の一方又は両方は、プラスチック材料又は分解可能材料又は堆肥可能な材料で作ることができる。
【0047】
第1の容器2と第2の容器6とは、互いに対向して配置されており、引き出し用開口部20は、挿入用開口部60と反対である。有利的には、パッケージ1は特にコンパクトであり、更に、第1の容器2及び第2の容器6の製造のための材料の使用は最小限に抑えられる。
【0048】
パッケージ1は、ケース5及びカバー4を閉鎖位置Aで遮断するための遮断手段9(図1図9のパッケージ1の実施形態では図示せず)を備えうる。遮断手段9は、カバー4で得られたスリット90と、第1の容器2から延びておりかつパッケージ1が閉鎖位置Aにあるときにスリット90に係合する、遮断フラップ91とを備えうる。
【0049】
特に、遮断フラップ91は、第1の容器2の縁部22から延びることができる。
【0050】
したがって、製品を取り出すためには、使用者は、カバー4とラッピング5とが開放位置Bに来るまで摺動方向Xに沿ってラッピング5に対してカバー4(ひいては第1の容器2)を引きずらなければならない。この点で、図1図9に示す実施形態によれば、第1の閉鎖ラベル3が自動的に開封される(図示しない実施形態によれば、第1の閉鎖ラベル3を容器2から手で離脱させなければならない場合がある)ので、使用者に消費財へのアクセスがある。
【0051】
その代わりに、廃棄物を第2の容器6に挿入するために、ケース5及びカバー4が閉鎖位置Aにあるときに、使用者は、第2の閉鎖ラベル7を第2の容器6から(それぞれの把持フラップ70で把持して)部分的に離脱させなければならない。
【0052】
パッケージ1は、さらに、ケース5及びカバー4が閉鎖位置Aから開放位置Bに移動したときにカバー4がケース5から完全に抜け出るのを防止するストローク端部手段(図示せず)を備える。このストローク端部手段は、カバー4から突出しかつケース5のタブに係合するタブ(又は、ケース5のスリーブ部51の側面51cから突出する一対のタブ)(又は、カバー4の環状壁40の側面43からそれぞれ突出する一対のタブ)を備えうる。
【0053】
パッケージ1は、第1の容器2の取り出し用開口部20を閉鎖するために、第1の容器2の縁部22に接合されるカバー要素(図示せず)を更に備えうる。カバー要素は、第1の容器2の取り出し用開口部20に面する中央部と、少なくとも部分的に中央部を包囲しかつ第1の容器2の縁部22に接合される、縁部とを備える。有利的には、パッケージ1のシールがさらに改良される。
【0054】
前記実施形態において、好ましくは、第1の閉鎖ラベル3は、カバー要素の中央部に永久的に固定されておりかつカバー要素の縁部に再位置決め可能な方法で固定されており、第1の閉鎖ラベル3が第1の容器2から分離されると、パッケージ1の第1の開封において、カバー要素の中央部がカバー要素の縁部から少なくとも部分的に分離される。有利的には、第1の閉鎖ラベル3のカバー要素の縁部への接着は、第1の閉鎖ラベル3の第1の容器2の縁部22への接着よりも簡単で効率的である。
【0055】
したがって、パッケージ1は、カバー要素の中央部と第1の閉鎖ラベル3との間に永久的な接着剤(接着剤)と、カバー要素の縁部と第1の閉鎖ラベル3との間に再接着接着剤(接着剤)とを備える。
【0056】
言い換えれば、前記実施形態によれば、パッケージ1の第1の開封後においても、カバー要素の中央部3が(取り外し不可能な方法で)第1の閉鎖ラベル3に固定されている。
【0057】
好ましくは、カバー要素は、プラスチック材料の層(フィルム)によって作られる。
【0058】
カバー要素の中央部は、第1の容器2の取り出し用開口部20の形状及び大きさとほぼ類似している形状及び大きさを有する。
【0059】
カバー要素は、カバー要素の中央部とカバー要素の縁部を分離する、予め弱められたラインを備えうる。
【0060】
前記予め弱められたラインは、(第1の容器2の取り出し用開口部20の周囲と形状及び大きさでほぼ一致する)閉鎖されたラインとすることができ、この場合、パッケージ1の第1の開封後、カバー要素の中央部は、第1の閉鎖ラベル3に専ら固定される。
【0061】
あるいは、予め弱められたラインは、(第1の容器2の取り出し用開口部20の周囲の一部とほぼ形状及び大きさで一致する)U字形のラインとすることができ、この場合、パッケージ1の第1の開封後、カバー要素の中央部は、第1の閉鎖ラベル3及びカバー要素の縁部の両方に固定される。
【0062】
図10図13を参照して、本発明の第2の好ましい実施形態のパッケージ1を以下に説明する。第2の実施形態のパッケージ1は、第1の実施形態(図1図9)を参照して説明した特徴のほとんどを備える。したがって、以下では、第1の実施形態に関する相違点のみを、第2の実施形態を参照して説明する。
【0063】
このパッケージ1は、閉鎖位置Aにあるときに平面視で略矩形形状1となっている(図10)。正方形の形状を有しうることが理解される。
【0064】
カバー4は、閉鎖位置Aと開放位置Bとの間でケース5に対して摺動するようにケース5の内面に係合する環状壁40を備える。環状壁40は、第1の実施形態を参照して説明したのと同様の特性を有する。しかしながら、異なることに、前記実施形態では、カバー4は、環状壁40がそこから上昇する底壁42も備える。
【0065】
パッケージ1が閉鎖位置Aにあるとき、カバー4の底壁42は、ケースのスリーブ部51の下壁51bに面する。
【0066】
図12及び図13を参照して、上記第2の実施形態においても、第1の容器2及び第2の容器6は単体で作られている。
【0067】
第1の容器2及び第2の容器6の各々は、それぞれの収容部分21、61と、収容部分21、61から延びるそれぞれの縁部22、62とを備える。
【0068】
第1実施形態と異なり、第1の容器2と第2の容器6は並んで配置されており、引き出し用開口部20は、挿入用開口部60に対して平面状である。
【0069】
この場合、ケース5の入口窓8は、ケース5のスリーブ部51の上壁51aで得られる。
【0070】
さらに、本実施形態では、第1の閉鎖ラベル3と第2の閉鎖ラベル7を単体で作ることができる。
【0071】
図14を参照すると、図12及び図13に例示されているものに代わる第1の容器2が図示されている。この場合、パッケージ1は、消費財のための第1の容器2のみを提供し、廃棄物のための第2の容器6を提供しない。
【0072】
前記第1の容器2は、剛性であり、熱成形可能な材料(例えば、プラスチック材料又は分解可能材料)で作られている。前記実施形態によれば、ケース5は、入口窓8を提供しない。
【0073】
図15及び図16を参照して、本発明の第3の実施形態のパッケージ1を以下に説明する。第3の実施形態のパッケージ1は、第1の実施形態(図1図9)及び第2の実施形態(図10図13)を参照して説明した特徴のほとんどを備えている。したがって、以下では、第3の実施形態を参照して、第1及び第2の実施形態との相違点のみを説明する。
【0074】
パッケージ1は、消費財のための第1の容器2のみを提供し、廃棄物のための第2の容器6を提供しない。従って、ケース5は入口窓8を提供しない。
【0075】
更に、前記パッケージ1は、閉鎖位置Aでケース5及びカバー4を遮断する遮断手段9を備える。有利的には、前記パッケージ1は、開放することがより難しく、かつ、子供が操作できない。
【0076】
遮断手段9は、ケース5内に作られた一対のスリット90と、第1の容器2から延びておりかつケース5及びカバー4が閉鎖位置Aにあるときにそれぞれのスリット90内に係合する、一対の遮断フラップ91とを備える。
【0077】
詳細には、好ましい実施形態によれば、スリット90はケース5のスリーブ部51に(好ましくは、上壁51aと側面51cとの間の縁部において)形成される。
【0078】
第1の容器2は、収容部分21と、収容部分21から延びかつその上に第1の閉鎖ラベル3が取り外し可能に固定される、縁部とを備える。さらに、第1の容器2は、パッケージ1の摺動方向Xに沿って延びておりかつそれぞれの遮断フラップ91を担持する、2つの延長部分23を備える。前記延長部分23により、剛性材料からなる第1の容器2に面していても、パッケージ1を解放し易くなる。
【0079】
図示しない一実施形態によれば、カバーは、底壁と、(第2の実施形態を参照して上述したものと完全に類似している)底壁から上昇する箱状壁とを備え、第1の容器2は、カバーの層(例えばプラスチック層)であり、これにより、この層と第1の閉鎖ラベルの組み合わせにより、消費財の特性を保存することができるパッケージ1を形成することができる。本実施形態では、第1の容器2とカバー4が単体で作られている。
【0080】
図示されていない、前記実施形態をさらに参照すると、パッケージ1は、(また、層、例えば、プラスチック層の形態である)第2の容器を備えうる。このとき、カバー4は、第1の容器に覆われた第1ハウジングと、第2の容器に覆われた第2ハウジングとを備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】