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特表2022-553979医用画像処理方法、画像処理方法、医用画像処理装置、画像処理装置、コンピュータ装置およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-27
(54)【発明の名称】医用画像処理方法、画像処理方法、医用画像処理装置、画像処理装置、コンピュータ装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
G06T1/00 290Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524010
(86)(22)【出願日】2020-11-03
(85)【翻訳文提出日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 CN2020126063
(87)【国際公開番号】W WO2021159767
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】202010084678.8
(32)【優先日】2020-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517392436
【氏名又は名称】▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲韓▼波
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 嘉睿
(72)【発明者】
【氏名】朱 ▲艷▼春
(72)【発明者】
【氏名】姚 建▲華▼
【テーマコード(参考)】
5B057
【Fターム(参考)】
5B057AA07
5B057BA02
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CB06
5B057CB12
5B057CC01
5B057DB02
5B057DB06
5B057DB09
(57)【要約】
本願は、人工知能の分野に適用できる医用画像処理の方法、画像処理の方法および装置を開示する。本願の方法は、処理対象医用画像を取得するステップと、処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて差分画像を生成するステップと、差分画像に対して2値化処理を行って2値化画像を得るステップとを含み、2値化画像の前景領域は、処理対象医用画像の病理組織領域に対応する。画像に対して2値化処理を行うのに先立って、異なるチャネルの色情報を利用して差分画像を生成することにより、画像における色情報を効果的に利用し、差分画像に基づいて抽出した病理組織領域がより正確であるとともに後続の画像分析に対して積極的な影響を与えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバが実行する医用画像処理方法であって、
処理対象医用画像を取得するステップであって、前記処理対象医用画像は、カラー画像であり、かつ、前記処理対象医用画像には第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれ、前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応するステップと、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するステップと、
前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るステップであって、前記2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応するステップと、を含む、
ことを特徴とする医用画像処理方法。
【請求項2】
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、差分画像を生成する前記ステップは、
前記処理対象医用画像に含まれる前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、最大値画像および最小値画像を生成するステップと、
前記最大値画像および前記最小値画像に基づいて、前記差分画像を生成するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、最大値画像および最小値画像を生成する前記ステップは、
前記第1の画像データにおける第1の画素位置の第1の画素値、前記第2の画像データにおける第2の画素位置の第2の画素値および前記第3の画像データにおける第3の画素位置の第3の画素値に基づいて、最大画素値および最小画素値を決定するステップと、
前記最大画素値に基づいて最大値画像を取得し、前記最小画素値に基づいて最小値画像を取得するステップであって、前記最大値画像における第4の画素位置の画素値は、前記最大画素値であり、前記最小値画像における第5の画素位置の画素値は、前記最小画素値であり、前記第1の画素位置、前記第2の画素位置、前記第3の画素位置、前記第4の画素位置および前記第5の画素位置は、いずれも前記処理対象医用画像における同一の画素点の位置に対応するステップと、を含み、
前記最大値画像および前記最小値画像に基づいて、差分画像を生成する前記ステップは、
前記最大値画像における前記第4の画素位置の画素値および前記最小値画像における前記第5の画素位置の画素値に基づいて、画素差分値を決定するステップと、
前記画素差分値に基づいて、差分画像を取得するステップであって、前記差分画像における第6の画素位置の画素値は、前記画素差分値であり、前記第4の画素位置、前記第5の画素位置および前記第6の画素位置は、いずれも前記処理対象医用画像における同一の画素点の位置に対応するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、差分画像を生成する前記ステップは、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、処理対象差分画像を生成するステップと、
前記処理対象差分画像に対してガウスぼかし処理を行って、差分画像を得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得る前記ステップは、
前記差分画像に基づいて、2値化閾値を決定するステップと、
前記2値化閾値に基づいて前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記差分画像に基づいて、2値化閾値を決定する前記ステップは、
前記差分画像に基づいてN個の画素点に対応するN個の画素値を取得するステップであって、前記画素値と前記画素点とは、一対一に対応する関係を有し、前記Nは、1より大きい整数であるステップと、
前記N個の画素値から参照画素値を決定するステップであって、前記参照画素値は、前記N個の画素値のうちの最大値であるステップと、
前記参照画素値および予め設定された割合に基づいて、2値化閾値を決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
フラッドフィルアルゴリズムを用いて前記2値化画像における背景領域を検出するステップであって、前記背景領域は、複数の背景画素点を含むステップと、
前記2値化画像および前記2値化画像における背景領域に基づいて、前記2値化画像における前記前景領域内の背景画素点を取得するステップであって、前記前景領域は、複数の前景画素点を含むステップと、
前記2値化画像における前景領域内の背景画素点を前景画素点に変更して、空洞補填画像を得るステップと、
前記空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、結果画像を得るステップであって、前記結果画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、結果画像を得る前記ステップは、
前記空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、フィルタ画像を得るステップと、
前記フィルタ画像における前景領域の境界線を取得するステップであって、前記境界線は、M個の画素点を含み、前記Mは、1より大きい整数であるステップと、
前記境界線における前記M個の画素点のそれぞれに対してK個の画素点を外側に向かって拡張して、結果画像を得るステップであって、前記Kは、1以上の整数であるステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
処理対象医用画像を取得する前記ステップは、
元医用画像を取得するステップと、
スライディングウィンドウを用いて前記元医用画像からサブ医用画像を抽出するステップと、
前記サブ医用画像に病理組織領域が含まれると検出されると、前記処理対象医用画像として決定するステップと、
前記サブ医用画像に病理組織領域が含まれていないと検出されると、前記サブ医用画像を背景画像として決定し、かつ前記背景画像を除去するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記処理対象画像および前記処理対象画像の前記前景領域に基づいて、目標ポジティブサンプル画像を生成するステップであって、前記目標ポジティブサンプル画像は、ポジティブサンプル集合における1つのポジティブサンプル画像に属し、かつ、各ポジティブサンプル画像に病理組織領域が含まれるステップと、
ネガティブサンプル集合を取得するステップであって、前記ネガティブサンプル集合には、少なくとも1つのネガティブサンプル画像が含まれており、かつ、各ネガティブサンプル画像に病理組織領域が含まれていないステップと、
前記ポジティブサンプル集合および前記ネガティブサンプル集合に基づいて、画像処理モデルをトレーニングするステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
サーバが実行する画像処理方法であって、
第1の処理対象画像および第2の処理対象画像を取得するステップであって、前記第1の処理対象画像は、カラー画像であり、かつ、前記第1の処理対象画像には、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれ、前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応するステップと、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するステップと、
前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るステップであって、前記2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応するステップと、
領域と、
前記2値化画像の前景領域に基づいて、前記第1の処理対象画像から目標対象を抽出するステップと、
前記目標対象および前記第2の処理対象画像に基づいて合成画像を生成するステップであって、前記目標対象は、第1のレイヤに位置し、前記第2の処理対象画像は、第2のレイヤに位置し、前記第1のレイヤは、前記第2のレイヤの上に覆われるステップと、を含む、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
処理対象医用画像を取得するための取得モジュールであって、前記処理対象医用画像は、カラー画像であり、かつ、前記処理対象医用画像には、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれ、前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応する取得モジュールと、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するための生成モジュールと、
前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るための処理モジュールであって、前記2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応する処理モジュールと、を含む、
ことを特徴とする医用画像処理装置。
【請求項13】
第1の処理対象画像および第2の処理対象画像を取得するための取得モジュールであって、前記第1の処理対象画像は、カラー画像であり、かつ、前記第1の処理対象画像には、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれ、前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応する取得モジュールと、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するための生成モジュールと、
前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るための処理モジュールであって、前記2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の目標対象に対応する処理モジュールと、
前記2値化画像の前景領域に基づいて、前記第1の処理対象画像から前記目標対象を抽出するための抽出モジュールと、を含み、
前記生成モジュールは、さらに前記目標対象および前記第2の処理対象画像に基づいて合成画像を生成するためのものであり、前記目標対象は、第1のレイヤに位置し、前記第2の処理対象画像は、第2のレイヤに位置し、前記第1のレイヤは、前記第2のレイヤの上に覆われる、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項14】
メモリと、送受信機と、プロセッサと、バスシステムとを含み、
前記メモリは、プログラムを記憶するためのものであり、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されるプログラムを実行することによって、前記の請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法、または前記の請求項11に記載の方法を実現するためのものであり、
前記バスシステムは、前記メモリと前記プロセッサとを通信可能に接続するためのものである、
ことを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項15】
コンピュータで実行することにより、前記の請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法、または前記の請求項11に記載の方法をコンピュータに実行させるための指令を含むコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年2月10日に中国特許局へ提出した出願番号が202010084678.8であり、発明名称が「医用画像処理の方法、画像処理の方法および装置」である中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その全ての内容は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、人工知能の分野に関し、具体的に画像処理技術に関する。
【背景技術】
【0003】
医療技術の発展に伴い、全スライドイメージング(Whole Slide Image、WSI)画像に基づく識別および分析は、医療で重要な役割を発揮している。WSI画像の辺長が一般的に数万の画素であるため、このような画像を小サイズの画像に縮小したり分割したりして分析する必要があり、この過程において、WSI画像の大部分の背景領域を除去して、病理組織スライドを有する領域を得られて後続の画像分析を行う必要がある。
【0004】
現在、WSI画像から病理組織領域を抽出する方式として、主に、WSI画像を一定のスケールに縮小した後にグレースケール画像に変換し、その後、グレースケール画像において例えば画像の2値化処理、空洞除去処理などの更なる処理を行い、最後に、処理された画像から病理組織領域を抽出するようになっている。
【0005】
しかしながら、前記の方式のようにスケールを変換した後、カラー画像をグレースケール画像に直接的に変換すると色情報を失うことがあり、そして、色情報も1つの重要な画像特徴であるため、抽出した病理組織領域が十分に正確ではなくなり、後続の画像分析にバラツキを発生しやすくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、画像に対して2値化処理を行うのに先立って、異なるチャネルの色情報を利用して差分画像を生成することにより、画像における色情報を効果的に利用し、差分画像に基づいて抽出した病理組織領域がより正確であるとともに後続の画像分析に対して積極的な影響を与えるための医用画像処理の方法、画像処理の方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題に鑑みて、本願の第1の方面によれば、サーバが実行する医用画像処理方法であって、
処理対象医用画像を取得するステップであって、前記処理対象医用画像は、カラー画像であり、かつ、処理対象医用画像には、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれ、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なる属性での色情報にそれぞれ対応するステップと、
第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するステップと、
差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るステップであって、2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応するステップと、を含む医用画像処理方法を提供する。
【0008】
本願の第2の方面によれば、サーバが実行する画像処理方法であって、
第1の処理対象画像および第2の処理対象画像を取得するステップであって、第1の処理対象画像は、カラー画像であり、かつ、第1の処理対象画像には、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれており、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応するステップと、
第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するステップと、
差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るステップであって、2値化画像の前景領域は、処理対象医用画像の病理組織領域に対応するステップと、
2値化画像の前景領域に基づいて、第1の処理対象画像から病理組織領域を抽出するステップと、
病理組織領域および第2の処理対象画像に基づいて合成画像を生成するステップであって、病理組織領域は、第1のレイヤに位置し、第2の処理対象画像は、第2のレイヤに位置し、第1のレイヤは、第2のレイヤの上に覆われるステップと、を含む画像処理方法を提供する。
【0009】
本願の第3の方面によれば、
処理対象医用画像を取得するための取得モジュールであって、処理対象医用画像は、カラー画像であり、かつ、処理対象医用画像には、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれ、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応する取得モジュールと、
第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するための生成モジュールと、
差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るための処理モジュールであって、前記2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応する処理モジュールと、を含む医用画像処理装置を提供する。
【0010】
1種の可能な設計では、本願の実施例の第3の方面の1つの実施形態では、
生成モジュールは、具体的に処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、最大値画像および最小値画像を生成し、
最大値画像および最小値画像に基づいて、差分画像を生成するためのものである。
【0011】
1種の可能な設計では、本願の実施例の第3の方面の別の実施形態では、
生成モジュールは、具体的に第1の画像データにおける第1の画素位置の第1の画素値、第2の画像データにおける第2の画素位置の第2の画素値および第3の画像データにおける第3の画素位置の第3の画素値に基づいて、最大画素値および最小画素値を決定し、
最大画素値に基づいて最大値画像を取得し、最小画素値に基づいて最小値画像を取得するためのものであり、ここで、最大値画像における第4の画素位置の画素値は、最大画素値であり、最小値画像における第5の画素位置の画素値は、最小画素値であり、第1の画素位置、第2の画素位置、第3の画素位置および第4の画素位置、第5の画素位置は、いずれも処理対象医用画像における同一の画素点の位置に対応する。
【0012】
生成モジュールは、具体的に最大値画像における第4の画素位置の画素値および最小値画像における第5の画素位置の画素値に基づいて画素差分値を決定し、
画素差分値に基づいて、差分画像を取得するためのものであり、ここで、差分画像における第6の画素位置の画素値は、画素差分値であり、第4の画素位置、第5の画素位置および第6の画素位置は、いずれも処理対象医用画像における同一の画素点の位置に対応する。
【0013】
1種の可能な設計では、本願の実施例の第3の方面の別の実施形態では、
生成モジュールは、具体的に第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、処理対象差分画像を生成し、
処理対象差分画像に対してガウスぼかし処理を行って、差分画像を得るためのものである。
【0014】
1種の可能な設計では、本願の実施例の第3の方面の別の実施形態では、医用画像処理装置は、決定モジュールをさらに含み、
決定モジュールは、差分画像に基づいて2値化閾値を決定するためのものであり、
決定モジュールは、さらに前記2値化閾値に基づいて前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るためのものである。
【0015】
1種の可能な設計では、本願の実施例の第3の方面の別の実施形態では、
決定モジュールは、具体的に差分画像に基づいてN個の画素点に対応するN個の画素値を取得し、ここで、画素値と画素点とは、一対一に対応する関係を有し、Nは、1より大きい整数であり、
N個の画素値から参照画素値を決定し、ここで、参照画素値は、N個の画素値のうちの最大値であり、
参照画素値および予め設定された割合に基づいて、2値化閾値を決定するためのものである。
【0016】
1種の可能な設計では、本願の実施例の第3の方面の別の実施形態では、
生成モジュールは、具体的にフラッドフィルアルゴリズムを用いて2値化画像における背景領域を検出し、ここで、背景領域は、複数の背景画素点を含み、
2値化画像および2値化画像における背景領域に基づいて、2値化画像における前景領域内の背景画素点を取得し、ここで、前景領域は、複数の前景画素点を含み、
2値化画像における前景領域内の背景画素点を前景画素点に変更して、空洞補填画像を得、
空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、結果画像を得るためのものであり、前記結果画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応する。
【0017】
1種の可能な設計では、本願の実施例の第3の方面の別の実施形態では、
処理モジュールは、具体的に空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、フィルタ画像を得、
フィルタ画像における前景領域の境界線を取得し、ここで、境界線は、M個の画素点を含み、Mは、1より大きい整数であり、
境界線におけるM個の画素点のそれぞれに対してK個の画素点を外側に向かって拡張して、結果画像を得るためのものであり、ここで、Kは、1以上の整数である。
【0018】
1種の可能な設計では、本願の実施例の第3の方面の別の実施形態では、
取得モジュールは、具体的に元医用画像を取得し、
スライディングウィンドウを用いて元医用画像からサブ医用画像を抽出し、
サブ医用画像に病理組織領域が含まれると検出されると、処理対象医用画像として決定し、
サブ医用画像に病理組織領域が含まれていないと検出されると、サブ医用画像を背景画像として決定し、かつ背景画像を除去するためのものである。
【0019】
1種の可能な設計では、本願の実施例の第3の方面の別の実施形態では、画像処理装置は、トレーニングモジュールをさらに含み、
生成モジュールは、さらに処理対象画像および処理対象画像の前景領域に基づいて目標ポジティブサンプル画像を生成するためのものであり、ここで、目標ポジティブサンプル画像は、ポジティブサンプル集合における1つのポジティブサンプル画像に属し、かつ各ポジティブサンプル画像に病理組織領域が含まれており、
取得モジュールは、さらにネガティブサンプル集合を取得するためのものであり、ここで、ネガティブサンプル集合には、少なくとも1つのネガティブサンプル画像が含まれており、かつ、各ネガティブサンプル画像に病理組織領域が含まれていなく、
トレーニングモジュールは、ポジティブサンプル集合およびネガティブサンプル集合に基づいて、画像処理モデルをトレーニングするためのものである。
【0020】
本願の第4の方面によれば、
第1の処理対象画像および第2の処理対象画像を取得するための取得モジュールであって、ここで、第1の処理対象画像は、カラー画像であり、かつ、第1の処理対象画像には、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれており、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応する取得モジュールと、
第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するための生成モジュールと、
差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るための処理モジュールであって、2値化画像の前景領域は、処理対象医用画像の目標対象に対応する処理モジュールと、
2値化画像の前景領域に基づいて、第1の処理対象画像から目標対象を抽出するための抽出モジュールと、を含み、
生成モジュールは、さらに目標対象および第2の処理対象画像に基づいて合成画像を生成するためのものであり、ここで、目標対象は、第1のレイヤに位置し、第2の処理対象画像は、第2のレイヤに位置し、第1のレイヤは、第2のレイヤの上に覆われる画像処理装置を提供する。
【0021】
本発明の第5の方面によれば、コンピュータで実行することにより、前記の各方面の方法をコンピュータに実行させる指令が記憶されるコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0022】
以上の技術案によれば、本願の実施例は、以下の利点を有する。
【0023】
本願の実施例が提供する医用画像処理方法によれば、まず、カラーである処理対象医用画像を取得し、かつ当該処理対象医用画像には第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれ、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは異なる属性での色情報にそれぞれ対応し、そして、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成し、さらに、差分画像に対して2値化処理を行って2値化画像を得ることができ、2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応する。前記の方式により、異なるチャネルでのグレースケール画素点の色情報の差異が小さく、異なるチャネルでのカラー画素点の色情報の差異が大きいため、画像に対して2値化処理を行うのに先立って、異なるチャネルの色情報を利用して差分画像を生成することにより、画像における色情報を効果的に利用し、差分画像に基づいて抽出した病理組織領域がより正確であるとともに後続の画像分析に対して積極的な影響を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本願の実施例における医用画像処理システムのアーキテクチャを示す図である。
図2】本願の実施例における医用画像処理方法の1つの実施例を示す図である。
図3】本願の実施例における処理対象医用画像の1つの実施例を示す図である。
図4】本願の実施例における差分画像の1つの実施例を示す図である。
図5】本願の実施例における2値化画像の1つの実施例を示す図である。
図6】本願の実施例における結果画像の1つの実施例を示す図である。
図7】本願の実施例における結果画像の別の実施例を示す図である。
図8】本願の実施例における処理対象医用画像の取得についての1つの実施例を示す図である。
図9】本願の実施例における医用画像処理方法のフローを示す図である。
図10】本願の実施例における結果画像の1つの実施例を示す図である。
図11】本願の実施例における画像処理方法の1つの実施例を示す図である。
図12】本願の実施例における医用画像処理装置の1つの実施例を示す図である。
図13】本願の実施例における画像処理装置の1つの実施例を示す図である。
図14】本願の実施例が提供する1種のサーバの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願の実施例は、画像に対して2値化処理を行うのに先立って、異なるチャネルの色情報を利用して差分画像を生成することにより、画像における色情報を効果的に利用し、差分画像に基づいて抽出した病理組織領域がより正確であるとともに後続の画像分析に対して積極的な影響を与えるための医用画像処理の方法、画像処理の方法および装置を提供する。
【0026】
本願の明細書および特許請求の範囲、並びに前記の図面における「第1」、「第2」、「第3」、「第4」など(存在する場合)の用語は、類似する対象を区別するためのものであり、必ずしも特定の順序や優先順位を記述するものではない。このように使用するデータは、ここで説明する本願の実施例をここで図示や説明した順序以外のもので実施できるように、適宜に交換してもよいと理解すべきである。また、「含む」や「対応する」などの用語、およびそれらのいかなる変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、例えば、一連のステップまたはユニットを含む過程、方法、システム、製品または設備については、そのステップまたはユニットを明確にリストアップする必要がなく、明確にリストアップされていなく、またはこれらの過程、方法、製品または設備に固有する他のステップまたはユニットを含んでもよい。
【0027】
なお、本願の実施例は、画像を処理するシーンに応用することができ、画像は、人間が世界を感知する視覚基礎として、人間が情報の取得、情報の表現、および情報の伝達を行うための重要な手段である。画像処理は、画像を分析して所望の結果を取得するための技術であり、画像処理は、一般的にデジタル画像を処理することを意味し、デジタル画像は、産業用カメラ、ビデオカメラおよびスキャナ装置で撮影して得られた大きな2次元配列を意味し、この配列の要素は、画素と呼ばれ、その値が階調値と呼ばれる。画像処理技術は、人々が世界をより客観的かつ正確に認識することを助けることができ、人の視覚システムは、人間が外界から大量の情報を取得することを助けることができ、そして、画像や図形は、全ての視覚情報のキャリアであり、人の目の識別力が高く、数千種類の色を識別することができるが、多くの場合には、画像は、人の目にとって不明瞭であり、ひいては見えないものであるため、画像処理技術によって、不明瞭でひいては見えない画像を明瞭にすることができる。具体的には、画像処理技術は、画像変換、画像符号化圧縮、画像強調および復元、画像セグメンテーション、画像記述、マッティング技術および画像分類を含むが、これらに限定されない。
【0028】
具体的には、本願が提供する画像処理方法は、医学分野のシーンに応用することができ、ここで、処理可能な医用画像は、脳画像、心臓画像、胸部画像および細胞画像を含むが、これらに限定されない。また、医用画像は、ノイズ、電界オフセット効果、パーシャルボリューム効果および組織運動の影響を受ける可能性がある。生物の個体同士にも差別が存在しており、そして、組織構造の形状が複雑であるため、医用画像は、一般的な画像と比べて、通常、ボケ度が高いとともに不均一性を有する。本願に係る医用画像は、カラー画像であり、カラー超音波画像または全スライドイメージング(whole slide image、WSI)画像であってもよく、顕微鏡から取得したカラーデジタル画像を含んでもよい。WSI画像を例として、WSI画像の辺長が通常1万~10万画素であるため、WSI画像に対して、通常、小サイズの画像に縮小したり分割したりしてさらに処理する必要があり、画像を処理する過程において、病理組織スライドを有する領域を取得し、さらに、当該領域に基づいて、例えば細胞核定量分析、細胞膜定量分析、細胞質定量分析、および組織微脈管分析などの病理分析を行う必要がある。従って、医用画像の特徴に基づいて、本願の医用画像処理方法によって、処理対象医用画像を取得し、かつ、当該処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて差分画像を生成し、さらに、差分画像に対して2値化処理を行って2値化画像を得ることができ、ここで、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なる属性での色情報にそれぞれ対応し、2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応する。異なるチャネルでのグレースケール画素点の色情報の差異が小さく、異なるチャネルでのカラー画素点の色情報の差異が大きいため、画像に対して2値化処理を行うのに先立って、異なるチャネルの色情報を利用して差分画像を生成することにより、画像における色情報を効果的に利用し、差分画像に基づいて抽出した病理組織領域がより正確であるとともに後続の画像分析に対して積極的な影響を与えることができる。
【0029】
別の例では、例えば、画像処理は、さらにリモートセンシング分野のシーンに応用することもできる。情報技術、空間技術が急速に発展しており、かつ衛星空間の解像度が益々向上しているため、高解像度リモートセンシング画像は、海洋の監視、土地被覆の監視、海洋汚染および海事救援に応用することができる。そして、高解像度リモートセンシング画像は、画像の細部情報が豊富であり、地物の幾何学的構造が顕著であるとともに目標構造が複雑であるという特徴を有し、例えば、高解像度リモートセンシング画像において、海岸線の物体の陰影が複雑であり、植被の被覆面積が大きく、または明暗の人工施設の処理が十分に明確ではない。高解像度リモートセンシング画像は、一般的な画像と比べて、通常、細部がより多いとともにより複雑であるため、高解像度リモートセンシング画像における植被の被覆面積を確定する必要がある場合、植被を高解像度リモートセンシング画像から切り抜くことによって、対応する面積を確定することができる。従って、高解像度リモートセンシング画像の特徴に基づいて、本願の画像処理方法によって、第1の処理対象画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて差分画像を生成し、その後、生成した差分画像に対して2値化処理を行って2値化画像を得られ、さらに、結果画像に基づいて、第1の処理対象画像から目標対象(例えば、植被領域)を抽出することができ、ここで、第1の処理対象画像は、カラー画像であり、第1の処理対象画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応し、2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応する。画像に対して2値化処理を行うのに先立って、異なるチャネルの色情報を利用して差分画像を生成することによって、異なるチャネルでのグレースケール画素点の色情報の差異が小さく、異なるチャネルでのカラー画素点の色情報の差異が大きいため、画像における色情報を効果的に利用することができ、差分画像に基づいて抽出した目標対象がより正確であり、高解像度リモートセンシング画像における細部をより精確に得られ、高解像度リモートセンシング画像処理の正確率を向上させることができる。
【0030】
本願の実施例は、医学分野に応用するシーンを例として説明し、医学分野のシーンにおいて、抽出した病理組織領域の正確性を向上させ、かつ後続の画像分析に対して積極的な影響を与えるために、本願は、1種の医用画像処理方法を提供し、当該方法は、図1に示す医用画像処理システムに応用され(図1を参照)、図1は、本願の実施例における医用画像処理システムのアーキテクチャを示す図であり、図示したように、画像処理システムは、サーバおよび端末装置を含む。医用画像処理装置は、サーバに配置されてもよく、高い計算力を有する端末装置に配置されてもよい。
【0031】
医用画像処理装置がサーバに配置されることを例として、サーバは、処理対象医用画像を取得し、その後、当該処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて差分画像を生成し、さらに、差分画像に対して2値化処理を行って2値化画像を取得し、2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応する。サーバは、病理組織領域に基づいて医用画像の分析を行うことができる。
【0032】
医用画像処理装置が端末装置に配置されることを例として、端末装置は、処理対象医用画像を取得し、その後、当該処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて差分画像を生成し、さらに、差分画像に対して2値化処理を行って2値化画像を取得し、2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応する。端末装置は、病理組織領域に基づいて医用画像の分析を行うことができる。
【0033】
ここで、図1におけるサーバは、1つのサーバ、あるいは複数のサーバからなるサーバクラスタまたはクラウドコンピューティングセンタ等であってもよく、ここではそれを具体的に限定しない。端末装置は、図1に示すタブレットコンピュータ、ノートパソコン、携帯情報端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ(personal computer、PC)および音声対話装置であってもよく、監視装置、顔認識装置等であってもよく、ここではそれを限定しない。
【0034】
図1に、5つの端末装置および1つのサーバをのみ示しているが、図1における例示は、本方案を理解するためのものに過ぎず、端末装置およびサーバの具体的な数は、いずれも実際の状況に応じて柔軟に決定すべきであると理解すべきである。
【0035】
本願の実施例は、人工知能の分野に応用されるため、本願の実施例が提供するモデルトレーニング方法を説明するのに先立って、人工知能の分野における幾つかの基礎概念を説明する。人工知能(Artificial Intelligence、AI)は、デジタルコンピュータまたはデジタルコンピュータによって制御された機械を利用して人の知能をシミュレーション、延伸および拡張し、環境の感知、知識の習得、および知識を用いた最適な結果の取得を行うための理論、方法、技術および応用システムである。換言すれば、人工知能は、コンピュータ科学における1つの総合的な技術であって、知能の実質を理解して、人間の知能と類似する方式で反応可能な新規の知能機械を生産することを意図するものである。つまり、人工知能は、様々な知能機械の設計原理および実現方法を研究することにより、機械に感知、推論および決定の機能を持たせるものでもある。人工知能技術は、1つの総合的な学科であって、幅広い分野に係っており、ハードウェア的技術もソフトウェア的技術も含まれる。人工知能の基盤技術は、一般的に例えばセンサ、専用人工知能チップ、クラウドコンピューティング、分散型記憶、ビッグデータ処理技術、操作/対話システム、機電一体化などの技術を含む。人工知能のソフトウェア技術は、主にコンピュータビジョン技術、音声処理技術、自然言語処理技術および機械学習/深層学習などの幾つかの方向を含む。機械学習(Machine Learning、ML)は、複数の分野が交差する学科であって、確率論、統計学、近似理論、凸解析、アルゴリズム複雑性理論などの多くの学科に係っており、コンピュータがどのように人間の学習行動をシミュレーションしたり実現したりするかを専門的に研究することにより、新たな知識やスキルを取得して、既存の知識構造を新たに組織することにより自己の性能を不断に改善させるものである。機械学習は、人工知能の中核であって、コンピュータに知能を持たせるための根本的ルートであり、人工知能の各分野にわたって応用されている。機械学習および深層学習は、一般的に人工ニューラルネットワーク、信念ネットワーク、強化学習、転移学習、帰納的学習、教示学習等の技術を含む。
【0036】
人工知能技術の研究および進歩に伴い、人工知能技術は、様々な方向で研究されており、コンピュータビジョン(Computer Vision、CV)技術は、人工知能技術の様々な研究方向のうち、機械を如何にして「見せる」かを研究するための科学であり、さらに言えば、人の目の代わりにビデオカメラおよびコンピュータを利用して目標の識別、追跡および測定などを行い、さらに、グラフィック処理を行うことにより、人の目による観察または計器へ伝送して検出するのにより適合する画像となるようにコンピュータによって処理するための機械視覚を意味する。コンピュータビジョンは、1つの科学学科として、関連する理論および技術を研究し、画像または多次元データから情報を取得できる人工知能システムの確立を試みるものである。コンピュータビジョン技術は、一般的に画像処理、画像識別、画像セマンティック理解、画像検索、光学文字認識(Optical Character Recognition、OCR)、ビデオ処理、ビデオセマンティック理解、ビデオコンテンツ/行動識別、3次元物体再構成、3D技術、仮想現実、拡張現実、同期測位およびマップ構築などの技術を含み、さらに普通の顔認識、指紋認識等の生体特徴認識技術も含む。
【0037】
本願の実施例が提供する技術案は、人工知能の画像処理技術に関する。以下では、前記の説明と結合して、本願における医用画像処理方法を説明し(図2を参照)、図2は、本願の実施例における医用画像処理方法の1つの実施例を示す図であり、図示したように、本願の実施例における医用画像処理方法の1つの実施例は、以下のステップを含む。
【0038】
ステップ101において、処理対象医用画像を取得し、ここで、処理対象医用画像は、カラー画像であり、かつ、処理対象医用画像には第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれ、かつ、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応する。
【0039】
本実施例では、医用画像処理装置は、カラー画像である処理対象医用画像を取得することができ、当該処理対象医用画像は、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データを含むことができ、そして、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応する。ここで、処理対象医用画像は、医用画像処理装置が有線ネットワークを介して受信した医用画像であってもよく、医用画像処理装置自体に記憶されている医用画像であってもよい。
【0040】
具体的には、処理対象医用画像は、WSI画像から切り出された1つの領域であってもよく、当該WSI画像は、顕微鏡によってスライスをスキャンすることによって得ることができ、スライスは、ヘマトキシリンまたは他の染色方法によって作成されたガラススライドであるため、顕微鏡によってスライスをスキャンして得られたWSI画像は、カラー画像である。ここで、カラー画像の画像カラーモードは、RGB(red green blue)カラーモード、YUV(luminance bandwidth chrominance)カラーモード、HSV(Hue Saturation Value)カラーモードを含むが、これらに限定されず、色情報は、例えばRチャネルの画素値、Gチャネルの画素値、Bチャネルの画素値などの異なるチャネルでの画素値を表すことができる。
【0041】
WSI画像のフォーマットは、SVSおよびNDPI等のファイルフォーマットを含むが、これらに限定されず、WSI画像の長さおよび幅は、一般的に数万画素の範囲内にあり、画像のサイズが大きく、当該WSI画像を直接的に処理するために大きなメモリを必要とするため、WSI画像を分割する必要がある。通常、pythonのopenslideツールを用いてWSI画像を読み取ることができ、openslideツールは、ファイルフォーマットの変換に加えて、WSI画像から切り出された1つの領域を解像度が12*12の画像として記憶することができ、実際の状況では、15*15および50*50などの解像度で記憶することができるが、これらの解像度に限定されず、同一のWSI画像ファイルには複数の画像が存在しており、実際の応用においてWSI画像ファイルにおける解像度が最大の画像を処理対象画像として読み取る。そして、本実施例では、縮小されたWSI画像から処理対象医用画像を切り取り、かつ、WSI画像を例えば20倍または10倍などの任意の倍数で縮小することができ、縮小後のWSI画像の長さおよび幅は、数千画素の範囲内にある。なお、縮小倍数が人為的に定義されるため、具体的な縮小倍数は、実際の状況に応じて柔軟に決定すべきである。
【0042】
理解を容易にするために、図3を参照してください。図3は、本願の実施例における処理対象医用画像の1つの実施例を示す図であり、図示したように、処理対象医用画像は、病理組織領域を含み、かつ、当該処理対象医用画像と干渉する他のグレースケール背景または真っ白背景が存在していない。本実施例をさらに理解するために、処理対象医用画像の画像カラーモードがRGBであることを例として説明し、処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応するため、カラー画像に対応するRGBが(200,100,60)であると、第1の画像データがRチャネルに対応する画素値の200であってもよく、第2の画像データがGチャネルに対応する画素値の100であってもよく、第3の画像データがBチャネルに対応する画素値の60であってもよい。カラー画像に対応するRGBが(100,80,40)であると、第1の画像データがRチャネルに対応する画素値の100であってもよく、第2の画像データがGチャネルに対応する画素値の800であってもよく、第3の画像データがBチャネルに対応する画素値の40であってもよい。
【0043】
なお、HSV画像またはYUV画像に対して、HSV画像またはYUV画像をRGB画像に変換した後に後続の処理を行うことができる。
【0044】
なお、実際の応用において、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに対応する具体的の色情報は、いずれも実際の状況に応じて柔軟に決定すべきである。そして、医用画像処理装置は、サーバに配置されてもよく、高い計算力を有する端末装置に配置されてもよく、本実施例では、医用画像処理装置がサーバに配置されることを例として説明する。
【0045】
ステップ102において、処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成する。
【0046】
本実施例では、医用画像処理装置は、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成することができる。具体的には、当該差分画像は、グレースケール画像として表現される。理解を容易にするために、図4を参照してください。図4は、本願の実施例における差分画像の1つの実施例を示す図であり、図示したように、図4(A)に示す第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれる処理対象医用画像に基づいて、図4(B)に示す差分画像を生成することができる。当該差値画像は、図中に示すように病理組織領域を含む画像であってもよく、対応する異なるチャネルでの色情報を使用して画素値を区別しているため、処理対象医用画像の画像カラーモードがRGBであることを例として説明し、処理対象医用画像が灰色であるとRGBが接近し、処理対象医用画像がカラーであるとRGBの間の差が大きく、病理組織が存在する箇所に大きな色差を生じる。
【0047】
ステップ103において、差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得る。
【0048】
本実施例では、医用画像処理装置は、ステップ102で生成した差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得ることができる。ここで、2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応する。理解を容易にするために、図5を参照してください。図5は、本願の実施例における2値化画像の1つの実施例を示す図であり、図示したように、図5(A)に示す差分画像の場合、差分画像がグレースケール画像であるため、グレースケール画像に基づく処理を使用することができる。具体的には、本実施例では、適応的2値化方式を採用して前景処理を行い、すなわち、差分画像に対して2値化処理を行うことによって、図5(B)に示す2値化画像を得る。そして、当該2値化画像において、白色は、病理組織領域を含む前景領域であり、黒色は、病理組織領域を含まない背景領域である。
【0049】
理解を容易にするために、図6を参照してください。図6は、本願の実施例における前景領域の1つの実施例を示す図であり、図示したように、図6(A)に示す2値化画像の場合、白色が病理組織領域を含む前景領域であり、黒色が病理組織領域を含まない背景領域であるため、当該2値化画像に基づいて、図6(B)に示す処理対象医用画像に対応する領域を生成することができる。
【0050】
本願の実施例では、1種の医用画像処理方法を提供し、前記の方式により、異なるチャネルでのグレースケール画素点の色情報の差異が小さく、異なるチャネルでのカラー画素点の色情報の差異が大きいため、画像に対して2値化処理を行うのに先立って、異なるチャネルの色情報を利用して差分画像を生成することにより、画像における色情報を効果的に利用し、差分画像に基づいて抽出した病理組織領域がより正確であるとともに後続の画像分析に対して積極的な影響を与えることができる。
【0051】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理方法の1つの好適な実施例では、前記の図2に対応する実施例に加えて、処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するステップは、
処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、最大値画像および最小値画像を生成するステップと、
最大値画像および最小値画像に基づいて、差分画像を生成するステップと、を含むことができる。
【0052】
本実施例では、医用画像処理装置は、処理対象医用画像を取得した後、処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、最大値画像および最小値画像を生成し、最後に、最大値画像および最小値画像に基づいて、差分画像を生成することができる。
【0053】
具体的には、処理対象医用画像の画像カラーモードがRGBであることを例として説明し、処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応し、色情報がRチャネル、GチャネルおよびBチャネルに対応する画素値で表されるため、Rチャネル、GチャネルおよびBチャネルにおける最大値を決定して、当該最大値によって最大値画像を決定し、同様に、Rチャネル、GチャネルおよびBチャネルにおける最小値を決定して、当該最小値によって最小値画像を決定し、その後、最大値画像における各画素点と最小値画像における対応する位置の各画素点を減算して、差分画像を得ることができる。
【0054】
本願の実施例では、1種の差分画像を生成する方法を提供し、前記の方式により、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて最大値画像および最小値画像を生成し、異なる画像データに対応する色情報が異なるため、異なる画像データに基づいて決定した最大値画像および最小値画像に含まれた処理対象医用画像の色情報の正確性が高く、差分画像の生成の正確性を向上させることができる。
【0055】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理方法の別の好適な実施例では、前記の図2に対応する実施例に加えて、処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、最大値画像および最小値画像を生成するステップは、
第1の画像データにおける第1の画素位置の第1の画素値、第2の画像データにおける第2の画素位置の第2の画素値および第3の画像データにおける第3の画素位置の第3の画素値に基づいて、最大画素値および最小画素値を決定するステップと、
最大画素値に基づいて最大値画像を取得し、最小画素値に基づいて最小値画像を取得するステップと、を含むことができる。
【0056】
ここで、最大値画像における第4の画素位置の画素値は、最大画素値であり、最小値画像における第5の画素位置の画素値は、最小画素値であり、第1の画素位置、第2の画素位置、第3の画素位置および第4の画素位置、第5の画素位置はいずれも処理対象医用画像における同一の画素点の位置に対応する。
【0057】
最大値画像および最小値画像に基づいて、差分画像を生成するステップは、
最大値画像における第4の画素位置の画素値および最小値画像における第5の画素位置の画素値に基づいて、画素差分値を決定するステップと、
画素差分値に基づいて、差分画像を取得するステップであって、差分画像における第6の画素位置の画素値は、画素差分値であり、第4の画素位置、第5の画素位置および第6の画素位置はいずれも処理対象医用画像における同一の画素点の位置に対応するステップと、を含むことができる。
【0058】
最大値画像における目標画素点に対応する最大画素値と、最小値画像における目標画素点に対応する最小画素値とを減算して、画素差分値を得られ、当該画素差分値を差分画像における目標画素点に対応する差分画素値とする。
【0059】
本実施例では、医用画像処理装置は、処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、目標画素点に対応する最大画素値および最小画素値を決定して、決定した最大画素値および最小画素値に基づいて、最大値画像および最小値画像を生成する。最後に、最大値画像における目標画素点に対応する最大画素値と、最小値画像における目標画素点に対応する最小画素値とを減算して、差分画像における目標画素点に対応する差分画素値を得ることができる。
【0060】
理解を容易にするために、処理対象医用画像の画像カラーモードがRGBであることを例として説明し、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれる処理対象医用画像に対して、当該処理対象医用画像の各画素点は、いずれもRチャネル、GチャネルおよびBチャネルで対応する画像データを有し、例えば、画素点のRチャネルでの画像データが第1の画素値であり、Gチャネルでの画像データが第2の画素値であり、Bチャネルでの画像データが第3の画素値であり、第1の画素値、第2の画素値および第3の画素値に基づいてRチャネル、GチャネルおよびBチャネルにおける最大画素値および最小画素値を決定することができる。
【0061】
さらに、以下の式によって、画素点位置(x,y)の最大画素値および最小画素値を算出することができる。
Imax(x,y)=Max[Ir(x,y),Ig(x,y),Ib(x,y)]
Imin(x,y)=Min[Ir(x,y),Ig(x,y),Ib(x,y)]
ここで、Imax(x,y)は最大画素値、Imin(x,y)は最小画素値、Ir(x,y)は第1の画素値、Ig(x,y)は第2の画素値、Ib(x,y)は第3の画素値をそれぞれ示す。
【0062】
本実施例では、対応する異なるチャネルでの色情報を使用して画素値を区別している。再び処理対象医用画像の画像カラーモードがRGBであることを例として説明し、処理対象医用画像が灰色であるとRGBが接近し、処理対象医用画像がカラーであるとRGBの間の差が大きく、病理組織が存在する箇所に色があり、色がある値は、本実施例で必要な画素値である。なお、前記の式は、2次元画像に対応する画素点のみを例として説明したが、実際の応用において、前記の式は、例えば3次元(3 dimensions、3D)画像および4次元(4 dimensions、4D)画像などの多次元画像における最大画素値および最小画素値の算出にも適用することができる。
【0063】
本実施例をさらに理解するために、目標画素点の位置が(x1,y1)であるとともに処理対象医用画像の画像カラーモードがRGBであることを例として説明し、目標画素点位置(x1,y1)の第1の画素値Ir(x1,y1)が100であり、目標画素点位置(x1,y1)の第2の画素値Ig(x1,y1)が200であり、目標画素点位置(x1,y1)の第3の画素値Ib(x1,y1)が150であり、前記の式から分かるように、目標画素点位置(x1,y1)の最大画素値Imax(x1,y1)が第2の画素値Ig(x1,y1)に対応する画素値である200となり、目標画素点位置(x1,y1)の最小画素値Imin(x1,y1)が第1の画素値Ir(x1,y1)に対応する画素値である100となる。
【0064】
次に、目標画素点位置が(x2,y2)であるとともに処理対象医用画像の画像カラーモードがRGBであることを別の例として説明し、目標画素点位置(x2,y2)の第1の画素値Ir(x2,y2)が30であり、目標画素点位置(x2,y2)の第2の画素値Ig(x2,y2)が80であり、目標画素点位置(x2,y2)の第3の画素値Ib(x2,y2)が120であり、前記の式から分かるように、目標画素点位置(x2,y2)の最大画素値Imax(x2,y2)が第3の画素値Ib(x2,y2)に対応する画素値である120となり、目標画素点位置(x2,y2)の最小画素値Imin(x2,y2)が第1の画素値Ir(x2,y2)に対応する画素値である30となる。
【0065】
さらに、処理対象医用画像の画像カラーモードがRGBであるとともに、当該処理対象医用画像が3D画像であり、目標画素点位置が(x3,y3,z3)であることを別の例として説明し、目標画素点位置(x3,y3,z3)の第1の画素値Ir(x3,y3,z3)が200であり、目標画素点位置(x3,y3,z3)の第2の画素値Ig(x3,y3,z3)が10であり、目標画素点位置(x3,y3,z3)の第3の画素値Ib(x3,y3,z3)が60であり、前記の式から分かるように、目標画素点位置(x3,y3,z3)の最大画素値Imax(x3,y3,z3)が第1の画素値Ir(x3,y3,z3)に対応する画素値である200となり、目標画素点位置(x3,y3,z3)の最小画素値Imin(x3,y3,z3)が第2の画素値Ig(x3,y3,z3)に対応する画素値である10となる。
【0066】
またさらに、目標画素点位置に対応する最大画素値および最小画素値を得ると、当該最大画素値と当該最小画素値とを減算することによって、差分画像における目標画素点位置に対応する差分画素値を得ることができる。具体的には、以下の式によって、最大画素値Imax(x,y)および最小画素値Imin(x,y)に基づいて差分画素値を算出することができ、そして、処理対象医用画像には1万個の画素点が含まれると仮定する。
Idiff(x,y)=Imax(x,y)-Imin(x,y)
ここで、Imax(x,y)は最大画素値、Imin(x,y)は最小画素値、Idiff(x,y)は位置(x,y)での差分画素値をそれぞれ示す。
【0067】
理解を容易にするために、目標画素点位置が(x1,y1)であるとともに処理対象医用画像の画像カラーモードがRGBであることを例として説明し、目標画素点位置(x1,y1)の最大画素値Imax(x1,y1)が200であり、目標画素点位置(x1,y1)の最小画素値Imin(x1,y1)が100であり、最大画素値Imax(x1,y1)と最小画素値Imin(x1,y1)とを減算すれば、目標画素点位置(x1,y1)に対応する差分画素値が100であることを分かる。次に、目標画素点位置が(x2,y2)であるとともに処理対象医用画像の画像カラーモードがRGBであることを別の例として説明し、目標画素点位置(x2,y2)の最大画素値Imax(x2,y2)が120であり、目標画素点位置(x2,y2)の最小画素値Imin(x2,y2)が30であり、最大画素値Imax(x2,y2)と最小画素値Imin(x2,y2)とを減算すれば、目標画素点位置(x2,y2)に対応する差分画素値が90であることを分かる。
【0068】
好ましくは、処理対象医用画像の画像カラーモードがRGBであるとともに当該処理対象医用画像が3D画像であり、目標画素点位置が(x3,y3,z3)であることを別の例として説明する。前記の式から、以下の式を導き出すことができる。
Imax(x,y,z)=Max[Ir(x,y,z),Ig(x,y,z),Ib(x,y,z)]
Imin(x,y,z)=Min[Ir(x,y,z),Ig(x,y,z),Ib(x,y,z)]
Idiff(x,y,z)=Imax(x,y,z)-Imin(x,y,z)
【0069】
仮に、目標画素点位置(x3,y3,z3)の最大画素値Imax(x3,y3,z3)が200であり、目標画素点位置(x3,y3,z3)の最小画素値Imin(x3,y3,z3)が10であると仮定すると、最大画素値Imax(x3,y3,z3)と最小画素値Imin(x3,y3,z3)とを減算すれば、目標画素点位置(x3,y3,z3)に対応する差分画素値が190であることを分かる。
【0070】
具体的には、処理対象医用画像の差分画素値が小さいと、当該処理対象医用画像の第1の画素値、第2の画素値および第3の画素値が接近しており、当該処理対象医用画像がグレー画像と類似することを表すことができ、処理対象医用画像の差分画素値が大きいと、当該処理対象医用画像の第1の画素値、第2の画素値および第3の画素値の差が大きく、当該処理対象医用画像がカラー画像と類似することを表すことができ、病理組織領域が存在する画像が一般的に色のある画像であるため、当該差分画素値に基づいて当該処理対象医用画像に病理組織領域が含まれているか否かを初歩的に判断することができる。
【0071】
本願の実施例では、1種の最大値画像および最小値画像を生成する方法を提供し、前記の方式により、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに対応する目標画素点の画素値によって、最大画素値および最小画素値を決定し、最大画素値および最小画素値は、処理対象医用画像の色情報を異なる程度で反映し、かつ最大画素値と最小画素値とを減算して差分画素値を得ることにより、当該差分画素値は、処理対象医用画像の色情報を正確に反映することが可能となり、差分画像の生成の正確性を向上させることができる。
【0072】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理方法の別の好適な実施例では、前記の図2に対応する実施例に加えて、処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するステップは、
処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、処理対象差分画像を生成するステップと、
処理対象差分画像に対してガウスぼかし処理を行って、差分画像を得るステップと、を含むことができる。
【0073】
本実施例では、医用画像処理装置は、処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、処理対象差分画像を生成し、その後、処理対象差分画像に対してガウスぼかし処理を行うことによって、差分画像を得ることができる。
【0074】
具体的には、ぼかしは、処理対象差分画像の各画素点に対してそれぞれその周辺の画素点の平均値を取ると理解することができ、画素点に対してその周辺の画素点の平均値を取る場合、画素点の数値の取りが平滑化する傾向があり、処理対象差分画像にぼかし効果を発生したことに相当し、当該画素点は、細部を失ってしまう。処理対象差分画像に対して、その画素点が連続的なものであるため、画素点が互いに近いほど関係が親密となり、画素点が互いに離間するほど関係が疎遠となる。従って、本実施例では、ぼかしに対して採用するアルゴリズムは、ガウスぼかし(Gaussian Blur)であり、ガウスぼかしは、正規分布(ガウス分布)を処理対象差分画像の処理に用いることにより、画素点の間の加重平均がより合理的となり、距離が近い画素点であるほど重みが大きくなり、距離が遠い画素点であるほど重みが小さくなる。
【0075】
さらに、画素点が(x,y)であることを例として説明し、画素点(x,y)に対して、当該画素点は、2次元画素点であるため、以下の式によって2次元ガウス関数を算出することができる。
【数1】
ここで、(x,y)は画素点、G(x,y)は画素点の2次元ガウス関数、σは正規分布の標準偏差をそれぞれ示す。
【0076】
理解を容易にするために、当該画素点が具体的に(0,0)であることを例として説明すると、画素点(0,0)の周辺の8つの画素点は、(-1,1)、(0,1)、(1,1)、(-1,0)、(1,0)、(-1,-1)、(0,-1)および(1,-1)とすることができ、重み行列をさらに算出するために、σの値を設定する必要がある。σ=1.5であると仮定すると、ぼかし半径が1である重み行列を得ることができ、例えば、重み行列において画素点(0,0)に対応する重みが0.0707であり、画素点(-1,1)に対応する重みが0.0453であり、画素点(0,1)に対応する重みが0.0566であり、画素点(1,1)に対応する重みが0.0453であり、画素点(-1,0)に対応する重みが0.0566であり、画素点(1,0)に対応する重みが0.0566であり、画素点(-1,-1)に対応する重みが0.0453であり、画素点(0,-1)に対応する重みが0.0566であり、画素点(1,-1)に対応する重みが0.0453であり、画素点(0,0)の周辺の8つの画素点を含む9つの点の重みの総和は、約0.479となる。この9つの点の加重平均のみを算出すると、それらの重みの和を1と等しくし、すなわち、重みの総和を正規化する必要があり、すなわち、重み行列に対応する9つの値をそれぞれ重みの総和である0.479で割ることによって、正規化後の重み行列を得ることができ、すなわち、画素点(0,0)が正規化された後に対応する重みが0.147となり、画素点(-1,1)が正規化された後に対応する重みが0.0947となり、画素点(0,1)が正規化された後に対応する重みが0.0118となり、画素点(1,1)が正規化された後に対応する重みが0.0947となり、画素点(-1,0)が正規化された後に対応する重みが0.0118となり、画素点(-1,-1)が正規化された後に対応する重みが0.0947となり、画素点(0,-1)が正規化された後に対応する重みが0.0118となり、および画素点(1,-1)が正規化された後に対応する重みが0.0947となる。重みの総和が1より大きい重み行列を使用すると差分画像が明るくなり、重みの総和が1より小さい重み行列を使用すると差分画像が暗くなるため、正規化された重み行列は、差分画像が呈する病理組織領域をより正確にすることができる。
【0077】
さらに、正規化された重み行列を得ると、当該画素点に対してガウスぼかし計算を行うことができる。例えば、階調値が0~255である場合、重み行列において画素点(0,0)に対応する階調値が25であり、画素点(-1,1)に対応する階調値が14であり、画素点(0,1)に対応する階調値が15であり、画素点(1,1)に対応する階調値が16であり、画素点(-1,0)に対応する階調値が24であり、画素点(1,0)に対応する階調値が26であり、画素点(-1,-1)に対応する階調値が34であり、画素点(0,-1)に対応する階調値が35であり、画素点(1,-1)に対応する階調値が36である。各画素点に対応する階調値に各画素点に対応する重みを掛けると、9つの値を得ることができ、すなわち、画素点(0,0)は3.69を得ることができ、画素点(-1,1)対は1.32を得ることができ、画素点(0,1)は1.77を得ることができ、画素点(1,1)は1.51を得ることができ、画素点(-1,0)は2.83を得ることができ、画素点(1,0)は3.07を得ることができ、画素点(-1,-1)は3.22を得ることができ、画素点(0,-1)は4.14を得ることができ,画素点(1,-1)は3.41を得ることができる。その後、この9つの値を加算すると、画素点(0,0)のガウスぼかしの値となる。
【0078】
さらに、処理対象差分画像に含まれる全ての画素点に対して前記の画素点(0,0)と類似するステップを繰り返すと、ガウスぼかし処理を行った後の差分画像を得ることができる。
【0079】
本願の実施例では、差分画像を生成する別種の方法を提供し、前記の方式により、生成した処理対象差分画像に対してガウスぼかし処理を行い、ガウスぼかし処理は処理ロバスト性を向上できるため、得られた差分画像は、高い処理ロバスト性を有し、差分画像の安定性を向上させることができる。
【0080】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理方法の別の好適な実施例では、前記の図2に対応する実施例に加えて、差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るステップは、
差分画像に基づいて2値化閾値を決定するステップと、
前記2値化閾値に基づいて前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るステップと、を含むことができる。
【0081】
本実施例では、医用画像処理装置は、差分画像に基づいて2値化閾値を決定することができ、差分画像における画素点に対応する画素値が2値化閾値以上である場合、画素点を2値化画像の前景画素点として決定し、差分画像における画素点に対応する画素値が2値化閾値より小さい場合、画素点を2値化画像の背景画素点として決定する。
【0082】
具体的には、2値化閾値を設定し、差分画像に対して2値化処理を行うことによって、グレースケール画像を、値が0または1を取る2値化画像に変更することができる。つまり、差分画像の2値化は、2値化閾値を設定することにより、差分画像を2つの値(0または1)のみで画像前景および画像背景をそれぞれ示す2値化画像に変換することができ、ここで、前景の値が1を取り、背景の値が0を取り、そして、実際の応用において、0に対応するRGBの値がいずれも0であり、1に対応するRGBの値がいずれも255であり、差分画像を2値化処理して2値化画像を得た後、2値化画像をさらに処理する場合、2値化画像の幾何学的性質は0および1の位置のみと関係があり、画素のグレースケール値と関係がないため、2値化画像に対する処理が簡単になり、画像処理効率を向上させることができる。2値化閾値を決定する方法は、グローバル閾値とローカル閾値とに分けることができる。ここで、グローバル閾値は、差分画像全体に対して1つの閾値で区分することである。しかし、異なる差分画像は、差分画像の階調数に差異が存在し、かつ、同一の差分画像は、異なる部位の明暗分布が異なってもよいため、本実施例では、動的閾値2値化方法を採用して2値化閾値を決定する。
【0083】
差分画像に基づいて2値化閾値を決定した後、差分画像における画素点に対応する画素値と2値化閾値とを判断し、差分画像における画素点に対応する画素値が2値化閾値以上であると、画素点を2値化画像の前景画素点として決定する。差分画像における画素点に対応する画素値が2値化閾値より小さいと、画素点を2値化画像の背景画素点として決定する。例えば、画素点Aに対応する画素値が2値化閾値より大きいと、当該画素点Aを2値化画像の前景画素点として決定し、すなわち、画素値が1である。つまり、当該画素点Aは、前景領域にあり、画像がRGBモードである場合、白色として表示される。画素点Bに対応する画素値が2値化閾値より小さいと、当該画素点Bを2値化画像の背景画素点として決定し、すなわち、画素値が0である。つまり、当該画素点Bは、背景領域にあり、画像がRGBモードである場合、黒色として表示される。
【0084】
本願の実施例では、1種の2値化画像を得る方法を提供し、前記の方式により、2値化処理によって2値化画像を生成することにより、2値化画像の幾何学的性質は画素の階調値と関係がないため、2値化画像に対する後続の処理を簡単にすることができ、結果画像を生成する効率を向上することができる。
【0085】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理方法の別の好適な実施例では、前記の図2に対応する実施例に加えて、差分画像に基づいて2値化閾値を決定するステップは、
差分画像に基づいてN個の画素点に対応するN個の画素値を取得するステップであって、ここで、画素値と画素点とは一対一に対応する関係を有し、Nは、1より大きい整数であるステップと、
N個の画素値から参照画素値を決定するステップであって、ここで、参照画素値は、N個の画素値のうちの最大値であるステップと、
参照画素値および予め設定された割合に基づいて、2値化閾値を算出するステップと、を含むことができる。
【0086】
本実施例では、医用画像処理装置は、差分画像に基づいてN個の画素点に対応するN個の画素値を取得し、その後、N個の画素値から参照画素値を決定し、最後に、参照画素値および予め設定された割合に基づいて、2値化閾値を算出することができ、ここで、当該画素値と画素点とは、一対一に対応する関係を有し、当該参照画素値は、N個の画素値のうちの最大値であり、Nは、1より大きい整数である。
【0087】
具体的には、本実施例では、2値化閾値は、差分画像に基づいて決定したものであり、差分画像は、処理対象医用画像における最大値画像と最小値画像とを減算して生成することができ、かつ、差分画像における画素値と画素点とは一対一に対応する関係を有するため、差分画像における複数の画素点に対応する画素値を取得し、その後、複数の画素値における最大値を参照画素値として決定し、その後、参照画素値および予め設定された割合に基づいて2値化閾値を算出することができる。理解を容易にするために、本実施例では、予め設定された割合が10%であることを例として説明し、例えば、WSI画像を縮小した後の画像の長さおよび幅が数千画素の範囲内にあり、縮小した後の画像が100*100個の画素点を含むと仮定すると、10000個の画素点に対応する画素値から最大値を見だす必要があり、例えば最大値が150であると、当該最大値150を参照画素値として決定し、その後、参照画素値150に予め設定された割合である10%を掛けて2値化閾値である15を得ることができる。なお、実際の応用において、予め設定された割合は、他のパーセントに対応する値であってもよく、具体的な予め設定された割合は、実際の状況に応じて柔軟に決定することができる。
【0088】
本願の実施例では、2値化閾値を得る別種の方法を提供し、前記の方式により、最大画素値に基づいて決定した参照画素値および予め設定された割合によって2値化閾値を得ることができ、差分画像の階調数に差異が存在し、かつ異なる領域の明暗分布が異なってもよいため、予め設定された割合を調整することにより2値化閾値を柔軟に決定することができ、閾値の正確性および柔軟性を向上させ、2値化画像の生成の正確性を向上させることができる。
【0089】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理方法の別の好適な実施例では、前記の図2に対応する実施例に加えて、
フラッドフィルアルゴリズムを用いて2値化画像における背景領域を検出するステップであって、ここで、背景領域は、複数の背景画素点を含むステップと、
2値化画像および2値化画像における背景領域に基づいて、2値化画像における前景領域内の背景画素点を取得するステップであって、ここで、前景領域は、複数の前景画素点を含むステップと、
2値化画像における前景領域内の背景画素点を前景画素点に変更して、空洞補填画像を得るステップと、
空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って結果画像を得るステップであって、結果画像の前景領域は、処理対象医用画像の病理組織領域に対応するステップと、をさらに含むことができる。
【0090】
本実施例では、医用画像処理装置は、フラッドフィルアルゴリズムを用いて2値化画像における背景領域を検出し、その後、2値化画像および2値化画像における背景領域に基づいて、2値化画像における前景領域内の背景画素点を取得し、さらに、2値化画像における前景領域内の背景画素点を前景画素点に変更して、空洞補填画像を得、最後に、空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って結果画像を得ることができ、ここで、当該背景領域は、複数の背景画素点を含んでもよく、当該前景領域は、複数の前景画素点を含んでもよく、結果画像の前景領域は、処理対象医用画像の病理組織領域に対応する。
【0091】
具体的には、差分画像に対して2値化処理を行って得られた2値化画像において、2値化画像における前景領域が黒色の空洞である可能性があるため、前景領域として、当該黒色の空洞を検出する必要がある。理解を容易にするために、図7を参照してください。図7は、本願の実施例における結果画像の別の実施例を示す図であり、図示したように、図7(A)に示す2値化画像は、白色を呈する前景領域に複数の背景画素点が含まれ、そのうち、領域A1~領域A5で囲まれた黒点がいずれも背景画素点で構成され、領域A1~領域A5で囲まれた黒点を背景画素点から前景画素点に変更し、領域A6および領域A7で囲まれた白点が前景画素点で構成され、領域A6および領域A7で囲まれた白点を前景画素点から背景画素点に変更すれば、図7(B)に示す空洞補填画像を得ることができる。
【0092】
さらに、その後、図7(B)に示す空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、図7(C)に示す結果画像を得ることができる。なお、形態学的処理をさらに行っても良い。ここで、フィルタ処理は、空洞補填画像の細部特徴をできるだけ保留する条件で、処理対象医用画像のノイズを抑制することであり、フィルタ処理によって結果画像に対する後続の処理および分析の有効性および信頼性を向上させることができる。空洞補填画像におけるノイズ成分を除去することは、フィルタ操作であり、空洞補填画像のエネルギーの大部分が振幅スペクトルの低周波数帯域および中間周波数帯域に集中し、高周波数帯域では、空洞補填画像の情報が常にノイズによって影響されるため、画像処理の要求に適応できるように、空洞補填画像に対してフィルタ操作を行って、画像のデジタル化時に混入したノイズを除去することができる。メディアンフィルタ処理は、典型的な非線形フィルタリングであって、順序統計理論に基づくノイズを効果的に抑制できる非線形信号処理技術であり、メディアンフィルタ処理は、画素点近傍の階調値の中央値で当該画素点の階調値を代替して、周囲の画素値を真実の値に接近させることによって、孤立したノイズ点を除去することができる。
【0093】
本願の実施例では、1種の結果画像の生成方法を提供し、前記の方式により、前景領域内の背景画素点を前景画素点に変更して得られた空洞補填画像は、高い信頼性を有し、次に、メディアンフィルタ処理によって、画像の輪郭および辺縁などの特徴情報を損傷することなく、処理対象医用画像に対応する結果画像を明瞭にするとともに視覚効果を良くすることができる。
【0094】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理方法の別の好適な実施例では、前記の図2に対応する実施例に加えて、空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行うステップは、
空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、フィルタ画像を得て、結果画像を得るステップであって、前記結果画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応するステップと、
フィルタ画像における前景領域の境界線を取得するステップであって、ここで、境界線は、M個の画素点を含み、Mは、1より大きい整数であるステップと、
境界線におけるM個の画素点のそれぞれに対してK個の画素点を外側に向かって拡張して、結果画像を得るステップであって、ここで、Kは、1以上の整数であるステップと、を含むことができる。
【0095】
本実施例では、医用画像処理装置は、空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行い、フィルタ画像における前景領域の境界線を取得し、さらに、境界線におけるM個の画素点のそれぞれに対してK個の画素点を外側に向かって拡張して、結果画像を得ることができ、ここで、当該フィルタ画像は、処理対象前景領域を含んでもよく、かつ、当該境界線は、M個の画素点を含み、Mは、1より大きい整数であり、Kは、1以上の整数である。具体的には、メディアンフィルタ処理は、画素点近傍の階調値の中央値で当該画素点の階調値を代替して、周囲の画素値を真実の値に接近させることによって、孤立したノイズ点を除去することができ、メディアンフィルタ処理によってパルスノイズ、ごま塩ノイズを取り出すと同時に、画像の辺縁細部を保留したフィルタ画像を得られる。
【0096】
さらに、フラッドフィルアルゴリズム(Flood Fill)によって、異なる色を有するとともに互いに接続され、色が類似する領域を充填し、フラッドフィルアルゴリズムの基本原理は、1つの画素点から、パターンのエッジに到達するまで、周辺の画素点へ拡張しつつ着色することである。フラッドフィルアルゴリズムは、開始ノード(start node)、目標色(target color)および置換色(replacement color)の3つのパラメータを採用する必要がある。フラッドフィルアルゴリズムは、開始ノードの全てのノードに目標色のバスを介して接続し、かつそれらを置換色に変更する。なお、実際の応用において、様々な方式でフラッドフィルアルゴリズムを構築することができるが、様々な方式はいずれもキューまたはスタックデータ構造を明確または暗黙的に使用する。例えば、4近傍フラッドフィルアルゴリズム、8近傍フラッドフィルアルゴリズム、スキャンラインアルゴリズム(Scanline Fill)および大規模挙動(Large-scale behaviour)がある。そのうち、従来の4近傍フラッドフィルアルゴリズムの思想は、画素点(x,y)に対して、それを着色した後にその周囲の上下左右の4つの点をそれぞれ着色することである。再帰的方式のメモリ消費量が大きく、着色する必要がある面積が非常に大きいと、オーバーフロー現象を引き起こすため、非再帰的方式の4近傍フラッドフィルアルゴリズムを採用することができる。また、8近傍フラッドフィルアルゴリズムは、1つの画素点の上下左右、左上、左下、右上および右下の全てを着色することである。スキャンラインアルゴリズムは、充填線を利用してアルゴリズムを加速することができ、まず1本の線における画素点を着色した後、着色が完了するまで上下に向かって順番に拡張することができる。大規模行動は、データを中心としたり、フローを中心としたりする。
【0097】
空洞補填画像の境界線が不規則的なものであるため、本実施例ではスキャンラインアルゴリズムを採用しており、処理対象前景領域が1000個の画素点を含む境界線を例として説明し、形態学的処理の方式を利用して1000個の画素点をそれぞれ外側に向かってK個の画素点を拡張し、Kが2であると仮定すると、元1000個の画素点の以外に2000個の画素点を前景領域として増加して、結果画像を得る。なお、実際の応用において、具体的なM個の画素点およびK個の画素点は、いずれも実際の状況に応じて柔軟に決定すべきである。
【0098】
本願の実施例では、結果画像を生成する別種の方法を提供し、前記の方式により、メディアンフィルタ処理によって、画像の輪郭および辺縁などの特徴情報を損傷することなくフィルタ画像を明瞭にするとともに視覚効果を良くすることができる。次に、フラッドフィルアルゴリズムによってフィルタ画像に対して形態学的処理を行うことによって、結果画像の正確性および一体性を向上させることができる。
【0099】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理方法の別の好適な実施例では、前記の図2に対応する実施例に加えて、処理対象医用画像を取得するステップは、
元医用画像を取得するステップと、
スライディングウィンドウを用いて元医用画像からサブ医用画像を抽出するステップと、
サブ医用画像に病理組織領域が含まれると検出されると、処理対象医用画像として決定するステップと、
サブ医用画像に病理組織領域が含まれていないと検出されると、サブ医用画像を背景画像として決定し、かつ背景画像を除去するステップとを含むことができる。
【0100】
本実施例では、医用画像処理装置は、元医用画像を取得した後、スライディングウィンドウを用いて元医用画像からサブ医用画像を抽出し、サブ医用画像に病理組織領域が含まれると検出されると、処理対象医用画像として決定し、サブ医用画像に病理組織領域が含まれないと検出されると、サブ医用画像を背景画像として決定し、かつ当該背景画像を除去することができる。具体的には、元医用画像は、医用画像処理装置が有線ネットワークを介して受信した画像であってもよく、医用画像処理装置自体に記憶されている画像であってもよい。
【0101】
理解を容易にするために、図8を参照してください。図8は、本願の実施例における処理対象医用画像の取得についての1つの実施例を示す図であり、図示したように、図8(A)は、元医用画像を示し、スライディングウィンドウを用いて元医用画像からサブ医用画像を抽出しており、そのうち、B1~B3で囲まれた領域は、元医用画像から抽出されるサブ医用画像であるため、B1から図8(B)に示すようなサブ医用画像を対応的に得ることができ、B2から図8(C)に示すようなサブ医用画像を対応的に得ることができ、B3から図8(D)に示すようなサブ医用画像を対応的に得ることができ、これから分かるように、図8(B)および(C)に示すサブ医用画像に病理組織領域が含まれるため、図8(B)および(C)に示すサブ医用画像を処理対象医用画像として決定することができるが、図8(D)に示すサブ医用画像に病理組織領域が含まれていないため、図8(D)に示すサブ医用画像を背景画像として決定し、かつ背景画像を除去することができる。
【0102】
本願の実施例では、1種の処理対象医用画像を取得する方法を提供し、前記の方式により、サブ医用画像に病理組織領域が含まれるか否かを検出することにより処理対象医用画像を決定することによって、病理組織領域が含まれる処理対象医用画像は、前記のステップにより、処理対象医用画像に対応する結果画像を取得することができ、そして、結果画像には病理組織領域が含まれるため、当該結果画像における病理組織領域に対する後続の処理および分析が容易となる。次に、病理組織領域が含まれていないサブ医用画像を背景画像として決定し、かつ当該背景画像を除去することにより、リソースの占用率を減少させることができる。
【0103】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理方法の別の好適な実施例では、前記の図2に対応する実施例に加えて、2値化画像に基づいて結果画像を生成した後に、
結果画像に基づいて目標ポジティブサンプル画像を生成するステップであって、ここで、目標ポジティブサンプル画像は、ポジティブサンプル集合における1つのポジティブサンプル画像に属し、かつ、各ポジティブサンプル画像に病理組織領域が含まれるステップと、
ネガティブサンプル集合を取得するステップであって、ここで、ネガティブサンプル集合には、少なくとも1つのネガティブサンプル画像が含まれており、かつ、各ネガティブサンプル画像には病理組織領域が含まれていないステップと、
ポジティブサンプル集合およびネガティブサンプル集合に基づいて、画像処理モデルをトレーニングするステップと、をさらに含んでもよい。
【0104】
本実施例では、医用画像処理装置は、2値化画像に基づいて結果画像を生成した後に、結果画像に基づいて目標ポジティブサンプル画像を生成し、当該目標ポジティブサンプル画像は、ポジティブサンプル集合における1つのポジティブサンプル画像に属し、かつ、各ポジティブサンプル画像には病理組織領域が含まれており、そして、ネガティブサンプル集合を取得し、当該ネガティブサンプル集合には、少なくとも1つのネガティブサンプル画像が含まれており、かつ、各ネガティブサンプル画像に病理組織領域が含まれていなく、最後に、取得したポジティブサンプル集合およびネガティブサンプル集合に基づいて、画像処理モデルをトレーニングすることもできる。当該画像処理モデルは、1枚のカラーの医用画像に基づいて処理して対応する病理組織領域を得ることができる。
【0105】
本願の実施例では、1種の画像処理モデルをトレーニングする方法を提供し、前記の方式により、病理組織領域が含まれるポジティブサンプル画像集合、および病理組織領域が含まれていないネガティブサンプル集合に基づいて画像処理モデルをトレーニングすることによって、画像処理モデルの正確性および信頼性を向上させ、画像処理の効率および正確性を向上させることができる。
【0106】
具体的には、本願の実施例は、抽出した病理組織領域の正確性を向上させ、かつ後続の画像分析に対して積極的な影響を与えることができる。本願の実施例を理解しやすくするために、図9を参照してください。図9は、本願の実施例における医用画像処理方法のフローを示す図であり、具体的には、以下のとおりである。
ステップS1において、元医用画像を取得する。
ステップS2において、元医用画像に基づいて、処理対象医用画像を取得する。
ステップS3において、処理対象医用画像に基づいて差分画像を生成する。
ステップS4において、差分画像差に対して2値化処理を行って、2値化画像を得る。
ステップS5において、2値化画像に基づいて空洞補填画像を得る。
ステップS6において、空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、結果画像を得る。
【0107】
ここで、ステップS1において、図9(A)に示す元医用画像を取得することができ、その後、ステップS2において、スライディングウィンドウを用いて図9(A)に示す元医用画像からサブ医用画像を抽出し、サブ医用画像に病理組織領域が含まれると検出されると、処理対象医用画像として決定することによって、図9(B)に示す処理対象医用画像を取得し、さらに、ステップS3において、処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、第1の画素値、第2の画素値および第3の画素値から目標画素点に対応する最大画素値および最小画素値を決定することによって、最大値画像および最小値画像を生成し、その後、最大値画像および最小値画像に基づいて、図9(C)に示す差分画像を得ることができる。またさらに、ステップS4において、図9(C)に示す差分画像に基づいてN個の画素点に対応するN個の画素値を取得し、当該画素値と画素点とは一対一に対応する関係を有し、N個の画素値のうちの最大値を参照画素値として決定し、参照画素値および予め設定された割合に基づいて2値化閾値を算出し、かつ、差分画像における画素点に対応する画素値が2値化閾値以上である場合、画素点を2値化画像の前景画素点として決定し、差分画像における画素点に対応する画素値が2値化閾値より小さい場合、画素点を2値化画像の背景画素点として決定することにより、図9(D)に示す2値化画像を得ることができる。ステップS5において、フラッドフィルアルゴリズムを用いて2値化画像における複数の背景画素点が含まれる背景領域を検出し、その後、2値化画像および2値化画像における背景領域に基づいて、2値化画像における前景領域内の背景画素点を取得し、2値化画像における前景領域内の背景画素点を前景画素点に変更することにより、図9(E)に示す空洞補填画像を得ることができる。ステップS6において、空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、処理対象前景領域が含まれるフィルタ画像を得て、処理対象前景領域におけるM個の画素点が含まれる境界線を取得し、境界線におけるM個の画素点のそれぞれに対して、K個の画素点を外側に向かって拡張することにより、図9(F)に示す結果画像を得ることができ、ここで、Nは、1より大きい整数である。
【0108】
さらに、異なる処理対象医用画像に対して結果画像を生成することができ、図10を参照して、図10は、本願の実施例における結果画像の1つの実施例を示す図であり、図示したように、図10(A)は、真っ白および灰色が存在する処理対象医用画像を示し、本願の実施例が提供する医用画像処理方法によって図10(B)に示す結果画像を得ることができる。図10(C)は、規則的な縦縞が存在する処理対象医用画像を示し、当該規則的な縦縞は、スキャナがガラススライドをスキャンすることによって発生したものであり、当該規則的な縦縞の発生は、スキャン装置に依存し、そして、本願の実施例が提供する医用画像処理方法によって図10(D)に示す結果画像を得ることができる。次に、図10(E)は、白黒縞が存在する処理対象医用画像を示し、当該白黒縞は、フォーマット変換によって生成されたものであってもよく、スキャナがガラススライドをスキャンすることによって発生した不明確な領域であってもよく、当該領域の部分には白黒縞が発生し、そして、本願の実施例が提供する医用画像処理方法によって図10(F)に示す結果画像を得ることができる。従って、画像に対して2値化処理を行うのに先立って、異なるチャネルの色情報を利用して差分画像を生成することにより、異なるチャネルでのグレースケール画素点の色情報の差異が小さく、異なるチャネルでのカラー画素点の色情報の差異が大きいため、図10に現れた様々な処理対象医用画像における色情報を効果的に利用することができ、差分画像に基づいて抽出した病理組織領域がより正確であるとともに、後続の画像分析に対して積極的な影響を与えることができる。
【0109】
以下、前記の説明を結合して、図11を参照しながら本願における画像処理方法を説明し、図11は、本願の実施例における画像処理方法の1つの実施例を示す図であり、図示したように、本願の実施例における画像処理方法の1つの実施例は、以下のステップを含む。
【0110】
ステップ201において、第1の処理対象画像および第2の処理対象画像を取得し、ここで、第1の処理対象画像は、カラー画像であり、かつ、第1の処理対象画像には第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれており、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応する。
【0111】
本実施例では、画像処理装置は、第1の処理対象画像および第2の処理対象画像を取得することができ、当該第1の処理対象画像は、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データを含むことができ、かつ、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応する。ここで、第1の処理対象画像および第2の処理対象画像は、画像処理装置が有線ネットワークを介して受信した画像であってもよく、画像処理装置自体に記憶されている画像であってもよい。具体的には、第1の処理対象画像は、前記のステップ101で説明した処理対象医用画像と類似するので、ここでは説明を省略する。
【0112】
なお、実際の応用において、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに対応する具体的の色情報は、いずれも実際の状況に応じて柔軟に決定すべきである。そして、画像処理装置は、サーバに配置されてもよく、高い計算力を有する端末装置に配置されてもよく、本実施例では画像処理装置がサーバに配置されることを例として説明する。
【0113】
具体的には、第1の処理対象画像が曇天に撮影された1枚の写真であると仮定し、当該写真の背景は、曇天であり、1台の赤色の乗用車も含まれている。第2の処理対象画像は、1枚の青空と海の写真である。
【0114】
ステップ202において、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成する。
【0115】
本実施例では、画像処理装置は、ステップ201で取得した第1の処理対象画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成することができる。具体的には、当該差分画像は、グレースケール画像である。本実施例において差分画像を生成する方法は、前記の図2に対応する実施例と類似するので、ここでは説明を省略する。
【0116】
具体的には、この場合に生成した差分画像からは、乗用車の輪郭を見える。
【0117】
ステップ203において、差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得、2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応する。
【0118】
本実施例では、画像処理装置は、ステップ202で生成した差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得ることができる。具体的には、本実施例では,適応的2値化方式によって前景処理を行い、すなわち、差分画像に対して2値化処理を行うことにより,2値化画像を得るようになっている。本実施例において2値化画像を生成する方法は、前記の図2に対応する実施例と類似するので、ここでは説明を省略する。
【0119】
具体的には、この場合に生成した2値化画像は、乗用車の輪郭を正確に提示することができる。
【0120】
ステップ204において、2値化画像の前景領域に基づいて、第1の処理対象画像から目標対象を抽出する。
【0121】
本実施例では、画像処理装置は、ステップ203で生成した前景領域に基づいて、第1の処理対象画像から目標対象を抽出することができる。第1の処理対象画像が医用画像であると、目標対象は、病理組織領域とすることができる。第1の処理対象画像が高解像度リモートセンシング画像であると、目標対象は、植被領域とすることができる。第1の処理対象画像がリアルタイムな道路状況の監視画像であると、目標対象は、自転車または自動車とすることができる。
【0122】
具体的には、この場合、第1の処理対象画像から乗用車の画像を切り抜くことができ、すなわち、乗用車の画像が目標対象となる。
【0123】
ステップ205において、目標対象および第2の処理対象画像に基づいて、合成画像を生成し、ここで、目標対象は、第1のレイヤに位置し、第2の処理対象画像は、第2のレイヤに位置し、第1のレイヤは、第2のレイヤの上に覆われる。
【0124】
本実施例では、画像処理装置は、目標対象を第1のレイヤに設定し、第2の処理対象画像を第2のレイヤに設定し、かつ第1のレイヤを第2のレイヤの上に覆うことにより、合成画像を生成することができる。
【0125】
具体的には、乗用車の画像を青空白雲の写真に覆うことによって合成した画像を形成し、当該画像からは、乗用車の背景が曇天ではなく青空白雲となることを見える。
【0126】
本願の実施例では、1種の画像処理方法を提供し、前記の方式により、異なるチャネルでのグレースケール画素点の色情報の差異が小さく、異なるチャネルでのカラー画素点の色情報の差異が大きいため、画像に対して2値化処理を行うのに先立って、異なるチャネルの色情報を利用して差分画像を生成することにより、画像における色情報を効果的に利用し、差分画像に基づいて抽出した目標対象がより正確であり、これにより当該目標対象の位置するレイヤを第2の処理対象画像の位置するレイヤの上に覆うことによって生成した合成画像における目標対象が正確であり、合成画像の正確性を向上させ、かつ後続の画像分析に対して積極的な影響を与えることができる。
【0127】
以下、図12を参照しながら本願における医用画像処理装置を詳細に説明し、図12は、本願の実施例における医用画像処理装置の1つの実施例を示す図であり、医用画像処理装置300は、
処理対象医用画像を取得するための取得モジュールであって、ここで、処理対象医用画像は、カラー画像であり、かつ、処理対象医用画像には第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれており、そして、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応する取得モジュール301と、
第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するための生成モジュール302と、
差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るための処理モジュールであって、ここで、2値化画像の前景領域は、処理対象医用画像の病理組織領域に含まれる第1の処理対象画像に対応する処理モジュール303と、を含む。
【0128】
本願の実施例では、1種の医用画像処理方法を提供し、前記の方式により、異なるチャネルでのグレースケール画素点の色情報の差異が小さく、異なるチャネルでのカラー画素点の色情報の差異が大きいため、画像に対して2値化処理を行うのに先立って、異なるチャネルの色情報を利用して差分画像を生成することにより、画像における色情報を効果的に利用し、差分画像に基づいて抽出した病理組織領域がより正確であるとともに、後続の画像分析に対して積極的な影響を与えることができる。
【0129】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理装置300の別の実施例では、前記の図12に対応する実施例に加えて、
生成モジュール302は、具体的に処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、最大値画像および最小値画像を生成し、
最大値画像および最小値画像に基づいて、差分画像を生成するためのものである。
【0130】
本願の実施例では、1種の差分画像を生成する方法を提供し、前記の方式により、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて最大値画像および最小値画像を生成することにより、異なる画像データに対応する色情報が異なるため、異なる画像データに基づいて決定した最大値画像および最小値画像に含まれた処理対象医用画像の色情報の正確性が高く、差分画像の生成の正確性を向上させることができる。
【0131】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理装置300の別の実施例では、前記の図12に対応する実施例に加えて、
生成モジュール302は、具体的に第1の画像データにおける第1の画素位置の第1の画素値、第2の画像データにおける第2の画素位置の第2の画素値および第3の画像データにおける第3の画素位置の第3の画素値に基づいて、最大画素値および最小画素値を決定し、
最大画素値に基づいて最大値画像を取得し、最小画素値に基づいて最小値画像を取得するためのものであり、最大値画像における第4の画素位置の画素値は最大画素値であり、最小値画像における第5の画素位置の画素値は最小画素値であり、第1の画素位置、第2の画素位置、第3の画素位置および第4の画素位置、第5の画素位置は、いずれも処理対象医用画像における同一の画素点の位置に対応する。
【0132】
生成モジュール302は、具体的に最大値画像における第4の画素位置の画素値および最小値画像における第5の画素位置の画素値に基づいて、画素差分値を決定し、
画素差分値に基づいて差分画像を取得するためのものであり、差分画像における第6の画素位置の画素値は、画素差分値であり、第4の画素位置、第5の画素位置および第6の画素位置は、いずれも処理対象医用画像における同一の画素点の位置に対応する。
【0133】
本願の実施例では、1種の最大値画像を生成する方法を提供し、前記の方式により、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに対応する目標画素点の画素値によって、最大画素値および最小画素値を決定し、最大画素値および最小画素値は、処理対象医用画像の色情報を異なる程度で反映しており、そして、最大画素値と最小画素値とを減算して差分画素値を取得することにより、当該差分画素値が処理対象医用画像の色情報を正確に反映することができ、差分画像の生成の正確性を向上させることができる。
【0134】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理装置300の別の実施例では、前記の図12に対応する実施例に加えて、
生成モジュール302は、具体的に第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、処理対象差分画像を生成し、
処理対象差分画像に対してガウスぼかし処理を行って、差分画像を得るためのものである。
【0135】
本願の実施例では、差分画像を生成する別種の方法を提供し、前記の方式により、生成した処理対象差分画像に対してガウスぼかし処理を行うことにより、ガウスぼかし処理はロバスト性を向上させることができるため、得られた差分画像が良いロバスト性を有し、差分画像の安定性を向上させることができる。
【0136】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理装置300の別の実施例では、前記の図12に対応する実施例に加えて、決定モジュール304をさらに含む。
【0137】
決定モジュール304は、差分画像に基づいて2値化閾値を決定するためのものである。
【0138】
決定モジュール304は、さらに前記2値化閾値に基づいて前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るためのものである。
【0139】
本願の実施例では、1種の2値化画像を得る方法を提供し、前記の方式により、2値化処理に基づいて2値化画像を生成することにより、2値化画像の幾何学的性質が画素の階調値とは関係がないため、2値化画像に対する後続の処理が簡単となり、前景領域を生成する効率を向上させることができる。
【0140】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理装置300の別の実施例では、前記の図12に対応する実施例に加えて、
決定モジュール304は、具体的に差分画像に基づいてN個の画素点に対応するN個の画素値を取得し、ここで、画素値と画素点とは、一対一に対応する関係を有し、Nは、1より大きい整数であり、
N個の画素値から参照画素値を決定し、ここで、参照画素値は、N個の画素値のうちの最大値であり、
参照画素値および予め設定された割合に基づいて、2値化閾値を決定するためのものである。
【0141】
本願の実施例では、2値化閾値を得る別種の方法を提供し、前記の方式により、最大画素値に基づいて決定した参照画素値および予め設定された割合によって2値化閾値を得ることができ、差分画像の階調数に差異が存在し、かつ異なる領域の明暗分布が異なってもよいため、予め設定された割合を調整することにより2値化閾値を柔軟に決定することができ、閾値の正確性および柔軟性を向上させ、2値化画像の生成の正確性を向上させることができる。
【0142】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理装置300の別の実施例では、前記の図12に対応する実施例に加えて、
生成モジュール302は、具体的にフラッドフィルアルゴリズムを用いて2値化画像における背景領域を検出し、ここで、背景領域は、複数の背景画素点を含み、
2値化画像および2値化画像における背景領域に基づいて、2値化画像における前景領域内の背景画素点を取得し、ここで、前景領域は、複数の前景画素点を含み、
2値化画像における前景領域内の背景画素点を前景画素点に変更して、空洞補填画像を得、
空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、結果画像を得るためのものであり、前記結果画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応する。
【0143】
本願の実施例では、1種の結果画像を生成する方法を提供し、前記の方式により、前景領域内の背景画素点を前景画素点に変更して得られた空洞補填画像は、高い信頼性を有し、そして、メディアンフィルタ処理によって、画像の輪郭および辺縁などの特徴情報を損傷することなく、処理対象医用画像に対応する結果画像を明瞭にするとともに視覚効果を良くすることができる。
【0144】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理装置300の別の実施例では、前記の図12に対応する実施例に加えて、
処理モジュール303は、具体的に空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、フィルタ画像を得、
フィルタ画像における前景領域の境界線を取得し、ここで、境界線は、M個の画素点を含み、Mは、1より大きい整数であり、
境界線におけるM個の画素点のそれぞれに対してK個の画素点を外側に向かって拡張して、結果画像を得るためのものであり、ここで、Kは、1以上の整数である。
【0145】
本願の実施例では、結果画像を生成する別種の方法を提供し、前記の方式により、メディアンフィルタ処理によって、画像の輪郭および辺縁などの特徴情報を損傷することなくフィルタ画像を明瞭にするとともに視覚効果を良くすることができる。次に、フラッドフィルアルゴリズムによってフィルタ画像に対して形態学的処理を行うことによって、結果画像の正確性および一体性を向上させることができる。
【0146】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理装置300の別の実施例では、前記の図12に対応する実施例に加えて、
取得モジュール301は、具体的に元医用画像を取得し、
スライディングウィンドウを用いて元医用画像からサブ医用画像を抽出し、
サブ医用画像に病理組織領域が含まれると検出されると、処理対象医用画像として決定し、
サブ医用画像に病理組織領域が含まれていないと検出されると、サブ医用画像を背景画像として決定し、かつ背景画像を除去するためのものである。
【0147】
本願の実施例では、1種の処理対象医用画像を取得する方法を提供し、前記の方式により、サブ医用画像に病理組織領域が含まれるか否かを検出することにより処理対象医用画像を決定することによって、病理組織領域が含まれる処理対象医用画像は、前記のステップにより、処理対象医用画像に対応する結果画像を取得することができ、かつ、結果画像には病理組織領域が含まれているため、当該結果画像における病理組織領域に対する後続の処理および分析が容易となる。次に、病理組織領域が含まれていないサブ医用画像を背景画像として決定し、かつ当該背景画像を除去することにより、リソースの占用率を減少させることができる。
【0148】
好ましくは、本願の実施例が提供する医用画像処理装置300の別の実施例では、前記の図12に対応する実施例に加えて、トレーニングモジュール305をさらに含み、
生成モジュール302は、さらに処理対象画像および処理対象画像の前景領域に基づいて目標ポジティブサンプル画像を生成するためのものであり、ここで、目標ポジティブサンプル画像は、ポジティブサンプル集合における1つのポジティブサンプル画像に属し、かつ、各ポジティブサンプル画像に病理組織領域が含まれており、
取得モジュール301は、さらにネガティブサンプル集合を取得するためのものであり、ここで、ネガティブサンプル集合には、少なくとも1つのネガティブサンプル画像が含まれており、かつ、各ネガティブサンプル画像に病理組織領域が含まれていなく、
トレーニングモジュール305は、ポジティブサンプル集合およびネガティブサンプル集合に基づいて、画像処理モデルをトレーニングするためのものである。
【0149】
本願の実施例では、1種の画像処理モデルをトレーニングする方法を提供し、前記の方式により、病理組織領域が含まれるポジティブサンプル画像集合、および病理組織領域が含まれていないネガティブサンプル集合に基づいて画像処理モデルをトレーニングすることによって、画像処理モデルの正確性および信頼性を向上させ、画像処理の効率および正確性を向上させることができる。
【0150】
以下、図13を参照しながら本願における画像処理装置を詳細に説明し、図13は、本願の実施例における画像処理装置の1つの実施例を示す図であり、画像処理装置400は、
第1の処理対象画像および第2の処理対象画像を取得するための取得モジュールであって、ここで、第1の処理対象画像は、カラー画像であり、かつ、第1の処理対象画像には第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれており、そして、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応する取得モジュール401と、
第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するための生成モジュール402と、
差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るための処理モジュールであって、ここで、2値化画像の前景領域は、処理対象医用画像の病理組織領域に対応する処理モジュール403と、
2値化画像の前景領域に基づいて、第1の処理対象画像から目標対象を抽出するための抽出モジュール404と、を含み、
生成モジュール402は、さらに、目標対象および第2の処理対象画像に基づいて合成画像を生成するためのものであり、ここで、目標対象は、第1のレイヤに位置し、第2の処理対象画像は、第2のレイヤに位置し、第1のレイヤは、第2のレイヤの上に覆われる。
【0151】
本願の実施例では、1種の画像処理方法を提供し、前記の方式により、異なるチャネルでのグレースケール画素点の色情報の差異が小さく、異なるチャネルでのカラー画素点の色情報の差異が大きいため、画像に対して2値化処理を行うのに先立って、異なるチャネルの色情報を利用して差分画像を生成することにより、画像における色情報を効果的に利用し、差分画像に基づいて抽出した目標対象がより正確であり、これにより当該目標対象の位置するレイヤを第2の処理対象画像の位置するレイヤの上に覆うことによって生成した合成画像における目標対象が正確であり、合成画像の正確性を向上させるとともに、後続の画像分析に対して積極的な影響を与えることができる。
【0152】
図14は、本願の実施例が提供するサーバの構造を示す図であり、当該サーバ500は、構成や性能の違いによって大きな差異を発生することがあり、1つまたは1つ以上のCPU(central processing units)522(例えば、1つまたは1つ以上のプロセッサ)と、メモリ532と、アプリケーションプログラム542またはデータ544を記憶するための1つまたは1つ以上の記憶媒体530(例えば、1つまたは1つ以上の大容量記憶装置)とを含むことができる。ここで、メモリ532および記憶媒体530は、一時的なものであってもよいし、永久的なものであってもよい。記憶媒体530に記憶されるプログラムは、1つまたは1つ以上のモジュール(図示せず)を含むことができ、各モジュールは、サーバに対する一連の指令操作を含むことができる。さらに、CPU522は、記憶媒体530と通信して、サーバ500で記憶媒体530における一連の指令操作を実行するように設置されてもよい。
【0153】
サーバ500は、1つまたは1つ以上の電源525、1つまたは1つ以上の有線または無線のネットワークインターフェース550、1つまたは1つ以上の入出力インターフェース558、および/または、例えばWindows ServerTM、MacOSXTM、UnixTM、LinuxTM、FreeBSDTMなどの1つまたは1つ以上のオペレーティングシステム541をさらに含んでも良い。
【0154】
前記の実施例でサーバが実行するステップは、当該図14に示すサーバの構造に基づいて行っても良い。
【0155】
本実施例では、CPU522は、図2に対応する実施例における医用画像処理装置が実行するステップを実行するためのものであり、CPU522は、さらに図1に対応する実施例における画像処理装置が実行するステップを実行するためのものである。
【0156】
当業者が明らかに理解できるように、説明の便利および簡潔のために、以上で説明したシステム、装置およびユニットの具体的な作動過程は、前記の方法の実施例における対応する過程を参照することができるので、ここでは説明を省略する。
【0157】
なお、本願が提供する幾つかの実施例に開示されたシステム、装置および方法は、他の方式で実現されてもよい。例えば、以上で説明した装置の実施例は、あくまでも例示的なものに過ぎず、例えば、前記ユニットの区分について、論理機能に基づいた区分に過ぎず、実際の実施にあっては、別の方式で区分してもよい。例えば、複数のユニットまたはアセンブリを結合するか、または他のシステムに組み込まれてもよいし、あるいはそのうちの一部の特徴を省略し、または実行しなくてもよい。また、表示または検討した相互の結合、直接的結合または通信可能な接続は、インターフェースによって実現することができ、装置やユニットの間接的結合または通信可能な接続は、電気的または他の形態で実現することができる。
【0158】
分離部材として説明した前記ユニットは、物理的に分離されまたはされていなくてもよく、ユニットとして表示される部材は、物理的ユニットであってもでなくてもよく,1箇所にあってもよく、あるいは複数のネットワークユニットに分布していてもよい。また、実際の需要に応じてそのうちの一部または全部のユニットを選択して本実施例の技術案の目的を達成することができる。
【0159】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに集積されていてもよいし、個々のユニットが個別に物理的に存在していてもよいし、2以上のユニットが1つのユニットに集積されていてもよい。前記集積されたユニットは、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェア機能ユニットで実現されてもよい。
【0160】
前記集積されたユニットがソフトウェア機能ユニットで実現されかつ独立した製品として販売または使用される場合、1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。これに基づいて、本発明の技術手段は本質的または従来技術に貢献する部分または当該技術手段の全部または一部をソフトウェア製品として具現化することができ、当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶されており、コンピュータ(パーソナルコンピュータ、サーバまたはネットワーク装置などであってもよい)に本発明の各実施例に記載される方法の全部または一部のステップを実行させるための若干の指令を含む。前記の記憶媒体は、Uディスク、リムーバブルハードディスク、ROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、磁気ディスクまたは光ディスクなどの様々なプログラムコードを記憶可能な媒体を含む。
【0161】
以上のように、以上の実施例は、本願の技術手段を説明するためのものに過ぎず、それを限定するためのものではない。前記の実施例を参照しながら本願を詳細に説明したにもかかわらず、当業者は、依然として前記の各実施例に記載されている技術手段を修正し、またはそのうちの一部の技術的特徴を同等置換することができ、これらの修正または置換は、対応する技術手段の本質を本願の各実施例の技術手段の精神および範囲から逸脱させるものではない。
【符号の説明】
【0162】
300 医用画像処理装置
301 取得モジュール
302 生成モジュール
303 処理モジュール
304 決定モジュール
305 トレーニングモジュール
400 画像処理装置
401 取得モジュール
402 生成モジュール
403 処理モジュール
404 抽出モジュール
500 サーバ
522 CPU
526 電源
530 記憶媒体
532 メモリ
541 オペレーティングシステム
542 アプリケーションプログラム
544 データ
550 有線または無線のネットワークインターフェース
558 入出力インターフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10(A)】
図10(B)】
図10(C)】
図10(D)】
図10(E)】
図10(F)】
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-04-22
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
前記の課題に鑑みて、本願の第1の方面によれば、サーバが実行する医用画像処理方法であって、
処理対象医用画像を取得するステップであって、前記処理対象医用画像は、カラー画像であり、かつ、処理対象医用画像には、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれ、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応するステップと、
第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するステップと、
差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るステップであって、2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応するステップと、を含む医用画像処理方法を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
1種の可能な設計では、本願の実施例の第3の方面の別の実施形態では、画像処理装置は、トレーニングモジュールをさらに含み、
生成モジュールは、さらに処理対象医用画像および処理対象医用画像の前景領域に基づいて目標ポジティブサンプル画像を生成するためのものであり、ここで、目標ポジティブサンプル画像は、ポジティブサンプル集合における1つのポジティブサンプル画像に属し、かつ各ポジティブサンプル画像に病理組織領域が含まれており、
取得モジュールは、さらにネガティブサンプル集合を取得するためのものであり、ここで、ネガティブサンプル集合には、少なくとも1つのネガティブサンプル画像が含まれており、かつ、各ネガティブサンプル画像に病理組織領域が含まれていなく、
トレーニングモジュールは、ポジティブサンプル集合およびネガティブサンプル集合に基づいて、画像処理モデルをトレーニングするためのものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
本願の第4の方面によれば、
第1の処理対象画像および第2の処理対象画像を取得するための取得モジュールであって、ここで、第1の処理対象画像は、カラー画像であり、かつ、第1の処理対象画像には、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれており、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応する取得モジュールと、
第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するための生成モジュールと、
差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るための処理モジュールであって、2値化画像の前景領域は、第1の処理対象画像の目標対象に対応する処理モジュールと、
2値化画像の前景領域に基づいて、第1の処理対象画像から目標対象を抽出するための抽出モジュールと、を含み、
生成モジュールは、さらに目標対象および第2の処理対象画像に基づいて合成画像を生成するためのものであり、ここで、目標対象は、第1のレイヤに位置し、第2の処理対象画像は、第2のレイヤに位置し、第1のレイヤは、第2のレイヤの上に覆われる画像処理装置を提供する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
本願の実施例が提供する医用画像処理方法によれば、まず、カラーである処理対象医用画像を取得し、かつ当該処理対象医用画像には第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれ、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応し、そして、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成し、さらに、差分画像に対して2値化処理を行って2値化画像を得ることができ、2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応する。前記の方式により、異なるチャネルでのグレースケール画素点の色情報の差異が小さく、異なるチャネルでのカラー画素点の色情報の差異が大きいため、画像に対して2値化処理を行うのに先立って、異なるチャネルの色情報を利用して差分画像を生成することにより、画像における色情報を効果的に利用し、差分画像に基づいて抽出した病理組織領域がより正確であるとともに後続の画像分析に対して積極的な影響を与えることができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
具体的には、本願が提供する画像処理方法は、医学分野のシーンに応用することができ、ここで、処理可能な医用画像は、脳画像、心臓画像、胸部画像および細胞画像を含むが、これらに限定されない。また、医用画像は、ノイズ、電界オフセット効果、パーシャルボリューム効果および組織運動の影響を受ける可能性がある。生物の個体同士にも差別が存在しており、そして、組織構造の形状が複雑であるため、医用画像は、一般的な画像と比べて、通常、ボケ度が高いとともに不均一性を有する。本願に係る医用画像は、カラー画像であり、カラー超音波画像または全スライドイメージング(whole slide image、WSI)画像であってもよく、顕微鏡から取得したカラーデジタル画像を含んでもよい。WSI画像を例として、WSI画像の辺長が通常1万~10万画素であるため、WSI画像に対して、通常、小サイズの画像に縮小したり分割したりしてさらに処理する必要があり、画像を処理する過程において、病理組織スライドを有する領域を取得し、さらに、当該領域に基づいて、例えば細胞核定量分析、細胞膜定量分析、細胞質定量分析、および組織微脈管分析などの病理分析を行う必要がある。従って、医用画像の特徴に基づいて、本願の医用画像処理方法によって、処理対象医用画像を取得し、かつ、当該処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて差分画像を生成し、さらに、差分画像に対して2値化処理を行って2値化画像を得ることができ、ここで、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応し、2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応する。異なるチャネルでのグレースケール画素点の色情報の差異が小さく、異なるチャネルでのカラー画素点の色情報の差異が大きいため、画像に対して2値化処理を行うのに先立って、異なるチャネルの色情報を利用して差分画像を生成することにより、画像における色情報を効果的に利用し、差分画像に基づいて抽出した病理組織領域がより正確であるとともに後続の画像分析に対して積極的な影響を与えることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
理解を容易にするために、図3を参照してください。図3は、本願の実施例における処理対象医用画像の1つの実施例を示す図であり、図示したように、処理対象医用画像は、病理組織領域を含み、かつ、当該処理対象医用画像と干渉する他のグレースケール背景または真っ白背景が存在していない。本実施例をさらに理解するために、処理対象医用画像の画像カラーモードがRGBであることを例として説明し、処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応するため、カラー画像に対応するRGBが(200,100,60)であると、第1の画像データがRチャネルに対応する画素値の200であってもよく、第2の画像データがGチャネルに対応する画素値の100であってもよく、第3の画像データがBチャネルに対応する画素値の60であってもよい。カラー画像に対応するRGBが(100,80,40)であると、第1の画像データがRチャネルに対応する画素値の100であってもよく、第2の画像データがGチャネルに対応する画素値の80であってもよく、第3の画像データがBチャネルに対応する画素値の40であってもよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0107】
ここで、ステップS1において、図9(A)に示す元医用画像を取得することができ、その後、ステップS2において、スライディングウィンドウを用いて図9(A)に示す元医用画像からサブ医用画像を抽出し、サブ医用画像に病理組織領域が含まれると検出されると、処理対象医用画像として決定することによって、図9(B)に示す処理対象医用画像を取得し、さらに、ステップS3において、処理対象医用画像に含まれる第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、第1の画素値、第2の画素値および第3の画素値から目標画素点に対応する最大画素値および最小画素値を決定することによって、最大値画像および最小値画像を生成し、その後、最大値画像および最小値画像に基づいて、図9(C)に示す差分画像を得ることができる。またさらに、ステップS4において、図9(C)に示す差分画像に基づいてN個の画素点に対応するN個の画素値を取得し、当該画素値と画素点とは一対一に対応する関係を有し、N個の画素値のうちの最大値を参照画素値として決定し、参照画素値および予め設定された割合に基づいて2値化閾値を算出し、かつ、差分画像における画素点に対応する画素値が2値化閾値以上である場合、画素点を2値化画像の前景画素点として決定し、差分画像における画素点に対応する画素値が2値化閾値より小さい場合、画素点を2値化画像の背景画素点として決定することにより、図9(D)に示す2値化画像を得ることができる。ステップS5において、フラッドフィルアルゴリズムを用いて2値化画像における複数の背景画素点が含まれる背景領域を検出し、その後、2値化画像および2値化画像における背景領域に基づいて、2値化画像における前景領域内の背景画素点を取得し、2値化画像における前景領域内の背景画素点を前景画素点に変更することにより、図9(E)に示す空洞補填画像を得ることができる。ステップS6において、空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、処理対象前景領域が含まれるフィルタ画像を得て、処理対象前景領域におけるM個の画素点が含まれる境界線を取得し、境界線におけるM個の画素点のそれぞれに対して、K個の画素点を外側に向かって拡張することにより、図9(F)に示す結果画像を得ることができ、ここで、は、1より大きい整数である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0150
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0150】
以下、図13を参照しながら本願における画像処理装置を詳細に説明し、図13は、本願の実施例における画像処理装置の1つの実施例を示す図であり、画像処理装置400は、
第1の処理対象画像および第2の処理対象画像を取得するための取得モジュールであって、ここで、第1の処理対象画像は、カラー画像であり、かつ、第1の処理対象画像には第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれており、そして、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応する取得モジュール401と、
第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するための生成モジュール402と、
差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るための処理モジュールであって、ここで、2値化画像の前景領域は、第1の処理対象画像の病理組織領域に対応する処理モジュール403と、
2値化画像の前景領域に基づいて、第1の処理対象画像から目標対象を抽出するための抽出モジュール404と、を含み、
生成モジュール402は、さらに、目標対象および第2の処理対象画像に基づいて合成画像を生成するためのものであり、ここで、目標対象は、第1のレイヤに位置し、第2の処理対象画像は、第2のレイヤに位置し、第1のレイヤは、第2のレイヤの上に覆われる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバが実行する医用画像処理方法であって、
処理対象医用画像を取得するステップであって、前記処理対象医用画像は、カラー画像であり、かつ、前記処理対象医用画像には第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれ、前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応するステップと、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するステップと、
前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るステップであって、前記2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応するステップと、を含む、
ことを特徴とする医用画像処理方法。
【請求項2】
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、差分画像を生成する前記ステップは、
前記処理対象医用画像に含まれる前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、最大値画像および最小値画像を生成するステップと、
前記最大値画像および前記最小値画像に基づいて、前記差分画像を生成するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、最大値画像および最小値画像を生成する前記ステップは、
前記第1の画像データにおける第1の画素位置の第1の画素値、前記第2の画像データにおける第2の画素位置の第2の画素値および前記第3の画像データにおける第3の画素位置の第3の画素値に基づいて、最大画素値および最小画素値を決定するステップと、
前記最大画素値に基づいて最大値画像を取得し、前記最小画素値に基づいて最小値画像を取得するステップであって、前記最大値画像における第4の画素位置の画素値は、前記最大画素値であり、前記最小値画像における第5の画素位置の画素値は、前記最小画素値であり、前記第1の画素位置、前記第2の画素位置、前記第3の画素位置、前記第4の画素位置および前記第5の画素位置は、いずれも前記処理対象医用画像における同一の画素点の位置に対応するステップと、を含み、
前記最大値画像および前記最小値画像に基づいて、前記差分画像を生成する前記ステップは、
前記最大値画像における前記第4の画素位置の画素値および前記最小値画像における前記第5の画素位置の画素値に基づいて、画素差分値を決定するステップと、
前記画素差分値に基づいて、差分画像を取得するステップであって、前記差分画像における第6の画素位置の画素値は、前記画素差分値であり、前記第4の画素位置、前記第5の画素位置および前記第6の画素位置は、いずれも前記処理対象医用画像における同一の画素点の位置に対応するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、差分画像を生成する前記ステップは、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、処理対象差分画像を生成するステップと、
前記処理対象差分画像に対してガウスぼかし処理を行って、差分画像を得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得る前記ステップは、
前記差分画像に基づいて、2値化閾値を決定するステップと、
前記2値化閾値に基づいて前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記差分画像に基づいて、2値化閾値を決定する前記ステップは、
前記差分画像に基づいてN個の画素点に対応するN個の画素値を取得するステップであって、前記画素値と前記画素点とは、一対一に対応する関係を有し、前記Nは、1より大きい整数であるステップと、
前記N個の画素値から参照画素値を決定するステップであって、前記参照画素値は、前記N個の画素値のうちの最大値であるステップと、
前記参照画素値および予め設定された割合に基づいて、2値化閾値を決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
フラッドフィルアルゴリズムを用いて前記2値化画像における背景領域を検出するステップであって、前記背景領域は、複数の背景画素点を含むステップと、
前記2値化画像および前記2値化画像における背景領域に基づいて、前記2値化画像における前記前景領域内の背景画素点を取得するステップであって、前記前景領域は、複数の前景画素点を含むステップと、
前記2値化画像における前景領域内の背景画素点を前景画素点に変更して、空洞補填画像を得るステップと、
前記空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、結果画像を得るステップであって、前記結果画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、結果画像を得る前記ステップは、
前記空洞補填画像に対してメディアンフィルタ処理を行って、フィルタ画像を得るステップと、
前記フィルタ画像における前景領域の境界線を取得するステップであって、前記境界線は、M個の画素点を含み、前記Mは、1より大きい整数であるステップと、
前記境界線における前記M個の画素点のそれぞれに対してK個の画素点を外側に向かって拡張して、結果画像を得るステップであって、前記Kは、1以上の整数であるステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
処理対象医用画像を取得する前記ステップは、
元医用画像を取得するステップと、
スライディングウィンドウを用いて前記元医用画像からサブ医用画像を抽出するステップと、
前記サブ医用画像に病理組織領域が含まれると検出されると、前記処理対象医用画像として決定するステップと、
前記サブ医用画像に病理組織領域が含まれていないと検出されると、前記サブ医用画像を背景画像として決定し、かつ前記背景画像を除去するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記処理対象医用画像および前記処理対象医用画像の前記前景領域に基づいて、目標ポジティブサンプル画像を生成するステップであって、前記目標ポジティブサンプル画像は、ポジティブサンプル集合における1つのポジティブサンプル画像に属し、かつ、各ポジティブサンプル画像に病理組織領域が含まれるステップと、
ネガティブサンプル集合を取得するステップであって、前記ネガティブサンプル集合には、少なくとも1つのネガティブサンプル画像が含まれており、かつ、各ネガティブサンプル画像に病理組織領域が含まれていないステップと、
前記ポジティブサンプル集合および前記ネガティブサンプル集合に基づいて、画像処理モデルをトレーニングするステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
サーバが実行する画像処理方法であって、
第1の処理対象画像および第2の処理対象画像を取得するステップであって、前記第1の処理対象画像は、カラー画像であり、かつ、前記第1の処理対象画像には、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれ、前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応するステップと、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するステップと、
前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るステップであって、前記2値化画像の前景領域は、前記第1の処理対象画像の病理組織領域に対応するステップと、
記2値化画像の前景領域に基づいて、前記第1の処理対象画像から目標対象を抽出するステップと、
前記目標対象および前記第2の処理対象画像に基づいて合成画像を生成するステップであって、前記目標対象は、第1のレイヤに位置し、前記第2の処理対象画像は、第2のレイヤに位置し、前記第1のレイヤは、前記第2のレイヤの上に覆われるステップと、を含む、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
処理対象医用画像を取得するための取得モジュールであって、前記処理対象医用画像は、カラー画像であり、かつ、前記処理対象医用画像には、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれ、前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応する取得モジュールと、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するための生成モジュールと、
前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るための処理モジュールであって、前記2値化画像の前景領域は、前記処理対象医用画像の病理組織領域に対応する処理モジュールと、を含む、
ことを特徴とする医用画像処理装置。
【請求項13】
第1の処理対象画像および第2の処理対象画像を取得するための取得モジュールであって、前記第1の処理対象画像は、カラー画像であり、かつ、前記第1の処理対象画像には、第1の画像データ、第2の画像データおよび第3の画像データが含まれ、前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データは、異なるチャネルでの色情報にそれぞれ対応する取得モジュールと、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、差分画像を生成するための生成モジュールと、
前記差分画像に対して2値化処理を行って、2値化画像を得るための処理モジュールであって、前記2値化画像の前景領域は、前記第1の処理対象画像の目標対象に対応する処理モジュールと、
前記2値化画像の前景領域に基づいて、前記第1の処理対象画像から前記目標対象を抽出するための抽出モジュールと、を含み、
前記生成モジュールは、さらに前記目標対象および前記第2の処理対象画像に基づいて合成画像を生成するためのものであり、前記目標対象は、第1のレイヤに位置し、前記第2の処理対象画像は、第2のレイヤに位置し、前記第1のレイヤは、前記第2のレイヤの上に覆われる、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項14】
メモリと、送受信機と、プロセッサと、バスシステムとを含み、
前記メモリは、プログラムを記憶するためのものであり、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されるプログラムを実行することによって、前記の請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法、または前記の請求項11に記載の方法を実現するためのものであり、
前記バスシステムは、前記メモリと前記プロセッサとを通信可能に接続するためのものである、
ことを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項15】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法、または請求項11に記載の方法を実行させる、プログラム。
【国際調査報告】