(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-27
(54)【発明の名称】音響装置、電子回路及び関連する製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/56 20060101AFI20221220BHJP
H01L 23/28 20060101ALI20221220BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20221220BHJP
H01L 23/00 20060101ALI20221220BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20221220BHJP
H05K 3/28 20060101ALI20221220BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
H01L21/56 E
H01L23/28 F
H01L23/30 B
H01L23/00 C
H05K9/00 R
H05K3/28 B
H05K1/02 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524052
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(85)【翻訳文提出日】2022-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2020078448
(87)【国際公開番号】W WO2021078541
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503021401
【氏名又は名称】ジーエヌ ヒアリング エー/エス
【氏名又は名称原語表記】GN Hearing A/S
【住所又は居所原語表記】Lautrupbjerg 7, 2750 Ballerup, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソルバドゥア オリ ボドヴァーソン
(72)【発明者】
【氏名】カミーラ ピオトロヴスカ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリック シュルツ-ミケルセン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル スコフダル-オルセン
【テーマコード(参考)】
4M109
5E314
5E321
5E338
5F061
【Fターム(参考)】
4M109AA02
4M109BA04
4M109CA10
4M109CA21
4M109EE07
4M109GA02
5E314AA24
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5F061CA10
5F061CA21
5F061FA02
(57)【要約】
音響装置、電子回路及び関連する方法が開示され、特に音響装置のための電子回路を製造する方法が開示される。この方法は、回路基板を提供することと、回路基板上に第1の電子部品を含む1つ又は複数の電子部品を取り付けることと、第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することと、第1の絶縁層の外側に第1のシールド層を適用することと、を備える。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響装置の電子回路を製造する方法であって、
回路基板を提供することと、
前記回路基板上に第1の電子部品を含む1つ又は複数の電子部品を取り付けることと、
前記第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することと、
前記第1の絶縁層の外側に第1のシールド層を適用することと、を備えており、
前記第1の絶縁層は、1つ又は複数のポリマを備える第1の絶縁材料で作製されており、
前記第1の電子部品の外側に前記第1の絶縁層を適用することは、前記第1の電子部品上に第1の絶縁材料を噴射することを備える、方法。
【請求項2】
前記第1の絶縁層の外側に前記第1のシールド層を適用することは、前記第1のシールド層をグランド接続に接触させることを備える、請求項1の方法。
【請求項3】
前記第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、前記第1の電子部品上に第1の絶縁材料を成形することを備える、請求項1または2の方法。
【請求項4】
前記第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、前記第1の電子部品上に第1の絶縁材料を噴霧することを備える、請求項1から3の何れか一項の方法。
【請求項5】
前記第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、前記第1の絶縁材料を噴射することの前に、マスキングを適用することを備える、請求項1から4の何れか一項の方法。
【請求項6】
前記第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、前記第1の電子部品を第1の絶縁材料で覆うことを備える、請求項1から5の何れか一項の方法。
【請求項7】
前記第1のシールド層の外側に第1の保護層を適用することを備える、請求項1から6の何れか一項の方法。
【請求項8】
前記第1のシールド層は、金属粒子、例えば銅粒子、銀粒子、亜鉛粒子、及び/又はニッケル粒子を備える、第1のシールド材料で作製される、請求項1から7の何れか一項の方法。
【請求項9】
前記1つ又は複数の電子部品は、第2の電子部品を備えており、
前記方法は、前記第2の電子部品上に前記第1の絶縁層を適用することを備える、請求項1から8の何れか一項の方法。
【請求項10】
音響装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジングに収容された電子回路とを備えており、
前記電子回路は、
回路基板と、
前記回路基板上に取り付けられた第1の電子部品を含む1つ又は複数の電子部品とを備えており、
前記電子回路は、
前記第1の電子部品を覆う第1の絶縁層と第1のシールド層とを備えており、
前記第1の絶縁層は、前記第1の電子部品と前記第1のシールド層との間に配置されており、
前記第1の絶縁層は、500μm未満の厚さを有する、音響装置。
【請求項11】
前記1つ又は複数の電子部品は、前記回路基板上に取り付けられた第2の電子部品を備えており、
前記第1の絶縁層と前記第1のシールド層とは、前記第2の電子部品を覆う、請求項10の音響装置。
【請求項12】
前記電子回路は、前記第1のシールド層の外側に第1の保護層を備える、請求項10または11の音響装置。
【請求項13】
前記電子回路は、前記第1のシールド層に接触するグランド接続を備える、請求項10から12の何れか一項の音響装置。
【請求項14】
前記第1の電子部品は、前記第1のシールド層に接触するグランド接続を備える、請求項10から13の何れか一項の音響装置。
【請求項15】
音響装置のための電子回路であって、
回路基板と、
前記回路基板上に取り付けられた第1の電子部品を含む1つ又は複数の電子部品とを備えており、
前記電子回路は、前記第1の電子部品を覆う第1の絶縁層と第1のシールド層とを備えており、
前記第1の絶縁層は、前記第1の電子部品と前記第1のシールド層との間に配置されており、
前記第1の絶縁層は、500μm未満の厚さを有する、電子回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は音響装置、電子回路及び関連する方法に関し、特に音響装置のための電子回路を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品を有する電子回路を備えた音響装置は、しばしば、電子回路の電子部品の動作を妨害する電磁場に曝され得る。そのため、電子回路の電子部品をこれらの電磁場からシールドすることが望ましい。今日、音響装置の電子装置のシールドは、折り畳まれた金属シートなどのシールド缶を用いて行われる。これらのシールド缶は、電子部品に対してクリアランスが必要であり、音響装置にとって嵩張り、かつ扱いにくいシールドとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、改善された絶縁及び/又はシールドを有する音響装置及び音響装置の製造方法に対するニーズが存在する。
【0004】
音響装置の電子回路を製造する方法が開示される。この方法は、回路基板を提供することと、前記回路基板上に第1の電子部品を含む1つ又は複数の電子部品を取り付けることと、例えば前記第1の電子部品の外側及び/又は前記回路基板上に、第1の絶縁層を適用することと、及び、例えば前記第1の絶縁層の外側及び/又は前記回路基板上に、第1のシールド層を適用することを備える。
【0005】
さらに、音響装置が開示される。この音響装置は、ハウジングと、前記ハウジングに収容された電子回路とを備え、前記電子回路は、回路基板と、前記回路基板上に取り付けられた第1の電子部品を含む1つ又は複数の電子部品とを備え、前記電子回路は、前記第1の電子部品を覆う第1の絶縁層と第1のシールド層とを備え、前記第1の絶縁層は、例えば部分的に又は全体的に、前記第1の電子部品と前記第1のシールド層との間に配置され、前記第1の絶縁層は、任意選択的に、500μm未満の第1の厚さのような厚さを有する。
【0006】
音響装置のための電子回路もまた開示される。この電子回路は、回路基板と、前記回路基板上に取り付けられた第1の電子部品を含む1つ又は複数の電子部品とを備え、前記電子回路は、前記第1の電子部品を覆う第1の絶縁層と第1のシールド層とを備え、前記第1の絶縁層は、例えば部分的に又は全体的に、前記第1の電子部品と前記第1のシールド層との間に配置され、前記第1の絶縁層は、任意選択的に、500μm未満の第1の厚さのような厚さを有する。
【0007】
電子回路の1つ又は複数の電子部品のシールドを改善しつつ、音響装置の設計の拡張された自由度が得られることが本開示の利点である。
【0008】
さらに、第1の電子部品の外側の第1の絶縁層と、第1の絶縁層の外側の第1のシールド層の組み合わせは、電子部品の確実な絶縁とシールドをもたらしながら、電子回路のシールドのサイズを低減し、それにより電子回路のサイズと音響装置のサイズをも低減する。
【0009】
さらなる利点は、電子部品のシールドを改良し、シールドされるべき電子部品に適応させることができ、それにより、改善されたより確実なシールドを提供できることにある。
【0010】
本開示のさらなる利点は、電子部品のシールドが最小化され、よりコンパクトな電子回路を提供でき、したがって、よりコンパクトな音響装置もまた提供できることにある。さらなる利点は、例えば、使用される材料の低減された量により、電子回路の重量を低減できることである。
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の上記及び他の特徴並びに利点は、添付の図面の参照を伴う以下の例示的な実施形態の詳細な説明によって、当業者にとって即座に明らかになるであろう。
【
図1】本開示による例示的な電子回路の部品を模式的に図示する。
【
図2】本開示による例示的な電子回路の部品を模式的に図示する。
【
図3】本開示による例示的な電子回路の部品を模式的に図示する。
【
図4】本開示による例示的な電子回路の部品を模式的に図示する。
【
図5】本開示による例示的な電子回路の部品を模式的に図示する。
【
図6】本開示による例示的な電子回路の部品を模式的に図示する。
【
図7】本開示による例示的な電子回路の断面を示す。
【
図8】本開示による例示的な電子回路の断面を示す。
【
図9】本開示による例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図10】本開示による例示的な電子回路の断面を示す。
【
図11】本開示による例示的な電子回路の断面を示す。
【
図12】本開示による例示的な電子回路の部品を模式的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
様々な例示的な実施形態及び詳細が、関連する場合は図面を参照して、以下に説明される。図面は実寸で描かれている場合と描かれていない場合があり、同様の構造又は機能の要素は、図面を通じて同様の参照符号で表されていることに留意すべきである。図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることにも留意されたい。それらは、本発明の網羅的な説明として、又は本発明の範囲の限定として意図されていない。さらに、図示された実施形態は、示されたすべての態様又は利点を有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様又は利点は、必ずしもその実施形態に限定されるものではなく、そのように図示されていない場合、又はそのように明示的に説明されていない場合でも、他の任意の実施形態において実施することができる。
【0014】
本開示において、部品、層、要素、装置又は装置の一部の近位側に言及する場合は常に、部品、層、要素、装置又はその一部の回路基板に最も近い側を指す。さらに、部品、層、要素、装置又は装置の一部の近位面に言及する場合は常に、部品、層、要素、装置又はその一部の回路基板の方向を向いた面を指す。同様に、部品、層、要素、装置又は装置の一部の遠位側を参照する場合は常に、回路基板から最も遠い側を指す。さらに、部品、層、要素、装置又は装置の一部の遠位面を指す場合は常に、部品、層、要素、装置又はその一部の回路基板から離れる方向を向いた面を指す。言い換えると、近位側又は面は回路基板に最も近い側又は面であり、遠位側は反対の側又は面、つまり回路基板から最も遠い側又は面である。
【0015】
音響装置の電子回路を製造する方法が開示される。この方法は、回路基板を提供することを含む。回路基板は、例えば、プリント回路基板(PCB)であってもよく、回路基板は、例えば、導電性トラック又はパッドを用いて、例えば、1つ又は複数の電子部品又は電気部品を機械的に支持し、かつ電気的に接続するように構成されてもよい。回路基板は、例えば非導電性基板のシート層上及び/又はシート層の間にラミネートされた、銅などの導電層、ラミネート、又はフィルムの1つ又は複数のシート層を含んでもよい。電子回路は、パッケージ電子回路内のシステムとして特定されてもよい。
【0016】
方法は、第1の電子部品と、任意選択で第2の電子部品を含む、1つ又は複数の電子部品を回路基板上に取り付けることを含む。第1の電子部品及び/又は第2の電子部品などの1つ又は複数の電子部品は、例えば、半田づけ、回路基板への組み込み、又は例えばワイヤによる接着あるいは接着剤による接着によって、回路基板上に取り付けられてもよい。方法は、回路基板上に複数の電子部品を取り付けることを含んでもよい。
【0017】
1つ又は複数の電子部品は、例えば第1の電子部品として、例えばスイッチキャパシタ又はインダクタを含む、スイッチモード電源などの電源ユニットを含んでもよい。言い換えれば、第1の電子部品は、例えば、スイッチキャパシタ及び/又はインダクタを含む、スイッチモード電源などの電源ユニットであってもよい。
【0018】
1つ又は複数の電子部品は、例えば第1の又は第2の電子部品として、処理ユニット又はチップを含んでもよい。言い換えれば、第1の電子部品及び/又は第2の電子部品は、処理ユニット又はチップであってもよい。
【0019】
1つ又は複数の電子部品は、スピーカなどのレシーバ、マイクロフォン、フィルタ、アンテナ、例えば磁気無線、バッテリ、トランシーバ、及び/又はインターフェースを含んでもよい。1つ又は複数の電子部品は、スピーカ、マイクロフォン、フィルタ、アンテナ、例えば磁気無線、バッテリ、トランシーバ、及び/又はインターフェースなどの第3の電気部品を含んでもよい。第2の電子部品は、電気的及び/又は磁気的にシールドされ得る。第3の電子部品は、シールドされなくてもよい。
【0020】
1つ又は複数の電子部品は、異なる大きさ及び異なる周波数の電磁場を生成することがあり、それにより、電子部品間に電磁干渉を生じさせ、電磁干渉は、例えば、電子部品の動作周波数と電磁場の大きさに依存して、多かれ少なかれ他の電子部品を妨害する。
【0021】
第1の電子部品は、近位面及び遠位面を有し、第1の領域A_EC_1、第1の高さH_EC_1、及び第1の幅を有し得る。第1の電子部品は、例えば、第1の周波数(又は第1の周波数範囲)及び第1の大きさの第1の電磁場を生成する電源であり得る。第1の電子部品は、回路基板上の第1の位置を有し得る。第1の電子部品の第1の位置は、例えば、電子部品の第1の領域、第1の高さ、及び第1の幅に応じて変化し得る。電子部品の第1の位置は、隣接する電子部品までの距離、回路基板の端までの距離、及び/又は電子部品の高さに基づいて決定されてもよい。例えば、回路基板の中心に最大の高さを有する電子部品を配置することは、端部における電子回路の高さを最小にし、電子回路のサイズ及び寸法に関してより自由度を与えることなどにおいて、有利であり得る。第1の電子部品は、回路基板の方向を向く近位面と、回路基板から離れる方向を向いており、任意選択で第1の絶縁層(第1の絶縁層の近位面)の方向を向く遠位面とを含み得る。
【0022】
2つの隣接する電子部品間の距離、例えば、第1の電子部品と第2の電子部品との間の距離は、好ましくは、第1の絶縁層が、及び任意選択で第1のシールド層すらも、電子部品間に入り込み得るようなものであり得る。
【0023】
この方法は、例えば、第1の電子部品の外側に、例えば第1の電子部品の遠位側に、及び/又は回路基板上に、第1の絶縁層を適用することを含む。言い換えれば、この方法は、第1の電子部品の遠位側に第1の絶縁層を適用することを含み、すなわち、第1の電子部品は、回路基板と第1の絶縁層又は第1の絶縁層の少なくとも第1の領域との間に配置される。第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、第1の電子部品の遠位面に第1の絶縁層を適用することを含み得る。第1の絶縁層を適用することは、複数の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用すること、例えば、第1の絶縁層の一部を各電子部品に個別に適用すること、又は第1の絶縁層が複数の電子部品に実質的に連続するように複数の電子部品に第1の絶縁層を適用することを含む。第1の絶縁層を適用することは、第1の絶縁層でコンフォーマルコーティングすることを含み得る。コンフォーマルコーティングすることは、第1の電子部品及び/又は第2の電子部品などの電子部品上に均一な第1の絶縁層を提供し、電子部品を覆うために必要な第1の絶縁層の厚さを最小にすることができる。
【0024】
第1の絶縁層は、電子部品、例えば第1の電子部品及び/又は第2の電子部品と接触してもよく、又は実質的に接触してもよく、例えば接着してもよく、例えば、第1の絶縁層の近位面(又は少なくとも一部)が第1の電子部品及び/又は第2の電子部品の遠位面に接着してもよい。第1の絶縁層と、少なくとも第1の電子部品及び/又は第2の電子部品の遠位面との間に実質的に空気がトラップされないように、第1の絶縁層が第1の電子部品及び/又は第2の電子部品に接着することが有利であり得る。これはさらに、水分が、第1の絶縁層と、第1の電子部品及び/又は第2の電子部品などの電子部品との間に浸透して集まり、電子部品の損傷又は誤動作につながる可能性を回避し得る。
【0025】
第1のシールド層は、第1の絶縁層に接触してもよく、又は実質的に接触してもよく、例えば接着してもよく、例えば、第1のシールド層の近位面(又は少なくとも一部)が第1の絶縁層の遠位面に接着してもよい。上記と同様に、第1のシールド層と第1の絶縁層との間に実質的に空気がトラップされないように、第1のシールド層が第1の絶縁層に接着することが有利であり得る。第2の絶縁層及び/又は第3の絶縁層などのさらなる絶縁層、及び/又は1つ又は複数の接着剤層が、第1の絶縁層と第1のシールド層との間に適用され、及び/又は配置されてもよいことを理解されたい。例示的な方法/電子回路では、(第1の粘度より小さいなど、第1の粘度とは異なる第2の粘度を任意選択で有し得る)第2の絶縁材料の第2の絶縁層が、回路基板と電子部品との間に、及び/又は隣接する電子部品間の隙間に、適用され、及び/又は配置されもよい。したがって、この方法は、回路基板上に、及び/又は電子部品間に、第2の絶縁材料を適用することを含み得る。回路基板上に、及び/又は電子部品間に、第2の絶縁材料を適用することは、第2の絶縁材料をアンダーフィリングすることを含み得る。さらに、第2のシールド層及び/又は第3のシールド層などのさらなるシールド層が、第1のシールド層の外側に、例えば、第1のシールド層と第1の保護層との間に、適用されてもよいことを理解されたい。
【0026】
第1の絶縁層は、電子部品が周囲の環境から保護され得るように、第1の電子部品及び/又は第2の電子部品などの1つ又は複数の電子部品を密閉し、又は覆うといえる。
【0027】
第1の絶縁層は、例えば、第1のシールド層から第1の電気部品に対して、電気的又はガルバニック接触が確立されないように、非導電性層であり得る。したがって、第1の絶縁層は、任意選択で1つ又は複数のポリマを含む、第1の絶縁材料で作製されてもよい。第1の絶縁材料は、非導電性材料であり得る。
【0028】
第1の絶縁層は、第1の電子部品を第1のシールド層から絶縁してもよい。言い換えれば、第1の絶縁層は、第1の電子部品と第1のシールド層との間のガルバニック接触を防いでもよい。
【0029】
第1の絶縁層は、(硬化前の)第1の絶縁材料に関連する第1の粘度、及び/又は第1の電子部品に関連する第1の厚さT_FIL_1を有し得る。第1の厚さT_FIL_1は、好ましくは、最終製品としての、すなわち、第1の絶縁層に対して最後の処理ステップが実行された後の第1の絶縁層の厚さであり得る。第1の粘度は、20-25°Cの温度で測定した場合、例えば、0.2-300Pa・sの範囲内、0.5-175Pa・sの範囲内、1-30Pa・sの範囲内、1-20Pa・sの範囲内、又は3-10Pa・sの範囲内であり得る。1つ又は複数の例示的な方法及び/又は電子回路では、第1の絶縁材料の第1の粘度は、80Pa・sから120Pa・sの範囲内、例えば約100Pa・sであり得る。第1の厚さはまた、第1の絶縁層の近位面から第1の絶縁層の遠位面、例えば第1のシールド層の近位面、までの第1の距離として理解され得る。第1の絶縁層は、第2の電子部品に関連する第2の厚さを有し得る。第1の絶縁層の第1の厚さは、第1の絶縁層の第2の厚さと同じであってもよいし、第2の厚さよりも大きいか又は小さいなど、異なっていてもよい。第1の絶縁層の第1の厚さT_FIL_1は、第1の電子部品の第1の領域A_EC_1における、第1の絶縁層の最大厚さ、すなわち、第1の絶縁層が最も厚い点又は領域として定義され得る。第1の絶縁層は、第1の高さH_FIL_1を含み得る。第1の高さH_FIL_1は、第1の電子部品の第1の領域A_EC_1における第1の絶縁層の最大点又は領域での、第1の絶縁層の近位面を向いた回路基板の面と第1の絶縁層の遠位面との間の距離として定義され得る。第1の高さH_FIL_1は、第1の厚さT_FIL_1に、第1の電気部品の第1の高さH_EC_1を加えたものに実質的に対応し得る。第1の絶縁層の第2の厚さT_FIL_2は、第2の電子部品の第2の領域A_EC_2における、第1の絶縁層の最大厚さ、すなわち、第1の絶縁層が最も厚い点又は領域として定義され得る。第1の絶縁層は、第2の高さH_FIL_2を含み得る。第2の高さH_FIL_2は、第1の絶縁層の近位面を向いた回路基板の面と、第2の電子部品の第2の領域A_EC_2における第1の絶縁層の領域の最大点又は領域での、第1の絶縁層の遠位面との間の距離として定義され得る。第2の高さH_FIL_2は、第2の厚さT_FIL_2に、第2の電気部品の第2の高さH_EC_2を加えたものに実質的に対応し得る。
【0030】
第1の粘度及び第1の厚さは、例えば、電子部品間の距離又は隙間、第1の絶縁層を適用する方法、及び電子部品のタイプのうちの1つ又は複数に基づいて選択されてもよい。例えば、電子部品間の距離が小さい場合、すなわち隙間が小さい場合、第1の絶縁材料の粘度は、電子部品間の距離が大きい場合、すなわち隙間が大きい場合よりも低くなり得る。これは第1の絶縁材料が電子部品間の隙間に入り込むことを可能にし得る。2つの隣接する電子部品間の隙間、例えば第1の電子部品と第2の電子部品との間は、例えば、1μmから1cmの範囲内、5μmから5mmの範囲内、10μmから1mmの範囲内、20μmから500μmの範囲内、20μmから200μmの範囲内、20μmから100μmの範囲内、500μmから1cmの範囲内、又は1mmから5mmの範囲内であり得る。1つ又は複数の例示的な方法及び/又は電子回路において、2つの隣接する電子部品間の隙間、例えば、第1の電子部品と第2の電子部品との間は、例えば、20μmから20mmの範囲内であり得る。第1の絶縁材料の粘度は、電子部品間の距離に比例し得る。例えば、小さな隙間への第1の絶縁材料の流れを促進するため、例えば500μm未満の小さな隙間には、1-20Pa・sの範囲内の低粘度が好ましい場合がある。例えば、第1の絶縁材料が回路基板から流出したり、グランドパッド要素などの回路基板の一部を意図せずに被覆したりすることを防ぐには、高粘度が好ましい場合がある。
【0031】
第1の絶縁層は、複数の部分、例えば、互いに分離された第1の部分と第2の部分を含み得る。第1の絶縁層の第1の部分は、第1の電子部品を覆い、絶縁してもよい。第1の絶縁層の第2の部分は、第2の電子部品を覆い、絶縁してもよい。
【0032】
例えば第1の絶縁層の接着を促進するため、第1の絶縁層を適用する前に、接着剤層又はコーティングが適用されてもよい。例えば第1のシールド層の接着を促進するため、第1の絶縁層を適用した後、第1のシールド層を適用する前に、接着剤層又はコーティングが適用されてもよい。
【0033】
第1の絶縁層は、例えば、ポリマ材料を含み、本質的にポリマ材料のみからなり、又はポリマ材料からなる、第1の絶縁材料から作製され得る。第1の絶縁層は、非導電性材料、例えば、非導電性ポリマ材料からなり得る。第1の絶縁材料の例としては、Namics(R) U8443、Electrolube(登録商標) UVCL、Elpeguard(R) SL 1367、Humiseal(登録商標) UV40、Humiseal 1R32A-2があり得る。第1の絶縁層の第1の厚さT_FIL_1は、10-500μmの範囲内、50-400μmの範囲内、100-300μmの範囲内、又は100-200μmの範囲内であり得る。第1の絶縁層の第2の厚さT_FIL_2は、10-500μmの範囲内、50-400μmの範囲内、100-300μmの範囲内、又は100-200μmの範囲内であり得る。
【0034】
第1の絶縁材料は、例えば、低粘度、すなわち15Pa・s未満、例えば1Pa・s未満のアンダーフィル材料を含み、及び/又はアンダーフィル材料として、機能し得る。それにより、第1の絶縁層は、第1の電子部品及び/又は第2の電子部品の周囲及びその下に入り込み得る。
【0035】
この方法は、例えば、第1の絶縁層の外側に、例えば遠位側に、及び/又は回路基板上に、第1のシールド層を適用することを含む。言い換えれば、この方法は、第1の絶縁層の遠位側に、第1のシールド層を、例えば、第1部分及び/又は第2部分を、適用することを含み、すなわち、第1の絶縁層(第1の絶縁層の第1の領域)が、第1の電子部品と第1のシールド層(第1のシールド層の第1の領域)との間に配置される。第1の絶縁層の外側に、第1のシールド層を適用することは、第1の絶縁層の遠位面に、第1のシールド層を適用することを含み得る。したがって、第1の絶縁層の近位面は回路基板の方向を向いており、第1の絶縁層の遠位面は第1のシールド層(第1のシールド層の近位面)の方向を向いていてもよい。第1のシールド層は、回路基板の方向を向いており、かつ任意選択で第1の絶縁層の遠位面の方向にも向いている近位面を有する。
【0036】
第1のシールド層は、導電層であってもよい。したがって、第1のシールド層は、第1のシールド材料で作製されてもよい。第1のシールド材料は、導電性材料であってもよい。第1のシールド層の導電率は、1-100μΩ・cmの範囲内であり得る。
【0037】
第1のシールド層は、第1の電子部品及び/又は第2の電子部品などの電子部品を、場合によっては電子回路の他の電子部品からの、電磁放射からシールドする(ファラデーケージとして機能する)ことができる。言い換えれば、シールド層は、電子部品を妨害する電磁放射を防ぐことができる。他方、第1のシールド層は、回路基板の他の電子部品を、第1の電子部品及び/又は第2の電子部品によって生成される電磁放射からシールドすることができる。第1のシールド層によって提供されるシールドは、シールドする周波数又は周波数範囲に応じて、1-200dBの範囲内であり得る。第1のシールド層は、導電性材料である第1のシールド材料、例えば、導電性ポリマ材料から作製され得る。第1のシールド材料は、導電性ポリマ材料、例えば、無機又は有機材料をベースとした導電性コーティング、導電性インク、マイクロメートルサイズの粒子を含む導電性マイクロインク、又はナノメートルサイズの粒子を含む導電性ナノインクであり得る。第1のシールド材料の例としては、Genes’ink(R) Smart Spray S-CS11101、Genes’ink(R) Smart’ink S-CS21303、Genes’ink(R) Smart’ink S-CS01520、Tatsuta(登録商標) AE1244、Tatsuta AE5000A5、Tatsuta AE5000L、Tatsuta AE5000ST、又はTatsuta SF-PC5600があり得る。
【0038】
第1のシールド層は、第1のシールド材料に関連する第1の粘度及び/又は第1の電子部品に関連する第1の厚さを有し得る。第1のシールド材料の(硬化前の)第1の粘度は、例えば20-25°Cの温度で測定した場合に、例えば、0.001-200Pa・sの範囲内、0.01-100Pa・sの範囲内、1-50Pa・sの範囲内、1-30Pa・sの範囲内、1-20Pa・sの範囲内、3-10Pa・sの範囲内、0.001-10Pa・sの範囲内、又は0.005-10Pa・sの範囲内であり得る。第1のシールド層の第1の厚さはまた、第1のシールド層の近位面から第1のシールド層の遠位面までの第1の距離として理解され得る。第1のシールド層は、第2の電子部品に関連する第2の厚さを有し得る。第1のシールド層の第1の厚さは、第1のシールド層の第2の厚さと同じであってもよいし、第1のシールド層の第2の厚さより大きい又は小さいなど、異なっていてもよい。第1のシールド層の第1の厚さT_FSL_1は、第1の電子部品の第1の領域A_EC_1における、第1のシールド層の最大厚さ、すなわち、第1のシールド層が最も厚い点又は領域として定義され得る。第1のシールド層は、第1の高さH_FSL_1を含み得る。第1の高さH_FSL_1は、第1のシールド層の近位面の方向を向いた回路基板の面と、第1の領域A_EC_1における第1のシールド層の最大点又は領域での第1のシールド層の遠位面との間の距離として定義され得る。第1の高さH_FSL_1は、第1の厚さT_FIL_1に第1の厚さT_FSL_1を加えて、さらに第1の電気部品の第1の高さH_EC_1を加えたものに実質的に対応してもよい。第1の厚さT_FSL_1は、好ましくは、最終製品としての、すなわち、第1のシールド層に対する最後の処理ステップが実行された後の第1のシールド層の厚さであり得る。第1のシールド層の第2の厚さT_FSL_2は、第2の電子部品の第2の領域A_EC_2における、第1のシールド層の最大厚さ、すなわち、第1のシールド層が最も厚い点又は領域として定義され得る。第1のシールド層は、第2の高さH_FSL_2を含み得る。第2の高さH_FSL_2は、第1のシールド層の近位面の方向を向いた回路基板の面と、第2の領域A_EC_2での第1のシールド層の最大点又は領域での第1のシールド層の遠位面との間の距離として定義され得る。第2の高さH_FSL_2は、第2の厚さT_FIL_2に
第2の厚さT_FSL_2を加えて、さらに第2の電気部品H_EC_2の第2の高さを加えたものに実質的に対応してもよい。第2の厚さT_FSL_2は、好ましくは、最終製品としての、すなわち、第1のシールド層に対して最後の処理ステップが実行された後の第1のシールド層の厚さであり得る。
【0039】
例示的な電子回路EC1-EC4の特性は、以下の表1に概説されている。EC1-EC4の第2の電子部品は省略されてもよい。
【0040】
【0041】
第1のシールド層の第1の粘度及び第1の厚さは、例えば、電子部品間の距離又は隙間、第1のシールド層を適用する方法、電子部品のタイプ、及び第1の絶縁層の特性のうちの1つ又は複数に基づいて選択されてもよい。例えば、電子部品間の距離が小さい場合、すなわち隙間が小さい場合、第1のシールド材料の粘度は、電子部品間の距離が大きい場合、すなわち隙間が大きい場合よりも低くなり得る。これは、第1のシールド材料が電子部品の間に入り込むことを可能にする。第1のシールド材料の粘度は、電子部品間の距離に比例し得る。
【0042】
第1のシールド層の第1の厚さは、シールドされる第1の電子部品によって生成される電磁干渉の周波数に依存し得る。シールドされる周波数は、電子回路の1つ又は複数の電子部品の動作周波数に基づいて決定されてもよい。例えば、アンテナは、第1の電子部品のような、電子部品によって生成される電磁干渉の周波数と一致する周波数で動作しうる。この場合、アンテナが妨害されることなく動作できるように、その特定の周波数をシールドすることが重要であり得る。したがって、シールドされるべき生成される電磁干渉の周波数に応じて、第1のシールド層の第1の厚さを変えてもよい。シールドされる周波数は、第1のシールド層の厚さに依存する。例えば、周波数が約1MHzの電磁干渉をシールドするために、第1のシールド層の第1の厚さT_FSL_1は、1μm-500μmの範囲内、10μm-300μmの範囲内、20μmから200μmの範囲内、30μmから100μmの範囲内、又は50μmから80μmの範囲内であり得る。
【0043】
第1のシールド材料は、シールドされるべき周波数又は周波数範囲に応じて選択され得る。シールドされるべき周波数範囲は、例えば、0.1kHz-10GHzの範囲内、又は1MHz-1GHzの範囲内であり得る。
【0044】
第1のシールド材料は、第1の金属及び/又は第2の金属を含む1つ又は複数の金属を含み得る。1つ又は複数の金属は、銅、銀、金、白金、及びニッケルから選択されてもよい。第1のシールド材料は、合金を含み得る。第1のシールド材料は、導電性ポリマであり得るか、又はそれを含み得る。第1のシールド材料は、μmの金属粒子及び/又はnmの金属粒子などの金属粒子を含み得る。金属粒子は、銅粒子、銀粒子、金粒子、亜鉛粒子、及び/又はニッケル粒子であり得るか、又はそれらを含み得る。金属粒子は、第1のシールド材料において、1-100重量%の範囲内、例えば、5-30重量%の範囲内の濃度を有し得る。
【0045】
第1のシールド層は、複数の部分、例えば、互いに分離された第1の部分と第2の部分を含み得る。第1のシールド層の第1の部分は、第1の電子部品を覆い、シールドしてもよい。第1のシールド層の第2の部分は、第2の電子部品を覆い、絶縁してもよい。
【0046】
1つ又は複数の例示的な方法では、第1の絶縁層の外側に第1のシールド層を適用することは、第1のシールド層、例えば第1のシールド層の第1の部分及び/又は第2の部分を、グランド接続、例えば1つ又は複数のグランドパッド要素、例えばグランドパッドリングに接触させることを含む。グランド接続は、例えば、回路基板のグランド接続、回路基板のグランド接続に接続された第1の電子部品を介したグランド接続、例えば少なくとも部分的に第1の電子部品を取り囲むグランドパッドリングであってもよい。グランド接続は、1つ又は複数のグランドパッド要素を含み得る。グランドパッドリングは、グランドパッドリングが全体であるような連続したリングであり得る。グランドパッドリングは、閉曲線に沿って配置された多数のグランドパッド要素によって形成されてもよく、例えば、第1の電子部品及び/又は第2の電子部品を取り囲んでもよい。連続したリングを有するグランドパッドリングは、第1のシールド層のグランド接続に対してより大きな柔軟性を提供し得る。グランドパッドリングの連続したリングは、1μmから100μmの範囲内、好ましくは5-50μmの範囲内、より好ましくは10-50μmの範囲内の幅を有し得る。
【0047】
1つ又は複数の例示的な方法/電子回路では、第1のシールド層はグランド接続に接触しておらず、グランド接続に接触することなく第1の絶縁層の外側にある。
【0048】
1つ又は複数の例示的な方法では、第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、第1の電子部品上、例えば第1の電子部品の遠位面上に第1の絶縁材料を成形することを含む。第1の絶縁材料を成形することは、例えば、成形する領域を区切るために、第1の電子部品の周りに金型を提供することと、例えば金型と第1の電子部品/回路基板との間の空間/隙間に、例えば第1の絶縁材料を注入することによって、第1の電子部品上に第1の絶縁材料を適用することと、を含み得る。
【0049】
1つ又は複数の例示的な方法では、第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、第1の電子部品上に第1の絶縁材料を噴霧することを含む。第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、例えば第1の電子部品上に第1の絶縁材料を噴霧する前に、例えばマスキング要素を配置することにより、マスキングすることを含み得る。したがって、例えば、グランド接続が第1の絶縁材料で覆われるのを防ぐために、選択された領域への第1の絶縁材料の適用が提供される。
【0050】
1つ又は複数の例示的な方法では、第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、第1の絶縁材料を硬化させることを含む。第1の絶縁材料を硬化させることは、熱硬化させること、例えば低温硬化させること、湿気硬化させること、UV硬化させること、赤外光硬化させること、近赤外光硬化させること、又はフォトニック硬化させることを含み得る。硬化温度は、例えば、60°C-500°Cの範囲内、60°C-400°Cの範囲内、80°C-300°Cの範囲内、又は50°C-200°Cの範囲内であり得る。第1の絶縁材料を硬化させることは、第1の絶縁材料の一部を蒸発させることを含み得る。したがって、第1の絶縁材料の組成は、第1の絶縁材料が硬化された後に異なり得る。第1の厚さT_FIL_1も、硬化の前後で異なる場合があり、例えば、T_FIL_1は、硬化後は硬化前よりも薄い。第1の絶縁材料の硬化は、UV光源による重合反応を含み得る。さらに、UV硬化性材料の場合、例えば影になる領域に対して、二次的な湿気硬化メカニズムが適用され得る。
【0051】
1つ又は複数の例示的な方法では、第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、第1の電子部品上に、例えば第1の電子部品の遠位面上に、第1の絶縁材料を噴射することを含む。1つ又は複数の例示的な方法では、第1の電子部品上に第1の絶縁材料を噴射することは、例えばマスキング要素を配置することによって、第1の絶縁材料を噴射する前にマスキングすることと組み合わせることができる。したがって、1つ又は複数の例示的な方法では、第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、第1の絶縁材料を噴射する前にマスキングを適用することを含む。第1の絶縁材料を噴射することは、第1の電子部品上に及び/又は回路基板上に、第1の絶縁材料を印刷することを含み得る。第1の絶縁材料を噴射することは、例えば、電子回路の製造における人的ステップを除去することにより、第1の絶縁層のより自動化された正確な適用を可能にする。これは、適用される層、例えば層の厚さのより高い均一性をもたらすことができ、そして、より信頼性の高い層を提供する。さらに、コーティングされる基板への潜在的な人間/オペレータに関連する汚染の導入を低減及び/又は防止することができる。第1の絶縁層を適用すること及び第1のシールド層を適用することの両方は、噴射することによって行うことができ、これにより、両方のステップに同じ装置を使用することが可能になる。同じ装置を使用することにより、電子回路の製造工程数を減らすことができ、それにより、より簡単でより迅速な製造プロセスを達成することができる。第1の絶縁材料を噴射することは、例えば、スクリーン印刷、インクジェット、及びエアロゾル印刷の1つ又は複数を含んでもよい。例えば、より均一な層を提供するために、噴射は、例えば傾斜型噴射であってもよい。
【0052】
1つ又は複数の例示的な方法では、第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、第1の電子部品を第1の絶縁材料で覆うことと、任意選択で第1の絶縁材料を硬化させることを含む。
【0053】
1つ又は複数の例示的な方法では、第1の電子部品の外側に第1のシールド層を適用することは、第1のシールド材料を硬化させることを含む。
【0054】
第1のシールド材料を硬化させることは、熱硬化させること、例えば、低温硬化させること、湿気硬化させること、UV硬化させること、赤外光硬化させること、近赤外光硬化させること、又はフォトニック硬化させることを含み得る。硬化温度は、例えば、60°C-500°Cの範囲内、60°C-400°Cの範囲内、80°C-300°Cの範囲内、又は50°C-200°Cの範囲内であり得る。第1のシールド材料を硬化させることは、第1のシールド材料の一部を蒸発させることを含み得る。したがって、第1のシールド材料の組成は、第1のシールド材料が硬化された後に異なり得る。硬化後、第1のシールド層の金属粒子は、例えば硬化前よりも濃縮され、金属粒子の密度が高くなり、それによってより高い導電率がもたらされ得る。第1の厚さT_FSL_1も硬化の前後で異なることがあり、例えば、T_FSL_1は、硬化前よりも硬化後の方が薄い。第1のシールド材料の硬化は、UV光源による重合反応を含み得る。さらに、UV硬化性材料の場合、例えば影になる領域に対して、二次的な湿気硬化メカニズムが適用され得る。
【0055】
1つ又は複数の例示的な方法では、第1の電子部品の外側に第1のシールド層を適用することは、第1の電子部品上に第1のシールド材料を成形することを含む。
【0056】
1つ又は複数の例示的な方法では、第1の電子部品の外側に第1のシールド層を適用することは、第1の電子部品上に第1のシールド材料を噴霧することを含む。第1の電子部品上に第1のシールド材料を噴霧することは、低粘度の材料にとって有利な場合がある。
【0057】
1つ又は複数の例示的な方法では、第1の電子部品の外側に第1のシールド層を適用することは、第1の電子部品上に第1のシールド材料を噴射することを含む。
【0058】
1つ又は複数の例示的な方法では、第1の電子部品の外側に第1のシールド層を適用することは、第1のシールド材料を噴射すること、噴霧すること、又は他の方法で適用することの前に、マスキングを適用することを含む。それにより、第1のシールド材料の適用の改善された制御が提供され得る。
【0059】
第1のシールド材料を噴射することは、例えば、インクジェット及び/又はエアロゾル印刷を含み得る。噴射は、例えばより均一な層を提供するために、例えば傾斜型噴射であり得る。
【0060】
1つ又は複数の例示的な方法では、第1の電子部品の外側に第1のシールド層を適用することは、第1の電子部品を第1のシールド材料で覆うことを含む。
【0061】
この方法は、第1のシールド層の外側に第1の保護層を適用することを含み得る。第1の保護層は、第1のシールド層、第1の絶縁層、第1の電気部品、及び、より一般的には電子回路(又は少なくともその一部)と音響装置を、例えば気候などの周囲の環境、例えば、気候関連のストレッサ(湿気、温度)、気候関連の汚染物質(例えば、埃)、及び/又は人間、例えば人間に関連する汚染物質(人間の分泌物)から保護する環境保護層であり得る。第1の保護層は、第1の絶縁層及び/又は第1のシールド層を完全に覆ってもよい。
【0062】
第1の保護層は、第1の保護材料から作製されてもよい。第1の保護材料は、第1の絶縁材料と同じであり得る。第1の保護材料は、第1の絶縁層の第1の絶縁材料と同様又は同じ材料を含むか、又は本質的に第1の絶縁層の第1の絶縁材料と同様又は同じ材料からなることができる。これは、第1の保護層、第1のシールド層、及び第1の絶縁層との間の接着に関して有利であり得る。さらに、第1の絶縁層と第1の保護層に同じ材料を使用することにより、電子回路の製造が簡素化される。あるいは、第1の保護材料は、第1の絶縁材料とは異なる場合がある。第1の保護層は、第1のシールド層を腐食から保護することができる。これにより、例えば1つ又は複数の電気部品間の望ましくない接続を回避することができる。望ましくない接続とは、例えば、第1の電圧を有するバッテリと、第1の電圧とは異なる第2の電圧を有する電気部品との間の接続である場合があり、それにより、バッテリが消耗又は損傷し、及び/又は電気部品が損傷し得る。
【0063】
音響装置が開示される。音響装置は、ハウジングと、ハウジングに収容された電子回路とを含み、電子回路は、回路基板と、回路基板上に取り付けられた第1の電子部品を含む1つ又は複数の電子部品とを含み、電子回路は、第1の電子部品を覆う、第1の絶縁層と第1のシールド層とを含む。第1の絶縁層は、第1の電子部品と第1のシールド層との間に配置されている。第1の絶縁層は、厚さ、例えば500μm未満の平均厚さ、及び/又は第1の厚さ、を有する。
【0064】
音響装置は、ユーザの聴覚喪失を補償するように構成されたプロセッサを含む、ヒアラブル又は補聴器などの聴覚装置であり得る。音響装置は、耳の後ろ(behind-the-ear:BTE)タイプ、耳内(in-the-ear:ITE)タイプ、外耳道内(in-the-canal:ITC)タイプ、外耳道レシーバ(receiver-in-canal:RIC)タイプ、又は耳内レシーバ(receiver-in-the-ear:RITE)タイプであり得る。補聴器はバイノーラル補聴器であってもよい。第1の絶縁層及び/又は第1の保護層は、電子回路を絶縁及び保護し、それによって音響装置が曝される環境から音響装置を保護し得る。例えば、音響装置がユーザによって着用される場合、音響装置は、ユーザからの汗及び耳垢、並びに湿度、熱、及び埃などの気象条件にさらされる可能性があり、これらから絶縁及び保護されることが望ましいことがある。
【0065】
1つ又は複数の例示的な方法/電子回路/音響装置では、1つ又は複数の電子部品は、第2の電子部品を含む。この方法は、第2の電子部品上に第1の絶縁層を適用することを含み得る。
【0066】
1つ又は複数の例示的な電子回路/音響装置では、1つ又は複数の電子部品は、回路基板上に取り付けられた第2の電子部品を含む。第1の絶縁層及び/又は第1のシールド層は、第2の電子部品を覆ってもよい。
【0067】
1つ又は複数の例示的な電子回路/音響装置では、電子回路は、第1のシールド層の外側に第1の保護層を備える。第1の保護層は、第1のシールド層を完全に又は少なくとも部分的に覆ってもよい。1つ又は複数の例示的な電子回路/音響装置では、回路基板は、第1のシールド層に接触するグランド接続を備える。1つ又は複数の例示的な電子回路/音響装置では、第1のシールド層、又は第1のシールド層の少なくとも第1の部分及び/又は第2の部分は、回路基板のグランド接続から絶縁されている。
【0068】
1つ又は複数の例示的な電子回路では、第1の絶縁層は、電子部品を覆う第1のシールド層及び第1のシールド層を覆う第1の保護層と組み合わされて、回路基板を実質的に覆ってもよい。
【0069】
方法に関連する特徴の説明は、電子回路/音響装置の対応する特徴にも適用可能であることを理解されたい。
【0070】
図1は、例示的な電子回路の部品の第1の又は遠位の図を示している。電子回路6、6A、6B、6Cは、回路基板8と、第1の領域A_EC_1を有する第1の電子部品10を含む1つ又は複数の電子部品とを含む。第1の電子部品10は、回路基板8の第1の位置P_EC_1に取り付けられている。第1の電子部品10は、電源モジュールであり得る。電子回路6は、第2の領域A_EC_2を有する第2の電子部品12を任意選択で含んでもよい。第2の電子部品12は、回路基板8の第2の位置P_EC_2に取り付けられている。電子回路6は、第3の領域A_EC_3を有する第3の電子部品14を任意選択で含んでもよい。第3の電子部品14は、回路基板8の第3の位置P_EC_3に取り付けられている。第3の電子部品14はアンテナであり得る。回路基板8は、グランド接続15を含み、グランド接続15は、回路基板上に露出された1つ又は複数のグランドパッド要素15Aを含む。グランドパッド要素15Aは、回路基板8の共通のグランドに接続されている。
【0071】
図2は、例示的な電子回路の部品の第1の図又は遠位の図を示している。電子回路6、6Cは、第1の電子部品10(第1の領域A_EC_1)と、任意選択で第2の電子部品12(第2の領域A_EC_2)と、を覆う第1の絶縁層16を備える。
【0072】
図3は、例示的な電子回路の部品の第1の図又は遠位の図を示している。電子回路6、6Aは、第1の絶縁層16、16A、16B(
図2及び
図5を参照)の外側に、第1の絶縁層16、16A、16Bを覆う第1のシールド層18を備える。第1のシールド層18は、第1の電子部品10(第1の領域A_EC_1)と、任意選択で第2の電子部品12(第2の領域A_EC_2)と、を覆いかつシールドする。さらに、第1のシールド層18は、1つ又は複数のグランドパッド要素を介してグランド接続15と電気的に(ガルバニックに)接触している。第1のシールド層18は、第1の電子部品10の第1の領域において第1の電磁特性を有してもよく、例えば、電子回路の別の電子部品によって使用される周波数範囲におけるような第1の周波数範囲をシールドすべく、第1の電子部品10の第1の電磁干渉をシールドするように構成され得る。第1のシールド層18は、第2の電子部品12の第2の領域において第2の電磁特性を有してもよく、例えば、電子回路の別の電子部品によって使用される周波数範囲におけるような第2の周波数範囲をシールドすべく、第2の電子部品12の第2の電磁干渉をシールドするように構成され得る。
【0073】
図4は、例示的な電子回路の部品の第1又は遠位の図を示している。電子回路6、6A、6B、6Cは、第1のシールド層18、18A、18Bの外側に、第1のシールド層18、18A、18Bを覆う第1の保護層20を任意選択で備える。
【0074】
図5は、例示的な電子回路の部品の第1の図又は遠位の図を示している。第1の絶縁層は、例えば電子回路を設計する際の設計の自由度を高めるために、少なくとも第1の部分16A及び第2の部分16Bに分離されている。したがって、電子回路6A、6Bは、第1の絶縁層の第1の部分16Aと、第1の絶縁層の第2の部分16Bとを備える。第1の絶縁層の第1の部分16Aは第1の電子部品10の外側にあり、第1の電子部品10を覆っている。第1の絶縁層の第2の部分16Bは第2の電子部品12の外側にあり、第2の電子部品12を覆っている。
【0075】
図6は、例示的な電子回路の部品の第1の図又は遠位の図を示している。第1のシールド層は、例えば、電子回路を設計する際の設計の自由度を高めるため、少なくとも第1の部分18A及び第2の部分18Bに分離されている。したがって、電子回路6Bは、第1の絶縁層の第1の部分16A(
図5参照)の外側に、第1の絶縁層の第1の部分16Aを覆う第1のシールド層の第1の部分18Aを備える。第1のシールド層の第1の部分18Aは、第1の電子部品10を覆い、かつシールドする。さらに、電子回路6Bは、第1の絶縁層の第2の部分16B(
図5参照)の外側に、第1の絶縁層の第2の部分16Bを覆う第1のシールド層の第2の部分18Bを任意選択で備える。第1のシールド層の第2の部分18Bは、第2の電子部品12を覆い、かつシールドする。第1のシールド層の第1の部分18A及び第1のシールド層の第2の部分18Bは、同じ又は異なる特性、例えば厚さ及び/又はシールド材料を有し得る。第1の部分18Aは、例えば、電子回路の別の電子部品によって使用される周波数範囲のような第1の周波数範囲内でシールドするために、第1の電子部品の第1の電磁干渉をシールドするように構成された第1の電磁特性を有し得る。第2の部分18Aは、例えば、電子回路の別の電子部品によって使用される周波数範囲などの第2の周波数範囲内でシールドするために、第2の電子部品の第2の電磁干渉をシールドするように構成された第2の電磁特性を有し得る。第1の部分18A及び/又は第2の部分は、それぞれ、回路基板の1つ又は複数のグランドパッド要素に接触してもよい。1つ又は複数の例示的な電子回路では、第1のシールド層の第1の部分は、回路基板のグランド接続から絶縁され得る。1つ又は複数の例示的な電子回路では、第1のシールド層の第2の部分は、回路基板のグランド接続から絶縁され得る。
【0076】
図7及び
図8は、異なる例示的な電子回路の断面を示している。第1の絶縁層16の第1の厚さT_FIL_1は、第1の絶縁層16の第2の厚さT_FIL_2よりも小さい。第1のシールド層18の第1の厚さT_FSL_1は、第1のシールド層18の第2の厚さT_FSL_2よりも小さい。
【0077】
図9は、例示的な方法のフロー図である。音響装置の電子回路を製造する方法100は、回路基板を提供すること102と、回路基板上に第1の電子部品を含む1つ又は複数の電子部品を取り付けること104と、第1の絶縁層を適用すること106と、第1のシールド層を適用すること110と、を含む。方法100において、第1の絶縁層を適用すること106は、第1の電子部品の外側に、例えば遠位側に、第1の絶縁層を適用すること108を含む。第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用すること108は、例えば、任意選択で第1の電子部品を第1の絶縁材料で覆うこと108Aの一部として、第1の電子部品上に第1の絶縁材料を成形すること108AA、第1の電子部品上に第1の絶縁材料を噴霧すること108AB、及び、第1の電子部品上に第1の絶縁材料を噴射すること、のうちの1つ又は複数を含み得る。方法100において、第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用すること108は、任意選択で第1の絶縁材料を噴射すること108AC及び/又は噴霧すること108ABの前に、任意選択でマスキングを適用すること108Bを含む。第1の絶縁層は、1つ又は複数のポリマを含む第1の絶縁材料から作製される。方法100において、第1の絶縁層を適用すること106は、任意選択で第1の絶縁層を硬化すること109を含む。
【0078】
方法100において、第1のシールド層を適用すること110は、任意選択で第1の絶縁層の外側に、例えば遠位側に、第1のシールド層を適用すること112を含む。第1のシールド層を適用すること110は、例えば、第1の絶縁層の外側に、例えば遠位側に、第1のシールド層を適用112することの一部として、任意選択で第1のシールド層をグランド接続に接触させること112Aを含む。
【0079】
第1の絶縁層の外側に第1のシールド層を適用すること112は、例えば、任意選択で第1の絶縁層を第1のシールド材料で覆うことの一部として、第1の絶縁層上に第1のシールド材料を成形すること112B、第1の絶縁層上に第1のシールド材料を噴霧すること112C、及び、第1の絶縁層上に第1のシールド材料を噴射すること112D、のうちの1つ又は複数を含み得る。方法100において、第1の絶縁層の外側に第1のシールド層を適用すること112は、任意選択での第1のシールド材料を噴射すること112D及び/又は噴霧すること112Cの前に、任意選択でマスキングを適用すること112Eを含む。第1のシールド層は、金属粒子、例えば銅粒子、銀粒子、金粒子、亜鉛粒子、白金粒子、及び/又はニッケル粒子のうちの1つ又は複数を含む第1のシールド材料によって作製される。方法100において、第1のシールド層を適用すること110は、任意選択で第1のシールド層を硬化すること113を含む。
【0080】
方法100は、第1のシールド層の外側に第1の保護層を適用すること114を含む。さらに、1つ又は複数の電子部品は、任意選択で第2の電子部品を含み、方法100は、第2の電子部品の外側に又は第2の電子部品上に、第1の絶縁層を適用すること116を含み得る。
【0081】
図10は、電子回路6Aの破線Aに沿った断面図を示す。第1の電子部品10を覆う第1の絶縁層の第1の部分16Aは、10μmから500μmの範囲の第1の厚さT_FIL_1を有する。第2の電子部品12を覆う第1の絶縁層の第2の部分16Bは、10μmから500μmの範囲の第2の厚さT_FIL_2を有する。第1のシールド層18は、金属粒子を含み、グランドパッド要素15Aに接触する。第1のシールド層18は、第1の絶縁層の第1の部分16A及び第2の部分16Bを覆い、したがって、第1の電子部品10及び第2の電子部品12をも覆っている。第1のシールド層は、10μmから500μmの範囲の第1の厚さT_FSL_1(第1の電子部品の第1の領域における最大厚さ)と、10μmから500μmの範囲の第2の厚さT_FSL_2(第2の電子部品の第2の領域における最大厚さ)を有する。第1の厚さT_FSL_1は、第2の厚さT_FSL_2とは異なっており、第1の電子部品10からの第1の電磁場をシールドするように構成される。第2の厚さT_FSL_2は、第2の電子部品12からの第2の電磁場をシールドするように構成される。
【0082】
図11は、電子回路6Bの破線Aに沿った断面図を示している。第1の電子部品10を覆う第1の絶縁層の第1の部分16Aは、10μmから500μmの範囲の第1の厚さT_FIL_1を有する。第2の電子部品12を覆う第1の絶縁層の第2の部分16Bは、10μmから500μmの範囲の第2の厚さT_FIL_2を有する。第1のシールド層は金属粒子を含み、第1の部分18A及び第2の部分18Bの両方が少なくとも1つのそれぞれのグランドパッド要素15Aに接触する。第1の部分18A及び/又は第2の部分18Bは、グランド接続から絶縁されていてもよく、すなわちフローティングであってもよい。第1のシールド層18の第1の部分18Aは、第1の絶縁層の第1の部分16Aを覆い、したがって第1の電子部品10をも覆う。第1のシールド層18の第2の部分18Bは、第1の絶縁層の第2の部分16Bを覆い、したがって、第2の電子部品12をも覆う。第1のシールド層の第1の部分18Aは、10μmから500μmの範囲の第1の厚さT_FSL_1(第1の電子部品の第1の領域における最大厚さ)を有する。第1のシールド層の第2の部分18Bは、10μmから500μmの範囲の第2の厚さT_FSL_2(第2の電子部品の第2の領域における最大厚さ)を有する。第1の厚さT_FSL_1は、第2の厚さT_FSL_2とは異なっており、第1の電子部品10からの第1の電磁場をシールドするように構成される。第2の厚さT_FSL_2は、第2の電子部品12からの第2の電磁場をシールドするように構成される。
【0083】
図12は、例示的な電子回路の部品の第1の図又は遠位の図を示している。電子回路6Cは、第1の絶縁層16の外側に、第1の絶縁層16を部分的に覆う第1のシールド層18を備える。第1のシールド層18は、第1の電子部品10(第1の領域A_EC_1)と、任意選択で第2の電子部品12(第2の領域A_EC_2)とを覆い、かつシールドする。さらに、第1のシールド層18は、第1の絶縁層によってグランド接続から絶縁されている。
【0084】
図13は、例示的な音響装置2を示す。音響装置2は、電子回路6を備えるハウジング4を備える。ハウジング4は、管状部材22によって耳部分24に接続されている。耳部分24は、音響装置2のユーザの耳の中に配置されるように構成されている。ハウジング4は、ユーザの耳の後ろに配置されるように構成されている。管状部材22は、例えば、ユーザの耳の上又は下に配置されることによって、ハウジング4、及びそれによって電子回路6を、耳部分24に接続するように構成される。第1の絶縁層16及び/又は第1の保護層20は、電子回路6を絶縁及び保護し、よって音響装置2が曝される環境から音響装置2を保護することができる。例えば、音響装置2がユーザによって着用される場合、音響装置2は、例えば、ユーザからの汗及び耳垢、並びに湿度、熱、及び埃などの気象条件にさらされることがあり、それらから絶縁され、保護されることが望ましいことがある。
【0085】
耳内(in-the-ear: ITE)タイプ又は外耳道内(in-the-canal:ITC)タイプなどの他の例示的な音響装置(図示せず)では、ハウジング4は耳部分24であってもよく、それにより、ハウジング4と耳部分24がユーザの耳内に一体で配置されてもよい。従って、耳部分24が音響装置2であり得る。
【0086】
図14は、代替のグランド接続を備えた例示的な電子回路の部品の第1又は遠位の図を示す。グランド接続15は、第1の電子部品10の周りに配置され、回路基板上に露出された1つ又は複数のグランドパッド要素15Aを含む。グランドパッド要素15Aは、回路基板8の共通のグランドに接続されている。
【0087】
本開示による例示的な方法、音響装置、及び電子回路は、以下の項目に示される:
【0088】
(項目1)
音響装置の電子回路を製造する方法であって、
回路基板を提供することと、
前記回路基板上に第1の電子部品を含む1つ又は複数の電子部品を取り付けることと、
前記第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することと、
前記第1の絶縁層の外側に第1のシールド層を適用することと、
を備える方法。
【0089】
(項目2)
前記第1の絶縁層の外側に前記第1のシールド層を適用することは、前記第1のシールド層をグランド接続に接触させることを備える、項目1の方法。
【0090】
(項目3)
前記第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、前記第1の電子部品上に第1の絶縁材料を成形することを備える、項目1または2の方法。
【0091】
(項目4)
前記第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、前記第1の電子部品上に第1の絶縁材料を噴霧することを備える、項目1から3の何れか一項の方法。
【0092】
(項目5)
前記第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、前記第1の電子部品上に第1の絶縁材料を噴射することを備える、項目1から4の何れか一項の方法。
【0093】
(項目6)
前記第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、前記第1の絶縁材料を噴射することの前に、マスキングを適用することを備える、項目5の何れか一項の方法。
【0094】
(項目7)
前記第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用することは、前記第1の電子部品を第1の絶縁材料で覆うことを備える、項目1から6の何れか一項の方法。
【0095】
(項目8)
前記第1のシールド層の外側に第1の保護層を適用することを備える、項目1から7の何れか一項の方法。
【0096】
(項目9)
前記第1の絶縁層は、1つ又は複数のポリマを備える第1の絶縁材料で作製される、項目1から8の何れか一項の方法。
【0097】
(項目10)
前記第1のシールド層は、金属粒子、例えば銅粒子、銀粒子、亜鉛粒子、及び/又はニッケル粒子を備える、第1のシールド材料で作製される、項目1から9の何れか一項の方法。
【0098】
(項目11)
前記1つ又は複数の電子部品は、第2の電子部品を備えており、
前記方法は、前記第2の電子部品上に前記第1の絶縁層を適用することを備える、項目1から10の何れか一項の方法。
【0099】
(項目12)
音響装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジングに収容された電子回路とを備えており、
前記電子回路は、
回路基板と、
前記回路基板上に取り付けられた第1の電子部品を含む1つ又は複数の電子部品とを備えており、
前記電子回路は、
前記第1の電子部品を覆う第1の絶縁層と第1のシールド層とを備えており、
前記第1の絶縁層は、前記第1の電子部品と前記第1のシールド層との間に配置されており、
前記第1の絶縁層は、500μm未満の厚さを有する、音響装置。
【0100】
(項目13)
前記1つ又は複数の電子部品は、前記回路基板上に取り付けられた第2の電子部品を備えており、
前記第1の絶縁層と前記第1のシールド層とは、前記第2の電子部品を覆う、項目12の音響装置。
【0101】
(項目14)
前記電子回路は、前記第1のシールド層の外側に第1の保護層を備える、項目12または13の音響装置。
【0102】
(項目15)
前記電子回路は、前記第1のシールド層に接触するグランド接続を備える、項目12から14の何れか一項の音響装置。
【0103】
(項目16)
前記第1の電子部品は、前記第1のシールド層に接触するグランド接続を備える、項目12から15の何れか一項の音響装置。
【0104】
(項目17)
音響装置のための電子回路であって、
回路基板と、
前記回路基板上に取り付けられた第1の電子部品を含む1つ又は複数の電子部品とを備えており、
前記電子回路は、前記第1の電子部品を覆う第1の絶縁層と第1のシールド層とを備えており、
前記第1の絶縁層は、前記第1の電子部品と前記第1のシールド層との間に配置されており、
前記第1の絶縁層は、500μm未満の厚さを有する、電子回路。
【0105】
「第1の」、「第2の」、「第3の」及び「第4の」、「一次」、「二次」、「三次」などの用語の使用は、特定の順序を意味するものではなく、個々の要素を識別するために含まれる。さらに、「第1の」、「第2の」、「第3の」及び「第4の」、「一次」、「二次」、「三次」などの用語の使用は、順序又は重要性を示すのではなく、むしろ「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」、「一次」、「二次」、「三次」などの用語は、ある要素を別の要素と区別するために使用される。「第1の」、「第2の」、「第3の」及び「第4の」、「一次」、「二次」、「三次」などの単語は、ここ及び他の場所でラベル付けの目的でのみ使用されており、空間的又は時間的な順序を示すことを意図したものでないことに留意されたい。
【0106】
さらに、第1の要素のラベル付けは、第2の要素の存在を意味するものではなく、その逆も然りである。
【0107】
図1-
図14は、実線で示されているいくつかのモジュール又は動作と、破線で示されているいくつかのモジュール又は動作とを含むことが理解され得る。実線で構成されているモジュール又は動作は、最も広い例示的な実施形態に含まれているモジュール又は動作である。破線で構成されるモジュール又は動作は、実線の例示的な実施形態のモジュール又は動作に加えて採用されるさらなるモジュール又は動作であるか、その部分であるか、又はそれに含まれる例示的な実施形態である。これらの動作は、提示された順序で実行する必要がないことを理解されるべきである。さらに、すべての動作を実行する必要はないことが理解されるべきである。例示的な動作は、任意の順序及び任意の組み合わせで実行することができる。「備える(comprising)」という単語は、リストされているもの以外の他の要素又はステップの存在を必ずしも除外しないことに留意されたい。
【0108】
要素に先行する単語「a」又は「an」は、複数のそのような要素の存在を排除しないことに留意されたい。
【0109】
さらに、任意の参照符号は、特許請求の範囲を限定するものではなく、例示的な実施形態は、ハードウェア及びソフトウェアの両方の手段によって少なくとも部分的に実装されてもよく、いくつかの「手段」、「ユニット」又は「装置」は、ハードウェアの同じアイテムで表される場合があることにも留意されたい。
【0110】
ここに説明される様々な例示的な方法、装置、及びシステムは、方法ステッププロセスの一般的な文脈で説明され、これは、一つの態様では、ネットワーク環境のコンピュータによって実行されるプログラムコードのような、コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体に具体化されるコンピュータプログラム製品によって実施され得る。コンピュータ可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)などを含むが、これらに限定されない取り外し可能及び取り外し不可能な記憶装置を含み得る。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データタイプを実装したりするルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み得る。コンピュータ実行可能命令、関連するデータ構造、及びプログラムモジュールは、ここに開示される方法のステップを実行するためのプログラムコードの例を表す。そのような実行可能命令又は関連データ構造の特定のシーケンスは、そのようなステップ又はプロセスで説明される機能を実装するための対応する行為の例を表す。
【0111】
特徴について図示及び説明してきたが、それらは特許請求の範囲に記載された発明を限定することを意図したものでないこと理解されるであろう。また、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正がなされ得ることが当業者にとって明らかになるであろう。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味よりはむしろ例示的な意味とみなされるべきであろう。特許請求の範囲に記載された発明は、すべての代替物、変形例、及び均等物を含むことを意図する。
【符号の説明】
【0112】
2:音響装置
4:ハウジング
6:電子回路
8:回路基板
10:第1の電子部品、電源回路
12:第2の電子部品
14:第3の電子部品
15:グランド接続
15A:グランドパッド要素
16:第1の絶縁層
16A:第1の絶縁層の第1の部分
16B:第1の絶縁層の第2の部分
18:第1のシールド層
18A:第1のシールド層の第1の部分
18B:第1のシールド層の第2の部分
20:第1の保護層
22:管状部材
24:耳部分
100:音響装置の電子回路を製造する方法
102:回路基板を提供すること
104:回路基板上に第1の電子部品を含む1つ又は複数の電子部品を取り付けること
106:第1の絶縁層を適用すること
108:第1の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用すること
108A:第1の電子部品を第1の絶縁材料で覆うこと
108AA:第1の電子部品上に第1の絶縁材料を成形すること
108AB:第1の電子部品上に第1の絶縁材料を噴霧すること
108AC:第1の電子部品上に第1の絶縁材料を噴射すること
108B:マスキングを適用すること
109:第1の絶縁層を硬化すること
110:第1のシールド層を適用すること
112:第1の絶縁層の外側に第1のシールド層を適用すること
112A:第1のシールド層をグランド接続に接触させること
112B:第1の絶縁層上に第1のシールド材料を成形すること
112C:第1の絶縁層上に第1のシールド材料を噴霧すること
112D:第1の絶縁層上に第1のシールド材料を噴射すること
113:第1のシールド層を硬化すること
114:第1のシールド層の外側に第1の保護層を適用すること
116:第2の電子部品の外側に第1の絶縁層を適用すること
A_EC_1:第1の電子部品の第1の領域
A_EC_2:第2の電子部品の第2の領域
A_EC_3:第3の電子部品の第3の領域
P_EC_1:第1の電子部品の第1の位置
P_EC_2:第2の電子部品の第2の位置
P_EC_3:第3の電子部品の第3の位置
T_FIL_1:第1の絶縁層の第1の厚さ
T_FIL_2:第1の絶縁層の第2の厚さ
T_FSL_1:第1のシールド層の第1の厚さ
T_FSL_2:第2のシールド層の第2の厚さ
【国際調査報告】