(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-27
(54)【発明の名称】動的スキップ点火エンジンにおける排出ガス再循環制御
(51)【国際特許分類】
F02D 21/08 20060101AFI20221220BHJP
F02D 45/00 20060101ALI20221220BHJP
F02P 5/145 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
F02D21/08 301G
F02D45/00 362
F02P5/145 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527997
(86)(22)【出願日】2020-12-02
(85)【翻訳文提出日】2022-07-11
(86)【国際出願番号】 US2020062897
(87)【国際公開番号】W WO2021126529
(87)【国際公開日】2021-06-24
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511001747
【氏名又は名称】トゥラ テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TULA TECHNOLOGY,INC.
(71)【出願人】
【識別番号】522175783
【氏名又は名称】カミンズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CUMMINS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ユアン,シン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シクイ ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ライト-ホレッツ,ジェニファー ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】バーダックジェイ,スコット アール.
【テーマコード(参考)】
3G022
3G092
3G384
【Fターム(参考)】
3G022AA05
3G022AA10
3G092AA17
3G092DC09
3G092FA17
3G092HA04Z
3G092HA05Z
3G092HA13Z
3G092HD04Z
3G092HD05Z
3G092HD07Z
3G092HE01Z
3G384BA24
3G384BA27
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3G384FA08Z
3G384FA39Z
3G384FA40Z
3G384FA48Z
3G384FA56Z
(57)【要約】
排出ガス再循環システムを用いた動的スキップ点火制御を有するエンジンをターボチャージャー内燃エンジンに統合するシステム及び方法が記載されている。エンジン制御システムは、所望の排出ガス再循環流量に少なくとも部分的に基づいて適切な点火パターンを判定する。吸気マニホールド及び排出システムにおけるセンサーからの信号をフィードバックループの一部として使用して、所望の排出ガス再循環流量を判定してもよい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキップ点火制御内燃エンジンで点火パターンを選択する方法において、前記エンジンは、吸気マニホールド及び排出システムを有し、前記方法は、
所望の排出ガス再循環流量を判定するステップと、
排出ガス再循環弁の位置を判定するステップと、
前記所望の排出ガス再循環流量及び前記排出ガス再循環弁の前記位置に少なくとも部分的に基づいて点火パターンを選択するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
エンジン速度を判定するステップと、
点火パターンを判定するステップと、
前記吸気マニホールドのブースト圧力を判定するステップと、
前記エンジン速度、前記点火比、及び前記ブースト圧力に少なくとも部分的に基づいて最大排出ガス再循環流量を計算するステップと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記所望の排出ガス再循環流量を前記最大排出ガス再循環流量と比較するステップ、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
前記所望の排出ガス再循環流量が前記最大ガス再循環流量を超える場合、新しい点火パターンを選択するステップ、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法において、
弁タイミングを判定するステップと、
前記弁タイミングに少なくとも部分的に基づいて前記最大排出ガス再循環流量を計算するステップと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記所望の排出ガス再循環流量を前記最大排出ガス再循環流量と比較するステップ、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記所望の排出ガス再循環流量が前記最大ガス再循環流量を超える場合、新しい点火パターンを選択するステップ、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記吸気マニホールドにおける酸素レベルを判定するステップと、
前記酸素レベルが、事前定義閾値量を超える分だけ所望の酸素レベルから外れる場合、前記点火パターン又は前記排出ガス再循環弁位置を調整するステップと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記排出システムにおける窒素酸化物のレベルを判定するステップと、
窒素酸化物の前記レベルが事前定義閾値を超える場合、前記点火パターン又は前記排出ガス再循環弁位置を調整するステップと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記点火パターンは、点火を出来るだけ均等に分布させることにならないことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記選択点火パターンは、第1の排気マニホールドに直接放出しないシリンダーよりも前記第1の排気マニホールドに直接放出する多くのシリンダーを点火することを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
前記点火パターンにおける少なくとも1つのスキップ作業サイクルは、ポンピング作業サイクルであることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
前記選択点火パターンは、前記第1の排気マニホールドに放出するシリンダー点火の数のエンジンサイクル間の変動を減少することを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、
前記選択点火パターンは、前記第1の排気マニホールドに放出するシリンダー点火の数よりも第2の排気マニホールドに放出するシリンダー点火の数のエンジンサイクル間の大きい変動を有することを特徴とする方法。
【請求項15】
スキップ点火制御ターボチャージャー内燃エンジンにおいて、前記エンジンは、吸気マニホールド、排出ガス再循環システム、及び少なくとも2つの排気マニホールドを有する排出システムを有し、
前記排出システムに接続されている排出ガス再循環供給線であって、第2の排気マニホールドよりも第1の排気マニホールドに多くの直接流体接続部を有する排出ガス再循環供給線と、
所望の排出ガス再循環流量に少なくとも部分的に基づいて点火パターンを判定するエンジン制御システムと、
を含むことを特徴とするスキップ点火制御ターボチャージャー内燃エンジン。
【請求項16】
請求項15に記載のエンジンにおいて、
前記吸気マニホールドに設置されている酸素センサーを更に含み、前記酸素センサーからの信号をフィードバックループの一部として使用して、前記所望の排出ガス再循環流量を判定することを特徴とするエンジン。
【請求項17】
請求項15に記載のエンジンにおいて、
前記排出に設置されている、窒素酸化物のレベルを測定するセンサーを更に含み、前記窒素酸化物センサーからの信号をフィードバックループの一部として使用して、前記所望の排出ガス再循環流量を判定することを特徴とするエンジン。
【請求項18】
請求項15乃至17の何れか1項に記載のエンジンにおいて、
前記エンジン制御システムは、第1の制御アルゴリズムを使用して、前記第1の排気マニホールドに放出するシリンダーに対する第1の点火パターンを制御し、第2の制御アルゴリズムを使用して、前記第2の排気マニホールドに放出するシリンダーに対する第2の点火パターンを制御することを特徴とするエンジン。
【請求項19】
請求項18に記載のエンジンにおいて、
前記点火パターンは、点火を出来るだけ均等に分布させることにならないことを特徴とするエンジン。
【請求項20】
請求項18に記載のエンジンにおいて、
前記エンジンは、複数のシリンダーを有し、前記点火パターンは、前記エンジンにおけるシリンダーの数の少なくとも2倍である反復パターン長を有することを特徴とするエンジン。
【請求項21】
請求項2乃至7及び9乃至14の何れか1項に記載の方法において、
前記吸気マニホールドにおける酸素レベルを判定するステップと、
前記酸素レベルが、事前定義閾値量を超える分だけ所望の酸素レベルから外れる場合、前記点火パターン又は前記排出ガス再循環弁位置を調整するステップと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項2乃至8、10乃至14及び21の何れか1項に記載の方法において、
前記排出システムにおける窒素酸化物のレベルを判定するステップと、
窒素酸化物の前記レベルが事前定義閾値を超える場合、前記点火パターン又は前記排出ガス再循環弁位置を調整するステップと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項2乃至9、11乃至14及び21乃至22の何れか1項に記載の方法において、
前記点火パターンは、点火を出来るだけ均等に分布させることにならないことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項2乃至10、12乃至14及び21乃至23の何れか1項に記載の方法において、
前記選択点火パターンは、第1の排気マニホールドに直接放出しないシリンダーよりも前記第1の排気マニホールドに直接放出する多くのシリンダーを点火することを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項2乃至11、13乃至14及び21乃至24の何れか1項に記載の方法において、
前記点火パターンにおける少なくとも1つのスキップ作業サイクルは、ポンピング作業サイクルであることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項2乃至12、14及び21乃至25の何れか1項に記載の方法において、
前記選択点火パターンは、前記第1の排気マニホールドに放出するシリンダー点火の数のエンジンサイクル間の変動を減少することを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項15乃至16及び請求項18乃至20の何れか1項に記載のエンジンにおいて、
前記排出に設置されている、窒素酸化物のレベルを測定するセンサーを更に含み、前記窒素酸化物センサーからの信号をフィードバックループの一部として使用して、前記所望の排出ガス再循環流量を判定することを特徴とするエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2019年12月17日に出願の米国特許出願第62/949,216号の優先権を主張し、その内容全体を参照により本明細書に引用したものとする。
【0002】
記載の実施形態は、一般的に、内燃エンジンに関し、より低いレベルの有害放出物でより効率的に動作するために内燃エンジンを制御する方法及び構成に関する。より詳細には、排出ガス再循環システムを用いた動的スキップ点火制御を有するエンジンをターボチャージャースキップ点火制御エンジンに統合するシステム及び方法が記載されている。
【背景技術】
【0003】
各点火シリンダーに送出される燃料を調整することによって、多くの内燃エンジンの出力を制御する。エンジン制御ユニット(ECU)は、指令トルク用の適切な燃料充填及び大量空気充填(MAC)の送出を指示する。ガソリン燃料エンジンは一般的に、三元触媒変換器で有害汚染物質をより無害の化合物に容易に変換するために、理論量における又は理論量に近い空燃比で動作する。他のエンジン(例えば、ディーゼルエンジン)は一般的に、理論空燃比を維持せず、様々な希薄空燃比で動作する。ディーゼルエンジンは、空気をエンジンのシリンダーに供給する吸気マニホールドに戻る排出ガスの一部を再循環させることが多い。この排出ガス希釈は、ピーク燃焼温度を下げ、有害NOX(窒素酸化物)化合物の生成及び放出を減少する。
【0004】
長年にわたって、内燃エンジンの燃料効率を向上させるために様々な努力を行っている。人気を得ている1つの手法は、エンジンの排気量を変えることである。最も商業的に利用できる可変排気量エンジンは、特定の低負荷動作状態中に、シリンダーの一部を効果的に「遮断」又は「作動停止」する。シリンダーを「作動停止」する場合、シリンダーのピストンは典型的に、まだ往復運動する。しかし、空気も燃料もシリンダーに送出されないので、ピストンは、正味出力を全く送出しない。遮断されたシリンダーは、出力を全く送出しないので、残りのシリンダーに対する比例負荷が増加し、これによって、残りのシリンダーは、向上した燃料効率及び上昇した排気温度で動作することができる。更に、ポンピングロスの減少により、全体的エンジン効率が向上し、燃料効率が更に向上することになる。
【0005】
内燃エンジンを制御する別の方法は、他の作業サイクルがより良い効率及び/又はより高い排気温度で動作するように、選択燃焼事象を内燃エンジンの動作中にスキップするスキップ点火制御である。一般的に、スキップ点火制御は、選択点火機会中に特定のシリンダーの点火を選択的にスキップすることを考える。従って、例えば、特定のシリンダーを、1つの点火機会中に点火してもよく、次に、次の点火機会中にスキップしてもよく、次に、次の点火機会中に選択的にスキップ又は点火してもよい。全体的エンジンの観点から、スキップ点火制御は、スキップ及び点火シリンダーの異なるパターンを有する連続エンジンサイクルになることがある。これは、シリンダーの固定セットを特定の低負荷動作状態中に作動停止する従来の可変排気量エンジン動作と対比される。スキップ点火制御の場合、スキップ作業サイクル中にシリンダーを通って空気を注入せず、燃料を送出及び/又は燃焼しないという意味で、スキップ作業サイクル中にシリンダーを作動停止することが更に好ましい。シリンダーの作動停止は、スキップ作業サイクル中に吸気弁及び/又は排気弁の一方又は両方を作動停止するように弁作動停止機構に要求する。出願人の1人(Tula Technology Inc.)は、動的スキップ点火制御を目的とする多くの特許出願を提出している。これらの特許出願は、米国特許第7,849,835号明細書、米国特許第7,886,715号明細書、米国特許第7,954,474号明細書、米国特許第8,099,224号明細書、米国特許第8,131,445号明細書、米国特許第8,131,447号明細書、米国特許第8,336,521号明細書、米国特許第8,449,743号明細書、米国特許第8,511,281号明細書、米国特許第8,616,181号明細書、米国特許第8,869,773号明細書、米国特許第9,086,020号明細書、米国特許第9,528,446号明細書、米国特許第9,689,327号明細書、及び米国特許第9,399,964号明細書を含む。
【発明の概要】
【0006】
幾つかの実施形態において、スキップ点火制御内燃エンジンで点火パターンを選択する方法を説明する。エンジンは、吸気マニホールド及び排出システムを有する。方法は、所望の排出ガス再循環流量及び排出ガス再循環弁の位置を判定する。所望の排出ガス再循環流量及び排出ガス再循環弁の位置に少なくとも部分的に基づいて、点火パターンを選択する。
【0007】
他の実施形態において、スキップ点火制御ターボチャージャー内燃エンジンを説明する。エンジンは、吸気マニホールド、排出ガス再循環システム、及び少なくとも2つの排気マニホールドを有する排出システムを有する。排出ガス再循環供給線は、排出システムに接続されている。排出ガス循環供給線は、第2の排気マニホールドよりも第1の排気マニホールドに多くの直接流体接続部を有する。エンジン制御システムは、所望の排出ガス再循環流量に少なくとも部分的に基づいて点火パターンを判定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態は、同じ参照符号が同じ構造要素を示す添付図面と併せて下記の詳細な説明によって容易に理解されるであろう。
【0009】
【
図1】
図1は、例示的なターボチャージャー内燃エンジンを概略的に示す。
【
図2】
図2は、多数のエンジンサイクルにわたって1/7の点火比に対するスキップ及び点火シリンダーを示す表である。
【
図3】
図3は、エンジン制御システムの概略的なフロー図である。
【
図4】
図4は、7以下の分母を有する点火比に対する点火パターンを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この特許出願において、記載の実施形態の基礎をなす概念を完全に理解するために、多くの特定の詳細を示す。しかし、これらの特定の詳細の一部又は全部を有することなく、記載の実施形態を実施することができることが当業者に明らかである。他の場合、基本的概念を不必要に曖昧にするのを回避するために、周知の処理ステップは記載されていない。
【0011】
上述のように、エンジンから出力される要求トルクを生成する必要がない場合、スキップ点火制御エンジンは、シリンダーを作動停止する。シリンダー作動停止により、エンジンポンピングロスが減少し、一般的に、点火作業サイクルでより効率的な燃焼が得られる。更に、シリンダー作動停止により、後処理システムによって有害放出物を効率的に除去するために希薄燃焼により排出温度が非常に低くなるディーゼルエンジンで特に重要な排出ガス温度のより優れた制御が可能になる。
【0012】
図1は、排出ガス再循環(EGR)システムを有するこのような例示的なターボチャージャー内燃エンジン100を示す。
図1に示すエンジンは、1~6とラベル表示された各シリンダーを有する直列6気筒エンジンブロック102を有する。大気圧を超えて吸気マニホールド108の空気圧を高める圧縮機104を介して、空気をシリンダーに入れる。流入圧縮空気を冷却するために、給気冷却器106を、圧縮機104と吸気マニホールド108との間の空気流路に設置してもよい。給気冷却器106の出力を、吸気マニホールド108に供給してもよい。更に、吸気マニホールド108への供給は、排出ガス再循環線110である。吸気マニホールド108に存在する空気及び再循環排出ガスの混合物を、1つ又は複数の吸気弁(
図1に図示せず)を介して各シリンダーに入れる。混合物をシリンダーに入れた後、空気/排出ガス混合物を、シリンダー内の燃料と混合し、燃焼させ、排出ガスを生成してもよい。1つ又は複数の排気弁(
図1に図示せず)を介して、排出ガスを、第1の排気マニホールド112又は第2の排気マニホールド114に放出する。第1の排気マニホールド112は、シリンダー1~3から排出ガスを受け取る。第2の排気マニホールド114は、シリンダー4~6から排出ガスを受け取る。第1の排気マニホールド112及び第2の排気マニホールド114からそれぞれ続く排出線116及び118は、結合し、排出ガスをタービン120に向ける。タービン120を通過する排出ガスは、圧縮機104を駆動する。タービン120を出た後、排出ガスは、大気に放出される前に、1つ又は複数の後処理要素及び/又はマフラー(
図1に図示せず)を通過してもよい。任意選択的な廃棄ゲート122は、所望の量だけ廃棄ゲート122を開けることによって、排出ガスの制御部分をタービン120の周りに向けてもよい。EGR供給線126を、第1の排出線116に接続してもよい。EGR供給線126は、排出ガスの一部をEGR弁124に向ける。EGR弁124は、EGR冷却器134を介して排出ガス再循環線110に戻って排出ガスの制御部分を向けてもよい。排出ガスがEGR冷却器134を通過する時に、EGR冷却器134は、排出ガスを冷却する。EGR弁124の位置を調整することによって、多少の排出ガスが、排出ガス再循環線110に流入する。EGR弁124を開けることによって、多くの排出ガスが、吸気マニホールド108に流入する。逆に、EGR弁124を閉じることによって、少ない排出ガスが、排出ガス再循環線110に流入する。排出ガス再循環線110から、排出ガスは、排出ガスを、上述のように空気と混合し、エンジンのシリンダーに入れる吸気マニホールド108に戻って流れてもよい。EGR供給線126、EGR弁124、EGR冷却器134、及び排出ガス再循環線110を、EGRシステムと考えてもよい。タービン120、圧縮機104、及び任意選択的な廃棄ゲート122を、ターボチャージャーシステムと考えてもよい。第1の排気マニホールド112、第2の排気マニホールド114、第1の排出線116、第2の排出線118、タービン120、EGR供給線126、後処理要素(
図1に図示せず)、及び任意選択的な廃棄ゲート122を、排出システムと考えてもよい。
【0013】
タービン120は、可変形状又は可変ノズルターボチャージャーシステムの一部であってもよい。この場合、タービン120内の内部機構は、タービン120を通るガス流路を変更して、タービン120を通る排出ガス流量が変わる時にタービン動作を最適化する。タービン120が可変形状又は可変ノズルターボチャージャーシステムの一部である場合、廃棄ゲート122を必要としない。
【0014】
様々なセンサーを、任意選択的に、エンジン100内の様々な場所に位置決めしてもよい。例えば、センサー128は、吸気マニホールド108内の状態に関する信号を供給してもよい。センサー128は、排出ガスと吸気マニホールド108内の空気の比の尺度を与える、吸気マニホールドにおける酸素レベルに関する信号を供給してもよい。センサー128の信号を、後述のようなフィードバックループに使用してもよい。追加の吸気マニホールドのセンサーは、圧力センサー、温度センサー、及び湿度センサー(但し、これらに限定されない)を含んでもよい。同様に、1つ又は複数のセンサー130及び132は、排出システム内の様々な場所における状態に関する信号を供給してもよい。例えば、センサー130は、第1の排気マニホールド112における状態を監視してもよく、センサー132は、第2の排気マニホールドにおける状態を監視してもよい。センサー130及び132は、それぞれ第1の排気マニホールド及び第2の排気マニホールドにおける酸素レベルに関する信号を供給してもよい。追加の排出システムのセンサーは、圧力センサー、温度センサー、及びNOX(窒素酸化物)センサー(但し、これらに限定されない)を含んでもよい。これらの排出システムのセンサーを、必要に応じて排出システムにおける異なる点に分布させてもよい。
【0015】
動作中、吸気マニホールド圧力は、速度及び負荷によって大幅に変わることができる。典型的に、吸気マニホールド圧力は、軽負荷で周囲圧力(名目上、毎平方インチ当たり14.7ポンド(psi)又は100kPa(絶対圧力))と同じくらい低く、ピーク電力で250~300kPaと同じくらい高くなることができる。大気圧に対する吸気マニホールド圧力を、ブースト圧力と呼ぶことが多い。同様に、排気マニホールド圧力も、周囲圧力(100kPa)と同じくらい低い(周囲圧力よりも僅かに高い)圧力からピーク電力で300~350kPaと同じくらい高い圧力まで、大幅に変わることができる。排気マニホールド圧力は通常、吸気マニホールド圧力よりも高いので、排出ガスは、吸気マニホールド108に戻って流れることができ、排出ガス再循環が得られる。更に、タービン120に入るガス圧力は、タービン120が動作する大気圧を超える必要がある。
図1における矢印は、エンジン100を通る正常なガス流れ方向を例示する。
【0016】
図1の検査は、EGR供給線126がエンジン100のシリンダーに対して対称的に設置されていないことを示す。具体的には、シリンダー1~3は、シリンダー4~6よりも、EGR供給線126への非常に短くて大きい直接流路を有する。EGR供給線126の場所におけるこの非対称性は、スキップ点火制御を複雑にすることができ、異なるシリンダーを、点火パターンに応じてスキップ又は点火することができる。これは、延長エンジンサイクルにわたって特定のシリンダーに対して点火及びスキップのパターンを固定する点火パターンに特に重要である。例えば、幾つかの点火パターンにおいて、シリンダー4~6の全部をスキップしながら、シリンダー1~3の単に一部又は全部が点火してもよい。同様に、他の点火パターンにおいて、シリンダー1~3の全部をスキップしながら、シリンダー4~6の単に一部又は全部を点火する。これらの異なる点火パターンは、吸気マニホールドに戻る排出ガス再循環流に影響を与える。そのようなものとして、点火パターンは、所望の排出ガス再循環流量及び排出ガス再循環弁124の位置に少なくとも部分的に基づいていてもよい。
【0017】
特定の例を挙げるために、
図1に示すエンジン100は、1-5-3-6-2-4のシリンダー点火順序を有してもよい。点火間の最も等しい間隔を有する1/2の点火比は、2つの可能な点火パターン(即ち、1-S-3-S-2-S又はS-5-S-6-S-4)を有してもよい。ここで、順序における「S」は、シリンダーがスキップされていることを意味する。点火パターン1-S-3-S-2-Sは、EGR供給線126への近い流体接続を有する第1の排気マニホールド112に直接放出する3つのシリンダー(シリンダー1、2及び3)を有する。一方、点火パターンS-5-S-6-S-4は、第2の排気マニホールド114に放出する全シリンダーを有する。そのようなものとして、これらの全シリンダー(4~6)は、シリンダー1~3よりも、EGR供給線126への大きい間接流路を有する。実際に、排出システムの一部における正常な流れ方向を、第2の排気マニホールド114からEGR供給線126に流れる排出ガスに対して逆にする必要がある。このような逆の流れ方向は、可能であるけれども、EGR流量を制限し、EGR流量調整の遅れを引き起こす。
【0018】
エンジン100が動的スキップ点火(DSF)モードで動作しているEGR流量を制御するために、特定の点火比における点火パターンを考慮すべきである。例えば、上述の1/2の点火比を実行する場合、点火パターン1-S-3-S-2-Sは、高いEGR流量を必要とする場合に好ましく、点火パターンS-5-S-6-S-4は、低いEGR流量を必要とする場合に使用可能である。同様な考慮が、1/4及び3/4の点火比にも当てはまる。
【0019】
一貫したEGR流量を維持するために、幾つかの回転点火パターンを、特定の動作条件で回避する必要がある。ここで、回転点火パターンは、全シリンダーを点火又はスキップする点火パターンを意味する。例えば、1/7の点火比は、回転点火パターンである。1/7の点火比は、14回の点火機会毎に1回、第1の排気マニホールド112に供給するシリンダーのうちの1つのシリンダー(シリンダー1、2又は3)を点火する。
図2は、1/7の点火比における動作によって生じる点火パターンを例示する。排出ガスをEGR供給線126に多く直接放出することになる点火202を、表に強調表示する。排出流の不規則な性質は、EGR流の望ましくない不連続性を引き起こすことがあり、従って、この点火パターン及び点火比を、幾つかのエンジン速度及び負荷で回避する。
【0020】
図3は、本発明の実施形態によるエンジン制御システム300を示す概略的なフローチャートである。エンジン制御システム300は、所望のEGR流量に少なくとも部分的に基づいて適切な点火パターンを判定してもよい。エンジン制御システム300への入力は、現在の点火パターン306、現在のエンジン速度308、現在の吸気マニホールドブースト圧力310、現在の排気マニホールド圧力312、及び任意選択的に、現在の弁タイミング及びリフト313(調節可能な弁タイミング及び/又はリフトを有するエンジンの場合)を含んでもよい。これらのパラメータは、エンジンブロック102を通るガス流量を判定する。幾つかの実施形態において、これらの入力を全て、必要とするとは限らない。これらのパラメータに基づいて、最大EGR流量を、モジュール302で判定してもよい。最大EGR流量は、全開位置にあるEGR弁124に対応する。ルックアップテーブルを使用して、最大EGR流量を判定してもよく、又は最大EGR流量を、モデルに基づいて計算してもよい。ルックアップテーブルを使用する場合、ルックアップテーブルに記載の値の間の値を、補間によって判定してもよい。最大EGR流量モジュール302は、比較器304に入力される最大EGR流量信号316を出力する。比較器304への別の入力は、所望のEGR流量信号314である。この信号は、現在のエンジン条件下の所望のEGR流量を表す。NO
X(窒素酸化物)排出物質の規制は、所望のEGR流量を判定する際に大きな考慮すべき事項である。最大EGR流量信号316が所望のEGR流量314よりも大きい場合、比較器304は、信号線318で論理「イエス」を出力してもよい。最大EGR流量信号316が所望のEGR流量314よりも小さい場合、比較器304は、信号線318で論理「ノー」を出力してもよい。信号線318を、点火パターン選択モジュール305に入力してもよい。信号線318が論理「イエス」の場合、所望のEGR流量314が最大EGR流量316よりも小さいので、点火パターンは、現在の状態のままであってもよい。信号線318が論理「ノー」の場合、点火選択モジュール305は、より高いEGR流量を可能にする新しい点火パターンを選択してもよい。
図1に示すエンジン100の特定の例において、点火パターン選択モジュールは、シリンダー4~6よりもシリンダー1~3を規則的に点火する点火パターンを選択してもよい。
【0021】
エンジン制御システム300の動作をより良く理解するために、
図4における表400を考慮する。表400は、0から1に及ぶ点火比に関連する36個の異なる点火パターンを示す。7以下の分母を有する全ての比を示す。点火比の分母は、点火比に関連する反復点火パターンの長さを表す。表400に示す全点火パターンは、点火作業サイクル間で出来るだけ等しい間隔を有する。出来るだけ均等に点火作業サイクルに間隔をあけることは一般的に、より低いレベルのエンジン生成騒音、振動、及びハーシュネス(NVH)になる。シリンダー点火順序は、上述のように、1-5-3-6-2-4である。全てのエンジンのシリンダーをスキップ又は点火する回転点火パターンを有する点火比の場合、パターン指定を記載せず、シリンダーのスキップか点火かはエンジンサイクルによって変わるので、任意の所与のシリンダーをスキップするか点火するかについて、「-」を記載する。点火される特定のシリンダー及びスキップされる特定のシリンダーだけを有する点火パターンの場合、パターン指定を割り当てる。これらの点火パターンの一部は、列402に「反復」で指定されたエンジンサイクル毎に反復する一方、これらの点火パターンの一部は、列404に「反復」で指定された2つのエンジンサイクル毎に反復する。シリンダー4~6よりも多くのシリンダー1~3を点火する点火パターンを強調表示する。より高いEGR流量を必要とする場合、これらの点火パターンを使用してもよい。
【0022】
図4に記載のパターンの何れかにおける任意の数のスキップシリンダーは、「ポンピング」シリンダーであることもできることに留意すべきである。ポンピングシリンダーを用いて、空気がシリンダーを通過することができるように、吸気弁及び排気弁を動作させるけれども、燃料は供給されない。スキップ作業サイクルの少なくとも一部をポンピング作業サイクルとして動作させることは、別のパラメータを与えて、EGR流量を調整する。
【0023】
別の実施形態において、吸気マニホールド108に設置されている酸素センサーからの信号を使用して、吸気マニホールド108における空気に対する排出ガスの比を判定してもよい。酸素レベルが、事前定義閾値量を超える分だけ所望の酸素レベルから外れる場合、EGR弁124の位置を調整してもよく、及び/又は点火パターンを変更してもよい。酸素レベルが高い(不十分なEGR流である)場合、シリンダー4~6ではなくシリンダー1~3を主に点火する点火パターンを選択して、EGR流量を増加してもよい。同様に、酸素レベルが低い(過剰なEGR流である)場合、シリンダー1~3ではなくシリンダー4~6を主に点火する点火パターンを選択して、EGR流量を減少してもよい。
【0024】
別の実施形態において、排気マニホールド112及び114の一方又は両方に設置されている酸素センサーからの信号を使用して、排気マニホールドにおける空気に対する排出ガスの比を判定してもよい。酸素レベルが、事前定義閾値量を超える分だけ所望の酸素レベルから外れる場合、EGR弁124の位置を調整してもよく、及び/又は点火パターンを変更してもよい。酸素レベルが高い(不十分なEGR流である)場合、シリンダー4~6ではなくシリンダー1~3を主に点火する点火パターンを選択して、EGR流量を増加してもよい。同様に、酸素レベルが低い(過剰なEGR流である)場合、シリンダー1~3ではなくシリンダー4~6を主に点火する点火パターンを選択して、EGR流量を減少してもよい。
【0025】
他の実施形態において、酸素センサーを吸気マニホールド又は排出システムに置くのではなく、これらの場所における酸素レベルのモデルを使用して、酸素レベルを表す信号を生成してもよい。この信号を、酸素センサーからの信号として類似の方法で使用してもよい。
【0026】
別の実施形態において、排出システムに設置されているNOX(窒素酸化物)センサーからの信号を使用して、排出ガスにおけるNOXレベルを判定してもよい。排出ガスにおけるNOXレベルが所定の閾値を超える場合、EGR弁124を開けてもよく、及び/又は、シリンダー4~6ではなくシリンダー1~3を主に点火する点火パターンを選択して、EGRガス流量を増加してもよい。幾つかの実施形態において、NOXレベルのモデルを、NOXセンサーからの信号として適所で使用してもよい。
【0027】
出来るだけ均等に間隔をあけた点火作業サイクルを有する点火パターンを用いてエンジンを動作させること、及び低い分母点火比を有することは、一般的に望ましいけれども、この動作モードは、必要条件でない。特に、軽負荷で、及び補助トルクソース/シンクを有する車両(例えば、ハイブリッドパワートレイン)で動作するけれども、点火が出来るだけ均等な間隔に配置されない点火パターンを使用してもよい。更に、より大きい分母(例えば、7よりも大きい分母)を有する点火比を使用してもよい。場合によっては、点火比分母は、エンジンにおけるシリンダーの数の整数倍数であってもよい。ハイブリッド車において、米国特許第9,512,794号明細書、第10,060,368号明細書、及び第10,344,692号明細書に記載のように、平滑トルクを加えることによって、エンジン振動の影響を軽減するために、電動機を使用してもよい。この場合、どのシリンダーを点火するか、及びどのシリンダーをスキップするかを判定するスキップ点火アルゴリズムは、2つの選択アルゴリズムで動作してもよい。第1のアルゴリズムを、第1の排気マニホールド112に直接放出するシリンダーに適用してもよく、第2のアルゴリズムを、第2の排気マニホールド114に直接放出するシリンダーに適用してもよい。出来るだけ均等な方法で点火間隔を維持するために、第1の制御アルゴリズム及び第2の制御アルゴリズムは、互いに協調してもよい。
【0028】
上述のように、
図1に示す例示的なエンジン100において、第1の排気マニホールドは、第2の排気マニホールドよりもEGRシステムに多くの直接流体接続部を有する。例えば、2/3の点火比を仮定することが望ましい。表400の検査は、A、B及びCと示す3つの点火パターンがあり、2/3の点火比を有することを示す。これらのパターンの各々は、第1の排気マニホールドに放出する2つのシリンダーを点火し、各エンジンサイクルで第2の排気マニホールドに放出する2つのシリンダーを点火する。第1の排気マニホールドに放出するシリンダーの場合、第1のアルゴリズムは、2つの点火シリンダーを動的に選択し、各エンジンサイクルで1つのシリンダーをスキップすることによって、2つのシリンダーを点火の状態にしておいてもよい。第2の排気マニホールドに放出するシリンダーの場合、第2のアルゴリズムは、各エンジンサイクルで1つのシリンダーをスキップしながら、各エンジンサイクルに対して第2の排気マニホールドに放出する2つのシリンダーを更に点火する。要求トルクを供給するために、より少ないシリンダーを必要とする場合、第2のアルゴリズムによって制御されるシリンダーは、各エンジンサイクルで1つ又は複数のシリンダーの点火を繰り返すことができる一方、第1のアルゴリズムによって制御されるシリンダーは、エンジンサイクル毎に2つの点火シリンダーを維持してもよい。第1の排気マニホールドに放出するエンジンサイクル毎に同数のシリンダー点火を維持することによって、より一定のEGR流量を維持してもよい。
【0029】
上述の例における点火比は、7/12(即ち、第1のエンジンサイクルで4つの点火、及び第2のエンジンサイクルで3つの点火)である。この場合、反復点火パターン長は、エンジンにおけるシリンダーの数の2倍である。第1の制御アルゴリズム及び第2の制御アルゴリズムの組み合わせを用いたエンジン制御は、エンジンシリンダーの数の整数倍数(但し、整数倍数は、2以上である)に等しい反復点火パターン長を有する点火パターンを生じることが多い。上述の例のように、EGRシステムへのより安定した流れを維持するために、第1の排気マニホールドに放出するシリンダー点火の数のエンジンサイクル間の変動を選択点火パターンが減少するように、点火パターンを選択してもよい。更に、第2の排気マニホールドへの排出流の変動はEGR流量にあまり影響を与えないので、第1の排気マニホールドに放出するシリンダー点火の数よりも第2の排気マニホールドに放出するシリンダー点火の数のエンジンサイクル間の大きい変動を点火パターンが有するように、点火パターンを選択してもよい。
【0030】
本発明は、自動車用に適しているターボチャージャー4行程内燃ピストンエンジンを動作させる状況で主に説明されている。しかし、記載の用途は、様々な内燃エンジン用に非常によく適していることが分かるはずである。これらの内燃エンジンは、自動車、トラック、船、航空機、オートバイ、スクーターなどを含む実質的に任意のタイプの車両、及び作業室の点火を伴い、内燃エンジンを利用する実質的に任意の他の用途のためのエンジンを含む。様々な記載の手法は、実質的に任意のタイプの2行程ピストンエンジン、ディーゼルエンジン、オットーサイクルエンジン、デュアルサイクルエンジン、ミラーサイクルエンジン、アトキンソンサイクルエンジン、ワンケルエンジン及び他のタイプのロータリーエンジン、混合サイクルエンジン(例えば、デュアルオットー及びディーゼルエンジン)、ハイブリッドエンジン、ラジアルエンジンなどを含む様々な異なる熱力学サイクルの下で動作するエンジンで機能する。更に、記載の手法は、現在既知の熱力学サイクル又は後で開発される熱力学サイクルを利用して内燃エンジンが動作するかにかかわらず、新しく開発された内燃エンジンでうまく機能すると考えられる。当然、吸引エンジンも、ここに記載の発明から利益を得る。
【0031】
上述の説明では、説明の目的で、特定の用語を使用して、本発明を完全に理解する。しかし、本発明を実施するために特定の詳細を必要としないことが当業者に明らかである。従って、例示及び説明の目的で、本発明の特定の実施形態の上述の説明を提示する。特定の実施形態は、網羅的である、又は開示の正確な形態に本発明を限定するように意図されていない。上述の教示を考慮して多くの修正及び変型例が可能であることが当業者に明らかである。
【0032】
本発明の原理及び本発明の実際の用途を最も良く説明するために、実施形態は、選択及び説明され、これによって、当業者は、考えられる特定の使用に適しているような様々な修正を有する本発明及び様々な実施形態を最も良く利用することができる。本発明の範囲を下記の特許請求の範囲及び特許請求の範囲の均等物によって規定するように意図されている。
【0033】
実施形態は、特定の実施形態の観点から説明されているけれども、一般概念の範囲に含まれる改変、置換、及び均等物がある。本実施形態の方法及び装置を実施する代替の方法があることにも留意すべきである。従って、下記の添付の特許請求の範囲は、記載の実施形態の真の精神及び範囲に含まれるような全てのこのような改変、置換、及び均等物を含むと解釈されるように意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキップ点火制御内燃エンジンで点火パターンを選択する方法において、前記エンジンは、吸気マニホールド及び排出システムを有し、前記方法は、
所望の排出ガス再循環流量を判定するステップと、
排出ガス再循環弁の位置を判定するステップと、
前記所望の排出ガス再循環流量及び前記排出ガス再循環弁の前記位置に少なくとも部分的に基づいて点火パターンを選択するステップと、
エンジン速度を判定するステップと、
点火比を判定するステップと、
前記吸気マニホールドのブースト圧力を判定するステップと、
前記エンジン速度、前記点火比、及び前記ブースト圧力に少なくとも部分的に基づいて最大排出ガス再循環流量を調整するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記所望の排出ガス再循環流量を前記最大排出ガス再循環流量と比較するステップ、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記所望の排出ガス再循環流量が前記最大ガス再循環流量を超える場合、新しい点火パターンを選択するステップ、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
弁タイミングを判定するステップと、
前記弁タイミングに少なくとも部分的に基づいて前記最大排出ガス再循環流量を調整するステップと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記所望の排出ガス再循環流量を前記最大排出ガス再循環流量と比較するステップ、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記所望の排出ガス再循環流量が前記最大ガス再循環流量を超える場合、新しい点火パターンを選択するステップ、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記吸気マニホールドにおける酸素レベルを判定するステップと、
前記酸素レベルが、事前定義閾値量を超える分だけ所望の酸素レベルから外れる場合、前記点火パターン又は前記排出ガス再循環弁位置を調整するステップと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記排出システムにおける窒素酸化物のレベルを判定するステップと、
窒素酸化物の前記レベルが事前定義閾値を超える場合、前記点火パターン又は前記排出ガス再循環弁位置を調整するステップと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記点火パターンは、点火を出来るだけ均等に分布させることにならないことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記選択点火パターンは、第1の排気マニホールドに直接放出しないシリンダーよりも前記第1の排気マニホールドに直接放出する多くのシリンダーを点火することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記点火パターンにおける少なくとも1つのスキップ作業サイクルは、ポンピング作業サイクルであることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
選択された前記点火パターンは、前記第1の排気マニホールドに放出するシリンダー点火の数のエンジンサイクル間の変動を減少することを特徴とする方法。
【請求項13】
スキップ点火制御内燃エンジンで点火パターンを選択する方法において、前記エンジンは、吸気マニホールド及び排出システムを有し、前記方法は、
所望の排出ガス再循環流量を判定するステップと、
排出ガス再循環弁の位置を判定するステップと、
前記所望の排出ガス再循環流量及び前記排出ガス再循環弁の前記位置に少なくとも部分的に基づいて点火パターンを選択するステップと、を含み、
選択された前記点火パターンは、第1の排気マニホールドに放出するシリンダー点火の数よりも第2の排気マニホールドに放出するシリンダー点火の数のエンジンサイクル間の大きい変動を有することを特徴とする方法。
【請求項14】
スキップ点火制御内燃エンジンにおいて、前記エンジンは、吸気マニホールド、排出ガス再循環システム、及び少なくとも2つの排気マニホールドを有する排出システムを有し、
前記排出システムに接続されている排出ガス再循環供給線であって、第2の排気マニホールドよりも第1の排気マニホールドに多くの直接流体接続部を有する排出ガス再循環供給線と、
エンジン制御システムであって、
所望の排出ガス再循環流量に少なくとも部分的に基づいて、点火パターンを判定するステップと、
エンジン速度を判定するステップと、
点火比を判定するステップと、
前記吸気マニホールドのブースト圧力を判定するステップと、
前記エンジン速度、前記点火比、及び前記ブースト圧力に少なくとも部分的に基づいて最大排出ガス再循環流量を計算するステップと、を実行するための非一時的な実行可能な命令をメモリ内に有するエンジン制御システムと、
を含むことを特徴とするスキップ点火制御内燃エンジン。
【請求項15】
請求項14に記載のエンジンにおいて、
前記吸気マニホールドに設置されている酸素センサーを更に含み、前記酸素センサーからの信号をフィードバックループの一部として使用して、前記所望の排出ガス再循環流量を判定することを特徴とするエンジン。
【請求項16】
請求項14に記載のエンジンにおいて、
前記排出に設置されている、窒素酸化物のレベルを測定するセンサーを更に含み、前記窒素酸化物センサーからの信号をフィードバックループの一部として使用して、前記所望の排出ガス再循環流量を判定することを特徴とするエンジン。
【請求項17】
スキップ点火制御ターボチャージャー内燃エンジンにおいて、前記エンジンは、吸気マニホールド、排出ガス再循環システム、及び少なくとも2つの排気マニホールドを有する排出システムを有し、
前記排出システムに接続されている排出ガス再循環供給線であって、第2の排気マニホールドよりも第1の排気マニホールドに多くの直接流体接続部を有する排出ガス再循環供給線と、
所望の排出ガス再循環流量に少なくとも部分的に基づいて点火パターンを判定するエンジン制御システムと、を含み、
前記エンジン制御システムは、第1の制御アルゴリズムを使用して、前記第1の排気マニホールドに放出するシリンダーに対する第1の点火パターンを制御し、第2の制御アルゴリズムを使用して、前記第2の排気マニホールドに放出するシリンダーに対する第2の点火パターンを制御することを特徴とするスキップ点火制御ターボチャージャー内燃エンジン。
【請求項18】
請求項17に記載のエンジンにおいて、
前記点火パターンは、点火を出来るだけ均等に分布させることにならないことを特徴とするエンジン。
【請求項19】
請求項17に記載のエンジンにおいて、
前記エンジンは、複数のシリンダーを有し、前記点火パターンは、前記エンジンにおけるシリンダーの数の少なくとも2倍である反復パターン長を有することを特徴とするエンジン。
【国際調査報告】