(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-27
(54)【発明の名称】ストリップを保管及び分配するための装置
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20221220BHJP
G01N 35/04 20060101ALN20221220BHJP
【FI】
B65D83/08 G
G01N35/04 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535849
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(85)【翻訳文提出日】2022-08-05
(86)【国際出願番号】 FR2020000274
(87)【国際公開番号】W WO2021123516
(87)【国際公開日】2021-06-24
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】304043936
【氏名又は名称】ビオメリュー
【氏名又は名称原語表記】BIOMERIEUX
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジャニュエル, デニス
【テーマコード(参考)】
2G058
3E014
【Fターム(参考)】
2G058CC09
3E014MC08
(57)【要約】
本発明は、ストリップ(13)を保管及び分配するための装置(1)であって、少なくとも1つのストリップ(13)を受け入れるように成形された基部(103)を有する第1の部分を含む凹部(12)を備える少なくとも1つのカートリッジ(10)を備え、前記保管装置(1)は、各ストリップ(13)の少なくとも第1の端部(131)を覆うように成形された接触面(122)を有する突出部(121)を備える少なくとも1つの分配部材(12)を備え、分配部材(12)はカートリッジ(10)の凹部の第2の部分に少なくとも部分的に収容され、凹部(102)の第1の部分及び凹部(102)の第2の部分は傾斜した中間部分(102c)によって接続され、分配部材(12)は、傾斜した中間部分(102c)から突出部(121)が離れるように延在する静止位置と、傾斜した中間部分(102c)に突出部(121)が集中し、各ストリップ(13)の第1の端部(131)を傾斜した中間部分(102c)に少なくとも押し付ける作動位置との間で回転可能であるように構成される、装置(1)に関する。
【選択図】
図11、
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリップ(13)を保管及び分配するための装置(1)であって、底部(103)を有するキャビティ(102)を備える少なくとも1つのカートリッジ(10)を備え、前記キャビティ(102)の少なくとも第1の部分は、少なくとも1つのストリップ(13)、好ましくは複数のストリップ(13)を受け入れるように成形され、
前記保管装置(1)は、前記カートリッジ(10)と協働するように構成された少なくとも1つの分配部材(12)をさらに備え、前記分配部材(12)は、前記カートリッジ(10)の前記キャビティの第2の部分に少なくとも部分的に収容され、前記キャビティ(102)の前記第1の部分及び前記キャビティ(102)の前記第2の部分は、傾斜した中間部分(102c)によって接続され、前記キャビティ(102)の前記第2の部分は、前記キャビティ(102)の前記底部(103)に実質的に垂直な軸D-Dに対して前記第1の部分よりも深いことと、
前記分配部材(12)は、各ストリップ(13)の少なくとも第1の端部(131)を覆うように成形された接触面(122)を有する突出部(121)を備え、前記接触面(122)は、前記カートリッジ(10)の前記キャビティ(102)の前記底部(103)に面し、前記傾斜した中間部分(102c)に覆いかぶさり、前記分配部材(12)は少なくとも、
-前記傾斜した中間部分(102c)から前記突出部(121)が離れて延在する静止位置と、
-前記傾斜した中間部分(102c)に前記突出部(121)が集中し、少なくとも各ストリップ(13)の前記第1の端部(131)を前記傾斜した中間部分(102c)に押し付ける作動位置と
の間の回転に関して可動であるように構成されることとを特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
前記分配部材(12)は乾燥部材である、請求項1に記載の保管装置。
【請求項3】
前記傾斜した中間部分(102c)は、25°~35°の傾斜を有する、請求項1又は2に記載の保管装置。
【請求項4】
前記カートリッジ(10)は、前記カートリッジ(10)の前記キャビティ(102)の一端に位置決めされた少なくとも1つの保持タブ(105)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の保管装置。
【請求項5】
前記分配部材(12)は、前記突出部(121)に対して拡幅された第2の部分(123)を備え、前記突出部(121)は、前記第2の部分(123)に対して半径方向に延在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の保管装置。
【請求項6】
前記分配部材(12)は、前記長手方向軸B-Bに沿って略三角形の前後断面を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の保管装置。
【請求項7】
前記カートリッジ(10)と協働するように意図されたカバー(11)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の保管装置。
【請求項8】
前記カバー(11)は、前記カートリッジ(10)に面するように意図された内面(113)を備え、前記内面(113)は、前記内面(113)上に長手方向に延在し、前記カバー(11)が前記カートリッジ(10)と協働するときに、前記キャビティ(102)、好ましくは前記カートリッジ(10)の前記キャビティ(102)の前記第1の部分に少なくとも部分的に配置されるように意図された少なくとも1つの保持リブ(112)を備える、請求項7に記載の保管装置。
【請求項9】
少なくとも1つの分析ストリップ(13)、好ましくは複数の分析ストリップ(13)と、請求項1から8のいずれか一項に記載の保管装置(1)とを備えるアセンブリであって、前記少なくとも1つの分析ストリップ(13)は、前記装置(1)の前記長手方向軸に沿って前記キャビティ(102)の前記底部(103)に対して平坦に位置決めされた、前記装置(1)の前記キャビティ(102)の前記第1の部分に収容される、アセンブリ。
【請求項10】
前記分配部材(12)の前記静止位置において、各ストリップ(13)の前記第1の端部(131)は、前記分配部材(12)の前記突出部(121)の前記接触面(122)の下方で静止する、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記分配部材(12)の前記作動位置において、各ストリップ(13)の前記第1の端部(131)は、少なくとも前記傾斜した中間部分(102c)に押し付けられ、好ましくは、前記分配部材(12)の前記突出部(121)と前記傾斜した中間部分(102c)との間に挟持される、請求項9又は10に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的分析の技術分野に関する。より詳細には、本発明は、分析ストリップを収納する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生物学的分析の分野では、分析ストリップと呼ばれるストリップを使用する場合があり、分析ストリップは、生物学的流体中の1つ若しくは複数の分析物の濃度を決定すること、又は低抵抗レベルを検出すること、特定の抵抗表現型を確認若しくは検出すること、若しくは代替的にアンチバイオグラム結果を確認することを可能にする。これらのストリップは、抗生物質、抗真菌剤又は抗結核剤の最小阻害濃度を決定するための「MIC」ストリップであってもよく、特に、bioMerieux社によってETEST(登録商標)のブランドで市販されている。
【0003】
それらの完全性を維持するために、これらのストリップは一定レベルの湿度に維持されなければならず、異物が混入してはならない。したがって、いかなる汚染も回避するために、これらのストリップは、使用前に取り扱ってはならず、使用するまで密閉容器内に保たなければならない。
【0004】
国際公開第2012069758号は、個々に包装された使い捨て滅菌分析ストリップの使用を開示している。具体的には、この文献は、分析ストリップ及び乾燥手段が挿入された破断可能なパッケージを記載しており、乾燥手段はまた、ストリップにアクセスするためにパッケージを穿孔するための手段を構成する。
【0005】
このタイプの装置は、分析が複数のストリップの使用を必要とする場合に単一のストリップのみを収納し得るというわずかな欠点を有する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、ストリップが同じ容器に一緒に保管されている場合に、ストリップを収納し、保護し、ストリップの把持を改善することを特に意図した上記の装置を改善することである。
【0007】
この目的のために、本発明は、ストリップを保管及び分配するための装置であって、底部を有するキャビティを備える少なくとも1つのカートリッジを備え、キャビティの少なくとも第1の部分は少なくとも1つのストリップ、好ましくは複数のストリップを受け入れるために成形され、
保管装置は、カートリッジと協働するように構成された少なくとも1つの分配部材をさらに備え、前記分配部材は、カートリッジのキャビティの第2の部分に少なくとも部分的に収容され、キャビティの第1の部分及びキャビティの第2の部分は、傾斜した中間部分によって接続され、キャビティの第2の部分は、キャビティの底部に実質的に垂直な軸に対して第1の部分よりも深いことを特徴とし、
そして、分配部材は、各ストリップの少なくとも第1の端部を覆うように成形された接触面を有する突出部を備え、接触面は、カートリッジのキャビティの底部に面し、傾斜した中間部分に覆いかぶさり、前記分配部材は少なくとも、
-傾斜した中間部分から突出部が離れて延在する静止位置と、
-突出部が中間部分に集中し、各ストリップの第1の端部を傾斜した中間部分に少なくとも押し付ける作動位置と
の間の回転に関して可動であるように構成されることを特徴とする、
装置に関する。
【0008】
本発明による装置は、複数のストリップを収納し、ストリップの把持を容易にすることを可能にする。具体的には、作動位置において、分配部材は傾斜した中間部分に集中し、その結果、少なくとも、分配部材の突出部の接触面によって覆われた各ストリップの第1の端部が、傾斜した中間部分に押し付けられ、好ましくは突出部と傾斜した中間部分との間に挟持される。各ストリップの第1の端部の押圧/挟持は、これらのストリップの傾斜をもたらし、ストリップを扇形に配置して各ストリップの個々の把持を可能にする。
【0009】
本発明の1つの特徴によれば、分配部材は乾燥部材であり、これにより、その寿命全体にわたって湿度に対してすべてのストリップを確実に保護することができ、保管装置内のストリップの数に関係なく保護することができる。したがって、本発明の1つの特徴によれば、分配部材は、プラスチック及び乾燥材料から構成される。
【0010】
本発明の1つの特徴によれば、分配部材は、分配部材の突出部に圧力を加えることによって静止位置から作動位置に移行する。好ましくは、圧力は、分配部材の突出部のレベルで加えられる。この圧力により、ストリップを持ち上げ、手動把持器具を用いてストリップを回収することが可能になる。
【0011】
本発明の1つの特徴によれば、分配部材はカートリッジ内に恒久的に収容される。
【0012】
本発明の1つの特徴によれば、カートリッジは、実質的に長方形の形状を有する。
【0013】
本発明の1つの特徴によれば、カートリッジのキャビティは、縦長であり、好ましくはカートリッジの中心にある。有利には、カートリッジのキャビティは、ストリップをしっかりと収容するように成形される。したがって、ストリップは所定の位置に留まり、水平方向に移動することが防止される。
【0014】
本発明の1つの特徴によれば、第2の部分のレベルにあるキャビティの底部の一部は、底部に対して実質的に垂直な軸D-Dに沿って下方にオフセットしている。
【0015】
有利には、傾斜した中間部分は、25°~35°の傾斜を有する。
【0016】
本発明によれば、カートリッジは、カートリッジの両側に形成され、ストリップをピックアップするためにツール内の所定の位置に保持されることを可能にするように構成された横方向くぼみを備えてもよい。
【0017】
さらに、本発明の1つの特徴によれば、カートリッジは、カートリッジのキャビティの一端に位置決めされた少なくとも1つの保持タブを備える。好ましくは、保持タブは、キャビティの第1の部分に形成される、
【0018】
本発明によれば、保持タブは、特に保管装置が自動機械で使用されている場合に、キャビティから同時に複数のストリップが偶発的に取り外されるのを防止するように構成される。
【0019】
本発明の1つの特徴によれば、保管装置は、カートリッジ上に適用された、好ましくは溶接された密封カプセルを備える。カプセルにより、最初に使用する前のカートリッジを漏れ防止状態にすることが可能になる。有利には、密封カプセルは、好ましくはアルミニウム製である。
【0020】
本発明の1つの特徴によれば、装置は、カートリッジと協働するように意図されたカバーを備える。有利には、カバーは、密封カプセルが開封された後に漏れ防止保護を提供するために使用される。
【0021】
本発明の1つの特徴によれば、カバーは、形状相補性によって、好ましくはクリップ留めによってカートリッジと協働するように意図された周縁部を有する。
【0022】
本発明の1つの特徴によれば、カバーは、カートリッジに面するように意図された内面を備え、前記内面は、前記内面上に長手方向に延在し、カバーがカートリッジと協働するときに、少なくとも部分的にキャビティ、好ましくはカートリッジのキャビティの第1の部分に配置されるように意図された少なくとも1つの保持リブを備える。有利には、1つ又は複数の保持リブは、カートリッジのキャビティ内にストリップを保つことを可能にし、したがって、保管装置の輸送中にストリップが移動する又は転がるのを防止することを可能にする。
【0023】
本発明の1つの特徴によれば、カバーは、漏れ防止性を改善するために、カバーの内面にオーバーモールド又はバイインジェクションされた少なくとも1つのジョイントを備える。
【0024】
本発明の1つの特徴によれば、ジョイントは、キャビティの形状と協働するように成形される。有利には、ジョイントは、細長いリングの形態又はリングの形状のビードである。
【0025】
本発明の1つの特徴によれば、カバーは、閉方向を示すように意図されたポカよけを備える。有利には、ポカよけは、カートリッジの閉部材のレベルに配置される。
【0026】
有利には、分配部材の形状は、最大湿度吸収能力を維持しながらその機械的動作を可能にするために最適化される。
【0027】
本発明の1つの特徴によれば、分配部材は、カートリッジ内のその位置を確保し、その容積、したがってその乾燥力を増加させるために、突出部に対して拡幅された第2の部分を備える。
【0028】
本発明の1つの特徴によれば、突出部は、第2の部分に対して半径方向に延在する。
【0029】
本発明の1つの特徴によれば、分配部材は、前記部材のモールド成形を最適化し、また吸収表面積を最適化するように凹んでいる。
【0030】
本発明の1つの特徴によれば、分配部材は、長手方向軸に沿って略三角形の前後断面を有する。この形状により、分配部材の前方、すなわち突出部側への傾斜を促進することができる。
【0031】
本発明の1つの特徴によれば、各ストリップは、分配部材の突出部によって保持されるように意図された第1の端部を備える。
【0032】
さらに、本発明の1つの特徴によれば、各ストリップは、保持タブによって保持されるように意図された、第1の端部の反対側の第2の端部を備える。
【0033】
有利には、1つ又は複数のストリップは、生物学的流体中の1つ又は複数の分析物の濃度を決定すること、又は低抵抗レベルを検出すること、特定の抵抗表現型を確認若しくは検出すること、若しくは代替的にアンチバイオグラム結果を確認することを可能にする分析ストリップである。これらのストリップは、抗生物質、抗真菌剤又は抗結核剤の最小阻害濃度を決定するための「MIC」ストリップであってもよく、特に、bioMerieux社によってETEST(登録商標)のブランドで市販されている。
【0034】
本発明の1つの特徴によれば、カバーは、カバーの内面に配置され、キャビティに面し、カバーがカートリッジ上に位置決めされたときにストリップをキャビティ内にホールドすることを可能にするように構成された少なくとも1つの横方向ホールドリブをさらに備える。
【0035】
本発明はまた、少なくとも1つの分析ストリップ、好ましくは複数の分析ストリップと、保管装置とを備えるアセンブリに関し、少なくとも1つの分析ストリップは、保管装置のキャビティの第1の部分に収容され、装置の長手方向軸に沿ってキャビティの底部に対して平坦に位置決めされる。
【0036】
本発明の1つの特徴によれば、分配部材の静止位置において、各ストリップの第1の端部は、分配部材の突出部の接触面の下方で静止する。
【0037】
本発明の1つの特徴によれば、分配部材の作動位置において、各ストリップの第1の端部は、分配部材の突出部と傾斜した中間部分との間に挟持される。
【0038】
本発明において、分配部材とは、モレキュラーシーブ又は水分/湿度を吸収可能にする薬剤を含有する材料から少なくとも部分的に製造された部材を意味することを意図している。
【0039】
本発明は、非限定的な例として与えられ、添付の概略図を参照して説明される本発明による実施形態に関する以下の説明からより明確に理解されるであろう。添付の概略図を以下に列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明による密閉アセンブリの斜視図である。
【
図2】カバーのない密閉アセンブリの斜視図である。
【
図5】上から見た、本発明によるカートリッジの図である。
【
図6】軸A-Aに沿った、
図5に示すカートリッジの長手方向断面図である。
【
図9】
図7及び
図8に示す分配部材の軸B-Bに沿った前後断面図である。
【
図10】分配部材が静止位置にある、本発明による装置の長手方向断面図である。
【
図11】分配部材が作動位置にある、本発明による装置の長手方向断面図である。
【
図12】分配部材が作動位置にある、本発明による装置の斜視図である。
【
図13】ストリップを把持するために把持器具が設置されている、本発明による装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図示の例では、本発明による保管装置1は、カバー11で覆われたカートリッジ10と、分配部材12とを備える。この保管装置は、装置1のカートリッジ10に収容されるように意図された複数のストリップ13をさらに備えるアセンブリの一部を形成する。
【0042】
図1は、閉められている保管装置1を示す。
図2において、アセンブリ1は開いており、カバー11は取り外されている。したがって、この図は、カバー11が取り外されていてもカートリッジの漏れ防止性を維持することを可能にするカプセル101で覆われたカートリッジ10を示す。カプセル101は、カートリッジ10の上面全体を覆う。
【0043】
図3に示すように、カプセル101を開くと、複数の分析ストリップ13が収容されるキャビティ102を備えるカートリッジ10と、分配部材12とが露出する。
【0044】
アセンブリ1のカバー11は、
図4により詳細に示されている。カバーは、形状相補性によって、好ましくはクリップ留めによってカートリッジ10と協働するように意図された周縁部111を有する。より詳細には、カバーは、カートリッジ10に形成された第1の係合オリフィス104aと協働するように意図された第1の舌部112aを一端に備え、そして、カートリッジ10に形成された第2の係合オリフィス104bと協働するように意図された、反対側の端部に位置決めされた第2の舌部112bを備える。
【0045】
有利には、第1の係合オリフィス104aと第2の係合オリフィス104bとが同一ではないという事実は、ポカよけと呼ばれる。具体的には、それぞれが異なる大きさの開口部を有するので、カバー11は、第1の舌部112a及び第2の舌部112bをそれぞれ介した一方向のみでカートリッジ10に係合することができる。これらの目的のために、カバー11の第1の舌部112aは第1の係合オリフィス104aとのみ協働することができ、カバー11の第2の舌部112bは第2の係合オリフィス104bとのみ係合することができる。
【0046】
さらに、カバー11は、カートリッジ10に面するように意図された面113を備え、前記内面113は、前記内面113上で長手方向に延在する2つのリブ112を備える。2つのリブ112は、互いに平行に、好ましくはカバー11の内面113の実質的に中央に配置される。2つのリブ112は、カバー11がカートリッジ10を覆うときにカートリッジ10のキャビティ102内にストリップ13をホールドすることができるように位置決めされる。図示されていない変形例では、内面113は、横方向かつ実質的に前記内面113の中央に配置された単一のリブ112を有する。
【0047】
さらに、カバー11は、カートリッジ10に形成され、ストリップ13を収容するように構成された長手方向キャビティ102と実質的に相補的な形状を有するジョイント114を備える。有利には、ジョイント114は、
図4に見られるように、カバー11の内面113に取り付けられる。
【0048】
さらに、特に
図4に見られるように、カバー11は、カバー11の内面に配置され、長手方向キャビティ12に面し、カバー11がカートリッジ10上に位置決めされたときにストリップをキャビティ内にホールドすることを可能にするように構成された少なくとも1つの横方向ホールドリブ115をさらに備える。
【0049】
本発明によるカートリッジ10は、実質的に長方形の形状を有する。カートリッジ10は、特に
図5に見られるように、好ましくは中心にある長手方向キャビティ102を備える。キャビティ102は、底部103を備える。さらに、キャビティ102は、
図6に示すように、少なくとも1つのストリップ13、好ましくは複数のストリップ13を受け入れるように成形された第1の部分102aと、分配部材12を少なくとも部分的に収容するように成形された第2の部分102bとを備える。
【0050】
図6に示す例では、キャビティの第1の部分102a及びキャビティ102の第2の部分102bは、傾斜した中間部分102cによって接続され、キャビティ102の第2の部分102bは、キャビティ102の底部103に実質的に垂直な軸D-Dに対して第1の部分102aよりも深い。言い換えれば、第2の部分102bのレベルにあるキャビティ102の底部103の一部は、底部103に実質的に垂直な軸D-Dに沿って下方に、すなわちカートリッジ10の上面から離れるようにオフセットしている。
【0051】
有利には、傾斜した中間部分は、25°~35°の傾斜を有する。
【0052】
さらに、特に
図5に見られるように、カートリッジ10は、カートリッジの第1の端部に形成され、カバー11の第1の舌部112aと協働するように意図された第1の係合オリフィス104aを備える。カートリッジ10はまた、カバー11の第2の舌部112bと協働するように意図された、第1の端部とは反対側のカートリッジの第2の端部に第2の係合オリフィス104bを備える。
【0053】
本発明によれば、カートリッジ10は、カートリッジの両側に対称的に形成され、ストリップをピックアップするためにツール内の所定の位置に保持されることを可能にするように構成された横方向くぼみ106を備えてもよい。
【0054】
さらに、カートリッジ10は、カートリッジ10のキャビティ102の一端に位置決めされた少なくとも1つの保持タブ105を備える。保持タブ105は、キャビティ102の第1の部分102aに形成される。保持タブ105は、ストリップがキャビティ102から出るのを防止するように構成される。保持タブ105はまた、
図13に見られるように、器具によるストリップの中央での把持を容易にすることを可能にする。保持タブ105は、ストリップ13の第2の端部132をホールドする。
【0055】
分配部材12は、特に
図7~
図9に示されている。分配部材は、カートリッジ10と協働するように構成され、前記分配部材12は、特に
図10及び
図11に示すように、カートリッジ10のキャビティ102の第2の部分102bに少なくとも部分的に収容される。
【0056】
図7及び
図8に見られるように、分配部材12は、各ストリップ13の少なくとも第1の端部131を覆うように成形された接触面122を有する突出部121を備え、接触面122は、カートリッジ10のキャビティ102の底部103に面し、傾斜した中間部分102cに覆いかぶさっている。
【0057】
さらに、分配部材12は、突出部121に対して拡幅された第2の部分123を備える。より詳細には、突出部121は、第2の部分123に対して(第2の部分の形状に応じて)半径方向又は横方向に延在する。
【0058】
さらに、分配部材は、
図9に示すように、長手方向軸に沿って略三角形の前後断面を有する。この形状により、分配部材12の前方、すなわち突出部121側への傾斜を促進することができる。具体的には、
図8及び
図9に見られるように、分配部材12の第2の部分123は、ベアリング面125と、それに続く肩部と、それに続く、ベアリング面125に実質的に平行な平面とを有する。傾斜部分124は、平面と分配部材12の突出部121とを接続している。
【0059】
本発明の目的は、特に、同じ容器に一緒に保管されたストリップの個々の把持を容易にすることである。この目的のために、分配部材12は、
図10に示す静止位置であって、傾斜した中間部分102cから突出部121が離れて延在する、静止位置と、
図11、
図12、
図13に示す作動位置であって、傾斜した中間部分102cに突出部121が集中し、それにより、各ストリップ13の第1の端部131が、傾斜した中間部分102cに少なくとも押し付けられ、好ましくは突出部121と傾斜した中間部分102cとの間に挟持される、作動位置と
の間の回転に関して可動であるように構成される。
【0060】
図10に見られるように、ストリップ13は、分配部材12の突出部121によって第1の端部131上で覆われている。分配部材12の傾斜/回転中、作動位置において、突出部121は、カートリッジの傾斜した中間部分102cに対してストリップの端部131を圧迫し、それによって
図12に示すようにストリップの傾斜を引き起こす。分配部材に加えられた圧力が手動で解放されると、保持タブ105はもはやストリップ13の第2の端部132を保持することができず、したがって前記ストリップ13の個々の手動把持を可能にする。
【0061】
さらに、分配部材に及ぼされる圧力が標準的な手動圧力よりも弱い場合、保持タブ105はストリップ13の第2の端部132を保持し、
図13に示すようにストリップ13を湾曲させ、これにより、例えばストリップ13の中心を吸引することによって、自動型の器具200による把持が可能になる。さらに、この湾曲により、把持されたストリップと、接着結合され得る真下に位置するストリップとの間に摩擦運動が生じ、それらを分離することが可能になる。
【0062】
どちらの場合も、ストリップの完全な傾斜又は湾曲は、ストリップを互いに取り外すことを可能にし、使用される機器に関係なく、一度に単一のストリップを把持することを可能にする。これはさらに、下方に位置するストリップがカートリッジ内の所定の位置に確実に留まり、転がらないことを可能にする。
【0063】
図12では、手動器具又はオペレータの手を使用することができ、
図13では、自動器具(吸引カップ又は任意の他の把持システム)を使用することができる。
【0064】
当然のことながら、本発明は、添付の図面に記載及び表された実施形態に限定されない。特に様々な要素の構成に関して、又は技術的等価物の置換によって、本発明の保護範囲から逸脱することなく、変更が可能なままである。
【国際調査報告】