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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-27
(54)【発明の名称】気化器デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20221220BHJP
【FI】
A24F40/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525853
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(85)【翻訳文提出日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 US2020058947
(87)【国際公開番号】W WO2021092063
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】62/981,498
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/930,508
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/947,496
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/108,874
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/805,672
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315012459
【氏名又は名称】ジュール・ラブズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Juul Labs, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アリエル アトキンス
(72)【発明者】
【氏名】マッケンジー ペイジ ベルト
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー エル. ベリスル
(72)【発明者】
【氏名】ツイ チュー リリー チャン
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン チュン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン クリステンセン
(72)【発明者】
【氏名】ディラン イー. エンテリス
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ジェイ. ハットン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー エム. フーパイ
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジョセフ ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン キング
(72)【発明者】
【氏名】エステバン レオン ドゥケ
(72)【発明者】
【氏名】ヨンチャオ リー
(72)【発明者】
【氏名】フェイ-フェイ リャン
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン ロメリ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジェイ. マローン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムス モンシース
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン エヌ. エヌ・ジー
(72)【発明者】
【氏名】クレア オマリー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ライオス
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェイムズ ロッサー
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー ティー. スコット
(72)【発明者】
【氏名】ニヒル ビー. シャー
(72)【発明者】
【氏名】アンドルー ジェイ. ストラットン
(72)【発明者】
【氏名】アリム ソウアー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァル ヴァレンタイン
(72)【発明者】
【氏名】ノーバート ウェズリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ピー. ウェストリー
(72)【発明者】
【氏名】ハオ イン
(72)【発明者】
【氏名】シューハイ ジャン
(72)【発明者】
【氏名】シューチン ジャン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC02
4B162AC12
4B162AC13
4B162AC16
4B162AC17
4B162AC33
4B162AC34
4B162AC50
4B162AD02
4B162AD03
4B162AD15
4B162AD22
4B162AD23
4B162AD32
(57)【要約】
気化器デバイスは、シェルと、カートリッジ受け口と、骨格とを含むことができる。カートリッジ受け口は、シースの内部に少なくとも部分的に配置されたカートリッジ界面から形成されてもよい。カートリッジ界面は、気化器カートリッジがカートリッジ受け口の内部に配置されたときに、気化器カートリッジとの複数の電気的連結を提供するように構成されてもよい。複数の電気的連結は、気化器カートリッジの加熱要素との第1の電気的連結を含むことができる。複数の電気的連結は、気化器カートリッジのカートリッジ識別チップとの第2の電気的連結をさらに含むことができる。骨格は、カートリッジ界面と連結されてもよい。骨格は、カートリッジ界面をシェルの内部に固定するように構成されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化器デバイスであって、
シェルと、
シースの内部に少なくとも部分的に配置されたカートリッジ界面から形成されたカートリッジ受け口であって、前記カートリッジ界面は、気化器カートリッジが前記カートリッジ受け口の内部に少なくとも部分的に配置されたときに、前記気化器カートリッジとの複数の電気的連結を提供するように構成されており、前記複数の電気的連結は、前記気化器カートリッジの加熱要素との第1の電気的連結を含み、前記複数の電気的連結は、前記気化器カートリッジのカートリッジ識別チップとの第2の電気的連結をさらに含む、カートリッジ受け口と、
前記カートリッジ界面と連結されていて、前記カートリッジ界面を前記シェルの内部に固定するように構成された骨格と、
を備える、気化器デバイス。
【請求項2】
バッテリと、
前記気化器デバイスのコントローラを備えるプリント回路基板アセンブリであって、前記プリント回路基板アセンブリは、前記バッテリと前記カートリッジ界面とに連結されて第1のアセンブリを形成し、前記第1のアセンブリは、前記骨格に連結されて、前記シェルの内部に配置された第2のアセンブリを形成する、プリント回路基板アセンブリと、
をさらに備える、請求項1記載の気化器デバイス。
【請求項3】
前記第2のアセンブリはアンテナをさらに含む、請求項2記載の気化器デバイス。
【請求項4】
前記シェルは第1の材料から形成されており、前記気化器デバイスは、前記第1の材料よりも前記アンテナからの電波に対して透過性である第2の材料から形成されたエンドキャップをさらに含み、前記エンドキャップは、前記カートリッジ受け口とは反対側の前記シェルの開放端を密封するように構成されている、請求項3記載の気化器デバイス。
【請求項5】
前記シェルは、前記第2の材料かつ/または前記第1の材料よりも前記アンテナからの電波に対して透過性である第3の材料から形成された1つ以上のインセットを含む、請求項4記載の気化器デバイス。
【請求項6】
前記カートリッジ界面は、前記気化器カートリッジの前記加熱要素のヒータ接点のセットとの前記第1の電気的連結を形成するように構成された受け口接点のセットを含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の気化器デバイス。
【請求項7】
前記受け口接点のセットは、前記カートリッジ受け口の反対側に配置された2対の電気的接点を含む、請求項6記載の気化器デバイス。
【請求項8】
前記カートリッジ界面は、前記気化器デバイスの前記カートリッジ識別チップにおける対応するカートリッジ識別子接点のセットとの前記第2の電気的連結を形成するように構成されたカートリッジ識別子接点のセットをさらに含む、請求項6または7記載の気化器デバイス。
【請求項9】
前記カートリッジ識別子接点のセットは、前記カートリッジ受け口の一方の側に配置された3つの電気的接点の第1のセットと、前記カートリッジ受け口の反対側に配置された3つの電気的接点の第2のセットとを含む、請求項8記載の気化器デバイス。
【請求項10】
前記カートリッジ識別子接点のセットは、前記カートリッジ識別チップにおける対応する電気的接点に対して力を加えるように予荷重が加えられた少なくとも1つの電気的接点を含む、請求項8または9記載の気化器デバイス。
【請求項11】
前記シースは、前記少なくとも1つの電気的接点の過剰伸長を防止するように構成されており、前記シースは、前記少なくとも1つの電気的接点と前記気化器デバイスの前記シェルとの間の接触を防止するようにさらに構成されている、請求項10記載の気化器デバイス。
【請求項12】
前記カートリッジ受け口は、第1の回転方向および第2の回転方向で前記気化器カートリッジを受け入れるように構成されており、前記カートリッジ界面は、前記気化器カートリッジが前記第1の回転方向または前記第2の回転方向に挿入されるかどうかにかかわらず、前記気化器カートリッジとの前記複数の電気的連結を提供するように構成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の気化器デバイス。
【請求項13】
前記シースおよび前記シェルは単独のユニットとして形成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の気化器デバイス。
【請求項14】
前記シースは、接着剤、摩擦嵌め、および/または溶接のうちの1つ以上により前記シェルに連結されている、請求項1から13までのいずれか1項記載の気化器デバイス。
【請求項15】
前記カートリッジ界面は、前記気化器カートリッジと共に、前記カートリッジ受け口の内部に前記気化器カートリッジを保持するように構成された機械的連結を形成するようにさらに構成されている、請求項1から14までのいずれか1項記載の気化器デバイス。
【請求項16】
前記気化器デバイスを充電器デバイスに連結するように構成された第1の保持機構をさらに備え、前記第1の保持機構は、前記充電器デバイスにおける第2の保持機構との磁気的連結を形成するように構成されており、前記磁気的連結は、前記気化器デバイスを前記充電器デバイスに対して1つ以上の位置および/または向きに整列させかつ維持する、請求項1から15までのいずれか1項記載の気化器デバイス。
【請求項17】
前記第1の保持機構および前記第2の保持機構はそれぞれ1つ以上の磁石を備える、請求項16記載の気化器デバイス。
【請求項18】
前記第1の保持機構および前記第2の保持機構のうちの一方は1つ以上の磁石を備え、前記第1の保持機構および前記第2の保持機構のうちの他方は鉄金属の1つ以上のブロックを備える、請求項16または17記載の気化器デバイス。
【請求項19】
前記骨格は、前記カートリッジ界面と連結された前記骨格を前記シェルの内部に固定するための1つ以上の戻り止めを含む、請求項1から18までのいずれか1項記載の気化器デバイス。
【請求項20】
前記カートリッジ受け口は、前記気化器カートリッジのウィッキング要素を収容するウィックハウジングの少なくとも一部を受け入れるように構成されており、前記第1の電気的連結は、前記ウィックハウジングの外側に少なくとも部分的に配置された前記加熱要素の接点部分に少なくとも接触することにより形成されており、一方、前記加熱要素の加熱部分は、前記ウィックハウジングの内部に少なくとも部分的に配置されている、請求項1から19までのいずれか1項記載の気化器デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2019年11月4日に出願された「VAPORIZER DEVICE」と題する米国仮特許出願第62/930,508号、2019年12月12日に出願された「VAPORIZER DEVICE」と題する米国仮特許出願第62/947,496号、2020年2月25日に出願された「VAPORIZER DEVICE WITH VAPORIZER CARTRIDGE」と題する米国仮特許出願第62/981,498号、2020年2月28日に出願された「VAPORIZER DEVICE WITH VAPORIZER CARTRIDGE」と題する米国特許出願第16/805,672号、2020年11月3日に出願された「VAPORIZER DEVICE」と題する米国仮特許出願第63/108,874号の優先権を主張する。前述の出願の開示は、許容される範囲で、その全体が本明細書に援用される。
【0002】
本明細書に記載された主題は、概して、気化器デバイス、より詳細には、気化器デバイスの設計および構造に関する。
【0003】
背景
気化器、電子気化器デバイスまたはe気化器デバイスと呼ばれることもある気化器デバイスは、気化デバイスのユーザによる、1つ以上の有効成分を含有するエアロゾル(例えば、「蒸気」)の吸入によるエアロゾルの供給に使用することができる。例えば、eタバコと呼ばれることもある電子タバコは、典型的には、バッテリ電源が供給され、喫煙の体験をシミュレートするために使用することができるが、タバコまたは他の物質の燃焼を伴わない種類の気化器デバイスである。
【0004】
気化器デバイスの使用において、ユーザは、一般的に蒸気と呼ばれるエアロゾルを吸入し、このエアロゾルは、液体、溶液、固体、ワックスまたは特定の気化器デバイスの使用に適合する場合がある任意の他の形態であってもよい気化可能材料を気化させる(一般的には、液体または固体を少なくとも部分的に気相に移行させることを指す)加熱要素により生成することができる。気化器と共に使用される気化可能材料は、(例えば、ユーザによる吸入のための)マウスピースを含むカートリッジ(例えば、気化可能材料をリザーバに収容する気化器の一部)内に提供することができる。
【0005】
気化器デバイスにより生成された吸入可能なエアロゾルを受容するために、ユーザは、特定の例では、パフ(puff)を行うことにより、ボタンを押すことによりまたは何等かの他のアプローチにより、気化器デバイスを作動させることができる。一般的に使用される(本明細書でも使用される)パフという用語は、一定量の空気を気化器デバイス内に引き込ませ、これにより、吸入可能なエアロゾルが気化した気化可能材料と空気との混合により生成される形式でのユーザによる吸入を指す。
【0006】
気化器デバイスが気化可能材料から吸入可能なエアロゾルを生成する典型的なアプローチは、気化可能材料を気化チャンバ(またはヒータチャンバ)内で加熱して、気化可能材料を気相(または蒸気相)に変換させることを含む。気化チャンバは、一般的には、熱源(例えば、伝導性、対流性および/または放射性)により気化可能材料が加熱されて、空気と気化した気化可能材料との混合物を生成し、気化デバイスのユーザによる吸入のための蒸気を形成する、気化器デバイスにおける領域および容積を指す。
【0007】
一部の気化器デバイスの実施形態では、気化可能材料をリザーバからウィッキング要素(ウィック)を介して気化チャンバ内に引き込ませることができる。気化可能材料の気化チャンバへのこのような引き込みは、少なくとも部分的に、気化チャンバの方向にウィックに沿って気化可能材料を引っ張るウィックにより提供される毛管作用に起因し得る。しかしながら、気化可能材料がリザーバから引き出されると、リザーバ内の圧力が低下し、それにより、真空が生じ、毛管作用に逆らって作用する。これは、気化可能材料を気化チャンバ内に引き込むウィックの有効性を低下させる場合があり、それにより、ユーザが気化器デバイスをパフする場合等に、気化デバイスが所望量の気化可能材料を気化させる有効性が低下する。さらに、リザーバ内に生じた真空により、最終的に、気化可能材料の全てを気化チャンバ内に引き込むことができず、それにより、気化可能材料を浪費するおそれがある。したがって、これらの問題を改善するかまたは克服する改善された気化デバイスおよび/または気化カートリッジが所望されている。
【0008】
本主題と一致して本明細書で使用される気化器デバイスという用語は、一般的には、個人での使用に便利な携帯型の内蔵型デバイスを指す。典型的には、このようなデバイスは、気化器上の1つ以上のスイッチ、ボタン、タッチセンシティブデバイスまたは他のユーザ入力機能等により制御(一般的には、コントロールと呼ばれることもある)されるが、外部コントローラ(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、他のウェアラブル電子デバイス等)と無線通信することができる多くのデバイスを近年利用できるようになってきている。この文脈において、コントロールは、一般的には、ヒータをオンおよび/もしくはオフにすること、動作中にヒータが加熱される最低温度および/もしくは最高温度を調整すること、デバイス上でユーザがアクセスすることができる他の対話型機能ならびに/または他の動作のいずれかを含むことができるが、これらに限定されない各種の動作パラメータのうちの1つ以上に影響を及ぼす能力を指す。
【0009】
各種の内容物およびこのような内容物の一部を有する種々の気化可能材料をカートリッジに収容することができる。一部の気化可能材料は、例えば、特定の有効成分割合を必要とする調整により、例えば、気化可能材料の総体積当たり、より少ない割合の有効成分を有することができる。したがって、ユーザは、所望の効果を達成するために、(例えば、カートリッジ内に蓄えることができる気化可能材料の全体積と比較して)大量の気化可能材料を気化させる必要がある場合がある。
【0010】
概要
本主題の特定の態様では、電子気化器デバイス、特に、特定の影響を受けやすい構成要素内またはその付近の液体気化可能材料の存在を最小限に抑えるように構成されたデバイスの設計および構造に関連する課題を、本明細書に記載された特徴のうちの1つ以上を含ませることによりまたは当業者には理解されるであろうものと同等の/均等なアプローチにより対処することができる。
【0011】
一態様では、シェルと、カートリッジ受け口と、骨格とを含む気化器デバイスが提供される。カートリッジ受け口は、シースの内部に少なくとも部分的に配置されたカートリッジ界面から形成されてもよい。カートリッジ界面は、気化器カートリッジがカートリッジ受け口の内部に少なくとも部分的に配置されたときに、気化器カートリッジとの複数の電気的連結を提供するように構成されてもよい。複数の電気的連結は、気化器カートリッジの加熱要素との第1の電気的連結を含んでよい。複数の電気的連結は、気化器カートリッジのカートリッジ識別チップとの第2の電気的連結をさらに含んでよい。骨格は、カートリッジ界面と連結されてもよく、カートリッジ界面をシェルの内部に固定するように構成されてもよい。
【0012】
一部の変化形態では、以下の特徴を含む本明細書に開示された1つ以上の特徴を、場合により、任意の実行可能な組み合わせで含ませることができる。気化器デバイスは、バッテリと、気化器デバイスのコントローラを含むプリント回路基板アセンブリとをさらに含んでよい。プリント回路基板アセンブリは、バッテリとカートリッジ界面とに連結されて、第1のアセンブリを形成してもよい。第1のアセンブリは、骨格に連結されて、シェルの内部に配置された第2のアセンブリを形成してもよい。
【0013】
一部の変化形態では、第2のアセンブリは、アンテナをさらに含んでよい。
【0014】
一部の変化形態では、シェルは、第1の材料から形成されてもよい。気化器デバイスは、第1の材料よりもアンテナからの電波に対して透過性である第2の材料から形成されたエンドキャップをさらに含んでよい。エンドキャップは、カートリッジ受け口とは反対側のシェルの開放端を密封するように構成されてもよい。
【0015】
一部の変化形態では、シェルは、第2の材料からかつ/または第1の材料よりもアンテナからの電波に対して透過性である第3の材料から形成された1つ以上のインセットを含んでよい。
【0016】
一部の変化形態では、カートリッジ界面は、気化器カートリッジの加熱要素のヒータ接点のセットとの第1の電気的連結を形成するように構成された受け口接点のセットを含んでよい。
【0017】
一部の変化形態では、受け口接点のセットは、カートリッジ受け口の反対側に配置された2対の電気的接点を含んでよい。
【0018】
一部の変化形態では、カートリッジ界面は、気化器デバイスのカートリッジ識別チップにおける対応するカートリッジ識別子接点のセットとの第2の電気的連結を形成するように構成されたカートリッジ識別子接点のセットをさらに含んでよい。
【0019】
一部の変化形態では、カートリッジ識別子接点のセットは、カートリッジ受け口の一方の側に配置された3つの電気的接点の第1のセットと、カートリッジ受け口の反対側に配置された3つの電気的接点の第2のセットとを含んでよい。
【0020】
一部の変化形態では、カートリッジ識別子接点のセットは、カートリッジ識別チップにおける対応する電気的接点に対して力を加えるように予荷重が加えられた少なくとも1つの電気的接点を含んでよい。
【0021】
一部の変化形態では、シースは、少なくとも1つの電気的接点の過剰伸長を防止するように構成されてもよい。シースは、少なくとも1つの電気的接点と気化器デバイスのシェルとの間の接触を防止するようにさらに構成されてもよい。
【0022】
一部の変化形態では、カートリッジ受け口は、第1の回転方向および第2の回転方向で気化器カートリッジを受け入れるように構成されてもよい。カートリッジ界面は、気化器カートリッジが第1の回転方向または第2の回転方向に挿入されるかどうかにかかわらず、気化器カートリッジとの複数の電気的連結を提供するように構成されてもよい。
【0023】
一部の変化形態では、シースおよびシェルは、単独のユニットとして形成されてもよい。
【0024】
一部の変化形態では、シースは、接着剤、摩擦嵌めおよび/または溶接のうちの1つ以上によりシェルに連結されてもよい。
【0025】
一部の変化形態では、カートリッジ界面は、気化器カートリッジと共に、カートリッジ受け口の内部に気化器カートリッジを保持するように構成された機械的連結を形成するようにさらに構成されてもよい。
【0026】
一部の変化形態では、気化器デバイスは、気化器デバイスを充電器デバイスに連結するように構成された第1の保持機構をさらに含んでよい。第1の保持機構は、充電器デバイスにおける第2の保持機構との磁気的連結を形成するように構成されてもよい。磁気的連結は、気化器デバイスを充電器デバイスに対して1つ以上の位置および/または向きに整列させかつ維持してもよい。
【0027】
一部の変化形態では、第1の保持機構および第2の保持機構はそれぞれ、1つ以上の磁石を備えてもよい。
【0028】
一部の変化形態では、第1の保持機構および第2の保持機構のうちの一方は、1つ以上の磁石を含んでよい。第1の保持機構および第2の保持機構のうちの他方は、鉄金属の1つ以上のブロックを含んでよい。
【0029】
一部の変化形態では、骨格は、カートリッジ界面と連結された骨格をシェルの内部に固定するための1つ以上の戻り止めを含んでよい。
【0030】
一部の変化形態では、カートリッジ受け口は、気化器カートリッジのウィッキング要素を収容するウィックハウジングの少なくとも一部を受け入れるように構成されてもよい。第1の電気的連結は、ウィックハウジングの外側に少なくとも部分的に配置された加熱要素の接点部分に少なくとも接触することにより形成されてもよく、一方、加熱要素の加熱部分は、ウィックハウジングの内部に少なくとも部分的に配置されている。
【0031】
本明細書に記載された主題の1つ以上の変化形態の詳細は、添付の図面および以下の説明で説明される。本明細書に記載された主題の他の特徴および利点は、この説明および図面ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
【0032】
本明細書に組み込まれてその一部分を成している添付の図面は、本明細書で開示された主題の特定の態様を示しており、その説明と併せて、開示される実現形態に関連するいくつかの原理を説明するのに役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本主題の実現形態と一致した気化器デバイスの例を示すブロック図である。
図2A】本主題の実現形態と一致した蓄えチャンバおよびオーバフロー容積を有する気化器カートリッジの例の平断面図(planar cross-sectional view)である。
図2B】本主題の実現形態と一致した蓄えチャンバおよびオーバフロー容積を有する気化器カートリッジの例の平断面図である。
図2C】本主題の実現形態と一致した蓄えチャンバおよびオーバフロー容積を有する気化器カートリッジの例の平断面図である。
図2D】本主題の実現形態と一致した蓄えチャンバおよびオーバフロー容積を有する気化器カートリッジの例の平断面図である。
図2E】本主題の実現形態と一致した蓄えチャンバおよびオーバフロー容積を有する気化器カートリッジの例の平断面図である。
図2F】本主題の実現形態と一致した微小流体機構の例を有するコレクタの平断面図である。
図2G】本主題の実現形態と一致した気化器カートリッジの例の分解図である。
図3A】本主題の実現形態と一致した一例のコネクタを有する気化器カートリッジの斜視図である。
図3B】本主題の実現形態と一致した別の一例のコネクタを有する気化器カートリッジの斜視図である。
図3C】本主題の実現形態と一致した一例のコネクタを有する気化器カートリッジの平断面図である。
図3D】本主題の実現形態と一致した別の一例のコネクタを有する気化器カートリッジの平断面図である。
図4】本主題の実現形態と一致した気化器本体110の例の分解図である。
図5A】本主題の実現形態と一致したポッド識別子接点の例を示す図である。
図5B】本主題の実現形態と一致したポッド識別子接点の別の一例を示す図である。
図5C】本主題の実現形態と一致したポッド識別子接点の別の一例を示す図である。
図5D】本主題の実現形態と一致した気化器本体のカートリッジ受け口の例の斜視図である。
図5E】本主題の実現形態と一致した気化器本体のカートリッジ受け口の例の斜視図である。
図6A】本主題の実現形態と一致したカートリッジ受け口内に配置された気化器カートリッジの例の側切断図である。
図6B】本主題の実現形態と一致したカートリッジ受け口内に配置された気化器カートリッジの例の別の側切断図である。
図7A】本主題の実現形態と一致した気化器本体シェルの例の斜視図である。
図7B】本主題の実現形態と一致した気化器本体シェルの例の断面図である。
図8A】本主題の実現形態と一致した保持機構の例を示す図である。
図8B】本主題の実現形態と一致した保持機構の別の一例を示す図である。
図8C】本主題の実現形態と一致した保持機構の別の一例を示す図である。
図8D】本主題の実現形態と一致した気化器デバイスの面充電を可能にするように構成された保持機構の種々の例を示す図である。
図8E】本主題の実現形態と一致した気化器デバイスの側面充電を可能にするように構成された保持機構の種々の例を示す図である。
図8F】本主題の実現形態と一致した磁石-磁石保持機構の種々の例を示す図である。
図8G】本主題の実現形態と一致した磁石-金属保持機構の種々の例を示す図である。
図9A】本主題の実現形態と一致した気化器本体を組み立てるための方法の例を示すフローチャートである。
図9B】本主題の実現形態と一致した気化器本体を組み立てるための方法の別の一例を示すフローチャートである。
図9C】本主題の実現形態と一致した気化器本体を組み立てるための方法の別の一例を示すフローチャートである。
図9D】本主題の実現形態と一致した気化器本体を組み立てるための方法の別の一例を示すフローチャートである。
図9E】本主題の実現形態と一致した気化器本体を組み立てるための方法の別の一例を示すフローチャートである。
図9F】本主題の実現形態と一致した気化器本体を組み立てるための方法の別の一例を示すフローチャートである。
【0034】
実施する場合、同様の参照符号は、同様の構造、特徴または要素を示す。
【0035】
詳細な説明
本主題の実現形態は、ユーザによる吸入のための1種以上の気化可能材料の気化に関するデバイスを含む。本主題の実現形態と一致した気化器デバイスの例は、電子気化器、電子タバコ、eタバコ等を含む。気化器と共に使用される気化可能材料は、場合により、カートリッジ(例えば、リザーバまたは他の容器に気化可能材料を収容し、かつ空になると補充可能であってもよく、または同じもしくは異なる種類の追加的な気化可能材料を収容する新たなカートリッジのために使い捨て可能である気化器の一部)内に提供することができる。気化器デバイスは、カートリッジを使用する気化器デバイス、カートリッジなしの気化器デバイス、またはカートリッジの有無にかかわらず使用可能な多用途気化器デバイスであり得る。例えば、多用途気化器は、気化可能材料を直接加熱チャンバ内に受容し、可用量の気化可能材料を少なくとも部分的に収容するための容積であるリザーバ等を有するカートリッジ、または他の交換可能なデバイスを受容するようにも構成された加熱チャンバ(例えば、オーブン)を含むことができる。
【0036】
種々の実現形態では、気化器デバイスは、液状の気化可能材料(例えば、有効成分および/もしくは不活性成分が溶液中に懸濁されもしくは保持されている担体溶液または気化可能材料自体の正味の液状形態)または固体状の気化可能材料と共に使用するように構成されてもよい。固体状の気化可能材料は、(例えば、植物材料の一部が、気化可能材料がユーザによる吸入のために放出された後に廃棄物として残るように)植物材料の一部を気化可能材料として放出する植物材料を含むことができ、または場合により、固体状の材料の全てが最終的に吸入のために気化され得るように、気化可能材料自体の固体形態(例えば、「ワックス」)であってもよい。液状の気化可能材料は、同様に完全に気化させることが可能であり、または、吸入に適した材料を全て消費した後に残る液状の材料の一部を含むことができる。
【0037】
本主題の実現態様は、液状の気化可能材料が気化器カートリッジおよび/または気化器デバイスの他の部分から漏れるのを防止するために、種々の機構を有する気化器カートリッジと連結するように構成された気化器デバイスを含むことができる。本明細書に記載された気化器デバイスの種々の例の設計および構造は、例えば、気化器デバイスの本体が気化器カートリッジと連結される場合に、最適な性能を達成するための1つ以上の機構を含むことができる。さらに、本明細書に記載された気化器デバイスの種々の例の設計および構造は、製造の効率および一貫性を改善するための1つ以上の機構を含むことができる。
【0038】
図1に、本主題の実現形態と一致した気化器デバイス100の例を示すブロック図を示す。図1を参照して、気化器デバイス100は、電源112(例えば、再充電不可能な一次電池、再充電可能な二次電池、燃料電池等)と、コントローラ104(例えば、ロジックを実行可能なプロセッサ、回路機構等)とを含むことができる。コントローラ104は、リザーバ140に含まれる気化可能材料1302の少なくとも一部を凝縮形態(例えば、固体、液体、溶液、懸濁液、少なくとも部分的に未処理の植物材料の一部等)から気相に変換させるためのアトマイザ141への熱の供給を制御するように構成されてもよい。例えば、コントローラ104は、電源112からアトマイザ141への電流の放電を少なくとも制御することにより、アトマイザ141への熱の供給を制御することができる。コントローラ104は、本主題の特定の実現形態と一致した1つ以上のプリント回路基板(PCB)の一部であってもよい。
【0039】
気化可能材料1302の気相への変換の後、かつ、気化器のタイプ、気化可能材料1302の物理的および化学的特性、ならびに/または他の要因に応じて、気相気化可能材料1302の少なくとも一部は、気相との少なくとも部分的な局所平衡状態においてエアロゾルの一部として粒子状物質を形成するように凝縮し得る。凝縮相中の気化可能材料1302(例えば、粒子状物質)は、気相中の気化可能材料1320と少なくとも部分的に局所平衡状態にあり、気化器デバイス100での所定のパフまたは引き込みのために、気化器デバイス100により提供される吸入可能用量の一部または全部を形成することができる。例えば、周囲温度、相対湿度、化学物質、(気化器内およびヒトまたは他の動物の気道内の両方において)空気流経路中の流動条件、気相またはエアロゾル相の気化可能材料1302と他の空気流との混合等、の要因がエアロゾルの1つ以上の物理的パラメータに影響を及ぼす場合があるため、気化器デバイス100により生成されたエアロゾル中の気相中と凝縮相中との間の気化可能材料1302の相互作用は複雑かつ動的である場合があることを理解されたい。気化可能材料1302が揮発性である場合の例では、吸入可能な用量は、主に気相中に存在し得る(すなわち、凝縮相粒子の形成は、非常に限られている場合がある)。
【0040】
気化器デバイス100を液状の気化可能材料1302(例えば、正味の液体、懸濁液、溶液、混合物等)と共に使用できるようにするために、アトマイザ141は、加熱要素1350および毛管圧力により流体運動を発生させることができる1つ以上の材料から形成されたウィッキング要素1362(本明細書において、ウィックとも呼ばれる)を含むことができる。ウィッキング要素1362は、加熱要素1350を含むアトマイザ141の一部に、一定量の液状の気化可能材料1302を運ぶことができる。ウィッキング要素1362は、一般的には、液状の気化可能材料1302を収容するリザーバ140から液状の気化可能材料1302を引き出すように構成されている。それにより、液状の気化可能材料1302は、加熱要素1350から生じた熱により気化され得る。空気は、リザーバ140に入って、例えば、ウィッキング要素1362によりリザーバ140から引き出された液状の気化可能材料1302の容積を置き換えることを可能にし得る。すなわち、毛管作用は、加熱要素1350から生じた熱による気化のために液状の気化可能材料1302をウィッキング要素1362内に引き込む場合があり、そして、本主題の一部の実現形態において、空気は、リザーバ140に戻ってリザーバ140内の圧力を少なくとも部分的に等しくする。空気をリザーバ140内に戻して圧力を等しくする種々のアプローチが、以下により詳細に検討されるように、本主題の範囲内にある。
【0041】
加熱要素1350は、導電性ヒータ、放射ヒータおよび対流ヒータのうちの1つ以上であってもよく、それを含んでもよい。加熱要素1350の一例は、抵抗加熱要素であり、この抵抗加熱要素は、電流が加熱要素1350の1つ以上の抵抗セグメントを通過するときに、熱の形で電力を消散するように構成された材料(例えば、金属もしくは合金、例えば、ニッケル-クロム合金または非金属抵抗器)で構成されるか、少なくともこれらを含み得る。本主題の一部の実現形態では、加熱要素1350は、例えば、ウィッキング要素1362の周囲に少なくとも部分的に巻き付けられる、ウィッキング要素1362内に少なくとも部分的に配置される、ウィッキング要素1362のバルク形状と少なくとも部分的に一体化される、かつ/または、ウィッキング要素1362と少なくとも部分的に熱接触して配置されることにより、ウィッキング要素1362に熱を伝えるように構成されてもよい。ウィッキング要素1362に伝えられた熱は、リザーバ140からウィッキング要素1362内に引き込まれた液状の気化可能材料1302の少なくとも一部が、ユーザによるその後の吸入のために気相および/または凝縮(例えば、エアロゾル粒子または液滴)相で気化する原因となる。以下でさらに検討されるように、ウィッキング要素1362および加熱要素1350は、アトマイザ141を形成するために、種々の様式で構成されてもよい。
【0042】
代替的にかつ/または付加的に、気化器デバイス100は、非液状の気化可能材料1302を加熱して、吸入可能用量の気相および/またはエアロゾル相の気化可能材料1302を生成するように構成されてもよい。非液状の気化可能材料1302の例は、固相の気化可能材料(例えば、ワックス等)または植物材料(例えば、タバコ葉および/またはタバコ葉の一部)を含む。したがって、加熱要素1350は、非液状の気化可能材料1302が配置される加熱チャンバ(例えば、オーブン等)の壁の一部であってもよく、または、この壁と何等かの方法で一体化されてもよく、あるいは、この壁と熱的に接触してもよい。代替的には、加熱要素1350を使用して、非液状の気化可能材料1302を通過しているまたは通過した空気を加熱して、非液状の気化可能材料1302を対流加熱させることができる。さらに他の例では、非液状の気化可能材料1302の直接伝導加熱が非液状の気化可能材料1302の塊内から(例えば、加熱チャンバの壁から内側に伝導するのとは対照的に)起こるように、加熱要素1350は、非液状の気化可能材料1302と密接に接触させて配置された抵抗加熱要素であってもよい。
【0043】
気化可能材料1302を気化させるために、気化器デバイス100は、加熱要素1350に電源112(例えば、電池等)からの電力を伝えることができる。加熱要素1350への電力の伝達は、コントローラ104により制御することができる。例えば、電力は、電源112から加熱要素1350を含む回路を通して加熱要素1350に電流を放電することにより伝えることができる。コントローラ104は、気化器デバイス100のマウスピース1330でのユーザパフ(例えば、引き込み、吸入等)に応じて、例えば、電源112が電力を加熱要素1350に伝える(電流を放電する)ことにより、加熱要素1350を起動させることができる。気化器デバイス100のマウスピースでのユーザパフは、空気が空気入口から、加熱要素1350およびウィッキング要素1362を含むアトマイザ141を通過して空気流経路に沿って、オプションとして1つ以上の凝縮領域またはチャンバを通って、マウスピース1330の空気出口まで流れる原因となる。空気流経路に沿って通過する流入空気は、アトマイザ141上またはアトマイザ141を通って流通する場合があり、そこで、気相の気化可能材料1302が空気中に取り込まれてもよい。上述したように、取り込まれた気相の気化可能材料1302は、空気流経路の残りの部分を通過する際に凝縮し、エアロゾル形態にある吸入可能な用量の気化可能材料1302が、ユーザによる吸入のためのマウスピース1330に配置された空気出口から送られ得る。
【0044】
加熱要素1350は、気化器デバイス100のマウスピース1330でのユーザパフ(すなわち、引き込み、吸入等)に応じて起動され得る。その結果、空気入口から、ウィッキング要素1362および加熱要素1350を含むアトマイザ141を通過する空気流経路に沿って空気が流れ得る。場合により、空気は、空気入口から1つ以上の凝縮領域またはチャンバを通って、マウスピース1330内の空気出口に流れることができる。空気流経路に沿って移動する流入空気は、アトマイザ141上またはアトマイザ141を通って流通し、そこで気相中の気化可能材料1302が空気中に取り込まれる。加熱要素1350は、本明細書で検討されたようにオプションとして気化器本体110の一部であり得るコントローラ104を介して起動され得、これにより、電流が、電源112から加熱要素1350を含む回路を通って流れ得る。気化器カートリッジ1320の一部として示されているが、加熱要素1350を含むアトマイザ141の少なくとも一部は、気化器本体110内に配置し得ることも理解されたい。本明細書に記載されたように、気相中の取り込まれた気化可能材料1302は、エアロゾル形態にある気化可能材料1302の吸入可能な用量がユーザによる吸入のために空気出口(例えば、マウスピース1330)から送られ得るように、空気流経路の残りの部分を通過する際に凝縮し得る。
【0045】
加熱要素1350は、センサ113から受信した1つ以上の信号に基づいて、コントローラがパフの発生(または迫った発生)を検出したことに応じて、コントローラ104により起動させることができる。センサ113は、空気流経路に沿った圧力および/または周囲圧力を検出するように構成された圧力センサ、気化器デバイス100の動きを検出するように構成された運動センサ(例えば加速度計)、流量センサ、ユーザと気化器デバイス100との間の相互作用を検出するように構成された容量センサ等のうちの1つ以上を含むことができる。代替的にかつ/または付加的に、1つ以上の入力デバイス116(例えば、気化器デバイス100のボタンまたは他の触覚制御デバイス)、気化器デバイス100と通信するコンピュータデバイスからの1つ以上の信号、かつ/またはこれらに類するものとのユーザ対話に基づいて、パフの発生および/またはパフの迫った発生を検出することができる。
【0046】
本主題の一部の実現形態では、気化器デバイス100は、気化器と通信するコンピュータデバイス(または場合により、2つ以上のデバイス)に(例えば、無線でまたは有線接続を介して)接続するように構成されてもよい。この目的を達成するために、コントローラ104は、通信ハードウェア105を含むことができる。また、コントローラ104は、メモリ108を含むことができる。コンピュータデバイスは、気化器デバイス100も含む気化器システムのコンポーネントであってもよく、気化器デバイス100の通信ハードウェア105との無線通信チャネルを確立することができるそれ自体の通信ハードウェアを含むことができる。例えば、気化器システムの一部として使用されるコンピュータデバイスは、ソフトウェアを実行して、デバイスのユーザが気化器と対話することを可能にするためのユーザインタフェースを生成する汎用コンピュータデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、一部の他のポータブルデバイス、例えば、スマートウォッチ等)を含むことができる。本主題の他の実現形態では、気化器システムの一部として使用されるこのようなデバイスは、1つ以上の物理的またはソフト的(例えば、スクリーンまたは他のディスプレイデバイス上で構成可能であり、タッチ感知スクリーンまたはマウス、ポインタ、トラックボール、カーソルボタン等の一部の他の入力デバイスとのユーザ対話を介して選択可能である)インタフェースコントロールを有する、リモートコントロールまたは他の無線もしくは有線デバイス等の専用のハードウェアピースであってもよい。また、図1に示されたように、気化器デバイス100は、ユーザに情報を提供するための1つ以上の出力117の機構またはデバイスも含むことができる。
【0047】
コンピュータデバイスが、加熱要素1350の起動に関連する信号を提供する例または種々の制御または他の機能を実現するためにコンピュータデバイスを気化器デバイス100と連結する他の例では、コンピュータデバイスは、1つ以上のコンピュータ命令セットを実行して、ユーザインタフェースおよび基礎となるデータ処理を提供することができる。一例では、コンピュータデバイスが1つ以上のユーザインタフェース要素とのユーザ対話を検出することで、コンピュータデバイスが気化器デバイス100に信号を送り、加熱要素1350が蒸気/エアロゾルの吸入可能な用量を生成するための全動作温度のいずれかへと作動する原因となる。気化器の他の機能は、ユーザと、気化器デバイス100と通信するコンピュータデバイス上のユーザインタフェースとの対話により制御することができる。
【0048】
気化器デバイスの加熱要素1350の温度は、電源112の出力電圧、電力が提供されるデューティサイクル、電子気化器の他の部品および/または環境への熱伝導、ウィッキング要素1362および/またはアトマイザ141全体からの気化可能材料1302の気化による潜熱損失ならびに空気流(例えば、ユーザが電子気化器で吸入する際に、加熱要素1350またはアトマイザ141全体を横切って移動する空気)による対流熱損失を含む多くの要因により決まる場合がある。上述したように、加熱要素1350を確実に起動させ、または、加熱要素1350を所望の温度まで加熱するために、コントローラ104は、空気流経路における圧力、大気圧等を示す1つ以上のセンサ113からの信号を利用することができる。空気流経路における圧力を決定するために、1つ以上のセンサ113は、空気流経路に沿って/空気流経路内に配置された少なくとも1つの圧力センサを含むことができる。代替的にかつ/または付加的に、少なくとも1つの圧力センサは、(例えば、通路または他の経路により)空気が気化器デバイス100に入るための入口と、ユーザが生じた蒸気および/またはエアロゾルを吸入する出口とを接続する空気流経路に接続することもできる。その結果、圧力センサは、空気が気化器デバイス100を空気入口から空気出口まで通過するのと同時に変化する圧力を検出することができる。本主題の一部の実現形態では、コントローラ104は、空気流経路における圧力変化および/または空気流経路内の圧力と大気圧との間の閾値差より大きい圧力変化を示す圧力センサからの1つ以上の信号に応じて加熱要素1350を起動させることができる。
【0049】
典型的には、センサ113(例えば、圧力センサ、運動センサ、静電容量センサ等)は、コントローラ104(例えば、プリント回路基板アセンブリまたは他のタイプの回路基板)上に配置または連結されてもよい(例えば、物理的にまたは無線接続を介したいずれかで、電気的または電子的に接続される)。気化器デバイス100の正確な測定を行い、耐久性を維持するために、弾性シール150により空気流経路を気化器デバイス100の他の部品から分離する場合がある。ガスケットであり得るシール150は、気化器デバイス100の内部回路への圧力センサの接続部が空気流経路に曝される圧力センサの一部から分離されるように、圧力センサを少なくとも部分的に囲むように構成されてもよい。気化器デバイス100が、気化器カートリッジ1320に連結されるように構成された例において、シール150により、気化器本体110と気化器カートリッジ1320との間の1つ以上の電気的接続の一部を、気化器本体110の1つ以上の他の部分から分離することもできる。気化器デバイス100内のシール150のこのような配置は、環境要因、例えば、蒸気相または液相中の水、気化可能材料1302等の他の流体等との相互作用により生じる気化器コンポーネントへの潜在的に破壊的な影響を軽減し、かつ/または、気化器デバイス100内の設計された空気流経路からの空気の漏れを低減するのに役立ち得る。気化器デバイス100の回路への望ましくない空気、液体、または他の流体の通過および/または接触によって、種々の望ましくない影響、例えば、圧力読み取り値の変化が引き起こされ得、かつ/または、気化器の部品内に水分や気化可能材料1302等の望ましくない材料が蓄積する結果になり得る。この場合、それらにより、圧力信号が不十分になり、圧力センサもしくは他のコンポーネントが劣化し、かつ/または、気化器デバイス100の寿命が短くなるおそれがある。また、シール150における漏れにより、吸入には望ましくないであろう材料が含有したり、または、この材料で構築された気化器デバイス100の部分を通過した空気をユーザが吸入したりするおそれもある。
【0050】
気化器デバイス100は、記載されたように、例えば、気化器カートリッジ1320と連結するように構成されたカートリッジ系気化器であってもよい。したがって、図1は、コントローラ104、電源112(例えば、バッテリ)、1つ以上のセンサ113、1つ以上の充電接点124およびシール150に加えて、1つ以上の各種の取付け構造を介して気化器本体110と連結させるための気化器カートリッジ1320の少なくとも一部を受容するように構成されたカートリッジ受け口118を含むものとして気化器デバイス100の気化器本体110を示している。記載されたように、気化器カートリッジ1320は、気化可能材料1302を収容するためのリザーバ140と、吸入可能な用量をユーザに送るためのマウスピース1330とを含むことができる。例えば、ウィッキング要素1362および加熱要素1350を含むアトマイザ141は、気化器カートリッジ1320内に少なくとも部分的に配置され得る。場合により、加熱要素1350および/またはウィッキング要素1362は、気化器カートリッジ1320が気化器本体110に完全に接続されたときにカートリッジ受け口118を取り囲む壁が加熱要素1350および/またはウィッキング要素1362の全部または少なくとも一部を囲むように、気化器カートリッジ1320内に配置され得る。
【0051】
本主題の一部の実現形態では、気化器本体110のカートリッジ受け口118に挿入される気化器カートリッジ1320の部分は、気化器カートリッジ1320の別の部分の内部に配置され得る。例えば、気化器カートリッジ1320の挿入可能部分は、例えば、気化器カートリッジ1320の筐体および/または外部シェル等の一部の他の部分により少なくとも部分的に囲まれてもよい。
【0052】
代替的には、アトマイザ141の少なくとも一部(例えば、ウィッキング要素1362および加熱要素1350の一方または両方)を、気化器デバイス100の気化器本体110内に配置することができる。アトマイザ141の一部(例えば、加熱要素1350および/またはウィッキング要素1362)が気化器本体110の一部である実現形態では、気化器デバイス100は、気化器カートリッジ1320内のリザーバ140から気化器本体110に含まれるアトマイザ141の部分に少なくとも気化器材料1302を送るように構成されてもよい。
【0053】
上記に言及されたように、リザーバ140から気化可能材料1302を(例えば、ウィッキング要素1362による毛管引出しにより)取り出すことにより、リザーバ140内の周囲空気圧に対して少なくとも部分的な真空(例えば、気化可能材料1302の消費により空になったリザーバ140の一部に生じた減圧)が生じる場合がある。このような真空は、ウィッキング要素1362により提供される毛管作用を妨げる場合がある。この減圧は、一部の例では、液状の気化可能材料1302を引き出すためのウィッキング要素1362の有効性が低下するのに十分な大きさである場合があり、それにより、例えば、ユーザが気化器デバイス100でパフを行うときに、所望の量の気化可能材料1302を気化させるための気化器デバイス100の有効性が低下する。極端な場合には、リザーバ140内に真空が生じると、リザーバ140から気化可能材料1302の全てを引き出すことができなくなり、それにより、気化可能材料1302の使用が不完全になりかつ廃棄物が出る場合がある。真空の形成を防止するために、リザーバ140は、(気化器カートリッジ1320内または気化器デバイス100内の他の場所のリザーバ140の配置に関係なく)1つ以上の通気機構を含ませることができる。これにより、リザーバ140内の圧力を周囲圧力(例えば、リザーバ140の外側の周囲空気の圧力)と少なくとも部分的に等しくする(場合により、完全に等しくする)ことが可能となり、この問題が軽減される。
【0054】
場合によっては、液状の気化可能材料をアトマイザ141に送る効率は、リザーバ140内の圧力均等化を可能にすることにより改善されるが、リザーバ140内のさもなければ空になった空隙容積(例えば、液状の気化可能材料1302の使用により空になった空間)に空気を充填させることにより、そうすることができる。以下でさらに詳細に検討されるように、この空気で満たされた空隙容積は、その後、周囲空気に対して圧力変化を受ける場合がある。この圧力変化により、特定の条件下では、気化可能材料1302の漏出が、リザーバ140から、最終的には、気化器カートリッジ1320および/またはリザーバ140を含む気化器デバイス100の他の部分から生じるおそれがある。例えば、気化器カートリッジ1320内の圧力がリザーバ140内の気化可能材料1302の少なくとも一部を動かすのに十分に高い負圧事象は、種々の環境要因、例えば、カートリッジ(例えば、リザーバ140)の周囲温度、高度、体積の変化等がトリガとなる場合がある。本主題の実現形態は、気化可能材料1302の漏出を最小限に抑え、かつ/または、排除することができる一方で、リザーバ140内での真空(または部分的な真空)の形成を防止するための1つ以上のメカニズムを依然として提供することができる。
【0055】
図2A図2Cに、本主題の実現形態と一致した気化器カートリッジ1320の例の平断面図を示す。図2A図2Cに示されたように、気化器カートリッジ1320は、マウスピース1330と、気化可能材料1302を収容するリザーバ140と、アトマイザとを含むことができる。アトマイザ141は、記載されたように、ウィッキング要素1362内に引き込まれまたはウィッキング要素1362に蓄えられる気化可能材料1302を気化させる目的でウィッキング要素1362が加熱要素1350に熱的にまたは熱力学的に連結されるように、加熱要素1350およびウィッキング要素1362を実現形態に応じて共にまたは別個に含むことができる。
【0056】
図2Gに、本主題の実現形態と一致した気化器カートリッジ1320の例の分解図を示す。図2Gに示されたように、気化器カートリッジ1320は、ウィックハウジング1315をさらに含むことができる。ウィッキング要素1362および加熱要素1350は、ウィックハウジング1315の内部に少なくとも部分的に配置されてもよい。例えば、ウィッキング要素1362と接触し得る加熱要素1350の加熱部分は、ウィックハウジング1315の内部に少なくとも部分的に配置されてもよく、一方、(1つ以上の接点1326を含む)加熱要素の接点部分は、ウィックハウジング1315の外側に少なくとも部分的に延在し得る。識別チップ174は、ウィックハウジング1315の外壁に連結されてもよい。さらに、気化器カートリッジ1320のハウジング1323は、ウィッキング要素1362と加熱要素1350と識別チップ174とを含むウィックハウジング1315とともにコレクタ1313を含むアセンブリの上に配置されてもよい。例えば、コレクタ1313に連結されたハウジング1323は、気化可能材料1302が蓄えチャンバ1342および/またはオーバフローチャネル1104内に収容されるリザーバ140の少なくとも一部を形成することができる。気化器カートリッジ1320のハウジング1323は、ウィックハウジング1315の外壁とハウジング1323の内壁との間の空間を形成するために、ウィックハウジング1315の開いた頂部の下に延在してもよい。気化器カートリッジ1320が気化器本体110と連結されると、カートリッジ受け口118の壁が、ウィックハウジング1315の外壁とハウジング1323の内壁との間に形成される空間内に少なくとも部分的に配置されてもよい。
【0057】
気化器カートリッジ1320は、加熱要素1350と電源(例えば、図1に示された電源112)との間の電気的接続を提供するように構成された1つ以上の接点1326を含むことができる。例えば、本主題の一部の実現形態では、1つ以上の接点1326が気化器本体110内の受け口接点125と電気的に接触し得るように、1つ以上の接点1326が折り畳まれた加熱要素1350の一部から形成されてもよい。また、1つ以上の接点1326は、カートリッジ受け口118との機械的連結を形成するように構成されてもよい。リザーバ140の側部を通ってまたは同側部上に画定される空気流通路1338は、気化器カートリッジ1320内のある領域に接続してもよい。この領域は、マウスピース1330内のオリフィス220へのウィッキング要素1362(例えば、ウィックハウジング1315等)を収容して、気化された気化可能材料1302が加熱要素1350領域からそしてマウスピース1330内のオリフィス220の外へ流通するための経路を提供する。
【0058】
上記提供されたように、1つ以上の接点1326を有するか、かつ/または、それに連結される加熱要素1350(例えば、抵抗加熱要素またはコイル)にウィッキング要素1362を連結させることができる。加熱要素1350は、例えば、加熱要素1350がウィッキング要素1362と接触する加熱部分および1つ以上の接点1326を含む接点部分を含むように成形された基板材料から形成される1つ以上の形状および/または構成を含む種々の形状および/または構成を有する場合があることを理解されたい。
【0059】
本主題の一部の実現形態では、ウィッキング要素1362の少なくとも一部の周りに圧着されるか、ウィッキング要素1362を受容するように構成された加熱部分を提供するように曲げられた基板材料のシートから気化器カートリッジ1320の加熱要素1350を形成してもよい。例えば、ウィッキング要素1362は、加熱要素1350内に押し込まれてもよい。代替的にかつ/または付加的に、加熱要素1350、例えば、加熱要素1350の加熱部分は、張力をかけて保持され、ウィッキング要素1362上に引っ張られてもよい。
【0060】
加熱要素1350が加熱要素1350の少なくとも2つまたは3つの部分の間でウィッキング要素1362を固定するように加熱要素1350を曲げることができる。さらに、ウィッキング要素1362の少なくとも一部の形状に一致するように加熱要素1350を曲げることができる。加熱要素1350の構成は、より一貫性があり、向上した品質で加熱要素1350を製造することを可能にし得る。加熱要素1350の製造品質の一貫性は、スケーリングされたかつ/または自動化された製造プロセス中に特に重要であり得る。例えば、1つ以上の実現形態に係る加熱要素1350は、複数のコンポーネントを有する加熱要素1350を組み立てる際に製造プロセス中に生じるおそれがある公差の問題を低減するのに役立つ場合がある。
【0061】
さらに、圧着された金属で形成された加熱要素に関して含まれる実施形態に関して以下でさらに検討されるように、加熱要素1350の加熱性能を向上させるために、加熱要素1350を1つ以上の材料で全体的にかつ/または選択的にめっきすることができる。例えば、1つ以上の接点1326を含む加熱要素1350の接点部分の少なくとも一部を含む加熱要素1350の全部または一部をめっきすることは、熱損失を最小限に抑えるのに役立つ場合がある。また、めっきは、加熱要素1350の少なくとも一部に熱を集中させ、それにより、熱損失を低減することを含んで、加熱要素1350を加熱する効率を向上させるのに役立つ場合がある。加熱要素1350の全ての部分ではなく一部を選択的にめっきすることは、加熱要素1350に提供される電流を適切な位置、例えば、1つ以上の接点1326を含む加熱要素1350の接点部分に導くのに役立つ場合がある。また、選択的なめっきは、めっき材料の量および/または加熱要素1350の製造に関連するコストを低減するのにも役立つ場合がある。
【0062】
上述したように、加熱要素1350は、本主題の一部の実現形態では、ウィッキング要素1362が加熱要素1350(例えば、加熱要素1350の加熱部分)の内部に少なくとも部分的に配置されるように、ウィッキング要素1362の少なくとも一部を受容するように構成されてもよい。例えば、ウィッキング要素1362は、接点1326の近くまたは隣に延在し、プレート1326と接触する加熱要素1350の加熱部分を通って延在してもよい。ウィックハウジング1315は、加熱要素1350の少なくとも一部を囲み、加熱要素1350を直接または間接的に空気流通路1338に接続することができる。気化可能材料1302を、リザーバ140に接続された1つ以上の通路を通して、ウィッキング要素1362により引き込むことができる。例えば、図2Cに示されたように、リザーバ140は、気化可能材料1302が少なくとも第1の開口部210aを通ってウィッキング要素1362により引き込まれ得るように、ウィッキング要素1362と流体連通する第1の開口部210aを含むことができる。一実施形態では、一次通路1382またはオーバフローチャネル1104の一方または両方を利用して、気化可能材料1302をウィッキング要素1362の1つ以上の部分に(例えば、ウィッキング要素1362の一方もしくは両方の端部に、ウィッキング要素1362の長さに沿って放射状に、等)給送するかまたは送るのに役立てることができる。さらに、本主題の一部の実現形態では、ウィックハウジング1315の内面は、気化可能材料1302をウィッキング要素1362の1つ以上の部分に発送かつ/または配送するように構成された1つ以上の流体機構を含むことができる。
【0063】
以下でさらに詳細に、特に、図2A図2Bを参照して提供されるように、コレクタ1313と呼ばれる組み込まれた構造によって、気化器カートリッジ1320のリザーバ140に出入りする空気および気化可能材料1302の交換を有利に制御することができる。コレクタ1313を含ませることにより、気化器カートリッジ1320に含まれる液状の気化可能材料の総体積(気化器カートリッジ1320自体の容積に相当し得る)に対する、最終的に吸入可能なエアロゾルに変換される液状の気化可能材料の体積として定義される気化器カートリッジ1320の体積効率を改善することもできる。
【0064】
一部の実現形態によれば、気化器カートリッジ1320は、液状の気化可能材料1302を収容するように構成された少なくとも1つの壁(場合により、カートリッジの外部シェルと共有される壁であってもよい)によって少なくとも部分的に画定されるリザーバ140を含むことができる。リザーバ140は、蓄えチャンバ1342およびオーバフロー容積1344を含むことができる。オーバフロー容積1344は、コレクタ1313を含むことができ、または、何等かの方法で収容することができる。蓄えチャンバ1342は、気化可能材料1302を収容することができる。オーバフロー容積1344は、1つ以上の要因によってリザーバの蓄えチャンバ1342内の気化可能材料1302をオーバフロー容積1344内に移動させるときに、気化可能材料1302の少なくとも一部を収集しかつ/または保持するように構成されてもよい。本主題の一部の実現形態では、コレクタ1313内の空隙が気化可能材料1302で事前に充填されるように、最初に気化器カートリッジ1320を気化可能材料1302で充填しておくことができる。
【0065】
本主題の一部の実現形態では、蓄えチャンバ1342内の内容物の容積がリザーバ140が周囲圧力に対して受ける可能性がある圧力の最大予想変化により膨張するときに、オーバフロー容積1344の容積サイズは、蓄えチャンバ1342内に収容される内容物(例えば、気化可能材料1302および空気)の容積の増加量に等しく、ほぼ等しく、またはそれより大きくなるように構成されてもよい。
【0066】
周囲圧力、温度および/または他の要因の変化に応じて、気化器カートリッジ1320は、第1の圧力状態から第2の圧力状態への変化(例えば、リザーバ140の内部と周囲圧力との間の第1の相対圧力差およびリザーバ140の内部と周囲圧力との間の第2の相対圧力差)を受け得る。例えば、第1の圧力状態では、リザーバ140内の圧力がリザーバ140の外部の周囲圧力より小さくてもよい。対照的に、第2の圧力状態では、リザーバ140内の圧力が周囲圧力を超えてもよい。気化器カートリッジ1320が平衡状態にある場合、リザーバ140内の圧力がリザーバ140の外部の周囲圧力と実質的に等しくてもよい。
【0067】
一部の態様では、オーバフロー容積1344は、カートリッジ1320の外部にエアベント1318を有することができ、リザーバの蓄えチャンバ1342と連通してもよい。その結果、オーバフロー容積1344は、リザーバ140内の圧力の均等化を提供するための通気チャネルとして機能し、オーバフロー容積1344に入る気化可能材料1302を(例えば、蓄えチャンバ1342と周囲圧力との間の圧力差の変動に応じて、蓄えチャンバ1342から)収集し、かつ、少なくとも一時的に保持することができ、かつ/または、場合により、オーバフロー容積1344内に収集された気化可能材料1302の少なくとも一部を可逆的に戻すことができる。
【0068】
本明細書で使用する場合、「圧力差」は、気化器カートリッジ1320の内部の圧力と、気化器カートリッジ1320の外部の周囲圧力との間の差を指す場合がある。蒸気相またはエアロゾル相に変換するために、蓄えチャンバ1342からアトマイザ141(例えば、ウィッキング要素1362および加熱要素1350)に気化可能材料1302を引き出すことにより、蓄えチャンバ1342内に残っている気化可能材料1302の体積を減少させることができる。空気を蓄えチャンバ1342内に戻す(例えば、気化器カートリッジ1320内の圧力を上昇させて、周囲圧力と実質的な平衡を達成する)ための機構がない場合、低圧または真空も気化器カートリッジ1320内に発生する場合がある。低圧または真空は、追加量の気化可能材料1302を加熱要素1350に引き込むためのウィッキング要素1362の毛管作用を妨害するおそれがある。
【0069】
代替的には、リザーバ140内の圧力は、種々の環境要因、例えば、リザーバ140の周囲温度、高度、および/または容積の変化等により、上昇し、リザーバ140の外部の周囲圧力を超える場合もある。例えば、リザーバ140内の圧力は、気化器カートリッジ1320が圧縮に供されると上昇する場合がある。内圧のこの上昇は時には空気が蓄えチャンバ1342内に戻された後に生じる場合があり、これにより、リザーバ140内の圧力とリザーバ140外部の周囲圧力との間の平衡が達成される。ただし、1つ以上の環境要因の十分な変化によって、リザーバ140に追加の空気が入ることなくリザーバ140内の圧力が周囲圧力よりも低い状態から周囲圧力より高い状態(例えば、第1の圧力状態から第2の圧力状態への移行)に上昇して、これにより先ずリザーバ140内の圧力と周囲圧力との間の平衡が達成されてもよいことを理解されたい。リザーバ140内の圧力が十分に上昇した結果として生じる負圧事象により、蓄えチャンバ1342内の気化可能材料1302の少なくとも一部が移動する場合がある。移動した気化可能材料1302を気化器カートリッジ1320内に収集しかつ/または保持するための機構がない場合、移動した気化可能材料1302は、気化器カートリッジ1320から漏出するおそれがある。
【0070】
続けて図2Aおよび図2Bを参照して、リザーバ140は、第1の領域と、第1の領域から分離可能な第2の領域とを含むように実現されてもよく、その結果、リザーバ140の容積は、蓄えチャンバ1342とオーバフロー容積1344とに分割される。蓄えチャンバ1342は、気化可能材料1302を蓄えるように構成されてもよく、1つ以上の一次通路1382を介してウィッキング要素1362にさらに連結されてもよい。一部の例では、一次通路1382の長さは、非常に短い場合がある(例えば、ウィッキング要素1362またはアトマイザ141の他の部品を収容する空間からの貫通孔)。他の例では、一次通路1382は、蓄えチャンバ1342とウィッキング要素1362との間のより長い流体経路の一部であってもよい。オーバフロー容積1344は、以下でさらに詳細に提供されるように、蓄えチャンバ1342内の圧力が周囲圧力より高い第2の圧力状態で、蓄えチャンバ1342からオーバフロー容積1344に入り得る気化可能材料1302の1つ以上の部分を収集し、少なくとも一時的に保持するように構成されてもよい。
【0071】
第1の圧力状態では、気化可能材料1302はリザーバ140の蓄えチャンバ1342内に蓄えられ得る。上述したように、第1の圧力状態は、例えば、気化器カートリッジ1320の外部の周囲圧力が気化器カートリッジ1320内の圧力とほぼ同じかまたはそれ以上である場合に存在することができる。この第1の圧力状態では、一次通路1382およびオーバフローチャネル1104の構造的および機能的特性は、気化可能材料1302が一次通路1382を通って蓄えチャンバ1342からウィッキング要素1362に向かって流れることができるようなものである。例えば、ウィッキング要素1362の毛管作用により、気化可能材料1302を加熱要素1350の近くに引き込むことができる。加熱要素1350により生じた熱は、気化可能材料1302に作用して、気化可能材料1302を気相に変換することができる。
【0072】
第1の圧力状態では、気化可能材料1302が、コレクタ1313内、例えば、コレクタ1313のオーバフローチャネル1104内に流れないまたは限られた量で流れる場合がある。対照的に、気化器カートリッジ1320が、第1の圧力状態から第2の圧力状態に移行すると、気化可能材料1302は蓄えチャンバ1342からリザーバ140のオーバフロー容積1344内に流れることができる。コレクタ1313に入る気化可能材料1302を収集し、少なくとも一時的に保持することにより、コレクタ1313は、リザーバ140からの気化可能材料1302の望ましくない(例えば、過剰な)流れを妨げまたは制限することができる。上述したように、第2の圧力状態は、気化器カートリッジ1320の外部の周囲圧力が気化器カートリッジ1320内の圧力より小さい場合に存在することができる。この圧力差により、蓄えチャンバ1342内に膨張する気泡を生じさせることができ、蓄えチャンバ1342内の気化可能材料1302の一部を置き換えることができる。気化可能材料1302の置き換えられた部分は、気化器カートリッジ1320を出て望ましくない漏出を引き起こす代わりに、コレクタ1313により収集され、少なくとも一時的に保持され得る。
【0073】
有利には、気化可能材料1302の流れは、蓄えチャンバ1342から駆動される気化可能材料1302を第2の圧力状態にあるオーバフロー容積1344に送ることにより制御され得る。例えば、オーバフロー容積1344内のコレクタ1313は、1つ以上の毛管構造を含むことができる。この毛管構造は、液状の気化可能材料1302がコレクタ1313を出て望ましくない漏出を生じさせるおそれがあるコレクタ1313の出口に液状の気化可能材料1302を到達させることなく、蓄えチャンバ1342から押し出される過剰な液状の気化可能材料1302の少なくとも一部(および有利には全て)を収容するように収集し、少なくとも一時的に保持するように構成される。また、コレクタ1313は、有利には毛管構造を含むことができる。この毛管構造は、蓄えチャンバ1342内の圧力が周囲圧力に対して低下しかつ/または等しくなったときに、(例えば、周囲圧力に対して蓄えチャンバ1342内の過剰圧力により)コレクタ1313内に押し込まれた液状の気化可能材料が蓄えチャンバ1342内に可逆的に引き戻されるのを可能にする。すなわち、コレクタ1313のオーバフローチャネル1104は、コレクタ1313を充填し、空にする間に空気および気化可能材料1302が互いに迂回することを防止する微小流体機構または特性を有することができる。すなわち、微小流体機構を使用して、コレクタ1313に出入りの両方をする気化可能材料1302の流れを管理する(すなわち、流れ反転機構を提供する)ことができる。そうする際に、これらの微小流体機構は、気化可能材料1302の漏出を防止しまたは低減することができ、蓄えチャンバ1342および/またはオーバフロー容積1344内の気泡を捕捉することができる。
【0074】
実現形態に応じて、上述した微小流体機構または特性は、ウィッキング要素1362、一次通路1382および/またはオーバフローチャネル1104のサイズ、形状、表面被覆、構造的特徴および/または毛管特性に関連付けることができる。例えば、コレクタ1313内のオーバフローチャネル1104は、場合により、蓄えチャンバ1342内の気化可能材料1302の少なくとも一部が蓄えチャンバ1342から動かされる第2の圧力状態中に特定の体積の気化可能材料1302が蓄えチャンバ1342からオーバフロー容積1344内に通過できるように、ウィッキング要素1362につながる一次通路1382とは異なる毛管特性を有する可能性がある。
【0075】
例示的な一実現形態では、液体がコレクタ1313から流れ出すのを可能にするコレクタ1313の全抵抗は、例えば、第1の圧力状態中に気化可能材料1302が主に一次通路1382を通ってウィッキング要素1362に向かって流れるのを可能にするために、ウィッキング要素1362の全抵抗より大きくてもよい。
【0076】
一次通路1382は、リザーバ140内に蓄えられた気化可能材料1302のためのウィッキング要素1362を通るまたはその中に毛管経路を提供することができる。毛管経路(例えば、一次通路1382)は、ウィッキング作用または毛管作用により、ウィッキング要素1362内の気化した気化可能材料1302を置き換えることが可能になるのに十分大きくてもよいが、気化器カートリッジ1320内の過剰な圧力により気化可能材料1302の少なくとも一部が蓄えチャンバ1342から移動させられるときに気化器カートリッジ1320からの気化可能材料1302の漏出を防止する程度に十分小さくてもよい。ウィックハウジングまたはウィッキング要素1362は、漏出を防止するように処理されてもよい。例えば、気化器カートリッジ1320は、ウィッキング要素1362を通る漏出または蒸発を防止するように充填後に被覆されてもよい。例えば、熱気化可能被覆(例えば、ワックスまたは他の材料)等を含む任意の適切な被覆を使用することができる。
【0077】
ユーザが気化器カートリッジ1320のマウスピース領域1330から吸入すると、空気は、ウィッキング要素1362と動作関係にある場合があるエアベント1318を通って気化器カートリッジ1320内に流れることができる。加熱要素1350は、(図1に示された)1つ以上のセンサ113により生成される信号に応答して起動されてもよい。上述したように、1つ以上のセンサ113は、圧力センサ、運動センサ、流量センサまたは例えば、空気流通路1338における変化を検出することを含む、パフおよび/もしくは迫ったパフを検出可能な他の機構のうちの少なくとも1つを含むことができる。加熱要素1350が起動すると、加熱要素1350は、プレート1326を通ってまたは電気エネルギーを熱エネルギーに変換するように機能する加熱要素1350の別の電気抵抗部品を通って流れる電流の結果として、温度上昇を受け得る。加熱要素1350を起動させることは、電源112から加熱要素1350に電流を放電するように、(例えば、図1に示された)コントローラ104が電源112を制御することを含むことができると理解されたい。
【0078】
ウィッキング要素1362内に引き込まれた気化可能材料1302の少なくとも一部が気化されるように、伝導性、対流性および/または放射性の熱伝達により、加熱要素1350により生成された熱をウィッキング要素1362内の気化可能材料1302の少なくとも一部に伝達することができる。実現形態に応じて、気化器カートリッジ1320に入る空気は、ウィッキング要素1362および加熱要素1350内の加熱された要素の上(または周囲、近く等)を流れることができ、空気流通路1338内に気化した気化可能材料1302を剥ぎ取ることができる。この場合、蒸気は、場合により凝縮され、例えば、マウスピース領域1330内のオリフィス220を通して、エアロゾル形態で送られてもよい。
【0079】
図2Bを参照して、蓄えチャンバ1342は、大気に対する蓄えチャンバ1342内の上昇した圧力により蓄えチャンバ1342から駆動される液状の気化可能材料1302の部分が気化器カートリッジ1320から出ることなく、オーバフロー容積1344内に保持されるのを可能にする目的で、空気流通路1338に(すなわち、オーバフロー容積1344のオーバフローチャネル1104を介して)接続され得る。本明細書に記載された実現形態は、リザーバ140を含む気化器カートリッジ1320に関するが、記載されたアプローチは、分離可能なカートリッジを有さない気化器での使用にも適合し、同使用が企図されると理解されたい。
【0080】
例に戻って、気化器カートリッジ1320内の圧力が周囲圧力より低い場合には、蓄えチャンバ1342に入ることができる空気が気化器カートリッジ1320内の圧力を上昇させ得、気化器カートリッジ1320内の圧力が気化器カートリッジ1320を気化器カートリッジ1320の外部の周囲圧力を超える第2の圧力状態に移行させ得る。代替的にかつ/または付加的に、気化器カートリッジ1320は、周囲温度の変化、周囲圧力の変化(例えば、外部条件、例えば、高度、天候等の変化による)および/または気化器カートリッジ1320の体積の変化(例えば、気化器カートリッジ1320が圧搾等の外力により圧縮される場合)に応じて、第2の圧力状態に移行し得る。例えば、負圧事象の場合、蓄えチャンバ1342内の圧力の上昇が、蓄えチャンバ1342の空隙空間を占める空気を少なくとも膨張させ、それにより、蓄えチャンバ1342内の液状の気化可能材料1302の少なくとも一部を移動させ得る。気化可能材料1302の移動した部分は、コレクタ1313内のオーバフローチャネル1104の少なくとも幾つかの部分を通って移動することができる。オーバフローチャネル1104の微小流体機構は、液状の気化可能材料1302を、コレクタ1313内のオーバフローチャネル1104の長さに沿って、その長さに沿った流れの方向を横切るオーバフローチャネル1104の断面積を完全に覆うメニスカスだけ移動させることができる。
【0081】
本主題の一部の実現形態では、微小流体機構は、オーバフローチャネル1104の壁が形成される材料および液状の気化可能材料1302の組成に対して、液状の気化可能材料1302がオーバフローチャネル1104の周囲全体の周りでオーバフローチャネル1104を優先的に濡らすのに十分に小さい断面積を含むことができる。液状の気化可能材料1302がプロピレングリコールおよび植物性グリセリンのうちの1つ以上を含む例について、このような液体の湿潤特性は、有利には、第2の通路1384の幾何学的形状とオーバフローチャネル1104の壁が形成される材料とを組み合わせて考慮される。このようにして、蓄えチャンバ140と周囲圧力との間の圧力差の符号(例えば、正、負または等しい)および大きさが変化するのにつれて、オーバフローチャネル1104内に存在する液状の気化可能材料1302と周囲大気から入ってくる空気との間にメニスカスが維持され、気化可能材料1302および空気が互いに通過するのを防止する。
【0082】
蓄えチャンバ1342内の圧力が周囲圧力に対して十分に低下し、それを可能にするのに十分な空隙容積が蓄えチャンバ1342内に存在する場合、コレクタ1313のオーバフローチャネル1104内に存在する気化可能材料1302は、コレクタ1313のオーバフローチャネル1104と蓄えチャンバ1342との間のゲートまたはポートに主な液体-空気メニスカスを到達させる程度に十分に蓄えチャンバ1342内に引き込まれ得る。このような時点で、周囲圧力に対する蓄えチャンバ1342内の圧力差がゲートまたはポートでメニスカスを維持する表面張力を克服する程度に十分に負である場合、メニスカスは、ゲートまたはポート壁から解放されて、1つ以上の気泡を形成し、ついで、充分な容積を有する蓄えチャンバ1342内に解放されて、周囲圧力に対して蓄えチャンバ1342内の圧力が等しくなる。
【0083】
上記で検討されたように、蓄えチャンバ140内に入った(または何等かの方法でその中に存在することになった)空気が、(例えば、飛行機キャビンまたは他の高高度位置で起こり得るような周囲圧力の低下、移動中車両の窓が開かれたとき、列車または車両がトンネル等を出たときまたは局所的な加熱、形状を歪め、それにより蓄えチャンバ140の容積を減少させる機械的圧力等により起こり得るような蓄えチャンバ140内の内部圧力の上昇により)周囲に対して上昇した圧力状態になった場合、上述したプロセスを逆にすることができる。液体は、ゲートまたはポートを通ってコレクタ1313のオーバフローチャネル1104に入り、オーバフローチャネル1104に入る気化可能材料1302のカラムの前縁にメニスカスが形成されて、空気が迂回して、気化可能材料1302の進行に逆らって流れるのを防止する。
【0084】
前述の微小流体特性の存在によるこのメニスカスを維持することにより蓄えチャンバ140内の上昇した圧力が後に低下すると、気化可能材料1302のカラムは、蓄えチャンバ140内に引き戻されてもよく、場合により、メニスカスがゲートまたはポートに到達するまで引き戻されてもよい。圧力差により蓄えチャンバ1342内の圧力に対して周囲圧力が十分に有利となる場合、2つの圧力が等しくなるまで上述した気泡形成プロセスが生じる場合がある。このようにして、コレクタ1313は、周囲圧力に対してより高い蓄えチャンバ圧力の移行条件下で蓄えチャンバ1342から押し出される気化可能材料1302を受容し、一方で、この気化可能材料1302のオーバフロー容積の少なくとも一部(および望ましくは、全てまたは大部分)が後の配送、例えば、吸入可能なエアロゾルへの変換のための加熱要素1350への配送のために、蓄えチャンバ140に戻されるのを可能にする、可逆的オーバフロー容積として機能することができる。
【0085】
実現形態に応じて、蓄えチャンバ1342は、オーバフローチャネル1104を介してウィッキング要素1362に接続されていてもよいし、または、接続されていなくてもよい。オーバフローチャネル1104が蓄えチャンバ1342と連結した第1の端部とウィッキング要素1362につながる第2の端部オーバフローチャネル1104とを含む実施形態では、第2の端部においてオーバフローチャネル1104を出ることができる気化可能材料1302のいずれかが、ウィッキング要素1362をさらに満たすことができる。
【0086】
場合により、マウスピース領域1330の近くにあるリザーバ140の端部のより近い位置に蓄えチャンバ1342を配置することができる。例えば、蓄えチャンバ1342と加熱要素1350との間であって加熱要素1350により近いリザーバ140の端部近傍にオーバフロー容積1344を配置することができる。図面に示された例示的な実施形態は、本明細書に開示された種々の構成要素の位置に関して、特許請求される主題の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。例えば、気化器カートリッジ1320の上部、中央部、または底部にオーバフロー容積1344を配置することができる。1つ以上の変化形態に従って蓄えチャンバ1342を気化器カートリッジ1320の上部、中央部、または底部に配置することができるように、蓄えチャンバ1342の位置および配置をオーバフロー容積1344の位置に対して調整することができる。
【0087】
一実現形態では、気化器カートリッジ1320が容積まで充填されると、液状の気化可能材料1302の容積は、蓄えチャンバ1342の内部容積にオーバフロー容積1344を加えたものに等しくなる場合がある。一部の例示的な実現形態では、オーバフロー容積の内部容積は、オーバフローチャネル1104を蓄えチャンバ140に接続するゲートまたはポートとオーバフローチャネル1104の出口との間のオーバフローチャネル1104の容積に相当し得る。すなわち、コレクタ1313の内部容積の全てまたは少なくとも一部が液状の気化可能材料1302で占められるように、最初に気化器カートリッジ1320を液状の気化可能材料1302で充填させておくことができる。このような例では、ユーザへの給送に必要な(例えば、ウィッキング要素1362および加熱要素1350を含む)アトマイザ141に液状の気化可能材料1302を送ることができる。例えば、気化可能材料1302の一部を送るために気化可能材料1302の一部を蓄えチャンバ140から引き出すことができ、それにより、コレクタ1313のオーバフローチャネル1104に存在する任意の気化可能材料1302が蓄えチャンバ140に引き戻される。オーバフローチャネル1104の微小流体特性により維持されるメニスカスのために、空気がオーバフローチャネル1104を通って入ることができない(これにより、空気がオーバフローチャネル1104に存在する気化可能材料1302を越えて流れるのを防止される)ためである。
【0088】
コレクタ1313の元の容積を蓄えチャンバ140内に引き込ませるのに十分な量の気化可能材料1302が(例えば、気化およびユーザ吸入のために)蓄えチャンバ140からアトマイザ141に送られた後、上記で検討された動作が行われる。例えば、気化可能材料1302の一部が蓄えチャンバ140から取り出されるときに、1つ以上の気泡を二次通路1384と蓄えチャンバ140との間のゲートまたはポートから放出して、蓄えチャンバ140内の圧力を(例えば、周囲圧力に対して)等しくすることができる。蓄えチャンバ140内の圧力が(例えば、第1の圧力状態での空気の流入、温度の変化、周囲圧力の変化、気化器カートリッジ1320の容積の変化等により)周囲圧力を上回って上昇すると、蓄えチャンバ140内の液状の気化可能材料1302の一部は、移動して、これにより、蓄え区画内の上昇した圧力状態が低下するまでオーバフローチャネル1104内のゲートまたはポートを越えて蓄えチャンバ140の外に移動することができるようになる。低下した時点で、オーバフローチャネル1104内の液状の気化可能材料1302を蓄えチャンバ140内に引き戻すことができる。
【0089】
特定の実施形態では、オーバフロー容積1344は、蓄えチャンバ1342の容積の約100%までを含む、蓄えチャンバ1342内に蓄えられた一定割合の気化可能材料1302を収容するのに十分な大きさとすることができる。一実施形態では、コレクタ1313は、蓄えチャンバ1342内に蓄え可能な気化可能材料1302の容積の少なくとも6パーセント~25パーセントを収容するように構成されてもよい。また、他の範囲も、本主題の範囲内である。
【0090】
気化可能材料1302のオーバフロー部分が制御された方法で(例えば、毛管圧力により)オーバフロー容積1314内に少なくとも一時的に受容され、収容されまたは蓄えられるのを可能にし、それにより、気化可能材料1302が気化器カートリッジ1320から漏出することまたはウィッキング要素1362を過度に満たすことを防止するために異なる形状でかつ異なる特性を有するように、コレクタ1313の構造は、オーバフロー容積1344内に構成され、構築され、成形され、製造されまたは配置されてもよい。オーバフローチャネル1104に言及した上記の説明は、単一のこのようなオーバフローチャネル1104に限定することを意図するものではないと理解されたい。1つまたは場合により2つ以上のオーバフローチャネル1104が、1つまたは2つ以上のゲートまたはポートを介して、蓄えチャンバ140に接続されてもよい。本主題の一部の実現形態では、単一のゲートまたはポートが2つ以上のオーバフローチャネル1104に接続され得、または、単一のオーバフローチャネル1104が2つ以上のオーバフローチャネル1104に分割されて、追加のオーバフロー容積または他の利点を提供し得る。
【0091】
本主題の一部の実現形態では、エアベント1318がオーバフロー容積1344を空気流通路1338に接続させてもよい。空気流通路1338は、最終的に気化器カートリッジ1320外の周囲空気環境につながる。このエアベント1318は、例えばオーバフローチャネル1104が蓄えチャンバ1342から移動した気化可能材料1302の一部分で満たされる第2の圧力状態の間にコレクタ1313内で形成または捕捉されたであろう空気または気泡がエアベント1318を通って流出する経路を許容している。
【0092】
一部の態様によれば、エアベント1318は、気化可能材料1302のオーバフローがオーバフロー容積1344から蓄えチャンバ1342に戻るにつれて、第2の圧力状態から平衡状態に戻る間、逆ベントとして機能し、気化器カートリッジ1320内の圧力の均等化を提供することができる。この実現形態では、周囲圧力が気化器カートリッジ1320内の内部圧力を超えると、周囲空気は、エアベント1318を通ってオーバフローチャネル1104内に流れ、オーバフロー容積1344内に一時的に蓄えられた気化可能材料1302を逆方向に蓄えチャンバ1342に戻すのに有効に役立ち得る。
【0093】
再度図2A図2Cを参照すると、1つ以上の実施形態において、第1の圧力状態では、オーバフローチャネル1104が、エアベント1318を介してオーバフローチャネル1104に入ることができる空気で少なくとも部分的に占有されてもよい。第2の圧力状態では、気化可能材料1302は、例えば、蓄えチャンバ1342とオーバフロー容積1344のオーバフローチャネル1104との間の界面の点にある第2の開口部210bを通ってオーバフローチャネル1104に入ることができる。その結果、オーバフローチャネル1104内の空気は(例えば、入ってくる気化可能材料1302により)置き換えられ、エアベント1318を通って出ることができる。一部の実現形態では、エアベント1318は、空気がオーバフロー容積1344から出るのを可能にするが、気化可能材料1302がオーバフローチャネル1104から空気流通路1338内に出るのを阻止する制御弁(例えば、選択的浸透膜、微小流体ゲート等)として機能するまたはそれを含み得る。先に記載されたように、例えば、コレクタ1313が蓄えチャンバ1342内の過剰圧力により置き換えられた気化可能材料1302で満たされ、蓄えチャンバ1342内の圧力が周囲圧力と実質的に等しくなると空になるため、エアベント1318は、空気がコレクタ1313に出入りするのを可能にする空気交換ポートとして機能することができる。すなわち、気化器カートリッジ1320内の圧力が、周囲圧力より低い場合の第1の圧力状態と、気化器カートリッジ1320内の圧力が周囲圧力を超える第2の圧力状態と、気化器カートリッジ1320内の圧力および周囲圧力が実質的に同じである場合の平衡状態と、の間での移行中に、エアベント1318は、空気がコレクタ1313に出入りするのを可能にすることができる。
【0094】
したがって、気化器カートリッジ1320内の圧力が安定するまで(例えば、気化器カートリッジ1320内の圧力が周囲圧力に実質的に等しいかまたは指定された平衡を満たすとき)、または、気化可能材料1302が(例えば、気化のためにウィッキング要素1362および加熱要素1350を含むアトマイザ141内に引き込まれることにより)オーバフロー容積1344から取り出されるまで、気化可能材料1302をコレクタ1313内に蓄えることができる。このため、周囲圧力が変化するにつれてコレクタ1313内外での気化可能材料1302の流れを管理することにより、オーバフロー容積1344内の気化可能材料1302のレベルを制御することができる。1つ以上の実施形態では、蓄えチャンバ1342からオーバフロー容積1344内への気化可能材料1302のオーバフローは、環境中で検出された変化に応じて(例えば、気化可能材料1302のオーバフローを引き起こした圧力事象が治まるかまたは終了するとき)、逆になり得、または、可逆的であり得る。
【0095】
上述したように、本主題の一部の実現形態では、気化器カートリッジ1320内の圧力が周囲圧力より低くなった状態(例えば、第2の圧力状態から第1の圧力状態に戻るように移行したとき)では、気化可能材料1302の流れが気化可能材料1302をオーバフロー容積1344からリザーバ140の蓄えチャンバ1342に逆流させる方向に反転する場合がある。このため、実現形態に応じて、オーバフロー容積1344は、気化器カートリッジ1320内の高圧により気化可能材料1302の少なくとも一部が蓄えチャンバ1342から移動する第2の圧力状態の間、気化可能材料1302のオーバフロー部分を一時的に保持するように構成されてもよい。実現形態に応じて、気化器カートリッジ1320内の圧力が実質的に周囲圧力以下である場合の第1の圧力状態への反転中または反転後に、コレクタ1313内に保持された気化可能材料1302のオーバフローの少なくとも一部が蓄えチャンバ1342に戻されてもよい。
【0096】
気化器カートリッジ1320内の気化可能材料1302の流れを制御するために、本主題の他の実現形態では、コレクタ1313は、場合により、オーバフローチャネル1104を通って移動する気化可能材料1302のオーバフローを永続的または半永続的に収集しまたは保持するための吸収性または半吸収性材料(例えば、スポンジ様特性を有する材料)を含むことができる。吸収性材料がコレクタ1313内に含まれる例示的な一実施形態では、オーバフロー容積1344から蓄えチャンバ1342内に戻る気化可能材料1302の逆流が、コレクタ1313内に吸収性材料を含まず(またはほとんど含まず)に実現された実施形態と比較して、実用的ではなくまたは可能ではない場合がある。すなわち、吸収性または半吸収性材料の存在により、オーバフロー容積1344内に収集された気化可能材料1302が蓄えチャンバ1342に戻るのが少なくとも部分的に阻止されてしまう。したがって、蓄えチャンバ1342に対する気化可能材料1302の可逆性および/または可逆速度は、コレクタ1313内に多少の密度もしくは体積の吸収性材料を含ませることにより、または、吸収性材料のテクスチャを制御することにより、制御することができる。この場合、このような特性により、直ちにまたはより長い期間にわたってのいずれかで、より高いまたはより低い吸収速度がもたらされる。
【0097】
図2D図2Eに、本主題の実現形態に一致した気化器カートリッジ1320の例の断面図を示す。上述したように、本主題の一部の実現形態では、気化器カートリッジ1320は、コレクタ1313を充填するのと空にするのとの間に空気と気化可能材料1302とが互いに迂回するのを防止するように構成された1つ以上の微小流体機構を含むことができる。コレクタ1313に出入りする気化可能材料1302の流れを管理するこれらの微小流体機構は、気化可能材料1302の漏出ならびに蓄えチャンバ1342および/またはオーバフロー容積1344内の気泡の捕捉を最小限に抑えることができる。
【0098】
本主題の一部の実現形態では、気化器カートリッジ1320のコレクタ1313は、オーバフローチャネル1104を含むことができる。再度図2D図2Eを参照すると、オーバフローチャネル1104の第1の端部は、空気流通路1338と流体連通するエアベント1318を含むことができ、一方、オーバフローチャネル1104の第2の端部は、蓄えチャンバ1342と流体連通する第2の開口部210bを含むことができる。したがって、気化可能材料1302は、第2の開口部210bを通ってオーバフローチャネル1104に出入りすることができ、一方、空気は、エアベント1318を通ってオーバフローチャネル1104に出入りすることができる。例えば、上述したように、エアベント1318を通って入ってくる空気は、気化可能材料1302の消耗によりリザーバ140内に生じ得る任意の真空を解放することができる。代替的には、蓄えチャンバ1342内の気化可能材料1302の少なくとも一部は、負圧事象中に第2の開口部210bを通ってオーバフローチャネル1104に入ることができ、この場合、気化可能材料1302は、リザーバ140の内部の圧力上昇により、蓄えチャンバ1342から移動する。図2D図2Eに、エアベント1318および第2の開口部210bの異なる配置を有する気化器カートリッジ1320の例を示す。
【0099】
図2Dを参照すると、本主題の一部の実現形態では、エアベント1318は、ウィックハウジング1315およびウィッキング要素1362に隣接して配置されてもよく、一方、第2の開口部210bは、ウィックハウジング1315およびウィッキング要素1362から離れて、例えば、エアベント1318の上方に配置される。代替的には、図2Eに示された気化器カートリッジ1320の例では、第2の開口部210bは、ウィックハウジング1315およびウィッキング要素1362に隣接して配置されてもよく、一方、エアベント1318は、ウィッキングハウジングおよびウィッキング要素1362から離れて、例えば、第2の開口部210bの上方に配置されてもよい。当然ながら、ウィッキング要素1362と、蓄えチャンバ1342と流体連通する第2の開口部210bとの間の近接は、ウィッキング要素1362と蓄えチャンバ1342との間の静水頭を最小限に抑えることができる。そのように、図2Eに示された気化器カートリッジ1320の例は、ウィッキング要素1362を通る漏出に対してより弾力的であり得る。第2の開口部210bにおけるメニスカスにより生成される負圧が、ウィッキング要素1362と蓄えチャンバ1342との間の静水頭により減少される代わりに保持されるためである。
【0100】
本主題の一部の実現形態では、オーバフローチャネル1104は、例えば、第1の微小流体機構230a、第2の微小流体機構230b等を含む1つ以上の微小流体機構を含むことができる。第1の微小流体機構230aおよび/または第2の微小流体機構230bは、リザーバ140に出入りする空気および気化可能材料1302の流れを制御するように構成され得る。例えば、第1の微小流体機構230aおよび/または第2の流体機構230bは、オーバフローチャネル1104の一方向(例えば、蓄えチャンバ1342から離れ、オーバフローチャネル1104から出る)への気化可能材料1302の流れを阻止し、逆方向(例えば、蓄えチャンバ1342に戻る)への気化可能材料1302の流れを促進するように構成されてもよい。さらに、第1の微小流体機構230aおよび第2の微小流体機構230bは、蓄えチャンバ1342の内部の圧力を周囲圧力と等しくするために、オーバフローチャネル1104を通る蓄えチャンバ1342への気流を可能にするように構成されてもよい。
【0101】
微小流体機構の一例は、オーバフローチャネル1104の断面形状および/または寸法がオーバフローチャネル1104の長さにわたって変化する1つ以上の狭窄点であってもよい。図2Dに示されたように、第1の微小流体機構230aは、オーバフローチャネル1104の第1の部分におけるオーバフローチャネル1104の断面形状および/または寸法がオーバフローチャネル1104の第2の部分におけるオーバフローチャネル1104の断面形状および/もしくは寸法ならびに/またはオーバフローチャネル1104の第1の部分のいずれかの側におけるオーバフローチャネル1104の第3の部分とは異なるタイプの狭窄点であってもよい。例えば、狭窄点は、オーバフローチャネル1104の内面から延在する1つ以上の隆起部、隆起縁部および/または突出部により形成することができる。
【0102】
さらに例証するために、図2Fに、本主題の実現形態と一致した第1の微小流体機構230aの例を有するコレクタ1330の平断面図を示す。図2Fを参照すると、第1の微小流体機構230aは、バンプ、隆起縁部、突起またはオーバフローチャネル1104の内面から延在する別の形態の狭窄点であってもよい。本主題の一部の実現形態では、第1の微小流体機構230aの形状は、バンプ、フィンガ、突起部、ヒレ、縁部またはオーバフローチャネル1104内の流れ方向を横切る断面積を狭窄する任意の他の形状として定義することができる。例えば、第1の微小流体機構230aは、例えば、第1の微小流体機構230aの遠位端が縁部に向かって先細りになっているサメヒレ形状であってもよい。サメヒレ形状の尖った縁部またはカンチレバー縁部を丸くすることができるが、カンチレバー縁部は、鋭い端部まで先細りにすることもできる。
【0103】
微小流体機構の他の一例は、オーバフローチャネル1104の長さに沿ったオーバフローチャネル1104の形状および/または配向における1つ以上の変化形態を含むことができる。例えば、本主題の一部の実現形態では、オーバフローチャネル1104の少なくとも一部は、螺旋、曲線、曲げ、先細り、旋回および/または傾斜であってもよい。さらに例証するために、図2Dに、第2の微小流体機構230bが、一方向に走るオーバフローチャネル1104が反対方向に曲がるオーバフローチャネル1104内の湾曲である場合があることを示す。例えば、オーバフローチャネル1104内に形成されるメニスカスの傾向を微調整する(例えば、気化可能材料1302と空気とを分離する)ことにより、オーバフローチャネル1104の長さに沿って配置される微小流体機構の形状、サイズ、相対位置および総量がオーバフローチャネル1104への気化可能材料1302の出入りをさらに制御するように調整されてもよいことを理解されたい。
【0104】
本主題の一部の実現形態では、気化器カートリッジ1320を、各種の異なる方法で気化器デバイス100の気化器本体110と連結させることができる。例えば、図3A図3Dに、気化器カートリッジ1320と気化器デバイス100の気化器本体110との間の連結を形成するように構成されたコネクタについての種々の設計代替案を示す。図3A図3Bそれぞれに、コネクタの種々の例の斜視図を示す。一方、図3C図3Dそれぞれに、コネクタの種々の例の平断側面図を示す。
【0105】
図3A図3Dに示されたコネクタの例は、相補的な雄型コネクタ(例えば、突出部)および雌型コネクタ(例えば、受け口)を含むことができる。図1図2A図2Bおよび図3A図3Dに示されたように、気化器カートリッジ1320の一端は、気化器カートリッジ1320と気化器デバイス100の気化器本体110との間の連結を可能にする1つ以上のコネクタを含むことができる。例えば、気化器カートリッジ1320の一端は、気化器カートリッジ1320と気化器本体110との間の電気的連結、機械的連結、および/または流体連結を提供するように構成された1つ以上の機械的コネクタ、電気コネクタおよび流体コネクタを含むことができる。これらのコネクタは、種々の構成で実現することができると理解されたい。
【0106】
本主題の一実現形態では、気化器カートリッジ1320の一端は、気化器本体110内の雌型コネクタ(例えば、カートリッジ受け口118)と連結するように構成された雄型コネクタ710(例えば、突出部)を含むことができる。この例では、気化器カートリッジ1320が気化器本体110と連結された場合、雄型コネクタ710上に配置される接点1326は、カートリッジ受け口118内の対応する受け口接点125と電気的連結を形成することができる。さらに、雄型コネクタ710上の接点1326は、例えば、摩擦嵌め(例えば、スナップロック係合)および/またはばね張力により、カートリッジ受け口内の受け口接点125と機械的に係合し、気化器本体110のカートリッジ受け口118内に気化器カートリッジ1320を固定することができる。
【0107】
代替的には、図3Bおよび図3Dに、気化器カートリッジ1320の一端が雌型コネクタ712を含む気化器カートリッジ1320の別の例を示す。雌型コネクタ712は、気化器本体110上の対応する雄型コネクタ(例えば、突出部)を受容するように構成された受け口であってもよい。この例示的な実現形態では、接点1326を、雌型コネクタ712内に配置することができ、気化器本体110上の雄型コネクタにおける対応する接点との電気的連結および機械的連結を形成するように構成されてもよい。
【0108】
図4に、本主題の実現形態と一致した気化器本体110の例の分解図を示す。本主題の一部の実現形態では、気化器本体110は、例えば、コレクタ1313を有するカートリッジ1320、フィン付き凝縮物コレクタ352等を含む、上記された種々の機構を有するカートリッジを受容しかつ/またはこれと連結するように構成されてもよい。
【0109】
図4に示されたように、気化器本体110は、シェル1220と、シース1219と、バッテリ1212と、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)1203と、アンテナ1217と、骨格1211と、充電バッジ1213と、カートリッジ界面1218と、エンドキャップ1201と、LEDバッジ1215とを含むことができる。一部の態様では、気化器本体110の組み立ては、バッテリ1212を骨格1211の下端(図4の左側)の骨格1211内に配置することを含む。バッテリ1212の下端にアンテナ1217を連結することができる。カートリッジ界面1218と、PCBA1203と、バッテリ1212とを、例えば、1つ以上の連結手段により機械的に連結することができる。例えば、PCBA1203の下端をバッテリ1212の上端に連結することができ、PCBA1203の上端を、圧入、はんだ接合および/または任意の他の連結手段を使用して、カートリッジ界面1218に連結することができる。カートリッジ界面1218を形成するために、シース1219は、カートリッジ界面1218がシース1219内に配置されるときにカートリッジ界面1218を少なくとも部分的に取り囲むように構成されてもよい。シェル1220内に配置される場合、骨格1211(例えば、バッテリ1212、アンテナ1217、カートリッジ界面1218およびPCBA1203を含む)を、摩擦嵌合やばね張力等によりシェル1220に固定することができる。例えば、図4に示されたように、骨格1211は、シェル1220と係合するように構成された1つ以上のスナップ機構1221を含むことができる。
【0110】
本主題の一部の実現形態では、気化器本体110は、アンテナ1217の範囲を最大化するように構成された1つ以上の機構を含むことができる。例えば、シェル1220は、アンテナ1217からの電波を遮断することができる第1の材料(例えば、金属等)から形成され得る。エンドキャップ1201が、アンテナ1217からの電波を透過可能な第2の材料(例えば、プラスチック等)から形成されていたとしても、エンドキャップ1201がシェル1220内に実質的に配置される場合(例えば、エンドキャップ1201の外面が、シェル1201の一端と実質的に同一平面上に存在するように)、それにもかかわらず、アンテナ1217の範囲は折り合うことができる。したがって、アンテナ1217の範囲を最大にするために、第1の材料から形成されるシェル1220は、アンテナ1217からの電波を透過可能な第2の材料から形成される1つ以上のインセットを含むことができる。代替的にかつ/または付加的に、エンドキャップ1310および/または第2の材料から形成されたシェル1220の部分から照射される電波の出力を最大にするために、1つ以上の戦略、例えば、ビーム成形を実現することができる。
【0111】
再度図4を参照すると、シース1219は、シース1219の第1の側面に充電バッジ1213を受容するような大きさおよび形状の開口部を含むことができる。シース1219の第2の側面は、LEDバッジ1215を含むことができ、このLEDバッジを、シース1219内に組み込むかまたはLEDバッジ1215を受容する大きさおよび形状の別の開口内に配置することができる。一部の態様では、シース1219は、ステンレス鋼材料を含むことができ、約0.2mmの厚さを有することができる。LEDバッジ1215を、黒色プリント回路で成形することができる。一部の態様では、充電バッジ1213は、液晶ポリマー(LCP)、ポリカーボネートおよび/またはリン青銅の接点を含むことができる。充電バッジ1213は、マイラーフィルムを使用することにより、充電パッド間の距離を最小化することができる。充電バッジのめっきは、パラジウム-ニッケル、黒色ニッケル、物理蒸着(PVD)、または別の黒色めっき選択肢を含むことができる。一部の実現形態では、組み立てられたバッテリ1212、PCBA1203、カートリッジ界面1218およびシース1219は、骨格1211内に嵌合するように構成されてもよく、骨格1211は、シェル1220内に嵌合するように構成されてもよい。一部の態様では、シース1219は、シース1219の厚さ(例えば、約0.2mm)を最小化するステンレス鋼等の材料から形成され得る。シェル1220は、接地パッド、エンドキャップデータ、LEDインタフェース、(カートリッジ1320を気化器本体110と連結する場合、ウィックハウジング1315の底部の空気流スロットと流体連通している)1つ以上の空気入口および骨格1211がシェル1220に挿入される際に適所にスナップするスナップ機構1221を含むことができる。エンドキャップ1201は、シース1219とは反対側のシェル1220の下端に配置され得る。エンドキャップ1201は、気化器本体210の内部コンポーネントをシェル1220内に保持するように構成されてもよく、シェル1220の下端にベントとしても機能することができる。
【0112】
電源112が気化器本体110の一部であり、気化器本体110と連結するように構成された気化器カートリッジ1320内に加熱要素が配置された気化器では、気化器100は、コントローラ104(例えば、プリント回路基板、マイクロコントローラ等)と、電源と、加熱要素とを含む回路を完成させるための電気的接続機構(例えば、回路を完成するための手段)を含むことができる。これらの機構は、気化器カートリッジ1320の底面上の少なくとも2つの接点124(本明細書において、カートリッジ接点124と呼ばれる)と、気化器100のカートリッジ受け口の基部付近に配置された少なくとも2つの接点125(本明細書において、受け口接点125と呼ばれる)とを含むことができ、これにより、気化器カートリッジ1320がカートリッジ受け口118内に挿入されてカートリッジ受け口118と連結されたときに、カートリッジ接点124と受け口接点125とが電気的接続をつくる。これらの電気的接続により完成した回路は、抵抗加熱要素への電流の配送を可能にし得、さらに、追加の機能に使用されてもよい。追加の機能は、例えば、抵抗加熱要素の抵抗率の熱係数に基づいて抵抗加熱要素の温度を決定しかつ/または制御する際に使用するための抵抗加熱要素の抵抗を測定することや、抵抗加熱要素の1つ以上の電気特性または気化器カートリッジの他の回路に基づいてカートリッジを識別すること等である。
【0113】
本主題の一部の例では、少なくとも2つのカートリッジ接点および少なくとも2つの受け口接点が、少なくとも2つの向きのいずれかで電気的に接続するように構成されてもよい。例えば、少なくとも2つのカートリッジ接点124の第1のセットのカートリッジ接点が、少なくとも2つの受け口接点125の第1のセットの受け口接点に電気的に接続され、少なくとも2つのカートリッジ接点124の第2のセットのカートリッジ接点が、少なくとも2つの受け口接点125の第2のセットの受け口接点に電気的に接続されるように、気化器の動作に必要な1つ以上の回路を、(カートリッジを有する気化器カートリッジの端部が気化器本体110のカートリッジ受け口118内に挿入される軸の周りに)第1の回転方向で、カートリッジ受け口118内に気化器カートリッジ1320を挿入することにより完成させることができる。さらに、気化器の動作に必要な1つ以上の回路を、少なくとも2つのカートリッジ接点124の第1のセットのカートリッジ接点が、少なくとも2つの受け口接点125の第2のセットの受け口接点に電気的に接続され、少なくとも2つのカートリッジ接点124の第2のセットのカートリッジ接点が、少なくとも2つの受け口接点125の第1のセットの受け口接点に電気的に接続されるように、第2の回転方向でカートリッジ受け口118に気化器カートリッジ1320を挿入することにより完成させることができる。気化器本体110のカートリッジ受け口118内に可逆的に挿入可能な気化器カートリッジ1320のこの機構は、以下でさらに説明される。
【0114】
気化器カートリッジ1320を気化器本体110に連結するための取付け構造の一例では、気化器本体110は、カートリッジ受け口118の内面から内向きに突出する1つ以上の戻り止め(例えば、ディンプル、突出部、ばねコネクタ等)を含む。気化器カートリッジ1320の1つ以上の外面は、気化器カートリッジ1320の端部が気化器本体110上のカートリッジ受け口118内に挿入されたときに、このような戻り止めに嵌合しかつ/または何等かの方法でスナップ嵌合することができる対応する凹部(図1には図示せず)を含むことができる。気化器カートリッジ1320と気化器本体110とが(例えば、気化器カートリッジ1320の端部を気化器本体110のカートリッジ受け口118内に挿入することにより)連結されると、気化器本体110内の戻り止めを、組み立てられたときに、気化器カートリッジ1320を適所に保持するために、気化器カートリッジ1320の凹部内に嵌合しかつ/または何等かの方法でその凹部内に保持することができる。このような戻り止め-凹部アセンブリにより、少なくとも2つのカートリッジ接点124と少なくとも2つの受け口接点125との間の良好な接触を確実にするために、気化器カートリッジ1320を適所に保持するのに十分な支持を提供することができ、一方、ユーザが気化器カートリッジ1320をカートリッジ受け口118から係合解除するために気化器カートリッジ1320を適度な力で引っ張ったときに、気化器カートリッジ1320を気化器本体110から脱着するのが可能となる。例えば、本主題の一実現形態では、少なくとも2つの戻り止めを、シース1219の外側に配置することができる。シース1219の外側の戻り止めは、例えば、シース1219(およびカートリッジ受け口118)の少なくとも一部を覆うようにシース1219(およびカートリッジ界面1218)の開放上部の下に延在する、気化器カートリッジ1320のハウジングの一部の内面において、気化器カートリッジ1320内の1つ以上の対応する凹部と係合するように構成されてもよい。
【0115】
気化器カートリッジと気化器本体との間の電気的接続が可逆的であり、その結果、カートリッジ受け口内の気化器カートリッジの少なくとも2つの回転方向が可能であることについての上記検討に加えて、一部の気化器では、気化器カートリッジの形状または少なくともカートリッジ受け口内に挿入されるように構成された気化器カートリッジの端部の形状は、少なくとも2次の回転対称性を有することができる。すなわち、気化器カートリッジまたは気化器カートリッジの少なくとも挿入可能な端部は、気化器カートリッジがカートリッジ受け口内に挿入される軸の周りで180°の回転時に対称であってもよい。このような構成では、気化器100の回路により、気化器カートリッジ1320のどちらの対称的な向きが生じても、同一の動作を支持することができる。一部の態様では、第1の回転位置は、第2の回転位置から180°より大きくてもまたは小さくてもよい。
【0116】
一部の例では、気化器カートリッジ1320、またはカートリッジ受け口に挿入するように構成された気化器カートリッジ1320の少なくとも一端は、気化器カートリッジがカートリッジ受け口118内に挿入される軸を横切る非円形断面を有することができる。例えば、非円形断面は、ほぼ長方形、ほぼ長円形(例えば、ほぼ楕円の形状を有する)、非長方形であるが、2組の平行またはほぼ平行な対向する辺を有する(例えば、平行四辺形のような形状を有する)かまたは少なくとも2次の回転対称性を有する他の形状であってもよい。この文脈において、ある形状をほぼ有するとは、記載された形状に対する基本的な類似性が明らかであることを示すが、当該形状の辺は、完全に線形である必要はなく、頂点は、完全に鋭い必要はないことを示す。断面形状の縁部または頂点の両方またはいずれかの丸み付けは、本明細書で言及された任意の非円形断面の説明において企図される。
【0117】
図5A図5Cに、本主題の実現形態と一致したポッド識別子接点500の種々の例を示す。図5A図5Cに示されたように、ポッド識別子接点500は、カートリッジ受け口118の一部、例えば、カートリッジ界面1218であってもよい。気化器カートリッジ1320が、例えば、カートリッジ受け口118の内部に少なくとも部分的に配置されることにより、気化器本体110と連結されるときに、ポッド識別子接点500は、PCBA1203(例えば、コントローラ104)と識別チップ174の1つ以上の接点293との間に電気的連結を形成するように構成されてもよい。図5A図5Cに、ポッド識別子接点500を形成する材料が種々の方法で折り畳まれかつ/または圧着されるポッド識別子接点500の種々の構成を示す。例えば、図5Aに示されたポッド識別子接点500の例は、材料の位置407における屈曲(例えば、180°の屈曲)および材料の他の位置における他の屈曲を含むことができる。
【0118】
この構成にもかかわらず、識別チップ174の接点293とポッド識別子接点500との間の接触が識別チップ174の読み取りに十分であることを確実にするために、識別チップ174の接点293に対して十分な力を及ぼすようにポッド識別子接点500を構成し得ることを理解されたい。例えば、ポッド識別子接点500には、ポッド識別子接点500が識別チップ174の接点293に対して十分なばね力を加えるように予荷重が加えられてもよい。また、ポッド識別子接点500がシース1219内に少なくとも部分的に配置されてもよい。その結果、シース1219の一部分408はポッド識別子接点500が過剰に延びることを防止し、シース1219の別の部分はポッド識別子接点500がシェル1220に接触すること(例えば、短絡を引き起こすこと)を防止し得る。さらに、ポッド識別子接点500の寸法は、気化器カートリッジ1320が気化器本体110に挿入され、取り外されるときに、ポッド識別子接点500の繰り返しの曲げによる摩耗に耐えるように構成されてもよい。
【0119】
上述したようにシース1219の内部に配置されたカートリッジ界面1218を含むことができるカートリッジ受け口118の例を図5Dに示す。図5Dに示されたように、カートリッジ受け口118は、カートリッジ受け口118の第1の側面404上に、例えば、第1のポッド識別子接点307A、第2のポッド識別子接点307Bおよび第3のポッド識別子接点307Cを含む複数のポッド識別子接点500を含む。図5Dにさらに示されたように、カートリッジ受け口は、カートリッジ受け口118の第2の側面402上に、1つ以上の受け口接点、例えば、第1の受け口接点125Aおよび第2の受け口接点125Bも含むことができる。第1のポッド識別子接点307A、第2のポッド識別子接点307Bおよび第3のポッド識別子接点307Cは、識別チップ174の接点293との電気的連結を形成するように構成されるのに対し、第1の受け口接点125Aおよび第2の受け口接点125Bは、気化器カートリッジ1320の加熱要素1350の接点1326と電気的連結を形成するように構成される。
【0120】
図5Eに、本主題の実現形態と一致した一例のカートリッジ受け口118を含む気化器本体110の上斜視図を示す。図5Eに示されたように、カートリッジ受け口118を、シース1219内に少なくとも部分的に配置することができる。例えば、図5Eに示された例では、カートリッジ受け口118の上部リムおよびシース1219が、実質的に面一であってもよい。カートリッジ受け口118の内部は、1つ以上のポッド識別子接点(例えば、ポッド識別子接点307A,307Bおよび307C)と、1つ以上の受け口接点(例えば、受け口接点125Aおよび125B)とを含むことができる。さらに、気化器本体110は、カートリッジ受け口118の内部および/またはシース1219の外部に配置することができる1つ以上のポッド保持機構415も含むことができる。ポッド保持機構415の例は、ピン、クリップ、突出部、戻り止め等を含むことができる。ポッド保持機構415は、カートリッジ1320に対して、磁力、接着力、圧縮力、摩擦力等を加えることを含めて、カートリッジ1320をカートリッジ受け口118内に固定するように構成されてもよい。
【0121】
ポッド保持機構415が、カートリッジ受け口118内に配置される実現形態では、ポッド保持機構415は、例えば、加熱要素1350の少なくとも一部(例えば、ウィックハウジング1315の外側に配置された1つ以上の脚部506の一部)および/またはウィックハウジング1315の一部(例えば、ウィックハウジング1315内の凹部)との機械的連結を形成するように構成されてもよい。代替的にかつ/または付加的に、ポッド保持機構415がシース1219の外部に配置される例示的な実現形態では、ポッド保持機構415は、気化器カートリッジ1320のハウジングと機械的連結を形成するように構成されてもよい。ポッド保持機構415は、カートリッジ1320をカートリッジ受け口118内に固定する種々の手段を含むことができると理解されたい。さらに、ポッド保持機構415を、気化器本体110内の任意の適切な位置に配置することができる。
【0122】
図6A図6Bに、本主題の実現形態と一致したカートリッジ受け口118内に配置されたカートリッジ1320の側切断図を示す。図6Aに示されたように、ポッド識別子接点307は、カートリッジ受け口118の第1の側面に配置されてもよく、また、カートリッジ1320上の識別チップ174に連結されてもよい。さらに、ポッド識別子接点309は、カートリッジ受け口118の第2の側面(カートリッジ受け口118の第1の側面とは反対側)に位置されてもよく、また、カートリッジ1320に連結されてもよい。識別チップ174の接点293に連結されたポッド識別子接点309を図6Aにさらに示す。カートリッジ受け口118は、例えば、ウィックハウジング1315の少なくとも一部を含むカートリッジ1320の少なくとも一部を受容するようなサイズにすることができると理解されたい。例えば、カートリッジ受け口118は、深さ約4.5ミリメートルであってもよく、その結果、少なくとも部分的にその上側周囲の周りに配置されたフランジを含む約5ミリメートルの高さを有するウィックハウジング1315を、カートリッジ受け口118内に部分的に(例えば、フランジまで)配置することができる。フランジは、気化器カートリッジ1320が気化器本体110に連結されたときにカートリッジ受け口118外に留まることができ、カートリッジ受け口118のリムおよびシース1219の上に少なくとも部分的に延在することができる。
【0123】
上述したように、カートリッジ1320が気化器本体110に例えばカートリッジ受け口118に挿入されることによって連結されている間に、1つ以上の空気入口が形成されかつ/または維持されてもよい。1つ以上の空気入口は、ウィックハウジング1315内の1つ以上のスロットと流体連通してもよい。これにより、1つ以上の空気入口を通って入る空気は、1つ以上のスロットを通ってウィックハウジング1315にさらに入り、ウィッキング要素1362を通過しかつ/またはその周りを流れることができる。上述したように、ウィッキング要素1362内に引き込まれた気化可能材料1302の適切かつタイムリーな気化を可能にするために、ウィックハウジング1315を通る適切な空気流が必要な場合がある。2つ以上の空気入口が存在する例では、カートリッジ1320および気化器本体110を含むアセンブリの周囲に複数の空気入口を配置することができる。例えば、気化器カートリッジ1320および気化器本体110を含むアセンブリの実質的に反対側に2つ以上の空気入口を配置することができる。気化器カートリッジ1320および気化器本体110を含むアセンブリの同じ側に配置された2つ以上の空気入口を有すること、またはこのようなアセンブリの異なる側ではあるが実質的に反対側ではない(例えば、隣接した)側に空気入口を有することも、本主題の範囲内である。
【0124】
図7Aに、LEDバッジ1215を正面に向けた、組み立てられた気化器本体シェル1220の斜視図を示す。図7Aに示されたように、シェル1220は、1つ以上のポッド保持機構を有する第2の側面402を有するカートリッジ受け口118と、カートリッジ受け口接点125Aおよび125Bと、ポッド識別子接点307とを含むことができる。図7Aに、シェル1220の右側に少なくとも1つの空気入口1605を含むようなシェル1220をさらに示す。ただし、シェル1220は、示されたのとは異なる位置に配置された更なる空気入口を含むことができると理解されたい。例えば、本主題の一部の実現形態では、空気入口1605がシェル1220の隆起部1387の上方に配置されてもよい。隆起部1387はシェル1220の第1の部分(シース1219を含む)により形成され、第1の部分は、電源112(例えば、バッテリ1212)の少なくとも一部を収容するように構成されたシース1219の下のシェル1220の第2の部分より小さい断面寸法を有するた。周囲空気がカートリッジ1320に入り、アトマイザ141内で生成される蒸気と混合するのを可能にするように空気入口1605が構成されてもよい。例えば、カートリッジ1320がシェル1220と連結される場合に空気入口1605を介して周囲空気が空気流通路1338に入ることができるように、空気入口1605は、カートリッジ1320の本体を通って延在する空気流通路1338と流体連通することができる。周囲空気とアトマイザ141内で生成された蒸気との混合物は、マウスピース130を通して(例えば、ユーザの口内に)吸入するために、空気通路1338を通して引き込まれてもよい。
【0125】
代替的にかつ/または付加的に、空気入口1605は、コレクタ1313のオーバフロー容積1344内のオーバフローチャネル1104の一端に配置されたエアベント1318と流体連通することができる。上述したように、空気は、エアベント1318を介してコレクタ1313に出入りすることができる。例えば、コレクタ1313内に捕捉された気泡はエアベント1318を介して放出され得る。さらに、空気は、リザーバ1340内の圧力を上昇させるためにエアベント1318を介してコレクタ1313に流入し得る。したがって、空気入口1605の寸法、空気入口1605の形状、および/またはシェル1220上での空気入口1605の位置は、空気入口1605に入る周囲空気の少なくとも一部がエアベント1318を介してコレクタ1313に入ることができ、コレクタ1313から放出された空気の少なくとも一部がエアベント1318から空気入口1605を介して出ることができるような寸法、形状、及び位置であり得ると理解されたい。空気入口1605は、実質的に円形であってもよく、0.6ミリメートル~1.0ミリメートルの直径を有することができる。例えば、本主題の一部の実現形態では、空気入口1605は、実質的に円形であり、約0.8ミリメートルの直径を有することができる。本主題の一部の実現形態では、エアベント1318は、空気通路1338と流体連通することもできる。したがって、空気入口1605に入る周囲空気は、(例えば、エアベント1318を介して)コレクタ1313および(例えば、吸入可能なエアロゾルを生成するために)空気通路1338に供給され得る。
【0126】
図7Bに、本主題の実現形態と一致した気化器本体シェル1220の断面図を示す。図7Bに示されたように、シェル1220は、圧力センサ経路1602と、シース1219と、ポッド識別キャビティも含むことができる空気入口1605と、ポッド識別子接点307もしくは309ならびに/または受け口接点125Aおよび125Bへの接続を含むことができるポッドIDハウジング1607と、を含むことができる。本主題の一部の実現形態では、圧力センサ経路1602の寸法は、気化可能材料1302の蓄積を防止するように構成されてもよい。その蓄積により、圧力センサ経路1602において、圧力センサにより生成された圧力読み取り値を歪める静水頭が形成される場合がある。さらに、圧力センサは、気化器本体110の他のコンポーネントが圧力センサと接触する可能性が最小となる箇所で、PCBA1203に固定されてもよく、それにより、圧力センサにより生成される圧力読み取り値を歪めるおそれがある圧力センサに対する意図しない歪みを回避することができる。
【0127】
本主題の一部の実現形態では、気化器本体110は、気化器デバイス100、例えば、電源112を充電するための回路を含むことができる。例えば、気化器本体110に含まれる充電回路は、外部充電器デバイスとの誘導連結を形成するように構成されてもよい。エネルギーは、誘導連結を介して、充電器デバイスから気化器デバイス100、例えば、電源112に伝達されてもよい。例えば、充電器デバイスにおいて第1の誘導コイルを通って流れる交流電流は、交流電流の変化する大きさに応じて強度が変動する磁界を生成することができる。この変動磁界は、気化器本体110に含まれる第2の誘導コイルに対応する交流電流を誘導する起電力を発生させることができる。さらに、第2の誘導コイル内の交流電流は、例えば、整流器で直流電流に変換され、気化器デバイス100で電源112を充電するために使用されてもよい。
【0128】
本主題の一部の実現形態では、気化器本体110は、気化器本体110を充電器デバイスに固定するために、外部充電器デバイスにおける対応する保持機構と相互作用するように構成された保持機能を含むことができる。この保持機構は、外部充電器デバイスとの誘導連結を形成するために、気化器本体110を充電器デバイスに対して正しい位置および/または向きに整列させかつ/または維持するように構成されてもよい。気化器カートリッジ1320が、気化器本体110と連結されているかどうかにかかわらず、気化器デバイス100の充電を可能にするために、この保持機構は、気化器本体110が気化器カートリッジ1320と連結されているまたは気化器カートリッジ1320から連結解除されているかどうかにかかわらず、気化器本体110を外部充電器デバイスに固定するように構成されてもよい。さらに、気化器本体110の1つ以上の特定表面が充電器装置と連結されたときに気化器デバイス100の充電を可能にするために、この保持機構は、気化器本体110のそれらの表面に向かって充電器デバイスを整列させるように構成されてもよい。例えば、この保持機構は、充電器デバイスおよび気化器デバイス100が気化器本体110の1つ以上の面(例えば、前面および/または背面)に連結されるように構成されてもよい。代替的にかつ/または付加的に、この保持機構は、気化器本体110の任意の表面(例えば、前面、背面、左側面、右側面等)上で気化器本体110を充電器デバイスに固定するように構成されてもよい。
【0129】
図8A図8Gに示されたように、気化器デバイス100における保持機構および充電器デバイスにおける対応する保持機構は、各種のメカニズム(例えば、磁気的連結、機械的連結等)、形状(例えば、円形、長方形等)および/または材料(例えば、磁石-磁石、磁石-金属等)で構成されてもよい。さらに、この保持機構の配置も、特に、気化器デバイス100の気化器本体110において変化してもよい。例えば、気化器デバイス100における保持機構は、気化器本体110の面および/または気化器本体110の側面に沿った1つ以上の位置に配置されてもよい。気化器本体110における保持機構の配置は、充電器デバイスが気化器デバイス100と連結する位置を少なくとも部分的に決定し得ると理解されたい。
【0130】
さらに例証するために、本主題の実現形態と一致した気化器本体110内での異なる配置を有する保持機構800の例を図8A図8Cに示す。例えば、図8Aにおいて、1つ以上の保持機構800が、気化器本体110の前面および/または背面に沿って配置される。図8B図8Cでは、1つ以上の保持特徴800が、個々にまたはグループでのいずれかで、気化器本体110の1つ以上の側面に沿って配置される。
【0131】
図8D図8Eに、気化器本体110の1つ以上の面および/または側面に沿った保持機構800の異なる配置を示す。例えば、図8Dに、カートリッジ受け口118に近接した気化器本体110の頂部付近に配置された保持機構800を示す。代替的にかつ/または付加的に、図8Dに、保持機構800が、例えば、気化器本体110の中心に向かって、気化器本体110に沿って下方に配置されてもよいことを示す。本主題の一部の実現形態では、保持機構800は、充電器デバイス810において保持機構815を形成する対向する磁石の対応する集まりと相互作用するように構成された対向する磁石の集まりを含むことができる。図8Dに示されたように、保持機構800は、気化器本体110の1つ以上の面に沿って、PCBA1203上(またはその近傍)に配置されてもよい。例えば、保持機構800は、気化器本体110の前面および/または気化器本体110の背面に沿って配置されてもよい。
【0132】
図8Eでは、気化器本体110の1つ以上の側面に沿った種々の位置に保持機構800が配置される。図8Eに示されたように、1つ以上の保持機構800は、気化器本体110の1つ以上の側面に沿って、1つ以上の位置(例えば、気化器本体110の頂部付近、気化器本体110の中心に向かって等)に配置されてもよい。保持機構800は、充電器デバイス810の保持機構815を形成する対向する磁石の1つ以上の対応する集まりと相互作用するように構成された対向する磁石の1つ以上の集まりを含むことができる。さらに、保持機構800は、例えば、円形、長方形等であることを含む形状で変化してもよい。
【0133】
図8Fに、本主題の実現形態と一致した磁石-磁石保持機構の種々の例を示す。図8Fに示されたように、気化器本体110における保持機構800および充電器デバイス810における保持機構815は、例えば、異なる形状を有する磁石を含む磁石を使用して実現することができる。例えば、気化器本体110における保持機構800は長方形(または円形)の磁石であってもよく、一方、充電器デバイス810における保持機構815は対応する長方形(または円形)の磁石であってもよい。代替的にかつ/または付加的に、気化器本体110における保持機構800は長方形の対向する磁石の集まりであってもよく、充電器デバイス810における保持機構815は長方形の対向する磁石の対応する集まりであってもよい。
【0134】
図8Gに、本主題の実現形態と一致した磁石-金属保持機構の種々の例を示す。図8Gに示された例では、気化器本体110における保持機構800は磁石を使用して実現することができ、一方、充電器デバイス810における保持機構815は鉄金属(例えば、鋼等)の1つ以上のブロックを使用して実現することができる。代替的には、気化器本体110における保持機構800は鉄金属の1つ以上のブロックを使用して実現することができ、一方、充電器デバイス810における保持機構815は磁石を使用して実現することができる。図8Gに示されたように、磁石-金属保持機構は、例えば、円形、長方形等を含む各種の形状で実現することができる。
【0135】
再度図4を参照すると、気化器本体110は、例えば、シェル1220と、シース1219と、バッテリ1212と、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)1203と、アンテナ1217と、骨格1211と、充電バッジ1213と、カートリッジ界面1218と、エンドキャップ1201と、LEDバッジ1215とを含む多数のコンポーネントを含むことができる。本主題の一部の実現形態では、気化器本体110の組み立ては、バッテリ1212とPCBA1203とアンテナ1217とを骨格1211に固定することを含み得る。シース1219は、シース1219およびシェル1220が単独のユニットとして形成され得るように、シェル1220と一体化されてもよい。代替的には、シース1219は、(例えば、接着剤、摩擦嵌め、溶接等により)シェル1220に連結されてもよい。この場合、カートリッジ界面1218は、骨格1211と、カートリッジ界面1218と、バッテリ1212と、PCBA1203を含むアセンブリとがシェル1220に挿入される前に、骨格1211にさらに固定されてもよい。代替的には、シース1219およびカートリッジ界面1218はシェル1220に固定される第1のアセンブリを形成することができ、一方、骨格1211とPCBA1203とバッテリ1212とはシェル1220に挿入される第2のアセンブリを形成することができる。カートリッジ受け口118に対して遠位のシェル1220の開放端は、エンドキャップ1201で密封されてもよい。
【0136】
さらに例証するために、図9A図9Fに、本主題の実現形態と一致した気化器本体110を組み立てるための方法の種々の例を示す。例えば、図9Aに、気化器本体110を組み立てるための方法900の例を示す。方法900は、PCBA1203上にカートリッジ界面1218を設置する前に、PCBA1203にバッテリ1212を(例えば、レーザ溶接および/または別の技術により)固定することを含むことができる。この時点以降にアンテナ1217を骨格1211に取り付けることができる。シース1219をカートリッジ界面1218の上に被せる前に、カートリッジ界面1218上に発光ダイオード(LED)のためのカバーを設置することができる。図9Aに示された方法900の例では、レーザ溶接(または別の技術)によってシース1219を骨格1211に固定することができる。例えば発光ダイオードの反対側にあるシース1219の一方の側面に充電バッジ1213を固定することができる。さらに、LEDバッジ1215をシース1219上に設置する前に、追加のはんだ付けおよび幾つかの検査(例えば、半完成良品(SFG)検査等)を行うことができる。アンテナ1217を先に設置しなかった場合、骨格1211とシース1219とカートリッジ界面1218とバッテリ1212とPCBA1203と充電バッジ1213とLEDバッジ1215とを含むアセンブリがシェル1220に挿入される前に、この時点でアンテナ1217を設置することができる。エンドキャップ1201は、例えば接着剤(または別のメカニズム)によりシェル1220の下端に付着されて、硬化のためにクランプされてもよい。
【0137】
図9Bに、本主題の実現形態と一致した気化器本体110を組み立てるための方法910の別の例を示す。図9Bに示されたように、方法910は、まず、カートリッジ界面1218をPCBA1203上に設置し、続けて、シース1219をカートリッジ界面1218およびPCBA1203を含むアセンブリ上に被せる前に、発光ダイオード(LED)のためのカバーをカートリッジ界面1218上に設置するステップを含み得る。充電バッジ1213を、はんだ付けを行う前に、例えば、発光ダイオードの反対側のシース1219の一方の側面に固着し、バッテリ1212を(例えば、レーザ溶接および/または種々の技術により)PCBA1203に取り付ける。PCBA1203と、バッテリ1212と、シース1219で覆われたカートリッジ界面1218と、充電バッジ1215とを含む得られたアセンブリが、骨格1211に連結されてもよい。骨格1211を含むこのアセンブリが、骨格1211をシース1219に固定するための追加の溶接(例えば、レーザ溶接等)および検査(例えば、半完成品(SFG)検査等)に供されてもよい。この時点でLEDバッジ1215がシース1219上に設置されてもよく、骨格1211と、シース1219で覆われたカートリッジ界面1218と、充電バッジ1213と、バッテリ1212と、PCBA1203と、アンテナ1217と、LEDバッジ1215と、充電バッジ1213とを含むアセンブリ全体がシェル1220に挿入される前に、アンテナ1217が設置されてもよい。エンドキャップ1201は、例えば接着剤(または別のメカニズム)によりシェル1220の下端に取り付けられて硬化のためにクランプされてもよい。
【0138】
図9Cに、本主題の実現形態と一致した気化器本体110を組み立てるための方法920の別の例を示す。図9Cに示された方法920の例では、シース1219と、カートリッジ界面1218と、PCBA1203と、LEDバッジ1213と、充電バッジ1215とを含むアセンブリに骨格1211が固定された後に、バッテリ1212が骨格1211に取り付けられてもよい。これは、骨格1211と連結させる前に、まずバッテリ1212を、シース1219、カートリッジ界面1218、PCBA1203および充電バッジ1213を含むアセンブリに取り付ける、図9Bに示された方法910と対照的である。
【0139】
図9Dに、本主題の実現形態と一致した気化器本体110を組み立てるための方法930の別の例を示す。図9Dを参照すると、方法930は、例えばレーザはんだ付け等により受け口接点125およびポッド識別子接点307のうちの1つ以上を取り付ける前に、カートリッジ界面1218をPCBA1203上に設置することを含むことができる。骨格1211と連結させ、アンテナ1217を設置する前に、カートリッジ界面1218およびPCBA1203を含むアセンブリにバッテリ1212を取り付けてもよい。カートリッジ界面1218と、PCBA1203と、バッテリ1212と、骨格1211と、アンテナ1217とを含む得られたアセンブリは、シース1219およびシェル1220を含む別のアセンブリに挿入されてもよい。ここで、シース1219はシェル1220に(例えば、接着剤、摩擦嵌め、溶接等により)取り付けられてもよく、または、シース1219およびシェル1220は単独のユニットとして形成されてもよいことを理解されたい。充電バッジ1213およびLEDバッジ1215が設置されてもよい。さらに、エンドキャップ1201は、例えば接着剤(または別のメカニズム)によりシェル1220の下端に取り付けられて硬化のためにクランプされてもよい。
【0140】
図9Eに、本主題の実現形態と一致した気化器本体110を組み立てるための方法940の別の例を示す。図9Eを参照すると、気化器本体110の組み立ては、カートリッジ界面1218をPCBA1203上に設置して、第1のアセンブリを形成し、ついで、それをアンテナ1217と連結された骨格1211を含む第2のアセンブリと連結させることを含むことができる。ついで、バッテリ1212を、骨格1211内に配置し、PCBA1203に(例えば、レーザ溶接および/または別の技術を使用して)固定する。ついで、得られたアセンブリを半製品(SFG)検査等の検査に供する前に、アンテナ1217を設置する。その後、カートリッジ界面1218と、PCBA1203と、バッテリ1212と、骨格1211と、アンテナ1217とを含むアセンブリが、シース1219およびシェル1220を含む別のアセンブリに挿入されてもよい。充電バッジ1213およびLEDバッジ1215は、エンドキャップ1201が例えば接着剤(または別のメカニズム)によりシェル1220の下端に取り付けられて硬化のためにクランプされる前(または後)に、設置されてもよい。
【0141】
図9Fに、本主題の実現形態と一致した気化器本体110を組み立てるための方法950の別の例を示す。図9Fに示された方法950の例では、カートリッジ界面1218を骨格1211に取り付けて第1のアセンブリを形成することができ、一方、バッテリ1212およびPCBA1203を連結させて第2のアセンブリを形成することができる。ついで、カートリッジ界面1218および骨格1211を含む第1のアセンブリを、例えば、第2のアセンブリを第1のアセンブリの骨格1211に挿入することにより、バッテリ1212およびPCBA1203を含む第2のアセンブリと連結させることができる。受け口接点125およびポッド識別子接点307のうちの1つ以上を、例えば、レーザはんだ付け等により、カートリッジ界面1218に取り付けることができる。カートリッジ界面1218と、PCBA1203と、バッテリ1212と、骨格1211と、アンテナ1217とを含む得られたアセンブリを、シース1219およびシェル1220を含む別のアセンブリに挿入することができる。その後、充電バッジ1213およびLEDバッジ1215は、エンドキャップ1201が例えば接着剤(または別のメカニズム)によりシェル1220の下端に取り付けられて硬化のためにクランプされる前(または後)に設置されてもよい。
【0142】
用語
ある特徴または要素が、本明細書において、別の特徴または要素の「上」にあると言及される場合、その特徴または要素は、他の特徴もしくは要素のすぐ上にあるものとすることができ、または介在する特徴および/もしくは要素が存在することもできる。対照的に、ある特徴または要素が、別の特徴または要素の「すぐ上」にあると言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。また、ある特徴または要素が、別の特徴または要素に「接続されている」、「取り付けられている」または「連結されている」と言及される場合、その特徴または要素は、他の特徴もしくは要素に直接接続され、取り付けられまたは連結されてもよく、または介在する特徴または要素が存在することができると理解されたい。対照的に、ある特徴または要素が、別の特徴または要素に「直接接続されている」、「直接取り付けられている」または「直接連結されている」と言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。
【0143】
1つの実施形態に関して記載されまたは示されているが、そのように記載されまたは示された特徴および要素は、他の実施形態に適用することができる。また、別の特徴に「隣接して」配置された構造または特徴に対する言及は、隣接する特徴と重なり合うまたはその下にある部分を有する場合があることを、当業者に理解されるであろう。
【0144】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態および実現形態を説明する目的のためにのみ使用されており、限定することを意図していない。例えば、本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈から明確に別段の指示がない限り、複数形も同様に含むことを意図している。「備える」および/または「備えること」という用語は、本明細書で使用する場合、記載された特徴、ステップ、動作、要素および/またはコンポーネントの存在を明示するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、動作、要素、コンポーネントおよび/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、1つ以上の関連する列記された項目の任意および全ての組み合わせを含み、「/」と省略することができる。
【0145】
上記説明および特許請求の範囲において、「のうちの少なくとも1つ」または「のうちの1つ以上」等の語句は、要素または特徴の連言的なリストが続けて現れる場合がある。「および/または」という用語は、2つ以上の要素または特徴のリスト中に現れる場合もある。使用された文脈により何等かの方法で暗黙的にまたは明示的に否定されない限り、このような語句は、列記された要素または特徴のいずれかを個別に意味しまたは列挙された要素もしくは特徴のいずれかと他の列挙された要素もしくは特徴のいずれかとの組み合わせを意味することを意図している。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、「AおよびBのうちの1つ以上」および「Aおよび/またはB」との語句はそれぞれ、「Aのみ、BのみまたはAおよびB共に」を意味することを意図している。3つ以上の項目を含むリストについても同様の解釈が意図される。例えば、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」、「A、BおよびCのうちの1つ以上」および「A、Bおよび/またはC」という語句はそれぞれ、「Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB共に、AおよびC共に、BおよびC共にまたはAおよびBおよびC共に」を意味することを意図している。上記および特許請求の範囲における「に基づく」という用語の使用は、列挙されていない特徴または要素も許容されるように、「に少なくとも部分的に基づく」を意味することを意図している。
【0146】
例えば、「前方」、「後方」、「下方に」、「下側に」、「下部に」、「上方に」、「上部に」等の空間的に相対的な用語は、図面に示されているような1つの要素または特徴と、別の要素または特徴との関係を説明するための記述を容易にするために、本明細書において使用されてもよい。空間的に相対的な用語は、図面に示された向きに加えて、使用時または動作時におけるデバイスの種々の向きを包含することを意図していると理解されるであろう。例えば、図中のデバイスが反転された場合には、他の要素または特徴の「下方に」または「真下に」と記載された要素は、他の要素または特徴の「上方に」向けられることになる。このため、「下方に」という例示的な用語は、上方と下方の両方の向きを包含し得る。デバイスは、何等かの方法で配向され(90度または他の向きで回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述はそれに応じて解釈され得る。同様に、「上方に向かって」、「下方に向かって」、「垂直に」、「水平に」という用語等は、具体的に別段の指示がない限り、本明細書において、説明の目的でのみ使用される。
【0147】
本明細書において、種々の特徴/要素(ステップを含む)を説明するために、「第1の」および「第2の」という用語が使用される場合があるが、これらの特徴/要素は、文脈が別段の指示をしない限り、これらの用語により限定されるものではない。これらの用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素と区別するのに使用することができる。このため、本明細書で提供された教示から逸脱することなく、以下で検討される第1の特徴/要素を、第2の特徴/要素と称することができ、同様に、以下で検討される第2の特徴/要素を、第1の特徴/要素と称することができる。
【0148】
例示において使用される場合を含め、特に別段の指定がない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用する場合、全ての数は、「約」または「ほぼ」という単語が、これらの用語が明確に現れていない場合であっても、前置きされているように読むことができる。大きさおよび/または位置を説明する場合、「約」または「ほぼ」という語句を、記載された値および/または位置がこの値および/または位置の妥当な予測範囲内にあることを示すのに使用することができる。例えば、数値は、表示値(または値の範囲)の+/-0.1%、表示値(または値の範囲)の+/-1%、表示値(または値の範囲)の+/-2%、表示値(または値の範囲)の+/-5%、表示値(または値の範囲)の+/-10%等である値を有することができる。本明細書で与えられる任意の数値は、文脈により別段の指定がない限り、約またはほぼその値も含むと理解されたい。例えば、値「10」が開示されている場合には、「約10」も開示されている。本明細書で列挙される任意の数値範囲は、そこに包含される全ての部分範囲を含むことを意図している。また、ある値が開示されている場合、当業者であれば適切に理解するように、その値「以下」、「その値以上」およびそれらの値の間の可能な範囲も開示されていると理解されたい。例えば、値「X」が開示されている場合、「X以下」および「X以上」(例えば、Xは数値である)も開示されている。また、本出願全体を通して、データは、多くの異なる形式で提供され、このデータは、終了点および開始点ならびにこれらのデータポイントの任意の組み合わせについての範囲を表すとも理解される。例えば、特定のデータポイント「10」および特定のデータポイント「15」が開示されている場合、10および15より大きい、10および15以上、10および15より小さい、10および15以下ならびに10および15と等しいことが、10と15との間の範囲と同様に開示されていると見なされると理解される。また、2つの特定のユニット間の各ユニットも開示されているとも理解される。例えば、10および15が開示されている場合には、11、12、13および14も開示されている。
【0149】
種々の例示的な実施形態が上記で検討されたが、本明細書における教示から逸脱することなく、種々の実施形態に対して、多数の変更のいずれかを行うことができる。例えば、記載された種々の方法ステップが行われる順序は、代替的な実施形態では、多くの場合変更されてもよく、他の代替的な実施形態では、1つ以上の方法ステップが完全にスキップされてもよい。種々のデバイスおよびシステムの実施形態の任意の特徴は、一部の実施形態には含まれ、他の実施形態には含まれなくてもよい。したがって、前述の説明は、主に例示の目的で提供されており、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0150】
本明細書に記載された主題の1つ以上の態様または特徴を、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアおよび/またはこれらの組み合わせにおいて実現することができる。これらの種々の態様または特徴は、特別または汎用的であってもよく、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイスおよび少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信しかつこれらにデータおよび命令を送信するように連結されている、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能かつ/または解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムへの実装を含むことができる。プログラマブルシステムまたはコンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、一般的には、互いにリモートの状態にあり、典型的には、通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバとの関係は、各コンピュータ上で実行され、クライアント-サーバ関係を相互に有するコンピュータプログラムにより生じる。
【0151】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネントまたはコードとも呼ぶことができるこれらのコンピュータプログラムは、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含み、高水準手続き言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理プログラミング言語および/またはアセンブリ/機械語で実行することができる。本明細書で使用する場合、「機械可読媒体」という用語は、機械可読信号としての機械命令を受容する機械可読媒体を含む、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するのに使用される、任意のコンピュータプログラム製品、装置および/またはデバイス、例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリおよびプログラマブルロジックデバイス(PLD)等を指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するのに使用される任意の信号を指す。この機械可読媒体は、このような機械命令を、非一時的に、例えば、非一時的なソリッドステートメモリもしくは磁気ハードドライブまたは任意の同等の記憶媒体等に記憶することができる。機械可読媒体は、代替的にまたは付加的に、このような機械命令を、一時的に、例えば、1つ以上の物理プロセッサコアに関連付けられたプロセッサキャッシュまたは他のランダムアクセスメモリ等に記憶することができる。
【0152】
本明細書に含まれる例示および例証は、限定としてではなく例示として、本主題を実施することができる特定の実施形態を示す。言及されたように、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的および論理的な置換および変更を行うことができるように、他の実施形態を利用することができ、そこから導き出すことができる。本発明の主題のこのような実施形態は、2つ以上が実際に開示されている場合、単に便宜上「発明」という用語により、本出願の範囲を任意の単一の発明または発明概念に自発的に限定することを意図することなく、本明細書において個別にまたは集約的に言及することができる。このため、特定の実施形態を、本明細書において例証し、説明してきたが、同じ目的を達成するために計算されたあらゆる配置を、示された特定の実施形態について置換することができる。本開示は、種々の実施形態の任意および全ての適応例または変化形態をカバーすることを意図している。上記実施形態と本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態との組み合わせは、上記説明をレビューすれば、当業者に明らかになるであろう。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
【国際調査報告】