(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-27
(54)【発明の名称】補体成分C5a受容体の遊離塩基結晶形態
(51)【国際特許分類】
C07D 211/60 20060101AFI20221220BHJP
A61K 31/451 20060101ALI20221220BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20221220BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20221220BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20221220BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20221220BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20221220BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20221220BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20221220BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20221220BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20221220BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20221220BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20221220BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20221220BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221220BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20221220BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20221220BHJP
A61P 9/04 20060101ALI20221220BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20221220BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20221220BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20221220BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20221220BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
C07D211/60 CSP
A61K31/451
A61P25/28
A61P29/00
A61P29/00 101
A61P31/04
A61P25/00
A61P9/00
A61P1/04
A61P27/02
A61P19/02
A61P17/06
A61P17/04
A61P17/02
A61P11/00
A61P35/00
A61P37/08
A61P37/06
A61P9/04
A61P13/12
A61P3/10
A61K45/00
A61K31/675
A61K39/395 U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525889
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(85)【翻訳文提出日】2022-06-24
(86)【国際出願番号】 US2020059287
(87)【国際公開番号】W WO2021092292
(87)【国際公開日】2021-05-14
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507416218
【氏名又は名称】ケモセントリックス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ラジンダー シン
(72)【発明者】
【氏名】クウォク ヤウ
(72)【発明者】
【氏名】ツォン イーピン
(72)【発明者】
【氏名】ペングリー ジャーン
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ エム.ルイ
(72)【発明者】
【氏名】アントニ クラシンスキ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZA01
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4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA16
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4C086ZA37
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4C086ZB13
4C086ZB26
4C086ZB35
4C086ZC35
(57)【要約】
化合物1の式を有する、補体成分5a受容体の遊離塩基結晶形態が、本明細書で提供される。本明細書に記載の化合物1の遊離塩基結晶形態を使用する医薬組成物及び治療方法も、本明細書で提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化合物1の遊離塩基結晶形態
【化1】
であって、化合物1の他の形態を実質的に含まない、化合物1の遊離塩基結晶形態。
【請求項2】
8.1、8.4、14.1、16.9、及び19.0°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含む、粉末X線回折(XRPD)パターンにより特徴づけられる、請求項1に記載の遊離塩基結晶形態。
【請求項3】
12.4、15.2、16.1、24.4、及び24.7°2θ(±0.2°2θ)でのXRPDピークによりさらに特徴づけられる、請求項2に記載の遊離塩基結晶形態。
【請求項4】
実質的に
図1に従う粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、請求項1に記載の遊離塩基結晶形態。
【請求項5】
大体216℃で吸熱ピークを含む、示差走査熱量測定サーモグラム(DSC)によりさらに特徴づけられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の遊離塩基結晶形態。
【請求項6】
示差走査熱量測定サーモグラム(DSC)により決定された約213℃での融点開始によりさらに特徴づけられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の遊離塩基結晶形態。
【請求項7】
実質的に
図2に従うDSCによりさらに特徴づけられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の遊離塩基結晶形態。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物1の遊離塩基結晶形態、及び少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む、医薬組成物。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物1の遊離塩基結晶形態、及び少なくとも1つの添加剤を含む、水性懸濁液。
【請求項10】
前記少なくとも1つの添加剤が、少なくとも1つの懸濁化剤及び/又は少なくとも1つの湿潤剤である、請求項9に記載の水性懸濁液。
【請求項11】
請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物1の遊離塩基結晶形態の有効量を、個体へ投与することを含む、C5a受容体の病的活性化に関与した疾患又は障害に罹患したか又は易罹患性の個体を治療する方法。
【請求項12】
前記疾患又は障害が、炎症性疾患又は障害である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記疾患又は障害が、好中球減少症、敗血症、敗血症性ショック、アルツハイマー病、多発性硬化症、脳卒中、炎症性腸疾患、加齢黄斑変性症、慢性閉塞性肺疾患、熱傷に関連した炎症、肺損傷、変形性関節症、アトピー性皮膚炎、慢性じんま疹、虚血再灌流障害、急性呼吸窮迫症候群、全身性炎症反応症候群、多臓器機能障害症候群、組織移植片拒絶、癌及び移植した臓器の超急性拒絶からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記疾患又は障害が、心臓血管系又は脳血管系障害である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記疾患又は障害が、心筋梗塞、冠血管血栓症、血管閉塞、術後の血管再閉塞、アテローム性動脈硬化症(artherosclerosis)、外傷性中枢神経系損傷及び虚血性心疾患からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記疾患又は障害が、自己免疫疾患である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記疾患又は障害が、関節リウマチ、C3糸球体症(C3G)、化膿性汗腺炎(HS)、全身性紅斑性狼瘡、ギラン・バレー症候群、膵炎、ループス腎炎、ループス糸球体腎炎、乾癬、免疫グロブリンA(IgA)腎症、クローン病、血管炎、過敏性腸症候群、皮膚筋炎、多発性硬化症、気管支喘息、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、重症筋無力症、自己免疫性溶血症及び血小板減少症、グッドパスチャー症候群、免疫関連血管炎、組織移植片拒絶及び移植した臓器の超急性拒絶からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記疾患又は障害が、インスリン依存性糖尿病、真性糖尿病、ループス腎症、ハイマン腎炎、膜性腎炎、糸球体腎炎、接触性過敏反応、及び血液の人工表面との接触から生じる炎症からなる群に関連した病的後遺症である、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記疾患又は障害が、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎、C3糸球体症、化膿性汗腺炎、及びループス腎炎からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記疾患又は障害が、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎である、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
前記疾患又は障害が、多発血管炎性肉芽腫症である、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
前記疾患又は障害が、顕微鏡的多発血管炎である、請求項11に記載の方法。
【請求項23】
前記疾患又は障害が、C3糸球体症である、請求項11に記載の方法。
【請求項24】
前記疾患又は障害が、化膿性汗腺炎である、請求項11に記載の方法。
【請求項25】
前記疾患又は障害が、ループス腎炎である、請求項11に記載の方法。
【請求項26】
前記個体へ、一つ又は複数の追加の治療薬の有効量を投与することをさらに含む、請求項11~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記一つ又は複数の追加治療薬が、リツキシマブである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記一つ又は複数の追加の治療薬が、シクロホスファミドである、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月8日に出願された米国特許仮出願第62/932,644号に対する、米国特許法119条(e)項の下での優先権の利益を主張するものであり、この仮出願の開示はその全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
【0002】
連邦政府支援の研究開発下で行われた発明に対する権利に関する陳述
該当なし。
【0003】
コンパクトディスクで提出された「配列表」、表、又はコンピュータプログラムを列挙する付属物に関する言及
該当なし。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
補体系は、免疫複合体のクリアランスにおいて、及び感染体、異物抗原、ウイルス感染細胞及び腫瘍細胞に対する免疫反応において、中心的役割を果たす。補体系の不適切な又は過剰な活性化は、有害性に繋がり、並びに重度の炎症及び結果としての組織破壊のために、潜在的に致命的な結果にさえ繋がり得る。これらの結果は、敗血性ショック;心筋、並びに小腸の虚血/再灌流障害;移植片拒絶;臓器不全;腎炎;病的炎症;及び、自己免疫疾患を含む、様々な障害として臨床的に顕在化される。
【0005】
補体系は、通常不活性状態で血清中に存在するタンパク質のグループで構成される。補体系の活性化は、主に3つの異なる経路、すなわち古典的経路、副経路、及びレクチン経路を包含している(V. M. Holers, In Clinical Immunology: Principles and Practice, ed. R. R. Rich, Mosby Press; 1996, 363-391):1)古典的経路は、カルシウム/マグネシウム-依存型カスケードであり、これは通常、抗原-抗体複合体の形成により活性化される。これはまた、リガンドと複合体化された、C-反応性タンパク質の結合により、及びグラム陰性菌を含む多くの病原体により、抗体-非依存的様式でも活性化され得る。2)副経路は、特定の易感受性表面(例えば、酵母及び細菌の細胞膜多糖、並びに特定の生体高分子物質)上のC3の沈着及び活性化により活性化される、マグネシウム-依存型カスケードである。3)レクチン経路は、マンノース結合レクチンの最初の結合、並びに後続のC2及びC4の活性化が関与し、このことは、古典経路と共通である(Matsushita, M.ら, J. Exp. Med. 176: 1497-1502 (1992); Suankratay, C.ら, J. Immunol. 160: 3006-3013 (1998))。
【0006】
補体経路の活性化は、補体タンパク質の生物学的に活性のある断片、例えばC3a、C4a及びC5aアナフィラトキシン並びにC5b-9膜侵襲複合体(MAC)を生じ、これらは全て、白血球走化性に影響を及ぼし;マクロファージ、好中球、血小板、マスト細胞及び内皮細胞を活性化し;並びに、血管透過性、細胞溶解及び組織損傷を増強することにより、炎症反応を媒介する。
【0007】
補体C5aは、補体系の最も強力な炎症誘発性メディエーターの一つである。(アナフィラトキシンC5aペプチドは、炎症反応を誘発する点で、C3aよりも、モルベースで100倍より強力である)。C5aは、C5(分子量190kD)の活性化型である。C5aは、おおよそ80μg/mlでヒト血清中に存在する(Kohler, P. F.ら, J. Immunol. 99: 1211-1216 (1967))。これは、α及びβの2種のポリペプチド鎖により構成され、それぞれ、おおよその分子量は115kD及び75kDである(Tack, B. F. ら, Biochemistry 18: 1490-1497 (1979))。一本鎖プロ分子として生合成されたC5は、プロセッシング及び分泌時に、2本鎖構造へ酵素により切断される。切断後、これらの2種の鎖は、少なくとも1個のジスルフィド結合、並びに非共有的相互作用により、一緒に保持される(Ooi, Y. M.ら, J. Immunol. 124: 2494-2498(1980))。
【0008】
最近の研究は、(2R,3S)-2-(4-(シクロペンチルアミノ)フェニル)-1-(2-フルオロ-6-メチルベンゾイル)-N-(4-メチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-3-カルボキサミド、化合物1を、C5a媒介性疾患の治療に有用なものとして確定した:
【化1】
この確定にもかかわらず、生物学的に関連のある量の化合物1の効率的送達には、依然として課題がある。
【0009】
従って、安定性及び効能を犠牲にすることなく、溶解度、溶解速度、及び生物学的利用能などの重要な生物学的特徴を改善することができる、化合物1の固体形態を確定する必要性が存在する。本開示は、これらの必要性に対処し、且つ更に関連した利点を提供する。
【発明の概要】
【0010】
発明の簡単な概要
化合物1の遊離塩基結晶形態、これを使用する方法、並びに化合物1の遊離塩基結晶形態を使用し調製された医薬組成物が、本明細書で提供される。
【0011】
いくつかの態様において、(2R,3S)-2-(4-(シクロペンチルアミノ)フェニル)-1-(2-フルオロ-6-メチルベンゾイル)-N-(4-メチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-3-カルボキサミドである、化合物1の遊離塩基結晶形態が、本明細書で提供される:
【化2】
【0012】
化合物1の遊離塩基結晶形態は、粉末X線回折法(XRPD)及び示差走査熱量測定(DSC)を含むが、これらに限定されるものではない、様々な技術を用いて特徴づけることができる。列挙された技術からの関連する特徴のある性質は、更に本明細書で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面の簡単な説明
【
図1】
図1は、実施例1に説明された遊離塩基結晶形態の粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。
【0014】
【
図2】
図2は、化合物1の遊離塩基結晶形態の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明
I.概要
本開示は、化合物1の遊離塩基結晶形態を提供する。この形態は、錠剤、カプセル剤、軟ゲルなどの経口固形剤形、液剤及び懸濁剤などの経口液体剤形、半固形物、軟膏、泥膏、クリーム剤及びゲル剤などの局所用剤形、吸入剤形、並びにIV、IM及びSCなどの非経口剤形を含むが;前述の剤形に限定されない、医薬組成物の調製に適している。
【0016】
II.定義
数値を修飾するために本明細書において使用される用語「約」及び「大体」は、その明示された値の周りの近い範囲を指定している。「X」がある値である場合、「約X」又は「大体X」は、0.9Xから1.1Xまでの値を指定し、より好ましくは0.95Xから1.05Xまでの値を指定している。「約X」又は「大体X」の任意の言及は、具体的には、少なくとも値X、0.95X、0.96X、0.97X、0.98X、0.99X、1.01X、1.02X、1.03X、1.04X、及び1.05Xを示す。従って、「約X」及び「大体X」は、例えば「0.98X」の、クレームにおける限定に関する記載要件のサポートを教示し且つ提供することが意図される。
【0017】
「化合物1」は、IUPAC名(2R,3S)-2-(4-(シクロペンチルアミノ)フェニル)-1-(2-フルオロ-6-メチルベンゾイル)-N-(4-メチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-3-カルボキサミド、及び以下に示した構造を有する化合物である:
【化3】
【0018】
「実質的に含まない」は、別の形態が10%又はそれ未満の量、好ましくは別の形態が8%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又はそれ未満の量を指す。
【0019】
用語「治療する」又は「治療」は、疾患修飾療法及び対症療法の両方を包含しており、そのいずれも、予防的(すなわち、症状を防止、遅延又は重症度を軽減するために、症状の開始前に)又は治療的(すなわち、症状の重症度及び/又は持続期間を減少するために、症状の開始後)であってよい。
【0020】
本明細書において使用される場合、状態はC5a受容体活性の調節が、C5a受容体の不適切な活性の減少を生じる場合、「C5a受容体調節に反応する」と考えられる。
【0021】
用語「個体」は、本明細書に説明された投与量を伴う、霊長類(特にヒト)、家庭内飼育動物(domesticated companion animals)(イヌ、ネコ、ウマなど)及び家畜(畜牛、ブタ、ヒツジなど)を含む、哺乳動物を指す。いくつかの実施形態において、用語「個体」は、ヒトを指す。
【0022】
III.実施形態の詳細な説明
A.化合物1の遊離塩基結晶形態
いくつかの態様において、化合物1の他の形態を実質的に含まない、化合物1の遊離塩基結晶形態が、本明細書に提供される:
【化4】
【0023】
いくつかの実施形態において、化合物1の遊離塩基結晶形態は、8.1、8.4、14.1、16.9、及び19.0°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含む、粉末X線回折パターンにより特徴づけられる。いくつかの実施形態において、化合物1の遊離塩基結晶形態は、12.4、15.2、16.1、24.4、及び24.7°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含む粉末X線回折パターンにより更に特徴づけられる。いくつかの実施形態において、化合物1の遊離塩基結晶形態は、実質的に
図2に従う、粉末X線回折パターンにより特徴づけられる。
【0024】
示差走査熱量測定(DSC)もまた、化合物1の遊離塩基結晶形態を特徴決定するために、使用することができる。いくつかの実施形態において、化合物1の遊離塩基結晶形態は、大体216℃の吸熱ピークを含む示差走査熱量測定サーモグラム(DSC)により特徴づけられる。いくつかの実施形態において、化合物1の遊離塩基結晶形態は、示差走査熱量測定サーモグラム(DSC)により決定されるような、約213℃の融点開始により特徴づけられる。いくつかの実施形態において化合物1の遊離塩基結晶形態は、実質的に
図2に従う、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムにより特徴づけられる。
【0025】
B.化合物1の遊離塩基結晶形態の製造方法
化合物1は、先に説明されたように調製されることができる。例えば、WO2010/075257を参照し、その各々の内容は、全ての目的のためにそれらの全体が引用により組み込まれている。
【0026】
本明細書記載の遊離塩基結晶形態は、提供される実施例中に説明されたように調製されることができる。説明された遊離塩基結晶形態を生じる1つ以上の結晶化法が存在し得ることが理解される。
【0027】
C.医薬組成物
化合物1の遊離塩基結晶形態を含有する医薬組成物、又は化合物1の遊離塩基結晶形態を用いて調製される液体医薬組成物が、本明細書に提供される。医薬組成物は、一つ又は複数の薬学的に許容される添加剤を含むであろう。
【0028】
化合物1の遊離塩基結晶形態を含有する医薬組成物は、経口使用に適した形状、例えば、錠剤、トローチ剤、舐剤(lozenges)、液体製剤、水性もしくは油性の懸濁剤、分散性散剤もしくは顆粒剤、乳剤、及び米国特許出願第2002-0012680号に記載されたような自己乳化剤、硬又は軟カプセル剤、シロップ剤、エリキシル剤、液剤、口腔内貼付剤、経口ゲル剤、チューインガム、チュアブル錠、発泡散剤及び発泡錠剤であってよい。経口使用が意図された組成物は、医薬組成物の製造に関する技術分野において公知の任意の方法に従い調製されてよく、並びにそのような組成物は、医薬として洗練された口当たりのよい調製品を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、抗酸化剤及び保存剤からなる群から選択される一つ又は複数の物質を含有してよい。錠剤は、化合物1の遊離塩基結晶形態を、錠剤の製造に適している無毒の医薬として許容し得る賦形剤と混合して含む。これらの賦形剤は、例として、不活性希釈剤、例えばセルロース、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、グルコース、マンニトール、ソルビトール、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなど;造粒剤及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、又はアルギン酸;結合剤、例えば、PVP、セルロース、PEG、デンプン、ゼラチン又はアカシアゴム;並びに、滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであってよい。錠剤は、コーティングされないか、或いはこれらは、経腸的又はそれ以外で、消化管における崩壊及び吸収を遅延し、これにより長期間にわたる持続作用を提供するための公知の技術により、コーティングされてよい。例えばグリセリルモノステアラート又はグリセリルジステアラートなどの遅延物質が使用されてよい。これらはまた、制御放出のための浸透圧治療用錠剤を形成するために、米国特許第4,256,108号;第4,166,452号;及び第4,265,874号に記載された技術によって、コーティングされてもよい。
【0029】
経口使用のための製剤はまた、化合物1の遊離塩基結晶形態が、不活性固形希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合される、または硬ゼラチンカプセル剤として、又は化合物1の遊離塩基結晶形態が、水又は油性媒体、例えばピーナッツ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油などと混合される、軟ゼラチンカプセル剤としても提示されてよい。加えて、乳剤が、油などの非水混和性成分により調製され、並びにモノ-ジグリセリド、PEGエステルなどの界面活性剤により安定化され得る。
【0030】
経口使用のための水性懸濁剤は、化合物1の遊離塩基結晶形態を、水性懸濁液の製造に適した添加剤と混合して含有する。そのような添加剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、ヒドロキシ-プロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル-ピロリドン、トラガカントゴム及びアカシアゴムなどであり;分散剤又は湿潤剤は、天然のホスファチド、例えばレシチンなど、又はアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、例えばステアリン酸ポリオキシ-エチレンなど、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノールなど、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導された部分エステルの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなど、又はエチレンオキシドと脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導された部分エステルの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートなど、並びに他のポロキサマー(例えば、ポロキサマーF-68)であってよい。水性懸濁液はまた、一つ又は複数の保存剤、例えば、安息香酸エチル、又は安息香酸n-プロピル、p-ヒドロキシ安息香酸エステルなど、一つ又は複数の着色剤、一つ又は複数の香味剤、及び一つ又は複数の甘味剤、例えばショ糖又はサッカリンであってよい。
【0031】
従って、化合物1の遊離塩基結晶形態及び少なくとも1種の添加剤を含有する水性懸濁剤が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、この少なくとも1種の添加剤は、前述のような少なくとも1種の懸濁化剤及び/又は少なくとも1種の湿潤剤である。
【0032】
経口使用のための油性懸濁剤は、化合物1の遊離塩基結晶形態を、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはココナツ油などの植物油、又は例えば流動パラフィンなどの鉱油の中に、懸濁化することにより製剤化されてよい。油性懸濁剤は、増粘剤、例えば、蜜ろう、固形パラフィン又はセチルアルコールを含んでよい。先に列挙したもののような甘味剤、及び香味剤を添加し、口当たりのよい経口調製品を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化物質の添加により保存されてよい。
【0033】
本医薬組成物は、無菌の注射用又は点滴用の水性又は油性の溶液又は懸濁液の形状であることができる。この溶液又は懸濁液は、先に言及したようなそれらの好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を使用し、公知の技術に従い製剤化されてよい。無菌の注射用調製品はまた、無毒の非経口的に許容し得る希釈剤又は溶媒中の無菌の注射用溶液又は懸濁液、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液としてであってもよい。許容し得るビヒクル及び溶媒中でも、利用されるものは、水、リンゲル液、等張の塩化ナトリウム溶液、等張の水性緩衝溶液、並びに食塩水、PEGなどの崩壊剤(例えば、PEG200、PEG400、PEG800など)、及びTween(登録商標)80などの非イオン性界面活性剤の混合物である。加えて、無菌の不揮発性油が、溶媒又は懸濁化媒体として通常利用される。この目的のために、合成モノ-又はジグリセリドを含む、任意の無刺激の不揮発性油が使用される。加えて、オレイン酸などの脂肪酸の注射用及び点滴用の調製品中の使用が認められる。注射用又は点滴用の投与のための組成物は、注射部位の疼痛を緩和するために、リグノカインなどの局所麻酔薬を任意に含む。成分は、予め混合して供給されるか、又は個別に供給され、使用直前に成分の混合が行われ得る。いくつかの実施形態において、使用直前の混合は、特定の液体製剤混合物中の化合物1の遊離塩基結晶形態の高い初期溶解度を活用することが望ましい。
【0034】
注射用又は点滴用組成物は、静脈内投与、筋肉内投与、並びに皮下もしくは胸骨内注射を含むが、これらに限定されるものではない。従っていくつかの実施形態において、化合物1及び少なくとも1種の湿潤剤又は溶媒を含有する注射用又は点滴用溶液が、本明細書に提供され、ここでこの静脈内医薬組成物は、本明細書記載の化合物1の遊離塩基結晶形態を使用し調製される。いくつかの実施形態において、注射用又は点滴用溶液は、静脈内投与のために調製される。いくつかの実施形態において、注射用又は点滴用溶液は、筋肉内投与のために調製される。いくつかの実施形態において、注射用又は点滴用溶液は、皮下注射のために調製される。いくつかの実施形態において、注射用又は点滴用溶液は、胸骨内注射のために調製される。いくつかの実施形態において、注射用又は点滴用医薬組成物中の少なくとも1種の湿潤剤又は溶媒は、食塩水、崩壊剤、及び非イオン性界面活性剤を含む。
【0035】
注射用又は点滴用組成物は、医療実践者又は使用者にとって都合の良い任意の時点で調製されることができ;これは、使用直前か又は使用の十分前もってを含む。いくつかの実施形態において、本組成物は、使用直前に調製される。使用直前は、使用前0~24時間、使用前0~10時間、使用前0~5時間、又は使用前0~1時間を含む。いくつかの実施形態において、注射用又は点滴用組成物は、使用前0~5時間に調製される。十分に前もっては、典型的には使用の1日以上前を指す。従って、注射用又は点滴用溶液を調製する方法もまた、本明細書に提供される。この方法は、化合物1の遊離塩基結晶形態を、少なくとも1種の湿潤剤又は溶媒で溶解し、注射用又は点滴用溶液を調製すること;並びに、この注射用又は点滴用溶液を、それを必要とする対象へ投与することを含む。
【0036】
水の添加による水性の経口製剤又は経口懸濁液の調製に適した分散性散剤及び顆粒剤は、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤及び1もしくは複数の保存剤と混合した、化合物1の遊離塩基結晶形態を提供する。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤は、先に既に言及したものにより例示される。追加の添加剤、例えば甘味料、香味剤及び着色剤も、存在してよい。
【0037】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型乳剤の形状であってもよい。その油相は、植物油、例えば、オリーブ油もしくは落花生油、又は鉱油、例えば流動パラフィン、又はそれらの混合物であってよい。好適な乳化剤は、天然ゴム、例えばアカシアゴム又はトラガカントゴムなど、天然のホスファチド、例えば大豆、レシチンなど、並びに脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導されたエステルもしくは部分エステル、例えばソルビタンモノオレエートなど、及び該部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどであってよい。乳剤はまた、甘味料及び香味剤も含んでよい。
【0038】
シロップ剤及びエリキシル剤は、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はショ糖などの甘味剤と共に製剤化されてよい。そのような製剤はまた、粘滑剤(demulcent)、保存剤及び香味剤及び着色剤も含んでよい。経口液剤は、例えば、シクロデキストリン、PEG及び界面活性剤と組合せて調製することができる。
【0039】
本発明の化合物はまた、本薬物の直腸投与のための坐剤の形状で投与されてよい。これらの組成物は、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、従って直腸内で融解し薬物を放出する好適な非刺激性の賦形剤と、化合物1の遊離塩基結晶形態を混合することにより、調製されることができる。そのような物質は、カカオバター及びポリエチレングリコールを含む。加えてこれらの化合物は、溶液又は軟膏を用い、眼内送達により投与されることができる。より更に、対象化合物の経皮送達を、イオントフォレシス貼付剤などを用い、達成することができる。局所使用に関して、本発明の化合物を含有するクリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、液剤又は懸濁剤などが利用される。本明細書において使用される局所適用はまた、洗口液及び含嗽剤の使用も含むことも意味している。
【0040】
本発明の化合物はまた、標的化可能な薬物担体として適したポリマーである担体と組み合わされてよい。そのようなポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシ-プロピル-メタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチル-アスパルタミド-フェノール、又はパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド-ポリリジンを含むことができる。更に本発明の化合物は、薬物の制御放出を達成するのに有用な生分解性ポリマーの種類である担体、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸のコポリマー、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、及びヒドロゲルの架橋したもしくは両親媒性のブロックコポリマーなどと組合せられてよい。ポリマー及び半透性のポリマーマトリクスは、バブル、ステント、チューブ、プロテーゼなどの成形された製品へと形成されてよい。本発明の一実施形態において、本発明の化合物は、ステント又はステント-グラフト器具として形成される、ポリマー又は半透性ポリマーマトリクスと組合せられる。
【0041】
D.治療方法
C5a受容体調節に反応する状態に罹患している個体を治療する方法も、本明細書に提供される。
【0042】
いくつかの態様において、本明細書記載の化合物1の遊離塩基結晶形態又は化合物1を含む医薬製剤の有効量を個体へ投与することを含む、C5a受容体の病的活性化に関与する疾患又は障害に罹患している又は易罹患性である個体を治療する方法が、本明細書に提供される。
【0043】
いくつかの実施形態において、本明細書記載の化合物1の遊離塩基結晶形態は、C5a受容体調節に反応する状態に罹患している患者を治療するために使用される。
【0044】
C5a調節により治療され得る状態:
自己免疫疾患--例えば、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、ギラン・バレー症候群、膵炎、C3糸球体症(C3G)、化膿性汗腺炎(HS)、ループス腎炎、ループス糸球体腎炎、免疫グロブリンA(IgA)腎症、乾癬、クローン病、血管炎、過敏性腸症候群、皮膚筋炎、多発性硬化症、気管支喘息、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、重症筋無力症、自己免疫性溶血性及び血小板減少性状態、グッドパスチャー症候群(並びに随伴する糸球体腎炎及び肺出血)、免疫関連血管炎、組織移植片拒絶、移植した臓器の超急性拒絶;及び同類のもの。
【0045】
炎症障害及び関連状態--例えば、好中球減少症、敗血症、敗血性ショック、アルツハイマー病、多発性硬化症、脳卒中、炎症性腸疾患(IBD)、加齢黄斑変性症(AMD、湿潤型及び乾性型の両方)、重度の熱傷に関連した炎症、肺損傷、及び虚血-再灌流障害、変形性関節症、並びに急性(成人)呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、アトピー性皮膚炎、乾癬、慢性じんま疹及び多臓器機能障害症候群(MODS)。同じく、インスリン-依存性真性糖尿病(糖尿病性網膜症を含む)、ループス腎症、ハイマン腎炎、膜性腎炎、及び他の糸球体腎炎の型、接触過敏反応、並びに例えば血液の体外循環時に(例えば、血液透析時、又は、例えば冠動脈バイパス移植又は心臓弁の交換などの血管手術に関連した心-肺装置を介して)、或いは他の人工血管もしくは容器の表面(例えば、心室補助装置、人工心臓装置、輸血チューブ、血液貯蔵バッグ、血漿交換、血小板交換、及び同類のもの)との接触に関連して起こるような補体活性化を引き起こし得る血液の人工表面との接触から生じる炎症に関連した病的後遺症も含まれる。同じく、固形臓器移植を含む移植から生じるものなど虚血/再灌流障害に関連した疾患、並びに虚血性再灌流障害、虚血性大腸炎及び心臓虚血などの症候群も含まれる。本明細書記載の化合物1の遊離塩基結晶形態はまた、加齢黄斑変性症の治療においても有用であり得る(Hagemanら、P.N.A.S.102: 7227-7232、2005)。
【0046】
心臓血管及び脳血管の障害--例えば、心筋梗塞、冠血管血栓症、血管閉塞、術後の血管再閉塞、アテローム性動脈硬化症、外傷性中枢神経系損傷、及び虚血性心疾患。一実施形態において、本明細書記載の化合物1の遊離塩基結晶形態の有効量は、心筋梗塞又は血栓症のリスクを軽減するために、心筋梗塞又は血栓症のリスクのある患者(すなわち、非限定的に、肥満症、喫煙、高血圧、高コレステロール血症、心筋梗塞もしくは血栓症の既往歴もしくは遺伝歴などの、心筋梗塞又は血栓症の一つ又は複数の認識されたリスク要因を有する患者)へ投与されてよい。
【0047】
血管炎の疾患--血管炎疾患は、血管の炎症により特徴づけられる。白血球の浸潤は、血管壁の破壊へ繋がり、及び補体経路は、白血球遊走の開始並びに炎症部位での顕在化された結果としての損傷において大きな役割を果たすと考えられる(Vasculitis, Second Edition, Edited by Ball and Bridges, Oxford University Press, pp 47-53, 2008)。本明細書記載の化合物1の遊離塩基結晶形態は、抗-好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎(又は、ANCA-関連血管炎、これは、顕微鏡的多発血管炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、及びウェゲナー疾患としても公知である多発血管炎性肉芽腫症を含む)、チャーグ・ストラウス症候群、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、結節性多発動脈炎、急速進行性糸球体腎炎(RPGN)、クリオグロブリン血症、巨細胞性動脈炎(GCA)、ベーチェット病及び高安動脈炎(TAK)を含む、血管炎を治療するために使用することができる。
【0048】
HIV感染症及びAIDS--本明細書記載の化合物1の遊離塩基結晶形態は、HIV感染症を阻害するか、AIDS進行を遅延するか、又はHIV感染症及びAIDSの症状の重症度を軽減するために使用されてよい。
【0049】
神経変性障害及び関連疾患--更なる実施形態において、本明細書記載の化合物1の遊離塩基結晶形態は、アルツハイマー病、多発性硬化症、並びに心肺バイパス手術及び関連手技に関連した認知機能の減退を治療するために使用されてよい。
【0050】
癌-本明細書記載の化合物1の遊離塩基結晶形態はまた、対象における癌及び前癌状態の治療に有用である。治療することができる具体的な癌は、肉腫、癌腫、及び混合型腫瘍を含むが、これらに限定されるものではない。本発明に従い治療され得る状態の例は、線維肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、滑液腫、中皮腫、髄膜腫、白血病、リンパ腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、乳頭状癌、嚢胞腺癌、気管支癌、メラノーマ、腎細胞癌、肝細胞癌、移行上皮癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、多形腺腫、肝細胞乳頭腫、腎尿細管腺腫、嚢胞腺腫、乳頭腫、腺腫、平滑筋腫、横紋筋腫、血管腫、リンパ管腫、骨腫、軟骨腫、脂肪腫及び線維腫を含む。
【0051】
いくつかの実施形態において、本明細書記載の化合物1の遊離塩基結晶形態は、敗血症(及び関連障害)、COPD、関節リウマチ、ループス腎炎及び多発性硬化症からなる群から選択される疾患の治療のために使用することができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、本明細書記載の化合物1の遊離塩基結晶形態は、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎、C3糸球体症、化膿性汗腺炎、及びループス腎炎からなる群から選択される疾患の治療のために使用することができる。
【0053】
本明細書に提供される治療方法は、概して、化合物1の遊離塩基結晶形態の有効量の患者への投与を含む。好適な患者は、本明細書において確定された障害又は疾患に罹患しているか又は易罹患性である(すなわち予防的治療)それらの患者を含む。本明細書記載の治療のための典型的患者は、哺乳動物、特に霊長類、特定するとヒトを含む。他の好適な患者は、イヌ、ネコ、ウマなどの家庭内飼育動物(domesticated companion animals)、又は、畜牛、ブタ、ヒツジなどの家畜動物を含む。
【0054】
概して、本明細書に提供される治療方法は、本明細書記載の化合物1の遊離塩基結晶形態の有効量を患者へ投与することを含む。本発明の医薬組成物に関する正確な製剤、投与経路及び用量は、患者の状態を考慮し、個々の医師により選択され得る(例えば、その全体が引用により本明細書中に組み込まれた、Finglら. 1975, “The Pharmacological Basis of Therapeutics”を参照し、特に第一章1頁を参照する)。いくつかの実施形態において、本明細書記載の化合物1の遊離塩基結晶形態は、患者(例えばヒト)へ経口投与される。いくつかの実施形態において、本明細書記載の化合物1の遊離塩基結晶形態は、患者(例えばヒト)へ、静脈内、筋肉内、又は皮下もしくは胸骨内注射を介して投与される。この有効量は、C5a受容体活性を調節するのに十分な量、及び/又は患者により提示された症状を軽減もしくは緩和するのに十分な量であってよい。好ましくは、投与される量は、インビトロにおいて白血球細胞(例えば好中球)の走化性を検出できるように阻害するのに十分に高い化合物(又はこの化合物がプロドラッグである場合は、その活性代謝産物)の血漿濃度を生じるのに十分である。
【0055】
経口投与によるほとんどの障害の治療に関して、当業者は、適切な投与頻度を決定してよい。いくつかの実施形態において、1日4回以下の投与頻度が好ましい。いくつかの実施形態において、1日2回の投薬レジメンが使用される。いくつかの実施形態において、1日1回の投与が使用される。この患者は、摂食状態又は絶食状態で化合物1の遊離塩基結晶形態が投与されてよい。いくつかの実施形態において、患者は、化合物1の遊離塩基結晶形態を食品と一緒に摂取する。いくつかの実施形態において、患者は、化合物1の遊離塩基結晶形態を食品を伴わずに摂取する。
【0056】
静脈内、筋肉内投与又は皮下もしくは胸骨内注射を介したほとんどの障害の治療に関して、当業者は、適切な投与頻度を決定してよい。いくつかの実施形態において、投与頻度は、2週間毎に約1回である。いくつかの実施形態において、投与頻度は、毎週約1回である。いくつかの実施形態において、投与頻度は、1週間に約3回である。いくつかの実施形態において、投与頻度は、1週間に約2~5回である。いくつかの実施形態において、投与頻度は、約隔日1回である。いくつかの実施形態において、投与頻度は、約1日1回である。
【0057】
しかしながら、いずれか特定の患者に関する具体的投与量レベル及び治療レジメンは、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄率、併用薬(すなわち、その患者へ投与される他の薬物)、及び治療を受ける特定の疾患の重症度を含む様々な要因、並びに処方する医学的実践者の判断によって左右されることは理解されるであろう。概して、効果的治療を提供するのに十分な最小投与量の使用が、好ましい。患者は一般に、治療又は予防される状態に適している医学的又は獣医学的判定基準を用いて治療効果についてモニタリングされる。
【0058】
約0.1mg~約140mg/kg体重/日の桁の用量レベルは、病原性C5a活性に関与する状態の治療又は予防において有用である(約0.5mg~約7g/ヒト患者/日)。単独の剤形を提供するために担体物質と組合せられてよい化合物1の遊離塩基結晶形態の量は、治療される宿主及び特定の投与様式に応じて大きく変動するであろう。単位剤形は、一般に、化合物1の遊離塩基結晶形態約1mg~約500mgを含有する。経口、経皮、経静脈、又は皮下に投与される場合、血清濃度5ng(ナノグラム)/mL~10μg(マイクログラム)/mL血清を達成するように化合物1の遊離塩基結晶形態の十分な量が投与されることが好ましく、より好ましくは、血清濃度20ng~1μg/ml血清を達成するのに十分な化合物が投与されるべきであり、最も好ましくは、血清濃度50ng/ml~200ng/ml血清を達成するのに十分な化合物が投与されるべきである。滑膜への直接注射に関して(関節炎の治療に関して)、おおよそ1マイクロモルの局所濃度を達成する化合物1の遊離塩基結晶形態の十分量が、投与されるべきである。
【0059】
E.併用療法
ここで開示された方法は、C5a受容体の病的活性化が関与する疾患又は状態の治療、予防、抑制又は改善に使用される一つ又は複数の追加の治療薬との併用療法を含んでよい。そのような一つ又は複数の追加の治療薬は、化合物1の遊離塩基結晶形態と同時に又は連続して、それらに関して通常使用される経路及び量により投与されてよい。化合物1の遊離塩基結晶形態が追加の治療薬と同時に使用される場合、化合物1の遊離塩基結晶形態に加えそのような他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本開示の医薬組成物は、化合物1の遊離塩基結晶形態に加え、一つ又は複数の他の活性成分又は治療薬も含有するものを含む。
【0060】
この一つ又は複数の追加の治療薬の例は、コルチコステロイド、ステロイド、免疫抑制薬、免疫グロブリンGアゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼIVインヒビター、リンパ球機能抗原-3 受容体アンタゴニスト、インターロイキン-2リガンド、インターロイキン-1βリガンドインヒビター、IL-2受容体αサブユニットインヒビター、HGF遺伝子刺激因子、IL-6アンタゴニスト、IL-5アンタゴニスト、α1アンチトリプシン刺激因子、カンナビノイド受容体アンタゴニスト、ヒストンデアセチラーゼインヒビター、AKTプロテインキナーゼインヒビター、CD20インヒビター、Ablチロシンキナーゼインヒビター、JAKチロシンキナーゼインヒビター、TNFαリガンドインヒビター、ヘモグロビンモジュレーター、TNFアンタゴニスト、プロテアソームインヒビター、CD3モジュレーター、Hsp70ファミリーインヒビター、免疫グロブリンアゴニスト、CD30アンタゴニスト、チューブリンアンタゴニスト、スフィンゴシン-1-リン酸受容体-1アゴニスト、結合組織増殖因子リガンドインヒビター、カスパーゼインヒビター、副腎皮質刺激ホルモンリガンド、Btkチロシンキナーゼインヒビター、補体C1小成分インヒビター、エリスロポエチン受容体アゴニスト、Bリンパ球刺激因子リガンドインヒビター、サイクリン依存性キナーゼ-2インヒビター、P-セレクチン糖タンパク質リガンド-1刺激因子、mTORインヒビター、伸長因子2インヒビター、細胞接着分子インヒビター、第XIII因子アゴニスト、カルシニューリンインヒビター、免疫グロブリンG1アゴニスト、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼインヒビター、補体C1小成分インヒビター、チミジンキナーゼモジュレーター、細胞傷害性Tリンパ球タンパク質-4モジュレーター、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンジオテンシンII受容体モジュレーター、TNFスーパーファミリー受容体12Aアンタゴニスト、CD52アンタゴニスト、アデノシンデアミナーゼインヒビター、T細胞分化抗原CD6インヒビター、FGF-7リガンド、ジヒドロオロチン酸デヒドロゲナーゼインヒビター、Sykチロシンキナーゼインヒビター、I型インターフェロン受容体アンタゴニスト、インターフェロンαリガンドインヒビター、マクロファージ遊走抑制因子インヒビター、インテグリンα-V/β-6アンタゴニスト、システインプロテアーゼ刺激因子、p38 MAPキナーゼインヒビター、TP53遺伝子インヒビター、志賀様毒素Iインヒビター、フコシルトランスフェラーゼ6刺激因子、インターロイキン22リガンド、IRS1遺伝子インヒビター、プロテインキナーゼC刺激因子、プロテインキナーゼCαインヒビター、CD74アンタゴニスト、免疫グロブリンγFc受容体IIBアンタゴニスト、T細胞抗原CD7インヒビター、CD95アンタゴニスト、N-アセチルマンノサミンキナーゼ刺激因子、カルジオトロフィン-1リガンド、白血球エラスターゼインヒビター、CD40リガンド受容体アンタゴニスト、CD40リガンドモジュレーター、IL-17アンタゴニスト、TLR-2アンタゴニスト、マンナン結合レクチンセリンプロテアーゼ-2(MASP-2)インヒビター、B因子インヒビター、D因子インヒビター、C3aRモジュレーター、C5aR2モジュレーター、T細胞受容体アンタゴニスト、PD-1インヒビター、PD-L1インヒビター、TIGITインヒビター、TIM-3インヒビター、LAG-3インヒビター、VISTAインヒビター、STINGアゴニスト、IDOインヒビター、アデノシン受容体モジュレーター、CD39インヒビター、CD73インヒビター、ケモカイン受容体、特にCXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR7、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7、CCR7、CCR9、CX3CR1及びCXCR6のアンタゴニスト、並びにそれらの組合せである。
【0061】
いくつかの実施形態において、本明細書の治療的方法において使用される追加の治療薬は、オビヌツズマブ、リツキシマブ、オクレリズマブ、トシツモマブ、オビヌツズマブ、イブリツモマブ、シクロホスファミド、プレドニソン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、ピバル酸チキソコルトール、プレドニソロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンアルコール、モメタゾン、アムシノニド、ブデソニド、デソニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、ベタメタゾン、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、フルオコルトロン、吉草酸ヒドロコルチゾン-17、ハロメタゾン、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、ベクロメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、プレドニカルベート、クロベタゾン-17-酪酸エステル、クロベタゾール-17-プロピオン酸エステル、カプロン酸フルオコルトロン、ピバル酸フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン、ヒドロコルチゾン-17-酪酸エステル、ヒドロコルチゾン-17-コハク酸エステル、ヒドロコルチゾン-17-ブテン酸エステル(buteprate)、シクレソニド及びプレドニカルベート、GB-0998、イムグロ、ベゲロマブ、アレファセプト、アルデスロイキン、ゲボキズマブ、ダクリツマブ、バシリキシマブ、イノリモバブ、ベペルミノゲンペルプラスミド、シルクマブ、トシリズマブ、クラザキズマブ、メポリズマブ、フィンゴリモド、パノビノスタット、トリシリビン、ニロチニブ、イマチニブ、トファシチニブ、モメロチニブ、ペフィシチニブ、イタシチニブ、インフリキシマブ、PEG-bHb-CO、エタネルセプト、イクサゾミブ、ボルテゾミブ、ムロモナブ、オテリキシズマブ、グスペリムス、ブレンツキシマブベドチン、ポネシモド、KRP-203、FG-3019、エムリカサン、コルチコトロピン、イブルチニブ、シンリゼ、コネスタット、メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ、ベリムマブ、ブリシビモド、アタシセプト、セリシクリブ、ネイフリズマブ、エベロリムス、シロリムス、デニロイキンディフチトクス、LMB-2、ナタリズマブ、カトリデカゴグ、シクロスポリン、タクロリムス、ボクロスポリン、ボクロスポリン、カナキヌマブ、ミコフェノラート、ミゾリビン、CE-1145、TK-DLI、アバタセプト、ベラタセプト、オルメサルタンメドキソミル、スパルセンタン、TXA-127、BIIB-023、アレムツズマブ、ペントスタチン、イトリズマブ、パリフェルミン、レフルノミド、PRO-140、セニクリビロック、ホスタマチニブ、アニフロルマブ、シファリムマブ、BAX-069、BG-00011、ロスマピモド、QPI-1002、ShigamAbs、TZ-101、F-652、レパリキシン、ラダリキシン(ladarixin)、PTX-9908、アガニルセン、APH-703、ソトラスタウリン、ソトラスタウリン、ミラツズマブ、SM-101、T-Guard、APG-101、DEX-M74、カルディオトロフィン-1、チプレレスタット、ASKP-1240、BMS-986004、HPH-116、KD-025、OPN-305、TOL-101、デフィブロチド、ポマリドマイド、サイモグロブリン、ラキニモド、レメステムセル-L、ウマ抗胸腺細胞免疫グロブリン、Stempeucel、LIV-γ、オクタガム10%、t2c-001、99mTc-セスタミビ、Clairyg、プロソルバ、ポマリドマイド、ラキニモド、テプリズマブ、FCRx、ソルナチド、フォラルマブ、ATIR-101、BPX-501、ACP-01、ALLO-ASC-DFU、イルベサルタン+プロパゲルマニウム、アポセル、カンナビジオール、RGI-2001、サラチン、抗-CD3二価抗体-ジフテリア毒素複合体、NOX-100、LT-1951、OMS721、ALN-CC5、ACH-4471、AMY-101、Actharゲル、及びCD4+CD25+制御性T細胞、MEDI7814、P32、P59、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、CCX354、CCX721、CCX9588、CCX140、CCX872、CCX598、CCX6239、CCX587、CCX624、CCX282、CCX025、CCX507、CCX430、CCX765、CCX758、CCX771、CCX662、CCX650、並びにそれらの組合せからなる群から選択される。
【実施例】
【0062】
IV.実施例
下記実施例は、説明された発明の例証を助けるために提供され、且つ本発明者らが、自身の発明とみなすものを限定することを意図するものではない。
【0063】
実施例1:化合物1の結晶形態の調製
粗化合物1は、本質的にWO2016/053890に記載されたように調製した。
【0064】
化合物1の結晶形態は、粗化合物1の18gを、40℃に加熱したアセトン50mL中に溶解することにより調製した(濃度約~0.36g/mL)。この温かい溶液を、10μmポリエチレンフィルターを通過させた。次に溶液を、浴温度30℃及び回転速度180rpmのロータリーエバポレーターに充填した。回収した固形物を、45℃の炉内で1時間、更に乾燥させた。この結晶形態のXRPDデータを、
図1に示し、並びに測定したピークの表を、下記表1に列挙した。
【表1】
【0065】
実施例2:化合物1の遊離塩基結晶形態の示差走査熱量測定(DSC)及び熱重量分析(TGA)
化合物1の遊離塩基結晶形態の物理的特徴を評価するために、示差走査熱量測定データを収集した。TA Instruments ~ Waters LLCの示差走査熱量計モデルDSC25を使用した。試料を、標準アルミニウムパンに秤量し、ピンホールの付いた標準アルミニウム蓋により密封した。測定は、窒素置換下、10℃/分の走査速度を使用することにより、完了した。DSC分析は、この遊離塩基結晶形態は、~213℃の融点(開始時)及び大体216℃の吸熱ピークを示すことを決定した。DSCサーモグラムのプロットを、
図2に示している。
【0066】
前述の発明は、理解の明確化を目的として例証及び実施例により一部詳細に説明されているが、当業者は、特定の変化及び修飾は、添付された請求項の範囲内で実践され得ることを理解するであろう。加えて、本明細書に提供される各参考文献は、各参考文献が個別に引用により組み込まれているのと同じ程度に、その全体が引用により組み込まれている。本出願と本明細書に提供される参考文献の間で矛盾が存在する場合は、本出願が支配するものとする。
【国際調査報告】